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一方通行「……ちょっと、三重行ってくる」
1 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/03(土) 19:38:35.44 ID:ljmE98c0 [1/8]
・一方さんがひょんなことから三重に行きました
(前スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269524911/)
・ミサカ18264号=自称北欧出身の毒舌
・ミサカ13874号=三重在住
・一応かくれンぼ→ジンギスカンパーリィ→(缶蹴り→)焼き肉パーリィの続き
・一方さんがひょんなことから三重に行きました
(前スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269524911/)
・ミサカ18264号=自称北欧出身の毒舌
・ミサカ13874号=三重在住
・一応かくれンぼ→ジンギスカンパーリィ→(缶蹴り→)焼き肉パーリィの続き
11 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/03(土) 20:07:58.38 ID:ljmE98c0 [2/8]
男湯
カポーン
一方通行「アー、やべェ、すげェイイ湯だわこれ」
上条「ふう……日常の疲れが癒されるぜ……」
一方通行「毎日あのシスターと一緒ってなァけっこうめンどそォだよなァ」
上条「わかるか? 毎日毎日朝から晩まで『とうまー、ご飯は? ねえご飯は?』で、ちょっと女の子と話しただけでガブリだからな。
おかげで俺の頭は本当にウニになっちまいそうだ」
一方通行「ウニになったら間違いなく噛み付かれるどころじゃすまねェな。食われる」
上条「あーちくしょー……いい湯だなあ」
一方通行「なンかあったよなァ、いい湯的な歌がよォ」
女湯
インデックス「ババンババンバンバン♪」
打ち止め「アビバノンノン♪」
インデックス「ババンババンバンバン♪」
打ち止め「アビバビバビバ♪」
美琴「ねえこの湯って何か効能あるの?」
13874「美肌とかそこらへんじゃないでしょうか、とミサカは実にアバウトな答えを返します」
18264「ゆるいパーマのかかった一方通行……いやだめだそれはだめだとミサカは否定します」
打ち止め「案外似合うと思うけどなってミサカはミサカはオシャレパーマ一方通行を肯定してみる」
男湯(トイレ)
20000「男装すればバレない? いやでもマッパになるんだしやっぱり清掃員か……
アフロか何か持ってくるべきでしたとミサカは変装道具のない自分に辟易します」
14 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/03(土) 20:20:31.79 ID:ljmE98c0
女湯
黒子「お姉様、わたくしボディソープを『ついうっかり』忘れてしまいましたの。貸してくださいな」
美琴「いいわよー、適当に使って」
打ち止め「ミサカも持ってるけどお姉様の借りたいなってミサカはミサカはお姉様に上目遣いで頼み込んでみる!」
美琴「どーぞどーぞ、ってかいちいち許可取んなくてもいいわよめんどくさい」
18264「……上位個体、その、シャンプーとか一式貸してください、とミサカは意を決して頼みます」
打ち止め「いいよーってミサカはミサカは13874号に髪を洗ってもらいながら許可を出してみたり」
13874「はーい今からシャワーかけまーす、目をつむってくださーい、とミサカは上位個体に宣言しつつシャワーで彼女のシャンプーを洗い流します」
18264(べつにこれが一方通行が使用しているものと同じとは限らないしそもそも同じブランドのシャンプーを使ったところでどうというわけでもないだろとミサカは考えます)
インデックス「ふいーすっきりー。あれ、毒舌なんで顔赤くなってるの?」
黒子「同じ香り、に酔うのもまた一興ですわ」
18264「!?!?」
黒子「あら図星ですの、と言いたいところですがわたくしも同じ穴のムジナですわ」
美琴「……黒子、アンタそういえば自分のバスグッズ一式しっかり持ってきてたわよねぇ……?」
男湯(脱衣所)
20000「清掃中の看板を立てておいたので他の男性が来ることはありませんが、とミサカは自分の計画的犯行っぷりに感動します」
20000「しかし、このまま浴場に行っても痴女扱いもしくはスルーですね、とミサカはどちらにしても楽しめる自分の万能っぷりに感動します」
20000「でもなー、せっかくだし変装してバレないように清掃員として観察したいなー、とミサカは欲望を曝け出します」
ガララララ
20000「? 誰でしょうか、来るはずないのに、とミサカは何食わぬ顔で出迎えま――!」
17600「どうもプロスネークこと17600号です、とミサカはMNW随一の変態こと20000号に挨拶をし、自分のスペシャルグッズを手渡します」
17 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/03(土) 20:35:21.68 ID:ljmE98c0
男湯
一方通行「そろそろ露天風呂でも行くか、先客がいるかもしれねェが」
上条「え、あ、もう行くのか? えー、あの、心の準備とかさ」
一方通行「ンなもンいらねェよ。タオル巻くだろォが」
上条「それはそうだけどな! でも一応あいつら年下だけど異性だからな!」
一方通行「まァ、べつに年上の女の裸でも簡単には発情しねェけどよォ」
上条「何お前そういうベクトル操作までできるのかよ? すごすぎだろ」
一方通行「そういうベクトル操作ってどォいうベクトル操作だコラ」ザパッ
上条「……いやあ、白いですよね」
一方通行「どォこ見て言ってンですかァ上条くン? オラ、とっとと行くぞ」
上条「いやだから上条さんは紳士だけれどもさすがに裸とか見たらどきどきするし勃起勃起しかねないっていうかあの」ズルズルズル
一方通行「あン?」
上条「なんで一方通行はしっかりタオル巻いてるのに俺は露出したまま行かなきゃいけないんだ!」
一方通行「あ、ワリ。素でお前の下半身のこと忘れてた」
女湯
打ち止め「もうそろそろあの人が飽きて露天風呂に行く頃合かなってミサカはミサカはあの人の行動を先読みしてみる」
美琴「あーそうなのーほんとーじゃあしょうがないしいこっかー」
黒子「お姉様、緊張なさっているのがバレバレですの。そこまであの殿方と鉢合わせするのがお嫌なら無理に行かなくても」
インデックス「みんなでいったほうが楽しいに決まってるんだよ」
13874「もしかしれば上条当麻はこないかもしれませんね、とミサカは一方通行が説得できなかった場合を考慮します」
18264「その場合はセロリもこないのでしょうか、とミサカはちょっと疑問を抱きます」
31 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/03(土) 21:39:49.42 ID:ljmE98c0
男湯(脱衣所)
17600「いくらミサカがプロスネークだと言ってもさすがに中までは行けないので代行は任せました、とミサカは手をあげてハイタッチを要求します」
20000「おk任せろ、とミサカはレインボーアフロをかぶりちょび髭を蓄えサングラスを装着しつつ17600号の手に手を重ねます」
パンッ
17600・20000「「交・渉・成・立!」」
男湯
ガララララ
20000「ずびばぜん、ぜいぞういんのものでずがあ、……ってあれ? 誰もいねえし!
とミサカは声を変えてまで別人を演出したのにもぬけの殻である浴場を見て呆然とします」
39 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/03(土) 21:50:52.07 ID:ljmE98c0
露天風呂
一方通行「お約束っちゃお約束だけどよォ。湯気で周りがかすンでやがる」
上条(これならなんとかやり過ごせそうだ、よかった)
打ち止め「あれ、やっぱりもういたのねってミサカはミサカは猛ダッシュしてざっぱーんっ!」
バシャーン
一方通行「うぐァ……ッ! クソガキオマエふざけンなよお湯が目に入っただろォが!」
打ち止め「えへへーごめんなさいってミサカはミサカは可愛らしく舌を出して謝ってみたり」
一方通行「ちっとも可愛くねェンだよ。ンで? 他の連中はどォしたよ」
打ち止め「お姉様達は来るか来ないかでちょっともめてるのってミサカはミサカは密告してみる。
でもそっちのあなたがいるなら最初から来たほうがよかったのにねってミサカはミサカは苦笑してみたり」
上条「へ、俺?」
一方通行「チィ、これだから女はめンどくせェ。超電磁砲共を呼ンで来い、三下もいますってなァ」
打ち止め「りょうかーいってミサカはミサカはちょっと女湯に戻ってみる!」
上条「え、おい呼んでくるのか? 来たくないんじゃないのか?」
一方通行「嫌よ嫌よも好きのうち、って言うだろォが。女ってェのはそォいう生き物なンだよ」
上条「……一方通行、お前も色々大変なんだな」
一方通行「はァ?」
上条「確かに悪人面だけどさ、さっきのいい湯だなーってときの顔は輝いてたよ、お前。うん、モテると思う。上条さんもモテたいですよ」
一方通行(超電磁砲の気持ちはまったく届いてねェのか、こいつ……)
43 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/03(土) 21:54:29.14 ID:ljmE98c0
女湯
打ち止め「というわけで、ツンツン頭のヒーローも混浴にいたよってミサカはミサカは報告してみる。
じゃあミサカはあの人と遊んでくるねってミサカはミサカはまたまた混浴にいってきまーす!」
美琴「……、……」
黒子「お姉様? どうしましたの?」
18264「仕方ないんでミサカが偵察がてら行ってきます、仕方なく、とミサカはさっさと女湯を出ます」
13874「18264号がぶっ倒れたときに介抱しなければならないので、とミサカも彼女の後に続きます」
インデックス「とうまがいるなら行ってこようかなー」
美琴「……、……」プシュゥ
黒子(緊張のしすぎでへたり込んでしまいましたの)
美琴「……く、ろこ」
黒子「はい! なんですの、お姉様」
美琴「いき、たいんだけど、さ……」
黒子「どうしましたの?」
美琴「ちょ、ちょっとだけ、ちょっとだけよ? は、だかをね、想像したら、もう、立てない……」
黒子(これがわたくしに対しての言葉だったら全力で抱きしめてしまえますのにあの類人猿めぇぇぇえええええ!!!)
女湯(脱衣所)
17600「あーそろそろ入りたいなあ、とミサカは呟いてみますがオリジナルが無事に露天風呂に行くまでは待機しておこうと決心します」
57 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/03(土) 22:15:20.98 ID:ljmE98c0
露天風呂
13874「ふー、景色が最高ですね、とミサカは両腕をしっかり端っこにかけながら呟きます」
一方通行「ア? オマエ来たことなかったンかよ」
13874「口コミでしか知りませんでした、とミサカは言ってのけます。そもそも研究所からあまり出ませんから、とミサカは付け加え……おや、18264号が別の世界に行っていますね」
18264「セロリもやしセロリもやしセロリもやしセロリもやしセロリもやしセロリもやし」
打ち止め「精神統一のひとつだねってミサカはミサカは感心してみたり」
一方通行「どこがだァ? ありゃどう聞いても俺を馬鹿にしてンだろォが」
インデックス「バタ足バタ足なんだよ」バシャバシャ
上条「あーもうやめろインデックス! 今は他の客がいないからいいけど!」
一方通行(どこのガキも変わンねェ……)
打ち止め「なんでミサカを呆れた目で見るのってミサカはミサカはおとなしくしていることをアピールしてみる!」
一方通行「おーおー偉いですねェ打ち止めちゃン」ワシャワシャ
打ち止め「だからなんでわざとらしく髪を掻き乱すのってミサカはミサカは怒ってみるけど嬉しかったり」
18264「あ、……(いいなあ……って違う違うむしろあれ上位個体ざまあwwwなとこだろとミサカは自分に言い聞かせます)」
13874「一方通行、18264号もおとなしくしてますよとミサカは進言してみます」
一方通行「あン?」
77 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 00:18:50.46 ID:KhX0d2s0 [1/18]
露天風呂
18264「ミサカはもともとおとなしいんですけどね、とミサカは冷めた目で上位個体の頭に手を乗せたままの一方通行を見ます」
一方通行「オイコラ、オマエのどこがおとなしいってンだ?」
13874「ほらほら、そんな彼女が今は静かにしてるんですとミサカは一方通行を急きたててみます」
一方通行「……?」
18264「べつに客に迷惑だからとかそういうことを考えているわけではなくミサカはTPOというものを弁えられる分別のある大人の女なので、とミサカは前置きをしておきます」
打ち止め(13874号はみんなに優しいのねってミサカはミサカは感動してみる。
この人は大切な人だけど、18264号だって大切な「お姉様」のひとりだしなってミサカはミサカは考えてみたり)
18264「決してセロリの前でちょっと静かにしとこうとかたまには落ち着こうとかそういう考えに達したわけではありませんとミサカは告げます」
一方通行「……?」
上条「えーっと、つまりあれだろ? 18264号は一方通行に褒めてもらいたいんだろ」
18264「!?」
一方通行「……へーェ、俺に。この俺に、褒めてもらいたいンですかァ?」
18264「んなわけねーだろイキがってんじゃねーぞこのもやしセロ、ッ?」
ポンポン
一方通行「よく騒がずにいられましたね、ってかァ」ニヤニヤ
18264「~~~ッふっざけんなよこのセロリセロリセロリめとミサカは勢いよく立ち上がりそのまま逃亡します!」ダダッ
インデックス「あー、行っちゃったんだよ」
上条「ってか一方通行、お前わざとやってません?」
一方通行「まっさかァ」
打ち止め「逃げても同じ部屋なのにねってミサカはミサカは苦笑してみるけど、18264号の反応は個性が出てきて面白いかもって思い返してみたり」
13874「そういえばオリジナルとジャッジメントはまだ来ませんね、とミサカはふたりを案じます」
81 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 00:31:25.55 ID:KhX0d2s0 [2/18]
女湯
美琴「よ、よし、行く。行くわよ黒子!」
黒子「ええ、そこまで気負う必要がどこにあるかは存じませんが」
ヒュオッ
18264「バカセロリアホモヤシバカセロリアホモヤシバカセロリアホモヤシバカセロリアホモヤシバカセロリアホモヤシバカセロリアホモヤシ……ッ!」ズダダダダダダダッ
美琴「なに、今の」
黒子「お姉様の妹さんですの。随分真っ赤でしたわ、何か向こうであったのでしょうか」
美琴(こういうときって大抵あのバカが絡んでるのよね)
美琴「急いで行くっきゃないわ!」ダッ
黒子「あ、お待ちになってお姉様! タオル! タオルを巻いてくださいまし!」
露天風呂
上条「なんかこうしてると、補習なんてちっぽけに思えてくるな……」
一方通行「ちっぽけかどォかは知らねェが、あっち戻ったら補習だろォが」
13874「学生は大変ですね、とミサカは自分がクローンであることに少し感謝します」
インデックス「でもお留守番も大変なんだよ。おなかすくし暇だし」
上条「お前はそのたびに食って寝てテレビ観て、の繰り返しだろ」
打ち止め「シスターさんの生活サイクルとは思えないってミサカはミサカはびっくりしてみる」
インデックス「たまにお祈りもしてるかも」
一方通行「オマエはお祈り<食べること、じゃねェのかァ?」
上条「激しく同意する」
インデックス「ひどいんだよ」
打ち止め「うー、なんかちょっとくらくらするかも、ってミサカはミサカはぐだってみたりー」
13874「のぼせてしまったのかもしれません、とミサカは上位個体の頬が紅潮していることを確かめます」
一方通行「アー、ったく面倒ばっかかけさせやがって」
83 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 00:48:50.14 ID:KhX0d2s0 [3/18]
露天風呂
一方通行「オラ、クソガキ。とっとと上がれ」
打ち止め「でもお姉様達がまだきてないよってミサカはミサカは」
一方通行「向こう見てみろ、ちょうど今走って来てンだろォ」
打ち止め「うーん、目をこらしてもあんまり見えないってミサカはミサカは目を細めてみる」
一方通行「オマエがのぼせて動けなくなったらめンどくせェンだよ。上がれ、抱っこされてェのか」
打ち止め「あなたの口から抱っこだなんて言葉が出てくるとは! ってミサカはミサカは喜び半分驚き半分で目を丸くしてみたり」
上条(なんだこの会話)
インデックス(つっこんじゃ負けなんだよとうま)
13874(ここまで過保護だと感心します、とミサカは呟いてみます。おっと、オリジナルとジャッジメントがやってきましたね、とミサカは状況説明をします)
美琴「はぁ、はぁ、……アンタは何したのよぉぉおお!」
上条「えっいきなり現れてなんだその言葉っ!?」
黒子「先ほど毒舌気味な妹さんが走り抜けて行きましたの」
インデックス「それなら原因はあくせられーたなんだよ」
美琴「なんですってぇ?」
一方通行「おォやべェこのままだと打ち止めがのぼせて死ンじまう、じゃァ後はよろしくやっとけ三下共」ザパッ
打ち止め「あー待って待ってってミサカはミサカは慌ててあなたを追いかける!」
13874「ええっと、それではミサカもシスターさんと一緒に出ることにします、とミサカは一方通行と上位個体の後に続きます」
黒子「え、ちょっ、待ってくださいまし!」
美琴「そそそそうよアンタらここでいなくなるなんてそんなの」
上条「なんだ、ビリビリは浸かっていかないのか?」
美琴「う、う……ッ」
115 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 10:02:19.08 ID:KhX0d2s0 [4/18]
露天風呂から移動中
打ち止め「ツインテールさん置いてきちゃったんじゃないのかなってミサカはミサカは考えてみる」
一方通行「あン? あのガキは適当に空気読むだろォ……読ンだ上でブチ壊すかもしンねェけどよ」
13874「今回の旅であなたがオリジナルと上条当麻をうまいことくっつけようとしているのがよくわかりました、とミサカは隣に並んで話しかけます」
インデックス「短髪ととうま!? えーなんでー!?」
一方通行「喧しいンですよォクソガキ共が。俺ァ見ててイライラするだけだっつのォ」
打ち止め「さすが一方通行、恋のベクトル操作もお手のものーってミサカはミサカはからかってみたりいたたたたたたたた」ギュギュギュギュー
一方通行「そンなに頬つねられてェなら思う存分可愛がってあげますよォ?」ギリギリギリ
13874「つねりすぎで上位個体がちょっと浮いてます、とミサカは一方通行を止める努力をしま――おや、もう男湯と女湯に分かれますね」
インデックス「また後でねなんだよあくせられーた!」ダダッ
一方通行「おォ、騒いで他の客に迷惑かけンなよォ。ガキ、オマエもな」
打ち止め「わかってるもんってミサカはミサカは子どもじゃないことをアピールしつつ、女湯に戻ってみる」
男湯
一方通行「にしても、まさか微塵も気づいてねェとはよォ……災難だなァ、超電磁砲も」
一方通行「もう一回入って、ンでサウナでも使ってみっか。どォせガキは着替え遅ェだろォし」
20000(さてセロリたんが戻ってきたわけだがあいにく独り言が聞こえないなぜならミサカはサウナにいるからです、
とミサカはアフロが蒸れてきたのを実感しつつ相手の出方を待ちます)
118 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 10:16:44.27 ID:KhX0d2s0 [5/18]
男湯
チャポーン
一方通行「ふゥ……そォいや20000号は無事に戻れたのかァ? たしかノボシビルスクから来たとか言ってたけどよォ」
一方通行「18264号も北欧戻るときめンどくせェだろォな……ってかあいつは北欧のどこ出身だ……?」ザパッ
一方通行「サウナ、ねェ。入ったこともねェぞ、まさかとは思うが目に何か入ってきたりしねェよなァ」
スタスタスタ
20000(なぜか気配がするとても気配がするまさかセロリたん!? おおっとレインボーアフロ再確認、オーケー。ちょび髭ずれてない? オーケー。サングラスは……ちょっと曇ってるけどまあいいや。
さあいつでも来るがいい! そしてミサカを踏んでなぶって痛めつけてくださいハァハァ)
一方通行「アー、何なに? 小さいお子様の長時間のご利用はお控えくださいィ……? あのクソガキ、使わねェだろォな。大丈夫かあいつ」
一方通行「で、体調に異変を感じた場合はすぐご利用を中止してください、ってか。よくわかンねェけどサウナってなァバトルフィールドかァ?」
一方通行「なるほど、そォいえばさっきから異常に湯気やら妙な空気が駄々漏れだなァ。上等ォ、サウナパーリィも楽しめそォじゃねェかッ!」
女湯
打ち止め「奥のほうにサウナがあるよってミサカはミサカは13874号の手を引っ張ってみたり。
せっかくだし入ってみたいなってミサカはミサカは思いのたけを伝えてみるんだけど」
13874「数分程度なら構いません、とミサカは譲歩します。
それ以上利用するとぶっ倒れてしまうかもしれませんし、そうなったら一方通行がこわいので、とミサカは内情を告白します」
モワモワ
インデックス「うっわー熱い暑いあついんだよー」
打ち止め「うー……やっぱりもういいやってミサカはミサカはちょっと熱くなってるドアを懸命に押してみる」
13874「やっぱりまだ上位個体には早いですね、とミサカは後ろからドアを開けつつ姉のような気持ちで彼女に微笑みかけます」
119 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 10:31:15.03 ID:KhX0d2s0 [6/18]
男湯(サウナ)
一方通行「よし、開けるぜェ……!」
ギィィーッ
20000「(キタ――――!!!! どうせバレると思うけどここは形だけでも清掃員のふりして声も変えよう、とミサカは考えました)
……ゴホン、どうも、ぜいぞういんでず」
一方通行「ア、そォですか。すンませン、俺ちょっと端っこいるンで使用していいですかねェ?」
20000「(まさかミサカだって気づいてない? たしかにレインボーアフロとちょび髭、そしてサングラス着用でちゃんと清掃員の服も剥ぎ取ったからわからないかもしれないこれは好機!)
どうぞどうぞ、じゃあ温度調節じまずので」
ガチャガチャ
一方通行(この暑い空間でアフロ、か――ただもンじゃねェな、この清掃員)
20000「(せっかくだし世間話でもしとくか)
お客様、どぢらがらいらっじゃっだんでずが?」
一方通行「えーっと、学園都、じゃねェ、関東のほうですねェ」
20000「べえ、関東でずが。どごろでぞの、お客様の性癖をお聞ぎじでもよろじいでじょうが」
一方通行「性へ……? アンケートでも取ってるンですかァ?」
20000「(しまった本音言いすぎた)
いいええ、ぞの、ごごで会っだ方にばづいづい聞いでじまうんでずよねー」
一方通行「はァ……性癖ですかァ……」
20000(まずい疑われているいやバレたときに痛めつけられたり拷問させられたりっていうのもおいしいか)
一方通行「性癖、ってェか、肉が好きなンですよォ」
20000「肉、でずが。ぞんな答えばお客様がばじめででずねー」
一方通行「そォなンですか。ところでそのアフロ、暑そうですよォ」
20000「ああ、ごればじげなんでずよね。お客様ば随分綺麗な白い髪をお持ちでずね、ぢょっど触っでもいいでずがhァハァハァハァ」
一方通行「へ? ああ、いやその、呼吸すげェ荒いンですけど大丈夫ですかァ?」
123 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 10:52:03.79 ID:KhX0d2s0 [7/18]
露天風呂
上条「……、……」
美琴「……、……」
黒子「見てくださいましお姉様! 向こうの山がとても美しいですの!」
美琴「ふぇっ!? え、あ、そうねすごい綺麗ね」
上条「えーっと、そろそろ上条さんは出るので、あとはお嬢様ふたりで楽しんでくださいなっと」
美琴(えっもう行っちゃうの? まだ数秒しか一緒にいないっていうかいやこれじゃまるで一緒にいたいみたいなああもおおおお)
黒子「あら、もし変な殿方が乱入してきたらどうしますの?」
上条「はい?」
黒子「お姉様はこんなにも見目麗しくていらっしゃいますのよ? わたくしだって平均よりは大分高いレベルですわ。変質者に襲われたらあなた、責任取ってくださる?」
上条「いや、まずここで襲われるとかはないと思うんだが」
黒子「わかりませんわよ。さ、まだのぼせていないのでしょう? わたくし達が出るまでは付き合っていただきますわ、ねえお姉様?」
美琴「ふぁっ!? え、うん、そっ、そうね。アンタまだこの温泉をちゃんと堪能してないでしょ? せっかくだから付き合いなさい」
上条「あー、そこまで言われたらなー……わかった。この上条当麻、お嬢様方の御身をお護りしますよ」
黒子(世話のやけるふたりですわ。さて)
黒子「ああ、そういえばわたくし長時間露天風呂に入っていると意識不明の重体になってしまう持病を患っておりますの。
仕方ありません、名残惜しいのですがここはお姉様と類人猿にわたくしの分までしっかり温泉とこの景色を堪能していただきますわ」
美琴「え、なにその持病聞いたことないわよって黒子!? ほんとに行っちゃうの!?」
黒子「ええ、すみませんもうすでにふらっふらですのよ。ではお姉様、数十分ほど楽しんできてくださって構いませんの――
でもお姉様がこの黒子といちゃいちゃラブラブしたいのでしたらすぐ上がってきてくださいまし!」スタスタスタ
上条「……付き合えとか言っといて行っちまったな」
美琴「……、……」ブクブクブク
上条「うおっ!? み、御坂さん!? のぼせたならもう出るか?」
美琴「(! ここで逃げちゃだめよ美琴! あの悪党である一方通行や私に盲目な黒子でさえ協力してくれてるっぽいんだからここで負けちゃだめ!)
……まだ、行かないで」
上条「?」
美琴「もうちょっと一緒にいてって言ってんのよ!」
128 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 11:08:07.38 ID:KhX0d2s0 [8/18]
女湯付近
モウチョットイッショニイテッテイッテンノヨ!
黒子「やれやれ、ですの。わたくしのお姉様を少しの間お貸しするだけなのですから、それなりにお姉様をご機嫌にさせてもらわなくては困りますわ」
黒子「そして寝るときはお姉様のお体をこの黒子がしっかり! ぎゅうっと! 抱きしめて眠ればいいだけの話ですの。うふ、うふふふふふ……!」
男湯(サウナ)
一方通行「ぜェ、ぜェ……ッ、アンタ、ただの清掃員にしちゃ随分戦いなれてる動きじゃねェかァ……!」
20000「はっ、はっ、……いえいえお客様のほうこそ、とミサ」
一方通行「! 待てよォ、どっかで聞いた声だなァ、それもここ最近ずっと聞いてる声だ」
20000「なんのごどでじょうがどミ、清掃員はお客様の髪に触れようと伸ばしていた手を引っ込めます」
一方通行「その喋り方ァ! オマエ、妹達のひとりだなァ!?」
20000「むしろ今の今まで気づかなかったセロリたんが天然すぎて萌えー、とミサカは発言し華麗にアフロを脱ぎ捨っ、……」グイグイ
一方通行「……何してンだ」
20000「いや、だからこのアフロを脱ぎ捨ててちょび髭を取ってサングラスを外して格好良く決める予定が」グイグイ
一方通行「地毛じゃなかったのかァ!?」
20000「そこで驚くのかよ、じゃなくてあの、このアフロがほんとに脱げないんですよミサカは一方通行に助けを求めます」グイグイ
一方通行「……地毛じゃねェとはよォ」
20000「いえだから早くこれ脱ぐの手伝ってくださいとミサカは切実に要求しつつ、一旦サウナから出ることも考慮します」グイグイ
一方通行「ンだよォ、そのアフロ中までシャンプー染み込むンですかァとか訊きたかったのにさァ」
20000「なんだよ放置プレイかああそうですか残念でしたねミサカはどんなプレイにも対応してますよとミサカはやけくそで叫びます」グイグイ
一方通行「アー、ていうかそのアフロ脱いだらちょっと貸してくンねェ? 興味わいたわ」
20000「ミサカの脱ぎたてでいいのならっていうかとりあえずこのアフロを脱がせてください限界でふらふらしかけてます、
とミサカは放置プレイを楽しめない自分にがっかりします」
133 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 11:27:30.82 ID:KhX0d2s0 [9/18]
男湯
20000「ちょっこれマジ脱げねーとミサカはぐいぐい引っ張りつつ、動かない一方通行を見つめてみます」グイッグイッ
一方通行「何っていうかさァ、アフロ脱げないって騒いでるバカ見ンの初めてだからかもしンねェけど……」
20000「何を言っているのかわかりかねますがこれマジ脱げないんすよとミサカは」グイッグイッ
一方通行「すっげェ楽しんでるよォに見える。ダンスしてるみたいな。手拍子してやろォか」
20000「これが第一位、一方通行の本気……なんという焦らしプレイ、とミサカは無意識に呼吸が荒くなります」ハァハァ
一方通行(あ、こいつきっと20000号だなァ……面白ェしほっとこ)
一方通行「ンじゃ俺上がるから。サヨーナラ」
20000「えええ!? ちょっと待ってくださいミサカをこのままに捨て置くつもりですかとミサカは、あいたっ! 予告なしに痛い!」ベリッ
一方通行「オラ、うっせェから脱がしてやった。ってェことでこれ借りンぞ」
20000(脱ぎたてをかぶろうとするセロリたんハァハ、あれちょっと待って)
一方通行「~♪ ~♪」ジャー
20000「なんで水洗いしてるんですかとミサカは一方通行が自分の脱ぎたてをかぶらないことに抗議します!」
一方通行「なンでオマエの使用済み使わなきゃなンねェンだよ。そもそもかぶらねェっての」
シャーシャーパッパッ
一方通行「……! す、すげェ、予想以上だぜレインボーアフロ……オイ見ろよこの泡! シャンプー一回でこの泡はすげェ、大したアフロだァ!」アワアワ
20000「まあそりゃアフロに直接シャンプー垂らしこんで数回揉めば泡も大量に出るだろうな、とミサカは未来の泡プレイに思いを馳せます」
一方通行「ひゃっはァァアアア! すげェ泡! これはシャンプーハットいらずだなァ、アフロで出来た泡を最初っから使えばシャンプーが目に入る可能性も減る! こりゃ画期的だぜェ!」アワアワ
198 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 19:58:16.14 ID:KhX0d2s0 [12/18]
男湯(脱衣所)
一方通行「……、……」ギュッギュッ
20000「何をしているんですか、とミサカは足拭きマットを執拗に踏んでいる一方通行を不審に思いつつちょっとマットを羨んでみます」
一方通行「ただなンとなく踏ンでみてェと思っただけだ、よッ」ギュッギュギュッ
>>191「うはwwwwww天国wwwwwwwwイエスwwwwwwwww」
20000(いいなあ踏んでもらえて、とミサカは露骨に羨望の眼差しを向けます)
一方通行「……とまあ、アフロの素晴らしさにやられちまった俺が言うのもなンだけどよ」キュッキュ
20000「はあ、とミサカは先ほどまでのテンションはどこにいったのかとセロリたんを凝視します」
一方通行「オマエ、なンでここにいンの? あともう一度セロリ呼びしたらブチ殺す」
20000「それは、えーっと、禁則事項ですとミサカは視線を逸らしてみます」
一方通行「オマエ巨乳でもロリでもねェだろ。たしか帰ったはずじゃなかったかァ?」
20000「ミサカにもミサカなりの事情があるのですとミサカは返答し、以後黙秘権を行使します」
一方通行「めンどくせェな、ったくよォ。ンで、オマエはここに泊まってンのかそれともそのうち出て行くのか。どっちだァ?」
20000「いえ、本来の目的がまだ達せられていない以上、清掃員として働きますとミサカは答えます」
ブオーブオー
一方通行「オイ、何アフロ乾かしてンだ。それ俺のだぞ」
20000「もとを辿ればプロスネークのものなので、とミサカはちゃっかり自分の所有物にしていた一方通行のあつかましさを評価しつつ、もう一度使うためにアフロを乾かし続けます」
一方通行「――17600号か。なァるほどォ、スネークだし風呂ン中まで尾けたかったがさすがに無理、ンでオマエに代行を頼んだ。そンなとこかァ?」
20000「まさにその通りです、とミサカは無事になんとか乾いたアフロをかぶり……ハァハァハァハァ」
一方通行「なンだオマエ、顔色変えやがって……いやなンでもないなンでもねェから息荒くしたままこっち来ンなこっち見ンな」
20000「嫌がる相手に近寄るのもまた一興ですとミサカは髪を拭いている一方通行に近寄ります」ハァハァ
209 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 20:10:26.46 ID:KhX0d2s0 [13/18]
売店
打ち止め「いくらなんでも遅すぎない? ってミサカはミサカはあの人の安否を気遣ってみるんだけど」
13874「一方通行は18264号が渡した浴衣に手間取っているのかもしれませんね、とミサカはあらかじめ準備していたお金でアイスを購入する算段を立てます」
インデックス「わーいなんでも選んでいいの? 全種類食べたいんだよ」
13874「それはさすがに無理です、とミサカはシスターの問いに千円札を一枚見せることで答えます」
18264(そっか浴衣渡したんだったあれ着るのかなミサカが選んだ紺色をあのセロリが着るのかないやべつに変なことは考えてないけど、とミサカは考えつつ千円札をチラ見します)
13874「ちなみにこの千円札はもし女が先に上がったら適当にこれ使え、と一方通行からいただいていたものです、とミサカは説明します」
打ち止め「用意周到なあたりはさすがあの人! ってミサカはミサカはあの人には先見の明でもあるのかなって考えてみる」
女湯(脱衣所)
黒子「もし一時間以上戻ってこなかったらあの類人猿はボッコボコのギッタギタにしてやりますの……んまぁ!」
17600「あ、どうも、とミサカはおざなりに挨拶します。お姉様の後輩ですね、とミサカはツインテールという特徴が今はない彼女に確認をとります」
黒子「お姉様ったらわたくしに秘匿している妹がたくさんいらっしゃいますのね! はじめまして、白井黒子と申しますわ」
17600「ところでオリジ、お姉様はまだ入浴中ですか、とミサカは姿のないお姉様を心配します」
黒子「お姉様でしたら今頃露天風呂で類人猿とバトってますの。一朝一夕でお姉様とあの類人猿の仲に進展があってたまるものですか」
17600(つまり今ならささっと浴場に行っても問題なさそうですね、とミサカは確信し、制服を脱ぎにかかります)
黒子(ふむ、お姉様と大差ない体つきですのね。それにしてもすべっすべの肌! さらっさらの髪! 吸い込まれそうな瞳!
お姉様でしたら迷わず抱きつき揉みしだき触りまくるところですけれど、さすがに自重しておきますの)
17600「なぜか今ものすごく寒気がしました、とミサカは肩を震わせます」
224 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 20:33:17.24 ID:KhX0d2s0 [14/18]
男湯(脱衣所)
一方通行「だァからしつこいンですよォ!」
20000「不屈の精神を高く評価していただきたいところですハァハァとミサカは浴衣が着崩されているせいで逆に色気が出ているセロリたんに迫ります」
一方通行「オマエ今セロリって言いやがったなァ……、! オーケー、わかった。もォ逃げも隠れもしねェ」
20000「!! よしきたこれでミサカの時代がついに、とミサカは無抵抗になったセロリたんの浴衣に手をかけ――」ピタリ
一方通行「あン? どォした、脱がすンじゃねェのかァ?」ニヤニヤ
20000(まさかこのセロリ、いや学園都市最高の頭脳はミサカがドMでありSっ気があることもすべて見抜いたうえで無抵抗になったというのか!?
ドMの心情としては相手に攻められることこそが至高! よってセロリたんから攻められなければ意味がない!
だがSとしてはセロリたんがここで嫌だ嫌だと喚いて暴れ散らすくらいの抵抗をみせてくれないとなんていうか燃えない!
つまりこの状況はどっちの性癖を使おうとも燃え滾ることができない! とミサカは思い至ります)
一方通行「ほォら、俺はなァンにも抵抗しませンよォ?」ピラッ
20000「じっ、自分から浴衣の袂をめくってみせた、だと……くっ、負けてなるものかとミサカは鼻をおさえます」
一方通行「はン、これくれェで鼻血が出るたァまだまだガキだ。俺を手こずらせるにゃァちっと早すぎるンじゃねェかァ?」
20000「やはり、あなたを振り回すことができるのは上位個体だけのようだ、とミサカは遺言を残し親指を突き出しつつやっぱり浴場に戻ります!」シュタタタタタッ
一方通行「……オマエも十分振り回してたろォが、あンなに舐められた経験なンざねェぞ俺ァ」
露天風呂
上条「ところで、夜寝るときなんだけどな」
美琴「え、あ、な、なに?」
上条「隣が俺って嫌じゃないかなーと思って。なんなら押入れで寝るけど」
美琴「そんな某猫型ロボットみたいな真似しなくてもいいわよ」
上条「え、でも家だと風呂場だし似たようなもんですよ」
美琴(あのシスターと一緒に寝てるわけじゃないんだ……ってなんで安心してんの!?)
