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JUM「尿道……拡張?」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 20:57:28.44 ID:puJVKIC30 [1/60]
 水銀燈はきょろきょろと周りを見回しました。
 その部屋には電燈も無くランプも付いていませんでしたが、窓から月明かりがきらきら
と差し込んで、机やらガラクタの山やらを優しく照らしています。そこは間違いなく、あ
の人形師ローゼンの工房でした。天井には蜘蛛の巣が張り、少し黴臭くはなってはいまし
たが、それ以外は何もかも昔のままでした。
 あまりに懐かしかったので、水銀燈は胸が一杯になって、しばらく声も出ませんでした。
それから水銀燈は、ふう、と軽く息をつくと、手を後ろに組んで部屋の中をぶらぶらと歩
き始めました。

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 20:59:17.91 ID:puJVKIC30 [2/60]
 工房の中には机や棚がたくさんあって、不思議な形をした道具が所狭しと並べてありま
した。水銀燈は、それらを一つ一つ、ゆっくりと確かめるように覗き込んでは、お父様の
ことを思い出すのでした。
 水銀燈はある棚の前で立ち止まると、その棚の上の方を見上げました。
(この棚には、お父様がローザミスティカをお作りになったときの道具がまとめて置いて
あった筈だわ)
 果たしてその棚には、水晶でできた丸底フラスコや、銅で出来た3本口の蒸留器などが
無造作に置いてあります。どれも、ローゼンがローザミスティカを精製した時に実際に使
った物でした。銅の蒸留器はもうかなり錆びていましたが、水晶のフラスコの方は昔のま
ま透き通っていて、窓の月明かりをくっきり反射して輝いているのです。水銀燈はそのフ
ラスコを取ろうとしてうんうん言いながら手を伸ばしましたが、もう少しのところで届か
ず、詰まらなそうに諦めてしまいました。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:03:55.53 ID:puJVKIC30
 それから水銀燈はまたぶらぶらと歩き回っていましたが、ふと懐かしい椅子を見つけて
思わず駆け寄りました。
(ああ、この椅子は、お父様が私たち薔薇乙女をお作りになる時にいつも座っていらっし
ゃった椅子だわ)
 それは、背もたれも無い粗末な木製の椅子でしたが、よほど長い間使われていたらしく、
あちこちニスは剥げて傷だらけになっています。
 水銀燈はそこで少し迷っているようでしたが、やがて決心したようにその椅子によじ登
ると、ローゼンが人形作りに使っていた作業机の上を覗き込みました。すると、そこもや
っぱり昔のままで、ヘラやヤスリや筆などが、きちんと並べて置いてあるのでした。
 水銀燈はヘラを1つ手に取って、お父様はこれで私の身体をお作りになったのかしら、
と考えました。すると、何だか急に恥ずかしくなってきて、顔を真っ赤にしながらそのヘ
ラを元の場所にさっと戻してしまいました。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:06:57.27 ID:puJVKIC30
 水銀燈はまだ暫くの間、にこにこと楽しそうにローゼンの作業机を眺めていましたが、
ふっと寂しそうに顔を曇らせました。
 そして、「私ったら何をしてるのかしら……これは全部まやかしじゃないの。くだらな
い」と呟くと、ため息をついて、ぴょんと椅子から飛び降りました。
 それから水銀燈は、コツコツと足音を立てて部屋の出口のドアまで歩き、最後に部屋の
中をもう一度見回しました。そこは確かに現実そっくりのローゼンの工房でしたが、やは
り、ただのまやかしに過ぎないのでした。
「せめて夢の中だけでもお父様にお会いできれば良いのに……」
 水銀燈は残念そうに呟きましたが、気を取り直してドアを開け外に出ました。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:10:24.23 ID:puJVKIC30
 開いたドアの向こう側に数え切れないほどのドアがあったので、水銀燈はちょっと面食
らってしまいました。ローゼンのお屋敷はそれなりに大きなものでしたが、こんなにもた
くさんのドアが廊下に並んでいるなんてことは無かったのですから。
 ところが良く見ると、そこは廊下ではなくて、しんと澄んだ真っ暗な空間なのでした。
そしてその宇宙のような漆黒の空間に、無数の『ドア』が見渡す限りふわふわと漂ってい
るのです。
(ここは……夢と夢の狭間の世界ね。ということは、あのドアの1つ1つが、誰かの夢の
世界に繋がっているのだわ)

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:14:15.64 ID:puJVKIC30
 その時、背後でギギギギ……と音がして、水銀燈は振り返りました。見ると、先ほど水
銀燈が出てきた夢のドアが、軋みながらゆっくりと閉じかけているところです。
「ああ、ちょっと待って!」水銀燈は名残惜しそうに手を伸ばしましたが、ドアはバタン
と音を立てて閉まり、スゥっと見えなくなってしまいました。
 水銀燈はドアが消えた辺りを見つめてじっと佇んでいましたが、やがて肩をすくめると、
寂しそうに上を見上げました。すると、やはり頭の上の方にも、数え切れないほどの夢の
ドアが色とりどりに輝きながら浮かんでいるのでした。それはまるで、夜空に散りばめら
れた星のようで、天の川を見ているかのようでした。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:18:41.16 ID:puJVKIC30
(あのドアのどれか1つが、お父様の夢に繋がっているのね)普段であれば他人の夢のド
アになど見向きもしない水銀燈でしたが、その時は、お父様がとても近くにいるような気
がしたのです。
(もしかしたら、あの何十億というドアの中から、お父様のドアを見つけ出すことができ
るかもしれない)そんなことはほとんど不可能だということは分っていましたが、見渡す
限りの夢のドアを見ていると、何だか本当にお父様に会えるような気がして、居ても立っ
てもいられなくなってしまうのでした。
 そんなわけで、水銀燈は、翼を広げてふわりと舞い上がると、まるで何かに誘われるよ
うに、ふらふらと夢のドアの間を漂い始めたのでした。――もっとも、そのせいでとんで
もないことになってしまうのですが……この時の水銀燈は、そのことを知る由も無かった
のです。


~プロローグ、完~

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:23:36.63 ID:puJVKIC30
 それよりも2時間ほど前、時計の針が夜の10時を少し回った頃のことです。
 桜田家では人形達が寝入り、1日のうちで最も静かな時間が訪れていました。
 ジュンはそれまで無言でパソコンをいじっていましたが、時刻が10時を過ぎたことに
気づくと、一人でこくりと頷きました。そして、すっと音もなく椅子から立ち上がると、
真紅と翠星石の鞄が置いてある所まで静かにそっと歩いて行きました。それからジュンは、
鞄の前にしゃがみんで、鞄を軽く揺すったり、鞄に耳を当てて音を聞いたりと、しばらく
のあいだコソコソと鞄の中の様子を探っているようでした。ジュンは毎晩こんなふうに、
真紅と翠星石が確実に寝たことを確認しなければ、安心できないのでした。そして、ジュ
ンは満足げに頷くと、再びパソコンの前に座って、嬉しそうに口元を綻ばせました。
「ふふふ……これからは僕の時間だぞ」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:27:29.74 ID:puJVKIC30
 ジュンはもう一度後ろを振り返り、鞄に異常が無いことを確認すると、日課になってい
るエロゲーを起動しました。
(ああ、やっぱり自分だけの時間は落ち着くなぁ)ロードが終了するまでの短い時間、ジ
ュンは椅子にふんぞり返って目を閉じました。真紅たちが来てからというもの、毎日まい
にちが嵐のようで、昼の間はまったく落ち着くことができないのです。ですから、人形達
が寝静まったこの時間は、ジュンにとってオアシスのような時間なのでした。
 ゲームのロードが終了したことを確認すると、ジュンは起き上がってマウスを握り、
ゲームを開始しました。それは、通信販売で買った鬼畜系の監禁調教ゲームでした。ジュ
ンはここのところ、このゲームで毎日オナニーしているのです。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:32:04.92 ID:puJVKIC30
(今日は何をしてやろうかな)ジュンはもう始める前から既に楽しくてしょうがありませ
んでした。何と言っても、一日のうちで本当に自由なのは、このゲームをやっている時間
だけなのです。ジュンは舌なめずりをしながらメインメニューを開きました。

