スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
唯「けんとう!」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:53:39.82 ID:vIkFWs7h0
ボクシングの話です
エロなしなので
興味ない方は期待しないでスルーしてください
ボクシングの話です
エロなしなので
興味ない方は期待しないでスルーしてください
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/05(土) 19:50:40.26 ID:vIkFWs7h0 [1/31]
唯「暇だよねー」
律「やること無いなー」
澪「おい、二人とも練習するぞっ」
唯「えーっ、今日はのんびりしようよー」
澪「今さっき暇だとか言ってなかったか?」
律「あと十分っ!!!」
澪『最近こいつらだらけきってるな…』
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:00:04.68 ID:vIkFWs7h0
澪「おい、十分経ったぞー」
律「あと五分ー」
唯「ほえー」
梓「先に練習しちゃいますよー」
律「仕方ないなー、ちょっとやるかぁー」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:04:53.19 ID:vIkFWs7h0
かえりみち!
澪「最近お前らたるみすぎだぞっ」
律「だってやる気出ないんだもん」
澪「昔はあんなにドラムに夢中だったのにな」
律「いいじゃん、ある程度叩ける様になったんだし」
律「プロになる訳でもないし」
律「適当にだらだらやってれば…」
澪「……」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:11:11.47 ID:vIkFWs7h0
律「あれっ、おーい澪帰り道はこっちだぞー」
澪「私は用事があるからこっちから帰る」
律「なになに?一緒に行くっ」
澪「お前は付いてくるなっ!」
律「わっ、何だよ急にー」
澪「武道館だって言ってたじゃないか」
律「え…」
澪「部長はお前だろっ、少し考え直した方がいいんじゃないかっ!?」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:14:47.02 ID:vIkFWs7h0
澪「じゃ、また明日っ!!!」
律「えっ、あ、じゃあな…」
律「なんだよあいつ…」
澪「律のバカ…」グスッ
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:25:33.80 ID:vIkFWs7h0
律「でも最近やる気出ないんだよなー」
律「自分でもこれじゃいけないって思うんだけど」
律「なんか目標って言うか、達成感って言うか…」
律「熱くなれるものが軽音部には無いんだよなー」
澪「おいっ!」
律「わっ、脅かすなよ…」
澪「って、なんでお前付いてきてるんだっ」
律「だって澪がそっちに行くって言うから…」
澪「普通、この状況なら別々に帰るだろっ、話の流れ的にっ!」
律「はは…いつもと違う道から帰るのも、新鮮でいいよなっ」
澪「……はぁ、もういい」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:33:28.87 ID:vIkFWs7h0
律「おっ、見てみろ澪っ、ここになんかあるぞー」
澪「一面ガラス張りだなっ、なんだろ…」
律「なんかバシバシ音がするな」
澪「ひえっ!!!」
律「なんだ、ボクシングジムじゃんかー」
澪「なんか怖いな…早く行こう」
律「えーなんだよっ、面白そうじゃん、のぞいて見ようぜっ!!!」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:41:21.18 ID:vIkFWs7h0
澪「やめろよ律っ、ボクシングってのは」
澪「竹刀持った教官が、極悪な不良を更正させる施設だろっ」ブルブル
律「お前、ボクシングにどんなイメージ持ってんだよ…」
律「おいあれ見ろよっ」
澪「女の人がいる…っ!!!」
律「すごいな、日本にも女性ボクサーなんているんだなっ」
律「澪もやってみれば?」
澪「バカっ、するわけないだろーっ」
澪「もう十分だろっ!?さっ帰るぞっ」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:51:44.12 ID:vIkFWs7h0
部室!
律「なんてことが昨日あったんだー」
紬「律ちゃんは澪ちゃんを追いかけて走ったのねっ」
唯「そして泣いてる澪ちゃんを後ろから抱きしめてー」
澪「おい嘘をつくなっ!!!」
律「ちょっと大げさにしただけじゃん」
澪「しかも話の本題はそこじゃ無いだろっ!!!」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:56:54.09 ID:vIkFWs7h0
律「そうそう、ボクシングジムなんてはじめて見たよ」
紬「最近移転してきたって聞いたわっ」
唯「なにそれー、おもしろそーっ」
梓「一度見てみたいですね」
澪「おいお前ら、見て楽しいもんじゃないぞ」
律「澪は怖がって震えてたしなー」
澪「うるさいっ!!!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:05:57.32 ID:vIkFWs7h0
梓「でもボクシングって危ないイメージありますよね」
澪「そうだっ、女の子が興味持つことじゃないぞ」
律「でも女の人もいたじゃんっ」
紬「ほんとっ?素敵ねー」
唯「私もやってみようかな?」
梓「唯先輩には無理ですよー」
唯「なんだとあずにゃんっ、唯パンチっ!!!」ダキッ
梓「にゃっ!!!パンチじゃないですっ!抱きついてるだけじゃないですかっ」バタバタ
律『なんか面白そうだし、また行って見るか…』
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:15:31.45 ID:vIkFWs7h0
律「なんとなく気になって一人で来ちゃった」
律「熱気が凄いなー、こっちまで熱くなっちゃう」
???「お嬢ちゃん、ここの誰か待ってるの?」
律「へっ、いや、私はなんとなく見てただけでー」
律『お嬢ちゃんって…』
ト「僕はここのトレーナーなんだ」
ト「驚いたな、君みたいな子がボクシングに興味あるなんてっ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:22:01.02 ID:vIkFWs7h0
律「えっ、いやっ、弟が、そう弟が興味持ってて、それでどんなもんかなってー」
ト「なんだ、それは失礼したね」
ト「君みたいな可愛いい感じの子は、あまりにここと不釣合いだったからー」
律「ははは…」
律『普段可愛いい感じなんて言われないけど…』
???「トレーナー、そりゃ酷いですよっ!!!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:31:15.33 ID:vIkFWs7h0
律『あっ、この前の女の人だっ』
???「失礼しちゃうっ、普段こんなに可愛い娘を指導しておきながら」
ト「ははは…」
律『確かに可愛い感じって言うより、カッコいい感じだな』
ト「彼女は女性だけどボクサーなんだよ、内には女性が三人もいるんだよっ」
律『三人も?それ多い方なのかな?』
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:38:22.54 ID:vIkFWs7h0
先「あなたの先輩になるわね、よろしくね可愛いカチューシャさんっ」
律「あのっ、いや、私は別に…」
ト「ははっ、残念だけど彼女は見学だよ」
先「なんだー、つまんない」
先「でも興味があったら、一緒にやりましょ!辛いことも多いけど」
先「それ以上に得るものが大きいわっ!」
ト「まあ、とにかく今日はゆっくり見学して行ってよ」
律「は、はい!」』
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:45:31.57 ID:vIkFWs7h0
律『改めて見ると、ボクシングの動きってカッコいいなー』
律『カッコいいって言うか、よく見てるとなんだか綺麗』
律『鏡の前で素振り?たしかシャドーって言うんだっけ』
律『あれを見てるだけで、なんだか飽きないなー』
律『あ、あの女の人、リングに上がるぞ』
律『練習試合、スパーリングって奴だな』
律『えっ、相手は男の人じゃないかっ!!!』
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:54:20.88 ID:vIkFWs7h0
律『あ、始まる…』
律『でも練習なんだから軽いもんなんだろ…っ!!!?』
律『わ、わ、わ』
ト「おーい君っ、大丈夫かい?」
律「へっ、はわわっ、らいじょうぶれすっ!」
ト「いきなり激しいの見ちゃったからね」
ト「彼女は試合を控えていてね」
ト「今日は最後の調整に入る前に、本気でスパーしてみたんだ」
律「はうっ」
ト「ごめんね、今日はもう帰りなさい」
律「はうっ」
ト『こりゃもう来てくれないな…』
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:05:01.92 ID:vIkFWs7h0
澪「おーい律っ」
律「はうっ」
澪「おまえ今日はなんか変だぞ」
律「はうっ」
唯「律ちゃんどうしちゃったんだろ?」
澪「昨日またボクシングジムを見学したらしいんだけど」
澪「それからどうもおかしいんだ」
紬「やっぱりボクシングなんて、女の子には刺激が強すぎるの
律「はわわ」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:15:26.53 ID:vIkFWs7h0
ジム!
