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黒子「御坂先輩、7月19日ですの」

1 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[] 投稿日:2010/04/25(日) 20:52:28.56 ID:vcd4QWUo [1/52]
簡単な説明
レベル5の御坂美琴が朝起きたら、レベル0の『御坂美琴』になってました。
この世界では黒子がPC得意なレベル1、佐天がレベル5の超電磁砲、初春がレベル4の空間移動能力者となってます。
簡単に言うと、『御坂美琴』は原作の佐天ポジションです。
そんな並行世界の『御坂美琴』になってしまった美琴(レベル5)が色々と苦労したりする話です。

7月18日の簡単なあらすじ
いきなり電撃が使えるようになって爆弾魔を退治しましたが美琴は病院送りにされました。

3 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 20:54:44.48 ID:vcd4QWUo
・・・・・7月19日朝 水穂機構病院 美琴病室・・・・・
美琴「病院食が味気がしないって本当だったんだ。こんなんじゃ食べた気がしないわ」

美琴「頭痛も能力を使わない限り大丈夫そうだし、さっさと退院してクレープとか甘い物が食べたいなあ」

美琴「それにしても、暇つぶしの道具も無いと入院って暇で暇でしょうがないわねえ」

美琴「テレビも無いし、漫画も無いしやることが何もない……」

美琴「うーん、検査まで時間はまだまだあるわね。ちょっと考え事でもしようかしら」

美琴(よし、まずは突然使えるようになった能力の原因についてね)

美琴(能力が使えるようになったのはともかくとして、電撃が使えるようになったのはどういうことなんだろ?)

6 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:00:26.18 ID:vcd4QWUo
美琴(本来なら空力使いのはずなのに電撃が使えた……。これはどう考えても超電磁砲だった『私』の影響を受けてるってことよね)

美琴(やっぱり中身が変わると自分だけの現実もそれにつられて変わったりするのかしらね)

美琴(自分だけの現実って脳のどの部分に起因してるんだっけ?論文読んだことあったかなあ?)

美琴(突然使えた能力についてはこのくらいでいいわね。これ以上は埒が明かないわ)

美琴(次は能力の強度についてね)

美琴(昨日の爆弾魔に放った電撃は最低でもレベル2以上、手ごたえだけならレベル3クラスはあった)

美琴(いきなりレベル3クラスの電撃を使えたことを考えれば、今後も伸びる可能性は十分考えられるわ)

美琴(順調に能力が成長すれば、超電磁砲並の電撃が使えるようになったりしたりしてね)

美琴(でも、一つ問題があるわね。能力を使う時の頭痛、これはちょっとまずいかもしれない)

美琴(もしも、頭痛の原因が空力使いのはずの私が電撃を使ってる事による異常事態による負荷だとすると能力は使えないものと見た方がいいわね―――この先使い続ければどうなるかわからないのは怖すぎるわ)

美琴(高レベルの能力を使うための演算の負荷が原因の頭痛―――こっちならまだ安心できるんだけど、微弱な電撃でも頭痛が起きるからこっちの線は薄いわね)

美琴「うーん……」

美琴(どっちにしろ専門家じゃない私には判断がつかないか……。一度しっかりと身体検査を受けた方がいいんだろうけど、詳しく事情を話すことになると面倒な事になりそうね)


8 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:03:40.50 ID:vcd4QWUo
美琴(他に何か考えるべきことは……、こっちの『御坂美琴』についてね)

美琴(クラスメートの子の話が本当だとすると、『御坂美琴』は小学生時代はわりと真面目に能力開発をしてたっぽいわ)

美琴(それに性格も黒子に教えてもらったように問題があるわけでもなく、逆に好感を持たれるような感じよね)

美琴(黒子と出会ったのが今年のはずだから、中学1年の間に『御坂美琴』の性格を一変させる出来事でもあった可能性が高いわ)

美琴(ん……、それはちょっと変だわ、それだと黒子はよろしくない『御坂美琴』としか出会ってないことになる)

美琴(やっぱり、黒子が『御坂美琴』を気にかける理由がわからない)

美琴(前に聞いた時、どうも様子がおかしかったのは何か関係ありそうね……)

コンコン

美琴「!」

看護婦「御坂さん、検査の時間になりましたよ」

美琴「あ、はい!準備できてます!」

9 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:08:15.69 ID:vcd4QWUo
・・・・・水穂機構病院 検査室・・・・・

医者「それじゃあ、検査内容を説明します。脳の検査はMRIで行います。MRIは寝てるだけですぐに済むから、リラックスして検査を受けて下さい」

医者「後は念のために―――脳波の検査をさせてもらいます」

美琴「えっ?脳波ですか?」

医者「ん?なにか?」

美琴「いえ、こういう時って普通は脳内の出血なんかを見ればいいから、脳波の検査をするのは珍しいなって……」

医者「ま、本来ならしないんですが、今回はちょっとした事がありましてね。一応、チェックするだけだから何も心配はいりません」

美琴(幻想御手の昏睡絡みのせいかな……?)

美琴「はあ、そうなんですか」

医者「じゃあ、早速始めます。それじゃ、君、彼女を頼む」

看護婦「はい。それじゃあ御坂さん、こちらへどうぞ」

美琴「あ、はい」

10 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:10:40.37 ID:vcd4QWUo
・・・・・MRI終了・・・・・
美琴「はあ……」

美琴(寝てるだけとはいえ、MRIは電磁波がビリビリ来るから居心地悪かったわ。電磁波を感知できるようになってるし、やっぱり電撃使いの方に能力が転んでるわね)

看護婦「お疲れさまでした」

医者「うーむ」

美琴「どうかしたんですか?」

医者「ちょっと画像が乱れてしまってね。君は電撃使いだったりしますか?」

美琴「え?いや、私は空力使いのレベル0ですよ。」

美琴(あちゃー、体から出てる微妙な電磁波が干渉してるっぽいわね)

医者「そうですよね。カルテにそう書いてありました。機械の調子悪いのかもしれません。とりあえず、もう一度MRI入ってもらえますか?」

美琴「……わかりました」

美琴(ダメな気がするけどなあ)

12 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:14:30.94 ID:vcd4QWUo
・・・・・MRI終了・・・・・

医者「うん、今度はOKです。問題ありません」

美琴(あれ?大丈夫だった……。能力が安定してないのかな?)

