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唯「けんとう!!!!」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 21:30:10.69 ID:PH8+hhav0 [1/16]
唯「それでね、バッてやったら、ワッてなってー」
唯「相手がこうガッてこう来るんだよっ!?」
和「うんうん」
唯「だからバシバシってするとね!?」
唯「バターンってなって、やっつけたんだよっ!!!」キャッキャ
和「へー、さすが唯ね」
唯「憂もね『お姉ちゃんすごい』って言ってたしー」
唯「アイスが二個もらえたんだよっ!?」キャッキャ
和「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
唯「うん、それじゃあ和ちゃん、また教えてあげるねっ」
和「ええ、ありがとう」
和『唯、最近とっても楽しそう』
和『ボクシング……か』
唯「それでね、バッてやったら、ワッてなってー」
唯「相手がこうガッてこう来るんだよっ!?」
和「うんうん」
唯「だからバシバシってするとね!?」
唯「バターンってなって、やっつけたんだよっ!!!」キャッキャ
和「へー、さすが唯ね」
唯「憂もね『お姉ちゃんすごい』って言ってたしー」
唯「アイスが二個もらえたんだよっ!?」キャッキャ
和「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
唯「うん、それじゃあ和ちゃん、また教えてあげるねっ」
和「ええ、ありがとう」
和『唯、最近とっても楽しそう』
和『ボクシング……か』
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 21:40:51.94 ID:PH8+hhav0
律のジム!
ト「それじゃあ、今日から攻撃の特訓だよ!」
律「待ってましたぁ!!!」
律「一体どんな必殺技なの?コークスクリュー?デンプシーロール!?」
ト「いやー、それがね」
律「うん!」
ト「必殺技って言っても、パンチの種類じゃないんだよ」
ト「律ちゃんには、コンビネーションパンチを練習してもらおうと思ってるんだ」
律「えーっ、コンビネーションなんてもう練習してるじゃん」
律「なんか特別なパンチ教えてよーっ」
ト「そんなこと言われてもなー」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 21:50:59.66 ID:PH8+hhav0
会長「バカモンっ、わがまま言うなっ!!!」
律「だってー、必殺技なんだろ?」
会長「確かに癖のある得意パンチを武器に」
会長「チャンピオンまで登りつめた選手は何人もおる!」
会長「だがな、お前はまだ、どの技術も未熟っ!」
会長「特別なことは求めず、着本的な事を磨いていくだけでいいんじゃっ!!!」
律「えーっ、せっかく楽しみにしてたのにーっ、もうやる気なくなったっ」プイッ
会長『この小娘っ、最近調子に乗りおってっ』イラッ
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 22:00:58.71 ID:PH8+hhav0
ト「まあまあ、なにも僕らは適当に言っている訳じゃないんだ」
ト「律ちゃんの連打には光るものがあるんだよ」
律「えっ?光るものおっ!?」
ト「そうだよ!律ちゃんのコンビネーションは、あらゆる相手を倒す可能性が秘められているんだっ!」
ト「先ずはそれを磨かない手は無いよっ!!!」
律「へへっ、まあね、しょうがないなー」
会長『こやつ、小娘の手なずけ方を心得とるな…』
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 22:10:54.43 ID:PH8+hhav0
会長「ご託はもういいわいっ、さあ小娘っ!」
会長「そこのサンドバックに、何でもよいぞっ、コンビネーションを叩き込むんじゃっ!!!」
律「えっと…」
律「こんな感じ?」パパパパンッ
会長「ふむ…」
ト「今度はボディへのパンチも組み込んで打ってみてっ!」
律「じゃあ、こうかな?」パトッ゙ドパンッ
会長「ほう、良いではないか」
ト「それをもっと速く打てるかい?」
律「」パドドパッ
会長「!?」
会長「確かに、この前まで素人だったとは思えんな」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 22:20:57.43 ID:PH8+hhav0
ト「いいよ律ちゃん!」
律「えへっ、私の連打そんなにいい?」
会長「まあ、他の動きに比べかなり秀でておる…」
ト「そうでしょ?きっとこれは律ちゃんがドラムをやってたからですよ!」
会長「そういえば、そんなこと言っとったな…」
ト「僕も律ちゃんに会ってから知ったんですが」
ト「ドラムとボクシングには共通点が多いんですよっ!」
ト「リズム感と力を抜いて叩く動き!」
ト「それが律ちゃんのコンビネーションパンチの土台を造ってるんですっ!!!」
会長「なるほど、素早い連打には、筋力よりリズムと脱力が必要じゃ」
ト「それに加えて体力!」
会長「体力だとっ?」
会長「流石に楽器で体力はつかんだろう」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 22:31:36.47 ID:PH8+hhav0
律「ドラムはけっこうきついんだぞっ!」
会長「だがなぁ、スポーツや格闘技に比べるとのう…」
ト「僕もはじめはそう思いました」
ト「でも考えても見てくださいっ」
ト「ドラマーは、あんな素早い全身運動を一曲五分間は続けるんですよ?」
ト「さらにステージとなると、それを連続で何回も繰り返す」
ト「しかも音楽ですから、手を抜いてテンポを変えることは許されません」
ト「実際プロのドラマーは、走り込みなどで体を鍛えてたりするそうなんですよっ」
会長「確かに、小娘は激しいわしのシゴキや」
会長「素人では一ラウンドも体力が続かん、スパーリングもこなせておる」
会長「今まで真剣にスポーツをしたことが無い者には、どだい無理な話じゃ」
ト「そうでしょう?律ちゃんはスポーツ選手なみの体力をドラムで身につけているんですっ!」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 22:41:09.59 ID:PH8+hhav0
律「トレーナーさん、無理ですよ、会長に音楽の話なんて分かりっこありませんからー」
会長「なんだとっ!?こう見えてもわしはカラオケが得意なんじゃ」
律「どうせスナックでおだてられて、カモられてんじゃないのー?」
会長「貴様っ、わしの歌を聞いたことも無いくせにっ」
会長「よし分かったっ!今度わしの行きつけの店で聞かせてやるわいっ!!!」
律「やっぱりスナックじゃん、本当に自信があるなら今歌ってみてよーっ!」
会長「い、今か?ここでかっ!!?ぐっ、恥かしいのう…」ドキドキ
ト「ちょっと、今は練習しましょうよ…」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 22:50:56.08 ID:PH8+hhav0
唯のジム!
