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双子妹「ねぇ双兄ー、お風呂はいろー」
双兄「いや、ないから」
双妹「えー、いいじゃんいいじゃん、今日はお父さんもお母さんもいないんだしさー」
双兄「そういう問題じゃないからな?」
双兄「大体、高校上がるまで一緒に風呂はいってたのがおかしいんだよ」
双妹「でも、高一の時も入ってくれたじゃん」
双兄「……とにかく」
双兄「お風呂は一人で入りなさい」
双妹「ちぇー」
タッタッタッタッタ……
双兄「全く……」
双兄「いつまでたっても、子供だなぁ、双妹は……」
双兄「……本当、何時まで経っても」
双兄「……意識してるのは、きっと俺のほうだけなんだろうな……」
双兄「兄妹だけでも問題だっていうのに……更には双子だもんな」
双兄「……早く、忘れなきゃいけないよな、これは」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:03:02.61 ID:nckAvz6O0
双妹「ふー、きもちよかったぁー」ペタペタ
双妹「……双兄、このまま行ったら驚くかな?」
双妹「……流石にそれはやめておこーっと」カチャン
双妹「双兄ー、あがったよー」
双兄「………………zzz」
双妹「ありゃ、ソファーで寝てる」
双妹「……うりうりー」グニグニ
双兄「っ、んー……」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:06:01.61 ID:nckAvz6O0
双妹「うりうりうりうりー」グニグニグニグニ
双兄「んん……なんだよ……って双妹!?」ガバッ
双妹「っととと、びっくりした」
双兄「びっくりしたのはこっちだっての!」
双妹「いやいや、居間で寝てる双兄が悪いってー」
双妹「とりま、お風呂開いたから、さっさと入ってねー私その間髪かわかすからー」
双兄「……おう」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:09:44.29 ID:nckAvz6O0
―― お風呂 ――
双兄「…………」ゴシゴシ
双兄「………………」ゴシゴシ
双兄「……………………」ザパー
双兄「……あーもう」
双兄(髪濡れたままとか色っぽかったな……なんか嫌に意識するな……)
双兄(ってか、意識し始めたのっていつ頃だっけ…………)
双兄(……高校入ってから、だったっけ)
双兄「……いきなり、人気で始めたからなぁ、あいつ」ボソッ
双妹「双兄ー」
双兄「!?」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:12:20.51 ID:nckAvz6O0
双妹「湯加減はどうですー?」
双兄「っ、いい感じだよっ!」
双妹「そー、ならよかったー」ブォー
双兄(……聞かれて、なかったよな?)
双兄「ふぅー……っ」
双兄(息が詰まる……)
双妹「あ、そうだー」
双妹「背中、流してあげよっかー?」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:14:56.47 ID:nckAvz6O0
双兄「なっ……!?」
双妹「どうです?今ならお安くしときますぜ?」
双兄「いいいい、いいっ!もう洗ったからっ!!」
双兄「ってか、金とるのかよっ!?」
双妹「ありゃ、ばれちった」
双妹「これでお金をむしりとろうと思ったんだけどなー」
双兄「お前な……」
双妹「冗談冗談」
双妹「んじゃ、先部屋戻ってるねー」
双兄「あー……」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:16:32.48 ID:nckAvz6O0
双兄「……そうだ、部屋も一緒なんだよな……」
双兄「普段でさえきついのに、部屋も、ねるときも一緒とか……」
双兄「父さんと母さんに言っても、わけてくれないしな……」
双兄「あーもう……」
双兄「どうしてこうなった」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:20:57.46 ID:nckAvz6O0
―― 翌日 ――
双妹「超スーパーウルトラバイオレットミラクル究極双妹ダーイブッ!!」ドサッ
双兄「ぐはぁっ!?」
双妹「あっさだよー、がっこーだよー」ゴロゴロ
双兄「わかった、わかったから!さっさとどけっ!」
双妹「あいあいさー、じゃ、先にご飯食べてるねー」
ガチャ バタン
双兄「…………」
双兄「双妹が一緒でも寝れちゃうって言うのは、やっぱり慣れなんだろうか……」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:25:09.57 ID:nckAvz6O0
双兄「んー……今日も晴れてるなー」テクテク
双妹「だねぇー」テクテク
双妹「そういえばさ、今日体育あるんだけどー、憂鬱だなー」
双兄「ざまぁ」
双妹「なにをうっ!」
双妹「……あーあ、私も双兄と同じ学年に通いたかったなぁー」
双兄「四月一日と二日の壁は大きいぞ」
双妹「たった一時間のさだったのにっ……!くやしいっ!」
双兄「ざまぁー」
双妹「双兄なんか呪われろーっ!!猫に懐かれて、足元に動けなくなるくらい寄り添われて、遅刻しちゃえばいいんだー!」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:28:18.77 ID:nckAvz6O0
双兄「それは……地味にやだな」
双妹「えーいいじゃん、可愛いよ猫。ねこねこ」
双兄「可愛いとか、そういう問題じゃなくてだな…………」
双兄「いやまぁ、確かに可愛さも重要といえば重要だが」チラッ
双妹「? どうしたの、双兄?」
双兄「……いや、なんでもない」
双兄(可愛いお前が入れば十分だ、とか……双子でなくても言えねぇ……!)
