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黒子「半額弁当ですの!」
270 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:49:25.89 ID:dm6Eh5Eo [1/11]
佐天「ぐ……さすが上条さん、一筋縄ではいかないか……」
右腕を庇うように、佐天は上条と距離をとる。
戦闘開始から30分。すでに《魑魅魍狼》達は全滅、佐天自身も少なからず疲弊していた。
佐天「ぐ……さすが上条さん、一筋縄ではいかないか……」
右腕を庇うように、佐天は上条と距離をとる。
戦闘開始から30分。すでに《魑魅魍狼》達は全滅、佐天自身も少なからず疲弊していた。
初めは優勢だった。
《魑魅魍狼》による牽制、妨害。そこに東区最強の《幻想創造》の力が加われば、
たとえ《幻想殺し》だろうと圧倒出来る……ハズだった。
しかし弁当コーナーへ近づいた瞬間、形勢は逆転する。
《魑魅魍狼》に事前に弁当を買わせる事で残り一つとなった弁当――
『・――力は無限となる。 四川風激辛スタミナ炒飯』――を視界に入れた上条の攻撃翌力が突如上昇、佐天達を襲った。
一瞬にして《魑魅魍狼》は全滅、佐天も弁当コーナーを死守するので精一杯だった。
肩で息をつき佐天は相手を睨む。
ゆっくりと歩いてくるのは、自分の敵。
倒さなくてはならない、最強の敵。
ごくりと、無意識のうちに唾を飲む。
そして、
佐天「負けない!」
駆けた。
271 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:53:55.05 ID:dm6Eh5Eo [2/11]
《幻想創造》の戦い方は、どちらかというと黒子に近い。
彼女は自分に力がないことを分かっていた。
だから、
佐天(技とスピードで戦う!)
背後に回り込み、連打。
しかしダメージは薄い。
右から振り向きざまに放たれる裏拳を回転に合わせるように左へのステップで回避。同時に回り込む。
再度背後に回ると、今度は足を狙う。
素早く、しかし振り抜くスピードでくるぶしを薙ぐ。
若干バランスを崩した上条に、こちらは姿勢を整えると、肩を入れたタックルをぶちかます。
揺れる。
不動のように見えた上条に隙ができた瞬間だった。
その隙にねじ込むように、佐天は渾身のラッシュを放った。
肩、腰、背、首、後頭部。
肉と骨を打つ音が響き、さらにその上に重なるようにして響き、鳴り止まぬうちにまた響き。
高速のあまり繋がるように聞こえる打撃音が、しかしはっきりとリズムを作る
272 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:55:14.59 ID:dm6Eh5Eo [3/11]
佐天「まだまだ!」
加速する。
つながったまま、テンポが早くなる。
ど、で始まる衝撃音が絶え間なく続く。
無限に続くかと思われたラッシュ。が、
上条「効かねぇよ」
弩、と、これまでとは比較にならない音。
分厚い鉄板を鋼鉄のハンマーで殴りつけたかのような音が響く。
同時、佐天が左後方の地面に叩きつけられていた。
上条が右上方から打った拳が、佐天の頭蓋を打撃したのだ。
佐天「かっは……」
叩きつけられ、しかし立ち上がれない。
敗北。
その二文字が佐天の脳裏を走る。
佐天「嫌だ……嫌ですよ、そんなの」
273 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:56:14.57 ID:dm6Eh5Eo [4/11]
上条「なら立て。言っとくが俺の腹の虫はこんなんじゃ収まらねぇぞ」
言葉とは裏腹に、しかし佐天の四肢には力が入らなかった。
衝撃で、視界が揺れている。
意識も今にも飛びそうだ。
でも、
佐天「負けられない……私は最強になるんだ……貴方に勝って、最強に!」
上条「ならその幻想は、俺が 殺 す 」
その右手を、上条が振り上げる。
トドメだと、彼の表情が告げる。
振り下ろされた。
――上条へと、鉄槌が。
274 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:57:08.47 ID:dm6Eh5Eo [5/11]
ゴルディオン・ハンマー
