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【その3】女「…女になってる…」
1 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 19:11:30.81 ID:kBVDbiI0
前スレ
女「…女になってる…」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1270478601/
【その2】女「…女になってる…」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1270859692/l50
まとめサイト
http://sea-mew.jp/nox/modules/webarc/2ch/ss/1270478601-0.html
前スレ
女「…女になってる…」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1270478601/
【その2】女「…女になってる…」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1270859692/l50
まとめサイト
http://sea-mew.jp/nox/modules/webarc/2ch/ss/1270478601-0.html
12 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/21(水) 03:39:06.04 ID:4b6Q.3I0 [1/3]
~トイレ~
女「…ちくしょぅあの女…勝手に変なコト言いやがってぇ…」ボソボソ
美少女「よっ、」
噂をすればなんとやら、とはまた違うが、美少女が素晴らしいタイミングで来た。
女「う、うぉっ、美少女ちゃんっ。なんでいつもトイレでばったり会うんだ!」
美少女「偶然じゃない?トイレ仲?」
女「…あんま良い響きじゃないね…」
美少女「ま、どーでもいーじゃん。で、キスしなかったのね。」
女「そうそう、それだよ。なんであんな勝手な嘘ついたの?」
美少女「ちょっとしたイタズラかな?」
女「…イタズラにしちゃ度がすぎるよね…」
美少女「で、結局キスはしなかったと。」
女「見てたの?聞いたの?」
美少女「いや、男生徒1の顔みりゃなんとなくは分かるよ。」
13 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/21(水) 05:18:16.27 ID:4b6Q.3I0 [2/3]
女「そんなに違った?いつも通りだと思ったけど…」
美少女「…違ったかな。少しだけど。」
女「よく分かるね。そんなの」
美少女「まぁなんとなくね。で、なんでキスはしなかったの?」
女「いや…なんか…まだ付き合って間もないし…」
美少女「付き合ってもない友1にはヤらせてあげたのに?」
女「……っ」
胸がキュッと締め付けられるような感じがした。
今思えばなんであそこでヤってしまったのだろう。
後々面倒なコトになるというコトは分かってたはずだ。
そのせいで男生徒1には負い目を感じてしまうし、友1に対しては中途半端な、いやそれ以上の期待を抱かせてしまった。
ただ自分の一時的な快楽を求めてやってしまったのだろうか。
違う。違う。違う。違うんだ。
15 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/21(水) 07:07:57.04 ID:4b6Q.3I0 [3/3]
違わない。あの時は体の求めるままに行動してしまったのだ。後先のコトを考えずに。穢れた欲望を満たすために。
美少女「…なに泣きそうな顔してんのよ。別に責めるつもりで言ってる訳じゃないよ。」
後悔してる。何だったんだろう。なぜ、このように悩み、苦しむコトを分かっていながら、あの時思いとどまらなかったのだろう。
女「…あたしってさ…最低…だよね…今更だけどさ…」
美少女「…」
女「…」
美少女「最低だよ。」
女「!!!…………やっぱりそうだよね…はは…」
望んだ答えが帰ってきたが、自分のクズさを認められると、さらに惨めな気持ちになった。
美少女「…あんたはもっとクリーンな子だったのに。それに惹かれて男生徒1はあんたに寄ってきたのに。」
眉間にシワを寄せて美少女が言う。
女「…っ…」
美少女「…だから…バレてないなら男生徒1にはあんたが友1としたコトは絶対に知らせない。それが正しいのかどうかは分からないけど。」
女「…」
美少女「…おっと話が脱線してしまってた。」
40 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/22(木) 03:09:54.89 ID:86FotKQ0
美少女「あたしが言いたかったコトにそろそろ話し戻すよ。」
女「え?うん」
美少女「…あんた男生徒1のキスは拒んだじゃん?でも友1とはキス普通にしちゃったじゃん?」
女「…話…変わってないよね?」
美少女「最後まで聞けって。」
女「…うん」
美少女「…でね?そこでキス出来るかできないかの差が結構大きいとあたしは勝手に思うわけ。」
女「…?どういうこと?」
美少女「…はぁ…だからぁ…馬鹿なの?」
女「…美少女ちゃんよりは成績いいけど?」ムッ
美少女「…いや、そーゆーコトじゃなくて…あんた阿呆だよね…」ハァ
女「あ、阿呆言うな!」
41 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/22(木) 04:50:13.07 ID:ymiXrEQ0
美少女「…まぁとにかく、あたしが言いたいのは、なんで男生徒1とはキスできないのに友1とはできんの?ってコト。」
女「あ…」
美少女「…どうよ」
あれは、あれは……なんでだ。男生徒1にキスされたくないというのは、同性、いや、今は違うが。とにかく、男にキスされるのがイヤだったからだ。
でも…それだったら友1も同じのはずだ。それにも関わらず、一回無理矢理されてからは、その時以降、嫌悪というものはあまり感じなかった。いや、むしろ悦びすら感じていたかもしれない。
女「…」
美少女「…唇ふるふるさせて。なんか言いたいコトあるんじゃないの?」
女「…ぅ…」
美少女「…まぁ、言いたくなきゃ別に言わんでもいいんだけどー。」
女「…」
美少女「…でも…あんたはもう少し自分の気持ちに向き合ってみたほうがいいと思う。」
女「…」
向き合っては、いる。ただ、分かっていないだけなんだ。
42 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/04/22(木) 06:10:38.50 ID:uhnb4gSO [1/2]
今日も俺は男のままか・・・
43 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/22(木) 07:02:22.47 ID:Mxt9NrQ0
美少女「じゃ、あたしはこれで。」スタスタ
女「…」
美少女の言うコトはもっともだ。
でも、まだ分からない。男生徒1は…好きだ。友達として。何より話していて飽きない。
友1は…いつも隣にいるのが普通だった。隣にいてくれると安心する。この体になってから一緒にいる時間は勿論減ったが、それでも機会があれば隣にいったり一緒に帰ろうと誘ったりしてた。
毎回毎回同じようなコトで悩む。結論が出せないかもしれない。
だが今回はは美少女にさっき言われたコトを思い出す
美少女『なんで男生徒1とはキスできないのに友1とはできんの?』
答えを出すのは無理かもしれない。
いや、出したくないのかもしれない。無意識の内で、答えを出すコトを拒否してるのかもしれない。
ここで答えを出したら、罪悪感のような感情に押しつぶされてしまうような気がした。
だって、美少女、お前の出した理屈から自分の答えを導きだしたのなら、その答えは、きっと、きっと俺は…
77 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/23(金) 03:36:22.71 ID:TSAUE7.0
女「…友1…」
やっぱり…そうなのかもしれない。
友1は、出来る限りそのような見方をしたくなかっただけなのかもしれない。
いや、そうなのだろう。
友達だから、親友だからこそ、バリアを張ってたのだ。
越えてはならない一線を超えないために、超えさせないために。
だけども、あの日、そのバリアは、いとも簡単に破られてしまった。
でも、そのバリアが破れた時はとても心地良くて、安心して、温かかった。
だが、破れたバリアの破片は胸に刺さり、それから男生徒1がいちゃついてくるたびに、胸が痛むようになった。
もう、終わりにしなきゃ。
男生徒1は、嫌いではない。だが、やっぱり、「したい」とか、そのような気持ちは生まれないし、むしろ迫られた時には嫌悪感すら湧いた。
79 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/23(金) 04:15:03.05 ID:6BrrRbI0
友1が離れてからは、友1が恋しいと感じるようになった。
友1、親友。
それなのに、そのはずなのに、こんな感情を抱いてしまった。そして、親友だからこそ自分の気持ちを無意識の内に誤魔化してきたのかもしれない。
女「…ぁ…」
もう一つ問題はあった。
女生徒1だ。
女生徒1との関係も、なかなか複雑かもしれない。
女としては、女生徒1は女生徒2と一緒で親友だ。
だが男としての俺は、女生徒1を好いている。そして女生徒1は今でも男である俺のコトを好いている。
ここで友1を取るべきなのか。女生徒1を取るべきなのか。
体は、友1を求めている。心は、二つに別れ、女生徒1と友1をそれぞれ求めている。
81 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/23(金) 07:38:53.82 ID:Se8GqFo0
~教室~
女「…はぁ…」
女生徒1「…どした?そういや、さっきの話の続きなんだけど、」
女「…あぁ…今はいいや…また今度にして…」
女生徒1「えっ、女が聞きたいって言ったんじゃんよー!」
女「…いや、今はそーゆーノリじゃない…」
女生徒2「…どした?なんか帰ってきてから変だよ?」
女「なんでもないなんでも。」
女生徒1「…さては…男生徒1と何かあったんだね?!」
女「…」
半分正解だ。
女生徒2「あぁ、そうだそうだ。何してきたの?」
女「…ぅー、それ言わなきゃダメですか?」
女生徒1,2「ダメですねー」
女「…ぅーん…」
96 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/24(土) 03:43:14.25 ID:IvOh3Zg0 [1/4]
女生徒1「ほらほら、早くゲロっちゃえ」
女生徒2「さもなくば明日、天体観測行った時のあの写真ばら撒くぞ!」
女「あぁぁぁ、それは止めて!」アワワ
女生徒2「撮っててよかったあの写真!ほら、早く言うんだ。」
女「ぅう…」
女生徒1「…ほらほらー、淫乱説がまた広がっちゃうよ~?あ、でもあんなコトしてるウチらもやばいかも。」
女生徒2「…とにかく!あの写真をばら撒かれたくなかったら答えるんだ。ふふふ」
女「わっ、分かったよ。言うよ。言えばいいんでしょ!」
女生徒1「お、ついに女が股を開く気になったかぁ?」
女「股?」
女生徒2「口ね」
女生徒1「え?口って普通に言ったけど?」
女生徒2「いや、絶対、股、って言ったね」
女生徒1「いや、言ってない言ってない!無いって」
女生徒2「言った言った。ね、女?」
女「うん、股って言ったね。」
女生徒1「…とにかく!」
99 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/24(土) 05:40:56.80 ID:IvOh3Zg0 [2/4]
女生徒1「とにかく!その話は置いといて!女の悩みを聞いてあげようよ!」
女「えー、別に聞いてもらわなくてもいいよー」
女生徒2「…写真…」ボソッ
女「いいい言うよ!言うから!」
女生徒1「ほら来た!」
女「うー…」
女生徒2「さあ。」
女「…あのね…」
女生徒1,2「うんうん」
女「…男生徒1のコト…なんだよね…」
女生徒1「…あ…」
女生徒2「…」
女「…うん、もう言っちゃっていいや。聞いて」
101 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/24(土) 08:29:12.57 ID:IvOh3Zg0 [3/4]
女生徒1「…じゃあ聞こうかな」
女生徒2「話して」
女「…なんとなく話見えてると思うけど…」
女生徒1,2「…」
女「分かれようかなーなんて。」
女生徒1,2「…」
女生徒1「…なんで?まだ付き合い出したばっかじゃん!」
女生徒2「…なんかあったの?」
女「いや、別になんかあったとかそんなんじゃないんだ…ただ…そういう関係ではいたくないのかなー…なんて…」
女生徒2「…まぁ…あんたがそれでいいならそれでいいんじゃないの?」
女生徒1「…」
女「…うん…」
沈黙と共に、気まずい空気が流れる。
その空気を変えようとしてか、女生徒2が声のトーンを高くして言う。
女生徒2「誰か他の男に股開いちゃったりしたのかな?」
女生徒1「ちょっとー、もうウチのコトいじるの止めてよー!」
もちろん女生徒2は冗談のつもりで言ったのだろう。
だが…冗談にはなってなかった。
女「…っ…」
102 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/24(土) 09:01:15.58 ID:IvOh3Zg0 [4/4]
女生徒2「…女?」
女「あっ、あははっ!な訳ないじゃん!」
女生徒1「…だっ、だよね!ほらー、女生徒2も変な冗談でウチら困らせないでよー。女一瞬マジな顔になってたじゃん!」
女生徒2「あっ、うん。ちょっと冗談にしては変なコト言いすぎたかもなぁー、ははっ」
女「ほんと困っちゃうよー、あははははww」
女生徒1「あっはははwwははははw」
ちょっと異様な雰囲気かな。
もしかしたら嘘ついてるコトバレバレだったりして。
バレてないよね。うん、バレてないよね?
女生徒2「…ま、仮にそんなコトしてても別に気にする訳じゃないけどねーw」
バレてない…のかな…?
127 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/24(土) 19:31:53.76 ID:twzpdYs0
女「…それ以前にそんなコトしないって~。変なコト言うなぁ~w」
女生徒1「…はははは!」
女生徒2「…でもさ…別れたいって思うってコトは他に好きな人でも出来たってコトかな?」
女「!」
女生徒1「…ははぁーん。その顔は…」
女生徒2「出来ちゃった感じだね~」
女「…」
女生徒2「ここは言っちゃう感じだよね?」
女生徒1「ほらほら、水臭いぞー!」
女「…ぅう…」
女生徒1「ほらほら、言え言え~」ツンツン
女生徒2「言え言えー」ツンツン
131 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/24(土) 20:30:59.83 ID:69ieSbo0
女「…じゃあ…言うよ?」
女生徒1「うんうん!」
女生徒2「早く早く!」
女「…えっと…多分…」
ここで女生徒1の名を出すのはまずい気がした。
女「…友1…かな?」
女生徒1「おおおおお!」
女生徒2「やっぱ!?やっぱ?!そんな気がしてたんだよ!」
女「ちょっと!二人とも大きな声出さないでよ!みんなこっち向いてるし!」
女生徒1「あいやー、ごめんごめん」
女生徒2「ちょっと興奮しすぎたかもw」
女「うーん…」
134 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/24(土) 21:37:30.02 ID:1zXYrdg0
女生徒2「でも…ちょっと男生徒1かわいそうだったり」
女生徒1「たしかにねー…」
女「…」
女生徒1「男生徒1ね、よくウチらにメールしてきてたんだよね。女って何したら喜ぶかな?っとか」
女生徒2「何が好きかな?とかも良く聞いてきてたよねーw」
女生徒1「多分…男生徒1は女のコト本気で好きだったんだと思う。」
女生徒2「ウチもそうだと思うよ。」
女「…うん…」
女生徒2「…だからさ…」
女「…?」
女生徒2「出来る限りスッキリとした別れ方にしてあげてようよ」
女「…うん…」
女生徒1「これからも仲良く居られるようなさ!別れた後に気まずくなったりしないように!」
145 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/24(土) 23:48:23.81 ID:mf3Q.LU0
女生徒2「ま、今は試験のコト考えよ。もうすぐ始まるし。」
女生徒1「そうそう!試験終わったらじっくりと…」
女「そ、そうだね!」
女生徒1「…そういや、試験終わったら文化祭近いね。」
女生徒2「…色々と忙しいもんだね~…」
女「うーん…頑張ってスッキリとした別れ方考えとくよ」
女生徒1「うん、頑張れ!ウチらもいい案が出たら言うよ!」
女生徒2「出来る限り相手を傷つけない言い方…難しいねー」
女「いい答えを出せるように頑張るよ!」
女生徒2「そう言ったからにはちゃんと考えときなよー?」
女「大丈夫大丈夫!」
女生徒1「とりあえず今は試験ね!」
女「お、おう!」
女生徒2「まっじめーだねー」
146 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 00:52:50.99 ID:s0kbGiA0
~自室~
女「…」カキカキ
女「…」ゴシゴシ
女「…ふむ…」
女「…なんかだりぃー…集中出来ないなぁ…」
女「…テストもうすぐなのになんだこの倦怠感…」
女「テストやら色々とストレスの種があるから疲れてんのかな…」
女「…」
女「…風呂でも入れば少しは勉強する気も出るかな?」
女「よしっ、スッキリしてこよーっと」スクッ
149 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 01:17:17.06 ID:SDRF9sc0
~翌朝~
女「…」zzzz
女「…んぅ……」
女「…」パチパチ
女「…最悪だぁ…」
パンツがベチャベチャする。
漏らしたか。15歳にもなって漏らしたか…
女「…しかも怠…」
女「…とりあえずトイレ行って処理しよ…」ペラ
布団を捲ると、パジャマがしっかりと濡れていた。赤く染められて。
女「…そーいえばそろそろそーゆー時期だったか…」アチャー
女「…処理めんど…」
151 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 01:41:42.38 ID:49CaREs0
女「…」フキフキ
女「…」
女「…昨日ナプキンして寝ればこんなコトには…」
女「…」
女「まぁ、周期とかまだよく分かってなかったし…それ以前に生理の存在自体忘れてたし…」
女「…あぁぁ怠ぃ…」
女「…めんどっ、ママに頼めばいいや。」
女「…そういえばしばらくシーツ替えてなかったし。洗うにはちょうどいい機会になったかな」
女「ここまで血でベシャベシャになってたらだいぶ前に友1とヤった時の血も…」
女「…相当長い間シーツ替えてなかったな…」
女「…あれ?整理来たってコトは…妊娠は…してない!」
女「よっしゃー!」ピョンピョン
女「…うわ、怠…」
153 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 04:19:34.19 ID:9/Li/mg0 [1/2]
~休み時間、教室~
女「」ヘター
女生徒1「…どうした?なんかあったか?」
女生徒2「何その格好、ダレすぎでしょw撮っとこw」
女生徒1「ありゃりゃ、女生徒2の女フォルダに新たなる画像が追加されるか」
女「…」ムクッ
女生徒1「あ、起きた。」
女「…あたしの…画像フォルダ?」
女生徒2「そうそう、弱みを握るためのw」
女「…弱み?」
女生徒1「そうそうw」
女「…例えばどんな画像が入ってんのさ…」
女生徒2「ふふっ、知りたい?」
女「…」コクコク
155 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 04:51:27.85 ID:9/Li/mg0 [2/2]
女生徒2「えいっ☆」
女「…」ジーッ
女「…」
女「…ぁ…あぁ…」アウアウ
女生徒1「はっはw」
女生徒2「予想通りの反応してくれるねw」
はっきり言って、裸を撮られたりしてるようなやつは無かった。
一瞬ドキっとした写真があったが、よく見たらたいしたコトがないやつばっかりだった。
リコーダーを吹いてる写真の、リコーダー部分にモザイクをかけてるような下らない物まであった。
女「ちょっと!一瞬マジでドキッとしたじゃん!」
女生徒2「ははははww」
女生徒1「ぷっ、くくくくくw」
女「うわっ、この写真とかいつ撮った?全然記憶にないけど」
女生徒1「前の天体観測の時の朝に、女がなかなか起きないからつい撮っちゃったw」
女生徒2「ここまでマヌケなツラよく出来るよねぇ。うん、感心した!」
女「うわぁぁぁ!!!消せ消せ消せ消せ!!!」ブンブン
156 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 07:22:02.04 ID:0ouOlOc0
女生徒1「おっ、元気出た?」
女「…疲れたー、怠い…」ヘナヘナ
女生徒2「怠いの?風邪?それともそーゆー日?」
女「…そーゆー日…」
女生徒1「あちゃー、そっちか。この時期に来ちゃうとか災難だねー」
女生徒2「女って重傷?それとも軽度?」
女「うーん…多分…普通?」
女生徒1「うぁー、普通とか分からねー!ウチが普通?女生徒2が普通?女が普通?」
女生徒2「それに関しては誰にも分からない話だねー。ましてやオトコになんて絶対。」
女「あー、そうだねー、オトコにゃ絶対に分からん辛さじゃけんねー」
女生徒1「なぜに方言?」
女「分からんぜよー」ヘラヘラ
女生徒2「…あんた中途半端な方言使うの止めときや?聞いてるこっちがイライラしてくんねん…喋るならウチの関西弁ぐらいはしゃべりぃや!」
女「え」
女生徒1「女生徒2ちゃんはお母さんが奈良人だから関西弁しゃべるんよー」
女生徒2「そ、知らなかったしょ」フフンッ
女「へー、」
160 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 08:53:22.97 ID:bpw/opQ0
キーンコーン
女「あ、鐘鳴った。」
女生徒2「じゃ、また後で。」
女生徒1「じゃねー。」フリフリ
結局その後、普通に授業が始められたのだが、集中がなかなか続かなくてイライラした。
女「…怠い…」ボソッ
このまま無理して授業受けんのも辛いなー…
前、生理が来たときここまで辛かったっけ?覚えてないや。
うわー、全然先生が何言ってるか分からねえ。やっぱこのまま授業受けてても意味無いな。うん。
女「…先生」スクッ
数学教師「?女、どうした。」
女「…怠いんで保健室行ってきます。」
数学教師「おぉ、そうか、行ってこい。」
女「…」タッタッタ…
171 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 18:18:14.31 ID:fZgsjOg0 [1/5]
~保健室~
コンコン
保健職員「どうぞー」
ガラガラ
女「…失礼します…」
保健職員「あら、どうしたのそんなグッタリして。」
女「…ちょっと具合悪いんで横になってていいですか…?」
保健職員「あぁ、どうぞー。そこのベッド空いてるから寝てていいよー」
女「…ありがとうございます…」コロン
女「…うぅ…」
あ、そろそろナプキン変えなきゃ
女「…ちょっとトイレ行ってきますね?」
保健職員「どうぞー」
女「…」フラフラ
172 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 18:53:42.41 ID:fZgsjOg0 [2/5]
ガラガラ
保健職員「あら、おかえり。」
女「…ただいま…」フラフラ
女「…」コロン
女「」
保健職員「その体になってだいぶ経ったね。」
女「え?あ、はい」
保健職員「慣れた?」
女「…とっくに慣れましたよ…」
保健職員「女の子ってのも割と大変でしょ。」
女「…ですね…生理とかサイアク…背が低いと満員電車の中で潰されそうになるし…痴漢にはあうし…体力無くなってるし…」
保健職員「ま、でも可愛いだけで得してるってコトはあるんじゃない?」
女「うーん…あんま無いですね。」
174 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 19:35:18.34 ID:fZgsjOg0 [3/5]
~自宅~
女「ぁう~、だりい~」ヘナヘナ
女「…全然勉強する気になんねーな…」
女「…怠いけど薬飲むのはまだ早いよなぁ…。」スクッ
女「…試験…大丈夫かな…」
女「前の生理は…えっと…4日間ぐらい続いたんだっけ?」
女「…今回も四日続くとしたら、えっと…」
女「やっべ、ギリギリ数学のテストの日と重なるじゃん!」
女「あぁぁぁ…」
女「まぁ…クスリ飲んで少しでも楽にしなきゃな…」
女「…少しでも楽になるコトを祈る!」グッ
177 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 20:04:20.42 ID:fZgsjOg0 [4/5]
~数学テスト終了~
女「」
女生徒1「…女?大丈夫?」ユサユサ
女「」グワングワン
女生徒2「まぁ…たまにはこんなコトもあるさ。」
女「…薬飲むの忘れたとかもう…あぁぁぁ!折角勉強したのにぃぃぃ!!!」
女生徒1「そんなに辛かったの?」
女「まぁ…ピーク程ではないけど…でもしっかり集中は出来んかったよ…」
女生徒2「アンラッキー!」
女「まぁ…そろそろ終わる頃だと思うし…」
女生徒1「それはともかくお昼どうする?一緒にファミレス行かない?テスト勉強も出来るし!」
女生徒2「あっ、いいねぇ!行く行く!女は?」
女「ごめんあたしパス。おにぎり持ってきてるから。それに怠いから早く帰りたい…」
女生徒1「ちぇっ、つれねぇなぁ!ま、いいや。じゃ、明日ねー!」
女「じゃね、また明日。」フリフリ
182 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 22:51:40.35 ID:fZgsjOg0 [5/5]
~試験全科目終了後~
女「ひゃっふー!!!ようやく試験終わったぁ‼」
女生徒1「よっしゃぁー!!!」
女生徒2「あああああ…絶対今日の問4ミスったぁぁぁ…あんな簡単だったのに計算ミスしたとか…」プルプル
女「えっ、あそこミスったの?だっせw」
女生徒2「うるさい、誰にだってミスぐらいあるわ!あーもう、あんたずっと生理痛続いとけば良かったのに…」
女生徒1「あれの答えって350mlだよね?」
女生徒2「あぁぁぁ!ミスって400にしてたんだよぉ!あぁもう言わないでぇぇ」
女「え?あれって400じゃないの?」
女生徒1,2「え」
女生徒2「ちょっと待って、あんたウチと同じ間違いしてんじゃないの?」
女「え…あ…」
女生徒2「…だっさw」
女「う、うるさいっ!」
189 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/26(月) 01:46:36.63 ID:XI.RnfM0
~翌日~
教師1「文化祭の準備を始めます!」
オオオオオォォォォー
男生徒1「ちょっと待って下さいよ先生!準備って言っても何するかすら決まってないじゃないですか!」
教師1「だからそれも今から決めるんじゃんよー」
「えー、何するー?」
「はいっ!はいっ!先生!俺に案があります!」
「俺部の出し物があるから出れねー」
「なんかワクワクするよね!」
女「文化祭かぁ」ワクワク
教師1「じゃあこれから案とるよー!静かにしてー!」
191 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/26(月) 05:49:47.32 ID:eF84cBw0 [1/6]
~翌日~
教師1「だれか意見ある人いる?」
オタ「はいっ!」
教師1「はい、オタ君。」
オタ「めいっ、メイド喫茶がイイと思います!」
女生徒3「えっ、ちょっとなに言ってんの?!」
女生徒6「ちょっとふざけないでよーww」
オタ「ぐふふww」
男生徒2「え、ちょっと待て。オトコもメイド服来んのか?」
女生徒7「あ、男子もやんなら別にやってもいいかもw」
男生徒3「萌え~w」
女「…」
女「ハァ…」
んなの通る訳ねえだろ。ぜってーやんねぇよ…
教師1「じゃあ他に案はある?」
男生徒8「はーい」
192 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/26(月) 05:58:58.23 ID:eF84cBw0 [2/6]
・・・・・・
結局最終的に
メイド喫茶
お化け屋敷
演劇
マジックショー
カジノ
という五つの案が出た。
ここは勿論お化け屋敷だろう。
教師1「じゃあ、多数決を採るよー。配られた紙切れに自分の希望する案を書いてねー。友達と相談とかしないで自分のやりたいもの書くんだよー!」
ガヤガヤ
配られた紙に何の躊躇いもなく、お化け屋敷、と書いて先生に出す。
周りを見ると、まだ迷っている者もちょこちょこいた。
女「…フッ」
普通に考えてお化け屋敷が一番多いだろう。
教師1「よーし、みんな出したねー?じゃあ今から集計とるよー。」
ワイワイガヤガヤ
193 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/26(月) 06:12:12.87 ID:eF84cBw0 [3/6]
教師1「…集計…が出ました!覚悟はいいかい?」
女生徒1「おー、」
女生徒4「早く早く~」
オタ「…」ニヤリ
教師1「じゃあ票が少ないものから言っていきます。」
教師1「ビリ、演劇。5票。」
男生徒1「すげぇ、5人もしたいやついたのかよw」
美少女「…」
教師1「四位、カジノ。7票」
男生徒1「えええぇぇぇぇ!!!マジかよ!少なくね?もっと乗ってこいよ!」
教師1「男生徒1くん、静かに!…三位、マジックショー。8票。」
女生徒1「…くっ…」
女「?」
予想外にメイド喫茶案が強いな。まぁ、お化け屋敷にゃ敵わんでしょ。
教師1「では!もういいや、この際一位を言っちゃおう!一位!13票!」
わくわく
教師1「…メイド喫茶…です…」
ええええええええええええええええ
196 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/26(月) 06:19:57.96 ID:eF84cBw0 [4/6]
男生徒1「えええええぇぇぇぇぇ」
女生徒4「ちょっと待ってよ!あり得なくね?クラスの四人に1人以上の確率で入れたってコト?」
女生徒1「ちょっとぉ!誰だよ、投票したやつ~!」
男生徒2「ゴメン、ノリで入れたw」
男生徒5「俺もw」
男生徒4「まさか皆同じコトを考えていたとはw」
教師1「ついでに言っておくとお化け屋敷は11票ね。惜しい!先生もお化け屋敷やりたかった…」
女「…」プルプル
女生徒2「うわぁ、サイアク~w」
畜生、なんでお前ちょっと嬉しそうなんだよ。普通お化け屋敷だろ。
せっかく貞子やろうと思ってたのに。せっかく鏡の前で練習してたのに。
199 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/26(月) 06:32:21.10 ID:eF84cBw0 [5/6]
~放課後~
女「…」
女生徒2「いやぁ~、メイド喫茶かぁ。やだなぁ~。誰だよ票入れたの~、女か?女なのか?」ウキウキ
女生徒1「…マジック…」
女「…貞子…」
女生徒2「あぁあ~、メイド服買わなきゃなんないなぁ~。ほんと恥ずかし~、サイアク~w」
何が『サイアク~w』だよ…
ぜってえお前票入れてるよね?なんでちょっとスキップみたいな歩き方になってるの?普段ちょっと大人ぶってるのに何で今日はそんなにウキウキしてんの?
女生徒1「…はぁ…マジック…」
いや、マジックとかこの際どうでもいいから。
女生徒2「三週間で準備しなきゃダメとかつらーいw」
もううるさい。貞子がよかったのに!
