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唯「でもなんで掲載誌がまんがタイムきららなんだろーね?」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 21:01:00.30 ID:yzHK3Y3V0
唯「コンビニで売ってるのなんて見たことないよ~」
唯「ほんとにマイナー雑誌もいいとこだよ~」
唯「いっそ少年ジャンプかヤングジャンプでやれば良かったのにね」
律「そこに気付くとは………やはり天才か…」
唯「律っちゃんェ…」
梓「…どうやって発音してるんですかそれ」
唯「コンビニで売ってるのなんて見たことないよ~」
唯「ほんとにマイナー雑誌もいいとこだよ~」
唯「いっそ少年ジャンプかヤングジャンプでやれば良かったのにね」
律「そこに気付くとは………やはり天才か…」
唯「律っちゃんェ…」
梓「…どうやって発音してるんですかそれ」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 22:24:31.99 ID:O/E5HYFsO [1/15]
唯「……なんて言ってたら、来週からジャンプで新連載する事になったよ!!」
律「ウソ、マジで!?」
唯「ほら、次号予告を見てよ」
律「……本当だ」
梓「……けど、唯先輩」
唯「ん?」
梓「この主人公、唯先輩に似てるけど、男じゃないですか?」
唯「それは週刊『少年』ジャンプだから仕方ないよ~」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 22:29:29.44 ID:O/E5HYFsO [2/15]
唯「という訳で一週間が経ちました!」
律「今週からジャンプで連載か、楽しみだな」
梓「色々と不安ばかりですが……」
唯「やった、表紙と巻頭カラーだよ!」
律「まぁ新連載だからな」
梓「『新感覚青春バンドストーリー けいおん!』って、煽り文句おかしくないですか?」
唯「いいから読んでみようよ~」
ペラッ
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 22:38:18.54 ID:O/E5HYFsO [3/15]
唯「俺も今日から高校生か……」
和「アンタ、高校では帰宅部じゃなくて何か部活くらいやりなさいよ」
唯「って和のヤツは言ってたけど……」
唯「スポーツも苦手だし……」
唯「はぁ、どうしよっかねぇ」
律「なぁ」
唯「ん?」
律「お前、軽音部に入らないか?」
唯「……俺が?」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 22:42:43.16 ID:O/E5HYFsO [4/15]
※読者サイド
唯「おぉ、ここで見開きドーン!」
律「なんかカッコいいな、私!」
梓「ここから始まるんなら、私の出番はかなり先になりそうですね」
唯「ていうか、和ちゃんだけ女の子のままなんだね」
律「幼馴染みの女の子ポジションだな。本編が一段落した時に和回が挟まれるんだろう、きっと」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 22:54:24.28 ID:O/E5HYFsO [5/15]
※誌面
律「頼むよ。もう一人部員がいないと、軽音部が廃部になっちまうんだ」
唯「……ちょっと聞きたいんだけど」
律「おう、何でも聞いてくれ」
唯「軽音部って、練習は厳しい? ランニングとかやりたくないぜ」
律「いやー、少なくともランニングはないんじゃないかな……」ハハッ
唯(ラクそう、かな?)
律「それになんと!」
律「今入部すれば毎日おやつ付きだ!」
唯「……えっ、マジで?」
律「キーボードの紬ってのが、毎日お菓子を持って来てくれるそうだ!」
唯(確信した、絶対ラクだ)
唯「よし、わかった。今日から俺は軽音部だ!」ガシッ
律「おぉ、サンキュー!」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:02:53.73 ID:O/E5HYFsO [6/15]
和「おい、唯」
唯「もうちょい女らしい言葉遣いはできんのか」
和「……おぉい、唯くぅん♪」
唯「……わかった、俺が悪かったよ」
和「わかればいいのよ」
唯「んで、何?」
和「アンタ、結局どの部活に入るか決めたの?」
唯「あぁ、軽音部」
和「……は?」
唯「何だよ、その反応」
和「アンタ、楽器なんか弾けたっけ?」
唯「まぁカスタネットくらいなら」
うん♪たん
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:03:59.52 ID:O/E5HYFsO [7/15]
和「……馬鹿でしょ、アンタ」ハァ
和「軽音部ってのは、バンドやるとこよ」
唯「……バンド?」
和「ギターなんか弾けるの?」
唯「……」
和「……」
唯「よし、入部を取り消してくるわ」
和「早っ!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:09:48.79 ID:O/E5HYFsO [8/15]
※読者
唯「大体の流れは同じなんだね」
律「唯はここでも『うんたん』してるのか」
梓「まぁ腐女子には受けるんじゃないでしょうか」タラリ
唯「ふじょし?」
律「てか梓、鼻血が出てるぞ」
梓「へっ、はわわっ!」アセアセ
唯「そう言えばムギちゃんは?」
律「あっちにいる。あんまり興味なさそうだな」
紬「同性愛は女同士だから禁断の美しさがあるのであって……」ブツブツ
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:17:37.77 ID:O/E5HYFsO [9/15]
※誌面
澪「体育のジャージのまま部室に来ちゃったなぁ」
澪「律も紬もまだ来ない筈だし……」
澪「ここで着替えちゃうか」ヌギヌギ
唯「よし、入部しないって伝えに行かないとな」
唯「確か部室は、階段を登って……、ここか」ガラッ
澪「へっ?」
唯「はっ?」
澪「……きゃああああああああっ!」
唯「うわっ、ご、ごめんなさいっ!」バタンッ
唯(……縞パンツ)ゴクリ
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:23:36.49 ID:O/E5HYFsO [10/15]
※読者
唯「まさかの澪ちゃん女の子!」
律「あれか、ヒロイン役か」
梓「和先輩と、どっちが正ヒロインかで論争が起こりそうですね」
律「たぶん澪はお色気要員だな」
唯「じゃあ和ちゃんは?」
律「ツンデレ要員」
紬「それで、澪和の展開はあるのかしら?」ズイッ
唯「あっ、ムギちゃんが興味を示した!」
梓「ムギ先輩。ジャンプではあり得ないので、同人誌で探してください」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:32:22.15 ID:O/E5HYFsO [11/15]
※誌面
律「……部室の前で何してんだ、唯?」
唯「いや、ちょっと、ね。ハハハ……」
紬「君が唯君?」ファサッ
唯「あ、はい」
紬「僕は紬、はじめまして」キラリンッ
唯(なんか仕草がウザイ人だな……)
紬「律から聞いたけど、入部してくれるんだよね。ありがとう」
唯「あ、いやー、その……」
律「唯にはもう一人、紹介しなきゃいけないヤツがいるぜ~」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:37:06.98 ID:O/E5HYFsO [12/15]
唯「もう一人って、まさか……」
律「ベース担当の澪だ。左利きの女の子なんだ」
唯(やっぱり!!)
律「さて、澪はもう部室に来てるかな?」
唯「あー、たぶん、いる、と、思うよ?」アハハ
律「……どうしたんだ、お前?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:44:27.59 ID:O/E5HYFsO [13/15]
律「……という訳で、こいつが澪。俺とは小学校から一緒だったんだ」
澪「……よろしく」
唯「よ、よろしく~」アハハ
律「……なんで二人とも、目を合わせないの?」
唯(それにしても……)チラッ
澪(初対面で着替えを見られた相手とバンドなんて……)グスッ
唯(この澪って子、メッチャ可愛い……)ゴクリ
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:50:19.35 ID:O/E5HYFsO [14/15]
律「中学の時なんか、ファンクラブも作られたしなぁ」
唯「なぁ、律」
律「ん?」
唯「俺、やめるの、やめる事にするわ」
律「……はぁ?」
唯「これからよろしくな、みんな!」
律「いや、よく意味がわからないんだけど」
紬「あははっ、よろしくね唯君!」
澪「よろしく……」ボソッ
こうして、俺は軽音部の一員となった。
高校生活、結構楽しくなるかもしれないなぁ。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:58:41.37 ID:O/E5HYFsO [15/15]
※読者
唯「今週はここまでだね」
紬「なんか私のキャラ設定がおかしい気がするわ……」
律「まぁまぁ、いいじゃないか。金髪の美男子だぜ?」
梓「私は一体どんなキャラに……」
唯「和ちゃんと澪ちゃんは、ほとんどそのままだね」
紬「そう言えば、澪ちゃんはなんで今日お休みしてるの?」
律「昨日の夜、コンビニでフライング立ち読みしたら、ショックで寝込んじゃったらしい」
唯「えっ、どういう事?」
律「全国の読者に着替えシーンを晒しちゃったからな……」
紬「そっか、全校生徒の前でさえトラウマになったのに……」
梓「澪先輩、この連載が終わるまでジャンプ読まない方がいいかもしれませんね」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 00:14:12.67 ID:ubUvFG1TO [1/27]
唯「早いもので、次号のジャンプの発売日です!」
律「今週はセンターカラーか、すごいじゃないか」
梓「連載2回目だから当然ですよ、律先輩……」
紬「今週はどんな話になるのかしら。腐展開なら切るわ」
澪「やっぱり気になるよな……」
唯「あっ、澪ちゃん。読んでも平気なの?」
澪「先週号のサービスカットでうっかり練炭自殺しそうになったけど、もう大丈夫だよ」
梓「それはあまり大丈夫じゃない気が……」
律「澪、今週号はまだ読んでないんだよな。一緒に見ようぜ」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 00:24:13.11 ID:ubUvFG1TO [2/27]
※誌面
唯「ところで」
律「ん?」
唯「俺は何の楽器をやればいいんだ?」
律「今いないのはギターだけど、唯は弾ける?」
唯「弾けない」
律「そもそもギター持ってる?」
唯「持ってない」
律「……」
唯「……」
律「ダメじゃん!」
紬「まぁまぁ。とりあえず楽器屋に行ってみようじゃないか」キラリンッ
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 00:32:36.46 ID:ubUvFG1TO [3/27]
唯「あっ、このギターが欲しい」
澪「……それ、ギブソンじゃない」
唯「ギブソン?」
律「たぶん、すげぇ高いぞ」
唯「どれどれ……、うわ本当だ!」
律「どうするんだよ?」
唯「んー、でもやっぱりこれが一番かっこいいしなぁ。バイトでもするか……」
律「どうしてもギブソンが欲しいって言うなら、俺たちも一緒にバイトしてやるよ」
紬「あぁ、いいね。なんだか同じ部活の仲間って感じがして」ファサッ
律「そうそう。仲間のために頑張って稼ごうな、澪!」
澪「……えぇっ、私も!?」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 00:39:56.92 ID:ubUvFG1TO [4/27]
唯「澪ちゃんが、俺のために、稼ぐ……」モンモン
おっさん「君が澪ちゃんだね?」
澪「はい……」
おっさん「じゃあ早速ホテルに行こうか」
澪「……///」トコトコ
おっさん「5万円で最後まで、で良かったね?」
澪「……///」コクリ
おっさん「じゃあ制服を脱いでもらおうか」
澪「はい……」プチプチ
おっさん「スカートは脱ぐ前にたくし上げてごらん」
澪(こ、これも唯のためなんだ……!)ススッ
唯「いやいやいや、澪ちゃんにそんな事はさせられないよ!」
律「……男らしい発言だが、なんか汚れた発想に基づいてないか?」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 00:43:53.96 ID:ubUvFG1TO [5/27]
※読者
律「まさかの澪サービスカット再び」
梓「唯先輩の妄想シーンで来るとは、予想外でしたね」
紬「うーん、澪ちゃんの表情は良かったけど、私のセンサーが反応しないわ」
唯「あれ、澪ちゃんはどこに行ったの?」
律「さっき泣きながら帰って行ったぞ。明日はまた休むかもな」
梓「だから読まない方がいいって言ったのに……」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 00:54:30.31 ID:ubUvFG1TO [6/27]
※誌面
律「結局、交通量調査をみんなでやる事になったな」
唯「ありがとうな、俺のために……」
律「気にするなって。唯がギター買えないと、俺たちのバンドが始まらないからな」
紬「それに、なんだか楽しいじゃないか。僕はこういうのが夢だったんだ」キラリンッ
澪「……」カチッカチッ
唯(澪ちゃん、あんまり喋らないなぁ。心を開いてくれてないような……)
律「……」カチッカチッ
紬「……」カチッカチッ
澪「……」カチッカチッ
唯「……暇だな、このバイト」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 01:02:34.91 ID:ubUvFG1TO [7/27]
律「退屈だな……」
紬「ちょっと眠くなってしまうな」ファサッ
唯「そう言えば、さ」
律「ん?」
唯「バンドやるのはいいけど、何をするのさ。文化祭でライブでもやるの?」
紬「ダメだよ、唯君。目標はもっと大きく持たないと」チッチッ
唯「大きく、って?」
律「武道館」
唯「……はい?」
律「日本武道館で、ライブをやってみたいんだ」
唯「……いやいやいや!」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 01:10:37.83 ID:ubUvFG1TO [8/27]
律「何だよ?」
唯「いくら何でも大きすぎるっしょ、目標! 俺なんてギターに触った事もないし」
澪「私もそうだったよ」
唯「……澪ちゃん?」
澪「私も律に誘われるまで、楽器なんてリコーダーくらいしか弾いたことなかった」
律「中学の頃、俺がドラムにハマっちゃってさ。無理矢理、澪にベースを始めさせたんだ」
澪「最初は、いい迷惑だと思ってた。弦の押さえ方どころか、持ち方も知らなかったし。でも……」
澪「家で練習したり、スタジオで合わせたり、ライブの映像を見たり……」
澪「そんなこんなで私もハマっちゃって、気が付けば技術もちょっとは上手になってた」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 01:19:40.24 ID:ubUvFG1TO [9/27]
唯(澪ちゃんが、こんなに饒舌に……)
澪「きっと、このまま行けば、いつか手が届く気がするんだ。……武道館に!」
唯「……」
澪「……あっ、私ってば、つい///」
紬「素晴らしいね、澪ちゃん!」パチパチ
律「おーおー、よく語るわ」
澪「うぅっ、やめろぉ……///」
紬「澪ちゃんの熱いハートに打たれて、僕も武道館を目指してみたくなったよ」ファサッ
律「おっ、いいねいいね!」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 01:23:32.71 ID:ubUvFG1TO [10/27]
唯「……」ポカ-ン
律「……唯は?」
唯「へっ?」
律「今の話を聞いて、素直な気持ちをどうぞ」
唯(……律、紬、澪ちゃん)
唯(俺のために一緒にバイトまでしてくれる、軽音部のみんな)
唯(手が届くかどうかは、わからないけど……)
唯(このみんなと、バカみたいに高い目標を目指すのも面白いかもしれない)
唯「……わかった」
律「ん?」
唯「俺も目指してやる、みんなと一緒に武道館だ!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 01:30:12.70 ID:ubUvFG1TO [11/27]
※読者
律「なんか、感動的っぽくなってるぞ」
唯「いい話だね~」
梓「青春って感じで、たまらないです」ハァハァ
紬「梓ちゃん、汚れた欲望を感じるわよ……」
梓「ムギ先輩には言われたくないです。きららを読んでる時のムギ先輩に比べたら!」
律「正直、どっちも変わらんけどな……。対象が違うだけで、業の深さは同じか」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 01:39:25.42 ID:ubUvFG1TO [12/27]
※誌面
律「よっしゃ、みんな心は一つだ。目指すは武道館!」
唯「そのために、まず俺はギブソンを買う!」
澪「そのために、まず……」
紬「バイト、だね……」カチッカチッ
律「仕事しようか……」カチッカチッ
梓(……武道館? ギブソン?)チラッ
梓(この人たち、バンドやってるのかな?)
梓(ギブソンより、ムスタングの方が俺は好きだな)ギュッ
梓(まぁ、何にしても……)
梓(俺には関係ない話だな……)スタスタ
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 01:47:38.61 ID:ubUvFG1TO [13/27]
※読者
梓「ついについに私が登場!」ガタッ
唯「第二話の最後か、意外と早かったね~」
梓「やっぱり人気があるから出番が早まったんですね!」フンス
律「まぁ、そういう大人の事情もあるだろうけど……」
梓「あぁぁぁ、それにしても梓カッコいい! 梓最高!」
紬「黙れ腐女子」
梓「何ですか百合先輩」
律「……なぁ、唯」
唯「……うん」
律「ムギのテンションが底辺だし、梓の知りたくなかった一面が見えちゃうし、澪は自殺しそうだし」
唯「この連載が始まってから、色々と酷いね」
109 名前:帰宅しました[] 投稿日:2010/07/07(水) 19:33:09.87 ID:ubUvFG1TO [15/27]
※読者
唯「ねぇ、りっちゃん」
律「何だ?」
唯「先週号のアンケートハガキをよく見たら、新連載について質問があるよ!」
律「本当だ、どれどれ……」
新連載「けいおん!」について質問します。
1.主人公の平沢唯と一緒に暮らす憂というキャラクターがいるとして、憂は弟がいいですか? 妹がいいですか?
