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黒子「初春!パンをを買ってきなさい!!」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:18:42.21 ID:HhmlQtYn0 [1/23]
黒子「ふぅ、きょうは事件らしい事件も起きませんわねぇ
初春、売店に行ってあんバター入りのコッペパンといちごオレを買ってきなさい。長いス
トローも忘れずにね」
初春「いやですよ!いつも”お金は後で渡しますの~”なんて言ってるけど一度も払ってくれないじゃないですか!」
黒子「この鉄矢の餌食になりたいのですか!!」
黒子「ふぅ、きょうは事件らしい事件も起きませんわねぇ
初春、売店に行ってあんバター入りのコッペパンといちごオレを買ってきなさい。長いス
トローも忘れずにね」
初春「いやですよ!いつも”お金は後で渡しますの~”なんて言ってるけど一度も払ってくれないじゃないですか!」
黒子「この鉄矢の餌食になりたいのですか!!」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:20:43.37 ID:HhmlQtYn0 [2/23]
初春「(ちぇっ いくらなんでも酷いですよ……)」
佐天「おーっす初春~」
初春「佐天さん聞いてくださいよ。白井さんにまたパシリにされちゃったんですよ。
おまけにいくら催促してもお金は払ってくれないし。」
佐天「あーなんか前にも聞いたなー。」
初春「以前は10円ガムとかちょっとしたものだからいいかなーとは思ったんですけど……
今日なんてコッペパンといちごオレですよ!!」
佐天「じゃあさ、ちょっと仕返ししちゃおうか」
初春「えっ、いくらなんでもそれは……」
佐天「じゃあこのまま泣き寝入りするの?」
初春「……」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:23:04.88 ID:HhmlQtYn0
初春「一体どんなことをするんですか?あんまり酷いのはだめですよ」
佐天「ほら、この前化学の実験で液体窒素使ったじゃん。あれでいちごオレを凍らせて保温したまま
持ってくとか。」
初春「私の手が壊死しますよ!!」
佐天「そっか……それじゃあ……何も思いつかないな……
いっそ無視しちゃえば?」
初春「そんなの無理ですよ!」
佐天「はっ!!」ピコーン
初春「どうしたんですか佐天さん?」
佐天「御坂さんを利用しよう!」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:25:38.38 ID:HhmlQtYn0
佐天「あの二人は寮で同室でしょ。だから仲違いさせちゃおうよ。ギクシャクした関係、でも
同じ部屋に居なければならない。想像しただけでゾクゾクしない?」
初春「そ、そうですね……」(うわぁ、さすが佐天さんどす黒いよ)
佐天「そうと決まれば早速行動開始よ。怪しまれないように、今回のところは普通にパンと
いちごオレを買って渡しておいてね。私はいろいろ準備しとくから」
初春「はい……」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:27:27.98 ID:HhmlQtYn0
初春「(たしかに白井さんは嫌いだけど、なんだか心が痛む。)」
初春「(でも自業自得だよね。わたしだって嫌な思いしたんだから)」
初春「はい、買ってきましたよ」
黒子「あら、今日はやけに素直ですのね。いつもなら舌打ちくらいはしますのに」
初春「え?そうでしたっけ?ハハハ」
黒子「まあいいですわ。それより、今までつけにしといた分を渡しますわ。
実は2週間ほど前に財布を落としてしまいまして、朝晩の寮食だけでは少し足りず
初春の世話になっていたというわけですの。さきほど初春が出かけていた間に財布が届きまして。」
初春「えっ?それならそうといってくれればよかったのに」
黒子「風紀委員が不注意で財布をなくすなど、プライドが許さずつい言い出せなくて……
ごめんなさいですの、初春。」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:29:01.77 ID:HhmlQtYn0
トゥルルル トゥルルル
初春「ちょっと失礼します!」
ピッ
佐天「初春~?例の件、完了しましたよ。」
初春「ごめんなさい、さっきのは中止になりました。どうやら白井さんにも事情があったらしくて、お金は
さっき返してもらいました。」
佐天「え?その……もうやっちゃった……」
初春「ええっ?一体何をしたんですか」
佐天「御坂さんが大事にしてたそげぶさんの隠し撮り写真を破いて……」
初春「取り返しつかないじゃないですか!ていうかどうやって寮に侵入したんですか!?」
佐天「それは企業秘密だよ えっへん」
初春「えっへんじゃないですよ。それよりどうするんですか?」
佐天「チッ」
初春「!?」
佐天「だいたいあんたが勝手に勘違いしたのが悪いんじゃない!私は悪くないから!
