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一方通行「……北欧行く。行くったら行くンですゥ!」

1 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/26(月) 16:58:10.93 ID:zlMoaAc0 [1/11]
打ち止め「うん、わかったからってミサカはミサカはあなたをなだめてみたり」

一方通行「……、……」

・一方さんと愉快な仲間達
(「焼き肉パーリィだァ?」:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269524911/)
(「……ちょっと、三重行ってくる」:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1270291115/)
(「……ハッ、松坂牛!」:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1270909732/)
・ミサカ18264号=自称北欧出身の毒舌
・ミサカ13874号=三重在住
・一応かくれンぼ→ジンギスカンパーリィ→(缶蹴り→)焼き肉パーリィ→三重旅行

2 名前:ビリィ[saga sage] 投稿日:2010/04/26(月) 17:00:48.69 ID:zlMoaAc0 [2/11]
三下でもわかるこれまでのあらすじ

ワタクシこと一方通行はクソガキがかくれンぼをやりたいと言いやがりましたので渋々付き合うことにしたわけだが、
俺とクソガキの間で執り行われるかくれンぼはもはやかくれンぼではなくアクセラオーダーハイドアンドシークだった。
妹達、三下、そして超電磁砲やツインテメントや暴食シスターとなンだかンだで打ち解けてやった俺は、
その後暴食シスターがジンギスカンに取り憑かれたためにジンギスカンパーリィをすることになる。

そしてなぜか北欧から生きた羊を持ってきた18264号のせいで俺は人生初の羊捌きをツインテメントと共に経験し、
気の利く俺は羊肉をイエローレモンソープ略してイレソで洗うという偉業を成し遂げた。
それでまァうまいこと三下とシスターの本気に引きながらもジンギスカンパーリィは終わったわけだが
次に俺を待ち構えていたのは缶蹴りという庶民的な遊戯で、
結局のところガキの安全を考慮し大人な俺は三下共を黙らせ砂遊びで勝負しようと持ちかけたが、
俺より三下のほうが砂遊びの帝王っぽかったのでその場は流された。

ンで、もォいいだろと思っていたときに新たなミサカ(13874号)が相棒と共に現れ、
クソガキから頼まれた牛を三重からはるばる届けに来たとかほざきやがりましたので、俺はまたいつもの連中と焼き肉パーリィをすることになったンだが、
相棒を殺すことに抵抗をおぼえたということもあり結局松阪牛を食えねェ代わりに俺はシスター共に学園都市産の普通の牛を奢った。
ちなみにこのとき人生初の女装を経験した。

最終的に本物の松阪牛を求めて俺はクソガキとその他の皆さンを引き連れ三重くンだりまでやってきたわけで、
途中しりとりしたり大富豪で本気出したり女装のままおつかいしたり、実は相棒の中の人はミサカ20000号でよくわからないおぞましい方法で奴は牛になっていたりしたが、
とにかく今現在はとある旅館に泊まっている。
旅館に到着してからも温泉行ったりアクセラオーダー……あァもォいいわ、卓球をやりそこねたり枕投げをしたり熱を出したりと、とにかく忙しい俺だがなンとか一晩を過ごすことができた。
そして今、学園都市第一位、最強かつ最高の頭脳を持つ俺を悩ませているのは暴食シスターの提案した遅起きのクソガキを起こす方法で、
それはずばり――

『起きなきゃ、ちゅーしちゃうぞ』大作戦なのだった!

48 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/26(月) 21:39:44.38 ID:zlMoaAc0 [6/11]

一方通行「……、もう一度言っておく。俺ァロリコンじゃねェ」

インデックス「言えば言うほど怪しまれるって常識なんだよ」

一方通行「クソが……、……待てよ? なンで俺がわざわざこンなシスターの言うこと真に受ける必要があンだ……」

インデックス「えーいまさらそれはないかも」

一方通行「むしろ起きなきゃちゅーのほうがねェよ!」

インデックス「やましい気持ちがないのなら、それはただの戯言にしかならないはずなんだよ」

一方通行「!」

インデックス「あくせられーたがここまで嫌がるってことは、らすとおーだーにそういう気持ちをもってい」

一方通行「ないないないないィ! そォいうのねェっつってンだろ俺! だいたい犯したいだァなンだァって思ってたら抱きつかれて放置しねェ! 襲う!」

インデックス「……、……」

一方通行(しまった)

18264(う、うっかりときめいただなんてないんだから! 強引なのがタイプとかありえねーし! とミサカは必死で否定します)

50 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/26(月) 21:46:12.91 ID:zlMoaAc0 [7/11]
インデックス「うん……、あくせられーたの気持ちはよくわかったんだよ……」

一方通行「だ、だからだなァ! そォいうやましい気持ちは一切ねェわけだからもォいいとっとと言ってやらァ!」

18264(えええ思わぬ方向に流れた、とミサカは驚きつつ起きていることを悟られないように行為を見守ります)

インデックス「えっと、まあそこまで言うならやるべきかも」

一方通行「……、……」ゴクッ

一方通行(おォォオオし落ち着け俺。そォだ落ち着け一方通行、このクソガキをからかうだけだ一方通行。
     なァに簡単だろ、ちょっと耳元で言うだけだぜェ? からかいがてらちょっと息吹きかけるだけだぜェ?
     ンな簡単なことがこの世の中のクソったれなバカップルにできてこの俺にできるわけねェカップルじゃねェし相手はクソガキだけどなァ!)

18264(あああやばいなんか複雑な気持ちになってきたあああもうどうしよう上位個体うらや、じゃねえええかわいそう! そうかわいそう!)

インデックス「よし、言うんだよあくせられーた!」

一方通行「おォ。息を吸って――」

18264(えっ、ちょ、なに!? 本気!? やべこれRECだわとミサカはスタンバイします。べ、べつにあとから再生しようとかそういうのは考えてないけど!)

インデックス「……、……」ゴクリ

18264(……、そ、ういえば、睫毛云々のときとか声がやたら耳に響いてけっこうキツかったなあ、とミサカは、いやキツくねーよ何がキツいんだよ)

一方通行「……、沈黙に呑まれちまう前に、いっくぜェ……ッ!」


一方通行「おい打ち止め。起きなきゃ――ちゅー、すンぞ?」


18264(●REC●REC●REC●REC●REC●REC●REC●REC、……ってしまったあああああ何してんだミサカぁぁああ!!! なんで今しっかり目を開けたのミサカぁぁぁああ!!!!)

打ち止め「……、……」スピスピ

インデックス「起きる気配がないかも」

18264(なんだとおおおお!? あの声で起きないってどういう神経してんだこの幼女! すげえよあんたすげえ! 拍手しか送れない! さすが上位個体! とミサカは上司に感服しました)

一方通行(こォなりゃもォやけだァ!)

一方通行「……、ふゥー」

56 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/26(月) 22:03:49.87 ID:zlMoaAc0 [8/11]
ガバッ

打ち止め「ぃひゃあ!? い、ぅえ!? い、いまだれかミサカの耳にふうってしなかった!? ってミサカはミサカは慌てて起き上がってみる!」

一方通行「おはよォございます打ち止めさン」キラキラキラ

打ち止め「え、なんだかとっても笑顔だけどうさんくさい笑顔だよってミサカはミサカは寝ている間に何があったのかシスターさんに訊ねるんだけど」

インデックス「何もなかったんだよ。ほんと全然なんにもなかったかも」キラキラキラ

打ち止め「ふぇ、シ、シスターさんまでいい笑顔してるってミサカはミサカは怯えつつ……あ、おはよう18264号! ね、ふたりが何か隠してるんだけどってミサカはミサカはあなたが頼みの綱!」

一方通行(あン!? 18264号が起きてただァ!?)
インデックス(いつの間に起きてたの!?)
一方通行(知らねェよこっちが知りてェむしろあいつ見てた!? 見てたンですかァ!?)
インデックス(うわあ、見られてたらすっごーく恥ずかしいかも)

18264「え、えっと、その……ミサカも、たった今起きたので、とミサカは何も知らないことを告白します」

一方通行「!」
インデックス「!」

打ち止め「そっかあ……ねえ、ほんとに何もなかったのってミサカはミサカはあなたの目を見つめてもう一度訊ねてみる」

一方通行「何もねェよ。俺の目が嘘ついてるよォに見えるンですかァ?」キリッ

打ち止め「うっ、み、見えないかも、ってミサカはミサカは普段の数倍増しかっこよくなったあなたに動揺しちゃったり……!」

一方通行(おォ、三下の技が効いたぜェ……! さすがヒーロー……)
インデックス(シスターなのに嘘ついちゃったんだよ……)

18264「そ、それよりもう8時過ぎてますし、朝ご飯でも食べに行きましょうとミサカは布団から抜け出ます」

一方通行「ン、それもそォだな。あっちはまだ寝てンのかァ?」

打ち止め「ちょっと待ってね、今13874号が起きているかどうか確かめ――、うん、もう起きてるみたいってミサカはミサカは早起きな13874号に高評価を与えてみる」

インデックス「多分とうまも起きてるはずなんだよ。ごはんごはんごーはーんー!」

一方通行「じゃ用意されてるってェ座敷に行くか。……っとその前にィ、顔洗ってくる」

打ち止め「あ、今日はヘアバンドいらないのってミサカはミサカは普段洗顔のときにヘアバンドを着用していたあなたを思い出してみる」

一方通行「あァ、めンどくせェから前髪は適当にカラーゴムで結ンどく」

18264「……じょ、女子高生かよ! とミサカは思わずつっこみます」

一方通行「はァア? 前髪邪魔くせェンだから当たり前だろォが。濡らしたくねェし」

109 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/27(火) 00:06:30.39 ID:qMT3GH20 [2/17]
インデックス「ピンクのカラーゴムで前髪を結んでるあくせられーたはなんか可愛いかも」

一方通行「ハイハイどォも」

打ち止め「ミサカもあなたの次に顔洗っちゃおうってミサカはミサカは順番を予約しておくのー」

18264(な、なんだあの生き物卑猥とみせかけてちょっと可愛いだと……
   いやそんなことない可愛く見えるのはカラーゴムだからであってそうあの旅館備え付けのふんわりしたカラーゴムが可愛いのであって一方通行が可愛いわけでは)

一方通行「おい、起きてっかァ、18264号」ヒョイ

18264「ぎゃう! な、なんでいきなり覗き込んでくるんだばかセロリ死ね! とミサカはありったけの憎しみを一方通行に贈ります!」

一方通行「返品するわボケ。なンで起きてるかどォか確認しただけでンな攻撃受けなきゃならねェンだよ」

キュッ
シャー
パシャパシャ
カシャ

一方通行「あー、すっきりィ……って、何してンだクソガキ」

打ち止め「旅の必需品、インスタントカメラであなたのかわいい姿を残したんだよってミサカはミサカは胸を張りいいいいたたたた、なんでチョップするのー!?」

一方通行「それ現像してどォすンの? ねェどォすンのォ?」

打ち止め「だからこっそり持ち歩いて知り合いに自慢すいたたたたた」

一方通行「ネガあとで寄越せよ。くっだらねェ写真だけ台無しにしてやる」

18264(あ、ほし、……くねえよだから何言ってんだミサカあれは歩く猥褻物だぞとミサカは己を叱咤します)

一方通行(なンかすげェ視線感じンですけどォ……)

インデックス「あーくーせーらーれーたーーーーー! おなかすいたんだよー!」

一方通行「わァかったっつってンだろ! てェかオマエ顔洗わねェの!?」

インデックス「あとで洗うけど先に食べ」

一方通行「洗えェェエエエ!!! それともナニか? 洗面台が高くて届かねェンですかァ!?」

打ち止め「あ、ミサカたしかに届かないやってミサカはミサカはあなたに手伝いを要請してみる」

一方通行「ったく、仕方ねェな。おら、シスターも抱きかかえてやっからこっち来い」

18264(Whaaaaat!?!? なんだと、なんだとぉぉぉおお!? とミサカは思わずヘアゴム装備の女子高生的一方通行を見つめます)

111 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/27(火) 00:15:54.63 ID:qMT3GH20 [3/17]
打ち止め「わーたかーい、ってミサカはミサカは年相応にはしゃいでみたり」

一方通行「年相応ならオマエまだ会話すらできねェだろ」

打ち止め「そこはご愛嬌、ってミサカはミサカは泡を額にのせながら笑ってみる」

一方通行「ちンたら洗顔してっと泡が目に入ンぞ、クソガキ」

インデックス「あくせられーた、過保護かも」

一方通行「オマエ泡なめてンですかァ!? あれすっげェ痛ェンだぞわかってンのか!」

18264(か、会話にまざりたいけど、でもセロリだしもやしだし猥褻物だし、とミサカは鏡を見つめ……)

パチリ

一方通行「あン?」

18264「ひ、ぃ! ななななんでこっち見てんだよばーかばーかくそもやしーとミサカは囃し立てます」

一方通行「……いや、鏡見たらオマエと目ェ合っただけでそっち見てねェし見るつもりもねェンだけど」

18264「わ、わーいせつ! わーいせつ! それ、わーいせつぅ! とミサカはリズミカルに馬鹿にします」

一方通行「だから、俺のどこが猥褻なンだっての……」

バシャバシャ

打ち止め「ふー、洗顔終了ってミサカはミサカはずっと抱きかかえてくれたあなたを労ってみる!」

一方通行「ン。次、シスター」

インデックス「私は背伸びしたら届くんだよ」

一方通行「なら、やってみなァ?」

ヨイショ グーントナ

インデックス「……、……思ったより、洗面台が高すぎるかも」

一方通行「ガキ向けの旅館じゃねェンだろ。浴衣はあったくせになァ」

ヒョイ

18264「おいそこの貧弱セロリもやし、とミサカは尊大な態度で声をかけます」

一方通行「ンだよ」

18264「そ、の、……貧相な腕で支えちゃってガクブルですねとミサカは嘲笑します!」

一方通行「ハッ、能力使用モードですゥ。心配いりませン」

114 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/27(火) 00:26:35.97 ID:qMT3GH20 [4/17]
18264「……、……」

一方通行(あー、ンだろォなこいつ……ほっといたほうがいいか)

インデックス「あくせられーた、この洗顔フォーム借りていいかな」

一方通行「どォぞォ。てェか早くしてくンねェ? いくら能力使用モードって言っても時間制限あンですよォこっちは」

打ち止め「いざとなったらミサカが充電してあげるからってミサカはミサカはフォローしてみる」

インデックス「え、ま、待って待って泡ができないかも」

打ち止め「ミサカが作ってあげましょう! ってミサカはミサカはシスターさんのために泡を立ててみる」

一方通行「泡作れねェってオマエ、普段どォやって顔洗ってンだ」

インデックス「ポンプ式なんだよ!」

一方通行「……、なるほど、さすが三下だァ。時間節約のためにポンプなンだな……!」

18264「単純に詰め替え用をさらに水で薄めてもぎりぎり使えるからでは、とミサカは上条当麻なら無条件で尊敬しかけている一方通行の思考を止めてみます」

一方通行「だからオマエはなンでそォ俺につっかかってくンだよォ!」

18264「そっ、そんなのお前が嫌いだからに決まってるだろばーかばーかとミサカはありったけの憎しみを」

一方通行「いーらーねーェー! ハイ終わり! 次オマエ洗顔すンだろ? 隣覗いてくるからその間に準備しやがれ」

スタスタ
ガチャ
バタン

打ち止め「……あーあ、言っちゃったねー、ってミサカはミサカは18264号の反応を期待してみる」

18264「は、んのう? 何のことですかとミサカは返し、顔を洗います」バシャバシャ

インデックス「えっと、私はとうま達を見に行ってくるんだよ」

パタタタ

打ち止め「あの人は優しいけど、きっと気づいても向き合ってくれないよってミサカはミサカは18264号に伝えてみる」

18264「……、何の、ことですか、とミサカは再度訊ね返します」

打ち止め「ミサカだって大好きだけどってミサカはミサカは照れることなくあの人に対する思いをぶちまけてみたり。
     でもね、きっとあの人がミサカを傷つけることはなくても、これ以上を望んじゃいけないんだろうなあってミサカはミサカは思っちゃうの」

18264「……、……」パシャパシャ

116 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/27(火) 00:42:31.01 ID:qMT3GH20 [5/17]
打ち止め「それでもミサカは一緒にいたいから、あの人には素直に接しようって思うんだよってミサカはミサカは告げてみる」

18264「……、あなたは、元々素直です、とミサカは顔をあげて述べます」

打ち止め「うん、それもそうかも! ってミサカはミサカは頷いてみる。あのね、あの人は鈍感じゃないよ」

18264「だ、から! 何のことですとミサカはさっきから」

打ち止め「鈍感じゃないけど、自分に向けられている感情は、悪意以外認めないって。そういう人なの」

18264「……だったらミサカの思いは届きます。ミサカは最近、一方通行のせいで体調管理がうまくできなくていらいらしていますから」

打ち止め「――まあ、いいか。ってミサカはミサカはちょっと諦めてみる。
     あの人は戸惑っているけど、ミサカ達を傷つけることだけはぜったいにしないもんねってミサカはミサカは微笑んでみたり」

18264「最後まで上位個体の言っていることはわかりかねます。……さて、顔も洗い終えました。隣室に行きましょうとミサカは上位個体にすすめます」

打ち止め「そうだねってミサカはミサカは18264号のすすめに従うよ。お姉様はどんな寝顔してたんだろってミサカはミサカは見られなかったことをちょっと惜しく思ってたり」


302号室

一方通行「……、……」
インデックス「……、……」

上条「お、よ、よう……、アクセ、ラレー……タ」ボロッ

美琴「はぁっ、はぁ……! あら、一方通行にインデックスじゃない。おはよう」

一方通行「いやおはよォとかそンな挨拶より状況説明頼みてェンだけどさァ……」

黒子「さ、すが、お、ねふぇひゃは……、ふぇふほ」プシュー

13874「簡単に説明します。なぜジャッジメントがこげているのかはわかりますね? はい、お姉様の仕業です。
   なぜ上条当麻がぼろぼろなのかわかりますか? ええ、お姉様の仕業ですとミサカは」

美琴「こらこらこら。その前にちゃんと説明して」

一方通行「なンとなくわかった、どォせそこのツインテメントがオマエに抱きついて、ンで三下がTo Loveる的展開でも繰り広げてやがったンだろ」

13874「正解です、とミサカはぱちぱち手を叩きます」

インデックス「とうまー、だいじょーぶ? 死んでない?」

上条「は、はは、……好きで胸触ってたわけじゃないんだけどな……ふ、不幸、だった……」バタ

インデックス「とうま!? と、とうまー!」ユサユサ

美琴「こ、こっちだって好きで触らせてたわけじゃないしだいたいなによ『む? なんかちょっと足りないですね』って! どういう意味よ誰と比べてんのよぉ!」

一方通行「それは全面的にオマエが悪い、三下」

119 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/27(火) 00:58:47.67 ID:qMT3GH20 [6/17]
合流・移動中

打ち止め「とっても痛そうだねってミサカはミサカは後輩さんのちりちりになった髪をなでてみる」

黒子「はぁぁああん! だ、大丈夫ですの小さいお姉様がちょっと撫で続けてくださるだけで治りますわ!」

一方通行「はァいやめてくださーい」

13874「おや、おはようございますとミサカは18264号に挨拶します」

18264「……、おはよう、とミサカは返し、黙りこくります」

上条「あー、いたたたた……御坂さん、ちょっとやりすぎではないでせうか」

美琴「だからアンタが悪いんでしょ!」

インデックス「ん? ねえあくせられーた、この大きい広間を貸切なのかな?」

一方通行「らしいぜェ。一方通行様御一行、だとよォ。なンか真ン中略しましたって感じだなァ」

ナンカオオキイヒロマー

打ち止め「は、入るのに緊張する座敷かもってミサカはミサカはスリッパをわきに揃えておきます!」

一方通行「おォ、やりゃできンじゃねェか。家でもそォしろっての」ナデナデ

美琴「一方通行、アンタ機嫌良さそうね?」

一方通行「べっつにィ?」

一方通行(旅館のコーヒーかァ、どンなもンか……!)