2.その他要望があれば自由にお書き下さい。
唯「応募してみよっか。あっ、当然『面白かったマンガ』は『けいおん!』の番号を書いてね」
律「でも〆切を過ぎてるんじゃ……」
唯「今日の8時必着だから間に合うよ!」
120 名前:妹の方が多いかな[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:15:18.37 ID:ubUvFG1TO [16/27]
唯「そんなこんなで!」
律「早くもジャンプでの連載3回目を迎えました」
唯「みんなの様子はどうかな?」
澪「週末は富士山の樹海まで旅行してたんだ、もちろん一人で」アハハ
梓「お気に入りの絵師さんが律唯のイラストを書いてました、もちろん801板で」ハァハァ
紬「早く『けいおん!』を読みたいわね、もちろんまんがタイムきららで」ショボ-ン
律「うん、まぁ、みんな頑張れ」
唯「さてさて、今週はどんな話かな?」
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:35:31.83 ID:ubUvFG1TO [17/27]
※誌面
唯「ついに!」
澪「……」シラ-
唯「ついに!」
律「……」ニコニコ
唯「ついに!」
紬「……」ファサッ
唯「手に入れたぜ、ギブソン!」
律「やったな、唯!」
澪「ようやく楽器も揃って、練習ができるように……」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:41:41.53 ID:ubUvFG1TO [18/27]
紬「じゃあ記念にティーパーティーといこうじゃないか」キラリンッ
澪「……えっ?」
律「おぉ、いいね。今日のお菓子は?」
紬「マドレーヌを持って来たよ。紅茶はアールグレイでいいかな?」ファサッ
唯「マジで毎日お菓子つきなんだな……。この部活、最高じゃん」
律「さぁ座れ座れ~」
澪「……」プルプル
澪「ちょっと男子、ちゃんと練習しなさいよ!」
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:50:07.64 ID:ubUvFG1TO [19/27]
唯「……なぁ、律」ヒソヒソ
律「はいはい」ヒソヒソ
唯「もしかして澪ちゃん、合唱コンクールなんかで張り切っちゃうタイプ?」ヒソヒソ
律「その通り。中3の時なんか凄くてさ……」ヒソヒソ
澪「そこっ、聞こえてるぞ!」
律唯「ふぁ~い」クスクス
澪「まったくもう……。私たち、武道館に行くんじゃなかったの?」
律「行く行く、絶対に行ってやるよ」ヘラヘラ
唯「武道館でライブするために、まずはマドレーヌを……」ヘラヘラ
澪「いい加減にしろっ!」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:59:06.31 ID:ubUvFG1TO [20/27]
※読者
梓「唯律……。いや、律唯か!」ハァハァ
律「なんか梓の病気が悪化してるな」
唯「よくわかんないけど、ジャンプの自分に負けた気分だよ……」
律「私たちが今ここで抱き合っても、梓はあんなに喜ばないしなぁ」ギュムッ
唯「りっちゃ~ん」チュッチュッ
紬「それは私が悦ぶわ!」ガバッ
梓「落ち着いてください百合先輩、漢字がおかしいです」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:01:53.00 ID:ubUvFG1TO [21/27]
澪「私の性格も、ずいぶん変な設定に変わってるな」
律「……はぁ?」
唯「澪ちゃんは、本物とまったく同じ性格だと思うよ?」
澪「……えっ、私、客観的に見たらこんな感じ?」
律「その通りだ」
唯「だね」
紬「うん」
梓「ダメですよ皆、澪先輩がまた自殺未遂をしたらどうするんですか」
唯「今度は成功しちゃったりして!」
律「……唯、その発言はさすがに謝った方がいい」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:14:57.26 ID:ubUvFG1TO [22/27]
※誌面
(下校中)
唯「とは言ったものの……」テクテク
律「ん?」
唯「武道館って遠い目標すぎて、どうすりゃいいかわかんねーよ」
律「確かに、そうかもしれないなぁ」
澪「まず身近な目標から作ってみたらどうかな。文化祭とか、ライブハウスとか」
唯「……ライブハウス?」
澪「小さめの会場だけど、お金を払って見に来てくれるお客さんの前で演奏できるんだ」
律「ライブハウスで力を付けてプロになるバンドも多いな」
唯「へぇ……」
唯「よしっ!」
唯「最初の目標は、ライブハウスで演奏だな!」キラキラ
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:19:40.85 ID:ubUvFG1TO [23/27]
律「ちなみに、一応聞いておくぞ?」
唯「うん!」
律「ライブハウス、行ったことあるか?」
唯「ない!」
律「やっぱり……」ハァ
紬「それじゃ、うちが経営してるライブハウスに寄って行くかい? ちょうど近くにあるんだ」キラリンッ
唯「えっ、マジで?」
律「いいじゃん、行ってみようぜ。なっ、澪?」
澪「う、うん……」
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:27:29.67 ID:ubUvFG1TO [24/27]
ジャ-ンジャ-ン
ドコドンドコドンシャン
ウォ-ウォ-ウォ-
唯「音量でけぇ!!!」
律「思ったよりも広いな~」
紬「最大で500人収容できるからね」ファサッ
律「あれ、澪は?」
澪「うおおおおおおおっ!!!!」
唯「……澪ちゃん?」ポカ-ン
律「あぁ、澪はライブ会場だとテンション上がっちゃうから」
唯「そ、そうなんだ」
律「ほら、唯も。こんな所に来て、盛り上がらなきゃ損だぜ?」
唯「……それもそうだな!」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:39:01.71 ID:ubUvFG1TO [25/27]
ワイワイガヤガヤ
「なぁ、次のバンドのギター……」
「知ってるよ、まだ15歳の中学生だってな……」
「おっ、出て来たぞ」
「あの背が低いヤツかな?」
律「一人だけ、妙にちっこいのがいるな」
澪「あのギター、ムスタングだ」
唯(俺と同い年くらい……。いや、年下?)
「やっぱりそうだ。あいつが……」
「中野梓だ」
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:49:07.43 ID:ubUvFG1TO [26/27]
※読者
唯「ここで迫力のあずにゃん演奏シーン!」
律「かきふらい先生が、すべての画力を振り絞って描いたのが伝わってくるな」
唯「SSじゃ表現できないけどね……」ボソッ
律「そんで最後のコマ、唯が梓の演奏に圧倒されて感動して、今週は終わりだな」
澪「よかった、今週の私は変なシーンがなかった……」ホッ
紬「澪ちゃん、そんなに心配なら読まなければいいのに……」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:57:52.52 ID:ubUvFG1TO [27/27]
梓「ああああああああああああああああっっっっ!!!!」
唯「わっ、あずにゃん!?」
梓「梓カッコいい! 梓最高! むしろ私最高!」ジタバタ
律「落ち着け、発言がメタ過ぎるぞ」
梓「これは、これは唯梓か! 唯梓なのか!」ハァハァ
唯「えーと、私はどうすれば?」
紬「梓ちゃんに抱きついてみればいいと思うわ」
唯「う、うん。あずにゃーん♪」ギュッ
梓「ちょっと邪魔しないでください、唯先輩」キッ
唯「」
梓「あぁ、唯攻めの梓受けか……」ハァハァ
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 01:50:12.48 ID:+aubSJWBO [2/31]
唯「4週目!」
律「毎週恒例になってきたな、みんなでジャンプ読むの」
梓「今週はどんな話でしょうね!」ニコッ
律「もう私は梓の笑顔を直視できないよ……」
唯「その奥に邪悪なものを秘めてるからね……」
澪「じゃ、じゃあ見てみようか」
紬(なんだかんだ言って澪ちゃんも気になるのね)
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 02:09:05.52 ID:+aubSJWBO [3/31]
※誌面
ピンポ-ン
憂「はーい。あっ、和さん」
和「おはよう、憂」
憂「今日はずいぶん早いですね?」
和「唯に頼まれたのよ。もうすぐ中間テストだから、朝勉強を教えろって」
憂「でも、まだ6時……」
和「た、確かにちょっと早く来すぎたかもしれないけど!」
憂「お兄ちゃん、まだ寝てますよ?」
和「えっ、本当に?」
憂「はい」
和「……」イラッ
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 02:23:58.45 ID:+aubSJWBO [4/31]
和「ちょっとお邪魔するわよ」ズカズカ
憂「あ、わっ、和さん!?」
和「妹に朝ごはん作らせといて、私に勉強見ろとか言っといて、まだ寝てるとは何事だ!!」ズカズカ
バタンッ
和「起きなさい、唯!」
唯「んー……」ゴロン
和「って、アンタ」
唯「何?」ムニャ
和「なんでギターと一緒に寝てるの?」
唯「……えーと」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 02:27:40.92 ID:+aubSJWBO [5/31]
憂「お兄ちゃん、昨日はギターの練習しながら眠っちゃったみたいで。私が布団かけておいたんです」
唯「あー、そういえば……。ありがとな、憂」
憂「えへへ、どう致しまして」
和「つまり、寝たのに気付かないくらい練習してたってこと?」
唯「まぁ、そういうこと」
和「驚いた……。唯が何かにそこまで夢中になったの、初めてじゃない?」
唯「そうだっけ?」
憂「小学生の頃、野球の道具を揃えただけで辞めちゃったことがありましたね」
和「中学のサッカー部も仮入部で辞めたわね。走りたくない、とか言って」
唯「うぅっ……」
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 02:49:28.70 ID:+aubSJWBO [6/31]
※読者
律「ここで憂ちゃんが登場か~」
唯「憂は女の子のままなんだね」
律「ジャンプの連載マンガにしては、女キャラの比率が多い気がするな。『いちご』『トラブル』枠じゃないのに」
唯「その役割は、澪ちゃんが引き受けてくれました!」
澪「や、やめてくれ……」ビクビク
紬「ところで、この憂ちゃんと和ちゃん、仲が良さそうね……」
律「ありゃ、珍しくムギが熱心に読んでるな」
紬「唯ちゃんの愚痴を言い合って意気投合する二人……」ブツブツ
紬「ある日、憂ちゃんが何気なく言った『和さんの妹だったらよかったのに』の一言をきっかけに、急接近して……」ブツブツ
紬「むぎゅううううう!!!!!」
律「先週の梓に続いて、今週はムギか……」ハァ
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 03:04:12.27 ID:+aubSJWBO [7/31]
※誌面
(登校中)
和「でも本当に意外だわ、アンタがそんなにやる気を出したの」
唯「まぁ、俺もやればできるって訳よ」フンス
和「何かあったの?」
唯「何か、ってほどでもないけどな」
和「やっぱり何かあったんじゃない」
唯「……昨日、軽音部のみんなとライブハウスに行ったんだよ」
158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 03:26:18.25 ID:+aubSJWBO [8/31]
(回想中)
律「何だよ、あのチビ! とんでもないテクニックじゃねーか!」
澪「すごい、すごい、すごい! こんなの、初めてだよっ……///」カァッ
唯「ギターソロ……」
唯「ヤバい、カッコいい……」
紬「彼は、中野梓。このライブハウスによく出演してるんだ」キリッ
律「ムギ、知ってるのか!?」
紬「うん、変わり者だからね。毎回違うバンドに呼ばれて演奏するから『渡り鳥』なんて呼ばれてる」キリッ
澪「そんなの、簡単な事じゃないよ。ギターを身体の一部みたいに弾ける人じゃなきゃ、そんな器用な真似はできない」
紬「何より驚くのがね、彼はまだ中学生なのさ。僕らよりも、年下なんだ」キリッ
唯「……信じられない」ゴクリ
唯(中野梓、何者なんだ!?)
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 03:52:04.52 ID:+aubSJWBO [9/31]
(部室)
唯「という訳で、俺もあんな風になりたい」ズイッ
律「唯が思いっきり影響されてやがる……」
唯「さぁさぁ、練習しようぜ!」ジャラ-ン
律「しかも昨日よりちょっと上手くなってやがる……」
唯「家でも練習したからな、そりゃもう、たっぷりと!」
律「すごいな……。おっ、そろそろオヤツの時間だ」
唯「いやいや、セッションしようぜ! 俺のパートは覚えてきたし!」
律「えっ!?」
澪「そうだよ。ダラダラ過ごしてたら、あのライブハウスのステージに立つのも夢で終わっちゃう」
紬「僕らはその先を目指すんだろう? ティータイムはもうちょっと後にしようか?」ファサッ
律「……あれ、俺もしかして孤立してる?」
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 03:59:23.26 ID:+aubSJWBO [10/31]
※読者
唯「ここから私たちの演奏シーンだよ!」
律「かきふらい先生、頑張ればこんな絵が描けるんじゃないか……」
澪「まんがタイムきららでも、私たちの演奏シーンをちゃんと描いてくれないかな……」
紬「澪ちゃん。それは、まんがタイムきららの読者の需要を何も考えてない発言よ」
澪「きらら読者の需要って……」
梓「このコマで、唯が振り向いて律と目を合わせるところが、たまりません」フゥ...
唯「こっちは、ジャンプ読者の需要を満たしてるみたいだね!」
澪「それもちょっと違うような……」
律「というか、梓に呼び捨てにされるのは違和感があるな……」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 19:40:31.48 ID:+aubSJWBO [12/31]
唯「今週もジャンプの発売日がやって来ました!」
律「……って、おい」
唯「どうしたの?」
律「掲載の順番が、かなり後ろになってるじゃないか」
唯「うん、そうだね」
律「そんな呑気に構えている場合か! このままだと打ち切り候補に入っちまうぞ!」
唯「えっ、そうなの!?」
律「知らないなら『ジャンプシステム』でググれ。アンケートの結果が反映され始めてるんだ」
梓「今週・来週あたり面白くなかったら、10週打ち切りが見えてきますね……」
唯「なんと!?」
律「という訳で、第五話を見てみるか……」ドキドキ
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 19:53:19.59 ID:+aubSJWBO [13/31]
※誌面
聡「兄ちゃん、今日は出かけるの?」
律「あぁ、軽音部のヤツの家で勉強会。一人だけ赤点で追試をくらったバカがいてな」
聡「そんなら電子ドラム借りていい?」
律「却下。昔のジャンプでも積んで叩け」
聡「なんでだよ、ケチ!」
律「うるせぇ。お前が部屋に入ると絶対に散らかすから嫌なんだよ」
聡「そんな事ないだろ」
律「すっぽ抜けたスティックで蛍光灯を割られるのは、もう勘弁してくれよ」
聡「いつまでその話を引きずってるんだよ。俺がドラム始めたばっかりの時じゃんか、それ」ムスッ
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 19:59:41.04 ID:+aubSJWBO [14/31]
ピンポ-ン
澪「こんにちは」
律「おぉ、澪……」
聡「こんにちは、澪姉さん!」ガバッ
澪「聡くん、元気にしてた?」
聡「はい、元気です。悩みと言えば兄がウザい事くらいです!」
律「こいつ……」プルプル
澪「あぁ、奇遇だね。私も同じ悩みを抱えてるんだ」
聡「一緒ですね。今度その悩みについて語らいましょう、二人で!」
澪「それはいい提案だな!」
律「澪、お前まで……」プルプル
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 20:10:14.72 ID:+aubSJWBO [15/31]
(街頭)
澪「……で、今日は電子ドラムを貸す貸さないで喧嘩してたのね」テクテク
律「そういう事。結局貸してやったけどな、俺は心が広いから」
澪「本当に心の広い人は、そもそもそんな理由で弟と喧嘩しないよ」
律「……この人混みのなか、スカートをめくってやろうか?」
澪「さささ、最低だ!///」
律「冗談だよ」
律(それにしても聡のヤツ、最近やたら熱心にドラム叩いてるな……)
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 20:17:23.71 ID:+aubSJWBO [16/31]
※読者
唯「りっちゃんと澪ちゃん、なんかいい雰囲気だね~」
律「私が男になると、なんか普通のカップルみたいだな」
澪「うーん、確かに。これはこれで恥ずかしいな……///」
梓「ただのカップルには興味ありません」
紬「この中に百合、レズ、あと梓ちゃんのためにBLがいたら、私のところに来なさい。以上!」
律「お前らは相変わらずだな……」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 20:26:08.13 ID:+aubSJWBO [17/31]
梓「んっ、待てよ……」
紬「よく考えてみたら……」
梓「澪先輩も男体化しちゃえば萌えるかも!」
紬「律ちゃんも女の子になれば、素敵なカップルになる気がするわ!」
律「お前ら、いい加減にしろよ……」
澪「特にムギ、冷静に自分の言ってる事を振り返ってみてくれ。おかしいだろ……」
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 20:49:46.68 ID:+aubSJWBO [18/31]
※誌面
唯「という訳で、平沢家にようこそ!」パフパフ
律「そのラッパは何だよ……」
唯「いや、みんなを歓迎するために用意したんだ」
律「そんな余裕があるなら勉強せんか! お前の追試のために集まってんだから」
澪「ムギ君はもう来てるの?」
唯「あぁ、いるよ。俺の妹と意気投合しちゃったみたい」
紬「このコーヒー、モカの豆を挽くところから作ってるんだね。とても美味しいよ」ファサッ
憂「うわぁ、わかってくれて嬉しいです。お兄ちゃんは私のこだわりなんて気付いてくれなくて……」
唯「……ほら、ね」
208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 20:57:58.94 ID:+aubSJWBO [19/31]
律「そうだ、唯。いいもの見せてやるよ」
唯「えっ、何を?」
律「澪のパンツ」バサッ
澪「えっ……」
唯「!?」
紬(白、か……)キラリンッ
澪「きゃああああっ!!!!」バチ-ン
律「痛ぇ、本気のパンチだ!!」
澪「な、な、な、なんて事を!?」
律「いや、さっきの『心が広くない』発言を根に持ってたから」ヒリヒリ
澪「ふざけんな、バカ律!!」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 21:04:04.91 ID:+aubSJWBO [20/31]
※読者
梓「このスカートめくり、必要あったんですか?」
律「おそらく人気回復のためのテコ入れだな。澪は犠牲になったのだ……」
唯「澪ちゃんェ……」
梓「それはもういいです!」
紬「澪ちゃん、大丈夫?」
澪「あぁ、平気だよ。全国にパンツを晒すくらい、どうって事ないさ……」ハハッ
唯「澪ちゃんが打たれ強くなってる……」
律「ジャンプ誌上のサービスカットも三回目だからな……」
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 21:19:08.43 ID:+aubSJWBO [21/31]
