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禁書目録「そろそろ本気を出すんだよ」上条「えっ」3

禁書目録「そろそろ本気を出すんだよ」上条「えっ」

禁書目録「そろそろ本気を出すんだよ」上条「えっ」2

の続きです

495 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 19:56:33.06 ID:5L8nesAO
打ち止め・一通ペアとブラリ一泊旅行


500 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 20:14:30.75 ID:va4gFoA0 [1/2]
熱海の温泉街


503 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/07(月) 21:05:35.77 ID:cNLk5M2o [4/6]
上条「はよーす」

禁書「二人ともおはよう」

打止「遅れてごめんなさいー、ってミサカはミサカは申し訳なさげに頭を下げてみる」

一方「……」

禁書「……あれ?」

一方「……」

上条「どうしたんだオマエ。眉んとこ皺寄ってるぞ」

一方「…………おはよォ……ふァ……」

打止「この人朝弱くて、ってミサカはミサカは苦笑いしてみたり」

一方「うるせ…………ふァァ……」

504 名前:例によって一通さんは杖なしです。めんどい[saga] 投稿日:2010/06/07(月) 21:47:39.62 ID:cNLk5M2o [5/6]
上条「そんなんで運転任せて大丈夫なのか?」

一方「大丈夫だよォ、今血圧上げてっから……」

打止「えーと、高速は次のコンビニを左折ー、ってミサカはミサカは地図と睨めっこしながらナビしてみたり」

上条「それよりオマエが免許持ってたって方がびっくりなんですけど」

一方「年齢出てねェからいいンだよ。どうせ二次だしなァ」

上条「メタ発言はほどほどにしてください」

一方「ちょっとコンビニ寄るぞ」

上条「なんか買うのか?」

一方「コーヒー。あとなンか食い物。結構かかるからな」

上条「あ、それなら大丈夫」

禁書「お弁当作ってきたんだよ」

一方「……食えンのか?」

禁書「それはちょっと失礼かも!」

上条「味は保証する」

一方「本当だろォなァ……」

505 名前:東名なんだろうけど記憶にないから適当[saga] 投稿日:2010/06/07(月) 22:11:05.11 ID:cNLk5M2o [6/6]
一方「らふとおーらー、もうひとふ」

打止「はーい、ってミサカはミサカはおにぎりを手渡してみたり」

一方「んくっ。なンだよ、結構いけンじゃねェか」

禁書「こーそくどーろって暇かも」

上条「山の中とかトンネルとかだしなぁ。他は防音壁で見えないし」

一方「まァ俺はオマエらが騒ぐよりは運転に集中できていいが」

上条「安全運転でお願いしますほんと。上条さんの不幸補正を忘れないでください」

一方「最悪能力でなンとかしてやるよ……」

507 名前:ほっとくと長くなった挙句間が持たないから脳内保管で[saga] 投稿日:2010/06/08(火) 00:27:37.07 ID:WwlcTboo [1/3]
禁書「到着ー!」

一方「疲れたァ……」

上条「運転ごくろーさん。ほら、さっさとチェックインして温泉行こうぜー」



 ガラガラガラ



上条「すみませーん、予約してる上条です、け、ど……」





御坂「ようこそおいでくださいました、とミサカは丁寧に出迎えます」

一方「またこのパターンかよォ!」

521 名前:脳内保管を圧縮圧縮ゥ[sage] 投稿日:2010/06/09(水) 00:50:40.80 ID:RDxxdgAO [1/2]
一方通行「イツマデもまーつーわァ、例えアナターがふーりむいてくれなくてェも~」

打ち止め「ミサカはミサカはいつでもあなたの方を向いてるよ?」

一方通行「そうですかァ、じゃー俺があさっての方向むいとくわァ」

打ち止め「むー!レディに対して失礼だよってミサカはミサカは憤慨してみたり!」

一方通行「インデックス、ラストオーダーにオニギリ」

禁書「分かったんだよあくせられーた! はいらすとおーだー、中身は鮭なんだよ!」

打ち止め「やったぁ!(ムシャムシャ) ……うう~、やっぱり日本の朝は鮭だよね! ミサカはミサカは大和撫子にふさわしき模範回答を示してみる!」

一方通行「自分で言ってりゃ世話ねェよな」


上条「あさっての方向むかないで運転してほしい次第です、ハイ」

523 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/09(水) 02:00:03.13 ID:WdYyB2oo [2/3]
上条「オマエ何やってんの……」

御坂「ご一行が来ると聞いて静岡在住ミサカとしては居ても立ってもいられれず思わずバイトで、とミサカは簡単に状況を説明します」

一方「漏らしたのはオマエか。オマエなのか」

打止「にゃわー、ほっぺひっはららいれー、っれミファカはミファカはらにいっれんろか自分れも分かららかっらりー」

禁書「あれ?」

上条「どうした?」

禁書「……少し違う……?」

御坂「!」

一方「!?」

打止「分かるの? ってミサカはミサカは驚きつつも尋ねてみたり」

禁書「若干……? どこが、って聞かれても困るかも」

上条「まあそれは後でいいからさっさと行こうぜ。疲れた」

一方「オマエはずっとだらけてた訳で、一番疲れたのは俺だが」

御坂「それではお部屋にご案内します、とミサカは荷物を受け取ります」

526 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/10(木) 00:56:08.58 ID:qTaQr/Qo [1/4]
一方「あァクソ、疲れた」

上条「お疲れさん。あ、なんか飲むかー?」

一方「冷たいのがあったら頼む」

打止「冷蔵庫にオレンジジュースが、ってミサカはミサカは迷わず栓を抜いてみる」

上条「あ、馬鹿それ有料っ」

一方「それくらい気にするンじゃねェよ」

禁書「とうまもあれくらいの甲斐性があってもいいかも」

上条「居候が文句言わないっ」

禁書「それも言わないで欲しいかも……」

上条「う……すまん……」

一方「オマエらホント仲いいなァ……」

527 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/10(木) 01:28:04.97 ID:qTaQr/Qo [2/4]
一方「ほら、オマエら温泉行ってこいよ」

打止「あなたはどうするの? ってミサカはミサカは率直な疑問を返してみたり」

一方「俺はいいンだよ。休ンでっから」

打止「えー。一緒に行こー、ってミサカはミサカはあなたの腕を引っ張ってみる」

一方「どォせ男湯女湯別れてンだろォが」

上条「混浴はさすがに……というか入るのに躊躇う」

禁書「それじゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」

一方「おう行ってこい行ってこい」

528 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/10(木) 02:00:34.86 ID:qTaQr/Qo [3/4]
上条「…………んで?」

一方「あン?」

上条「なんだよ。アイツら追い出して、何かあるんじゃないのか?」

一方「……オマエそォいう察しだけはいいなァ」

上条「そうか? それで一体なんだよ」

一方「…………前から思ってたンだがよ」

上条「ああ?」

一方「あの白いの、一体なンなンだ?」

上条「インデックス? えーと、話すと色々面倒なんだが……」

一方「それは分かってるっつーの。そうじゃなくてだなァ」

上条「じゃあなんだよ」

一方「……あー」

上条「?」

一方「……アイツ、結局オマエのなンだ?」

529 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/10(木) 02:37:13.38 ID:qTaQr/Qo [4/4]
上条「何って……」