上条「顔がにやけてるぞ一方通行」

インデックス「朝食が気になってるんだね! そうとしか考えられないんだよ!」

一方通行「あながち間違いでもねェな」


入室

一同「……、……」

14510「さあさあどうぞ、とミサカは一方通行さんのお席をしっかり確保したうえで導きます」

18264「いやおかしいだろなんで一番隅の席だけ洋食になってんだよとミサカは静かにキレます」

一方通行「あ、コーヒーあるゥ……!」ストン

黒子「座るんですのね、ためらいなく」

159 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/27(火) 21:13:04.03 ID:qMT3GH20 [10/17]
大広間

14510「給仕を勤めさせていただきます、ミサカ14510号です、とミサカは告げ、一方通行さんのおそばに控えます」

一方通行「ン」

美琴「って待てぇぇえええ!!! 何でナチュラルに一方通行専用になってるのアンタ!」

打ち止め「わー、すごく立派な和食だねってミサカはミサカはあなたの隣を陣取りながら目を輝かせてみる」

一方通行「俺ァ洋食だけどなァ……トーストうまそォ」

14510「喜んでいただけて光栄です! とミサカは感極まって涙を流しそうになりますがここはぐっと堪えます!」

上条(御坂が完全にスルーされたな)
黒子(第一位さんだけ特別メニューですのね……)

18264「……、……」カタン

13874「おや、一方通行の前に向かいに座るんですか? とミサカは18264号の隣に腰掛けつつ疑問を声に出します」

18264「……へ? あ、ああこれは猥褻物を正面から見たらみんな死んじゃうからミサカが犠牲になろうという博愛の精神ですとミサカは断言します」

インデックス「博愛があくせられーたにだけ適用されてない気がするかも。まあいいや、私はこの、一番ご飯が多そうな端っこの席にするんだよ!」

上条「あー、じゃあ俺は三重妹のと」

一方通行「まァ待て三下ァ。クソガキは超電磁砲の隣を切実に要求してンだが、となると俺、クソガキ、超電磁砲、ンで最後の一席が余るわけだ。
     超電磁砲の電撃を片手でおさえこめるオマエはぜひ末席に座るべきですよねェ」

美琴「ふぇ!? あ、そ、そうよね! 私は打ち止めの隣に座るからアンタは適当に私の隣にでも座りなさい!」

上条「? まあ、べつに上条さんはどこでもいいんですけど……」

黒子「それならわたくしはお姉様のお向かい、そして妹さんのお隣に座りますの! うっへっへ……横を向いても前を見てもお、ね、え、さ、まぁん!」

14510「お品書きの説明をさせていただきますね、とミサカは発言します。こちら、一方通行さんのメニューは洋食で淹れたてコーヒーをご用意しました。
   ちなみにブラックですが、よろしかったでしょうかとミサカは内心ばくばくしながら訊ねます」

一方通行「あァ、満足だ」

14510「……! あ、あ、ありが、とうございますミサカは感激のあまり涙を堪え切れませんでしたぁ! ちょ、ちょっと失礼しますっ!」パタパタパタ

打ち止め「……、あれ? 説明ってあなたのメニューしかしてないよ? ってミサカはミサカは首を傾げてみる」

一方通行「いいンじゃねェの。あー、淹れたての香り……たっまンねェ……!」

164 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/27(火) 21:41:09.33 ID:qMT3GH20 [11/17]
上条「……、……」
美琴「……、……」
黒子「……、……」
13874「……、……」
18264「……、……」
打ち止め「……、……」

インデックス「わー、こっちのきんぴらごぼうおいしいんだよー!」パクパク

一方通行「うめェ……うめェじゃねェか……缶コーヒーに慣れてっと淹れたてが異様にうまく感じる……本格的にサイフォン買ってみっかなァ……」コクコク

インデックス「うわっ、でもこのさばの味噌漬けもすごくおいしいかもー!」バクバク

一方通行「はァー……、至福ゥ……」ゴクゴク

上条「あの、一方通行さん?」

一方通行「ンだよ」

上条「さっきからコーヒーばっかり何杯飲んでるのお前」

一方通行「えー? えっとォ、……いち、にィ、さン、しー……4杯?」

黒子「……気のせいでしょうか、トーストはまったくかじられていませんの」

一方通行「はァ? 見てわっかンねェ? このコーヒーを楽しンでるときにトースト食う馬鹿がどこにいやがンですかァ?」

美琴「アンタが究極のコーヒー馬鹿だってことしかわかんないわよ」

打ち止め「この人はいつもコーヒーを3杯くらい飲んでからパンを食べ始めるのよってミサカはミサカは普段と変わらないことを主張してみる」

13874「ミサカが毎朝しっかり牛乳を堪能するようなものですね、とミサカは一方通行に同族意識を持ちます」

18264「……、見ていて胸焼けするじゃねーかやめろ、とミサカは吐き捨てます」

一方通行「どう飲もォが俺の勝手ですゥ。嫌なら見てンじゃねェ」ズズー

18264「な、あ、お、お前が目の前にるから見ちゃうだけであって! ミサカは決してわざと猥褻物を見ているわけではないのですとミサカは」

一方通行「ハイハイ悪ゥございましたァ。今これ飲んでトースト食ったらとっとと出て行ってやるってのォ」

18264「……、……べ、つに、出て行かなくてもいいしお前なんて見ないでも食べられるしとミサカは横の13874号を見つめながら口を動かします」モグモグ

打ち止め「げ、にんじんさんだあ、ってミサカはミサカはさりげなくあなたのトーストににんじんさんを空間移動させてみる」

一方通行「さりげなくねェよなンでトーストの上ににんじんだけぽつンと乗っかってンだよおかしいだろォが! 食え!」

166 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/27(火) 21:56:30.83 ID:qMT3GH20 [12/17]
打ち止め「あなたは見た目がうさぎさんだからにんじんさんも食べてくれるはずってミサカはミサカはあなたにさらにプレゼント!」コロン

一方通行「あーなるほどォー、打ち止めちゃンはひとりじゃ満足にお食事できねェンだァ? そっかそっかァ……」

打ち止め「え、えへへ……? って、ミサカはミサカはとっても楽しそうに笑うあなたに微笑みかけるんだけど」

一方通行「食べらンねェのかァ……じゃあさァ……」

グイ

打ち止め「ほぇ? ってミサカはミサカはあなたがいきなり顎を掴んできたので驚いてしまいました!」

一方通行「おにィさンが、しっかり食べさせてあげましょォか……!」

打ち止め「む、ぐぅ、げほっ、待って待って食べられる! 食べられるからお願い箸をミサカに向けないでぇってミサカはミサカは」

一方通行「打ち止め」

打ち止め「!」

一方通行「口、開けろ」

打ち止め「い、嫌ですーってミサカはミサカはお口にチャックし」

一方通行「……、ちゅーすンぞ」

一同「!?」

18264「ぅぎゃえ!?」ガタガタタ

一方通行「……なンでオマエが過剰反応してンの?」

上条「というかなんだその台詞! すっげえ危ないぞそれぇ!」

美琴「アンタ打ち止めに手ぇ出したらただじゃおかないからね!」

黒子「ええ、できることならわたくしがちゅーして差し上げたいくらいですの!」

インデックス「それが使えるのは朝だけなんだよあくせられーたっ!」

一方通行「ば、オマエ、何言っ」

インデックス「あ」

13874「……あ、さ? とミサカはシスターに再確認します」

打ち止め「朝? 朝ってどういうことってミサカはミサカは石化したあなたに問いかけてみる」

172 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/27(火) 22:10:17.39 ID:qMT3GH20 [13/17]
一方通行「何もしてねェぞ。うン、何もしてねェ。なァ、シスターさン」

インデックス「うん。なーんにもしてないんだよ。らすとおーだーが起きないから耳元で囁いたとかそういうことはないんだよ」

一方通行「あァそォだ。クソガキが起きねェから耳元でふゥって息吹きかけ、……」

美琴「……、アンタ……何、してんの?」

インデックス(しまったなんだよ! もういいや、ひたすらに目の前のご飯を食べて)
一方通行(おい待て現実逃避すンなシスター。ここは冷静になれ、俺達は何もしてねェ、してねェはずだァ)

黒子「お話を伺う分には、ぎりぎりなことをしてらっしゃいますのよ?」

一方通行「いやほンと違うンすよ。ええ違いますゥ。というのもですねェ、クソガキがなかなか起きないンでボク達ちょっとからかおうって思って、ええはい、からかっただけなンです」

上条「からかって、耳元でちゅーするぞって言って息を吹きかけたってのか!」

美琴(い、今こいつちゅーするぞって、ちゅーするぞってぇぇええ!)

13874「そういえば、とミサカはさらに話を加速させてみようとある話題を提供します。一方通行は昨晩、18264号のこともからかいました」

18264「!」

一方通行「あン? なンかしたか俺」

13874「おや、お忘れですか、とミサカは少し残念がります。ほら、ときめかせ」

一方通行「あああァあああアァァァア!!!! っくしゅン! ふェっくしゅン! あーげほっ、こほン! げほげほげほっ!」

インデックス「……毒舌の上に馬乗りになって、顔をすごく近づけてたかも」

一方通行「だらああああああっしゃァァアアアアア!!! ひっく、っくしゅン! っひく、ひっく! あァやっべェしゃっくり止まンねェ! あァやべェ俺死ンじまうかもォ! ゥっく、ひっく!」

美琴「馬、乗り? 顔を、近づけ……?」

上条「そ、それって俗に言う夜這い」

一方通行「誰がガキ相手に襲うかァァアアア!!! ただ眠れねェってほざくンでちょっとときめかせただけじゃねェ、……」

黒子「……、さきほどから、墓穴を掘りすぎではありませんの?」

打ち止め「ごめんね、フォローしてあげたいけどミサカもちょっとついていけないってミサカはミサカは朝の一件が気になってしょうがなかったり」

180 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/27(火) 22:31:16.81 ID:qMT3GH20 [14/17]
18264(お、思い出したらなんだか顔が熱く……、だ、だめだ違うあれはセロリあれはもやしあれは猥褻物なんだミサカ!
   落ち着け相手はあの一方通行だからねそうだよ気をしっかり持てミサカぁ! とミサカは己を叱咤し顔を上げ、)

一方通行「だから、まァちょっと反応見てやろっかなァとか思ったけどよォ! そこまで深い意味はな……あン? ンだよ、じろじろこっち見てンじゃ」

18264「ひ、ぅ……うあ、あああ、だめ、だめだもうだめむりぃ! とミサカは脱兎のごとく駆け出します!!!」

バタバタバタ

一方通行「……、なァ、あれ思春期ィ?」

美琴「アンタそれ本気で言ってるなら今すぐ戦闘に入るわよ」

一方通行「だってあいつ昨日からあンな調子だぜェ? 思春期としか思えねェな」

打ち止め「ある意味合ってるんだけどってミサカはミサカはため息を吐いてみる。やっぱりあなたは鈍感さんかも」

上条「にしても、残った料理どうする?」

インデックス「私が食べるんだよ!」

一方通行「……はァ、ちょっと待ってろ」ガタ

スタスタ
バタン

黒子「あら、学習してますのね」

13874「毎回このパターンですし、さすがに慣れたのかもしれませんとミサカは推測します。ところでさっきから天井が気になって仕方がないのですが……」

打ち止め「天井? ってミサカは視線を上にし――」

20000「なぜばれた、とミサカは忍者装束のまま、天井に張り付きつつお決まりの台詞を発します」

上条・美琴・インデックス「「「」」」

黒子「忍者服でなくいつもの制服姿でしたら完璧にパンチラでしたの……っ!」

廊下

18264「うわぁぁあああああんっ!」

バビュン

14510「今、一陣の風が吹き抜けた――、ってあれ? 今の18264号じゃなかったっけ、とミサカは」

一方通行「おらおらおらァァァアアア!!! ま、ち、や、が、れェェェェエエ!!!」

シュビュン

14510「今、再び一陣の風が――って、い、今のは一方通行様ぁぁあああ!?」

252 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/28(水) 22:46:02.45 ID:pgtOrMk0 [3/8]
廊下

18264「ち、ちがうちがうちがうこんなの認めない認めない認めないんだからぁってミサカは疾走しそのまま失踪してしまいたいです!」

一方通行「ぎゃは、あはは、あひゃひゃはっはァ! この俺に追いかけっこで挑もォってかァ! いいぜいいぜェ、相手してやンよォォオオオオ!!!」

18264「いやだいやだ追っかけてくるなもう見たくねえんだよおおおおとミサカは叫び返し次の角を左へ!」

一方通行「オーケェ、オマエがへばるまで逃がし続けてやっからせいぜい這いずり回りやがれェ!」

18264「ミサカにだって北欧の意地ってもんがあらああああああ!!!!」

シュタタタタタ
シュバババババ
ビュンビュン
ダダダダダダ

一方通行「……あは。ンだァ、オマエいい脚力してンじゃねェか! ごォかくだぜェ!」

18264「いやああああああもう追いかけてくんなああああああこれ以上ミサカを戸惑わせるなあああああ!!!! とミサカはそこらへんにあった消火器を投げつけます!」

一方通行「ンなもン、今の俺に当たりませンよォ?」

ヒュンッ

18264「くだらないことに反射最大限使ってんじゃねええええとミサカは叫び次の角を右へーっ!」

一方通行「――くだらなくなンか、ねェだろォがァ!」

18264「!?」

ガシッ

一方通行「つゥーかまえたァ、これ以上は逃がさねェぞ」

18264「……、腕を、離してください、とミサカは無抵抗を決め、頼みます」

一方通行「や、ァ、だ」

18264「なっ、もうこれ以上逃げませんし抵抗だってしないんですから離したっていいじゃねーかとミサカは言い返し」

ギュ

18264「ひ、……う?」

一方通行「くだらねェ――そう言ったよなァ、オマエ」

18264「い、いました、けど、それがどうしたこのやろうとミサカは一方通行をにらみます」

一方通行「オマエを追いかけることの、どこがくだらねェンだよ」

258 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/28(水) 22:59:28.41 ID:pgtOrMk0 [4/8]
一方通行「よくわかンねェし、……正直、わかりたくもねェけどよォ。オマエが挙動不審になってンのは、この俺のせいなンだろォが」

18264「……、自意識過剰乙、とミサ」

一方通行「茶化してねェで、話聞け。なァ?」

18264「……、……」

一方通行「クソガキしかり、オマエらしかり。俺に対してなら、どンな暴言吐いたって構わねェし、全部受け止めてやる。けどなァ」

18264「……、……」

一方通行「ここに、一緒に来た連中のことも考えやがれ。三下はオマエらの恩人だろォが、超電磁砲はオマエらのお姉様だろォが、ツインテメントとシスターは……まァ知り合いだろ。
     オマエの勝手な行動で巻き込ンでイイ相手かよ?」

18264「ま、きこんでなんかない、とミサカは腕を振り払って否定し」

一方通行「みンなオマエを心配した。13874号に至っては、露天風呂でも散々オマエのことをよろしくって言いやがる。わかってンのかァ?」

18264「……、ぜんぶっ、ぜんぶぜんぶあなたのせいです、とミサカは一方通行に殴りかかります!」

パシッ

一方通行「だから、俺にならいくらでも言やァいい。殴るなり蹴るなり好きにしろ、ただ、他の連中に迷惑かけてンじゃねェ!」

18264「う、っく……、だ、って、一方通行、が、いちいち癪に触る、ので、とミサカは涙をこらえながら弁明します」

一方通行「あー泣くな、泣くンじゃねェアホガキ。さっさと戻ンねェと、朝食なくなっちまうぞ」

18264「朝ご飯なんていりません、とミサカは密かにダイエットをしていることを告白します」

一方通行「あァ? ンなもンするだけ馬鹿見ンぜェ? 第一、オマエら細いだろォ」

18264「もやしに言われたくありません! とミサカは思いっきり叫びます」

一方通行「ハイハイすンませンでしたァ。……ああ、それからさァ」

18264「?」

一方通行「くだらねェ、なンて二度と言うンじゃねェ。俺が守るって決めたオマエらがくだらねェわけあるかよ」

18264(……、どうして少しだけ、微笑みながら言いやがるんだ、とミサカは――)

276 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/28(水) 23:41:59.88 ID:pgtOrMk0 [7/8]
ラビットきてるしやっべえなまじこれヒィィィイイハァァァアアアアじゃねえかあああああ


スタスタ

一方通行「あー、てェか、もォねェかもな。オマエの朝食」

18264「だから、いりませんと言っていますとミサカは一刀両断します」

一方通行「オマエら育ち盛りだろォが。食え」

18264「どこが育ち盛りなのですかとミサカは意地悪く一方通行に訊ねてみます」

一方通行「背ェ」

18264「……、……」

一方通行「ハッ、この俺をおちょくろォなンざ100万年早ェ」

18264「おちょくろうとしてねーし自意識過剰すぎんだよばーかとミサカは一方通行を追い抜き大広間に一足先に戻ります」

タタッ

一方通行「……、少しは戻った、かァ?」

17600「まるで上条当麻に感化されたかのような説教でしたねとミサカは先ほどの流れを評価します」

一方通行「うわァ!?」

17600「グッモーニン一方通行、朝食おいしかったですとミサカは出資者に感謝します」

一方通行「そォいやオマエ、俺名義で泊まってたンだっけなァ!」

17600「ああ、そうでした。ミサカは先に帰りますけど、20000号と14510号はどうします? とミサカは処理について訊ねます」

一方通行「好きにしろ。あいつらどォやってここまで来た、……あれ、ちょっと待てよォ……20000号は相棒だったンだよなァ……で、14510号はァ?」

17600「ネタバレしますと、相棒というのはそもそも20000号と14510号でひとつの形をつくっていまして、とミサカはネタを明かしたとき一方通行が電脳空間を彷徨っていたことを思い出します」

一方通行「あァ……いろンな俺に会ったときか。あれはすげェ体験だったわ」

17600「とにかく、14510号は途中まで20000号同様トラックについてきていたわけですとミサカは説明します。愛の力って偉大ですね(笑)」

一方通行「待てこらオマエ海原のクソ野郎の雰囲気移ってンぞおい」

278 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/28(水) 23:55:45.16 ID:pgtOrMk0 [8/8]
一方通行「ていうかさァ、考えてみたらおかしいンですけど相棒……」

17600「まあそこは師匠がしでかしたことですからね、とミサカはアステカのすごさに驚きます」

一方通行「あァ、そォ……まァ、なンとかなンじゃねェの? ここまで来れたンだしィ、帰ることくれェ出来ンだろ」

17600「だといいですけど、とミサカは意味深な台詞を吐きますが、ここはひとつ、借りを返してあげます」

一方通行「はァ?」

17600「あなたは現在18264号で手一杯でしょうから、20000号と14510号はミサカがどうにか連れ帰りますと言っているんです、とミサカは男気をアピールします」

一方通行「お、おォ?」

17600「というのも、スネークを見破られたうえで金を出してもらうのは忍びないわけです、スネークだけに」

一方通行(どこをどォかけたのかわかンねェ)

17600「ちなみに今かけたのはスネーク=尾行=忍です、とミサカは自分の気の利いた言い回しを解説します」

一方通行「今聞いてわかったけどそれ全然うまくねェわ」

17600「それでは、とミサカは一礼し、今後しばらくは目の前に姿を現さないことを確約します」

一方通行「ン。……ン? 目の前に? ってェことは……、やめよ。考えたらめンどくせェ」


大広間付近の控え室

14510「結局あの後天井に潜んでた変態の回収させられたし、とミサカは露骨に凹みます」

17600「はいおつかれーとミサカは労いつつ、あと数十分でこの旅館を発つことを宣言します」

20000「え、え、もう帰っちゃうの? まだセロリたんに朝のなめなめしてないんだけどとミサカは日課を伝えます」

17600「それ上位個体の前で言ったら消されるぞ、とミサカは忠告しつつ、アフロの返却を要求しま、――あ、そうだ」

20000「?」

17600「最後だし、せっかくだからそのアフロ、一方通行に渡してきてはどうだろうかとミサカは提案します」

20000「なにそれなんで!? とミサカは提案に喰らいつきます!」

17600「彼は学園都市を出るときに女装していたでしょうとミサカは諭します。ですが、ここから再び女装はきついものがあります、そこでアフロですよとミサカは断言します!」

20000「うっひょおおおナイスアイディアさすがプロスネークさん! とミサカはアフロを脱ぎ、とりあえずマーキングしておきますう!」ハァハァ

14510「いやああああやめろおおおおおおおそれもし一方通行様がかぶったらどうすんだよおおおおおとミサカは変態を止めますー!」


280 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 00:10:26.59 ID:qgdkUvI0 [1/36]
大広間

一方通行「……、なンですかァ? この惨状」

打ち止め「あ、おかえりなさいってミサカはミサカはあなたに駆け寄ってみる。あのね、シスターさんが18264号のご飯食べちゃったの」

インデックス「げふ。おいしかったんだよ」

一方通行「でェ? 奥のほうで転がってるツインテメントと三下はどォしたンだよ」

美琴「黒子は私に媚薬飲ませようとしたから電撃飛ばしたのよ。そしたらお残しは許しまへんでえとか言ってあの馬鹿が媚薬入りの味噌汁飲んじゃって」

13874「飲んだ瞬間ぶっ倒れましたとミサカは報告します」

一方通行「どンな媚薬だよォ……てェか、18264号」

18264「はい? とミサカは話を振られた意図をつかめずに首を傾げますが」

一方通行「腹減ってンなら、俺のトースト食うか?」

18264「ぶふっ!? ミサカは予想外の申し出に飲み物を飲んですらいませんが何かを吹き出しました」

一方通行「オマエ、少ししか食ってねェンだろ。これから学園都市戻るってェのに、運転手が腹空かしてたらたまったもンじゃねェ」

美琴「ああ、そっか。そういえば帰るんだっけ」

打ち止め「名残惜しいなあってミサカはミサカは13874号の手をぎゅってしてみる」

13874「ミサカも名残惜しいですが、みなさんと過ごした時間は大切な宝物です。ずっと胸にしまっておきますよとミサカは答えま」

スゥゥー

一方通行「――! 室内の気温が1℃上昇しやがった! 何が起こって……、あン? 三下、オマエ何揺らめいて」

上条「……、あ~……アクセラレータぁ……あひゃ……あひゃひゃひゃひゃっ! うへへ、へへへ……揉ませろ」

美琴「ふぇ!?」

打ち止め「え、ちょ、ちょっと待ってこの人はこれでも男性だよってミサカはミサカは断言してみる!」

上条「恋愛に性別なんて関係ねえ! 俺は! お前に! 惚れ」

一方通行「ギャァァアアアアア言うな言うな言うなァァァァアアア!!! なにこれなにこれ媚薬の仕業かァ!? なンで俺! なンでここで超電磁砲じゃねェンだよォ!」

黒子「こ、この媚薬は……、目を覚ましてから初めて見た人間に、惚れてしまい、発情するという……効能、で、すの……」

美琴「アンタそれ私に使うつもりだったの!? 答えなさい黒子ぉぉぉおお!!!」

黒子「黒子、一生の、不覚、です……のぉ」パタ

282 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 00:22:57.06 ID:qgdkUvI0 [2/36]
一方通行「ちょっと待とォか落ち着こォぜ三下ァ! 俺はたしかに中性的だしホルモンバランスも狂ってやがンだけど! でもオマエ見たよなァ!?」

上条「だから恋に性別なんて」

打ち止め「……、ミサカは、あなたが幸せならいいのって身を引いてみたり」

一方通行「待って待って待て待て待てだめだわかンない俺マジわかンないンだけどとりあえずクソガキ助けて」

18264「まるですり込みですねとミサカはまさかのめくるめくボーイズでラブる展開に動揺を隠し切れません」

一方通行「ラブしねェから! この媚薬おかしいだろォ明らかに!」

13874「安心してくださいとミサカは一方通行を励まします。偏見は捨てました」

一方通行「すンませン偏見拾ってきてくださいお願いしますゥ!」

上条「なあ……一方通行。素直になれよ、俺はお前と」

美琴「……、はっ! ちょっとちょっとちょっと何してるのそこぉ!」

ビリビリビリ

一方通行「!! あァ今すげェ女神に見えンぜ超電磁砲……今なら言える、俺オマエのこと嫌いじゃねェ」

美琴「はあ!? とにかくこの馬鹿止めなさいよ、黒子の媚薬ってことは相当やばいわよ!」

インデックス「短髪の台詞はどこか経験者っぽいかも」

打ち止め「え、えっととりあえずあなたはヒーローさんの前から姿を消すべきってミサカはミサカはあなたの手を引いて猛ダッシュ!」

一方通行「うおァ!?」

ダダダダダ

上条「あ、待て一方通行ー!」

美琴「行かせない!」

バチバチビリッ

13874「……、起きてらっしゃるジャッジメントさん、なにか救う手立てはありませんか、とミサカは薄目でこちらを見つめている彼女に訊ねます」

黒子「ぎっくう! ま、まあないこともないではないですの……じゃなかった、ないこともないですの」

18264「ほう。それは一体どのような方法ですかとミサカは続けざまに訊ねます」

黒子「惚れられた相手がベーゼを与えることですの」

美琴「黒子アンタちょっとこっち来なさい今すぐ来なさい」


304 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 10:00:08.54 ID:qgdkUvI0 [5/36]
打ち止め「わーい走って走って走っちゃうーってミサカはミサカはエレベーターを使わずにお部屋まで階段で向かってみる!」

