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唯「かまいたち?」-2
唯「かまいたち?」
続きです
続きです
327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 19:15:35.09 ID:r77kmmBZ0 [16/22]
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
…ビュオオオオオオオォォォォォォオオオオ!!!!!!
美樹本「っ…!すごい風だな…」
香山「うわ~!!寒い!寒い!!」
律「…」ゴクリ
俊夫「おい、大丈夫か?」
律「あ…はい…」
俊夫「そうか。無理はするなよ」
律「…はい」
小林「じゃあ…さっき言った2グループで右回りと左回りに分かれて、お互いぐるっと半周して裏口で落ち合おう!」
小林「私と田井中さん・香山さんが時計回りで、俊夫くん・美樹本さんは反対周り…それでいいですか?」
美樹本「わかりました!!」
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 22:08:54.07 ID:r77kmmBZ0 [17/22]
香山「なんでもいいから早く終わらせようや!寒くて死にそうや!!」
美樹本「…。ですね。急いだほうがいい」
小林「じゃあ行こう!!みんな、離れ離れになるんじゃないぞ!!」ザッザッザ・・・
俊夫「じゃあまた後で!」ザッザッザ・・・
律「…」ゴクリ・・・
・・・・・・・・
・・・ザッザッザッザ・・・
律「っ…(風が…。でも何か見つかるかもしれない…。澪のためにも頑張らないと…!)」
小林「田井中さ…。…ちゃんと…。…だか…」
律「え?なんですか?」
338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 22:20:49.55 ID:r77kmmBZ0 [18/22]
小林「田井中さ…んと…。…だか…」
香山「やか…と…。……。…」
小林「で…。…は…。………」
律「ちょ…よく聞こえません!!なんなんですか!!」
律「…あ」
…ビュオオオオオオオォォォォォォオオオオ………
律「や、やばい…。見失った…。小林さん!香山さん!!」
…ビュオオオオオオオォォォォォォオオオオ………
律「…。ど、どうしよう…」
律「……………」ガクガク
律「…お、落ち着け私!落ち着くんだ!」
律「…(とりあえずペンションの壁を探さないと…)」
律「(私は…>>341)」
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 22:46:31.86 ID:r77kmmBZ0 [19/22]
律「…。よし」
律「(…とにかく右へ進んでみよう…)」スタスタ
律「…」スタスタ
・・・
律「…」スタスタ
・・・
律「…」スタスタ
・・・
律「…ど、どこにも着かない…」ガタガタ
律「…こっ、小林さん!!香山さん!!誰か!!!」
…ビュオオオオオオオォォォォォォオオオオ………
律「…」
律「う、うわああああああああああああ!!!!!!!!!!」ダダッ
343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 22:49:54.06 ID:r77kmmBZ0 [20/22]
律「あだっ!?」ドンッ!
律「…いって…。…。あ、壁だ…」
律「よかった…。………ん?」
……………だ………れ…………………
律「なんだ…?なにか聞こえる…」
だ…れか…………だれ……か…!……
律「これは…」
小林「誰か!!来てくれ!」
律「!小林さん!!」
小林「その声は田井中さんか!!ちょっとこっちに来てくれ!!」
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 23:46:41.45 ID:r77kmmBZ0 [21/22]
律「どうしたんですか!!どこにいるんです!」
小林「こっちだ!!壁沿いにいる!早く来てくれ!!」
律「わかりました!」ダダッ
・・・・・・・・
律「・・・」ザッザッザッザ・・・
小林「おお、こっちだ!」
俊夫「君は大丈夫だったか…」
香山「あ~…寒い…」
律「…みなさん!どうしたんですか!」
小林「それが…」
美樹本「うう…」グッタリ
345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 23:49:48.89 ID:r77kmmBZ0 [22/22]
律「み、美樹本さん…?なにがあったんですか?」
俊夫「どうやら誰かに殴られたらしいんだ…」
律「ええ!?大変じゃないですか!」
香山「…わしらも狙われとるかもしれへん。早く中に戻ろうや」
小林「そうですね…美樹本さんの手当てもしないと…」
俊夫「俺が遅れなければ、犯人の野郎をとっ捕まえてやったのに…くそっ!」
香山「そうや!なんで離れたんや!」
俊夫「…。雪で見失ってしまって…」
香山「…」
小林「この視界ならしかたないよ。…現に私達もはぐれてたんだし…」
律「…(この吹雪の中で…)」
小林「とにかく、美樹本さんを運んで早く戻ろう…」
美樹本「うう…」
律「…」
346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 00:06:29.35 ID:zqlVpjnn0 [1/54]
・・・・・・・・・・
ペンション裏口
ガチャ!
小林「おい…戻ったぞ!怪我人がいるんだ!誰か手当てを!」
今日子「え、ど、どうしたの?」パタパタ
みどり「誰が怪我を?」スタスタ
小林「美樹本さんが…」
美樹本「…」フラフラ
今日子「…!!」
みどり「…わかりました。オーナー、今日子さん。三人で美樹本さんを客室のベッドまで運びましょう」
小林「ああ。…せーのっ!」
美樹本「うう…」グッタリ
小林「…じゃあ行くぞ」グイッ
・・・・・・・・・・・
347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 00:19:22.24 ID:zqlVpjnn0 [2/54]
・・・・・・・・・・
俊夫「…」
律「…」
香山「しかし…アイツ、なんで襲われたんやろうな」
律「へ?」
俊夫「そんなの、犯人と出くわしたからに決まってるじゃないか」
香山「でもアイツが倒れとったところ、死体があった部屋の外やったで?犯人はあの部屋から出た後ずっとあそこにいたとでも言うんかいな。そんなん、普通凍え死ぬやろ」
律「た、確かに…」
俊夫「…」
俊夫「でも、推理小説とかじゃ犯人は必ず現場に舞い戻るとも言うぜ。実際にそうだったのかもしれない」
一同「・・・」
俊夫「…。ま、仮定の話をしても仕方がないな。俺は部屋に戻るぜ」スタスタ
香山「わしも自分の部屋行くわ…今やったら携帯の電波あるかもしれんし…」スタスタ
律「…。私は談話室に戻ろう…」スタスタ
・・・・・・・・・
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 00:51:54.26 ID:zqlVpjnn0 [3/54]
・・・・・・・・・
談話室
律「…ふう」スタスタ
紬「あ…りっちゃん…」
梓「先輩…」
澪「律…大丈夫か?」
律「ああ。…まあいろいろ大変だったけどな」
澪「律…」
律「ん?」
澪「その…さっきまでは悪かった。私一人取り乱して…」
律「いや…そんなのいいよ。というか澪のほうがまともなんだよ。こんな異常な状況なんだから、平常心でいられなくて当たり前だ。みんな、感覚が麻痺してるんだよ」
澪「…ありがとう」
律「おう」
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 00:54:26.74 ID:zqlVpjnn0 [4/54]
梓「先輩…」
律「?なんだ?」
梓「その…さっきはちょっと、格好良かったです。見直しました」
律「はは、どうも」
梓「でも…美樹本さんが襲われたって…。そんなんじゃ事件の手がかりも何も、あったもんじゃないですね」
律「…」
紬「それでね?今…やっぱり怖いから、私達三人ずつで分けてた部屋、一つにしようかって話してたの」
律「ああ…良いんじゃないかな。私は賛成だよ」
紬「そう…よかった」
律「…って、あれ?そういえば唯と憂は?それに春子さんもいないぞ」
紬「春子さんはさっき香山さんと一緒に二階に…。唯ちゃんは……」
律「?」
353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 01:06:22.73 ID:zqlVpjnn0 [5/54]
律「?」
紬「眠いって言って、部屋に戻っちゃった。憂ちゃんはそれにつきそって行ったわ」
律「はあ?眠い?アイツ、今夜寝れるかどうか心配してたくせに」
紬「実は…憂ちゃんがそれを心配して、さっきの紅茶に…眠くなるお薬をちょこっと混ぜたらしいの」
律「え…」
紬「…」
律「へ、へえ…姉思いの妹さんだなあ!」ハハ
一同「………」
澪「あ、そういえば律…服、びしょびしょだぞ」
律「ん?…あ、ホントだ」ビチャー
澪「風邪ひくぞ?」
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 01:09:46.51 ID:zqlVpjnn0 [6/54]
律「ああ…ちょっと部屋行って着替えてくるよ。」スタスタ
紬「あ、待って」
律「?」
紬「ほら、さっきの部屋を一つにするって話。今から部屋の荷物移しておきましょう」
律「あ、ああ。そうだな」
梓「じゃあ行きましょう。…。ちょっと話したいこともありますし…」スタスタ
律「…?ああ…」スタスタ
・・・・・・・・
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 01:22:00.73 ID:zqlVpjnn0 [7/54]
・・・・・・・・
【律・澪・梓】の部屋
律「…ふう。着替え完了!」
律「…」
律「で、話ってなんだ?」
澪「…」
紬「それは…梓ちゃんから…」
梓「…」
律「?なんだ?これじゃまるで、秘密会議じゃないか」ハハハ
梓「その通りですよ、律先輩」
律「…」
梓「…。私は…。……この事件の犯人は、外部からの侵入者だと思っていません」
律「お、おいおい。そりゃあ………どういう意味だよ…」
梓「犯人はこのペンションにいる人たちの誰かだってことです」
358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 01:51:40.09 ID:zqlVpjnn0 [8/54]
律「…」
律「なるほど。それで秘密会議ってワケか。」
梓「律先輩と唯先輩以外にはもう話してあります。…。正直、絶対的な自信があるわけではないんですが…。」
律「…。わかった。話してみろよ」
梓「…わかりました」
梓「まず…外部犯が死体をあそこまでバラバラにする意味がわかりません」
律「…。運びやすくするためじゃないか?あらかじめ外で田中さんをバラバラに殺してきた後で、窓からペンション内に死体を投棄した、というのはどうだ?。それなら窓が割れたことも説明できる。」
梓「…それだと美樹本さんが殴られるのはおかしいですよ。九時ごろに死体をペンションに捨ててから、
犯人がずっとペンションの近くをうろついていたことになりますから。この猛吹雪の中を、ですよ?もしそれが本当なら、犯人は既に死んでますね」
律「…。でも、死体を捨てた後に吹雪で身動きが取れなくなったって可能性もあるんじゃないか?」
梓「それはまずあり得ませんね。窓が割れる音がした時点で外は凄く吹雪いていた。来るのはOK帰りは無理、なんておかしいでしょう。
そもそも…吹雪の中を人が大勢いるこのペンションにわざわざ窓を割って死体を棄てるのはおかしいです。意味不明ですよ」
律「…確かに」
梓「つまり、田中さん殺しは間違いなく内部犯。万が一外部犯だった場合は、犯人は既に死亡してるってことです」
律「ふむ…。………。あ、待てよ?」
梓「はい?」
360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 02:11:08.10 ID:zqlVpjnn0 [9/54]
律「あ、いや…なんでもない」
梓「…?」
律「…」
梓「…まあ、いいです。次に、先ほどの美樹本さんのことですが…」
律「ああ」
梓「さっきも言ったように、外部犯の可能性はとても低いです。となると美樹本さんを襲った可能性のある人物はかなり絞られてきます」
律「…」
梓「まあわかると思いますけど、ペンションの中の人いて絶対に犯行が不可能な人をを除けば、犯人候補は小林さん、香山さん、俊夫さん、律先輩ですね」
律「お、おい!私も入ってるのかよ!」
梓「冗談です。律先輩を抜いて三人ですね」
律「ったく…」
梓「そしてここからも絞れます。…あの窓が割れた音がした時、香山さんは私達の目の前にいました。でも小林さんと俊夫さんは…」
律「あ…」
梓「…」
361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 02:21:16.74 ID:zqlVpjnn0 [10/54]
律「そういえばあの二人…いなかったな…」
梓「…」
紬「……………」
律「あっ…」
澪「ムギ…」
梓「…ムギ先輩、すいません…」
紬「いや、いいのよ。梓ちゃんは事実を言ってるだけだもの…」
一同「…」
梓「…。以上が…私の考えなんですが…」
律「…」
澪「…」
紬「…」
梓「…」
澪「あ」
362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 02:22:59.78 ID:zqlVpjnn0 [11/54]
梓「はい?」
澪「あ、いや…」
梓「…?なんですか?」
澪「その…突拍子も無い考えだとは思うんだけど…」
梓「…」
澪「…」
澪「み、美樹本さん……。あれ……………自分でやったとは考えられないか?」
一同「!?」
律「…」
374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 09:41:17.30 ID:zqlVpjnn0 [12/54]
紬「澪ちゃん…それ、どういうこと?」
澪「い、いや…そういう可能性もあるんじゃないかな…と思っただけでなんにも根拠は無いんだけど…」
梓「ふむ…。律先輩はどう思いますか?」
律「…」
律「実は私も少し気になってたんだ…」
一同「?」
律「外は本当に凄い吹雪だった…そんな中で私達ははぐれちまったんだが、とても人を襲えるような状況じゃ無かったよ。それこそ…待ち合わせでもしてない限りな」
梓「そうですか…」
紬「でも、そんなことして何かメリットがあるのかしら」
梓「仮に美樹本さんが犯人だったとして、殴られることによって犯人候補から除外されようとしたんじゃないですか?」
律「今はそのせいで疑われてるけどな…」
一同「…」
375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 09:42:27.47 ID:zqlVpjnn0 [13/54]
梓「…と、とにかく…疑うべき人は小林さん、俊夫さん、そして美樹本さんですね」
紬「…」
律「そうだな…。でもまだ名指しで犯人を指名できるような状況じゃないんだろ?
