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ルルーシュ「さて、床で寝るか」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:22:29.91 ID:S4UTGEew0 [1/18]
C.C.「何?」
ルル「床で寝る、と言ったんだ」
C.C.「今まではソファで寝ていたじゃないか」
ルル「『男は床で寝ろ』と言ったのはお前だろう」
C.C.「確かにそうだが……」
ルル「……俺はようやく手に入れた」
ルル「この――布団という名の寝具をな!」
C.C.「何?」
ルル「床で寝る、と言ったんだ」
C.C.「今まではソファで寝ていたじゃないか」
ルル「『男は床で寝ろ』と言ったのはお前だろう」
C.C.「確かにそうだが……」
ルル「……俺はようやく手に入れた」
ルル「この――布団という名の寝具をな!」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:24:57.69 ID:S4UTGEew0 [2/18]
C.C.「布団? 一体何だそれは」
ルル「お前には関係ないだろう」
C.C.「……ふん、それもそうだな」
ルル「ククク……太陽の光を浴びてふかふかになっているな……!」
C.C.「ほう? 少し触らs」
ルル「断る」
C.C.「……」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:27:19.50 ID:S4UTGEew0
ルル「C.C.、お前は自分の寝具を他人に触らせたいのか?」
C.C.「私にそんな趣味は無い」
ルル「俺にもそんな趣味は無い。だから、触らせるわけにはいかない」
C.C.「……まあいい」
ルル「フハハハッ……これが太陽の香りというやつか……!」
C.C.「太陽の? どれ、少しだk」
ルル「断る」
C.C.「……」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:30:45.72 ID:S4UTGEew0
ルル「C.C.、お前は自分の寝具の匂いを他人に嗅がせるか?」
C.C.「させるわけがないだろう」
ルル「俺も同じだ」
C.C.「……まあ、いい」
ルル「お前はベッドで、俺は床で布団で」
ルル「――これこそ、お前の望んでいたものだろう?」
C.C.「……さあな」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:34:47.37 ID:S4UTGEew0
ルル「布団……スザクの家で使ったのが最後か」
C.C.「ふむ、前にも使ったことがあるのか」
ルル「まあな。その時の素晴らしい寝心地は今でも鮮明に思い出せる」
C.C.「……そんなに布団とは良いものなのか?」
ルル「ベッドも素晴らしい。だが、布団はそれとは違った良さがあるのは確かだ」
C.C.「……なあ」
ルル「断る」
C.C.「……」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:37:56.44 ID:S4UTGEew0
ルル「――まずは敷布団」
いそいそ
ルル「……ククク、我ながら完璧なレイアウトだ」
ルル「この地点は、周辺にテーブルも配置されている」
ルル「さらに、トイレへ至る経路には障害物が無いのも良い」
C.C.「……」
ルル「――作戦の第一ステージはクリアー」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:41:07.05 ID:S4UTGEew0
ルル「――続いて第二ステージ」
いそいそ
ルル「第二ステージは敷布団にシーツをかける作業……」
ルル「……だが、この作業は慎重にやらなければならない」
C.C.「ほう、何故だ?」
ルル「シーツがピシッとかけられていないと、
寝返りをうった時にシーツがめくれていってしまう恐れがある……!」
C.C.「ふむ」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:44:09.93 ID:S4UTGEew0
ルル「そのため、フェーズ1では足側のポイントでシーツを固定する」
C.C.「足側から? 頭側からではダメなのか?」
ルル「愚問だな」
ルル「最初に布団に寝転がった時、
布団と完全に密着していなかったシーツがフワリとする感触が楽しめん」
C.C.「……よくわからないな」
ルル「わからないならそれで良い。お前はベッドで寝るんだからな」
C.C.「……」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:46:36.13 ID:S4UTGEew0
ルル「――目標地点に到達」
ルル「これより、シーツの足側を固定する作業にうつる」
いそいそ
ルル「……!」
C.C.「……なあ、ルr」
ルル「っ! 話しかけるな!」
C.C.「……」
ルル「……!」
いそいそ
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:49:24.43 ID:S4UTGEew0
ルル「……フハハハッ! 我ながら素晴らしい出来栄えだ!」
ルル「――続いてフェーズ2へ」
C.C.「次はどうするんだ?」
ルル「フェーズ2では、頭側のシーツを固定する」
C.C.「……なんだ、またチマチマした作業か」
ルル「違うなC.C.。その考えは間違っているぞ」
C.C.「何?」
ルル「頭側のシーツをかけるのに求められるのは、慎重さでなく――大胆さだ」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:52:45.59 ID:S4UTGEew0
C.C.「大胆さ?」
ルル「見ていればわかる」
すっ…
C.C.「? シーツの端を握って何を――」
ルル「ふんっ!」
フワアッ……!