一方通行「ちょォ、待て、きつ、……さっき走ったばっか、なンだけどさァ……!」

打ち止め「もうちょっとでお部屋だよってミサカはミサカはあなたを励ましてみたり! あ、ほらついたー」

一方通行「ふ、はァ……、ぜェ、はァ、……朝からどンだけ走ってンだ、俺ァよ……」

打ち止め「とりあえずお部屋に入ろうってミサカはミサカはあなたにドアを開けることを要求してみる」

一方通行「ン、……ほらよォ」

ガチャリ

打ち止め「えへへー、あなたとふたりっきりーってミサカはミサカはまだ片付けられていない布団に迷わずダイブ!」バフン

一方通行「あーもォ……なァンで惚れたのが俺なンだかなァ。ここでオリジナルあたりに惚れときゃ」

打ち止め「そういえばってミサカはミサカはあなたの言動に違和感をおぼえたので質問してみるんだけど、あなたはどうしてお姉様の恋を応援しているの?」

一方通行「あ?」

打ち止め「たしかにあなたは言葉は荒いし、行動だって一見すると冷たくて粗暴に見えることがあるけど、ほんとは優しいってミサカは知ってるの。
     でも、あなたがお姉様の恋を応援していることは、さすがにちょっと変かもってミサカはミサカはけっこう前から不思議に思っていたり」

一方通行「だからァ、応援してンじゃねェンだよ。見てていらいらするだけだっての」

打ち止め「いらいらするからふたりの仲を取り持ってるの? ってミサカはミサカはあなたの動機が薄すぎると憤慨してみる」

一方通行「……、イイだろ。べつに、俺がどォ動こうが」

打ち止め「悪いことじゃないからねってミサカはミサカはたしかに頷いてみる。でも、ミサカはすっごーく気になるの」

一方通行「……、超電磁砲は、オマエの――オマエらの、オリジナルだろォが」

打ち止め「? そうだけどってミサカはミサカはあなたにとりあえず同意してみたり」

一方通行「そンだけ」

打ち止め「へ?」

一方通行「オマエらのオリジナルだから。そンだけだっつってンだよ」

打ち止め「え、えっと……面白いから、とかそういうのじゃないのね? ってミサカはミサカはひとつの可能性を口走ってみるけど」

一方通行「人の恋路を邪魔するもンは、馬に蹴られて死ンじまえ、ってなァ。面白半分で手ェ出せるよォな恋路でもねェだろ、ありゃあ」

打ち止め「それはそうかもってミサカはミサカはあなたにまた同意してみる。あなたはお姉様とあの人が幸せになることを望んでるのってミサカはミサカの最後の質問!」

307 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 10:10:58.61 ID:qgdkUvI0 [6/36]
一方通行「べっつにィ。たださァ、オリジナルとオマエらは同じ顔してっから、その顔が泣いたりしてンの見るとクソめンどくせェだけだ」

打ち止め「……素直じゃないなあってミサカはミサカは微笑んでみたり。じゃああの人についてはどうなのってミサカはミサカはやっぱりこっちが最後の質問ー!」

一方通行「三下ァ? あいつは知らねェよ。……あ、媚薬効果……あー……」

打ち止め「しまった、ってミサカもミサカも思い出してげんなりしてみる。後輩さんがなんとかしてくれないかなってミサカは期待してみたりするんだけ、」

コンコン

一方通行「? おォ、三下以外なら入れ」

18264「では失礼しますとミサカはわざとらしく丁寧な口調で言い、ジャッジメントを放り投げます」

黒子「きゃんっ! いたたたた……これがお姉様の妹さんでなければただではおきませんのよ……いたた」

打ち止め「噂をすればってミサカはミサカは突然の登場人物に驚いてみる」

一方通行「あァ、オマエのせいでこォなったンだったか。ブチ殺してやりてェとこだけえど大目に見てやっから早くどォにかしろ」

黒子「ですから、あの媚薬の効果を消すものはあなたの行動しかありませんの」

一方通行「はァ?」

黒子「あなたがあの殿方にベーゼ」

打ち止め「待って待って待って今とっても妙な画像が浮かんできたってミサカはミサカは慌てて後輩さんを止めてみる!」

18264「たった今ミサカも妙なものを想像してしまいました、オェ、とミサカは露骨に気持ち悪がります」

一方通行「……俺が。あいつに。キスしろって。そォいうことですかァ?」

黒子「そうなりますわね。なにしろお姉様に使う予定でしたので……ああん、貴重な媚薬が!」

一方通行「……、クソガキ」

打ち止め「なあにってミサカはミサカは青ざめた顔のあなたにおそるおそる訊いてみる」

一方通行「ちょっと、念のため充電頼むわ」

18264「? 何をするつもりですとミサカは疑問を口にします」

一方通行「……納得いかねェンだよなァ、でもあのクソったれくれェしかできねェしィ」

打ち止め「よくわからないけどミサカはミサカはあなたの指示に従ってみる」

308 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 10:19:50.31 ID:qgdkUvI0 [7/36]
304号室

海原「くあっ。いい朝ですね、さて、御坂さんは何をしているでしょうか」

コンコン

海原「……? 17600号でしょうか。はい、どうぞ」

一方通行「どォも」

海原「チェンジで」

一方通行「むしろ俺が言いてェよクソが。オマエに頼みが、……いや、命令だなァ。断ったらここで超電磁砲にあることないことぶちまけちまうけどォ」

海原「なんでしょう自分にできることなら!」キリッ

一方通行(あることないことってェかこいつストーカーみたいなもンだし知られて困ることって今さらねェンじゃねェかなァ……)

海原「ところで杖はどうしたんです?」

一方通行「ン。モード、能力使用に切り替えてっからよォ――つまり、わかりますよねェ?」

海原「いやあいい朝ですね。最高に仕事日和ですね! で、頼みごとってなんですか」

一方通行「オマエ、そのツラも借りもンだろォ? だったら、他の人間になれンだよなァ」

海原「? ええ、まあ相手に多少の皮膚を提供してもらえれば、ですが」

一方通行「オーケェわかった。なら話は簡単だァ」

海原「……すみません、話が見えないんですが、まさかあなたに代われと言っているわけでは」

一方通行「そのまさかですよォ」

海原「」

一方通行「でェ、皮膚提供すりゃいいンだっけ? どンくらい?」

海原「あのちょっと待ってくださいなんでそんなに乗り気なんですか何かあったんですか」

一方通行「いンや全然。皮膚ってどこの剥がしゃいいンですかァ?」

海原「あ、腕でいいで……うわっ、ためらいなく自分で剥ぎましたね」

一方通行「痛み感じねェよォに感覚神経いじってるしなァ。さ、どォぞ。どォぞどォぞ!」

海原(なんだかとても嫌な予感がしますね、たすけて御坂さん)

314 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 10:27:51.05 ID:qgdkUvI0 [8/36]
大広間

上条「――退け、御坂ぁ!」

美琴「そんな状態のアンタを放り出すわけには、いかないのよっ!」ビリビリバチッ

13874「なんだかすごいことになってますとミサカは大広間の悲惨な現状から目を背けます。これ、誰が片付けて復元させるんでしょう……」

インデックス「あくせられーたがとうまにちゅーすればいいんだけど、なんだか見たくないような、でもちょっと気になるような」

13874「ミサカは想像しましたがなんとも言えませんでした。さて、そろそろお姉様も限界ですね、とミサカはイケメンモードに入った上条当麻を観察します」

上条「いいぜ、……お前が俺の一方通行に対する愛を否定するっていうなら! まずはその幻想をぶち殺すっ!」

美琴「アンタの愛はまやかしの愛よ、そして一方通行だわ! あいつはどうでもいいけど、アンタの目は覚ましてあげる!」

上条「そげぶが効かない、だと!?」

美琴「あいにく私の愛はアンタの紛いもんよりよっぽど、……あ」

インデックス「短髪の、愛?」

13874「おおっと、ちゃっかり告白しそうになりましたねお姉様、とミサカは拍手を送ります」

上条「……、上条さんは混乱しましたがわからない言葉はスルーして今会いにいくぜ一方通行ーっ!」

美琴「あ、ちょ、ちょっと待ちなさ……」

バタンッ!!

一同「!」

一方通行「……あは、ギャは、クキャキャクケケカカカカカッ!!! よぉ来たぜ御坂さん!」

美琴「え?」

一方通行「じゃなかった、あー、えっとぉ、俺は一方通行だ!」

上条「ふ、ふははは、ふはははははははあああああ!!!! 飛んで火に入る夏の虫! アクセラレータぁぁあああ!!! 俺らの愛が決して一方通行じゃねぇってここで証明してやろうぜ!」

13874「……相手に惚れたときのテンションがあれなら、上条当麻は相当なバカップル要素をお持ちですねとミサカは呟きます」

インデックス「そっか、今までいろんな女の子に声かけたりしてたけど……ひとりに集中するとおそろしいかも」

316 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 10:40:14.12 ID:qgdkUvI0 [9/36]
一方通行(あああなんでこんなことに御坂さんの前でこんな男と接吻だなんて……)

上条「はぁはぁ、きめ細やかな白肌、少し血の色が失せている唇もまたたまらない……! さらっさらの白髪! 美しいルビーのような、いや、ルビー以上の輝きを秘めた赤い瞳……っ!」

13874「ミサカには一方通行が死んだ魚の目をしているようにしか見えませんが、さすが恋の病ですねとミサカはフィルターに感心します」

美琴「ちょ、ちょっと待って落ち着いて。ね、ここは話し合って」

一方通行「はっはぁ! なぁにちょろいこと言ってるんですかぁ!? この男を止めるためには俺が犠牲になるしかありませんよぉ! あはははははは!!!」

一方通行(ああもういっそここでこの男と一方通行さんをそういう関係にしてしまうのもいいですねあはははは)

インデックス「……あれ? あくせられーた、チョーカーつけてないんだよ」

13874「おや。……となるとこれは……、まあいいでしょうとミサカは問題を捨て置きます」

上条「ふふっ、素直じゃないな一方通行。まあそこが俺をさらにお前の虜にさせるんだけど」キリッ

一方通行「」ゾォォォオオ

美琴「や、やだ、あんな台詞……言われてみたい……」

一方通行(えええそこでまさかの!? もう止めないんですかってあああ! だめだ御坂さんが自分に、というか一方通行さんに感情移入しはじめたああああ!!!
     さすがレベル5、自分だけの現実に置き換えている!!! それでこそ自分の好きな御坂さんですけどあああやっぱ止めてえええええ)

上条「なあ……、いいか? 好きだ、好きなんだよ一方通行。俺、一目見たときからお前のこと以外考えられなくて……おかげで特売の日もタイムセールも考えられなくて……!」

インデックス「それはないんだよとうま。嘘つきはだめかも」

一方通行「あ、あははははは、そ、そぉかぁそんなに俺のことが好きなんですかぁ! ぎゃは、じゃ、じゃあ好きな俺の言うこと聞いてくれたりしねぇかなぁ!」

上条「ん、なんだ? 俺に出来ることならなんだってするさ。世界で一番大切なお前のためだ!」キリッ

一方通行(きっしょくわりいいいいい!!! 御坂さん助け、……)

美琴「セカイデイチバンタイセツナオマエノタメ、セカイデイチバンタイセツナ」

一方通行(もうだめだおわった)

13874(お? 18264号から感覚共有の要請が来ていますね、許可しておきます)

320 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 11:51:36.17 ID:qgdkUvI0 [10/36]
上条「さあ、言ってくれよ。その可愛らしい唇で、俺におねだりしてみろよ!」

一方通行(うわああああだめだこいつもうだめだはやくなんとかしないとこんなやつを御坂さんに近づけてなるものですか)

上条「一方通行? どうした、挙動不審……はっ! そっか、そうだよな、こいつらの前で俺にねだれっこないよな……ごめん、気が利かなくて」

一方通行(あああなんだこの展開! たしかこの男の言う通りにしろって言われたんですけど、でもこれは)

海原『あなたに代わる? いいですけど、なぜです?』

一方通行『あン? 大したことじゃねェよ。オマエ、裏方も飽きただろォ? 三下の言う通りにしてりゃ、オリジナルとも仲良くできンぜ』

海原『言う通り?』

一方通行『少ォし過剰にスキンシップとってくると思うけど気にすンな。キスされるかもしンねェけど』

海原『ちょっと待ってくださいスキンシップ!? キス!? キスンシップ!?』

一方通行『まァがンばれ』

海原『ちょ、いや待っ、え、ちょ』

一方通行『ここで断ってヤキ入れられンのとォ、間近でオリジナル見られンのとどっちがイイ?』

海原『行ってきます!』

一方通行『おォ、いってらっしゃァい、「一方通行」』

一方通行(よくわからなかったけど今わかった。この男は危険すぎる……!)

上条「あっち行こうぜ。俺とお前でふたりっきりになれるような、秘密の花園に」

一方通行「あ、うん、うん、そぉですね……」チラ

美琴「オレトオマエデフタリッキリ、ヒミツノハナゾノ」

13874「え、なに? そっちに本物がいる? ああ、やっぱり偽物なんですね、とミサカは頷きます」

インデックス「とうまの目がとろんってしてるんだよ……、短髪がしゃがみこんで自分の世界に入り込んじゃったんだよ……」


廊下

20000「アッフローアッフロー、ミサカの使用済みアッフッロー、セロリたんがかっぶるー、アッフッロー、とミサカはスキップしながら大広間に向かいます」

323 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 12:05:53.12 ID:qgdkUvI0 [11/36]
一方通行(もうやだもうかえりたいかえりたいですよショチトルぅぅうううう)

上条「俺達の部屋にでも行こうか、一方通行」

一方通行「ん、あ、そ、そぉだな三下ぁ!」

一方通行(待てよ、一方通行さんはキスされるかもしれないと明確に言った……つまりこの状況はキスで打開できるのでは)

美琴「ああもう当麻ったらぁ、俺達の部屋だなんて」

13874「お姉様の自己置き換え能力まじぱねえっす、とミサカは感嘆します」

インデックス「お? なんだかあくせられーたの瞳がいきいきしてるかも」

一方通行「おい三下ぁ!」

上条「どうした? 叫ばなくたって、お前が俺を呼ぶ声はどんな囁き声でもしっかり届いてるぜ」

一方通行(きっめえええええええええええええ!!!! 笑ってやる余裕すらありませんね……でもまあいい!)

一方通行「こっ、ここで! 俺に! キスしやがれぇ!」

美琴「」
13874「おや」
インデックス「うわあ」

上条「!! やっぱり俺の愛は一方通行じゃなかった! いいぜ一方通行、ここでとびっきりのディープキスをしてやるよ……」

ギュ
クイッ

一方通行(あああああああ近付いてくる近付いてくるきっめえ……なにこれきっめえ……でも耐えろ耐えるんですエツァリ……今の自分は一方通行です!)

一方通行「あぁもぉじれってぇな、さっさと」

バンッ

20000「セッロリたーん! また会うに決まってますがアフロお届けに参りましたーとミサカは大広間の襖を勢いよく開け、中にいる一方通行を見つ、……う、え!?」

13874「これはとんでもなく面倒な事態ですとミサカは驚きのタイミングでやってきた相棒をいっそ誇らしく思います」


301号室

打ち止め「……、20000号が」
18264「ええ、やってきましたね、とミサカはため息を吐きます……」
一方通行「あ? まァいいや、どォせ俺に被害はねェし」
黒子「他人を犠牲にするだなんて、さすが第一位ですの」

325 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 12:17:10.21 ID:qgdkUvI0 [12/36]
20000「おおおおお落ち着け落ち着けヒッヒッフーだミサカ、
   たしかにセロリたんは受けとか発言したことあったけどなんだろこの状況まるでビーでエルな展開だけどこれは待て落ち着け落ち着いてアフロかぶろう、
   とミサカはアフロを装着します」

13874「落ち着くも何も現状は正しいですよとミサカは相棒に伝えます。すなわち上条当麻が一方通行(に化けた多分海原)にキスしようとしているわけです」

インデックス「これが媚薬解除の方法だし仕方ないんだけど、ちょっと……いたたまれないんだよ」

美琴「はっ、私は今まで何を……! ちょっとそこの野郎共ぉ! 離れなさい!」

上条「俺達はたとえ神であろうとも引き離すことのできない絆で結ばれてるんだぜ?」

一方通行(ぎゃあああああきっしょくわっりいいいいいいい!!!!!)

一方通行「あ、あぁ、そぉだ。だからさっさとキスしろぉ」

20000「え、いまセロリたんが言った!? まさかの! セロリたん! とミサカは興奮のあまりアフロを外します」

13874「何のために装着したんでしょうかとミサカは首をかしげ、おおっと上条当麻の唇が、一方通行の唇に近付いたあーっ!」

美琴「きゃあああああやめてやめてやめてえええええええ」

上条「……、一方通行、目、閉じてくんね?」キリッ

一方通行(ぎゃああああああああああやめろやめろああでもやめられたら後で一方通行さんにコロサレル)

20000「セ、セロリたんが目を閉じた……!? 待ってついてけないどういうことなんでこうなってんのねえなんで、とミサカは13874号を見つめます」

13874「媚薬ですとミサカは簡潔に答え――あと数センチ」

美琴「ああああああもう無理! やだ! もう見てらんないわよこんなのっ!」

バタバタバタ

インデックス「短髪!? 短髪うーっ!」


301号室

一方通行「ンで? まだキスしてねェの」
打ち止め「今お姉様が泣きながら大広間を出たよってミサカはミサカは報告してみる」
18264「種明かししないとダメージ半端ないですねとミサカは呟きます」
黒子「ダメージ……こうしてはいられませんわ! 第一位さん、行きますの!」
一方通行「おォ、そろそろ終わってそォだし」

326 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 12:33:03.95 ID:qgdkUvI0 [13/36]
30分後

黒子「ごめんなさい本当に申し訳ありませんでした悪気はなかったんですの」

美琴「しばらく抱きつくの禁止」

黒子「ひどいですの……」

上条「なんか朝食ってる途中から記憶ねえんだよなー」

インデックス「何にもなかったんだよ。ね、あくせられーた」

一方通行「あァ、普通にもっさもっさ食ってたぜェ。な、クソガキ」

打ち止め「うん、幸せそうにかみしめて食べてたねってミサカはミサカは断言してみる。ねっ、18264号」

18264「そうですね、まったく何の問題もありませんでしたよとミサカも同調します。ねえ、13874号」

13874「はい。みなさんとてもおいしそうに三重の料理を食べていましたとミサカは言い切ります」

上条「へえ、そっか。……なんで海原がいるんだっけ?」

海原「何言ってるんです? 自分は途中からずっといましたよ」

20000「そうですね。ずっといましたとミサカは肯定します」

上条「あれ、アフロの20000号もいる……」

一方通行「そいつも途中からいたじゃねェか。忘れてンのかァ?」

上条「いたんだ……悪い、本当なんでかわかんねえけど、覚えてなくて」

インデックス「よくあることだよとうま。気にすることないかも」

打ち止め「まったく気にすることないよってミサカはミサカはフォローしてみる。えっと、ごちそうさまでした!」

一方通行「ン。俺もごちそォサマ」

18264「ごちそうさまでした、とミサカは手を合わせます」

13874「おいしかったです、さすが三重とミサカは県自慢をします」

330 名前:ビリィ[saga sage] 投稿日:2010/04/29(木) 12:52:07.97 ID:qgdkUvI0 [15/36]
301号室

一方通行「オマエら、忘れモンねェか」

打ち止め「大丈夫! ってミサカはミサカはVサインしてみる」

18264「……コアラオブジェ、どうしましょうかとミサカは少し悩みます」

インデックス「部屋に置いて帰っても問題ないと思うんだよ」

一方通行「いや、さすがに旅館の連中が困るだろォが」

キュイン シュウ

一方通行「お片づけよろしくゥ、18264号」

18264「ベクトル操作でコアラオブジェを10分の1サイズに縮小しただと……!? とミサカは驚きつつごみ箱に捨てます」

一方通行「じゃ、出ンぞ」

ガチャ

14510「……、お帰りになられるのですね、とミサカは涙目で問いかけます」

一方通行「うわっ、びっくりしたァ……まァ帰るけどォ。オマエも17600号と戻るンだろ」

14510「はい、とミサカは顔を下に向けながら答えます。あの、……」

一方通行「?」

14510「ま、また、お会い、できますよね、とミサカは、……言ってみたり、します」

一方通行「お会いも何も、会いてェなら来りゃあイイじゃねェか」

14510「! え、い、いいんですか! とミサカは顔を上げます!」

一方通行「頻繁に来られても困るけどなァ。普通に来れば、普通に相手くれェしてやンよ」

14510「あ、りがとうございますその言葉だけでしばらく呼吸せずに生きていけますとミサカはあわてて仕事に戻ります! ではまた!」パタパタ

一方通行「……、いや、呼吸しとけよ」

18264「……、……」イラッ

18264(へ、あ、今のいらつき? え、なんで? なんでいらついて、とミサカは思わず壁に頭を打ち付けます)ゴンゴンゴンッ

インデックス「えっ!? な、なにしてるの毒舌! 危ないんだよ!」

打ち止め「自我の芽生えっておそろしいなあってミサカはミサカは罪な男であるあなたに呟いてみる」

一方通行「なにわけわかンねェこと言ってンですかァクソガキ」

331 名前:ビリィ[saga sage] 投稿日:2010/04/29(木) 13:10:24.09 ID:qgdkUvI0 [16/36]
旅館前

13874「これからどうなされるのですか、とミサカは一方通行に訊ねます」

一方通行「ン、クソガキ。オマエはどォしてェ?」

打ち止め「えっと、三重観光! と言いたいところなんだけど、何か案内できる場所とかってあるのかなってミサカはミサカは訊き返してみる」

13874「正直なところ、上位個体の興味をひくような観光地はないかもしれません、とミサカは残念がります。神社に興味はありますか?」

インデックス「神社っていうと、日本の神が奉られているところかな?」

一方通行「神社だァ? ンなもン興味ねェ。俺ァそもそも肉を食うために三重まで来てンですよォ」

上条「そういえばそうだったな。松阪牛食ってねえ」

美琴「え、朝の肉って松阪牛だったわよね?」

黒子「ええ。たしかに松阪牛でしたの」

上条「!?」

一方通行「なン……だとォ……!?」

18264「食べてないです、とミサカはダイエット中にも関わらずショックを受けます」

打ち止め「たしかにすっごくおいしかったぁ、ってミサカはミサカはお肉の味を思い出してじゅるり」

一方通行「待て待て待て俺食ってねェ食ってねェンだけどォ!」

13874「ああ、でしたら松阪牛連れて帰ります? とミサカは牧場に案内する気満々です」

美琴「連れて帰るんじゃなくて、買って帰るべきだと思うのよね」

13874「それもそうでした、とミサカはうっかり相棒の二の舞になるところを回避します。おいしい肉を買うなら肉屋さんです!」

一方通行「……うン、なンかオマエやっぱズレてるよなァ」

18264「……、……」イラッ

348 名前:ビリィ[saga sage] 投稿日:2010/04/29(木) 14:00:05.61 ID:qgdkUvI0 [19/36]

