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紬「家が無くなっちゃったの…」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 14:14:36.72 ID:/EB5rNl60 [1/48]
唯「なんで!?」

紬「お父さんがね、昨日、死んじゃったの…。」グスン

唯「あわわ、泣かないでムギちゃん!」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 14:17:47.64 ID:/EB5rNl60 [2/48]
澪「死んじゃったって…どうして…?」

律「おい澪!!」

澪「あ、ごめんムギ…。」

紬「良いの…あのね、クモ膜下出血だったの…。」

梓「それはどうしようも出来ないですね…。」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 14:27:46.97 ID:/EB5rNl60
紬「母が、あの人のいない家なんていらないっていって…」

唯「おうちを売っちゃったの?」

紬「うん…」

梓「でも貯金とかあるんじゃないですか?」

紬「いいえ…私には、無いわ。」

律「私には?」

紬「ええ、母は父から受け継いだ遺産がある…」

紬「でも母は、私を捨てた。あっけなく捨てたの。」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 14:30:49.91 ID:/EB5rNl60
澪「捨てたって?」

紬「家がない間、ホテルにいたの。」

紬「朝起きてね、母を探したけどどこにもいなかった。」

梓「寝ている間にお母さんは、ホテルを出て行ったんですか?」

紬「分からないけど…朝には母はいなかったわ。」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 14:36:10.30 ID:/EB5rNl60
唯「お母さん、どこに行っちゃったんだろうね?」

紬「分からない。生まれてから一番近くにいた人なのに、何も知らないの。」

紬「(母はいつも笑っていた…。人と話す時も、私を見ている時も。)」

紬「(笑っているから怖かった。母は、本当に私を見て笑っているのか?)」

紬「(もしかして、私に対しての笑みは偽物だったのではないか?)」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 14:39:03.17 ID:/EB5rNl60
唯「お母さん、どんな人だったの?」

紬「…いつも、笑ってる人だったわ。」

律「ムギみたいな人だったんだな!」

紬「私…みたいな?」

律「そうだよ!ムギ、いつも笑ってるじゃん!」

紬「そうかしら…?」

澪「(あ、少しいつものムギっぽくなった…。)」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 14:42:42.69 ID:/EB5rNl60
唯「お母さんがいなくなっちゃって、これからどうするの?」

紬「分からない…。今はお財布の中のお金しか無いの…。」

律「誰かの家に泊まれば良いんだよ!」

紬「でも、迷惑になるし…。」

唯「じゃあ、私の家に来なよ!」

紬「でも、憂ちゃんもいるし、迷惑じゃないかしら…」

唯「大丈夫だよ~!憂もきっと喜ぶよ!」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 14:46:13.37 ID:/EB5rNl60
ぶかつご!

唯「憂ーただいまー!」

憂「お帰りお姉ちゃん!」

紬「こんばんわー…」

憂「あれ、紬さん!?」

唯「詳しい話は家の中でするから!ムギちゃん、上がってー」

紬「おじゃましまーす…。」

憂「どうぞ♪」

紬「(やっぱりしっかりした子だな…。)」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 14:50:21.71 ID:/EB5rNl60
憂「…それで、紬さんは家が無くなっちゃった、て事?」

紬「はい…。」

唯「憂~ムギちゃんをしばらくウチんちに泊めてあげて良いよね?」

憂「もちろんだよ!紬さん、しばらくの間よろしくお願いします」

紬「こっ、こちらこそ…!」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 14:53:35.27 ID:/EB5rNl60
憂「それじゃあご飯にしよう!」

唯「わーい!今日は何?」

憂「ごはんと肉じゃがだよ♪」

紬「お手伝いします。」

憂「良いんですか?紬さんすみませんねぇ。」

唯「あうー、なんだか疎外感…」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 16:26:53.87 ID:/EB5rNl60
憂「お姉ちゃーん!お箸並べて!」

唯「らじゃー!」

紬「これが…肉じゃが?」

唯「あれ、ムギちゃん食べたことないの?」

紬「ええ…初めてだわ」パク

憂「…どうですか?」

紬「美味しい…。」

唯「良かったね憂!」

憂「お口に合ったみたいで良かった!」

紬「暖かい…。」じわ

唯「ム、ムギちゃん!泣かないで!?」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 16:29:46.97 ID:/EB5rNl60
紬「ごめんね…。」シクシク

唯「ムギちゃん、どうして泣いちゃったの!?」おろおろ

紬「とっても暖かいなって…。」

唯「作りたてだもんね!」

紬「違うの…唯ちゃん達が、とっても暖かくて…。」

憂「紬さん…。」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 16:34:22.33 ID:/EB5rNl60
紬「こんなに暖かい晩御飯は初めてで…。」

憂「(紬さん泣きやんで良かった)」

唯「(ムギちゃん笑った!)」

紬「私の家はね、晩御飯すごく静かだったの。だから、嬉しくて…。」

唯「ムギちゃん…。」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 16:37:08.90 ID:/EB5rNl60
しょくご!