和「こんにちはー」
唯「あっ、和ちゃん!来てくれたんだっ!?」
憂「こんばんは和ちゃん、今日はどうしたのー?」
和「せっかく近所なんだから、ちょっと様子を見に来たのよ」
和「ふふっ、本当に二人がボクシングしてるなんてね」
唯「そうだっ、和ちゃんも一緒にやろうよっ!」
唯「ボクシングって、とっても面白いよっ」
和「でも…私、生徒会あるし」
唯「えー、いいじゃんっ!和ちゃーん」
爺「おや、誰か来たのかい?」
和「こんばんは」
爺「おお、和ちゃんか、よく来てくれたね」
和「……」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 23:01:08.32 ID:PH8+hhav0
和「私が以前ここに来た時のこと、覚えています?」
爺「!?」
爺「……」
爺「そうか…そうだったね」
爺「今考えると、あの時私は間違っていた」
爺「すまなかったよ」
和「いえ、もういいんです、昔の事ですし」
唯「えっ?和ちゃん、このジムに来たことあったの!?」
和「ええ、中学生の時、ちょっとのぞきにね」
爺「……」
爺「和ちゃん、どうか今日はゆっくりしていきなさい」
爺「それに、もしよければ和ちゃんも一緒に…」
唯「和ちゃんも私達とボクシングしようよっ!」
憂「そうだよ!そうしよう、和ちゃんっ!!!」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 23:12:44.80 ID:PH8+hhav0
和「二人ともありがとう、でも今は忙しいし遠慮しとくわ…」
和「でも、その分二人の練習を見させてっ」
爺「そうか、それじゃあ二人共、マススパーをしてみておくれ」
憂「和ちゃん、マススパーって言うのは、相手に当てないスパーリングなんだよ!」
和「うん」
憂「それでね、スパーリングって言うのはね…」
和「練習試合みたいなものでしょ?」
和「憂、気を遣って教えてくれてありがとう」
憂「えへへ」
唯「じゃあ、やろうよ憂っ」
憂「うん!いくよーお姉ちゃん!」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 23:21:02.60 ID:PH8+hhav0
唯「」シュシュ
憂「」ササッ シュッ
唯「」スッ パパッ
爺「どうだい和ちゃん、二人はとっても上手いんだよ」
和「ほんと!びっくりしましたっ」
和「二人とも、まるで何年もやってるみたい」
爺「私も二人の成長ぶりには驚いているんだよ」
和「特に憂の足の運び!状態を反らしてのパンチにも隙が無いわ」
爺「!?」
和「でも、あまりに攻め込まな過ぎ」
和「相手が仕掛けてくるのを避けて、隙を狙うのもいいけど」
和「あんなにテクニックがあるのに、なんで攻め込まないのかしら」
爺「……」
和「まるで、何か警戒してるような…」
爺「帰るんだっ!」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 23:31:17.85 ID:PH8+hhav0
和「え?」
爺「君は帰りなさい和ちゃんっ!」
和「私は、ただ…」
爺「帰れっ!!!」
唯憂「!!!?」
唯「急にどうしたの師匠っ!?」
爺「大した事じゃ無いんだ、ただちょっと、和ちゃんには帰ってもらうだけなんだ」
和「」
憂「えっ?、せっかく来てくれたのに、何で…」
和「二人とも気にしないで、じゃあこれで失礼するわね」
唯「そんなぁ…」
爺「和ちゃん、君には当分ここへ来ないでもらいたい」
憂「そんな、お爺ちゃんひどいっ!」
唯「なんでなの師匠っ!?普段は私達とおんなじ様に」
唯「和ちゃんにも優しいのにっ!!!?」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 23:40:57.36 ID:PH8+hhav0
和「きっとこれでいいのよ、じゃあね唯、試合に向けてがんばってね!」
唯「あっ、和ちゃん!」
憂「お爺ちゃん、なんであんなこと言ったんですか!?」
爺「ごめんよ二人とも」
爺「でもね、おそらく和ちゃんは……」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 23:51:31.50 ID:PH8+hhav0
律のジム!
律「」パパババンッ
ト「よーし、いいよ律ちゃん!」
ト「それじゃあ、足を使って、サンドバックの周りを回りながらやってみようか!」
律「えーっ、でも、動きながら連打なんて無理ですよー」
ト「確かに動きながらじゃバランスが崩れて、パンチの連打は難しいね」
ト「だからこそ、足を止める時間を短く、一瞬の間に連打し終わるんだ」
律「うぁっ、サンドバックが揺れて狙いにくいよー」
会長「当たり前じゃ、リングの上で動き回る相手は、サンドバック程度ではないぞっ!!!」
会長「相手の側面に回りこみ連打っ、そして相手が打ち返そうとする頃には、お主は手の届かぬ距離」
会長「鍛えた足で逃げ回るだけでなく、ヒットアンドアウェイを身につけるのじゃっ!?」
律「簡単に言うなよー」ババババシッ
会長「どうした!?足が止まっておるぞっ!サンドバックを揺らしたら、その背後に回りこんでおくつもりで動くんじゃ!!!」
律「うへっ、そんなドラゴンボールじゃないんだぞっ!?」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 00:02:06.95 ID:WvVLKk0F0 [1/25]
会長「よしっ、もういいぞ、一端休憩じゃ」
律「疲れたー、パンチの練習だから、走り込みより楽だと思ったけど」
律「これじゃ、寺へ走りに行くのと変らないよーっ」
ト「素早く移動するのも、パンチを連打するのも、体力をつかうらね」
律「こんなの4ラウンドも続けられないよー」
会長「バカモンっ!相手がおる状態、しかもパンチをもらいながらでは」
会長「この倍以上疲れると思えっ!」
会長「この動きを8ラウンド以上続けられるようにするんじゃっ!!!」
律「そんなーっ」
会長「だが誉めてやる部分もある」
律「?」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 00:10:57.93 ID:WvVLKk0F0 [2/25]
会長「お前のコンビネーションはかなり多彩じゃっ」
会長「どんな選手も疲れてくると、コンビネーションがワンパターンになってくるものじゃが…」
ト「そうだよ、そこをかわされたり、カウンターで狙われたりするんだけど」
ト「律ちゃんのコンビネーションは、次から次へといろんなパンチを繰り出すね!」
律「パンチの種類なんて、ストレート、フック、アッパーの三種類だろ?」
律「顔と腹の打ち分け考えても、たった6種類」
律「ドラムを叩く場所は6個じゃきかないよ」
会長「貴様、パンチを簡単に考えすぎじゃ」
ト「だけど、動きをシンプルにとらえるのも、上達のコツですよ」
律「アクセントに、ダウン・アップストローク、オープン・クローズのリム、それにゴー…」
会長「何をいっとるんじゃ?」
律「ドラムはただ同じように叩くわけじゃないんだ、パンチでもそうだろ?」
会長「ふむ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 00:22:16.78 ID:WvVLKk0F0 [3/25]
律「別にさ、簡単に考えてるわけじゃないよ」
律「けど、即興で叩くフィルインだと思ったら」
律「コンビネーションなんて、どれだけでもバリエーション増やせるよー」
会長「専門用語を使うでないっ、お前の言っとること、さっぱり分からんぞ」
律「つまりさ、ドラムを演奏してると思えば、パンチの種類やリズムに変化をつけるのなんて簡単だよっ」
