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唯「君は誰のイメージ?」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 21:19:07.59 ID:1jPYnrgF0 [1/19]
憂「おねーちゃん、朝だよーっ」
唯『うーん、お早う憂ー』
憂「朝ごはんできてるよ」
唯『うん、今行くよー』
唯『……』
唯『ぐう』
憂「お姉ちゃんったらー」
憂「おねーちゃん、朝だよーっ」
唯『うーん、お早う憂ー』
憂「朝ごはんできてるよ」
唯『うん、今行くよー』
唯『……』
唯『ぐう』
憂「お姉ちゃんったらー」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 21:23:45.62 ID:1jPYnrgF0 [2/19]
憂「どう?お姉ちゃん美味しい?」
唯『おいしい!』
憂「ふふっ、良かったー」
憂「あっ、お姉ちゃんお口についてるよっ」
唯『憂とってー』
憂「いいよっ」フキフキ
憂「はい、取れた」
唯『ありがとー憂!』
憂「えへへっ」
憂(お姉ちゃん、かわいいなー)
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 21:29:42.66 ID:1jPYnrgF0
憂「そろそろ学校行かなきゃ」
唯『うん!』
憂「今日もいい日だといいね」
唯『きっと楽しい一日になるよっ』
憂「そうだねっ」
唯『ねー、憂?』
憂「なあにお姉ちゃん?」
唯『手つないでいこっか?』
憂「えーっ、なんか恥かしいよー」
唯『いいじゃん』ギュッ
憂「お姉ちゃん…///」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 21:38:58.30 ID:1jPYnrgF0
唯『あっ、和ちゃんだ!』
憂「ほんとだっ、お早う和ちゃん!」
和「あっ、お早う憂」
唯『おはよー』
和「今日も姉妹で仲良く登校なの?」
憂「うん、私達いつも一緒だからっ」
唯『仲良しだもんねっ』
憂「えへへ」
和「そうなんだ」
憂「それじゃあ、和ちゃん、お姉ちゃんをよろしくお願いします」
和「ええ、それじゃまたね憂」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 21:49:54.36 ID:1jPYnrgF0
憂の教室!
梓「それで、『ふざけるなっ』て澪先輩が律先輩にげんこつしちゃって」
純「あははっ、あの二人、いつもそんな感じなんだね」
梓「でも、ホントは仲がいいから出来るんだろうねー」
憂「お姉ちゃんも、澪さんと律さん、仲が良くて羨ましいって言ってたよっ」
梓「?」
純「お姉ちゃん?」
憂(あっ!いけないっ、つい言っちゃった!!!)
憂「あっ、いやっ、なんでもないのっ!」
梓「なんか憂って、たまにおねえ…」
純「あっ!先生来たよっ」
憂「えっ、じゃあ私、席に戻るねっ」
憂(またやっちゃったよ、気をつけなきゃ…)
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 21:56:45.46 ID:1jPYnrgF0
憂の家!
憂(今日はハンバーグ、お姉ちゃん喜んでくれるかな?)
唯『憂ー、ごはんまだーっ?』
憂「もう直ぐだからちょっと待っててね」
唯『早く食べたいよー』
憂「お姉ちゃんったら、食いしん坊さんなんだからぁ」
唯『だってぇ、憂のごはん美味しいんだもん!』
憂「ふふっ、ありがとうお姉ちゃん!」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:07:24.68 ID:1jPYnrgF0
憂「それでお姉ちゃん、軽音部の方はどお?」
唯『すごく楽しいよっ、ムギちゃんの淹れてくれるお茶は美味しいし』
唯『毎日出してくれるお菓子も美味しいよっ!』
憂「食べ物以外は?」
唯『律ちゃんは楽しいし、澪ちゃんとムギちゃんは優しいし』
唯『あずにゃんもすっごく可愛いよ!』
憂「軽音部なのに、音楽の話は無いの?」
唯『あっ、そうだった、私達軽音部だもんねっ』
憂「お姉ちゃんったらーっ」
唯『えへへっ』
憂「うふふっ」
憂(お姉ちゃんと一緒だと楽しいな)
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:15:19.16 ID:1jPYnrgF0
学校!
憂「あっ、律さん!」
律「えっ?」
憂(あっ、つい気安く声かけちゃった)
律「あっ、確か梓の友達のー」
憂「憂、平沢憂です」
律「憂いちゃんか、名前覚えてくれてたんだ、ありがとう」
憂「軽音部の皆さんの名前はみんな知ってますよ」
律「梓の奴、クラスで私達の噂してるんだなーっ」
憂「えーっ、梓ちゃん変な事言ってませんよー」
憂「軽音部楽しいって」
律「えへっ、そっか」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:19:45.03 ID:1jPYnrgF0
澪「おーい、律、おいてくぞーっ!」
律「あー、今行くよっ」
律「じゃあね、憂ちゃん」
憂「はい…」
憂「」
憂(お姉ちゃんのいる部活だもん、知らないわけないもんっ)
憂(お姉ちゃん…)
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:27:54.31 ID:1jPYnrgF0
和「憂、こんな所にいたのね」
憂「和ちゃん…」
和「ちょっと話があるの」
憂「話って?」
和「唯のことよ…」
憂「私もっ、私も和ちゃんとお姉ちゃんの事話したかった!」
憂「和ちゃん以外、お姉ちゃんの話聞いてくれなくて」
和「……」
憂「昨日はね、お姉ちゃん、軽音部がんばるぞって張り切っちゃって」
憂「家でも寝るまでギターの練習してるんですよっ!」
和「……」
憂「張り切りすぎて、部活遅くならないといいんですけど」
和「……」
和「もうそろそろ終わりにしたいの」
憂「!!!?」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:36:21.55 ID:1jPYnrgF0
憂「終わりって……どういうことですか?」
和「もう私達高校生なの、わかるわよね?」
憂「……」
和「私はもう直ぐ大学生」
和「何時までも続けられないの」
和「こんな、妄想ごっこ!」
憂「!!!?」
憂「……何を、言ってるの和ちゃん?」
憂「変な和ちゃん」
憂「生徒会や勉強で忙しすぎて、おかしくなっちゃたのかなぁ?」
和「お願い憂っ!大切な話なの」
憂「そんなの知りませんっ」
憂「私、お家に帰って、お姉ちゃんの為に色々しなくちゃ」
憂「帰りますっ!!!」
和「待ってよ憂っ!!!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:45:22.12 ID:1jPYnrgF0
憂の家!
憂(和ちゃんのバカ)
憂(和ちゃんのバカっ!!!)
憂(お姉ちゃんの為にお料理するの)
憂(お姉ちゃんの為にお洗濯するの)
憂(お姉ちゃんの為にいい子でいるの)
憂(両親にほったらかしにされてるから)
憂(仕方なく炊事をしている訳じゃないっ!!!)
憂(両親の気を引くために)
憂(必死にいい子でいる訳じゃないよっ!!!)
憂(私はそんな寂しい子じゃないっ!!!)
憂(だって、だって、私には、お姉ちゃんが)
憂(大好きなお姉ちゃんがいるからっ!!!)