美琴「雷神王天罰槌ァァァ!」
撃音。
しかし、
上条「甘い技だ」
押し返された。
美琴の手から離れた買い物カゴがスーパーの宙を舞っていた。
美琴「そんなっ……」
間髪入れず、上条の拳が美琴を打つ。
床を転がり、しかし美琴が立ち上がった。
上条「今の攻撃を受けて立ちやがりますか」
美琴「伊達に《雷神》なんて名乗ってないわよ!」
上条「……やっぱり、《トール》ってのはお前の事だったんだな」
美琴「佐天さんから離れなさい!」
佐天「御坂……さん」
275 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:57:54.42 ID:dm6Eh5Eo [6/11]
動けぬまま、佐天がつぶやく。
言いたいことはあった。
セブンスマートでの戦いはどうなったのか。
どうしてこの戦いに間に合ったのか。
そもそも何故来たのか。
何故、私のために、立ち向かってくれるのか。
だから、佐天は問いを放つ。
佐天「何で、来たんですか」
美琴「私、まだ晩御飯食べてないのよね」
ニヤリと、不敵に笑んで美琴が駆けた。
美琴の手に、今やカゴは無い。
だが、打撃はあった。
ひたすら連撃を放つ美琴から声が飛ぶ。
美琴「立って、佐天さん!」
276 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:58:23.47 ID:dm6Eh5Eo [7/11]
しかしその全てを、上条が綺麗に捌き、受け流す。
美琴「佐天さんもまだ晩御飯食べて無いでしょ!」
言われ、佐天は自分が空腹であることを思い出す。
美琴「食べましょう! こいつに勝って、晩御飯を一緒に食べようよ!」
カウンター気味の拳が美琴の頬を掠める。
美琴「力なんてどうでもいい! 強さなんていらない!」
上条の拳を避け、美琴が足払いをかける。しかし身を落としてインファイトを決め込んだ上条には通用しない。
美琴「私は今弁当が欲しい! 半額弁当が欲しい!」
隙を生んだ美琴に上条の拳が突き刺さる。それでも美琴は怯まずに打つ。
美琴「勝って、勝利の一味の入った弁当を! 究極の料理を!」
拳を形作り、美琴が放った。
美琴「食べたい!」
277 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:59:56.59 ID:dm6Eh5Eo [8/11]
衝撃。
上条の体が、一瞬浮く。
上条「な……に……!?」
追いかけ、回し蹴り。上条の体が今度こそ宙に浮いた。
美琴「だから――だから立って! 佐天さん!」
掌底。
踏ん張る事が出来ない上条が、ついに吹き飛ばされた。
上条「くっ……!」
空中で体を捻り、上条がバランスを崩しつつも着地する。
たたらを踏み、しかし体が傾ぐ。
上条「なんて威力だよ」
美琴「本当の《幻想創造》は、私の比じゃないわよ」
佐天はその攻防を見て、思考する。
私が《狼》となったのは、何時だっただろうか。
半額弁当ではなく、戦いのみを求めるようになったのは何時からだったか。
強さに執着するようになったのは、どれほど前だろう。
少なくとも、半額弁当の味を忘れたのは、大分前の事だったように思う。
278 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 14:00:44.93 ID:dm6Eh5Eo [9/11]
食べたい。
あの味を、久しぶりに味わいたい。
口内に涎が湧く。
ひりつくように喉が乾く。
際限なくあふれる唾を飲んでも喉は潤わない。腹は満たされない。
空腹が胃を刺激する。
眠っていた腹の虫が目覚める。
そして、咆哮を上げた。
ぐぅ。
頼りない音だ。
そう聞こえるだろう。
だが、
佐天(私には、狼の遠吠えに聞こえる)
だから啼いた。
否、吠えた。
喉が枯れるまで。
胃液が、果てるまで。
279 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 14:01:13.27 ID:dm6Eh5Eo [10/11]
ビリビリと、胃が震える。
腹の虫の咆哮が、体を震わす。
四肢に力がみなぎる。
足が地面を噛み、背は堂々と反った。
立った。
佐天「お腹が空きましたね、御坂さん」
美琴「もうペコペコよ」
顔を見合わせ、笑う。