じゃあそーゆーことで初春さん!!」プチッ
初春「どうしよう……」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:30:42.46 ID:HhmlQtYn0
初春「(どうしよう。でも私は何もしてないしほっといていいよね)」
固法「ふう、今日はこれくらいにして帰りましょうか」
黒子「はいですの」
初春「はい」(胃が痛む……)
佐天「(何よ、自分だって勘違いしたくせに全部あたしのせいだって言うの!?)」
佐天「(ホント頭に来るわよ!)」
佐天「(でも……)」
佐天「(ええい、悪いのは初春!忘れちゃえばいいのよ!)」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:33:00.24 ID:HhmlQtYn0
帰寮後
黒子「おねえさま~!」
御坂「……」
黒子「どうなさいましたの?」
御坂「……」
黒子「(どういう事ですの?私何かしましたかしら?)」
黒子「!?」
黒子「お姉さまその写真は?本棚の上から三段目の英和辞書に挟んで大事に保管しておりましたのに!」
御坂「へー、やっぱりあんただったんだ……」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:36:02.46 ID:HhmlQtYn0
御坂「あたしが居ない間に面白いことしてくれちゃったみたいね」ビリ
黒子「ちがいます!黒子は何も!」
御坂「じゃあなんで場所を知ってたのかしらね。」ビリビリ
黒子「うぅ……」
御坂「……」
黒子「お姉さま?」
御坂「……」
御坂 イヤホンで音楽を聴き始める
黒子「……」(私は何もしてませんのに……)
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:41:25.25 ID:HhmlQtYn0
数日後 支部にて
黒子「(はぁ、もう何日もお姉さまと話してませんわ…)」
黒子「(って、くよくよしても仕方ありませんの。なんとしても誤解を解かなければなりませんの!)」
黒子「(でも一体誰が何のためにこんな事を?)」
黒子「(まさか初春がこの前のことを恨んで?でも疑って気分を害されては困りますし……
まずは相談に乗ってもらう感じで話してみましょうか。)」
黒子「初春?お話したいことがあるのですが。ちょっと人気のないところに行きませんか?」
初春「えっ?あぁ、はい。」(バレた!?)
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:45:29.96 ID:HhmlQtYn0
公園のベンチにて
黒子「実はこの前、かくかくしかじかでして。」
初春「えぇ!?そんなことがあったんですか!?」(バレてない?)
黒子「……」(この反応、間違いありませんわ!初春は何か知っている!!)
シライサン?
黒子「……」(私の苦労の半生を甘くみてもらっては困りますの。他人の嘘を見破るなど容易いこと。
でもどう切り出したら……)」
初春「白井さん!どうしたんですか?」
黒子「えっ?あぁ、何でもありませんの。それで、犯人探しを初春にも手伝っていただきたいのですが。」
初春「もちろんですよ!」(よかった……バレてない。)
黒子「ありがとうですの。では支部に戻りましょうか。」
初春「はい!」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:47:45.36 ID:HhmlQtYn0
同じ日 支部に向かう途中
初春「(はぁ……佐天さん、最近支部に来てくれませんねぇ……)」
初春「(まあ、あんなことがあった後だし来づらいのは当然か……)」
初春「(佐天さんと目が合った……)」
初春「(あっ、気付かないふりされた……)」
初春「はぁ……」(やっぱりまだ怒ってますよね……)
佐天「(初春と御坂さんに謝った方がいいのかな……)」
佐天「(今度会ったら謝ろう!)」
佐天「(あっ、初春!?)」
佐天「(どうしよ。どうするあたし)」プイッ
佐天「はぁ……」(何やってんだあたし……)
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:50:50.42 ID:HhmlQtYn0
ある休日
トゥルルル トゥルルル
黒子「初春?今日お姉さまが部屋におりませんので、予定が空いていたら寮の方に来ていただきたいのですが。」
初春「わかりました。」(この前言ってた犯人探しかな。)
