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純「規制とけた!」4

445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:00:33.50 ID:zfJwbUoUO [151/192]
 
律「なるほど、純ちゃんのお話か」ペラッ

律「なにっ!? 憂ちゃんマジかよ……」ペラッ

憂「あの、律さん?」

律「ん? あー」ペラッ

憂「なんでしたら、私の持ってるこれも貸しましょうか?」

憂「腹立たしいけどお姉ちゃんが律さんにぞっこんになる作品です」

律「腹立たしいんだ」

憂「でも、あのお姉ちゃんとの付き合い方を模索するなら、読んでおいた方がいいと思います」

律「む、確かに……。唯の言ってることが時々わからないからな……これを読めばいいのか」

律「って、何これ。すごいボロボロだけど……」

憂「あ、たぶんお姉ちゃんが使いすぎちゃったんだと思います」

律(何に……?)


446 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:05:16.35 ID:zfJwbUoUO [152/192]
 
憂「あ、さいだって言っておきますけど、律さんにおちんぽ生えるんで気を付けてくださいね」

律「ブフゥッ!?」

憂「大丈夫です、サイズは普通ですから」

律「そ、そうか……良かった。何もよかあないけど……」

 ガラッ

梓「律、何してるの? 早くおいでよ」

律「おう……じゃあ憂ちゃん、これとこれ借りてくよ」

憂「私もまだしてなくて、疼いてしょうがないんで明日には返して下さいね?」

律「……努力する」

 バタン

憂「さてと、私も帰らないと」


448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:10:25.30 ID:zfJwbUoUO [153/192]
 
 平沢家

唯「ああ、おかえり憂」

憂「」ポワー

唯「あれ、ギターはどうしたの?」

憂「こ、こんなに背高かったんだ……かっこよすぎり」

唯「?」

 かくかくしかじか。

唯「へぇー、私が物語の中の存在?」

憂「はい……この世界にいる平沢憂はギターはやってませんし、母親を殺したりしていません」

憂(単純に邪魔するものの一切ない唯憂イチャラブが読みたかったのに、どうしてあんなことになってたんだろ)

唯「それじゃあ、この家にひしめいてる子供の頃の私みたいなのも同じような存在なの?」

憂「はい……いちおう、全員唯さんより年上ですが……私も同い年ですし」

唯「えっ」


449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:15:11.76 ID:zfJwbUoUO [154/192]
 
憂「まあ、その……きびしいご環境で育たれたわけですから、うんと大人びているんであって」

唯「いやあ……環境次第でこんなにも変わるのね」

唯「アイスー」ゴロゴロ

唯「勉強ー」カリカリ

唯「あかんぼー」キャッキャッ

唯「あのゴロゴロしてる私がオリジナル?」

憂「そうですね。もともと居たお姉ちゃんです。オリジナルっていうんですか?」

唯「そんなのは知らないけど……」

憂「でも、どうして分かったんですか?」

唯「うーん。あの子がいちばん、子供の頃の私に近い気がしたから、かな」

憂「確かに。いちばん自由ですからね」


450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:20:24.35 ID:zfJwbUoUO [155/192]
 
唯「あの勉強してる子、かわいいわね」

憂「いちばん年上ですよ」

唯「えっ」

憂(メガネ好きなのかな?)

憂「よしっ……」スック

 ヒョイ

唯「あっ、ういー何するのー」

憂「ごめんね、ちょっと貸して」スチャ

憂「唯さん、どうかな?」クルリン

唯「xは24、yは14、zは3分の25ね」

唯「すっ、すごい! たった10秒で……」

唯「ん? 憂、どうしたの?」

憂「……なんでもないです」コトリ

唯「むー」ゴロゴロ


451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:25:14.42 ID:zfJwbUoUO [156/192]
 
 憂の部屋

憂(もー何してるんだろ私……)

憂(こんなことで舞い上がって! 梓ちゃんじゃないんだから!)パシン

憂(お姉ちゃんという人がありながら、唯さんを誘惑するだなんて!)

憂「よしっ、ご飯作るぞ!」

唯「憂、ご飯作ったよ」ガチャ

憂「……い、いただきます」

唯「どうしたの? なんか落ち込んでるわね」

憂「なんでもないんです、なんでも」

唯「……」パタン

唯「なんでもないわけ、ないわね?」

憂(だめだこの人。出来すぎる)


452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:32:30.78 ID:zfJwbUoUO [157/192]
 
憂「えーっと……」

憂「その、些細なことなんですけど。この家のことは、私の仕事なんで……任せてもらえないでしょうか」

唯「……」フー

憂「唯さん?」

唯「ごめんなさい。余計な事をしたみたい……」

憂「いえ、いいんですよ! 私がぼーっとしてたからいけないんです!」アタフタ

唯「……やっぱり、あなたはあの憂とは違うのね」

憂「う……それは、そうなんですが……」

憂(……そんな風に言われると、ちょっと苦しい……)

唯「明日からは、家事は任せるわ。……とにかく、もう降りないとお姉ちゃんたちにみんな食べられちゃうわよ?」

憂「あ、はい……」

憂(……そしたらやっぱり、あの人たちも、私のお姉ちゃんじゃないってことになるのかなぁ)


453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:35:18.74 ID:zfJwbUoUO [158/192]
 
唯「はい、唯ちゃんあーん」

唯「あーん」

唯「……どうしてあの子たちの精神は崩壊しないんだろう」

憂「まあ、お姉ちゃんですから」

唯「なんかその一言だけで納得できるようになってきた」

憂「唯さんもお姉ちゃんになってきたってことですよ」

唯「ぞっとしない」

憂「私はお姉ちゃんみたいにかわいくなりたいですけど!」プンプン

唯「あら、そんなにかわいいのに? 方向音痴な努力家ね」

憂「私はいいです。でもお姉ちゃんを貶したら刺しますよ」

唯「刺っ……」


454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:40:09.31 ID:zfJwbUoUO [159/192]
 
憂「?」
 
唯「ごめんなさい言いすぎました」プルプル

憂「ふふ、やっぱりお姉ちゃんに似てますね?」

唯「はい……そっくりです」プルプル

憂(面白っ)

唯「ニートのお姉ちゃんかわい~!」ダキッ

唯「ニートっていうなー!」ムキーッ

唯「……いや、やっぱりそんなことはないわ」

憂(くっ、自動修復された……)


455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 15:45:15.37 ID:zfJwbUoUO [160/192]
 