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:30:27.53 ID:nckAvz6O0
双妹「んじゃーねー、双兄ー」ブンブン
双兄「じゃーなー」
双兄「……ふぅ」
双兄「……ほんと、同じ学年だったらよかったのに」
双兄「さて、と。俺もぐずぐずしてないで、さっさと教室にいくかなー」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:33:57.03 ID:nckAvz6O0
―― 教室 ――
双兄「おはよー」
男子1「おはー」
男子2「よー、今日もお熱い登校でしたねぇ双兄君?」
双兄「そんなんじゃないっての。ただの双子だよ」
男子1「どうだかぁー実はもう親近相姦とかしてたりしないのかよー?」
双兄「ねーよ」
双兄(……実際、したらやばいしな…………)
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:38:14.91 ID:nckAvz6O0
友「おう、双兄」
双兄「よう、友」
双兄「……お前も、双妹がどうのとかいいだすんじゃないよな?」
友「いわねーよ。そこらの男子じゃあるまいし」
男子1「お前だって、双兄いじってただろーっ!」
友「お前らと一緒にすんじゃねーよっ!」
双兄「全く……」トントン
図書「……双兄くん」
双兄「あ、図書さん。おはよう」
図書「うん、おはよう」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:42:05.87 ID:nckAvz6O0
図書「双兄くんが予約してた本、昨日返されたからね」
双兄「おぉ、さんきゅう。いつも教えてくれて悪いな?」
図書「気にしないでいいよ。クラスが一緒だと、教えやすいから、ね?」
双兄「あ、ああ……」
図書「それじゃあ、またあとで」タタタタ
女子1「図書ー、私なんかにそんな報告してきた事ないくせにー」
図書「別にいいじゃん、女子1はそんなに本見ないんだからさー」
女子1「いうなぁ、この、このっ!」
図書「やめてよー」
双兄「………………」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:46:04.74 ID:nckAvz6O0
>>26
うぃ、その通りです。
双兄「勘違い、じゃあないんだろうな…………」
双兄(……双妹以外にもてても、あまり嬉しくはないんだけどな……)
男子1「双兄ー、お前も友になんかいってやれよー」
男子2「最近こいつさー、性欲なくなってんだぜーEDだED」
友「ばっ、ちげぇよっ!!」
双兄「友……元気出せよ」
友「お前もかよっ!!」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:50:13.07 ID:nckAvz6O0
―― 昼休み ――
友「うし、飯食おうぜー」ガタガタ
双兄「おう」トンッ
友「いいねぇ、弁当……」
友「俺はずっとコンビニパンだぜ……」
双兄「そんなこというなって……」
双兄「そんなにいうんなら、彼女でも何でも作って、作ってもらえばいいだろうが」
友「彼女、ね…………」チラリ
双兄「……? ああ、そういえば、男、今日も休みだな」
友「ん……?あー、まぁ、そうだな……」
双兄「?」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:53:54.90 ID:nckAvz6O0
友「ま、彼女の件はおいておいて、だ」
友「俺はともかく、お前も浮いた話はきかねぇよな」
友「あれか?双妹ちゃんがしっかりガードしてんのか?」
双兄「いや、むしろ俺がガードする側だからな」
友「ほう?」
双兄「あいつ、明るいタイプだからな……結構もてるんだ、最近」
友「……ま、そうだなー、可愛くもあるしなー」
双兄「んで、悪い虫がつかないよう、俺が一緒に登校して、仲の良さを見せつけてるってわけだ」
友「ふーん……ご苦労様です」
双兄「いやいやいや」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:57:06.53 ID:nckAvz6O0
友「……双子の妹なのに、下の学年って変な話だよな」
双兄「そうだなー、あいつも今朝そんなこといってたよ」
友「ほんと、仲いいな、おい」
友「やっぱ、あれなのか?妹って、恋愛対象にならないのか?」
双兄「っ」
友「……双兄?」
双兄「あ、ああ、すまん。……そうだな、やっぱり、同じところから出てきたわけだからな……」
双兄(……だからこそ、だからだろう。俺が、双妹のことが好きなのは)
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 19:00:04.51 ID:nckAvz6O0
双兄(生まれる前から、生まれてからも一緒……)
双兄(双妹は、親よりも近くにいた)
双兄(気がついたら、俺の一番になっていた)
双兄(でも……やっぱり、俺と双妹は双子の兄妹なわけで)
双兄(許されない恋なんだろう)
双兄(だから……無理矢理にでも、吹っ切らなきゃな…………)
友「………………」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 19:03:15.39 ID:nckAvz6O0
―― 放課後 ――
双妹「あ、双兄ー」
双兄「うぃっす。確か、今日は街いくんだよな?」
双妹「うんっ、ちょっと小物見にねー」
女子2「じゃあね、双妹ちゃんー」
女子3「何々、双妹ちゃん、これから彼氏とでもデート?」
双妹「うんっ、そうだよー」
双兄「っ……!」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 19:06:41.71 ID:nckAvz6O0
双兄(……双妹が、冗談でも彼氏っていってくれてる)
双兄(すごく嬉しい…………)
双兄(……けど、やっぱり、俺のこの気持ちは忘れなきゃいけない)
双兄(……だから)
双兄「双妹、何いってんだよ。俺とお前は兄妹だろうが」
