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上条「初詣行かないか?」 神裂「私で…良ければ」 2
400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/27(日) 00:41:55.99 ID:ZY2JuoaPO
一番好きって言われて
書いてて良かったです
今からストーリー作ります!!
一番好きって言われて
書いてて良かったです
今からストーリー作ります!!
404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 00:47:45.72 ID:ZY2JuoaPO
連作になりますが、
一晩ストーリー考えたり
書き溜めたりします
保守して頂ければ幸いです!
414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:38:33.34 ID:ZY2JuoaPO
みんなありがとう!
コメントしてくれてる方の為に、
次のストーリーのプロローグが
出来たので投下しときます
本編は鋭意制作中です!
415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:41:15.18 ID:ZY2JuoaPO
神裂火織には弱点がある。
そう、それは機械にめっぽう弱いのだ。
以前寮に届いた最新式全自動洗濯機に
散々振り回された事がある。
「ステイル、神裂にもう少し
機械の事を学ばせて欲しいと思いけるの」
妙な言葉使いで話すのは、
ローラ=スチュアート。
長く美しい金髪を持つ
イギリス清教の最大主教だ。
「はぁ、具体的にどうしろと?」
ステイルと呼ばれた長身、赤髪の魔術師は、
面倒くさそうに聞き返した。
「それはあなたの思いけるように…」
(結局僕に丸投げか)
ステイルは苦虫を噛み潰した様な顔で
その場を後にした。
416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:42:12.66 ID:ZY2JuoaPO
「ふぁ~…」
上条当麻は今日も補習を受けていた。
世間は冬休みだというのに。
いっそ学校に住んだ方が早いんじゃ…
などと窓の外を眺めていた。
「上条ちゃん!何ボーっとしてるんですかっ!
今日はここまでにしますけど、
ちゃんと明日も来るのですよー!」
「へ~い…」
いつもの様に小萌の小言を聞き、
上条は校舎を後にする。
「はぁ…上条さんに
冬休みはないのでしょうか…」
上条が一人溜め息を吐いた時だった。
ポケットの中で携帯が上条を呼んでいた。
417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:43:06.01 ID:ZY2JuoaPO
「はいは~い。上条さんですよ~」
「相変わらず間抜けな声だね、
上条当麻」
「す、ステイル!?」
珍しい人物からの電話に、
上条の警戒レベルがレッドになる。
「インデックスに何か…」
ステイルはインデックスの為なら
人を殺す事すら厭わない。
彼は否定しているが、上条からすれば恋にしか見えない程の執心だ。
そのステイルから突然連絡があるなんて、
上条にはインデックス絡みの事件としか思えなかった。
「落ち着いたらどうだ、上条当麻。
今日はあの子とは関係ない話だ」
418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:43:56.31 ID:ZY2JuoaPO
上条の警戒レベルがグリーンに引き下がる。
「じゃあ何だよ?
まさか俺の声を聞きたいだけとか……」
上条は自分で言っといて、気持ち悪くなる。
「君は幸運だね。今そこに僕が居たら、
君を焼き殺しているよ」
「ぐっ、相変わらずムカつく奴!」
「君と言い合うつもりも、
世間話をするつもりもない。
手短に用件を伝えるよ」
やっぱ嫌な奴、
と上条は電話を握る手に力を込めた。
「神裂を機械に強くしてくれ。
場所は第十五学区の電器店。
時間は…そうだな、今から行けば間に合う。
ちなみにうちの最大主教からの依頼だ。
拒否は出来ないから
せいぜい頑張るといい」
上条が何かを言う前に電話が切れた。
「せっかく家に帰るとこだったのに……
不幸だぁぁ!!」
422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:51:36.70 ID:ZY2JuoaPO
>>419
ありがとう
後少し頑張る!
425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 02:10:43.87 ID:ZY2JuoaPO
上条は学校のある第七学区から、
学園都市最大の繁華街がある
第十五学区へ急いだ。
指定された時間は分からないが、
とにかく急いだ方がいいと駅から走っていた。
「くそー!!勉強の後は体育かよっ!!」
目的の電器店に辿り着く頃には、
冬なのに汗だくだった。
電器店は地上6階、地下2階の
巨大なビルになっている。
その全てのフロアに、
学園都市の科学技術が溢れているのだ。
「くそ、詳しい話もしないで!
あの不良神父め!不幸だっっ!!」
426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 02:12:48.31 ID:ZY2JuoaPO
「か、上条当麻?」
ビルの入り口で人の波を避け、
申し訳なさそうに佇んでいた神裂は、
聞き覚えのある声にその人物を探す。
「か、上条当麻!?
あなたが学園都市側の協力者だったのですか!?」
「へ…?協力者?」
上条の反応がおかしいとは思ったが、
神裂は彼が協力者で
少し得したような気分だった。
「まさか…何も聞いていないのですか?」
「おう!」
自信満々に答える上条に、
神裂は肩の力が抜けてしまった。
「はぁ~、あなたはいつもそうです。
考える前に体が動いたのですね」
呆れて、けれど嬉しそうに
神裂は溜め息を吐いた。
427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 02:13:43.99 ID:ZY2JuoaPO
「つまりこういう事か。
神裂の機械音痴を治す為、
ステイルが用意した
学園都市側の協力者ってのが俺。
そんで今からこの電器店を
神裂に案内する。
実際に機械に触れて勉強って事か」
「はい」
神裂の説明で上条はようやく
ステイルの意図が理解出来た。
「最初からそう説明しろよな、あの不良神父!」
「ステイルには私から言っておきますから。
それにもし面倒ならお断り
して頂いても……」
「乗りかかった船だ!
上条さんに任せなさいっ!
神裂さんを今日中に機械博士にします!」
「ふふ、いつもいつも大袈裟です」
こうして二人は任務遂行の為、
ビルの中へと足を踏み入れたのだった。
428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 02:15:21.93 ID:ZY2JuoaPO
プロローグ終了
みなさんのお言葉に甘えて
今日はこれで休ませて頂きます
ありがとー!!
445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:03:37.62 ID:ZY2JuoaPO
みなさんおはようです
保守して下さった方、
ありがとう!
あまり早くないですが
投下していきます
446 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:06:23.16 ID:ZY2JuoaPO
「よし!こういうのは
上から攻めるのが常套手段だ!」
上条と神裂は最上階、つまり6階にいた。
「な、なるほど!」
神裂は上条の適当発言を
メモに一生懸命取っている。
最上階は清掃ロボットなどの
展示、販売をしている。
「こいつは自動で汚れやゴミを
お掃除してくれる、とっても
優秀な機械だ」
ロボットの実演コーナーで、
上条は神裂にも分かり易い様に、簡単な言葉で説明する。
447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:07:21.62 ID:ZY2JuoaPO
「か、勝手にですか?
人が入っているのでしょうか…」
神裂はお掃除ロボットをコツコツと
叩いてみる。
ビー!!ビー!!
「ひっ!!かかか上条当麻!
これ何か鳴ってます!!」
神裂は上条の後ろに隠れて怯えている。
「これはただの警報だぞ。
叩いたから鳴ってるだけだ」
(神裂の機械音痴は重傷だな)
上条は引き受けた事を
ほんの少し後悔したのだった。
449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:13:48.69 ID:ZY2JuoaPO
「よし、上条さんが悪かった!