女「あたしは絶対にメイド服なんて着ない!」
201 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/26(月) 06:41:23.61 ID:eF84cBw0 [6/6]
女生徒2「しょうがないよ~、決まっちゃったんだから~ww」
女生徒1「…ぅうマジック…」
女生徒2「ほんと男子はノリとか言っちゃうから困るw」
女「…」イライラ
女生徒1「…はぁマジック…」
女生徒2「今週末、渋谷の○急ハンズ行かない?衣装買いに。」
女「…絶対に買わないし着ない…」
女生徒1「○急ハンズってマジック用品沢山あるよね!行こう行こう!」
女「…とりあえずついてく…」
女生徒2「~♪」
226 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/27(火) 03:52:51.50 ID:8ReXbpQ0
~翌日~
オタ「…やはり俺の計画どおりノリだけで票を入れたヤツがいたな。最初からこうなるコトは見えていたのだよ諸君w」
オタ2「さすがでござるww」
オタ3「メイド姿ww美少女たんのメイド姿に女のロリメイドww」
オタ1「ノリとか言ってるやついたけど多分あいつらの中に女子のメイド姿みたかったやついるよねww」
オタ2「あるあるww」
・・・・・・・・・・・・・
女生徒1「…盛り上がってるね…」
女「…絶対着ない…」
女生徒2「~♪」
女「こんなコトになるなら部活入っときゃ良かった…」
228 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/27(火) 05:43:18.67 ID:cX9UVXE0 [1/3]
~日曜、○急ハンズにて~
女生徒2「えっとー、パーティー用品売り場に多分あるから~」スタスタ
女生徒1「おっ、マジックグッズ発見!ちょっと見てこ~!」
女「おぉ~、ここ来たのなんて久しぶりだからワクワクするぜ~」
女生徒2「なんだー、女もなんだかんだで乗ってんじゃん」
女「メイド服とかそーゆーのじゃなくて他の物見たいの。文房具とか。」
女々しいとか思うかもしれないが、俺は男の頃から色ペン集めが好きだ。
女生徒1「ちょっと待ってよー、ウチこっち見ときたいのにぃ~!」
女生徒2「ほら、先に買わなきゃいけないもの揃えちゃった方がいいって」
女「じゃ、それ終わったらペン見に行こ。」
女生徒1「えー、その前にマジックグッズだよー」
女生徒2「どーでもいいからパーティーグッズコーナー行くよー」
231 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/27(火) 06:01:06.70 ID:cX9UVXE0 [2/3]
女生徒2「ついに見つけた。ここだね」
女生徒1「あ、パーティーグッズのとこにもマジックキットあんじゃん。わーい」
女「おお、なんだこのワクワクする空間は!」
女生徒2「わーい、メイド服はっけーん」
女生徒1「二人とも、見て見てw」
女、女生徒2「?」
女生徒1「ア~フロ~ww」ボンッ
女生徒2「…」
女「…あんま似合ってないね…」
女生徒1「…ちょっとぐらいノってくれぇ…」
女生徒2「あ、メイド服発見。」
女「うへぇ」
女生徒1「無視しないで!」
232 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/27(火) 06:58:40.73 ID:cX9UVXE0 [3/3]
女「…」
女生徒2が見つけたメイド服を手にとってみる。
パーティー用品の中から見つけた物なので、いかにもな包装に包まれていた。
女生徒2「…なんか安っぽくね?」
女「…だね…」
女生徒1「あ、あっちにもなんかあるっぽいよー」
女生徒1が指差す先には、服屋のようにハンガーに掛けられたコスプレ用?みたいな服がわんさかあった。
女「…どうみても…異様な雰囲気醸し出してるよね…」
女生徒1「うーん…まぁ…普通だったらあんまり近づきたくない感じかもね…」
女生徒2「…気にしない!さぁ行こう!」グイグイ
女「痛い痛い!関節抜けるから腕そんなに強く引っ張らないで!」
女生徒1「えー、行っちゃうのかよ~。ま、いいや。ついてこ。」
247 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/28(水) 01:47:04.79 ID:rgFhXKE0
女生徒2「うーん」ガサガサ
女「…」
女生徒1「おっ、いい物発見!ねぇ女、見て見て」
女「?」
女生徒1「じゃーん。なんかこの帽子かぶるとマジシャンっぽくね?」
女「おおっ、ぽいぽい!」
女生徒2「あ、いいのみつけたかも。これ似合うと思う?」
女「知らね。」
女生徒1「似合うんじゃないの?」
女生徒2「ちょっと試着してくる。」
女生徒1「あっ、試着室あっちにあったよ。」
女生徒2「行ってくるねー」タッタッタ
女「…スキップスキップらんらんらん、って感じだね。」
女生徒1「今の女生徒2は輝いてるね!なんか。」
249 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/28(水) 04:33:26.05 ID:wzLvF/s0
女生徒2「じゃーん」
試着室の前でしばらく待っていると、メイド服を着た女生徒2が出てきた。
女「おお、」
女生徒1「わお!」
女生徒2「似合ってる?」
女「うん、以外と似合うかも!」
女生徒1「以外とね~」
女生徒2「以外って何よ!」
女生徒1「だって女生徒2っていつもクール気取ったりしてるタイプだし~wwメイド服とかなら普段からフリフリしたヤツ着てる女の方がイメージ的には合う。」
女「フリフリしたのは好きだけどメイド服は絶対に越えてはならない一線だと思うんだ。」
女生徒1「ま、とりあえず女のも探してみよっか。」
女「いらない!本当にいらないから!」
女生徒2「…ちょっとはウチについてのコメントしてくれてもいいと思うんだ、もうちょい…」
251 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/28(水) 06:11:46.27 ID:2IbJZnI0
女生徒2「…反応がいまいちだから他のも試そ…あ、ついでに女と女生徒1も試してみたら?」
女「わたしはいいです。」サササ
女生徒1「あ、あたしはスーツ着てシルクハットかぶってマジシャンになるから。」
女生徒2「え、でもそれ認められないんじゃない?」
女「うんうん」
女生徒1「それ以外買う気はウチには無いぞ!」
女生徒2「んな滅茶苦茶な…まぁ良いや、女、あんたの探すよ。」
女「えっ、あたし…あたしもスーツ着るよ!」
女生徒1「え、女スーツ持ってんの?あたしは昔調子のって買っちゃったやつあるからそれ着るけど。」
女「え?今から買いに行くんじゃないの?」
女生徒2「はしごすんのめんどくさいからここでメイド服決めようね~」
女「うぅ…」
309 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/28(水) 21:49:36.77 ID:SOTbOPQ0 [1/2]
女生徒2「はい、じゃ、とりあえずこれ着てみて。」グシグシ
女生徒2が一番近くに掛けられていたメイド服を俺に押し付けてきた。
女「え、ちょっと、止めてよ!」
女生徒2「いいからとりあえず着なって」グシグシ
女生徒1「とりあえず着てみたら?」
女「とりあえずなんて気持ちではやってはいけない気がする!」
女生徒2「…着ないってコトは文化祭をサボるってコトかなぁ?」
女「いや、そーゆー訳じゃ…」
女生徒1「あ、でもそーゆーコトになるかもね。」
女生徒2「内申下がるよ~」
女「わ、分かったよ!着りゃいいんだろ、着れば!」
女生徒2「そゆことっ」ニコッ
316 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/28(水) 22:00:54.78 ID:SOTbOPQ0 [2/2]
渡されたメイド服を見てみる。
黒と白のティピカルなヤツだ。
フリフリが付いていてなかなか可愛いのだが、これを着たらもう終わりな気がする。
何が終わるのかとかはよく分からないが、とりあえず何かが終わる気がする。
女「…」ジーッ
女生徒2「ほらー、そんなにじっとしてないで早く着てきなよー」
女生徒1「わくわく~」
女「…わ、分かったよ…着てくるから…」ノロノロ
重い足を試着室に向けて一歩ずつ動かす。
女生徒2「さぁっ、たっのしみだなぁ~」
女生徒1「どんなきゃわいい姿で出てくるかな~」キャピキャピ
女「…」ノロノロ
320 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/29(木) 00:12:59.94 ID:ifnwofA0
~試着室~
女「…」
このメイド服を今から、メイド服を…
女「…」キリッ
着て…着てやるよ!
女生徒2「まだぁ~?」
女「うっさい!今から着るとこじゃ!」
女生徒1「女~、キャラ変わってるよ~ww」
女「いいから待っといて!」
服を脱いで下着姿にまでなる。
女「…」
いざ着ようとなると、どうしても躊躇ってしまった。
女「…これを着て…これを着て…なんぼのもんじゃぁぁぁ!!!」
女生徒2「なんか女の変な声が聞こえるww」
女生徒1「ははははww」
322 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/29(木) 00:36:56.94 ID:yXtwU1A0
着替えてる時、なぜか泣きそうになった。
親が見たら絶対泣くよね。
これを着た時点でもうなんかよく分からないけど越えてはならない一線を越えてしまった気がする。
着るのに苦戦しながらも、しばらくしてしっかりと着替え終わったので試着室を出る。
女「…」シャッ
女生徒2「!」
女生徒1「お、」
女「…」
いきなり女生徒1が俺の頭を掴み、抱き寄せてきた。
女「ふわっ?!」ブワッ
女生徒1「かわいいいいいいいyyyyyyyy!!!!!!」ギューッ
女生徒2「これは…なかなかいけたりして…」
女「むぅっ…女生徒1…!むぐっ…苦しっ…」バタバタ
女生徒1「かぁわいいいいい!!!!ウチのぬいぐるみコレクションに追加したいいいいい!!!!」ギューッ
女生徒2「女生徒1、落ち着こうよ。女なんか死にそうになってる。」
女「~~‼」バタバタ
323 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/29(木) 01:04:09.79 ID:CUIsBVo0
女「はぁ…はぁっ…」ゼエゼエ
女生徒1「ごめんごめんwでもホントに女カワイイよ~」
女生徒2「萌え~だね。」
女生徒1「萌え~ですねw」
女「むぅ…」
女生徒2「そういえば女はもう鏡見た?」
女「試着室に鏡なかったからまだ。」
女生徒2「見てごらんよ。びっくりするよ」
女「うん」テクテク
鏡の前に立ち、映った自分を見る。
女「おぉ…」
鏡には、まるでアニメ?とかマンガから出てきたようなカワイイ女の子が立っていた。いや、まぁ自分なんだけど。
女「萌え~…だね…」ポッ
女生徒2「自分で言うようなコトじゃないよねww」
女「えへへ…」
女生徒1「かあいいいいいいよぉぉぉぉ」
330 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/29(木) 07:03:31.99 ID:3YGdTLY0
女「…うん、悪くないかもしれない。」
女生徒2「越えてはならない一線というヤツを越えてしまった訳ですね。」
女生徒1「なんだろう、この気持ち。」
女「値段は別に気にしないから買っちゃえー」スタスタ
女生徒2「このブルジョアめ~。いいや、ウチもこれ買おっと」ヒョイッ
女生徒1「なんだかとっても切ないのです。」キュッ
女生徒2「あ、女生徒1もその帽子買いにレジ行こ?」
女生徒1「あぁこの気持ち…なんだか胸が…」モジモジ
女「おーい、女生徒1ちゃーん。」バシッバシッ
女生徒1「はっ、違うところに飛んでた。それより女、痛い。痛い!おしり叩かないでよ!」
女生徒2「うわー、女ってそーゆー趣味かよ…引くわぁー…」
女「いや、、そーゆー訳じゃないって。」
女生徒1「危ない性癖だねぇ…」イタタタ‥
356 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/30(金) 00:49:12.08 ID:EckOaMU0
女生徒2「ほっほっ、買った買った。」
女生徒1「買ったねぇ。」
女「うん、買った買った。あっ、」ピタッ
女生徒1「?どした?」
女「な、なんでもないよ」
女生徒2「変なヤツぅ~」
今更になってまずいコトに気づいた。
こんなん買ったコト母にばれたら死ねる。いや、むしろ死なれたりして。
やばい、マジでヤバい。
なんか変な汗かいてきた…
女生徒2「おーい、女~、もっと速く歩け~」
女生徒1「?あれ?なんか顔色悪いよ~?疲れた?」
女「いや、別に何でもないんだ。」
女生徒1「ホント?だいじょぶ?なんならそこら変で休んでも…」
女「ぜっ、全然大丈夫だって!ほら、帰ろ?」
女生徒2「いいの?まぁイイなら普通に帰るか。」
360 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/30(金) 01:34:24.45 ID:LHAB.uY0
ガチャ…
女「…ふぅ…ただいま~」
母「おかえり~。」
リビングの方から母の声が聞こえてきた。
リビングに入る前に自室に向かう。 買った物を見られたりしたら死んじゃう。
階段を上がりながら考えていると、また一つ恐ろしいコトに気付いた。
俺の部屋には、定期的に母が選択した俺の服などを箪笥にしまいにくる。
箪笥に例のメイド服を隠すコトは断念しなければならないようだ…
女「…どうしよう…」
フリフリしたメイド服はやはりかさばり、隠し場所に困った。
無理矢理押しつぶせば入りそうな箇所もあるが、押し潰してシワシワになってしまってもアイロンを掛けられないので止めた。
女「…あ、」
ベッドの下に調度イイスペースがあるじゃないか。
368 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/30(金) 03:32:05.00 ID:6jtUuV60
女「…」
女「…せっかく買ったんだしもう一回着るか、」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
女「やっぱカワイイなぁ~」クルクル
メイド服に着替え終わった後、鏡の前で回ってみせる。
女「…ふ、ふふふふ…」
なんだ、悪くないじゃないかメイド服だって。
変な偏見を持っていて損した。こんなコトならもっと前から着ていてもよかっ
コンコン
女「!」ビクッ
突然誰かがドアをノックした。母だ。ヤバい。ヤバい。ヤバいヤバいヤバい!
ガチャ
あぁ、開けないでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!
母「はい、洗濯したからこれ。…ってなんで布団に篭ってるの?」
女「いやぁ、やっぱ布団って気持ちいいなぁ~、って思って…」エヘヘ‥
母「そんな外出した後にお風呂にも入らないで布団に入らないの。汚れるわよ?」
女「…だって…気持ちいいんだもん…」
ホントはめっちゃ暑い。
369 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/30(金) 05:01:14.32 ID:P5wqwx20 [1/4]
母「いいから出なさい。」
女「いいじゃんかよ!俺の布団だろ!」
母「洗うのはママでしょ!出なさい!」
女「やだ!ママがこの部屋出てよ!」
母「もうこうなったら力ずくで…」ガシッ
女「あっ、布団剥ごうとすんなよ!」グググ
母「むぬぬ…」グググ
女「ぐぬぬ…」グググ
あぁ、ダメだ。力負けする。このままじゃ…
女「分かった分かった!出るから!出るから!」
母「早く出な。」
女「…ぅう…」ノソノソ‥
女「…」カアア///
母「」
372 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/30(金) 06:00:56.85 ID:P5wqwx20 [2/4]
女「…」モジモジ
母「」ポカーン
女「…ごめんなさい…」モジモジ
母「え?」
女「…ごめんなさい…」ショボーン
終わったな。俺の人生。終わった。マジで終わった。
ああぁ、目を合わせられない。
顔に血が上ってきてくらっとしてきた。
もういっそこのまま死んじゃえばいいのに、俺。
女「…ごめんなさい…」
母「…別に謝るコトじゃないでしょ…」
女「…」
母「…今日はそれを買いに行ってたの?」
女「…」コクリ
母「…まぁ…カワイイじゃない。」ニコッ
女「…え…?」
375 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/30(金) 06:52:31.21 ID:P5wqwx20 [3/4]
母「まぁ…そういう趣味があっても別に否定はしないよ。少なくとも今の状態だとね。」
女「…しゅ、趣味とかじゃない!これは…その…文化祭でそーゆーのやるコトになったから…」
母「あら、そうなの?それなら最初からそう言えば良かったのに。」
女「…うん…」
母「凄いにあってるよ。かわいい。」
女「…うん…」
母「文化祭、楽しみだね。」
女「…うん…」
母「じゃ、ママは下戻って夕飯の準備してくるからね。」ガチャ、ギィ‥
女「…うん…」
バタン
女「…」
良かった。理解してもらえて(?)
…まぁ、少なくともこれで隠す必要はなくなったし。
やっぱママは分かってくれるもんだなぁ。うん。
378 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/30(金) 07:45:22.86 ID:P5wqwx20 [4/4]
~翌日~
女「文化祭の準備っても何やりゃいいんだろーねー?」
女生徒1「言われたコトやりゃあいいんじないの?」
女生徒2「でも何も言われないね~」
女「オタ達輝いてるね~」
女生徒2「えっらいエネルギッシュだよね。運動してない分変なところでエネルギー発散してない?」
女生徒1「ぁー、言えるかも~ww男生徒1とか運動やってる分か知らんけどなんか冷めてるよね~」
女「あいつはカジノ出来なかったからじゃないの?」
女生徒2「あぁ~、そうだね。ダレまくってるしww」
女生徒1「まぁ、多数決だから仕方ないよね。ウチは当日勝手に教壇に上がってマジックするからww」
女「うわぁ、迷惑なヤツだね~」
女生徒2「昨日買った付け髭も付けるの?」
女生徒1「あったりまえじゃん!当日はマジシャンのお爺さんみたいな感じにするよー。」
女「もう勝手にどうぞ~」
女生徒1「女ひでぇ!メイドの癖にぃ~!」
女「メイド喫茶、ですから」フフン
404 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/01(土) 13:30:11.61 ID:jIX5qH20 [1/2]
女生徒2「あはは~」
オタ「おーい、女ちゃ~んwwメイドやるよね?ちょっとこっち来て~ww」
女「うげっ、呼ばれた。ちゃん付けすんなし…」
女生徒1「女ちゅぁ~ん!来てぇ~‼ww」
女「似てる似てるww」
女生徒2「ほら、あんまりオタをいじめたんな。あれでもいいヤツなんだから、結構。」
女「へーい」
オタ「おーい、早く~」
女「待って~、今行く~」タッタッタ
女「何?」
オタ「いや、女ってメイド喫茶に出るでしょ?だから色々と伝えなきゃならないコトがあってねww」
女「ふーん、で、何?」
オタ「ほら、メイド服とか買わなきゃダメでしょ?」
女「あ、それならもう済ましたよ。」
オタ「おぉ!wwwwやる気満々だね!wwwwww」
女「…」ムスッ
なんか一気に嬉しそうになったな。
言わなきゃよかった。
オタ「じゃあさ、客が来た時のための練習もしとこっかww」
女「!」
405 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/01(土) 13:31:21.04 ID:jIX5qH20 [2/2]
そうだ、完全に忘れていた。
最大(?)の難関はそれだ。
メイド喫茶なのだから、勿論来た客には歓迎として例の言葉を発するのだろう。
女「むっ、無理!」カァァ///
オタ「え?でもそれが出来なきゃなんにも出来ないじゃん!」
女「…それもそうだけど…で、でも…」
オタ「…ふーむ…」
女「…」
オタ「…まぁいいや、できる限り早くに恥じらいを捨ててね。」
女「…うん…」
408 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/01(土) 14:49:11.15 ID:VTAZr4E0 [1/2]
~自宅~
女「おっおかえりなさっ…」
女「おか、おかえっ…」
女「おかえりなさいませっ!」
女「うあぁぁぁぁぁぁぁ、恥ずかしぃぃぃ!!!」ブンブン
ゴンッ
女「いってぇ!いってえ!」ゴロゴロ
あまりの恥ずかしさに悶絶してたら壁に頭ぶつけた…
女「…やっぱムリだ…難関すぎる…」
百歩譲って「おかえりなさいませ」はいいとしよう。
だが、「ご主人様」はムリ。ホント無料。
女「でも…」
女「やったらぁぁぁ!!」
母にあの姿を見られた時点でもう引き返せないところまで来てるんだ。
415 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/02(日) 03:45:51.80 ID:UP276OE0 [1/2]
~翌日~
女「…」ゲッソリ
女生徒1「…どした?なんかげっそりしてるよ。」
女「…いや…色々と頑張ってたのさ…」
女生徒2「色々?」
女「うん…ほら、文化祭の為の練習とか…」
女生徒1「ぷっww練習ってwwww名にしてたのさww」
女生徒2「ご奉仕?ww」
女「ちょっとぉ、変なコト言わないで。あれだよ、ウェルカム~ってやつ。あの例の。」
女生徒1「うわっ、はずっ!」
女生徒2「必死に練習してる姿を想像したらかなりシュールww」
女「う、うるさいなぁ!どうせ女生徒2ちゃんもやるんじゃないか!」
女生徒2「あ、ウチそーゆーの嫌いだから無愛想に行くつもり」
女生徒1「おっ、ツンドラってヤツですか。」
女「うわぁ…なんか引くわぁ…」
女生徒2「ツンデレじゃね?てか女、あんたも相当恥ずかしいコトするんだからね。」
女「ツンドラとナチュラルどっちがマシかといったらナチュラルじゃね?」
女生徒1「うわぁー、どーでもいぃー」
416 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/02(日) 03:48:29.75 ID:UP276OE0 [2/2]
女生徒2「ちょっと、どうでもいいって言ってもあんたもなんかやるわけでしょ?」
女生徒1「あぁ、ウチはマジシャンね。」
女「うげぇー、マジでやんのかよ~」
女生徒1「マジも何もちょーマジだよ」
女生徒2「まぁ、勝手にしといてください。」
女「ところでさ、メイド喫茶って言ってもあたし達は何すりゃいいの?」
女生徒2「ウェイターとか?」
女生徒1「あと普通に紅茶淹れたり」
女生徒2「あとケーキにトッピングしたり?」
女「なーるー」
女生徒1「ま、詳しいコトは後から決まるんじゃないの?」
女「だね。」
女生徒2「まぁ、オタ達に任せときゃいいんじゃない?」
女「だねだねー。あいつら気合入りまくってるしww」
450 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/03(月) 04:11:55.72 ID:.Zz9M.g0 [1/3]
~数日後~
オタ「じゃあさ、今日の放課後、メイド喫茶やる人は残って。」
女「あたしも?」
オタ「あたりまえっしょwwww」
女生徒2「あと4日で文化祭だね~」
女生徒1「わくわく」
オタ2「むふふwwww」
女「ところでさ、何人ぐらいでやるの?」
オタ「あー、えっとね、確か…メイドやってくれるのは女と、美少女と…」
女「え!?美少女ちゃんもやるの?!」
美少女「何よ、やっちゃいけない理由なんてあるわけ?」フンッ
女「うわっ、いたっ」
オタ「おお、美少女ww協力感謝するぜ」
女「美少女ちゃんって茶道部入ってなかったっけ?部の出し物とかはいいの?」
美少女「つまらなさそうだったからこっちにしたの。」
女「へぇー。そぉ。」
オタ「ちょっと、おいっ、まだ話し終わってないって。あとは女生徒2と…1と…」
女生徒1「あっ、ウチはメイドさんやらないから」
オタ「え?」
451 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/03(月) 04:12:23.90 ID:.Zz9M.g0 [2/3]
女生徒1「でもメイド喫茶はやるよ?でもメイドさんにはならない。」
オタ「え?女子は全員ウェイターやってもらって男子はバックで紅茶淹れたりする予定なんだけど。まぁいいやww女生徒1もバックね?」
女生徒1「いや、それとはまた違う系。」
オタ「え?何がしたいん?ww」
女生徒1「マジック!」
オタ「…………は?」
女生徒1「いや、だからマジックだよ!ウチ、マジでマジック好きでさぁ!だからグッズとかも色々持ってるし、やり方とかもいっぱい知ってるよ!」
オタ「いや…でもメイド喫茶だし…」
女生徒1「え…だめ…?」ウルウル
オタ「あぁっ、もう分かったって!じゃ、女生徒1はマジシャンってコトでwwww」
女生徒1「きやっほぅ!」ピョーン
452 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/03(月) 04:13:49.70 ID:.Zz9M.g0 [3/3]
女「で、結局何人出るの?」
オタ「あぁ、ごめんごめんwwwwえっと、メイドやるのが…女生徒1含めて六人で…バックの男子が五人。」
女「なるほどなるほど。」
オタ「ついでに俺らが考えた計画だと、メイドは二時間おきに二人ずつ交代。そうやって常時メイドの人数を四人に維持しようかなぁーってww」
女「そんな計画までしといてくれたんだ。なんかあたし達は何もしてなくて悪いね」
オタ「そんなコト全然ないっすよwwww(こちとらあんたらのメイド姿を見れるってだけで十分なんだよwwww)」
女「はぁーっ、文化祭まであと少しだ!緊張してきた~」
女生徒1「ついに私の禁断の魔術を開放する時が来たようだな!」フハハハハ!!!
女生徒2「うわぁー」
477 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/04(火) 01:07:18.12 ID:EcRjw860 [1/4]
~文化祭当日~
女「うわぁ…」
女生徒2「これは…」
女生徒1「なんか帰りたくなってきた…」
教室に着くと、既に窓や壁に装飾が施されていた。
だがその装飾が問題なのだ。
萌えキャラのポスターがあっちこっちに貼られていたのだ。知ってるキャラクターなど一人もいない。
オタ「おっ、女達がきたー!」キター!!
この装飾は無いわぁ…、などとは思うが、昨日放課後も残って準備をしてくれた訳だから、何もしていない俺たちに文句を言う筋合いはない。
女生徒1「ちょっと!なによこのポスター!」
俺たちに文句を言う資格はない。
オタ「いやぁ、こっちの方が客増えるかなぁ、ってwwwwww」
女「…」
女生徒1「でもっ、これって…こんなコトしたらそっちの人しか来ねぇじゃん!」
女生徒2「いや、むしろそっちの人向けなんじゃないの?」
女「確かに。」
オタ「ほら!準備始めて!着替えて!」
478 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/04(火) 01:08:15.09 ID:EcRjw860 [2/4]
美少女「あんたメイド服とか持ってんの?今更だけど。」
女「買ったんですよーだ。」プイッ
美少女「あっそ。それは兎も角さっさと着替えなきゃ時間無いよ。」
女「分かってるよ…」ヌギヌギ
美少女「うわっ、まだ胸そのサイズ?前から全然変わってないしww」
女「…うるさい」
女生徒1「おーい、二人とも早く着替えなよーっ」
女「…」プンスカ
美少女「~♪」
・・・・・・・・・・・・
美少女「じゃん!どう?カワイイ?」
女「…エロい。谷間を強調しすぎ。ストリッパーっぽいよ。」
美少女「自分は貧乳だからって嫉妬しちゃって~」
女「嫉妬とかしてないよ!てか、あたしのはどうかな?」キョドキョド
美少女「…子供っぽい。」
女「…」
美少女「ま、男はそーゆーの好きなんじゃないの?」
女生徒1「あぁぁ…女かあいい…」
479 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/04(火) 01:09:31.43 ID:EcRjw860 [3/4]
オタ「うおぉ!みんなすげぇwwwwww!!!てか女生徒1まじでその格好?!」
女生徒1「ふふふ、どう?結構いい感じじゃない?」
オタ「ヒゲまでつけるとかかなり気合入ってんなwwww」
女生徒2「シルクハットいいよね。」
女生徒1「ねぇー!カッコイイっしょ!」
ワイワイ
オタ「それはともかく他のミンナも気合入ってんねwwwwこりゃ大成功の予感wwww」
オタ2「ですねーwwwwww」
女「…」
美少女「えーっ!でもあんまり混雑とかされても困るなぁ~☆」
女「…」
ぶりっ子うぜぇぇぇぇ。
まぁ、こいつの影の部分はみんな知ってるけど。
オタ「あと15分で文化祭が始まる。みんな!今日明日二日間頑張りましょうwwwwおー!!!」
一同「おー」
女「…おー」
480 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/04(火) 01:11:25.81 ID:EcRjw860 [4/4]
オタ「で、最初の二時間オフ入ってるのは…勝手に決めさせてもらったけど女生徒1と女ね。」
女「女生徒2ちゃん…」
女生徒2「どんまーいwwウチら先にクレープ食べたりしとくよwwww」
女生徒2「…えぇ~‼ひどいひどい!…まぁいいや。先に楽しんできな。」ハァ
女「おうよ!」
女生徒1「じゃ、後でね~。」
女生徒2「二人とも楽な時間にオフ入っちゃうとか運悪いねー!」
女「うんっ。ホントにね!じゃーあねー!」
女生徒2「全然悔しくなんかねぇからな!ちくしょー!」
女生徒1「女生徒2さん!お勤め頑張ってくだせぇ!」ピシッ
女「頑張ってくだせぇ!」ピシッ
女生徒2「…むぅ…」
489 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/04(火) 16:31:58.58 ID:/2t9MEI0 [1/6]
オタ「あ、いいコト思いついた。」
女「?」
女生徒1「またなんかろくでもないコト?」
オタ「いや、そーゆーのじゃなくてwwww結構名案wwww」
女生徒2「じゃあ言ってよし!」
オタ「いや、あのさwwwwオフの人は首から看板みたいなの提げてココの宣伝すればいいんじゃないかな~、なんてwwww」
女「それやったらオフじゃなくなるよね。宣伝係になるよね。」
女生徒1「うんうん。」
美少女「あ、でもわりとそれもイイかも。」
女生徒2「えぇー」
オタ「いいでしょ?いいでしょ?wwwwww」
女「…」
美少女「まぁ、売上がそれで上がるなら万々歳じゃん?」
女「…それもそうだね…」
490 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/04(火) 16:33:01.63 ID:/2t9MEI0 [2/6]
女「まぁ、とりあえず着替えてくるね。」
オタ「ちょっとまったぁー!」
女「…何?」
オタ「いや、宣伝するならその格好じゃなきゃ意味ないっしょ?wwww」
確かにそうかも。
でも…
女「こんな格好で校内うろちょろ出来るわけないじゃん‼」
美少女「なんでぇ?どうせ客には見られんじゃ~ん。」
女「一回あってそれっきりの客と毎日顔合わせる同校生とは違うでしょ!」
女生徒1「ウチはこのままでもいいかな~。ヒゲ剥がすのめんどくさいし。」
女生徒2「大丈夫だって。似合ってなかったら滑稽かもしれないけど、普通に似合ってるから。」
女生徒1「早く~。早く他のトコ廻ろうよ~…」
女「…もう分かったよ…このまま行くよ…」
オタ「じゃあ…はいっ、これ書いたから首から提げて。じゃっ、また後で。サボんなよwwww」
女生徒1「行ってきまーす。」フリフリ
女「いってきまーす…」
491 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/04(火) 16:35:55.69 ID:/2t9MEI0 [3/6]
女生徒1「流石にこの時間はまだ空いてるね。」
女「ね。でもこれからきっと混むよ~。去年もヤバかったしね、」
女生徒1「え?なんで女が去年のコト知っとるの?」
女「あっ、いやっ、それは…」
ついうっかりやってしまった…
これは何気に致命的なミスだ。
去年俺いないコトになってるんじゃん。何言ってんだ俺…
女生徒1「…」ジーッ
女「…そ、それは!」
女「男が写真送ってきてくれたんだ!ははは…」
まぁこれで何とか難は逃れた…かな?
女生徒1「へぇー、そっかぁ…」
女「うんうん!」コクコク
女生徒1「やっぱりさ…女ってさ…男と仲…結構良いよね?」チラッ
女「あっ、いや、そーゆー訳じゃなくて…」
もしかして地雷踏んだ?
