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律「私は……誰?」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 20:48:25.74 ID:rbm2RIUq0
部室にて
唯「おいしー♪ ムギちゃんのクッキーおいしー♪」
紬「喜んでもらえてよかったわ♪」
律「なあ、ワンダーパーク(USJ的な場所)にさ、新しいジェットコースターが出来たんだって!」
ぐらぐら
梓「それって今、日本で一番怖いって噂のやつですよね」
唯「猛スピードで落ちてグルグル回ったりするやつだっけ?」
律「そうそう、そのスリルに乗った人の半数は途中で気を失うんだって!」
ぐらぐら
部室にて
唯「おいしー♪ ムギちゃんのクッキーおいしー♪」
紬「喜んでもらえてよかったわ♪」
律「なあ、ワンダーパーク(USJ的な場所)にさ、新しいジェットコースターが出来たんだって!」
ぐらぐら
梓「それって今、日本で一番怖いって噂のやつですよね」
唯「猛スピードで落ちてグルグル回ったりするやつだっけ?」
律「そうそう、そのスリルに乗った人の半数は途中で気を失うんだって!」
ぐらぐら
澪「(猛スピードでグルグル……気を失うほど怖い……)」
律「面白そうだよなー」
紬「りっちゃんはそういうの好きだものね」
律「はー、乗ってみたいなー。そうだ、澪も一緒に乗ろうぜ?」ニヤニヤ
ぐらぐら
澪「絶ッッ対に嫌だ」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 20:53:26.09 ID:rbm2RIUq0
律「そんなこと言わずに付き合ってよー」
ぐらぐら
澪「嫌だ」
律「みーおー」
ぐらぐら
澪「あんな怖いモノ……どんなことがあっても絶対に乗らないぞ!」
律「ちぇっ」
ぐらぐら
梓「さっきから気になってるんですけど……その座り方、危なくないですか?」
律「ん? コレ?」
ぐらぐら
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:01:30.98 ID:rbm2RIUq0
椅子の後ろの脚に重心を移し、バランスをとって座る律
梓「小学生の時に男子がよくやってましたけど……」
澪「高校生にもなってやる奴なんてお前くらいだぞ」
唯「後ろに倒れたら危ないよ?」
律「へーきへーき♪手だって離しちゃうもんねー♪」
ぐらぐら
律「それより澪、ジェットコースター乗ろうよー」
ぐらぐら
澪「それだけは絶対に嫌だって言ってるだろう!」
律「もー、つまんないなー……」
グラッ
紬「りっちゃん、危ない!」
律「やばっ!」
ガターン!!
澪「律!?」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:05:16.57 ID:rbm2RIUq0
唯「りっちゃん!」
梓「律先輩!」
澪「見ろ、言わんこっちゃない!」
紬「大丈夫?りっちゃん」
律「いたた……」
梓「よかった……血とかは出てないみたいですね」
澪「まったく、だから危ないと言っ……」
律「私は……誰?」
澪「えっ?」
律「ここは……どこ?」
紬「まさか……」
律「みなさん……誰ですか?」
一同「記憶喪失!?」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:10:01.48 ID:rbm2RIUq0
梓「律先輩!ほんとに何も覚えてないんですか!?」
律「リツ……私の名前はリツというんですか?」
澪「私たちのことも忘れてるのか?」
律「何も……思い出せないんです……」
唯「り、りっちゃんが大変なことにぃ!」
澪「頭を打った衝撃で記憶が飛んじゃったのか……」
紬「一体、どうすれば……」
澪「とりあえず、記憶を呼び覚ましてみよう」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:19:01.78 ID:rbm2RIUq0
律「あの……まずは私の名前と、どんな人だったかを教えていただきたいのですが」
澪「そうだな。お前の名前は律。田井中 律だ。性格は……」
梓「なんかいつもガサツで不真面目で」
紬「明るいというか能天気というか」
唯「いつもふざけてばっかりで澪ちゃんに叱られてた!」
律「なんというか……ろくなヤツじゃなかったんですね」
澪「気にするな。いいところもあったぞ」
律「例えば?」
澪「……とにかく元気だったな」
律「……(それだけ?)」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:27:06.51 ID:rbm2RIUq0
澪「次は私たちのことを思い出してもらうか」
唯「りっちゃん!私だよ!唯だよ!」
律「ユイ……さん?」
唯「思い出してりっちゃん!合宿の夜、ふたりでこっそり
澪ちゃんの寝てる部屋を……」
澪「私の寝てる部屋を……どうしたって?」
唯「!? と、とにかく私たちの思い出を取り戻して!」
澪「(今度じっくり問い詰めよう)」
律「ユイ……」
唯「思い出した?」
ぎゅむっ
唯「ほにゃあ!?」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:31:20.43 ID:rbm2RIUq0
むにゅむにゅ
律「このほっぺたのさわり心地……覚えがあるような……」
むぎゅむぎゅ
澪「ほんとか?もっとしっかり触ってみろ!」
もにゅもにゅ
唯「んにゅう」
むぎゅむぎゅ
唯「ふみゅぅ」
律「……」
紬「どう?りっちゃん」
律「……ダメみたいです」
澪「ダメだったか」
唯「うう……私のほっぺは揉まれ損?」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:36:16.33 ID:rbm2RIUq0
紬「りっちゃん、私よ。紬、ムギよ」
律「ツムギさん……」
澪「いつもお菓子を持ってきてくれるムギだぞ?」
紬「そうだ」
ガチャガチャ
紬「コレ、りっちゃんがいつも使ってたティーカップよ?」
律「ティーカップ……」
紬「これはりっちゃんが好きだったクッキー」
律「おいしそうなクッキー……」
紬「でしょ?さあ、食べてみて」
サクサク
律「……・」
紬「どう?」
律「もう一個食べたら思い出せそうな気が……」
紬「ほんと!?じゃあ、はい!」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:40:28.86 ID:rbm2RIUq0