※誌面
澪「さて、ちゃんと勉強するぞ」
唯「早速この問題がわかりません!」
澪「どうしてわからないんだよ、中学校の範囲じゃないか……」
律「ぶっちゃけ唯の勉強を見るのは澪に任せとけばいいな」
律「妹の憂ちゃんとゲームでもしようかな?」
紬「すごいキッチンだね。タジン鍋まで置いてあるなんて」キランッ
憂「このフライパンは卵焼き専用なんです。他の料理の味を付けずに、プレーンオムレツを作りたくて」
律「……」
律「……マンガでも読むか」
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 21:31:32.45 ID:+aubSJWBO [22/31]
律「……」ゴロゴロ
律(俺は、こんな事してていいんだろうか)
律(武道館でライブやりたいなんて、夢ばかり大きくて)
律(そのために努力してるかって言われれば、そりゃしてるけど)
律(俺より遅くドラムを始めた聡は、テクニックだけなら、もう俺とほとんど変わらない)
律(今だって俺の部屋で練習してるんだろ、ったく)
律(俺は……、唯の部屋でマンガ読みながらゴロゴロしてるだけ)
律(せっかく最高のメンバーでバンドを組めて、夢に一歩近づいたってのに)
律(何やってるんだろう。これじゃダメだよな)
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 21:36:25.03 ID:+aubSJWBO [23/31]
唯「あぁ、さっきの公式をここで使うのか」
澪「そうそう。そのやり方なら難しくないよ」
律「なぁ、唯」
唯「ん?」
律「さっさと追試を終わらせて、練習しようぜ」
唯「律……」
律「なっ?」
唯「うん、わかった。早く部室に戻りたいね」
律「あぁ、そうだな!」
澪「そう思うなら、律も勉強を教えるの手伝いなさいよ」
律「無理だよ、俺も澪に教わったんじゃないか」
唯「あぁっ、だから律はいい成績だったのか!?」
律「バレたら仕方ない、その通りだ!」
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 21:44:57.51 ID:+aubSJWBO [24/31]
※読者
唯「今週はここで終わりだね。みんな、感想をどうぞ!」
律「律がイケメンだな」
澪「澪がパンツだな」
梓「梓が出なかったな」
紬「なぜ憂ちゃんと澪ちゃんの絡みがないのか、むしろ紬を女体化して紬憂に活路を見出すべきなのか」
唯「はい、ありがとうございました!」
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 21:53:13.77 ID:+aubSJWBO [25/31]
唯「それで、今週は第六話なんだけど……」
律「やっぱり掲載順位は後ろの方か」
梓「無理もないですよ。人気上位には『ワンピ』『ナルト』『鰤』あたりがいるから……」
紬「私としては、ジャンプで打ち切られて、まんがタイムきららに戻ってきてもいいと思ってるの」
澪「もう、どっちでもいいや……」アハハ
唯「澪ちゃんが達観してる……」
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 22:09:33.50 ID:+aubSJWBO [26/31]
※誌面
ジャジャ-ン
ドコドン
唯「今の、いい感じじゃなかった!?」
律「なんか完璧だったんじゃないか!?」
澪「律のドラムは走ってたけどな」
紬「それでも、僕たちがバンドを組んで一番の出来だったと思うよ」キラリッ
唯「よーし、じゃあ休憩!」
律「ムギ、お菓子の用意だ!」
紬「任せてよ!」ファサッ
澪「……まぁ、いっか。気付いたら、結構長い時間が経ってるしね」
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 22:22:55.35 ID:+aubSJWBO [27/31]
唯「ところで、さ」モゴモゴ
律「何だよ?」ズズッ
唯「最初の目標はライブハウスで演奏って言ったけど、どうすればいいんだろう?」
律「あー、確かに。どうすりゃいいのかな?」
澪「地道に実力を付けながら、イベントに出演する機会を探す、とか?」
紬「うちのライブハウスなら、僕がお願いすれば出られると思うんだけどね」キランッ
澪「えっ、本当に!?」
律「ムギってよくわからない力を持ってるよな……」
唯「うーん、でもムギの力だけを頼りにステージに立つのはちょっと……」
紬「そう言うと思ってね、こんなイベントの情報を持って来たんだよ」ファサッ
律「えーと、どれどれ?」
唯「……ティーンズ・ロック・フェスタ?」
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 22:36:31.03 ID:+aubSJWBO [28/31]
※読者
唯「以下、ムギちゃんの説明が続くので省略します」
律「大体名前でわかるよな、どういうものか」
紬「あぁ、紬がどんどん『ストーリーの進行上で便利なキャラ』になっていく……」
梓「ムギ先輩はVIPのSSでもそういう役割が多いですからね」
律「梓の発言がメタ過ぎて、もうね」
唯「りっちゃん、突っ込みを放棄しちゃダメだよ!」
梓「律先輩……、突っ込み……、すなわち強気攻め……」
律「よし梓、いいから黙ってろ」
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 22:56:21.27 ID:+aubSJWBO [29/31]
※誌面
唯「そんな訳で、TRF(ティーンズ・ロック・フェスタ)にエントリーする事にしたんだ」
憂「すごいね、お兄ちゃん!」
唯「何もすごくないよ、高校生までなら誰だって出演できるんだから」
憂「えっ、そうなの?」
唯「とはいえ、出場するバンドは全部、それなりに実力のあるバンドばかりだろうってさ」
憂「紬さんがそう言ってたの?」
唯「うん、だから恥ずかしい姿は見せられないよ。俺たちにとって、武道館への第一歩だからな」
憂「そっか。やっぱりすごいよ、お兄ちゃん」
唯「だから、すごくないって……」
憂「ううん、すごい」
唯「……わかった。ありがと、憂」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 23:02:32.24 ID:+aubSJWBO [30/31]
律「ただいまー」
聡「おぉ、兄ちゃん。おかえり」
律「……」
聡「どうしたの?」
律「いや、別に」スタスタ
律(TRFの事、わざわざ聡に話さなくてもいいよな)
聡「……何だ、あれ」
プルルルル
聡「おっと、電話だ。もしもし?」
聡「……」
聡「ティーンズ・ロック・フェスタ?」
聡「それ面白そうだな、梓!」
229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 23:10:28.82 ID:+aubSJWBO [31/31]
※読者
律「うおっ、マジか!?」
唯「意外な繋がりが明らかになったところで、今週は終わり!」
梓「この展開は予想していませんでした。今週は掲示板が荒れそうです」
澪「だんだん澪が空気になっている気がするんだけど」
紬「お色気担当だからいいじゃない。紬なんて……」グスッ
唯「うぅっ、泣かないでムギちゃん」ムギュッ
紬(あぁ、唯ちゃんに抱き付かれると幸せだわ……)
梓「ムギ先輩がヘブン状態ですね」
233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 00:01:35.31 ID:rLJVSM+vO [1/30]
唯「そんなこんなで迎えた7週目ですが」
律「私たちが独自に入手した情報によると」
唯「『ジャンプらしくない』という読者の声を受けて」
律「編集部から大幅にストーリーのテコ入れが行われた模様です」
梓「それって完全に打ち切りフラグなんじゃ……」
律「言うな、それは思っても言うな!」
唯「さてさて、どうなったのかな?」
239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 00:16:36.05 ID:rLJVSM+vO [2/30]
※誌面
律「みんなに提案したい事があるんだ」
澪「TRFに向けて?」
紬「どんな提案だい?」ファサッ
唯「律、言ってみろよ」
律「TRFは確かに中高生バンドだけのイベントだ。でも俺たちにとって、すごく大切な初舞台になると思う」
律「俺たちが、武道館のステージに立てるのかどうか、それを占う最初のチャンスだと思ってる」
律「だから絶対に、TRFで一番目立ちたい、一番すごいバンドだったって観客に言わせたいんだ」
唯「そうだな、みんな同じように思ってるよ」
240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 00:29:01.83 ID:rLJVSM+vO [3/30]
律「そこで、観客の度肝を抜くパフォーマンスをするために、どうすればいいか考えたんだ」
澪「すごく難易度の高い曲を選ぶ、とか?」
律「違う……。あえて俺たちは、曲を選ばない」
澪「どういう意味?」
律「前のバンドが演奏した曲を、俺たちも演奏する」
唯「……はっ?」
律「いや、ただ同じ曲を演奏するだけじゃない。即興でアレンジを加えて、数段上のクオリティにしてやるんだ」
紬「そ、そんな事ができるのかい?」キュピ-ン
律「できるかどうかじゃなくて、やるんだよ。俺たちの力を合わせて!」
241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 00:35:14.80 ID:rLJVSM+vO [4/30]
唯「でも、どうやって……」
律「そのための作戦も、ちゃんと考えてきた。まず、唯!」
唯「は、はいっ!」
律「ひとつ気付いた事があるんだ。唯には絶対音感がある」
唯「……絶対音感?」
紬「耳から聞いた音を、すべてドレミの音階で理解できる能力だよ」キリッ
律「唯の絶対音感を研ぎ澄ませれば、直前のバンドが演奏した曲を、その場でコピーする事ができるようになる筈だ」
245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 00:39:35.00 ID:rLJVSM+vO [5/30]
唯「ほ、本当に?」
律「頼むよ、唯……」ガシッ
唯「律……」
律「俺の作戦を実現するためには、唯の絶対音感がどうしても必要なんだ」
律「いや、違う。俺たちの夢、武道館のためなんだ!」
唯「……わかった」
律「えっ?」
唯「頑張ってみるよ、律の言う通りに」
律「ありがとう、唯……」ギュッ
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 00:48:07.55 ID:rLJVSM+vO [6/30]
※読者
律「……と、前半まで読んでみた訳だが」
唯「……あのね、りっちゃん」
律「おう」
唯「さすがにこの作戦は、バンドやってる人を馬鹿にしてると思うよ」
澪「大体、絶対音感ってそこまで万能なものじゃないし……」
梓「取って付けたような唯律シーンも、今回ばかりはどうかと」
律「これがジャンプの伝統なんだよ」
唯「伝統?」
律「『キャプ翼』を連載すれば、サッカーを真面目にやってる人から驚かれて」
律「『テニプリ』を連載すれば、テニスを真面目にやってる人から呆れられて」
紬「そうやって、ジャンプの伝統は作られてきたのね……」
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 00:59:05.24 ID:rLJVSM+vO [7/30]
※誌面
律「唯が曲をコピーしたら、次は俺たち3人でそれを即興でアレンジする」
律「ムギは、作曲ができる。アドリブで構わないから、自由にキーボードを鳴らしてくれ」
紬「そんな……」ファサッ
律「澪は、作詞ができる。ステージの上で浮かんだ言葉を、メロディに乗せて歌ってくれ」
澪「で、できるかな……」
唯「それで、律は何を?」
律「俺か? ……俺は、リズムを倍速にしてやる」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 01:07:40.75 ID:rLJVSM+vO [9/30]
唯「……倍速?」
律「俺、時々ドラムが走っちゃって、リズムが速くなっちまうだろ」
律「だから逆に、速さを追究してやる。2倍の速さでリズムを刻んでやる」
律「あぁ、安心しろよ。テンポまで2倍にする訳じゃない」
律「同じテンポで、俺のドラムだけが2倍多くリズムを刻むんだ」
澪「つまり、8ビートのリズムなら16ビートに……」
律「16なら32に、32なら64にしてやるよ」
澪「そんな事したら、律の身体が壊れちゃうよ!」
律「……壊れてもいい」
澪「えっ?」
律「夢を叶えるためなら、身体なんて壊れたって!」
257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 01:14:55.62 ID:rLJVSM+vO [10/30]
唯「……澪ちゃん、やってみようよ」
澪「唯君……」
唯「律だけじゃない。4人とも、自分の能力の限界を超えなきゃいけない」
唯「そうしなきゃ届かない夢だと思うんだ、武道館って」
唯「だから俺は、律に賛成する。この4人なら、きっとできるって信じてるから」
紬「……わかった、僕も頑張ってみよう」ファサッ
律「……ありがとう、ムギ」
唯「……どうする、澪ちゃん?」
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 01:19:15.12 ID:rLJVSM+vO [11/30]
澪「……バカだよね、みんな」
律「澪……」
澪「みんながそれだけ頑張ろうって言ってるのに、私だけ逃げる訳にいかないじゃないか」
唯「じゃ、じゃあ!」
澪「やってやろう、TRFに向けて!」
律「よっしゃ、みんなの心は一つだ!」
唯「TRFで一番すごいパフォーマンスを見せてやろう!」
澪「そして、目指すは武道館だ!」
唯律澪紬「オー!!!!」
260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 01:26:26.64 ID:rLJVSM+vO [12/30]
※読者
唯「えーと、ここで今週の話は終わりだけど……」
紬「……」
澪「……」
律「……」
紬「そんな即興アレンジで、まともな演奏ができると思ってるのかしら……」
澪「思い付いた言葉を歌詞にするなんて、フリースタイルのラッパーみたいになるじゃないか……」
律「リズム2倍って何だよ、腕と脚が4本ずつなきゃ無理だろ……」
梓「ここまで突き抜けてくれると、もはや清々しいですね……」
298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 18:38:13.37 ID:rLJVSM+vO [14/30]
唯「あぁ、もう今週のジャンプが発売だね……」
律「第七話が超展開すぎて、第八話がどうなるのやら……」
澪「もう、どうにでもなればいいんじゃないか!」
紬「私もだんだん、むしろ楽しみ、って気持ちになってきたわ!」
澪「あはは……」
紬「うふふ……」
梓「ていうか掲載順『ジャガー』の前になってる!?」
律「もういい、何も言うな。読むぞ」
299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 18:44:18.79 ID:rLJVSM+vO [15/30]
※誌面
ドコドコドコドコ
律「はぁ、はぁ、はぁ……」
律「くそっ、倍速リズム……」
律「あと少しで出来そうなのに、体力がもたねぇ……」
律「何か運動部で20kmくらい走らされる方が、まだマシなんじゃないか……」
律「くそっ、休憩だ」バタッ
律「はぁ、はぁ、はぁ……」
律「でも、俺がやるしかないんだ……」
律「……」
律「うしっ、休憩は終わりだ!」ガバッ
301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 18:49:54.08 ID:rLJVSM+vO [16/30]
ジャンジャジャ-ン
ジャジャッジャ-ンジャン
唯「……よし」
唯「今のギターソロ、覚えた!」
唯「せーのっ」
ジャンジャ-ン
ジャンジャ-ン
唯「あれっ?」
唯「何か違うよな、これ」
唯「くそっ、難しいな……」バタッ
ジャンジャジャ-ン
ジャジャッジャ-ンジャン
唯「……」
唯「これは、俺にしか出来ないんだ……」
唯「俺が諦めたら、どうにもならない!」ガバッ
302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 19:02:51.47 ID:rLJVSM+vO [17/30]
(部室)
澪「みんな、調子はどんな感じ?」
唯「なかなか大変だよ、まだマスターできてない」
律「俺も、まだライブで使えるレベルには遠いな」
紬「即興アレンジというのは、口ど言うよりずっと難しいね」
澪「私も……。こんなので大丈夫かなって、自信が持てないや」
ガタッ
さわ太「よう、みんな!」
唯「あっ、さわちゃん」
澪「顧問のくせに、部室へ来たのは久しぶりですね」
さわ太「お前らが、相当クレイジーな事をやろうとしてるって聞いてな」
律「えっ、さわちゃん知ってるの?」
紬「僕が伝えたんだ。TRFにエントリーした事や、律の作戦なんかもね」キランッ
304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 19:10:08.37 ID:rLJVSM+vO [18/30]
さわ太「面白いから手伝ってやるよ、お前らの作戦!」
澪「えっ、本当ですか?」
唯「でも手伝うって、どうやって?」
律「お菓子の差し入れなら間に合ってるぜ?」
さわ太「実は俺、この軽音部のOBでな。Death Devilってバンドで、あちこちのコンテストを総ナメにしてたんだぜ?」
澪「初耳です……」
さわ太「ほら、この写真。これがDeath Devilのメンバーだ」
律「って、すごいメイク!?」
唯「さわちゃん、こんなバンドやってたの!?」
紬「すごいのは見た目じゃなくて、各メンバーの実力も、高校生レベルをはるかに超えていたらしい」ファサッ
さわ太「はっはっはっ、もっと俺を尊敬しやがれ!」
308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 19:22:53.21 ID:rLJVSM+vO [19/30]
さわ太「それでお前ら。その作戦、正直キツいだろ」
律「うっ……」
唯「まぁ、正直、ね……」
さわ太「だから俺たちDeath Devilが、特別にみっちりお前らを鍛えてやる事にした」
澪「えっ?」
さわ太「もう当時のメンバー全員に声をかけた」
さわ太「これから毎週末、スタジオで一日中特訓してやる」
さわ太「お前ら、覚悟しろよ?」ニヤッ
唯「……すげぇ」
律「ありがたいな、マジで!」
澪「よ、よろしくお願いします!」
紬「希望の光が見えてきたね」キラリンッ
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 19:35:59.13 ID:rLJVSM+vO [20/30]
※読者
律「さて、ここに来てさわちゃんが登場した訳だが……」
紬「性別が変わってるのは、今更どうこう言わないけど……」
唯「昔のバンドの話、自分からベラベラ喋ってるね」
澪「こっちの先生は、必死に隠してたのにな」
梓「ていうか、構想していた設定を急いで詰め込んだような流れですよね。これって、やっぱり……」
唯「打ち切り前の急展開なんかじゃないよ、きっと!」
315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 20:46:05.60 ID:rLJVSM+vO [21/30]
※誌面
聡「スタンバイOK?」
純「ベースはOK」
梓「こっちもいいよ」
聡「じゃあ、行くよ。ワン、ツー、スリー、フォー!」
ジャジャ-ン
ブォ-ン
ドコドン
聡「すげぇ、今バッチリだった!」パァッ
梓「この3ピースも、息が合ってきたね」
純「今度のTRF、観客の視線を独り占めだな!」ニヒヒッ
聡(梓が俺たちとバンドを組んでくれてから……)
聡(どこまでも突っ走っていける気がする!)