492 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/04(火) 16:46:57.74 ID:/2t9MEI0 [4/6]
女生徒1「いや、そんなコトあるってww」
女「…そ、そんなコト無いよホントにっ!」ニコッ
女生徒1「ほらほらーっ、隠さなくても良いってww仲良いんでしょ?」
ここは…どうにか無難な道を選ばなくては…
女「…うぅーん…まぁ…友達としては仲はいいかな…?」アセアセ
女生徒1「そっかぁ…ホント仲いいんだね。」
女「う、うん。まぁ…古くからの付き合いだし!」ニコ
女生徒1「あたしにはあっちのコトあんまり教えてくれたりしないんだけどね…」
女「…」
変な汗が背中から出てきた。
女生徒1「やっぱり男って女のコト好きだったりして…」
女「!!!」
女生徒1の焦点の合っていなかった目が俺に向けられた。
ヒゲ面なのにこの真剣さ。
普段ならかなり笑える光景だが、今はこれっぽっちも笑えない。
493 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/04(火) 16:48:18.84 ID:/2t9MEI0 [5/6]
女「ないないないない絶対無い!」
女生徒1「いや、でも女カワイイし…」
女「いやっ、でもそんな女生徒1ちゃんが思ってるようなコトは絶対無いと思うよ!」アタフタ
女生徒1「でもっ、でもっ…ホントは実は男は女のコトがっ…!」
女「ないないないないない!」ブンブン
女生徒1「…やっぱりそうだよ…絶対そうだ…男は女のコトが好きなんだよ…!」プルプル
まずい。非常にまずい。
どうやら女生徒1は俺(変化前)のコトになるとどうしても感情的になってしまうようだ。
嬉しい限りではあるが、今は喜んでいる場合ではない。
この興奮しきった少女をどうにか沈めなくては。
女生徒1「ぁあぁ…やっぱり片思いで終わっちゃうんだ…こんなにも思ってるのにぃ…」ワナワナ
女「…っ…」
もう、今あるアイディアは一つしか無い。
やるしかない。言うしか無い。
女「男はっ…女生徒1ちゃんが好きなんだよぉ!」
534 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/05(水) 20:35:47.98 ID:OVzeVDY0 [1/3]
女「はぁ…はぁ…」ドキドキ
女生徒1「…っ…」ポカーン
言ってしまった。
俺自身の告白。だけどもなぜか仲介者のいる告白。
まだ心臓の鼓動が速い。苦しい。
女生徒1「…そう…なの?」ジーッ
女「…」コクリ
女生徒1「男が…あたしのコトを…?」ジーッ
女「…」コクリ
女生徒1「…ホントに?」ジーッ
女「…」コクリ
澄んだ茶色の瞳でまじまじと見つめながらなんども同じ意味の質問をしてくる。
女生徒1「…」
女「…」
女生徒1「…へ、へへ…」
女「?」
女生徒1「ふ、ふふふ…」デレデレ
535 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/05(水) 20:36:15.38 ID:OVzeVDY0 [2/3]
女生徒1「…なんか…恥ずかしいなぁ…」テレテレ
女「…」
女生徒1「出来ればその告白は本人から聞きたかったけど…」デレデレ
女「…」
女生徒1「…そっかぁ…男もウチのコト…」
女「…うっ、うん!」
女生徒1「…こ、これって両想いかな!?」チラッ
女「そうだよ!あいつはまだ知らないけど!」
知ってるよ。知ってる。
言葉に出して伝えたい。男として。
女生徒1「今でも…好きかな?」
女「うん。きっとそう。だって最近聞いたんだもん。」
ずっと好きだった。
女生徒1と話している時、たまに切なくなることもあった。こんなにも近くにいて、仲も良くて、相手の気持ちも分かっているのに、自分のこの気持ちは絶対に伝えられない。
女生徒1のコトを思い、胸が締めつけられた時、いつも思い浮かぶ顔があった。
友1
あいつのコトは、考えれば考えるほど複雑な気持ちになる。
好きなんだ。
女生徒1も、友1も。
536 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/05(水) 20:37:50.55 ID:OVzeVDY0 [3/3]
女生徒1「…あれ?女?」
女生徒1に不意に声をかけられ我に帰る。
女「ご、ごめん。ちょっと考え事してた」ニコ
女生徒1「ウチ、決めたよ!」
女「うん?」
女生徒1「メールでもなんでもいいから…男に告る!」
女「!!!」
女生徒1が迷いのないまっすぐな瞳で告げてきた。
女「…そう…すればいいんじゃないかな?」
女生徒1「うん。もう迷わない。男もウチのコトが好きなら。もう悩みたくないから!あいつが日本に帰ってきた時に手を繋いで歩けるようにするために!」
女「…」
すこし俯いてしまう。
女生徒1の願いも俺の願いも、一緒だ。
だけど、この姿ではその願いすら叶わない。
叶えられるはずの願いすら、この体では叶わない。
559 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/07(金) 00:45:32.55 ID:8.CuGsw0
女「…」
女生徒1「そしたら…そしたらきっと、きっと…」
女「…」
胃がキリキリと痛む。
女生徒1「彼氏と彼女の関係になれるよね?」
女「…お、女生徒1ちゃんっ!!!」バッ
女生徒1「ど、どうしたのさ?!いきなり!」ビクッ
女「あ…いや…なんでもないんだ…」
女生徒1「?…へんなやつだなぁ、女ってやっぱり」ニコッ
女「…いやぁ…へへっ…」
すこし無理して笑顔を作ってみせた。
その顔は少し引きつってたかもしれない。
友1「あれ?女か?」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえたので振り返ってみると、友1が立っていた。
女「あ、あぁ」
584 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/07(金) 23:58:22.37 ID:Pzz1UUE0 [1/2]
友1「ホントにメイド服着てるんだなw」
こいつは俺がお前のコトとかかんがえてるときによく来るよなぁ。
友1が俺のつま先から頭のてっぺんまでを舐めるように見た。
女「う、うん…」モジモジ
知り合いに、しかも自分の正体を知っている友1にこの姿を見られるコトは、なんだかとても恥ずかしく感じられた。
友1「で、女生徒1は一体何の格好をしているんだ?」
女生徒1「ふふっ、よくぞ訊いてくれたじゃないか…私は…マジシャンさ…」フッ
友1「ま、マジシャン?!メイド喫茶やるんじゃなかったのか?」
女生徒1「だからね…メイド喫茶でのショーを…」
楽しそうに会話する2人の隣で、俺はなかなか複雑な心境だった。
ある意味両手に花状態だが、あまり喜べるような状態ではない。
585 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/07(金) 23:59:35.37 ID:Pzz1UUE0 [2/2]
女生徒1「あ」ハッ
女生徒1の動き続けていた口が、ぴたりと止まった。
友1「?」
女「?」
女生徒1「あ、ウチやらなきゃいけないコトあるの忘れてたわ…ちょっと行ってくるね!」
女「え、でも女生徒1ちゃん、うちら普通にオフだからやるコトなんて…」
女生徒1が少しかがんで俺の耳元に囁いた。
女生徒1「…前ウチらに話した女の気持ち…しっかり伝えなよ…」
女「!」
友1「なにをこそこそ喋ってるんだ?」
女生徒1「いやぁ、なんでもないなんでもないww」
女「…」
女生徒1「じゃっ、ウチ、行くからっ!」キュッ
友1「おお、頑張れー」フリフリ
女「…」
586 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/08(土) 00:00:41.55 ID:m4kgdD.0 [1/6]
女「…」
とりあえず何か言わなくちゃ。話題をつくらなくちゃ。
何か話さなくてはならないと思い、話題を考えるが、少しもアイディアは思い浮かばない。
友1「…『メイド喫茶、高校校舎一階C組教室、ご主人様をお待ちしております‼』…なんだこれ、宣伝か?」
先に話の口火を切ったのは友1だった。
女「あ、あぁ。そう。宣伝。」アセアセ
一体、俺は何を焦っているのだろうか。
友1「そうか、じゃあ俺も行かなきゃなww」
女「え?あ、おお。って、え?来んの?え?あっ、ダメっ!来んな!」
友1「え、なんでだよ!」
女「え?…なんでって…えと…そりゃ…その…なんと言うか…恥ずかしいし…」
友1「いや、全然恥ずかしいコトなんてないってwwまぁ、ダメって言われても行くんだがな!」
女「だめだっ!来んじゃねぇ!」バシバシ
友1「行く行く、絶対行くw痛いって、叩くなww」
よくよく考えてみると、友1と喋ったのは試験前のあの時以来だった。
随分と長い間話していないコトになる。
やっぱり友1との会話は落ち着いたし、心地よかった。
587 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/08(土) 00:01:41.30 ID:m4kgdD.0 [2/6]
友1「そういえば、お前と話すのは久しぶりだな。」
やっぱり同じコト考えてたか…
女「たしかに」
友1「…」
女「…」
友1の考えてるコトは大体分かった。
友達になるか、彼氏になるか。
前に話したコトを思い出したのだろう。
勝手な推測に過ぎないが。
女「あ、あのさぁ…」
友「…?」
女生徒1に言われたんだ。ちゃんと伝えろって。
ならばその務めを果たさなくちゃ。
女「…前、最後に話した時の答えなんだけど…」
友「…」ゴクリ
女「…えと…あれは…あたし…俺は…」
友「…」ジーッ
女「…俺は…」
俺は…なんだ?どうするんだ?
よく考えてみたら、今までこの答えを考えていないコトに気づいた。
588 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/08(土) 00:02:37.31 ID:m4kgdD.0 [3/6]
友1「…お前は…?」ジーッ
ヤバイ。ヤバイよ。やばいヤバイ。
友1は答えを待っている。今すぐ答えなくちゃ。背中から冷や汗がじわっと染み出してきた。焦る。ヤバイ。ヤバイ。早く答えなきゃ…
まあ、今すぐ答えなきゃならない状況を作り出したのは俺の他誰でもないんだが…
女「俺は…その…えと…お前が…」
女「…好き…かもしれない…」
多分、これがベストアンサーなんだと思う。
これは真実であって、嘘でも偽りでもない俺の本心だ。
友1「…てコトは、彼氏になっていいのか?」
女「…え…あ…それはちょっと…」
友1「?」
女「…そう…かな…」
男女が、お互いの好意を確認したとき、そこで彼氏と彼女の関係になる。
それが自然なコトなんだろうなぁ、と思っていた。今もそう思う。
だから友1ともそういう関係になる。自然なコトだ。
なのに、なのに…なぜか胸の奥にモワモワとしたものが残ってしまう。
589 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/08(土) 00:03:30.61 ID:m4kgdD.0 [4/6]
女「でっ、でもっ!」
友1「?!」
女「…ちょっと…待ってほしい…」
友1「…分かってる…」
女「…まだ、俺は…男生徒1のなんだぁ…」
まだ、終わらせてない。終わらせなきゃいけない。
じゃなきゃただの二股掛けてる尻軽になってしまう。
…いや…もうそっか…
友1とは、男生徒1という彼氏がいながら、肉体関係を結んでしまった。
自分の欲に抗いもせずに。
女「…だからこそ終わりにしなきゃいけない…」
友1「は?」
女「あっ、いやっ、独り言…」
つい口に出してしまっていた。
友1「…まぁ、じゃ、今日はどうする?女生徒1は行ってしまったが。」
女「え?あ、あぁ。うーん…そうだなぁ…」
別に、二人でいるだけなら、それだけなら罪でもなんでもないんじゃないかな…?
女「…一緒に廻るか」
友1「おう。『友達』としてな!」ニカッ
女「そゆことっ」ニコッ
そう、友達としてなら二人でいても、彼氏がいても…
590 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/08(土) 00:04:41.92 ID:m4kgdD.0 [5/6]
友1「じゃあ、最初はどこ行く?」
女「うーん…やっぱ普通にお化け屋敷?」
友1「そうだな。混む前に行っておきたいしな。じゃあ行くか!」スタスタ
女「あっ、でも友1、お前は部活の出し物は大丈夫なのか?」
友1「あぁ…お前と会っちゃったし仕方ない。サボる!」キリッ
女「お、おいっ!出ろよ!」
友1「まぁ、そう言うなって、女。お前だって一人でウロウロしたくないだろ?」
女「…うん…まぁ…」
友1「じゃあもっと早く歩くんだ!」スタスタ
女「お、おう!」スタスタ
友1「あ、でもやっぱり出し物やらなきゃ二年の先輩にボロっカスに言われそうだな…」ショボーン
女「えぇ~っ、一人にすんなよぉ~!!」
友1「さっきまで出ろとか言ってた癖にな。」
女「忘れたなぁ~」
592 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/08(土) 00:07:34.87 ID:m4kgdD.0 [6/6]
~高校2年A組、お化け屋敷~
受付嬢「お次の方どうぞ~」
女「やっぱこの時間だと早くに順番が回ってきていいな。」
友1「だな。ほら、早く進め。」ペシペシ
女「ちょっ、おいっ、ケツ叩くなよっ」
友1「いいから早く。」
女「へいへい…」
友1「それと、あんまり白昼堂々男言葉で喋んな。不信がられるぞ。普段はお前大人しいんだから。」
女「はいはい。小声で話せばいいんでしょー」
受付嬢「お次の方どうぞー」
女「あ、あたしたちの番だよ。行こっ」
友1「そう、それでいい。」ボソッ
女「ほら、入るよ。」
友1「あぁ。」
ガラガラガラ…ピシャン…
受付嬢「………」
受付嬢「これは…」
受付嬢「大ニュースかもしれないっ!」
631 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[おでんは大根が命です。] 投稿日:2010/05/08(土) 22:10:34.09 ID:KaUNGDk0 [1/3]
~お化け屋敷内~
女「おぉぉぉ…暗ぇ…」
友1「だな。ほら、足元気をつけろ」
女「はぁ?…ふぁ!」グラッ
友1「あっぶないっ…」ガシッ
女「ななななんだこれ!」ガクガク
友1「音で分かるだろ。ガチャガチャの空ケースだよ。普通は踏む前に気づく。転けるやつなんて普通はいないな。」
女「うっるさいっ!…」
友1「はぁ…もう危なっかしいから俺の腕につかまっとけ。」
女「!」
女「…」
女「…そうだな…」ピタッ
友1「…」
女「…」
友1「…『友達』だもんな。」
女「…」
女「うん…」
632 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:11:33.98 ID:KaUNGDk0 [2/3]
・・・・・・・・・・・・・・
女「…はぁ…何かと疲れた…」
友1「お前は叫びすぎだ。一緒にいる俺まで疲れた。」
女「うるさい。俺はビビりなんだよ。でも怖いのは好きなんだよなぁ~」
友1「じゃあ今度俺ん家来るか?兄貴のがホラーゲーム好きだから沢山あるんだ。」
女「あぁ、行く行く!そういや兄ちゃん元気?今はもう…あれ?大学何年だ?」
友1「二年。しばらく会ってないよな。」
女「だなぁ~。今会ったらどんな顔するかな?」
友1「いや、今のお前じゃ分かってもらえないだろ…」
女「…そう…だった…」
友1「まぁ、他人のフリしとけばいい。」
女「そうだな。ちょっと悲しいけど。」
友1「まぁ、とりあえず今度来いよな。」
女「うん!」
633 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:12:40.09 ID:KaUNGDk0 [3/3]
・・・・・・・・・・・・・・・
女「あ、そろそろ時間だわ。俺戻らなきゃ。」モグモグ
友1「おぉ、そうか。もうそんな時間か。」モグモグ
女「じゃ、そろそろ行くわ」モグモグ
友1「クレープ食い終わってからでいいんじゃないか?」モグモグ
女「…それもそうだな。」モグモグ
友1「…結構楽しかったな。」
女「うん!短かったけど楽しかった!」
友1「また暇があったらこうやって廻ろうな。」
女「オッケー」グー
女「…ング…よし、食い終わったしもう行くわ。じゃあな」フリフリ
友1「うん。じゃ、あとで行くから。」
女「絶対来んなよ~‼」
タッタッタ…
646 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[ギロリ] 投稿日:2010/05/10(月) 00:32:59.25 ID:CL.oOuQ0 [1/3]
~教室~
女「ただいまであります」ピシッ
女生徒1「おっ、女来たね~」
女生徒2「遅いよぉ~…」
美少女「おっそい!あんたが来るまで休憩できなかったのよ?!」
女「いいじゃん。二分しか遅れてない訳だし。」
美少女「こっちは疲れてんの!ほら、交代。その宣伝の板貸して。」
女「はい。」ポン
美少女「じゃ、ウチらは休んでくるから。あとはよろしく」
女生徒2「じゃ、がんばー」フリフリ
女「あーい」
女生徒1「さーあ!気合入れて行くよ!」
女「あ、女生徒1ちゃん、さっきね、友1との…」
女生徒1「女!今からは仕事だよ!私事は後!」
女「う、うん!」
女生徒1「気合入れて行くぞー!」
647 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/10(月) 00:35:49.56 ID:CL.oOuQ0 [2/3]
オタ「ちょっ、ちょっと待って女!」
女「…?何?」
オタ「これ付けて?」ヒョイッ
女「…」
女「…猫耳…?」
オタ「まぁ、見ての通りwwwwww」
女「やだっ!」
オタ「頼む!頼む!売り物のケーキ後でタダで食わせてやるから!(ホントはみんな食えるんだけどね。)」
女「…ケーキ?」
オタ「うんうん!」
女「ショートケーキ?」
オタ「ショートケーキもあるよ!」
女「…イチゴ乗ってる?」
オタ「乗ってる乗ってる!」
女「…」ジッ
女「…イチゴショート、とっといてよね。」ヒョイ
オタ「おおぉぉぉぉ!ありがとぉぉぉ!」ムッハー‼
女「ぜったいとっといてよ。」
女「…」テクテク
オタ「ちょっ、ちょっと待った!」
女「?」
オタ「…しゃ、写真撮っても…」
女「…」
女「…イチゴ2つ。」
オタ「了解!」カシャッ、カシャッ
648 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/10(月) 00:37:34.32 ID:CL.oOuQ0 [3/3]
女「…」ドキドキ
「ちょっと!おいっ、こっちこっち!」
ドアの前に、誰か他の人を呼んでいる中学生ぐらい?の男の子が来た。
客、襲来。
なんでだろう。某アニメ風に再生された。
とりあえず、例のアレ、アレ言わなきゃ。
女「おっ、お帰りなさいませご主人様…」ボソッ
あんなに家で練習したのに、人前で言ってみると…声が…出ない…
オタ「…女ぁー!」ヒソヒソ
女「?」クルッ
オタ「声出せぇー!」
女「わっ、分かってるよ!」
客1「早く入れってww」
女「おっ、お帰りなはっ、なさいませ御主人っ…さまっ!」
オタ「(噛みやがった…)」
女生徒1「…(噛んだ…)」
「あ…はい…」ニヤ
噛んだけど…ちょっと笑われた感じするけど…まぁ、なんとか言えたしいいよね…
でもはずかしいいぃやぁぁぁぃぃぃ!!
653 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/10(月) 01:33:23.50 ID:xomQqOM0 [1/2]
女生徒1「じゃん!玉が消えました!」
小学生「わぁ!」
うわぁ、女生徒1手品やってるよ。…でも凄いな。俺には恥ずかしくてあんなコト出来ない。
まぁ、この格好も十分恥ずかしいと思うけど。
女生徒1「さぁーて、お次は…」ガサゴソ
ホントに楽しそうにやってるなぁ。見てるのは学校見学にきてる小学生ぐらいだけど。
客「すみませーん」
第一、小学生がメイド喫茶にいるのはおかしいだろ。お母さん何考えてんだよ…
客「ちょっとー。」
女「あっ、すっ、すいません!」タタッ
忙しいなぁ…
まぁ、多分本当に忙しくなるのは12時ぐらいなんだろうけど…
654 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/10(月) 01:37:04.73 ID:xomQqOM0 [2/2]
・・・・・・・・・・・・・・・
女「イチゴショートですと紅茶です」カタッ
客「あざーす」
一時間以上も仕事をこなしていると流石の俺でも慣れてきて、恥じらいとかもどっかに飛んで行った。
女「ふへぇ…」
疲れた…あと三十分ぐらいで女生徒2たち帰ってくるな。
オタ「お客さん来たぞーっ!」ヒソヒソ
女「え?あっ、うん!」タタッ
女「おっ、お帰りなさいませ御主人様!」ペコリ
金髪「ごwしゅwじwんwさwまwww」
女「…」
顔を上げて客の顔を見てみる。
金髪が二人と茶髪も二人…
いかにも遊び人、って感じの服装、容貌。
女「よ、よ、四名様でよりょ…よろしいですね?」
ちくしょう、噛んじまった…
こーゆータイプは苦手なんだよなぁ…別にチャラチャラしたのが苦手っていう訳じゃないんだけど…チャラチャラしたやつの中でも、受け入れられないオーラを出してる連中がいる。
例えばこいつらみたいな…
茶髪「今この子噛んだーwwwwかわいい~ww」
茶髪2「ほらほらー、早く席つかせてよ~。疲れたしwwww」ツンツン
触んな!
やっぱりこういうタイプは嫌いだ…なんつーか…不潔。不純なかんじが…
女「あ、あちらの席におかけください…」
670 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/11(火) 02:16:58.00 ID:HZ6wm9A0
茶髪2「うぉっ、なにここww萌えー!なポスターが貼ってあるしww」
金髪「きめぇww」
キモいと思うなら来んなよ…まぁ、確かにキモいとは思うけどさ…
オタ「…」ショボーン
オタ、がんばれよ。そこでうなだれるなよ。さっさと紅茶淹れろー!
女「…」
茶髪「なにこれーwwメイド喫茶のくせにマジックやってるしww」
金髪「なに君~wwヒゲ付けてるしwwww」
女生徒1「」ブルブル
あっ、ヤバイ。女生徒1ビビってる…
でも俺も怖いしなぁ…
茶髪2「ほらー、早くなんかやってよ~wwww」
女生徒1「あっ、はっ、はいっ」ガチャガチャ
女生徒1「えっと…今からこのコップを消します!」
女生徒1「まずコップをこの新聞紙で…」クシャクシャ
金髪2「あっ、それ知ってる~。さりげなく下にコップ落とすヤツだよね~w客にバレないようにw」
女生徒1「…」
女「…」
タネ言っちゃうヤツって最悪だよね。
絶対わざと言ってるよね。女生徒1困らせるために…
672 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/11(火) 04:04:59.16 ID:s.osKvs0
女生徒1「…」ショボーン
茶髪2「ほら、早く次つぎ~」
女「ごっ、ご注文をお取りします!」
女生徒1救出作戦…決行!
茶髪「え?あっ、注文?えーっと、じゃあ…」
金髪2「君を食べたいかなぁ…」ニヤニヤ
女「は、はぁっ?!」カアア///
金髪「赤くなってるwwかわいい~w」
金髪2「冗談冗談w流石に中学生には手ぇ出さないってww出したコトあるけどぉw」
女「…高校生ですけど…」ムスッ
茶髪「えっ、ちっさwww」
茶髪2「中二ぐらいかと思ってたww」
女「…」イライラ
女「…じゃ、ご注文を…」
673 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/11(火) 06:49:53.07 ID:8M370.Q0 [1/2]
___________________
女「…はぁ…」テクテク
女「ショートケーキ4つお待たせしました」カチャ
茶髪「え?俺ら頼んだのチョコケーキだけど?」
女「えっ…」
いや、そんなはずない。しっかりと記憶してるもん。いちごショートって言ってるトコ。
女「えっ、でっ、でも、ご主人様はさっきイチゴショートって…」
茶髪「あれ?そうだっけ?まぁいいや。ここメイド喫茶だろ?メイドは口答えせずにご主人様の注文を聞いてればいいんだよ」
女「…!!」
金髪「なるほど、そーゆー考え方があったかw」
金髪2「じゃあさ、メアド教えて?ほら、ご主人様の命令だよ?」
女「…ぐぅ…」
茶髪「ほらほら、早く~」
友1「申し訳ありませんが、メイドとの私的な会話などは禁止されています。こちらも忙しいもので…」
女「?えっ?」
友1?いつの間に?てか、なんでここに?
686 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/12(水) 02:21:43.49 ID:ss9/BKk0
よく見たら、友1だけじゃなく、他の水泳部員達もいた。
茶髪「は?メアド交換とかもダメなの?個人の自由だろ?」
茶髪2「ほら、君もメアド交換したいよね?」ギロリ
女「ひぃっ…!」
こ、怖い…断ったら何されるか…
友1「俺の女なんだよ。分かったらさっさとケーキ食って帰れ。」
女「!!!」
ななななにいってんだ?!
金髪「お前の女…?」
金髪2「うわっ、そーゆー感じかよ」
茶髪2「まぁ、良いや。じゃあ、今日だけこの子貸してよw」
友1「はぁ?」
ヤバイ。なんだこの険悪な雰囲気は…な、なんとかしなきゃ
女「おっ、お帰りください!」
茶髪「」ギロリ
女「ひぃっ…」
689 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/12(水) 06:30:07.56 ID:I0SStZ20
茶髪「ぷははっ!帰れっておいwwお客さまですよ?ご主人様ですよ?」
女「で、でもっ…営業に差し支えが出ますので御退席おねが…」
金髪2「…チッ」
女「…っ」ブルブル
怖い…なんか余計に怒らせちゃったな…
なんだよ、見た目も中身もヤンキーかよ…頼むから帰ってくれよ…
友1「分かったらお引き取りお願い出来ますか?」
茶髪「あぁ?」
ヤバい。このままだと、うん。絶対乱闘みたいになる。文化祭で乱闘なんて起こしたら…うちの学校だとニュースになるな…結構有名だし…
マズい。なんとか止めなきゃ…
女「…」アウアウ
友1「…お前は引っ込んでろ。」
女「え…」
金髪「なんだ、やんのかてめえらぁっ?」
友1「あぁぁん?!」
友1…お前っていつもは大人しいのに感情的になりやすいよね…
女「ちょっ、ちょっと!みなさん落ち着いて!」
690 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/12(水) 07:02:51.63 ID:Ydpztxc0
友1「だから引っ込んでろって」
茶髪「はっきり言うと、君が今日一日俺らと遊ぶだけで解決する問題なんだよ?」
女「ぇ…ぁ…」
女「…そうですね…」
友1「おいっ!女!お前、何考えてんだよ!」
女「だって…友1たちに前みたいに怪我してもらいたくないし…それに遊ぶだけって言ってるし…」
金髪2「そうそうwwww」
友1「お前…こいつらの言ってる『遊ぶ』の意味分かってるのか?」
女「え?いや、普通に…ゲーセン行ったり?」
友1「…あのなぁ…こいつらはお前をっ…」
美少女「何?なに?何事?なんでこんなに空気悪くなってんの?」ヒョコッ
女「あっ、美少女ちゃん。帰ってきたの?早いね。」
美少女「あんたと違って時間にはしっかりしてるのよ。」
金髪「…(こいつは…)」
茶髪2「…(顔、胸、スタイル…最上級だな…)」
700 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/13(木) 01:29:14.60 ID:jH9r5r60
茶髪「おおっ!君も俺らと遊びに行かない?」
美少女「はぁ?」
金髪「いや、この子と一緒にさw」
女「え?まだ行くって決めた訳じゃ…」
美少女「…」
美少女「…」チラッ
女「?」
美少女「えぇ~、今から遊びに行くんですかぁ?」キャピキャピ
茶髪2「そうだよ~。今からw」
美少女「そうだなぁ~、まぁヒマなんでウチはいいんですけどぉ…」キャピキャピ
金髪「おっ、じゃ、行こ行こww」
美少女「この子抜きでウチ一人がいいかなぁ~、なんて…」
女「え?!」
茶髪「…う~ん…」
金髪「…なんで?」
美少女「うち、この子嫌いなんで~。この子いるなら行かないっ」プイッ
女「…」
金髪「えっ、あっ、じゃあ君一人で!」
茶髪「おっ、おい!」
金髪「…こんなモデルみたいな美人なかなか食えないぜ?」ヒソヒソ
茶髪「…俺はあのちっさい子が…」ヒソヒソ
美少女「そうと決まったら早く行こ~!」スタスタ
金髪「あっ、ちょっと…」スタスタ
茶髪「…ちぇっ」スタスタ
702 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/13(木) 02:01:07.31 ID:kAzbQh60
女「……行っちゃった…」
友1「…あいつ…何考えてんだ…」
女「一人でサボリか!ただでさえ忙しいのにぃ!」
友1「…アホ…お前ってさぁ…ちょっと…」
女「なんだよー。アホとまで言わなくて良いだろー」ブー
友1「…お前…美少女が来なかったら…」
女「…美少女が来てなかったら…?」
友1「…まぁここまで言っても気付かないのなら…もういい。明日美少女本人から聞け。流石のお前でも分かるから…」ハァ
女「…言ってくれねーのかよ…ケチなヤツだなぁ…」
友1「…俺はいつかお前が誰かにハメられるんじゃないかって心配だよ…(いろんな意味で)」
女「…まぁ何はともあれ!あいつらが消えてくれて良かった!」
友1「…」
女「一人人手が減っちまったんだ!頑張らなきゃ!」グッ
友1「…はぁ…俺チョコケーキと紅茶で。」
女「あいよっ!」
友1「せっかくならメイド口調で応えてほしかった…」
女「却下。」
友1「…つめたいんだな…」
704 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/13(木) 02:47:46.05 ID:rp6qDU60
結局その後、ガラの悪い連中に絡まれるコトも、何かハプニングが起こるコトもなく、文化祭一日目は終わった。
女生徒1は、あの後拗ねてしまい、裏でずっとケーキを食べていたけど。
~翌日~
女「おはよー」
美少女「…おはよう…」ゲッソリ
女「うぉうっ、美少女ちゃん!なんかやつれてない?」
美少女「…流石に四人を一人で相手するのはキツかった…」
女「?…ジェットコースター…?」
美少女「はぁ?」
女「あ、いや。やつれる程体力使うコトってジェットコースターぐらいしかないかな~、なんてさ。あの後どこ行ったの?」
美少女「…なわけないでしょ…あの後即行ホテル連れてかれて五時間延々と…」
女「…ホテルって…」
女「まさか…」
美少女「…多分あたしがあの時来ないで、あんたが行ってたら…まぁ、ぶっ壊れてたんじゃないの?」
女「…」
女「…なんか…ごめん……」
美少女「いや、まぁいいって。ウチもしばらくしてなかったからムラムラしてたし。それに困った時はお互いさま。」
女「…なんか、美少女ちゃんって変わったよね」
美少女「は?何のコト?まぁいいや。あっ、ついでにー、今日はウチ、裏で働いとくから。」
女「え?なんで?」
美少女「メイド服汚れたから。」
女「…ホントごめんねぇ…」
710 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/13(木) 06:55:22.78 ID:vVB0EWk0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
女「ね?だからやってよう、マジック」
女生徒1「…でも…どうせタネバラしとかされるしさ…」ドヨーン
女生徒2「今日はそんなことないって多分」
女生徒1「…でもさ、でもさ、昨日みたいにまた怖い人来たら困るしさ…」ナヨナヨ
女「…今日はそんなコトきっと起きないって多分!」
女生徒1「いいよ、いいよ。どうせウチのやる手品なんてさ、どーせど素人のやってるようなヤツと変わらないよ…」イジイジ
女生徒2「…」
女生徒1「それにみんなあんまり見てないしさ…」
女「でっ、でもっ!あたしは女生徒1ちゃんの手品好きだよ!」
女生徒1「!………ホントに?」
女「うん!」
女生徒1「マジにホントに?」
女「勿論!」
女生徒1「………じゃあ…今日もやろうかな…」スクッ
女「…はぁ…」ホッ
732 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/14(金) 05:47:44.64 ID:oFUsZk.0
文化祭二日目。流石に仕事は昨日よりはテキパキとこなせるようになった。
女生徒1も、楽しそうに手品を披露していた。
客に関しては、メアドを聞いてきたりする者は何名かいたが、無理に絡んでくるようなガラの悪いヤツは来なかった。
女「イチゴショートとオレンジジュースお待たせしました~」コトッ
カランカラン♪
女「あっ、おっ、お帰りなさいませご主じ…って、あれっ、男生徒1かぁ~。」
男生徒1「…よう…」
女「御茶してくの?入って入って~。あれ?一人?」
男生徒1「…あぁ…まあな…」
女「オッケー、じゃあ注文取るよー。」
男生徒1「いや、注文はいい。」
女「?」
男生徒1「話が、あるんだ。」
女「え?話?ちょっと待って。あと二十分ぐらいで休憩入るからさ。」
男生徒1「…分かった。それまで待ってる。」
女「…どうした?なんか疲れてるの?」
男生徒1「…」スタスタ
女「…」
734 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/14(金) 05:59:22.02 ID:tIUKiLA0
・・・・・・・・・・・・・・・・・
女「休憩時間になったよー、で、話って何?」
男生徒1「…」スクッ
女「…」
男生徒1「女…下のヒマラヤ杉のところまで行こう。」
ヤバイな。
直感的にそう感じた。
多分、多分いろいろとまずいコトになる。
わざわざ学校の隅に生えているヒマラヤ杉の所まで連れてかれるなんて、普通はない。
女「…うん…」
男生徒1「…」スタスタ
~ヒマラヤ杉の下~
女「…」
男生徒1「…ここに呼び出した訳…分かる?」
女「…」
男生徒1「…分かるか分からないかを答えてくれ。」
女「…」
男生徒1「…黙ってるってコトは、分かってるんだよな。」
女「…」
男生徒1「…」
737 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/14(金) 06:43:49.39 ID:.tcBHzQ0
男生徒1「彼氏とは文化祭一緒に回らないのに友1とは一緒に廻るんだな。」
女「…!…そ、それは…」
男生徒1「…それは?」
女「…それは…それは…男生徒1は別に誘ってこなかったし…」
男生徒1「そっかぁ。そうだな。」
女「…」
男生徒1「…でもさ、俺に腕絡みつかせてきたことって一回もないよな?女。」
女「…っ…」
男生徒1「お化け屋敷で調子良く友1に抱きついたり。」
女「…見てたの…?」
男生徒1「悪事、千里を渡る?だっけ?国語苦手だから分かんねぇや。…まぁ、兎に角、噂ってのは早くに廻るもんなんだよ。悪い噂なら尚更。」
女「…」
738 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/14(金) 06:51:20.17 ID:mmn2O.M0
男生徒1「友1に尻触られても平気なんだな。」
女「…!」
男生徒1「いや、噂だけどさぁー。でもその表情はマジっぽいな。」
女「…」
男生徒1「…ケツ触られてもOKかぁー…」
女「…」
男生徒1「どこまでした?あの試験前の日。」
女「!!」
男生徒1「いや、あの日からお前の俺に接する態度が更によそよそしくなってたからさ。」
女「…」
男生徒1「キス」
女「…」
男生徒1「セックス?」
女「…」
男生徒1「…」
男生徒1「反応がないってことは、そこまでヤったんだな。」
女「…」プルプル
男生徒1「…」
バチンッ
頬に激痛が走る。いや、多分激痛という程のものでは無いが、あまりに突然の出来事だったので、そう感じたのかもしれない。
女「…‼」
男生徒1「…信じてたのに…」
753 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/15(土) 01:38:43.76 ID:oa1RZ8Q0
男生徒1「信じてたのにっ!」
女「…」アワワ
男生徒1「…好きだったのに…」
女「…」アワワワ
男生徒1「…今までで…こんなに好きになったことなんてなかったのに…」ポロポロ
女「…」アタフタ
男生徒1「お前なら…お前となら…って思ってたのに…」ポロポロ
女「…」アウアウ
男生徒1「…もう終わりだな。」キッ
女「…うぅ…」
男生徒「……お前なんて…お前なんて…!」ドンッ
女「…ふぁ…」ヨロッ
男生徒1に肩をどつかれ、よろめく。
女「…いったぁ…」イテテテ...