美樹本さんが犯人だったとしても田中さん殺しは無理で、小林さん、俊夫さんが犯人だとしたらあの吹雪の中で美樹本さんを見つけて、襲い掛かったことになる」
梓「はい…」
澪「…そろそろ荷物を唯達の部屋の方へ運ばないか?」
紬「そうね…」
律「だな。犯人がはっきりとわからない以上、私達は防御しか出来ない」
梓「…。わかりました。行きましょう」
・・・・・・・・・
378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 09:59:32.97 ID:zqlVpjnn0 [14/54]
・・・・・・・・・
【唯・憂・紬】の部屋
コンコン
律「おーい、憂ちゃーん!開けてくれ~!」
憂「あ、開いてますよ」
律「ええ!?」ガチャ
憂「どうも律さん。お疲れ様でした」
律「あ、ああ…って、無用心じゃないか?鍵を開けっ放しなんて」
梓「そうだよ。さっきも話したでしょ?犯人はペンション内部の人の可能性が高いって」
憂「うん…」
唯「…」スヤスヤ・・・
律「(ほんとに寝てる…)」
憂「でも、大丈夫じゃないかな?」
梓「?」
381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 10:07:27.24 ID:zqlVpjnn0 [15/54]
憂「田中さんってなんか得体の知れない感じだったし…襲われるような何かを抱えたような人だったのかもしれないよ」
梓「でもさっき美樹本さんが殴られて…」
憂「それは…そうだけど…」
梓「…」
律「まあ、いいじゃないか。とりあえずこれからどうする?私は談話室に行こうかと思うんだけど」
澪「私は…この部屋にいようかと思うんだけど…。あの人たちを前にしたら、なんか変な顔になっちゃいそうで」
律「そっか…」
紬「私は行くわ」
梓「私もです」
律「…。よし。なら私達は行こう。澪・憂ちゃん・唯はここに残るって事で。…鍵はちゃんと閉めとけよ」
憂「はい…」
澪「また後でな」
唯「…」スヤスヤ・・・
律「じゃ、降りようか」
・・・・・・・・・・・・
383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 11:13:14.35 ID:zqlVpjnn0 [16/54]
・・・・・・・・・・・・
談話室
小林「…」
今日子「…」
律「あれ、小林さん達だけですか」
小林「ああ…」
梓「美樹本さんの容態はどうなんですか?」
小林「どうって…素人目でしかわからないが…。…かなり悪そうだ…」
梓「えっ…?」
小林「右のこめかみを前からガツッとやられてて、出血がなかなか止まらなくてね…さっきやっと落ち着いたんだよ。でも意識が戻らないんだ」
今日子「今もみどりちゃんが見てるわ」
律「そ、そうなんですか…」
梓「前から…?」
384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 11:27:39.25 ID:zqlVpjnn0 [17/54]
小林「ああ、傷口は頭の前側にあったよ。それが何か?」
梓「それなら普通、殴られる前に相手に気付きませんかね…?」
小林「さあ…。かなりの吹雪だったからね…。君、何が言いたいんだい?」
梓「あ…。いえ…」
小林「…。まあ脈はしっかりしてたから命は大丈夫だとは思うんだがな…」
紬「…」
梓「(意識不明…演技…?それに前からって…)」
一同「…」
俊夫「オーナー」スタスタ
小林「ああ、俊夫君」
385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 11:46:35.00 ID:zqlVpjnn0 [18/54]
俊夫「美樹本さん、どうなんです?」
小林「今も話したが…。素人にはよくわからんよ。とりあえず様子を見るしか…」
俊夫「そうですか…」
俊夫「でも犯人の野郎、これからどんな行動に出るかわかったもんじゃないですね…。
できるだけみんなでここにでも集まっておいたほうが…って、あれ?」
俊夫「田井中さん、君達以外の女の子達は?それにみどりもいないじゃないか。あと香山さん達も…」
律「ああ、澪達なら二階の部屋にいますよ。香山さんはもう一度携帯を試した言って部屋に行きました。春子さんも一緒らしいです」
小林「篠崎君は上で美樹本さんを看てると思うが…ちょっと遅いな。すぐ降りてくるって言ってたのに」
俊夫「…。俺、みんなを呼んできますよ」
律「あ、でも私の友達たちは降りてこないと思います。一人、寝ちゃった子がいるので…」
俊夫「はあ??寝てる?」
律「…」
俊夫「…まあいい。とりあず声だけかけてくるよ」スタスタ
・・・・・・・・
386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 12:05:25.43 ID:zqlVpjnn0 [19/54]
・・・・・・・・
俊夫「…」スタスタ
香山「いや~、携帯やっぱりあかんかったわ…」スタスタ
春子「…」スタスタ
小林「あれ?女の子達はやっぱり来なかったのかい?」
俊夫「ええ。寝てる子がいるので今は無理です。また後で顔出しますから、とか言ってました」
小林「そうかい…」
香山「いやいや、あんなん嘘やろ」
一同「・・・?」
律「…。どういう意味ですか?私の友達が嘘ついてるって」
香山「ああ、別に悪口言うつもりやないで。あの子らもわしと同じ考えなんかな、と思ってな」
律「…?」
388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 12:24:18.54 ID:zqlVpjnn0 [20/54]
小林「香山さん、なにが言いたいんですか」
香山「…。このペンションの人間は信用ならんってこっちゃ」
小林「はあ?」
香山「犯人は外に逃げたんじゃなく、わしらの中の誰かやってことや」
小林「そ、そんな…」
香山「多かれ少なかれはあると思うけど、みんな同じような考えは持っとるんやないか?」
梓「…」
紬「……」
小林「は…馬鹿馬鹿しい!!なんで見ず知らず、今日始めてあった人間を殺す必要があるんです!?」
香山「そんなんわからんやろ…誰か、あの田中ってのと知り合いやったんかもしれん」
小林「し、しかし…しかし、そんなことはありえない!だって考えても見てくださいよ!この中の誰に、あんなことをやってのける時間があったと言うんです?
人を殺し、死体をあんな風にバラバラにするのに、いったいどれくらいの時間がかかると思ってるんだ!」
紬「…。だいたい、三十分から四十分ってとこかしら」
小林「…!…て、手際よくいけばそんなものかもしれない」
小林「だが夕食後にそんなことをする時間があった者がいましたかね?それまでは田中さんは確実に生きていたんだ」
香山「…」
389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 12:27:09.29 ID:zqlVpjnn0 [21/54]
梓「(確かに…ガラスが割れた音がしたときのアリバイが無いのは俊夫さんと小林さんだけど…
小林さんには死体をバラバラにするほどの時間はなかった。俊夫さんも直前にみどりさんに声をかけられてる…)」
梓「状況を整理すると…。私達が夕食を終えたのが八時ごろ。そこで脅迫状の件があって、その後に少し送れて香山さん、
また少し後に美樹本さんが来た。それからはみんなで談話室にいたはず…小林さんと俊夫さん以外は…」
梓「…」
梓「(わけがわからなくなってきた…これじゃあ誰にも犯行は不可能ってことになる…)」
小林「とにかく!真相がわかったのでもないのに、そういう…みんなの不安を煽るようなことを言うのはやめてください!!」
香山「はいはい…。わしが悪かったわしが悪かった」
春子「…」
今日子「…あれ?そういえばみどりちゃんは?」」
390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 12:37:12.07 ID:zqlVpjnn0 [22/54]
俊夫「あ…そうだ、言うの忘れてたけど、みどりのヤツ、いないんですよ」
小林「いない…?ちゃんと探したのかい?美樹本さんの客室にいるはずだが」
俊夫「その部屋には布団を頭から何十にもかぶった美樹本さんしかいなかったし…見てないのはあの死体のある部屋だけですよ」
小林「…?」
今日子「まさか、あの部屋に行ったのかしら」
紬「もし犯人が外部犯なら、あの部屋また戻ってくるって可能性もあるわよね。窓は割れてるんだし…」
小林「そ、そんな…」
香山「そら、はよ探したほうがええんとちゃうか?バラバラにされてまう前に」アハハ
俊夫「おいあんた!!ふざけるのもいい加減にしろよ!!」ギロッ
律「と、とにかく早く行きましょうよ!」
小林「…そうだな。ついでに秋山さんたちにも降りてきてもらおう。危ない」
律「わかりました」
小林「じゃあ、全員で行きましょう」
・・・・・・・・・
391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 12:46:31.19 ID:zqlVpjnn0 [23/54]
・・・・・・・・・
田中の部屋の前
小林「…。本当にこの部屋は見てないんだね?」
俊夫「はい…」
小林「…」ガチャ・・・
…ビュオオオオオオオォォォォ…
小林「篠崎君!いないのか!!篠崎君!!」
…ビュオオオオオオオォォォォ…
小林「…ここにはいないみたいだな。一体どこに行ったんだ…?」
律「あ、あの…」
小林「うん?」
律「その…ジェニーが…」チラッ
ジェニー「ニャーオ・・・ニャーオ・・・」ガリガリ
393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 12:53:39.48 ID:zqlVpjnn0 [24/54]
小林「…なんだ。ジェニー、どうした?」
ジェニー「ニャーオ・・・ニャーオ・・・」ガリガリ
梓「掃除用具入れの箱の扉を…」
ジェニー「ニャーオ・・・ニャーオ・・・」ガリガリ
小林「……………………」
香山「どうしたんや?」
小林「いや…」
小林「………。開けますよ」ガチャ
ドサッ
小林「…嘘だろ」
みどり「」
394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 13:04:45.75 ID:zqlVpjnn0 [25/54]
俊夫「み、みどり…」
小林「…」
俊夫「……………う、うわあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!あああああああああああああああ!!!!!!!」
小林「と、俊夫君!」
俊夫「誰が…」
俊夫「誰が!!誰がこんなことを!!くそっ!!ぶっ殺してやる!!!!!」
小林「お、落ち着くんだ俊夫君!!」
俊夫「くっそ!!くそ!………みどり…」
俊夫「…ぶっ殺してやる…みどり…みどり……」グッタリ
一同「…」
小林「…。一度みんなで談話室に戻ろう…。田井中さん達はほかの女の子達を呼んできてくれないか…」
律「あ、…わ、わ、わかりました…」タッタッタッタ・・・
小林「…。篠崎君…」
小林「…」
小林「………。私は美樹本さんを連れて行かないと…」スタスタ
395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 13:09:27.94 ID:zqlVpjnn0 [26/54]
・・・・・・・・
ドンドン!
律「おい!開けてくれ!わたしだ!」
憂「律さん…今、何かあったんですか?」ガチャ
律「……。とりあえず、談話室に行くぞ」
澪「な、なあ…今叫び声がしたけど…何かあったのか?」
唯「目が覚めちゃったよ~…」
梓「…」
紬「…」
律「…。説明は後だ。とにかくみんな、一度一階に行こう」
澪「わ、わかった…」
憂「お姉ちゃん、行こう?」
唯「うーん…わかった…」
・・・・・・・・
400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 13:24:05.34 ID:zqlVpjnn0 [27/54]
談話室
一同「………」
梓「あの、俊夫さんがいないんですけど…」
今日子「…。みどりちゃんを…部屋に連れて行ったわ…」
梓「…。そうですか」
澪「み、みどりさんがどうかしたのか?」
律「…」
澪「…?」
憂「あの、何がなんだかわからないんですけど…」
唯「みんなどうしたの…?」
律「みどりさんは…何か固いもので殴られて…」
澪「え?」
一同「…」
紬「…。あ…」
俊夫「………」スタ・・・スタ・・・スタ・・・
401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 13:25:43.66 ID:zqlVpjnn0 [28/54]
一同「…」
俊夫「…。これからどうするんですか」
今日子「…。とりあえず主人が戻ってきたら…」
俊夫「…。みどりの敵は必ず俺が……」
一同「…」
香山「あ、なんや。小林君、そこにおるやんか」
小林「………………………」
今日子「あ、あなた。なんで階段で立ち止まってるの…?これからどうしようか話し合いましょう…」
律「…?小林さん?」
小林「………………………」
今日子「…あなた、どうしたの?またなにかあっ
小林「美樹本さんが」
今日子「え?」
小林「美樹本さんが、殺されてる」
406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 13:40:46.42 ID:zqlVpjnn0 [29/54]
一同「…?」
梓「(え…?)」
今日子「こ、殺されてる?」
香山「…。どういうことや…?」
小林「そのままですの意味ですよ」
香山「怪我しとったんやから、それが原因なら『殺されてる』やなくて『死んでしまってる』やないのか?」
小林「いえ、殺されてます」アハハ
律「は…あ?」
小林「ここに連れて来るために彼を起こそうと思って、体を隠すようにかぶせてあった布団をどけたら…心臓にナイフが刺さってました」ヒャヒャヒャ
407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 13:41:32.57 ID:zqlVpjnn0 [30/54]
香山「な…」
澪「う、嘘だろ…」
憂「み、見間違えとかじゃないんですか…?一応確かめに行ったほうが…」
小林「そうだね。わたしもそう願うよ。…見てくるといい。私は…疲れた」フラフラ
今日子「あ、あなた…しっかりしてよ…」
紬「おじさん!」
小林「うるさい!!私はもう寝る!!………みなさんもお好きなように…。殺されるかもしれませんがね…はははは」スタスタ
今日子「ちょ、あなた待って!!」パタパタパタ・・・
一同「・・・・・・・・・・・・・・・」
410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 13:49:57.14 ID:zqlVpjnn0 [31/54]
俊夫「…俺、確かめてくる。本当に見間違いかもしれない」
梓「あ、…ちょっと待って下さい。私達も行きます。ですよね?」
律「あ、ああ。そうだな…」
紬「…」コクリ
澪「嘘・・・だろ・・・うそ・・・」
憂「お姉ちゃん…」
唯「…。行こっか」
俊夫「…わかった」
香山「あ!待ってや!わしらも行くで!な!春子!」
春子「…」コクリ
俊夫「…。行きましょう」スタスタ
・・・・・・・・
411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 14:04:56.23 ID:zqlVpjnn0 [32/54]