いきなりお掃除ロボットは
難易度が高い!次だ!」
二人は次のフロア、5階に下りた。
ここは洗濯機、冷蔵庫などが置かれている。
「あ!私冷蔵庫なら得意です!」
神裂はそう言うと近くの冷蔵庫
へ嬉しそうに向かった。
「冷蔵庫に得意も不得意もないんじゃ……」
上条は一抹の不安を抱えるのだった。
「あれ?」
冷蔵庫を開けようとした神裂が、
戸惑った声を出す。
450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:14:44.57 ID:ZY2JuoaPO
「んっ!あれ?えいっ!あ、あれ?
おかしいです…開きません!」
「神裂さん、逆…」
取っ手の無いタイプだったので、
神裂は必死に逆から開けようとしていた。
上条の指摘通りに、神裂はもう一度開けてみる。
「あ…」
カパッという音と共に、冷蔵庫の扉が開いた。
中から冷気が漏れる。
神裂の顔はみるみる
真っ赤になっていく。
「うぅ………」
神裂は泣きそうな顔をすると、
冷蔵庫に頭を突っ込んでしまった。
「な、何してんだ神裂…」
「…ほっといてください…」
上条はいよいよ頭を抱えるのだった。
453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:25:02.68 ID:ZY2JuoaPO
「さてと、次は4階だな」
5階では冷蔵庫を見た後に
洗濯機も見る予定だったが、
神裂が異常な拒否反応を見せたので、
諦めて4階に下りる事になった。
ここは主に電子レンジや炊飯器、
食に関する物が集まっている。
ここに来るまで神裂は何故か目も合わせない。
よっぽど恥ずかしかったのだろう。
454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:30:16.91 ID:ZY2JuoaPO
「これは調理してくれる電子レンジだ」
上条がそう言って指差したのは、最新式のオーブンレンジだ。
「ち、調理をですか?」
神裂は理解しているかは別だが、メモだけは取っていく。
「包丁などが入っている
という事……」
「…………」
「…という事はありませんよね」
「ありません!!」
上条はまるで子供に教えるように、
仕組みを簡単丁寧に説明していく。
「な、なるほど!」
本当に理解しているのだろうか。
上条の不安は募るばかりだ。
456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:49:05.22 ID:ZY2JuoaPO
その後も上条は、
炊飯器、ポットなど懇切丁寧に
使い方や仕組みを教える。
それを神裂は必死にメモしていく。
「や、やっと中盤か!
神裂、上条さんは休憩を提案します!」
上条はエスカレーター脇のベンチで、
大きく伸びをする。
「さ、賛成です…」
実は神裂も苦手な機械に囲まれ続け、
主に精神が疲れていた。
「そういやインデックスに
連絡してないな。」
上条が携帯を取り出すと、タイミング良く着信があった。
458 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:56:05.10 ID:ZY2JuoaPO
「言い忘れていたよ、上条当麻」
「あっ!お前もっとちゃんと
説明し……」
「少し黙っててくれないか。
耳が痛い」
「ぐぬっ!!」
「インデックスは遊園地に
招待しておいたよ。
あの子の友人と月詠小萌も一緒にね。
夜まで戻らないだろう。
安心して働いてくれ」
それだけ言うと電話は一方的に
切られてしまった。
「あいつと話すと、
言いたい事言わせてもらえねー!
モヤモヤする!!」
(誰と何を話してたのでしょう?)
神裂もモヤモヤしていたのだった。
459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:57:46.38 ID:ZY2JuoaPO
ちょっと出掛けます!
すいません!
476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/27(日) 14:18:49.25 ID:ZY2JuoaPO
保守ありがとう!
少し手があいたから
続きを貼ります
477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/27(日) 14:19:59.17 ID:ZY2JuoaPO
とりあえずインデックスの問題は片付いた。
上条は同じフロアにある喫茶店
に入る事にした。
「よし、神裂。作戦を立て直そう」
「ご、ご迷惑おかけします……」
神裂は申し訳なさそうに小さくなった。
「やっぱ、勉強だと思うから
ダメなんだと思うぞ。
堅苦しいというか」
「そ、そうですか…
ではどうすれば…」
神裂は不安そうな顔をしている。
「うーん……そうだ!
上条さん閃いた!」
上条はそう言ってある作戦を
神裂に伝える。
479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/27(日) 14:26:38.88 ID:ZY2JuoaPO
「要は勉強だと思わなきゃいいんだろ?
だったら今日はデートだと思えばいいんだよ」
「ぶっっ!!ケホッ!ケホッ!」
神裂は飲んでいたアイスティーを
吹き出す。
「デデデデート!?」
「ん?何か変な事言ったか?」
上条はただ神裂の気分を
変えるために言ったのだが、
神裂はそれどころではない。
「し、しかし任務ですし!
……デートは…
したいです…けど…」
「ん?」
神裂は上条に聞こえないように
本音を呟いた。
483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/27(日) 14:37:21.26 ID:ZY2JuoaPO
「とにかくさ、デートだと思えば、
気も楽だし。自然に
覚えてしまうんじゃねーか?」
「の、乗ります!私そのアイデアに乗ります!!!」
神裂は身を乗り出して答えた。
(そんなに機械音痴を治したいんだな)
と鈍感な上条は思うのだった。
「よし、そうと決まれば次行くぞ!」
二人は次のフロア、3階へ向かった。
485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 14:50:09.76 ID:ZY2JuoaPO
3階はテレビやパソコンが集まるフロアだ。
神裂は物珍しそうに見て回っている。
「か、上条当麻!見てください!
このテレビすっっっごく薄いです!
私の七天七刀と同
じくらいしか厚みがありません!!」
神裂は最新式デジタルテレビの前で
興奮している。
「物騒なもんと比べるんじゃありません」
その後も神裂は、
「ふぁ~!」
とか
「ほぇ~!」
とか訳の分からない言葉で、
感動していた。
そんな神裂を見て、
やっぱりさっきは肩に力が入ってたんだな、
と上条は微笑むのだった。
486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 14:50:50.88 ID:ZY2JuoaPO
「か、上条当麻!最近のテレビは
勝手に録画してくれるそうです!」
エスカレーターで2階へ向かいながら、
神裂は先程仕入れた知識を
自慢気に披露していた。
「へー、そりゃすげぇな」
もちろん学園都市の住人である
上条は知っていたが、
神裂の嬉しそうな顔を見れば
そんな事は言えない。
「さて、と。2階は…カメラやおもちゃか」
2階にやって来た二人は、
まずカメラのコーナーにやって来た。
実際に試せるように、
電源が入ったカメラが並んでいる。
487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 14:51:38.74 ID:ZY2JuoaPO
カメラは小さなモニターと繋がっていて、
その場で確認しながらビデオカメラ
などを試せる様になっていた。
「わ、私です!」
モニターの自分を指差しながら
神裂がキョロキョロする。
「ど…どれに撮られているのでしょう…」
たくさん並んだカメラを前に
首を傾げる神裂を見ていると、
自分が未来から来た人間のように思える。
「ま、楽しそうだからいっか」
「か、上条当麻!来てください!
