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唯「レティクル!」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 01:46:51.43 ID:i1SPcJKl0 [1/38]
夕方書いてたけど寝てしまってたので再度
筋肉少女帯というバンドの『レティクル座妄想』というアルバムに収録された楽曲をもとにした短編集です。
各短編の間には特に関連性はありません。
※曲の解釈は>>1自身のものであったりそのままであったりします。
夕方書いてたけど寝てしまってたので再度
筋肉少女帯というバンドの『レティクル座妄想』というアルバムに収録された楽曲をもとにした短編集です。
各短編の間には特に関連性はありません。
※曲の解釈は>>1自身のものであったりそのままであったりします。
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 01:48:35.29 ID:i1SPcJKl0 [2/38]
『梓「ハッピーアイスクリーム!」』
今日も私は穴を掘っている。
びくびく怯えながら、人目を忍びながら。
物音に振り返ると、いつもの小さなモグラが私を見ていた。また笑われているような気がした。
梓「笑わないでよ、あずにゃん3号……」
――逆さにしちゃうぞ。
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 01:51:09.06 ID:i1SPcJKl0
初めは本当に驚いて、それから涙を流して喜んだ。
事故で死んだ先輩たちが以前と変わらない姿で現れたのだ。
幽霊や幻覚なんかじゃない、抱きついてきた唯先輩の感触がそれを示していた。
ああ何て素晴らしい奇跡なんだろう。
大好きな先輩たちと、またバンドができるんだ。
そうだ、憂や和先輩にも知らせなきゃ。
本当にそう思っていた。
だけど……
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 01:57:22.87 ID:i1SPcJKl0
少しすると私は言いようの無い違和感、もうそれは嫌悪感と言ってもいいものを覚え始めた。
先輩たちは死んだんだ。
死んだ者が生き返る。
そんなことがあっていいんだろうか。
世界の何もかもがめちゃくちゃになってしまいやしないだろうか。
私はそれに耐えられるのだろうか。
結論から言えば耐えられなかった。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:01:33.06 ID:i1SPcJKl0
私は物置からスコップを取り出し、4人の先輩を再び殺した。
唯先輩を一番に、律先輩、澪先輩、ムギ先輩も順番に叩き潰した。
もう二度と起き上がることができないくらいに。
彼女たちは少し悲しそうな、諦めたような、あるいは私を哀れむような表情で潰れていった。
すぐに穴を掘って埋めた。
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:03:47.34 ID:i1SPcJKl0
次の夜、再び先輩たちは現れた。
昨日の傷は完全には治っていない。
やっぱり殺して埋めた。
潰すだけでなく、手足を少し解体した。
次の夜もその次の夜も同じことが続いて、同じことを続けた。
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:06:29.64 ID:i1SPcJKl0
数日が経ち、だんだんと崩れながら蘇る先輩たちの行動に少しずつ変化があらわれる。
梓「もう歩かないで!」 唯「とっとっとっとー」
梓「走らないで!」 澪「たったったったー」
梓「馬鹿にしないで!」 律「馬鹿にしないで!」
梓「マネしないで!」 紬「マネしないで♪」
みんなは私をからかうように走り回って遊ぶようになった。
しかし彼女たちの動きは鈍い。
いつも最後には私に捕まり埋められるのだった。
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:11:02.12 ID:i1SPcJKl0
私の心は擦り減っていった。
夜毎醜く崩れてやって来る先輩たち。
無邪気に私をからかう彼女たちを殺す日々。
どうして生き返るんだろう。
どうして私は殺すんだろう。
何もかもよくわからない。
だけど私は殺しては埋めた。
ああ、死ぬってなんだろう。
すごく怖いなあ。
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:14:48.50 ID:i1SPcJKl0
ある夜、私は先輩たちに尋ねた。
梓「私もいつか死ぬんでしょうか」 唯「死ぬよ」
梓「死にますか」 澪「死ぬな」
梓「しにますか」 律「死ぬぞ」
梓「シにますか」 紬「死ぬわ」
梓「怖い」 唯「平気」
梓「こわい」 澪「平気」
梓「コわい」 律「平気」
梓「コワイ」 紬「平気」
――闇に還るだけだよ。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:18:34.78 ID:i1SPcJKl0
梓「苦しいです」 唯「ついに言ったねー」
梓「辛いです」 澪「けっこう脆いんだな」
梓「きっと皆さんが」 律「ん~、誰のことだあ?」
梓「クモの糸なんです」 紬「あらあら」
もう限界だった。
先輩たち、またマネしてくれるかなあ。
梓「あはは」 唯「あはは」
梓「いひひ」 澪「いひひ」
梓「おほほ」
唯澪律紬梓「おほほ」
――ハッピーアイスクリーム!