医者「それじゃあ、次は脳波の測定をします」

美琴「はい」

・・・・・脳波の測定中・・・・・

美琴(これも暇ね……)

医者「…………」

美琴(医者が黙りこくってる、また何か問題があったりするのかしら)

医者「これは……、ちょっとおかしいですねえ」

美琴(やっぱりなんかあるのね。やれやれ)

医者「こっちも機械がおかしいのかもしれません。ノイズも多いし、とりあえずデータは保存できるようですけど、やっぱり故障でしょう。こんな波形が出るわけがありません」

美琴「えっと……」

医者「あー、すみませんが、機械の調子が悪いようです。機械の調整が終わり次第、再検査をしますから、今は部屋に戻ってくれて構いません」

美琴「はあ、それじゃあ失礼します」

美琴(やれやれ、これで退院は早くて夕方か)

14 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:18:07.04 ID:vcd4QWUo
インタールード1・・・・・佐天と初春の帰り道・・・・・

キーンコーンカーンコーン

初春「う~~む…」

佐天「うーいーはーる!」

佐天(くらえ、スカートめくり!!)

初春「う~~む……」ヒラリ

佐天「あっさりかわされた?!」

初春「佐天さん、ちょっと考え事をしてるんで邪魔しないでもらえますか?」

佐天「え~、初春冷たいなあ。そんなに難しい顔してどうしたってのよ?」

佐天「あ!もしかして成績落ちた?」

初春「違いますよ。昨日、捕まった爆弾魔なんですけどね。書庫に登録されていたのはレベル2だったんですよ」

初春「事件のうちの何度かは明らかにレベル3以上、場合によってはレベル4クラスの爆破も起こっていたのに……」

15 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:19:26.27 ID:vcd4QWUo
佐天「へえ。爆弾魔捕まったんだ。それで、その爆弾魔が何かおかしいと」

初春「ええ、ですから気になってしまって。」

佐天「お、初春!かき氷屋があるよ。かき氷食べない?」

初春「いきなり話換えないでくださいよ!私は別にいりませんからね」

佐天「まあまあそう言わずにさ。こんな糞暑いのに頭をフル稼働させたらオーバーヒートしちゃうって」

初春「そんなこと……」

ミーンミーンジージーシャワシャワニーニー

初春「…………」

ミーンミーンジージーシャワシャワニーニー

初春「……食べましょうか」

佐天「そうこなきゃ」

16 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:22:10.53 ID:vcd4QWUo
・・・・・かき氷屋前・・・・・
佐天「えっと、イチゴ味と―――」

初春「私はレモンでいいです」

佐天「―――レモン味で」

チリリーン

初春「あ、風鈴。風流ですねえ。音を聞いてるだけで涼しくなった気分です」

佐天「そうかなあ。個人的にはあんまり好きじゃないけど。風が強い日とかチリンチリンうるさくてイライラするし」

初春「そういう時は普通ははずすんですよ?」

佐天「またつけるのめんどくさいじゃん」

初春「佐天さん……」

店員「お待たせしましたー」

佐天「お、来た来た。はいよ、初春の分」

初春「ありがとうございます」

佐天「うーん、冷たくて美味しい!」バクバク

初春「佐天さん、そんなに慌てて食べるとキーンってなりますよ?」

佐天「大丈夫だって―――いたたたた」キーーン

初春「だから言ったのに」

17 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:25:45.66 ID:vcd4QWUo
黒子「おや、初春に佐天さん」

佐天「お、白井さん。やっほー」

初春「こんにちは、白井さん」

黒子「こんにちはですの」

佐天「白井さんもどう?かき氷一緒に食べない?」

黒子「あら、それはいいですわね。ご一緒させていただきますの」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

佐天「そういえば、白井さんとこんなところで会うなんて珍しいね。どっか行くの?」

黒子「ええ、これから御坂先輩のお見舞いに行くところなんですの」

初春「御坂さんの搬送先の病院はこの先でしたね」

佐天「えっ、御坂さん入院してるの?食中毒?」

黒子「食中毒なんかじゃありませんのよ。昨日、ちょっとしたことがありまして、頭の方を強く打ってしまいましたの」

19 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:29:18.28 ID:vcd4QWUo
黒子「お医者様の話ではたいしたことないらしいのですが、怪我の箇所を考えて一応大事をとって、経過の観察と検査をするために入院しましたの」

佐天「そっかー、大丈夫ってことなんだね」

初春「よかったです。私も凄く心配してましたんですよ」

黒子「本人は凄い元気そうでしたし、検査の結果次第じゃ午後にも退院できるそうですから」

佐天「私も御坂さんのお見舞い行っていいかな?」

初春「ああ、いいですね。私もついて行っていいですか?」

黒子「ええ、もちろん。御坂先輩も喜びますの」

佐天「じゃあ、早くかき氷食べちゃわないと!」

初春「だから、急ぐとキーンってなるって―――」

佐天「あいたたたた」

初春「全くもう、佐天さんったら」

20 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:34:24.14 ID:vcd4QWUo
初春「あ、そういえば、白井さん、前に能力が上がる手段―――幻想御手でしたっけについて、色々調べてましたよね?」

黒子「初春ったら、今更そんなこと言うんですの?先日、私の話を聞き流したのをわたくしはわすれてませんのよ」

初春「それは、白井さんがいきなり爆弾魔の正体は幻想御手で能力を上げた低能力者ですの!ソースは秘密!みたいなことを言うからいけないんですよ」

初春「そんなこと言われても暑さで頭がおかしくなったとしか思えません……って固法先輩が言ってましたよ」

黒子「へえ、固法先輩がそんなことを……」

黒子(どう考えても初春が思ってたことですの)

佐天(初春……)

佐天「幻想御手って、都市伝説の奴?あの使うだけで能力が上がるっていうアレ?」

初春「ソレです。ですから、私達はその情報について懐疑的でしたし、白井さんが情報源を明かしくれなかったので重要視はしませんでした」

黒子「でも、急にどうしたんですの。つい先日は全然信じてくれなかったというのに」

21 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:38:56.41 ID:vcd4QWUo
初春「昨日、捕まった爆弾魔は書庫のデータ上はレベル2、犯行の状況から推測されるレベルは4程度、つまり、白井さんが言ってた通りに急にレベルを上げた低能力者が犯行に及んだということなんです」

初春「理由はこれで十分ですよね?」

初春「―――白井さん、その情報はどこで手に入れたんですか?」

黒子「……それは言えませんの。これは信頼の問題ですから。風紀委員の同僚とはいえ絶対に話せませんのよ」

初春「では、これだけは教えて下さい。レベルの急激な上昇手段は本当に幻想御手なんですか?」

黒子「私にそれを証明することはできませんの」

黒子「しかし、わたくしに今回の事を教えてくださった人物は幻想御手がその手段であると断言しておりましたわ」

初春「断言ですか……。使うだけで簡単にレベルが上がる幻想御手、都市伝説なんかじゃなく本当に実在してるなんて」

佐天「おー、なんだか凄い事になってきたわね!」

佐天「確かに都市伝説って実際の噂が元になってることってあるもんね」

佐天「ほら、上条さんいるでしょ?あの人も『能力が効かない男』って都市伝説になってたし」

22 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:43:26.57 ID:vcd4QWUo
初春「確かにそんな噂もありましたけど、あれって佐天さんが上条さんを連れまわしたせいですし、一緒にするのはどうかと……」