憂「……」
憂「ううっ、うっ、ぐすっ」ポロポロ
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:54:23.44 ID:1jPYnrgF0
唯『ただいまーっ!』
憂「あっ、お姉ちゃんだっ!!!」
唯『あれっ?憂泣いてるの?』
憂「えへへっ、ちょっとね」グスッ
唯『可愛そうな憂、さあこっちにおいでっ』
憂「おねーちゃーん」ダキッ
唯『よしよし、いい子だね憂』
唯『憂にはお姉ちゃんがいるよ』
唯『寂しい事なんて、何もないんだよ』
憂「お姉ちゃんっ!おねえちゃんっ!!!」
憂「お姉ちゃんは、ずっと私と一緒だよねっ!?」
憂「離れ離れにはならないよねっ!?」
唯『心配しなくても、ずっと一緒だよ』
憂「よかったーっ!お姉ちゃん大好きっ!!!」
唯『私もだよっ、憂』
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:07:15.74 ID:1jPYnrgF0
学校!
和「憂っ!」
憂「和ちゃん…」
和「昨日の話の続きなんだけど…」
憂「そんな話っ、したくありませんっ!」
和「憂…」
憂「決めたんですっ!私達は、ずっと一緒にいますっ!!!」
和「そんな訳にはいかないわっ」
和「きっとこれは変な事なの、もしかしたら病的なものかも…」
憂「ははっ、何を言ってるんです?いい加減にしてくださいっ!」
憂「いくら幼稚園から付き合いの和ちゃんでも」
憂「それ以上変な事言うと、私っ……許しませんよ」
和「……」
和(そう、私がいけないんだわ)
和(憂ちゃんに罪は無い、私がもっと早くに止めてあげればこんなことに…)
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:18:36.66 ID:1jPYnrgF0
憂の教室!
梓「それでね、扇風機が壊れちゃって」
純「うっわー、最悪っ!聞いただけでこっちまで熱い」
梓「でもその時ムギ先輩が氷を持ってきててー」
純「えっ、そんな重いものをわざわざ?」
憂「あのさ、ちょっといいかな?」
梓「えっ、なに?」
純「改まっちゃってどうしたの?」
憂「例えばね、例えばの話だよ?」
梓「うん」
憂「私にお姉ちゃんがいるとしてね」
純「でも憂って一人っ子だよね?」
梓「だから例えばって、憂言ったじゃん」
憂「そのお姉ちゃんは、とっても可愛くてね」
憂「でも、ちょっとのんびり屋さんでー」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:28:53.15 ID:1jPYnrgF0
憂「私がいつも面倒を見てあげるの」
純「お姉ちゃんなのに?」
憂「うん、でも、私もそれが嫌じゃないというか」
憂「むしろ楽しみで、お姉ちゃんと私はいつも一緒にいるの」
純「憂はしっかり者だからね」
梓「それで、その話がどうしたの?」
憂「お姉ちゃんは軽音部に入ってるの!」
梓「えっ?」
憂「軽音部のみんなも、お姉ちゃんの事が大好きなんだよっ!」
憂「もちろん、お姉ちゃんも軽音部の事が大好きなのっ!!!」
梓「何言ってんのっ、憂っ!?」
憂「梓ちゃんのことも大好きで、あずにゃんって呼んで抱きついたりしてねっ!!!」
純「憂っ!ちょっと声が大きいよっ!」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:35:47.86 ID:1jPYnrgF0
ガヤガヤ
純「あー、みんなこっち見てるよー」
純「憂っ、興奮しすぎだよっ!」
純「落ち着いて」
憂「えっ?あっ……ごめん」
梓「」
梓「なんかさ」
憂「?」
梓「なんか変だよ憂」
憂「えっ?」
梓「あずにゃんって何?軽音部にお姉ちゃんがいる?」
梓「……」
梓「気持ち悪い」
憂「!!!?」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:46:52.26 ID:1jPYnrgF0
憂「そんな……」
純「そうかなーっ?別に気持ち悪くなんか無いよ」
憂「えっ…」
純「こんな姉妹がいたらいいなー、なんて」
純「誰もが一度は考える事じゃない?」
純「私だって澪先輩みたいなお姉さん欲しいし」
憂「純ちゃん…」
梓「違うよっ!」
梓「憂のはそんなんじゃないよ」
梓「私、さっきはちょっと怖かった」
梓「もう変な話はしないで」
憂「ごめんね、梓ちゃん…」
憂「」
憂(ううっ、お姉ちゃん…)
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:56:36.01 ID:1jPYnrgF0
憂の家!
憂「お姉ちゃん!おねえちゃんっ!!!」
憂「帰ってきてっ!」
憂「今日は早く帰ってきてっ!」
憂「そうじゃないと、私おかしくなりそうっ!!!」
憂「おねーちゃーんっ!!!!」
シーン
憂「お姉ちゃん?」
憂「なんで今日に限って帰りが遅いの?」
憂「早く出てきてお姉ちゃんっ!!!」
憂「早くっ、早くっ!」
憂「私寂しくて死んじゃうっ!!!!」
憂「おねえちゃんっ!おねえちゃんっ!!!」
憂「おねーちゃーーーーんっ!!!!!!!!!!!!!」
憂「うぁあぁああ、ううっ、ああぁ、ひぐっ、ぐすっ」ポロポロ
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:06:15.20 ID:9tJMLFCV0 [1/21]
私は小さな頃から寂しかった
両親は仲が良いし、お金持ちだった
だけど私を愛してはくれなかった
いろんな物を買ってもらった
素敵な学校にも入れてもらった
だけど、私と一緒にはいてくれなかった…
寂しかった私にも友達がいた
一つ上の和ちゃん
私は和ちゃんをお姉ちゃんにしたかったけど
和ちゃんはやっぱり他所の子
和ちゃんには和ちゃんの姉弟がいて
和ちゃんは違う人のお姉ちゃんだった
だから私は自分でお姉ちゃんをつくった
はじめは和ちゃんとのお遊びだった…
でも、今は違う、お姉ちゃんがいなければ……わたし……
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:13:57.60 ID:9tJMLFCV0 [2/21]
ガチャ
憂(あれっ?玄関の開く音?)
憂「何方ですかーっ?」
唯「ただいま憂っ」
唯「ごねんね、ちょっと遅くなっちゃった」
憂「!!!?」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:21:51.76 ID:9tJMLFCV0 [3/21]
憂「お姉ちゃん?」
唯「!!!?」
唯「えっ!?」
唯「憂……」
唯「憂なんだよねっ?」
唯「本当に憂なんだよねっ?」
憂「そりゃそうだよ、でも、なんで?お姉ちゃん、まるで」
憂「現実にいるみたい…」
唯「ういーっ」ガバッ
憂「わっ!」
唯「会いたかったよっ、私、ずっと憂に会いたかったよっ!!!」
憂(お姉ちゃん、あったかいっ!)
憂(想像してたのよりずっと暖かいっ!!!)
憂「おねーちゃーん!!!」ダキッ
唯「ういーっ!!!」ヒシッ
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:27:08.39 ID:9tJMLFCV0 [4/21]
ジリリリリリリリッ
唯「あっ、もう起きなきゃ」
憂『お姉ちゃん、起きてー朝だよっ』
唯「ありがとう憂っ」
唯「一緒に朝ごはん食べようね」
憂『うんっ』
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:34:28.27 ID:9tJMLFCV0 [5/21]
憂『どう?お姉ちゃん、おいしい?』
唯「うん!憂の作ってくれるご飯はいつも美味しいよっ!」
憂『えへへっ』
憂『今日もお弁当作ったんだよっ!』
唯「ありがとう憂っ」
憂『今日は手をつないで学校に行こうねっ』
唯「えーっ、ちょっと恥かしいよ…」
唯「でも、いいよね、私達仲良しだからっ」
憂『うんっ///』
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:42:00.06 ID:9tJMLFCV0 [6/21]
学校!