 サアアア……

唯「打たせ湯きもちいー」ホワァ

 カララ

唯「あ、失礼するよー」

唯「え? ああ、うん……」

唯「唯ちゃんスタイルいいねぇー」ザブ

唯「え、私? そんなことないと思うけど」

唯「背が高いからカッコよく見えるよ。私もそんな風になりたかったなー」

唯「こんな体に生まれたかった?」

唯「うん。もっとカッコいいお姉ちゃんになれたら、憂だって……」

 グイッ

唯「っ!!」シャアアッ

唯「わぶぶぶ、なにするの唯ちゃん!」


460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 18:01:01.92 ID:zfJwbUoUO [161/192]
 
 キュッ

唯「……いいこと教えてあげるよ」ザブ

唯「唯ちゃん……?」

唯「指貸して。ほら」ギュ

唯「わ、なに……」

唯「……」グイッ

唯「ちょ、ちょちょっ……そ、そんなところ……」カアッ

唯「ゆゆ、唯ちゃん、私の指が、はいって……!?」

唯「……わかる?」

唯「なに、このトゲトゲした感じ……」

唯「わたし、子供のころ……剃刀でここを切っちゃって、手術してるんだ」

唯「どう、この体? こんな体になりたい?」

唯「どうっていわれても……」


472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:05:12.59 ID:zfJwbUoUO [164/192]
 
唯「私もおんなじだから、別にいやじゃないよ」

唯「それよりもその背丈が欲しい!」ムフン

唯「……お、おなじ……?」

唯「そうだよ。さ、さわってみます……?」モジモジ

唯「うん……ちょっと、確かめさせて」

 サワッ

唯「ちょっ、触り方えっちぃ……」

唯「ごめんなさい……」ツプ

唯「……あっ」チク

唯「……へへ。一緒でしょ?」

唯「そうだね……」スッ

唯「ごめん、同じなのに、あんなふうに言って」シュン

唯「ううん。つらいのはしょうがないよ」


474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:10:21.01 ID:zfJwbUoUO [165/192]
 
唯「……あなたは、なんで」

唯「ん?」

唯「あなたはなんで平気なの? ……私たち女の子なのに、こんな風になってて」

唯「うーん……」ムー

唯「わからん……」プシュウ

唯「わからない?」

唯「考えたことないんだ。自分の体のいやなところなんて、挙げたらきりないじゃん」

唯「背だってもっと高くなりたいし、美人になりたいし」

唯「おっぱいだってもっと大きいほうがいいし、髪だって澪ちゃんみたいなつやつやがいい」

唯「目だって鼻だって唇だって、手だって脚だって。もっときれいなのがいい」

唯「けどさー。それってどうしようもないことだもん。そんな手に負えないことで悩んじゃうくらいだったら、今の私がいい」

唯「唯ちゃんは、自分じゃいや?」


475 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:15:44.11 ID:zfJwbUoUO [166/192]
 
唯「私、か……」

唯「そ、自分自身」チャプ

唯「……どうだろう。そういうふうにすっぱり諦められたらいいんだけど」

唯「私の、この体は嫌……」

唯「そっか。そうだよね」

唯「……唯みたいになれたらいいのに」

唯「ぶー。ちっちゃくてかわいいーとか言っちゃうタチですか!」バシャ

唯「ふふ。そういうとこ、見習いたいな」


476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:20:20.20 ID:zfJwbUoUO [167/192]
 
 憂の部屋

 ピリリリリッ

憂「あれっ、梓ちゃんからだ」ピッ

憂「もしもし?」

梓『ああ、憂? 遅くに悪いね』

憂(まだ続けてる……)

憂「どうしたの?」

梓『昨日、家に来てほしいって言ってたから』

梓『まあ、ちょっと忘れてたけど……今から行っていいかな』

梓『遅い時間だけど、どうせ明日は休みだしさ』

憂「ほんと? ありがとう、じゃあ待ってるね」

梓『うん、すぐ行く』プツッ

憂「さてと、それじゃあその前に……ご飯の時間だね」スック


477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:25:21.97 ID:zfJwbUoUO [168/192]
 
 唯の部屋

 ガチャ

唯「おお、憂」

唯「ほら、集中……」

唯「はいっ」カリカリ

憂「唯さんに勉強教えてもらってるんだ?」

唯「うん。すっごくはかどるよ」

憂「……そうなんだ」

唯「ふふ」

憂「……」ムッ


478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:30:09.85 ID:zfJwbUoUO [169/192]
 
唯「それって、そこで寝てる唯ちゃんのご飯?」

憂「そうです。……このお姉ちゃんは、目を覚まさないので」

憂「私がご飯をあげなきゃいけませんから」カチャ

唯「へぇー……」

憂(こればっかりは、私にしかできないもん)ハク

憂「……」モグモグ

憂(何はりあってるんだろ、私)モグモグ

憂(あほくさ)ンベ

唯「ん……」コクコク

唯「……なんで、口移しなの?」

憂「どうしてか、こうしないと吐きだしちゃうんです」

唯「そう」


479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:35:24.16 ID:zfJwbUoUO [170/192]
 
唯「栄養のバランスとかすごく心配なんだけど、大丈夫なの?」

憂「はっきりいって最悪ですよ」

唯「でしょうね」

憂「早くなんとかしないといけません。……そのための人物を呼んでいるんですが」

憂「正直言って、それで解決するとは……」

唯「難しい問題みたいだね」

憂「うん。……このままじゃ、お姉ちゃんが……」

 ピンポーン

憂「……とにかく、やるしかないけど」


480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:40:19.09 ID:zfJwbUoUO [171/192]
 
 ガチャ

憂「いらっしゃい、梓ちゃん」

梓「こんばんは。それで、私を家に呼んだのはなんで?」

憂「それ、もうやめてくれないかな」

梓「え? わ、わかった……」

憂「それじゃついて来て。見ればたぶん分かると思うから」

梓「うん。おじゃまします」

 トン トン トン


481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 21:45:18.40 ID:zfJwbUoUO [172/192]
 
 廊下

梓「えっと……」

梓「こ、こんばんは。初めまして」

唯「梓。武道館ライブで会ったきりね」

梓「あ、えっと、そうなんですけど」ポワポワ

唯「なんてね。事情は聞いてるわ。からかってごめんなさい」

梓「いえ、そんな」

憂「梓ちゃん? そっちじゃなくて、こっち」

梓「あっ、うん。……失礼します」ペコ

 ガチャ

唯「あれっ、あずにゃん!」

憂「ごめんお姉ちゃん、ちょっとだけ外出てて」ポイッ

唯「あーれー」

 バタン


482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:00:49.40 ID:zfJwbUoUO [173/192]
 
 唯の部屋

唯「……」

梓「わっ、まだ唯先輩がいる……」

憂「卒業恐怖症のお姉ちゃんだよ」

梓「というと、目が覚めないっていう……?」

憂「……」コクリ

梓「えっと、たしかあの話だと、唯先輩って私のこと」

憂「わかってるならすぐ行動! ハイッ!」ドン

梓「わ、わわわ!」ギシッ

憂「ごゆっくり!」ビュン

 スチャバタン

梓「ごゆっくり……ったって」

唯「……」スースー

梓「……」ゴクッ


483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:05:17.44 ID:zfJwbUoUO [174/192]
 
唯「……」スースー

梓(ち、近い……)

梓「いやいや……」

梓「そんな、眠ってる唯先輩に対して、そんな……」

唯「……」フゥ

梓「っ」ゾクン

梓「……いや別に、やましいことをするわけでは……」

唯「……?」グッ

 チュ

梓「……!?」

唯「……んー」チュパチュパ

梓(な、なにこれっ!? どうなってるのっ!?)