黒子「では部屋で待っておりますの。」
初
春、到着
黒子「申し訳ありませんねぇ、折角の休日に。」
初春「いえいえ、気にしないでください。それより犯人の目星はついてるんですか?」ドキドキ
黒子「い、いえ。全く見当がつきませんの。」
初春「そうですか……」ホッ
黒子「とりあえず部屋に何か痕跡が残されていないか調べましょうか。」
初春「はい。」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/16(金) 01:08:40.27 ID:HhmlQtYn0
ガサゴソ ガサゴソ
初春「!?」(これは、佐天さんの髪飾り……)
初春「(こんな初歩的なミスを犯すなんて。)」
初春「(どうしよう、隠した方がいいのかな……)」
黒子「初春、なにか見つかりましたか?」
黒子「それは佐天さんの!?」(初春が佐天さんに復讐を依頼し、その後誤解は解けたが遅すぎて佐天さんは
実行してしまった……と考えるのか自然でしょうか……)
黒子「初春、何か知っていたら教えていただけませんか。佐天さんとは親しいようですし。」
初春「……」
黒子「なんとか言ったらどうですの!」
初春「うぅ……」
黒子「初春!本当に何も知りませんの!?」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:11:06.51 ID:HhmlQtYn0
御坂「携帯忘れちゃった」タタタ
初春!本当に何も知りませんの!?
御坂「(黒子なに叫んでるの?初春さんって?)」
ガチャ
黒子「お姉さま!?今日は夜まで佐天さんと遊ぶはずでは?」
御坂「あら、教えた覚えはないんだけどね。ストーカーさん。」
御坂「それより、あんた初春さんに罪をなすりすけようなんて最低ね。」
黒子「それは誤解ですわ!!」
御坂「初春さん、こんなストーカーはほっといて遊びに行きましょう。」
初春「あっ、その……」
バタン
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:15:16.69 ID:HhmlQtYn0
黒子「お姉さま……初春……」ポロポロ
黒子「(もう嫌……死んでやる!!)」
その夜
寮監「御坂、白井が戻っていないようだが何か心当たりはあるか?」
御坂「いえ、何も」
寮監「そうか……」
パタン
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:19:33.69 ID:HhmlQtYn0
御坂「(はぁ、あいつが居ないと気楽でいいわね……)」
御坂「はぁ……」
御坂「(ん?何この紙。お姉さまへ?)」
―――――――――――――――――――――――――――――――――
お姉さまへ
黒子はもうお姉さまに迷惑を掛けたくありません。なので黒子はお姉さま
の前から消えることにしました。短い間ですがお姉さまと過ごした日々は
楽しかったです。さようなら。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
御坂「(なによこれ!?消えるってどういう事!?)」
御坂「(あのバカ、どれだけ私に迷惑かければ気が済むのよ)」
御坂「(こんな旧式の電子ロックなんて……ここをビリッと」
ピピッ
御坂「(開いた!)」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:25:40.02 ID:HhmlQtYn0
御坂「(どうせそこらのファミレスに居るでしょ。)」
――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――――――
御坂「(居ないわねぇ……)」
御坂「(いた!!)」
御坂「(なにあの子、ドリンクバーだけで朝まで粘るつもりだったの?)」
御坂「(走り回ってるうちに小腹が空いたし、何か食べていこうかな)」
ガー いらっしゃいませー
御坂「よっ!」
黒子「お姉さま!?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:27:27.93 ID:HhmlQtYn0
御坂「あの事はもう気にしなくていいわよ」
黒子「お姉さま!あ~ん、やっぱりお姉さまはおやさしいですわ~」
御坂「ちょ、他人の目があるでしょ。やめなさい///」
黒子「あの、お姉さま。実は今日部屋を調べたんですけど……佐天さんの髪飾りが見つかりまして。」
御坂「佐天さんの!?」
黒子「はいですの……」
御坂「なにか心当たりはないの?」