幸せな遊びの後で、また4人を殺して埋めた。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:23:01.81 ID:i1SPcJKl0
そして私は自殺した。
きちんと先輩たちを埋めた穴に入り、出来るだけ土を被ってから包丁で喉を裂いた。
少し痛くて苦しかった気もするけれど今の私たちにとってはどうでもいいこと。
目の前では憂が喜びと戸惑いの涙を流している。
これから先、彼女の心がどんな風に揺れて動くのかはわからない。
でもまあ、どうでもいいか。
じゃあ遊ぼう、頑張ってね、憂。
おしまい!
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:31:54.05 ID:i1SPcJKl0
『律澪「パリは恋の都!」』
律「来たぜ、おおパリ!」
澪「あ、あんまり大きい声出すなよ……」
律「ん、悪い悪い、でもまあいいじゃんか。私が注目浴びるだけだろ」
澪「そりゃそうだけど……ほら、あの女の人が変な目で見てるぞ」
律「ああ? 何だコラやんのかパリジェンヌ!」
澪「仕方ないだろ、はたからみたらお前一人で騒いでるんだから」
――澪は亡霊だった。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:35:05.58 ID:i1SPcJKl0
夏休み、私と澪はパリへの旅行を計画していた。
海外旅行なんて一大イベントを前に相当浮かれた気分だったことは否定できない。
澪も同じだった。
買い物の帰り道、澪は私の目の前でトラックに轢かれ、すぐに立ち上がった。
足下で原型を留めていない自分の体をぽかんと眺めながら。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:46:03.54 ID:i1SPcJKl0
そういうわけで、予定通りにパリに来たというわけだ。
律「ったく、こんなかわいい娘が見えないなんてな。エクトプラズムだけど」
澪「いやエクトプラズムじゃないだろ、たぶん」
律「しかし怖がりの澪が幽霊になるとはなー」
澪「まあ、確かに」
シャンゼリゼ通りを練り歩いた。
律「ほーさすが恋の道、カップルだらけだぜ」
澪「そうだなー」
律「澪と私もカップルに見えるかな」
澪「お、おいバカ!変なこと言うなよ!」
律「照れちゃってかーわいー」
澪「もうバカ律!」
まあ周りには澪自体見えないわけだけど。
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:52:26.87 ID:i1SPcJKl0
律「凱旋門だー!」
澪「かっこいいなー」
律「メトロも乗るぜー!」
澪「おー」
律「フレンチキスしよーぜ!」
澪「言っとくけど周りから見たらお前一人で舌ベロベロする変な人だからな」
つっこみに気をとられ、キス自体は否定しないのが澪だった。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:56:29.26 ID:i1SPcJKl0
セーヌ川に架る新橋(ポン・ヌフ)の上、半円形に張り出したバルコニーから川面を眺めた。
律「なあ澪」
澪「ん?」
律「寂しくないか」
澪「……」
澪が少し薄くなった。
律「唯やムギにも見えなくなっちゃってさ」
澪「大丈夫だよ」
顔を上げた澪は優しげに微笑んでいた。
澪「律が見ていてくれたから」
律「そっか」
澪「だから」
――私の後を追おうなんて考えるなよ。
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:02:35.55 ID:i1SPcJKl0
律「はは、そんなことしないさ。いつかは行くけどな」
澪「ふふ、気長に待ってるよ」
また薄くなった。
あの時、澪が立ち上がったのは、私が。
澪「みんなにもよろしくな」
私が、澪は、もう助からないってわかって。
澪「私は幸せだったよ、まさか死んでからパリに来られるなんてな」
でも、それがわからなくて。
澪「そんなこと無いよ律。私は確かにここでお前と話してる」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:06:03.73 ID:i1SPcJKl0
律「そうだ、そうだよな」
妄想なんかじゃない、確かに澪はここにいるんだ。