美樹本の部屋
美樹本「」
俊夫「…。これは確実に死んでるな。心臓にナイフが完全に刺さってる」
唯「血の臭いが…すごい…」
香山「なんや…死んだフリでもしとんのかと思ったで…」
律「…。あれ?」
紬「どうしたの?りっちゃん?」
律「いや…美樹本さんの顔が変なような…」
梓「あ…ほんとですね…なにか違和感が…」
412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 14:07:08.16 ID:zqlVpjnn0 [33/54]
澪「お、お前ら…なんでそんな平気で死体を見られるんだ…?さっきまで生きてた人なのに…」
律「…。私達の感覚がおかしおくなってきてるんだな」
梓「…慣れたってことですかね」
澪「お前ら…」
憂「あの、どこが変なんですか…?」
律「いや、なんか…」
唯「あ、ヒゲがずれてるね」
律「ああ。それだ!」
俊夫「…!!ほんとだ!これは…」ペリッ
俊夫「…」
紬「…付け髭…」
梓「な、なんでこんなものを…?」
律「………。わからん」
香山「ん~?」
413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 14:16:58.09 ID:zqlVpjnn0 [34/54]
梓「香山さん?どうしたんですか?」
香山「あ、いや…なんでもないで…なんでも」
梓「…?」
唯「あ」
律「どうした唯」
唯「このヒゲが取れた美樹本さん…サングラスかけたら田中さんそっくりだね」
律「はあ…?」
梓「…」
唯「だって身長とか雰囲気とか…」
律「そ、そうか…?」
414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 14:18:08.41 ID:zqlVpjnn0 [35/54]
唯「うん。絶対そうだよ!この人田中さんだよ!!」
梓「………」
俊夫「いや…田中さんはバラバラになって死んでるじゃないか…」
唯「あっそうか…」
一同「………」
香山「なんや…結局わかったのは、こいつは『確実に死んどる』ってことか…」
春子「…」
梓「あ!!」
憂「梓ちゃん?」
梓「わかった!わかったよ!!」
一同「…?」
417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 14:41:13.40 ID:zqlVpjnn0 [36/54]
澪「梓…?」
律「わかったって…何がだ?」
梓「…事件の真相です」
一同「!!」
俊夫「ほ、本当か!?」
梓「ええ…。まあまだわからない部分や不確実な部分もありますが…だいたいは」
律「マジかよ…」
唯「あずにゃんすごいよ!!」
俊夫「みどりを!!みどりを殺したヤツは誰なんだ!!」
梓「落ち着いてください…。まず田中さんの事件からです」
一同「・・・・・」
419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 14:53:44.88 ID:zqlVpjnn0 [37/54]
梓「…私の考えでは…今唯先輩が言ったように、田中さん=美樹本さん、ってことになります。
つまり、あのバラバラ死体は『田中さん』じゃない誰かのものってことです」
紬「…根拠は?」
梓「本人が死んでるので確実ではないんですが…とりあえず、
背格好が似ていること、付け髭をつけていたこと、そして…田中さんと美樹本さんが同時にこのペンションにいたことがないってこと…以上です」
律「そういえば…確かに二人が同時にいたことなかったな…」
憂「ということは、私達が見た田中さんは変装した美樹本さん…そしてバラバラ死体は美樹本さんが用意したもの…ってことなのかな?」
梓「その通り。あの死体は田中さんが持って来たんだよ」
香山「なるほどな…そやったらこいつは…。……例の強盗犯かもしれんな…」
律「強盗犯?」
420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 14:55:32.89 ID:zqlVpjnn0 [38/54]
香山「あれ?知らんの?二日くらい前に、新宿の銀行に押し入った強盗がおったんや。複数犯やったらしい」
律「はあ…?」
香山「それがこっち、長野方面に逃走しとったらしいからな。この美樹本とあのバラバラ死体がその強盗で、仲間割れでもしたんとちゃうか?」
梓「…まあそれも妄想の域を出てませんが…ありえそうなのは確かですね。シーズン中のスキー場は人の出入りが激しいですから、身を隠すのにはもってこいかもしれない…。
つい殺してしまった仲間の死体をバラバラにして運びやすくしてこのペンションに持ち込んで、『謎の殺人事件』として処理するつもりだったのかもしれませんね、美樹本さんは」
俊夫「なら…なら、なんでみどりは殺されたんだ…!?」
梓「…。もしかしたら、私達よりももっと早く、真相にたどり着いたのかもしれません…それが美樹本さんにバレて…」
俊夫「そ、そんな…。くそっ!!!!」
一同「…」
421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 15:08:22.64 ID:zqlVpjnn0 [39/54]
一同「…」
梓「ただ…肝心のトリック…ガラスの音が割れるようにした仕掛けはわかりません…」
香山「いや、そこは大して重要やないやろ。コイツが田中やったってことは確実なんやら、コイツが犯人やわ」
梓「そう…ですかね…」
唯「あずにゃんすごいね!」
梓「あ…どうも…」
律「…。あれ?それなら美樹本さん…いや、美樹本は、なんでここで死んでるんだ…?それにガラスの割れた音もだ」
梓「それが…いまいちわからなくて…」
一同「…」
春子「みどりさんに刺されたんじゃないかしら?」
梓「へ?」
422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 15:10:39.06 ID:zqlVpjnn0 [40/54]
梓「ただ…肝心のトリック…遠くからガラスが割れるようにした仕掛けはわかってません…」
香山「いや、そこは大して重要やないやろ。コイツが田中やったってことは確実なんやら、コイツが犯人やわ」
梓「そう…ですかね…」
唯「あずにゃんすごいね!」
梓「あ…どうも…」
律「…。あれ?それなら美樹本さん…いや、美樹本は、なんでここで死んでるんだ…?」
梓「それが…いまいちわからなくて…」
一同「…」
春子「みどりさんに刺されたんじゃないかしら?」
梓「へ?」
426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 15:21:30.51 ID:zqlVpjnn0 [41/54]
春子「…」
香山「…ああ、なるほど。ここにおる美樹本はみどりさんを襲った。それはうまくいったんやけど、
途中でもみ合いになって…自分はみどりさんに刺されてもうた…こういういわけやな?」
春子「ええ…」
紬「ちょっと待ってください。どうしてみどりさんが刃物を持ってるんですか?美樹本がみどりさん殺しに使ったのはなにか硬いもの…鈍器ですよ?」
香山「…。そんなん簡単やん。みどりさんは真相がわかってしもたから美樹本に襲われたんやろ?
やったらみどりさんの方も少しは警戒しとったはずや。犯人はコイツや!ってわかっとったんやからな。
何かしら武器になるものを持っててもなんもおかしない。ナイフくらい厨房にあるやろし」
紬「なるほど…」
俊夫「み、みどりが…」
梓「…。俊夫さん。美樹本に刺さっているナイフはこのペンション…もしくはみどりさんの私物の中にあるものですか?」
俊夫「みどり…みどり…。ちゃんと一矢報いたんだな…偉いぞ…みどり………」ガクッ
梓「…あの」
俊夫「みどり…みどり…」ブツブツ・・・
梓「…」
427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 15:23:13.71 ID:zqlVpjnn0 [42/54]
ごめん
>>421は間違い
429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 15:43:41.02 ID:zqlVpjnn0 [43/54]
香山「ま…なんとか事件解決、ってことやな!すごいやん君」
律「や、やったな!梓!」
唯「さすが私のあずにゃんだよ!」
憂「ほんと!すごいよ!」
澪「よかった…これで安心できる…ありがとう梓…」
梓「あ…はい…」
紬「…」
430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 15:44:41.41 ID:zqlVpjnn0 [44/54]
香山「んならわしらは部屋に戻るわ…。おやすみ~」スタスタ
春子「…」スタスタ
梓「…」
俊夫「みどり…みどり…ふふ…みどり…」ブツブツ・・・
律「…」
律「あ、あたしらも部屋に戻ろうか。…俊夫さんはそっとしておいてあげよう…」
紬「うん…そうね」
律「じゃ、いくぞ…」スタスタ
梓「…」スタスタ
・・・・・・・・・
436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 16:44:04.84 ID:zqlVpjnn0 [45/54]
・・・・・・・・・
律「そういえば…部屋一つにするとか言ってたな。…狭いな」
唯「もう犯人はわかったんだし、二部屋に分かれてもいいんじゃないかな?」
澪「ええ~…怖いよ」
憂「でも…もともと二人用の部屋だし…ちょっと寝にくいんじゃないかな…」
梓「…」
紬「私はどっちでもいいわ……」
律「…。なら三人ずつに分かれるってことでいいか!」スタスタ
澪「ちょ…」
律「何かあったら私が守ってやるから安心しろって!!」ハハ
澪「り、律…」
梓「…」
律「じゃあ唯達、おやすみ~!」
唯「おやすみ~!」
梓「…」
439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 17:38:31.83 ID:zqlVpjnn0 [46/54]
・・・・・・・・・・
【唯・憂・紬】の部屋 夜12時半
唯「あー…さっき無理やり起こされたから…眠いよ…」フアア
憂「私も…今日は疲れた…でも犯人が見つかってほんと良かった…」
唯「だね~…」
紬「…」
紬「じゃあ、寝ましょうか…」
唯「うん」
憂「お休みなさい…」
紬「…おやすみ」
一同「…」スヤスヤスヤ
・・・・・・・・・・
441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 17:50:46.35 ID:zqlVpjnn0 [47/54]
・・・・・・・・・・
【律・澪・梓】の部屋 夜12時半
律「さてと、寝るか!」
澪「う、うん…」
律「おいおい、怖くて寝れないのか?」
澪「そ、そんなことない!…大丈夫だ」
律「そか。…じゃあ明かり消すぞ。梓も良いな?」
梓「あ、はい…」
律「よっと」パチッ
律「んじゃ、おやすみ~…」
澪「おやすみ」
梓「おやすみなさい…」
律&澪「…」スヤスヤ
梓「…」
・・・・・・・・・
444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 18:08:13.31 ID:zqlVpjnn0 [48/54]
・・・・・・・・・
深夜一時
【律・澪・梓】の部屋
梓「………」
律「…」スヤスヤ
澪「…」スヤスヤ
梓「…(なにか違和感が…)」
梓「(バラバラ死体の件は美樹本…それは間違いない…と思うんだけど、みどりさんの事件は…?あれも美樹本でいいんだろうか)」
梓「(美樹本は怪我をしていた…。結局あれは自分で自分を殴っただけで、演技だったってことになったけど…)」
梓「(小林さんが言うには美樹本は意識不明…。そこまで芝居を演じる必要があるか?……あれは自分でやったと言うには傷が深すぎるようにも思える)」
梓「(それに律先輩の話では外は猛吹雪で視界はとても悪い。そんなところで何者かに襲われるフリをしても逆に演技だと疑われるだけなんじゃ?)」
梓「(…。そもそも傷は頭の前側についていた。誰かに襲われたフリをするなら傷は後ろにつけたほうがいいはず)」
梓「(でも…美樹本は付け髭をつけていた…。田中を演じたのは美樹本で間違いないはず…)」
梓「(………。……・・・・・待てよ?)」
447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 19:06:03.90 ID:zqlVpjnn0 [49/54]
梓「(美樹本は単独犯………ではない……という可能性もあるんじゃないだろうか…。
美樹本に仲間がいたとしたら、今回の一連の事件はどうなるんだろう)」
梓「(まずバラバラ死体…あれは美樹本がやったことだ。それは確実…)」
梓「(でも、美樹本自信が殴られたのは?あれにはどうも違和感がある)」
梓「(まず、傷が深いということ…。傷が美樹本を意識不明にさせるほど酷いものなのは…。あれは…自分じゃない、別の誰かに殴られたということ。殺意を持った誰かに)」
梓「(次に、最悪な視界の中で襲いかかれたのは…。…。美樹本もその『誰か』に会おうとしていたからなんじゃないだろうか)」
梓「(つまり、美樹本とその誰かは…ペンションの中、人の目に付くところではできないことを話そうとしていた…。少なくとも美樹本はそのつもりだった。
だからあらかじめ、お互いにこっそりと外での集合場所を決めておき、雪のせいでみんなとはぐれたフリをしてその場所に向かった…)」
梓「(そしてその誰かはそこで、美樹本と秘密の会合をすると見せかけ…美樹本を襲った。この誰かは当然美樹本の仲間、共犯者なんだろう)」
梓「(だいたい前から襲い掛かるなんておかしい。普通、不意をついて後ろから行くはず。
これならそれも説明できる。相手と会話しているところを急に殴られた…そういうことだろう)」
梓「……………」
梓「(つまり…美樹本はあの吹雪の中で共犯者と待ち合わせをしていて、そこでその共犯者にに裏切られ襲われた………それが妥当なんじゃないだろうか)」
梓「…」
450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 19:45:23.63 ID:zqlVpjnn0 [50/54]
梓「(もしこの考えが正しいなら、共犯者はその雪の中では美樹本を殺しきれなかったことになる。意識は不明でも、死んではいなかったんだから)」
梓「(『もし意識が戻ったら大変だ』…そう考えた共犯者は隙を見て二階に行き、美樹本にとどめを刺しにいくはず。そして美樹本殺害前か殺害後か…それは解らないけど、
みどりさんにその犯行を見られてしまう。………。だから口封じのためにみどりさんにも手をかけた。その後は何食わぬ顔で談話室に戻ってくる…)」
梓「…」
梓「(こういうことかな…?)」
梓「…」
梓「今何時だろう…」チラッ
梓「…。三時前か。いろいろ考えてる間にけっこう時間が…」
梓「…」
梓「(この推理があってるなら、まだ殺人鬼が自由な状態でこのペンション内にいるってことに…。
でもその殺人鬼が誰なのかもかなり絞れてるはず…。誰か信用のおける人に、この考えを聞いてもらおう)」
梓「…」チラッ
律「…」スヤスヤスヤ
澪「…」スヤスヤスヤ
梓「………」
454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 20:39:36.76 ID:zqlVpjnn0 [51/54]
梓「(律先輩…は良いかもしれないけど、リアクション大きいからな~…それに澪先輩が起きちゃうかもしれないし…)」
梓「…」
ゴトッッ!!