239 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 20:46:54.39 ID:KhX0d2s0 [15/18]
露天風呂
美琴「べ、つに嫌じゃないしていうかそんなの気にしないからアンタは適当に横で寝てていいの!」
上条「お? そっか、じゃあいいんだ」
美琴(いやなにいってんのきにするきにするちょうきにする)
上条(気にしないのかー、お嬢様って案外そういうの大らかだったりするもんですかね)
美琴「~~~ッ、……」
上条(そういえば大浴場に来る途中に卓球台あったな、上がってから一方通行に相手頼んでみっか)
美琴「もっもう出る!」ザパァッ
上条「ん、じゃあそろそろ上条さんも出るとしますか」ザパッ
美琴(やだやだやだ恥ずかしいなんで隣歩くのほんともうやだ見れないやだやだやだ)
上条(インデックスが迷惑かけてないといいけどなー)
女湯
美琴「あのバカほんとこっちの身にもなれって、……」
17600「……、……」
美琴「あ、れ? アンタまだ上がってなかったの」
17600「いえ、ミサカは17、じゃない13874号ですが、ちょっとサウナに行ってきたんです、とミサカはサウナを指差します」
美琴「あら、そんなのあったんだ。ちょっち入ってこよっかな」
17600「いってらっしゃい、とミサカはオリジナルを送り出します。
(それにしても13874号と見間違われまくりですね、とミサカは内心複雑です)」
男湯
上条「いい露天風呂だったな……そういえばサウナもあるんだったっけ。入るか」
20000(アフロから若干一方通行のシャンプーの香りがするけどそんなこと構ってらんねえぜ!
とミサカはMNWに上条当麻の半裸を配信する決意を固めレインボーアフロちょび髭サングラス装備で待機します)
260 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 21:33:31.69 ID:KhX0d2s0 [16/18]
売店
打ち止め「あーおっそーい! レディを待たせるなんてジェントルマン失格なのよってミサカはミサカはあなたに怒ってみるけど浴衣が似合ってるから帳消しにしてあげる!」
一方通行「そォかい。ンで? アイス買ってねェのか」
13874「いえ、シスターとミサカ達は買いましたとミサカは告げます。
上位個体はあなたと選びたい、と言ってずっと待っていたんです、とミサカは付け足してちょっと微笑んでみます」
インデックス「ありがとなんだよあくせられーた。ところでとうまは?」
一方通行「……あ」
18264「友人を置いてくるなんてさすが薄情者ですねとミサカは一方通行を見下げます」
一方通行「いや、置いてくるよりひでェわ。変態の餌食になったかもしンねェなァ」
18264(それにしても紺色が案外似合っているような、いや似合ってねーよセロリだし浴衣着ててちょっと前が開いてて鎖骨が、いやだからちげーよ、とミサカは冷静さを取り戻します)
打ち止め「えっとね、ミサカはこの苺ミルクのカップアイスが食べたかったんだけどってミサカはミサカはあなたに教えてみる。
でもその隣の濃厚バニラも気になってる、ってミサカはミサカは悩んでみたり」
一方通行「めンどくせェから両方買って来い。オラ、金」
打ち止め「じゃあ半分こねってミサカはミサカは両方レジに持っていくー!」
13874「お釣りはちゃんとありましたよ、とミサカは新しく千円札を出した一方通行に小銭を差し出します」
一方通行「ンなはした金いるかよ。オマエが持っとけ」
13874「わかりました。ですがミサカはお釣りをもらって喜ぶ子どもではないので今こちらに駆け寄ってくるジャッジメントにひとつ奢りましょう、とミサカは提案します」
一方通行「勝手にしろ」
インデックス「あくせられーた、私はこの最中アイスも食べてみたいんだよ」
一方通行「……今クソガキがレジで会計してっから、とっとと並べてこい」
インデックス「わーい!」
黒子「あらまぁ、随分と太っ腹ですわねぇ」
一方通行「この場で一番年上なンだ、奢るなァ俺しかいねェだろォが。オマエも適当に選べ」
265 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 21:48:14.68 ID:KhX0d2s0 [17/18]
売店近くの休憩所
打ち止め「やっぱり苺は選んで失敗しないなあってミサカはミサカはアイスをすくいながら感想をもらしてみる」
一方通行「バニラ甘ったりィ、いらねェ」スッ
18264「え、なんでここでミサカに渡すんですかとミサカは一方通行の手とアイスを見つめます」
一方通行「クソガキだけで全部食いきれねェだろォ。いらねェならシスターにでもくれてやる」
13874「いえいえさっきから18264号はバニラアイスに心惹かれていたようですとミサカは彼女がさっきアイスを選ばずにお茶を買っていたことを告げ口します」
18264「な、なに言ってるんですかこの三重娘とミサカは13874号をにらみます」
一方通行「食ってねェなら尚更食え」
打ち止め「あ、じゃあミサカが苺アイスちょっと分けてあげるねってミサカはミサカはあなたにスプーンを差し向けてみたり」
一方通行「ア?」
打ち止め「あなたは口を開ければいいの、ミサカがちゃんとスプーンをつっこんであげるからってミサカはミサカは空気の読めないあなたをじれったく思っちゃう」
18264(これ一応間接、だけどあっちはなんかあーん的雰囲気だしいやていうかそんなのどうでもいいだろ何考えてんだとミサカは思い切ってバニラアイスを口にします)
一方通行「……、自分で食う」パクッ
打ち止め「あー、せっかくだし恋人っぽくやりたかったのにってミサカはミサカはぶーたれつつもう一度レッツトライ!」
一方通行「それも甘ェ。オイ、18264号」
18264「ふぁ、ふぁひ、とミサカはセロリから貰い受けたアイスを頬張りつつ返答します」
一方通行「茶ァ残ってたら寄越せ」
18264「ぅえ! ごほっ、」
打ち止め「あなたがコーヒーじゃないものを飲むのって珍しいかも、ってミサカはミサカはさりげなーくバニラアイスも食べ比べしながら驚いてみる」
13874「あれ計算でやってたらおそろしいです、とミサカは一方通行を見ながら呟いてみます」
黒子「ええ、ですがあの類人猿と違って第一位は経済力もありますし、まだましですわね」
インデックス「世の中お金と顔なんだよ。あーおいしかった、げふっ」
風呂行ってくる
299 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 23:21:20.83 ID:KhX0d2s0 [18/18]
男湯(サウナ)
上条「何分間耐久できるか挑戦してみるか……あれ」
20000「どうもぜいぞういんでず」
上条「へー、そうですか。俺今から使いますけどいいですか?」
20000「がまいまぜんよ、私もごごで温度調節じまずので」
上条「あ、助かります。すみませんねー、なんか」
20000(……普通すぎて面白みはまったくないのですが、他のミサカは彼の上半身にえらい興奮してるっぽいのでしばらくいましょうか、とミサカは結論付けます)
上条(レインボーアフロかぶる人なんて本当にいるんだな、しかもちょび髭にサングラスって変装してるみてえ)
女湯(脱衣所)
美琴「サウナって一人で入っててもつまんないわよねー、やっぱ黒子は引き止めておくべきだったか」
美琴「それにしてもあいつの、はだ、か……うわああああああ違う違うべつに見惚れてないもん! 全然気にしてないんだから!」
17600(一応トイレに隠れてみましたがオリジナルの絶叫が響いています、とミサカは彼女の葛藤を聞き流します)
MNWスレ一覧
1:三重旅行スネーク 18スレ目(19)
2:上条当麻が半裸になった件※動画あり(1001)
3:【こんにちは】ぶらり八人と一頭旅【三重】(783)
4:なあ、一方通行ってさ・・・(236)
5:上条「付き合わないか?」ミサカ「」(904)
306 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 00:03:23.83 ID:W.lwmIQ0 [1/15]
売店近くの休憩所
黒子「向こうに卓球台やらクレーンゲームやらがありましたわ。お姉様が可愛がっているカエルのグッズもありましたの」
打ち止め「それってゲコ太のこと!? ってミサカはミサカは興奮して思わず飛び上がってみる」
一方通行「クレーンゲームねェ。旅館のゲーセンなンざ高が知れてンだろ」
13874「でもなぜかやってみたくなるのがゲーセンの謎ですね、とミサカは返答します。あとで行ってみますか、とミサカは問いかけます」
インデックス「行く行くーっ! あくせられーた、お金出してね!」
一方通行「明るくヒモ発言してンじゃねェ」
18264「……お金ないんだから察せよ、とミサカは小声でぼそりと発言します」
一方通行「暗くヒモ発言すりゃイイとも言ってねェ」
322 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 11:01:43.86 ID:W.lwmIQ0 [2/15]
大浴場出入り口付近
上条「あーいい湯だった。実にいい湯でした……お」
美琴「なんだかんだでけっこういい温泉だっ……あ」
上条「なんだ、御坂も今上がったのか。サウナ行ってみたか?」
美琴「サッ、サウナね、ええ行ったわよ。け、けっこう退屈だったけど」
上条「あれ、そっち清掃員っていうか温度調節の人いなかったんだな。男湯にはレインボーアフロ装備のちょび髭サングラス清掃員さんがいたんだけどさ」
美琴(それ明らかに変装してるじゃない)
上条「ま、いっか。一方通行達は売店あたりにいるって聞いてるから、一緒に行こうぜ」
美琴「えっ、う、うん!」
上条「ん、どした? なんか顔赤いぞ、のぼせた?」
美琴「ののっ、のぼせてない!」
325 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 11:23:04.98 ID:W.lwmIQ0 [3/15]
売店付近の休憩所
一方通行「なンつゥかー、もォあそこ見てていらいらするくれェ恥ずかしいよなァ」
13874「残念なことに男性のほうが鈍感すぎるのであれ以上は進めませんね、とミサカは上条当麻の鈍さに失望します」
一方通行「そォいや、オマエらは皆あの三下が好きなンじゃねェのか」
13874「おや、それは誰から聞いた情報ですか、とミサカは恋愛ごとに興味のなさそうな一方通行から出た言葉にびっくりします」
一方通行「あのガキが言ってたンだよ。
『ミサカ達はヒーローが大好きで、中には恋愛感情を抱いているミサカもいたりするんだよってミサカはミサカは暴露してみるー』
ってなァ」
18264「……似てねえ、とミサカは後ろで低い評価を下します」
一方通行「黙れ似ててたまっかよォ」
13874「そうですね、とミサカはシスターやジャッジメント、上位個体が遊んでいるゲーセンのほうを見やりながら答えを考えます。
ミサカ達は感覚共有ができる以上、上条当麻に救ってもらったという気持ちが大きく、彼に恋慕しているミサカも少なくはありません。
というか八割方好きです、とミサカは告白します」
一方通行「七千以上の妹に好かれる男、か。キカカッ、こりゃ愉快なモテ男じゃねェか」
13874「とは言え、ミサカは上条当麻に対して恩人への好意しか抱いていませんし、他のミサカで上条当麻より好きな人がいる、という個体もいます、とミサカは伝えます。
こうして考えると――」
打ち止め「あなたも案外そうなっちゃうかも! ってミサカはミサカはゲーセンに飽きちゃったのであなたの膝に乗っかってみたり」
一方通行「あァ? ガキ、オマエあのカエルのぬいぐるみ欲しかったンじゃねェのかァ」
打ち止め「うん、でもミサカの身長だとクレーン調整が見えづらくて難しかったのってミサカはミサカは低身長を嘆いてみる。
ちなみに今シスターさんはでっかいお菓子を獲ろうと必死だけどもう3000円つぎ込んじゃってるよってミサカはミサカはごしゅーしょーさまって手を合わせてみたり」
327 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 11:50:05.21 ID:W.lwmIQ0 [4/15]
一方通行「確かに5000円札を適当に渡した俺が悪ィのかもしンねェけどよ……そこまでやって獲れねェってンなら諦めろよ」
打ち止め「ちなみにゲコ太の超でっかいぬいぐるみはツインテールさんが、
『お姉様のお喜びになる顔が見たいですの!』
って空間移動させてたよってミサカはミサカは彼女の能力の便利さを実感しました!」
18264「それは反則では、とミサカは首を傾げつつ、いいなーゲコ太のストラップでいいからほしいなーと一方通行に視線を向けます」
一方通行「はァア? 俺に獲れってのかァ?」
18264「いやそんなことは言ってないけど、あどうせ一方通行には無理かっ☆ とミサカは馬鹿に」
一方通行「よォしわかったオイクソガキ共目に物見せてやンよォ!」
13874「本来その言葉はひどい目にあわせる、という意味を持ってはいませんでしたか、とミサカはこれから彼が行うことはむしろミサカ達が喜ぶことでしかないと判断を下します」
打ち止め「あの人は普段どうでもいいことは受け流すから、けっこう今はテンション高いのかもってミサカはミサカはちょっと嬉しくなってきたり」
ゾロゾロ移動しました
売店
上条「……いない」
美琴「……いないわね」
上条「んーと、どうする御坂。上条さんは今お金持ってないから何も奢れないんだけど」
美琴「それくらい予想してたわよ。500円なら持ってるから飲み物好きなの選んでいいわ」
上条「え、それって御坂が奢ってくれるのか!?」
美琴「そっ、そんなに目を輝かせなくても」
上条「いやあ、今ほんと喉かわいててさ。サンキュ、この恩は必ず返す!」
341 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 20:04:22.75 ID:W.lwmIQ0 [5/15]
ゲーセンっぽいところ
インデックス「んしょ、よっと! そりゃ、えいっ、とお!」
一方通行(まだやってやがる)
13874「シスターさんの辞書に諦めるという単語はないようですね、とミサカは感心します」
黒子「……あらかじめ言っておきますけれど、ここのクレーンゲームは難しいですの」
一方通行「空間移動使ってでけェぬいぐるみ獲ったやつに忠告されたかねェなァ」コキコキ
13874「肩を回すだなんてかなり本気ですね、と御坂は浴衣を肩まで腕まくりしている一方通行に期待します」
18264(うわマジほせえ腕ほせえていうか腕まくりとか似合って、いや似合ってねーよまじねーよwwwwwとミサカは一方通行をなめくさってみます)
打ち止め「ミサカはあの中くらいのぬいぐるみがほしいなってミサカはミサカはあなたに頼んでみる」
一方通行「任せろ」カチリ
18264「おやおや電極のスイッチを入れるんですか、そうですかそうですか能力使用モードでなければ獲れないのですねとミサカは」
13874「まあまあ落ち着きましょうとミサカは一触即発なふたりの間に入ります。
18264号もあとで一方通行に獲ってもらえばいいのでは、とミサカは名案を投下します」
一方通行「名案だァ? 誰がこンな毒舌に獲ってやるかよォ」
打ち止め「その言い方はよくないよってミサカはミサカはあなたの浴衣の帯を引っ張ってみる」
18264「いやべつにいいですしていうかあんなん自分で獲れるんでそこの貧弱白もやしの手なんか借りたくもねーよとミサカは吐き捨てさっさとクレーンゲームの前に移動します」
インデックス「とぉりゃっ! そりゃ、えいっ! ……むう、なんで落ちないかなあ。最後の100円玉なんだよ」
一方通行「オマエはどンだけつぎ込ンでるンですかァァア!? もォいい俺が獲る! 金貸せやァ!」
売店
上条「なんかゲーセンのほう騒がしいけど、一方通行達か?」
美琴「へっ、あ、そうね、うん、そうかも、うん、きっとそうよ」
上条「うっし。それじゃ行こうぜ、御坂」
美琴(あーあ、もうちょっとふたりっきりでいたいとか言ったらキョトンってされるんだろうなー……)
343 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 20:15:08.65 ID:W.lwmIQ0 [6/15]
ゲーセンっぽいところ
一方通行「オラ、どれ欲しいンだガキ」
打ち止め「一番奥のちょっと埋もれているゲコ太がほしいってミサカはミサカは横にまわってプラスチックをこつこつと叩いてみたり」
13874「おや、もう戻ってきたんですかとミサカは手ぶらの18264号に声をかけます」
18264「……獲れなかったちくしょうマジセロリ死ねとミサカは呟き一方通行の集中力を乱します」
一方通行「嫌がらせしてくンな獲れねェだろォが!」
18264「これしきの妨害で能力使うあたりほんとどうしようもねーなこいつとミサカは露骨にやれやれと肩をすくめてみます」
一方通行「アーもォ何だ何だよ何なンですかァ! 今クソガキのカエル獲ったらオマエのも獲ってやっからちったァおとなしくしてろォ!」
打ち止め「ひゅー堂々とクレーンゲームの勝利を約束しちゃったねってミサカはミサカは興奮のあまりジャンプしてみる!」
18264「べっ、べつにセロリに獲ってもらわなくてもいいもんっていうかなんでそんなにミサカを子ども扱いするんですかとミサカは憤慨します」
黒子(お姉様のツンデレっぷりも大概ですけれど、妹さんのツンデレっぷりはもはや脅威ですわ)
インデックス「うまい棒おいしいんだよー」サクサクサクサクサクサクサク
上条「お、いたいたー。一方通行がクレーンゲームやってる」
美琴「珍しいこともあるも、!?」
上条「わっ、いきなり腕引っ張らないでくださいよ御坂さん、って何だ? なんか欲しいものでもあったのか」
美琴「ゲ、ゲコ太ぁぁああ……!」
上条(御坂の目がすっごーくきらめいてるわけなんだがこれ獲ればいいのか……?)
黒子「あら――んまぁ、おっねえさま~~~ん!! 黒子の気持ちを受け取ってくださいですのぉぉおおッ!!!」ガバァッ
上条「へぶっ!」
美琴「うわ、ちょっと黒子! バカを踏んづけない! ていうかこの大きいゲコ太もらっていいの!?」
344 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 20:28:46.56 ID:W.lwmIQ0 [7/15]
一方通行(一番奥の埋もれてるカエル、ってェとあれか。……能力使うまでもねェ)カチ
18264「おうおう切っちゃっていいのかい、とミサカは野次を飛ばします」
一方通行「だァから黙れっつってンだよ。こンなもン、能力使わなくたって獲れる」
打ち止め「ちなみにミサカは全然できなかったんだからってミサカはミサカはあなたの自信がどこからきているのか気になるんだけど……っておおお!?」
一方通行(ひっかけて獲るってェのが無理なら正攻法で行くしかねェ。あのカエルは首あたりを掴ンどきゃァ運べる)
18264「無言で着実にゲコ太を攻めていますね、とミサカは態度を改めます」
一方通行(よし、引っ掛かった。あン? このクレーンゲーム回転が効かねェタイプか? さすが温泉宿ってとこかァ)ガシッ
打ち止め「そうそう回転できないから気をつけてねってミサカはミサカは経験者として語ってみたり」
一方通行(仕方ねェ、少し強引に引っ掛けるためにも深めに――)ウィーン
美琴「あーっ!!!! ゲコ太の持ち運びしやすいサイズのぬいぐるみぃぃいい!!!」ビリビリビリ
一方通行「のわァ!?」ポロッ
18264「あ、アームから落ちてしまった、ああこれは大変だ、とミサカは他人事のように呟きます」
美琴「へ? ああ、ごめんごめん。ちょっと興奮しすぎたわ」
打ち止め「ミサカは楽しみにしてたしあともうちょっとだったのにってミサカはミサカは落ちこんでみ……ん?」
一方通行(……、……)カチリ
18264(結局電極のスイッチ入れてんじゃん、とミサカは結果至上主義に呆れます)
一方通行「H30W15、腕の下に突っ込めばバランスを保持しながら完璧に持ち上げることができる。頭が少し重くなっているため少し頭よりにアームを移動させれば」
打ち止め「……能力使うんじゃなくてとことん演算するのねってミサカはミサカは驚きつつ、あなたが本気を出すなら間違いなく手に入るかなって確信してみる」
355 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 20:44:44.65 ID:W.lwmIQ0 [8/15]
上条「インデックス、そんなに大量のうまい棒どこで手に入れたんだよ」
インデックス「サクッ、5000円かけて、サクサク、獲ったんだよ」サクサクサク
上条(俺もう一方通行に催促されても断れねえ)
インデックス「とうまも食べる? 牛タン味」サクサクサクサクサク
上条「よりによって微妙なチョイスをしやがりますか!」
18264「でしたらミサカがいただきますとミサカは牛タン味を食してみます」サクサクッ
一方通行「ひゃは、アハぎゃはははははッ! どォだ超電磁砲、こンな雑魚ガエルの1匹や2匹ちょろいもンだってェの!」
美琴「くっ、……甘いわよ一方通行! アンタがベクトル操作でゲコ太を獲ろうってんなら私はこのクレーンゲームを支配下においてやる!」ビリビリ
一方通行「ざァンねェンでしたァ~! あいにく俺は元学園都市最高の頭脳だけでこの雑魚ガエルを片っ端から落としてンだよォ!」
打ち止め「よくわかんないけどゲコ太はすでに10匹以上獲れちゃった、ってミサカはミサカは山になったカエル達を見つめてみる」
13874「死骸の山のように積まれていますね、とミサカはさりげなく1匹を確保しながら異様な光景に目を瞬かせます」
一方通行「オーケーオーケェ、なら次は向こうのストラップでどっちがどれだけすくい取れるかで決めよォじゃねェか!」
美琴「私の最も得意な台で争うなんていい度胸してるわねぇ? いいわ、その余裕ぶった顔を崩してあげるわよ!」
黒子「お姉様、他のお客様の迷惑に……と思いましたが他に客もいませんの」
13874「この熱気に入って来れないのかもしれません、とミサカは一方通行とオリジナルにもうちょっと分別を持ってもらいたいものだと嘆息します」
売店近くの休憩所
20000「サウナで上条当麻にこの格好で会ったものの、何のツッコミもなかったですとミサカは自分にお笑いの才能がないことを痛感しました」
17600「でもgjでした、とミサカは変態を励まします。
20000号の盗撮行為のおかげで何百何千ものミサカが向こう一週間ほどの上条成分をチャージできたどころか、気絶したミサカも多いようです、とミサカはMNWの一時的なダウンを指摘します」
359 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 21:08:19.84 ID:W.lwmIQ0 [9/15]
チューハイしかねえ
ちょっとコンビニ行ってくる
一方さんと美琴のシリアスやべええええええええ
かっけえええええええええええ
373 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 21:50:42.00 ID:W.lwmIQ0 [10/15]
美琴「制限時間は3分。その間に多く獲れたほうが勝者! いいわよね?」
一方通行「異論はねェ。後で泣きべそかいたってしらねェぞ、せいぜいあの三下にでも慰めてもらえ」
美琴「!! なっ、なんでそんなあいつに私がそんな慰めてもらうだとかそんな」
打ち止め(最初からお姉様の思考を奪う心理戦に出るなんて策士すぎない? ってミサカはミサカはあの人の大人気なさに苦笑してみたり)
18264(あ、これ欲しいやつだ……確かにさっき獲ってくれるって言ってたけど今はまったく考えてないだろうしいや期待してねーけどなとミサカは吐き捨てます)
上条「たかだクレーンゲームで何熱くなってんだあいつらは」
インデックス「とうま、負けられないときっていうのは誰にだってあるんだよ」
黒子「もっとも、常盤台エースであるお姉様の『負けられないとき』は今ではない気がしますの」
13874「ではでは、おふたりとも準備はよろしいですか、とミサカは合図係になってみます。両者、構え!」
美琴「ゲコ太をバカにした者には天誅よ……!」
一方通行「面白ェ、クソガエル如きでこの俺に楯突こォってかァ?」
13874「レディー……ファイッ! とミサカは威勢よく掛け声をかけます。ちなみに時間はこちらで正確に計らせていただきますが、1分ごとにお伝えします、とミサカは宣言します」
打ち止め「たしか温泉三重旅行だったはずなのにってミサカはミサカは意外な展開にちょっとついていけなかったり」
一方通行(この手のクレーンゲームは1個を狙えばイイってもンじゃねェな、山を崩しにかかったほうが早ェ。にしても電撃使いは有利だなァ)チラ
美琴(考えてみればあっちは演算のみ、つまり私がここでアームに直接電気を流して操作しちゃえば勝てるんだけど――それじゃ反則勝ちよね)チラッ
一方通行(あン? 超電磁砲が能力を使おうと……しねェ?)
美琴(私は第三位で一方通行は第一位、だけどゲーセン、とくにクレーンゲームにおいては……)
美琴「対等の立場ってもんを守らなきゃならないわよねぇ!」ウィーン
一方通行「……ハ、大した余裕だなァ。この俺相手に能力使わねェたァよ」
美琴「反則で勝ったって面白くないの。やるからには同じコンディションで、ってね!」
一方通行「おォおォそいつァヒーローすぎる考えだ。少しでも勝率上げンのが賢い生き方だぜェ?」
18264(と言いつつも能力は使わないわけだが、とミサカは賢くない一方通行に決してときめきませんときめいたりしてません)
376 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 22:22:25.92 ID:W.lwmIQ0 [11/15]
一方通行「山だ、山を崩しにかかりゃァ後は落ちてくる!」
美琴「山を崩すだけならいずれ使い物にならなくなんのよ? だから私は引っ掛ける!」
13874「残り1分です、とミサカはふたりに告げます」
一方通行「崩れろォォオ!」ウィーンウィーン
美琴「引っ掛かれぇぇえ!!」キシャーキシャー
上条「……学園都市上位の能力者の争いがくだらなすぎる」
インデックス「平和が一番なんだよ。コーンポタージュおいしー」サクサクサク
黒子「というか、あの大量のカエルは一体どうするおつもりですの?」
打ち止め「いざとなったらミサカ達で適当に配分しちゃうかもってミサカはミサカは処分方法について考えてみる」
一方通行「だりゃァァアアアアア!!!」プッシュプッシュプッシュ
美琴「はぁぁあああああああ!!!!」ガッシャガッシャ
13874「はい、そこまで! とミサカは3分が経過したことをお伝えします」
一方通行「はァ、はァ……! なかなかやるじゃねェか、第三位」スッ
美琴「はっ、はっ……、さすがね、第一位」スッ
パンッ
打ち止め「なんでふたりの間にはライバルがお互いを讃え合う妙な空気が生まれていて、しかもハイタッチしたのかなー
ってミサカはミサカは疑問に思いつつ、ふたりの仲が良くなったことを素直に喜んでみる」
13874「一方通行が22ゲコ太、オリジナルも22ゲコ太――両者引き分けです、とミサカは感動のエンディングを演出します」
380 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 22:32:16.51 ID:W.lwmIQ0 [12/15]
美琴「無我夢中で掬いまくってたけど、さすがに多いわこれ」
黒子「お姉様、そうおっしゃいながらも10個以上持っていらっしゃるのはどうしてですの。全部お持ち帰りなさるおつもりで?」
打ち止め「余るんだったらミサカが妹達に分けるけどいいですかってミサカはミサカは訊ねてみる」
一方通行「好きにしろ。……あ、オイ18264号」
18264「なんだよクソセロリとミサカは一方通行にジト目を向け、ッ?」
一方通行「欲しいって言ってたのはこのクソガエルだろ」グイッ
18264「く、れる、んですか、とミサカは押し付けられたゲコ太を見つめながら呟きます」
一方通行「誰のために獲ったと思ってンですかァ、こンのクソガキが。ま、オマエのためだけじゃねェけどなァ」
18264「……、……」
一方通行「オイコラ、なンか言うことねェか? 俺に」ニヤニヤ
18264「……ありがとう、ございます、とミサカは小さな声で相手を見ずに礼を述べます」ギュッ
上条「なにあそこの空気上条さんついていけない」
打ち止め「おかしいなあ、すっかり丸くなっちゃってるってミサカはミサカは18264号の変わりっぷりを複雑な思いで見つめてみる」
13874「まるで少女漫画のような展開でしたねとミサカはよく読んだこともない漫画について知ったかぶりをします」
インデックス「むっ、これはチョコかな? すごく細いけどおいしいかも」サクサクサクサク
390 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 22:49:24.70 ID:W.lwmIQ0 [13/15]
上条「そういえばさ、向こうに卓球台あったんだよ」
美琴「お約束ねー。漫画でもよくある」
打ち止め「たっきゅう? ってミサカはミサカはやったことがない遊びに興味津々!」
一方通行「ンで、ナニか。オマエ卓球したいとか言うのかァ?」
打ち止め「うん! なんだかとっても楽しそうってミサカはミサカはたっきゅうに胸を膨らませてみたり」
一方通行「オイ三下、案内」
黒子(甘やかしすぎだと思うのですけれど、お姉様によく似てらっしゃるし可愛がる気持ちは痛いほどにわかりますの)
13874「卓球ですか、とミサカはごそごそと持参していたラケットとピンポン玉を取り出します。実はけっこう得意です、とミサカは不敵な笑みを浮かべます」
上条「三重って卓球盛んなのか? 知らなかったぞ」
18264「いえ、ただ13784号が好きなだけです多分、とミサカは隣の13874号の足取りが若干スキップじみているのを見てちょっとげんなりします」
インデックス「うまい棒なくなったんだよー」
美琴「うわ、ちょっとアンタの後ろうまい棒ロードができあがってんだけど……サクサクしすぎでしょ」
卓球台スペース
13874「さあさあつきました! とミサカは卓球台のすべすべした感触を味わいつつにっこり笑います」
一方通行(ある意味こいつが一番怖い)
打ち止め「たっきゅう、ってダブルスでやるの? それともシングルス? ってミサカはミサカはあなたの浴衣の袖を引っ張りつつ訊いてみる」
一方通行「オマエひとりにやらせてたらラリーになンねェだろォが。ここはダブルス、異存はねェなァ?」
黒子「ええ! お姉様一緒に! この黒子と共に!」ハァハァ
393 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 22:56:00.34 ID:W.lwmIQ0 [14/15]
上条「んー、じゃあ適当にペア決めよ」
一方通行「クソガキの面倒を他人に押し付けるわけにはいかねェ。俺がペアになる」
打ち止め「あなたがペアなら百人力ねってミサカはミサカは飛び上がってみたり! そんなわけでミサカはミサカはラケット選んできまーす!」
18264(いやべつに一緒になりたかったわけじゃないしこんな展開わかってたしセロリと一緒とかまじ勘弁とミサカは意識を集中させます)
13874「ではミサカは妹達同士18264号とペアになります。残りは……」
インデックス「とうま、一緒に卓球するんだよ!」
上条「おーいいぜ。上条さんの足は引っ張るなよ?」
美琴「あ、う……」
一方通行「まァ待て。いつもと違うペアってのも悪くねェだろ、三下ァ」
上条「いつもと違うっていうと……白井?」
黒子「お断りですの。それくらいならいっそあなたとお姉様で組んでみては?」
美琴「ふぁっ!?」
一方通行「アーいいンじゃねェ? 下しがいがあらァ」
インデックス「……まあ、出資者はあくせられーたなんだから、従うんだよ」
黒子(お姉様の笑顔のため、お姉様の笑顔のため)
423 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 23:54:06.45 ID:W.lwmIQ0 [15/15]
18264「……『いつもと違うペアってのも悪くねェだろ』」
一方通行「あン?」
18264「今そう言いましたよね確かに、とミサカは一方通行が数秒前の自分の発言を覚えていることを確認します」
一方通行「まァ、言ったな。それがどォしたァ」
18264「その理論に従えば。あなたは普段一緒に行動している上位個体ではなく。ほかの人間とペアを組むべき。とミサカは名前も知らない人の真似をしつつ提案します」
打ち止め「ラケット持ってきたよーってあれ? なんか変な空気? ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」
上条「言ってた。一方通行は確かに言ったな」
一方通行「……、……」
美琴(ここはどう言うべきなのよ、一方通行には今回の旅行でなんだかんだ世話になっちゃったしでもたしかにこいつ言ったわよね)
黒子「あら、でしたらこうしましょう。わたくしと小さいお姉様はペアを組み、シスターさんと第一位がペアを組むんですの」
18264「それはだめです、とミサカは即答します」
一方通行「じゃァどォしろってンだオマエはよォ! じゃンけンで決めるとかなしな! あれはなし!」
インデックス「……えーと、そこの毒舌は、あくせられーたと一緒にやりたいの?」
430 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 00:07:53.93 ID:rBlVCkU0 [1/11]
18264「!?」
一方通行「はァア? なに言ってンですかァ、こいつがンなキチガイじみた真似すっかよォ」
打ち止め「そう言われるとまるでミサカはキチガイみたいなんだけどってミサカはミサカは反論を試みてみたり」
美琴(え、そうなの? あの子一方通行が好きなの?)
13874(好きの一歩手前、つまりちょっと前のオリジナルですねとミサカはしれっと返答します)
美琴(ちょっとなによそれ私がいつあのバカを好きになったって言ったのよ)
黒子(お姉様、それもうほとんど認めているようなものですの……黒子は今夜がんばりますわ、今夜!)
上条「まずい、展開がまったくわかんねえ」
インデックス「だからとうまは鈍いんだよ」
一方通行「とにかく、俺がクソガキと組むことは決まりきってンだろォが。今さら覆す必要なンざねェぞ」
18264「……あーやっぱ今までのああいう感情はキチガイだったわーとミサカは吐き捨てラケットを手に取ります。
いいでしょう、こちらには13874号という卓球のスペシャリストがいるうえ、ミサカ達は感覚共有で完璧に息のあったプレイを展開させてやります。
全力でいきます、上位個体と貧弱セロリだからといって手加減しません、とミサカは瞳に闘志の炎をともします」
一方通行「よくわかンねェが全力出すってンならこっちも容赦しねェ。打ち止め、ラケット寄越せ」
13874「あーやっちまったよ、とミサカは頭を抱えます。てうかそこまで言われるほど卓球強くないし下手の横好きなんですよとミサカはここで保険をかけておきます」
上条「俺もさっぱりわからんが妹達と一方通行達が試合するんだよな、じゃあ適当にカウントするぜ」
美琴「あ、アンタは隣で私と練習するの!」
黒子「なにやら本格的になってまいりましたわね。
いいですの、この白井黒子――今回ばかりは敵としてお姉様の前に立ちふさがり、お姉様を徹底的に痛めつけ快感に導いてさしあげますわ!」
打ち止め「後半はまったく違うんじゃないかな、ってミサカはミサカは消極的にツッコミをいれてみる」
431 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 00:20:05.01 ID:rBlVCkU0 [2/11]
13874「ひとつお聞きしますが、一方通行、あなたは卓球をやったことがありますか、とミサカは訊ねます」
一方通行「あるわけねェだろ。ンな暇な人生は送ってきてねェよ」
打ち止め「えー、てっきりあなたは経験者だと思ってたのにってミサカはミサカはなぜか再び腕まくりをしているあなたを見つめてみる。
じゃあルールとかも知らないんじゃ、ってミサカはミサカは最悪のケースを想定してみるんだけど」
一方通行「ルール? そンなもン、この俺がルールに決まってるだろォが」
18264「……、……」
13874「……、……」
打ち止め「……、……」
一方通行「……、ジョークだ」
18264「つうか上位個体の体が若干卓球台に届いてねーじゃんこりゃだめだわ勝負になんねー、とミサカはため息を吐き出します」
打ち止め「むうー! ミサカはミサカは好きでこんなに小さいわけじゃないんだよ!」
一方通行「そォだ、こいつは好きでこンなに小せェわけじゃねェ。いざとなったら抱きかかえやすくてイイだろ、小さいと」
13874「それも理由に適っていませんね、とミサカは苦笑しつつ、細かいルールは面倒なのでやめておきましょうと進言します」
一方通行「ア? それァ俺に甘ェルールでピンポン遊びでもしとけってことかァ?」
18264「ルール知らないくせにいきがってんじゃねーよセロリとミサカは露骨にバカにします。
ちなみにミサカは13874号と間隔共有をすでにしているため卓球に関する前知識は十分です」
一方通行「……よォくわかった。つまりオマエらはこのクソガキが小さくてろくに卓球台にも届かねェから本格的な卓球はやらねェと。そォ言いたいわけだよなァ」
13874「そこまで悪意を持った言い方はしていませんが、要約するとそうなりますとミサカは頷きます」
一方通行「どォせ俺ァルールも知らねェしやったことはねェ、打ち止めは小さくて一般的なプレイヤーにしたら随分と不利だ。だったらよォ、俺とこのガキでやる卓球だ。いや、卓球じゃねェな。今から俺達が行う球技は、
――アクセラオーダーテイボォテニスだろォがよォ!」
上条「無駄に発音いいけどあれ正直どうなんだろうな」
美琴「どうもこうもないわよ。つまり俺ルールじゃない」
466 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 08:22:59.42 ID:rBlVCkU0 [3/11]
13874「ア、クセラオーダーテイボォテニス……!」ゴクリ
18264「いやなんで前回のオリジナルと同じ反応してんだよとミサカは裏手でつっこみます」
一方通行「あァそォだ。ルールも知らねェ俺と、卓球台に届かねェこのガキとで行う種目に、一般的な卓球のルールが適用されるわけがねェだろォ!」
18264「いやなんでお前そんなに尊大なんだよとミサカは裏手でさらにつっこみます」
13874「……アクセラレータ、ラストオーダー、テーブルテニス……穴がありますね、とミサカは冷静になった頭で告げます」
打ち止め(べつにどうだっていいけどたっきゅうやらないのかなってミサカはミサカの蚊帳の外?)