律「行くのか」
澪「……」
律「セーヌの流れに消えるのか」
澪「ふふ、そう言うとかっこいいな」
ほとんど見えないくらいに薄くなった。
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/09(金) 03:16:09.50 ID:i1SPcJKl0
あの時澪は即死だった。
葬儀の場、唯は泣きじゃくるし、ムギはずっと涙を堪えて慰めていたが、私はまるで泣かなかった。
澪は私の横でずっとおろおろしていた。
私にしか見えていない。
みんなには私が親友の死を前にして気丈に振る舞っているように見えたかもしれない。
でも、そうじゃない。澪すぐそばにいて、ちっとも悲しくなかっただけだ。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:22:46.74 ID:i1SPcJKl0
澪「律」
律「ん?」
澪「ありがとう」
律「私の台詞だよ」
澪は完全に消えた。
やっと私は泣いた。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:26:08.32 ID:i1SPcJKl0
日本に帰ってきた私は、初めて澪の墓に参った。
律「澪、改めてお礼言うよ」
律「お陰できちんと気持ちの整理がついた」
律「お前が幽霊になってくれなかったらほんとに後追ってたかも……なんてな~」
律「やっぱりお前は私の親友だったよ」
律「ありがとう」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:29:40.63 ID:i1SPcJKl0
澪「……ちょっと恥ずかしいんだけど」
律「ん? ……えええ!? お前消えたんじゃないのか!」
澪「よくわかんないけど出てきちゃった」
律「……はは~ん、やっぱり寂しかったんだな~?」
澪「ち、違う!」
律「照れんなって~」
澪「りぃつぅ~!」
おしまい!
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:36:12.39 ID:i1SPcJKl0
『唯憂「愛のためいき!」』
――――――
唯「モモ~クリさ~ん年っ、カキは~ち~年~♪」
憂「あ、あの歌だね」
唯憂「ユズは九年でなり下がる、ナシ~の~バカめが~♪」
唯憂「じゅうは~ち~ねん~♪」
憂「ららら~♪」
唯「あいの~実り~は」
――――――
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:37:55.55 ID:i1SPcJKl0
和「入るわよ、憂」
憂がノックに応じないのはいつものことだ。
それでも私は一応断ってから病室に入る。
憂「やっぱりお姉ちゃんは歌が上手だね」
憂「いや~それほどでも~でへへ」
そしてこれもいつものこと。
でもそろそろ私に気がつく頃じゃないかな。
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:41:04.22 ID:i1SPcJKl0
憂「あ、和さん! 来てくれたんですか。わざわざすみません」
和「いいのよ。憂は働き者なんだから、入院生活なんて退屈でしょ?」
憂「そうなんですよ~。まったく過労で入院だなんて大げさですよね」
お見舞いの果物を渡すと憂は屈託の無い笑顔をくれる。本当に唯にそっくりだな。
憂「でも今日はお姉ちゃんも来てくれて……あれ? さっきまでいたのに……帰っちゃったのかな」
もちろん、憂が入院した原因は過労なんかじゃない。
心の病だ。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:44:25.77 ID:i1SPcJKl0
三ヶ月前、合宿でムギの別荘へ向かう軽音楽部を乗せた列車が脱線事故を起こした。
唯、律、澪は即死。
ムギは救出されたが搬送先で死亡。
知らせを聞いて病院に駆けつけた憂はその場で倒れたらしい。
それから一ケ月、憂は全く学校に来なくなった。
一度だけ訪ねてみたが、かつての快活さの欠片も無い抜け殻のような憂を見るのが辛くてすぐに部屋を出てしまった。
こんな時どうすればいいのかわからない。
唯の、そして憂の幼馴染でもある私なのに……
情けなさに歯噛みし、今さらながら唯を失った悲しみに私は涙をこぼした。