梓(ねっ、寝てるんじゃ……本能で動いてるとかってわけ!?)


484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:10:19.33 ID:zfJwbUoUO [175/192]
 
唯「はふ」グイッ

梓「にゃーっ!」グググ

唯「……」ムチュー

梓「うっ、むううう……」

梓(ま、まるで純の最初のお話のような……っく!)グググッ

唯「んふー?」ペロペロ

梓(力が……やたら強い……!)

梓(私の力が入らないんじゃないから! 決してそんなんじゃないから!)

梓「あ……ふ……」クタッ

唯「ん♪」ピチャピチャ

梓(く、くちのなかをなめては……)

唯「はむ、はふ」カポカポ

梓「は、あ……」ゾクゾクンッ

梓(お、おやめになってぇ……)


485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:15:15.77 ID:zfJwbUoUO [176/192]
 
 廊下

 『ピチャピチャ……』

憂(なんで梓ちゃんのこと好きなお姉ちゃんはみんなキス魔なんだろう)ハァハァ

憂(純ちゃんは梓ちゃんをペロペロしたいのかな?)

憂(でもそれだったら、素直に純ちゃんと梓ちゃんがペロペロしあうお話を書きそうなもんだけど)

憂(単純に考えて……いいかげん素直になったら? みたいなことかなぁ)

 『ゆいせんぱぁい……』

憂(……でも、そうだとしても回りくどい……どうにもそういう意図を持って書かれていたようには……)

憂(……もし。もし、純ちゃんがこうなることを予期していたら?)

 『だいすきれふぅ』

憂(物語の中のお姉ちゃんたちが出てくることを、その上で私たちのとる行動を、完全に予想していたら?)

憂「いや、ありえないよね。純ちゃんだもん」ハン


487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:20:10.33 ID:zfJwbUoUO [177/192]
 
 夜、憂の部屋

 コンコン

憂「なに、お姉ちゃん?」

 ガチャ

唯「へへー、一緒に寝よう、憂」ヒョコ

憂「お姉ちゃん、今日もエッチなことするの……」クルッ

唯「へ? 今日も……えっち?」パチクリ

憂「る、るの……わーる」

唯「なーんだ、今日もエッチなルノワールか!」ホッ

憂「そうそう、ルノワールの裸婦画」

唯「ごまかしきれるとは思ってないよねー、憂?」バタン

憂「まっさかー」ニッコリ


488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:25:10.95 ID:zfJwbUoUO [178/192]
 
――――

唯「そっかぁ……ことだまの唯ちゃんと」

憂「うん……」

唯「……」

憂「……お姉ちゃん?」

唯「その……なんで?」

憂「……あのお姉ちゃんは、物語の中の憂ちゃんとのことで、トラウマがあるみたいだったから」

憂「私が代わりに、解消してあげようと思った」

唯「……」

憂「っていうのは、建前。嘘ではないんだけどね」

憂「……本当は、お姉ちゃんの姿をした人とエッチがしたかっただけ」

憂「はは……最低だよ、私。あのお姉ちゃんは私のこと本当に好きなのに、私はその気持ちを利用したんだ」


489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:30:54.85 ID:zfJwbUoUO [179/192]
 
唯「ねえ、憂」ギシッ

憂「……ん」ビク

唯「自分がなに言ってるか、わかってるの?」

憂「ごめんなさい……」シュン

唯「……わかってないんだね」

憂「そんな……許されることじゃないってのはわかってるけど、でも!」

唯「わかってないよ、憂はぜんぜん分かってない」ハァ

憂「お、お姉ちゃん? なんか、近いよ」ドキドキ

唯「憂……私、くやしい」

憂「……?」


492 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:35:33.90 ID:zfJwbUoUO [180/192]
 
唯「……くやしいよ」

憂「お姉ちゃん……わかんないよ」

唯「……」スッ

唯「私、憂のお姉ちゃんなんだよね……?」

憂「えっ……?」

唯「私だけが、憂のお姉ちゃんだよね……?」

憂(そんなこと、言われても)

憂「……」オドオド

憂(他のお姉ちゃんたちを、無碍にするわけには)

唯「……そっか」

憂「で、でも。お姉ちゃんが一番のお姉ちゃんだからね?」

唯「……」ナデナデ

憂「お姉ちゃん……」


493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:40:29.91 ID:zfJwbUoUO [181/192]
 
唯「憂、聞いて」

憂「……うん」

唯「お姉ちゃんね、憂のこと好き」

憂「……えへへ」カリカリ

唯「男の子が女の子を好きになるみたいに、好き」

憂「っ……」

唯「……お姉ちゃんを見て、憂」

憂「……」フルフル

憂「……できない」

憂「……みんなお姉ちゃんだから。……裏切れない」


494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 22:45:22.41 ID:zfJwbUoUO [182/192]
 
唯「……一緒に過ごしたのは、1日だけだよ?」

憂「それでも、できない……」

憂「お姉ちゃんの姿かたちをしてるってだけで……お姉ちゃんに似てるってだけで、愛おしいの」

憂「だからっ……」

唯「……ごめん、お姉ちゃんひどいこと言ったね」ナデナデ

憂「……答えられないよ……」グス

唯「……しまっていていい。言わないで、心の中にしまっておいていいから」

唯「その気持ちのままで、いてくれればいいから」

憂「お姉ちゃん……私、悪い子だ……」

唯「……」ギュッ


499 名前:>>495 うん[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:00:12.22 ID:zfJwbUoUO [183/192]
 