317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 21:15:21.79 ID:rLJVSM+vO [22/30]
梓「聡、上手になったね」
聡「えっ、本当に!?」
純「梓が入ってくれてから、聡のヤツ、すごいやる気を出しちゃってさ」
梓「……そうなの?」
聡「だって、憧れだった中野梓が、俺たちと組んでくれたんだぜ?」
純「……」ニヤニヤ
聡「梓のギターにふさわしいドラムにならなきゃ、恥ずかしいもん」
梓「……ははっ、ありがと」
純「さてさて、じゃあもう一回セッションしようか?」
聡「俺はいいよ、梓は?」
梓「もちろん」
聡「じゃあ、もう一回だ!」
319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 21:37:31.61 ID:rLJVSM+vO [23/30]
さわ太「遅いぞ、お前ら!」
律「約束の時間より10分も早く着いたのに……」
唯「土曜の朝に早起きするの、しんどい……」ファア
澪「えっと、こちらの皆さんが……」
さわ太「Death Devilのメンバーだ」
「はじめまして」
「よろしく!」
「よろしくね~」
澪「見た目も普通だし、話し方も爽やかだ……」
唯「この人たちが、あの写真の人たちなんて、信じられない……」
紬「これは世を忍ぶ仮の姿、あの衣装が真実の姿、といった具合だね」ファサッ
さわ太「さぁ、地獄の特訓が始まるぜぇ!」クックック
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 21:51:18.61 ID:rLJVSM+vO [24/30]
※読者
律「今週はここまで。来週はDeath Devilの皆さんと特訓かな?」
唯「あずにゃんのバンド、ベースは純ちゃんだったね」
梓「……」ブツブツ
唯「……あずにゃん?」
梓「梓聡……、梓聡……、梓聡……!」ブツブツ
唯「」
律「もう放っといてやろうぜ、梓のことは」
331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 23:22:12.91 ID:rLJVSM+vO [26/30]
唯「第九話!」
律「正直、ここで話すネタも無くなってきたな」
唯「なので早速、本編どうぞ!」
335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 23:33:39.82 ID:rLJVSM+vO [27/30]
※誌面
唯「……」ゲッソリ
澪「唯君、大丈夫?」
唯「たぶん……」
紬「山中先生の特訓で、みっちり鍛えられたようだね」ファサッ
唯「特訓というか、あれは音楽地獄だよ……」
澪「一体、どんな練習だったの?」
唯「さわちゃんが即興で弾くギターソロを、すぐコピーするんだ。失敗したら蹴られる」
澪「うわぁ、大変だ……」
336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 23:43:27.29 ID:rLJVSM+vO [28/30]
唯「澪ちゃんとムギも、ハードな特訓だったんじゃないの?」
澪「私はボイストレーニング中心だったし、平気だよ……。ちょっと疲れたけどね」ハハッ
紬「僕はアドリブ力を付けるために、あえて音楽理論の基礎から学ばせてもらったよ。なかなか骨が折れるね」ファサッ
唯「そっか……。あれ、律は?」
ガチャ
律「……」フラフラ
唯「り、律!?」
さわ太「安心しろ、人間はこれくらいじゃ死なないから」ワッハッハ
澪「って、何をしたんですか!?」
338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 23:52:32.49 ID:rLJVSM+vO [29/30]
律「……みんな、俺は大丈夫だ」
唯「でも、見るからに身体を酷使してるじゃないか!」
律「……出来る」
唯「……えっ?」
律「出来るぜ、倍速リズム。自分の限界を超えられる気がするんだ」
澪「律……」
紬「律君……」キラキラッ
律「ただ、今はちょっと休ませてくれ」バタッ
澪「ちょ、ちょっと律!?」タタッ
律「……澪、ピンクか」
澪「……へっ?」
律「パンツ」
澪「……この、バカ律! 心配して損した!」ゲシッ
律「げふっ! か、顔を蹴るな!」
339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 23:56:31.84 ID:rLJVSM+vO [30/30]
※読者
澪「ずいぶん過酷な特訓だな……」
唯「って、澪ちゃん?」
澪「何だ?」
唯「ローアングルからスカートの中身が見られちゃってるけど、平気なの?」
澪「あぁ、いいんじゃないか。だって澪はお色気担当のキャラクターだろ?」ニコッ
梓「澪先輩……」
紬「澪ちゃん……」
律「この連載を通して、一番成長したのは澪かもしれないな」ホロリ
340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 00:06:21.68 ID:l7O7hxb2O [1/22]
※誌面
こうして俺たちは、Death Devilの皆さんに毎週末しごかれて、着実に力を伸ばしていった。
月日はあっという間に過ぎていき、気が付けば、TRF本番が翌日に迫っていた。
憂「いよいよ明日だね、お兄ちゃん」
唯「なんか今から緊張するよ……」
憂「お兄ちゃんなら、きっと大丈夫。今夜は早く寝て、体調バッチリで本番に臨んでね」
ピンポ-ン
唯「誰だろう、こんな時間に?」
341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 00:16:57.33 ID:l7O7hxb2O [2/22]
和「こんばんは、唯」
唯「和……。こんな時間にどうしたの?」
和「緊張してガクガクしてるアンタの顔を笑いに来たのよ」
唯「あぁ、そう。じゃあ気が済むまでバカみたいに笑って、さっさと帰れ」
和「ふふっ、冗談よ。でも唯が緊張してるのは本当みたいね」
唯「……初めてだよ、こんな気分」
和「唯はこれまで、部活の試合みたいなものを経験した事がないから」
唯「……軽音部に入らなかったら、このドキドキする感じ、ずっと知らなかっただろうな」
和「そうかもね」クスッ
唯「……軽音部に入って、本当によかった」
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 00:25:07.16 ID:l7O7hxb2O [3/22]
和「明日は私も見に行くから、頑張ってね」
唯「ありがとう、楽しみにしといて。出演するバンドの中で、俺たちが一番すごいライブをやってやるから」
和「どこから来るのよ、その自信は……」
唯「うるせぇ、それだけ練習したんだよ!」
そして、TRFの本番当日がやって来る。
俺たちの夢、武道館に辿り着くための、最初のステージが幕を開ける。
次号最終回!
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 00:30:55.29 ID:l7O7hxb2O [4/22]
※読者
唯「ああああああああああああああああ」
律「ああああああああああああああああ」
澪「ふ、二人とも、落ち着いてくれ!」
唯「だってだって、次号最終回って!」
律「ジャンプに載るのが最後だなんて!」
梓「やっぱり中盤以降は、10週打ち切りに向けた急展開だったんですね……」
紬「そしてまた、まんがタイムきららに戻って、私たちの素敵な日々が始まるのね……」
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 02:25:27.29 ID:l7O7hxb2O [5/22]
唯「大好き~♪ 大好き~♪ 大好き~を~あ・り・が・とう♪」
澪「その曲のラスト、いかにも最終回っぽいからやめろ」
律「本当に……最終回、なんだな……」
梓「短い間でしたが、ジャンプで連載された事で、たくさんの夢と妄想をもらいました」
紬「思えば、けいおん!を少年誌で連載しようというのが間違いだったのかもしれないわね」
唯「という訳で、第十話にして最終回です」
梓「ページ数が若干増量されてるのは、編集部のせめてもの情けですか」
律「それじゃ、どうぞ」
353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 02:38:30.66 ID:l7O7hxb2O [6/22]
※誌面
律「よう、昨日はちゃんと眠れたか?」
澪「緊張のせいか、よく眠れなかったよ」
唯「実は、俺も……」
律「おいおい、そんなんで大丈夫かよ?」
紬「そう言ってる律君も、目の下にクマが出来ているみたいだよ?」キラリンッ
律「うっ、バレた……」
唯「ムギだけは普段とまったく変わらないな……」
律「まぁ、泣いても笑っても」
唯「……」ジッ
澪「……」ジッ
紬「……」ファサッ
律「今日がTRF本番だ!」
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 02:50:59.13 ID:l7O7hxb2O [7/22]
唯「今日のプログラムは、どうなってるのかな。全部で何組出演するとか、俺たちの演奏は何番目とか」
澪「あっ、この紙に書いてあるみたい」ピラッ
紬「今日は中高生バンドが8組登場。僕たちの出番は最後にしてもらったよ」ファサッ
澪「してもらった、って……」
律「何にせよ、大トリを飾れる訳だ。観客の度肝を抜いてやろうぜ!」
唯「……じゃあ、この『HTT』って書いてあるのが俺たちなの?」
澪「バンド名なんて決めてなかったよね、確か?」
律「ごめん、エントリーの時に俺が勝手に決めた」
澪「また律はそういう事をする!」
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 02:57:37.22 ID:l7O7hxb2O [8/22]
唯「それで、HTTってどういう意味?」
律「『ハイブリッド・トレース・タイム』の略だ。ものすごいコピーバンド、って意味」
唯「……」
澪「……」
紬「……正直に言わせてもらうと、あまりセンスを感じないね」ファサッ
律「な、何だと!?」
唯「アルファベットだけで書かれてるから、まだ助かったよ」
澪「後で話し合って、こじつけでHTTの意味を考えようか」
律「……」イジイジ
唯「涙目になるなよ、律……」
358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 03:05:04.89 ID:l7O7hxb2O [9/22]
和「あっ、唯たちがいたわよ」
憂「本当だ。お兄ちゃん!」
唯「和、憂。来てくれたんだ」
憂「当然だよ。観客席から見てるからね!」
和「せいぜい、ミスしないようにね」
律「いいなぁ、唯は見に来てくれるような妹がいて」
澪「聡君は律の勇姿を見に来たりしないの?」
律「そんなの、あいつが来る訳が……」
聡「あれっ、兄ちゃん?」
律「……なんで聡が来てるの!?」
359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 03:18:29.59 ID:l7O7hxb2O [10/22]
澪「まさか、本当に見に来てくれたなんて……」
聡「澪姉さんもいるって事は、兄ちゃんたちも今日出演するの?」
澪「私たち『も』って、まさか……」
聡「俺のバンド『MUSTANG』も、今日はエントリーしてるからね!」
唯「MUSTANGって、HTTのひとつ前に出るバンドだ……」
純「おーい、聡。早く行くぞ?」
聡「わかった! あれがMUSTANGのベースの純。その隣にいるのがギターの……」
唯「……中野梓!?」
梓「聡、置いて行っちゃうよー?」
聡「今行くってば! じゃあ兄ちゃん、また後でな」
律「お、おう……」
361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 03:28:46.68 ID:l7O7hxb2O [11/22]
唯「中野梓のバンドが、俺たちのひとつ前に出演する……」
唯「……勝負だな。俺が中野梓をコピーできるか、中野梓を超えられるか」
律「そのバンドのドラムが、よりによって弟の聡……」
律「……勝負だな。聡の倍速リズムを刻めるかどうか」
澪「私たちだって、負けられないよ」
紬「その通りだね」ファサッ
363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 03:35:45.17 ID:l7O7hxb2O [12/22]
さわ太「よう、お前ら。調子はどうだ!?」
唯「あっ、さわちゃん!」
澪「Death Devilの皆さんも!」
さわ太「まさか、緊張して眠れませんでしたなんて言わないだろうな」
律「」ギクッ
さわ太「あれだけの特訓を乗り越えてきたんだ。お前らなら、絶対に一番すごいパフォーマンスが出来るさ」
紬「ありがとうございます、先生」キラリンッ
さわ太「ほら、もう時間だ。そろそろ楽屋に移動しろよ?」
ガヤガヤ...
「間もなく、本日のイベントを開演いたします……」
365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 03:44:31.12 ID:l7O7hxb2O [13/22]
※読者
唯「これまでの話に出てきたキャラクターが、勢揃いだね!」
律「いかにもジャンプの最終回前半らしい展開じゃないか」
梓「10話打ち切りだから、勢揃いと言っても、そこまで数が多い訳じゃ……」
紬「私としては憂和分を補給できたから少し満足だわ」
澪「誰も聞いてないぞ、ムギ……。ところで、律のネーミングセンスはどうなんだ」
唯「ハイブリッド・トレース・タイム……」
律「確かにそう思うけど、澪にネーミングセンスを批判されるのは複雑な心境だな」
366 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 03:57:12.76 ID:l7O7hxb2O [14/22]
※誌面
律「こうやって他のバンドの演奏を聴いてみると、どれも上手だな」
唯「中高生限定のイベントとはいえ、適当な覚悟で来てるヤツは誰もいない」
律「その中でも、俺たちが一番だけどな!」
澪「……次のバンドはMUSTANGだよ」
紬「唯君、しっかり聴いておくんだよ」キリッ
唯「任せてよ……」ゴクリ
ザワザワ...
「あれ、中野梓だよな……」
「あいつもこのイベントに参加してたのか……」
梓「……最初の曲、いきます」
367 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 04:04:05.06 ID:l7O7hxb2O [15/22]
ジャジャ-ン
ブォ-ン
ドコドコドコ
唯(す、すごい!!)
唯(この重厚なサウンド、本当に3ピースバンドか!?)
唯(いや、今は余計な事を考えるな。覚える事に集中するんだ……)
律(聡のヤツ、いつの間にあんな上手くなったんだ)
律(軽音部に入る前の俺だったら、実力で追い越されてたな)
律(けど、今の俺は負けないぞ。死ぬほど特訓したんだから……)
ワァァ...
梓「みんな、ありがとう!」
澪「……出番だね」
368 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 04:13:27.93 ID:l7O7hxb2O [16/22]
ザワザワ...
「次のバンドで最後だな」
「もう今日は俺、MUSTANGを見られて満足しちゃったわ」
「このHTTってバンドは、何を演奏するんだろうな?」
「曲の難易度でいったら、さっきのMUSTANGが一番すごかったか?」
「あっ、ボーカルが女の子なんだ」
唯「……」コクリ
澪「……」コクリ
紬「……」キリッ
律「ワン、ツー、スリー、フォー!」
369 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 04:23:20.34 ID:l7O7hxb2O [17/22]
梓「次のバンド、聡のお兄さんがドラムなんだっけ?」
聡「そうだよ。何の曲をやるんだろう?」
純「あれ、このイントロは……」
聡「えっ、嘘、だろ……」
梓「あり得ない……。だってこの曲は、今日初めて披露した新曲だよ!?」
ワアアァァァ...
「これ、さっきと同じ曲だよな!?」
「しかもアレンジが全然違う。キーボードのアドリブなのか……」
「まさかボーカル、即興で歌ってるのか?」
「あのドラム、滅茶苦茶な細かさでリズムを刻むな!!」
「すげぇ、ギターソロも完璧だぞ!!」
372 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 04:35:37.11 ID:l7O7hxb2O [18/22]
ジャッ!