一方通行「穴、だとォ? いいぜ、言ってみなァ!」
13874「あなたは大変な思い違いをしているようです、とミサカはラケットを構えながら言い放ちます。
あなたがこれかあしようとしているルールは、このミサカが慣れ親しんでいる13874号独自のルールに他ならないのです、とミサカは宣言します」
一方通行「オマエ独自の……ルールゥ?」
13874「この四人の中で誰が卓球を一番愛しているか、それはもちろんこのミサカです。ですがミサカは最初に言いました、そこまで言われるほどうまくないし下手の横好きですと。
そもそも研究所で調整に明け暮れているミサカに十分な卓球のでいる満足な環境があるとお思いですか、とミサカは訊ねます」
打ち止め「たしかになさそうだけどってミサカはミサカは13874号に答えてみたり。じゃあどうやって卓球してたのってミサカはミサカは訊ね返してみる」
13874「簡単なことです――研究所のパソコンを適当にハッキングしてネット対戦で卓球やってました、とミサカは白状します」
一方通行「な、なンつゥインドアな……!」
13874「そして隣の18264号はミサカと感覚共有することで得た知識をフルに活用しようとしていますね、とミサカは確認します。
その知識は間違っていたとしたら? このミサカが親しんできた卓球のルールはあくまでもネット上のもので、本来の卓球とは別物だとしたら?
そう、その場合今から行うのは卓球でもなければ、アクセラオーダーテイボォテニスでもありません! とミサカは断言します」
一方通行「……なるほどなァ、オマエの言い分も一理ある。ンで、じゃあオマエは何だってンだァ?」
13874「ふふ、とミサカは忍び笑いをもらします。今から行う種目、それは紛れもなく――シスターズアクオーダーテーブルテニス@三重です! とミサカははっきり言ってみます」
18264「あ、そっかミサカはシスターズでまとめちゃうんだ、とミサカは個性の尊重が慮られていないことに残念がります」
打ち止め「ていうかこれはさすがにないかもってミサカはミサカは全否定してみるんだけど……あれ、あなたはなんで固まってるの?」
一方通行「この俺が……一方通行が、アク二文字に収められただとォ……
まあたしかにな、俺は悪の頂点に立つって決心したしアクは満更間違いでもねェよだけどなんてェかモチベーション? みたいなもンが下がるだろ大体なンで俺が最初じゃないンですかァ!?」
打ち止め「そこツッコミどころ違うよってミサカはミサカは一応呟いてみるけど多分聞こえてないよね」
471 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 13:01:16.80 ID:rBlVCkU0 [4/11]
一方通行「とりあえずシスターズアクオーダーテーブルテニスは却下だ、認めねェ」
13874「@三重が抜けていますがとミサカは鋭く指摘します」
18264「そんなんどうでもいいからやるならやろうぜ、とミサカはファイテングポーズを取ります」
一方通行「どォでもイイわけねェだろ! ここは正式名称をきちんと定めるところから始めねェと後で思い出したときに
『あれ、そういえば旅館で卓球台使ってあれやったじゃん。あれなんだっけ……あれだよ、あれ』
『あれじゃわかんないんだけど。お前の言葉が全人類に伝わるとか思わないでくれる?』
『だからあれだって、あれ! 卓球みたいなあれ』
『だからあれってなんなんだよ! あれあれあれあれうっせェ! アレイスターかお前は!』
『いやそのツッコミ全然うまくないんだけど』
みたいな会話になりかねねェ」
打ち止め(ていうかあなたはそんな会話を誰かとする予定があるのかなあってミサカはミサカは疑問を抱いてみる)
13874「……ふむ。言い分には筋が通っていますねとミサカは頷きます」
18264「どこも通ってねーよふにゃふにゃじゃねーかさすがもやしだなとミサカは批判します」
一方通行「イイか、これはアクセラオーダーテイボォテニスだ。なンなら@三重をつけてやっても構わねェが、譲歩できンなァそこまでだ」
13874「あ、じゃあそれでいいや、とミサカはあっさり妥協しネットの張りを確かめます」
18264「それでいいんかい! とミサカは相方に二度目の裏手ツッコミをかましかけましたが13874号がネット調節でかがんだためにスカしました。悔しいです」
打ち止め(MNWで卓球について調べたから内容もルールもわかっちゃったんだけど、この場で言うのもあれかなってミサカはミサカは自重してみる)
黒子「そういえば以前はアクセラオーダーハイドアンドシークとかおっしゃっていましたわね」
美琴「よっぽどアクセラオーダーを頭につけんのが気に入ってんじゃないの」
インデックス「そもそも卓球はそんなに難しいルールはなかったと思うんだよ」
上条「はしゃぎたいお年頃ってあるだろ。……にしても一番年下であるはずの打ち止めが一番大人びて見える」
477 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 13:19:15.26 ID:rBlVCkU0 [5/11]
一方通行「アクセラオーダーテイボォテニス@三重のルールは簡単だァ……打つ、返す、クソガキが打ったらポイント」
18264「おいこら待てやセロリ、とミサカはあまりにも甘すぎるルールに待ったをかけます」
一方通行「あン? だってオマエ言っただろォが、クソガキが小せェってよォ。
だったらその小せェやつが打ったという事実そのものに意味を見出し評価し認めることが、このクソガキの新たなる可能性を伸ばす大事なステップだろォ」
打ち止め「う、なんだか小学校の教育方針みたいってミサカはミサカは熱血教師モードのあなたに引いてみる」
13874「……事実そのものに意味を見出し評価し認めること――なるほど、もっともですとミサカは同意します」
18264「だからお前はなんでそうあのセロリに感化されやすいの? なんなの素直なの? 素直すぎんの?
とミサカは隣の13874号の吸収力の高さにドン引きです」
一方通行「そォと決まれば試合開始だ」カチリ
18264「いや決まってねーししかもこいつ余裕で能力使用モードにしやがったしもう勝ち目ねーよとミサカは項垂れます」
13874「いいえ、ひろみ、じゃなかった18264号。諦めるのはまだ早くてよ。やる以上はしっかりおやりなさい、よくって?
とミサカは背後に美しい花々を咲かせて一方通行に挑みます」
一方通行「なァ……ッ!? お蝶夫人に勝るとも劣らねェオーラ、だとォ……!?」
打ち止め「あなたはどうして昔のスポ根漫画の有名人物を知っているのってミサカはミサカは首を傾げてみる」
一方通行「こォなったら――オラ、立て、立つンだ打ち止めァ!」
美琴「……あいつ、実は漫画けっこう読んでるのかしら……いやまさかね」
上条「上条さんはむしろ13874号がエースをねらえを読んでいたことにびっくりしましたよ」
黒子(お姉様が普段の言葉遣いではなくもっと上品におっしゃっていたらそれはそれで大変萌えるんですのね!)
インデックス「一向に卓球が始まらないかも」
484 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 13:48:22.85 ID:rBlVCkU0 [6/11]
18264「常識的に考えて、セロリが能力使ったら勝てるわけないだろとミサカは正論を述べます」
一方通行「安心しろ、演算だけだからよォ」
18264「クレーンゲームと違って卓球は演算の後にためらいなく反射するだろとミサカは論破します」
一方通行「……じゃァあれか? 演算も反射もベクトル操作もなしでいっそ能力使用モードも全部切って通常モードの一般人なこの俺に卓球なンて激しい運動をしろってェのかオマエは。
一応これでも立派な障害者なンですよォ俺は! 優しくしろ! もっと労れ! 介護する勢いで!」
上条「あいつ酔っ払ってないか」
美琴「ノリがおかしいわね」
黒子「あら、あれが普通だと思っていましたの」
インデックス「そういえばなんだか顔が赤いんだよ」
13874「一方通行、あなた少しはしゃぎすぎではありませんか、とミサカはいつもより肌が赤い一方通行を心配してみます」
一方通行「はァア? 誰がはしゃいでンですかァ、あれ、つゥかオマエらいつからンな増えた? あ、もとから妹達は8人いたのか……待て、打ち止め、オマエクローンでもいたンですかァ? 増えてンぜ、4人に」
打ち止め「え、何のこと? ってミサカはミサカはどこか焦点の合っていないあなたの赤い目を覗きこんっ、ってうわあ!」
バタンッ
一方通行「はァ、……あ、はぁ、……ンだァ? いつから地球はぐるぐる回ってンだ……アー違ェ、あは、ぎゃははッ、クキ、カカッ……ねる」
打ち止め「ちょ、ちょっとこのまま覆いかぶさって眠られるとどきどきするし動けないし困るんだけどってミサカはミサカは……ってあっつい! あなた火照りすぎだよってミサカはミサカは慌てて体を引き剥がしてみる!」
一方通行「ンだよォ……あったけェ……あちィ」ギュウ
打ち止め「うわわわわっ、えっと、前にもこんな風に毛布扱いされたかもってミサカはミサカは記憶を掘り起こしてみるんだけどその前に誰かこの人を部屋まで運んでほしいかも」
上条「あ、俺運ぶよ。のぼせちゃってんだろ?」ヨッコラセト
一方通行「おォ? 体が浮き上がったぜクソガキィ……無重力じゃねェかこれェ……きゃははアハははっ」
美琴(あ、い、いいなあ……背負われてるのいいなあっ!)
黒子「背負わずともわたくしが空間移動で運んだほうが早いですの。失礼しますわ」
インデックス「おおっ、ツインテールとあくせられーたが消えたんだよ」
売店近くの休憩所
20000「温泉でのぼせて真っ赤になるセロリたんハァハァとミサカは策士っぷりを披露します」
17600「そういえば彼は普段長風呂派ではないにも関わらず少々長く浸かっていましたねとミサカは一方通行の体力のなさに驚きます」
489 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 14:06:56.15 ID:rBlVCkU0 [7/11]
301号室
打ち止め「……無理させちゃった、ってミサカはミサカは落ち込んでみたり。
考えてみたら普段けっこうローテンションなこの人が異常に騒いでいたことをまずはおかしく思うべきだったのかもってミサカはミサカの自己嫌悪……」
13874「いえ、悪いのは誰でもありません。しいて言えば自分の体調管理が行き届いていなかった一方通行と、案内人なのにテンション上がりすぎて皆さんを気遣えなかったミサカがいけないのです、とミサカは自分を責めます」
インデックス「あくせられーた、苦しそうかも」
一方通行「ア……ンだってンだァ……き、はら、く……ン? いやなンでオマエ担任……かき、ね?
あ、レール、ガ、ン……レベル5のきょ……し、つだァ? ……ック、はぁ」
美琴「なんで今私の名前が出たのか気になるんだけど」
上条「それもそうだけど、とりあえず水とか必要だろ? 上条さんが買ってきますよ」
18264「――ここはミサカにお任せを、とミサカはあらかじめ持ってきていた飲みかけの天然水を一方通行の口に押し付けます」
インデックス「わーわー待って待って! とりあえずあくせられーたの上半身を起こすんだよ!」
打ち止め(飲みかけ? ってミサカはミサカは18264号をチラ見してみる、って顔赤い)
黒子「汗も尋常ではありませんの。とりあえず拭きますけれど」
20000「いやー、なんというかこうやって見てると一方通行が発情しててみんなで襲ってるみたいですねーとミサカは発言します」
上条「……、……」
美琴「……、……」
打ち止め「……、……」
一方通行「ッく、あ、ふゥ……すごパだァ? ……ンっ、はァ、……ってェか、なンだ、……メルヘン、冷蔵庫みてェなの……」
18264「……、……」
インデックス「……、……」
黒子「……、……」
13874「……えっと、相棒? とミサカは突如現れたレインボーアフロのちょび髭サングラス清掃員にどこか懐かしさを覚え呼びかけてみます」
496 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 14:28:20.93 ID:rBlVCkU0 [8/11]
20000「ンモォ、とミサカはかつての主に答えます」
13874「……本当に、相棒ですか、とミサカは込み上げてくる懐古の情を隠し切れません!」
20000「出会ってから数時間以上離れ離れになるのは初めてだンモォ、とミサカは両手を広げます」
13874「~~~ッ、相棒! 会いたかった! とミサカは抱きしめます!」
20000「ンモゥ、モォオ……ふたりの間に言葉はいりませんね、とミサカはふっといい笑顔を浮かべま」
上条「え、ってことは、20000号なのか? 清掃員さんじゃなくて?」
20000「はい。ミサカは20000号ですが、とミサカはちょび髭とサングラスを外します」ベリッ
美琴「なんでレインボーアフロは脱がないのよ」
20000「……脱げないので、とミサカは唸っている一方通行を見つめます」
一方通行「ン、あ……クソメルヘン……ッ、オマエもォていとくンで……よォ、じょ……っこの、むぎ、……のォ……シロ、レン、ジャイッ……くは、ァ」
黒子(クソメルヘン? ていとくん? 幼女? メルトダウナー……?)
打ち止め「そうだった、20000号に構っている場合じゃなくてこの人がピンチなのってミサカはミサカは場の空気を戻してみる」
インデックス「とりあえず水を飲ませるんだよ!」
コンコン
?「すみません、のぼせてしまったお客様がいらっしゃるとお聞きしましたが」
501 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 14:47:13.51 ID:rBlVCkU0 [9/11]
美琴「……怪しい。旅館でそこまでルームサービスする?」
上条「まあいいだろ。怪しかったら返り討ちにすればいいだけの話で」
黒子「ええ。それに第一位の容態もあまりよろしくはないようですの」
打ち止め「じゃあとりあえず入ってもらおうってミサカはミサカはドアを開けてみたり!」
キィー
女将「入らせていただきます、それでのぼせてしまったお客様はどちらでしょうか……、!」
一方通行「……ユリ、コ、だァ……ッ? ン、っは、……ふァ、小せ、ェ、俺ッ、っは、あ」
18264(なんとなく女将から妹達に似た空気を感じますとミサカは上位個体に告げます)
打ち止め(じゃ今ちょっと下位個体に上位命令下してみるねってミサカはミサカは答えてみる。
下位個体に次ぐ、下位個体に次ぐ。ただちに両手を挙げ、万歳のポーズをとれ。繰り返す、下位個体に次ぐ、下位個体に次ぐ――)
女将「ッ!?」バッ
インデックス「ふえ、どうしたのいきなり万歳しちゃって」
女将「いっ、いいええ、ちょっと脇に空気を通したくなっただけです、とミサ……」
打ち止め(各下位個体の現在位置の照合、分析、三重県に現在存在しているミサカは13284、17600、18264、20000、そして)
打ち止め「なんで変装して女将になりすましてるのかな? ってミサカはミサカはのぼせちゃったこの人に触れようとしている14510号に声をかけてみたり」
女将「!!!」
一方通行「……って、ユッ、……コ、は、ユリコは、自己……紹介してみッ、るゥ……はッ、くァ」
13874「まさかの14510号ですね、とミサカはびっくりします」
20000「まさかっていうかあいつ途中まで相棒ハーフだったよ、とミサカは仰天の事実を伝えます」
508 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 15:07:48.95 ID:rBlVCkU0 [10/11]
女将「14510号? さあ、なんのことでしょうとミサカは目をぱちぱちさせます」
打ち止め(下位個体に次ぐ、下位個体に次ぐ。ただちに自身の検体番号を述べ、敬礼せよ、繰り返す――)
18264「ミサカは検体番号18264号です」ピシッ
13874「ミサカは検体番号13874号です」ピシッ
20000「ミサカは検体番号20000号です」ダラッ
女将「っく……ミ、サカは、14510号、です……っ」ビシッ
美琴「本性出したわね……今の一方通行は弱ってる、たとえ倒したいとしても今はやめ」
14510「倒すどころかミサカはこの方のためにスポーツドリンクを持ってきたんです、とミサカは懐からアクエリを取り出します」
黒子「んまぁ、気の利いたお姉様ですの」
上条「インデックス、俺さっぱりわからないんだけど」
インデックス「あの女将は短髪のそっくりさんで、あくせられーたを助けるためにやってきたんだよ」
一方通行「……ッン、あわ、……き、ン? ……ジャッジメッ、ント、だァ、……っふァ、は、うン、た……ンッっく……三下……の、ばッ……か、ァあ」
18264(こころなしか最後あたりで一方通行の顔が赤らみをましたような気がしますとミサカは呟きます)
13874(彼はきっと電脳空間を彷徨って本当の自分を見つけようとしているのでしょうとミサカは想定します)
20000(喘ぐセロリたんハァハァハァハァ)
打ち止め「……まあ、仕方ないよねってミサカはミサカは肩をすくめてみる。
このままだとこの人が戻ってこれなくなっちゃうかもしれないから早く復活させてあげなきゃってミサカはミサカはアクエリのキャップを開けてみたり」
303号室
17600「ミサカは検体番号17600号です……くっ、スネークとして相手に操られるなど不覚!」ビッシィ
510 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 15:20:57.78 ID:rBlVCkU0 [11/11]
一方通行「あ、めェ……ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソース モカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノ……っだとォ……?」
美琴「い、今の一瞬すごく目が見開いてた……」
黒子「初春が試したと言っていましたわ。たしかものっすごーく甘ったるいらしいですの」
インデックス「飲み物なの!? うわあ、飲んでみたいんだよとうま!」
上条「なんかすごく高そうだから却下!」
打ち止め「よし、一気に飲んでもらおうってミサカはミサカはあなたのお口を開けちゃいます!」
一方通行「……かくれンッ、ぼがァ!」パガッ
18264「アクエリ投入、とミサカはアクエリを口に突っ込みます」
一方通行「ンぐッ!?」ゴッゴッゴ
14510(持ってきておいてなんだけど飲めなかったら口移しもありかなって考えていた自分が恥ずかしいですとミサカは羞恥心で一杯になります)
13874「ピッピッピ、ピッピッピ、ピッピッピッピッピッピッピー、とミサカは一方通行がアクエリを飲み干せるよう三三七拍子で応援します」
一方通行「ンくっ、ンッ、ンッ、ァ、っぐ……」
20000「ハァハァハァハァ」
黒子「干渉しなくてもよろしいんですの?」
美琴「正直係わり合いになりたくない」
上条(あれシチュ的にはおいしいのにまったく代わってあげようと思えないのはなぜだろうな)
インデックス(アクエリちょっと余ったらくれないかな)
585 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 21:50:27.53 ID:cA1jjXA0 [1/7]
一方通行(……ン……あ?)
垣根「起きろ、てめいい加減起きろっつってんだよ。聞こえねえの?」ユサユサ
一方通行(ここ、は……教室?)
麦野「ほっときなさいって。どうせ起きても寝てても第一位なんだし」
美琴「ほんとずるいわよねー、不良が実はめちゃくちゃ頭いいんですっていう漫画のお決まり展開みたい」
コンジョーコンジョー
フコウダァァァ
一方通行(ンだァ……違ェな、『この世界』は俺がいてイイところじゃねェ……)
番外個体「それじゃあユリコ、行こっか」スッ
一方通行(……超電磁砲、に似た女ァ……?)
上条「へえ、百合子っていうのか」
一方通行(ンなわけねェだろ……ここも違う)
結標「あら、おかえりなさい。一方通行」
一方通行(結標だァ……? 待て、なンだこの空気……)
結標「あ、あーくんっ♪」
一方通行(あわき……ンってあやうく言いそォになったがここも『俺』の『世界』じゃねェぞ……ッ!?)
黒子「ジャッジメントですの!」
一方通行(おォ、ジャッジメントだァ! って違ェ……俺はジャッジメントになった記憶なンざねェ……ちくしょォどこだってンだ……?)
海原「けいおん!も知らないんですか?(笑)」
一方通行(あいつ後で死刑。……ここも違ェ。じゃァどこに行きゃあイイ……?)
598 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 22:01:46.57 ID:cA1jjXA0 [2/7]
上条「鈴科っ!」
一方通行(ちっげェェェエエ! 俺の名前ノット鈴科ァァァア! ……アー、どこだ、どこだよどこなンですかァ……)
ミサカ妹「ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノです、とミサカは言ってやります」
一方通行(いや飲ンだことねェな、ガキが一時期騒いでたけど……ここじゃねェ、ここじゃねェンだ『俺』の場所は……)
打ち止め「かくれんぼしたいなってミサカはミサカは言ってみたり!」
一方通行(かく、れンぼ……?)
美琴「アクセラオーダーハイドアンドシークじゃ私の成分が入ってないわ。レールガンも入れるべきよ」
一方通行(アクセラオーダーハイドアンドシーク……、)
インデックス「ジン♪ジン♪ジンギスカーンッ♪」
一方通行(ジンギス、シスターだとォ……!?)
黒子「もしかしてレモン石鹸で羊肉を洗うんですの!?」
一方通行(イエローレモンソープ略してイレソ……)
美琴「わ、わざとやったわけじゃなくてこいつを助けるために電流流したのよ!」
一方通行(いンやァ……オマエの行為が故意か恋だなンて関係ねェ……)
18264くれるんですか、とミサカはジンギスカンを見つめます」
一方通行(だってオマエ食ってねェだろォがよ……)
上条「一方通行、缶蹴りしようぜ!」
一方通行(アクセラオーダーカンキッキング、ってかァ……!)
13874「お届けにあがりました、と、ミサカは、相棒を差し出します……」
相棒「ンモォ」
一方通行(三重、相棒……)
土御門「アルビノ美少女メイドktkr」
一方通行(土御門も死刑。……ここは……、)
603 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 22:10:13.65 ID:cA1jjXA0 [3/7]
黄泉川「三重に行くの!? じゃあお土産よろしくじゃん!」
芳川「皿洗い面倒くさいわ」
一方通行(土産な、土産……ていうか芳川お前ニート同然なんだから働け……)
17600「スネークです」
一方通行(妹達にもいろいろあンだよなァ……)
20000「ハァハァハァ」
一方通行(アフロ、イイなァ……)
18264「べつにセロリに獲ってもらわなくてもいいしとミサカは」
一方通行(オマエちったァ素直に口きけねェのか……)
美琴「あ、あのバカに慰めてもらうとかなんで私が」
一方通行(アーめンどくせェアーうっとォしい……)
13874「@三重を忘れています、とミサカは」
一方通行(つうかもォ卓球でよくね……)
黒子「わたくしが運びますの」
一方通行(はこ、ぶ……?)
14510「ミサカはこの方を助けるために、アクエリを持ってきました、とミサカは」
一方通行(俺を、助ける……だァ?)
上条「しっかりしろ、一方通行」
一方通行(当ったり前ェだ、この俺がしっかりしねェで誰があのクソガキ共を守るってンだよォ……)
打ち止め「うわ言は止んだけど目が覚めないね、ってミサカはミサカはあなたの胸にすがりついてみる」
一方通行(あァ? なンだってこのガキ涙目になってンですかァ……自分で拭えよなァ、仕方ねェ……)
一方通行「クソガキィ……、重ェ。それから目元拭え……」ゴシゴシ
打ち止め「! お、きた、起きた起きた意識が戻ったのねってミサカはミサカは抱きついてみたりー!!!」ギュッ
一方通行「ぐッあ……だから退けェ!」
一方通行(アー、わかった、オーケーオーケェ。ここで合ってンな、『俺』の『世界』は紛れもなくここだ――てェかなンで口元汚れてンだ俺は)
616 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 22:32:12.91 ID:cA1jjXA0 [5/7]
一方通行「……オマエら、卓球はどォした」
美琴「ぶっ倒れたアンタに言われたくないわよ」
上条「お前のぼせたんだって? そんなに長く入ってたか?」
打ち止め「普段のあなたはシャワーですませるのに今日は露天風呂まで入ったもんねってミサカはミサカは保護者ぶってみる」
一方通行「俺が、のぼせた……?」
14510「すべての責任はこの20000号にあります、とミサカは20000号の首を引っ掴みます」
20000「ぐェ! ちょ痛い痛いいた気持ちいいけどやめて、とミサカは懇願しつつ一方通行に土下座します。ごめんなさい」
一方通行「……なンでオマエが謝ってンだァ?」
18264「セロリかつもやしで貧弱、体力のない一方通行がのぼせた原因はサウナです、とミサカは簡潔に答えます」
インデックス「あのサウナは子どもが長時間使ってちゃだめっていうのもあるけど、心臓が弱かったり体が弱い人も長時間の使用はやめてくださいって書いてあったんだよ」
黒子「ちなみにあなたは意識を失ってからしばらく変なことをぶつぶつと呟いていましたの。ジャッジメント、だとか」
一方通行(あれは何だったンだかなァ……どこかにいる『俺』かァ? つゥか体が弱い人に該当するわけか)
13874「なにはともあれ、一方通行が意識を取り戻してよかったです、とミサカはアクエリを14510号に返します」
一方通行「待て、そいつ女将じゃねェのか? 受付にいたよなァ?」
14510「えっと、ミサカはちょっと前からここの温泉宿で女将として働いていますとミサカは告げます。ちょっと前と言っても数時間前です」
打ち止め「……あとでお話聞かせてね? ってミサカはミサカは天使の笑顔を浮かべてみたり」
14510「すみません運営ごめんなさいほんと出来心でしたすみませんおしおきやめてくださいごめんなさいとミサカは謝り倒します」
一方通行「よくわかンねェけどよ、……悪かった」
上条「なーに、いいんですよこれくらい! どうせ出資者はお前だからさ。
さてっ、もう戻ってきちまったし、これからこの部屋で大富豪でもやろうぜ?」
美琴「今回こそ勝つわよ! 黒子、トランプ用意して!」
一方通行「待った。ここにいる全員で出来るゲームのほうがイイだろォが」
18264「おやおや、こんなところに大量の枕がありますね、とミサカは意味ありげに押入れから枕を取り出します」
打ち止め「ああ、修学旅行とかでやる枕投げねってミサカはミサカは興奮を隠し切れずにはしゃぎまわってみる!」
303号室
17600「……一方通行は意識を取り戻したか。案外早い復活でしたとミサカは呟きつつ、夜食であるカップヌードルをすすります。ちなみにシーフードです」ズズー
619 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 22:45:30.11 ID:cA1jjXA0 [6/7]
一方通行「枕、投げ……?」
上条「ああ。やったことないか? 寝る前に誰からともなく開始される伝説のゲーム『枕投げ』。当たったら死亡っていうルールもあるけど実際はみんなゾンビみたいにぼかすか死んでぼかすか生き返るって感じだな」
美琴「要するに枕を投げて投げて投げまくって、最後まで立ってる奴の勝ちよ。……最後まで立ってるイコール寮監に叱られるってことでもあるんだけど」
黒子「ちなみにわたくし百戦百勝中ですの」
インデックス「日本には興味深いゲームがあるんだね。ちょっとやってみたいかも」
打ち止め「ねえねえやろう! 枕投げやろうってミサカはミサカはあなたの浴衣をぐいぐい引っ張ってみる!」
一方通行「……アクセラオーダーピロォスロゥイング……」
18264「ここにいる全員でやるのならそこにシスターズ、レールガン、テレポーター、インデックス、イマジンブレイカーも加えるべきですが無理だろpgrwwwwwとミサカは馬鹿にします」
美琴(さあ、どんな名前をつけてくるの第一位……ッ!)
一方通行「……、……」
13874(あ、この枕投げやすいタイプですね、とミサカは満足げに指を鳴らします)ポキポキ
14510(うわあああああ一方通行さんと同じ部屋にいて同じ空気吸ってるだなんて信じられませんとミサカはいっそ逃げてしまいたい衝動に駆られます)
一方通行「……、枕投げ。そのままでイイだろォ」
美琴「!?」
一方通行「たしか枕投げってなァ明確なルールはねェはずだ。だったらわざわざ俺達用に改変する必要なンざねェ、ってわけだ、そォだろ?」
上条「まあ今までも改変する必要はどこにもないんだがな。じゃあやるか!?」
黒子「待ってくださいまし。枕投げは『や ら な い か』『ウホッ』という流れで行われるものではありませんの。全員が布団に入り、寝付いた頃合を見計らって誰かがすっと枕を暗闇に投げつける!
それをかわすのが一種の合図、そこからはまさに地獄絵図ですわ――入り乱れる枕、布団、下着」
20000「下着!? とミサカは無意識に荒くなる息を懸命になだめます」ハァハァ
一方通行「ちっともなだめられてねェぞ」
640 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/06(火) 23:47:59.67 ID:cA1jjXA0 [7/7]
301号室は異様な熱気に包まれていた――この部屋に集いしファイターは皆真剣な表情を浮かべ、布団を敷き、もぐりこむ。
ねえちょっとアンタそっち行ってくれない、と御坂美琴が言い、上条当麻がこれ以上端っこ行ったら上条さん玄関に出ちゃうんですけど、と返す。
一方通行は電極に手を伸ばし、隣でわくわくと心を躍らせている打ち止めの様子を見守りつつも、誰かの先制攻撃には即座に反応できるように臨戦態勢で仰向けになっていた。
ちらり、とその逆隣の18264号が白い髪を見つめる。だが、彼女はそれ以上動かなかった。
13874号はもっとも危険な場所、全員の頭が集まっている真ん中に堂々と場所を確保していたが、その瞳はぎらついている。見ろものが見れば、ハンターの目、と揶揄するかもしれない。
女将としてやってきた14510号が打ち止めの可愛らしいおしおきにより退室させられたあと、なんやかんやで303号室――つまりプロスネーク17600号の滞在している部屋に押しかけたことは誰も知らない。
インデックスが周囲の緊迫した空気に耐え切れず、そっと枕を掴んだ。その気配を察した白井黒子が目を細めた。暗闇の中では隣の人間くらいしか正確に見て掴むことはできない。
枕投げ百戦百勝を自称する白井黒子には、ある流儀があった。
テレポーターたるもの、全力で能力を使うべし、である。卑怯ではない。全力を出さずに負けて言い訳をするくらいなら、いっそ全力を出して勝ったほうがいいに決まっている。
白井黒子は口元に笑みを浮かべた。彼女の計算通りである。この面子の中でもっとも先制攻撃をしかけてしまいそうな「我慢のきかない人間」はインデックスである、と白井は考えていた。
打ち止めの場合も考慮したが、彼女には鉄壁の守りとも呼べる一方通行が傍に控えている。能力全開の一方通行との一騎打ちは最後までとっておきたかった。
インデックスが枕を投げようかどうしようかと迷っている。
ふふ、と白井は微笑むと、小さな声で呟いた。
「枕投げは、先手を打たなければやられますのよ?」
その瞬間、インデックスの手がわずかに動き、彼女の上体が起き上がったと同時に枕が暗闇に放り投げられた――とミサカは実況中継しつつ、4人用の部屋に8人以上ってきつくねえか、と呟いてみます。それにしても下着がありませんね、とレポーターもといミサカ20000号はあべしッ!」
一方通行「オラオラオラァァァアア!!! 避けなきゃ死ぬぜェ、今の俺は時間制限つきの最強だァ!」シュッヒョイシュヒョイ
黒子「やはり立ちはだかりますのね、いいですわ! 空間移動の本領を発揮してみせますの!」シュッパッヒュッヒョイ
インデックス「うわあ……あれが真のファイター……」ボーゼン
美琴「次元が違う」ヒョイヒョイ
上条「あそこだけ枕が見えない」シュッシュッ
打ち止め「枕がどんどん裂けていくんだけど、これ今夜使うんだよねってミサカはミサカの茫然自失」バチバチ
13874「いや、ここもけっこうハイレベルな争いなんですよ、とミサカは念のため告げておきます」バチッ
18264「でも向こうの争いはどっちかが疲れて演算能力に支障が出るまで戦わせて弱らせたほうが無難ですね、とミサカは頭脳戦を展開します」バチリ
303号室
17600「……一見すると上位個体が撃沈しそうなこの勝負、彼女には最終手段があることを忘れるな、とミサカは下位個体全員に告げます。
それにしても変態であるはずの20000号がさりげなく馴染んでいるのは相棒効果でしょうか」
14510「いいなあ、一方通行さんと遊べるなんていいなあ、とミサカはほうっとため息を吐きます」
688 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/07(水) 19:51:31.50 ID:wR3vF460 [1/4]
301号室
黒子「さすがは第一位、わたくしの空間移動も反射してしまうなんて……ですが反射ばかりでは枕ひとつ投げられませんの!」
一方通行「そっかそっか、オマエは俺がやみくもに反射してるだけ、ってェ思い込みをしてンだなァ!」
黒子「何をおっしゃって――!」
ヒュンッ
黒子「くっ、……ベクトル操作をすることで押入れにうまく枕を当てて跳ね返ってきた枕でわたくしの背後を突く――実にお見事ですわ」
黒子「でも!」
ヒュンヒュンッ
一方通行「何ィ!? 一気に枕を数個投げ飛ばすだとォ!?」
ヒュンシュバババッ
黒子「枕投げ百一戦百一勝は譲りませんのよ!」キリッ
一方通行「カカッ、俺に勝てるって幻想を抱いてンなら、その幻想をブチ殺してやンよォォオオ!」ニィ
ギッタンバッタンガシャンガラガラドシャーン
上条「まずい、台詞だけだと何が起こっているのかまったくわからねえ。しかも一方通行がさりげなく俺の台詞ぱくってちょっと嬉しそうにしてやがる」
美琴「黒子があんなに私相手以外の枕投げでイキイキしてるの見たことない……!」
打ち止め「……この部屋で今夜眠れない気がするのってミサカはミサカは13874号に頼ってみる」
13874「たしかにこの惨状は危険ですね、とミサカも上位個体がこちらの部屋に来ることをすすめます」
18264(そういえばこの後に寝泊りイベントまであったんだった、とミサカはどこで誰が寝るのか気にします)
インデックス「うー、おなかすいた。食べたりない」
20000「とりあえずここにあるうなぎパイでも、とミサカはシスターに夜のお菓子を手渡します」
693 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/07(水) 20:28:08.45 ID:wR3vF460 [2/4]
20000「白井黒子は迷っていた。相手はあの一方通行――ほぼすべての力を反射し、ベクトル操作する最強の超能力者。
これまでの彼女の戦法は空間移動で相手の視界から一度姿を消し、その隙をついて枕を投げるというものだったのだが、一方通行には効かないのだ。
隙をつこうにも彼の反射は枕ごと吹き飛ばす。それどころかベクトル操作で逆に白井の背後をつき、隙あらば枕を当ててこようとする。
百戦百勝のテレポーター・白井黒子をここまで脅かしたのは後にも先にも学園都市第三位の御坂美琴ただひとり。
その御坂はもはや戦意を喪失しおとなしく端っこで残りのファイターと布団の上でトランプタワー制作に取り掛かっている。
戦う意欲を失った者達に残されたもの、それは『異次元の戦いを野次を飛ばしつつ観戦する』ということだけ。
上条当麻は部屋の中央で行われているハイレベルなバトルをじっと見つめ、時折トランプタワーをうっかり壊しつつ、ふたりの動きを見定めていた。
一見すると反射を使い続けている一方通行が有利にみえるこの戦いは、彼自身が明言した『時間制限つきの最強』がネックとなっている。
つまり、白井黒子が集中力を失わずに一方通行の電池切れまで戦い抜くことができれば、その時点で彼女の勝利なのだ。
白井は一方通行の時間が残り10分程度しかない、という事実を知らされていない。だが、時間を気にし始めた一方通行は焦りを見せている。
これは好機、と白井は再び手元にあった枕4個に触れ、空間移動させた。難なく反射し返した一方通行は、その口元に浮かべていた笑みを引き攣らせる。
トランプタワーを制作している御坂のすぐ横には、彼が守り通すと誓った少女が目をきらきらと輝かせて座り込んでいた。
4つの枕を一気に反射させベクトル操作も行った彼だったが、そのうちの2つが衝突し、演算外の方向へ飛んでいくことを想定してはいなかった。とミサカは実況中継します」
一方通行「こンの、クソツインテメントォォオオオオッ!!!!!」ヒュンヒュンヒュン
黒子「んまぁ、いきなり咆哮するなんて何事ですの?」シュバシュバシュバッ
一方通行「くっそォ……!」
20000「トランプタワーに夢中な元ファイター達は、あるひとりを除いて誰も枕が飛んでくることに気づいていなかった。
そう、あるひとり――幻想殺し、上条当麻を除いて!」
一方通行(チィ、間に合わねェ……!)
