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パワプロ「聖ちゃん可愛いよね」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:28:40.02 ID:psmavRbq0 [1/12]
矢部「そうでやんすかぁ? 確かに可愛いでやんすが、無愛想すぎるでやんす」
パワプロ「そこもまたいいんじゃないか」
矢部「はぁ…なるほど、不思議ちゃん系が好きなんでやんすね?」
パワプロ「そういうわけではないけど…」
矢部「ズバリパワプロくん! 今聖ちゃんとやりたいことはなんでやんすか?」
パワプロ「え? 一緒にキャッチボールしたい」
矢部「うわー野球野球してるでやんすねー」
矢部「そうでやんすかぁ? 確かに可愛いでやんすが、無愛想すぎるでやんす」
パワプロ「そこもまたいいんじゃないか」
矢部「はぁ…なるほど、不思議ちゃん系が好きなんでやんすね?」
パワプロ「そういうわけではないけど…」
矢部「ズバリパワプロくん! 今聖ちゃんとやりたいことはなんでやんすか?」
パワプロ「え? 一緒にキャッチボールしたい」
矢部「うわー野球野球してるでやんすねー」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:33:02.86 ID:psmavRbq0
パワプロ「え? ほかにあるのかい?」
矢部「オイラだったら…そうでやんすねぇ、一緒に帰りたいでやんす!」
パワプロ「それもいいけどさ、聖ちゃんって練習中みずきちゃんといっつも一緒でしょ? だから俺の相手してくれないんだよ」
矢部「仕方ないでやんすよ、それは」
パワプロ「うん、最近あきらめ始めてるよ」
矢部「何を言ってるんでやんすかパワプロくん!」
パワプロ「うわっ、びっくりした」
矢部「諦めたらそこで試合終了でやんすよ! もっと頑張るでやんす!」
パワプロ「う、うん。頑張ってみるよ」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:35:56.32 ID:psmavRbq0
パワプロ「ひ、聖ちゃん」
聖「む、パワプロ先輩か。どうしたんだ?」
パワプロ「キャッチボール一緒にしない?」
聖「かまわないぞ」
パワプロ「…今何してるの?」
聖「ストレッチだ。パワプロ先輩、押してくれないか?」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:40:09.95 ID:psmavRbq0
パワプロ「え!? 俺?」
聖「ああ、いやならいいんだぞ。みずきに頼むから」
ここでみずきちゃんが来たら、キャッチボールはパァになる!
パワプロ「イヤじゃない。むしろさせてください!」
聖「そ、そうか。じゃあ、頼んだぞ」
モミッ
パワプロ「あっ」
聖「…ゆっくり押すだけでいいぞ」
パワプロ「ご、ごめん」
パワプロの弾道が上がった。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:43:11.10 ID:psmavRbq0
パワプロ「聖ちゃん、俺みたいな男が体触っても大丈夫なの?」
聖「む? なぜだ?」
パワプロ「ほら、聖ちゃん可愛いし」
聖「なっ///! …男ばかりの野球部にいるのにそんなこと、気にしないぞ」
パワプロ「たしかに、そうだね」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:47:49.34 ID:psmavRbq0
聖「それじゃあ、キャッチボールするぞ」
パワプロ「うん」
聖「…」ビュッ
パワプロ「…」パシッ ビュッ
ドカーン!
パワプロ「ぎゃああああああああああ!!!!!」
聖「!? パワプロ先輩!?」
パワプロ「肩の爆弾が…」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:52:44.01 ID:psmavRbq0
聖「肩の爆弾だと…!?」
パワプロ「うぅ~救急車ぁー」
聖「ま、待っていろ、今救急車を…」
?「オーウ! これはいつぞやの野球少年ではないですカ!」
パワプロ「あ、あなたは…!」
ダ「私はダイジョーブ博士ですヨー!」
なぜここにいるんだ…。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:57:30.36 ID:psmavRbq0
パワプロ「あの、助けて…ください…」
ダ「もちろんそのつもりデース! ゲドー君、連れて行ってくだサーイ」
本当に、助かるのかな…。
あおい「あれ? パワプロくん…?」
パワプロ「あ、あおい先輩…」
あおい「一体どうしたの? なんで運ばれてるの?」
パワプロ「あおい先輩、今からちょっと賭けに行ってきます。では!」
ゲドー「ギョギョー!」
あおい「あ、パワプロくん! もうっ…一緒にキャッチボールしようと思ったのに…」
矢部「だったらオイラg」ガスッ
矢部(…ひどいでやんす)
17 名前:あのBGMを想像してください[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:03:58.92 ID:psmavRbq0
ダ「それでは今から爆弾を治しマース」
パワプロ「本当に、成功するんですか?」
ダ「壊れたらこの話が終わってしまいマース、だから何が何でも治しマース」
パワプロ「は、はあ」
この話ってなんだ?
ガシッ
パワプロ「あの、なんでこんな大きな鉄のようなもので体を固定するんですか?」
ダ「逃げられると困るからデース」
パワプロ「すでに肩の痛みで逃げることもできませんよ!」
ダ「では、今から手術を行いマース」
ゲドー「ギョギョー!」
19 名前:あのBGMを想像してください[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:07:05.02 ID:psmavRbq0
パワプロ「うわっ!? ちょっと! ぎゃああああああああああ!!!」
ガクッ
ダ「…ドウヤラ気絶シテシマッタミタイデース。ゲドークン、病院ノテツヅキヲオネガイシマース」
ゲドー「ギョギョ!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:02:52.49 ID:psmavRbq0
パワプロ「はっ! ここは!?」
みずき「あ、パワプロくん、起きたー」
パワプロ「あれ? 病院?」
みずき「びっくりしたわよ、いきなり聖が泣いちゃって、びっくりしたわ」
パワプロ「え? 聖ちゃんが?」
聖「ぱ、パワプロ先輩…! 無事でよかった…」
パワプロ「聖ちゃん!」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:05:21.48 ID:X0bJTyma0 [1/59]
聖「でも、肩の爆弾が爆発してしまったんだ…もう、野球は…」
パワプロ「あ、そうだった」
クルクル
あれ? 全然痛くないぞ!?
聖「!! 先輩…肩は…?」
パワプロ「なんだか、治ったみたい」
聖「本当か!? 本当に本当か!?」
パワプロ「う、うん。痛くないよ」
聖「よかった…」ウルウル
みずき「聖ぃ~なんで泣いてるのぉ?」
聖「な、泣いてなんかいないぞ。全然」
それはそれで悲しいんだけどな…
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:08:35.34 ID:X0bJTyma0 [2/59]
グラウンド
あおい「パワプロくん!」
パワプロ「あ、昨日はどうも、あおい先輩」
あおい「もう、心配したんだからね!」
パワプロ「す、すいません」
矢部「パワプロくん、おかえりなさいでやんす」
パワプロ「矢部くん。てっきり君が病院にいると思っていたのに…」
矢部「あおい先輩から離れたくないでやんす」
や、矢部くん…君はある意味男の中の男だよ…。
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:12:40.28 ID:X0bJTyma0 [3/59]
あおい「あ、あのさ、パワプロくん…」
パワプロ「はい?」
あおい「ボクと一緒に、キャッチボールでも…しない…かな?」
パワプロ「俺でいいんですか?」
あおい「うんっ、いやなら別にいいんだけど!」
ここで遠慮したらダメだよな…
パワプロ「もちろんいいですよー肩の爆弾も取れましたし」
あおい「やった」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:18:03.09 ID:X0bJTyma0 [4/59]
聖「あ、パワプロ先輩…」
パワプロ「行きますよー」
あおい「うーん!」
聖「…」
みずき「聖ーやるよー」
聖「…うむ」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:24:19.25 ID:X0bJTyma0 [5/59]
矢部「殺してやる、でやんす」
パワプロ「誰を?」
矢部「もちろん、パワプロくんに決まってるでやんす」
パワプロ「決まってないよ!」
矢部「どうせあおい先輩とのキャッチボールで弾道が上がったんでやんしょ!」
パワプロ「俺そんなに弾道上がりやすいの!?」
矢部「覚悟するでやんすー!」
みずき「ちょっと、メガネうるさい!」ガスッ
矢部「やんすっ」ドサッ
矢部くん、君の事は忘れないよ…
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:31:48.54 ID:X0bJTyma0 [6/59]
パワプロ「くそう…今日もきっと聖ちゃんはみずきちゃんと一緒に練習を…」
聖「私がどうかしたか?」
パワプロ「うわっ!? 聖ちゃん」
聖「そんなに驚かれると、ちょっとショックだ…」
パワプロ「ごめんごめん。あれ? みずきちゃんは?」
聖「みずきはさっき帰ってしまったんだ」
パワプロ「そうなんだそれじゃあ聖ちゃんは…」
聖「うむ、一人だ」
やったー!
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:35:58.88 ID:X0bJTyma0 [7/59]
パワプロ「よかったら、俺に付き合ってくれない? 座らせて投げたいんだ」
聖「む? かまわないぞ」
やったー!
パワプロ「んじゃあ行くよー」
聖「うむ」
ビシュ
ああ…嬉しい…! 聖ちゃんと一緒に練習できるなんて…!
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:42:21.42 ID:X0bJTyma0 [8/59]
聖「…パワプロ先輩」
パワプロ「な、なに?」
聖「球威がまったくないぞ? どうしたんだ」
パワプロ「え? そうかな?」
聖ちゃんと練習してるから気が抜けちゃってるのかな?
ビシュ バシッ
聖「…やはりダメだ。いつもの先輩らしくないぞ」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:50:35.79 ID:X0bJTyma0 [9/59]
パワプロ「うーん、頑張ってるんだけどなぁ」
聖「大会でこれでは、まずいぞ」
パワプロ「う、うん」
聖「今日から先輩は私と一緒に練習だ」
パワプロ「ええ!?」
聖「…いやか?」
パワプロ「いやいや! 嬉しい! とっても嬉しいよ」
聖「む、そうか…それならよかった」
弾道が上がった。
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:01:53.56 ID:X0bJTyma0 [10/59]
監督「来週から合宿行くんでよろしく」
全員「しゃあっす!」
矢部「パワプロくん、チャンスでやんす!」
パワプロ「え? なんで?」
矢部「あおい先輩にみずきちゃん、ひじりちゃんと一つ屋根の下でやんす! うっひょい!」
うっひょい…?
パワプロ「そ、そうだけど…」
矢部「なにか不満なんでやんすか? も、もしかしてパワプロくん…あっち系でやんすか!?」
パワプロ「違うよ!」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:10:23.29 ID:X0bJTyma0 [11/59]
矢部「とりあえず、合宿中もパワプロくんは聖ちゃんと一緒でやんすね」
パワプロ「うん。今からにやけちゃうよ」
矢部「パワプロくん、よだれ出てるでやんすよ」
パワプロ「はっ! ジュルリ」
矢部「合宿中に一線を越えちゃダメでやんすよ?」
パワプロ「わ、わかってるよ」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:20:34.49 ID:X0bJTyma0 [12/59]
そして…
監督「よし、みんなそろったな、それじゃあバスに乗れー」
パワプロ「バスで移動なんて、結構豪勢だなぁ」
聖「隣いいか?」
パワプロ「あ、矢部くん当たり前じゃない…って、聖ちゃん!?」
聖「矢部先輩と間違えられるのは、相当ショックだぞ…」
パワプロ「いやあ、いつも言ってくる人といったら矢部くんだったから…」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:36:15.62 ID:X0bJTyma0 [13/59]
聖「それで、隣いいか?」
パワプロ「もちろん。断る理由が無いよ」
聖「そうかそれじゃあ遠慮なく」
矢部(遠くから)『あおい先輩! おいらと一緒に…』
みずき『あおい先輩は私と座るの!』ボカッ
矢部『…うぅ』
や、矢部くん…ファイト!
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:44:47.72 ID:X0bJTyma0 [14/59]
聖「…」
パワプロ「聖ちゃん」
聖「…」
あれ? 寝ちゃったかな?
パワプロ「聖ちゃん、寝ちゃった?」
聖「起きているぞ、先輩」パチリ
パワプロ「うわぁ! びっくりしたー」
聖「パワプロ先輩は面白いな」
パワプロ「そ、そうかな? ありがとう」
結構顔近かったからビックリしちゃったよ…。
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:49:37.76 ID:X0bJTyma0 [15/59]
聖「今日から合宿だ…とても楽しみだな」
パワプロ「うん、そうだね。俺もどれだけレベルアップできるか楽しみだ」
聖「先輩、私がたっぷりしごくから、覚悟しておけよ」
し、しごく…だって!?
矢部『パワプロくんがやらしいこと考えてるでやんすー!』
な、なぜあんな遠くからわかるんだ!?
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:57:23.85 ID:X0bJTyma0 [16/59]
パワプロ「矢部くんうるさーい!」
矢部『聞こえないでやんすよー』
パワプロ「聞こえてるじゃないか!」
聖「ふふ…」
パワプロ「あ、今、聖ちゃん、笑った?」
聖「! 笑ってないぞ」
可愛いなあ。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:03:09.71 ID:X0bJTyma0 [17/59]
監督「また現地には遠いから、カラオケでもするか!」
矢部「イエーイでやんす!」
矢部くんが歌ったらいやな予感しかしないよ…
矢部「じゃあオイラはガンダーロb」ガスッ
みずき「あおい先輩、二人で歌いましょう!」
ナイス、みずきちゃん!!
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:22:26.65 ID:X0bJTyma0 [18/59]
みずき「~♪」
あおい「~♪」
おお、野球部なのに女の子の声が聞けるなんて…!
聖「…」ウズウズ
パワプロ「? どうしたの? 聖ちゃん」
聖「パワプロ先輩、一緒に歌おう」
パワプロ「うぇ!? 聖ちゃん、歌歌えるの?」
聖「うむ。CMの曲なら歌えるぞ」
パワプロ「た、たとえば?」
聖「キノコのっこーのこ…とか」
可愛い!
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:30:43.91 ID:X0bJTyma0 [19/59]
矢部「次こそオイラでやんすー!」
パワプロ「あ、もう矢部くんの曲が始まった!」
ガンダーロボのお決まりのセリフが…。
矢部くん「~♪ ~♪ でやんす!」
やんすって言っちゃった!
聖「先輩は一緒に…歌ってくれないのか?」
パワプロ「いや、もっと、みんなが知ってる曲なら…」
聖「そうか。ならば…」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:33:47.29 ID:X0bJTyma0 [20/59]
矢部「ふぅ…終わったでやんす次は誰でやんすか?」
聖「私とパワプロ先輩だ」
パワプロ「聖ちゃん、本当にみんな知ってるの?」
聖「知らないほうが少ないと思うぞ」
サザ○さん
聖「私は毎週見ているんだ」
パワプロ「ああ、これは確かに…」
でも、一緒に歌うような曲では…ないよね。
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:39:57.63 ID:X0bJTyma0 [21/59]
パワプロ「ふぅ」
聖「パワプロ先輩、一部一部歌詞がわからないとは、どういうことだ?」
パワプロ「ご、ごめん、ちょっと見間違えちゃった」
聖「でも、凄いいい声だったぞ。曲がかっこよく感じた」
パワプロ「ありがとう」
球がノビるようになった。
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:44:01.74 ID:X0bJTyma0 [22/59]
監督「到着だ。お前ら、荷物置いたらすぐに練習だからな」
矢部「海に行きたいでやんすー!」
監督「きちんと練習したら自由時間で海に行ってもいいぞ」
矢部「なにーでやんす! パワプロくん、またもやチャンス到来でやんす!」
パワプロ「ふふふ、矢部くん。それは俺でもわかるよ!」
矢部「頑張って練習するでやんす!」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:52:55.59 ID:X0bJTyma0 [23/59]
聖「む、パワプロ先輩、今日はいい球だぞ。ノビもある」
さっきゲットしたからね!
パワプロ「じゃあ次は変化球いくよー」
聖「何が投げれるんだ?」
パワプロ「うーん…ごめん、ライジングキャノンしか投げられないや」
聖「それはストレートだぞ…」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:57:24.94 ID:X0bJTyma0 [24/59]
>>77
12と13はいい。
14と15は多くのことに目をつぶって買ったほうがいい。
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 03:08:52.16 ID:X0bJTyma0 [25/59]
聖「それにしても、あの猪狩守投手のあのストレートが投げれるのか?」
パワプロ「まあね」
この前変な人に教えてもらったのさ。
けっこうきついから球数制限してるんだけどね。
パワプロ「じゃあ行くよー」
ビュッ ギュルルルルル
聖「!!」
ビッ
ミットを弾いた!?
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 03:16:21.09 ID:X0bJTyma0 [26/59]
パワプロ「ご、ごめん! 大丈夫?」
聖「す、凄い球だ…目で追えなかったぞ」
パワプロ「本当に大丈夫?」
聖「大丈夫だぞ。それより先輩、あれは何回投げれる?」
パワプロ「今のところ一日5球くらいかな」
さっき投げたからあと4回だ。
聖「ならば、この合宿で投げれる回数を増やそう! これは切り札になるぞ」
パワプロ「そうだね。頑張ろう!」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 03:31:37.94 ID:X0bJTyma0 [27/59]
>>84
13~15
13だけグラフィックが違う。可愛すぎて死ぬ。
14からグラフィック変わる。可愛すぎて死ぬ。
15ではメガネもかけてる。可愛すぎて死ぬ。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 03:45:04.32 ID:X0bJTyma0 [28/59]
しかし、そう上手くいかず。
パワプロ「ああああ! イタイイタイ!!」
聖「大丈夫か! パワプロ先輩」
パワプロ「肩が、肩がぁ!」
聖「落ち着け、パワプロ先輩」モミモミ
パワプロ「!!」
聖ちゃんが肩を…揉んでる!?
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 04:32:21.40 ID:X0bJTyma0 [29/59]
パワプロ「…」
なんかある意味、興奮して逆に落ち着けそうに無いんだけど…
聖「呼吸が乱れてるぞ?」
パワプロ「…う、うん、大丈夫だよ」
聖「ちょっと休憩しよう」
パワプロ「いや、もう大丈夫」
聖「ダメ、休憩するぞ」
ダメってなんか可愛い。
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 04:39:13.28 ID:X0bJTyma0 [30/59]
パワプロ「ごめんね、聖ちゃん」
聖「私も休憩したいところだったからな」
パワプロ「そっか~それならよか…」
あれ? 聖ちゃん、すっごい手腫れてない?
ギュッ
聖「ん…いきなりどうした? 先輩」
パワプロ「もしかしてこれ、俺の球を捕ったから?」
聖「これくらいはしょうがないことだ。気にするな」
パワプロ「気にするよ!」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 04:40:17.67 ID:X0bJTyma0 [31/59]
そして俺は寝るよ!
保守できる人はお願いするよ!
頭痛いよ!
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:28:09.10 ID:X0bJTyma0 [32/59]
>>107
出すわけが無い。あんなやつ…。
>>115
俺もやった。可愛すぎて死にそうだった。
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:33:04.32 ID:X0bJTyma0 [33/59]
聖「ぱ、パワプロ先輩…?」
パワプロ「こんな手じゃ、ちゃんとしたコンディションで練習できないよ」
聖「い、いい。私のことは…」
パワプロ「それこそダメだよ」
聖「…わかった、じゃああとで、一緒に軽くランニングにしよう」
パワプロ「うん」
聖「…あと、先輩」
パワプロ「ん? なに?」
聖「手を...離してくれないか?」
パワプロ「わわっ、ごめん!」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:38:48.82 ID:X0bJTyma0 [34/59]
やる気が上がった。
ムード○になった。
パワプロ「さて、そろそろ休憩おしまいにしようか?」
聖「うむ、そろそろ練習時間も終わりだしな」
パワプロ「よーしじゃあ、軽くランニングしよう」
・ ・ ・ ・ ・
パワプロ「ひ、聖ちゃん…早すぎ…」
聖「む、先輩。これくらい普通だぞ?」
くそぅ、ふがいない!
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:45:47.04 ID:X0bJTyma0 [35/59]
パワプロ「ぜぇぜぇはぁはぁ…」
聖「…ふぅ、パワプロ先輩、凄いな」
パワプロ「そ、そうかな?」
聖「うむ、このスピードについてこれるとは。見直したぞ」
聖ちゃんに褒められた!
あおい「あーあ。ひどいでやんすねーパワプロくんは!」
パワプロ「え? なんでですか?」
あおい「ボクなんか、ずっとメガネと一緒だったんだよ!?」
みずき「私とあおい先輩で練習してるのにずっと邪魔してきて…」
さすが矢部くん。
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:49:34.89 ID:X0bJTyma0 [36/59]
パワプロ「それにしても、みずきちゃんって、あおい先輩のこと好きなんだね」
みずき「へへーん。まあね」
あおい「ええ!? ごめん、みずき。ボクにはもう心に決めた人が…」
みずき「そういう好きじゃないですよ! …え? 心に決めた人?」
あおい「あ…」
だ、誰なんだ!? あおい先輩の好きな人!
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:54:54.99 ID:X0bJTyma0 [37/59]
みずき「誰なんですかぁ? せんぱーい」
あおい「そ、それは…」
パワプロ「…」ドクンドクン
あおい「そ、そんなことどうでもいいじゃない! みずきのいじわるっ」
みずき「やっぱりいるんですね!」ニヤニヤ
みずきちゃん、悪魔だなぁ。
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:55:46.24 ID:X0bJTyma0 [38/59]
>>129
すまん、矢部くんが邪魔すぎてうつったんだ。
そう解釈してくれ。
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:58:21.40 ID:X0bJTyma0 [39/59]
あと、すまん、出かけてくる。
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:21:49.23 ID:X0bJTyma0 [40/59]
そういえば、矢部くんの姿が見当たらないぞ…?
パワプロ「矢部くんはどこにいるの?」
みずき「…」シラー
あおい「…」シラー
パワプロ「…」
監督「みんな集合~」
ザザッ
監督「今日はこれにて終了。遊びたいやつは適当に遊んでいいぞ」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:31:20.18 ID:X0bJTyma0 [41/59]
パワプロ「やったー!」
パワプロ「…」
矢部くんは、いない。
悪いね、矢部くん! 俺だけで楽しませてもらうよ!!
みずき「あおい先輩! 海行きましょう海!」
き、キター!
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:55:25.91 ID:X0bJTyma0 [42/59]
あおい「うーんどうしよかなぁ…」
チラッ
ん? あおい先輩が、こっちを一瞬チラリと…?
あおい「うーん…」
みずき「水着持ってきたんですよ! 泳ぎましょうよー」
やった! この展開だよ! この展開!!
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:06:22.38 ID:X0bJTyma0 [43/59]
「おーいパワプロー泳ごうぜー」
パワプロ「あ、うん、そうだね」
あおい「!」
みずき「ちぇ…じゃあ聖と一緒に泳いできますよーだ!」
なに! ひ、聖ちゃんも…!?
あおい「み、みずきちゃん! や、やっぱりボクも…行く!」
さらにあおい先輩も!? やりぃ!
矢部「さあ、早く行くでやんすよ、パワプロくん」
パワプロ「あ、うん」
…あれ?
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:17:11.54 ID:X0bJTyma0 [44/59]
パワプロ「や、矢部くん!? 何故ここに?」
矢部「ふふ…何度でもよみがえるでやんすよ!」
こういう時はすごいよなぁ…。
みずき「うわぁ~きれい!」
あおい「広いねぇ」
聖「…しょっぱいな」
みずき「何なめてんのよ聖…」
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:26:58.41 ID:X0bJTyma0 [45/59]
な、なめてる!?
矢部「いろいろやばいでやんすよ、それは」
パワプロ「ご、ごめん。ついつい反応しちゃうんだ」
矢部「まったく、パワプロくんは…」
あおい「それじゃあ、どこかで、着替えよっか」
矢部「き、き、き、きがえーーーーーーーーーーでやんす!!!!!!」
…矢部くん、君が一番危ない
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:33:17.87 ID:X0bJTyma0 [46/59]
矢部「パワプロくん、行くでやんすよ」
パワプロ「え、どこに?」
矢部「もちろん、のぞk」
みずき「さきに殺っとこうか♪」
矢部「…へ?」
矢部「ひぎゃあああああああああああああ!!!でやんすーーーーー!!」
今日はやけに矢部くんが危ない。
パワプロ「死体は俺が見とくから、着替えてきなよ」
みずき「うん、ありがとね」
いやいや、等価交換だよ。
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:41:44.26 ID:X0bJTyma0 [47/59]
パワプロ「じゃあ今のうちに着替えて…っと」
あおい「こんなの無理!」
ん? どうしたんだ?
あおい「こんな水着恥ずかしいよぅ!」
みずき「えーでもこれしかないんですよ~?」
聖「…あおい先輩なら似合う」
あおい「うぅ…みずき、あとで覚えてなさいよ!」
パワプロ「いかんいかん、聞き耳を立てたら…」
弾道が上がった。
やっぱりね。
158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:53:35.62 ID:X0bJTyma0 [48/59]
パワプロ「よし、着替え終了」
そしてあの三人娘は…っと。
…な、なんだって!?
あおい先輩…なぜ上に服を着ているんですか!?
俺の期待を返してください! ああ、もう!
…しかし、みずきちゃん結構大きいな…。
そして聖ちゃんはっと…
パワプロ「す、す、す…スク水~!?」
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:10:13.35 ID:X0bJTyma0 [49/59]
聖「む、パワプロ先輩」
パワプロ「あ、聖ちゃん…」
聖「あおい先輩は…凄いぞ」
凄いと言われても、見れないし…。
それに今俺は聖ちゃんがとてもイイ!
聖「…ぱ、パワプロ先輩、ジロジロと、えっちぃぞ」
パワプロ「ご、ごめん!」
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:19:49.11 ID:X0bJTyma0 [50/59]
でも、反則だ。
ど真ん中をボールと言われた時くらいの疑惑の判定だ。
あおい「や、やっほーパワプロくん」
パワプロ「あ、どうも」
あおい「…」
パワプロ「…」
一体どんな水着を…
みずき「あー、パワプロくんめっちゃいやらしい顔してるー」
パワプロ「し、してないよ!」
あおい「…もうっ、パワプロくんのエッチ!」
二人にエッチって言われた!
164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:25:02.23 ID:X0bJTyma0 [51/59]
パワプロ「でも、俺以外もジロジロ見てますよ」
あおい「え!?」
「あおいちゃんの水着…ワクワクすっぞ!」
「俺も!」
「おいらも!」
「まろも!」
「おいどんも!」
あおい「あ、ああ…恥ずかしいよぅ!」
仕方ないですよ、あおい先輩。
もう、出し惜しみなんてせずにさらけ出しましょうよ。
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:55:06.32 ID:X0bJTyma0 [52/59]
あおい「…うわぁ~!」ダッ
パワプロ「あ、あおい先輩!」
あおい「うわっ! へぶっ!」ドシャ
あ、こけた。可愛い!
あおい「…」
みずき「えーい!」
あおい「み、みずき!? や、やめてよっ!」
みずき「そう恥ずかしがらずにぃ~!」ヌギヌギ
…正直、たまりません。
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 22:03:14.63 ID:X0bJTyma0 [53/59]
あおい「うぅ…」
パワプロ「お、おお…」
なんて、過激な水着なんだ…!?
聖「あんな恥ずかしい服、私着れないな」
俺は聖ちゃんのスクール水着も同じくらい好きだよ!
聖「ありがとう」
…あれ? 心読まれてない?
聖「…」ペタペタ
パワプロ「聖ちゃん?」
聖「! いや、なんでもない。気にするな」
胸をおさえて、どうしたんだろう?
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 22:20:23.40 ID:X0bJTyma0 [54/59]
聖「あの、パワプロ先輩」
パワプロ「なに?」
聖「すこし、海岸を歩かないか?」
パワプロ「うん、いいよ」
なんという自然の流れ!
パワプロ「…」チラッ
聖「…」
パワプロ「…」チラッ
聖「パワプロ先輩」
パワプロ「な、なに!?」
聖「見るなら堂々と見てくれ。男らしくないぞ」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 22:35:17.02 ID:X0bJTyma0 [55/59]
パワプロ「う、うん…」
でも、直視したら、鼻血出そうだよ。
聖「…パワプロ先輩」
パワプロ「ん? なんだい」
聖「先輩は…好きな人とか、いるのか?」
パワプロ「す、好きな人!?」
聖「うむ」
好きな人…か。
パワプロ「うん、いるよ」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 22:45:28.59 ID:X0bJTyma0 [56/59]
聖「誰なんだ?」
パワプロ「うーんちょっと恥ずかしいな」
聖「そうか」
パワプロ「そういう聖ちゃんは?」
聖「わ、私か!? わ、私は…」
パワプロ「…」
誰なの!? 誰なの!?
聖「い、今は、野球に専念してる…からい、いないぞ」
残念すぎて死にそうだ。
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 23:00:06.04 ID:X0bJTyma0 [57/59]
そのころ
あおい「あれ? パワプロくんは?」
みずき「さっき聖とどこか行っちゃいましたよ」
あおい「へ…」
みずき「?」
あおい「そ、そっか…」ズーン
みずき(…なるほどね)
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 23:06:31.12 ID:X0bJTyma0 [58/59]
聖「…潮風が心地良い」
パワプロ「そうだね、涼しくて気持ちいい」
聖「先輩はよく海に行くのか?」
パワプロ「うーんあんまり行かないかな」
聖「私もだな、ランニングなどですこし来るぐらいだ」
パワプロ「海って言うと、なんだかデートとか、そんな気がするんだよね」
聖「…」
あ、地雷踏んじゃった?
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 23:25:44.50 ID:X0bJTyma0 [59/59]
聖「な、ならば…こ、この状況は」
パワプロ「うん」
聖「…で、デートなのだな」
パワプロ「そうだね」
そうだねってなんだよ俺!
聖「なんだか、急に恥ずかしくなってきたぞ…」
うわっ、聖ちゃん耳まで真っ赤だ!
凄く、可愛いです!
205 名前:ID変わりました。[] 投稿日:2010/03/07(日) 00:26:02.59 ID:zCXT2tsq0 [1/31]
って、ことはもしかして…。
俺のこと、ちょっとは気にしてるのか!?
聖「…そ、そろそろ帰ろう」
パワプロ「えっ」
聖「辺り暗くなってきたから」
パワプロ「あ、ほんとだね」
聖「…」
パワプロ「…」
まだ顔真っ赤だ。
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 00:30:49.89 ID:zCXT2tsq0 [2/31]
あおい「あ、パワプロくん!」
パワプロ「あ、あおい先輩」
あおい「もう、二人でどこ行ってたの!?」
パワプロ「いや、ただ海岸沿いを…」
聖「あおい先輩、デートだぞ」
!?
あおい「!?」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[今13やってたら聖ちゃん来たw] 投稿日:2010/03/07(日) 00:36:32.09 ID:zCXT2tsq0 [3/31]
聖「…と、パワプロ先輩が言っていた」ボソリ
あおい「パワプロくん! 合宿中にデートしていいと思ってるの!?」
パワプロ「え? え?」
あおい「なに? どうしたの?」
あれ、デートだったの?
嬉しすぎて…
あおい「うわっ! いきなり泣かないでよ!」
感涙!
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ああ、もう、聖ちゃん可愛すぎる] 投稿日:2010/03/07(日) 00:40:07.72 ID:zCXT2tsq0 [4/31]
みずき「あー先輩泣かしたー」
「俺も泣かされたい!」
「おいらも!」
「まろも!」
「おいどんも!」
みずき(みんなあおい先輩のこと好きすぎでしょ!?)
パワプロ「いや、これは目にごみがですね…」
あおい「それにしては凄い量だけど…」
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[六道聖可愛いよ] 投稿日:2010/03/07(日) 00:49:11.72 ID:zCXT2tsq0 [5/31]
あおい「…聖、あとで話は聞くからね」
聖「む…うむ」
何を? ねえ何を!?
パワプロ「お腹空いたなー」
監督「飯は各自勝手に食堂に行って食うようにー」
なんか凄い自由だな…。
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[六道聖可愛いよ] 投稿日:2010/03/07(日) 00:55:03.27 ID:zCXT2tsq0 [6/31]
パワプロ「じゃあ着替えて食堂いこっと」
聖「先輩」
パワプロ「うわっ! 聖ちゃん」
聖「まだ驚くか…」
パワプロ「ごめんごめん。どうしたの?」
聖「一緒に食堂に行かないか?」
もちろん!
パワプロ「うん、いいよ。他に誰かと行く予定ないし」
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[聖ちゃんの制服姿可愛いお] 投稿日:2010/03/07(日) 01:10:13.28 ID:zCXT2tsq0 [7/31]
聖「うむ、それなら良かった」
あおい「あ、パワプロくん…」
あおい(! 隣に聖…)
あおい「…」
聖「…」
パワプロ「おいしいね、聖ちゃん」
聖「きんつばが…ない」
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[聖ちゃんは天使] 投稿日:2010/03/07(日) 01:29:23.41 ID:zCXT2tsq0 [8/31]
パワプロ「そ、それはね…」
聖「パワプロ先輩、お肉食べてくれ」
パワプロ「ああ、たしか嫌いなんだよね?」
聖「うむ」
パワプロ「じゃあ遠慮なく」
聖「…間接…」
パワプロ「ん?」
聖「な、なんでもないぞ」
237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 01:46:03.05 ID:zCXT2tsq0 [9/31]
あおい「はぁ…」
みずき「どうしたんですか?」
あおい「ん? 別になんでもないよ。はぁ…」
みずき「…元気ないですね」
矢部「どうしたでやんす?」
あおい「別にだいじょう…キャー!?」
ドゴスッ
矢部「ばたんきゅ~でやんす…」
239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 01:49:13.26 ID:zCXT2tsq0 [10/31]
13の精神練習来た。
可愛すぎて死ぬ。
240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 01:56:52.92 ID:zCXT2tsq0 [11/31]
パワプロ「はは、矢部くんまたやってる」
聖「矢部先輩も懲りないな」
パワプロ「でも、矢部くんみたいに真っ向から向き合うのって、凄いと思うよ」
パワプロ「すっごい勇気いると思うし」
聖「…そうだな」
監督「風呂も各自で行くように~」
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 02:45:13.33 ID:zCXT2tsq0 [12/31]
矢部「パワプロくん! これはチャンスでやんす!」
パワプロ「うわ! 矢部くん! 血だらけだよ!?」
矢部「気にすること無いでやんす!」
パワプロ「いやいや! とりあえず血をふこうよ!」
矢部「大丈夫…で、やんすぅ…」
258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 02:52:26.29 ID:zCXT2tsq0 [13/31]
パワプロ「フラフラしてるじゃないか!」
矢部「早く行くでやんすよ!」
はっ! あおい先輩達が行こうとしている!?
矢部「もう行くしかないでやんすよ!」
パワプロ「うん! わかった!」
268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 03:15:52.73 ID:zCXT2tsq0 [14/31]
「お客さん、血だらけで入られては困ります」
矢部「ガーンでやんす!!」
パワプロ「ごめん、矢部くん! 一人で行ってくるよ!」
矢部「ま、待つでやんす…!」
パワプロ「誰もいない! チャンス…!」
レッツNOZOKI☆
272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 03:32:01.79 ID:zCXT2tsq0 [15/31]
くそ、その前に服を脱がないと!
みずき「わーい温泉だー」
…あれ?
ちょっと待って、ここ、何湯?
あおい「ゆっくり休みたいよー」
ここ、女湯じゃん!?
276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 03:59:11.60 ID:zCXT2tsq0 [16/31]
どこかに隠れないと!
みずき「むむ…あおい先輩さっきも思いましたけど、大きくなりましたねぇ」
あおい「そ、そんなことないよ。僕はそんなに…」
うおおお! なんていう話をしてるんだ!
聖「それにくらべて私は…」
? 聖ちゃん?
みずき「なにしょぼくれてんのよ、聖」
聖「私は成長しない、なぜだ?」
いかん、鼻血が…。
277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 04:00:40.04 ID:zCXT2tsq0 [17/31]
いかん、眠気が…。
明日早いので、すいません。
遅筆かつ早漏ですいません。
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:56:10.67 ID:zCXT2tsq0 [18/31]
>>341
個人的に11が傑作。
あと9,10がいいかな。
聖たんみたいなら15、14
14、15はサクセス自体はゴミ。
個人的には12,13は好きだけどなぁ。
346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:03:38.84 ID:zCXT2tsq0 [19/31]
くそう、弾道がもうMAXだから鼻血が出てきた!
聖「これじゃあ、パワプロ先輩は…」ボソッ
みずき「え? なに、聖」
聖「な、なんでもないぞ」
あおい「やっぱり男の子って大きいほうがいいのかな?」
俺は、そんなところ見ませ…見ます。
349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:11:48.81 ID:zCXT2tsq0 [20/31]
聖「む…」クンクン
みずき「? どうしたの、聖。鼻ひくつかせて」
聖「…パワプロ先輩のにおいがする」
!? え、なにそれ!? するわけないじゃん!
現にここにいるけど!
あおい「さ、さすがにパワプロくんもそこまで変態じゃないよ。 多分」
みずき「そうですね。パワプロくんはノゾキなんてしないですよね。 多分」
聖「うむ、先輩はすこしエッチだが、ちゃんとわきまえている人だろう。 多分」
死にたい。
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:21:08.08 ID:zCXT2tsq0 [21/31]
>>350
あるよ。
個人的に駄作。
聖ちゃん以外俺には見えなかった。
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:56:15.84 ID:zCXT2tsq0 [22/31]
それでもびっくりするよなぁ。
聖ちゃんが俺のにおいを覚えてるなんて。
みずき「入ってゆっくりしましょー」
あおい「うん」
聖「うむ」
チャンス! この隙に…!
矢部「パワプロくん! こんなところにいたでやんすかー!!」
みずき「!?」
あおい「!?」
聖「…む」
君なんか親友じゃない。
357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:08:54.96 ID:zCXT2tsq0 [23/31]
パワプロ「…」
矢部「早く、のぞきを堪能するでやんすよー!」
まさか、ここが女湯だとわかってないのか?