ト「律ちゃんにとって、パンチを打つ事は、ドラムを演奏している感覚なのか…」
会長「なんだか知らんが、ボクシングを簡単にみとると、後で痛い目にあうわいっ!!!」
会長『だが、こやつの連打が上手いのも事実、しばらくこの調子でやらせてみるか…』
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 00:30:48.52 ID:WvVLKk0F0 [4/25]
律「でもさー、ちょっと考えたんだけど」
ト「なんだい?」
律「コンビネーションって右と左、交互の連打じゃん?右右とか左左とかはダメなの?」
ト「ダメじゃないよ、ジャブから左パンチにつなげるのはもちろんだけど」
ト「例えば、ボディーへの左フックで相手の右ガードを下げさせ」
ト「その隙に今度は顔面への左フックを決めるっ」
ト「インファイトではよく使われるコンビネーションだね」
律「おっ、いいじゃん、それ!」
会長「じゃがな小娘、今回の作戦は、あくまでヒットアンドアウェイが基本」
会長「同じ手で連打すると体のバランスが崩れやすいんじゃ」
会長「フットワークに支障が出る、それに、第一素早く連打しにくい」
律「そうかなぁー?」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 00:40:54.69 ID:WvVLKk0F0 [5/25]
会長「ワンツー三連発と右ストレート三連発」
会長「パンチの数は倍違っても、打つ早さはそう変わらんじゃろ」
律「むしろ右だけの方が遅くなりそうだね」
会長「逆の手のパンチを打つ事で、体のバランスが保てるのじゃ」
会長「パンチやフットワークにおいて、バランスは重要!」
会長「同じ手での連打など、フェイントで使うくらいに止めるんじゃ!」
律『確かに速さとバランスは重要だな、でも…』
律『逆に言うと、速くてバランスを崩さなければいいってことだよな…』
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 00:51:09.58 ID:WvVLKk0F0 [6/25]
和『またお爺ちゃんに追い返されちゃった…』
和『ボクシング……か』
和『もうここへは来ないつもりだったけど…』
和「こんにちはー」
先「あっ、和じゃないか!」
和「ご無沙汰してます先輩」
先「ついにリングに復帰か?」
和「いえ、そんなつもりは無いんですけど…」
先「まあいいや、会長に会っていけよっ、きっと喜ぶよ」
和「はは…、元気にしてるかな?」
先「かいちょーっ!和が会いに来ましたよっ!」
会長「なんじゃとぉ!!!?」
律「へっ?和?」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01:00:18.92 ID:WvVLKk0F0 [7/25]
会長「和ちゃん、久しぶりじゃ!すっかりお姉さんになって、見違えたわいっ」
和「会長はお変わりなく、お元気そうですね」
会長「いやー、そうかのう?うれしいのうっ!」
律「和っ!?どうしたんだよこんな所に来てっ!」
和「律、がんばってるみたいね」
会長「なに!?おぬしら知り合いなのか?」
和「そうなんです、今日は律に会いに来たんですよ」
律「知り合いもなにも同じ学校、同じクラスの友達だぞっ」
会長「同じ学校だって!?」
ト「同じ学校だって!?」
先「同じ学校だって!?」
律「そこで驚くなよ」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01:11:21.01 ID:WvVLKk0F0 [8/25]
律「ところで和、なんでみんなのこと知ってるんだ?」
和「私は昔ここでお世話になってたの」
律「なんだってーっ!!!」
会長「昔じゃないわいっ!今も和ちゃんはこのジムの一員じゃいっ!」
和「名前だけだけどね」
律「じゃあ、女が四人のこのジムで、私と先輩、その他二名の内の一人って…」
先「そう、和のことよっ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01:21:20.55 ID:WvVLKk0F0 [9/25]
律「まさか…和がボクシングしてたなんて…」
先「和は強いのよーっ、今の律ちゃんならやっつけちゃうかも」
律「マジかよーっ!?」
和「ブランクがあるから、まともに動けないですよ」
会長「なにはともあれ、よう来てくれたっ!」
会長「お茶をだすぞっ!会長室に上がりなさいっ」
律「ちょっと、私の練習は!?」
会長「ん?じゃあ、そこら辺適当に走ってこい」
律「何その適当さ加減、今はパンチの練習だろっ!?」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01:30:59.01 ID:WvVLKk0F0 [10/25]
律「くそーっ、なんなんだ、私と和との扱いの違いっ!?」
先「会長は和ちゃん大好きだから」
律「え?それって危なくない!?」
先「変な意味じゃなくて、和ちゃんがここへ来たのはまだ中学生だったし」
先「会長が孫みたいに可愛がってたのよ」
先「それに和ちゃん、頑張り屋さんだし、そういう子会長好きだから」
律「どうせ私は怠け者ですよー」
先「律ちゃんもがんばってるけど、もっと素直に会長の言うこと聞いたら」
先「和ちゃんと同じように可愛がってくれるんじゃない?」
律「それはそれで気持ち悪いな…」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01:41:21.78 ID:WvVLKk0F0 [11/25]
ト「おーい律ちゃん、会長いなくても練習続けるよー」
律「はーい!」
先「今は何してるの?」
律「フットワークとコンビネーションの連携です」
ト「けっこう形になってきてるんだよ」
先「ふーん」
先「じゃあ、私も協力するよ!」
ト「本当かい?ちょうどリングの上で、人を相手に練習させようと思ってたんだっ」
律「やったー、ありがとうございますっ」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01:54:54.27 ID:WvVLKk0F0 [12/25]
会長「和ちゃん、どうかの?またこのジムで練習してくれんかの?」
和「でも、やっぱり…」
会長「プロの事か?」
和「ええ、それがあります」
会長「確かに和ちゃんの視力ではプロは無理じゃ、だが、アマチュアなら試合も出来る」
和「でもそれじゃダメなんです!」
会長「何故そこまでプロにこだわるんじゃ?」
和「」
和「会長、私がここに来た時…」
会長「たしか、あ奴に連れられてじゃったな…」
和「当時私は悩んでました」
和「家でも学校でもいい子じゃないといけない」
和「姉弟にも友達にも頼られ、でも嫌だと言う勇気の無い私には」
和「反抗期すら許されなかった…」
和「そんな時に先輩と出会ったんです」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 02:03:37.26 ID:WvVLKk0F0 [13/25]
和「ここの人はみんなプロを目指していますよね」
会長「そうじゃ、小娘などはどう考えとるか知らんが」
会長「ここはプロジム、本気の者以外おらん」
和「だったら私はいられません」
会長「……」
和「ここのみんなは必死に生きています」
和「お勉強して、人よりお金儲けして安定した暮らしを目指す」
和「そんなことじゃなくて」
和「一瞬の輝きを目指してるんです」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 02:10:53.72 ID:WvVLKk0F0 [14/25]
