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御坂「上条当麻・・・死んで? 」
1 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:15:11.49 ID:YE9zFVJQ0
書きます。たぶん最後まで書いて50レス程度なので
あとのスペースは好きに使ってください。
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4 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:17:01.98 ID:YE9zFVJQ0
■~物語の序章
とある男は久しぶりに訪れた街の空気に触れ、
ふと懐かしさがこみ上げてくるのを感じていた。
「まあ少しぐらいは思い出に浸ってもいいよな。」
そう呟いて歩みを止めた。
今日は空がとても青い。
神父の服装は、学園都市においてとても珍しいのであるが、
人々はとりたててそのツンツン頭の男に気をとめない
5 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:18:15.96 ID:YE9zFVJQ0
上条当麻が学園都市を去ってから3年が経っていた。
上条がロシアに渡った数カ月後、戦争が起きた。
そして、その戦争でインデックスという一人の少女が命を落とした。
上条は一人の少女を守れなかったこと、
大切な人を失ったことに深い絶望を感じた。
しかし、それと同時にある使命感を持つようになった。
それは、戦争をやめさせることである。
少女が死んだ後、上条は停戦に向けて活動を始めた。
一人の少年が戦争をやめさせる=それはとても無謀な事であったし、
実際にも大変な困難が立ちはだかった。
それでも上条は決して諦めることなくボロボロになりながらも行動を続けた。
その姿勢は多くの人々を惹きつけ、幾人かの助力もあって戦争は終わった。
今、上条は、二度と戦争が起きないように、各勢力の仲介者という
役割を果たしており、3年ぶりに学園都市にきたのも
宗教側と科学側の交渉の仲介者として選ばれたからである。
6 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:20:29.87 ID:YE9zFVJQ0
■~再会
とある自販機の前で、懐かしいツンツン頭を発見した少女は、
背後からその男に近づいて、ケリを入れた。
「痛ってーいきなりなんなんだ!?」
上条が振り返ると、紺の制服をきた綺麗な肩まである
茶色い髪の少女が上条を見て睨んでいた。
「御坂・・」
「アンタっ!!!今までいったいどこに行ってたの!!!
連絡一つよこさないで!心配したんだから!!」
「悪いな御坂・・・ほんとにごめん」
「まぁいいわ。とりあえず、謝る前に言うことあるでしょ?」
上条は少しだけ考えたが、自然と口から言葉が出てきた。
「ただいま御坂」
「おかえり」
茶髪の少女は、優しさと悲しみ、そして迷いが混在する、
そんな不思議な目をしていたが、すぐにとても美しい笑顔に変わった。
8 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:25:06.76 ID:YE9zFVJQ0
■~やりとり
「そー言えばお前今日暇か?もし暇だったならちょっと付き合ってくれないか?」
「は?いきなり何よ。もしかして、やっと私の魅力に気付いちゃったわけ?
残念だけどちょろっと遅かったわね」
そう言いながら少女は悪戯っぽく笑った。
「そっかーそれなら仕方ないな。」
言った瞬間電撃の槍が飛びすぐさま上条は右手で打ち消す。
「おわっ! お前、ちっとも変わってないなー
なんでいきなりビリビリすんだよ!」
「なんでアンタはそんなに簡単に引き下がるのよ!」
「はぁ?」
「まったく。あいにくだけど今日はとっーても暇だから、
アンタに付き合ってあげるわよ。そんでどこ行くの?」
上条はよくわからないといった様子だったが、昔と変わらぬ少女に安堵した。
「うーんそうだなー遊園地とかどうだ?」
「へーアンタから遊園地のお誘いねー、いいわ行きましょう」
言うや否や少女は少年の腕を引っ張って目的地に向かって歩きだした。
9 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:27:05.45 ID:YE9zFVJQ0
■~楽しい時間
上条はその日とても楽しんだ。
一緒にいた少女のおかげでいっぱい笑いいっぱい叫んだ。
ただ、楽しい時間はあっという間に過ぎる。気が付けば日が暮れていた。
「御坂ありがとう。久しぶりにこんなに笑ったよ」
「どういたしまして、っていうか私もすごく楽しかったわよ」
そういって満面の笑顔で少女は答えた。
「ちょっと飲み物買ってくるからそこで待ってなさい。」
少女はすぐ近くのベンチにカバンを置いてその場を離れた。
「やれやれ相変わらずだな」
そう呟いた上条が、ベンチに腰を降ろして何の気なしに、カバンの方を
見ると、中身が目に入ってしまった。
「何でアイツがこれを?」
10 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:29:50.28 ID:YE9zFVJQ0
■~告白
少女が買ってきた飲み物を飲んで二人は遊園地を出て移動した。
とある橋の上で、少女は足を止めた。
「どうした御坂?」
少女はしばらく沈黙した後、口を開いた。
「私、アンタのことがずっと好きだった。
だけど、関係が壊れるのが怖くてずっと言えなかった。
でも、アンタがいなくなって伝えなかったことを死ぬほど後悔したの。
だから、決めてた。
もしアンタに会えたらちゃんと想いを伝えようって。
私はアンタのことが死ぬほど好きだった。」
12 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:31:46.62 ID:YE9zFVJQ0
「御坂・・。
ありがとう。本当に嬉しいよ。
俺は、お前と会えなくなって、お前の存在の大きさに気付いた。
でも、」
「その先は言わないで。
あんたがここにずっといるわけじゃないことは知ってる。
でもありがとう。すごく嬉しい。
まだしばらくはいるんでしょ?また遊びに連れてってね!
それじゃあ。 」
少女は儚げでいて優しさの満ちた笑顔を残して、その場を走り去った。
13 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:33:43.17 ID:YE9zFVJQ0
■~考え事
ホテルに戻った後、上条は考え事をしていた。
今日の不審な出来事と、今日の少女について。
(今日一日誰からに尾行されていた?勘違いならいいんだが、
たぶん勘違いではない。それよりも、気になるのは御坂の方だ。
アイツ・・。)
上条当麻は、インデックスが亡くなった事をきっかけに、
理想を持ちそれを実現するためには、それに相応しい力と覚悟が必要
だという事を実感した。そして、それを知った時から、必要な能力
を手に入れるために努力を惜しまなかった。その結果として、
今の上条には飛びぬけた体術をはじめ、優れた状況把握能力、判断力、
洞察力、が備わっていた。
(とりあえず、むやみに知人に会わない方がいいかもな。)
そんなことを考えながら、少年は少しずつ意識を落としていった。
15 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:35:34.70 ID:YE9zFVJQ0
■7レス目~夢
「とーまくん あたし 」
「 ちゃん ぼく 」
上条は、不思議な夢を見た。小さな少年と小さな少女の夢。
とても懐かしいかんじがする夢。
でも、思い出そうとしても思いだせない。夢とはそういうものだろう
16 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:37:04.21 ID:YE9zFVJQ0
■~目覚め
夢の余韻から完全に抜け出せないまま上条は、目を覚ますために
ホテルを出て歩くことにした。しかし、すぐに意識は覚醒した。
視線を感じたのだ。しかも、たまたま見ているというものではなく、
「観察」をしているといったものだ。
(ふー、またか。とりあえず、ここは様子を伺ってみるか。)
三年前の上条なら慌てていたかもしれない。
いやそれ以前に尾行に気付かなかっただろう。この変化が彼の過ごした
3年間がどれほど壮絶なものであったかを物語っている。
17 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:38:55.18 ID:YE9zFVJQ0
■~プロの追跡者
上条は、移動を続けた。ランダムに見えるようで規則制のある移動。
それによって尾行者の人数と位置の把握に努めた。
しかし、尾行者もただものではないらしく、
なかなか相手の特徴を特定できない。
(ちっ。プロか。しかも相当に優秀な奴だ。人数は一人、か?)
上条はさらに移動を続け、白い廃ビルの中に入り、階段を上っていった。
このビルは入り口が一箇所しかないため、相手の出方を伺う絶好の場所である。
ただの観察にすぎないのであれば、通常はビル内には入ってこない。
また、特定の箇所以外から視線を感じることになるなら、
相手は特殊能力者―テレポーターであると判断できる。
いずれにせよ、一番厄介なパターンは、
入り口から相手方が入ってくることである。
一つしかない入り口から、プロの尾行者が侵入する、
このことは、明確な意図=多くの場合は殺意
があることを意味するからである。
上条は、昨日、知人がいたため、相手を刺激しないように行動したが、
今回は、場合によっては、決着をつけるつもりである。
上条は感覚を研ぎ澄ませ、三回の階段付近に身を落ち着けていた。
(入ってきた・・ )
18 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:40:35.54 ID:YE9zFVJQ0
■足音
コツコツと音が聞えてくる。
それはもはや尾行を隠そうとしていないことを表している。
足音から相手は一人ということを再確認し、幾分安堵しつつも身構える。
三年前の上条の戦闘は常に格上の者とであり、
機転と仲間の助力によってなんとか乗り切っていたが、
今の上条にとっては、アックア以外の者を除けば一人で対処してもお釣りがくる。
しかし、油断はしない。今来る者がアックアレベルである可能性も否定できないからだ。
足音が止まり、シルエットが見えたその時、尾行者である男が声を発した。
19 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:42:06.41 ID:YE9zFVJQ0
■10レス目~親友
「久しぶりだなカミやん」
「久しぶりだな土御門。
ところで、俺は男にストーキングされる趣味はないんだけどな。」
一瞬にして安堵に包まれたため、自然と軽口が出る。
「にゃー。俺はカミやんがステキな場所に
積極的にエスコートしてくれてるように感じたぜよ。」
軽口でお返しがくる。二人の関係は相変わらずのようにみえた。
「で、今回の厄介事はなんだ?」
複雑な笑みを浮かべながら尋ねる。
そもそも、こんな迂遠な方法で接触してきたということは、
それなりに理由があるのだろう。
土御門は、無駄なことはしない。
それはかつて一緒にいた親友である上条が一番よく知っている。
「ふっ、しばらく見ない間に随分と察しがよくなったな。
時間がないから、短刀直入に言わせてもらうぜよ。お前は、命を狙われている。」
20 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:42:49.96 ID:YE9zFVJQ0
■11レス目~シナリオ
「なるほど、学園都市内にも戦争を起こした奴がいる、
ってことでいいのか?」
事もなげに答える。上条は、今や多大な影響力を持つ人物であり、
それが故に上条の命を狙う者もいる。その者らの大半の目的は戦争である。
他方金髪グラサンの男は、命を狙われていると言われて顔色一つ変えない
上条の返答に少し驚いたが、続ける。
「そういうことだ。学園都市内で交渉者であるお前が殺さされることは、
学園都市からの開戦の表明になるからな。」
「で、どんな奴らなんだ?」
「簡単に言うと学園都市の暗部の上位組織、
つまり闇の部分を担なってる者達だ。
まあ、かくいう俺もグループという暗部に所属しているわけだが。」
言うと同時に意味深にニヤリと笑う。
21 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:44:48.59 ID:YE9zFVJQ0
■~信頼
「で、お前は、今回は暗部としてではなく、
土御門元春として、動いてるってわけか。」
「カミやん・・。可愛いげのない奴になっちゃったにゃー。
まあ俺としても戦争は避けたいからな。
親友として、一緒に行動してやりたいとこなんだが、
立場上それはできない。こうやって接触できたのもカミやんが、
監視カメラのない廃ビルに誘ってくれたからだ。
俺ができるのは、この忠告だけだ。
じゃあな。気をつけろよ。 」
・・・
「ありがとう。お前も気をつけろよ土御門。」
男は後ろを向いて手を振り去って行った。
上条は土御門という男をよく知っている。
たぶん今回も、上条の知らないところで、上条のために動いていてくれている
のであろう。忠告自体も上条にとって、とても有難いものだった。
漠然と命を狙われる可能性は常に考慮している上条だが、
具体的にその事実を認識できるということは、その後のきわどい場面での
対応が大きく異なる。
(土御門の奴、俺が廃ビルに入ることまで計算して尾行してやがったな。)
「まったく。かなわねぇなアイツには。」
22 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:46:32.89 ID:YE9zFVJQ0
■~再び
廃ビルを出た後、しばらく上条は学園都市の思い出の場所を散策していた。
本当は昨日しようと思っていたところだったのだが、
かつて、茶髪の少女と行った遊園地にまた一緒に行ってみたい
という気持ちに駆られたため、今日改めて散策をしている。
丁度見慣れたファミレスを通りがけた時、
見慣れた顔の茶髪の少女に声を掛けられた。
(今日は確か平日だよなー。なんでコイツ私服なんだ?)