律「はぁ、はぁ、はぁ……」
唯「はぁ、はぁ、はぁ……」
紬「ふぅ……」ファサッ
澪「みんなー、ありがとー!!」
ワアアアアアアアアアッッッ
律「すごい……」
唯「歓声が、止まらない……」
紬「ステージから見えるこの風景、最高だね……」キラキラ
唯「バンドって、最高だな!!」
澪「本当に、本当に、ありがとー!!」
ワアアアアアアアアアッッッ
聡「……まだまだ敵わないな、兄ちゃんには」
梓「……こんなすごいバンド、見たことない!!」
375 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 04:48:58.63 ID:l7O7hxb2O [19/22]
TRFでは、HTTが観客の話題を独占した。
律の作戦通り、俺たちのパフォーマンスにみんな度肝を抜かれたのだ。
それは観客席にいた人たちに限った話ではなく、出演したバンドの面々も同じだった。
その衝撃が、一人のギタリストに、ある決断をさせた。それは……
梓「新入生の中野梓です」
梓「桜ヶ丘高校に入学したら、軽音部の皆さんと一緒にバンドをやりたいと、ずっと思ってました」
梓「これから、よろしくお願いします」ペコリ
新しいメンバーを加えて、俺たちはまた一歩、武道館という夢に近付いた気がする。
いつか、夢を叶える日まで。軽音部のみんなと、ロケットで突き抜けていきたい。
けいおん! 終
376 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 04:55:42.54 ID:l7O7hxb2O [20/22]
※読者
唯「終わった!!」
律「あぁ、終わってしまった……」
澪「思いのほか、いい最終回だったな」
紬「確かに、いい話だったわ」
唯「イイハナシダナ-」
梓「小出しにする予定だったネタを、全部詰め込んだ結果ですかね」
律「短期で打ち切られたマンガにありがちな事だな」
梓「最後のまとめ方も、いかにも、って感じですね」
377 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 05:05:25.82 ID:l7O7hxb2O [21/22]
律「つまり、けいおん!をジャンプで連載したらこうなるって訳だな」
澪「編集部の方針に合わせて、色々おかしな展開になったあげく、打ち切りか……」
紬「特に女の子が少なくなっちゃうのは致命的よ!」
梓「私としては、カップリングできそうな男キャラが増えて嬉しかったんですが……」
律「それでも打ち切られたら意味がないだろ?」
唯「そうだね。けいおん!はジャンプで連載しない方がいいって事が、よくわかったよ」
唯「でもなんで掲載誌がまんがタイムきららなんだろーね?」
おわり
379 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 05:09:06.98 ID:l7O7hxb2O [22/22]
投下が遅くて申し訳なかった
おやすみ
唯「……なんて言ってたら、来週からジャンプで新連載する事になったよ!!」
律「ウソ、マジで!?」
唯「ほら、次号予告を見てよ」
律「……本当だ」
梓「……けど、唯先輩」
唯「ん?」
梓「この主人公、唯先輩に似てるけど、男じゃないですか?」
唯「それは週刊『少年』ジャンプだから仕方ないよ~」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 22:29:29.44 ID:O/E5HYFsO [2/15]
唯「という訳で一週間が経ちました!」
律「今週からジャンプで連載か、楽しみだな」
梓「色々と不安ばかりですが……」
唯「やった、表紙と巻頭カラーだよ!」
律「まぁ新連載だからな」
梓「『新感覚青春バンドストーリー けいおん!』って、煽り文句おかしくないですか?」
唯「いいから読んでみようよ~」
ペラッ
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 22:38:18.54 ID:O/E5HYFsO [3/15]
唯「俺も今日から高校生か……」
和「アンタ、高校では帰宅部じゃなくて何か部活くらいやりなさいよ」
唯「って和のヤツは言ってたけど……」
唯「スポーツも苦手だし……」
唯「はぁ、どうしよっかねぇ」
律「なぁ」
唯「ん?」
律「お前、軽音部に入らないか?」
唯「……俺が?」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 22:42:43.16 ID:O/E5HYFsO [4/15]
※読者サイド
唯「おぉ、ここで見開きドーン!」
律「なんかカッコいいな、私!」
梓「ここから始まるんなら、私の出番はかなり先になりそうですね」
唯「ていうか、和ちゃんだけ女の子のままなんだね」
律「幼馴染みの女の子ポジションだな。本編が一段落した時に和回が挟まれるんだろう、きっと」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 22:54:24.28 ID:O/E5HYFsO [5/15]
※誌面
律「頼むよ。もう一人部員がいないと、軽音部が廃部になっちまうんだ」
唯「……ちょっと聞きたいんだけど」
律「おう、何でも聞いてくれ」
唯「軽音部って、練習は厳しい? ランニングとかやりたくないぜ」
律「いやー、少なくともランニングはないんじゃないかな……」ハハッ
唯(ラクそう、かな?)
律「それになんと!」
律「今入部すれば毎日おやつ付きだ!」
唯「……えっ、マジで?」
律「キーボードの紬ってのが、毎日お菓子を持って来てくれるそうだ!」
唯(確信した、絶対ラクだ)
唯「よし、わかった。今日から俺は軽音部だ!」ガシッ
律「おぉ、サンキュー!」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:02:53.73 ID:O/E5HYFsO [6/15]
和「おい、唯」
唯「もうちょい女らしい言葉遣いはできんのか」
和「……おぉい、唯くぅん♪」
唯「……わかった、俺が悪かったよ」
和「わかればいいのよ」
唯「んで、何?」
和「アンタ、結局どの部活に入るか決めたの?」
唯「あぁ、軽音部」
和「……は?」
唯「何だよ、その反応」
和「アンタ、楽器なんか弾けたっけ?」
唯「まぁカスタネットくらいなら」
うん♪たん
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:03:59.52 ID:O/E5HYFsO [7/15]
和「……馬鹿でしょ、アンタ」ハァ
和「軽音部ってのは、バンドやるとこよ」
唯「……バンド?」
和「ギターなんか弾けるの?」
唯「……」
和「……」
唯「よし、入部を取り消してくるわ」
和「早っ!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:09:48.79 ID:O/E5HYFsO [8/15]
※読者
唯「大体の流れは同じなんだね」
律「唯はここでも『うんたん』してるのか」
梓「まぁ腐女子には受けるんじゃないでしょうか」タラリ
唯「ふじょし?」
律「てか梓、鼻血が出てるぞ」
梓「へっ、はわわっ!」アセアセ
唯「そう言えばムギちゃんは?」
律「あっちにいる。あんまり興味なさそうだな」
紬「同性愛は女同士だから禁断の美しさがあるのであって……」ブツブツ
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:17:37.77 ID:O/E5HYFsO [9/15]
※誌面
澪「体育のジャージのまま部室に来ちゃったなぁ」
澪「律も紬もまだ来ない筈だし……」
澪「ここで着替えちゃうか」ヌギヌギ
唯「よし、入部しないって伝えに行かないとな」
唯「確か部室は、階段を登って……、ここか」ガラッ
澪「へっ?」
唯「はっ?」
澪「……きゃああああああああっ!」
唯「うわっ、ご、ごめんなさいっ!」バタンッ
唯(……縞パンツ)ゴクリ
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:23:36.49 ID:O/E5HYFsO [10/15]
※読者
唯「まさかの澪ちゃん女の子!」
律「あれか、ヒロイン役か」
梓「和先輩と、どっちが正ヒロインかで論争が起こりそうですね」
律「たぶん澪はお色気要員だな」
唯「じゃあ和ちゃんは?」
律「ツンデレ要員」
紬「それで、澪和の展開はあるのかしら?」ズイッ
唯「あっ、ムギちゃんが興味を示した!」
梓「ムギ先輩。ジャンプではあり得ないので、同人誌で探してください」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:32:22.15 ID:O/E5HYFsO [11/15]
※誌面
律「……部室の前で何してんだ、唯?」
唯「いや、ちょっと、ね。ハハハ……」
紬「君が唯君?」ファサッ
唯「あ、はい」
紬「僕は紬、はじめまして」キラリンッ
唯(なんか仕草がウザイ人だな……)
紬「律から聞いたけど、入部してくれるんだよね。ありがとう」
唯「あ、いやー、その……」
律「唯にはもう一人、紹介しなきゃいけないヤツがいるぜ~」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:37:06.98 ID:O/E5HYFsO [12/15]
唯「もう一人って、まさか……」
律「ベース担当の澪だ。左利きの女の子なんだ」
唯(やっぱり!!)
律「さて、澪はもう部室に来てるかな?」
唯「あー、たぶん、いる、と、思うよ?」アハハ
律「……どうしたんだ、お前?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:44:27.59 ID:O/E5HYFsO [13/15]
律「……という訳で、こいつが澪。俺とは小学校から一緒だったんだ」
澪「……よろしく」
唯「よ、よろしく~」アハハ
律「……なんで二人とも、目を合わせないの?」
唯(それにしても……)チラッ
澪(初対面で着替えを見られた相手とバンドなんて……)グスッ
唯(この澪って子、メッチャ可愛い……)ゴクリ
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:50:19.35 ID:O/E5HYFsO [14/15]
律「中学の時なんか、ファンクラブも作られたしなぁ」
唯「なぁ、律」
律「ん?」
唯「俺、やめるの、やめる事にするわ」
律「……はぁ?」
唯「これからよろしくな、みんな!」
律「いや、よく意味がわからないんだけど」
紬「あははっ、よろしくね唯君!」
澪「よろしく……」ボソッ
こうして、俺は軽音部の一員となった。
高校生活、結構楽しくなるかもしれないなぁ。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/06(火) 23:58:41.37 ID:O/E5HYFsO [15/15]
※読者
唯「今週はここまでだね」
紬「なんか私のキャラ設定がおかしい気がするわ……」
律「まぁまぁ、いいじゃないか。金髪の美男子だぜ?」
梓「私は一体どんなキャラに……」
唯「和ちゃんと澪ちゃんは、ほとんどそのままだね」
紬「そう言えば、澪ちゃんはなんで今日お休みしてるの?」
律「昨日の夜、コンビニでフライング立ち読みしたら、ショックで寝込んじゃったらしい」
唯「えっ、どういう事?」
律「全国の読者に着替えシーンを晒しちゃったからな……」
紬「そっか、全校生徒の前でさえトラウマになったのに……」
梓「澪先輩、この連載が終わるまでジャンプ読まない方がいいかもしれませんね」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 00:14:12.67 ID:ubUvFG1TO [1/27]
唯「早いもので、次号のジャンプの発売日です!」
律「今週はセンターカラーか、すごいじゃないか」
梓「連載2回目だから当然ですよ、律先輩……」
紬「今週はどんな話になるのかしら。腐展開なら切るわ」
澪「やっぱり気になるよな……」
唯「あっ、澪ちゃん。読んでも平気なの?」
澪「先週号のサービスカットでうっかり練炭自殺しそうになったけど、もう大丈夫だよ」
梓「それはあまり大丈夫じゃない気が……」
律「澪、今週号はまだ読んでないんだよな。一緒に見ようぜ」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 00:24:13.11 ID:ubUvFG1TO [2/27]
※誌面
唯「ところで」
律「ん?」
唯「俺は何の楽器をやればいいんだ?」
律「今いないのはギターだけど、唯は弾ける?」
唯「弾けない」
律「そもそもギター持ってる?」
唯「持ってない」
律「……」
唯「……」
律「ダメじゃん!」
紬「まぁまぁ。とりあえず楽器屋に行ってみようじゃないか」キラリンッ
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 00:32:36.46 ID:ubUvFG1TO [3/27]
唯「あっ、このギターが欲しい」
澪「……それ、ギブソンじゃない」
唯「ギブソン?」
律「たぶん、すげぇ高いぞ」
唯「どれどれ……、うわ本当だ!」
律「どうするんだよ?」
唯「んー、でもやっぱりこれが一番かっこいいしなぁ。バイトでもするか……」
律「どうしてもギブソンが欲しいって言うなら、俺たちも一緒にバイトしてやるよ」
紬「あぁ、いいね。なんだか同じ部活の仲間って感じがして」ファサッ
律「そうそう。仲間のために頑張って稼ごうな、澪!」
澪「……えぇっ、私も!?」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 00:39:56.92 ID:ubUvFG1TO [4/27]
唯「澪ちゃんが、俺のために、稼ぐ……」モンモン
おっさん「君が澪ちゃんだね?」
澪「はい……」
おっさん「じゃあ早速ホテルに行こうか」
澪「……///」トコトコ
おっさん「5万円で最後まで、で良かったね?」
澪「……///」コクリ
おっさん「じゃあ制服を脱いでもらおうか」
澪「はい……」プチプチ
おっさん「スカートは脱ぐ前にたくし上げてごらん」
澪(こ、これも唯のためなんだ……!)ススッ
唯「いやいやいや、澪ちゃんにそんな事はさせられないよ!」
律「……男らしい発言だが、なんか汚れた発想に基づいてないか?」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 00:43:53.96 ID:ubUvFG1TO [5/27]
※読者
律「まさかの澪サービスカット再び」
梓「唯先輩の妄想シーンで来るとは、予想外でしたね」
紬「うーん、澪ちゃんの表情は良かったけど、私のセンサーが反応しないわ」
唯「あれ、澪ちゃんはどこに行ったの?」
律「さっき泣きながら帰って行ったぞ。明日はまた休むかもな」
梓「だから読まない方がいいって言ったのに……」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 00:54:30.31 ID:ubUvFG1TO [6/27]
※誌面
律「結局、交通量調査をみんなでやる事になったな」
唯「ありがとうな、俺のために……」
律「気にするなって。唯がギター買えないと、俺たちのバンドが始まらないからな」
紬「それに、なんだか楽しいじゃないか。僕はこういうのが夢だったんだ」キラリンッ
澪「……」カチッカチッ
唯(澪ちゃん、あんまり喋らないなぁ。心を開いてくれてないような……)
律「……」カチッカチッ
紬「……」カチッカチッ
澪「……」カチッカチッ
唯「……暇だな、このバイト」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 01:02:34.91 ID:ubUvFG1TO [7/27]
律「退屈だな……」
紬「ちょっと眠くなってしまうな」ファサッ
唯「そう言えば、さ」
律「ん?」
唯「バンドやるのはいいけど、何をするのさ。文化祭でライブでもやるの?」
紬「ダメだよ、唯君。目標はもっと大きく持たないと」チッチッ
唯「大きく、って?」
律「武道館」
唯「……はい?」
律「日本武道館で、ライブをやってみたいんだ」
唯「……いやいやいや!」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 01:10:37.83 ID:ubUvFG1TO [8/27]
律「何だよ?」
唯「いくら何でも大きすぎるっしょ、目標! 俺なんてギターに触った事もないし」
澪「私もそうだったよ」
唯「……澪ちゃん?」
澪「私も律に誘われるまで、楽器なんてリコーダーくらいしか弾いたことなかった」
律「中学の頃、俺がドラムにハマっちゃってさ。無理矢理、澪にベースを始めさせたんだ」
澪「最初は、いい迷惑だと思ってた。弦の押さえ方どころか、持ち方も知らなかったし。でも……」
澪「家で練習したり、スタジオで合わせたり、ライブの映像を見たり……」
澪「そんなこんなで私もハマっちゃって、気が付けば技術もちょっとは上手になってた」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 01:19:40.24 ID:ubUvFG1TO [9/27]
唯(澪ちゃんが、こんなに饒舌に……)
澪「きっと、このまま行けば、いつか手が届く気がするんだ。……武道館に!」
唯「……」
澪「……あっ、私ってば、つい///」
紬「素晴らしいね、澪ちゃん!」パチパチ
律「おーおー、よく語るわ」
澪「うぅっ、やめろぉ……///」
紬「澪ちゃんの熱いハートに打たれて、僕も武道館を目指してみたくなったよ」ファサッ
律「おっ、いいねいいね!」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 01:23:32.71 ID:ubUvFG1TO [10/27]
唯「……」ポカ-ン
律「……唯は?」
唯「へっ?」
律「今の話を聞いて、素直な気持ちをどうぞ」
唯(……律、紬、澪ちゃん)
唯(俺のために一緒にバイトまでしてくれる、軽音部のみんな)
唯(手が届くかどうかは、わからないけど……)
唯(このみんなと、バカみたいに高い目標を目指すのも面白いかもしれない)
唯「……わかった」
律「ん?」
唯「俺も目指してやる、みんなと一緒に武道館だ!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 01:30:12.70 ID:ubUvFG1TO [11/27]
※読者
律「なんか、感動的っぽくなってるぞ」
唯「いい話だね~」
梓「青春って感じで、たまらないです」ハァハァ
紬「梓ちゃん、汚れた欲望を感じるわよ……」
梓「ムギ先輩には言われたくないです。きららを読んでる時のムギ先輩に比べたら!」
律「正直、どっちも変わらんけどな……。対象が違うだけで、業の深さは同じか」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 01:39:25.42 ID:ubUvFG1TO [12/27]
※誌面
律「よっしゃ、みんな心は一つだ。目指すは武道館!」
唯「そのために、まず俺はギブソンを買う!」
澪「そのために、まず……」
紬「バイト、だね……」カチッカチッ
律「仕事しようか……」カチッカチッ
梓(……武道館? ギブソン?)チラッ
梓(この人たち、バンドやってるのかな?)
梓(ギブソンより、ムスタングの方が俺は好きだな)ギュッ
梓(まぁ、何にしても……)
梓(俺には関係ない話だな……)スタスタ
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 01:47:38.61 ID:ubUvFG1TO [13/27]
※読者
梓「ついについに私が登場!」ガタッ
唯「第二話の最後か、意外と早かったね~」
梓「やっぱり人気があるから出番が早まったんですね!」フンス
律「まぁ、そういう大人の事情もあるだろうけど……」
梓「あぁぁぁ、それにしても梓カッコいい! 梓最高!」
紬「黙れ腐女子」
梓「何ですか百合先輩」
律「……なぁ、唯」
唯「……うん」
律「ムギのテンションが底辺だし、梓の知りたくなかった一面が見えちゃうし、澪は自殺しそうだし」
唯「この連載が始まってから、色々と酷いね」
109 名前:帰宅しました[] 投稿日:2010/07/07(水) 19:33:09.87 ID:ubUvFG1TO [15/27]
※読者
唯「ねぇ、りっちゃん」
律「何だ?」
唯「先週号のアンケートハガキをよく見たら、新連載について質問があるよ!」
律「本当だ、どれどれ……」
新連載「けいおん!」について質問します。
1.主人公の平沢唯と一緒に暮らす憂というキャラクターがいるとして、憂は弟がいいですか? 妹がいいですか?