C.C.「おおっ……!」
ルル「空気を取り込むように、シーツを大きく展開させ左翼、右翼から一気に攻める」
ルル「フェーズ2終了……第二ステージもクリアーされた」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:57:40.03 ID:S4UTGEew0
ルル「――第三ステージは掛け布団の準備……だが」
C.C.「? 何かあったのか」
ルル「……この作業は、俺の手に負えるものではない」
ルル「掛け布団は柔らかく繊細だ」
ルル「俺自身が手を下せば、取り込んだ太陽の匂いを逃がしてしまう」
C.C.「ふふっ、それで?」
ルル「――掛け布団にシーツを被せるのは、咲世子にやって貰った」
C.C.「……」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:01:04.74 ID:S4UTGEew0
ルル「――敷布団に掛け布団が揃った」
C.C.「あと必要なのは……枕か」
ルル「その通り。さすがC.C.、俺の共犯者だ」
C.C.「まあな」
C.C.「それで? 枕はどこにある?」
ルル「慌てるな。この日のために特注のものを取り寄せてある」
C.C.「……本気、らしいな」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:03:57.33 ID:S4UTGEew0
ルル「そろそろ届くはずだ」
C.C.「届くとは……この斑鳩にか?」
ルル「それ以外のどこに届けるというんだ」
C.C.「しかし、ここは……」
ルル「ジェレミアの俺への忠誠は本物だからな」
C.C.「……」
C.C.「オレンジ便、か」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:06:52.83 ID:S4UTGEew0
ルル「さて、格納庫でジェレミアを待つとしよう」
C.C.「待ちきれないのか」
ルル「当然だ」
C.C.「……」
ルル「C.C.、言っておくが……勝手に布団に入るなよ?」
C.C.「……」
C.C.「ふん……私はC.C.だぞ? 床なんぞで寝られるか」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:09:37.48 ID:S4UTGEew0
C.C.「……」
C.C.「……太陽の匂い、か」
C.C.「……」
C.C.「ふかふかの敷布団……フワリとするシーツ……」
C.C.「……」
もそもそっ…
C.C.「――おや? 私の進路に邪魔な寝具が置かれているなぁ」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:12:31.69 ID:S4UTGEew0 [17/18]
C.C.「全く、ルルーシュの奴め」
C.C.「この私の邪魔になるような敷き方をするとは……」
C.C.「やれやれ、これは躾が必要なようだな」
C.C.「しかし、どうやって今回のお仕置きをしたものか」
C.C.「……」
C.C.「――あぁ、この布団で一番に眠れないというのは良いお仕置きになるなぁ」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:16:46.09 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「ふふっ! 悪いのはお前だぞ、ルルーシュ」
C.C.「私が、そんなお前に罰を与えるのは当然――」
コンコン
C.C.「!?」
C.C.「まさか……もう戻ってきたというのか……?」
『……紅月カレン、偵察任務より戻りました』
C.C.「……なんだ、カレンか」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:19:21.82 ID:Mt8JfBNa0
『失礼します』
パシュン!
C.C.「偵察任務、ご苦労だったな」
カレン「なんでアンタが偉そうなのよ」
C.C.「なに、アイツが居ないからその分の労いの言葉を代弁したんだ」
カレン「誰もそんなの頼んでないわよ!」
カレン「――って、何やってたの……?」
C.C.「ん?……ああ」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:21:33.67 ID:Mt8JfBNa0
カレン「足元にあるのは……布団?」
C.C.「まあ、な」
カレン「へー! それが布団なんだ! 本当に床に敷くのねぇ!」
C.C.「? お前は布団を見た事が無いのか?」
カレン「ええ」
カレン「私の家……住んでた所は、全部ベッドだったし」
C.C.「ふむ」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:23:57.08 ID:Mt8JfBNa0
カレン「ねえ、ちょっと寝転がってみても良い?」
C.C.「……何?」
カレン「ちょっとだけ! ねっ、良いでしょ?」
C.C.「……」
C.C.「駄目だな」
カレン「? どうしてよ」
C.C.「この布団には――最初に私が寝転がるからだ」
カレン「……はぁっ?」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:27:29.84 ID:Mt8JfBNa0
カレン「何よそれ、ぜんっぜん意味がわからないんだけど」
C.C.「この布団は私の行く手を阻むように敷かれている」
カレン「それがどうしたってのよ?」
C.C.「やれやれ……ルルーシュは、この布団に最初に寝転がるのを楽しみにしているんだ」
カレン「……それで?」
C.C.「私の邪魔をしたルルーシュにお仕置きするため、私が最初に寝転がる」
カレン「……悪いけど、話を聞いて余計訳がわからなくなったわ」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:30:12.29 ID:Mt8JfBNa0
カレン「えっと……つまり、C.C.はルルーシュへの嫌がらせのために布団に寝るのよね?」
C.C.「そうだ」
カレン「もしかして、C.C.も布団に寝転がってみたかったりするの?」
C.C.「ああ」
C.C.「……」
C.C.「い、いや、違う! あくまでもお仕置きのためだ!」
カレン「……ふーん」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:33:50.49 ID:Mt8JfBNa0
カレン「それじゃ、別に私が一番に寝ても問題ないわね」
C.C.「!? どうしてそうなる……!?」
カレン「だって、ルルーシュが一番最初に寝られなければ良いんでしょ?」
C.C.「それは……」
カレン「――って事で、お邪魔しま~す……っと」
C.C.「まっ、待――」
パシュン
C.C.・カレン「……」
ルル「ククク……! これで存分に楽しめ――」