こっちにもカメラがいっぱいです!!」
「へいへい、今行きますよーっと」
上条はその後も、カメラコーナーで散々振り回されるのだった。
489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 14:57:43.34 ID:ZY2JuoaPO
カメラに飽きた二人は、隣のおもちゃコーナーへやって来た。
プラモデルから最新のゲームまで
幅広い品揃えだ。
「あっ!」
神裂は何かに気付くと、
小走りにおもちゃの体験コーナーへ向かう。
「み、見てください…ネコです…
ネコさんです!」
そこにはロボットのネコがいた。
外見は本物の様なネコだが、
中身は最新式のロボットだ。
使用者の声などを分析し、
プログラムされた動作をする。
492 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 15:00:17.96 ID:ZY2JuoaPO
「な、なぜネコさんがここに…」
「神裂さん、それロボットです」
「………知っていましたが何か?」
神裂は分かり易い強がりを言う。上条はやれやれという顔で
使い方を説明する。
「そのロボットに向かって話しかけてみー。
動くぞ」
「な、なるほど…」
神裂はネコロボットを抱き上げる。
493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 15:01:11.74 ID:ZY2JuoaPO
「に、にゃー」
「!?」
「あれ、動きません…
にゃー!にゃーにゃーにゃー!」
「……人間の言葉でな、神裂…」
「………………」
「上条さんは何も見てない事にします」
「……………」
神裂はネコをそっと戻し、
その場をそっと立ち去るのだった。
494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 15:02:42.02 ID:ZY2JuoaPO
一旦ここまで
年末は大忙しです
夜には再開出来ると思います
みなさんごめんなさい!
509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 17:57:58.17 ID:ZY2JuoaPO
ネコの件がよっぽど
恥ずかしかったのだろう、
神裂は先程から黙って拗ねている。
「ま、まぁ神裂、誰にだって
間違いはある!」
「………」
「そ、それになかなか可愛かったと
上条さんは思うにゃー…なんて」
「うぅっ!バカにしてます!
絶対バカにしてます!!」
神裂は目に涙を溜め、
真っ赤な顔で落ち込んでしまう。
「わ、悪かった!上条さんが悪かった!
もう機嫌直してくれ!神裂さん!」
今土御門が現れたら、
きっと瞬殺される…
上条は悪友が現れない事を、
心から願うのだった。
510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 17:58:54.22 ID:ZY2JuoaPO
「さて、いよいよ最後だ。
なんかRPGみたいだな」
拗ねていた神裂を何とか宥め、
上条は1階へ辿り着いた。
「先程は失礼しました。もう大丈夫です。
さぁ行きましょう!」
この階は携帯電話や、
MPプレーヤーなどが集まった階だ。
「上条当麻、この小さい箱に
音楽がたくさん入っているのですか?」
神裂はちょっと前に発売された
プレーヤーを手に、上条に尋ねる。
上条は神裂が理解出来るように、
簡単に仕組みを説明してやる。
「な、なるほど!やっぱり学園都市は凄いですね…」
余談だが神裂が手に持っているのは、佐天が使っているのと同じモデルだ。
512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 17:59:56.05 ID:ZY2JuoaPO
「あっ、これ可愛いですね。」
神裂は最新の携帯電話を手に取る。
「それ最近出たやつだろ?
便利な機能いっぱい付いてるしなー」
上条がその"便利な機能"を説明すると、
神裂は携帯を静かに戻した。
「わ、私には使いこなせそうもありませんね…」
それから二人は1階をのんびり
見て回った。
513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 18:00:50.41 ID:ZY2JuoaPO
「今日はありがとうございました」
神裂はビルから出るなり、
深々と頭を下げた。
その丁寧なお辞儀に、
上条もつられて
深々とお辞儀してしまう。
「お、お粗末さまでした」
「今日一日で少し機械に強く
なった気がします。
あなたのおかげです、上条当麻」
そう言って笑う神裂の顔は、
機械には出来ないだろう
柔らかな笑顔だった。
514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 18:01:31.08 ID:ZY2JuoaPO
「また困ったら何でも
上条さんに言いなさい。
でも突然はもう勘弁してくれ」
上条は頭を掻きながら
苦笑いをした。
「ふふ。では失礼します」
神裂はそう笑うと、
人混みの中に消えていった。
「頑張れよ、神裂…」
上条は人混みに向かって呟いた。
515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 18:02:34.77 ID:ZY2JuoaPO
「やぁ神裂。どうだったかな?」
イギリスに戻った神裂は、
ステイルに報告書を
渡しているところだった。
「ステイル、あまり上条当麻を
イジメるのはやめて下さい」
「んー?」
ステイルは煙草に火をつけながら
興味なさそうに報告書をめくっている。
「彼氏をイジメられると
君でも怒るんだね?」
「か、彼氏!?ちちち違います!
切りますよ!?」
「冗談だよ神裂。僕は最大主教に
この報告書を届けてくるよ」
ステイルは何か嫌な含み笑いを
しながら姿を消した。
「まっ、まだ…"まだ"彼氏じゃないんです!」
自分で言っといて、
神裂は顔が真っ赤になるのだった。
516 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 18:04:18.83 ID:ZY2JuoaPO
「これを見て欲しいのでございます」
そう言ってオルソラが、
神裂の部屋を訪ねて来た。
オルソラ=アクィナス。
元ローマ正教所属の、巨乳なシスターだ。
「これ…ですか?」
神裂が手渡されたのは
小さな携帯型テレビだ。
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 18:05:30.58 ID:ZY2JuoaPO
「どうも調子が悪いらしく、
映らないのでございます。
あなたは学園都市で
機械を学んだのでございましょう?」
神裂は自信満々な顔で答える。
「私に任せてください!」
テレビを受け取ると、
神裂はあちこちいじっていく。
「あ、あれ?えぃ!」
「……………」
「んっ!この!!」
「…………」
「えいっ!!(バキッ!!)」
「バキッ??」
アンテナは見事に折れている。
神裂はオルソラにテレビを返すと、静かに部屋のドアを閉めた。
518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 18:06:27.24 ID:ZY2JuoaPO
「人はそう簡単に変わらないのでございます…」
オルソラは悲しそうに
テレビに目をやると、
悲しそうな背中で帰って行くのだった。
「完」
519 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 18:07:40.80 ID:ZY2JuoaPO
なんかいまいちストーリー
まとめ切れなかった
支援、保守、みなさんありがとう!
535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 20:40:46.12 ID:ZY2JuoaPO
みなさん楽しく読んでくれて
ありがとう!