唯「美味しかったぁー」

憂「紬さん、お風呂どうぞ」

紬「ええ、ありがとう♪」

唯「(良かった、ムギちゃんいつも通りだ)」


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 16:40:15.13 ID:/EB5rNl60
おふろば!

紬「(…温かいわ)」

紬「(お風呂もだけど、唯ちゃんちはなんて暖かいのかしら…)」

紬「(憂ちゃんも唯ちゃんも、私を泊めてくれて…。)」

紬「(あまり長くいても迷惑よね。ここは私の家じゃ無いんだから…。)」

紬「…お母さん」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 16:43:12.34 ID:/EB5rNl60
紬「良いお湯でした~」ほかほか

唯「じゃあ次は私ー!」

憂「のぼせないようにねー!」

紬「(本当に仲良しな姉妹ね)」

憂「…紬さん」

紬「はい?」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 16:48:45.40 ID:/EB5rNl60
憂「私は紬さんにいつまでもここにいて欲しいですけど…」

憂「…でも、紬さん自身に色々な問題があるんですよね…?」

紬「…ええ、いつまでも憂ちゃん達にお世話になる訳にはいかないし…。」

憂「他に、親戚の方とかは?」

紬「…無理よ。母がどこかへ行ってしまった以上、親戚には頼れない」

紬「自分で働いて、どこかで暮らす事になると思うの」

憂「…それじゃあ、紬さん、高校は…。」

紬「…仕事がみつかったら退学するわ。」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 16:52:07.41 ID:/EB5rNl60
憂「…そうですか…。」

紬「唯ちゃん達と同じ学校へ行けなくなるのは悲しいけど…。」

憂「…紬さん、この事はまだ誰にも言ってませんよね?」

紬「ええ…」

憂「お願いです、お姉ちゃんにはこの事は言わないでください!」

紬「…うん、最初からそのつもりだったわ」

憂「そうですか…」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 16:54:28.20 ID:/EB5rNl60
唯「憂ー出たよー!」

憂「お、お姉ちゃん!」

唯「?ムギちゃんと何話してたの~?」

紬「ゆ、唯ちゃんのお話よ!」

憂「そ、そう!学校でのお姉ちゃんの話とか!」

唯「えー!?ムギちゃん、変なこと話してない?」

紬「話してないわよ…うふふ」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 16:59:15.76 ID:/EB5rNl60
唯「憂ーもう寝るよー」

憂「うん、おやすみお姉ちゃん」

唯「ムギちゃん、寝よっ!」

紬「ええ♪」

ゆいのへや!

唯「えへへーお泊まり会みたいだねー♪」

紬「うん、私もそう思った♪」

唯「明日も学校だし、早く寝よっか!」

紬「ええ」

紬「(学校、か…あと何回いけるかしら…)」

唯「ムギちゃん?」

紬「え!?あ、ごめんなさい、何だか眠くて…。」

唯「…そっか、じゃあおやすみ!」

紬「…おやすみなさい」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 17:02:45.43 ID:/EB5rNl60
紬「(…唯ちゃん、もう寝たかしら?)」ちら

唯「えへへ、ムギちゃんも起きてた!」

紬「あら、唯ちゃんまだ起きてたの!」

唯「なんだか寝れなくって…」

紬「…私も」


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 17:06:07.85 ID:/EB5rNl60
唯「ねぇムギちゃん」

紬「何?」

唯「寂しい?」

紬「唯ちゃんがいるから、寂しくはないわ」

唯「悲しい?」

紬「時間はたったから、悲しくはないわ」

唯「泣きたい?」

紬「そうね…ちょっと、泣きたいかな?」

唯「ムギちゃん」

紬「…なぁに?」

唯「泣いてるよね?」

紬「…どう、かしら」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 17:14:50.76 ID:/EB5rNl60
唯「ムギちゃん、泣かないで…。」