上条「! しまった、打ち止めが……そぉぉおおおらああああ!!!」
779 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/08(木) 20:38:55.83 ID:IRks1rM0 [3/8]
なんとなく、という言葉がぴったりだった。
偶然入った店で、偶然目にした人間がちょっとした知り合いの大食いシスターで、通り過ぎるにはあまりにも視線がかち合いすぎていたために奢るはめになった。
もっとも一方通行からしてみれば、せいぜいコーヒーを大量に購入するか、打ち止めにねだられて不承不承ファンシーな小物を買ったりする以外に金の用途もない。
したがって、財布から札が数枚出て行くのを見てもさほど怒る気にはならなかった。
お礼といっちゃなんだけどね、と目の前のシスターが瞳を輝かせて、何か買いたいものがあるならついていくよ、という傍迷惑な提案をしてきたものだから、一方通行は首を傾げた。
このあとの彼に買い物の予定はなく、このまま家に帰るつもりだったのである。
おそらく、帰宅すれば真っ先にとびついてくる子どもは、どこへ出かけていたのかとしつこく訊いてくることだろう。
一瞬想像して、うんざりした。
なにせ、どこへ行っていたのかと訊かれたところで、ちょっとコーヒーを買いに行っていた、と答えるには少々時間が経過しすぎている。
かと言って、シスターに食べ物を恵んだ、と答えてもおかしい。
しばらく考えていた一方通行を、いたって普通の眼差しで見つめるインデックスはこう見えてもちゃんとしたシスターなのだ。
彼女は、ひとの思考を中断させてはならないときを弁えている。
やがて、「あのよ、」と切り出した一方通行は、期待にみちた目を向けるインデックスに、ひとつの頼みごとをした。
781 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/08(木) 20:40:03.70 ID:IRks1rM0 [4/8]
帰宅した一方通行を出迎えたのはやはり打ち止めで、彼女はいつもと同じ青いワンピースをなびかせながら一方通行に突進した。
バランスを崩しそうになるのをどうにかおさえこみ、打ち止めの体を受け止めた一方通行は、その拍子に手に持っていた袋を床に落とす。
どさ、というその音に反応した打ち止めが一方通行から離れ、興味深そうに袋を覗き込んだ。
「ねえねえ、これはなあに? ってミサカはミサカは好奇心をむき出しにしてみたりっ」
「……大したモンじゃねェ」
本当に、と内心で付け加えながら、打ち止めを押しのけるように一方通行は玄関を進んだ。
荷物はすでに放置している。どうせ、打ち止めは袋を引きずって自分のあとをついてくるだろう。
そんな数秒後の未来がみえている一方通行は、ずりずりと予想通りの音が聞こえてきたことに口元をゆるめた。
あら、お菓子を買ってくるなんてめずらしいわね、と芳川が言う。
隣でばりばりとパッケージを開けていく打ち止めを見ながら、安かったンだよ、と一方通行は適当に返した。
「普段お菓子コーナーに近寄らないのに?」
「コーヒー売ってるコーナーのすぐ隣にあっただけだ」
782 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/08(木) 20:41:14.25 ID:IRks1rM0 [5/8]
打ち止めがポテトチップスの袋を開けようと悪戦苦闘している。
手つきが少し危なっかしい。様子を見ていた一方通行だが、不安になったのかポテトチップスを打ち止めから取り上げ、抗議の声も聞かずにあっさりと開けた。
ああ、そういえばあの袋ってたまに指を切るのよね、と芳川は思ったが声には出さない。
一方通行にちょっかいをかけるのも悪くはないが、今の彼の行為は甘さではなく優しさなのだから、見守ってあげるほうがずっといい。
「なんでまかせてくれないの! って、ミサカはミサカは頬を膨らませてみる……」
「オマエに開けさせたら中身飛び出すだろォが」
「でもでもっ、ひとは失敗を糧に成長するものなんですってミサカはミサカはテレビで聞いた言葉を引用してみたり!」
「あーもォ何だ何だよ何なンですかァこのクソわがままなお子様はァ!」
「わがままじゃないもん、開ける楽しみっていうものがあるのってミサカは、」
「ンなモン知るかってンだよ」
いつもより数倍テンションの高い打ち止めを持て余しながら、シスターに選んでもらったこの大量のお菓子は、はたして買ってきてもよかったのだろうかと今更になって一方通行は考えてしまう。
べつに、この子と喧嘩をしたかったわけではないし、気紛れに、ただなんとなく、何か買っていってあげようかと思っただけなのだ。
慣れねェことはするモンじゃねェな、と呟いた一方通行を、はっとした表情で見た打ち止めは、ポテトチップスの袋と彼を見比べる。
そして、彼女は一方通行の服をつかんだ。
783 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/08(木) 20:42:30.38 ID:IRks1rM0 [6/8]
「なっ……」
「開けたかったのは事実だけど、あなたがお菓子を買ってきてくれただけでもうれしいよって、ミサカはミサカは胸のうちを告白してみる!」
服をつかんだまま上目遣いに力説する打ち止めから目をそらし、そォか、とだけ返した一方通行は、視線の先の芳川が笑っていることに気づいて歯軋りをする。
――ああ、やっぱり慣れないことはするものじゃない。
そう思う。
それでもまた、打ち止めの笑顔が見たいがためにお菓子を買ってきてしまう自分を見越して、どうしようもねェ、と一方通行はまた呟いたのだが、その呟きは幸い打ち止めの耳には届かなかったらしい。
彼女は幸せそうに片手で彼の服をつかみ、もう片方の手でポテトチップスを選び取っていた。
803 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/08(木) 23:47:14.23 ID:IRks1rM0 [7/8]
ヒュンッ
パシッ
一方通行「!!」
上条「――お前ら、枕投げっていうのは無抵抗の人間相手にやることかよ?」マクラニギリシメ
黒子「……今のは不可抗力で、」
上条「うっせえよ! 不可抗力とか熱膨張とかそんな話をしてんじゃねえ! お前らがふたりで枕投げを楽しむ分には好きなだけ能力駆使すりゃあいいさ、それは止めねえよ。
だけどな、ここにいる戦線離脱したやつらを巻き込む必要はないだろうが!」
一方通行「……だから好きでガキの方向に反射させたわけじゃ、」
上条「ごちゃごちゃ言い訳すんな! お前らはあともうすこしで打ち止めを、ひいてはここにいる連中を殺すところだったんだぞ!」
ガミガミソゲブガミガミソゲブッブー
打ち止め「さすがにあの人も遊びと本気は弁えてると思うんだけどなあってミサカはミサカは枕を見つめて呟いてみたり」
美琴「黒子と一方通行がふたりして項垂れてる場面なんてそうそう見れるもんじゃないわ」
13874「この状況は枕投げで遅くまで騒いでいることが教師にバレて説教をくらう生徒の図ですね、とミサカはドラマで得た知識を披露します」
18264「さて、そろそろ寝る準備でもしますか、とミサカはぼろぼろになっていない枕を探します」
インデックス「無事な枕がほとんどないんだよ」
808 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/08(木) 23:59:19.31 ID:IRks1rM0 [8/8]
303号室
17600「上条当麻が鬼教師ならば一方通行と白井黒子は不良生徒でしょうか、とミサカは考察します。
ジャッジメントなのに叱られるってどうなの、とミサカは首を傾げます」
14510(不良生徒な一方通行さん……
「あァ? 校則ゥ? ンなもン何でわざわざ守ンなきゃなンねェンですかァ?」
と言いつつ実は髪も目の色も天然のアルビノで脱色しているわけではないしカラコンでもないけれど面倒だから説明せず生徒指導部に目を付けられる日々。
そんな彼の前に現れた無表情な少女、ミサカ14510号は彼の孤独を見抜くが彼女自身もまた、自分自身がオルタナティヴであるという概念にとらわれていた――
不器用な少年と無器用な少女が出会ったそのとき、物語ははじまる……!
舞台はそう、何の変哲もないとある学校。転校生ミサカ14510号は教室の隅の一席が空いていることに気づく。彼女は思わず隣のツンツン頭の少年に訊ねた。
「この席は一体誰が使っているのですか、とミサカは首を傾げながら質問します」
対する黒髪の少年は、首筋をかきながら呟く。ああ、そこな、一方通行の席なんだけどさ……。彼の言葉は尻すぼみになっていく。
ふと、ミサカ14510号は視線を感じ、その先を辿る。すると、明るい髪色のホスト崩れのような学生が彼女を――正確に言えば空席を見つめていた。
「……?」
ミサカ14510号は男子学生を見つめ返す。だが、彼は一言呟いたっきり、前を向いてしまった。
もっとも、耳の良い14510号には彼の呟きが聞こえてしまっている。整った顔立ちの学生はこう言ったのだ。
「あの野郎、またサボりって訳?」
そう、空席の主、一方通行は校内屈指のサボり魔であり学年首位の成績を誇りながらも授業態度・素行が最悪という不良だったのだ――)
14510「……、ありですね、とミサカが拳を握り締めます」
17600「14510号、今興奮しすぎて意識共有モードだったぞ、とミサカは彼女の脳内妄想がこちらにまで流れ込んできたことを伝えておきます」
14510「えっ嘘ほんとに、とミサカは赤面しつつあbbbbbbb」バタン
17600(おしおきktkr、とミサカは合掌します)
812 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/09(金) 00:12:40.48 ID:yTuxgmE0 [1/8]
14510号可愛くてすげえ好きなんだが可愛すぎて書きづらい
301号室
上条「……ってことだ。わかったか」セッキョーオワリー
一方通行「ハイワカリマシタスミマセンデシタ」
黒子「ヨクワカリマシタノスミマセンデシタ」
上条「うむ、よろしい。じゃあそろそろ寝るか、11時も過ぎたことだし」
美琴「もうそんな時間? よし、だったら私達は隣行こっか、黒子」
黒子「ええ、お姉様。今夜は寝かせませッ」ゴン
美琴「誰もそこまで誘ってないっつうの!」
13874「それではミサカ達はこれにて、とミサカは一礼し301号室を後にします」
打ち止め「うんばいばいってミサカはミサカはお姉様達に手を振ってみたり」
一方通行「早く寝ろクソガキ。オマエはドア側から二番目のとこなァ」
18264「おや、すでに寝る場所を決めていましたかさすがセロリですねとミサカは一番端っこのドア側の布団にもぐります」
一方通行「待てコラ。そこは俺が寝る場所だってンだよ」
インデックス「あくせられーた、そっち寒いと思うんだよ。大丈夫?」
一方通行「むしろオマエらガキに端っこ寝かせるわけにもいかねェだろォがよ。オラ、退け18264号」
18264「……まさかミサカを気遣ってここに寝ると言っている、……わけねーよなセロリだもん唯我独尊だもんとミサカは投げやりに発言します」
一方通行「あァ? イイから退けってンですよォ。そこ、誰かが入ってきたら間違いなく踏まれンぜェ」
インデックス「誰かって、誰も入ってこないと思うかも」
打ち止め「……案外お姉様が耐え切れなくなって逃げてくるかもしれないってミサカはミサカは数時間後をシミュレートしてみる」
18264「ジャッジメントから逃れるもしくは上条当麻と同じ空間に耐えられなくなる。どちらが先でしょうかとミサカは思考します」
一方通行「ンー、超電磁砲が意識してても三下がなァ。どォなンのかね、ってなァ」
インデックス「とりあえず眠いから寝るんだよ。私は一番窓側で寝るからね」
打ち止め「ミサカはあなたの隣がいいなってミサカはミサカのやっぱりドア側二番目希望!」
一方通行「ハイハイ。ンで18264ォ、オマエ結局どっちがいいンだよ。めンどくせェから選ばせてやンよ」
817 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/09(金) 00:32:43.86 ID:yTuxgmE0 [2/8]
18264(どうせセロリのことだ、トイレ行きたくなっても大丈夫とかそういう理由で端っこに違いない、そうに決まってるだったらそれを邪魔してやる、とミサカは決心します)
18264「いえ、ここはやはりドア側の端っこがいいです、とミサカははっきり言い切ります」
一方通行「あァそォ。ンじゃとっとと布団入れやガキ共。電気消すぞ」
パチン
打ち止め「わーい真っ暗真っ暗ーってミサカはミサカはいたずらに放電してみる」バチバチ
一方通行「やめろクソガキ。目ェチカチカする」
インデックス「ねーねーあくせられーた、あくせられーたは寝相悪くないの?」
一方通行「悪そォに見えっかァ?」
打ち止め(寝相はともかく寝起きは悪いどころじゃないってミサカはミサカは抱き枕体験を思い出してみたり)
18264「……眠れません、とミサカは呟きます」
一方通行「ンだよオマエら早く寝ろ」
18264「いつもと違う布団とか枕とかに敏感なんですとミサカは反抗します」
一方通行「オマエうち来たとき数秒で寝てたンじゃなかったか」
18264「いいえ眠れません。子守唄でも歌ってくださいとミサカは一方通行に頼みます」
一方通行「こも……ッ!?」
インデックス「おおー! 私も一緒に歌ってあげてもいいんだよ」
打ち止め「そういえばあなたが歌っているのは聞いたことがないかも、鼻歌程度しかってミサカはミサカはわくわくしてみる!」
一方通行「……オマエらァ」
18264「おやおや歌えませんか? だったら他の手段でもいいですから早くミサカを眠らせてくださいとミサカは一方通行をなめた態度で喋ります」
一方通行「チィ……」ガバッスタスタムギュ
18264「ぐェ、とミサカは突然馬乗りになられてカエルっぽい声を出しまっ、て苦しい苦しい苦しい! なんで布団を頭からひっかぶらせるんですかとミサカは糾弾します、暗闇がもはや漆黒レベルです」
一方通行「アーうっせェうっせェ。眠れねェなら否が応でも目ェ閉じさせてやらァ」
18264「もっとこう、ときめかせるような手段を取れないのかよセロリとミサカは」
一方通行「……ふゥン? ときめきゃァオマエはおとなしく寝るンですねェ?」
打ち止め(暗闇の中でもあなたがすごく楽しそうに笑ってるのがわかっちゃうねってミサカはミサカは空気の変化を感じ取ったんだけど……寝たほうがいいかなあ……)
インデックス(ちょっと目が慣れてきたから言えることだけど、布団の塊の上に乗っかってるあくせられーた、っていう構図がなんとなく危険なんだよ)
824 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/09(金) 00:50:26.94 ID:yTuxgmE0 [3/8]
302号室前廊下
13874「どうせ明日には彼らは帰ってしまいますね、とミサカは呟きます」
13874「なんだかちょっぴり寂しいです、とミサカは続けます。けれど、ミサカはこの三重が大好きですから、彼らと一緒に行けるわけがありません、とミサカは自分の配置されている県を誇ります」
13874「……こんな機会でもなければ研究所から出て、しかも旅館に泊まることなんてできませんし、とミサカは言い訳しつつ」
13874「せっかくだからもう一度露天風呂にでも浸かってこようかな、とミサカは歩き出します」
301号室
18264「あ、一方通行さん、その、馬乗り解除してくれませんかとミサカは丁寧に頼み込みます」
一方通行「……、……」ジー
18264(なんでこいつ見つめてくるんだよしかもなんで若干目が慣れてきちゃったんだろうちくしょう白いからこいつ顔がはっきり見えるんだよバカもやしセロリとミサカは罵倒しまくります)
18264「すみませんでしたミサカが悪かったんですごめんなさいだからあの」
一方通行「……、……」ジー パチパチ
18264(せめてさっきみたいに布団頭からひっかぶってればよかったなんで顔だけ出しちゃったんだろうちくしょう近えよなんだよこの距離まじねーよとミサカは嘆きます)
一方通行「……、まつげに」ボソ
18264「ひゃ、はい? とミサカは声が裏返ってしまったのを悔やみつつ返答し――いッ!?」
一方通行「まつげに、なンかついてンぜ」ユビノバス
スッ ソッ キュン
18264(ってなんだ今のおおおおおおおおおお!? きゅん!? きゅんってなんだきゅんってええええええええ!!!!!
こいつセロリ! セロセロセロリ! たとえ暗闇で白い肌がきれいに見えていたとしても! その顔が実は整ってんじゃね? って感じだとしても!
こいつはもやし! もやもやもやし! 今伸ばされた指先が白くて細くてどこらの女よりきれいだとしても!!!!!
ディスイズセロリィィイイ!!!!!!! とミサカは内心発狂寸前です)
一方通行「……、あは。俺の勝ーちィ」ニィ
18264「うぇ!? とミサカはいきなりミサカの上から降りた一方通行を凝視します」
一方通行「ときめきゃ眠れンだろォ? 今の真っ赤な顔でときめきませンでした、はねェよなァ」
18264「~~~ッ、それは、これは、その、赤いんじゃなくて、とミサカは弁論を開始します」
一方通行「アー、言い訳は無駄だし無意味だぜェ? 何せこの方法でそこのタヌキ寝入りしてるクソガキも『ときめい』ちまったからよォ」ケラケラ
打ち止め「ぎくり、ってミサカはミサカは先日のミサカが駄々をこねたときのあなたの対処を思い出して布団をひっかぶってみる」
インデックス(とうまはぜったいやらない宥め方かも)
864 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/09(金) 21:19:22.91 ID:yTuxgmE0 [6/8]
303号室
スピーカー≪アハ、オレノカーチィ ……ウェトミサカハ…… トキメキャネムレンダロォ? …… コレハソノアカインジャナクテ ……クソガキモトキメイチマッタ……≫
17600「まずい、18264号の思考回路はショート寸前だ、とミサカは手に汗握る展開にはらはらします」
14510「いますぐーあいたいよー、とミサカはフレーズを続けて歌いつつ、301号室の音声にやきもきします。今なにしたんですか一方通行さん!」
17600「それにしても直前で感覚共有を切るとは、さては18264号め本気か、とミサカは思案します」
14510「えっちょっとごめん今なんて? 今なんて言ったの本気ってなに、とミサカはスネークの肩をゆすります」ガクガク
17600「いいから落ち着け。こんなこともあろうかと赤外線LED内蔵のカメラを301号室に設置しておいたからあとで回収しに行くか、とミサカは提案します」
14510「うう……さすがスネーク! ごめんねゆすって! とミサカは泣きつきます」
17600(映像を見てさらに凹まないといいんだけどなあ、とミサカは14510号を気遣いつつも、どこかへ出かけた13874号が気になります)
301号室
18264「そ、それにしても、まつげ云々とかそういう台詞はどこから学んできたんですか、とミサカは恋愛偏差値の低そうな一方通行の学習方法に疑念を抱きます」
一方通行「あン? ンなもン、そこのガキが読み散らかした雑誌やら漫画やらに決まってンだろォが。少女漫画ってなァよ、ちょっとでも顔近付けりゃ顔赤くするじゃねェか」
18264「……、……」ジッ
打ち止め「えへ、へへへへ……ってミサカはミサカはばつが悪くなって冷や汗を流してみたり」
一方通行「読ンでみて馬鹿じゃねェのかって思ってクソガキに試してみたらすぐに騒がなくなっからよォ。
何でしたっけェ、たしかオマエはあの後『でもあなたに翻弄されるのも好きかもってミサカはミサカは~』とか言ってたよなァ?」
打ち止め「……そんなことも言ったかな、ってミサカはミサカは可愛らしく首を傾げてわからないふりをしてみる」
一方通行「ま、そォいうこった。ガキ相手に迫るなンざァしねェから安心しろ、クソガキ共」スタッ
インデックス「あれ、あくせられーたどこ行くの?」
一方通行「風呂。ゆっくり浸かりてェンだよ」スタスタスタ
バタン
18264「……、……」スックトナ
打ち止め「え、18264号も行くの? ってミサカはミサカは引き止めてみたり。あの人がまた性懲りもなくのぼせちゃったら引きずってきてねってミサカはミサカは頼んでみる」
18264「べつに風呂に行くだなんて一言も言ってませんちょっと飲み物買ってくるだけですとミサカは部屋を出ます」
ガチャ
インデックス「毒舌、今タオル持ってったかも」
906 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 00:12:31.63 ID:Sqq34/g0 [1/15]
露天風呂
13874「ふいー、いい湯ですね、とミサカは空を仰ぎ見ます」
13874「……明日からはまたひとりです、とミサカは呟きます。
今までだってネットワークで繋がっているだけでずっと一緒にいたわけではありませんが、ここ数日で誰かと過ごす楽しさを知ってしまった以上――
やっぱり寂しさはおさえられません、とミサカは誰もいないのでここぞとばかりに弱音を吐いてみます」
13874「……はじまりがあれば、おわりだってある。一期一会とも言いますが、そもそも会うは別れの始めですね、とミサカは感傷に浸ります。温泉だけに」
一方通行(今の全然うまくねェンだけど何かこう、ひとりにさせたほうがイイようなオーラ出てるよな)
一方通行(ってェか、あいつも俺達がいなくなりゃひとりぼっちなわけか……)
一方通行(妹達は、こいつら以外にも自我が芽生えてるやつが大勢いやがるに違いねェ。ンで、そいつらはきっと、ひとりだ)
一方通行(……なンだかなァ、べつに、会いに行ってやろォとも思わねェし、ひとりぼっちなンて珍しいものでもンでもねェけど)
13874『誰かと一緒に過ごす楽しさを知ってしまった以上、やっぱり寂しさはおさえられません』
一方通行(……、……今、あのクソガキが急に消えちまったら、清々するかもしれねェが、それなりに寂しくなンのかもなァ)
スタスタスタ
一方通行「よォ」
13874「おや、あなたも温泉をもう一度堪能しにきたんですか、とミサカはひとりっきりでやってきた一方通行に目を瞠ります」
911 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 00:34:06.53 ID:Sqq34/g0 [2/15]
13874「今までお世話になりました、とミサカは温泉に浸かりつつ頭を軽く下げます」ペコリ
一方通行「あァ……いや、むしろこっちが世話ンなったわ。ありがとさン」
13874「……、反応が案外普通ですよねー、とミサカは軽く言ってみます。
上位個体にはおっとりしていると評されましたが、ミサカもオリジナルのクローンである以上、けっこう短気なんですよ、とここでミサカは自身の性格を分析します」
一方通行「そォでもねェだろ。少なくとも俺が話してきた妹達の中じゃ群を抜いてオマエはマトモだぜ」
13874「それはそれは、とミサカは微笑みます。あなたに一番最初にお会いしたときの言葉を覚えていますか、とミサカは感慨深げに問いかけます」
一方通行「最初ォ? ……ぜえ、ぜえ、みつけました、だったかァ」
13874「いいえ、もうちょっと後です。ミサカは一方通行に、
『感覚共有したときの思いを相棒に捧げる愛情に変換させてしまったので、あなたに恨みも憎しみも抱いていません』
と宣言しました、とミサカは過去ログを引用します」
一方通行「言ってたかもなァ。ンで?」
13874「本当のところを言えば、初対面のときはまだ少ししこりがありました、とミサカは告白します。
ただし、恨みや憎しみはありません。あるのは、逃げなければならないという本能に基づいた恐怖心だけでした、とミサカは内訳を発表します」
一方通行「……まァ、あのクソガキが特別すぎンだよなァ。オマエらは俺を怖がって当たり前だ」
13874「ですが、とミサカはすべてをここで否定します。
今のミサカには逃げようと思う心も、あなたを恐れる心もありません。一緒に温泉に浸かり、いい湯だなあ、とこの時間を共有することはとても興味深く、楽しいことです、とミサカは一方通行に告げます」
一方通行「……オマエはよ、本当ォに素直すぎンじゃねェか? 目の前にいンのは大量殺人犯だぜェ? しかも、オマエらをブチ殺しまくった悪党だ」
13874「その問答はすでに上位個体が済ませているので割愛させていただきましょう、とミサカは大人の対応で一方通行のあおりを受け流します。
他のミサカはともかく、今この旅行にきているミサカであなたを毛嫌いしているミサカはおそらくいませんよ、とミサカは解説してみます。これは予想ではなく、事実と言いかえたほうがいいかもしれません」
一方通行「へェ。ここにきてるやつらはみィンなアホばっか、ってことだなァ」
13874「否定してもあなたは認めてくれなそうなので、とミサカは苦笑してみます。
どうやらこの旅でミサカは天邪鬼な人間との付き合い方を学べました、とミサカは他ならぬあなたともうひとりの天邪鬼に感謝します」
919 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 01:07:38.57 ID:Sqq34/g0 [3/15]
一方通行「天邪鬼だァ? 確かに俺ァひねくれてるって自覚もあっけどよォ、18264号はただの毒舌じゃねェか」
13874「自覚はあったんですね、とミサカは呆れ半分諦め半分でやれやれとオーバーリアクションを取ります。
ついでに18264号のことですが、彼女もそろそろ北欧に『きちんと』戻らなければならないのではないでしょうか、とミサカは18264号の調整について示唆します」
一方通行「……あァ、そォいやオマエら、完全体じゃねェンだったな」
13874「ミサカはここでお別れですし、すぐに調製に戻りますが、18264号はもう一度学園都市に向かうのでしょう? とミサカはわかりきっている答えを訊ねます」
一方通行「そォなンじゃねェの。てェかあいつ本当に北欧出身かァ? たまに言動が北欧じゃねェンだけど。具体的に言うと自らアリゾナとかぬかしてやがったンですけどォ」
13874「データ上は北欧で間違いありません、とミサカは断言します。しかしお互いのプライバシーには極力踏み込まない、というのが妹達の暗黙の了解です。ただし上条物件を除く」
一方通行「随分慕われてンなァ、あの三下もよォ。嫁が一気に一万近く増えたンじゃねェかァ?」
13874「否定はしません。でも、そのすべてが数ヵ月後もずっと彼を好きでいる根拠もありません、とミサカはさらりと問題発言をしてみます。
あ、でもオリジナルは間違いなく数ヵ月後も彼のことを好きでいると思いますよ」
一方通行「ありゃそォだろ。自覚ねェンだもンな、あれで。自覚したらどォなンのあいつ」
13874(具体的に言うとロシアまで追っかけます、とミサカは今後の展開を大予想します)
一方通行「……ま、俺には関係ねェがな。それよりオマエ、明日暇か」
13874「明日ですか? 暇というか、あなた達を見送った後は研究所に戻り調整を受ける予定です、とミサカは予定表を思い出しつつ告げます」
一方通行「なら決まりだなァ。どォせはるばる三重まで来たンだから、ちったァガイドでもしろ」
13874「……それは、明日の朝すぐにお別れしなくてもいいということですか、とミサカは小声になるのを自覚しながら訊ねます」
一方通行「あァ、そォ言ってるつもりだけどよォ。ナニかご不満でも」
13874「いえ、ありませんそれどころか嬉しいかぎりです、とミサカは素直に感情表現をしてみせます。わーいやったー!」
一方通行「……18264号もオマエくらい素直なら扱いやすいンですよねェ」
18264(なにあのふいんきなにあのふいんきなにあのあまったるいふいんきいみわかんないとみさかはおもわずかくれつつ、うわあああああああああ)
925 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 01:20:34.05 ID:Sqq34/g0 [4/15]
303号室
17600「302号室からオリジナルの悲鳴とジャッジメントの悲鳴が聞こえてくるが、両者の悲鳴には大きな違いがあるようだ、とミサカは考え込みます」
14510「ねえねえ暇だから一方通行さんスネーク、じゃなかった探しにいってみようよ、とミサカはプロに頼みます」
17600「ターゲットはあくまでも上条当麻。一方通行はおまけ扱いなんだよなとミサカは再確認を促します」
14510「じゃあもういいもん、とミサカは隅っこで丸まりつつ前回の妄想の続きをはじめてみます」
20000「ところでちょっと露天風呂あやしくね? とミサカはプロスネークにセロリたんの浴衣にこっそりしのばせておいた発信機が脱衣所から反応を出していることを伝えます」
17600「また風呂かよ。懲りないやつめ、とミサカは貧弱なはずなのにどうして再び露天風呂に行ったのかと一方通行の行動に疑問を抱きます」
14510「うんその前に20000号がさりげなくこの部屋に存在していることを17600号はもっと気にするべき、とミサカは彼女の標的以外は眼中にないプロっぷりすげえと思いつつすごすぎだろとちょっと呆れます」
960 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 21:11:05.44 ID:Sqq34/g0 [7/15]
303号室
14510(ちぇー、スネークも変態も相手してくれないし、いっそ妄想でもすすめてしまおうか、とミサカは脳内妄想モードのロックを解除します。
14510号の14510号による、15410号のための超欠陥通行です、とミサカはにやつきます――
その白い少年は、足音をわざと鳴らしながら歩いている。カツカツカツと神経質な足音ではない。ぱたぱたぱたと、やる気のないスリッパの音である。
目指す先は決まっていない。だからこそ、彼の足は時折立ち止まる。だが、歩くほどに彼は本来いるべき教室から遠ざかるのだ。
めンどくせェ。そう思いながら少年は歩く。結局、毎回同じ場所にきてしまう自分の行動範囲の狭さに辟易しつつ、一段一段上がっていくと、屋上の金属扉の前で階段は終わった。数秒ポケットを探した少年は、お目当てのもの――銀色の鍵を扉の鍵穴に差込、くるりとまわす。
「アー、かったりィわ」
少年は重い扉を開け、青空が広がっている屋上へと足を踏み入れる。
現在の時刻は8時過ぎ、真っ当な学生ならばすでに教室にいなければならないのだが、この少年はそうしなかった。
その理由は簡潔な一言に尽きる。
彼に「教育」は不要だったのだ、と。
とある不良の一方通行
ニューキャラクター
第一話・とある教室の転校生
962 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 21:13:53.48 ID:Sqq34/g0 [8/15]
「今日は転校生がくるのですー」
そう明るく発言したとあるクラスの担任、月詠小萌。
数秒後、がらがらと教室の戸が開き、すらりと伸びた足がまず見えた。次に細い指、そして華奢な体。茶色の髪。整った顔。その転校生はつかつかと教壇の横に立つ。
「ではでは、転校生のミサカちゃんです。見ての通り女の子なのですよー、おめでとう野郎どもー、残念でした子猫ちゃん達ー」
ミサカ、と呼ばれた少女はぺこりを頭を下げる。教室は彼女の登場に沸いた。ミサカと呼ばれた少女が無表情に近しい顔付きで、「ミサカです。よろしくお願いします」とありきたりな自己紹介をする。
上条当麻はぼうっとその様子を眺めていたが、ふと転校生と目が合い、動揺してしまう。真っ直ぐな瞳はあまりにも暗く、何も映していないように思えた。どこかで見たことのある瞳だと上条は一瞬考え込む。
もっとも、次の瞬間には転校生の視線が彼の後ろの席――現在はなぜか空いている――に向かったため、それ以上上条が緊張することはなかった。
空席が気になったのか、転校生ミサカは月詠を見て少し首を傾げた。ああ、そこはですね、と月詠は言いかけ、まだきていないんですか、と上条に訊ねた。
「ああ、あいつなら一旦教室来て、弁当だけ置いてどっか行きました」
上条の答えはシンプルで、つまるところ、その席に座っていなければならない人間はサボっている、という事実を明確に月詠に伝えている。
一方通行ちゃんはしょうがないですねえ、と月詠は困ったように笑った。
年齢よりも随分下に見られがちな彼女ではあるが、今浮かべている表情は生意気な生徒に手を焼く立派な教師そのものである。
「えっと……それじゃミサカちゃん。一方通行ちゃんはどうせお昼までもどってこないので、上条ちゃんの後ろの空席にとりあえず座ってくださいです」
わかりました、と転校生は単調な調子で応じ、すたすたと列の最後尾、空席へと向かう。その歩調には一切の淀みがなかった。
彼女は何事にも動じず、周囲から投げられる様々な質問に答えることもなく、かたんと椅子を引きすとんと着席する。
転校慣れしてんのかね、と上条は思いつつ、このSHRが終わったら学校について軽く説明でもしてあげるべきか、と悩み始めた。
963 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 21:14:54.70 ID:Sqq34/g0 [9/15]
そして、SHRは終わり、月詠は教室を出て行く。
どう話しかけるべきかと思いあぐねる上条の後ろで、転校生ミサカはなんとなく机の中に手を突っ込み、教科書はおろか、ノートの1冊でさえ入っていないことに少々驚いていた。
担任の口ぶりだと、この席は誰かが使っているらしいうえに、その人物はきちんと登校しているようだった。
であるのに、机の中は空っぽで――なおも机の中をあさったミサカはごつんと手に当たったものを引っ張り出す。
「……お弁当、ですね。とミサカは黒いアルミ製の弁当箱を持ち上げてみます」
質問をすべて無視し、自分の世界に入り込んだミサカを取り巻くようにクラスメイトはこそこそと話を始めた。彼女は現在座っている席が一体誰のものであるかを理解していない。
だからこそ、弁当箱を訝しげにつっつくこともできるのだが、クラスメイトにしてみればミサカがとんでもなく恐ろしいことをしているとしか思えない。
なんやかんやで転校生に浮き足立っているクラスメイト達を、遠くからじっと見つめるひとりの生徒がいた。
垢抜けた雰囲気を持っているが、どこか捕食動物のような危うさも兼ね備えた少年。明るい茶色の髪をかきあげて、垣根帝督は心底苛立ちを隠せないといった風に言葉を吐いた。
「またサボりって訳? ――あの学年首位さんは」
空席に本来座っているべき人物、一方通行。彼を敵視している垣根はしばらくその席に座っているミサカを凝視していたが、軽い舌打ちをすると、そのままふらりと教室を出て行った。
垣根が握り締めていたとある模試の結果。それは、彼がまたしても圧倒的な差をつけられて2位に甘んじたという現実が印刷されている。
一方通行がこの時間、どんな場所にいるのか。垣根はよく知っていた。何度もからかいに行ってはそのたびにあしらわれているのだから。
きっちり文句を言ってやらねば気がすまない。垣根の足は屋上へと向いていた。
視線を感じていたミサカは、その視線を送っていた少年が教室から出て行くのを見届けた。
はたして今の視線にはどんな感情がこめられていたのだろう、と彼女は考えてみるものの、答えは導き出せそうにない。
自分のものではない弁当を無意味に開け閉めしながら、ミサカは周囲の品定めするような視線には頓着せずに言葉を発する。
「すみません、上条ちゃんとやら、とミサカは目の前に座るツンツン頭の学生に声をかけます」
「お? どした、ミサカさん」
「ここの席の持ち主は、どんな人間なのでしょうか、とミサカは弁当をしまいつつ訊ねます」
「あー、一方通行な。……なんて言えばいいかわかんねえ。だけど、悪いやつじゃないんだ。悪くみえるやつなんだけど」
上条の言い回しにミサカは不可解そうな顔をした。
965 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 21:22:30.27 ID:Sqq34/g0 [10/15]
同じ頃、屋上で、一方通行はくわあとあくびをもらしていた。
「ンー、ねみィ。けど、今日は昼から雨らしいしなァ」
晴れ渡っている空を見る限り予報は外れそうだが、降水確率は70%だった。屋上で眠って起きたらぬれねずみ、では格好がつかない。
第一、そんな目覚めは不快だ。
一方通行はこきこきと首を回し、うあー、と意味のない声をあげて立ち上がる。この晴天の下、思いっきり寝たいのは山々だが、天気予報は一応信じておこうと思う。
「……そォいや、職員室、騒がしかったわ」
屋上へ向かう途中で通り過ぎた職員室は、普段よりも数倍騒がしかった。転校生でも来たのだろうか、と一方通行は推測する。興味はわかない。
屋上の扉に手をかけた彼は、カツカツと、自分の足音とは打って変わって神経質そうなそれが響いてくることに気づいた。
飽きねェな、と一方通行は呆れ顔でため息を吐く。
扉を開けようとしていた手を止め、一方通行は無表情で相手を出迎えてやった。
「よう、サボり魔の一位さん」
「おはよォございますゥ、しっかり授業に出てるくせに万年二位の垣根くン」
「てめェ次同じこと言ったら殺すぞ。オベンキョウはできるけどお前もやしっこだもんな?」
「オマエこそ毎回毎回模試の結果が渡るたびにつっかかってくンのやめろ、オマエに興味なンざねェンだよ」
一方通行は吐き捨てるように言い、カカッと独特の笑い方で垣根を見下した。
その瞳は、あまりにも暗く、何も映していないように思える。
ああ、とこの場に上条がいたならば納得するに違いない。転校生ミサカの瞳と、一方通行の瞳は、まったく同じ色を帯びていた――)
17600「だからダダ漏れだって、とミサカはでれでれしている14510号の体を軽くゆすってみますがちくしょうこいつ目の焦点合ってねえ!」
20000「学園ものってなんか萌えるしセロリたんがアルビノ不良で学ランっていうのはたまらん設定だハァハァとミサカは14510号の妄想に完敗です」
14510「学園ツートップが転校生をとりあいっこするのは王道ですとミサカはにやけつつ、でも上条当麻という要素を取り入れるのも悪くないなと画策します」
17600(だめだこいつはやくなんとかしないと)
続きます
男湯
カポーン
一方通行「アー、やべェ、すげェイイ湯だわこれ」
上条「ふう……日常の疲れが癒されるぜ……」
一方通行「毎日あのシスターと一緒ってなァけっこうめンどそォだよなァ」
上条「わかるか? 毎日毎日朝から晩まで『とうまー、ご飯は? ねえご飯は?』で、ちょっと女の子と話しただけでガブリだからな。
おかげで俺の頭は本当にウニになっちまいそうだ」
一方通行「ウニになったら間違いなく噛み付かれるどころじゃすまねェな。食われる」
上条「あーちくしょー……いい湯だなあ」
一方通行「なンかあったよなァ、いい湯的な歌がよォ」
女湯
インデックス「ババンババンバンバン♪」
打ち止め「アビバノンノン♪」
インデックス「ババンババンバンバン♪」
打ち止め「アビバビバビバ♪」
美琴「ねえこの湯って何か効能あるの?」
13874「美肌とかそこらへんじゃないでしょうか、とミサカは実にアバウトな答えを返します」
18264「ゆるいパーマのかかった一方通行……いやだめだそれはだめだとミサカは否定します」
打ち止め「案外似合うと思うけどなってミサカはミサカはオシャレパーマ一方通行を肯定してみる」
男湯(トイレ)
20000「男装すればバレない? いやでもマッパになるんだしやっぱり清掃員か……
アフロか何か持ってくるべきでしたとミサカは変装道具のない自分に辟易します」
14 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/03(土) 20:20:31.79 ID:ljmE98c0
女湯
黒子「お姉様、わたくしボディソープを『ついうっかり』忘れてしまいましたの。貸してくださいな」
美琴「いいわよー、適当に使って」
打ち止め「ミサカも持ってるけどお姉様の借りたいなってミサカはミサカはお姉様に上目遣いで頼み込んでみる!」
美琴「どーぞどーぞ、ってかいちいち許可取んなくてもいいわよめんどくさい」
18264「……上位個体、その、シャンプーとか一式貸してください、とミサカは意を決して頼みます」
打ち止め「いいよーってミサカはミサカは13874号に髪を洗ってもらいながら許可を出してみたり」
13874「はーい今からシャワーかけまーす、目をつむってくださーい、とミサカは上位個体に宣言しつつシャワーで彼女のシャンプーを洗い流します」
18264(べつにこれが一方通行が使用しているものと同じとは限らないしそもそも同じブランドのシャンプーを使ったところでどうというわけでもないだろとミサカは考えます)
インデックス「ふいーすっきりー。あれ、毒舌なんで顔赤くなってるの?」
黒子「同じ香り、に酔うのもまた一興ですわ」
18264「!?!?」
黒子「あら図星ですの、と言いたいところですがわたくしも同じ穴のムジナですわ」
美琴「……黒子、アンタそういえば自分のバスグッズ一式しっかり持ってきてたわよねぇ……?」
男湯(脱衣所)
20000「清掃中の看板を立てておいたので他の男性が来ることはありませんが、とミサカは自分の計画的犯行っぷりに感動します」
20000「しかし、このまま浴場に行っても痴女扱いもしくはスルーですね、とミサカはどちらにしても楽しめる自分の万能っぷりに感動します」
20000「でもなー、せっかくだし変装してバレないように清掃員として観察したいなー、とミサカは欲望を曝け出します」
ガララララ
20000「? 誰でしょうか、来るはずないのに、とミサカは何食わぬ顔で出迎えま――!」
17600「どうもプロスネークこと17600号です、とミサカはMNW随一の変態こと20000号に挨拶をし、自分のスペシャルグッズを手渡します」
17 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/03(土) 20:35:21.68 ID:ljmE98c0
男湯
一方通行「そろそろ露天風呂でも行くか、先客がいるかもしれねェが」
上条「え、あ、もう行くのか? えー、あの、心の準備とかさ」
一方通行「ンなもンいらねェよ。タオル巻くだろォが」
上条「それはそうだけどな! でも一応あいつら年下だけど異性だからな!」
一方通行「まァ、べつに年上の女の裸でも簡単には発情しねェけどよォ」
上条「何お前そういうベクトル操作までできるのかよ? すごすぎだろ」
一方通行「そういうベクトル操作ってどォいうベクトル操作だコラ」ザパッ
上条「……いやあ、白いですよね」
一方通行「どォこ見て言ってンですかァ上条くン? オラ、とっとと行くぞ」
上条「いやだから上条さんは紳士だけれどもさすがに裸とか見たらどきどきするし勃起勃起しかねないっていうかあの」ズルズルズル
一方通行「あン?」
上条「なんで一方通行はしっかりタオル巻いてるのに俺は露出したまま行かなきゃいけないんだ!」
一方通行「あ、ワリ。素でお前の下半身のこと忘れてた」
女湯
打ち止め「もうそろそろあの人が飽きて露天風呂に行く頃合かなってミサカはミサカはあの人の行動を先読みしてみる」
美琴「あーそうなのーほんとーじゃあしょうがないしいこっかー」
黒子「お姉様、緊張なさっているのがバレバレですの。そこまであの殿方と鉢合わせするのがお嫌なら無理に行かなくても」
インデックス「みんなでいったほうが楽しいに決まってるんだよ」
13874「もしかしれば上条当麻はこないかもしれませんね、とミサカは一方通行が説得できなかった場合を考慮します」
18264「その場合はセロリもこないのでしょうか、とミサカはちょっと疑問を抱きます」
31 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/03(土) 21:39:49.42 ID:ljmE98c0
男湯(脱衣所)
17600「いくらミサカがプロスネークだと言ってもさすがに中までは行けないので代行は任せました、とミサカは手をあげてハイタッチを要求します」
20000「おk任せろ、とミサカはレインボーアフロをかぶりちょび髭を蓄えサングラスを装着しつつ17600号の手に手を重ねます」
パンッ
17600・20000「「交・渉・成・立!」」
男湯
ガララララ
20000「ずびばぜん、ぜいぞういんのものでずがあ、……ってあれ? 誰もいねえし!