 遡り、その日の軽音部

唯「ねぇねぇ、りっちゃん」ポンポン

律「ん?」
クルッ

 チュ

律「」ブフッ

澪「おい、律っ!」

紬「今日って日は本当に最高ねえ」ブブピュッ

唯「へへ、ひっかかった」

律「へへ、じゃねーよ!」

律「なんでいきなりチューとかするかねこの子はあああっ!!」グリグリ

唯「あだだだだだ」ビクビク


500 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:05:10.15 ID:zfJwbUoUO [184/192]
 
澪「なあ律、梓の用事ってまだ終わらないのか?」

律「ん? そういえば遅いな……ちょっと様子見に行ってくるわ」

唯「りっちゃん、一緒に行こう?」ダキッ

律「あ、ああ」

澪「だめだ、唯」

唯「なんでですかー」ブーブー

澪「今日の唯は律に抱きついてばっかりでちっとも練習しないからな」

澪「恐怖の10分間トレーニングを課してやる」

唯「ギョエーッ!!」

律「ははっ、唯がんばれ!」ダッ

唯「たぁーすけぇーてぇー」

澪「さあ観念してもらおうか……」


501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:10:22.96 ID:zfJwbUoUO [185/192]
 
 カチッカチッカチッカチッ

唯「……」シャンシャンシャンシャン

 カチッカチッカチッカチッ

唯「……きつい」シャンシャンシャンシャン

澪「あと3分だ」

 カチッカチッカチッカチッ

唯「……もうだめ、私死ぬ」シャンシャンシャンシャン

澪「終わるまで死ぬな」

 カチッカチッカチッカチッ

唯「……」シャンシャン……

澪「おい、まだ残ってるぞ」


503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:15:37.25 ID:zfJwbUoUO [186/192]

 カチッカチッカチッカチッ

唯「何が残ってるの?」

澪「トレーニングに決まってるだろ」

唯「違うよね。いやがらせだよね」

 カチッカチッカチン

紬「唯ちゃん……?」

唯「わかってるよ。言ってたもんね、澪ちゃんはりっちゃんが好きなんだもんね」

澪「なっ……い、そんなこと言ってないだろ!」カアッ

唯「言ったよ。はっきりとね」

唯「それでも、気持ちをおさえてくれるならいいよ。私だって罪悪感に苦しんでいられた」

唯「でもそうやって嫉妬されたら。いやがらせされたら。引き離されたら。私、澪ちゃんとは友達でいらんないよ」

澪「っ……」

紬「ちょ、ちょっと……」


504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:20:23.53 ID:zfJwbUoUO [187/192]
 
 ガチャ

律「おーっす

澪「そんなこと言ったって、私だって律が好きなんだよ!」

澪「律から聞いた……唯は、お前は! ただの虚構だろ! 人の作ったキャラクターだ!」

澪「私の知らないうちに、虚構の世界で結ばれたから、律はお前のもの……? ふざけるないでくれっ!!」

澪「こんな偽物の唯に、律を取られてたまるか!! 律はお前の記憶に付き合ってやるためにいるんじゃないっ!!」バン!

澪「嫌いになるなら嫌いになれよ!! そんなことなんでもないくらい、私は律のことが大好きなんだよっ!!」

唯「りっちゃん、おかえり!」

澪「えっ」クルッ

紬「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ」バシュンッ

律「えーっと……なんだ? とりあえず、今日の部活はここまでーっ!」

梓「はぁ……来て損した。帰ろ」スタスタ


505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:25:18.99 ID:zfJwbUoUO [188/192]
 
律「あーっと、梓のことは気にするな。帰るぜやろうども!」

唯「ごめんりっちゃん、わたし、いかなきゃならないとこあるから」

律「そっか? じゃあ澪、ムギ、帰ろうぜ?」

紬「あっ……ごめんなさい、私病院に輸血してもらいにいかないと」ブシブシュー

律「そうだな。頸動脈破裂してるもんな……」

律「……えっと。じゃあ澪、帰るぞ!」

澪「……ああ。行こう」


506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:30:16.18 ID:zfJwbUoUO [189/192]
 
 帰り道

澪「……」スタスタ

律「澪、歩くの早いって」ギュ

澪「て、手を握るなよ……」

律「だって澪が行っちゃうんですもん」

澪「……聞いてたんだろ、さっきの」

律「……うん」

澪「だったら、私の手を握ったりするな。私が勘違いしたら困るだろ?」

律「困る? ホワッツ?」ニヤ

澪「……ああーもう、律が私のこと好きかもって思っちゃうだろ! 離せバカ律!」ブンッ

律「うわっとと」

澪「……律、頼む……私本気だから、からかうのだけはやめてくれ」

律「か、からかってなんかない!」


507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:35:15.82 ID:zfJwbUoUO [190/192]
 
律「澪がそんな勘違いしたって、私は全然困らないぞ! むしろ超ウェルカムだって!」

澪「……り、律?」

律「なんだよ、わかんないのか!?」

澪「い、いや、でも」アワワ

澪「……いいの?」

律「えー。澪ちゅわんは私が唯とくっついてもいいんでぃすかー?」ムスー

澪「ぜったい嫌だ!」

律「じゃあ、手握っていいな?」

澪「……うん」

律「……なあ、澪」

澪「な、なに? 律」

律「……今日、泊ってく?」

――――


508 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:41:00.76 ID:zfJwbUoUO [191/192]
 
 翌朝、唯の部屋

憂「はいはい、起きて起きて!」パンパン

憂「お休みでも朝はちゃんと起きないと!」

唯「あうー」

唯「むー」

梓「にゃあー」

唯「あと5分ー」

 ドドドド……

憂「……なんか混ざってたような。あれ?」

 スッカラカーン

憂「ベッドに誰もいない……?」

憂「……起きた?」


510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 23:45:16.96 ID:zfJwbUoUO [192/192]
 
 居間

唯「夢だったのかなぁ……」モグモグ

憂(それ以前に今お姉ちゃんの前には夢のような光景が広がってると思うんだけど)

唯「ういー、今って2009年の春なんだよね?」

憂「うん、そうだけど……」

唯「……でも、私もう学校を卒業したような気でいるんだ」

憂(どう説明したらいいのかなー)

梓「どうでもいいじゃないですか、そんなことは」モグモグ

憂「私はどうでもよくないよ? なんで普通に居座ってるの?」

梓「いや、昨日ちょっと盛りあがっちゃって」

唯「だよねー。どうでもいいよね、あずにゃん」

憂「……ん、あれ?」


512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 00:00:11.70 ID:XDp37DkGO [1/45]
 
唯「オムレツおいしー」パクパク

唯「すごい怖い夢みてたんだよー」

唯「へえ、どんな?」

唯「はぁ……」

唯「図書館閉館日かー」グデー

憂(ことだま、GP、唯さん、お姉ちゃん、ニート……)

憂(あれっ?)