2.その他要望があれば自由にお書き下さい。
唯「応募してみよっか。あっ、当然『面白かったマンガ』は『けいおん!』の番号を書いてね」
律「でも〆切を過ぎてるんじゃ……」
唯「今日の8時必着だから間に合うよ!」
120 名前:妹の方が多いかな[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:15:18.37 ID:ubUvFG1TO [16/27]
唯「そんなこんなで!」
律「早くもジャンプでの連載3回目を迎えました」
唯「みんなの様子はどうかな?」
澪「週末は富士山の樹海まで旅行してたんだ、もちろん一人で」アハハ
梓「お気に入りの絵師さんが律唯のイラストを書いてました、もちろん801板で」ハァハァ
紬「早く『けいおん!』を読みたいわね、もちろんまんがタイムきららで」ショボ-ン
律「うん、まぁ、みんな頑張れ」
唯「さてさて、今週はどんな話かな?」
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:35:31.83 ID:ubUvFG1TO [17/27]
※誌面
唯「ついに!」
澪「……」シラ-
唯「ついに!」
律「……」ニコニコ
唯「ついに!」
紬「……」ファサッ
唯「手に入れたぜ、ギブソン!」
律「やったな、唯!」
澪「ようやく楽器も揃って、練習ができるように……」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:41:41.53 ID:ubUvFG1TO [18/27]
紬「じゃあ記念にティーパーティーといこうじゃないか」キラリンッ
澪「……えっ?」
律「おぉ、いいね。今日のお菓子は?」
紬「マドレーヌを持って来たよ。紅茶はアールグレイでいいかな?」ファサッ
唯「マジで毎日お菓子つきなんだな……。この部活、最高じゃん」
律「さぁ座れ座れ~」
澪「……」プルプル
澪「ちょっと男子、ちゃんと練習しなさいよ!」
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:50:07.64 ID:ubUvFG1TO [19/27]
唯「……なぁ、律」ヒソヒソ
律「はいはい」ヒソヒソ
唯「もしかして澪ちゃん、合唱コンクールなんかで張り切っちゃうタイプ?」ヒソヒソ
律「その通り。中3の時なんか凄くてさ……」ヒソヒソ
澪「そこっ、聞こえてるぞ!」
律唯「ふぁ~い」クスクス
澪「まったくもう……。私たち、武道館に行くんじゃなかったの?」
律「行く行く、絶対に行ってやるよ」ヘラヘラ
唯「武道館でライブするために、まずはマドレーヌを……」ヘラヘラ
澪「いい加減にしろっ!」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 20:59:06.31 ID:ubUvFG1TO [20/27]
※読者
梓「唯律……。いや、律唯か!」ハァハァ
律「なんか梓の病気が悪化してるな」
唯「よくわかんないけど、ジャンプの自分に負けた気分だよ……」
律「私たちが今ここで抱き合っても、梓はあんなに喜ばないしなぁ」ギュムッ
唯「りっちゃ~ん」チュッチュッ
紬「それは私が悦ぶわ!」ガバッ
梓「落ち着いてください百合先輩、漢字がおかしいです」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:01:53.00 ID:ubUvFG1TO [21/27]
澪「私の性格も、ずいぶん変な設定に変わってるな」
律「……はぁ?」
唯「澪ちゃんは、本物とまったく同じ性格だと思うよ?」
澪「……えっ、私、客観的に見たらこんな感じ?」
律「その通りだ」
唯「だね」
紬「うん」
梓「ダメですよ皆、澪先輩がまた自殺未遂をしたらどうするんですか」
唯「今度は成功しちゃったりして!」
律「……唯、その発言はさすがに謝った方がいい」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:14:57.26 ID:ubUvFG1TO [22/27]
※誌面
(下校中)
唯「とは言ったものの……」テクテク
律「ん?」
唯「武道館って遠い目標すぎて、どうすりゃいいかわかんねーよ」
律「確かに、そうかもしれないなぁ」
澪「まず身近な目標から作ってみたらどうかな。文化祭とか、ライブハウスとか」
唯「……ライブハウス?」
澪「小さめの会場だけど、お金を払って見に来てくれるお客さんの前で演奏できるんだ」
律「ライブハウスで力を付けてプロになるバンドも多いな」
唯「へぇ……」
唯「よしっ!」
唯「最初の目標は、ライブハウスで演奏だな!」キラキラ
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:19:40.85 ID:ubUvFG1TO [23/27]
律「ちなみに、一応聞いておくぞ?」
唯「うん!」
律「ライブハウス、行ったことあるか?」
唯「ない!」
律「やっぱり……」ハァ
紬「それじゃ、うちが経営してるライブハウスに寄って行くかい? ちょうど近くにあるんだ」キラリンッ
唯「えっ、マジで?」
律「いいじゃん、行ってみようぜ。なっ、澪?」
澪「う、うん……」
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:27:29.67 ID:ubUvFG1TO [24/27]
ジャ-ンジャ-ン
ドコドンドコドンシャン
ウォ-ウォ-ウォ-
唯「音量でけぇ!!!」
律「思ったよりも広いな~」
紬「最大で500人収容できるからね」ファサッ
律「あれ、澪は?」
澪「うおおおおおおおっ!!!!」
唯「……澪ちゃん?」ポカ-ン
律「あぁ、澪はライブ会場だとテンション上がっちゃうから」
唯「そ、そうなんだ」
律「ほら、唯も。こんな所に来て、盛り上がらなきゃ損だぜ?」
唯「……それもそうだな!」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:39:01.71 ID:ubUvFG1TO [25/27]
ワイワイガヤガヤ
「なぁ、次のバンドのギター……」
「知ってるよ、まだ15歳の中学生だってな……」
「おっ、出て来たぞ」
「あの背が低いヤツかな?」
律「一人だけ、妙にちっこいのがいるな」
澪「あのギター、ムスタングだ」
唯(俺と同い年くらい……。いや、年下?)
「やっぱりそうだ。あいつが……」
「中野梓だ」
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:49:07.43 ID:ubUvFG1TO [26/27]
※読者
唯「ここで迫力のあずにゃん演奏シーン!」
律「かきふらい先生が、すべての画力を振り絞って描いたのが伝わってくるな」
唯「SSじゃ表現できないけどね……」ボソッ
律「そんで最後のコマ、唯が梓の演奏に圧倒されて感動して、今週は終わりだな」
澪「よかった、今週の私は変なシーンがなかった……」ホッ
紬「澪ちゃん、そんなに心配なら読まなければいいのに……」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/07(水) 21:57:52.52 ID:ubUvFG1TO [27/27]
梓「ああああああああああああああああっっっっ!!!!」
唯「わっ、あずにゃん!?」
梓「梓カッコいい! 梓最高! むしろ私最高!」ジタバタ
律「落ち着け、発言がメタ過ぎるぞ」
梓「これは、これは唯梓か! 唯梓なのか!」ハァハァ
唯「えーと、私はどうすれば?」
紬「梓ちゃんに抱きついてみればいいと思うわ」
唯「う、うん。あずにゃーん♪」ギュッ
梓「ちょっと邪魔しないでください、唯先輩」キッ
唯「」
梓「あぁ、唯攻めの梓受けか……」ハァハァ
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 01:50:12.48 ID:+aubSJWBO [2/31]
唯「4週目!」
律「毎週恒例になってきたな、みんなでジャンプ読むの」
梓「今週はどんな話でしょうね!」ニコッ
律「もう私は梓の笑顔を直視できないよ……」
唯「その奥に邪悪なものを秘めてるからね……」
澪「じゃ、じゃあ見てみようか」
紬(なんだかんだ言って澪ちゃんも気になるのね)
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 02:09:05.52 ID:+aubSJWBO [3/31]
※誌面
ピンポ-ン
憂「はーい。あっ、和さん」
和「おはよう、憂」
憂「今日はずいぶん早いですね?」
和「唯に頼まれたのよ。もうすぐ中間テストだから、朝勉強を教えろって」
憂「でも、まだ6時……」
和「た、確かにちょっと早く来すぎたかもしれないけど!」
憂「お兄ちゃん、まだ寝てますよ?」
和「えっ、本当に?」
憂「はい」
和「……」イラッ
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 02:23:58.45 ID:+aubSJWBO [4/31]
和「ちょっとお邪魔するわよ」ズカズカ
憂「あ、わっ、和さん!?」
和「妹に朝ごはん作らせといて、私に勉強見ろとか言っといて、まだ寝てるとは何事だ!!」ズカズカ
バタンッ
和「起きなさい、唯!」
唯「んー……」ゴロン
和「って、アンタ」
唯「何?」ムニャ
和「なんでギターと一緒に寝てるの?」
唯「……えーと」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 02:27:40.92 ID:+aubSJWBO [5/31]
憂「お兄ちゃん、昨日はギターの練習しながら眠っちゃったみたいで。私が布団かけておいたんです」
唯「あー、そういえば……。ありがとな、憂」
憂「えへへ、どう致しまして」
和「つまり、寝たのに気付かないくらい練習してたってこと?」
唯「まぁ、そういうこと」
和「驚いた……。唯が何かにそこまで夢中になったの、初めてじゃない?」
唯「そうだっけ?」
憂「小学生の頃、野球の道具を揃えただけで辞めちゃったことがありましたね」
和「中学のサッカー部も仮入部で辞めたわね。走りたくない、とか言って」
唯「うぅっ……」
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 02:49:28.70 ID:+aubSJWBO [6/31]
※読者
律「ここで憂ちゃんが登場か~」
唯「憂は女の子のままなんだね」
律「ジャンプの連載マンガにしては、女キャラの比率が多い気がするな。『いちご』『トラブル』枠じゃないのに」
唯「その役割は、澪ちゃんが引き受けてくれました!」
澪「や、やめてくれ……」ビクビク
紬「ところで、この憂ちゃんと和ちゃん、仲が良さそうね……」
律「ありゃ、珍しくムギが熱心に読んでるな」
紬「唯ちゃんの愚痴を言い合って意気投合する二人……」ブツブツ
紬「ある日、憂ちゃんが何気なく言った『和さんの妹だったらよかったのに』の一言をきっかけに、急接近して……」ブツブツ
紬「むぎゅううううう!!!!!」
律「先週の梓に続いて、今週はムギか……」ハァ
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 03:04:12.27 ID:+aubSJWBO [7/31]
※誌面
(登校中)
和「でも本当に意外だわ、アンタがそんなにやる気を出したの」
唯「まぁ、俺もやればできるって訳よ」フンス
和「何かあったの?」
唯「何か、ってほどでもないけどな」
和「やっぱり何かあったんじゃない」
唯「……昨日、軽音部のみんなとライブハウスに行ったんだよ」
158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 03:26:18.25 ID:+aubSJWBO [8/31]
(回想中)
律「何だよ、あのチビ! とんでもないテクニックじゃねーか!」
澪「すごい、すごい、すごい! こんなの、初めてだよっ……///」カァッ
唯「ギターソロ……」
唯「ヤバい、カッコいい……」
紬「彼は、中野梓。このライブハウスによく出演してるんだ」キリッ
律「ムギ、知ってるのか!?」
紬「うん、変わり者だからね。毎回違うバンドに呼ばれて演奏するから『渡り鳥』なんて呼ばれてる」キリッ
澪「そんなの、簡単な事じゃないよ。ギターを身体の一部みたいに弾ける人じゃなきゃ、そんな器用な真似はできない」
紬「何より驚くのがね、彼はまだ中学生なのさ。僕らよりも、年下なんだ」キリッ
唯「……信じられない」ゴクリ
唯(中野梓、何者なんだ!?)
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 03:52:04.52 ID:+aubSJWBO [9/31]
(部室)
唯「という訳で、俺もあんな風になりたい」ズイッ
律「唯が思いっきり影響されてやがる……」
唯「さぁさぁ、練習しようぜ!」ジャラ-ン
律「しかも昨日よりちょっと上手くなってやがる……」
唯「家でも練習したからな、そりゃもう、たっぷりと!」
律「すごいな……。おっ、そろそろオヤツの時間だ」
唯「いやいや、セッションしようぜ! 俺のパートは覚えてきたし!」
律「えっ!?」
澪「そうだよ。ダラダラ過ごしてたら、あのライブハウスのステージに立つのも夢で終わっちゃう」
紬「僕らはその先を目指すんだろう? ティータイムはもうちょっと後にしようか?」ファサッ
律「……あれ、俺もしかして孤立してる?」
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 03:59:23.26 ID:+aubSJWBO [10/31]
※読者
唯「ここから私たちの演奏シーンだよ!」
律「かきふらい先生、頑張ればこんな絵が描けるんじゃないか……」
澪「まんがタイムきららでも、私たちの演奏シーンをちゃんと描いてくれないかな……」
紬「澪ちゃん。それは、まんがタイムきららの読者の需要を何も考えてない発言よ」
澪「きらら読者の需要って……」
梓「このコマで、唯が振り向いて律と目を合わせるところが、たまりません」フゥ...
唯「こっちは、ジャンプ読者の需要を満たしてるみたいだね!」
澪「それもちょっと違うような……」
律「というか、梓に呼び捨てにされるのは違和感があるな……」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 19:40:31.48 ID:+aubSJWBO [12/31]
唯「今週もジャンプの発売日がやって来ました!」
律「……って、おい」
唯「どうしたの?」
律「掲載の順番が、かなり後ろになってるじゃないか」
唯「うん、そうだね」
律「そんな呑気に構えている場合か! このままだと打ち切り候補に入っちまうぞ!」
唯「えっ、そうなの!?」
律「知らないなら『ジャンプシステム』でググれ。アンケートの結果が反映され始めてるんだ」
梓「今週・来週あたり面白くなかったら、10週打ち切りが見えてきますね……」
唯「なんと!?」
律「という訳で、第五話を見てみるか……」ドキドキ
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 19:53:19.59 ID:+aubSJWBO [13/31]
※誌面
聡「兄ちゃん、今日は出かけるの?」
律「あぁ、軽音部のヤツの家で勉強会。一人だけ赤点で追試をくらったバカがいてな」
聡「そんなら電子ドラム借りていい?」
律「却下。昔のジャンプでも積んで叩け」
聡「なんでだよ、ケチ!」
律「うるせぇ。お前が部屋に入ると絶対に散らかすから嫌なんだよ」
聡「そんな事ないだろ」
律「すっぽ抜けたスティックで蛍光灯を割られるのは、もう勘弁してくれよ」
聡「いつまでその話を引きずってるんだよ。俺がドラム始めたばっかりの時じゃんか、それ」ムスッ
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 19:59:41.04 ID:+aubSJWBO [14/31]
ピンポ-ン
澪「こんにちは」
律「おぉ、澪……」
聡「こんにちは、澪姉さん!」ガバッ
澪「聡くん、元気にしてた?」
聡「はい、元気です。悩みと言えば兄がウザい事くらいです!」
律「こいつ……」プルプル
澪「あぁ、奇遇だね。私も同じ悩みを抱えてるんだ」
聡「一緒ですね。今度その悩みについて語らいましょう、二人で!」
澪「それはいい提案だな!」
律「澪、お前まで……」プルプル
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 20:10:14.72 ID:+aubSJWBO [15/31]
(街頭)
澪「……で、今日は電子ドラムを貸す貸さないで喧嘩してたのね」テクテク
律「そういう事。結局貸してやったけどな、俺は心が広いから」
澪「本当に心の広い人は、そもそもそんな理由で弟と喧嘩しないよ」
律「……この人混みのなか、スカートをめくってやろうか?」
澪「さささ、最低だ!///」
律「冗談だよ」
律(それにしても聡のヤツ、最近やたら熱心にドラム叩いてるな……)
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 20:17:23.71 ID:+aubSJWBO [16/31]
※読者
唯「りっちゃんと澪ちゃん、なんかいい雰囲気だね~」
律「私が男になると、なんか普通のカップルみたいだな」
澪「うーん、確かに。これはこれで恥ずかしいな……///」
梓「ただのカップルには興味ありません」
紬「この中に百合、レズ、あと梓ちゃんのためにBLがいたら、私のところに来なさい。以上!」
律「お前らは相変わらずだな……」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 20:26:08.13 ID:+aubSJWBO [17/31]
梓「んっ、待てよ……」
紬「よく考えてみたら……」
梓「澪先輩も男体化しちゃえば萌えるかも!」
紬「律ちゃんも女の子になれば、素敵なカップルになる気がするわ!」
律「お前ら、いい加減にしろよ……」
澪「特にムギ、冷静に自分の言ってる事を振り返ってみてくれ。おかしいだろ……」
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 20:49:46.68 ID:+aubSJWBO [18/31]
※誌面
唯「という訳で、平沢家にようこそ!」パフパフ
律「そのラッパは何だよ……」
唯「いや、みんなを歓迎するために用意したんだ」
律「そんな余裕があるなら勉強せんか! お前の追試のために集まってんだから」
澪「ムギ君はもう来てるの?」
唯「あぁ、いるよ。俺の妹と意気投合しちゃったみたい」
紬「このコーヒー、モカの豆を挽くところから作ってるんだね。とても美味しいよ」ファサッ
憂「うわぁ、わかってくれて嬉しいです。お兄ちゃんは私のこだわりなんて気付いてくれなくて……」
唯「……ほら、ね」
208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 20:57:58.94 ID:+aubSJWBO [19/31]
律「そうだ、唯。いいもの見せてやるよ」
唯「えっ、何を?」
律「澪のパンツ」バサッ
澪「えっ……」
唯「!?」
紬(白、か……)キラリンッ
澪「きゃああああっ!!!!」バチ-ン
律「痛ぇ、本気のパンチだ!!」
澪「な、な、な、なんて事を!?」
律「いや、さっきの『心が広くない』発言を根に持ってたから」ヒリヒリ
澪「ふざけんな、バカ律!!」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 21:04:04.91 ID:+aubSJWBO [20/31]
※読者
梓「このスカートめくり、必要あったんですか?」
律「おそらく人気回復のためのテコ入れだな。澪は犠牲になったのだ……」
唯「澪ちゃんェ……」
梓「それはもういいです!」
紬「澪ちゃん、大丈夫?」
澪「あぁ、平気だよ。全国にパンツを晒すくらい、どうって事ないさ……」ハハッ
唯「澪ちゃんが打たれ強くなってる……」
律「ジャンプ誌上のサービスカットも三回目だからな……」
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 21:19:08.43 ID:+aubSJWBO [21/31]
