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唯「ずっと一緒だよ」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 17:37:31.85 ID:zGS5YbRtP [1/71]
唯「どうなってんの…?」
男「邪魔邪魔。早く退いてくれ」
唯「へ?私の家なのになんで」
男「家?ここは事務所になるんだぞ?」
唯「はい…?」
男「訳の分からんこと言ってないで帰りな」
2010年秋。私たちは帰る家、両親を失った。
唯「どうなってんの…?」
男「邪魔邪魔。早く退いてくれ」
唯「へ?私の家なのになんで」
男「家?ここは事務所になるんだぞ?」
唯「はい…?」
男「訳の分からんこと言ってないで帰りな」
2010年秋。私たちは帰る家、両親を失った。
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 17:40:23.47 ID:zGS5YbRtP [2/71]
唯「ど、どうすれば…」
唯「お母さん達に電話しないと」パカッ
『圏外』
唯「なんで圏外なんだろ」
唯「とりあえず誰かの家にお邪魔させてもらお」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 17:46:19.31 ID:zGS5YbRtP
ピンポーン
和「あら、唯」
唯「なんだか家に入れなくて…」
和「…分かったわ…今日は泊まりなさい」
唯「ほ、ほんと!?」
和「ええ。とりあえず入って」
唯「お邪魔しまーす」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 17:48:50.14 ID:zGS5YbRtP
唯「携帯壊れちゃったみたい」
和「どうしたの?」
唯「ほら。ずっと圏外なんだ~」
和「……そうよね」
唯「ふぇ?」
和「ううん。私にも分からないわ。ところで憂は?」
唯「はっ!忘れてた」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 17:52:09.54 ID:zGS5YbRtP
憂「お邪魔しまーす…」
和「憂!よかった…」
唯「憂!!なんか家に入れないんだけど…」
憂「うん。どうなってるんだろう…携帯も繋がらなくて」
唯「私のも!!ずっと圏外!」
和(唯と憂のご両親が逮捕されたことはいつ話せば…)
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 17:54:54.47 ID:zGS5YbRtP
和「とりあえず唯も憂も今日は泊まっていきなさい」
憂「和ちゃん…悪いよ」
和「いいのよ。多分今日は帰れないだろうから」
憂「?…ありがとう、和ちゃん」
唯「久しぶりだねー!!三人で泊まるの!」
和「そうね」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:02:47.76 ID:zGS5YbRtP
和母「和、いつまで泊める気なの?」
和「どういうこと?お母さん」
和母「無理よ…犯罪者の子なんて引き取れないわ」
和「お母さん!!唯と憂は何も悪くない!それに幼馴染でしょ?」
和母「そうだけど…見なさい」
TV『容疑者夫婦は多額の借金を抱えており、老人を狙って度々窃盗を…』
和母「唯ちゃんと憂ちゃんが可哀想なのは分かるけど…」
和「お母さん!!唯も憂もそんなことする子じゃないよ!!」
「和ちゃーん!どうしたの~?」
和母「…なんにしたってダメよ。明日には追い出しなさい」
和「お母さん…」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:06:25.88 ID:zGS5YbRtP
唯「なんかあったの?」
和「ううん…ところで唯、憂、どこかあてはあるの?」
唯「あて?家に帰るよー」
憂「…」
和「唯…暫く帰れそうに無いのよ」
唯「なんで!?お母さんとお父さんは?」
和「出張よ…」
唯「なんだぁ」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:09:50.80 ID:zGS5YbRtP
憂「和ちゃん、一体どうなってるの…?」
和(本人たちには言わないとダメ…かな)
和「憂…まずはあなただけに話すから耳貸して」
憂「うん」
唯「なんで~!?和ちゃんのいけずぅ」
和「ごめん、唯。でも後で話すわ。必ず」
唯「?…分かった!」
和「あのね…」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:15:02.72 ID:zGS5YbRtP
和「…ということがあったの…」
憂「……うそ」
唯「う、うい?」
憂「そんなの…うそだよ」
和「…」
憂「和ちゃん?やめてよ…なんか言ってよ」
和「本当…なのよ…」
唯「な~に~!?何があったの~!?」
憂「うそ…」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:19:44.00 ID:zGS5YbRtP
和「唯…。あのね、あなた達の」憂「和ちゃん!!」
和「憂?」
憂「…お姉ちゃんには私から話します」
和「そ、そう…」
唯「な~に~?はやく~」
憂「お父さんとお母さんは出張に行ってて、私たちの家は今リフォーム中なんだって!」
和「憂…」
唯「なんだぁ」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:24:18.81 ID:zGS5YbRtP
唯「え、じゃあさ、リフォーム終わるまで和ちゃんちに居ていいの?」
憂「いや、迷惑になっちゃうから…他の所を探そうよ、お姉ちゃん」
唯「むう……でもさ、リフォームってどれくらいで終わるのかな?」
憂「分からないけど…多分なんとかなるよ!」
唯「そうだね!憂もいるし」
憂「えへへ…」
和「私もできる限り協力するわ」
唯憂「ありがとう!和ちゃん」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:28:53.63 ID:zGS5YbRtP
和母「そろそろご飯よー!」
唯憂和「はーい!!」
唯「なんか久しぶりだね~!!こういうのもたまにはいいよね~」
憂「…」
唯「憂?」
憂「…うん!和ちゃんちにお泊りするのって小学校の時以来かな?」
唯「うんうん、若かったねぇあの頃は」
和「なにじじくさいこと言ってんのよ、行きましょ」
唯「はーい!」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:33:28.67 ID:zGS5YbRtP
─食卓
和「…」
和母「…」
和父「…」
憂「…」
唯「わぁ!おいしそお!!」
和母「ええ、いっぱいおかわりしてね」
憂「なんだか…ありがとうございます」
和母「ううん、遠慮しないでいいのよ」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:38:37.70 ID:zGS5YbRtP
和父「なんだか…大変なことになってるみたいだな」
唯「はい!家に帰れないので…どうしようかと」
和父「……」
憂「あはは…今日一日だけ、お世話になります」
和父「ふむ」
和「み、みんなそんな緊張しないで!楽しくね!」
和母「そうよ!!お父さんおかわりは?」
和父「いらん」
唯「おかわり!」
憂「…」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:45:42.17 ID:zGS5YbRtP
食後
TV『次のニュースです。本日──』
和「…」ピッ
TV『あははははwおまえ─』
和「…唯、そろそろお風呂入ったら?」
唯「うん!そうする!」
和「憂は?」
憂「私はお姉ちゃんの後でいいや」
唯「えー!たまには一緒に入ろうよぉ」
憂「お姉ちゃん一人でゆっくりして来なよ」
唯「…もう!憂ったらぁ」テクテク
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:51:20.13 ID:zGS5YbRtP
憂「和ちゃん。さっきのニュース見せて」
和「……はい」ピッ
TV『逮捕されたのは桜が丘に住む会社員平沢XX容疑者とその妻XX容疑者で─』
TV『一文字さん宅に侵入したところ被害者に目撃されたため殺害し遺棄したとして─』
TV『警察は他にも余罪があるとみて─』
憂「…」ポロポロ
和「憂…」
憂「…和ちゃん…私どうすればいいか…」ポロポロ
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:56:28.99 ID:zGS5YbRtP
憂「私は絶対…こんなこと」ポロポロ
和「そんなの分かってる…憂」
和「絶対なんとかなるわ…無責任だけど、天は絶対見放さない」
和「私もできる限りの協力はするから。大丈夫よ、頼って?」
憂「ありがとう…ありがとう…和ちゃん」ギュウ
和「…」ギュ
唯「おさきにー!!」
唯「って!二人とも何やってんの!?」
唯「私も混ぜて!!」ギュウウ
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:01:27.41 ID:zGS5YbRtP
唯「和ちゃ~ん、う~い~!!一生離さないよ~!?」ギュ
憂「うん…私も…」ギュ
和「ふふ…」ギュウ
唯「って、憂も和ちゃんもなんで泣いてるの!?」ギュ
和「ふふ、久しぶりだから懐かしくてね…」ホロ
憂「うん…」グス
唯「ううっ!私も泣けてきたよぉ…ぐす」
和「ゆい!…」
憂「あはは……」
唯「えへへ~」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:05:44.57 ID:zGS5YbRtP
・・・・・・・
和「憂と唯は私のベッドで寝ていいわよ」
憂「えっ和ちゃんは…」
和「私は下で布団ひいて寝るわ」
唯「おお…憂、じゃあ一緒に寝ようか」
憂「うん!…和ちゃん、ありがとう」
和「いいのよ。明日に備えて、2人でゆっくり寝なさい?」
唯「うん!!」
和「じゃあ電気消すわよー。おやすみなさい」
カチッ
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:12:52.24 ID:zGS5YbRtP
憂「お姉ちゃん」
唯「なぁに?うい」
憂「何があっても、絶対一緒にいようね」
唯「ふふふ…それはどうかな」
憂「ええっ!?」
唯「冗談だよお!憂と離れるわけ無いじゃん」
憂「お姉ちゃんったらぁ……やめてよ」
唯「えへへ…ごめんごめん」
唯「う~い」
憂「なぁに?お姉ちゃん」
唯「ずっと一緒だよ」ギュ
憂「…うんっ」ギュウ
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:21:33.83 ID:zGS5YbRtP
─翌朝
唯「…zz…」
憂「……zz」ギュ
和「2人とも!起きて!」
和(2人とも朝まで…本当仲の良い姉妹よね)
和「ゆーい!うーい!朝よ!!」
憂「んっ……あぁ…お姉ちゃん」
和「おはよう。憂」
憂「おはよう!和ちゃん」
和「おはよう。」
和「2人とも…学校…どうする?」
憂「あっ…そっか」
唯「…zz…」スゥー
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:26:24.05 ID:zGS5YbRtP
憂「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」ユサユサ
唯「…んあ」
憂「そろそろ起きて」
唯「…はっ!ここはどこ」
和「私の部屋」
唯「なんで!?」
憂「ほら、昨日…」
唯「思い出した!」
和「…とりあえず私の私服6着分と、カバンね」
憂「わぁ…和ちゃんありがとう」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:30:31.22 ID:zGS5YbRtP
和「で、どうするの?学校行く?」
唯「うん!行く!!」
憂「う、うん…とりあえず行こうかな」
和「そう。じゃあ帰りはまた寄ってね」
憂「和ちゃん…何から何までありがとう」
和「いいのよ。こんな時だからなんでも頼って?」
唯「ありがとう!!和ちゃん!!」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:34:38.39 ID:zGS5YbRtP
私たちは和ちゃんのおかげで、なんとか一日を乗り切ったんだ。
唯「今日は三人で登校だね~!」
憂「うん!」
和「ふふ、悪く無いわね」
「おーっす!」
唯「りっちゃん!澪ちゃん!おはよ!!」
澪「おはよ…」
律「あれ?唯、今日は…」
唯「うん!昨日は和ちゃんちに泊まらせてもらったんだ!!」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:39:14.62 ID:zGS5YbRtP
律「へー!!なんでまた?」
唯「えっとね、今お父さんもお母さんも出張でいなくて、家もリフォーム中で入れないんだ!」
律「へぇ~なんだか大変そうだな」
澪「…お、おい…律」
律「へ?」
澪「あんまり詮索すんなって」
律「そう?ごめんごめん」
和(律はまだ知らないのかしら)
唯「ううん、いいよ~!」
唯「今日は誰の家に泊まろうかなぁ~」ルン
憂「あはは…」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:42:58.89 ID:zGS5YbRtP
律「なんだ?じゃあうちにくる?」
唯「えっ!いいの!?」
澪「お、おい…」
律「ああ。全然。だって……あ」
唯「?」
律「ごめん。そういや今日聡が友達いっぱい連れてくるとか行ってたな」
唯「そうなんだぁ~」
律「明後日からいいぞ?」
唯「ほんとにぃ!?ありがとお!!りっちゃん!!」
律「頼りなさい!!」
唯「さすがりっちゃん!!!いけめん!」
律「ははははは…ん?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:47:28.84 ID:zGS5YbRtP
─3年2組
唯「澪ちゃん、今日は泊まっちゃだめ~?」
澪「うん…ごめん」
唯「そっかぁ~しょうがないや」
律「なんだ澪?男でも来るのか?」
澪「ちがう!!そんなんじゃ無い」
律「ならどうして?」
澪「……」
──
────────
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:54:18.66 ID:zGS5YbRtP
─秋山家
TV『本日────平沢───殺人容疑で───』
澪母「怖いわねぇ…」
澪父「夫婦で?とんでもない家だな」
澪(平沢…)
澪母「こういうのって子供もあれよ、将来事件起こすわよ、絶対」
澪父「はは、ありえるかもな」
澪母「しかもこのそばよ…怖いわねぇ」
澪母「…そういえば澪のお友達にも平沢さんっていたわよね、けいおん部の」
澪「うん、でもこんなのとは関係ないよ!」
澪母「そうでも無いんじゃない?」
澪父「こら!」
あはははは……
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:01:46.68 ID:zGS5YbRtP
────────
──
澪(ない…よな。たまたまリフォーム中なんだよ。な……)
澪「唯、唯のお父さんって何ていう名前?」
律「え!?澪、唯のお父さんに手を出そう…」澪「違う!!」
律「…」
唯「へ?XXだけど…なんで?」
澪「」(ジャスト……)
唯「澪ちゃん?」
澪「はは…いや、なんでもないよ…」
唯「え~。変な澪ちゃん」
唯「……誰か泊まらせてくれる人いないかなぁ~」
澪(なんか恐怖で鳥肌立ってきた)
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:06:34.66 ID:zGS5YbRtP
唯「私ちょっとおトイレ~」
律「へーい」
澪「……律」
律「なんなんだよさっきから」
澪「大変だ……」
律「は?朝からなんなんだよ一体」
澪「唯の親、逮捕されてる」
律「はぁ!?」
澪「本当だ…どうなってるんだ一体」
律「私が言いたいよ!」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:13:44.69 ID:zGS5YbRtP
澪「………ってわけだよ」
律「あのなぁ…出張行ってるって言ってただろ?」
澪「そうだけど…嘘ついてるかも」
律「いーや。唯はあんな顔で嘘つけない。嘘じゃないな」
澪「憂ちゃんが嘘教えてるのかも…」
律「どうでもいいよ。多分澪の聞き違いか勘違いだよ」
澪「そんな…」
律「それになぁ。両親がどうであれ唯は唯だ。仮にそうだとしても私は唯を助ける」
澪「そうだけど…」
律「澪はどうなんだよ?見捨てるってことか?」
澪「そんなわけないよ…私だって唯には協力してあげたいけど…家には…」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:23:10.22 ID:zGS5YbRtP
律「勝手に泊めるわけにはいかないな確かに」
澪「うん。それにうちの親はもう事件のこと知ってるし…」
律「だからか」
澪「うん…」
和「2人ともなに深刻そうな顔してるのよ」
澪「和…唯の件なんだけど」
和「ええ。大変なことになったわ」
律「大変なことっていうのは」
和「そう。あの事件よ。唯のためにも話しておくわね………」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:28:30.37 ID:zGS5YbRtP
・・・・・・
和「………ってわけ」
律「澪の言った通りか…」
澪「和は昨日は泊めてあげたんだよな」
和「ええ。できればずっと泊めてあげたいけど…どうしても親がね」
澪「だよなぁ…」
律「…唯は親戚とかいないのか?」
和「分からない。でも、事件が事件だから…受け入れてもらえるかどうか」
和「それに…まだ唯は本当のことを知らないから」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:44:14.40 ID:zGS5YbRtP
律「なんでなんだ?」
和「え?」
律「ほら、なんで唯は本当のことを知らないんだ?」
和「ああ…憂がそう言ったのよ」
和「姉を悲しませまいと…多分ね」
澪「う~ん…どうせ知ることになるなら早い方が良いとも思うけど…」
和「そうね。でも、憂も何か考えがあるのかもしれないわ」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:47:26.59 ID:zGS5YbRtP
唯「ただいま~」
和「おかえり。唯、みんなに説明しておいたよ」
唯「ありがと~和ちゃん」
律「出来る範囲で協力するからな!」
澪「私も」
唯「みんなありがと~!」
唯「私も頑張るよ!いつ帰れるか分からないけど!」
和「…」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:52:50.36 ID:zGS5YbRtP
─2年1組
純「ねえ!昨日のニュース!!憂のお母さんとお父さん逮捕されてたね!!」
憂「えっ…」
梓「純ったら興奮しすぎ」
純「だってさ!この辺だし、しかも連続強盗殺人でしょ!?やばいって!!」
憂「…」ウルウル
梓「憂?」
純「え?どうしたの憂」
憂「ごめんね……純ちゃん…梓ちゃん…」グス
梓純「え?」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:57:10.19 ID:zGS5YbRtP
梓「憂?急にどうしたの…」
憂「純ちゃん……」
純「え…私のせい?ちょっとやり過ぎたかな…?ごめん憂」
憂「ううん…本当のことだもん…」
純梓「え?」
憂「うん…」
純「えっと……ん?」
梓「…」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:04:29.94 ID:zGS5YbRtP
憂「どうしよぉ……」ポロ
純「…」
梓「…」
純「えっ…」ヒヤ
梓「…」
純「憂…」
純「ごめん……」
憂「……」ポロポロ
純「私…とんでもないことを」
憂「…やばい、よね……」ポロポロ
純「いややばくないやばくないいややばいいややばくないって」オロオロ
梓「…」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:09:10.43 ID:zGS5YbRtP
梓「憂……」
憂「……ううん、大丈夫だから…」
純「…っごめんっ憂!!」ダッ
梓「って純!?」
梓「いっちゃった…」
憂「…ふふ…殺人犯の子供だもんね……」ぐす
梓「憂…私は行かないよ」
憂「ありがと…梓ちゃん」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:15:35.97 ID:zGS5YbRtP
・・・・・・・
憂「………ってことがあって」ポロポロ
梓「うんうん…もう良いよ、憂」
梓「そしたらさ…うちに泊まりに来なよ」
憂「でも……」
梓「親は1週間は帰ってこないから大丈夫」
憂「ほんとに?」
梓「うん。大丈夫」
憂「…じゃあ……お世話になっちゃおうかなぁ…」
梓「うん!」
憂「ありがとう…梓ちゃん」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:26:19.65 ID:zGS5YbRtP
純「ハァハァ…」
梓「あ!純!」
純「憂…さっきは本当にごめん。冗談のつもりだったんだよ…本当だよ」
憂「いいよ…純ちゃんだからそんな所だろうなって」
純「むっ………いや、本当にごめん。でも、憂の親と憂は違うから」
純「そ、それに憂の親だって何かとっても重要な事情があったんだよきっと」
純「だから憂も憂の親も悪くない!って私は思う」
憂「…」
純「ごめん憂、本当にそんなつもりは…」
憂「いいよ純ちゃん、怒ってないから」
純「ホッ」
純「……なんか手伝えることがあったら言ってね?お金のこと以外なら…」
憂「ありがとう、純ちゃん」ニコ
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:29:24.79 ID:zGS5YbRtP
梓「そういえば…お金は大丈夫なのかな」
憂「あ…学費」
純「私たちでバイトすればなんとか?」
憂「それは流石に悪いよ。お姉ちゃんとどうにかする」
梓「大丈夫?」
憂「多分…」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:33:25.58 ID:zGS5YbRtP
─職員室
さわ子「で…どうしましょう…」
唯「なにが?」
さ「う~ん…どうしようも無いわよね…」
唯「へ?」
さ「言い難いけど…学費よ」
唯「学費?お父さんが払うよ?」
さ「う~ん…」
さ「憂ちゃんを呼ぶしかないわね」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:37:48.83 ID:zGS5YbRtP
ガチャ
憂「失礼しまーす」
唯「あっ憂!!」
「あれが平沢さん…?」ヒソヒソ「怖いわ……」
さわ子「……」
憂「こんにちは。姉がいつもお世話になってます」ペコ
さわ子「うっ……」(言いにく…)
憂「なにか…?」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:42:22.97 ID:zGS5YbRtP
さわ子「えっとね…来週で今月分の学費が終わるのよ」
憂「はい…」
さ「で、私としては2人ともこのまま通って無事に卒業して欲しいから」
さ「なんとかならないか校長にも教頭にもお願いに行ったの」
憂「…」
さ「あなたたちに言っても…どうにもならないことは分かってるんだけどね」
さ「ここだけの話、上はあなたたちのことをよく思ってないのよ」
憂「うぅ…」
さ「だから…」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:49:02.70 ID:zGS5YbRtP
紬「先生!!」
紬「私が払います!」
さわ子「え?」
憂「そんな…」
紬「いいのよ、憂ちゃん。私が憂ちゃんのことも唯ちゃんのことも守るわ」
さわ子「うっ…」
憂「な、なんで」
紬「私の大切なお友達だから♪」ニコ
憂「…そんな…悪いですよ」
紬「いいのよ~♪任せて!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:55:46.19 ID:zGS5YbRtP
ガチャ
憂紬「失礼しましたー」
唯「なにがあったの!?」
憂「お姉ちゃん…紬さんが学費払ってくれるって……」
唯「え?そうなんだ~ありがとムギちゃん」
紬「いいのよ~」