550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/27(日) 22:12:15.91 ID:ZY2JuoaPO
「よし!お前ら、ルールの確認するわよ!」
ライオンの様な金髪をした、
褐色肌のシェリー=クロムウェルが
全員に確認を取る。
「肉体的な接触は失格でございます」
元ロシア正教、巨乳の
オルソラ=アクィナスが答える。
「魔術による脅迫、暴行も失格ですね」
天草式十字凄教、五和が頷く。
「とーまに最初に"好きだ"って
言わせたら勝ちなんだよ!」
インデックスも珍しく真剣だ。
「よ、よくないですよ…こんなの」
イギリス清教必要悪、
そして天草式十字凄教女教皇、
神裂火織だけは乗り気ではない。
552 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 22:14:40.56 ID:ZY2JuoaPO
5人はイギリス清教の女子寮、
物置部屋でコソコソしている。
「なら神裂は参加しなくていいわよ。
邪魔者は少ない方がいいしな」
シェリーは面倒くさそうに言い放つ。
「どうせあなたには無理だと
思うのでございますよ」
オルソラも横から口を出す。
「そ、そんな事ありません!!」
神裂が真っ赤になって否定すると、シェリーがニヤリと笑う。
「じゃあ参加ね。証明してみせろよ」
「い、いいでしょう!やります!」
神裂はまんまと罠に嵌ったのだ。
上条当麻はインデックスと共に
イギリスに来ていた。
イギリス清教が魔導書の知識を必要とした為だ。
565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 23:17:14.75 ID:ZY2JuoaPO
その上条は、今まさに5人の
悪ふざけに巻き込まれようとしていた。
「優勝者には、敗者4人から素敵な商品
という事でございます」
そう言いながら、オルソラがくじを用意する。
5人は順番を決めるくじを引く。
一番手はシェリーだ。
「持ち時間は一人10分なんだよ!」
「よーい、ドンです!」
五和の合図でゲームがスタートした。
566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 23:20:40.65 ID:ZY2JuoaPO
上条が部屋でくつろいでいると、
シェリーがいきなり入って来た。
「な、なんだ!!」
「久しぶりだな、上条当麻。
私のこと覚えてる?」
シェリーは上条の向かいに座ると、
足を組む。お色気作戦だ。
「えっと確か…石ころ魔術師?」
「ぐっ………」
シェリーは耐える。ここでキレたら
かなり不利だ。
シェリーと上条は一度戦闘している。
マジ喧嘩だ。
普通に接しても無駄だと思ったシェリーは、
足を何度も組み替える。
胸を寄せ谷間を作る。
567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 23:21:32.36 ID:ZY2JuoaPO
普通に接しても無駄だと思ったシェリーは、
足を何度も組み替える。
胸を寄せ谷間を作る。
(さあ、好きだと飛びかかって来い!
私の色気に我慢出来る訳ないわ!)
「なぁ…何クネクネしてんだ?お前なんか気持ち悪いぞ」
シェリーの眉間にシワが出来る。
「死ねぇぇぇ!!」
【シェリー=クロムウェル
暴力により失格】
568 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 23:22:50.34 ID:ZY2JuoaPO
「つ、次は私ですね」
五和は深呼吸をして
上条の部屋をノックした。
「し、失礼します!」
「ん?どうしたんだ五和」
「たっ、たたたたいした事じゃ
ありっありません!」
五和は既に緊張でガチガチだ。
569 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 23:24:28.55 ID:ZY2JuoaPO
「お、おしぼり…おしぼりどうぞ!」
「あぁ、サンキュー」
「の、飲み物!飲み物はいかがですか!」
「お、おう。もらうよ」
結局五和は、上条の身の回りの
世話をして10分を使い切った。
「な、なにをしてるんでしょう
…私は…」
戻って来た五和はガックリとうなだれる。
【五和
タイムオーバーで失格】
570 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 23:29:31.57 ID:ZY2JuoaPO
続いて上条の部屋に現れたのは
オルソラだ。
「お久しぶりでございます」
「今度はオルソラか。
一体何なんだ?みんなして」
「私の事どう思っているのでございますか?」
「へ?ど、どういう事ですか?オルソラさん」
「みんなの事は気にしないで
結構でございます」
「は?え?」
573 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 23:31:20.98 ID:ZY2JuoaPO
「ですから、私の事をどう思って
いるか聞いているのでございます」
「????」
会話が行ったり来たりするので、
上条はパニックになってしまった。
結局一度も会話は噛み合わないまま、
オルソラもタイムオーバーに
なってしまった。
【オルソラ=アクィナス
タイムオーバーにより失格】
575 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 23:35:54.53 ID:ZY2JuoaPO
「みんな情けないんだよ。
私ととーまの絆を見てるといいんだよ!」
そう言ってインデックスは
勢い良く上条の部屋へ飛び込む。
「とーま!とーまとーま!!」
「インデックスまで!?
何かみんな変だぞ…」
「とーまは私の事好きー?」
「んー、上条さんは疲れたから
あっちでオヤツでも食べてなさい」
「むきぃぃぃ!!!!」
インデックスは思わず
上条の頭に噛みついた。
「あっ………」
【インデックス
暴力により失格】
578 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 23:39:56.64 ID:ZY2JuoaPO
「さ、最後は私ですね…」
神裂は緊張しながら
上条の元へ向かう。
「神裂まで…これはあれですか?
みなさんから上条さんへの
嫌がらせですか?」
ガックリとうなだれる上条を見て、
神裂は申し訳ない気持ちで一杯だった。
(やっぱりこんなのいけません)
神裂は本当の事を
打ち明けることにした。
580 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 23:44:17.99 ID:ZY2JuoaPO
「はぁ~、そういう事だったんですねー」
上条は溜め息を吐く。
「も、申し訳ありませんでした」
上条を困らせてしまっていた事に、
神裂は心から申し訳ないと思っていた。
「でもいいのか?
話たらルール違反になるんじゃ…」
「い、いいんです!
これはやっぱり良くない事です!」
586 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/28(月) 00:06:15.13 ID:QJxVCN/vO
上条は頭を掻きながら、何かを考えている。
「ど、どうしたのですか?
まさか怒ってたり……」
「んー、教えてくれたお礼考えててさ……いい事思いついた」
上条はいきなり立ち上がると
大きな声で叫んだ。
「俺は!神裂が好きだっ!!」
神裂の頭は真っ白に、
頬は真っ赤に染まる。
「は……わわわわ…な、何を!?」
「これで神裂の勝ちだな」
589 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/28(月) 00:10:54.35 ID:QJxVCN/vO
そう言って笑う上条に、
ボンっと音を立てて神裂の
頭はショートしてしまった。
「ん?顔真っ赤だぞ、神裂」
上条はお礼のつもりなので、
神裂がなぜ真っ赤なのか分からなかった。
「今私…し…死んでも…構いません」
神裂はそう呟いて部屋を後にした。
593 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/28(月) 00:15:02.69 ID:QJxVCN/vO
「チッ、神裂の勝ちかよ。
つまんねー」
シェリーはそう言って
さっさと姿を消す。
「負け…でございますね」
オルソラは何故か悲しそうに
その場を後にする。
「とーまぁぁ!!!!!」
インデックスは上条の部屋へ
駆け込んで行く。
「うっ…うぅ」
五和メソメソと泣いていた。
595 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/28(月) 00:21:57.73 ID:QJxVCN/vO
(い…いくらお礼とはいえ
、上条当麻にすっ、すす好きだって言われてしまいました)
神裂は自分の部屋で
キャーッと顔を覆う。
(で…ですが…)
これで満足していては、
きっといつまでも関係は変わらないと思う。
神裂は頬をパンと叩く。
(いつか…いつか本当の"好き"を
言わせてみせます!!!)
神裂は心にそう誓ったのだった。
ちなみに…
その後上条はインデックスや五和の
誤解を解くのに、
200倍の労力を使うハメになるのであった。
完
598 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/28(月) 00:23:44.61 ID:QJxVCN/vO
みなさんへのお礼にと
お祭り的な内容で書いてみました
あまり深い話ではないですが、
気楽に読んで頂けたら有り難いです
連作になりますが、
一晩ストーリー考えたり
書き溜めたりします
保守して頂ければ幸いです!