紬「…止まらないの」

唯「泣いてるムギちゃんなんて、見たくないよ」

紬「…毛布、かぶってるから、見えないわ」

唯「やだやだ!」ガバッ

紬「ゆ、唯、ちゃん…」

唯「泣かないで、な、泣かないで、ムギちゃぁぁん!」シクシク

紬「唯ちゃん…。」

唯「にこにこしてないムギちゃんなんてやだよお!」

紬「…唯ちゃん…泣かないで…ごめんね…」

唯「ム、ムギちゃんのせいじゃ…う、うわぁぁん!」ビー

紬「唯ちゃん…ごめん…ごめんなさい…」


57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 17:19:39.64 ID:/EB5rNl60
唯「ムギちゃん!!」ガバッ

紬「唯ちゃん…ごめんね…」

唯「…ムギちゃん、泣きやんだ?」

紬「唯ちゃんこそ」

唯「私より、ムギちゃんの方が辛いのに…ごめんねムギちゃん…。」

紬「良いの…。私こそ、ごめんね」

唯「…ムギちゃん」

紬「ん?」

唯「暖かいね」

紬「…私も」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 17:26:36.97 ID:/EB5rNl60
紬「唯ちゃん…聞いてくれる?」

唯「うん」

紬「私ね、中学校まで、ずっと一人だったの」

唯「ムギちゃんが?」

紬「…うん」

紬「いじめられはしなかったんだけどね、いつも、いつも一人だったの」

唯「寂しくなかったの?」

紬「ううん。とても寂しかった。お友達が欲しかったの。」

紬「でもね。誰も私と一緒にいてくれない。そばに来てくれない。」

紬「みんなが私を怯えたような、変な視線を向けてくるの」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 17:34:08.72 ID:/EB5rNl60
紬「でもね。今は唯ちゃん達がいる。」

唯「うん!」

紬「みんながそばにいてくれる。優しい視線で私を見てくれる。」

唯「だってみんなムギちゃん大好きだもん!」

紬「とっても嬉しい。とっても幸せなの。」

唯「みんなムギちゃんの味方だよ!」

紬「ありがとう…。唯ちゃん」

唯「えへへ、ムギちゃん笑った!」

紬「うんっ」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 17:37:44.44 ID:/EB5rNl60
唯「泣いたら眠くなっちゃったね…。」

紬「そうね…。」

唯「おやすみ、ムギちゃん」

紬「おやすみ」

唯「明日は一緒に学校に行けるね♪」

紬「そうね…」うと

唯「…あれ、ムギちゃん寝ちゃった」

唯「やっぱりムギちゃんは笑顔じゃなくっちゃね」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 17:40:53.40 ID:/EB5rNl60
つぎのひ!

紬「唯ちゃん、唯ちゃん起きて」

唯「…憂?」

紬「紬よ、起きて唯ちゃん」

唯「…ふぁあ、ムギちゃんおはよう」

紬「おはよう♪」

唯「…はっ!学校!!」

紬「急げ急げ♪」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 17:50:26.72 ID:/EB5rNl60

なんやかんやでほうかご!

唯「うへー…。」

律「また疲れた顔してんな…」

唯「朝も遅刻しそうで走って体育でも走ったら疲れるよ…。」

紬「…」しゅん

澪「?ムギ、どうしたの?」

紬「あ、あのね、お菓子持ってこれなくてごめんね…。」

一同「…。」おろおろ

梓「…良いんです!!」

紬「…梓ちゃん?」

梓「…お菓子がない分、たくさん練習するんです!!」

梓「なくても全然問題ないです!むしろ唯先輩に練習させるのにもってこいです!」

紬「梓ちゃん…。」

唯「あずにゃん…。」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 17:55:39.46 ID:/EB5rNl60
律「よし、練習すっか!」

澪「そうだな!」

紬「みんな…。」

唯「ほら、ムギちゃんも早く!」

梓「ムギ先輩!」

紬「みんな…ありがとう…。」

唯「ほらっ、早く始めよーよムギちゃん!」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 17:59:38.69 ID:/EB5rNl60
紬「(みんなで演奏してるととっても楽しい…。)」

紬「(私は、あとどれくらいみんなと一緒にいれるのかしら…)」

紬「(…早く、仕事見つけなきゃ…。)」

澪「?ムギ、キーボード!」

紬「あっ、ご、ごめんなさい!」

律「珍しいなームギがミスるなんて」

紬「うん…ごめんね…。」

唯「…?」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 18:05:50.31 ID:/EB5rNl60
ぶかつご!!