唯「なんでお父さんは払わないの?」
紬「唯ちゃんのお父さんは今他のことに使ってるから」
紬「私の家が代わりに払うわ♪」
憂「紬さん…」
唯「ふ~ん…お父さんなにしてんだろ」
憂「…」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:04:10.18 ID:zGS5YbRtP
憂「紬さん…お話が」
紬「なぁに?」
憂「ごめん、お姉ちゃん先行ってて」
唯「ほ~い」
憂「えっと…昨日の事件のことは」
紬「知ってるわ。怖いよね~」
憂「…はい、でその犯人は…実は私たちの両親なんです…」
紬「え!?」
憂「…」
憂「いいんです、紬さんの気持ちは有り難く受け取りました」
憂「だから…私たちのことは…」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:13:48.95 ID:zGS5YbRtP
紬「そう…ね。流石にわたしでもそれは」
憂「はい…」
紬「…なんてうそよぉ♪全部聞いたわ、りっちゃんと澪ちゃんから」
憂「えっ」
紬「…いい?唯ちゃんと憂ちゃんのお母様、お父様が何をしてもね」
紬「唯ちゃんと憂ちゃんは唯ちゃんと憂ちゃんなの。世間からどう言われてもね」
紬「ついでに唯ちゃんと憂ちゃんのご両親の裁判もまだ始まってないわ」
紬「だから、りっちゃんと澪ちゃんとわたしで、2人のことは必ず守るから!安心してね♪」
憂「ありがとうございます…」ぐす
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:22:27.96 ID:zGS5YbRtP
唯「憂!!あずにゃんだよ!」
梓「あ…憂…にムギ先輩」
憂「梓ちゃん」
梓「じゃあ行こう、憂」
憂「梓ちゃん、ごめん…」
梓「えっ?」
紬「梓ちゃん、唯ちゃんと憂ちゃんはうちで引き取るわ」
唯「えっ…」
唯「…ごめんねーあずにゃん!じゃあまた今度行くよ!!」ギュ
梓「ちょっ…やめて下さい」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:29:23.69 ID:zGS5YbRtP
梓「その方が…いいかもですね」
梓「ムギ先輩のおうちの方がくつろげそうだし」
憂「梓ちゃん!選んだわけじゃなくて」
梓「うん。分かってるよ憂」
憂「うん…」
唯「あずにゃ~ん…寂しい?」
梓「さ、寂しくなんてないです!」
梓「…あっ…ということは……学費も?」
憂「うん。…必ず返すけど」
紬「いいのいいの。気にしないで♪」
梓「唯先輩、ムギ先輩にちゃんとお礼言わなくちゃだめですよ」
唯「分かってるよぉ」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:39:59.62 ID:zGS5YbRtP
私と憂は、早くも住む所を確保したんだ。
全てムギちゃんのおかげだった。
今思うとムギちゃんは神様だったんじゃないかって。
紬「いらっしゃ~い」
憂「わぁ…」
唯「ふおおお!」
紬「好きな部屋を使ってね♪」
唯「私は…この部屋!」
憂「私もお姉ちゃんと一緒の部屋」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:42:56.30 ID:zGS5YbRtP
紬「遠慮しないで?憂ちゃん」
憂「いえ…私がそうしたいので」
紬「そう?それならいいんだけど」ニコ
ガチャ
唯「広…」
憂「ベッドが凄い…」
紬「なにかあったら言ってね?」
唯「はーい!ムギちゃんありがと~」
紬「うふふ♪ではごゆっくり~」ガチャ
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:49:39.80 ID:zGS5YbRtP
ベッドの上
憂「なんだか…すごいことになったね」
唯「ね~。ムギちゃんがいて良かったよぉ」
憂「必ずお礼しないとね」
唯「うん!!」
憂「お姉ちゃん」
唯「なぁに?」
憂「…なんとかなりそうで…良かった」グス
唯「大げさだよぉ…憂…」
唯「…でも…リフォーム終わってもここにいたいかも?」
憂「お姉ちゃん!」
唯「冗談だよぉ」
あはははは…
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:57:31.79 ID:zGS5YbRtP
憂「そういえば、けいおん部の皆さんにもお世話になっちゃってるみたいだね」
唯「そうそう。りっちゃんも澪ちゃんも助けてくれるって」
憂「うん。梓ちゃんも純ちゃんも…。いつかみんなにお返ししないとね」
唯「ね~。憂と私で何かの会社でも作ろっか!?」
憂「ふふ。高校卒業してからだね~」
唯「そっか。私何しようかな~」
憂「お姉ちゃんはやれば何でもできるよ」
唯「えへ//」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:04:42.73 ID:zGS5YbRtP
憂「いつになったらお父さんとお母さん帰ってくるかな~…」
唯「もう。いつ帰ってくるのかぐらい教えて欲しいよ!」
憂「そうだよね…」
唯「全く!」
唯「あ!!そういえばさ、和ちゃんちに寄るの忘れてたね」
憂「あっ…」
唯「着替えとか貸してくれるって言ってたよね?」
憂「そうだった…」
唯「よし!今から行ってくる!事情も説明してくるよ!!」
憂「え、でもお姉ちゃん、電車乗らないと行けないから…」
唯「じゃあまた斎藤さんの車に乗って!」
憂「なんだか悪いなあ…私も一緒に行くよ」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:14:15.75 ID:zGS5YbRtP
車内
唯「広いね~この車」
憂「ね~」
斎藤「普段は紬お嬢様の足として使っております、センチュリーという車でございます」
唯「せんちゅりー…なんか高級そうな名前」
憂「すごいなぁ…」
憂「お姉ちゃん、もうすぐうちの前だよ」
唯「おお」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:16:56.78 ID:zGS5YbRtP
ガラガラ
唯「え?」
憂「…」
唯「斎藤さん!ちょっと止まって!」
斎藤「はい」キュ
ガチャ
唯「憂?」
憂「…なあに?」
唯「リフォームって…一回壊すの?」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:19:42.38 ID:zGS5YbRtP
憂「そ…そうかなあ」
唯「あ!あの時の男の人」
唯「そういえば…」
───
────────
男「邪魔邪魔。早く退いてくれ」
男「家?ここは事務所になるんだぞ?」
────────
───
唯「…憂」
憂「…」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:25:16.18 ID:zGS5YbRtP
メキメキ
ガラガラ … ドーン
唯「ぁ…あぁ…私たちの家が……」
憂「…」
唯「どうして?」
唯「どうして…?憂?なんで何も言わないの?家が壊されるよ」
憂「うん…」
唯「…分からないよ」
唯「じゃあ…私たちの家は…?」
憂「…」
唯「ここはまた私たちの家が建つんだよね?」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:30:20.32 ID:zGS5YbRtP
憂「…」ぐす
唯「どうしてまた泣くの?」
唯「…」
唯「もうやだ…」
唯「そういえばあの時も…」
───
────────
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:32:59.79 ID:zGS5YbRtP
和『…ということがあったの…』
憂『……うそ』
唯『う、うい?』
憂『そんなの…うそだよ』
和『…』
憂『和ちゃん?やめてよ…なんか言ってよ』
和『本当…なのよ…』
唯『な~に~!?何があったの~!?』
憂『うそ…』
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:34:39.80 ID:zGS5YbRtP
和『唯…。あのね、あなた達の』憂『和ちゃん!!』
和『憂?』
憂『…お姉ちゃんには私から話します』
和『そ、そう…』
唯『な~に~?はやく~』
憂『お父さんとお母さんは出張に行ってて、私たちの家は今リフォーム中なんだって!』
和『憂…』
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:38:53.72 ID:zGS5YbRtP
────────
───
唯「わかった…」
唯「憂はお姉ちゃんを騙したんだね…」
憂「お姉ちゃん!!私はそんなつもりで」ポロ
唯「うるさい!!」
唯「そうやってまた泣いて!」
憂「」ポロポロ
唯「…」
───
────────
唯「なんで~!?和ちゃんのいけずぅ」
和「ごめん、唯。でも後で話すわ。必ず」
唯「?…分かった!」
────────
───
唯「早く和ちゃんに会わないと…」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:42:16.41 ID:zGS5YbRtP
ガチャ
唯「斎藤さん!和ちゃんちに向かって!」
憂「うぅ…」ポロポロ
斎藤「はぁ…一体」
唯「お願いします!早く!」
斎藤「…はい」
唯「…もう憂の話は聞かないから」
憂「ごめんねお姉ちゃん…許して…」ポロポロ
唯「ふんだ!」
憂「…うぅ…」 ぐす
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:45:16.69 ID:zGS5YbRtP
斎藤「到着しました」
唯「よしっ」
憂「お姉ちゃん…待って」ポロ
ドタドタ
ピンポーン
和「はい?」
唯「和ちゃん…」
和「なに!?この車は……ってなんで憂は泣いてるの」
唯「和ちゃん、本当のこと教えて」
和「え?」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:49:36.88 ID:zGS5YbRtP
和「ちょっと…まずは落ち着きなさい」
唯「うん…」
和「ほら、憂も入って」
憂「ひっぐ…」ポロポロ
・・・・・・・
和「で、何がどうなってるのよ」
和「なんであんな車から登場するのよ…」
唯「ああ…えっとね、せんちゅりーだって!」
和「…はぁ」
和「わけが分からないわ…憂、何があったの?」
唯「だめ!憂は私を騙したから!私が説明するよ!」
和「…あぁそうなの…ならお願いね」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:54:12.33 ID:zGS5YbRtP
・・・・・・・
唯「………ということです」
和「ある程度わかったわ…」
和「憂ももう泣かないで…」
憂「私が…お姉ちゃんを騙したから…」ポロポロ
唯「ふんっ!」
和「…」
唯「で、和ちゃん、本当は何がどうなってるの?」
和「唯…落ち着いて聞いてね」
唯「…うん」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:58:58.74 ID:zGS5YbRtP
和「唯のお父さんとお母さんは今警察のところにいるの」
唯「なんで?」
和「…事件を起こしたからよ」
唯「事件?なんの?」
和「……泥棒よ」
唯「泥棒!?うそぉ!?」
和「…でね、しばらく会えないの」
唯「警察行けば会えるの?」
和「……会えないわ」
唯「なんで?」
和「…その事件が結構重大だからよ」
唯「…ほぉ」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:03:42.96 ID:zGS5YbRtP
唯「お父さんとお母さんが泥棒……?」
唯「よくわかんないや…ほんと?」
和「…ええ。それは…本当よ。おそらく」
唯「…でなんで家が」
和「…私も詳しいことは知らないけどね、」
和「唯のお父さんとお母さん、相当借金があったみたいなの」
唯「借金…?」
和「そう。借金」
唯「…で家が壊されちゃったの?」
和「…そんなところかしら」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:10:54.01 ID:u8MS26aSP [1/141]
唯「……お父さんとお母さんが泥棒…?」
唯「うそぉ……だってね、お母さん昔から私に」
和「…壊されてる家が証明よ…」
唯「…」
唯「和ちゃんも私を騙そうと…」
憂「うぅぅ……」ポロポロ
和「…」
唯「…」
唯「…だって、お父さんもお母さんも出張に…」
唯「行ってるって…」ポロ
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:18:48.54 ID:u8MS26aSP [2/141]
憂「お姉ちゃん…」ポロ
唯「……うるさ…」ぐす
唯「…やだぁ…やぁぁ……」ポロポロ
唯「…いやあああああああ!!」ボロボロ
・・・・・・
和(2人とも泣き疲れて寝ちゃったのね…)
和「よいしょっと…」
唯「」スゥ
和(ごめんね…唯、憂…もううちは無理なのよ…)
和「…後はよろしくお願いします」
斎藤「お任せください」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:34:53.92 ID:u8MS26aSP [3/141]
─翌朝
唯「んっ……ふぁ~」ぬくっ
憂「…」スゥ
唯(憂…)
唯(ここはーそうだ、ムギちゃんちだ)
唯(ん?)
『唯、憂。大丈夫。きっとまた家族みんなで生活できるよ! 和』
唯(私と憂の着替えだ…和ちゃんありがとう)
唯「え~っと…」
唯(お父さんとお母さんが泥棒で…帰る家はもうなくて、借金がいっぱいあって…)
唯(でも学費はムギちゃんが払ってくれるし、ムギちゃんのおかげで住む所もある)
唯(でもムギちゃんは知ってるのかなあ…私のお父さんとお母さんが泥棒だって)
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:46:40.75 ID:u8MS26aSP [4/141]
───
────────
唯『なんでお父さんは払わないの?』
紬『唯ちゃんのお父さんは今他のことに使ってるから』
紬『私の家が代わりに払うわ♪』
憂『紬さん…』
────────
───
唯(憂がムギちゃんを騙してた…ようには見えなかった…)
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:48:01.67 ID:u8MS26aSP [5/141]
───
────────
律『へー!!なんでまた?』
唯『えっとね、今お父さんもお母さんも出張でいなくて、家もリフォーム中で入れないんだ!』
律『へぇ~なんだか大変そうだな』
────────
───
唯(私もりっちゃんと澪ちゃんを騙しちゃったんだ…憂のせいだけど)
唯(でもあの時、和ちゃんは何も言ってなかったな)
唯(和ちゃんも私を騙そうと?…いや)
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:50:29.89 ID:u8MS26aSP [6/141]
───
────────
唯『って、憂も和ちゃんもなんで泣いてるの!?』ギュ
和『ふふ、久しぶりだから懐かしくてね…』ホロ
憂『うん…』グス
────────
───
唯(…憂も和ちゃんも私に心配させないように?)
唯(そんな上手くいくかなぁ…)
唯(…でももしそうだったら憂には酷いことしちゃったかも……)
唯「ごめんね、憂…」ギュ
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:54:58.12 ID:u8MS26aSP [7/141]
・・・・・・・
ガチャ
紬「唯ちゃーん、憂ちゃーん…」
唯「…zz」ギュ
憂「……zz…」
紬(喧嘩してたって聞いたけど…やっぱり仲良し姉妹ね♪)
紬(もうちょっと寝させてあげよう)クス
「お嬢様~お食事の用意ができました」
紬「はーい!今行きます♪」
第一部 完
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:15:59.61 ID:u8MS26aSP [9/141]
唯「…ぅ…ぃ…zz」ギュ
憂「お姉ちゃん…」
唯「…zz…」ギュウ
憂「えへへ…」ギュ
憂(お姉ちゃん…許してくれたのかな)
ガチャ
紬「唯ちゃーん、憂ちゃーん…」
憂「あっ」
紬「あぁ♪おはよう、憂ちゃん」
憂「おはようございます」
紬「2人のご飯用意できたわ♪」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:19:03.68 ID:u8MS26aSP [10/141]
・・・・・・・
唯「ん~うまい!」
紬「よかった♪」
憂「ありがとうございます、紬さん」
紬「遠慮せず食べてね~」
唯「うん!おかわり!!」
紬「は~い」
憂「ふふ」ニコ
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:22:05.05 ID:u8MS26aSP [11/141]
憂「お姉ちゃん…あの…」
唯「ん?どしたのうい」
憂「あのね…」
憂「お姉ちゃんを騙すとか…そんな気は本当に無かったんだ」
唯「…」
憂「でもお姉ちゃんを苦しめることになっちゃって…」
憂「本当にごめんなさい」
唯「…ふん!」
憂「うぅ…」
紬「まぁまぁ…」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:26:21.08 ID:u8MS26aSP [12/141]
唯「…うい、私は分かったよ」
憂「…?」
唯「憂も和ちゃんも私のために嘘をついてくれたんだよね」
唯「私のことを思って」
唯「それなのに私、憂に酷いこと言っちゃって…」
唯「だから謝るのは私だよ…憂、本当にごめん!」ペコ
憂「お姉ちゃん…」
唯「ごめんね…憂、本当にごめん…」
紬「ふふ」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:31:26.69 ID:u8MS26aSP [13/141]
憂「お姉ちゃん」
唯「ごめんね…憂」
憂「…ふんっ!」
唯「うん…そんなすぐ許してくれないよね…」ぐす
唯「私…ほんとに酷いことしたから…」ウル
憂「…冗談♪」
憂「お姉ちゃんが分かってくれたなら…」
憂「私はそれでいいよ」
唯「憂…」
憂「えへ~…」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:36:22.63 ID:u8MS26aSP [14/141]
唯「ういーーー!!!」ガバッ
憂「お、お姉ちゃん…」
唯「んもう…一生離さないっ!!」ギュウウ
憂「お姉ちゃん…」ギュウ
唯「ごめんね、ごめんね」ギュウウ
憂「えへ…お姉ちゃん♪」ギュ
紬(うふふ♪)
パシャッ
紬(…なんだか…うらやましいわぁ)
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:44:48.76 ID:u8MS26aSP [15/141]
私たちは仲直りした。
といっても、私の一方的な勘違いだったんだけどね。
でも、それでも、こんな私を笑顔で許してくれた憂。
やっぱり私は憂が大好きで、多分、憂も私のことが大好きだったんだと思う。
私は憂が大好き。
私を守ってくれた憂が大好き。
だから、私も絶対に憂を守る。
そう決めていたんだ。あの時。
…もちろん、これからもずっとね。
唯「憂ー!むぎちゃん!学校いこー!!」
憂「うん!」紬「はーい♪」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:50:28.09 ID:u8MS26aSP [16/141]
唯「むぎちゃんは電車通学なんだよねー」
紬「うん。斎藤は車で送迎するっていうんだけど…」
憂「すごいなぁ…」
唯「車通学!?すごいね!」
紬「ふふ、でも流石にそれはね…」
唯「楽でいいじゃん!」
紬「そう?電車で通うのも楽しいよ♪」
パシャッ
憂「…?」
唯「でもさ、今度試しにやってみようよ!」
憂「お姉ちゃん…失礼だよぉ」オロ
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:56:20.68 ID:u8MS26aSP [17/141]
紬「そう?唯ちゃんがそういうなら…」
憂「えっ…そんな」
紬「いいのよ♪それに三人なら楽しいだろうし♪」
唯「やったぁ!」
唯「車で学校通うなんて人生初だね!うい!!」
憂「う、うん…そりゃね…」
紬「ふふ♪」
唯「帰りは?帰りも車で帰るのはどうかな!?」
紬「いいけど…」
唯「車にしようよ~」
憂「お、お姉ちゃん…」オロ
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:59:34.78 ID:u8MS26aSP [18/141]
─3年2組
唯「りっちゃん!澪ちゃん!おはよ!!」
紬「おはよう」
律「おう!おはよ」澪「おはよ」
唯「ムギちゃんちすごいよぉ~!」
律「はは、良かったな唯」
澪「むぎ…大丈夫なのか…?」
紬「ええ♪全然平気。むしろ嬉しいわ♪」
澪「それならいいんだけど…」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 10:04:54.67 ID:u8MS26aSP [19/141]
─2年1組
純「おはよ…」
憂「おはよう♪って純ちゃん?」
純「憂…ごめんね昨日は」
憂「ふふ、もう気にしてないよ♪」
純「そう!?良かったぁ!」
憂「…う、うん…あはは」
梓「おはよ」
憂純「おはよー!」
梓「憂、ムギ先輩の家はどうだった?」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 10:11:48.78 ID:u8MS26aSP [20/141]
憂「う、うん…凄い広くて…」
純「ムギ先輩って…あの超お金持ちの人!?」
梓「純、ちょっとうるさい…」
純「あ、うん…で、どうだった?憂」
憂「うん…凄い大きいベッドがあって……」
・・・・・・・
憂「…っていう感じ」
梓「やっぱり凄いな~…ムギ先輩の家」
純「うう…」
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 10:14:41.30 ID:u8MS26aSP [21/141]
純「羨ましい…というかずるい!」
梓「純!!」
純「だってさぁ…」
憂「…」
純「私の親も事件起こせば」
梓「純!!馬鹿っ!」
純「ご、ごめん、冗談だって…」
憂「あは…」
憂「そうだよね…ズルいよね」
梓「…そんなことないよっ!しょうがないもん!」オロ
純「そうそう!むしろ可哀想!憂」オロオロ
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 10:21:11.64 ID:u8MS26aSP [22/141]
・・・・・・・
憂「あれ?お姉ちゃん?」
唯「これから部活なんだけど…憂もやろうよ!」
紬「憂ちゃんも一緒にやろう?」
澪「おお…」
律「強力な助っ人加入だな!」
梓「唯先輩、うかうかしてると憂に場所とられちゃいますよ?」
唯「そ、そんなことないよ!!」オロ
憂「う、うん!お姉ちゃんいっぱい練習してるし!」
律「はは…」
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 10:26:06.74 ID:u8MS26aSP [23/141]
・・・・・・・
律「というわけで、一個詰めて…唯の隣ね」
憂「あ、ありがとうございます」
憂「で、でも…私に構わず練習を」
唯「まずはゆっくりお茶の時間なんだよぉ憂」
憂「そーなんだぁ…あはは」
澪梓「うう…」
紬「はい♪今日はマドレーヌよ」
唯「ふおおお!!」
憂「あはは……」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 11:27:40.82 ID:u8MS26aSP [24/141]
私と憂は、ムギちゃんをはじめ、みんなのおかげで平穏な生活を取り戻せた。
ムギちゃんの家はとても住みやすくて、ずっとここに住めたらなぁって思ったりもした。
でも、やっぱりそれは続かなかったんだ。
―とある日
憂「さようなら」
唯「じゃあね~!」
律「うん、また明日なー」
紬「じゃあ、帰りましょう」
斎藤「お乗りください」
ガチャ
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 11:33:36.28 ID:u8MS26aSP [25/141]
パシャッ
憂「…?」キョロ
紬「どうしたの?憂ちゃん」
憂「いえ…」
憂(なんか撮られてる…?)