「ちょっと何嫌らしい目で人の事見てんのよ。」
「いいい、いやいや、御坂の私服姿なんて、珍しいなと思ってさ。ハハ」
「ふーん。まあいいわ。アンタ今から暇ある?」
「ん?まあ暇っちゃ暇だけど、」
「そう、じゃあ今から一緒にご飯食べない?」
「俺も腹減ってるから丁度いいな。行こうぜ。」
(コイツ昨日のこと全く気にする素振りないのな。まあその方が俺としてもいいか)
23 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:48:02.11 ID:YE9zFVJQ0
■~違和感
二人は目の前のファミレスに入って食事をとることにした。
たわいのない話をして盛り上がったが、上条はどこか違和感を感じていた。
深い悲しさが瞳の奥に宿っているのは昨日も同じだったが、
昨日の少女には、例の告白の後も迷いの色が見えていた。
あの迷いは一生解決しない、そんな迷いだ。
しかし、今日の少女には、迷いの色はなく、代わりに強い決意の色が見える。
それも、昨日、今日決断したといったものではない。
ずっと前に決めた、決して揺るがない、そういう種類のものだ。
(なんだってんだ?いったい。思いすごしか。)
24 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:49:35.31 ID:YE9zFVJQ0
■~またデート!?
「で、アンタこれから何か予定あるの?」
「予定つーほどでもないけど、ちょっと一人で都市の散策しようかなと。」
「じゃあ私もついてこっかな」
「え?」
「何?嫌なわけ?こんな可愛い子と一緒に歩ける機会めったにないわよ?」
「自分で言うかよ・・」
(正直俺と一緒にいると危ないんだけど、
ここで断ったら変に怪しんで尾行しかねない奴だからなー。
いや待てよ、昨日も一緒にいたわけだし、
暗部とやらも、それは知っているだろう。
それなら、いっそのこと一緒に行動して守ってやった方がいいかもな。)
「アンタなんか変な事考えてる?」
「いやいや、とっても嬉しい限りです美琴様。ぜひ御一緒させて下さい。」
「何よ。変な奴。」
25 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:50:29.08 ID:YE9zFVJQ0
■~デートはおしまい
その後、二人は日が暮れるまで散策した。
そして、上条が最後の目的地である、川原についた時に、ふと少女に声をかけた。
「ところでさ、
お前、誰なんだ?」
「へっ?」
27 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:52:04.03 ID:YE9zFVJQ0
■~疑問
「振舞い、特に歩き方が一般人のそれじゃない。
俺の知ってる御坂は、ちょっと乱暴で、ビリビリすっけど、
普通の女の子だ。」
上条の言う通り、この少女は歩く時に全く音が出ない。
確かに、人が歩く時に出る音というのはそれほど大きいものでなく、
静かに歩く人もいるだろうが、この少女のそれは、全く音がないのである。
そして、上条がその異変に気付いたのは、土御門に尾行されたことと、
忠告のおかげといってもいい。
もちろん、上条自身の洞察力もその一端を担ってはいるのであるが、
短時間で異変をかぎつけられたのは、
プロである土御門に尾行されていた事実によって、
同じような者を選別する機会を与えられたことが大きい。
女の瞳が一瞬どこか寂しげなものに変わった。
上条も気付かないほんの一瞬。
「へー。なるほどねー。御坂ミコト様の新しい一面発見て感じ?」
「そういう意味じゃなく、お前は俺の知ってる御坂とは別人なんだろ?」
「冗談よ。じゃあさ、お願いを聞いてくれたらその疑問解決してあげる。」
「お願い?」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 21:53:10.01 ID:YE9zFVJQ0
■~少女のお願い
「うん。 死んで?」
邪悪な笑顔が表出し、上条は背筋を凍らせた。
少女は右手から何かを弾き、光弾が走った。
人はそれをレールガンと呼ぶ。
しかし、上条は右手をかざしてそれを打ち消している。
「くっ」
(レールガンっ!?まさか、御坂なのか?いや、)
考えがまとまらない内に女の声が聞こえてきた。
「やっぱお願い聞いてくれないのかぁ~。
じゃあ「殺す」しかないわね。」
29 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:54:23.34 ID:YE9zFVJQ0
■~戦闘開始
上条の頭部に左拳の三連打がくる。
それを右手と左手で交互に受け流した後、
右の脇バラに迫る後ろ回し蹴りを、足を上げてカットする。
その瞬間全身に痺れがはしり、わずか一瞬だが、動きが止まる。
それを好機と見たか、続けざまに蹴った足を戻しつつ反動を利用した
前回し蹴りが右の上段にくる。
それを左肘と右手で受けるが、あまりの衝撃に少しよろめく。
少女の技は人を壊すものとして完成されていた。
(早い!しかも、この技のキレと威力、
特にあの回し蹴りは食らったらマズイ。
たぶん一撃で意識を駆られることになる。)
「以外とやるのねー。しかも幻想殺し左手でもできるんだ。
でもその程度なら、私に殺される選択肢しかないみたいね♪」
少女の打撃は電撃でコーティングされている。
その威力は、電撃だけを放つよりも弱いものであるが、
普通の者ならば、一撃で意識を失い、場合によっては死に至るレベルである。
上条は、幻想殺しを持つ性質のためか、異能による力の耐性に強いため、
一つ二つ受けても意識を飛ばすことはない。
だが、何発ももらえば、神経をやられ死に至る可能性も高い。
加えて、打撃自体の威力も非常に高い。
30 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:55:33.07 ID:YE9zFVJQ0
■~反撃
「俺を殺す・・、戦争を起こす目的は何だ?」
ふいに上条が聞く。
「ふふふ。目的なんてないわ。
でも強いて言うなら戦争を起こす自体が目的。そんなとこかな。」
上条は、これ以上話を聞く事は不可能と考え、
動き出すとともに左のフックパンチ、右のストレオート、
左のストレートを連続して放つが、二つガートされ、
最後の一つにカウンターを合わされ、動きが止まる。
(前蹴りが腹に来るっ)
両手でガートし、足を掴もうとするが、足はすでに引かれ、
頭を少し下げた顔面に飛びひざ蹴りがくる。
それも両手でガートしたが、瞬間、両手を握った拳が背中に振り降ろされる。
上条が膝をついたところで、右の回し蹴りが襲ってきた。
これはしっかりガートしたが、威力に押され完全に地面にはいつくばった。
女は手を振りあげて真下に降ろした。
その瞬間凄まじい落雷が落ちるが、上条はうつ伏せから仰向けに反転し、
右手で打ち消す。
(やろう躊躇なく殺しにきやがる)
女にとっては、体術の行使は、正面からでは異能が効かない
上条を殺すための一過程にすぎず、
上条が意識を失った瞬間、異能の力でとどめを刺すつもりであろう。
31 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:56:27.52 ID:YE9zFVJQ0
■~カウンター
上条が体制を整える隙を与えないまま、女は走って
上条の頭をサッカボールキックに似た右の前蹴りを試みる。
(チャンスかっ)
上条は右手で肩上まで受け流し、女の足両足が一瞬浮いたところを
カウンターの拳を入れようとするが、女は体が浮いた刹那、
バスケでいうフェイダウェイシュートさながらの体制から
左足を振り上げ、女の硬い靴のつま先が上条の溝落ちにささる。
この蹴りは、カウンターをとりにいった上条の体重も乗り、
決め手の一打となった。
上条はフラフラと今にも崩れおちそうになっている。
そこにダメ押しの左のハイキックを受けて、完全に意識を失った。
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 21:57:14.87 ID:YE9zFVJQ0
■~トドメ
・・・・・
「まあ、こんなもんか。それじゃあサヨナラとうまくん」
期待ハズレとでもいうような眼差しを向けて
女はポケットからパチンコ玉を取り出し、指ではじく準備をした
凄まじい音とともに閃光が走った。
ただそれは上条に向けられた者ではなく、女に向けられたものだった。
33 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:59:04.87 ID:YE9zFVJQ0
■~命がけ
「ソイツから離なれなさい!!!」
光の発信源に制服を着た茶髪の少女が立って叫んでいた。
「ふふ。おもしろいじゃない。」
「何がおもしろいっての?」
怒りをあらわに叫ぶ。
「100パーセントの確率で勝てないと分かりつつ、
好きな男のために戦いを挑む女。
どっかの漫画みたいな話ね。
確かアンタもレベル5だったっけ?
でもさ、こんな話前に誰かから聞かされなかった?
視力検査と一緒、レベル5までしかないだけで、
同じレベル5でも雲泥の差があるってことを。」
・・・・・・・・
「ふん。フルチューニングっていう名前は大層そうだけど、
性能がいいのはその口だけみたいね。
どうでもいいことをよくしゃべるだけあって、頭は悪そうね。」
制服の少女は不敵に笑う。
しかし、勝てないことは分かっていた。同じ系統の能力者同士、
それもレベル5同士であれば、電撃による攻撃はお互い効かない。
従って、勝負を分けるのは、電磁砲の威力ということになるのだが・・・。
35 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:01:09.53 ID:YE9zFVJQ0
制服の少女は一瞬、倒れている上条を見た。
(例え私がここで死んだとしても、あなたは私が必ず守ります。)
その少女の目に強い決意が宿った。
■~レベル5対5
「挑発してるつもり?ふふふ。おもしろい。
私の目をソッチに向けたくて必死なのね。正直自分と同じ顔の
人間を殺すのは趣味じゃないんだけど、そういうことなら、
死んでもらおうかな。」
電撃の応酬が始まった。制服の少女の電撃は
やはり相手にはまったく効かないようであった。
他方、制服の少女の誤算は、効かないと思っていた相手の電撃
を受けた腕に痺れが走っていることだ。
(これは思っていた以上に力の差がある!?)
女を上条から少し引き離したので、電撃による攻撃をやめ、
砂鉄を剣にして操作して放つ。
しかし、操作したはずの砂鉄の剣は逆に制服の少女に襲い掛かる。
(くっ!)
転がりながらそれをよける、もう一度砂鉄の剣に干渉して、ただの砂鉄に戻す。
相手の女はその間にパチンコ球をポケットから一つとり出し、
弾じいた。閃光が走る。
制服の少女は磁気を操作し、スレスレで回避し、
お返しにコインを放つが、この閃光はあらぬ方向にそれる。
36 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:02:38.52 ID:YE9zFVJQ0
■~実力の差
「ね、分かったでしょ?無理よね。あなたの砲弾は私に当る可能性すらない
けど、私の砲弾は、すぐにあなたを捉えるわよ。力の差って残酷よね。」
女は、もうさっさと終わらせたいといった顔をして、
両手でポケットからとれるだけの球をすくい、とった球全てを上に投げた。
「まさか、まずっ」
そう制服の少女が言い終わる前に光を帯びた無数の砲弾が飛んできた。
逃げ場はない。周りの磁気を操作して回避しようとするが、
威力が強すぎて方向を簡単には変えられない。
37 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:03:23.93 ID:YE9zFVJQ0
■~強がり
「へー以外としぶといわね。」
女は笑っている。
「たいしたことないわね。」
制服の少女も笑いながら返す。
だが、わき腹から大量の血が出ており、その笑みには力がない。
(一発カスっちゃったか。)
「たいしたもんよアンタは」
女はそういって、確実にとどめをさそうと、近づく。
38 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:04:12.23 ID:YE9zFVJQ0
■~目覚め
上条は今朝と同じ夢を見ていた。少年と少女の夢。
そして、少年と少女が別れた後の、その後の少女のとても悲しい夢。
夢の途中、無数の砲弾の音に目が覚める。
だが、今度はその夢をはっきり覚えていた。
「やめろよ。」
「あら、お目醒めのようね。もたもたしすぎたかしら。
コッチかたづけてからいくから待ってなさい」
上条が目を覚ましたのを確認し、
ギリギリのところで意識を保っていた制服の少女の意識は途絶えた。
「やめろって言ってんだろ!!」
怒声を放つが、女は動じない。
39 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:05:50.41 ID:YE9zFVJQ0
「学園都市が、世界が憎いか?」
ピクッと女の動きが止まる。
「正直俺も今じゃあ世界がステキで希望で満ち溢れてるなんて気持ちは
持ち合わせちゃいねぇし、理不尽だと想うことも、死ぬほど辛い思いもして、
憎みたくなるときもあった。そして俺よりもお前は辛い想いをしてきたのも
分かった。お前がそんなふうになっちまうのも仕方ないのかもしれない。でもな、
こんな世界でも価値のあるものは星の数ほどあるんだ。それを理由もなく潰しち
まうってんじゃあよ、奴らとやってことはかわんねぇじゃねーか。
そんなこともわかんなくなっちまったのかよミコトー!!!」
女の表情が険しいものになる。さっきまでのふざけていた表情はもはや微塵もない。
「確かにこの世界は腐ってる部分もあるかもしれねぇ。
でもな、まんざら捨てたもんでもない。もしお前がこの世界は
破壊するためのみにしか価値を見出せない、他に少しの用途のないものだって
考えてるなら、
俺が今からその幻想、ぶち壊す!!!」
女は何も言わずに向かってきた。
40 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:06:58.83 ID:YE9zFVJQ0
■~覚悟の一撃
上条は冷静にこれまでの戦況を分析していた。
(攻撃に対するあの反応速度からして、俺の先制攻撃は当らない。
かといって単純にカウンターをとりにいったら、あのざまだ。
長びいても着実にダメージがたまって負ける。
アイツのフィニッシュブローはあの廻し蹴り、そして、
それに至るまでの一連の攻撃は態勢を崩し蹴りを入れるためのもの。
あえて、それをもらい、
廻し蹴りにカウンターを合わせる機会を作るしかないな。
骨の数本はくれてやる。)
上下のコンビネーションが来る。これを全てもらうと、
相手に狙いがバレる可能性がある。あくまで、自然にもらって、
体制を崩すフリをする必要がある。もっとも演技などしなくても、
受け続ければさばきれずに、体制は崩されてしまうのであるが、
自分でタイミングを作るというのがかんじんなのだ。
41 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:07:50.20 ID:YE9zFVJQ0
上条は左肘で、顔面へのショートフックを受け返し
脇へのフックを右肘で受け、さらに次々とせまる
打撃をさばいていくが、一つの打撃を選んで受け損なう、
バキッっという音ともにアバラが折れ、
折れた骨が肺に刺さり上条の動きが止まる。
(ぐっ!!)