律「さあっ、飯にしようぜ」
澪「ムギのお弁当は相変らず凄いな」
紬「沢山食べなきゃ、力がでないからー」
紬「澪ちゃんのお弁当も可愛いわねっ」
澪「そんなことないよ」
律「今日はタコさんウインナーでちゅか?ウサギさんりんごでちゅかぁ?」
澪「バカにするなっ」ゴン
律「いでぇーっ!」ヒリヒリ
律「おっ、唯のはー」
唯「!?」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:50:21.76 ID:9tJMLFCV0 [7/21]
律「相変らず、なんか地味だなっ」
唯「そんなっ」
澪「おい律っ、人のお弁当に文句言うなよっ」
澪「唯は私たちと違って、自分でお弁当作ってるんだぞっ」
唯「私、不器用だから、あんまり色々作れないから…」
律「ああっ、ごめん唯っ!そんなつもりじゃ」
紬「私、唯ちゃんのお弁当好きよ」
澪「唯、私のとおかず交換しないか?」
唯「えへっ、みんなありがとうっ」
唯「」
唯(でも違うんだもんっ)
唯(これは私が作った下手糞なお弁当じゃないんだもんっ!)
唯(憂が作ってくれた、美味しくて素敵なお弁当なんだもんっ!!!)
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 01:01:25.36 ID:9tJMLFCV0 [8/21]
放課後!
和「ちょっと唯、いいかしら?」
唯「えっ、和ちゃん何?」
和「ちょっと話があるの」
唯「話って?」
和「憂の事なんだけど…」
唯「あっ、私も憂の話したかったんだっ!」
唯「みんなの前では、あんまり出来ないからね」
唯「今日も憂の作ったお弁当美味しかったんだよー」
唯「みんな誉めてくれたし、律ちゃんなんか羨ましがってさー」
和「嘘っ!」
唯「!!!?」
和「もうこういうのはダメよ」
和「ちゃんと現実を見なくちゃ…」
唯「何言ってるの?和ちゃん?」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 01:10:13.14 ID:9tJMLFCV0 [9/21]
和「元から間違ってたのよ」
唯「和ちゃん?」
和「あんな遊び、するんじゃなかった…」
唯「遊びなんかじゃないよっ!本当にいるんだもんっ!!!」
和「それがいけないのよ、ちゃんと向き合わなくちゃ、自分とっ」
唯「和ちゃんのバカっ!そんな酷い事和ちゃんは言わないよっ!!!」
唯「私と憂と和ちゃんは、ずっと仲良し、いつも一緒だったじゃないっ!!!」
唯「なのに…酷いよ」
唯「そんな話、したくないよ…」
和「唯…」
和(私が全部悪いの…)
和(ごめんなさい唯…)
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 01:18:15.55 ID:9tJMLFCV0 [10/21]
帰り道!
唯(今日も軽音部楽しかったなぁ)
唯(でも、家に帰っても楽しいんだ)
唯(だって、憂が待っててくれるもん)
唯(私の為にごはん作ったり)
唯(お風呂わかしたり)
唯(今日も、いろいろ憂とお話するんだ)
唯(だから)
唯(家に帰っても真っ暗じゃないし)
唯(一人でごはん作って、一人でごはん食べなくていい)
唯(憂いがいるから大丈夫だもん)
唯(私は寂しくなんか無いもん)
唯(一人ぼっちなんかじゃないもん)
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 01:23:34.61 ID:9tJMLFCV0 [11/21]
私は小さな頃から寂しかった
両親は仲が良いし、お金持ちだった
だけど私を愛してはくれなかった
いろんな物を買ってもらった
素敵な学校にも入れてもらった
だけど、私と一緒にはいてくれなかった…
寂しかった私にも友達がいた
同じ歳の和ちゃん
私は和ちゃんにべったりだったけど
和ちゃんはやっぱり他所の子
一緒に住める訳じゃなかった
だから私は自分で妹をつくった
はじめは和ちゃんとのお遊びだった…
でも、今は違う、憂がいなければ……わたし……
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 01:30:20.80 ID:9tJMLFCV0 [12/21]
ガチャ
憂「何方ですかーっ?」
唯(憂の声?まるで本当の声みたい)
唯「ただいま憂っ」
唯(あれ?私電気消し忘れたかな?)
唯「ごめんね、ちょっと遅くなっちゃった」
憂「!!!?」
憂「お姉ちゃん?」
唯「!!!?」
唯「えっ!?」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 01:32:38.41 ID:9tJMLFCV0 [13/21]
唯「憂……」
唯「憂なんだよねっ?」
唯「本当に憂なんだよねっ?」
憂「そりゃそうだよ、でも、なんで?お姉ちゃん、まるで」
憂「現実にいるみたい…」
唯「ういーっ」ガバッ
憂「わっ!」
唯「会いたかったよっ、私、ずっと憂に会いたかったよっ!!!」
唯(憂、あったかいっ!)
唯(想像してたのよりずっと暖かいっ!!!)
憂「おねーちゃーん!!!」ダキッ
唯「ういーっ!!!」ヒシッ
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 01:45:39.05 ID:9tJMLFCV0 [14/21]
唯「もう離さないよっ!ずっと私達一緒だよっ!」ポロポロ
憂「当たり前だよっ、私達やっと会えたんだもん」ポロポロ
唯「ういー、本当に憂だっ、こんなに凄いことって無いよっ!!!」
憂「おねえちゃんっ!お姉ちゃんっ!」
憂「体温も匂いも、ちゃんとある、本当にあるっ」
唯「よかったぁ、ほんとうによかったよ…」グスッ
憂「そうだっ!お姉ちゃん、私の料理食べてっ!」
唯「うんっ!食べるっ、いっぱい食べるよっ!」
憂「一緒に寝て、私が起こしてあげるんだからねっ!」
唯「学校に行くのも一緒だよっ!」
憂「それからそれからね、お姉ちゃんとしたい事沢山ありすぎるよっ!」
唯「何でもしようっ!これからは二人で、楽しくっ」
唯「もう一人ぼっちじゃないんだねっ!!!」
ガチャ
和「おめでとう、二人とも…」
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 01:54:04.60 ID:9tJMLFCV0 [15/21]
唯「和ちゃん!?」
憂「和ちゃんにも、お姉ちゃんが見えるの?」
唯「憂は本当にいるんだよねっ?」
和「心配しなくていいわ」
和「二人とも、やっと会えたのよ」
唯「よかった、夢だったらどうしようかと思ったよ」
憂「大丈夫だよお姉ちゃん、私は本当にいるよっ!」
唯「そうだね、もう疑わないよっ!」
和「ごめんなさいね、二人とも」
和「二人が離れ離れだったのは、私の責任なの」
和「私の心が弱かったから…」
唯「和ちゃん?」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 02:08:42.32 ID:9tJMLFCV0 [16/21]
憂「それって…」
和「幼稚園の頃、三人で遊んだよね」
唯「三人で?」
憂「そういえば、記憶がある」
憂「でもそれは、小さい頃だから」
憂「想像と現実がごちゃ混ぜになってるんだと思ってた」
唯「そうだっ!私もっ!」
和「二人があまりにも仲のいい姉妹だったから」
和「私、酷い事を…ごめんなさい」
憂「どういう事ですか?」
和「……」
和「ごめんなさい、だから、せめてこれからは姉妹仲良く暮らしてね」
和『私にはこんな事しか出来なくてごめんなさい』
唯「あれ?和ちゃん?」
和『さよなら、二人とも、どうか、ずっと元気でね…』
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 02:18:13.71 ID:9tJMLFCV0 [17/21]
憂「和ちゃん、さよならってどういうこと!?」
唯「嫌だよ和ちゃんっ!せっかく憂と会えたのにっ!」
唯「なんで和ちゃんとお別れしなきゃならないのっ!?」
和『唯…憂…』
和『二人といれた時間、とっても楽しかった』
和『私達、親友だった…』
唯「行かないでっ!和ちゃん!」
憂「私達と一緒にいようよっ!!!」
和『ありがとう、でも…もうそれは出来ないの』
和『さよならっ!』
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 02:28:27.04 ID:9tJMLFCV0 [18/21]
学校!