憂「ふたなりのお姉ちゃんは……?」

唯「ああっ、そういえば帰って来てない!」

憂「……ま、まさか……」


513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 00:05:06.61 ID:XDp37DkGO [2/45]
 
 ピピピッ ピッ

憂(律さん、律さん!?)

 プルルルルッ プルルルルッ

 プチ

憂「律さん!」

律『あー、おはよう憂ちゃん……どした?』

憂「どした、じゃないですよ! お姉ちゃんお持ち帰りしないでください!」

律『はあっ? ちょっと待ってくれよ……』

律『いくら私でも会ったその日にお泊りとかしねーっつーの。……あ、いや、したけど……それに、私はもう身の振り方を決めたんだっ』

律『私はあの子には優しくしてやれない。それ以上に大事なものがあるんだ』

憂「そんな……」

律『悪いな……私はやっぱ、今まで過ごしてきた……これからも過ごしていくこの現実を大事にしたいんだ』

律『あのお話、読んだよ。唯がどれだけ私のこと好きかって、よく伝わった。……けど、それはやっぱり物語に過ぎないんだ』


514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 00:10:09.34 ID:XDp37DkGO [3/45]
 
律『……で、唯はそっちに帰ってないのか?』

憂「そうなんです。朝になってから気付いて……」

律『……あのな』

憂「何かご存じなんですか?」

律『唯がたくさん出てきて大変なのはわかってる。冷酷な私が言えるようなことじゃないかもしれない』

律『……けど、帰って来てないのに朝まで気付かないってのは、ちょっとひどいんじゃないのか?』

律『私のことを好きな唯だけじゃない。そこにいる唯全員に対して、ひどい扱いだと思うぞ』

憂「あ……」

律『それが言いたかっただけだ……唯の行方、出来る限り私の方でも探してみる』

律『部活が終わった後、「行かなきゃならないとこがある」って言ってた。知ってることはそれだけだよ……』プツッ

 ツー ツー ツー

憂「あ……ああ……」カタカタ


515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 00:15:07.16 ID:XDp37DkGO [4/45]
 
梓「あれ? どうしたの、憂」

憂「わ、わたし……お姉ちゃんにひどいことしちゃった……」ガバッ

憂「どうしよおおぉ!」グリグリ

梓「ちょっ、落ち着いて……落ち着けっ!」ブォン

憂「きゃんっ」ドタン

梓「唯先輩にひどいことしたって、どういうこと?」

憂「そ、それが……お姉ちゃんが一人、昨日から帰ってないの……それなのに私、気付いてなくて!」

梓「えぇっ!? そ、そんなの!」

憂「どうしよう、梓ちゃん!」

梓「どうしようもこうしようも、とにかく探しに行かないと!」

憂「わかった……純ちゃんにも協力してもらおう!」


516 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 00:20:29.68 ID:XDp37DkGO [5/45]
 
 ピピピッ ピッ

 ピリリリリッ

憂「わあっ!? ……じゅ、純ちゃんからだ」

梓「向こうからかかって来た……?」

憂「……」ピッ

純『ずいぶんと気付くのが遅かったね、憂』

憂「……純ちゃん?」

純『イエス、純です。おはよう憂、梓』

憂「……なんで梓ちゃんがいることを?」

純『教えてあげてもいいけどなー。携帯でするにはちょっと長すぎる話だからなー』


517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 00:25:14.81 ID:XDp37DkGO [6/45]
 
憂「……わかった。それじゃあ、今から純ちゃんの家に行く」

純『あ、それなら増えた唯先輩たちも連れて来て。今、失踪した唯先輩も私のところにいるし』

憂「……うん。全員連れて、すぐ行くよ」

純『待ってるよー』

 プツッ

憂「……」ツーツーツー

憂(……どういうこと? 純ちゃんは一体……)

梓「憂、純はなんだって……?」

憂(いや、今はそんなことより)

憂「……純ちゃんは、家に来てほしいって言ってる」

憂「行ってみよう、梓ちゃん。きっと大事な話があるんだと思う」

梓「……」コクッ


518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 00:30:14.66 ID:XDp37DkGO [7/45]
 
――――

憂(思えばそもそもの始まりは純ちゃんだった)

憂(純ちゃんがどっさりと物語を持ってきて、私たちに半強制的に読ませた)

憂(何のために? そりゃあ書いたお話を読んでもらって、感想が欲しいというのは当然だけど)

憂(……でも、私たちが作品の感想を語り合っている時)

 『なに真面目に語らっちゃってんの?』

憂(純ちゃんはそんな投げ文をよこした)

憂(照れたのかもしれないけど……純ちゃんの目的はそこにはなかったのかもしれない)

憂(だとしたら、一体なんの目的であの作品を書き、私たちに読ませて)

憂(……お姉ちゃんたちを創ったんだろう)

唯唯唯唯「用意、整いました!」ビッ

唯「……行こうか。純のところ」

憂「……はい。出発しましょう」


520 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 00:35:37.53 ID:XDp37DkGO [8/45]
 
憂「私は、さ」

憂「もしかしたら、純ちゃんの物語に引っ張られているのかもしれない」

梓「え……?」

憂「……状況は変だよ。でも今までの私だったら、こんな風に真剣に考えなかったかもしれない」

憂「もう、純ちゃんたら、なんて言って、おちゃらけながら家を訪ねていくんだと思う」

憂「……最初のお話で純ちゃんが書いたとおり、私には危機管理能力がないんだ」

梓「えっと……?」

憂「私はただ、かっこつけてるだけかもしれない。ってこと」

憂「昨日の梓ちゃんみたく、ね」

梓「……だけじゃないよ。かっこつけてるだけじゃない」

梓「憂は、ちゃんと動いてるんだから」

憂「……」


522 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 00:41:00.76 ID:XDp37DkGO [9/45]
 
梓「私は、態度だけかっこつけてもあそこまでギターを上手く弾けないけど」

梓「憂は唯先輩のために、本当に自分を投げだせるから」

憂「……そう、なのかな」

憂「でも私、たくさんのお姉ちゃん相手に頑張ってる自分がちょっと好きだったよ」

憂「……それでそんなこと言って、お姉ちゃんがいないことにも気付けなかった」

梓「……いいじゃん。完璧な人なんていないよ」

梓「あの完璧に見える唯先輩だって……似たようなものだった」

憂「……」

梓「取り戻せばいいんだよ。唯先輩は、そんな一回の失敗くらいで憂を嫌いになるの?」

梓「憂はそんなに唯先輩に嫌われてる?」

憂「そんなこと……」

梓「だったら、かっこつけでもいいじゃん」

憂「……梓ちゃん、ありがとね」


525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 00:45:24.72 ID:XDp37DkGO [10/45]
 