パワプロ「…」
矢部「いるのはわかってるんでやん…」
みずき「おい、く○メガネ」
あおい「のぞきとはいい趣味してるね♪」
矢部「!? 幻覚が見えるでやんすよ! 二人とも可愛いでやんすー」
みずき「死ね」
あおい「みずき、死ねなんて言っちゃダメよ。ただ殺るだけなんだから」
矢部「!? 本物でやんすか!?」
378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:32:24.15 ID:zCXT2tsq0 [24/31]
よし、このまま息絶えろ! 矢部くん!(失礼か)
矢部「伊達に野球部の1番をまかされてないでやんす!」ピュー
みずき「待ちなさい! って、早ー!!!」
あおい「追うわよ、みずき!」
みずき「はい!」
やった。でも、聖ちゃんは?
聖「…もー。あの二人は」
聖「…」
ガチャ
パワプロ「!?」
聖「そろそろ出ないと私も怒るぞ」
382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:44:39.34 ID:zCXT2tsq0 [25/31]
パワプロ「え…聖ちゃん?」
聖「…は、早く出ろ」
タオル一枚…だと!?
え? じゃあみずきちゃんとあおいちゃんは? 追いかけていったんだろう?
聖「みずきとあおい先輩が帰ってくる前に出たほうがいい」
パワプロ「う、うん。ごめんね」
聖「…見たかったのか?」
モジモジしないで…聖ちゃん!
パワプロ「男湯と間違えたんだよ。本当にごめんね」
385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 23:06:36.05 ID:zCXT2tsq0 [26/31]
聖「うむ、間違いは誰にでもある。しかし、取り返しのつかない間違いもあるんだぞ」
パワプロ「そ、そうだね、ごめん」
聖「あと、さっきの話…。きいていたか?」
パワプロ「え?」
聖「いや、なんでもない。気にするな」
パワプロ「う、うん。それじゃあごめん。ありがとう」
タッ
聖「…」
387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 23:23:35.97 ID:zCXT2tsq0 [27/31]
カポーン
パワプロ「ふぅ」
一時はどうなるかと思ったけど、結果オーライだ。
パワプロ「ノゾキはやめよう。もう俺の頭から聖ちゃんのタオル一枚しか出てこないし」
矢部「パワプロくん、本音がでてるでやんすよ」
はっ! ついつい…
パワプロ「あの…どなたですか?」
矢部「おいらでやんす! 矢部でやんすよ!」
顔がすでに原型をとどめていないんだけど…。
391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 23:37:18.75 ID:zCXT2tsq0 [28/31]
矢部「さ、パワプロくん、やるでやんすよ」
パワプロ「矢部くんも懲りないなぁ。俺はしないよ」
矢部「パワプロくん! のぞかないと意味ないでやんすよ!?」
パワプロ「ゆっくり浸かっとくよ」
あれ? なんか飛んできた…。
カツーン
矢部「ふぎゃ!」ドサ
みずき「めがねうるさーい!」
あはは、さすがみずきちゃん。
394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 23:44:56.08 ID:zCXT2tsq0 [29/31]
パワプロ「さて、あがるかな」
矢部「今日は酷い目にあったでやんす…」
今日ほど矢部くんが違う人に見えた日はないな。
パワプロ「そういえば、俺達の部屋は…お、ここだ」
ガチャ
「おーパワプロー」
「おかえりー。あと、どなたさん?」
矢部「矢部でやんすよ!!」
396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 23:47:39.26 ID:zCXT2tsq0 [30/31]
「帰ってきてそうそう悪いんだけどさ」
パワプロ「ん? なに?」
「俺達ちょっと出かけるんだ」
パワプロ「ああ、別にいいよ」
「わりぃな。ほら行くぞ」
「うわっ…何処触ってんだよっ」
キャッキャウフフ…
矢部「…パワプロくん、おいらまさか野球部にあっち系はいないと思ってたでやんすが…」
パワプロ「うん…」
弾道が下がった。
403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 00:03:51.11 ID:zCXT2tsq0 [31/31]
パワプロ「ふぅ、じゃあ布団しいとこうか」
矢部「え、ぱ、パワプロくん…」
パワプロ「いやいやいや! そういう趣味じゃないよ!」
矢部くんの評価が上がった。
いやだ! なんで上がるんだよ!?
矢部「とりあえず寝床を確保ってことでやんすね」
パワプロ「そうだよそれそれ!」
405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 00:11:43.79 ID:90iWCYRY0 [1/55]
パワプロ「よし、これでオーケー。俺達も売店とか行ってみようか?」
矢部「そうでやんすね。お土産も買いたいでやんす」
パワプロ「うん」
コンコン
矢部「む? 誰でやんすか?」
パワプロ「?」
ガチャ
聖「あ、パワプロ先輩」
ひ、聖ちゃん!
弾道が上がった。
いかんいかん、タオル一枚は忘れろ…。
417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 00:43:23.78 ID:90iWCYRY0 [2/55]
>>416
なんだその捏造はww
俺はID変わってから一度もここ以外のスレに書き込んでないぞw
420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 00:46:14.63 ID:90iWCYRY0 [3/55]
って、よく見たら浴衣じゃん!
ちょっとダボダボした感じがいいね!
聖「あの、もし、よかったらでいいのだが…」
矢部「今からおいら達は売店にいk」
パワプロ「なに? 聖ちゃん」
聖「私の、部屋に、遊びに来ないか?」
おいおい、聖ちゃん。
弾道はこれ以上上がらないよ?
421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 00:46:55.04 ID:90iWCYRY0 [4/55]
>>419
了解。
落ちるときはちゃんと言うつもり。
423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 00:50:23.33 ID:90iWCYRY0 [5/55]
>>422
姉が一人。
たしか初野と久遠と犬猫コンビがお気に入りだったはず。
425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 00:57:43.15 ID:90iWCYRY0 [6/55]
聖「あ、いや、私はみずきとあおい先輩に頼まれてだな、えっと///」
パワプロ「矢部くん、それでも君は売店に行くのかい?」
矢部「売店? なんのことでやんすか?」キリッ
うわぁ、めっちゃいい顔…。
聖「そ、そうか、それならよかった…」ホッ
パワプロ「? どうしたの、聖ちゃん」
433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:14:30.34 ID:90iWCYRY0 [7/55]
聖「いや、もし、先輩をつれて来れなかったら…」
モジモジしないで! もう俺の弾道は4よ!
聖「…いじめられるから」
ど、どんないじめですか!? も、も、もしかして…
聖「…は、早く行こう、行かないと…」
パワプロ「う、うん」
なんか凄くおびえてるぞ…。
可愛いなぁ。
437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:24:45.22 ID:90iWCYRY0 [8/55]
パワプロ「…」
聖「…」ビクビク
パワプロ「聖ちゃん?」ポンッ
聖「ひひゃあ!? …あ、パワプロ先輩か、驚かさないでくれ…」
ひひゃあとかなんなの? 可愛い過ぎるんですけど。
矢部「~♪でやんす」
パワプロ「聖ちゃん、矢部くんも一緒で大丈夫なの?」
聖「わからない。そういえば、パワプロ先輩は呼べと言われたけど、矢部先輩は言われてないな」
440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:34:04.74 ID:90iWCYRY0 [9/55]
パワプロ「なんだか、また悲鳴を聞くことになりそうだよ…」
聖「私もだ」
コンコン
みずき「聖?」
聖「うむ、私だ。パワプロ先輩と…パワプロ先輩を連れてきたぞ」
あ、矢部くん言うのやめた。
みずき「入って入ってー!」
ガチャ
矢部「おじゃまs…ひでぶっ!」
あおい「お前のメガネは既に、割れている」
はわわ…世紀末だよ。
444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:44:33.16 ID:90iWCYRY0 [10/55]
みずき「メガネはほっといて入って入って!」
パワプロ「う、うん…」
それにしても三人娘と一緒の部屋にいるなんて、幸せだ!
パワプロ「で、なんで俺をここに?」
みずき「実はね」
あおい「パワプロくん、ボクたちのこと、のぞいた?」
パワプロ「」
あおい「」
448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:49:48.86 ID:90iWCYRY0 [11/55]
あおい「…あれ? なんでそんなに固まってるの? や、やっぱり…」
みずき「ほほう…いい度胸してるじゃないの…」
パワプロ「正直に言います。俺は男湯と女湯を間違えました」
みずき「ふむふむ、それで?」
パワプロ「先輩達が来たので、大きなロッカーの中に入りました」
あおい「う、うん」
パワプロ「中からは何も見えなくて、会話だけ聞こえました」
聖「!」ボーン
みずき「! 聖!?」
うわわ! 顔真っ赤だ!
449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:50:49.52 ID:90iWCYRY0 [12/55]
>>447
オイラのおならはフルーティーでやんす。
453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:59:49.48 ID:90iWCYRY0 [13/55]
聖「じゃ、じゃあ、あの話も…」
パワプロ「?」
聖「…」フラリ
みずき「ちょ、聖!?」
パワプロ「聖ちゃん、大丈夫?」
聖「ち、近づくなっ!」
死にたいっ。
455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 02:04:20.30 ID:90iWCYRY0 [14/55]
聖「あ…す、すまない、パワプロ先輩…」
パワプロ「あ、うん、気にしてないよ。それに、これは俺のミスだし」
あおい「でも、本当に何も見てない?」
パワプロ「はい、何も…」
あ、聖ちゃんのタオル一枚…。
あおい「その鼻から垂れてる血はなに…?」
パワプロ「はっ!」
みずき「何か見たのね? いいなさい」
パワプロ「何も見てない! ほんとに!」ドババッ
459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 02:17:23.33 ID:90iWCYRY0 [15/55]
パワプロ「…」チラッ
聖「?」
ドババッ
みずき「! ははぁ~ん、さては聖の体を…」
聖「なー!」
パワプロ「そ、そんなことは…!」ドバッ
あおい「とりあえず鼻血拭いて! パワプロくん!」
465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 02:33:18.61 ID:90iWCYRY0 [16/55]
パワプロ「あ、す、すいません!」
くそう、弾道が4じゃなけりゃこんなことないのに…!!
あおい(パワプロくんは、ちっちゃい方が好きなんだ…)
あおい「はぁ…」
みずき「なんで溜息ついてるんですかぁ?」ニヤニヤ
あおい「ちょっと考え事してただけ! ほっといてよ!」
467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 02:40:59.29 ID:90iWCYRY0 [17/55]
パワプロ「? あおい先輩どうしたんですか?」
あおい「なんでもないよ! 気にしないで!」
みずき「はぁ…パワプロくん、トランプでもやらない?」
パワプロ「あ、うんそうだね」
みずき「じゃあ二人でババ抜き…」
あおい「なんでボクと聖は入ってないの!?」
470 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 02:53:51.83 ID:90iWCYRY0 [18/55]
聖「トランプ…したい」
みずき「したい? 誰と?」
聖「え?」
みずき「誰としたいか言ってよ」ニヤニヤ
みずきちゃん、何を企んでるんだ?
聖「みずきと…したい」
みずき「じゃあパワプロくんはダメなんだぁ~」
聖「! …先輩と、したい」
ごめん、俺、約束守れそうにない。
あおい「うわっ!? パワプロくんがまた鼻血を!?」
471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 02:59:50.97 ID:90iWCYRY0 [19/55]
一瞬記憶が飛んだけど、それは数秒のことだ。
畜生! みずきちゃんめ! 聖ちゃんになんてことを言わせるんだ!
みずき「ふふ、どうしたのパワプロくん? なんで鼻血出してるの?」ニヤニヤ
パワプロ「く、みずきちゃん…!」
あおい「う、動かないで、パワプロくん」
パワプロ「あ、はい」
あれ? ここは…。
あおい「? どうしたの?」
あおい先輩のお膝ですと…!?
474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:08:22.03 ID:90iWCYRY0 [20/55]
パワプロ「あ、あ、あの…」
あおい「?」
みずき「あおい先輩のお膝が気持ちいいんですってー」
あおい「…あ!」
サッ ゴチン
パワプロ「いたぁ! こ、後頭部が…」
うぅ、まさか俺まで世紀末覇者あおいにやられたのか…?
476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:18:49.24 ID:90iWCYRY0 [21/55]
あおい「あ、ごめんパワプロk」
聖「大丈夫か!? パワプロ先輩っ」
パワプロ「ひ、聖ちゃん…あれ? なんだか君が…輝いて見える…」
聖「何を言っているのだ、パワプロ先輩! 気を確かに!」
パワプロ「はは…三途の川が…」
あおい「嘘つくなっ!」ゴチン
パワプロ「あいたー! じょ、冗談ですよ冗談…」
うう、後頭部強打したり殴られたり…災難だ!
481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:29:57.32 ID:90iWCYRY0 [22/55]
数分後
パワプロ「…で、トランプをやると」
みずき「うん」
パワプロ「言っとくけど…俺は強いよ?」
聖「…」
みずき「よし、じゃあ配るねー」
ヒョイヒョイヒョイヒョイ
くそ、ジョーカーは俺か…!
483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:35:30.06 ID:90iWCYRY0 [23/55]
みずき「じゃあ私から! 聖、取るよ」
聖「うむ」
ヒョイ
聖「じゃあ、先輩、取るぞ」
パワプロ「う、うん。来い!」
ヒョイ
あ、それ、ジョーカーだ。ごめんね。
聖ちゃん、どんな顔してるだろ?
聖「―――――」
超集中!?
484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:40:33.32 ID:90iWCYRY0 [24/55]
パワプロ「…」
ヒョイッ
パワプロ「おっし、そろった」
あおい「ん」
ヒョイ
あおい「やった!」
みずき「私!」
ヒョイ
みずき「そろったー」
聖「うむ」
ヒョイ
聖「―――――」
あ、そろわなかったのか…。
487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:47:56.84 ID:90iWCYRY0 [25/55]
数分後…
聖「…」
パワプロ「ひ、聖ちゃん、落ち込まないで…?」
聖「一度も駆け引き無しで終わってしまった…」
俺からジョーカーもらってそのままだったもんな。
パワプロ「気にすることないよ。もう一回しよ? ね?」
聖「いや、もういい…」ズーン
パワプロ「…」
あ、そうだ。
489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:50:53.79 ID:90iWCYRY0 [26/55]
パワプロ「聖ちゃん」
聖「なんだ?」
パワプロ「この中から一枚、カードを選んで」
聖「? うむ」
パワプロ「そのカード見て、覚えてて」
聖「…」コクリ
パワプロ「じゃあ、どこでもいいから入れて」
聖「うむ」
490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:52:52.80 ID:90iWCYRY0 [27/55]
パワプロ「それじゃあどこにあるかわからなくなるくらいシャッフルして」
聖「うむ」
しゃっしゃっしゃ
聖「したぞ」
パワプロ「…聖ちゃんが選んだカードは…んー」
聖「…」
パワプロ「これでしょ?」
聖「…違う」
パワプロ「あれ? じゃあこれ?」
聖「違うぞ」
パワプロ「ああ、ごめん。この間のカードだったね」
聖「!! 何故だ!?」
492 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 04:00:22.78 ID:90iWCYRY0 [28/55]
パワプロ「聖ちゃんの考えてることなんて、お見通しだよ」
まあ、ここまでの一連は全部、矢部くんに教えてもらったんだけど…。
『女の子にモテるために手品をするでやんす!』とか言って、付き合わされたから覚えちゃったよ…。
聖「お見通し…///」
みずき「あ、また聖顔赤くなってる!」
聖「む、そ、そんなことはない!」
あおい「…」
493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 04:02:29.49 ID:90iWCYRY0 [29/55]
すまん、今日はもう…。
死ぬ。おあふみ
556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 18:35:31.00 ID:90iWCYRY0 [30/55]
みずき「じゃあ、私もちょっと…」ゴソゴソ
パワプロ「ん? 割り箸?」
みずき「一本選んで」
パワプロ「うん」
みずき「あおい先輩も、聖も」
聖「うむ」
あおい「うん」
みずき「それじゃあ―――――」
みずき「王様ゲーム開始!」
あれ!? 手品じゃないの!?
559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 18:39:02.26 ID:90iWCYRY0 [31/55]
みずき「おっと! もう取ったんだからやめることはできないわよ!」
な、なんだってー!?
パワプロ「…王様だーれだ?」
みずき「はーい♪」
悪夢が始まりそうだ…。
俺は2番か…さて、どうなるかな?
みずき「パワプロくんが…」
パワプロ「待って! 番号の意味が無いよそれじゃあ!」
563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 18:46:29.18 ID:90iWCYRY0 [32/55]
みずき「わかったわよ…」
聖「みずき、悪いのだが」
みずき「ん?」
聖「王様ゲームってなんだ?」
みずき「それはね…コソコソ」
聖「ふむ…ふむ…。…なー!」ボーン
ああ、また聖ちゃんが真っ赤に!
聖「…か、過激なゲームなのだな…すでに始まっているのだ。覚悟はしよう」
あおい「王様ゲームなんて初めてだよ…」ドキドキ
みずき「じゃあ気を取り直してー命令しまーす」
565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 18:52:07.24 ID:90iWCYRY0 [33/55]
パワプロ「…」ゴクリ
みずき「1番と、」
1番、誰だ!?
みずき「2番は互いにこのポッキーをあーんする」
やったー! やったぞぉ! 誰だ!? どっちでもかまわないけど!
パワプロ「2番俺だけど…?」
聖「なー!」カァァ
あ、聖ちゃんだ。
今、天にも昇る気持ちです。
566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 19:01:47.30 ID:90iWCYRY0 [34/55]
みずき「聖? 命令は絶対よ?」
聖「う、うむ…」
パワプロ「…」ドキドキ
聖「そ、それじゃあ…パワプロ先輩」
パワプロ「う、うん」
聖「…や、やっぱり、先にやってくれ…は、恥ずかしい」
パワプロ「あ、うん…」
聖「…」
パワプロ「あーん」
聖「あーん…」パクッ
可愛い…! 可愛いよ…!
569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 19:12:08.38 ID:90iWCYRY0 [35/55]
>>567
否定はできない。
キモいんじゃなくきもちわるいと思っててくれ。
いやならセーブするけどさ。
574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 19:42:08.26 ID:90iWCYRY0 [36/55]
パワプロ「そ、それじゃあ聖ちゃん…」
聖「う、うむ…」
あー口から心臓が出そうだよ…。
鼻血はもう出すぎて出なくて良かった。
パワプロ「…」
聖「あーん…」
パワプロ「あーんっ」パクッ
聖「…」モジモジ
ポッキーの味が感動のあまり感じない…。
576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 19:50:37.39 ID:90iWCYRY0 [37/55]
みずき「うわー二人とも顔真っ赤ー!」
パワプロ「う、うるさいなぁ!」
あおい「…」
みずき「おもしろいもの見せてもらったしこれで終わりぃ」
聖「待て、みずき」
みずき「?」
聖「これでは私の気がすまないんだ」
あおい「ぼ、ボクも!」
みずき「えぇ? あおい先輩は無害でよかったじゃないですか? もしかして…?」
あおい「い、意味は無いよ!」
もしかしてって、なんだ?
577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 19:58:15.76 ID:90iWCYRY0 [38/55]
みずき「じゃあ、はい、どうぞ」
あおい「あ、ボクだ! ボクが王様!」
みずき「ちぇーなんだーちょっと私トイレ言ってくるー」
あおい「え? え?」
みずき「あ、先に決めといてください」
あおい「う、うん…」
やっぱりみずきちゃんは王様じゃないといやなんだなぁー。
あおい「それじゃあ言うね…えっと…」
578 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 20:09:21.59 ID:90iWCYRY0 [39/55]
ジャジャー
みずき「ふぅ。さぁて、もう決めたかなー?」
ガチャ
みずき「さぁて、王様! どんな命令ですか?」
パワプロ「みずきちゃん…」
みずき「ん? 何?」
パワプロ「好きです」
みずき「!!!」
581 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 20:19:07.29 ID:90iWCYRY0 [40/55]
みずき「は、はぁ? いきなり何言ってんの?」
パワプロ「嘘じゃないよ、みずきちゃん」
みずき「…」
パワプロ「俺の目を見てよ、みずきちゃん」
みずき「なんなのよあんた!」
パワプロ「強気なみずきちゃんが、大好きだよ」
みずき「~!」カァァ
584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 20:29:49.12 ID:90iWCYRY0 [41/55]
みずき「…ま、まぁあんたがべ、別にいいなら…」ボソボソ
パワプロ「ふー恥ずかしかったー!」
みずき「え?」
パワプロ「3番が1番の人に嘘告白する、が命令だったんだよ」
みずき「ふん、や、やっぱりね…! そ、そんなのわかってたわよ!」
あおい「それにしては顔真っ赤だったね?」
みずき「こっちも演技しただけですよっ!」
587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 20:41:06.11 ID:90iWCYRY0 [42/55]
聖「それにしては凄い演技力だったな」
みずき「もうその話はいいでしょ! もうっ! 次いきましょ次!」
くそう、二回中二回選ばれるとは…!
聖「む、私が王様か」
くそう! なぜ俺にこないんだ!
俺もあおい先輩やみずきちゃんや聖ちゃんに色んなことさせたいよ!!
というか、色んなことされたい気もするけど!!!
604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 22:08:32.89 ID:90iWCYRY0 [43/55]
聖「それじゃあ、2番は、私をギュッと抱きしめろ」
…?
俺の割り箸には、2って書いてあるけど…?
みずき「なんでそんな命令を?」
聖「昔、お父さんに抱きしめられて、昔から安心するのだ。だから、命令という銘打って抱きしめてもらうぞ」
あおい「そっかぁ…で、誰? ボクは1番だけど…」
パワプロ「あ、お、俺…です」
あおい・みずき「!?」
605 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 22:13:22.91 ID:90iWCYRY0 [44/55]
聖「!! そうか…パワプロ先輩か」
パワプロ「で、でもいいの? 俺で」
聖「命令は絶対だぞ」
めいれいはぜったい。
しょうがないよこれは命令だもん。だから俺は悪くないもん。
憎まないでね?
パワプロ「それじゃあ…」ドキドキ
608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 22:32:31.21 ID:90iWCYRY0 [45/55]
俺は、聖ちゃんを抱きしめた。
息をゆっくりと吸い込む。ほのかにいいにおいがする。
髪がすこし顔に当たって、くすぐったい。
小さい背中。本当に野球ができるのだろうかと思うくらいの、とても小柄な体。
聖「っ…」
微かな声がする。
その声がなぜ漏れたのかというと、俺がすこしだけ強く聖ちゃんを抱きしめたからだ。
今俺は柔らかな体に触れている。聖ちゃんは俺になんの抵抗も無く体を預けている。
ついつい、頭を撫でる。ツヤのある髪。
聖「パワプロ…せんぱい」
声もなんだかいつもと違う。感情が入っているような感じだ。
俺はその声に理性を失いそうになる。しかし、命令は「抱きしめる」だけだ。
それ以外はしてはいけない。撫でることは俺が勝手にやったことだけど。
ん? 聖ちゃんの腕が俺の体に巻きつく。どうやら聖ちゃんも俺を抱きしめているようだ。
本当に一瞬のことなんだけど、俺には本当に、長い時間に感じた。
614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:05:07.14 ID:90iWCYRY0 [46/55]
みずき「も、もういいでしょ!?」
あおい「そうだよ! そろそろ終わりだよ!」
はっ、夢心地だったのに!
パワプロ「は、はい」
そういってすぐに聖ちゃんから離れる。
聖「あ…せんぱいっ」
とても名残惜しそうに俺を上目遣いで見てくる聖ちゃん。
襲いたい…いや、落ち着け! ここで襲おうとするのはただの矢部くんと変わらないぞ!
616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:09:01.42 ID:90iWCYRY0 [47/55]
パワプロ「は、はい! これで王様ゲーム終了! で、いい?」
みずき・あおい「よくない!」
なんで!?
みずき(私だって…)
あおい(ボクだって…)
なんであんなに真剣な顔をしているんだあの二人は!?
聖「…」
619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:15:18.53 ID:90iWCYRY0 [48/55]
グランド
矢部「昨日は最悪だったでやんす」
パワプロ「ははっ…」
矢部「行った途端殴るなんてありえないでやんす! あっちから誘ったのに!」
パワプロ「…」
実は俺が誘われてて、矢部くんは誘われてないよなんて、言えないよな。
聖「パワプロ先輩」
パワプロ「ああ、聖ちゃん。それじゃあ、矢部くん」
矢部「ほーいでやんすぅー」
矢部くんも昨日で懲りたのかな?
聖「改めて、おはよう、パワプロ先輩」
パワプロ「うん、おはよう」
620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:17:22.88 ID:90iWCYRY0 [49/55]
パワプロ「今日も頑張ろうね!」
聖「うむ」
あおい「ねーパワプロくーん」
パワプロ「あ、はい?」
あおい「ちょっと教えて欲しいことがあるんだけど…」
パワプロ「はいはーい。ちょっと待ってて、聖ちゃん」
聖「あ……うむ」
621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:22:13.17 ID:90iWCYRY0 [50/55]
みずき「パワプロく…あ、あおい先輩」
あおい「! みずき」
パワプロ「あ、みずきちゃんおはよー」
みずき「ストレッチしたいから押してくれない?」
パワプロ「え!?」
今、俺に言ったよね?
あおい「他の人も手空いてるから頼めば?」
みずき「パワプロくん上手なんですもん」
い、いやぁ…それほどでも…。
626 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:26:56.41 ID:90iWCYRY0 [51/55]
みずき「ねっおねがいパワプロくん」
うっ…、みずきちゃんの小悪魔アイが俺に炸裂っ!
し、しかし、最初にお願いしたのはあおい先輩だし…。
パワプロ「みずきちゃん、悪いんだけd」
みずき「早くいこっ?」キュッ
ー! ー! ー! ー!
言葉にできない! ラーラーラーララーラー!!
627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:29:52.02 ID:90iWCYRY0 [52/55]
もうこれ以上弾道が上がらないのに…! 死ぬ…!
ん? あれって…?
「お、おいどこ触ってんだよ…」
「んー? お前のことストレッチしてるだけだぜ?」
パワプロ「…」
弾道が下がった。
考えてみれば、あいつら昨日帰ってこなかったな…。
弾道が下がった。
628 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:37:02.00 ID:90iWCYRY0 [53/55]
よしこれで立ち向かえるぞ!
キュッってされただけで動じるものか…
ムニュ
パワプロ「!」
胸ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
あおい「じゃあパワプロくん、ボクもお願い!」キュッ ムニュ
ぐはぁぁ!!!! む、胸がーーーーーーーー!!!
聖「…パワプロ先輩」ペタペタ
聖「…はぁ」
632 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:41:35.88 ID:90iWCYRY0 [54/55]
弾道が2上がった。
一瞬にして!? え!? 一気に二つ上がることもあるの!?
みずき「ねぇ、パワプロくん? お・ね・が・い」
あおい「パワプロくん、ボクが先! してよっ」
ああーどうしよぅ…。
体が火照ってきたよー…。
636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:02:05.73 ID:PmpRtHbR0 [1/35]
聖「先輩達」
みずき「あら、聖」
あおい「どうしたの?」
聖「パワプロ先輩が困ってる」
ひ、聖ちゃん。
みずき「なにぃ? 嫉妬ぉ?」
あおい「えっと、ボクはただストレッチを…」
聖「…行くぞ、先輩」グイッ
パワプロ「うわっと…」
名残惜しいけど、ありがとう、聖ちゃん。
637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:06:31.30 ID:PmpRtHbR0 [2/35]
パワプロ「ひ、聖ちゃん…」
聖「なんだ…?」
パワプロ「別に助けなくてもよかったんだよ?」
俺のせいで聖ちゃんが憎まれ役を買ってしまった。
聖「…別に、気にするな」
パワプロ「でも、ありがとね」
聖「…礼などいらないぞ」
あ、手が熱くなった。
640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:14:02.22 ID:PmpRtHbR0 [3/35]
聖「そうだ」
パワプロ「ん?」
聖「やはり、お礼をもらう」
パワプロ「あ、そう? じゃあなんでも言ってよ」
聖「こんなこと…言ったら先輩は嫌がるかもしれないんだ」
パワプロ「とりあえず、言ってみなよ」
聖「…昨日…の」
パワプロ「昨日?」
聖「ギュッて…」
パワプロ「うん、わかった」
拒むわけがない。むしろ最高ですよ。
644 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:27:14.59 ID:PmpRtHbR0 [4/35]
矢部「パワプロくーん!」
パワプロ「!」ビクッ
矢部「こんなところにいたでやんすか! しかも二人で!」
パワプロ「いやぁ、一緒に練習しようかと思って」
矢部「うわー二人で特別練習でやんすか? 保健体育はそこまででやんす」
パワプロ「そんなこと言ってないだろ!」
646 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:30:34.29 ID:PmpRtHbR0 [5/35]
>>639
俺遅筆だけどいいのか?
649 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:35:43.36 ID:PmpRtHbR0 [6/35]
パワプロ「…で、矢部くん、どうしたのさ?」
矢部「今から紅白戦をするらしいのでやんす」
パワプロ「え! まだ肩作ってないよ!」
聖「じゃあ今からすぐにあたためよう」
パワプロ「うん!」
653 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:40:07.72 ID:PmpRtHbR0 [7/35]
試合中…。
バシン ストライク! バッターアウト!
「おおー! なんださっきの球! めっちゃノビてたぞ!」
パワプロ「いやいやぁ」
聖「ナイスピッチングだ、先輩」
パワプロ「聖ちゃんのリードのおかげだよ」
聖「む、ありがとう」
いやぁ、同じチームでよかった。
逆に、あの二人とは敵チームだけど…。
ストライク! バッターアウト!
あおい「ふぅ」
654 名前:>>652 承知した[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:43:38.87 ID:PmpRtHbR0 [8/35]
やっぱりあおい先輩のマリンボールは凄いキレだなぁ…。
本人もキレるけど。
あおい「…」ジロッ
あ、やべ、なぜバレた!?
あおい「…」ニコッ
あれ? 微笑みかけてきた?
聖「…パワプロ先輩、試合に集中しろ」
パワプロ「あ、ああ。ごめん」
656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:48:44.97 ID:PmpRtHbR0 [9/35]
さっきのプリティスマイルは一体…。
聖「交代だぞ、先輩」
とにかく、チェンジだ。
ストライク! バッターアウト!
パワプロ「ふぅ…なんとか俺の回は終了だな」
一人3イニング投げるのが紅白戦のルール。どんなに打たれても続く。
あ、あっちは表だから、みずきちゃんに代わってる。
ストライク! バッターアウト!
みずき「ようしっ」
658 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:55:47.45 ID:PmpRtHbR0 [10/35]
パワプロ「うわーやっぱりすごいなぁ」
みずきちゃんも負けず劣らず凄い変化球。
しかもキャッチャーミット一ミリも動いてないよ。
聖「さすがみずきだな」
パワプロ「そうだね」
聖「うむ」
チェンジ!
聖「さて、行ってくる」
パワプロ「うん、頑張って」
659 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 01:07:45.39 ID:PmpRtHbR0 [11/35]
試合終了…
パワプロ「おつかれ、聖ちゃん。はい、タオル」
聖「うむ、ありがとう」
聖ちゃんは最後までずっと出てたから一緒にいれなくて寂しいかったよー!
なんて、本人には言わないけどさ。
監督「うーっし今日はこれで終了だ。各自、自主練に励んでもよし。今日は終わってもいいぞー」
聖「よし、パワプロ先輩、アレをするぞ」
パワプロ「うん」
エロい何かだと思った俺を許してくれ。聖ちゃん。
660 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 01:15:19.17 ID:PmpRtHbR0 [12/35]
パワプロ「それっ!」
聖「うぅ…!」
パワプロ「うおりゃ!」
聖「くぅ…」
パワプロ「聖ちゃん、大丈夫?」
聖「だ、大丈夫だ…。気にするな」
パワプロ「いや、ダメ。休憩しよう」
聖「まだだ! まだ…」
パワプロ「でも…聖ちゃん限界でしょ?」
聖「まだいける。パワプロ先輩、こい!」
言葉だけだとただのエロ展開に聞こえるような気がする…。
661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 01:23:04.28 ID:PmpRtHbR0 [13/35]
パワプロ「それじゃあ、行くよ」
聖「…」コクリ
ビユッ バシン
聖「く…」
パワプロ「…」
ダメだ、見てられない。
パワプロ「いてて! もう限界だ!」
聖「! パワプロ先輩っ!」
662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 01:27:20.94 ID:PmpRtHbR0 [14/35]
パワプロ「ごめん、どうやらもう投げれそうにないよ」
聖「そうか…なら、今日もランニングを…」
パワプロ「軽くキャッチボールにしない? 多分すこし経てば回復すると思うから」
聖「む…わかった」
ランニングはちょっとやりたくないなぁ。
でも、聖ちゃんと一緒に走れるのはうれしいけどね。
665 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 01:39:28.54 ID:PmpRtHbR0 [15/35]
パワプロ「聖ちゃんはさ」
聖「む? なんだ」
パワプロ「俺って、ストレートしか投げられないじゃん? それってやっぱりダメかな?」
聖「…あまり言いたくはないのだが、厳しい」
パワプロ「やっぱりそうだよね…」
聖「でも、先輩のストレートは二つある。普通のストレートとノビるストレート」
パワプロ「…うん」
聖「私はその二つでリードする。難しいかもしれないけど、私は先輩の投げる球が大好きだ」
パワプロ「聖ちゃん…」
669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 01:49:39.43 ID:PmpRtHbR0 [16/35]
聖「だからこそ、ライジングキャノンの投げれる球数をすこしでも増やさないといけないんだ」
聖ちゃんは、野球部のことも、俺のことも、ちゃんと考えてくれてる。
聖「あおい先輩やみずきはスタミナがどうしても最後まで続かない。先輩の力は絶対に必要だ」
俺が、必要…。
聖「一人で練習することは簡単だ。でも、出来がどうかは自分でわからないだろ?」
聖「だから、私がここにいるのだ。先輩の球をうけるために」
パワプロ「聖ちゃん…!」
ギュッ
聖「なー!/// い、いきなり何をするっ!?」
パワプロ「聖ちゃん良い子! もう大好き!」
聖「/// パワプロ先輩…」
670 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 01:53:32.18 ID:PmpRtHbR0 [17/35]
>>668
王様ゲームで、「抱きしめてくれると安心できる人」になったって感じで考えてくれ。
672 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 02:03:59.96 ID:PmpRtHbR0 [18/35]
パワプロ「よし、聖ちゃん! もう一回頑張ろう!」
聖「む、うむ!」
パワプロ「ふぅ…」
聖「凄いぞ先輩! さっきので30球目だ! 球威もさほど衰えていない!」
パワプロ「よっしゃ! 聖ちゃんありがとう! 付き合ってくれて」
聖「わ、私はただ、ボールをうけただけだぞ。何もしてない…」
したよ。聖ちゃん。
聖ちゃんは俺の奮い立たせてくれた。
それは十分、大きなことをしてるよ。
676 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 02:13:19.75 ID:PmpRtHbR0 [19/35]
肩に爆弾ができました。
俺はこのとき、何も知らなかった。
夜
矢部「えーみなさんに集まってもらったのは他でもないでやんす!」
「なんだよ矢部ー」
「蚊に刺されるから早くしろよなー」
矢部「わかってるでやんすよ。それでは、今から肝試しを開始するでやんす!」
「男ばっかだぞー!」
「ふざけんなー!」
677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 02:14:53.47 ID:PmpRtHbR0 [20/35]
>>675
すまん、ミス。
俺を奮い立たせてくれた。
です。申し訳ございませんでした。
679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 02:20:20.25 ID:PmpRtHbR0 [21/35]
矢部「はぁ…そうでやんすか」
「な、なんだよ…」
「何が言いたいんだよー!」
矢部「はいはい、わかったでやんす! じゃあオイラはあおい先輩と、みずきちゃんと、聖ちゃんと四人で行くでやんす!」
「「「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
「俺やっぱりやる!」
「まろも!」
「わしも!」
「おいどんも!」
やっぱりみんな釣られた…。
680 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 02:25:37.52 ID:PmpRtHbR0 [22/35]
矢部「もちろん三人も参加するでやんすよね?」
あおい「う、うん。いいよ」
みずき「メガネじゃなかったら別に良いわ」
聖「…」コクリ
パワプロ「じゃあ俺もやろっと」
聖ちゃんとなれるのなら俺は…!!!
矢部「パワプロくん」コソコソ
パワプロ「なに?」
矢部「オイラが実行係だから、細工できるでやんすよ」
パワプロ「な、なんだってー!?」
それは隠し球くらいの驚きだよ!
681 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 02:33:56.86 ID:PmpRtHbR0 [23/35]
矢部「なんだったら、あの二人の仲で選ばせてあげるでやんす」
パワプロ「え? 二人?」
矢部「あおい先輩はもらっていくでやんす」
ああ、なるほどね。
それじゃあ…。
どうしようかな?
なんて、考えることなんてないけど。
パワプロ「聖ちゃんでよろしくおねがいします」
矢部「がってんでやんす」
やべえ、ニヤケが止まらない。
682 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 02:51:40.34 ID:PmpRtHbR0 [24/35]
矢部「じゃあここから紙を取るでやんす!」
「「「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」」」
うわ! 殺気が…!!!
矢部「ぐえ! 殴るなでやんす!」
パワプロ「…やっとみんな取ったか」
よし、じゃあ俺も…。
矢部「…」ニヤリ
パワプロ「…」ニヤリ
684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 03:06:26.84 ID:PmpRtHbR0 [25/35]
よし! 聖ちゃんとペア頂きー!
パワプロ「7番! 誰ー!?」
もちろん、聖ちゃん!
あおい「あ、ボクだ」
矢部「10番誰でやんすー!?」
聖「私だ」
パワプロ「」
矢部「」
687 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 03:19:35.38 ID:PmpRtHbR0 [26/35]
あ、あれー? おっかしいなー?