414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:38:33.34 ID:ZY2JuoaPO
みんなありがとう!
コメントしてくれてる方の為に、
次のストーリーのプロローグが
出来たので投下しときます
本編は鋭意制作中です!
415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:41:15.18 ID:ZY2JuoaPO
神裂火織には弱点がある。
そう、それは機械にめっぽう弱いのだ。
以前寮に届いた最新式全自動洗濯機に
散々振り回された事がある。
「ステイル、神裂にもう少し
機械の事を学ばせて欲しいと思いけるの」
妙な言葉使いで話すのは、
ローラ=スチュアート。
長く美しい金髪を持つ
イギリス清教の最大主教だ。
「はぁ、具体的にどうしろと?」
ステイルと呼ばれた長身、赤髪の魔術師は、
面倒くさそうに聞き返した。
「それはあなたの思いけるように…」
(結局僕に丸投げか)
ステイルは苦虫を噛み潰した様な顔で
その場を後にした。
416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:42:12.66 ID:ZY2JuoaPO
「ふぁ~…」
上条当麻は今日も補習を受けていた。
世間は冬休みだというのに。
いっそ学校に住んだ方が早いんじゃ…
などと窓の外を眺めていた。
「上条ちゃん!何ボーっとしてるんですかっ!
今日はここまでにしますけど、
ちゃんと明日も来るのですよー!」
「へ~い…」
いつもの様に小萌の小言を聞き、
上条は校舎を後にする。
「はぁ…上条さんに
冬休みはないのでしょうか…」
上条が一人溜め息を吐いた時だった。
ポケットの中で携帯が上条を呼んでいた。
417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:43:06.01 ID:ZY2JuoaPO
「はいは~い。上条さんですよ~」
「相変わらず間抜けな声だね、
上条当麻」
「す、ステイル!?」
珍しい人物からの電話に、
上条の警戒レベルがレッドになる。
「インデックスに何か…」
ステイルはインデックスの為なら
人を殺す事すら厭わない。
彼は否定しているが、上条からすれば恋にしか見えない程の執心だ。
そのステイルから突然連絡があるなんて、
上条にはインデックス絡みの事件としか思えなかった。
「落ち着いたらどうだ、上条当麻。
今日はあの子とは関係ない話だ」
418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:43:56.31 ID:ZY2JuoaPO
上条の警戒レベルがグリーンに引き下がる。
「じゃあ何だよ?
まさか俺の声を聞きたいだけとか……」
上条は自分で言っといて、気持ち悪くなる。
「君は幸運だね。今そこに僕が居たら、
君を焼き殺しているよ」
「ぐっ、相変わらずムカつく奴!」
「君と言い合うつもりも、
世間話をするつもりもない。
手短に用件を伝えるよ」
やっぱ嫌な奴、
と上条は電話を握る手に力を込めた。
「神裂を機械に強くしてくれ。
場所は第十五学区の電器店。
時間は…そうだな、今から行けば間に合う。
ちなみにうちの最大主教からの依頼だ。
拒否は出来ないから
せいぜい頑張るといい」
上条が何かを言う前に電話が切れた。
「せっかく家に帰るとこだったのに……
不幸だぁぁ!!」
422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:51:36.70 ID:ZY2JuoaPO
>>419
ありがとう
後少し頑張る!
425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 02:10:43.87 ID:ZY2JuoaPO
上条は学校のある第七学区から、
学園都市最大の繁華街がある
第十五学区へ急いだ。
指定された時間は分からないが、
とにかく急いだ方がいいと駅から走っていた。
「くそー!!勉強の後は体育かよっ!!」
目的の電器店に辿り着く頃には、
冬なのに汗だくだった。
電器店は地上6階、地下2階の
巨大なビルになっている。
その全てのフロアに、
学園都市の科学技術が溢れているのだ。
「くそ、詳しい話もしないで!
あの不良神父め!不幸だっっ!!」
426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 02:12:48.31 ID:ZY2JuoaPO
「か、上条当麻?」
ビルの入り口で人の波を避け、
申し訳なさそうに佇んでいた神裂は、
聞き覚えのある声にその人物を探す。
「か、上条当麻!?
あなたが学園都市側の協力者だったのですか!?」
「へ…?協力者?」
上条の反応がおかしいとは思ったが、
神裂は彼が協力者で
少し得したような気分だった。
「まさか…何も聞いていないのですか?」
「おう!」
自信満々に答える上条に、
神裂は肩の力が抜けてしまった。
「はぁ~、あなたはいつもそうです。
考える前に体が動いたのですね」
呆れて、けれど嬉しそうに
神裂は溜め息を吐いた。
427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 02:13:43.99 ID:ZY2JuoaPO
「つまりこういう事か。
神裂の機械音痴を治す為、
ステイルが用意した
学園都市側の協力者ってのが俺。
そんで今からこの電器店を
神裂に案内する。
実際に機械に触れて勉強って事か」
「はい」
神裂の説明で上条はようやく
ステイルの意図が理解出来た。
「最初からそう説明しろよな、あの不良神父!」
「ステイルには私から言っておきますから。
それにもし面倒ならお断り
して頂いても……」
「乗りかかった船だ!
上条さんに任せなさいっ!
神裂さんを今日中に機械博士にします!」
「ふふ、いつもいつも大袈裟です」
こうして二人は任務遂行の為、
ビルの中へと足を踏み入れたのだった。
428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 02:15:21.93 ID:ZY2JuoaPO
プロローグ終了
みなさんのお言葉に甘えて
今日はこれで休ませて頂きます
ありがとー!!
445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:03:37.62 ID:ZY2JuoaPO
みなさんおはようです
保守して下さった方、
ありがとう!
あまり早くないですが
投下していきます
446 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:06:23.16 ID:ZY2JuoaPO
「よし!こういうのは
上から攻めるのが常套手段だ!」
上条と神裂は最上階、つまり6階にいた。
「な、なるほど!」
神裂は上条の適当発言を
メモに一生懸命取っている。
最上階は清掃ロボットなどの
展示、販売をしている。
「こいつは自動で汚れやゴミを
お掃除してくれる、とっても
優秀な機械だ」
ロボットの実演コーナーで、
上条は神裂にも分かり易い様に、簡単な言葉で説明する。
447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:07:21.62 ID:ZY2JuoaPO
「か、勝手にですか?
人が入っているのでしょうか…」
神裂はお掃除ロボットをコツコツと
叩いてみる。
ビー!!ビー!!
「ひっ!!かかか上条当麻!
これ何か鳴ってます!!」
神裂は上条の後ろに隠れて怯えている。
「これはただの警報だぞ。
叩いたから鳴ってるだけだ」
(神裂の機械音痴は重傷だな)
上条は引き受けた事を
ほんの少し後悔したのだった。
449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:13:48.69 ID:ZY2JuoaPO
「よし、上条さんが悪かった!