ト「やっぱりあの子来てくれないな」
ト「弟が興味あるなんて言って、自分が興味あるのバレバレだったけど」
ト「初日からあんな激しいの見ちゃったからなー」
先「あの子はまた来ますよっ」
ト「なんで分かるんだい?」
先「私減量中は感が冴えるんです」
ト「またまたそんな…」
ト「…っあ!」
先「ほらねっ」
律「あのーっ、すいませーん…」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:21:57.69 ID:vIkFWs7h0
部室!
律「よーしっ、練習するぞ唯っ!!!」
唯「えーっ、律ちゃんあと五分ー」
律「1,2,3,4,5分!さあやるぞっ!!!」
唯「えーっ、それ五秒だよー」
律「なんだと唯ーっ!青春は待ってくれないんだぞーっ!!!」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:30:22.25 ID:vIkFWs7h0
紬「最近律ちゃんすごく張り切ってるっ」
梓「ちょっと暑苦しいですけどね」
澪「何でもジムで知り合った女性ボクサーに影響されて」
澪「『私もがんばんなきゃー』なんて」
紬「やる気が出たのはいい事じゃないっ!」
律「さあ、唯っギターを弾きまくるんだっ手が千切れるくらい激しくっ!!!」
唯「たーすーけーてー」
澪「極端すぎるけどな…」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:51:11.89 ID:vIkFWs7h0
競技場!
律「ここが試合の会場か…」
律「割と大きいところだな」
ト「やあ、律クン、来てくれたんだね」
律「あ、どうもっ、応援に来ました!」
律「けっこう大きな会場でビックリしましたよ」
ト「男子の試合も一緒に行われるしね」
ト「彼女の試合も世界戦だしねっ!」
律「えっ!世界戦だったんですか!?凄い!!!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/05(土) 22:52:38.03 ID:vIkFWs7h0
ト「男子とは層が違うってのもあるよ、国内だけじゃ女子の試合は少なくてね」
ト「公式戦を組んで活躍するなら、世界戦をやっていかなきゃね」
律『それにしても世界大会ってことだろ!?すごいよっ!!!』
ト「そうだ、試合前に彼女と会っていくだろっ?」
律「えっ、でも、迷惑なんじゃ…」
ト「そんなことないよ、彼女も喜ぶよっ!!!」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:59:36.57 ID:vIkFWs7h0
律「あのー、失礼します」
先「ああ、律ちゃん、来てくれたんだね、うれしいよ」
律「今日は絶対に勝ってくださいっ!」
先「どうだろ、相手も相当強い」
律「…」
律「それでも絶対に勝って下さいっ!!!あんなに毎日頑張ってきたの、私見てましたっ」
律「だからっ!!!」
先「…」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:08:32.13 ID:vIkFWs7h0
先「律ちゃん、一つ約束してくれないか?」
律「約束?」
先「私がこの試合に勝ったなら、律ちゃんもボクシング始めるって」
律「えーっ!!!」
先「律ちゃんが約束してくれたなら、この試合、勝てる気がするんだ」
律「あの、でもっ」
先「無理にとは言わないよ、ごめんね、変なこと言ってー」
律「」
律「します」
先「えっ?」
律「私約束しますっ!だから絶対に勝ってくださいっ!!!」
先「…ありがとうっ、絶対に勝つからっ!!!」ニコッ
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:15:57.97 ID:vIkFWs7h0
律『勢いに任せて大変な約束しちゃったー』
律『どうしよう…』
律『でも、この気持ちには嘘は無いっ』
律『お願いだから勝って欲しいっ!!!』
律『いよいよ試合が始まるな』
律『なんだか私が緊張しちゃう』
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:28:57.41 ID:vIkFWs7h0
律『わっ、対戦相手強そうっ!!!』
律『あれで本当に女かよっ!?』
律『いよいよゴングがー』
律『わっ、いきなり攻めてきた』
律『でも大丈夫、まだもらってない…』
---
--------
---------------
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:35:31.90 ID:vIkFWs7h0
澪「ダメに決まってるだろっ!!!」
律「そこをなんとかー」ウルウル
澪「なんとかで何とかなる問題じゃないっ!!!」
律「びえーん」シクシク
唯「どうしたのー?」
澪「律がボクシング始めるなんて言うんだ」
唯「えーっ、律ちゃんスゴーイ!!!」
澪「そんな軽い話じゃないっ」
澪「軽音部はどうするんだよっ」
律「部活もちゃんとするからー」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:42:09.74 ID:vIkFWs7h0
澪「勉強は?」
律「それもーちゃんとするからー」
澪「出来るわけないだろっ!」
律「できるもんっ」
澪「今まで出来てないのに、その上ボクシングなんて始めて」
澪「一体なに考えてるんだっ!!!」
澪「それに…」
澪「律が怪我したらどうするんだよっ…」
紬『澪ちゃん…』
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:53:18.08 ID:vIkFWs7h0
律「澪は私のお母さんにでもなったつもりか?」
澪「なんだと!」
律「私のことなんだからほっといてよっ」
澪「わ、私は律のことを思って言ってるんだぞっ!」
律「ふんっ、余計なお世話」
澪「じゃあわかった、もう勝手にしろっ、困るのは律なんだからなっ」
律「言われなくても勝手にさせてもらうよっ」
澪『律のバカ…』
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:03:32.51 ID:c44TAFBY0 [1/11]
ジム!
ト「約束どおり来てくれたね」
律「はいっ、今日からよろしくお願いします」
ト「ちょっと浮かない顔だけど、やっぱり緊張してるの?」
律「ええ、まぁ」
律『結局澪には反対されたままだな…』
律「あの、先輩は?」
ト「ああ、試合後だから暫く休養だよ、たまに顔ぐらいは出すんじゃないかな?」
律『相談したいことがあったのにな…』
ト「彼女が戻ってくるまでに、基礎をみっちり覚えような」
律「はいっ」
律『でも自分でやるって決めたんだっ、やるからには本気でやらないとっ』
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:13:30.72 ID:c44TAFBY0 [2/11]
ト「まずは走り込みからだっ!って言いたいけど」
ト「君の生活リズムじゃ、ジムに出れる時間は少ない」
ト「走り込みや筋力トレーニングは、自主的に朝や夜の時間を使ってもらわなくちゃな」
ト「ロープスキップやパンチングボール、シャドーなど、まず練習方法から学んでいこう」
律「ほっ」
ト「どうしたの?」
律「いや、私の読んでた漫画じゃ、いきなりリングの上に上がらせられてたからー」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:22:00.68 ID:c44TAFBY0 [3/11]
ト「ボクシングってのやっぱり危険を伴うんだ」
ト「君とお父さんお母さんに書いてもらった契約書は読んだかい?」
律「へ?ああ、適当にサインだけしたけどー」
ト「だっ、ダメじゃないかっ、今読んでっ」
律「うへっ、これって…」
ト「どうだい?覚悟はいいかい?」
律「これって…つまり…なんて書いてあるの?」
ト「……」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:28:07.68 ID:c44TAFBY0 [4/11]
ト「つまりだね、ボクシングをすることで、視力を失うことやその他様々な障害」
ト「最悪の場合、死亡しても、ジムのほうでは一切責任を持ちませんって事なんだ」
律「失明!?死亡!?」
ト「どうだい?それでも本当に続けられるかい?」
律『こりゃ親がなかなか判子押さないはずだっ』
律『どうしよう、でもっ!』
律「やりますっ、危険は覚悟の上ですっ!」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:36:51.90 ID:c44TAFBY0 [5/11]
ト「わかった、この誓約書は確かに受け取ったよ」
ト「いきなり怖がらせて悪かったね、でも、必ず心して欲しいことなんだ」
ト「もし律クンが危険だと思ったり、付いていけないって思ったりしたら」
ト「迷わずリタイアしてくれ、自分の安全は自分で判断するんだっ」
ト「その分こっちも君の安全には細心の注意をするよ」
ト「だから、リングに上がっていいかは、時機を見て私が判断する、いいね?」
律「はいっ」
律『こりゃもしかしたら、大変なとこに来ちゃったのかも…』
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:45:45.29 ID:c44TAFBY0 [6/11]
学校!
