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上条「北野誠一郎?」ACT16
―とあるファミレス―
美琴「怖い話…?」
佐天「そうです♪私、とっておきの話しをもってきたので聞いてくれませんか?」
美琴「え…いや…私は…」
黒子「…何を言い出すかと思いきや…この前の都市伝説の話しと言い…佐天さん…ここは科学が集まる学園都市ですのよ…」
佐天「そんなの分かってますよ、私だってもってきたネタの全部を信じてるわけじゃないですし…ただこう暑いと背筋が寒くなるような話しの一つや二つ、聞いて暑さを忘れたくなるじゃないですか」
初春「…それは佐天さんだけだと思います」
佐天「とかなんとか言っちゃって~…初春はただ怖い話を聞きたくないだけなんでしょ?」
初春「違います!」
佐天「ムキになるあたり怪しいなあ」ニヤニヤ
美琴(できれば私は遠慮したい……)
佐天「御坂さんなら、怪談話なんて大丈夫ですよね?」
美琴「えっ?」
佐天「まさか学園都市第三位でLV5の御坂さんが、幽霊やお化けが怖い…なんて子供みたいな事はないですよね?」
黒子「当たり前ですの、お姉さまがそんな非科学的な事に恐れるハズがあるわけないですの?ね、お姉さま」
美琴「あ、当たり前でしょ…そ、そんなの…あははっ……」
佐天「ですよねー、じゃあ…一つとっておきの怖い話…しますね」
美琴(……え)
初春「もう、佐天さんは強引なんですから…」
黒子「はぁ…全く…そこまで話したいと仰るのでしたら、とりあえず聞くだけ聞きますわ」
佐天「話しが早くて助かります♪」
美琴「………」
741 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/26(月) 14:45:45.02 ID:n9NyvoDO
…この学園都市にある学生が、夜に帰宅してる時の事です…
彼は学校の行事を一人で時間を忘れるくらい熱心にやっていました、だけど辺りが暗くなってからようやくかなりの時間が経っている事に気付き、彼は鞄を持ち学校を後にしました
いつもは街の通りを歩いて家路に向かっていたんですが、今日は彼がみたい番組があったので、彼は急いで帰るため近道をしようと普段通らない路地裏に入っていったんですよ…
…そこの路地裏は普段はスキルアウトの溜まり場になっていたりする場所…のハズなんですが……その日に限って…一人もいないんですよ
742 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/26(月) 14:46:11.69 ID:n9NyvoDO
彼も以前からここがスキルアウトの溜まり場になってたのを知っていたので、覚悟を決めて通ったわりには、肩すかしをくらった気分で
…妙だなー?
と、思っていたんですが歩く足を止めず先へ急いんでたんですよ…
コツコツコツ…
表通りの騒がしさとうって変わって路地裏は切り離された世界のように静かで、彼の歩く音だけが静かに響いてたんですよ…
…路地裏って…こんなに静かなものなのか…?
不気味な雰囲気が彼に、不安をよぎらせる…
…そう考えてた時…
743 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/26(月) 14:46:36.07 ID:n9NyvoDO
ドサッ…
彼が通り過ぎようとした瞬間横にある細道から、何かが落ちる―――いや…倒れたような音がしたんです…
彼は驚き歩く足を止め、音のした横の細道を凝視する…
…けれど暗いせいもあってよく見えず、彼の恐怖はつのるばかり…
…そして彼は意を決して恐る恐る音のした方へ向かって行ったんです………
コツ…コツ…コツ…
彼は…一歩…また一歩と……少しずつ…ゆっくりと近付いていったんです…
744 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 14:47:04.17 ID:n9NyvoDO
…そして、彼が音のした場所に大分近くまで行くと…
女の子が倒れていた…
彼は思った、この女の子はここら辺にいるスキルアウトに暴行されたんだと思い、急いで倒れている女の子の側に寄ろうとしたして、足を滑らせて転んでしまったんですよ
転んだ痛みに唸りながら体を起こそうと、彼が路面に手をおくと
ぬるっ……