一方「オマエの血縁って訳じゃねェだろ。見るからにガイジンだしよォ」

上条「そうだけどさ……」

一方「学生でもねェ。かといって別に教会勤めでもねェみてェだし、それどころかオマエのとこに居座ってンだろ」

上条「……」

一方「普通なら追い出してンだろ」

上条「……まあなあ」

一方「じゃァオマエ、どうしてアイツと一緒にいるンだ」

534 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/11(金) 18:28:48.79 ID:.dcDuE6o [1/12]
上条「……もしかしてオマエさあ」

一方「なンだよ」

上条「インデックスの事好きなのか?」

一方「……」

上条「……図星?」

一方「オマエの脳ミソのレベル5っぷりに呆れてンだよ……どこをどォしたらそういう発想になるンだ」

上条「どこをって……」

一方「あー、聞いた俺が馬鹿だった。ケッ。つまンねェ」

上条「は?」

一方「今ので十分だろォ。ったく……思えば今回の事も言い出したのはコイツじゃねェか」

535 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/11(金) 19:18:18.87 ID:.dcDuE6o [2/12]
禁書「とうま?」

打止「うん。結局あなたとあの人はどのようなご関係なのでしょうか、ってミサカはミサカは核心を突いてみる」

禁書「……うーん、色々と込み合った事情があって説明するのはちょっと難しいかも。」

打止「聞かない方が良さそうだなぁ、ってミサカはミサカは察しのいいところを見せてみる」

禁書「そういうあなたたちはどうなんだろ」

打止「んーとー……、……ってミサカはミサカははにかんでみたり」

禁書「えー。一体なんなんだろー」

打止「……大切な人、かな、ってミサカはミサカはあえて疑問系で返してみる」

禁書「それは見れば分かるかも。そうじゃなくてもう少し具体的な」

打止「それ以外に言い様がないんだもの、ってミサカはミサカはお茶を濁してぶくぶくぶく」

禁書「あー、それちょっとずるいかも」

536 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/11(金) 20:54:12.63 ID:.dcDuE6o [3/12]
打止「なんだろう。あの人は……ミサカなのかな、ってミサカはミサカは曖昧に答えてみる」

禁書「なあにそれ?」

打止「えーと……ミサカが生まれてきた理由も生きている理由も生きていく理由も全部あの人なの、ってミサカはミサカは言いながら恥ずかしくなってみたり」

禁書「……、……」

打止「それで多分、ミサカはあの人のために死ぬよ、ってミサカはミサカは予言してみる」

禁書「それは……」

打止「ううん、違うな。きっと……ミサカはあの人のために死にたい、ってミサカはミサカは己の願望にしておいてみたり」

禁書「…………」

打止「だって今までもそうだったし、これからもそうなんだとミサカは考える、ってミサカはミサカは過去の経験則から語ってみる」
打止「あの人は嫌がるだろうけど、ってミサカはミサカは苦笑しながらも多分これは曲げようのない事なんだろうと自身の性を呪ってみたり」

538 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/11(金) 21:09:47.57 ID:.dcDuE6o [4/12]
打止「でもこればかりはどうしようもない事なんだろうなあ、ってミサカはミサカは駄目だと理解しつつも思考を放棄してみたり!」
                      しんねん
禁書「――ならきっと、あなたが刻む魔法名はSuperbiaなんだろうね」

打止「すぺるびあ? ってミサカはミサカは聞きなれない単語に首を傾げてみる」

禁書「英語に直すと、Pride」

打止「プライド……」

禁書「普通に和訳すると傲慢なんだけど……自尊の方がいいかも。尊厳とも言えるね。かなり曲解しちゃってるけど」

打止「……うん。そっちの方がいいな、ってミサカはミサカは目を閉じてみる」

禁書「でも気をつけてほしいかも。それは七つの大罪の一つでもあるんだよ」
禁書「それを象徴する者は、自らの輝きを知るが余りに楽園を追われ地の底に堕ちたとされるんだから」

打止「……うん……それでもミサカは、」





打止「あの人のためなら地獄の底に墜ちたとしても構わない、ってミサカはミサカは夢想してみる」

539 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/11(金) 21:28:16.71 ID:.dcDuE6o [5/12]
禁書「――――ちょっと羨ましいかも」

打止「何が? ってミサカはミサカは反射的に聞き返しながらもすぐに察してみたり」

禁書「…………」

 ――パシャ

禁書「私は、そういうのダメだから」

打止「…………あなたには、」

禁書「え……?」

打止「あなたには、そういう人いないの? ってミサカはミサカは少し真剣な表情であなたの目を見てみる」

禁書「――――」

打止「あの人はあなたにとってのそれじゃないの? どうしようもない誰かじゃないの? ってミサカはミサカは真顔で尋ねてみる」

禁書「――――ううん」

打止「あれ、違った? ってミサカはミサカは当てが外れて少し驚いてみたり」

禁書「……違う、違うんだよ」

 ――パシャ

禁書「私は、そういうのダメだから」

打止「…………」



禁書「そんな事言ったら、ますます不幸になっちゃうじゃない」

540 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/11(金) 21:35:10.92 ID:.dcDuE6o [6/12]
「結局よォ、そンな言葉が出てくるならオマエの答えはもう決まってンじゃねェか」

「――――ああそうか」





「でも結局、あなたにとってあの人は……ってミサカはミサカはそれ以上言えずに言葉を詰まらせてみる」

「…………私はね、イギリス清教の修道女だよ」

541 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/11(金) 21:36:28.77 ID:.dcDuE6o [7/12]



「俺は――インデックスの事が好きなんだ」










「一緒に地獄に墜ちてくださいなんて言える訳ないんだよ」




544 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/11(金) 21:56:35.95 ID:.dcDuE6o [8/12]
一方「あーあ、クソ、面白くねェ。暇潰しにもなりゃしねェよ」

上条「あ、おい?」

一方「風呂ォ行ってくる」

上条「じゃあ俺も……」

一方「オマエと裸の付き合いなンかしたくねェよ。第一荷物どォすンだよ」

上条「カギかければいいじゃん」

一方「……カギこれだけだぞ?」

上条「……あ」

一方「アイツらが帰ってくるまで待て」

上条「待て待て待て! ここは公正を期してジャンケンでだな……!」

一方「……」

上条「なんだよその目は」

一方「……いいやァ。いいぜ、ほら。ジャンケン」

上条「ポン」

一方「……ほらなァ」

上条「だーっ! 不幸だー!」

545 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/11(金) 22:14:20.90 ID:.dcDuE6o [9/12]
上条「……おかえり」

打止「あれ? あなた一人? ってミサカはミサカはもう一人の姿を探してみたり」

上条「風呂行ったよ。俺は留守番」

打止「あれ、悪い事しちゃったね、ってミサカはミサカは頭を下げてみる」

上条「いーや、気にすんな。んじゃ俺も行ってくるかー」

禁書「うん。ゆっくり温まってきてね」

上条「……インデックス」

禁書「? なあに?」

上条「…………、カギかけとけよ。酔ったおっちゃんに乱入されても嫌だしな」

禁書「あは、なぁにそれー」
         スタンガン
打止「大丈夫、護身道具いらずですから、ってミサカはバチバチってやってみたり」

上条「なんで俺の周りの女の子ってみんな過激なんだろうなあ……」

禁書「変なとうま」

上条「オマエからの被害が一番多いからな!? がぶりってした回数思い出してみろよ!」

禁書「そんな細かい事いちいち覚えてるの?」

上条「オマエには言われたくねえよ! 色んな意味で!」

548 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/11(金) 22:45:22.31 ID:.dcDuE6o [10/12]
一方「――来るの早えェよ、クソ。せっかく一人占めしてたってのに」