ルル「――おい、何をしているんだお前達!?」
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:36:02.77 ID:Mt8JfBNa0
カレン「えっと、これは……」
C.C.「その、だな……」
ルル「……とりあえず、カレンは偵察任務ご苦労だった」
カレン「え、えぇ……」
ルル「――そしてC.C.」
C.C.「……」
ルル「お前は、俺が敷いた布団に何をするつもりだった?」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:38:40.66 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「……いや、それは……そのだな……」
ルル「……」
カレン「――ちょっと! なんか物凄く怒ってるわよ!?」ヒソヒソッ
C.C.「敷き方にも相当こだわっていたからな……」ヒソヒソッ
ルル「C.C.」
C.C.「なっ、なんだ」
ルル「『男は床で寝ろ』……お前は、そう言ったはずだ」
ルル「だが、まさかとは思うが――その布団で寝ようとしていたのか?」
C.C.・カレン「……」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:41:09.39 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「……そ、そんな訳がないだろう」
ルル「本当か?」
C.C.「勿論だ」
ルル「ならば、何故布団の近くに居た」
C.C.「それは……」
C.C.「……」
C.C.「カレンが、お前の敷いた布団に寝転がろうとしていたからな」
カレン「へっ?」
C.C.「私は、それを止めようとしていたんだ」
カレン「……はあっ!?」
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:43:41.80 ID:Mt8JfBNa0
カレン「何言ってるのよ、C.C.!?」
C.C.「事実だろう?」
カレン「それはそうだけど、でm」
ルル「――カレン」
カレン「!? なっ、何……?」
ルル「お前は、俺が敷いた布団に、寝転がろうとしたのか?」
カレン「う……あ……」
カレン「……」
カレン「……はい……」
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:46:51.59 ID:Mt8JfBNa0
ルル「なる程、大体事情はわかった」
カレン「……」
ルル「やはり、お前にも日本人の血が流れているという事か」
カレン「……えっ?」
ルル「日本人は布団を使用してきた民族だ」
ルル「その血を引くお前が、布団で寝たいと思っても不思議じゃあない」
カレン「許して……くれるの……?」
ルル「当たり前だろう」
カレン「! 良かったぁ……!」
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:50:47.28 ID:Mt8JfBNa0
ルル「だが、この布団で寝るのは諦めてくれ」
カレン「うん、仕方無いわよね」
ルル「だが――代わりを用意する事を約束しよう」
C.C.「代わり? どういう事だ?」
ルル「お前には関係ないだろう」
C.C.「……」
ルル「カレン、お前の分の布団も斑鳩に取り寄せよう」
カレン「やった! ルルーシュ、アンタも気が利くじゃない!」
C.C.「……」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:55:53.87 ID:Mt8JfBNa0
ルル「そうだな……これは、カレンの分だけでなく、
斑鳩に居る騎士団の人数分布団を取り寄せるべきか……?」
カレン「それ、本気?」
C.C.「……ふん! とんだ無駄遣いだな」
ルル「本気だとも。布団一組で騎士団の人間が
精神的に落ち着けるのなら安いものだ」
カレン「……へー、色々考えてるのね」
C.C.「おい、今私を無視しなかったか?」
ルル「まあな」
C.C.「っ!……おやおや、いい度胸じゃないか」
C.C.「……まさか、今も無視したのか……!?」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:00:08.68 ID:Mt8JfBNa0
カレン「騎士団の皆が布団で寝る、かぁ」
ルル「格納庫を使って催しをするのも良いかもしれないな」
カレン「催しって……何が出来るの? 布団があるだけで」
ルル「カレン。俺が今手に持っているものが何かわかるか?」
カレン「それは……枕?」
ルル「そうだ」
ルル「――枕投げだよ、カレン」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:05:08.90 ID:Mt8JfBNa0
カレン「枕投げ……?」
ルル「ああ」
ルル「枕投げとは……敷き詰められた布団の上で、
枕を投げ合って戯れるというお遊びみたいなものだ」
カレン「結構面白そうじゃない! 枕なら、当たっても痛くないだろうし」
ルル「ふざけあうのが目的だからな」
カレン「これなら、全員参加で楽しめそうよね」
ルル「床で寝ない人間は参加出来ないが、な」
C.C.「……」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:10:09.74 ID:Mt8JfBNa0
カレン「とにかく、楽しみだわ!」
ルル「そうだな」
ルル「……さて、そろそろ寝る時間だ」
カレン「そうね。それじゃ、今日は存分にその布団を楽しんで!」
ルル「ありがとう……って、なんだかお礼を言うのは変だな」
カレン「あはは、本当にね」
カレン「――それでは、失礼します!」
―パシュン
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:14:37.38 ID:Mt8JfBNa0
ルル「――よし、寝るか。すっかり遅くなってしまった」
C.C.「……」
ルル「C.C.、もう電気を消すからベッドに戻ったほうが良いぞ」
C.C.「……ふふっ、本当にひどい奴だな、お前は」
ルル「いきなり何を……」
C.C.「ルルーシュ」
C.C.「――ここまでされて、私が素直にお前を布団で寝かせると思うか?」
ルル「!?」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:18:14.80 ID:Mt8JfBNa0
ルル「おい……何を考えている……!?」
C.C.「私も布団というものに興味が沸いた」
ルル「!? おい、まさか……!?」
C.C.「丁寧に布団を敷いてくれてありがとうとでも言っておこうか」
ルル「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!」
ルル「――布団に近寄るなッ!」キュィィン!