 純の家、玄関先

唯「ねぇ、でもなんで私たちが純ちゃんの家に?」

憂「わかんない……けど、純ちゃんがお姉ちゃんたちに用があるのは間違いないよ」

 ピンポーン

純「ガチャ」

梓「おはよう、純」

唯唯唯唯「おはよー」

純「おお、勢ぞろいだ。さ、上がってください」

唯唯唯「おじゃましまーす」ゾロゾロ

純「憂と梓も上がって」

憂「おじゃまします……」


528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:00:16.14 ID:XDp37DkGO [11/45]
 
 バタン

純「さてと、まあまずは見てもらった方が早いかな」ググ

純「ついてきて……っと!」ギィ……ガタン

唯「わっ! 階段が出てきた……」

梓「地下室……?」

唯「冷たい風が吹いてきてるね……」

純「ちょっと寒いから、気をつけてね」スタスタ

憂「行っちゃった……」

唯「憂、ついてってみよう」

憂「う、うん」

 ゾロゾロ……


529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:05:22.85 ID:XDp37DkGO [12/45]
 
純「あ、梓そこ閉めて」

梓「よいしょ……」グッ

純「手挟まないようにね」

梓「うん……」 

 ギィ ドスン

純「暗いので、ゆっくりついて来て下さい」

唯「はわわ……まっくらだよ」

憂「お姉ちゃん、私が先行こうか?」

唯「……ううん、がんばる!」

 トン トン……

純「……ここです。開けますよ」ギィッ

 コオオオォ……

唯「まぶしっ……あ。なにこれ……?」


531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:10:11.80 ID:XDp37DkGO [13/45]
 
唯「……え」

唯「わぁー……」

唯「……なんなの、これは」ギリッ

憂「どうしたの、お姉ちゃんたち……っ!」

梓「……ひっ」

唯「わ……わたしが、いっぱい並んでる……」

唯「私だけじゃない……憂もいる、あずにゃんも……」

唯「澪ちゃん、りっちゃん!」ペシペシ

憂「純ちゃん、なんなのこれ!?」

純「見て分からない?」

純「ゴーレムだよ」


534 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:15:20.32 ID:XDp37DkGO [14/45]
 
唯「みてみて、憂! このあずにゃん、すごくおっぱい大きいよ!」モミモミ

唯「やめなさいっ」グイッ

唯「あうー」ズルズル

純「……えっと」

憂「ご、ごーれむって……岩とか木で出来てるんじゃないの?」

純「イメージはそういう物だけど、実際にはもっと広い意味らしいよ」

純「人形、と単純にとらえておけばいいと思う」

憂「人形……これが」サワッ

憂「本物みたい……」

純「私も一体目が送られてきた時はびっくりしたなー。死体かと思ったよ」

憂「……」


536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:20:16.15 ID:XDp37DkGO [15/45]
 
純「……憂、わかってる?」

憂「……ううん。理解を超えてる」

憂「本物と見違えるくらいの精巧な人形……なんで純ちゃんの家に、こんなにたくさんあるの?」

純「そりゃあ言っちゃだめって言われてるんだ。悪いね」

憂「……そうなんだ。こんなことができる人というと、予想はつくけどね」

純「はは……ま、とにかくさ。ちょっと実際に見てもらおうか」

純「さてと……」サワッ

唯「……」

純「『けいおん!』」

唯「……!」ピクッ


537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:25:16.27 ID:XDp37DkGO [16/45]
 
憂「……あ」

唯「あ、おはよう憂ー」ムクッ

憂「えっ。えっと……お、おはよう?」

唯「憂どしたのー? なんかよそよそしい……」ムッ

純「おしまい」ポン

唯「よ……」バタッ

憂「お姉ちゃん!?」

純「……と、いうわけ」

憂「わ、わかんないよ……」

純「うっそだー。分かってるでしょうに」


538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:30:45.09 ID:XDp37DkGO [17/45]
 
純「じゃあ、もっと分かりやすいの見せてあげる。こっち来て、憂」スタスタ

憂「……」スタスタ

純「ほら、この唯先輩。見覚えあるんじゃない?」

憂「このTシャツ……ふたなりのお姉ちゃん?」

純「変な呼び名つけたね……そう、失踪してた唯先輩」

純「って、私がここに呼び戻したんだけどね」ニカ

憂「……ま、まさか……」

純「ぜーんぶお人形さんだよ。おととい憂がしちゃった唯先輩も、ね?」

憂「うぐっ……だ、だから何でそれを」

純「簡単なことだよ。人形の耳に盗聴器を仕込んであるだけ」

純「両目はカメラになってて、人形の見たもの聞いたもの、全部こっちに筒抜けなんだ」

純「遠隔操作も可能だから、色んなことさせられるしね」


539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:35:15.62 ID:XDp37DkGO [18/45]
 
純「憂のイキ顔、かわいかったよ」

憂「な……や、やめてよ純ちゃん! それ犯罪だからね?」カアッ

純「まぁ、バレた以上はもうできないっしょ。気にしない気にしない!」ポンポン

憂「……はぁ」

唯「へぇー、りっちゃんカチューシャしてないと綺麗だなぁ……」

唯「あずにゃんにカチューシャつけてみました!」

梓「あうう……」

唯「デコツインテールか……ないわね」

憂「そっか、あのお姉ちゃんたち、みんな人形だったんだ」

純「まあ、ゴーレムだね」


540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:45:37.02 ID:XDp37DkGO [19/45]
 
憂「こんな回りくどいことして……何が目的だったの?」

純「うーん……ひとくちに言えば、見ててもどかしかったから」

憂「もどかしい……?」

純「そう。唯先輩と梓と、あとついでに、澪先輩も」

憂「お姉ちゃんと梓ちゃんと、澪さん?」

純「中でも特に、梓だよね」

純「自分の気持ちに正直になれない。もしかしたら、気付いてすらいない」

憂「……もしかして、お姉ちゃんへのこと?」

純「あったり。どうにかして梓を素直にしてやりたかったんだよね」

純「1作目で唯先輩と梓をくっつけた後、3作目で引き離した」

純「そして、それぞれの物語の唯先輩の人格を、ゴーレムに記憶させた」

純「卒業恐怖症の唯先輩はちょこっと設定をいじくったけどね。口移し、ドキドキした?」

憂「……」



541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 01:50:24.33 ID:XDp37DkGO [20/45]
 
