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とある父親の仕事風景
25 名前:とある父親の仕事風景[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 18:48:53.07 ID:L5tssvo0 [3/10]
上条刀夜は外資系企業に勤めるエリートサラリーマンである。
彼の所属部署は証券対策取引室という11人の精鋭から成り立つエリート部隊…という事らしい。
そもそもが彼の会社自体が特別な会社で、この会社は学園都市と提携して、
学園都市内の大企業からベンチャーまでの様々な会社の株式を保有している。
素晴らしい技術力を持つ学園都市の株式は、証券市場においては非常に魅力的な金融商品であり、
特に値段が数十倍にも釣り上がる可能性を持つベンチャー企業なんかはもはや砂糖に蟻が群がる様な人気っぷりである。
だが素晴らしい技術力を保有しているがゆえに、その会社の技術を手に入れようとする外部の企業が数多存在する。
それらの企業が学園都市の企業の株を購入するのを防ぐのが証券対策取引室の仕事である。
普通の会社なら、むしろ買収後の被買収企業の株価の扱いを考慮して動くのだが、保有している株式が学園都市の株式だと話は別である。
上条刀夜は外資系企業に勤めるエリートサラリーマンである。
彼の所属部署は証券対策取引室という11人の精鋭から成り立つエリート部隊…という事らしい。
そもそもが彼の会社自体が特別な会社で、この会社は学園都市と提携して、
学園都市内の大企業からベンチャーまでの様々な会社の株式を保有している。
素晴らしい技術力を持つ学園都市の株式は、証券市場においては非常に魅力的な金融商品であり、
特に値段が数十倍にも釣り上がる可能性を持つベンチャー企業なんかはもはや砂糖に蟻が群がる様な人気っぷりである。
だが素晴らしい技術力を保有しているがゆえに、その会社の技術を手に入れようとする外部の企業が数多存在する。
それらの企業が学園都市の企業の株を購入するのを防ぐのが証券対策取引室の仕事である。
普通の会社なら、むしろ買収後の被買収企業の株価の扱いを考慮して動くのだが、保有している株式が学園都市の株式だと話は別である。
26 名前:とある父親の仕事風景[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 18:51:32.45 ID:L5tssvo0 [4/10]
学園都市の企業は、学園都市そのもの、つまり行政機関との結びつきが強い。
なので、例えば買収されそうになったベンチャー企業から技術のみを他の会社へ移転させる事で、
会社の価値を落とすクラウンジュエルという手法や、新規株発行により、既存の株式の価値を下げ、
保有率を減らすポイズンピルなど、それらの事を学園都市の一存でできてしまうのだ。
そんな事をされてしまえば、上条刀夜の企業が保有する学園都市の株も値下がりしてしまう。
ざっくばらんに言えば、他企業に買収されたらどうあがいても大損をする様になってしまっているのだ。
直接嫌がらせをしてくる可能性も考えると、学園都市に逆らおうなんて気は起きない。
しかしよくよく考えてみると、そんな危険性のある株を買おうとする人間が現れるだろうか?