※誌面
澪「さて、ちゃんと勉強するぞ」
唯「早速この問題がわかりません!」
澪「どうしてわからないんだよ、中学校の範囲じゃないか……」
律「ぶっちゃけ唯の勉強を見るのは澪に任せとけばいいな」
律「妹の憂ちゃんとゲームでもしようかな?」
紬「すごいキッチンだね。タジン鍋まで置いてあるなんて」キランッ
憂「このフライパンは卵焼き専用なんです。他の料理の味を付けずに、プレーンオムレツを作りたくて」
律「……」
律「……マンガでも読むか」
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 21:31:32.45 ID:+aubSJWBO [22/31]
律「……」ゴロゴロ
律(俺は、こんな事してていいんだろうか)
律(武道館でライブやりたいなんて、夢ばかり大きくて)
律(そのために努力してるかって言われれば、そりゃしてるけど)
律(俺より遅くドラムを始めた聡は、テクニックだけなら、もう俺とほとんど変わらない)
律(今だって俺の部屋で練習してるんだろ、ったく)
律(俺は……、唯の部屋でマンガ読みながらゴロゴロしてるだけ)
律(せっかく最高のメンバーでバンドを組めて、夢に一歩近づいたってのに)
律(何やってるんだろう。これじゃダメだよな)
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 21:36:25.03 ID:+aubSJWBO [23/31]
唯「あぁ、さっきの公式をここで使うのか」
澪「そうそう。そのやり方なら難しくないよ」
律「なぁ、唯」
唯「ん?」
律「さっさと追試を終わらせて、練習しようぜ」
唯「律……」
律「なっ?」
唯「うん、わかった。早く部室に戻りたいね」
律「あぁ、そうだな!」
澪「そう思うなら、律も勉強を教えるの手伝いなさいよ」
律「無理だよ、俺も澪に教わったんじゃないか」
唯「あぁっ、だから律はいい成績だったのか!?」
律「バレたら仕方ない、その通りだ!」
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 21:44:57.51 ID:+aubSJWBO [24/31]
※読者
唯「今週はここで終わりだね。みんな、感想をどうぞ!」
律「律がイケメンだな」
澪「澪がパンツだな」
梓「梓が出なかったな」
紬「なぜ憂ちゃんと澪ちゃんの絡みがないのか、むしろ紬を女体化して紬憂に活路を見出すべきなのか」
唯「はい、ありがとうございました!」
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 21:53:13.77 ID:+aubSJWBO [25/31]
唯「それで、今週は第六話なんだけど……」
律「やっぱり掲載順位は後ろの方か」
梓「無理もないですよ。人気上位には『ワンピ』『ナルト』『鰤』あたりがいるから……」
紬「私としては、ジャンプで打ち切られて、まんがタイムきららに戻ってきてもいいと思ってるの」
澪「もう、どっちでもいいや……」アハハ
唯「澪ちゃんが達観してる……」
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 22:09:33.50 ID:+aubSJWBO [26/31]
※誌面
ジャジャ-ン
ドコドン
唯「今の、いい感じじゃなかった!?」
律「なんか完璧だったんじゃないか!?」
澪「律のドラムは走ってたけどな」
紬「それでも、僕たちがバンドを組んで一番の出来だったと思うよ」キラリッ
唯「よーし、じゃあ休憩!」
律「ムギ、お菓子の用意だ!」
紬「任せてよ!」ファサッ
澪「……まぁ、いっか。気付いたら、結構長い時間が経ってるしね」
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 22:22:55.35 ID:+aubSJWBO [27/31]
唯「ところで、さ」モゴモゴ
律「何だよ?」ズズッ
唯「最初の目標はライブハウスで演奏って言ったけど、どうすればいいんだろう?」
律「あー、確かに。どうすりゃいいのかな?」
澪「地道に実力を付けながら、イベントに出演する機会を探す、とか?」
紬「うちのライブハウスなら、僕がお願いすれば出られると思うんだけどね」キランッ
澪「えっ、本当に!?」
律「ムギってよくわからない力を持ってるよな……」
唯「うーん、でもムギの力だけを頼りにステージに立つのはちょっと……」
紬「そう言うと思ってね、こんなイベントの情報を持って来たんだよ」ファサッ
律「えーと、どれどれ?」
唯「……ティーンズ・ロック・フェスタ?」
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 22:36:31.03 ID:+aubSJWBO [28/31]
※読者
唯「以下、ムギちゃんの説明が続くので省略します」
律「大体名前でわかるよな、どういうものか」
紬「あぁ、紬がどんどん『ストーリーの進行上で便利なキャラ』になっていく……」
梓「ムギ先輩はVIPのSSでもそういう役割が多いですからね」
律「梓の発言がメタ過ぎて、もうね」
唯「りっちゃん、突っ込みを放棄しちゃダメだよ!」
梓「律先輩……、突っ込み……、すなわち強気攻め……」
律「よし梓、いいから黙ってろ」
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 22:56:21.27 ID:+aubSJWBO [29/31]
※誌面
唯「そんな訳で、TRF(ティーンズ・ロック・フェスタ)にエントリーする事にしたんだ」
憂「すごいね、お兄ちゃん!」
唯「何もすごくないよ、高校生までなら誰だって出演できるんだから」
憂「えっ、そうなの?」
唯「とはいえ、出場するバンドは全部、それなりに実力のあるバンドばかりだろうってさ」
憂「紬さんがそう言ってたの?」
唯「うん、だから恥ずかしい姿は見せられないよ。俺たちにとって、武道館への第一歩だからな」
憂「そっか。やっぱりすごいよ、お兄ちゃん」
唯「だから、すごくないって……」
憂「ううん、すごい」
唯「……わかった。ありがと、憂」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 23:02:32.24 ID:+aubSJWBO [30/31]
律「ただいまー」
聡「おぉ、兄ちゃん。おかえり」
律「……」
聡「どうしたの?」
律「いや、別に」スタスタ
律(TRFの事、わざわざ聡に話さなくてもいいよな)
聡「……何だ、あれ」
プルルルル
聡「おっと、電話だ。もしもし?」
聡「……」
聡「ティーンズ・ロック・フェスタ?」
聡「それ面白そうだな、梓!」
229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/08(木) 23:10:28.82 ID:+aubSJWBO [31/31]
※読者
律「うおっ、マジか!?」
唯「意外な繋がりが明らかになったところで、今週は終わり!」
梓「この展開は予想していませんでした。今週は掲示板が荒れそうです」
澪「だんだん澪が空気になっている気がするんだけど」
紬「お色気担当だからいいじゃない。紬なんて……」グスッ
唯「うぅっ、泣かないでムギちゃん」ムギュッ
紬(あぁ、唯ちゃんに抱き付かれると幸せだわ……)
梓「ムギ先輩がヘブン状態ですね」
233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 00:01:35.31 ID:rLJVSM+vO [1/30]
唯「そんなこんなで迎えた7週目ですが」
律「私たちが独自に入手した情報によると」
唯「『ジャンプらしくない』という読者の声を受けて」
律「編集部から大幅にストーリーのテコ入れが行われた模様です」
梓「それって完全に打ち切りフラグなんじゃ……」
律「言うな、それは思っても言うな!」
唯「さてさて、どうなったのかな?」
239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 00:16:36.05 ID:rLJVSM+vO [2/30]
※誌面
律「みんなに提案したい事があるんだ」
澪「TRFに向けて?」
紬「どんな提案だい?」ファサッ
唯「律、言ってみろよ」
律「TRFは確かに中高生バンドだけのイベントだ。でも俺たちにとって、すごく大切な初舞台になると思う」
律「俺たちが、武道館のステージに立てるのかどうか、それを占う最初のチャンスだと思ってる」
律「だから絶対に、TRFで一番目立ちたい、一番すごいバンドだったって観客に言わせたいんだ」
唯「そうだな、みんな同じように思ってるよ」
240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 00:29:01.83 ID:rLJVSM+vO [3/30]
律「そこで、観客の度肝を抜くパフォーマンスをするために、どうすればいいか考えたんだ」
澪「すごく難易度の高い曲を選ぶ、とか?」
律「違う……。あえて俺たちは、曲を選ばない」
澪「どういう意味?」
律「前のバンドが演奏した曲を、俺たちも演奏する」
唯「……はっ?」
律「いや、ただ同じ曲を演奏するだけじゃない。即興でアレンジを加えて、数段上のクオリティにしてやるんだ」
紬「そ、そんな事ができるのかい?」キュピ-ン
律「できるかどうかじゃなくて、やるんだよ。俺たちの力を合わせて!」
241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 00:35:14.80 ID:rLJVSM+vO [4/30]
唯「でも、どうやって……」
律「そのための作戦も、ちゃんと考えてきた。まず、唯!」
唯「は、はいっ!」
律「ひとつ気付いた事があるんだ。唯には絶対音感がある」
唯「……絶対音感?」
紬「耳から聞いた音を、すべてドレミの音階で理解できる能力だよ」キリッ
律「唯の絶対音感を研ぎ澄ませれば、直前のバンドが演奏した曲を、その場でコピーする事ができるようになる筈だ」
245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 00:39:35.00 ID:rLJVSM+vO [5/30]
唯「ほ、本当に?」
律「頼むよ、唯……」ガシッ
唯「律……」
律「俺の作戦を実現するためには、唯の絶対音感がどうしても必要なんだ」
律「いや、違う。俺たちの夢、武道館のためなんだ!」
唯「……わかった」
律「えっ?」
唯「頑張ってみるよ、律の言う通りに」
律「ありがとう、唯……」ギュッ
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 00:48:07.55 ID:rLJVSM+vO [6/30]
※読者
律「……と、前半まで読んでみた訳だが」
唯「……あのね、りっちゃん」
律「おう」
唯「さすがにこの作戦は、バンドやってる人を馬鹿にしてると思うよ」
澪「大体、絶対音感ってそこまで万能なものじゃないし……」
梓「取って付けたような唯律シーンも、今回ばかりはどうかと」
律「これがジャンプの伝統なんだよ」
唯「伝統?」
律「『キャプ翼』を連載すれば、サッカーを真面目にやってる人から驚かれて」
律「『テニプリ』を連載すれば、テニスを真面目にやってる人から呆れられて」
紬「そうやって、ジャンプの伝統は作られてきたのね……」
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 00:59:05.24 ID:rLJVSM+vO [7/30]
※誌面
律「唯が曲をコピーしたら、次は俺たち3人でそれを即興でアレンジする」
律「ムギは、作曲ができる。アドリブで構わないから、自由にキーボードを鳴らしてくれ」
紬「そんな……」ファサッ
律「澪は、作詞ができる。ステージの上で浮かんだ言葉を、メロディに乗せて歌ってくれ」
澪「で、できるかな……」
唯「それで、律は何を?」
律「俺か? ……俺は、リズムを倍速にしてやる」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 01:07:40.75 ID:rLJVSM+vO [9/30]
唯「……倍速?」
律「俺、時々ドラムが走っちゃって、リズムが速くなっちまうだろ」
律「だから逆に、速さを追究してやる。2倍の速さでリズムを刻んでやる」
律「あぁ、安心しろよ。テンポまで2倍にする訳じゃない」
律「同じテンポで、俺のドラムだけが2倍多くリズムを刻むんだ」
澪「つまり、8ビートのリズムなら16ビートに……」
律「16なら32に、32なら64にしてやるよ」
澪「そんな事したら、律の身体が壊れちゃうよ!」
律「……壊れてもいい」
澪「えっ?」
律「夢を叶えるためなら、身体なんて壊れたって!」
257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 01:14:55.62 ID:rLJVSM+vO [10/30]
唯「……澪ちゃん、やってみようよ」
澪「唯君……」
唯「律だけじゃない。4人とも、自分の能力の限界を超えなきゃいけない」
唯「そうしなきゃ届かない夢だと思うんだ、武道館って」
唯「だから俺は、律に賛成する。この4人なら、きっとできるって信じてるから」
紬「……わかった、僕も頑張ってみよう」ファサッ
律「……ありがとう、ムギ」
唯「……どうする、澪ちゃん?」
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 01:19:15.12 ID:rLJVSM+vO [11/30]
澪「……バカだよね、みんな」
律「澪……」
澪「みんながそれだけ頑張ろうって言ってるのに、私だけ逃げる訳にいかないじゃないか」
唯「じゃ、じゃあ!」
澪「やってやろう、TRFに向けて!」
律「よっしゃ、みんなの心は一つだ!」
唯「TRFで一番すごいパフォーマンスを見せてやろう!」
澪「そして、目指すは武道館だ!」
唯律澪紬「オー!!!!」
260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 01:26:26.64 ID:rLJVSM+vO [12/30]
※読者
唯「えーと、ここで今週の話は終わりだけど……」
紬「……」
澪「……」
律「……」
紬「そんな即興アレンジで、まともな演奏ができると思ってるのかしら……」
澪「思い付いた言葉を歌詞にするなんて、フリースタイルのラッパーみたいになるじゃないか……」
律「リズム2倍って何だよ、腕と脚が4本ずつなきゃ無理だろ……」
梓「ここまで突き抜けてくれると、もはや清々しいですね……」
298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 18:38:13.37 ID:rLJVSM+vO [14/30]
唯「あぁ、もう今週のジャンプが発売だね……」
律「第七話が超展開すぎて、第八話がどうなるのやら……」
澪「もう、どうにでもなればいいんじゃないか!」
紬「私もだんだん、むしろ楽しみ、って気持ちになってきたわ!」
澪「あはは……」
紬「うふふ……」
梓「ていうか掲載順『ジャガー』の前になってる!?」
律「もういい、何も言うな。読むぞ」
299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 18:44:18.79 ID:rLJVSM+vO [15/30]
※誌面
ドコドコドコドコ
律「はぁ、はぁ、はぁ……」
律「くそっ、倍速リズム……」
律「あと少しで出来そうなのに、体力がもたねぇ……」
律「何か運動部で20kmくらい走らされる方が、まだマシなんじゃないか……」
律「くそっ、休憩だ」バタッ
律「はぁ、はぁ、はぁ……」
律「でも、俺がやるしかないんだ……」
律「……」
律「うしっ、休憩は終わりだ!」ガバッ
301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 18:49:54.08 ID:rLJVSM+vO [16/30]
ジャンジャジャ-ン
ジャジャッジャ-ンジャン
唯「……よし」
唯「今のギターソロ、覚えた!」
唯「せーのっ」
ジャンジャ-ン
ジャンジャ-ン
唯「あれっ?」
唯「何か違うよな、これ」
唯「くそっ、難しいな……」バタッ
ジャンジャジャ-ン
ジャジャッジャ-ンジャン
唯「……」
唯「これは、俺にしか出来ないんだ……」
唯「俺が諦めたら、どうにもならない!」ガバッ
302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 19:02:51.47 ID:rLJVSM+vO [17/30]
(部室)
澪「みんな、調子はどんな感じ?」
唯「なかなか大変だよ、まだマスターできてない」
律「俺も、まだライブで使えるレベルには遠いな」
紬「即興アレンジというのは、口ど言うよりずっと難しいね」
澪「私も……。こんなので大丈夫かなって、自信が持てないや」
ガタッ
さわ太「よう、みんな!」
唯「あっ、さわちゃん」
澪「顧問のくせに、部室へ来たのは久しぶりですね」
さわ太「お前らが、相当クレイジーな事をやろうとしてるって聞いてな」
律「えっ、さわちゃん知ってるの?」
紬「僕が伝えたんだ。TRFにエントリーした事や、律の作戦なんかもね」キランッ
304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 19:10:08.37 ID:rLJVSM+vO [18/30]
さわ太「面白いから手伝ってやるよ、お前らの作戦!」
澪「えっ、本当ですか?」
唯「でも手伝うって、どうやって?」
律「お菓子の差し入れなら間に合ってるぜ?」
さわ太「実は俺、この軽音部のOBでな。Death Devilってバンドで、あちこちのコンテストを総ナメにしてたんだぜ?」
澪「初耳です……」
さわ太「ほら、この写真。これがDeath Devilのメンバーだ」
律「って、すごいメイク!?」
唯「さわちゃん、こんなバンドやってたの!?」
紬「すごいのは見た目じゃなくて、各メンバーの実力も、高校生レベルをはるかに超えていたらしい」ファサッ
さわ太「はっはっはっ、もっと俺を尊敬しやがれ!」
308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 19:22:53.21 ID:rLJVSM+vO [19/30]
さわ太「それでお前ら。その作戦、正直キツいだろ」
律「うっ……」
唯「まぁ、正直、ね……」
さわ太「だから俺たちDeath Devilが、特別にみっちりお前らを鍛えてやる事にした」
澪「えっ?」
さわ太「もう当時のメンバー全員に声をかけた」
さわ太「これから毎週末、スタジオで一日中特訓してやる」
さわ太「お前ら、覚悟しろよ?」ニヤッ
唯「……すげぇ」
律「ありがたいな、マジで!」
澪「よ、よろしくお願いします!」
紬「希望の光が見えてきたね」キラリンッ
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 19:35:59.13 ID:rLJVSM+vO [20/30]
※読者
律「さて、ここに来てさわちゃんが登場した訳だが……」
紬「性別が変わってるのは、今更どうこう言わないけど……」
唯「昔のバンドの話、自分からベラベラ喋ってるね」
澪「こっちの先生は、必死に隠してたのにな」
梓「ていうか、構想していた設定を急いで詰め込んだような流れですよね。これって、やっぱり……」
唯「打ち切り前の急展開なんかじゃないよ、きっと!」
315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 20:46:05.60 ID:rLJVSM+vO [21/30]
※誌面
聡「スタンバイOK?」
純「ベースはOK」
梓「こっちもいいよ」
聡「じゃあ、行くよ。ワン、ツー、スリー、フォー!」
ジャジャ-ン
ブォ-ン
ドコドン
聡「すげぇ、今バッチリだった!」パァッ
梓「この3ピースも、息が合ってきたね」
純「今度のTRF、観客の視線を独り占めだな!」ニヒヒッ
聡(梓が俺たちとバンドを組んでくれてから……)
聡(どこまでも突っ走っていける気がする!)