とミサカは声を変えてまで別人を演出したのにもぬけの殻である浴場を見て呆然とします」
39 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/03(土) 21:50:52.07 ID:ljmE98c0
露天風呂
一方通行「お約束っちゃお約束だけどよォ。湯気で周りがかすンでやがる」
上条(これならなんとかやり過ごせそうだ、よかった)
打ち止め「あれ、やっぱりもういたのねってミサカはミサカは猛ダッシュしてざっぱーんっ!」
バシャーン
一方通行「うぐァ……ッ! クソガキオマエふざけンなよお湯が目に入っただろォが!」
打ち止め「えへへーごめんなさいってミサカはミサカは可愛らしく舌を出して謝ってみたり」
一方通行「ちっとも可愛くねェンだよ。ンで? 他の連中はどォしたよ」
打ち止め「お姉様達は来るか来ないかでちょっともめてるのってミサカはミサカは密告してみる。
でもそっちのあなたがいるなら最初から来たほうがよかったのにねってミサカはミサカは苦笑してみたり」
上条「へ、俺?」
一方通行「チィ、これだから女はめンどくせェ。超電磁砲共を呼ンで来い、三下もいますってなァ」
打ち止め「りょうかーいってミサカはミサカはちょっと女湯に戻ってみる!」
上条「え、おい呼んでくるのか? 来たくないんじゃないのか?」
一方通行「嫌よ嫌よも好きのうち、って言うだろォが。女ってェのはそォいう生き物なンだよ」
上条「……一方通行、お前も色々大変なんだな」
一方通行「はァ?」
上条「確かに悪人面だけどさ、さっきのいい湯だなーってときの顔は輝いてたよ、お前。うん、モテると思う。上条さんもモテたいですよ」
一方通行(超電磁砲の気持ちはまったく届いてねェのか、こいつ……)
43 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/03(土) 21:54:29.14 ID:ljmE98c0
女湯
打ち止め「というわけで、ツンツン頭のヒーローも混浴にいたよってミサカはミサカは報告してみる。
じゃあミサカはあの人と遊んでくるねってミサカはミサカはまたまた混浴にいってきまーす!」
美琴「……、……」
黒子「お姉様? どうしましたの?」
18264「仕方ないんでミサカが偵察がてら行ってきます、仕方なく、とミサカはさっさと女湯を出ます」
13874「18264号がぶっ倒れたときに介抱しなければならないので、とミサカも彼女の後に続きます」
インデックス「とうまがいるなら行ってこようかなー」
美琴「……、……」プシュゥ
黒子(緊張のしすぎでへたり込んでしまいましたの)
美琴「……く、ろこ」
黒子「はい! なんですの、お姉様」
美琴「いき、たいんだけど、さ……」
黒子「どうしましたの?」
美琴「ちょ、ちょっとだけ、ちょっとだけよ? は、だかをね、想像したら、もう、立てない……」
黒子(これがわたくしに対しての言葉だったら全力で抱きしめてしまえますのにあの類人猿めぇぇぇえええええ!!!)
女湯(脱衣所)
17600「あーそろそろ入りたいなあ、とミサカは呟いてみますがオリジナルが無事に露天風呂に行くまでは待機しておこうと決心します」
57 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/03(土) 22:15:20.98 ID:ljmE98c0
露天風呂
13874「ふー、景色が最高ですね、とミサカは両腕をしっかり端っこにかけながら呟きます」
一方通行「ア? オマエ来たことなかったンかよ」
13874「口コミでしか知りませんでした、とミサカは言ってのけます。そもそも研究所からあまり出ませんから、とミサカは付け加え……おや、18264号が別の世界に行っていますね」
18264「セロリもやしセロリもやしセロリもやしセロリもやしセロリもやしセロリもやし」
打ち止め「精神統一のひとつだねってミサカはミサカは感心してみたり」
一方通行「どこがだァ? ありゃどう聞いても俺を馬鹿にしてンだろォが」
インデックス「バタ足バタ足なんだよ」バシャバシャ
上条「あーもうやめろインデックス! 今は他の客がいないからいいけど!」
一方通行(どこのガキも変わンねェ……)
打ち止め「なんでミサカを呆れた目で見るのってミサカはミサカはおとなしくしていることをアピールしてみる!」
一方通行「おーおー偉いですねェ打ち止めちゃン」ワシャワシャ
打ち止め「だからなんでわざとらしく髪を掻き乱すのってミサカはミサカは怒ってみるけど嬉しかったり」
18264「あ、……(いいなあ……って違う違うむしろあれ上位個体ざまあwwwなとこだろとミサカは自分に言い聞かせます)」
13874「一方通行、18264号もおとなしくしてますよとミサカは進言してみます」
一方通行「あン?」
77 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 00:18:50.46 ID:KhX0d2s0 [1/18]
露天風呂
18264「ミサカはもともとおとなしいんですけどね、とミサカは冷めた目で上位個体の頭に手を乗せたままの一方通行を見ます」
一方通行「オイコラ、オマエのどこがおとなしいってンだ?」
13874「ほらほら、そんな彼女が今は静かにしてるんですとミサカは一方通行を急きたててみます」
一方通行「……?」
18264「べつに客に迷惑だからとかそういうことを考えているわけではなくミサカはTPOというものを弁えられる分別のある大人の女なので、とミサカは前置きをしておきます」
打ち止め(13874号はみんなに優しいのねってミサカはミサカは感動してみる。
この人は大切な人だけど、18264号だって大切な「お姉様」のひとりだしなってミサカはミサカは考えてみたり)
18264「決してセロリの前でちょっと静かにしとこうとかたまには落ち着こうとかそういう考えに達したわけではありませんとミサカは告げます」
一方通行「……?」
上条「えーっと、つまりあれだろ? 18264号は一方通行に褒めてもらいたいんだろ」
18264「!?」
一方通行「……へーェ、俺に。この俺に、褒めてもらいたいンですかァ?」
18264「んなわけねーだろイキがってんじゃねーぞこのもやしセロ、ッ?」
ポンポン
一方通行「よく騒がずにいられましたね、ってかァ」ニヤニヤ
18264「~~~ッふっざけんなよこのセロリセロリセロリめとミサカは勢いよく立ち上がりそのまま逃亡します!」ダダッ
インデックス「あー、行っちゃったんだよ」
上条「ってか一方通行、お前わざとやってません?」
一方通行「まっさかァ」
打ち止め「逃げても同じ部屋なのにねってミサカはミサカは苦笑してみるけど、18264号の反応は個性が出てきて面白いかもって思い返してみたり」
13874「そういえばオリジナルとジャッジメントはまだ来ませんね、とミサカはふたりを案じます」
81 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 00:31:25.55 ID:KhX0d2s0 [2/18]
女湯
美琴「よ、よし、行く。行くわよ黒子!」
黒子「ええ、そこまで気負う必要がどこにあるかは存じませんが」
ヒュオッ
18264「バカセロリアホモヤシバカセロリアホモヤシバカセロリアホモヤシバカセロリアホモヤシバカセロリアホモヤシバカセロリアホモヤシ……ッ!」ズダダダダダダダッ
美琴「なに、今の」
黒子「お姉様の妹さんですの。随分真っ赤でしたわ、何か向こうであったのでしょうか」
美琴(こういうときって大抵あのバカが絡んでるのよね)
美琴「急いで行くっきゃないわ!」ダッ
黒子「あ、お待ちになってお姉様! タオル! タオルを巻いてくださいまし!」
露天風呂
上条「なんかこうしてると、補習なんてちっぽけに思えてくるな……」
一方通行「ちっぽけかどォかは知らねェが、あっち戻ったら補習だろォが」
13874「学生は大変ですね、とミサカは自分がクローンであることに少し感謝します」
インデックス「でもお留守番も大変なんだよ。おなかすくし暇だし」
上条「お前はそのたびに食って寝てテレビ観て、の繰り返しだろ」
打ち止め「シスターさんの生活サイクルとは思えないってミサカはミサカはびっくりしてみる」
インデックス「たまにお祈りもしてるかも」
一方通行「オマエはお祈り<食べること、じゃねェのかァ?」
上条「激しく同意する」
インデックス「ひどいんだよ」
打ち止め「うー、なんかちょっとくらくらするかも、ってミサカはミサカはぐだってみたりー」
13874「のぼせてしまったのかもしれません、とミサカは上位個体の頬が紅潮していることを確かめます」
一方通行「アー、ったく面倒ばっかかけさせやがって」
83 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 00:48:50.14 ID:KhX0d2s0 [3/18]
露天風呂
一方通行「オラ、クソガキ。とっとと上がれ」
打ち止め「でもお姉様達がまだきてないよってミサカはミサカは」
一方通行「向こう見てみろ、ちょうど今走って来てンだろォ」
打ち止め「うーん、目をこらしてもあんまり見えないってミサカはミサカは目を細めてみる」
一方通行「オマエがのぼせて動けなくなったらめンどくせェンだよ。上がれ、抱っこされてェのか」
打ち止め「あなたの口から抱っこだなんて言葉が出てくるとは! ってミサカはミサカは喜び半分驚き半分で目を丸くしてみたり」
上条(なんだこの会話)
インデックス(つっこんじゃ負けなんだよとうま)
13874(ここまで過保護だと感心します、とミサカは呟いてみます。おっと、オリジナルとジャッジメントがやってきましたね、とミサカは状況説明をします)
美琴「はぁ、はぁ、……アンタは何したのよぉぉおお!」
上条「えっいきなり現れてなんだその言葉っ!?」
黒子「先ほど毒舌気味な妹さんが走り抜けて行きましたの」
インデックス「それなら原因はあくせられーたなんだよ」
美琴「なんですってぇ?」
一方通行「おォやべェこのままだと打ち止めがのぼせて死ンじまう、じゃァ後はよろしくやっとけ三下共」ザパッ
打ち止め「あー待って待ってってミサカはミサカは慌ててあなたを追いかける!」
13874「ええっと、それではミサカもシスターさんと一緒に出ることにします、とミサカは一方通行と上位個体の後に続きます」
黒子「え、ちょっ、待ってくださいまし!」
美琴「そそそそうよアンタらここでいなくなるなんてそんなの」
上条「なんだ、ビリビリは浸かっていかないのか?」
美琴「う、う……ッ」
115 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 10:02:19.08 ID:KhX0d2s0 [4/18]
露天風呂から移動中
打ち止め「ツインテールさん置いてきちゃったんじゃないのかなってミサカはミサカは考えてみる」
一方通行「あン? あのガキは適当に空気読むだろォ……読ンだ上でブチ壊すかもしンねェけどよ」
13874「今回の旅であなたがオリジナルと上条当麻をうまいことくっつけようとしているのがよくわかりました、とミサカは隣に並んで話しかけます」
インデックス「短髪ととうま!? えーなんでー!?」
一方通行「喧しいンですよォクソガキ共が。俺ァ見ててイライラするだけだっつのォ」
打ち止め「さすが一方通行、恋のベクトル操作もお手のものーってミサカはミサカはからかってみたりいたたたたたたたた」ギュギュギュギュー
一方通行「そンなに頬つねられてェなら思う存分可愛がってあげますよォ?」ギリギリギリ
13874「つねりすぎで上位個体がちょっと浮いてます、とミサカは一方通行を止める努力をしま――おや、もう男湯と女湯に分かれますね」
インデックス「また後でねなんだよあくせられーた!」ダダッ
一方通行「おォ、騒いで他の客に迷惑かけンなよォ。ガキ、オマエもな」
打ち止め「わかってるもんってミサカはミサカは子どもじゃないことをアピールしつつ、女湯に戻ってみる」
男湯
一方通行「にしても、まさか微塵も気づいてねェとはよォ……災難だなァ、超電磁砲も」
一方通行「もう一回入って、ンでサウナでも使ってみっか。どォせガキは着替え遅ェだろォし」
20000(さてセロリたんが戻ってきたわけだがあいにく独り言が聞こえないなぜならミサカはサウナにいるからです、
とミサカはアフロが蒸れてきたのを実感しつつ相手の出方を待ちます)
118 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 10:16:44.27 ID:KhX0d2s0 [5/18]
男湯
チャポーン
一方通行「ふゥ……そォいや20000号は無事に戻れたのかァ? たしかノボシビルスクから来たとか言ってたけどよォ」
一方通行「18264号も北欧戻るときめンどくせェだろォな……ってかあいつは北欧のどこ出身だ……?」ザパッ
一方通行「サウナ、ねェ。入ったこともねェぞ、まさかとは思うが目に何か入ってきたりしねェよなァ」
スタスタスタ
20000(なぜか気配がするとても気配がするまさかセロリたん!? おおっとレインボーアフロ再確認、オーケー。ちょび髭ずれてない? オーケー。サングラスは……ちょっと曇ってるけどまあいいや。
さあいつでも来るがいい! そしてミサカを踏んでなぶって痛めつけてくださいハァハァ)
一方通行「アー、何なに? 小さいお子様の長時間のご利用はお控えくださいィ……? あのクソガキ、使わねェだろォな。大丈夫かあいつ」
一方通行「で、体調に異変を感じた場合はすぐご利用を中止してください、ってか。よくわかンねェけどサウナってなァバトルフィールドかァ?」
一方通行「なるほど、そォいえばさっきから異常に湯気やら妙な空気が駄々漏れだなァ。上等ォ、サウナパーリィも楽しめそォじゃねェかッ!」
女湯
打ち止め「奥のほうにサウナがあるよってミサカはミサカは13874号の手を引っ張ってみたり。
せっかくだし入ってみたいなってミサカはミサカは思いのたけを伝えてみるんだけど」
13874「数分程度なら構いません、とミサカは譲歩します。
それ以上利用するとぶっ倒れてしまうかもしれませんし、そうなったら一方通行がこわいので、とミサカは内情を告白します」
モワモワ
インデックス「うっわー熱い暑いあついんだよー」
打ち止め「うー……やっぱりもういいやってミサカはミサカはちょっと熱くなってるドアを懸命に押してみる」
13874「やっぱりまだ上位個体には早いですね、とミサカは後ろからドアを開けつつ姉のような気持ちで彼女に微笑みかけます」
119 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 10:31:15.03 ID:KhX0d2s0 [6/18]
男湯(サウナ)
一方通行「よし、開けるぜェ……!」
ギィィーッ
20000「(キタ――――!!!! どうせバレると思うけどここは形だけでも清掃員のふりして声も変えよう、とミサカは考えました)
……ゴホン、どうも、ぜいぞういんでず」
一方通行「ア、そォですか。すンませン、俺ちょっと端っこいるンで使用していいですかねェ?」
20000「(まさかミサカだって気づいてない? たしかにレインボーアフロとちょび髭、そしてサングラス着用でちゃんと清掃員の服も剥ぎ取ったからわからないかもしれないこれは好機!)
どうぞどうぞ、じゃあ温度調節じまずので」
ガチャガチャ
一方通行(この暑い空間でアフロ、か――ただもンじゃねェな、この清掃員)
20000「(せっかくだし世間話でもしとくか)
お客様、どぢらがらいらっじゃっだんでずが?」
一方通行「えーっと、学園都、じゃねェ、関東のほうですねェ」
20000「べえ、関東でずが。どごろでぞの、お客様の性癖をお聞ぎじでもよろじいでじょうが」
一方通行「性へ……? アンケートでも取ってるンですかァ?」
20000「(しまった本音言いすぎた)
いいええ、ぞの、ごごで会っだ方にばづいづい聞いでじまうんでずよねー」
一方通行「はァ……性癖ですかァ……」
20000(まずい疑われているいやバレたときに痛めつけられたり拷問させられたりっていうのもおいしいか)
一方通行「性癖、ってェか、肉が好きなンですよォ」
20000「肉、でずが。ぞんな答えばお客様がばじめででずねー」
一方通行「そォなンですか。ところでそのアフロ、暑そうですよォ」
20000「ああ、ごればじげなんでずよね。お客様ば随分綺麗な白い髪をお持ちでずね、ぢょっど触っでもいいでずがhァハァハァハァ」
一方通行「へ? ああ、いやその、呼吸すげェ荒いンですけど大丈夫ですかァ?」
123 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 10:52:03.79 ID:KhX0d2s0 [7/18]
露天風呂
上条「……、……」
美琴「……、……」
黒子「見てくださいましお姉様! 向こうの山がとても美しいですの!」
美琴「ふぇっ!? え、あ、そうねすごい綺麗ね」
上条「えーっと、そろそろ上条さんは出るので、あとはお嬢様ふたりで楽しんでくださいなっと」
美琴(えっもう行っちゃうの? まだ数秒しか一緒にいないっていうかいやこれじゃまるで一緒にいたいみたいなああもおおおお)
黒子「あら、もし変な殿方が乱入してきたらどうしますの?」
上条「はい?」
黒子「お姉様はこんなにも見目麗しくていらっしゃいますのよ? わたくしだって平均よりは大分高いレベルですわ。変質者に襲われたらあなた、責任取ってくださる?」
上条「いや、まずここで襲われるとかはないと思うんだが」
黒子「わかりませんわよ。さ、まだのぼせていないのでしょう? わたくし達が出るまでは付き合っていただきますわ、ねえお姉様?」
美琴「ふぁっ!? え、うん、そっ、そうね。アンタまだこの温泉をちゃんと堪能してないでしょ? せっかくだから付き合いなさい」
上条「あー、そこまで言われたらなー……わかった。この上条当麻、お嬢様方の御身をお護りしますよ」
黒子(世話のやけるふたりですわ。さて)
黒子「ああ、そういえばわたくし長時間露天風呂に入っていると意識不明の重体になってしまう持病を患っておりますの。
仕方ありません、名残惜しいのですがここはお姉様と類人猿にわたくしの分までしっかり温泉とこの景色を堪能していただきますわ」
美琴「え、なにその持病聞いたことないわよって黒子!? ほんとに行っちゃうの!?」
黒子「ええ、すみませんもうすでにふらっふらですのよ。ではお姉様、数十分ほど楽しんできてくださって構いませんの――
でもお姉様がこの黒子といちゃいちゃラブラブしたいのでしたらすぐ上がってきてくださいまし!」スタスタスタ
上条「……付き合えとか言っといて行っちまったな」
美琴「……、……」ブクブクブク
上条「うおっ!? み、御坂さん!? のぼせたならもう出るか?」
美琴「(! ここで逃げちゃだめよ美琴! あの悪党である一方通行や私に盲目な黒子でさえ協力してくれてるっぽいんだからここで負けちゃだめ!)
……まだ、行かないで」
上条「?」
美琴「もうちょっと一緒にいてって言ってんのよ!」
128 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 11:08:07.38 ID:KhX0d2s0 [8/18]
女湯付近
モウチョットイッショニイテッテイッテンノヨ!
黒子「やれやれ、ですの。わたくしのお姉様を少しの間お貸しするだけなのですから、それなりにお姉様をご機嫌にさせてもらわなくては困りますわ」
黒子「そして寝るときはお姉様のお体をこの黒子がしっかり! ぎゅうっと! 抱きしめて眠ればいいだけの話ですの。うふ、うふふふふふ……!」
男湯(サウナ)
一方通行「ぜェ、ぜェ……ッ、アンタ、ただの清掃員にしちゃ随分戦いなれてる動きじゃねェかァ……!」
20000「はっ、はっ、……いえいえお客様のほうこそ、とミサ」
一方通行「! 待てよォ、どっかで聞いた声だなァ、それもここ最近ずっと聞いてる声だ」
20000「なんのごどでじょうがどミ、清掃員はお客様の髪に触れようと伸ばしていた手を引っ込めます」
一方通行「その喋り方ァ! オマエ、妹達のひとりだなァ!?」
20000「むしろ今の今まで気づかなかったセロリたんが天然すぎて萌えー、とミサカは発言し華麗にアフロを脱ぎ捨っ、……」グイグイ
一方通行「……何してンだ」
20000「いや、だからこのアフロを脱ぎ捨ててちょび髭を取ってサングラスを外して格好良く決める予定が」グイグイ
一方通行「地毛じゃなかったのかァ!?」
20000「そこで驚くのかよ、じゃなくてあの、このアフロがほんとに脱げないんですよミサカは一方通行に助けを求めます」グイグイ
一方通行「……地毛じゃねェとはよォ」
20000「いえだから早くこれ脱ぐの手伝ってくださいとミサカは切実に要求しつつ、一旦サウナから出ることも考慮します」グイグイ
一方通行「ンだよォ、そのアフロ中までシャンプー染み込むンですかァとか訊きたかったのにさァ」
20000「なんだよ放置プレイかああそうですか残念でしたねミサカはどんなプレイにも対応してますよとミサカはやけくそで叫びます」グイグイ
一方通行「アー、ていうかそのアフロ脱いだらちょっと貸してくンねェ? 興味わいたわ」
20000「ミサカの脱ぎたてでいいのならっていうかとりあえずこのアフロを脱がせてください限界でふらふらしかけてます、
とミサカは放置プレイを楽しめない自分にがっかりします」
133 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 11:27:30.82 ID:KhX0d2s0 [9/18]
男湯
20000「ちょっこれマジ脱げねーとミサカはぐいぐい引っ張りつつ、動かない一方通行を見つめてみます」グイッグイッ
一方通行「何っていうかさァ、アフロ脱げないって騒いでるバカ見ンの初めてだからかもしンねェけど……」
20000「何を言っているのかわかりかねますがこれマジ脱げないんすよとミサカは」グイッグイッ
一方通行「すっげェ楽しんでるよォに見える。ダンスしてるみたいな。手拍子してやろォか」
20000「これが第一位、一方通行の本気……なんという焦らしプレイ、とミサカは無意識に呼吸が荒くなります」ハァハァ
一方通行(あ、こいつきっと20000号だなァ……面白ェしほっとこ)
一方通行「ンじゃ俺上がるから。サヨーナラ」
20000「えええ!? ちょっと待ってくださいミサカをこのままに捨て置くつもりですかとミサカは、あいたっ! 予告なしに痛い!」ベリッ
一方通行「オラ、うっせェから脱がしてやった。ってェことでこれ借りンぞ」
20000(脱ぎたてをかぶろうとするセロリたんハァハ、あれちょっと待って)
一方通行「~♪ ~♪」ジャー
20000「なんで水洗いしてるんですかとミサカは一方通行が自分の脱ぎたてをかぶらないことに抗議します!」
一方通行「なンでオマエの使用済み使わなきゃなンねェンだよ。そもそもかぶらねェっての」
シャーシャーパッパッ
一方通行「……! す、すげェ、予想以上だぜレインボーアフロ……オイ見ろよこの泡! シャンプー一回でこの泡はすげェ、大したアフロだァ!」アワアワ
20000「まあそりゃアフロに直接シャンプー垂らしこんで数回揉めば泡も大量に出るだろうな、とミサカは未来の泡プレイに思いを馳せます」
一方通行「ひゃっはァァアアア! すげェ泡! これはシャンプーハットいらずだなァ、アフロで出来た泡を最初っから使えばシャンプーが目に入る可能性も減る! こりゃ画期的だぜェ!」アワアワ
198 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 19:58:16.14 ID:KhX0d2s0 [12/18]
男湯(脱衣所)
一方通行「……、……」ギュッギュッ
20000「何をしているんですか、とミサカは足拭きマットを執拗に踏んでいる一方通行を不審に思いつつちょっとマットを羨んでみます」
一方通行「ただなンとなく踏ンでみてェと思っただけだ、よッ」ギュッギュギュッ
>>191「うはwwwwww天国wwwwwwwwイエスwwwwwwwww」
20000(いいなあ踏んでもらえて、とミサカは露骨に羨望の眼差しを向けます)
一方通行「……とまあ、アフロの素晴らしさにやられちまった俺が言うのもなンだけどよ」キュッキュ
20000「はあ、とミサカは先ほどまでのテンションはどこにいったのかとセロリたんを凝視します」
一方通行「オマエ、なンでここにいンの? あともう一度セロリ呼びしたらブチ殺す」
20000「それは、えーっと、禁則事項ですとミサカは視線を逸らしてみます」
一方通行「オマエ巨乳でもロリでもねェだろ。たしか帰ったはずじゃなかったかァ?」
20000「ミサカにもミサカなりの事情があるのですとミサカは返答し、以後黙秘権を行使します」
一方通行「めンどくせェな、ったくよォ。ンで、オマエはここに泊まってンのかそれともそのうち出て行くのか。どっちだァ?」
20000「いえ、本来の目的がまだ達せられていない以上、清掃員として働きますとミサカは答えます」
ブオーブオー
一方通行「オイ、何アフロ乾かしてンだ。それ俺のだぞ」
20000「もとを辿ればプロスネークのものなので、とミサカはちゃっかり自分の所有物にしていた一方通行のあつかましさを評価しつつ、もう一度使うためにアフロを乾かし続けます」
一方通行「――17600号か。なァるほどォ、スネークだし風呂ン中まで尾けたかったがさすがに無理、ンでオマエに代行を頼んだ。そンなとこかァ?」
20000「まさにその通りです、とミサカは無事になんとか乾いたアフロをかぶり……ハァハァハァハァ」
一方通行「なンだオマエ、顔色変えやがって……いやなンでもないなンでもねェから息荒くしたままこっち来ンなこっち見ンな」
20000「嫌がる相手に近寄るのもまた一興ですとミサカは髪を拭いている一方通行に近寄ります」ハァハァ
209 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 20:10:26.46 ID:KhX0d2s0 [13/18]
売店
打ち止め「いくらなんでも遅すぎない? ってミサカはミサカはあの人の安否を気遣ってみるんだけど」
13874「一方通行は18264号が渡した浴衣に手間取っているのかもしれませんね、とミサカはあらかじめ準備していたお金でアイスを購入する算段を立てます」
インデックス「わーいなんでも選んでいいの? 全種類食べたいんだよ」
13874「それはさすがに無理です、とミサカはシスターの問いに千円札を一枚見せることで答えます」
18264(そっか浴衣渡したんだったあれ着るのかなミサカが選んだ紺色をあのセロリが着るのかないやべつに変なことは考えてないけど、とミサカは考えつつ千円札をチラ見します)
13874「ちなみにこの千円札はもし女が先に上がったら適当にこれ使え、と一方通行からいただいていたものです、とミサカは説明します」
打ち止め「用意周到なあたりはさすがあの人! ってミサカはミサカはあの人には先見の明でもあるのかなって考えてみる」
女湯(脱衣所)
黒子「もし一時間以上戻ってこなかったらあの類人猿はボッコボコのギッタギタにしてやりますの……んまぁ!」
17600「あ、どうも、とミサカはおざなりに挨拶します。お姉様の後輩ですね、とミサカはツインテールという特徴が今はない彼女に確認をとります」
黒子「お姉様ったらわたくしに秘匿している妹がたくさんいらっしゃいますのね! はじめまして、白井黒子と申しますわ」
17600「ところでオリジ、お姉様はまだ入浴中ですか、とミサカは姿のないお姉様を心配します」
黒子「お姉様でしたら今頃露天風呂で類人猿とバトってますの。一朝一夕でお姉様とあの類人猿の仲に進展があってたまるものですか」
17600(つまり今ならささっと浴場に行っても問題なさそうですね、とミサカは確信し、制服を脱ぎにかかります)
黒子(ふむ、お姉様と大差ない体つきですのね。それにしてもすべっすべの肌! さらっさらの髪! 吸い込まれそうな瞳!
お姉様でしたら迷わず抱きつき揉みしだき触りまくるところですけれど、さすがに自重しておきますの)
17600「なぜか今ものすごく寒気がしました、とミサカは肩を震わせます」
224 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 20:33:17.24 ID:KhX0d2s0 [14/18]
男湯(脱衣所)
一方通行「だァからしつこいンですよォ!」
20000「不屈の精神を高く評価していただきたいところですハァハァとミサカは浴衣が着崩されているせいで逆に色気が出ているセロリたんに迫ります」
一方通行「オマエ今セロリって言いやがったなァ……、! オーケー、わかった。もォ逃げも隠れもしねェ」
20000「!! よしきたこれでミサカの時代がついに、とミサカは無抵抗になったセロリたんの浴衣に手をかけ――」ピタリ
一方通行「あン? どォした、脱がすンじゃねェのかァ?」ニヤニヤ
20000(まさかこのセロリ、いや学園都市最高の頭脳はミサカがドMでありSっ気があることもすべて見抜いたうえで無抵抗になったというのか!?
ドMの心情としては相手に攻められることこそが至高! よってセロリたんから攻められなければ意味がない!
だがSとしてはセロリたんがここで嫌だ嫌だと喚いて暴れ散らすくらいの抵抗をみせてくれないとなんていうか燃えない!
つまりこの状況はどっちの性癖を使おうとも燃え滾ることができない! とミサカは思い至ります)
一方通行「ほォら、俺はなァンにも抵抗しませンよォ?」ピラッ
20000「じっ、自分から浴衣の袂をめくってみせた、だと……くっ、負けてなるものかとミサカは鼻をおさえます」
一方通行「はン、これくれェで鼻血が出るたァまだまだガキだ。俺を手こずらせるにゃァちっと早すぎるンじゃねェかァ?」
20000「やはり、あなたを振り回すことができるのは上位個体だけのようだ、とミサカは遺言を残し親指を突き出しつつやっぱり浴場に戻ります!」シュタタタタタッ
一方通行「……オマエも十分振り回してたろォが、あンなに舐められた経験なンざねェぞ俺ァ」
露天風呂
上条「ところで、夜寝るときなんだけどな」
美琴「え、あ、な、なに?」
上条「隣が俺って嫌じゃないかなーと思って。なんなら押入れで寝るけど」
美琴「そんな某猫型ロボットみたいな真似しなくてもいいわよ」
上条「え、でも家だと風呂場だし似たようなもんですよ」
美琴(あのシスターと一緒に寝てるわけじゃないんだ……ってなんで安心してんの!?)
