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ルルーシュ「さて、床で寝るか」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:22:29.91 ID:S4UTGEew0 [1/18]
C.C.「何?」

ルル「床で寝る、と言ったんだ」

C.C.「今まではソファで寝ていたじゃないか」

ルル「『男は床で寝ろ』と言ったのはお前だろう」

C.C.「確かにそうだが……」

ルル「……俺はようやく手に入れた」

ルル「この――布団という名の寝具をな!」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:24:57.69 ID:S4UTGEew0 [2/18]
C.C.「布団? 一体何だそれは」

ルル「お前には関係ないだろう」

C.C.「……ふん、それもそうだな」

ルル「ククク……太陽の光を浴びてふかふかになっているな……!」

C.C.「ほう? 少し触らs」

ルル「断る」

C.C.「……」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:27:19.50 ID:S4UTGEew0
ルル「C.C.、お前は自分の寝具を他人に触らせたいのか?」

C.C.「私にそんな趣味は無い」

ルル「俺にもそんな趣味は無い。だから、触らせるわけにはいかない」

C.C.「……まあいい」

ルル「フハハハッ……これが太陽の香りというやつか……!」

C.C.「太陽の? どれ、少しだk」

ルル「断る」

C.C.「……」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:30:45.72 ID:S4UTGEew0
ルル「C.C.、お前は自分の寝具の匂いを他人に嗅がせるか?」

C.C.「させるわけがないだろう」

ルル「俺も同じだ」

C.C.「……まあ、いい」

ルル「お前はベッドで、俺は床で布団で」

ルル「――これこそ、お前の望んでいたものだろう?」

C.C.「……さあな」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:34:47.37 ID:S4UTGEew0
ルル「布団……スザクの家で使ったのが最後か」

C.C.「ふむ、前にも使ったことがあるのか」

ルル「まあな。その時の素晴らしい寝心地は今でも鮮明に思い出せる」

C.C.「……そんなに布団とは良いものなのか?」

ルル「ベッドも素晴らしい。だが、布団はそれとは違った良さがあるのは確かだ」

C.C.「……なあ」

ルル「断る」

C.C.「……」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:37:56.44 ID:S4UTGEew0
ルル「――まずは敷布団」

いそいそ

ルル「……ククク、我ながら完璧なレイアウトだ」

ルル「この地点は、周辺にテーブルも配置されている」

ルル「さらに、トイレへ至る経路には障害物が無いのも良い」

C.C.「……」

ルル「――作戦の第一ステージはクリアー」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:41:07.05 ID:S4UTGEew0
ルル「――続いて第二ステージ」

いそいそ

ルル「第二ステージは敷布団にシーツをかける作業……」

ルル「……だが、この作業は慎重にやらなければならない」

C.C.「ほう、何故だ?」

ルル「シーツがピシッとかけられていないと、
    寝返りをうった時にシーツがめくれていってしまう恐れがある……!」

C.C.「ふむ」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:44:09.93 ID:S4UTGEew0
ルル「そのため、フェーズ1では足側のポイントでシーツを固定する」

C.C.「足側から? 頭側からではダメなのか?」

ルル「愚問だな」

ルル「最初に布団に寝転がった時、
    布団と完全に密着していなかったシーツがフワリとする感触が楽しめん」

C.C.「……よくわからないな」

ルル「わからないならそれで良い。お前はベッドで寝るんだからな」

C.C.「……」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:46:36.13 ID:S4UTGEew0
ルル「――目標地点に到達」

ルル「これより、シーツの足側を固定する作業にうつる」

いそいそ

ルル「……!」

C.C.「……なあ、ルr」

ルル「っ! 話しかけるな!」

C.C.「……」

ルル「……!」

いそいそ

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:49:24.43 ID:S4UTGEew0
ルル「……フハハハッ! 我ながら素晴らしい出来栄えだ!」

ルル「――続いてフェーズ2へ」

C.C.「次はどうするんだ?」

ルル「フェーズ2では、頭側のシーツを固定する」

C.C.「……なんだ、またチマチマした作業か」

ルル「違うなC.C.。その考えは間違っているぞ」

C.C.「何?」

ルル「頭側のシーツをかけるのに求められるのは、慎重さでなく――大胆さだ」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:52:45.59 ID:S4UTGEew0
C.C.「大胆さ?」

ルル「見ていればわかる」

すっ…

C.C.「? シーツの端を握って何を――」

ルル「ふんっ!」

フワアッ……!