律「紅茶もいただいていいですか?」
紬「もちろんよ。はい、熱いから気をつけてね」
ゴクゴク
紬「どう?思い出せそう?」
律「もうひとつクッキーを……」
~その後、クッキー10個食べて紅茶おかわりしました~
律「げぷ……お腹いっぱいです」
紬「で?記憶は?」
律「まったく思い出せません」
澪「満腹になっただけかよ……」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:45:20.85 ID:rbm2RIUq0
梓「先輩、梓です」
律「アズサ……」
梓「思い出してくださいよぅ…」グスン
律「ネコ……」
梓「ねこ?」
律「あなたを見ていると……何故かネコを思い出したんです」
澪「そうだ!この前の猫耳梓だ!」
唯「あずにゃん!コレつけて!」
梓「ええっ!?」
紬「梓ちゃん、こないだみたいにニャーって」
澪「律のためだ!がんばれ梓!」
梓「にゃ、ニャー……///」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:49:10.00 ID:rbm2RIUq0
律「かわいい……」
なでなで
梓「ニャー///」
なでなで
唯「あずにゃん!もっとネコっぽく!」
梓「(ネコっぽく!?)にゃーん」
すりすり
律「すごくかわいいです」
なでなで
梓「(うぅ……先輩のためにガマンガマン……)」
澪「思い出せそうか?」
律「残念ながら……」
唯「こ、このかわいさでもダメだなんて!」
梓「(そもそも途中からのねこっぽさは意味なかったような……)」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:58:09.10 ID:rbm2RIUq0
澪「おい律! 私だ、澪だ! いい加減思い出せ!」
律「ひいっ」
紬「ダメよ澪ちゃん、怖がってるわ」
唯「よしよしりっちゃーん、怖くないよー」
澪「ご、ごめん……つい」
梓「律先輩、澪先輩ですよ。幼馴染ですよ」
律「おさななじみ……」
澪「今も、お前が誘ったから軽音部にいるんだぞ?」
律「けいおんぶ?」
紬「そっか、部活の事も忘れてるのよね」
梓「ライブの映像を見せてみたらどうでしょう?」
澪「唯、文化祭の時のビデオ準備して」
唯「らじゃー!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/16(火) 22:28:27.87 ID:rbm2RIUq0
君を見てると いつもハートDOKI☆DOKI
澪「ほら、今歌ってるのが私だぞ」
唯「後ろでドラム叩いてるのがりっちゃんだよ」
律「なんだか見覚えがあるような……」
ドタッ キャー
梓「ここ、澪先輩が転んでパ……・下着が見えたんです///」
澪「(唯ったらよりによってこの時のを選んでこなくても……///)」
律「今のところ、巻き戻してもらえますか?」
紬「えっ?わ、わかったわ」
ドタッ
律「もう一度」
ドタッ
律「すみません、もう一度。何か思い出せそうで…」
澪「(うぅぅ……///何でもいいから早く思い出してくれ!)」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 22:35:27.27 ID:rbm2RIUq0
澪「ハァ……ど、どうだ?何か思い出せたか?」
律「全然ダメでした」
澪「私が恥ずかしい思いしただけじゃないか!!」
律「ひえぇ」
紬「澪ちゃん!」
澪「うう……わかってる……わかってるんだけど…・…」
梓「もう、今日は練習を中止して帰った方がよくないですか?」
紬「そうね……一晩経てば、治るかもしれないし」
澪「はぁ、仕方ない。今日のところは帰ろう」
律「すみません。私のために……」
紬「気にしないで、りっちゃん」
唯「りっちゃんは思い出せるようにがんばって!」
律「みなさん、本当にありがとうございます」
澪「じゃあ、戸締りして帰るか」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/16(火) 22:36:40.10 ID:rbm2RIUq0
風呂に入ってきます
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:01:30.33 ID:rbm2RIUq0
廊下
唯「あ、和ちゃん」
和「あれ?今日は練習終わるの早いね」
澪「実は……」
~説明中~
和「それは大変ね……」
唯「りっちゃん、生徒会長の和ちゃんだよ?」
律「のどかさん……」
和「無理に思い出さなくてもいいからね」
律「和さんを見てると、なんだか謝らなければいけないような気になります」
澪「ああ、いつも迷惑かけてたからね……」
律「すみませんでした!」
和「いや……何もされてないし」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:07:11.94 ID:rbm2RIUq0
紬「和ちゃん、何か記憶を戻す方法を知らないかしら?」
和「頭を打って記憶を失ったのよね?」
澪「なさけない理由でだけどな」
和「じゃあ、もう一度頭に強いショックを与えれば……」
梓「職員室に工具箱がありました!」
紬「音楽室のアンプ!」
唯「でっかい花瓶があるよ!」
澪「よーし、じっとしてろぉ、律」←ゲンコツを準備
律「ひえぇぇぇ……」ガタガタガタ
和「……あんたら律を殺したいの?」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:11:17.53 ID:rbm2RIUq0
和「まあ、ショックを与えるのは極端な方法だから……」
紬「やっぱり、自然に戻るのを待つほうがいいのかしら」
和「うん、それが一番だと思うわ」
唯「他に方法はないの?」
和「うーん、言ったことのある場所を巡ってみるとか」
澪「よし、明日は休みだし、いろいろ回ってみよう」
和「大変だと思うけど、がんばってね。私も協力するから」
唯「和ちゃん……ええ人やぁぁぁ!!」
ぎゅー
澪「ありがとう。いろいろ試してみるよ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:20:42.00 ID:rbm2RIUq0
帰り道
紬「じゃあ、私たちはこっちだから」
澪「ああ、律は私が家まで送っていくよ」
唯「ファイトだよりっちゃん!」
律「みなさん、今日はありがとうございました」
梓「では、また明日」