18264「……、……」イライラ

一方通行「……まァたオマエは、何仏頂面してンですかァ」

18264「は? ミサカは元々こういう顔ですけどとミサカは一方通行に冷たい視線を送ります」

一方通行「あァそォかよ。ンじゃいいですゥ」

打ち止め「ねえねえヨミカワ達にお土産買わなきゃってミサカはミサカは赤福? とかいうお土産を推してみる」

一方通行「あー、土産かァ……適当に買ってきゃいいだろ」

スタスタ

18264「……、いらつく……?」

13874「まだ認めてなかったのかよ、とミサカはいい加減じれったくなってきます」

18264「何が? ていうか意味わかんねーし、とミサカは13874号の言葉を疎ましく思いました」

インデックス「とうまー、おなかすいた」

上条「はっや! 数十分前に朝飯食ったじゃん!」

インデックス「だって、ここの通り歩いてるとおいしいにおいが……」

上条「金ねえんだよなあ……よし。ここはあの白い偉い人に頼んでこい、なっ?」

インデックス「りょーかいなんだよ!」タッタッタ

美琴「……アンタ」

上条「言わないでください俺も悪いと思ってるんだでも金ねえんだよ」

黒子「まあ、第一位ですしきっとシスターさんに奢ってくれるでしょうけど、あんまりですの」


商店街

肉屋「おーいらっしゃい、白い兄ちゃん」

一方通行「……、……」キラキラ

打ち止め「わっ、あなたが無言でお肉を見て嬉しそうにしてるってミサカはミサカはレアショットを思わずカメラにおさめてみたり」

352 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 14:12:56.81 ID:qgdkUvI0 [20/36]
肉屋「兄ちゃん、ここらじゃ見かけないね。どっから来たんだい?」

一方通行「えー、学園都市ってとこォ。おじさン知ってる?」

打ち止め(あ、あなたがそんなに柔らかい口調で話しかけるなんてレアすぎるのってミサカはミサカはすっごくすっごく驚いてみる)

肉屋「ああ、なんかすごく発達してるとこか。で、兄ちゃん、肉は好きかい?」

一方通行「すっげェ好き! もォ超好き大好き愛してるぜェ!」

打ち止め(わわわ、あなたが告白した! お肉に! ってミサカはミサカは目をぱちくりさせてみる)

肉屋「おお、威勢がいいじゃねえか。ひょろひょろしてるように見えるけど……もっと肉食いな!」

一方通行「いや、俺骨ほっせェの。毎日肉三昧だけど太らねェもン」

肉屋「ははっ、うらやましいなあ。俺なんか毎日肉だからこんなに太っちまった」

一方通行「いやいや、おじさンもけっこううまそォですってェ」

肉屋「おーおー言うねえ白い兄ちゃん。よしきた、機嫌いいから少し安くしてやるよ!」

一方通行「まァじでェ!? ありがとォ! ンじゃここに今置いてる肉全部くれ!」

肉屋「あっはっは、全部か! よーし今袋につめ、……全部?」

一方通行「あァ! ぜーンぶ買ってく!」

肉屋「そ、そーか、そっか……あ、ありがとうよ……」

一方通行「いンやァ! こっちこそありがとォおじさン!」キラキラ

打ち止め「……、とっても素敵な笑顔、ってミサカはミサカはおじさんとあなたを見比べて肩をがっくり落としてみたり」

一方通行「あーやっべェ、しばらく肉ウィークじゃねェか。もォ土産いらなくねェ? 松阪牛で十分じゃねェ?」


インデックス「あくせられーた、まさかの全部買占めなんだよ! かっこいいかも!」
上条「あれは肉屋さんがかわいそうだ」
美琴「あんなに笑顔で応対する一方通行はじめて見たわ」
黒子「毎日肉三昧で太らない、ですって……うらやましいですのぉぉぉおおお!!!」
18264「……、……」イラッ
13874「おやおや、肉屋の旦那にもですか? とミサカはからかってみます」

362 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 14:32:22.74 ID:qgdkUvI0 [21/36]

一方通行「あー、すげェいい人だったわあのおじさン……」ホクホク

打ち止め「あなたが幸せそうだからいっか、ってミサカもミサカもお肉を半分持ってあげる!」

一方通行「おォ、ありがとなァ打ち止め」

打ち止め「!」

上条「なにあれ肉モード? 肉モードなのか?」
美琴「よっぽど松阪牛が嬉しかったのね……ジンギスカンのときもあそこまでテンション上がってなかったのに」
黒子「もはや人格が破綻していますの」
18264「……、……」ギリッ
13874「顔がこわいよーとミサカは隣の18264号をなだめます」

インデックス「あっくせっられーたーーー!」

ガバッ

一方通行「のわっ!? ンだァ、シスターさンですかァ」

インデックス「おなかすいたから奢ってほしいんだよ!」

上条(あっ馬鹿! そんな単刀直入に)

一方通行「あァいいぜ。三下ァ、オマエらも何か食いてェのあっかァ」

一同「!?」

打ち止め「すごく機嫌がいいのねってミサカはミサカは驚きつつも、虎屋ういろっていうのが気になってるんだけど」

一方通行「お、あそこか。お菓子っぽいなァ……ちょうどいい、行くぜェ」

美琴「……、こわい」

上条「でも奢ってくれるなら」

美琴「アンタにはプライドってもんがないの!?」

黒子「お姉様、彼はプライドではなくお金がありませんの」

上条「そうそう。金ないから仕方なく。上条さんにもプライドはありますよ」

18264「……、うれしそうな猥褻物を見ているとちょっと可愛いなあと思いましたが気のせいですとミサカは否定します」

13874「まだ猥褻物って言うんですか、とミサカは呆れます」

365 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 14:51:36.40 ID:qgdkUvI0 [22/36]
店内

一方通行「……、……」

打ち止め「急に自分のテンションの高さを実感しちゃったのねってミサカはミサカは落ち込んでいるあなたを励ましてみる」

一方通行「……、そンなンじゃねェよ」

18264「このショーウインドーの全部ください、とミサカは大胆にも頼みます」

一方通行「ふざけンなオマエ」

18264「さっき同じようなことしてたじゃねーかとミサカは数分前の一方通行を思い返しますが」

一方通行「あァうっせェうっせェ聞こえねェ。ぜーンぜン聞こえませン」


美琴「あのさあ、ちょっと前から思ってたんだけど」

13874「? どうかしましたか、とミサカはお姉様に訊ねます」

美琴「北欧のあの子は、あいつが好きなの?」

上条「え、マジ?」

13874「……、さあ、とミサカははぐらかしてみます」

インデックス「そういうのを聞くのは野暮なんだよ、短髪」

黒子「ええ、たしかにそうですの。本人の問題ですわ、お姉様」

美琴「……それは、そうだけど……見てて、なーんか自分とかぶるのよねえ」

上条「へえ、御坂も好きなやついるのか」

美琴「……、……」

黒子「……、……」

13874「……、……」

インデックス「……、とうま、もうしばらく口挟まないほうがいいかも」


一方通行「おい、オマエら決まったのかァ?」

一同「!!」ビックゥ

18264(なんだかんだで全部制覇しちゃったじゃねーか、とミサカは結局買ってくれた一方通行になんとも言えない気分です)

370 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 15:08:40.32 ID:qgdkUvI0 [23/36]
13874「買い物も済ませましたし、もうそろそろ発つ時間でしょうか、とミサカは桜ういろを食べながら呟きます」

一方通行「あァ、それもそォだな……世話ンなったわ」

13874「いえいえ、とミサカは手をぱたぱた振ります。とても刺激的な数日間でしたし、研究所にいるだけでは味わえない大切な思い出になりました、とミサカは感謝します」

打ち止め「ここでお別れするのは寂しいなってミサカはミサカは涙をぬぐってみる」

13874「何を言っているんですか、上位個体。ミサカ達はいつだってネットワークを介して繋がっています、とミサカは上位個体を抱きしめます」

黒子「三重の妹さんにはずいぶん助けられましたの。この常識はずれのメンバーでここまでやってこれたのはあなたのおかげですわ」

13874「ありがたい言葉です、とミサカは自分のことを棚にあげたジャッジメントに苦笑します」

上条「えーっと、また遊びに来いよ! 暇なときとかさ!」

13874「おや、でも上条当麻は連日補習ではありませんでしたか、とミサカはツンツン頭の少年をからかいます」

インデックス「とっても楽しかったんだよ。今までありがとう!」

13874「いいえ、こちらこそ素晴らしい旅でした、とミサカは起きなきゃちゅーの提案者であるシスターにgjと親指を立てます」

美琴「……、ありがとね。いろいろあったけど、アンタのおかげで――夜とか、け、けっこう、嬉しかったのよ?」ボソッ

13874「気づかれていましたか、とミサカは呟きます。お姉様、ミサカのお願いを聞いてくれますか?」

美琴「ん。いいわよ、言いなさい」

13874「どうか、お幸せに。つっぱるだけではなく、もっと素直になってみてください、とミサカは諭してみます」

美琴「……オッケー、検討するわ」

13874「それから」

美琴「?」

13874「ミサカを、抱きしめてくれませんか、とミサカは恥ずかしくなりなが、――」

ギュウ

美琴「そんなの、言われなくても抱きしめるつもりだったわよ、ばか」

13874「……えへへ、とミサカはちょっと照れてみます。お姉様、ミサカはちゃんとここで、お姉様を応援していますから」

美琴「わかったわかった。アンタの応援が無駄にならないように、がんばらなきゃね?」

375 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 15:23:33.99 ID:qgdkUvI0 [24/36]
13874「さて、18264号、とミサカはひとり輪から外れている彼女に歩み寄ります」

18264「……、……」

13874「ミサカはここでお別れですが、あなたはまだ北欧まで帰れませんよね、とミサカは訊ねます」

18264「……、ええ、この方々を学園都市まで送らなきゃならないし、とミサカは頷きます」

13874「まったく、あなたはどこまでもお姉様に似ていますね、とミサカはやれやれと手を振ります」

18264「……、ミサカは、どうすればいいの? とミサカは呟きます」

13874「それは、18264号が自分で探して答えを見つけなければなりません、とミサカは告げます。ですが」

18264「?」

13874「ミサカは、ここ数日で、お姉様の恋路以上にあなたが心配でしかたがありませんから、困ったときにはすぐに教えてください、とミサカは伝えます」

18264「……、……ありがと、とミサカは、13874号の目を見て答えます」

13874「おや、あなたでも感謝の言葉はでてくるんですね、とミサカは茶化してみます」

18264「……、もうぜってー感謝しねーよとミサカは決心しました」

13874「冗談です。18264号、ミサカ達は幸い、お姉様に似て可愛いんです。もっと可愛くなればもっと人生は楽しいはずですよ、とミサカは提案します」

18264「似て、ではなくお姉様と同じです、とミサカは指摘します」

13874「ええそうですね、わかりましたからその涙目をどうにかしてください、とミサカは18264号の目元をぬぐってあげます」

18264「ふ、ぇ……え、っく、……な、んだかんだ、で、迷惑、ばっか、かけて、……ごめんね、と、ミサカは、謝ります」

13874「ミサカ達の間に迷惑だなんてありません。みんなでひとつ、でもひとつはひとつ。それがミサカ達でしょうとミサカは18264号の背中をさすります」ポンポン


一方通行「なンつうか、あいつが一番まともなミサカだっただけに、この先が不安でたまらねェ」

打ち止め「大丈夫ってミサカはミサカは意味ありげに胸を張ってみる」

一方通行「?」

上条「さ、ふたりの話を邪魔しないようにトラック乗り込むぞ」

インデックス「またこのトラックなんだね、まるで逃亡生活なんだよ」

美琴「来るときもこれだったし、仕方ないわね」

黒子「もうすっかり慣れてしまいましたわ……」

379 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 15:46:44.64 ID:qgdkUvI0 [25/36]
13874「それでは皆さん、道中気をつけてお帰りになってください、とミサカは気遣います」

一方通行「おォ。オマエもなァ」

18264「……助手席はまたお前かよ、とミサカはため息を吐きます」

上条「嫌なら上条さんが代わりませうか?」

インデックス「とうま、空気読んでほしいんだよ」

美琴「そうそう、アンタは余計なこと言わない。黙ってこっち座ってなさい!」

13874「あ、そうそう。一方通行、ひとつ言い忘れていました、とミサカはアフロを差し出します」

一方通行「なンですかァ、これ」

13874「相棒から預かりました。学園都市に入るときはこれで変装をしろということです、とミサカはアフロが衛生的に問題がある可能性を示唆します」

一方通行「……、とりあえず受け取るけどさァ」

13874「そろそろミサカも研究所に戻らねばなりません、ここで本当にお別れですとミサカは片手を挙げ、皆さんに手を振ります」

打ち止め「ぜったいぜったい、また会うんだからーってミサカは遠くなる13874号に叫んでみる!」

黒子「ええ、またお会いしたいんですのー!」

ブロロロロロ

13874「行って、しまいました。もう会えないだろうなあ、とミサカは呟き、くるりと踵を返し――、!」

20000「よう相方っ! とミサカは威勢よく手を出します。お疲れ様でした」

13874「……、いつから? とミサカは訊ねます」

20000「けっこう前かなーとミサカは思い出します。幼女は気づいてたわ、とミサカは上位個体の怖さを実感しました」

13874「……ああ、なるほど。だから少し牽制するような動きがあったんですね、とミサカは納得します」

20000「ねえ相方、面白かった? とミサカは感想を聞きたがります」

13874「――ええ。とても、愉快で素敵な人々でした。相棒、あなたもですとミサカは追加します」

20000「そっかー、そっかそっかー、とミサカは頷きます。ところでね、ちょっと休憩して、相方が研究所で調整受けたらさあ、とミサカは提案します。どうよ、またひとっ走りしねえ?」

13874「! それは、20000号がふたたびミサカの相棒になるということでよろしいのですか、とミサカは訊ねます」

20000「さすがに牛にはもうなれないけど、せっかくだし、北欧のあいつが無事に帰るの見届けたくね? とミサカはセロリたんに会うとかそういう下心はないことをアピールします」

13874「ありありですね、……まあ、それでも――悪くない話です、とミサカは考えてみましょう」

383 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 16:07:29.57 ID:qgdkUvI0 [26/36]
車内

一方通行「……このアフロ、結局俺のモンになっちまうわけかァ」

18264「アフロを感慨深げに見つめる構図はちょっとおかしい人ですよ、とミサカは忠告してあげます」

一方通行「オッマエ、アフロなめてンじゃねェぞ。これすげェ泡立つンですよォ!」

18264「まあそりゃアフロだし、とミサカはアフロごときに熱弁をふるう一方通行にドン引きです」

一方通行「あー……クソ、オマエもかぶってみりゃわかりますゥ!」

ガバッ

18264「いぎゃっ!? うわ、ちょっとこのアフロ取れなっ」

一方通行「ぎゃははははは! やっべェアフロかぶりながら運転とかまじねェわ! ぎゃは、あははははははっ!」

18264「このやろうセロリめもやしめ猥褻物のくせに、とミサカは信号が赤になったのでアフロを外そうとしますが、ちょ、これ外れねえええええ」

一方通行「そのアフロが本人が外そうとしても外れにくいのは実証済みだァ!」

18264「ちっくしょおおおおおなんかむかつく無性にむかつく! とミサカは信号が青になったので思いっきりスピードを出します!」

ギュルン

一方通行「あああオマエふっざけンなよォ!? 後ろにクソガキ乗ってンだから安全運転しやがれェ!」

18264「安心してくださいこれでも助手席以外は傷つけませんからとミサカは宣言します」

一方通行「ンな運転の仕方があっかァァァアア!! おいクソガキ、そっちの乗り心地はどォなってる!?」

打ち止め「後ろはクッションもあるし毛布もあるし乗り心地最高だよってミサカはミサカは小物を準備してくれたた13874号に心から感謝してみる」

一方通行「よかったァ……」

ギュルン

一方通行「ってうわァ! 近ェ! 山道にしてもこの木の枝と窓の近さはねェぞ!?」

18264「すみませんうっかり手が滑って激突しそうになりました、とミサカは舌を出します」

一方通行「可愛くねェンだよォその仕草ァァァァアアア!!!!」

384 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 16:28:25.60 ID:qgdkUvI0 [27/36]
一方通行「チェンジを要求する」

18264「チッ、とミサカは露骨に舌打ちをします。仕方ねーからちょっとここで停めてやるよ」

キキーッ

上条「ん? どうしたんだ、いきなり停めて」

一方通行「助手席無理。死ぬ。殺される」

美琴「で、どうするのよ」

一方通行「じゃンけンで負けた奴が助手席な、これでどォよ」

打ち止め(多分あなた以外が助手席に座っていたら、普通に安全運転すると思うんだけどってミサカは内心で呟いてみたり)

黒子「わたくし達はかまいませんけれど……」

インデックス「まるで助手席が地獄みたいな言い方なんだよ」

一方通行「だってあそこすげェ怖ェ! 18264号が全力で俺を殺しにかかろォとしてンだよ!」

18264「チッ、反省してまーす、とミサカはしおらしく謝ります」

一方通行「どこがしおらしいンですかァ!? オマエ一遍しおらしいって辞書で引いてこいよォ!」

18264「しおらし-い。
   ①控えめで従順である。慎み深く、いじらしい。
   ②かわいらしい。可憐である。
   ③けなげである。殊勝である。
   ④一見して塩に見える。だそうです、とミサカはMNWで瞬時に検索した結果を披露します」

一方通行「最後のぜってェ違う」

打ち止め「あ、MNWの辞書って今ちょっと点検中だったかもってミサカはミサカは不具合を詫びてみる」

美琴「仕方ないわねー、じゃあさっさとじゃんけんして決めましょ」

一方通行「あァ……」ニィ

上条(な、なんだ今のにやついた笑み)

386 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 16:44:22.05 ID:qgdkUvI0 [28/36]

黒子「一回勝負、よろしいですわね?」

一方通行「おォ」

美琴「じゃー」

上条「ん」

インデックス「けー」

打ち止め「ん」

一方通行「ぽン!」


美琴「」グー
上条「」チョキ
黒子「」グー
インデックス「」グー
打ち止め「」グー
一方通行「」???


打ち止め「……えっと、なあに? その親指人差し指中指を開いて小指と薬指を握りこんだ劣化チョキみたいな手、ってミサカはミサカは自信満々なあなたに問いかけてみるんだけど」

一方通行「グーチョキパー全てを兼ね備えた最高最強の手に決まってンだろ」

18264「いや決まってねーしそれ反則じゃねーかとミサカは大人げない一方通行にあきらめを覚えます」

上条「……待て! 一方通行、それは究極の合体技――最高かもしれねえが、最強じゃねえ!」

一方通行「ンだとォ?」

上条「グーもあって、チョキもあり、そしてパーも備えている。それはたしかに最高の手だぜ、すべての攻撃に対応できるからな!
   でも、その場合、お前は負けることはなくても勝つことができない!」

一方通行「!?」

上条「なぜなら、ここにいるほかのやつらはみんな、ひとつの手でグーチョキパーをそれぞれ選んでる……つまり攻撃力にして全員が100%の力を出し切ってんだよ!」

美琴「じゃんけんでこんなに熱くなれるもんなのね、男って」
黒子「昔流行りましたでしょう、バトル鉛筆略してバトエン。シャーペンではなくわざわざ鉛筆を買った時期がわたくしにもありましたの」
インデックス「日本の文化は興味ぶかいかも!」

393 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 17:05:30.04 ID:qgdkUvI0 [29/36]
上条「三種類の技すべてをカバーしているその手は! どう考えたって個々のパワーバランスは33%くらいだろうが!」

一方通行「! た、たしかに言われてみればそうだ……100を3で割ったら33.3333(以下略)どうあがいたって100には敵わねェ」

上条「だから、その手は最高を名乗ることはできても、最強を名乗ることはできない。わかったか」

一方通行「あァ、わかった。軽率な真似しちまったな、悪ィ」

上条「わかったならいいんだ、じゃあ仕切りなおして――」


一方通行「けどよォ、勝てなくても負けることのねェ俺の最高の一手と、俺以外の全員に負けてるオマエのチョキ。どっちが負けかは確定してると思わねェか」

上条「」


ブロロロロ

上条「……、安全運転でお願いします」

18264「言われなくても、あのもやし以外にひどくするつもりはありませんとミサカは断言します」

上条「あ、さいですか」


打ち止め「あっちに座っていてもよかったのにってミサカはミサカはあなたの膝の上に乗っかってみる」

一方通行「助手席に俺がいたら、あいつまた挙動不審になっかもしンねェだろォが」

美琴「アンタが変なこと言ったりしなきゃあの子も普通なのよ」

一方通行「あ? 俺のせいにしてンじゃねェよ」

黒子「少なからずあなたのせいですの。……お姉様があの類人猿相手にあたふたするようなものですわ」

美琴「くく、く黒子アンタ何言って」

一方通行「なンかすげェわかりやすい。めちゃくちゃわかりやすい、けどあいつに限ってそれはねェな」

インデックス「どうかな、人の心はわからないんだよ。とりあえずあくせられーた、その白ういろくれると嬉しいな」

一方通行「オマエこれで10本目じゃねェか……」

打ち止め「ううん、12本目だよってミサカはミサカは観察結果を報告してみる」

一方通行「没収ゥ!」

インデックス「あうー!」

444 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 22:01:03.37 ID:qgdkUvI0 [32/36]

ブロロロロ

打ち止め「暇だなあってミサカはミサカはあなたの髪をいじってみる」

一方通行「あーそォですねェ」ミョンミョン

美琴「ぶはっ! ちょっ、だめ、打ち止め、前髪ぴょんって! あは、あはははは! 一方通行の前髪ぴょんって」

黒子「ふ、っく……ぷくく、ふは、い、いけません、の、お姉様っ、そう笑われては、っふふ」

インデックス「朝よりもみょんみょんしてるんだよ!」

一方通行「……、……?」

ソーットナ
ミョンミョン

一方通行「! ……、おい、クソガキ」

打ち止め「ふわい!? え、えっとでもね今朝はこんな感じだったよねってミサカはミサカは言い訳がましく」

一方通行「いいからゴム外せ。じゃねェと膝からおろす」

打ち止め「ごめんなさいごめんなさい今すぐ外すからってミサカはいそいそとゴムを外してみる……」

美琴(膝からおろすが脅しになるってどうなのかしら)
黒子(それだけ仲良しということでよろしいんですの)
インデックス(みょんみょん面白かったのにー)

打ち止め「ふいー、外し終えましたってミサカはミサカはあなたにヘアゴムを渡してあげる」

一方通行「ン。……にしてもよォ、暇だな」

美琴「まあ、単純に考えて来たときと同じくらいの時間がかかるわけだし。暇ねえ」

黒子「大富豪でもやりましょうか? トランプのシャッフルならわたくしが行いますわ」

インデックス「えー、でもとうまは助手席にいるし、違う遊びがいいかも」

打ち止め「じゃあじゃあしりとり! しりとりがしたいなってミサカはミサカは下からあなたを見つめてみる」

一方通行「しりとりだァ? 行きもやったじゃねェかよ」

446 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 22:13:02.72 ID:qgdkUvI0 [33/36]
結局3とか5とか8とか15とか、ああもう全部買うべきな訳よ!