佐天「む、まるで私のせいで都市伝説が生まれたみたいなことを」

初春「佐天さんのせいじゃないですか

黒子「佐天さんのせいですのよ」

佐天「白井さんまで……私に味方はいないのかー!」

初春「それで白井さん、幻想御手について他に知ってることはありませんか?」

初春「私が調べた限りでは実体がほとんどわからなかったんです。どこかの学者が遺した論文だとか料理のレシピだとか噂の中身はバラバラでした」

黒子「私が聞いた話では幻想御手は特殊な楽曲らしいですの」

初春「楽曲?楽曲っていうとあの?」

黒子「ええ、信じられないとは思いますが、とある楽曲を聞くだけでレベルが上がるらしいんですの」

佐天「ほー、そりゃすごいし、楽ちんだわ。面倒くさい能力開発を何年もやらずに済むなんて大発明だね」

初春「白井さん、それは確かなんですか?」

黒子「わたくしは、あくまでも聞いただけなので保証はできませんの」

23 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:50:01.73 ID:vcd4QWUo
初春「その曲の手に入れ方とかは聞いてますか?」

黒子「それを知っていたら、御坂先輩は怪我なんてしませんでしたわ」

黒子「サンプルを提示して幻想御手の効果を証明できたら爆弾魔もわたくし達で捕まえることができたはずですから」

初春「それはそうですけど……」

黒子「そんな暗い顔しなくても大丈夫ですの。わたくしも探してますし、初春もこれから探してくれるんでしょう?だったら、すぐに見つかりますの」

初春「ええ、そうですね!頑張りましょう白井さん!」

佐天「そういえば、幻想御手っぽい物を使ってる人達が書きこむ掲示板見た事あるかもしんない。

初春「佐天さん、それは本当ですか?」

佐天「んー、よく覚えてないけど、都市伝説関係のサイトを色々探してた時にチラッと見た気がするのよね」

佐天「不良で馬鹿っぽい人達の書き込みだったから、スルーしちゃったけど」

24 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:52:33.72 ID:vcd4QWUo
黒子「初春、どうですの?」

初春「幻想御手が実在するならば、当たって見る価値はありますね」

初春「人の口に戸を立てることはできませんし、何より違法な物を使ってる人間っていうのは繋がりを求めたがるものです」

初春「白井さん、すみませんが御坂さんによろしく伝えて下さい。私は支部の方に戻って掲示板の方を確認してみます。白井さんも御坂さんのお見舞いが終わったら支部の方に―――」

黒子「了解ですの。御坂先輩のお見舞いを済ませたらすぐに向かいますの」

初春「佐天さん、御坂さんに迷惑かけないようにして下さいね!」ダッ

佐天「はいはい、わかりましたよっと」

黒子「さあさあ、佐天さん。私たちものんびりしていられませんの。さっさとかき氷を食べてしまって病院に行きますの」

佐天「ほいほい」

佐天(それにしても、なんだか面白くなってきたわね。私も後で支部の方に行ってみよ)

25 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:55:47.77 ID:vcd4QWUo
・・・・水穂機構病院 美琴病室前・・・・・

黒子「ここが御坂先輩の病室ですの」

コンコン

病室「…………」

黒子「御坂先輩?」

コンコン

病室「…………」

佐天「反応ないね。昼寝してるんじゃないの?」

「たのもー」ガチャ

黒子「い、いきなり開けるなんて失礼ですのよ」

ガラーン

佐天「あれ、誰もいないよ?」

黒子「本当ですの」

佐天「トイレかな?とりあえず、部屋で待ってみる?」

27 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 21:59:58.93 ID:vcd4QWUo
佐天「ん?」ピクッ

黒子「どうしたんですの?」

佐天「いや、ちょっと―――」

美琴「あれ、黒子と佐天さんじゃない。どうしたの?」

佐天「あ、どもー。佐天涙子、お見舞いに参りました!」

黒子「御坂先輩、具合の方はいかかですの?」

美琴「んー、具合ねえ。ちょっと検査の方がね……」

黒子御「検査で何か見つかったんですの?!」

美琴「ち、違うわよ。検査の機械の具合が悪くて上手く検査できないのよ」

美琴「午前中にも一回やったけどダメで、今もやって来たけどダメだったの。下手したら、もう一日入院だって」

黒子「なんとまあ」

佐天「そりゃまた面倒な話ですね」

美琴「ホント面倒くさいったらありゃしないわ」

美琴「あ、とりあえず病室に入ってよ。立ち話もなんだからさ」

佐天「そんじゃ、お言葉に甘えまして失礼しまーす」

28 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 22:03:03.70 ID:vcd4QWUo
黒子「御坂先輩、本当に大丈夫ですの?」

美琴「大丈夫だってば。怪我自体は軽かったし、MRIでは異常無し、後は脳波の検査が済めばすぐに帰れるって先生は言ってたし。黒子ったら心配性なんだから。

黒子「そうですか、それは一安心ですの」

佐天「御坂さん」

美琴「ん?どうしたの?」

佐天「この部屋。やばくないですか?」

美琴「えっ、やばいって何が?」

佐天「だって、何も無いじゃないですか!こんな何もない所で一日いるって最高に退屈じゃないですか!」

黒子「佐天さん、病室なんてどこもそんなもんですのよ。そうですわよね?御坂先―――」

美琴「そう!そうなのよ!本当に退屈なの!退屈すぎて逆に具合が悪くなりそうなんだからっ」

美琴「ね、佐天さん。なんか暇つぶしになる物持ってない?何でもいいんだけど」

佐天「暇潰しですか?あいにく何も……」

美琴「そっか、じゃあ黒子は?」

黒子「わたくしも残念ながら……気が効かなくてすみませんの」シュン

美琴「べ、別にそこまで気にしなくていいのよ?私だって午後には退院するつもりだったんだからさ」

29 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[sage] 投稿日:2010/04/25(日) 22:08:00.39 ID:vcd4QWUo
美琴「こうなったら勝手に退院しちゃおうかしら。脳波なんて別に検査する意味ないし」