唯「憂ー、早く乗って」
憂「うん」
ガチャ
紬「斎藤、お願い」
斎藤「はい。では出発します」
ブロロ…
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 11:38:40.16 ID:u8MS26aSP [26/141]
唯「どしたの?」
憂「なんか最近…誰かにつけられてる気がしない?」
唯「そうかなぁ?」
紬「そう?」
憂「いや…よく分からないんだけど…」
紬「念のためSPを付ける?」
憂「いえいえ…そこまでは」
斎藤「何かあったら言ってくださいね」
憂「はい、ありがとうございます」
唯「憂は心配性だからねぇ…」ムニムニ
憂「そ、そうかなぁ?」
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 11:45:48.05 ID:u8MS26aSP [27/141]
―それから数日後
紬「斎藤遅いわねえ…」
唯「いいよ~ゆっくり待ってよ~」
憂「うん♪」
「君たち…ちょっといいかな」
唯「え?」
男「ああ、僕はこういう者です」
『週刊サタデー』
憂「はぁ…」
男「ちょっと聞きたいことがあるんだよ」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 11:49:47.26 ID:u8MS26aSP [28/141]
男「紬さん、ですよね」
紬「…」
男「ははは…」
男「君たちは紬さんのお友達?」
唯「え?うん」
男「そっかぁ。はは、いい友達を持ったねぇ」
男「こちらは…よく似てるけど、妹さん?」
憂「…」
唯「なんで?」
男「いやいや…」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 11:55:01.32 ID:u8MS26aSP [29/141]
男「ほら、僕も君たちと同じくらいの歳の娘がいるんだけどね」
男「桜が丘の女の子はどんな感じなんだろうな~って」
唯「へ~」
男「もし良かったらさ、その名刺に書いてある番号に電話してくれないかな?」
唯「いいよ~?」
男「本当に?ありがとう。いつでも連絡待ってるよ」
ブオオオ
唯「あっ車来た」
男「じゃあ僕はこの辺で…」
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 11:59:17.55 ID:u8MS26aSP [30/141]
斎藤「お待たせしました。何者かのイタズラを受けたようで…」
紬「にしても遅いわっ!!」
斎藤「はっ。申し訳ありません」
紬「…唯ちゃん、憂ちゃん乗って?」
唯「うん…」
憂「…」
紬「憂ちゃん?」
憂「あっごめんなさい」
ガチャ
パシャッ
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:02:24.04 ID:u8MS26aSP [31/141]
ブロロ
紬「唯ちゃん…今度からはああいう人は無視していいわ」
唯「そうなの?なんで?」
紬「いろいろと嘘を並べていじわるしてくるからよ」
唯「でもそんなに悪い人には…」
憂「お姉ちゃん…」
唯「え?…でもなんで」
紬「とりあえず、さっきの名刺くれる?」
唯「うん…はい」
紬「ありがとう♪」
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:08:09.39 ID:u8MS26aSP [32/141]
─ベッド
唯「ねえねえ、うい?」
憂「なぁに?お姉ちゃん」
唯「…週刊誌の人だったよね」
憂「そうだね」
唯「私たち有名になってるのかな?」
憂「う~ん…」
唯「ムギちゃんちに泊まってるからかな」
憂「そうだね…それに車で登下校するのは…もうやめた方がいいのかも」
唯「うん……」
唯「…大丈夫だよね、うい」
憂「たぶん…」
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:13:58.95 ID:u8MS26aSP [33/141]
私と憂は、ムギちゃんの家に泊まらせてもらってるだけだ。
だけ、っていうのも変だけど…
でも、私も憂も特に変わったことはしていなかった。
毎日幸せに暮らせていた。
─2年1組
純「ねえ憂」
憂「なに?純ちゃん」
純「これ…」
憂「週刊サタデー?」
純「そうそう。でさ、このページ…」
ペラ
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:21:00.63 ID:u8MS26aSP [34/141]
『殺人夫婦の娘姉妹は財閥令嬢と大親友』
『資産家狙いの連続強盗は琴吹グループの刺客か!?』
純「で、これ…」
『将来の暗殺部隊は今日も高級車でお嬢様と登下校…』
純「顔はモザイクかかってるけど…憂と唯先輩だったり…」
憂「…」
憂「純ちゃん!?」
純「……私は憂が可哀想で」
憂「だから…なに!?」
憂「違うよ!これは私とお姉ちゃんじゃない!!」
純「憂…」
憂「あぁ…あは…」
158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:25:39.81 ID:u8MS26aSP [35/141]
憂「…私なにいってんだろ…ごめん」
憂「せっかく教えてくれたのにね……」
憂「ごめん純ちゃん」
純「ううん…大丈夫なの…?」
憂「わかんない…もう…」
憂「紬さんに頼るしか…」
純「私の家なら…」
憂「うん…うん…」
憂「これは私とお姉ちゃん…?」
純「このタイツは…」
憂「…」
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:30:13.26 ID:u8MS26aSP [36/141]
─3年2組
和「おはよう、澪」
澪「おはよう和…なぁこれ」
和「週刊誌?」
澪「うん…これ、唯たちのことじゃ…」
和「かなりそうっぽいわね…」
澪「どうなってるんだよ」
和「さぁ…でも、唯に教えるわけには…」
唯「おはよー!」
紬「おはよう♪」
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:35:39.64 ID:u8MS26aSP [37/141]
澪「おっおはよ」
和「おはよう、唯」
唯「おはよー!いやあ、疲れたねムギちゃん」
紬「ふふ、参っちゃうわ」
和「どうかしたの?」
唯「電車で来たんだけどね、駅降りて色んな人に声かけられたんだ」
紬「しつこくてね…」
和「この大切な時期に…」
澪「大変だな…」
唯「?…なんかね、色んな雑誌の人が話しかけて来たんだけど、全部無視!」
紬「ええ♪唯ちゃんかっこよかったよ」
唯「えへへ~」
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:37:33.18 ID:u8MS26aSP [38/141]
和「…」
澪「…」
紬「…何かあったのね」
和「…」
唯「?」
紬「そう思ったわ…」
和「ちょっとこっちに…」
唯「なに~?」
澪「唯はこっち!」
唯「ふぇ?」
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:40:13.01 ID:u8MS26aSP [39/141]
和「これ見て」
紬「…」
和「そろそろ…」
紬「ふふ…負けないわ」
和「えっ…」
紬「こんなのね…相手にしちゃだめなのよ」
和「そうだけど…」
紬「心配してくれてありがとう♪でも、きっと大丈夫」
和「そう?」
紬「ええ♪」
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:47:12.68 ID:u8MS26aSP [40/141]
唯「なぁに~?」
澪「ちゃんとムギに感謝しなよ?」
唯「またまたぁ」
澪「唯…私に何かできることあるかな…?」
唯「ん~今のところ…って…別にいいよぉ」
唯「ありがとね澪ちゃん」
澪「うん…」
唯「お母さんも、お父さんも、きっとすぐ帰ってくるし…」
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:05:14.93 ID:u8MS26aSP [41/141]
─帰り
紬「外に結構いるわね…」
憂「はい…」
唯「3,4,5人…」
紬「…斎藤呼ぶわ」
憂「えっ…」
紬「いいのよ。唯ちゃんと憂ちゃんは心配することないわ」
唯「うん…」
憂「なんかごめんなさい…」
紬「いいのいいの♪」
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:09:41.30 ID:u8MS26aSP [42/141]
斎藤「お嬢様」
ガチャ
紬「早く!!」
「紬さーん!」
「お父さんとお母さんのことは…」
ガチャン
唯「なんか芸能人みたいだね…」
憂「うん…」
紬「斎藤、これから大変になるでしょうけど…よろしくね」
斎藤「はい」
紬「ふー…」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:12:49.95 ID:u8MS26aSP [43/141]
紬「…」
唯「ムギちゃん?」
紬「なぁに?唯ちゃん」
唯「私と憂ができることは何かあるかな」
紬「なにも心配しないで~♪」
紬「こっちの問題だからね…」
唯「…」
憂「どうすれば…」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:16:00.40 ID:u8MS26aSP [44/141]
─ベッド
唯「ふぅ…」
憂「お姉ちゃん…」
「斎藤っ!!早くしなさいっ!!」
「はいっ!ただいま!!」
ドタドタ
唯「…」
憂「…」
唯「ねぇ憂…」
唯「どうして…?」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:20:00.95 ID:u8MS26aSP [45/141]
唯「どうして…こんなことに…?」
憂「…お父さんとお母さんが……」
唯「お父さんたち?」
唯「そんな泥棒したってこと…?」
憂「……」ぐす
憂「…お姉ちゃん…言っていい?」ウル
唯「だめ」
憂「えっ…」
唯「もう…いやだよ…」
唯「どうして…どうして」
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:24:01.70 ID:u8MS26aSP [46/141]
・・・・・・・
唯「…うい」
憂「…」
唯「もう…いこっか」
憂「?…」
唯「お姉ちゃんもう無理……」
唯「憂だけならまだ…でもね」
唯「もう苦しくて…」ぐす
唯「みんなに迷惑かけてばっかりで…」
憂「…」ポロポロ
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:28:33.06 ID:u8MS26aSP [47/141]
唯「でもさ…大丈夫だよ」
唯「2人でやってこれたから……ね?」
憂「…お姉ちゃん…」
唯「もういこうよ」
憂「でも…紬さんはたぶん」
唯「だから斎藤さんにお願いしてさ」
憂「…うん…」
唯「憂もいるしっ。なんとかなるよ」
憂「でもお姉ちゃん…受験は」
唯「もういいよ」
憂「そんなぁ…」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:46:07.57 ID:u8MS26aSP [48/141]
唯「ほら…」
『20万円』
憂「えっ…」
唯「みんなからもらったんだ…」
唯「これでなんとかなるよ…」
2010年冬。私は憂と2人だけで生きていくことを決意した。
よく分からないけど、なんとかなる、そんな気がした。
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:57:54.23 ID:u8MS26aSP [49/141]
『
みんなへ
突然ごめんなさい。
みんなが協力してくれたお陰でなんとかここまでこれました。
でも、やっぱり迷惑になっちゃうみたいです。
これから2人で田舎の親戚の家に向かいます。
みんなと一緒に過ごせないのはとても残念です。
落ち着いたらまた手紙を送ります。
またいつか会えるよね。
今まで本当にありがとう。さようなら。
唯 憂
』
唯「こんな感じで…」
憂「…」
唯「みんなに一人ずつ書きたいけど…怪しまれちゃうからね」
憂「うん…」
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:05:23.71 ID:u8MS26aSP [50/141]
憂「紬さんには…なんてお礼を」
唯「うん…斎藤さんにお願いしよう」
憂「…そうだね」
唯「…じゃあ、田舎の親戚の家に」
憂「うん」
・・・・・・・・
私たちの第二の人生は、早くもここで始まったんだ。
第二部 完
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:18:08.43 ID:u8MS26aSP [51/141]
斎藤「本当によろしいのですか?…」
唯「はい。ム…紬さんにもそうお伝え下さい」
斎藤「ふむ…」
唯「私たちのせいで、とても迷惑をおかけしてなんと謝ったらいいか」
斎藤「私としては…あなた方が居なくなることが、紬お嬢様にとって一番苦痛になるのではと考えますが」
憂「はい…でも週刊誌にもあれだけ書かれてますし…」
憂「私たちのことが紬さんのご両親に知られるのは時間の問題なので…」
斎藤「その件は私がどうにか…」
唯「いや、大丈夫です。斎藤さんに迷惑かけるわけにもいかないので…お願いします」
斎藤「はぁ…では」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:20:49.37 ID:u8MS26aSP [52/141]
唯「憂、その週刊誌私も見たい」
憂「な、なんで?」
唯「いやぁ~だってどんな嘘ついてるのかなぁって」
憂「うん…」
唯「後で読ませてね」
憂「うん……でも」
唯「分かってるよぉ…それに」
憂「?」
唯「もうお父さんとお母さんは居ないから」
憂「…」
憂「うん…」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:25:40.15 ID:u8MS26aSP [53/141]
なんだか遠足の様な気分だった。
あまりに非現実的だったからかな。
所詮は同じ日本。電車に乗れば、いつでも桜が丘に帰ってこれる。
そんなことも思ってた。
憂「はい」
唯「うわぁ」
ペラ
唯「強盗…殺人…」
憂「…」
唯「へ、へぇ~」
唯「すごいよね、こんなこと書いちゃって」ウル
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:28:32.95 ID:u8MS26aSP [54/141]
唯「…もういいや」
憂「うん」
唯「もう訳がわからないし!そんなの書いて何が面白いんだろうねっ!」
憂「…」
唯「全然気にしてないもんね」
唯「全然!」
憂「うん…」
唯「だって嘘だもん!」
唯「私と憂が人殺しなんてする訳ないし」
唯「これ書いた人なにも分かってないっ!ね」
憂「…ほんとだよね…」
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:33:24.16 ID:u8MS26aSP [55/141]
斎藤「到着しました」
唯憂「ありがとございます」
斎藤「では、お気を付けて」
唯憂「はい!」
・・・・・・
唯「さてと…田舎のおばあちゃんの家は」
ペラ
憂「ここだから…こう行ってここで乗り換えて…」
唯「さすが憂…早くも助かっちゃったね」
憂「えへ~…」
憂「2人で協力すれば、なんとかなるよ!」
唯「うんっ!」
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:36:14.37 ID:u8MS26aSP [56/141]
憂「お姉ちゃーん!電車くるよ」
唯「ほいほーい」
憂「なんか旅行行くみたいだね~」
唯「ねー!!」
・・・・・・
唯「…おばあちゃん居なかったらどうする?」
憂「いると思うけど…もしいなかったホテル泊まれば、」
唯「そだね」
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:46:56.29 ID:u8MS26aSP [57/141]
おばあちゃんちに着く前に、一回ホテルに泊まったんだ。
シングルベッドの安いビジネスホテル。
唯「えへへ…バレなかったね」
憂「よかったぁ」
唯「明日には着く?」
憂「うん!たぶん」
唯「そっかぁ…」
唯「やっとゆっくりできるね…」
憂「お姉ちゃん、紬さんの家でもくつろいでたじゃん!」
唯「そうだっけ?」
憂「お姉ちゃん…」
あははは…
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:52:48.79 ID:u8MS26aSP [58/141]
─翌朝
憂「お姉ちゃん起きて!」
唯「あと100分…」
憂「お姉ちゃん!!」ユサユサ
唯「うぃ…」
憂「もぉ…」
唯「…ばぁ!!」バッ
憂「ひゃあ!」
唯「う~い~びっくりした?」
憂「……お姉ちゃん…めっ!」
唯「お許しを~」
憂「早く着替えてね」ニコ
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:58:09.19 ID:u8MS26aSP [59/141]
憂のおかげで順調に乗り継いで、おばあちゃんの住んでいる駅に。
唯「ついたぁ!」
憂「やっとだね~」
唯「憂、写真写真!!」
憂「あはは…ほんとに旅行みたいだね」
唯「誰か~……あっあの人でいいや」
唯「あの、写真お願いします、ここを…」
女「はぁ……」
はい、ちーず パシャッ
唯「ありがとございます!!」
女「いやいや」
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:03:21.23 ID:u8MS26aSP [60/141]
唯「なんか結構変わった?かな」
憂「そうだねー」
唯「まあいいや、じゃ行こー!」
憂「おー!」
・・・・・・
唯「憂?」
憂「うん…」
唯「ここ、だったよね」
憂「…」
『私有地……無断立入を禁ず』
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:06:40.69 ID:u8MS26aSP [61/141]
唯「なんで?空き地に」
憂「さ、さぁ…」
唯「おばあちゃんはどこに……」
憂「……」
唯「…とりあえず何か食べよっか」
憂「…うん」
唯「あっデニーズがあるけど」
憂「お姉ちゃん決めていいよ」
唯「じゃここで!」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:12:04.99 ID:u8MS26aSP [62/141]
唯「さて、これからどうしようか憂」
憂「そろそろ暗くなるからホテルを見つけない?」
唯「そういえば駅前にあったね」
憂「うん。そこでいいんじゃないかな」
唯「そだね。そうと決まれば行こう!」
憂「うん!」
唯「今度は私がホテルやるね!」
憂「ありがと、お姉ちゃん」
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:16:35.38 ID:u8MS26aSP [63/141]
・・・・・・・・
受付「えっと…未成年の方はご両親の承諾書が必要なんですよ」
唯「えっ…前はいらなかったのに」
受付「当ホテルでは…」
憂「…分かりました、また後で持ってきます」
憂「お姉ちゃん行こう」
唯「えっ…」
憂「(大丈夫だよ、他のところ探そ)」
唯「(そだね…)」
唯「ベー」
受付「…」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:21:52.80 ID:u8MS26aSP [64/141]
なかなか泊まるところが見つからなかったんだよね。
唯「憂…疲れた……」テクテク
憂「う、うん…なかなか泊めてもらえる所が無いね」
唯「もしどこにも無かったら」
憂「大丈夫だよ!」
唯「寒いから…野宿はいや…」
憂「大丈夫!だってまだお金こんなにあるよ?」
憂「どうにかなるよ……あっ!」
唯「お?」
憂「ほら!あの民宿なら泊めてもらえそうじゃない?」
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:27:01.84 ID:u8MS26aSP [65/141]
『民宿 またずれ荘』
唯「ぼろ…」
憂「ごめんお姉ちゃん…でもここなら多分」
唯「うん…全然いいよ」
憂「失礼しま~す」
老婆「はい…」
・・・・・・・
憂「お姉ちゃん!いいって!(高かったけど…)」
唯「よしっ!憂ナイスって…あっ」
憂「?」
唯「私がやるっていったじゃん!」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:34:15.84 ID:u8MS26aSP [66/141]
憂「あ…そういえば」
唯「んもう!」
憂「あはは…ごめんねお姉ちゃん」
唯「許すっ!!」
憂「ありがと♪」
唯「さぁ!お布団ひいて~♪」
憂「あれ?一枚だけ?」
唯「いいじゃん♪2人で寝よ~よぉ」
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:37:42.40 ID:u8MS26aSP [67/141]
憂「暖房効かないね…」
唯「だいじょーぶ!」
唯「ぺとーって!2人のらぶらぶぱわーで寒さも吹っ飛ばすよ!」
憂「お姉ちゃん///」
唯「ほらほら♪おいでおいで」
憂「うん…」
唯「うい…あったかぁい…」ギュウウ
憂「お姉ちゃんも…///」ギュ
唯「あったかあったか…」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:33:24.77 ID:u8MS26aSP [68/141]
ガチャ
老婆「ちょっと失礼するよ」
唯「ん~!う~い~むちゅちゅぅ」
憂「おね///」
老婆「仲よしねぇ…」
憂「///」
老婆「…暖房の元栓開け忘れてたよ、ごめんね」クイッ
ブオオー
老婆「ごゆっくり」
ガチャ
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:37:03.44 ID:u8MS26aSP [69/141]
憂「お姉ちゃん…?」
唯「なぁにぃ~…」憂「起きてた」
憂「明日からどうしよっか」
唯「う~ん……遊ぼ」
憂「えっ」
唯「せっかくだからさ…ね?」
憂「うん…いいけど…」
憂「お金もそんなにあるわけじゃ」
唯「ふふ……いいよぉ」
唯「その時はその時で考えよぉ」
憂「うん…」
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:43:38.57 ID:u8MS26aSP [70/141]
次の日から私たちは遊びまくったんだよね。
唯「憂~!!こっちこっち!ジェットコースター!」
憂「うん!」
カタカタカタ
唯「くるよぉ…」
ビューン!!
唯憂「きゃああああ!!!」
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:46:39.65 ID:u8MS26aSP [71/141]
・・・・・・・・
唯「憂~!お化け屋敷!!」
憂「お姉ちゃん大丈夫~?」
唯「任せなさい!!」
唯「こここわくないねああんまり」ガタガタ
憂「そそそう?かな?」ブル
「うわああああ」
唯憂「きゃああああ!!」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:52:19.41 ID:u8MS26aSP [72/141]
・・・・・・
唯「あ!!」
唯「憂!!メリーゴーランド乗ろうよ!」
憂「あは…いいよ~」
唯「あはははは~うふふふふ~」
憂「ふふふ」ニコニコ
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:55:09.31 ID:u8MS26aSP [73/141]
・・・・・・
唯「憂!!ボーリング!」
憂「うん!!」
バタバタン
憂「やったぁ!!」ピョンピョン
唯「6回連続ストライクだとぉ…やるな憂」
唯「とおっ!」
ステーン!