┌──────────┐
│l> 監禁部屋に行く   │
│  日記をつける     │
│  寝る           │
└──────────┘

 もちろん、ジュンは迷うことなく「監禁部屋に行く」を選択しました。すると、監禁部
屋で行うことが出来る調教メニューがずらりと表示されました。

┌──────────┐
│l> アソコ快楽      │
│  アソコ拡張      │
│  アナル快楽      │
│  アナル拡張      │
│  奉仕調教       │
│  羞恥調教       │
│  被虐調教       │
│  尿道拡張 ←NEW!  │
└──────────┘

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:35:31.83 ID:puJVKIC30
「あ、あれ……? 尿道……拡張? こんなメニューあったかな……」見たことの無い選
択肢をみつけて、ジュンは首を傾げました。「尿道拡張」という選択肢の隣には「NEW」
と表示されていましたので、それは確かに、今までは無かった新しい選択肢のようでした。
しかし、ジュンが今やっているゲームは、進行具合に応じて選択肢が増えるというような
システムではなかったはずなのです。
 どうにも釈然としませんでしたが、ジュンはそれほど深くは考えませんでした。それど
ころが、「尿道拡張」という言葉が、まるで引力でもあるかのように不思議とジュンの心
を捉えて離さないのでした。
(尿道って小便が出る穴のことだよな……そんなとこ拡張なんかしてどうするんだ?……
いや、そもそも拡張なんてできるのか?)
 ジュンはゴクリと生唾を飲み込みました。そして、期待に胸を躍らせながらその新しい
選択肢を選択しました。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:40:12.54 ID:puJVKIC30

┌─────────┐
│   尿道拡張.    │
├─────────┤
│l> 綿棒.        │
│  尿道カテーテル  │
│  尿道プラグ.    │
│  尿道バイブ.    │
│  うなぎ        │
└─────────┘

(なんだこりゃ? うーん、とりあえず一番上の綿棒かな)ジュンが「綿棒」を選択する
と、画面が変わり、調教イベントがはじまりました。
 ジュンは急いでズボンと下着をおろして下半身を露出させると、マウスを握りなおしま
した。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:44:00.48 ID:puJVKIC30
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「ククク……そうだな、そろそろ尿道でも開発してやるか」
 俺は手早く道具を用意すると、さっそく調教部屋へと向かった。ギィ、と扉を開けると、
鎖に繋がれた女がビクリと身体を縮こまらせる。
「お願い……もうこれ以上酷いことしないで……」
「何を言ってるんだ。今日もじっくり可愛がってやるから、さっさと起きろ」
「うう……いつまでこんなことを……」
「決まってんだろ。お前の身も、心も、全部俺だけのモノになるまでさ。お前が壊れるま
で、この調教は終わらねぇ」
「そんな……」
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18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:47:25.64 ID:puJVKIC30
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 俺は女の髪を掴んで無理やり起き上がらせると、目の前に綿棒を突き出した。
「今日はこれで前の穴を拡張してやる」
「え?」
 女は一瞬意外そうに綿棒を見つめていたが、やがて不安げ眼を泳がせた。細い綿棒で
『拡張』と言われても、何をされるかよく分からないのだろう。
「ほら、股を開くんだよ」
 俺は女の足に繋げた鎖を引っ張り、無理やり開脚させた。女は股を閉じようとした抵抗
したが、その力は弱々しい。もはや何をしても無駄だとわかっているのだ。
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19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:49:28.78 ID:puJVKIC30
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「さて、さっそく今日の調教を始めるとするか」
 俺は綿棒の先端にたっぷりとローションを絡ませ、女の股間に近づけた。
「……」
 女は抵抗せず、黙って顔を背けたままだ。綿棒などは大したことはない、と高を括って
いるのだろう。ふん、おもしろくない。少し脅しをかけてやるか。
「それじゃあ行くぞ。何せ尿道は初めてだから痛いかもしれんが、拡張なんだから我慢す
るんだぞ」
「な……にょ、にょうどう?」尿道という言葉を聞くと、女は驚いて目を丸くした。まさ
かそんなところまで俺に弄られるとは思ってもいなかったのだろう。女は絶句して綿棒と
俺の顔と交互に見ていたが、俺が本気だと分かるとにわかに暴れ出した。
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21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:54:00.77 ID:puJVKIC30
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「い、嫌! 何でそんなところを……」しかし今更暴れても遅い。鎖によって拘束されて
いるため、股を閉じることはできないのだ。
「おいおい、俺がいまさら綿棒でマンコの拡張をするとでも思ってたのか?」
 暴れる女を見て、俺はニヤリと笑った。やはり、ある程度の抵抗があった方が調教のや
りがいもあるというものだ。
「お、お願い……許して!」
「ククク……心配すんな。女の尿道は男の尿道よりも太いらしいぞ。綿棒くらい余裕だろ。
だから今日はこんなに用意してきたんだ」
 俺はポケットから数十本の綿棒の束を取り出して見せた。
「今日は何本入るようになるかな?」
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22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:57:00.51 ID:puJVKIC30
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「え……」女の顔がみるみるうちに青ざめた。
「まあ初日だし、とりあえず5本を目標にするか。まずは1本目だ」
 俺はそう言うと、綿棒を尿道の入り口に押し当てた。
「無理! そんなの絶対無理よ! 1本だって無理!」
 女はそう言いながらガクガクと震えている。だが俺はそれを無視すると、綿棒をつまん
だ指にグッと力を入れた。意外と強い抵抗があった後、ツプリ、と綿棒の頭が尿道に飲み
込まれた。
「ひいぃぃぃ! いたたたた! い、痛い! ぬ、抜いてぇ!」
 調教部屋に女の悲鳴がこだました。
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23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 21:58:51.34 ID:puJVKIC30
「はぁはぁ……うっ!」
 ジュンは少し前からオナニーを開始していましたが、そこで我慢しきれなくなって射精
してしました。
(……早すぎる……一番いいシーンの前で出しちゃった……)
 タイミングを間違えてしまい、ジュンは肩を落としました。
(何やってるんだ、僕)ジュンは何だか虚しくなって、手早くセーブしてゲームを終了す
ると、パソコンをシャットダウンしてしました。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:01:22.19 ID:puJVKIC30
 それからパソコンの電源が切れたことを確認すると、精液を放出したトイレットペー
パーを持って、コソコソとトイレに向かいました。オナニーの証拠を部屋に残す訳にはい
かないので、ジュンはいつもトイレに流しているのです。そして、証拠隠滅のついでに用
を足すと、ジュンは部屋に戻ってベッドに座りました。
(尿道か……そういうプレイもあるんだな)
 先ほどのゲームの内容を思い出して、ジュンは再び興奮してきました。実際のところ、
先ほどのオナニーは大失敗だったので、ジュンは全く満足していなかったのです。
(どうしよう……またムラムラしてきた。もう一回オナニーするかな? でもパソコンは
切っちゃったし……)考えを巡らせていると、ふと、床に置かれた2つの鞄に目が留まり
ました。
(真紅と翠星石、か……)