となると、多くの人間は学園都市の企業の株を敬遠してしまい、企業が資金調達できないという事態に陥る。
なので、できるだけ学園都市側も実力行使をしたくない。
つまるところ、彼らの仕事は学園都市にその様な事をさせないためでもあり、
さらには適正な証券市場の治安維持のために戦っているとも言えるだろう。
さてそんなわけで、上条刀夜は現在、学園都市のベンチャー企業を買収しようとしているアメリカの兵器開発企業の社長と面談中なのである。
27 名前:とある父親の仕事風景[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 18:53:20.34 ID:L5tssvo0 [5/10]
刀夜「というわけで第三次世界大戦に勝利した影響により、音速戦闘機のエンジンを開発していたA社と、
地殻破断の基礎技術を開発したベンチャーのB社の株価は10倍以上に膨れ上がりました」
刀夜「社長、ここはM&Aをする様な場面ではありませんよ?」
社長「それは逆ですよミスター上条。値段が上昇局面だからこそ、多くの株主は株の売りに走る。ならば今が株の集め時ではないですか」
刀夜「学園都市はこれに勝る兵器をすでに開発済みですよ?」
社長「そうかな? ならば学園都市側は金を集めるために外部に技術を売り出しているはずだろう。
普段なら大三、大四世代のお下がりを販売する学園都市だが、戦争による出費をカバーするために
大二世代の兵器まで売りに出していると聞いていますが?」
社長「しかし、最近公開された学園都市の技術の中にはこれらの技術は含まれていなかった。つまり、依然として第一線の技術なのでしょう」
社長「違いますか? ミスター上条」
刀夜「む…」
田中「まずいですよ上条さん!」
刀夜「落ち着くんだ田中君」
28 名前:とある父親の仕事風景[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 18:55:24.22 ID:L5tssvo0 [6/10]
社長「追い打ちをかけるつもりはではないのですが、これらの技術を開発した研究者のうち、すでに何人かとは話がついています」
田中「引き抜きで技術を盗むなんて、学園都市側が黙っちゃいませんよ!?」
社長「そもそも私は学園都市が人の出入りを制限している事に疑問を感じているのです。これって人権侵害なんじゃないですか?」
社長「ま、要するに私が欲しいのは技術だけ。M&Aで安全に研究者を、
あわよくば技術を手に入れられればそれに越したことは無いという話です」
刀夜「お話はよくわかりました。ですが、もう少し御考えになってみては?」
社長「残念ですが、議決に必要な株は今日中にも集まる予定です。そして学園都市が行動に出る前に臨時の株主総会を開き、
合併し、すぐにでも研究者を学園都市から脱出させるつもりでいます。向こうが行動を起こす前にね」
社長「決断はもう済んでいる。少し遅かったですね」
刀夜「そうですか…残念です…」
社長「なに、今回は我々の行動が少し早すぎた。ただそれだけの話ですよ。気を落とさないでくださいミスター上条」
刀夜「本当に残念ですよ。こんな強引なやり方は気が引けるのですがね」
29 名前:とある父親の仕事風景[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 18:58:09.99 ID:L5tssvo0 [7/10]
社長「……? 何を言って」
秘書「社長! 大変です!」
社長「何だね騒々しい、今は客が」
秘書「わが社の株式の議決権が○○社(刀夜の会社)に譲渡されました!!」
社長「なんだと!?」
刀夜「ああそうそう、言い忘れてましたけど、おたくの会社の大株主であるアメリカンアーミーテクノロジーとメリルサックスから、
おたくの会社の大株主が保有する全ての議決権を買ったんですよ。うちが保有する学園都市のベンチャー企業の株式の一部と交換にね。
それも現在進行形で株価爆上げ中の金のなる木さ」
刀夜「ま、議決権の買収なんて法的拘束力は無いけど、あの二社は私達の怖さを分かってるみたいだからね」
社長「ッ……!!」
刀夜「残念ですが、あなたは解任ですよ社長。後任はこちらの方で決めさせていただきます」
刀夜「それと、買収の方はこのまま進めさせていただきましょう。良かったじゃないですか。
学園都市の技術を手に入れた事により、あなたの会社の株価は跳ね上がりますよ」
刀夜「ただし、あなたはもうこの会社とは何の関係も無い人間ですし、この会社も学園都市の傘下に入るという事になりますけどね」
社長「shitt!!」
30 名前:とある父親の仕事風景[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 18:59:13.00 ID:L5tssvo0 [8/10]
田中「いやーまさか買収しようとした企業が逆に買収されるなんて、あの社長も思っていなかったでしょうね」
田中「アーミーテクノロジーもメリルサックスも、以前僕らが説得した会社ですし、運が良かったですよね本当に」
刀夜「だが、あの社長はどうなるんだろうね。彼は自分の会社の社員を食べさせていくために、当たり前の事をしていたに過ぎないんだよ?
私達は、あの社長を蹴落として食い物にしたんだ」
田中「相変わらず反吐が出るくらいに優しいなぁこの人は。この世界は食うか食われるかッスよ?