7番…俺・あおい先輩
10番…矢部くん・聖ちゃん
うわー! 矢部くんミスったなー!!!
矢部くんめー後で覚えとけよ!
まぁ、あおい先輩でもうれしいけどさ…!
でも、聖ちゃんが…聖ちゃんがー!!!!
688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 03:27:37.91 ID:PmpRtHbR0 [27/35]
あおい「じゃ、じゃあ…いこっか」
パワプロ「あ、はい」
ああ、聖ちゃん…グッバイぃぃ……!
あおい「…」
パワプロ「真っ暗ですね…」
あおい「うん…」
パキッ
あおい「ひゃっ」ガバッ
あおい「あ」カァァ
パワプロ「大丈夫ですか?」
あおい「う、うん」
690 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 03:47:17.15 ID:PmpRtHbR0 [28/35]
あおい「…ボクさ、こういうの、苦手なの」
パワプロ「そうですか。でも大丈夫ですよ。何もでませんから」
あおい「そ、そうかな…」
パワプロ「…」
胸当たってる…。ふはははははは。
あおい「なんか、元気ないね」
パワプロ「そうですか?」
あおい「うん、ボクと一緒はイヤだったかな…?」
パワプロ「そんなことないですよ。逆に光栄ですよっ」
691 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 03:59:18.47 ID:PmpRtHbR0 [29/35]
あおい「…なんだかパワプロくんと一緒にいると…怖くない」
パワプロ「そ、そうですか?」
あおい「おばけが出てきても、パワプロくんがやっつけてくれるって…」
凄くうれしいなぁ。
パワプロ「俺も、あおい先輩と一緒にいて、すっごく勇気づけられますよ」
あおい「え?」
パワプロ「女の子なのに頑張って練習して、男に負けないくらいの実力もってて…」
パワプロ「正直、憧れます」
あおい「…ありがと」
692 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 04:01:02.23 ID:PmpRtHbR0 [30/35]
すまん、肩が固まっちまった…。
死にます。
すんません。それでは。
695 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 04:05:55.46 ID:PmpRtHbR0 [31/35]
ああ、ごめん。
保守できる人いればお願いします。
それでは…。
718 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 13:39:13.09 ID:PmpRtHbR0 [32/35]
「うう、許せん…パワプロのやろー!」
「俺達のあおいちゃんを取りやがってー!」
「怖がらせて、びびらせてやる!」
パワプロ「それにしても、結構長いですね」
あおい「うん、そうだね」
…あおい先輩、いいにおいだなぁ。
720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 13:46:52.20 ID:PmpRtHbR0 [33/35]
って、ダメだろ! 俺は聖ちゃん一筋だ!
…しかし。
森の中
二人きり
寄り添っている
これは…まさか…ううむ。
「ぅぅ…」
あおい「! な、なにか、聞こえなかった!?」
パワプロ「え?」
721 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 13:55:47.10 ID:PmpRtHbR0 [34/35]
パワプロ「いや、特に何も…」
矢部「ぎゃー! でやんす!!」(驚いた声)
あおい「きゃー!」(驚いた声)
「うわー!」(驚かせようとした声)
パワプロ「うわっあおい先輩!?」(驚いた声)
聖「矢部先輩何処にいく!」
パワプロ「あ、聖ちゃん」
6 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/10(水) 21:01:40.82 ID:0JeqLMU0 [4/9]
聖「む、パワプロ先輩…」
パワプロ「聖ちゃんもパートナーに置いてかれちゃったの?」
聖「まぁ、そうだな」
パワプロ「そっか」
俺にとってはこれほど嬉しいことはないんだけど…。
そんなこと、言えないしなぁ。
パワプロ「それじゃあ、一緒に探しに行こっか?」
聖「…」
あれ? 返事が返ってこない。
首を動かしてるわけでもないし。
7 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/10(水) 21:05:56.27 ID:0JeqLMU0 [5/9]
パワプロ「聖ちゃん?」
聖「あの、パワプロ先輩」
パワプロ「なに?」
聖「…」
一体どうしたんだ? 顔をそんなに赤くして…。
可愛いすぎるからやめて欲しい。
パワプロ「ほら、早く探しに行くよ」
俺は聖ちゃんに手招きする。すると聖ちゃんは小走りでこちらにやってきた。
可愛いなぁ。
8 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/10(水) 21:09:40.28 ID:0JeqLMU0 [6/9]
ギュっと、俺の手を、誰かが握る。
パワプロ「聖ちゃん?」
聖「いやだ」
パワプロ「え?」
聖「探しに行かなくていい」
パワプロ「…な、なんで?」
聖「…」カァァ
更に顔が真っ赤に。これじゃあリンゴみたいだ。
9 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/10(水) 21:17:55.12 ID:0JeqLMU0 [7/9]
パワプロ「うーん…でも、このままじゃあおいちゃんと矢部くんは…」
聖「…私のわがままだ」
パワプロ「?」
聖「パワプロ先輩と、一緒にいたいのだ」
パワプロ「…」
ぬあんだってー!?
12 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/10(水) 23:46:02.63 ID:0JeqLMU0 [8/9]
いや、きっと何かの間違いだろう。うん。そうに決まってる。
パワプロ「い、今…なんて言ったの?」
聖「…な、何度も言わせるな…」
あからさまに目をそむけてる…。
聖「…」
パワプロ「ちゃんと、聞こえなかったんだ。だからもう一回だけ…ね?」
14 名前:みなさまの支援が糧です ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/10(水) 23:55:31.01 ID:0JeqLMU0 [9/9]
聖「…先輩と一緒にいたいのだ」
ゾク。
聖「二人で…いたい」
ゾクゾク!
パワプロ「…俺も、聖ちゃんと一緒にいたいよ」
聖「えっ…!」
パワプロ「聖ちゃんといると面白いし、何より嬉しいから」
聖「…先輩」
15 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 00:08:38.52 ID:Xjwx9y60 [1/16]
それでも、俺はこの状況はまずいと思った。
先輩後輩で森の中なんて、どこのおかしなビデオだと思うし。
ギュッ
パワプロ「でも、聖ちゃん…てぬおう!?」
聖「なんだ? パワプロ先輩」
そ、そんな…急に抱きつかれてもぉ!
今にも昇天しそうだよ!!
17 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 00:31:37.28 ID:Xjwx9y60 [2/16]
パワプロ「聖ちゃん、こんな森の中であぶないよ…?」
聖「む、すまん…パワプロ先輩、いやだったか?」
いや、もっとして欲しかったけど…。
聖「あ!」
バッ
え!? なんでそんな高速で離れたの!?
聖「痛くなかったか?」
パワプロ「え? なんで…?」
聖「だって…」ペタペタ
? 一体どうしたんだろう。
20 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 00:48:28.60 ID:Xjwx9y60 [3/16]
何かまた顔真っ赤だけど…。ま、いいか。
パワプロ「今度、七夕あるでしょ?」
聖「うむ」
パワプロ「一緒に行かない?」
聖「いいのか?」
パワプロ「うん。どうせ一緒に行く人もいないし」
聖「そうか…なら、行く」
やったぁ。
21 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 01:07:14.83 ID:Xjwx9y60 [4/16]
それにしても、本当にまわり誰もいないな…。
パワプロ「聖ちゃんは幽霊とかに強そうだよね」
聖「そうか? まあ、別段苦手ではない」
パワプロ「そっか、じゃあ聖ちゃん頼りになるね」
聖「む、そうか? そういわれると、私も嬉しいぞ」
俺は君に腕を抱かれてることが一番嬉しいよ。
22 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 01:31:55.92 ID:Xjwx9y60 [5/16]
聖「…」
それにしても、顔真っ赤だなぁ。
パワプロ「聖ちゃん、体熱くない?」
聖「む…大丈夫だ…」
本当かな? すっごい汗だくだけど…。
もしかして…。
パワプロ「聖ちゃん、ちょっとごめんね」ピトッ
聖「!!」ボーン
23 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 01:47:48.17 ID:Xjwx9y60 [6/16]
パワプロ「!」
凄い熱い…。熱あるじゃないか?
聖「先輩…?」
パワプロ「すぐに宿に戻ろう」
聖「なぜだ?」
パワプロ「聖ちゃん、体がとっても熱いよ」
聖「? そうか?」
気づいてないのかな?
25 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 02:08:16.11 ID:Xjwx9y60 [7/16]
パワプロ「とにかく、森を出よう」
聖「いやだ」
パワプロ「!」
聖ちゃん、自分の体の異変に気づいてないのか!?
パワプロ「ええい、仕方がない」
聖「なー、何をする!?」
お嬢様抱っこして無理やりでも宿に行くぞ!
26 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 02:26:51.20 ID:Xjwx9y60 [8/16]
今日はここで。
おやすみ。
31 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 14:12:29.15 ID:Xjwx9y60 [9/16]
パワプロ「今は聖ちゃんのことが一番大事だ!」
聖「ぱ、パワプロ先輩…」
聖ちゃんの体はとても軽かった。
それでいてやわらかい。ごめん、いやらしくてごめん。
聖「…わかった。パワプロ先輩の言うとおりにしよう」
パワプロ「うん」
32 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 14:16:06.64 ID:Xjwx9y60 [10/16]
監督「ん? 六道が熱?」
パワプロ「はい。今部屋で寝かせてます」
監督「そうか。じゃあ看病頼む」
パワプロ「最寄に病院とかないんですか?」
監督「こんな時間に病院が空いてると思うか?」
パワプロ「ま、まあ、そうですね」
監督「それに、あいつの性格上、病院には行かないだろうよ」
パワプロ「…確かにそうですね」
33 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 14:19:21.11 ID:Xjwx9y60 [11/16]
それでも、俺は心配だ。
俺のために動いてくれて、俺は聖ちゃんに何もしてあげられないのか?
パワプロ「聖ちゃん、大丈夫?」
聖「む、パワプロ先輩か…」
パワプロ「なんで布団から出てるの!? 横になってなきゃダメじゃないか」
聖「私は大丈夫だ。横になっていなくてもへい…」ポテッ
パワプロ「聖ちゃん!?」
34 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 14:23:46.17 ID:Xjwx9y60 [12/16]
やっぱり無理してたんだな…。
パワプロ「とにかく、布団に寝かせてっと…」
聖「パワプロ先輩…」
パワプロ「なに?」
聖「すまなかった。私のせいで肝試しが…」
パワプロ「気にすることないよ。聖ちゃんの体のことのほうが大事だし」
聖「心配してくれてありがとう」
36 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 16:39:30.95 ID:Xjwx9y60 [13/16]
パワプロ「それにしても…」
いつこんなに熱くなったんだろう…。
今日の練習中からかな? あーもう、自分が情けない。
聖「もういいぞ、先輩」
パワプロ「え?」
聖「私は大丈夫だ。もう出ていっていいぞ」
パワプロ「聖ちゃん一人にはできないよ」
37 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 16:58:38.48 ID:Xjwx9y60 [14/16]
聖「みずきやあおい先輩もいる。安心しろ」
パワプロ「いつ帰ってくるかわからないでしょ? 二人が帰ってくるまでは一緒にいるよ」
聖「なら…私が熱を出してることを言わないでくれ」
パワプロ「な、なんで?」
聖「心配をかけたくない。今だってパワプロ先輩に迷惑をかけるのはイヤなんだ」
パワプロ「…わかった。約束するよ」
38 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 17:03:54.37 ID:Xjwx9y60 [15/16]
プルルルル…
パワプロ「ん? 電話…?」
みずき「もしもし?」
パワプロ「あら、みずきちゃん。どうしたの?」
みずき「どうしたもこうしたも。あんたと聖の姿が見えないから心配して電話したのよ」
パワプロ「ああ、そっか。何も言ってなかったもんね」
みずき「あと、今からあのメガネがキャンプファイアーするらしいから、早く来なさいよ」
パワプロ「いや、ちょっと無理かも」
みずき「はぁ? どうしてよ」
パワプロ「今宿に戻ってるんだ」
みずき「えっ、二人で?」
39 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 17:10:31.06 ID:Xjwx9y60 [16/16]
パワプロ「え、あ…えっと…」
みずき「あんた、聖に変なことしてないでしょうね!?」
パワプロ「してないよ!」
みずき「じゃあなんで二人で帰ってるのよ!?」
パワプロ「え、えっと…」
どうしよう…。
→実は付きあってるんです。
実は突きあってるんです。
実は憑きあってるるんです。
えええ!? 漢字だけで感じが変わる!
46 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:12:08.68 ID:3FWcO.I0 [1/11]
パワプロ「じ、実は付き合ってるんだ」
聖・みずき「!!」
パワプロ「驚くのもわかる。詳しくはあとで話すから、それじゃ!」
みずき「ちょ、ちょっと―――――」プツッ
ふう。
あとで冗談だって言えば大丈夫かな?
パワプロ「ふう、バレずにすんだ…って聖ちゃん!?」
また顔が真っ赤!? 状況悪化!?
47 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:18:59.68 ID:3FWcO.I0 [2/11]
聖「ぱ、ぱぱぱ、パワプロ先輩…!?」
パワプロ「な、なに…?」
聖「付き合っているというのは…?」
パワプロ「あ、ああ。ごめん、バレないように嘘ついちゃった!」
俺にとっては素晴らしい設定だけど。
聖ちゃんは冗談でもいやなんだろうなぁ。
48 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:06:11.41 ID:3FWcO.I0 [3/11]
パワプロ「ごめんね、もうすこし考えればもっといい嘘つけたよね」
こういう時の適応力のなさには本当に涙が出るよ。
聖「…」
パワプロ「ひ、聖ちゃん、怒ってる?」
聖「む、怒ってないぞ。むしろごきげんだ」
あれ? そうなの?
なんだか、目がトロンとしてきてるけど。
50 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:35:54.85 ID:3FWcO.I0 [4/11]
聖「服を着替えたいんだが…」
パワプロ「ん、そう。わかったじゃあ出てるね」
聖「うむ」
パワプロ「…」
衣擦れの音がいやらしいんですが…!
聖「…いいぞ」
よし、入ろう。
パワプロ「うわわ! 聖ちゃん! ちゃんと着てよ! はだけちゃってるじゃないか!」
51 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:02:07.65 ID:3FWcO.I0 [5/11]
聖「す、すまない…」
もう! 目の保養だよ! まったく!
パワプロ「とりあえず、ちゃんと着てね!」
聖「体が重くて、思うように動かないんだ」
パワプロ「え、大丈夫!?」
聖「ま、まぁ…大丈夫なのだが…」
52 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:25:45.16 ID:3FWcO.I0 [6/11]
も、もしかして、やってほしいのかな…?
パワプロ「じゃ、じゃあ、俺がはだけを直すよ…なんt」
聖「頼む」
…え?
まじっすか!?
パワプロ「本当にいいの?」
聖「私に拒否する権利はない。それに、はだけていては先輩も困るだろう?」
目の保養になるからずっとそのままでも…!
53 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:32:34.11 ID:3FWcO.I0 [7/11]
そ、それじゃあ直させていただきます!
パワプロ「…」ドキドキ
聖「…」ドキドキ
みずき「どういうこと…?」
パワプロ「!!!!」
みずき「パワプロくん…聖に何してるの……?」
パワプロ「み、みずきちゃん!?」
55 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 03:03:16.20 ID:3FWcO.I0 [8/11]
パワプロ「いやぁ、実は…」
みずき「付き合ってる二人が先に帰って服を脱がそうとしてるシーン見せられて…」
パワプロ「これは浴衣のはだけを直そうと…!」
そうだ、聖ちゃん!
聖「早くしてくれ…パワプロ先輩」
ちょっ!?
みずき「ほぅ…嘘だね?」
56 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 03:12:54.53 ID:3FWcO.I0 [9/11]
すまん。今日はここで。
グッドバイ!
59 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 18:57:50.76 ID:3FWcO.I0 [10/11]
パワプロ「聖ちゃん! 目を開けてよ!」
そしてみずきちゃんを確認してよ!
聖「恥ずかしい…」
いやいや! 俺のがよっぽど…。
あおい「パワプロくんは後輩にそんなことするんだ…」
え!? なんであおい先輩までいるの!?
60 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 19:07:58.93 ID:3FWcO.I0 [11/11]
パワプロ「だから…あの…」
もう聖ちゃんを無理やりにでも…!
パワプロ「聖ちゃん!」
聖「…」
パワプロ「あれ…?」
寝ちゃってるー!?
みずき「覚悟はできてる?」
できてるわけがない!
63 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/13(土) 00:12:01.88 ID:6tiZaoU0 [1/4]
パワプロ「落ち着こうよ! 俺はまだ行為にはいたってないよ!?」
そしてやるつもりもなかったのに!
あおい「聖ちゃんがこれを私と同じ立場で見てたらきっと同じ行動に移ると思うよ?」
いや、そうかもしれないけど!!
みずき「二度と聖にそんなことさせないように制裁を加えるわ」
ああ…もうどう弁解しても無理だろうな…。
パワプロ「…わかったよ、どうせ何を言っても聞いてくれないんだろう?」
67 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/13(土) 00:48:57.92 ID:6tiZaoU0 [2/4]
聖「パワプロ先輩…」
起きた!?
聖「…ありがとう…むにゃむにゃ」
寝言…かよ!
みずき「なによその言い方! それじゃあまるで私達があんたの言ってること全無視してるみたいじゃない!」
その通りな気もする。
パワプロ「じゃあちょっとくらい待ってくれてもいいじゃないか。聖ちゃんがちゃんと起きたら話を聞こうよ。」
68 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/13(土) 00:52:27.41 ID:6tiZaoU0 [3/4]
あおい「みずき、そうしよう」
みずき「え!? な、なんでですか?」
あおい「もしかしたら本当に違うかもしれないよ?」
みずき「それは…」
さすがあおい先輩!
あおい「でも、嘘だったら…ひどいよ?」
ゾクッと悪寒が背中を通っていった。
70 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/13(土) 01:23:46.17 ID:6tiZaoU0 [4/4]
みずき「命拾いしたね、パワプロくん」
いやいや、俺は無罪だから! 別に変なことする気は無いから!
あおい「それじゃあ、もう今日も遅いから」
パワプロ「あ、はい。すみません」
あおい「うん。おやすみ」
パワプロ「おやすみなさい」
…なんか汗めちゃくちゃかいてる…。
パワプロ「温泉に入って寝よ…」
79 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:44:46.05 ID:mw/lC7A0 [1/18]
パワプロ「ふぅ…」
明日、ちゃんと聖ちゃんに説明してもらって、ちゃんと解決すればいいけど…。
パワプロ「なにもしてないけど、ちょっと不安だなぁ…」
あおい「そうだったんだー」
ん? あおい先輩の声?
そっか。先輩達も入ってないんだよな。
80 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:57:34.50 ID:mw/lC7A0 [2/18]
さっきのいざこざ中にみんな入っちゃってたんだな。
あおい「ごめんね、聖。疑ったりして」
聖「私には謝らなくていい。むしろパワプロ先輩に謝ったほうがいいぞ」
ひ、聖ちゃん…!
みずき「でも、あの状況をみてはだけを直してるようには見えないわよぉ?」
変なこといわないでみずきちゃん!
聖「む…そうか」
てゆーか聖ちゃん! 熱出てるのになんで…?
81 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:01:39.89 ID:mw/lC7A0 [3/18]
あ、そうか…。
あおい「あれ、聖、顔赤くない?」
秘密にしてるから…。
聖「すこし、のぼせたかも。先に上がらせてもらっていいか?」
みずき「大丈夫? いつも一番長風呂してるあんたが…」
聖「へ、平気だ。気にするな」
聖ちゃん…。
82 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:12:35.27 ID:mw/lC7A0 [4/18]
あがるつもりか。
俺もあがろう。
聖「ふぅ…」
聖「あっ…」クラッ
パワプロ「おっと…」
聖「あ…」
パワプロ「大丈夫? 聖ちゃん」
聖「パワプロ先輩…」
83 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:40:11.18 ID:mw/lC7A0 [5/18]
パワプロ「無理しなくていいよ? 体重いんでしょ?」
聖「触らないでくれ」
死にたくなってきた。
聖「ここでパワプロ先輩の力を借りたら…」
体調が悪い時は普通力を借りなきゃ…。
聖「先輩から離れられなくなる…」
なんて素晴らしい言葉なのだろう。
85 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:44:49.73 ID:mw/lC7A0 [6/18]
逆に離れたくなくなるじゃないか。
パワプロ「俺は、離れたくないよ」
聖「!」
パワプロ「聖ちゃんともっと話したいこと、たくさんあるし」
パワプロ「そうやって、一人で頑張ってばっかりだと、つらいよ?」
聖「でも…」
パワプロ「俺は、悲しいよ」
パワプロ「もっと頼ってよ。俺は、聖ちゃんにもっと頼まれたい。一緒にいたい」
聖「ぱ、パワプロ先輩…」
86 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:51:45.77 ID:mw/lC7A0 [7/18]
聖「それはいいんだが…」
パワプロ「?」
聖「みんな…見てるんだが…」
あおい「…ふーん」
みずき「まさかパワプロくん聖が好きだったんだ…?」
パワプロ「うおう! お二人さん!」
まさか、聞かれてた!?
当たり前ですね。
91 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 09:00:40.53 ID:mw/lC7A0 [8/18]
パワプロ「ほら、やっぱりバッテリーだからね! お互いを知らないといけないもんね!」
みずき「…ああ、バッテリーね! 聖は女房だもんね」
聖「にょ、女房…」
今の流れでその言葉はやめて欲しいなぁ。
あおい「それだったらずるいよ、パワプロくん。ボクも聖と仲良くなりたいもん」
パワプロ「あ、すいません…」
なんとか切り抜けた…。危ない危ない。
92 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 10:02:02.67 ID:mw/lC7A0 [9/18]
みずき「…」
パワプロ「? どしたのみずきちゃん」
みずき「…べっつにぃ」
いやな予感がする。
次の日
聖「うっ…」クラッ
パワプロ「あ、聖ちゃん! って熱っ!」
ペタリ
聖「…! パワプロ先輩…」
パワプロ「うわわ! ごめん!」
うっひょい、うっかり胸触っちゃったよ! イエー!
94 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 17:53:10.14 ID:mw/lC7A0 [10/18]
しかし、可愛らしい胸だなぁ。
聖「…」プイッ
うへえ!? やばい、すごい嫌がってる!
も、もちろん今は触ってないよ? すぐ離したからね?
パワプロ「ごめんね…不注意のせいで…」
聖「無くて悪かったな…」ボソ
パワプロ「?」
小さすぎて聞こえなかったなぁ。
95 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 17:58:39.81 ID:mw/lC7A0 [11/18]
パワプロ「(声が)小さいよ」
聖「!!」
あれ? すっごい怒ってる?
聖「悪かったな…小さくて!」
パワプロ「あ、聖ちゃんあぶない!」
聖「え?」
ドーン
パワプロ「聖ちゃん!?」
知らない人とぶつかった!
矢部「いてて…大丈夫でやんすか?」
パワプロ「すいません、お怪我はありませんか?」
矢部「なんだか、他人行儀でやんすね…」
パワプロ「えっ!? 矢部くん!?」
96 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 18:02:50.44 ID:mw/lC7A0 [12/18]
顔が全然違うよ!?
矢部「あー! あおい先輩!」
あおい「? え? なんで私の名前を…?」
矢部「ひどいでやんす!」
そりゃあそこまで違うと誰もわからないよ…。
パワプロ「…聖ちゃん大丈夫?」
聖「むう…大丈夫だ」
97 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 18:05:44.83 ID:mw/lC7A0 [13/18]
ビシュ パシン
パワプロ「…」
聖「…」
ビシュ パシン
パワプロ「…」
聖「…」
さっきから態度が素っ気無い…。
パワプロ「どう?」
聖「うむ、いいんじゃないか?」
パワプロ「いいんじゃないかって…」
聖「いいんじゃないか?」
あれ、なんでこんなに素っ気無いんだろう?
98 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 18:10:07.82 ID:mw/lC7A0 [14/18]
パワプロ「ねえ、聖ちゃんなんかさびしいんだけど…」
聖「…練習時間は限られてるんだぞ。早く投げろ」
うわーん!
パワプロ「ごめん」
ビシュ
聖「…」
ポロッ
パワプロ「?」
聖ちゃんが落とした…?
99 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 18:11:31.76 ID:mw/lC7A0 [15/18]
聖「すまない」
パワプロ「あ、ああ…」
ビシュ ポロッ
まただ。どうしたんだろう?
聖「すまない」
パワプロ「う、うん…本当に大丈夫?」
聖「大丈夫だと言って…」ドサッ
パワプロ「!! 聖ちゃん!」
100 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 18:13:33.59 ID:mw/lC7A0 [16/18]
どこが大丈夫なんだよ!
宿にある保健所に行こう。
パワプロ「39度…!? なんであんなに無茶したんだ…」
聖ちゃんが頑張り屋さんなのは俺も、野球部全員が知ってることだ。
でも、こういう時は素直に休んでくれよ…。
101 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 18:56:14.96 ID:mw/lC7A0 [17/18]
もう、どんなに頑張ろうとしても、俺が止める。
聖ちゃんの体が最優先だ。
パワプロ「…聖ちゃん」
スッと、聖ちゃんの顔に触れる。
やはり熱を持っているけど、とてもやわらかい。
真っ白な肌は熱のためか少々赤くて、ある意味生気がある。
102 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 19:07:24.10 ID:mw/lC7A0 [18/18]
…。
ああ、どうしよう。
変な衝動に駆られる。
聖「すぅ…すぅ…」
凄くキスしたい。
でも、そんなのはただの変態だし、聖ちゃんは熱出してるんだから。
うつっちゃう可能性だってある。
でも、すこし濡れた唇。
滲んだ汗がとてもいい匂いがする。やっぱり女の子なんだなぁ。
110 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 16:12:16.01 ID:hdmCXhk0 [1/9]
パワプロ「聖ちゃーん?」
よし、起きてない。
パワプロ「って、ダメだダメだ。うつっちゃうよ!」
きっと恋の病と熱を同時に発病しちゃうよ!
聖ちゃん…。今日はゆっくり休んでね…。
ギュッと手を握ってみる。
パワプロ「…! 聖ちゃん…!?」
手は、前見た手以上に、腫れていた。
111 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 16:17:13.91 ID:hdmCXhk0 [2/9]
パワプロ「そ、そんな…」
これはもう、女の子の、手じゃない。
野球をやってる人でも、こんなにはならない。
パワプロ「聖ちゃん…ごめん」
俺は、君を頼ってばかりだ。
112 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 16:30:56.13 ID:hdmCXhk0 [3/9]
パワプロ「…」ダッ
あおい「うおっと、パワプロくんっ」
パワプロ「…!」
あおい「あーびっくりした。急に飛び出すんだもん」
パワプロ「あおい先輩、すいません、俺、練習行って来るんで、聖ちゃんよろしくお願いします」
あおい「え? あ…」
あおい(私もちょっと怪我したから来たんだけどな…)
116 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 21:25:36.01 ID:hdmCXhk0 [4/9]
矢部「むむ、パワプロくん、一人で練習でやんすか?」
パワプロ「…えーっと、矢部くんだよね?」
矢部「う、酷いでやんす…」
パワプロ「そうだよ」
矢部「そうでやんすか。オイラは外野手でやんすから一緒に練習はできないでやんすけど、一緒に頑張るでやんす!」
パワプロ「うん!」
ビシュ
パワプロ「ふぅ」
やっぱり、ダメだ。聖ちゃんがいないと…。
俺はいつのまにか、聖ちゃんが座ってることで、安心して投げれるようになっていたみたいだ。
パワプロ「…聖ちゃん」
ええい、また頼ってるじゃないか。頑張れ俺。
ビシュ
パワプロ「…変化球」
そうだ。聖ちゃんが戻ってくるまでに、変化球でも覚えよう。
カーブくらいなら少しぐらい曲げれるようになるだろう。
パワプロ「よし! 思い立ったら即実行だ!」
パワプロ「はあ、はあ…」
ぜんっぜん曲がらない…。
むしろボールが落ちる…。
118 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 21:47:46.92 ID:hdmCXhk0 [5/9]
落ちなくていいんだよ!
曲がれよ!
パワプロ「うおー! まっがーれ!」
ビシュ ストン
や、やっぱり曲がらない…。
弧を描かずにそのまま落ちる…。
みずき「どうしたのよ? 落ち込んで」
ボールも落ちるんだけど…。
パワプロ「いやあ、カーブが投げれなくて…」
みずき「ふぅん? 投げてみてよ」
それじゃあとりあえず。
ビシュ ストン
パワプロ「ね? どうしてもまがらな…」
みずき「それフォークじゃない!」
119 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 21:54:48.87 ID:hdmCXhk0 [6/9]
え? あれ? フォーク…?
そういえば、フォークなんてあったっけ?
みずき「あんたどんな握り方してんのよ…カーブ投げようとしてフォークになるやつなんて始めてみたわよ」
パワプロ「す、すみましぇーん…」
それでも、かなり落ちてるよなぁ。
これなら、聖ちゃんを驚かせるぞ!
そして…。
120 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 22:17:55.81 ID:hdmCXhk0 [7/9]
監督「えー今日で合宿は終わりだ。明日から一週間は休みをとる。くれぐれも自主練は怠るなよ?」
じゃあなんで休みにするんだろう…。
矢部「監督、妻が怒ってるらしいでやんすよ」
パワプロ「ああ、なるほどね」
聖「…」
パワプロ「聖ちゃん、きっちり休んでね」
聖「…なあ、パワプロ先輩」
パワプロ「ん?」
121 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 22:30:17.09 ID:hdmCXhk0 [8/9]
聖「私の寺に来ないか?」
パワプロ「え?」
聖「1週間、泊まりにこないか?」
パワプロ「…」
聖「い、いやなら別に、いいんだ。無理なことを言ってすまなかった」
まって、まって。
これはなにか素晴らしいことが起きる予感がするよ?
125 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 23:54:45.49 ID:hdmCXhk0 [9/9]
聖「ほ、ほら、せっかく1週間の休みがあるんだ。大会前だし、一緒に練習できれば嬉しいなと…」
パワプロ「うーん」
そうだよなぁ。普通大会近いんだから練習が無いなんて普通ありえないんだよなぁ。
自主練もちゃんとしておきたいし、聖ちゃんと一緒にいたいし。
この誘いは申し分ないよなぁ。
パワプロ「うん、いいよ。もちろん、他にも人はいるんだよね?」
聖「私の父親は…明日からいないんだ」
パワプロ「」
126 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 00:05:33.99 ID:GK743/s0 [1/14]
パワプロ「ほ、他に誘ってる人は?」
聖「む? 先輩だけだが…?」
パワプロ「え、な、なんで?」
聖「投げ込みを中心にしたいからな。…イヤか?」
パワプロ「そんなわけないじゃないか! むしろ大歓迎だよ!」
聖「そうか、それならよかった」
一瞬だけ微笑んだ顔が、素直に可愛かった。
127 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 00:22:02.60 ID:GK743/s0 [2/14]
ま、まさか…聖ちゃんと一つ屋根の下!?
胸がドキドキするなぁ…!!
聖「あと…なんだが」
パワプロ「ん?」
聖「お祭も、一緒に行かないか?」
二人でーーーーーーーーーーーー!?
いいの!?
パワプロ「うん!」
128 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 00:42:51.81 ID:GK743/s0 [3/14]
明日、早速聖ちゃんの家に行ける…。
バスではみんな大抵眠っていたから、大半の人には気づかれなかったはずだ。
パワプロ「ただいまー」
帰ってきて、休むまもなく早速準備。
きっと、濃い練習になるだろうし。
も、もちろん野球の練習だ。
130 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 01:04:30.19 ID:GK743/s0 [4/14]
パワプロ「母さん、明日からまた泊まって練習に言ってくるからー」
はいよーっと、軽い返事が返ってくる。
これで準備はオーケー。
明日が楽しみだなぁ。
パワプロ「しかし、聖ちゃん熱、大丈夫なのかな?」
大分楽そうだったけど…。
薬を飲んだとも聞いてるし。
パワプロ「…あ!!」
あおい先輩にバレてないよな!? 大丈夫だよな!?
あのとき通りすがったけど…。
131 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 01:37:56.52 ID:GK743/s0 [5/14]
パワプロ「あちゃー…やっちゃったなぁ」
ごめんね、聖ちゃん。
まあ、とりあえず今日は寝よう。
明日から、聖ちゃんと練習なんだから。
・
・
・
133 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 02:01:18.79 ID:GK743/s0 [6/14]
パワプロ「お、おお…」
西満涙寺。とても大きなお寺だ。
こんな凄く和風なところにも、インターホンはあるんだなぁ。
ピンポーン
聖「はい」
パワプロ「や、やっほー、パワプロです」
聖「おお、パワプロ先輩。どうぞあがってくれ」
134 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 02:43:35.09 ID:GK743/s0 [7/14]
パワプロ「お邪魔しまーす」
パワプロ「!」
俺がすぐに目に付いたものは、聖ちゃんの着物姿!!!
うっひょー! 可愛いー!
聖「いらっしゃいなのだ」
パワプロ「着物すっごく似合ってるね」
聖「そ、そうか…?」モジモジ
135 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 02:46:45.25 ID:GK743/s0 [8/14]
首筋がエロい。
聖「お昼はもう、食べたのか?」
パワプロ「あー。まだ」
聖「じゃ、じゃあ私がご馳走する。いいか?」
もちろん!
パワプロ「うん! 聖ちゃんの手作りが食べれるなら待ってるよ!」
聖「じゃ、じゃあ早速作ってくるから、ゆっくりしていてくれ」
136 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 02:53:31.63 ID:GK743/s0 [9/14]
パワプロ「…」
ワクワクするなぁ。
聖ちゃんって、けっこう料理できそうだもんね。
ドンガラガッシャーン
前言撤回! 一体何が!?
パワプロ「どうしたの!?」
聖「あ、ああ、パワプロ先輩、気にするな…」
無理!
137 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 02:59:37.84 ID:GK743/s0 [10/14]
パワプロ「聖ちゃん…やっぱりまだ…」
聖「大丈夫だ、ちょっとクラッと来ただけで…」
それがまずいんじゃないか!
パワプロ「聖ちゃんのわからず屋! 俺はそんなにつらい思いしてまで料理を作って欲しくないよ!」
聖「…」
パワプロ「聖ちゃんは横になってて。俺がなにか簡単なもの作るから」
聖「…ごめん、なさい」
138 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 03:09:05.17 ID:GK743/s0 [11/14]
こんなに聖ちゃんの近くにいるのに熱が出ない俺も凄いけど、無理してる聖ちゃんはもっと凄いなぁ。
パワプロ「練習はやめよう」
俺が軽く作ったおかゆをゆっくりと食べている聖ちゃんの動きが止まる。
聖「なぜだ!?」
パワプロ「聖ちゃんはこの一週間で病気を治さなきゃ。そのあとでも練習はできるよ」
聖「…し、しかし…」
パワプロ「俺も精一杯看病するからさ」
聖「…」
139 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 03:18:36.11 ID:GK743/s0 [12/14]
聖「…パワプロ先輩、ごめん」
パワプロ「え?」
聖「こんなバカな後輩をもって、先輩は苦労するな…」
パワプロ「何言ってんのさ」
パワプロ「俺は、聖ちゃんみたいに密接になれる後輩ができて嬉しいよ」
パワプロ「それだったら俺みたいなバカな先輩をもって、聖ちゃんが苦労するよ」
聖「そ、そんなことない! パワプロ先輩は素敵な先輩だ!」
パワプロ「ありがとう」
聖ちゃんに褒められた。うれしいなぁ。
141 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 03:55:02.90 ID:GK743/s0 [13/14]
パワプロ「今年は、あおい先輩の最後の大会だ」
聖「うむ…」
パワプロ「きっと俺とあおい先輩かみずきちゃんにつないで行く形になると思う」
聖「…」コクリ
パワプロ「あの二人は本当は俺と違って技巧派だ。コントロールもあるし変化球中心になる」
パワプロ「きっと、聖ちゃんのリードなら、あの二人を気持ちよく投げさせることができると思う」
聖「…」
パワプロ「これは言わないで欲しいんだけど、あおい先輩は何かと怒りっぽいから、コントロールが定まらない時もあると思う」
パワプロ「みずきちゃんはけっこう人のこと甘く見てるから、調子に乗って弱い球を投げちゃう時もあると思う」
聖「先輩」
パワプロ「あと、あの二人は…」
聖「先輩!!」
パワプロ「! な、なに?」
聖「あの二人の話ばかりしないでくれ」
パワプロ「え?」
聖「…今パワプロ先輩は誰といるんだ?」
パワプロ「え、…聖ちゃん…?」
聖「…」
もしかして、ちょっと妬いてる?
そんなわけないかー。聖ちゃんが俺のこと好きなわけないし。
聖「あおい先輩とみずきのことはわかった。だから、次はパワプロ先輩のことを聞きたい」
パワプロ「え? 俺!? うーん…」
パワプロ「自分で言うのもなんだけど、高め投げるの好き」
聖「そうか」ニコッ
うおおおおお!! 超絶プリティ!
146 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/19(金) 21:05:20.99 ID:8cU2dcDO
聖「もっともっと、教えてくれ」
パワプロ「え、あ、うん」
聖「私の知らない、パワプロ先輩の色んな所を教えてくれ」
パワプロ「・・・うん!」
パワプロ「そうだ、聖ちゃん」
聖「? なんだ」
149 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/20(土) 01:07:42.25 ID:8/81TsDO [1/5]
パワプロ「俺、フォーク投げれるようになったんだ」
聖「・・・」
あれ? 反応無し?
すると聖ちゃんは目を輝かせて立ち上がった。
パワプロ「ひ、聖ちゃん!?」
聖「ぜひ、見せてくれ。パワプロ先輩!」
151 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/20(土) 15:07:57.62 ID:8/81TsDO [2/5]
パワプロ「あ、安静にしとかなきゃダメだよ!」
聖「安静にしている場合じゃないぞ先輩! さあ、早く庭に行くぞ」
それより聖ちゃん、その格好で?