239 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 20:46:54.39 ID:KhX0d2s0 [15/18]
露天風呂
美琴「べ、つに嫌じゃないしていうかそんなの気にしないからアンタは適当に横で寝てていいの!」
上条「お? そっか、じゃあいいんだ」
美琴(いやなにいってんのきにするきにするちょうきにする)
上条(気にしないのかー、お嬢様って案外そういうの大らかだったりするもんですかね)
美琴「~~~ッ、……」
上条(そういえば大浴場に来る途中に卓球台あったな、上がってから一方通行に相手頼んでみっか)
美琴「もっもう出る!」ザパァッ
上条「ん、じゃあそろそろ上条さんも出るとしますか」ザパッ
美琴(やだやだやだ恥ずかしいなんで隣歩くのほんともうやだ見れないやだやだやだ)
上条(インデックスが迷惑かけてないといいけどなー)
女湯
美琴「あのバカほんとこっちの身にもなれって、……」
17600「……、……」
美琴「あ、れ? アンタまだ上がってなかったの」
17600「いえ、ミサカは17、じゃない13874号ですが、ちょっとサウナに行ってきたんです、とミサカはサウナを指差します」
美琴「あら、そんなのあったんだ。ちょっち入ってこよっかな」
17600「いってらっしゃい、とミサカはオリジナルを送り出します。
(それにしても13874号と見間違われまくりですね、とミサカは内心複雑です)」
男湯
上条「いい露天風呂だったな……そういえばサウナもあるんだったっけ。入るか」
20000(アフロから若干一方通行のシャンプーの香りがするけどそんなこと構ってらんねえぜ!
とミサカはMNWに上条当麻の半裸を配信する決意を固めレインボーアフロちょび髭サングラス装備で待機します)
260 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 21:33:31.69 ID:KhX0d2s0 [16/18]
売店
打ち止め「あーおっそーい! レディを待たせるなんてジェントルマン失格なのよってミサカはミサカはあなたに怒ってみるけど浴衣が似合ってるから帳消しにしてあげる!」
一方通行「そォかい。ンで? アイス買ってねェのか」
13874「いえ、シスターとミサカ達は買いましたとミサカは告げます。
上位個体はあなたと選びたい、と言ってずっと待っていたんです、とミサカは付け足してちょっと微笑んでみます」
インデックス「ありがとなんだよあくせられーた。ところでとうまは?」
一方通行「……あ」
18264「友人を置いてくるなんてさすが薄情者ですねとミサカは一方通行を見下げます」
一方通行「いや、置いてくるよりひでェわ。変態の餌食になったかもしンねェなァ」
18264(それにしても紺色が案外似合っているような、いや似合ってねーよセロリだし浴衣着ててちょっと前が開いてて鎖骨が、いやだからちげーよ、とミサカは冷静さを取り戻します)
打ち止め「えっとね、ミサカはこの苺ミルクのカップアイスが食べたかったんだけどってミサカはミサカはあなたに教えてみる。
でもその隣の濃厚バニラも気になってる、ってミサカはミサカは悩んでみたり」
一方通行「めンどくせェから両方買って来い。オラ、金」
打ち止め「じゃあ半分こねってミサカはミサカは両方レジに持っていくー!」
13874「お釣りはちゃんとありましたよ、とミサカは新しく千円札を出した一方通行に小銭を差し出します」
一方通行「ンなはした金いるかよ。オマエが持っとけ」
13874「わかりました。ですがミサカはお釣りをもらって喜ぶ子どもではないので今こちらに駆け寄ってくるジャッジメントにひとつ奢りましょう、とミサカは提案します」
一方通行「勝手にしろ」
インデックス「あくせられーた、私はこの最中アイスも食べてみたいんだよ」
一方通行「……今クソガキがレジで会計してっから、とっとと並べてこい」
インデックス「わーい!」
黒子「あらまぁ、随分と太っ腹ですわねぇ」
一方通行「この場で一番年上なンだ、奢るなァ俺しかいねェだろォが。オマエも適当に選べ」
265 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 21:48:14.68 ID:KhX0d2s0 [17/18]
売店近くの休憩所
打ち止め「やっぱり苺は選んで失敗しないなあってミサカはミサカはアイスをすくいながら感想をもらしてみる」
一方通行「バニラ甘ったりィ、いらねェ」スッ
18264「え、なんでここでミサカに渡すんですかとミサカは一方通行の手とアイスを見つめます」
一方通行「クソガキだけで全部食いきれねェだろォ。いらねェならシスターにでもくれてやる」
13874「いえいえさっきから18264号はバニラアイスに心惹かれていたようですとミサカは彼女がさっきアイスを選ばずにお茶を買っていたことを告げ口します」
18264「な、なに言ってるんですかこの三重娘とミサカは13874号をにらみます」
一方通行「食ってねェなら尚更食え」
打ち止め「あ、じゃあミサカが苺アイスちょっと分けてあげるねってミサカはミサカはあなたにスプーンを差し向けてみたり」
一方通行「ア?」
打ち止め「あなたは口を開ければいいの、ミサカがちゃんとスプーンをつっこんであげるからってミサカはミサカは空気の読めないあなたをじれったく思っちゃう」
18264(これ一応間接、だけどあっちはなんかあーん的雰囲気だしいやていうかそんなのどうでもいいだろ何考えてんだとミサカは思い切ってバニラアイスを口にします)
一方通行「……、自分で食う」パクッ
打ち止め「あー、せっかくだし恋人っぽくやりたかったのにってミサカはミサカはぶーたれつつもう一度レッツトライ!」
一方通行「それも甘ェ。オイ、18264号」
18264「ふぁ、ふぁひ、とミサカはセロリから貰い受けたアイスを頬張りつつ返答します」
一方通行「茶ァ残ってたら寄越せ」
18264「ぅえ! ごほっ、」
打ち止め「あなたがコーヒーじゃないものを飲むのって珍しいかも、ってミサカはミサカはさりげなーくバニラアイスも食べ比べしながら驚いてみる」
13874「あれ計算でやってたらおそろしいです、とミサカは一方通行を見ながら呟いてみます」
黒子「ええ、ですがあの類人猿と違って第一位は経済力もありますし、まだましですわね」
インデックス「世の中お金と顔なんだよ。あーおいしかった、げふっ」
風呂行ってくる
299 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/04(日) 23:21:20.83 ID:KhX0d2s0 [18/18]
男湯(サウナ)
上条「何分間耐久できるか挑戦してみるか……あれ」
20000「どうもぜいぞういんでず」
上条「へー、そうですか。俺今から使いますけどいいですか?」
20000「がまいまぜんよ、私もごごで温度調節じまずので」
上条「あ、助かります。すみませんねー、なんか」
20000(……普通すぎて面白みはまったくないのですが、他のミサカは彼の上半身にえらい興奮してるっぽいのでしばらくいましょうか、とミサカは結論付けます)
上条(レインボーアフロかぶる人なんて本当にいるんだな、しかもちょび髭にサングラスって変装してるみてえ)
女湯(脱衣所)
美琴「サウナって一人で入っててもつまんないわよねー、やっぱ黒子は引き止めておくべきだったか」
美琴「それにしてもあいつの、はだ、か……うわああああああ違う違うべつに見惚れてないもん! 全然気にしてないんだから!」
17600(一応トイレに隠れてみましたがオリジナルの絶叫が響いています、とミサカは彼女の葛藤を聞き流します)
MNWスレ一覧
1:三重旅行スネーク 18スレ目(19)
2:上条当麻が半裸になった件※動画あり(1001)
3:【こんにちは】ぶらり八人と一頭旅【三重】(783)
4:なあ、一方通行ってさ・・・(236)
5:上条「付き合わないか?」ミサカ「」(904)
306 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 00:03:23.83 ID:W.lwmIQ0 [1/15]
売店近くの休憩所
黒子「向こうに卓球台やらクレーンゲームやらがありましたわ。お姉様が可愛がっているカエルのグッズもありましたの」
打ち止め「それってゲコ太のこと!? ってミサカはミサカは興奮して思わず飛び上がってみる」
一方通行「クレーンゲームねェ。旅館のゲーセンなンざ高が知れてンだろ」
13874「でもなぜかやってみたくなるのがゲーセンの謎ですね、とミサカは返答します。あとで行ってみますか、とミサカは問いかけます」
インデックス「行く行くーっ! あくせられーた、お金出してね!」
一方通行「明るくヒモ発言してンじゃねェ」
18264「……お金ないんだから察せよ、とミサカは小声でぼそりと発言します」
一方通行「暗くヒモ発言すりゃイイとも言ってねェ」
322 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 11:01:43.86 ID:W.lwmIQ0 [2/15]
大浴場出入り口付近
上条「あーいい湯だった。実にいい湯でした……お」
美琴「なんだかんだでけっこういい温泉だっ……あ」
上条「なんだ、御坂も今上がったのか。サウナ行ってみたか?」
美琴「サッ、サウナね、ええ行ったわよ。け、けっこう退屈だったけど」
上条「あれ、そっち清掃員っていうか温度調節の人いなかったんだな。男湯にはレインボーアフロ装備のちょび髭サングラス清掃員さんがいたんだけどさ」
美琴(それ明らかに変装してるじゃない)
上条「ま、いっか。一方通行達は売店あたりにいるって聞いてるから、一緒に行こうぜ」
美琴「えっ、う、うん!」
上条「ん、どした? なんか顔赤いぞ、のぼせた?」
美琴「ののっ、のぼせてない!」
325 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 11:23:04.98 ID:W.lwmIQ0 [3/15]
売店付近の休憩所
一方通行「なンつゥかー、もォあそこ見てていらいらするくれェ恥ずかしいよなァ」
13874「残念なことに男性のほうが鈍感すぎるのであれ以上は進めませんね、とミサカは上条当麻の鈍さに失望します」
一方通行「そォいや、オマエらは皆あの三下が好きなンじゃねェのか」
13874「おや、それは誰から聞いた情報ですか、とミサカは恋愛ごとに興味のなさそうな一方通行から出た言葉にびっくりします」
一方通行「あのガキが言ってたンだよ。
『ミサカ達はヒーローが大好きで、中には恋愛感情を抱いているミサカもいたりするんだよってミサカはミサカは暴露してみるー』
ってなァ」
18264「……似てねえ、とミサカは後ろで低い評価を下します」
一方通行「黙れ似ててたまっかよォ」
13874「そうですね、とミサカはシスターやジャッジメント、上位個体が遊んでいるゲーセンのほうを見やりながら答えを考えます。
ミサカ達は感覚共有ができる以上、上条当麻に救ってもらったという気持ちが大きく、彼に恋慕しているミサカも少なくはありません。
というか八割方好きです、とミサカは告白します」
一方通行「七千以上の妹に好かれる男、か。キカカッ、こりゃ愉快なモテ男じゃねェか」
13874「とは言え、ミサカは上条当麻に対して恩人への好意しか抱いていませんし、他のミサカで上条当麻より好きな人がいる、という個体もいます、とミサカは伝えます。
こうして考えると――」
打ち止め「あなたも案外そうなっちゃうかも! ってミサカはミサカはゲーセンに飽きちゃったのであなたの膝に乗っかってみたり」
一方通行「あァ? ガキ、オマエあのカエルのぬいぐるみ欲しかったンじゃねェのかァ」
打ち止め「うん、でもミサカの身長だとクレーン調整が見えづらくて難しかったのってミサカはミサカは低身長を嘆いてみる。
ちなみに今シスターさんはでっかいお菓子を獲ろうと必死だけどもう3000円つぎ込んじゃってるよってミサカはミサカはごしゅーしょーさまって手を合わせてみたり」
327 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 11:50:05.21 ID:W.lwmIQ0 [4/15]
一方通行「確かに5000円札を適当に渡した俺が悪ィのかもしンねェけどよ……そこまでやって獲れねェってンなら諦めろよ」
打ち止め「ちなみにゲコ太の超でっかいぬいぐるみはツインテールさんが、
『お姉様のお喜びになる顔が見たいですの!』
って空間移動させてたよってミサカはミサカは彼女の能力の便利さを実感しました!」
18264「それは反則では、とミサカは首を傾げつつ、いいなーゲコ太のストラップでいいからほしいなーと一方通行に視線を向けます」
一方通行「はァア? 俺に獲れってのかァ?」
18264「いやそんなことは言ってないけど、あどうせ一方通行には無理かっ☆ とミサカは馬鹿に」
一方通行「よォしわかったオイクソガキ共目に物見せてやンよォ!」
13874「本来その言葉はひどい目にあわせる、という意味を持ってはいませんでしたか、とミサカはこれから彼が行うことはむしろミサカ達が喜ぶことでしかないと判断を下します」
打ち止め「あの人は普段どうでもいいことは受け流すから、けっこう今はテンション高いのかもってミサカはミサカはちょっと嬉しくなってきたり」
ゾロゾロ移動しました
売店
上条「……いない」
美琴「……いないわね」
上条「んーと、どうする御坂。上条さんは今お金持ってないから何も奢れないんだけど」
美琴「それくらい予想してたわよ。500円なら持ってるから飲み物好きなの選んでいいわ」
上条「え、それって御坂が奢ってくれるのか!?」
美琴「そっ、そんなに目を輝かせなくても」
上条「いやあ、今ほんと喉かわいててさ。サンキュ、この恩は必ず返す!」
341 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 20:04:22.75 ID:W.lwmIQ0 [5/15]
ゲーセンっぽいところ
インデックス「んしょ、よっと! そりゃ、えいっ、とお!」
一方通行(まだやってやがる)
13874「シスターさんの辞書に諦めるという単語はないようですね、とミサカは感心します」
黒子「……あらかじめ言っておきますけれど、ここのクレーンゲームは難しいですの」
一方通行「空間移動使ってでけェぬいぐるみ獲ったやつに忠告されたかねェなァ」コキコキ
13874「肩を回すだなんてかなり本気ですね、と御坂は浴衣を肩まで腕まくりしている一方通行に期待します」
18264(うわマジほせえ腕ほせえていうか腕まくりとか似合って、いや似合ってねーよまじねーよwwwwwとミサカは一方通行をなめくさってみます)
打ち止め「ミサカはあの中くらいのぬいぐるみがほしいなってミサカはミサカはあなたに頼んでみる」
一方通行「任せろ」カチリ
18264「おやおや電極のスイッチを入れるんですか、そうですかそうですか能力使用モードでなければ獲れないのですねとミサカは」
13874「まあまあ落ち着きましょうとミサカは一触即発なふたりの間に入ります。
18264号もあとで一方通行に獲ってもらえばいいのでは、とミサカは名案を投下します」
一方通行「名案だァ? 誰がこンな毒舌に獲ってやるかよォ」
打ち止め「その言い方はよくないよってミサカはミサカはあなたの浴衣の帯を引っ張ってみる」
18264「いやべつにいいですしていうかあんなん自分で獲れるんでそこの貧弱白もやしの手なんか借りたくもねーよとミサカは吐き捨てさっさとクレーンゲームの前に移動します」
インデックス「とぉりゃっ! そりゃ、えいっ! ……むう、なんで落ちないかなあ。最後の100円玉なんだよ」
一方通行「オマエはどンだけつぎ込ンでるンですかァァア!? もォいい俺が獲る! 金貸せやァ!」
売店
上条「なんかゲーセンのほう騒がしいけど、一方通行達か?」
美琴「へっ、あ、そうね、うん、そうかも、うん、きっとそうよ」
上条「うっし。それじゃ行こうぜ、御坂」
美琴(あーあ、もうちょっとふたりっきりでいたいとか言ったらキョトンってされるんだろうなー……)
343 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 20:15:08.65 ID:W.lwmIQ0 [6/15]
ゲーセンっぽいところ
一方通行「オラ、どれ欲しいンだガキ」
打ち止め「一番奥のちょっと埋もれているゲコ太がほしいってミサカはミサカは横にまわってプラスチックをこつこつと叩いてみたり」
13874「おや、もう戻ってきたんですかとミサカは手ぶらの18264号に声をかけます」
18264「……獲れなかったちくしょうマジセロリ死ねとミサカは呟き一方通行の集中力を乱します」
一方通行「嫌がらせしてくンな獲れねェだろォが!」
18264「これしきの妨害で能力使うあたりほんとどうしようもねーなこいつとミサカは露骨にやれやれと肩をすくめてみます」
一方通行「アーもォ何だ何だよ何なンですかァ! 今クソガキのカエル獲ったらオマエのも獲ってやっからちったァおとなしくしてろォ!」
打ち止め「ひゅー堂々とクレーンゲームの勝利を約束しちゃったねってミサカはミサカは興奮のあまりジャンプしてみる!」
18264「べっ、べつにセロリに獲ってもらわなくてもいいもんっていうかなんでそんなにミサカを子ども扱いするんですかとミサカは憤慨します」
黒子(お姉様のツンデレっぷりも大概ですけれど、妹さんのツンデレっぷりはもはや脅威ですわ)
インデックス「うまい棒おいしいんだよー」サクサクサクサクサクサクサク
上条「お、いたいたー。一方通行がクレーンゲームやってる」
美琴「珍しいこともあるも、!?」
上条「わっ、いきなり腕引っ張らないでくださいよ御坂さん、って何だ? なんか欲しいものでもあったのか」
美琴「ゲ、ゲコ太ぁぁああ……!」
上条(御坂の目がすっごーくきらめいてるわけなんだがこれ獲ればいいのか……?)
黒子「あら――んまぁ、おっねえさま~~~ん!! 黒子の気持ちを受け取ってくださいですのぉぉおおッ!!!」ガバァッ
上条「へぶっ!」
美琴「うわ、ちょっと黒子! バカを踏んづけない! ていうかこの大きいゲコ太もらっていいの!?」
344 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 20:28:46.56 ID:W.lwmIQ0 [7/15]
一方通行(一番奥の埋もれてるカエル、ってェとあれか。……能力使うまでもねェ)カチ
18264「おうおう切っちゃっていいのかい、とミサカは野次を飛ばします」
一方通行「だァから黙れっつってンだよ。こンなもン、能力使わなくたって獲れる」
打ち止め「ちなみにミサカは全然できなかったんだからってミサカはミサカはあなたの自信がどこからきているのか気になるんだけど……っておおお!?」
一方通行(ひっかけて獲るってェのが無理なら正攻法で行くしかねェ。あのカエルは首あたりを掴ンどきゃァ運べる)
18264「無言で着実にゲコ太を攻めていますね、とミサカは態度を改めます」
一方通行(よし、引っ掛かった。あン? このクレーンゲーム回転が効かねェタイプか? さすが温泉宿ってとこかァ)ガシッ
打ち止め「そうそう回転できないから気をつけてねってミサカはミサカは経験者として語ってみたり」
一方通行(仕方ねェ、少し強引に引っ掛けるためにも深めに――)ウィーン
美琴「あーっ!!!! ゲコ太の持ち運びしやすいサイズのぬいぐるみぃぃいい!!!」ビリビリビリ
一方通行「のわァ!?」ポロッ
18264「あ、アームから落ちてしまった、ああこれは大変だ、とミサカは他人事のように呟きます」
美琴「へ? ああ、ごめんごめん。ちょっと興奮しすぎたわ」
打ち止め「ミサカは楽しみにしてたしあともうちょっとだったのにってミサカはミサカは落ちこんでみ……ん?」
一方通行(……、……)カチリ
18264(結局電極のスイッチ入れてんじゃん、とミサカは結果至上主義に呆れます)
一方通行「H30W15、腕の下に突っ込めばバランスを保持しながら完璧に持ち上げることができる。頭が少し重くなっているため少し頭よりにアームを移動させれば」
打ち止め「……能力使うんじゃなくてとことん演算するのねってミサカはミサカは驚きつつ、あなたが本気を出すなら間違いなく手に入るかなって確信してみる」
355 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 20:44:44.65 ID:W.lwmIQ0 [8/15]
上条「インデックス、そんなに大量のうまい棒どこで手に入れたんだよ」
インデックス「サクッ、5000円かけて、サクサク、獲ったんだよ」サクサクサク
上条(俺もう一方通行に催促されても断れねえ)
インデックス「とうまも食べる? 牛タン味」サクサクサクサクサク
上条「よりによって微妙なチョイスをしやがりますか!」
18264「でしたらミサカがいただきますとミサカは牛タン味を食してみます」サクサクッ
一方通行「ひゃは、アハぎゃはははははッ! どォだ超電磁砲、こンな雑魚ガエルの1匹や2匹ちょろいもンだってェの!」
美琴「くっ、……甘いわよ一方通行! アンタがベクトル操作でゲコ太を獲ろうってんなら私はこのクレーンゲームを支配下においてやる!」ビリビリ
一方通行「ざァンねェンでしたァ~! あいにく俺は元学園都市最高の頭脳だけでこの雑魚ガエルを片っ端から落としてンだよォ!」
打ち止め「よくわかんないけどゲコ太はすでに10匹以上獲れちゃった、ってミサカはミサカは山になったカエル達を見つめてみる」
13874「死骸の山のように積まれていますね、とミサカはさりげなく1匹を確保しながら異様な光景に目を瞬かせます」
一方通行「オーケーオーケェ、なら次は向こうのストラップでどっちがどれだけすくい取れるかで決めよォじゃねェか!」
美琴「私の最も得意な台で争うなんていい度胸してるわねぇ? いいわ、その余裕ぶった顔を崩してあげるわよ!」
黒子「お姉様、他のお客様の迷惑に……と思いましたが他に客もいませんの」
13874「この熱気に入って来れないのかもしれません、とミサカは一方通行とオリジナルにもうちょっと分別を持ってもらいたいものだと嘆息します」
売店近くの休憩所
20000「サウナで上条当麻にこの格好で会ったものの、何のツッコミもなかったですとミサカは自分にお笑いの才能がないことを痛感しました」
17600「でもgjでした、とミサカは変態を励まします。
20000号の盗撮行為のおかげで何百何千ものミサカが向こう一週間ほどの上条成分をチャージできたどころか、気絶したミサカも多いようです、とミサカはMNWの一時的なダウンを指摘します」
359 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 21:08:19.84 ID:W.lwmIQ0 [9/15]
チューハイしかねえ
ちょっとコンビニ行ってくる
一方さんと美琴のシリアスやべええええええええ
かっけえええええええええええ
373 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 21:50:42.00 ID:W.lwmIQ0 [10/15]
美琴「制限時間は3分。その間に多く獲れたほうが勝者! いいわよね?」
一方通行「異論はねェ。後で泣きべそかいたってしらねェぞ、せいぜいあの三下にでも慰めてもらえ」
美琴「!! なっ、なんでそんなあいつに私がそんな慰めてもらうだとかそんな」
打ち止め(最初からお姉様の思考を奪う心理戦に出るなんて策士すぎない? ってミサカはミサカはあの人の大人気なさに苦笑してみたり)
18264(あ、これ欲しいやつだ……確かにさっき獲ってくれるって言ってたけど今はまったく考えてないだろうしいや期待してねーけどなとミサカは吐き捨てます)
上条「たかだクレーンゲームで何熱くなってんだあいつらは」
インデックス「とうま、負けられないときっていうのは誰にだってあるんだよ」
黒子「もっとも、常盤台エースであるお姉様の『負けられないとき』は今ではない気がしますの」
13874「ではでは、おふたりとも準備はよろしいですか、とミサカは合図係になってみます。両者、構え!」
美琴「ゲコ太をバカにした者には天誅よ……!」
一方通行「面白ェ、クソガエル如きでこの俺に楯突こォってかァ?」
13874「レディー……ファイッ! とミサカは威勢よく掛け声をかけます。ちなみに時間はこちらで正確に計らせていただきますが、1分ごとにお伝えします、とミサカは宣言します」
打ち止め「たしか温泉三重旅行だったはずなのにってミサカはミサカは意外な展開にちょっとついていけなかったり」
一方通行(この手のクレーンゲームは1個を狙えばイイってもンじゃねェな、山を崩しにかかったほうが早ェ。にしても電撃使いは有利だなァ)チラ
美琴(考えてみればあっちは演算のみ、つまり私がここでアームに直接電気を流して操作しちゃえば勝てるんだけど――それじゃ反則勝ちよね)チラッ
一方通行(あン? 超電磁砲が能力を使おうと……しねェ?)
美琴(私は第三位で一方通行は第一位、だけどゲーセン、とくにクレーンゲームにおいては……)
美琴「対等の立場ってもんを守らなきゃならないわよねぇ!」ウィーン
一方通行「……ハ、大した余裕だなァ。この俺相手に能力使わねェたァよ」
美琴「反則で勝ったって面白くないの。やるからには同じコンディションで、ってね!」
一方通行「おォおォそいつァヒーローすぎる考えだ。少しでも勝率上げンのが賢い生き方だぜェ?」
18264(と言いつつも能力は使わないわけだが、とミサカは賢くない一方通行に決してときめきませんときめいたりしてません)
376 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 22:22:25.92 ID:W.lwmIQ0 [11/15]
一方通行「山だ、山を崩しにかかりゃァ後は落ちてくる!」
美琴「山を崩すだけならいずれ使い物にならなくなんのよ? だから私は引っ掛ける!」
13874「残り1分です、とミサカはふたりに告げます」
一方通行「崩れろォォオ!」ウィーンウィーン
美琴「引っ掛かれぇぇえ!!」キシャーキシャー
上条「……学園都市上位の能力者の争いがくだらなすぎる」
インデックス「平和が一番なんだよ。コーンポタージュおいしー」サクサクサク
黒子「というか、あの大量のカエルは一体どうするおつもりですの?」
打ち止め「いざとなったらミサカ達で適当に配分しちゃうかもってミサカはミサカは処分方法について考えてみる」
一方通行「だりゃァァアアアアア!!!」プッシュプッシュプッシュ
美琴「はぁぁあああああああ!!!!」ガッシャガッシャ
13874「はい、そこまで! とミサカは3分が経過したことをお伝えします」
一方通行「はァ、はァ……! なかなかやるじゃねェか、第三位」スッ
美琴「はっ、はっ……、さすがね、第一位」スッ
パンッ
打ち止め「なんでふたりの間にはライバルがお互いを讃え合う妙な空気が生まれていて、しかもハイタッチしたのかなー
ってミサカはミサカは疑問に思いつつ、ふたりの仲が良くなったことを素直に喜んでみる」
13874「一方通行が22ゲコ太、オリジナルも22ゲコ太――両者引き分けです、とミサカは感動のエンディングを演出します」
380 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 22:32:16.51 ID:W.lwmIQ0 [12/15]
美琴「無我夢中で掬いまくってたけど、さすがに多いわこれ」
黒子「お姉様、そうおっしゃいながらも10個以上持っていらっしゃるのはどうしてですの。全部お持ち帰りなさるおつもりで?」
打ち止め「余るんだったらミサカが妹達に分けるけどいいですかってミサカはミサカは訊ねてみる」
一方通行「好きにしろ。……あ、オイ18264号」
18264「なんだよクソセロリとミサカは一方通行にジト目を向け、ッ?」
一方通行「欲しいって言ってたのはこのクソガエルだろ」グイッ
18264「く、れる、んですか、とミサカは押し付けられたゲコ太を見つめながら呟きます」
一方通行「誰のために獲ったと思ってンですかァ、こンのクソガキが。ま、オマエのためだけじゃねェけどなァ」
18264「……、……」
一方通行「オイコラ、なンか言うことねェか? 俺に」ニヤニヤ
18264「……ありがとう、ございます、とミサカは小さな声で相手を見ずに礼を述べます」ギュッ
上条「なにあそこの空気上条さんついていけない」
打ち止め「おかしいなあ、すっかり丸くなっちゃってるってミサカはミサカは18264号の変わりっぷりを複雑な思いで見つめてみる」
13874「まるで少女漫画のような展開でしたねとミサカはよく読んだこともない漫画について知ったかぶりをします」
インデックス「むっ、これはチョコかな? すごく細いけどおいしいかも」サクサクサクサク
390 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 22:49:24.70 ID:W.lwmIQ0 [13/15]
上条「そういえばさ、向こうに卓球台あったんだよ」
美琴「お約束ねー。漫画でもよくある」
打ち止め「たっきゅう? ってミサカはミサカはやったことがない遊びに興味津々!」
一方通行「ンで、ナニか。オマエ卓球したいとか言うのかァ?」
打ち止め「うん! なんだかとっても楽しそうってミサカはミサカはたっきゅうに胸を膨らませてみたり」
一方通行「オイ三下、案内」
黒子(甘やかしすぎだと思うのですけれど、お姉様によく似てらっしゃるし可愛がる気持ちは痛いほどにわかりますの)
13874「卓球ですか、とミサカはごそごそと持参していたラケットとピンポン玉を取り出します。実はけっこう得意です、とミサカは不敵な笑みを浮かべます」
上条「三重って卓球盛んなのか? 知らなかったぞ」
18264「いえ、ただ13784号が好きなだけです多分、とミサカは隣の13874号の足取りが若干スキップじみているのを見てちょっとげんなりします」
インデックス「うまい棒なくなったんだよー」
美琴「うわ、ちょっとアンタの後ろうまい棒ロードができあがってんだけど……サクサクしすぎでしょ」
卓球台スペース
13874「さあさあつきました! とミサカは卓球台のすべすべした感触を味わいつつにっこり笑います」
一方通行(ある意味こいつが一番怖い)
打ち止め「たっきゅう、ってダブルスでやるの? それともシングルス? ってミサカはミサカはあなたの浴衣の袖を引っ張りつつ訊いてみる」
一方通行「オマエひとりにやらせてたらラリーになンねェだろォが。ここはダブルス、異存はねェなァ?」
黒子「ええ! お姉様一緒に! この黒子と共に!」ハァハァ
393 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 22:56:00.34 ID:W.lwmIQ0 [14/15]
上条「んー、じゃあ適当にペア決めよ」
一方通行「クソガキの面倒を他人に押し付けるわけにはいかねェ。俺がペアになる」
打ち止め「あなたがペアなら百人力ねってミサカはミサカは飛び上がってみたり! そんなわけでミサカはミサカはラケット選んできまーす!」
18264(いやべつに一緒になりたかったわけじゃないしこんな展開わかってたしセロリと一緒とかまじ勘弁とミサカは意識を集中させます)
13874「ではミサカは妹達同士18264号とペアになります。残りは……」
インデックス「とうま、一緒に卓球するんだよ!」
上条「おーいいぜ。上条さんの足は引っ張るなよ?」
美琴「あ、う……」
一方通行「まァ待て。いつもと違うペアってのも悪くねェだろ、三下ァ」
上条「いつもと違うっていうと……白井?」
黒子「お断りですの。それくらいならいっそあなたとお姉様で組んでみては?」
美琴「ふぁっ!?」
一方通行「アーいいンじゃねェ? 下しがいがあらァ」
インデックス「……まあ、出資者はあくせられーたなんだから、従うんだよ」
黒子(お姉様の笑顔のため、お姉様の笑顔のため)
423 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/05(月) 23:54:06.45 ID:W.lwmIQ0 [15/15]
18264「……『いつもと違うペアってのも悪くねェだろ』」
一方通行「あン?」
18264「今そう言いましたよね確かに、とミサカは一方通行が数秒前の自分の発言を覚えていることを確認します」
一方通行「まァ、言ったな。それがどォしたァ」
18264「その理論に従えば。あなたは普段一緒に行動している上位個体ではなく。ほかの人間とペアを組むべき。とミサカは名前も知らない人の真似をしつつ提案します」
打ち止め「ラケット持ってきたよーってあれ? なんか変な空気? ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」
上条「言ってた。一方通行は確かに言ったな」
一方通行「……、……」
美琴(ここはどう言うべきなのよ、一方通行には今回の旅行でなんだかんだ世話になっちゃったしでもたしかにこいつ言ったわよね)
黒子「あら、でしたらこうしましょう。わたくしと小さいお姉様はペアを組み、シスターさんと第一位がペアを組むんですの」
18264「それはだめです、とミサカは即答します」
一方通行「じゃァどォしろってンだオマエはよォ! じゃンけンで決めるとかなしな! あれはなし!」
インデックス「……えーと、そこの毒舌は、あくせられーたと一緒にやりたいの?」
430 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 00:07:53.93 ID:rBlVCkU0 [1/11]
18264「!?」
一方通行「はァア? なに言ってンですかァ、こいつがンなキチガイじみた真似すっかよォ」
打ち止め「そう言われるとまるでミサカはキチガイみたいなんだけどってミサカはミサカは反論を試みてみたり」
美琴(え、そうなの? あの子一方通行が好きなの?)
13874(好きの一歩手前、つまりちょっと前のオリジナルですねとミサカはしれっと返答します)
美琴(ちょっとなによそれ私がいつあのバカを好きになったって言ったのよ)
黒子(お姉様、それもうほとんど認めているようなものですの……黒子は今夜がんばりますわ、今夜!)
上条「まずい、展開がまったくわかんねえ」
インデックス「だからとうまは鈍いんだよ」
一方通行「とにかく、俺がクソガキと組むことは決まりきってンだろォが。今さら覆す必要なンざねェぞ」
18264「……あーやっぱ今までのああいう感情はキチガイだったわーとミサカは吐き捨てラケットを手に取ります。
いいでしょう、こちらには13874号という卓球のスペシャリストがいるうえ、ミサカ達は感覚共有で完璧に息のあったプレイを展開させてやります。
全力でいきます、上位個体と貧弱セロリだからといって手加減しません、とミサカは瞳に闘志の炎をともします」
一方通行「よくわかンねェが全力出すってンならこっちも容赦しねェ。打ち止め、ラケット寄越せ」
13874「あーやっちまったよ、とミサカは頭を抱えます。てうかそこまで言われるほど卓球強くないし下手の横好きなんですよとミサカはここで保険をかけておきます」
上条「俺もさっぱりわからんが妹達と一方通行達が試合するんだよな、じゃあ適当にカウントするぜ」
美琴「あ、アンタは隣で私と練習するの!」
黒子「なにやら本格的になってまいりましたわね。
いいですの、この白井黒子――今回ばかりは敵としてお姉様の前に立ちふさがり、お姉様を徹底的に痛めつけ快感に導いてさしあげますわ!」
打ち止め「後半はまったく違うんじゃないかな、ってミサカはミサカは消極的にツッコミをいれてみる」
431 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 00:20:05.01 ID:rBlVCkU0 [2/11]
13874「ひとつお聞きしますが、一方通行、あなたは卓球をやったことがありますか、とミサカは訊ねます」
一方通行「あるわけねェだろ。ンな暇な人生は送ってきてねェよ」
打ち止め「えー、てっきりあなたは経験者だと思ってたのにってミサカはミサカはなぜか再び腕まくりをしているあなたを見つめてみる。
じゃあルールとかも知らないんじゃ、ってミサカはミサカは最悪のケースを想定してみるんだけど」
一方通行「ルール? そンなもン、この俺がルールに決まってるだろォが」
18264「……、……」
13874「……、……」
打ち止め「……、……」
一方通行「……、ジョークだ」
18264「つうか上位個体の体が若干卓球台に届いてねーじゃんこりゃだめだわ勝負になんねー、とミサカはため息を吐き出します」
打ち止め「むうー! ミサカはミサカは好きでこんなに小さいわけじゃないんだよ!」
一方通行「そォだ、こいつは好きでこンなに小せェわけじゃねェ。いざとなったら抱きかかえやすくてイイだろ、小さいと」
13874「それも理由に適っていませんね、とミサカは苦笑しつつ、細かいルールは面倒なのでやめておきましょうと進言します」
一方通行「ア? それァ俺に甘ェルールでピンポン遊びでもしとけってことかァ?」
18264「ルール知らないくせにいきがってんじゃねーよセロリとミサカは露骨にバカにします。
ちなみにミサカは13874号と間隔共有をすでにしているため卓球に関する前知識は十分です」
一方通行「……よォくわかった。つまりオマエらはこのクソガキが小さくてろくに卓球台にも届かねェから本格的な卓球はやらねェと。そォ言いたいわけだよなァ」
13874「そこまで悪意を持った言い方はしていませんが、要約するとそうなりますとミサカは頷きます」
一方通行「どォせ俺ァルールも知らねェしやったことはねェ、打ち止めは小さくて一般的なプレイヤーにしたら随分と不利だ。だったらよォ、俺とこのガキでやる卓球だ。いや、卓球じゃねェな。今から俺達が行う球技は、
――アクセラオーダーテイボォテニスだろォがよォ!」
上条「無駄に発音いいけどあれ正直どうなんだろうな」
美琴「どうもこうもないわよ。つまり俺ルールじゃない」
466 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 08:22:59.42 ID:rBlVCkU0 [3/11]
13874「ア、クセラオーダーテイボォテニス……!」ゴクリ
18264「いやなんで前回のオリジナルと同じ反応してんだよとミサカは裏手でつっこみます」
一方通行「あァそォだ。ルールも知らねェ俺と、卓球台に届かねェこのガキとで行う種目に、一般的な卓球のルールが適用されるわけがねェだろォ!」
18264「いやなんでお前そんなに尊大なんだよとミサカは裏手でさらにつっこみます」
13874「……アクセラレータ、ラストオーダー、テーブルテニス……穴がありますね、とミサカは冷静になった頭で告げます」
打ち止め(べつにどうだっていいけどたっきゅうやらないのかなってミサカはミサカの蚊帳の外?)