C.C.「ふふっ、私にギアスは効かんぞ」
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:22:18.21 ID:Mt8JfBNa0
ルル「やめろっ! 俺から布団を奪うなッ!」キュィィン!
C.C.「どれ、掛け布団のさわり心地は、と」
…ふわっ
C.C.「おおっ、さすが咲世子だな。フワフワだ」
ルル「お願いだ……やめてくれ……!」キュィィン!
C.C.「んー……これが太陽の香り、か」
ルル「ぐ、おおおっ……!」
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:27:30.86 ID:Mt8JfBNa0
ルル(俺からベッドを奪い……今度は布団まで奪うのか!?)
ルル(C.C.……! この魔女めええっ……!)
C.C.「チーズくんを置いて……あとは――」
ルル「まさか……」
C.C.「――ルルーシュ、布団で寝るために取り寄せた、
その枕をこっちに寄越せ」
ルル「断るっ! これは、選びに選んで決めt」
C.C.「何? 聞こえんな」
ルル「……受け取れ」
C.C.「ふふっ! 素直が一番だぞ、ルルーシュ」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:33:59.70 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「――これで条件は全て整った」
ルル「……お前が言うな」
C.C.「ルルーシュ、私は確かに『男は床で寝ろ』と言った」
C.C.「だが、私は好きな所で寝る」
C.C.「だから、床――この布団では私が寝る」
C.C.「依存は無いな?」
ルル「だったら……俺はどこで寝ろと言うんだ……!」
C.C.「私は布団で寝るから、ベッドを使っても構わないぞ」
ルル「……」
ルル「何?」
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:38:27.20 ID:Mt8JfBNa0
ルル「ベッドを……使ってもいいのか?」
C.C.「当たり前だろう。元々お前のベッドだぞ?」
ルル「……」
C.C.「ベッドを余らせておくのも無駄だからな」
ルル「……」
ルル(俺が……ベッドで寝る? 寝られる、のか……?)
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:41:56.46 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「私が使っていたベッドで寝られるんだ。
ありがたく思えよ、ルルーシュ」
ルル「ベッドで……寝て……良い……」
C.C.「……ルルーシュ?」
ルル「……ハハ……ハ」
C.C.「おい、何を笑っt」
ルル「ハハハハハッ! やった! やったぞ!」
ルル「ベッドでッ! 他のどこでもない、ベッドで寝られるんだ!」
C.C.「……」
C.C.「……喜びすぎだろう」
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:47:06.50 ID:Mt8JfBNa0
ルル「C.C.、今の言葉に偽りは無いな!?」
C.C.「あ、ああ……」
ルル「っ……!」
ルル「長かった……! お前に『男は床で寝ろ』と言われて以来、
一度もベッドでは寝ていなかった……!」
ルル「寝転がっても、目をつぶるだけ……!
安らぎなど当然無い、睡魔との闘いの場所だったベッドが!」
ルル「――安らぎの場所、ベッド!」
ルル「今ここに、ベッドが俺にとって安らげる場所に戻った事を宣言する!」
C.C.「……」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:51:48.71 ID:Mt8JfBNa0
ルル「フフフ……思う存分寝てやろう……!」
C.C.「……そこまで喜ばれると、逆にベッドで寝かせたくなくなるな」
ルル「!? もう寝るぞ、C.C.!」キュィィン!
C.C.「私にギアスは効かないと言ってるだろう」
ルル「ベッドで寝かせてくれ……お願いだ……お願いします……!」
C.C.「……ふん」
C.C.「なら、電気を消せ。布団からではスイッチが遠い」
ルル「!」
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:55:56.96 ID:Mt8JfBNa0
ルル「電気を消すぞ!?」
C.C.「待て、布団に入る」
ルル「ええい、グズグズするな!」
C.C.「はいはい」
もそもそっ!
C.C.「……おお、シーツがフワリとなった」
C.C.「ふふっ、布団は中々快適じゃないか」
カチッ
C.C.「おい、電気を消す前に一言くらいh」
ルル「はあっ!」
―ボフンッ!
C.C.「? 何だ、今の音は……?」
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 05:00:30.29 ID:Mt8JfBNa0
ルル「やはり……ベッドは非常に優秀だ……!」
ルル「特に、このゼロのために用意されたベッドは格別だ!」
ルル「この寝心地の良さは、他のどんな寝具でも出せないだろう!」
ルル「愛しているよ……ベッド……!」
C.C.「……」
C.C.「……確かに、そのベッドの方が寝心地が良いな」
ルル「……う~ん……ナナリー……むにゃむにゃ……」
C.C.「もう寝たのか……!?」
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 05:04:40.95 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「……床に直接敷いてあるからか、
布団がやけに冷たくなってきたな」
C.C.「……それに、枕投げとやらも冷静になってみれば面倒そうだ」
C.C.「……」
もそもそっ…
C.C.「……」
もぞもぞっ…
C.C.「……ああ、やっぱりこっちのベッドの方が良いな」
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 05:10:03.63 ID:Mt8JfBNa0
ルル「……ナナリーは俺と結婚したいって……? あはは……」
C.C.「……寝言がうるさい」
ぐいぐいっ!