憂「お姉ちゃん!?」
唯「えへへ…」イテテ
216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:59:20.05 ID:u8MS26aSP [74/141]
・・・・・・
唯「憂!!卓球しよぉ~!」
憂「うん!」
トトントトントトントトン
唯「とぉっ!!」バシッ
憂「あ…」
唯「やったぁ!!憂に勝ったぁ!!」
憂「負けちゃった…」ニコ
唯「うぅ~もっと悔しそうにしてよぉ」
憂「負けちゃったよぉ…」シュン
唯「はっはっは」
憂「ふふ」ニコ
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:04:17.54 ID:u8MS26aSP [75/141]
遊んでる時間はあっという間にすぎて行ったなあ。
民宿のおばあさんが何日も泊めさせてくれたおかげでいっぱい遊べた。
・・・・・・
唯「憂~バッティング!」
憂「ふふ、お姉ちゃん…私すごいよ!?」
唯「なんで!?」
カキーン
カキーン
カキーン
「お、おいあの姉妹なんなんだ」
「さっきから飛ばしまくってんな…」
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:08:28.28 ID:u8MS26aSP [76/141]
・・・・・・
唯「憂…とれない……」
憂「どれどれ…」
ウィーン ガチャ
唯「おぉ!掴んだ」
ウィーン ボトッ
唯「おおおお!!さすが憂!」
憂「偶然だよ~えへへ…」
219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:12:05.01 ID:u8MS26aSP [77/141]
・・・・・・
憂「お姉ちゃんこれは?」
唯「う~ん…ちょっとこのラインがなぁ」
憂「そうかなぁ」
唯「憂!?これなんてどお!?」
憂「…すごい!!似合ってるよお姉ちゃん!」
唯「でしょお~!!」
憂「センス良いよねぇお姉ちゃん」
唯「えへ~///」
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:18:16.77 ID:u8MS26aSP [78/141]
・・・・・・
『アンディーーー!!』
『レーーーッド!!!』
憂「うぅ…」ぐす
唯「……zz…」
憂「お姉ちゃん…」
唯「ほえ」
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:21:22.99 ID:u8MS26aSP [79/141]
・・・・・・
憂「お姉ちゃん…そろそろお金無い……」
ガチャ
老婆「お二人さん、今日の夜に団体客が来て埋まっちゃうんだ」
老婆「悪いけど他を探してくれ」
憂「はい…ありがとうございましたぁ」
唯「おばあちゃん、長生きしてね」
老婆「ふふ…ありがとう、唯ちゃん」ニコ
憂「どうしよっか…」
唯「う~ん…」
222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:26:43.10 ID:u8MS26aSP [80/141]
唯「2人でバイトでもする!?」
憂「う~ん…難しいんじゃないかなぁ…」
ぐ~~
唯「お腹すいちゃった」
憂「とりあえず…菓子パンならいっぱいあるよ」
唯「おお~!でかしたっうい」
憂「ふふ…買っておいてよかったぁ」
唯「じゃあさぁ…募金でもしようよ」モグモグ
憂「募金って……生活費を募金なんてねえ…」
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:31:07.75 ID:u8MS26aSP [81/141]
唯「歩いてたらすっかり暗くなっちゃったね…」
憂「うん…」
唯「泊まるところ無かったら…野宿でもいいよ」
憂「…」
唯「憂と一緒に寝れば寒くないし」
唯「それに…」
『レジャーシート』
唯「おっきなビニールシート和ちゃんからもらってるから…」
憂「なんだか…すっかりホームレス装備だね…お姉ちゃん」
唯「えぇ?そうかなぁ?」
あははは…
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:36:13.70 ID:u8MS26aSP [82/141]
唯「って笑ってる場合じゃ…あ!」
憂「ん?」
唯「田舎にとまろうみたいにさ、誰かの家に泊まらせてもらおうよ!」
憂「…う~ん…ちょっと危ない気がするなあ…」
唯「そお?」
憂「うん…だってどんな人がいるか…それにそんな田舎って感じじゃないしここ」
唯「大丈夫だよ!危ない人なんてめったにいないって!!」
憂「……」
唯「うい、やだ?」
憂「…うん…ごめんねお姉ちゃん」
226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:40:58.25 ID:u8MS26aSP [83/141]
唯「ならいいよ。憂は野宿でもしてて!」
唯「私は誰かの家でゆっくり寝るから!」
憂「そんな…じゃあ私も」
唯「嘘だよぉ!」
憂「う、うん……」
唯「…もう絶対憂とは離れないよ」
唯「だから憂もどこにもいかないでね」
憂「私はどこにも行かないよ…」
唯「それでよし!」
憂「でも…どうしよう」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:46:27.47 ID:u8MS26aSP [84/141]
唯「野宿する?」
憂「そうするしかないかなぁ…」
唯「じゃあ…橋の下にでも」
憂「そうだね」
寒い日だったけど、寝る場所を失った私たちは野宿をすることに決めた。
バサッ
唯「なんかキャンプに来たみたい!」
憂「あはは…」
唯「わあ~!」ババッ
憂「ああっお姉ちゃんあんまり動かないで」
唯「はい…」シュン
229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:15:09.52 ID:u8MS26aSP [85/141]
憂「お姉ちゃん」
唯「ん?」
憂「ちょっと硬くない?」
唯「なんか下にひこっか」
憂「うん」
パサッ
唯「どお?」
憂「うん…だいぶ」
唯「ね」
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:20:00.97 ID:u8MS26aSP [86/141]
憂「…ちょっと……寒いかも」
唯「そだね…おいで」
憂「うんっ」
唯「お姉ちゃんの熱を受け取れ~」ギュウウウ
憂「あったかぁい…」
唯「うおお…」ギュウウウ
憂「お姉ちゃんの熱…」
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:24:27.39 ID:u8MS26aSP [87/141]
憂「ふぅ~……」
唯「ね~むれ~よ~♪」
唯「ね~んね~ころ~♪」
憂「……zz」スヤ
唯「…お、憂が先に寝た」
唯「私の子守唄のおかげだね!」
唯「こいつめこいつめ」ムニムニ
唯「かわいいやつめ」ナデナデ
憂「…ゃぁ…zz…」
唯「おやすみぃ…」
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:29:06.82 ID:u8MS26aSP [88/141]
─翌朝
唯「う~い~」
憂「ぁぁ…」
唯「おはよ」
憂「おなよ…」
唯「だいじょぶ?」
憂「うん…ちょっとだるいけど全然平気」
唯「体調悪くなったら隠さないで言ってね」
憂「うん♪」
235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:31:33.66 ID:u8MS26aSP [89/141]
唯「このテント…どうしよっか」
憂「今日もまた使う…かな?」
唯「んん~…結構寝づらかったよね」
憂「う~ん…」
唯「とりあえず一旦片付けない?」
憂「そうだね」
唯「意外に早く作れるしね」
憂「うん」
236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:34:36.49 ID:u8MS26aSP [90/141]
唯「今日も寝床探しの旅へ!いこー!」
憂「おー…」
唯「おー!!」
憂「おー!」
唯「元気に行こうね」()
憂「うん」
・・・・・・
唯「ねえねえ、うい、これかわいい」
憂「ほんとだね~」
唯「でもお金がない」シュン
238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:37:20.02 ID:u8MS26aSP [91/141]
憂「まずは寝る場所探そうよ、お姉ちゃん」
唯「ごもっともです」
・・・・・・
ぐ~~
唯「朝ごはんも食べてないからお腹減ったね~」
憂「とりあえず菓子パンがまだあるから…」
唯「パンばっかは飽きるなぁ…」
憂「ごめんねお姉ちゃん」
唯「いやいや…そーゆーことじゃなくて」
唯「そうだ!スーパー行かない?」
240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:39:55.47 ID:u8MS26aSP [92/141]
憂「スーパーなんて行ったらますます…」
憂「…あっ!分かった」
唯「なぬ?」
憂「お姉ちゃん…試食売場行きたいんでしょ?」
唯「ばれたか…」
憂「なんか惨めだけど…あはは」
唯「えへへ…」
憂「…行こっか」
唯「うん、ありがとね」
241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:44:13.47 ID:u8MS26aSP [93/141]
─スーパー
唯「うい~!かまぼこあるよ~」ヒョイパク ヒョイパク
憂「お姉ちゃん…恥ずかし///」
唯「そうかなぁ…」モグモグ
唯「あ、無くなった」
憂「///」
唯「あ、ウィンナー!」
店員「どうぞ~」
唯「うま…」モグモグ
唯「おかわり!」
店員「はは…はいどうぞ」
憂「///」
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:48:47.02 ID:u8MS26aSP [94/141]
・・・・・・
唯「ふー食ったくった」ゲプ
憂「すごいね…お姉ちゃん…」
唯「でしょお!?憂ももっと食べればよかったのに」
憂「あはは…お姉ちゃんに食べさせてあげたかったから」
唯「ほんとぉ?こいつぅ~」ムニムニ
憂「やぁ…やめて//」
唯「…ってこんなことしてる場合じゃないよ!憂!」ムニムニ
憂「私はなにも…して…にゃいよぉ…」
唯「寝る場所探さねば!」
246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:31:20.67 ID:u8MS26aSP [95/141]
・・・・・・
唯「どおしよ~」テクテク
憂「うん…」テクテク
男「君たち?」
唯「ふぇ?私たち?」
男「うん。おっきな荷物持ってどこ行くんだい?」
唯「いや…寝る場所探してるんだ~」
憂「…」
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:36:16.75 ID:u8MS26aSP [96/141]
男「寝る場所は見つかりそう?」
唯「いやぁ…なかなか」
男「もしよかったらうちに来る?6歳と8歳の娘もいるんだ」
唯「えっいいんですか?」
男「ああ。無理にとは言わないけど、もしよかったらさ」
唯「(憂…どお?)」
憂「(お姉ちゃんに任せた…)」
唯「(優しそうな人だし…いいかな)」
憂「…」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:38:56.81 ID:u8MS26aSP [97/141]
唯「じゃあお邪魔しようかな…」
男「ああ。車に乗ってきたんだ。乗って?」
唯「はい…」
唯「憂、行こう…」
憂「うん…」
男「2人とも元気無いね?」
唯「野宿してて…あんまり寝れなかったというか」
男「大変だったんだな…今日はゆっくりしていくといい」
唯「ありがとうございます」
憂「…」
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:43:13.60 ID:u8MS26aSP [98/141]
男「ここだよ」
唯「わぁ…綺麗なマンション…」
男「ふふ、最近できたばかりなんだよ」
唯「へぇ~…」
唯「(憂?大丈夫?)」
憂「(うん…ちょっとだるいだけだよ)」
唯「(大丈夫かなぁ…今日は早く寝ようね)」
男「どうしたの?」
唯「いえ…」
265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:50:06.83 ID:u8MS26aSP [99/141]
─いまから少し前
斎藤「お嬢様!」
紬「なに?」
斎藤「ご友人の唯様、憂様から…」
紬「これは……」
紬「斎藤…今すぐ連れ戻して」
斎藤「それは彼女たちにとっては…」
紬「……」
紬(『田舎の親戚』…)
紬(『今まで本当に』……)
紬「と、とりあえず学校のみんなとも相談してみるわ」
斎藤「はい」
267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:54:44.87 ID:u8MS26aSP [100/141]
─3年2組
律「今日は唯来てないなー」
澪「だな…何かあったのかな」
紬「りっちゃん!澪ちゃん!和ちゃん!」
律「どうした!?そんな慌てて」
澪「?」
紬「これを!!」
律「おーおー親戚の家か」
澪「そこなら安心だな…」
和「う~ん…」
269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:01:53.52 ID:u8MS26aSP [101/141]
紬「なんだか…心配なんだけど」
和「そうね…」
和「でもまあ…憂もいるし…大丈夫じゃないかしら」
紬「そうだといいんだけど…」
和「それに…ね、律、澪」
律「結構痛かったけどなぁ…ってのは嘘で」
澪「うん。貯金とか崩して20万渡したんだ」
紬「えっ…」
和「だからね…もし親戚の家に入れなかったら戻って来ると思う」
和「憂もいるし…唯だってやるときはやる子だから」
和「唯と憂からの手紙を楽しみに待ってましょう」
律「そだな」
271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:07:10.16 ID:u8MS26aSP [102/141]
─マンション
唯憂「お邪魔しまーす」
男「いらっしゃーい」
男「今ご飯の用意するから待ってて」
唯「あ、ありがとうございます」
憂「…」
唯「(憂、つらいの?)」
憂「(大丈夫…大丈夫)」
唯「(やめてよ憂…早く言ってね)」
憂「(大丈夫だって…ありがとお姉ちゃん)」ニコ
272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:09:57.85 ID:u8MS26aSP [103/141]
チーン… チーン…
唯「今の何?」スタ
憂「待ってお姉ちゃん…行かないで」
唯「大丈夫大丈夫。ちょっとだけ」
憂「うん…」
唯「憂…大丈夫かな」トテトテトテ
唯「あっ…」
男「おっ?」
274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:13:40.00 ID:u8MS26aSP [104/141]
唯「これは…」
男「そう…」
男「私の娘2人。今もいる」
唯(仏壇……死んじゃってたんだ…)
男「今用意するよ」
唯「はいっ」
279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:17:09.77 ID:u8MS26aSP [105/141]
・・・・・・
唯憂「いただきまーす」
男「めしあがれ」
男「といっても買いおきのレトルトカレーなんだけどな」
唯「いえ、おいしいです…」
憂「うん…」
男「それなら良かった…ん?」
男「そちらの……大丈夫?」
憂「は、はい…大丈夫です」
283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:20:19.24 ID:u8MS26aSP [106/141]
男「無理をしないで…今日は早く寝るといい」
憂「はい…」
・・・・・・
唯憂「ごちそうさまでした」
男「はーい」
男「暫くしたらお風呂に入っちゃいなさい」
唯「はい…ありがとうございます」
男「うむ」
285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:23:36.34 ID:u8MS26aSP [107/141]
・・・・・・
唯「久しぶりに湯船に浸かれたね」
憂「うん…」
男「お、上がったか」
唯「はい、あの、どこで寝れば…」
男「ああ、こっちにおいで」
男「君もだよ」
憂「…はい」
ガチャ
男「この部屋だ」
287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:26:30.79 ID:u8MS26aSP [108/141]
男「私はあっちの部屋で寝るから…何かあったら、ね」
唯「はい。ありがとうございます」
憂「ありがとうございます」ペコ
男「じゃあ、ゆっくり…おやすみなさい」
唯憂「おやすみなさい」
男「ああ、おやすみ」
ガチャ
男「よし…」
292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:32:41.02 ID:u8MS26aSP [109/141]
唯「ベッドが二つ…」
唯「憂はどっちがいい?」
憂「お姉ちゃん決めていいよ」
唯「じゃあ…私はこっち!」
憂「じゃあ私は右の」
唯「ぶー!」
憂「え…」
唯「憂とはずっと一緒なの!だから憂もこっち」
憂「お姉ちゃん…」
295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:37:33.36 ID:u8MS26aSP [110/141]
・・・・・・
唯「久しぶりにベッドだね~」
憂「ね…」
唯「う~い~…元気出してよぉ」
憂「もう寝るんでしょ…お姉ちゃん」
唯「そうだけどさぁ~…」
憂「ふふ…また明日も寝る場所探さないとね」
唯「ね…なんかムギちゃんちに戻りたくなってきたかも」
憂「お姉ちゃん…」クス
299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:43:06.05 ID:u8MS26aSP [111/141]
憂「でも、なんだかんだで私たち頑張ったよね」
唯「うんっ!憂のおかげだよぉ」
憂「そんなことないよ…お姉ちゃんのおかげだよ」
唯「そお?でへへ…」
憂「うん…」ニコ
唯「絶対離さないよぉ…憂」ギュウ
憂「わたしも…お姉ちゃん大好き」ギュ
唯「えっ///」
唯「えへ…お姉ちゃんも憂のことだーっいすきっ」ギュウウウ
憂「おやすみぃ…お姉ちゃん」
唯「おやすみ…うい」
300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:46:21.71 ID:u8MS26aSP [112/141]
・・・・・・
憂「んっ…といれ…」
唯「ぅぃ…」ギュ
憂「…お姉ちゃん…ごめん、トイレ行くから…」
唯「……」ギュ
憂「お姉ちゃん…」ユサ
唯「…zz……」
憂「ふふ…すぐ戻るね」
ガチャ
304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ぶ] 投稿日:2010/08/15(日) 20:50:03.66 ID:u8MS26aSP [113/141]
憂(んーと…トイレは……)
憂(ここかなぁ)
ガチャ
男「」
憂「!?」
憂「ぃゃ……おね…んっ」
憂「んー!!んっ!!!」
男「」バンッ
憂「」
ズルズル
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:52:28.86 ID:u8MS26aSP [114/141]
バンッ!!
憂「うぐっ…」
バシッ
憂「……ごっ…」
男「へへ…」
ビリビリビリッ
ブーン…
憂「んっ…」
316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:55:05.86 ID:u8MS26aSP [115/141]
憂「んはっ…」
ブーン…
憂「んんっ…」
男「へっ…ほら」
憂「…ん!!……んんん」
男「おら!!」
憂「んん!…んん!!!」ポロ
男「ったく…」
バスッ
憂「んっ…」
325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:58:00.43 ID:u8MS26aSP [116/141]
バッ
憂「はぁ…はぁ……」
男「ほら…しゃぶれよ」
「…」
憂「……」
パクッ
男「素直じゃん…」
憂「…」
331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:00:56.35 ID:u8MS26aSP [117/141]
ガブッ!!
男「でえええ!!!!」
バンッ!!!
男「」
唯「憂!!早く!!」
憂「あ…ぁ…」
唯「早く!!なにこれ!?」ギシ
男「ってえ…」
男「……待てよ!!おい!」
340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:05:28.54 ID:u8MS26aSP [118/141]
唯「こんの!!馬鹿!!!」ポロ
パシッ
男「あ?」
唯「うっ…」
男「お前なぁ…」
バスッ
唯「おごっ…」
憂「ばか!!」
バスッ
男「こいつ……」
341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:07:49.39 ID:u8MS26aSP [119/141]
ドカッ
憂「んぐっ…」
バンッ
憂「おおっ…」
バシッ
憂「…」
男「へへ…」
ザク
唯「しね…」
男「あ…あ…」
グリッ
唯「しね…しねっ!!」
グリグリ
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:10:19.15 ID:u8MS26aSP [120/141]
唯「このっ!!」
バンッ!!
唯「こんの!」
バンッ!