上条「へへ、そんな贅沢な事させて堪るか」

一方「っかー、たまには広い風呂ってのも悪かァねェな」

上条「うちの風呂……狭いんだよなー……」

一方「なンだよそンなやけに遠い目ェして」

上条「体が伸ばせなくてさ……背中とか痛くなるんだよ……」

一方「……なンだか突っ込みたくねェ」

御坂「ちょりーっす。お背中お流ししましょうかー、とミサカは遠慮なく乱入します」

二人「「間に合ってますから出てってください!!」」

553 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/11(金) 23:31:53.91 ID:.dcDuE6o [11/12]
上条「あー、いい湯だったー」

一方「オマエ長湯しすぎなンだよ……に付き合ってたらのぼせそォになったじゃねェか」

上条「律儀に付き合ってくれなくたってよかったのに」

一方「オマエに付き合ったンじゃねェよ。一人でアイツら二人の相手するのが嫌だっただけだ」

上条「さいでっか……。ただいまー」

禁書「あ、おふぁえりふぉうまー」

打止「お先にいただいてまーす、ってミサカはミサカは新鮮な海の幸に舌鼓を打ってみたり」

一方「…………」

上条「諦めろ。少なくともインデックスには俺たちを待つなんて幻想は通用しねえ」

一方「あァ、コイツはそォいう奴だったなァ」

禁書「料理を美味しいうちに食べるのは食事をする者の義務なんだよ!」

上条「なあ、七つの大罪に暴食ってなかったか?」

禁書「美味しいご飯を作ってくれた料理人さんとそれを恵んでくださった神様に感謝していただいてるんだよ? 当然じゃない?」

上条「うわーそれっぽい事言いやがって!」

一方「だが正論っつーか模範解答だなァ」

禁書「これでも聖職者ですから。えへん」

一方「がっつきながら言っても全く説得力ねェぞ……」

554 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/11(金) 23:56:54.20 ID:.dcDuE6o [12/12]
上条「ふー、食った食った」

禁書「おなかいっぱいー……」

打止「こうして人は堕落していくんだね、ってミサカはミサカは人間という愚かな生き物の本質を知ったかぶってみたり」

一方「あーあー、幸せそうな顔しやがって」

禁書「もうここに住むー」

上条「あのなインデックス、現実って厳しいんだよ」

禁書「知ってるよ! ただ単に叶わぬ望みを口にしてみただけかも!」

一方「それ言ってて空しくならねェかァ?」

打止「それは言っちゃダメだって、ってミサカはミサカは手遅れな事を理解しつつもしーってやってみる」

禁書「うー……」

一方「ゴロゴロしてっと牛になるぞォ」

打止「あなたってもしかして結構信心深いのかも、ってミサカはミサカは意外な一面を垣間見てみたり」

一方「ただの慣用句だァよ」

上条「……よっ」

禁書「とうま?」

上条「ちょっと涼んでくる」

一方「あァ? おいコラ、だからコイツらのお守り押し付けてンじゃ――」

上条「適当に戻ってくるからー」

一方「聞けよォ!?」

 ――パタン

555 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/12(土) 00:10:47.94 ID:ZIH4OW2o [1/12]
「ったく……」

「浴衣でゴロゴロするんじゃねえよ……目のやり場に困るだろうが」

「……」

「……」

「……」

「だーあー!!」

「明日からまたアイツと二人きりか!? どういう顔すりゃいいんだよ!!」

「あークソ……」

「……」

556 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/12(土) 00:15:19.09 ID:ZIH4OW2o [2/12]
「そうか……俺、アイツの事……」

「好き……なのかぁ……」

「…………、……クソ」

「あん野郎、余計な事しやがって……」

「……」

「……」

「……」

「ちくしょう……ちくしょお……」

「……ああ。そうだよ」

「俺はインデックスが好きなんだ」

「好き、なんだ」

「――はは、」





「――なんでよりによってアイツを好きになっちまったのかなぁ」










「――ちくしょう、不幸だ」

557 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/12(土) 00:35:54.99 ID:ZIH4OW2o [3/12]
「――――とうま」

「――なんだ、オマエも来たのか」

「うん。お邪魔だったかな?」

「今さらどの口がそんな事言うんだよ」

「とうまってばひどいー」

「はは、別段面白くねえのに物好きな奴だな」

「……そうかな」

「面白いかぁ?」

「うん」

「どこが」

「とうまが」

「俺ってそんなに面白可笑しいキャラですかっ!?」

「うん」

「即答された……」

559 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/12(土) 00:49:58.73 ID:ZIH4OW2o [4/12]
「とうまといるとね、楽しいよ」

「……」

「おかしいってどう書くか知ってる? 可能の可に笑う、で可笑しい」

「……」

「とうまといるとね、笑顔になれるの」

「……そっか。ありがとな」

「むー、なんか他人事みたいかも」

「……そっか。ごめん」

「なんかとうまってばさっきからちょっと変かも」

「変とはまた失礼なっ。俺はいたって真面目ですよっ」

「……もしかしてお風呂行ってる間に何かあった?」

「…………、いや。オマエが気に病むような事は何もねえよ」

「そう……? それならいいんだけど」

「ごめんな、心配させて」

「……やっぱり、変かも」

560 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/12(土) 00:57:01.18 ID:ZIH4OW2o [5/12]
「……」

「……」

「……」

「……ただ歩いてるだけで楽しい?」

「うん」

「そっか……」

「うん」

「……」

「……」

「……」

「……夜風が気持ちいいね」

「そっか」

「……うん」

「……」

「……」

561 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/12(土) 01:01:47.33 ID:ZIH4OW2o [6/12]
「……」

「……」

「……、」

「……」

「――ぁ」

「……」



「――――とう、ま」





 ――――きゅ





「――――――っ」










 パシッ

562 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/12(土) 01:06:47.55 ID:ZIH4OW2o [7/12]
「あ――」

「――――」

「え、っと……その」

「――――、」

「……ごめんなさい」

「――――っ、……なんだよいきなり。蛇か何かだと思ってびっくりしたじゃねえか」

「あは……ごめんね、驚かせちゃったね」

「心臓が飛び出るかと思ったぜ。ったく、肝試しはいきなりやるもんじゃねえぞ?」

563 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/12(土) 01:10:56.38 ID:ZIH4OW2o [8/12]
「なんかね、急に」

「ん?」

「とうまがどっか行っちゃうような気がして」

「――――」

「あはは、ごめんね、いきなり。……なんでだろ、突然、怖くなって」

「――大丈夫だよ、インデックス」

「とうま……?」

「上条さんは逃げたりしませんよー」

「……ほんとに?」

「ああ。だから安心しろって」

「……うん」

564 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/12(土) 01:15:27.02 ID:ZIH4OW2o [9/12]
「……とうま」