それはまるで、狼が牙を剥くようで。
佐天「行きますよ!」
美琴「ええ!」
駆けた。
280 名前:1[] 投稿日:2010/06/12(土) 14:02:07.61 ID:dm6Eh5Eo [11/11]
とりあえずここまで。
今から出かけるので、帰ってきて生きてたら続き投下します。
《魑魅魍狼》による牽制、妨害。そこに東区最強の《幻想創造》の力が加われば、
たとえ《幻想殺し》だろうと圧倒出来る……ハズだった。
しかし弁当コーナーへ近づいた瞬間、形勢は逆転する。
《魑魅魍狼》に事前に弁当を買わせる事で残り一つとなった弁当――
『・――力は無限となる。 四川風激辛スタミナ炒飯』――を視界に入れた上条の攻撃翌力が突如上昇、佐天達を襲った。
一瞬にして《魑魅魍狼》は全滅、佐天も弁当コーナーを死守するので精一杯だった。
肩で息をつき佐天は相手を睨む。
ゆっくりと歩いてくるのは、自分の敵。
倒さなくてはならない、最強の敵。
ごくりと、無意識のうちに唾を飲む。
そして、
佐天「負けない!」
駆けた。
271 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:53:55.05 ID:dm6Eh5Eo [2/11]
《幻想創造》の戦い方は、どちらかというと黒子に近い。
彼女は自分に力がないことを分かっていた。
だから、
佐天(技とスピードで戦う!)
背後に回り込み、連打。
しかしダメージは薄い。
右から振り向きざまに放たれる裏拳を回転に合わせるように左へのステップで回避。同時に回り込む。
再度背後に回ると、今度は足を狙う。
素早く、しかし振り抜くスピードでくるぶしを薙ぐ。
若干バランスを崩した上条に、こちらは姿勢を整えると、肩を入れたタックルをぶちかます。
揺れる。
不動のように見えた上条に隙ができた瞬間だった。
その隙にねじ込むように、佐天は渾身のラッシュを放った。
肩、腰、背、首、後頭部。
肉と骨を打つ音が響き、さらにその上に重なるようにして響き、鳴り止まぬうちにまた響き。
高速のあまり繋がるように聞こえる打撃音が、しかしはっきりとリズムを作る
272 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:55:14.59 ID:dm6Eh5Eo [3/11]
佐天「まだまだ!」
加速する。
つながったまま、テンポが早くなる。
ど、で始まる衝撃音が絶え間なく続く。
無限に続くかと思われたラッシュ。が、
上条「効かねぇよ」
弩、と、これまでとは比較にならない音。
分厚い鉄板を鋼鉄のハンマーで殴りつけたかのような音が響く。
同時、佐天が左後方の地面に叩きつけられていた。
上条が右上方から打った拳が、佐天の頭蓋を打撃したのだ。
佐天「かっは……」
叩きつけられ、しかし立ち上がれない。
敗北。
その二文字が佐天の脳裏を走る。
佐天「嫌だ……嫌ですよ、そんなの」
273 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:56:14.57 ID:dm6Eh5Eo [4/11]
上条「なら立て。言っとくが俺の腹の虫はこんなんじゃ収まらねぇぞ」
言葉とは裏腹に、しかし佐天の四肢には力が入らなかった。
衝撃で、視界が揺れている。
意識も今にも飛びそうだ。
でも、
佐天「負けられない……私は最強になるんだ……貴方に勝って、最強に!」
上条「ならその幻想は、俺が 殺 す 」
その右手を、上条が振り上げる。
トドメだと、彼の表情が告げる。
振り下ろされた。
――上条へと、鉄槌が。
274 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:57:08.47 ID:dm6Eh5Eo [5/11]
ゴルディオン・ハンマー
美琴「雷神王天罰槌ァァァ!」
撃音。
しかし、
上条「甘い技だ」
押し返された。
美琴の手から離れた買い物カゴがスーパーの宙を舞っていた。
美琴「そんなっ……」
間髪入れず、上条の拳が美琴を打つ。
床を転がり、しかし美琴が立ち上がった。
上条「今の攻撃を受けて立ちやがりますか」
美琴「伊達に《雷神》なんて名乗ってないわよ!」
上条「……やっぱり、《トール》ってのはお前の事だったんだな」