会長「確かに、ボクシングだけでは、日本チャンピオンでも食ってはいけん」
会長「さらに、自分の寿命を縮め、程度はあるが、後遺症も覚悟せねばならん」
会長「現役も6年がいいところじゃろう」
会長「世界チャンプになって成り上がりというのもあるが」
会長「実際は金以外の何かを求めなければ、やれんことじゃ…」
和「だから私は中途半端は嫌なんです」
和「プロになれないのなら」
和「ボクシング以外で、命を削るほど真剣に向き合えるものを探します!」
和「そうでないと皆さんに失礼です!」
会長「真面目な和ちゃんらしい考えじゃ」
会長「だがな、和ちゃん」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 02:22:10.78 ID:WvVLKk0F0 [15/25]
会長「お主は、何故またこのジムを尋ねたのじゃ?」
和「それは…律に会いに…」
会長「嘘をつくでない!」
和「……」
会長「昔和ちゃんがここへ来た時と同じように」
会長「今も何か悩みを抱えておるんじゃろ?」
和「……」
会長「ボクシング以外をがんばると、和ちゃんは頭で出した答えをすでに持っておる」
会長「しかしな、人生には頭で出した答えでは解決できない問題があるのじゃ」
会長「そしてわし等はその問題に立ち向かう方法を知っておる」
和「それって…?」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 02:30:55.66 ID:WvVLKk0F0 [16/25]
会長「その答えはリングにあり、拳が教えてくれる」
会長「和ちゃん、お主はもう一度ボクシングをするべきじゃ!」
会長「かつてボクシングが和ちゃんを救ってくれたと言うのなら」
会長「今一度ボクシングを信じて見んか?」
和「でも、私…」
会長「」
会長「では、こうしよう…」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 02:41:04.85 ID:WvVLKk0F0 [17/25]
律「このっ」シュシュッ
先「」ササッ
律『だめだ、全然当たんないよー』
先「どうしたの?もう終わり?」
律「まだまだっ!」シュシュシュシュッ
先「」ススッ
ト「律ちゃん!攻撃に移るときに一瞬隙が出来るんだ!その間に逃げられちゃう!」
ト「移動しながら連打に移る気持ちで動くんだっ!」
律『既にそのつもりでやってるんだけど』シュシュッ
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 02:51:06.63 ID:WvVLKk0F0 [18/25]
会長「貴様っ!何をやっとるんじゃ!」
律「当たんないもんは仕方ないだろっ!?」
会長「違うわいっ!小娘の方では無いっ!!!」
先「えっ?私ですか!?」
会長「隙があるのに、何故打ち込まん!?」
会長「小娘がそんな闘いになれてしまっては、次の試合勝てる見込みなど無いぞっ!!!」
会長「相手に打たれる隙をつくったが最後だと、体で教えるんじゃっ!」
会長「軽くでも良いっ、手を出せっ!!」
先「それもそうですね、危機感が無いままの練習ならっ」
先「私が手伝う意味が無い!」
律「いいですよっ!来てください先輩っ」
律「私、絶対に隙をつくりませんからっ!」
会長「よく言った小娘っ!練習の成果を見せてみろっ」
律『いくぞーっ!!!』シュシュシュ
先『そこっ!』シャッ
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 03:01:05.55 ID:WvVLKk0F0 [19/25]
律「うへー」ピヨピヨ
和「律、だいじょうぶ?」
先「ごめんごめん、軽く打ったんだけど、タイミングがバッチリ合っちゃって…」
会長「言った先からもらうとは…情けない」
ト「いくら律ちゃんのスジがいいからって、世界ランカーと撃ち合わせるのは早いですよー」
会長「そこでな、和ゃんにスパーリング相手をお願いした」
ト「えっ!?和ちゃん、戻ってきてくれるのかい!?」
和「そういう訳じゃ…」
会長「律の試合までの練習相手として、ワシがお願いしたんじゃ」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 03:11:37.97 ID:WvVLKk0F0 [20/25]
律「本当か和!?でも、ブランクがあるんじゃ?」
和「実は、ロードワークとシャドーくらいは続けてたの」
和「しばらく練習して、感覚が戻ったらいけると思うわ」
ト「和ちゃんは二年以上もボクシング経験があるんだ」
ト「テクニックは律ちゃんより上だよ」
律「相手にとって不足なしってことか」
律「それに、毎回先輩にボコボコにされちゃ敵わないしね」
先「そんなんでどうするのっ?試合前には私にも通用する動きに仕上げなきゃ!」
律「えーっ、流石にそれはー」
ト「実際、平沢選手に対抗するには、プロレベルの動きが必要になってくるはずだよ」
和「これからは私も協力するわ、一緒にがんばりましょうっ!!!」
律「ありがとう和」
律「でも…」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 03:21:01.17 ID:WvVLKk0F0 [21/25]
律「和は唯の親友だろ!?」
律「敵になるような事していいのかっ!?」
和「……」
和「だったら、律も同じじゃない?」
和「敵同士という厳しさは必要だけど」
和「それは私達の友情を壊すものでは無いわっ!」
律「和…」
和「それにね、私はきっと」
和「私も唯と…」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 03:26:46.41 ID:WvVLKk0F0 [22/25]
唯のジム!
唯「師匠、昔和ちゃんと何かあったの?」
爺「うん…」
爺「話しておいた方がいいね…」
爺「実は、和ちゃんが中学生の頃」
爺「ボクシングをやらせてくれと、ココへやって来たんだ」
憂「えっ?和ちゃんが!?」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 03:32:52.00 ID:WvVLKk0F0 [23/25]
爺「でも私は断ってしまった」
爺「女性のボクシングはまだ歴史が浅い」
爺「それに、ボクシングは危険なスポーツだ」
爺「私自身、唯ちゃんたちに教えるまでは、女性のボクシングに否定的だった」
爺「しかも和ちゃんは小さい頃から知っている、当時中学生の女の子」
爺「危ないからとお願いを断ったんだ…」
唯「……」
憂「でもなんで、急に和ちゃんを帰らせたんですか!?」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 03:40:31.48 ID:WvVLKk0F0 [24/25]
爺「和ちゃんが君らを見ている様子で分かった」
爺「おそらく和ちゃんはボクシングをしている」
唯憂「!!!?」
爺「そして、このあたりで、女性がボクシングを出来るジムと言ったら…」
憂「律さんのジムだけってことですね…」
爺「そうなんだ」
爺「唯ちゃんの情報を、みすみす相手のジムに渡したくなかったんだよ…」
唯『まさか、和ちゃんがボクシングをしてたなんて…!?』
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 03:56:34.23 ID:WvVLKk0F0 [25/25]
次回予告
いよいよ律の必殺技習得が始まった
ドラマーならではのリズム感を生かしたその技とは?