梓「!?」
・・・・・・・・
梓「…?(今…何か聞こえたような…?)」
455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 20:42:35.59 ID:zqlVpjnn0 [52/54]
梓「…」
梓「…(気のせいかな…?な、なにかいるんじゃ…)」
梓「(いや…。大丈夫…落ち着け私…)」
梓「…。よし」
梓「(やっぱり…)」
梓「(ここは憂かムギ先輩に聞いた貰うのが妥当かな。あっちの部屋に行こう…)」スクッ
梓「(慎重に…音を立てないように…)」ヒタヒタヒタ・・・
律&澪「…」スピー・・・スピー・・・スピー・・・
梓「・・・」ガチャ・・・
廊下
・・・シーン・・・
梓「…」スタ・・・スタ・・・スタ・・・
462 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 21:15:11.32 ID:zqlVpjnn0 [53/54]
梓「…」スタ・・スタ・・スタ・・・
梓「(えーと…ムギ先輩達の部屋は…ここだったっけ)」
梓「(って…え?)」
梓「な、なんで…?」
梓「ドアが開いてる…」
梓「…」ゴクリ
梓「む、ムギ先輩~?憂?唯先輩?…いませんか?」
・・・・・・・・・
・・・シーン・・・
・・・・・・・・・
梓「いない…」
梓「…」ブルブル
476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 00:23:55.06 ID:Fehj4wF70 [1/31]
・・・・・・・・
深夜二時半
【唯・憂・紬】の部屋
紬「…」スヤスヤ
紬「…」
紬「…」
紬「…」
紬「…ん…」パチッ
紬「…。目が覚めちゃった…」
紬「…」
紬「…。あれ?」
・・・シーン・・・
紬「…誰もいない…」
紬「唯ちゃんと憂ちゃんは…」
紬「………。どこに行ったのかしら…」
478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 00:33:30.41 ID:Fehj4wF70 [2/31]
紬「事件は解決したって…みんな言ってたけど」
紬「…」
紬「やっぱり探しに行かないとね…」スクッ
紬「ちょっと怖いけど…行きましょう…」ガチャ・・・
廊下
・・・・・・・・・
・・・シーン・・・
・・・・・・・・・
紬「…」
紬「だ、大丈夫よ、紬!犯人は美樹本さんだったんだから…!」
紬「…。ふう…。………」スタ、スタ、スタ
紬「…ゆ、唯ちゃ~ん…?憂ちゃ~ん…?」スタ、スタ、スタ
481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 00:46:52.53 ID:Fehj4wF70 [3/31]
…
一階 談話室
紬「唯ちゃ~ん…いないの~?…」スタ、スタ、スタ
紬「…」スタ、スタ、スタ、
紬「…」ピタッ…
紬「…もしかして、二人とも澪ちゃん達の部屋の方に行ってるのかしら…?」
紬「………。(怖い…)」
紬「…」
紬「やっぱり…。あっちに戻ろうかしr
ガタッ!・・・
紬「!?」
482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 00:49:58.96 ID:Fehj4wF70 [4/31]
紬「!?…。何…?」
・・・・・・・・・
・・・シーン・・・
・・・・・・・・・
紬「…」
紬「……」
紬「………」
紬「(今の音…おじさん達スタッフの部屋の方から聞こえたわよね…)」
紬「…。行ってみましょう…」
紬「…」スタ、スタ、スタ、
483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 00:57:40.16 ID:Fehj4wF70 [5/31]
・・・・・・・
紬「…」スタ、スタ、スタ…ピタッ
小林夫妻の私室前
紬「…」
紬「(明かりがついてる…)」
紬「(…さっきの音は確かにここから聞こえたわ…)」
紬「…。(ノックは…しなくていいよね…?)」
紬「……………」ゴクリ
紬「…」ガチャ・・・
485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:07:25.37 ID:Fehj4wF70 [6/31]
小林夫妻の私室
紬「・・・・・・・・・・・・」
紬「誰もいない…」ホッ・・・
紬「あ、そうだ…唯ちゃんたちを探さないと…(そういえば、なんで誰もいないのに明かりが…)」
紬「…」スタ、スタ、スタ、
紬「……」スタ、スタ、スタ、
紬「………」スタ、スタ、スタ、
紬「…いないわね…」
紬「…」
紬「(そういえば…なんだかさっきから…変な臭いがする…)」
紬「…」チラッ
紬「(…。お風呂場から…?)」
487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:18:59.13 ID:Fehj4wF70 [7/31]
紬「…」
紬「(なんだろう…この臭い…)」
紬「(嫌な感じがする…)」
紬「………。(あそこを覗くのはやめておきましょう…)」
?「うう…」
紬「え?(お風呂場から声?)」
?「…………う…う…」
紬「…。誰かいるの…?」
?「…す…けて…。…………たすけ…て…」ボソボソ
紬「!!」
490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:31:53.75 ID:Fehj4wF70 [8/31]
紬「………」
紬「誰か…いるんですか?」ソロソロ
?「…助けてくれ…助けて…」
紬「…?わ、わかりました。今行きます!!」ダッ
唯「だ、だめっ!!ムギちゃん!!逃げて!!!」
紬「!?」ピタッ
?「ちっ…」
唯「早く!!お願い!!誰か呼んできて!!」
紬「わ、わかったわ!!(なんかよくわからないけど、ごめんなさい!!すぐ人を呼ぶから!!)」ダダッ
紬「…!」ガチャ!!
・・・・・・
491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:34:09.46 ID:Fehj4wF70 [9/31]
・・・・・・
紬「…」タッタッタッタ・・・
紬「…(い、今の何…?)」タッタッタッタ・・・
紬「…(とにかく、人を呼んでこないと!!)」タッタッタッタ・・・
紬「…(階段を上がって…)」タッタッタッタ・・・
紬「…(そこの角を曲がれば!!)」
紬「だれkっ・・・
トンッ
紬「…………………」
紬「え?」フラ・・・
?「…」
ゴトッッ!!
梓「!?」
495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:42:48.67 ID:Fehj4wF70 [10/31]
・・・・・・・・
梓「…?(今…何か聞こえたような…?)」
梓「…」
梓「…(気のせいかな…?な、なにかいるんじゃ…)」
梓「(いや…。大丈夫…落ち着け私…)」
梓「…」
梓「(よし…。ムギ先輩達の部屋へ行こう…)」
梓「(慎重に…音を立てないように…)」ヒタ、ヒタ、ヒタ、・・・
律&澪「…」スピー・・・スピー・・・スピー・・・
梓「・・・」ガチャ・・・
496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:43:52.01 ID:Fehj4wF70 [11/31]
廊下
・・・シーン・・・
梓「…」スタ・・・スタ・・・スタ・・・
梓「…」スタ・・スタ・・スタ・・・
梓「(えーと…ムギ先輩達の部屋は…ここだったっけ)」
梓「(って…え?)」
梓「(な、なんで…?)」
梓「(ドアが開いてる…?)」
梓「…」ゴクリ
497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:46:05.44 ID:Fehj4wF70 [12/31]
梓「む、ムギ先輩~?憂?唯先輩?…いませんか?」
・・・・・・・・・
・・・シーン・・・
・・・・・・・・・
梓「いない…」
梓「…」ブルブル
梓「どうしよ…」
・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・
梓「…!?」
499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:51:55.61 ID:Fehj4wF70 [13/31]
・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・
梓「(だ・・・れ・・・?)」
梓「…(階段を登ってきてる…?)」
・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・
梓「(…。だめだっ!!…怖い!!)」ダダッ!・・・バタンッ!ガチャ!
梓「…」ドキドキドキドキ
・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・
501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:59:32.34 ID:Fehj4wF70 [14/31]
梓「…(咄嗟にムギ先輩達の部屋に飛び込んで鍵を閉めちゃったけど…)」
梓「(誰なの?)」
・・・ギシ・・・ギシ・・・・・。・・・・・・スタ・・・スタ・・・スタ・・・スタ・・・
梓「…。(近づいてきてる…。もし先輩だったったら鍵を開ければいいだけだもんね…落ち着け私…鍵は閉めた…)」
・・・スタ・・・スタ・・・スタ・・・スタ・・・
梓「…」
・・・スタ・・・・・・・・スタ・・・・・・・・
梓「…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピタッ
梓「…(この部屋の前で止まった…)」
コンコン
502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 02:09:12.14 ID:Fehj4wF70 [15/31]
梓「…」
コンコン
梓「…」
コンコンッ
梓「…」
・・・・・・・・・・
ドンドンッ
梓「!………」
・・・・
ドンッ!ドンドンッ!
梓「……………」ガクガクガクガク
ドンドンドンッ!ドンドン!!ドンドンドンッ!!!!
梓「…(誰か…この音で起きて…!)」ガクガクガクガク
503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 02:14:31.23 ID:Fehj4wF70 [16/31]
ドンドンドンッ!ドンドッ・・・。・・・・・・・・・。
梓「…?」
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・スタ・・・スタ・・・スタ
梓「(よ、よかった…。何者か知れないけど…どこか別の場所に行ってくれたみたいだ…)」
梓「…」
梓「…。(ほかの場所…?)」
梓「あ!」
梓「(む、向こうの、律先輩達が寝てる部屋の鍵閉めとくの忘れてた!!)」
・・・スタ・・・スタ・・・スタ・・・キィー・・・
梓「(うわああああああああ!!!!!!!やばい!!やばい!!どうしよう!!!!助けに行かないと!!!!)」
・・・ピンポーン・・・
508 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 02:26:08.21 ID:Fehj4wF70 [17/31]
梓「…?」
ピンポーン
・・・
ピンポーン
・・・
ピンポーン
梓「(い、インターホン…?)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・ギシ・・・ギシ・・・
梓「(あ、あの足音が引き返し始めた!!)」
梓「(この足音が美樹本の共犯者で、みどりさんの事件の真犯人だとすると…
このインターホンは…そいつの他にも共犯者がいたってこと?ならこれは何かの合図…?)」
透「す、すいませーん!!誰かいませんか!!!」
梓「へ?」
513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 02:34:12.07 ID:Fehj4wF70 [18/31]
・・・・・・・
透「すいませーん!!!」
真理「透…寒いわ…とりあえず中に…」ブルブル
透「あ、ああ…そうだな…」
透「…にしてもなんで真っ暗なんだ…」
・・・・・・・
梓「(なんかよくわかんないけど…もしかしたら、小林さんの言ってた遅れてる人たち?)」
梓「(…。とにかく、犯人があっちに気を取られてる隙に…)」
・・・・・・・
515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 02:42:16.64 ID:Fehj4wF70 [19/31]
・・・・・・・
透「…。暗くてよく見えないな…誰かが電気消したのか?これ…」
真理「そんなことより何か毛布でも…。………。…あれ?」
透「どうした?」
真理「…あそこ…誰か倒れてる…」
透「へ?」
真理「ほら…あそこ…」
透「…」テクテクテク
透「…」
香山「」
透「わ、ほ、ほんとだ!!」
真理「…。ここで一体何があったの…?」
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 02:48:04.03 ID:Fehj4wF70 [20/31]
透「…」
真理「ねえ…この人、………死んでるの?」
透「く、暗くて顔色がわからない…。とにかく脈を…」サッ・・・
透「…」
香山「」
透「………」
真理「…。どうなの?」
透「だめだ…手が氷のように冷たい。…脈はまるでないよ…」
真理「そ、そんな…!」
518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 02:57:01.67 ID:Fehj4wF70 [21/31]
真理「どうして…こんなところで人が死んでるの…?」
透「そ、そんなこと僕に言われても…」
真理「どうなってるのよ…」
ガタッ!…
透「ん…?」
真理「今…二階から音が…」
透「…誰かいるのかもしれない。行ってみよう」スタスタ
真理「…。わかったわ」スタスタ
?「…」ズズ・・・
519 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:02:34.72 ID:Fehj4wF70 [22/31]
透「…」スタスタ
真理「…。おじさんはどこにいるのかしら…スタスタ
?「…」ヒタ、ヒタ、ヒタ
透「…この階段の上だよな?…薄暗いな」
真理「音は確かに聞こえたわ…行きましょう…」
透「ああ…」
?「…」
?「…」ガバッ
バキャッ!!!
522 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:09:52.54 ID:Fehj4wF70 [23/31]
・・・・・・・・・・・・・・
透「…?」
真理「何?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
香山「ぐ・・・・う・・・・・・くっ・・そ・・・・・」バタッ
梓「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」ガタガタガタガタ
525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:20:12.42 ID:Fehj4wF70 [24/31]
透「…な、なんだ!?」
真理「あなた…何してるの…?」
梓「・・・はあ・・・はあ・・・」
透「ねえ君、どうしたn
梓「前!!ストック持ってる!!!」
透「えっ?」
春子「うわああああああ!!!!!!!」ブンブンブンブン
透「わ、わあっ!!」
梓!!「危ないです!!」バッ
ガキッ!!
梓「っつ…」
春子「わああああああああああああ!!!!!!!!!」
梓「こ、この人を取り押さえてください!!」
527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:30:09.71 ID:Fehj4wF70 [25/31]
透「あっ…」
真理「わ、わかったわ!!」ガシッ!
春子「くそっ!!離せ!!くそっ!!!」ジタバタ
真理「ほら!透も手伝って!!」
透「あ…。あ、あ、アンタ!!何やってんだ!!」バッ
春子「離せ!!離せ!!わああああああ!!!!!」ドタバタドタバタ
梓「くっ…。大人しくしないなら…」
梓「…。うりゃ!!」バキッ!
春子「ぐわっ!!」
透「お、おい!」
梓「…大丈夫ですよ。そんなに強くやってないですから…」
透「…」
春子「・・・くっ・・そ・・・」グタッ
・・・・・・・・・・・
律「な、なんの騒ぎだ…?」ヒョコッ
528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:39:59.00 ID:Fehj4wF70 [26/31]
梓「…。律先輩…」
律「梓…?お前なにやってんだ?それにこの人達は?」スタスタ
梓「ああ…。今、やっと、全部終わったところなんです…」
律「…?」
透「あ、僕達はここに今夜泊まる予定だった者です」
梓「あ…やっぱりそうだったんですか」
律「小林さんの言ってた人達か」
真理「…。あの、ここでなにが起こっているのか教えてくれないかしら」
透「そうだ。…これは一体…なんなんだい?」
律「わ、私にも説明してくれ!澪も連れて来るから!」
梓「…。わかりました」
律「ここで待ってろよ!」ダダッ!
梓「・・・・・・・・・・・・・・」
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:49:57.72 ID:Fehj4wF70 [27/31]
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
梓「…。というのがこの事件の真相です」
律「…」
透「そんなことが…あったのか…」
真理「…」ブルッ
澪「まさか…香山さん達が…」
梓「…。でも本当のことです。あの二人はロープで縛っておきましょう。後は…朝になって吹雪がマシになるのを待つだけですね…」
律「そう…だな」
澪「…あれ、そういえばムギたちは?」
律「ああ…部屋にいなかったから呼ばなかったんだけど…」
梓「そういえば…どこにいるんでしょう」
真理「おじさんもいない…」
531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:53:09.13 ID:Fehj4wF70 [28/31]
梓「ああ、そうか。小林さん達の部屋にいるんですよ。みんなで」
律「そか…」
透「…(なんでみんなそんな所に集まって、ここに来てないんだ?)」
梓「あたし呼んできますね」
真理「あ…私も行くわ。叔父さんに挨拶しないと…」
梓「そうですか。じゃあ行きましょう」スタスタスタ
透「…………………………?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
終
533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:56:52.33 ID:Fehj4wF70 [29/31]
終わった…
読んでくれた人ありがとう
538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 04:04:31.31 ID:Fehj4wF70 [30/31]
えーと、
美樹本を殴ったのは香山個人
美樹本を殺したのは香山夫妻
みどりを殺したのも香山夫妻
紬を声で罠にはめようとしたのは香山
紬を突き落としたのは春子
あと、強盗犯は『複数犯』としか言ってなかったので二人組みとは限らない
小林さんとか唯とかの死については個人の想像におまかせします
541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 04:15:33.99 ID:Fehj4wF70 [31/31]
梓は香山夫妻が透達に気を取られてる隙に田中の部屋の割れた
窓から外に飛び降りて、そこから玄関に入って香山の背後を突いた…って感じです
文章中に書いてなくてごめん
物凄い遅筆なのに付き合ってくれてありがとう じゃあさようなら
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
…ビュオオオオオオオォォォォォォオオオオ!!!!!!