澪「ああ、また明日もよろしく頼む」
田井中家前
律「澪さん、ありがとうございました」
澪「オバさんや聡には私から説明しようか?」
律「いえ、両親や弟には自分で説明しますので」
澪「そうか……じゃあ、私はこれで」
律「はい、明日もご迷惑おかけします」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:25:13.81 ID:rbm2RIUq0
澪「そうだ」
律「?」
澪「携帯に私のアドレスと番号が入ってる」
律「そう言えば、携帯を持っていました」
澪「何かあったら何でも相談してくれ。夜中でもいつでも、遠慮しなくていい」
律「はい、ありがとうございます!」
澪「じゃあ、また明日な」
律「はい、また明日……」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:37:15.15 ID:rbm2RIUq0
翌日、商店街
梓「まずは楽器屋さんに行ってみませんか?」
律「楽器屋さん……」
澪「ああ、よく行く場所だからな」
唯「レッツゴー!」
楽器屋
澪「ほら、よく来てる楽器屋だぞ? 何か思い出さないか?」
律「うーん……」
店員「いらっしゃいませ」
澪「いつもの店員さんだぞ」
梓「実はこの人が記憶を失ってしまって……」
紬「なにか治す方法を知らないかしら?」ニコッ
店員「(紬お嬢様の目が怖い……)」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:42:46.07 ID:rbm2RIUq0
紬「どうかしら?」ニコニコ
店員「(ヤバイ……答えなきゃクビって言いたげな目だ……)」
澪「あの、無理しなくて結構ですから」
店員「す、すみません!お役に立てなくてすみませんでした!」←土下座
澪「いえ、そこまで謝らなくても……」
紬「そうよ、ありがとう」
店員「(今日までありがとうって意味ですかぁぁぁ)」
チーン
澪「店員さん……なんかすごく落ち込んでるぞ?」ひそひそ
紬「きっと大丈夫よ。他のお店に行ってみましょ♪」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:51:21.96 ID:rbm2RIUq0
その後
澪「ハンバーガーショップにその他もろもろ……」
梓「どこへ行っても律先輩の記憶は戻らず」
律「ごめんなさい……私のために……」
唯「そうだ! 私の家!」
澪「そう言えば、クリスマス会とかやったな」
紬「行ってみる価値はあると思うわ」
澪「よし、唯の家に行ってみるか」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:59:25.24 ID:rbm2RIUq0
平沢家
律・澪・梓・「おじゃましまーす」
憂「律さん、お姉ちゃんから話は聞いています」
律「憂さんにまで迷惑をおかけしてたんですね……」
憂「そこで、治す方法を調べてみたんです」
唯「ショック療法はダメだよ!」
憂「大丈夫。催眠術だから」
澪「催眠術?」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:04:35.81 ID:S1Gf1GY10
憂「律さん、この五円玉の先を見つめててくださいね」
ゆらゆら
憂「リラックスして……思い出してくださーい……」
ゆらゆら
憂「ゆーっくり……記憶を呼び覚ましてくださーい……」
律「……」
唯「……」
バタッ
澪「ゆ、唯!?」
唯「ZZZZZ……」
憂「もー、お姉ちゃんったらこんなとこで寝ちゃって♪ 毛布毛布♪」
梓「律先輩、思い出しましたか?」
律「いえ……何も……」
澪「ダメだったか……」
唯「ZZZZ……むにゃ……」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/17(水) 00:10:09.22 ID:S1Gf1GY10
憂「ごめんなさい、お役に立てなくて……」
澪「気にしなくていいよ。それより、ありがとう」
紬「唯ちゃんは寝かせたままにしとこうか」
澪「そうだな。起こすのもかわいそうだ」
梓「ありがとね、憂」
憂「うん、私も応援してる」
律「あ、あの……」
澪「どうした?」
律「な、何でもないです……」
紬「?」
澪「じゃあ、また。唯のことよろしく」
律「……」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:16:45.60 ID:S1Gf1GY10
紬「でも、どうやったら記憶が戻るのかしら……」
梓「もう、いろんなこと試しましたよね」
紬「このままずっと戻らなかったら……」
澪「……なあ、これから私と律を二人きりにしてくれないか」
梓「二人きりに?」
澪「私と律は小さい頃からずっと一緒だから」
澪「二人だけの時間で思い出すこともあるかもしれない」
紬「……そうね。じゃあ、ここからは澪ちゃんに任せるわ」
梓「では、私たちはこれで」
澪「うん、二人ともありがとう」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/17(水) 00:18:10.89 ID:S1Gf1GY10
律「これからどこへ行くんですか?」
澪「部室だ」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:24:43.15 ID:S1Gf1GY10
部室
澪「あれはお前がいつも叩いてたドラムだ」
律「ドラム……」
澪「座ってみてくれないか」
律「は、はい」
ドラムの椅子に座る律
澪「お前はいつもそこに座ってドラムを叩いてた」
澪「いつも走り気味でさ、力こめすぎて、みんなの調和を乱すんだ」
律「もうしわけないことを……」
澪「でも」
澪「みんな、律のドラムが好きだった」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:31:57.11 ID:S1Gf1GY10
澪「お前とは幼稚園の頃からの付き合いだけど」
澪「ほんとに迷惑ばかりかけれてたよ」
澪「ガサツでふざけてばかりで能天気で」
澪「人の嫌がることを嬉々としてやるんだ」
澪「ホントにどうしようもないヤツだったよ、お前は」
律「……」
澪「だけど……」
澪「私の……大切な……最高の……友達だ」
律「……」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:40:04.00 ID:S1Gf1GY10