黒子「それが……かくかくしかじか……」
御坂「うーん。やっぱりそれが原因かしらねぇ。」
黒子「どうしたらいいでしょうか……」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:30:25.64 ID:HhmlQtYn0
御坂「まあ私に任せなさい。先輩としてバシッと解決してあげるから!」
黒子「ありがとうございます、お姉さま。」
御坂「あんたも反省しなきゃダメよ。初春さんが勘違いするのも無理ないわよ。」
黒子「はいですの……」
御坂「それよりさ、あたしがおごってあげるからなんか食べよ!ドリンクバーだけじゃ寂しいでしょ?」
黒子「うぅ、ありがとうございます。実は財布はお札が抜かれて小銭だけ帰ってきたんですの。
初春にお金を返したら殆ど残らず……それでドリンクバーしか頼めなくて……」ポロポロ
御坂「はいもう泣かない!好きなの注文しなさい!」
御坂「ふぅ、美味しかった。」
黒子「ありがとうございます、おねえさま。」
御坂「それじゃあ帰りましょうか」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:33:52.83 ID:HhmlQtYn0
翌日 支部にて
黒子「(はぁ、お姉さまには支部で待てといわれましたが……)」
黒子「(一体どうするのでしょう……)」
ガチャ
御坂「こんにちはー。」
黒子「あら、お姉さま……と、みなさん……」
初春「どうも……」
佐天「……」
黒子「(やはりいつもの髪飾りをつけていない……)」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:37:54.10 ID:HhmlQtYn0
佐天「……」
初春「……」
黒子「……」(嫌な汗が出てきましたわ……)
御坂「佐天さん、初春さん。さっき話してくれたこと、ちゃんと黒子に伝えられるわね?」
初春「はい……」
佐天「……」
御坂「佐天さん?できるわよね?」
佐天「うっ、うわあああん」ポロポロ
佐天「ごめんなさい。全部私が悪いんです!」ポロポロ
初春「ちがいます、私が悪いんです!」ポロポロ
佐天と初春はすべてを話し、ともに黒子に謝罪した。
黒子は受け入れ、そして黒子もまた二人に謝罪した。
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:46:03.74 ID:HhmlQtYn0
次の休日、和解の印に4人で街に遊びに出た。
佐天「そうだ、プリクラでも撮りませんか?」
一同「さんせー!」
黒子「おねえさま~ん」
御坂「あんたくっつきすぎよ!」
佐天「ふたりとも仲良しですね!」
初春「佐天さん、私たちも!」ピタッ
パシャッ
とある4人の勘違い 完
"ミステーク"
初春「(ちぇっ いくらなんでも酷いですよ……)」
佐天「おーっす初春~」
初春「佐天さん聞いてくださいよ。白井さんにまたパシリにされちゃったんですよ。
おまけにいくら催促してもお金は払ってくれないし。」
佐天「あーなんか前にも聞いたなー。」
初春「以前は10円ガムとかちょっとしたものだからいいかなーとは思ったんですけど……
今日なんてコッペパンといちごオレですよ!!」
佐天「じゃあさ、ちょっと仕返ししちゃおうか」
初春「えっ、いくらなんでもそれは……」
佐天「じゃあこのまま泣き寝入りするの?」
初春「……」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:23:04.88 ID:HhmlQtYn0
初春「一体どんなことをするんですか?あんまり酷いのはだめですよ」
佐天「ほら、この前化学の実験で液体窒素使ったじゃん。あれでいちごオレを凍らせて保温したまま
持ってくとか。」
初春「私の手が壊死しますよ!!」
佐天「そっか……それじゃあ……何も思いつかないな……
いっそ無視しちゃえば?」
初春「そんなの無理ですよ!」
佐天「はっ!!」ピコーン
初春「どうしたんですか佐天さん?」
佐天「御坂さんを利用しよう!」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:25:38.38 ID:HhmlQtYn0
佐天「あの二人は寮で同室でしょ。だから仲違いさせちゃおうよ。ギクシャクした関係、でも
同じ部屋に居なければならない。想像しただけでゾクゾクしない?」
初春「そ、そうですね……」(うわぁ、さすが佐天さんどす黒いよ)
佐天「そうと決まれば早速行動開始よ。怪しまれないように、今回のところは普通にパンと