女子2「えっ、双妹ちゃん、お兄さんいたんだっ?」
双兄「ああ。一日違いの双子の兄の、双兄っていう。いつも、双妹が世話になってるな」
女子2「い、いえいえ、そんなこと……」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 19:09:17.37 ID:nckAvz6O0
女子3「双妹ー、こんないいお兄さんいるんなら、初めから紹介してよー」
双妹「……もう、双兄ー、ダメじゃんばらしたらー」
双妹「せっかく、友達の間で唯一彼氏持ちっていう優越感に浸ってたのにさー」
双兄「そんなことに俺を利用すんなよ」
女子2「あはは……それじゃあね、双妹ちゃんと、お兄さん」
女子3「また今度ー」
双妹「うん、またねー」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 19:10:50.66 ID:nckAvz6O0
双兄「………………」
双兄(……これで、いいんだ)ズキン
双兄「……ふぅー」
双妹「……それじゃあ、行きましょうか、兄上?」
双兄「お付き合いしますよ、妹君?」
双妹「ふふっ」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 19:13:53.60 ID:nckAvz6O0
―― 夜 部屋 ――
双兄「……」カリカリカリカリ
双妹「……」カリカリカリ
双妹「……そういえばさー、双兄?」カリッ
双兄「……なんだ?」カリカリカリカリカリ
双妹「双兄の友達に、友って人いるよね?」
双兄「んー、いるけど、それがどうしたんだ?」カリカリカリ
双妹「今度、紹介してくれない?」
双兄「」ポキッ
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 19:17:57.05 ID:nckAvz6O0
>>40
展開を早めるためには仕方の無い措置なのです……
双兄「…………どうして?」
双妹「んー……」
双妹「友達にさ、双兄が兄だってばれちゃったし……」
双妹「ほら、昨日も、双兄言ってたじゃん?もう高校生なんだからみたいなこと」
双妹「なら、私も、普通の高校生みたいに、青春を謳歌してみたくなったわけよ」
双兄「……そうか」
双妹「なになにー?もしかして双兄、妹が離れて寂しいとかおもってるのー?」
双兄「そんなことあるかよ」
双兄「わかった。適当に、渡りつけてやるよ」
双妹「わーいっ」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 19:21:10.90 ID:nckAvz6O0
双兄(……………………)
双兄(いいんだよ、これで)
双兄(俺と双妹はやっぱり結ばれない運命で、双妹も結局は誰かと付き合う)
双兄(それが、早まっただけの話だ)
双兄(……けど)
双兄(もう少しだけ……一緒に、いたかったな…………)
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 19:24:55.54 ID:nckAvz6O0
―― 翌日 ――
双兄(友に双妹の事を話す、友に双妹の事を話す、友に双妹の事を話す…………)テクテクテク
双兄「おはよーっ」
男子1「おはよー」
男子2「おはよーさん」
双兄「……友も、おはよう」
友「………………」
双兄「……友?」
友「……あー?あー、双兄か、おはよー……ふぁ…………」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 19:27:30.09 ID:nckAvz6O0
>>45
あれ……近親相姦、でしたっけ……?
双兄「お、おい……大丈夫か?すげぇやつれてるけど……」
友「あー……この程度問題ない、問題ない……」
友「……昨日、ちょっと探しものをな…………」
友「でも、眠いから……今は寝かせてくれ…………」ガクッ
双兄「あ、ああ…………」
双兄(……言いそびれてしまった…………)
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 19:30:38.97 ID:nckAvz6O0
―― 放課後 ――
双兄「お、おい、友、話が、」
友「すまん、今日は忙しいんだ」
双兄「……………」
双兄「そんなわけで、今日はろくに話せませんでした」
双妹「えー、双兄の役立たずー」ポカポカ
双兄「……すまん」
双兄(それでも――内心、安心はしてるんだが、な……)
双妹「……もうっ!じゃあ、今日はゲーセンに付き合ってよねっ!」
双兄「お安い御用で」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 19:31:30.00 ID:nckAvz6O0
ちょっとご飯で、小休止です。
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 19:57:12.27 ID:nckAvz6O0
>>53
私的には、双兄(そうにい)、双妹(そうまい)、と読んでいますです。
では、お風呂に入るまで再開ー
―― ゲーセン ――
ウィーン ウィーン ……ポトッ
双妹「よっしゃあぬいぐるみゲットおぉおおおおおっ!」
双兄「あー、そうですねー」
双妹「天才かっての、私は――――っ!!」
双兄「人様のセリフをパクるのはその辺にしておきましょうねー」
双妹「あーはい、ごめんなちい」
双兄「うぜぇ」
双妹「ざまー」
双兄「…………まぁいいや、ほら、それももってやるよ」
双妹「うんっ、ありがとう双兄っ!」ニパッ
双兄「……フッ。よしよし」ナデナデ
双妹「うにゃにゃー♪」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:00:55.54 ID:nckAvz6O0
ID:LXcQtmDI0さんは、どうすればいいんでしょうか……
っていうかIDがDIO……
双兄「でもさ、俺見てるだけじゃつまんないからさ、他のもやらねぇか?」
双妹「うーん……じゃあ、太鼓とか?」
双兄「シューティングとかもいいんじゃないか?」