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:03:23.54 ID:puJVKIC30
 ジュンはしばらくの間、ベッドに座ったままで、2人の鞄をじっと見ていました。
(真紅や翠星石にも尿道はあるのかな。人形に尿道は必要無いか。でも、ローゼンメイデ
ンなら、あるいは……)それからジュンは、真紅と翠星石の尿道に綿棒を突っ込むところ
を想像して、股間を硬くするのでした。しかし、ふと自分が考えていることに気づいて、
ジュンは慌てて頭を振りました。
(な、何を考えてるんだ! 僕はあいつらをそんな風に見ているわけじゃないぞ!)
 まだムラムラは収まっていませんでしたが、もう1度オナニーをする気も無くなってし
まい、ジュンはベッドに横になりました。すると、急に眠くなってきて、そのまま深い眠
りに落ちていきました。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:05:44.39 ID:puJVKIC30
 ジュンは目を開けると、むくりと起き上がりました。どうにも興奮してしまい、寝付け
ないのでした。
(尿道、尿道……くそっ! さっきのゲームのことが頭にこびりついて離れないぞ)
 ジュンはもう一度横になり、何度も寝返りをうっては眠ろう眠ろうと努力しましたが、
そのたびに頭は冴え、尿道のことばかりを考えてしまうのでした。とうとうジュンは寝る
ことを諦めて、ベッドから抜け出してしまいました。
(ダメだ……。これも全部あのゲームのせいだ。だいたい綿棒なんて尿道に入るのかよ。
1本ならともかく、5本とか10本とか絶対無理だろ)ジュンはそんなことを考えながら、
部屋の中をうろうろと行ったり来たりし始めました。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:07:30.12 ID:puJVKIC30
(そういえば綿棒の頭ってどれくらいの太さだっけ。結構細かったような気もするな。意
外と5本くらいなら入るのかもしれないぞ)
 そう考え始めると、綿棒のことが気になって気になってしかたなくなってしまいました。
ジュンは救急箱の中に綿棒があったことを思い出すと、自分の部屋を出てそっと階段を降
り、リビングまでやってきました。
(たしかこの辺に救急箱があったはずだ)ジュンが救急箱を見つけて中を覗きこむと、薬
や絆創膏に混じって、お目当ての綿棒もちゃんと入っていました。ジュンはそれを見て、
ぱっと顔を輝かせると、1本取り出して大切そうに握り締め、足音を立てないようにしな
がらリビングを出ました。
(ついに綿棒を手に入れたぞ!)
 ところが、階段を昇って部屋に戻る途中、ジュンは急に全部が馬鹿馬鹿しくなってしま
いました。
(はぁ。綿棒なんか持ってきてどうするつもりなんだろう。僕は一体何がしたいんだ…
…)


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:10:01.72 ID:puJVKIC30
「ジュン、どこへ行っていたの?」部屋に戻ると、ベッドに座った真紅が話しかけてきま
した。
「わっ! な、なんだよ起きてたのか?」
 ジュンは飛び上がらんばかりに驚きました。そして咄嗟に、綿棒を持った手を背中に隠
しました。
「あら、何を隠したの?」
「え? べ、べつにいいだろ……それより早く寝ろよ」
「いいから見せなさい! 見せるのだわ!」
 真紅がそう言いながらぴょんぴょんと飛びついてきましたので、ジュンは綿棒を持った
手を上にあげて、部屋の中を逃げ回らなければなりませんでした。ところが、真紅があま
りにしつこいので、ジュンはとうとう根負けして、手に握っていた綿棒を見せました。
「あら、綿棒じゃないの。ちょうどいいわ。でもどうしてこんなものを?」
「それは……にょう……じゃなかった、そう、耳掻きをしようと思ったんだよ」我ながら
上手い言い訳だと思いましたが、真紅は疑い深そうにじとりとした視線をジュンに向けま
した。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:12:48.77 ID:puJVKIC30
「耳掻き? まあどうでもいいわ。ジュン、聞いて頂戴」
「なんだよ……」真紅がいきなり改まった口調になったので、ジュンも思わず姿勢を正し
ました。真紅は真剣な表情でジュンを見つめると、重々しく話しはじめました。
「遂に水銀燈の弱点が判ったのだわ」
「水銀燈の……弱点?」
 ジュンは思わず身体を乗り出しました。水銀燈といえば今まで真紅たちを苦しめてきた
最大のライバルです。その弱点が判ったということは、アリスゲームの決着が近いという
ことではありませんか。
「で、何なんだ? その弱点っていうのは?」
「それは……その……」真紅は言いにくそうに口ごもると、少し躊躇しているようでした。
それから真紅は思い切ったように口を開きました。
「実は、尿道が水銀燈の弱点なのだわ」
「な、なんだってぇ!」