唯「ムギちゃん!帰ろ!」

紬「ごめんね唯ちゃん、帰りは一緒に帰れないの」

唯「なんで?」

紬「ちょっと用事があって…。」

唯「そっか、じゃあ家で待ってる!」

紬「…うん」


紬「(とにかく仕事を見つけなきゃ…。)」

紬「(いつまでも唯ちゃんちに迷惑はかけられないもの)」

紬「でもどこへ行けば…?」

男「…琴吹…紬さん、だよね?」

紬「…え?」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 18:08:40.82 ID:/EB5rNl60
紬「どうして私の名前を…」

男「いや、君のお父さんと知り合いだったんだよ」

紬「父と?」

男「正確には、君のお父さんの部下、かな?」

紬「はぁ…」

紬「(でもどうして、私の姿を知っているのかしら…)」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 18:11:55.17 ID:/EB5rNl60
男「何をしているんだい?」

紬「仕事を探していて…。」

男「それなら、良い仕事を知ってるよ」

紬「本当ですか?」

男「ああ、紬ちゃんになら簡単に出来る仕事さ」

紬「いくらくらいもらえるんでしょうか…?」

男「そうだなぁ…20万、かな?」

紬「(20万…?どんな仕事なのかしら…?)」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 18:15:35.45 ID:/EB5rNl60
男「それじゃあ、車に乗ってくれるかい?」

紬「え…?」

男「仕事場へ連れていくんだよ、さぁ早く」

紬「(どうしよう…でも断ったら仕事なんてみつからなそうだし…)」

紬「はい…。」

でも、私は後に気付く
この時の私は、どうしようもなく馬鹿だった事に

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 18:17:45.42 ID:/EB5rNl60
紬「あの、どこへ行くんでしょうか…」

男「なに、すぐ近くさ」

紬「(…ここは、唯ちゃんちの近く…?)」

男「ここだよ」

紬「…家、ですか?」

男「ああ、私のね」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 18:24:54.24 ID:/EB5rNl60
男「さ、入って」

紬「はい…?」

紬「(普通の家…本当にお父さんの部下だった人かしら…)」

ガチャ

紬「!?」

男「鍵は閉めたよ。これで二人だね」

紬「(何…!?やだ、怖い…!!)」

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 20:54:55.87 ID:/EB5rNl60
男「君は世間を知らなさすぎる」

紬「いや…!」

男「怯えてるの?大丈夫、痛くないから…」

紬「やだ…来ないで…」

男「…本当に、あの女に似てるな…」

紬「…あの、女…?」

男「…油断しすぎだよ」ちゅ…

紬「やっ(嫌…気持ち悪い…息、出来ない…)」


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:00:41.15 ID:/EB5rNl60
紬「…はぁっ、やめて…っ」

男「仕事を探してるんだろ?」

紬「でも…」

男「だったら大人しくしろ」

紬「(逃げたい…でも、唯ちゃん達にまた迷惑をかけちゃう…)」

紬「…。」

男「大人しくなったか」

知らない男に、体をまさぐられる
昨日唯ちゃんが泣きながら抱きしめてくれた体に、舌を這わせられる
怒り、戸惑い、悲しみ、絶望感が私を締め付けた

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 08:19:41.14 ID:mVK6CBSF0 [2/46]
紬「嫌…嫌…っ」

男「そんなこと言って…ホントは気持ちいいんだろ?」

紬「あっ…」

紬「(嫌…怖い…嫌…嫌…!!)」

男「女子高生とは思えない体付きだな…。」

紬「何…を…?」

男「入るかな…?」

紬「!!」

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 08:35:11.82 ID:mVK6CBSF0 [3/46]

紬「やっ…お願い、それだけは…!!」

男「良いの?お金、貰えないよ?」

紬「…!」

男「心配しなくていいよ…少し痛いだけだから」

紬「嫌っ、止めて…っ!!」

男「大丈夫…こんなに濡れてるから。」

紬「い…いやあああああっ!!」

私の中に、温かい何かが入ってくる

でも唯ちゃんちで感じた暖かさとも、みんなといる時の暖かさでもない

ただの苦しみでしかない温かさだった

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 08:38:31.26 ID:mVK6CBSF0 [4/46]
紬「うっ…ひ…く」

男「…はぁっ、君、初めてだったんだ?」

紬「…。」

男「あの女もそうだった…。」

紬「あの…おん、な…?」

男「君のお母さんだよ。」

紬「…え?」

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 08:44:22.07 ID:mVK6CBSF0 [5/46]
男「君はあの女によく似ている…。姿も、声も、反応も。」

紬「あなたは、母を…」

男「今の君のように、したよ。」

紬「なぜ、あなたと母が…」

男「あの女は、私に体を売ったのさ。」

紬「は、母はそんな人じゃないわ!!」

男「君が言えることかい?君は今、私に体を売ったんだよ」

紬「…っ!!」

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 09:02:05.93 ID:mVK6CBSF0 [7/46]
男「あの女はほぼ毎日私に体を売った…。金が欲しいために。」