双妹「うーん……悩むね…………」
双妹「……!最初はグーっ!」
双兄「え、ちょっ」
双妹「ジャンケンポイッ!」
双妹パー×双兄グー
双妹「…………」
双兄「…………」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:04:05.00 ID:nckAvz6O0
双妹「しまった!私が勝ったら、私が決めなきゃいけないじゃんっ!」
双兄「いや、負けた方に決めさせろよ……」
双妹「その手があったかっ!」
双兄「でも、俺は双妹が自分で決めたことを実行するって信じてるぞ」
双妹「ゔっ……」
双兄「ニマニマ」
双妹「……………………」オロオロ
双兄「ニマニマニマニマ」
双妹「う~~~~~っ!!」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:06:37.71 ID:nckAvz6O0
双妹「……そうだ!プリクラ撮ろうプリクラっ!」
双兄「え、お前それゲームじゃない、」
双妹「ほら、早く早くっ!」グイグイ
双兄「お、おいっ、ひっぱんなって!!」
双妹「早くしないと、プリクラが逃げちゃうよっ!!」
双兄「機体が逃げるとでも、」
双妹「逃 げ る の !」
双兄「……さいですか」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:09:40.92 ID:nckAvz6O0
機体『好きなフレームを選んでね!』
双妹「ど、れ、に、し、よ、う、か、な、ー」
双兄「なんでもいいだろ……」
双妹「よくないよっ!プリクラはその一瞬一秒を一つのシールにおさめこむ重要なものなんだよっ!!」
双妹「だから、慎重にならなくちゃいけないのっ!」
双兄「……お前、今神様の言うとおりで決めようとしてなかったか?」
双妹「それは、私の指で指してるからいいのっ!!」
機体『早くしろよガキどもが』
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:13:19.13 ID:nckAvz6O0
―― プリクラ後 ――
双妹「落書きたーいむっ!」
双兄「最近のプリクラって、落書きもできるのか……」
双妹「のんのん。最近じゃあ落書きない方が珍しいんだよ」
双妹「プリクラも奥が深くなったのだよ……!」
双兄(……持ち運びが不便な写真撮影機としか思えないが)
双妹「よし、双兄の顔にヒゲ書いちゃお」
双兄「ばっ、やめろっ!!」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:17:58.59 ID:nckAvz6O0
双妹「冗談だよーほら、双妹×双兄、と」
双兄「…………」
双妹「……にひひっ」
双兄(……うん、やっぱり、今日はまだ友にいわなくてよかったかもしれないな)
双兄(これからは、きっとあいつが双妹の隣に立つことになるんだから……)
双兄(このぐらいの思い出作りは、いいだろう?)
双妹「ここで、背景に星を……?」チラッ
双兄「?」
双妹「……ほら、双兄も一緒に書こうっ!後半分しか時間ないよっ!!」
双兄「え、ちょ、まっ……」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:21:49.83 ID:nckAvz6O0
双兄「書くったって、何書けばいいんだよっ!!」
双妹「なんでもいいよっ、ヘタでもいい、私と双兄が一緒に書くことが大事なのっ!!」
機体『あと45秒!』
双妹「ほらほら、早くペン持って書くっ!」
双兄「……どうなってもしらねーぞ」カキカキ
双妹「私も私もーっ!」カキカキ
双兄「ばっ、重ねてかくんじゃねーよっ!」
双妹「いいじゃんいいじゃんっ!」
双兄「あーもうっ……!」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:25:46.53 ID:nckAvz6O0
―― 帰り道 ――
双妹「ニマニマ」
双兄「はぁ……つかれたぁ」
双妹「いいじゃんいいじゃん、兄妹のスキンシップだよっ」
双兄(それに関しては、別に異議はないんだけどな……)
双妹「それに、私は楽しかったよっ!」
双兄「……そうかい」
双妹「……うんっ!」
双兄(…………フッ)
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:29:37.40 ID:nckAvz6O0
―― 翌日 ――
友「……はぁー……」
双兄「……今日も、お疲れの様子だな」
友「あー、まぁな……昨日も、見つからなくて…………多分、今日も探す」
双兄「……少しは、休んだらどうだ?」
双兄「昨日からか、いつからは知らないけど……時には、その捜し物を忘れることも重要だと思うぞ」
友「無理に決まってんだろ、ぶっとばすぞ」
双兄「っ」
友「あ……すまん、少しカリカリしてた…………」
双兄「い、いや、こっちこそ…………」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:33:40.05 ID:nckAvz6O0
友「……とにかく、早く探さなきゃいけねぇんだよ」
双兄「そうか……」
友「……それより、お前昨日話しがあるっぽかったよな?なんだったんだ?」
双兄「……いや、今はいい。お前が落ち着いてからでな」
友「……すまん、気を使わせて」
双兄「いや、構わんさ。こっちの事情だしな」
双兄「それより、お前のその探しものとやらに、俺は協力出来ないのか?」
友「ん……すまん、それも無理なんだ。いろいろと、厄介な事情があってな……」
双兄「そうか。なら、無理にとは言わない。だけど、手を貸せるときになったらいってくれよ?」
友「おう、さんきゅー」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:36:34.74 ID:nckAvz6O0
図書「……双兄くん、少しいいかな?」
双兄「ん?なに、図書さん?」
図書「今日、本取りに着てくれないかな?あの本、他に読みたいって人がいて……」
