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唯「かまいたち?」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 16:58:07.46 ID:lxl6lmvp0 [1/34]
唯「あぁ、もうすぐ冬休みだねぇ。みんなでどこか行きたいなぁ…」
澪「そうだなぁ。来年からは私達も受験生だし、遊べるうちに遊んでおきたいな」
律「お!いいね!じゃあどこか泊まりで行こうよ!たまには音楽のことを忘れてさ!」
澪「律、お前は普段から練習さぼってるだろうが…」
律「まぁまぁ…。それは置いといてさ、東北の方まで行って泊まりがけのスキー合宿とかどうよ?」
梓「あ、それいいですね!」
唯「私は美味しいものがあるところが良いなぁ…」
律「おいおい唯、お前はそれしか頭にないのか?まぁ気持ちはわかるが…」
梓「…でも、この冬休み直前の時期だと、もうほとんどの旅館は予約でいっぱいなんじゃないですかね?」
律「あ…」
澪「言われてみれば、今からじゃどこもいっぱいだろうな…」
唯「…」
紬「あ!それなら良いところがあるわよ!」
唯「あぁ、もうすぐ冬休みだねぇ。みんなでどこか行きたいなぁ…」
澪「そうだなぁ。来年からは私達も受験生だし、遊べるうちに遊んでおきたいな」
律「お!いいね!じゃあどこか泊まりで行こうよ!たまには音楽のことを忘れてさ!」
澪「律、お前は普段から練習さぼってるだろうが…」
律「まぁまぁ…。それは置いといてさ、東北の方まで行って泊まりがけのスキー合宿とかどうよ?」
梓「あ、それいいですね!」
唯「私は美味しいものがあるところが良いなぁ…」
律「おいおい唯、お前はそれしか頭にないのか?まぁ気持ちはわかるが…」
梓「…でも、この冬休み直前の時期だと、もうほとんどの旅館は予約でいっぱいなんじゃないですかね?」
律「あ…」
澪「言われてみれば、今からじゃどこもいっぱいだろうな…」
唯「…」
紬「あ!それなら良いところがあるわよ!」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 17:03:19.23 ID:lxl6lmvp0 [2/34]
一同「?」
紬「長野県にあるペンションなんだけど…」
澪「へえ~」
梓「なんてところなんですか?」
紬「シュプールっていうの」
唯「シュプール…?」
律「なんか、オシャレな名前だなあ」
紬「ウチの親戚が経営してるの。毎年、ウチの親類用の部屋が確保してはずあるから、たぶん大丈夫だと思うわ」
唯「美味しいそうな名前…」
澪「へぇ、やっぱり紬の家はすごいな!」
紬「スキー場からは車で40分ほどの距離で、料理も凄く美味しいらしいの」
唯「料理・・・!」ゴクリ
梓「いいですね!」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 17:09:27.31 ID:lxl6lmvp0
澪「でもムギ、私達は親類じゃないし、迷惑じゃないか…?」
紬「ああ、それなら大丈夫!みんななら大歓迎よ!」
唯「やったあ!」
律「よっしゃ!!じゃあお言葉に甘えさせて貰おうぜ!」
梓「ムギ先輩ありがとうございます!」
紬「いえいえ、まあ私もそのペンションには長いこと行ったことがないんだけどね。最近は冬休みは海外の別荘で過ごすから…」
律「…やっぱりすごいなオイ」
紬「でも、評判が良いのは本当だから!」
唯「楽しみだなぁ!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 17:14:30.22 ID:lxl6lmvp0
澪「紬、ありがとう。…じゃあ色々決めないとな。いつ行くのかとか、何泊にするのかとか…」
唯「冬休みが始まったらすぐにしようよ!明日が終業式だから明後日から!」
澪「ええ!?そ、それはちょっと急じゃないk
律「おっけー!それで決定~!!」
澪「ち、ちょと律…」
律「部長権限だ!いいよな?ムギ?」
紬「ええ!さっそく帰ったら連絡しておくわ♪」
澪「で、でも宿題とかあるし…」
律「・・・うーん、お前も痛いところをついてくるな・・・。ムギ、何泊なら大丈夫だ?
」
紬「何百泊でも大丈夫だと思うわよ♪」
梓「・・・」
唯「すごいねー」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 17:19:52.44 ID:lxl6lmvp0
律「よし!じゃあその旅行の間にみんなで協力して宿題やっちまわないか!?大自然の中なら勉強もはかどるぜ!!」
澪「う、うーん・・・」
律「スキー兼勉強合宿ってことでいいじゃん♪」
澪「まあ、そういうことならいいかな・・・」
唯「おー!」
梓「あたしも賛成です!」
澪「ムギ、ありがとうな」
紬「どういたしまして♪」
唯「あ、そうだ!」
一同「?」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 17:31:19.14 ID:lxl6lmvp0
律「唯、どうした?」
唯「あのさ・・・憂も誘っちゃ、ダメかな?」
紬「ああ♪もちろん歓迎するわ!私も唯ちゃんにそう提案しようと思ってたの」
唯「ほんと!?」
紬「ええ♪」
唯「やったー!!帰ったら誘っとくよ!ありがと紬ちゃん♪」
紬「どういたしまして~♪」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 17:34:35.53 ID:lxl6lmvp0
その日の夜 平沢家
唯「ねえ憂~?ちょっと提案なんだけど…」
憂「なに?お姉ちゃん?」
唯「軽音楽部のみんなで明後日から紬ちゃんの親戚が経営してる長野のペンションに行くことになったんだ~」
憂「…へぇ。(…寂しくなるなぁ…)」
唯「でね?憂もどうかな~?と思って」
憂「え?私も行っていいの?」
唯「うん!」
憂「…でも軽音部の合宿なら私邪魔じゃない?」
唯「そんなことないよ!練習はほんの少しもしないから!」
憂「あ、ああ。そうなんだ~…」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 17:39:05.96 ID:lxl6lmvp0
唯「それよりもペンションにいる間にみんなで協力して、冬休み宿題一気にを終わらしちゃう計画なんだよ!!だから憂もぜひ!」
憂「…そういうことなら私もお邪魔さしてもらうね♪ありがとうお姉ちゃん!」
唯「いやいやそれほどでも~///」
プルルルルルルル
唯「あ!きっと紬ちゃんだよ!あたしが出る!」ガチャ
唯「はい平沢です!」
紬「あ、唯ちゃん?…ごめんなさい、実は、さすがに言うのが急すぎるってことで…」
唯「へ・・・?」
紬「二部屋しか確保できなかったの、ごめんなさい」
唯「いやいや!十分だよ!あ!憂も行くってさ♪」
紬「そう?…なら憂ちゃんも入れて6人だから3人ずつに分かれてもらうことになるんだけど…良いかしら?」
唯「うん!ありがう紬ちゃん!楽しみにしてるね♪」
紬「はい♪(言えない…。本当は六部屋とれたのに無理やり二部屋にしたなんて…)」
唯&憂「あ~楽しみだなぁ…♪」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 18:02:39.89 ID:lxl6lmvp0
終業式
律「ふぃ~、二学期もやっと終わったか」
唯「ついに明日だね!あたしもう待ちきれないよ~!」
澪「あ、明日の予定だけど、早朝にバスに乗ってで長野に向かって、昼頃に着く。
それからスキーとかして、夕方にペンションの人が車で迎えに来てくれるから、それに乗ってシュプールへ…だよな?紬?」
紬「ええ、そうよ」
律「あー!楽しみだー!」
澪「ちゃんと勉強もしないとだめだぞ!」
律「はいはいわかってますよ~」
梓「・・・・・」ワクワク
さわ子「・・・(あの子たちどこか行くのかしら・・・?)」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 18:39:03.61 ID:lxl6lmvp0
旅行初日 長野県のとある雪山 正午
一同「キャッキャウフフ」
律「うっひょ~!すげえな!あたしスキーするの小学生以来だよ!」
澪「あ、あたしはしたことないから初心者コースに行くよ・・・」
律「な~にビビってんだよぉ!あたしが手取り足取り教えてやるから安心しとけ!」ニヤニヤ
澪「り、律ぅ~」ビクビク
梓「(澪先輩…可愛すぎるッ!!)」
紬「(…イイわ)」
唯「よ~し憂!上級者コース行こ!」
憂「お姉ちゃん危ないよ~!」
唯「大丈夫、大丈夫♪」スィー
憂「も~」スィー
律「・・・あの姉妹はなんであんな上手いんだ・・・」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 18:51:36.04 ID:lxl6lmvp0
…
夕方
唯「ふ~。たくさん滑ったねぇ」
憂「うん!」
梓「気分爽快です!」
澪「…結構楽しいな…」
律「だろ?・・・まあ澪はやっとボーゲン覚えれたくらいだけどな~」
澪「し、仕方ないだろ?初心者なんだから・・・」
憂「でも澪さん、上達するの早いと思いますよ?」
澪「そ、そうかな///」
紬「ふふ、みんなに楽しんでもらえてるみたいで何よりだわ♪」
・・・ビュオオオオオオオォォォ・・・
律「…なんだ?急に雲行きが怪しくなってきたな…」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 18:52:57.44 ID:lxl6lmvp0
唯「なんだか風も強くなってきたみたいだね」
憂「山の天気は変わりやすいって本当なんだ・・・」
澪「今何時くらいだろう?」
梓「えーと、ちょうど四時半ですね」
紬「・・・。そろそろ迎えの時間だし、迎えの人との待合場所へ行きましょうか♪」
一同「は~い!」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 19:16:48.61 ID:lxl6lmvp0
スキー場 駐車場
梓「紬先輩、迎えに来てくれる人ってどんな人なんですか?」
紬「私も会ったことはないんだけど、なんでもベテランの大学生で、ペンションに住み込んでアルバイトをしてる男の人らしいわ」
唯「ベテランの大学生・・・?どういう意味?」
紬「・・・」
律「!・・・唯、察しろ」
唯「?」
憂「お姉ちゃん…」
唯「??」
・・・・・・
澪「あ、なんかそれっぽい車が来たぞ」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 19:19:34.33 ID:lxl6lmvp0
紬「ああ、あれだと思うわ」
キキーッ…ガチャ
俊夫「えーっと・・・。ペンションシュプールの者ですけど、琴吹様ですか?」
紬「はいそうです♪お世話になります!」
一同「よろしくお願いしま~す」
俊夫「はいよろしく。・・・さ、寒いだろうから早いところ乗車してくれ…」
一同「は~い!」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 19:25:20.95 ID:lxl6lmvp0
・・・シュプールへの道中
俊夫「へぇ…君達音楽やってるの」
律「はい!」
俊夫「すごいなぁ…僕は芸術の方はからきしダメでね、スキーばっかしてるよ」ハハハ
澪「あはは・・・」
唯「あの!」
俊夫「?」
唯「ベテランの大学生ってなんなんですか?ず~~っと大学生してるんですか?それで大丈夫なんですか?」
憂「ちょ!」
唯「へ?」キョトン
俊夫「・・・・・・・・」
梓「あ、あはは」
俊夫「は…はは。…そ、それよりそろそろペンションに着くよ。荷物まとめておいてね・・・」
一同「…はーい」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 19:46:49.94 ID:lxl6lmvp0
ペンション・シュプール前
俊夫「ふう、着いた着いた」
澪「へ~・・・」
梓「オシャレなところですね!」
紬「うふふ♪」
俊夫「中も結構いい感じだぜ?・・・だからさっさと建物の中に入ろう。寒くって敵わないよ」
一同「は~い」
カランカラン
俊夫「ただいま戻りました~」
一同「おじゃましま~す」
小林「おお、いらっしゃい!」
紬「次郎さんお久しぶりです!」
小林「やあ、紬ちゃんか。いらっしゃい。どうぞゆっくりしていってくださいね」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 19:50:51.99 ID:lxl6lmvp0
紬「はい♪・・・じゃあみんな、とりあえず部屋にいきましょうか」
律「おう」
梓「了解です!」
澪「あ・・・」
律「?」
澪「部屋割りはどうするんだ?二部屋に分かれるんだろ?」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 19:52:09.52 ID:lxl6lmvp0
律「あ、そういえば決めてなかったな・・・」
唯「わたしはどこでもいいよ~」
梓「私もです」
憂「私もどこでもかまわないです」
紬「じゃありっちゃん決めてくれる?」
律「ん?ま、まあいいけど・・・」
律「・・・・・」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 20:07:40.61 ID:lxl6lmvp0
律「ふむ・・・じゃあ部屋割りは私と澪・梓と唯・憂・紬でいっか!」
唯「りょーかい!」
紬「じゃ、部屋に行きましょう」
・・・
【律・澪・梓】のいる部屋
律「えーと・・・これからどうする?」
澪「私は・・・ちょっと疲れたから晩御飯まで寝ててもいいか?」
律「ん、わかった。時間になったら起こしてやるよ」
澪「ありがと」フアア・・・
梓「わたしは一階の談話室に行きますね。テレビとかあったみたいですし。律先輩も行きます?」
律「・・・そうだな。澪は寝るみたいだから私もいくよ。唯達も誘おうぜ!」
梓「わかりました。じゃ、行きましょっか!」
律「おう」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 20:22:16.77 ID:lxl6lmvp0
【唯・憂・紬】のいる部屋
唯「ふう~!!ベッドやわらかーい!!」ボスッ
憂「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!そんなにベッドの上で暴れたら埃が・・・」ハックション
紬「うふふ♪」
唯「あ、そうだ。晩御飯ってまだかな?」
紬「もうすぐだと思うわ」
唯「楽しみだなー!」
コンコン
唯「?誰?」
憂「開いてますよ~」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 20:25:14.02 ID:lxl6lmvp0
ガチャ
律「よ!」
唯「あ、りっちゃん」
律「これから梓と一階行くんだけど、唯たちも行こーぜ」
唯「ん~、わかった!」
紬「私も行くわ」
憂「じゃあ私も」
律「おし。じゃあ行くぞ~」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 20:33:19.24 ID:lxl6lmvp0
談話室
テレビ「・・・今日より三日間ほど、長野近辺は近年まれに見る豪雪に見舞われてるでしょう・・・」
梓「なんかこの数日すごい雪になるみたいですね・・・」
唯「へ~」
律「明日はスキー無理かもな」
唯「え?なんで?」
律「いや、めちゃくちゃ雪降ってるから」
唯「へ~」
紬「・・・・・」
梓「夕方にペンションに来ておいてよかったですね。既に外はすごい雪ですよ」
小林「・・・」
律「だな」
小林「真理達は大丈夫かな・・・」
律「え?」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 20:44:37.61 ID:lxl6lmvp0