律『部活が終わってから夜までみっちりトレーニングで』
律『宿題してたら晩くなって、そんで朝はランニング』
律『ちがうやロードワークって言うんだっけ?まあいいや』
律『つまり寝みいーっ!』
律「」ウトウト
澪「」ジーッ
律『ダメだっ、澪に勉強もがんばるって言ったからには頑張らなきゃ』
唯「」スヤスヤ
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:56:37.92 ID:c44TAFBY0 [7/11]
部室!
紬「どう律ちゃん、ボクシングの方は?」
律「うーん、まだ始めたばかりで分かんないやっ」
唯「でもすごいよね、カッコいいよ律ちゃん!」
梓「まさか本当に始めるとは思いませんでしたよ」
律「へーん、みんな喜べ、もう直ぐ世界チャンピオンの友達になれるぞっ」
澪「律のことだ、どーせ辛くなって、音を上げるに決まってる」
律「なにおーっ!」
紬「まあまあー、二人ともお茶でも飲んでー」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:02:46.85 ID:c44TAFBY0 [8/11]
澪「私はまだお前のボクシングを認めてないからなっ」
律「ふんっ、こうなったら嫌でも澪に、ボクシングを認めさせてやるからなっ!!!」
澪「はいはい、精々がんばってー」プイッ
律『澪、なんで分かってくれないんだよ…』
澪『律、なんで分かってくれないんだよ…』
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:13:59.51 ID:c44TAFBY0 [9/11]
ジム!
ト「じゃあ、今日はロープスキップしてみようか?」
律「つまり縄跳びでしょ?小学生以来かもなー」
律「こんなのでトレーニングになるんですか?」
ト「なるともっ!ロープスキップはリズム感、ボクシングで重要なつま先での蹴り」
ト「それに基礎体力もつけられる、ボクシングにうってつけの練習方法なんだっ!」
律「えー、ほんとですかー?」
ト「と、とにかくやってみるっ!」
律「ハーイ」
ト『この子、慣れてきたらどんどんフランクになって来たなぁ』
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:19:19.57 ID:c44TAFBY0 [10/11]
律「前跳び」ヒュンヒュン
律「カケ跳び」ヒュンヒュン
律「二重跳びっ!」ビュンビュンッ
ト「凄いね律クン、運動神経いいんだねー」
律「えへへ、まあね」ビュンビュンッ
律「三重跳びも出来ますよっ」ビュビュビュッ
ト「すごいよっ、男の子でも出来ない子いるのにっ!」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:28:06.90 ID:c44TAFBY0 [11/11]
ト「でもね、こんな跳び方はしたこと無いだろ?」ッタッタッタ
律「すごい、なんか踊ってるみたいっ!」
ト「これがロープスキップだ、まずはこの跳び方を覚えないと」ッタッタッタ
ト「はじめはタイミングや体の使い方が分からなくて、難しいかもね」ッタッタッタ
律「あ、でもよく見たら、片足ずつ二回、足を前後させながらタイミングを取ってるだけですね」
ト「ははっ、するどいね、でも見るのをやるのでは大違いだから、まあやってみてよっ!」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:41:35.38 ID:9wzZh7290 [1/20]
律「よっと」ッタッタッタ
律「出来ましたっ!」ッタッタッタ
ト「」
律「おーいっ、出来ましたー?」ッタッタッタ
ト「や、やるじゃないかっ!律クンはリズム感もいいんだね」
律「ドラムやってるからかなー?」ッタッタッタ
律「応用したらこんなのも出来そうですねっ」ツタッタツタッタ
ト「!!!?」
ト『なるほど、ドラムをやってたから、足でリズムを取るのがうまいのか』
ト『リズム感はボクシング全てを通して重要なファクターだ』
ト『このリズム感と運動神経っ!期待してなかったけど』
ト『ひょっとするとこの子ものになるかもっ!?』
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:53:43.04 ID:9wzZh7290 [2/20]
ト「ロープスキップは問題無いみたいだね」
ト「それじゃあ、今度は本格的にパンチの打ちかただ」
律「待ってましたっ!」
ト「先ずはジャブ、次にストレート」
ト「そしてそれを続けざまに打つワンツーっ!!!」
ト「当面はこの練習しかしなくていいよ」
律「フックやアッパーは?」
ト「ワンツーが出来るようになったら、フットワーク練習」
ト「その中で徐々に覚えて行ってよ」
律「なんだぁ、けっこう先なんですねー」
律「早くショーリュ―ケーンとかしたいのにー」
ト「そのパンチ僕は教えられないなぁ」
ト『えっ、こんな子だったかな?』
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:03:45.05 ID:9wzZh7290 [3/20]
ト「とにかく先ずはジャブだよっ」
律「なんか地味だなー」
ト「ぶつぶつ言わないっ、基本は大切だよっ、さっ、構えて!」
律「へーいっ」
ト「右足のつま先を前に向けて、左足のつま先を内側にしてごらん?」
律「ボクシングの構えって、けっこう内股なんですねー」
ト「そうだね」
律「こんな構えで早く動いたり、強いパンチなんて打てるんですか?」
ト「はじめはみんなそう言うものさっ」
ト「でもね、慣れてくると、この構えがとても理にかなっていることが分かって来るよっ」
律「ホンとかなぁー」ヨタッ
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:19:19.65 ID:9wzZh7290 [4/20]
ト「そうそう、その構えで左拳をスナップを利かせて繰り出すっ!」
律「それ知ってますっ、木の葉を掴むようにするんですよねっ」
ト「ああ、漫画で読んだんだねっ」
ト「その通り、リラックスした状態から打つのがポイントだよ」
ト「広く言われるのが、右足で蹴った力が左手に伝わるようにっ!」
律「えっ?右足の力が左手に???」
ト「こういう体感的なものは言葉で表現しても、なかなか分かりにくいものだよね」
ト「僕の場合は、パンチというものは、体当たりだと思ってる」
ト「ただし打面は拳で、体の軸をずらさない、一瞬だけ体重が伝わる体当たり」
ト「その上でショット感、ブロウ、殴るんではなく、パンチを飛ばすように打つ(撃つ)感覚」
律「右足?体当たり?ブロウ?中心軸?体重?」
ト『この子に言葉で伝えるのは難しそうだな…』
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:24:18.29 ID:9wzZh7290 [5/20]
ト「じゃあ、やってみてよ」
ト「こんな感じで」シュッ
律「こうですか?」パッ
ト「それじゃあ、手だけのパンチだ、下半身の力が伝わるように」シュッ
律「えいっ」ヨロッ
ト「体のバランスを崩さないでっ」
律『こんな簡単そうなパンチでも難しいんだなぁ…』
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:35:37.32 ID:9wzZh7290 [6/20]
ト「まあ、最初はこんなもんだよっ」
律「悔しいなぁー」
ト「おっ、いいぞ!その気持ちがあればきっと直ぐに上手になるよっ!」
律「うーん、あの、ショットが何とか言ってました?」
ト「え?ああ、パンチを、殴るんじゃなくて撃つ様に繰り出すって事だよ」
律「ドラムを叩く時もショットって言うんですよ」
ト「そうなんだ」
律「ドラムでもやっぱり脱力が大事なんですよ」
ト「うん」
律「ドラムの練習を始めた頃は、うまく手が動かなくって」
律「早く動かそうと力んでばっかり」
律「何でみんなあんなに早く連打できるんだろうって、焦ってたんです」