打ち止め「だからこそなのってミサカはミサカは断言してみたり! あなたは前回の失敗を踏まえてしりとりを真剣にやるべきってミサカはミサカはあなたにリベンジのチャンスを与えてみる」

一方通行「リベンジも何も……俺ァしりとりなンざくだらねェ言葉遊びに興味はねェンだよ」

美琴「ああ、戦う前から敗北宣言?」

黒子「第一位ともあろう方が?」

一方通行「あァそォですよォ。敗北でもなンでもいい、めンどく」

インデックス「とうまは暇つぶしによくしりとりしてくれるんだよ」

一方通行「!」

インデックス「適当にはじまって適当に終わるんだけど、けっこうな時間つぶしにはなるかも」

一方通行「……ヒーローが……、なるほどなァ! 金もかからねェ、必要なのは手前の頭と口だけでいい……省エネどころか究極にエコな遊びじゃねェか」

美琴「多分電気代節約兼ねてるわね」
黒子「テレビを観ればそれだけお金がかかりますものね」

一方通行「しりとり、かァ……」

打ち止め「ね? あの人もよくやる遊びだし、きっとあなたが本気を出したら楽しいはずってミサカはミサカは信じてるの!」

一方通行「……そォ、かもな」

打ち止め「わーいしりとり決定! じゃあ、あなたにはここでお約束をしてもらいたいなってミサカはミサカは頼み込んでみる」

一方通行「あン?」

打ち止め「何があっても勝手にしりとりを終わらせないことっ! これだけは約束してねってミサカはミサカはあなたを見つめてみたり」

一方通行「あー、ハイハイ。わかった、何があっても終わらせねェ。これでいいンですかァ?」

打ち止め「えっと、せっかくだから指きりげんまんもしてほしいってミサカはミサカはあなたに要求してみる」

一方通行「どォぞ」

スッ

美琴「うわ、本気でするんだ」
黒子「満更でもなさそうな顔ですの」
インデックス「指きりげんまんってちょっと内容が怖いんだよ」

453 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 22:27:58.04 ID:qgdkUvI0 [34/36]
打ち止め「ゆーびきーり」
一方通行「げーンまン」
打ち止め「うーそつーいたら」
一方通行「ヤンヤンせンぼン」
打ち止め「のーますっ!」
一方通行「ゆゥび切った。ン、おわり」

打ち止め「これであなたはしりとりを強制的に終了させたらヤンヤンをまずは数十箱買わなきゃだめだよってミサカはミサカは笑顔で物騒なことを言ってみたり」

一方通行「安心しなァ、俺のボキャブラリィはそこらへンの琵琶湖より広ェから」

インデックス(改変されてたんだよとうま……! こんな指きりげんまんなら毎日やりたいかも!)

黒子「そういえば行きは琵琶湖周辺を通りませんでしたわね。帰りも通りませんの?」

美琴「どうかしらね。私はどっちでもいいけど」

インデックス「しりとりをさっさとやりたいかも。順番は今座ってる時計順でいいかな?」

一方通行「あァ、構わねェ。とっとと始めろ、暴食シスター」

インデックス「むう、それじゃあ『びわこ』」

黒子「こ? こー……『こむぎこ』」

美琴「またぁ!? こ、……『こうのとり』」

打ち止め「りー、……り? り、……『リーマンショック』ってミサカはミサカはニュースで知った言葉を使ってみる」

一方通行「最初から飛ばしてンなよ。く……、『くるま』」

インデックス「まー、ま、『まじゅつ』」

黒子「つ? つですの? ……『ツンデレ』! そう、お姉様ですの!」

美琴「れ……、れー、あ! レールガ」

一方通行「げほげほげほっ! っくしゅン! げほこほこほっ! っひっく、ひっ、ひっく! あーやべェな、最近花粉マジぱねェわ。ンで、超電磁砲はなンつったっけ?」

美琴「(はっ、そうよレールガンだと私で負けるわ!)えー、えーと、『レシピ』」

打ち止め「ぴ? ぴー、ぴぃ……ぴー……『ピアノ』ってミサカはミサカはちょっと弾いてみたいです!」

一方通行「あン? ならそのうち買ってやらァ。の……『のうみそ』」

インデックス「そ! そ、そー……『そげぶ』!」

一方通行(あ、言いたかった)

470 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/29(木) 23:57:15.12 ID:qgdkUvI0 [36/36]
黒子「ぶ……『ぶっちょうづら』。たまに第一位がなさる顔ですの」

美琴「あはは、それ言えてるわね。ら……ら、『らっぱ』」

打ち止め「ぱー、ぱ……『パンナコッタ』ってミサカはミサカはなんてこったぱんなこったが一時期MNWで大流行したことを教えてみる」

一方通行「くっだらねェ。た、『たンぼ』」

インデックス「ぼぉ!? ぼー……『ぼんのう』!」

黒子「ぐ、ぐう……痛いですの。う、『うんでいのさ』ぁ!」

美琴「ちょっと、それしりとりで言うもんじゃないでしょ」

一方通行「許可する」

美琴「はあっ!? まあいいわ。さ、『三下』」

一方通行(あ、それ俺のストックだったのに……クソったれがァ!)

打ち止め「たー? た、『たらこスパゲティ』ってミサカはミサカはついに先日ヨミカワがパスタを炊飯器で作っちゃったことを伝えてみる」

一方通行「あァ、そのうち炊飯器でピザ作りだすンじゃねェの? って待て、この場合は『てィ』か? 『い』なのかァ?」

黒子「い、でいいと思いますの」

一方通行「オーケェ、この先は『一方通行』ってなァ!」

インデックス「なんだかあくせられーたがすごく嬉しそうなんだよ。うー、う……『うずくまる』!」

美琴「動詞じゃないの……」

一方通行「許可、続行ォ」

黒子「るー、る、る……『留守番電話サービス』。これに尽きますの。応用として留守電サービスもありますわ」

打ち止め「おおー! 略すだけで応用できるってすごい、ってミサカはミサカは感嘆してみる」

美琴「す、よね……す、す、き……」

一方通行「おいおい告白の練習ですかァ? クキャキャッ」

美琴「違うわよ馬鹿! なんとなく言っただけ! すでしょ、『すし』!」

打ち止め「しー、し、……『しめんそか』ってミサカはミサカは覚えたての四字熟語を披露してみる」

一方通行「クソガキ、オマエそれ漢字で書けたら褒めてやらァ。かー、……『かみじょう』」

インデックス「とうま!」

一方通行「いや、しりとりだっつの」

472 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/30(金) 00:11:42.83 ID:3oAsS8M0 [1/7]

インデックス「言ってみただけだもん。う……う? あれ、さっきもうだったような……う、『うらみ』!」

黒子「しりとりとは得てして『○○地獄』に陥るものですの。シスターさんの場合はう地獄ですわね……み、『みこと』。おっねぇさまぁん!」

美琴「はいはい。とよねー、と、『トランプ』。後であの馬鹿も18264号も入れてやりましょ」

一方通行「誰が運転すンだよボケ」

打ち止め「まあまあ落ち着いて、ってミサカはミサカは仲裁してみる。ぷー、ぷ……プリ」

一方通行「ン、っくしゅ! うえ、っく! ひっく、げほげほっ、くあっ、くえー、っくしゅン! あァ、やべェな花粉すげェ乱舞してるわァ……で、なンだっけェ?」

打ち止め「……『プロレス』ってミサカはミサカはヨミカワが楽しそうに見ていた競技を挙げてみる」

一方通行「す、すー、『スリジャヤワルダナプラコッテ』」

インデックス「ええっ、ここでスリランカの首都を出すなんて……さすがあくせられーた、容赦ないかも」

美琴「ていうかそれどんな無駄知識よ。呪文かと思ったわ」

黒子「若干得意げなのかなんともいえませんの」

打ち止め「そういえばあなた、最近暇つぶしに世界地図見てたよねってミサカはミサカは覚えのはやいあなたに感心してみる」

一方通行「ハイハイ俺すげェ俺すげェ。で、次。シスター」

インデックス「て、……『テーブル』!」

黒子「る? あら、またるですの。ここは例の応用で、『留守番サービス』ですの!」

美琴「だから、またすなの……? すー、『スープ』」

打ち止め「ぷ!? また!? ってミサカはミサカは動揺しつつ、ぷ……『プロ』!」

一方通行「ろ……『六甲おろし』」

黒子「野球はお好きですの?」

一方通行「べつにィ? ただ、家でたまに芳川がノリノリで歌ってンだよ」

打ち止め「ああ、ヨシカワはたまにお風呂でも歌ってるのってミサカはミサカは彼女の歌が独特であることを暴露してみたり。うまいっていうか、なんていうか……」

一方通行「下手でもねェンだけどな。ありゃ、音階作ってやがるとしか言えねェ」

インデックス「しー、しかあ……『しんけんしょうぶ』!」

黒子「ぶー、ぶ? ぶ……これも前にきましたわね……『ブ・チ・コ・ロ・シ・カ・ク・テ・イ・ネ』」

一方通行「オマエが言っても全然怖くねェな。そォいやあのチンピラ、生きてっかなァ……俺がこのトラック盗んだせいで殺されそォになってたけどよォ」

475 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/30(金) 00:25:42.77 ID:3oAsS8M0 [2/7]
その頃の学園都市

浜面「ぶぇーっくしゅ! あー、なんか最近しょっちゅうくしゃみ出るな」

滝壺「噂されてたりして、はまづら」

絹旗「どうせ超くだらない噂ですよ。気にしないほうがいいです」

浜面「いや、気にしてねえけど……超くだらない噂ってたとえばどんなの」

絹旗「浜面は超チンピラで超使えなくて超どうしようもない、とか? ああ、これ噂じゃなくて超真実でした」

浜面「……、……」

滝壺「はまづら、頑張って。私は噂に負けないはまづらを応援してる」

浜面「ああ、うん……ありがとな滝壺……」

麦野「はーまづらぁ、帰ってきてたなら早速車出してくんない?」

浜面「あーもうわかったって! そういえば、あのトラック盗んだメイド、あれから見ねえな」

フレンダ「メイド? 浜面って結局そういうのに興味津々な訳ね?」

麦野「……へーえ? 浜面ってばメイド萌えかにゃーん?」

浜面「いやそんなこと全然ないんでさっさと行こうぜ麦野! な! 戦闘モードとか入らなくていいから!」

477 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/30(金) 00:30:03.46 ID:3oAsS8M0 [3/7]
美琴「ねー? ね、『根暗』」

打ち止め「……ねくら? ら、ら……」

インデックス「がおー」

打ち止め「あっ、ライオン! ってミサカはミサカは叫んで、……」

一方通行(しまった、かぶせンの間に合わなかったァ!)

黒子「んまぁ、小さいお姉様の負けですわね」

インデックス「らすとおーだー、引っ掛かったんだよ」

美琴「今のは誘導尋問じみてたけどね。言い切っちゃったし、どうしよもな――」

一方通行「待ちやがれ、クソったれ共」

一同「?」

一方通行「クソガキのターンは今終わった、だが俺のターンは今始まったばかりだろォが。ぐちぐち言ってンじゃねェぞ」

黒子「でも、今小さいお姉様は『ライオン』と」

打ち止め「ミサカがンで終わっちゃったから、ミサカの負けってミサカはミサカはしょんぼりしてみる……」

一方通行「だから、甘ェっつってンですよォ。ン、だろォ?


     ――『ンジャメナ』ァ!!!」


インデックス「ア、アフリカの地名を言ってくるなんて……世界地図を覚えきった私でもないとわからないかも!」

打ち止め「え、も、もしかしてミサカの負けは無効なのってミサカはミサカはあなたに訊ねてみる!」

一方通行「あァ、無効だなァ。俺が続けちまったからよォ」

打ち止め「伊達に世界地図を熟読してトイレにまで置いていたわけじゃないのねってミサカはミサカはあなたに抱きついてみるー!」

一方通行「ふン。俺ァただ約束を果たしただけだぜェ? しりとりを絶対、何があっても終わらせねェ――オマエとの約束じゃねェか」

打ち止め「うん! 本当にありがとう、大好きってミサカはミサカはぎゅうぎゅうしてみたり!」

美琴「……、あり?」

黒子「みたいですわね。もうどうにでもなりやがれ、ですの」

573 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/30(金) 23:30:45.25 ID:3oAsS8M0 [7/7]

インデックス「なー、な、な……『なっとう』! 食べたくなってきたかも」

黒子「う? またですのね、う……、『ウィークポイント』。お姉様のウィークポイントはずばり」

美琴「余計なこと言ったらここで吹っ飛ばすからね。と、とー……『とうちょうき』」

一方通行「うわァ」

美琴「なっ、何よ!」

一方通行「いいえェ? べっつに、盗聴器って瞬時に出てくるよォな生活送ってンですねェとか思ってねェけどォ」

打ち止め「あーもうなんでそうやってあなたはすぐに挑発するのってミサカはミサカは宥めてみる。き、だから……『きつつき』ー!」

一方通行「おォ、反射しやがったなァクソガキ。き、『きみがよ』」

インデックス「ああ、国家だね。あくせられーたも歌えるの?」

一方通行「歌えねェわけあるか」

打ち止め「あなた、気分がいいとたまに歌うよねってミサカはミサカはこっそりばらしてみたり」

黒子「んまぁ、君が代を?」

一方通行「ガキの冗談だっつの。なンで気分イイときに君が代歌わなきゃなンねェンだよアホか」

美琴「あら、馬鹿にしないわよ? 嘲笑してやるけど」

一方通行「うっぜェ……」

インデックス「よー、よ、『ようじょ』! こもえっていうようじょがいるんだよ」

黒子「……、……」チラリ
美琴「……、……」チラリ

一方通行「なァンで俺を見てるンですかァ!?」

打ち止め「ミサカも幼女扱いかもってミサカはミサカは意味もなくあなたの膝をたたいてみたり」

613 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 10:16:46.58 ID:RLlS1OI0 [3/45]
黒子「よ、ですわね。よ……『ヨーロッパ』。さあお姉様、パは難しいほうですの」

美琴「ぱー……、ぱ、ぱ、『パンチラ』……?」

一方通行「不可能なくせしてよく言う」

美琴「うっさい!」

打ち止め「お姉様のパンチラが見たいの? ってミサカはミサカはちょっと悲しげにうつむいてみる」

一方通行「あン? 見たくねェよオリジナルのなンざ」

インデックス「ってことは、他の人のは見たいんだね」

一方通行「なンでそォなンの?」

インデックス「とうまもたまに街でパンチラしてる子がいると凝視してるんだよ」

一方通行「! さ、さすがヒーロー……棚から落ちてきた牡丹餅は逃さねぇってかァ……!」

美琴「アンタもうあいつならなんでも認める域じゃないのそれ」

黒子「お姉様には言われたくないと思いますの」

打ち止め「うー、……でもあなただって男の子だから、パンチラくらい見たいんだろうなってミサカはミサカは自身の寛容さを高く評価してみる……」

一方通行「だァかァらァ! ンなもン見たかねェし間に合ってますゥ!」

黒子「……、……」
美琴「……、……」
インデックス「……、……」
打ち止め「……、……」

一方通行(やべ、ミスったァ)

ブロロロロ

18264「後ろが大変騒がしいです、とミサカは一方通行の叫びが鬱陶しいことを仄めかします」

上条「えー? ああ、そうだな」

18264「眠そうですね、とミサカは欠伸を連発している上条当麻を気遣いますが」

上条「おー、……いや、寝るに寝られない状況だったんですよ、上条さんは」

18264「?」

上条「一応、紳士ですから……はは」

615 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 10:23:52.24 ID:RLlS1OI0 [4/45]

18264「女性と同じ部屋で眠れなかったというのであれば、ぜひ一方通行に言っていただきたいとミサカは考えます。あのもやしは普通に眠っていました」

上条「んー、なんかそんな感じはするな。ていうか、なんであいつが普通に眠ってた、ってわかるんだ?」

18264「! い、え。べつに、一度眠ったはいいものの猥褻物がどう眠るのか気になって寝顔を確かめただなんてことはお姉様に誓ってありえませんが」

上条(ああ、寝顔確かめたんだな)

18264「そ、もそも、上位個体にいかがわしいことをしないかどうか見張っていただけであって、
   決してあのセロリの寝顔を数十分見つめ続けたなんてことはありませんし、邪気のない寝顔にびっくりもしていませんとミサカは冷静に答えます」

上条(うん、全然冷静じゃねえよ)

18264「だいたいミサカはあなたが好きなのであってあのセロリは好きではないのですとミサカは大胆に告白しますが」

上条「おう、ありがとな。でもさ、本当に好きじゃないなら、お前はきっとあいつに自らコミュニケーション取ったりしないだろ?」

18264「さすがフラグメイカーですね、決死の覚悟でした告白をありがとうで済ますんですか、とミサカは運転中にも関わらずジト目で見つめます」

上条「え? ああ、いや普通に嬉しいんだけどな。そうじゃなくて、……ほら、ずっと一方通行のこと気にしてるじゃねえか」

18264「何のことでしょうかとミサカは前を向きます。あんなの気にしたことねーよとミサカは後ろが静まり返っていることに快感をおぼえます。滑ったもやしざまーみろ」

上条(これで気にしてないって言えるあたりすごいと思うわけですよ、上条さんは)

18264「……ひとつ、お訊ねしたいのですがとミサカは安全運転を心がけながら切り出します」

上条「ああ。いいよ、俺でよければ聞いてやる」

18264「ある人物がいて、仮にAとしますが――はじめは苛立ちの対象であったAがたまに自分に優しくしてきて、なんかちょっと面倒見よかったりして、
   どれだけ暴言を吐いても自分を突き放さないような人で、だけどそれは自分に負い目があるからかもしれなくて、
   贖罪のために自分に優しくしているのではないか、と……そう思ってしまうような相手がいたら、どうしますか? とミサカは訊ねます」

上条「……えっとさ。その前に俺からも確認したいんだけど」

18264「はい、なんでしょうとミサカは促します」

上条「負い目だとか、贖罪だとか難しいこと言ってるとこ悪いんだけどな? 結局お前は、そいつと一緒にいて楽しいんじゃないのか」

18264「いえ、ちっとも楽しくありませんとミサカは断言します。むしろ最近はいらいらが増える一方です」

上条「じゃあさ、なんでいらいらするんだろうな」

619 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 10:40:05.56 ID:RLlS1OI0 [5/45]
昨日頑張ったからな、自分にご褒美って大事だと思うの


18264「……相手の存在に苛立ちを覚えてやまないからでしょう、とミサカは推測してみますが、わかりかねます」

上条「うん。逆に言えば、それって苛立つくらいには相手のことを気にしてるって――そういうことなんじゃねえのかな」

18264「はあ? んなわけねーじゃんとミサカは再び信号が赤になり舌打ちをします」

上条「その、Aが実在するのかどうかは置いといて。仮にいるとしたら、お前はきっとそいつが気になってるんだよ」

18264「あーりーえーねーえー、とミサカはクラクションを鳴らしつつ否定します。ブッブー」

上条(この素直じゃなさすぎる感じ、なんかどっかで覚えがあるんだけど……)

ブッブー

打ち止め「らー、っら、ら……ら? さっきから同じのばっかりってミサカはミサカはしりとりの罠について指摘してみる」

黒子「そういうものですの。さあ、らですわ」

打ち止め「ライオンはだめだし、えーっと……ら、ら……あっ! 『ランタン』ってミサカはミサカは希土類元素のひとつを高らかに発言してみ……あ」

一方通行「『ンゴロンゴロ保全地域』ィ!」

美琴「……、あのさあ」

一方通行「ンだよ」

黒子「一度目は見逃しましたけれど、さすがに二度目は利きませんの」

インデックス「タンザニアか、行ってみたいかも」

一方通行「べつにいいだろォが、オマエらもっと寛容になれよ」

打ち止め「で、でもミサカが2回失敗したことは事実だから、今回はミサカの負けってことになるよってミサカはミサカはあなたのフォローは嬉しかったけど今回は辞退してみ」

一方通行「いいンだよオマエは。ガキはガキらしく与えられた僥倖をかみしめやがれ」

美琴「納得いかないのよ。たしかに打ち止めを甘やかしたい気持ちはわかるわ、だって私に似て可愛いもの」

一方通行「あっれェ、前も言いませンでしたっけェ? クソガキの可愛らしさはオマエから譲り受けてねェ」

インデックス(なんだかあくせられーたの溺愛っぷりが顕著になってきたんだよ)

美琴「とことん腹立つわねぇ……! いいわ、じゃあ打ち止めの可愛らしさについては後々たっぷり議論するとして
   アンタがさっきからしてることは、打ち止めの社会経験を無理矢理ぶった切ってるってことよ!」

一方通行「!?」

621 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 10:58:31.52 ID:RLlS1OI0 [6/45]
美琴「人は様々な試練、困難を乗り越えて成長していくの。
   アンタは打ち止めがしりとりでは『ん』を出したら負けてしまうっていう失敗を乗り越えようとしているのに、邪魔してるじゃない!」

一方通行「お……れ、は……クソガキの成長を、自らの手で止めちまってたのか……!?」

黒子「そこまで大袈裟ではありませんの」

一方通行「なンてこった……、そォだよな、そォだ……俺がここでクソガキのしりとりを無理矢理続行させちまったせいで、
     『ああ、べつにライオンとか言っても勝てるんだー』みたいな、そォいう悪知恵を身につけちまったかもしれねェ!」

