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唯「あずにゃんもだよ。早くして」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 20:16:07.36 ID:mL1NydIfP [1/18]
梓「わ、わかりました」

唯「……ちょっとまって」

梓「え?」

唯「Yシャツとブレザーどっちをとっておいたほうがいいかな」

梓「あ、そっか。ブレザーのほうが厚手だしブレザーにしましょう」

唯「そうだね。まあ両方脱ぐことになるかもしれないけど」

梓「うう……」

唯「ほら、早く脱いで」

梓「はい……あっ」

唯「どしたの?」

梓「いや、ちょっと……」

25 名前:差し替えでお願いします[] 投稿日:2010/04/17(土) 20:48:43.00 ID:mL1NydIfP [7/18]
梓(どうしよう…今日体育がないからってスポーツブラ着てきちゃった)

唯「…? 早く脱ぎなよ」

梓(笑われちゃうかな…)

唯「もう~私脱いじゃったんだから」

梓「すいませ…!」

梓(唯先輩のブラ大人っぽい!)

梓(ますます見せづらい)

唯「…ねえあずにゃん、嫌なのはわかるけどこうしないと私達ここから出られないんだよ?」

唯「ちょっとだけ我慢しようよ、ね?」

梓(あ…唯先輩だって辛いのに…私何考えてるんだろう)

梓「すいません、もう大丈夫です。…よいしょっと」

唯「あっ…」


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:01:09.94 ID:mL1NydIfP
冷たい風が並木道の落ち葉を巻き上げる。
空に少しだけ見えている夕日からは暖かさをまるで感じられない。
この冬になる前の時期が1年で一番寒いんじゃないかと錯覚してしまう。

「あずにゃんこの後時間ある?」

「すこしなら大丈夫ですけど」

部活の帰り道。
あずにゃんと二人きりになったところで話を切り出す。
ここ数日ずっと機会を窺っていたけどいつも都合が悪かったり時間がなかったりしていた。
今日も時間はあまりないけどこのままずるずると引き延ばしてもきっともうチャンスはないだろうから
思い切って誘うことにした。

「うんちょっと行きたい場所があるんだ。時間はとらせないから」

「いいですよ。それでどこへ行くんですか」

「えと……それはヒミツです。ここからならすぐだから」

つい目的地を濁してしまった。
別にそれを言ったところであずにゃんが嫌がって帰るわけじゃないのに。

「? いいですけど」

とにかく、これで第一段階はなんとかなった。
もう少ししたら次の行動に移らないと。
そう意識すると少しずつ身体が緊張していくのがわかった。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:08:45.41 ID:mL1NydIfP

梓「――って、学校に戻ってきただけじゃないですか!」

唯「えへ、ちょっと用事があってね……」

梓「忘れ物ですか? そうなんですね」

唯「そうじゃないんだけど、ちょっと部室の物置に行きたくて」

梓「怒らないから正直に忘れ物があるって言ってください」

唯「違うってば」

梓「……じゃあ私校門で待ってますから」

唯「あずにゃんにも来て欲しいんだけど」


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:16:10.91 ID:mL1NydIfP
梓「結局ついてきちゃった……」

唯「ありがとーあずにゃん」

ピピピピピ

唯「あ、メールだ」

カコカコカコ……ピッ

唯「よし」

唯「じゃあ物置に入ろうか」

梓「え、私もですか?」

唯「お願い!」

梓「……? まあいいですけど」


そして私達は音楽室に閉じ込められた。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:19:31.40 ID:mL1NydIfP
「これでよしっと」

私のYシャツ、あずにゃんのYシャツ、ベースの弦、フラフープ、私のブレザー、あずにゃんの……
つなげられるものは何でも繋げて即席のロープを作った。

「へっぷ!」

「あずにゃん寒い?」

「大丈夫です」

震えながら答えるあずにゃんは大丈夫そうに見えない。

唯「とにかくこの窓から降りれば何とかなるよ」

梓「そうですね……」

唯「じゃあどっちから先に降りようか」

梓「……」

唯「じゃんけんしようか」

梓「はい」

唯梓「ぽん!」

唯「勝った!」

梓「ま、まけた……」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:25:37.36 ID:mL1NydIfP
梓「うう……怖いよう」

唯「がんばれーあずにゃん」

梓「い、行きます」

よじよじ

梓「こ……こわっ!」

唯「あずにゃんしっかりー」

梓「……あ、でもこれならなんとか」

梓「……ん?」

梓「……唯先輩」

唯「うん?」

梓「なんで……なんでギターの弦結んじゃってるんですか!! しかも1弦を単品で!!」

ブチッ

梓「ひいっ!?」

梓「いやああぁぁぁぁ~……」

唯「あずにゃーーーーん!!」

57 名前:すいません順序が逆になりました[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:38:36.15 ID:mL1NydIfP

梓「いつつ……」

唯「大丈夫?」

梓「なんとか。2階くらいの高さで助かりました」

唯「ははは」

梓「あ、でも弦が切れたおかげでブレザーは回収できました」

唯「よかった~流石にこの格好で帰るのはちょっとまずいもんね」

梓「ええ」

唯「そうだ、あずにゃん」

梓「はい?」


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:32:51.81 ID:mL1NydIfP

唯「あずにゃん、私がどうして学校に戻ってきたかわかる?」

梓「わかりません」

唯「だよね」

梓「……え、教えてくださいよ」

唯「……それから、さっきの音楽室でのこと覚えてる?」

梓「え? それは服を脱いでロープにして……」

唯「その前は?」

梓「その前は……あれ」

唯「覚えてないの?」

梓「あれ、おかしいな……」



59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:47:51.51 ID:mL1NydIfP
唯「そう、よかった」

梓「えっ」

唯「ほら、早くかえろう。スポブラとブレザーだけじゃ風邪ひいちゃうよ」

梓「はい、かえります」

唯「さむいね」

梓「はい」



唯「――それじゃあバイバイ」

梓「はい」

梓「……」

63 名前:修正[] 投稿日:2010/04/17(土) 21:49:25.04 ID:mL1NydIfP
唯「ああさむい」

唯「お風呂に入ろう」

唯「布団に入ろう」

唯「寝よう」



――――



梓「そうだ、おもいだした」

梓「唯先輩と物置で埋まってて」

梓「それから唯先輩が外に出たいって言うから二人で服を脱いで……」

梓「どうしてわすれていたんだろう」

梓「そうか、埋まった衝撃で忘れたのか!」

プルルルル

梓「唯先輩!! 思い出しましたよ」

尾張

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