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:49:46.11 ID:i1SPcJKl0
悪いことは重なる。
軽音楽部で唯一、奇跡的に軽傷で救助された梓が自殺した。
家から少し離れた公園で、自ら首を掻き切って土に埋まった死体が見つかったそうだ。
常軌を逸した死に方だが、彼女のクラスメートによれば事故以来梓の様子はおかしかったという。
敬愛する先輩を一度に四人も失い、自分一人が生き残った。
それが梓の心にどのような揺さぶりを与えたのか。
今となってはもうわからない。
そしてまた一つ事態が動く。
梓の死体が発見されてから二日後、憂は学校に出てきた。
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:53:04.62 ID:i1SPcJKl0
梓の死を憂がどのように受け止めたのか、それも私にはわからない。
憂「あ、和さん。おはようございます」
和「ああ憂。おはよう」
いずれにせよその次の日から、私は憂と一緒に登校するようになった。
以前と変わらない利発そうな笑顔で私に挨拶をする憂。
和「元気そうね。安心したわ」
憂「え? ああ……梓ちゃん、本当に残念でしたね……」
和「そうね。やっぱりショックが大きかったんでしょうね」
憂「うん……あずにゃんどうして自殺なんか……うう、ぐすっ」
和「憂……ごめんね。元気そうだなんて無神経なこと言って」
憂「ううん、大丈夫だよ和ちゃん」
憂「お姉ちゃん、元気出してね」
和「……え?」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:56:00.92 ID:i1SPcJKl0
憂の精神が取り返しのつかないことになっている。
それは数日のうちに周知となった。
入院した憂の症状は一進一退。
しかし一ヶ月ほどで安定期に入り、他人の前で『唯』が出てくることは少なくなった。
憂「空のため息星くずが~ヒトデと~♪」
憂「ヒトデと?」
憂「出会って~♪」
憂「出会って~♪」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 04:00:33.54 ID:i1SPcJKl0
憂「和さん」
和「どうしたの?」
憂「この世で本当に愛し合った少女達だけが、コトブキ座行きの列車に乗れるんです」
和「……」
駄目だ。
憂「コトブキ座の入り口では、ジム・モリソンが、私達のために『Lovely Sister LOVE』を歌って、歓迎してくれるんです」
言っちゃ駄目。
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 04:02:50.26 ID:i1SPcJKl0
和「……そうなんだ」
駄目
憂「そうなんです」
和「それ……」
言うな!
和「――妄想じゃ、ないの?」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 04:07:17.17 ID:i1SPcJKl0
すぐに私は我に返り、後悔した。何て迂闊なことを言ってしまったんだろう。
私自身の精神の疲れなんか言い訳にならない。
それは憂が見つけた最後の拠り所なんだ。
心の中にある唯との楽園。
それを奪う権利なんて、私にはない。
たとえ妄想の中に逃げ込む親友の妹に対してやりきれない思いを抱えていたとしても。
しかし
憂「違いますよ? 本当です」
憂は揺らがなかった。
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 04:12:09.00 ID:i1SPcJKl0
和「あ、はは……あはははは」
憂「うふふふふふ」
私も憂も笑っていた。
憂の心はもうバラバラに崩れ去っている。
そしてその瓦礫は新しく、とても強固に積み重ねられていた。
もう何があっても崩れないように。
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 04:15:32.52 ID:i1SPcJKl0
憂は二度と元には戻らないだろう。
それこそ、死んでいったみんなが帰ってこないように。
それならば私はいつまでも憂の側にいよう。
私は唯の、憂の親友なんだから。
憂「おくま~んねん♪」
おしまい!