そして唯の必殺技「カスタネットパンチ」(うんたんパンチ)
その絶対攻略不可能な恐怖の全貌が明らかになる
男子プロまで簡単に倒す、規格外な唯の実力
脅威の天才に、律は勝つことが出来るのだろうか?
お互い負けられない理由を持ちながらも、親友同士の拳は熱く交わり火花を散らす
闘いを通して、二人の少女は何を見るのか?
そして、前回の予告の内用に入れなかった為、予告はそのまま
せっかく久しぶりに書いたのに、話し全然進まないってどういうことなんだ!?
俺は何故ココで和ちゃんを出した?出さなくて良かったんじゃないのか?
もういい加減早いうちに完結させます! ご期待ください
律のジム!
ト「それじゃあ、今日から攻撃の特訓だよ!」
律「待ってましたぁ!!!」
律「一体どんな必殺技なの?コークスクリュー?デンプシーロール!?」
ト「いやー、それがね」
律「うん!」
ト「必殺技って言っても、パンチの種類じゃないんだよ」
ト「律ちゃんには、コンビネーションパンチを練習してもらおうと思ってるんだ」
律「えーっ、コンビネーションなんてもう練習してるじゃん」
律「なんか特別なパンチ教えてよーっ」
ト「そんなこと言われてもなー」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 21:50:59.66 ID:PH8+hhav0
会長「バカモンっ、わがまま言うなっ!!!」
律「だってー、必殺技なんだろ?」
会長「確かに癖のある得意パンチを武器に」
会長「チャンピオンまで登りつめた選手は何人もおる!」
会長「だがな、お前はまだ、どの技術も未熟っ!」
会長「特別なことは求めず、着本的な事を磨いていくだけでいいんじゃっ!!!」
律「えーっ、せっかく楽しみにしてたのにーっ、もうやる気なくなったっ」プイッ
会長『この小娘っ、最近調子に乗りおってっ』イラッ
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 22:00:58.71 ID:PH8+hhav0
ト「まあまあ、なにも僕らは適当に言っている訳じゃないんだ」
ト「律ちゃんの連打には光るものがあるんだよ」
律「えっ?光るものおっ!?」
ト「そうだよ!律ちゃんのコンビネーションは、あらゆる相手を倒す可能性が秘められているんだっ!」
ト「先ずはそれを磨かない手は無いよっ!!!」
律「へへっ、まあね、しょうがないなー」
会長『こやつ、小娘の手なずけ方を心得とるな…』
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 22:10:54.43 ID:PH8+hhav0
会長「ご託はもういいわいっ、さあ小娘っ!」
会長「そこのサンドバックに、何でもよいぞっ、コンビネーションを叩き込むんじゃっ!!!」
律「えっと…」
律「こんな感じ?」パパパパンッ
会長「ふむ…」
ト「今度はボディへのパンチも組み込んで打ってみてっ!」
律「じゃあ、こうかな?」パトッ゙ドパンッ
会長「ほう、良いではないか」
ト「それをもっと速く打てるかい?」
律「」パドドパッ
会長「!?」
会長「確かに、この前まで素人だったとは思えんな」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 22:20:57.43 ID:PH8+hhav0
ト「いいよ律ちゃん!」
律「えへっ、私の連打そんなにいい?」
会長「まあ、他の動きに比べかなり秀でておる…」
ト「そうでしょ?きっとこれは律ちゃんがドラムをやってたからですよ!」
会長「そういえば、そんなこと言っとったな…」
ト「僕も律ちゃんに会ってから知ったんですが」
ト「ドラムとボクシングには共通点が多いんですよっ!」
ト「リズム感と力を抜いて叩く動き!」
ト「それが律ちゃんのコンビネーションパンチの土台を造ってるんですっ!!!」
会長「なるほど、素早い連打には、筋力よりリズムと脱力が必要じゃ」
ト「それに加えて体力!」
会長「体力だとっ?」
会長「流石に楽器で体力はつかんだろう」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 22:31:36.47 ID:PH8+hhav0
律「ドラムはけっこうきついんだぞっ!」
会長「だがなぁ、スポーツや格闘技に比べるとのう…」
ト「僕もはじめはそう思いました」
ト「でも考えても見てくださいっ」
ト「ドラマーは、あんな素早い全身運動を一曲五分間は続けるんですよ?」
ト「さらにステージとなると、それを連続で何回も繰り返す」
ト「しかも音楽ですから、手を抜いてテンポを変えることは許されません」
ト「実際プロのドラマーは、走り込みなどで体を鍛えてたりするそうなんですよっ」
会長「確かに、小娘は激しいわしのシゴキや」
会長「素人では一ラウンドも体力が続かん、スパーリングもこなせておる」
会長「今まで真剣にスポーツをしたことが無い者には、どだい無理な話じゃ」
ト「そうでしょう?律ちゃんはスポーツ選手なみの体力をドラムで身につけているんですっ!」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 22:41:09.59 ID:PH8+hhav0
律「トレーナーさん、無理ですよ、会長に音楽の話なんて分かりっこありませんからー」
会長「なんだとっ!?こう見えてもわしはカラオケが得意なんじゃ」
律「どうせスナックでおだてられて、カモられてんじゃないのー?」
会長「貴様っ、わしの歌を聞いたことも無いくせにっ」
会長「よし分かったっ!今度わしの行きつけの店で聞かせてやるわいっ!!!」
律「やっぱりスナックじゃん、本当に自信があるなら今歌ってみてよーっ!」
会長「い、今か?ここでかっ!!?ぐっ、恥かしいのう…」ドキドキ
ト「ちょっと、今は練習しましょうよ…」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 22:50:56.08 ID:PH8+hhav0
唯のジム!