聖「さあ、来い! パワプロ先輩っ」
やれやれ・・・。
・・・ん? うわわ!!
やばいよ聖ちゃん! 見えちゃいけないものが見えてる!
聖「む、どうした? パワプロ先輩」
152 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/20(土) 16:41:59.87 ID:8/81TsDO [3/5]
パワプロ「そ、それ・・・」
シュッ
聖「む、パワプロ先輩。まったく落ちてないぞ」
それより前を隠して・・・。
パワプロ「う、うん。ごめん」
聖「まさか、私を喜ばせようとしてくれたのか?」
パワプロ「そ、そうじゃないよ。ちゃんと投げれるようになったんだ」
154 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/20(土) 21:50:38.11 ID:8/81TsDO [4/5]
聖「むう・・・やはりいきなりは無理か?」
パワプロ「いや、次はちゃんと投げるよ! それっ!」
ビシュ クーン
聖「!」
あ、ワンバンッ!
聖「―――――」
バシッ
パワプロ「お…おおー」
聖「ふう…しかし、物凄く落ちたな」
パワプロ「!!!」
聖「? どうし・・・なー!!」
はだけて胸が…!
157 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/20(土) 22:56:18.40 ID:8/81TsDO [5/5]
パワプロ「…」
聖「な、なに、見ているんだ…パワプロ先輩…」
パワプロ「あ、ご、ごめん…」
聖「…ま、まあ、パワプロ先輩も男だからな…仕方ない」
パワプロ「それでも、ごめん」
聖「それにしても…こんな私でも…いいのか?」
パワプロ「え?」
聖「…! な、なんでもないっ!」
164 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/22(月) 20:54:42.33 ID:/hOht2DO [1/2]
聖ちゃんがそんな服装でやるからこんなことになったんだけど…。
いいもん見れたなー。
聖「む…」クラッ
パワプロ「! 聖ちゃんっ」
やっぱり無理してたみたいだ。
パワプロ「無理は禁物だよ、聖ちゃん」
聖「む…すまない」
あ、汗でベトベトだなあ。
聖「…パワプロ先輩、何してるんだ?」
はっ! ついついにおいをかいでしまった。
ほんのり甘いかほり…たまらん!
パワプロ「な、なにもしてないよ! 気にしないで!」
165 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/22(月) 22:00:05.28 ID:/hOht2DO [2/2]
そんな変な物を見るような顔しないで!
聖「汗が…そんなに嫌だったか?」
あ、そうとらえちゃった?
パワプロ「嫌じゃないよ。むしろ大歓迎だよ!」
うわー変な性癖の持ち主だと思われちゃったかな?
聖「ふふ…パワプロ先輩は面白い人だな」
パワプロ「そ、そう?」
166 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/23(火) 10:24:27.53 ID:sjavxgDO [1/3]
日頃の行いがいいからかな?
聖「さて、部屋に戻るか」
パワプロ「そうだね」
あ、そうだ。
パワプロ「えっと…」ゴソゴソ
聖「む…?」
パワプロ「はい、きんつば」
聖「…!」
パワプロ「家にあったんだ。確か聖ちゃん、好きだったよね?」
聖「しかもパワ堂のきんつばではないか…!」
うわっ凄い目輝いてる。
よだれまで…可愛いっ!
168 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/23(火) 15:29:57.36 ID:sjavxgDO [2/3]
聖「た、食べてもいいのか?」
パワプロ「そのために持ってきたのさ」
聖「そ、それじゃあ、いただきますっ」
パワプロ「どうぞどうぞ」
パクパクッ
おーみるみるうちに減っていく。
聖「…パワプロ先輩も食べるか?」
パワプロ「え? ああ、いいよ」
聖「いや、そういうわけにもいかない。持ってきたのは先輩なんだから」
パワプロ「じゃあ…一口だけ」
169 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/23(火) 15:44:57.94 ID:sjavxgDO [3/3]
聖「…それじゃあ、どうぞ」
…うーん。どれくらいが食べていいんだろ?
パワプロ「聖ちゃん、どれくらい食べていい?」
聖「先輩が食べたいだけ食べればいいぞ」
パワプロ「うーん一つはいらないんだよね。聖ちゃんとってくれない?」
聖「む、わかったぞ」
172 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 19:52:02.10 ID:EOMGioQ0 [1/8]
聖「よし、それなら私とはんぶんこだ」
はんぶんこ、という言葉に強く惹かれたのは俺だけじゃないと思う。
パワプロ「うん、そうだね」
聖「…む」
パワプロ「…」
聖「…」
あれ? なんだこの沈黙…?
173 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 19:57:10.85 ID:EOMGioQ0 [2/8]
聖「はんぶんも…いるか?」
パワプロ「え?」
ああ、聖ちゃん、いっぱい食べたいのか。
パワプロ「ふふ、聖ちゃん、本当にきんつば好きだね」
聖「む、否定はできない…」
パワプロ「可愛い聖ちゃんも見れたし、俺はいらないよ。ありがと」
聖「なっ/// で、でも…」
パワプロ「いっぱい食べて元気になってよ。ね?」
聖「…うむ、ありがとう、パワプロ先輩」
174 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:02:00.52 ID:EOMGioQ0 [3/8]
そして時は過ぎて…。
パワプロ「うん、もう熱は大丈夫だね」
聖「そ、それじゃあ…」
パワプロ「まだ練習はダメだよ」
聖「…ダメか…」
パワプロ「うん。明日からまた練習始まるから、それまでの我慢!」
聖「うむ、それはいいんだが…」
パワプロ「ん?」
聖「その…」モジモジ
パワプロ「なんだい?」
聖「…まつ…りは…ダメか?」
オーケー!
175 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:13:38.21 ID:EOMGioQ0 [4/8]
パワプロ「いやー大盛況だねー」
聖「そうだな」
すごい顔真っ赤。
パワプロ「また熱出ちゃった?」
聖「だ、大丈夫だ。異常は無いぞ」
パワプロ「そっか」
だんだん距離も近くなってきた。うふふ。
176 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:39:39.07 ID:EOMGioQ0 [5/8]
パワプロ「そろそろ本格的に大会に向けて練習だね」
聖「そうだな」
パワプロ「聖ちゃんとは来年もできるから、嬉しいよ」
聖「む、そうか?」
パワプロ「思ってみれば、聖ちゃんが野球部に入って、まだ数ヶ月なんだよね」
聖「まぁ、そうだな」
パワプロ「だけど、今年、甲子園に行かなくちゃ」
聖「うむ、行こう」
パワプロ「あおい先輩も、今年で引退だから…」
聖「パワプロ先輩」
パワプロ「ん?」
聖「先輩は…もっと自分を見たほうがいい」
177 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:51:37.97 ID:EOMGioQ0 [6/8]
パワプロ「え?」
聖「甲子園はあおい先輩を連れて行くためのところではない」
聖「みんなで頑張って、自分の力で行くところだ」
パワプロ「聖ちゃん…」
聖「誰かのためじゃなく、自分のためにも、頑張って欲しいんだ」
パワプロ「うん。わかった。ありがとう、聖ちゃん」
聖「どういたしましてだ」
よし、元気はいった!
パワプロ「よーし! 綿菓子食べよう綿菓子!」
178 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:59:22.24 ID:EOMGioQ0 [7/8]
聖「パワプロ先輩」
パワプロ「ん?」
聖「こっちに来て欲しい」
パワプロ「え、な、なんで?」
聖「い、いいから、来てくれ」
パワプロ「? うん」
180 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 21:20:18.98 ID:EOMGioQ0 [8/8]
・ ・ ・
パワプロ「人が全然いないよここ…大丈夫なの?」
聖「大丈夫だ、安心してくれ」
まあ、聖ちゃんが大丈夫って言うなら大丈夫なんだろうけど…。
パワプロ「あのう…なんだか緑が広がってるんですけど…」
181 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 00:28:14.82 ID:QIpLcvE0 [1/8]
パワプロ「あ、あの聖ちゃん?」
聖「よし」
パワプロ「え?」
聖「上を見てくれ」
パワプロ「う、うん」
ドンッ ドンッ
パワプロ「うわぁ…花火!」
聖「私はよくここで父と一緒に見ていたんだ」
パワプロ「へぇ、すっごく見やすいいいところだね」
186 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 18:58:07.88 ID:QIpLcvE0 [2/8]
聖「すぅ…ふぅ…」
花火をじっくり見ている最中、聖ちゃんは大きく深呼吸をした。
聖「パワプロ先輩」
パワプロ「ん? なに?」
聖「パワプロ先輩に言いたいことがある」
パワプロ「うん。いいよ」
あれ? 俺、なんか悪いことしたかな?
187 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 19:06:59.73 ID:QIpLcvE0 [3/8]
聖「私は―――――」
聖「―――――パワプロ先輩のことが―――――」
聖「―――――好きだ」
パワプロ「…」
…。
…。
…え?
193 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 19:55:05.61 ID:QIpLcvE0 [4/8]
え? なんだこれ? ちょっと待って…。
予想を遥かに超える彼女のリンゴのように赤く染まった顔。
彼女の発言。
私はパワプロ先輩のことが好き―――。
パワプロ「聖ちゃんが俺のこと…好き?」
聖「…」
小さく頷く聖ちゃん。
うそ、うそ、うそだろ…!?
ほっぺたをつねってみる。どうやら違う。
え? 本当なの? 夢じゃないの?
194 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 20:10:34.32 ID:QIpLcvE0 [5/8]
聖「ど、どうしたんだ? 先輩、頬をつねって…」
パワプロ「!!」
聖ちゃんが近づいてきた。
さっきまで、嬉しいという気持ちだけ感じていたのに。
すっごく
恥ずかしくなってきた!
聖「パワプロ先輩…?」
俺に声をかける声すらも、愛しく思える。
なんだこれ!? なんだこれ!?
197 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 23:15:01.54 ID:QIpLcvE0 [6/8]
パワプロ「えーっと…聖ちゃん」
聖「…なんだ?」
パワプロ「…俺のこと、好きなの?」
聖「…」
顔を背けて、ゆっくり頷く聖ちゃん。
聖「何度も…確認しないでくれ」
聖ちゃんは自分の手を合わせてモジモジし始めた。
可愛い。しかし、なんだか、今の俺は、とても、恥ずかしくて、見ていられなかった。
俺のことが好きだなんて、いまだに信じられない。
聖「大会が始まる前に、決心をつけておきたかったんだ…パワプロ先輩」
パワプロ「は、はい!」
聖「私と、付き合って…ください」
198 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 23:30:38.62 ID:QIpLcvE0 [7/8]
パワプロ「俺みたいなので…いいの?」
聖「…先輩がいい」
パワプロ「嬉しいけど、他にもいい人はたくさんいるよ?」
正直、俺は、聖ちゃんのことを、高翌嶺の花だと思っているところがあった。
自分の人生の中ですこし幸せの時間があってもいい。そんな風に考えていたから。
そんな女の子が、俺にプロポーズしているのだ。
俺は、正直困惑している。
聖「むぅ…先輩は私がいやなのか?」
パワプロ「そんなことない! むしろ…というか、俺も、聖ちゃんのこと、好きだし…」
199 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 23:47:39.43 ID:QIpLcvE0 [8/8]
聖「なら、両思いなんだな」
パワプロ「…そ、そうだね」
聖「…本当に好きなのか?」
う、すっごい可愛らしいジト目…。
パワプロ「もちろん! 大好きだよ」
聖「なら、証拠を見せてもらえるか?」
パワプロ「へ…?」
聖「…」
目をつぶって、唇を前に差し出してくる聖ちゃん。
201 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 00:13:58.78 ID:oye7qYw0 [1/13]
パワプロ「…」
ここで決めるのが男だ。
周りは誰もいない。
もちろん、俺と聖ちゃんだけ。
恥ずかしさは無い。
彼女と俺だけの、空間。
花火はまだ、鳴り止まない。
202 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 00:18:47.75 ID:oye7qYw0 [2/13]
女の子をこんな風に、待たせちゃいけない。
俺は、すかさず行動に入った。
パワプロ「…」
聖「…」
聖ちゃんが俺の胸に飛び込んでくる。
パワプロ「ひ、聖ちゃん?」
聖「顔を、見られたくない」
パワプロ「え?」
聖「恥ずかしくて、死にそうだ…」
204 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 00:52:24.59 ID:oye7qYw0 [3/13]
パワプロ「う、うん…俺も今めちゃくちゃ恥ずかしい」
聖「…パワプロ先輩」
パワプロ「なに?」
聖「大好き…」
パワプロ「俺も…」
聖「…」グスッ
パワプロ「! 聖ちゃん!?」
聖「よかった…」
聖「嫌われてなくて、よかった…」
パワプロ「…聖ちゃん」
205 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 01:10:03.15 ID:oye7qYw0 [4/13]
パワプロ「俺さ、ずっと聖ちゃんは俺のこと、好きじゃないと思ってた」
聖「え…?」
パワプロ「なんか、なんて言うんだろ、きっと違う感情を持ってるんだろうなって、思ってたんだよ」
聖「そ、そんなこと…」
パワプロ「でも、これで安心した。今俺の胸には、聖ちゃんがいるんだもん」
ギュッ
パワプロ「こうやって、抱きしめれるし…さ」
聖「パワプロ先輩…」
207 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 12:55:20.29 ID:oye7qYw0 [5/13]
聖「…」
パワプロ「…」
この沈黙は…。
聖「…」
パワプロ「…」
…なんだ?
208 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 13:09:20.69 ID:oye7qYw0 [6/13]
パワプロ「聖ちゃん…」
聖「…なんだ?」
パワプロ「…花火、見ないの?」
聖「…いやだ」
パワプロ「…なんで?」
聖「離れたくない…から」
パワプロ「…そっか」
209 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 13:18:03.16 ID:oye7qYw0 [7/13]
俺達は、静かな時間を過ごした。
二人でいることの幸せを噛み締めて…。
そして…。
211 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 13:23:56.13 ID:oye7qYw0 [8/13]
パワプロ「ふぅ、今日からまた練習かぁ…」
昨日のことが嘘みたいに過ぎちゃったなぁ。
でも、これで、練習もしゃきっとできるぞ!
聖「先輩」
パワプロ「お、聖ちゃん、おはよう」
聖「うむ、おはよう」
パワプロ「これからまた、大会に向けて練習だね」
聖「そうだな」
聖「ふふ…」
パワプロ「? どうしたの?」
聖「パワプロ先輩と一緒に練習できることが、嬉しくてな」
パワプロ「…はは、俺だよ、聖ちゃん」
212 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 13:27:16.85 ID:oye7qYw0 [9/13]
>>211
ミスった
×パワプロ「…はは、俺だよ、聖ちゃん」
○パワプロ「…はは、俺もだよ、聖ちゃん」
214 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 21:55:18.05 ID:oye7qYw0 [10/13]
そして時は流れ…。
・ ・ ・
パワプロ「今日は七夕だ」
聖ちゃんと行く約束をしたんだよなー。
ワクワクが止まらないよぉ。
聖「パワプロ先輩っ」
パワプロ「あ、聖ちゃん」
聖「練習お疲れ様だ」
パワプロ「うん、お疲れー」
215 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:02:53.30 ID:oye7qYw0 [11/13]
聖「…先輩」
パワプロ「なに?」
聖「あとで、な」
パワプロ「うん」
パワプロ「じゃあいってきまーす」
帰って服をささっと着替えて出かける。本当に、彼女がいるんだなと実感できるなぁ。
パワプロ「ん…あれは?」
げっ、矢部君。ここで会ったら一緒に行くことになりそう。
俺と聖ちゃんが付き合ってることは誰にも言ってないから、矢部君にばれたら、全員にばらされるだろう。
パワプロ「…ふぅ、なんとかいなくなった」
こんな夜に一人でなんでブラブラしてるんだろう…。
216 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:05:58.71 ID:oye7qYw0 [12/13]
パワプロ「聖ちゃんっ」
聖「む、パワプロ先輩」
聖ちゃんがなぜか深くお辞儀した。
聖「こんばんわ」
ガクッ、挨拶したのか。
パワプロ「聖ちゃん、今日も着物似合ってるね」
聖「そういうパワプロ先輩こそ、ユニフォーム、似合ってるぞ」
いやあ、そう言ってくれるとうれしいなぁ。
217 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:16:24.07 ID:oye7qYw0 [13/13]
パワプロ「じゃあ行こうか」
聖「うむ」
聖「あっ、ちょっと待て」
パワプロ「?」
ギュッ
聖「それじゃあ、行こう」
パワプロ「…うん」
218 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 00:26:14.80 ID:mLpeOAA0 [1/27]
パワプロ「さて、何を書こうかな」
聖「パワプロ先輩、そこはもちろん」
パワプロ「?」
聖「甲子園優勝。だぞ」
パワプロ「うん。そうだね」
『甲子園、絶対優勝!』なんて、まだ甲子園に行ってないけどね。
聖「どうだ、パワプロ先輩?」
パワプロ「うん、書けたよ。聖ちゃんは?」
聖「む、まぁ、書けた」
きっと綺麗な字なんだろうな。
パワプロ「見せてー」
聖「だ、だめだ。見せられない」
パワプロ「え? なんで?」
聖「…は、早くつけるぞ」
パワプロ「? うん」
219 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 00:29:06.41 ID:mLpeOAA0 [2/27]
微妙に見えたけど…。結構普通だったけどな?
聖「! み、見るな!」
パワプロ「見てないよ」
聖「…む、そうか」
パワプロ「それじゃあ、帰ろっか」
聖「ちょっと、待ってくれ…」
パワプロ「?」
220 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 02:06:22.92 ID:mLpeOAA0 [3/27]
聖「公園に、寄らないか?」
パワプロ「公園? 別にいいけど」
到着。そのままベンチに一緒に座る。
聖「…」
パワプロ「…」
やばいよ、カップルがめちゃくちゃいちゃいちゃしてるよ?
そして俺はちゃって言いすぎだろ…。
パワプロ「あのー聖ちゃん。ここに来て一体何を?」
聖「…」
答えぬまま、体を預けてくる聖ちゃん。
ええええ!? なにこの展開!?
221 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 02:11:12.91 ID:mLpeOAA0 [4/27]
聖「パワプロ先輩…」
パワプロ「ひ、ひ、ひ、聖ちゃん!?」
聖「どうしたんだ? そんなに慌てて…」
なんでそんな甘い声を出すの!?
パワプロ「おかしいよ聖ちゃん! どうしたの?」
聖「私は変じゃないぞ? むしろパワプロ先輩の方が変だぞ?」
パワプロ「え…」
落ち着けば、きっと普通なんだろう。
いきなりこんなことになったから混乱しているんだ。
すーはー。深呼吸。
222 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 02:13:17.25 ID:mLpeOAA0 [5/27]
とりあえず状況確認!
俺と聖ちゃんがベンチに座っている。
周りはいちゃつくカップルばかり。
聖ちゃんは俺に体を預け、甘い声でささやいてくる(これが俗に言うささやき戦術!?)。
プラス、上目遣いな聖ちゃん。
つまり、これは。
俺は大人の階段を上っていいってことなのだろうか?
228 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 21:14:18.69 ID:mLpeOAA0 [6/27]
パワプロ「聖ちゃん」
聖「…」
パワプロ「優勝まで、待ってて」
聖「…」
パワプロ「優勝しよう。まずは、それからさ」
聖「…」
パワプロ「聖ちゃん?」
聖「…」
寝ちゃってる…?
…うわあ、めっちゃ恥ずかしいこと言っちゃったよ!
229 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 21:47:31.06 ID:mLpeOAA0 [7/27]
聖「…」
聖(パワプロ先輩…)
聖(先輩の言葉は…ちゃんと、聞いたぞ)
聖(私も同じ気持ちだ…)
パワプロ「聖ちゃん、起きて!」
聖「う…ん……」
パワプロ「いきなり寝ちゃうんだもん、びっくりしたなぁ」
230 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 21:53:50.26 ID:mLpeOAA0 [8/27]
聖ちゃんはあの言葉を、聞いていたんだろうか?
できれば、忘れていただきたいけど。
これから、夏が始まる。
二年生としての、最初で最後の、大会。
・ ・ ・
232 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:09:03.04 ID:mLpeOAA0 [9/27]
監督「えーお前ら、集まれ」
ザザッ
監督「最初は、パワフル高校だ。春の大会では勝ったが、今回は一味違う」
監督「東條…一年のサードの、東條小次郎」
監督「やつの攻撃翌力は、化け物級だ」
監督「練習試合での打率は、10試合で10割…」
矢部「10試合でやんすか!?」
監督「その中には、帝王も入っている」
監督「あの友沢からも、ホームランを打っている」
パワプロ「友沢!?」
まさか…あいつが…。
233 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:15:00.25 ID:mLpeOAA0 [10/27]
監督「それほど強敵だということだ」
監督「…」
全員「…」
監督「キャプテン、一言」
あおい「は、はい!」
あおい先輩は静かに前に出た。
あおい「みんな、ここまで、よく頑張った!」
あおい「みんなのおかげで、ボクがこうやって、くじけずにキャプテンとしてまとめてこれたと思う」
あおい「そんなみんなと一緒に試合ができることを、心からうれしいと思います!」
パワプロ「…あおい先輩」
あおい「今日の試合、頑張りましょう!!」
全員「おおー!!」
234 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:21:07.94 ID:mLpeOAA0 [11/27]
よし、頑張るぞ!
監督「えー今からメンバーを確認する」
え? 背番号はもう決めたのに?
1番 矢部 8
・
・
・
・
6番 六道 2
・
・
9番 早川 10
…あれ?
先発俺じゃないの?
235 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:24:11.10 ID:mLpeOAA0 [12/27]
監督「悪いな、パワプロ」
パワプロ「はい?」
監督「この試合、あいつに任せてやってくれないか?」
パワプロ「と、いうか、俺が先発で、後あおい先輩だと思ってましたよ」
監督「あいつの、プライドもあるんだ」
パワプロ「…そうですか。わかりました」
236 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:27:21.96 ID:mLpeOAA0 [13/27]
試合開始
聖「パワプロ先輩、見ててくれ」
パワプロ「うん、応援してるよ」
聖「あおい先輩を、きっちりと支えてみせる」
パワプロ「うん、期待してるよ」
聖「む、三者凡退のようだ、行ってくる」
パワプロ「うん、頑張って!」
237 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:31:43.57 ID:mLpeOAA0 [14/27]
あおい「すぅ…ふぅ…」
聖「…」
ビシュ パシッ
聖(うむ、球は走っている)
あおい「…うん、良い調子」
「しゃあ! こいっ!」
あおい「…」
ビシュ
キィン!
パワプロ「!!」
先頭打者…ホームラン?
238 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:35:32.11 ID:mLpeOAA0 [15/27]
「うわあ! 当たっちゃった!!」
「東條の言うとおりに振ったら本当に当たったー!!」
聖(東條…?)
あおい「…」
聖「あおい先輩! 気にするな! まだまだ始まったばかりだぞ!」
あおい「…」コクコク
239 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:40:36.34 ID:mLpeOAA0 [16/27]
しかし、このあとも、あおい先輩の調子に反比例して、次々とめった打ちされる。
さらに、走者一、二塁で、四番――――
―――東條。
東條「…」
聖「…」
聖(なんだ、こいつ…)
聖(体の緊張が、まったくない…)
あおい「…」
聖「…」パパパッ
あおい「…」フルフル
聖(む、ストレートは無しか)パパッ
あおい「…」フルフル
聖(初球、マリンボール? しかし、それは…)
あおい「…」コクコク
聖(だが、あのボールなら打たれることはない)
聖(相手も様子見のはず)
ビシュ
東條「…甘いな」
ギィン!
聖「!」
241 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:57:44.99 ID:mLpeOAA0 [17/27]
調子はとても良いのはわかる。甘い球は一球もなかった。
なのに、初球、マリンボールを3ランホームラン…。
あおい「…そんな」
聖(なんだ、こいつは…?)
聖(迷いもなく、振ってきた…)
パワプロ「まだだ、まだ行ける…! あおい先輩なら…」
監督「パワプロ」
パワプロ「はい?」
監督「投げてこい」
パワプロ「! 監督…」
監督「橘、パワプロと一緒に投げてこい」
みずき「…はい」
242 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 23:01:20.53 ID:mLpeOAA0 [18/27]
パワプロ「なんだよ監督、あおい先輩はまだ投げれるのに…」
みずき「それでも、仕方ないじゃない」
パワプロ「みずきちゃんもそんなこと言うのかよ!?」
みずき「私だって、信じたくないわよ…」
みずき「それでも、私たちができることは、今、準備万端で待ってることだけじゃないの?」
パワプロ「…そうだね」
パワプロ「よし、みずきちゃん、いくよ!」
みずき「本気で投げないでよね!」
244 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 23:09:09.01 ID:mLpeOAA0 [19/27]
この後を凡退で抑えたあおい先輩だったが、五回を抑えて、7失点。
こちらの得点は3点と、4点差。
パワプロ「7対4…このままじゃ…」
今のバッターは聖ちゃん。どうかヒットを打ってもらいたいところ。
キィン! ワァァ!
パワプロ「!! 聖ちゃんっ!」
二塁打っ! ナイスバッティング!
247 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 23:14:30.05 ID:mLpeOAA0 [21/27]
あっ! 聖ちゃんがこっちにガッツポーズを…!
ごめん! こんなときも可愛いとか思っちゃってごめん!
その後、あおい先輩のヒットで得点になるも、交代。
とりあえずこれで7対5! これからどんどん打って…
キィン
パワプロ「!!」
東條…また、ホームラン!?
248 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 23:16:42.91 ID:mLpeOAA0 [22/27]
あおい「…」ハァハァ
監督「…パワプロ」
パワプロ「…はい」
監督「行けるか?」
パワプロ「…はい!」
監督「よし、行ってこい」
パワプロ「はい!!!」
251 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 23:22:30.00 ID:mLpeOAA0 [24/27]
パワプロ「あおい先輩」
あおい「パワプロ君…はぁはぁ…」
パワプロ「お疲れ様です」
あおい「ごめんね…」
パワプロ「何言ってるんですか。ナイスピッチングです」
あおい「…はぁ、はぁ…」
パワプロ「こっから逆転するんで、見ててください」
あおい「うん…期待してる…」
パワプロ「ふぅ…またせたね、聖ちゃん」
聖「…すまない。あおい先輩を支えることができなかった」
パワプロ「大丈夫だよ。聖ちゃんのおかげで、これだけに抑えられたんだよ」
聖「む…ありがとう」
パワプロ「これから、一本も打たせない。いいかい?」
聖「うむ!」
255 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 23:49:56.65 ID:mLpeOAA0 [26/27]
ビシュ! バシンッ
ストライク! バッターアウト!
パワプロ「よっし!」
俺は東條の後ろを三者三振。
やったよ、あおい先輩!
パワプロ「あおい先輩!」
あおい「パワプロくん、ナイスピッチング!」
みずき「何よあんたっ、けっこう格好いいことするじゃない!」
パワプロ「へへ…!」
聖「パワプロ先輩…」
パワプロ「はい?」
聖「ちょっと来てほしい」
パワプロ「?」
256 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 23:58:22.94 ID:mLpeOAA0 [27/27]
パワプロ「聖ちゃん?」
聖「さっき、私はヒットを打った」
パワプロ「うん、凄かったよ。ナイスバッティング」
聖「…だから…その…」
パワプロ「?」
聖「頭を、撫でてくれないか…?」
すっごい可愛い。撫でる以上のことがしたくなるよ、まったく。
257 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:00:06.81 ID:hXXmVvU0 [1/48]
パワプロ「うん、よくできました」ナデナデ
聖「…む、ありがとう」
ああ、可愛い…! こんなこと普通言わないよ!
聖「次はもっと、頑張る」
パワプロ「うん! 頑張ってね!」
258 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:06:13.31 ID:hXXmVvU0 [2/48]
その後、俺はヒットを許さず、最後の9回。
相手の選手も疲れが出始め、ついに同点に追いつく!
聖「…」
走者一塁の場面で、バッター聖ちゃん。
聖ちゃんは可愛らしい目を閉じて大きく深呼吸。
そして、ゆっくりと目を開いた。
聖「―――――」
「…っ」
ビシュ
カィン!
ワァァァ!
パワプロ「うおお! スリーベース!」
凄いよ聖ちゃん! ここで嬉しい勝ち越し点!
…まさか、さっきの撫で撫でのおかげじゃないよね?
はは、そんな…。
259 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:12:35.66 ID:hXXmVvU0 [3/48]
ストライクバッターアウト!
時間は過ぎてすでに相手チーム最後の攻撃。
点数は聖ちゃんのおかげで7対8。
すでにツーアウト。
残るはあと一人。そう、そいつは、
東條。
パワプロ「…」
東條「…」
鋭い眼光。
シャープなスイング。
そこから生み出されるパワー。
こいつは、本物だ。
260 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:15:17.10 ID:hXXmVvU0 [4/48]
パワプロ「…」
ビシュ
ギィン
ファール!
パワプロ「…」
初球から、積極的に喰らいついてくる。
ビシュ バシィ
ボール!
入っていないボールには目も暮れず…。
261 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:21:56.46 ID:hXXmVvU0 [5/48]
ビシュ ギィン!
ファール!
東條「…」
聖(先輩、行くしかない。あれだ)
聖ちゃん…。
うん、ここで出しても、いいよね…。
行くぞ、聖ちゃんとたくさん練習した…。
ソニックライジング!
ビシュ ギュルルル
東條「…!」
バシィン!
ストライク! バッターアウト!
265 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:28:49.55 ID:hXXmVvU0 [6/48]
ゲームセット!
パワプロ「…! やったぁああ!!」
矢部「やったでやんすぅ!!」
東條「…っ」
パワプロ「東條、俺の勝ちだ!」
東條「ふん…」
思ったとおり、クールなやつだ…。
266 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:33:14.45 ID:hXXmVvU0 [7/48]
暢気に勝利を嬉しがっていた俺たちだったが、そのまま順調に勝ち進んだ。
この逆転勝利は俺たちにとって、あまりにも大きかった。
そして、なんと甲子園出場を勝ち取ったのだ!
あの帝王との試合も、なんのドラマもなく終わってしまったのは、少し不思議だったけど。
・ ・ ・
267 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:44:23.17 ID:hXXmVvU0 [8/48]
聖「…明日から、甲子園だな」
パワプロ「うん」
聖「これも、パワプロ先輩のおかげだ」
パワプロ「何言ってるの、聖ちゃん」
パワプロ「矢部君がいて、あおい先輩がいて、みずきちゃんがいて」
パワプロ「そして、聖ちゃんがいるから、ここまでこれたんじゃないか」
聖「…パワプロ先輩」
パワプロ「それに、俺は聖ちゃんの支えがなかったら、ここまで成長することは、できなかったと思うけどな?」
聖「…私は、先輩の役に立っているか?」
パワプロ「いてくれてよかった。本当に、いてくれて」ギュッ
聖「パワプロ先輩…」
270 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:59:24.16 ID:hXXmVvU0 [9/48]
俺達は、絶対負けない。
どんなことがあっても。
・ ・ ・
パワプロ「そんなこんなでもう甲子園決勝戦!」
矢部「えええ!? 早くないでやんすか!?」
パワプロ「気にすることないよ矢部君! さあ! 甲子園へ、いざゆかん!」
パワプロ「相手は西強高校…!」
矢部「サードの清本くんは天下一品の打撃センスを持っているでやんす!」
パワプロ「大丈夫さ矢部君! 俺がいる限り!」
矢部「これは大きく出たでやんすね~!」
271 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 01:05:01.63 ID:hXXmVvU0 [10/48]
大丈夫さ! 多分!
聖「…パワプロ先輩」
パワプロ「はい? なんでしょう?」
聖「肩、見せてみろ」
パワプロ「え、な、なんで?」
聖「いいから」
パワプロ「大丈夫だよ、聖ちゃん」
聖「…いいから」
パワプロ「うっ…わかったよ」
274 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 01:30:03.64 ID:hXXmVvU0 [11/48]
聖「…先輩、やっぱり…」
矢部「? どうしたんでやんす?」
パワプロ「! な、なんでもないよ! ね? 平気でしょ?」
聖「…」
矢部「なんだ、びっくりしたでやんすー」
パワプロ「…聖ちゃん、お願いだよ…最後まで投げさせてくれ」
聖「…いつからだ?」
パワプロ「…合宿」
聖「!! もう何ヶ月経ってると思ってるんだ!!」
「なんだなんだ、どうしたんだ?」
「六道がいきなり大声出したぞ?」
…! まずい、このままだと…。
パワプロ「ほ、ほらほら、聖ちゃん。そんな大声出さないでよ、みんなが慌ててるよ」
聖「肩が…壊れかけてる」
「!!」
パワプロ「ひ、聖ちゃん!!」
275 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 01:35:27.50 ID:hXXmVvU0 [12/48]
監督「…パワプロ、本当か?」
パワプロ「か、監督…」
監督「…悪いが、お前を出させるわけには行かなくなった」
パワプロ「そ、そんな…!」
監督「お前にはまだ、次回もある。きちんと治せば、まだチャンスがある」
パワプロ「でも…先輩たちとやれるのは…今回だけじゃないですか」
監督「…橘、いけるか?」
みずき「はい」
監督「よし、先発、橘!」
276 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 01:38:43.18 ID:hXXmVvU0 [13/48]
嘘だろ…。
最後の、最後で…。
やべ、涙が…。
聖「パワプロ先輩…」
パワプロ「…」フイッ
聖「…」
実況「さあ、まもなく、プレイボールです」
278 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 01:50:03.13 ID:hXXmVvU0 [14/48]
試合は俺抜きでどんどんと進む。
俺がどんなにアピールしようとも。
さらに、みずきちゃんの調子が抜群に良かった。
7回まで2失点。
西強は毎試合5回までに5点以上取った試合ばかりだったのに。
まあ、こんなに調子のいい選手を引きずり落としてまで、俺もマウンドに登るつもりはない。
いいピッチングに、いいリードだ。
279 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:12:09.70 ID:hXXmVvU0 [15/48]
と、言ってるこちらは3点リード。
今回は凄く有利に進めている。
みずきちゃんの2失点はすべて、清本が絡んでいるものだ。
清本以外には、大した当たりを打たれていないので、今回は出来過ぎと言っていいほど、調子がいいみたい。
みずきちゃんもノビノビできてるみたいだし。
フォアボール
ありゃ? 凄いコントロールのみずきちゃんが初の四球だ。
みずき「ふぅ…」
ここで清本か…。どうか、打たれませんように!
みずき「…」
ビシュ シュルルルルン
出た! クレッセントムーン!
清本「むぅ!」
ガギッ
ファール
大丈夫。この程度ならみずきちゃんに抑えられないことはない。
それにしても、聖ちゃんはすごいなぁ。ここまでクレッセントムーンに全然頼ってない。
ビシュ シュルルルン
清本「!!」
ガギィィィィン!
パワプロ「!」
280 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:13:36.53 ID:hXXmVvU0 [16/48]
>>279
ミスった。
×と、言ってるこちらは3点リード。
○と、言ってるこちらは3点で1点リード。
281 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:17:34.12 ID:hXXmVvU0 [17/48]
パワプロ「場外…2ラン!?」
実況「ここで試合を大きくひっくり返したー!」
パワプロ「…みずきちゃん」
そのあとも、みずきちゃんは調子が奮わず、さらに1点取られるのである。
9回、西強5点-こちら3点。
とにかく、塁に出ないといけない場面で、バッターは5番。
監督「バッター交代、早川」
あおい「え、こ、交代!? ボク!?」
監督「お前以外に早川はいない、行ってこい」
あおい「…はい!」
282 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:23:19.49 ID:hXXmVvU0 [18/48]
ビシュ
キィン!
おお、あおい先輩ヒット!
やっぱりこの人は、度胸あるなぁ!
そして6番、聖ちゃん。
「女が続くなぁ」
聖「関係ない。―――――来い」
ビシュ キィン!
うおお! これで二連打!
次は手堅くバント。
ワンアウト 二,三塁。
そして、8番、ザコ沢。
ザコ沢…打ってくれ!
監督「パワプロ」
パワプロ「はい?」
監督「代打だ。行け」
285 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:32:04.71 ID:hXXmVvU0 [19/48]
>>283
13ではまだマリーンズからキャットハンズに行く直前くらいだから20代前半。ここで東條世代初お目見え。
14で東條世代が同い年に、しかし、なぜか聖ちゃんだけ年上に。
みずきたちが30前半くらいで、猪狩さんは40近くでいまだに現役。よってあおいちゃんも40近く。
15は猪狩、友沢世代たちの存在が抹消。東條世代に完全移行やっぱり聖ちゃんの年が意味不明。
287 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:34:40.79 ID:hXXmVvU0 [20/48]
パワプロ「…はい!」
バッターザコ沢君に代わりまして、パワプロ君。背番号、1
清本「ふむ、やっとエースの登場か」
パワプロ「…」
清本(貴様の攻撃、見せてもらうぞ)
「行くぜっ!」
ビシュ ビシンッ
ストライク!
パワプロ「…」
288 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:37:49.70 ID:hXXmVvU0 [21/48]
速い…。
ビシュッ! バシンッ!
ストライクツー!
パワプロ「…」
聖「パワプロ先輩…」
パワプロ「…」パチッ
聖「///」(試合中に…ウィンクなんて…!)
「これで…終わりだー!」
ビシュ
キィィィィィィィィィン!!
ドワァァァァァァァァァァァァァァ!!!