黒子「それはやめてくださいまし。必要のない検査をするわけないんですから。ちゃんとお医者様の指示には従ってくれませんと」

佐天「御坂さんって思ったより適当なんですねえ」

美琴「このまま明日までここで幽閉ってことになったらどうしようかしら。やれやれ、爆弾魔のせいで面倒くさいことになるなんてね」

佐天「でも、爆発に巻き込まれたのにほとんど怪我らしい怪我してないなんて御坂さんはついてますよ!」

美琴「それは、爆弾魔がすぐ近くにいて大きな爆発を起こせなかっただけだからね。自分を巻き込む規模で爆発を起こすやつなんていないでしょ?」

佐天「ん……?それってどういうことなんですか?」

美琴「黒子に聞いてないの?私、爆弾魔と軽くやり合ったのよ。爆弾魔も無事捕まったし、名誉の負傷ってやつよ」

佐天「うわあ、無能力者だっていうのにレベル4の爆弾魔と戦うって無謀すぎですよ。私相手に啖呵切ったのもそうですけど、自殺志願者かなんかですか?」

美琴「そんなことないわよ。自[ピーーー]るつもりなんてこれっぽちもないわ」

黒子「御坂先輩は言動と行動が一致しないんですのよ。もう少しご自分を大切にして頂かないと困りますの」

30 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 22:11:48.60 ID:vcd4QWUo
殺すが引っかかるのか

31 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 22:12:43.62 ID:vcd4QWUo
美琴「こうなったら勝手に退院しちゃおうかしら。脳波なんて別に検査する意味ないし」

黒子「それはやめてくださいまし。必要のない検査をするわけないんですから。ちゃんとお医者様の指示には従ってくれませんと」

佐天「御坂さんって思ったより適当なんですねえ」

美琴「このまま明日までここで幽閉ってことになったらどうしようかしら。やれやれ、爆弾魔のせいで面倒くさいことになるなんてね」

佐天「でも、爆発に巻き込まれたのにほとんど怪我らしい怪我してないなんて御坂さんはついてますよ!」

美琴「それは、爆弾魔がすぐ近くにいて大きな爆発を起こせなかっただけだからね。自分を巻き込む規模で爆発を起こすやつなんていないでしょ?」

佐天「ん……?それってどういうことなんですか?」

美琴「黒子に聞いてないの?私、爆弾魔と軽くやり合ったのよ。爆弾魔も無事捕まったし、名誉の負傷ってやつよ」

佐天「うわあ、無能力者だっていうのにレベル4の爆弾魔と戦うって無謀すぎですよ。私相手に啖呵切ったのもそうですけど、自殺志願者かなんかですか?」

美琴「そんなことないわよ。自殺するつもりなんてこれっぽちもないわ」

黒子「御坂先輩は言動と行動が一致しないんですのよ。もう少しご自分を大切にして頂かないと困りますの」

32 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 22:17:47.04 ID:vcd4QWUo
美琴「でも、相手の能力は実戦向けじゃないし、勝てるかもって思ったから……」

佐天「それでも、白井さんに心配かけるようなことをしちゃダメですよ」

佐天「そういう危ない橋はせめて能力を少しでも使えるようになってか―――ああ、御坂さんは電撃使いになったんですね」

黒子「えっ?」

美琴「あ、やっぱりわかるんだ?」

佐天「ええ、御坂さんからは微妙に電磁波が出てます。さっき病室の前で感じたのは御坂さんだったんですね」

美琴「不安定みたいで常時ってわけじゃないっぽいんだけどね」

佐天「どうもそのようで、私も気のせいだと思ってました」

佐天「それにしても、身に付けた能力を使って、爆弾魔退治に早速乗り出すとは御坂さんもやりますねえ」

黒子「違いますわよ、佐天さん。御坂先輩は無能力者状態で爆弾魔に挑んだんですのよ」

黒子「やられそうになって最後の最後で運良く能力が使えるようになって爆弾魔を倒すことができたんですの」

佐天「やっぱり無謀な話なんじゃないですか!でも上条さんはいなかったんですか?私達と別れた後はどうしたんです?」

美琴「ちょっと休んだ後、アイツと別れて一人で帰る途中だったのよ」

33 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 22:23:05.47 ID:vcd4QWUo
佐天「そうなんですか。上条さんったら女の子を一人で帰らせるなんて相変わらず甲斐性もないんですね」

美琴「別にアイツは悪くないわよ。私が一人で帰るって言ったんだもん」

佐天「それでもですよ。男なら体調の悪い御坂さんを強引に送るくらいじゃないとダメなんです」

佐天「白井さんもそう思うでしょ?」

黒子「えっ、わたくしですか?ま、そうですね、その辺は好き好きでしょうけど、少しぐらい強引な方が頼りがいがあっていいかもしれませんわ」

美琴「へえ、そういうもんなのねえ」

佐天「まあ上条さんは置いといて。御坂さん、能力が使えるようになって良かったですね」

佐天「ほら私言ってたでしょ。すぐに能力が使えるようになるって。だから私も嬉しいです。

美琴「確かにそんなこと言ってたわね。あれって何か感じるものがあったの?」

佐天「別にそんなもんは全然なかったですよ。ただの直感ってやつです」

美琴「ははは、直感ね……」

佐天「御坂さんがレベル1ってことは白井さんと同じですね」

美琴「違うわよ。身体検査をしてないから正確な値はわかんないけど、レベル3くらいだと思うわ」

黒子「御坂先輩、それは」

佐天「ええっ、レベル0からいきなりレベル3になったんですか?!」

佐天「爆弾魔を倒したっていうのは電撃で怯ませてその隙にとかじゃなくて、普通にビリッとやって倒したってこと?」

美琴(うわっ、まずったわね。口が滑った……)

34 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 22:26:36.62 ID:vcd4QWUo
美琴「あー、うん。それはそうなんけど、火事場の馬鹿力みたいなもんよ?」

美琴「その後、すごく眠くなってそのまま気絶しちゃったし……」

佐天「でも、レベル3クラスの電撃が使えたってことは確かなんですよね?滅茶苦茶凄いじゃないですか!」

美琴「さ、佐天さんに比べたら大したことないわよ」

佐天「何言ってんですか、私だって今はレベル5ですけど、コツコツレベルを1ずつあげてようやくって話なんですから」

佐天「一足とびにレベル3なんてきっとすごい才能を持ってますよ!」

佐天「そうだ!電撃使いなら私にも色々教えることができますし、いっそレベル5とかまで目指しちゃいますか?」

美琴「あはは、考えとくわ……」

佐天「んー、なんか乗り気じゃないですね。あの時はあんなに能力に執着してたのに」

美琴「べ、別にそんなことないわよ。でも、能力が急に使えるようになって未だに実感がわかないっていうか」

佐天「なるほど、確かにそれはあるかもしれませんね。でも、考えておいて下さい。能力が使えるようになったら、続きをやるって約束がすごい楽しみになってきましたもん」

佐天「私、同レベルの同じ系統の能力者と一度ドンパチやってみたかったんです!」

35 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 22:31:23.85 ID:vcd4QWUo
美琴「いや、レベル5になれるって決まったわけじゃないし、それに佐天さんが満足するような戦いになったら、周囲がトンデモないことになりそうよ」