いきなりお掃除ロボットは
難易度が高い!次だ!」
二人は次のフロア、5階に下りた。
ここは洗濯機、冷蔵庫などが置かれている。
「あ!私冷蔵庫なら得意です!」
神裂はそう言うと近くの冷蔵庫
へ嬉しそうに向かった。
「冷蔵庫に得意も不得意もないんじゃ……」
上条は一抹の不安を抱えるのだった。
「あれ?」
冷蔵庫を開けようとした神裂が、
戸惑った声を出す。
450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:14:44.57 ID:ZY2JuoaPO
「んっ!あれ?えいっ!あ、あれ?
おかしいです…開きません!」
「神裂さん、逆…」
取っ手の無いタイプだったので、
神裂は必死に逆から開けようとしていた。
上条の指摘通りに、神裂はもう一度開けてみる。
「あ…」
カパッという音と共に、冷蔵庫の扉が開いた。
中から冷気が漏れる。
神裂の顔はみるみる
真っ赤になっていく。
「うぅ………」
神裂は泣きそうな顔をすると、
冷蔵庫に頭を突っ込んでしまった。
「な、何してんだ神裂…」
「…ほっといてください…」
上条はいよいよ頭を抱えるのだった。
453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:25:02.68 ID:ZY2JuoaPO
「さてと、次は4階だな」
5階では冷蔵庫を見た後に
洗濯機も見る予定だったが、
神裂が異常な拒否反応を見せたので、
諦めて4階に下りる事になった。
ここは主に電子レンジや炊飯器、
食に関する物が集まっている。
ここに来るまで神裂は何故か目も合わせない。
よっぽど恥ずかしかったのだろう。
454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:30:16.91 ID:ZY2JuoaPO
「これは調理してくれる電子レンジだ」
上条がそう言って指差したのは、最新式のオーブンレンジだ。
「ち、調理をですか?」
神裂は理解しているかは別だが、メモだけは取っていく。
「包丁などが入っている
という事……」
「…………」
「…という事はありませんよね」
「ありません!!」
上条はまるで子供に教えるように、
仕組みを簡単丁寧に説明していく。
「な、なるほど!」
本当に理解しているのだろうか。
上条の不安は募るばかりだ。
456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:49:05.22 ID:ZY2JuoaPO
その後も上条は、
炊飯器、ポットなど懇切丁寧に
使い方や仕組みを教える。
それを神裂は必死にメモしていく。
「や、やっと中盤か!
神裂、上条さんは休憩を提案します!」
上条はエスカレーター脇のベンチで、
大きく伸びをする。
「さ、賛成です…」
実は神裂も苦手な機械に囲まれ続け、
主に精神が疲れていた。
「そういやインデックスに
連絡してないな。」
上条が携帯を取り出すと、タイミング良く着信があった。
458 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:56:05.10 ID:ZY2JuoaPO
「言い忘れていたよ、上条当麻」
「あっ!お前もっとちゃんと
説明し……」
「少し黙っててくれないか。
耳が痛い」
「ぐぬっ!!」
「インデックスは遊園地に
招待しておいたよ。
あの子の友人と月詠小萌も一緒にね。
夜まで戻らないだろう。
安心して働いてくれ」
それだけ言うと電話は一方的に
切られてしまった。
「あいつと話すと、
言いたい事言わせてもらえねー!
モヤモヤする!!」
(誰と何を話してたのでしょう?)
神裂もモヤモヤしていたのだった。
459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 10:57:46.38 ID:ZY2JuoaPO
ちょっと出掛けます!
すいません!
476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/27(日) 14:18:49.25 ID:ZY2JuoaPO
保守ありがとう!
少し手があいたから
続きを貼ります
477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/27(日) 14:19:59.17 ID:ZY2JuoaPO
とりあえずインデックスの問題は片付いた。
上条は同じフロアにある喫茶店
に入る事にした。
「よし、神裂。作戦を立て直そう」
「ご、ご迷惑おかけします……」
神裂は申し訳なさそうに小さくなった。
「やっぱ、勉強だと思うから
ダメなんだと思うぞ。
堅苦しいというか」
「そ、そうですか…
ではどうすれば…」
神裂は不安そうな顔をしている。
「うーん……そうだ!
上条さん閃いた!」
上条はそう言ってある作戦を
神裂に伝える。
479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/27(日) 14:26:38.88 ID:ZY2JuoaPO
「要は勉強だと思わなきゃいいんだろ?
だったら今日はデートだと思えばいいんだよ」
「ぶっっ!!ケホッ!ケホッ!」
神裂は飲んでいたアイスティーを
吹き出す。
「デデデデート!?」
「ん?何か変な事言ったか?」
上条はただ神裂の気分を
変えるために言ったのだが、
神裂はそれどころではない。
「し、しかし任務ですし!
……デートは…
したいです…けど…」
「ん?」
神裂は上条に聞こえないように
本音を呟いた。
483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/27(日) 14:37:21.26 ID:ZY2JuoaPO
「とにかくさ、デートだと思えば、
気も楽だし。自然に
覚えてしまうんじゃねーか?」
「の、乗ります!私そのアイデアに乗ります!!!」
神裂は身を乗り出して答えた。
(そんなに機械音痴を治したいんだな)
と鈍感な上条は思うのだった。
「よし、そうと決まれば次行くぞ!」
二人は次のフロア、3階へ向かった。
485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 14:50:09.76 ID:ZY2JuoaPO
3階はテレビやパソコンが集まるフロアだ。
神裂は物珍しそうに見て回っている。
「か、上条当麻!見てください!
このテレビすっっっごく薄いです!
私の七天七刀と同
じくらいしか厚みがありません!!」
神裂は最新式デジタルテレビの前で
興奮している。
「物騒なもんと比べるんじゃありません」
その後も神裂は、
「ふぁ~!」
とか
「ほぇ~!」
とか訳の分からない言葉で、
感動していた。
そんな神裂を見て、
やっぱりさっきは肩に力が入ってたんだな、
と上条は微笑むのだった。
486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 14:50:50.88 ID:ZY2JuoaPO
「か、上条当麻!最近のテレビは
勝手に録画してくれるそうです!」
エスカレーターで2階へ向かいながら、
神裂は先程仕入れた知識を
自慢気に披露していた。
「へー、そりゃすげぇな」
もちろん学園都市の住人である
上条は知っていたが、
神裂の嬉しそうな顔を見れば
そんな事は言えない。
「さて、と。2階は…カメラやおもちゃか」
2階にやって来た二人は、
まずカメラのコーナーにやって来た。
実際に試せるように、
電源が入ったカメラが並んでいる。
487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 14:51:38.74 ID:ZY2JuoaPO
カメラは小さなモニターと繋がっていて、
その場で確認しながらビデオカメラ
などを試せる様になっていた。
「わ、私です!」
モニターの自分を指差しながら
神裂がキョロキョロする。
「ど…どれに撮られているのでしょう…」
たくさん並んだカメラを前に
首を傾げる神裂を見ていると、
自分が未来から来た人間のように思える。
「ま、楽しそうだからいっか」
「か、上条当麻!来てください!