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:14:46.96 ID:puJVKIC30
「尿道に綿棒を挿し込むことで水銀燈を倒すことができるのだわ」
「そ、そんな……」あまりに突拍子も無かったので、ジュンは呆気に取られてしまいまし
た。
「ジュン、お願いがあるのだわ」真紅はそう言いながら優しくジュンの手を握りました。
「水銀燈の尿道に綿棒を挿し込んで、あの子を倒して欲しいのだわ」
「な、なななな、なんで僕がそんなことを」
「ジュン、これは綿棒を持っている貴方にしかできないことなのよ。お願い……」真紅は
潤む瞳でジュンを見つめました。
「わ、わかった! 僕に任せとけ!」
「ありがとうジュン。頼りにしているのだわ」
「じゃあさっそく行って来る!」ジュンはそう言うが早いか、綿棒を握り締めて勢い良く
部屋を飛び出しました。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:16:21.39 ID:puJVKIC30
 ジュンはいつの間にか、大きな鏡が置いてある部屋にいました。思えば、水銀燈と初め
て遭遇したのもこの部屋でした。
(この鏡から水銀燈が出てきたんだよな……)
 ジュンはその鏡をしげしげと見つめながら、何としても水銀燈を見つけ出し、尿道に綿
棒を突っ込まなければならないと考えました。それが、真紅や翠星石のマスターである自
分の務めであると思ったのです。そして、ジュンは鏡に向かって、あらん限りの大声で叫
びました。
「水銀燈! 水銀燈! 水銀燈出て来ぉい!!」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:18:31.56 ID:puJVKIC30
 その頃水銀燈は、お父様の夢のドアを探してふわふわと漂っていました。すると、どこ
からか自分の名を呼ぶ声がかすかに聞こえてきたのです。
『水銀燈……水銀燈……水銀燈……』
 一瞬、お父様が自分を呼んでいるのかとも思いましたが、耳を澄ませてよく聞いてみる
と、お父様では無いことは明らかでした。しかしその声には、どうも聞き覚えがあるよう
に思われました。
(誰?)
 水銀燈は不審げに辺りを見回しましたが、この夢の狭間の世界には、水銀燈ただ1人き
りでした。それならば、水銀燈を呼ぶ声は、あの夢のドアのどれか1つの中から漏れ聞こ
えてきているに違いありません。
(誰かが私のことを夢に見ているというの?)
 そう考えると、俄然興味が湧いてきました。そこで水銀燈は、ローゼンの夢のドアを探
すのは中断して、声のする方へと飛んでいきました。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:20:13.66 ID:puJVKIC30
(あのドアから聞えてくるわ)
 水銀燈は、呼び声が聞えるドアを見つけると、その前にふわりと舞い降りました。ドア
の向こう側からは、確かに『水銀燈! 水銀燈!』と呼ぶ声が聞えてきます。
 水銀燈はドアノブを握ると、ドアを少しだけ開けて、隙間からそっと中を覗きこみまし
た。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:22:25.84 ID:puJVKIC30
「水銀燈! 水銀燈! 水銀燈ったらぁ! まってぇ~~!!」
「うふふ……捕まえてごらんなさぁい!」
 病院の廊下を飛び回る水銀燈を、めぐは必死で追いかけていました。水銀燈が翼を動か
すたびに、大量の黒い羽根があたりに散らばります。
「もう水銀燈ったら! こんなに羽根をばら撒いて! 看護婦さんに見つかったら怒られ
るじゃないの」めぐはぶつぶつ言いながら水銀燈の羽根をゲロ袋に回収していましたが、
何せ量が多いから大変です。見る見る間にゲロ袋は羽根で一杯になってしまいました。
「これじゃ全然集まらないわ。まだこんなに散らばってるのに」めぐがふと側を見ると、
病院食配膳用のカートが廊下に置いてあるのに目が止まりました。
「そうだわ! このカートに羽根を詰め込んでいけばいいのよ! 私ったら天才!」めぐ
はそう言うと、カート押して走り出しました。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:24:54.64 ID:puJVKIC30
「めぐ! こっちよぉ!」
 水銀燈は超高速で廊下を飛び、曲がり角を直角に曲がりました。めぐもそれを追って、
病院食のカートで華麗なドリフトを決めます。
「あははははは!」
「うふふふふふ!」
「あらあら、めぐちゃんったらすっかり元気になったわねぇ」廊下を走りまわるめぐを見
て、看護婦長が目を細めました。
 めぐはそのままカートに飛び乗ると、猛スピードで走りながら廊下の突き当たりのガラ
ス窓に突っ込みました。
「見ていて水銀燈! これが私の生き様よ!」
 めぐを乗せたカートが爆音とともにガラスを突き破り、病院の外へと飛び出しました。
めぐの身体が宙を舞います。
 そのとき、看護婦や患者達が一斉に立ち上がり、「めぐちゃん、退院おめでとう!」と
叫んで万歳三唱しました。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:26:41.03 ID:puJVKIC30
 めぐの夢があまりにカオスだったので、水銀燈は少しの間ポカンと呆気にとられてしま
いました。それから「めぐったら、何だかんだ言って、元気になって退院したいのねぇ」
と呟くと、何とも言えない生暖かい気持ちになりながら、そっとドアを閉めました。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:28:36.76 ID:puJVKIC30
 一方、ジュンは叫び疲れて鏡の前でしゃがみこんでいました。何度呼んでも、水銀燈が
鏡の中から出てくる気配も無いのです。
「はぁ。やっぱり呼んでも出て来ないよなぁ……そもそも水銀燈はどうやってこの鏡に出
たり入ったりしてんだよ……」ジュンは、鏡をペタペタ触ったりコツコツ叩いたりしてみ
ましたが、どうやっても中に入れそうにありませんでした。
 ジュンはため息をついて、これからどうしようかと考えながら、座ったままぼんやりと
鏡を見つめました。その鏡には、この部屋の入り口のドアが映りこんでいました。ジュン
が部屋に入るときにきちんと閉めていなかったため、ドアは10センチほど開いていて、
その隙間から廊下の明かりが光のすじになって薄暗い部屋の中に差し込んでいました。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:31:27.68 ID:puJVKIC30
 そのとき、鏡に映りこんでいるそのドアが、風も無いのにゆっくりとひとりでに動き始
めました。それを見て、ジュンは背筋が凍りつきました。
(な、なんだ? 誰かいるのか?)
 ジュンが眼を見開いて鏡を見ていると、そこに映ったドアの隙間から、小さな人影がす
ぅっと音も無く部屋の中へ入ってきたのが見えたのです。
「だ、だだだだ誰だ! いま入ってきたやつ!」ジュンはわざと大声を出しながら振り返
りました。なるべく威嚇すように言ったつもりでしたが、声が裏返ってしまって全く迫力
がありません。
「うふふ……どうもごめんあそばせ。『ドア』が少し開いていたので、勝手に入ってきて
しまいましたわ」
 その小さな人影は、まるで鈴の音のように澄んだ声で楽しそうに言うと、つぅと氷の上
を滑るようにしてジュンの前に進み出ました。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:33:37.97 ID:puJVKIC30
「私の名は雪華綺晶。ローゼンメイデン第7ドールですわ、マスター」
「きらきしょう?」
 ローゼンメイデンと聞いて、ジュンは思わず後ずさりました。以前にこの部屋で水銀燈
から攻撃された時の恐怖を、フラッシュバックのように思い出したからです。しかしそれ
以上に、雪華綺晶の風体があまりに異様で危険に見えたのでした。
 丈の短い純白のドレス、白のロングブーツ、真珠色に煌めく長い髪、そして右のアイ
ホールには一輪の白薔薇が咲き誇っています。どこまでも白いそのドールは、薄暗い部屋
の中ではまるで自ら光り輝いているかのようでした。
「僕に何の用だ! 何しに来た!」
「まあ、そんなに吃驚なさらないで。せっかくこうしてお会いできましたのに。随分とお
探ししましたのよ」雪華綺晶は、丸い左眼をくりくりさせて嬉しそうに言いました。
「探した? 僕を?」
「ええ、ええ、そうですの、マスター」雪華綺晶はそう言いながらすすすっとジュンに近
づくと、キュッとジュンの両手を握り締めました。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:36:58.76 ID:puJVKIC30
「ひぃっ!」ジュンはその手を反射的に振り解きました。「ちょ……何か勘違いしてる
ぞ! 僕はお前のマスターじゃないし……」
「ええ、今は確かにそうですわ。でも貴方は私のマスターになるお方……」雪華綺晶は全
く臆することなく、ジュンの目をじっと覗き込みました。そのまん丸な左眼で見つめられ
ると何だか吸い込まれそうな気がして、ジュンは慌てて目を逸らしました。
(どうやら敵じゃないみたいだけど……マスターになれなんて冗談じゃない。これ以上う
ちに人形が増えてたまるか!)
「僕はいま真紅と翠星石のマスターなんだ。お前のマスターなんかになる余裕はないし、
なるつもりもないぞ!」
「あら、困りましたわね……」大して困った様子も無く、雪華綺晶はやんわりとジュンを
なだめるように言いました。「そんなに紅のお姉さまと緑のお姉さまが宜しくて? あの
お姉さま達のマスターであることで貴方に何か良いことがありますの?」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:39:20.56 ID:puJVKIC30
「そりゃあ別に……良いことなんて何にもないけど……でも僕は」
「ねぇマスター」雪華綺晶は唇に指を当てて、ジュンの言葉を遮りました。「紅薔薇のお
姉さまたちは、貴方のことをただの媒介だとしか思っていないのですよ。その証拠に、お
姉さま達は貴方に対してなぁんにも良いことをしてくださらないじゃありませんか」
「う、うん……そうかもしれないけど……でも僕は」「その点、私なら――」そう言いな
がら、雪華綺晶はそっと身体をジュンに寄せました。「私と契約して頂ければ、何でも貴
方の望み通りにして差し上げますわ。だって、それがドールとマスターというものでしょ
う?」そして、雪華綺晶はうるうると潤んだ瞳でジュンを見上げるのでした。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:41:45.41 ID:puJVKIC30
 しかし、ジュンは雪華綺晶を突き放して叫びました。「いい加減なこと言うな! お前
だって真紅や翠星石と同じだろ!?」実際、真紅も翠星石も全く言う事を聞いてくれない
ので、ジュンは辟易しているところなのでした。
「あら、疑っておいでですの? 何ならいま試して頂いても良いのですよ?」
「え? 試すって……何を?」
「うふふふふ……ですから、何でも、お望みのままに」雪華綺晶はそう言うと、ジュンを
上目遣いに見てニコリと笑いました。その言葉を聞き、媚びるような表情を見て、ジュン
はゴクリと生唾を飲み込みました。
(お、落ち着け僕。何を期待してるんだ。本当に何でもかんでもしてくれるわけじゃない
だろ、常識的に考えて。でも、何でも望み通りにって言ってるんだから、もしかしたら本
当にナンでもしてくれるのかもしれない……。どうしよう、試してみるか?)
 ジュンはもう一度生唾を飲み込むと、綿棒を握り締めました。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:43:46.28 ID:puJVKIC30
(いやいやいや。待て待て。変態か僕は。変態か! 尿道に綿棒入れさせてくれなんて、
初対面のドールに言えるわけ無いじゃないか。いや、初対面とか関係無く尿道なんて言っ
たら変態だと思われてしまうからね? 変態じゃないですよ僕は。断じて違う。だいたい
この綿棒は水銀燈を倒すためのものだし……)
「どうされました? さあ、何でもおっしゃって」雪華綺晶はそう言いながら顔を近づけ
ると、ジュンの耳元に囁きました。「これからドールとマスターの契りを結ぶ仲ですもの。
遠慮は無用ですわ」
(いや、よく考えろ。よく考えるんだ僕。そうだ、別に変態だと思われてもいいじゃない
か。むしろ変態だと思われたい。僕が変態だと分かればこのドールも逃げ出すだろ。そう
すれば契約しなくて済む。穏当な解決手段じゃないか。いや、僕は変態じゃないけどね)