むしろこうならないために説得したんですから、我々も十分良心的じゃないですか」
刀夜「そうかな…」
田中「そうっスよ…ま、そんな優しい上条さんだから、あんな綺麗な奥さんをゲットできたんでしょうけどね。ちくしょう羨ましい!!」
31 名前:とある父親の仕事風景[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 18:59:56.02 ID:L5tssvo0 [9/10]
刀夜「またその話かい田中君」
田中「俺もそろそろ家族が欲しいッスよ」
刀夜「家族か…そう言えば、最近海外出張が続いてるせいか、顔を見てないな」
刀夜「詩菜と当麻は元気かな…」
自分にはもったいないくらいに綺麗で優しくて、少しヤキモチ焼きな詩菜と、父親のために、誰かのために体を張れる立派な息子。
自分は本当に恵まれているのだろう。
大切な家族の顔を思い浮かべると、憂鬱な気分も少しは晴れる様な気がした。
次はいつ二人に会えるだろうか? 早く元気な顔を見たいものだ。
32 名前:とある父親の仕事風景[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 19:02:39.40 ID:L5tssvo0 [10/10]
以上です。いつも変なのばっか書いてるけど、たまにはカッコいいオヤジを書いてみたかった。
ツッコミどころやオリジナル設定は多々ありますが、堪忍してください。
あと誰か俺のレポートと課題を手伝ってください。
学園都市の企業は、学園都市そのもの、つまり行政機関との結びつきが強い。
なので、例えば買収されそうになったベンチャー企業から技術のみを他の会社へ移転させる事で、
会社の価値を落とすクラウンジュエルという手法や、新規株発行により、既存の株式の価値を下げ、
保有率を減らすポイズンピルなど、それらの事を学園都市の一存でできてしまうのだ。
そんな事をされてしまえば、上条刀夜の企業が保有する学園都市の株も値下がりしてしまう。
ざっくばらんに言えば、他企業に買収されたらどうあがいても大損をする様になってしまっているのだ。
直接嫌がらせをしてくる可能性も考えると、学園都市に逆らおうなんて気は起きない。
しかしよくよく考えてみると、そんな危険性のある株を買おうとする人間が現れるだろうか?
となると、多くの人間は学園都市の企業の株を敬遠してしまい、企業が資金調達できないという事態に陥る。
なので、できるだけ学園都市側も実力行使をしたくない。
つまるところ、彼らの仕事は学園都市にその様な事をさせないためでもあり、
さらには適正な証券市場の治安維持のために戦っているとも言えるだろう。
さてそんなわけで、上条刀夜は現在、学園都市のベンチャー企業を買収しようとしているアメリカの兵器開発企業の社長と面談中なのである。
27 名前:とある父親の仕事風景[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 18:53:20.34 ID:L5tssvo0 [5/10]
刀夜「というわけで第三次世界大戦に勝利した影響により、音速戦闘機のエンジンを開発していたA社と、
地殻破断の基礎技術を開発したベンチャーのB社の株価は10倍以上に膨れ上がりました」
刀夜「社長、ここはM&Aをする様な場面ではありませんよ?」
社長「それは逆ですよミスター上条。値段が上昇局面だからこそ、多くの株主は株の売りに走る。ならば今が株の集め時ではないですか」
刀夜「学園都市はこれに勝る兵器をすでに開発済みですよ?」
社長「そうかな? ならば学園都市側は金を集めるために外部に技術を売り出しているはずだろう。
普段なら大三、大四世代のお下がりを販売する学園都市だが、戦争による出費をカバーするために
大二世代の兵器まで売りに出していると聞いていますが?」
社長「しかし、最近公開された学園都市の技術の中にはこれらの技術は含まれていなかった。つまり、依然として第一線の技術なのでしょう」
社長「違いますか? ミスター上条」
刀夜「む…」
田中「まずいですよ上条さん!」
刀夜「落ち着くんだ田中君」
28 名前:とある父親の仕事風景[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 18:55:24.22 ID:L5tssvo0 [6/10]
社長「追い打ちをかけるつもりはではないのですが、これらの技術を開発した研究者のうち、すでに何人かとは話がついています」
田中「引き抜きで技術を盗むなんて、学園都市側が黙っちゃいませんよ!?」