ト『この話長いのかな?』
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:49:46.65 ID:9wzZh7290 [7/20]
律「でも、練習していくうちに体がほぐれてきて」
律「力を入れない方が、早く叩けるって事が体で分かったんです」
ト「うーん、確かにそれはボクシングのパンチに通じる所があるね」
律「じゃあ、こんな感じかな…」スッ
ト「いい感じだね、脱力してるし、何より体の軸がぶれてない」
ト「ドラムを叩く時も、体の軸は意識するの?」
ト「バランスが崩れたら、動きがうまくいかなくて、リズムが崩れちゃうから、それは大事ですね」
ト『ドラムとボクシング、思った以上に共通点が多いみたいだな』
ト「でも欲を言うと、下半身、蹴り足の力が伝わってないかな…」
律「じゃあ、こんな感じっ」シュッ
ト「!!!?」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:58:04.12 ID:9wzZh7290 [8/20]
ト「驚いたっ!正直感服したよっ」
ト「律クン!君は才能あるよっ!!!」
律「えっ!ホンとですかーっ!!!」
???「調子にのるなっ」
ト「ひっ!」
律「?お爺さん誰?」
ト「律クン、このジムの会長だよっ!顔ぐらい見た事あるだろっ!」
律「ああ、そういえばー」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:11:59.31 ID:9wzZh7290 [9/20]
会長「生意気なガキだが、まあいい」
会長「少しは見込みがあるようだな」
ト「そうなんですよっ、初日から驚かされっぱなしでー」
ト「彼女はかなりの逸材ですよっ!」
律「私、才能あるんだってー」
会長「確かに見込みは在るが、それは才能じゃない」
会長「今までの環境がボクシングに向いていたというだけ」
会長「才能があるかないかは、この先試合で見せてみろっ!」
律「ひっ!」
律『爺さんなのに、なんだか迫力あるなー』
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:17:48.99 ID:9wzZh7290 [10/20]
ト『あの会長から試合の言葉が出るとはっ!』
ト『こりゃ、この子がリングに上がる日は近いぞっ!』
ト『僕も気合入れて指導しないとっ!』
ト「さあ、律クン、練習だっ!」
律「はーい」
律『急に張り切ってどうしたんだろっ?』
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:35:56.99 ID:9wzZh7290 [11/20]
部室!
紬「律ちゃんがボクシングはじめて暫くになるけど、調子はどお?」
律「大分やれるようになって来たよー、今会長が試合相手を探してくれてるんだっ」
紬「試合に出るのっ!?凄いわっ私応援に行くっ!」
梓「いいですね、試合の日はみんなで行きましょうっ!」
澪「そうだな、ボコボコにされて泣いてる律を慰めてやりに行くか」
律「なんで負ける前提なんだよっ!」
律「ところで唯は…?」
唯「」スピー
澪「なんか唯、律がボクシング始めてから居眠りばっかりだなー」
紬「律ちゃんは逆に授業中真面目になったよね」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:52:52.07 ID:9wzZh7290 [12/20]
律「まあなー」
律『早く澪に認めてもらわないと』
澪「いつまで続くのやら」プイッ
澪『律、無理してるんじゃないかな…』
梓「澪先輩、そろそろ素直になりましょうよ」
澪「へっ!梓、お前何言ってるんだよっ!」
梓「澪先輩がいくらつんつんしても、律先輩の事心配してるってバレバレですよ」
澪「ち、ちがうっ、そんなんじゃないー」
梓「いくらボクシングのせいで、律先輩と会える時間が減ったからって」
梓「そこまでボクシングに反対するなんて大人気ないです」
梓「それにー」
紬「梓ちゃん、もう辞めてあげてっ!」
澪「わーわーわーっ///」プスプス
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:59:39.24 ID:9wzZh7290 [13/20]
紬「律ちゃんがボクシングに挑戦したのはいい事だと思うの」
紬「私も律ちゃんに影響されて、新しい御稽古事始めちゃったし」
律「それって、バイトもしながらかっ?」
紬「うん、頑張ってるっ!」
律「すごいな…」
澪「わ、分かったよ、律のボクシングを認めてやるよっ///」
律「澪っ…///」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:06:25.85 ID:9wzZh7290 [14/20]
澪「ただし、条件がある」
澪「次の試合、もしお前が勝てたらボクシングを認めてやるっ」
澪「ただし、負けたらボクシングをやめて、部活に専念することっ!」
律「ひえー、厳しいな」
澪「こうなったらお前、絶対勝たなくちゃ…ダメだろ?」///
律「ありがとう、澪の為にも、絶対に次の試合勝つよっ!!!」
澪「な、なんで私のためなんだっ!私はお前が負けてくれたほうがー」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:08:05.27 ID:9wzZh7290 [15/20]
梓「結局素直になれないんですね」
紬「いいわー」キラキラ
唯「」スピー
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:13:21.65 ID:9wzZh7290 [16/20]
ジム!
会長「おい小娘っ!お前の対戦相手が見つかったぞっ!」
会長「公式戦では無いが緒戦じゃ、お前の力、ワシに見せてみろっ」
律「やったー!いよいよだな、ワクワクするぜっ!」
律「それで相手は?」
会長「それがな、近くのジムに、ちょうどお前と同じ時期にボクシングを始めた奴がおって」
会長「偶然にもお前と同じ高校生じゃ」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:22:49.28 ID:9wzZh7290 [17/20]
ト「君がリングに上がるのはかなり早いほうだと思うけど」
ト「対戦相手の子も、相当の資質の持ち主らしい」
ト「この短期間で見る見る上達し、天才肌だと言われているんだ」
会長「どうじゃ、お前くらいの資質のものなど、世の中に沢山おると言う事じゃ」
律「えーっ、最近やっと自信持ち始めてたのにーっ」
会長「逆に言えば、コイツさえ倒せれば、この地域のホープ№1じゃ」
会長「未来のライバルになるかも知れん相手でもあるっ!」
会長「きっちり勝って相手に苦手意識を植え付けてやれっ!!!」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:26:02.17 ID:9wzZh7290 [18/20]
ト「それでね、その対戦相手の名前は…」
ト「平沢唯選手だねっ」
律「えっ?」
律「」
律「えっ?」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:37:29.97 ID:9wzZh7290 [19/20]
次回予告
律の緒戦の相手はなんと唯であった
唯はとある事情から律と同時期からボクシングを始めていたのだ
お互い負けられない理由を持ちながら、親友同士の拳は熱く交わり火花を散らす
次回、圧倒的な唯の天性の才能が、律の資質と積み重ねてきた努力を簡単に打ち崩す
万策尽きた律はこのまま負けてしまうのかっ!?
そして八時間かけて誰一人見ない糞SSを書いた俺は、そろそろ泣いてもいいのか?
ご期待下さい
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:39:06.61 ID:QwPIPvnx0 [2/2]
おわりー?