澪「今までの思い出、全部忘れちゃったのは悲しいけど」
澪「それでも、律は律だよな」
律「……」
澪「まあ、思い出はゆっくり思い出していけばいいさ」
律「……」
澪「そうだ! 記憶が戻ったら、お祝いにみんなでワンダーパークへ行こう!」
澪「唯もムギも梓も……和も憂も誘ってさ、1日中、思いっきり遊ぶんだ」
澪「フリーパス買って……全部のアトラクション回って……」
澪「そうだ! お前が乗りたがってた超怖いジェットコースター、あれも付き合ってやる!」
律「澪……」
澪「だから……」
澪「私たちのこと……思い出してくれよ……」
律「……くすっ」
澪「……律?」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:43:49.45 ID:S1Gf1GY10
律「くす……くふっ…・・」
澪「り、律……?」
律「くっ……アハハハハハ!!!!」
澪「ど、どうしたんだ!?」
律「み、澪ったら! 真面目な顔で恥ずかしいこといっぱいしゃべって!」
澪「お前……記憶が戻ったのか!」
律「いや、戻ったっていうか……アハハハハ」
澪「お前……まさか!」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:46:50.98 ID:S1Gf1GY10
2日前
ガターン
唯「りっちゃん!」
紬「大丈夫?りっちゃん」
律「いたた……(そうだ、ここで記憶がなくなったフリしたら面白いかも……)」
梓「よかった……血とかは出てないみたいですね」
澪「まったく、だから危ないと言っ……」
律「私は……誰?」
澪「えっ?」
律「ここは……どこ?」
紬「まさか……」
律「みなさん……誰ですか?」
一同「記憶喪失!?」
律「(ウヒヒ……上手くいった)」
律「(よーし、ちょっと遊んじゃえ)」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:50:58.32 ID:S1Gf1GY10
律「それで! ウソって言い出すタイミングがわかんなくてさ! ハハハ」
30分ほど前
紬「唯ちゃんは寝かせたままにしとこうか」
澪「そうだな。起こすのもかわいそうだ」
梓「ありがとね、憂」
憂「うん、私も応援してる」
律「あ、あの……」
澪「どうした?」
律「な、何でもないです……」
律「(どうしよう、どんどん言い出し辛くなってきた……)」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:57:04.95 ID:S1Gf1GY10
澪「こんのバカ律!!!」
ボカボカ
律「ハハハ! ご、ごめん! 反省してるっ! ハハハ」
澪「何が反省だ! 涙目になるほど笑ってるくせに!」
ポカポカ
澪「みんなに迷惑かけて!」
ポカポカ
澪「みんなを心配させて!」
ポカポカ
澪「みんなを悲しませて……」
ポカ
澪「ほんとにお前は……大馬鹿だ!」
……
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 01:06:42.66 ID:S1Gf1GY10
律「ハハ……だからゴメンって! すっごい反省して……」
澪「ぐすっ……」
律「……」
澪「ぐすっ…うぅ…」
律を抱きしめる澪
澪「本当に……よかった……」
律「……ゴメン、澪」
澪「ぐす……心配……したんだぞ」
律「うん、知ってた」
澪「もう二度と……心配かけないって約束しろ」
律「うん……約束するよ」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/17(水) 01:08:41.53 ID:S1Gf1GY10
澪「絶対……だぞ」
律「うん」
澪「絶対の……絶対だからな」
律「うん……澪」
澪「何?」
律「ありがとう」
澪「……うん」
律「それと」
律「大好き」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/17(水) 01:13:05.81 ID:S1Gf1GY10
翌日
律「いやー、みんなホントにゴメン!」
唯「もー、りっちゃんったら酷い!」
梓「みんなどれだけ心配したことか! ……グスン」
紬「でも、元通りになってよかったわ」
律「ところで澪、昨日の約束覚えてる?ホラ、ジェットコースターの話」
澪「さあな。忘れたよ」
唯「今度は澪ちゃんが記憶喪失!?」
梓「いや、違いますから」
律「何はともあれ、一件落着♪」
澪「まったく……」
バターン(ドアが勢いよく開く)
さわ子「りっちゃん!」
澪「さわ子先生!?」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/17(水) 01:20:18.01 ID:S1Gf1GY10
さわ子「真鍋さんから話は聞いたわ! 記憶喪失なんですって!?」
律「いや、それは実は……」
さわ子「かわいそうなりっちゃん! でも、もう大丈夫! いいモノを持ってきたわ!」
律「いいモノ?」
さわ子「保健室の先生に調合してもらった、にが~~~~い漢方薬よ!」
律「げっ、何その色とにおい……」
さわ子「これを飲めばショックで何もかも思い出すわ! さあ、一気に!」
律「み、澪! 先生に説明を……」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 01:21:56.00 ID:S1Gf1GY10
澪「よかったな律! これで記憶が戻るぞ!」
律「ちょ……誰か!」
紬「よかったわね、りっちゃん」
唯「りっちゃん、ファイトで飲み干して!」
梓「グビっといっちゃいましょう!」
さわ子「さあ、口を開けて……」
律「ひっ……ひいいいい」
ゴクッ……
律「ぎょえええええええ!!!!!」
おわり
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/16(火) 22:49:57.24 ID:BmW/tYAZ0
風呂出た?まだ?服着なくていいから書けよ
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 01:28:01.27 ID:S1Gf1GY10
実は
>>15で紅茶があると知っていたこと
>>32で聡と聞いて、すぐに弟だと言ったこと
>>39で会ったばかりの憂の名前を当てたこと
が、記憶を失っていないことの伏線だったりしました
あと、>>25さん
もう……服、着ていいですよね?