律「?」
紬「真理さん達、どうかしたんですか?」
小林「いや、夕食前には来るって言ってたんだけど・・・ちょっと遅れてるみたいなだね・・・」
紬「そうですか・・・」
律「お、おいムギ。真理さんって誰だ?」
紬「小林真理さん。次郎さんの姪にあたる人よ」
律「へえ。その人も今日ここに来るのか?」
紬「そう聞いてたんだけど・・・」
律「・・・外、すごい雪だな・・・」
紬「ええ・・・」
小林「・・・まああの子なら大丈夫だと思うがね・・・ちょっと遅れてから来ると思うよ」
紬「そうですね・・・」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 21:00:56.54 ID:lxl6lmvp0
・・・・・
数時間後 談話室
一同「ペチャクチャ」
小林「お待たせしました。夕食の準備が出来たので食堂へどうぞ」
律「あ、は~い」
唯「うう、お腹減ったよ~」
紬「ふふ、次郎さんはとっても料理が上手いのよ♪」
唯「あ~もう我慢できないよ~!!!」ドタドタ
憂「ちょ、お姉ちゃん待って!」パタパタ
紬「まあまあまあ♪」スタスタ
律「おい唯!抜け駆けは許さn
梓「律先輩!」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 21:06:18.90 ID:lxl6lmvp0
律「ん?」
梓「いや、先に澪先輩を起こさないと」
律「あ・・・そうだな。忘れてた。私が行くから、梓は唯達と先に食べててくれ」
梓「そうですか?わかりました。じゃあお先に」テクテク
律「・・・。はあ。世話が焼けるぜ澪のやつは・・・」
唯「おいしいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!」
律「」
律「は、早く起こしてこよ・・・」パタパタ
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 21:20:06.95 ID:lxl6lmvp0
・・・・・
律達の部屋
律「おい、澪、起きろ!ご飯だぞ!」
澪「・・・・」スヤスヤ
律「おい!起きろって!!」
澪「・・・ん~?律・・・?」ムニャムニャ
律「やっと起きたか・・・晩御飯だから起こしに来たぞ」
澪「もうそんな時間なのか・・・?」
律「ああ。もうみんな食べてるぞ」
澪「わかった・・・。じゃあ顔洗ったらすぐいくから、先に行っててくれ」
律「お、そうか?わかった」
澪「・・・」
律「じゃ、行ってるからな」
澪「ん~・・・」ムニャムニャ・・・
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 21:36:21.23 ID:lxl6lmvp0
食堂
律「すまん、遅れた!」
唯「りっちゃん遅いよ~」
律「悪い悪い・・・」
紬「りっちゃん、食べましょ?」
律「へ?」
梓「私もお腹ペコペコです!」
律「まだ食べてなかったの?」
梓「待ってました。」
律「おお、ありがと」
梓「澪先輩はどうしたんですか?」
律「ああ、先に食べててくれだとさ」
梓「そうですか」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 21:37:45.96 ID:lxl6lmvp0
憂「すいません、お姉ちゃんは先に食べてしまって・・・」
唯「だってお腹減ってて死にそうだったから~。」
唯「大丈夫だよりっちゃん。私おかわりするから一緒に食べよう!」ニコッ
律「・・・」
律「ま、まあいいや。じゃ、いただきます」
一同「いただきまーす!」
・・・・・
澪「な、なんだこれ・・・」ガクガク
・・・・・
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 22:30:23.63 ID:lxl6lmvp0
律「・・・・・」
律「うまっ!!」
唯「おいひい・・・」モグモグ
梓「ほ、本当に美味しいですね・・・」
憂「・・・・・」パクパクモグモグ
紬「でしょ?次郎さんの料理の腕は本当に凄いの~」
俊夫「ふふ、そんなに美味しそうに食べてもらえるとオーナーも喜ぶな」
律「あ、俊夫さん」
俊夫「・・・いやー、外は本当にヒドい雪だよ。真理ちゃん達大丈夫かな・・・」
梓「あの、さっきも気になったんですけど。『達』って、真理さんの他にも一緒に来る人がいるんですか?」
俊夫「ああ・・・。俺は詳しくないんだけど、彼氏と一緒らしいよ」
唯「へー」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 22:33:15.13 ID:lxl6lmvp0
律「車で来るんですよね?」
俊夫「そりゃあ、そうだろうね」
紬「真理さん・・・」
みどり「ちょっとちょっと、相手が花の女子高生だからってお喋りしすぎじゃない?仕事中でしょ?」
俊夫「あ、ああ・・・」
律「えーと・・・あなたは?」
みどり「あ、ここのアルバイトで、篠崎みどりっていいます」
俊夫「彼女も俺と一緒で、ここで住み込みで働いてるんだよ」
みどり「よろしくね~」
律「あ、はい。よろしくお願いしま~す」
みどり「ふふ♪・・・じゃ、早く仕事に戻りましょう。オーナーが困ってるわ」
俊夫「おう」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 22:59:43.63 ID:lxl6lmvp0
・・・・・・・
数分後
律「・・・はぁ~、美味しかった!」
梓「こんな美味しい料理久しぶりに食べました・・・」
唯「おかわり!!」
律「ゆ、唯・・・君、食いすぎじゃあないかい?」
唯「美味しいんだもん!しかたないよ!」
憂「お姉ちゃん・・・」
律「ったく唯は・・・。・・・・・・ん?」
田中「・・・・・・・・」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 23:02:07.42 ID:lxl6lmvp0
律「な、なんだアイツ・・・」
梓「どうしたんですか?律先輩」
律「いや、アイツ見てみろよ・・・」
梓「・・・うわ」
律「・・・や、ヤ○ザか?」
梓「ちょ!聞こえますよ!何失礼なこと言ってんですか!!」
律「で、でもな~・・・あの格好は・・・」
紬「二人共、どうかした?」
律「アレ・・・」
紬「あ・・・」
律「・・・」
紬「・・・そっとしておきましょう。関わらない方がいいわ」
律「そ、そうだな…(なんか場慣れしてる気が・・・)」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 23:05:28.79 ID:lxl6lmvp0
・・・・・・・
唯「は~!!!美味しかった!ご馳走様でした!!」ゲプ
律「お、やっと食べ終わったか」
唯「今の私はこの上なく幸せだよ~」
憂「よかったね!お姉ちゃん♪」
律「・・・さてと、じゃあそろそろ談話室にでも戻るか」
梓「そうですね」
小林「あ、君達」
一同「?」
小林「食後にデザートがあるんだが、いるかい?」
唯「で、デザート!!?」
小林「ああ。我がペンション自慢のミシシッピ・マッドケーキさ!」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 23:08:33.92 ID:lxl6lmvp0 [34/34]
律「ミシシッピ・マッドケーキ・・・?」
みどり「すごいのよ、オーナーのミシシッピ・マッドケーキは」ジュルリ
俊夫「ああ…あれはヤバい…」ゴクリ
律「へ、へぇ…」
小林「ま、楽しみにしていてくれ」
律「はあ・・・」
唯「・・・・・!」ジュルリ
憂「よかったねお姉ちゃん!」
律「・・・・・」
梓「・・・あ」
紬「梓ちゃん、どうかした?」
梓「そういえば、澪先輩下りてきてませんね」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 00:11:43.68 ID:x0H+pUve0 [1/26]
律「あ・・・完全に忘れてた。アイツなんで来ないんだ?」
紬「まあまあ、とにかく部屋に行きましょう」
律「ああ…そうだな」
談話室
律「ったく、まだ寝てるのかな、澪」
梓「たぶんそうでしょうね」
紬「・・・あ」
澪「・・・・・・」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 00:16:54.87 ID:x0H+pUve0 [2/26]
澪「・・・・・・」
律「・・・?」
紬「澪ちゃん?」
梓「先輩、大丈夫ですか?」
律「お前、こんなところで何してるんだ?」
澪「り、律・・・この紙を見てくれ・・・」ガクガク
律「?なんだこれ?」ペラッ
こんや 12じ だれかが しぬ
律「………!?」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 00:19:59.25 ID:x0H+pUve0 [3/26]
梓「なんですか、コレ…」
澪「こ、この紙が部屋のドアの下に挟んであったんだ・・・」ガクブル
唯「どうしたのー?」
律「・・・これ」ペラッ
憂「わ・・・」
唯「…?なにこれ?」
律「さ、さあ…」
小林「ん、どうかしたかい?」
律「あ…」
紬「…こんな物が部屋のドアの下に挟んであったらしいの…」ペラッ
小林「?…。な、なんだ・・・これは・・・?」
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 17:35:28.25 ID:x0H+pUve0 [5/26]
紬「馬鹿みたいなイタズラね…」
小林「・・・」
小林「君達がやったのか?」
律「は、はぁ!?」
梓「ちょっと待ってください!なんで私達がそんなこと!」
小林「いや・・・例えばカチューシャの君なんて、イタズラとか好きそうじゃないか・・・」
律「な…」
紬「ちょっと叔父さん、失礼よ」
小林「しかしな・・・」
澪「り、律…お前なのか?」ビクビク
律「へ・・・?」
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 17:40:33.30 ID:x0H+pUve0 [6/26]
澪「…」ガクブル
律「…。(澪がビビっちゃってる…。私はこんなことしてないけど・・・澪を安心させるためにも、ここは私がやったことにしておいた方が良いか…?)」
澪「…」ビクビク
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 18:18:21.40 ID:x0H+pUve0 [7/26]
律「澪、悪いw実は私がやったんだw!」
小林「なっ…!」
紬「りっちゃん、ホントなの?」
律「ああ、すまん。ちょっと出来心でなww」
澪「な、なんだ・・・律だったのか」ホッ
律「お、なんだ安心したか?ww」
澪「う、うn…じゃなくて!!お前は何しょうもないことしてるんだ!」ボコッ
律「いだっ!」
澪「ったく・・・(律のイタズラでよかった…)」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 18:21:04.11 ID:x0H+pUve0 [8/26]
梓「ホント、律先輩は子供っぽすぎますね…」
律「な、なにをー!生意気な!」
梓「なんですか?私はただ事実を言ったまでです!」
律「うるせー!お前だって見た目は小学生みたいだろ!」
梓「なっ…!」
憂「まあまあ…」
一同「ワイワイキャッキャ」
小林「・・・」
紬「叔父さん、ごめんなさい。私の友達が…その…」
小林「あ、ああ…いや、良いんだよ。正直に言い出してくれたしね。気にしないでくれたまえ」
紬「ありがとう…」
一同「ワイワイキャッキャ!」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 18:24:38.92 ID:x0H+pUve0 [9/26]
律「…あれ、そういえば唯は?」
梓「ああ、唯先輩なら…そこのソファで寝てますよ」
唯「…」スヤスヤ
律「…食べたらすぐ寝るのか…」
憂「デザートが来たら起きると思います♪」
唯「デザート!!?」ガバッ
律「・・・・」
カランカラン
香山「こんばんはー!!」
小林「ああ、香山さん。遅かったですね」
香山「いやー、迷ってもてな!すまんすまん!」ナハハ
春子「…」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 18:34:07.12 ID:x0H+pUve0 [11/26]
小林「夕食の準備は出来てますが、いかがなさいますか?」
香山「んー、ほな食べさしてもらおかな!春子、それでええな?」
春子「はい…」
小林「じゃあ部屋に荷物を置いたら、食堂にいらしてくださいね」
香山「おっしゃ」すたすた
春子「…」すたすた
律「…他のお客さんも来たみたいだな」
梓「関西の人ですかね?」
澪「私生で聞いたの初めてだよ、関西弁」
唯「…ん~…」ムニャムニャ
憂「お姉ちゃんまた寝ちゃった…かわいい…」ニヘラ
律「唯のやつ、そんなに寝てて夜寝られるのか?」
梓「さあ・・・」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 18:38:42.37 ID:x0H+pUve0 [12/26]
プルルルルル
プルルルルル
小林「はい、ペンションシュプールですが」ガチャ
律「あ、電話あんなところにあったんだ」
澪「みたいだな」
小林「はい…はい…ミキモト様ですね?はい…かしこまりました。お待ちしてます。…では」ガチャ
小林「んー…」
律「なんだろ」
梓「誰かお客さんが電話してきたみたいですね」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 18:40:17.78 ID:x0H+pUve0 [13/26]
小林「・・・・・」
小林「…あ、君達。ケーキはもうちょっと時間かかりそうだから、とりあえず紅
茶はどうだい?」
唯「こ、紅茶!!?」ガバッ
憂「お姉ちゃん!!」
律「あ、あたし頂きます」
紬「私も」
梓「私もお願いします」
澪「わ、私も」
小林「了解。みんなだね?ちょっと待ってね…」
・・・・・
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 19:18:18.82 ID:x0H+pUve0 [14/26]
数分後 談話室
小林「どうかな?私のいれた紅茶は」
律「すごく、あったまります!」
澪「美味しい…」
唯「うん!とっても美味しいよ!」
憂「よかったねお姉ちゃん!」
紬「うふふ♪」
梓「そういえば、外の雪がまた強くなったような…」
小林「そうだね…」
一同「・・・」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 19:21:11.40 ID:x0H+pUve0 [15/26]
香山「ふう~。料理美味しかった!!なあ、春子!」
春子「はい・・・とっても・・・」
香山「ん?」
律「は~・・・あったまる」ズズズ・・・
香山「なんや!みんなでえーもん飲んどるんかいな!わしらもまぜてや!」
小林「あ、香山さん達もいりますか?」
香山「んー、わしはお酒がええな。あればでいいけど」
小林「もちろんありますよ。ビールでいいですか?」
香山「おう、ありがと!春子は紅茶でええな?」
春子「はい…」
・・・・・
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 19:24:39.00 ID:x0H+pUve0 [16/26]
小林「どうぞ、ビールです」
香山「お、ありがと!」
香山「お姉ちゃんら、ワシら二人も一緒に飲んでもええか?」
律「あ、どうぞどうぞ!」
香山「あんがと。……ほな一杯」プシュッ
香山「・・・」グビグビ
香山「・・・」グビグビ
香山「くわ~っ!!寒い季節に暖かい部屋で冷たいビールを飲む!」プハァ!!