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:47:01.65 ID:rKKr6WlwO [3/3]
心配性な澪しゃん可愛いしえん
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:45:19.33 ID:9wzZh7290 [20/20]
>>84>>44
ありがとうございます
続きあるけど書いてたら僕死んでしまう
またいつか八時間かけて唯戦書きますお休みなさい
唯「暇だよねー」
律「やること無いなー」
澪「おい、二人とも練習するぞっ」
唯「えーっ、今日はのんびりしようよー」
澪「今さっき暇だとか言ってなかったか?」
律「あと十分っ!!!」
澪『最近こいつらだらけきってるな…』
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:00:04.68 ID:vIkFWs7h0
澪「おい、十分経ったぞー」
律「あと五分ー」
唯「ほえー」
梓「先に練習しちゃいますよー」
律「仕方ないなー、ちょっとやるかぁー」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:04:53.19 ID:vIkFWs7h0
かえりみち!
澪「最近お前らたるみすぎだぞっ」
律「だってやる気出ないんだもん」
澪「昔はあんなにドラムに夢中だったのにな」
律「いいじゃん、ある程度叩ける様になったんだし」
律「プロになる訳でもないし」
律「適当にだらだらやってれば…」
澪「……」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:11:11.47 ID:vIkFWs7h0
律「あれっ、おーい澪帰り道はこっちだぞー」
澪「私は用事があるからこっちから帰る」
律「なになに?一緒に行くっ」
澪「お前は付いてくるなっ!」
律「わっ、何だよ急にー」
澪「武道館だって言ってたじゃないか」
律「え…」
澪「部長はお前だろっ、少し考え直した方がいいんじゃないかっ!?」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:14:47.02 ID:vIkFWs7h0
澪「じゃ、また明日っ!!!」
律「えっ、あ、じゃあな…」
律「なんだよあいつ…」
澪「律のバカ…」グスッ
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:25:33.80 ID:vIkFWs7h0
律「でも最近やる気出ないんだよなー」
律「自分でもこれじゃいけないって思うんだけど」
律「なんか目標って言うか、達成感って言うか…」
律「熱くなれるものが軽音部には無いんだよなー」
澪「おいっ!」
律「わっ、脅かすなよ…」
澪「って、なんでお前付いてきてるんだっ」
律「だって澪がそっちに行くって言うから…」
澪「普通、この状況なら別々に帰るだろっ、話の流れ的にっ!」
律「はは…いつもと違う道から帰るのも、新鮮でいいよなっ」
澪「……はぁ、もういい」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:33:28.87 ID:vIkFWs7h0
律「おっ、見てみろ澪っ、ここになんかあるぞー」
澪「一面ガラス張りだなっ、なんだろ…」
律「なんかバシバシ音がするな」
澪「ひえっ!!!」
律「なんだ、ボクシングジムじゃんかー」
澪「なんか怖いな…早く行こう」
律「えーなんだよっ、面白そうじゃん、のぞいて見ようぜっ!!!」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:41:21.18 ID:vIkFWs7h0
澪「やめろよ律っ、ボクシングってのは」
澪「竹刀持った教官が、極悪な不良を更正させる施設だろっ」ブルブル
律「お前、ボクシングにどんなイメージ持ってんだよ…」
律「おいあれ見ろよっ」
澪「女の人がいる…っ!!!」
律「すごいな、日本にも女性ボクサーなんているんだなっ」
律「澪もやってみれば?」
澪「バカっ、するわけないだろーっ」
澪「もう十分だろっ!?さっ帰るぞっ」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:51:44.12 ID:vIkFWs7h0
部室!
律「なんてことが昨日あったんだー」
紬「律ちゃんは澪ちゃんを追いかけて走ったのねっ」
唯「そして泣いてる澪ちゃんを後ろから抱きしめてー」
澪「おい嘘をつくなっ!!!」
律「ちょっと大げさにしただけじゃん」
澪「しかも話の本題はそこじゃ無いだろっ!!!」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:56:54.09 ID:vIkFWs7h0
律「そうそう、ボクシングジムなんてはじめて見たよ」
紬「最近移転してきたって聞いたわっ」
唯「なにそれー、おもしろそーっ」
梓「一度見てみたいですね」
澪「おいお前ら、見て楽しいもんじゃないぞ」
律「澪は怖がって震えてたしなー」
澪「うるさいっ!!!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:05:57.32 ID:vIkFWs7h0
梓「でもボクシングって危ないイメージありますよね」
澪「そうだっ、女の子が興味持つことじゃないぞ」
律「でも女の人もいたじゃんっ」
紬「ほんとっ?素敵ねー」
唯「私もやってみようかな?」
梓「唯先輩には無理ですよー」
唯「なんだとあずにゃんっ、唯パンチっ!!!」ダキッ
梓「にゃっ!!!パンチじゃないですっ!抱きついてるだけじゃないですかっ」バタバタ
律『なんか面白そうだし、また行って見るか…』
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:15:31.45 ID:vIkFWs7h0
律「なんとなく気になって一人で来ちゃった」
律「熱気が凄いなー、こっちまで熱くなっちゃう」
???「お嬢ちゃん、ここの誰か待ってるの?」
律「へっ、いや、私はなんとなく見てただけでー」
律『お嬢ちゃんって…』
ト「僕はここのトレーナーなんだ」
ト「驚いたな、君みたいな子がボクシングに興味あるなんてっ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:22:01.02 ID:vIkFWs7h0
律「えっ、いやっ、弟が、そう弟が興味持ってて、それでどんなもんかなってー」
ト「なんだ、それは失礼したね」
ト「君みたいな可愛いい感じの子は、あまりにここと不釣合いだったからー」
律「ははは…」
律『普段可愛いい感じなんて言われないけど…』
???「トレーナー、そりゃ酷いですよっ!!!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:31:15.33 ID:vIkFWs7h0
律『あっ、この前の女の人だっ』
???「失礼しちゃうっ、普段こんなに可愛い娘を指導しておきながら」
ト「ははは…」
律『確かに可愛い感じって言うより、カッコいい感じだな』
ト「彼女は女性だけどボクサーなんだよ、内には女性が三人もいるんだよっ」
律『三人も?それ多い方なのかな?』
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:38:22.54 ID:vIkFWs7h0
先「あなたの先輩になるわね、よろしくね可愛いカチューシャさんっ」
律「あのっ、いや、私は別に…」
ト「ははっ、残念だけど彼女は見学だよ」
先「なんだー、つまんない」
先「でも興味があったら、一緒にやりましょ!辛いことも多いけど」
先「それ以上に得るものが大きいわっ!」
ト「まあ、とにかく今日はゆっくり見学して行ってよ」
律「は、はい!」』
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:45:31.57 ID:vIkFWs7h0
律『改めて見ると、ボクシングの動きってカッコいいなー』
律『カッコいいって言うか、よく見てるとなんだか綺麗』
律『鏡の前で素振り?たしかシャドーって言うんだっけ』
律『あれを見てるだけで、なんだか飽きないなー』
律『あ、あの女の人、リングに上がるぞ』
律『練習試合、スパーリングって奴だな』
律『えっ、相手は男の人じゃないかっ!!!』
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:54:20.88 ID:vIkFWs7h0
律『あ、始まる…』
律『でも練習なんだから軽いもんなんだろ…っ!!!?』
律『わ、わ、わ』
ト「おーい君っ、大丈夫かい?」
律「へっ、はわわっ、らいじょうぶれすっ!」
ト「いきなり激しいの見ちゃったからね」
ト「彼女は試合を控えていてね」
ト「今日は最後の調整に入る前に、本気でスパーしてみたんだ」
律「はうっ」
ト「ごめんね、今日はもう帰りなさい」
律「はうっ」
ト『こりゃもう来てくれないな…』
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:05:01.92 ID:vIkFWs7h0
澪「おーい律っ」
律「はうっ」
澪「おまえ今日はなんか変だぞ」
律「はうっ」
唯「律ちゃんどうしちゃったんだろ?」
澪「昨日またボクシングジムを見学したらしいんだけど」
澪「それからどうもおかしいんだ」
紬「やっぱりボクシングなんて、女の子には刺激が強すぎるの
律「はわわ」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:15:26.53 ID:vIkFWs7h0
ジム!