…ボトッ!
ルル「おぐうっ!?」
ルル「ぐおお……何故……ベッドは簡単には落ちない大きさのはず……!?」
C.C.「悪いが、このベッドは一人用だ」
C.C.「男は床で寝ろ」
おわり
C.C.「布団? 一体何だそれは」
ルル「お前には関係ないだろう」
C.C.「……ふん、それもそうだな」
ルル「ククク……太陽の光を浴びてふかふかになっているな……!」
C.C.「ほう? 少し触らs」
ルル「断る」
C.C.「……」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:27:19.50 ID:S4UTGEew0
ルル「C.C.、お前は自分の寝具を他人に触らせたいのか?」
C.C.「私にそんな趣味は無い」
ルル「俺にもそんな趣味は無い。だから、触らせるわけにはいかない」
C.C.「……まあいい」
ルル「フハハハッ……これが太陽の香りというやつか……!」
C.C.「太陽の? どれ、少しだk」
ルル「断る」
C.C.「……」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:30:45.72 ID:S4UTGEew0
ルル「C.C.、お前は自分の寝具の匂いを他人に嗅がせるか?」
C.C.「させるわけがないだろう」
ルル「俺も同じだ」
C.C.「……まあ、いい」
ルル「お前はベッドで、俺は床で布団で」
ルル「――これこそ、お前の望んでいたものだろう?」
C.C.「……さあな」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:34:47.37 ID:S4UTGEew0
ルル「布団……スザクの家で使ったのが最後か」
C.C.「ふむ、前にも使ったことがあるのか」
ルル「まあな。その時の素晴らしい寝心地は今でも鮮明に思い出せる」
C.C.「……そんなに布団とは良いものなのか?」
ルル「ベッドも素晴らしい。だが、布団はそれとは違った良さがあるのは確かだ」
C.C.「……なあ」
ルル「断る」
C.C.「……」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:37:56.44 ID:S4UTGEew0
ルル「――まずは敷布団」
いそいそ
ルル「……ククク、我ながら完璧なレイアウトだ」
ルル「この地点は、周辺にテーブルも配置されている」
ルル「さらに、トイレへ至る経路には障害物が無いのも良い」
C.C.「……」
ルル「――作戦の第一ステージはクリアー」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:41:07.05 ID:S4UTGEew0
ルル「――続いて第二ステージ」
いそいそ
ルル「第二ステージは敷布団にシーツをかける作業……」
ルル「……だが、この作業は慎重にやらなければならない」
C.C.「ほう、何故だ?」
ルル「シーツがピシッとかけられていないと、
寝返りをうった時にシーツがめくれていってしまう恐れがある……!」
C.C.「ふむ」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:44:09.93 ID:S4UTGEew0
ルル「そのため、フェーズ1では足側のポイントでシーツを固定する」
C.C.「足側から? 頭側からではダメなのか?」
ルル「愚問だな」
ルル「最初に布団に寝転がった時、
布団と完全に密着していなかったシーツがフワリとする感触が楽しめん」
C.C.「……よくわからないな」
ルル「わからないならそれで良い。お前はベッドで寝るんだからな」
C.C.「……」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:46:36.13 ID:S4UTGEew0
ルル「――目標地点に到達」
ルル「これより、シーツの足側を固定する作業にうつる」
いそいそ
ルル「……!」
C.C.「……なあ、ルr」
ルル「っ! 話しかけるな!」
C.C.「……」
ルル「……!」
いそいそ
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:49:24.43 ID:S4UTGEew0
ルル「……フハハハッ! 我ながら素晴らしい出来栄えだ!」
ルル「――続いてフェーズ2へ」
C.C.「次はどうするんだ?」
ルル「フェーズ2では、頭側のシーツを固定する」
C.C.「……なんだ、またチマチマした作業か」
ルル「違うなC.C.。その考えは間違っているぞ」
C.C.「何?」
ルル「頭側のシーツをかけるのに求められるのは、慎重さでなく――大胆さだ」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:52:45.59 ID:S4UTGEew0
C.C.「大胆さ?」
ルル「見ていればわかる」
すっ…
C.C.「? シーツの端を握って何を――」
ルル「ふんっ!」
フワアッ……!