そこに蹴りがくるが、
(これは繋ぎのケリだ。そして次に本名がくる!)
半端に受けて体制を崩す。それをみて女は体を捻る予備動作をする。
(ここだっ!) 併せて上条も体を捻る。
バシッ!!と音がなった。
42 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:09:30.87 ID:YE9zFVJQ0
■~決着
女の右足が上条の顔に届くよりも早く、上条の右足が女の顔を捉えた。
女は崩れ落ち、その場に倒れた。
「はぁ、はぁ、クソお!!」
上条は行き場のない怒りを地面にぶつけたが、
自分を助けてくれた制服の少女の事を思い出し我に帰る。
(アイツは大丈夫か?)
その時パシュッと音が聞え、三人の人影が現れた。
その中に金髪グラサン男がいる事を確認し、安堵したが、
一人の結標と呼ばれる女が、さっきまで戦っていた少女と、
制服の少女をテレポートさせ、最後に自分も消えた。
「待てっ!」
そう言って少しよろめく上条を見て金髪の男が声を発した。
「大丈夫だ、カミやん。くわしい話はこの女が話してくれる。」
「この子は?」
「まあ、それも含めて本人から聞いてくれ。俺はまだやる事があるからまたな。」
そう言って、金髪の男は去って行った。
43 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:10:32.04 ID:YE9zFVJQ0
■~サルベージ
しばらく呆然としていると、女の方から口を開いた。
「始めまして上条当麻。私は、メンタルアウトと呼ばれています。」
「メンタルアウト・・、かつての学園都市三位の能力者の通称か。」
「はい。あなたは、一部、御琴の事情を知ったみたいですね、」
「ああ、ミコトの蹴りがきっかけでな。そうか、お前心が読めるのか・・」
以下は、上条が見たものと、メンタルアウトの説明を合わせたものだ。
44 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:12:21.27 ID:YE9zFVJQ0
半分位落としたんですけど、
規制にひっかかっちゃたんで、少し
休憩します。
見てくれてる人ありがとうございます。
今日中に全部投下します。
55 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:06:52.26 ID:y1jhqdHl0
■少年と少女の出会い
上条は、ハイキックをもらって倒れた後、とある少女とある小さな少年の
夢を見ていた。
少年は、不幸を引き寄せる体質のせいで、両親を除く周りの者から
忌み嫌われていた。そんな少年が屈折しなかったのも一重に両親の
愛情があったからではあるが、それでも小さな少年にとって
その現実は耐え難いものであり、日に日に少年の心は蝕まれていった。
そんなある日のとある公園で少年は一人の少女に出会った。
少女は自販機でジュースを買おうとしているのだが、
背が低くてジャンプしてもコインを入れられないようだ。
見かねてその少女より少し背の高い少年が代わりにジュースを買ってやると
少女はとても可愛い笑顔でお礼を言った。
その後も、度々その公園で二人は偶然会うようになり仲良くなった
56 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:08:33.84 ID:y1jhqdHl0
■~とある日の少年の告白
「ぼくさ、不幸体質なんだって。
そのせいでいろんな人に迷惑かけちゃうんだ。
だからミコトちゃんもぼくに近づかない方がいいよ」
少年は本心からその言葉を口にした。自分のせいで人が傷つく
のは見たくない。それが、この笑顔の眩しい少女ならなおさらだ。
「不幸体質?て事は他の人の不幸をとうま君が肩代わりしてるんだ。
とうま君て、とっても強いんだね。それにすごく優しい。」
「優しい?僕が?」
「うん。お父さんが言ってたけど、辛い経験をしたことある人だけが
本当の優しさを持ってるんだって。それに、
自分が不幸なのに、私の事心配するなんて優しいよ。
あたしは、そういうとうま君が好きだな。
そうだ!あたしが、とうま君のこと幸せにしてあげる。」
「え、あ、ありがとうミコトちゃん。
じゃあ、僕はミコトちゃんの事を何があっても守るよ!」
「じゃあ約束ね」
少女は指きりげんま~と言って、笑顔で少年の小指に自分の小指を絡ませた。
57 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:10:17.38 ID:y1jhqdHl0
少女の言葉を聞いて、少年はなぜか泣いていた。
なぜ泣いたのかは、幼い少年にとって理解できないものだった。
ただ、この日から少年は大きく変わっていく。
上条当麻の芯の部分は、たぶんこの時形成されたのだろう。
少年時代の何気ない出来事が、その後の基盤を形成することは
とりたてて珍しい話ではない。
その後、少女は学園都市に行ったたようだ。
58 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:12:17.01 ID:y1jhqdHl0
■運命の歯車
御琴と呼ばれる少女は、努力を積み重ねて中学一年にして
レベル5まで上りつめていた。何もかもが順調かのように見えた
が、転機はすぐに訪れた。御琴に暗部組織への召集が来たのだ。
学園都市としては、巨大な力を持つ能力者には枷をしておきたい。
御琴への枷は暗部として活動させることだった。
当然御琴は断ったが、その軽率な返答をすぐに後悔した。
いや後悔という生易しい言葉ではすまないかもしれない。
御琴の寮の部屋に、箱につめられ、バラバラに刻まれた叔父が送られてきた。
「お前が断ったり、自殺を図れば、お前の両親も同じ目に。」
との警告文も箱と一緒に送られてきていた。
御琴は復讐を誓いつつ暗部組織に入った。他に選択肢はなかった。
組織の名前はカテゴリー。その組織の中には、
御琴の同じ中学で親友であるメンタルアウトと呼ばれる少女もいた。
御琴は、カテゴリーに回ってきた仕事を率先してこなした。
親友である少女の手を汚さぬように、自分以外がなるべく汚れないように。
メンタルアウトはこんなときでも人を思いやれる、御琴の優しさに
心を打たれ、御琴のためならば何でもやるという決意をした。
59 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:13:39.26 ID:y1jhqdHl0
■もう一人のミコト
ある日、御琴は仕事で、アマイアオという研究者の抹殺依頼を受けた。
目標の研究所に入ると、自分とそっくりの少女が
培養液に入っているのを目にする。
「シスターズ、か。」
御琴は暗部にいるため、当然にシスターズの計画を知っていたが、
どうやら、アマイという男は一人で、独自の研究をしているようであり、
そのために抹殺命令が出たようだ。
アマイは研究所にはおらず、クローンの処置については、何も言われていない。
とりあえず培養液の中から少女を出す。
すると、目を覚ましたクローンが、
「え??わたし??なんで?どういうこと」としゃべりだし、
パニック状態になって、能力を暴走させた。
(どういうこと?シスターズの能力は、報告によればレベル
2~3のハズ。この力は私と同等じゃない!?
しかも、この子感情がある?)
このままにはしておけないので、御琴は、女の首筋を叩いて気絶させ、
メンタルアウトに現場にきてもらい、女を調べてもらう。
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 00:17:00.86 ID:y1jhqdHl0
■~フルチューニング
「このクローンは暗部に入る直前までの御琴の記憶を受け継いでいるみたい。」
「なるほどね。能力は遺伝のみならず、経験にも左右される。
同一の遺伝子体に、私の記憶も移植すれば、レベル5が作れる
と考えたわけね。確かに、理にかなってるわ。」
「自我を持つレベル5が量産されたら、学園都市の存続にかかわる。
だから抹殺計画が出されたのかもしれないね。」
しばらく御琴が黙っているので、メンタルアウトは聞いた。
「どうするつもり?」
少しの間の後、御琴は答えた。
「この子には普通の生活を、私のできなかったことを、
して欲しいと思うの。迷惑かもしれないけど、協力してもらえないかな?」
「当り前にOKよ。私は御琴のためなら何だってするわよ。」
「ありがとう。」
61 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:18:22.60 ID:y1jhqdHl0
「で、私は何をすればいいのかな?」
「とりあえず、私と全く一緒の名前っていうのも、アレだから、
この子の記憶にある自分の名前を美琴に変換して、
私の暗部に入った後の空白の記憶を、ごく辺りさわりない記憶で
埋めて欲しい。あとは、学校で、たまにこの子の顔見て
異変がないか観察してくれればいいよ。」
「学校って?私達辞めたことになってるけど」
「それも込みで操作して欲しいかな。
もちろんアンタは毎日学校通ようこと。
こっちにはもうあまり顔を出さなくていいから。大丈夫、
上の方にはあたしからいっとく。
今までしっかり仕事こなしてきたから、信頼は得ているハズだし。」
「でも・・」
「アンタにしか頼めないことなの。お願い!!」
「分かったわ・・。任せちゃいなさい!」
今回の件に関しては、自分に仕事を与えたという名目で、
メンタルアウトを事実上、暗部から脱退されることも目的の一つであろう。
御琴は一度言った事を撤回することはめったにない。
メンタルアウトは、これ以上言っても仕方ないことが分かっているだけに、
とりあえずは御琴の好意を素直に受け取ることにした。
62 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:20:29.34 ID:y1jhqdHl0
■上条と美琴
美琴を振り切った上条は、ベンチに座ってため息をつき、
続けて嬉しそうに独り言を言った。
「あんのビリビリ中学生。会うたびに勝負勝負いいやがって。
だいたいあれで常盤台なんて詐欺だろー。
どこがお嬢様なんだっーの。
ん?そー言えばあいつミサカミコトって言ってたな。ミコト・・。
まさかな?でもまあミコトちゃんならあれ位のオテンバ娘に
なってても不思議じゃないかハハ。
折りを見てちょっと聞いてみるか・・」
上条は御琴の事を覚えていた。ずっと昔の記憶であっても、
自分が変わるきっかけとなった思い出は忘れないものだ。
一方美琴の方は、御琴の記憶を受け継いでいるはずなのだが、
気付いていなかった。
そして、上条は美琴がいつもビリビリしてくるため、
話す機会がないうちに上条は記憶を失ってしまった。
63 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:26:24.22 ID:y1jhqdHl0
■~御琴の感謝
とある日、美琴は、シスターズの実験を止めるため、死ぬ事を決意した。
そして、その事はメンタルアウトを通して、御琴にも伝わっていた。
御琴は、シスターズが大量に生産され、
殺されている事実については黙認していた。
もちろん、枷がないなら今すぐにでも止めたい
と思っていたのは確かだが、御琴にとっては、
両親の命がまず第一であり、下手に動くと制裁がある。
シスターズとは直接接触がないこと、
また、シスターズは感情がない人形という情報から、
感情移入することを抑えていたため、
なんとか踏み留まることができていた。
しかし、美琴が殺されるとなれば、別である。
御琴にとって美琴は、娘のような、妹のような、それでいて自分自身のような、
言葉では表現しつくせない関係であり、とても大切な希望なのである。
65 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:30:31.16 ID:y1jhqdHl0
例え向こうが自分の事を知らなくとも。
実のところ暗部で凄まじく経験を積んだこともあり、
御琴の能力はこの時既にアクセラレータを上回っていた。
最悪アクセラレータを殺し、学園都市から脱出し、
両親を逃がすことを画策する。
ただ、御琴は発展した科学の前では、世界中どこにも逃げ場は
ない事もよく知っている。
「ごめんね、お父さん、お母さん。
迷惑かけちゃうかもしれないけど、絶対守るから許して」
そう呟いて、アクセラレータの下に向かおうとしたところ、
とある橋の上で落雷が落ちるのを見た。
66 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:31:31.79 ID:y1jhqdHl0
「なんで、あんなところで、美琴の能力が?」
不審に思い御琴は走り出した。そこで見たものは、
美琴と美琴を止めるために立っていた上条当麻であった。
「とうまくん!?」
御琴は、上条当麻の事を覚えていた。御琴にとっては、
上条当麻が御琴から影響を受けたのと同じくらい大きな影響を
上条当麻から受けている。
御琴にとって上条は、他の人にはない強さを持っていて、
それでいてとても優しい、自分の指針となった人物だった。
御琴は、その後も観察を続け、上条当麻がアクセラレータを倒したのを
見届けた後、静かに泣いた。そして、誰にも聞えない声で呟いた。
「約束、守ってくれたね。ありがとうとうま君。」
68 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:39:08.96 ID:y1jhqdHl0
■~計画
御琴は、仕事をこなすうちに、暗部におけるそれなりの地位と人望を獲得していた。