唯「こいつ!」
バン
唯「なんで…」ポロ
ボス
男「」
唯「なんで…」ポロポロ
男「」
唯「あは…」
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:13:40.63 ID:u8MS26aSP [121/141]
男「」ピクピク
唯「…」ギロ
ザク
男「」
唯「終わった…」
唯「私がやった……」
唯「私が……殺した」
唯「あ…憂!!憂!!!」
憂「…やったぁ…ね…お姉ちゃん……」
359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:16:26.07 ID:u8MS26aSP [122/141]
・・・・・・
唯「あは…」
憂「お姉ちゃん…早く逃げて」
唯「あ…」
唯「憂も…」
憂「うん…」
唯「よいしょっ…おも…」
憂「ごめんね…」
唯「嘘だよぉ…」
362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:20:21.58 ID:u8MS26aSP [123/141]
唯「だめ…憂…歩ける…?」
憂「う、うん…」
唯「よ、よし……早く」
・・・・・・
唯(新聞?落ちてる…)
『連続強盗殺人──平沢容疑者夫婦────死刑求刑』
唯「…」
唯「ごほっ……」
唯「はぁ…はぁ…」
憂「…」
365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:22:48.39 ID:u8MS26aSP [124/141]
唯「そんな気がしてたんだ……」
唯「泥棒だけで……ごほっ…こんな…」
憂「」バタッ
唯「憂!!」
憂「もう…だめ…」
唯「だめじゃないもん…」
んしょっ
唯「軽い…うい軽い…」
憂「…」
唯「はぁはぁ」
370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:27:29.56 ID:u8MS26aSP [125/141]
─港
唯「う~い」ユサ
憂「」
唯「もう日が上ってるよぉ…」
憂「」
唯「……」
唯「今日はね、憂の誕生日なんだ~」
憂「」
唯「あはは…軽いね憂…」
憂「」
唯「なんでこんなに……軽いんだろう」ポロポロ
憂「」
372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:30:17.97 ID:u8MS26aSP [126/141]
唯「綺麗だね~…」
憂「」
唯「やっと、見つけたよ」
憂「」
唯「2人の場所だよ~…」
憂「」
唯「……無視しないで…うい」
憂「」
唯「うっ…うぅ」ぐす
380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:34:13.36 ID:u8MS26aSP [127/141]
唯「でも…大丈夫」ポロポロ
唯「私もういと一緒にいくんだぁ…」ポロポロ
憂「」
唯「約束したもんね、うい」ポロ
憂「…」
唯「ふふ…う~い♪」ニコ
唯「ずっと一緒だよ」
完
390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:40:01.90 ID:u8MS26aSP [128/141]
ご通読ありがとうございました
メ欄の告知しました通りです
400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:54:28.92 ID:u8MS26aSP [129/141]
告知?ヒントですっ!ごめんね☆
が、嫌な気分を二度味わうことになる人もいるかもしれません…フヒヒ
唯「ど、どうすれば…」
唯「お母さん達に電話しないと」パカッ
『圏外』
唯「なんで圏外なんだろ」
唯「とりあえず誰かの家にお邪魔させてもらお」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 17:46:19.31 ID:zGS5YbRtP
ピンポーン
和「あら、唯」
唯「なんだか家に入れなくて…」
和「…分かったわ…今日は泊まりなさい」
唯「ほ、ほんと!?」
和「ええ。とりあえず入って」
唯「お邪魔しまーす」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 17:48:50.14 ID:zGS5YbRtP
唯「携帯壊れちゃったみたい」
和「どうしたの?」
唯「ほら。ずっと圏外なんだ~」
和「……そうよね」
唯「ふぇ?」
和「ううん。私にも分からないわ。ところで憂は?」
唯「はっ!忘れてた」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 17:52:09.54 ID:zGS5YbRtP
憂「お邪魔しまーす…」
和「憂!よかった…」
唯「憂!!なんか家に入れないんだけど…」
憂「うん。どうなってるんだろう…携帯も繋がらなくて」
唯「私のも!!ずっと圏外!」
和(唯と憂のご両親が逮捕されたことはいつ話せば…)
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 17:54:54.47 ID:zGS5YbRtP
和「とりあえず唯も憂も今日は泊まっていきなさい」
憂「和ちゃん…悪いよ」
和「いいのよ。多分今日は帰れないだろうから」
憂「?…ありがとう、和ちゃん」
唯「久しぶりだねー!!三人で泊まるの!」
和「そうね」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:02:47.76 ID:zGS5YbRtP
和母「和、いつまで泊める気なの?」
和「どういうこと?お母さん」
和母「無理よ…犯罪者の子なんて引き取れないわ」
和「お母さん!!唯と憂は何も悪くない!それに幼馴染でしょ?」
和母「そうだけど…見なさい」
TV『容疑者夫婦は多額の借金を抱えており、老人を狙って度々窃盗を…』
和母「唯ちゃんと憂ちゃんが可哀想なのは分かるけど…」
和「お母さん!!唯も憂もそんなことする子じゃないよ!!」
「和ちゃーん!どうしたの~?」
和母「…なんにしたってダメよ。明日には追い出しなさい」
和「お母さん…」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:06:25.88 ID:zGS5YbRtP
唯「なんかあったの?」
和「ううん…ところで唯、憂、どこかあてはあるの?」
唯「あて?家に帰るよー」
憂「…」
和「唯…暫く帰れそうに無いのよ」
唯「なんで!?お母さんとお父さんは?」
和「出張よ…」
唯「なんだぁ」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:09:50.80 ID:zGS5YbRtP
憂「和ちゃん、一体どうなってるの…?」
和(本人たちには言わないとダメ…かな)
和「憂…まずはあなただけに話すから耳貸して」
憂「うん」
唯「なんで~!?和ちゃんのいけずぅ」
和「ごめん、唯。でも後で話すわ。必ず」
唯「?…分かった!」
和「あのね…」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:15:02.72 ID:zGS5YbRtP
和「…ということがあったの…」
憂「……うそ」
唯「う、うい?」
憂「そんなの…うそだよ」
和「…」
憂「和ちゃん?やめてよ…なんか言ってよ」
和「本当…なのよ…」
唯「な~に~!?何があったの~!?」
憂「うそ…」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:19:44.00 ID:zGS5YbRtP
和「唯…。あのね、あなた達の」憂「和ちゃん!!」
和「憂?」
憂「…お姉ちゃんには私から話します」
和「そ、そう…」
唯「な~に~?はやく~」
憂「お父さんとお母さんは出張に行ってて、私たちの家は今リフォーム中なんだって!」
和「憂…」
唯「なんだぁ」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:24:18.81 ID:zGS5YbRtP
唯「え、じゃあさ、リフォーム終わるまで和ちゃんちに居ていいの?」
憂「いや、迷惑になっちゃうから…他の所を探そうよ、お姉ちゃん」
唯「むう……でもさ、リフォームってどれくらいで終わるのかな?」
憂「分からないけど…多分なんとかなるよ!」
唯「そうだね!憂もいるし」
憂「えへへ…」
和「私もできる限り協力するわ」
唯憂「ありがとう!和ちゃん」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:28:53.63 ID:zGS5YbRtP
和母「そろそろご飯よー!」
唯憂和「はーい!!」
唯「なんか久しぶりだね~!!こういうのもたまにはいいよね~」
憂「…」
唯「憂?」
憂「…うん!和ちゃんちにお泊りするのって小学校の時以来かな?」
唯「うんうん、若かったねぇあの頃は」
和「なにじじくさいこと言ってんのよ、行きましょ」
唯「はーい!」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:33:28.67 ID:zGS5YbRtP
─食卓
和「…」
和母「…」
和父「…」
憂「…」
唯「わぁ!おいしそお!!」
和母「ええ、いっぱいおかわりしてね」
憂「なんだか…ありがとうございます」
和母「ううん、遠慮しないでいいのよ」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:38:37.70 ID:zGS5YbRtP
和父「なんだか…大変なことになってるみたいだな」
唯「はい!家に帰れないので…どうしようかと」
和父「……」
憂「あはは…今日一日だけ、お世話になります」
和父「ふむ」
和「み、みんなそんな緊張しないで!楽しくね!」
和母「そうよ!!お父さんおかわりは?」
和父「いらん」
唯「おかわり!」
憂「…」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:45:42.17 ID:zGS5YbRtP
食後
TV『次のニュースです。本日──』
和「…」ピッ
TV『あははははwおまえ─』
和「…唯、そろそろお風呂入ったら?」
唯「うん!そうする!」
和「憂は?」
憂「私はお姉ちゃんの後でいいや」
唯「えー!たまには一緒に入ろうよぉ」
憂「お姉ちゃん一人でゆっくりして来なよ」
唯「…もう!憂ったらぁ」テクテク
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:51:20.13 ID:zGS5YbRtP
憂「和ちゃん。さっきのニュース見せて」
和「……はい」ピッ
TV『逮捕されたのは桜が丘に住む会社員平沢XX容疑者とその妻XX容疑者で─』
TV『一文字さん宅に侵入したところ被害者に目撃されたため殺害し遺棄したとして─』
TV『警察は他にも余罪があるとみて─』
憂「…」ポロポロ
和「憂…」
憂「…和ちゃん…私どうすればいいか…」ポロポロ
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 18:56:28.99 ID:zGS5YbRtP
憂「私は絶対…こんなこと」ポロポロ
和「そんなの分かってる…憂」
和「絶対なんとかなるわ…無責任だけど、天は絶対見放さない」
和「私もできる限りの協力はするから。大丈夫よ、頼って?」
憂「ありがとう…ありがとう…和ちゃん」ギュウ
和「…」ギュ
唯「おさきにー!!」
唯「って!二人とも何やってんの!?」
唯「私も混ぜて!!」ギュウウ
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:01:27.41 ID:zGS5YbRtP
唯「和ちゃ~ん、う~い~!!一生離さないよ~!?」ギュ
憂「うん…私も…」ギュ
和「ふふ…」ギュウ
唯「って、憂も和ちゃんもなんで泣いてるの!?」ギュ
和「ふふ、久しぶりだから懐かしくてね…」ホロ
憂「うん…」グス
唯「ううっ!私も泣けてきたよぉ…ぐす」
和「ゆい!…」
憂「あはは……」
唯「えへへ~」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:05:44.57 ID:zGS5YbRtP
・・・・・・・
和「憂と唯は私のベッドで寝ていいわよ」
憂「えっ和ちゃんは…」
和「私は下で布団ひいて寝るわ」
唯「おお…憂、じゃあ一緒に寝ようか」
憂「うん!…和ちゃん、ありがとう」
和「いいのよ。明日に備えて、2人でゆっくり寝なさい?」
唯「うん!!」
和「じゃあ電気消すわよー。おやすみなさい」
カチッ
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:12:52.24 ID:zGS5YbRtP
憂「お姉ちゃん」
唯「なぁに?うい」
憂「何があっても、絶対一緒にいようね」
唯「ふふふ…それはどうかな」
憂「ええっ!?」
唯「冗談だよお!憂と離れるわけ無いじゃん」
憂「お姉ちゃんったらぁ……やめてよ」
唯「えへへ…ごめんごめん」
唯「う~い」
憂「なぁに?お姉ちゃん」
唯「ずっと一緒だよ」ギュ
憂「…うんっ」ギュウ
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:21:33.83 ID:zGS5YbRtP
─翌朝
唯「…zz…」
憂「……zz」ギュ
和「2人とも!起きて!」
和(2人とも朝まで…本当仲の良い姉妹よね)
和「ゆーい!うーい!朝よ!!」
憂「んっ……あぁ…お姉ちゃん」
和「おはよう。憂」
憂「おはよう!和ちゃん」
和「おはよう。」
和「2人とも…学校…どうする?」
憂「あっ…そっか」
唯「…zz…」スゥー
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:26:24.05 ID:zGS5YbRtP
憂「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」ユサユサ
唯「…んあ」
憂「そろそろ起きて」
唯「…はっ!ここはどこ」
和「私の部屋」
唯「なんで!?」
憂「ほら、昨日…」
唯「思い出した!」
和「…とりあえず私の私服6着分と、カバンね」
憂「わぁ…和ちゃんありがとう」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:30:31.22 ID:zGS5YbRtP
和「で、どうするの?学校行く?」
唯「うん!行く!!」
憂「う、うん…とりあえず行こうかな」
和「そう。じゃあ帰りはまた寄ってね」
憂「和ちゃん…何から何までありがとう」
和「いいのよ。こんな時だからなんでも頼って?」
唯「ありがとう!!和ちゃん!!」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:34:38.39 ID:zGS5YbRtP
私たちは和ちゃんのおかげで、なんとか一日を乗り切ったんだ。
唯「今日は三人で登校だね~!」
憂「うん!」
和「ふふ、悪く無いわね」
「おーっす!」
唯「りっちゃん!澪ちゃん!おはよ!!」
澪「おはよ…」
律「あれ?唯、今日は…」
唯「うん!昨日は和ちゃんちに泊まらせてもらったんだ!!」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:39:14.62 ID:zGS5YbRtP
律「へー!!なんでまた?」
唯「えっとね、今お父さんもお母さんも出張でいなくて、家もリフォーム中で入れないんだ!」
律「へぇ~なんだか大変そうだな」
澪「…お、おい…律」
律「へ?」
澪「あんまり詮索すんなって」
律「そう?ごめんごめん」
和(律はまだ知らないのかしら)
唯「ううん、いいよ~!」
唯「今日は誰の家に泊まろうかなぁ~」ルン
憂「あはは…」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:42:58.89 ID:zGS5YbRtP
律「なんだ?じゃあうちにくる?」
唯「えっ!いいの!?」
澪「お、おい…」
律「ああ。全然。だって……あ」
唯「?」
律「ごめん。そういや今日聡が友達いっぱい連れてくるとか行ってたな」
唯「そうなんだぁ~」
律「明後日からいいぞ?」
唯「ほんとにぃ!?ありがとお!!りっちゃん!!」
律「頼りなさい!!」
唯「さすがりっちゃん!!!いけめん!」
律「ははははは…ん?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:47:28.84 ID:zGS5YbRtP
─3年2組
唯「澪ちゃん、今日は泊まっちゃだめ~?」
澪「うん…ごめん」
唯「そっかぁ~しょうがないや」
律「なんだ澪?男でも来るのか?」
澪「ちがう!!そんなんじゃ無い」
律「ならどうして?」
澪「……」
──
────────
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 19:54:18.66 ID:zGS5YbRtP
─秋山家
TV『本日────平沢───殺人容疑で───』
澪母「怖いわねぇ…」
澪父「夫婦で?とんでもない家だな」
澪(平沢…)
澪母「こういうのって子供もあれよ、将来事件起こすわよ、絶対」
澪父「はは、ありえるかもな」
澪母「しかもこのそばよ…怖いわねぇ」
澪母「…そういえば澪のお友達にも平沢さんっていたわよね、けいおん部の」
澪「うん、でもこんなのとは関係ないよ!」
澪母「そうでも無いんじゃない?」
澪父「こら!」
あはははは……
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:01:46.68 ID:zGS5YbRtP
────────
──
澪(ない…よな。たまたまリフォーム中なんだよ。な……)
澪「唯、唯のお父さんって何ていう名前?」
律「え!?澪、唯のお父さんに手を出そう…」澪「違う!!」
律「…」
唯「へ?XXだけど…なんで?」
澪「」(ジャスト……)
唯「澪ちゃん?」
澪「はは…いや、なんでもないよ…」
唯「え~。変な澪ちゃん」
唯「……誰か泊まらせてくれる人いないかなぁ~」
澪(なんか恐怖で鳥肌立ってきた)
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:06:34.66 ID:zGS5YbRtP
唯「私ちょっとおトイレ~」
律「へーい」
澪「……律」
律「なんなんだよさっきから」
澪「大変だ……」
律「は?朝からなんなんだよ一体」
澪「唯の親、逮捕されてる」
律「はぁ!?」
澪「本当だ…どうなってるんだ一体」
律「私が言いたいよ!」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:13:44.69 ID:zGS5YbRtP
澪「………ってわけだよ」
律「あのなぁ…出張行ってるって言ってただろ?」
澪「そうだけど…嘘ついてるかも」
律「いーや。唯はあんな顔で嘘つけない。嘘じゃないな」
澪「憂ちゃんが嘘教えてるのかも…」
律「どうでもいいよ。多分澪の聞き違いか勘違いだよ」
澪「そんな…」
律「それになぁ。両親がどうであれ唯は唯だ。仮にそうだとしても私は唯を助ける」
澪「そうだけど…」
律「澪はどうなんだよ?見捨てるってことか?」
澪「そんなわけないよ…私だって唯には協力してあげたいけど…家には…」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:23:10.22 ID:zGS5YbRtP
律「勝手に泊めるわけにはいかないな確かに」
澪「うん。それにうちの親はもう事件のこと知ってるし…」
律「だからか」
澪「うん…」
和「2人ともなに深刻そうな顔してるのよ」
澪「和…唯の件なんだけど」
和「ええ。大変なことになったわ」
律「大変なことっていうのは」
和「そう。あの事件よ。唯のためにも話しておくわね………」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:28:30.37 ID:zGS5YbRtP
・・・・・・
和「………ってわけ」
律「澪の言った通りか…」
澪「和は昨日は泊めてあげたんだよな」
和「ええ。できればずっと泊めてあげたいけど…どうしても親がね」
澪「だよなぁ…」
律「…唯は親戚とかいないのか?」
和「分からない。でも、事件が事件だから…受け入れてもらえるかどうか」
和「それに…まだ唯は本当のことを知らないから」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:44:14.40 ID:zGS5YbRtP
律「なんでなんだ?」
和「え?」
律「ほら、なんで唯は本当のことを知らないんだ?」
和「ああ…憂がそう言ったのよ」
和「姉を悲しませまいと…多分ね」
澪「う~ん…どうせ知ることになるなら早い方が良いとも思うけど…」
和「そうね。でも、憂も何か考えがあるのかもしれないわ」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:47:26.59 ID:zGS5YbRtP
唯「ただいま~」
和「おかえり。唯、みんなに説明しておいたよ」
唯「ありがと~和ちゃん」
律「出来る範囲で協力するからな!」
澪「私も」
唯「みんなありがと~!」
唯「私も頑張るよ!いつ帰れるか分からないけど!」
和「…」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:52:50.36 ID:zGS5YbRtP
─2年1組
純「ねえ!昨日のニュース!!憂のお母さんとお父さん逮捕されてたね!!」
憂「えっ…」
梓「純ったら興奮しすぎ」
純「だってさ!この辺だし、しかも連続強盗殺人でしょ!?やばいって!!」
憂「…」ウルウル
梓「憂?」
純「え?どうしたの憂」
憂「ごめんね……純ちゃん…梓ちゃん…」グス
梓純「え?」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 20:57:10.19 ID:zGS5YbRtP
梓「憂?急にどうしたの…」
憂「純ちゃん……」
純「え…私のせい?ちょっとやり過ぎたかな…?ごめん憂」
憂「ううん…本当のことだもん…」
純梓「え?」
憂「うん…」
純「えっと……ん?」
梓「…」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:04:29.94 ID:zGS5YbRtP
憂「どうしよぉ……」ポロ
純「…」
梓「…」
純「えっ…」ヒヤ
梓「…」
純「憂…」
純「ごめん……」
憂「……」ポロポロ
純「私…とんでもないことを」
憂「…やばい、よね……」ポロポロ
純「いややばくないやばくないいややばいいややばくないって」オロオロ
梓「…」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:09:10.43 ID:zGS5YbRtP
梓「憂……」
憂「……ううん、大丈夫だから…」
純「…っごめんっ憂!!」ダッ
梓「って純!?」
梓「いっちゃった…」
憂「…ふふ…殺人犯の子供だもんね……」ぐす
梓「憂…私は行かないよ」
憂「ありがと…梓ちゃん」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:15:35.97 ID:zGS5YbRtP
・・・・・・・
憂「………ってことがあって」ポロポロ
梓「うんうん…もう良いよ、憂」
梓「そしたらさ…うちに泊まりに来なよ」
憂「でも……」
梓「親は1週間は帰ってこないから大丈夫」
憂「ほんとに?」
梓「うん。大丈夫」
憂「…じゃあ……お世話になっちゃおうかなぁ…」
梓「うん!」
憂「ありがとう…梓ちゃん」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:26:19.65 ID:zGS5YbRtP
純「ハァハァ…」
梓「あ!純!」
純「憂…さっきは本当にごめん。冗談のつもりだったんだよ…本当だよ」
憂「いいよ…純ちゃんだからそんな所だろうなって」
純「むっ………いや、本当にごめん。でも、憂の親と憂は違うから」
純「そ、それに憂の親だって何かとっても重要な事情があったんだよきっと」
純「だから憂も憂の親も悪くない!って私は思う」
憂「…」
純「ごめん憂、本当にそんなつもりは…」
憂「いいよ純ちゃん、怒ってないから」
純「ホッ」
純「……なんか手伝えることがあったら言ってね?お金のこと以外なら…」
憂「ありがとう、純ちゃん」ニコ
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:29:24.79 ID:zGS5YbRtP
梓「そういえば…お金は大丈夫なのかな」
憂「あ…学費」
純「私たちでバイトすればなんとか?」
憂「それは流石に悪いよ。お姉ちゃんとどうにかする」
梓「大丈夫?」
憂「多分…」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:33:25.58 ID:zGS5YbRtP
─職員室
さわ子「で…どうしましょう…」
唯「なにが?」
さ「う~ん…どうしようも無いわよね…」
唯「へ?」
さ「言い難いけど…学費よ」
唯「学費?お父さんが払うよ?」
さ「う~ん…」
さ「憂ちゃんを呼ぶしかないわね」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:37:48.83 ID:zGS5YbRtP
ガチャ
憂「失礼しまーす」
唯「あっ憂!!」
「あれが平沢さん…?」ヒソヒソ「怖いわ……」
さわ子「……」
憂「こんにちは。姉がいつもお世話になってます」ペコ
さわ子「うっ……」(言いにく…)
憂「なにか…?」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:42:22.97 ID:zGS5YbRtP