黒子「佐天さんも御坂先輩も能力を使った決闘の話を風紀委員の前で堂々とするなんて、何を考えていらっしゃるんですの?」

黒子「わたくしは容赦なくしかるべきところに通報しますのよ?」

佐天「それは気づかれないようにこっそりやってくれってこと?」

黒子「ハァー……今の私の発言をどうとればそういう解釈になるんですの?初春の苦労がなんだかわかりましたの」

美琴「大丈夫よ。黒子。私もドンパチやるのは遠慮したいし、よほどの事がなければそんなことにはならないわよ」

美琴「そもそもレベル5になんて早々なれるもんじゃないってわかるでしょ?」

黒子「それはそうですけど……」

黒子(御坂先輩の場合、そう言いきれないのが怖いですの)

佐天「大丈夫です。御坂さんは私がレベル5になるように教育しますもん。だから、一緒に頑張りましょうよ!」

美琴「一応、善処するってことで……」

黒子「やれやれですの」

36 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 22:33:29.76 ID:vcd4QWUo
・・・・・雑談とかしてますの!・・・・・

黒子「あら、もうこんな時間ですの。ちょっと長く居すぎましたわ。わたくしはこの辺でお暇しますの」

美琴「ん、何か用あるの?」

黒子「ええ、幻想御手絡みで少し」

美琴「そう、頑張ってね」

黒子「佐天さんはどうしますの?一緒に支部の方に行きますか?」

佐天「んー、私はもうちょっといようかな。電撃使い同士で積もる話もあるからさ」

黒子「あらあら、なんだか妬けていまいますわね」

佐天「後で私も行くから、初春によろしく言っておいてちょーだい」

黒子「わかりましたの。御坂先輩、夜にもう一度様子を見に行きますので」

美琴「あ、検査が上手くいったら、退院してるかもよ?」

黒子「退院できたなら、連絡を下さいまし」

美琴「うん、わかった。そうする。」

黒子「それでは、失礼しますの」

ガチャッ……パタン

37 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 22:35:16.11 ID:vcd4QWUo
佐天「…………白井さん、行きましたね」

美琴「どうしたの?」

佐天「ちょっと御坂さんに聞きたいことがあるんですよ。それはちょっと白井さんがいるところじゃ聞きにくいかなって」

美琴「どういうことよ?」

佐天「白井さんは御坂さんのこと慕ってますからね」

美琴「まあね。それで何が聞きたいのよ?」

佐天「単刀直入に聞きます―――御坂さん、幻想御手を使いませんでしたか?」

38 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 22:39:27.03 ID:vcd4QWUo
美琴「はあ?この私が幻想御手を?そんなもん使うわけないじゃない」

佐天「だけど、いくらなんでもレベル0からレベル3に上がるなんておかしいですよ」

佐天「何よりタイミングが良すぎます。窮地に立たされた時にレベルが都合良く上がって、相手を倒すなんて出来過ぎだと思いませんか?」

美琴「確かに出来過ぎた話よね。私だってそう思うわ。だけど、それは幻想御手を使った証拠にはならないでしょ?」

佐天「それだけじゃないです。昨日、喫茶店で話した時に幻想御手について何となくですか『知ってる』感じがしたんですよね」

佐天「幻想御手の副作用は脳に負荷がかかる―――御坂さんはは喫茶店で言いましたよね?」

佐天「そして、実際に能力を使ったら気絶している。それは幻想御手の副作用のせいじゃないんですか?」

美琴「確かにそう言ったし、能力を使った後に気絶したわね」

美琴「でも、その時は爆弾魔と戦った後だし、緊張状態が解けて安心したからだと考える方が普通じゃない?」

佐天「それはそうかもしれませんけど……」

美琴「じゃあ、話はそれでお仕舞いよ。喫茶店でも言ったでしょ?私はそういう物には手を出さないってさ」

美琴「私の事そんなに信用できないかな?」

39 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 22:44:06.38 ID:vcd4QWUo
佐天「客観的に見て使ってる可能性がありそうだから聞いただけですよ」

佐天「御坂さんの事を信用できるできないの話じゃないですから」

佐天「今、初春や白井さんが一生懸命幻想御手について調べてて、実際に使った人を探してるんです」

佐天「だけど、あの二人って御坂さんの事を最初からそういった対象から除外して考えるでしょ?」

佐天「だから、私が二人に替わって御坂さんに聞いただけですよ」

美琴「そうね、あの二人は身内に甘いかもね。それで佐天さんはどうするの?」

美琴「私に悪魔の証明でもさせてみる?」

佐天「やれやれ、そうですね……」

佐天「御坂さん、私の目を見て下さい。本当に使ってないんですね―――」

美琴「―――ええ、誓ってもいいわ」

佐天「…………」

美琴「…………」

佐天「うん。信じます。個人的には腑に落ちない点もあるんですけど、このまま問答を続けても埒があきませんから」

美琴「そうね、暇潰しにはなるだろうけどすぐ飽きるだろうし、この辺でやめてもらえると助かるわ」

40 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 22:46:22.24 ID:vcd4QWUo
佐天「じゃあ、この話はこれで終わりです」

佐天「私も177支部に行って初春達の手伝いをします。電撃使いの集いは幻想御手が終わってからじっくりやりましょうか」

美琴「ええ、楽しみにしてるわ」

佐天「じゃあ、そういうことでお大事に―――」

ガチャ……バタン

美琴「…………」

美琴「フー、なんか疲れた……」

美琴(それにしても迂闊に情報を漏らしすぎたのは失敗だったね)

美琴「状況的には疑われて当然かな。でも、私が佐天さんの立場なら疑えてたかな?」

美琴「ま、どうでもいいか。検査まで暇だし昼寝でもしよう」

41 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 22:49:06.29 ID:vcd4QWUo
・・・・・・・・・・・・・・・
コンコン

上条「御坂さーん?」

美琴「う…ううん……?」

コンコンコン

上条「いないのかー?」

美琴「…………なによ……」

上条「やっぱりいないみたいだな……」

美琴「えっと……上条さん?」

上条「なんだよ、いるじゃねーか。入っていいか?」

美琴「あ、ちょっと待って。私、今、寝起きだから」

上条「そうか、じゃあ売店に行って時間潰してくるけど、何か食べたいものあるか?」

美琴「えっと、それじゃプリンみたいなものをお願い」

上条「わかった。そんじゃ10分くらい経ったらまた来るからな」

美琴「りょーかい」

美琴(うわー、なんでアイツがくるのよ?それはともかく早く顔洗って、髪とか身支度とか整えないとっ)

42 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 22:51:01.78 ID:vcd4QWUo
・・・・・10分後・・・・・
コンコン

上条「もういいか?」

美琴「うん、大丈夫よ」

上条「じゃあ失礼するぞー」

ガチャッ

上条「よう、具合の方は大丈夫なんだろ?」

美琴「検査したらすぐに帰れるわ」

上条「そうか、そりゃ良かった。ほらプリンな。安い奴だけど勘弁な」

美琴「いくらだったの?お金払うわよ」

上条「お見舞いの品だから俺の奢りだよ。たいしたもんじゃないし、上条さんからのご厚意ってやつだ」

美琴「そんじゃ、有り難くいただくわよ」

43 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 22:55:36.78 ID:vcd4QWUo
パクリ、モグモグ