そんな御琴を上層部の連中は危険視していた。
もともと、御琴が暗部に入った経緯が経緯だけに、
いつ反旗を翻してもおかしくないからだ。
それに御琴自身の能力も学園都市の中で、
太刀打ちできるものがいないほどになっていた。
アイレスターにとっても、御琴は、「プランの進行を阻む強い不確定因子」、
として認識されるようになった。
最初のうちは、死の可能性が高い仕事を任命して、
仕事のミスという名目で死んでもらう事を狙っていたが、
御琴は仕事を必ずやり遂げ生還してくる。
業を煮やした上層部は、御琴の殺害計画を立てた。
強力なAIMジャマーの射程距離に御琴をおびきよせ、
能力を封じた上で射殺するというものだ。
計画は実行された。
70 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:45:40.09 ID:y1jhqdHl0
■~死の間際での・・
御琴は、死ぬ間際においても、抵抗はしなかった。
やっとこの運命から解放される、そんな思いがあったのかもしれない。
ただ、ある言葉を聞くまでは。
「抵抗しないみたいだな。安心しろよ。すぐに両親の元に送ってやる」
「!?両親には手を出さないって約束だったじゃない!!」
「元々、お前の両親は学園都市にとって邪魔だったんだよ。
人質としての価値もなくなった今、殺さない方がおかしいだろ?」
71 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:46:43.30 ID:y1jhqdHl0
下卑た男が発言し終わるや否や、御琴の能力が発動した。
「な!?能力は使えないはずじゃ?」
複数のAIMジャマーの装置はボンっという音をそれぞれ立てて破壊された。
「そんなもの私に効くと思っていたのか。許さない。
ここにいるお前らも、上層部のクソどもも。
そして、私をこんな目に合わせた世界も。
こんなクソみたいな世界はもういらない。全て壊す。」
「ひぃ!」
御琴は世界を恨み、神を恨んだ。かつての御琴は、もういない。
辺りは光につつまれ、一瞬でそこにいた男達は原型がなくなった。
これは上条がロシアに渡ったすぐ後の話である。
73 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:47:42.20 ID:y1jhqdHl0
■~プランの変更
その後、御琴は、数年かけて、アイレスターを殺し
上層部の人間を一人残らず全て殺した。
今、学園都市の暗部は御琴によって動かされている。
その目的は、学園都市を含め世界を破壊しつくすこと、である。
75 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:59:23.49 ID:y1jhqdHl0
■ メンタルアウトの願い
一通り話終えた後、しばらくの沈黙の後、メンタルアウトは再び口を開いた。
「私は、御琴が悪いとは到底思えません。
人の心には、許容量というものがあります。
そして、それは皆が思っているよりも遥かに小さい。
私はこの能力の性質上、誰よりもそれは分かっています。
御琴は、普通の人間ならば、簡単に心が壊れる出来事に
常にさらされてきました。それでもなお、
他人を気遣うことにスペースを割きつつも、
前に進もうとしてきた。
そんな御琴に対して待っていたのがあの仕打ちです。
私にとっては、そんな世界の方が許しがたかった。
だから私も協力しました 」
76 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:00:23.43 ID:y1jhqdHl0
あなたの話をするときは、いつ御琴は楽しそうでした。
そして、今日、つかの間ですが、あなたと一緒にいた
ことが、御琴にとって変化をもたらしたのかもしれません
御琴はあなたにとめてほしかったのだと
思います。もともとあなたの抹殺計画に
御琴が直接関与することはない予定でした。
また、こんな迂遠な方法をとらなければ
御琴があなたを殺すことはたやすかったはずです。
御琴ほどの高位能力者は、防衛本能によって能力が発動するため
自殺をすることができません。
しかし、御琴が生きていくのは辛い事だと思います。
だから、私は、暗部に入ってからの御琴の記憶を消そうと思います。
そして、あなたにはあの子の傍にいてやって欲しいんです。
無茶な事と承知してますが、お願いします。」
78 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:01:14.11 ID:y1jhqdHl0
「傍にいるのが俺なんかで、いいのか?」
「きっと、あなたじゃないとダメだと思います」
「分かったよ。約束してたしな。
まあすでに破っちゃってるかもしんないけど、
今度は何があっても俺がミコトちゃんを守るよ。」
「ありがとう。そしてお願いします。」
「いや、お礼をいうのはたぶん俺の方だ。ありがとな。」
全ての話を聞き終えた上条は
戦闘のダメージから、地面に倒れた。
80 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:02:47.76 ID:y1jhqdHl0
■ 最後のやりとり
目を覚ますと上条は病院のベットにいた。
どうやら昔よくお世話になった蛙顔のいる病院のようだ。
「やっーと目―覚ましたわね。」
「ああ、御坂かー。ってお前、怪我はいいんかよ?」
「あーあの程度のこと美琴様にとっては、カに刺されたもんよー」
「・・・。」
上条は少女の脇腹をツンツンついてみる
「いっ。何すんのよこの馬鹿!!」
「わー!御坂さん、病室でビリビリはまずいですって!」
「セクハラしてんじゃないわよまったくー。」
81 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:04:09.02 ID:y1jhqdHl0
「御坂、マジでありがとな。本当に感謝してる。」
「な、な、何よあらたまって。いいってことよ。
ま、まあ、アンタが困った時はいつでもこの美琴様が助けてあげるんだから、
今の内にたくさん感謝しときなさい!」
「なんだそりゃー」
上条は笑っている。少女も笑っている。
少女が病室から出て行ったのを確認して、上条は呟いた。
・・・
「本当にありがとな、御坂妹」
82 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:07:12.58 ID:y1jhqdHl0
■~決断
上条は、遊園地に行った時、少女のカバンの中に、
御坂妹にあげたハズのネックレスが入っているのを見ていた。
さらに、少女の告白に違和感を覚えていたのだ。
(まるで、誰かの気持ちを代弁しているような風だった。
仮に美琴なら、思いを伝えるならば、納得いく説明まで求めたはずだ。
途中で言葉をさえぎることはしない。)
83 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:08:13.86 ID:y1jhqdHl0
美琴は、先の戦争で御坂妹をかばって死んでいた。
御坂妹は、生まれて初めて泣いた。
皮肉なことに美琴の死によって、
御坂妹の感情はより人間らしいものになっていった。
御坂妹はかつて、美琴が自分を守ってくれたように、
自分も誰かを守れるように、強くなろうと決めた。
そして、レベル5にまでなったのだ。
84 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:09:25.26 ID:y1jhqdHl0
御坂妹の瞳に写った迷い。あれは、美琴を演じるべきかどうか
ということから生じたものだ。。
かえって上条を傷つける結果になることもあるかももしれない。
しかし、やはり上条に、悲しい思いをさせたくはなかった。
かつて自分を救ってくれた、美琴と同じ位大切な人に。
御坂妹はその一心で美琴を演じた。
上条がかつて記憶があるかのごとく演じたように。
そして、あの告白は、美琴が、ロシアに渡った後に自分にもらした事を、
伝えたものだった。
なぜそんなことをしたのかは分からなかったが、
そうするべきだと、御坂妹は思ったのだ。
「ふふ、お姉様って本当に素直じゃなかったんですね。」
御坂妹はそう一人事を呟いて、笑った。
もう美琴の真似事をすることはないだろう、そんな予感がした。
今日も空は青い。人の事情などお構いなしといわんばかりに。
FINE
104 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:40:22.32 ID:y1jhqdHl0
最後まで見て頂いた方、本当にありがとうございます。
ちょっとわかりにくいとこあったかもしれませんね。
遊園地に行った子、助けにきた子、病院 =御坂妹
ファミレスいった後、おそってきたのが =御琴
で、 美琴=フルチューニング なんですど、
御坂妹は、美琴がオリジナルだと思っていたので、
御琴の事をフルチューニングと勘違いしているということです。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 01:11:42.28 ID:OGX29FRf0
本物のミコトは生きてるの?補足よろしく
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 01:11:42.28 ID:OGX29FRf0
本物のミコトは生きてるの?補足よろしく
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/27(土) 01:28:10.18 ID:42U28fiD0
>>89
木山先生のときみたく御琴の記憶が電気でかみやんに~
106 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:49:22.06 ID:y1jhqdHl0
>>86
美琴は死んでる設定にしました。
記憶の件は
>>94さんのいうように
電気蹴り→木山先生の逆バージョンみたいな感じですね。
なので、御琴の後の事情も多少知ったかんじになってます。
109 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:54:40.41 ID:y1jhqdHl0
>>105
たぶんかけません笑すいません。
もしよかったら、誰か書いて頂けるとうれしいです。
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 01:52:01.06 ID:OGX29FRf0
戦士したのはフルチューニングなの?
110 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:56:13.09 ID:y1jhqdHl0
>>107
そういうことですね^^
美琴=フルチューニング=戦死です。
わかりにくくてごめんさない。
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 01:59:41.23 ID:X0cXkXuZ0
>>110
うむ、気にするな。
で、確認なんだけど
御琴:オリジナル → 生きてるけど記憶なくすことに
美琴:フルチューニング → 戦死
御坂妹:シスターズ → 美琴の死後、美琴になりきる
ってことでおk?
113 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 02:00:38.78 ID:y1jhqdHl0
SS初めて書いたんですけど、人に伝えるのってけっこう
難しいってことを痛感しました。
けっこう独りよがりなとこもありますので、こうした方がよいとか
意見あったらお願いします。
正直、一レスに書く長さとかよく分からなかったです。
114 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 02:04:16.35 ID:y1jhqdHl0
>>111
それでOKです!
116 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 02:09:16.06 ID:y1jhqdHl0
>>112
三年後にいるのは、
御琴と御坂妹だけで
美琴は回想でしか出てこない、すでに死んでる感じです。
たぶんカタカナでミコト使ってる場面あったせいで分かりにくいですね。
上条が子供の頃だったので、漢字までは分からなかった
っていう設定で、かたかなの「ミコト」っていう表記をしました。
118 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 02:11:41.01 ID:y1jhqdHl0
>>115
たぶん>>111さんが言ってる
御琴:オリジナル → 生きてるけど記憶なくすことに
美琴:フルチューニング → 戦死
御坂妹:シスターズ → 美琴の死後、美琴になりきる
記憶なくすっていうのは、御琴=オリジナルが今後メンタルアウトに
記憶消されることになるだろうという意味だと思います。
美琴=フルチューニングの方は、組織に入る前の記憶はあります。
120 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 02:15:05.62 ID:y1jhqdHl0
>>117
よろしくお願いします!!
正直僕は、ここまでが限界だったので、書いてくれるなら
すごくうれしいです!!