実況「伸びたー! 伸びていったー!! 入った、入ったー! ホームラーン!!!」
290 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:41:30.96 ID:hXXmVvU0 [22/48]
>>289
10から11行くときにすでに狂っちゃったんだよな。
さらに12で狂った。
291 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:44:10.38 ID:hXXmVvU0 [23/48]
矢部「や、やったでやんすー!!」
みずき「これで6対5! 私たちが一点リード!」
監督「さすがだ…パワプロ!」
聖「パワプロ先輩!」ギュッ
パワプロ「うわっと、聖ちゃん。まだ最終回残ってるから、それまで…ね?」
聖「…うむ」
みずき「まだ私とか残ってるんですけど…」
バシン
ストライクバッターアウト!
矢部「オイラもいるでやんすよ~!」
バシン
ストライクバッターアウト!
チェンジ!!
292 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:49:30.04 ID:hXXmVvU0 [24/48]
監督「パワプロ」
パワプロ「はい」
監督「お前はピッチャーに入れ。橘はファースト、早川はレフトだ」
あおい・みずき「はい!」
聖「監督! でも…」
監督「六道…男には譲れないものがあるんだ」
聖「…」
監督「お前も、六道に何か言うことがあるんじゃないのか?」
パワプロ「聖ちゃん…」
パワプロ「最初で最後のわがままだ…お願い!」
聖「…わかった。でも、肩がどうしても、ダメだと判断したら、即交代だ。いいな?」
パワプロ「うん…」
293 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:58:38.05 ID:hXXmVvU0 [25/48]
ビシュッ
ズキッ
くぅ…、やっぱり…。
バッター1番、矢倍くん
矢倍「打たせてもらうよ!」
パワプロ「…へっ…」
ビシュ
矢倍「早速甘い球ー!」
キィン!
パワプロ「ちくしょっ!」
走者一塁。
パワプロ「どぅおりやぁ!!」
295 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:05:59.15 ID:hXXmVvU0 [26/48]
>>294
14はプロ。
13→14行くと必然的に後輩がいきなり先輩or同級生になるww
14,15は全部パラレル。
多分、
9→8or10
13→11→12だと思われる。
12は確かまだ猪狩さん引退してないはず。
297 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:11:03.43 ID:hXXmVvU0 [27/48]
俺は決死の思いで、ツーアウトまで迫る。
清本「…やはり、戦うことになったか」
パワプロ「清本…」
清本「…」
ビシュッ
ギィィィン!
ファール!
な、なんつー球だ…。
ビシュッ
ギィィィィン!
ファール!
スイングが目で追えないくらいだ…。どうなってやがる。
清本「来い」
パワプロ「?」
清本「ソニックライジング、投げてみよ」
298 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:12:07.20 ID:hXXmVvU0 [28/48]
パワプロ「…!」
でも、ソニックライジングは…!
もう、肩も限界だ…。俺に投げる力は残ってるか?
聖「…?」
聖ちゃんごめん。でもこれで…終わりなんだ。この一球が入れば、優勝なんだ!
パワプロ「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ビシュッ ギュルルルルルン!
清本「待っていた! この球だ! 俺が求めている球はこれなんだー!!」
ドカーン!
パワプロ「うぐっ!」
清本「ぬおおおおお!」
ブゥン
バシィン!
聖「…!」
ストライク! バッターアウト!
ゲームセット!!
303 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:23:59.95 ID:hXXmVvU0 [29/48]
聖「パワプロ先輩!!」タタタッ
パワプロ「やったぁ! 聖ちゃん!」ギュッ
聖「うむ! 先輩は最高の先輩だ!」
なんとか、ばれてないみたいだ。
矢部「やったでやんすー!!!」
パワプロ「やったね! 矢部君!」
校歌斉唱
~♪ ~♪
そして、俺達は優勝した。
肩の爆弾は爆発して、俺は何も言わず、野球部を去った。
304 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:31:14.58 ID:hXXmVvU0 [30/48]
11月のある日のことである。
矢部「パワプロくん!」
パワプロ「矢部くん」
矢部「…あおい先輩、プロ入りでやんす!」
パワプロ「へえ、すごいね」
矢部「パワプロくん…なんで野球やらないんでやんすか?」
パワプロ「んー…」
パワプロ「なんかさ、やりたいこと全部、やっちゃったんだよね」
聖「嘘だ!」
パワプロ「…聖ちゃん」
聖「どうしてしまったんだ? パワプロ先輩…? なぜ、あのあとすぐに野球部を辞めた?」
パワプロ「ふっ…さっき言ったとおりだよ。俺のやりたいことは終わった。それだけ」
聖「嘘だ! パワプロ先輩は、そんな人じゃない!」
聖ちゃん…。
聖「私がいやなのか!? 私の何がいやだったのだ!?」
そんな顔、しないでよ。
305 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:37:03.66 ID:hXXmVvU0 [31/48]
俺は、何も言わずに立ち去ることしかできない。
俺だって、ちゃんと体は鍛えてる。
いつだって戻れるなら戻りたい。
でも、肩がこんな調子じゃあ…。
?「オヤ? ナニカオコマリノヨウデスネ~」
パワプロ「…! あなたは…!」
?「ワタシニデキルナラナンデモシテアゲマスヨー?」
~END~
307 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:39:01.29 ID:hXXmVvU0 [32/48]
これを見て、パワプロを知らない人にも、パワプロの素晴らしさを知ってもらうために書いていたSSだったはずなのに、知らぬ間に自分の自己満足になっていることに気づきませんでした。
ここまで、読んでいただけてありがとうございました。
規制が解けたら、あおいSSかみずきSSを書きたいと思います。
質問等がございましたら、どうぞ。
311 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:45:50.86 ID:hXXmVvU0 [33/48]
>>308
ここが俺の限界だww
>>309
それやるとあおいちゃんいなくなって悲しいからやらねっ
みずきとあおいは試合描写無しで行きたいと思ってる。
つかさ、本当に規制とかなんなんだよ…。
312 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:47:33.57 ID:hXXmVvU0 [34/48]
>>310
じゃあ、あとで書くよ。
でも、本当に短いから、期待してるうちに終わるぜ?ww
今は眠いからダメだ…。
質問あったら書いといてくれ。今日中には返す。
それじゃあ本当に、見てくれてありがとう。
そして、おやすみ!
322 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 11:13:07.67 ID:hXXmVvU0 [35/48]
>>313
>>316-319
ありがとうございます!
>>314
あまり期待しないでよねっ
>>320
規制が解けるのが4月上旬なんで、少々お待ちを。
>>321
ありがとうございます!
たくさん買ってプレイしてやってくださいww
323 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 11:25:51.86 ID:hXXmVvU0 [36/48]
今日夜あたりに書こうと思います。
それでは~
326 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 20:20:07.59 ID:hXXmVvU0 [37/48]
パワプロ「うう…緊張するなぁ」
まさか、また爆弾が治るとは思ってなかったからなぁ…。
甲子園優勝してからは、聖ちゃんとろくに会ってない。
昨日だって、すごい久しぶりに話をした。
パワプロ「…おお、やってるやってる」
キャプテンは、決まったのかな?
みずきちゃんかな? もしかして矢部君かな…?
327 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 20:41:08.80 ID:hXXmVvU0 [38/48]
矢部「む…あれは…」
パワプロ「や、やっほー矢部君」
矢部「パワプロくん!! 一体どうしたんでやんすか!?」
パワプロ「はは…本当に、迷惑かけてごめんね」
矢部「ふん! 誰も君なんか待ってなかったでやんす!」
はは、厳しいな…。
矢部「でも、素直に帰ってきてホッとしたでやんす。みんな君の帰りを待っていたでやんすよ」
パワプロ「矢部君…!」
聖「どうした矢部先輩、そんなところで突っ立って…。!!」
パワプロ「あ、聖ちゃん」
聖「…」ススッ
パワプロ「あっ…」
矢部「ありゃりゃ、行っちゃったでやんすね」
みずき「やっほー…って、パワプロくんじゃない!」
パワプロ「あ、どうも、みずきちゃん」
みずき「な、何よその気持ち悪いキャラは…」
328 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 20:47:30.46 ID:hXXmVvU0 [39/48]
パワプロ「いやあ、調子に乗ってると思われたくないからさ…」
みずき「別に、いいわよそんなこと」
パワプロ「え?」
みずき「あんたが理由もなく来ないなんておかしいもの」
パワプロ「そ、そうかな?」
みずき「それより私は、聖のこと、どうにかしたほうがいいと思うけど?」
パワプロ「…うん、ありがとう」ダッ
みずき「…」
矢部「なんだか悲しい顔してるでやんすねー」
みずき「! うっさいメガネ!」
329 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 21:43:46.47 ID:hXXmVvU0 [40/48]
パワプロ「聖ちゃん!」
聖「…」
パワプロ「聖ちゃん…その…」
聖「なんで戻ってきたんだ?」
パワプロ「…え?」
聖「先輩は、もうやり残したことは、ないのだろう?」
パワプロ「…聖ちゃん」
聖「なぜ、今頃戻ってきたんだ…」
パワプロ「…それは…」
330 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 21:47:33.94 ID:hXXmVvU0 [41/48]
パワプロ「…」
聖「先輩と、これからもっともっと、野球が出来る、私は嬉しくて仕方がなかった」
聖「なのにその気持ちを踏みにじられて…私がどれだけ苦しんだか、わかるのか?」
パワプロ「俺だって、聖ちゃんともっと野球がしたい! だから、戻ってきたんだ」
聖「…もう、理由なんて聞きたくない」
パワプロ「聖ちゃん…」
聖「今日はもう、先に帰らせてもらう。明日からはちゃんと練習に参加してくれ」
パワプロ「…実は、甲子園決勝での、最後の一球で…肩が爆発したんだ」
聖「…え!?」
331 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 21:56:07.56 ID:hXXmVvU0 [42/48]
パワプロ「ごめん、言おうと思ってたんだけど…」
聖「そ、そんな…」
パワプロ「で、でも、安心して! 今は、平気だから」
聖「…ごめんなさい…」
パワプロ「いや、聖ちゃんが謝るところは何もないよ」
聖「…それでも、私がすぐにでも、気づいていれば…」
パワプロ「俺が何も言わなかったのも原因だから、泣かないでよ…」
聖「パワプロせんぱーい!!」ギュッ
パワプロ「うわあ! 聖ちゃんっ!?」
332 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 22:01:46.20 ID:hXXmVvU0 [43/48]
聖「さみしかった! 先輩と一緒にいれなくてさみしかった!」
パワプロ「ひ、聖ちゃん…」
聖「もう、一生離れたくない! パワプロ先輩、大好きだ!」
パワプロ「俺もだよ、聖ちゃん…」
矢部「な、なんと…二人はお付き合いしてるんでやんすか!?」
みずき「どうやらそのようね…」
矢部「そ、そんな…でやんす…」
みずき「ほら、邪魔になったら悪いから、帰るわよ」
矢部「え? どこにでやんす?」
みずき「練習に!」
333 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 22:12:36.75 ID:hXXmVvU0 [44/48]
こうして、俺は野球部に戻ることが出来た。
だけど、きっと、これから俺を待ち受けるのはブランクだろう。
肩の筋肉は恐ろしく弱くなっている…と、思ったら博士のおかげで凄く強くなってる気が…。
聖「ぱ、パワプロ先輩! 一体その球威はなんだ!?」
聖ちゃんも驚いてるし…。
どうやら、ダイジョーブ博士は凄い博士みたいだ。
博士のこと、一生忘れません!
335 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 22:45:39.95 ID:hXXmVvU0 [45/48]
そして…。
今日はクリスマス…。
聖ちゃんと過ごす、うれしはずかし超大イベント!
パワプロ「いってきまーす」
七夕の時よりテンションがあがる。そりゃそうだ。大会のことは、少しの間忘れられるから。
クリスマスツリーの下で待ち合わせだけど…。
パワプロ「あれ? 今日は着物じゃないのかな?」
寒そうなミニスカートと可愛らしい手袋。首にはマフラーをつけている聖ちゃんがいた。
今日もてっきり着物だと思ってたけど…どうしたんだろ…?
それより、太ももがたまりません!!
336 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 22:50:24.79 ID:hXXmVvU0 [46/48]
あれが俗に言う、絶対領域か…。
ささやき戦術といい、聖ちゃんは地味にエロいなぁ…。
パワプロ「やっほ、聖ちゃん」
聖「む、パワプロ先輩…」
パワプロ「聖ちゃん、今日は着物じゃないんだね」
聖「さすがにクリスマスだからな…」
聖(今日のためにみずきと一緒に服を買いにいったんだ…)
聖「に、似合ってる…か?」
パワプロ「うん、すっごく。可愛いよ」
聖「む…そうか…」
337 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 23:01:04.93 ID:hXXmVvU0 [47/48]
パワプロ「さて、いこっか」
聖「うむ…」
パワプロ「腕、組んでくれる?」
聖「な、なー!」
パワプロ「はは! 顔真っ赤だよー!」
聖「こ、これはパワプロ先輩が…!」
パワプロ「はは!」タタタッ
聖「お、置いて行くな! 先輩っ」
338 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 23:10:11.22 ID:hXXmVvU0 [48/48]
パワプロ「ははっ! 追いかけてごらーん!」
聖「むむぅ! 私が足の遅いことを知っているくせに!」
パワプロ「えー? そうだっけー!?」
聖「それに、今日はミニスカなんだ! 走るに走れない!」
そ、そういえばそうだった! 聖ちゃんの可愛らしいおパンツが他人に見せるなんてことはしたくな…。
パワプロ「うわっと…」
聖「ふふ…捕まえたぞ、パワプロ先輩」
後ろから力強く抱きしめてくる聖ちゃん。
聖「…あ」
そしてすこしの間、10秒くらい、そのままだった。
聖「す、すまん…」
やばいよ、死にそうだよ…悶えて死にそうだよ!!
339 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/29(月) 00:14:40.88 ID:TXOJQvE0 [1/9]
パワプロ「…な、なんか冷えてきたね!」
聖「そ、そうだな!」
パワプロ「…」
聖「…」
自分で顔が赤くなっているのがわかる。聖ちゃんも真っ赤だ…。
パワプロ「…どこ、いこっか?」
聖「…うーむ…」
聖ちゃんはすこし考えているようなポーズをとると、すぐに閃いたのか、ポンと手を叩いた。
聖「公園に行こう」
聖ちゃんはニッコリと微笑んで、そう言った。
340 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/29(月) 00:18:45.28 ID:TXOJQvE0 [2/9]
時計の針が、ちょうど10時を指したころ。
俺と聖ちゃんはベンチにいた。
少し前来た時と、同じベンチ。
パワプロ「寒くない?」
聖「平気だ…クシュンッ」
パワプロ「風邪引くと大変だよ。ほら」
俺は、聖ちゃんの近くに寄る。
聖「…パワプロ先輩…あったかいぞ…」
パワプロ「…よかった」
341 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/29(月) 00:24:09.72 ID:TXOJQvE0 [3/9]
聖「パワプロ先輩…」
パワプロ「なに?」
聖「前…この公園でした約束、覚えてるか?」
パワプロ「……」
…な、なにそれ? え、よ、よく覚えてないんだけど…。
聖「…む、その顔は…」
パワプロ「い、いやあ!? ひ、聖ちゃん寝てたから…そ、その話は無しだと思ってたんだけど…!?」
聖「む…私はちゃんと、聞いていたぞ。先輩が寝たと思っていただけだろう?」
そ、そうだったのか…。
聖「それとも…私じゃダメか?」
パワプロ「そ、そういうわけじゃないけど…って聖ちゃんおもむろ服を脱ぐのをやめて!!」
聖「…なぜだ?」
パワプロ「そ、外は冷えてるよ!? そ、それに…むむぅ!?」
いきなり聖ちゃんがキスを…!
聖「うるさい唇は、塞ぐだけだ」
だんだん聖ちゃんが止められなくなってきたんですけど…!?
342 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/29(月) 00:27:40.38 ID:TXOJQvE0 [4/9]
パワプロ「わかった…」
聖「む…」
パワプロ「そこまで言うんだったら、聖ちゃんとの、約束、果たすよ」
聖「…」
パワプロ「…聖ちゃん…」
聖「…パワプロ先輩…」
俺達は、このクリスマスのことを忘れないだろう。
俺と聖ちゃんの、クリスマス。
聖ちゃん、メリークリスマス。
E N D
364 名前: ◆9tlnVlyBBc[sageh] 投稿日:2010/04/01(木) 01:58:58.17 ID:ft3HIPc0 [1/7]
パワプロ「ねえ、聖ちゃん」
聖「む、なんだ、パワプロ先輩」
パワプロ「あのさ…」
聖「? 改まってどうしたんだ?」
パワプロ「…別れてくれないかな?」
聖「」
365 名前: ◆9tlnVlyBBc[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 02:00:23.68 ID:ft3HIPc0 [2/7]
聖「…え?」
パワプロ「ほら、そろそろ野球に専念したいというか…」
聖「…」
パワプロ「だから、さ」
聖「…」ダッ
パワプロ「ひ、聖ちゃん!?」
366 名前: ◆9tlnVlyBBc[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 02:02:51.22 ID:ft3HIPc0 [3/7]
聖「うぅ…」
聖「先輩はもう、私を愛していないのか?」
聖「…」ポロポロ
聖「な、何を泣いているんだ…」
聖「先輩が決めたことなんだ。私が抗うなんて、できない…」
聖「でも…このままでは私が…野球…できない…」
367 名前: ◆9tlnVlyBBc[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 02:06:01.24 ID:ft3HIPc0 [4/7]
パワプロ「ひ、聖ちゃん!」
聖「!」
パワプロ「うわわ! 逃げないでよ!」
聖「も、もう私に近づかないでくれ! …悲しく、なるから…」ポロポロ
パワプロ「聖ちゃん…」
聖「だから…もう…」
パワプロ「なーんて! 今日は何日か知ってる?」
聖「え? 今日…?」
パワプロ「うん」
聖「今日は…四月一日…。!!!」
パワプロ「全部、嘘だよ。聖ちゃんと別れたいなんて、これっぽっちも思ってないよ」
368 名前: ◆9tlnVlyBBc[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 02:09:54.23 ID:ft3HIPc0 [5/7]
聖「むむうぅ…」
パワプロ「ごめんごめん。でも、嬉しかったよ。聖ちゃんがそこまで俺のこと、好きだってわかったし」
聖「…パワプロ先輩なんてだいっきらいだ! バカバカ!」ポコポコ
パワプロ「あはは、痛い痛い!」
聖「嫌いだ! 絶交だ!」
パワプロ「えー…悪かったよー」
聖「ふん…」
パワプロ「ありゃりゃ…機嫌損ねちゃったかな…?」
聖「…パワプロ先輩」
パワプロ「ん?」
チュッ
パワプロ「!」
聖「嫌いも…絶交も嘘だ…。…大好き」
パワプロ「聖ちゃん…」
369 名前: ◆9tlnVlyBBc[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 02:11:26.72 ID:ft3HIPc0 [6/7]
パワプロ「それじゃあ、聖ちゃん」
聖「む? なんだ?」
パワプロ「公園で、キャッチボールでもどう?」
聖「うむ、お相手させていただこう」
パワプロ「そうこなくっちゃ。じゃあ、いこっか」
聖「うむ」
-END-
370 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/01(木) 02:12:13.24 ID:ft3HIPc0 [7/7]
エイプリルフールだから勢いで書いた。
後悔はしていない。
そしてもう終わった話なので誰も見ていなくても気にしない。
392 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 14:57:34.41 ID:ofkTqc.0 [3/18]
11月
矢部「あおい先輩おめでとうでやんすー!」
みずき「ロッテかー。私も先輩の後を追って、ロッテに行きたいな~」
あおい「はは、ありがとう、みんな」
あおい「でも、これはボクの実力じゃないよ」
みずき「え?」
あおい「ボクを支えてくれたみんなが、ボクをプロにしたんだよ」
みずき「…」
あおい「…それに…一番支えになってくれた…」
聖「む?」
あおい「あ…な、なんでもないよ、気にしないで!」
393 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:00:22.93 ID:ofkTqc.0 [4/18]
あおい(パワプロくん…)
聖「どうしたんだ? あおい先輩」
あおい「あ、ひ、聖ちゃん…」
聖「プロになるんだ。みんなにそんな寂しい顔をしたら、ダメだぞ」
あおい「う、うん。そうだよね。ごめんごめん…」
聖「…」
394 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:10:35.97 ID:ofkTqc.0 [5/18]
聖「パワプロ…先輩か?」
あおい「ふぇ!? な、何が!?」
聖「あおい先輩を、一番支えてくれた人…というのは」
あおい「…」
聖「…」
あおい「パワプロくんはさ…この野球部で一番がんばってくれたんだ」
あおい「ボクのために練習法を考えてくれたり、いろんなアイデアを出してくれたり…」
あおい「元気付けてくれたり、一緒に練習してくれたり…」
聖「…パワプロ先輩は、いろんな人に、優しいんだな…」
あおい「え?」
聖「な、なんでもないぞ」
あおい「…でも、パワプロくんは、もう、いないから…」
聖「…」
395 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:14:35.79 ID:ofkTqc.0 [6/18]
あおい「ボクが…いけなかったのかな?」
聖「え?」
あおい「パワプロくんが辞めたのは…」
聖「あ、あおい先輩は何も悪くないぞ! 悪いのは…」
聖(私…なのかもしれない)
聖(でも、何が悪かったんだ? …先輩に、負担を与えてしまったのか…?)
396 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:18:09.18 ID:ofkTqc.0 [7/18]
矢部「あ、あれは…!」
みずき「ん? どうしたのよメガネ」
矢部「パワプロ君でやんす!」ダッ
あおい「え…!?」
聖「な、なに!」ダッ
あおい「…」
聖「あおい先輩、行かないのか!?」
あおい「…い、いいよ…」
聖「…そうか…」ダッ
>>304につづく
397 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:24:43.46 ID:ofkTqc.0 [8/18]
3月
結局俺は、あおい先輩にプロ入りおめでとうと、言っていなかった。
というか部活引退式の時に、俺をキャプテンにしてくれてたなんて思いもよらなかった…。
今日はあおい先輩プロ入り&卒業記念パーティをするので、そこで言おうと思っている。
「卒業生、退場」
あおい「…」
あ、あおい先輩だ。
泣いてはいないみたいだけど、元気無さそうだなぁ…。
というか、久しぶりに制服見たなぁ。可愛い。
聖「…パワプロ先輩、何を見ているんだ?」
パワプロ「ご、ごめん聖ちゃん」
398 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:26:16.43 ID:ofkTqc.0 [9/18]
みずき「パワプロくん」
パワプロ「ん? 何?」
みずき「あおい先輩のところ行くわよ」
パワプロ「え、ぱ、パーティあるからその時でいいんじゃ…」
みずき「それじゃあ遅いのよ、行くわよ」
パワプロ「りょ、了解…」
正直、会いたくない。
久しぶりで、恥ずかしいからだ。
399 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:31:39.09 ID:ofkTqc.0 [10/18]
あおい先輩は、3年生の唯一の野球部員である。
だからこそ、頼りになる人だし、おもしろい人だった。
たまに見せる女の子らしいところもあって、可愛い先輩だった。
みずき「あお~いせーんぱい!」
あおい「うわわっ、みずき」
みずき「卒業おめでとうございます!」
あおい「うん、ありがとう」
パワプロ「…」
あおい「あ…」
やれやれ、こうなると思ったんだよ。
この沈黙に俺は耐えられない。死にそうだ。
パワプロ「そ、卒業おめでとうございます」
あおい「あ、ありがとう…」
パワプロ「…」
あおい「…」
な、何を話せばいいんだ!?
パワプロ「プロに、言っても、がんばってください」
あおい「う、うん」
400 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:35:05.68 ID:ofkTqc.0 [11/18]
気まずさに俺は今でも逃げたくて仕方がない。
パワプロ「…」
あおい「ぱ、パワプロくん!」
パワプロ「は、はい?」
あおい「ちょっと、話があるから、来て…くれる?」
パワプロ「わ、わかりました」
怒られるのかな?
あおい「…」
パワプロ「な、なんか俺、悪いことしちゃいましたかね?」
あおい「パワプロくん」
パワプロ「はい」
あおい「…ずっと、前から好きでした…」
パワプロ「」
え? 今、なんか好きって言葉が…。
402 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:42:00.94 ID:ofkTqc.0 [12/18]
あおい「ぼ、ボクにいろいろと教えてくれたり、支えてくれたりしてくれて…とっても嬉しかった」
あおい「最初は優しい後輩って、思ってたけど…」
あおい「いつのまにか、胸がドキドキして、早く会いたくなる気持ちが大きくなってきて…」
あおい「パワプロくんが、引退式にいなかった時は…すっごく悲しかった…」
パワプロ「…あおい先輩」
あおい「ご、ごめんね、いきなりこんなこと言っちゃって…」
あおい「でも、これが今のボクの気持ち…」
パワプロ「あおい先輩…」
403 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:48:56.40 ID:ofkTqc.0 [13/18]
パワプロ「ごめん…なさい」
あおい「…」
パワプロ「…先輩が俺のこと好きなのは、とても嬉しいです」
パワプロ「俺も、あおい先輩のこと、すっごく優しくて、とっても可愛らしい先輩で、大好きです」
あおい「…」
パワプロ「でも、俺には、心に決めた人がいるんです」
パワプロ「この気持ちが変わることは、ありません」
あおい「…そっか、そうだよね」
パワプロ「…」
あおい「うん、わかった、答えが聞けて、嬉しかった」
パワプロ「あおい先輩…」
あおい「そ、それじゃあ、いいよ、帰って…」
あおい先輩は、クルリとこちらに背中を向けた。
小刻みに、体が震えている…。
404 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:52:33.57 ID:ofkTqc.0 [14/18]
矢部「な、なんでパワプロくん断ったんでやんすか!? オイラだったら即オーケーでやんす!」
みずき「あんたになんか告白なんて誰もしないわよ、ね、聖」
聖「む…な、なぜ私まで…」
みずき「いいじゃない、減るもんじゃないし」
聖(でも、見られるのは恥ずかしいだろう…)
パワプロ「あおい先輩?」
あおい「ど、どうしたの…? は、早く帰りなよ」
こんな先輩、初めてみた。
…。
ごめん、聖ちゃん。今回は見逃してくれ!
ギュッ
あおい「…! ぱ、パワプロくん…」
パワプロ「あおい先輩…泣かないでください…」
あおい「や、やめてよパワプロくん…そんなことしちゃ…」
矢部「わおっ!?」
みずき「あらら…」
聖「なー!!」
405 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 16:00:09.07 ID:ofkTqc.0 [15/18]
・ ・ ・
パワプロ「ただいまー」
矢部「な、何の話だったんでやんす?」
パワプロ「ああ、いやあ、いろいろと…」
あおい「…」
みずき「あれぇ? あおい先輩、顔真っ赤ですよ?」
あおい「え!? こ、これは日焼けだよっ!」
みずき「ふぅん…」ニヤニヤ
406 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 16:02:42.07 ID:ofkTqc.0 [16/18]
・ ・ ・
パワプロ「聖ちゃん、呼び出してどうしたの?」
聖「パワプロ先輩…あれはどういうことだ?」
パワプロ「え? あ、あれって…!?」
聖「彼女以外の人に抱きつくとは、許さないぞ!」
パワプロ「み、見てたの!?」
聖「うるさーい! 問答無用っ!」ポカポカ
パワプロ「ごめんごめん! いたたっ!」
あおい「…ふふっ…聖ちゃんかぁ」
あおい「お幸せに、パワプロ君、聖ちゃん」
パワプロ「痛いよ! 音と全然違う痛みだよ!」
聖「むむぅ、私の心はズタズタだぁ!」ポコポコ
~END~
407 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 16:03:50.46 ID:ofkTqc.0 [17/18]
おしまい。
今日の夜くらいに、あおいSSを立てようと思います。
とりあえずここに告知もしますので、お楽しみに~。
…見てくれる人いるんだろうか? ドキドキ
パワプロ「え? ほかにあるのかい?」
矢部「オイラだったら…そうでやんすねぇ、一緒に帰りたいでやんす!」
パワプロ「それもいいけどさ、聖ちゃんって練習中みずきちゃんといっつも一緒でしょ? だから俺の相手してくれないんだよ」
矢部「仕方ないでやんすよ、それは」
パワプロ「うん、最近あきらめ始めてるよ」
矢部「何を言ってるんでやんすかパワプロくん!」
パワプロ「うわっ、びっくりした」
矢部「諦めたらそこで試合終了でやんすよ! もっと頑張るでやんす!」
パワプロ「う、うん。頑張ってみるよ」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:35:56.32 ID:psmavRbq0
パワプロ「ひ、聖ちゃん」
聖「む、パワプロ先輩か。どうしたんだ?」
パワプロ「キャッチボール一緒にしない?」
聖「かまわないぞ」
パワプロ「…今何してるの?」
聖「ストレッチだ。パワプロ先輩、押してくれないか?」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:40:09.95 ID:psmavRbq0
パワプロ「え!? 俺?」
聖「ああ、いやならいいんだぞ。みずきに頼むから」
ここでみずきちゃんが来たら、キャッチボールはパァになる!
パワプロ「イヤじゃない。むしろさせてください!」
聖「そ、そうか。じゃあ、頼んだぞ」
モミッ
パワプロ「あっ」
聖「…ゆっくり押すだけでいいぞ」
パワプロ「ご、ごめん」
パワプロの弾道が上がった。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:43:11.10 ID:psmavRbq0
パワプロ「聖ちゃん、俺みたいな男が体触っても大丈夫なの?」
聖「む? なぜだ?」
パワプロ「ほら、聖ちゃん可愛いし」
聖「なっ///! …男ばかりの野球部にいるのにそんなこと、気にしないぞ」
パワプロ「たしかに、そうだね」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:47:49.34 ID:psmavRbq0
聖「それじゃあ、キャッチボールするぞ」
パワプロ「うん」
聖「…」ビュッ
パワプロ「…」パシッ ビュッ
ドカーン!
パワプロ「ぎゃああああああああああ!!!!!」
聖「!? パワプロ先輩!?」
パワプロ「肩の爆弾が…」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:52:44.01 ID:psmavRbq0
聖「肩の爆弾だと…!?」
パワプロ「うぅ~救急車ぁー」
聖「ま、待っていろ、今救急車を…」
?「オーウ! これはいつぞやの野球少年ではないですカ!」
パワプロ「あ、あなたは…!」
ダ「私はダイジョーブ博士ですヨー!」
なぜここにいるんだ…。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:57:30.36 ID:psmavRbq0
パワプロ「あの、助けて…ください…」
ダ「もちろんそのつもりデース! ゲドー君、連れて行ってくだサーイ」
本当に、助かるのかな…。
あおい「あれ? パワプロくん…?」
パワプロ「あ、あおい先輩…」
あおい「一体どうしたの? なんで運ばれてるの?」
パワプロ「あおい先輩、今からちょっと賭けに行ってきます。では!」
ゲドー「ギョギョー!」
あおい「あ、パワプロくん! もうっ…一緒にキャッチボールしようと思ったのに…」
矢部「だったらオイラg」ガスッ
矢部(…ひどいでやんす)
17 名前:あのBGMを想像してください[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:03:58.92 ID:psmavRbq0
ダ「それでは今から爆弾を治しマース」
パワプロ「本当に、成功するんですか?」
ダ「壊れたらこの話が終わってしまいマース、だから何が何でも治しマース」
パワプロ「は、はあ」
この話ってなんだ?
ガシッ
パワプロ「あの、なんでこんな大きな鉄のようなもので体を固定するんですか?」
ダ「逃げられると困るからデース」
パワプロ「すでに肩の痛みで逃げることもできませんよ!」
ダ「では、今から手術を行いマース」
ゲドー「ギョギョー!」
19 名前:あのBGMを想像してください[] 投稿日:2010/03/05(金) 23:07:05.02 ID:psmavRbq0
パワプロ「うわっ!? ちょっと! ぎゃああああああああああ!!!」
ガクッ
ダ「…ドウヤラ気絶シテシマッタミタイデース。ゲドークン、病院ノテツヅキヲオネガイシマース」
ゲドー「ギョギョ!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:02:52.49 ID:psmavRbq0
パワプロ「はっ! ここは!?」
みずき「あ、パワプロくん、起きたー」
パワプロ「あれ? 病院?」
みずき「びっくりしたわよ、いきなり聖が泣いちゃって、びっくりしたわ」
パワプロ「え? 聖ちゃんが?」
聖「ぱ、パワプロ先輩…! 無事でよかった…」
パワプロ「聖ちゃん!」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:05:21.48 ID:X0bJTyma0 [1/59]
聖「でも、肩の爆弾が爆発してしまったんだ…もう、野球は…」
パワプロ「あ、そうだった」
クルクル
あれ? 全然痛くないぞ!?
聖「!! 先輩…肩は…?」
パワプロ「なんだか、治ったみたい」
聖「本当か!? 本当に本当か!?」
パワプロ「う、うん。痛くないよ」
聖「よかった…」ウルウル
みずき「聖ぃ~なんで泣いてるのぉ?」
聖「な、泣いてなんかいないぞ。全然」
それはそれで悲しいんだけどな…
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:08:35.34 ID:X0bJTyma0 [2/59]
グラウンド
あおい「パワプロくん!」
パワプロ「あ、昨日はどうも、あおい先輩」
あおい「もう、心配したんだからね!」
パワプロ「す、すいません」
矢部「パワプロくん、おかえりなさいでやんす」
パワプロ「矢部くん。てっきり君が病院にいると思っていたのに…」
矢部「あおい先輩から離れたくないでやんす」
や、矢部くん…君はある意味男の中の男だよ…。
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:12:40.28 ID:X0bJTyma0 [3/59]
あおい「あ、あのさ、パワプロくん…」
パワプロ「はい?」
あおい「ボクと一緒に、キャッチボールでも…しない…かな?」
パワプロ「俺でいいんですか?」
あおい「うんっ、いやなら別にいいんだけど!」
ここで遠慮したらダメだよな…
パワプロ「もちろんいいですよー肩の爆弾も取れましたし」
あおい「やった」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:18:03.09 ID:X0bJTyma0 [4/59]
聖「あ、パワプロ先輩…」
パワプロ「行きますよー」
あおい「うーん!」
聖「…」
みずき「聖ーやるよー」
聖「…うむ」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:24:19.25 ID:X0bJTyma0 [5/59]
矢部「殺してやる、でやんす」
パワプロ「誰を?」
矢部「もちろん、パワプロくんに決まってるでやんす」
パワプロ「決まってないよ!」
矢部「どうせあおい先輩とのキャッチボールで弾道が上がったんでやんしょ!」
パワプロ「俺そんなに弾道上がりやすいの!?」
矢部「覚悟するでやんすー!」
みずき「ちょっと、メガネうるさい!」ガスッ
矢部「やんすっ」ドサッ
矢部くん、君の事は忘れないよ…
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:31:48.54 ID:X0bJTyma0 [6/59]
パワプロ「くそう…今日もきっと聖ちゃんはみずきちゃんと一緒に練習を…」
聖「私がどうかしたか?」
パワプロ「うわっ!? 聖ちゃん」
聖「そんなに驚かれると、ちょっとショックだ…」
パワプロ「ごめんごめん。あれ? みずきちゃんは?」
聖「みずきはさっき帰ってしまったんだ」
パワプロ「そうなんだそれじゃあ聖ちゃんは…」
聖「うむ、一人だ」
やったー!
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:35:58.88 ID:X0bJTyma0 [7/59]
パワプロ「よかったら、俺に付き合ってくれない? 座らせて投げたいんだ」
聖「む? かまわないぞ」
やったー!
パワプロ「んじゃあ行くよー」
聖「うむ」
ビシュ
ああ…嬉しい…! 聖ちゃんと一緒に練習できるなんて…!
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:42:21.42 ID:X0bJTyma0 [8/59]
聖「…パワプロ先輩」
パワプロ「な、なに?」
聖「球威がまったくないぞ? どうしたんだ」
パワプロ「え? そうかな?」
聖ちゃんと練習してるから気が抜けちゃってるのかな?
ビシュ バシッ
聖「…やはりダメだ。いつもの先輩らしくないぞ」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 00:50:35.79 ID:X0bJTyma0 [9/59]
パワプロ「うーん、頑張ってるんだけどなぁ」
聖「大会でこれでは、まずいぞ」
パワプロ「う、うん」
聖「今日から先輩は私と一緒に練習だ」
パワプロ「ええ!?」
聖「…いやか?」
パワプロ「いやいや! 嬉しい! とっても嬉しいよ」
聖「む、そうか…それならよかった」
弾道が上がった。
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:01:53.56 ID:X0bJTyma0 [10/59]
監督「来週から合宿行くんでよろしく」
全員「しゃあっす!」
矢部「パワプロくん、チャンスでやんす!」
パワプロ「え? なんで?」
矢部「あおい先輩にみずきちゃん、ひじりちゃんと一つ屋根の下でやんす! うっひょい!」
うっひょい…?
パワプロ「そ、そうだけど…」
矢部「なにか不満なんでやんすか? も、もしかしてパワプロくん…あっち系でやんすか!?」
パワプロ「違うよ!」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:10:23.29 ID:X0bJTyma0 [11/59]
矢部「とりあえず、合宿中もパワプロくんは聖ちゃんと一緒でやんすね」
パワプロ「うん。今からにやけちゃうよ」
矢部「パワプロくん、よだれ出てるでやんすよ」
パワプロ「はっ! ジュルリ」
矢部「合宿中に一線を越えちゃダメでやんすよ?」
パワプロ「わ、わかってるよ」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:20:34.49 ID:X0bJTyma0 [12/59]
そして…
監督「よし、みんなそろったな、それじゃあバスに乗れー」
パワプロ「バスで移動なんて、結構豪勢だなぁ」
聖「隣いいか?」
パワプロ「あ、矢部くん当たり前じゃない…って、聖ちゃん!?」
聖「矢部先輩と間違えられるのは、相当ショックだぞ…」
パワプロ「いやあ、いつも言ってくる人といったら矢部くんだったから…」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:36:15.62 ID:X0bJTyma0 [13/59]
聖「それで、隣いいか?」
パワプロ「もちろん。断る理由が無いよ」
聖「そうかそれじゃあ遠慮なく」
矢部(遠くから)『あおい先輩! おいらと一緒に…』
みずき『あおい先輩は私と座るの!』ボカッ
矢部『…うぅ』
や、矢部くん…ファイト!