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:45:46.94 ID:puJVKIC30
(でも、もしこのドールが逃げ出さなかったら? その時は……僕の望み通りに……ゴク
リ)
「うふふ。残念、時間切れですわ。特にリクエストが無いのでしたら、さっそく私と契約
を……」
「ちょっと待ったぁ!」ジュンは慌てて雪華綺晶の言葉を遮りました。「ある! ある
ぞ! リクエストあるぞ!」
 それを聞いて、雪華綺晶は嬉しそうに微笑みました。「良いですわ、マスター。何なり
と」
 ジュンはそれでも少しのあいだ躊躇していましたが、やがて決心したように大きく息を
吸い込みました。そして「これを尿道に突っ込みたい!」と叫びながら、手に握っていた
綿棒を雪華綺晶の目の前に突き出しました。

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:48:15.04 ID:puJVKIC30
「まあ……」ジュンの言葉を聞いた雪華綺晶は、その綿棒を見ると、口元に手を当て左眼
を丸く見開いて絶句してしまいました。
(まずい……完全に引かれてる……)雪華綺晶の反応を見て、ジュンは焦りました。「い
や……ははははは。今のは冗談だよ、冗談。僕はそんな変態じゃないし」ジュンは乾いた
笑いで慌てて誤魔化しましたが、もはや後のまつりです。(これは完全に変態だと思われ
ちゃったな……。でもこれで僕との契約も諦めるだろ)
 微妙な沈黙が流れたあと、雪華綺晶がおずおずと口を開きました。「マスター、その…
…そんなことを?」
「え? うん……。ほら、分かっただろ。僕の望みなんてロクでも無いんだよ。だから僕
と契約しても良いことないぞ。さあ帰った帰った!」ジュンは恥ずかしさで顔を真っ赤に
しながら、ヤケになって言いました。
「いえ……本当にそんなことをお望みですの? 私ならもっと他に色々と素敵なことをし
て差し上げられますのに……」
「僕は尿道に綿棒を突っ込みたいんだ! 文句があるなら帰れ!」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:50:42.06 ID:puJVKIC30
 ジュンが逆ギレして怒鳴ると、雪華綺晶はビクリと肩をすくめて小さくなってしまいま
した。それから、目に涙を溜めながら、申し訳なさそうにジュンを見上げて言いました。
「……いいえ……文句なんてとんでもありませんわ。ちょっとびっくりしただけですの。
マスターがお望みとあれば、喜んで……」
 それを聞いて驚いたのはジュンの方でした。まさか本当にOKだとは思っていなかったの
です。「え? いいのか? 本当に?」ジュンはそう言いながらも小躍りしたい気分でし
た。
「私は貴方のお人形……貴方の思うがままに」
「僕の…お人形……」ジュンは雪華綺晶の言葉をぼんやりと復唱しました。その言葉は、
童貞のジュンにとってあまりにも甘美に響くのでした。(僕の……思うがまま……)
 ジュンは逸る気持ちを抑え、一度深呼吸をすると、緊張した面持ちで命令を口にしまし
た「じゃ、じゃあ、さっそく尿道を……」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:54:48.58 ID:puJVKIC30
 ジュンが言いかけると、雪華綺晶が手を上げて言葉を遮りました。
「焦らないで、マスター。物事には順序がありますわ」
「順序?」
「ええ。まずは私が……」雪華綺晶はそう言うと、ジュンのズボンに手を掛け、脱がそう
と一生懸命に引っ張り始めました。突然の雪華綺晶の行動に、ジュンは慌ててズボンを引
っ張り上げました。「わっ! こらっ! 何するんだよ!」
「あら……こういうことをお望みなのでしょう?」雪華綺晶はズボンから手を離すと、少
し困惑したように首を傾げました。
「私、最初から最後まで、ぜぇんぶマスターに満足して貰いたいのです」
 ジュンはそれを聞くと、口をポカンと開けてしまいました。(え? こういうことって
……つまりそういうこともやってくれるのか? 満足させてくれるの? え? マジ
で?)そこまで奉仕してもらえるとは思ってもいなかったので、ジュンの胸の鼓動は高ま
りました。しかし、ジュンは平静を装って言いました。「いや、ズボンは自分で脱ぐか
ら」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:57:12.01 ID:puJVKIC30
 ジュンは雪華綺晶の様子をチラチラと見ながら、ズボンを下ろしはじめました。人前で、
特に女の子の前で下半身を露出したことなど無いジュンにとって、雪華綺晶に見られなが
らズボンを下ろすという行為はひどく気恥ずかしいものでした。ズボンを脱ぎ終わると、
次にジュンは下着に手を掛けました。
「ほ、本当に良いんだな? パンツも脱ぐぞ?」
 雪華綺晶は黙ってコクリと頷きました。
(何を恥ずかしがってるんだ僕は。相手はただの人形だぞ。ちんこ見られたからって、ど
うってこと無いじゃないか)そう思いながら、ジュンは思い切って下着を脱ぎ捨て、下半
身を露出させました。ジュンのおちんちんはまだ少し幼さが残っていましたが、興奮のた
めか既に勃起していました。
「これが……マスターの……」
 ジュンのおちんちんを見て、雪華綺晶は頬を紅潮させました。そして「マスター、失礼
しますわ」と言うと、少しためらいながらも、ジュンのおちんちんにそっと触りました。
「うっ!」雪華綺晶の小さな手のひんやりとした感触に、ジュンは思わず声を上げました

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 22:59:17.66 ID:puJVKIC30
 その頃、水銀燈は、またふらふらと飛び回っていましたが、ふと何かを感じて眉をひそ
めました。
(この気配……白薔薇……!)その独特な白い妖気は間違いようがありませんでした。近
くに雪華綺晶がいるのです。ところが、周りにあるのは相変わらず夢のドアだけでした。
(あの出来損ないの末妹……こんなところで何を企んでいるのかしら)
 水銀燈は、夢のドアの間をゆっくりと漂いながら、雪華綺晶の気配を慎重に辿っていき
ました。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:01:40.04 ID:puJVKIC30
 雪華綺晶の居場所を見つけるのは、それほど難しいことではありませんでした。ローゼ
ンメイデンは、お互いの気配をある程度感じることができるのです。水銀燈は、ある夢の
ドアの前に降り立ちました。
(このドアね……。ふん、どうりであの子の気配が外に漏れて来るはずだわぁ)見ると、
そのドアは30センチほど開いているのでした。誰かが――おそらくは雪華綺晶が――そ
のドアを開いて中に入った証拠です。水銀燈は、開いたドアの隙間から、そっと中を覗き
込みました。
(ああ、やっぱりいるわね。あれは間違いなく雪華綺晶。もう一方は……もしかして真紅
のマスターじゃない? じゃあこれはあのメガネ人間の夢ね。雪華綺晶、真紅のマスター
の夢に忍び込むなんて、どういうつもりかしら……それにしてもここからじゃよく見えな
いわねぇ)
 水銀燈は少し身を乗り出しました。
(これでよく見えるわぁ……って、何してるのよあの子たちぃぃぃぃぃぃ!!!!!!)