122 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 02:18:30.31 ID:y1jhqdHl0
>>119
一応、御琴も、メンタルアウトも、美琴の死は把握しているという設定で
書きましたが、その辺は文章にしてないので、どっちでも
いいかなーと思います。
124 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 02:43:09.82 ID:y1jhqdHl0
>>121
確かにそうですね。すいません><
>>119
一応、御琴は美琴が死んでること、戦った相手は御坂妹ということ
を把握している設定だったので、メンタルアウトも知っている感じ
のがいいかもです笑 すいません
>>123
いえいえよろしくお願いします。
結局規制とけなくて、満喫で書いちゃったんですけど、
もしまた機会あれば皆様よろしくお願いします。
どうもありがとうございました!!帰宅します笑
■~物語の序章
とある男は久しぶりに訪れた街の空気に触れ、
ふと懐かしさがこみ上げてくるのを感じていた。
「まあ少しぐらいは思い出に浸ってもいいよな。」
そう呟いて歩みを止めた。
今日は空がとても青い。
神父の服装は、学園都市においてとても珍しいのであるが、
人々はとりたててそのツンツン頭の男に気をとめない
5 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:18:15.96 ID:YE9zFVJQ0
上条当麻が学園都市を去ってから3年が経っていた。
上条がロシアに渡った数カ月後、戦争が起きた。
そして、その戦争でインデックスという一人の少女が命を落とした。
上条は一人の少女を守れなかったこと、
大切な人を失ったことに深い絶望を感じた。
しかし、それと同時にある使命感を持つようになった。
それは、戦争をやめさせることである。
少女が死んだ後、上条は停戦に向けて活動を始めた。
一人の少年が戦争をやめさせる=それはとても無謀な事であったし、
実際にも大変な困難が立ちはだかった。
それでも上条は決して諦めることなくボロボロになりながらも行動を続けた。
その姿勢は多くの人々を惹きつけ、幾人かの助力もあって戦争は終わった。
今、上条は、二度と戦争が起きないように、各勢力の仲介者という
役割を果たしており、3年ぶりに学園都市にきたのも
宗教側と科学側の交渉の仲介者として選ばれたからである。
6 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:20:29.87 ID:YE9zFVJQ0
■~再会
とある自販機の前で、懐かしいツンツン頭を発見した少女は、
背後からその男に近づいて、ケリを入れた。
「痛ってーいきなりなんなんだ!?」
上条が振り返ると、紺の制服をきた綺麗な肩まである
茶色い髪の少女が上条を見て睨んでいた。
「御坂・・」
「アンタっ!!!今までいったいどこに行ってたの!!!
連絡一つよこさないで!心配したんだから!!」
「悪いな御坂・・・ほんとにごめん」
「まぁいいわ。とりあえず、謝る前に言うことあるでしょ?」
上条は少しだけ考えたが、自然と口から言葉が出てきた。
「ただいま御坂」
「おかえり」
茶髪の少女は、優しさと悲しみ、そして迷いが混在する、
そんな不思議な目をしていたが、すぐにとても美しい笑顔に変わった。
8 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:25:06.76 ID:YE9zFVJQ0
■~やりとり
「そー言えばお前今日暇か?もし暇だったならちょっと付き合ってくれないか?」
「は?いきなり何よ。もしかして、やっと私の魅力に気付いちゃったわけ?
残念だけどちょろっと遅かったわね」
そう言いながら少女は悪戯っぽく笑った。
「そっかーそれなら仕方ないな。」
言った瞬間電撃の槍が飛びすぐさま上条は右手で打ち消す。
「おわっ! お前、ちっとも変わってないなー
なんでいきなりビリビリすんだよ!」
「なんでアンタはそんなに簡単に引き下がるのよ!」
「はぁ?」
「まったく。あいにくだけど今日はとっーても暇だから、
アンタに付き合ってあげるわよ。そんでどこ行くの?」
上条はよくわからないといった様子だったが、昔と変わらぬ少女に安堵した。
「うーんそうだなー遊園地とかどうだ?」
「へーアンタから遊園地のお誘いねー、いいわ行きましょう」
言うや否や少女は少年の腕を引っ張って目的地に向かって歩きだした。
9 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:27:05.45 ID:YE9zFVJQ0
■~楽しい時間
上条はその日とても楽しんだ。
一緒にいた少女のおかげでいっぱい笑いいっぱい叫んだ。
ただ、楽しい時間はあっという間に過ぎる。気が付けば日が暮れていた。
「御坂ありがとう。久しぶりにこんなに笑ったよ」
「どういたしまして、っていうか私もすごく楽しかったわよ」
そういって満面の笑顔で少女は答えた。
「ちょっと飲み物買ってくるからそこで待ってなさい。」
少女はすぐ近くのベンチにカバンを置いてその場を離れた。
「やれやれ相変わらずだな」
そう呟いた上条が、ベンチに腰を降ろして何の気なしに、カバンの方を
見ると、中身が目に入ってしまった。
「何でアイツがこれを?」
10 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:29:50.28 ID:YE9zFVJQ0
■~告白
少女が買ってきた飲み物を飲んで二人は遊園地を出て移動した。
とある橋の上で、少女は足を止めた。
「どうした御坂?」
少女はしばらく沈黙した後、口を開いた。
「私、アンタのことがずっと好きだった。
だけど、関係が壊れるのが怖くてずっと言えなかった。
でも、アンタがいなくなって伝えなかったことを死ぬほど後悔したの。
だから、決めてた。
もしアンタに会えたらちゃんと想いを伝えようって。
私はアンタのことが死ぬほど好きだった。」
12 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:31:46.62 ID:YE9zFVJQ0
「御坂・・。
ありがとう。本当に嬉しいよ。
俺は、お前と会えなくなって、お前の存在の大きさに気付いた。
でも、」
「その先は言わないで。
あんたがここにずっといるわけじゃないことは知ってる。
でもありがとう。すごく嬉しい。
まだしばらくはいるんでしょ?また遊びに連れてってね!
それじゃあ。 」
少女は儚げでいて優しさの満ちた笑顔を残して、その場を走り去った。
13 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:33:43.17 ID:YE9zFVJQ0
■~考え事
ホテルに戻った後、上条は考え事をしていた。
今日の不審な出来事と、今日の少女について。
(今日一日誰からに尾行されていた?勘違いならいいんだが、
たぶん勘違いではない。それよりも、気になるのは御坂の方だ。
アイツ・・。)
上条当麻は、インデックスが亡くなった事をきっかけに、
理想を持ちそれを実現するためには、それに相応しい力と覚悟が必要
だという事を実感した。そして、それを知った時から、必要な能力
を手に入れるために努力を惜しまなかった。その結果として、
今の上条には飛びぬけた体術をはじめ、優れた状況把握能力、判断力、
洞察力、が備わっていた。
(とりあえず、むやみに知人に会わない方がいいかもな。)
そんなことを考えながら、少年は少しずつ意識を落としていった。
15 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:35:34.70 ID:YE9zFVJQ0
■7レス目~夢
「とーまくん あたし 」
「 ちゃん ぼく 」
上条は、不思議な夢を見た。小さな少年と小さな少女の夢。
とても懐かしいかんじがする夢。
でも、思い出そうとしても思いだせない。夢とはそういうものだろう
16 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:37:04.21 ID:YE9zFVJQ0
■~目覚め
夢の余韻から完全に抜け出せないまま上条は、目を覚ますために
ホテルを出て歩くことにした。しかし、すぐに意識は覚醒した。
視線を感じたのだ。しかも、たまたま見ているというものではなく、
「観察」をしているといったものだ。
(ふー、またか。とりあえず、ここは様子を伺ってみるか。)
三年前の上条なら慌てていたかもしれない。
いやそれ以前に尾行に気付かなかっただろう。この変化が彼の過ごした
3年間がどれほど壮絶なものであったかを物語っている。
17 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:38:55.18 ID:YE9zFVJQ0
■~プロの追跡者
上条は、移動を続けた。ランダムに見えるようで規則制のある移動。
それによって尾行者の人数と位置の把握に努めた。
しかし、尾行者もただものではないらしく、
なかなか相手の特徴を特定できない。
(ちっ。プロか。しかも相当に優秀な奴だ。人数は一人、か?)
上条はさらに移動を続け、白い廃ビルの中に入り、階段を上っていった。
このビルは入り口が一箇所しかないため、相手の出方を伺う絶好の場所である。
ただの観察にすぎないのであれば、通常はビル内には入ってこない。
また、特定の箇所以外から視線を感じることになるなら、
相手は特殊能力者―テレポーターであると判断できる。
いずれにせよ、一番厄介なパターンは、
入り口から相手方が入ってくることである。
一つしかない入り口から、プロの尾行者が侵入する、
このことは、明確な意図=多くの場合は殺意
があることを意味するからである。
上条は、昨日、知人がいたため、相手を刺激しないように行動したが、
今回は、場合によっては、決着をつけるつもりである。
上条は感覚を研ぎ澄ませ、三回の階段付近に身を落ち着けていた。
(入ってきた・・ )
18 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:40:35.54 ID:YE9zFVJQ0
■足音
コツコツと音が聞えてくる。
それはもはや尾行を隠そうとしていないことを表している。
足音から相手は一人ということを再確認し、幾分安堵しつつも身構える。
三年前の上条の戦闘は常に格上の者とであり、
機転と仲間の助力によってなんとか乗り切っていたが、
今の上条にとっては、アックア以外の者を除けば一人で対処してもお釣りがくる。
しかし、油断はしない。今来る者がアックアレベルである可能性も否定できないからだ。
足音が止まり、シルエットが見えたその時、尾行者である男が声を発した。
19 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:42:06.41 ID:YE9zFVJQ0
■10レス目~親友
「久しぶりだなカミやん」
「久しぶりだな土御門。
ところで、俺は男にストーキングされる趣味はないんだけどな。」
一瞬にして安堵に包まれたため、自然と軽口が出る。
「にゃー。俺はカミやんがステキな場所に
積極的にエスコートしてくれてるように感じたぜよ。」
軽口でお返しがくる。二人の関係は相変わらずのようにみえた。
「で、今回の厄介事はなんだ?」
複雑な笑みを浮かべながら尋ねる。
そもそも、こんな迂遠な方法で接触してきたということは、
それなりに理由があるのだろう。
土御門は、無駄なことはしない。
それはかつて一緒にいた親友である上条が一番よく知っている。
「ふっ、しばらく見ない間に随分と察しがよくなったな。
時間がないから、短刀直入に言わせてもらうぜよ。お前は、命を狙われている。」
20 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:42:49.96 ID:YE9zFVJQ0
■11レス目~シナリオ
「なるほど、学園都市内にも戦争を起こした奴がいる、
ってことでいいのか?」
事もなげに答える。上条は、今や多大な影響力を持つ人物であり、
それが故に上条の命を狙う者もいる。その者らの大半の目的は戦争である。
他方金髪グラサンの男は、命を狙われていると言われて顔色一つ変えない
上条の返答に少し驚いたが、続ける。
「そういうことだ。学園都市内で交渉者であるお前が殺さされることは、
学園都市からの開戦の表明になるからな。」
「で、どんな奴らなんだ?」
「簡単に言うと学園都市の暗部の上位組織、
つまり闇の部分を担なってる者達だ。
まあ、かくいう俺もグループという暗部に所属しているわけだが。」
言うと同時に意味深にニヤリと笑う。
21 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:44:48.59 ID:YE9zFVJQ0
■~信頼
「で、お前は、今回は暗部としてではなく、
土御門元春として、動いてるってわけか。」
「カミやん・・。可愛いげのない奴になっちゃったにゃー。
まあ俺としても戦争は避けたいからな。
親友として、一緒に行動してやりたいとこなんだが、
立場上それはできない。こうやって接触できたのもカミやんが、
監視カメラのない廃ビルに誘ってくれたからだ。
俺ができるのは、この忠告だけだ。
じゃあな。気をつけろよ。 」
・・・
「ありがとう。お前も気をつけろよ土御門。」
男は後ろを向いて手を振り去って行った。
上条は土御門という男をよく知っている。
たぶん今回も、上条の知らないところで、上条のために動いていてくれている
のであろう。忠告自体も上条にとって、とても有難いものだった。
漠然と命を狙われる可能性は常に考慮している上条だが、
具体的にその事実を認識できるということは、その後のきわどい場面での
対応が大きく異なる。
(土御門の奴、俺が廃ビルに入ることまで計算して尾行してやがったな。)
「まったく。かなわねぇなアイツには。」
22 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:46:32.89 ID:YE9zFVJQ0
■~再び
廃ビルを出た後、しばらく上条は学園都市の思い出の場所を散策していた。
本当は昨日しようと思っていたところだったのだが、
かつて、茶髪の少女と行った遊園地にまた一緒に行ってみたい
という気持ちに駆られたため、今日改めて散策をしている。
丁度見慣れたファミレスを通りがけた時、
見慣れた顔の茶髪の少女に声を掛けられた。
(今日は確か平日だよなー。なんでコイツ私服なんだ?)