彼の手に暖かい液体がついたんです
…彼は疑問に思い、液体の正体を何だろうと携帯を取り出し携帯の光を濡れた手にあててみると…
…手が…血の色に……真っ赤に…濡れていたんです…
745 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/26(月) 14:48:03.59 ID:n9NyvoDO
私は一旦間をおき、三人を見る
美琴「……」
黒子「……」
初春「……」
皆、私に話しのつづきの催促を黙ってしてくる
…まあ、白井さんはあんまりのりきじゃないというか、まだ続きがあるの?と、言わんばかりに退屈そうだけど……
…とりあえず私は続きを話す事にした…
746 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 14:48:49.52 ID:n9NyvoDO
…よく見ると…血が女の子の方から流れてきてる…それに気付き彼は女の子の側に寄ると……
彼は自分の目を疑った…
女の子の体は無残にも切り刻まれ、正視できない程ズタズタにされて死んでいたんです…
女の子の短い髪が血で真っ赤に染まり、その生気のない瞳からは彼に何かを訴えているようだった……
彼はあまりの凄惨な光景に、持っていた携帯を落とし、恐怖で悲鳴を上げ無我夢中で走ってその場を後にしたそうなんです…
…そして家に着いた彼は、ベッドにすぐさま潜り込んでガタガタと体を震わせていました…
747 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 14:49:13.40 ID:n9NyvoDO
…しばらく時間が経ってから大分落ち着いてきた彼は…警察に連絡しなければと思いベッドから出て、電話がおいてある部屋へ向かうと、ハッと自分の過ちに今更ながら気付く…
携帯を…あの殺人現場に…落とし忘れてしまった…
そう思った矢先に――
トゥルルルルル!
家の電話が鳴り響いた…
彼はまさかと思いつつもそっと、ディスプレイに表示された番号をみる…
かけられた電話は…自分の携帯からだった…
彼は女の子を殺した犯人からだと、すぐに理解し電話を出ようとしなかった…
電話に出たら何かとても恐ろしい事が起こりそうな気がして彼は耳を塞いだ
…だが、電話は部屋の主を嘲笑うように鳴らすのを止めようとはしない…
彼は恐怖に耐えながら、電話が鳴り止むのをじっと待った…
748 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 14:49:54.86 ID:n9NyvoDO
しかし…
トゥルルルルル…トゥルルルルル…
電話は一向に鳴り止まない…耐えきれなくなった彼は電話のコードを力任せに抜き、そして、電話はようやく鳴すのをやめた…
……だが
ピンポーン
突然のチャイムに彼の心臓は跳ね上がる
…………………まさか
彼は自分の恐ろしい想像を振り払おうと玄関に向かい、のぞき穴を見て……
彼は絶句した
彼が想像してたのは殺人現場を見られ、その現場を見た人間を消そうとしてる人間…だと思っていたのだが…そこにいたのは…
…殺されていたハズの女の子だった…彼女はのぞき穴から血まみれの姿で彼を見ていた…
749 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 14:51:24.87 ID:n9NyvoDO
彼は現実離れした状況に足は竦み、金縛りにあったかのように動けなかった…そしてのぞき穴から視線を動かす事ができずにいた…
…やがて血まみれの女の子が口を動かし、何かを言っているが声が小さくて聞こえない…
…彼は目を凝らし、女の子の口を集中してよく見た…
…女の子はこう呟いていた
「次はお前だ…!」
750 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/26(月) 14:51:46.40 ID:n9NyvoDO
佐天「…これが私が仕入れてきたとっておきの怖い話しです」
初春「……」
黒子「……」
美琴「……」ブルブル
佐天「…………あれ?怖くなかったですか?」
初春「いや…怖い事は怖いんですけど…」
黒子「…話しの内容に穴が有りすぎていまいちですの」
佐天「あっれー?そうですかー?」
美琴(聞こえない…!私には…何も聞こえない…!)