香山「・・・・・最高の贅沢とは、こういうことやで!!」
梓「!?」ピクッ
香山「なあ春子!そやな!」
春子「はい…そうでs
梓「いや、それは違いますね」
香山「・・・あん?」
186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 20:04:53.60 ID:x0H+pUve0 [17/26]
梓「最高の贅沢とは…例えば、暑い暑い夏の昼間に、ガンガンにクーラーを効かせた部屋の中でおでんを食べることです!」
香山「な…」
律「(どう違うんだよ…)」
香山「いや、違うな。真の最高の贅沢とは、南極極でストーブを…」
梓「いやいや赤道直下で冷凍庫に入って…」
澪「…どうでもいいな」
梓・香山「何ぃ!?」ギロッ
澪「ひいっ!」ビクッ
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:15:06.78 ID:x0H+pUve0 [18/26]
・・・・・・・
・・・ブウウウウゥゥゥゥーーン・・・・
・・・・・
律「ん、また誰か来たみたいだな」
紬「真理さんかしら・・・」
梓「さっき電話してきた人じゃないですかね?」
カランカラン
美樹本「すいませーん!!先ほど電話した美樹本ですがー!!」
小林「ああ、ミキモト様、お待ちしておりました」
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:18:46.93 ID:x0H+pUve0 [19/26]
美樹本「いやーすいません。迷ってしまってw」
小林「食事の時間は終わってしまいましたが、おにぎりなどの簡単な物なら今からお作りしますが、どうなさいますか?」
美樹本「んー…」
唯「おいひー…」ぐびぐび
美樹本「僕も紅茶が飲みたいかな。なにせ凍えてしまってるので…」
小林「かしこまりました」
美樹本「じゃあ先に荷物置いてきます」スタスタ
澪「また人が来たな」
律「ヒゲはやしてるし…」
梓「なんだか山男って感じですね~」
律「だな」
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:20:21.51 ID:x0H+pUve0 [20/26]
唯「・・・・・・」
唯「…あれ?」
憂「?お姉ちゃん、どうかしたの?」
唯「なんか…。…いや、なんでもない。うん」
憂「…?そう…?」
唯「うん」
・・・・・・・
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:25:14.05 ID:x0H+pUve0 [21/26]
・・・・・・・
小林「はい、どうぞ」
美樹本「ああ…どうも」
美樹本「…」ゴクゴク
美樹本「…はぁ。生き返る…」
律「…」
美樹本「やあ。僕は美樹本洋介。フリーのカメラマンをやってます」ニコッ
律「あ…どうも…」
澪「は、はじめまして…」
美樹本「はじめまして」ニコッ
梓「あの、フリーのカメラマン…って、どんなものを撮るんですか?」
美樹本「うーん…。色々あるから一言では言えないなあ…。あ、そうだ。ヌードとかも撮るよ!」
梓「ぬ、ぬーど!?///」
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:31:41.85 ID:x0H+pUve0 [22/26]
澪「…///」
唯「ぬーどって何?カップラーメン?」
憂「お姉ちゃん・・・」
香山「…ええなあそれ」ニヤニヤ
美樹本「君達みんな、可愛いし、一枚どうだい?」ニヤ
澪「ええええ!?」
梓「そ、そんな…///」
美樹本「みんな今は若いからいいかも知れないが…人は必ず老いるからね。今の美しい姿を残しておくのもいいと思うよ?」
律「・・・へ、へえ(何このおっさん)」
美樹本「どうだい?今からでも撮ってもあげるけd
紬「結構です!!!」ギロッ
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:39:57.85 ID:x0H+pUve0 [23/26]
美樹本「おや、そうかい?」
美樹本「そんな目くじら立てるほどのことじゃあないと思うけどなあ・・・」
紬「結構です!!!!!!」
澪「む、ムギ…」
紬「お断りします!!(みんなの体は私の物!)」
美樹本「そりゃ残念…。ま、軽い状態だから気にしないでね。ハハハ」ニコッ
澪「は、はい…(…///)」
律「・・・・・」
小林「・・・」
小林「人も増えてきたし、私達も入れてみんなでお茶にしようか。篠崎くん。今日子と俊夫君を呼んできてくれ。二人とも厨房にいるだろうから」
みどり「わかりました。・・・あ、オーナー」
小林「?」
みどり「あの人・・・田中さんはどうしたらいいですか?」
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:45:06.58 ID:x0H+pUve0 [24/26]
小林「あー・・・」
・・・
律「なあ、田中さんて誰だ?」
梓「たしか・・・あのヤク○みたいな人ですよ。名簿に名前書いてありましたから。田中一郎さんです」
律「ああ、あの人か。今日子さんってのは小林さんの奥さんでいいんだよな?ムギ?」
紬「そうよ」
・・・
小林「いやなら無理に声をかけたりしなくていいよ。人付き合いが好きそうなタイプにも見えなかったし」
みどり「そうですか・・・」ホッ
みどり「じゃあ二人を呼んできますね」
小林「ああ」
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:54:03.64 ID:x0H+pUve0 [25/26]
律「小林さん」
小林「ん?なんだい?」
律「これでお客さんはみんなそろったんですか?」
小林「ああ。・・・・・あ、いや、後は真理達がまだだね」
律「あ・・・すいません」
小林「いや・・・まあ二人だし、車だから。大丈夫だろう」ニコッ
美樹本「え?まだ来てないお客さんがいるんですか?」
小林「え、ええ。まあ・・・」
美樹本「へえ~・・・。・・・・・・・・・・」
梓「どうかしたんですか?」
美樹本「いや・・・。僕も吹雪の中を来たからね。大丈夫かなと思って」
梓「あ、そうでしたね」
美樹本「心配だなあ」
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 23:58:49.24 ID:x0H+pUve0 [26/26]
みどり「オーナー、呼んできましたよ」
小林「ん」
今日子「はい、紅茶のおかわりもって来ましたよ~」
小林「おお、ありがとう」
唯「おかわり!?やった~!」
憂「よかったねお姉ちゃん!」
小林「ん?俊夫君は?」
みどり「なんか、見たいテレビがあるらしくって・・・自分の部屋にこもっちゃいました」
小林「そうか・・・。なら仕方ないな。我々だけで乾杯することにしよう。じゃあ紅茶とお酒ですが・・・乾杯!」
一同「カンパーイ!!」
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 00:03:30.70 ID:YW57NE2a0 [1/25]
香山「・・・な、お姉ちゃんらもちょっとどや?お酒!」ニヤ
律「お、いいね~!」
澪「だ、だめだろ律!!私達はまだ未成年で・・・」
律「わかってるよ~・・・・ノリの悪いやつだなあ」
香山「そやで!若いんやから、瞬間瞬間を生きなアカンで!」
澪「え・・・いや・・・」
春子「ちょっとあなた・・・迷惑ですよ・・・」
小林「春子さんの言うとおりです。未成年にお酒を勧めたりしないでくださいよ…」
香山「なんや~・・・みんなそんなカタいこと言わんt
澪「あっ・・・」
・・・・・・
ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…
・・・・・・
梓「あ…もう九時ですか・・・」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 00:53:23.05 ID:YW57NE2a0 [2/25]
澪「ほんとだ。おしゃべりしてる間に結構時間が過ぎてたんだな」
香山「なんや、もうそんな時間かいな」
唯「あ」
憂「?どうしたのお姉ちゃん?」
唯「そういえば12時だったよね?りっちゃんの予告状の時間」
澪「お、おい唯!」
唯「へ?」
香山「は?なんや?それ」
澪「あ、いや・・・」
美樹本「なんなんだい?僕も気になるな」
小林「いや・・・なんでもないですよ」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 00:54:38.90 ID:YW57NE2a0 [3/25]
香山「はあ?なんやそれ」
唯「なんか~ こんや 12じ だれかが しn
律「わ~~~~!!!!!おい、唯!変な誤解を招くから余計なことは言うな!!」
梓「そうですよ唯先輩!」
憂「お姉ちゃん・・・」
唯「え~だって~」
律「ったく・・・」
紬「 こんや 12じ だれかが しぬ 」
律「へ?」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 01:04:44.25 ID:YW57NE2a0 [4/25]
香山「・・・?」
美樹本「今夜12時誰かが死ぬ・・・?」
律「お、おいムギ。何言ってんだよ!」
紬「・・・。だって・・・あれ、りっちゃんがやったんじゃないでしょ?」
澪「え?」
律「・・・」
紬「りっちゃんは悪戯好きだけど、こんな悪質なことはしないわ。やってもないことで友達が悪く言われるなんて、私嫌よ・・・」
律「・・・」
澪「え?え?」
216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 01:18:05.37 ID:YW57NE2a0 [5/25]
唯「なんだ~。りっちゃんじゃなかったんだ。なんかそんな気はしてたよ!」
澪「え?律じゃないのか?え?え?」
律「すまん・・・。澪がビビってたからつい・・・」
紬「あたしこそ御免なさい・・・」
澪「ええ~・・・・・・」
小林「・・・・・」
美樹本「へえ、そんなものが見つかってたんですか・・・。興味深いですね」
小林「面白いって・・・。うちはいい迷惑なんですよ。こんな悪戯・・・」
律「・・・(ほんと、一体だれがこんなことを・・・)」
香山「まままま、そんなモンほっといたらええやんか!飲も飲も!!」
今日子「そうよ。あんなの、気にしないほうがいいわ」
小林「・・・はあ。わかりました。じゃあ、紅茶に合うお菓子と酒のつまみを持ってきます」スタスタ
香山「おっいいね~!!」
春子「あなた・・・あんまり飲み過ぎないように・・・」
香山「わかっとるわかっとるwwww」
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 01:34:30.43 ID:YW57NE2a0 [6/25]
唯「やった~!!お菓子!!」ワクワク
憂「よかったねおねえちゃん!」
梓「あれ、唯先輩。なんか目がちょっと腫れてません?」
紬「あ、ほんとだわ」
唯「あ~・・・。ちょっと寝過ぎちゃったみたい!」アハハノハ
律「おいおい・・・夜寝れないと明日困るぞ~?w」
梓「そうですよ!明日はちゃんと勉強しないと・・・」
唯「え~、大丈夫大丈
ガッシャーン!!!!!!!!!!
一同「!!?」
219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 01:49:11.57 ID:YW57NE2a0 [7/25]
澪「ひっ!!!?」ビクッ
梓「な、なんですか今の音・・・」
律「さ、さあ・・・」
紬「ガラスか何かが割れる音だったわよね?」
唯「音は二階からだと思うよ!たぶん!」
美樹本「さてはどっかの窓でも割れたかな?」
ドタドタッ
小林「みなさん!今何か割れる音がしましたが!?怪我は!?」
みどり「いや、ここじゃないですよ。二階だと思います」
小林「となると・・・客室か。篠崎君、俊夫君を呼んできてくれ。みんなで二階を見よう」
みどり「わかりました!」パタパタ・・・
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 02:11:18.84 ID:YW57NE2a0 [8/25]
・・・・・・・
スタスタスタ
俊夫「あの・・・なんなんですか?」
小林「え?今さっきの音聞こえなかったのかい?」
俊夫「そんな音しましたかね?まあテレビ見てたからかも知れないですけど」
小林「まあいい。音は二階からだ。たぶん客室の窓に、今日の強い風で飛んできた何かがぶつかったんだろう」
俊夫「はあ…。わかりました」
小林「よし。…皆さんの部屋を一つ一つ見ていきますので、皆さんもついて来て下さい」スタスタ
澪「…」
・・・・・・・
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 17:02:34.84 ID:YW57NE2a0 [9/25]
・・・・・・・
二階廊下
スタスタ
律「ウチの部屋じゃないだろうな・・・」
梓「さあ・・・」
澪「・・・・・・・・・」
小林「えーと、じゃあ香山さんの部屋からでよろしいですか?窓が割れていないか確認するだけですので」
香山「おう。ちゃっちゃとやってまお!」
美樹本「あの…」
小林「?なんですか美樹本さん?」
美樹本「窓が割れていないか確認するだけなら、各々が自分の部屋を見るだけでいいんじゃないですか?その…。今は部屋が散らかってるのでちょっと…」
小林「ああ…そうですね。わかりました。じゃあみなさん各自で確認をお願いします」
美樹本「…」
・・・・・・・・
243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 17:05:08.03 ID:YW57NE2a0 [10/25]
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
小林「…ふむ。誰の部屋の窓も割れてないようですね…」
みどり「ですね」
香山「でも、音は確かにしたで?」
小林「うーん・・・」
梓「あ、あの」
小林「うん?」
梓「あの田中って人の部屋は?あの人もここにいるんですよね?」
小林「あ…。そういえば調べてなかったな…そこの突き当りの部屋だ。調べてない場所はもうあそこしか残っていない」
俊夫「なんだ。じゃあさっさと調べましょうよ」
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 18:42:24.27 ID:YW57NE2a0 [11/25]
みどり「変ね。窓が割れたりしたら寒くて部屋になんかいられないでしょうに…」
小林「まあ変わったお客さんだからな…気づかずに寝てるってこともあるかもしれない」
俊夫「まあみてみましょうよ。ここでじっとしてても埒が明かない」」
小林「ああ」
・・・・・
律「あのおっさん、部屋の窓が割れても寝てるのかよ・・・」
梓「そういえば」
律「ん?」
250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 18:43:40.58 ID:YW57NE2a0 [12/25]
梓「例の脅迫状…あの○クザが書いたのかもしれませんね」
律「はあ?どういう意味だ?」
梓「それはよくわかりませんけど…何か自作自演で因縁つけて、脅迫でもするつもりなんじゃないですか?」
律「・・・。お前、昼ドラの見すぎだよ」
梓「冗談ですよ。先輩」ナハハ
律「お前な~・・・」
澪「・・・」
紬「脅迫状…か」
・・・・・
小林「田中様~!」コンコン!
251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 18:50:15.10 ID:YW57NE2a0 [13/25]
小林「田中様~!!いらっしゃいませんか~?」コンコン!
・・・・シーン・・・・・・
小林「・・・。反応ないな」
小林「すいません。失礼します・・・。・・・・・」ガチャガチャ
小林「…。鍵がかかってる。やっぱり中にいるのか?」
俊夫「オーナー、部屋の中から風の音が聞こえます。きっとこの部屋ですよ。反応ないんだからマスターキーでとっとと開けましょう。こっちが凍えちまう」
小林「あ、ああ・・・。そうだな。しかたない・・・。・・・・・・・・。失礼します」ガチャ!
ビュヲオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォオオオオ!!!!!
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 19:07:22.44 ID:YW57NE2a0 [14/25]
小林「やっぱり窓が割れてるな・・・」
律「寒っ!」ブルブル
小林「お客様!田中様~?いらっしゃいませんか!!」
…ビュオオオオオオオォォォォ…
俊夫「いないみたいですね」
小林「…。外出中のようだな」
俊夫「何言ってんですか。この吹雪で」
小林「…言ってみただけだ」
唯「窓から出たんじゃないかな?」
律「はあ?なんで?」
唯「いや、なんとなく言ってみただけ」
律「はあ…?」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 19:14:10.78 ID:YW57NE2a0 [15/25]
梓「…。あの、早く窓を直さなくていいんですか?私寒くて寒くて」
小林「あ、ああ、わかってる…」
小林「…」スタスタ
小林「ったく、部屋がすっかり雪にさらされてしまっ・・・。・・・・・・・・・。な、なんだこりゃ」
紬「?どうしたの、おじさん?」スタスタ
小林「・・・・・・・」
紬「ねえ、どうしt…。!・・・・・・・・・・。」
俊夫「…オーナー?どうしたんですか?」
小林「なんてこった……こりゃあ…こりゃあ………死体だ。…人間の死体だ!!!」
律「は…?」
・・・・・・・・・・・
256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 19:43:26.17 ID:YW57NE2a0 [16/25]
・・・・・・・・・・・・・
十分後 ペンション一階 談話室
一同「・・・・・・・・」
みどり「…ねえ。そろそろ何があったのか教えてくれない?みんな黙りこくっちゃって、何がなんだかわからないわ」
小林「・・・・・・・・・」
みどり「ねえ、誰か…
律「し、死んでたんですよ。田中さんが」ガクガク
みどり「・・・・・・・。はあ?あなたたちも部屋で何か見たの?」
律「私と梓と唯が…」
みどり「へえ。で…なんだって?今変なことを聞いた気がするんだけど」
律「あの部屋で…田中さんが…ば、ば、バラバラにされてて・・・」ウプッ
みどり「バラバラって…それどういうこと?」
梓「だから、殺されてるんですよ!!首も、手も、足も!!みんな切り離されて転がってるんです!!」
みどり「なっ…
澪「いやあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 20:49:06.29 ID:YW57NE2a0 [17/25]
紬「み、澪ちゃん!落ち着いて!」
澪「だ、だって人が死んでたって…」ガクガク
紬「…」
梓「…(気持ち悪い…)」ウプッ
律「…」ブルブル
澪「やっぱり脅迫状が…」ブルブル
みどり「…ねえ。それって、本当に田中さんなんですか?人形とかじゃなくて?」
小林「そう…だろう。顔色がぜんぜん違うからはっきりとはいえないが…たぶんそうだと思う。いくらなんでも死体と人形を間違えたりはしないよ」
みどり「そんな…」
香山「なんや?さっきから田中、田中って…誰のこと?」
美樹本「あ、僕もその人知らないんですが…」
小林「あ…香山さん達が来たときには彼は部屋に籠もってましたから会ってないんですね。今夜の宿泊客の中にいた人です」
香山「ふぅん」
263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 20:51:55.66 ID:YW57NE2a0 [18/25]
澪「やっぱりあの脅迫状は本当だったんだ・・・・!!私、帰りたい!!」
律「み、澪落ち着けよ!あたしだって怖いの我慢してんだ・・・!」ガクガク
澪「やだっ!!怖いよ!!」
憂「ちょ、ちょっとみなさん落ち着いて・・・」
紬「そうよ。みんな、ちょっと落ち着きましょう…」
一同「・・・・・」
美樹本「・・・そうだ、こんな話を聞いたことがあるんだ・・・」
梓「?なんですか…?」
美樹本「………かまいたち、さ」
唯「かまいたち?」
266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 21:15:26.59 ID:YW57NE2a0 [19/25]
美樹本「ああ。知ってる人もいるんじゃないかな?このあたりでは昔から、こんな荒れた気候の日に、何もないところで突然服が切れたり、
場合によっては怪我をしたりすることが知られていたんだ。地元の人たちはその現象のを鎌を持ったイタチのような生き物の仕業だと考えて『かまいたち』と呼んだ」
一同「・・・・・・」
俊夫「…は、馬鹿馬鹿しい。その『かまいたち』とやらのせいで田中さんがバラバラにされたとでも言いたいんですか?」
美樹本「・・・」
梓「というか『かまいたち』って自然現象通称じゃないんですか?真空状態がどうとか・・・」
美樹本「いや、僕も妖怪の仕業とか言うつもりはない。だがこんな…めったにないくらい荒れた気候だ。人間一人を飲み込んでしまうような恐ろしい真空の空間ができても不思議じゃない・・・そう言いたいだけさ」
一同「・・・・・・」
澪「や、やっぱり・・・あの脅迫状がっ!!」ガタッ
律「澪・・・?」
澪「やっぱり田中さんは脅迫状を出したやつに殺されたんだ!!そしてその脅迫状は私達の部屋にあった!!次に狙われるのはあたしだ!!」
律「おい!澪!!」
澪「だ、だって・・・!」ブルブル
香山「まあまあ、みんな落ち着こうや。その脅迫状のことやないが・・・実際に人が死んどる。とりあえず、警察に連絡するんがええんちゃうかな?」
一同「!!」
273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 21:35:53.43 ID:YW57NE2a0 [20/25]
律「そうだ!警察だよ!!」
美樹本「そういえば・・・すっかり忘れてましたね。なんで気づかなかったんだろう」
澪「警…察…」
香山「そや、犯罪に出くわしたら警察に連絡が一番や。これでお姉ちゃんも安心ちゃうかな?」ニコッ
澪「は、はい…!」ホッ
梓「えーと、誰が連絡するんですか?私携帯持ってますけど」
小林「ああ、いいよ。ペンションの電話で連絡するから。…それにここは携帯つながらないしね」
梓「え?」
小林「ほんと困ってるんだけどね…。まあいい。じゃあ110番してくるよ」スタスタ
律「ここ、携帯つながらないのか・・・」
憂「でも、ここに来る途中の車の中ではまだアンテナ立ってましたよ」
律「へえ・・・そうか。まあ、これで一安心だな」
小林「えーと・・・」ポチポチ・・・
275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 21:46:07.07 ID:YW57NE2a0 [21/25]
小林「・・・・あれ?・・・・・。・・・・・・・・」
小林「だめだ、何も音が聞こえない」
澪「ええええ!?」
香山「な、なんやて!?そら困るで!!」ガタッ
小林「たぶん・・・どこかで電話線が切れたんだと思います・・・」
紬「そんな・・・!」
みどり「ど、どうするんですかオーナー・・・」
小林「・・・困ったとしか・・・」
香山「あ!そや!大丈夫や!」ナハハ
一同「…?」
276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 21:47:59.92 ID:YW57NE2a0 [22/25]
香山「わし、携帯持っとるねん。あれ使ったらええわ!な、春子!」ニコッ
春子「・・・・・」
梓「いや…だめですよ。ここ、携帯つながらないらしいですから…」
香山「え?わしのはア○フォンやで?それでも?」
梓「…はい。私もアイ○ォンですから…」
香山「そ、そんなアホな…。そんならどないしたらええねん…。人殺しがここらをうろついとるっていうのに…」
一同「・・・・・・・・」
澪「ど、どうするんだよ。これ、私達はこのペンションに閉じ込められたってことじゃないのか!?」ガクガク
律「・・・・・」
277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 22:02:02.28 ID:YW57NE2a0 [23/25]
憂「あの…この山をこれから下山することは出来ないんですか?」
俊夫「無理だろ…。今日は美樹本さんと香山さん達が遅れてきたけど、それだって実際は奇跡みたいなもんだからな
歩いて降りたらもちろんすぐに凍死。車だったら運がよくても立ち往生…最悪沢に転落しかねない。真理ちゃんたちも今日はあきらめてスキー場ででも夜を明かすつもりだろうしな」
憂「じゃあ…仮に『犯人』がいたとしたら、このペンションの中に隠れようとするんじゃないでしょうか?…ちょっとそれが気になって」
一同「・・・!!」
小林「・・・おいおい」
小林「なら、その人殺しはまだこのペンションの中にいるってことかい?」
憂「・・・・・」
俊夫「冗談じゃないぞ!」
美樹本「・・・ですね。少しでも人殺しがいる可能性があるなら安心できない。なんとかしないと」
小林「なんとかって・・・たとえば?」
278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 22:14:16.62 ID:YW57NE2a0 [24/25]
美樹本「うーん・・・。・・・みんなでこの建物の中を探し回って、そいつを捕まえる、とか?」
香山「ちょ!ちょっと待ってや!」
美樹本「何か?」
香山「人を殺すだけだは飽き足らず、その死体をバラバラにするような怖いヤツやで?