男生徒1「…」
男生徒1が倒れた俺に跨り、俺の目をまじまじと覗きだした。
男生徒1「…」ジーッ
女「…!!」ゾクッ
男生徒1「…最初っから、愛さないでこうしてればよかったんだな。」
男生徒1の手がメイド服の中のパンツに伸びる。
女「…だっ、だめっ!」ジタバタ
男生徒1「…」ピタッ
女「…ハァ…ハァ…?」
男生徒1「…お前なんか…犯す価値もねぇよ…」
女「…」
男生徒1「…」トボトボ
759 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/15(土) 03:40:14.56 ID:lv8RKqs0
女「…」
もう起き上がる気力も無いや。
女「…青いなあ…」
雲一つ無い空を見つめ、つぶやいて見た。
空が綺麗で澄んでいるのに、なんで、なんでこんな惨めな気持ちに…
女「…」ツーッ
涙が溢れ、左右のもみあげを濡らす。
友1「よう。」
女「?」
声の聞こえた方へ、眼を動かす。
女「...!!…なっ、なんでそんなズタボロになってるん?」
友1の、シャツから露出した腕には、多くの打撲の跡が残っていた。
友1「あぁ、これか。これはな…男生徒1にボコボコにされた。」ハハッ…
女「…」
友1「…まぁ、当然の仕打ちだよな…もう少し早くに…………いや、最初から…」
女「…」スクッ
立ち上がって友1の顔を見上げる。
女「なぁ、」
友1「ん?」
女「俺たちはどうすればいいんだ?」
友1「………」
女「……」
友1「誰が何と言おうが、俺は、お前が好きだ。」キリッ
女「…分かった…」
女「でも…その前に…」
女「男生徒1に…しっかり謝らなきゃ…」
765 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/15(土) 06:59:18.39 ID:QUhMdiM0 [1/2]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
プルルルル… プルルルル…
携帯『只今、電話に出られない状態に…」
ブチッ
女「…あとでまたかけるか…」
~10分後~
電話「只今、電話にでられない状た…」
ブチッ
女「…着拒されたのかな…」
女「…メールで今喋れるか聞いてみるか…」
女「…今電話で喋れますか?…っと…」カチカチ
女「送信。」ポチッ
~1分後~
チラチラリン♪
女「おっ、メール来た!」カチカチ
女「…」
女「『送信されたメールは、なんらかのエラーが発生したため、受信者に届きませんでした。』」
女「…」
女「これまた受信拒否っぽいな…」
女「…どうしよう…」
767 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/15(土) 08:10:29.42 ID:QUhMdiM0 [2/2]
~教室~
女「…」フラフラ
女生徒2「おっ、女おかえりー…ってなんかめっちゃ沈んでない?!」
女「…ふふふ…」
女生徒2「なに?何があったの?」
女「…見事に振られてきたよ…はたかれたし。」
女生徒2「はっ、はたかれたって!…女の子の顔に手を出すヤツは…」グググ
女「でもっ!でも…仕方無いよ…浮気したんだもん…怒るよ…そりゃ誰だって…」
女生徒2「…」
女「…しっかり…しっかり謝れなかったんだ…ずっと怖くて黙っちゃってたんだ…」
女生徒2「…」
女「…明日、明日ちゃんと謝らなきゃ…」
女生徒2「いや、ウチらは明日片付け行かなくても大丈夫っしょ。オタ達がやってくれるらしいし。」
女「…じゃあ明後日…」
結局、この後の仕事には身が入らなかった。
注文は取り間違えるし、こけるし、零すし。
最悪だった。
文化祭終了後、打ち上げに誘われたが、気分が良くないと嘘をついて家に帰って泣いた。
783 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/15(土) 20:46:31.81 ID:rjZ5.4M0
~二日後、教室~
女「…えっと…」
男生徒1「…」プイッ
女「…ちゃんと謝りたいから来て。」
男生徒1「…」プイッ
女「…お願いします…」
男生徒1「…」ガタッ
女「?あっ、待って…」タッタッタ
男生徒1「…ついてくんなよ。トイレ行くだけだから。」
女「…ごめんなさいっ!」ペコリッ
男生徒1「…」
男生徒1「それ、何に対しての謝罪?」
女「それはっ…昨日、しっかりと謝れなかったし…」
男生徒1「あぁ、あれか。お前のコトぶってスッキリしたからいいよ別に。」
女「…でっ、でもっ…」
男生徒1「もういいから関わんなよっ!」
女「!」ビクッ
男生徒1「もう、いいんだよ。今まで散々いろんな女たぶらかしてきた罰だよ。もう関わんな。イライラするから。」
女「…ごめんなさい…」
男生徒「…フンッ…」スタスタ
789 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/15(土) 22:37:39.88 ID:wX/AFOk0
~教室、再び~
女「…」フラフラ
女生徒1「?大丈夫?」
女「…大丈夫…じゃ、ない…」ヨタ
女生徒2「…まぁ、今回のコトは自分でケリつけなきゃねー。なんつったって…」
女生徒1「おぉーっと、それ以上は言わない約束だぜ女生徒2さん」
女「…いいよいいよ、どの道自分で何とかするしかないから…」
女生徒2「まぁ、終わりでしょ。バレる前に自分から言っとけばもう少しマシな終わり方したかもしれないけどね。」
女生徒1「いや、どの道ぶたれたと思うよ…」
女「…もっとぶってくれれば良かったのに…」
女生徒2「えっ……うわぁ…」
女「いやっ、そーゆー意味じゃなくて!」
女生徒1「…でも何度ぶたれても、罪悪感は消えなかったと思うよ。」
女「…」
791 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/16(日) 00:05:36.44 ID:e8kCHbI0
~放課後、友1宅~
女「…ハァ…ハァ…
友「ハァハァ…」
女「…」ギュッ
友1「…」
女「…なぁ…」
友1「?どうした?」
女「…俺たちこんなコトしてていいのかな?…一昨日男生徒1にふられたばっかりなのに…まだ、ちゃんと仲直りも出来てないのに…」
友1「…いいんだ…今は、忘れよう。」
女「…でもっ、忘れるって言ってもよ…」
友1「…いいから、眼ぇつぶってリラックスして…」ズッ
女「え?あっ、おっ、おいっ!一日二回も無理…ぅああぁ…」トローン
友「…」パンパン
795 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/16(日) 00:50:38.16 ID:cXuunxk0
~自宅~
女「うわぁぁぁぁぁぁあ!!!」ガンッガンッ
女「…はぁ、はぁ…何やってんだ俺は…何ヤってんだ俺は…」
女「うううううううう…」
カラララーン♪
女「…?パソコンにメール?久しぶりだな…」カチカチ
女「…」カチッ
女「!!」
女生徒1『メールでっていうのは、なんだかもどかしいんだけど、
好きです。日本に帰ってきたら、そっちで彼女とかが出来てなかったら、あたしと付き合ってください。』
女「…っっ!!」
や、やばい。このメールがいつか来るって分かってたのにちっとも答え考えてなかった…
自分のコトなのに他人事みたいに考えてた…
女「ととと、とりあえず、今はまだアイルランド早朝だから返信はしないでおこううう。」ダラダラ
どうしよう、どうしよう!
801 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/16(日) 03:13:51.67 ID:B7VyZxQ0
~夜11時~
女「…そろそろメール返してもいい頃だな…」
カチカチッカチッ
女「…なんて打とう…」
女「『俺も好きです。』…よし、これでいいや。」カタカタ
女「…『俺もずっと好きでした。帰るのがいつになるかは分からないけど、帰ったら付き合おう。』…っと」カタカタカタカタ、ターンッ!
女「…」
カラララーン♪
女「?もう返信来た?!」カチカチ
女生徒1『やったぁ!嬉しい!はやく一緒に遊びに行きたいな!できるだけ早くに日本帰って来てね!ずっと待ってるから!』
ググっと胸が締め付けられた。呼吸が荒くなる。
女「……」
女「こんなに喜ばれると…」
罪悪感に襲われる。
一人二役。
いつまで騙せるだろうか。いや、もういっそ騙すのをやめた方が…
だめだ。ここで騙すのをやめて、自分が女であり、且つ男であるコトを告げたら、今までの関係が崩れてしまう。きっと。
女「…」
男『うん。おれもずっと帰るのを待っとく。ずっと好きです。』
女「…」カチッ
ごまかし続けるの?
騙し続けるの?
女「!」
このままじゃいつまでたっても友1とか女とかの問題は解決…
女「うるさいっ!うるさいっ!」バッ
そうだ、風呂に行こう。風呂に入ってる時は何もかも忘れられる。今は、もう考えたくない。
803 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/16(日) 05:35:42.28 ID:uh5/gyY0
~翌日、教室~
女生徒1「フ~フフ~ン~♪」
女生徒2「…」
女生徒1「おおっ、女生徒2くん!いやぁ、ハロー!はうずごーいん?ぶわはははは!」
女生徒2「…ご機嫌よさそうで何よりで…」
女生徒1「いやぁ、ほんとにほんとにwwいやぁ、ほんっと気持ちいい日だね今日は!」
女生徒2「ホント、こんな蒸し暑い雨の日なんて年に五回あるかないかだね。」
女生徒1「うんうん!汗が爽やかぁ~に流れ出るよ~」
女生徒2「…」
女生徒1「いやぁ、うふっ、ひひひひひっ」
女生徒2「…あえて何があったのかは聞かないでおこう…」
女生徒1「ふふふっ、そんな遠慮しなくていいんだぜぇ?あぁ~あー。女早くこないかなぁ~。」
女生徒2「あぁぁ、人の幸せは苦いんだよぉぉぉ!」ガンッ
女生徒1「ほらほら、女生徒2は机蹴らない。でね、なんで今日ウチがこんなにご機嫌かというと…」
女生徒2「女~!早く来てくれぇ~!」
804 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/16(日) 07:52:19.55 ID:F3ZYha20
女「…」ヨタヨタ
女生徒2「女!待ちくたびれたよ~!」ウルウル
女「…どしたの?」
女生徒2「女生徒1のノロケ話に付き合わされて泣きそうになってたんだよー。」
女生徒1「いやぁ、えへへ。女にも教えてあげようじゃないかww」
女「…」
女生徒1「なんとなく予想はついてると思うけど~…」
女「…」
昨日はあの後、いろいろと考えてしまい、あまり寝れなかったのだ。
女生徒1が何を話すかなんて分かり切ったことだった。適当に相槌をうって乗り切ろう。
女生徒1の顔をまじまじと見つめながら考えてみた。
昨日の告白の成功を語る女生徒1は、とてもかわいかった。
女生徒1は俺のことが好き。俺もそう。
なのに、俺は今、現状に満足してしまっている。
この体が男なら、男だったなら、俺は女生徒1の隣にいたはずだった。
だが実際には、友1の傍にいるコトに満足してしまっている。友1との触れ合いを求めている。
女「…どうすりゃいいんだか…」
女生徒1「へ?何が?てかウチの話聞いてる?」
女「あぁ、聞いてない。」
女生徒1「ひどい!」
826 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/16(日) 17:47:18.53 ID:/zNBiEY0
女生徒1「せっかくなんだから話聞いてよ~」ブーブー
女「…ごめん、なんかお腹痛くなってきたからトイレいってくるね!」タッタッタ
女生徒2「…逃げやがった…」
女生徒1「じゃあ女生徒2に話せばいいんだ!」
女生徒2「もう五回も聞きました。勘弁してください!」
~トイレ~
女「はぁ…」
美少女「結局あっちからふられちゃったね。」
女「あ、美少女ちゃんか…来ると思ってたよ…トイレの精だしね…」
美少女「トイレの精ってなによ!あんたがトイレに行ったからついて来ただけだし。」
女「…まぁ、振られましたよ。ビンタ食らったし。」
美少女「まぁ、ビンタで済んだだけ良かったんじゃない?」
女「…だね。」
美少女「で、これからはどうすんの?」
女「…仲直りして…うん、まぁ…普通になりたい…」
美少女「…仲直りねぇ…カンタンにはいかないもんだよ。」
女「…うん、分かってる…」
美少女「…はぁ…しゃあない。貸しを作っとくか、」
女「手伝ってくれんの?」パァ
美少女「できるとこまでね。」
849 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/17(月) 00:07:39.97 ID:v3ciCSg0
~数日後~
美少女「では、今から午後に行われる校内清掃のグループ分けの結果を発表します。」
「は?グループ分け?!自由じゃねーのかよ!」
「校内清掃とかめんどー」
美少女「静かにしてくださいっ!兎に角、くじ引きで男女それぞれ1人ずつのグループを決めましたので、発表します。」
「男女ペアとか…デートwwww」
「うわぁ~、変なヤツと一緒にならなきゃいいなぁ~」
「クジで勝手に決めるとかねぇよ。」
美少女「静かにしてください!ペアを発表します。女生徒2さんと男生徒6さん。女生徒4さんと友2さん…」
女生徒4「え~」
友2「おれもお前ととかいやだからー」
女「…」
美少女「…女さんと男生徒1さん。」チラッ
女「‼」
男生徒1「……」ムスッ
852 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/17(月) 01:13:57.23 ID:UEIq1AI0
~校舎裏~
男生徒1「…」
女「…」
男生徒「…」
女「…(き、気まずい…)」
女「い、いやぁ~、今日はあっついね~!」
男生徒1「…」
女「…(無視かよ…)……あ、ゴミはっけーん!うわぁなんだこれキモっ!」
男生徒1「…」スタスタ
女「…」
女「…あ、あそこ行こうよあそこ!男生徒1が告白してくれたとこ!」
男生徒1「…」ピクッ
女「…ぁ…」
…いや、今の発言はまずいだろ。なんでこんなこと言っちまったんだ…
男生徒1「…」ツカツカ
女「ごっ、ごめんなさい!」ペコッ
男生徒1「はぁ?」イラッ
女「…」ブルブル
856 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/17(月) 02:57:43.10 ID:rNypw4U0 [1/2]
男生徒1「…お前さぁ…なめてんのか?」
女「いいいいや、そんなこっ、そんなコト全然無くて…えと…あの…」ブルブル
男生徒1「…」ツカツカ
女「その…えっと…あたしは…ただ仲直りするための話題が欲しくて…」
男生徒1「…」
男生徒1「マジ最悪だった。」
女「ごっ、ごめんなさい!」ペコリッ
男生徒1「…お前が仮にさ、ボッコボコにされた後にレイプされたら、そのレイプしたヤツ許せるか?」
女「…」
男生徒1「お前はそれに匹敵するようなコトをしたんだよ。だから俺はお前を完全には許さない。」
女「…だったら…だったら…ボコボコにしてレイプしてよ!それで許してもらえるんなら!」
男生徒1「…は?」
女「それで…仲直りできんならさ…」
男生徒1「…っ…」
女「…」
男生徒1「なんでそこまで仲直りしたいんだ?もうどうでもいいだろ。」
女「…だって…だってさ…男生徒1とは…ずっと友達でいたいんだよ…だからしっかり謝って許してもらいたいんだよ…」
男生徒1「…」
859 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/17(月) 03:52:25.05 ID:mbV7ttA0
女「…だから…気が済むまで殴ってよ…」
男生徒1「…」
男生徒1「お前Mなのか?」
女「は?えっ?あっ、そういう意味じゃないんだよ!」
男生徒1「分かってるって。冗談」フッ
女「…むぅ…」
男生徒1「…ほら、掃除するぞ。お前の足元にでっかいゴミ落ちてる。拾っとけ。」
女「えっ、あっ、それよりちゃんと仲直り…」
男生徒1「もういいよ。」
女「え?」
男生徒「もういいんだって。」
女「えっ…あっ、ありがこうございます!」ペコッ
男生徒1「だからもういいって。顔上げろ。」ギュッ
女「!」
男生徒「…これで最後でいいからさ…ちょっとこのままでいさせてくれ…」ギュ
女「…抱かれちゃうと顔上げられないよ…」
男生徒1「…」ギュッ
~~~~~~~~
友1「…」ジーッ
女生徒1「友1~?なにつっ立てんの?早く行こー」レッツゴー
友「あ、ああ。」
861 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/17(月) 05:05:38.85 ID:.DTsdKk0
~友1宅~
パンパンパンパン
女「ぅあぁ…ぅいぁぁあっ…もっと優しくしっ…くあぁ!!」ビクンビクン
友1「…」パンパン
女「うぅぐ…ストップ!…ぁぁん…おっ、お願いだからストップぅっ!」
友1「…」パンパン
女「あぁぁ!本当にお願いします!もうイッたからストップ!」ガクガク
友1「…うっ…」ビクッ
女「」ビクビク
友1「…はぁ…はぁ…」
女「…なんで…なんでこんな意地悪すんの?なんで止めてって言ったのに止めてくんなかったんだ?」グスッ
友1「…今日お前男生徒1と何してた?」
女「え…普通に仲直りしてきた…」
友1「…なんで抱かれてた?」
女「あれはそういう意味じゃっ!…うぁぁ…」ガクガク
友1「…」パンパン
865 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/17(月) 06:58:34.97 ID:xvMhEKg0 [1/2]
~自宅~
女「…ただいま~…」フラフラ
女「…ダメだ…ヘトヘトだぁ…あいつあんなに凶暴なヤツだったっけ…」ガチャ
母「おおおおおかえり女。」アタフタ
女「…?どしたのママ。」
母「なななっなっ、なんでもないのよ。」
女「…?まぁいいや。牛乳ぎゅうにゅう~っと」
母「ああああとこれ女、これ寝る前に絶対飲んでででで。」
女「?薬?なんの?」
母「訳があるの!訳が!」
女「…変なママ。」スタスタ
~その夜~
女「…」ジーッ
女「…っんく…」ゴクン
女「…難の薬かは知らんけど、ママが飲めって言ったんだし仕方ないよな。」
女「…寝よ…」
女「………zzzz」
913 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/18(火) 00:12:40.32 ID:IGdkS3I0
女「…ん…んぅ~…」ムクッ
女「…ふぅ…」ポケー
女「…おはよう俺、おはようあたし。」モゾモゾ
女「…今…もう10時か…よく寝た。やっぱ休みっていいなぁ…」
女「やべぇ喉乾いた。下降りるか…」ガチャ
ギシギシギシギシ(階段を降りてるだけだよ!)
女「…ん?あれは…おっさんのスーツケース…?」タッタッタ
女「パパ帰ってきたんだ!」ドタドタドタ
ドアの向こうから父と母の笑い声が聞こえてくる。
このドアを開けたらパパと会える!一年ぶりの再開!