ト「やっぱりあの子来てくれないな」
ト「弟が興味あるなんて言って、自分が興味あるのバレバレだったけど」
ト「初日からあんな激しいの見ちゃったからなー」
先「あの子はまた来ますよっ」
ト「なんで分かるんだい?」
先「私減量中は感が冴えるんです」
ト「またまたそんな…」
ト「…っあ!」
先「ほらねっ」
律「あのーっ、すいませーん…」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:21:57.69 ID:vIkFWs7h0
部室!
律「よーしっ、練習するぞ唯っ!!!」
唯「えーっ、律ちゃんあと五分ー」
律「1,2,3,4,5分!さあやるぞっ!!!」
唯「えーっ、それ五秒だよー」
律「なんだと唯ーっ!青春は待ってくれないんだぞーっ!!!」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:30:22.25 ID:vIkFWs7h0
紬「最近律ちゃんすごく張り切ってるっ」
梓「ちょっと暑苦しいですけどね」
澪「何でもジムで知り合った女性ボクサーに影響されて」
澪「『私もがんばんなきゃー』なんて」
紬「やる気が出たのはいい事じゃないっ!」
律「さあ、唯っギターを弾きまくるんだっ手が千切れるくらい激しくっ!!!」
唯「たーすーけーてー」
澪「極端すぎるけどな…」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:51:11.89 ID:vIkFWs7h0
競技場!
律「ここが試合の会場か…」
律「割と大きいところだな」
ト「やあ、律クン、来てくれたんだね」
律「あ、どうもっ、応援に来ました!」
律「けっこう大きな会場でビックリしましたよ」
ト「男子の試合も一緒に行われるしね」
ト「彼女の試合も世界戦だしねっ!」
律「えっ!世界戦だったんですか!?凄い!!!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/05(土) 22:52:38.03 ID:vIkFWs7h0
ト「男子とは層が違うってのもあるよ、国内だけじゃ女子の試合は少なくてね」
ト「公式戦を組んで活躍するなら、世界戦をやっていかなきゃね」
律『それにしても世界大会ってことだろ!?すごいよっ!!!』
ト「そうだ、試合前に彼女と会っていくだろっ?」
律「えっ、でも、迷惑なんじゃ…」
ト「そんなことないよ、彼女も喜ぶよっ!!!」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:59:36.57 ID:vIkFWs7h0
律「あのー、失礼します」
先「ああ、律ちゃん、来てくれたんだね、うれしいよ」
律「今日は絶対に勝ってくださいっ!」
先「どうだろ、相手も相当強い」
律「…」
律「それでも絶対に勝って下さいっ!!!あんなに毎日頑張ってきたの、私見てましたっ」
律「だからっ!!!」
先「…」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:08:32.13 ID:vIkFWs7h0
先「律ちゃん、一つ約束してくれないか?」
律「約束?」
先「私がこの試合に勝ったなら、律ちゃんもボクシング始めるって」
律「えーっ!!!」
先「律ちゃんが約束してくれたなら、この試合、勝てる気がするんだ」
律「あの、でもっ」
先「無理にとは言わないよ、ごめんね、変なこと言ってー」
律「」
律「します」
先「えっ?」
律「私約束しますっ!だから絶対に勝ってくださいっ!!!」
先「…ありがとうっ、絶対に勝つからっ!!!」ニコッ
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:15:57.97 ID:vIkFWs7h0
律『勢いに任せて大変な約束しちゃったー』
律『どうしよう…』
律『でも、この気持ちには嘘は無いっ』
律『お願いだから勝って欲しいっ!!!』
律『いよいよ試合が始まるな』
律『なんだか私が緊張しちゃう』
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:28:57.41 ID:vIkFWs7h0
律『わっ、対戦相手強そうっ!!!』
律『あれで本当に女かよっ!?』
律『いよいよゴングがー』
律『わっ、いきなり攻めてきた』
律『でも大丈夫、まだもらってない…』
---
--------
---------------
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:35:31.90 ID:vIkFWs7h0
澪「ダメに決まってるだろっ!!!」
律「そこをなんとかー」ウルウル
澪「なんとかで何とかなる問題じゃないっ!!!」
律「びえーん」シクシク
唯「どうしたのー?」
澪「律がボクシング始めるなんて言うんだ」
唯「えーっ、律ちゃんスゴーイ!!!」
澪「そんな軽い話じゃないっ」
澪「軽音部はどうするんだよっ」
律「部活もちゃんとするからー」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:42:09.74 ID:vIkFWs7h0
澪「勉強は?」
律「それもーちゃんとするからー」
澪「出来るわけないだろっ!」
律「できるもんっ」
澪「今まで出来てないのに、その上ボクシングなんて始めて」
澪「一体なに考えてるんだっ!!!」
澪「それに…」
澪「律が怪我したらどうするんだよっ…」
紬『澪ちゃん…』
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:53:18.08 ID:vIkFWs7h0
律「澪は私のお母さんにでもなったつもりか?」
澪「なんだと!」
律「私のことなんだからほっといてよっ」
澪「わ、私は律のことを思って言ってるんだぞっ!」
律「ふんっ、余計なお世話」
澪「じゃあわかった、もう勝手にしろっ、困るのは律なんだからなっ」
律「言われなくても勝手にさせてもらうよっ」
澪『律のバカ…』
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:03:32.51 ID:c44TAFBY0 [1/11]
ジム!
ト「約束どおり来てくれたね」
律「はいっ、今日からよろしくお願いします」
ト「ちょっと浮かない顔だけど、やっぱり緊張してるの?」
律「ええ、まぁ」
律『結局澪には反対されたままだな…』
律「あの、先輩は?」
ト「ああ、試合後だから暫く休養だよ、たまに顔ぐらいは出すんじゃないかな?」
律『相談したいことがあったのにな…』
ト「彼女が戻ってくるまでに、基礎をみっちり覚えような」
律「はいっ」
律『でも自分でやるって決めたんだっ、やるからには本気でやらないとっ』
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:13:30.72 ID:c44TAFBY0 [2/11]
ト「まずは走り込みからだっ!って言いたいけど」
ト「君の生活リズムじゃ、ジムに出れる時間は少ない」
ト「走り込みや筋力トレーニングは、自主的に朝や夜の時間を使ってもらわなくちゃな」
ト「ロープスキップやパンチングボール、シャドーなど、まず練習方法から学んでいこう」
律「ほっ」
ト「どうしたの?」
律「いや、私の読んでた漫画じゃ、いきなりリングの上に上がらせられてたからー」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:22:00.68 ID:c44TAFBY0 [3/11]
ト「ボクシングってのやっぱり危険を伴うんだ」
ト「君とお父さんお母さんに書いてもらった契約書は読んだかい?」
律「へ?ああ、適当にサインだけしたけどー」
ト「だっ、ダメじゃないかっ、今読んでっ」
律「うへっ、これって…」
ト「どうだい?覚悟はいいかい?」
律「これって…つまり…なんて書いてあるの?」
ト「……」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:28:07.68 ID:c44TAFBY0 [4/11]
ト「つまりだね、ボクシングをすることで、視力を失うことやその他様々な障害」
ト「最悪の場合、死亡しても、ジムのほうでは一切責任を持ちませんって事なんだ」
律「失明!?死亡!?」
ト「どうだい?それでも本当に続けられるかい?」
律『こりゃ親がなかなか判子押さないはずだっ』
律『どうしよう、でもっ!』
律「やりますっ、危険は覚悟の上ですっ!」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:36:51.90 ID:c44TAFBY0 [5/11]
ト「わかった、この誓約書は確かに受け取ったよ」
ト「いきなり怖がらせて悪かったね、でも、必ず心して欲しいことなんだ」
ト「もし律クンが危険だと思ったり、付いていけないって思ったりしたら」
ト「迷わずリタイアしてくれ、自分の安全は自分で判断するんだっ」
ト「その分こっちも君の安全には細心の注意をするよ」
ト「だから、リングに上がっていいかは、時機を見て私が判断する、いいね?」
律「はいっ」
律『こりゃもしかしたら、大変なとこに来ちゃったのかも…』
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:45:45.29 ID:c44TAFBY0 [6/11]
学校!