澪「和、どうしたんだ?ぼーっとして?」
和「んっ、いや、何でもない…」
澪「たまに和ってそういう時あるよな?」
和「そうかな?」
澪「そうだよ」
和「でも、もう二度とそんなこと無いわよ」
澪「どういうことだ?」
和「……」
和「例えばね、例えばの話だけどね」
澪「うん」
和「私には、幼稚園からの付き合いの年子の姉妹がいるの」
和「お姉ちゃんの方は私達と同じ学年で」
和「妹は一つ下、同じ学校なの!」
澪「へー、それで?」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 02:37:37.68 ID:9tJMLFCV0 [19/21]
和「お姉ちゃんの方は軽音部なのよっ!」
澪「そうなのかっ?それでどんな子なんだ?」
和「うーん、天然って言うか、抜けてるというか」
和「でも、とっても可愛くて、憎めない子」
和「だけど妹の方は、しっかりしてて礼儀正しくて」
和「お姉ちゃんを支えてるの」
澪「なんか面白い姉妹だなっ」
和「澪…」
澪「どうした?」
和「こんな話したら、引かれるんじゃないかと心配してた…」
澪「バカだな」
澪「逆に、私はそういう話、大好物だぞっ」
澪「律の前じゃ、馬鹿にされるから出来ないけどなっ」
和「あははっ、確かにね」
和「でもね、話はそれだけじゃないの…」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 02:50:22.60 ID:9tJMLFCV0 [20/21]
和「私はね、その仲のいい姉妹を離れ離れにしたの」
澪「えっ?なんで?」
和「私が妄想の友達を持ってるんだから」
和「それを共有できる人が欲しかった…」
和「でも、そんな友達いないから…」
澪「その姉妹が、お互いに妄想だということにした?」
和「その通り」
和「だから、二人には永い間寂しい思いをさせたわ」
和「だから、最後には二人を一緒にしてあげたの」
澪「そうか…」
澪「もう、その空想はしないのか?」
和「ええ、もう流石に幼稚だからね」
和「でも、もっと早く澪に出会っていれば」
和「二人を離れ離れにしなくてよかったのに…」
澪「和…」
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 02:58:14.39 ID:9tJMLFCV0 [21/21]
律「おーい澪っ、部活だぞーっ」
澪「じゃあね、和、また後で」
和『そうね、私も生徒会に行かなくちゃ』
律「澪ってばっ」バッ
澪「わっ、飛び掛ってくるなよー」
律「何してたんだ?誰かと話してると思ったけど?」
澪「何でもないっ、さっ、一緒に行くぞっ」
律「なんだよもー」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 03:06:47.30 ID:jENXt/ld0 [1/8]
二年生の時、知ってる人のいない一人きりのクラスになった
お昼休みと放課後は、みんなの所で過ごせてたけど
それ以外は最悪だった
私はいつも一人
ペアを組んだりグループ分けで
私はいつも余っていた
だから私は、頭の中に友達をつくった
和
頼りがいがあって
しっかりしてて
それでいて、私と気の会う
普段は見せない顔だけど
さっきみたいな話もしてくれて
深いところでも結びついてる
そんな友達…
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 03:14:17.96 ID:jENXt/ld0 [2/8]
部室!
紬「お茶がはいったわよーっ」
律「おっ、チーズケーキかっ!」
澪「美味そうだな」
梓「でもみなさん、ちょっと待ちましょうよー」
紬「そうね、まだ一人来てないから…」
律「あー、そうだな、何やってるんだあいつは」
澪「おかしいな?私達より先に教室から出たと思ったんだけど…」
ガチャ
?「お待たせみんなっ」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 03:24:31.89 ID:jENXt/ld0 [3/8]
唯「ごめんねー、憂と話込んじゃってー」
澪「お前達、仲がいいもんな」
律「それじゃ、いつものティータイムにしようっ!」
澪「その後はちゃんと練習だからなっ」
律「わかってるよーだ」
唯「あっ、おいしいよこのケーキ!」
律「わっ、こいつ待ってやってたのに先に食べやがってぇー」
梓「ちょっとは落ち着いて、食べましょうよー」
紬「うふふっ」
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 03:37:40.55 ID:jENXt/ld0 [4/8]
紬(楽しいな、軽音部のみんな大好きっ)
澪『本当においしいなこれっ』
紬「ほんと?よかったぁ!」
律『いつもありがとうなムギっ!』
唯『ムギちゃんの淹れるお茶は最高だよっ!』
紬「えへへっ」
梓『先輩たちはお茶とお菓子ばっかり』
梓『ムギ先輩は楽曲面やその他の気配りでも』
梓『軽音部には必要な人ですっ!』
紬「梓ちゃん…」
律『そん事言って、梓が一番早くケーキ食べ終わってるぞっ』
唯『あずにゃんったら、食いしん坊さんなんだからー』
梓『そ、それは、ケーキがおいしかったからぁー///』
186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 03:45:48.78 ID:jENXt/ld0 [5/8]
私は寂しかった
お金はあっても
広い家に住んでいても
私には本当のお友達がいなかった
使いたいものが無ければお金の意味は無い
お茶を淹れてあげたい人がいなければ
どれだけお茶いれが上手くなっても
その意味は無い
生きていたいと思える時間が無ければ
生きている意味が無い
だから私は
お友達を、軽音部を自分の頭の中につくった
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 03:55:18.78 ID:jENXt/ld0 [6/8]
紬「そう、全ては私の妄想、空想、絵空事」
紬「でもね、私だってイメージ」
紬「あなたがこれを読んで」
紬「私という人格をイメージしているに過ぎない」
紬「でもね、それはみんな同じでしょ?」
紬「あなたの知っている人で」
紬「あなたが今一緒にいない人は」
紬「本当に存在しているのかしら?」
紬「実在と空想の違いって何?」
紬「私達は現実じゃない絵空事?」
紬「でも、あなた達とどこが違うって言うのかしら?」
紬「じゃあね、そろそろ私は消えるわ」
紬「あなたがこの文章を読み終えたとき」
紬「私は消える」
紬「ほら…消えた」
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 04:01:29.83 ID:jENXt/ld0 [7/8]
憂「おねーちゃん、朝だよーっ」
唯「うーん、お早う憂ー」
憂「朝ごはんできてるよ」
唯「うん、今行くよー」
唯「でもちょっと待っててね、憂」
唯「あのさ、ちょっと気になってたんだけど」
唯「さっきからずっと私達を見てる君っ!」
唯「そうだよっ、君のことだよっ」
唯「あのさ、きみはー」
唯「君は誰のイメージ?」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 04:08:00.04 ID:jENXt/ld0 [8/8]
終わりです お疲れ様です
今日こそ「けんとう!」を書く予定でしたが
五時起きなので、0時には終わらせれる短い奴をと思って
書いたのですが…
また長時間になってしまいました
読んで下さった方、コメントしてくださった方
長時間つきあって下さった方、ありがとうございます
寝ます お休みなさい
憂「どう?お姉ちゃん美味しい?」
唯『おいしい!』
憂「ふふっ、良かったー」
憂「あっ、お姉ちゃんお口についてるよっ」
唯『憂とってー』
憂「いいよっ」フキフキ
憂「はい、取れた」
唯『ありがとー憂!』
憂「えへへっ」
憂(お姉ちゃん、かわいいなー)
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 21:29:42.66 ID:1jPYnrgF0
憂「そろそろ学校行かなきゃ」
唯『うん!』
憂「今日もいい日だといいね」
唯『きっと楽しい一日になるよっ』
憂「そうだねっ」
唯『ねー、憂?』
憂「なあにお姉ちゃん?」
唯『手つないでいこっか?』
憂「えーっ、なんか恥かしいよー」
唯『いいじゃん』ギュッ
憂「お姉ちゃん…///」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 21:38:58.30 ID:1jPYnrgF0
唯『あっ、和ちゃんだ!』
憂「ほんとだっ、お早う和ちゃん!」
和「あっ、お早う憂」
唯『おはよー』
和「今日も姉妹で仲良く登校なの?」
憂「うん、私達いつも一緒だからっ」
唯『仲良しだもんねっ』
憂「えへへ」
和「そうなんだ」
憂「それじゃあ、和ちゃん、お姉ちゃんをよろしくお願いします」
和「ええ、それじゃまたね憂」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 21:49:54.36 ID:1jPYnrgF0
憂の教室!