C.C.「おおっ……!」
ルル「空気を取り込むように、シーツを大きく展開させ左翼、右翼から一気に攻める」
ルル「フェーズ2終了……第二ステージもクリアーされた」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:57:40.03 ID:S4UTGEew0
ルル「――第三ステージは掛け布団の準備……だが」
C.C.「? 何かあったのか」
ルル「……この作業は、俺の手に負えるものではない」
ルル「掛け布団は柔らかく繊細だ」
ルル「俺自身が手を下せば、取り込んだ太陽の匂いを逃がしてしまう」
C.C.「ふふっ、それで?」
ルル「――掛け布団にシーツを被せるのは、咲世子にやって貰った」
C.C.「……」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:01:04.74 ID:S4UTGEew0
ルル「――敷布団に掛け布団が揃った」
C.C.「あと必要なのは……枕か」
ルル「その通り。さすがC.C.、俺の共犯者だ」
C.C.「まあな」
C.C.「それで? 枕はどこにある?」
ルル「慌てるな。この日のために特注のものを取り寄せてある」
C.C.「……本気、らしいな」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:03:57.33 ID:S4UTGEew0
ルル「そろそろ届くはずだ」
C.C.「届くとは……この斑鳩にか?」
ルル「それ以外のどこに届けるというんだ」
C.C.「しかし、ここは……」
ルル「ジェレミアの俺への忠誠は本物だからな」
C.C.「……」
C.C.「オレンジ便、か」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:06:52.83 ID:S4UTGEew0
ルル「さて、格納庫でジェレミアを待つとしよう」
C.C.「待ちきれないのか」
ルル「当然だ」
C.C.「……」
ルル「C.C.、言っておくが……勝手に布団に入るなよ?」
C.C.「……」
C.C.「ふん……私はC.C.だぞ? 床なんぞで寝られるか」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:09:37.48 ID:S4UTGEew0
C.C.「……」
C.C.「……太陽の匂い、か」
C.C.「……」
C.C.「ふかふかの敷布団……フワリとするシーツ……」
C.C.「……」
もそもそっ…
C.C.「――おや? 私の進路に邪魔な寝具が置かれているなぁ」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:12:31.69 ID:S4UTGEew0 [17/18]
C.C.「全く、ルルーシュの奴め」
C.C.「この私の邪魔になるような敷き方をするとは……」
C.C.「やれやれ、これは躾が必要なようだな」
C.C.「しかし、どうやって今回のお仕置きをしたものか」
C.C.「……」
C.C.「――あぁ、この布団で一番に眠れないというのは良いお仕置きになるなぁ」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:16:46.09 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「ふふっ! 悪いのはお前だぞ、ルルーシュ」
C.C.「私が、そんなお前に罰を与えるのは当然――」
コンコン
C.C.「!?」
C.C.「まさか……もう戻ってきたというのか……?」
『……紅月カレン、偵察任務より戻りました』
C.C.「……なんだ、カレンか」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:19:21.82 ID:Mt8JfBNa0
『失礼します』
パシュン!
C.C.「偵察任務、ご苦労だったな」
カレン「なんでアンタが偉そうなのよ」
C.C.「なに、アイツが居ないからその分の労いの言葉を代弁したんだ」
カレン「誰もそんなの頼んでないわよ!」
カレン「――って、何やってたの……?」
C.C.「ん?……ああ」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:21:33.67 ID:Mt8JfBNa0
カレン「足元にあるのは……布団?」
C.C.「まあ、な」
カレン「へー! それが布団なんだ! 本当に床に敷くのねぇ!」
C.C.「? お前は布団を見た事が無いのか?」
カレン「ええ」
カレン「私の家……住んでた所は、全部ベッドだったし」
C.C.「ふむ」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:23:57.08 ID:Mt8JfBNa0
カレン「ねえ、ちょっと寝転がってみても良い?」
C.C.「……何?」
カレン「ちょっとだけ! ねっ、良いでしょ?」
C.C.「……」
C.C.「駄目だな」
カレン「? どうしてよ」
C.C.「この布団には――最初に私が寝転がるからだ」
カレン「……はぁっ?」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:27:29.84 ID:Mt8JfBNa0
カレン「何よそれ、ぜんっぜん意味がわからないんだけど」
C.C.「この布団は私の行く手を阻むように敷かれている」
カレン「それがどうしたってのよ?」
C.C.「やれやれ……ルルーシュは、この布団に最初に寝転がるのを楽しみにしているんだ」
カレン「……それで?」
C.C.「私の邪魔をしたルルーシュにお仕置きするため、私が最初に寝転がる」
カレン「……悪いけど、話を聞いて余計訳がわからなくなったわ」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:30:12.29 ID:Mt8JfBNa0
カレン「えっと……つまり、C.C.はルルーシュへの嫌がらせのために布団に寝るのよね?」
C.C.「そうだ」
カレン「もしかして、C.C.も布団に寝転がってみたかったりするの?」
C.C.「ああ」
C.C.「……」
C.C.「い、いや、違う! あくまでもお仕置きのためだ!」
カレン「……ふーん」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:33:50.49 ID:Mt8JfBNa0
カレン「それじゃ、別に私が一番に寝ても問題ないわね」
C.C.「!? どうしてそうなる……!?」
カレン「だって、ルルーシュが一番最初に寝られなければ良いんでしょ?」
C.C.「それは……」
カレン「――って事で、お邪魔しま~す……っと」
C.C.「まっ、待――」
パシュン
C.C.・カレン「……」
ルル「ククク……! これで存分に楽しめ――」
ルル「――おい、何をしているんだお前達!?」
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:36:02.77 ID:Mt8JfBNa0