女「パパ!」バァンッ
父 「」ポカーン
母 「」ポカーン
女「あれ?パパ?ママ?どうしたん?」
母「…ああぁっ!このコのコト紹介するの忘れてたわねっ!えっと…えっと…この子は…あれよ…そうあれ!婚約者!男の許嫁!」
女「はぁ?ちょっとママ何言ってんの?!」
父「…お前…あの薬を勝手に使ったのか?」
母「………ごめんなさい…」シュン‥
女「えっ?えっ?何の話?」
916 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/18(火) 00:38:25.05 ID:VjWeJVE0
母「でも…でも…女…昨晩、薬飲まなかったの…?」
女「え?飲んだよ?」
母「え…じゃ…なんで戻ってないの…?」
女「は?」
母「あれは男に戻すための薬なのに!」
父「というよりも、女体を男体に転換させる薬だ。」
女「えっ、ええぇぇぇ‼」
女「…えっ…てか…え、じゃあ俺がこの体になったのもママが前に変な薬飲ませたからってこと?!」
母「…うん…まぁ…」
父「…それより…母…どっからあんなもん入手したんだ…うちの会社でしか開発されてなかったはずなのに…」
母「…その…まぁ…いろいろあって…こっそりもらった…」
父「…」ゴゴゴゴゴ
母「ひぃっ!」
女「ちょちょちょちょっとまってよ!それはともかくさ、なんで男に戻らない訳?」
母「?さぁ。」
父「…その薬の効能は一部の条件を満たした人間にしか効かないんだ…」
母「へ?」
女「条件?」
父「…その…なんだ、非常に言いにくいんだが…」
父「処女であるコトだ。」
女「」
母「」
928 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/18(火) 02:20:20.19 ID:5xqWwmc0
母「…あれ?じゃあなんでこの子は男に戻んないの?あれ?」グニグニ
女「うぎぐぎ」グニグニ
母「あれ?え?なんで?戻れるんでしょ?あれ?」
父「…そういうコトだ…とひあえずほっぺたからその手を放してやれ。かわいそうだから。」
女「ぷふぁ…」
母「…」
父「…とりあえず…どうするんだ…」
母「…女…あんた…どうすんのよ…戻れないって…」
女「うぅ…」
父「いや、お前がこの子を責めるのはおかしいだろ。八割型お前の責任。」
母「うぅ…」
父「…現段階で、処女以外の女体が男体化するための薬が開発されるのには、二年掛かる見積もりだ。」
女「二年…」
父「…もっと残念な知らせがあるんだが…」
女「…」
父「この薬の開発は、既にストップしてるんだ。」
女「!!!!!!」
父「人権がどうだの人口問題がどうだの神への冒涜だのなんだのいう連中がいてな…ほら、こんな風に他人に勝手に飲ましたりする人もいるし。」チラッ
母「ぅ…」
女「…」
女生徒1…
933 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/18(火) 04:22:29.08 ID:O5ZdtKI0
父「それなんだが、実は、この薬の開発の発案者で且つ最高責任者は、パパなんだ。」
女「…だから?」
父「頑張って頼めば薬の開発を秘密裏に再開させてもらえるかもしれない。いや、男が望むならそうしてみせる。」
女「!」
父「どうする?男の体に戻りたいか?」
女「えっ…いや…えと…」
いざ回答を迫られると、意外と悩む。
この体になってから、席を譲られたり、なぜか知らない人からいきなりカフェで奢ってもらったりetc.etc...絶対得してる。
もしかしたらこのままの体でいた方が…
女生徒1『彼氏と彼女の関係になれるよね?』
文化祭の初日、女生徒1と休憩時間を過ごしていた時に、彼女が発した言葉がフラッシュバックした。
そうだ。俺には女生徒1との約束を守る義務がある。
女「戻りたい…戻りたいです!」
父「よしっ!パパがなんとかしてくる!」
女「うん!ありがとう!」
父「はっはっはっはっは!」ブワハハハハ
女「あっ」
父「ん?どうした?」
女「いや…なんでもない…」
友1とはどうすればいいんだろう…
まぁ、とりあえずクスリは作ってもらっておこう…
945 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/18(火) 07:28:27.45 ID:zfkzvxM0 [1/3]
~翌日、学校~
女「」ニコニコ
女生徒1「どした?なんかウチの顔についてる?」
女「え?いやいや。なんでもないっすよw」ニヤニヤ
女生徒2「なんかウザっ。ヤケに機嫌良いね。何?何があったの?」ツンツン
女「え?いやいやぁ…」エヘヘ
女生徒1「…さては昨日友1と何かあったな?!」
女生徒2「まさかのお楽しみでしたか?!」
女「いやいや!そーゆーことじゃないんだ!」カァァ///
女生徒1「!…その赤くなりようは…うむ、そのようです。女生徒2さん。」
女生徒2「あちゃぁー、そーゆー感じっぽいですね女生徒1さん。」
女「ほほほんとに止めてよ!そーゆーのじゃないからっ!」
女生徒2「誤魔化せば誤魔化すほど怪しく…もがけばもがくほど深く沈むぅ…」
女生徒1「さぁさぁ、詳しく話してもらおうか…」ワシャワシャ
女「…」
間違ってはないけど機嫌よかった理由はそれじゃないのになぁ…
昨日は半分無理矢理みたいな感じだったし…
949 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/18(火) 07:46:32.60 ID:zfkzvxM0 [2/3]
女「そんなコトより女生徒1ちゃん!男があと少しで帰ってくる か も し れ な い ってよ!」
女生徒1「」ピタッ
女生徒2「そんなコトはどーでもいいから機能のファイトに関して…」
女生徒1「か、帰ってくる?」
女「うんうん!」
女生徒2「いいから早く昨日の…」
女生徒1「それ、本人から聞いた話なの?」
女「うんうん!まだちゃんと帰れるか分からないから女生徒1には伝えるなって言われてるけど!」
女生徒2「ちょっとー、うちのコト無s…」
女生徒1「…あと少しってどれぐらいかな…」
父『二年』
父の昨日の言葉を思い出す。
二年って。もう少しとか言うレベルじゃないじゃん…
あと少し、とか何無責任なコト言ってんだ俺。
女「…二年?」
女生徒2「」ガタンッ
女生徒1「にっ、二年?!どこが少しっ?!」
女「いやっ、ほらっ…かえってくるよーってさ…」
女生徒2「女…あんたのいってるコトかなり意味不。」
女生徒1「…ぅうぅ…男と手を繋ぐ日は未だ遠し…」グスッ
女「ほっ、ほらっ、元気だしなって女生徒1ちゃん!」
女生徒1「ちくしょぉー…待ってやる~、二年三年四年六年十年待ってやる~‼」
女生徒2「遠距離恋愛って燃えるねー。」
女「うんうん。(実際は40cmしか離れてないけど…)」
951 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/18(火) 08:09:43.51 ID:zfkzvxM0 [3/3]
友1「女?ちょっといいか?」
女「あっ、友1。おはよ。」
女生徒1,2「…」ニヤニヤ
女「…なんだよー…」
女生徒1「いやいや、なんでもない。なんでもない。ほら、行ってきなよ!」
女「…ふむ…」
友1「…ここで話せるような話じゃないから多目的室まで行くぞ。」コショコショ
女「え?あ、うん。」コショ
女「じゃ!すぐ戻ってくるね~‼」フリフリ
女生徒1「うーん、」フリフリ
女生徒2「いってらー」フリフリ
タッタッタ…
女生徒1,2「…」
女生徒1「…今回のミッションは友1と女にばれないように二人のラブラブトークを盗聴するコトだ。細心の注意を払ってミッションを行うんだスネーク。」
女生徒2「は?なにそれ。」
女生徒1「メタルギアってゲーム。弟がはまってる。」
女生徒2「へー。」
女生徒1「…とりあえず…行きますか!」
女生徒2「了解であります!」
コソコソコソコソ…
続きます
~トイレ~
女「…ちくしょぅあの女…勝手に変なコト言いやがってぇ…」ボソボソ
美少女「よっ、」
噂をすればなんとやら、とはまた違うが、美少女が素晴らしいタイミングで来た。
女「う、うぉっ、美少女ちゃんっ。なんでいつもトイレでばったり会うんだ!」
美少女「偶然じゃない?トイレ仲?」
女「…あんま良い響きじゃないね…」
美少女「ま、どーでもいーじゃん。で、キスしなかったのね。」
女「そうそう、それだよ。なんであんな勝手な嘘ついたの?」
美少女「ちょっとしたイタズラかな?」
女「…イタズラにしちゃ度がすぎるよね…」
美少女「で、結局キスはしなかったと。」
女「見てたの?聞いたの?」
美少女「いや、男生徒1の顔みりゃなんとなくは分かるよ。」
13 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/21(水) 05:18:16.27 ID:4b6Q.3I0 [2/3]
女「そんなに違った?いつも通りだと思ったけど…」
美少女「…違ったかな。少しだけど。」
女「よく分かるね。そんなの」
美少女「まぁなんとなくね。で、なんでキスはしなかったの?」
女「いや…なんか…まだ付き合って間もないし…」
美少女「付き合ってもない友1にはヤらせてあげたのに?」
女「……っ」
胸がキュッと締め付けられるような感じがした。
今思えばなんであそこでヤってしまったのだろう。
後々面倒なコトになるというコトは分かってたはずだ。
そのせいで男生徒1には負い目を感じてしまうし、友1に対しては中途半端な、いやそれ以上の期待を抱かせてしまった。
ただ自分の一時的な快楽を求めてやってしまったのだろうか。
違う。違う。違う。違うんだ。
15 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/21(水) 07:07:57.04 ID:4b6Q.3I0 [3/3]
違わない。あの時は体の求めるままに行動してしまったのだ。後先のコトを考えずに。穢れた欲望を満たすために。
美少女「…なに泣きそうな顔してんのよ。別に責めるつもりで言ってる訳じゃないよ。」
後悔してる。何だったんだろう。なぜ、このように悩み、苦しむコトを分かっていながら、あの時思いとどまらなかったのだろう。
女「…あたしってさ…最低…だよね…今更だけどさ…」
美少女「…」
女「…」
美少女「最低だよ。」
女「!!!…………やっぱりそうだよね…はは…」
望んだ答えが帰ってきたが、自分のクズさを認められると、さらに惨めな気持ちになった。
美少女「…あんたはもっとクリーンな子だったのに。それに惹かれて男生徒1はあんたに寄ってきたのに。」
眉間にシワを寄せて美少女が言う。
女「…っ…」
美少女「…だから…バレてないなら男生徒1にはあんたが友1としたコトは絶対に知らせない。それが正しいのかどうかは分からないけど。」
女「…」
美少女「…おっと話が脱線してしまってた。」
40 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/22(木) 03:09:54.89 ID:86FotKQ0
美少女「あたしが言いたかったコトにそろそろ話し戻すよ。」
女「え?うん」
美少女「…あんた男生徒1のキスは拒んだじゃん?でも友1とはキス普通にしちゃったじゃん?」
女「…話…変わってないよね?」
美少女「最後まで聞けって。」
女「…うん」
美少女「…でね?そこでキス出来るかできないかの差が結構大きいとあたしは勝手に思うわけ。」
女「…?どういうこと?」
美少女「…はぁ…だからぁ…馬鹿なの?」
女「…美少女ちゃんよりは成績いいけど?」ムッ
美少女「…いや、そーゆーコトじゃなくて…あんた阿呆だよね…」ハァ
女「あ、阿呆言うな!」
41 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/22(木) 04:50:13.07 ID:ymiXrEQ0
美少女「…まぁとにかく、あたしが言いたいのは、なんで男生徒1とはキスできないのに友1とはできんの?ってコト。」
女「あ…」
美少女「…どうよ」
あれは、あれは……なんでだ。男生徒1にキスされたくないというのは、同性、いや、今は違うが。とにかく、男にキスされるのがイヤだったからだ。
でも…それだったら友1も同じのはずだ。それにも関わらず、一回無理矢理されてからは、その時以降、嫌悪というものはあまり感じなかった。いや、むしろ悦びすら感じていたかもしれない。
女「…」
美少女「…唇ふるふるさせて。なんか言いたいコトあるんじゃないの?」
女「…ぅ…」
美少女「…まぁ、言いたくなきゃ別に言わんでもいいんだけどー。」
女「…」
美少女「…でも…あんたはもう少し自分の気持ちに向き合ってみたほうがいいと思う。」
女「…」
向き合っては、いる。ただ、分かっていないだけなんだ。
42 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/04/22(木) 06:10:38.50 ID:uhnb4gSO [1/2]
今日も俺は男のままか・・・
43 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/22(木) 07:02:22.47 ID:Mxt9NrQ0
美少女「じゃ、あたしはこれで。」スタスタ
女「…」
美少女の言うコトはもっともだ。
でも、まだ分からない。男生徒1は…好きだ。友達として。何より話していて飽きない。
友1は…いつも隣にいるのが普通だった。隣にいてくれると安心する。この体になってから一緒にいる時間は勿論減ったが、それでも機会があれば隣にいったり一緒に帰ろうと誘ったりしてた。
毎回毎回同じようなコトで悩む。結論が出せないかもしれない。
だが今回はは美少女にさっき言われたコトを思い出す
美少女『なんで男生徒1とはキスできないのに友1とはできんの?』
答えを出すのは無理かもしれない。
いや、出したくないのかもしれない。無意識の内で、答えを出すコトを拒否してるのかもしれない。
ここで答えを出したら、罪悪感のような感情に押しつぶされてしまうような気がした。
だって、美少女、お前の出した理屈から自分の答えを導きだしたのなら、その答えは、きっと、きっと俺は…
77 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/23(金) 03:36:22.71 ID:TSAUE7.0
女「…友1…」
やっぱり…そうなのかもしれない。
友1は、出来る限りそのような見方をしたくなかっただけなのかもしれない。
いや、そうなのだろう。
友達だから、親友だからこそ、バリアを張ってたのだ。
越えてはならない一線を超えないために、超えさせないために。
だけども、あの日、そのバリアは、いとも簡単に破られてしまった。
でも、そのバリアが破れた時はとても心地良くて、安心して、温かかった。
だが、破れたバリアの破片は胸に刺さり、それから男生徒1がいちゃついてくるたびに、胸が痛むようになった。
もう、終わりにしなきゃ。
男生徒1は、嫌いではない。だが、やっぱり、「したい」とか、そのような気持ちは生まれないし、むしろ迫られた時には嫌悪感すら湧いた。
79 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/23(金) 04:15:03.05 ID:6BrrRbI0
友1が離れてからは、友1が恋しいと感じるようになった。
友1、親友。
それなのに、そのはずなのに、こんな感情を抱いてしまった。そして、親友だからこそ自分の気持ちを無意識の内に誤魔化してきたのかもしれない。
女「…ぁ…」
もう一つ問題はあった。
女生徒1だ。
女生徒1との関係も、なかなか複雑かもしれない。
女としては、女生徒1は女生徒2と一緒で親友だ。
だが男としての俺は、女生徒1を好いている。そして女生徒1は今でも男である俺のコトを好いている。
ここで友1を取るべきなのか。女生徒1を取るべきなのか。
体は、友1を求めている。心は、二つに別れ、女生徒1と友1をそれぞれ求めている。
81 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/23(金) 07:38:53.82 ID:Se8GqFo0
~教室~
女「…はぁ…」
女生徒1「…どした?そういや、さっきの話の続きなんだけど、」
女「…あぁ…今はいいや…また今度にして…」
女生徒1「えっ、女が聞きたいって言ったんじゃんよー!」
女「…いや、今はそーゆーノリじゃない…」
女生徒2「…どした?なんか帰ってきてから変だよ?」
女「なんでもないなんでも。」
女生徒1「…さては…男生徒1と何かあったんだね?!」
女「…」
半分正解だ。
女生徒2「あぁ、そうだそうだ。何してきたの?」
女「…ぅー、それ言わなきゃダメですか?」
女生徒1,2「ダメですねー」
女「…ぅーん…」
96 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/24(土) 03:43:14.25 ID:IvOh3Zg0 [1/4]
女生徒1「ほらほら、早くゲロっちゃえ」
女生徒2「さもなくば明日、天体観測行った時のあの写真ばら撒くぞ!」
女「あぁぁぁ、それは止めて!」アワワ
女生徒2「撮っててよかったあの写真!ほら、早く言うんだ。」
女「ぅう…」
女生徒1「…ほらほらー、淫乱説がまた広がっちゃうよ~?あ、でもあんなコトしてるウチらもやばいかも。」
女生徒2「…とにかく!あの写真をばら撒かれたくなかったら答えるんだ。ふふふ」
女「わっ、分かったよ。言うよ。言えばいいんでしょ!」
女生徒1「お、ついに女が股を開く気になったかぁ?」
女「股?」
女生徒2「口ね」
女生徒1「え?口って普通に言ったけど?」
女生徒2「いや、絶対、股、って言ったね」
女生徒1「いや、言ってない言ってない!無いって」
女生徒2「言った言った。ね、女?」
女「うん、股って言ったね。」
女生徒1「…とにかく!」
99 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/24(土) 05:40:56.80 ID:IvOh3Zg0 [2/4]
女生徒1「とにかく!その話は置いといて!女の悩みを聞いてあげようよ!」
女「えー、別に聞いてもらわなくてもいいよー」
女生徒2「…写真…」ボソッ
女「いいい言うよ!言うから!」
女生徒1「ほら来た!」
女「うー…」
女生徒2「さあ。」
女「…あのね…」
女生徒1,2「うんうん」
女「…男生徒1のコト…なんだよね…」
女生徒1「…あ…」
女生徒2「…」
女「…うん、もう言っちゃっていいや。聞いて」
101 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/24(土) 08:29:12.57 ID:IvOh3Zg0 [3/4]
女生徒1「…じゃあ聞こうかな」
女生徒2「話して」
女「…なんとなく話見えてると思うけど…」
女生徒1,2「…」
女「分かれようかなーなんて。」
女生徒1,2「…」
女生徒1「…なんで?まだ付き合い出したばっかじゃん!」
女生徒2「…なんかあったの?」
女「いや、別になんかあったとかそんなんじゃないんだ…ただ…そういう関係ではいたくないのかなー…なんて…」
女生徒2「…まぁ…あんたがそれでいいならそれでいいんじゃないの?」
女生徒1「…」
女「…うん…」
沈黙と共に、気まずい空気が流れる。
その空気を変えようとしてか、女生徒2が声のトーンを高くして言う。
女生徒2「誰か他の男に股開いちゃったりしたのかな?」
女生徒1「ちょっとー、もうウチのコトいじるの止めてよー!」
もちろん女生徒2は冗談のつもりで言ったのだろう。
だが…冗談にはなってなかった。
女「…っ…」
102 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/24(土) 09:01:15.58 ID:IvOh3Zg0 [4/4]
女生徒2「…女?」
女「あっ、あははっ!な訳ないじゃん!」
女生徒1「…だっ、だよね!ほらー、女生徒2も変な冗談でウチら困らせないでよー。女一瞬マジな顔になってたじゃん!」
女生徒2「あっ、うん。ちょっと冗談にしては変なコト言いすぎたかもなぁー、ははっ」
女「ほんと困っちゃうよー、あははははww」
女生徒1「あっはははwwははははw」
ちょっと異様な雰囲気かな。
もしかしたら嘘ついてるコトバレバレだったりして。
バレてないよね。うん、バレてないよね?
女生徒2「…ま、仮にそんなコトしてても別に気にする訳じゃないけどねーw」
バレてない…のかな…?
127 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/24(土) 19:31:53.76 ID:twzpdYs0
女「…それ以前にそんなコトしないって~。変なコト言うなぁ~w」
女生徒1「…はははは!」
女生徒2「…でもさ…別れたいって思うってコトは他に好きな人でも出来たってコトかな?」
女「!」
女生徒1「…ははぁーん。その顔は…」
女生徒2「出来ちゃった感じだね~」
女「…」
女生徒2「ここは言っちゃう感じだよね?」
女生徒1「ほらほら、水臭いぞー!」
女「…ぅう…」
女生徒1「ほらほら、言え言え~」ツンツン
女生徒2「言え言えー」ツンツン
131 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/24(土) 20:30:59.83 ID:69ieSbo0
女「…じゃあ…言うよ?」
女生徒1「うんうん!」
女生徒2「早く早く!」
女「…えっと…多分…」
ここで女生徒1の名を出すのはまずい気がした。
女「…友1…かな?」
女生徒1「おおおおお!」
女生徒2「やっぱ!?やっぱ?!そんな気がしてたんだよ!」
女「ちょっと!二人とも大きな声出さないでよ!みんなこっち向いてるし!」
女生徒1「あいやー、ごめんごめん」
女生徒2「ちょっと興奮しすぎたかもw」
女「うーん…」
134 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/24(土) 21:37:30.02 ID:1zXYrdg0
女生徒2「でも…ちょっと男生徒1かわいそうだったり」
女生徒1「たしかにねー…」
女「…」
女生徒1「男生徒1ね、よくウチらにメールしてきてたんだよね。女って何したら喜ぶかな?っとか」
女生徒2「何が好きかな?とかも良く聞いてきてたよねーw」
女生徒1「多分…男生徒1は女のコト本気で好きだったんだと思う。」
女生徒2「ウチもそうだと思うよ。」
女「…うん…」
女生徒2「…だからさ…」
女「…?」
女生徒2「出来る限りスッキリとした別れ方にしてあげてようよ」
女「…うん…」
女生徒1「これからも仲良く居られるようなさ!別れた後に気まずくなったりしないように!」
145 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/24(土) 23:48:23.81 ID:mf3Q.LU0
女生徒2「ま、今は試験のコト考えよ。もうすぐ始まるし。」
女生徒1「そうそう!試験終わったらじっくりと…」
女「そ、そうだね!」
女生徒1「…そういや、試験終わったら文化祭近いね。」
女生徒2「…色々と忙しいもんだね~…」
女「うーん…頑張ってスッキリとした別れ方考えとくよ」
女生徒1「うん、頑張れ!ウチらもいい案が出たら言うよ!」
女生徒2「出来る限り相手を傷つけない言い方…難しいねー」
女「いい答えを出せるように頑張るよ!」
女生徒2「そう言ったからにはちゃんと考えときなよー?」
女「大丈夫大丈夫!」
女生徒1「とりあえず今は試験ね!」
女「お、おう!」
女生徒2「まっじめーだねー」
146 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 00:52:50.99 ID:s0kbGiA0
~自室~
女「…」カキカキ
女「…」ゴシゴシ
女「…ふむ…」
女「…なんかだりぃー…集中出来ないなぁ…」
女「…テストもうすぐなのになんだこの倦怠感…」
女「テストやら色々とストレスの種があるから疲れてんのかな…」
女「…」
女「…風呂でも入れば少しは勉強する気も出るかな?」
女「よしっ、スッキリしてこよーっと」スクッ
149 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 01:17:17.06 ID:SDRF9sc0
~翌朝~
女「…」zzzz
女「…んぅ……」
女「…」パチパチ
女「…最悪だぁ…」
パンツがベチャベチャする。
漏らしたか。15歳にもなって漏らしたか…
女「…しかも怠…」
女「…とりあえずトイレ行って処理しよ…」ペラ
布団を捲ると、パジャマがしっかりと濡れていた。赤く染められて。
女「…そーいえばそろそろそーゆー時期だったか…」アチャー
女「…処理めんど…」
151 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 01:41:42.38 ID:49CaREs0
女「…」フキフキ
女「…」
女「…昨日ナプキンして寝ればこんなコトには…」
女「…」
女「まぁ、周期とかまだよく分かってなかったし…それ以前に生理の存在自体忘れてたし…」
女「…あぁぁ怠ぃ…」
女「…めんどっ、ママに頼めばいいや。」
女「…そういえばしばらくシーツ替えてなかったし。洗うにはちょうどいい機会になったかな」
女「ここまで血でベシャベシャになってたらだいぶ前に友1とヤった時の血も…」
女「…相当長い間シーツ替えてなかったな…」
女「…あれ?整理来たってコトは…妊娠は…してない!」
女「よっしゃー!」ピョンピョン
女「…うわ、怠…」
153 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 04:19:34.19 ID:9/Li/mg0 [1/2]
~休み時間、教室~
女「」ヘター
女生徒1「…どうした?なんかあったか?」
女生徒2「何その格好、ダレすぎでしょw撮っとこw」
女生徒1「ありゃりゃ、女生徒2の女フォルダに新たなる画像が追加されるか」
女「…」ムクッ
女生徒1「あ、起きた。」
女「…あたしの…画像フォルダ?」
女生徒2「そうそう、弱みを握るためのw」
女「…弱み?」
女生徒1「そうそうw」
女「…例えばどんな画像が入ってんのさ…」
女生徒2「ふふっ、知りたい?」
女「…」コクコク
155 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 04:51:27.85 ID:9/Li/mg0 [2/2]
女生徒2「えいっ☆」
女「…」ジーッ
女「…」
女「…ぁ…あぁ…」アウアウ
女生徒1「はっはw」
女生徒2「予想通りの反応してくれるねw」
はっきり言って、裸を撮られたりしてるようなやつは無かった。
一瞬ドキっとした写真があったが、よく見たらたいしたコトがないやつばっかりだった。
リコーダーを吹いてる写真の、リコーダー部分にモザイクをかけてるような下らない物まであった。
女「ちょっと!一瞬マジでドキッとしたじゃん!」
女生徒2「ははははww」
女生徒1「ぷっ、くくくくくw」
女「うわっ、この写真とかいつ撮った?全然記憶にないけど」
女生徒1「前の天体観測の時の朝に、女がなかなか起きないからつい撮っちゃったw」
女生徒2「ここまでマヌケなツラよく出来るよねぇ。うん、感心した!」
女「うわぁぁぁ!!!消せ消せ消せ消せ!!!」ブンブン
156 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 07:22:02.04 ID:0ouOlOc0
女生徒1「おっ、元気出た?」
女「…疲れたー、怠い…」ヘナヘナ
女生徒2「怠いの?風邪?それともそーゆー日?」
女「…そーゆー日…」
女生徒1「あちゃー、そっちか。この時期に来ちゃうとか災難だねー」
女生徒2「女って重傷?それとも軽度?」
女「うーん…多分…普通?」
女生徒1「うぁー、普通とか分からねー!ウチが普通?女生徒2が普通?女が普通?」
女生徒2「それに関しては誰にも分からない話だねー。ましてやオトコになんて絶対。」
女「あー、そうだねー、オトコにゃ絶対に分からん辛さじゃけんねー」
女生徒1「なぜに方言?」
女「分からんぜよー」ヘラヘラ
女生徒2「…あんた中途半端な方言使うの止めときや?聞いてるこっちがイライラしてくんねん…喋るならウチの関西弁ぐらいはしゃべりぃや!」
女「え」
女生徒1「女生徒2ちゃんはお母さんが奈良人だから関西弁しゃべるんよー」
女生徒2「そ、知らなかったしょ」フフンッ
女「へー、」
160 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 08:53:22.97 ID:bpw/opQ0
キーンコーン
女「あ、鐘鳴った。」
女生徒2「じゃ、また後で。」
女生徒1「じゃねー。」フリフリ
結局その後、普通に授業が始められたのだが、集中がなかなか続かなくてイライラした。
女「…怠い…」ボソッ
このまま無理して授業受けんのも辛いなー…
前、生理が来たときここまで辛かったっけ?覚えてないや。
うわー、全然先生が何言ってるか分からねえ。やっぱこのまま授業受けてても意味無いな。うん。
女「…先生」スクッ
数学教師「?女、どうした。」
女「…怠いんで保健室行ってきます。」
数学教師「おぉ、そうか、行ってこい。」
女「…」タッタッタ…
171 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 18:18:14.31 ID:fZgsjOg0 [1/5]
~保健室~
コンコン
保健職員「どうぞー」
ガラガラ
女「…失礼します…」
保健職員「あら、どうしたのそんなグッタリして。」
女「…ちょっと具合悪いんで横になってていいですか…?」
保健職員「あぁ、どうぞー。そこのベッド空いてるから寝てていいよー」
女「…ありがとうございます…」コロン
女「…うぅ…」
あ、そろそろナプキン変えなきゃ
女「…ちょっとトイレ行ってきますね?」
保健職員「どうぞー」
女「…」フラフラ
172 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 18:53:42.41 ID:fZgsjOg0 [2/5]
ガラガラ
保健職員「あら、おかえり。」
女「…ただいま…」フラフラ
女「…」コロン
女「」
保健職員「その体になってだいぶ経ったね。」
女「え?あ、はい」
保健職員「慣れた?」
女「…とっくに慣れましたよ…」
保健職員「女の子ってのも割と大変でしょ。」
女「…ですね…生理とかサイアク…背が低いと満員電車の中で潰されそうになるし…痴漢にはあうし…体力無くなってるし…」
保健職員「ま、でも可愛いだけで得してるってコトはあるんじゃない?」
女「うーん…あんま無いですね。」
174 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 19:35:18.34 ID:fZgsjOg0 [3/5]
~自宅~
女「ぁう~、だりい~」ヘナヘナ
女「…全然勉強する気になんねーな…」
女「…怠いけど薬飲むのはまだ早いよなぁ…。」スクッ
女「…試験…大丈夫かな…」
女「前の生理は…えっと…4日間ぐらい続いたんだっけ?」
女「…今回も四日続くとしたら、えっと…」
女「やっべ、ギリギリ数学のテストの日と重なるじゃん!」
女「あぁぁぁ…」
女「まぁ…クスリ飲んで少しでも楽にしなきゃな…」
女「…少しでも楽になるコトを祈る!」グッ
177 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/25(日) 20:04:20.42 ID:fZgsjOg0 [4/5]
~数学テスト終了~
女「」
女生徒1「…女?大丈夫?」ユサユサ
女「」グワングワン
女生徒2「まぁ…たまにはこんなコトもあるさ。」
女「…薬飲むの忘れたとかもう…あぁぁぁ!折角勉強したのにぃぃぃ!!!」
女生徒1「そんなに辛かったの?」
女「まぁ…ピーク程ではないけど…でもしっかり集中は出来んかったよ…」
女生徒2「アンラッキー!」
女「まぁ…そろそろ終わる頃だと思うし…」
女生徒1「それはともかくお昼どうする?一緒にファミレス行かない?テスト勉強も出来るし!」
女生徒2「あっ、いいねぇ!行く行く!女は?」
女「ごめんあたしパス。おにぎり持ってきてるから。それに怠いから早く帰りたい…」
女生徒1「ちぇっ、つれねぇなぁ!ま、いいや。じゃ、明日ねー!」
女「じゃね、また明日。」フリフリ
182 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 22:51:40.35 ID:fZgsjOg0 [5/5]
~試験全科目終了後~
女「ひゃっふー!!!ようやく試験終わったぁ‼」
女生徒1「よっしゃぁー!!!」
女生徒2「あああああ…絶対今日の問4ミスったぁぁぁ…あんな簡単だったのに計算ミスしたとか…」プルプル
女「えっ、あそこミスったの?だっせw」
女生徒2「うるさい、誰にだってミスぐらいあるわ!あーもう、あんたずっと生理痛続いとけば良かったのに…」
女生徒1「あれの答えって350mlだよね?」
女生徒2「あぁぁぁ!ミスって400にしてたんだよぉ!あぁもう言わないでぇぇ」
女「え?あれって400じゃないの?」
女生徒1,2「え」
女生徒2「ちょっと待って、あんたウチと同じ間違いしてんじゃないの?」
女「え…あ…」
女生徒2「…だっさw」
女「う、うるさいっ!」
189 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/26(月) 01:46:36.63 ID:XI.RnfM0
~翌日~
教師1「文化祭の準備を始めます!」
オオオオオォォォォー
男生徒1「ちょっと待って下さいよ先生!準備って言っても何するかすら決まってないじゃないですか!」
教師1「だからそれも今から決めるんじゃんよー」
「えー、何するー?」
「はいっ!はいっ!先生!俺に案があります!」
「俺部の出し物があるから出れねー」
「なんかワクワクするよね!」
女「文化祭かぁ」ワクワク
教師1「じゃあこれから案とるよー!静かにしてー!」
191 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/26(月) 05:49:47.32 ID:eF84cBw0 [1/6]
~翌日~
教師1「だれか意見ある人いる?」
オタ「はいっ!」
教師1「はい、オタ君。」
オタ「めいっ、メイド喫茶がイイと思います!」
女生徒3「えっ、ちょっとなに言ってんの?!」
女生徒6「ちょっとふざけないでよーww」
オタ「ぐふふww」
男生徒2「え、ちょっと待て。オトコもメイド服来んのか?」
女生徒7「あ、男子もやんなら別にやってもいいかもw」
男生徒3「萌え~w」
女「…」
女「ハァ…」
んなの通る訳ねえだろ。ぜってーやんねぇよ…
教師1「じゃあ他に案はある?」
男生徒8「はーい」
192 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/26(月) 05:58:58.23 ID:eF84cBw0 [2/6]
・・・・・・
結局最終的に
メイド喫茶
お化け屋敷
演劇
マジックショー
カジノ
という五つの案が出た。
ここは勿論お化け屋敷だろう。
教師1「じゃあ、多数決を採るよー。配られた紙切れに自分の希望する案を書いてねー。友達と相談とかしないで自分のやりたいもの書くんだよー!」
ガヤガヤ
配られた紙に何の躊躇いもなく、お化け屋敷、と書いて先生に出す。
周りを見ると、まだ迷っている者もちょこちょこいた。
女「…フッ」
普通に考えてお化け屋敷が一番多いだろう。
教師1「よーし、みんな出したねー?じゃあ今から集計とるよー。」
ワイワイガヤガヤ
193 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/26(月) 06:12:12.87 ID:eF84cBw0 [3/6]
教師1「…集計…が出ました!覚悟はいいかい?」
女生徒1「おー、」
女生徒4「早く早く~」
オタ「…」ニヤリ
教師1「じゃあ票が少ないものから言っていきます。」
教師1「ビリ、演劇。5票。」
男生徒1「すげぇ、5人もしたいやついたのかよw」
美少女「…」
教師1「四位、カジノ。7票」
男生徒1「えええぇぇぇぇ!!!マジかよ!少なくね?もっと乗ってこいよ!」
教師1「男生徒1くん、静かに!…三位、マジックショー。8票。」
女生徒1「…くっ…」
女「?」
予想外にメイド喫茶案が強いな。まぁ、お化け屋敷にゃ敵わんでしょ。
教師1「では!もういいや、この際一位を言っちゃおう!一位!13票!」
わくわく
教師1「…メイド喫茶…です…」
ええええええええええええええええ
196 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/26(月) 06:19:57.96 ID:eF84cBw0 [4/6]
男生徒1「えええええぇぇぇぇぇ」
女生徒4「ちょっと待ってよ!あり得なくね?クラスの四人に1人以上の確率で入れたってコト?」
女生徒1「ちょっとぉ!誰だよ、投票したやつ~!」
男生徒2「ゴメン、ノリで入れたw」
男生徒5「俺もw」
男生徒4「まさか皆同じコトを考えていたとはw」
教師1「ついでに言っておくとお化け屋敷は11票ね。惜しい!先生もお化け屋敷やりたかった…」
女「…」プルプル
女生徒2「うわぁ、サイアク~w」
畜生、なんでお前ちょっと嬉しそうなんだよ。普通お化け屋敷だろ。
せっかく貞子やろうと思ってたのに。せっかく鏡の前で練習してたのに。
199 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/26(月) 06:32:21.10 ID:eF84cBw0 [5/6]
~放課後~
女「…」
女生徒2「いやぁ~、メイド喫茶かぁ。やだなぁ~。誰だよ票入れたの~、女か?女なのか?」ウキウキ
女生徒1「…マジック…」
女「…貞子…」
女生徒2「あぁあ~、メイド服買わなきゃなんないなぁ~。ほんと恥ずかし~、サイアク~w」
何が『サイアク~w』だよ…
ぜってえお前票入れてるよね?なんでちょっとスキップみたいな歩き方になってるの?普段ちょっと大人ぶってるのに何で今日はそんなにウキウキしてんの?
女生徒1「…はぁ…マジック…」
いや、マジックとかこの際どうでもいいから。
女生徒2「三週間で準備しなきゃダメとかつらーいw」
もううるさい。貞子がよかったのに!