純「すべての作品でゴーレムを作ったのは、その方が真実を隠していられるし、怪しまれないと思ったから」

純「卒業恐怖症の唯先輩だけ出てきたら、『なぜこの唯先輩だけ?』という話になる」

純「考えて行くうちに私に行きつく可能性もあったし、余計なことを考えてもらっちゃ面倒だから」

憂「……そして、思惑通り梓ちゃんが素直になったから、こうして真実を告げた、ってこと?」

純「あと、澪先輩と、唯先輩もだよ」

純「昨日、お姉ちゃんからなんか言われなかったかしらん?」

憂「……えへへ、まあね」

純「唯先輩、けっこう嫉妬してたでしょ」

純「嫉妬って、自分のものにしたいっていう欲求だからね。それが強まるほど」

純「自然とああいう展開になるもんだよ」

憂「そっか……」


543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:00:08.19 ID:XDp37DkGO [21/45]
 
憂「お姉ちゃんたち、これからどうなるの?」

純「そりゃ当然、ここに戻ってもらうよ」

純「役目はもう終わったからね」

憂「……でも、こうして生を受けたのに」

純「生きてなんかないよ。ただの動く人形。成長も老化もせず、動いているだけ。忘れないで」

憂「そんな言い方っ!」

純「目の奥にはカメラ、耳の奥にはマイク」グリッ

憂「何するの! やめてっ……」

純「思考はコンピュータ……それにっ」ブチィッ

純「血だって流れてない」プラン

憂「……っ」


544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:05:33.88 ID:XDp37DkGO [22/45]
 
純「お姉ちゃんだあずにゃんだと言っても」ブラブラ

純「結局はただの人形なんだから」

憂「……ひどい」

純「そうかもね。でも、これが事実なんだから」ポイッ

純「たくさんのお姉ちゃんがいたことは、夢として忘れようね」

唯「うい? 今なんかすごい音がしたけど……」

純「終わり」ポン

唯「どう……」グラッ

唯「」ドサッ

憂「おね、ちゃ……」

純「……お別れしよう、憂」


548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:10:24.50 ID:XDp37DkGO [23/45]
 
憂「ひどいよ、純ちゃん……」ウルッ

憂「なんで、こんな幕切れなの……?」

純「……ごめん。でも、早いうちのほうがいいから」

憂「うわああああっ!! 嫌だ、いやだあっ!!」ブルブル

唯「どうしたの、憂!?」

唯「大丈夫!?」ポン

純「終わり」

唯「ういっ……」ドサッ

唯「何があったの、」ポン

純「終わり」

唯「憂……」バタッ

憂「ああ……ああ……」


550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:15:15.54 ID:XDp37DkGO [24/45]
 
憂「純ちゃん……こんな、ことして……許さないよ……」

純「……」スタスタ

唯「……呆れたものね」

純「……」ポン

唯「クライアントが誰かは知らないけど、あなたの方にも協力するメリットってものがあったはずじゃない」

唯「……大好きな友達に嫌われちゃうけど、いいの?」

純「ただでさえあれなのに、私まで首を突っ込んだら余計にややこしくなりますから……」

純「早いうちの方が、いいです」

唯「そう……」

純「……終わり」


552 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:20:13.48 ID:XDp37DkGO [25/45]
 
――――

梓「すごいなぁ……ほんとに唯先輩にしか見えない」

梓「……」サワサワ

梓「……」チュッ

唯「あずにゃん、何してるの?」グイッ

梓「めきゃんっ!!」ビクゥン

梓「ゆ、ゆ唯先輩、こ、これはそのっ!!」アタフタ

唯「帰るよ」

梓「えっ……」

唯「帰るよ、あずにゃん。すぐに」

梓「あ、はい……」


553 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:25:22.38 ID:XDp37DkGO [26/45]
 
 帰り道

憂「……」

唯「……」

梓「……えっと、あの。私はこっちですので」

憂「うん……」

梓「あのさ、憂……こう言ったらむかつくかもしれないけど」

梓「気を落とさないで。これが、もとの形なんだから」

憂「……そんなの、わかってる」

唯「……またね、あずにゃん」

梓「はい、さよなら……」

憂「……」

唯「……」


554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:30:33.94 ID:XDp37DkGO [27/45]
 
唯「……憂、こんな風に言ったら、他の唯ちゃんたちに悪いけどさ」

唯「ちゃんと、私はいるからね?」

憂「……うん、ありがとう……」

唯「……」

憂「ううっ……」ウルッ

唯「憂、泣いちゃだめ」ギュッ

憂「うう、くっ……!」ギュウゥ

唯「大変だったけど、楽しかったよね。絶対忘れないようにしよう?」

憂「うんっ、うんっ……わすれない……!」

唯「っ……」ギュッ


556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:35:20.28 ID:XDp37DkGO [28/45]
 
 平沢家

憂「ただいま……」

 シーン……

唯「おかえり、憂」

憂「……うん」

 居間

憂「あ……赤ん坊」

唯「動かないね……」

憂「……遠隔操作ができるって言ってたから。たぶん、動きを止めさせてるんだと思う」

憂「……ひどいな。ここまでするんだ、純ちゃん」

唯「……純ちゃんに返した方がいいかな?」

憂「そうだね……盗聴器だって入ってるし」


557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:40:22.94 ID:XDp37DkGO [29/45]
 
唯「私が行ってくるよ」

憂「……だめ」ギュ

唯「憂……」

憂「一緒に行きたい。一人になるのは、いや……」

唯「……わかった。それじゃ」

 ピンポーン

唯「……こんな時に、誰だろう」

純「ガチャ」

純「私です」


558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 02:45:17.94 ID:XDp37DkGO [30/45]
 
憂「……」キッ

純「うおっ! そう怖い顔なさんなってぇ」

純「忘れ物、取りに来ただけだから」

唯「……忘れ物。この子のことなの?」

純「そうですそうです、返してくれますか?」

唯「……勝手に連れてって」

純「そうですか? じゃあ遠慮なく」スッ

純「それじゃ月曜日、学校でね、憂!」

 バタン


559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 03:00:21.79 ID:XDp37DkGO [31/45]
 
憂「……なんなの? おかしいよ、こんなの」

憂「純ちゃん、あんな子じゃなかったのに……」

唯「……私には、分かんないよ」

憂「……お姉ちゃん、私……紬さんに会いたい」

唯「えっ……?」

憂「唯さんも言ってた。純ちゃんにはクライアントがいる」

憂「それも、あんなそっくりの人形を作れるほどの資金力を持っている、だよ」

唯「それがムギちゃんだっていうの?」

憂「可能性だよ、あくまで」

唯「……わかった。電話してみるよ」


561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 03:05:50.16 ID:XDp37DkGO [32/45]
 