梓「それで、『ふざけるなっ』て澪先輩が律先輩にげんこつしちゃって」
純「あははっ、あの二人、いつもそんな感じなんだね」
梓「でも、ホントは仲がいいから出来るんだろうねー」
憂「お姉ちゃんも、澪さんと律さん、仲が良くて羨ましいって言ってたよっ」
梓「?」
純「お姉ちゃん?」
憂(あっ!いけないっ、つい言っちゃった!!!)
憂「あっ、いやっ、なんでもないのっ!」
梓「なんか憂って、たまにおねえ…」
純「あっ!先生来たよっ」
憂「えっ、じゃあ私、席に戻るねっ」
憂(またやっちゃったよ、気をつけなきゃ…)
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 21:56:45.46 ID:1jPYnrgF0
憂の家!
憂(今日はハンバーグ、お姉ちゃん喜んでくれるかな?)
唯『憂ー、ごはんまだーっ?』
憂「もう直ぐだからちょっと待っててね」
唯『早く食べたいよー』
憂「お姉ちゃんったら、食いしん坊さんなんだからぁ」
唯『だってぇ、憂のごはん美味しいんだもん!』
憂「ふふっ、ありがとうお姉ちゃん!」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:07:24.68 ID:1jPYnrgF0
憂「それでお姉ちゃん、軽音部の方はどお?」
唯『すごく楽しいよっ、ムギちゃんの淹れてくれるお茶は美味しいし』
唯『毎日出してくれるお菓子も美味しいよっ!』
憂「食べ物以外は?」
唯『律ちゃんは楽しいし、澪ちゃんとムギちゃんは優しいし』
唯『あずにゃんもすっごく可愛いよ!』
憂「軽音部なのに、音楽の話は無いの?」
唯『あっ、そうだった、私達軽音部だもんねっ』
憂「お姉ちゃんったらーっ」
唯『えへへっ』
憂「うふふっ」
憂(お姉ちゃんと一緒だと楽しいな)
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:15:19.16 ID:1jPYnrgF0
学校!
憂「あっ、律さん!」
律「えっ?」
憂(あっ、つい気安く声かけちゃった)
律「あっ、確か梓の友達のー」
憂「憂、平沢憂です」
律「憂いちゃんか、名前覚えてくれてたんだ、ありがとう」
憂「軽音部の皆さんの名前はみんな知ってますよ」
律「梓の奴、クラスで私達の噂してるんだなーっ」
憂「えーっ、梓ちゃん変な事言ってませんよー」
憂「軽音部楽しいって」
律「えへっ、そっか」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:19:45.03 ID:1jPYnrgF0
澪「おーい、律、おいてくぞーっ!」
律「あー、今行くよっ」
律「じゃあね、憂ちゃん」
憂「はい…」
憂「」
憂(お姉ちゃんのいる部活だもん、知らないわけないもんっ)
憂(お姉ちゃん…)
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:27:54.31 ID:1jPYnrgF0
和「憂、こんな所にいたのね」
憂「和ちゃん…」
和「ちょっと話があるの」
憂「話って?」
和「唯のことよ…」
憂「私もっ、私も和ちゃんとお姉ちゃんの事話したかった!」
憂「和ちゃん以外、お姉ちゃんの話聞いてくれなくて」
和「……」
憂「昨日はね、お姉ちゃん、軽音部がんばるぞって張り切っちゃって」
憂「家でも寝るまでギターの練習してるんですよっ!」
和「……」
憂「張り切りすぎて、部活遅くならないといいんですけど」
和「……」
和「もうそろそろ終わりにしたいの」
憂「!!!?」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:36:21.55 ID:1jPYnrgF0
憂「終わりって……どういうことですか?」
和「もう私達高校生なの、わかるわよね?」
憂「……」
和「私はもう直ぐ大学生」
和「何時までも続けられないの」
和「こんな、妄想ごっこ!」
憂「!!!?」
憂「……何を、言ってるの和ちゃん?」
憂「変な和ちゃん」
憂「生徒会や勉強で忙しすぎて、おかしくなっちゃたのかなぁ?」
和「お願い憂っ!大切な話なの」
憂「そんなの知りませんっ」
憂「私、お家に帰って、お姉ちゃんの為に色々しなくちゃ」
憂「帰りますっ!!!」
和「待ってよ憂っ!!!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:45:22.12 ID:1jPYnrgF0
憂の家!
憂(和ちゃんのバカ)
憂(和ちゃんのバカっ!!!)
憂(お姉ちゃんの為にお料理するの)
憂(お姉ちゃんの為にお洗濯するの)
憂(お姉ちゃんの為にいい子でいるの)
憂(両親にほったらかしにされてるから)
憂(仕方なく炊事をしている訳じゃないっ!!!)
憂(両親の気を引くために)
憂(必死にいい子でいる訳じゃないよっ!!!)
憂(私はそんな寂しい子じゃないっ!!!)
憂(だって、だって、私には、お姉ちゃんが)
憂(大好きなお姉ちゃんがいるからっ!!!)
憂「……」
憂「ううっ、うっ、ぐすっ」ポロポロ
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 22:54:23.44 ID:1jPYnrgF0
唯『ただいまーっ!』
憂「あっ、お姉ちゃんだっ!!!」
唯『あれっ?憂泣いてるの?』
憂「えへへっ、ちょっとね」グスッ
唯『可愛そうな憂、さあこっちにおいでっ』
憂「おねーちゃーん」ダキッ
唯『よしよし、いい子だね憂』
唯『憂にはお姉ちゃんがいるよ』
唯『寂しい事なんて、何もないんだよ』
憂「お姉ちゃんっ!おねえちゃんっ!!!」
憂「お姉ちゃんは、ずっと私と一緒だよねっ!?」
憂「離れ離れにはならないよねっ!?」
唯『心配しなくても、ずっと一緒だよ』
憂「よかったーっ!お姉ちゃん大好きっ!!!」
唯『私もだよっ、憂』
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:07:15.74 ID:1jPYnrgF0
学校!