和「こんにちはー」
唯「あっ、和ちゃん!来てくれたんだっ!?」
憂「こんばんは和ちゃん、今日はどうしたのー?」
和「せっかく近所なんだから、ちょっと様子を見に来たのよ」
和「ふふっ、本当に二人がボクシングしてるなんてね」
唯「そうだっ、和ちゃんも一緒にやろうよっ!」
唯「ボクシングって、とっても面白いよっ」
和「でも…私、生徒会あるし」
唯「えー、いいじゃんっ!和ちゃーん」
爺「おや、誰か来たのかい?」
和「こんばんは」
爺「おお、和ちゃんか、よく来てくれたね」
和「……」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 23:01:08.32 ID:PH8+hhav0
和「私が以前ここに来た時のこと、覚えています?」
爺「!?」
爺「……」
爺「そうか…そうだったね」
爺「今考えると、あの時私は間違っていた」
爺「すまなかったよ」
和「いえ、もういいんです、昔の事ですし」
唯「えっ?和ちゃん、このジムに来たことあったの!?」
和「ええ、中学生の時、ちょっとのぞきにね」
爺「……」
爺「和ちゃん、どうか今日はゆっくりしていきなさい」
爺「それに、もしよければ和ちゃんも一緒に…」
唯「和ちゃんも私達とボクシングしようよっ!」
憂「そうだよ!そうしよう、和ちゃんっ!!!」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 23:12:44.80 ID:PH8+hhav0
和「二人ともありがとう、でも今は忙しいし遠慮しとくわ…」
和「でも、その分二人の練習を見させてっ」
爺「そうか、それじゃあ二人共、マススパーをしてみておくれ」
憂「和ちゃん、マススパーって言うのは、相手に当てないスパーリングなんだよ!」
和「うん」
憂「それでね、スパーリングって言うのはね…」
和「練習試合みたいなものでしょ?」
和「憂、気を遣って教えてくれてありがとう」
憂「えへへ」
唯「じゃあ、やろうよ憂っ」
憂「うん!いくよーお姉ちゃん!」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 23:21:02.60 ID:PH8+hhav0
唯「」シュシュ
憂「」ササッ シュッ
唯「」スッ パパッ
爺「どうだい和ちゃん、二人はとっても上手いんだよ」
和「ほんと!びっくりしましたっ」
和「二人とも、まるで何年もやってるみたい」
爺「私も二人の成長ぶりには驚いているんだよ」
和「特に憂の足の運び!状態を反らしてのパンチにも隙が無いわ」
爺「!?」
和「でも、あまりに攻め込まな過ぎ」
和「相手が仕掛けてくるのを避けて、隙を狙うのもいいけど」
和「あんなにテクニックがあるのに、なんで攻め込まないのかしら」
爺「……」
和「まるで、何か警戒してるような…」
爺「帰るんだっ!」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 23:31:17.85 ID:PH8+hhav0
和「え?」
爺「君は帰りなさい和ちゃんっ!」
和「私は、ただ…」
爺「帰れっ!!!」
唯憂「!!!?」
唯「急にどうしたの師匠っ!?」
爺「大した事じゃ無いんだ、ただちょっと、和ちゃんには帰ってもらうだけなんだ」
和「」
憂「えっ?、せっかく来てくれたのに、何で…」
和「二人とも気にしないで、じゃあこれで失礼するわね」
唯「そんなぁ…」
爺「和ちゃん、君には当分ここへ来ないでもらいたい」
憂「そんな、お爺ちゃんひどいっ!」
唯「なんでなの師匠っ!?普段は私達とおんなじ様に」
唯「和ちゃんにも優しいのにっ!!!?」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/29(木) 23:40:57.36 ID:PH8+hhav0
和「きっとこれでいいのよ、じゃあね唯、試合に向けてがんばってね!」
唯「あっ、和ちゃん!」
憂「お爺ちゃん、なんであんなこと言ったんですか!?」
爺「ごめんよ二人とも」
爺「でもね、おそらく和ちゃんは……」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/29(木) 23:51:31.50 ID:PH8+hhav0
律のジム!
律「」パパババンッ
ト「よーし、いいよ律ちゃん!」
ト「それじゃあ、足を使って、サンドバックの周りを回りながらやってみようか!」
律「えーっ、でも、動きながら連打なんて無理ですよー」
ト「確かに動きながらじゃバランスが崩れて、パンチの連打は難しいね」
ト「だからこそ、足を止める時間を短く、一瞬の間に連打し終わるんだ」
律「うぁっ、サンドバックが揺れて狙いにくいよー」
会長「当たり前じゃ、リングの上で動き回る相手は、サンドバック程度ではないぞっ!!!」
会長「相手の側面に回りこみ連打っ、そして相手が打ち返そうとする頃には、お主は手の届かぬ距離」
会長「鍛えた足で逃げ回るだけでなく、ヒットアンドアウェイを身につけるのじゃっ!?」
律「簡単に言うなよー」ババババシッ
会長「どうした!?足が止まっておるぞっ!サンドバックを揺らしたら、その背後に回りこんでおくつもりで動くんじゃ!!!」
律「うへっ、そんなドラゴンボールじゃないんだぞっ!?」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 00:02:06.95 ID:WvVLKk0F0 [1/25]
会長「よしっ、もういいぞ、一端休憩じゃ」
律「疲れたー、パンチの練習だから、走り込みより楽だと思ったけど」
律「これじゃ、寺へ走りに行くのと変らないよーっ」
ト「素早く移動するのも、パンチを連打するのも、体力をつかうらね」
律「こんなの4ラウンドも続けられないよー」
会長「バカモンっ!相手がおる状態、しかもパンチをもらいながらでは」
会長「この倍以上疲れると思えっ!」
会長「この動きを8ラウンド以上続けられるようにするんじゃっ!!!」
律「そんなーっ」
会長「だが誉めてやる部分もある」
律「?」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 00:10:57.93 ID:WvVLKk0F0 [2/25]
会長「お前のコンビネーションはかなり多彩じゃっ」
会長「どんな選手も疲れてくると、コンビネーションがワンパターンになってくるものじゃが…」
ト「そうだよ、そこをかわされたり、カウンターで狙われたりするんだけど」
ト「律ちゃんのコンビネーションは、次から次へといろんなパンチを繰り出すね!」
律「パンチの種類なんて、ストレート、フック、アッパーの三種類だろ?」
律「顔と腹の打ち分け考えても、たった6種類」
律「ドラムを叩く場所は6個じゃきかないよ」
会長「貴様、パンチを簡単に考えすぎじゃ」
ト「だけど、動きをシンプルにとらえるのも、上達のコツですよ」
律「アクセントに、ダウン・アップストローク、オープン・クローズのリム、それにゴー…」
会長「何をいっとるんじゃ?」
律「ドラムはただ同じように叩くわけじゃないんだ、パンチでもそうだろ?」
会長「ふむ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 00:22:16.78 ID:WvVLKk0F0 [3/25]
律「別にさ、簡単に考えてるわけじゃないよ」
律「けど、即興で叩くフィルインだと思ったら」
律「コンビネーションなんて、どれだけでもバリエーション増やせるよー」
会長「専門用語を使うでないっ、お前の言っとること、さっぱり分からんぞ」
律「つまりさ、ドラムを演奏してると思えば、パンチの種類やリズムに変化をつけるのなんて簡単だよっ」
ト「律ちゃんにとって、パンチを打つ事は、ドラムを演奏している感覚なのか…」
会長「なんだか知らんが、ボクシングを簡単にみとると、後で痛い目にあうわいっ!!!」