こっちにもカメラがいっぱいです!!」
「へいへい、今行きますよーっと」
上条はその後も、カメラコーナーで散々振り回されるのだった。
489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 14:57:43.34 ID:ZY2JuoaPO
カメラに飽きた二人は、隣のおもちゃコーナーへやって来た。
プラモデルから最新のゲームまで
幅広い品揃えだ。
「あっ!」
神裂は何かに気付くと、
小走りにおもちゃの体験コーナーへ向かう。
「み、見てください…ネコです…
ネコさんです!」
そこにはロボットのネコがいた。
外見は本物の様なネコだが、
中身は最新式のロボットだ。
使用者の声などを分析し、
プログラムされた動作をする。
492 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 15:00:17.96 ID:ZY2JuoaPO
「な、なぜネコさんがここに…」
「神裂さん、それロボットです」
「………知っていましたが何か?」
神裂は分かり易い強がりを言う。上条はやれやれという顔で
使い方を説明する。
「そのロボットに向かって話しかけてみー。
動くぞ」
「な、なるほど…」
神裂はネコロボットを抱き上げる。
493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 15:01:11.74 ID:ZY2JuoaPO
「に、にゃー」
「!?」
「あれ、動きません…
にゃー!にゃーにゃーにゃー!」
「……人間の言葉でな、神裂…」
「………………」
「上条さんは何も見てない事にします」
「……………」
神裂はネコをそっと戻し、
その場をそっと立ち去るのだった。
494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 15:02:42.02 ID:ZY2JuoaPO
一旦ここまで
年末は大忙しです
夜には再開出来ると思います
みなさんごめんなさい!
509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 17:57:58.17 ID:ZY2JuoaPO
ネコの件がよっぽど
恥ずかしかったのだろう、
神裂は先程から黙って拗ねている。
「ま、まぁ神裂、誰にだって
間違いはある!」
「………」
「そ、それになかなか可愛かったと
上条さんは思うにゃー…なんて」
「うぅっ!バカにしてます!
絶対バカにしてます!!」
神裂は目に涙を溜め、
真っ赤な顔で落ち込んでしまう。
「わ、悪かった!上条さんが悪かった!
もう機嫌直してくれ!神裂さん!」
今土御門が現れたら、
きっと瞬殺される…
上条は悪友が現れない事を、
心から願うのだった。
510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 17:58:54.22 ID:ZY2JuoaPO
「さて、いよいよ最後だ。
なんかRPGみたいだな」
拗ねていた神裂を何とか宥め、
上条は1階へ辿り着いた。
「先程は失礼しました。もう大丈夫です。
さぁ行きましょう!」
この階は携帯電話や、
MPプレーヤーなどが集まった階だ。
「上条当麻、この小さい箱に
音楽がたくさん入っているのですか?」
神裂はちょっと前に発売された
プレーヤーを手に、上条に尋ねる。
上条は神裂が理解出来るように、
簡単に仕組みを説明してやる。
「な、なるほど!やっぱり学園都市は凄いですね…」
余談だが神裂が手に持っているのは、佐天が使っているのと同じモデルだ。
512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 17:59:56.05 ID:ZY2JuoaPO
「あっ、これ可愛いですね。」
神裂は最新の携帯電話を手に取る。
「それ最近出たやつだろ?
便利な機能いっぱい付いてるしなー」
上条がその"便利な機能"を説明すると、
神裂は携帯を静かに戻した。
「わ、私には使いこなせそうもありませんね…」
それから二人は1階をのんびり
見て回った。
513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 18:00:50.41 ID:ZY2JuoaPO
「今日はありがとうございました」
神裂はビルから出るなり、
深々と頭を下げた。
その丁寧なお辞儀に、
上条もつられて
深々とお辞儀してしまう。
「お、お粗末さまでした」
「今日一日で少し機械に強く
なった気がします。
あなたのおかげです、上条当麻」
そう言って笑う神裂の顔は、
機械には出来ないだろう
柔らかな笑顔だった。
514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 18:01:31.08 ID:ZY2JuoaPO
「また困ったら何でも
上条さんに言いなさい。
でも突然はもう勘弁してくれ」
上条は頭を掻きながら
苦笑いをした。
「ふふ。では失礼します」
神裂はそう笑うと、
人混みの中に消えていった。
「頑張れよ、神裂…」
上条は人混みに向かって呟いた。
515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 18:02:34.77 ID:ZY2JuoaPO
「やぁ神裂。どうだったかな?」
イギリスに戻った神裂は、
ステイルに報告書を
渡しているところだった。
「ステイル、あまり上条当麻を
イジメるのはやめて下さい」
「んー?」
ステイルは煙草に火をつけながら
興味なさそうに報告書をめくっている。
「彼氏をイジメられると
君でも怒るんだね?」
「か、彼氏!?ちちち違います!
切りますよ!?」
「冗談だよ神裂。僕は最大主教に
この報告書を届けてくるよ」
ステイルは何か嫌な含み笑いを
しながら姿を消した。
「まっ、まだ…"まだ"彼氏じゃないんです!」
自分で言っといて、
神裂は顔が真っ赤になるのだった。
516 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 18:04:18.83 ID:ZY2JuoaPO
「これを見て欲しいのでございます」
そう言ってオルソラが、
神裂の部屋を訪ねて来た。
オルソラ=アクィナス。
元ローマ正教所属の、巨乳なシスターだ。
「これ…ですか?」
神裂が手渡されたのは
小さな携帯型テレビだ。
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 18:05:30.58 ID:ZY2JuoaPO
「どうも調子が悪いらしく、
映らないのでございます。
あなたは学園都市で
機械を学んだのでございましょう?」
神裂は自信満々な顔で答える。
「私に任せてください!」
テレビを受け取ると、
神裂はあちこちいじっていく。
「あ、あれ?えぃ!」
「……………」
「んっ!この!!」
「…………」
「えいっ!!(バキッ!!)」
「バキッ??」
アンテナは見事に折れている。
神裂はオルソラにテレビを返すと、静かに部屋のドアを閉めた。
518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 18:06:27.24 ID:ZY2JuoaPO
「人はそう簡単に変わらないのでございます…」
オルソラは悲しそうに
テレビに目をやると、
悲しそうな背中で帰って行くのだった。
「完」
519 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 18:07:40.80 ID:ZY2JuoaPO
なんかいまいちストーリー
まとめ切れなかった
支援、保守、みなさんありがとう!
535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 20:40:46.12 ID:ZY2JuoaPO
みなさん楽しく読んでくれて
ありがとう!