「今度はなんだよ」

「手、握っていい?」

「、ああ」



 ――――きゅ



「えへ……」

「……」

「とうまの手、冷たいね」

「……そっか」

「この国では手の冷たい人って心が」

「ありゃ嘘だ」

「え……?」

「嘘だよ、あれは。ただの迷信」

「……そうかな」

「そうさ」

「…………」



 ――――ぎゅ



「…………」





 ――――、――。

565 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/12(土) 01:24:42.30 ID:ZIH4OW2o [10/12]
「……」

「――」

「……起きてるか?」

「――」

「……」

「――」

「……」

「――なンだよ」

「オマエさ、本当に心の底から大切だって言える人いるか?」

「あァ」

「……そっか」

「なンだよいきなり妙な事言い出して」

「悪りい。気にしないでくれ」

「――さっさと寝ろクソッタレ」

「ああ」

「――」

「……」

「――」

「……オマエ、ソイツのためにさ、死ねるか?」

「――あァ」

「…………そっか」

「――」

「……」

「――」

「……」

566 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/12(土) 01:31:30.48 ID:ZIH4OW2o [11/12]
「――――かみさま」

「私にはこうして祈る事しかできません」

「この穢れた身であなたに祈る事など許されない事は分かっています」

「けれどどうか、どうかお願いします」










「願わくは、明日も――明日こそは世界がとうまに優しくありますよう」





「――Amen」

575 名前:……もしかして>>228じゃね?[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 01:21:56.64 ID:Ttl1vTwo [1/15]
一方「…………」

上条「…………」

禁書「…………」

打止「…………すぅ」

 ブロロロ――

一方「(……おィ)」

上条「(なんすか)」

一方「(オマエ昨日何やらかしたンだよ。朝からずっとだンまりじゃねェか)」

上条「(……別に)」

一方「(別にじゃねェよ。じゃァなンだって言うンだよコレはァ)」

上条「(…………すまん)」

一方「(……ったく。痴話喧嘩に巻き込むンじゃねェよ)」

禁書「…………」

上条「…………」

一方「…………マジだりィ」

576 名前:>>288だった[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 01:27:24.72 ID:Ttl1vTwo [2/15]
上条「おっかれー」

一方「マジ疲れたっつーの。クソ、次は電車だからな」

打止「また行こうねー、ってミサカはミサカはさりげなくこの人が第二回を示唆している事にかつてない感動を覚えてみる!?」

一方「たまには悪くねェよ。たまには、な」

禁書「うん。その時はまたお弁当作るんだよ」

打止「あ、今度教えて欲しいかも、ってミサカはミサカは新たな挑戦を始めてみたり」

上条「だってよ、インデックス」

禁書「私よりとうまの方が上手いよ?」

打止「じゃあ一緒に! ってミサカはミサカは二重の意味でお願いしてみる!」

一方「俺はやンねェぞ」

打止「えー」

上条「えー」

禁書「えー」

一方「なンでオマエら雁首揃えて残念そォな顔すンだよォ!?」

578 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 02:49:56.32 ID:Ttl1vTwo [3/15]
「じゃあまたねー、ってミサカはミサカは手をぶんぶんと振ってみる!」

「ったく、湯治に行って疲れてりゃ世話ねェよなァ……帰って寝るか」

「ばいばーい」

「……インデックス」

「なぁに?」

「んじゃ帰るか」

「……うん!」

「その前に買い物だけどなー。晩飯の」

「うん。今日のご飯何にしようね」

「値段とかと相談だけど……オマエ何が食べたい?」

「えーっとねー――」

579 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 04:16:11.06 ID:Ttl1vTwo [4/15]
「…………だー、くそ……」

「どないしたんカミやん。いつになく元気ないねえ」

「まーたなんか面白おかしい不幸イベントにでも引っかかったんだろうにゃー」

「なんやまた女の子にフラグでも立てとったんかいな。ちくしょー僕の方が不幸やー」

「…………」

「あれ、図星なん?」

「……いや。違うよ」

「なんやね今の間はぁ!?」

「奥さん冗談がお上手です事。俺に限ってそんな幸せイベントが起こるわけないでしょうがに!」

「どの口がそれを言うかあああ!!」

「今日も平和だにゃー……」

581 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 15:26:34.46 ID:Ttl1vTwo [5/15]
「……」

「……」

「……」

「とうま……まだかな……」

「……」

「スフィンクス」

「おいでスフィンクス」

「……」

「……ごめんね」

「……」

「はやく……帰ってこないかなぁ……」

582 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 15:30:00.07 ID:Ttl1vTwo [6/15]
 ピンポーン

「! ……まだ学校だよね」

「こんな時間に誰だろ」

「はーい、どちらさまー?」



 ガチャ



「――――あ」

「時間が空いたから来てみたんだが……土産にチーズタルトを作ってきたぞー」

583 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 18:30:01.56 ID:Ttl1vTwo [7/15]
「いきなり来てすまんなー」

「そんな事ないんだよ。来てくれて嬉しいかも」

「そうかー、ならよかったがー」

「いきなりどうしたの? 突然来るなんて初めてかも」

「んー……その、なんだー」

「?」

「そろそろかと思って」

「何が?」

「先輩としてな、忠告をだなー」

「……先輩?」

「辛いぞー」

「……」

584 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 19:06:42.33 ID:Ttl1vTwo [8/15]
「実はなー、たまに死にたくなる」

「……」

「まぁせんがなー。でも心中した方がどれだけ楽か」

「……」

「そっちの事情はよく知らんから偉そうな事は言えんがな、この点に関しては私も一日の長があるぞー」

「……えーと」

「どうしたー?」

「――――ちょっと、何を言ってるか分からないかも」

「……そうかー。だったら気にしないでくれー」

「くすくす。へんなの」

「自覚はあるぞー」

「……」

585 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 19:17:55.10 ID:Ttl1vTwo [9/15]
「さてと、それじゃあ私は帰るかなー」

「え? もう帰っちゃうの?」

「言っただろー、少し時間が空いただけだからな」

「――わざわざありがとうね」

「なんのなんの。……ああそうそう、気に入ってくれたならまたそれの作り方教えてやるぞー」

「うん。お願いします」

「じゃあなー……ああ、もう一つだけ」

「なんだろ」

「うん、ただの独り言なんだがなー」





「本当に救われないからなー。自分も、相手も」

586 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 19:26:51.35 ID:Ttl1vTwo [10/15]
「――よく、聞こえなかったかも」

「……ただの独り言だから気にするなー」

「――ね」

「なんだー?」

「ありがとう」

「……おー。じゃあまたなー」

「じゃあね。ばいばい」



 パタン



「……よりによってシスターに説教するとは、私も偉くなったものだなー」

589 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 22:56:58.69 ID:Ttl1vTwo [11/15]
「ただいまー」

「おかえりなさい、とうま」

「あれ、誰か来たのか?」

「うん、まいかが。ほら、これくれたの」

「お、たびたび悪いなー。デザートにいただくか」

「――とうま」

「ん?」

「――ご飯、――、作ろ?」

「そうだな。腹減ったし、コイツも早く食べたいしな」

「うん」

590 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 23:11:01.06 ID:Ttl1vTwo [12/15]
「じょうずにできましたー」