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:44:47.72 ID:X0bJTyma0 [14/59]
聖「…」
パワプロ「聖ちゃん」
聖「…」
あれ? 寝ちゃったかな?
パワプロ「聖ちゃん、寝ちゃった?」
聖「起きているぞ、先輩」パチリ
パワプロ「うわぁ! びっくりしたー」
聖「パワプロ先輩は面白いな」
パワプロ「そ、そうかな? ありがとう」
結構顔近かったからビックリしちゃったよ…。
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:49:37.76 ID:X0bJTyma0 [15/59]
聖「今日から合宿だ…とても楽しみだな」
パワプロ「うん、そうだね。俺もどれだけレベルアップできるか楽しみだ」
聖「先輩、私がたっぷりしごくから、覚悟しておけよ」
し、しごく…だって!?
矢部『パワプロくんがやらしいこと考えてるでやんすー!』
な、なぜあんな遠くからわかるんだ!?
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 01:57:23.85 ID:X0bJTyma0 [16/59]
パワプロ「矢部くんうるさーい!」
矢部『聞こえないでやんすよー』
パワプロ「聞こえてるじゃないか!」
聖「ふふ…」
パワプロ「あ、今、聖ちゃん、笑った?」
聖「! 笑ってないぞ」
可愛いなあ。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:03:09.71 ID:X0bJTyma0 [17/59]
監督「また現地には遠いから、カラオケでもするか!」
矢部「イエーイでやんす!」
矢部くんが歌ったらいやな予感しかしないよ…
矢部「じゃあオイラはガンダーロb」ガスッ
みずき「あおい先輩、二人で歌いましょう!」
ナイス、みずきちゃん!!
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:22:26.65 ID:X0bJTyma0 [18/59]
みずき「~♪」
あおい「~♪」
おお、野球部なのに女の子の声が聞けるなんて…!
聖「…」ウズウズ
パワプロ「? どうしたの? 聖ちゃん」
聖「パワプロ先輩、一緒に歌おう」
パワプロ「うぇ!? 聖ちゃん、歌歌えるの?」
聖「うむ。CMの曲なら歌えるぞ」
パワプロ「た、たとえば?」
聖「キノコのっこーのこ…とか」
可愛い!
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:30:43.91 ID:X0bJTyma0 [19/59]
矢部「次こそオイラでやんすー!」
パワプロ「あ、もう矢部くんの曲が始まった!」
ガンダーロボのお決まりのセリフが…。
矢部くん「~♪ ~♪ でやんす!」
やんすって言っちゃった!
聖「先輩は一緒に…歌ってくれないのか?」
パワプロ「いや、もっと、みんなが知ってる曲なら…」
聖「そうか。ならば…」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:33:47.29 ID:X0bJTyma0 [20/59]
矢部「ふぅ…終わったでやんす次は誰でやんすか?」
聖「私とパワプロ先輩だ」
パワプロ「聖ちゃん、本当にみんな知ってるの?」
聖「知らないほうが少ないと思うぞ」
サザ○さん
聖「私は毎週見ているんだ」
パワプロ「ああ、これは確かに…」
でも、一緒に歌うような曲では…ないよね。
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:39:57.63 ID:X0bJTyma0 [21/59]
パワプロ「ふぅ」
聖「パワプロ先輩、一部一部歌詞がわからないとは、どういうことだ?」
パワプロ「ご、ごめん、ちょっと見間違えちゃった」
聖「でも、凄いいい声だったぞ。曲がかっこよく感じた」
パワプロ「ありがとう」
球がノビるようになった。
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:44:01.74 ID:X0bJTyma0 [22/59]
監督「到着だ。お前ら、荷物置いたらすぐに練習だからな」
矢部「海に行きたいでやんすー!」
監督「きちんと練習したら自由時間で海に行ってもいいぞ」
矢部「なにーでやんす! パワプロくん、またもやチャンス到来でやんす!」
パワプロ「ふふふ、矢部くん。それは俺でもわかるよ!」
矢部「頑張って練習するでやんす!」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:52:55.59 ID:X0bJTyma0 [23/59]
聖「む、パワプロ先輩、今日はいい球だぞ。ノビもある」
さっきゲットしたからね!
パワプロ「じゃあ次は変化球いくよー」
聖「何が投げれるんだ?」
パワプロ「うーん…ごめん、ライジングキャノンしか投げられないや」
聖「それはストレートだぞ…」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 02:57:24.94 ID:X0bJTyma0 [24/59]
>>77
12と13はいい。
14と15は多くのことに目をつぶって買ったほうがいい。
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 03:08:52.16 ID:X0bJTyma0 [25/59]
聖「それにしても、あの猪狩守投手のあのストレートが投げれるのか?」
パワプロ「まあね」
この前変な人に教えてもらったのさ。
けっこうきついから球数制限してるんだけどね。
パワプロ「じゃあ行くよー」
ビュッ ギュルルルルル
聖「!!」
ビッ
ミットを弾いた!?
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 03:16:21.09 ID:X0bJTyma0 [26/59]
パワプロ「ご、ごめん! 大丈夫?」
聖「す、凄い球だ…目で追えなかったぞ」
パワプロ「本当に大丈夫?」
聖「大丈夫だぞ。それより先輩、あれは何回投げれる?」
パワプロ「今のところ一日5球くらいかな」
さっき投げたからあと4回だ。
聖「ならば、この合宿で投げれる回数を増やそう! これは切り札になるぞ」
パワプロ「そうだね。頑張ろう!」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 03:31:37.94 ID:X0bJTyma0 [27/59]
>>84
13~15
13だけグラフィックが違う。可愛すぎて死ぬ。
14からグラフィック変わる。可愛すぎて死ぬ。
15ではメガネもかけてる。可愛すぎて死ぬ。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 03:45:04.32 ID:X0bJTyma0 [28/59]
しかし、そう上手くいかず。
パワプロ「ああああ! イタイイタイ!!」
聖「大丈夫か! パワプロ先輩」
パワプロ「肩が、肩がぁ!」
聖「落ち着け、パワプロ先輩」モミモミ
パワプロ「!!」
聖ちゃんが肩を…揉んでる!?
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 04:32:21.40 ID:X0bJTyma0 [29/59]
パワプロ「…」
なんかある意味、興奮して逆に落ち着けそうに無いんだけど…
聖「呼吸が乱れてるぞ?」
パワプロ「…う、うん、大丈夫だよ」
聖「ちょっと休憩しよう」
パワプロ「いや、もう大丈夫」
聖「ダメ、休憩するぞ」
ダメってなんか可愛い。
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 04:39:13.28 ID:X0bJTyma0 [30/59]
パワプロ「ごめんね、聖ちゃん」
聖「私も休憩したいところだったからな」
パワプロ「そっか~それならよか…」
あれ? 聖ちゃん、すっごい手腫れてない?
ギュッ
聖「ん…いきなりどうした? 先輩」
パワプロ「もしかしてこれ、俺の球を捕ったから?」
聖「これくらいはしょうがないことだ。気にするな」
パワプロ「気にするよ!」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 04:40:17.67 ID:X0bJTyma0 [31/59]
そして俺は寝るよ!
保守できる人はお願いするよ!
頭痛いよ!
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:28:09.10 ID:X0bJTyma0 [32/59]
>>107
出すわけが無い。あんなやつ…。
>>115
俺もやった。可愛すぎて死にそうだった。
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:33:04.32 ID:X0bJTyma0 [33/59]
聖「ぱ、パワプロ先輩…?」
パワプロ「こんな手じゃ、ちゃんとしたコンディションで練習できないよ」
聖「い、いい。私のことは…」
パワプロ「それこそダメだよ」
聖「…わかった、じゃああとで、一緒に軽くランニングにしよう」
パワプロ「うん」
聖「…あと、先輩」
パワプロ「ん? なに?」
聖「手を...離してくれないか?」
パワプロ「わわっ、ごめん!」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:38:48.82 ID:X0bJTyma0 [34/59]
やる気が上がった。
ムード○になった。
パワプロ「さて、そろそろ休憩おしまいにしようか?」
聖「うむ、そろそろ練習時間も終わりだしな」
パワプロ「よーしじゃあ、軽くランニングしよう」
・ ・ ・ ・ ・
パワプロ「ひ、聖ちゃん…早すぎ…」
聖「む、先輩。これくらい普通だぞ?」
くそぅ、ふがいない!
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:45:47.04 ID:X0bJTyma0 [35/59]
パワプロ「ぜぇぜぇはぁはぁ…」
聖「…ふぅ、パワプロ先輩、凄いな」
パワプロ「そ、そうかな?」
聖「うむ、このスピードについてこれるとは。見直したぞ」
聖ちゃんに褒められた!
あおい「あーあ。ひどいでやんすねーパワプロくんは!」
パワプロ「え? なんでですか?」
あおい「ボクなんか、ずっとメガネと一緒だったんだよ!?」
みずき「私とあおい先輩で練習してるのにずっと邪魔してきて…」
さすが矢部くん。
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:49:34.89 ID:X0bJTyma0 [36/59]
パワプロ「それにしても、みずきちゃんって、あおい先輩のこと好きなんだね」
みずき「へへーん。まあね」
あおい「ええ!? ごめん、みずき。ボクにはもう心に決めた人が…」
みずき「そういう好きじゃないですよ! …え? 心に決めた人?」
あおい「あ…」
だ、誰なんだ!? あおい先輩の好きな人!
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:54:54.99 ID:X0bJTyma0 [37/59]
みずき「誰なんですかぁ? せんぱーい」
あおい「そ、それは…」
パワプロ「…」ドクンドクン
あおい「そ、そんなことどうでもいいじゃない! みずきのいじわるっ」
みずき「やっぱりいるんですね!」ニヤニヤ
みずきちゃん、悪魔だなぁ。
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:55:46.24 ID:X0bJTyma0 [38/59]
>>129
すまん、矢部くんが邪魔すぎてうつったんだ。
そう解釈してくれ。
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 16:58:21.40 ID:X0bJTyma0 [39/59]
あと、すまん、出かけてくる。
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:21:49.23 ID:X0bJTyma0 [40/59]
そういえば、矢部くんの姿が見当たらないぞ…?
パワプロ「矢部くんはどこにいるの?」
みずき「…」シラー
あおい「…」シラー
パワプロ「…」
監督「みんな集合~」
ザザッ
監督「今日はこれにて終了。遊びたいやつは適当に遊んでいいぞ」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:31:20.18 ID:X0bJTyma0 [41/59]
パワプロ「やったー!」
パワプロ「…」
矢部くんは、いない。
悪いね、矢部くん! 俺だけで楽しませてもらうよ!!
みずき「あおい先輩! 海行きましょう海!」
き、キター!
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 19:55:25.91 ID:X0bJTyma0 [42/59]
あおい「うーんどうしよかなぁ…」
チラッ
ん? あおい先輩が、こっちを一瞬チラリと…?
あおい「うーん…」
みずき「水着持ってきたんですよ! 泳ぎましょうよー」
やった! この展開だよ! この展開!!
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:06:22.38 ID:X0bJTyma0 [43/59]
「おーいパワプロー泳ごうぜー」
パワプロ「あ、うん、そうだね」
あおい「!」
みずき「ちぇ…じゃあ聖と一緒に泳いできますよーだ!」
なに! ひ、聖ちゃんも…!?
あおい「み、みずきちゃん! や、やっぱりボクも…行く!」
さらにあおい先輩も!? やりぃ!
矢部「さあ、早く行くでやんすよ、パワプロくん」
パワプロ「あ、うん」
…あれ?
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:17:11.54 ID:X0bJTyma0 [44/59]
パワプロ「や、矢部くん!? 何故ここに?」
矢部「ふふ…何度でもよみがえるでやんすよ!」
こういう時はすごいよなぁ…。
みずき「うわぁ~きれい!」
あおい「広いねぇ」
聖「…しょっぱいな」
みずき「何なめてんのよ聖…」
152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:26:58.41 ID:X0bJTyma0 [45/59]
な、なめてる!?
矢部「いろいろやばいでやんすよ、それは」
パワプロ「ご、ごめん。ついつい反応しちゃうんだ」
矢部「まったく、パワプロくんは…」
あおい「それじゃあ、どこかで、着替えよっか」
矢部「き、き、き、きがえーーーーーーーーーーでやんす!!!!!!」
…矢部くん、君が一番危ない
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:33:17.87 ID:X0bJTyma0 [46/59]
矢部「パワプロくん、行くでやんすよ」
パワプロ「え、どこに?」
矢部「もちろん、のぞk」
みずき「さきに殺っとこうか♪」
矢部「…へ?」
矢部「ひぎゃあああああああああああああ!!!でやんすーーーーー!!」
今日はやけに矢部くんが危ない。
パワプロ「死体は俺が見とくから、着替えてきなよ」
みずき「うん、ありがとね」
いやいや、等価交換だよ。
156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:41:44.26 ID:X0bJTyma0 [47/59]
パワプロ「じゃあ今のうちに着替えて…っと」
あおい「こんなの無理!」
ん? どうしたんだ?
あおい「こんな水着恥ずかしいよぅ!」
みずき「えーでもこれしかないんですよ~?」
聖「…あおい先輩なら似合う」
あおい「うぅ…みずき、あとで覚えてなさいよ!」
パワプロ「いかんいかん、聞き耳を立てたら…」
弾道が上がった。
やっぱりね。
158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 20:53:35.62 ID:X0bJTyma0 [48/59]
パワプロ「よし、着替え終了」
そしてあの三人娘は…っと。
…な、なんだって!?
あおい先輩…なぜ上に服を着ているんですか!?
俺の期待を返してください! ああ、もう!
…しかし、みずきちゃん結構大きいな…。
そして聖ちゃんはっと…
パワプロ「す、す、す…スク水~!?」
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:10:13.35 ID:X0bJTyma0 [49/59]
聖「む、パワプロ先輩」
パワプロ「あ、聖ちゃん…」
聖「あおい先輩は…凄いぞ」
凄いと言われても、見れないし…。
それに今俺は聖ちゃんがとてもイイ!
聖「…ぱ、パワプロ先輩、ジロジロと、えっちぃぞ」
パワプロ「ご、ごめん!」
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:19:49.11 ID:X0bJTyma0 [50/59]
でも、反則だ。
ど真ん中をボールと言われた時くらいの疑惑の判定だ。
あおい「や、やっほーパワプロくん」
パワプロ「あ、どうも」
あおい「…」
パワプロ「…」
一体どんな水着を…
みずき「あー、パワプロくんめっちゃいやらしい顔してるー」
パワプロ「し、してないよ!」
あおい「…もうっ、パワプロくんのエッチ!」
二人にエッチって言われた!
164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:25:02.23 ID:X0bJTyma0 [51/59]
パワプロ「でも、俺以外もジロジロ見てますよ」
あおい「え!?」
「あおいちゃんの水着…ワクワクすっぞ!」
「俺も!」
「おいらも!」
「まろも!」
「おいどんも!」
あおい「あ、ああ…恥ずかしいよぅ!」
仕方ないですよ、あおい先輩。
もう、出し惜しみなんてせずにさらけ出しましょうよ。
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 21:55:06.32 ID:X0bJTyma0 [52/59]
あおい「…うわぁ~!」ダッ
パワプロ「あ、あおい先輩!」
あおい「うわっ! へぶっ!」ドシャ
あ、こけた。可愛い!
あおい「…」
みずき「えーい!」
あおい「み、みずき!? や、やめてよっ!」
みずき「そう恥ずかしがらずにぃ~!」ヌギヌギ
…正直、たまりません。
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 22:03:14.63 ID:X0bJTyma0 [53/59]
あおい「うぅ…」
パワプロ「お、おお…」
なんて、過激な水着なんだ…!?
聖「あんな恥ずかしい服、私着れないな」
俺は聖ちゃんのスクール水着も同じくらい好きだよ!
聖「ありがとう」
…あれ? 心読まれてない?
聖「…」ペタペタ
パワプロ「聖ちゃん?」
聖「! いや、なんでもない。気にするな」
胸をおさえて、どうしたんだろう?
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 22:20:23.40 ID:X0bJTyma0 [54/59]
聖「あの、パワプロ先輩」
パワプロ「なに?」
聖「すこし、海岸を歩かないか?」
パワプロ「うん、いいよ」
なんという自然の流れ!
パワプロ「…」チラッ
聖「…」
パワプロ「…」チラッ
聖「パワプロ先輩」
パワプロ「な、なに!?」
聖「見るなら堂々と見てくれ。男らしくないぞ」
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 22:35:17.02 ID:X0bJTyma0 [55/59]
パワプロ「う、うん…」
でも、直視したら、鼻血出そうだよ。
聖「…パワプロ先輩」
パワプロ「ん? なんだい」
聖「先輩は…好きな人とか、いるのか?」
パワプロ「す、好きな人!?」
聖「うむ」
好きな人…か。
パワプロ「うん、いるよ」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 22:45:28.59 ID:X0bJTyma0 [56/59]
聖「誰なんだ?」
パワプロ「うーんちょっと恥ずかしいな」
聖「そうか」
パワプロ「そういう聖ちゃんは?」
聖「わ、私か!? わ、私は…」
パワプロ「…」
誰なの!? 誰なの!?
聖「い、今は、野球に専念してる…からい、いないぞ」
残念すぎて死にそうだ。
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 23:00:06.04 ID:X0bJTyma0 [57/59]
そのころ
あおい「あれ? パワプロくんは?」
みずき「さっき聖とどこか行っちゃいましたよ」
あおい「へ…」
みずき「?」
あおい「そ、そっか…」ズーン
みずき(…なるほどね)
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 23:06:31.12 ID:X0bJTyma0 [58/59]
聖「…潮風が心地良い」
パワプロ「そうだね、涼しくて気持ちいい」
聖「先輩はよく海に行くのか?」
パワプロ「うーんあんまり行かないかな」
聖「私もだな、ランニングなどですこし来るぐらいだ」
パワプロ「海って言うと、なんだかデートとか、そんな気がするんだよね」
聖「…」
あ、地雷踏んじゃった?
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/06(土) 23:25:44.50 ID:X0bJTyma0 [59/59]
聖「な、ならば…こ、この状況は」
パワプロ「うん」
聖「…で、デートなのだな」
パワプロ「そうだね」
そうだねってなんだよ俺!
聖「なんだか、急に恥ずかしくなってきたぞ…」
うわっ、聖ちゃん耳まで真っ赤だ!
凄く、可愛いです!
205 名前:ID変わりました。[] 投稿日:2010/03/07(日) 00:26:02.59 ID:zCXT2tsq0 [1/31]
って、ことはもしかして…。
俺のこと、ちょっとは気にしてるのか!?
聖「…そ、そろそろ帰ろう」
パワプロ「えっ」
聖「辺り暗くなってきたから」
パワプロ「あ、ほんとだね」
聖「…」
パワプロ「…」
まだ顔真っ赤だ。
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 00:30:49.89 ID:zCXT2tsq0 [2/31]
あおい「あ、パワプロくん!」
パワプロ「あ、あおい先輩」
あおい「もう、二人でどこ行ってたの!?」
パワプロ「いや、ただ海岸沿いを…」
聖「あおい先輩、デートだぞ」
!?
あおい「!?」
214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[今13やってたら聖ちゃん来たw] 投稿日:2010/03/07(日) 00:36:32.09 ID:zCXT2tsq0 [3/31]
聖「…と、パワプロ先輩が言っていた」ボソリ
あおい「パワプロくん! 合宿中にデートしていいと思ってるの!?」
パワプロ「え? え?」
あおい「なに? どうしたの?」
あれ、デートだったの?
嬉しすぎて…
あおい「うわっ! いきなり泣かないでよ!」
感涙!
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ああ、もう、聖ちゃん可愛すぎる] 投稿日:2010/03/07(日) 00:40:07.72 ID:zCXT2tsq0 [4/31]
みずき「あー先輩泣かしたー」
「俺も泣かされたい!」
「おいらも!」
「まろも!」
「おいどんも!」
みずき(みんなあおい先輩のこと好きすぎでしょ!?)
パワプロ「いや、これは目にごみがですね…」
あおい「それにしては凄い量だけど…」
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[六道聖可愛いよ] 投稿日:2010/03/07(日) 00:49:11.72 ID:zCXT2tsq0 [5/31]
あおい「…聖、あとで話は聞くからね」
聖「む…うむ」
何を? ねえ何を!?
パワプロ「お腹空いたなー」
監督「飯は各自勝手に食堂に行って食うようにー」
なんか凄い自由だな…。
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[六道聖可愛いよ] 投稿日:2010/03/07(日) 00:55:03.27 ID:zCXT2tsq0 [6/31]
パワプロ「じゃあ着替えて食堂いこっと」
聖「先輩」
パワプロ「うわっ! 聖ちゃん」
聖「まだ驚くか…」
パワプロ「ごめんごめん。どうしたの?」
聖「一緒に食堂に行かないか?」
もちろん!
パワプロ「うん、いいよ。他に誰かと行く予定ないし」
227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[聖ちゃんの制服姿可愛いお] 投稿日:2010/03/07(日) 01:10:13.28 ID:zCXT2tsq0 [7/31]
聖「うむ、それなら良かった」
あおい「あ、パワプロくん…」
あおい(! 隣に聖…)
あおい「…」
聖「…」
パワプロ「おいしいね、聖ちゃん」
聖「きんつばが…ない」
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[聖ちゃんは天使] 投稿日:2010/03/07(日) 01:29:23.41 ID:zCXT2tsq0 [8/31]
パワプロ「そ、それはね…」
聖「パワプロ先輩、お肉食べてくれ」
パワプロ「ああ、たしか嫌いなんだよね?」
聖「うむ」
パワプロ「じゃあ遠慮なく」
聖「…間接…」
パワプロ「ん?」
聖「な、なんでもないぞ」
237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 01:46:03.05 ID:zCXT2tsq0 [9/31]
あおい「はぁ…」
みずき「どうしたんですか?」
あおい「ん? 別になんでもないよ。はぁ…」
みずき「…元気ないですね」
矢部「どうしたでやんす?」
あおい「別にだいじょう…キャー!?」
ドゴスッ
矢部「ばたんきゅ~でやんす…」
239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 01:49:13.26 ID:zCXT2tsq0 [10/31]
13の精神練習来た。
可愛すぎて死ぬ。
240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 01:56:52.92 ID:zCXT2tsq0 [11/31]
パワプロ「はは、矢部くんまたやってる」
聖「矢部先輩も懲りないな」
パワプロ「でも、矢部くんみたいに真っ向から向き合うのって、凄いと思うよ」
パワプロ「すっごい勇気いると思うし」
聖「…そうだな」
監督「風呂も各自で行くように~」
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 02:45:13.33 ID:zCXT2tsq0 [12/31]
矢部「パワプロくん! これはチャンスでやんす!」
パワプロ「うわ! 矢部くん! 血だらけだよ!?」
矢部「気にすること無いでやんす!」
パワプロ「いやいや! とりあえず血をふこうよ!」
矢部「大丈夫…で、やんすぅ…」
258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 02:52:26.29 ID:zCXT2tsq0 [13/31]
パワプロ「フラフラしてるじゃないか!」
矢部「早く行くでやんすよ!」
はっ! あおい先輩達が行こうとしている!?
矢部「もう行くしかないでやんすよ!」
パワプロ「うん! わかった!」
268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 03:15:52.73 ID:zCXT2tsq0 [14/31]
「お客さん、血だらけで入られては困ります」
矢部「ガーンでやんす!!」
パワプロ「ごめん、矢部くん! 一人で行ってくるよ!」
矢部「ま、待つでやんす…!」
パワプロ「誰もいない! チャンス…!」
レッツNOZOKI☆
272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 03:32:01.79 ID:zCXT2tsq0 [15/31]
くそ、その前に服を脱がないと!
みずき「わーい温泉だー」
…あれ?
ちょっと待って、ここ、何湯?
あおい「ゆっくり休みたいよー」
ここ、女湯じゃん!?
276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 03:59:11.60 ID:zCXT2tsq0 [16/31]
どこかに隠れないと!
みずき「むむ…あおい先輩さっきも思いましたけど、大きくなりましたねぇ」
あおい「そ、そんなことないよ。僕はそんなに…」
うおおお! なんていう話をしてるんだ!
聖「それにくらべて私は…」
? 聖ちゃん?
みずき「なにしょぼくれてんのよ、聖」
聖「私は成長しない、なぜだ?」
いかん、鼻血が…。
277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 04:00:40.04 ID:zCXT2tsq0 [17/31]
いかん、眠気が…。
明日早いので、すいません。
遅筆かつ早漏ですいません。
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:56:10.67 ID:zCXT2tsq0 [18/31]
>>341
個人的に11が傑作。
あと9,10がいいかな。
聖たんみたいなら15、14
14、15はサクセス自体はゴミ。
個人的には12,13は好きだけどなぁ。
346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:03:38.84 ID:zCXT2tsq0 [19/31]
くそう、弾道がもうMAXだから鼻血が出てきた!
聖「これじゃあ、パワプロ先輩は…」ボソッ
みずき「え? なに、聖」
聖「な、なんでもないぞ」
あおい「やっぱり男の子って大きいほうがいいのかな?」
俺は、そんなところ見ませ…見ます。
349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:11:48.81 ID:zCXT2tsq0 [20/31]
聖「む…」クンクン
みずき「? どうしたの、聖。鼻ひくつかせて」
聖「…パワプロ先輩のにおいがする」
!? え、なにそれ!? するわけないじゃん!
現にここにいるけど!
あおい「さ、さすがにパワプロくんもそこまで変態じゃないよ。 多分」
みずき「そうですね。パワプロくんはノゾキなんてしないですよね。 多分」
聖「うむ、先輩はすこしエッチだが、ちゃんとわきまえている人だろう。 多分」
死にたい。
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:21:08.08 ID:zCXT2tsq0 [21/31]
>>350
あるよ。
個人的に駄作。
聖ちゃん以外俺には見えなかった。
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:56:15.84 ID:zCXT2tsq0 [22/31]
それでもびっくりするよなぁ。
聖ちゃんが俺のにおいを覚えてるなんて。
みずき「入ってゆっくりしましょー」
あおい「うん」
聖「うむ」
チャンス! この隙に…!
矢部「パワプロくん! こんなところにいたでやんすかー!!」
みずき「!?」
あおい「!?」
聖「…む」
君なんか親友じゃない。
357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:08:54.96 ID:zCXT2tsq0 [23/31]
パワプロ「…」
矢部「早く、のぞきを堪能するでやんすよー!」
まさか、ここが女湯だとわかってないのか?
パワプロ「…」
矢部「いるのはわかってるんでやん…」
みずき「おい、く○メガネ」
あおい「のぞきとはいい趣味してるね♪」
矢部「!? 幻覚が見えるでやんすよ! 二人とも可愛いでやんすー」
みずき「死ね」
あおい「みずき、死ねなんて言っちゃダメよ。ただ殺るだけなんだから」
矢部「!? 本物でやんすか!?」
378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:32:24.15 ID:zCXT2tsq0 [24/31]
よし、このまま息絶えろ! 矢部くん!(失礼か)
矢部「伊達に野球部の1番をまかされてないでやんす!」ピュー
みずき「待ちなさい! って、早ー!!!」
あおい「追うわよ、みずき!」
みずき「はい!」
やった。でも、聖ちゃんは?
聖「…もー。あの二人は」
聖「…」
ガチャ
パワプロ「!?」
聖「そろそろ出ないと私も怒るぞ」
382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:44:39.34 ID:zCXT2tsq0 [25/31]
パワプロ「え…聖ちゃん?」
聖「…は、早く出ろ」
タオル一枚…だと!?
え? じゃあみずきちゃんとあおいちゃんは? 追いかけていったんだろう?
聖「みずきとあおい先輩が帰ってくる前に出たほうがいい」
パワプロ「う、うん。ごめんね」
聖「…見たかったのか?」
モジモジしないで…聖ちゃん!
パワプロ「男湯と間違えたんだよ。本当にごめんね」
385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 23:06:36.05 ID:zCXT2tsq0 [26/31]
聖「うむ、間違いは誰にでもある。しかし、取り返しのつかない間違いもあるんだぞ」
パワプロ「そ、そうだね、ごめん」
聖「あと、さっきの話…。きいていたか?」
パワプロ「え?」
聖「いや、なんでもない。気にするな」
パワプロ「う、うん。それじゃあごめん。ありがとう」
タッ
聖「…」
387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 23:23:35.97 ID:zCXT2tsq0 [27/31]
カポーン
パワプロ「ふぅ」
一時はどうなるかと思ったけど、結果オーライだ。
パワプロ「ノゾキはやめよう。もう俺の頭から聖ちゃんのタオル一枚しか出てこないし」
矢部「パワプロくん、本音がでてるでやんすよ」
はっ! ついつい…
パワプロ「あの…どなたですか?」
矢部「おいらでやんす! 矢部でやんすよ!」
顔がすでに原型をとどめていないんだけど…。
391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 23:37:18.75 ID:zCXT2tsq0 [28/31]
矢部「さ、パワプロくん、やるでやんすよ」
パワプロ「矢部くんも懲りないなぁ。俺はしないよ」
矢部「パワプロくん! のぞかないと意味ないでやんすよ!?」
パワプロ「ゆっくり浸かっとくよ」
あれ? なんか飛んできた…。
カツーン
矢部「ふぎゃ!」ドサ
みずき「めがねうるさーい!」
あはは、さすがみずきちゃん。
394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 23:44:56.08 ID:zCXT2tsq0 [29/31]
パワプロ「さて、あがるかな」
矢部「今日は酷い目にあったでやんす…」
今日ほど矢部くんが違う人に見えた日はないな。
パワプロ「そういえば、俺達の部屋は…お、ここだ」
ガチャ
「おーパワプロー」
「おかえりー。あと、どなたさん?」
矢部「矢部でやんすよ!!」
396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 23:47:39.26 ID:zCXT2tsq0 [30/31]
「帰ってきてそうそう悪いんだけどさ」
パワプロ「ん? なに?」
「俺達ちょっと出かけるんだ」
パワプロ「ああ、別にいいよ」
「わりぃな。ほら行くぞ」
「うわっ…何処触ってんだよっ」
キャッキャウフフ…
矢部「…パワプロくん、おいらまさか野球部にあっち系はいないと思ってたでやんすが…」
パワプロ「うん…」
弾道が下がった。
403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 00:03:51.11 ID:zCXT2tsq0 [31/31]
パワプロ「ふぅ、じゃあ布団しいとこうか」
矢部「え、ぱ、パワプロくん…」
パワプロ「いやいやいや! そういう趣味じゃないよ!」
矢部くんの評価が上がった。
いやだ! なんで上がるんだよ!?
矢部「とりあえず寝床を確保ってことでやんすね」
パワプロ「そうだよそれそれ!」
405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 00:11:43.79 ID:90iWCYRY0 [1/55]
パワプロ「よし、これでオーケー。俺達も売店とか行ってみようか?」
矢部「そうでやんすね。お土産も買いたいでやんす」
パワプロ「うん」
コンコン
矢部「む? 誰でやんすか?」
パワプロ「?」
ガチャ
聖「あ、パワプロ先輩」
ひ、聖ちゃん!
弾道が上がった。
いかんいかん、タオル一枚は忘れろ…。
417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 00:43:23.78 ID:90iWCYRY0 [2/55]
>>416
なんだその捏造はww
俺はID変わってから一度もここ以外のスレに書き込んでないぞw
420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 00:46:14.63 ID:90iWCYRY0 [3/55]
って、よく見たら浴衣じゃん!
ちょっとダボダボした感じがいいね!
聖「あの、もし、よかったらでいいのだが…」
矢部「今からおいら達は売店にいk」
パワプロ「なに? 聖ちゃん」
聖「私の、部屋に、遊びに来ないか?」
おいおい、聖ちゃん。
弾道はこれ以上上がらないよ?
421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 00:46:55.04 ID:90iWCYRY0 [4/55]
>>419
了解。
落ちるときはちゃんと言うつもり。
423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 00:50:23.33 ID:90iWCYRY0 [5/55]
>>422
姉が一人。
たしか初野と久遠と犬猫コンビがお気に入りだったはず。
425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 00:57:43.15 ID:90iWCYRY0 [6/55]
聖「あ、いや、私はみずきとあおい先輩に頼まれてだな、えっと///」
パワプロ「矢部くん、それでも君は売店に行くのかい?」
矢部「売店? なんのことでやんすか?」キリッ
うわぁ、めっちゃいい顔…。
聖「そ、そうか、それならよかった…」ホッ
パワプロ「? どうしたの、聖ちゃん」
433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:14:30.34 ID:90iWCYRY0 [7/55]
聖「いや、もし、先輩をつれて来れなかったら…」
モジモジしないで! もう俺の弾道は4よ!
聖「…いじめられるから」
ど、どんないじめですか!? も、も、もしかして…
聖「…は、早く行こう、行かないと…」
パワプロ「う、うん」
なんか凄くおびえてるぞ…。
可愛いなぁ。
437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:24:45.22 ID:90iWCYRY0 [8/55]
パワプロ「…」
聖「…」ビクビク
パワプロ「聖ちゃん?」ポンッ
聖「ひひゃあ!? …あ、パワプロ先輩か、驚かさないでくれ…」
ひひゃあとかなんなの? 可愛い過ぎるんですけど。
矢部「~♪でやんす」
パワプロ「聖ちゃん、矢部くんも一緒で大丈夫なの?」
聖「わからない。そういえば、パワプロ先輩は呼べと言われたけど、矢部先輩は言われてないな」
440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:34:04.74 ID:90iWCYRY0 [9/55]
パワプロ「なんだか、また悲鳴を聞くことになりそうだよ…」
聖「私もだ」
コンコン
みずき「聖?」
聖「うむ、私だ。パワプロ先輩と…パワプロ先輩を連れてきたぞ」
あ、矢部くん言うのやめた。
みずき「入って入ってー!」
ガチャ
矢部「おじゃまs…ひでぶっ!」
あおい「お前のメガネは既に、割れている」
はわわ…世紀末だよ。
444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:44:33.16 ID:90iWCYRY0 [10/55]
みずき「メガネはほっといて入って入って!」
パワプロ「う、うん…」
それにしても三人娘と一緒の部屋にいるなんて、幸せだ!
パワプロ「で、なんで俺をここに?」
みずき「実はね」
あおい「パワプロくん、ボクたちのこと、のぞいた?」
パワプロ「」
あおい「」
448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:49:48.86 ID:90iWCYRY0 [11/55]
あおい「…あれ? なんでそんなに固まってるの? や、やっぱり…」
みずき「ほほう…いい度胸してるじゃないの…」
パワプロ「正直に言います。俺は男湯と女湯を間違えました」
みずき「ふむふむ、それで?」
パワプロ「先輩達が来たので、大きなロッカーの中に入りました」
あおい「う、うん」
パワプロ「中からは何も見えなくて、会話だけ聞こえました」
聖「!」ボーン
みずき「! 聖!?」
うわわ! 顔真っ赤だ!
449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:50:49.52 ID:90iWCYRY0 [12/55]
>>447
オイラのおならはフルーティーでやんす。
453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 01:59:49.48 ID:90iWCYRY0 [13/55]
聖「じゃ、じゃあ、あの話も…」
パワプロ「?」
聖「…」フラリ
みずき「ちょ、聖!?」
パワプロ「聖ちゃん、大丈夫?」
聖「ち、近づくなっ!」
死にたいっ。
455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 02:04:20.30 ID:90iWCYRY0 [14/55]
聖「あ…す、すまない、パワプロ先輩…」
パワプロ「あ、うん、気にしてないよ。それに、これは俺のミスだし」
あおい「でも、本当に何も見てない?」
パワプロ「はい、何も…」
あ、聖ちゃんのタオル一枚…。
あおい「その鼻から垂れてる血はなに…?」
パワプロ「はっ!」
みずき「何か見たのね? いいなさい」
パワプロ「何も見てない! ほんとに!」ドババッ
459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 02:17:23.33 ID:90iWCYRY0 [15/55]
パワプロ「…」チラッ
聖「?」
ドババッ
みずき「! ははぁ~ん、さては聖の体を…」
聖「なー!」
パワプロ「そ、そんなことは…!」ドバッ
あおい「とりあえず鼻血拭いて! パワプロくん!」
465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 02:33:18.61 ID:90iWCYRY0 [16/55]
パワプロ「あ、す、すいません!」
くそう、弾道が4じゃなけりゃこんなことないのに…!!
あおい(パワプロくんは、ちっちゃい方が好きなんだ…)
あおい「はぁ…」
みずき「なんで溜息ついてるんですかぁ?」ニヤニヤ
あおい「ちょっと考え事してただけ! ほっといてよ!」
467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 02:40:59.29 ID:90iWCYRY0 [17/55]
パワプロ「? あおい先輩どうしたんですか?」
あおい「なんでもないよ! 気にしないで!」
みずき「はぁ…パワプロくん、トランプでもやらない?」
パワプロ「あ、うんそうだね」
みずき「じゃあ二人でババ抜き…」
あおい「なんでボクと聖は入ってないの!?」
470 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 02:53:51.83 ID:90iWCYRY0 [18/55]
聖「トランプ…したい」
みずき「したい? 誰と?」
聖「え?」
みずき「誰としたいか言ってよ」ニヤニヤ
みずきちゃん、何を企んでるんだ?
聖「みずきと…したい」
みずき「じゃあパワプロくんはダメなんだぁ~」
聖「! …先輩と、したい」
ごめん、俺、約束守れそうにない。
あおい「うわっ!? パワプロくんがまた鼻血を!?」
471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 02:59:50.97 ID:90iWCYRY0 [19/55]
一瞬記憶が飛んだけど、それは数秒のことだ。
畜生! みずきちゃんめ! 聖ちゃんになんてことを言わせるんだ!