C.C.「おおっ……!」

ルル「空気を取り込むように、シーツを大きく展開させ左翼、右翼から一気に攻める」

ルル「フェーズ2終了……第二ステージもクリアーされた」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 20:57:40.03 ID:S4UTGEew0
ルル「――第三ステージは掛け布団の準備……だが」

C.C.「? 何かあったのか」

ルル「……この作業は、俺の手に負えるものではない」

ルル「掛け布団は柔らかく繊細だ」

ルル「俺自身が手を下せば、取り込んだ太陽の匂いを逃がしてしまう」

C.C.「ふふっ、それで?」

ルル「――掛け布団にシーツを被せるのは、咲世子にやって貰った」

C.C.「……」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:01:04.74 ID:S4UTGEew0
ルル「――敷布団に掛け布団が揃った」

C.C.「あと必要なのは……枕か」

ルル「その通り。さすがC.C.、俺の共犯者だ」

C.C.「まあな」

C.C.「それで? 枕はどこにある?」

ルル「慌てるな。この日のために特注のものを取り寄せてある」

C.C.「……本気、らしいな」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:03:57.33 ID:S4UTGEew0
ルル「そろそろ届くはずだ」

C.C.「届くとは……この斑鳩にか?」

ルル「それ以外のどこに届けるというんだ」

C.C.「しかし、ここは……」

ルル「ジェレミアの俺への忠誠は本物だからな」

C.C.「……」

C.C.「オレンジ便、か」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:06:52.83 ID:S4UTGEew0
ルル「さて、格納庫でジェレミアを待つとしよう」

C.C.「待ちきれないのか」

ルル「当然だ」

C.C.「……」

ルル「C.C.、言っておくが……勝手に布団に入るなよ?」

C.C.「……」

C.C.「ふん……私はC.C.だぞ? 床なんぞで寝られるか」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:09:37.48 ID:S4UTGEew0
C.C.「……」

C.C.「……太陽の匂い、か」

C.C.「……」

C.C.「ふかふかの敷布団……フワリとするシーツ……」

C.C.「……」

もそもそっ…

C.C.「――おや? 私の進路に邪魔な寝具が置かれているなぁ」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/31(土) 21:12:31.69 ID:S4UTGEew0 [17/18]
C.C.「全く、ルルーシュの奴め」

C.C.「この私の邪魔になるような敷き方をするとは……」

C.C.「やれやれ、これは躾が必要なようだな」

C.C.「しかし、どうやって今回のお仕置きをしたものか」

C.C.「……」

C.C.「――あぁ、この布団で一番に眠れないというのは良いお仕置きになるなぁ」

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:16:46.09 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「ふふっ! 悪いのはお前だぞ、ルルーシュ」

C.C.「私が、そんなお前に罰を与えるのは当然――」

コンコン

C.C.「!?」

C.C.「まさか……もう戻ってきたというのか……?」

『……紅月カレン、偵察任務より戻りました』

C.C.「……なんだ、カレンか」


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:19:21.82 ID:Mt8JfBNa0
『失礼します』

パシュン!

C.C.「偵察任務、ご苦労だったな」

カレン「なんでアンタが偉そうなのよ」

C.C.「なに、アイツが居ないからその分の労いの言葉を代弁したんだ」

カレン「誰もそんなの頼んでないわよ!」

カレン「――って、何やってたの……?」

C.C.「ん?……ああ」

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:21:33.67 ID:Mt8JfBNa0
カレン「足元にあるのは……布団?」

C.C.「まあ、な」

カレン「へー! それが布団なんだ! 本当に床に敷くのねぇ!」

C.C.「? お前は布団を見た事が無いのか?」

カレン「ええ」

カレン「私の家……住んでた所は、全部ベッドだったし」

C.C.「ふむ」


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:23:57.08 ID:Mt8JfBNa0
カレン「ねえ、ちょっと寝転がってみても良い?」