いちごオレを買って渡しておいてね。私はいろいろ準備しとくから」
初春「はい……」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:27:27.98 ID:HhmlQtYn0
初春「(たしかに白井さんは嫌いだけど、なんだか心が痛む。)」
初春「(でも自業自得だよね。わたしだって嫌な思いしたんだから)」
初春「はい、買ってきましたよ」
黒子「あら、今日はやけに素直ですのね。いつもなら舌打ちくらいはしますのに」
初春「え?そうでしたっけ?ハハハ」
黒子「まあいいですわ。それより、今までつけにしといた分を渡しますわ。
実は2週間ほど前に財布を落としてしまいまして、朝晩の寮食だけでは少し足りず
初春の世話になっていたというわけですの。さきほど初春が出かけていた間に財布が届きまして。」
初春「えっ?それならそうといってくれればよかったのに」
黒子「風紀委員が不注意で財布をなくすなど、プライドが許さずつい言い出せなくて……
ごめんなさいですの、初春。」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:29:01.77 ID:HhmlQtYn0
トゥルルル トゥルルル
初春「ちょっと失礼します!」
ピッ
佐天「初春~?例の件、完了しましたよ。」
初春「ごめんなさい、さっきのは中止になりました。どうやら白井さんにも事情があったらしくて、お金は
さっき返してもらいました。」
佐天「え?その……もうやっちゃった……」
初春「ええっ?一体何をしたんですか」
佐天「御坂さんが大事にしてたそげぶさんの隠し撮り写真を破いて……」
初春「取り返しつかないじゃないですか!ていうかどうやって寮に侵入したんですか!?」
佐天「それは企業秘密だよ えっへん」
初春「えっへんじゃないですよ。それよりどうするんですか?」
佐天「チッ」
初春「!?」
佐天「だいたいあんたが勝手に勘違いしたのが悪いんじゃない!私は悪くないから!
じゃあそーゆーことで初春さん!!」プチッ
初春「どうしよう……」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:30:42.46 ID:HhmlQtYn0
初春「(どうしよう。でも私は何もしてないしほっといていいよね)」
固法「ふう、今日はこれくらいにして帰りましょうか」
黒子「はいですの」
初春「はい」(胃が痛む……)
佐天「(何よ、自分だって勘違いしたくせに全部あたしのせいだって言うの!?)」
佐天「(ホント頭に来るわよ!)」
佐天「(でも……)」
佐天「(ええい、悪いのは初春!忘れちゃえばいいのよ!)」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:33:00.24 ID:HhmlQtYn0
帰寮後
黒子「おねえさま~!」
御坂「……」
黒子「どうなさいましたの?」
御坂「……」
黒子「(どういう事ですの?私何かしましたかしら?)」
黒子「!?」
黒子「お姉さまその写真は?本棚の上から三段目の英和辞書に挟んで大事に保管しておりましたのに!」
御坂「へー、やっぱりあんただったんだ……」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:36:02.46 ID:HhmlQtYn0
御坂「あたしが居ない間に面白いことしてくれちゃったみたいね」ビリ
黒子「ちがいます!黒子は何も!」
御坂「じゃあなんで場所を知ってたのかしらね。」ビリビリ
黒子「うぅ……」
御坂「……」
黒子「お姉さま?」
御坂「……」
御坂 イヤホンで音楽を聴き始める
黒子「……」(私は何もしてませんのに……)
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:41:25.25 ID:HhmlQtYn0
数日後 支部にて
黒子「(はぁ、もう何日もお姉さまと話してませんわ…)」
黒子「(って、くよくよしても仕方ありませんの。なんとしても誤解を解かなければなりませんの!)」
黒子「(でも一体誰が何のためにこんな事を?)」
黒子「(まさか初春がこの前のことを恨んで?でも疑って気分を害されては困りますし……
まずは相談に乗ってもらう感じで話してみましょうか。)」
黒子「初春?お話したいことがあるのですが。ちょっと人気のないところに行きませんか?」
初春「えっ?あぁ、はい。」(バレた!?)