ここまで付き合ってくださった方々、本当にありがとうございました
律「面白そうだよなー」
紬「りっちゃんはそういうの好きだものね」
律「はー、乗ってみたいなー。そうだ、澪も一緒に乗ろうぜ?」ニヤニヤ
ぐらぐら
澪「絶ッッ対に嫌だ」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 20:53:26.09 ID:rbm2RIUq0
律「そんなこと言わずに付き合ってよー」
ぐらぐら
澪「嫌だ」
律「みーおー」
ぐらぐら
澪「あんな怖いモノ……どんなことがあっても絶対に乗らないぞ!」
律「ちぇっ」
ぐらぐら
梓「さっきから気になってるんですけど……その座り方、危なくないですか?」
律「ん? コレ?」
ぐらぐら
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:01:30.98 ID:rbm2RIUq0
椅子の後ろの脚に重心を移し、バランスをとって座る律
梓「小学生の時に男子がよくやってましたけど……」
澪「高校生にもなってやる奴なんてお前くらいだぞ」
唯「後ろに倒れたら危ないよ?」
律「へーきへーき♪手だって離しちゃうもんねー♪」
ぐらぐら
律「それより澪、ジェットコースター乗ろうよー」
ぐらぐら
澪「それだけは絶対に嫌だって言ってるだろう!」
律「もー、つまんないなー……」
グラッ
紬「りっちゃん、危ない!」
律「やばっ!」
ガターン!!
澪「律!?」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:05:16.57 ID:rbm2RIUq0
唯「りっちゃん!」
梓「律先輩!」
澪「見ろ、言わんこっちゃない!」
紬「大丈夫?りっちゃん」
律「いたた……」
梓「よかった……血とかは出てないみたいですね」
澪「まったく、だから危ないと言っ……」
律「私は……誰?」
澪「えっ?」
律「ここは……どこ?」
紬「まさか……」
律「みなさん……誰ですか?」
一同「記憶喪失!?」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:10:01.48 ID:rbm2RIUq0
梓「律先輩!ほんとに何も覚えてないんですか!?」
律「リツ……私の名前はリツというんですか?」
澪「私たちのことも忘れてるのか?」
律「何も……思い出せないんです……」
唯「り、りっちゃんが大変なことにぃ!」
澪「頭を打った衝撃で記憶が飛んじゃったのか……」
紬「一体、どうすれば……」
澪「とりあえず、記憶を呼び覚ましてみよう」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:19:01.78 ID:rbm2RIUq0
律「あの……まずは私の名前と、どんな人だったかを教えていただきたいのですが」
澪「そうだな。お前の名前は律。田井中 律だ。性格は……」
梓「なんかいつもガサツで不真面目で」
紬「明るいというか能天気というか」
唯「いつもふざけてばっかりで澪ちゃんに叱られてた!」
律「なんというか……ろくなヤツじゃなかったんですね」
澪「気にするな。いいところもあったぞ」
律「例えば?」
澪「……とにかく元気だったな」
律「……(それだけ?)」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:27:06.51 ID:rbm2RIUq0
澪「次は私たちのことを思い出してもらうか」
唯「りっちゃん!私だよ!唯だよ!」
律「ユイ……さん?」
唯「思い出してりっちゃん!合宿の夜、ふたりでこっそり
澪ちゃんの寝てる部屋を……」
澪「私の寝てる部屋を……どうしたって?」
唯「!? と、とにかく私たちの思い出を取り戻して!」
澪「(今度じっくり問い詰めよう)」
律「ユイ……」
唯「思い出した?」
ぎゅむっ
唯「ほにゃあ!?」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:31:20.43 ID:rbm2RIUq0
むにゅむにゅ
律「このほっぺたのさわり心地……覚えがあるような……」
むぎゅむぎゅ
澪「ほんとか?もっとしっかり触ってみろ!」
もにゅもにゅ
唯「んにゅう」
むぎゅむぎゅ
唯「ふみゅぅ」
律「……」
紬「どう?りっちゃん」
律「……ダメみたいです」
澪「ダメだったか」
唯「うう……私のほっぺは揉まれ損?」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:36:16.33 ID:rbm2RIUq0
紬「りっちゃん、私よ。紬、ムギよ」
律「ツムギさん……」
澪「いつもお菓子を持ってきてくれるムギだぞ?」
紬「そうだ」
ガチャガチャ
紬「コレ、りっちゃんがいつも使ってたティーカップよ?」
律「ティーカップ……」
紬「これはりっちゃんが好きだったクッキー」
律「おいしそうなクッキー……」
紬「でしょ?さあ、食べてみて」
サクサク
律「……・」
紬「どう?」
律「もう一個食べたら思い出せそうな気が……」
紬「ほんと!?じゃあ、はい!」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:40:28.86 ID:rbm2RIUq0
律「紅茶もいただいていいですか?」
紬「もちろんよ。はい、熱いから気をつけてね」
ゴクゴク
紬「どう?思い出せそう?」
律「もうひとつクッキーを……」
~その後、クッキー10個食べて紅茶おかわりしました~
律「げぷ……お腹いっぱいです」
紬「で?記憶は?」
律「まったく思い出せません」
澪「満腹になっただけかよ……」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:45:20.85 ID:rbm2RIUq0
梓「先輩、梓です」
律「アズサ……」
梓「思い出してくださいよぅ…」グスン
律「ネコ……」
梓「ねこ?」
律「あなたを見ていると……何故かネコを思い出したんです」
澪「そうだ!この前の猫耳梓だ!」
唯「あずにゃん!コレつけて!」
梓「ええっ!?」
紬「梓ちゃん、こないだみたいにニャーって」
澪「律のためだ!がんばれ梓!」