C.C.「……何?」

カレン「ちょっとだけ! ねっ、良いでしょ?」

C.C.「……」

C.C.「駄目だな」

カレン「? どうしてよ」

C.C.「この布団には――最初に私が寝転がるからだ」

カレン「……はぁっ?」


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:27:29.84 ID:Mt8JfBNa0
カレン「何よそれ、ぜんっぜん意味がわからないんだけど」

C.C.「この布団は私の行く手を阻むように敷かれている」

カレン「それがどうしたってのよ?」

C.C.「やれやれ……ルルーシュは、この布団に最初に寝転がるのを楽しみにしているんだ」

カレン「……それで?」

C.C.「私の邪魔をしたルルーシュにお仕置きするため、私が最初に寝転がる」

カレン「……悪いけど、話を聞いて余計訳がわからなくなったわ」


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:30:12.29 ID:Mt8JfBNa0
カレン「えっと……つまり、C.C.はルルーシュへの嫌がらせのために布団に寝るのよね?」

C.C.「そうだ」

カレン「もしかして、C.C.も布団に寝転がってみたかったりするの?」

C.C.「ああ」

C.C.「……」

C.C.「い、いや、違う! あくまでもお仕置きのためだ!」

カレン「……ふーん」


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:33:50.49 ID:Mt8JfBNa0
カレン「それじゃ、別に私が一番に寝ても問題ないわね」

C.C.「!? どうしてそうなる……!?」

カレン「だって、ルルーシュが一番最初に寝られなければ良いんでしょ?」

C.C.「それは……」

カレン「――って事で、お邪魔しま~す……っと」

C.C.「まっ、待――」

パシュン

C.C.・カレン「……」

ルル「ククク……! これで存分に楽しめ――」

ルル「――おい、何をしているんだお前達!?」


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:36:02.77 ID:Mt8JfBNa0
カレン「えっと、これは……」

C.C.「その、だな……」

ルル「……とりあえず、カレンは偵察任務ご苦労だった」

カレン「え、えぇ……」

ルル「――そしてC.C.」

C.C.「……」

ルル「お前は、俺が敷いた布団に何をするつもりだった?」


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:38:40.66 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「……いや、それは……そのだな……」

ルル「……」

カレン「――ちょっと! なんか物凄く怒ってるわよ!?」ヒソヒソッ

C.C.「敷き方にも相当こだわっていたからな……」ヒソヒソッ

ルル「C.C.」

C.C.「なっ、なんだ」

ルル「『男は床で寝ろ』……お前は、そう言ったはずだ」

ルル「だが、まさかとは思うが――その布団で寝ようとしていたのか?」

C.C.・カレン「……」


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:41:09.39 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「……そ、そんな訳がないだろう」

ルル「本当か?」

C.C.「勿論だ」

ルル「ならば、何故布団の近くに居た」

C.C.「それは……」

C.C.「……」

C.C.「カレンが、お前の敷いた布団に寝転がろうとしていたからな」

カレン「へっ?」

C.C.「私は、それを止めようとしていたんだ」

カレン「……はあっ!?」


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:43:41.80 ID:Mt8JfBNa0
カレン「何言ってるのよ、C.C.!?」

C.C.「事実だろう?」

カレン「それはそうだけど、でm」

ルル「――カレン」

カレン「!? なっ、何……?」

ルル「お前は、俺が敷いた布団に、寝転がろうとしたのか?」

カレン「う……あ……」

カレン「……」

カレン「……はい……」


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:46:51.59 ID:Mt8JfBNa0
ルル「なる程、大体事情はわかった」

カレン「……」

ルル「やはり、お前にも日本人の血が流れているという事か」

カレン「……えっ?」

ルル「日本人は布団を使用してきた民族だ」

ルル「その血を引くお前が、布団で寝たいと思っても不思議じゃあない」

カレン「許して……くれるの……?」

ルル「当たり前だろう」

カレン「! 良かったぁ……!」


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:50:47.28 ID:Mt8JfBNa0
ルル「だが、この布団で寝るのは諦めてくれ」