さわ子「えっとね…来週で今月分の学費が終わるのよ」
憂「はい…」
さ「で、私としては2人ともこのまま通って無事に卒業して欲しいから」
さ「なんとかならないか校長にも教頭にもお願いに行ったの」
憂「…」
さ「あなたたちに言っても…どうにもならないことは分かってるんだけどね」
さ「ここだけの話、上はあなたたちのことをよく思ってないのよ」
憂「うぅ…」
さ「だから…」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:49:02.70 ID:zGS5YbRtP
紬「先生!!」
紬「私が払います!」
さわ子「え?」
憂「そんな…」
紬「いいのよ、憂ちゃん。私が憂ちゃんのことも唯ちゃんのことも守るわ」
さわ子「うっ…」
憂「な、なんで」
紬「私の大切なお友達だから♪」ニコ
憂「…そんな…悪いですよ」
紬「いいのよ~♪任せて!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 21:55:46.19 ID:zGS5YbRtP
ガチャ
憂紬「失礼しましたー」
唯「なにがあったの!?」
憂「お姉ちゃん…紬さんが学費払ってくれるって……」
唯「え?そうなんだ~ありがとムギちゃん」
紬「いいのよ~」
唯「なんでお父さんは払わないの?」
紬「唯ちゃんのお父さんは今他のことに使ってるから」
紬「私の家が代わりに払うわ♪」
憂「紬さん…」
唯「ふ~ん…お父さんなにしてんだろ」
憂「…」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:04:10.18 ID:zGS5YbRtP
憂「紬さん…お話が」
紬「なぁに?」
憂「ごめん、お姉ちゃん先行ってて」
唯「ほ~い」
憂「えっと…昨日の事件のことは」
紬「知ってるわ。怖いよね~」
憂「…はい、でその犯人は…実は私たちの両親なんです…」
紬「え!?」
憂「…」
憂「いいんです、紬さんの気持ちは有り難く受け取りました」
憂「だから…私たちのことは…」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:13:48.95 ID:zGS5YbRtP
紬「そう…ね。流石にわたしでもそれは」
憂「はい…」
紬「…なんてうそよぉ♪全部聞いたわ、りっちゃんと澪ちゃんから」
憂「えっ」
紬「…いい?唯ちゃんと憂ちゃんのお母様、お父様が何をしてもね」
紬「唯ちゃんと憂ちゃんは唯ちゃんと憂ちゃんなの。世間からどう言われてもね」
紬「ついでに唯ちゃんと憂ちゃんのご両親の裁判もまだ始まってないわ」
紬「だから、りっちゃんと澪ちゃんとわたしで、2人のことは必ず守るから!安心してね♪」
憂「ありがとうございます…」ぐす
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:22:27.96 ID:zGS5YbRtP
唯「憂!!あずにゃんだよ!」
梓「あ…憂…にムギ先輩」
憂「梓ちゃん」
梓「じゃあ行こう、憂」
憂「梓ちゃん、ごめん…」
梓「えっ?」
紬「梓ちゃん、唯ちゃんと憂ちゃんはうちで引き取るわ」
唯「えっ…」
唯「…ごめんねーあずにゃん!じゃあまた今度行くよ!!」ギュ
梓「ちょっ…やめて下さい」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:29:23.69 ID:zGS5YbRtP
梓「その方が…いいかもですね」
梓「ムギ先輩のおうちの方がくつろげそうだし」
憂「梓ちゃん!選んだわけじゃなくて」
梓「うん。分かってるよ憂」
憂「うん…」
唯「あずにゃ~ん…寂しい?」
梓「さ、寂しくなんてないです!」
梓「…あっ…ということは……学費も?」
憂「うん。…必ず返すけど」
紬「いいのいいの。気にしないで♪」
梓「唯先輩、ムギ先輩にちゃんとお礼言わなくちゃだめですよ」
唯「分かってるよぉ」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:39:59.62 ID:zGS5YbRtP
私と憂は、早くも住む所を確保したんだ。
全てムギちゃんのおかげだった。
今思うとムギちゃんは神様だったんじゃないかって。
紬「いらっしゃ~い」
憂「わぁ…」
唯「ふおおお!」
紬「好きな部屋を使ってね♪」
唯「私は…この部屋!」
憂「私もお姉ちゃんと一緒の部屋」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:42:56.30 ID:zGS5YbRtP
紬「遠慮しないで?憂ちゃん」
憂「いえ…私がそうしたいので」
紬「そう?それならいいんだけど」ニコ
ガチャ
唯「広…」
憂「ベッドが凄い…」
紬「なにかあったら言ってね?」
唯「はーい!ムギちゃんありがと~」
紬「うふふ♪ではごゆっくり~」ガチャ
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:49:39.80 ID:zGS5YbRtP
ベッドの上
憂「なんだか…すごいことになったね」
唯「ね~。ムギちゃんがいて良かったよぉ」
憂「必ずお礼しないとね」
唯「うん!!」
憂「お姉ちゃん」
唯「なぁに?」
憂「…なんとかなりそうで…良かった」グス
唯「大げさだよぉ…憂…」
唯「…でも…リフォーム終わってもここにいたいかも?」
憂「お姉ちゃん!」
唯「冗談だよぉ」
あはははは…
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 22:57:31.79 ID:zGS5YbRtP
憂「そういえば、けいおん部の皆さんにもお世話になっちゃってるみたいだね」
唯「そうそう。りっちゃんも澪ちゃんも助けてくれるって」
憂「うん。梓ちゃんも純ちゃんも…。いつかみんなにお返ししないとね」
唯「ね~。憂と私で何かの会社でも作ろっか!?」
憂「ふふ。高校卒業してからだね~」
唯「そっか。私何しようかな~」
憂「お姉ちゃんはやれば何でもできるよ」
唯「えへ//」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:04:42.73 ID:zGS5YbRtP
憂「いつになったらお父さんとお母さん帰ってくるかな~…」
唯「もう。いつ帰ってくるのかぐらい教えて欲しいよ!」
憂「そうだよね…」
唯「全く!」
唯「あ!!そういえばさ、和ちゃんちに寄るの忘れてたね」
憂「あっ…」
唯「着替えとか貸してくれるって言ってたよね?」
憂「そうだった…」
唯「よし!今から行ってくる!事情も説明してくるよ!!」
憂「え、でもお姉ちゃん、電車乗らないと行けないから…」
唯「じゃあまた斎藤さんの車に乗って!」
憂「なんだか悪いなあ…私も一緒に行くよ」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:14:15.75 ID:zGS5YbRtP
車内
唯「広いね~この車」
憂「ね~」
斎藤「普段は紬お嬢様の足として使っております、センチュリーという車でございます」
唯「せんちゅりー…なんか高級そうな名前」
憂「すごいなぁ…」
憂「お姉ちゃん、もうすぐうちの前だよ」
唯「おお」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:16:56.78 ID:zGS5YbRtP
ガラガラ
唯「え?」
憂「…」
唯「斎藤さん!ちょっと止まって!」
斎藤「はい」キュ
ガチャ
唯「憂?」
憂「…なあに?」
唯「リフォームって…一回壊すの?」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:19:42.38 ID:zGS5YbRtP
憂「そ…そうかなあ」
唯「あ!あの時の男の人」
唯「そういえば…」
───
────────
男「邪魔邪魔。早く退いてくれ」
男「家?ここは事務所になるんだぞ?」
────────
───
唯「…憂」
憂「…」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:25:16.18 ID:zGS5YbRtP
メキメキ
ガラガラ … ドーン
唯「ぁ…あぁ…私たちの家が……」
憂「…」
唯「どうして?」
唯「どうして…?憂?なんで何も言わないの?家が壊されるよ」
憂「うん…」
唯「…分からないよ」
唯「じゃあ…私たちの家は…?」
憂「…」
唯「ここはまた私たちの家が建つんだよね?」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:30:20.32 ID:zGS5YbRtP
憂「…」ぐす
唯「どうしてまた泣くの?」
唯「…」
唯「もうやだ…」
唯「そういえばあの時も…」
───
────────
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:32:59.79 ID:zGS5YbRtP
和『…ということがあったの…』
憂『……うそ』
唯『う、うい?』
憂『そんなの…うそだよ』
和『…』
憂『和ちゃん?やめてよ…なんか言ってよ』
和『本当…なのよ…』
唯『な~に~!?何があったの~!?』
憂『うそ…』
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:34:39.80 ID:zGS5YbRtP
和『唯…。あのね、あなた達の』憂『和ちゃん!!』
和『憂?』
憂『…お姉ちゃんには私から話します』
和『そ、そう…』
唯『な~に~?はやく~』
憂『お父さんとお母さんは出張に行ってて、私たちの家は今リフォーム中なんだって!』
和『憂…』
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:38:53.72 ID:zGS5YbRtP
────────
───
唯「わかった…」
唯「憂はお姉ちゃんを騙したんだね…」
憂「お姉ちゃん!!私はそんなつもりで」ポロ
唯「うるさい!!」
唯「そうやってまた泣いて!」
憂「」ポロポロ
唯「…」
───
────────
唯「なんで~!?和ちゃんのいけずぅ」
和「ごめん、唯。でも後で話すわ。必ず」
唯「?…分かった!」
────────
───
唯「早く和ちゃんに会わないと…」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:42:16.41 ID:zGS5YbRtP
ガチャ
唯「斎藤さん!和ちゃんちに向かって!」
憂「うぅ…」ポロポロ
斎藤「はぁ…一体」
唯「お願いします!早く!」
斎藤「…はい」
唯「…もう憂の話は聞かないから」
憂「ごめんねお姉ちゃん…許して…」ポロポロ
唯「ふんだ!」
憂「…うぅ…」 ぐす
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:45:16.69 ID:zGS5YbRtP
斎藤「到着しました」
唯「よしっ」
憂「お姉ちゃん…待って」ポロ
ドタドタ
ピンポーン
和「はい?」
唯「和ちゃん…」
和「なに!?この車は……ってなんで憂は泣いてるの」
唯「和ちゃん、本当のこと教えて」
和「え?」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:49:36.88 ID:zGS5YbRtP
和「ちょっと…まずは落ち着きなさい」
唯「うん…」
和「ほら、憂も入って」
憂「ひっぐ…」ポロポロ
・・・・・・・
和「で、何がどうなってるのよ」
和「なんであんな車から登場するのよ…」
唯「ああ…えっとね、せんちゅりーだって!」
和「…はぁ」
和「わけが分からないわ…憂、何があったの?」
唯「だめ!憂は私を騙したから!私が説明するよ!」
和「…あぁそうなの…ならお願いね」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:54:12.33 ID:zGS5YbRtP
・・・・・・・
唯「………ということです」
和「ある程度わかったわ…」
和「憂ももう泣かないで…」
憂「私が…お姉ちゃんを騙したから…」ポロポロ
唯「ふんっ!」
和「…」
唯「で、和ちゃん、本当は何がどうなってるの?」
和「唯…落ち着いて聞いてね」
唯「…うん」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/14(土) 23:58:58.74 ID:zGS5YbRtP
和「唯のお父さんとお母さんは今警察のところにいるの」
唯「なんで?」
和「…事件を起こしたからよ」
唯「事件?なんの?」
和「……泥棒よ」
唯「泥棒!?うそぉ!?」
和「…でね、しばらく会えないの」
唯「警察行けば会えるの?」
和「……会えないわ」
唯「なんで?」
和「…その事件が結構重大だからよ」
唯「…ほぉ」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:03:42.96 ID:zGS5YbRtP
唯「お父さんとお母さんが泥棒……?」
唯「よくわかんないや…ほんと?」
和「…ええ。それは…本当よ。おそらく」
唯「…でなんで家が」
和「…私も詳しいことは知らないけどね、」
和「唯のお父さんとお母さん、相当借金があったみたいなの」
唯「借金…?」
和「そう。借金」
唯「…で家が壊されちゃったの?」
和「…そんなところかしら」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:10:54.01 ID:u8MS26aSP [1/141]
唯「……お父さんとお母さんが泥棒…?」
唯「うそぉ……だってね、お母さん昔から私に」
和「…壊されてる家が証明よ…」
唯「…」
唯「和ちゃんも私を騙そうと…」
憂「うぅぅ……」ポロポロ
和「…」
唯「…」
唯「…だって、お父さんもお母さんも出張に…」
唯「行ってるって…」ポロ
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:18:48.54 ID:u8MS26aSP [2/141]
憂「お姉ちゃん…」ポロ
唯「……うるさ…」ぐす
唯「…やだぁ…やぁぁ……」ポロポロ
唯「…いやあああああああ!!」ボロボロ
・・・・・・
和(2人とも泣き疲れて寝ちゃったのね…)
和「よいしょっと…」
唯「」スゥ
和(ごめんね…唯、憂…もううちは無理なのよ…)
和「…後はよろしくお願いします」
斎藤「お任せください」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:34:53.92 ID:u8MS26aSP [3/141]
─翌朝
唯「んっ……ふぁ~」ぬくっ
憂「…」スゥ
唯(憂…)
唯(ここはーそうだ、ムギちゃんちだ)
唯(ん?)
『唯、憂。大丈夫。きっとまた家族みんなで生活できるよ! 和』
唯(私と憂の着替えだ…和ちゃんありがとう)
唯「え~っと…」
唯(お父さんとお母さんが泥棒で…帰る家はもうなくて、借金がいっぱいあって…)
唯(でも学費はムギちゃんが払ってくれるし、ムギちゃんのおかげで住む所もある)
唯(でもムギちゃんは知ってるのかなあ…私のお父さんとお母さんが泥棒だって)
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:46:40.75 ID:u8MS26aSP [4/141]
───
────────
唯『なんでお父さんは払わないの?』
紬『唯ちゃんのお父さんは今他のことに使ってるから』
紬『私の家が代わりに払うわ♪』
憂『紬さん…』
────────
───
唯(憂がムギちゃんを騙してた…ようには見えなかった…)
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:48:01.67 ID:u8MS26aSP [5/141]
───
────────
律『へー!!なんでまた?』
唯『えっとね、今お父さんもお母さんも出張でいなくて、家もリフォーム中で入れないんだ!』
律『へぇ~なんだか大変そうだな』
────────
───
唯(私もりっちゃんと澪ちゃんを騙しちゃったんだ…憂のせいだけど)
唯(でもあの時、和ちゃんは何も言ってなかったな)
唯(和ちゃんも私を騙そうと?…いや)
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:50:29.89 ID:u8MS26aSP [6/141]
───
────────
唯『って、憂も和ちゃんもなんで泣いてるの!?』ギュ
和『ふふ、久しぶりだから懐かしくてね…』ホロ
憂『うん…』グス
────────
───
唯(…憂も和ちゃんも私に心配させないように?)
唯(そんな上手くいくかなぁ…)
唯(…でももしそうだったら憂には酷いことしちゃったかも……)
唯「ごめんね、憂…」ギュ
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 00:54:58.12 ID:u8MS26aSP [7/141]
・・・・・・・
ガチャ
紬「唯ちゃーん、憂ちゃーん…」
唯「…zz」ギュ
憂「……zz…」
紬(喧嘩してたって聞いたけど…やっぱり仲良し姉妹ね♪)
紬(もうちょっと寝させてあげよう)クス
「お嬢様~お食事の用意ができました」
紬「はーい!今行きます♪」
第一部 完
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:15:59.61 ID:u8MS26aSP [9/141]
唯「…ぅ…ぃ…zz」ギュ
憂「お姉ちゃん…」
唯「…zz…」ギュウ
憂「えへへ…」ギュ
憂(お姉ちゃん…許してくれたのかな)
ガチャ
紬「唯ちゃーん、憂ちゃーん…」
憂「あっ」
紬「あぁ♪おはよう、憂ちゃん」
憂「おはようございます」
紬「2人のご飯用意できたわ♪」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:19:03.68 ID:u8MS26aSP [10/141]
・・・・・・・
唯「ん~うまい!」
紬「よかった♪」
憂「ありがとうございます、紬さん」
紬「遠慮せず食べてね~」
唯「うん!おかわり!!」
紬「は~い」
憂「ふふ」ニコ
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:22:05.05 ID:u8MS26aSP [11/141]
憂「お姉ちゃん…あの…」
唯「ん?どしたのうい」
憂「あのね…」
憂「お姉ちゃんを騙すとか…そんな気は本当に無かったんだ」
唯「…」
憂「でもお姉ちゃんを苦しめることになっちゃって…」
憂「本当にごめんなさい」
唯「…ふん!」
憂「うぅ…」
紬「まぁまぁ…」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:26:21.08 ID:u8MS26aSP [12/141]
唯「…うい、私は分かったよ」
憂「…?」
唯「憂も和ちゃんも私のために嘘をついてくれたんだよね」
唯「私のことを思って」
唯「それなのに私、憂に酷いこと言っちゃって…」
唯「だから謝るのは私だよ…憂、本当にごめん!」ペコ
憂「お姉ちゃん…」
唯「ごめんね…憂、本当にごめん…」
紬「ふふ」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:31:26.69 ID:u8MS26aSP [13/141]
憂「お姉ちゃん」
唯「ごめんね…憂」
憂「…ふんっ!」
唯「うん…そんなすぐ許してくれないよね…」ぐす
唯「私…ほんとに酷いことしたから…」ウル
憂「…冗談♪」
憂「お姉ちゃんが分かってくれたなら…」
憂「私はそれでいいよ」
唯「憂…」
憂「えへ~…」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:36:22.63 ID:u8MS26aSP [14/141]
唯「ういーーー!!!」ガバッ
憂「お、お姉ちゃん…」
唯「んもう…一生離さないっ!!」ギュウウ
憂「お姉ちゃん…」ギュウ
唯「ごめんね、ごめんね」ギュウウ
憂「えへ…お姉ちゃん♪」ギュ
紬(うふふ♪)
パシャッ
紬(…なんだか…うらやましいわぁ)
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:44:48.76 ID:u8MS26aSP [15/141]
私たちは仲直りした。
といっても、私の一方的な勘違いだったんだけどね。
でも、それでも、こんな私を笑顔で許してくれた憂。
やっぱり私は憂が大好きで、多分、憂も私のことが大好きだったんだと思う。
私は憂が大好き。
私を守ってくれた憂が大好き。
だから、私も絶対に憂を守る。
そう決めていたんだ。あの時。
…もちろん、これからもずっとね。
唯「憂ー!むぎちゃん!学校いこー!!」
憂「うん!」紬「はーい♪」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:50:28.09 ID:u8MS26aSP [16/141]
唯「むぎちゃんは電車通学なんだよねー」
紬「うん。斎藤は車で送迎するっていうんだけど…」
憂「すごいなぁ…」
唯「車通学!?すごいね!」
紬「ふふ、でも流石にそれはね…」
唯「楽でいいじゃん!」
紬「そう?電車で通うのも楽しいよ♪」
パシャッ
憂「…?」
唯「でもさ、今度試しにやってみようよ!」
憂「お姉ちゃん…失礼だよぉ」オロ
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:56:20.68 ID:u8MS26aSP [17/141]
紬「そう?唯ちゃんがそういうなら…」
憂「えっ…そんな」
紬「いいのよ♪それに三人なら楽しいだろうし♪」
唯「やったぁ!」
唯「車で学校通うなんて人生初だね!うい!!」
憂「う、うん…そりゃね…」
紬「ふふ♪」
唯「帰りは?帰りも車で帰るのはどうかな!?」
紬「いいけど…」
唯「車にしようよ~」
憂「お、お姉ちゃん…」オロ
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 09:59:34.78 ID:u8MS26aSP [18/141]
─3年2組
唯「りっちゃん!澪ちゃん!おはよ!!」
紬「おはよう」
律「おう!おはよ」澪「おはよ」
唯「ムギちゃんちすごいよぉ~!」
律「はは、良かったな唯」
澪「むぎ…大丈夫なのか…?」
紬「ええ♪全然平気。むしろ嬉しいわ♪」
澪「それならいいんだけど…」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 10:04:54.67 ID:u8MS26aSP [19/141]
─2年1組
純「おはよ…」
憂「おはよう♪って純ちゃん?」
純「憂…ごめんね昨日は」
憂「ふふ、もう気にしてないよ♪」
純「そう!?良かったぁ!」
憂「…う、うん…あはは」
梓「おはよ」
憂純「おはよー!」
梓「憂、ムギ先輩の家はどうだった?」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 10:11:48.78 ID:u8MS26aSP [20/141]
憂「う、うん…凄い広くて…」
純「ムギ先輩って…あの超お金持ちの人!?」
梓「純、ちょっとうるさい…」
純「あ、うん…で、どうだった?憂」
憂「うん…凄い大きいベッドがあって……」
・・・・・・・
憂「…っていう感じ」
梓「やっぱり凄いな~…ムギ先輩の家」
純「うう…」
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 10:14:41.30 ID:u8MS26aSP [21/141]
純「羨ましい…というかずるい!」
梓「純!!」
純「だってさぁ…」
憂「…」
純「私の親も事件起こせば」
梓「純!!馬鹿っ!」
純「ご、ごめん、冗談だって…」
憂「あは…」
憂「そうだよね…ズルいよね」
梓「…そんなことないよっ!しょうがないもん!」オロ
純「そうそう!むしろ可哀想!憂」オロオロ
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 10:21:11.64 ID:u8MS26aSP [22/141]
・・・・・・・
憂「あれ?お姉ちゃん?」
唯「これから部活なんだけど…憂もやろうよ!」
紬「憂ちゃんも一緒にやろう?」
澪「おお…」
律「強力な助っ人加入だな!」
梓「唯先輩、うかうかしてると憂に場所とられちゃいますよ?」
唯「そ、そんなことないよ!!」オロ
憂「う、うん!お姉ちゃんいっぱい練習してるし!」
律「はは…」
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 10:26:06.74 ID:u8MS26aSP [23/141]
・・・・・・・
律「というわけで、一個詰めて…唯の隣ね」
憂「あ、ありがとうございます」
憂「で、でも…私に構わず練習を」
唯「まずはゆっくりお茶の時間なんだよぉ憂」
憂「そーなんだぁ…あはは」
澪梓「うう…」
紬「はい♪今日はマドレーヌよ」
唯「ふおおお!!」
憂「あはは……」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 11:27:40.82 ID:u8MS26aSP [24/141]
私と憂は、ムギちゃんをはじめ、みんなのおかげで平穏な生活を取り戻せた。
ムギちゃんの家はとても住みやすくて、ずっとここに住めたらなぁって思ったりもした。
でも、やっぱりそれは続かなかったんだ。
―とある日
憂「さようなら」
唯「じゃあね~!」
律「うん、また明日なー」
紬「じゃあ、帰りましょう」
斎藤「お乗りください」
ガチャ
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 11:33:36.28 ID:u8MS26aSP [25/141]
パシャッ
憂「…?」キョロ
紬「どうしたの?憂ちゃん」
憂「いえ…」
憂(なんか撮られてる…?)