「がんばりました!」

「いただきます」

「いただきます」

「はむ、んむ。あー、たまに食いたくなるよなー野菜炒め」

「最近ちょっと凝ったものばっかりだったもんね」

「シンプルなものほど難しくてその分上手くできた時はめちゃくちゃ美味いんだよなー」

「美味しい?」

「おう」

「――よかった」

「……インデックス」

「何?」

「……いや。美味いよ。また腕を上げたな!」

「えへへ、そうかな」

「そろそろ俺作んなくてよくね?」

「そんな事ないんだよ」

「全部任せちゃったらダメ?」

「……ダメ」

591 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 23:21:02.98 ID:Ttl1vTwo [13/15]
「――ごちそうさま」

「あれ、もういいのか?」

「うん。ちょっと、お腹いっぱいかも」

「そうかー……ならコイツは食べれないな!」

「甘い物は別腹ってこの国の言葉だったよね」

「やっぱりそう来ますよねー! あー、米残っちゃったな」

「……明日食べればいいかも?」

「それもそっか。んじゃいただきますかー」

「わーい!」

593 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 23:53:52.14 ID:Ttl1vTwo [14/15]
「あー、満足ー」

「至福ー」

「今度お礼言っとかないとだな」

「私はちゃんとその場で言いました」

「威張るなそれ普通。あー、食ったら眠くなってきたー」

「すぐに横になると牛になるんだよ」

「非科学的だー」

「それもそうかもー」

「オマエも寝てんじゃん」

「牛にならないなら大丈夫かも」

「ごろごろー」

「ごろごろー」

「……何やってんだろうな」

「……ねぇ?」

594 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/13(日) 23:56:08.56 ID:Ttl1vTwo [15/15]
「さってと……食器洗うか」

「そだね」

「……」

「……」

「起きたくない」

「同じく」

「それじゃあここは公平に」

「じゃんけん」

「ぽん!」

「……」

「……」

「……むー、仕方ないかも」

「………………あれ?」

595 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 00:15:17.31 ID:cYtG5u2o [1/26]
「ふぅ。後片付けおわりー」

「……」

「……とうま、そんなとこで寝てると風邪ひいちゃうんだよ?」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……うん」

596 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 00:29:15.93 ID:cYtG5u2o [2/26]



「――ごめんなさい、とうま」















「」




597 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 00:30:16.60 ID:cYtG5u2o [3/26]
「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「ごめん、なさい」

598 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 00:40:30.71 ID:cYtG5u2o [4/26]
「――――あれ」

「うわ。俺、寝ちゃってたか」

「あ、エプロンが落ちて……」

「畳まないと……」



「――――待て」

「――さっき、俺、畳んだ、ぞ」

「なんで落ちて――」



「――――それと、インデックスのエプロンはどこだよ」





「――インデックスは、どこだよ」

600 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 00:47:38.24 ID:cYtG5u2o [5/26]
「――携帯!」

「机の上に――」

「――あ」



『……明日食べればいいかも?』



「おに――ぎり――」

「――なんだよ」

「なんだよふざけんなよ」

「これじゃまるで――」

「アイツが自分で出てったみたいじゃないか――」

602 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 00:50:42.77 ID:cYtG5u2o [6/26]
「……」

「……」

 ピ ピピ ピ

「……」

「……」

「……」

 トルルル





 ――――、





「………………あれ」






「…………外?」

603 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 00:55:28.04 ID:cYtG5u2o [7/26]
「…………」

 ――――、

「…………」

 ――――、

「…………」



 ガチャ





 ~♪



「――――」










「…………何やってんだ、インデックス」

604 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 00:59:17.01 ID:cYtG5u2o [8/26]
「こんな時間にお出かけか」

「――」

「エプロン持って。土御門のとこにお菓子習いにでも行くのか」

「――」

「わざわざおにぎりまで作って」

「――」

「ちゃんとラップかけないと硬くなっちまうだろ」

「――」

「インデックス?」

606 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 01:07:58.03 ID:cYtG5u2o [9/26]
「――あのね、とうま」

「なんだ」

「私ね、イギリスに帰る事にしたの」

「どうして」

「私がそうお願いしたの」

「どうして」

「――――」

「どうして」

「――私がね、いるとね」

「ああ」

「とうまを不幸にしちゃうから」

「今さら何言ってんだよ。元から十分不幸だっての」

「そうじゃないの」

「じゃあなんだっていうんだよ」

609 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 01:17:31.29 ID:cYtG5u2o [10/26]
「――とうまが優しいから」

「そんな事は……」

「優しいよ。優しい。優しすぎるんだよ」

「……」

「それがね、辛いの」

「……」

「とうまといると楽しいの。とうまが笑うと嬉しいの」

「……」

「とうまが私を引っ張っていってくれるの。明るくて暖かいところに」

「……」

「でもね、それ、無理なんだよ」

「そんな事は」

「無理。絶対無理。いくらどんな幻想でも殺せるとうまの右手でもこればっかりは無理」

「そんな事は……!」

「現実を見ようよ、とうま。だってほら、私ってば」










「現に一度とうまを殺してるんだよ?」

613 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 01:29:40.86 ID:cYtG5u2o [11/26]
「――――――イン、デックス」

「……ごめんなさい」

「オマエ、気付いて」
           、 、 、
「うん。だって……あなた、嘘つくの下手なんだもん」

「――――」

「その右手は、神様がくれる幸運を打ち消しちゃうから不幸になるって……前言った事があるんだけどね」

「――――」

「私はそんなものじゃないよ」

「――――」

「私自身が、『不幸』の塊だから」

「――――」

「だから、そろそろ本当に殺しちゃうかもって」

616 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 01:41:17.75 ID:cYtG5u2o [12/26]
「だからイギリスに帰る事にしたの」

「あ、ごめんね。残ったご飯おにぎりにして、ちょっと貰っちゃった。お弁当」

「それでね、悪いとは思ったんだけど寝てる隙に行っちゃおうって思って」

「準備は簡単だったよ。だって私の持ち物って、この教会の残骸と、あなたがくれた携帯電話と本とエプロンしかないから」

「それで、靴履いて、ドア開けて」

「外に出て、閉めて」

「そしたらね」

「――動けなくなっちゃった」

619 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 01:50:48.97 ID:cYtG5u2o [13/26]
「足がね、動いてくれないんだよ」

「行かなきゃいけないのに、動かないの」

「あはは、せっかくおにぎりまで作って格好付けたっていうのに」

「未練がましく、ずーっとここに立ってるの」

「行かなきゃ、いけないのに」

「でも、動け、なく、て」

「そしたら、携帯、鳴って」

「ドア、が、開いて」

「とう、ま、が――」

622 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 02:02:56.29 ID:cYtG5u2o [14/26]
「インデックス――」

「――やめて」

「嫌だ」

「お願い」

「嫌だ」

「おねがい――とうま」

「っ――嫌だ! たとえオマエが俺を見ていなくても!」





「お願い――突き放して――」

「『俺』は、オマエが――!」

「私に、優しく、しないで――」

626 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 02:23:50.67 ID:cYtG5u2o [15/26]
「おねが、い、は、なし、て」

「嫌だ――」

「あなた、を、これ、い、っじょ、不幸に、させ、ないで」

「そんな訳あるか、不幸なはずがあるもんか」

「う、そ」

「嘘なはずがあるかよ――」

627 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 02:27:09.02 ID:cYtG5u2o [16/26]
「不幸だとか幸福だとか」