男「ろくに避妊もしないから、子供が出来た。」

男「…それが、君なんだよ」

紬「嘘よっ!!」

男「本当さ。あの女は馬鹿でね。」

男「私が断ったらあの女、怒りだしてね。この子の父親はあなたなのよって言い出して」

男「散々怒った後に、あの女は私に言った。」

男「私、もうじき結婚するのって。だから、あなたがこの子を育ててって」

男「私は断った。そう言われたことに腹が立ったから、言ってやったよ」

男「子供を産むなら、私に金を毎月くれと。」

紬「止めてっ!!」


150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 09:13:39.94 ID:mVK6CBSF0 [8/46]
男「あの女は本当に結婚した。それも金持ちの家と。」

男「あの女は本当に私に金をよこした。」

紬「嫌…もう止めて…」

男「君が生まれた事は知っていた。あの女は丁寧に君の名前も手紙に書いたから。」

紬「嫌…嫌…!!」

男「でも、その結婚相手がこの間死んじゃったそうじゃないか?」

紬「!!」

男「あの女は私の所へ来てね。あの子だけでもいいから引きとってくれと言ったよ」

男「金も無いのにどうするんだ、と聞いてやったよ。」


151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 09:18:04.82 ID:mVK6CBSF0 [9/46]
男「そしたらあの女、泣きながら言ったよ。」

男「あの人から受け継いだ遺産がある。それを全部やるからあの子を引きと取って、と」

紬「母は…」

男「呆れたよ。遺産をもらった後、本当に私が君を引き取ると思っているなんて」

男「それでもあの女、うるさいから…。」

紬「まさ、か」

男「呼び出して、殺してやったよ」

紬「嫌っ!!!」

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 09:21:11.73 ID:mVK6CBSF0 [10/46]
男「それでも怒りが収まらなかったから…」

男「君を、犯したのさ」

紬「…うっ…。」ボロボロ

男「ほら、20万。あげるから、この事は誰にも言っちゃだめだよ?」

紬「…ぐすっ…。」

紬「(お母さんは私を捨てたんじゃない…守ろうと、してくれたんだ…。)」

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 09:24:44.98 ID:mVK6CBSF0 [11/46]
男「ほら、出て行きな」

紬「…。」

紬「(どうしよう…もう暗いな…。)」

紬「(唯ちゃんちに、行こう…。)」ふらふら


唯「あ、ムギちゃん!!」

紬「唯ちゃん…」

唯「良かった!!遅かったから心配したんだよ!!」

紬「ごめんね…ごめんね唯ちゃん…。」シクシク

唯「む、ムギちゃん!?」

紬「ごめんなさい…ごめんなさい…!!」

唯「と、とりあえず家に入って!!」おろおろ

紬「ひっく…。」

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 09:30:52.42 ID:mVK6CBSF0 [12/46]
唯「憂はあずにゃんちにお泊りに行ってるから…私だけなんだ」

紬「うん…。」ひっく

唯「(どうしよう、ムギちゃんまた泣いちゃった…!!)」おろおろ

唯「何があったの?」

紬「うっ…あのね…あのね…」

紬「(言っちゃだめだけど…唯ちゃんなら、きっと大丈夫…)」

紬「私ね、お父さんが、別に、いたの」

唯「え!?死んじゃったお父さんは!?」

紬「私の、本当のお父さんじゃないの…。」

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 09:37:04.45 ID:mVK6CBSF0 [13/46]
紬「それで…本当の、お父さんに…」

紬「嫌なこと、たくさんさせられて…」

紬「私、汚れちゃった…」

唯「ムギちゃん…。」なでなで

紬「痛かったの。苦しかったの…怖かったの。」

唯「ムギちゃん…ごめんね…私が一緒だったら…。」

紬「違うの…唯ちゃんは良いの…悪いのは私なの」

唯「違うよ!泣くほど怖かったのに、一人ぼっちなんて寂しいよ!」

唯「む、ムギちゃんはおうちがなくて寂しいのに…」

唯「私が、ムギちゃんと一緒だったら二人だったのに…!」

紬「…唯ちゃん…。」

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 09:47:04.76 ID:mVK6CBSF0 [14/46]
唯「ごめんね…ごめんねムギちゃん…!!」シクシク