美琴「……うん、まあ普通ね。特に言うこともない普通のプリンだわ」

上条「まあ100円のプリンだしな、確かに普通だ……」

美琴「そんで、わざわざどうしたのよ?たいしたことないってことは知ってたんでしょ」

上条「いや、まあな。ビリビリにさっき会ってさ。御坂さんが入院したって事を聞いたんだけどな」

上条「その原因が俺と別れたすぐ後に爆弾魔と遭遇して―――って話だっていうからさ。ビリビリに怒られたんだよ」

上条「ビリビリがさ、『どうせ上条さんの事だから、御坂さん送らずにスーパーの特売に行ったんでしょ?御坂さんは体調悪くしてたのに本当に気が効かないんだから』って凄い剣幕でさ」

美琴「佐天さん、そんな事言ってたんだ……。まあ別にアンタは悪くないから気にしなくていいわよ。」

上条「いや、でも俺が送ってけば御坂さんは入院なんてせずに済んだんだぜ?」

上条「だから、謝りに来たんだよ」

美琴「あれは運が悪かっただけの話で誰も悪くないのよ。上条さんがいたからって私が怪我しなかったとは限らないし、上条さんが大けがをしてた可能性だってある」

美琴「だから、結果として見れば、あの時は私が一人で帰るのが最良だった。それでいいでしょ?」

44 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:02:26.46 ID:vcd4QWUo
上条「だけどさ、御坂さんを助けるみたいなこと言ったのにこの様なんだぜ?」

美琴「あー、もういいって言ってんでしょうが!しつこい!」バチバチ

美琴(―――っ。やっぱ頭痛が)

上条「うぉっ?!御坂さんがビリビリしてるっ!」

上条「それって能力が使えるようになったのか?」

美琴「ええ、爆弾魔とやり合ってるうちにね。しかも、電撃なんてツイテルでしょ?」

美琴「だから、あのときは私が一人で帰るのが最良だったのよ。こんな入院くらいじゃおつりがくるわ。納得してくれた?」

上条「ああ、納得した。納得はしたけど、一つ聞いていいか?」

美琴「なによ?」

上条「御坂さんはビリビリみたいに俺に向かって電撃撃ってきたりしないよな?」

美琴「そ、そうね。そんな酷い真似なんてするわけないでしょ?」

上条「そうだよな。いやあ、電撃使いって皆ビリビリみたいだったらどうしようって思ってたところだったぜ」

美琴「そ、そんなわけないじゃない……」

上条「アイツは何かにつけてビリビリするんだぜ?本当に勘弁してほしいんだがなあ」

上条「一応、お嬢様学校に通ってるんだから少しはお淑やかにすればいいのに。あんなんじゃ嫁の貰い手がないだろうな。あははは」

美琴「アハハ、ソウネ。ワタシモソウオモウワ」

上条「あれ?あの御坂さん、なんだか怒ってたりしませんか?」

美琴「ソンナコトハナイワ」

上条「じゃあその片言はなんなんですかー」

45 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:06:20.32 ID:vcd4QWUo
コンコン

美琴「はいっ?」

看護婦「御坂さん、検査の方お願いします。検査室の方で先生がお待ちしてますので。

美琴「わかりましたー」

上条「なんだかわからんが、助かったぜ」

美琴「そういうわけでこれから検査だから」

上条「おう、そんじゃ俺も帰ることにするわ。じゃあな」

美琴「あれ?検査室まで付き添ってくれたりはしないの?」

上条「えっ?一緒に行った方がいいのか?」

美琴「うーん、行く途中に爆弾魔がいたりしたら、困るかなあって」

上条「はあ?何言ってんだ?爆弾魔なんているわけ―――そういうことか、是非とも付き添わせていただきます、ハイ」

美琴「ふふ、おまけで合格ってところね。もうちょっと頑張らないと佐天さんにビリビリされるわよ?」

上条「これって地味に不幸だよな……」

47 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:09:58.26 ID:vcd4QWUo
インタールード2
・・・・・佐天と初春の幻想御手捜査・・・・・

佐天「あそこにいる頭の悪そうな奴らがこの書き込みをしたグループかな?」チラリ

初春「おそらくはそうだと思いますが……」チラチラ

初春「やっぱり素行が悪い人達を中心に広まってるようですね。入手先はどこなんでしょう?」

佐天「そんなのはアイツラから聞き出せばいいじゃん」

初春「それはもっともな話ですけど、にべもないですね」

佐天「そんじゃ、ちょっくら行って幻想御手の情報をサクッと聞き出してくるから」

初春「佐天さん、能力を使ってもいいけど脅し程度でお願いしますよ。あと物を壊さないように。無理だとは思いますけど、できるだけ穏便に話を進めて下さいよ?」

佐天「わかってるって、まかせといてよ」

テテテ

48 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:12:17.44 ID:vcd4QWUo
佐天「ね~ね~、お兄さん達、ちょっと聞きたいことがあるんだけど?」

不良A「あん?」

不良B「なんだよ、てめーは?」

佐天「ネットでお兄さん達が幻想御手について書き込みしてるのを偶然見つけて、その事について知りたいなあって」

不良C「幻想御手について知りたいだあ?」

佐天「私にも幻想御手欲しいの。ねえ、いいでしょ?ダメ?」

不良A「こっちも情報を手に入れるのに苦労したんだぜ。そうホイホイ教えるわけないだろ。帰んな」

佐天「……へえ、それじゃお兄さん達は幻想御手について色々知ってるのは確かなんだ」

不良B「へへ、まあな」

佐天「そうなんだ、実はその言葉が聞きたかったんだよね」ビリィ

バチィンッ フッ……

不良A「な?電気が消えた!?」

不良B「停電か?」

49 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:14:59.52 ID:vcd4QWUo
佐天「もう一度お願いしますけど、幻想御手について教えてくれません?」

不良A「ああん?教えないって言ってんだろ。んなことより、この停電はなんなんだあ?おい、コラ店員、さっさと電気つけ―――」

バチィン

不良A「うがぁ?!」

不良B「?!」

不良C「な、なんだぁ!?」

佐天「別に何もしてないですよ。突然、そこのお兄さんが倒れただけですよ。真っ暗だったし私は何もわかりませーん」

不良B「嘘つくんじゃねーよ。お前の体から電撃が奔ったが見えたぞ!」

佐天「なーんだ。わかってるじゃないですか。わかってるなら聞かないでくださいよ」

不良B「なっ!?」

佐天「幻想御手について知ってる事があるなら洗いざらい吐いて下さい。日本語通じてますよね?」ビリビリ

不良C「ひいっ」

52 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:19:54.18 ID:vcd4QWUo
上条「おい、ビリビリ。いたいけな一般市民相手に電撃ぶっ放して何やってんだよ?もしかして、停電もお前の仕業か?」