「十字教だとか魔道書だとか幻想殺しだとかカミサマだとか」

「Index-Librorum-Prohibitorumだとか、そんなもの本当はどうだっていいんだ」

「俺はオマエが――目の前にいる女の子が好きなんだ」

「俺自身は嘘の塊かもしれないけど――」

「この気持ちだけは嘘なもんか――!」

629 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 03:06:50.43 ID:cYtG5u2o [17/26]
「――あなたは、自分から不幸になるつもりなの」

「カミサマなんて訳の分からない奴がくれる幸福なんかいらない。オマエがくれる幸福が欲しいんだ」

「そんなもの、私があげられるはずがないんだよ。私があなたにあげられるのは不幸だけ」

「なら不幸でいい。いくらでも不幸になってやるさ。オマエがいてくれるなら」

「本当に、それでいいの」
                オマエ
「何度も言わせるなよ。俺は不幸が欲しいんだ」

「――」

「もしカミサマなんてのが出てきてそれを否定するなら、俺がそいつをブチ殺してやる」

「今、凄い事言っちゃったかも」

「そうだな。……でもそれでいいんだ」

「――ね、もう一度だけ聞いていいかな」

「ああ」

630 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 03:08:38.08 ID:cYtG5u2o [18/26]



「私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?」



「地獄だろうがどこだろうが、オマエがいるならどこだって」




631 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 03:19:08.64 ID:cYtG5u2o [19/26]
――ごめんなさい、神様。

私、本当はあなたが嫌いです。

彼を不幸にする、あなたが嫌いです。

言うだけで結局何もしてくれないあなたが嫌いです。

でも――彼に会わせてくれた事だけは感謝します。

私と出会ってしまった事が不幸だという事は分かっています。

けれど――私はそれに感謝してしまいます。

だからごめんなさい神様。

さようなら。

私はあなたが大嫌いです。

632 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 03:26:33.23 ID:cYtG5u2o [20/26]
「――ごめんなさい。今から酷い事言うね」

「……ああ」










「一緒に地獄に墜ちてください」

634 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 03:34:02.20 ID:cYtG5u2o [21/26]
「――ひとつ聞きたいんだけど」

「何、かな」

「飯は出るか?」

「……私が作ったのでよければ」

「オーケー、何も問題はない」

「食い意地が張りすぎかも」

「オマエにだけは言われたくねえよ」

「……おかしいね」

「何が?」

635 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 03:37:20.94 ID:cYtG5u2o [22/26]
「私ね、幸せかも」

「残念だな。それ、『不幸』って奴だよ」

636 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 03:39:03.44 ID:cYtG5u2o [23/26]
"the Index of Cursed Recipe sent to YOU" is over.

637 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/14(月) 03:46:34.27 ID:cYtG5u2o [24/26]
前にやった鈴科ルートと対比させる形で、二人で堕ちるバッドエンドとなりました
救いはなく、当人達も救われるのを望まない。救いなんて必要ない

『とある魔術の禁書目録』本編で絶対にやらないだろうなーって事を色々やってみました
そんな訳でインデックスが本気を出した結果ごらんのありさまだよ



一体何が幸せで何が不幸なんだろう?



723 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/15(火) 22:38:37.57 ID:jg9mwh6o [10/15]
禁書「――とうま」

上条「……、……」

禁書「とうま、とう、ま、とうま――とうまぁ――!」

上条「……ああ、まだそう呼んでくれるのか」

禁書「ちが、違う、もん。とうまは、とうまだもん」

上条「俺はオマエを助けた上条当麻じゃないぞ」

禁書「違うよ、とうまの記憶は、死んじゃったかも、しれないけど」
禁書「私の大好きなとうまの魂は、ちゃんと生きてるよ」

上条「……そっか。なら俺は、上条当麻でいいんだ」

禁書「そうだよ。そうじゃなかったら、あなたの事をなんて呼べばいいの」
     イマジンブレイカー
上条「……『幻想殺し』とか?」

禁書「……ぷっ、なにそれ」

上条「ははっ、どうも似合わねえよなあ」

725 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/15(火) 23:01:28.36 ID:jg9mwh6o [11/15]
禁書「うん……あなたは、とうまでいいんだよ、とうま」

上条「……うん」

禁書「とうま。ねえ聞いて」

上条「なんだよ」

禁書「私ね、とうまの事、大好き。他の誰よりも、とうまが好き」

上条「……うん」

禁書「修道女失格だね。教会になんて言えばいいか」

上条「なんでもいいさ。文句があるって言うなら俺が殴り飛ばしてやる」
上条「オマエがいてくれるなら誰を敵に回してもいい。なんだって利用してやる」
   エデン  カナン
禁書「楽園も約束の地もいらない。世界が地獄でも、私の居場所はここだから」

上条「……うん」

禁書「うん……」

上条「……、インデックス……」

禁書「……とう、ま」









禁書「へくちっ」

上条「ぁごっ!?」

726 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/15(火) 23:17:25.80 ID:jg9mwh6o [12/15]
上条「ぬあああ! せっかくいい雰囲気だったのにいつもの不幸属性が今日もバリサンですよー!?」

禁書「ごめんね! ごめんねとうま! くちっ」

上条「あーあー、手ぇこんなに冷たくなってんじゃねえか」

禁書「……とうまの手、あったかい」

上条「ほら、いつまでも外にいたんじゃ風邪引くぞ。早く入れよ」

禁書「……うん」





 キィ――――パタン

727 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/15(火) 23:28:54.00 ID:jg9mwh6o [13/15]
禁書「ただいま、スフィンクス。ごめんね」

上条「あー、エプロン畳まないと……あむ」

禁書「……とうま?」

上条「ほら、オマエも食えよ。食えんだろ? 硬くなる前に片付けちまおうぜ」

禁書「……あむ」

上条「うん、いける」

禁書「……ちょっと」

上条「ん?」

禁書「しょっぱい、かも。塩効かせすぎちゃったかな」

上条「……これくらいでいいよ」

禁書「そうかな」

上条「……もう少し抑え目でもいいか」

730 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/15(火) 23:38:05.83 ID:jg9mwh6o [14/15]
禁書「ごちそうさまでした」

上条「ごちそーさま」

禁書「――あ、とうま」

上条「ん?」

禁書「ここ。ついてるかも」

上条「ん? あ、えと。あれ?」

禁書「……そうじゃなくて」

上条「え?」






「」

732 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/15(火) 23:53:05.34 ID:jg9mwh6o [15/15]
禁書「…………」

上条「…………」

禁書「えっと、その」

上条「……インデックス」

禁書「はいっ!?」

上条「不意打ちは、卑怯だ」

禁書「……とうま」

上条「なんだ」

禁書「…………お」

上条「お?」

禁書「……おかわり」

上条「…………」

禁書「…………ぁ」



「」


738 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/16(水) 00:43:14.35 ID:72KuY.6o [1/10]
禁書「とうまぁ……」