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 04:21:07.80 ID:i1SPcJKl0 [38/38]
終わります。
和「唯、頭をよくしてあげるわ」
澪「蜘蛛の糸」
紬「花園!」
唯「モブキャラが手を噛むので」
梓「さらばさわ子」
はお蔵入りということで。
お目汚し失礼しました。
『梓「ハッピーアイスクリーム!」』
今日も私は穴を掘っている。
びくびく怯えながら、人目を忍びながら。
物音に振り返ると、いつもの小さなモグラが私を見ていた。また笑われているような気がした。
梓「笑わないでよ、あずにゃん3号……」
――逆さにしちゃうぞ。
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 01:51:09.06 ID:i1SPcJKl0
初めは本当に驚いて、それから涙を流して喜んだ。
事故で死んだ先輩たちが以前と変わらない姿で現れたのだ。
幽霊や幻覚なんかじゃない、抱きついてきた唯先輩の感触がそれを示していた。
ああ何て素晴らしい奇跡なんだろう。
大好きな先輩たちと、またバンドができるんだ。
そうだ、憂や和先輩にも知らせなきゃ。
本当にそう思っていた。
だけど……
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 01:57:22.87 ID:i1SPcJKl0
少しすると私は言いようの無い違和感、もうそれは嫌悪感と言ってもいいものを覚え始めた。
先輩たちは死んだんだ。
死んだ者が生き返る。
そんなことがあっていいんだろうか。
世界の何もかもがめちゃくちゃになってしまいやしないだろうか。
私はそれに耐えられるのだろうか。
結論から言えば耐えられなかった。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:01:33.06 ID:i1SPcJKl0
私は物置からスコップを取り出し、4人の先輩を再び殺した。
唯先輩を一番に、律先輩、澪先輩、ムギ先輩も順番に叩き潰した。
もう二度と起き上がることができないくらいに。
彼女たちは少し悲しそうな、諦めたような、あるいは私を哀れむような表情で潰れていった。
すぐに穴を掘って埋めた。
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:03:47.34 ID:i1SPcJKl0
次の夜、再び先輩たちは現れた。
昨日の傷は完全には治っていない。
やっぱり殺して埋めた。
潰すだけでなく、手足を少し解体した。
次の夜もその次の夜も同じことが続いて、同じことを続けた。
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:06:29.64 ID:i1SPcJKl0
数日が経ち、だんだんと崩れながら蘇る先輩たちの行動に少しずつ変化があらわれる。
梓「もう歩かないで!」 唯「とっとっとっとー」
梓「走らないで!」 澪「たったったったー」
梓「馬鹿にしないで!」 律「馬鹿にしないで!」
梓「マネしないで!」 紬「マネしないで♪」
みんなは私をからかうように走り回って遊ぶようになった。
しかし彼女たちの動きは鈍い。
いつも最後には私に捕まり埋められるのだった。
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:11:02.12 ID:i1SPcJKl0
私の心は擦り減っていった。
夜毎醜く崩れてやって来る先輩たち。
無邪気に私をからかう彼女たちを殺す日々。
どうして生き返るんだろう。
どうして私は殺すんだろう。
何もかもよくわからない。
だけど私は殺しては埋めた。
ああ、死ぬってなんだろう。
すごく怖いなあ。
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:14:48.50 ID:i1SPcJKl0
ある夜、私は先輩たちに尋ねた。
梓「私もいつか死ぬんでしょうか」 唯「死ぬよ」
梓「死にますか」 澪「死ぬな」
梓「しにますか」 律「死ぬぞ」
梓「シにますか」 紬「死ぬわ」
梓「怖い」 唯「平気」
梓「こわい」 澪「平気」
梓「コわい」 律「平気」
梓「コワイ」 紬「平気」
――闇に還るだけだよ。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:18:34.78 ID:i1SPcJKl0
梓「苦しいです」 唯「ついに言ったねー」
梓「辛いです」 澪「けっこう脆いんだな」
梓「きっと皆さんが」 律「ん~、誰のことだあ?」
梓「クモの糸なんです」 紬「あらあら」
もう限界だった。
先輩たち、またマネしてくれるかなあ。
梓「あはは」 唯「あはは」
梓「いひひ」 澪「いひひ」
梓「おほほ」
唯澪律紬梓「おほほ」
――ハッピーアイスクリーム!