 プルルルルッ プルルルルッ

 プルルルルッ……

唯「……出てくれないや」

憂「……っ」

唯「憂、ムギちゃんはきっと忙しいだけで」

憂「……そうだよね。紬さんがこんなことに手を貸すわけないよね」

唯「うん、うん……きっと、そうだよ」

憂「……そろそろ、おなか減ったね。お昼ご飯作るよ」フラッ

唯「よろしくね、憂……」

憂「うん……」

唯「あ……て、手伝うよ! 無理しないで憂!」

憂「いいから。お姉ちゃんはごろごろしてていいよ」


562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 03:10:24.30 ID:XDp37DkGO [33/45]
 
唯「うう……」ウズッ

憂「動いちゃダメ……」スラッ

唯「憂、なにするの……?」

憂「なにって、お料理を」
ボー

唯「ほんとに……? いつも先にまな板濡らすよね……?」

憂「……忘れてただけだよ」ジャー

唯「憂、やっぱり私手伝うよ」

憂「いいから」

唯「だめ。手伝わせてくんないと怒るよ?」

憂「……わかったよ」


563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 03:15:23.09 ID:XDp37DkGO [34/45]
 
唯「野菜切るのは、私に任せてね」

憂「大丈夫、お姉ちゃん?」

唯「私だって、毎日お料理してる憂を見てきたんだから!」ザクザク

憂「あっ、ほんとだ! すごいお姉ちゃん!」

唯「へへー」ザクザク

憂「ちゃ、ちゃんと手元見て!」

唯「ほいほいっ」ザクン

唯「あっ」ジワー

憂「お姉ちゃん! もう、しっかり見てないから……」

憂(血だ……)

唯「ご、ごめんなせえ……」


566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 03:20:14.51 ID:XDp37DkGO [35/45]
 
憂「ちょっと貸して」グッ

唯「あっ、憂?」

憂「ん……」ペロ

唯「いたっ……」

憂「ごめん……」チュパッ

憂(血の鉄っぽい味がする……生きてるんだね、お姉ちゃん)

唯「……」ドキドキ

憂「んふ……」チュウッ

唯「……っ」ピク

唯「う、うい……もう大丈夫だよ」チュポン

憂「ん……ごめん。ありがと」

唯「ありがとうって……」ドキドキ


567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 03:25:12.37 ID:XDp37DkGO [36/45]
 
唯「さ、さっ! 料理の続きだよ!」ザクザクザク

憂「あ、お姉ちゃんキャベツ切りすぎ……」

唯「だ大丈夫だよ! 私うい大好きだから! じゃなくてキャベツ、キャベツが大好き!」モシャモシャ

憂「……昨日も言ってたのに……」

唯「え、えへへ……だって今は憂、そういう状況じゃないから……」

憂「……でも。言いかけたなら、ちゃんと好きって言ってよ」

唯「うん。……へへ、憂、大好き」ギュ

憂「……」

唯「……ごめん、ね」

憂「ううん。ちょっと考えてただけ」


568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 03:30:17.11 ID:XDp37DkGO [37/45]
 
憂「お姉ちゃん……私とえっちしたお姉ちゃんはもういないんだよね」

唯「う、うん……」

憂「だったら、私はもうお姉ちゃんと結ばれてもいいのかな?」

唯「それは……」

唯「……私が答えるのは、ずるいと思う」

憂「私が考えなきゃだめってこと?」

唯「他の人に相談してもいいよ。けど、私は……ちゃんと考えないで、いい答えしか言えないから」

憂「そっか……それじゃ困っちゃうな」

唯「うん……」ザクザク

憂「だからキャベツはもう大丈夫だって」


569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 03:35:50.29 ID:XDp37DkGO [38/45]
 
――――

 梓の部屋

梓「……」プニプニ

梓「あー……」カポカポ

梓(唯先輩の舌、柔らかかったな……)

梓(……あれが人形だったなんて)

梓「……」

梓(でも、あの事で気付けた……私は唯先輩が好きなんだって)

梓(……きっと、このためだけに純が全部仕組んだんだよね)

梓「ありがとう、純……」

梓(でも)

梓「ごめん……」


570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 03:40:21.63 ID:XDp37DkGO [39/45]
 
梓「……」ゴロン

梓(私は、憂が唯先輩のことどれだけ好きかってことも)

梓(唯先輩が憂のことどれだけ好きかってことも)

梓(よくわかってる、つもりだから)

梓(だから私……どんなに純が憂に嫌われても)

梓(純が、いつまでも行動しない私に苛立ったとしても)

梓(純の想いには、応えられない)

梓「……あーあ」

梓(わたしたち、壊れちゃったなあ)

梓「……」

梓「……すぅ」


 おしまい


573 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 03:45:41.33 ID:XDp37DkGO [40/45]
これで書き溜めみんな終わり
このお話も終わり
長らくお付き合いいただきありがとうございました

自分でも、こんだけ続けてまさかバッドエンドにするとは思ってもみなかった

584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/21(土) 08:15:33.50 ID:De6OQ07LO [5/8]
真相の説明はないかんじ?


585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 08:20:02.71 ID:XDp37DkGO [41/45]
訊かれたら答えるつもりだよ

587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/21(土) 09:33:39.48 ID:De6OQ07LO [6/8]
>>585
是非頼むorz
あきらめてたからとともたのしみ


588 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 09:43:41.97 ID:XDp37DkGO [42/45]
いやその、真相は? って漠然と訊かれてもすごく困るんだが
どの辺りのことについて訊きたいのか言ってもらわんことにはなんとも

589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 09:45:24.80 ID:VKE3N+XvP
ここまで投げっぱなしエンドなのに質問には答えるよってちょっとおかしくね
それとも続き書くの?


591 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 09:50:08.00 ID:XDp37DkGO [43/45]
作品内ではっきり明かしてない部分があるからだぜ
この後についてはご想像にお任せします、だよ?

590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/21(土) 09:48:29.58 ID:5SDxJGQqP
黒幕は眉毛でいいの?


592 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 09:57:37.81 ID:XDp37DkGO [44/45]
>>590
うん、紬と純の共謀。提案者は紬でね

595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/21(土) 11:13:43.11 ID:De6OQ07LO [7/8]
ムギの目的と純が大量のSSを書いた理由が知りたいです
ゴーレムの試運転みたいな感じ?


596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 11:31:14.80 ID:XDp37DkGO [45/45]
>>595
紬はくだらない理由で、「百合が見たい」だけ。
純は友人として、憂唯梓の三角関係に決着をつけさせたかったという理由です。
ゴーレムは完成されたものなので、試運転ではないです。

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