「ちょっと何嫌らしい目で人の事見てんのよ。」
「いいい、いやいや、御坂の私服姿なんて、珍しいなと思ってさ。ハハ」
「ふーん。まあいいわ。アンタ今から暇ある?」
「ん?まあ暇っちゃ暇だけど、」
「そう、じゃあ今から一緒にご飯食べない?」
「俺も腹減ってるから丁度いいな。行こうぜ。」
(コイツ昨日のこと全く気にする素振りないのな。まあその方が俺としてもいいか)
23 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:48:02.11 ID:YE9zFVJQ0
■~違和感
二人は目の前のファミレスに入って食事をとることにした。
たわいのない話をして盛り上がったが、上条はどこか違和感を感じていた。
深い悲しさが瞳の奥に宿っているのは昨日も同じだったが、
昨日の少女には、例の告白の後も迷いの色が見えていた。
あの迷いは一生解決しない、そんな迷いだ。
しかし、今日の少女には、迷いの色はなく、代わりに強い決意の色が見える。
それも、昨日、今日決断したといったものではない。
ずっと前に決めた、決して揺るがない、そういう種類のものだ。
(なんだってんだ?いったい。思いすごしか。)
24 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:49:35.31 ID:YE9zFVJQ0
■~またデート!?
「で、アンタこれから何か予定あるの?」
「予定つーほどでもないけど、ちょっと一人で都市の散策しようかなと。」
「じゃあ私もついてこっかな」
「え?」
「何?嫌なわけ?こんな可愛い子と一緒に歩ける機会めったにないわよ?」
「自分で言うかよ・・」
(正直俺と一緒にいると危ないんだけど、
ここで断ったら変に怪しんで尾行しかねない奴だからなー。
いや待てよ、昨日も一緒にいたわけだし、
暗部とやらも、それは知っているだろう。
それなら、いっそのこと一緒に行動して守ってやった方がいいかもな。)
「アンタなんか変な事考えてる?」
「いやいや、とっても嬉しい限りです美琴様。ぜひ御一緒させて下さい。」
「何よ。変な奴。」
25 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:50:29.08 ID:YE9zFVJQ0
■~デートはおしまい
その後、二人は日が暮れるまで散策した。
そして、上条が最後の目的地である、川原についた時に、ふと少女に声をかけた。
「ところでさ、
お前、誰なんだ?」
「へっ?」
27 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:52:04.03 ID:YE9zFVJQ0
■~疑問
「振舞い、特に歩き方が一般人のそれじゃない。
俺の知ってる御坂は、ちょっと乱暴で、ビリビリすっけど、
普通の女の子だ。」
上条の言う通り、この少女は歩く時に全く音が出ない。
確かに、人が歩く時に出る音というのはそれほど大きいものでなく、
静かに歩く人もいるだろうが、この少女のそれは、全く音がないのである。
そして、上条がその異変に気付いたのは、土御門に尾行されたことと、
忠告のおかげといってもいい。
もちろん、上条自身の洞察力もその一端を担ってはいるのであるが、
短時間で異変をかぎつけられたのは、
プロである土御門に尾行されていた事実によって、
同じような者を選別する機会を与えられたことが大きい。
女の瞳が一瞬どこか寂しげなものに変わった。
上条も気付かないほんの一瞬。
「へー。なるほどねー。御坂ミコト様の新しい一面発見て感じ?」
「そういう意味じゃなく、お前は俺の知ってる御坂とは別人なんだろ?」
「冗談よ。じゃあさ、お願いを聞いてくれたらその疑問解決してあげる。」
「お願い?」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 21:53:10.01 ID:YE9zFVJQ0
■~少女のお願い
「うん。 死んで?」
邪悪な笑顔が表出し、上条は背筋を凍らせた。
少女は右手から何かを弾き、光弾が走った。
人はそれをレールガンと呼ぶ。
しかし、上条は右手をかざしてそれを打ち消している。
「くっ」
(レールガンっ!?まさか、御坂なのか?いや、)
考えがまとまらない内に女の声が聞こえてきた。
「やっぱお願い聞いてくれないのかぁ~。
じゃあ「殺す」しかないわね。」
29 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:54:23.34 ID:YE9zFVJQ0
■~戦闘開始
上条の頭部に左拳の三連打がくる。
それを右手と左手で交互に受け流した後、
右の脇バラに迫る後ろ回し蹴りを、足を上げてカットする。
その瞬間全身に痺れがはしり、わずか一瞬だが、動きが止まる。
それを好機と見たか、続けざまに蹴った足を戻しつつ反動を利用した
前回し蹴りが右の上段にくる。
それを左肘と右手で受けるが、あまりの衝撃に少しよろめく。
少女の技は人を壊すものとして完成されていた。
(早い!しかも、この技のキレと威力、
特にあの回し蹴りは食らったらマズイ。
たぶん一撃で意識を駆られることになる。)
「以外とやるのねー。しかも幻想殺し左手でもできるんだ。
でもその程度なら、私に殺される選択肢しかないみたいね♪」
少女の打撃は電撃でコーティングされている。
その威力は、電撃だけを放つよりも弱いものであるが、
普通の者ならば、一撃で意識を失い、場合によっては死に至るレベルである。
上条は、幻想殺しを持つ性質のためか、異能による力の耐性に強いため、
一つ二つ受けても意識を飛ばすことはない。
だが、何発ももらえば、神経をやられ死に至る可能性も高い。
加えて、打撃自体の威力も非常に高い。
30 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:55:33.07 ID:YE9zFVJQ0
■~反撃
「俺を殺す・・、戦争を起こす目的は何だ?」
ふいに上条が聞く。
「ふふふ。目的なんてないわ。
でも強いて言うなら戦争を起こす自体が目的。そんなとこかな。」
上条は、これ以上話を聞く事は不可能と考え、
動き出すとともに左のフックパンチ、右のストレオート、
左のストレートを連続して放つが、二つガートされ、
最後の一つにカウンターを合わされ、動きが止まる。
(前蹴りが腹に来るっ)
両手でガートし、足を掴もうとするが、足はすでに引かれ、
頭を少し下げた顔面に飛びひざ蹴りがくる。
それも両手でガートしたが、瞬間、両手を握った拳が背中に振り降ろされる。
上条が膝をついたところで、右の回し蹴りが襲ってきた。
これはしっかりガートしたが、威力に押され完全に地面にはいつくばった。
女は手を振りあげて真下に降ろした。
その瞬間凄まじい落雷が落ちるが、上条はうつ伏せから仰向けに反転し、
右手で打ち消す。
(やろう躊躇なく殺しにきやがる)
女にとっては、体術の行使は、正面からでは異能が効かない
上条を殺すための一過程にすぎず、
上条が意識を失った瞬間、異能の力でとどめを刺すつもりであろう。
31 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:56:27.52 ID:YE9zFVJQ0
■~カウンター
上条が体制を整える隙を与えないまま、女は走って
上条の頭をサッカボールキックに似た右の前蹴りを試みる。
(チャンスかっ)
上条は右手で肩上まで受け流し、女の足両足が一瞬浮いたところを
カウンターの拳を入れようとするが、女は体が浮いた刹那、
バスケでいうフェイダウェイシュートさながらの体制から
左足を振り上げ、女の硬い靴のつま先が上条の溝落ちにささる。
この蹴りは、カウンターをとりにいった上条の体重も乗り、
決め手の一打となった。
上条はフラフラと今にも崩れおちそうになっている。
そこにダメ押しの左のハイキックを受けて、完全に意識を失った。
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 21:57:14.87 ID:YE9zFVJQ0
■~トドメ
・・・・・
「まあ、こんなもんか。それじゃあサヨナラとうまくん」
期待ハズレとでもいうような眼差しを向けて
女はポケットからパチンコ玉を取り出し、指ではじく準備をした
凄まじい音とともに閃光が走った。
ただそれは上条に向けられた者ではなく、女に向けられたものだった。
33 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 21:59:04.87 ID:YE9zFVJQ0
■~命がけ
「ソイツから離なれなさい!!!」
光の発信源に制服を着た茶髪の少女が立って叫んでいた。
「ふふ。おもしろいじゃない。」
「何がおもしろいっての?」
怒りをあらわに叫ぶ。
「100パーセントの確率で勝てないと分かりつつ、
好きな男のために戦いを挑む女。
どっかの漫画みたいな話ね。
確かアンタもレベル5だったっけ?
でもさ、こんな話前に誰かから聞かされなかった?
視力検査と一緒、レベル5までしかないだけで、
同じレベル5でも雲泥の差があるってことを。」
・・・・・・・・
「ふん。フルチューニングっていう名前は大層そうだけど、
性能がいいのはその口だけみたいね。
どうでもいいことをよくしゃべるだけあって、頭は悪そうね。」
制服の少女は不敵に笑う。
しかし、勝てないことは分かっていた。同じ系統の能力者同士、
それもレベル5同士であれば、電撃による攻撃はお互い効かない。
従って、勝負を分けるのは、電磁砲の威力ということになるのだが・・・。
35 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:01:09.53 ID:YE9zFVJQ0
制服の少女は一瞬、倒れている上条を見た。
(例え私がここで死んだとしても、あなたは私が必ず守ります。)
その少女の目に強い決意が宿った。
■~レベル5対5
「挑発してるつもり?ふふふ。おもしろい。
私の目をソッチに向けたくて必死なのね。正直自分と同じ顔の
人間を殺すのは趣味じゃないんだけど、そういうことなら、
死んでもらおうかな。」
電撃の応酬が始まった。制服の少女の電撃は
やはり相手にはまったく効かないようであった。
他方、制服の少女の誤算は、効かないと思っていた相手の電撃
を受けた腕に痺れが走っていることだ。
(これは思っていた以上に力の差がある!?)
女を上条から少し引き離したので、電撃による攻撃をやめ、
砂鉄を剣にして操作して放つ。
しかし、操作したはずの砂鉄の剣は逆に制服の少女に襲い掛かる。
(くっ!)
転がりながらそれをよける、もう一度砂鉄の剣に干渉して、ただの砂鉄に戻す。
相手の女はその間にパチンコ球をポケットから一つとり出し、
弾じいた。閃光が走る。
制服の少女は磁気を操作し、スレスレで回避し、
お返しにコインを放つが、この閃光はあらぬ方向にそれる。
36 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:02:38.52 ID:YE9zFVJQ0
■~実力の差
「ね、分かったでしょ?無理よね。あなたの砲弾は私に当る可能性すらない
けど、私の砲弾は、すぐにあなたを捉えるわよ。力の差って残酷よね。」
女は、もうさっさと終わらせたいといった顔をして、
両手でポケットからとれるだけの球をすくい、とった球全てを上に投げた。
「まさか、まずっ」
そう制服の少女が言い終わる前に光を帯びた無数の砲弾が飛んできた。
逃げ場はない。周りの磁気を操作して回避しようとするが、
威力が強すぎて方向を簡単には変えられない。
37 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:03:23.93 ID:YE9zFVJQ0
■~強がり
「へー以外としぶといわね。」
女は笑っている。
「たいしたことないわね。」
制服の少女も笑いながら返す。
だが、わき腹から大量の血が出ており、その笑みには力がない。
(一発カスっちゃったか。)
「たいしたもんよアンタは」
女はそういって、確実にとどめをさそうと、近づく。
38 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:04:12.23 ID:YE9zFVJQ0
■~目覚め
上条は今朝と同じ夢を見ていた。少年と少女の夢。
そして、少年と少女が別れた後の、その後の少女のとても悲しい夢。
夢の途中、無数の砲弾の音に目が覚める。
だが、今度はその夢をはっきり覚えていた。
「やめろよ。」
「あら、お目醒めのようね。もたもたしすぎたかしら。
コッチかたづけてからいくから待ってなさい」
上条が目を覚ましたのを確認し、
ギリギリのところで意識を保っていた制服の少女の意識は途絶えた。
「やめろって言ってんだろ!!」
怒声を放つが、女は動じない。
39 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:05:50.41 ID:YE9zFVJQ0
「学園都市が、世界が憎いか?」
ピクッと女の動きが止まる。
「正直俺も今じゃあ世界がステキで希望で満ち溢れてるなんて気持ちは
持ち合わせちゃいねぇし、理不尽だと想うことも、死ぬほど辛い思いもして、
憎みたくなるときもあった。そして俺よりもお前は辛い想いをしてきたのも
分かった。お前がそんなふうになっちまうのも仕方ないのかもしれない。でもな、
こんな世界でも価値のあるものは星の数ほどあるんだ。それを理由もなく潰しち
まうってんじゃあよ、奴らとやってことはかわんねぇじゃねーか。
そんなこともわかんなくなっちまったのかよミコトー!!!」
女の表情が険しいものになる。さっきまでのふざけていた表情はもはや微塵もない。
「確かにこの世界は腐ってる部分もあるかもしれねぇ。
でもな、まんざら捨てたもんでもない。もしお前がこの世界は
破壊するためのみにしか価値を見出せない、他に少しの用途のないものだって
考えてるなら、
俺が今からその幻想、ぶち壊す!!!」
女は何も言わずに向かってきた。
40 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:06:58.83 ID:YE9zFVJQ0
■~覚悟の一撃
上条は冷静にこれまでの戦況を分析していた。
(攻撃に対するあの反応速度からして、俺の先制攻撃は当らない。
かといって単純にカウンターをとりにいったら、あのざまだ。
長びいても着実にダメージがたまって負ける。
アイツのフィニッシュブローはあの廻し蹴り、そして、
それに至るまでの一連の攻撃は態勢を崩し蹴りを入れるためのもの。
あえて、それをもらい、
廻し蹴りにカウンターを合わせる機会を作るしかないな。
骨の数本はくれてやる。)
上下のコンビネーションが来る。これを全てもらうと、
相手に狙いがバレる可能性がある。あくまで、自然にもらって、
体制を崩すフリをする必要がある。もっとも演技などしなくても、
受け続ければさばきれずに、体制は崩されてしまうのであるが、
自分でタイミングを作るというのがかんじんなのだ。
41 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:07:50.20 ID:YE9zFVJQ0
上条は左肘で、顔面へのショートフックを受け返し
脇へのフックを右肘で受け、さらに次々とせまる
打撃をさばいていくが、一つの打撃を選んで受け損なう、
バキッっという音ともにアバラが折れ、
折れた骨が肺に刺さり上条の動きが止まる。
(ぐっ!!)