唯「憂ー、早く乗って」
憂「うん」
ガチャ
紬「斎藤、お願い」
斎藤「はい。では出発します」
ブロロ…
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 11:38:40.16 ID:u8MS26aSP [26/141]
唯「どしたの?」
憂「なんか最近…誰かにつけられてる気がしない?」
唯「そうかなぁ?」
紬「そう?」
憂「いや…よく分からないんだけど…」
紬「念のためSPを付ける?」
憂「いえいえ…そこまでは」
斎藤「何かあったら言ってくださいね」
憂「はい、ありがとうございます」
唯「憂は心配性だからねぇ…」ムニムニ
憂「そ、そうかなぁ?」
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 11:45:48.05 ID:u8MS26aSP [27/141]
―それから数日後
紬「斎藤遅いわねえ…」
唯「いいよ~ゆっくり待ってよ~」
憂「うん♪」
「君たち…ちょっといいかな」
唯「え?」
男「ああ、僕はこういう者です」
『週刊サタデー』
憂「はぁ…」
男「ちょっと聞きたいことがあるんだよ」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 11:49:47.26 ID:u8MS26aSP [28/141]
男「紬さん、ですよね」
紬「…」
男「ははは…」
男「君たちは紬さんのお友達?」
唯「え?うん」
男「そっかぁ。はは、いい友達を持ったねぇ」
男「こちらは…よく似てるけど、妹さん?」
憂「…」
唯「なんで?」
男「いやいや…」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 11:55:01.32 ID:u8MS26aSP [29/141]
男「ほら、僕も君たちと同じくらいの歳の娘がいるんだけどね」
男「桜が丘の女の子はどんな感じなんだろうな~って」
唯「へ~」
男「もし良かったらさ、その名刺に書いてある番号に電話してくれないかな?」
唯「いいよ~?」
男「本当に?ありがとう。いつでも連絡待ってるよ」
ブオオオ
唯「あっ車来た」
男「じゃあ僕はこの辺で…」
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 11:59:17.55 ID:u8MS26aSP [30/141]
斎藤「お待たせしました。何者かのイタズラを受けたようで…」
紬「にしても遅いわっ!!」
斎藤「はっ。申し訳ありません」
紬「…唯ちゃん、憂ちゃん乗って?」
唯「うん…」
憂「…」
紬「憂ちゃん?」
憂「あっごめんなさい」
ガチャ
パシャッ
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:02:24.04 ID:u8MS26aSP [31/141]
ブロロ
紬「唯ちゃん…今度からはああいう人は無視していいわ」
唯「そうなの?なんで?」
紬「いろいろと嘘を並べていじわるしてくるからよ」
唯「でもそんなに悪い人には…」
憂「お姉ちゃん…」
唯「え?…でもなんで」
紬「とりあえず、さっきの名刺くれる?」
唯「うん…はい」
紬「ありがとう♪」
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:08:09.39 ID:u8MS26aSP [32/141]
─ベッド
唯「ねえねえ、うい?」
憂「なぁに?お姉ちゃん」
唯「…週刊誌の人だったよね」
憂「そうだね」
唯「私たち有名になってるのかな?」
憂「う~ん…」
唯「ムギちゃんちに泊まってるからかな」
憂「そうだね…それに車で登下校するのは…もうやめた方がいいのかも」
唯「うん……」
唯「…大丈夫だよね、うい」
憂「たぶん…」
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:13:58.95 ID:u8MS26aSP [33/141]
私と憂は、ムギちゃんの家に泊まらせてもらってるだけだ。
だけ、っていうのも変だけど…
でも、私も憂も特に変わったことはしていなかった。
毎日幸せに暮らせていた。
─2年1組
純「ねえ憂」
憂「なに?純ちゃん」
純「これ…」
憂「週刊サタデー?」
純「そうそう。でさ、このページ…」
ペラ
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:21:00.63 ID:u8MS26aSP [34/141]
『殺人夫婦の娘姉妹は財閥令嬢と大親友』
『資産家狙いの連続強盗は琴吹グループの刺客か!?』
純「で、これ…」
『将来の暗殺部隊は今日も高級車でお嬢様と登下校…』
純「顔はモザイクかかってるけど…憂と唯先輩だったり…」
憂「…」
憂「純ちゃん!?」
純「……私は憂が可哀想で」
憂「だから…なに!?」
憂「違うよ!これは私とお姉ちゃんじゃない!!」
純「憂…」
憂「あぁ…あは…」
158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:25:39.81 ID:u8MS26aSP [35/141]
憂「…私なにいってんだろ…ごめん」
憂「せっかく教えてくれたのにね……」
憂「ごめん純ちゃん」
純「ううん…大丈夫なの…?」
憂「わかんない…もう…」
憂「紬さんに頼るしか…」
純「私の家なら…」
憂「うん…うん…」
憂「これは私とお姉ちゃん…?」
純「このタイツは…」
憂「…」
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:30:13.26 ID:u8MS26aSP [36/141]
─3年2組
和「おはよう、澪」
澪「おはよう和…なぁこれ」
和「週刊誌?」
澪「うん…これ、唯たちのことじゃ…」
和「かなりそうっぽいわね…」
澪「どうなってるんだよ」
和「さぁ…でも、唯に教えるわけには…」
唯「おはよー!」
紬「おはよう♪」
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:35:39.64 ID:u8MS26aSP [37/141]
澪「おっおはよ」
和「おはよう、唯」
唯「おはよー!いやあ、疲れたねムギちゃん」
紬「ふふ、参っちゃうわ」
和「どうかしたの?」
唯「電車で来たんだけどね、駅降りて色んな人に声かけられたんだ」
紬「しつこくてね…」
和「この大切な時期に…」
澪「大変だな…」
唯「?…なんかね、色んな雑誌の人が話しかけて来たんだけど、全部無視!」
紬「ええ♪唯ちゃんかっこよかったよ」
唯「えへへ~」
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:37:33.18 ID:u8MS26aSP [38/141]
和「…」
澪「…」
紬「…何かあったのね」
和「…」
唯「?」
紬「そう思ったわ…」
和「ちょっとこっちに…」
唯「なに~?」
澪「唯はこっち!」
唯「ふぇ?」
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:40:13.01 ID:u8MS26aSP [39/141]
和「これ見て」
紬「…」
和「そろそろ…」
紬「ふふ…負けないわ」
和「えっ…」
紬「こんなのね…相手にしちゃだめなのよ」
和「そうだけど…」
紬「心配してくれてありがとう♪でも、きっと大丈夫」
和「そう?」
紬「ええ♪」
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:47:12.68 ID:u8MS26aSP [40/141]
唯「なぁに~?」
澪「ちゃんとムギに感謝しなよ?」
唯「またまたぁ」
澪「唯…私に何かできることあるかな…?」
唯「ん~今のところ…って…別にいいよぉ」
唯「ありがとね澪ちゃん」
澪「うん…」
唯「お母さんも、お父さんも、きっとすぐ帰ってくるし…」
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:05:14.93 ID:u8MS26aSP [41/141]
─帰り
紬「外に結構いるわね…」
憂「はい…」
唯「3,4,5人…」
紬「…斎藤呼ぶわ」
憂「えっ…」
紬「いいのよ。唯ちゃんと憂ちゃんは心配することないわ」
唯「うん…」
憂「なんかごめんなさい…」
紬「いいのいいの♪」
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:09:41.30 ID:u8MS26aSP [42/141]
斎藤「お嬢様」
ガチャ
紬「早く!!」
「紬さーん!」
「お父さんとお母さんのことは…」
ガチャン
唯「なんか芸能人みたいだね…」
憂「うん…」
紬「斎藤、これから大変になるでしょうけど…よろしくね」
斎藤「はい」
紬「ふー…」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:12:49.95 ID:u8MS26aSP [43/141]
紬「…」
唯「ムギちゃん?」
紬「なぁに?唯ちゃん」
唯「私と憂ができることは何かあるかな」
紬「なにも心配しないで~♪」
紬「こっちの問題だからね…」
唯「…」
憂「どうすれば…」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:16:00.40 ID:u8MS26aSP [44/141]
─ベッド
唯「ふぅ…」
憂「お姉ちゃん…」
「斎藤っ!!早くしなさいっ!!」
「はいっ!ただいま!!」
ドタドタ
唯「…」
憂「…」
唯「ねぇ憂…」
唯「どうして…?」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:20:00.95 ID:u8MS26aSP [45/141]
唯「どうして…こんなことに…?」
憂「…お父さんとお母さんが……」
唯「お父さんたち?」
唯「そんな泥棒したってこと…?」
憂「……」ぐす
憂「…お姉ちゃん…言っていい?」ウル
唯「だめ」
憂「えっ…」
唯「もう…いやだよ…」
唯「どうして…どうして」
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:24:01.70 ID:u8MS26aSP [46/141]
・・・・・・・
唯「…うい」
憂「…」
唯「もう…いこっか」
憂「?…」
唯「お姉ちゃんもう無理……」
唯「憂だけならまだ…でもね」
唯「もう苦しくて…」ぐす
唯「みんなに迷惑かけてばっかりで…」
憂「…」ポロポロ
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:28:33.06 ID:u8MS26aSP [47/141]
唯「でもさ…大丈夫だよ」
唯「2人でやってこれたから……ね?」
憂「…お姉ちゃん…」
唯「もういこうよ」
憂「でも…紬さんはたぶん」
唯「だから斎藤さんにお願いしてさ」
憂「…うん…」
唯「憂もいるしっ。なんとかなるよ」
憂「でもお姉ちゃん…受験は」
唯「もういいよ」
憂「そんなぁ…」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:46:07.57 ID:u8MS26aSP [48/141]
唯「ほら…」
『20万円』
憂「えっ…」
唯「みんなからもらったんだ…」
唯「これでなんとかなるよ…」
2010年冬。私は憂と2人だけで生きていくことを決意した。
よく分からないけど、なんとかなる、そんな気がした。
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:57:54.23 ID:u8MS26aSP [49/141]
『
みんなへ
突然ごめんなさい。
みんなが協力してくれたお陰でなんとかここまでこれました。
でも、やっぱり迷惑になっちゃうみたいです。
これから2人で田舎の親戚の家に向かいます。
みんなと一緒に過ごせないのはとても残念です。
落ち着いたらまた手紙を送ります。
またいつか会えるよね。
今まで本当にありがとう。さようなら。
唯 憂
』
唯「こんな感じで…」
憂「…」
唯「みんなに一人ずつ書きたいけど…怪しまれちゃうからね」
憂「うん…」
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:05:23.71 ID:u8MS26aSP [50/141]
憂「紬さんには…なんてお礼を」
唯「うん…斎藤さんにお願いしよう」
憂「…そうだね」
唯「…じゃあ、田舎の親戚の家に」
憂「うん」
・・・・・・・・
私たちの第二の人生は、早くもここで始まったんだ。
第二部 完
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:18:08.43 ID:u8MS26aSP [51/141]
斎藤「本当によろしいのですか?…」
唯「はい。ム…紬さんにもそうお伝え下さい」
斎藤「ふむ…」
唯「私たちのせいで、とても迷惑をおかけしてなんと謝ったらいいか」
斎藤「私としては…あなた方が居なくなることが、紬お嬢様にとって一番苦痛になるのではと考えますが」
憂「はい…でも週刊誌にもあれだけ書かれてますし…」
憂「私たちのことが紬さんのご両親に知られるのは時間の問題なので…」
斎藤「その件は私がどうにか…」
唯「いや、大丈夫です。斎藤さんに迷惑かけるわけにもいかないので…お願いします」
斎藤「はぁ…では」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:20:49.37 ID:u8MS26aSP [52/141]
唯「憂、その週刊誌私も見たい」
憂「な、なんで?」
唯「いやぁ~だってどんな嘘ついてるのかなぁって」
憂「うん…」
唯「後で読ませてね」
憂「うん……でも」
唯「分かってるよぉ…それに」
憂「?」
唯「もうお父さんとお母さんは居ないから」
憂「…」
憂「うん…」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:25:40.15 ID:u8MS26aSP [53/141]
なんだか遠足の様な気分だった。
あまりに非現実的だったからかな。
所詮は同じ日本。電車に乗れば、いつでも桜が丘に帰ってこれる。
そんなことも思ってた。
憂「はい」
唯「うわぁ」
ペラ
唯「強盗…殺人…」
憂「…」
唯「へ、へぇ~」
唯「すごいよね、こんなこと書いちゃって」ウル
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:28:32.95 ID:u8MS26aSP [54/141]
唯「…もういいや」
憂「うん」
唯「もう訳がわからないし!そんなの書いて何が面白いんだろうねっ!」
憂「…」
唯「全然気にしてないもんね」
唯「全然!」
憂「うん…」
唯「だって嘘だもん!」
唯「私と憂が人殺しなんてする訳ないし」
唯「これ書いた人なにも分かってないっ!ね」
憂「…ほんとだよね…」
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:33:24.16 ID:u8MS26aSP [55/141]
斎藤「到着しました」
唯憂「ありがとございます」
斎藤「では、お気を付けて」
唯憂「はい!」
・・・・・・
唯「さてと…田舎のおばあちゃんの家は」
ペラ
憂「ここだから…こう行ってここで乗り換えて…」
唯「さすが憂…早くも助かっちゃったね」
憂「えへ~…」
憂「2人で協力すれば、なんとかなるよ!」
唯「うんっ!」
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:36:14.37 ID:u8MS26aSP [56/141]
憂「お姉ちゃーん!電車くるよ」
唯「ほいほーい」
憂「なんか旅行行くみたいだね~」
唯「ねー!!」
・・・・・・
唯「…おばあちゃん居なかったらどうする?」
憂「いると思うけど…もしいなかったホテル泊まれば、」
唯「そだね」
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:46:56.29 ID:u8MS26aSP [57/141]
おばあちゃんちに着く前に、一回ホテルに泊まったんだ。
シングルベッドの安いビジネスホテル。
唯「えへへ…バレなかったね」
憂「よかったぁ」
唯「明日には着く?」
憂「うん!たぶん」
唯「そっかぁ…」
唯「やっとゆっくりできるね…」
憂「お姉ちゃん、紬さんの家でもくつろいでたじゃん!」
唯「そうだっけ?」
憂「お姉ちゃん…」
あははは…
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:52:48.79 ID:u8MS26aSP [58/141]
─翌朝
憂「お姉ちゃん起きて!」
唯「あと100分…」
憂「お姉ちゃん!!」ユサユサ
唯「うぃ…」
憂「もぉ…」
唯「…ばぁ!!」バッ
憂「ひゃあ!」
唯「う~い~びっくりした?」
憂「……お姉ちゃん…めっ!」
唯「お許しを~」
憂「早く着替えてね」ニコ
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:58:09.19 ID:u8MS26aSP [59/141]
憂のおかげで順調に乗り継いで、おばあちゃんの住んでいる駅に。
唯「ついたぁ!」
憂「やっとだね~」
唯「憂、写真写真!!」
憂「あはは…ほんとに旅行みたいだね」
唯「誰か~……あっあの人でいいや」
唯「あの、写真お願いします、ここを…」
女「はぁ……」
はい、ちーず パシャッ
唯「ありがとございます!!」
女「いやいや」
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:03:21.23 ID:u8MS26aSP [60/141]
唯「なんか結構変わった?かな」
憂「そうだねー」
唯「まあいいや、じゃ行こー!」
憂「おー!」
・・・・・・
唯「憂?」
憂「うん…」
唯「ここ、だったよね」
憂「…」
『私有地……無断立入を禁ず』
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:06:40.69 ID:u8MS26aSP [61/141]
唯「なんで?空き地に」
憂「さ、さぁ…」
唯「おばあちゃんはどこに……」
憂「……」
唯「…とりあえず何か食べよっか」
憂「…うん」
唯「あっデニーズがあるけど」
憂「お姉ちゃん決めていいよ」
唯「じゃここで!」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:12:04.99 ID:u8MS26aSP [62/141]
唯「さて、これからどうしようか憂」
憂「そろそろ暗くなるからホテルを見つけない?」
唯「そういえば駅前にあったね」
憂「うん。そこでいいんじゃないかな」
唯「そだね。そうと決まれば行こう!」
憂「うん!」
唯「今度は私がホテルやるね!」
憂「ありがと、お姉ちゃん」
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:16:35.38 ID:u8MS26aSP [63/141]
・・・・・・・・
受付「えっと…未成年の方はご両親の承諾書が必要なんですよ」
唯「えっ…前はいらなかったのに」
受付「当ホテルでは…」
憂「…分かりました、また後で持ってきます」
憂「お姉ちゃん行こう」
唯「えっ…」
憂「(大丈夫だよ、他のところ探そ)」
唯「(そだね…)」
唯「ベー」
受付「…」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:21:52.80 ID:u8MS26aSP [64/141]
なかなか泊まるところが見つからなかったんだよね。
唯「憂…疲れた……」テクテク
憂「う、うん…なかなか泊めてもらえる所が無いね」
唯「もしどこにも無かったら」
憂「大丈夫だよ!」
唯「寒いから…野宿はいや…」
憂「大丈夫!だってまだお金こんなにあるよ?」
憂「どうにかなるよ……あっ!」
唯「お?」
憂「ほら!あの民宿なら泊めてもらえそうじゃない?」
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:27:01.84 ID:u8MS26aSP [65/141]
『民宿 またずれ荘』
唯「ぼろ…」
憂「ごめんお姉ちゃん…でもここなら多分」
唯「うん…全然いいよ」
憂「失礼しま~す」
老婆「はい…」
・・・・・・・
憂「お姉ちゃん!いいって!(高かったけど…)」
唯「よしっ!憂ナイスって…あっ」
憂「?」
唯「私がやるっていったじゃん!」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:34:15.84 ID:u8MS26aSP [66/141]
憂「あ…そういえば」
唯「んもう!」
憂「あはは…ごめんねお姉ちゃん」
唯「許すっ!!」
憂「ありがと♪」
唯「さぁ!お布団ひいて~♪」
憂「あれ?一枚だけ?」
唯「いいじゃん♪2人で寝よ~よぉ」
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:37:42.40 ID:u8MS26aSP [67/141]
憂「暖房効かないね…」
唯「だいじょーぶ!」
唯「ぺとーって!2人のらぶらぶぱわーで寒さも吹っ飛ばすよ!」
憂「お姉ちゃん///」
唯「ほらほら♪おいでおいで」
憂「うん…」
唯「うい…あったかぁい…」ギュウウ
憂「お姉ちゃんも…///」ギュ
唯「あったかあったか…」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:33:24.77 ID:u8MS26aSP [68/141]
ガチャ
老婆「ちょっと失礼するよ」
唯「ん~!う~い~むちゅちゅぅ」
憂「おね///」
老婆「仲よしねぇ…」
憂「///」
老婆「…暖房の元栓開け忘れてたよ、ごめんね」クイッ
ブオオー
老婆「ごゆっくり」
ガチャ
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:37:03.44 ID:u8MS26aSP [69/141]
憂「お姉ちゃん…?」
唯「なぁにぃ~…」憂「起きてた」
憂「明日からどうしよっか」
唯「う~ん……遊ぼ」
憂「えっ」
唯「せっかくだからさ…ね?」
憂「うん…いいけど…」
憂「お金もそんなにあるわけじゃ」
唯「ふふ……いいよぉ」
唯「その時はその時で考えよぉ」
憂「うん…」
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:43:38.57 ID:u8MS26aSP [70/141]
次の日から私たちは遊びまくったんだよね。
唯「憂~!!こっちこっち!ジェットコースター!」
憂「うん!」
カタカタカタ
唯「くるよぉ…」
ビューン!!
唯憂「きゃああああ!!!」
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:46:39.65 ID:u8MS26aSP [71/141]
・・・・・・・・
唯「憂~!お化け屋敷!!」
憂「お姉ちゃん大丈夫~?」
唯「任せなさい!!」
唯「こここわくないねああんまり」ガタガタ
憂「そそそう?かな?」ブル
「うわああああ」
唯憂「きゃああああ!!」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:52:19.41 ID:u8MS26aSP [72/141]
・・・・・・
唯「あ!!」
唯「憂!!メリーゴーランド乗ろうよ!」
憂「あは…いいよ~」
唯「あはははは~うふふふふ~」
憂「ふふふ」ニコニコ
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:55:09.31 ID:u8MS26aSP [73/141]
・・・・・・
唯「憂!!ボーリング!」
憂「うん!!」
バタバタン
憂「やったぁ!!」ピョンピョン
唯「6回連続ストライクだとぉ…やるな憂」
唯「とおっ!」
ステーン!