和「憂っ!」
憂「和ちゃん…」
和「昨日の話の続きなんだけど…」
憂「そんな話っ、したくありませんっ!」
和「憂…」
憂「決めたんですっ!私達は、ずっと一緒にいますっ!!!」
和「そんな訳にはいかないわっ」
和「きっとこれは変な事なの、もしかしたら病的なものかも…」
憂「ははっ、何を言ってるんです?いい加減にしてくださいっ!」
憂「いくら幼稚園から付き合いの和ちゃんでも」
憂「それ以上変な事言うと、私っ……許しませんよ」
和「……」
和(そう、私がいけないんだわ)
和(憂ちゃんに罪は無い、私がもっと早くに止めてあげればこんなことに…)
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:18:36.66 ID:1jPYnrgF0
憂の教室!
梓「それでね、扇風機が壊れちゃって」
純「うっわー、最悪っ!聞いただけでこっちまで熱い」
梓「でもその時ムギ先輩が氷を持ってきててー」
純「えっ、そんな重いものをわざわざ?」
憂「あのさ、ちょっといいかな?」
梓「えっ、なに?」
純「改まっちゃってどうしたの?」
憂「例えばね、例えばの話だよ?」
梓「うん」
憂「私にお姉ちゃんがいるとしてね」
純「でも憂って一人っ子だよね?」
梓「だから例えばって、憂言ったじゃん」
憂「そのお姉ちゃんは、とっても可愛くてね」
憂「でも、ちょっとのんびり屋さんでー」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:28:53.15 ID:1jPYnrgF0
憂「私がいつも面倒を見てあげるの」
純「お姉ちゃんなのに?」
憂「うん、でも、私もそれが嫌じゃないというか」
憂「むしろ楽しみで、お姉ちゃんと私はいつも一緒にいるの」
純「憂はしっかり者だからね」
梓「それで、その話がどうしたの?」
憂「お姉ちゃんは軽音部に入ってるの!」
梓「えっ?」
憂「軽音部のみんなも、お姉ちゃんの事が大好きなんだよっ!」
憂「もちろん、お姉ちゃんも軽音部の事が大好きなのっ!!!」
梓「何言ってんのっ、憂っ!?」
憂「梓ちゃんのことも大好きで、あずにゃんって呼んで抱きついたりしてねっ!!!」
純「憂っ!ちょっと声が大きいよっ!」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:35:47.86 ID:1jPYnrgF0
ガヤガヤ
純「あー、みんなこっち見てるよー」
純「憂っ、興奮しすぎだよっ!」
純「落ち着いて」
憂「えっ?あっ……ごめん」
梓「」
梓「なんかさ」
憂「?」
梓「なんか変だよ憂」
憂「えっ?」
梓「あずにゃんって何?軽音部にお姉ちゃんがいる?」
梓「……」
梓「気持ち悪い」
憂「!!!?」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:46:52.26 ID:1jPYnrgF0
憂「そんな……」
純「そうかなーっ?別に気持ち悪くなんか無いよ」
憂「えっ…」
純「こんな姉妹がいたらいいなー、なんて」
純「誰もが一度は考える事じゃない?」
純「私だって澪先輩みたいなお姉さん欲しいし」
憂「純ちゃん…」
梓「違うよっ!」
梓「憂のはそんなんじゃないよ」
梓「私、さっきはちょっと怖かった」
梓「もう変な話はしないで」
憂「ごめんね、梓ちゃん…」
憂「」
憂(ううっ、お姉ちゃん…)
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 23:56:36.01 ID:1jPYnrgF0
憂の家!
憂「お姉ちゃん!おねえちゃんっ!!!」
憂「帰ってきてっ!」
憂「今日は早く帰ってきてっ!」
憂「そうじゃないと、私おかしくなりそうっ!!!」
憂「おねーちゃーんっ!!!!」
シーン
憂「お姉ちゃん?」
憂「なんで今日に限って帰りが遅いの?」
憂「早く出てきてお姉ちゃんっ!!!」
憂「早くっ、早くっ!」
憂「私寂しくて死んじゃうっ!!!!」
憂「おねえちゃんっ!おねえちゃんっ!!!」
憂「おねーちゃーーーーんっ!!!!!!!!!!!!!」
憂「うぁあぁああ、ううっ、ああぁ、ひぐっ、ぐすっ」ポロポロ
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:06:15.20 ID:9tJMLFCV0 [1/21]
私は小さな頃から寂しかった
両親は仲が良いし、お金持ちだった
だけど私を愛してはくれなかった
いろんな物を買ってもらった
素敵な学校にも入れてもらった
だけど、私と一緒にはいてくれなかった…
寂しかった私にも友達がいた
一つ上の和ちゃん
私は和ちゃんをお姉ちゃんにしたかったけど
和ちゃんはやっぱり他所の子
和ちゃんには和ちゃんの姉弟がいて
和ちゃんは違う人のお姉ちゃんだった
だから私は自分でお姉ちゃんをつくった
はじめは和ちゃんとのお遊びだった…
でも、今は違う、お姉ちゃんがいなければ……わたし……
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:13:57.60 ID:9tJMLFCV0 [2/21]
ガチャ
憂(あれっ?玄関の開く音?)
憂「何方ですかーっ?」
唯「ただいま憂っ」
唯「ごねんね、ちょっと遅くなっちゃった」
憂「!!!?」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:21:51.76 ID:9tJMLFCV0 [3/21]
憂「お姉ちゃん?」
唯「!!!?」
唯「えっ!?」
唯「憂……」
唯「憂なんだよねっ?」
唯「本当に憂なんだよねっ?」
憂「そりゃそうだよ、でも、なんで?お姉ちゃん、まるで」
憂「現実にいるみたい…」
唯「ういーっ」ガバッ
憂「わっ!」
唯「会いたかったよっ、私、ずっと憂に会いたかったよっ!!!」
憂(お姉ちゃん、あったかいっ!)
憂(想像してたのよりずっと暖かいっ!!!)
憂「おねーちゃーん!!!」ダキッ
唯「ういーっ!!!」ヒシッ
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:27:08.39 ID:9tJMLFCV0 [4/21]
ジリリリリリリリッ
唯「あっ、もう起きなきゃ」
憂『お姉ちゃん、起きてー朝だよっ』
唯「ありがとう憂っ」
唯「一緒に朝ごはん食べようね」
憂『うんっ』
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:34:28.27 ID:9tJMLFCV0 [5/21]
憂『どう?お姉ちゃん、おいしい?』
唯「うん!憂の作ってくれるご飯はいつも美味しいよっ!」
憂『えへへっ』
憂『今日もお弁当作ったんだよっ!』
唯「ありがとう憂っ」
憂『今日は手をつないで学校に行こうねっ』
唯「えーっ、ちょっと恥かしいよ…」
唯「でも、いいよね、私達仲良しだからっ」
憂『うんっ///』
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:42:00.06 ID:9tJMLFCV0 [6/21]
学校!