幸せな遊びの後で、また4人を殺して埋めた。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:23:01.81 ID:i1SPcJKl0
そして私は自殺した。
きちんと先輩たちを埋めた穴に入り、出来るだけ土を被ってから包丁で喉を裂いた。
少し痛くて苦しかった気もするけれど今の私たちにとってはどうでもいいこと。
目の前では憂が喜びと戸惑いの涙を流している。
これから先、彼女の心がどんな風に揺れて動くのかはわからない。
でもまあ、どうでもいいか。
じゃあ遊ぼう、頑張ってね、憂。
おしまい!
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:31:54.05 ID:i1SPcJKl0
『律澪「パリは恋の都!」』
律「来たぜ、おおパリ!」
澪「あ、あんまり大きい声出すなよ……」
律「ん、悪い悪い、でもまあいいじゃんか。私が注目浴びるだけだろ」
澪「そりゃそうだけど……ほら、あの女の人が変な目で見てるぞ」
律「ああ? 何だコラやんのかパリジェンヌ!」
澪「仕方ないだろ、はたからみたらお前一人で騒いでるんだから」
――澪は亡霊だった。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:35:05.58 ID:i1SPcJKl0
夏休み、私と澪はパリへの旅行を計画していた。
海外旅行なんて一大イベントを前に相当浮かれた気分だったことは否定できない。
澪も同じだった。
買い物の帰り道、澪は私の目の前でトラックに轢かれ、すぐに立ち上がった。
足下で原型を留めていない自分の体をぽかんと眺めながら。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:46:03.54 ID:i1SPcJKl0
そういうわけで、予定通りにパリに来たというわけだ。
律「ったく、こんなかわいい娘が見えないなんてな。エクトプラズムだけど」
澪「いやエクトプラズムじゃないだろ、たぶん」
律「しかし怖がりの澪が幽霊になるとはなー」
澪「まあ、確かに」
シャンゼリゼ通りを練り歩いた。
律「ほーさすが恋の道、カップルだらけだぜ」
澪「そうだなー」
律「澪と私もカップルに見えるかな」
澪「お、おいバカ!変なこと言うなよ!」
律「照れちゃってかーわいー」
澪「もうバカ律!」
まあ周りには澪自体見えないわけだけど。
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:52:26.87 ID:i1SPcJKl0
律「凱旋門だー!」
澪「かっこいいなー」
律「メトロも乗るぜー!」
澪「おー」
律「フレンチキスしよーぜ!」
澪「言っとくけど周りから見たらお前一人で舌ベロベロする変な人だからな」
つっこみに気をとられ、キス自体は否定しないのが澪だった。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 02:56:29.26 ID:i1SPcJKl0
セーヌ川に架る新橋(ポン・ヌフ)の上、半円形に張り出したバルコニーから川面を眺めた。
律「なあ澪」
澪「ん?」
律「寂しくないか」
澪「……」
澪が少し薄くなった。
律「唯やムギにも見えなくなっちゃってさ」
澪「大丈夫だよ」
顔を上げた澪は優しげに微笑んでいた。
澪「律が見ていてくれたから」
律「そっか」
澪「だから」
――私の後を追おうなんて考えるなよ。
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:02:35.55 ID:i1SPcJKl0
律「はは、そんなことしないさ。いつかは行くけどな」
澪「ふふ、気長に待ってるよ」
また薄くなった。
あの時、澪が立ち上がったのは、私が。
澪「みんなにもよろしくな」
私が、澪は、もう助からないってわかって。
澪「私は幸せだったよ、まさか死んでからパリに来られるなんてな」
でも、それがわからなくて。
澪「そんなこと無いよ律。私は確かにここでお前と話してる」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:06:03.73 ID:i1SPcJKl0
律「そうだ、そうだよな」
妄想なんかじゃない、確かに澪はここにいるんだ。
律「行くのか」
澪「……」
律「セーヌの流れに消えるのか」
澪「ふふ、そう言うとかっこいいな」
ほとんど見えないくらいに薄くなった。
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/09(金) 03:16:09.50 ID:i1SPcJKl0