紬「唯ちゃん…」

唯「痛かったんだよね…寂しかったんだよね…」ぎゅっ

紬「…うん…」

唯「泣かないで。私が…私が、ずっと、そばにいるよ!」

紬「唯ちゃん…。」

唯「(ムギちゃん…首に赤い跡がある…痛そうだよ…。)」

唯「もうどこも痛くない?」

紬「唯ちゃんが…そばに、いてくれるから痛くない」ひっく

唯「ムギちゃん…。」

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 09:53:02.47 ID:mVK6CBSF0 [15/46]
唯「よしよしムギちゃん、泣かないで」

紬「唯ちゃん…ありがとう…」

唯「ムギちゃん、目が真っ赤だよ」

紬「うん…ずっと泣いてたから…。」

唯「…。」

紬「ダメね、私…。泣いてばかりで、唯ちゃんに慰めてもらってばかりで。」

唯「ダメじゃないよ」

紬「?」

唯「ムギちゃん、私の近くでくらい、無理しなくていいよ」

唯「知ってるよ。ムギちゃん、悲しい時でも笑ってるの」

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 09:56:50.40 ID:mVK6CBSF0 [16/46]
唯「泣かないで。でも、無理しないで」

紬「唯ちゃん…。」

唯「ムギちゃん、暖かい?」

紬「…うん、暖かい」

唯「良かった♪」

紬「唯ちゃん、大好き」ぎゅっ

唯「私も大好きだよ!」

169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:04:45.60 ID:mVK6CBSF0 [17/46]
唯「ムギちゃん」

紬「ん?」

唯「痩せた?」

紬「どうして?」

唯「なんだか昨日より、小さくなっちゃった気がする」

紬「そんなことないわ」

唯「ムギちゃんがいなくなっちゃいそうで怖いよ」

紬「大丈夫よ…」

唯「ずっと、ずっとそばにいてね」

紬「うん…。」

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:14:47.08 ID:mVK6CBSF0 [18/46]
唯「お風呂に行っておいで」

紬「うん、洗ってくる」とことこ


唯「(…ムギちゃん、大丈夫かな…)」

唯「(本当のお父さんに酷い事されちゃったんだ…。)」

唯「(あんなに泣いてたムギちゃん、初めて見たよ…。)」

唯「(ムギちゃんがずっとうちにいたらいいのにな)」

唯「(そしたら、きっとムギちゃんも寂しくないのに)」

175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:23:30.73 ID:mVK6CBSF0 [19/46]
紬「唯ちゃん、出たよ」

唯「じゃあ私が行くよー」トコトコ


紬「(さっきよりだいぶ気持ちが落ち着いた…。)」

紬「(やっぱり唯ちゃんちは暖かい…。)」

紬「(ずっとここにいれたらいいのに…)]

紬「(…だめ!ここは私の家じゃ無いんだから…。)」

紬「(仕事…見つかるかしら)」

177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:30:46.30 ID:mVK6CBSF0 [20/46]
唯「ムギちゃん、寝よう」

紬「ええ、おやすみ」

唯「…ねぇムギちゃん」

紬「ん?」

唯「ムギちゃんは、ずっとここにいないの?」

紬「そうねぇ…いたいけど、無理だよ」

唯「どうして?」

紬「ここは、私の家じゃないもの」

唯「でも、ムギちゃんちは…。」

紬「無くなっちゃったわ…。でも、どこかに暮らすと思う」

唯「どこか?」

紬「場所は分からないけど、どこかに」


179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:35:13.11 ID:mVK6CBSF0 [21/46]
唯「やだよ…ずっとここにいてよ」

紬「ごめんね、唯ちゃん」

唯「ムギちゃんが寂しくなっちゃうもん」

紬「私は大丈夫。きっと寂しくないから」

唯「私が寂しいもん」

紬「唯ちゃんには、軽音部があるじゃない」

唯「キーボードの無い演奏なんて、寂しいよ」

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:43:18.51 ID:mVK6CBSF0 [22/46]
唯「それに、みんな寂しがるよ」

紬「お菓子も紅茶も持っていけないから…分からないわ」

唯「だって、ムギちゃんは必要な子だもん!!」

唯「りっちゃん言ってたよ?」

唯「本当は合唱部希望のムギちゃんが、軽音部に入ってくれたって」

唯「澪ちゃんも言ってたよ?」

唯「ムギちゃんが曲を作ってくれるから、私は歌詞を書けるって」

唯「あ…あずにゃんも、言って、たよ」

唯「ムギ、ちゃんは、いつ、いっつも、優しくて、私の、憧れだって」

紬「唯ちゃん…」

唯「ひっく、私、だって、ムギちゃん、いないと、ヤダもん!!」

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:47:10.99 ID:mVK6CBSF0 [23/46]
紬「唯ちゃん…泣かないで」

唯「ムギちゃんも、泣かないで」

唯「ごめんね、私が泣いちゃだめなのに」

紬「いいの、唯ちゃんは優しい子だから」

唯「ムギちゃん」

紬「ありがとう唯ちゃん」ぎゅっ

186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:53:11.20 ID:mVK6CBSF0 [24/46]
よくあさ!