女「あたしは絶対にメイド服なんて着ない!」
201 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/26(月) 06:41:23.61 ID:eF84cBw0 [6/6]
女生徒2「しょうがないよ~、決まっちゃったんだから~ww」
女生徒1「…ぅうマジック…」
女生徒2「ほんと男子はノリとか言っちゃうから困るw」
女「…」イライラ
女生徒1「…はぁマジック…」
女生徒2「今週末、渋谷の○急ハンズ行かない?衣装買いに。」
女「…絶対に買わないし着ない…」
女生徒1「○急ハンズってマジック用品沢山あるよね!行こう行こう!」
女「…とりあえずついてく…」
女生徒2「~♪」
226 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/27(火) 03:52:51.50 ID:8ReXbpQ0
~翌日~
オタ「…やはり俺の計画どおりノリだけで票を入れたヤツがいたな。最初からこうなるコトは見えていたのだよ諸君w」
オタ2「さすがでござるww」
オタ3「メイド姿ww美少女たんのメイド姿に女のロリメイドww」
オタ1「ノリとか言ってるやついたけど多分あいつらの中に女子のメイド姿みたかったやついるよねww」
オタ2「あるあるww」
・・・・・・・・・・・・・
女生徒1「…盛り上がってるね…」
女「…絶対着ない…」
女生徒2「~♪」
女「こんなコトになるなら部活入っときゃ良かった…」
228 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/27(火) 05:43:18.67 ID:cX9UVXE0 [1/3]
~日曜、○急ハンズにて~
女生徒2「えっとー、パーティー用品売り場に多分あるから~」スタスタ
女生徒1「おっ、マジックグッズ発見!ちょっと見てこ~!」
女「おぉ~、ここ来たのなんて久しぶりだからワクワクするぜ~」
女生徒2「なんだー、女もなんだかんだで乗ってんじゃん」
女「メイド服とかそーゆーのじゃなくて他の物見たいの。文房具とか。」
女々しいとか思うかもしれないが、俺は男の頃から色ペン集めが好きだ。
女生徒1「ちょっと待ってよー、ウチこっち見ときたいのにぃ~!」
女生徒2「ほら、先に買わなきゃいけないもの揃えちゃった方がいいって」
女「じゃ、それ終わったらペン見に行こ。」
女生徒1「えー、その前にマジックグッズだよー」
女生徒2「どーでもいいからパーティーグッズコーナー行くよー」
231 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/27(火) 06:01:06.70 ID:cX9UVXE0 [2/3]
女生徒2「ついに見つけた。ここだね」
女生徒1「あ、パーティーグッズのとこにもマジックキットあんじゃん。わーい」
女「おお、なんだこのワクワクする空間は!」
女生徒2「わーい、メイド服はっけーん」
女生徒1「二人とも、見て見てw」
女、女生徒2「?」
女生徒1「ア~フロ~ww」ボンッ
女生徒2「…」
女「…あんま似合ってないね…」
女生徒1「…ちょっとぐらいノってくれぇ…」
女生徒2「あ、メイド服発見。」
女「うへぇ」
女生徒1「無視しないで!」
232 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/27(火) 06:58:40.73 ID:cX9UVXE0 [3/3]
女「…」
女生徒2が見つけたメイド服を手にとってみる。
パーティー用品の中から見つけた物なので、いかにもな包装に包まれていた。
女生徒2「…なんか安っぽくね?」
女「…だね…」
女生徒1「あ、あっちにもなんかあるっぽいよー」
女生徒1が指差す先には、服屋のようにハンガーに掛けられたコスプレ用?みたいな服がわんさかあった。
女「…どうみても…異様な雰囲気醸し出してるよね…」
女生徒1「うーん…まぁ…普通だったらあんまり近づきたくない感じかもね…」
女生徒2「…気にしない!さぁ行こう!」グイグイ
女「痛い痛い!関節抜けるから腕そんなに強く引っ張らないで!」
女生徒1「えー、行っちゃうのかよ~。ま、いいや。ついてこ。」
247 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/28(水) 01:47:04.79 ID:rgFhXKE0
女生徒2「うーん」ガサガサ
女「…」
女生徒1「おっ、いい物発見!ねぇ女、見て見て」
女「?」
女生徒1「じゃーん。なんかこの帽子かぶるとマジシャンっぽくね?」
女「おおっ、ぽいぽい!」
女生徒2「あ、いいのみつけたかも。これ似合うと思う?」
女「知らね。」
女生徒1「似合うんじゃないの?」
女生徒2「ちょっと試着してくる。」
女生徒1「あっ、試着室あっちにあったよ。」
女生徒2「行ってくるねー」タッタッタ
女「…スキップスキップらんらんらん、って感じだね。」
女生徒1「今の女生徒2は輝いてるね!なんか。」
249 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/28(水) 04:33:26.05 ID:wzLvF/s0
女生徒2「じゃーん」
試着室の前でしばらく待っていると、メイド服を着た女生徒2が出てきた。
女「おお、」
女生徒1「わお!」
女生徒2「似合ってる?」
女「うん、以外と似合うかも!」
女生徒1「以外とね~」
女生徒2「以外って何よ!」
女生徒1「だって女生徒2っていつもクール気取ったりしてるタイプだし~wwメイド服とかなら普段からフリフリしたヤツ着てる女の方がイメージ的には合う。」
女「フリフリしたのは好きだけどメイド服は絶対に越えてはならない一線だと思うんだ。」
女生徒1「ま、とりあえず女のも探してみよっか。」
女「いらない!本当にいらないから!」
女生徒2「…ちょっとはウチについてのコメントしてくれてもいいと思うんだ、もうちょい…」
251 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/28(水) 06:11:46.27 ID:2IbJZnI0
女生徒2「…反応がいまいちだから他のも試そ…あ、ついでに女と女生徒1も試してみたら?」
女「わたしはいいです。」サササ
女生徒1「あ、あたしはスーツ着てシルクハットかぶってマジシャンになるから。」
女生徒2「え、でもそれ認められないんじゃない?」
女「うんうん」
女生徒1「それ以外買う気はウチには無いぞ!」
女生徒2「んな滅茶苦茶な…まぁ良いや、女、あんたの探すよ。」
女「えっ、あたし…あたしもスーツ着るよ!」
女生徒1「え、女スーツ持ってんの?あたしは昔調子のって買っちゃったやつあるからそれ着るけど。」
女「え?今から買いに行くんじゃないの?」
女生徒2「はしごすんのめんどくさいからここでメイド服決めようね~」
女「うぅ…」
309 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/28(水) 21:49:36.77 ID:SOTbOPQ0 [1/2]
女生徒2「はい、じゃ、とりあえずこれ着てみて。」グシグシ
女生徒2が一番近くに掛けられていたメイド服を俺に押し付けてきた。
女「え、ちょっと、止めてよ!」
女生徒2「いいからとりあえず着なって」グシグシ
女生徒1「とりあえず着てみたら?」
女「とりあえずなんて気持ちではやってはいけない気がする!」
女生徒2「…着ないってコトは文化祭をサボるってコトかなぁ?」
女「いや、そーゆー訳じゃ…」
女生徒1「あ、でもそーゆーコトになるかもね。」
女生徒2「内申下がるよ~」
女「わ、分かったよ!着りゃいいんだろ、着れば!」
女生徒2「そゆことっ」ニコッ
316 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/28(水) 22:00:54.78 ID:SOTbOPQ0 [2/2]
渡されたメイド服を見てみる。
黒と白のティピカルなヤツだ。
フリフリが付いていてなかなか可愛いのだが、これを着たらもう終わりな気がする。
何が終わるのかとかはよく分からないが、とりあえず何かが終わる気がする。
女「…」ジーッ
女生徒2「ほらー、そんなにじっとしてないで早く着てきなよー」
女生徒1「わくわく~」
女「…わ、分かったよ…着てくるから…」ノロノロ
重い足を試着室に向けて一歩ずつ動かす。
女生徒2「さぁっ、たっのしみだなぁ~」
女生徒1「どんなきゃわいい姿で出てくるかな~」キャピキャピ
女「…」ノロノロ
320 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/29(木) 00:12:59.94 ID:ifnwofA0
~試着室~
女「…」
このメイド服を今から、メイド服を…
女「…」キリッ
着て…着てやるよ!
女生徒2「まだぁ~?」
女「うっさい!今から着るとこじゃ!」
女生徒1「女~、キャラ変わってるよ~ww」
女「いいから待っといて!」
服を脱いで下着姿にまでなる。
女「…」
いざ着ようとなると、どうしても躊躇ってしまった。
女「…これを着て…これを着て…なんぼのもんじゃぁぁぁ!!!」
女生徒2「なんか女の変な声が聞こえるww」
女生徒1「ははははww」
322 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/29(木) 00:36:56.94 ID:yXtwU1A0
着替えてる時、なぜか泣きそうになった。
親が見たら絶対泣くよね。
これを着た時点でもうなんかよく分からないけど越えてはならない一線を越えてしまった気がする。
着るのに苦戦しながらも、しばらくしてしっかりと着替え終わったので試着室を出る。
女「…」シャッ
女生徒2「!」
女生徒1「お、」
女「…」
いきなり女生徒1が俺の頭を掴み、抱き寄せてきた。
女「ふわっ?!」ブワッ
女生徒1「かわいいいいいいいyyyyyyyy!!!!!!」ギューッ
女生徒2「これは…なかなかいけたりして…」
女「むぅっ…女生徒1…!むぐっ…苦しっ…」バタバタ
女生徒1「かぁわいいいいい!!!!ウチのぬいぐるみコレクションに追加したいいいいい!!!!」ギューッ
女生徒2「女生徒1、落ち着こうよ。女なんか死にそうになってる。」
女「~~‼」バタバタ
323 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/29(木) 01:04:09.79 ID:CUIsBVo0
女「はぁ…はぁっ…」ゼエゼエ
女生徒1「ごめんごめんwでもホントに女カワイイよ~」
女生徒2「萌え~だね。」
女生徒1「萌え~ですねw」
女「むぅ…」
女生徒2「そういえば女はもう鏡見た?」
女「試着室に鏡なかったからまだ。」
女生徒2「見てごらんよ。びっくりするよ」
女「うん」テクテク
鏡の前に立ち、映った自分を見る。
女「おぉ…」
鏡には、まるでアニメ?とかマンガから出てきたようなカワイイ女の子が立っていた。いや、まぁ自分なんだけど。
女「萌え~…だね…」ポッ
女生徒2「自分で言うようなコトじゃないよねww」
女「えへへ…」
女生徒1「かあいいいいいいよぉぉぉぉ」
330 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/29(木) 07:03:31.99 ID:3YGdTLY0
女「…うん、悪くないかもしれない。」
女生徒2「越えてはならない一線というヤツを越えてしまった訳ですね。」
女生徒1「なんだろう、この気持ち。」
女「値段は別に気にしないから買っちゃえー」スタスタ
女生徒2「このブルジョアめ~。いいや、ウチもこれ買おっと」ヒョイッ
女生徒1「なんだかとっても切ないのです。」キュッ
女生徒2「あ、女生徒1もその帽子買いにレジ行こ?」
女生徒1「あぁこの気持ち…なんだか胸が…」モジモジ
女「おーい、女生徒1ちゃーん。」バシッバシッ
女生徒1「はっ、違うところに飛んでた。それより女、痛い。痛い!おしり叩かないでよ!」
女生徒2「うわー、女ってそーゆー趣味かよ…引くわぁー…」
女「いや、、そーゆー訳じゃないって。」
女生徒1「危ない性癖だねぇ…」イタタタ‥
356 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/30(金) 00:49:12.08 ID:EckOaMU0
女生徒2「ほっほっ、買った買った。」
女生徒1「買ったねぇ。」
女「うん、買った買った。あっ、」ピタッ
女生徒1「?どした?」
女「な、なんでもないよ」
女生徒2「変なヤツぅ~」
今更になってまずいコトに気づいた。
こんなん買ったコト母にばれたら死ねる。いや、むしろ死なれたりして。
やばい、マジでヤバい。
なんか変な汗かいてきた…
女生徒2「おーい、女~、もっと速く歩け~」
女生徒1「?あれ?なんか顔色悪いよ~?疲れた?」
女「いや、別に何でもないんだ。」
女生徒1「ホント?だいじょぶ?なんならそこら変で休んでも…」
女「ぜっ、全然大丈夫だって!ほら、帰ろ?」
女生徒2「いいの?まぁイイなら普通に帰るか。」
360 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/30(金) 01:34:24.45 ID:LHAB.uY0
ガチャ…
女「…ふぅ…ただいま~」
母「おかえり~。」
リビングの方から母の声が聞こえてきた。
リビングに入る前に自室に向かう。 買った物を見られたりしたら死んじゃう。
階段を上がりながら考えていると、また一つ恐ろしいコトに気付いた。
俺の部屋には、定期的に母が選択した俺の服などを箪笥にしまいにくる。
箪笥に例のメイド服を隠すコトは断念しなければならないようだ…
女「…どうしよう…」
フリフリしたメイド服はやはりかさばり、隠し場所に困った。
無理矢理押しつぶせば入りそうな箇所もあるが、押し潰してシワシワになってしまってもアイロンを掛けられないので止めた。
女「…あ、」
ベッドの下に調度イイスペースがあるじゃないか。
368 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/30(金) 03:32:05.00 ID:6jtUuV60
女「…」
女「…せっかく買ったんだしもう一回着るか、」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
女「やっぱカワイイなぁ~」クルクル
メイド服に着替え終わった後、鏡の前で回ってみせる。
女「…ふ、ふふふふ…」
なんだ、悪くないじゃないかメイド服だって。
変な偏見を持っていて損した。こんなコトならもっと前から着ていてもよかっ
コンコン
女「!」ビクッ
突然誰かがドアをノックした。母だ。ヤバい。ヤバい。ヤバいヤバいヤバい!
ガチャ
あぁ、開けないでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!
母「はい、洗濯したからこれ。…ってなんで布団に篭ってるの?」
女「いやぁ、やっぱ布団って気持ちいいなぁ~、って思って…」エヘヘ‥
母「そんな外出した後にお風呂にも入らないで布団に入らないの。汚れるわよ?」
女「…だって…気持ちいいんだもん…」
ホントはめっちゃ暑い。
369 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/30(金) 05:01:14.32 ID:P5wqwx20 [1/4]
母「いいから出なさい。」
女「いいじゃんかよ!俺の布団だろ!」
母「洗うのはママでしょ!出なさい!」
女「やだ!ママがこの部屋出てよ!」
母「もうこうなったら力ずくで…」ガシッ
女「あっ、布団剥ごうとすんなよ!」グググ
母「むぬぬ…」グググ
女「ぐぬぬ…」グググ
あぁ、ダメだ。力負けする。このままじゃ…
女「分かった分かった!出るから!出るから!」
母「早く出な。」
女「…ぅう…」ノソノソ‥
女「…」カアア///
母「」
372 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/30(金) 06:00:56.85 ID:P5wqwx20 [2/4]
女「…」モジモジ
母「」ポカーン
女「…ごめんなさい…」モジモジ
母「え?」
女「…ごめんなさい…」ショボーン
終わったな。俺の人生。終わった。マジで終わった。
ああぁ、目を合わせられない。
顔に血が上ってきてくらっとしてきた。
もういっそこのまま死んじゃえばいいのに、俺。
女「…ごめんなさい…」
母「…別に謝るコトじゃないでしょ…」
女「…」
母「…今日はそれを買いに行ってたの?」
女「…」コクリ
母「…まぁ…カワイイじゃない。」ニコッ
女「…え…?」
375 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/04/30(金) 06:52:31.21 ID:P5wqwx20 [3/4]
母「まぁ…そういう趣味があっても別に否定はしないよ。少なくとも今の状態だとね。」
女「…しゅ、趣味とかじゃない!これは…その…文化祭でそーゆーのやるコトになったから…」
母「あら、そうなの?それなら最初からそう言えば良かったのに。」
女「…うん…」
母「凄いにあってるよ。かわいい。」
女「…うん…」
母「文化祭、楽しみだね。」
女「…うん…」
母「じゃ、ママは下戻って夕飯の準備してくるからね。」ガチャ、ギィ‥
女「…うん…」
バタン
女「…」
良かった。理解してもらえて(?)
…まぁ、少なくともこれで隠す必要はなくなったし。
やっぱママは分かってくれるもんだなぁ。うん。
378 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/04/30(金) 07:45:22.86 ID:P5wqwx20 [4/4]
~翌日~
女「文化祭の準備っても何やりゃいいんだろーねー?」
女生徒1「言われたコトやりゃあいいんじないの?」
女生徒2「でも何も言われないね~」
女「オタ達輝いてるね~」
女生徒2「えっらいエネルギッシュだよね。運動してない分変なところでエネルギー発散してない?」
女生徒1「ぁー、言えるかも~ww男生徒1とか運動やってる分か知らんけどなんか冷めてるよね~」
女「あいつはカジノ出来なかったからじゃないの?」
女生徒2「あぁ~、そうだね。ダレまくってるしww」
女生徒1「まぁ、多数決だから仕方ないよね。ウチは当日勝手に教壇に上がってマジックするからww」
女「うわぁ、迷惑なヤツだね~」
女生徒2「昨日買った付け髭も付けるの?」
女生徒1「あったりまえじゃん!当日はマジシャンのお爺さんみたいな感じにするよー。」
女「もう勝手にどうぞ~」
女生徒1「女ひでぇ!メイドの癖にぃ~!」
女「メイド喫茶、ですから」フフン
404 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/01(土) 13:30:11.61 ID:jIX5qH20 [1/2]
女生徒2「あはは~」
オタ「おーい、女ちゃ~んwwメイドやるよね?ちょっとこっち来て~ww」
女「うげっ、呼ばれた。ちゃん付けすんなし…」
女生徒1「女ちゅぁ~ん!来てぇ~‼ww」
女「似てる似てるww」
女生徒2「ほら、あんまりオタをいじめたんな。あれでもいいヤツなんだから、結構。」
女「へーい」
オタ「おーい、早く~」
女「待って~、今行く~」タッタッタ
女「何?」
オタ「いや、女ってメイド喫茶に出るでしょ?だから色々と伝えなきゃならないコトがあってねww」
女「ふーん、で、何?」
オタ「ほら、メイド服とか買わなきゃダメでしょ?」
女「あ、それならもう済ましたよ。」
オタ「おぉ!wwwwやる気満々だね!wwwwww」
女「…」ムスッ
なんか一気に嬉しそうになったな。
言わなきゃよかった。
オタ「じゃあさ、客が来た時のための練習もしとこっかww」
女「!」
405 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/01(土) 13:31:21.04 ID:jIX5qH20 [2/2]
そうだ、完全に忘れていた。
最大(?)の難関はそれだ。
メイド喫茶なのだから、勿論来た客には歓迎として例の言葉を発するのだろう。
女「むっ、無理!」カァァ///
オタ「え?でもそれが出来なきゃなんにも出来ないじゃん!」
女「…それもそうだけど…で、でも…」
オタ「…ふーむ…」
女「…」
オタ「…まぁいいや、できる限り早くに恥じらいを捨ててね。」
女「…うん…」
408 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/01(土) 14:49:11.15 ID:VTAZr4E0 [1/2]
~自宅~
女「おっおかえりなさっ…」
女「おか、おかえっ…」
女「おかえりなさいませっ!」
女「うあぁぁぁぁぁぁぁ、恥ずかしぃぃぃ!!!」ブンブン
ゴンッ
女「いってぇ!いってえ!」ゴロゴロ
あまりの恥ずかしさに悶絶してたら壁に頭ぶつけた…
女「…やっぱムリだ…難関すぎる…」
百歩譲って「おかえりなさいませ」はいいとしよう。
だが、「ご主人様」はムリ。ホント無料。
女「でも…」
女「やったらぁぁぁ!!」
母にあの姿を見られた時点でもう引き返せないところまで来てるんだ。
415 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/02(日) 03:45:51.80 ID:UP276OE0 [1/2]
~翌日~
女「…」ゲッソリ
女生徒1「…どした?なんかげっそりしてるよ。」
女「…いや…色々と頑張ってたのさ…」
女生徒2「色々?」
女「うん…ほら、文化祭の為の練習とか…」
女生徒1「ぷっww練習ってwwww名にしてたのさww」
女生徒2「ご奉仕?ww」
女「ちょっとぉ、変なコト言わないで。あれだよ、ウェルカム~ってやつ。あの例の。」
女生徒1「うわっ、はずっ!」
女生徒2「必死に練習してる姿を想像したらかなりシュールww」
女「う、うるさいなぁ!どうせ女生徒2ちゃんもやるんじゃないか!」
女生徒2「あ、ウチそーゆーの嫌いだから無愛想に行くつもり」
女生徒1「おっ、ツンドラってヤツですか。」
女「うわぁ…なんか引くわぁ…」
女生徒2「ツンデレじゃね?てか女、あんたも相当恥ずかしいコトするんだからね。」
女「ツンドラとナチュラルどっちがマシかといったらナチュラルじゃね?」
女生徒1「うわぁー、どーでもいぃー」
416 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/02(日) 03:48:29.75 ID:UP276OE0 [2/2]
女生徒2「ちょっと、どうでもいいって言ってもあんたもなんかやるわけでしょ?」
女生徒1「あぁ、ウチはマジシャンね。」
女「うげぇー、マジでやんのかよ~」
女生徒1「マジも何もちょーマジだよ」
女生徒2「まぁ、勝手にしといてください。」
女「ところでさ、メイド喫茶って言ってもあたし達は何すりゃいいの?」
女生徒2「ウェイターとか?」
女生徒1「あと普通に紅茶淹れたり」
女生徒2「あとケーキにトッピングしたり?」
女「なーるー」
女生徒1「ま、詳しいコトは後から決まるんじゃないの?」
女「だね。」
女生徒2「まぁ、オタ達に任せときゃいいんじゃない?」
女「だねだねー。あいつら気合入りまくってるしww」
450 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/03(月) 04:11:55.72 ID:.Zz9M.g0 [1/3]
~数日後~
オタ「じゃあさ、今日の放課後、メイド喫茶やる人は残って。」
女「あたしも?」
オタ「あたりまえっしょwwww」
女生徒2「あと4日で文化祭だね~」
女生徒1「わくわく」
オタ2「むふふwwww」
女「ところでさ、何人ぐらいでやるの?」
オタ「あー、えっとね、確か…メイドやってくれるのは女と、美少女と…」
女「え!?美少女ちゃんもやるの?!」
美少女「何よ、やっちゃいけない理由なんてあるわけ?」フンッ
女「うわっ、いたっ」
オタ「おお、美少女ww協力感謝するぜ」
女「美少女ちゃんって茶道部入ってなかったっけ?部の出し物とかはいいの?」
美少女「つまらなさそうだったからこっちにしたの。」
女「へぇー。そぉ。」
オタ「ちょっと、おいっ、まだ話し終わってないって。あとは女生徒2と…1と…」
女生徒1「あっ、ウチはメイドさんやらないから」
オタ「え?」
451 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/03(月) 04:12:23.90 ID:.Zz9M.g0 [2/3]
女生徒1「でもメイド喫茶はやるよ?でもメイドさんにはならない。」
オタ「え?女子は全員ウェイターやってもらって男子はバックで紅茶淹れたりする予定なんだけど。まぁいいやww女生徒1もバックね?」
女生徒1「いや、それとはまた違う系。」
オタ「え?何がしたいん?ww」
女生徒1「マジック!」
オタ「…………は?」
女生徒1「いや、だからマジックだよ!ウチ、マジでマジック好きでさぁ!だからグッズとかも色々持ってるし、やり方とかもいっぱい知ってるよ!」
オタ「いや…でもメイド喫茶だし…」
女生徒1「え…だめ…?」ウルウル
オタ「あぁっ、もう分かったって!じゃ、女生徒1はマジシャンってコトでwwww」
女生徒1「きやっほぅ!」ピョーン
452 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/03(月) 04:13:49.70 ID:.Zz9M.g0 [3/3]
女「で、結局何人出るの?」
オタ「あぁ、ごめんごめんwwwwえっと、メイドやるのが…女生徒1含めて六人で…バックの男子が五人。」
女「なるほどなるほど。」
オタ「ついでに俺らが考えた計画だと、メイドは二時間おきに二人ずつ交代。そうやって常時メイドの人数を四人に維持しようかなぁーってww」
女「そんな計画までしといてくれたんだ。なんかあたし達は何もしてなくて悪いね」
オタ「そんなコト全然ないっすよwwww(こちとらあんたらのメイド姿を見れるってだけで十分なんだよwwww)」
女「はぁーっ、文化祭まであと少しだ!緊張してきた~」
女生徒1「ついに私の禁断の魔術を開放する時が来たようだな!」フハハハハ!!!
女生徒2「うわぁー」
477 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/04(火) 01:07:18.12 ID:EcRjw860 [1/4]
~文化祭当日~
女「うわぁ…」
女生徒2「これは…」
女生徒1「なんか帰りたくなってきた…」
教室に着くと、既に窓や壁に装飾が施されていた。
だがその装飾が問題なのだ。
萌えキャラのポスターがあっちこっちに貼られていたのだ。知ってるキャラクターなど一人もいない。
オタ「おっ、女達がきたー!」キター!!
この装飾は無いわぁ…、などとは思うが、昨日放課後も残って準備をしてくれた訳だから、何もしていない俺たちに文句を言う筋合いはない。
女生徒1「ちょっと!なによこのポスター!」
俺たちに文句を言う資格はない。
オタ「いやぁ、こっちの方が客増えるかなぁ、ってwwwwww」
女「…」
女生徒1「でもっ、これって…こんなコトしたらそっちの人しか来ねぇじゃん!」
女生徒2「いや、むしろそっちの人向けなんじゃないの?」
女「確かに。」
オタ「ほら!準備始めて!着替えて!」
478 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/04(火) 01:08:15.09 ID:EcRjw860 [2/4]
美少女「あんたメイド服とか持ってんの?今更だけど。」
女「買ったんですよーだ。」プイッ
美少女「あっそ。それは兎も角さっさと着替えなきゃ時間無いよ。」
女「分かってるよ…」ヌギヌギ
美少女「うわっ、まだ胸そのサイズ?前から全然変わってないしww」
女「…うるさい」
女生徒1「おーい、二人とも早く着替えなよーっ」
女「…」プンスカ
美少女「~♪」
・・・・・・・・・・・・
美少女「じゃん!どう?カワイイ?」
女「…エロい。谷間を強調しすぎ。ストリッパーっぽいよ。」
美少女「自分は貧乳だからって嫉妬しちゃって~」
女「嫉妬とかしてないよ!てか、あたしのはどうかな?」キョドキョド
美少女「…子供っぽい。」
女「…」
美少女「ま、男はそーゆーの好きなんじゃないの?」
女生徒1「あぁぁ…女かあいい…」
479 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/04(火) 01:09:31.43 ID:EcRjw860 [3/4]
オタ「うおぉ!みんなすげぇwwwwww!!!てか女生徒1まじでその格好?!」
女生徒1「ふふふ、どう?結構いい感じじゃない?」
オタ「ヒゲまでつけるとかかなり気合入ってんなwwww」
女生徒2「シルクハットいいよね。」
女生徒1「ねぇー!カッコイイっしょ!」
ワイワイ
オタ「それはともかく他のミンナも気合入ってんねwwwwこりゃ大成功の予感wwww」
オタ2「ですねーwwwwww」
女「…」
美少女「えーっ!でもあんまり混雑とかされても困るなぁ~☆」
女「…」
ぶりっ子うぜぇぇぇぇ。
まぁ、こいつの影の部分はみんな知ってるけど。
オタ「あと15分で文化祭が始まる。みんな!今日明日二日間頑張りましょうwwwwおー!!!」
一同「おー」
女「…おー」
480 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/04(火) 01:11:25.81 ID:EcRjw860 [4/4]
オタ「で、最初の二時間オフ入ってるのは…勝手に決めさせてもらったけど女生徒1と女ね。」
女「女生徒2ちゃん…」
女生徒2「どんまーいwwウチら先にクレープ食べたりしとくよwwww」
女生徒2「…えぇ~‼ひどいひどい!…まぁいいや。先に楽しんできな。」ハァ
女「おうよ!」
女生徒1「じゃ、後でね~。」
女生徒2「二人とも楽な時間にオフ入っちゃうとか運悪いねー!」
女「うんっ。ホントにね!じゃーあねー!」
女生徒2「全然悔しくなんかねぇからな!ちくしょー!」
女生徒1「女生徒2さん!お勤め頑張ってくだせぇ!」ピシッ
女「頑張ってくだせぇ!」ピシッ
女生徒2「…むぅ…」
489 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/04(火) 16:31:58.58 ID:/2t9MEI0 [1/6]
オタ「あ、いいコト思いついた。」
女「?」
女生徒1「またなんかろくでもないコト?」
オタ「いや、そーゆーのじゃなくてwwww結構名案wwww」
女生徒2「じゃあ言ってよし!」
オタ「いや、あのさwwwwオフの人は首から看板みたいなの提げてココの宣伝すればいいんじゃないかな~、なんてwwww」
女「それやったらオフじゃなくなるよね。宣伝係になるよね。」
女生徒1「うんうん。」
美少女「あ、でもわりとそれもイイかも。」
女生徒2「えぇー」
オタ「いいでしょ?いいでしょ?wwwwww」
女「…」
美少女「まぁ、売上がそれで上がるなら万々歳じゃん?」
女「…それもそうだね…」
490 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/04(火) 16:33:01.63 ID:/2t9MEI0 [2/6]
女「まぁ、とりあえず着替えてくるね。」
オタ「ちょっとまったぁー!」
女「…何?」
オタ「いや、宣伝するならその格好じゃなきゃ意味ないっしょ?wwww」
確かにそうかも。
でも…
女「こんな格好で校内うろちょろ出来るわけないじゃん‼」
美少女「なんでぇ?どうせ客には見られんじゃ~ん。」
女「一回あってそれっきりの客と毎日顔合わせる同校生とは違うでしょ!」
女生徒1「ウチはこのままでもいいかな~。ヒゲ剥がすのめんどくさいし。」
女生徒2「大丈夫だって。似合ってなかったら滑稽かもしれないけど、普通に似合ってるから。」
女生徒1「早く~。早く他のトコ廻ろうよ~…」
女「…もう分かったよ…このまま行くよ…」
オタ「じゃあ…はいっ、これ書いたから首から提げて。じゃっ、また後で。サボんなよwwww」
女生徒1「行ってきまーす。」フリフリ
女「いってきまーす…」
491 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/04(火) 16:35:55.69 ID:/2t9MEI0 [3/6]
女生徒1「流石にこの時間はまだ空いてるね。」
女「ね。でもこれからきっと混むよ~。去年もヤバかったしね、」
女生徒1「え?なんで女が去年のコト知っとるの?」
女「あっ、いやっ、それは…」
ついうっかりやってしまった…
これは何気に致命的なミスだ。
去年俺いないコトになってるんじゃん。何言ってんだ俺…
女生徒1「…」ジーッ
女「…そ、それは!」
女「男が写真送ってきてくれたんだ!ははは…」
まぁこれで何とか難は逃れた…かな?
女生徒1「へぇー、そっかぁ…」
女「うんうん!」コクコク
女生徒1「やっぱりさ…女ってさ…男と仲…結構良いよね?」チラッ
女「あっ、いや、そーゆー訳じゃなくて…」
もしかして地雷踏んだ?