あの時澪は即死だった。
葬儀の場、唯は泣きじゃくるし、ムギはずっと涙を堪えて慰めていたが、私はまるで泣かなかった。
澪は私の横でずっとおろおろしていた。
私にしか見えていない。
みんなには私が親友の死を前にして気丈に振る舞っているように見えたかもしれない。
でも、そうじゃない。澪すぐそばにいて、ちっとも悲しくなかっただけだ。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:22:46.74 ID:i1SPcJKl0
澪「律」
律「ん?」
澪「ありがとう」
律「私の台詞だよ」
澪は完全に消えた。
やっと私は泣いた。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:26:08.32 ID:i1SPcJKl0
日本に帰ってきた私は、初めて澪の墓に参った。
律「澪、改めてお礼言うよ」
律「お陰できちんと気持ちの整理がついた」
律「お前が幽霊になってくれなかったらほんとに後追ってたかも……なんてな~」
律「やっぱりお前は私の親友だったよ」
律「ありがとう」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:29:40.63 ID:i1SPcJKl0
澪「……ちょっと恥ずかしいんだけど」
律「ん? ……えええ!? お前消えたんじゃないのか!」
澪「よくわかんないけど出てきちゃった」
律「……はは~ん、やっぱり寂しかったんだな~?」
澪「ち、違う!」
律「照れんなって~」
澪「りぃつぅ~!」
おしまい!
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:36:12.39 ID:i1SPcJKl0
『唯憂「愛のためいき!」』
――――――
唯「モモ~クリさ~ん年っ、カキは~ち~年~♪」
憂「あ、あの歌だね」
唯憂「ユズは九年でなり下がる、ナシ~の~バカめが~♪」
唯憂「じゅうは~ち~ねん~♪」
憂「ららら~♪」
唯「あいの~実り~は」
――――――
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:37:55.55 ID:i1SPcJKl0
和「入るわよ、憂」
憂がノックに応じないのはいつものことだ。
それでも私は一応断ってから病室に入る。
憂「やっぱりお姉ちゃんは歌が上手だね」
憂「いや~それほどでも~でへへ」
そしてこれもいつものこと。
でもそろそろ私に気がつく頃じゃないかな。
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:41:04.22 ID:i1SPcJKl0
憂「あ、和さん! 来てくれたんですか。わざわざすみません」
和「いいのよ。憂は働き者なんだから、入院生活なんて退屈でしょ?」
憂「そうなんですよ~。まったく過労で入院だなんて大げさですよね」
お見舞いの果物を渡すと憂は屈託の無い笑顔をくれる。本当に唯にそっくりだな。
憂「でも今日はお姉ちゃんも来てくれて……あれ? さっきまでいたのに……帰っちゃったのかな」
もちろん、憂が入院した原因は過労なんかじゃない。
心の病だ。
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:44:25.77 ID:i1SPcJKl0
三ヶ月前、合宿でムギの別荘へ向かう軽音楽部を乗せた列車が脱線事故を起こした。
唯、律、澪は即死。
ムギは救出されたが搬送先で死亡。
知らせを聞いて病院に駆けつけた憂はその場で倒れたらしい。
それから一ケ月、憂は全く学校に来なくなった。
一度だけ訪ねてみたが、かつての快活さの欠片も無い抜け殻のような憂を見るのが辛くてすぐに部屋を出てしまった。
こんな時どうすればいいのかわからない。
唯の、そして憂の幼馴染でもある私なのに……
情けなさに歯噛みし、今さらながら唯を失った悲しみに私は涙をこぼした。
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:49:46.11 ID:i1SPcJKl0
悪いことは重なる。
軽音楽部で唯一、奇跡的に軽傷で救助された梓が自殺した。
家から少し離れた公園で、自ら首を掻き切って土に埋まった死体が見つかったそうだ。
常軌を逸した死に方だが、彼女のクラスメートによれば事故以来梓の様子はおかしかったという。
敬愛する先輩を一度に四人も失い、自分一人が生き残った。
それが梓の心にどのような揺さぶりを与えたのか。