憂「お姉ちゃん!?」
唯「えへへ…」イテテ
216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:59:20.05 ID:u8MS26aSP [74/141]
・・・・・・
唯「憂!!卓球しよぉ~!」
憂「うん!」
トトントトントトントトン
唯「とぉっ!!」バシッ
憂「あ…」
唯「やったぁ!!憂に勝ったぁ!!」
憂「負けちゃった…」ニコ
唯「うぅ~もっと悔しそうにしてよぉ」
憂「負けちゃったよぉ…」シュン
唯「はっはっは」
憂「ふふ」ニコ
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:04:17.54 ID:u8MS26aSP [75/141]
遊んでる時間はあっという間にすぎて行ったなあ。
民宿のおばあさんが何日も泊めさせてくれたおかげでいっぱい遊べた。
・・・・・・
唯「憂~バッティング!」
憂「ふふ、お姉ちゃん…私すごいよ!?」
唯「なんで!?」
カキーン
カキーン
カキーン
「お、おいあの姉妹なんなんだ」
「さっきから飛ばしまくってんな…」
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:08:28.28 ID:u8MS26aSP [76/141]
・・・・・・
唯「憂…とれない……」
憂「どれどれ…」
ウィーン ガチャ
唯「おぉ!掴んだ」
ウィーン ボトッ
唯「おおおお!!さすが憂!」
憂「偶然だよ~えへへ…」
219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:12:05.01 ID:u8MS26aSP [77/141]
・・・・・・
憂「お姉ちゃんこれは?」
唯「う~ん…ちょっとこのラインがなぁ」
憂「そうかなぁ」
唯「憂!?これなんてどお!?」
憂「…すごい!!似合ってるよお姉ちゃん!」
唯「でしょお~!!」
憂「センス良いよねぇお姉ちゃん」
唯「えへ~///」
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:18:16.77 ID:u8MS26aSP [78/141]
・・・・・・
『アンディーーー!!』
『レーーーッド!!!』
憂「うぅ…」ぐす
唯「……zz…」
憂「お姉ちゃん…」
唯「ほえ」
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:21:22.99 ID:u8MS26aSP [79/141]
・・・・・・
憂「お姉ちゃん…そろそろお金無い……」
ガチャ
老婆「お二人さん、今日の夜に団体客が来て埋まっちゃうんだ」
老婆「悪いけど他を探してくれ」
憂「はい…ありがとうございましたぁ」
唯「おばあちゃん、長生きしてね」
老婆「ふふ…ありがとう、唯ちゃん」ニコ
憂「どうしよっか…」
唯「う~ん…」
222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:26:43.10 ID:u8MS26aSP [80/141]
唯「2人でバイトでもする!?」
憂「う~ん…難しいんじゃないかなぁ…」
ぐ~~
唯「お腹すいちゃった」
憂「とりあえず…菓子パンならいっぱいあるよ」
唯「おお~!でかしたっうい」
憂「ふふ…買っておいてよかったぁ」
唯「じゃあさぁ…募金でもしようよ」モグモグ
憂「募金って……生活費を募金なんてねえ…」
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:31:07.75 ID:u8MS26aSP [81/141]
唯「歩いてたらすっかり暗くなっちゃったね…」
憂「うん…」
唯「泊まるところ無かったら…野宿でもいいよ」
憂「…」
唯「憂と一緒に寝れば寒くないし」
唯「それに…」
『レジャーシート』
唯「おっきなビニールシート和ちゃんからもらってるから…」
憂「なんだか…すっかりホームレス装備だね…お姉ちゃん」
唯「えぇ?そうかなぁ?」
あははは…
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:36:13.70 ID:u8MS26aSP [82/141]
唯「って笑ってる場合じゃ…あ!」
憂「ん?」
唯「田舎にとまろうみたいにさ、誰かの家に泊まらせてもらおうよ!」
憂「…う~ん…ちょっと危ない気がするなあ…」
唯「そお?」
憂「うん…だってどんな人がいるか…それにそんな田舎って感じじゃないしここ」
唯「大丈夫だよ!危ない人なんてめったにいないって!!」
憂「……」
唯「うい、やだ?」
憂「…うん…ごめんねお姉ちゃん」
226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:40:58.25 ID:u8MS26aSP [83/141]
唯「ならいいよ。憂は野宿でもしてて!」
唯「私は誰かの家でゆっくり寝るから!」
憂「そんな…じゃあ私も」
唯「嘘だよぉ!」
憂「う、うん……」
唯「…もう絶対憂とは離れないよ」
唯「だから憂もどこにもいかないでね」
憂「私はどこにも行かないよ…」
唯「それでよし!」
憂「でも…どうしよう」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:46:27.47 ID:u8MS26aSP [84/141]
唯「野宿する?」
憂「そうするしかないかなぁ…」
唯「じゃあ…橋の下にでも」
憂「そうだね」
寒い日だったけど、寝る場所を失った私たちは野宿をすることに決めた。
バサッ
唯「なんかキャンプに来たみたい!」
憂「あはは…」
唯「わあ~!」ババッ
憂「ああっお姉ちゃんあんまり動かないで」
唯「はい…」シュン
229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:15:09.52 ID:u8MS26aSP [85/141]
憂「お姉ちゃん」
唯「ん?」
憂「ちょっと硬くない?」
唯「なんか下にひこっか」
憂「うん」
パサッ
唯「どお?」
憂「うん…だいぶ」
唯「ね」
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:20:00.97 ID:u8MS26aSP [86/141]
憂「…ちょっと……寒いかも」
唯「そだね…おいで」
憂「うんっ」
唯「お姉ちゃんの熱を受け取れ~」ギュウウウ
憂「あったかぁい…」
唯「うおお…」ギュウウウ
憂「お姉ちゃんの熱…」
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:24:27.39 ID:u8MS26aSP [87/141]
憂「ふぅ~……」
唯「ね~むれ~よ~♪」
唯「ね~んね~ころ~♪」
憂「……zz」スヤ
唯「…お、憂が先に寝た」
唯「私の子守唄のおかげだね!」
唯「こいつめこいつめ」ムニムニ
唯「かわいいやつめ」ナデナデ
憂「…ゃぁ…zz…」
唯「おやすみぃ…」
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:29:06.82 ID:u8MS26aSP [88/141]
─翌朝
唯「う~い~」
憂「ぁぁ…」
唯「おはよ」
憂「おなよ…」
唯「だいじょぶ?」
憂「うん…ちょっとだるいけど全然平気」
唯「体調悪くなったら隠さないで言ってね」
憂「うん♪」
235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:31:33.66 ID:u8MS26aSP [89/141]
唯「このテント…どうしよっか」
憂「今日もまた使う…かな?」
唯「んん~…結構寝づらかったよね」
憂「う~ん…」
唯「とりあえず一旦片付けない?」
憂「そうだね」
唯「意外に早く作れるしね」
憂「うん」
236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:34:36.49 ID:u8MS26aSP [90/141]
唯「今日も寝床探しの旅へ!いこー!」
憂「おー…」
唯「おー!!」
憂「おー!」
唯「元気に行こうね」()
憂「うん」
・・・・・・
唯「ねえねえ、うい、これかわいい」
憂「ほんとだね~」
唯「でもお金がない」シュン
238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:37:20.02 ID:u8MS26aSP [91/141]
憂「まずは寝る場所探そうよ、お姉ちゃん」
唯「ごもっともです」
・・・・・・
ぐ~~
唯「朝ごはんも食べてないからお腹減ったね~」
憂「とりあえず菓子パンがまだあるから…」
唯「パンばっかは飽きるなぁ…」
憂「ごめんねお姉ちゃん」
唯「いやいや…そーゆーことじゃなくて」
唯「そうだ!スーパー行かない?」
240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:39:55.47 ID:u8MS26aSP [92/141]
憂「スーパーなんて行ったらますます…」
憂「…あっ!分かった」
唯「なぬ?」
憂「お姉ちゃん…試食売場行きたいんでしょ?」
唯「ばれたか…」
憂「なんか惨めだけど…あはは」
唯「えへへ…」
憂「…行こっか」
唯「うん、ありがとね」
241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:44:13.47 ID:u8MS26aSP [93/141]
─スーパー
唯「うい~!かまぼこあるよ~」ヒョイパク ヒョイパク
憂「お姉ちゃん…恥ずかし///」
唯「そうかなぁ…」モグモグ
唯「あ、無くなった」
憂「///」
唯「あ、ウィンナー!」
店員「どうぞ~」
唯「うま…」モグモグ
唯「おかわり!」
店員「はは…はいどうぞ」
憂「///」
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:48:47.02 ID:u8MS26aSP [94/141]
・・・・・・
唯「ふー食ったくった」ゲプ
憂「すごいね…お姉ちゃん…」
唯「でしょお!?憂ももっと食べればよかったのに」
憂「あはは…お姉ちゃんに食べさせてあげたかったから」
唯「ほんとぉ?こいつぅ~」ムニムニ
憂「やぁ…やめて//」
唯「…ってこんなことしてる場合じゃないよ!憂!」ムニムニ
憂「私はなにも…して…にゃいよぉ…」
唯「寝る場所探さねば!」
246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:31:20.67 ID:u8MS26aSP [95/141]
・・・・・・
唯「どおしよ~」テクテク
憂「うん…」テクテク
男「君たち?」
唯「ふぇ?私たち?」
男「うん。おっきな荷物持ってどこ行くんだい?」
唯「いや…寝る場所探してるんだ~」
憂「…」
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:36:16.75 ID:u8MS26aSP [96/141]
男「寝る場所は見つかりそう?」
唯「いやぁ…なかなか」
男「もしよかったらうちに来る?6歳と8歳の娘もいるんだ」
唯「えっいいんですか?」
男「ああ。無理にとは言わないけど、もしよかったらさ」
唯「(憂…どお?)」
憂「(お姉ちゃんに任せた…)」
唯「(優しそうな人だし…いいかな)」
憂「…」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:38:56.81 ID:u8MS26aSP [97/141]
唯「じゃあお邪魔しようかな…」
男「ああ。車に乗ってきたんだ。乗って?」
唯「はい…」
唯「憂、行こう…」
憂「うん…」
男「2人とも元気無いね?」
唯「野宿してて…あんまり寝れなかったというか」
男「大変だったんだな…今日はゆっくりしていくといい」
唯「ありがとうございます」
憂「…」
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:43:13.60 ID:u8MS26aSP [98/141]
男「ここだよ」
唯「わぁ…綺麗なマンション…」
男「ふふ、最近できたばかりなんだよ」
唯「へぇ~…」
唯「(憂?大丈夫?)」
憂「(うん…ちょっとだるいだけだよ)」
唯「(大丈夫かなぁ…今日は早く寝ようね)」
男「どうしたの?」
唯「いえ…」
265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:50:06.83 ID:u8MS26aSP [99/141]
─いまから少し前
斎藤「お嬢様!」
紬「なに?」
斎藤「ご友人の唯様、憂様から…」
紬「これは……」
紬「斎藤…今すぐ連れ戻して」
斎藤「それは彼女たちにとっては…」
紬「……」
紬(『田舎の親戚』…)
紬(『今まで本当に』……)
紬「と、とりあえず学校のみんなとも相談してみるわ」
斎藤「はい」
267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:54:44.87 ID:u8MS26aSP [100/141]
─3年2組
律「今日は唯来てないなー」
澪「だな…何かあったのかな」
紬「りっちゃん!澪ちゃん!和ちゃん!」
律「どうした!?そんな慌てて」
澪「?」
紬「これを!!」
律「おーおー親戚の家か」
澪「そこなら安心だな…」
和「う~ん…」
269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:01:53.52 ID:u8MS26aSP [101/141]
紬「なんだか…心配なんだけど」
和「そうね…」
和「でもまあ…憂もいるし…大丈夫じゃないかしら」
紬「そうだといいんだけど…」
和「それに…ね、律、澪」
律「結構痛かったけどなぁ…ってのは嘘で」
澪「うん。貯金とか崩して20万渡したんだ」
紬「えっ…」
和「だからね…もし親戚の家に入れなかったら戻って来ると思う」
和「憂もいるし…唯だってやるときはやる子だから」
和「唯と憂からの手紙を楽しみに待ってましょう」
律「そだな」
271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:07:10.16 ID:u8MS26aSP [102/141]
─マンション
唯憂「お邪魔しまーす」
男「いらっしゃーい」
男「今ご飯の用意するから待ってて」
唯「あ、ありがとうございます」
憂「…」
唯「(憂、つらいの?)」
憂「(大丈夫…大丈夫)」
唯「(やめてよ憂…早く言ってね)」
憂「(大丈夫だって…ありがとお姉ちゃん)」ニコ
272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:09:57.85 ID:u8MS26aSP [103/141]
チーン… チーン…
唯「今の何?」スタ
憂「待ってお姉ちゃん…行かないで」
唯「大丈夫大丈夫。ちょっとだけ」
憂「うん…」
唯「憂…大丈夫かな」トテトテトテ
唯「あっ…」
男「おっ?」
274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:13:40.00 ID:u8MS26aSP [104/141]
唯「これは…」
男「そう…」
男「私の娘2人。今もいる」
唯(仏壇……死んじゃってたんだ…)
男「今用意するよ」
唯「はいっ」
279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:17:09.77 ID:u8MS26aSP [105/141]
・・・・・・
唯憂「いただきまーす」
男「めしあがれ」
男「といっても買いおきのレトルトカレーなんだけどな」
唯「いえ、おいしいです…」
憂「うん…」
男「それなら良かった…ん?」
男「そちらの……大丈夫?」
憂「は、はい…大丈夫です」
283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:20:19.24 ID:u8MS26aSP [106/141]
男「無理をしないで…今日は早く寝るといい」
憂「はい…」
・・・・・・
唯憂「ごちそうさまでした」
男「はーい」
男「暫くしたらお風呂に入っちゃいなさい」
唯「はい…ありがとうございます」
男「うむ」
285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:23:36.34 ID:u8MS26aSP [107/141]
・・・・・・
唯「久しぶりに湯船に浸かれたね」
憂「うん…」
男「お、上がったか」
唯「はい、あの、どこで寝れば…」
男「ああ、こっちにおいで」
男「君もだよ」
憂「…はい」
ガチャ
男「この部屋だ」
287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:26:30.79 ID:u8MS26aSP [108/141]
男「私はあっちの部屋で寝るから…何かあったら、ね」
唯「はい。ありがとうございます」
憂「ありがとうございます」ペコ
男「じゃあ、ゆっくり…おやすみなさい」
唯憂「おやすみなさい」
男「ああ、おやすみ」
ガチャ
男「よし…」
292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:32:41.02 ID:u8MS26aSP [109/141]
唯「ベッドが二つ…」
唯「憂はどっちがいい?」
憂「お姉ちゃん決めていいよ」
唯「じゃあ…私はこっち!」
憂「じゃあ私は右の」
唯「ぶー!」
憂「え…」
唯「憂とはずっと一緒なの!だから憂もこっち」
憂「お姉ちゃん…」
295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:37:33.36 ID:u8MS26aSP [110/141]
・・・・・・
唯「久しぶりにベッドだね~」
憂「ね…」
唯「う~い~…元気出してよぉ」
憂「もう寝るんでしょ…お姉ちゃん」
唯「そうだけどさぁ~…」
憂「ふふ…また明日も寝る場所探さないとね」
唯「ね…なんかムギちゃんちに戻りたくなってきたかも」
憂「お姉ちゃん…」クス
299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:43:06.05 ID:u8MS26aSP [111/141]
憂「でも、なんだかんだで私たち頑張ったよね」
唯「うんっ!憂のおかげだよぉ」
憂「そんなことないよ…お姉ちゃんのおかげだよ」
唯「そお?でへへ…」
憂「うん…」ニコ
唯「絶対離さないよぉ…憂」ギュウ
憂「わたしも…お姉ちゃん大好き」ギュ
唯「えっ///」
唯「えへ…お姉ちゃんも憂のことだーっいすきっ」ギュウウウ
憂「おやすみぃ…お姉ちゃん」
唯「おやすみ…うい」
300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:46:21.71 ID:u8MS26aSP [112/141]
・・・・・・
憂「んっ…といれ…」
唯「ぅぃ…」ギュ
憂「…お姉ちゃん…ごめん、トイレ行くから…」
唯「……」ギュ
憂「お姉ちゃん…」ユサ
唯「…zz……」
憂「ふふ…すぐ戻るね」
ガチャ
304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ぶ] 投稿日:2010/08/15(日) 20:50:03.66 ID:u8MS26aSP [113/141]
憂(んーと…トイレは……)
憂(ここかなぁ)
ガチャ
男「」
憂「!?」
憂「ぃゃ……おね…んっ」
憂「んー!!んっ!!!」
男「」バンッ
憂「」
ズルズル
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:52:28.86 ID:u8MS26aSP [114/141]
バンッ!!
憂「うぐっ…」
バシッ
憂「……ごっ…」
男「へへ…」
ビリビリビリッ
ブーン…
憂「んっ…」
316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:55:05.86 ID:u8MS26aSP [115/141]
憂「んはっ…」
ブーン…
憂「んんっ…」
男「へっ…ほら」
憂「…ん!!……んんん」
男「おら!!」
憂「んん!…んん!!!」ポロ
男「ったく…」
バスッ
憂「んっ…」
325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:58:00.43 ID:u8MS26aSP [116/141]
バッ
憂「はぁ…はぁ……」
男「ほら…しゃぶれよ」
「…」
憂「……」
パクッ
男「素直じゃん…」
憂「…」
331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:00:56.35 ID:u8MS26aSP [117/141]
ガブッ!!
男「でえええ!!!!」
バンッ!!!
男「」
唯「憂!!早く!!」
憂「あ…ぁ…」
唯「早く!!なにこれ!?」ギシ
男「ってえ…」
男「……待てよ!!おい!」
340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:05:28.54 ID:u8MS26aSP [118/141]
唯「こんの!!馬鹿!!!」ポロ
パシッ
男「あ?」
唯「うっ…」
男「お前なぁ…」
バスッ
唯「おごっ…」
憂「ばか!!」
バスッ
男「こいつ……」
341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:07:49.39 ID:u8MS26aSP [119/141]
ドカッ
憂「んぐっ…」
バンッ
憂「おおっ…」
バシッ
憂「…」
男「へへ…」
ザク
唯「しね…」
男「あ…あ…」
グリッ
唯「しね…しねっ!!」
グリグリ
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:10:19.15 ID:u8MS26aSP [120/141]
唯「このっ!!」
バンッ!!
唯「こんの!」
バンッ!
唯「こいつ!」
バン
唯「なんで…」ポロ
ボス
男「」
唯「なんで…」ポロポロ
男「」
唯「あは…」
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:13:40.63 ID:u8MS26aSP [121/141]
男「」ピクピク
唯「…」ギロ
ザク
男「」
唯「終わった…」
唯「私がやった……」
唯「私が……殺した」
唯「あ…憂!!憂!!!」
憂「…やったぁ…ね…お姉ちゃん……」
359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:16:26.07 ID:u8MS26aSP [122/141]
・・・・・・
唯「あは…」
憂「お姉ちゃん…早く逃げて」
唯「あ…」
唯「憂も…」
憂「うん…」
唯「よいしょっ…おも…」
憂「ごめんね…」
唯「嘘だよぉ…」
362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:20:21.58 ID:u8MS26aSP [123/141]
唯「だめ…憂…歩ける…?」
憂「う、うん…」
唯「よ、よし……早く」
・・・・・・
唯(新聞?落ちてる…)
『連続強盗殺人──平沢容疑者夫婦────死刑求刑』
唯「…」
唯「ごほっ……」
唯「はぁ…はぁ…」
憂「…」
365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:22:48.39 ID:u8MS26aSP [124/141]
唯「そんな気がしてたんだ……」
唯「泥棒だけで……ごほっ…こんな…」
憂「」バタッ
唯「憂!!」
憂「もう…だめ…」
唯「だめじゃないもん…」
んしょっ
唯「軽い…うい軽い…」
憂「…」
唯「はぁはぁ」
370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:27:29.56 ID:u8MS26aSP [125/141]
─港
唯「う~い」ユサ
憂「」
唯「もう日が上ってるよぉ…」
憂「」
唯「……」
唯「今日はね、憂の誕生日なんだ~」
憂「」
唯「あはは…軽いね憂…」
憂「」
唯「なんでこんなに……軽いんだろう」ポロポロ
憂「」
372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:30:17.97 ID:u8MS26aSP [126/141]
唯「綺麗だね~…」
憂「」
唯「やっと、見つけたよ」
憂「」
唯「2人の場所だよ~…」
憂「」
唯「……無視しないで…うい」
憂「」
唯「うっ…うぅ」ぐす
380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:34:13.36 ID:u8MS26aSP [127/141]
唯「でも…大丈夫」ポロポロ
唯「私もういと一緒にいくんだぁ…」ポロポロ
憂「」
唯「約束したもんね、うい」ポロ
憂「…」
唯「ふふ…う~い♪」ニコ
唯「ずっと一緒だよ」
完
390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:40:01.90 ID:u8MS26aSP [128/141]
ご通読ありがとうございました
メ欄の告知しました通りです
400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 21:54:28.92 ID:u8MS26aSP [129/141]
告知?ヒントですっ!ごめんね☆
が、嫌な気分を二度味わうことになる人もいるかもしれません…フヒヒ
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