梓「にゃ、ニャー……///」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:49:10.00 ID:rbm2RIUq0
律「かわいい……」
なでなで
梓「ニャー///」
なでなで
唯「あずにゃん!もっとネコっぽく!」
梓「(ネコっぽく!?)にゃーん」
すりすり
律「すごくかわいいです」
なでなで
梓「(うぅ……先輩のためにガマンガマン……)」
澪「思い出せそうか?」
律「残念ながら……」
唯「こ、このかわいさでもダメだなんて!」
梓「(そもそも途中からのねこっぽさは意味なかったような……)」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 21:58:09.10 ID:rbm2RIUq0
澪「おい律! 私だ、澪だ! いい加減思い出せ!」
律「ひいっ」
紬「ダメよ澪ちゃん、怖がってるわ」
唯「よしよしりっちゃーん、怖くないよー」
澪「ご、ごめん……つい」
梓「律先輩、澪先輩ですよ。幼馴染ですよ」
律「おさななじみ……」
澪「今も、お前が誘ったから軽音部にいるんだぞ?」
律「けいおんぶ?」
紬「そっか、部活の事も忘れてるのよね」
梓「ライブの映像を見せてみたらどうでしょう?」
澪「唯、文化祭の時のビデオ準備して」
唯「らじゃー!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/16(火) 22:28:27.87 ID:rbm2RIUq0
君を見てると いつもハートDOKI☆DOKI
澪「ほら、今歌ってるのが私だぞ」
唯「後ろでドラム叩いてるのがりっちゃんだよ」
律「なんだか見覚えがあるような……」
ドタッ キャー
梓「ここ、澪先輩が転んでパ……・下着が見えたんです///」
澪「(唯ったらよりによってこの時のを選んでこなくても……///)」
律「今のところ、巻き戻してもらえますか?」
紬「えっ?わ、わかったわ」
ドタッ
律「もう一度」
ドタッ
律「すみません、もう一度。何か思い出せそうで…」
澪「(うぅぅ……///何でもいいから早く思い出してくれ!)」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 22:35:27.27 ID:rbm2RIUq0
澪「ハァ……ど、どうだ?何か思い出せたか?」
律「全然ダメでした」
澪「私が恥ずかしい思いしただけじゃないか!!」
律「ひえぇ」
紬「澪ちゃん!」
澪「うう……わかってる……わかってるんだけど…・…」
梓「もう、今日は練習を中止して帰った方がよくないですか?」
紬「そうね……一晩経てば、治るかもしれないし」
澪「はぁ、仕方ない。今日のところは帰ろう」
律「すみません。私のために……」
紬「気にしないで、りっちゃん」
唯「りっちゃんは思い出せるようにがんばって!」
律「みなさん、本当にありがとうございます」
澪「じゃあ、戸締りして帰るか」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/16(火) 22:36:40.10 ID:rbm2RIUq0
風呂に入ってきます
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:01:30.33 ID:rbm2RIUq0
廊下
唯「あ、和ちゃん」
和「あれ?今日は練習終わるの早いね」
澪「実は……」
~説明中~
和「それは大変ね……」
唯「りっちゃん、生徒会長の和ちゃんだよ?」
律「のどかさん……」
和「無理に思い出さなくてもいいからね」
律「和さんを見てると、なんだか謝らなければいけないような気になります」
澪「ああ、いつも迷惑かけてたからね……」
律「すみませんでした!」
和「いや……何もされてないし」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:07:11.94 ID:rbm2RIUq0
紬「和ちゃん、何か記憶を戻す方法を知らないかしら?」
和「頭を打って記憶を失ったのよね?」
澪「なさけない理由でだけどな」
和「じゃあ、もう一度頭に強いショックを与えれば……」
梓「職員室に工具箱がありました!」
紬「音楽室のアンプ!」
唯「でっかい花瓶があるよ!」
澪「よーし、じっとしてろぉ、律」←ゲンコツを準備
律「ひえぇぇぇ……」ガタガタガタ
和「……あんたら律を殺したいの?」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:11:17.53 ID:rbm2RIUq0
和「まあ、ショックを与えるのは極端な方法だから……」
紬「やっぱり、自然に戻るのを待つほうがいいのかしら」
和「うん、それが一番だと思うわ」
唯「他に方法はないの?」
和「うーん、言ったことのある場所を巡ってみるとか」
澪「よし、明日は休みだし、いろいろ回ってみよう」
和「大変だと思うけど、がんばってね。私も協力するから」
唯「和ちゃん……ええ人やぁぁぁ!!」
ぎゅー
澪「ありがとう。いろいろ試してみるよ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:20:42.00 ID:rbm2RIUq0
帰り道
紬「じゃあ、私たちはこっちだから」
澪「ああ、律は私が家まで送っていくよ」
唯「ファイトだよりっちゃん!」
律「みなさん、今日はありがとうございました」
梓「では、また明日」
澪「ああ、また明日もよろしく頼む」
田井中家前
律「澪さん、ありがとうございました」
澪「オバさんや聡には私から説明しようか?」
律「いえ、両親や弟には自分で説明しますので」
澪「そうか……じゃあ、私はこれで」
律「はい、明日もご迷惑おかけします」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:25:13.81 ID:rbm2RIUq0
澪「そうだ」
律「?」
澪「携帯に私のアドレスと番号が入ってる」
律「そう言えば、携帯を持っていました」
澪「何かあったら何でも相談してくれ。夜中でもいつでも、遠慮しなくていい」
律「はい、ありがとうございます!」
澪「じゃあ、また明日な」