一方通行「穴、だとォ? いいぜ、言ってみなァ!」
13874「あなたは大変な思い違いをしているようです、とミサカはラケットを構えながら言い放ちます。
あなたがこれかあしようとしているルールは、このミサカが慣れ親しんでいる13874号独自のルールに他ならないのです、とミサカは宣言します」
一方通行「オマエ独自の……ルールゥ?」
13874「この四人の中で誰が卓球を一番愛しているか、それはもちろんこのミサカです。ですがミサカは最初に言いました、そこまで言われるほどうまくないし下手の横好きですと。
そもそも研究所で調整に明け暮れているミサカに十分な卓球のでいる満足な環境があるとお思いですか、とミサカは訊ねます」
打ち止め「たしかになさそうだけどってミサカはミサカは13874号に答えてみたり。じゃあどうやって卓球してたのってミサカはミサカは訊ね返してみる」
13874「簡単なことです――研究所のパソコンを適当にハッキングしてネット対戦で卓球やってました、とミサカは白状します」
一方通行「な、なンつゥインドアな……!」
13874「そして隣の18264号はミサカと感覚共有することで得た知識をフルに活用しようとしていますね、とミサカは確認します。
その知識は間違っていたとしたら? このミサカが親しんできた卓球のルールはあくまでもネット上のもので、本来の卓球とは別物だとしたら?
そう、その場合今から行うのは卓球でもなければ、アクセラオーダーテイボォテニスでもありません! とミサカは断言します」
一方通行「……なるほどなァ、オマエの言い分も一理ある。ンで、じゃあオマエは何だってンだァ?」
13874「ふふ、とミサカは忍び笑いをもらします。今から行う種目、それは紛れもなく――シスターズアクオーダーテーブルテニス@三重です! とミサカははっきり言ってみます」
18264「あ、そっかミサカはシスターズでまとめちゃうんだ、とミサカは個性の尊重が慮られていないことに残念がります」
打ち止め「ていうかこれはさすがにないかもってミサカはミサカは全否定してみるんだけど……あれ、あなたはなんで固まってるの?」
一方通行「この俺が……一方通行が、アク二文字に収められただとォ……
まあたしかにな、俺は悪の頂点に立つって決心したしアクは満更間違いでもねェよだけどなんてェかモチベーション? みたいなもンが下がるだろ大体なンで俺が最初じゃないンですかァ!?」
打ち止め「そこツッコミどころ違うよってミサカはミサカは一応呟いてみるけど多分聞こえてないよね」
471 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 13:01:16.80 ID:rBlVCkU0 [4/11]
一方通行「とりあえずシスターズアクオーダーテーブルテニスは却下だ、認めねェ」
13874「@三重が抜けていますがとミサカは鋭く指摘します」
18264「そんなんどうでもいいからやるならやろうぜ、とミサカはファイテングポーズを取ります」
一方通行「どォでもイイわけねェだろ! ここは正式名称をきちんと定めるところから始めねェと後で思い出したときに
『あれ、そういえば旅館で卓球台使ってあれやったじゃん。あれなんだっけ……あれだよ、あれ』
『あれじゃわかんないんだけど。お前の言葉が全人類に伝わるとか思わないでくれる?』
『だからあれだって、あれ! 卓球みたいなあれ』
『だからあれってなんなんだよ! あれあれあれあれうっせェ! アレイスターかお前は!』
『いやそのツッコミ全然うまくないんだけど』
みたいな会話になりかねねェ」
打ち止め(ていうかあなたはそんな会話を誰かとする予定があるのかなあってミサカはミサカは疑問を抱いてみる)
13874「……ふむ。言い分には筋が通っていますねとミサカは頷きます」
18264「どこも通ってねーよふにゃふにゃじゃねーかさすがもやしだなとミサカは批判します」
一方通行「イイか、これはアクセラオーダーテイボォテニスだ。なンなら@三重をつけてやっても構わねェが、譲歩できンなァそこまでだ」
13874「あ、じゃあそれでいいや、とミサカはあっさり妥協しネットの張りを確かめます」
18264「それでいいんかい! とミサカは相方に二度目の裏手ツッコミをかましかけましたが13874号がネット調節でかがんだためにスカしました。悔しいです」
打ち止め(MNWで卓球について調べたから内容もルールもわかっちゃったんだけど、この場で言うのもあれかなってミサカはミサカは自重してみる)
黒子「そういえば以前はアクセラオーダーハイドアンドシークとかおっしゃっていましたわね」
美琴「よっぽどアクセラオーダーを頭につけんのが気に入ってんじゃないの」
インデックス「そもそも卓球はそんなに難しいルールはなかったと思うんだよ」
上条「はしゃぎたいお年頃ってあるだろ。……にしても一番年下であるはずの打ち止めが一番大人びて見える」
477 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 13:19:15.26 ID:rBlVCkU0 [5/11]
一方通行「アクセラオーダーテイボォテニス@三重のルールは簡単だァ……打つ、返す、クソガキが打ったらポイント」
18264「おいこら待てやセロリ、とミサカはあまりにも甘すぎるルールに待ったをかけます」
一方通行「あン? だってオマエ言っただろォが、クソガキが小せェってよォ。
だったらその小せェやつが打ったという事実そのものに意味を見出し評価し認めることが、このクソガキの新たなる可能性を伸ばす大事なステップだろォ」
打ち止め「う、なんだか小学校の教育方針みたいってミサカはミサカは熱血教師モードのあなたに引いてみる」
13874「……事実そのものに意味を見出し評価し認めること――なるほど、もっともですとミサカは同意します」
18264「だからお前はなんでそうあのセロリに感化されやすいの? なんなの素直なの? 素直すぎんの?
とミサカは隣の13874号の吸収力の高さにドン引きです」
一方通行「そォと決まれば試合開始だ」カチリ
18264「いや決まってねーししかもこいつ余裕で能力使用モードにしやがったしもう勝ち目ねーよとミサカは項垂れます」
13874「いいえ、ひろみ、じゃなかった18264号。諦めるのはまだ早くてよ。やる以上はしっかりおやりなさい、よくって?
とミサカは背後に美しい花々を咲かせて一方通行に挑みます」
一方通行「なァ……ッ!? お蝶夫人に勝るとも劣らねェオーラ、だとォ……!?」
打ち止め「あなたはどうして昔のスポ根漫画の有名人物を知っているのってミサカはミサカは首を傾げてみる」
一方通行「こォなったら――オラ、立て、立つンだ打ち止めァ!」
美琴「……あいつ、実は漫画けっこう読んでるのかしら……いやまさかね」
上条「上条さんはむしろ13874号がエースをねらえを読んでいたことにびっくりしましたよ」
黒子(お姉様が普段の言葉遣いではなくもっと上品におっしゃっていたらそれはそれで大変萌えるんですのね!)
インデックス「一向に卓球が始まらないかも」
484 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 13:48:22.85 ID:rBlVCkU0 [6/11]
18264「常識的に考えて、セロリが能力使ったら勝てるわけないだろとミサカは正論を述べます」
一方通行「安心しろ、演算だけだからよォ」
18264「クレーンゲームと違って卓球は演算の後にためらいなく反射するだろとミサカは論破します」
一方通行「……じゃァあれか? 演算も反射もベクトル操作もなしでいっそ能力使用モードも全部切って通常モードの一般人なこの俺に卓球なンて激しい運動をしろってェのかオマエは。
一応これでも立派な障害者なンですよォ俺は! 優しくしろ! もっと労れ! 介護する勢いで!」
上条「あいつ酔っ払ってないか」
美琴「ノリがおかしいわね」
黒子「あら、あれが普通だと思っていましたの」
インデックス「そういえばなんだか顔が赤いんだよ」
13874「一方通行、あなた少しはしゃぎすぎではありませんか、とミサカはいつもより肌が赤い一方通行を心配してみます」
一方通行「はァア? 誰がはしゃいでンですかァ、あれ、つゥかオマエらいつからンな増えた? あ、もとから妹達は8人いたのか……待て、打ち止め、オマエクローンでもいたンですかァ? 増えてンぜ、4人に」
打ち止め「え、何のこと? ってミサカはミサカはどこか焦点の合っていないあなたの赤い目を覗きこんっ、ってうわあ!」
バタンッ
一方通行「はァ、……あ、はぁ、……ンだァ? いつから地球はぐるぐる回ってンだ……アー違ェ、あは、ぎゃははッ、クキ、カカッ……ねる」
打ち止め「ちょ、ちょっとこのまま覆いかぶさって眠られるとどきどきするし動けないし困るんだけどってミサカはミサカは……ってあっつい! あなた火照りすぎだよってミサカはミサカは慌てて体を引き剥がしてみる!」
一方通行「ンだよォ……あったけェ……あちィ」ギュウ
打ち止め「うわわわわっ、えっと、前にもこんな風に毛布扱いされたかもってミサカはミサカは記憶を掘り起こしてみるんだけどその前に誰かこの人を部屋まで運んでほしいかも」
上条「あ、俺運ぶよ。のぼせちゃってんだろ?」ヨッコラセト
一方通行「おォ? 体が浮き上がったぜクソガキィ……無重力じゃねェかこれェ……きゃははアハははっ」
美琴(あ、い、いいなあ……背負われてるのいいなあっ!)
黒子「背負わずともわたくしが空間移動で運んだほうが早いですの。失礼しますわ」
インデックス「おおっ、ツインテールとあくせられーたが消えたんだよ」
売店近くの休憩所
20000「温泉でのぼせて真っ赤になるセロリたんハァハァとミサカは策士っぷりを披露します」
17600「そういえば彼は普段長風呂派ではないにも関わらず少々長く浸かっていましたねとミサカは一方通行の体力のなさに驚きます」
489 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 14:06:56.15 ID:rBlVCkU0 [7/11]
301号室
打ち止め「……無理させちゃった、ってミサカはミサカは落ち込んでみたり。
考えてみたら普段けっこうローテンションなこの人が異常に騒いでいたことをまずはおかしく思うべきだったのかもってミサカはミサカの自己嫌悪……」
13874「いえ、悪いのは誰でもありません。しいて言えば自分の体調管理が行き届いていなかった一方通行と、案内人なのにテンション上がりすぎて皆さんを気遣えなかったミサカがいけないのです、とミサカは自分を責めます」
インデックス「あくせられーた、苦しそうかも」
一方通行「ア……ンだってンだァ……き、はら、く……ン? いやなンでオマエ担任……かき、ね?
あ、レール、ガ、ン……レベル5のきょ……し、つだァ? ……ック、はぁ」
美琴「なんで今私の名前が出たのか気になるんだけど」
上条「それもそうだけど、とりあえず水とか必要だろ? 上条さんが買ってきますよ」
18264「――ここはミサカにお任せを、とミサカはあらかじめ持ってきていた飲みかけの天然水を一方通行の口に押し付けます」
インデックス「わーわー待って待って! とりあえずあくせられーたの上半身を起こすんだよ!」
打ち止め(飲みかけ? ってミサカはミサカは18264号をチラ見してみる、って顔赤い)
黒子「汗も尋常ではありませんの。とりあえず拭きますけれど」
20000「いやー、なんというかこうやって見てると一方通行が発情しててみんなで襲ってるみたいですねーとミサカは発言します」
上条「……、……」
美琴「……、……」
打ち止め「……、……」
一方通行「ッく、あ、ふゥ……すごパだァ? ……ンっ、はァ、……ってェか、なンだ、……メルヘン、冷蔵庫みてェなの……」
18264「……、……」
インデックス「……、……」
黒子「……、……」
13874「……えっと、相棒? とミサカは突如現れたレインボーアフロのちょび髭サングラス清掃員にどこか懐かしさを覚え呼びかけてみます」
496 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 14:28:20.93 ID:rBlVCkU0 [8/11]
20000「ンモォ、とミサカはかつての主に答えます」
13874「……本当に、相棒ですか、とミサカは込み上げてくる懐古の情を隠し切れません!」
20000「出会ってから数時間以上離れ離れになるのは初めてだンモォ、とミサカは両手を広げます」
13874「~~~ッ、相棒! 会いたかった! とミサカは抱きしめます!」
20000「ンモゥ、モォオ……ふたりの間に言葉はいりませんね、とミサカはふっといい笑顔を浮かべま」
上条「え、ってことは、20000号なのか? 清掃員さんじゃなくて?」
20000「はい。ミサカは20000号ですが、とミサカはちょび髭とサングラスを外します」ベリッ
美琴「なんでレインボーアフロは脱がないのよ」
20000「……脱げないので、とミサカは唸っている一方通行を見つめます」
一方通行「ン、あ……クソメルヘン……ッ、オマエもォていとくンで……よォ、じょ……っこの、むぎ、……のォ……シロ、レン、ジャイッ……くは、ァ」
黒子(クソメルヘン? ていとくん? 幼女? メルトダウナー……?)
打ち止め「そうだった、20000号に構っている場合じゃなくてこの人がピンチなのってミサカはミサカは場の空気を戻してみる」
インデックス「とりあえず水を飲ませるんだよ!」
コンコン
?「すみません、のぼせてしまったお客様がいらっしゃるとお聞きしましたが」
501 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 14:47:13.51 ID:rBlVCkU0 [9/11]
美琴「……怪しい。旅館でそこまでルームサービスする?」
上条「まあいいだろ。怪しかったら返り討ちにすればいいだけの話で」
黒子「ええ。それに第一位の容態もあまりよろしくはないようですの」
打ち止め「じゃあとりあえず入ってもらおうってミサカはミサカはドアを開けてみたり!」
キィー
女将「入らせていただきます、それでのぼせてしまったお客様はどちらでしょうか……、!」
一方通行「……ユリ、コ、だァ……ッ? ン、っは、……ふァ、小せ、ェ、俺ッ、っは、あ」
18264(なんとなく女将から妹達に似た空気を感じますとミサカは上位個体に告げます)
打ち止め(じゃ今ちょっと下位個体に上位命令下してみるねってミサカはミサカは答えてみる。
下位個体に次ぐ、下位個体に次ぐ。ただちに両手を挙げ、万歳のポーズをとれ。繰り返す、下位個体に次ぐ、下位個体に次ぐ――)
女将「ッ!?」バッ
インデックス「ふえ、どうしたのいきなり万歳しちゃって」
女将「いっ、いいええ、ちょっと脇に空気を通したくなっただけです、とミサ……」
打ち止め(各下位個体の現在位置の照合、分析、三重県に現在存在しているミサカは13284、17600、18264、20000、そして)
打ち止め「なんで変装して女将になりすましてるのかな? ってミサカはミサカはのぼせちゃったこの人に触れようとしている14510号に声をかけてみたり」
女将「!!!」
一方通行「……って、ユッ、……コ、は、ユリコは、自己……紹介してみッ、るゥ……はッ、くァ」
13874「まさかの14510号ですね、とミサカはびっくりします」
20000「まさかっていうかあいつ途中まで相棒ハーフだったよ、とミサカは仰天の事実を伝えます」
508 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 15:07:48.95 ID:rBlVCkU0 [10/11]
女将「14510号? さあ、なんのことでしょうとミサカは目をぱちぱちさせます」
打ち止め(下位個体に次ぐ、下位個体に次ぐ。ただちに自身の検体番号を述べ、敬礼せよ、繰り返す――)
18264「ミサカは検体番号18264号です」ピシッ
13874「ミサカは検体番号13874号です」ピシッ
20000「ミサカは検体番号20000号です」ダラッ
女将「っく……ミ、サカは、14510号、です……っ」ビシッ
美琴「本性出したわね……今の一方通行は弱ってる、たとえ倒したいとしても今はやめ」
14510「倒すどころかミサカはこの方のためにスポーツドリンクを持ってきたんです、とミサカは懐からアクエリを取り出します」
黒子「んまぁ、気の利いたお姉様ですの」
上条「インデックス、俺さっぱりわからないんだけど」
インデックス「あの女将は短髪のそっくりさんで、あくせられーたを助けるためにやってきたんだよ」
一方通行「……ッン、あわ、……き、ン? ……ジャッジメッ、ント、だァ、……っふァ、は、うン、た……ンッっく……三下……の、ばッ……か、ァあ」
18264(こころなしか最後あたりで一方通行の顔が赤らみをましたような気がしますとミサカは呟きます)
13874(彼はきっと電脳空間を彷徨って本当の自分を見つけようとしているのでしょうとミサカは想定します)
20000(喘ぐセロリたんハァハァハァハァ)
打ち止め「……まあ、仕方ないよねってミサカはミサカは肩をすくめてみる。
このままだとこの人が戻ってこれなくなっちゃうかもしれないから早く復活させてあげなきゃってミサカはミサカはアクエリのキャップを開けてみたり」
303号室
17600「ミサカは検体番号17600号です……くっ、スネークとして相手に操られるなど不覚!」ビッシィ
510 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 15:20:57.78 ID:rBlVCkU0 [11/11]
一方通行「あ、めェ……ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソース モカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノ……っだとォ……?」
美琴「い、今の一瞬すごく目が見開いてた……」
黒子「初春が試したと言っていましたわ。たしかものっすごーく甘ったるいらしいですの」
インデックス「飲み物なの!? うわあ、飲んでみたいんだよとうま!」
上条「なんかすごく高そうだから却下!」
打ち止め「よし、一気に飲んでもらおうってミサカはミサカはあなたのお口を開けちゃいます!」
一方通行「……かくれンッ、ぼがァ!」パガッ
18264「アクエリ投入、とミサカはアクエリを口に突っ込みます」
一方通行「ンぐッ!?」ゴッゴッゴ
14510(持ってきておいてなんだけど飲めなかったら口移しもありかなって考えていた自分が恥ずかしいですとミサカは羞恥心で一杯になります)
13874「ピッピッピ、ピッピッピ、ピッピッピッピッピッピッピー、とミサカは一方通行がアクエリを飲み干せるよう三三七拍子で応援します」
一方通行「ンくっ、ンッ、ンッ、ァ、っぐ……」
20000「ハァハァハァハァ」
黒子「干渉しなくてもよろしいんですの?」
美琴「正直係わり合いになりたくない」
上条(あれシチュ的にはおいしいのにまったく代わってあげようと思えないのはなぜだろうな)
インデックス(アクエリちょっと余ったらくれないかな)
585 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 21:50:27.53 ID:cA1jjXA0 [1/7]
一方通行(……ン……あ?)
垣根「起きろ、てめいい加減起きろっつってんだよ。聞こえねえの?」ユサユサ
一方通行(ここ、は……教室?)
麦野「ほっときなさいって。どうせ起きても寝てても第一位なんだし」
美琴「ほんとずるいわよねー、不良が実はめちゃくちゃ頭いいんですっていう漫画のお決まり展開みたい」
コンジョーコンジョー
フコウダァァァ
一方通行(ンだァ……違ェな、『この世界』は俺がいてイイところじゃねェ……)
番外個体「それじゃあユリコ、行こっか」スッ
一方通行(……超電磁砲、に似た女ァ……?)
上条「へえ、百合子っていうのか」
一方通行(ンなわけねェだろ……ここも違う)
結標「あら、おかえりなさい。一方通行」
一方通行(結標だァ……? 待て、なンだこの空気……)
結標「あ、あーくんっ♪」
一方通行(あわき……ンってあやうく言いそォになったがここも『俺』の『世界』じゃねェぞ……ッ!?)
黒子「ジャッジメントですの!」
一方通行(おォ、ジャッジメントだァ! って違ェ……俺はジャッジメントになった記憶なンざねェ……ちくしょォどこだってンだ……?)
海原「けいおん!も知らないんですか?(笑)」
一方通行(あいつ後で死刑。……ここも違ェ。じゃァどこに行きゃあイイ……?)
598 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 22:01:46.57 ID:cA1jjXA0 [2/7]
上条「鈴科っ!」
一方通行(ちっげェェェエエ! 俺の名前ノット鈴科ァァァア! ……アー、どこだ、どこだよどこなンですかァ……)
ミサカ妹「ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノです、とミサカは言ってやります」
一方通行(いや飲ンだことねェな、ガキが一時期騒いでたけど……ここじゃねェ、ここじゃねェンだ『俺』の場所は……)
打ち止め「かくれんぼしたいなってミサカはミサカは言ってみたり!」
一方通行(かく、れンぼ……?)
美琴「アクセラオーダーハイドアンドシークじゃ私の成分が入ってないわ。レールガンも入れるべきよ」
一方通行(アクセラオーダーハイドアンドシーク……、)
インデックス「ジン♪ジン♪ジンギスカーンッ♪」
一方通行(ジンギス、シスターだとォ……!?)
黒子「もしかしてレモン石鹸で羊肉を洗うんですの!?」
一方通行(イエローレモンソープ略してイレソ……)
美琴「わ、わざとやったわけじゃなくてこいつを助けるために電流流したのよ!」
一方通行(いンやァ……オマエの行為が故意か恋だなンて関係ねェ……)
18264くれるんですか、とミサカはジンギスカンを見つめます」
一方通行(だってオマエ食ってねェだろォがよ……)
上条「一方通行、缶蹴りしようぜ!」
一方通行(アクセラオーダーカンキッキング、ってかァ……!)
13874「お届けにあがりました、と、ミサカは、相棒を差し出します……」
相棒「ンモォ」
一方通行(三重、相棒……)
土御門「アルビノ美少女メイドktkr」
一方通行(土御門も死刑。……ここは……、)
603 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 22:10:13.65 ID:cA1jjXA0 [3/7]
黄泉川「三重に行くの!? じゃあお土産よろしくじゃん!」
芳川「皿洗い面倒くさいわ」
一方通行(土産な、土産……ていうか芳川お前ニート同然なんだから働け……)
17600「スネークです」
一方通行(妹達にもいろいろあンだよなァ……)
20000「ハァハァハァ」
一方通行(アフロ、イイなァ……)
18264「べつにセロリに獲ってもらわなくてもいいしとミサカは」
一方通行(オマエちったァ素直に口きけねェのか……)
美琴「あ、あのバカに慰めてもらうとかなんで私が」
一方通行(アーめンどくせェアーうっとォしい……)
13874「@三重を忘れています、とミサカは」
一方通行(つうかもォ卓球でよくね……)
黒子「わたくしが運びますの」
一方通行(はこ、ぶ……?)
14510「ミサカはこの方を助けるために、アクエリを持ってきました、とミサカは」
一方通行(俺を、助ける……だァ?)
上条「しっかりしろ、一方通行」
一方通行(当ったり前ェだ、この俺がしっかりしねェで誰があのクソガキ共を守るってンだよォ……)
打ち止め「うわ言は止んだけど目が覚めないね、ってミサカはミサカはあなたの胸にすがりついてみる」
一方通行(あァ? なンだってこのガキ涙目になってンですかァ……自分で拭えよなァ、仕方ねェ……)
一方通行「クソガキィ……、重ェ。それから目元拭え……」ゴシゴシ
打ち止め「! お、きた、起きた起きた意識が戻ったのねってミサカはミサカは抱きついてみたりー!!!」ギュッ
一方通行「ぐッあ……だから退けェ!」
一方通行(アー、わかった、オーケーオーケェ。ここで合ってンな、『俺』の『世界』は紛れもなくここだ――てェかなンで口元汚れてンだ俺は)
616 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 22:32:12.91 ID:cA1jjXA0 [5/7]
一方通行「……オマエら、卓球はどォした」
美琴「ぶっ倒れたアンタに言われたくないわよ」
上条「お前のぼせたんだって? そんなに長く入ってたか?」
打ち止め「普段のあなたはシャワーですませるのに今日は露天風呂まで入ったもんねってミサカはミサカは保護者ぶってみる」
一方通行「俺が、のぼせた……?」
14510「すべての責任はこの20000号にあります、とミサカは20000号の首を引っ掴みます」
20000「ぐェ! ちょ痛い痛いいた気持ちいいけどやめて、とミサカは懇願しつつ一方通行に土下座します。ごめんなさい」
一方通行「……なンでオマエが謝ってンだァ?」
18264「セロリかつもやしで貧弱、体力のない一方通行がのぼせた原因はサウナです、とミサカは簡潔に答えます」
インデックス「あのサウナは子どもが長時間使ってちゃだめっていうのもあるけど、心臓が弱かったり体が弱い人も長時間の使用はやめてくださいって書いてあったんだよ」
黒子「ちなみにあなたは意識を失ってからしばらく変なことをぶつぶつと呟いていましたの。ジャッジメント、だとか」
一方通行(あれは何だったンだかなァ……どこかにいる『俺』かァ? つゥか体が弱い人に該当するわけか)
13874「なにはともあれ、一方通行が意識を取り戻してよかったです、とミサカはアクエリを14510号に返します」
一方通行「待て、そいつ女将じゃねェのか? 受付にいたよなァ?」
14510「えっと、ミサカはちょっと前からここの温泉宿で女将として働いていますとミサカは告げます。ちょっと前と言っても数時間前です」
打ち止め「……あとでお話聞かせてね? ってミサカはミサカは天使の笑顔を浮かべてみたり」
14510「すみません運営ごめんなさいほんと出来心でしたすみませんおしおきやめてくださいごめんなさいとミサカは謝り倒します」
一方通行「よくわかンねェけどよ、……悪かった」
上条「なーに、いいんですよこれくらい! どうせ出資者はお前だからさ。
さてっ、もう戻ってきちまったし、これからこの部屋で大富豪でもやろうぜ?」
美琴「今回こそ勝つわよ! 黒子、トランプ用意して!」
一方通行「待った。ここにいる全員で出来るゲームのほうがイイだろォが」
18264「おやおや、こんなところに大量の枕がありますね、とミサカは意味ありげに押入れから枕を取り出します」
打ち止め「ああ、修学旅行とかでやる枕投げねってミサカはミサカは興奮を隠し切れずにはしゃぎまわってみる!」
303号室
17600「……一方通行は意識を取り戻したか。案外早い復活でしたとミサカは呟きつつ、夜食であるカップヌードルをすすります。ちなみにシーフードです」ズズー
619 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/06(火) 22:45:30.11 ID:cA1jjXA0 [6/7]
一方通行「枕、投げ……?」
上条「ああ。やったことないか? 寝る前に誰からともなく開始される伝説のゲーム『枕投げ』。当たったら死亡っていうルールもあるけど実際はみんなゾンビみたいにぼかすか死んでぼかすか生き返るって感じだな」
美琴「要するに枕を投げて投げて投げまくって、最後まで立ってる奴の勝ちよ。……最後まで立ってるイコール寮監に叱られるってことでもあるんだけど」
黒子「ちなみにわたくし百戦百勝中ですの」
インデックス「日本には興味深いゲームがあるんだね。ちょっとやってみたいかも」
打ち止め「ねえねえやろう! 枕投げやろうってミサカはミサカはあなたの浴衣をぐいぐい引っ張ってみる!」
一方通行「……アクセラオーダーピロォスロゥイング……」
18264「ここにいる全員でやるのならそこにシスターズ、レールガン、テレポーター、インデックス、イマジンブレイカーも加えるべきですが無理だろpgrwwwwwとミサカは馬鹿にします」
美琴(さあ、どんな名前をつけてくるの第一位……ッ!)
一方通行「……、……」
13874(あ、この枕投げやすいタイプですね、とミサカは満足げに指を鳴らします)ポキポキ
14510(うわあああああ一方通行さんと同じ部屋にいて同じ空気吸ってるだなんて信じられませんとミサカはいっそ逃げてしまいたい衝動に駆られます)
一方通行「……、枕投げ。そのままでイイだろォ」
美琴「!?」
一方通行「たしか枕投げってなァ明確なルールはねェはずだ。だったらわざわざ俺達用に改変する必要なンざねェ、ってわけだ、そォだろ?」
上条「まあ今までも改変する必要はどこにもないんだがな。じゃあやるか!?」
黒子「待ってくださいまし。枕投げは『や ら な い か』『ウホッ』という流れで行われるものではありませんの。全員が布団に入り、寝付いた頃合を見計らって誰かがすっと枕を暗闇に投げつける!
それをかわすのが一種の合図、そこからはまさに地獄絵図ですわ――入り乱れる枕、布団、下着」
20000「下着!? とミサカは無意識に荒くなる息を懸命になだめます」ハァハァ
一方通行「ちっともなだめられてねェぞ」
640 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/06(火) 23:47:59.67 ID:cA1jjXA0 [7/7]
301号室は異様な熱気に包まれていた――この部屋に集いしファイターは皆真剣な表情を浮かべ、布団を敷き、もぐりこむ。
ねえちょっとアンタそっち行ってくれない、と御坂美琴が言い、上条当麻がこれ以上端っこ行ったら上条さん玄関に出ちゃうんですけど、と返す。
一方通行は電極に手を伸ばし、隣でわくわくと心を躍らせている打ち止めの様子を見守りつつも、誰かの先制攻撃には即座に反応できるように臨戦態勢で仰向けになっていた。
ちらり、とその逆隣の18264号が白い髪を見つめる。だが、彼女はそれ以上動かなかった。
13874号はもっとも危険な場所、全員の頭が集まっている真ん中に堂々と場所を確保していたが、その瞳はぎらついている。見ろものが見れば、ハンターの目、と揶揄するかもしれない。
女将としてやってきた14510号が打ち止めの可愛らしいおしおきにより退室させられたあと、なんやかんやで303号室――つまりプロスネーク17600号の滞在している部屋に押しかけたことは誰も知らない。
インデックスが周囲の緊迫した空気に耐え切れず、そっと枕を掴んだ。その気配を察した白井黒子が目を細めた。暗闇の中では隣の人間くらいしか正確に見て掴むことはできない。
枕投げ百戦百勝を自称する白井黒子には、ある流儀があった。
テレポーターたるもの、全力で能力を使うべし、である。卑怯ではない。全力を出さずに負けて言い訳をするくらいなら、いっそ全力を出して勝ったほうがいいに決まっている。
白井黒子は口元に笑みを浮かべた。彼女の計算通りである。この面子の中でもっとも先制攻撃をしかけてしまいそうな「我慢のきかない人間」はインデックスである、と白井は考えていた。
打ち止めの場合も考慮したが、彼女には鉄壁の守りとも呼べる一方通行が傍に控えている。能力全開の一方通行との一騎打ちは最後までとっておきたかった。
インデックスが枕を投げようかどうしようかと迷っている。
ふふ、と白井は微笑むと、小さな声で呟いた。
「枕投げは、先手を打たなければやられますのよ?」
その瞬間、インデックスの手がわずかに動き、彼女の上体が起き上がったと同時に枕が暗闇に放り投げられた――とミサカは実況中継しつつ、4人用の部屋に8人以上ってきつくねえか、と呟いてみます。それにしても下着がありませんね、とレポーターもといミサカ20000号はあべしッ!」
一方通行「オラオラオラァァァアア!!! 避けなきゃ死ぬぜェ、今の俺は時間制限つきの最強だァ!」シュッヒョイシュヒョイ
黒子「やはり立ちはだかりますのね、いいですわ! 空間移動の本領を発揮してみせますの!」シュッパッヒュッヒョイ
インデックス「うわあ……あれが真のファイター……」ボーゼン
美琴「次元が違う」ヒョイヒョイ
上条「あそこだけ枕が見えない」シュッシュッ
打ち止め「枕がどんどん裂けていくんだけど、これ今夜使うんだよねってミサカはミサカの茫然自失」バチバチ
13874「いや、ここもけっこうハイレベルな争いなんですよ、とミサカは念のため告げておきます」バチッ
18264「でも向こうの争いはどっちかが疲れて演算能力に支障が出るまで戦わせて弱らせたほうが無難ですね、とミサカは頭脳戦を展開します」バチリ
303号室
17600「……一見すると上位個体が撃沈しそうなこの勝負、彼女には最終手段があることを忘れるな、とミサカは下位個体全員に告げます。
それにしても変態であるはずの20000号がさりげなく馴染んでいるのは相棒効果でしょうか」
14510「いいなあ、一方通行さんと遊べるなんていいなあ、とミサカはほうっとため息を吐きます」
688 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/04/07(水) 19:51:31.50 ID:wR3vF460 [1/4]
301号室
黒子「さすがは第一位、わたくしの空間移動も反射してしまうなんて……ですが反射ばかりでは枕ひとつ投げられませんの!」
一方通行「そっかそっか、オマエは俺がやみくもに反射してるだけ、ってェ思い込みをしてンだなァ!」
黒子「何をおっしゃって――!」
ヒュンッ
黒子「くっ、……ベクトル操作をすることで押入れにうまく枕を当てて跳ね返ってきた枕でわたくしの背後を突く――実にお見事ですわ」
黒子「でも!」
ヒュンヒュンッ
一方通行「何ィ!? 一気に枕を数個投げ飛ばすだとォ!?」
ヒュンシュバババッ
黒子「枕投げ百一戦百一勝は譲りませんのよ!」キリッ
一方通行「カカッ、俺に勝てるって幻想を抱いてンなら、その幻想をブチ殺してやンよォォオオ!」ニィ
ギッタンバッタンガシャンガラガラドシャーン
上条「まずい、台詞だけだと何が起こっているのかまったくわからねえ。しかも一方通行がさりげなく俺の台詞ぱくってちょっと嬉しそうにしてやがる」
美琴「黒子があんなに私相手以外の枕投げでイキイキしてるの見たことない……!」
打ち止め「……この部屋で今夜眠れない気がするのってミサカはミサカは13874号に頼ってみる」
13874「たしかにこの惨状は危険ですね、とミサカも上位個体がこちらの部屋に来ることをすすめます」
18264(そういえばこの後に寝泊りイベントまであったんだった、とミサカはどこで誰が寝るのか気にします)
インデックス「うー、おなかすいた。食べたりない」
20000「とりあえずここにあるうなぎパイでも、とミサカはシスターに夜のお菓子を手渡します」
693 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/04/07(水) 20:28:08.45 ID:wR3vF460 [2/4]
20000「白井黒子は迷っていた。相手はあの一方通行――ほぼすべての力を反射し、ベクトル操作する最強の超能力者。
これまでの彼女の戦法は空間移動で相手の視界から一度姿を消し、その隙をついて枕を投げるというものだったのだが、一方通行には効かないのだ。
隙をつこうにも彼の反射は枕ごと吹き飛ばす。それどころかベクトル操作で逆に白井の背後をつき、隙あらば枕を当ててこようとする。
百戦百勝のテレポーター・白井黒子をここまで脅かしたのは後にも先にも学園都市第三位の御坂美琴ただひとり。
その御坂はもはや戦意を喪失しおとなしく端っこで残りのファイターと布団の上でトランプタワー制作に取り掛かっている。
戦う意欲を失った者達に残されたもの、それは『異次元の戦いを野次を飛ばしつつ観戦する』ということだけ。
上条当麻は部屋の中央で行われているハイレベルなバトルをじっと見つめ、時折トランプタワーをうっかり壊しつつ、ふたりの動きを見定めていた。
一見すると反射を使い続けている一方通行が有利にみえるこの戦いは、彼自身が明言した『時間制限つきの最強』がネックとなっている。
つまり、白井黒子が集中力を失わずに一方通行の電池切れまで戦い抜くことができれば、その時点で彼女の勝利なのだ。
白井は一方通行の時間が残り10分程度しかない、という事実を知らされていない。だが、時間を気にし始めた一方通行は焦りを見せている。
これは好機、と白井は再び手元にあった枕4個に触れ、空間移動させた。難なく反射し返した一方通行は、その口元に浮かべていた笑みを引き攣らせる。
トランプタワーを制作している御坂のすぐ横には、彼が守り通すと誓った少女が目をきらきらと輝かせて座り込んでいた。
4つの枕を一気に反射させベクトル操作も行った彼だったが、そのうちの2つが衝突し、演算外の方向へ飛んでいくことを想定してはいなかった。とミサカは実況中継します」
一方通行「こンの、クソツインテメントォォオオオオッ!!!!!」ヒュンヒュンヒュン
黒子「んまぁ、いきなり咆哮するなんて何事ですの?」シュバシュバシュバッ
一方通行「くっそォ……!」
20000「トランプタワーに夢中な元ファイター達は、あるひとりを除いて誰も枕が飛んでくることに気づいていなかった。
そう、あるひとり――幻想殺し、上条当麻を除いて!」
一方通行(チィ、間に合わねェ……!)