無理に動いて下手こくよりもここでみんなでかたまってたほうがええんちゃうか?」
美樹本「それは・・・」
俊夫「香山さんの意見にも無理がありますよ。ちょっとうたた寝してる間に皆殺しにされるかもしれない」
澪「ひっ・・・!」ガクブル
紬「いや、犯人だってそんなリスクの高い行動にはでないんじゃないかしら。戸締りさえきちっとしておけば・・・」
美樹本「戸締りったって・・・さっきも意見が出たが、もう既にこの建物の中に犯人が入り込んでる可能性だって高いんだ」
小林「しかし本当にそんなことが・・・」
美樹本「現に人が一人死んでるんだ。犯人がどこかから入ったってことじゃないですか。今もいても何も不思議じゃない」
一同「・・・・・・・」
283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 23:07:27.60 ID:YW57NE2a0 [25/25]
みどり「…そうだ。田中さんの部屋、窓が割れましたんですよね?なら…犯人はその窓から入ってきたんじゃないですか?裏手はあんまり除雪もされてないから二階といってもそんなに難しい話じゃないんじゃないかしら」
小林「・・・。なら、そいつはまたその窓から逃げたんじゃないかな。だってドアの鍵はかかったままだったし」
美樹本「…そんなことはどうにでもなりますよ。ここのドアは押しボタン式だ。部屋に入ってきたのは窓でも、ボタンを押した状態でドアを閉めれば、鍵をかけた状態で廊下に出られる。
その後は二回の空き部屋でも掃除用具箱にでも隠れて、僕達が二階に行っている間に下に降りてくればいい」
小林「…」
梓「じゃあ…とりあえず武器になるようなものでも持っておいたほうがいいんですかね…?」
律「ぶ、武器?そんな物騒な…」
美樹本「いや・・・それはそうだろうね。いざというときのためだよ」
律「そう・・・ですね・・・」
澪「もう…やだ…」
紬「澪ちゃん…」
小林「・・・・・・。じゃあ、なにか使えるものがないか、探してきます」スタスタ
今日子「あ、私も行くわ・・・一人だと危ないし・・・」パタパタ
一同「・・・・・・」
290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 02:10:50.01 ID:r77kmmBZ0 [1/22]
・・・・・・・・
小林「うーん・・・こんなものしかないな・・・。スキーのストック、モップの柄、果物ナイフ・・・」
香山「なんや・・・そんな装備じゃ頼りないで」
小林「まあ包丁なんかもありますけど、そんなもの持ってたら帰って危ないと思いまして」
香山「まあ…そやな」
美樹本「えーと、何人かでチームを組んで、しらみつぶしに調べましょう。ベッドの下、クローゼットの中、風呂の浴槽の中・・・。どこにいるかわかりません」
俊夫「わかった」
美樹本「男は我々四人だけですが・・・仕方ないですね。女性陣はここで待機ということで」
今日子「わかりました・・・」
香山「な、なんや。わしも捜索組かいな…?」
俊夫「アンタは男なんだからあたりまえでしょうが」
香山「ちっ………年寄りは丁重に扱うモンやで…ホンマ…」
唯「がんばれ~」
澪「……………」
291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 02:11:44.02 ID:r77kmmBZ0 [2/22]
俊夫「…で、どこから調べるんだ?一階なら食堂やら俺達従業員の部屋、乾燥室なんかがあるが」
美樹本「じゃあとりあえず一階からいきましょうか。…ちょっと怖いですが」
俊夫「わかった。まあストックもあるし…」
小林「…」
香山「あ~、いややなあ」
俊夫「よし、じゃあ行くぞ」スタスタ
・・・・・・・・・・・
292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 02:15:17.97 ID:r77kmmBZ0 [3/22]
・・・・・・・・・・・
小林「ふう…」スタスタ
律「あ、戻ってきた」
みどり「どうでした?」
小林「なにもいなかったよ」
俊夫「何かいるかもと思うと、必要以上に神経を使っちまって疲れるな…」
美樹本「次は二階です…。頑張りましょう」スタスタ
香山「おう。まかしとき!わしはこう見えてもな、高校時代は柔道やっとったんや。
もし犯人が出てきよったら、一本背負いから押さえ込んで、ぐうの音も出んようにしたるわ!!」ナハハハ
俊夫「ちっ…」
一同「・・・・・・・」
小林「さ、行こう…」スタスタ
・・・・・・・・・・
293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 02:19:12.14 ID:r77kmmBZ0 [4/22]
・・・・・・・・・・
美樹本「・・・・・・・・」スタスタ
今日子「あ、どうでしたか?」
俊夫「なんにもいませんでしたよ。まあジェニーがいたくらいですね」
唯「じぇにー?」
俊夫「ああ…猫の名前だよ。ウチで飼ってるんだ。
さっきからいないと思ってたら、掃除用具入れの中にいたんだ」
小林「あれはびっくりした…」
みどり「なんだか緊張して損しちゃった気分だわ。…まあ異常な状況なのに変わりはないけど」
美樹本「うーん、予想が外れたみたいだなあ」
小林「まあ、得体の知れないヤツがこのペンションの中に隠れていないとわかっただけでもいいじゃないか」
梓「あの・・・ほかには部屋はないんですか?」
小林「うーん…。一応ワイン蔵があるけど…あそこは鍵がかかってるからね。
客室のような押しボタン式じゃなくて、ちゃんとした錠前の物が」
梓「そうですか…」
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 17:02:05.60 ID:r77kmmBZ0 [5/22]
今日子「…私、コーヒーでもいれてくるわ。みんなで一息いれましょう」
小林「おお、そうだな。頼むよ」
憂「あ、私手伝います!」
今日子「ありがとう。じゃ、行きましょっか」スタスタ
俊夫「…オーナー。あの田中さんの部屋はどうするんですか?窓は割れたままだから雪にさらされっぱなしですけど」
小林「んー…。あのままにしとくしかないんじゃないかな。警察を呼べない以上、下手に現場を荒らさないほうがいいと思うし」
俊夫「そっすか…」
紬「…結局、犯人は外に逃げたってことになるのかしら」
律「まあ…そうなるんじゃないか?」
澪「よかった…。いや、よくはないんだろうけど…」
小林「まあ、また入ってきたりすることがないように戸締りはきちっとしておかないとな」
律「そう…ですね」
313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 17:28:36.26 ID:r77kmmBZ0 [6/22]
・・・
今日子「はい、コーヒーよ」コトッ
澪「あ、ありがとうございます」
憂「お姉ちゃんには紅茶を入れなおしてきたよ♪」
唯「憂、ありがとー!!」
梓「………………」
唯「?どうしたのあずにゃん」
梓「あ、いや…。(…そういえば私達はさっきから、田中さんを殺した人物は外部からの侵入者だと決め付けた上で行動してる)」
梓「…」
梓「(でも本当にそれでいいんだろうか?………内部犯の可能性だって十分にある。
というかむしろそう考えたほうがしっくりとくるような…)」
314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 17:29:43.20 ID:r77kmmBZ0 [7/22]
梓「(だいたい、外から入ってきた犯人がペンションの人間に見つからないように
バラバラ殺人を成し遂げるなんていくらなんでも無理があるように思える)」
梓「(犯人はずっと前からペンションの中にいて、時間をかけて田中さんの体を切断したと考えるのが一番自然…)」
梓「・・・・・おえっ」
紬「梓ちゃん?どうかした?」
梓「あ・・・いえ・・」ウプッ
紬「?そう…」
梓「…」
317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 17:37:07.42 ID:r77kmmBZ0 [8/22]
梓「…(それとも、ほかに何か方法があるんだろうか…。窓が割れる音がしてから、
私達があの部屋に駆けつけるまでの短い間に死体を処理するなんて方法が・・・)」
梓「…」
梓「(もしかしたら、バナナの手品を応用して…)」
梓「……」
梓「(いや、部屋自体に仕掛けがあって…)」
梓「………」
梓「(だ、駄目だ。さっぱりわからない…)」
梓「…」
梓「(いや…。………。そうだ!)」
梓「(あの時…ガラスの割れる音がした時だ…。あの瞬間、みんなの前にいなかった人物が二人いた!!)」
319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 17:56:23.38 ID:r77kmmBZ0 [9/22]
…
俊夫「…」ズズス・・・
梓「(まず、今私の目の前で美味しそうにコーヒーを飲んでいる男…俊夫さん。あの時はテレビを見てるとかで、談話室に姿を来ようとしなかった)」
梓「…」
小林「これからどうしましょうか…」
梓「(そして…偶然厨房にお菓子を取りに行っていて、談話室にいなかった小林さん…)」
梓「・・・・・・・・・」
俊夫「ん?どうした?」チラッ
320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 17:58:33.57 ID:r77kmmBZ0 [10/22]
梓「あ、いえ…」
唯「あずにゃんコーヒーに入れる砂糖が欲しいんだよね!俊夫さんの前にあるやつ!」
梓「へっ?………あ。…はい…」
俊夫「ああ、ごめんごめん。ほらよ」ヒョイッ
梓「…。どうも」
唯「も~、あずにゃんはお子様だなあ」
梓「先輩だって牛乳たっぷりの紅茶じゃないですか…」
美樹本「・・・。そうだ、今から外を捜索しに行きませんか?」
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 18:37:09.99 ID:r77kmmBZ0 [11/22]
一同「!?」
香山「はあ…?あんたはいきなり何を言い出すねん」
美樹本「いや、やっぱり犯人は近くに潜んでいるような気がするんです。それに何か痕跡が残っているかもしれないですよ。犯人の足跡とかタイヤの跡とか…」
澪「こ、怖い…」
俊夫「おいおい、そんなの仮にあったとしてもこの雪でとっくに消えてるよ」
美樹本「それは…そうですが…」
小林「私は賛成だ。殺人犯がここに戻ってくるかもしれないのに、何もしないで待っているというわけにもいかないじゃないか」
俊夫「オーナー…」
香山「ふん…」
俊夫「オーナー…。…わかりました。行きましょう」
美樹本「はい」
澪「怖い…」
梓「…」
梓「わ、私も行きます!」
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 18:47:55.89 ID:r77kmmBZ0 [12/22]
美樹本「へ?」
憂「あ、梓ちゃん!?」
梓「男の人ばかりに何でも押し付けるのはよくないですから!」
小林「おいおい、無理しないほうがいいよ…」
唯「そうだよあずにゃん、危ないよ?みんなでここにいようよ」
梓「私は大丈夫です!」
澪「梓…?なんで?」
梓「何かわかるかもしれないし…。せっかく楽しい旅行だったのにこんな嫌なこと……。出来るだけ早く終わって欲しいですから」
紬「梓ちゃん…」
律「梓…。…………」
俊夫「まあ…そこまで言うなら…。あ、もちろん香山さんは来ますよね」
香山「ええ?わしも行くんかいな!」
323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 18:49:05.46 ID:r77kmmBZ0 [13/22]
俊夫「当たり前でしょうが。外で犯人に出くわしたら、香山さんに一本背負いしてもらわないと」
香山「いや…」
俊夫「こんな女の子も行くって言ってるんですよ?情けないな…」
香山「…。わかったわかった。ほんならわしも行くわ…。寒いんは苦手なんやけどな~…」ハァ・・・
俊夫「よし。それでいいんですよ」
美樹本「えーと、じゃあ二手に分かれて見回ろうかと思うんですけど。三人組と二人組みで」
小林「中野さんは女の子だから三人のほうだね」
梓「わかりました」
俊夫「じゃあ俺は二人のほうでいいですよ。美樹本さん、組みましょうよ」
美樹本「わかった」
俊夫「香山さん、いいですね?」
香山「わかっとるわ…ったく…」
小林「じゃあ、しっかり上着を着たら行きましょう」スタスタ
梓「…」スタスタ
律「ち、ちょっと待って!!」
325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 18:56:52.37 ID:r77kmmBZ0 [14/22]
小林「ん?なんだい?」
律「…」
梓「先輩…?どうかしたんですか?」
律「梓…お前はここに残ってろ。私がかわりに行くよ」
梓「え…?」
澪「りつ…?」
律「私としたことが、死体を見てからすっかりビビっちまってたぜ。…後輩にそんな危ないことさせられないよ。私が行く」スタスタ
梓「ちょ、先ぱ…
律「部長命令だ!!お前はみんなと一緒に澪のそばにいてやってくれ」
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 18:57:54.90 ID:r77kmmBZ0 [15/22]
梓「…!」
澪「…」
唯「りっちゃん…」
一同「………」
律「あ…すいませんww行きましょっか!!w」
小林「まあ…私はなんでも構わないが…。あ…」
・・・・・・
ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…
・・・・・・
俊夫「……。もう十時だ…。そろそろ行くぞ。武器代わりにストックを持って行こう」スタスタ
みどり「みんな気をつけてね…。いってらっしゃい。(私も何か頑張らないとね)」
・・・・・・・・
唯「かまいたち?」-2
続きます
一同「?」
紬「長野県にあるペンションなんだけど…」
澪「へえ~」
梓「なんてところなんですか?」
紬「シュプールっていうの」
唯「シュプール…?」
律「なんか、オシャレな名前だなあ」
紬「ウチの親戚が経営してるの。毎年、ウチの親類用の部屋が確保してはずあるから、たぶん大丈夫だと思うわ」
唯「美味しいそうな名前…」
澪「へぇ、やっぱり紬の家はすごいな!」
紬「スキー場からは車で40分ほどの距離で、料理も凄く美味しいらしいの」
唯「料理・・・!」ゴクリ
梓「いいですね!」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 17:09:27.31 ID:lxl6lmvp0
澪「でもムギ、私達は親類じゃないし、迷惑じゃないか…?」
紬「ああ、それなら大丈夫!みんななら大歓迎よ!」
唯「やったあ!」
律「よっしゃ!!じゃあお言葉に甘えさせて貰おうぜ!」
梓「ムギ先輩ありがとうございます!」
紬「いえいえ、まあ私もそのペンションには長いこと行ったことがないんだけどね。最近は冬休みは海外の別荘で過ごすから…」
律「…やっぱりすごいなオイ」
紬「でも、評判が良いのは本当だから!」
唯「楽しみだなぁ!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 17:14:30.22 ID:lxl6lmvp0
澪「紬、ありがとう。…じゃあ色々決めないとな。いつ行くのかとか、何泊にするのかとか…」
唯「冬休みが始まったらすぐにしようよ!明日が終業式だから明後日から!」
澪「ええ!?そ、それはちょっと急じゃないk
律「おっけー!それで決定~!!」
澪「ち、ちょと律…」
律「部長権限だ!いいよな?ムギ?」
紬「ええ!さっそく帰ったら連絡しておくわ♪」
澪「で、でも宿題とかあるし…」
律「・・・うーん、お前も痛いところをついてくるな・・・。ムギ、何泊なら大丈夫だ?