打ち止め「えっと、ミサカはちゃんとしりとりのルールくらい理解してるよってミサカはミサカは自己の理解能力の高さをさりげなくアピールしてみたり」

一方通行「……ちっくしょォ……俺はなンて真似をしちまったンだ……!」

インデックス「あ、じゃあ今までやっていたしりとりは、実はしりとりじゃなかったってことにしちゃえばいいんだよ!」

美琴「なんとなく展開が読めてきたわ」
黒子「お決まりのあれですの?」
美琴「多分ね」

一方通行「しりとりじゃ、なかったァ……? じゃあ何をやって、!」

インデックス「そう。あくせられーた、あなたはわかってるはずだよ」

一方通行「……クソガキ」

打ち止め「なあに? ってミサカはミサカは真剣な表情のあなたを見上げてみる」

一方通行「いいかァ、よォく聞け。今まで俺達がしりとりだと思って興じてきた言葉遊びだがよォ、実はしりとりなンかじゃなかったンだ」

打ち止め「え? じゃあなんだったの、ってミサカはミサカはあなたの言葉を待ってみる」

一方通行「俺はオマエと約束した――何があっても、終わらせねェってな。だが、よく考えてみりゃあしりとりのルールってのは『んがついたら負け』。
     これは覆せねェし、俺でも反射できねェ史上最高のルールなンですよォ」

打ち止め「まあ、そうしないと永遠に終わらないしねってミサカはミサカは同意してみたり」

一方通行「でも、俺はそのルールを破ってオマエの後も続けた。この時点でしりとりは最早しりとりじゃなくなってた。ルールは守るためにあンだからよ……」

打ち止め「つまり? ってミサカはミサカはいい加減じれったくなってあなたをの服の襟首を引っ張ってみるー」

グイグイ

一方通行「やめろ伸びるこれ高ェンだぞ! ……でだ、俺とオマエとの間で執り行われたしりとり、この世界のどンなしりとりの常識も通用しねェしりとりだぜェ?
    よって、今まで俺達が行ってきた言葉遊びは、『アクセラオーダーヒップゲッター』に違いねェンだよォ!」

インデックス「よくできましたあくせられーた!」
美琴「やっぱ言ったわね、アクセラオーダー」
黒子「もうアクセラオーダーならなんだっていいっていう境地ですのね」

626 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 11:15:35.32 ID:RLlS1OI0 [7/45]

一方通行「こっから先はアクセラオーダーヒップゲッターの領域だ、ルール? ンなもンまとめてごみ箱に捨てちまえ! ただし分別はしろォ!」

美琴「言ってることめちゃくちゃ」
黒子「何かのスイッチが入りましたわね」
インデックス「正直やりすぎた。今は反省しているんだよ」

打ち止め「なんだかよくわからなくなってきたけど、あなたが楽しそうだからいいやってミサカはミサカは考えることを放棄してみる!」

一方通行「おォ。ンじゃ続け」

キキーッ

一同「?」

上条「あー、悪い。俺が助手席にいると、不幸になっちまうかもしんねえんだよ。だから、誰か代わってくれませんか」

美琴「はぁ? アンタね、いくら不幸だっていっても助手席に座ったくらいじゃ」

黒子「……ああ、なるほどぉ、そういうことですのね。わかりましたわ、では先ほどのじゃんけんで卑怯な手を使った第一位が助手席に座るべきですの」

美琴「ちょっと黒子!?」

18264「上条当麻の不幸体質のせいか、さっきからやたらと赤信号に引っ掛かります、とミサカはこのままでは学園都市までの時間が延びてしまうことを主張します」

一方通行「……ったく、仕方ねェな。ガキ、退け」

打ち止め「はーいってミサカはミサカは聞き分けよくあなたの膝の上からおりてみる。残念だけどしりとりはやっぱりミサカの負けだよね」

一方通行「あァ。オマエはこれからいろいろな人間としりとりをすることで、経験値を上げていきゃァいいンだよ」

打ち止め「うん! ってミサカはミサカは大きく頷いてみたり! ヨミカワとかヨシカワともやってみたいなあってミサカはミサカは帰宅してからの計画を立ててみる」

一方通行「ン。黄泉川は忙しいだろうが、芳川はあいつ暇人だからなァ。付き合ってくれンだろ」

18264「さあさあ早く助手席に乗りやがれとミサカは急きたてます。早く帰りたくないのですか」

美琴「私はべつに、ゆっくりでもいいんだけど」

黒子「あらお姉様! それは黒子とめくるめく官能的な一夜をもう一度お過ごしになりたいという気持ちのあらわれですの!?」

美琴「違う」

629 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 11:29:25.97 ID:RLlS1OI0 [8/45]
ブロロロロロ

一方通行「……、……」

18264「……、……」

一方通行「……、……ふあァ」

18264「……、……眠いなら寝ればいいのに、とミサカは呟きます」

一方通行「あン? 寝たらしばらく起きねェぞ」

18264「どうぞご自由に、とミサカは一方通行を見ずに答えます」

一方通行「あァ、そォ」

18264「ええ、そうです。とミサカは前を見つめることに集中します」

一方通行「でも、寝ねェ」

18264「は? とミサカは一方通行の寝ない宣言にかちんときました」

一方通行「オマエ危なっかしいンだよ。事故られたらたまったもンじゃねェし、見てる」

18264「……ミサカの運転技術にいちゃもんつける気かこのもやし、とミサカは額に青筋を浮かべます」

一方通行「うっせェよ。オマエのドライブテクなンざ当てにできっかよ」

18264「あんだとこら運転代わるかこら、とミサカはキレつつ赤信号に引っ掛からないことに驚きます。マジで上条当麻の不幸体質が伝染してたんじゃね?」

一方通行「代われねェからオマエに運転頼ンでンだろォが。まァ、その気になりゃできるだろうけどォ?」

18264「じゃあその気になってみろとミサカは挑発します。できねーだろどうせ」

一方通行「だから、挑戦すンのも面倒くせェンだっつってンだろ。オマエが運転できンだから問題ねェし」

18264「ミサカがここで運転を放棄したらどうするんですとミサカはあるひとつの可能性を提示します」

一方通行「オマエが放棄しねェやつってことくれェわかってンだよ、ボケ」

18264「……、信頼、ですかとミサカはおそるおそる訊ねてみます」

一方通行「みてェなもンだわ。オラ、前見ろ前」

ブロロロロロ

上条「やっぱり一方通行といるときのほうがいきいきしてる気がする」

打ち止め「鈍感なあなたに気づかれるくらいだから、そろそろ本人も自覚したっていいのになあってミサカはミサカは微苦笑してみたり」

632 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 11:45:32.82 ID:RLlS1OI0 [9/45]
一方通行「……オマエさァ」

18264「はい? とミサカはとりあえず返答します」

一方通行「いつからこっちにいるンでしたっけ」

18264「かくれんぼあたりからですね、とミサカは返します。つまり、一度羊を狩りに戻りましたがかれこれ2週間ほど日本にいるということになります、とミサカは答えをはじき出します」

一方通行「で、いつ帰ンの」

18264「学園都市にみなさんを送り届けたら、とミサカは簡潔に答えます」

一方通行「ちゃンと帰れンならいい。手はずとか、整ってンだろォな」

18264「それはわかりませんねとミサカは返します。ノリで不法侵入みたいなことをしたもので、とミサカはジンギスカンパーリィの際、自分が密入国したことを明かします」

一方通行「馬鹿ですかァオマエ!? あァでも羊生きてたもンなァ密入国しかできねェよなァ馬鹿!」

18264「んなっ、上位個体の願いを叶えたミサカを馬鹿呼ばわりする気かこのやろう! とミサカは華麗なハンドル捌きを見せ付けます」

ギュルン

一方通行「うわっ、オマ、安全運転しやがれェ! なンで俺が隣になると荒い運転ばっかしやがンですかァ!?」

18264「気のせいです気のせい、とミサカは一方通行自意識過剰説を唱えます」

一方通行「ぜってェわざとじゃねェかクソったれがァ! てェかオマエ帰れなくなったらどォすンだよ」

18264「来れたんだし帰ることもできますとミサカは楽観的に答えます。いざとなったらどこかの研究所にでも身を寄せます」

一方通行「いや、帰れよ」

18264「なんでいちいちお前に指図されなきゃなんねーんだもやし、とミサカは反抗的な態度で接します」

一方通行「帰る場所があンだろォが。だったら、そこにオマエを心配してるやつだっているかもしれねェ。だから帰れ」

18264「……、さっさと帰ってほしいのならそう言えばいいじゃねえかとミサカは静かに呟きます」

一方通行「おォ、さっさと帰れ。ンで、北欧ライフ満喫してろ」

18264「言われなくても帰りますよばーかばーかとミサカはクラクションを鳴らします」ブッブー

一方通行「おいコラ前のタクシーに迷惑だろォが!」


タクシー

運転手「クラクション? なんでしょうねえ、今の」

海原「ああ、気にすることないと思いますよ。ええ、後ろ見ないほうがいいです」

638 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 12:00:27.18 ID:RLlS1OI0 [10/45]
18264「なんかすげーむかついてきたんで飛ばしますとミサカは100キロ超えを宣言します」

ギュルンッ

一方通行「ちょ、メーターメーター! 振り切りそォなンですけど! 怖ェ!」

18264「足元のベクトル操作してるとでも思ってください、
   あと後ろの上位個体達にはただの心地よい風、くらいにしか感じない程度のスピードですとミサカはあらかじめ伝えておきます」

一方通行「オマエのそのドライブテクなンなンですかァ!? ンな無駄な技術あンなら助手席にも優しくしてみよォとか思わねェの!?」

18264「ないです、とミサカは答えます。にしても前のタクシーに乗っている客が、どうも気になります」ブッブー

一方通行「だからやめとけっつってンだろ! 交通ルールは守りましょォってのォ!」

18264「ルールぅ? 俺がルールだ、とミサカは威張ってみますブーブー」ブッブー


タクシー

運転手「またぁ? まったく、どんなドライバーだ……って随分若い子だな……」

海原「えっそうですか? 自分には免許取れたての美少女に見えますけど。あ、もう高速道路降りちゃってください、はい。後ろ気にしなくていいですから」

運転手「は、はぁ……隣に座ってる少年も随分おっかないな」

海原「ああ、あれ少女ですよ少女。人相悪いですけど少女ですよ少女。ほんと、他人に恋敵とキスさせるくらいのとんでもない少女で男装癖あるんですよ彼女」

運転手「えっと、お客さんの知り合いで?」

海原「尻愛? いえいえ、自分にそっちの気はありません。まったくあれは嫌な経験でしたよ」

運転手(あぶねえ客拾っちまったなこれ)

海原「さ、早く降りましょう。男装癖のある彼女はこのトラックをその気になれば一秒で粉砕するとんでもない人間ですよ」

運転手「はぁ、わかりました」

ブロロロロ


18264「あ、高速降りましたよ、とミサカは報告してみます」

一方通行「だなァ。オマエがクラクション鳴らしやがるからビビったンじゃねェのかァ?」

18264「あれくらいでビビるだなんてタクシードライバーの風上にも置けませんねとミサカは馬鹿にします」

一方通行「何もしてねェのにブーブー鳴らされたら誰だってビビるわ」

641 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 12:14:16.23 ID:RLlS1OI0 [11/45]
ブロロロロロ

一方通行「高速って便利ィ……」

18264「そりゃ高速だしとミサカは当たり前のことをほざく一方通行に呆れます」

一方通行「ンだよ、感想くれェ言ったっていいだろォが」

18264「どうぞどうぞとミサカはわざとらしくすすめます」

一方通行「……あァ、やっぱオマエむかつくわァ」

18264「ミサカもお前がむかついてしゃーないんでおあいこです」

一方通行「あっそ、ふあっ」

18264「……だから眠いなら寝ろよとミサカは逆ギレです」

ブロロロロロロロ

打ち止め「前の様子がすごく気になるってミサカはミサカはクラクションを鳴らしまくっていたことに驚いてみる」

美琴「ま、大丈夫でしょ。にしても暇になったわね」

黒子「ではここは大富豪リベンジですの、皆様方! もちろんシャッフルはわたくしですわ」

上条「えー、大富豪またやんのかよ。あ、でも一方通行いねェから9が三枚でクーデターとかないよな」

インデックス「あれって実は6が3枚でまた革命にできるんだよ」

打ち止め「大富豪はあの人と一緒にやりたいなってミサカはミサカは要望を述べてみる」

上条「ああ、そっか。打ち止めはひとりじゃできないか」

美琴「たしかにあと一人欲しいところよね……まあ、私と打ち止めが組んだっていいんだけど」

インデックス「うーん……私も誰かと一緒がいいかも」


タクシー

運転手「え、ここでいいんですか? 学園都市までじゃ……」

海原「気が変わりましてね。今からなら追いつきそうですから、ここで降ろしてください。あ、お釣りいらないです」

運転手「まいどありー」

海原「さて――トラックのナンバーはなんでしたっけ」

644 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 12:28:30.89 ID:RLlS1OI0 [12/45]
一方通行「ン……ねっみィ……、……!」ブルッ

18264「どうしました、とミサカは突然身震いした一方通行を伺います」

一方通行「い、ま……いや、気のせいだよなァ……でもあいつ朝の一件の後どォしたっけ……」

18264「?」


打ち止め「じゃあしりとりしようってミサカはミサカは今度こそ負けない!」

上条「お、それなら上条さんもけっこう得意ですよ。じゃあ暇つぶしに始めるか」

美琴「さっきの順番で、一方通行の代わりにアンタでいいわよね」

上条「おう! よくわからんが時計回りだよな!」

インデックス「えっとねー、じゃあ『かくめい』!」

黒子「い、いー……『いしばしをたたいてわたる』、ですの」

美琴「それ石橋じゃだめなの?」

黒子「し、よりも、る、のほうが難易度が上がりますの。わたくし、お姉様にぜひ罰ゲームをやっていただきたいもので」

美琴「ばっ、罰ゲーム!? そんなのあるの!?」

打ち止め「行きはあの人が恥を忍んで女装してドライブスルーに行ったっけ、ってミサカはミサカはMNWにまだ動画があることに感心してみたり。残しておこうっと」

インデックス「ゲームは罰ゲームもあったほうが燃え上がるんだよ。さ、続き続き!」

美琴「ええー……、る、る、『ルービックキューブ』」

打ち止め「ぶー? ぶ、『ブリーチ』ってミサカはミサカは前にお姉様が読んでいたらしい少年漫画をあげてみる」

上条「……13km、か……ち、『ちんみ』。一度でいいからフォアグラとか食べてみてえ」

海原「おや、食べたことないんですか? あれあんまりおいしくないですよ。ねえ、『みさか』さん」

美琴「んー、そうね。珍味であって美味じゃない、ってとこ……」

海原「?」ニコヤカー

一同「「「「「」」」」」


一方通行「なンだ、わけわかンねェけどすげェ手が震えるゥ……」ガタブル

18264「だからどうしたんですとミサカは少しだけ一方通行を心配してみま――ん? 後ろが静かになりましたね」

650 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 12:43:58.07 ID:RLlS1OI0 [13/45]
海原「ほらほら、次はあなたですよ禁書目録。か、です」

インデックス「あ、そうかも。かー、か、『かみさま』っ!」

黒子「まですの? ま、ま……」

美琴「待て待て待てぇぇぇぇええ!!!! アンタ達現実逃避しない! なんでここにあなたがいるのよ海原さん!」

海原「楽しそうだったので、つい」

上条「あー、えっと、まあしょうがないよな。いるもんはいるんだし」ポン

海原「自分に触れないでいただけますかていうか近寄らないでいただけますか」パシン

上条(俺なんかしたっけ?)

黒子「で、では気を取り直して。『まじゅつし』ですわ」

海原「ぐっ、……!」

打ち止め「どうしたの? ってミサカはミサカは顔をゆがめたお兄ちゃんを不思議に思ってみる」

海原「いいえ、どうってことありませんよ。ちょっと疼いただけです」

美琴「……、なんで馴染んでるのかしら……。し、『シチリア』」

打ち止め「う? うー、うーんと……あ! 『アクセラレータ』! ってミサカはミサカはあの人の名前を叫んでみたりー」

ガタガタッ バッ

一方通行「どうしたクソガキ、なンか問題でもあっ、……」

海原「うわ……、……」

一方通行「……、……」

海原「……、……ヘロゥ、ナイストゥミーチュー」

一方通行「オゥ、ヘロゥ……ナイストゥミーチュートゥ……」

海原「……、……」

一方通行「……、……」

海原「じゃあこれで」

一方通行「ああ、お疲れェ……って、さァせるかァァァァアアアアア!!!!!」

ガシッ

海原「オアフッ!」

652 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 13:03:01.09 ID:RLlS1OI0 [14/45]
一方通行「何してンのオマエ! なァ何でここいンのオッマエェェェェエエエエ!!!!!」

海原「かくかくしかじか」

一方通行「わかるかァァァアア! オマエがあのとき前のタクシーに乗ってて後ろが俺達だって気づいて慌てて降りてそのままトラック追いかけて乗ってきたことしかわかンねェよクソったれ!」

美琴「私まったくわかんなかったんだけど」
黒子「わたくしもですの。かくかくしかじか、といきなり言い出したので何事かと」
上条「すげーなあいつら。意思疎通完璧じゃねえか」
インデックス「今ふたりの間で間違いなく完全な疎通が行われていたかも」

海原「だって、土御門さんがうるさいんですよ。『一方通行が幻想殺しや超電磁砲と一緒に旅行行った。追え』って」

一方通行「嘘つけよォォォオオオオ! オマエ旅館でのびのびしてたろ! あれ明らかに仕事じゃねェだろ趣味だろォが!」

海原「いいえ、仕事です。よく考えてみてください、いくら自分でも高速を走っているトラックにいきなり乗ることができるわけないでしょう?」

一方通行「あ? あァ、たしかに……いやでもオマエなら執念でやりそォだなって……」

海原「できないことはありませんがね。そして、繰り返して言いますがこれは仕事です」

一方通行「……、……まさか!」

prrrr prrrrrr

一方通行「こンなときに着信だァ!? 一体誰から」


【着信中:ショタコン】


一方通行「……、……」

打ち止め「出ないの? ってミサカはミサカは口を半開きにしているあなたの携帯を覗き込んでみる。え、ショタコン?」

美琴「どんな登録の仕方よそれ」

上条「まあ、わかりやすいっちゃわかりやすいよな。出ないのか?」

黒子「誰だか存じませんが、出るべきですの」

インデックス「ほらほら、早くでないとー」

海原「……(笑)」

一方通行「だァァァアアア!!! ちっくしょォォオオオオ! 出りゃいいンだろ出りゃあ!」ピッ

一方通行「もしもォ、」

結標『私、あわきン。今あなたの後ろにいるの』

659 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 13:21:13.77 ID:RLlS1OI0 [15/45]
一方通行(怖ェェェェエエエエ! う、しろ、って……)

チラーットナ

一同「?」

一方通行「……、……キャンピングカー?」

結標『あら正解。よくできました、ご褒美にそれ、こっちに引き取ってあげる』

一方通行「あン?」

海原「やーいやーいびびってますねー、ってうわっ!」ヒュン

結標『回収完了。じゃ、適当に楽しんでなさいね。こっちはずっと見張ってるけど』

一方通行「……、まァじでェ?」

結標『仕事だもの。嫌になるわよ、なんで私があなたと上条当麻の絡みまで見なくちゃいけないのかしら』

一方通行「ぎゃあああアああァァあああああアアア!?!?!? なンでなンでいつから!? 最初からなンですかァ!? そもそもあれ俺じゃねェしィ!」

結標『一足先に着いたのは海原。で、私と土御門は少し遅れて到着したんだけど、305号室と306号室に部屋取ってたのよ。気づかなかった?』

一方通行(気づくわけねェだろ、海原の野郎にスネークに挙句のぼせるわ風邪引くわでこっちはイベント目白押しだっつの)

結標『廊下での一部始終もしっかりおさえてるから、後で見せてあげるわ。じゃ』

プツッツーツーツー

一方通行「……あは。弱み、増えたァ」

打ち止め「ど、どうしたの? ってミサカはミサカは人生に絶望しちゃったみたいな、魂の抜けたあなたを心から心配してみる」

一方通行「もォ、どォでもいい……ちょっと膝貸せ、クソガキ……」

打ち止め「ふぇ!? ってミサカはミサカは言うなりごろんってミサカの膝の上に頭をのっけたあなたに動揺してみたり!」

一方通行「寝る、……18264号に伝えろ、後ろのキャンピングカー撒けたら撒いとけ、……ってなァ……」クタッ

美琴「……寝たわ」

上条「電話相手がそんなに嫌だったのか。それにしても、後ろのキャンピングカーって」


キャンピングカー助手席

土御門「カッミやーん」フリフリ

上条「……、え、え? ええええええええ!?」

677 名前:ビリィ[sage] 投稿日:2010/05/01(土) 14:54:22.86 ID:RLlS1OI0 [17/45]

一方通行「……、おいクソガキィ」

打ち止め「ひ、え、あのごめんなさいごめんなさい悪気はなかったのってミサカはミサカは平謝りしてみたりー!」

一方通行「あー、これもォ落ちねェぞ……どォしてくれるンですかァ」

打ち止め「ミッ、ミサカが責任を持って洗濯するしハイターにつけるからってミサカはミサカは提案してみるんだけど」

一方通行「めンどくせェ。ついてきやがれ」

ガタ
スタスタ

打ち止め「……? えっと、どこに行くのってミサカはミサカは訊ねてみる」

一方通行「着替えて支度したら買い物。オマエのせいで一枚買うはめになってンだからついてこいっつってンだよ」


あああああ俺だって一方さんと買い物してえよおおおおおおおおおおおおおお

681 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 15:10:14.53 ID:RLlS1OI0 [18/45]
ウィーン マドガアキマシター

土御門「カミやん、相変わらずハーレムでうらやましいにゃー」

上条「ハーレム? いや、一方通行もいるし、っていうかなんでお前がいるんだよ」

土御門「手っ取り早く言うと、そこの現実逃避で眠ってる学園都市第一位の見張りだぜい。
    まさかお前ら、あのアレイスターが何の監視もつけずにあいつを――そしてお前や超電磁砲を三重に行かせると思っていたのか?」