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:04:13.26 ID:puJVKIC30
 雪華綺晶は、ジュンのおちんちんから一旦手を離すと、両手で愛しそうに睾丸を包み込
みました。冷たい雪華綺晶の手に包まれ、ジュンの睾丸はキュンと縮み上がります。それ
から雪華綺晶は、2つの睾丸を優しくマッサージを始めました。
「えええ?」いきなり思いがけない刺激を与えられて、ジュンは戸惑いました。てっきり
おちんちんをシコシコしごいてくれるものだと思っていたのです。何やってるんだコイツ、
と一瞬思いましたが、雪華綺晶がゆっくりと睾丸を揉みしだいていくうちに、徐々にお腹
の奥に何とも言えないムズムズとした感覚が芽生えてきました。
「う、うわあああ……」ジュンは身を捩じらせて思わず声を漏らしました。今までに味わ
ったことの無い、身体の奥に響くような鈍い快感がジュンを襲います。(何だこれ? 金
玉ってこんなに気持ちいいもんだったのか?)
 早くもジュンのおちんちんの先端からは先走り液が滲み始めていました。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:07:07.17 ID:puJVKIC30
 そんなジュンの様子を見て、雪華綺晶は満足そうに頷きました。
「素敵ですわ、マスター。お汁がもうこんなにたくさん……」雪華綺晶はジュンのおちん
ちんの皮を剥いて亀頭を露出させると、先走り液を指ですくい取り、亀頭全体にヌルヌル
と塗りたくりました。敏感な部分を刺激され、ジュンはビクンビクンと痙攣するように身
体を震わせました。
(これはヤバイ! 先っぽだけでイッてしまう!)
 ところが雪華綺晶はそれ以上ジュンのおちんちんを刺激することなく、再び睾丸のマッ
サージを始めました。ジュンはまるでお預けをくらった気分です。
「うふふふふ……」雪華綺晶は不敵に微笑むと、グイっと睾丸を持ち上げました。
「ああっ!」ズン、と突き上げるような衝撃をおちんちんの根元に受けて、ジュンはピュ
ピュっと先走り液を漏らしました。

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:12:31.03 ID:puJVKIC30
 童貞のジュンにはもう余裕がありませんでした。一刻も早く射精しなければ、気が変に
なってしまいそうでした。
「き、きらきしょう……金玉の方はいいから……早く……その……始めてくれないか?」
「あら、もういいのですか? 準備も大切ですわよ?」雪華綺晶は少し残念そうに言いま
した。
「ああ……もう我慢できない……頼む、始めてくれ!」ジュンはもはや息も絶え絶えとい
う様子です。
「分かりました。それではさっそく……」
 雪華綺晶はそう言って、ジュンの手からひょいと綿棒を取り上げると、ズブリとジュン
の尿道に突き刺しました。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:14:31.61 ID:puJVKIC30
「え?」
 ジュンは一瞬、何が起こったのか分かりませんでした。おちんちんの先っぽが、突然燃
えるように熱くなったのです。それから、自分のおちんちんに綿棒が突き刺さっているの
を見て、眼を見開きました。
「ちょ……違う……僕の尿道じゃなくて……っていうか痛! いたたたたたた!」ようや
く痛みを認識して、ジュンは叫びました。
「抜いて! 抜いてくれ!」ジュンは必死で訴えました。しかし、雪華綺晶はそしらぬ顔
で全く相手にしません。
「くそっ! いいよ自分で抜くから!」ジュンはおちんちんに刺さった綿棒に手を伸ばそ
うとしましたが、まるで何かに縛り付けられているかのように腕を動かすことができませ
んでした。見ると、いつの間にか手足に白いイバラの蔓が巻き付いて、ジュンの動きを封
じていたのです。
「な……これ、お前がやったのか!?」ジュンは驚いて雪華綺晶を見ました。雪華綺晶は、
その問いかけに答える代わりに、白い歯を見せて、ニィィィィと笑いました。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:17:40.90 ID:puJVKIC30
「何でこんなことを……! 騙したな!」
「あら、人聞きの悪いことを仰らないで。これは全て貴方が望んだことですのよ」雪華綺
晶は涼しい顔で笑うと、グイっと綿棒を前に進めました。グググッと尿道の粘膜が引きず
られるような感覚があった後、ズルリと2センチほど綿棒が前に進みました。
「ひいぃぃぃ!!!」強烈な刺激に、ジュンは身をのけ反らせました。そもそも、綿棒
は、尿道に比べてそれほど太いわけではありません。しかし、綿棒の頭の部分は摩擦抵抗
が大きいため、敏感な尿道の粘膜をヤスリのようにガリガリと削ってしまうのです。
 しかも、ジュンの意思とは関係なく、おちんちんが硬く勃起したままなのでした。勃起
しているが故に、尿道が少し狭くなって刺激が倍増しているのです。

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:19:44.41 ID:puJVKIC30
「誤解だ! 僕はこんなこと望んでない! 僕が言いたかったのは、お前のにょうど」ジ
ュンが言い終わらないうちに、雪華綺晶は更に綿棒を進めました。
「うわあああ痛てえぇええ!!!」焼け付くような尿道の痛みに、ジュンは目に涙を浮か
べました。
「うふふふふふふ……どうですマスター。お気に召しまして?」ジュンは叫びたいのをこ
らえて、何とか平静を装って雪華綺晶に応えました。「うん……気に入ったから……その、
もうやめてくれないかな……」
「あら、嫌ですわマスター。私、貴方には心から満足して貰いたいのです。これくらいじ
ゃ終われませんわ」雪華綺晶は素っ気無く言うと、まだ半分ほどしか入っていなかった綿
棒を、力をこめて一気に奥まで進めました。先走り液を吸って膨張した綿棒が、ジュンの
尿道の粘膜を引きずり引っかきながら突き進みます。
「――ひぎぃ!!!!!!」ひときわ大きな悲鳴が、部屋の中に響き渡りました。そして、
それっきり、ジュンはまるで糸が切れた操り人形のようにガックリと動かなくなってしま
いました。