」
紬「何百泊でも大丈夫だと思うわよ♪」
梓「・・・」
唯「すごいねー」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 17:19:52.44 ID:lxl6lmvp0
律「よし!じゃあその旅行の間にみんなで協力して宿題やっちまわないか!?大自然の中なら勉強もはかどるぜ!!」
澪「う、うーん・・・」
律「スキー兼勉強合宿ってことでいいじゃん♪」
澪「まあ、そういうことならいいかな・・・」
唯「おー!」
梓「あたしも賛成です!」
澪「ムギ、ありがとうな」
紬「どういたしまして♪」
唯「あ、そうだ!」
一同「?」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 17:31:19.14 ID:lxl6lmvp0
律「唯、どうした?」
唯「あのさ・・・憂も誘っちゃ、ダメかな?」
紬「ああ♪もちろん歓迎するわ!私も唯ちゃんにそう提案しようと思ってたの」
唯「ほんと!?」
紬「ええ♪」
唯「やったー!!帰ったら誘っとくよ!ありがと紬ちゃん♪」
紬「どういたしまして~♪」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 17:34:35.53 ID:lxl6lmvp0
その日の夜 平沢家
唯「ねえ憂~?ちょっと提案なんだけど…」
憂「なに?お姉ちゃん?」
唯「軽音楽部のみんなで明後日から紬ちゃんの親戚が経営してる長野のペンションに行くことになったんだ~」
憂「…へぇ。(…寂しくなるなぁ…)」
唯「でね?憂もどうかな~?と思って」
憂「え?私も行っていいの?」
唯「うん!」
憂「…でも軽音部の合宿なら私邪魔じゃない?」
唯「そんなことないよ!練習はほんの少しもしないから!」
憂「あ、ああ。そうなんだ~…」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 17:39:05.96 ID:lxl6lmvp0
唯「それよりもペンションにいる間にみんなで協力して、冬休み宿題一気にを終わらしちゃう計画なんだよ!!だから憂もぜひ!」
憂「…そういうことなら私もお邪魔さしてもらうね♪ありがとうお姉ちゃん!」
唯「いやいやそれほどでも~///」
プルルルルルルル
唯「あ!きっと紬ちゃんだよ!あたしが出る!」ガチャ
唯「はい平沢です!」
紬「あ、唯ちゃん?…ごめんなさい、実は、さすがに言うのが急すぎるってことで…」
唯「へ・・・?」
紬「二部屋しか確保できなかったの、ごめんなさい」
唯「いやいや!十分だよ!あ!憂も行くってさ♪」
紬「そう?…なら憂ちゃんも入れて6人だから3人ずつに分かれてもらうことになるんだけど…良いかしら?」
唯「うん!ありがう紬ちゃん!楽しみにしてるね♪」
紬「はい♪(言えない…。本当は六部屋とれたのに無理やり二部屋にしたなんて…)」
唯&憂「あ~楽しみだなぁ…♪」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 18:02:39.89 ID:lxl6lmvp0
終業式
律「ふぃ~、二学期もやっと終わったか」
唯「ついに明日だね!あたしもう待ちきれないよ~!」
澪「あ、明日の予定だけど、早朝にバスに乗ってで長野に向かって、昼頃に着く。
それからスキーとかして、夕方にペンションの人が車で迎えに来てくれるから、それに乗ってシュプールへ…だよな?紬?」
紬「ええ、そうよ」
律「あー!楽しみだー!」
澪「ちゃんと勉強もしないとだめだぞ!」
律「はいはいわかってますよ~」
梓「・・・・・」ワクワク
さわ子「・・・(あの子たちどこか行くのかしら・・・?)」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 18:39:03.61 ID:lxl6lmvp0
旅行初日 長野県のとある雪山 正午
一同「キャッキャウフフ」
律「うっひょ~!すげえな!あたしスキーするの小学生以来だよ!」
澪「あ、あたしはしたことないから初心者コースに行くよ・・・」
律「な~にビビってんだよぉ!あたしが手取り足取り教えてやるから安心しとけ!」ニヤニヤ
澪「り、律ぅ~」ビクビク
梓「(澪先輩…可愛すぎるッ!!)」
紬「(…イイわ)」
唯「よ~し憂!上級者コース行こ!」
憂「お姉ちゃん危ないよ~!」
唯「大丈夫、大丈夫♪」スィー
憂「も~」スィー
律「・・・あの姉妹はなんであんな上手いんだ・・・」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 18:51:36.04 ID:lxl6lmvp0
…
夕方
唯「ふ~。たくさん滑ったねぇ」
憂「うん!」
梓「気分爽快です!」
澪「…結構楽しいな…」
律「だろ?・・・まあ澪はやっとボーゲン覚えれたくらいだけどな~」
澪「し、仕方ないだろ?初心者なんだから・・・」
憂「でも澪さん、上達するの早いと思いますよ?」
澪「そ、そうかな///」
紬「ふふ、みんなに楽しんでもらえてるみたいで何よりだわ♪」
・・・ビュオオオオオオオォォォ・・・
律「…なんだ?急に雲行きが怪しくなってきたな…」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 18:52:57.44 ID:lxl6lmvp0
唯「なんだか風も強くなってきたみたいだね」
憂「山の天気は変わりやすいって本当なんだ・・・」
澪「今何時くらいだろう?」
梓「えーと、ちょうど四時半ですね」
紬「・・・。そろそろ迎えの時間だし、迎えの人との待合場所へ行きましょうか♪」
一同「は~い!」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 19:16:48.61 ID:lxl6lmvp0
スキー場 駐車場
梓「紬先輩、迎えに来てくれる人ってどんな人なんですか?」
紬「私も会ったことはないんだけど、なんでもベテランの大学生で、ペンションに住み込んでアルバイトをしてる男の人らしいわ」
唯「ベテランの大学生・・・?どういう意味?」
紬「・・・」
律「!・・・唯、察しろ」
唯「?」
憂「お姉ちゃん…」
唯「??」
・・・・・・
澪「あ、なんかそれっぽい車が来たぞ」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 19:19:34.33 ID:lxl6lmvp0
紬「ああ、あれだと思うわ」
キキーッ…ガチャ
俊夫「えーっと・・・。ペンションシュプールの者ですけど、琴吹様ですか?」
紬「はいそうです♪お世話になります!」
一同「よろしくお願いしま~す」
俊夫「はいよろしく。・・・さ、寒いだろうから早いところ乗車してくれ…」
一同「は~い!」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 19:25:20.95 ID:lxl6lmvp0
・・・シュプールへの道中
俊夫「へぇ…君達音楽やってるの」
律「はい!」
俊夫「すごいなぁ…僕は芸術の方はからきしダメでね、スキーばっかしてるよ」ハハハ
澪「あはは・・・」
唯「あの!」
俊夫「?」
唯「ベテランの大学生ってなんなんですか?ず~~っと大学生してるんですか?それで大丈夫なんですか?」
憂「ちょ!」
唯「へ?」キョトン
俊夫「・・・・・・・・」
梓「あ、あはは」
俊夫「は…はは。…そ、それよりそろそろペンションに着くよ。荷物まとめておいてね・・・」
一同「…はーい」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 19:46:49.94 ID:lxl6lmvp0
ペンション・シュプール前
俊夫「ふう、着いた着いた」
澪「へ~・・・」
梓「オシャレなところですね!」
紬「うふふ♪」
俊夫「中も結構いい感じだぜ?・・・だからさっさと建物の中に入ろう。寒くって敵わないよ」
一同「は~い」
カランカラン
俊夫「ただいま戻りました~」
一同「おじゃましま~す」
小林「おお、いらっしゃい!」
紬「次郎さんお久しぶりです!」
小林「やあ、紬ちゃんか。いらっしゃい。どうぞゆっくりしていってくださいね」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 19:50:51.99 ID:lxl6lmvp0
紬「はい♪・・・じゃあみんな、とりあえず部屋にいきましょうか」
律「おう」
梓「了解です!」
澪「あ・・・」
律「?」
澪「部屋割りはどうするんだ?二部屋に分かれるんだろ?」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 19:52:09.52 ID:lxl6lmvp0
律「あ、そういえば決めてなかったな・・・」
唯「わたしはどこでもいいよ~」
梓「私もです」
憂「私もどこでもかまわないです」
紬「じゃありっちゃん決めてくれる?」
律「ん?ま、まあいいけど・・・」
律「・・・・・」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 20:07:40.61 ID:lxl6lmvp0
律「ふむ・・・じゃあ部屋割りは私と澪・梓と唯・憂・紬でいっか!」
唯「りょーかい!」
紬「じゃ、部屋に行きましょう」
・・・
【律・澪・梓】のいる部屋
律「えーと・・・これからどうする?」
澪「私は・・・ちょっと疲れたから晩御飯まで寝ててもいいか?」
律「ん、わかった。時間になったら起こしてやるよ」
澪「ありがと」フアア・・・
梓「わたしは一階の談話室に行きますね。テレビとかあったみたいですし。律先輩も行きます?」
律「・・・そうだな。澪は寝るみたいだから私もいくよ。唯達も誘おうぜ!」
梓「わかりました。じゃ、行きましょっか!」
律「おう」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 20:22:16.77 ID:lxl6lmvp0
【唯・憂・紬】のいる部屋
唯「ふう~!!ベッドやわらかーい!!」ボスッ
憂「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!そんなにベッドの上で暴れたら埃が・・・」ハックション
紬「うふふ♪」
唯「あ、そうだ。晩御飯ってまだかな?」
紬「もうすぐだと思うわ」
唯「楽しみだなー!」
コンコン
唯「?誰?」
憂「開いてますよ~」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 20:25:14.02 ID:lxl6lmvp0
ガチャ
律「よ!」
唯「あ、りっちゃん」
律「これから梓と一階行くんだけど、唯たちも行こーぜ」
唯「ん~、わかった!」
紬「私も行くわ」
憂「じゃあ私も」
律「おし。じゃあ行くぞ~」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 20:33:19.24 ID:lxl6lmvp0
談話室
テレビ「・・・今日より三日間ほど、長野近辺は近年まれに見る豪雪に見舞われてるでしょう・・・」
梓「なんかこの数日すごい雪になるみたいですね・・・」
唯「へ~」
律「明日はスキー無理かもな」
唯「え?なんで?」
律「いや、めちゃくちゃ雪降ってるから」
唯「へ~」
紬「・・・・・」
梓「夕方にペンションに来ておいてよかったですね。既に外はすごい雪ですよ」
小林「・・・」
律「だな」
小林「真理達は大丈夫かな・・・」
律「え?」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 20:44:37.61 ID:lxl6lmvp0
律「?」
紬「真理さん達、どうかしたんですか?」
小林「いや、夕食前には来るって言ってたんだけど・・・ちょっと遅れてるみたいなだね・・・」
紬「そうですか・・・」
律「お、おいムギ。真理さんって誰だ?」
紬「小林真理さん。次郎さんの姪にあたる人よ」
律「へえ。その人も今日ここに来るのか?」
紬「そう聞いてたんだけど・・・」
律「・・・外、すごい雪だな・・・」
紬「ええ・・・」
小林「・・・まああの子なら大丈夫だと思うがね・・・ちょっと遅れてから来ると思うよ」
紬「そうですね・・・」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 21:00:56.54 ID:lxl6lmvp0
・・・・・
数時間後 談話室
一同「ペチャクチャ」
小林「お待たせしました。夕食の準備が出来たので食堂へどうぞ」
律「あ、は~い」
唯「うう、お腹減ったよ~」
紬「ふふ、次郎さんはとっても料理が上手いのよ♪」
唯「あ~もう我慢できないよ~!!!」ドタドタ
憂「ちょ、お姉ちゃん待って!」パタパタ
紬「まあまあまあ♪」スタスタ
律「おい唯!抜け駆けは許さn
梓「律先輩!」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 21:06:18.90 ID:lxl6lmvp0
律「ん?」
梓「いや、先に澪先輩を起こさないと」
律「あ・・・そうだな。忘れてた。私が行くから、梓は唯達と先に食べててくれ」
梓「そうですか?わかりました。じゃあお先に」テクテク
律「・・・。はあ。世話が焼けるぜ澪のやつは・・・」
唯「おいしいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!」
律「」
律「は、早く起こしてこよ・・・」パタパタ
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 21:20:06.95 ID:lxl6lmvp0
・・・・・
律達の部屋
律「おい、澪、起きろ!ご飯だぞ!」