みずき「ふふ、どうしたのパワプロくん? なんで鼻血出してるの?」ニヤニヤ
パワプロ「く、みずきちゃん…!」
あおい「う、動かないで、パワプロくん」
パワプロ「あ、はい」
あれ? ここは…。
あおい「? どうしたの?」
あおい先輩のお膝ですと…!?
474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:08:22.03 ID:90iWCYRY0 [20/55]
パワプロ「あ、あ、あの…」
あおい「?」
みずき「あおい先輩のお膝が気持ちいいんですってー」
あおい「…あ!」
サッ ゴチン
パワプロ「いたぁ! こ、後頭部が…」
うぅ、まさか俺まで世紀末覇者あおいにやられたのか…?
476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:18:49.24 ID:90iWCYRY0 [21/55]
あおい「あ、ごめんパワプロk」
聖「大丈夫か!? パワプロ先輩っ」
パワプロ「ひ、聖ちゃん…あれ? なんだか君が…輝いて見える…」
聖「何を言っているのだ、パワプロ先輩! 気を確かに!」
パワプロ「はは…三途の川が…」
あおい「嘘つくなっ!」ゴチン
パワプロ「あいたー! じょ、冗談ですよ冗談…」
うう、後頭部強打したり殴られたり…災難だ!
481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:29:57.32 ID:90iWCYRY0 [22/55]
数分後
パワプロ「…で、トランプをやると」
みずき「うん」
パワプロ「言っとくけど…俺は強いよ?」
聖「…」
みずき「よし、じゃあ配るねー」
ヒョイヒョイヒョイヒョイ
くそ、ジョーカーは俺か…!
483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:35:30.06 ID:90iWCYRY0 [23/55]
みずき「じゃあ私から! 聖、取るよ」
聖「うむ」
ヒョイ
聖「じゃあ、先輩、取るぞ」
パワプロ「う、うん。来い!」
ヒョイ
あ、それ、ジョーカーだ。ごめんね。
聖ちゃん、どんな顔してるだろ?
聖「―――――」
超集中!?
484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:40:33.32 ID:90iWCYRY0 [24/55]
パワプロ「…」
ヒョイッ
パワプロ「おっし、そろった」
あおい「ん」
ヒョイ
あおい「やった!」
みずき「私!」
ヒョイ
みずき「そろったー」
聖「うむ」
ヒョイ
聖「―――――」
あ、そろわなかったのか…。
487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:47:56.84 ID:90iWCYRY0 [25/55]
数分後…
聖「…」
パワプロ「ひ、聖ちゃん、落ち込まないで…?」
聖「一度も駆け引き無しで終わってしまった…」
俺からジョーカーもらってそのままだったもんな。
パワプロ「気にすることないよ。もう一回しよ? ね?」
聖「いや、もういい…」ズーン
パワプロ「…」
あ、そうだ。
489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:50:53.79 ID:90iWCYRY0 [26/55]
パワプロ「聖ちゃん」
聖「なんだ?」
パワプロ「この中から一枚、カードを選んで」
聖「? うむ」
パワプロ「そのカード見て、覚えてて」
聖「…」コクリ
パワプロ「じゃあ、どこでもいいから入れて」
聖「うむ」
490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 03:52:52.80 ID:90iWCYRY0 [27/55]
パワプロ「それじゃあどこにあるかわからなくなるくらいシャッフルして」
聖「うむ」
しゃっしゃっしゃ
聖「したぞ」
パワプロ「…聖ちゃんが選んだカードは…んー」
聖「…」
パワプロ「これでしょ?」
聖「…違う」
パワプロ「あれ? じゃあこれ?」
聖「違うぞ」
パワプロ「ああ、ごめん。この間のカードだったね」
聖「!! 何故だ!?」
492 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 04:00:22.78 ID:90iWCYRY0 [28/55]
パワプロ「聖ちゃんの考えてることなんて、お見通しだよ」
まあ、ここまでの一連は全部、矢部くんに教えてもらったんだけど…。
『女の子にモテるために手品をするでやんす!』とか言って、付き合わされたから覚えちゃったよ…。
聖「お見通し…///」
みずき「あ、また聖顔赤くなってる!」
聖「む、そ、そんなことはない!」
あおい「…」
493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 04:02:29.49 ID:90iWCYRY0 [29/55]
すまん、今日はもう…。
死ぬ。おあふみ
556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 18:35:31.00 ID:90iWCYRY0 [30/55]
みずき「じゃあ、私もちょっと…」ゴソゴソ
パワプロ「ん? 割り箸?」
みずき「一本選んで」
パワプロ「うん」
みずき「あおい先輩も、聖も」
聖「うむ」
あおい「うん」
みずき「それじゃあ―――――」
みずき「王様ゲーム開始!」
あれ!? 手品じゃないの!?
559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 18:39:02.26 ID:90iWCYRY0 [31/55]
みずき「おっと! もう取ったんだからやめることはできないわよ!」
な、なんだってー!?
パワプロ「…王様だーれだ?」
みずき「はーい♪」
悪夢が始まりそうだ…。
俺は2番か…さて、どうなるかな?
みずき「パワプロくんが…」
パワプロ「待って! 番号の意味が無いよそれじゃあ!」
563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 18:46:29.18 ID:90iWCYRY0 [32/55]
みずき「わかったわよ…」
聖「みずき、悪いのだが」
みずき「ん?」
聖「王様ゲームってなんだ?」
みずき「それはね…コソコソ」
聖「ふむ…ふむ…。…なー!」ボーン
ああ、また聖ちゃんが真っ赤に!
聖「…か、過激なゲームなのだな…すでに始まっているのだ。覚悟はしよう」
あおい「王様ゲームなんて初めてだよ…」ドキドキ
みずき「じゃあ気を取り直してー命令しまーす」
565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 18:52:07.24 ID:90iWCYRY0 [33/55]
パワプロ「…」ゴクリ
みずき「1番と、」
1番、誰だ!?
みずき「2番は互いにこのポッキーをあーんする」
やったー! やったぞぉ! 誰だ!? どっちでもかまわないけど!
パワプロ「2番俺だけど…?」
聖「なー!」カァァ
あ、聖ちゃんだ。
今、天にも昇る気持ちです。
566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 19:01:47.30 ID:90iWCYRY0 [34/55]
みずき「聖? 命令は絶対よ?」
聖「う、うむ…」
パワプロ「…」ドキドキ
聖「そ、それじゃあ…パワプロ先輩」
パワプロ「う、うん」
聖「…や、やっぱり、先にやってくれ…は、恥ずかしい」
パワプロ「あ、うん…」
聖「…」
パワプロ「あーん」
聖「あーん…」パクッ
可愛い…! 可愛いよ…!
569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 19:12:08.38 ID:90iWCYRY0 [35/55]
>>567
否定はできない。
キモいんじゃなくきもちわるいと思っててくれ。
いやならセーブするけどさ。
574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 19:42:08.26 ID:90iWCYRY0 [36/55]
パワプロ「そ、それじゃあ聖ちゃん…」
聖「う、うむ…」
あー口から心臓が出そうだよ…。
鼻血はもう出すぎて出なくて良かった。
パワプロ「…」
聖「あーん…」
パワプロ「あーんっ」パクッ
聖「…」モジモジ
ポッキーの味が感動のあまり感じない…。
576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 19:50:37.39 ID:90iWCYRY0 [37/55]
みずき「うわー二人とも顔真っ赤ー!」
パワプロ「う、うるさいなぁ!」
あおい「…」
みずき「おもしろいもの見せてもらったしこれで終わりぃ」
聖「待て、みずき」
みずき「?」
聖「これでは私の気がすまないんだ」
あおい「ぼ、ボクも!」
みずき「えぇ? あおい先輩は無害でよかったじゃないですか? もしかして…?」
あおい「い、意味は無いよ!」
もしかしてって、なんだ?
577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 19:58:15.76 ID:90iWCYRY0 [38/55]
みずき「じゃあ、はい、どうぞ」
あおい「あ、ボクだ! ボクが王様!」
みずき「ちぇーなんだーちょっと私トイレ言ってくるー」
あおい「え? え?」
みずき「あ、先に決めといてください」
あおい「う、うん…」
やっぱりみずきちゃんは王様じゃないといやなんだなぁー。
あおい「それじゃあ言うね…えっと…」
578 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 20:09:21.59 ID:90iWCYRY0 [39/55]
ジャジャー
みずき「ふぅ。さぁて、もう決めたかなー?」
ガチャ
みずき「さぁて、王様! どんな命令ですか?」
パワプロ「みずきちゃん…」
みずき「ん? 何?」
パワプロ「好きです」
みずき「!!!」
581 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 20:19:07.29 ID:90iWCYRY0 [40/55]
みずき「は、はぁ? いきなり何言ってんの?」
パワプロ「嘘じゃないよ、みずきちゃん」
みずき「…」
パワプロ「俺の目を見てよ、みずきちゃん」
みずき「なんなのよあんた!」
パワプロ「強気なみずきちゃんが、大好きだよ」
みずき「~!」カァァ
584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 20:29:49.12 ID:90iWCYRY0 [41/55]
みずき「…ま、まぁあんたがべ、別にいいなら…」ボソボソ
パワプロ「ふー恥ずかしかったー!」
みずき「え?」
パワプロ「3番が1番の人に嘘告白する、が命令だったんだよ」
みずき「ふん、や、やっぱりね…! そ、そんなのわかってたわよ!」
あおい「それにしては顔真っ赤だったね?」
みずき「こっちも演技しただけですよっ!」
587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 20:41:06.11 ID:90iWCYRY0 [42/55]
聖「それにしては凄い演技力だったな」
みずき「もうその話はいいでしょ! もうっ! 次いきましょ次!」
くそう、二回中二回選ばれるとは…!
聖「む、私が王様か」
くそう! なぜ俺にこないんだ!
俺もあおい先輩やみずきちゃんや聖ちゃんに色んなことさせたいよ!!
というか、色んなことされたい気もするけど!!!
604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 22:08:32.89 ID:90iWCYRY0 [43/55]
聖「それじゃあ、2番は、私をギュッと抱きしめろ」
…?
俺の割り箸には、2って書いてあるけど…?
みずき「なんでそんな命令を?」
聖「昔、お父さんに抱きしめられて、昔から安心するのだ。だから、命令という銘打って抱きしめてもらうぞ」
あおい「そっかぁ…で、誰? ボクは1番だけど…」
パワプロ「あ、お、俺…です」
あおい・みずき「!?」
605 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 22:13:22.91 ID:90iWCYRY0 [44/55]
聖「!! そうか…パワプロ先輩か」
パワプロ「で、でもいいの? 俺で」
聖「命令は絶対だぞ」
めいれいはぜったい。
しょうがないよこれは命令だもん。だから俺は悪くないもん。
憎まないでね?
パワプロ「それじゃあ…」ドキドキ
608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 22:32:31.21 ID:90iWCYRY0 [45/55]
俺は、聖ちゃんを抱きしめた。
息をゆっくりと吸い込む。ほのかにいいにおいがする。
髪がすこし顔に当たって、くすぐったい。
小さい背中。本当に野球ができるのだろうかと思うくらいの、とても小柄な体。
聖「っ…」
微かな声がする。
その声がなぜ漏れたのかというと、俺がすこしだけ強く聖ちゃんを抱きしめたからだ。
今俺は柔らかな体に触れている。聖ちゃんは俺になんの抵抗も無く体を預けている。
ついつい、頭を撫でる。ツヤのある髪。
聖「パワプロ…せんぱい」
声もなんだかいつもと違う。感情が入っているような感じだ。
俺はその声に理性を失いそうになる。しかし、命令は「抱きしめる」だけだ。
それ以外はしてはいけない。撫でることは俺が勝手にやったことだけど。
ん? 聖ちゃんの腕が俺の体に巻きつく。どうやら聖ちゃんも俺を抱きしめているようだ。
本当に一瞬のことなんだけど、俺には本当に、長い時間に感じた。
614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:05:07.14 ID:90iWCYRY0 [46/55]
みずき「も、もういいでしょ!?」
あおい「そうだよ! そろそろ終わりだよ!」
はっ、夢心地だったのに!
パワプロ「は、はい」
そういってすぐに聖ちゃんから離れる。
聖「あ…せんぱいっ」
とても名残惜しそうに俺を上目遣いで見てくる聖ちゃん。
襲いたい…いや、落ち着け! ここで襲おうとするのはただの矢部くんと変わらないぞ!
616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:09:01.42 ID:90iWCYRY0 [47/55]
パワプロ「は、はい! これで王様ゲーム終了! で、いい?」
みずき・あおい「よくない!」
なんで!?
みずき(私だって…)
あおい(ボクだって…)
なんであんなに真剣な顔をしているんだあの二人は!?
聖「…」
619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:15:18.53 ID:90iWCYRY0 [48/55]
グランド
矢部「昨日は最悪だったでやんす」
パワプロ「ははっ…」
矢部「行った途端殴るなんてありえないでやんす! あっちから誘ったのに!」
パワプロ「…」
実は俺が誘われてて、矢部くんは誘われてないよなんて、言えないよな。
聖「パワプロ先輩」
パワプロ「ああ、聖ちゃん。それじゃあ、矢部くん」
矢部「ほーいでやんすぅー」
矢部くんも昨日で懲りたのかな?
聖「改めて、おはよう、パワプロ先輩」
パワプロ「うん、おはよう」
620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:17:22.88 ID:90iWCYRY0 [49/55]
パワプロ「今日も頑張ろうね!」
聖「うむ」
あおい「ねーパワプロくーん」
パワプロ「あ、はい?」
あおい「ちょっと教えて欲しいことがあるんだけど…」
パワプロ「はいはーい。ちょっと待ってて、聖ちゃん」
聖「あ……うむ」
621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:22:13.17 ID:90iWCYRY0 [50/55]
みずき「パワプロく…あ、あおい先輩」
あおい「! みずき」
パワプロ「あ、みずきちゃんおはよー」
みずき「ストレッチしたいから押してくれない?」
パワプロ「え!?」
今、俺に言ったよね?
あおい「他の人も手空いてるから頼めば?」
みずき「パワプロくん上手なんですもん」
い、いやぁ…それほどでも…。
626 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:26:56.41 ID:90iWCYRY0 [51/55]
みずき「ねっおねがいパワプロくん」
うっ…、みずきちゃんの小悪魔アイが俺に炸裂っ!
し、しかし、最初にお願いしたのはあおい先輩だし…。
パワプロ「みずきちゃん、悪いんだけd」
みずき「早くいこっ?」キュッ
ー! ー! ー! ー!
言葉にできない! ラーラーラーララーラー!!
627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:29:52.02 ID:90iWCYRY0 [52/55]
もうこれ以上弾道が上がらないのに…! 死ぬ…!
ん? あれって…?
「お、おいどこ触ってんだよ…」
「んー? お前のことストレッチしてるだけだぜ?」
パワプロ「…」
弾道が下がった。
考えてみれば、あいつら昨日帰ってこなかったな…。
弾道が下がった。
628 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:37:02.00 ID:90iWCYRY0 [53/55]
よしこれで立ち向かえるぞ!
キュッってされただけで動じるものか…
ムニュ
パワプロ「!」
胸ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
あおい「じゃあパワプロくん、ボクもお願い!」キュッ ムニュ
ぐはぁぁ!!!! む、胸がーーーーーーーー!!!
聖「…パワプロ先輩」ペタペタ
聖「…はぁ」
632 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/08(月) 23:41:35.88 ID:90iWCYRY0 [54/55]
弾道が2上がった。
一瞬にして!? え!? 一気に二つ上がることもあるの!?
みずき「ねぇ、パワプロくん? お・ね・が・い」
あおい「パワプロくん、ボクが先! してよっ」
ああーどうしよぅ…。
体が火照ってきたよー…。
636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:02:05.73 ID:PmpRtHbR0 [1/35]
聖「先輩達」
みずき「あら、聖」
あおい「どうしたの?」
聖「パワプロ先輩が困ってる」
ひ、聖ちゃん。
みずき「なにぃ? 嫉妬ぉ?」
あおい「えっと、ボクはただストレッチを…」
聖「…行くぞ、先輩」グイッ
パワプロ「うわっと…」
名残惜しいけど、ありがとう、聖ちゃん。
637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:06:31.30 ID:PmpRtHbR0 [2/35]
パワプロ「ひ、聖ちゃん…」
聖「なんだ…?」
パワプロ「別に助けなくてもよかったんだよ?」
俺のせいで聖ちゃんが憎まれ役を買ってしまった。
聖「…別に、気にするな」
パワプロ「でも、ありがとね」
聖「…礼などいらないぞ」
あ、手が熱くなった。
640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:14:02.22 ID:PmpRtHbR0 [3/35]
聖「そうだ」
パワプロ「ん?」
聖「やはり、お礼をもらう」
パワプロ「あ、そう? じゃあなんでも言ってよ」
聖「こんなこと…言ったら先輩は嫌がるかもしれないんだ」
パワプロ「とりあえず、言ってみなよ」
聖「…昨日…の」
パワプロ「昨日?」
聖「ギュッて…」
パワプロ「うん、わかった」
拒むわけがない。むしろ最高ですよ。
644 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:27:14.59 ID:PmpRtHbR0 [4/35]
矢部「パワプロくーん!」
パワプロ「!」ビクッ
矢部「こんなところにいたでやんすか! しかも二人で!」
パワプロ「いやぁ、一緒に練習しようかと思って」
矢部「うわー二人で特別練習でやんすか? 保健体育はそこまででやんす」
パワプロ「そんなこと言ってないだろ!」
646 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:30:34.29 ID:PmpRtHbR0 [5/35]
>>639
俺遅筆だけどいいのか?
649 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:35:43.36 ID:PmpRtHbR0 [6/35]
パワプロ「…で、矢部くん、どうしたのさ?」
矢部「今から紅白戦をするらしいのでやんす」
パワプロ「え! まだ肩作ってないよ!」
聖「じゃあ今からすぐにあたためよう」
パワプロ「うん!」
653 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:40:07.72 ID:PmpRtHbR0 [7/35]
試合中…。
バシン ストライク! バッターアウト!
「おおー! なんださっきの球! めっちゃノビてたぞ!」
パワプロ「いやいやぁ」
聖「ナイスピッチングだ、先輩」
パワプロ「聖ちゃんのリードのおかげだよ」
聖「む、ありがとう」
いやぁ、同じチームでよかった。
逆に、あの二人とは敵チームだけど…。
ストライク! バッターアウト!
あおい「ふぅ」
654 名前:>>652 承知した[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:43:38.87 ID:PmpRtHbR0 [8/35]
やっぱりあおい先輩のマリンボールは凄いキレだなぁ…。
本人もキレるけど。
あおい「…」ジロッ
あ、やべ、なぜバレた!?
あおい「…」ニコッ
あれ? 微笑みかけてきた?
聖「…パワプロ先輩、試合に集中しろ」
パワプロ「あ、ああ。ごめん」
656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:48:44.97 ID:PmpRtHbR0 [9/35]
さっきのプリティスマイルは一体…。
聖「交代だぞ、先輩」
とにかく、チェンジだ。
ストライク! バッターアウト!
パワプロ「ふぅ…なんとか俺の回は終了だな」
一人3イニング投げるのが紅白戦のルール。どんなに打たれても続く。
あ、あっちは表だから、みずきちゃんに代わってる。
ストライク! バッターアウト!
みずき「ようしっ」
658 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 00:55:47.45 ID:PmpRtHbR0 [10/35]
パワプロ「うわーやっぱりすごいなぁ」
みずきちゃんも負けず劣らず凄い変化球。
しかもキャッチャーミット一ミリも動いてないよ。
聖「さすがみずきだな」
パワプロ「そうだね」
聖「うむ」
チェンジ!
聖「さて、行ってくる」
パワプロ「うん、頑張って」
659 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 01:07:45.39 ID:PmpRtHbR0 [11/35]
試合終了…
パワプロ「おつかれ、聖ちゃん。はい、タオル」
聖「うむ、ありがとう」
聖ちゃんは最後までずっと出てたから一緒にいれなくて寂しいかったよー!
なんて、本人には言わないけどさ。
監督「うーっし今日はこれで終了だ。各自、自主練に励んでもよし。今日は終わってもいいぞー」
聖「よし、パワプロ先輩、アレをするぞ」
パワプロ「うん」
エロい何かだと思った俺を許してくれ。聖ちゃん。
660 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 01:15:19.17 ID:PmpRtHbR0 [12/35]
パワプロ「それっ!」
聖「うぅ…!」
パワプロ「うおりゃ!」
聖「くぅ…」
パワプロ「聖ちゃん、大丈夫?」
聖「だ、大丈夫だ…。気にするな」
パワプロ「いや、ダメ。休憩しよう」
聖「まだだ! まだ…」
パワプロ「でも…聖ちゃん限界でしょ?」
聖「まだいける。パワプロ先輩、こい!」
言葉だけだとただのエロ展開に聞こえるような気がする…。
661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 01:23:04.28 ID:PmpRtHbR0 [13/35]
パワプロ「それじゃあ、行くよ」
聖「…」コクリ
ビユッ バシン
聖「く…」
パワプロ「…」
ダメだ、見てられない。
パワプロ「いてて! もう限界だ!」
聖「! パワプロ先輩っ!」
662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 01:27:20.94 ID:PmpRtHbR0 [14/35]
パワプロ「ごめん、どうやらもう投げれそうにないよ」
聖「そうか…なら、今日もランニングを…」
パワプロ「軽くキャッチボールにしない? 多分すこし経てば回復すると思うから」
聖「む…わかった」
ランニングはちょっとやりたくないなぁ。
でも、聖ちゃんと一緒に走れるのはうれしいけどね。
665 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 01:39:28.54 ID:PmpRtHbR0 [15/35]
パワプロ「聖ちゃんはさ」
聖「む? なんだ」
パワプロ「俺って、ストレートしか投げられないじゃん? それってやっぱりダメかな?」
聖「…あまり言いたくはないのだが、厳しい」
パワプロ「やっぱりそうだよね…」
聖「でも、先輩のストレートは二つある。普通のストレートとノビるストレート」
パワプロ「…うん」
聖「私はその二つでリードする。難しいかもしれないけど、私は先輩の投げる球が大好きだ」
パワプロ「聖ちゃん…」
669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 01:49:39.43 ID:PmpRtHbR0 [16/35]
聖「だからこそ、ライジングキャノンの投げれる球数をすこしでも増やさないといけないんだ」
聖ちゃんは、野球部のことも、俺のことも、ちゃんと考えてくれてる。
聖「あおい先輩やみずきはスタミナがどうしても最後まで続かない。先輩の力は絶対に必要だ」
俺が、必要…。
聖「一人で練習することは簡単だ。でも、出来がどうかは自分でわからないだろ?」
聖「だから、私がここにいるのだ。先輩の球をうけるために」
パワプロ「聖ちゃん…!」
ギュッ
聖「なー!/// い、いきなり何をするっ!?」
パワプロ「聖ちゃん良い子! もう大好き!」
聖「/// パワプロ先輩…」
670 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 01:53:32.18 ID:PmpRtHbR0 [17/35]
>>668
王様ゲームで、「抱きしめてくれると安心できる人」になったって感じで考えてくれ。
672 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 02:03:59.96 ID:PmpRtHbR0 [18/35]
パワプロ「よし、聖ちゃん! もう一回頑張ろう!」
聖「む、うむ!」
パワプロ「ふぅ…」
聖「凄いぞ先輩! さっきので30球目だ! 球威もさほど衰えていない!」
パワプロ「よっしゃ! 聖ちゃんありがとう! 付き合ってくれて」
聖「わ、私はただ、ボールをうけただけだぞ。何もしてない…」
したよ。聖ちゃん。
聖ちゃんは俺の奮い立たせてくれた。
それは十分、大きなことをしてるよ。
676 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 02:13:19.75 ID:PmpRtHbR0 [19/35]
肩に爆弾ができました。
俺はこのとき、何も知らなかった。
夜
矢部「えーみなさんに集まってもらったのは他でもないでやんす!」
「なんだよ矢部ー」
「蚊に刺されるから早くしろよなー」
矢部「わかってるでやんすよ。それでは、今から肝試しを開始するでやんす!」
「男ばっかだぞー!」
「ふざけんなー!」
677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 02:14:53.47 ID:PmpRtHbR0 [20/35]
>>675
すまん、ミス。
俺を奮い立たせてくれた。
です。申し訳ございませんでした。
679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 02:20:20.25 ID:PmpRtHbR0 [21/35]
矢部「はぁ…そうでやんすか」
「な、なんだよ…」
「何が言いたいんだよー!」
矢部「はいはい、わかったでやんす! じゃあオイラはあおい先輩と、みずきちゃんと、聖ちゃんと四人で行くでやんす!」
「「「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
「俺やっぱりやる!」
「まろも!」
「わしも!」
「おいどんも!」
やっぱりみんな釣られた…。
680 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 02:25:37.52 ID:PmpRtHbR0 [22/35]
矢部「もちろん三人も参加するでやんすよね?」
あおい「う、うん。いいよ」
みずき「メガネじゃなかったら別に良いわ」
聖「…」コクリ
パワプロ「じゃあ俺もやろっと」
聖ちゃんとなれるのなら俺は…!!!
矢部「パワプロくん」コソコソ
パワプロ「なに?」
矢部「オイラが実行係だから、細工できるでやんすよ」
パワプロ「な、なんだってー!?」
それは隠し球くらいの驚きだよ!
681 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 02:33:56.86 ID:PmpRtHbR0 [23/35]
矢部「なんだったら、あの二人の仲で選ばせてあげるでやんす」
パワプロ「え? 二人?」
矢部「あおい先輩はもらっていくでやんす」
ああ、なるほどね。
それじゃあ…。
どうしようかな?
なんて、考えることなんてないけど。
パワプロ「聖ちゃんでよろしくおねがいします」
矢部「がってんでやんす」
やべえ、ニヤケが止まらない。
682 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 02:51:40.34 ID:PmpRtHbR0 [24/35]
矢部「じゃあここから紙を取るでやんす!」
「「「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」」」
うわ! 殺気が…!!!
矢部「ぐえ! 殴るなでやんす!」
パワプロ「…やっとみんな取ったか」
よし、じゃあ俺も…。
矢部「…」ニヤリ
パワプロ「…」ニヤリ
684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 03:06:26.84 ID:PmpRtHbR0 [25/35]
よし! 聖ちゃんとペア頂きー!
パワプロ「7番! 誰ー!?」
もちろん、聖ちゃん!
あおい「あ、ボクだ」
矢部「10番誰でやんすー!?」
聖「私だ」
パワプロ「」
矢部「」
687 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 03:19:35.38 ID:PmpRtHbR0 [26/35]
あ、あれー? おっかしいなー?
7番…俺・あおい先輩
10番…矢部くん・聖ちゃん
うわー! 矢部くんミスったなー!!!
矢部くんめー後で覚えとけよ!
まぁ、あおい先輩でもうれしいけどさ…!
でも、聖ちゃんが…聖ちゃんがー!!!!
688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 03:27:37.91 ID:PmpRtHbR0 [27/35]
あおい「じゃ、じゃあ…いこっか」
パワプロ「あ、はい」
ああ、聖ちゃん…グッバイぃぃ……!
あおい「…」
パワプロ「真っ暗ですね…」
あおい「うん…」
パキッ
あおい「ひゃっ」ガバッ
あおい「あ」カァァ
パワプロ「大丈夫ですか?」
あおい「う、うん」
690 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 03:47:17.15 ID:PmpRtHbR0 [28/35]
あおい「…ボクさ、こういうの、苦手なの」
パワプロ「そうですか。でも大丈夫ですよ。何もでませんから」
あおい「そ、そうかな…」
パワプロ「…」
胸当たってる…。ふはははははは。
あおい「なんか、元気ないね」
パワプロ「そうですか?」
あおい「うん、ボクと一緒はイヤだったかな…?」
パワプロ「そんなことないですよ。逆に光栄ですよっ」
691 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 03:59:18.47 ID:PmpRtHbR0 [29/35]
あおい「…なんだかパワプロくんと一緒にいると…怖くない」
パワプロ「そ、そうですか?」
あおい「おばけが出てきても、パワプロくんがやっつけてくれるって…」
凄くうれしいなぁ。
パワプロ「俺も、あおい先輩と一緒にいて、すっごく勇気づけられますよ」
あおい「え?」
パワプロ「女の子なのに頑張って練習して、男に負けないくらいの実力もってて…」
パワプロ「正直、憧れます」
あおい「…ありがと」
692 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 04:01:02.23 ID:PmpRtHbR0 [30/35]
すまん、肩が固まっちまった…。
死にます。
すんません。それでは。
695 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 04:05:55.46 ID:PmpRtHbR0 [31/35]
ああ、ごめん。
保守できる人いればお願いします。
それでは…。
718 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 13:39:13.09 ID:PmpRtHbR0 [32/35]
「うう、許せん…パワプロのやろー!」
「俺達のあおいちゃんを取りやがってー!」
「怖がらせて、びびらせてやる!」
パワプロ「それにしても、結構長いですね」
あおい「うん、そうだね」
…あおい先輩、いいにおいだなぁ。
720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 13:46:52.20 ID:PmpRtHbR0 [33/35]
って、ダメだろ! 俺は聖ちゃん一筋だ!
…しかし。
森の中
二人きり
寄り添っている
これは…まさか…ううむ。
「ぅぅ…」
あおい「! な、なにか、聞こえなかった!?」
パワプロ「え?」
721 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/09(火) 13:55:47.10 ID:PmpRtHbR0 [34/35]
パワプロ「いや、特に何も…」
矢部「ぎゃー! でやんす!!」(驚いた声)
あおい「きゃー!」(驚いた声)
「うわー!」(驚かせようとした声)
パワプロ「うわっあおい先輩!?」(驚いた声)
聖「矢部先輩何処にいく!」
パワプロ「あ、聖ちゃん」
6 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/10(水) 21:01:40.82 ID:0JeqLMU0 [4/9]
聖「む、パワプロ先輩…」
パワプロ「聖ちゃんもパートナーに置いてかれちゃったの?」
聖「まぁ、そうだな」
パワプロ「そっか」
俺にとってはこれほど嬉しいことはないんだけど…。
そんなこと、言えないしなぁ。
パワプロ「それじゃあ、一緒に探しに行こっか?」
聖「…」
あれ? 返事が返ってこない。
首を動かしてるわけでもないし。
7 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/10(水) 21:05:56.27 ID:0JeqLMU0 [5/9]
パワプロ「聖ちゃん?」
聖「あの、パワプロ先輩」
パワプロ「なに?」
聖「…」
一体どうしたんだ? 顔をそんなに赤くして…。
可愛いすぎるからやめて欲しい。
パワプロ「ほら、早く探しに行くよ」
俺は聖ちゃんに手招きする。すると聖ちゃんは小走りでこちらにやってきた。
可愛いなぁ。
8 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/10(水) 21:09:40.28 ID:0JeqLMU0 [6/9]
ギュっと、俺の手を、誰かが握る。
パワプロ「聖ちゃん?」
聖「いやだ」
パワプロ「え?」
聖「探しに行かなくていい」
パワプロ「…な、なんで?」
聖「…」カァァ
更に顔が真っ赤に。これじゃあリンゴみたいだ。
9 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/10(水) 21:17:55.12 ID:0JeqLMU0 [7/9]
パワプロ「うーん…でも、このままじゃあおいちゃんと矢部くんは…」
聖「…私のわがままだ」
パワプロ「?」
聖「パワプロ先輩と、一緒にいたいのだ」
パワプロ「…」
ぬあんだってー!?
12 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/10(水) 23:46:02.63 ID:0JeqLMU0 [8/9]
いや、きっと何かの間違いだろう。うん。そうに決まってる。
パワプロ「い、今…なんて言ったの?」
聖「…な、何度も言わせるな…」
あからさまに目をそむけてる…。
聖「…」
パワプロ「ちゃんと、聞こえなかったんだ。だからもう一回だけ…ね?」
14 名前:みなさまの支援が糧です ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/10(水) 23:55:31.01 ID:0JeqLMU0 [9/9]
聖「…先輩と一緒にいたいのだ」
ゾク。
聖「二人で…いたい」
ゾクゾク!
パワプロ「…俺も、聖ちゃんと一緒にいたいよ」
聖「えっ…!」
パワプロ「聖ちゃんといると面白いし、何より嬉しいから」
聖「…先輩」
15 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 00:08:38.52 ID:Xjwx9y60 [1/16]
それでも、俺はこの状況はまずいと思った。
先輩後輩で森の中なんて、どこのおかしなビデオだと思うし。
ギュッ
パワプロ「でも、聖ちゃん…てぬおう!?」
聖「なんだ? パワプロ先輩」
そ、そんな…急に抱きつかれてもぉ!
今にも昇天しそうだよ!!
17 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 00:31:37.28 ID:Xjwx9y60 [2/16]
パワプロ「聖ちゃん、こんな森の中であぶないよ…?」
聖「む、すまん…パワプロ先輩、いやだったか?」
いや、もっとして欲しかったけど…。
聖「あ!」
バッ
え!? なんでそんな高速で離れたの!?
聖「痛くなかったか?」
パワプロ「え? なんで…?」
聖「だって…」ペタペタ
? 一体どうしたんだろう。
20 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 00:48:28.60 ID:Xjwx9y60 [3/16]
何かまた顔真っ赤だけど…。ま、いいか。
パワプロ「今度、七夕あるでしょ?」
聖「うむ」
パワプロ「一緒に行かない?」
聖「いいのか?」
パワプロ「うん。どうせ一緒に行く人もいないし」
聖「そうか…なら、行く」
やったぁ。
21 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 01:07:14.83 ID:Xjwx9y60 [4/16]
それにしても、本当にまわり誰もいないな…。
パワプロ「聖ちゃんは幽霊とかに強そうだよね」
聖「そうか? まあ、別段苦手ではない」
パワプロ「そっか、じゃあ聖ちゃん頼りになるね」
聖「む、そうか? そういわれると、私も嬉しいぞ」
俺は君に腕を抱かれてることが一番嬉しいよ。
22 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 01:31:55.92 ID:Xjwx9y60 [5/16]
聖「…」
それにしても、顔真っ赤だなぁ。
パワプロ「聖ちゃん、体熱くない?」
聖「む…大丈夫だ…」
本当かな? すっごい汗だくだけど…。
もしかして…。
パワプロ「聖ちゃん、ちょっとごめんね」ピトッ
聖「!!」ボーン
23 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 01:47:48.17 ID:Xjwx9y60 [6/16]
パワプロ「!」
凄い熱い…。熱あるじゃないか?
聖「先輩…?」
パワプロ「すぐに宿に戻ろう」
聖「なぜだ?」
パワプロ「聖ちゃん、体がとっても熱いよ」
聖「? そうか?」
気づいてないのかな?
25 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 02:08:16.11 ID:Xjwx9y60 [7/16]
パワプロ「とにかく、森を出よう」
聖「いやだ」
パワプロ「!」
聖ちゃん、自分の体の異変に気づいてないのか!?
パワプロ「ええい、仕方がない」
聖「なー、何をする!?」
お嬢様抱っこして無理やりでも宿に行くぞ!
26 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 02:26:51.20 ID:Xjwx9y60 [8/16]
今日はここで。
おやすみ。
31 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 14:12:29.15 ID:Xjwx9y60 [9/16]
パワプロ「今は聖ちゃんのことが一番大事だ!」
聖「ぱ、パワプロ先輩…」
聖ちゃんの体はとても軽かった。
それでいてやわらかい。ごめん、いやらしくてごめん。
聖「…わかった。パワプロ先輩の言うとおりにしよう」
パワプロ「うん」
32 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 14:16:06.64 ID:Xjwx9y60 [10/16]
監督「ん? 六道が熱?」
パワプロ「はい。今部屋で寝かせてます」
監督「そうか。じゃあ看病頼む」
パワプロ「最寄に病院とかないんですか?」
監督「こんな時間に病院が空いてると思うか?」
パワプロ「ま、まあ、そうですね」
監督「それに、あいつの性格上、病院には行かないだろうよ」
パワプロ「…確かにそうですね」
33 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 14:19:21.11 ID:Xjwx9y60 [11/16]
それでも、俺は心配だ。
俺のために動いてくれて、俺は聖ちゃんに何もしてあげられないのか?
パワプロ「聖ちゃん、大丈夫?」
聖「む、パワプロ先輩か…」
パワプロ「なんで布団から出てるの!? 横になってなきゃダメじゃないか」
聖「私は大丈夫だ。横になっていなくてもへい…」ポテッ
パワプロ「聖ちゃん!?」
34 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 14:23:46.17 ID:Xjwx9y60 [12/16]
やっぱり無理してたんだな…。
パワプロ「とにかく、布団に寝かせてっと…」
聖「パワプロ先輩…」
パワプロ「なに?」
聖「すまなかった。私のせいで肝試しが…」
パワプロ「気にすることないよ。聖ちゃんの体のことのほうが大事だし」
聖「心配してくれてありがとう」
36 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 16:39:30.95 ID:Xjwx9y60 [13/16]
パワプロ「それにしても…」
いつこんなに熱くなったんだろう…。
今日の練習中からかな? あーもう、自分が情けない。
聖「もういいぞ、先輩」
パワプロ「え?」
聖「私は大丈夫だ。もう出ていっていいぞ」
パワプロ「聖ちゃん一人にはできないよ」
37 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 16:58:38.48 ID:Xjwx9y60 [14/16]
聖「みずきやあおい先輩もいる。安心しろ」
パワプロ「いつ帰ってくるかわからないでしょ? 二人が帰ってくるまでは一緒にいるよ」
聖「なら…私が熱を出してることを言わないでくれ」
パワプロ「な、なんで?」
聖「心配をかけたくない。今だってパワプロ先輩に迷惑をかけるのはイヤなんだ」
パワプロ「…わかった。約束するよ」
38 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 17:03:54.37 ID:Xjwx9y60 [15/16]
プルルルル…
パワプロ「ん? 電話…?」
みずき「もしもし?」
パワプロ「あら、みずきちゃん。どうしたの?」
みずき「どうしたもこうしたも。あんたと聖の姿が見えないから心配して電話したのよ」
パワプロ「ああ、そっか。何も言ってなかったもんね」
みずき「あと、今からあのメガネがキャンプファイアーするらしいから、早く来なさいよ」
パワプロ「いや、ちょっと無理かも」
みずき「はぁ? どうしてよ」
パワプロ「今宿に戻ってるんだ」
みずき「えっ、二人で?」
39 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/11(木) 17:10:31.06 ID:Xjwx9y60 [16/16]
パワプロ「え、あ…えっと…」
みずき「あんた、聖に変なことしてないでしょうね!?」
パワプロ「してないよ!」
みずき「じゃあなんで二人で帰ってるのよ!?」
パワプロ「え、えっと…」
どうしよう…。
→実は付きあってるんです。
実は突きあってるんです。
実は憑きあってるるんです。
えええ!? 漢字だけで感じが変わる!