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:45:29.96 ID:HhmlQtYn0
公園のベンチにて
黒子「実はこの前、かくかくしかじかでして。」
初春「えぇ!?そんなことがあったんですか!?」(バレてない?)
黒子「……」(この反応、間違いありませんわ!初春は何か知っている!!)
シライサン?
黒子「……」(私の苦労の半生を甘くみてもらっては困りますの。他人の嘘を見破るなど容易いこと。
でもどう切り出したら……)」
初春「白井さん!どうしたんですか?」
黒子「えっ?あぁ、何でもありませんの。それで、犯人探しを初春にも手伝っていただきたいのですが。」
初春「もちろんですよ!」(よかった……バレてない。)
黒子「ありがとうですの。では支部に戻りましょうか。」
初春「はい!」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:47:45.36 ID:HhmlQtYn0
同じ日 支部に向かう途中
初春「(はぁ……佐天さん、最近支部に来てくれませんねぇ……)」
初春「(まあ、あんなことがあった後だし来づらいのは当然か……)」
初春「(佐天さんと目が合った……)」
初春「(あっ、気付かないふりされた……)」
初春「はぁ……」(やっぱりまだ怒ってますよね……)
佐天「(初春と御坂さんに謝った方がいいのかな……)」
佐天「(今度会ったら謝ろう!)」
佐天「(あっ、初春!?)」
佐天「(どうしよ。どうするあたし)」プイッ
佐天「はぁ……」(何やってんだあたし……)
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:50:50.42 ID:HhmlQtYn0
ある休日
トゥルルル トゥルルル
黒子「初春?今日お姉さまが部屋におりませんので、予定が空いていたら寮の方に来ていただきたいのですが。」
初春「わかりました。」(この前言ってた犯人探しかな。)
黒子「では部屋で待っておりますの。」
初
春、到着
黒子「申し訳ありませんねぇ、折角の休日に。」
初春「いえいえ、気にしないでください。それより犯人の目星はついてるんですか?」ドキドキ
黒子「い、いえ。全く見当がつきませんの。」
初春「そうですか……」ホッ
黒子「とりあえず部屋に何か痕跡が残されていないか調べましょうか。」
初春「はい。」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/16(金) 01:08:40.27 ID:HhmlQtYn0
ガサゴソ ガサゴソ
初春「!?」(これは、佐天さんの髪飾り……)
初春「(こんな初歩的なミスを犯すなんて。)」
初春「(どうしよう、隠した方がいいのかな……)」
黒子「初春、なにか見つかりましたか?」
黒子「それは佐天さんの!?」(初春が佐天さんに復讐を依頼し、その後誤解は解けたが遅すぎて佐天さんは
実行してしまった……と考えるのか自然でしょうか……)
黒子「初春、何か知っていたら教えていただけませんか。佐天さんとは親しいようですし。」
初春「……」
黒子「なんとか言ったらどうですの!」
初春「うぅ……」
黒子「初春!本当に何も知りませんの!?」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:11:06.51 ID:HhmlQtYn0
御坂「携帯忘れちゃった」タタタ
初春!本当に何も知りませんの!?