律「はい、また明日……」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:37:15.15 ID:rbm2RIUq0
翌日、商店街
梓「まずは楽器屋さんに行ってみませんか?」
律「楽器屋さん……」
澪「ああ、よく行く場所だからな」
唯「レッツゴー!」
楽器屋
澪「ほら、よく来てる楽器屋だぞ? 何か思い出さないか?」
律「うーん……」
店員「いらっしゃいませ」
澪「いつもの店員さんだぞ」
梓「実はこの人が記憶を失ってしまって……」
紬「なにか治す方法を知らないかしら?」ニコッ
店員「(紬お嬢様の目が怖い……)」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:42:46.07 ID:rbm2RIUq0
紬「どうかしら?」ニコニコ
店員「(ヤバイ……答えなきゃクビって言いたげな目だ……)」
澪「あの、無理しなくて結構ですから」
店員「す、すみません!お役に立てなくてすみませんでした!」←土下座
澪「いえ、そこまで謝らなくても……」
紬「そうよ、ありがとう」
店員「(今日までありがとうって意味ですかぁぁぁ)」
チーン
澪「店員さん……なんかすごく落ち込んでるぞ?」ひそひそ
紬「きっと大丈夫よ。他のお店に行ってみましょ♪」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:51:21.96 ID:rbm2RIUq0
その後
澪「ハンバーガーショップにその他もろもろ……」
梓「どこへ行っても律先輩の記憶は戻らず」
律「ごめんなさい……私のために……」
唯「そうだ! 私の家!」
澪「そう言えば、クリスマス会とかやったな」
紬「行ってみる価値はあると思うわ」
澪「よし、唯の家に行ってみるか」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/16(火) 23:59:25.24 ID:rbm2RIUq0
平沢家
律・澪・梓・「おじゃましまーす」
憂「律さん、お姉ちゃんから話は聞いています」
律「憂さんにまで迷惑をおかけしてたんですね……」
憂「そこで、治す方法を調べてみたんです」
唯「ショック療法はダメだよ!」
憂「大丈夫。催眠術だから」
澪「催眠術?」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:04:35.81 ID:S1Gf1GY10
憂「律さん、この五円玉の先を見つめててくださいね」
ゆらゆら
憂「リラックスして……思い出してくださーい……」
ゆらゆら
憂「ゆーっくり……記憶を呼び覚ましてくださーい……」
律「……」
唯「……」
バタッ
澪「ゆ、唯!?」
唯「ZZZZZ……」
憂「もー、お姉ちゃんったらこんなとこで寝ちゃって♪ 毛布毛布♪」
梓「律先輩、思い出しましたか?」
律「いえ……何も……」
澪「ダメだったか……」
唯「ZZZZ……むにゃ……」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/17(水) 00:10:09.22 ID:S1Gf1GY10
憂「ごめんなさい、お役に立てなくて……」
澪「気にしなくていいよ。それより、ありがとう」
紬「唯ちゃんは寝かせたままにしとこうか」
澪「そうだな。起こすのもかわいそうだ」
梓「ありがとね、憂」
憂「うん、私も応援してる」
律「あ、あの……」
澪「どうした?」
律「な、何でもないです……」
紬「?」
澪「じゃあ、また。唯のことよろしく」
律「……」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:16:45.60 ID:S1Gf1GY10
紬「でも、どうやったら記憶が戻るのかしら……」
梓「もう、いろんなこと試しましたよね」
紬「このままずっと戻らなかったら……」
澪「……なあ、これから私と律を二人きりにしてくれないか」
梓「二人きりに?」
澪「私と律は小さい頃からずっと一緒だから」
澪「二人だけの時間で思い出すこともあるかもしれない」
紬「……そうね。じゃあ、ここからは澪ちゃんに任せるわ」
梓「では、私たちはこれで」
澪「うん、二人ともありがとう」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/17(水) 00:18:10.89 ID:S1Gf1GY10
律「これからどこへ行くんですか?」
澪「部室だ」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:24:43.15 ID:S1Gf1GY10
部室
澪「あれはお前がいつも叩いてたドラムだ」
律「ドラム……」
澪「座ってみてくれないか」
律「は、はい」
ドラムの椅子に座る律
澪「お前はいつもそこに座ってドラムを叩いてた」
澪「いつも走り気味でさ、力こめすぎて、みんなの調和を乱すんだ」
律「もうしわけないことを……」
澪「でも」
澪「みんな、律のドラムが好きだった」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:31:57.11 ID:S1Gf1GY10
澪「お前とは幼稚園の頃からの付き合いだけど」
澪「ほんとに迷惑ばかりかけれてたよ」
澪「ガサツでふざけてばかりで能天気で」
澪「人の嫌がることを嬉々としてやるんだ」
澪「ホントにどうしようもないヤツだったよ、お前は」
律「……」
澪「だけど……」
澪「私の……大切な……最高の……友達だ」
律「……」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:40:04.00 ID:S1Gf1GY10
澪「今までの思い出、全部忘れちゃったのは悲しいけど」
澪「それでも、律は律だよな」
律「……」
澪「まあ、思い出はゆっくり思い出していけばいいさ」
律「……」
澪「そうだ! 記憶が戻ったら、お祝いにみんなでワンダーパークへ行こう!」
澪「唯もムギも梓も……和も憂も誘ってさ、1日中、思いっきり遊ぶんだ」
澪「フリーパス買って……全部のアトラクション回って……」