カレン「うん、仕方無いわよね」

ルル「だが――代わりを用意する事を約束しよう」

C.C.「代わり? どういう事だ?」

ルル「お前には関係ないだろう」

C.C.「……」

ルル「カレン、お前の分の布団も斑鳩に取り寄せよう」

カレン「やった! ルルーシュ、アンタも気が利くじゃない!」

C.C.「……」


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:55:53.87 ID:Mt8JfBNa0
ルル「そうだな……これは、カレンの分だけでなく、
    斑鳩に居る騎士団の人数分布団を取り寄せるべきか……?」

カレン「それ、本気?」

C.C.「……ふん! とんだ無駄遣いだな」

ルル「本気だとも。布団一組で騎士団の人間が
    精神的に落ち着けるのなら安いものだ」

カレン「……へー、色々考えてるのね」

C.C.「おい、今私を無視しなかったか?」

ルル「まあな」

C.C.「っ!……おやおや、いい度胸じゃないか」

C.C.「……まさか、今も無視したのか……!?」


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:00:08.68 ID:Mt8JfBNa0
カレン「騎士団の皆が布団で寝る、かぁ」

ルル「格納庫を使って催しをするのも良いかもしれないな」

カレン「催しって……何が出来るの? 布団があるだけで」

ルル「カレン。俺が今手に持っているものが何かわかるか?」

カレン「それは……枕?」

ルル「そうだ」

ルル「――枕投げだよ、カレン」


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:05:08.90 ID:Mt8JfBNa0
カレン「枕投げ……?」

ルル「ああ」

ルル「枕投げとは……敷き詰められた布団の上で、
    枕を投げ合って戯れるというお遊びみたいなものだ」

カレン「結構面白そうじゃない! 枕なら、当たっても痛くないだろうし」

ルル「ふざけあうのが目的だからな」

カレン「これなら、全員参加で楽しめそうよね」

ルル「床で寝ない人間は参加出来ないが、な」

C.C.「……」


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:10:09.74 ID:Mt8JfBNa0
カレン「とにかく、楽しみだわ!」

ルル「そうだな」

ルル「……さて、そろそろ寝る時間だ」

カレン「そうね。それじゃ、今日は存分にその布団を楽しんで!」

ルル「ありがとう……って、なんだかお礼を言うのは変だな」

カレン「あはは、本当にね」

カレン「――それでは、失礼します!」

―パシュン


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:14:37.38 ID:Mt8JfBNa0
ルル「――よし、寝るか。すっかり遅くなってしまった」

C.C.「……」

ルル「C.C.、もう電気を消すからベッドに戻ったほうが良いぞ」

C.C.「……ふふっ、本当にひどい奴だな、お前は」

ルル「いきなり何を……」

C.C.「ルルーシュ」

C.C.「――ここまでされて、私が素直にお前を布団で寝かせると思うか?」

ルル「!?」


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:18:14.80 ID:Mt8JfBNa0
ルル「おい……何を考えている……!?」

C.C.「私も布団というものに興味が沸いた」

ルル「!? おい、まさか……!?」

C.C.「丁寧に布団を敷いてくれてありがとうとでも言っておこうか」

ルル「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!」

ルル「――布団に近寄るなッ!」キュィィン!

C.C.「ふふっ、私にギアスは効かんぞ」


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:22:18.21 ID:Mt8JfBNa0
ルル「やめろっ! 俺から布団を奪うなッ!」キュィィン!

C.C.「どれ、掛け布団のさわり心地は、と」

…ふわっ

C.C.「おおっ、さすが咲世子だな。フワフワだ」

ルル「お願いだ……やめてくれ……!」キュィィン!

C.C.「んー……これが太陽の香り、か」

ルル「ぐ、おおおっ……!」


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:27:30.86 ID:Mt8JfBNa0
ルル(俺からベッドを奪い……今度は布団まで奪うのか!?)

ルル(C.C.……! この魔女めええっ……!)