上条「! しまった、打ち止めが……そぉぉおおおらああああ!!!」
779 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/08(木) 20:38:55.83 ID:IRks1rM0 [3/8]
なんとなく、という言葉がぴったりだった。
偶然入った店で、偶然目にした人間がちょっとした知り合いの大食いシスターで、通り過ぎるにはあまりにも視線がかち合いすぎていたために奢るはめになった。
もっとも一方通行からしてみれば、せいぜいコーヒーを大量に購入するか、打ち止めにねだられて不承不承ファンシーな小物を買ったりする以外に金の用途もない。
したがって、財布から札が数枚出て行くのを見てもさほど怒る気にはならなかった。
お礼といっちゃなんだけどね、と目の前のシスターが瞳を輝かせて、何か買いたいものがあるならついていくよ、という傍迷惑な提案をしてきたものだから、一方通行は首を傾げた。
このあとの彼に買い物の予定はなく、このまま家に帰るつもりだったのである。
おそらく、帰宅すれば真っ先にとびついてくる子どもは、どこへ出かけていたのかとしつこく訊いてくることだろう。
一瞬想像して、うんざりした。
なにせ、どこへ行っていたのかと訊かれたところで、ちょっとコーヒーを買いに行っていた、と答えるには少々時間が経過しすぎている。
かと言って、シスターに食べ物を恵んだ、と答えてもおかしい。
しばらく考えていた一方通行を、いたって普通の眼差しで見つめるインデックスはこう見えてもちゃんとしたシスターなのだ。
彼女は、ひとの思考を中断させてはならないときを弁えている。
やがて、「あのよ、」と切り出した一方通行は、期待にみちた目を向けるインデックスに、ひとつの頼みごとをした。
781 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/08(木) 20:40:03.70 ID:IRks1rM0 [4/8]
帰宅した一方通行を出迎えたのはやはり打ち止めで、彼女はいつもと同じ青いワンピースをなびかせながら一方通行に突進した。
バランスを崩しそうになるのをどうにかおさえこみ、打ち止めの体を受け止めた一方通行は、その拍子に手に持っていた袋を床に落とす。
どさ、というその音に反応した打ち止めが一方通行から離れ、興味深そうに袋を覗き込んだ。
「ねえねえ、これはなあに? ってミサカはミサカは好奇心をむき出しにしてみたりっ」
「……大したモンじゃねェ」
本当に、と内心で付け加えながら、打ち止めを押しのけるように一方通行は玄関を進んだ。
荷物はすでに放置している。どうせ、打ち止めは袋を引きずって自分のあとをついてくるだろう。
そんな数秒後の未来がみえている一方通行は、ずりずりと予想通りの音が聞こえてきたことに口元をゆるめた。
あら、お菓子を買ってくるなんてめずらしいわね、と芳川が言う。
隣でばりばりとパッケージを開けていく打ち止めを見ながら、安かったンだよ、と一方通行は適当に返した。
「普段お菓子コーナーに近寄らないのに?」
「コーヒー売ってるコーナーのすぐ隣にあっただけだ」
782 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/08(木) 20:41:14.25 ID:IRks1rM0 [5/8]
打ち止めがポテトチップスの袋を開けようと悪戦苦闘している。
手つきが少し危なっかしい。様子を見ていた一方通行だが、不安になったのかポテトチップスを打ち止めから取り上げ、抗議の声も聞かずにあっさりと開けた。
ああ、そういえばあの袋ってたまに指を切るのよね、と芳川は思ったが声には出さない。
一方通行にちょっかいをかけるのも悪くはないが、今の彼の行為は甘さではなく優しさなのだから、見守ってあげるほうがずっといい。
「なんでまかせてくれないの! って、ミサカはミサカは頬を膨らませてみる……」
「オマエに開けさせたら中身飛び出すだろォが」
「でもでもっ、ひとは失敗を糧に成長するものなんですってミサカはミサカはテレビで聞いた言葉を引用してみたり!」
「あーもォ何だ何だよ何なンですかァこのクソわがままなお子様はァ!」
「わがままじゃないもん、開ける楽しみっていうものがあるのってミサカは、」
「ンなモン知るかってンだよ」
いつもより数倍テンションの高い打ち止めを持て余しながら、シスターに選んでもらったこの大量のお菓子は、はたして買ってきてもよかったのだろうかと今更になって一方通行は考えてしまう。
べつに、この子と喧嘩をしたかったわけではないし、気紛れに、ただなんとなく、何か買っていってあげようかと思っただけなのだ。
慣れねェことはするモンじゃねェな、と呟いた一方通行を、はっとした表情で見た打ち止めは、ポテトチップスの袋と彼を見比べる。
そして、彼女は一方通行の服をつかんだ。
783 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/08(木) 20:42:30.38 ID:IRks1rM0 [6/8]
「なっ……」
「開けたかったのは事実だけど、あなたがお菓子を買ってきてくれただけでもうれしいよって、ミサカはミサカは胸のうちを告白してみる!」
服をつかんだまま上目遣いに力説する打ち止めから目をそらし、そォか、とだけ返した一方通行は、視線の先の芳川が笑っていることに気づいて歯軋りをする。
――ああ、やっぱり慣れないことはするものじゃない。
そう思う。
それでもまた、打ち止めの笑顔が見たいがためにお菓子を買ってきてしまう自分を見越して、どうしようもねェ、と一方通行はまた呟いたのだが、その呟きは幸い打ち止めの耳には届かなかったらしい。
彼女は幸せそうに片手で彼の服をつかみ、もう片方の手でポテトチップスを選び取っていた。
803 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/08(木) 23:47:14.23 ID:IRks1rM0 [7/8]
ヒュンッ
パシッ
一方通行「!!」
上条「――お前ら、枕投げっていうのは無抵抗の人間相手にやることかよ?」マクラニギリシメ
黒子「……今のは不可抗力で、」
上条「うっせえよ! 不可抗力とか熱膨張とかそんな話をしてんじゃねえ! お前らがふたりで枕投げを楽しむ分には好きなだけ能力駆使すりゃあいいさ、それは止めねえよ。
だけどな、ここにいる戦線離脱したやつらを巻き込む必要はないだろうが!」
一方通行「……だから好きでガキの方向に反射させたわけじゃ、」
上条「ごちゃごちゃ言い訳すんな! お前らはあともうすこしで打ち止めを、ひいてはここにいる連中を殺すところだったんだぞ!」
ガミガミソゲブガミガミソゲブッブー
打ち止め「さすがにあの人も遊びと本気は弁えてると思うんだけどなあってミサカはミサカは枕を見つめて呟いてみたり」
美琴「黒子と一方通行がふたりして項垂れてる場面なんてそうそう見れるもんじゃないわ」
13874「この状況は枕投げで遅くまで騒いでいることが教師にバレて説教をくらう生徒の図ですね、とミサカはドラマで得た知識を披露します」
18264「さて、そろそろ寝る準備でもしますか、とミサカはぼろぼろになっていない枕を探します」
インデックス「無事な枕がほとんどないんだよ」
808 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/08(木) 23:59:19.31 ID:IRks1rM0 [8/8]
303号室
17600「上条当麻が鬼教師ならば一方通行と白井黒子は不良生徒でしょうか、とミサカは考察します。
ジャッジメントなのに叱られるってどうなの、とミサカは首を傾げます」
14510(不良生徒な一方通行さん……
「あァ? 校則ゥ? ンなもン何でわざわざ守ンなきゃなンねェンですかァ?」
と言いつつ実は髪も目の色も天然のアルビノで脱色しているわけではないしカラコンでもないけれど面倒だから説明せず生徒指導部に目を付けられる日々。
そんな彼の前に現れた無表情な少女、ミサカ14510号は彼の孤独を見抜くが彼女自身もまた、自分自身がオルタナティヴであるという概念にとらわれていた――
不器用な少年と無器用な少女が出会ったそのとき、物語ははじまる……!
舞台はそう、何の変哲もないとある学校。転校生ミサカ14510号は教室の隅の一席が空いていることに気づく。彼女は思わず隣のツンツン頭の少年に訊ねた。
「この席は一体誰が使っているのですか、とミサカは首を傾げながら質問します」
対する黒髪の少年は、首筋をかきながら呟く。ああ、そこな、一方通行の席なんだけどさ……。彼の言葉は尻すぼみになっていく。
ふと、ミサカ14510号は視線を感じ、その先を辿る。すると、明るい髪色のホスト崩れのような学生が彼女を――正確に言えば空席を見つめていた。
「……?」
ミサカ14510号は男子学生を見つめ返す。だが、彼は一言呟いたっきり、前を向いてしまった。
もっとも、耳の良い14510号には彼の呟きが聞こえてしまっている。整った顔立ちの学生はこう言ったのだ。
「あの野郎、またサボりって訳?」
そう、空席の主、一方通行は校内屈指のサボり魔であり学年首位の成績を誇りながらも授業態度・素行が最悪という不良だったのだ――)
14510「……、ありですね、とミサカが拳を握り締めます」
17600「14510号、今興奮しすぎて意識共有モードだったぞ、とミサカは彼女の脳内妄想がこちらにまで流れ込んできたことを伝えておきます」
14510「えっ嘘ほんとに、とミサカは赤面しつつあbbbbbbb」バタン
17600(おしおきktkr、とミサカは合掌します)
812 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/09(金) 00:12:40.48 ID:yTuxgmE0 [1/8]
14510号可愛くてすげえ好きなんだが可愛すぎて書きづらい
301号室
上条「……ってことだ。わかったか」セッキョーオワリー
一方通行「ハイワカリマシタスミマセンデシタ」
黒子「ヨクワカリマシタノスミマセンデシタ」
上条「うむ、よろしい。じゃあそろそろ寝るか、11時も過ぎたことだし」
美琴「もうそんな時間? よし、だったら私達は隣行こっか、黒子」
黒子「ええ、お姉様。今夜は寝かせませッ」ゴン
美琴「誰もそこまで誘ってないっつうの!」
13874「それではミサカ達はこれにて、とミサカは一礼し301号室を後にします」
打ち止め「うんばいばいってミサカはミサカはお姉様達に手を振ってみたり」
一方通行「早く寝ろクソガキ。オマエはドア側から二番目のとこなァ」
18264「おや、すでに寝る場所を決めていましたかさすがセロリですねとミサカは一番端っこのドア側の布団にもぐります」
一方通行「待てコラ。そこは俺が寝る場所だってンだよ」
インデックス「あくせられーた、そっち寒いと思うんだよ。大丈夫?」
一方通行「むしろオマエらガキに端っこ寝かせるわけにもいかねェだろォがよ。オラ、退け18264号」
18264「……まさかミサカを気遣ってここに寝ると言っている、……わけねーよなセロリだもん唯我独尊だもんとミサカは投げやりに発言します」
一方通行「あァ? イイから退けってンですよォ。そこ、誰かが入ってきたら間違いなく踏まれンぜェ」
インデックス「誰かって、誰も入ってこないと思うかも」
打ち止め「……案外お姉様が耐え切れなくなって逃げてくるかもしれないってミサカはミサカは数時間後をシミュレートしてみる」
18264「ジャッジメントから逃れるもしくは上条当麻と同じ空間に耐えられなくなる。どちらが先でしょうかとミサカは思考します」
一方通行「ンー、超電磁砲が意識してても三下がなァ。どォなンのかね、ってなァ」
インデックス「とりあえず眠いから寝るんだよ。私は一番窓側で寝るからね」
打ち止め「ミサカはあなたの隣がいいなってミサカはミサカのやっぱりドア側二番目希望!」
一方通行「ハイハイ。ンで18264ォ、オマエ結局どっちがいいンだよ。めンどくせェから選ばせてやンよ」
817 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/09(金) 00:32:43.86 ID:yTuxgmE0 [2/8]
18264(どうせセロリのことだ、トイレ行きたくなっても大丈夫とかそういう理由で端っこに違いない、そうに決まってるだったらそれを邪魔してやる、とミサカは決心します)
18264「いえ、ここはやはりドア側の端っこがいいです、とミサカははっきり言い切ります」
一方通行「あァそォ。ンじゃとっとと布団入れやガキ共。電気消すぞ」
パチン
打ち止め「わーい真っ暗真っ暗ーってミサカはミサカはいたずらに放電してみる」バチバチ
一方通行「やめろクソガキ。目ェチカチカする」
インデックス「ねーねーあくせられーた、あくせられーたは寝相悪くないの?」
一方通行「悪そォに見えっかァ?」
打ち止め(寝相はともかく寝起きは悪いどころじゃないってミサカはミサカは抱き枕体験を思い出してみたり)
18264「……眠れません、とミサカは呟きます」
一方通行「ンだよオマエら早く寝ろ」
18264「いつもと違う布団とか枕とかに敏感なんですとミサカは反抗します」
一方通行「オマエうち来たとき数秒で寝てたンじゃなかったか」
18264「いいえ眠れません。子守唄でも歌ってくださいとミサカは一方通行に頼みます」
一方通行「こも……ッ!?」
インデックス「おおー! 私も一緒に歌ってあげてもいいんだよ」
打ち止め「そういえばあなたが歌っているのは聞いたことがないかも、鼻歌程度しかってミサカはミサカはわくわくしてみる!」
一方通行「……オマエらァ」
18264「おやおや歌えませんか? だったら他の手段でもいいですから早くミサカを眠らせてくださいとミサカは一方通行をなめた態度で喋ります」
一方通行「チィ……」ガバッスタスタムギュ
18264「ぐェ、とミサカは突然馬乗りになられてカエルっぽい声を出しまっ、て苦しい苦しい苦しい! なんで布団を頭からひっかぶらせるんですかとミサカは糾弾します、暗闇がもはや漆黒レベルです」
一方通行「アーうっせェうっせェ。眠れねェなら否が応でも目ェ閉じさせてやらァ」
18264「もっとこう、ときめかせるような手段を取れないのかよセロリとミサカは」
一方通行「……ふゥン? ときめきゃァオマエはおとなしく寝るンですねェ?」
打ち止め(暗闇の中でもあなたがすごく楽しそうに笑ってるのがわかっちゃうねってミサカはミサカは空気の変化を感じ取ったんだけど……寝たほうがいいかなあ……)
インデックス(ちょっと目が慣れてきたから言えることだけど、布団の塊の上に乗っかってるあくせられーた、っていう構図がなんとなく危険なんだよ)
824 名前:ビールパーリィ[saga] 投稿日:2010/04/09(金) 00:50:26.94 ID:yTuxgmE0 [3/8]
302号室前廊下
13874「どうせ明日には彼らは帰ってしまいますね、とミサカは呟きます」
13874「なんだかちょっぴり寂しいです、とミサカは続けます。けれど、ミサカはこの三重が大好きですから、彼らと一緒に行けるわけがありません、とミサカは自分の配置されている県を誇ります」
13874「……こんな機会でもなければ研究所から出て、しかも旅館に泊まることなんてできませんし、とミサカは言い訳しつつ」
13874「せっかくだからもう一度露天風呂にでも浸かってこようかな、とミサカは歩き出します」
301号室
18264「あ、一方通行さん、その、馬乗り解除してくれませんかとミサカは丁寧に頼み込みます」
一方通行「……、……」ジー
18264(なんでこいつ見つめてくるんだよしかもなんで若干目が慣れてきちゃったんだろうちくしょう白いからこいつ顔がはっきり見えるんだよバカもやしセロリとミサカは罵倒しまくります)
18264「すみませんでしたミサカが悪かったんですごめんなさいだからあの」
一方通行「……、……」ジー パチパチ
18264(せめてさっきみたいに布団頭からひっかぶってればよかったなんで顔だけ出しちゃったんだろうちくしょう近えよなんだよこの距離まじねーよとミサカは嘆きます)
一方通行「……、まつげに」ボソ
18264「ひゃ、はい? とミサカは声が裏返ってしまったのを悔やみつつ返答し――いッ!?」
一方通行「まつげに、なンかついてンぜ」ユビノバス
スッ ソッ キュン
18264(ってなんだ今のおおおおおおおおおお!? きゅん!? きゅんってなんだきゅんってええええええええ!!!!!
こいつセロリ! セロセロセロリ! たとえ暗闇で白い肌がきれいに見えていたとしても! その顔が実は整ってんじゃね? って感じだとしても!
こいつはもやし! もやもやもやし! 今伸ばされた指先が白くて細くてどこらの女よりきれいだとしても!!!!!
ディスイズセロリィィイイ!!!!!!! とミサカは内心発狂寸前です)
一方通行「……、あは。俺の勝ーちィ」ニィ
18264「うぇ!? とミサカはいきなりミサカの上から降りた一方通行を凝視します」
一方通行「ときめきゃ眠れンだろォ? 今の真っ赤な顔でときめきませンでした、はねェよなァ」
18264「~~~ッ、それは、これは、その、赤いんじゃなくて、とミサカは弁論を開始します」
一方通行「アー、言い訳は無駄だし無意味だぜェ? 何せこの方法でそこのタヌキ寝入りしてるクソガキも『ときめい』ちまったからよォ」ケラケラ
打ち止め「ぎくり、ってミサカはミサカは先日のミサカが駄々をこねたときのあなたの対処を思い出して布団をひっかぶってみる」
インデックス(とうまはぜったいやらない宥め方かも)
864 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/09(金) 21:19:22.91 ID:yTuxgmE0 [6/8]
303号室
スピーカー≪アハ、オレノカーチィ ……ウェトミサカハ…… トキメキャネムレンダロォ? …… コレハソノアカインジャナクテ ……クソガキモトキメイチマッタ……≫
17600「まずい、18264号の思考回路はショート寸前だ、とミサカは手に汗握る展開にはらはらします」
14510「いますぐーあいたいよー、とミサカはフレーズを続けて歌いつつ、301号室の音声にやきもきします。今なにしたんですか一方通行さん!」
17600「それにしても直前で感覚共有を切るとは、さては18264号め本気か、とミサカは思案します」
14510「えっちょっとごめん今なんて? 今なんて言ったの本気ってなに、とミサカはスネークの肩をゆすります」ガクガク
17600「いいから落ち着け。こんなこともあろうかと赤外線LED内蔵のカメラを301号室に設置しておいたからあとで回収しに行くか、とミサカは提案します」
14510「うう……さすがスネーク! ごめんねゆすって! とミサカは泣きつきます」
17600(映像を見てさらに凹まないといいんだけどなあ、とミサカは14510号を気遣いつつも、どこかへ出かけた13874号が気になります)
301号室
18264「そ、それにしても、まつげ云々とかそういう台詞はどこから学んできたんですか、とミサカは恋愛偏差値の低そうな一方通行の学習方法に疑念を抱きます」
一方通行「あン? ンなもン、そこのガキが読み散らかした雑誌やら漫画やらに決まってンだろォが。少女漫画ってなァよ、ちょっとでも顔近付けりゃ顔赤くするじゃねェか」
18264「……、……」ジッ
打ち止め「えへ、へへへへ……ってミサカはミサカはばつが悪くなって冷や汗を流してみたり」
一方通行「読ンでみて馬鹿じゃねェのかって思ってクソガキに試してみたらすぐに騒がなくなっからよォ。
何でしたっけェ、たしかオマエはあの後『でもあなたに翻弄されるのも好きかもってミサカはミサカは~』とか言ってたよなァ?」
打ち止め「……そんなことも言ったかな、ってミサカはミサカは可愛らしく首を傾げてわからないふりをしてみる」
一方通行「ま、そォいうこった。ガキ相手に迫るなンざァしねェから安心しろ、クソガキ共」スタッ
インデックス「あれ、あくせられーたどこ行くの?」
一方通行「風呂。ゆっくり浸かりてェンだよ」スタスタスタ
バタン
18264「……、……」スックトナ
打ち止め「え、18264号も行くの? ってミサカはミサカは引き止めてみたり。あの人がまた性懲りもなくのぼせちゃったら引きずってきてねってミサカはミサカは頼んでみる」
18264「べつに風呂に行くだなんて一言も言ってませんちょっと飲み物買ってくるだけですとミサカは部屋を出ます」
ガチャ
インデックス「毒舌、今タオル持ってったかも」
906 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 00:12:31.63 ID:Sqq34/g0 [1/15]
露天風呂
13874「ふいー、いい湯ですね、とミサカは空を仰ぎ見ます」
13874「……明日からはまたひとりです、とミサカは呟きます。
今までだってネットワークで繋がっているだけでずっと一緒にいたわけではありませんが、ここ数日で誰かと過ごす楽しさを知ってしまった以上――
やっぱり寂しさはおさえられません、とミサカは誰もいないのでここぞとばかりに弱音を吐いてみます」
13874「……はじまりがあれば、おわりだってある。一期一会とも言いますが、そもそも会うは別れの始めですね、とミサカは感傷に浸ります。温泉だけに」
一方通行(今の全然うまくねェンだけど何かこう、ひとりにさせたほうがイイようなオーラ出てるよな)
一方通行(ってェか、あいつも俺達がいなくなりゃひとりぼっちなわけか……)
一方通行(妹達は、こいつら以外にも自我が芽生えてるやつが大勢いやがるに違いねェ。ンで、そいつらはきっと、ひとりだ)
一方通行(……なンだかなァ、べつに、会いに行ってやろォとも思わねェし、ひとりぼっちなンて珍しいものでもンでもねェけど)
13874『誰かと一緒に過ごす楽しさを知ってしまった以上、やっぱり寂しさはおさえられません』
一方通行(……、……今、あのクソガキが急に消えちまったら、清々するかもしれねェが、それなりに寂しくなンのかもなァ)
スタスタスタ
一方通行「よォ」
13874「おや、あなたも温泉をもう一度堪能しにきたんですか、とミサカはひとりっきりでやってきた一方通行に目を瞠ります」
911 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 00:34:06.53 ID:Sqq34/g0 [2/15]
13874「今までお世話になりました、とミサカは温泉に浸かりつつ頭を軽く下げます」ペコリ
一方通行「あァ……いや、むしろこっちが世話ンなったわ。ありがとさン」
13874「……、反応が案外普通ですよねー、とミサカは軽く言ってみます。
上位個体にはおっとりしていると評されましたが、ミサカもオリジナルのクローンである以上、けっこう短気なんですよ、とここでミサカは自身の性格を分析します」
一方通行「そォでもねェだろ。少なくとも俺が話してきた妹達の中じゃ群を抜いてオマエはマトモだぜ」
13874「それはそれは、とミサカは微笑みます。あなたに一番最初にお会いしたときの言葉を覚えていますか、とミサカは感慨深げに問いかけます」
一方通行「最初ォ? ……ぜえ、ぜえ、みつけました、だったかァ」
13874「いいえ、もうちょっと後です。ミサカは一方通行に、
『感覚共有したときの思いを相棒に捧げる愛情に変換させてしまったので、あなたに恨みも憎しみも抱いていません』
と宣言しました、とミサカは過去ログを引用します」
一方通行「言ってたかもなァ。ンで?」
13874「本当のところを言えば、初対面のときはまだ少ししこりがありました、とミサカは告白します。
ただし、恨みや憎しみはありません。あるのは、逃げなければならないという本能に基づいた恐怖心だけでした、とミサカは内訳を発表します」
一方通行「……まァ、あのクソガキが特別すぎンだよなァ。オマエらは俺を怖がって当たり前だ」
13874「ですが、とミサカはすべてをここで否定します。
今のミサカには逃げようと思う心も、あなたを恐れる心もありません。一緒に温泉に浸かり、いい湯だなあ、とこの時間を共有することはとても興味深く、楽しいことです、とミサカは一方通行に告げます」
一方通行「……オマエはよ、本当ォに素直すぎンじゃねェか? 目の前にいンのは大量殺人犯だぜェ? しかも、オマエらをブチ殺しまくった悪党だ」
13874「その問答はすでに上位個体が済ませているので割愛させていただきましょう、とミサカは大人の対応で一方通行のあおりを受け流します。
他のミサカはともかく、今この旅行にきているミサカであなたを毛嫌いしているミサカはおそらくいませんよ、とミサカは解説してみます。これは予想ではなく、事実と言いかえたほうがいいかもしれません」
一方通行「へェ。ここにきてるやつらはみィンなアホばっか、ってことだなァ」
13874「否定してもあなたは認めてくれなそうなので、とミサカは苦笑してみます。
どうやらこの旅でミサカは天邪鬼な人間との付き合い方を学べました、とミサカは他ならぬあなたともうひとりの天邪鬼に感謝します」
919 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 01:07:38.57 ID:Sqq34/g0 [3/15]
一方通行「天邪鬼だァ? 確かに俺ァひねくれてるって自覚もあっけどよォ、18264号はただの毒舌じゃねェか」
13874「自覚はあったんですね、とミサカは呆れ半分諦め半分でやれやれとオーバーリアクションを取ります。
ついでに18264号のことですが、彼女もそろそろ北欧に『きちんと』戻らなければならないのではないでしょうか、とミサカは18264号の調整について示唆します」
一方通行「……あァ、そォいやオマエら、完全体じゃねェンだったな」
13874「ミサカはここでお別れですし、すぐに調製に戻りますが、18264号はもう一度学園都市に向かうのでしょう? とミサカはわかりきっている答えを訊ねます」
一方通行「そォなンじゃねェの。てェかあいつ本当に北欧出身かァ? たまに言動が北欧じゃねェンだけど。具体的に言うと自らアリゾナとかぬかしてやがったンですけどォ」
13874「データ上は北欧で間違いありません、とミサカは断言します。しかしお互いのプライバシーには極力踏み込まない、というのが妹達の暗黙の了解です。ただし上条物件を除く」
一方通行「随分慕われてンなァ、あの三下もよォ。嫁が一気に一万近く増えたンじゃねェかァ?」
13874「否定はしません。でも、そのすべてが数ヵ月後もずっと彼を好きでいる根拠もありません、とミサカはさらりと問題発言をしてみます。
あ、でもオリジナルは間違いなく数ヵ月後も彼のことを好きでいると思いますよ」
一方通行「ありゃそォだろ。自覚ねェンだもンな、あれで。自覚したらどォなンのあいつ」
13874(具体的に言うとロシアまで追っかけます、とミサカは今後の展開を大予想します)
一方通行「……ま、俺には関係ねェがな。それよりオマエ、明日暇か」
13874「明日ですか? 暇というか、あなた達を見送った後は研究所に戻り調整を受ける予定です、とミサカは予定表を思い出しつつ告げます」
一方通行「なら決まりだなァ。どォせはるばる三重まで来たンだから、ちったァガイドでもしろ」
13874「……それは、明日の朝すぐにお別れしなくてもいいということですか、とミサカは小声になるのを自覚しながら訊ねます」
一方通行「あァ、そォ言ってるつもりだけどよォ。ナニかご不満でも」
13874「いえ、ありませんそれどころか嬉しいかぎりです、とミサカは素直に感情表現をしてみせます。わーいやったー!」
一方通行「……18264号もオマエくらい素直なら扱いやすいンですよねェ」
18264(なにあのふいんきなにあのふいんきなにあのあまったるいふいんきいみわかんないとみさかはおもわずかくれつつ、うわあああああああああ)
925 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 01:20:34.05 ID:Sqq34/g0 [4/15]
303号室
17600「302号室からオリジナルの悲鳴とジャッジメントの悲鳴が聞こえてくるが、両者の悲鳴には大きな違いがあるようだ、とミサカは考え込みます」
14510「ねえねえ暇だから一方通行さんスネーク、じゃなかった探しにいってみようよ、とミサカはプロに頼みます」
17600「ターゲットはあくまでも上条当麻。一方通行はおまけ扱いなんだよなとミサカは再確認を促します」
14510「じゃあもういいもん、とミサカは隅っこで丸まりつつ前回の妄想の続きをはじめてみます」
20000「ところでちょっと露天風呂あやしくね? とミサカはプロスネークにセロリたんの浴衣にこっそりしのばせておいた発信機が脱衣所から反応を出していることを伝えます」
17600「また風呂かよ。懲りないやつめ、とミサカは貧弱なはずなのにどうして再び露天風呂に行ったのかと一方通行の行動に疑問を抱きます」
14510「うんその前に20000号がさりげなくこの部屋に存在していることを17600号はもっと気にするべき、とミサカは彼女の標的以外は眼中にないプロっぷりすげえと思いつつすごすぎだろとちょっと呆れます」
960 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 21:11:05.44 ID:Sqq34/g0 [7/15]
303号室
14510(ちぇー、スネークも変態も相手してくれないし、いっそ妄想でもすすめてしまおうか、とミサカは脳内妄想モードのロックを解除します。
14510号の14510号による、15410号のための超欠陥通行です、とミサカはにやつきます――
その白い少年は、足音をわざと鳴らしながら歩いている。カツカツカツと神経質な足音ではない。ぱたぱたぱたと、やる気のないスリッパの音である。
目指す先は決まっていない。だからこそ、彼の足は時折立ち止まる。だが、歩くほどに彼は本来いるべき教室から遠ざかるのだ。
めンどくせェ。そう思いながら少年は歩く。結局、毎回同じ場所にきてしまう自分の行動範囲の狭さに辟易しつつ、一段一段上がっていくと、屋上の金属扉の前で階段は終わった。数秒ポケットを探した少年は、お目当てのもの――銀色の鍵を扉の鍵穴に差込、くるりとまわす。
「アー、かったりィわ」
少年は重い扉を開け、青空が広がっている屋上へと足を踏み入れる。
現在の時刻は8時過ぎ、真っ当な学生ならばすでに教室にいなければならないのだが、この少年はそうしなかった。
その理由は簡潔な一言に尽きる。
彼に「教育」は不要だったのだ、と。
とある不良の一方通行
ニューキャラクター
第一話・とある教室の転校生
962 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 21:13:53.48 ID:Sqq34/g0 [8/15]
「今日は転校生がくるのですー」
そう明るく発言したとあるクラスの担任、月詠小萌。
数秒後、がらがらと教室の戸が開き、すらりと伸びた足がまず見えた。次に細い指、そして華奢な体。茶色の髪。整った顔。その転校生はつかつかと教壇の横に立つ。
「ではでは、転校生のミサカちゃんです。見ての通り女の子なのですよー、おめでとう野郎どもー、残念でした子猫ちゃん達ー」
ミサカ、と呼ばれた少女はぺこりを頭を下げる。教室は彼女の登場に沸いた。ミサカと呼ばれた少女が無表情に近しい顔付きで、「ミサカです。よろしくお願いします」とありきたりな自己紹介をする。
上条当麻はぼうっとその様子を眺めていたが、ふと転校生と目が合い、動揺してしまう。真っ直ぐな瞳はあまりにも暗く、何も映していないように思えた。どこかで見たことのある瞳だと上条は一瞬考え込む。
もっとも、次の瞬間には転校生の視線が彼の後ろの席――現在はなぜか空いている――に向かったため、それ以上上条が緊張することはなかった。
空席が気になったのか、転校生ミサカは月詠を見て少し首を傾げた。ああ、そこはですね、と月詠は言いかけ、まだきていないんですか、と上条に訊ねた。
「ああ、あいつなら一旦教室来て、弁当だけ置いてどっか行きました」
上条の答えはシンプルで、つまるところ、その席に座っていなければならない人間はサボっている、という事実を明確に月詠に伝えている。
一方通行ちゃんはしょうがないですねえ、と月詠は困ったように笑った。
年齢よりも随分下に見られがちな彼女ではあるが、今浮かべている表情は生意気な生徒に手を焼く立派な教師そのものである。
「えっと……それじゃミサカちゃん。一方通行ちゃんはどうせお昼までもどってこないので、上条ちゃんの後ろの空席にとりあえず座ってくださいです」
わかりました、と転校生は単調な調子で応じ、すたすたと列の最後尾、空席へと向かう。その歩調には一切の淀みがなかった。
彼女は何事にも動じず、周囲から投げられる様々な質問に答えることもなく、かたんと椅子を引きすとんと着席する。
転校慣れしてんのかね、と上条は思いつつ、このSHRが終わったら学校について軽く説明でもしてあげるべきか、と悩み始めた。
963 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 21:14:54.70 ID:Sqq34/g0 [9/15]
そして、SHRは終わり、月詠は教室を出て行く。
どう話しかけるべきかと思いあぐねる上条の後ろで、転校生ミサカはなんとなく机の中に手を突っ込み、教科書はおろか、ノートの1冊でさえ入っていないことに少々驚いていた。
担任の口ぶりだと、この席は誰かが使っているらしいうえに、その人物はきちんと登校しているようだった。
であるのに、机の中は空っぽで――なおも机の中をあさったミサカはごつんと手に当たったものを引っ張り出す。
「……お弁当、ですね。とミサカは黒いアルミ製の弁当箱を持ち上げてみます」
質問をすべて無視し、自分の世界に入り込んだミサカを取り巻くようにクラスメイトはこそこそと話を始めた。彼女は現在座っている席が一体誰のものであるかを理解していない。
だからこそ、弁当箱を訝しげにつっつくこともできるのだが、クラスメイトにしてみればミサカがとんでもなく恐ろしいことをしているとしか思えない。
なんやかんやで転校生に浮き足立っているクラスメイト達を、遠くからじっと見つめるひとりの生徒がいた。
垢抜けた雰囲気を持っているが、どこか捕食動物のような危うさも兼ね備えた少年。明るい茶色の髪をかきあげて、垣根帝督は心底苛立ちを隠せないといった風に言葉を吐いた。
「またサボりって訳? ――あの学年首位さんは」
空席に本来座っているべき人物、一方通行。彼を敵視している垣根はしばらくその席に座っているミサカを凝視していたが、軽い舌打ちをすると、そのままふらりと教室を出て行った。
垣根が握り締めていたとある模試の結果。それは、彼がまたしても圧倒的な差をつけられて2位に甘んじたという現実が印刷されている。
一方通行がこの時間、どんな場所にいるのか。垣根はよく知っていた。何度もからかいに行ってはそのたびにあしらわれているのだから。
きっちり文句を言ってやらねば気がすまない。垣根の足は屋上へと向いていた。
視線を感じていたミサカは、その視線を送っていた少年が教室から出て行くのを見届けた。
はたして今の視線にはどんな感情がこめられていたのだろう、と彼女は考えてみるものの、答えは導き出せそうにない。
自分のものではない弁当を無意味に開け閉めしながら、ミサカは周囲の品定めするような視線には頓着せずに言葉を発する。
「すみません、上条ちゃんとやら、とミサカは目の前に座るツンツン頭の学生に声をかけます」
「お? どした、ミサカさん」
「ここの席の持ち主は、どんな人間なのでしょうか、とミサカは弁当をしまいつつ訊ねます」
「あー、一方通行な。……なんて言えばいいかわかんねえ。だけど、悪いやつじゃないんだ。悪くみえるやつなんだけど」
上条の言い回しにミサカは不可解そうな顔をした。
965 名前:ビリィ[saga] 投稿日:2010/04/10(土) 21:22:30.27 ID:Sqq34/g0 [10/15]
同じ頃、屋上で、一方通行はくわあとあくびをもらしていた。
「ンー、ねみィ。けど、今日は昼から雨らしいしなァ」
晴れ渡っている空を見る限り予報は外れそうだが、降水確率は70%だった。屋上で眠って起きたらぬれねずみ、では格好がつかない。
第一、そんな目覚めは不快だ。
一方通行はこきこきと首を回し、うあー、と意味のない声をあげて立ち上がる。この晴天の下、思いっきり寝たいのは山々だが、天気予報は一応信じておこうと思う。
「……そォいや、職員室、騒がしかったわ」
屋上へ向かう途中で通り過ぎた職員室は、普段よりも数倍騒がしかった。転校生でも来たのだろうか、と一方通行は推測する。興味はわかない。
屋上の扉に手をかけた彼は、カツカツと、自分の足音とは打って変わって神経質そうなそれが響いてくることに気づいた。
飽きねェな、と一方通行は呆れ顔でため息を吐く。
扉を開けようとしていた手を止め、一方通行は無表情で相手を出迎えてやった。
「よう、サボり魔の一位さん」
「おはよォございますゥ、しっかり授業に出てるくせに万年二位の垣根くン」
「てめェ次同じこと言ったら殺すぞ。オベンキョウはできるけどお前もやしっこだもんな?」
「オマエこそ毎回毎回模試の結果が渡るたびにつっかかってくンのやめろ、オマエに興味なンざねェンだよ」
一方通行は吐き捨てるように言い、カカッと独特の笑い方で垣根を見下した。
その瞳は、あまりにも暗く、何も映していないように思える。
ああ、とこの場に上条がいたならば納得するに違いない。転校生ミサカの瞳と、一方通行の瞳は、まったく同じ色を帯びていた――)
17600「だからダダ漏れだって、とミサカはでれでれしている14510号の体を軽くゆすってみますがちくしょうこいつ目の焦点合ってねえ!」
20000「学園ものってなんか萌えるしセロリたんがアルビノ不良で学ランっていうのはたまらん設定だハァハァとミサカは14510号の妄想に完敗です」
14510「学園ツートップが転校生をとりあいっこするのは王道ですとミサカはにやけつつ、でも上条当麻という要素を取り入れるのも悪くないなと画策します」
17600(だめだこいつはやくなんとかしないと)
続きます
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