澪「そうだ! お前が乗りたがってた超怖いジェットコースター、あれも付き合ってやる!」
律「澪……」
澪「だから……」
澪「私たちのこと……思い出してくれよ……」
律「……くすっ」
澪「……律?」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:43:49.45 ID:S1Gf1GY10
律「くす……くふっ…・・」
澪「り、律……?」
律「くっ……アハハハハハ!!!!」
澪「ど、どうしたんだ!?」
律「み、澪ったら! 真面目な顔で恥ずかしいこといっぱいしゃべって!」
澪「お前……記憶が戻ったのか!」
律「いや、戻ったっていうか……アハハハハ」
澪「お前……まさか!」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:46:50.98 ID:S1Gf1GY10
2日前
ガターン
唯「りっちゃん!」
紬「大丈夫?りっちゃん」
律「いたた……(そうだ、ここで記憶がなくなったフリしたら面白いかも……)」
梓「よかった……血とかは出てないみたいですね」
澪「まったく、だから危ないと言っ……」
律「私は……誰?」
澪「えっ?」
律「ここは……どこ?」
紬「まさか……」
律「みなさん……誰ですか?」
一同「記憶喪失!?」
律「(ウヒヒ……上手くいった)」
律「(よーし、ちょっと遊んじゃえ)」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:50:58.32 ID:S1Gf1GY10
律「それで! ウソって言い出すタイミングがわかんなくてさ! ハハハ」
30分ほど前
紬「唯ちゃんは寝かせたままにしとこうか」
澪「そうだな。起こすのもかわいそうだ」
梓「ありがとね、憂」
憂「うん、私も応援してる」
律「あ、あの……」
澪「どうした?」
律「な、何でもないです……」
律「(どうしよう、どんどん言い出し辛くなってきた……)」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 00:57:04.95 ID:S1Gf1GY10
澪「こんのバカ律!!!」
ボカボカ
律「ハハハ! ご、ごめん! 反省してるっ! ハハハ」
澪「何が反省だ! 涙目になるほど笑ってるくせに!」
ポカポカ
澪「みんなに迷惑かけて!」
ポカポカ
澪「みんなを心配させて!」
ポカポカ
澪「みんなを悲しませて……」
ポカ
澪「ほんとにお前は……大馬鹿だ!」
……
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 01:06:42.66 ID:S1Gf1GY10
律「ハハ……だからゴメンって! すっごい反省して……」
澪「ぐすっ……」
律「……」
澪「ぐすっ…うぅ…」
律を抱きしめる澪
澪「本当に……よかった……」
律「……ゴメン、澪」
澪「ぐす……心配……したんだぞ」
律「うん、知ってた」
澪「もう二度と……心配かけないって約束しろ」
律「うん……約束するよ」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/17(水) 01:08:41.53 ID:S1Gf1GY10
澪「絶対……だぞ」
律「うん」
澪「絶対の……絶対だからな」
律「うん……澪」
澪「何?」
律「ありがとう」
澪「……うん」
律「それと」
律「大好き」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/17(水) 01:13:05.81 ID:S1Gf1GY10
翌日
律「いやー、みんなホントにゴメン!」
唯「もー、りっちゃんったら酷い!」
梓「みんなどれだけ心配したことか! ……グスン」
紬「でも、元通りになってよかったわ」
律「ところで澪、昨日の約束覚えてる?ホラ、ジェットコースターの話」
澪「さあな。忘れたよ」
唯「今度は澪ちゃんが記憶喪失!?」
梓「いや、違いますから」
律「何はともあれ、一件落着♪」
澪「まったく……」
バターン(ドアが勢いよく開く)
さわ子「りっちゃん!」
澪「さわ子先生!?」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/17(水) 01:20:18.01 ID:S1Gf1GY10
さわ子「真鍋さんから話は聞いたわ! 記憶喪失なんですって!?」
律「いや、それは実は……」
さわ子「かわいそうなりっちゃん! でも、もう大丈夫! いいモノを持ってきたわ!」
律「いいモノ?」
さわ子「保健室の先生に調合してもらった、にが~~~~い漢方薬よ!」
律「げっ、何その色とにおい……」
さわ子「これを飲めばショックで何もかも思い出すわ! さあ、一気に!」
律「み、澪! 先生に説明を……」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 01:21:56.00 ID:S1Gf1GY10
澪「よかったな律! これで記憶が戻るぞ!」
律「ちょ……誰か!」
紬「よかったわね、りっちゃん」
唯「りっちゃん、ファイトで飲み干して!」
梓「グビっといっちゃいましょう!」
さわ子「さあ、口を開けて……」
律「ひっ……ひいいいい」
ゴクッ……
律「ぎょえええええええ!!!!!」
おわり
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/16(火) 22:49:57.24 ID:BmW/tYAZ0
風呂出た?まだ?服着なくていいから書けよ
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/02/17(水) 01:28:01.27 ID:S1Gf1GY10
実は
>>15で紅茶があると知っていたこと
>>32で聡と聞いて、すぐに弟だと言ったこと
>>39で会ったばかりの憂の名前を当てたこと
が、記憶を失っていないことの伏線だったりしました
あと、>>25さん
もう……服、着ていいですよね?
ここまで付き合ってくださった方々、本当にありがとうございました
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