492 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/04(火) 16:46:57.74 ID:/2t9MEI0 [4/6]
女生徒1「いや、そんなコトあるってww」
女「…そ、そんなコト無いよホントにっ!」ニコッ
女生徒1「ほらほらーっ、隠さなくても良いってww仲良いんでしょ?」
ここは…どうにか無難な道を選ばなくては…
女「…うぅーん…まぁ…友達としては仲はいいかな…?」アセアセ
女生徒1「そっかぁ…ホント仲いいんだね。」
女「う、うん。まぁ…古くからの付き合いだし!」ニコ
女生徒1「あたしにはあっちのコトあんまり教えてくれたりしないんだけどね…」
女「…」
変な汗が背中から出てきた。
女生徒1「やっぱり男って女のコト好きだったりして…」
女「!!!」
女生徒1の焦点の合っていなかった目が俺に向けられた。
ヒゲ面なのにこの真剣さ。
普段ならかなり笑える光景だが、今はこれっぽっちも笑えない。
493 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/04(火) 16:48:18.84 ID:/2t9MEI0 [5/6]
女「ないないないない絶対無い!」
女生徒1「いや、でも女カワイイし…」
女「いやっ、でもそんな女生徒1ちゃんが思ってるようなコトは絶対無いと思うよ!」アタフタ
女生徒1「でもっ、でもっ…ホントは実は男は女のコトがっ…!」
女「ないないないないない!」ブンブン
女生徒1「…やっぱりそうだよ…絶対そうだ…男は女のコトが好きなんだよ…!」プルプル
まずい。非常にまずい。
どうやら女生徒1は俺(変化前)のコトになるとどうしても感情的になってしまうようだ。
嬉しい限りではあるが、今は喜んでいる場合ではない。
この興奮しきった少女をどうにか沈めなくては。
女生徒1「ぁあぁ…やっぱり片思いで終わっちゃうんだ…こんなにも思ってるのにぃ…」ワナワナ
女「…っ…」
もう、今あるアイディアは一つしか無い。
やるしかない。言うしか無い。
女「男はっ…女生徒1ちゃんが好きなんだよぉ!」
534 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/05(水) 20:35:47.98 ID:OVzeVDY0 [1/3]
女「はぁ…はぁ…」ドキドキ
女生徒1「…っ…」ポカーン
言ってしまった。
俺自身の告白。だけどもなぜか仲介者のいる告白。
まだ心臓の鼓動が速い。苦しい。
女生徒1「…そう…なの?」ジーッ
女「…」コクリ
女生徒1「男が…あたしのコトを…?」ジーッ
女「…」コクリ
女生徒1「…ホントに?」ジーッ
女「…」コクリ
澄んだ茶色の瞳でまじまじと見つめながらなんども同じ意味の質問をしてくる。
女生徒1「…」
女「…」
女生徒1「…へ、へへ…」
女「?」
女生徒1「ふ、ふふふ…」デレデレ
535 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/05(水) 20:36:15.38 ID:OVzeVDY0 [2/3]
女生徒1「…なんか…恥ずかしいなぁ…」テレテレ
女「…」
女生徒1「出来ればその告白は本人から聞きたかったけど…」デレデレ
女「…」
女生徒1「…そっかぁ…男もウチのコト…」
女「…うっ、うん!」
女生徒1「…こ、これって両想いかな!?」チラッ
女「そうだよ!あいつはまだ知らないけど!」
知ってるよ。知ってる。
言葉に出して伝えたい。男として。
女生徒1「今でも…好きかな?」
女「うん。きっとそう。だって最近聞いたんだもん。」
ずっと好きだった。
女生徒1と話している時、たまに切なくなることもあった。こんなにも近くにいて、仲も良くて、相手の気持ちも分かっているのに、自分のこの気持ちは絶対に伝えられない。
女生徒1のコトを思い、胸が締めつけられた時、いつも思い浮かぶ顔があった。
友1
あいつのコトは、考えれば考えるほど複雑な気持ちになる。
好きなんだ。
女生徒1も、友1も。
536 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/05(水) 20:37:50.55 ID:OVzeVDY0 [3/3]
女生徒1「…あれ?女?」
女生徒1に不意に声をかけられ我に帰る。
女「ご、ごめん。ちょっと考え事してた」ニコ
女生徒1「ウチ、決めたよ!」
女「うん?」
女生徒1「メールでもなんでもいいから…男に告る!」
女「!!!」
女生徒1が迷いのないまっすぐな瞳で告げてきた。
女「…そう…すればいいんじゃないかな?」
女生徒1「うん。もう迷わない。男もウチのコトが好きなら。もう悩みたくないから!あいつが日本に帰ってきた時に手を繋いで歩けるようにするために!」
女「…」
すこし俯いてしまう。
女生徒1の願いも俺の願いも、一緒だ。
だけど、この姿ではその願いすら叶わない。
叶えられるはずの願いすら、この体では叶わない。
559 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/07(金) 00:45:32.55 ID:8.CuGsw0
女「…」
女生徒1「そしたら…そしたらきっと、きっと…」
女「…」
胃がキリキリと痛む。
女生徒1「彼氏と彼女の関係になれるよね?」
女「…お、女生徒1ちゃんっ!!!」バッ
女生徒1「ど、どうしたのさ?!いきなり!」ビクッ
女「あ…いや…なんでもないんだ…」
女生徒1「?…へんなやつだなぁ、女ってやっぱり」ニコッ
女「…いやぁ…へへっ…」
すこし無理して笑顔を作ってみせた。
その顔は少し引きつってたかもしれない。
友1「あれ?女か?」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえたので振り返ってみると、友1が立っていた。
女「あ、あぁ」
584 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/07(金) 23:58:22.37 ID:Pzz1UUE0 [1/2]
友1「ホントにメイド服着てるんだなw」
こいつは俺がお前のコトとかかんがえてるときによく来るよなぁ。
友1が俺のつま先から頭のてっぺんまでを舐めるように見た。
女「う、うん…」モジモジ
知り合いに、しかも自分の正体を知っている友1にこの姿を見られるコトは、なんだかとても恥ずかしく感じられた。
友1「で、女生徒1は一体何の格好をしているんだ?」
女生徒1「ふふっ、よくぞ訊いてくれたじゃないか…私は…マジシャンさ…」フッ
友1「ま、マジシャン?!メイド喫茶やるんじゃなかったのか?」
女生徒1「だからね…メイド喫茶でのショーを…」
楽しそうに会話する2人の隣で、俺はなかなか複雑な心境だった。
ある意味両手に花状態だが、あまり喜べるような状態ではない。
585 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/07(金) 23:59:35.37 ID:Pzz1UUE0 [2/2]
女生徒1「あ」ハッ
女生徒1の動き続けていた口が、ぴたりと止まった。
友1「?」
女「?」
女生徒1「あ、ウチやらなきゃいけないコトあるの忘れてたわ…ちょっと行ってくるね!」
女「え、でも女生徒1ちゃん、うちら普通にオフだからやるコトなんて…」
女生徒1が少しかがんで俺の耳元に囁いた。
女生徒1「…前ウチらに話した女の気持ち…しっかり伝えなよ…」
女「!」
友1「なにをこそこそ喋ってるんだ?」
女生徒1「いやぁ、なんでもないなんでもないww」
女「…」
女生徒1「じゃっ、ウチ、行くからっ!」キュッ
友1「おお、頑張れー」フリフリ
女「…」
586 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/08(土) 00:00:41.55 ID:m4kgdD.0 [1/6]
女「…」
とりあえず何か言わなくちゃ。話題をつくらなくちゃ。
何か話さなくてはならないと思い、話題を考えるが、少しもアイディアは思い浮かばない。
友1「…『メイド喫茶、高校校舎一階C組教室、ご主人様をお待ちしております‼』…なんだこれ、宣伝か?」
先に話の口火を切ったのは友1だった。
女「あ、あぁ。そう。宣伝。」アセアセ
一体、俺は何を焦っているのだろうか。
友1「そうか、じゃあ俺も行かなきゃなww」
女「え?あ、おお。って、え?来んの?え?あっ、ダメっ!来んな!」
友1「え、なんでだよ!」
女「え?…なんでって…えと…そりゃ…その…なんと言うか…恥ずかしいし…」
友1「いや、全然恥ずかしいコトなんてないってwwまぁ、ダメって言われても行くんだがな!」
女「だめだっ!来んじゃねぇ!」バシバシ
友1「行く行く、絶対行くw痛いって、叩くなww」
よくよく考えてみると、友1と喋ったのは試験前のあの時以来だった。
随分と長い間話していないコトになる。
やっぱり友1との会話は落ち着いたし、心地よかった。
587 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/08(土) 00:01:41.30 ID:m4kgdD.0 [2/6]
友1「そういえば、お前と話すのは久しぶりだな。」
やっぱり同じコト考えてたか…
女「たしかに」
友1「…」
女「…」
友1の考えてるコトは大体分かった。
友達になるか、彼氏になるか。
前に話したコトを思い出したのだろう。
勝手な推測に過ぎないが。
女「あ、あのさぁ…」
友「…?」
女生徒1に言われたんだ。ちゃんと伝えろって。
ならばその務めを果たさなくちゃ。
女「…前、最後に話した時の答えなんだけど…」
友「…」ゴクリ
女「…えと…あれは…あたし…俺は…」
友「…」ジーッ
女「…俺は…」
俺は…なんだ?どうするんだ?
よく考えてみたら、今までこの答えを考えていないコトに気づいた。
588 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/08(土) 00:02:37.31 ID:m4kgdD.0 [3/6]
友1「…お前は…?」ジーッ
ヤバイ。ヤバイよ。やばいヤバイ。
友1は答えを待っている。今すぐ答えなくちゃ。背中から冷や汗がじわっと染み出してきた。焦る。ヤバイ。ヤバイ。早く答えなきゃ…
まあ、今すぐ答えなきゃならない状況を作り出したのは俺の他誰でもないんだが…
女「俺は…その…えと…お前が…」
女「…好き…かもしれない…」
多分、これがベストアンサーなんだと思う。
これは真実であって、嘘でも偽りでもない俺の本心だ。
友1「…てコトは、彼氏になっていいのか?」
女「…え…あ…それはちょっと…」
友1「?」
女「…そう…かな…」
男女が、お互いの好意を確認したとき、そこで彼氏と彼女の関係になる。
それが自然なコトなんだろうなぁ、と思っていた。今もそう思う。
だから友1ともそういう関係になる。自然なコトだ。
なのに、なのに…なぜか胸の奥にモワモワとしたものが残ってしまう。
589 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/08(土) 00:03:30.61 ID:m4kgdD.0 [4/6]
女「でっ、でもっ!」
友1「?!」
女「…ちょっと…待ってほしい…」
友1「…分かってる…」
女「…まだ、俺は…男生徒1のなんだぁ…」
まだ、終わらせてない。終わらせなきゃいけない。
じゃなきゃただの二股掛けてる尻軽になってしまう。
…いや…もうそっか…
友1とは、男生徒1という彼氏がいながら、肉体関係を結んでしまった。
自分の欲に抗いもせずに。
女「…だからこそ終わりにしなきゃいけない…」
友1「は?」
女「あっ、いやっ、独り言…」
つい口に出してしまっていた。
友1「…まぁ、じゃ、今日はどうする?女生徒1は行ってしまったが。」
女「え?あ、あぁ。うーん…そうだなぁ…」
別に、二人でいるだけなら、それだけなら罪でもなんでもないんじゃないかな…?
女「…一緒に廻るか」
友1「おう。『友達』としてな!」ニカッ
女「そゆことっ」ニコッ
そう、友達としてなら二人でいても、彼氏がいても…
590 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/08(土) 00:04:41.92 ID:m4kgdD.0 [5/6]
友1「じゃあ、最初はどこ行く?」
女「うーん…やっぱ普通にお化け屋敷?」
友1「そうだな。混む前に行っておきたいしな。じゃあ行くか!」スタスタ
女「あっ、でも友1、お前は部活の出し物は大丈夫なのか?」
友1「あぁ…お前と会っちゃったし仕方ない。サボる!」キリッ
女「お、おいっ!出ろよ!」
友1「まぁ、そう言うなって、女。お前だって一人でウロウロしたくないだろ?」
女「…うん…まぁ…」
友1「じゃあもっと早く歩くんだ!」スタスタ
女「お、おう!」スタスタ
友1「あ、でもやっぱり出し物やらなきゃ二年の先輩にボロっカスに言われそうだな…」ショボーン
女「えぇ~っ、一人にすんなよぉ~!!」
友1「さっきまで出ろとか言ってた癖にな。」
女「忘れたなぁ~」
592 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/08(土) 00:07:34.87 ID:m4kgdD.0 [6/6]
~高校2年A組、お化け屋敷~
受付嬢「お次の方どうぞ~」
女「やっぱこの時間だと早くに順番が回ってきていいな。」
友1「だな。ほら、早く進め。」ペシペシ
女「ちょっ、おいっ、ケツ叩くなよっ」
友1「いいから早く。」
女「へいへい…」
友1「それと、あんまり白昼堂々男言葉で喋んな。不信がられるぞ。普段はお前大人しいんだから。」
女「はいはい。小声で話せばいいんでしょー」
受付嬢「お次の方どうぞー」
女「あ、あたしたちの番だよ。行こっ」
友1「そう、それでいい。」ボソッ
女「ほら、入るよ。」
友1「あぁ。」
ガラガラガラ…ピシャン…
受付嬢「………」
受付嬢「これは…」
受付嬢「大ニュースかもしれないっ!」
631 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[おでんは大根が命です。] 投稿日:2010/05/08(土) 22:10:34.09 ID:KaUNGDk0 [1/3]
~お化け屋敷内~
女「おぉぉぉ…暗ぇ…」
友1「だな。ほら、足元気をつけろ」
女「はぁ?…ふぁ!」グラッ
友1「あっぶないっ…」ガシッ
女「ななななんだこれ!」ガクガク
友1「音で分かるだろ。ガチャガチャの空ケースだよ。普通は踏む前に気づく。転けるやつなんて普通はいないな。」
女「うっるさいっ!…」
友1「はぁ…もう危なっかしいから俺の腕につかまっとけ。」
女「!」
女「…」
女「…そうだな…」ピタッ
友1「…」
女「…」
友1「…『友達』だもんな。」
女「…」
女「うん…」
632 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:11:33.98 ID:KaUNGDk0 [2/3]
・・・・・・・・・・・・・・
女「…はぁ…何かと疲れた…」
友1「お前は叫びすぎだ。一緒にいる俺まで疲れた。」
女「うるさい。俺はビビりなんだよ。でも怖いのは好きなんだよなぁ~」
友1「じゃあ今度俺ん家来るか?兄貴のがホラーゲーム好きだから沢山あるんだ。」
女「あぁ、行く行く!そういや兄ちゃん元気?今はもう…あれ?大学何年だ?」
友1「二年。しばらく会ってないよな。」
女「だなぁ~。今会ったらどんな顔するかな?」
友1「いや、今のお前じゃ分かってもらえないだろ…」
女「…そう…だった…」
友1「まぁ、他人のフリしとけばいい。」
女「そうだな。ちょっと悲しいけど。」
友1「まぁ、とりあえず今度来いよな。」
女「うん!」
633 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:12:40.09 ID:KaUNGDk0 [3/3]
・・・・・・・・・・・・・・・
女「あ、そろそろ時間だわ。俺戻らなきゃ。」モグモグ
友1「おぉ、そうか。もうそんな時間か。」モグモグ
女「じゃ、そろそろ行くわ」モグモグ
友1「クレープ食い終わってからでいいんじゃないか?」モグモグ
女「…それもそうだな。」モグモグ
友1「…結構楽しかったな。」
女「うん!短かったけど楽しかった!」
友1「また暇があったらこうやって廻ろうな。」
女「オッケー」グー
女「…ング…よし、食い終わったしもう行くわ。じゃあな」フリフリ
友1「うん。じゃ、あとで行くから。」
女「絶対来んなよ~‼」
タッタッタ…
646 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[ギロリ] 投稿日:2010/05/10(月) 00:32:59.25 ID:CL.oOuQ0 [1/3]
~教室~
女「ただいまであります」ピシッ
女生徒1「おっ、女来たね~」
女生徒2「遅いよぉ~…」
美少女「おっそい!あんたが来るまで休憩できなかったのよ?!」
女「いいじゃん。二分しか遅れてない訳だし。」
美少女「こっちは疲れてんの!ほら、交代。その宣伝の板貸して。」
女「はい。」ポン
美少女「じゃ、ウチらは休んでくるから。あとはよろしく」
女生徒2「じゃ、がんばー」フリフリ
女「あーい」
女生徒1「さーあ!気合入れて行くよ!」
女「あ、女生徒1ちゃん、さっきね、友1との…」
女生徒1「女!今からは仕事だよ!私事は後!」
女「う、うん!」
女生徒1「気合入れて行くぞー!」
647 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/10(月) 00:35:49.56 ID:CL.oOuQ0 [2/3]
オタ「ちょっ、ちょっと待って女!」
女「…?何?」
オタ「これ付けて?」ヒョイッ
女「…」
女「…猫耳…?」
オタ「まぁ、見ての通りwwwwww」
女「やだっ!」
オタ「頼む!頼む!売り物のケーキ後でタダで食わせてやるから!(ホントはみんな食えるんだけどね。)」
女「…ケーキ?」
オタ「うんうん!」
女「ショートケーキ?」
オタ「ショートケーキもあるよ!」
女「…イチゴ乗ってる?」
オタ「乗ってる乗ってる!」
女「…」ジッ
女「…イチゴショート、とっといてよね。」ヒョイ
オタ「おおぉぉぉぉ!ありがとぉぉぉ!」ムッハー‼
女「ぜったいとっといてよ。」
女「…」テクテク
オタ「ちょっ、ちょっと待った!」
女「?」
オタ「…しゃ、写真撮っても…」
女「…」
女「…イチゴ2つ。」
オタ「了解!」カシャッ、カシャッ
648 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/10(月) 00:37:34.32 ID:CL.oOuQ0 [3/3]
女「…」ドキドキ
「ちょっと!おいっ、こっちこっち!」
ドアの前に、誰か他の人を呼んでいる中学生ぐらい?の男の子が来た。
客、襲来。
なんでだろう。某アニメ風に再生された。
とりあえず、例のアレ、アレ言わなきゃ。
女「おっ、お帰りなさいませご主人様…」ボソッ
あんなに家で練習したのに、人前で言ってみると…声が…出ない…
オタ「…女ぁー!」ヒソヒソ
女「?」クルッ
オタ「声出せぇー!」
女「わっ、分かってるよ!」
客1「早く入れってww」
女「おっ、お帰りなはっ、なさいませ御主人っ…さまっ!」
オタ「(噛みやがった…)」
女生徒1「…(噛んだ…)」
「あ…はい…」ニヤ
噛んだけど…ちょっと笑われた感じするけど…まぁ、なんとか言えたしいいよね…
でもはずかしいいぃやぁぁぁぃぃぃ!!
653 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/10(月) 01:33:23.50 ID:xomQqOM0 [1/2]
女生徒1「じゃん!玉が消えました!」
小学生「わぁ!」
うわぁ、女生徒1手品やってるよ。…でも凄いな。俺には恥ずかしくてあんなコト出来ない。
まぁ、この格好も十分恥ずかしいと思うけど。
女生徒1「さぁーて、お次は…」ガサゴソ
ホントに楽しそうにやってるなぁ。見てるのは学校見学にきてる小学生ぐらいだけど。
客「すみませーん」
第一、小学生がメイド喫茶にいるのはおかしいだろ。お母さん何考えてんだよ…
客「ちょっとー。」
女「あっ、すっ、すいません!」タタッ
忙しいなぁ…
まぁ、多分本当に忙しくなるのは12時ぐらいなんだろうけど…
654 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/10(月) 01:37:04.73 ID:xomQqOM0 [2/2]
・・・・・・・・・・・・・・・
女「イチゴショートですと紅茶です」カタッ
客「あざーす」
一時間以上も仕事をこなしていると流石の俺でも慣れてきて、恥じらいとかもどっかに飛んで行った。
女「ふへぇ…」
疲れた…あと三十分ぐらいで女生徒2たち帰ってくるな。
オタ「お客さん来たぞーっ!」ヒソヒソ
女「え?あっ、うん!」タタッ
女「おっ、お帰りなさいませ御主人様!」ペコリ
金髪「ごwしゅwじwんwさwまwww」
女「…」
顔を上げて客の顔を見てみる。
金髪が二人と茶髪も二人…
いかにも遊び人、って感じの服装、容貌。
女「よ、よ、四名様でよりょ…よろしいですね?」
ちくしょう、噛んじまった…
こーゆータイプは苦手なんだよなぁ…別にチャラチャラしたのが苦手っていう訳じゃないんだけど…チャラチャラしたやつの中でも、受け入れられないオーラを出してる連中がいる。
例えばこいつらみたいな…
茶髪「今この子噛んだーwwwwかわいい~ww」
茶髪2「ほらほらー、早く席つかせてよ~。疲れたしwwww」ツンツン
触んな!
やっぱりこういうタイプは嫌いだ…なんつーか…不潔。不純なかんじが…
女「あ、あちらの席におかけください…」
670 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/11(火) 02:16:58.00 ID:HZ6wm9A0
茶髪2「うぉっ、なにここww萌えー!なポスターが貼ってあるしww」
金髪「きめぇww」
キモいと思うなら来んなよ…まぁ、確かにキモいとは思うけどさ…
オタ「…」ショボーン
オタ、がんばれよ。そこでうなだれるなよ。さっさと紅茶淹れろー!
女「…」
茶髪「なにこれーwwメイド喫茶のくせにマジックやってるしww」
金髪「なに君~wwヒゲ付けてるしwwww」
女生徒1「」ブルブル
あっ、ヤバイ。女生徒1ビビってる…
でも俺も怖いしなぁ…
茶髪2「ほらー、早くなんかやってよ~wwww」
女生徒1「あっ、はっ、はいっ」ガチャガチャ
女生徒1「えっと…今からこのコップを消します!」
女生徒1「まずコップをこの新聞紙で…」クシャクシャ
金髪2「あっ、それ知ってる~。さりげなく下にコップ落とすヤツだよね~w客にバレないようにw」
女生徒1「…」
女「…」
タネ言っちゃうヤツって最悪だよね。
絶対わざと言ってるよね。女生徒1困らせるために…
672 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/11(火) 04:04:59.16 ID:s.osKvs0
女生徒1「…」ショボーン
茶髪2「ほら、早く次つぎ~」
女「ごっ、ご注文をお取りします!」
女生徒1救出作戦…決行!
茶髪「え?あっ、注文?えーっと、じゃあ…」
金髪2「君を食べたいかなぁ…」ニヤニヤ
女「は、はぁっ?!」カアア///
金髪「赤くなってるwwかわいい~w」
金髪2「冗談冗談w流石に中学生には手ぇ出さないってww出したコトあるけどぉw」
女「…高校生ですけど…」ムスッ
茶髪「えっ、ちっさwww」
茶髪2「中二ぐらいかと思ってたww」
女「…」イライラ
女「…じゃ、ご注文を…」
673 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/11(火) 06:49:53.07 ID:8M370.Q0 [1/2]
___________________
女「…はぁ…」テクテク
女「ショートケーキ4つお待たせしました」カチャ
茶髪「え?俺ら頼んだのチョコケーキだけど?」
女「えっ…」
いや、そんなはずない。しっかりと記憶してるもん。いちごショートって言ってるトコ。
女「えっ、でっ、でも、ご主人様はさっきイチゴショートって…」
茶髪「あれ?そうだっけ?まぁいいや。ここメイド喫茶だろ?メイドは口答えせずにご主人様の注文を聞いてればいいんだよ」
女「…!!」
金髪「なるほど、そーゆー考え方があったかw」
金髪2「じゃあさ、メアド教えて?ほら、ご主人様の命令だよ?」
女「…ぐぅ…」
茶髪「ほらほら、早く~」
友1「申し訳ありませんが、メイドとの私的な会話などは禁止されています。こちらも忙しいもので…」
女「?えっ?」
友1?いつの間に?てか、なんでここに?
686 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/12(水) 02:21:43.49 ID:ss9/BKk0
よく見たら、友1だけじゃなく、他の水泳部員達もいた。
茶髪「は?メアド交換とかもダメなの?個人の自由だろ?」
茶髪2「ほら、君もメアド交換したいよね?」ギロリ
女「ひぃっ…!」
こ、怖い…断ったら何されるか…
友1「俺の女なんだよ。分かったらさっさとケーキ食って帰れ。」
女「!!!」
ななななにいってんだ?!
金髪「お前の女…?」
金髪2「うわっ、そーゆー感じかよ」
茶髪2「まぁ、良いや。じゃあ、今日だけこの子貸してよw」
友1「はぁ?」
ヤバイ。なんだこの険悪な雰囲気は…な、なんとかしなきゃ
女「おっ、お帰りください!」
茶髪「」ギロリ
女「ひぃっ…」
689 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/12(水) 06:30:07.56 ID:I0SStZ20
茶髪「ぷははっ!帰れっておいwwお客さまですよ?ご主人様ですよ?」
女「で、でもっ…営業に差し支えが出ますので御退席おねが…」
金髪2「…チッ」
女「…っ」ブルブル
怖い…なんか余計に怒らせちゃったな…
なんだよ、見た目も中身もヤンキーかよ…頼むから帰ってくれよ…
友1「分かったらお引き取りお願い出来ますか?」
茶髪「あぁ?」
ヤバい。このままだと、うん。絶対乱闘みたいになる。文化祭で乱闘なんて起こしたら…うちの学校だとニュースになるな…結構有名だし…
マズい。なんとか止めなきゃ…
女「…」アウアウ
友1「…お前は引っ込んでろ。」
女「え…」
金髪「なんだ、やんのかてめえらぁっ?」
友1「あぁぁん?!」
友1…お前っていつもは大人しいのに感情的になりやすいよね…
女「ちょっ、ちょっと!みなさん落ち着いて!」
690 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/12(水) 07:02:51.63 ID:Ydpztxc0
友1「だから引っ込んでろって」
茶髪「はっきり言うと、君が今日一日俺らと遊ぶだけで解決する問題なんだよ?」
女「ぇ…ぁ…」
女「…そうですね…」
友1「おいっ!女!お前、何考えてんだよ!」
女「だって…友1たちに前みたいに怪我してもらいたくないし…それに遊ぶだけって言ってるし…」
金髪2「そうそうwwww」
友1「お前…こいつらの言ってる『遊ぶ』の意味分かってるのか?」
女「え?いや、普通に…ゲーセン行ったり?」
友1「…あのなぁ…こいつらはお前をっ…」
美少女「何?なに?何事?なんでこんなに空気悪くなってんの?」ヒョコッ
女「あっ、美少女ちゃん。帰ってきたの?早いね。」
美少女「あんたと違って時間にはしっかりしてるのよ。」
金髪「…(こいつは…)」
茶髪2「…(顔、胸、スタイル…最上級だな…)」
700 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/13(木) 01:29:14.60 ID:jH9r5r60
茶髪「おおっ!君も俺らと遊びに行かない?」
美少女「はぁ?」
金髪「いや、この子と一緒にさw」
女「え?まだ行くって決めた訳じゃ…」
美少女「…」
美少女「…」チラッ
女「?」
美少女「えぇ~、今から遊びに行くんですかぁ?」キャピキャピ
茶髪2「そうだよ~。今からw」
美少女「そうだなぁ~、まぁヒマなんでウチはいいんですけどぉ…」キャピキャピ
金髪「おっ、じゃ、行こ行こww」
美少女「この子抜きでウチ一人がいいかなぁ~、なんて…」
女「え?!」
茶髪「…う~ん…」
金髪「…なんで?」
美少女「うち、この子嫌いなんで~。この子いるなら行かないっ」プイッ
女「…」
金髪「えっ、あっ、じゃあ君一人で!」
茶髪「おっ、おい!」
金髪「…こんなモデルみたいな美人なかなか食えないぜ?」ヒソヒソ
茶髪「…俺はあのちっさい子が…」ヒソヒソ
美少女「そうと決まったら早く行こ~!」スタスタ
金髪「あっ、ちょっと…」スタスタ
茶髪「…ちぇっ」スタスタ
702 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/13(木) 02:01:07.31 ID:kAzbQh60
女「……行っちゃった…」
友1「…あいつ…何考えてんだ…」
女「一人でサボリか!ただでさえ忙しいのにぃ!」
友1「…アホ…お前ってさぁ…ちょっと…」
女「なんだよー。アホとまで言わなくて良いだろー」ブー
友1「…お前…美少女が来なかったら…」
女「…美少女が来てなかったら…?」
友1「…まぁここまで言っても気付かないのなら…もういい。明日美少女本人から聞け。流石のお前でも分かるから…」ハァ
女「…言ってくれねーのかよ…ケチなヤツだなぁ…」
友1「…俺はいつかお前が誰かにハメられるんじゃないかって心配だよ…(いろんな意味で)」
女「…まぁ何はともあれ!あいつらが消えてくれて良かった!」
友1「…」
女「一人人手が減っちまったんだ!頑張らなきゃ!」グッ
友1「…はぁ…俺チョコケーキと紅茶で。」
女「あいよっ!」
友1「せっかくならメイド口調で応えてほしかった…」
女「却下。」
友1「…つめたいんだな…」
704 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/13(木) 02:47:46.05 ID:rp6qDU60
結局その後、ガラの悪い連中に絡まれるコトも、何かハプニングが起こるコトもなく、文化祭一日目は終わった。
女生徒1は、あの後拗ねてしまい、裏でずっとケーキを食べていたけど。
~翌日~
女「おはよー」
美少女「…おはよう…」ゲッソリ
女「うぉうっ、美少女ちゃん!なんかやつれてない?」
美少女「…流石に四人を一人で相手するのはキツかった…」
女「?…ジェットコースター…?」
美少女「はぁ?」
女「あ、いや。やつれる程体力使うコトってジェットコースターぐらいしかないかな~、なんてさ。あの後どこ行ったの?」
美少女「…なわけないでしょ…あの後即行ホテル連れてかれて五時間延々と…」
女「…ホテルって…」
女「まさか…」
美少女「…多分あたしがあの時来ないで、あんたが行ってたら…まぁ、ぶっ壊れてたんじゃないの?」
女「…」
女「…なんか…ごめん……」
美少女「いや、まぁいいって。ウチもしばらくしてなかったからムラムラしてたし。それに困った時はお互いさま。」
女「…なんか、美少女ちゃんって変わったよね」
美少女「は?何のコト?まぁいいや。あっ、ついでにー、今日はウチ、裏で働いとくから。」
女「え?なんで?」
美少女「メイド服汚れたから。」
女「…ホントごめんねぇ…」
710 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/13(木) 06:55:22.78 ID:vVB0EWk0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
女「ね?だからやってよう、マジック」
女生徒1「…でも…どうせタネバラしとかされるしさ…」ドヨーン
女生徒2「今日はそんなことないって多分」
女生徒1「…でもさ、でもさ、昨日みたいにまた怖い人来たら困るしさ…」ナヨナヨ
女「…今日はそんなコトきっと起きないって多分!」
女生徒1「いいよ、いいよ。どうせウチのやる手品なんてさ、どーせど素人のやってるようなヤツと変わらないよ…」イジイジ
女生徒2「…」
女生徒1「それにみんなあんまり見てないしさ…」
女「でっ、でもっ!あたしは女生徒1ちゃんの手品好きだよ!」
女生徒1「!………ホントに?」
女「うん!」
女生徒1「マジにホントに?」
女「勿論!」
女生徒1「………じゃあ…今日もやろうかな…」スクッ
女「…はぁ…」ホッ
732 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/14(金) 05:47:44.64 ID:oFUsZk.0
文化祭二日目。流石に仕事は昨日よりはテキパキとこなせるようになった。
女生徒1も、楽しそうに手品を披露していた。
客に関しては、メアドを聞いてきたりする者は何名かいたが、無理に絡んでくるようなガラの悪いヤツは来なかった。
女「イチゴショートとオレンジジュースお待たせしました~」コトッ
カランカラン♪
女「あっ、おっ、お帰りなさいませご主じ…って、あれっ、男生徒1かぁ~。」
男生徒1「…よう…」
女「御茶してくの?入って入って~。あれ?一人?」
男生徒1「…あぁ…まあな…」
女「オッケー、じゃあ注文取るよー。」
男生徒1「いや、注文はいい。」
女「?」
男生徒1「話が、あるんだ。」
女「え?話?ちょっと待って。あと二十分ぐらいで休憩入るからさ。」
男生徒1「…分かった。それまで待ってる。」
女「…どうした?なんか疲れてるの?」
男生徒1「…」スタスタ
女「…」
734 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/14(金) 05:59:22.02 ID:tIUKiLA0
・・・・・・・・・・・・・・・・・
女「休憩時間になったよー、で、話って何?」
男生徒1「…」スクッ
女「…」
男生徒1「女…下のヒマラヤ杉のところまで行こう。」
ヤバイな。
直感的にそう感じた。
多分、多分いろいろとまずいコトになる。
わざわざ学校の隅に生えているヒマラヤ杉の所まで連れてかれるなんて、普通はない。
女「…うん…」
男生徒1「…」スタスタ
~ヒマラヤ杉の下~
女「…」
男生徒1「…ここに呼び出した訳…分かる?」
女「…」
男生徒1「…分かるか分からないかを答えてくれ。」
女「…」
男生徒1「…黙ってるってコトは、分かってるんだよな。」
女「…」
男生徒1「…」
737 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/14(金) 06:43:49.39 ID:.tcBHzQ0
男生徒1「彼氏とは文化祭一緒に回らないのに友1とは一緒に廻るんだな。」
女「…!…そ、それは…」
男生徒1「…それは?」
女「…それは…それは…男生徒1は別に誘ってこなかったし…」
男生徒1「そっかぁ。そうだな。」
女「…」
男生徒1「…でもさ、俺に腕絡みつかせてきたことって一回もないよな?女。」
女「…っ…」
男生徒1「お化け屋敷で調子良く友1に抱きついたり。」
女「…見てたの…?」
男生徒1「悪事、千里を渡る?だっけ?国語苦手だから分かんねぇや。…まぁ、兎に角、噂ってのは早くに廻るもんなんだよ。悪い噂なら尚更。」
女「…」
738 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/14(金) 06:51:20.17 ID:mmn2O.M0
男生徒1「友1に尻触られても平気なんだな。」
女「…!」
男生徒1「いや、噂だけどさぁー。でもその表情はマジっぽいな。」
女「…」
男生徒1「…ケツ触られてもOKかぁー…」
女「…」
男生徒1「どこまでした?あの試験前の日。」
女「!!」
男生徒1「いや、あの日からお前の俺に接する態度が更によそよそしくなってたからさ。」
女「…」
男生徒1「キス」
女「…」
男生徒1「セックス?」
女「…」
男生徒1「…」
男生徒1「反応がないってことは、そこまでヤったんだな。」
女「…」プルプル
男生徒1「…」
バチンッ
頬に激痛が走る。いや、多分激痛という程のものでは無いが、あまりに突然の出来事だったので、そう感じたのかもしれない。
女「…‼」
男生徒1「…信じてたのに…」
753 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/15(土) 01:38:43.76 ID:oa1RZ8Q0
男生徒1「信じてたのにっ!」
女「…」アワワ
男生徒1「…好きだったのに…」
女「…」アワワワ
男生徒1「…今までで…こんなに好きになったことなんてなかったのに…」ポロポロ
女「…」アタフタ
男生徒1「お前なら…お前となら…って思ってたのに…」ポロポロ
女「…」アウアウ
男生徒1「…もう終わりだな。」キッ
女「…うぅ…」
男生徒「……お前なんて…お前なんて…!」ドンッ
女「…ふぁ…」ヨロッ
男生徒1に肩をどつかれ、よろめく。
女「…いったぁ…」イテテテ...