550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/27(日) 22:12:15.91 ID:ZY2JuoaPO
「よし!お前ら、ルールの確認するわよ!」
ライオンの様な金髪をした、
褐色肌のシェリー=クロムウェルが
全員に確認を取る。
「肉体的な接触は失格でございます」
元ロシア正教、巨乳の
オルソラ=アクィナスが答える。
「魔術による脅迫、暴行も失格ですね」
天草式十字凄教、五和が頷く。
「とーまに最初に"好きだ"って
言わせたら勝ちなんだよ!」
インデックスも珍しく真剣だ。
「よ、よくないですよ…こんなの」
イギリス清教必要悪、
そして天草式十字凄教女教皇、
神裂火織だけは乗り気ではない。
552 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 22:14:40.56 ID:ZY2JuoaPO
5人はイギリス清教の女子寮、
物置部屋でコソコソしている。
「なら神裂は参加しなくていいわよ。
邪魔者は少ない方がいいしな」
シェリーは面倒くさそうに言い放つ。
「どうせあなたには無理だと
思うのでございますよ」
オルソラも横から口を出す。
「そ、そんな事ありません!!」
神裂が真っ赤になって否定すると、シェリーがニヤリと笑う。
「じゃあ参加ね。証明してみせろよ」
「い、いいでしょう!やります!」
神裂はまんまと罠に嵌ったのだ。
上条当麻はインデックスと共に
イギリスに来ていた。
イギリス清教が魔導書の知識を必要とした為だ。
565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 23:17:14.75 ID:ZY2JuoaPO
その上条は、今まさに5人の
悪ふざけに巻き込まれようとしていた。
「優勝者には、敗者4人から素敵な商品
という事でございます」
そう言いながら、オルソラがくじを用意する。
5人は順番を決めるくじを引く。
一番手はシェリーだ。
「持ち時間は一人10分なんだよ!」
「よーい、ドンです!」
五和の合図でゲームがスタートした。
566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 23:20:40.65 ID:ZY2JuoaPO
上条が部屋でくつろいでいると、
シェリーがいきなり入って来た。
「な、なんだ!!」
「久しぶりだな、上条当麻。
私のこと覚えてる?」
シェリーは上条の向かいに座ると、
足を組む。お色気作戦だ。
「えっと確か…石ころ魔術師?」
「ぐっ………」
シェリーは耐える。ここでキレたら
かなり不利だ。
シェリーと上条は一度戦闘している。
マジ喧嘩だ。
普通に接しても無駄だと思ったシェリーは、
足を何度も組み替える。
胸を寄せ谷間を作る。
567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 23:21:32.36 ID:ZY2JuoaPO
普通に接しても無駄だと思ったシェリーは、
足を何度も組み替える。
胸を寄せ谷間を作る。
(さあ、好きだと飛びかかって来い!
私の色気に我慢出来る訳ないわ!)
「なぁ…何クネクネしてんだ?お前なんか気持ち悪いぞ」
シェリーの眉間にシワが出来る。
「死ねぇぇぇ!!」
【シェリー=クロムウェル
暴力により失格】
568 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 23:22:50.34 ID:ZY2JuoaPO
「つ、次は私ですね」
五和は深呼吸をして
上条の部屋をノックした。
「し、失礼します!」
「ん?どうしたんだ五和」
「たっ、たたたたいした事じゃ
ありっありません!」
五和は既に緊張でガチガチだ。
569 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 23:24:28.55 ID:ZY2JuoaPO
「お、おしぼり…おしぼりどうぞ!」
「あぁ、サンキュー」
「の、飲み物!飲み物はいかがですか!」
「お、おう。もらうよ」
結局五和は、上条の身の回りの
世話をして10分を使い切った。
「な、なにをしてるんでしょう
…私は…」
戻って来た五和はガックリとうなだれる。
【五和
タイムオーバーで失格】
570 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 23:29:31.57 ID:ZY2JuoaPO
続いて上条の部屋に現れたのは
オルソラだ。
「お久しぶりでございます」
「今度はオルソラか。
一体何なんだ?みんなして」
「私の事どう思っているのでございますか?」
「へ?ど、どういう事ですか?オルソラさん」
「みんなの事は気にしないで
結構でございます」
「は?え?」
573 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 23:31:20.98 ID:ZY2JuoaPO
「ですから、私の事をどう思って
いるか聞いているのでございます」
「????」
会話が行ったり来たりするので、
上条はパニックになってしまった。
結局一度も会話は噛み合わないまま、
オルソラもタイムオーバーに
なってしまった。
【オルソラ=アクィナス
タイムオーバーにより失格】
575 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 23:35:54.53 ID:ZY2JuoaPO
「みんな情けないんだよ。
私ととーまの絆を見てるといいんだよ!」
そう言ってインデックスは
勢い良く上条の部屋へ飛び込む。
「とーま!とーまとーま!!」
「インデックスまで!?
何かみんな変だぞ…」
「とーまは私の事好きー?」
「んー、上条さんは疲れたから
あっちでオヤツでも食べてなさい」
「むきぃぃぃ!!!!」
インデックスは思わず
上条の頭に噛みついた。
「あっ………」
【インデックス
暴力により失格】
578 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 23:39:56.64 ID:ZY2JuoaPO
「さ、最後は私ですね…」
神裂は緊張しながら
上条の元へ向かう。
「神裂まで…これはあれですか?
みなさんから上条さんへの
嫌がらせですか?」
ガックリとうなだれる上条を見て、
神裂は申し訳ない気持ちで一杯だった。
(やっぱりこんなのいけません)
神裂は本当の事を
打ち明けることにした。
580 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 23:44:17.99 ID:ZY2JuoaPO
「はぁ~、そういう事だったんですねー」
上条は溜め息を吐く。
「も、申し訳ありませんでした」
上条を困らせてしまっていた事に、
神裂は心から申し訳ないと思っていた。
「でもいいのか?
話たらルール違反になるんじゃ…」
「い、いいんです!
これはやっぱり良くない事です!」
586 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/28(月) 00:06:15.13 ID:QJxVCN/vO
上条は頭を掻きながら、何かを考えている。
「ど、どうしたのですか?
まさか怒ってたり……」
「んー、教えてくれたお礼考えててさ……いい事思いついた」
上条はいきなり立ち上がると
大きな声で叫んだ。
「俺は!神裂が好きだっ!!」
神裂の頭は真っ白に、
頬は真っ赤に染まる。
「は……わわわわ…な、何を!?」
「これで神裂の勝ちだな」
589 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/28(月) 00:10:54.35 ID:QJxVCN/vO
そう言って笑う上条に、
ボンっと音を立てて神裂の
頭はショートしてしまった。
「ん?顔真っ赤だぞ、神裂」
上条はお礼のつもりなので、
神裂がなぜ真っ赤なのか分からなかった。
「今私…し…死んでも…構いません」
神裂はそう呟いて部屋を後にした。
593 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/28(月) 00:15:02.69 ID:QJxVCN/vO
「チッ、神裂の勝ちかよ。
つまんねー」
シェリーはそう言って
さっさと姿を消す。
「負け…でございますね」
オルソラは何故か悲しそうに
その場を後にする。
「とーまぁぁ!!!!!」
インデックスは上条の部屋へ
駆け込んで行く。
「うっ…うぅ」
五和メソメソと泣いていた。
595 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/28(月) 00:21:57.73 ID:QJxVCN/vO
(い…いくらお礼とはいえ
、上条当麻にすっ、すす好きだって言われてしまいました)
神裂は自分の部屋で
キャーッと顔を覆う。
(で…ですが…)
これで満足していては、
きっといつまでも関係は変わらないと思う。
神裂は頬をパンと叩く。
(いつか…いつか本当の"好き"を
言わせてみせます!!!)
神裂は心にそう誓ったのだった。
ちなみに…
その後上条はインデックスや五和の
誤解を解くのに、
200倍の労力を使うハメになるのであった。
完
598 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/28(月) 00:23:44.61 ID:QJxVCN/vO
みなさんへのお礼にと
お祭り的な内容で書いてみました
あまり深い話ではないですが、
気楽に読んで頂けたら有り難いです
<<ハルヒ「んぐっ!?んんんんん!???……かっ……!っか……!!」 | ホーム | 上条「初詣行かないか?」 神裂「私で…良ければ」>>
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