唯「ふあぁ…ムギちゃん、おはよう…」

唯「あれ?…ムギちゃん?」

唯「ムギちゃん!?」

憂「お姉ちゃんただいまー…?」

唯「憂っ!ムギちゃん知らない!?」

憂「え?知らないけど…」

唯「ちょっと探しに行ってくる!!」

憂「あ!お姉ちゃん!?」

唯「(ムギちゃん…どこいっちゃったんだろう…!?)」

189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:01:35.72 ID:mVK6CBSF0 [25/46]
憂「行っちゃった…。」

憂「…あれ?置手紙?…紬さん!?」


唯ちゃん・憂ちゃんへ

二日間だけだったけどありがとう

とても暖かく、素敵な家にいられて、私は幸せでした

憂ちゃん、お世話になりました

憂ちゃんの作る料理はとてもおいしかったです

突然来た私を快く受け入れてくれて、嬉しかったです

唯ちゃん、ありがとう

唯ちゃんが私のせいで泣いてしまったこと、反省しています

心の優しい唯ちゃんは、きっと私を探そうとするよね?

でも、どうか、探さないでください。

私は、唯ちゃんから離れるけれど、唯ちゃんには帰る家があります。

だから、唯ちゃんは帰るべき場所で、笑っていて下さい。

紬より

193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:07:53.48 ID:mVK6CBSF0 [27/46]
ちなみにこの日は土曜日ってことで

194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:11:27.11 ID:mVK6CBSF0 [28/46]
唯「ムーギーちゃーん!!」

唯「どこいっちゃったのー!?」

唯「ムギちゃーん!!」

律「?唯、何叫んでるの?」

唯「あ、りっちゃん!ムギちゃん見なかった!?」

律「え?見なかったけど…。」

唯「どこいっちゃったんだろう…」

律「ムギがどうかしたの?」

唯「朝起きたら、ムギちゃんがいなくて…。」

律「え!?」

唯「だから探してるんだけど…。」

律「もしかして…お父さんのお墓とか…?」

唯「!!」

195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:15:04.48 ID:mVK6CBSF0 [29/46]
そのころ!

紬「…お父さん…本当のお父さんじゃなかったんだ…。」

紬「私がよその子だって事、お父さんは知ってたの…?」

紬「それとも私がお母さんのお腹にいる事を知ってても、お母さんを愛したの?」

紬「…お父さん…。」ぐすん

197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:17:33.18 ID:mVK6CBSF0 [30/46]
唯「でもりっちゃん!」

律「なんだよ!?」

唯「私、ムギちゃんのお父さんのお墓知らないよ!!」

律「え!?ムギ、前に言ってたじゃんか!!」

唯「そうだっけ…?」

律「ほら、あっちをそっちにいって右に曲がってそのままだから!」

唯「分かった!ありがとりっちゃん!!」ダッ

律「やれやれ…」

198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:20:36.17 ID:mVK6CBSF0 [31/46]
唯「(ムギちゃん…!お願い、どこにも行かないで…!!)」

紬「お父さん、私ね、大好きな友達がいるの」

唯「(ムギちゃん…!)」

紬「とっても可愛くてね、面白くって」

唯「(あった、ここだ!!)」

紬「優しい子なの」

唯「ムギちゃん!!」

紬「…唯ちゃん!?」

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:24:29.09 ID:mVK6CBSF0 [32/46]
紬「どうしてここに…。」

唯「だって、ムギちゃん、いなくなっちゃったから…」

紬「ごめんなさい…。」

唯「帰ろうよ!」

紬「嫌!!」

唯「何で!?」

紬「もう唯ちゃんちに迷惑はかけられない!!」

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:29:05.40 ID:mVK6CBSF0 [33/46]
唯「だめだよ!また昨日みたいに酷い目にあっちゃうよ!」

紬「でも…!!私にはもう家は無いもの…。」

唯「家が無くても、ムギちゃんはいるもん!!」ぎゅっ

紬「唯ちゃん…」

唯「帰ろう!」

紬「…ごめんね、それだけは嫌なの。ダメなの。」

唯「…なんで?」

201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:32:00.66 ID:mVK6CBSF0 [34/46]
紬「…私、家が見つかったの。」