今となってはもうわからない。
そしてまた一つ事態が動く。
梓の死体が発見されてから二日後、憂は学校に出てきた。
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:53:04.62 ID:i1SPcJKl0
梓の死を憂がどのように受け止めたのか、それも私にはわからない。
憂「あ、和さん。おはようございます」
和「ああ憂。おはよう」
いずれにせよその次の日から、私は憂と一緒に登校するようになった。
以前と変わらない利発そうな笑顔で私に挨拶をする憂。
和「元気そうね。安心したわ」
憂「え? ああ……梓ちゃん、本当に残念でしたね……」
和「そうね。やっぱりショックが大きかったんでしょうね」
憂「うん……あずにゃんどうして自殺なんか……うう、ぐすっ」
和「憂……ごめんね。元気そうだなんて無神経なこと言って」
憂「ううん、大丈夫だよ和ちゃん」
憂「お姉ちゃん、元気出してね」
和「……え?」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 03:56:00.92 ID:i1SPcJKl0
憂の精神が取り返しのつかないことになっている。
それは数日のうちに周知となった。
入院した憂の症状は一進一退。
しかし一ヶ月ほどで安定期に入り、他人の前で『唯』が出てくることは少なくなった。
憂「空のため息星くずが~ヒトデと~♪」
憂「ヒトデと?」
憂「出会って~♪」
憂「出会って~♪」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 04:00:33.54 ID:i1SPcJKl0
憂「和さん」
和「どうしたの?」
憂「この世で本当に愛し合った少女達だけが、コトブキ座行きの列車に乗れるんです」
和「……」
駄目だ。
憂「コトブキ座の入り口では、ジム・モリソンが、私達のために『Lovely Sister LOVE』を歌って、歓迎してくれるんです」
言っちゃ駄目。
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 04:02:50.26 ID:i1SPcJKl0
和「……そうなんだ」
駄目
憂「そうなんです」
和「それ……」
言うな!
和「――妄想じゃ、ないの?」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 04:07:17.17 ID:i1SPcJKl0
すぐに私は我に返り、後悔した。何て迂闊なことを言ってしまったんだろう。
私自身の精神の疲れなんか言い訳にならない。
それは憂が見つけた最後の拠り所なんだ。
心の中にある唯との楽園。
それを奪う権利なんて、私にはない。
たとえ妄想の中に逃げ込む親友の妹に対してやりきれない思いを抱えていたとしても。
しかし
憂「違いますよ? 本当です」
憂は揺らがなかった。
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 04:12:09.00 ID:i1SPcJKl0
和「あ、はは……あはははは」
憂「うふふふふふ」
私も憂も笑っていた。
憂の心はもうバラバラに崩れ去っている。
そしてその瓦礫は新しく、とても強固に積み重ねられていた。
もう何があっても崩れないように。
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 04:15:32.52 ID:i1SPcJKl0
憂は二度と元には戻らないだろう。
それこそ、死んでいったみんなが帰ってこないように。
それならば私はいつまでも憂の側にいよう。
私は唯の、憂の親友なんだから。
憂「おくま~んねん♪」
おしまい!
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/09(金) 04:21:07.80 ID:i1SPcJKl0 [38/38]
終わります。
和「唯、頭をよくしてあげるわ」
澪「蜘蛛の糸」
紬「花園!」
唯「モブキャラが手を噛むので」
梓「さらばさわ子」
はお蔵入りということで。
お目汚し失礼しました。
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コメント
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唯頭をよくしてあげようも読みたかったな。
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