C.C.「チーズくんを置いて……あとは――」

ルル「まさか……」

C.C.「――ルルーシュ、布団で寝るために取り寄せた、
   その枕をこっちに寄越せ」

ルル「断るっ! これは、選びに選んで決めt」

C.C.「何? 聞こえんな」

ルル「……受け取れ」

C.C.「ふふっ! 素直が一番だぞ、ルルーシュ」


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:33:59.70 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「――これで条件は全て整った」

ルル「……お前が言うな」

C.C.「ルルーシュ、私は確かに『男は床で寝ろ』と言った」

C.C.「だが、私は好きな所で寝る」

C.C.「だから、床――この布団では私が寝る」

C.C.「依存は無いな?」

ルル「だったら……俺はどこで寝ろと言うんだ……!」

C.C.「私は布団で寝るから、ベッドを使っても構わないぞ」

ルル「……」

ルル「何?」


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:38:27.20 ID:Mt8JfBNa0
ルル「ベッドを……使ってもいいのか?」

C.C.「当たり前だろう。元々お前のベッドだぞ?」

ルル「……」

C.C.「ベッドを余らせておくのも無駄だからな」

ルル「……」

ルル(俺が……ベッドで寝る? 寝られる、のか……?)


94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:41:56.46 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「私が使っていたベッドで寝られるんだ。
    ありがたく思えよ、ルルーシュ」

ルル「ベッドで……寝て……良い……」

C.C.「……ルルーシュ?」

ルル「……ハハ……ハ」

C.C.「おい、何を笑っt」

ルル「ハハハハハッ! やった! やったぞ!」

ルル「ベッドでッ! 他のどこでもない、ベッドで寝られるんだ!」

C.C.「……」

C.C.「……喜びすぎだろう」


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:47:06.50 ID:Mt8JfBNa0
ルル「C.C.、今の言葉に偽りは無いな!?」

C.C.「あ、ああ……」

ルル「っ……!」

ルル「長かった……! お前に『男は床で寝ろ』と言われて以来、
    一度もベッドでは寝ていなかった……!」

ルル「寝転がっても、目をつぶるだけ……!
    安らぎなど当然無い、睡魔との闘いの場所だったベッドが!」

ルル「――安らぎの場所、ベッド!」

ルル「今ここに、ベッドが俺にとって安らげる場所に戻った事を宣言する!」

C.C.「……」


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:51:48.71 ID:Mt8JfBNa0
ルル「フフフ……思う存分寝てやろう……!」

C.C.「……そこまで喜ばれると、逆にベッドで寝かせたくなくなるな」

ルル「!? もう寝るぞ、C.C.!」キュィィン!

C.C.「私にギアスは効かないと言ってるだろう」

ルル「ベッドで寝かせてくれ……お願いだ……お願いします……!」

C.C.「……ふん」

C.C.「なら、電気を消せ。布団からではスイッチが遠い」

ルル「!」


100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:55:56.96 ID:Mt8JfBNa0
ルル「電気を消すぞ!?」

C.C.「待て、布団に入る」

ルル「ええい、グズグズするな!」

C.C.「はいはい」

もそもそっ!

C.C.「……おお、シーツがフワリとなった」

C.C.「ふふっ、布団は中々快適じゃないか」

カチッ

C.C.「おい、電気を消す前に一言くらいh」

ルル「はあっ!」

―ボフンッ!

C.C.「? 何だ、今の音は……?」

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 05:00:30.29 ID:Mt8JfBNa0
ルル「やはり……ベッドは非常に優秀だ……!」

ルル「特に、このゼロのために用意されたベッドは格別だ!」

ルル「この寝心地の良さは、他のどんな寝具でも出せないだろう!」

ルル「愛しているよ……ベッド……!」

C.C.「……」

C.C.「……確かに、そのベッドの方が寝心地が良いな」

ルル「……う~ん……ナナリー……むにゃむにゃ……」

C.C.「もう寝たのか……!?」


103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 05:04:40.95 ID:Mt8JfBNa0
C.C.「……床に直接敷いてあるからか、
   布団がやけに冷たくなってきたな」

C.C.「……それに、枕投げとやらも冷静になってみれば面倒そうだ」

C.C.「……」

もそもそっ…

C.C.「……」

もぞもぞっ…

C.C.「……ああ、やっぱりこっちのベッドの方が良いな」


104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 05:10:03.63 ID:Mt8JfBNa0
ルル「……ナナリーは俺と結婚したいって……? あはは……」

C.C.「……寝言がうるさい」

ぐいぐいっ!

…ボトッ!

ルル「おぐうっ!?」

ルル「ぐおお……何故……ベッドは簡単には落ちない大きさのはず……!?」

C.C.「悪いが、このベッドは一人用だ」


C.C.「男は床で寝ろ」


おわり


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