双兄「あ、そうなんだ。じゃあ今日の放課後いくわ」
図書「うん、よろしく」
友「モテモテだねぇ、双兄」
双兄「からかうなっての」
友「にひひひひひ」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:42:48.21 ID:nckAvz6O0
―― 放課後 in 図書室 ――
図書「……はい、これでレンタル完了」
双兄「おう、サンキュー」
図書「……それにしても、そんな小説読むなんて意外だなぁ……」
双兄「そうかな?」
図書「それ、恋愛ものだよね?それも、兄妹の」
図書「そういえば、双兄くん、妹さんがいるって話だよね」
双兄「……そうだけど」
図書「……もしかして、その妹さんが好きだとか?」
双兄「……!」
図書「……なーんてね、冗談だよ、冗談」
図書「……飲み物、何か飲みに行こうか」
双兄「…………ああ」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:45:22.64 ID:nckAvz6O0
ガコンッ キュポッ
双兄「ゴクッゴクッ……」
図書「コクッコクッ……」
双兄・図書「ぷはぁ」
双兄「………………」
図書「………………」
図書「……ねぇ、双兄くん?」
双兄「……なんだ?」
図書「さっきの話の、続きだけどさ」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:49:13.66 ID:nckAvz6O0
図書「もし――もしも、本当に、妹さんのことが好きならさ」
図書「諦めた方が、いいと思うよ」
双兄「………………」
図書「倫理的にも、社会的にも認められない……」
図書「そんなのは辛いよ、きっと」
図書「……私にはわからないけどさ」コクッコクッ
双兄「……ゴクン」
図書「それに、双兄くんなら、他にもっと似合う人がいるはずだよ」
図書「例えば……私、とか…………さ…………」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:50:56.04 ID:nckAvz6O0
双兄「………………」
図書「…………よっと」ポイッ……カランッ
図書「それじゃ……私、今日の放課後担当だから……」
図書「じゃあねっ」
タッタッタッタッタ……
双兄「…………………………っ!」
ガンッ!!
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:56:07.32 ID:nckAvz6O0
双兄(倫理的にも、社会的にも認められない?)
双兄(わかってんだよ、そんなことはよっ!!)
ガンッ!!ガンッ!!!
双兄(じゃなかったら、こんなに悩むわけねぇだろうがっ!!)
双兄(俺が、どれだけ、双妹のことを思って、それで忘れようとしてるか、わかってんのかよっっっ!!!)
ガンッッ!!ガンッッ!!!ガンッッ!!!
双兄(でも、忘れられねぇんだよっ!!!)
双兄(だから――だから、俺は今頑張って、双妹と友をくっつけようとしてるんじゃねぇかっ!!!)
双兄(それでも……それでも、胸が苦しくて…………)
ガンッ……カンッ……
双兄(どうすりゃ、いいんだよ…………)
双兄「本当に……どうすれば、いいんだよ…………っ!!」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:57:00.00 ID:nckAvz6O0
それなりにキリがよくなったところで、お風呂に入ってきます。
恐らく、30分前後かと思いますです。
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 21:37:03.97 ID:nckAvz6O0
>>二卵性
二卵性はDNAがほぼ同一の一卵性と違って兄弟と変わりありませんからね。
ただ同時できて、同じ年だというだけであって……
双兄「………………」テクテクテクテク
双妹「双兄ーっ!」
双兄「!……双妹」
双妹「さっきねー、友さんと少しだけ話したよー」
双兄「……!」
双妹「いい人だねっ、すごくっ!」
双兄「……そう、だな…………」ズキンズキン
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 21:40:38.91 ID:nckAvz6O0
双妹「急いでるからって、少ししか話せなかったけどね……」
双兄「そうか……」
双妹「今度、双兄と一緒の時に改めて挨拶するっていってたよっ!」
双兄「………………」
双妹「……双兄?」
双兄「ああ……うん、なんでもない」
双兄「……帰ろうか?」
双妹「……うんっ!」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 21:44:44.76 ID:nckAvz6O0
―― 夜 ――
双兄「………………」
母「あら、双兄、どうしたの?ソファーに寝っ転がって、お父さんみたいよ?」
双兄「……いや、別に…………」
双兄「……少し、コンビニ行ってくる」
母「いってらっしゃい。早く帰ってくるのよー」
双兄「……うん」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 21:48:51.32 ID:nckAvz6O0
>>104
知り合いに一日の人がいて、その学年で最も誕生日が遅いって嘆いてましたよ。
双兄「………………」
双兄「もやもやする…………」
図書『倫理的にも、社会的にも認められない……』
図書『そんなのは辛いよ、きっと』
双兄「………………………」
双兄「ああ――その通りだ」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 21:52:13.36 ID:nckAvz6O0
双兄(でも、それもきっともうすぐ終わる)
双兄(俺が双妹への思いを忘れようと、忘れなかろうと)
双兄(友と双妹が結ばれることによって、完全なまでに、それは終わる)
双兄(……双妹も、元々俺なんか意識すらしてないみたいだからな…………)
双兄「どうして……」
双兄「……どうして、こうなった?」