律『部活が終わってから夜までみっちりトレーニングで』
律『宿題してたら晩くなって、そんで朝はランニング』
律『ちがうやロードワークって言うんだっけ?まあいいや』
律『つまり寝みいーっ!』
律「」ウトウト
澪「」ジーッ
律『ダメだっ、澪に勉強もがんばるって言ったからには頑張らなきゃ』
唯「」スヤスヤ
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:56:37.92 ID:c44TAFBY0 [7/11]
部室!
紬「どう律ちゃん、ボクシングの方は?」
律「うーん、まだ始めたばかりで分かんないやっ」
唯「でもすごいよね、カッコいいよ律ちゃん!」
梓「まさか本当に始めるとは思いませんでしたよ」
律「へーん、みんな喜べ、もう直ぐ世界チャンピオンの友達になれるぞっ」
澪「律のことだ、どーせ辛くなって、音を上げるに決まってる」
律「なにおーっ!」
紬「まあまあー、二人ともお茶でも飲んでー」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:02:46.85 ID:c44TAFBY0 [8/11]
澪「私はまだお前のボクシングを認めてないからなっ」
律「ふんっ、こうなったら嫌でも澪に、ボクシングを認めさせてやるからなっ!!!」
澪「はいはい、精々がんばってー」プイッ
律『澪、なんで分かってくれないんだよ…』
澪『律、なんで分かってくれないんだよ…』
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:13:59.51 ID:c44TAFBY0 [9/11]
ジム!
ト「じゃあ、今日はロープスキップしてみようか?」
律「つまり縄跳びでしょ?小学生以来かもなー」
律「こんなのでトレーニングになるんですか?」
ト「なるともっ!ロープスキップはリズム感、ボクシングで重要なつま先での蹴り」
ト「それに基礎体力もつけられる、ボクシングにうってつけの練習方法なんだっ!」
律「えー、ほんとですかー?」
ト「と、とにかくやってみるっ!」
律「ハーイ」
ト『この子、慣れてきたらどんどんフランクになって来たなぁ』
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:19:19.57 ID:c44TAFBY0 [10/11]
律「前跳び」ヒュンヒュン
律「カケ跳び」ヒュンヒュン
律「二重跳びっ!」ビュンビュンッ
ト「凄いね律クン、運動神経いいんだねー」
律「えへへ、まあね」ビュンビュンッ
律「三重跳びも出来ますよっ」ビュビュビュッ
ト「すごいよっ、男の子でも出来ない子いるのにっ!」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:28:06.90 ID:c44TAFBY0 [11/11]
ト「でもね、こんな跳び方はしたこと無いだろ?」ッタッタッタ
律「すごい、なんか踊ってるみたいっ!」
ト「これがロープスキップだ、まずはこの跳び方を覚えないと」ッタッタッタ
ト「はじめはタイミングや体の使い方が分からなくて、難しいかもね」ッタッタッタ
律「あ、でもよく見たら、片足ずつ二回、足を前後させながらタイミングを取ってるだけですね」
ト「ははっ、するどいね、でも見るのをやるのでは大違いだから、まあやってみてよっ!」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:41:35.38 ID:9wzZh7290 [1/20]
律「よっと」ッタッタッタ
律「出来ましたっ!」ッタッタッタ
ト「」
律「おーいっ、出来ましたー?」ッタッタッタ
ト「や、やるじゃないかっ!律クンはリズム感もいいんだね」
律「ドラムやってるからかなー?」ッタッタッタ
律「応用したらこんなのも出来そうですねっ」ツタッタツタッタ
ト「!!!?」
ト『なるほど、ドラムをやってたから、足でリズムを取るのがうまいのか』
ト『リズム感はボクシング全てを通して重要なファクターだ』
ト『このリズム感と運動神経っ!期待してなかったけど』
ト『ひょっとするとこの子ものになるかもっ!?』
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:53:43.04 ID:9wzZh7290 [2/20]
ト「ロープスキップは問題無いみたいだね」
ト「それじゃあ、今度は本格的にパンチの打ちかただ」
律「待ってましたっ!」
ト「先ずはジャブ、次にストレート」
ト「そしてそれを続けざまに打つワンツーっ!!!」
ト「当面はこの練習しかしなくていいよ」
律「フックやアッパーは?」
ト「ワンツーが出来るようになったら、フットワーク練習」
ト「その中で徐々に覚えて行ってよ」
律「なんだぁ、けっこう先なんですねー」
律「早くショーリュ―ケーンとかしたいのにー」
ト「そのパンチ僕は教えられないなぁ」
ト『えっ、こんな子だったかな?』
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:03:45.05 ID:9wzZh7290 [3/20]
ト「とにかく先ずはジャブだよっ」
律「なんか地味だなー」
ト「ぶつぶつ言わないっ、基本は大切だよっ、さっ、構えて!」
律「へーいっ」
ト「右足のつま先を前に向けて、左足のつま先を内側にしてごらん?」
律「ボクシングの構えって、けっこう内股なんですねー」
ト「そうだね」
律「こんな構えで早く動いたり、強いパンチなんて打てるんですか?」
ト「はじめはみんなそう言うものさっ」
ト「でもね、慣れてくると、この構えがとても理にかなっていることが分かって来るよっ」
律「ホンとかなぁー」ヨタッ
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:19:19.65 ID:9wzZh7290 [4/20]
ト「そうそう、その構えで左拳をスナップを利かせて繰り出すっ!」
律「それ知ってますっ、木の葉を掴むようにするんですよねっ」
ト「ああ、漫画で読んだんだねっ」
ト「その通り、リラックスした状態から打つのがポイントだよ」
ト「広く言われるのが、右足で蹴った力が左手に伝わるようにっ!」
律「えっ?右足の力が左手に???」
ト「こういう体感的なものは言葉で表現しても、なかなか分かりにくいものだよね」
ト「僕の場合は、パンチというものは、体当たりだと思ってる」
ト「ただし打面は拳で、体の軸をずらさない、一瞬だけ体重が伝わる体当たり」
ト「その上でショット感、ブロウ、殴るんではなく、パンチを飛ばすように打つ(撃つ)感覚」
律「右足?体当たり?ブロウ?中心軸?体重?」
ト『この子に言葉で伝えるのは難しそうだな…』
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:24:18.29 ID:9wzZh7290 [5/20]
ト「じゃあ、やってみてよ」
ト「こんな感じで」シュッ
律「こうですか?」パッ
ト「それじゃあ、手だけのパンチだ、下半身の力が伝わるように」シュッ
律「えいっ」ヨロッ
ト「体のバランスを崩さないでっ」
律『こんな簡単そうなパンチでも難しいんだなぁ…』
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:35:37.32 ID:9wzZh7290 [6/20]
ト「まあ、最初はこんなもんだよっ」
律「悔しいなぁー」
ト「おっ、いいぞ!その気持ちがあればきっと直ぐに上手になるよっ!」
律「うーん、あの、ショットが何とか言ってました?」
ト「え?ああ、パンチを、殴るんじゃなくて撃つ様に繰り出すって事だよ」
律「ドラムを叩く時もショットって言うんですよ」
ト「そうなんだ」
律「ドラムでもやっぱり脱力が大事なんですよ」
ト「うん」
律「ドラムの練習を始めた頃は、うまく手が動かなくって」
律「早く動かそうと力んでばっかり」
律「何でみんなあんなに早く連打できるんだろうって、焦ってたんです」
ト『この話長いのかな?』
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:49:46.65 ID:9wzZh7290 [7/20]
律「でも、練習していくうちに体がほぐれてきて」
律「力を入れない方が、早く叩けるって事が体で分かったんです」