美琴「! たしかに、出るときにチンピラに追いかけられた以外で障害はなかったのよね……おかしいとは思ってたわよ」

黒子「考えてみれば、第一位に第三位が揃って学園都市から離れることは異例ですの」

インデックス「ほえー。つまり、サングラスは私達を護衛してるの?」

土御門「護衛? ……まあ、半分はそうだにゃー。それに、禁書目録もいることだし」

打ち止め「じゃあ、ずっとミサカ達を見ていたのねってミサカはミサカは驚きつつも、視線が気になっていたことを明かしてみる」

一方通行「ン、むゥ……、……すゥ……」スヤスヤ

土御門「……、本当に寝てるんだな。まあいい、俺達はお前達が無事に学園都市に入るまでサポートする。と言っても、ただ後ろひっついてくだけだけどにゃー」

結標「あ、ちょっと運転手! 対向車追いかけなさい! 今すごくかわいい子がシートベルトしっかり装着して乗ってたわ!」

運転手「え、でも」

土御門「おい結標」

結標「チッ。なんでもないわよ、って……あら、あのときのテレポーターじゃない」

黒子「どうも、ですの。ああ、なるほど……あなたがショタコンで登録されていらしたんですのね」

結標「誰がショタコンなもんですか。ただ幼い少年を可愛がっているお姉さんってだけよ?」

美琴「……立派なショタコンだわ」

土御門「俺もそう思う」

結標「シスコンに言われたかないわよ。あーあ、上条当麻に言っちゃっていいのかな~?」

一同「?」

結標「あなたは今朝一方通行(に擬態した海原)とキ」

美琴「ああああああストップストップストップごめんなさい全然あなたショタコンじゃないわ立派な大人よだからそれ以上やめてぇぇぇえええ!!!」

上条「え、なんだよ俺が一方通行と何したっていうんだよ」

インデックス「葬るべき過去だよとうま」

686 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 15:22:58.65 ID:RLlS1OI0 [19/45]
18264「……、助手席に誰もいないってすごく寂しいですね、とミサカは赤信号に引っ掛かったのでハンドルに顎をのっけます」

18264「後ろが騒がしいのはきっと、誰かがやってきたからに違いありません。ミサカは運転を任されて、その、信頼されているので、
   ……放り出すことなどありえないのです、とミサカは意思を固めます」

18264「べつに、一方通行の信頼に答えようというわけではありませんが、ミサカにもプライドというものがあります、とミサカは信号が青になったのでハンドルを握ります」

ブロロロ
ブロロロロ
ブロロロロロ
ブッロッロッロッロッロッロー…


一方通行「……くァ、……ンーっと、よく寝たァ」

打ち止め「おお、おはようございますってミサカはミサカはかれこれ2時間あなたに膝を貸していたのでちょっと痺れていたり」

一方通行「痺れ、……? あァ、オマエの膝借りてたンだっけ……悪ィ」

打ち止め「ううんってミサカはミサカは慌てて首を振ってみたり。あなたが甘えるのはとっても珍しいからうれしかっいたあ! どうしてチョップするのー!」

一方通行「誰がガキに甘えっかよォ。てェか、皆眠ってンじゃねェか」

打ち止め「最初は雑談してたんだけど、することなくなっちゃったからお昼寝してるんだよってミサカはミサカはちょっと眠くなってきたかも」

一方通行「おォ、寝とけ。まだ少しかかンだろうし」

スックトナ
スタスタ

打ち止め「どこ行くのーってミサカはミサカはまだちょっと眠そうなあなたに問いかけてみる」

一方通行「助手席。……むしろ、いい加減代わンねェとだめかもしンねェけどさァ」

打ち止め「たしかに18264号はずっと運転してるからお疲れかもってミサカはミサカは彼女を気遣ってみる。あなたが代わるって言ってあげたら、きっと驚くよ」

一方通行「ふン」

ダンッ
バタン

18264「うー……話し相手がいないとつまらないーとミサカはMNWに接続し、」

一方通行「――話し相手がいないとつまンねェ? だったらおにィさンが話し相手になってあげますよォ、北欧ちゃン」

18264「!」

689 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 15:48:28.58 ID:RLlS1OI0 [20/45]
>>688
軽トラだから一方さんはさっきからとんでもねー芸当をして前後ろを行き来しているわけで!!!!


18264「学園都市まであと2時間ほどで到着ですとミサカは事務的に述べます」

一方通行「あァ……お疲れさン」

18264「!?」

一方通行「なンでそこまで驚かれなきゃなンねェンだよ」

18264「あ、あの傍らに人無しが若くを体現しているかのような傍若無人の一方通行が、このミサカを気遣っただと……!?
   とミサカは驚きのあまり目からうろこが落ちそうです」

一方通行「あーハイハイ、珍しいですねェ」

18264「何か毒でも含みましたかとミサカは一方通行の異変に驚き続行中です」

一方通行「あーハイハイ、飲ンでませン」

18264「まさか、素直になる薬ですかとミサカは」

一方通行「あーとことンむかつくわ。人が気遣ってやってンだ、おとなしくハイソーデスネでいいだろォが」

18264「ハイソーデスネ。これで満足ですかとミサカは嘲笑います」

一方通行「……かっわいくねェなァ、オマエ。いっそ清々しいくれェ」

18264「可愛くなくて悪かったですねとミサカはお決まりの言葉を返します。セロリにどう思われようがミサカには関係のないことです」

一方通行「素直にしてりゃあ可愛いのになァ?」

キキーッ

一方通行「うおわっ!?」

18264(か、わいいって言った今可愛いって言った誰が言った一方通行が言った誰のことをミサカのことをなんて言った可愛いって言ったなんでどうしてこうなったとミサカは焦り)

一方通行「おいコラ。いきなり車止めてンじゃねェぞ」

18264(いいいいやまてもちつけなにかんがえてんだあいてはせろりもやしわいせつぶつなんでかわいいとかいわれたくらいであせってるのみさかおちつけみさか)

一方通行(あー、やべェ。からかいすぎたか)

695 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 16:18:05.50 ID:RLlS1OI0 [21/45]
一方通行「ま、ちょうどいいか。降りろ、18264号」

18264「え? こ、ここでミサカを捨てる気ですかとミサカはあんまりな仕打ちに目を丸くします」

一方通行「なンでオマエを捨てていくンだよ。運転代わるっつってンですよォ」

18264「……できるんですか? とミサカは冷静になって訊ねます」

一方通行「オマエが出来るのに俺が出来ねェわけがあるか。しかも横でオマエのハンドル捌き見てたし」

18264「……事故ったりしませんか? とミサカは更に訊ねます」

一方通行「しねェ。多分。てェか事故りそォになったら後ろがなンとかすンだろ……」

18264「後ろ? とミサカは首を傾げます。後ろの人々は眠っているはずでは」

一方通行「あー、そのまた後ろォ」


そのまた後ろ(のキャンピングカー)

結標「暇ね。土御門、なんかないの?」

土御門「何もないな。仕方ない、一方通行に化けた海原とカミやんの動画見て作り直すか」

結標「ああ、せっかくだからもっと激しい喘ぎ声とか、廊下での一件の音源混ぜてエロ動画作っちゃおうかしら」

土御門「お、それいいにゃー。裏サイトとかに貼っちゃう? 貼っちゃう?」

結標「でもバレたら不味いわよね……あいつがキレたらどうするの?」

土御門「大丈夫だ、俺達には最後の希望、ラストオーダーがいる」キリッ

結標「ああ! 海原って役に立ちまくりね!」チラ

海原「」

土御門「……いや、ていうか今真面目に考えてみたら海原が打ち止めになるためには打ち止めの皮膚が必要だ」

結標「……無理よ?」

土御門「わかってるけど?」

結標「……、動画は諦めましょう」

土御門「おとなしく鑑賞会だぜい。はーい上映スタート」

≪こっ、ここで! 俺に! キスしやがれぇ!≫

結標「さwwwそwwwwwいwwwwwwうwwwwwwwwけwwwwwwww」
土御門「うwwwwwえwwwwwかwwwwwらwwwwwwめwwwwwwせwwwwwwんwwwwwww」

727 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 17:16:57.98 ID:RLlS1OI0 [26/45]

一方通行「よ、っと。ン、景色は助手席と大差ねェな」

18264(じゃ、若干、シートがあたたか、……ってなにかんがえてんだみさかなにいってんだみさかおまえおかしいぞみさかあああああ)

一方通行「……あのォ、発進したいンですけど」

18264「あ、え、あああどうぞ? どうぞご勝手に? とミサカは上からの物言いでカバーします」

一方通行(何をカバーしてンだこいつ)

18264「さあ早く発進するのです、とミサカは促します。はやくはやくー!」

一方通行「ハイハイ」

グガガガガッブロ、ブロロロロロロ

一方通行「お、けっこういけンじゃねェの」

18264(まずいみすったうんてんちゅうのよこがおがこんなにもかっこい、……いくないいくないなにをいってんだみさか14510号にやられたかみさかあああああ)

一方通行「やべェ、これすっげェ楽しい……」

ブロロギュインギュイン

一方通行「おらァァァァアアア!!!」

18264「っておいこらあああああミサカに安全運転安全運転って口喧しく言っといて自分は暴走族気取りかよとミサカはツッコミます」

一方通行「安全面に関しては心配しねェでも後方支援がいっからなァ」

ブロロロロロロロロロッギュルルルン

一方通行「……、ぎゃは。は、あははは、ヒャハ、ふ、はははは、ハはアハハハはははははッ! クケクカカカカキクケケクキャキャキャ! 退け退け退けェェェェエエエ!!!」

18264「いやあああああ何この人誰か止めろおおおおおとミサカはシートベルトを何度も確認します!」ガチャガチャガチャ

一方通行「回転、回転、ハンドルを回転っ!!!」


キャンピングカー

運転手「い、いきなり前が暴走し始めました!」

土御門「なにっ!? まさか運転しているのは……!」

結標「ええ、おそらく一方通行ね。なんて荒い運転なの!?」

731 名前:ビリィ[saga sage] 投稿日:2010/05/01(土) 17:30:55.56 ID:RLlS1OI0 [27/45]
一方通行「……ドライバー、最高ォ……! あは、ギャはははははハははっ!」

18264「メーター振り切ってんじゃねーかあああとミサカは叫びますがだめだこいつ聞こえてねーよおおおおお」

一方通行「この調子で行けば夕飯前には着く! 余裕で着くぜェェェエエエエ!!!」

ギュルンギュルンブロロロロロロ

18264「ちょっ、危ない! ほんと危ないから落ち着いてくださいとミサカはたしなめようとしますがやっぱ聞こえてねええええ」

一方通行「待てよォ……? これどォにかすりゃベクトル操作できンじゃねェの……?」

18264「危ない思想に目覚めてんじゃねええええええとミサカは叫びますがこいつもうだめだああああああ」

一方通行「運動量をいじるだけだ、簡単な演算じゃねェか!」カチリ

18264「うわあああああ電極! スイッチ! 入れやがったああああああ!!! とミサカはもう逃げ出したい気持ちでいっぱいです!!!」


キャンピングカー

土御門「さらにスピードが増しただと!?」

結標「もしかして軽トラックの運動量を演算、ベクトル操作してるんじゃ……!」

土御門「んなわけねーだろと思いたいしツッコミたいのになんか否定できないところがおそろし、」

≪ここでとびっきりのディープキスをしてやるよ……≫

結標「ちょwwwwwハイパーwwwwwイケメンwwwwwwwタイムwwwwwwwwww」
土御門「だめだwwwwww軽トラとかwwwwwwwwどうでもwwwwwwwwいいwwwwwwww」

海原「……む、……あ、れ? 自分はどうして今まで眠って」

≪あぁもぉじれってぇな、さっさと≫

結標「じれっwwwwwwwたいwwwwwwwwwwせっかちwwwwwwwwwwwwwwwwww」
土御門「さっさとwwwwwwwwwwww急かしwwwwwwwwwすぎwwwwwwwwwwwwww」

海原「」

結標「あら、おはよう海原」

土御門「仕事中に気を失うなんて暗部失格だぞ」

≪一方通行、目、閉じてくんね?≫

結標「うはwwwwwwwwwwww言われてwwwwwwwwwww閉じwwwwwwちゃったwwwwwwwww」
土御門「すwwwwwwwwwwなwwwwwwwwwwwwおwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

海原(たすけてショチトル)

735 名前:ビリィ[saga sage] 投稿日:2010/05/01(土) 17:57:06.95 ID:RLlS1OI0 [28/45]
一方通行「俺は今っ! 絶対能力者になるゥゥゥゥウウウ!!!!」

18264「こんなんでなれるかぁぁああああとミサカは決死の思いでツッコミます!」

一方通行「ぎゃははッ、見てますかァ地獄の木原くゥン! オマエの研究なンざなくても俺はレベル6になってやンよォォォオオオオ!!!!!」

ギュルルルルルルルブロッブロロロロロロロロ

一方通行「ヒャッハァァァァァァアアアアア!!!!! 愉快で素敵な学園都市までのドライブだぜェェェエエエエ!!!」

18264「こうなった一方通行を止められるのはひとりしかいない、とミサカは上位個体に緊急要請を図ります! ……あ、もう学園都市まであと1時間かからないですね」


打ち止め「うー、なんだか車体がすごく揺れてるってミサカはミサカは衝撃が大きいので起きてみる」

18264(上位個体、起きてますか、とミサカは呼びかけます)

打ち止め(うん、今起きたよってミサカはミサカは、うわあっ)

グラッ

18264(実は凶悪な乗っ取り犯にやられました、ドライバーが狂人ですとミサカは報告します)

打ち止め(ええっ、じゃああの人はどうなったのってミサカはミサカは取り乱しかけるんだけど)

18264(あれは、もはやレベル5ではありません――レベル6、化け物とかそういう問題じゃないくらいのなんかすごいやつです、とミサカは報告を続けます)

打ち止め(今の運転はあの人なんだよねってミサカはミサカは驚異的な時間短縮を図っている運転技術に恐れ戦いてみる)

18264(このままでは負傷者が出ます、止めてください、とミサカは上位個体に申請します)

打ち止め「たしかに危ないかも、ってミサカはミサカは演算能力剥奪!」

一方通行「あは、ぎゃはハハhwmlンgqzp」

キキーッ

18264「あぶねっ! とミサカは慌ててハンドルに手を伸ばします!」


キャンピングカー

海原「あっ、ちょっとふたりとも、前見てください前! トラックが横転しそうですって!」

結標「えwwwwマジwwwwwwかよwwwwww……マジだったわ!」

土御門「うわ、なにしてんだ一方通行。しっかりしろ」

結標「とりあえず空間移動で――ああもうなんか面倒ね、数キロ先のコンビニまで飛ばすわ」

ヒュン

736 名前:ビリィ[saga sage] 投稿日:2010/05/01(土) 18:08:45.43 ID:RLlS1OI0 [29/45]
ほっとステーション

一方通行「……、……すンませンでした」

打ち止め「謝って済むなら警備員はいらないよってミサカはミサカは仁王立ちで怒ってみる。
     あなたのテンションがハイになったらミサカしか止められないんだからってミサカはミサカはもっとあなたに思慮分別を求めてみたり」

一方通行「ごめンなさい」

打ち止め「じゃあヤンヤン買ってくれたら許してあげるってミサカはミサカの最大譲歩!」

一方通行「はい、今すぐ買ってきますンで演算能力もォ止めないでくださいクソガキ」

打ち止め「あ、待ってミサカもついてくってミサカはミサカはあなたの後を追ってみたり」

ウィーン
ピンポンピンポン

上条「……何があったんだ?」

美琴「知らないわよ。気づいたらコンビニの前だもん」

黒子「わたくしもすっかり眠っていたのでわかりませんの」

インデックス「空を飛ぶ夢をみたんだよ! とっても楽しかったー」

18264「もう、二度とあいつと車に乗らねえ、とミサカは決心しました」


結標「はあー疲れた」

土御門「あいつに運転は任せられないな。発狂寸前だったぞ」

海原「ていうか……なんでこの映像永遠にリピートしてるんですか」

結標「面白いじゃない」

海原「ちっとも! もっとこう、御坂さんを集めた映像があってもいいんじゃないでしょうか!」

土御門「そんなの誰得だにゃー」

海原「俺! 得! です!」

結標「だってこっちのあなたが扮した一方通行、何回も見てると可愛く見えてくるわよ。喘いでるときとか」

海原「削除! 削除! さぁぁぁあくじょぉぉおおおおお!!!!」

742 名前:ビリィ[saga sage] 投稿日:2010/05/01(土) 18:21:48.00 ID:RLlS1OI0 [30/45]
上条さんの右手だけボトンって落ちてたらかわいそうだから脳内補完してほしいわけで


一方通行「……、……買いすぎじゃねェの」

打ち止め「そんなことないよってミサカはミサカはヤンヤンを買い占めた達成感で胸いっぱい!」

一方通行「あァ、そォ。よかったですねェ」

打ち止め「うん! ってミサカはミサカはさっそくヤンヤンを開けてチョコをつけてみる」

一方通行「こぼすなよォ。てェか、結標さン?」

結標「あら、どうかした?」

一方通行「なンでさりげなくトラックの荷台に腰掛けてクソガキのヤンヤン食ってンだァオマエは」

結標「労働の後に対価を求めるのは当然のことよ。……おいしい」

打ち止め「でしょでしょーってミサカはミサカはあなたの知り合いっぽいお姉さんに微笑みかけてみる!」

結標「……ロリも悪くな」

一方通行「目覚めかけてンじゃねェ変態がァ!」

土御門「助けた相手に変態はないだろ」

一方通行「だって変態じゃンオマエら」

海原「自分は変態じゃありません。いつも見守っているだけです」

一方通行「……? 海原、オマエなンで人の唇凝視してンの」

美琴「なんていうか、アンタ知り合いいたのね」

一方通行「こっちはいきなり人を侮辱してンのかァ?」

黒子「お知り合いがあまり多そうにないですから」

上条「ああ、そういうイメージはあるな。よかったじゃん、友達がいて」

一方通行「……トモダチ?」

インデックス「英語だとフレンドだね! 3人もいるんだからフレンズかも」

結標「ないわ」
海原「ないですね」
土御門「ないな」
一方通行「あっりえねェな」

18264「おや、息ぴったりですね、とミサカは揶揄してみます」

745 名前:ビリィ[saga sage] 投稿日:2010/05/01(土) 18:39:19.72 ID:RLlS1OI0 [31/45]
一方通行「ところでさァ、ここどこォ?」

結標「学園都市から10キロ程度離れたコンビニよ。まあ、ここからならすぐ帰れるでしょ」

上条「今はもう5時か。寝てたからわかんねえけど、やっぱり時間かかったな」

黒子「帰りは皆さんお疲れモードでしたもの。あとはゆっくり帰って、」

美琴「ばっちり寮監に叱られる、わね。まあ覚悟してたししょうがないか」

黒子「すっかり忘れていましたの……」

打ち止め「なんだかあっという間だったかもってミサカはミサカは旅の終わりを惜しんでみる」

18264「旅行とはそういうものです。それが大人数、そして親しければ親しいほど、楽しければ楽しいほど、時間はあっけなく過ぎていくのです、とミサカは呟きます」

土御門「さて、と。俺達も適当に帰るか」

海原「え、ええ、そうですね……」ジー

上条(なんで唇凝視してくるんだろう)

一方通行「ンじゃ、オマエら乗れよ。とっとと学園都市に戻ンぞ」

18264「はい、運転はミサカがしますので、とさりげなく運転席に座ろうとしている一方通行をミサカは慌てて助手席に押しやります」

一方通行「チィ……もォ反省したっての」

打ち止め「今は反省していてもテンションが上がったら何をするかわからないでしょってミサカはミサカは指摘してみる」

一方通行「……、わァったよ、クソが」

インデックス「じゃあ、がくえんとしまでしゅっぱーつ!」ポキサクサク

上条「おーいインデックスさーん? そのヤンヤン、ちゃんと打ち止めに許可取って食べてるんだよなー?」

打ち止め「こんなにいっぱいあるし、シスターさんにあげてもいいのってミサカはミサカは太っ腹ぶりをアピールしてみる」

美琴「一方通行が買ったものだけどね」

黒子「それを言い出したらきりがありませんわ。旅行費もすべて第一位持ちですのよ」

上条「それもそうか……俺一方通行に会えてよかった……」

美琴「現金すぎるわ!」

747 名前:ビリィ[saga sage] 投稿日:2010/05/01(土) 19:07:42.94 ID:RLlS1OI0 [33/45]
ブロロロロ

18264「あの、とミサカは運転しながら隣の一方通行に問いかけます」

一方通行「あン? どうした」

18264「泊まる、ところが……ないので、とミサカは暗に泊めてくれないだろうかと訊ねます」

一方通行「あー、元からそういうつもりだったンだがな」

18264「……、最後までお世話になります、とミサカは少し感謝します」

一方通行「つっても、あれァ黄泉川ン家だかンな。俺が世話するわけでもねェし、面倒みるわけでもねェよ」

18264「それもそっかーとミサカは一方通行に感謝した数秒前の自分を恥じ入ってみます」

一方通行「手のひら返しすぎだろォ!」

18264「持ち上げて落とす、これが心理掌握における高等テクニックですとミサカは胸を張ります」

一方通行「オマエは俺をどォしたいンですかァ!?」

ブロロロロ

打ち止め「北欧かあってミサカはミサカはちょっと行ってみたいことを伝えてみたり」

美琴「ああ、18264号も帰らなきゃいけないのよね。……北欧かあ」

黒子「なんだかここ最近で距離が縮まった、と思った瞬間にこれですの」

上条「三重の妹もきっともう会えないだろうし。そう考えると、一期一会って深い言葉だよな」

インデックス「言葉っていうのはどれもこれも本当は深い意味があるんだよ、とうま」

打ち止め「北欧ー、ほくおー……」

美琴「打ち止め?」

打ち止め「……またみんなで旅行したいなってミサカはミサカは願望をちらっと呟いてみる」

黒子「!! わたっ、わたくしでよければいつでもどこでも小さいお姉様のためにはせ参じますの!」

打ち止め「あ、ありがとうってミサカはミサカは勢いに少しびっくりしてみたり……」

美琴「でも、北欧ねえ……さすがに三重みたいにすんなり、は無理よ」

上条「まず上条さんの補習が危ないわけでして」

インデックス「どうせ旅行してもしなくても変わらないよって前も言ったかも」

上条「心境の問題なんですよ! 心境のっ!」

748 名前:ビリィ[saga sage] 投稿日:2010/05/01(土) 19:21:06.05 ID:RLlS1OI0 [34/45]
ブロロロロ

18264「一方通行、これを装着してくださいとミサカはアフロを手渡します」

一方通行「最後までェ!?」

18264「ええ、というかアフロかぶったセロリを笑いたいミサカの気持ちを汲んでもらいたいものです、とミサカは答えます」

一方通行「誰が汲むかァ! どうせ暗部の連中が尾けてきてた以上、変装する必要なンざねェンだよ!」

18264「えー、とミサカはサービス精神の足りない一方通行に物足りなさをおぼえます」

一方通行「物足りなくていいですゥ、そのアフロはぜってェかぶンねェからな」

18264「まったくとんだわがままですねとミサカは大人の対応で見下します」

一方通行「オマエそれ子どもの態度だろガキの対応じゃねェか」

18264「ほんとねーわ、まじねーわとミサカはアフロをごそごそとしまいます」

一方通行「こっちこそねェよなンでかぶンの強制させられてンだよそのアフロは泡立て専用だっつの」

18264「……、……ぷっ」

一方通行「うわァァァァァアアン! ンだよべつに泡立てくらいよォォォオオ!」

18264「誰も悪いなんて言ってませんが、どうしようもねーなとは思いました、とミサカは正直者なので喋ります」

一方通行「いいかァ、世の中にはなァ! 言っていいことと! 言っちゃだめなことってのがあンだよォ!」

18264「アフロを馬鹿にするのは前者ですねとミサカは頷きます」

一方通行「後者に決まってンだろボケ!」

ギャーギャー

打ち止め「……、すっごく楽しかったなあってミサカはミサカは旅行を振り返ってそんな感想を抱いてみる」

美琴「そうねー、退屈しなかったわ。楽しかったし美味しかったし嬉しかったし」

黒子「このメンバーはありえないにも程がありましたけれど、充実していましたの」

上条「だなあ。男女比がちょっとアレだったけど」

インデックス「……とうまに関してはいつものことなんだよ」

打ち止め「ねえ、お姉様ってミサカはミサカはお姉様にあるお願いをしてみる」

美琴「ん?」

打ち止め「もし、またあの人が何かをするって言ったら、また付き合ってほしいなってミサカはミサカはみんなが大好きだってことも伝えてみたり」

749 名前:ビリィ[saga sage] 投稿日:2010/05/01(土) 19:35:17.70 ID:RLlS1OI0 [35/45]
美琴「そんなの当たり前でしょ。可愛い妹の頼みを聞けないような姉は、姉失格よ?」