双兄「どうして……俺は、双妹に、自分の双子の妹に……恋なんかしたんだよ…………」
双兄「誰か、教えてくれよ…………」
双兄「俺は、どこで間違えた?」
双兄(或いは――)
――間違っているのは、この世界のほうか。
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 21:55:04.64 ID:nckAvz6O0
―― 翌日 ――
双兄「……よぅ、友」
友「……ああ」
双兄「今日も覇気がない――わけじゃあ、なさそうだな……?」
友「ああ……探しものの件は、ひどいオチがついたんだ……」
友「……死にてぇ…………」
双兄「……まぁ、なんだ…………どんまい」
友「あぁ…………」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 21:59:09.49 ID:nckAvz6O0
友「……ところで、昨日お前の妹と話したぞ」
双兄「……聞いてる」
友「そっか……初めて話したけど、いい子だな、お前の妹」
双兄「………………」
双兄(お前が双妹の――何を知っているっていうんだよ…………)
友「お前のことばっか話してさ。すっげーしたってるみたいだな」
友「俺も、兄弟欲しくなったなー……って、双兄、お前すげー顔してるぞ……」
双兄「……お前にいわれたか無いな」
友「そりゃ、ごもっともで」
友(…………………………)
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:02:26.13 ID:nckAvz6O0
友「……そうだ、少し、付きあわないか?」
双兄「……なに?」
友「お前に紹介したい奴がいるんだよ。すっげーいい子でさ、お前なら任せられるからな」
双兄「何をいって……」
友「まぁまぁ、いいからいいから」
友「アッチの方には今から連絡とるけど……ま、多分許可してくれるから」
友「お前は、一応お前の妹ちゃんの帰りを予約しておいてくれ」ガタッ、テクテク
双兄「ちょっ……いっちまった……」
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:07:49.18 ID:nckAvz6O0
―― 放課後 ――
双妹「双兄、友さんくるって、本当?」
双兄「……ああ、今日、紹介するよ。あっちも、俺に紹介したい奴がいるみたいだし……」
双妹「……そう、なんだ」
友「……おまたせーっ」
双兄「……おう、遅かったな」
友「あぁ、少し時間がかかってな……」
双兄「……んじゃあ、改めて。こっち、俺の友達の友。で、こっちが妹の双妹だ」
双妹「双妹です……末永くよろしくお願いします」
友「……末永くかはどうかわからないが……とりあえず、改めて。友だ、よろしくな、双妹ちゃん」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:11:32.96 ID:nckAvz6O0
友「それじゃあ、双兄、双妹ちゃん、ついてきてくれ」
双兄「……なぁ、一つ、聞いていいか?」
友「なんだ?」
双兄「そいつは、男なのか?女なのか?」
友「んーとな……女だ。だから、さっきもいっただろ?双兄になら任せられるって。中学からの知り合いなんだ」
双兄「……どうして、いきなり?」
友「………………」チラッ
双妹「…………?」
友「……ちょい、耳かせ」
双兄「……ああ」
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:14:07.49 ID:nckAvz6O0
友「こういうのはなんだけどな……」
双兄「……なんだよ」
友「忘れるには、他の恋をするのが一番だ」
双兄「――――っ」
友「……ってなことだ。わかったか?返事はハイと短く一回で!」
双兄「……ああ」
友「かーっ、のらねぇなぁ、お前は……」
双妹「………………」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:16:46.49 ID:nckAvz6O0
―― 街 ――
友「……っと、いたいた……おーいっ!!」
?「あっ……と、友くん!」
双兄「! あの制服……」
双妹「全寮制の、お嬢様学校の、だね……」
?「えっと……そ、そちらが、紹介したい人……だよね……?」
友「ああ、そうだ」
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:21:48.96 ID:nckAvz6O0
友「んじゃ、紹介する。制服は知ってると思うけど、お嬢様学校の女だ」
女「ひ、ひさしぶ……じゃなくて……はじめまして、女です……」
友「……まぁ、見ての通り人見知りなんだけど、慣れたらもう簡単に懐くから」
女(……友)ボソ
友(……ごめん、とりあえず、今はあわせて……)ボソ
女(……はぁ……仮にも昨日告白されたっていうのに……なんでこんなことに……)ボソボソ
友(まぁまぁ、お前だってこのお願い、返事二つでOKしてくれただろ?)ボソボソ
女(……ん。それじゃ、手はず通りに……)ボソボソボソ
双妹「あ、あのー……」
女「ひゃ、ひゃいっ!?」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:25:52.03 ID:nckAvz6O0
>>124
あれま、失敬……
少し自信なかったから、つい『ほぼ』にしてしまいました……
双妹「私、双妹っていうの。よろしく、女ちゃん」
女「あ、はい、よろしくです……」
友「……ちなみにいっておくけど、女は俺と双兄と同じ学年だからな?」
双妹「うそっ!?こんなに小さくてかわいいのに!?」
双兄「いや、お前も似たりよったりだからな、双妹」
女「あはは……」
双兄「………………」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:28:45.65 ID:nckAvz6O0
双兄(……性格はまるで違うが……)
双兄(……双妹に、少しだけにているかもしれない)
双兄(……友が、俺に紹介した理由も……ここにあるのか?)