ト「うーん、確かにそれはボクシングのパンチに通じる所があるね」
律「じゃあ、こんな感じかな…」スッ
ト「いい感じだね、脱力してるし、何より体の軸がぶれてない」
ト「ドラムを叩く時も、体の軸は意識するの?」
ト「バランスが崩れたら、動きがうまくいかなくて、リズムが崩れちゃうから、それは大事ですね」
ト『ドラムとボクシング、思った以上に共通点が多いみたいだな』
ト「でも欲を言うと、下半身、蹴り足の力が伝わってないかな…」
律「じゃあ、こんな感じっ」シュッ
ト「!!!?」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:58:04.12 ID:9wzZh7290 [8/20]
ト「驚いたっ!正直感服したよっ」
ト「律クン!君は才能あるよっ!!!」
律「えっ!ホンとですかーっ!!!」
???「調子にのるなっ」
ト「ひっ!」
律「?お爺さん誰?」
ト「律クン、このジムの会長だよっ!顔ぐらい見た事あるだろっ!」
律「ああ、そういえばー」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:11:59.31 ID:9wzZh7290 [9/20]
会長「生意気なガキだが、まあいい」
会長「少しは見込みがあるようだな」
ト「そうなんですよっ、初日から驚かされっぱなしでー」
ト「彼女はかなりの逸材ですよっ!」
律「私、才能あるんだってー」
会長「確かに見込みは在るが、それは才能じゃない」
会長「今までの環境がボクシングに向いていたというだけ」
会長「才能があるかないかは、この先試合で見せてみろっ!」
律「ひっ!」
律『爺さんなのに、なんだか迫力あるなー』
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:17:48.99 ID:9wzZh7290 [10/20]
ト『あの会長から試合の言葉が出るとはっ!』
ト『こりゃ、この子がリングに上がる日は近いぞっ!』
ト『僕も気合入れて指導しないとっ!』
ト「さあ、律クン、練習だっ!」
律「はーい」
律『急に張り切ってどうしたんだろっ?』
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:35:56.99 ID:9wzZh7290 [11/20]
部室!
紬「律ちゃんがボクシングはじめて暫くになるけど、調子はどお?」
律「大分やれるようになって来たよー、今会長が試合相手を探してくれてるんだっ」
紬「試合に出るのっ!?凄いわっ私応援に行くっ!」
梓「いいですね、試合の日はみんなで行きましょうっ!」
澪「そうだな、ボコボコにされて泣いてる律を慰めてやりに行くか」
律「なんで負ける前提なんだよっ!」
律「ところで唯は…?」
唯「」スピー
澪「なんか唯、律がボクシング始めてから居眠りばっかりだなー」
紬「律ちゃんは逆に授業中真面目になったよね」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:52:52.07 ID:9wzZh7290 [12/20]
律「まあなー」
律『早く澪に認めてもらわないと』
澪「いつまで続くのやら」プイッ
澪『律、無理してるんじゃないかな…』
梓「澪先輩、そろそろ素直になりましょうよ」
澪「へっ!梓、お前何言ってるんだよっ!」
梓「澪先輩がいくらつんつんしても、律先輩の事心配してるってバレバレですよ」
澪「ち、ちがうっ、そんなんじゃないー」
梓「いくらボクシングのせいで、律先輩と会える時間が減ったからって」
梓「そこまでボクシングに反対するなんて大人気ないです」
梓「それにー」
紬「梓ちゃん、もう辞めてあげてっ!」
澪「わーわーわーっ///」プスプス
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:59:39.24 ID:9wzZh7290 [13/20]
紬「律ちゃんがボクシングに挑戦したのはいい事だと思うの」
紬「私も律ちゃんに影響されて、新しい御稽古事始めちゃったし」
律「それって、バイトもしながらかっ?」
紬「うん、頑張ってるっ!」
律「すごいな…」
澪「わ、分かったよ、律のボクシングを認めてやるよっ///」
律「澪っ…///」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:06:25.85 ID:9wzZh7290 [14/20]
澪「ただし、条件がある」
澪「次の試合、もしお前が勝てたらボクシングを認めてやるっ」
澪「ただし、負けたらボクシングをやめて、部活に専念することっ!」
律「ひえー、厳しいな」
澪「こうなったらお前、絶対勝たなくちゃ…ダメだろ?」///
律「ありがとう、澪の為にも、絶対に次の試合勝つよっ!!!」
澪「な、なんで私のためなんだっ!私はお前が負けてくれたほうがー」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:08:05.27 ID:9wzZh7290 [15/20]
梓「結局素直になれないんですね」
紬「いいわー」キラキラ
唯「」スピー
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:13:21.65 ID:9wzZh7290 [16/20]
ジム!
会長「おい小娘っ!お前の対戦相手が見つかったぞっ!」
会長「公式戦では無いが緒戦じゃ、お前の力、ワシに見せてみろっ」
律「やったー!いよいよだな、ワクワクするぜっ!」
律「それで相手は?」
会長「それがな、近くのジムに、ちょうどお前と同じ時期にボクシングを始めた奴がおって」
会長「偶然にもお前と同じ高校生じゃ」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:22:49.28 ID:9wzZh7290 [17/20]
ト「君がリングに上がるのはかなり早いほうだと思うけど」
ト「対戦相手の子も、相当の資質の持ち主らしい」
ト「この短期間で見る見る上達し、天才肌だと言われているんだ」
会長「どうじゃ、お前くらいの資質のものなど、世の中に沢山おると言う事じゃ」
律「えーっ、最近やっと自信持ち始めてたのにーっ」
会長「逆に言えば、コイツさえ倒せれば、この地域のホープ№1じゃ」
会長「未来のライバルになるかも知れん相手でもあるっ!」
会長「きっちり勝って相手に苦手意識を植え付けてやれっ!!!」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:26:02.17 ID:9wzZh7290 [18/20]
ト「それでね、その対戦相手の名前は…」
ト「平沢唯選手だねっ」
律「えっ?」
律「」
律「えっ?」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:37:29.97 ID:9wzZh7290 [19/20]
次回予告
律の緒戦の相手はなんと唯であった
唯はとある事情から律と同時期からボクシングを始めていたのだ
お互い負けられない理由を持ちながら、親友同士の拳は熱く交わり火花を散らす
次回、圧倒的な唯の天性の才能が、律の資質と積み重ねてきた努力を簡単に打ち崩す
万策尽きた律はこのまま負けてしまうのかっ!?
そして八時間かけて誰一人見ない糞SSを書いた俺は、そろそろ泣いてもいいのか?
ご期待下さい
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:39:06.61 ID:QwPIPvnx0 [2/2]
おわりー?
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:47:01.65 ID:rKKr6WlwO [3/3]
心配性な澪しゃん可愛いしえん
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:45:19.33 ID:9wzZh7290 [20/20]
>>84>>44
ありがとうございます
続きあるけど書いてたら僕死んでしまう
またいつか八時間かけて唯戦書きますお休みなさい
<<>>303-308 | ホーム | 律「チョコっとラブ」>>
コメント
No title
乙
おもしれぇよb
おもしれぇよb
コメントの投稿
トラックバック
| ホーム |
つつき楽しみにしてます!!