美樹本「っ…!すごい風だな…」
香山「うわ~!!寒い!寒い!!」
律「…」ゴクリ
俊夫「おい、大丈夫か?」
律「あ…はい…」
俊夫「そうか。無理はするなよ」
律「…はい」
小林「じゃあ…さっき言った2グループで右回りと左回りに分かれて、お互いぐるっと半周して裏口で落ち合おう!」
小林「私と田井中さん・香山さんが時計回りで、俊夫くん・美樹本さんは反対周り…それでいいですか?」
美樹本「わかりました!!」
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 22:08:54.07 ID:r77kmmBZ0 [17/22]
香山「なんでもいいから早く終わらせようや!寒くて死にそうや!!」
美樹本「…。ですね。急いだほうがいい」
小林「じゃあ行こう!!みんな、離れ離れになるんじゃないぞ!!」ザッザッザ・・・
俊夫「じゃあまた後で!」ザッザッザ・・・
律「…」ゴクリ・・・
・・・・・・・・
・・・ザッザッザッザ・・・
律「っ…(風が…。でも何か見つかるかもしれない…。澪のためにも頑張らないと…!)」
小林「田井中さ…。…ちゃんと…。…だか…」
律「え?なんですか?」
338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 22:20:49.55 ID:r77kmmBZ0 [18/22]
小林「田井中さ…んと…。…だか…」
香山「やか…と…。……。…」
小林「で…。…は…。………」
律「ちょ…よく聞こえません!!なんなんですか!!」
律「…あ」
…ビュオオオオオオオォォォォォォオオオオ………
律「や、やばい…。見失った…。小林さん!香山さん!!」
…ビュオオオオオオオォォォォォォオオオオ………
律「…。ど、どうしよう…」
律「……………」ガクガク
律「…お、落ち着け私!落ち着くんだ!」
律「…(とりあえずペンションの壁を探さないと…)」
律「(私は…>>341)」
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 22:46:31.86 ID:r77kmmBZ0 [19/22]
律「…。よし」
律「(…とにかく右へ進んでみよう…)」スタスタ
律「…」スタスタ
・・・
律「…」スタスタ
・・・
律「…」スタスタ
・・・
律「…ど、どこにも着かない…」ガタガタ
律「…こっ、小林さん!!香山さん!!誰か!!!」
…ビュオオオオオオオォォォォォォオオオオ………
律「…」
律「う、うわああああああああああああ!!!!!!!!!!」ダダッ
343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 22:49:54.06 ID:r77kmmBZ0 [20/22]
律「あだっ!?」ドンッ!
律「…いって…。…。あ、壁だ…」
律「よかった…。………ん?」
……………だ………れ…………………
律「なんだ…?なにか聞こえる…」
だ…れか…………だれ……か…!……
律「これは…」
小林「誰か!!来てくれ!」
律「!小林さん!!」
小林「その声は田井中さんか!!ちょっとこっちに来てくれ!!」
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 23:46:41.45 ID:r77kmmBZ0 [21/22]
律「どうしたんですか!!どこにいるんです!」
小林「こっちだ!!壁沿いにいる!早く来てくれ!!」
律「わかりました!」ダダッ
・・・・・・・・
律「・・・」ザッザッザッザ・・・
小林「おお、こっちだ!」
俊夫「君は大丈夫だったか…」
香山「あ~…寒い…」
律「…みなさん!どうしたんですか!」
小林「それが…」
美樹本「うう…」グッタリ
345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/20(土) 23:49:48.89 ID:r77kmmBZ0 [22/22]
律「み、美樹本さん…?なにがあったんですか?」
俊夫「どうやら誰かに殴られたらしいんだ…」
律「ええ!?大変じゃないですか!」
香山「…わしらも狙われとるかもしれへん。早く中に戻ろうや」
小林「そうですね…美樹本さんの手当てもしないと…」
俊夫「俺が遅れなければ、犯人の野郎をとっ捕まえてやったのに…くそっ!」
香山「そうや!なんで離れたんや!」
俊夫「…。雪で見失ってしまって…」
香山「…」
小林「この視界ならしかたないよ。…現に私達もはぐれてたんだし…」
律「…(この吹雪の中で…)」
小林「とにかく、美樹本さんを運んで早く戻ろう…」
美樹本「うう…」
律「…」
346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 00:06:29.35 ID:zqlVpjnn0 [1/54]
・・・・・・・・・・
ペンション裏口
ガチャ!
小林「おい…戻ったぞ!怪我人がいるんだ!誰か手当てを!」
今日子「え、ど、どうしたの?」パタパタ
みどり「誰が怪我を?」スタスタ
小林「美樹本さんが…」
美樹本「…」フラフラ
今日子「…!!」
みどり「…わかりました。オーナー、今日子さん。三人で美樹本さんを客室のベッドまで運びましょう」
小林「ああ。…せーのっ!」
美樹本「うう…」グッタリ
小林「…じゃあ行くぞ」グイッ
・・・・・・・・・・・
347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 00:19:22.24 ID:zqlVpjnn0 [2/54]
・・・・・・・・・・
俊夫「…」
律「…」
香山「しかし…アイツ、なんで襲われたんやろうな」
律「へ?」
俊夫「そんなの、犯人と出くわしたからに決まってるじゃないか」
香山「でもアイツが倒れとったところ、死体があった部屋の外やったで?犯人はあの部屋から出た後ずっとあそこにいたとでも言うんかいな。そんなん、普通凍え死ぬやろ」
律「た、確かに…」
俊夫「…」
俊夫「でも、推理小説とかじゃ犯人は必ず現場に舞い戻るとも言うぜ。実際にそうだったのかもしれない」
一同「・・・」
俊夫「…。ま、仮定の話をしても仕方がないな。俺は部屋に戻るぜ」スタスタ
香山「わしも自分の部屋行くわ…今やったら携帯の電波あるかもしれんし…」スタスタ
律「…。私は談話室に戻ろう…」スタスタ
・・・・・・・・・
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 00:51:54.26 ID:zqlVpjnn0 [3/54]
・・・・・・・・・
談話室
律「…ふう」スタスタ
紬「あ…りっちゃん…」
梓「先輩…」
澪「律…大丈夫か?」
律「ああ。…まあいろいろ大変だったけどな」
澪「律…」
律「ん?」
澪「その…さっきまでは悪かった。私一人取り乱して…」
律「いや…そんなのいいよ。というか澪のほうがまともなんだよ。こんな異常な状況なんだから、平常心でいられなくて当たり前だ。みんな、感覚が麻痺してるんだよ」
澪「…ありがとう」
律「おう」
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 00:54:26.74 ID:zqlVpjnn0 [4/54]
梓「先輩…」
律「?なんだ?」
梓「その…さっきはちょっと、格好良かったです。見直しました」
律「はは、どうも」
梓「でも…美樹本さんが襲われたって…。そんなんじゃ事件の手がかりも何も、あったもんじゃないですね」
律「…」
紬「それでね?今…やっぱり怖いから、私達三人ずつで分けてた部屋、一つにしようかって話してたの」
律「ああ…良いんじゃないかな。私は賛成だよ」
紬「そう…よかった」
律「…って、あれ?そういえば唯と憂は?それに春子さんもいないぞ」
紬「春子さんはさっき香山さんと一緒に二階に…。唯ちゃんは……」
律「?」
353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 01:06:22.73 ID:zqlVpjnn0 [5/54]
律「?」
紬「眠いって言って、部屋に戻っちゃった。憂ちゃんはそれにつきそって行ったわ」
律「はあ?眠い?アイツ、今夜寝れるかどうか心配してたくせに」
紬「実は…憂ちゃんがそれを心配して、さっきの紅茶に…眠くなるお薬をちょこっと混ぜたらしいの」
律「え…」
紬「…」
律「へ、へえ…姉思いの妹さんだなあ!」ハハ
一同「………」
澪「あ、そういえば律…服、びしょびしょだぞ」
律「ん?…あ、ホントだ」ビチャー
澪「風邪ひくぞ?」
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 01:09:46.51 ID:zqlVpjnn0 [6/54]
律「ああ…ちょっと部屋行って着替えてくるよ。」スタスタ
紬「あ、待って」
律「?」
紬「ほら、さっきの部屋を一つにするって話。今から部屋の荷物移しておきましょう」
律「あ、ああ。そうだな」
梓「じゃあ行きましょう。…。ちょっと話したいこともありますし…」スタスタ
律「…?ああ…」スタスタ
・・・・・・・・
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 01:22:00.73 ID:zqlVpjnn0 [7/54]
・・・・・・・・
【律・澪・梓】の部屋
律「…ふう。着替え完了!」
律「…」
律「で、話ってなんだ?」
澪「…」
紬「それは…梓ちゃんから…」
梓「…」
律「?なんだ?これじゃまるで、秘密会議じゃないか」ハハハ
梓「その通りですよ、律先輩」
律「…」
梓「…。私は…。……この事件の犯人は、外部からの侵入者だと思っていません」
律「お、おいおい。そりゃあ………どういう意味だよ…」
梓「犯人はこのペンションにいる人たちの誰かだってことです」
358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 01:51:40.09 ID:zqlVpjnn0 [8/54]
律「…」
律「なるほど。それで秘密会議ってワケか。」
梓「律先輩と唯先輩以外にはもう話してあります。…。正直、絶対的な自信があるわけではないんですが…。」
律「…。わかった。話してみろよ」
梓「…わかりました」
梓「まず…外部犯が死体をあそこまでバラバラにする意味がわかりません」
律「…。運びやすくするためじゃないか?あらかじめ外で田中さんをバラバラに殺してきた後で、窓からペンション内に死体を投棄した、というのはどうだ?。それなら窓が割れたことも説明できる。」
梓「…それだと美樹本さんが殴られるのはおかしいですよ。九時ごろに死体をペンションに捨ててから、
犯人がずっとペンションの近くをうろついていたことになりますから。この猛吹雪の中を、ですよ?もしそれが本当なら、犯人は既に死んでますね」
律「…。でも、死体を捨てた後に吹雪で身動きが取れなくなったって可能性もあるんじゃないか?」
梓「それはまずあり得ませんね。窓が割れる音がした時点で外は凄く吹雪いていた。来るのはOK帰りは無理、なんておかしいでしょう。
そもそも…吹雪の中を人が大勢いるこのペンションにわざわざ窓を割って死体を棄てるのはおかしいです。意味不明ですよ」
律「…確かに」
梓「つまり、田中さん殺しは間違いなく内部犯。万が一外部犯だった場合は、犯人は既に死亡してるってことです」
律「ふむ…。………。あ、待てよ?」
梓「はい?」
360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 02:11:08.10 ID:zqlVpjnn0 [9/54]
律「あ、いや…なんでもない」
梓「…?」
律「…」
梓「…まあ、いいです。次に、先ほどの美樹本さんのことですが…」
律「ああ」
梓「さっきも言ったように、外部犯の可能性はとても低いです。となると美樹本さんを襲った可能性のある人物はかなり絞られてきます」
律「…」
梓「まあわかると思いますけど、ペンションの中の人いて絶対に犯行が不可能な人をを除けば、犯人候補は小林さん、香山さん、俊夫さん、律先輩ですね」
律「お、おい!私も入ってるのかよ!」
梓「冗談です。律先輩を抜いて三人ですね」
律「ったく…」
梓「そしてここからも絞れます。…あの窓が割れた音がした時、香山さんは私達の目の前にいました。でも小林さんと俊夫さんは…」
律「あ…」
梓「…」
361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 02:21:16.74 ID:zqlVpjnn0 [10/54]
律「そういえばあの二人…いなかったな…」
梓「…」
紬「……………」
律「あっ…」
澪「ムギ…」
梓「…ムギ先輩、すいません…」
紬「いや、いいのよ。梓ちゃんは事実を言ってるだけだもの…」
一同「…」
梓「…。以上が…私の考えなんですが…」
律「…」
澪「…」
紬「…」
梓「…」
澪「あ」
362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 02:22:59.78 ID:zqlVpjnn0 [11/54]
梓「はい?」
澪「あ、いや…」
梓「…?なんですか?」
澪「その…突拍子も無い考えだとは思うんだけど…」
梓「…」
澪「…」
澪「み、美樹本さん……。あれ……………自分でやったとは考えられないか?」
一同「!?」
律「…」
374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 09:41:17.30 ID:zqlVpjnn0 [12/54]
紬「澪ちゃん…それ、どういうこと?」
澪「い、いや…そういう可能性もあるんじゃないかな…と思っただけでなんにも根拠は無いんだけど…」
梓「ふむ…。律先輩はどう思いますか?」
律「…」
律「実は私も少し気になってたんだ…」
一同「?」
律「外は本当に凄い吹雪だった…そんな中で私達ははぐれちまったんだが、とても人を襲えるような状況じゃ無かったよ。それこそ…待ち合わせでもしてない限りな」
梓「そうですか…」
紬「でも、そんなことして何かメリットがあるのかしら」
梓「仮に美樹本さんが犯人だったとして、殴られることによって犯人候補から除外されようとしたんじゃないですか?」
律「今はそのせいで疑われてるけどな…」
一同「…」
375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 09:42:27.47 ID:zqlVpjnn0 [13/54]
梓「…と、とにかく…疑うべき人は小林さん、俊夫さん、そして美樹本さんですね」
紬「…」
律「そうだな…。でもまだ名指しで犯人を指名できるような状況じゃないんだろ?