御坂「(黒子なに叫んでるの?初春さんって?)」
ガチャ
黒子「お姉さま!?今日は夜まで佐天さんと遊ぶはずでは?」
御坂「あら、教えた覚えはないんだけどね。ストーカーさん。」
御坂「それより、あんた初春さんに罪をなすりすけようなんて最低ね。」
黒子「それは誤解ですわ!!」
御坂「初春さん、こんなストーカーはほっといて遊びに行きましょう。」
初春「あっ、その……」
バタン
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:15:16.69 ID:HhmlQtYn0
黒子「お姉さま……初春……」ポロポロ
黒子「(もう嫌……死んでやる!!)」
その夜
寮監「御坂、白井が戻っていないようだが何か心当たりはあるか?」
御坂「いえ、何も」
寮監「そうか……」
パタン
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:19:33.69 ID:HhmlQtYn0
御坂「(はぁ、あいつが居ないと気楽でいいわね……)」
御坂「はぁ……」
御坂「(ん?何この紙。お姉さまへ?)」
―――――――――――――――――――――――――――――――――
お姉さまへ
黒子はもうお姉さまに迷惑を掛けたくありません。なので黒子はお姉さま
の前から消えることにしました。短い間ですがお姉さまと過ごした日々は
楽しかったです。さようなら。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
御坂「(なによこれ!?消えるってどういう事!?)」
御坂「(あのバカ、どれだけ私に迷惑かければ気が済むのよ)」
御坂「(こんな旧式の電子ロックなんて……ここをビリッと」
ピピッ
御坂「(開いた!)」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:25:40.02 ID:HhmlQtYn0
御坂「(どうせそこらのファミレスに居るでしょ。)」
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御坂「(居ないわねぇ……)」
御坂「(いた!!)」
御坂「(なにあの子、ドリンクバーだけで朝まで粘るつもりだったの?)」
御坂「(走り回ってるうちに小腹が空いたし、何か食べていこうかな)」
ガー いらっしゃいませー
御坂「よっ!」
黒子「お姉さま!?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:27:27.93 ID:HhmlQtYn0
御坂「あの事はもう気にしなくていいわよ」
黒子「お姉さま!あ~ん、やっぱりお姉さまはおやさしいですわ~」
御坂「ちょ、他人の目があるでしょ。やめなさい///」
黒子「あの、お姉さま。実は今日部屋を調べたんですけど……佐天さんの髪飾りが見つかりまして。」
御坂「佐天さんの!?」
黒子「はいですの……」
御坂「なにか心当たりはないの?」
黒子「それが……かくかくしかじか……」
御坂「うーん。やっぱりそれが原因かしらねぇ。」
黒子「どうしたらいいでしょうか……」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:30:25.64 ID:HhmlQtYn0
御坂「まあ私に任せなさい。先輩としてバシッと解決してあげるから!」
黒子「ありがとうございます、お姉さま。」
御坂「あんたも反省しなきゃダメよ。初春さんが勘違いするのも無理ないわよ。」
黒子「はいですの……」
御坂「それよりさ、あたしがおごってあげるからなんか食べよ!ドリンクバーだけじゃ寂しいでしょ?」
黒子「うぅ、ありがとうございます。実は財布はお札が抜かれて小銭だけ帰ってきたんですの。
初春にお金を返したら殆ど残らず……それでドリンクバーしか頼めなくて……」ポロポロ
御坂「はいもう泣かない!好きなの注文しなさい!」
御坂「ふぅ、美味しかった。」
黒子「ありがとうございます、おねえさま。」
御坂「それじゃあ帰りましょうか」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:33:52.83 ID:HhmlQtYn0
翌日 支部にて
黒子「(はぁ、お姉さまには支部で待てといわれましたが……)」
黒子「(一体どうするのでしょう……)」
ガチャ
御坂「こんにちはー。」
黒子「あら、お姉さま……と、みなさん……」
初春「どうも……」
佐天「……」
黒子「(やはりいつもの髪飾りをつけていない……)」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:37:54.10 ID:HhmlQtYn0
佐天「……」
初春「……」
黒子「……」(嫌な汗が出てきましたわ……)
御坂「佐天さん、初春さん。さっき話してくれたこと、ちゃんと黒子に伝えられるわね?」
初春「はい……」
佐天「……」
御坂「佐天さん?できるわよね?」
佐天「うっ、うわあああん」ポロポロ
佐天「ごめんなさい。全部私が悪いんです!」ポロポロ
初春「ちがいます、私が悪いんです!」ポロポロ
佐天と初春はすべてを話し、ともに黒子に謝罪した。
黒子は受け入れ、そして黒子もまた二人に謝罪した。
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/16(金) 01:46:03.74 ID:HhmlQtYn0
次の休日、和解の印に4人で街に遊びに出た。
佐天「そうだ、プリクラでも撮りませんか?」
一同「さんせー!」
黒子「おねえさま~ん」
御坂「あんたくっつきすぎよ!」
佐天「ふたりとも仲良しですね!」
初春「佐天さん、私たちも!」ピタッ
パシャッ
とある4人の勘違い 完
"ミステーク"
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