上条「ん……」

禁書「あ、む、ちゅ……こく」

上条「っ、ぷは、ちょっとインデックス」

禁書「んむ」

上条「、ちょ、待てって」

禁書「何、かな?」

上条「……あんまり吸うな」

禁書「やだ」

上条「やだって、オマエな」

禁書「禁欲生活はもうやめたんだよ。少なくともとうまに対しては」

上条「どの口がそんな事を言うかー!」

禁書「この口はとうまにキスするためにあって、とうまに好きって言うためにあるんだよ」

上条「……じゃあ」

禁書「あととうまのご飯を食べるため」

上条「だからそれは卑怯だって。オマエはシスターの格好した悪魔か」

禁書「『女は非常に完成した悪魔である』。ヴィクトル=ユーゴー」

上条「……俺の右手で触れても消えないっていうのはよく分かった」

禁書「もっと、触れて。消えないように」



「」

743 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/16(水) 01:08:02.23 ID:72KuY.6o [5/10]
禁書「……とうま」

上条「何」

禁書「ちょっと、苦しいかも」

上条「いいだろ。どれだけ抱き締めても消えないんだ」

禁書「……私は消えないよ。とうまも」

上条「俺?」

禁書「私が全部覚えてるから」

上条「――」

禁書「とうまの笑い声も寝顔も手の震えもシャツの匂いも作ってくれた料理の味も、私が残らず覚えてるから」

上条「――」

禁書「だからとうまは消えたりなんかしないよ」

上条「……オマエが見てくれてたから上条当麻は生きてるんだな」

禁書「え?」

上条「いやさ、世界一有名な動物虐待の話があってな」

禁書「なぁに、それ。変なとうま」

上条「オマエがずっといたから、俺を消えないようにしてくれてたんだよ」

744 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/16(水) 01:25:23.84 ID:72KuY.6o [6/10]
上条「……」

禁書「……」

上条「えっと――」

禁書「あのね――」

上条「う……」

禁書「あ……」

上条「……」

禁書「……」

上条「インデックス、あのな」

禁書「うん……」

上条「もっと、触っていいか」

禁書「……うん。ね、とうま。私にも教えて。とうまを」

上条「ああ」

禁書「絶対に忘れないように、刻み付けて」

746 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/16(水) 01:34:53.48 ID:72KuY.6o [7/10]
上条「……」

上条「……」

上条「……」

上条「……すまん」



 ぽい、バタン



禁書「何してるの?」

上条「いやその……邪魔者を隔離してた」

禁書「邪魔者?」

上条「見てくれるのはオマエだけでいいしな」

禁書「?」

上条「あと、オマエを見るのも俺だけでいい」

禁書「……とうまじゃなきゃやなんだよ?」

上条「……ん」

748 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/16(水) 01:57:09.75 ID:72KuY.6o [8/10]
禁書「……、……」

上条「おいで、インデックス」

禁書「……うん」

上条「あーやっぱりオマエ抱き心地がいいなあ」

禁書「そ、そうかな」

上条「ちっちゃくて白くてふわふわしててキラキラしてて……砂糖菓子みたいだ」

禁書「……舐めてみる?」



「」



禁書「お味はいかがでしょう」

上条「……甘い」

782 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/20(日) 02:54:34.65 ID:dbg.SbMo [1/7]
禁書「ん、ちゅ……はむ」

上条「なんか、んむ、本当に甘い」

禁書「そう?」

上条「ああ……」

禁書「美味しい?」

上条「……インデックス」

禁書「うん――ふぁ」

上条「もっと」

783 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/20(日) 02:58:55.77 ID:dbg.SbMo [2/7]
禁書「ふ、くぁ、んぷ……じゅ」

上条「ちょ、うわ、それ」

禁書「……どしたの?」

上条「えーと……エロすぎ」

禁書「こーふん、した?」

上条「…………正直に申しますと」

禁書「ふふふ、とうまを堕落させちゃうなんて、私って罪な女かも」

上条「聖職者が呆れるぜ……ほら」

禁書「きゃわ――」



 とさ――



上条「……服、脱がすぞ」

禁書「破っちゃ嫌かも?」

上条「やらねーよ」

787 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/20(日) 03:15:22.86 ID:dbg.SbMo [3/7]
禁書「ん……くは、んちゅ……くぁ」

上条「あんまり動くなって……ほら」

 ――ぴっ、――ぴっ

上条「服の構造が分かんねえけど、これ便利だな」

 ぴっ――

禁書「そうしたのは誰かな」

上条「覚えてねーよ。っと――」

 ぴ――、っ

上条「てっ」

禁書「あ」

上条「っつー……やっちまった」

禁書「とうま、血が」

上条「このくらい大丈夫だって。それより――」

禁書「…………」

上条「……どうした?」

禁書「とうま、指」

上条「だから大丈夫だって。ほら、別に深くは――」

禁書「……あむ」

788 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/20(日) 03:21:27.23 ID:dbg.SbMo [4/7]
上条「え、ちょっ、インデックス」

禁書「ちゅ、んぬ、る、ろぉ……」

上条「うぁ……舌、当たって、ピリピリする……」

禁書「……ぷぁ」

上条「……美味しい?」

禁書「どうだろう? でもとうまのなら、なんか美味しい気がするかも?」

上条「オマエ吸血鬼のケがあるんじゃないだろうな……」

禁書「もうそれでもいいかも」

上条「おいおい、俺血ぃ吸われちまったぞ」

禁書「とうまもなっちゃう?」

上条「……ここで俺がオマエの血を吸ったらどうなるんだろうな」

禁書「試してみる? ――んっ、ぷ。るぁ……」

上条「……血の味がする」

 ぷっ――

789 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/20(日) 03:45:35.13 ID:dbg.SbMo [5/7]
 ちゃり――

上条「ん、ちょっと腰浮かせて……」

禁書「う、うん……」



 しゅ――――ぱさ



禁書「……ぅゎぁ」

上条「――――」

禁書「とうま、その……あんまり、じっと見ないでほしい、かも」

上条「――へ?」

禁書「『へ?』じゃないんだよ。そんなに見られると、ちょっと、恥ずかし……」

上条「なんで?」

禁書「な、なんでも何も恥ずかしいものは恥ずかしいんだよ!」

790 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/20(日) 03:50:21.89 ID:dbg.SbMo [6/7]
上条「どうして恥ずかしいんだよ……こんなに綺麗なのに」

禁書「――――、」

上条「真っ白で、透き通ってて……」

 ――ひた、

禁書「っ」

上条「なんか触ったら壊れちまいそうだ」

禁書「……とうま」

 ――ぎゅ

禁書「とうまだったら、いいよ」

上条「もったいなすぎるだろ、それ」

禁書「ううん、いいの。とうまにあげる」

上条「……」

禁書「壊していいよ」

上条「そんな事言ってオマエ……」

 ――――カタ

上条「震えてるじゃねえか」

禁書「違うよ、これは、その……武者震いってやつ? なんだよ?」

上条「……できるだけ優しくする、ように頑張る」

禁書「……うん……どうぞ、召し上がれ」



「」

800 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/21(月) 01:10:22.83 ID:GzMLofko [2/15]
禁書「ちゅ、は、んくっ……とおまぁ……」

上条「なに?」

禁書「ちょっと、くすぐったいかも……ひゃっ」

上条「もうちょっと強くした方がいいか?」

禁書「そんな事は誰も言って――にゃふっ」

上条「ん……ふ、はむ」

禁書「ふぅっ……! や……耳、とうま、舐めちゃ……」

上条「くすぐったい?」

禁書「なんか……んっ、ゾクゾク、するかも……ひぁっ」

802 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/21(月) 01:31:23.45 ID:GzMLofko [3/15]
じゃあいいや。やんねー