カレン「えっと、これは……」
C.C.「その、だな……」
ルル「……とりあえず、カレンは偵察任務ご苦労だった」
カレン「え、えぇ……」
ルル「――そしてC.C.」
C.C.「……」
ルル「お前は、俺が敷いた布団に何をするつもりだった?」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:38:40.66 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「……いや、それは……そのだな……」
ルル「……」
カレン「――ちょっと! なんか物凄く怒ってるわよ!?」ヒソヒソッ
C.C.「敷き方にも相当こだわっていたからな……」ヒソヒソッ
ルル「C.C.」
C.C.「なっ、なんだ」
ルル「『男は床で寝ろ』……お前は、そう言ったはずだ」
ルル「だが、まさかとは思うが――その布団で寝ようとしていたのか?」
C.C.・カレン「……」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:41:09.39 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「……そ、そんな訳がないだろう」
ルル「本当か?」
C.C.「勿論だ」
ルル「ならば、何故布団の近くに居た」
C.C.「それは……」
C.C.「……」
C.C.「カレンが、お前の敷いた布団に寝転がろうとしていたからな」
カレン「へっ?」
C.C.「私は、それを止めようとしていたんだ」
カレン「……はあっ!?」
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:43:41.80 ID:Mt8JfBNa0
カレン「何言ってるのよ、C.C.!?」
C.C.「事実だろう?」
カレン「それはそうだけど、でm」
ルル「――カレン」
カレン「!? なっ、何……?」
ルル「お前は、俺が敷いた布団に、寝転がろうとしたのか?」
カレン「う……あ……」
カレン「……」
カレン「……はい……」
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:46:51.59 ID:Mt8JfBNa0
ルル「なる程、大体事情はわかった」
カレン「……」
ルル「やはり、お前にも日本人の血が流れているという事か」
カレン「……えっ?」
ルル「日本人は布団を使用してきた民族だ」
ルル「その血を引くお前が、布団で寝たいと思っても不思議じゃあない」
カレン「許して……くれるの……?」
ルル「当たり前だろう」
カレン「! 良かったぁ……!」
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:50:47.28 ID:Mt8JfBNa0
ルル「だが、この布団で寝るのは諦めてくれ」
カレン「うん、仕方無いわよね」
ルル「だが――代わりを用意する事を約束しよう」
C.C.「代わり? どういう事だ?」
ルル「お前には関係ないだろう」
C.C.「……」
ルル「カレン、お前の分の布団も斑鳩に取り寄せよう」
カレン「やった! ルルーシュ、アンタも気が利くじゃない!」
C.C.「……」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:55:53.87 ID:Mt8JfBNa0
ルル「そうだな……これは、カレンの分だけでなく、
斑鳩に居る騎士団の人数分布団を取り寄せるべきか……?」
カレン「それ、本気?」
C.C.「……ふん! とんだ無駄遣いだな」
ルル「本気だとも。布団一組で騎士団の人間が
精神的に落ち着けるのなら安いものだ」
カレン「……へー、色々考えてるのね」
C.C.「おい、今私を無視しなかったか?」
ルル「まあな」
C.C.「っ!……おやおや、いい度胸じゃないか」
C.C.「……まさか、今も無視したのか……!?」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:00:08.68 ID:Mt8JfBNa0
カレン「騎士団の皆が布団で寝る、かぁ」
ルル「格納庫を使って催しをするのも良いかもしれないな」
カレン「催しって……何が出来るの? 布団があるだけで」
ルル「カレン。俺が今手に持っているものが何かわかるか?」
カレン「それは……枕?」
ルル「そうだ」
ルル「――枕投げだよ、カレン」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:05:08.90 ID:Mt8JfBNa0
カレン「枕投げ……?」
ルル「ああ」
ルル「枕投げとは……敷き詰められた布団の上で、
枕を投げ合って戯れるというお遊びみたいなものだ」
カレン「結構面白そうじゃない! 枕なら、当たっても痛くないだろうし」
ルル「ふざけあうのが目的だからな」
カレン「これなら、全員参加で楽しめそうよね」
ルル「床で寝ない人間は参加出来ないが、な」
C.C.「……」
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:10:09.74 ID:Mt8JfBNa0
カレン「とにかく、楽しみだわ!」
ルル「そうだな」
ルル「……さて、そろそろ寝る時間だ」
カレン「そうね。それじゃ、今日は存分にその布団を楽しんで!」
ルル「ありがとう……って、なんだかお礼を言うのは変だな」
カレン「あはは、本当にね」
カレン「――それでは、失礼します!」
―パシュン
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:14:37.38 ID:Mt8JfBNa0
ルル「――よし、寝るか。すっかり遅くなってしまった」
C.C.「……」
ルル「C.C.、もう電気を消すからベッドに戻ったほうが良いぞ」
C.C.「……ふふっ、本当にひどい奴だな、お前は」
ルル「いきなり何を……」
C.C.「ルルーシュ」
C.C.「――ここまでされて、私が素直にお前を布団で寝かせると思うか?」
ルル「!?」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:18:14.80 ID:Mt8JfBNa0
ルル「おい……何を考えている……!?」
C.C.「私も布団というものに興味が沸いた」
ルル「!? おい、まさか……!?」
C.C.「丁寧に布団を敷いてくれてありがとうとでも言っておこうか」
ルル「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!」
ルル「――布団に近寄るなッ!」キュィィン!
C.C.「ふふっ、私にギアスは効かんぞ」
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:22:18.21 ID:Mt8JfBNa0
ルル「やめろっ! 俺から布団を奪うなッ!」キュィィン!