会長『だが、こやつの連打が上手いのも事実、しばらくこの調子でやらせてみるか…』
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 00:30:48.52 ID:WvVLKk0F0 [4/25]
律「でもさー、ちょっと考えたんだけど」
ト「なんだい?」
律「コンビネーションって右と左、交互の連打じゃん?右右とか左左とかはダメなの?」
ト「ダメじゃないよ、ジャブから左パンチにつなげるのはもちろんだけど」
ト「例えば、ボディーへの左フックで相手の右ガードを下げさせ」
ト「その隙に今度は顔面への左フックを決めるっ」
ト「インファイトではよく使われるコンビネーションだね」
律「おっ、いいじゃん、それ!」
会長「じゃがな小娘、今回の作戦は、あくまでヒットアンドアウェイが基本」
会長「同じ手で連打すると体のバランスが崩れやすいんじゃ」
会長「フットワークに支障が出る、それに、第一素早く連打しにくい」
律「そうかなぁー?」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 00:40:54.69 ID:WvVLKk0F0 [5/25]
会長「ワンツー三連発と右ストレート三連発」
会長「パンチの数は倍違っても、打つ早さはそう変わらんじゃろ」
律「むしろ右だけの方が遅くなりそうだね」
会長「逆の手のパンチを打つ事で、体のバランスが保てるのじゃ」
会長「パンチやフットワークにおいて、バランスは重要!」
会長「同じ手での連打など、フェイントで使うくらいに止めるんじゃ!」
律『確かに速さとバランスは重要だな、でも…』
律『逆に言うと、速くてバランスを崩さなければいいってことだよな…』
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 00:51:09.58 ID:WvVLKk0F0 [6/25]
和『またお爺ちゃんに追い返されちゃった…』
和『ボクシング……か』
和『もうここへは来ないつもりだったけど…』
和「こんにちはー」
先「あっ、和じゃないか!」
和「ご無沙汰してます先輩」
先「ついにリングに復帰か?」
和「いえ、そんなつもりは無いんですけど…」
先「まあいいや、会長に会っていけよっ、きっと喜ぶよ」
和「はは…、元気にしてるかな?」
先「かいちょーっ!和が会いに来ましたよっ!」
会長「なんじゃとぉ!!!?」
律「へっ?和?」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01:00:18.92 ID:WvVLKk0F0 [7/25]
会長「和ちゃん、久しぶりじゃ!すっかりお姉さんになって、見違えたわいっ」
和「会長はお変わりなく、お元気そうですね」
会長「いやー、そうかのう?うれしいのうっ!」
律「和っ!?どうしたんだよこんな所に来てっ!」
和「律、がんばってるみたいね」
会長「なに!?おぬしら知り合いなのか?」
和「そうなんです、今日は律に会いに来たんですよ」
律「知り合いもなにも同じ学校、同じクラスの友達だぞっ」
会長「同じ学校だって!?」
ト「同じ学校だって!?」
先「同じ学校だって!?」
律「そこで驚くなよ」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01:11:21.01 ID:WvVLKk0F0 [8/25]
律「ところで和、なんでみんなのこと知ってるんだ?」
和「私は昔ここでお世話になってたの」
律「なんだってーっ!!!」
会長「昔じゃないわいっ!今も和ちゃんはこのジムの一員じゃいっ!」
和「名前だけだけどね」
律「じゃあ、女が四人のこのジムで、私と先輩、その他二名の内の一人って…」
先「そう、和のことよっ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01:21:20.55 ID:WvVLKk0F0 [9/25]
律「まさか…和がボクシングしてたなんて…」
先「和は強いのよーっ、今の律ちゃんならやっつけちゃうかも」
律「マジかよーっ!?」
和「ブランクがあるから、まともに動けないですよ」
会長「なにはともあれ、よう来てくれたっ!」
会長「お茶をだすぞっ!会長室に上がりなさいっ」
律「ちょっと、私の練習は!?」
会長「ん?じゃあ、そこら辺適当に走ってこい」
律「何その適当さ加減、今はパンチの練習だろっ!?」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01:30:59.01 ID:WvVLKk0F0 [10/25]
律「くそーっ、なんなんだ、私と和との扱いの違いっ!?」
先「会長は和ちゃん大好きだから」
律「え?それって危なくない!?」
先「変な意味じゃなくて、和ちゃんがここへ来たのはまだ中学生だったし」
先「会長が孫みたいに可愛がってたのよ」
先「それに和ちゃん、頑張り屋さんだし、そういう子会長好きだから」
律「どうせ私は怠け者ですよー」
先「律ちゃんもがんばってるけど、もっと素直に会長の言うこと聞いたら」
先「和ちゃんと同じように可愛がってくれるんじゃない?」
律「それはそれで気持ち悪いな…」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01:41:21.78 ID:WvVLKk0F0 [11/25]
ト「おーい律ちゃん、会長いなくても練習続けるよー」
律「はーい!」
先「今は何してるの?」
律「フットワークとコンビネーションの連携です」
ト「けっこう形になってきてるんだよ」
先「ふーん」
先「じゃあ、私も協力するよ!」
ト「本当かい?ちょうどリングの上で、人を相手に練習させようと思ってたんだっ」
律「やったー、ありがとうございますっ」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 01:54:54.27 ID:WvVLKk0F0 [12/25]
会長「和ちゃん、どうかの?またこのジムで練習してくれんかの?」
和「でも、やっぱり…」
会長「プロの事か?」
和「ええ、それがあります」
会長「確かに和ちゃんの視力ではプロは無理じゃ、だが、アマチュアなら試合も出来る」
和「でもそれじゃダメなんです!」
会長「何故そこまでプロにこだわるんじゃ?」
和「」
和「会長、私がここに来た時…」
会長「たしか、あ奴に連れられてじゃったな…」
和「当時私は悩んでました」
和「家でも学校でもいい子じゃないといけない」
和「姉弟にも友達にも頼られ、でも嫌だと言う勇気の無い私には」
和「反抗期すら許されなかった…」
和「そんな時に先輩と出会ったんです」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 02:03:37.26 ID:WvVLKk0F0 [13/25]
和「ここの人はみんなプロを目指していますよね」
会長「そうじゃ、小娘などはどう考えとるか知らんが」
会長「ここはプロジム、本気の者以外おらん」
和「だったら私はいられません」
会長「……」
和「ここのみんなは必死に生きています」
和「お勉強して、人よりお金儲けして安定した暮らしを目指す」
和「そんなことじゃなくて」
和「一瞬の輝きを目指してるんです」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 02:10:53.72 ID:WvVLKk0F0 [14/25]
会長「確かに、ボクシングだけでは、日本チャンピオンでも食ってはいけん」
会長「さらに、自分の寿命を縮め、程度はあるが、後遺症も覚悟せねばならん」
会長「現役も6年がいいところじゃろう」
会長「世界チャンプになって成り上がりというのもあるが」
会長「実際は金以外の何かを求めなければ、やれんことじゃ…」
和「だから私は中途半端は嫌なんです」
和「プロになれないのなら」
和「ボクシング以外で、命を削るほど真剣に向き合えるものを探します!」