あれなんだよ、インデックスの肌を見て「綺麗だ」「可愛い」って言わせたかったんだよね
でもそれやるのにはちゃんとぼやかさずに書かないとだったからってのが大きな理由

んじゃあと200どうしようかな。さっさと落としてもいいんだけど

806 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 01:38:10.37 ID:RodwRYM0
朝チュン+一緒の布団+あさのひざし


809 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/21(月) 02:01:29.70 ID:GzMLofko [6/15]
「…………おはよ、とうま」

「ん――なんだ、起きてたのか。起こしてくれればよかったのに」

「だって。とうまの寝顔可愛いかったんだもん」

「はぁ? オマエどの顔見てそんな事」

「とうまの寝顔がね、凄く幸せそうな顔してたんだよ」

「…………」

「だからね、起こせるはずもないんだよ」

「…………」

「ねえ、とうま。私の驕りかも、しれないけど」

「インデックス……オマエ……」

「もしかして、私は、とうまをしあ、わ、せに、できたのかなぁ」

810 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/21(月) 02:08:39.14 ID:GzMLofko [7/15]
「――アホ」

 ぺちっ

「ひゃっ!?」

「言っただろ。俺は不幸だって。幸福なんて得られないって」

「――――」

「だったらこれは不幸なんだよ。不幸以外の何物でもないんだ、きっと」

「――とう、まぁ」

「誇ってくれよインデックス。オマエは俺を正真正銘世界一不幸な奴にしたんだぜ」

「うん――うん――!」

「で、俺もオマエに聞きたいんだけどさ……オマエ、幸せか?」

「そんな訳ない――! 幸せなんかじゃない――!」

「じゃあ……俺はそれを誇りに思ってもいいのかなあ」

「うん――!」

811 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/21(月) 02:14:07.48 ID:GzMLofko [8/15]
「ったく、不幸だ不幸だって喜ぶ奴もそうそういないよなあ」

「そうだね。そんなの、普通いないよね」

「ほら、泣くなって」

「んぷ」

「じゃ、朝飯作るか。腹減ったろ」

「あ……とうま」

「ん?」

「目、閉じて」

「……おう」



「」

812 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/21(月) 02:17:17.60 ID:GzMLofko [9/15]
「……おはよ、とうま」

「……おはよう、インデックス」

「……ふふっ」

「ははっ。なんだこれ」

「あは、なんだろう」

「はは、ったく、どうすんだよこれ!」

「ふふ、ほんと、どうしよう、あはは!」






「「――――不幸だー!!」」

815 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 02:32:24.13 ID:efnxrx20
昨晩はお楽しみでしたね、by土御門


816 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/21(月) 02:45:45.73 ID:GzMLofko [11/15]
土御門「おっはーカミやんー」

上条「朝っぱらからなんだよテンション高いな」

土御門「徹夜明けだからにゃー。ちぃとアドレナリンとかがだくだく出てる感じー?」

上条「徹夜ぁ? オマエ何やってたんだよ」

土御門「ほら、あれだにゃー。空港で待ちぼうけ」

上条「……」
                              あっち
土御門「感謝してくれよー。なんたってつい今まで英国と口先八寸でやりあってたんだからにゃー」

上条「……すまん」

土御門「まあなんとか丸め込んだから安心してくれぃ。なぁカミやん、オマエにも結構味方は多いんだぜぃ?」

上条「ありがとう、ってしか言えないけどな」

土御門「……まあよぉ、かく言う俺もどっちかってーとあっち側なんだが……」

上条「ん?」

土御門「…………舞夏がな」

上条「……そっか」

土御門「他ならぬアイツのとあっちゃ嫌とも言えねえ訳よ。ったく、めんどくせえ」

817 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/21(月) 03:02:13.98 ID:GzMLofko [12/15]
土御門「まあそんな訳で二、三日中にステイルとかねーちんとかが押しかけてくると思うがそっちはカミやんでなんとかしてくれ」

上条「丸め込んだんじゃないのかよ!?」

土御門「それとこれとは話が別だぜぃ。一番厄介な教会側は抑えたんだからこれ以上ないファインプレーだと思うんだがねぃ」

上条「俺としてはアイツらの方が怖いんですけど!?」

土御門「それくらい男見せてみろよ。クソッタレ、死んじまえ」

上条「……そうだな。アイツらくらいにはちゃんとしとかないと」

土御門「ケッ……ああそうだ、これな」

上条「うん?」

土御門「毎度の事だからやっとかないとにゃー」

上条「毎度? 何が」

土御門「はいこれ。ぷれぜんとー」

上条「プレゼントって、なんだよ唐突に。気持ちわりぃ……って」

 ぽん

土御門「明るい家族計画のためには避妊はしないとだめだぜぃ?」

上条「」

818 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/21(月) 03:09:47.89 ID:GzMLofko [13/15]
上条「……なあ土御門、つかぬ事を聞くんだが」

土御門「何かにゃー。スリーサイズは秘密だぜぃ?」

上条「もしかしてオマエ……覗いてたり、しないよなあ?」

土御門「ははは、いきなり何を言うかと思えばははは」

上条「そうだよなー、そんな事するはずないよなーははは」

土御門「来ないから心配してちょっと式をな、こう、打ったりとか」

上条「――ブチ殺す」

土御門「うおおおおっカミやん目がマジだー!? 何それダークサイドにでも墜ちたのかー!?」

上条「俺はインデックスのためならカミサマだってブチ殺してやる……!」

土御門「ちょっ、ちらっとだけ! ちょこっとだけだから! そんだけで即イギリスと連絡取った俺への労いはー!?」

上条「世話になったな土御門、オマエの事は三秒くらい覚えててやるよ!」

土御門「ぎゃー不幸だにゃー!?」

819 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2010/06/21(月) 03:16:39.48 ID:GzMLofko [14/15]
こんな感じだったりとかなんとか

          マイナス  マイナス
ま、そんなわけで幻想殺しに禁書目録を×とどうなるか、みたいな話でした。いわゆるただの幻想目録
ぐだぐだっぷりもいつもの事。今回は登場人物を極力抑えてみましたとさ

ところでちょこっと空くかもしれないけど
色んなところで何度か聞いてるけど次やるとしたら何がいい?と
今考えてるのは一通結標とか黒子絹旗ルートの続きとか一通さんと妹達とか
もしくは最初から最後までシリアス全開の絶対能力進化実験の話


んじゃおやすみー

ここでスレ落ちっ

コメント

インデックス×とうま派の俺にはこれ以上ないごちそうでした!
ありがとう!最高でした!

No title

これは良いSS

No title

どこがBADENDなのかわからんwwwww
いいSSだったごちそうさま


べ、別にインなんとかさんが好きなわけじゃなくて書き手の魅せ方がうまいって意味なんだからねッ!
か、勘違いしたらだめなんだからぁーっ!

No title

途中で良い所で止めろとか何とかスレで言ったっぽい奴出てこい!wじゃあいいややんねーとか作者様に言わせやがってクソクソッ
らぶらぶ不幸な二人に悶絶してた俺の情熱返せー!不幸だー!w

いいものをありがとうございました。

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