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:21:46.93 ID:puJVKIC30
「ちょっとぉ……壊れちゃったんじゃないのぉ?」腕を組んでドアにもたれかかりながら、
水銀燈が静かに声をかけました。雪華綺晶は特に驚きもせず、チラリと肩越しに水銀燈の
方を振り返りました。
「あら、逆十字のお姉さま……盗み見なんてお行儀の悪いこと」雪華綺晶はそう言って、
ジュンのおちんちんから勢いよく綿棒を抜きました。尿道に対する強制的な刺激に、気を
失ったジュンの身体がビクンと痙攣します。
「貴女みたいな変態ドールに、行儀のことをとかく言われたくはないわねぇ」
「変態だなんて……酷いこと仰るのね」雪華綺晶は妖しく笑うと、綿棒をポイと捨てまし
た。
「ふん……それが変態で無ければ何が変態なのよ」水銀燈は蔑むような眼差しを雪華綺晶
に向けました。「貴女、めぐを諦めて今度は真紅のマスターに手を出すつもり?」
「……いいえ、貴女のマスターはまだ諦めたわけじゃありませんのよ。でもこの方は特別
……」そう言いながら雪華綺晶は、これは自分のもの、と言わんばかりにギュッとジュン
に抱きつきました。「この方には、私の『本当の』マスターになって頂くの」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:23:47.84 ID:puJVKIC30
「本当のマスターねぇ……その人間が貴女と契約するかしらぁ? もう既に2体のドール
のマスターなのよ。それとも真紅達との契約を破棄させるつもり?」
「あら、嫌ですわ、お姉さま達のお下がりなんて。一度紅く咲いた薔薇は、例え白いペン
キを塗っても白薔薇にはなりませんもの」
「じゃあどうしたいって言うのよ」水銀燈はイライラしたように片方の眉を吊り上げて言
いました。
「そんなのかぁんたん。古い紅薔薇を刈り取って、新しく白い薔薇を植えれば良いので
す」雪華綺晶は得意そうに言いました。「そうすればこの方は私だけのもの。私だけの新
しいマスター……」
「古い薔薇を……刈り取る? この人間の人格を破壊して再構成しようというの?」水銀
燈は眉をひそめ、壊れたように動かなくなっているジュンを一瞥しました。「それでこん
なことを?」
「ええ」雪華綺晶は、さも当然というように澄まして応えました。「私、マスターの身も、
心も、ぜーんぶ自分だけのモノにしたいんです。だからマスターが完全に壊れるまでの間
はずぅっと続けるつもりですわ」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:26:42.63 ID:puJVKIC30
(この子……相当イカレてるわね)水銀燈は哀れむような眼で雪華綺晶を見ると、わざと
大げさにため息を付きました。
「馬鹿馬鹿しい……付き合ってられないわぁ。勝手にしなさい」
「あらお姉さま、お帰りですの?」雪華綺晶は少し残念そうに、しかし挑発するかのように
薄い笑みを浮かべて言いました。「お姉さまさえ良ければ、手伝って頂こうと思ってまし
たのに」
「はぁ? 何で私が貴女の変態ごっこを手伝わないといけないわけぇ? だいたいそれは
貴女の『マスター』なんだから一人で何とかしなさいな」
「お姉さまのおっしゃることはもっともですが、紅薔薇の刈り取りが終わるまでの間は、
私のモノというわけでもありませんわ。それにお姉さまにだって悪いお話じゃありません
のよ」
 なかば帰りかけていた水銀燈でしたが、その言葉に少し興味を持ったらしく、ジロリと
雪華綺晶の方を睨みつけました。「……どういうことよ」
「お姉さまもお気づきのはず。この方はお父様にとおっても近いところにいるのです」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:29:39.78 ID:puJVKIC30
「お父様に……?」雪華綺晶に言われて、水銀燈にも思い当たることがありました。
(確かにこの人間はお父様と同じマエストロ級の職人……真紅の腕を直したし、夢の中で
壊れかけた私も直してくれたわ。でも……)
「だから何だっていうのよ?」
「うふふ……この方の紅薔薇を刈り取ることで、貴女の呪縛も解けるのではなくて?」
「何かと思えばくだらない事を」水銀燈は呆れたように肩をすくめ、かぶりを振りました。
「私は縛されてなどいないと前に言ったはずよ。それにその人間はお父様の代わりにはな
らないわ」
「さて、どうでしょうか……」雪華綺晶は謎めかして言うと、ジュンの後ろにまわり、そ
の耳元でそっと囁きました。「マスター、起きてください」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:32:07.69 ID:puJVKIC30
 すると、まるで雪華綺晶の呼びかけに応じるように、ジュンはうっすらと目を開きまし
た。
「うーん……ここは……」
「マスター、おはようございます」
「うわぁ! き、きらきしょう!」雪華綺晶の姿を認めると、ジュンはサッと蒼ざめ、そ
れから暴れ始めました。「くそっ! まだイバラで縛られたままか! これを何とかし
ろ!」
「マスター、落ち着いて。ほら、黒薔薇のお姉さまが来てくださいましたのよ」
「え? 黒薔薇?」雪華綺晶が指し示す先を見て、ジュンは驚きました。(水銀燈! な
んで水銀燈がこんなところに……。雪華綺晶と仲間なのか?)
「ねぇ、黒薔薇のお姉さま。お手伝いしてくださいますよね? マスターは貴女にやって
貰いたいことがあるのです。そうですね、マスター」雪華綺晶は有無を言わさぬ口調で言
いました。しかし、そう言われても、ジュンは頭が混乱するばかりです。
(え……? 水銀燈に……やって貰いたいこと?)
「ふん……。何か知らないけど、一応聞いてあげるわぁ。言ってみなさい、私にどうして
欲しいのか」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:34:15.14 ID:puJVKIC30
「そんな、急にいわれても……」ジュンは目を泳がせ、しばしの間思案していましたが、
何やらハッと思いついたようでした。「そ、そうだ! 水銀燈! この白いイバラを解い
て僕を助けてくれ!」
 しかしそれを聞いた水銀燈は、思い切り嫌そうな顔をして答えました。「はぁ? 心底
どうでもいいことだわぁ。そのまま一生雪華綺晶に縛られてなさい」
「た、頼む! 何でもするからさ! 頼むよ!」ジュンは必死になって水銀燈に訴えまし
た。まるで土下座でも始めそうな勢いです。もっとも、身体をイバラの蔓で縛られている
ためそんなことは出来ませんでしたが。下半身丸出しのままプライドを捨てて懇願するジ
ュンの姿を見て、どういうわけか水銀燈は無性に苛立ちました。(なんて情けないのかし
ら……こんな人間がお父様と同じマエストロだなんて……考えただけでも腹立たしいわ
ぁ)
「な、頼む! お前なら簡単だろ!? 早くなんとかしてくれ!」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:36:18.86 ID:puJVKIC30
「……いいわよぉ。助けてあげる」
「ほ、ほんとに?」思いのほかあっさりと承諾されて、ジュンはホッと安堵の表情を浮か
べました。
「ええ……でも約束は守ってもらうわ」水銀燈はうっすらと嗜虐的な笑みを浮かべて言い
ました。「何でもするって言ったわよねぇ?」
「ああ、ああ、勿論! だから頼む!」
「じゃぁ……私、貴方が気絶するところ、もう一度見たいわぁ」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:39:26.24 ID:puJVKIC30
「え……?」水銀燈の言葉に、ジュンはしばらく言葉を失ってしまいました。それがどう
いう意味か、頭で理解するのに時間がかかったのです。
「うふふ……どうやら交渉成立のようですね」雪華綺晶が2人の間に割りこんで嬉しそう
に言いました。
「いやいやいや……、おかしいだろそんなの! 僕は助けてくれって言ったのに、そんな
……」ジュンは抗議の声を上げましたが、雪華綺晶も水銀燈も聞く耳を持たないようです。
「でも困りましたわね……綿棒はもう捨ててしまいましたわ」
「あら、そこにちょうどいいものがあるじゃなぁい」水銀燈はそう言って、あるものを指差
しました。
「まあ、さすがお姉さま。これなら長さも十分ですし、『奥』まで届きますわ」雪華綺晶
は感心したように頷くと、水銀燈が指差したものを手に取りました。
 それは、雪華綺晶がジュンを縛るのに使っている、白いイバラの蔓でした。