佐天「この声は……上条さんですか」

佐天「こんなところでどうしたんです?女の子をほっておいて特売セールに行っちゃうくらい貧乏なら自炊でもしてればいいのに」

上条「会ってそうそう嫌味ですか。その事については御坂さんにも謝って許してもらったし、俺も反省してるからもう勘弁してくれよ」

佐天「それで、何の用ですか?今ちょっと取り込み中なんで用がないなら後にしてください」

不良B「おい、お前!こいつの知り合いなのか?どうにかしてくれよ」

不良C「突然絡んできたと思ったらいきなり電撃なんて撃ってきやがったんだぜ」

上条「お前、俺以外の相手にもビリビリすんなよ。普通の人は幻想殺し持ってないんだから電撃なんか浴びせたら酷いことになるってわかってるだろ?」

佐天「はいはい、お説教は後にしてくださいよ。そうしないと上条さんもビリッとしますよ?」

上条「うっ」

佐天「さあ、ちゃっちゃと幻想御手について吐いて下さいよ。素直に教えてくれたら電撃は勘弁してあげますからね」

不良B「こっちが黙って聞いてれば、調子こきやがって。ちょっと能力が使えるからって調子乗るんじゃねーよ。こっちだって幻想御手でパワーアップしてるんだからな!」

佐天「へえ、面白いじゃないですか。まとめて相手してあげますよ」

53 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:23:02.18 ID:vcd4QWUo
不良B「レベル2になった俺たちの力見せてやるぜ!」

上条「レベル2だと?!ちょ、ちょっと待て、お前ら!待ってくれ!待って下さい!」

不良C「うるせーぞ、テメエもぶっ殺してやるから覚悟しろや」

上条「ここにいるビリビリはレベ―――」

バチィイイイン

不良達「ギャーーーー」

上条「―――ル5なんだぞ……って遅かったか」

佐天「ったく、レベル2のくせに生意気なんですよ。さあさあ、おとなしく幻想御手について吐いて下さいよ?」

不良達「…………」シーン

佐天(はっ!つい丸ごと焼いてしまった……)

上条「返事がない、まるでしかばねのようだぞ」

佐天「…………」

初春「佐天さん、まったく何やってるんですか?」

上条「あれ、初春さん。初春さんがいるってことはこれって風紀委員がらみってことか?」

初春「まあ、そんなところです。でも、誰かさんがせっかくの情報源をたった今黒コゲにしちゃったみたいなんですけどね」

55 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:25:58.82 ID:vcd4QWUo
佐天「えっと、それはその。つい癖というか、そうだ!上条さんが悪いんだよ!」

上条「ええっ?」

佐天「全くどうしてくれるんですか?上条さんのせいで情報を聞き出すのに失敗しちゃったじゃないですか」

上条「何んだよそりゃ、いきなり俺のせいにすんなよ!」

佐天「上条さんがしゃしゃり出なければ、相手もおとなしく教えてくれそうな空気だったのに」

上条「おい、ちょっと待て、全然そんな空気じゃなかったじゃねーか」

初春「そうですよ。佐天さんったら上条さんのせいにして誤魔化そうとしないでください!」

不良B「うう……」ピクンピクン

佐天「おっ!ほら見て、大丈夫そうな人いるよ!この人に吐いてもらえば解決だね」

上条「なんか痙攣してるし、どう見ても大丈夫そうには見えないんだが」

初春「まあ、話が聞けるなら問題はないですね」

上条「……上条さんにとっては問題だらけでドン引きする状況なんですけどね」

佐天「さあ、キリキリ吐きなさいよー。そうしないとビリッといくからねー」

不良B「ひいぃぃいっ」

56 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:30:48.99 ID:vcd4QWUo
初春「ダメですよ、佐天さん。怯えてるじゃないですか」

不良B「……」ガクブル

初春「そんなに恐がらなくても大丈夫ですよ。もう電撃は飛んできませんから」

不良B「ほ、本当か?」

初春「ええ、本当ですよ。安心して下さい」

不良B「助かった……」

初春「でも、幻想御手について教えてくれないと……、今度はこの鉄針が体に食い込むことになるかもしれません」

不良B「ぜ、是非、話させて下さい!」

初春「ご協力感謝します。ほら、見て下さい佐天さん。誠実な態度で接すればちゃんと協力してくれるんですから」

上条「おいおい、どう見ても誠実な態度からはかけ離れてたぞ」

佐天「まあ、細かいことはどうでもいいんじゃないんですか?あっ、照明もどった」

初春「じゃあ、まずは幻想御手を出してもらえますか?」

不良B「はい、こちらに!ゴソゴソ

不良B「こ、これです。この音楽プレーヤーの中に……ってあれ?」

プスプス

佐天「なんか煙が出てるけど、最近のプレーヤーってそんな機能もあるの?」

初春「予期せぬ大電流が流れて壊れてるだけですよ。そんな機能なんてあるわけないじゃないですか」

上条「真っ黒焦げだな。この分じゃ電撃を浴びてる他の奴のもダメそうだな」

57 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:35:03.12 ID:vcd4QWUo
佐天「やれやれ、とんだ無駄足に終わったようね。とりあえず、入手先とか他に色々聞けることだけでも―――」

初春「―――って、何を他人事のように言ってるんですか?!佐天さんのせいで台無しじゃないですよ!」

佐天「何よ?!これはしょうがないじゃないっ!どっからどう見ても不可抗力でしょ!」

初春「どこが不可効力なんですか?!能力は脅し程度に留めて、物は壊さないようにって注意しましたよね!」

佐天「う……確かにそんなこと言ってたわね。今考えると、まるでこの状況を予見してような……」

初春「はー、確かにそうですね。予想できたのに佐天さんにまかせた私のせいです。とりあえず不良達は警備員あたりに電話して回収してもらいましょうか」

初春「罪状は―――最近、あなた悪いことしてませんか?」

不良B「俺ですか」

初春「ええ、何でもいいんですよ、何でも」

不良B「いや、特に心当たりは……」

初春「本当に―――?」

不良B「き、昨日、カツアゲしました!」

初春「カツアゲですか……。ちょっと理由としては弱いですが、まあいいでしょう。カツアゲ犯を捕らえようとしたら、集団で能力を使って抵抗しそうになったので能力を使用したと。こんな感じでいいですかね」

pipi

初春「……あ、こちら風紀委員177支部の初春飾利です―――」

佐天(相変わらず、初春は黒いなー)

上条(俺は見てはいけない物を見てしまったのかもしれない……)