美樹本さんが犯人だったとしても田中さん殺しは無理で、小林さん、俊夫さんが犯人だとしたらあの吹雪の中で美樹本さんを見つけて、襲い掛かったことになる」
梓「はい…」
澪「…そろそろ荷物を唯達の部屋の方へ運ばないか?」
紬「そうね…」
律「だな。犯人がはっきりとわからない以上、私達は防御しか出来ない」
梓「…。わかりました。行きましょう」
・・・・・・・・・
378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 09:59:32.97 ID:zqlVpjnn0 [14/54]
・・・・・・・・・
【唯・憂・紬】の部屋
コンコン
律「おーい、憂ちゃーん!開けてくれ~!」
憂「あ、開いてますよ」
律「ええ!?」ガチャ
憂「どうも律さん。お疲れ様でした」
律「あ、ああ…って、無用心じゃないか?鍵を開けっ放しなんて」
梓「そうだよ。さっきも話したでしょ?犯人はペンション内部の人の可能性が高いって」
憂「うん…」
唯「…」スヤスヤ・・・
律「(ほんとに寝てる…)」
憂「でも、大丈夫じゃないかな?」
梓「?」
381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 10:07:27.24 ID:zqlVpjnn0 [15/54]
憂「田中さんってなんか得体の知れない感じだったし…襲われるような何かを抱えたような人だったのかもしれないよ」
梓「でもさっき美樹本さんが殴られて…」
憂「それは…そうだけど…」
梓「…」
律「まあ、いいじゃないか。とりあえずこれからどうする?私は談話室に行こうかと思うんだけど」
澪「私は…この部屋にいようかと思うんだけど…。あの人たちを前にしたら、なんか変な顔になっちゃいそうで」
律「そっか…」
紬「私は行くわ」
梓「私もです」
律「…。よし。なら私達は行こう。澪・憂ちゃん・唯はここに残るって事で。…鍵はちゃんと閉めとけよ」
憂「はい…」
澪「また後でな」
唯「…」スヤスヤ・・・
律「じゃ、降りようか」
・・・・・・・・・・・・
383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 11:13:14.35 ID:zqlVpjnn0 [16/54]
・・・・・・・・・・・・
談話室
小林「…」
今日子「…」
律「あれ、小林さん達だけですか」
小林「ああ…」
梓「美樹本さんの容態はどうなんですか?」
小林「どうって…素人目でしかわからないが…。…かなり悪そうだ…」
梓「えっ…?」
小林「右のこめかみを前からガツッとやられてて、出血がなかなか止まらなくてね…さっきやっと落ち着いたんだよ。でも意識が戻らないんだ」
今日子「今もみどりちゃんが見てるわ」
律「そ、そうなんですか…」
梓「前から…?」
384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 11:27:39.25 ID:zqlVpjnn0 [17/54]
小林「ああ、傷口は頭の前側にあったよ。それが何か?」
梓「それなら普通、殴られる前に相手に気付きませんかね…?」
小林「さあ…。かなりの吹雪だったからね…。君、何が言いたいんだい?」
梓「あ…。いえ…」
小林「…。まあ脈はしっかりしてたから命は大丈夫だとは思うんだがな…」
紬「…」
梓「(意識不明…演技…?それに前からって…)」
一同「…」
俊夫「オーナー」スタスタ
小林「ああ、俊夫君」
385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 11:46:35.00 ID:zqlVpjnn0 [18/54]
俊夫「美樹本さん、どうなんです?」
小林「今も話したが…。素人にはよくわからんよ。とりあえず様子を見るしか…」
俊夫「そうですか…」
俊夫「でも犯人の野郎、これからどんな行動に出るかわかったもんじゃないですね…。
できるだけみんなでここにでも集まっておいたほうが…って、あれ?」
俊夫「田井中さん、君達以外の女の子達は?それにみどりもいないじゃないか。あと香山さん達も…」
律「ああ、澪達なら二階の部屋にいますよ。香山さんはもう一度携帯を試した言って部屋に行きました。春子さんも一緒らしいです」
小林「篠崎君は上で美樹本さんを看てると思うが…ちょっと遅いな。すぐ降りてくるって言ってたのに」
俊夫「…。俺、みんなを呼んできますよ」
律「あ、でも私の友達たちは降りてこないと思います。一人、寝ちゃった子がいるので…」
俊夫「はあ??寝てる?」
律「…」
俊夫「…まあいい。とりあず声だけかけてくるよ」スタスタ
・・・・・・・・
386 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 12:05:25.43 ID:zqlVpjnn0 [19/54]
・・・・・・・・
俊夫「…」スタスタ
香山「いや~、携帯やっぱりあかんかったわ…」スタスタ
春子「…」スタスタ
小林「あれ?女の子達はやっぱり来なかったのかい?」
俊夫「ええ。寝てる子がいるので今は無理です。また後で顔出しますから、とか言ってました」
小林「そうかい…」
香山「いやいや、あんなん嘘やろ」
一同「・・・?」
律「…。どういう意味ですか?私の友達が嘘ついてるって」
香山「ああ、別に悪口言うつもりやないで。あの子らもわしと同じ考えなんかな、と思ってな」
律「…?」
388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 12:24:18.54 ID:zqlVpjnn0 [20/54]
小林「香山さん、なにが言いたいんですか」
香山「…。このペンションの人間は信用ならんってこっちゃ」
小林「はあ?」
香山「犯人は外に逃げたんじゃなく、わしらの中の誰かやってことや」
小林「そ、そんな…」
香山「多かれ少なかれはあると思うけど、みんな同じような考えは持っとるんやないか?」
梓「…」
紬「……」
小林「は…馬鹿馬鹿しい!!なんで見ず知らず、今日始めてあった人間を殺す必要があるんです!?」
香山「そんなんわからんやろ…誰か、あの田中ってのと知り合いやったんかもしれん」
小林「し、しかし…しかし、そんなことはありえない!だって考えても見てくださいよ!この中の誰に、あんなことをやってのける時間があったと言うんです?
人を殺し、死体をあんな風にバラバラにするのに、いったいどれくらいの時間がかかると思ってるんだ!」
紬「…。だいたい、三十分から四十分ってとこかしら」
小林「…!…て、手際よくいけばそんなものかもしれない」
小林「だが夕食後にそんなことをする時間があった者がいましたかね?それまでは田中さんは確実に生きていたんだ」
香山「…」
389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 12:27:09.29 ID:zqlVpjnn0 [21/54]
梓「(確かに…ガラスが割れた音がしたときのアリバイが無いのは俊夫さんと小林さんだけど…
小林さんには死体をバラバラにするほどの時間はなかった。俊夫さんも直前にみどりさんに声をかけられてる…)」
梓「状況を整理すると…。私達が夕食を終えたのが八時ごろ。そこで脅迫状の件があって、その後に少し送れて香山さん、
また少し後に美樹本さんが来た。それからはみんなで談話室にいたはず…小林さんと俊夫さん以外は…」
梓「…」
梓「(わけがわからなくなってきた…これじゃあ誰にも犯行は不可能ってことになる…)」
小林「とにかく!真相がわかったのでもないのに、そういう…みんなの不安を煽るようなことを言うのはやめてください!!」
香山「はいはい…。わしが悪かったわしが悪かった」
春子「…」
今日子「…あれ?そういえばみどりちゃんは?」」
390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 12:37:12.07 ID:zqlVpjnn0 [22/54]
俊夫「あ…そうだ、言うの忘れてたけど、みどりのヤツ、いないんですよ」
小林「いない…?ちゃんと探したのかい?美樹本さんの客室にいるはずだが」
俊夫「その部屋には布団を頭から何十にもかぶった美樹本さんしかいなかったし…見てないのはあの死体のある部屋だけですよ」
小林「…?」
今日子「まさか、あの部屋に行ったのかしら」
紬「もし犯人が外部犯なら、あの部屋また戻ってくるって可能性もあるわよね。窓は割れてるんだし…」
小林「そ、そんな…」
香山「そら、はよ探したほうがええんとちゃうか?バラバラにされてまう前に」アハハ
俊夫「おいあんた!!ふざけるのもいい加減にしろよ!!」ギロッ
律「と、とにかく早く行きましょうよ!」
小林「…そうだな。ついでに秋山さんたちにも降りてきてもらおう。危ない」
律「わかりました」
小林「じゃあ、全員で行きましょう」
・・・・・・・・・
391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 12:46:31.19 ID:zqlVpjnn0 [23/54]
・・・・・・・・・
田中の部屋の前
小林「…。本当にこの部屋は見てないんだね?」
俊夫「はい…」
小林「…」ガチャ・・・
…ビュオオオオオオオォォォォ…
小林「篠崎君!いないのか!!篠崎君!!」
…ビュオオオオオオオォォォォ…
小林「…ここにはいないみたいだな。一体どこに行ったんだ…?」
律「あ、あの…」
小林「うん?」
律「その…ジェニーが…」チラッ
ジェニー「ニャーオ・・・ニャーオ・・・」ガリガリ
393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 12:53:39.48 ID:zqlVpjnn0 [24/54]
小林「…なんだ。ジェニー、どうした?」
ジェニー「ニャーオ・・・ニャーオ・・・」ガリガリ
梓「掃除用具入れの箱の扉を…」
ジェニー「ニャーオ・・・ニャーオ・・・」ガリガリ
小林「……………………」
香山「どうしたんや?」
小林「いや…」
小林「………。開けますよ」ガチャ
ドサッ
小林「…嘘だろ」
みどり「」
394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 13:04:45.75 ID:zqlVpjnn0 [25/54]
俊夫「み、みどり…」
小林「…」
俊夫「……………う、うわあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!あああああああああああああああ!!!!!!!」
小林「と、俊夫君!」
俊夫「誰が…」
俊夫「誰が!!誰がこんなことを!!くそっ!!ぶっ殺してやる!!!!!」
小林「お、落ち着くんだ俊夫君!!」
俊夫「くっそ!!くそ!………みどり…」
俊夫「…ぶっ殺してやる…みどり…みどり……」グッタリ
一同「…」
小林「…。一度みんなで談話室に戻ろう…。田井中さん達はほかの女の子達を呼んできてくれないか…」
律「あ、…わ、わ、わかりました…」タッタッタッタ・・・
小林「…。篠崎君…」
小林「…」
小林「………。私は美樹本さんを連れて行かないと…」スタスタ
395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 13:09:27.94 ID:zqlVpjnn0 [26/54]
・・・・・・・・
ドンドン!
律「おい!開けてくれ!わたしだ!」
憂「律さん…今、何かあったんですか?」ガチャ
律「……。とりあえず、談話室に行くぞ」
澪「な、なあ…今叫び声がしたけど…何かあったのか?」
唯「目が覚めちゃったよ~…」
梓「…」
紬「…」
律「…。説明は後だ。とにかくみんな、一度一階に行こう」
澪「わ、わかった…」
憂「お姉ちゃん、行こう?」
唯「うーん…わかった…」
・・・・・・・・
400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 13:24:05.34 ID:zqlVpjnn0 [27/54]
談話室
一同「………」
梓「あの、俊夫さんがいないんですけど…」
今日子「…。みどりちゃんを…部屋に連れて行ったわ…」
梓「…。そうですか」
澪「み、みどりさんがどうかしたのか?」
律「…」
澪「…?」
憂「あの、何がなんだかわからないんですけど…」
唯「みんなどうしたの…?」
律「みどりさんは…何か固いもので殴られて…」
澪「え?」
一同「…」
紬「…。あ…」
俊夫「………」スタ・・・スタ・・・スタ・・・
401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 13:25:43.66 ID:zqlVpjnn0 [28/54]
一同「…」
俊夫「…。これからどうするんですか」
今日子「…。とりあえず主人が戻ってきたら…」
俊夫「…。みどりの敵は必ず俺が……」
一同「…」
香山「あ、なんや。小林君、そこにおるやんか」
小林「………………………」
今日子「あ、あなた。なんで階段で立ち止まってるの…?これからどうしようか話し合いましょう…」
律「…?小林さん?」
小林「………………………」
今日子「…あなた、どうしたの?またなにかあっ
小林「美樹本さんが」
今日子「え?」
小林「美樹本さんが、殺されてる」
406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 13:40:46.42 ID:zqlVpjnn0 [29/54]
一同「…?」
梓「(え…?)」
今日子「こ、殺されてる?」
香山「…。どういうことや…?」
小林「そのままですの意味ですよ」
香山「怪我しとったんやから、それが原因なら『殺されてる』やなくて『死んでしまってる』やないのか?」
小林「いえ、殺されてます」アハハ
律「は…あ?」
小林「ここに連れて来るために彼を起こそうと思って、体を隠すようにかぶせてあった布団をどけたら…心臓にナイフが刺さってました」ヒャヒャヒャ
407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 13:41:32.57 ID:zqlVpjnn0 [30/54]
香山「な…」
澪「う、嘘だろ…」
憂「み、見間違えとかじゃないんですか…?一応確かめに行ったほうが…」
小林「そうだね。わたしもそう願うよ。…見てくるといい。私は…疲れた」フラフラ
今日子「あ、あなた…しっかりしてよ…」
紬「おじさん!」
小林「うるさい!!私はもう寝る!!………みなさんもお好きなように…。殺されるかもしれませんがね…はははは」スタスタ
今日子「ちょ、あなた待って!!」パタパタパタ・・・
一同「・・・・・・・・・・・・・・・」
410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 13:49:57.14 ID:zqlVpjnn0 [31/54]
俊夫「…俺、確かめてくる。本当に見間違いかもしれない」
梓「あ、…ちょっと待って下さい。私達も行きます。ですよね?」
律「あ、ああ。そうだな…」
紬「…」コクリ
澪「嘘・・・だろ・・・うそ・・・」
憂「お姉ちゃん…」
唯「…。行こっか」
俊夫「…わかった」
香山「あ!待ってや!わしらも行くで!な!春子!」
春子「…」コクリ
俊夫「…。行きましょう」スタスタ
・・・・・・・・
411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 14:04:56.23 ID:zqlVpjnn0 [32/54]