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:41:22.92 ID:puJVKIC30 [60/60]
「ちょ……冗談……だろ? それ……棘が生えてるじゃん……」ジュンは顔面蒼白になっ
て雪華綺晶を見ました。しかし、雪華綺晶の楽しそうな表情を見れば、それが冗談では無
いことが良く分かりました。
「そんなの……死ぬから! 無理! 絶対無理だ! 血とか出るだろ絶対!」
「大丈夫。心配しないで、マスター。夢の中で痛みや快楽は感じても、肉体が傷つくこと
はありませんわ」雪華綺晶は優しく言いながら、イバラの蔓を手にしてジュンに近づきま
した。
「え? 夢……?」ジュンは一瞬不思議そうな顔をしましたが、雪華綺晶がジュンのおち
んちんをギュッと握り、イバラの蔓の先端を尿道の入り口に押し当てたので深く考える余
裕はありませんでした。
「ま、待って! やめるんだ! やめろおおおお!!!!」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:47:33.90 ID:V6jsKaQ9P [1/7]
 イバラの蔓が尿道に挿入されそうになって、ジュンは絶叫しました。ところが雪華綺晶
は、手持ち無沙汰で佇んでいる水銀燈を見ると、イバラを持った手を一旦休めて声を
掛けました。
「お姉さま、見ているだけでは退屈でしょう? どうぞ手伝ってくださいな」
「そうねぇ……たしかに退屈だわぁ」水銀燈はそう応えましたが、正直なところ何をして
いいのかよく分かりませんでした。
(どうしようかしら……少しは長姉らしく振舞わないと、雪華綺晶に侮られてしまうわ)
 水銀燈は内心焦りましたが、何をすればいいのかを雪華綺晶に聞いてみるわけにもいき
ません。
(……とにかくどこか穴に何かを突っ込めばいいはずよ。めぐがそう言ってたもの)水銀
燈はそう考えると、黒い羽根を何枚も、桜吹雪のようにあたりに舞い散らせました。する
と、見る見るうちにその羽根が集まって束になり、直径10cm、長さ数メートルのほど
の細長い形にまとまりました。それはまるで、黒い触手といった感じのものでした。その触
手は、鎌首をもたげた蛇のように、ジュンに狙いを定めました。
「それでは続けますよ、マスター」
「覚悟しなさい、人間」
「ひいいいいいぃぃぃぃぃ!!!!!」その日二度目の大きな悲鳴が、部屋の中にこだま
しました。

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:49:40.92 ID:V6jsKaQ9P [2/7]
~エピローグ~

 水銀燈は、ふらふらになりながら、また夢のドアの間を漂っていました。あれから数時
間ものあいだ、雪華綺晶と一緒になってジュンを責め続けていたので、さすがの水銀燈も
ヘトヘトになってしまっていたのです。
(なんだか調子に乗ってとんでもないことをやってしまったような気がするわぁ……)自
分がやったことを思い出しそうになって、水銀燈は慌てて頭を振りました。
(と、とにかく、あんな変態ドールにめぐを渡すわけにはいかないわ。目が覚めたらさっ
そくめぐと契約しなければ……)そんな事を考えながら、水銀燈は帰りを急ぎました。

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:51:11.46 ID:V6jsKaQ9P [3/7]
「ジュン! さっさと起きるです! いつまで寝てやがるですかこの三年寝太郎が!」翠
星石はそう叫んでジュンの布団に飛び乗ると、その上でドスンドスンと何度も飛び跳ねま
した。
「ちょっと、はしたないのだわ翠星石。それに埃が舞ってしまうじゃないの」新聞に目を
通しながら、顔も上げずに真紅が言いました。
「だって真紅、こいつ全然起きないですよ。ちょっと変ですぅ」
「そうね」真紅は懐中時計をとりだして時間を確認しました。「いつもは貴方がベッドに
飛び乗るとすぐに起きるのに……確かに変なのだわ」真紅は新聞を置くと、トコトコと
ジュンのベッドまで歩いていきました。

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:52:52.10 ID:V6jsKaQ9P [4/7]
「とりあえず布団をはがしてみましょう」
「いえっさー!」真紅と翠星石は、二人で力を合わせてジュンの布団を剥ぎ取りました。
「うっ……これは……」見ると、ジュンの股間の辺りがびっしょりと濡れて、まるで水溜
りのようになっているのでした。
「このチビ人間、この歳になってお漏らしですぅ! 寝る前にはちゃんとおしっこを済ま
せなさいと毎日のりに言われてるのにこのザマですぅ! チビ人間はチビ人間らしくおし
めでもしてなさいってことですよ!」
「……しかも何だか生臭いのだわ」
「ま、まさか……」真紅と翠星石は顔を見合わせました。「こいつ、とんでもねぇ野郎で
すぅ! 汚ねぇ汁を2種類も垂れ流しやがって! エンガチョ! エンガチョですぅ!」
 大声でジュンを非難する翠星石を、真紅はそっとなだめました。「お待ちなさい翠星石。
こういう時、レディーは見て見ぬ振りをするものよ。布団は元に戻して、気づかなかった
ことにしましょう」
「わ、わかってるですぅ……この醜態を私達に見られたと知ったら、ジュンの奴、自殺で
もしかねないですぅ……」


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:55:42.87 ID:V6jsKaQ9P [5/7]
「でも、これだけ騒いで目を覚まさないなんて、やっぱり変なのだわ」真紅は首を傾げ、
ジュンの顔を覗き込みました。どこから見ても眠っているようにしか見えませんでしたが、
起きる気配もありません。
「し、真紅……これを見てください!」翠星石は、ベッドの上の一点を指差しました。真
紅がそちらを見ると、白いシーツの上に黒い羽根が数枚落ちているのでした。。
「これは……水銀燈の羽根なのだわ!」
「あの性悪ドール……夜のうちに来てやがったですか!」
 真紅は少し考えて、慎重に口を開きました。「……いいえ、それは無いと思うわ。あの
子が実際にここに来れば、私達が気づかないはず無くてよ」
「そうですね……それならこれは、夢の残り香が実体化したものに違いないですぅ」
「翠星石……貴女、夢の中に水銀燈が?」翠星石は黙って首を振りました。「そう……私
の夢にも来ていなかったわ。ということは……」
 2人は、起きる気配も無く眠り込んでいるジュンの方を見ると、しばし黙り込みました

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:57:14.42 ID:V6jsKaQ9P [6/7]
 すると、突然翠星石がジュンのズボンに飛びつき、脱がそうと引っ張りはじめました。
「ちょっと! 何してるのよ翠星石!」真紅は慌てて翠星石を羽交い絞めにすると、ジュ
ンから引き離そうとしました。
「ええい! とめてくれるなですぅ真紅ぅ! このジュンの醜態があの淫売ドールの仕業
なら、必ず股間に何らかの証拠が残っているはずですぅ!」
「落ち着きなさい翠星石! いくら水銀燈でも、ジュンの夢に勝手に入り込んで悪さをす
るなんて不可能なはずよ!」しかし、翠星石は真紅の静止を振り切ると、ジュンのズボン
を引っ張ってスポンと脱がしました。その勢いで下着も脱げてしまい、ジュンの下半身が
露になりました。
「こ、これは……」そのあまりの惨状に、2人は声を失ってしまいました。ジュンのお尻
の穴には、黒い羽根が束になってぎっちりと詰め込まれていたのです。

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/04/10(土) 23:58:32.78 ID:V6jsKaQ9P [7/7]
「あ、あのジャンクぅぅぅぅ!!! ついに本性を現したのだわ! いつかこんなことを
仕出かすんじゃないかと思っていたのだわ!」
「まったくとんでもない極悪ドールですぅ! この翠星石のマスターの純潔を奪うなん
て! ジュンのケツだけに……うぷぷぷぷぷぷぷ!」
「……あら、もうこんな時間じゃないの。のりが朝食を用意して待っているはずだわ」
真紅がちらりと時計を確認して言いました。
「そうですね。もうおなかペッコペコですぅ」
 2人はジュンの布団を元に戻すと、何事もなかったかのように部屋を出て朝食に向かい
ました。
 ジュンはその後、3日間意識が戻らずそのままの状態で放置されていたということです。


~終わり~

Tag : ローゼンメイデン

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