社長「そもそも私は学園都市が人の出入りを制限している事に疑問を感じているのです。これって人権侵害なんじゃないですか?」
社長「ま、要するに私が欲しいのは技術だけ。M&Aで安全に研究者を、
あわよくば技術を手に入れられればそれに越したことは無いという話です」
刀夜「お話はよくわかりました。ですが、もう少し御考えになってみては?」
社長「残念ですが、議決に必要な株は今日中にも集まる予定です。そして学園都市が行動に出る前に臨時の株主総会を開き、
合併し、すぐにでも研究者を学園都市から脱出させるつもりでいます。向こうが行動を起こす前にね」
社長「決断はもう済んでいる。少し遅かったですね」
刀夜「そうですか…残念です…」
社長「なに、今回は我々の行動が少し早すぎた。ただそれだけの話ですよ。気を落とさないでくださいミスター上条」
刀夜「本当に残念ですよ。こんな強引なやり方は気が引けるのですがね」
29 名前:とある父親の仕事風景[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 18:58:09.99 ID:L5tssvo0 [7/10]
社長「……? 何を言って」
秘書「社長! 大変です!」
社長「何だね騒々しい、今は客が」
秘書「わが社の株式の議決権が○○社(刀夜の会社)に譲渡されました!!」
社長「なんだと!?」
刀夜「ああそうそう、言い忘れてましたけど、おたくの会社の大株主であるアメリカンアーミーテクノロジーとメリルサックスから、
おたくの会社の大株主が保有する全ての議決権を買ったんですよ。うちが保有する学園都市のベンチャー企業の株式の一部と交換にね。
それも現在進行形で株価爆上げ中の金のなる木さ」
刀夜「ま、議決権の買収なんて法的拘束力は無いけど、あの二社は私達の怖さを分かってるみたいだからね」
社長「ッ……!!」
刀夜「残念ですが、あなたは解任ですよ社長。後任はこちらの方で決めさせていただきます」
刀夜「それと、買収の方はこのまま進めさせていただきましょう。良かったじゃないですか。
学園都市の技術を手に入れた事により、あなたの会社の株価は跳ね上がりますよ」
刀夜「ただし、あなたはもうこの会社とは何の関係も無い人間ですし、この会社も学園都市の傘下に入るという事になりますけどね」
社長「shitt!!」
30 名前:とある父親の仕事風景[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 18:59:13.00 ID:L5tssvo0 [8/10]
田中「いやーまさか買収しようとした企業が逆に買収されるなんて、あの社長も思っていなかったでしょうね」
田中「アーミーテクノロジーもメリルサックスも、以前僕らが説得した会社ですし、運が良かったですよね本当に」
刀夜「だが、あの社長はどうなるんだろうね。彼は自分の会社の社員を食べさせていくために、当たり前の事をしていたに過ぎないんだよ?
私達は、あの社長を蹴落として食い物にしたんだ」
田中「相変わらず反吐が出るくらいに優しいなぁこの人は。この世界は食うか食われるかッスよ?
むしろこうならないために説得したんですから、我々も十分良心的じゃないですか」
刀夜「そうかな…」
田中「そうっスよ…ま、そんな優しい上条さんだから、あんな綺麗な奥さんをゲットできたんでしょうけどね。ちくしょう羨ましい!!」
31 名前:とある父親の仕事風景[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 18:59:56.02 ID:L5tssvo0 [9/10]
刀夜「またその話かい田中君」
田中「俺もそろそろ家族が欲しいッスよ」
刀夜「家族か…そう言えば、最近海外出張が続いてるせいか、顔を見てないな」
刀夜「詩菜と当麻は元気かな…」
自分にはもったいないくらいに綺麗で優しくて、少しヤキモチ焼きな詩菜と、父親のために、誰かのために体を張れる立派な息子。
自分は本当に恵まれているのだろう。
大切な家族の顔を思い浮かべると、憂鬱な気分も少しは晴れる様な気がした。
次はいつ二人に会えるだろうか? 早く元気な顔を見たいものだ。
32 名前:とある父親の仕事風景[sage] 投稿日:2010/12/04(土) 19:02:39.40 ID:L5tssvo0 [10/10]
以上です。いつも変なのばっか書いてるけど、たまにはカッコいいオヤジを書いてみたかった。
ツッコミどころやオリジナル設定は多々ありますが、堪忍してください。
あと誰か俺のレポートと課題を手伝ってください。
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