751 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/26(月) 14:52:10.77 ID:n9NyvoDO
その頃北野君たちは
テクテク
上条「……」
北野「……」
上条「……暑いな」
北野「うん…暑いね」
上条「……」
北野「……上条君?」
上条「…こんな日ぐらい…そこのファミレスに寄って何も頼まないけど…水だけ飲んでも……いいよな…」
北野「それは……流石にお店の人には迷惑だからだめだよ」
上条「…だよなあ……」
752 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/26(月) 14:52:45.08 ID:n9NyvoDO
北野「…今月も厳しいの?」
上条「ああ…どっかの暴食シスターさんのおかげで上条さん家はいつもカツカツです……」
北野(…禁書ちゃんいっぱい食べるもらなぁ)
北野「……」
北野「……あ、なんか僕急にジュースが飲みたくなってきたかも…上条君ファミレスでジュース飲むの付き合ってもらえないかな?」
上条「付き合いたいのはヤマヤマなんだが……さっき言ったろ?上条さん余裕がありません」
北野「だからね…僕が上条君にそこのファミレスに付き合ってくれたお礼に、ファミレスでジュースを奢りたいんだけど…駄目かな?」
上条(あ……そういう事か)
北野「と、言うわけで入ろうよ……ね?」
753 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/26(月) 14:53:14.13 ID:n9NyvoDO
佐天「…ふっふっふ…しかしこの話しには続きがあるんですよ」
美琴「――」ピクッ
初春「えっ?それって何ですか佐天さん」
黒子(なんか…大体予想がつきましたの…)
佐天「私がさっき話した怖い話しなんですけど…これを聞いた人は…近いうちに聞いた人のとこに出るって噂らしいんですよ」
美琴「な…何が出るの?」
佐天「…決まってるじゃないですか……」
754 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/26(月) 14:53:40.54 ID:n9NyvoDO
上条「ふぃー…エアコンが効いてて涼しい…」
北野「うん、たまには良いよね
上条「だな…俺ちょっとトイレ行ってくるから、先に席についててくれ」トコトコ
北野「うん、わかった」
北野「……」トコトコ
北野「……あ、美琴ちゃん達だ」
北野「……ん?真剣な顔をして何話してんだろ?」
トコトコ…
755 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/26(月) 14:54:30.99 ID:n9NyvoDO
佐天「決まってるじゃないですか…」
佐天「例えば――」
佐天「――そこに恐ろしい形相をした男の霊とかっ!?」バッ!
北野「?」
美琴「―――」
佐天「―――」
初春「―――」
黒子「ん?あら北野さ―――」
美佐初「「「「キャーーーーーーーーッ!!!!!」」」」
北野「!」ビクッ!
756 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/26(月) 14:54:55.39 ID:n9NyvoDO
上条「…俺がいない間にそんな事があったのか」
北野「うん、僕もいきなりだったから驚いちゃった」
美佐初「「「…ごめんなさい」」」
北野「いや、気にしてないから大丈夫だよ」
黒子「…しかし、北野さんもタイミングが悪かったですわね」
北野「そうみたいだね」
757 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/26(月) 14:56:29.67 ID:n9NyvoDO
スタスタ…
一方「…男女7人でうるせェなと思ったら……テーブルを狭く囲ンで…何やってンだてめェら?」
北野「あ、一方君こんにちは」
上条(げっ…一方通行)
美琴「何よ…あんたには関係ないでしょ」
一方「はァ?何言っちゃってくれてンですかァ?マナーの悪い客に注意したら…逆切れですかァ?」
黒子「…ねちねちと煩いロリコンですわね」
佐天「えっ…?」ズザザッ
一方「誤解される言い方するンじゃねェよババァッ!」
黒子「誤解も何も…本当の事なのですから仕方ないですわ」
一方「てめェ――」
初春「あの~~…すいません…ちょっといいですか?」
758 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/26(月) 14:57:03.00 ID:n9NyvoDO
一方「…あン?なンだよ」
初春「私の聞き違いだと思うんですが…あなた先程『七人』って言いませんでしたか?」
一方「あァ、言ったがそれがどうしたァ?」
初春「…ここには私達六人しか…いなかったんですけど…」
一方「はァ?何言ってやがるそこにちゃンといるだろうが―――あれ…いねェ?おかしいなァ…長い黒髪の女がさっきまでいたンだがなァ…」
美琴「…ま、まさか」
佐天「本当に…」
初春「出た……?」
759 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/26(月) 14:58:18.09 ID:n9NyvoDO
■■「」
テクテク
■■「」
■■「今日も…。」
■■「誰一人として……。」
■■「気付いてくれなかった……。」
■■「……。」
■■「ふふ…ふふふふっ…。」
ACT16終わり
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