美琴「佐天さんから離れなさい!」
佐天「御坂……さん」
275 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:57:54.42 ID:dm6Eh5Eo [6/11]
動けぬまま、佐天がつぶやく。
言いたいことはあった。
セブンスマートでの戦いはどうなったのか。
どうしてこの戦いに間に合ったのか。
そもそも何故来たのか。
何故、私のために、立ち向かってくれるのか。
だから、佐天は問いを放つ。
佐天「何で、来たんですか」
美琴「私、まだ晩御飯食べてないのよね」
ニヤリと、不敵に笑んで美琴が駆けた。
美琴の手に、今やカゴは無い。
だが、打撃はあった。
ひたすら連撃を放つ美琴から声が飛ぶ。
美琴「立って、佐天さん!」
276 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:58:23.47 ID:dm6Eh5Eo [7/11]
しかしその全てを、上条が綺麗に捌き、受け流す。
美琴「佐天さんもまだ晩御飯食べて無いでしょ!」
言われ、佐天は自分が空腹であることを思い出す。
美琴「食べましょう! こいつに勝って、晩御飯を一緒に食べようよ!」
カウンター気味の拳が美琴の頬を掠める。
美琴「力なんてどうでもいい! 強さなんていらない!」
上条の拳を避け、美琴が足払いをかける。しかし身を落としてインファイトを決め込んだ上条には通用しない。
美琴「私は今弁当が欲しい! 半額弁当が欲しい!」
隙を生んだ美琴に上条の拳が突き刺さる。それでも美琴は怯まずに打つ。
美琴「勝って、勝利の一味の入った弁当を! 究極の料理を!」
拳を形作り、美琴が放った。
美琴「食べたい!」
277 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 13:59:56.59 ID:dm6Eh5Eo [8/11]
衝撃。
上条の体が、一瞬浮く。
上条「な……に……!?」
追いかけ、回し蹴り。上条の体が今度こそ宙に浮いた。
美琴「だから――だから立って! 佐天さん!」
掌底。
踏ん張る事が出来ない上条が、ついに吹き飛ばされた。
上条「くっ……!」
空中で体を捻り、上条がバランスを崩しつつも着地する。
たたらを踏み、しかし体が傾ぐ。
上条「なんて威力だよ」
美琴「本当の《幻想創造》は、私の比じゃないわよ」
佐天はその攻防を見て、思考する。
私が《狼》となったのは、何時だっただろうか。
半額弁当ではなく、戦いのみを求めるようになったのは何時からだったか。
強さに執着するようになったのは、どれほど前だろう。
少なくとも、半額弁当の味を忘れたのは、大分前の事だったように思う。
278 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 14:00:44.93 ID:dm6Eh5Eo [9/11]
食べたい。
あの味を、久しぶりに味わいたい。
口内に涎が湧く。
ひりつくように喉が乾く。
際限なくあふれる唾を飲んでも喉は潤わない。腹は満たされない。
空腹が胃を刺激する。
眠っていた腹の虫が目覚める。
そして、咆哮を上げた。
ぐぅ。
頼りない音だ。
そう聞こえるだろう。
だが、
佐天(私には、狼の遠吠えに聞こえる)
だから啼いた。
否、吠えた。
喉が枯れるまで。
胃液が、果てるまで。
279 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 14:01:13.27 ID:dm6Eh5Eo [10/11]
ビリビリと、胃が震える。
腹の虫の咆哮が、体を震わす。
四肢に力がみなぎる。
足が地面を噛み、背は堂々と反った。
立った。
佐天「お腹が空きましたね、御坂さん」
美琴「もうペコペコよ」
顔を見合わせ、笑う。
それはまるで、狼が牙を剥くようで。
佐天「行きますよ!」
美琴「ええ!」
駆けた。
280 名前:1[] 投稿日:2010/06/12(土) 14:02:07.61 ID:dm6Eh5Eo [11/11]
とりあえずここまで。
今から出かけるので、帰ってきて生きてたら続き投下します。
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