和「そうでないと皆さんに失礼です!」
会長「真面目な和ちゃんらしい考えじゃ」
会長「だがな、和ちゃん」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 02:22:10.78 ID:WvVLKk0F0 [15/25]
会長「お主は、何故またこのジムを尋ねたのじゃ?」
和「それは…律に会いに…」
会長「嘘をつくでない!」
和「……」
会長「昔和ちゃんがここへ来た時と同じように」
会長「今も何か悩みを抱えておるんじゃろ?」
和「……」
会長「ボクシング以外をがんばると、和ちゃんは頭で出した答えをすでに持っておる」
会長「しかしな、人生には頭で出した答えでは解決できない問題があるのじゃ」
会長「そしてわし等はその問題に立ち向かう方法を知っておる」
和「それって…?」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 02:30:55.66 ID:WvVLKk0F0 [16/25]
会長「その答えはリングにあり、拳が教えてくれる」
会長「和ちゃん、お主はもう一度ボクシングをするべきじゃ!」
会長「かつてボクシングが和ちゃんを救ってくれたと言うのなら」
会長「今一度ボクシングを信じて見んか?」
和「でも、私…」
会長「」
会長「では、こうしよう…」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 02:41:04.85 ID:WvVLKk0F0 [17/25]
律「このっ」シュシュッ
先「」ササッ
律『だめだ、全然当たんないよー』
先「どうしたの?もう終わり?」
律「まだまだっ!」シュシュシュシュッ
先「」ススッ
ト「律ちゃん!攻撃に移るときに一瞬隙が出来るんだ!その間に逃げられちゃう!」
ト「移動しながら連打に移る気持ちで動くんだっ!」
律『既にそのつもりでやってるんだけど』シュシュッ
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 02:51:06.63 ID:WvVLKk0F0 [18/25]
会長「貴様っ!何をやっとるんじゃ!」
律「当たんないもんは仕方ないだろっ!?」
会長「違うわいっ!小娘の方では無いっ!!!」
先「えっ?私ですか!?」
会長「隙があるのに、何故打ち込まん!?」
会長「小娘がそんな闘いになれてしまっては、次の試合勝てる見込みなど無いぞっ!!!」
会長「相手に打たれる隙をつくったが最後だと、体で教えるんじゃっ!」
会長「軽くでも良いっ、手を出せっ!!」
先「それもそうですね、危機感が無いままの練習ならっ」
先「私が手伝う意味が無い!」
律「いいですよっ!来てください先輩っ」
律「私、絶対に隙をつくりませんからっ!」
会長「よく言った小娘っ!練習の成果を見せてみろっ」
律『いくぞーっ!!!』シュシュシュ
先『そこっ!』シャッ
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 03:01:05.55 ID:WvVLKk0F0 [19/25]
律「うへー」ピヨピヨ
和「律、だいじょうぶ?」
先「ごめんごめん、軽く打ったんだけど、タイミングがバッチリ合っちゃって…」
会長「言った先からもらうとは…情けない」
ト「いくら律ちゃんのスジがいいからって、世界ランカーと撃ち合わせるのは早いですよー」
会長「そこでな、和ゃんにスパーリング相手をお願いした」
ト「えっ!?和ちゃん、戻ってきてくれるのかい!?」
和「そういう訳じゃ…」
会長「律の試合までの練習相手として、ワシがお願いしたんじゃ」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 03:11:37.97 ID:WvVLKk0F0 [20/25]
律「本当か和!?でも、ブランクがあるんじゃ?」
和「実は、ロードワークとシャドーくらいは続けてたの」
和「しばらく練習して、感覚が戻ったらいけると思うわ」
ト「和ちゃんは二年以上もボクシング経験があるんだ」
ト「テクニックは律ちゃんより上だよ」
律「相手にとって不足なしってことか」
律「それに、毎回先輩にボコボコにされちゃ敵わないしね」
先「そんなんでどうするのっ?試合前には私にも通用する動きに仕上げなきゃ!」
律「えーっ、流石にそれはー」
ト「実際、平沢選手に対抗するには、プロレベルの動きが必要になってくるはずだよ」
和「これからは私も協力するわ、一緒にがんばりましょうっ!!!」
律「ありがとう和」
律「でも…」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 03:21:01.17 ID:WvVLKk0F0 [21/25]
律「和は唯の親友だろ!?」
律「敵になるような事していいのかっ!?」
和「……」
和「だったら、律も同じじゃない?」
和「敵同士という厳しさは必要だけど」
和「それは私達の友情を壊すものでは無いわっ!」
律「和…」
和「それにね、私はきっと」
和「私も唯と…」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/30(金) 03:26:46.41 ID:WvVLKk0F0 [22/25]
唯のジム!
唯「師匠、昔和ちゃんと何かあったの?」
爺「うん…」
爺「話しておいた方がいいね…」
爺「実は、和ちゃんが中学生の頃」
爺「ボクシングをやらせてくれと、ココへやって来たんだ」
憂「えっ?和ちゃんが!?」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 03:32:52.00 ID:WvVLKk0F0 [23/25]
爺「でも私は断ってしまった」
爺「女性のボクシングはまだ歴史が浅い」
爺「それに、ボクシングは危険なスポーツだ」
爺「私自身、唯ちゃんたちに教えるまでは、女性のボクシングに否定的だった」
爺「しかも和ちゃんは小さい頃から知っている、当時中学生の女の子」
爺「危ないからとお願いを断ったんだ…」
唯「……」
憂「でもなんで、急に和ちゃんを帰らせたんですか!?」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 03:40:31.48 ID:WvVLKk0F0 [24/25]
爺「和ちゃんが君らを見ている様子で分かった」
爺「おそらく和ちゃんはボクシングをしている」
唯憂「!!!?」
爺「そして、このあたりで、女性がボクシングを出来るジムと言ったら…」
憂「律さんのジムだけってことですね…」
爺「そうなんだ」
爺「唯ちゃんの情報を、みすみす相手のジムに渡したくなかったんだよ…」
唯『まさか、和ちゃんがボクシングをしてたなんて…!?』
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/30(金) 03:56:34.23 ID:WvVLKk0F0 [25/25]
次回予告
いよいよ律の必殺技習得が始まった
ドラマーならではのリズム感を生かしたその技とは?
そして唯の必殺技「カスタネットパンチ」(うんたんパンチ)
その絶対攻略不可能な恐怖の全貌が明らかになる
男子プロまで簡単に倒す、規格外な唯の実力
脅威の天才に、律は勝つことが出来るのだろうか?
お互い負けられない理由を持ちながらも、親友同士の拳は熱く交わり火花を散らす
闘いを通して、二人の少女は何を見るのか?
そして、前回の予告の内用に入れなかった為、予告はそのまま
せっかく久しぶりに書いたのに、話し全然進まないってどういうことなんだ!?
俺は何故ココで和ちゃんを出した?出さなくて良かったんじゃないのか?
もういい加減早いうちに完結させます! ご期待ください
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