律「さあっ、飯にしようぜ」
澪「ムギのお弁当は相変らず凄いな」
紬「沢山食べなきゃ、力がでないからー」
紬「澪ちゃんのお弁当も可愛いわねっ」
澪「そんなことないよ」
律「今日はタコさんウインナーでちゅか?ウサギさんりんごでちゅかぁ?」
澪「バカにするなっ」ゴン
律「いでぇーっ!」ヒリヒリ
律「おっ、唯のはー」
唯「!?」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 00:50:21.76 ID:9tJMLFCV0 [7/21]
律「相変らず、なんか地味だなっ」
唯「そんなっ」
澪「おい律っ、人のお弁当に文句言うなよっ」
澪「唯は私たちと違って、自分でお弁当作ってるんだぞっ」
唯「私、不器用だから、あんまり色々作れないから…」
律「ああっ、ごめん唯っ!そんなつもりじゃ」
紬「私、唯ちゃんのお弁当好きよ」
澪「唯、私のとおかず交換しないか?」
唯「えへっ、みんなありがとうっ」
唯「」
唯(でも違うんだもんっ)
唯(これは私が作った下手糞なお弁当じゃないんだもんっ!)
唯(憂が作ってくれた、美味しくて素敵なお弁当なんだもんっ!!!)
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 01:01:25.36 ID:9tJMLFCV0 [8/21]
放課後!
和「ちょっと唯、いいかしら?」
唯「えっ、和ちゃん何?」
和「ちょっと話があるの」
唯「話って?」
和「憂の事なんだけど…」
唯「あっ、私も憂の話したかったんだっ!」
唯「みんなの前では、あんまり出来ないからね」
唯「今日も憂の作ったお弁当美味しかったんだよー」
唯「みんな誉めてくれたし、律ちゃんなんか羨ましがってさー」
和「嘘っ!」
唯「!!!?」
和「もうこういうのはダメよ」
和「ちゃんと現実を見なくちゃ…」
唯「何言ってるの?和ちゃん?」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 01:10:13.14 ID:9tJMLFCV0 [9/21]
和「元から間違ってたのよ」
唯「和ちゃん?」
和「あんな遊び、するんじゃなかった…」
唯「遊びなんかじゃないよっ!本当にいるんだもんっ!!!」
和「それがいけないのよ、ちゃんと向き合わなくちゃ、自分とっ」
唯「和ちゃんのバカっ!そんな酷い事和ちゃんは言わないよっ!!!」
唯「私と憂と和ちゃんは、ずっと仲良し、いつも一緒だったじゃないっ!!!」
唯「なのに…酷いよ」
唯「そんな話、したくないよ…」
和「唯…」
和(私が全部悪いの…)
和(ごめんなさい唯…)
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 01:18:15.55 ID:9tJMLFCV0 [10/21]
帰り道!
唯(今日も軽音部楽しかったなぁ)
唯(でも、家に帰っても楽しいんだ)
唯(だって、憂が待っててくれるもん)
唯(私の為にごはん作ったり)
唯(お風呂わかしたり)
唯(今日も、いろいろ憂とお話するんだ)
唯(だから)
唯(家に帰っても真っ暗じゃないし)
唯(一人でごはん作って、一人でごはん食べなくていい)
唯(憂いがいるから大丈夫だもん)
唯(私は寂しくなんか無いもん)
唯(一人ぼっちなんかじゃないもん)
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 01:23:34.61 ID:9tJMLFCV0 [11/21]
私は小さな頃から寂しかった
両親は仲が良いし、お金持ちだった
だけど私を愛してはくれなかった
いろんな物を買ってもらった
素敵な学校にも入れてもらった
だけど、私と一緒にはいてくれなかった…
寂しかった私にも友達がいた
同じ歳の和ちゃん
私は和ちゃんにべったりだったけど
和ちゃんはやっぱり他所の子
一緒に住める訳じゃなかった
だから私は自分で妹をつくった
はじめは和ちゃんとのお遊びだった…
でも、今は違う、憂がいなければ……わたし……
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 01:30:20.80 ID:9tJMLFCV0 [12/21]
ガチャ
憂「何方ですかーっ?」
唯(憂の声?まるで本当の声みたい)
唯「ただいま憂っ」
唯(あれ?私電気消し忘れたかな?)
唯「ごめんね、ちょっと遅くなっちゃった」
憂「!!!?」
憂「お姉ちゃん?」
唯「!!!?」
唯「えっ!?」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 01:32:38.41 ID:9tJMLFCV0 [13/21]
唯「憂……」
唯「憂なんだよねっ?」
唯「本当に憂なんだよねっ?」
憂「そりゃそうだよ、でも、なんで?お姉ちゃん、まるで」
憂「現実にいるみたい…」
唯「ういーっ」ガバッ
憂「わっ!」
唯「会いたかったよっ、私、ずっと憂に会いたかったよっ!!!」
唯(憂、あったかいっ!)
唯(想像してたのよりずっと暖かいっ!!!)
憂「おねーちゃーん!!!」ダキッ
唯「ういーっ!!!」ヒシッ
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 01:45:39.05 ID:9tJMLFCV0 [14/21]
唯「もう離さないよっ!ずっと私達一緒だよっ!」ポロポロ
憂「当たり前だよっ、私達やっと会えたんだもん」ポロポロ
唯「ういー、本当に憂だっ、こんなに凄いことって無いよっ!!!」
憂「おねえちゃんっ!お姉ちゃんっ!」
憂「体温も匂いも、ちゃんとある、本当にあるっ」
唯「よかったぁ、ほんとうによかったよ…」グスッ
憂「そうだっ!お姉ちゃん、私の料理食べてっ!」
唯「うんっ!食べるっ、いっぱい食べるよっ!」
憂「一緒に寝て、私が起こしてあげるんだからねっ!」
唯「学校に行くのも一緒だよっ!」
憂「それからそれからね、お姉ちゃんとしたい事沢山ありすぎるよっ!」
唯「何でもしようっ!これからは二人で、楽しくっ」
唯「もう一人ぼっちじゃないんだねっ!!!」
ガチャ
和「おめでとう、二人とも…」
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 01:54:04.60 ID:9tJMLFCV0 [15/21]
唯「和ちゃん!?」
憂「和ちゃんにも、お姉ちゃんが見えるの?」
唯「憂は本当にいるんだよねっ?」
和「心配しなくていいわ」
和「二人とも、やっと会えたのよ」
唯「よかった、夢だったらどうしようかと思ったよ」
憂「大丈夫だよお姉ちゃん、私は本当にいるよっ!」
唯「そうだね、もう疑わないよっ!」
和「ごめんなさいね、二人とも」
和「二人が離れ離れだったのは、私の責任なの」
和「私の心が弱かったから…」
唯「和ちゃん?」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 02:08:42.32 ID:9tJMLFCV0 [16/21]
憂「それって…」
和「幼稚園の頃、三人で遊んだよね」
唯「三人で?」
憂「そういえば、記憶がある」
憂「でもそれは、小さい頃だから」
憂「想像と現実がごちゃ混ぜになってるんだと思ってた」
唯「そうだっ!私もっ!」
和「二人があまりにも仲のいい姉妹だったから」
和「私、酷い事を…ごめんなさい」
憂「どういう事ですか?」
和「……」
和「ごめんなさい、だから、せめてこれからは姉妹仲良く暮らしてね」
和『私にはこんな事しか出来なくてごめんなさい』
唯「あれ?和ちゃん?」
和『さよなら、二人とも、どうか、ずっと元気でね…』
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 02:18:13.71 ID:9tJMLFCV0 [17/21]
憂「和ちゃん、さよならってどういうこと!?」
唯「嫌だよ和ちゃんっ!せっかく憂と会えたのにっ!」
唯「なんで和ちゃんとお別れしなきゃならないのっ!?」
和『唯…憂…』
和『二人といれた時間、とっても楽しかった』
和『私達、親友だった…』
唯「行かないでっ!和ちゃん!」
憂「私達と一緒にいようよっ!!!」
和『ありがとう、でも…もうそれは出来ないの』
和『さよならっ!』
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 02:28:27.04 ID:9tJMLFCV0 [18/21]
学校!