澪「・・・・」スヤスヤ
律「おい!起きろって!!」
澪「・・・ん~?律・・・?」ムニャムニャ
律「やっと起きたか・・・晩御飯だから起こしに来たぞ」
澪「もうそんな時間なのか・・・?」
律「ああ。もうみんな食べてるぞ」
澪「わかった・・・。じゃあ顔洗ったらすぐいくから、先に行っててくれ」
律「お、そうか?わかった」
澪「・・・」
律「じゃ、行ってるからな」
澪「ん~・・・」ムニャムニャ・・・
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 21:36:21.23 ID:lxl6lmvp0
食堂
律「すまん、遅れた!」
唯「りっちゃん遅いよ~」
律「悪い悪い・・・」
紬「りっちゃん、食べましょ?」
律「へ?」
梓「私もお腹ペコペコです!」
律「まだ食べてなかったの?」
梓「待ってました。」
律「おお、ありがと」
梓「澪先輩はどうしたんですか?」
律「ああ、先に食べててくれだとさ」
梓「そうですか」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 21:37:45.96 ID:lxl6lmvp0
憂「すいません、お姉ちゃんは先に食べてしまって・・・」
唯「だってお腹減ってて死にそうだったから~。」
唯「大丈夫だよりっちゃん。私おかわりするから一緒に食べよう!」ニコッ
律「・・・」
律「ま、まあいいや。じゃ、いただきます」
一同「いただきまーす!」
・・・・・
澪「な、なんだこれ・・・」ガクガク
・・・・・
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 22:30:23.63 ID:lxl6lmvp0
律「・・・・・」
律「うまっ!!」
唯「おいひい・・・」モグモグ
梓「ほ、本当に美味しいですね・・・」
憂「・・・・・」パクパクモグモグ
紬「でしょ?次郎さんの料理の腕は本当に凄いの~」
俊夫「ふふ、そんなに美味しそうに食べてもらえるとオーナーも喜ぶな」
律「あ、俊夫さん」
俊夫「・・・いやー、外は本当にヒドい雪だよ。真理ちゃん達大丈夫かな・・・」
梓「あの、さっきも気になったんですけど。『達』って、真理さんの他にも一緒に来る人がいるんですか?」
俊夫「ああ・・・。俺は詳しくないんだけど、彼氏と一緒らしいよ」
唯「へー」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 22:33:15.13 ID:lxl6lmvp0
律「車で来るんですよね?」
俊夫「そりゃあ、そうだろうね」
紬「真理さん・・・」
みどり「ちょっとちょっと、相手が花の女子高生だからってお喋りしすぎじゃない?仕事中でしょ?」
俊夫「あ、ああ・・・」
律「えーと・・・あなたは?」
みどり「あ、ここのアルバイトで、篠崎みどりっていいます」
俊夫「彼女も俺と一緒で、ここで住み込みで働いてるんだよ」
みどり「よろしくね~」
律「あ、はい。よろしくお願いしま~す」
みどり「ふふ♪・・・じゃ、早く仕事に戻りましょう。オーナーが困ってるわ」
俊夫「おう」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 22:59:43.63 ID:lxl6lmvp0
・・・・・・・
数分後
律「・・・はぁ~、美味しかった!」
梓「こんな美味しい料理久しぶりに食べました・・・」
唯「おかわり!!」
律「ゆ、唯・・・君、食いすぎじゃあないかい?」
唯「美味しいんだもん!しかたないよ!」
憂「お姉ちゃん・・・」
律「ったく唯は・・・。・・・・・・ん?」
田中「・・・・・・・・」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 23:02:07.42 ID:lxl6lmvp0
律「な、なんだアイツ・・・」
梓「どうしたんですか?律先輩」
律「いや、アイツ見てみろよ・・・」
梓「・・・うわ」
律「・・・や、ヤ○ザか?」
梓「ちょ!聞こえますよ!何失礼なこと言ってんですか!!」
律「で、でもな~・・・あの格好は・・・」
紬「二人共、どうかした?」
律「アレ・・・」
紬「あ・・・」
律「・・・」
紬「・・・そっとしておきましょう。関わらない方がいいわ」
律「そ、そうだな…(なんか場慣れしてる気が・・・)」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 23:05:28.79 ID:lxl6lmvp0
・・・・・・・
唯「は~!!!美味しかった!ご馳走様でした!!」ゲプ
律「お、やっと食べ終わったか」
唯「今の私はこの上なく幸せだよ~」
憂「よかったね!お姉ちゃん♪」
律「・・・さてと、じゃあそろそろ談話室にでも戻るか」
梓「そうですね」
小林「あ、君達」
一同「?」
小林「食後にデザートがあるんだが、いるかい?」
唯「で、デザート!!?」
小林「ああ。我がペンション自慢のミシシッピ・マッドケーキさ!」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/17(水) 23:08:33.92 ID:lxl6lmvp0 [34/34]
律「ミシシッピ・マッドケーキ・・・?」
みどり「すごいのよ、オーナーのミシシッピ・マッドケーキは」ジュルリ
俊夫「ああ…あれはヤバい…」ゴクリ
律「へ、へぇ…」
小林「ま、楽しみにしていてくれ」
律「はあ・・・」
唯「・・・・・!」ジュルリ
憂「よかったねお姉ちゃん!」
律「・・・・・」
梓「・・・あ」
紬「梓ちゃん、どうかした?」
梓「そういえば、澪先輩下りてきてませんね」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 00:11:43.68 ID:x0H+pUve0 [1/26]
律「あ・・・完全に忘れてた。アイツなんで来ないんだ?」
紬「まあまあ、とにかく部屋に行きましょう」
律「ああ…そうだな」
談話室
律「ったく、まだ寝てるのかな、澪」
梓「たぶんそうでしょうね」
紬「・・・あ」
澪「・・・・・・」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 00:16:54.87 ID:x0H+pUve0 [2/26]
澪「・・・・・・」
律「・・・?」
紬「澪ちゃん?」
梓「先輩、大丈夫ですか?」
律「お前、こんなところで何してるんだ?」
澪「り、律・・・この紙を見てくれ・・・」ガクガク
律「?なんだこれ?」ペラッ
こんや 12じ だれかが しぬ
律「………!?」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 00:19:59.25 ID:x0H+pUve0 [3/26]
梓「なんですか、コレ…」
澪「こ、この紙が部屋のドアの下に挟んであったんだ・・・」ガクブル
唯「どうしたのー?」
律「・・・これ」ペラッ
憂「わ・・・」
唯「…?なにこれ?」
律「さ、さあ…」
小林「ん、どうかしたかい?」
律「あ…」
紬「…こんな物が部屋のドアの下に挟んであったらしいの…」ペラッ
小林「?…。な、なんだ・・・これは・・・?」
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 17:35:28.25 ID:x0H+pUve0 [5/26]
紬「馬鹿みたいなイタズラね…」
小林「・・・」
小林「君達がやったのか?」
律「は、はぁ!?」
梓「ちょっと待ってください!なんで私達がそんなこと!」
小林「いや・・・例えばカチューシャの君なんて、イタズラとか好きそうじゃないか・・・」
律「な…」
紬「ちょっと叔父さん、失礼よ」
小林「しかしな・・・」
澪「り、律…お前なのか?」ビクビク
律「へ・・・?」
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 17:40:33.30 ID:x0H+pUve0 [6/26]
澪「…」ガクブル
律「…。(澪がビビっちゃってる…。私はこんなことしてないけど・・・澪を安心させるためにも、ここは私がやったことにしておいた方が良いか…?)」
澪「…」ビクビク
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 18:18:21.40 ID:x0H+pUve0 [7/26]
律「澪、悪いw実は私がやったんだw!」
小林「なっ…!」
紬「りっちゃん、ホントなの?」
律「ああ、すまん。ちょっと出来心でなww」
澪「な、なんだ・・・律だったのか」ホッ
律「お、なんだ安心したか?ww」
澪「う、うn…じゃなくて!!お前は何しょうもないことしてるんだ!」ボコッ
律「いだっ!」
澪「ったく・・・(律のイタズラでよかった…)」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 18:21:04.11 ID:x0H+pUve0 [8/26]
梓「ホント、律先輩は子供っぽすぎますね…」
律「な、なにをー!生意気な!」
梓「なんですか?私はただ事実を言ったまでです!」
律「うるせー!お前だって見た目は小学生みたいだろ!」
梓「なっ…!」
憂「まあまあ…」
一同「ワイワイキャッキャ」
小林「・・・」
紬「叔父さん、ごめんなさい。私の友達が…その…」
小林「あ、ああ…いや、良いんだよ。正直に言い出してくれたしね。気にしないでくれたまえ」
紬「ありがとう…」
一同「ワイワイキャッキャ!」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 18:24:38.92 ID:x0H+pUve0 [9/26]
律「…あれ、そういえば唯は?」
梓「ああ、唯先輩なら…そこのソファで寝てますよ」
唯「…」スヤスヤ
律「…食べたらすぐ寝るのか…」
憂「デザートが来たら起きると思います♪」
唯「デザート!!?」ガバッ
律「・・・・」
カランカラン
香山「こんばんはー!!」
小林「ああ、香山さん。遅かったですね」
香山「いやー、迷ってもてな!すまんすまん!」ナハハ
春子「…」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 18:34:07.12 ID:x0H+pUve0 [11/26]
小林「夕食の準備は出来てますが、いかがなさいますか?」
香山「んー、ほな食べさしてもらおかな!春子、それでええな?」
春子「はい…」
小林「じゃあ部屋に荷物を置いたら、食堂にいらしてくださいね」
香山「おっしゃ」すたすた
春子「…」すたすた
律「…他のお客さんも来たみたいだな」
梓「関西の人ですかね?」
澪「私生で聞いたの初めてだよ、関西弁」
唯「…ん~…」ムニャムニャ
憂「お姉ちゃんまた寝ちゃった…かわいい…」ニヘラ
律「唯のやつ、そんなに寝てて夜寝られるのか?」
梓「さあ・・・」
176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 18:38:42.37 ID:x0H+pUve0 [12/26]
プルルルルル
プルルルルル
小林「はい、ペンションシュプールですが」ガチャ
律「あ、電話あんなところにあったんだ」
澪「みたいだな」
小林「はい…はい…ミキモト様ですね?はい…かしこまりました。お待ちしてます。…では」ガチャ
小林「んー…」
律「なんだろ」
梓「誰かお客さんが電話してきたみたいですね」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 18:40:17.78 ID:x0H+pUve0 [13/26]
小林「・・・・・」
小林「…あ、君達。ケーキはもうちょっと時間かかりそうだから、とりあえず紅
茶はどうだい?」
唯「こ、紅茶!!?」ガバッ
憂「お姉ちゃん!!」
律「あ、あたし頂きます」
紬「私も」
梓「私もお願いします」
澪「わ、私も」
小林「了解。みんなだね?ちょっと待ってね…」
・・・・・
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 19:18:18.82 ID:x0H+pUve0 [14/26]
数分後 談話室
小林「どうかな?私のいれた紅茶は」
律「すごく、あったまります!」
澪「美味しい…」
唯「うん!とっても美味しいよ!」
憂「よかったねお姉ちゃん!」
紬「うふふ♪」
梓「そういえば、外の雪がまた強くなったような…」
小林「そうだね…」
一同「・・・」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 19:21:11.40 ID:x0H+pUve0 [15/26]
香山「ふう~。料理美味しかった!!なあ、春子!」
春子「はい・・・とっても・・・」
香山「ん?」
律「は~・・・あったまる」ズズズ・・・
香山「なんや!みんなでえーもん飲んどるんかいな!わしらもまぜてや!」
小林「あ、香山さん達もいりますか?」
香山「んー、わしはお酒がええな。あればでいいけど」
小林「もちろんありますよ。ビールでいいですか?」
香山「おう、ありがと!春子は紅茶でええな?」
春子「はい…」
・・・・・
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 19:24:39.00 ID:x0H+pUve0 [16/26]
小林「どうぞ、ビールです」
香山「お、ありがと!」
香山「お姉ちゃんら、ワシら二人も一緒に飲んでもええか?」
律「あ、どうぞどうぞ!」
香山「あんがと。……ほな一杯」プシュッ
香山「・・・」グビグビ
香山「・・・」グビグビ
香山「くわ~っ!!寒い季節に暖かい部屋で冷たいビールを飲む!」プハァ!!