美樹本の部屋
美樹本「」
俊夫「…。これは確実に死んでるな。心臓にナイフが完全に刺さってる」
唯「血の臭いが…すごい…」
香山「なんや…死んだフリでもしとんのかと思ったで…」
律「…。あれ?」
紬「どうしたの?りっちゃん?」
律「いや…美樹本さんの顔が変なような…」
梓「あ…ほんとですね…なにか違和感が…」
412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 14:07:08.16 ID:zqlVpjnn0 [33/54]
澪「お、お前ら…なんでそんな平気で死体を見られるんだ…?さっきまで生きてた人なのに…」
律「…。私達の感覚がおかしおくなってきてるんだな」
梓「…慣れたってことですかね」
澪「お前ら…」
憂「あの、どこが変なんですか…?」
律「いや、なんか…」
唯「あ、ヒゲがずれてるね」
律「ああ。それだ!」
俊夫「…!!ほんとだ!これは…」ペリッ
俊夫「…」
紬「…付け髭…」
梓「な、なんでこんなものを…?」
律「………。わからん」
香山「ん~?」
413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 14:16:58.09 ID:zqlVpjnn0 [34/54]
梓「香山さん?どうしたんですか?」
香山「あ、いや…なんでもないで…なんでも」
梓「…?」
唯「あ」
律「どうした唯」
唯「このヒゲが取れた美樹本さん…サングラスかけたら田中さんそっくりだね」
律「はあ…?」
梓「…」
唯「だって身長とか雰囲気とか…」
律「そ、そうか…?」
414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 14:18:08.41 ID:zqlVpjnn0 [35/54]
唯「うん。絶対そうだよ!この人田中さんだよ!!」
梓「………」
俊夫「いや…田中さんはバラバラになって死んでるじゃないか…」
唯「あっそうか…」
一同「………」
香山「なんや…結局わかったのは、こいつは『確実に死んどる』ってことか…」
春子「…」
梓「あ!!」
憂「梓ちゃん?」
梓「わかった!わかったよ!!」
一同「…?」
417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 14:41:13.40 ID:zqlVpjnn0 [36/54]
澪「梓…?」
律「わかったって…何がだ?」
梓「…事件の真相です」
一同「!!」
俊夫「ほ、本当か!?」
梓「ええ…。まあまだわからない部分や不確実な部分もありますが…だいたいは」
律「マジかよ…」
唯「あずにゃんすごいよ!!」
俊夫「みどりを!!みどりを殺したヤツは誰なんだ!!」
梓「落ち着いてください…。まず田中さんの事件からです」
一同「・・・・・」
419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 14:53:44.88 ID:zqlVpjnn0 [37/54]
梓「…私の考えでは…今唯先輩が言ったように、田中さん=美樹本さん、ってことになります。
つまり、あのバラバラ死体は『田中さん』じゃない誰かのものってことです」
紬「…根拠は?」
梓「本人が死んでるので確実ではないんですが…とりあえず、
背格好が似ていること、付け髭をつけていたこと、そして…田中さんと美樹本さんが同時にこのペンションにいたことがないってこと…以上です」
律「そういえば…確かに二人が同時にいたことなかったな…」
憂「ということは、私達が見た田中さんは変装した美樹本さん…そしてバラバラ死体は美樹本さんが用意したもの…ってことなのかな?」
梓「その通り。あの死体は田中さんが持って来たんだよ」
香山「なるほどな…そやったらこいつは…。……例の強盗犯かもしれんな…」
律「強盗犯?」
420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 14:55:32.89 ID:zqlVpjnn0 [38/54]
香山「あれ?知らんの?二日くらい前に、新宿の銀行に押し入った強盗がおったんや。複数犯やったらしい」
律「はあ…?」
香山「それがこっち、長野方面に逃走しとったらしいからな。この美樹本とあのバラバラ死体がその強盗で、仲間割れでもしたんとちゃうか?」
梓「…まあそれも妄想の域を出てませんが…ありえそうなのは確かですね。シーズン中のスキー場は人の出入りが激しいですから、身を隠すのにはもってこいかもしれない…。
つい殺してしまった仲間の死体をバラバラにして運びやすくしてこのペンションに持ち込んで、『謎の殺人事件』として処理するつもりだったのかもしれませんね、美樹本さんは」
俊夫「なら…なら、なんでみどりは殺されたんだ…!?」
梓「…。もしかしたら、私達よりももっと早く、真相にたどり着いたのかもしれません…それが美樹本さんにバレて…」
俊夫「そ、そんな…。くそっ!!!!」
一同「…」
421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 15:08:22.64 ID:zqlVpjnn0 [39/54]
一同「…」
梓「ただ…肝心のトリック…ガラスの音が割れるようにした仕掛けはわかりません…」
香山「いや、そこは大して重要やないやろ。コイツが田中やったってことは確実なんやら、コイツが犯人やわ」
梓「そう…ですかね…」
唯「あずにゃんすごいね!」
梓「あ…どうも…」
律「…。あれ?それなら美樹本さん…いや、美樹本は、なんでここで死んでるんだ…?それにガラスの割れた音もだ」
梓「それが…いまいちわからなくて…」
一同「…」
春子「みどりさんに刺されたんじゃないかしら?」
梓「へ?」
422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 15:10:39.06 ID:zqlVpjnn0 [40/54]
梓「ただ…肝心のトリック…遠くからガラスが割れるようにした仕掛けはわかってません…」
香山「いや、そこは大して重要やないやろ。コイツが田中やったってことは確実なんやら、コイツが犯人やわ」
梓「そう…ですかね…」
唯「あずにゃんすごいね!」
梓「あ…どうも…」
律「…。あれ?それなら美樹本さん…いや、美樹本は、なんでここで死んでるんだ…?」
梓「それが…いまいちわからなくて…」
一同「…」
春子「みどりさんに刺されたんじゃないかしら?」
梓「へ?」
426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 15:21:30.51 ID:zqlVpjnn0 [41/54]
春子「…」
香山「…ああ、なるほど。ここにおる美樹本はみどりさんを襲った。それはうまくいったんやけど、
途中でもみ合いになって…自分はみどりさんに刺されてもうた…こういういわけやな?」
春子「ええ…」
紬「ちょっと待ってください。どうしてみどりさんが刃物を持ってるんですか?美樹本がみどりさん殺しに使ったのはなにか硬いもの…鈍器ですよ?」
香山「…。そんなん簡単やん。みどりさんは真相がわかってしもたから美樹本に襲われたんやろ?
やったらみどりさんの方も少しは警戒しとったはずや。犯人はコイツや!ってわかっとったんやからな。
何かしら武器になるものを持っててもなんもおかしない。ナイフくらい厨房にあるやろし」
紬「なるほど…」
俊夫「み、みどりが…」
梓「…。俊夫さん。美樹本に刺さっているナイフはこのペンション…もしくはみどりさんの私物の中にあるものですか?」
俊夫「みどり…みどり…。ちゃんと一矢報いたんだな…偉いぞ…みどり………」ガクッ
梓「…あの」
俊夫「みどり…みどり…」ブツブツ・・・
梓「…」
427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 15:23:13.71 ID:zqlVpjnn0 [42/54]
ごめん
>>421は間違い
429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 15:43:41.02 ID:zqlVpjnn0 [43/54]
香山「ま…なんとか事件解決、ってことやな!すごいやん君」
律「や、やったな!梓!」
唯「さすが私のあずにゃんだよ!」
憂「ほんと!すごいよ!」
澪「よかった…これで安心できる…ありがとう梓…」
梓「あ…はい…」
紬「…」
430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 15:44:41.41 ID:zqlVpjnn0 [44/54]
香山「んならわしらは部屋に戻るわ…。おやすみ~」スタスタ
春子「…」スタスタ
梓「…」
俊夫「みどり…みどり…ふふ…みどり…」ブツブツ・・・
律「…」
律「あ、あたしらも部屋に戻ろうか。…俊夫さんはそっとしておいてあげよう…」
紬「うん…そうね」
律「じゃ、いくぞ…」スタスタ
梓「…」スタスタ
・・・・・・・・・
436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 16:44:04.84 ID:zqlVpjnn0 [45/54]
・・・・・・・・・
律「そういえば…部屋一つにするとか言ってたな。…狭いな」
唯「もう犯人はわかったんだし、二部屋に分かれてもいいんじゃないかな?」
澪「ええ~…怖いよ」
憂「でも…もともと二人用の部屋だし…ちょっと寝にくいんじゃないかな…」
梓「…」
紬「私はどっちでもいいわ……」
律「…。なら三人ずつに分かれるってことでいいか!」スタスタ
澪「ちょ…」
律「何かあったら私が守ってやるから安心しろって!!」ハハ
澪「り、律…」
梓「…」
律「じゃあ唯達、おやすみ~!」
唯「おやすみ~!」
梓「…」
439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 17:38:31.83 ID:zqlVpjnn0 [46/54]
・・・・・・・・・・
【唯・憂・紬】の部屋 夜12時半
唯「あー…さっき無理やり起こされたから…眠いよ…」フアア
憂「私も…今日は疲れた…でも犯人が見つかってほんと良かった…」
唯「だね~…」
紬「…」
紬「じゃあ、寝ましょうか…」
唯「うん」
憂「お休みなさい…」
紬「…おやすみ」
一同「…」スヤスヤスヤ
・・・・・・・・・・
441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 17:50:46.35 ID:zqlVpjnn0 [47/54]
・・・・・・・・・・
【律・澪・梓】の部屋 夜12時半
律「さてと、寝るか!」
澪「う、うん…」
律「おいおい、怖くて寝れないのか?」
澪「そ、そんなことない!…大丈夫だ」
律「そか。…じゃあ明かり消すぞ。梓も良いな?」
梓「あ、はい…」
律「よっと」パチッ
律「んじゃ、おやすみ~…」
澪「おやすみ」
梓「おやすみなさい…」
律&澪「…」スヤスヤ
梓「…」
・・・・・・・・・
444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 18:08:13.31 ID:zqlVpjnn0 [48/54]
・・・・・・・・・
深夜一時
【律・澪・梓】の部屋
梓「………」
律「…」スヤスヤ
澪「…」スヤスヤ
梓「…(なにか違和感が…)」
梓「(バラバラ死体の件は美樹本…それは間違いない…と思うんだけど、みどりさんの事件は…?あれも美樹本でいいんだろうか)」
梓「(美樹本は怪我をしていた…。結局あれは自分で自分を殴っただけで、演技だったってことになったけど…)」
梓「(小林さんが言うには美樹本は意識不明…。そこまで芝居を演じる必要があるか?……あれは自分でやったと言うには傷が深すぎるようにも思える)」
梓「(それに律先輩の話では外は猛吹雪で視界はとても悪い。そんなところで何者かに襲われるフリをしても逆に演技だと疑われるだけなんじゃ?)」
梓「(…。そもそも傷は頭の前側についていた。誰かに襲われたフリをするなら傷は後ろにつけたほうがいいはず)」
梓「(でも…美樹本は付け髭をつけていた…。田中を演じたのは美樹本で間違いないはず…)」
梓「(………。……・・・・・待てよ?)」
447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 19:06:03.90 ID:zqlVpjnn0 [49/54]
梓「(美樹本は単独犯………ではない……という可能性もあるんじゃないだろうか…。
美樹本に仲間がいたとしたら、今回の一連の事件はどうなるんだろう)」
梓「(まずバラバラ死体…あれは美樹本がやったことだ。それは確実…)」
梓「(でも、美樹本自信が殴られたのは?あれにはどうも違和感がある)」
梓「(まず、傷が深いということ…。傷が美樹本を意識不明にさせるほど酷いものなのは…。あれは…自分じゃない、別の誰かに殴られたということ。殺意を持った誰かに)」
梓「(次に、最悪な視界の中で襲いかかれたのは…。…。美樹本もその『誰か』に会おうとしていたからなんじゃないだろうか)」
梓「(つまり、美樹本とその誰かは…ペンションの中、人の目に付くところではできないことを話そうとしていた…。少なくとも美樹本はそのつもりだった。
だからあらかじめ、お互いにこっそりと外での集合場所を決めておき、雪のせいでみんなとはぐれたフリをしてその場所に向かった…)」
梓「(そしてその誰かはそこで、美樹本と秘密の会合をすると見せかけ…美樹本を襲った。この誰かは当然美樹本の仲間、共犯者なんだろう)」
梓「(だいたい前から襲い掛かるなんておかしい。普通、不意をついて後ろから行くはず。
これならそれも説明できる。相手と会話しているところを急に殴られた…そういうことだろう)」
梓「……………」
梓「(つまり…美樹本はあの吹雪の中で共犯者と待ち合わせをしていて、そこでその共犯者にに裏切られ襲われた………それが妥当なんじゃないだろうか)」
梓「…」
450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 19:45:23.63 ID:zqlVpjnn0 [50/54]
梓「(もしこの考えが正しいなら、共犯者はその雪の中では美樹本を殺しきれなかったことになる。意識は不明でも、死んではいなかったんだから)」
梓「(『もし意識が戻ったら大変だ』…そう考えた共犯者は隙を見て二階に行き、美樹本にとどめを刺しにいくはず。そして美樹本殺害前か殺害後か…それは解らないけど、
みどりさんにその犯行を見られてしまう。………。だから口封じのためにみどりさんにも手をかけた。その後は何食わぬ顔で談話室に戻ってくる…)」
梓「…」
梓「(こういうことかな…?)」
梓「…」
梓「今何時だろう…」チラッ
梓「…。三時前か。いろいろ考えてる間にけっこう時間が…」
梓「…」
梓「(この推理があってるなら、まだ殺人鬼が自由な状態でこのペンション内にいるってことに…。
でもその殺人鬼が誰なのかもかなり絞れてるはず…。誰か信用のおける人に、この考えを聞いてもらおう)」
梓「…」チラッ
律「…」スヤスヤスヤ
澪「…」スヤスヤスヤ
梓「………」
454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 20:39:36.76 ID:zqlVpjnn0 [51/54]
梓「(律先輩…は良いかもしれないけど、リアクション大きいからな~…それに澪先輩が起きちゃうかもしれないし…)」
梓「…」
ゴトッッ!!