打ち止め「お、お姉様ぁ、ってミサカはミサカは抱きついてみる!」ギュウ

美琴「あー、かわいい……可愛すぎるわ……」ギュー

黒子「お、お姉様ぁん! って黒子は黒子は抱きついてみますの!」

美琴「便乗するなっ!」

ブロロロロ キキーッ

18264「ここで、上条当麻とシスターとはお別れですね、とミサカは告げます」

上条「ああ。ありがとな、18264号」

インデックス「とっても楽しかったんだよ。また会おうね、毒舌!」

18264「ええ、いつになるかはわかりませんが、とミサカは返します」

上条「あ、そうだ。それからさ――耳貸してくれるか」

18264「?」

上条「Aが実在の人物なら、やっぱりお前はそいつが好きなんだよ」

18264「!!」

上条「だから、アタックしろとか諦めろとか、俺はどちらの台詞も言えないけど、相談ならいつでも乗ってやるから」

18264「……、ありがとうございます、と、ミサカはお姉様の視線を肌で感じながら慌てて上条当麻から離れます」

一方通行「オラ、あンまり引き止めてンなよ。そこの腹空かしたシスターがおっかねェ目で見てンぜェ?」

インデックス「おっかなくないよ! おなかはすいてるけど!」

打ち止め「またねってミサカはミサカはふたりにぶんぶん手を振ってみる」

上条「おー、またなー!」

インデックス「次が楽しみなんだよー!」

18264「……さて、次はお姉様とジャッジメントですね、とミサカはふたりに確認を取りますが」

美琴「ん、ああいいわよ。黒子、行ける?」

黒子「ええ、問題ありませんの。わたくし達は空間移動で帰りますわ」

一方通行「なら、遅くならねェうちにとっとと消えろ」

打ち止め「意訳すると、怒られちゃう前に帰りなさいだよってミサカはミサカはこの人の天邪鬼っぷりに苦笑してみる」

752 名前:ビリィ[saga sage] 投稿日:2010/05/01(土) 19:56:31.53 ID:RLlS1OI0 [36/45]
美琴「んじゃ、……『またね』?」

一方通行「おォ、二度と会わねェだろォが『またな』」

黒子「んまぁ。ではわたくしもあえて言いますのよ。『また会いましょう』」

打ち止め「ミサカはミサカはみんなとまた遊びたいよってあなたにねだってみるー!」

一方通行「勝手にほざいてやがれ、クソガキ」

18264「上位個体には本当にクソ甘いですねとミサカは正しく評価します」

美琴「合ってるわ」
黒子「合ってますの」

一方通行「あーあーとっとと帰れ。もォ帰れ、帰ってくださいィ!」

打ち止め「照れてるの? ってミサカはミサカはいつもより粗雑な態度をとるあなたにひっついてみる」

一方通行「照れてねェよなンで俺が照れンだよ頭おかしいンじゃねェの」

美琴「ま、いつまでもここでアンタをからかってたってしょうがないしね。帰りましょ、黒子」

黒子「わかりましたの。では、第一位さん。大変お世話になりましたわ、またの機会があれば呼んでくださいな」

ヒュン

一方通行「……、……よォやく帰った」

打ち止め「言い合ってるあなたは楽しそうだったよってミサカはミサカはとっても微笑ましく思っていたんだけど」

一方通行「楽しいわけあっかよ。くだらねェこと言ってねェで、帰ンぞガキ共」

18264「あれ、この軽トラックは置いていくんですか、とミサカは歩き始めた一方通行に問います」

一方通行「借りもンだからなァ。そのうちひょっこり、もとの持ち主が見つけてりゃ万々歳だ」

打ち止め「せめて元あった場所に置いておくべきじゃないのかなってミサカはミサカは優しいんだか優しくないんだかわからないあなたの采配に戸惑ってみる」

一方通行「ばァか。この軽トラはなァ、俺が盗る前にすでに盗まれてたンだよ。元の持ち主ってェのは、前の前だろォが。付き合いきれねェよ」

18264「なるほど、それでせめてもの罪滅ぼしに赤福を一箱置いていくんですね、とミサカは納得しました。てっきりボケて忘れているのかと」

一方通行「だからそォいう俺の気遣いをここで言ったらかっこつかねェだろォが! わざとか! オマエわざとなンですかァ!?」

18264「わざとです、とミサカは断言し、一方通行を追い抜いてそそくさと警備員宅へ向かいます」

一方通行「……、……行くぞ、クソガキ。あいつ追い抜いて一番に到着してやらァ!」カチリ

打ち止め(どうせ家に帰るからいいんだけど、最近のあなたは能力の無駄遣いが激しいねってミサカはミサカは複雑な気持ちになっちゃったり)

754 名前:ビリィ[saga sage] 投稿日:2010/05/01(土) 20:10:01.43 ID:RLlS1OI0 [37/45]
黄泉川家

ガチャ

打ち止め「たっだいまーってミサカはミサカは靴を脱ぎ捨ててリビングに直行してみるー!」ダダダダダ

一方通行「あっ、待て、……まァた揃えてねェしよ……」

ササッ

18264「お邪魔します、とミサカは何度目だったかなあと思いながら玄関に足を踏み入れます」

芳川「あら。ひとり帰ったのね」

一方通行「三重に置いてきたンだよ。飯はァ?」

黄泉川「一方通行が松阪牛買ってくるかもって桔梗が言ってたからずっと待ってたじゃん。で、肉は?」

一方通行「ン」ズイ

芳川「……、何日分かしら」

黄泉川「これ、買い占めてきたんじゃない、よな?」

18264「肉屋の店長が困るレベルの大人買いでした、とミサカは密告します。肉に告白してましたね、超好き大好き愛してる」

一方通行「……、……」

打ち止め「あのときのあなたは輝いてたねってミサカはミサカはカメラにおさめてきたので後で現像し」

一方通行「はァい没収ゥ! ネガ寄越せクッソガキィ!」

打ち止め「これはミサカの宝物だからいくらあなたでも渡せないーってミサカはミサカは先手必勝、とにかく逃げてみる!」

一方通行「待、ち、や、が、れェェェエエエ!!!」

芳川「楽しそうで何よりだわ。そしておいしそうな肉で何よりね」

黄泉川「さっそく今夜はステーキにするじゃんよー」

18264「あ、最後ですからミサカも手伝いますとミサカは炊飯器の……スイッチを押せばいいのでしょうか?」

黄泉川「うんうん! お姉さん炊飯器を使う子は大好きだよ」

芳川「あなたくらいしかいないわね、愛穂」

打ち止め「きゃーってミサカはミサカはカメラ片手に縦横無尽!」バタバタバタ

一方通行「ぐるっぐるぐるっぐる走りやがって……いいから寄越せってンだよォォォオオ!」ダダダダダダ

763 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 20:28:49.54 ID:RLlS1OI0 [38/45]
真夜中

18264「……、眠れません。とミサカはトイレに行くふりでリビングに向かいます」

スタスタ


18264「……何か、大切なことを忘れているような気がするのですが、パンドラの箱に通ずる何かかもしれません――と、ミサカは開けないほうがいいことに気づきます」

18264「……気づいてしまえばきっと、ミサカは今までのミサカではいられませんね、とミサカは」

一方通行「おォ。オマエ、まだ起きてたンですかァ?」

18264「!」

一方通行「言っとくと、今日の深夜番組は面白ェの何もねェぞ」

18264「……、いえ。テレビが観たくて起きてきたわけではありません、とミサカは気遣いは無用であることを証明します」

一方通行「ふゥン。コーヒー飲むか」

18264「いりませんよ、とミサカはブラックを普通に飲んでいる一方通行の体はカフェイン半端ないんだろうなーとしみじみ考えます」

一方通行「それこそ余計なお世話だってンだよ。もしかしてオマエ、眠れねェの?」

18264「んなわけねーだろなにいってんだねむれるわふつーにねむれるわ、とミサカは返します」

一方通行(眠れねェンだな……)

18264「あーすっきりします。これでようやく猥褻な一方通行の顔も見なくていいんですね、とミサカは嬉しがってみます。わーい」

一方通行「ハイハイ、俺も毒舌から解放されて嬉しいなァ、わーい」

18264「……、……ソファ、となり、いいですか、とミサカは許可を取りますが」

一方通行「座りたきゃ座れ」

18264「……失礼します、とミサカは腰を下ろします。ふっかふかー」

一方通行「明日何時に発つか知らねェけど、落ち着いたら寝ろよ」

18264「わかってます、とミサカは足元を見つめます」

一方通行「……、……はァ」

18264(ため息つかれた、めんどくさいとかそういうのだろうなどうせ明日はもう北欧帰るしどうでもいいけどセロリなんて)

一方通行「……あのさァ」

766 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 20:44:48.76 ID:RLlS1OI0 [39/45]
18264「……、なんだよ、とミサカは短く答えます」

一方通行「意地張ったってどォしようもねェときってのはあンだから、素直に生きたほうが世の中楽しいンじゃねェの」

18264「!」

一方通行「まァ、この俺に言われたかねェだろうけどよ。素直になっとけ、寂しいとか辛いとか行きたくねェとか、そういう感情は我慢しなくていいもンなンだよ。オマエらはな」

18264「……じゃあ、とミサカは切り出します。無理難題をふっかけてくる、何もわかっていない一方通行に対して、ひとつの願望を明確に提示します」

一方通行「あン?」

18264「今、ここで、ミサカが――ミサカが、北欧に帰りたくないと言ったら、あなたはどうするつもりですか!」

一方通行「……、……帰りたく、ねェのか?」

18264「例えばの話です、とミサカは声を落とします。寂しさを我慢しなくてもいいと言うなら――
   大勢で過ごす楽しさを知ったミサカは、これから先ひとりで北欧に帰るその道程で、寂しさ以外にどんな感情を抱けるのでしょう」

一方通行「……、さァな」

18264「理不尽です。あなたはとても理不尽で、無責任です。ミサカにできやしないことを強要している時点であなたは、」

一方通行「寂しいならよォ」

18264「?」

一方通行「寂しいなら、言えよ。一人で帰りたくねェって言えよ。泣け。ひとりで北欧に帰ることはとても寂しくて、とても辛くて、やりきれませンって泣いてみろよ」

18264「泣いて、どうなるんです、とミサカはすでに決まっていることを覆す気はありません」

一方通行「……北欧行く」

18264「は? とミサカは今の言葉をもう一度言うように促します。今、なんて?」

一方通行「だから、北欧に行くって言ってンだよ!」

18264「だ、誰が!? とミサカはさっきまでのシリアスな雰囲気を吹き飛ばして一方通行の頭を心配します、割とガチで」

一方通行「俺が! 北欧に! 行くったら行くンですゥ!」


別室

打ち止め「あ、もしもし、お姉様ですか? 夜遅くにごめんなさいってミサカはミサカは謝りつつ、近々あの人が北欧旅行を計画するようなので一緒に行きませんか、って誘ってみたり。
     はい、……うん! じゃあおやすみなさいっ!」

771 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 20:57:37.85 ID:RLlS1OI0 [40/45]

【さようなら】ぶらり三重旅行【三重】

842 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka13874
帰っちゃったんだけどさ…
北欧どうなったのかな

843 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17600
今上位個体から通達あった、スネークだからか知らんけども
一方通行が北欧を北欧に送り届ける宣言したらしい

844 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20000
おっしゃあああああああああああああああああああああああ
ついてくついてくついてくぺろぺろぺろ

845 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
北欧まで行くとか送別どころの話じゃないだろjk

846 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
でも北欧ってきれいな人多いし
まさか上条さん連れてったりしないよね・・・?

847 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka13557
セロリ的に考えて友達いないから無理矢理連れて行きそう

848 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14510
うわあああああああああああああああああああああああんんんんんんんん
行きたいけど北欧は無理いいいいいいいいいいいいいいいい
北欧ずるい北欧ばっかずるい北欧ずるい

849 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka18264
北欧の俺がきましたよ、っていうか




どうしよう、俺惚れたかも試練

850 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
今までずっと自覚なしだったのにな、おめでとう


18264「……、か、顔、見れない、とミサカは」

一方通行「あ? やっぱコーヒー飲みてェのかよ」

18264「ちっげえええええ!!! やっぱ違う! さっきの嘘! 全然好きじゃない! とミサカは吐き捨て部屋に戻りますおやすみなさい!」

一方通行「あァハイおやすみィ……って、ンだァ? あいつ」


三重旅行編おわり!!!!!!!!



続きます&おまけ的な。

700 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/05/01(土) 16:25:53.66 ID:RLlS1OI0 [22/45]
 太陽がちょうど空の上に上がった頃、つまり昼時の正午。垣根帝督は何の気もなしに街を歩いていた。
 暗部に属する彼ではあるが、気が向けば学校へ行くし、年中引きこもっているタイプの人間ではない。
 したがって、彼がこのように街中を歩くのもそう不思議なことではなかった。
 休日ということもあって、街は平日よりも騒がしい。

(まあ、たまにはこんな喧騒も悪くねえかな)

 彼の住む世界の音はいつだってシビアで、とてもではないが楽しめる類のものではない。
 もっとも、その世界に身を置いてなお楽しむ余裕が彼にはあるのだが、それはおそらく垣根が学園都市第二位の天才だからである。

 垣根はのらりくらりと歩みをすすめる。どこへ行こうという当てはなく、また、どこへ行きたいという願望もとくにない。
 なにかめぼしいものでもあれば関わってやろうかという、わずかばかりの好奇心だけが存在している。
 そんな彼はふと、どこか目的地を持って明確に進んでいく人並みの中で、あるひとりの浮いた少女に目をとめた。
 ごく最近、どこかで目にしたことのある、アホ毛が特徴的な少女。
 ああ、とすぐに垣根は思い出した。

(ミサカネットワークの上位個体、だっけか。最終信号――なるほど、たしかに第三位によく似てる)

 少女は何かを、あるいは誰かを探しているようだった。
 きょろきょろと辺りを見回しては、どうしようかと悩み、歩いている。そした立ち止まり、また見回す。この繰り返し。
 ひょっとすると、迷子なのだろうか。

(第一位が大切にしてるガキ、って話だけど。じゃあ探してるのはあいつか)

 垣根の脳裏にある計画が過ぎる。だが、それはまだ実行する時期ではない。近い未来であることに間違いはないが、「今」ではなかった。
 普段の彼ならば、ここで少女のことなど忘れて、ふたたび歩き始めるだろう。
 だが、今の垣根はすこぶる機嫌がよかった。
 いらついているときの彼は、街の喧騒すらもすべて消し去りたいと思うことがよくあるが、今日の彼は喧騒を好ましいとさえ思っている。
 同僚でもある心理定規ならからかいそうなほどに、垣根帝督のモチベーションは高かった。

 垣根はそっと少女に近付いた。
 この人混みの中では、誰も垣根の存在など気づかない。
 迷子であるということは、そう遠くない場所に第一位がいるかもしれないという危険を孕んでいたものの――
 まあ、そんときゃそんときで、と垣根は軽い気持ちで少女に声をかける。

「そこの小さいお嬢さん、もしかして迷子?」

870 名前:ビリィ[sage] 投稿日:2010/05/02(日) 01:18:28.16 ID:ZE6fr8E0 [6/24]

 打ち止めは突然話しかけられてびっくりしたのか、目を瞬かせていた。
 しかし、数秒後にははっきりとした口調で応答する。

「ううん、迷子はミサカじゃなくてあの人のほうってミサカはミサカはどうしようもない迷子を案じてみる」
「へえ。じゃあお嬢さんは、迷子を探してるんだ」
「そう! なかなか特徴的な迷子さんなのってミサカはミサカは呟いてみたり……ところでお兄ちゃん、誰?」

 打ち止めの眼差しが、一瞬疑うようなそれに変化する。もちろん、見逃す垣根ではない。
 この場でこの少女をどうしようという気もない彼は、同時に名前を名乗ることに抵抗を覚えた。
 くだらない諍いの種など、蒔かぬに越したことはないのだから。
 一方通行が守っているものがこの少女だとすれば、おそらく自分のような悪党が近付いたというだけで、あの第一位は牙を剥く。
 いずれやりあう相手だと垣根は自覚しているし、超越すべき――踏み躙るべき対象として常に第一位を見つめてきたことは紛れもない事実だ。
 ただし、それはすべての準備が整ってからの話である。
 今まで圧倒的な力をもって第一位の座に君臨していた一方通行。
 たとえその能力の大幅な弱体化がすすんでいたとしても、油断はできない。

 逡巡の末に、垣根はひとつの対応を見つけた。

「俺のことは――カッキーって、呼んでくれねえかな」

 そう、ニックネーム。
 垣根帝督、というフルネームをこの少女に名乗ってしまうことは危険そのものだ。
 しかし、名乗らないでいるというのもおかしい。だったら、ニックネームを名乗ればいい。
 おそらく少女はカッキー、という愛称で彼を認識する。
 そうなればしめたもので、たとえ一方通行に少女との接触がばれたとしても、カッキーって誰だ、という感想しか抱かれないだろう。

「カッキー? お兄ちゃん、かわいい名前で呼ばれたいのねってミサカはミサカは微笑ましく思ってみる」
「ああ。それで、お嬢さんは何ていうの?」

(万が一ってこともあるしな。最終信号かどうか確かめねえと)

 垣根は人好きのする、柔らかい笑顔を浮かべている。
 この笑顔で落ちなかった女はほぼいない。一部例外はあるものの、垣根は自分の顔のつくりがそう悪いものではないと自負していた。

873 名前:ビリィ[sage] 投稿日:2010/05/02(日) 01:20:01.41 ID:ZE6fr8E0 [7/24]

「ミサカは打ち止めっていいます、ってミサカはミサカの自己紹介!」

 ラストオーダー。そう明言した少女はにっこりと笑い、ぺこりとお辞儀をした。
 一方通行の傍にいる少女ならマナーもなっていないだろうと思っていた垣根は呆然としたが、慌てて取り繕い、そっか、最終信号っていうのか、と頷いた。
 この時点で垣根と打ち止めの間には「ラストオーダー」という単語における認識の違いがあったが、発音上は変わらないので双方が気づくことはない。

「それで、最終信号ちゃんは迷子探ししてんだよな?」
「イッエースザッツライト! とミサカは拳を突き上げてみる。でも、ほんとに見つからないの」
「よし。んじゃ、お兄さんが手伝ってやるよ」
「え、いいの? ってミサカはミサカは一応カッキーお兄ちゃんの今後の予定を訊ねてみたり」
「心配しなくていいぜ。俺、この後暇なんだ」

 会話をしながら、果たして一方通行はこの少女とどんな風に話すのだろうと興味がわいた。
 知らない人と話すな、という教育を受けているのかいないのか。
 打ち止めは笑顔のままで垣根に片手を差し出してくる。

「ん?」
「握手だよってミサカはミサカはお兄ちゃんに解説してみる。これからよろしくお願いします、っていう握手なの!」
「……、おう、よろしく」

 ぎゅ、と握られた手はまだ小さい。
 この少女が抱えている運命を、うっすらと理解している垣根は、このときばかりは少し胸が痛んだ。
 だが、それも少しの間だけである。
 すぐに握り返し、垣根は打ち止めの目の高さまでしゃがみこんだ。

「じゃあ、早速探してる迷子の特徴教えてくれるかな。そんで、一緒に探してやる」

 うん、と打ち止めが元気良く返答し、つらつらと「迷子」の特徴を述べ始める。
 彼女は本当に一方通行を慕っているらしく、顔色は明るかった。

「あの人はとにかく白いんだけど、でも今日はめずらしくおしゃれしてたから服は全体的に黒っぽいかもってミサカはミサカは今朝のあの人を思い出してみる。
 髪と肌が白くて、でも目の色は赤いの。まるでうさぎさんみたいって言うと怒るんだけどってミサカはミサカは舌を出してみたり」

(うさぎさん……はは、だめだ笑いそ)

 あの仏頂面で有名な第一位が、この少女にうさぎのようだと言われ、怒る様子はなぜだか容易に想像できてしまった。

「えっとね、身長はあなたより低くて――あと、全体的にとっても細いのよってミサカはミサカは偏食なあの人を心配してみる。肉しか食べないのに太らないっておかしいよね」
「へえ、偏食なんだな、そいつ」

 一方通行の食生活を知ったところで垣根の利益にはまったく繋がらないが、打ち止めの話に相槌を打ちながら、彼はいつぞや見かけた第一位を思い出していた。
 線が細い。その印象は、消えない。消えないどころか、あんなに細いもやし野郎に負けている自分に苛立ちを覚えたこともあった。
 その分、目の前の少女にやり込められている彼を想像すると胸がすく思いがした。

Tag : ミサカネットワーク

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