男生徒1「…」
男生徒1が倒れた俺に跨り、俺の目をまじまじと覗きだした。
男生徒1「…」ジーッ
女「…!!」ゾクッ
男生徒1「…最初っから、愛さないでこうしてればよかったんだな。」
男生徒1の手がメイド服の中のパンツに伸びる。
女「…だっ、だめっ!」ジタバタ
男生徒1「…」ピタッ
女「…ハァ…ハァ…?」
男生徒1「…お前なんか…犯す価値もねぇよ…」
女「…」
男生徒1「…」トボトボ
759 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/15(土) 03:40:14.56 ID:lv8RKqs0
女「…」
もう起き上がる気力も無いや。
女「…青いなあ…」
雲一つ無い空を見つめ、つぶやいて見た。
空が綺麗で澄んでいるのに、なんで、なんでこんな惨めな気持ちに…
女「…」ツーッ
涙が溢れ、左右のもみあげを濡らす。
友1「よう。」
女「?」
声の聞こえた方へ、眼を動かす。
女「...!!…なっ、なんでそんなズタボロになってるん?」
友1の、シャツから露出した腕には、多くの打撲の跡が残っていた。
友1「あぁ、これか。これはな…男生徒1にボコボコにされた。」ハハッ…
女「…」
友1「…まぁ、当然の仕打ちだよな…もう少し早くに…………いや、最初から…」
女「…」スクッ
立ち上がって友1の顔を見上げる。
女「なぁ、」
友1「ん?」
女「俺たちはどうすればいいんだ?」
友1「………」
女「……」
友1「誰が何と言おうが、俺は、お前が好きだ。」キリッ
女「…分かった…」
女「でも…その前に…」
女「男生徒1に…しっかり謝らなきゃ…」
765 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/15(土) 06:59:18.39 ID:QUhMdiM0 [1/2]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
プルルルル… プルルルル…
携帯『只今、電話に出られない状態に…」
ブチッ
女「…あとでまたかけるか…」
~10分後~
電話「只今、電話にでられない状た…」
ブチッ
女「…着拒されたのかな…」
女「…メールで今喋れるか聞いてみるか…」
女「…今電話で喋れますか?…っと…」カチカチ
女「送信。」ポチッ
~1分後~
チラチラリン♪
女「おっ、メール来た!」カチカチ
女「…」
女「『送信されたメールは、なんらかのエラーが発生したため、受信者に届きませんでした。』」
女「…」
女「これまた受信拒否っぽいな…」
女「…どうしよう…」
767 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/15(土) 08:10:29.42 ID:QUhMdiM0 [2/2]
~教室~
女「…」フラフラ
女生徒2「おっ、女おかえりー…ってなんかめっちゃ沈んでない?!」
女「…ふふふ…」
女生徒2「なに?何があったの?」
女「…見事に振られてきたよ…はたかれたし。」
女生徒2「はっ、はたかれたって!…女の子の顔に手を出すヤツは…」グググ
女「でもっ!でも…仕方無いよ…浮気したんだもん…怒るよ…そりゃ誰だって…」
女生徒2「…」
女「…しっかり…しっかり謝れなかったんだ…ずっと怖くて黙っちゃってたんだ…」
女生徒2「…」
女「…明日、明日ちゃんと謝らなきゃ…」
女生徒2「いや、ウチらは明日片付け行かなくても大丈夫っしょ。オタ達がやってくれるらしいし。」
女「…じゃあ明後日…」
結局、この後の仕事には身が入らなかった。
注文は取り間違えるし、こけるし、零すし。
最悪だった。
文化祭終了後、打ち上げに誘われたが、気分が良くないと嘘をついて家に帰って泣いた。
783 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/15(土) 20:46:31.81 ID:rjZ5.4M0
~二日後、教室~
女「…えっと…」
男生徒1「…」プイッ
女「…ちゃんと謝りたいから来て。」
男生徒1「…」プイッ
女「…お願いします…」
男生徒1「…」ガタッ
女「?あっ、待って…」タッタッタ
男生徒1「…ついてくんなよ。トイレ行くだけだから。」
女「…ごめんなさいっ!」ペコリッ
男生徒1「…」
男生徒1「それ、何に対しての謝罪?」
女「それはっ…昨日、しっかりと謝れなかったし…」
男生徒1「あぁ、あれか。お前のコトぶってスッキリしたからいいよ別に。」
女「…でっ、でもっ…」
男生徒1「もういいから関わんなよっ!」
女「!」ビクッ
男生徒1「もう、いいんだよ。今まで散々いろんな女たぶらかしてきた罰だよ。もう関わんな。イライラするから。」
女「…ごめんなさい…」
男生徒「…フンッ…」スタスタ
789 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/15(土) 22:37:39.88 ID:wX/AFOk0
~教室、再び~
女「…」フラフラ
女生徒1「?大丈夫?」
女「…大丈夫…じゃ、ない…」ヨタ
女生徒2「…まぁ、今回のコトは自分でケリつけなきゃねー。なんつったって…」
女生徒1「おぉーっと、それ以上は言わない約束だぜ女生徒2さん」
女「…いいよいいよ、どの道自分で何とかするしかないから…」
女生徒2「まぁ、終わりでしょ。バレる前に自分から言っとけばもう少しマシな終わり方したかもしれないけどね。」
女生徒1「いや、どの道ぶたれたと思うよ…」
女「…もっとぶってくれれば良かったのに…」
女生徒2「えっ……うわぁ…」
女「いやっ、そーゆー意味じゃなくて!」
女生徒1「…でも何度ぶたれても、罪悪感は消えなかったと思うよ。」
女「…」
791 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/16(日) 00:05:36.44 ID:e8kCHbI0
~放課後、友1宅~
女「…ハァ…ハァ…
友「ハァハァ…」
女「…」ギュッ
友1「…」
女「…なぁ…」
友1「?どうした?」
女「…俺たちこんなコトしてていいのかな?…一昨日男生徒1にふられたばっかりなのに…まだ、ちゃんと仲直りも出来てないのに…」
友1「…いいんだ…今は、忘れよう。」
女「…でもっ、忘れるって言ってもよ…」
友1「…いいから、眼ぇつぶってリラックスして…」ズッ
女「え?あっ、おっ、おいっ!一日二回も無理…ぅああぁ…」トローン
友「…」パンパン
795 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/16(日) 00:50:38.16 ID:cXuunxk0
~自宅~
女「うわぁぁぁぁぁぁあ!!!」ガンッガンッ
女「…はぁ、はぁ…何やってんだ俺は…何ヤってんだ俺は…」
女「うううううううう…」
カラララーン♪
女「…?パソコンにメール?久しぶりだな…」カチカチ
女「…」カチッ
女「!!」
女生徒1『メールでっていうのは、なんだかもどかしいんだけど、
好きです。日本に帰ってきたら、そっちで彼女とかが出来てなかったら、あたしと付き合ってください。』
女「…っっ!!」
や、やばい。このメールがいつか来るって分かってたのにちっとも答え考えてなかった…
自分のコトなのに他人事みたいに考えてた…
女「ととと、とりあえず、今はまだアイルランド早朝だから返信はしないでおこううう。」ダラダラ
どうしよう、どうしよう!
801 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/16(日) 03:13:51.67 ID:B7VyZxQ0
~夜11時~
女「…そろそろメール返してもいい頃だな…」
カチカチッカチッ
女「…なんて打とう…」
女「『俺も好きです。』…よし、これでいいや。」カタカタ
女「…『俺もずっと好きでした。帰るのがいつになるかは分からないけど、帰ったら付き合おう。』…っと」カタカタカタカタ、ターンッ!
女「…」
カラララーン♪
女「?もう返信来た?!」カチカチ
女生徒1『やったぁ!嬉しい!はやく一緒に遊びに行きたいな!できるだけ早くに日本帰って来てね!ずっと待ってるから!』
ググっと胸が締め付けられた。呼吸が荒くなる。
女「……」
女「こんなに喜ばれると…」
罪悪感に襲われる。
一人二役。
いつまで騙せるだろうか。いや、もういっそ騙すのをやめた方が…
だめだ。ここで騙すのをやめて、自分が女であり、且つ男であるコトを告げたら、今までの関係が崩れてしまう。きっと。
女「…」
男『うん。おれもずっと帰るのを待っとく。ずっと好きです。』
女「…」カチッ
ごまかし続けるの?
騙し続けるの?
女「!」
このままじゃいつまでたっても友1とか女とかの問題は解決…
女「うるさいっ!うるさいっ!」バッ
そうだ、風呂に行こう。風呂に入ってる時は何もかも忘れられる。今は、もう考えたくない。
803 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/16(日) 05:35:42.28 ID:uh5/gyY0
~翌日、教室~
女生徒1「フ~フフ~ン~♪」
女生徒2「…」
女生徒1「おおっ、女生徒2くん!いやぁ、ハロー!はうずごーいん?ぶわはははは!」
女生徒2「…ご機嫌よさそうで何よりで…」
女生徒1「いやぁ、ほんとにほんとにwwいやぁ、ほんっと気持ちいい日だね今日は!」
女生徒2「ホント、こんな蒸し暑い雨の日なんて年に五回あるかないかだね。」
女生徒1「うんうん!汗が爽やかぁ~に流れ出るよ~」
女生徒2「…」
女生徒1「いやぁ、うふっ、ひひひひひっ」
女生徒2「…あえて何があったのかは聞かないでおこう…」
女生徒1「ふふふっ、そんな遠慮しなくていいんだぜぇ?あぁ~あー。女早くこないかなぁ~。」
女生徒2「あぁぁ、人の幸せは苦いんだよぉぉぉ!」ガンッ
女生徒1「ほらほら、女生徒2は机蹴らない。でね、なんで今日ウチがこんなにご機嫌かというと…」
女生徒2「女~!早く来てくれぇ~!」
804 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/16(日) 07:52:19.55 ID:F3ZYha20
女「…」ヨタヨタ
女生徒2「女!待ちくたびれたよ~!」ウルウル
女「…どしたの?」
女生徒2「女生徒1のノロケ話に付き合わされて泣きそうになってたんだよー。」
女生徒1「いやぁ、えへへ。女にも教えてあげようじゃないかww」
女「…」
女生徒1「なんとなく予想はついてると思うけど~…」
女「…」
昨日はあの後、いろいろと考えてしまい、あまり寝れなかったのだ。
女生徒1が何を話すかなんて分かり切ったことだった。適当に相槌をうって乗り切ろう。
女生徒1の顔をまじまじと見つめながら考えてみた。
昨日の告白の成功を語る女生徒1は、とてもかわいかった。
女生徒1は俺のことが好き。俺もそう。
なのに、俺は今、現状に満足してしまっている。
この体が男なら、男だったなら、俺は女生徒1の隣にいたはずだった。
だが実際には、友1の傍にいるコトに満足してしまっている。友1との触れ合いを求めている。
女「…どうすりゃいいんだか…」
女生徒1「へ?何が?てかウチの話聞いてる?」
女「あぁ、聞いてない。」
女生徒1「ひどい!」
826 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/16(日) 17:47:18.53 ID:/zNBiEY0
女生徒1「せっかくなんだから話聞いてよ~」ブーブー
女「…ごめん、なんかお腹痛くなってきたからトイレいってくるね!」タッタッタ
女生徒2「…逃げやがった…」
女生徒1「じゃあ女生徒2に話せばいいんだ!」
女生徒2「もう五回も聞きました。勘弁してください!」
~トイレ~
女「はぁ…」
美少女「結局あっちからふられちゃったね。」
女「あ、美少女ちゃんか…来ると思ってたよ…トイレの精だしね…」
美少女「トイレの精ってなによ!あんたがトイレに行ったからついて来ただけだし。」
女「…まぁ、振られましたよ。ビンタ食らったし。」
美少女「まぁ、ビンタで済んだだけ良かったんじゃない?」
女「…だね。」
美少女「で、これからはどうすんの?」
女「…仲直りして…うん、まぁ…普通になりたい…」
美少女「…仲直りねぇ…カンタンにはいかないもんだよ。」
女「…うん、分かってる…」
美少女「…はぁ…しゃあない。貸しを作っとくか、」
女「手伝ってくれんの?」パァ
美少女「できるとこまでね。」
849 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/17(月) 00:07:39.97 ID:v3ciCSg0
~数日後~
美少女「では、今から午後に行われる校内清掃のグループ分けの結果を発表します。」
「は?グループ分け?!自由じゃねーのかよ!」
「校内清掃とかめんどー」
美少女「静かにしてくださいっ!兎に角、くじ引きで男女それぞれ1人ずつのグループを決めましたので、発表します。」
「男女ペアとか…デートwwww」
「うわぁ~、変なヤツと一緒にならなきゃいいなぁ~」
「クジで勝手に決めるとかねぇよ。」
美少女「静かにしてください!ペアを発表します。女生徒2さんと男生徒6さん。女生徒4さんと友2さん…」
女生徒4「え~」
友2「おれもお前ととかいやだからー」
女「…」
美少女「…女さんと男生徒1さん。」チラッ
女「‼」
男生徒1「……」ムスッ
852 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/17(月) 01:13:57.23 ID:UEIq1AI0
~校舎裏~
男生徒1「…」
女「…」
男生徒「…」
女「…(き、気まずい…)」
女「い、いやぁ~、今日はあっついね~!」
男生徒1「…」
女「…(無視かよ…)……あ、ゴミはっけーん!うわぁなんだこれキモっ!」
男生徒1「…」スタスタ
女「…」
女「…あ、あそこ行こうよあそこ!男生徒1が告白してくれたとこ!」
男生徒1「…」ピクッ
女「…ぁ…」
…いや、今の発言はまずいだろ。なんでこんなこと言っちまったんだ…
男生徒1「…」ツカツカ
女「ごっ、ごめんなさい!」ペコッ
男生徒1「はぁ?」イラッ
女「…」ブルブル
856 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/17(月) 02:57:43.10 ID:rNypw4U0 [1/2]
男生徒1「…お前さぁ…なめてんのか?」
女「いいいいや、そんなこっ、そんなコト全然無くて…えと…あの…」ブルブル
男生徒1「…」ツカツカ
女「その…えっと…あたしは…ただ仲直りするための話題が欲しくて…」
男生徒1「…」
男生徒1「マジ最悪だった。」
女「ごっ、ごめんなさい!」ペコリッ
男生徒1「…お前が仮にさ、ボッコボコにされた後にレイプされたら、そのレイプしたヤツ許せるか?」
女「…」
男生徒1「お前はそれに匹敵するようなコトをしたんだよ。だから俺はお前を完全には許さない。」
女「…だったら…だったら…ボコボコにしてレイプしてよ!それで許してもらえるんなら!」
男生徒1「…は?」
女「それで…仲直りできんならさ…」
男生徒1「…っ…」
女「…」
男生徒1「なんでそこまで仲直りしたいんだ?もうどうでもいいだろ。」
女「…だって…だってさ…男生徒1とは…ずっと友達でいたいんだよ…だからしっかり謝って許してもらいたいんだよ…」
男生徒1「…」
859 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/17(月) 03:52:25.05 ID:mbV7ttA0
女「…だから…気が済むまで殴ってよ…」
男生徒1「…」
男生徒1「お前Mなのか?」
女「は?えっ?あっ、そういう意味じゃないんだよ!」
男生徒1「分かってるって。冗談」フッ
女「…むぅ…」
男生徒1「…ほら、掃除するぞ。お前の足元にでっかいゴミ落ちてる。拾っとけ。」
女「えっ、あっ、それよりちゃんと仲直り…」
男生徒1「もういいよ。」
女「え?」
男生徒「もういいんだって。」
女「えっ…あっ、ありがこうございます!」ペコッ
男生徒1「だからもういいって。顔上げろ。」ギュッ
女「!」
男生徒「…これで最後でいいからさ…ちょっとこのままでいさせてくれ…」ギュ
女「…抱かれちゃうと顔上げられないよ…」
男生徒1「…」ギュッ
~~~~~~~~
友1「…」ジーッ
女生徒1「友1~?なにつっ立てんの?早く行こー」レッツゴー
友「あ、ああ。」
861 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/17(月) 05:05:38.85 ID:.DTsdKk0
~友1宅~
パンパンパンパン
女「ぅあぁ…ぅいぁぁあっ…もっと優しくしっ…くあぁ!!」ビクンビクン
友1「…」パンパン
女「うぅぐ…ストップ!…ぁぁん…おっ、お願いだからストップぅっ!」
友1「…」パンパン
女「あぁぁ!本当にお願いします!もうイッたからストップ!」ガクガク
友1「…うっ…」ビクッ
女「」ビクビク
友1「…はぁ…はぁ…」
女「…なんで…なんでこんな意地悪すんの?なんで止めてって言ったのに止めてくんなかったんだ?」グスッ
友1「…今日お前男生徒1と何してた?」
女「え…普通に仲直りしてきた…」
友1「…なんで抱かれてた?」
女「あれはそういう意味じゃっ!…うぁぁ…」ガクガク
友1「…」パンパン
865 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/17(月) 06:58:34.97 ID:xvMhEKg0 [1/2]
~自宅~
女「…ただいま~…」フラフラ
女「…ダメだ…ヘトヘトだぁ…あいつあんなに凶暴なヤツだったっけ…」ガチャ
母「おおおおおかえり女。」アタフタ
女「…?どしたのママ。」
母「なななっなっ、なんでもないのよ。」
女「…?まぁいいや。牛乳ぎゅうにゅう~っと」
母「ああああとこれ女、これ寝る前に絶対飲んでででで。」
女「?薬?なんの?」
母「訳があるの!訳が!」
女「…変なママ。」スタスタ
~その夜~
女「…」ジーッ
女「…っんく…」ゴクン
女「…難の薬かは知らんけど、ママが飲めって言ったんだし仕方ないよな。」
女「…寝よ…」
女「………zzzz」
913 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/18(火) 00:12:40.32 ID:IGdkS3I0
女「…ん…んぅ~…」ムクッ
女「…ふぅ…」ポケー
女「…おはよう俺、おはようあたし。」モゾモゾ
女「…今…もう10時か…よく寝た。やっぱ休みっていいなぁ…」
女「やべぇ喉乾いた。下降りるか…」ガチャ
ギシギシギシギシ(階段を降りてるだけだよ!)
女「…ん?あれは…おっさんのスーツケース…?」タッタッタ
女「パパ帰ってきたんだ!」ドタドタドタ
ドアの向こうから父と母の笑い声が聞こえてくる。
このドアを開けたらパパと会える!一年ぶりの再開!
女「パパ!」バァンッ
父 「」ポカーン
母 「」ポカーン
女「あれ?パパ?ママ?どうしたん?」
母「…ああぁっ!このコのコト紹介するの忘れてたわねっ!えっと…えっと…この子は…あれよ…そうあれ!婚約者!男の許嫁!」
女「はぁ?ちょっとママ何言ってんの?!」
父「…お前…あの薬を勝手に使ったのか?」
母「………ごめんなさい…」シュン‥
女「えっ?えっ?何の話?」
916 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/18(火) 00:38:25.05 ID:VjWeJVE0
母「でも…でも…女…昨晩、薬飲まなかったの…?」
女「え?飲んだよ?」
母「え…じゃ…なんで戻ってないの…?」
女「は?」
母「あれは男に戻すための薬なのに!」
父「というよりも、女体を男体に転換させる薬だ。」
女「えっ、ええぇぇぇ‼」
女「…えっ…てか…え、じゃあ俺がこの体になったのもママが前に変な薬飲ませたからってこと?!」
母「…うん…まぁ…」
父「…それより…母…どっからあんなもん入手したんだ…うちの会社でしか開発されてなかったはずなのに…」
母「…その…まぁ…いろいろあって…こっそりもらった…」
父「…」ゴゴゴゴゴ
母「ひぃっ!」
女「ちょちょちょちょっとまってよ!それはともかくさ、なんで男に戻らない訳?」
母「?さぁ。」
父「…その薬の効能は一部の条件を満たした人間にしか効かないんだ…」
母「へ?」
女「条件?」
父「…その…なんだ、非常に言いにくいんだが…」
父「処女であるコトだ。」
女「」
母「」
928 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/18(火) 02:20:20.19 ID:5xqWwmc0
母「…あれ?じゃあなんでこの子は男に戻んないの?あれ?」グニグニ
女「うぎぐぎ」グニグニ
母「あれ?え?なんで?戻れるんでしょ?あれ?」
父「…そういうコトだ…とひあえずほっぺたからその手を放してやれ。かわいそうだから。」
女「ぷふぁ…」
母「…」
父「…とりあえず…どうするんだ…」
母「…女…あんた…どうすんのよ…戻れないって…」
女「うぅ…」
父「いや、お前がこの子を責めるのはおかしいだろ。八割型お前の責任。」
母「うぅ…」
父「…現段階で、処女以外の女体が男体化するための薬が開発されるのには、二年掛かる見積もりだ。」
女「二年…」
父「…もっと残念な知らせがあるんだが…」
女「…」
父「この薬の開発は、既にストップしてるんだ。」
女「!!!!!!」
父「人権がどうだの人口問題がどうだの神への冒涜だのなんだのいう連中がいてな…ほら、こんな風に他人に勝手に飲ましたりする人もいるし。」チラッ
母「ぅ…」
女「…」
女生徒1…
933 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/18(火) 04:22:29.08 ID:O5ZdtKI0
父「それなんだが、実は、この薬の開発の発案者で且つ最高責任者は、パパなんだ。」
女「…だから?」
父「頑張って頼めば薬の開発を秘密裏に再開させてもらえるかもしれない。いや、男が望むならそうしてみせる。」
女「!」
父「どうする?男の体に戻りたいか?」
女「えっ…いや…えと…」
いざ回答を迫られると、意外と悩む。
この体になってから、席を譲られたり、なぜか知らない人からいきなりカフェで奢ってもらったりetc.etc...絶対得してる。
もしかしたらこのままの体でいた方が…
女生徒1『彼氏と彼女の関係になれるよね?』
文化祭の初日、女生徒1と休憩時間を過ごしていた時に、彼女が発した言葉がフラッシュバックした。
そうだ。俺には女生徒1との約束を守る義務がある。
女「戻りたい…戻りたいです!」
父「よしっ!パパがなんとかしてくる!」
女「うん!ありがとう!」
父「はっはっはっはっは!」ブワハハハハ
女「あっ」
父「ん?どうした?」
女「いや…なんでもない…」
友1とはどうすればいいんだろう…
まぁ、とりあえずクスリは作ってもらっておこう…
945 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/18(火) 07:28:27.45 ID:zfkzvxM0 [1/3]
~翌日、学校~
女「」ニコニコ
女生徒1「どした?なんかウチの顔についてる?」
女「え?いやいや。なんでもないっすよw」ニヤニヤ
女生徒2「なんかウザっ。ヤケに機嫌良いね。何?何があったの?」ツンツン
女「え?いやいやぁ…」エヘヘ
女生徒1「…さては昨日友1と何かあったな?!」
女生徒2「まさかのお楽しみでしたか?!」
女「いやいや!そーゆーことじゃないんだ!」カァァ///
女生徒1「!…その赤くなりようは…うむ、そのようです。女生徒2さん。」
女生徒2「あちゃぁー、そーゆー感じっぽいですね女生徒1さん。」
女「ほほほんとに止めてよ!そーゆーのじゃないからっ!」
女生徒2「誤魔化せば誤魔化すほど怪しく…もがけばもがくほど深く沈むぅ…」
女生徒1「さぁさぁ、詳しく話してもらおうか…」ワシャワシャ
女「…」
間違ってはないけど機嫌よかった理由はそれじゃないのになぁ…
昨日は半分無理矢理みたいな感じだったし…
949 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[] 投稿日:2010/05/18(火) 07:46:32.60 ID:zfkzvxM0 [2/3]
女「そんなコトより女生徒1ちゃん!男があと少しで帰ってくる か も し れ な い ってよ!」
女生徒1「」ピタッ
女生徒2「そんなコトはどーでもいいから機能のファイトに関して…」
女生徒1「か、帰ってくる?」
女「うんうん!」
女生徒2「いいから早く昨日の…」
女生徒1「それ、本人から聞いた話なの?」
女「うんうん!まだちゃんと帰れるか分からないから女生徒1には伝えるなって言われてるけど!」
女生徒2「ちょっとー、うちのコト無s…」
女生徒1「…あと少しってどれぐらいかな…」
父『二年』
父の昨日の言葉を思い出す。
二年って。もう少しとか言うレベルじゃないじゃん…
あと少し、とか何無責任なコト言ってんだ俺。
女「…二年?」
女生徒2「」ガタンッ
女生徒1「にっ、二年?!どこが少しっ?!」
女「いやっ、ほらっ…かえってくるよーってさ…」
女生徒2「女…あんたのいってるコトかなり意味不。」
女生徒1「…ぅうぅ…男と手を繋ぐ日は未だ遠し…」グスッ
女「ほっ、ほらっ、元気だしなって女生徒1ちゃん!」
女生徒1「ちくしょぉー…待ってやる~、二年三年四年六年十年待ってやる~‼」
女生徒2「遠距離恋愛って燃えるねー。」
女「うんうん。(実際は40cmしか離れてないけど…)」
951 名前:大根太郎 ◆RgmAF6ODNc[sage] 投稿日:2010/05/18(火) 08:09:43.51 ID:zfkzvxM0 [3/3]
友1「女?ちょっといいか?」
女「あっ、友1。おはよ。」
女生徒1,2「…」ニヤニヤ
女「…なんだよー…」
女生徒1「いやいや、なんでもない。なんでもない。ほら、行ってきなよ!」
女「…ふむ…」
友1「…ここで話せるような話じゃないから多目的室まで行くぞ。」コショコショ
女「え?あ、うん。」コショ
女「じゃ!すぐ戻ってくるね~‼」フリフリ
女生徒1「うーん、」フリフリ
女生徒2「いってらー」フリフリ
タッタッタ…
女生徒1,2「…」
女生徒1「…今回のミッションは友1と女にばれないように二人のラブラブトークを盗聴するコトだ。細心の注意を払ってミッションを行うんだスネーク。」
女生徒2「は?なにそれ。」
女生徒1「メタルギアってゲーム。弟がはまってる。」
女生徒2「へー。」
女生徒1「…とりあえず…行きますか!」
女生徒2「了解であります!」
コソコソコソコソ…
続きます
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