梓「!?」
・・・・・・・・
梓「…?(今…何か聞こえたような…?)」
455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 20:42:35.59 ID:zqlVpjnn0 [52/54]
梓「…」
梓「…(気のせいかな…?な、なにかいるんじゃ…)」
梓「(いや…。大丈夫…落ち着け私…)」
梓「…。よし」
梓「(やっぱり…)」
梓「(ここは憂かムギ先輩に聞いた貰うのが妥当かな。あっちの部屋に行こう…)」スクッ
梓「(慎重に…音を立てないように…)」ヒタヒタヒタ・・・
律&澪「…」スピー・・・スピー・・・スピー・・・
梓「・・・」ガチャ・・・
廊下
・・・シーン・・・
梓「…」スタ・・・スタ・・・スタ・・・
462 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/21(日) 21:15:11.32 ID:zqlVpjnn0 [53/54]
梓「…」スタ・・スタ・・スタ・・・
梓「(えーと…ムギ先輩達の部屋は…ここだったっけ)」
梓「(って…え?)」
梓「な、なんで…?」
梓「ドアが開いてる…」
梓「…」ゴクリ
梓「む、ムギ先輩~?憂?唯先輩?…いませんか?」
・・・・・・・・・
・・・シーン・・・
・・・・・・・・・
梓「いない…」
梓「…」ブルブル
476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 00:23:55.06 ID:Fehj4wF70 [1/31]
・・・・・・・・
深夜二時半
【唯・憂・紬】の部屋
紬「…」スヤスヤ
紬「…」
紬「…」
紬「…」
紬「…ん…」パチッ
紬「…。目が覚めちゃった…」
紬「…」
紬「…。あれ?」
・・・シーン・・・
紬「…誰もいない…」
紬「唯ちゃんと憂ちゃんは…」
紬「………。どこに行ったのかしら…」
478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 00:33:30.41 ID:Fehj4wF70 [2/31]
紬「事件は解決したって…みんな言ってたけど」
紬「…」
紬「やっぱり探しに行かないとね…」スクッ
紬「ちょっと怖いけど…行きましょう…」ガチャ・・・
廊下
・・・・・・・・・
・・・シーン・・・
・・・・・・・・・
紬「…」
紬「だ、大丈夫よ、紬!犯人は美樹本さんだったんだから…!」
紬「…。ふう…。………」スタ、スタ、スタ
紬「…ゆ、唯ちゃ~ん…?憂ちゃ~ん…?」スタ、スタ、スタ
481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 00:46:52.53 ID:Fehj4wF70 [3/31]
…
一階 談話室
紬「唯ちゃ~ん…いないの~?…」スタ、スタ、スタ
紬「…」スタ、スタ、スタ、
紬「…」ピタッ…
紬「…もしかして、二人とも澪ちゃん達の部屋の方に行ってるのかしら…?」
紬「………。(怖い…)」
紬「…」
紬「やっぱり…。あっちに戻ろうかしr
ガタッ!・・・
紬「!?」
482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 00:49:58.96 ID:Fehj4wF70 [4/31]
紬「!?…。何…?」
・・・・・・・・・
・・・シーン・・・
・・・・・・・・・
紬「…」
紬「……」
紬「………」
紬「(今の音…おじさん達スタッフの部屋の方から聞こえたわよね…)」
紬「…。行ってみましょう…」
紬「…」スタ、スタ、スタ、
483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 00:57:40.16 ID:Fehj4wF70 [5/31]
・・・・・・・
紬「…」スタ、スタ、スタ…ピタッ
小林夫妻の私室前
紬「…」
紬「(明かりがついてる…)」
紬「(…さっきの音は確かにここから聞こえたわ…)」
紬「…。(ノックは…しなくていいよね…?)」
紬「……………」ゴクリ
紬「…」ガチャ・・・
485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:07:25.37 ID:Fehj4wF70 [6/31]
小林夫妻の私室
紬「・・・・・・・・・・・・」
紬「誰もいない…」ホッ・・・
紬「あ、そうだ…唯ちゃんたちを探さないと…(そういえば、なんで誰もいないのに明かりが…)」
紬「…」スタ、スタ、スタ、
紬「……」スタ、スタ、スタ、
紬「………」スタ、スタ、スタ、
紬「…いないわね…」
紬「…」
紬「(そういえば…なんだかさっきから…変な臭いがする…)」
紬「…」チラッ
紬「(…。お風呂場から…?)」
487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:18:59.13 ID:Fehj4wF70 [7/31]
紬「…」
紬「(なんだろう…この臭い…)」
紬「(嫌な感じがする…)」
紬「………。(あそこを覗くのはやめておきましょう…)」
?「うう…」
紬「え?(お風呂場から声?)」
?「…………う…う…」
紬「…。誰かいるの…?」
?「…す…けて…。…………たすけ…て…」ボソボソ
紬「!!」
490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:31:53.75 ID:Fehj4wF70 [8/31]
紬「………」
紬「誰か…いるんですか?」ソロソロ
?「…助けてくれ…助けて…」
紬「…?わ、わかりました。今行きます!!」ダッ
唯「だ、だめっ!!ムギちゃん!!逃げて!!!」
紬「!?」ピタッ
?「ちっ…」
唯「早く!!お願い!!誰か呼んできて!!」
紬「わ、わかったわ!!(なんかよくわからないけど、ごめんなさい!!すぐ人を呼ぶから!!)」ダダッ
紬「…!」ガチャ!!
・・・・・・
491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:34:09.46 ID:Fehj4wF70 [9/31]
・・・・・・
紬「…」タッタッタッタ・・・
紬「…(い、今の何…?)」タッタッタッタ・・・
紬「…(とにかく、人を呼んでこないと!!)」タッタッタッタ・・・
紬「…(階段を上がって…)」タッタッタッタ・・・
紬「…(そこの角を曲がれば!!)」
紬「だれkっ・・・
トンッ
紬「…………………」
紬「え?」フラ・・・
?「…」
ゴトッッ!!
梓「!?」
495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:42:48.67 ID:Fehj4wF70 [10/31]
・・・・・・・・
梓「…?(今…何か聞こえたような…?)」
梓「…」
梓「…(気のせいかな…?な、なにかいるんじゃ…)」
梓「(いや…。大丈夫…落ち着け私…)」
梓「…」
梓「(よし…。ムギ先輩達の部屋へ行こう…)」
梓「(慎重に…音を立てないように…)」ヒタ、ヒタ、ヒタ、・・・
律&澪「…」スピー・・・スピー・・・スピー・・・
梓「・・・」ガチャ・・・
496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:43:52.01 ID:Fehj4wF70 [11/31]
廊下
・・・シーン・・・
梓「…」スタ・・・スタ・・・スタ・・・
梓「…」スタ・・スタ・・スタ・・・
梓「(えーと…ムギ先輩達の部屋は…ここだったっけ)」
梓「(って…え?)」
梓「(な、なんで…?)」
梓「(ドアが開いてる…?)」
梓「…」ゴクリ
497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:46:05.44 ID:Fehj4wF70 [12/31]
梓「む、ムギ先輩~?憂?唯先輩?…いませんか?」
・・・・・・・・・
・・・シーン・・・
・・・・・・・・・
梓「いない…」
梓「…」ブルブル
梓「どうしよ…」
・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・
梓「…!?」
499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:51:55.61 ID:Fehj4wF70 [13/31]
・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・
梓「(だ・・・れ・・・?)」
梓「…(階段を登ってきてる…?)」
・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・
梓「(…。だめだっ!!…怖い!!)」ダダッ!・・・バタンッ!ガチャ!
梓「…」ドキドキドキドキ
・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・ギシ・・・
501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 01:59:32.34 ID:Fehj4wF70 [14/31]
梓「…(咄嗟にムギ先輩達の部屋に飛び込んで鍵を閉めちゃったけど…)」
梓「(誰なの?)」
・・・ギシ・・・ギシ・・・・・。・・・・・・スタ・・・スタ・・・スタ・・・スタ・・・
梓「…。(近づいてきてる…。もし先輩だったったら鍵を開ければいいだけだもんね…落ち着け私…鍵は閉めた…)」
・・・スタ・・・スタ・・・スタ・・・スタ・・・
梓「…」
・・・スタ・・・・・・・・スタ・・・・・・・・
梓「…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピタッ
梓「…(この部屋の前で止まった…)」
コンコン
502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 02:09:12.14 ID:Fehj4wF70 [15/31]
梓「…」
コンコン
梓「…」
コンコンッ
梓「…」
・・・・・・・・・・
ドンドンッ
梓「!………」
・・・・
ドンッ!ドンドンッ!
梓「……………」ガクガクガクガク
ドンドンドンッ!ドンドン!!ドンドンドンッ!!!!
梓「…(誰か…この音で起きて…!)」ガクガクガクガク
503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 02:14:31.23 ID:Fehj4wF70 [16/31]
ドンドンドンッ!ドンドッ・・・。・・・・・・・・・。
梓「…?」
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・スタ・・・スタ・・・スタ
梓「(よ、よかった…。何者か知れないけど…どこか別の場所に行ってくれたみたいだ…)」
梓「…」
梓「…。(ほかの場所…?)」
梓「あ!」
梓「(む、向こうの、律先輩達が寝てる部屋の鍵閉めとくの忘れてた!!)」
・・・スタ・・・スタ・・・スタ・・・キィー・・・
梓「(うわああああああああ!!!!!!!やばい!!やばい!!どうしよう!!!!助けに行かないと!!!!)」
・・・ピンポーン・・・
508 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 02:26:08.21 ID:Fehj4wF70 [17/31]
梓「…?」
ピンポーン
・・・
ピンポーン
・・・
ピンポーン
梓「(い、インターホン…?)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・ギシ・・・ギシ・・・
梓「(あ、あの足音が引き返し始めた!!)」
梓「(この足音が美樹本の共犯者で、みどりさんの事件の真犯人だとすると…
このインターホンは…そいつの他にも共犯者がいたってこと?ならこれは何かの合図…?)」
透「す、すいませーん!!誰かいませんか!!!」
梓「へ?」
513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 02:34:12.07 ID:Fehj4wF70 [18/31]
・・・・・・・
透「すいませーん!!!」
真理「透…寒いわ…とりあえず中に…」ブルブル
透「あ、ああ…そうだな…」
透「…にしてもなんで真っ暗なんだ…」
・・・・・・・
梓「(なんかよくわかんないけど…もしかしたら、小林さんの言ってた遅れてる人たち?)」
梓「(…。とにかく、犯人があっちに気を取られてる隙に…)」
・・・・・・・
515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 02:42:16.64 ID:Fehj4wF70 [19/31]
・・・・・・・
透「…。暗くてよく見えないな…誰かが電気消したのか?これ…」
真理「そんなことより何か毛布でも…。………。…あれ?」
透「どうした?」
真理「…あそこ…誰か倒れてる…」
透「へ?」
真理「ほら…あそこ…」
透「…」テクテクテク
透「…」
香山「」
透「わ、ほ、ほんとだ!!」
真理「…。ここで一体何があったの…?」
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 02:48:04.03 ID:Fehj4wF70 [20/31]
透「…」
真理「ねえ…この人、………死んでるの?」
透「く、暗くて顔色がわからない…。とにかく脈を…」サッ・・・
透「…」
香山「」
透「………」
真理「…。どうなの?」
透「だめだ…手が氷のように冷たい。…脈はまるでないよ…」
真理「そ、そんな…!」
518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 02:57:01.67 ID:Fehj4wF70 [21/31]
真理「どうして…こんなところで人が死んでるの…?」
透「そ、そんなこと僕に言われても…」
真理「どうなってるのよ…」
ガタッ!…
透「ん…?」
真理「今…二階から音が…」
透「…誰かいるのかもしれない。行ってみよう」スタスタ
真理「…。わかったわ」スタスタ
?「…」ズズ・・・
519 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:02:34.72 ID:Fehj4wF70 [22/31]
透「…」スタスタ
真理「…。おじさんはどこにいるのかしら…スタスタ
?「…」ヒタ、ヒタ、ヒタ
透「…この階段の上だよな?…薄暗いな」
真理「音は確かに聞こえたわ…行きましょう…」
透「ああ…」
?「…」
?「…」ガバッ
バキャッ!!!
522 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:09:52.54 ID:Fehj4wF70 [23/31]
・・・・・・・・・・・・・・
透「…?」
真理「何?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
香山「ぐ・・・・う・・・・・・くっ・・そ・・・・・」バタッ
梓「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」ガタガタガタガタ
525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:20:12.42 ID:Fehj4wF70 [24/31]
透「…な、なんだ!?」
真理「あなた…何してるの…?」
梓「・・・はあ・・・はあ・・・」
透「ねえ君、どうしたn
梓「前!!ストック持ってる!!!」
透「えっ?」
春子「うわああああああ!!!!!!!」ブンブンブンブン
透「わ、わあっ!!」
梓!!「危ないです!!」バッ
ガキッ!!
梓「っつ…」
春子「わああああああああああああ!!!!!!!!!」
梓「こ、この人を取り押さえてください!!」
527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:30:09.71 ID:Fehj4wF70 [25/31]
透「あっ…」
真理「わ、わかったわ!!」ガシッ!
春子「くそっ!!離せ!!くそっ!!!」ジタバタ
真理「ほら!透も手伝って!!」
透「あ…。あ、あ、アンタ!!何やってんだ!!」バッ
春子「離せ!!離せ!!わああああああ!!!!!」ドタバタドタバタ
梓「くっ…。大人しくしないなら…」
梓「…。うりゃ!!」バキッ!
春子「ぐわっ!!」
透「お、おい!」
梓「…大丈夫ですよ。そんなに強くやってないですから…」
透「…」
春子「・・・くっ・・そ・・・」グタッ
・・・・・・・・・・・
律「な、なんの騒ぎだ…?」ヒョコッ
528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:39:59.00 ID:Fehj4wF70 [26/31]
梓「…。律先輩…」
律「梓…?お前なにやってんだ?それにこの人達は?」スタスタ
梓「ああ…。今、やっと、全部終わったところなんです…」
律「…?」
透「あ、僕達はここに今夜泊まる予定だった者です」
梓「あ…やっぱりそうだったんですか」
律「小林さんの言ってた人達か」
真理「…。あの、ここでなにが起こっているのか教えてくれないかしら」
透「そうだ。…これは一体…なんなんだい?」
律「わ、私にも説明してくれ!澪も連れて来るから!」
梓「…。わかりました」
律「ここで待ってろよ!」ダダッ!
梓「・・・・・・・・・・・・・・」
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:49:57.72 ID:Fehj4wF70 [27/31]
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
梓「…。というのがこの事件の真相です」
律「…」
透「そんなことが…あったのか…」
真理「…」ブルッ
澪「まさか…香山さん達が…」
梓「…。でも本当のことです。あの二人はロープで縛っておきましょう。後は…朝になって吹雪がマシになるのを待つだけですね…」
律「そう…だな」
澪「…あれ、そういえばムギたちは?」
律「ああ…部屋にいなかったから呼ばなかったんだけど…」
梓「そういえば…どこにいるんでしょう」
真理「おじさんもいない…」
531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:53:09.13 ID:Fehj4wF70 [28/31]
梓「ああ、そうか。小林さん達の部屋にいるんですよ。みんなで」
律「そか…」
透「…(なんでみんなそんな所に集まって、ここに来てないんだ?)」
梓「あたし呼んできますね」
真理「あ…私も行くわ。叔父さんに挨拶しないと…」
梓「そうですか。じゃあ行きましょう」スタスタスタ
透「…………………………?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
終
533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 03:56:52.33 ID:Fehj4wF70 [29/31]
終わった…
読んでくれた人ありがとう
538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 04:04:31.31 ID:Fehj4wF70 [30/31]
えーと、
美樹本を殴ったのは香山個人
美樹本を殺したのは香山夫妻
みどりを殺したのも香山夫妻
紬を声で罠にはめようとしたのは香山
紬を突き落としたのは春子
あと、強盗犯は『複数犯』としか言ってなかったので二人組みとは限らない
小林さんとか唯とかの死については個人の想像におまかせします
541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/22(月) 04:15:33.99 ID:Fehj4wF70 [31/31]
梓は香山夫妻が透達に気を取られてる隙に田中の部屋の割れた
窓から外に飛び降りて、そこから玄関に入って香山の背後を突いた…って感じです
文章中に書いてなくてごめん
物凄い遅筆なのに付き合ってくれてありがとう じゃあさようなら
<<女魔王「まあ落ち着けよ」勇者「え?」 | ホーム | 唯「かまいたち?」>>
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