そこに蹴りがくるが、
(これは繋ぎのケリだ。そして次に本名がくる!)
半端に受けて体制を崩す。それをみて女は体を捻る予備動作をする。
(ここだっ!) 併せて上条も体を捻る。
バシッ!!と音がなった。
42 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:09:30.87 ID:YE9zFVJQ0
■~決着
女の右足が上条の顔に届くよりも早く、上条の右足が女の顔を捉えた。
女は崩れ落ち、その場に倒れた。
「はぁ、はぁ、クソお!!」
上条は行き場のない怒りを地面にぶつけたが、
自分を助けてくれた制服の少女の事を思い出し我に帰る。
(アイツは大丈夫か?)
その時パシュッと音が聞え、三人の人影が現れた。
その中に金髪グラサン男がいる事を確認し、安堵したが、
一人の結標と呼ばれる女が、さっきまで戦っていた少女と、
制服の少女をテレポートさせ、最後に自分も消えた。
「待てっ!」
そう言って少しよろめく上条を見て金髪の男が声を発した。
「大丈夫だ、カミやん。くわしい話はこの女が話してくれる。」
「この子は?」
「まあ、それも含めて本人から聞いてくれ。俺はまだやる事があるからまたな。」
そう言って、金髪の男は去って行った。
43 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:10:32.04 ID:YE9zFVJQ0
■~サルベージ
しばらく呆然としていると、女の方から口を開いた。
「始めまして上条当麻。私は、メンタルアウトと呼ばれています。」
「メンタルアウト・・、かつての学園都市三位の能力者の通称か。」
「はい。あなたは、一部、御琴の事情を知ったみたいですね、」
「ああ、ミコトの蹴りがきっかけでな。そうか、お前心が読めるのか・・」
以下は、上条が見たものと、メンタルアウトの説明を合わせたものだ。
44 名前:自販機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/26(金) 22:12:21.27 ID:YE9zFVJQ0
半分位落としたんですけど、
規制にひっかかっちゃたんで、少し
休憩します。
見てくれてる人ありがとうございます。
今日中に全部投下します。
55 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:06:52.26 ID:y1jhqdHl0
■少年と少女の出会い
上条は、ハイキックをもらって倒れた後、とある少女とある小さな少年の
夢を見ていた。
少年は、不幸を引き寄せる体質のせいで、両親を除く周りの者から
忌み嫌われていた。そんな少年が屈折しなかったのも一重に両親の
愛情があったからではあるが、それでも小さな少年にとって
その現実は耐え難いものであり、日に日に少年の心は蝕まれていった。
そんなある日のとある公園で少年は一人の少女に出会った。
少女は自販機でジュースを買おうとしているのだが、
背が低くてジャンプしてもコインを入れられないようだ。
見かねてその少女より少し背の高い少年が代わりにジュースを買ってやると
少女はとても可愛い笑顔でお礼を言った。
その後も、度々その公園で二人は偶然会うようになり仲良くなった
56 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:08:33.84 ID:y1jhqdHl0
■~とある日の少年の告白
「ぼくさ、不幸体質なんだって。
そのせいでいろんな人に迷惑かけちゃうんだ。
だからミコトちゃんもぼくに近づかない方がいいよ」
少年は本心からその言葉を口にした。自分のせいで人が傷つく
のは見たくない。それが、この笑顔の眩しい少女ならなおさらだ。
「不幸体質?て事は他の人の不幸をとうま君が肩代わりしてるんだ。
とうま君て、とっても強いんだね。それにすごく優しい。」
「優しい?僕が?」
「うん。お父さんが言ってたけど、辛い経験をしたことある人だけが
本当の優しさを持ってるんだって。それに、
自分が不幸なのに、私の事心配するなんて優しいよ。
あたしは、そういうとうま君が好きだな。
そうだ!あたしが、とうま君のこと幸せにしてあげる。」
「え、あ、ありがとうミコトちゃん。
じゃあ、僕はミコトちゃんの事を何があっても守るよ!」
「じゃあ約束ね」
少女は指きりげんま~と言って、笑顔で少年の小指に自分の小指を絡ませた。
57 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:10:17.38 ID:y1jhqdHl0
少女の言葉を聞いて、少年はなぜか泣いていた。
なぜ泣いたのかは、幼い少年にとって理解できないものだった。
ただ、この日から少年は大きく変わっていく。
上条当麻の芯の部分は、たぶんこの時形成されたのだろう。
少年時代の何気ない出来事が、その後の基盤を形成することは
とりたてて珍しい話ではない。
その後、少女は学園都市に行ったたようだ。
58 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:12:17.01 ID:y1jhqdHl0
■運命の歯車
御琴と呼ばれる少女は、努力を積み重ねて中学一年にして
レベル5まで上りつめていた。何もかもが順調かのように見えた
が、転機はすぐに訪れた。御琴に暗部組織への召集が来たのだ。
学園都市としては、巨大な力を持つ能力者には枷をしておきたい。
御琴への枷は暗部として活動させることだった。
当然御琴は断ったが、その軽率な返答をすぐに後悔した。
いや後悔という生易しい言葉ではすまないかもしれない。
御琴の寮の部屋に、箱につめられ、バラバラに刻まれた叔父が送られてきた。
「お前が断ったり、自殺を図れば、お前の両親も同じ目に。」
との警告文も箱と一緒に送られてきていた。
御琴は復讐を誓いつつ暗部組織に入った。他に選択肢はなかった。
組織の名前はカテゴリー。その組織の中には、
御琴の同じ中学で親友であるメンタルアウトと呼ばれる少女もいた。
御琴は、カテゴリーに回ってきた仕事を率先してこなした。
親友である少女の手を汚さぬように、自分以外がなるべく汚れないように。
メンタルアウトはこんなときでも人を思いやれる、御琴の優しさに
心を打たれ、御琴のためならば何でもやるという決意をした。
59 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:13:39.26 ID:y1jhqdHl0
■もう一人のミコト
ある日、御琴は仕事で、アマイアオという研究者の抹殺依頼を受けた。
目標の研究所に入ると、自分とそっくりの少女が
培養液に入っているのを目にする。
「シスターズ、か。」
御琴は暗部にいるため、当然にシスターズの計画を知っていたが、
どうやら、アマイという男は一人で、独自の研究をしているようであり、
そのために抹殺命令が出たようだ。
アマイは研究所にはおらず、クローンの処置については、何も言われていない。
とりあえず培養液の中から少女を出す。
すると、目を覚ましたクローンが、
「え??わたし??なんで?どういうこと」としゃべりだし、
パニック状態になって、能力を暴走させた。
(どういうこと?シスターズの能力は、報告によればレベル
2~3のハズ。この力は私と同等じゃない!?
しかも、この子感情がある?)
このままにはしておけないので、御琴は、女の首筋を叩いて気絶させ、
メンタルアウトに現場にきてもらい、女を調べてもらう。
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 00:17:00.86 ID:y1jhqdHl0
■~フルチューニング
「このクローンは暗部に入る直前までの御琴の記憶を受け継いでいるみたい。」
「なるほどね。能力は遺伝のみならず、経験にも左右される。
同一の遺伝子体に、私の記憶も移植すれば、レベル5が作れる
と考えたわけね。確かに、理にかなってるわ。」
「自我を持つレベル5が量産されたら、学園都市の存続にかかわる。
だから抹殺計画が出されたのかもしれないね。」
しばらく御琴が黙っているので、メンタルアウトは聞いた。
「どうするつもり?」
少しの間の後、御琴は答えた。
「この子には普通の生活を、私のできなかったことを、
して欲しいと思うの。迷惑かもしれないけど、協力してもらえないかな?」
「当り前にOKよ。私は御琴のためなら何だってするわよ。」
「ありがとう。」
61 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:18:22.60 ID:y1jhqdHl0
「で、私は何をすればいいのかな?」
「とりあえず、私と全く一緒の名前っていうのも、アレだから、
この子の記憶にある自分の名前を美琴に変換して、
私の暗部に入った後の空白の記憶を、ごく辺りさわりない記憶で
埋めて欲しい。あとは、学校で、たまにこの子の顔見て
異変がないか観察してくれればいいよ。」
「学校って?私達辞めたことになってるけど」
「それも込みで操作して欲しいかな。
もちろんアンタは毎日学校通ようこと。
こっちにはもうあまり顔を出さなくていいから。大丈夫、
上の方にはあたしからいっとく。
今までしっかり仕事こなしてきたから、信頼は得ているハズだし。」
「でも・・」
「アンタにしか頼めないことなの。お願い!!」
「分かったわ・・。任せちゃいなさい!」
今回の件に関しては、自分に仕事を与えたという名目で、
メンタルアウトを事実上、暗部から脱退されることも目的の一つであろう。
御琴は一度言った事を撤回することはめったにない。
メンタルアウトは、これ以上言っても仕方ないことが分かっているだけに、
とりあえずは御琴の好意を素直に受け取ることにした。
62 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:20:29.34 ID:y1jhqdHl0
■上条と美琴
美琴を振り切った上条は、ベンチに座ってため息をつき、
続けて嬉しそうに独り言を言った。
「あんのビリビリ中学生。会うたびに勝負勝負いいやがって。
だいたいあれで常盤台なんて詐欺だろー。
どこがお嬢様なんだっーの。
ん?そー言えばあいつミサカミコトって言ってたな。ミコト・・。
まさかな?でもまあミコトちゃんならあれ位のオテンバ娘に
なってても不思議じゃないかハハ。
折りを見てちょっと聞いてみるか・・」
上条は御琴の事を覚えていた。ずっと昔の記憶であっても、
自分が変わるきっかけとなった思い出は忘れないものだ。
一方美琴の方は、御琴の記憶を受け継いでいるはずなのだが、
気付いていなかった。
そして、上条は美琴がいつもビリビリしてくるため、
話す機会がないうちに上条は記憶を失ってしまった。
63 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:26:24.22 ID:y1jhqdHl0
■~御琴の感謝
とある日、美琴は、シスターズの実験を止めるため、死ぬ事を決意した。
そして、その事はメンタルアウトを通して、御琴にも伝わっていた。
御琴は、シスターズが大量に生産され、
殺されている事実については黙認していた。
もちろん、枷がないなら今すぐにでも止めたい
と思っていたのは確かだが、御琴にとっては、
両親の命がまず第一であり、下手に動くと制裁がある。
シスターズとは直接接触がないこと、
また、シスターズは感情がない人形という情報から、
感情移入することを抑えていたため、
なんとか踏み留まることができていた。
しかし、美琴が殺されるとなれば、別である。
御琴にとって美琴は、娘のような、妹のような、それでいて自分自身のような、
言葉では表現しつくせない関係であり、とても大切な希望なのである。
65 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:30:31.16 ID:y1jhqdHl0
例え向こうが自分の事を知らなくとも。
実のところ暗部で凄まじく経験を積んだこともあり、
御琴の能力はこの時既にアクセラレータを上回っていた。
最悪アクセラレータを殺し、学園都市から脱出し、
両親を逃がすことを画策する。
ただ、御琴は発展した科学の前では、世界中どこにも逃げ場は
ない事もよく知っている。
「ごめんね、お父さん、お母さん。
迷惑かけちゃうかもしれないけど、絶対守るから許して」
そう呟いて、アクセラレータの下に向かおうとしたところ、
とある橋の上で落雷が落ちるのを見た。
66 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:31:31.79 ID:y1jhqdHl0
「なんで、あんなところで、美琴の能力が?」
不審に思い御琴は走り出した。そこで見たものは、
美琴と美琴を止めるために立っていた上条当麻であった。
「とうまくん!?」
御琴は、上条当麻の事を覚えていた。御琴にとっては、
上条当麻が御琴から影響を受けたのと同じくらい大きな影響を
上条当麻から受けている。
御琴にとって上条は、他の人にはない強さを持っていて、
それでいてとても優しい、自分の指針となった人物だった。
御琴は、その後も観察を続け、上条当麻がアクセラレータを倒したのを
見届けた後、静かに泣いた。そして、誰にも聞えない声で呟いた。
「約束、守ってくれたね。ありがとうとうま君。」
68 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:39:08.96 ID:y1jhqdHl0
■~計画
御琴は、仕事をこなすうちに、暗部におけるそれなりの地位と人望を獲得していた。
そんな御琴を上層部の連中は危険視していた。
もともと、御琴が暗部に入った経緯が経緯だけに、
いつ反旗を翻してもおかしくないからだ。
それに御琴自身の能力も学園都市の中で、
太刀打ちできるものがいないほどになっていた。
アイレスターにとっても、御琴は、「プランの進行を阻む強い不確定因子」、
として認識されるようになった。
最初のうちは、死の可能性が高い仕事を任命して、
仕事のミスという名目で死んでもらう事を狙っていたが、
御琴は仕事を必ずやり遂げ生還してくる。
業を煮やした上層部は、御琴の殺害計画を立てた。