香山「・・・・・最高の贅沢とは、こういうことやで!!」
梓「!?」ピクッ
香山「なあ春子!そやな!」
春子「はい…そうでs
梓「いや、それは違いますね」
香山「・・・あん?」
186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 20:04:53.60 ID:x0H+pUve0 [17/26]
梓「最高の贅沢とは…例えば、暑い暑い夏の昼間に、ガンガンにクーラーを効かせた部屋の中でおでんを食べることです!」
香山「な…」
律「(どう違うんだよ…)」
香山「いや、違うな。真の最高の贅沢とは、南極極でストーブを…」
梓「いやいや赤道直下で冷凍庫に入って…」
澪「…どうでもいいな」
梓・香山「何ぃ!?」ギロッ
澪「ひいっ!」ビクッ
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:15:06.78 ID:x0H+pUve0 [18/26]
・・・・・・・
・・・ブウウウウゥゥゥゥーーン・・・・
・・・・・
律「ん、また誰か来たみたいだな」
紬「真理さんかしら・・・」
梓「さっき電話してきた人じゃないですかね?」
カランカラン
美樹本「すいませーん!!先ほど電話した美樹本ですがー!!」
小林「ああ、ミキモト様、お待ちしておりました」
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:18:46.93 ID:x0H+pUve0 [19/26]
美樹本「いやーすいません。迷ってしまってw」
小林「食事の時間は終わってしまいましたが、おにぎりなどの簡単な物なら今からお作りしますが、どうなさいますか?」
美樹本「んー…」
唯「おいひー…」ぐびぐび
美樹本「僕も紅茶が飲みたいかな。なにせ凍えてしまってるので…」
小林「かしこまりました」
美樹本「じゃあ先に荷物置いてきます」スタスタ
澪「また人が来たな」
律「ヒゲはやしてるし…」
梓「なんだか山男って感じですね~」
律「だな」
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:20:21.51 ID:x0H+pUve0 [20/26]
唯「・・・・・・」
唯「…あれ?」
憂「?お姉ちゃん、どうかしたの?」
唯「なんか…。…いや、なんでもない。うん」
憂「…?そう…?」
唯「うん」
・・・・・・・
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:25:14.05 ID:x0H+pUve0 [21/26]
・・・・・・・
小林「はい、どうぞ」
美樹本「ああ…どうも」
美樹本「…」ゴクゴク
美樹本「…はぁ。生き返る…」
律「…」
美樹本「やあ。僕は美樹本洋介。フリーのカメラマンをやってます」ニコッ
律「あ…どうも…」
澪「は、はじめまして…」
美樹本「はじめまして」ニコッ
梓「あの、フリーのカメラマン…って、どんなものを撮るんですか?」
美樹本「うーん…。色々あるから一言では言えないなあ…。あ、そうだ。ヌードとかも撮るよ!」
梓「ぬ、ぬーど!?///」
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:31:41.85 ID:x0H+pUve0 [22/26]
澪「…///」
唯「ぬーどって何?カップラーメン?」
憂「お姉ちゃん・・・」
香山「…ええなあそれ」ニヤニヤ
美樹本「君達みんな、可愛いし、一枚どうだい?」ニヤ
澪「ええええ!?」
梓「そ、そんな…///」
美樹本「みんな今は若いからいいかも知れないが…人は必ず老いるからね。今の美しい姿を残しておくのもいいと思うよ?」
律「・・・へ、へえ(何このおっさん)」
美樹本「どうだい?今からでも撮ってもあげるけd
紬「結構です!!!」ギロッ
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:39:57.85 ID:x0H+pUve0 [23/26]
美樹本「おや、そうかい?」
美樹本「そんな目くじら立てるほどのことじゃあないと思うけどなあ・・・」
紬「結構です!!!!!!」
澪「む、ムギ…」
紬「お断りします!!(みんなの体は私の物!)」
美樹本「そりゃ残念…。ま、軽い状態だから気にしないでね。ハハハ」ニコッ
澪「は、はい…(…///)」
律「・・・・・」
小林「・・・」
小林「人も増えてきたし、私達も入れてみんなでお茶にしようか。篠崎くん。今日子と俊夫君を呼んできてくれ。二人とも厨房にいるだろうから」
みどり「わかりました。・・・あ、オーナー」
小林「?」
みどり「あの人・・・田中さんはどうしたらいいですか?」
197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:45:06.58 ID:x0H+pUve0 [24/26]
小林「あー・・・」
・・・
律「なあ、田中さんて誰だ?」
梓「たしか・・・あのヤク○みたいな人ですよ。名簿に名前書いてありましたから。田中一郎さんです」
律「ああ、あの人か。今日子さんってのは小林さんの奥さんでいいんだよな?ムギ?」
紬「そうよ」
・・・
小林「いやなら無理に声をかけたりしなくていいよ。人付き合いが好きそうなタイプにも見えなかったし」
みどり「そうですか・・・」ホッ
みどり「じゃあ二人を呼んできますね」
小林「ああ」
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 21:54:03.64 ID:x0H+pUve0 [25/26]
律「小林さん」
小林「ん?なんだい?」
律「これでお客さんはみんなそろったんですか?」
小林「ああ。・・・・・あ、いや、後は真理達がまだだね」
律「あ・・・すいません」
小林「いや・・・まあ二人だし、車だから。大丈夫だろう」ニコッ
美樹本「え?まだ来てないお客さんがいるんですか?」
小林「え、ええ。まあ・・・」
美樹本「へえ~・・・。・・・・・・・・・・」
梓「どうかしたんですか?」
美樹本「いや・・・。僕も吹雪の中を来たからね。大丈夫かなと思って」
梓「あ、そうでしたね」
美樹本「心配だなあ」
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/18(木) 23:58:49.24 ID:x0H+pUve0 [26/26]
みどり「オーナー、呼んできましたよ」
小林「ん」
今日子「はい、紅茶のおかわりもって来ましたよ~」
小林「おお、ありがとう」
唯「おかわり!?やった~!」
憂「よかったねお姉ちゃん!」
小林「ん?俊夫君は?」
みどり「なんか、見たいテレビがあるらしくって・・・自分の部屋にこもっちゃいました」
小林「そうか・・・。なら仕方ないな。我々だけで乾杯することにしよう。じゃあ紅茶とお酒ですが・・・乾杯!」
一同「カンパーイ!!」
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 00:03:30.70 ID:YW57NE2a0 [1/25]
香山「・・・な、お姉ちゃんらもちょっとどや?お酒!」ニヤ
律「お、いいね~!」
澪「だ、だめだろ律!!私達はまだ未成年で・・・」
律「わかってるよ~・・・・ノリの悪いやつだなあ」
香山「そやで!若いんやから、瞬間瞬間を生きなアカンで!」
澪「え・・・いや・・・」
春子「ちょっとあなた・・・迷惑ですよ・・・」
小林「春子さんの言うとおりです。未成年にお酒を勧めたりしないでくださいよ…」
香山「なんや~・・・みんなそんなカタいこと言わんt
澪「あっ・・・」
・・・・・・
ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…
・・・・・・
梓「あ…もう九時ですか・・・」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 00:53:23.05 ID:YW57NE2a0 [2/25]
澪「ほんとだ。おしゃべりしてる間に結構時間が過ぎてたんだな」
香山「なんや、もうそんな時間かいな」
唯「あ」
憂「?どうしたのお姉ちゃん?」
唯「そういえば12時だったよね?りっちゃんの予告状の時間」
澪「お、おい唯!」
唯「へ?」
香山「は?なんや?それ」
澪「あ、いや・・・」
美樹本「なんなんだい?僕も気になるな」
小林「いや・・・なんでもないですよ」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 00:54:38.90 ID:YW57NE2a0 [3/25]
香山「はあ?なんやそれ」
唯「なんか~ こんや 12じ だれかが しn
律「わ~~~~!!!!!おい、唯!変な誤解を招くから余計なことは言うな!!」
梓「そうですよ唯先輩!」
憂「お姉ちゃん・・・」
唯「え~だって~」
律「ったく・・・」
紬「 こんや 12じ だれかが しぬ 」
律「へ?」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 01:04:44.25 ID:YW57NE2a0 [4/25]
香山「・・・?」
美樹本「今夜12時誰かが死ぬ・・・?」
律「お、おいムギ。何言ってんだよ!」
紬「・・・。だって・・・あれ、りっちゃんがやったんじゃないでしょ?」
澪「え?」
律「・・・」
紬「りっちゃんは悪戯好きだけど、こんな悪質なことはしないわ。やってもないことで友達が悪く言われるなんて、私嫌よ・・・」
律「・・・」
澪「え?え?」
216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 01:18:05.37 ID:YW57NE2a0 [5/25]
唯「なんだ~。りっちゃんじゃなかったんだ。なんかそんな気はしてたよ!」
澪「え?律じゃないのか?え?え?」
律「すまん・・・。澪がビビってたからつい・・・」
紬「あたしこそ御免なさい・・・」
澪「ええ~・・・・・・」
小林「・・・・・」
美樹本「へえ、そんなものが見つかってたんですか・・・。興味深いですね」
小林「面白いって・・・。うちはいい迷惑なんですよ。こんな悪戯・・・」
律「・・・(ほんと、一体だれがこんなことを・・・)」
香山「まままま、そんなモンほっといたらええやんか!飲も飲も!!」
今日子「そうよ。あんなの、気にしないほうがいいわ」
小林「・・・はあ。わかりました。じゃあ、紅茶に合うお菓子と酒のつまみを持ってきます」スタスタ
香山「おっいいね~!!」
春子「あなた・・・あんまり飲み過ぎないように・・・」
香山「わかっとるわかっとるwwww」
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 01:34:30.43 ID:YW57NE2a0 [6/25]
唯「やった~!!お菓子!!」ワクワク
憂「よかったねおねえちゃん!」
梓「あれ、唯先輩。なんか目がちょっと腫れてません?」
紬「あ、ほんとだわ」
唯「あ~・・・。ちょっと寝過ぎちゃったみたい!」アハハノハ
律「おいおい・・・夜寝れないと明日困るぞ~?w」
梓「そうですよ!明日はちゃんと勉強しないと・・・」
唯「え~、大丈夫大丈
ガッシャーン!!!!!!!!!!
一同「!!?」
219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 01:49:11.57 ID:YW57NE2a0 [7/25]
澪「ひっ!!!?」ビクッ
梓「な、なんですか今の音・・・」
律「さ、さあ・・・」
紬「ガラスか何かが割れる音だったわよね?」
唯「音は二階からだと思うよ!たぶん!」
美樹本「さてはどっかの窓でも割れたかな?」
ドタドタッ
小林「みなさん!今何か割れる音がしましたが!?怪我は!?」
みどり「いや、ここじゃないですよ。二階だと思います」
小林「となると・・・客室か。篠崎君、俊夫君を呼んできてくれ。みんなで二階を見よう」
みどり「わかりました!」パタパタ・・・
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 02:11:18.84 ID:YW57NE2a0 [8/25]
・・・・・・・
スタスタスタ
俊夫「あの・・・なんなんですか?」
小林「え?今さっきの音聞こえなかったのかい?」
俊夫「そんな音しましたかね?まあテレビ見てたからかも知れないですけど」
小林「まあいい。音は二階からだ。たぶん客室の窓に、今日の強い風で飛んできた何かがぶつかったんだろう」
俊夫「はあ…。わかりました」
小林「よし。…皆さんの部屋を一つ一つ見ていきますので、皆さんもついて来て下さい」スタスタ
澪「…」
・・・・・・・
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 17:02:34.84 ID:YW57NE2a0 [9/25]
・・・・・・・
二階廊下
スタスタ
律「ウチの部屋じゃないだろうな・・・」
梓「さあ・・・」
澪「・・・・・・・・・」
小林「えーと、じゃあ香山さんの部屋からでよろしいですか?窓が割れていないか確認するだけですので」
香山「おう。ちゃっちゃとやってまお!」
美樹本「あの…」
小林「?なんですか美樹本さん?」
美樹本「窓が割れていないか確認するだけなら、各々が自分の部屋を見るだけでいいんじゃないですか?その…。今は部屋が散らかってるのでちょっと…」
小林「ああ…そうですね。わかりました。じゃあみなさん各自で確認をお願いします」
美樹本「…」
・・・・・・・・
243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 17:05:08.03 ID:YW57NE2a0 [10/25]
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
小林「…ふむ。誰の部屋の窓も割れてないようですね…」
みどり「ですね」
香山「でも、音は確かにしたで?」
小林「うーん・・・」
梓「あ、あの」
小林「うん?」
梓「あの田中って人の部屋は?あの人もここにいるんですよね?」
小林「あ…。そういえば調べてなかったな…そこの突き当りの部屋だ。調べてない場所はもうあそこしか残っていない」
俊夫「なんだ。じゃあさっさと調べましょうよ」
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 18:42:24.27 ID:YW57NE2a0 [11/25]
みどり「変ね。窓が割れたりしたら寒くて部屋になんかいられないでしょうに…」
小林「まあ変わったお客さんだからな…気づかずに寝てるってこともあるかもしれない」
俊夫「まあみてみましょうよ。ここでじっとしてても埒が明かない」」
小林「ああ」
・・・・・
律「あのおっさん、部屋の窓が割れても寝てるのかよ・・・」
梓「そういえば」
律「ん?」
250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 18:43:40.58 ID:YW57NE2a0 [12/25]
梓「例の脅迫状…あの○クザが書いたのかもしれませんね」
律「はあ?どういう意味だ?」
梓「それはよくわかりませんけど…何か自作自演で因縁つけて、脅迫でもするつもりなんじゃないですか?」
律「・・・。お前、昼ドラの見すぎだよ」
梓「冗談ですよ。先輩」ナハハ
律「お前な~・・・」
澪「・・・」
紬「脅迫状…か」
・・・・・
小林「田中様~!」コンコン!
251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 18:50:15.10 ID:YW57NE2a0 [13/25]
小林「田中様~!!いらっしゃいませんか~?」コンコン!
・・・・シーン・・・・・・
小林「・・・。反応ないな」
小林「すいません。失礼します・・・。・・・・・」ガチャガチャ
小林「…。鍵がかかってる。やっぱり中にいるのか?」
俊夫「オーナー、部屋の中から風の音が聞こえます。きっとこの部屋ですよ。反応ないんだからマスターキーでとっとと開けましょう。こっちが凍えちまう」
小林「あ、ああ・・・。そうだな。しかたない・・・。・・・・・・・・。失礼します」ガチャ!
ビュヲオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォオオオオ!!!!!
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 19:07:22.44 ID:YW57NE2a0 [14/25]
小林「やっぱり窓が割れてるな・・・」
律「寒っ!」ブルブル
小林「お客様!田中様~?いらっしゃいませんか!!」
…ビュオオオオオオオォォォォ…
俊夫「いないみたいですね」
小林「…。外出中のようだな」
俊夫「何言ってんですか。この吹雪で」
小林「…言ってみただけだ」
唯「窓から出たんじゃないかな?」
律「はあ?なんで?」
唯「いや、なんとなく言ってみただけ」
律「はあ…?」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 19:14:10.78 ID:YW57NE2a0 [15/25]
梓「…。あの、早く窓を直さなくていいんですか?私寒くて寒くて」
小林「あ、ああ、わかってる…」
小林「…」スタスタ
小林「ったく、部屋がすっかり雪にさらされてしまっ・・・。・・・・・・・・・。な、なんだこりゃ」
紬「?どうしたの、おじさん?」スタスタ
小林「・・・・・・・」
紬「ねえ、どうしt…。!・・・・・・・・・・。」
俊夫「…オーナー?どうしたんですか?」
小林「なんてこった……こりゃあ…こりゃあ………死体だ。…人間の死体だ!!!」
律「は…?」
・・・・・・・・・・・
256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 19:43:26.17 ID:YW57NE2a0 [16/25]
・・・・・・・・・・・・・
十分後 ペンション一階 談話室
一同「・・・・・・・・」
みどり「…ねえ。そろそろ何があったのか教えてくれない?みんな黙りこくっちゃって、何がなんだかわからないわ」
小林「・・・・・・・・・」
みどり「ねえ、誰か…
律「し、死んでたんですよ。田中さんが」ガクガク
みどり「・・・・・・・。はあ?あなたたちも部屋で何か見たの?」
律「私と梓と唯が…」
みどり「へえ。で…なんだって?今変なことを聞いた気がするんだけど」
律「あの部屋で…田中さんが…ば、ば、バラバラにされてて・・・」ウプッ
みどり「バラバラって…それどういうこと?」
梓「だから、殺されてるんですよ!!首も、手も、足も!!みんな切り離されて転がってるんです!!」
みどり「なっ…
澪「いやあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 20:49:06.29 ID:YW57NE2a0 [17/25]
紬「み、澪ちゃん!落ち着いて!」
澪「だ、だって人が死んでたって…」ガクガク
紬「…」
梓「…(気持ち悪い…)」ウプッ
律「…」ブルブル
澪「やっぱり脅迫状が…」ブルブル
みどり「…ねえ。それって、本当に田中さんなんですか?人形とかじゃなくて?」
小林「そう…だろう。顔色がぜんぜん違うからはっきりとはいえないが…たぶんそうだと思う。いくらなんでも死体と人形を間違えたりはしないよ」
みどり「そんな…」
香山「なんや?さっきから田中、田中って…誰のこと?」
美樹本「あ、僕もその人知らないんですが…」
小林「あ…香山さん達が来たときには彼は部屋に籠もってましたから会ってないんですね。今夜の宿泊客の中にいた人です」
香山「ふぅん」
263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 20:51:55.66 ID:YW57NE2a0 [18/25]
澪「やっぱりあの脅迫状は本当だったんだ・・・・!!私、帰りたい!!」
律「み、澪落ち着けよ!あたしだって怖いの我慢してんだ・・・!」ガクガク
澪「やだっ!!怖いよ!!」
憂「ちょ、ちょっとみなさん落ち着いて・・・」
紬「そうよ。みんな、ちょっと落ち着きましょう…」
一同「・・・・・」
美樹本「・・・そうだ、こんな話を聞いたことがあるんだ・・・」
梓「?なんですか…?」
美樹本「………かまいたち、さ」
唯「かまいたち?」
266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 21:15:26.59 ID:YW57NE2a0 [19/25]
美樹本「ああ。知ってる人もいるんじゃないかな?このあたりでは昔から、こんな荒れた気候の日に、何もないところで突然服が切れたり、
場合によっては怪我をしたりすることが知られていたんだ。地元の人たちはその現象のを鎌を持ったイタチのような生き物の仕業だと考えて『かまいたち』と呼んだ」
一同「・・・・・・」
俊夫「…は、馬鹿馬鹿しい。その『かまいたち』とやらのせいで田中さんがバラバラにされたとでも言いたいんですか?」
美樹本「・・・」
梓「というか『かまいたち』って自然現象通称じゃないんですか?真空状態がどうとか・・・」
美樹本「いや、僕も妖怪の仕業とか言うつもりはない。だがこんな…めったにないくらい荒れた気候だ。人間一人を飲み込んでしまうような恐ろしい真空の空間ができても不思議じゃない・・・そう言いたいだけさ」
一同「・・・・・・」
澪「や、やっぱり・・・あの脅迫状がっ!!」ガタッ
律「澪・・・?」
澪「やっぱり田中さんは脅迫状を出したやつに殺されたんだ!!そしてその脅迫状は私達の部屋にあった!!次に狙われるのはあたしだ!!」
律「おい!澪!!」
澪「だ、だって・・・!」ブルブル
香山「まあまあ、みんな落ち着こうや。その脅迫状のことやないが・・・実際に人が死んどる。とりあえず、警察に連絡するんがええんちゃうかな?」
一同「!!」
273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 21:35:53.43 ID:YW57NE2a0 [20/25]
律「そうだ!警察だよ!!」
美樹本「そういえば・・・すっかり忘れてましたね。なんで気づかなかったんだろう」
澪「警…察…」
香山「そや、犯罪に出くわしたら警察に連絡が一番や。これでお姉ちゃんも安心ちゃうかな?」ニコッ
澪「は、はい…!」ホッ
梓「えーと、誰が連絡するんですか?私携帯持ってますけど」
小林「ああ、いいよ。ペンションの電話で連絡するから。…それにここは携帯つながらないしね」
梓「え?」
小林「ほんと困ってるんだけどね…。まあいい。じゃあ110番してくるよ」スタスタ
律「ここ、携帯つながらないのか・・・」
憂「でも、ここに来る途中の車の中ではまだアンテナ立ってましたよ」
律「へえ・・・そうか。まあ、これで一安心だな」
小林「えーと・・・」ポチポチ・・・
275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 21:46:07.07 ID:YW57NE2a0 [21/25]
小林「・・・・あれ?・・・・・。・・・・・・・・」
小林「だめだ、何も音が聞こえない」
澪「ええええ!?」
香山「な、なんやて!?そら困るで!!」ガタッ
小林「たぶん・・・どこかで電話線が切れたんだと思います・・・」
紬「そんな・・・!」
みどり「ど、どうするんですかオーナー・・・」
小林「・・・困ったとしか・・・」
香山「あ!そや!大丈夫や!」ナハハ
一同「…?」
276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 21:47:59.92 ID:YW57NE2a0 [22/25]
香山「わし、携帯持っとるねん。あれ使ったらええわ!な、春子!」ニコッ
春子「・・・・・」
梓「いや…だめですよ。ここ、携帯つながらないらしいですから…」
香山「え?わしのはア○フォンやで?それでも?」
梓「…はい。私もアイ○ォンですから…」
香山「そ、そんなアホな…。そんならどないしたらええねん…。人殺しがここらをうろついとるっていうのに…」
一同「・・・・・・・・」
澪「ど、どうするんだよ。これ、私達はこのペンションに閉じ込められたってことじゃないのか!?」ガクガク
律「・・・・・」
277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 22:02:02.28 ID:YW57NE2a0 [23/25]
憂「あの…この山をこれから下山することは出来ないんですか?」
俊夫「無理だろ…。今日は美樹本さんと香山さん達が遅れてきたけど、それだって実際は奇跡みたいなもんだからな
歩いて降りたらもちろんすぐに凍死。車だったら運がよくても立ち往生…最悪沢に転落しかねない。真理ちゃんたちも今日はあきらめてスキー場ででも夜を明かすつもりだろうしな」
憂「じゃあ…仮に『犯人』がいたとしたら、このペンションの中に隠れようとするんじゃないでしょうか?…ちょっとそれが気になって」
一同「・・・!!」
小林「・・・おいおい」
小林「なら、その人殺しはまだこのペンションの中にいるってことかい?」
憂「・・・・・」
俊夫「冗談じゃないぞ!」
美樹本「・・・ですね。少しでも人殺しがいる可能性があるなら安心できない。なんとかしないと」
小林「なんとかって・・・たとえば?」
278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 22:14:16.62 ID:YW57NE2a0 [24/25]
美樹本「うーん・・・。・・・みんなでこの建物の中を探し回って、そいつを捕まえる、とか?」
香山「ちょ!ちょっと待ってや!」
美樹本「何か?」
香山「人を殺すだけだは飽き足らず、その死体をバラバラにするような怖いヤツやで?