紬「家賃がすごく安くて…近くで仕事できる場所も見つかった」

紬「でもね…お仕事するから、高校は退学しなきゃいけないの」

唯「え…」



208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:18:23.46 ID:mVK6CBSF0 [35/46]
唯「ムギちゃん、高校やめちゃうの?」

紬「うん…。」

唯「軽音部も、やめちゃうの?」

紬「みんなと離れるのは寂しいけど…。」

唯「でも、ムギちゃん」

紬「大丈夫。仕事場で、きっと新しい居場所が見つかるわ」

唯「ムギちゃん…」

紬「唯ちゃん。…笑って?」


209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:22:15.27 ID:mVK6CBSF0 [36/46]
唯「うう…うっ…」

紬「…ごめんなさい唯ちゃん」

唯「ひっく…やだ…ムギちゃん…」

紬「唯ちゃん、大好きよ」

唯「…私もだよ」

紬「唯ちゃん、暖かい」

唯「ムギちゃんも暖かいよ」

紬「唯ちゃん」

紬「私の事、忘れないでね」

唯「…忘れないよ」

紬「…さよなら、唯ちゃん」

唯紬「大好き」

210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:25:56.37 ID:mVK6CBSF0 [37/46]
いっしゅうかんご!

唯「ムギちゃん…」

律「ムギ…元気でやってるかなぁ…」

澪「キーボードも、ホコリかぶっちゃったな…」

梓「ムギ先輩…。」

ムギちゃんが退学して1週間

私達は、一人いなくなった軽音部にいた

唯「ムギちゃん…寂しくないかなぁ」

唯「(無理して笑ってないかなぁ…心配だよ…。)」

部室の隅っこにおかれたキーボードは

寂しそうにホコリを被っていた

唯「…会いたいなぁ」


212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:30:48.22 ID:mVK6CBSF0 [38/46]
ぶかつご!!

律「唯、窓閉めよろしくな!」

唯「うん…。」

今日の空は綺麗な茜色だ

ムギちゃんも、この空の下にいるんだよね

唯「…キーボード…弾いてみようかな」

ポーン

唯「綺麗な音…」


214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:33:09.79 ID:mVK6CBSF0 [39/46]
ポーン

唯「うっ…ひっく…」

鍵盤に涙が落っこちる

泣いてたムギちゃんみたいに

唯「ムギちゃん…。」

キーボードをゆっくり、1音ずつならしていく

「唯ちゃん」

と、声が聞こえた気がした。

216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:39:07.95 ID:mVK6CBSF0 [41/46]
唯「えっ!」

唯「…いないよね…。」

唯「ムギちゃん…。」

キーボードにぼたぼたと涙が落ちる

ムギちゃんの声が、幻聴だと分かった時だった。

「だーれだ?」

唯「…?」

目の前が、真っ暗になった


219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:42:38.24 ID:mVK6CBSF0 [42/46]
暖かい手の感触が離れる

そこには、暖かい茜色の

大好きな笑顔があった


終わり。

225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:48:29.04 ID:mVK6CBSF0 [43/46]
支援してくれた皆さん、本当にありがとうございました
おかげで完結させられました
まとまってないかもしれませんが、初心者なので…。

…さて、今日も会社だ。
頭痛いな…。

232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 13:44:57.69 ID:9BZA3nNS0 [1/3]

ムギは用務員の仕事についたのかな?
それなら学校にいるのも納得

234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 14:06:07.48 ID:mVK6CBSF0 [44/46]
>>232
誰も分かりゃしないだろうと思ったらいたよ
その通りです

233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 14:02:29.65 ID:NuN2ALYT0
乙、やっぱりムギちゃんはニコニコしてるほうがいいね

でもなんでムギちゃん犯したし

235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 14:09:00.94 ID:mVK6CBSF0 [45/46]
>>233
そういう事を全く知らないムギが怖い体験をして唯の愛情を感じる場面
お母さんとかの複線回収…のつもりでした。

237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 14:31:27.40 ID:9BZA3nNS0 [2/3]
>>1って他に何か書いてた?
あるなら教えて欲しい

240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:21:58.08 ID:mVK6CBSF0 [46/46]
>>237
安価で書いた「唯「ぼうけん!」」てのと
途中で終わった「紬「ポケットモンスター?」」
てのがありますけど…どっちも今回のとは雰囲気違うと思います。

コメント

上手いしセンスあるだろうけど「え?何でだよ?」って思う場面が多すぎた
この作者は外国育ちなの?
ここまで常識に疎い人見たことない

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