双兄(………………)
友「ま、そんなわけで……とりあえず、皆でメルアド交換でもしようか?」
双妹「あっ、はいっ!」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:34:22.69 ID:nckAvz6O0
―― 交換後 ――
友「ん、それじゃあ時間あるし、皆で遊ぶことにしますか」
双妹「あ、なら、二体二でどうです?」
女「……二体二?」
双妹「はい、とりあえず今日のところは男女ペア……私と友さん、双兄と女さんって感じで組んで、親睦を深めるんです」
友「…………あ、ああ、いいんじゃなか?」
女「えっと……私は……その…………いいです、よ……?」
双妹「じゃあ決定っ!じゃあ双兄、女さんを任せるからねっ!じゃ、友さん、いきましょうっ!!」グイグイ
友「っと、そんな強く引っ張らないでよ双妹ちゃんっ!!」
双兄「………………」ズキンッ
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:40:05.32 ID:nckAvz6O0
女「えっと……その……」
双兄「……あぁ、そういえば、自己紹介してなかったな……双兄だ、よろしく」
女「あ、うん……じゃなくて、はい。友くんから、少し聞きました」
女「それで……私の、彼氏として、紹介すると……」
双兄「…………!」
双兄(友の野郎……そんなこと言って……!)
女「えっと……本当は、そんなつもりなかったんですけど……双兄くん、かっこいいし……」
女「だから、今日だけでも私に付き合ってくれると、うれしいなぁ、なんて……」
双兄(……友だって、俺のために……やってくれてるんだよな)
双兄(俺が、双妹に恋して、苦しんでるのを知ってて…………)
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:41:36.06 ID:nckAvz6O0
双兄(……なら、その気持ちに……答えてやらなきゃ、だよな……)
双兄(少なくとも、今日だけは)
女「あの……?」
双兄「……ああ、いいぞ」
女「!」
双兄「それじゃあ……どこにいこうか?」
女「じゃ、じゃあ――――」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:45:56.50 ID:nckAvz6O0
双兄(それで、俺たちはその後も遊びを重ねた)
双兄(友の言うとおり、女は小慣れたら結構懐いてきて、稀に笑顔を見せる。これがまた可愛い)
双兄(そして……俺と双妹の会話も、自然と減っていった)
双兄(風の噂によれば、友と双妹は順調に交際を進めているらしい)
双兄(……俺は、すこしずつ……ほんのすこしずつだが…………双妹の思いを、女に向け始めていっていた――)
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:00:21.25 ID:nckAvz6O0
さるさん……終盤になると、いつもなるなぁ…………
―― 七度目のデート ――
双兄「ほい、ココア」
女「ありがとう、双兄くん」ニコッ
双兄「ん」
女「……友くんたち、順調に交際してるらしいね」
双兄「……そうらしいな」
女「……双兄くん的には、どう思う?」
双兄「……………………」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:01:13.93 ID:nckAvz6O0
双兄「…………いいんじゃ、ないか?」
双兄「元々、双妹だって、友を紹介して欲しかったらしいし」
女「……そうなんだ」
双兄「ああ、そうだ」
女「……それでも、双子っていうのは……まぁ、双妹ちゃんと双兄くんは二卵性だけど、一緒に生まれてきたわけでしょ?」
女「それは……寂しくないの?」
双兄(ズキンッ)
双兄「……寂しいさ…………」ズキン
双妹『それでねー、友くんがねー』
双兄「寂しいけど……もう、大丈夫なんだよ…………」ズキンズキン
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:02:50.75 ID:nckAvz6O0
女「どうして……?」
双妹『今日はさ、友くん家に呼ぶから、双兄は女さんと遊んでて?うまく行けば、家に連れていってもらえるかもしれないよ?』
双兄「どうしてって……」
双妹『でさ、今日するかもしれないから。双兄もさ、頑張ってねっ!』
双兄(俺には――――俺からは――――もう、双妹は……失われたから)
双兄(そうなったら――俺の気持ちは――――惹かれている、もう一人に向けられる――――)
双兄「お前が――女が、いるから」
女「……え?」
双兄「……付きあわないか、俺たちも」
双兄「……双妹と、友みたいに」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:05:42.41 ID:nckAvz6O0
女「…………」
双兄「…………」
女「……双兄くんは…………いや」
女「双兄は、本当にそれでいいのか?」
双兄「……え?」
女「誰かを好きな気持ちを押しくるめて、諦めざるをえなくなったから妥協案をとって」
女「本当に、それでいいのか?」
双兄「っ…………!」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:09:52.33 ID:nckAvz6O0
図書『倫理的にも、社会的にも認められない……』
図書『そんなのは辛いよ、きっと』
双兄「……仕方が無いんだよっ!!」
双兄「倫理的に、社会的に!家族にもきっと認められないっ!!」
双兄「どうしようも、ないんだよっ!!辛いんだよっ!!逃げさせてくれよっ!!!」
女「………………」
女「……私の知り合いに、どうしても好きな人を手に入れたい人がいた」
女「その人は、自分が相手の好みじゃないからって、その好みの人を舞台から消してまで、諦めなかった」
女「好きっていうのは……そういうものなんじゃないの?」
女「他の何もかもを、自分の世間体を捨ててまで……手に入れようとするものじゃ、ないの?」
双兄「…………!」
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:13:18.04 ID:nckAvz6O0
女「自分の世間体を捨てられない……」
女「社会から後ろ指をさして生きていかなければならない……」
女「その程度、とは言わない。その程度、とは思わない」