317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 21:15:21.79 ID:rLJVSM+vO [22/30]
梓「聡、上手になったね」
聡「えっ、本当に!?」
純「梓が入ってくれてから、聡のヤツ、すごいやる気を出しちゃってさ」
梓「……そうなの?」
聡「だって、憧れだった中野梓が、俺たちと組んでくれたんだぜ?」
純「……」ニヤニヤ
聡「梓のギターにふさわしいドラムにならなきゃ、恥ずかしいもん」
梓「……ははっ、ありがと」
純「さてさて、じゃあもう一回セッションしようか?」
聡「俺はいいよ、梓は?」
梓「もちろん」
聡「じゃあ、もう一回だ!」
319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 21:37:31.61 ID:rLJVSM+vO [23/30]
さわ太「遅いぞ、お前ら!」
律「約束の時間より10分も早く着いたのに……」
唯「土曜の朝に早起きするの、しんどい……」ファア
澪「えっと、こちらの皆さんが……」
さわ太「Death Devilのメンバーだ」
「はじめまして」
「よろしく!」
「よろしくね~」
澪「見た目も普通だし、話し方も爽やかだ……」
唯「この人たちが、あの写真の人たちなんて、信じられない……」
紬「これは世を忍ぶ仮の姿、あの衣装が真実の姿、といった具合だね」ファサッ
さわ太「さぁ、地獄の特訓が始まるぜぇ!」クックック
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 21:51:18.61 ID:rLJVSM+vO [24/30]
※読者
律「今週はここまで。来週はDeath Devilの皆さんと特訓かな?」
唯「あずにゃんのバンド、ベースは純ちゃんだったね」
梓「……」ブツブツ
唯「……あずにゃん?」
梓「梓聡……、梓聡……、梓聡……!」ブツブツ
唯「」
律「もう放っといてやろうぜ、梓のことは」
331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 23:22:12.91 ID:rLJVSM+vO [26/30]
唯「第九話!」
律「正直、ここで話すネタも無くなってきたな」
唯「なので早速、本編どうぞ!」
335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 23:33:39.82 ID:rLJVSM+vO [27/30]
※誌面
唯「……」ゲッソリ
澪「唯君、大丈夫?」
唯「たぶん……」
紬「山中先生の特訓で、みっちり鍛えられたようだね」ファサッ
唯「特訓というか、あれは音楽地獄だよ……」
澪「一体、どんな練習だったの?」
唯「さわちゃんが即興で弾くギターソロを、すぐコピーするんだ。失敗したら蹴られる」
澪「うわぁ、大変だ……」
336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 23:43:27.29 ID:rLJVSM+vO [28/30]
唯「澪ちゃんとムギも、ハードな特訓だったんじゃないの?」
澪「私はボイストレーニング中心だったし、平気だよ……。ちょっと疲れたけどね」ハハッ
紬「僕はアドリブ力を付けるために、あえて音楽理論の基礎から学ばせてもらったよ。なかなか骨が折れるね」ファサッ
唯「そっか……。あれ、律は?」
ガチャ
律「……」フラフラ
唯「り、律!?」
さわ太「安心しろ、人間はこれくらいじゃ死なないから」ワッハッハ
澪「って、何をしたんですか!?」
338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 23:52:32.49 ID:rLJVSM+vO [29/30]
律「……みんな、俺は大丈夫だ」
唯「でも、見るからに身体を酷使してるじゃないか!」
律「……出来る」
唯「……えっ?」
律「出来るぜ、倍速リズム。自分の限界を超えられる気がするんだ」
澪「律……」
紬「律君……」キラキラッ
律「ただ、今はちょっと休ませてくれ」バタッ
澪「ちょ、ちょっと律!?」タタッ
律「……澪、ピンクか」
澪「……へっ?」
律「パンツ」
澪「……この、バカ律! 心配して損した!」ゲシッ
律「げふっ! か、顔を蹴るな!」
339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 23:56:31.84 ID:rLJVSM+vO [30/30]
※読者
澪「ずいぶん過酷な特訓だな……」
唯「って、澪ちゃん?」
澪「何だ?」
唯「ローアングルからスカートの中身が見られちゃってるけど、平気なの?」
澪「あぁ、いいんじゃないか。だって澪はお色気担当のキャラクターだろ?」ニコッ
梓「澪先輩……」
紬「澪ちゃん……」
律「この連載を通して、一番成長したのは澪かもしれないな」ホロリ
340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 00:06:21.68 ID:l7O7hxb2O [1/22]
※誌面
こうして俺たちは、Death Devilの皆さんに毎週末しごかれて、着実に力を伸ばしていった。
月日はあっという間に過ぎていき、気が付けば、TRF本番が翌日に迫っていた。
憂「いよいよ明日だね、お兄ちゃん」
唯「なんか今から緊張するよ……」
憂「お兄ちゃんなら、きっと大丈夫。今夜は早く寝て、体調バッチリで本番に臨んでね」
ピンポ-ン
唯「誰だろう、こんな時間に?」
341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 00:16:57.33 ID:l7O7hxb2O [2/22]
和「こんばんは、唯」
唯「和……。こんな時間にどうしたの?」
和「緊張してガクガクしてるアンタの顔を笑いに来たのよ」
唯「あぁ、そう。じゃあ気が済むまでバカみたいに笑って、さっさと帰れ」
和「ふふっ、冗談よ。でも唯が緊張してるのは本当みたいね」
唯「……初めてだよ、こんな気分」
和「唯はこれまで、部活の試合みたいなものを経験した事がないから」
唯「……軽音部に入らなかったら、このドキドキする感じ、ずっと知らなかっただろうな」
和「そうかもね」クスッ
唯「……軽音部に入って、本当によかった」
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 00:25:07.16 ID:l7O7hxb2O [3/22]
和「明日は私も見に行くから、頑張ってね」
唯「ありがとう、楽しみにしといて。出演するバンドの中で、俺たちが一番すごいライブをやってやるから」
和「どこから来るのよ、その自信は……」
唯「うるせぇ、それだけ練習したんだよ!」
そして、TRFの本番当日がやって来る。
俺たちの夢、武道館に辿り着くための、最初のステージが幕を開ける。
次号最終回!
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 00:30:55.29 ID:l7O7hxb2O [4/22]
※読者
唯「ああああああああああああああああ」
律「ああああああああああああああああ」
澪「ふ、二人とも、落ち着いてくれ!」
唯「だってだって、次号最終回って!」
律「ジャンプに載るのが最後だなんて!」
梓「やっぱり中盤以降は、10週打ち切りに向けた急展開だったんですね……」
紬「そしてまた、まんがタイムきららに戻って、私たちの素敵な日々が始まるのね……」
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 02:25:27.29 ID:l7O7hxb2O [5/22]
唯「大好き~♪ 大好き~♪ 大好き~を~あ・り・が・とう♪」
澪「その曲のラスト、いかにも最終回っぽいからやめろ」
律「本当に……最終回、なんだな……」
梓「短い間でしたが、ジャンプで連載された事で、たくさんの夢と妄想をもらいました」
紬「思えば、けいおん!を少年誌で連載しようというのが間違いだったのかもしれないわね」
唯「という訳で、第十話にして最終回です」
梓「ページ数が若干増量されてるのは、編集部のせめてもの情けですか」
律「それじゃ、どうぞ」
353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 02:38:30.66 ID:l7O7hxb2O [6/22]
※誌面
律「よう、昨日はちゃんと眠れたか?」
澪「緊張のせいか、よく眠れなかったよ」
唯「実は、俺も……」
律「おいおい、そんなんで大丈夫かよ?」
紬「そう言ってる律君も、目の下にクマが出来ているみたいだよ?」キラリンッ
律「うっ、バレた……」
唯「ムギだけは普段とまったく変わらないな……」
律「まぁ、泣いても笑っても」
唯「……」ジッ
澪「……」ジッ
紬「……」ファサッ
律「今日がTRF本番だ!」
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 02:50:59.13 ID:l7O7hxb2O [7/22]
唯「今日のプログラムは、どうなってるのかな。全部で何組出演するとか、俺たちの演奏は何番目とか」
澪「あっ、この紙に書いてあるみたい」ピラッ
紬「今日は中高生バンドが8組登場。僕たちの出番は最後にしてもらったよ」ファサッ
澪「してもらった、って……」
律「何にせよ、大トリを飾れる訳だ。観客の度肝を抜いてやろうぜ!」
唯「……じゃあ、この『HTT』って書いてあるのが俺たちなの?」
澪「バンド名なんて決めてなかったよね、確か?」
律「ごめん、エントリーの時に俺が勝手に決めた」
澪「また律はそういう事をする!」
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 02:57:37.22 ID:l7O7hxb2O [8/22]
唯「それで、HTTってどういう意味?」
律「『ハイブリッド・トレース・タイム』の略だ。ものすごいコピーバンド、って意味」
唯「……」
澪「……」
紬「……正直に言わせてもらうと、あまりセンスを感じないね」ファサッ
律「な、何だと!?」
唯「アルファベットだけで書かれてるから、まだ助かったよ」
澪「後で話し合って、こじつけでHTTの意味を考えようか」
律「……」イジイジ
唯「涙目になるなよ、律……」
358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 03:05:04.89 ID:l7O7hxb2O [9/22]
和「あっ、唯たちがいたわよ」
憂「本当だ。お兄ちゃん!」
唯「和、憂。来てくれたんだ」
憂「当然だよ。観客席から見てるからね!」
和「せいぜい、ミスしないようにね」
律「いいなぁ、唯は見に来てくれるような妹がいて」
澪「聡君は律の勇姿を見に来たりしないの?」
律「そんなの、あいつが来る訳が……」
聡「あれっ、兄ちゃん?」
律「……なんで聡が来てるの!?」
359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 03:18:29.59 ID:l7O7hxb2O [10/22]
澪「まさか、本当に見に来てくれたなんて……」
聡「澪姉さんもいるって事は、兄ちゃんたちも今日出演するの?」
澪「私たち『も』って、まさか……」
聡「俺のバンド『MUSTANG』も、今日はエントリーしてるからね!」
唯「MUSTANGって、HTTのひとつ前に出るバンドだ……」
純「おーい、聡。早く行くぞ?」
聡「わかった! あれがMUSTANGのベースの純。その隣にいるのがギターの……」
唯「……中野梓!?」
梓「聡、置いて行っちゃうよー?」
聡「今行くってば! じゃあ兄ちゃん、また後でな」
律「お、おう……」
361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 03:28:46.68 ID:l7O7hxb2O [11/22]
唯「中野梓のバンドが、俺たちのひとつ前に出演する……」
唯「……勝負だな。俺が中野梓をコピーできるか、中野梓を超えられるか」
律「そのバンドのドラムが、よりによって弟の聡……」
律「……勝負だな。聡の倍速リズムを刻めるかどうか」
澪「私たちだって、負けられないよ」
紬「その通りだね」ファサッ
363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 03:35:45.17 ID:l7O7hxb2O [12/22]
さわ太「よう、お前ら。調子はどうだ!?」
唯「あっ、さわちゃん!」
澪「Death Devilの皆さんも!」
さわ太「まさか、緊張して眠れませんでしたなんて言わないだろうな」
律「」ギクッ
さわ太「あれだけの特訓を乗り越えてきたんだ。お前らなら、絶対に一番すごいパフォーマンスが出来るさ」
紬「ありがとうございます、先生」キラリンッ
さわ太「ほら、もう時間だ。そろそろ楽屋に移動しろよ?」
ガヤガヤ...
「間もなく、本日のイベントを開演いたします……」
365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/10(土) 03:44:31.12 ID:l7O7hxb2O [13/22]
※読者
唯「これまでの話に出てきたキャラクターが、勢揃いだね!」
律「いかにもジャンプの最終回前半らしい展開じゃないか」
梓「10話打ち切りだから、勢揃いと言っても、そこまで数が多い訳じゃ……」
紬「私としては憂和分を補給できたから少し満足だわ」
澪「誰も聞いてないぞ、ムギ……。ところで、律のネーミングセンスはどうなんだ」
唯「ハイブリッド・トレース・タイム……」
律「確かにそう思うけど、澪にネーミングセンスを批判されるのは複雑な心境だな」
366 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 03:57:12.76 ID:l7O7hxb2O [14/22]
※誌面
律「こうやって他のバンドの演奏を聴いてみると、どれも上手だな」
唯「中高生限定のイベントとはいえ、適当な覚悟で来てるヤツは誰もいない」
律「その中でも、俺たちが一番だけどな!」
澪「……次のバンドはMUSTANGだよ」
紬「唯君、しっかり聴いておくんだよ」キリッ
唯「任せてよ……」ゴクリ
ザワザワ...
「あれ、中野梓だよな……」
「あいつもこのイベントに参加してたのか……」
梓「……最初の曲、いきます」
367 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 04:04:05.06 ID:l7O7hxb2O [15/22]
ジャジャ-ン
ブォ-ン
ドコドコドコ
唯(す、すごい!!)
唯(この重厚なサウンド、本当に3ピースバンドか!?)
唯(いや、今は余計な事を考えるな。覚える事に集中するんだ……)
律(聡のヤツ、いつの間にあんな上手くなったんだ)
律(軽音部に入る前の俺だったら、実力で追い越されてたな)
律(けど、今の俺は負けないぞ。死ぬほど特訓したんだから……)
ワァァ...
梓「みんな、ありがとう!」
澪「……出番だね」
368 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 04:13:27.93 ID:l7O7hxb2O [16/22]
ザワザワ...
「次のバンドで最後だな」
「もう今日は俺、MUSTANGを見られて満足しちゃったわ」
「このHTTってバンドは、何を演奏するんだろうな?」
「曲の難易度でいったら、さっきのMUSTANGが一番すごかったか?」
「あっ、ボーカルが女の子なんだ」
唯「……」コクリ
澪「……」コクリ
紬「……」キリッ
律「ワン、ツー、スリー、フォー!」
369 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 04:23:20.34 ID:l7O7hxb2O [17/22]
梓「次のバンド、聡のお兄さんがドラムなんだっけ?」
聡「そうだよ。何の曲をやるんだろう?」
純「あれ、このイントロは……」
聡「えっ、嘘、だろ……」
梓「あり得ない……。だってこの曲は、今日初めて披露した新曲だよ!?」
ワアアァァァ...
「これ、さっきと同じ曲だよな!?」
「しかもアレンジが全然違う。キーボードのアドリブなのか……」
「まさかボーカル、即興で歌ってるのか?」
「あのドラム、滅茶苦茶な細かさでリズムを刻むな!!」
「すげぇ、ギターソロも完璧だぞ!!」
372 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 04:35:37.11 ID:l7O7hxb2O [18/22]
ジャッ!
律「はぁ、はぁ、はぁ……」
唯「はぁ、はぁ、はぁ……」
紬「ふぅ……」ファサッ
澪「みんなー、ありがとー!!」
ワアアアアアアアアアッッッ
律「すごい……」
唯「歓声が、止まらない……」
紬「ステージから見えるこの風景、最高だね……」キラキラ
唯「バンドって、最高だな!!」
澪「本当に、本当に、ありがとー!!」
ワアアアアアアアアアッッッ
聡「……まだまだ敵わないな、兄ちゃんには」
梓「……こんなすごいバンド、見たことない!!」
375 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 04:48:58.63 ID:l7O7hxb2O [19/22]
TRFでは、HTTが観客の話題を独占した。
律の作戦通り、俺たちのパフォーマンスにみんな度肝を抜かれたのだ。
それは観客席にいた人たちに限った話ではなく、出演したバンドの面々も同じだった。
その衝撃が、一人のギタリストに、ある決断をさせた。それは……
梓「新入生の中野梓です」
梓「桜ヶ丘高校に入学したら、軽音部の皆さんと一緒にバンドをやりたいと、ずっと思ってました」
梓「これから、よろしくお願いします」ペコリ
新しいメンバーを加えて、俺たちはまた一歩、武道館という夢に近付いた気がする。
いつか、夢を叶える日まで。軽音部のみんなと、ロケットで突き抜けていきたい。
けいおん! 終
376 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 04:55:42.54 ID:l7O7hxb2O [20/22]
※読者
唯「終わった!!」
律「あぁ、終わってしまった……」
澪「思いのほか、いい最終回だったな」
紬「確かに、いい話だったわ」
唯「イイハナシダナ-」
梓「小出しにする予定だったネタを、全部詰め込んだ結果ですかね」
律「短期で打ち切られたマンガにありがちな事だな」
梓「最後のまとめ方も、いかにも、って感じですね」
377 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 05:05:25.82 ID:l7O7hxb2O [21/22]
律「つまり、けいおん!をジャンプで連載したらこうなるって訳だな」
澪「編集部の方針に合わせて、色々おかしな展開になったあげく、打ち切りか……」
紬「特に女の子が少なくなっちゃうのは致命的よ!」
梓「私としては、カップリングできそうな男キャラが増えて嬉しかったんですが……」
律「それでも打ち切られたら意味がないだろ?」
唯「そうだね。けいおん!はジャンプで連載しない方がいいって事が、よくわかったよ」
唯「でもなんで掲載誌がまんがタイムきららなんだろーね?」
おわり
379 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/10(土) 05:09:06.98 ID:l7O7hxb2O [22/22]
投下が遅くて申し訳なかった
おやすみ
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