C.C.「どれ、掛け布団のさわり心地は、と」
…ふわっ
C.C.「おおっ、さすが咲世子だな。フワフワだ」
ルル「お願いだ……やめてくれ……!」キュィィン!
C.C.「んー……これが太陽の香り、か」
ルル「ぐ、おおおっ……!」
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:27:30.86 ID:Mt8JfBNa0
ルル(俺からベッドを奪い……今度は布団まで奪うのか!?)
ルル(C.C.……! この魔女めええっ……!)
C.C.「チーズくんを置いて……あとは――」
ルル「まさか……」
C.C.「――ルルーシュ、布団で寝るために取り寄せた、
その枕をこっちに寄越せ」
ルル「断るっ! これは、選びに選んで決めt」
C.C.「何? 聞こえんな」
ルル「……受け取れ」
C.C.「ふふっ! 素直が一番だぞ、ルルーシュ」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:33:59.70 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「――これで条件は全て整った」
ルル「……お前が言うな」
C.C.「ルルーシュ、私は確かに『男は床で寝ろ』と言った」
C.C.「だが、私は好きな所で寝る」
C.C.「だから、床――この布団では私が寝る」
C.C.「依存は無いな?」
ルル「だったら……俺はどこで寝ろと言うんだ……!」
C.C.「私は布団で寝るから、ベッドを使っても構わないぞ」
ルル「……」
ルル「何?」
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:38:27.20 ID:Mt8JfBNa0
ルル「ベッドを……使ってもいいのか?」
C.C.「当たり前だろう。元々お前のベッドだぞ?」
ルル「……」
C.C.「ベッドを余らせておくのも無駄だからな」
ルル「……」
ルル(俺が……ベッドで寝る? 寝られる、のか……?)
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:41:56.46 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「私が使っていたベッドで寝られるんだ。
ありがたく思えよ、ルルーシュ」
ルル「ベッドで……寝て……良い……」
C.C.「……ルルーシュ?」
ルル「……ハハ……ハ」
C.C.「おい、何を笑っt」
ルル「ハハハハハッ! やった! やったぞ!」
ルル「ベッドでッ! 他のどこでもない、ベッドで寝られるんだ!」
C.C.「……」
C.C.「……喜びすぎだろう」
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:47:06.50 ID:Mt8JfBNa0
ルル「C.C.、今の言葉に偽りは無いな!?」
C.C.「あ、ああ……」
ルル「っ……!」
ルル「長かった……! お前に『男は床で寝ろ』と言われて以来、
一度もベッドでは寝ていなかった……!」
ルル「寝転がっても、目をつぶるだけ……!
安らぎなど当然無い、睡魔との闘いの場所だったベッドが!」
ルル「――安らぎの場所、ベッド!」
ルル「今ここに、ベッドが俺にとって安らげる場所に戻った事を宣言する!」
C.C.「……」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:51:48.71 ID:Mt8JfBNa0
ルル「フフフ……思う存分寝てやろう……!」
C.C.「……そこまで喜ばれると、逆にベッドで寝かせたくなくなるな」
ルル「!? もう寝るぞ、C.C.!」キュィィン!
C.C.「私にギアスは効かないと言ってるだろう」
ルル「ベッドで寝かせてくれ……お願いだ……お願いします……!」
C.C.「……ふん」
C.C.「なら、電気を消せ。布団からではスイッチが遠い」
ルル「!」
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:55:56.96 ID:Mt8JfBNa0
ルル「電気を消すぞ!?」
C.C.「待て、布団に入る」
ルル「ええい、グズグズするな!」
C.C.「はいはい」
もそもそっ!
C.C.「……おお、シーツがフワリとなった」
C.C.「ふふっ、布団は中々快適じゃないか」
カチッ
C.C.「おい、電気を消す前に一言くらいh」
ルル「はあっ!」
―ボフンッ!
C.C.「? 何だ、今の音は……?」
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 05:00:30.29 ID:Mt8JfBNa0
ルル「やはり……ベッドは非常に優秀だ……!」
ルル「特に、このゼロのために用意されたベッドは格別だ!」
ルル「この寝心地の良さは、他のどんな寝具でも出せないだろう!」
ルル「愛しているよ……ベッド……!」
C.C.「……」
C.C.「……確かに、そのベッドの方が寝心地が良いな」
ルル「……う~ん……ナナリー……むにゃむにゃ……」
C.C.「もう寝たのか……!?」
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 05:04:40.95 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「……床に直接敷いてあるからか、
布団がやけに冷たくなってきたな」
C.C.「……それに、枕投げとやらも冷静になってみれば面倒そうだ」
C.C.「……」
もそもそっ…
C.C.「……」
もぞもぞっ…
C.C.「……ああ、やっぱりこっちのベッドの方が良いな」
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 05:10:03.63 ID:Mt8JfBNa0
ルル「……ナナリーは俺と結婚したいって……? あはは……」
C.C.「……寝言がうるさい」
ぐいぐいっ!
…ボトッ!
ルル「おぐうっ!?」
ルル「ぐおお……何故……ベッドは簡単には落ちない大きさのはず……!?」
C.C.「悪いが、このベッドは一人用だ」
C.C.「男は床で寝ろ」
おわり
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