無理に動いて下手こくよりもここでみんなでかたまってたほうがええんちゃうか?」
美樹本「それは・・・」
俊夫「香山さんの意見にも無理がありますよ。ちょっとうたた寝してる間に皆殺しにされるかもしれない」
澪「ひっ・・・!」ガクブル
紬「いや、犯人だってそんなリスクの高い行動にはでないんじゃないかしら。戸締りさえきちっとしておけば・・・」
美樹本「戸締りったって・・・さっきも意見が出たが、もう既にこの建物の中に犯人が入り込んでる可能性だって高いんだ」
小林「しかし本当にそんなことが・・・」
美樹本「現に人が一人死んでるんだ。犯人がどこかから入ったってことじゃないですか。今もいても何も不思議じゃない」
一同「・・・・・・・」
283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/19(金) 23:07:27.60 ID:YW57NE2a0 [25/25]
みどり「…そうだ。田中さんの部屋、窓が割れましたんですよね?なら…犯人はその窓から入ってきたんじゃないですか?裏手はあんまり除雪もされてないから二階といってもそんなに難しい話じゃないんじゃないかしら」
小林「・・・。なら、そいつはまたその窓から逃げたんじゃないかな。だってドアの鍵はかかったままだったし」
美樹本「…そんなことはどうにでもなりますよ。ここのドアは押しボタン式だ。部屋に入ってきたのは窓でも、ボタンを押した状態でドアを閉めれば、鍵をかけた状態で廊下に出られる。
その後は二回の空き部屋でも掃除用具箱にでも隠れて、僕達が二階に行っている間に下に降りてくればいい」
小林「…」
梓「じゃあ…とりあえず武器になるようなものでも持っておいたほうがいいんですかね…?」
律「ぶ、武器?そんな物騒な…」
美樹本「いや・・・それはそうだろうね。いざというときのためだよ」
律「そう・・・ですね・・・」
澪「もう…やだ…」
紬「澪ちゃん…」
小林「・・・・・・。じゃあ、なにか使えるものがないか、探してきます」スタスタ
今日子「あ、私も行くわ・・・一人だと危ないし・・・」パタパタ
一同「・・・・・・」
290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 02:10:50.01 ID:r77kmmBZ0 [1/22]
・・・・・・・・
小林「うーん・・・こんなものしかないな・・・。スキーのストック、モップの柄、果物ナイフ・・・」
香山「なんや・・・そんな装備じゃ頼りないで」
小林「まあ包丁なんかもありますけど、そんなもの持ってたら帰って危ないと思いまして」
香山「まあ…そやな」
美樹本「えーと、何人かでチームを組んで、しらみつぶしに調べましょう。ベッドの下、クローゼットの中、風呂の浴槽の中・・・。どこにいるかわかりません」
俊夫「わかった」
美樹本「男は我々四人だけですが・・・仕方ないですね。女性陣はここで待機ということで」
今日子「わかりました・・・」
香山「な、なんや。わしも捜索組かいな…?」
俊夫「アンタは男なんだからあたりまえでしょうが」
香山「ちっ………年寄りは丁重に扱うモンやで…ホンマ…」
唯「がんばれ~」
澪「……………」
291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 02:11:44.02 ID:r77kmmBZ0 [2/22]
俊夫「…で、どこから調べるんだ?一階なら食堂やら俺達従業員の部屋、乾燥室なんかがあるが」
美樹本「じゃあとりあえず一階からいきましょうか。…ちょっと怖いですが」
俊夫「わかった。まあストックもあるし…」
小林「…」
香山「あ~、いややなあ」
俊夫「よし、じゃあ行くぞ」スタスタ
・・・・・・・・・・・
292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 02:15:17.97 ID:r77kmmBZ0 [3/22]
・・・・・・・・・・・
小林「ふう…」スタスタ
律「あ、戻ってきた」
みどり「どうでした?」
小林「なにもいなかったよ」
俊夫「何かいるかもと思うと、必要以上に神経を使っちまって疲れるな…」
美樹本「次は二階です…。頑張りましょう」スタスタ
香山「おう。まかしとき!わしはこう見えてもな、高校時代は柔道やっとったんや。
もし犯人が出てきよったら、一本背負いから押さえ込んで、ぐうの音も出んようにしたるわ!!」ナハハハ
俊夫「ちっ…」
一同「・・・・・・・」
小林「さ、行こう…」スタスタ
・・・・・・・・・・
293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 02:19:12.14 ID:r77kmmBZ0 [4/22]
・・・・・・・・・・
美樹本「・・・・・・・・」スタスタ
今日子「あ、どうでしたか?」
俊夫「なんにもいませんでしたよ。まあジェニーがいたくらいですね」
唯「じぇにー?」
俊夫「ああ…猫の名前だよ。ウチで飼ってるんだ。
さっきからいないと思ってたら、掃除用具入れの中にいたんだ」
小林「あれはびっくりした…」
みどり「なんだか緊張して損しちゃった気分だわ。…まあ異常な状況なのに変わりはないけど」
美樹本「うーん、予想が外れたみたいだなあ」
小林「まあ、得体の知れないヤツがこのペンションの中に隠れていないとわかっただけでもいいじゃないか」
梓「あの・・・ほかには部屋はないんですか?」
小林「うーん…。一応ワイン蔵があるけど…あそこは鍵がかかってるからね。
客室のような押しボタン式じゃなくて、ちゃんとした錠前の物が」
梓「そうですか…」
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 17:02:05.60 ID:r77kmmBZ0 [5/22]
今日子「…私、コーヒーでもいれてくるわ。みんなで一息いれましょう」
小林「おお、そうだな。頼むよ」
憂「あ、私手伝います!」
今日子「ありがとう。じゃ、行きましょっか」スタスタ
俊夫「…オーナー。あの田中さんの部屋はどうするんですか?窓は割れたままだから雪にさらされっぱなしですけど」
小林「んー…。あのままにしとくしかないんじゃないかな。警察を呼べない以上、下手に現場を荒らさないほうがいいと思うし」
俊夫「そっすか…」
紬「…結局、犯人は外に逃げたってことになるのかしら」
律「まあ…そうなるんじゃないか?」
澪「よかった…。いや、よくはないんだろうけど…」
小林「まあ、また入ってきたりすることがないように戸締りはきちっとしておかないとな」
律「そう…ですね」
313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 17:28:36.26 ID:r77kmmBZ0 [6/22]
・・・
今日子「はい、コーヒーよ」コトッ
澪「あ、ありがとうございます」
憂「お姉ちゃんには紅茶を入れなおしてきたよ♪」
唯「憂、ありがとー!!」
梓「………………」
唯「?どうしたのあずにゃん」
梓「あ、いや…。(…そういえば私達はさっきから、田中さんを殺した人物は外部からの侵入者だと決め付けた上で行動してる)」
梓「…」
梓「(でも本当にそれでいいんだろうか?………内部犯の可能性だって十分にある。
というかむしろそう考えたほうがしっくりとくるような…)」
314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 17:29:43.20 ID:r77kmmBZ0 [7/22]
梓「(だいたい、外から入ってきた犯人がペンションの人間に見つからないように
バラバラ殺人を成し遂げるなんていくらなんでも無理があるように思える)」
梓「(犯人はずっと前からペンションの中にいて、時間をかけて田中さんの体を切断したと考えるのが一番自然…)」
梓「・・・・・おえっ」
紬「梓ちゃん?どうかした?」
梓「あ・・・いえ・・」ウプッ
紬「?そう…」
梓「…」
317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 17:37:07.42 ID:r77kmmBZ0 [8/22]
梓「…(それとも、ほかに何か方法があるんだろうか…。窓が割れる音がしてから、
私達があの部屋に駆けつけるまでの短い間に死体を処理するなんて方法が・・・)」
梓「…」
梓「(もしかしたら、バナナの手品を応用して…)」
梓「……」
梓「(いや、部屋自体に仕掛けがあって…)」
梓「………」
梓「(だ、駄目だ。さっぱりわからない…)」
梓「…」
梓「(いや…。………。そうだ!)」
梓「(あの時…ガラスの割れる音がした時だ…。あの瞬間、みんなの前にいなかった人物が二人いた!!)」
319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 17:56:23.38 ID:r77kmmBZ0 [9/22]
…
俊夫「…」ズズス・・・
梓「(まず、今私の目の前で美味しそうにコーヒーを飲んでいる男…俊夫さん。あの時はテレビを見てるとかで、談話室に姿を来ようとしなかった)」
梓「…」
小林「これからどうしましょうか…」
梓「(そして…偶然厨房にお菓子を取りに行っていて、談話室にいなかった小林さん…)」
梓「・・・・・・・・・」
俊夫「ん?どうした?」チラッ
320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 17:58:33.57 ID:r77kmmBZ0 [10/22]
梓「あ、いえ…」
唯「あずにゃんコーヒーに入れる砂糖が欲しいんだよね!俊夫さんの前にあるやつ!」
梓「へっ?………あ。…はい…」
俊夫「ああ、ごめんごめん。ほらよ」ヒョイッ
梓「…。どうも」
唯「も~、あずにゃんはお子様だなあ」
梓「先輩だって牛乳たっぷりの紅茶じゃないですか…」
美樹本「・・・。そうだ、今から外を捜索しに行きませんか?」
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 18:37:09.99 ID:r77kmmBZ0 [11/22]
一同「!?」
香山「はあ…?あんたはいきなり何を言い出すねん」
美樹本「いや、やっぱり犯人は近くに潜んでいるような気がするんです。それに何か痕跡が残っているかもしれないですよ。犯人の足跡とかタイヤの跡とか…」
澪「こ、怖い…」
俊夫「おいおい、そんなの仮にあったとしてもこの雪でとっくに消えてるよ」
美樹本「それは…そうですが…」
小林「私は賛成だ。殺人犯がここに戻ってくるかもしれないのに、何もしないで待っているというわけにもいかないじゃないか」
俊夫「オーナー…」
香山「ふん…」
俊夫「オーナー…。…わかりました。行きましょう」
美樹本「はい」
澪「怖い…」
梓「…」
梓「わ、私も行きます!」
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 18:47:55.89 ID:r77kmmBZ0 [12/22]
美樹本「へ?」
憂「あ、梓ちゃん!?」
梓「男の人ばかりに何でも押し付けるのはよくないですから!」
小林「おいおい、無理しないほうがいいよ…」
唯「そうだよあずにゃん、危ないよ?みんなでここにいようよ」
梓「私は大丈夫です!」
澪「梓…?なんで?」
梓「何かわかるかもしれないし…。せっかく楽しい旅行だったのにこんな嫌なこと……。出来るだけ早く終わって欲しいですから」
紬「梓ちゃん…」
律「梓…。…………」
俊夫「まあ…そこまで言うなら…。あ、もちろん香山さんは来ますよね」
香山「ええ?わしも行くんかいな!」
323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 18:49:05.46 ID:r77kmmBZ0 [13/22]
俊夫「当たり前でしょうが。外で犯人に出くわしたら、香山さんに一本背負いしてもらわないと」
香山「いや…」
俊夫「こんな女の子も行くって言ってるんですよ?情けないな…」
香山「…。わかったわかった。ほんならわしも行くわ…。寒いんは苦手なんやけどな~…」ハァ・・・
俊夫「よし。それでいいんですよ」
美樹本「えーと、じゃあ二手に分かれて見回ろうかと思うんですけど。三人組と二人組みで」
小林「中野さんは女の子だから三人のほうだね」
梓「わかりました」
俊夫「じゃあ俺は二人のほうでいいですよ。美樹本さん、組みましょうよ」
美樹本「わかった」
俊夫「香山さん、いいですね?」
香山「わかっとるわ…ったく…」
小林「じゃあ、しっかり上着を着たら行きましょう」スタスタ
梓「…」スタスタ
律「ち、ちょっと待って!!」
325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 18:56:52.37 ID:r77kmmBZ0 [14/22]
小林「ん?なんだい?」
律「…」
梓「先輩…?どうかしたんですか?」
律「梓…お前はここに残ってろ。私がかわりに行くよ」
梓「え…?」
澪「りつ…?」
律「私としたことが、死体を見てからすっかりビビっちまってたぜ。…後輩にそんな危ないことさせられないよ。私が行く」スタスタ
梓「ちょ、先ぱ…
律「部長命令だ!!お前はみんなと一緒に澪のそばにいてやってくれ」
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 18:57:54.90 ID:r77kmmBZ0 [15/22]
梓「…!」
澪「…」
唯「りっちゃん…」
一同「………」
律「あ…すいませんww行きましょっか!!w」
小林「まあ…私はなんでも構わないが…。あ…」
・・・・・・
ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…ボーン…
・・・・・・
俊夫「……。もう十時だ…。そろそろ行くぞ。武器代わりにストックを持って行こう」スタスタ
みどり「みんな気をつけてね…。いってらっしゃい。(私も何か頑張らないとね)」
・・・・・・・・
唯「かまいたち?」-2
続きます
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