澪「和、どうしたんだ?ぼーっとして?」
和「んっ、いや、何でもない…」
澪「たまに和ってそういう時あるよな?」
和「そうかな?」
澪「そうだよ」
和「でも、もう二度とそんなこと無いわよ」
澪「どういうことだ?」
和「……」
和「例えばね、例えばの話だけどね」
澪「うん」
和「私には、幼稚園からの付き合いの年子の姉妹がいるの」
和「お姉ちゃんの方は私達と同じ学年で」
和「妹は一つ下、同じ学校なの!」
澪「へー、それで?」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 02:37:37.68 ID:9tJMLFCV0 [19/21]
和「お姉ちゃんの方は軽音部なのよっ!」
澪「そうなのかっ?それでどんな子なんだ?」
和「うーん、天然って言うか、抜けてるというか」
和「でも、とっても可愛くて、憎めない子」
和「だけど妹の方は、しっかりしてて礼儀正しくて」
和「お姉ちゃんを支えてるの」
澪「なんか面白い姉妹だなっ」
和「澪…」
澪「どうした?」
和「こんな話したら、引かれるんじゃないかと心配してた…」
澪「バカだな」
澪「逆に、私はそういう話、大好物だぞっ」
澪「律の前じゃ、馬鹿にされるから出来ないけどなっ」
和「あははっ、確かにね」
和「でもね、話はそれだけじゃないの…」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 02:50:22.60 ID:9tJMLFCV0 [20/21]
和「私はね、その仲のいい姉妹を離れ離れにしたの」
澪「えっ?なんで?」
和「私が妄想の友達を持ってるんだから」
和「それを共有できる人が欲しかった…」
和「でも、そんな友達いないから…」
澪「その姉妹が、お互いに妄想だということにした?」
和「その通り」
和「だから、二人には永い間寂しい思いをさせたわ」
和「だから、最後には二人を一緒にしてあげたの」
澪「そうか…」
澪「もう、その空想はしないのか?」
和「ええ、もう流石に幼稚だからね」
和「でも、もっと早く澪に出会っていれば」
和「二人を離れ離れにしなくてよかったのに…」
澪「和…」
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 02:58:14.39 ID:9tJMLFCV0 [21/21]
律「おーい澪っ、部活だぞーっ」
澪「じゃあね、和、また後で」
和『そうね、私も生徒会に行かなくちゃ』
律「澪ってばっ」バッ
澪「わっ、飛び掛ってくるなよー」
律「何してたんだ?誰かと話してると思ったけど?」
澪「何でもないっ、さっ、一緒に行くぞっ」
律「なんだよもー」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 03:06:47.30 ID:jENXt/ld0 [1/8]
二年生の時、知ってる人のいない一人きりのクラスになった
お昼休みと放課後は、みんなの所で過ごせてたけど
それ以外は最悪だった
私はいつも一人
ペアを組んだりグループ分けで
私はいつも余っていた
だから私は、頭の中に友達をつくった
和
頼りがいがあって
しっかりしてて
それでいて、私と気の会う
普段は見せない顔だけど
さっきみたいな話もしてくれて
深いところでも結びついてる
そんな友達…
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 03:14:17.96 ID:jENXt/ld0 [2/8]
部室!
紬「お茶がはいったわよーっ」
律「おっ、チーズケーキかっ!」
澪「美味そうだな」
梓「でもみなさん、ちょっと待ちましょうよー」
紬「そうね、まだ一人来てないから…」
律「あー、そうだな、何やってるんだあいつは」
澪「おかしいな?私達より先に教室から出たと思ったんだけど…」
ガチャ
?「お待たせみんなっ」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 03:24:31.89 ID:jENXt/ld0 [3/8]
唯「ごめんねー、憂と話込んじゃってー」
澪「お前達、仲がいいもんな」
律「それじゃ、いつものティータイムにしようっ!」
澪「その後はちゃんと練習だからなっ」
律「わかってるよーだ」
唯「あっ、おいしいよこのケーキ!」
律「わっ、こいつ待ってやってたのに先に食べやがってぇー」
梓「ちょっとは落ち着いて、食べましょうよー」
紬「うふふっ」
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 03:37:40.55 ID:jENXt/ld0 [4/8]
紬(楽しいな、軽音部のみんな大好きっ)
澪『本当においしいなこれっ』
紬「ほんと?よかったぁ!」
律『いつもありがとうなムギっ!』
唯『ムギちゃんの淹れるお茶は最高だよっ!』
紬「えへへっ」
梓『先輩たちはお茶とお菓子ばっかり』
梓『ムギ先輩は楽曲面やその他の気配りでも』
梓『軽音部には必要な人ですっ!』
紬「梓ちゃん…」
律『そん事言って、梓が一番早くケーキ食べ終わってるぞっ』
唯『あずにゃんったら、食いしん坊さんなんだからー』
梓『そ、それは、ケーキがおいしかったからぁー///』
186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 03:45:48.78 ID:jENXt/ld0 [5/8]
私は寂しかった
お金はあっても
広い家に住んでいても
私には本当のお友達がいなかった
使いたいものが無ければお金の意味は無い
お茶を淹れてあげたい人がいなければ
どれだけお茶いれが上手くなっても
その意味は無い
生きていたいと思える時間が無ければ
生きている意味が無い
だから私は
お友達を、軽音部を自分の頭の中につくった
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 03:55:18.78 ID:jENXt/ld0 [6/8]
紬「そう、全ては私の妄想、空想、絵空事」
紬「でもね、私だってイメージ」
紬「あなたがこれを読んで」
紬「私という人格をイメージしているに過ぎない」
紬「でもね、それはみんな同じでしょ?」
紬「あなたの知っている人で」
紬「あなたが今一緒にいない人は」
紬「本当に存在しているのかしら?」
紬「実在と空想の違いって何?」
紬「私達は現実じゃない絵空事?」
紬「でも、あなた達とどこが違うって言うのかしら?」
紬「じゃあね、そろそろ私は消えるわ」
紬「あなたがこの文章を読み終えたとき」
紬「私は消える」
紬「ほら…消えた」
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 04:01:29.83 ID:jENXt/ld0 [7/8]
憂「おねーちゃん、朝だよーっ」
唯「うーん、お早う憂ー」
憂「朝ごはんできてるよ」
唯「うん、今行くよー」
唯「でもちょっと待っててね、憂」
唯「あのさ、ちょっと気になってたんだけど」
唯「さっきからずっと私達を見てる君っ!」
唯「そうだよっ、君のことだよっ」
唯「あのさ、きみはー」
唯「君は誰のイメージ?」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/01(木) 04:08:00.04 ID:jENXt/ld0 [8/8]
終わりです お疲れ様です
今日こそ「けんとう!」を書く予定でしたが
五時起きなので、0時には終わらせれる短い奴をと思って
書いたのですが…
また長時間になってしまいました
読んで下さった方、コメントしてくださった方
長時間つきあって下さった方、ありがとうございます
寝ます お休みなさい
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