58 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:37:41.23 ID:vcd4QWUo
・・・・・水穂機構病院 美琴の病室・・・・・
美琴(うーん、脳波測定はまたダメで、結局今日は帰れなかった)

美琴(やっぱり病院食は美味しくないし、やることも何も無くて暇ね)

美琴(そういや、黒子が様子見に来るって言ってたっけ。いろいろ聞きたいこともあるし、早く来ないかなー)

コンコン

美琴「黒子?」

黒子「失礼しますのよ。御坂先輩、検査の方はダメだったんですの?」

美琴「うん、まあね。やっぱり脳波の方が上手く測れないってさ。だから、入院続行よ」

黒子「それはもしかして、御坂先輩の身の上と電撃能力に関係してるのでは?」

美琴「うーん、どうなんだろう。けど、原因がそれだったら面倒ね。明日も退院できないじゃない」

黒子「下手したらずっと退院できないって可能性もありますのよ。そのうちに怪しまれて専門の施設に送られてしまうかもしれませんし」

美琴「まさか、そこまでするかな?」

黒子「しないとは言い切れませんの。脳関係の研究は能力開発に直結してますから、特異な学生がいたら研究対象になりかねませんの」

59 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:40:56.31 ID:vcd4QWUo
美琴「それなら、どうにかして退院しないとまずいかもね。これ以上面倒な事が起きたら、幻想御手どころの話じゃないわ」

黒子「うーん、どうすればいいんでしょう?」

美琴「どうにかして穏便に退院する方法か……何か良い方法……」

美琴「あ、思い出した!」

黒子「へ?」

美琴「明日って20日よね?」

黒子「ええ、そうですけど、それが何か?」

美琴「明日、木山春生がこの病院に来るのよ。幻想御手で意識不明の患者が増えたせいでで呼ばれるはずなのよ」

黒子「木山春生と言いますとこの一件の?」

美琴「木山春生は脳関係の専門家でしょ。私の『情報』を上手くチラつかせて木山春生に動いてもらえばいいのよ」

美琴「私が木山春生の研究対象になるってことで転院して、後は適当に理由をつけてもらって木山春生の力で退院させてもらう。こうすれば、問題ないでしょ?」

60 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:44:57.96 ID:vcd4QWUo
黒子「やれやれ、問題が多すぎてどうにもなりませんの。木山春生は幻想御手の首謀者ですのよ?」

黒子「先にこちらの手札を明かすのは危険すぎますの。そもそも、情報とやらは何を言うつもりなんですの?」

黒子「計画はお見通しだ、バラされたくなかったら言うことを聞け!なーんて言うつもりだったんですの?」

美琴「ん、まあ、ニュアンス的にはそんな感じだけど」

黒子「そんな機密を握っている御坂先輩を研究対象として自由に扱える権利を得たら、木山春生が何をするか考えてないんですの?」

黒子「邪魔者がわざわざ縄で縛って下さいときたらチャンスを逃す馬鹿はいませんのよ」

美琴「あー、そりゃそうよね。確かに無謀すぎたわ。この方法はボツね」

美琴「やっぱり強引に退院しちゃうのが一番簡単じゃない?」

黒子「そうですね。しかも、それは早い方がいいですの。あまり長引かせて御坂先輩がおかしいと判断されてしまえば、追われる身ですのよ」

美琴「そうね。明日の朝の検査でダメだったら、さっさと逃げることにするわ」

黒子「そうですね。あまりお勧めできませんがその線でいくしかなさそうですわ」

黒子「それと、御坂先輩、くれぐれも木山春生と迂闊に接触するのは避けて下さいまし」

黒子「下手を打てば爆弾魔の時よりも酷い目に合うかもしれませんのよ」

美琴「そんなこと言われなくてもわかってるわよ。とりあえず一人で会うのは避けることにするわ」

黒子「約束ですのよ」

美琴「わかったってば」

61 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:49:02.87 ID:vcd4QWUo
黒子「それでは、いい時間ですし、この辺で失礼させていただきますの」

美琴「あ、ちょっと待って」

黒子「はい、なんでしょう?」

美琴「昨日、学校に行ったら、『御坂美琴』の小学生時代について知ってる人がいたのよ」

黒子「学校に……」

美琴「小学校時代の『御坂美琴』は黒子に聞いたのと違って、どっちかっていうと私に近い感じだったのよね」

美琴「たぶんだけど、中学1年の間に何らかの出来事が合って黒子が言ってたような『御坂美琴』になったはずなのよ」

黒子「…………」

美琴「だから、退院したら色々調べてみようと思うの」

美琴「『御坂美琴』がひねくれた原因がわかればいいかなって。黒子も手伝ってくれないかな?」

黒子「わ、わたくしは力になれませんの……。御坂先輩と会ったのは今年になってからですし……」

美琴「そう、それは残念ね」

黒子「お話はそれだけですの?なら、わたくしはここで失礼させてもらいますの」

ガチャッ……バタン

美琴「黒子はやっぱり何か知ってるようね」

美琴「覚悟しなさいよ。調べるのは御坂美琴がひねくれた原因だけじゃないわ」

美琴「アンタが隠してる『御坂美琴』を慕う理由も調べさせてもらうんだからね」

美琴「さて、色々決意したし寝よう」

62 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:50:54.15 ID:vcd4QWUo
・・・・木山春生の研究室・・・・・
ガチャッ

木山「今日も疲れたな……」

木山「だが、計画はもう少しで子供達を救えるところまで辿り着いた。あと一週間もすればこの計画は間違いなく完成する。そうすれば―――」

チカチカ

木山「ん?留守電が入ってるようだな」

pi

電話「メッセージは1件です」

pi

医者「水穂機構病院の脳外科の―――」

医者「―――そういうことですので先生のご意見を伺いたいのですが……」

木山「脳波の測定が上手くいかない学生か……。水穂機構の院長から招聘を受けたのは明日だったか?ちょうどいい」

63 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:53:51.28 ID:vcd4QWUo
・・・・・・水穂機構病院 美琴病室・・・・・
看護婦「おはようございます、御坂さん」

美琴「おはようございます」

看護婦「御坂さん、朝の検温ですよ」

美琴「今日は7月20日ですよね?当然ながら」

看護婦「ええ、そうですよ」

美琴(最近、イベントが多すぎて、向こうに戻るどころの話じゃなくなってきてるなあ)

看護婦「朝食後に検査がありますから」

美琴「はーい。わかってますよー」

看護婦「それじゃお願いしますね」

美琴「はーい」

美琴(ま、今日も頑張りますか)

7月20日編に続くよ!

65 名前:管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch[saga] 投稿日:2010/04/25(日) 23:59:26.74 ID:vcd4QWUo [52/52]
7月20日編はたぶん、おそらく今週中になんとか
木山先生が7月19日に病院に来ると思いこんでたせいで20日のネタを分割してさらに佐天さんで水増しするハメになった……

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