女「けど。それくらいの覚悟がなくて、自分の第一希望を、恋を貫けないっていうんなら……」
女「私は、付き合ってあげる」
女「けど、これだけは覚えておいて」
女「……後悔は、してもしたりないってことを」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:17:13.94 ID:nckAvz6O0
双兄「俺、は…………」
双兄「俺は、どうすればいい…………?」
女「それを決めるのは私――俺じゃない」
女「双兄自身だよ」
双兄「俺、は―――――」
女「さぁ、選んで」
――自分の本当の思いを封じ込めて、今、目の前にある安易な逃げの選択肢に縋るのか――
――或いは全てを捨てて、自分の心からの願いを貫き通そうと苦難の、苦悩の道を行のか――
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:21:01.90 ID:nckAvz6O0
双兄「はっはっはっはっはっ……!」タッタッタッタッタッタッ……
双兄(俺は、どうして走っているんだろう)
双兄(――決まってる)
双兄(俺が、そうであれ、と選んだから――――)
双兄(家が――見えてきた――――)
双兄(……間にあって……く、れ…………?)タッタッ……
双兄「双、妹…………?」
双妹「……双兄」
双兄「……玄関前で、なに、してるんだよ…………?」
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:23:22.35 ID:nckAvz6O0
双妹「……双、兄」
双兄「……なん、だよ」
双妹「双兄」
双兄「だから、なんだって――――」
双妹「双兄っ!!」
タタタッ、トンッ……
ギュッ
双妹「双兄っ、双兄っ…………!」ポロポロ
双兄「双、妹……?」
158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:26:39.19 ID:nckAvz6O0
双妹「ごめんなさい、ごめんなさいっ!!」
双妹「私、私……双兄のこと、大好きっ…………!」
双妹「全部、何もかもを犠牲にしても……双兄と、一緒にいたいっ…………!!」
双兄「――――――」
双兄(――――――ああ、そうか――――――)
双兄(双妹も――俺と、一緒だったのか――――)
双兄(俺が好きで――でも、兄妹で――――)
双兄(だから、他の人を好きになることで、俺を忘れようとして――――――)
双兄(これは――不幸なすれ違いだったんだ――――)
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:30:58.64 ID:nckAvz6O0
双兄(でも――間に合った。全部、何もかも)
双兄(きっと、これから――)
双兄「…………双妹」
双妹「……ふえ?」グズグズ
双兄「チュ――――」
双妹「―――――――!」
双兄「プハッ……これが、俺の答えだ」
双妹「双兄…………」ウルウル
双兄「俺も……お前を、双妹を……心から、愛してる」ギュゥッ……!
双妹「双、兄ぃっ……!!」ギュッ……!
双兄(俺と双妹の恋は――きっと、これから、始まっていくんだ――)
167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:34:14.62 ID:nckAvz6O0
女「………………はー」プラプラ
友「おーいっ」
女「……遅いっ」
友「悪かったって……思ったより時間かかったんだよ……」
女「全くもう……でも、うまく行って何よりだね」
友「……ああ、そうだな……」
友「……ところで、身体の方はどうだ?」
女「……んー、まだ全然変化なし。まだまだ先みたい」
友「そっか……」
友「じゃ、元に戻るまで、俺と付き合うか?男」
男(女)「却下」
友「はやっ!即答かよっ!!」
男「お前……もう何度目だよ……」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:36:30.47 ID:nckAvz6O0
友「いやいや、病院での告白は受け入れてくれたじゃんか!」
男「あ、あれは、もう元に戻れないと思ったからだっての!!」
男「そうじゃなきゃ、オーケーしねぇよっ!!」
友「そんなこと言わずにさぁー、ほらほら、スキンシップしようぜー」
男「あーもう、いちいちうざいなぁっ!!」
男「どうしてこうなった!!」
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:39:53.63 ID:nckAvz6O0
―― その夜 ――
母「双兄ー、双妹ー、お風呂わいたわよー」
母「どっちか決めて、さっさとはいっちゃいなさいー」
双兄「うぃー」 双妹「はーい」
双兄「さき、どうぞ?」
双妹「うんー……あ、そうだ」
双兄「…………?」
双妹「ねぇ、双兄ー、一緒にお風呂はいろー?」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:41:20.16 ID:nckAvz6O0
双兄「……喜んで」
双妹「えへへ……」
双兄「それじゃ……入るか」ガチャン
双妹「うんっ!!」タタタタタ
バタン
双妹「ねぇ双兄ー、お風呂はいろー」・fin
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:43:27.97 ID:nckAvz6O0
……そんなわけで、終わりですっ!
気づいた人(>>170)もいると思いますが、これは前に書いた作品の微妙にクロスオーバー的作品です。
男(女)と友について知りたい人は、男「どうしてこうなった」を御覧くださいませ。
ではでは、今回もお疲れ様でした!
残ってたら……どうなっちゃうんでしょうね?w
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:45:47.15 ID:nckAvz6O0 [85/85]
>>180
・男(女)が双兄と付き合うことは、友が仕組んだことだった。
・友が、男(女)と同じことを双妹にしていたら……?
>>182
つttp://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/otoko_dousite_kounatta.html
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