強力なAIMジャマーの射程距離に御琴をおびきよせ、
能力を封じた上で射殺するというものだ。
計画は実行された。
70 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:45:40.09 ID:y1jhqdHl0
■~死の間際での・・
御琴は、死ぬ間際においても、抵抗はしなかった。
やっとこの運命から解放される、そんな思いがあったのかもしれない。
ただ、ある言葉を聞くまでは。
「抵抗しないみたいだな。安心しろよ。すぐに両親の元に送ってやる」
「!?両親には手を出さないって約束だったじゃない!!」
「元々、お前の両親は学園都市にとって邪魔だったんだよ。
人質としての価値もなくなった今、殺さない方がおかしいだろ?」
71 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:46:43.30 ID:y1jhqdHl0
下卑た男が発言し終わるや否や、御琴の能力が発動した。
「な!?能力は使えないはずじゃ?」
複数のAIMジャマーの装置はボンっという音をそれぞれ立てて破壊された。
「そんなもの私に効くと思っていたのか。許さない。
ここにいるお前らも、上層部のクソどもも。
そして、私をこんな目に合わせた世界も。
こんなクソみたいな世界はもういらない。全て壊す。」
「ひぃ!」
御琴は世界を恨み、神を恨んだ。かつての御琴は、もういない。
辺りは光につつまれ、一瞬でそこにいた男達は原型がなくなった。
これは上条がロシアに渡ったすぐ後の話である。
73 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:47:42.20 ID:y1jhqdHl0
■~プランの変更
その後、御琴は、数年かけて、アイレスターを殺し
上層部の人間を一人残らず全て殺した。
今、学園都市の暗部は御琴によって動かされている。
その目的は、学園都市を含め世界を破壊しつくすこと、である。
75 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 00:59:23.49 ID:y1jhqdHl0
■ メンタルアウトの願い
一通り話終えた後、しばらくの沈黙の後、メンタルアウトは再び口を開いた。
「私は、御琴が悪いとは到底思えません。
人の心には、許容量というものがあります。
そして、それは皆が思っているよりも遥かに小さい。
私はこの能力の性質上、誰よりもそれは分かっています。
御琴は、普通の人間ならば、簡単に心が壊れる出来事に
常にさらされてきました。それでもなお、
他人を気遣うことにスペースを割きつつも、
前に進もうとしてきた。
そんな御琴に対して待っていたのがあの仕打ちです。
私にとっては、そんな世界の方が許しがたかった。
だから私も協力しました 」
76 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:00:23.43 ID:y1jhqdHl0
あなたの話をするときは、いつ御琴は楽しそうでした。
そして、今日、つかの間ですが、あなたと一緒にいた
ことが、御琴にとって変化をもたらしたのかもしれません
御琴はあなたにとめてほしかったのだと
思います。もともとあなたの抹殺計画に
御琴が直接関与することはない予定でした。
また、こんな迂遠な方法をとらなければ
御琴があなたを殺すことはたやすかったはずです。
御琴ほどの高位能力者は、防衛本能によって能力が発動するため
自殺をすることができません。
しかし、御琴が生きていくのは辛い事だと思います。
だから、私は、暗部に入ってからの御琴の記憶を消そうと思います。
そして、あなたにはあの子の傍にいてやって欲しいんです。
無茶な事と承知してますが、お願いします。」
78 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:01:14.11 ID:y1jhqdHl0
「傍にいるのが俺なんかで、いいのか?」
「きっと、あなたじゃないとダメだと思います」
「分かったよ。約束してたしな。
まあすでに破っちゃってるかもしんないけど、
今度は何があっても俺がミコトちゃんを守るよ。」
「ありがとう。そしてお願いします。」
「いや、お礼をいうのはたぶん俺の方だ。ありがとな。」
全ての話を聞き終えた上条は
戦闘のダメージから、地面に倒れた。
80 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:02:47.76 ID:y1jhqdHl0
■ 最後のやりとり
目を覚ますと上条は病院のベットにいた。
どうやら昔よくお世話になった蛙顔のいる病院のようだ。
「やっーと目―覚ましたわね。」
「ああ、御坂かー。ってお前、怪我はいいんかよ?」
「あーあの程度のこと美琴様にとっては、カに刺されたもんよー」
「・・・。」
上条は少女の脇腹をツンツンついてみる
「いっ。何すんのよこの馬鹿!!」
「わー!御坂さん、病室でビリビリはまずいですって!」
「セクハラしてんじゃないわよまったくー。」
81 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:04:09.02 ID:y1jhqdHl0
「御坂、マジでありがとな。本当に感謝してる。」
「な、な、何よあらたまって。いいってことよ。
ま、まあ、アンタが困った時はいつでもこの美琴様が助けてあげるんだから、
今の内にたくさん感謝しときなさい!」
「なんだそりゃー」
上条は笑っている。少女も笑っている。
少女が病室から出て行ったのを確認して、上条は呟いた。
・・・
「本当にありがとな、御坂妹」
82 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:07:12.58 ID:y1jhqdHl0
■~決断
上条は、遊園地に行った時、少女のカバンの中に、
御坂妹にあげたハズのネックレスが入っているのを見ていた。
さらに、少女の告白に違和感を覚えていたのだ。
(まるで、誰かの気持ちを代弁しているような風だった。
仮に美琴なら、思いを伝えるならば、納得いく説明まで求めたはずだ。
途中で言葉をさえぎることはしない。)
83 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:08:13.86 ID:y1jhqdHl0
美琴は、先の戦争で御坂妹をかばって死んでいた。
御坂妹は、生まれて初めて泣いた。
皮肉なことに美琴の死によって、
御坂妹の感情はより人間らしいものになっていった。
御坂妹はかつて、美琴が自分を守ってくれたように、
自分も誰かを守れるように、強くなろうと決めた。
そして、レベル5にまでなったのだ。
84 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:09:25.26 ID:y1jhqdHl0
御坂妹の瞳に写った迷い。あれは、美琴を演じるべきかどうか
ということから生じたものだ。。
かえって上条を傷つける結果になることもあるかももしれない。
しかし、やはり上条に、悲しい思いをさせたくはなかった。
かつて自分を救ってくれた、美琴と同じ位大切な人に。
御坂妹はその一心で美琴を演じた。
上条がかつて記憶があるかのごとく演じたように。
そして、あの告白は、美琴が、ロシアに渡った後に自分にもらした事を、
伝えたものだった。
なぜそんなことをしたのかは分からなかったが、
そうするべきだと、御坂妹は思ったのだ。
「ふふ、お姉様って本当に素直じゃなかったんですね。」
御坂妹はそう一人事を呟いて、笑った。
もう美琴の真似事をすることはないだろう、そんな予感がした。
今日も空は青い。人の事情などお構いなしといわんばかりに。
FINE
104 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:40:22.32 ID:y1jhqdHl0
最後まで見て頂いた方、本当にありがとうございます。
ちょっとわかりにくいとこあったかもしれませんね。
遊園地に行った子、助けにきた子、病院 =御坂妹
ファミレスいった後、おそってきたのが =御琴
で、 美琴=フルチューニング なんですど、
御坂妹は、美琴がオリジナルだと思っていたので、
御琴の事をフルチューニングと勘違いしているということです。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 01:11:42.28 ID:OGX29FRf0
本物のミコトは生きてるの?補足よろしく
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 01:11:42.28 ID:OGX29FRf0
本物のミコトは生きてるの?補足よろしく
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/27(土) 01:28:10.18 ID:42U28fiD0
>>89
木山先生のときみたく御琴の記憶が電気でかみやんに~
106 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:49:22.06 ID:y1jhqdHl0
>>86
美琴は死んでる設定にしました。
記憶の件は
>>94さんのいうように
電気蹴り→木山先生の逆バージョンみたいな感じですね。
なので、御琴の後の事情も多少知ったかんじになってます。
109 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:54:40.41 ID:y1jhqdHl0
>>105
たぶんかけません笑すいません。
もしよかったら、誰か書いて頂けるとうれしいです。
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 01:52:01.06 ID:OGX29FRf0
戦士したのはフルチューニングなの?
110 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 01:56:13.09 ID:y1jhqdHl0
>>107
そういうことですね^^
美琴=フルチューニング=戦死です。
わかりにくくてごめんさない。
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/27(土) 01:59:41.23 ID:X0cXkXuZ0
>>110
うむ、気にするな。
で、確認なんだけど
御琴:オリジナル → 生きてるけど記憶なくすことに
美琴:フルチューニング → 戦死
御坂妹:シスターズ → 美琴の死後、美琴になりきる
ってことでおk?
113 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 02:00:38.78 ID:y1jhqdHl0
SS初めて書いたんですけど、人に伝えるのってけっこう
難しいってことを痛感しました。
けっこう独りよがりなとこもありますので、こうした方がよいとか
意見あったらお願いします。
正直、一レスに書く長さとかよく分からなかったです。
114 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 02:04:16.35 ID:y1jhqdHl0
>>111
それでOKです!
116 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 02:09:16.06 ID:y1jhqdHl0
>>112
三年後にいるのは、
御琴と御坂妹だけで
美琴は回想でしか出てこない、すでに死んでる感じです。
たぶんカタカナでミコト使ってる場面あったせいで分かりにくいですね。
上条が子供の頃だったので、漢字までは分からなかった
っていう設定で、かたかなの「ミコト」っていう表記をしました。
118 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 02:11:41.01 ID:y1jhqdHl0
>>115
たぶん>>111さんが言ってる
御琴:オリジナル → 生きてるけど記憶なくすことに
美琴:フルチューニング → 戦死
御坂妹:シスターズ → 美琴の死後、美琴になりきる
記憶なくすっていうのは、御琴=オリジナルが今後メンタルアウトに
記憶消されることになるだろうという意味だと思います。
美琴=フルチューニングの方は、組織に入る前の記憶はあります。
120 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 02:15:05.62 ID:y1jhqdHl0
>>117
よろしくお願いします!!
正直僕は、ここまでが限界だったので、書いてくれるなら
すごくうれしいです!!
122 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 02:18:30.31 ID:y1jhqdHl0
>>119
一応、御琴も、メンタルアウトも、美琴の死は把握しているという設定で
書きましたが、その辺は文章にしてないので、どっちでも
いいかなーと思います。
124 名前:自動販売機 ◆TJ9qoWuqvA [] 投稿日:2010/02/27(土) 02:43:09.82 ID:y1jhqdHl0
>>121
確かにそうですね。すいません><
>>119
一応、御琴は美琴が死んでること、戦った相手は御坂妹ということ
を把握している設定だったので、メンタルアウトも知っている感じ
のがいいかもです笑 すいません
>>123
いえいえよろしくお願いします。
結局規制とけなくて、満喫で書いちゃったんですけど、
もしまた機会あれば皆様よろしくお願いします。
どうもありがとうございました!!帰宅します笑
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コメント
なかなか面白かったけど、やっぱみんな分かりにくかったのか!
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