46 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:12:08.68 ID:3FWcO.I0 [1/11]
パワプロ「じ、実は付き合ってるんだ」
聖・みずき「!!」
パワプロ「驚くのもわかる。詳しくはあとで話すから、それじゃ!」
みずき「ちょ、ちょっと―――――」プツッ
ふう。
あとで冗談だって言えば大丈夫かな?
パワプロ「ふう、バレずにすんだ…って聖ちゃん!?」
また顔が真っ赤!? 状況悪化!?
47 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:18:59.68 ID:3FWcO.I0 [2/11]
聖「ぱ、ぱぱぱ、パワプロ先輩…!?」
パワプロ「な、なに…?」
聖「付き合っているというのは…?」
パワプロ「あ、ああ。ごめん、バレないように嘘ついちゃった!」
俺にとっては素晴らしい設定だけど。
聖ちゃんは冗談でもいやなんだろうなぁ。
48 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:06:11.41 ID:3FWcO.I0 [3/11]
パワプロ「ごめんね、もうすこし考えればもっといい嘘つけたよね」
こういう時の適応力のなさには本当に涙が出るよ。
聖「…」
パワプロ「ひ、聖ちゃん、怒ってる?」
聖「む、怒ってないぞ。むしろごきげんだ」
あれ? そうなの?
なんだか、目がトロンとしてきてるけど。
50 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:35:54.85 ID:3FWcO.I0 [4/11]
聖「服を着替えたいんだが…」
パワプロ「ん、そう。わかったじゃあ出てるね」
聖「うむ」
パワプロ「…」
衣擦れの音がいやらしいんですが…!
聖「…いいぞ」
よし、入ろう。
パワプロ「うわわ! 聖ちゃん! ちゃんと着てよ! はだけちゃってるじゃないか!」
51 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:02:07.65 ID:3FWcO.I0 [5/11]
聖「す、すまない…」
もう! 目の保養だよ! まったく!
パワプロ「とりあえず、ちゃんと着てね!」
聖「体が重くて、思うように動かないんだ」
パワプロ「え、大丈夫!?」
聖「ま、まぁ…大丈夫なのだが…」
52 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:25:45.16 ID:3FWcO.I0 [6/11]
も、もしかして、やってほしいのかな…?
パワプロ「じゃ、じゃあ、俺がはだけを直すよ…なんt」
聖「頼む」
…え?
まじっすか!?
パワプロ「本当にいいの?」
聖「私に拒否する権利はない。それに、はだけていては先輩も困るだろう?」
目の保養になるからずっとそのままでも…!
53 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:32:34.11 ID:3FWcO.I0 [7/11]
そ、それじゃあ直させていただきます!
パワプロ「…」ドキドキ
聖「…」ドキドキ
みずき「どういうこと…?」
パワプロ「!!!!」
みずき「パワプロくん…聖に何してるの……?」
パワプロ「み、みずきちゃん!?」
55 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 03:03:16.20 ID:3FWcO.I0 [8/11]
パワプロ「いやぁ、実は…」
みずき「付き合ってる二人が先に帰って服を脱がそうとしてるシーン見せられて…」
パワプロ「これは浴衣のはだけを直そうと…!」
そうだ、聖ちゃん!
聖「早くしてくれ…パワプロ先輩」
ちょっ!?
みずき「ほぅ…嘘だね?」
56 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 03:12:54.53 ID:3FWcO.I0 [9/11]
すまん。今日はここで。
グッドバイ!
59 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 18:57:50.76 ID:3FWcO.I0 [10/11]
パワプロ「聖ちゃん! 目を開けてよ!」
そしてみずきちゃんを確認してよ!
聖「恥ずかしい…」
いやいや! 俺のがよっぽど…。
あおい「パワプロくんは後輩にそんなことするんだ…」
え!? なんであおい先輩までいるの!?
60 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/12(金) 19:07:58.93 ID:3FWcO.I0 [11/11]
パワプロ「だから…あの…」
もう聖ちゃんを無理やりにでも…!
パワプロ「聖ちゃん!」
聖「…」
パワプロ「あれ…?」
寝ちゃってるー!?
みずき「覚悟はできてる?」
できてるわけがない!
63 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/13(土) 00:12:01.88 ID:6tiZaoU0 [1/4]
パワプロ「落ち着こうよ! 俺はまだ行為にはいたってないよ!?」
そしてやるつもりもなかったのに!
あおい「聖ちゃんがこれを私と同じ立場で見てたらきっと同じ行動に移ると思うよ?」
いや、そうかもしれないけど!!
みずき「二度と聖にそんなことさせないように制裁を加えるわ」
ああ…もうどう弁解しても無理だろうな…。
パワプロ「…わかったよ、どうせ何を言っても聞いてくれないんだろう?」
67 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/13(土) 00:48:57.92 ID:6tiZaoU0 [2/4]
聖「パワプロ先輩…」
起きた!?
聖「…ありがとう…むにゃむにゃ」
寝言…かよ!
みずき「なによその言い方! それじゃあまるで私達があんたの言ってること全無視してるみたいじゃない!」
その通りな気もする。
パワプロ「じゃあちょっとくらい待ってくれてもいいじゃないか。聖ちゃんがちゃんと起きたら話を聞こうよ。」
68 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/13(土) 00:52:27.41 ID:6tiZaoU0 [3/4]
あおい「みずき、そうしよう」
みずき「え!? な、なんでですか?」
あおい「もしかしたら本当に違うかもしれないよ?」
みずき「それは…」
さすがあおい先輩!
あおい「でも、嘘だったら…ひどいよ?」
ゾクッと悪寒が背中を通っていった。
70 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/13(土) 01:23:46.17 ID:6tiZaoU0 [4/4]
みずき「命拾いしたね、パワプロくん」
いやいや、俺は無罪だから! 別に変なことする気は無いから!
あおい「それじゃあ、もう今日も遅いから」
パワプロ「あ、はい。すみません」
あおい「うん。おやすみ」
パワプロ「おやすみなさい」
…なんか汗めちゃくちゃかいてる…。
パワプロ「温泉に入って寝よ…」
79 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:44:46.05 ID:mw/lC7A0 [1/18]
パワプロ「ふぅ…」
明日、ちゃんと聖ちゃんに説明してもらって、ちゃんと解決すればいいけど…。
パワプロ「なにもしてないけど、ちょっと不安だなぁ…」
あおい「そうだったんだー」
ん? あおい先輩の声?
そっか。先輩達も入ってないんだよな。
80 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 00:57:34.50 ID:mw/lC7A0 [2/18]
さっきのいざこざ中にみんな入っちゃってたんだな。
あおい「ごめんね、聖。疑ったりして」
聖「私には謝らなくていい。むしろパワプロ先輩に謝ったほうがいいぞ」
ひ、聖ちゃん…!
みずき「でも、あの状況をみてはだけを直してるようには見えないわよぉ?」
変なこといわないでみずきちゃん!
聖「む…そうか」
てゆーか聖ちゃん! 熱出てるのになんで…?
81 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:01:39.89 ID:mw/lC7A0 [3/18]
あ、そうか…。
あおい「あれ、聖、顔赤くない?」
秘密にしてるから…。
聖「すこし、のぼせたかも。先に上がらせてもらっていいか?」
みずき「大丈夫? いつも一番長風呂してるあんたが…」
聖「へ、平気だ。気にするな」
聖ちゃん…。
82 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:12:35.27 ID:mw/lC7A0 [4/18]
あがるつもりか。
俺もあがろう。
聖「ふぅ…」
聖「あっ…」クラッ
パワプロ「おっと…」
聖「あ…」
パワプロ「大丈夫? 聖ちゃん」
聖「パワプロ先輩…」
83 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:40:11.18 ID:mw/lC7A0 [5/18]
パワプロ「無理しなくていいよ? 体重いんでしょ?」
聖「触らないでくれ」
死にたくなってきた。
聖「ここでパワプロ先輩の力を借りたら…」
体調が悪い時は普通力を借りなきゃ…。
聖「先輩から離れられなくなる…」
なんて素晴らしい言葉なのだろう。
85 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:44:49.73 ID:mw/lC7A0 [6/18]
逆に離れたくなくなるじゃないか。
パワプロ「俺は、離れたくないよ」
聖「!」
パワプロ「聖ちゃんともっと話したいこと、たくさんあるし」
パワプロ「そうやって、一人で頑張ってばっかりだと、つらいよ?」
聖「でも…」
パワプロ「俺は、悲しいよ」
パワプロ「もっと頼ってよ。俺は、聖ちゃんにもっと頼まれたい。一緒にいたい」
聖「ぱ、パワプロ先輩…」
86 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 01:51:45.77 ID:mw/lC7A0 [7/18]
聖「それはいいんだが…」
パワプロ「?」
聖「みんな…見てるんだが…」
あおい「…ふーん」
みずき「まさかパワプロくん聖が好きだったんだ…?」
パワプロ「うおう! お二人さん!」
まさか、聞かれてた!?
当たり前ですね。
91 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 09:00:40.53 ID:mw/lC7A0 [8/18]
パワプロ「ほら、やっぱりバッテリーだからね! お互いを知らないといけないもんね!」
みずき「…ああ、バッテリーね! 聖は女房だもんね」
聖「にょ、女房…」
今の流れでその言葉はやめて欲しいなぁ。
あおい「それだったらずるいよ、パワプロくん。ボクも聖と仲良くなりたいもん」
パワプロ「あ、すいません…」
なんとか切り抜けた…。危ない危ない。
92 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 10:02:02.67 ID:mw/lC7A0 [9/18]
みずき「…」
パワプロ「? どしたのみずきちゃん」
みずき「…べっつにぃ」
いやな予感がする。
次の日
聖「うっ…」クラッ
パワプロ「あ、聖ちゃん! って熱っ!」
ペタリ
聖「…! パワプロ先輩…」
パワプロ「うわわ! ごめん!」
うっひょい、うっかり胸触っちゃったよ! イエー!
94 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 17:53:10.14 ID:mw/lC7A0 [10/18]
しかし、可愛らしい胸だなぁ。
聖「…」プイッ
うへえ!? やばい、すごい嫌がってる!
も、もちろん今は触ってないよ? すぐ離したからね?
パワプロ「ごめんね…不注意のせいで…」
聖「無くて悪かったな…」ボソ
パワプロ「?」
小さすぎて聞こえなかったなぁ。
95 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 17:58:39.81 ID:mw/lC7A0 [11/18]
パワプロ「(声が)小さいよ」
聖「!!」
あれ? すっごい怒ってる?
聖「悪かったな…小さくて!」
パワプロ「あ、聖ちゃんあぶない!」
聖「え?」
ドーン
パワプロ「聖ちゃん!?」
知らない人とぶつかった!
矢部「いてて…大丈夫でやんすか?」
パワプロ「すいません、お怪我はありませんか?」
矢部「なんだか、他人行儀でやんすね…」
パワプロ「えっ!? 矢部くん!?」
96 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 18:02:50.44 ID:mw/lC7A0 [12/18]
顔が全然違うよ!?
矢部「あー! あおい先輩!」
あおい「? え? なんで私の名前を…?」
矢部「ひどいでやんす!」
そりゃあそこまで違うと誰もわからないよ…。
パワプロ「…聖ちゃん大丈夫?」
聖「むう…大丈夫だ」
97 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 18:05:44.83 ID:mw/lC7A0 [13/18]
ビシュ パシン
パワプロ「…」
聖「…」
ビシュ パシン
パワプロ「…」
聖「…」
さっきから態度が素っ気無い…。
パワプロ「どう?」
聖「うむ、いいんじゃないか?」
パワプロ「いいんじゃないかって…」
聖「いいんじゃないか?」
あれ、なんでこんなに素っ気無いんだろう?
98 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 18:10:07.82 ID:mw/lC7A0 [14/18]
パワプロ「ねえ、聖ちゃんなんかさびしいんだけど…」
聖「…練習時間は限られてるんだぞ。早く投げろ」
うわーん!
パワプロ「ごめん」
ビシュ
聖「…」
ポロッ
パワプロ「?」
聖ちゃんが落とした…?
99 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 18:11:31.76 ID:mw/lC7A0 [15/18]
聖「すまない」
パワプロ「あ、ああ…」
ビシュ ポロッ
まただ。どうしたんだろう?
聖「すまない」
パワプロ「う、うん…本当に大丈夫?」
聖「大丈夫だと言って…」ドサッ
パワプロ「!! 聖ちゃん!」
100 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 18:13:33.59 ID:mw/lC7A0 [16/18]
どこが大丈夫なんだよ!
宿にある保健所に行こう。
パワプロ「39度…!? なんであんなに無茶したんだ…」
聖ちゃんが頑張り屋さんなのは俺も、野球部全員が知ってることだ。
でも、こういう時は素直に休んでくれよ…。
101 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 18:56:14.96 ID:mw/lC7A0 [17/18]
もう、どんなに頑張ろうとしても、俺が止める。
聖ちゃんの体が最優先だ。
パワプロ「…聖ちゃん」
スッと、聖ちゃんの顔に触れる。
やはり熱を持っているけど、とてもやわらかい。
真っ白な肌は熱のためか少々赤くて、ある意味生気がある。
102 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/14(日) 19:07:24.10 ID:mw/lC7A0 [18/18]
…。
ああ、どうしよう。
変な衝動に駆られる。
聖「すぅ…すぅ…」
凄くキスしたい。
でも、そんなのはただの変態だし、聖ちゃんは熱出してるんだから。
うつっちゃう可能性だってある。
でも、すこし濡れた唇。
滲んだ汗がとてもいい匂いがする。やっぱり女の子なんだなぁ。
110 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 16:12:16.01 ID:hdmCXhk0 [1/9]
パワプロ「聖ちゃーん?」
よし、起きてない。
パワプロ「って、ダメだダメだ。うつっちゃうよ!」
きっと恋の病と熱を同時に発病しちゃうよ!
聖ちゃん…。今日はゆっくり休んでね…。
ギュッと手を握ってみる。
パワプロ「…! 聖ちゃん…!?」
手は、前見た手以上に、腫れていた。
111 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 16:17:13.91 ID:hdmCXhk0 [2/9]
パワプロ「そ、そんな…」
これはもう、女の子の、手じゃない。
野球をやってる人でも、こんなにはならない。
パワプロ「聖ちゃん…ごめん」
俺は、君を頼ってばかりだ。
112 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 16:30:56.13 ID:hdmCXhk0 [3/9]
パワプロ「…」ダッ
あおい「うおっと、パワプロくんっ」
パワプロ「…!」
あおい「あーびっくりした。急に飛び出すんだもん」
パワプロ「あおい先輩、すいません、俺、練習行って来るんで、聖ちゃんよろしくお願いします」
あおい「え? あ…」
あおい(私もちょっと怪我したから来たんだけどな…)
116 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 21:25:36.01 ID:hdmCXhk0 [4/9]
矢部「むむ、パワプロくん、一人で練習でやんすか?」
パワプロ「…えーっと、矢部くんだよね?」
矢部「う、酷いでやんす…」
パワプロ「そうだよ」
矢部「そうでやんすか。オイラは外野手でやんすから一緒に練習はできないでやんすけど、一緒に頑張るでやんす!」
パワプロ「うん!」
ビシュ
パワプロ「ふぅ」
やっぱり、ダメだ。聖ちゃんがいないと…。
俺はいつのまにか、聖ちゃんが座ってることで、安心して投げれるようになっていたみたいだ。
パワプロ「…聖ちゃん」
ええい、また頼ってるじゃないか。頑張れ俺。
ビシュ
パワプロ「…変化球」
そうだ。聖ちゃんが戻ってくるまでに、変化球でも覚えよう。
カーブくらいなら少しぐらい曲げれるようになるだろう。
パワプロ「よし! 思い立ったら即実行だ!」
パワプロ「はあ、はあ…」
ぜんっぜん曲がらない…。
むしろボールが落ちる…。
118 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 21:47:46.92 ID:hdmCXhk0 [5/9]
落ちなくていいんだよ!
曲がれよ!
パワプロ「うおー! まっがーれ!」
ビシュ ストン
や、やっぱり曲がらない…。
弧を描かずにそのまま落ちる…。
みずき「どうしたのよ? 落ち込んで」
ボールも落ちるんだけど…。
パワプロ「いやあ、カーブが投げれなくて…」
みずき「ふぅん? 投げてみてよ」
それじゃあとりあえず。
ビシュ ストン
パワプロ「ね? どうしてもまがらな…」
みずき「それフォークじゃない!」
119 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 21:54:48.87 ID:hdmCXhk0 [6/9]
え? あれ? フォーク…?
そういえば、フォークなんてあったっけ?
みずき「あんたどんな握り方してんのよ…カーブ投げようとしてフォークになるやつなんて始めてみたわよ」
パワプロ「す、すみましぇーん…」
それでも、かなり落ちてるよなぁ。
これなら、聖ちゃんを驚かせるぞ!
そして…。
120 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 22:17:55.81 ID:hdmCXhk0 [7/9]
監督「えー今日で合宿は終わりだ。明日から一週間は休みをとる。くれぐれも自主練は怠るなよ?」
じゃあなんで休みにするんだろう…。
矢部「監督、妻が怒ってるらしいでやんすよ」
パワプロ「ああ、なるほどね」
聖「…」
パワプロ「聖ちゃん、きっちり休んでね」
聖「…なあ、パワプロ先輩」
パワプロ「ん?」
121 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 22:30:17.09 ID:hdmCXhk0 [8/9]
聖「私の寺に来ないか?」
パワプロ「え?」
聖「1週間、泊まりにこないか?」
パワプロ「…」
聖「い、いやなら別に、いいんだ。無理なことを言ってすまなかった」
まって、まって。
これはなにか素晴らしいことが起きる予感がするよ?
125 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/15(月) 23:54:45.49 ID:hdmCXhk0 [9/9]
聖「ほ、ほら、せっかく1週間の休みがあるんだ。大会前だし、一緒に練習できれば嬉しいなと…」
パワプロ「うーん」
そうだよなぁ。普通大会近いんだから練習が無いなんて普通ありえないんだよなぁ。
自主練もちゃんとしておきたいし、聖ちゃんと一緒にいたいし。
この誘いは申し分ないよなぁ。
パワプロ「うん、いいよ。もちろん、他にも人はいるんだよね?」
聖「私の父親は…明日からいないんだ」
パワプロ「」
126 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 00:05:33.99 ID:GK743/s0 [1/14]
パワプロ「ほ、他に誘ってる人は?」
聖「む? 先輩だけだが…?」
パワプロ「え、な、なんで?」
聖「投げ込みを中心にしたいからな。…イヤか?」
パワプロ「そんなわけないじゃないか! むしろ大歓迎だよ!」
聖「そうか、それならよかった」
一瞬だけ微笑んだ顔が、素直に可愛かった。
127 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 00:22:02.60 ID:GK743/s0 [2/14]
ま、まさか…聖ちゃんと一つ屋根の下!?
胸がドキドキするなぁ…!!
聖「あと…なんだが」
パワプロ「ん?」
聖「お祭も、一緒に行かないか?」
二人でーーーーーーーーーーーー!?
いいの!?
パワプロ「うん!」
128 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 00:42:51.81 ID:GK743/s0 [3/14]
明日、早速聖ちゃんの家に行ける…。
バスではみんな大抵眠っていたから、大半の人には気づかれなかったはずだ。
パワプロ「ただいまー」
帰ってきて、休むまもなく早速準備。
きっと、濃い練習になるだろうし。
も、もちろん野球の練習だ。
130 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 01:04:30.19 ID:GK743/s0 [4/14]
パワプロ「母さん、明日からまた泊まって練習に言ってくるからー」
はいよーっと、軽い返事が返ってくる。
これで準備はオーケー。
明日が楽しみだなぁ。
パワプロ「しかし、聖ちゃん熱、大丈夫なのかな?」
大分楽そうだったけど…。
薬を飲んだとも聞いてるし。
パワプロ「…あ!!」
あおい先輩にバレてないよな!? 大丈夫だよな!?
あのとき通りすがったけど…。
131 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 01:37:56.52 ID:GK743/s0 [5/14]
パワプロ「あちゃー…やっちゃったなぁ」
ごめんね、聖ちゃん。
まあ、とりあえず今日は寝よう。
明日から、聖ちゃんと練習なんだから。
・
・
・
133 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 02:01:18.79 ID:GK743/s0 [6/14]
パワプロ「お、おお…」
西満涙寺。とても大きなお寺だ。
こんな凄く和風なところにも、インターホンはあるんだなぁ。
ピンポーン
聖「はい」
パワプロ「や、やっほー、パワプロです」
聖「おお、パワプロ先輩。どうぞあがってくれ」
134 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 02:43:35.09 ID:GK743/s0 [7/14]
パワプロ「お邪魔しまーす」
パワプロ「!」
俺がすぐに目に付いたものは、聖ちゃんの着物姿!!!
うっひょー! 可愛いー!
聖「いらっしゃいなのだ」
パワプロ「着物すっごく似合ってるね」
聖「そ、そうか…?」モジモジ
135 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 02:46:45.25 ID:GK743/s0 [8/14]
首筋がエロい。
聖「お昼はもう、食べたのか?」
パワプロ「あー。まだ」
聖「じゃ、じゃあ私がご馳走する。いいか?」
もちろん!
パワプロ「うん! 聖ちゃんの手作りが食べれるなら待ってるよ!」
聖「じゃ、じゃあ早速作ってくるから、ゆっくりしていてくれ」
136 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 02:53:31.63 ID:GK743/s0 [9/14]
パワプロ「…」
ワクワクするなぁ。
聖ちゃんって、けっこう料理できそうだもんね。
ドンガラガッシャーン
前言撤回! 一体何が!?
パワプロ「どうしたの!?」
聖「あ、ああ、パワプロ先輩、気にするな…」
無理!
137 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 02:59:37.84 ID:GK743/s0 [10/14]
パワプロ「聖ちゃん…やっぱりまだ…」
聖「大丈夫だ、ちょっとクラッと来ただけで…」
それがまずいんじゃないか!
パワプロ「聖ちゃんのわからず屋! 俺はそんなにつらい思いしてまで料理を作って欲しくないよ!」
聖「…」
パワプロ「聖ちゃんは横になってて。俺がなにか簡単なもの作るから」
聖「…ごめん、なさい」
138 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 03:09:05.17 ID:GK743/s0 [11/14]
こんなに聖ちゃんの近くにいるのに熱が出ない俺も凄いけど、無理してる聖ちゃんはもっと凄いなぁ。
パワプロ「練習はやめよう」
俺が軽く作ったおかゆをゆっくりと食べている聖ちゃんの動きが止まる。
聖「なぜだ!?」
パワプロ「聖ちゃんはこの一週間で病気を治さなきゃ。そのあとでも練習はできるよ」
聖「…し、しかし…」
パワプロ「俺も精一杯看病するからさ」
聖「…」
139 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 03:18:36.11 ID:GK743/s0 [12/14]
聖「…パワプロ先輩、ごめん」
パワプロ「え?」
聖「こんなバカな後輩をもって、先輩は苦労するな…」
パワプロ「何言ってんのさ」
パワプロ「俺は、聖ちゃんみたいに密接になれる後輩ができて嬉しいよ」
パワプロ「それだったら俺みたいなバカな先輩をもって、聖ちゃんが苦労するよ」
聖「そ、そんなことない! パワプロ先輩は素敵な先輩だ!」
パワプロ「ありがとう」
聖ちゃんに褒められた。うれしいなぁ。
141 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/16(火) 03:55:02.90 ID:GK743/s0 [13/14]
パワプロ「今年は、あおい先輩の最後の大会だ」
聖「うむ…」
パワプロ「きっと俺とあおい先輩かみずきちゃんにつないで行く形になると思う」
聖「…」コクリ
パワプロ「あの二人は本当は俺と違って技巧派だ。コントロールもあるし変化球中心になる」
パワプロ「きっと、聖ちゃんのリードなら、あの二人を気持ちよく投げさせることができると思う」
聖「…」
パワプロ「これは言わないで欲しいんだけど、あおい先輩は何かと怒りっぽいから、コントロールが定まらない時もあると思う」
パワプロ「みずきちゃんはけっこう人のこと甘く見てるから、調子に乗って弱い球を投げちゃう時もあると思う」
聖「先輩」
パワプロ「あと、あの二人は…」
聖「先輩!!」
パワプロ「! な、なに?」
聖「あの二人の話ばかりしないでくれ」
パワプロ「え?」
聖「…今パワプロ先輩は誰といるんだ?」
パワプロ「え、…聖ちゃん…?」
聖「…」
もしかして、ちょっと妬いてる?
そんなわけないかー。聖ちゃんが俺のこと好きなわけないし。
聖「あおい先輩とみずきのことはわかった。だから、次はパワプロ先輩のことを聞きたい」
パワプロ「え? 俺!? うーん…」
パワプロ「自分で言うのもなんだけど、高め投げるの好き」
聖「そうか」ニコッ
うおおおおお!! 超絶プリティ!
146 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/19(金) 21:05:20.99 ID:8cU2dcDO
聖「もっともっと、教えてくれ」
パワプロ「え、あ、うん」
聖「私の知らない、パワプロ先輩の色んな所を教えてくれ」
パワプロ「・・・うん!」
パワプロ「そうだ、聖ちゃん」
聖「? なんだ」
149 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/20(土) 01:07:42.25 ID:8/81TsDO [1/5]
パワプロ「俺、フォーク投げれるようになったんだ」
聖「・・・」
あれ? 反応無し?
すると聖ちゃんは目を輝かせて立ち上がった。
パワプロ「ひ、聖ちゃん!?」
聖「ぜひ、見せてくれ。パワプロ先輩!」
151 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/20(土) 15:07:57.62 ID:8/81TsDO [2/5]
パワプロ「あ、安静にしとかなきゃダメだよ!」
聖「安静にしている場合じゃないぞ先輩! さあ、早く庭に行くぞ」
それより聖ちゃん、その格好で?
聖「さあ、来い! パワプロ先輩っ」
やれやれ・・・。
・・・ん? うわわ!!
やばいよ聖ちゃん! 見えちゃいけないものが見えてる!
聖「む、どうした? パワプロ先輩」
152 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/20(土) 16:41:59.87 ID:8/81TsDO [3/5]
パワプロ「そ、それ・・・」
シュッ
聖「む、パワプロ先輩。まったく落ちてないぞ」
それより前を隠して・・・。
パワプロ「う、うん。ごめん」
聖「まさか、私を喜ばせようとしてくれたのか?」
パワプロ「そ、そうじゃないよ。ちゃんと投げれるようになったんだ」
154 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/20(土) 21:50:38.11 ID:8/81TsDO [4/5]
聖「むう・・・やはりいきなりは無理か?」
パワプロ「いや、次はちゃんと投げるよ! それっ!」
ビシュ クーン
聖「!」
あ、ワンバンッ!
聖「―――――」
バシッ
パワプロ「お…おおー」
聖「ふう…しかし、物凄く落ちたな」
パワプロ「!!!」
聖「? どうし・・・なー!!」
はだけて胸が…!
157 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/20(土) 22:56:18.40 ID:8/81TsDO [5/5]
パワプロ「…」
聖「な、なに、見ているんだ…パワプロ先輩…」
パワプロ「あ、ご、ごめん…」
聖「…ま、まあ、パワプロ先輩も男だからな…仕方ない」
パワプロ「それでも、ごめん」
聖「それにしても…こんな私でも…いいのか?」
パワプロ「え?」
聖「…! な、なんでもないっ!」
164 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/22(月) 20:54:42.33 ID:/hOht2DO [1/2]
聖ちゃんがそんな服装でやるからこんなことになったんだけど…。
いいもん見れたなー。
聖「む…」クラッ
パワプロ「! 聖ちゃんっ」
やっぱり無理してたみたいだ。
パワプロ「無理は禁物だよ、聖ちゃん」
聖「む…すまない」
あ、汗でベトベトだなあ。
聖「…パワプロ先輩、何してるんだ?」
はっ! ついついにおいをかいでしまった。
ほんのり甘いかほり…たまらん!
パワプロ「な、なにもしてないよ! 気にしないで!」
165 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/22(月) 22:00:05.28 ID:/hOht2DO [2/2]
そんな変な物を見るような顔しないで!
聖「汗が…そんなに嫌だったか?」
あ、そうとらえちゃった?
パワプロ「嫌じゃないよ。むしろ大歓迎だよ!」
うわー変な性癖の持ち主だと思われちゃったかな?
聖「ふふ…パワプロ先輩は面白い人だな」
パワプロ「そ、そう?」
166 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/23(火) 10:24:27.53 ID:sjavxgDO [1/3]
日頃の行いがいいからかな?
聖「さて、部屋に戻るか」
パワプロ「そうだね」
あ、そうだ。
パワプロ「えっと…」ゴソゴソ
聖「む…?」
パワプロ「はい、きんつば」
聖「…!」
パワプロ「家にあったんだ。確か聖ちゃん、好きだったよね?」
聖「しかもパワ堂のきんつばではないか…!」
うわっ凄い目輝いてる。
よだれまで…可愛いっ!
168 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/23(火) 15:29:57.36 ID:sjavxgDO [2/3]
聖「た、食べてもいいのか?」
パワプロ「そのために持ってきたのさ」
聖「そ、それじゃあ、いただきますっ」
パワプロ「どうぞどうぞ」
パクパクッ
おーみるみるうちに減っていく。
聖「…パワプロ先輩も食べるか?」
パワプロ「え? ああ、いいよ」
聖「いや、そういうわけにもいかない。持ってきたのは先輩なんだから」
パワプロ「じゃあ…一口だけ」
169 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/23(火) 15:44:57.94 ID:sjavxgDO [3/3]
聖「…それじゃあ、どうぞ」
…うーん。どれくらいが食べていいんだろ?
パワプロ「聖ちゃん、どれくらい食べていい?」
聖「先輩が食べたいだけ食べればいいぞ」
パワプロ「うーん一つはいらないんだよね。聖ちゃんとってくれない?」
聖「む、わかったぞ」
172 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 19:52:02.10 ID:EOMGioQ0 [1/8]
聖「よし、それなら私とはんぶんこだ」
はんぶんこ、という言葉に強く惹かれたのは俺だけじゃないと思う。
パワプロ「うん、そうだね」
聖「…む」
パワプロ「…」
聖「…」
あれ? なんだこの沈黙…?
173 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 19:57:10.85 ID:EOMGioQ0 [2/8]
聖「はんぶんも…いるか?」
パワプロ「え?」
ああ、聖ちゃん、いっぱい食べたいのか。
パワプロ「ふふ、聖ちゃん、本当にきんつば好きだね」
聖「む、否定はできない…」
パワプロ「可愛い聖ちゃんも見れたし、俺はいらないよ。ありがと」
聖「なっ/// で、でも…」
パワプロ「いっぱい食べて元気になってよ。ね?」
聖「…うむ、ありがとう、パワプロ先輩」
174 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:02:00.52 ID:EOMGioQ0 [3/8]
そして時は過ぎて…。
パワプロ「うん、もう熱は大丈夫だね」
聖「そ、それじゃあ…」
パワプロ「まだ練習はダメだよ」
聖「…ダメか…」
パワプロ「うん。明日からまた練習始まるから、それまでの我慢!」
聖「うむ、それはいいんだが…」
パワプロ「ん?」
聖「その…」モジモジ
パワプロ「なんだい?」
聖「…まつ…りは…ダメか?」
オーケー!
175 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:13:38.21 ID:EOMGioQ0 [4/8]
パワプロ「いやー大盛況だねー」
聖「そうだな」
すごい顔真っ赤。
パワプロ「また熱出ちゃった?」
聖「だ、大丈夫だ。異常は無いぞ」
パワプロ「そっか」
だんだん距離も近くなってきた。うふふ。
176 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:39:39.07 ID:EOMGioQ0 [5/8]
パワプロ「そろそろ本格的に大会に向けて練習だね」
聖「そうだな」
パワプロ「聖ちゃんとは来年もできるから、嬉しいよ」
聖「む、そうか?」
パワプロ「思ってみれば、聖ちゃんが野球部に入って、まだ数ヶ月なんだよね」
聖「まぁ、そうだな」
パワプロ「だけど、今年、甲子園に行かなくちゃ」
聖「うむ、行こう」
パワプロ「あおい先輩も、今年で引退だから…」
聖「パワプロ先輩」
パワプロ「ん?」
聖「先輩は…もっと自分を見たほうがいい」
177 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:51:37.97 ID:EOMGioQ0 [6/8]
パワプロ「え?」
聖「甲子園はあおい先輩を連れて行くためのところではない」
聖「みんなで頑張って、自分の力で行くところだ」
パワプロ「聖ちゃん…」
聖「誰かのためじゃなく、自分のためにも、頑張って欲しいんだ」
パワプロ「うん。わかった。ありがとう、聖ちゃん」
聖「どういたしましてだ」
よし、元気はいった!
パワプロ「よーし! 綿菓子食べよう綿菓子!」
178 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 20:59:22.24 ID:EOMGioQ0 [7/8]
聖「パワプロ先輩」
パワプロ「ん?」
聖「こっちに来て欲しい」
パワプロ「え、な、なんで?」
聖「い、いいから、来てくれ」
パワプロ「? うん」
180 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/24(水) 21:20:18.98 ID:EOMGioQ0 [8/8]
・ ・ ・
パワプロ「人が全然いないよここ…大丈夫なの?」
聖「大丈夫だ、安心してくれ」
まあ、聖ちゃんが大丈夫って言うなら大丈夫なんだろうけど…。
パワプロ「あのう…なんだか緑が広がってるんですけど…」
181 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 00:28:14.82 ID:QIpLcvE0 [1/8]
パワプロ「あ、あの聖ちゃん?」
聖「よし」
パワプロ「え?」
聖「上を見てくれ」
パワプロ「う、うん」
ドンッ ドンッ
パワプロ「うわぁ…花火!」
聖「私はよくここで父と一緒に見ていたんだ」
パワプロ「へぇ、すっごく見やすいいいところだね」
186 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 18:58:07.88 ID:QIpLcvE0 [2/8]
聖「すぅ…ふぅ…」
花火をじっくり見ている最中、聖ちゃんは大きく深呼吸をした。
聖「パワプロ先輩」
パワプロ「ん? なに?」
聖「パワプロ先輩に言いたいことがある」
パワプロ「うん。いいよ」
あれ? 俺、なんか悪いことしたかな?
187 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 19:06:59.73 ID:QIpLcvE0 [3/8]
聖「私は―――――」
聖「―――――パワプロ先輩のことが―――――」
聖「―――――好きだ」
パワプロ「…」
…。
…。
…え?
193 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 19:55:05.61 ID:QIpLcvE0 [4/8]
え? なんだこれ? ちょっと待って…。
予想を遥かに超える彼女のリンゴのように赤く染まった顔。
彼女の発言。
私はパワプロ先輩のことが好き―――。
パワプロ「聖ちゃんが俺のこと…好き?」
聖「…」
小さく頷く聖ちゃん。
うそ、うそ、うそだろ…!?
ほっぺたをつねってみる。どうやら違う。
え? 本当なの? 夢じゃないの?
194 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 20:10:34.32 ID:QIpLcvE0 [5/8]
聖「ど、どうしたんだ? 先輩、頬をつねって…」
パワプロ「!!」
聖ちゃんが近づいてきた。
さっきまで、嬉しいという気持ちだけ感じていたのに。
すっごく
恥ずかしくなってきた!
聖「パワプロ先輩…?」
俺に声をかける声すらも、愛しく思える。
なんだこれ!? なんだこれ!?
197 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 23:15:01.54 ID:QIpLcvE0 [6/8]
パワプロ「えーっと…聖ちゃん」
聖「…なんだ?」
パワプロ「…俺のこと、好きなの?」
聖「…」
顔を背けて、ゆっくり頷く聖ちゃん。
聖「何度も…確認しないでくれ」
聖ちゃんは自分の手を合わせてモジモジし始めた。
可愛い。しかし、なんだか、今の俺は、とても、恥ずかしくて、見ていられなかった。
俺のことが好きだなんて、いまだに信じられない。
聖「大会が始まる前に、決心をつけておきたかったんだ…パワプロ先輩」
パワプロ「は、はい!」
聖「私と、付き合って…ください」
198 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 23:30:38.62 ID:QIpLcvE0 [7/8]
パワプロ「俺みたいなので…いいの?」
聖「…先輩がいい」
パワプロ「嬉しいけど、他にもいい人はたくさんいるよ?」
正直、俺は、聖ちゃんのことを、高翌嶺の花だと思っているところがあった。
自分の人生の中ですこし幸せの時間があってもいい。そんな風に考えていたから。
そんな女の子が、俺にプロポーズしているのだ。
俺は、正直困惑している。
聖「むぅ…先輩は私がいやなのか?」
パワプロ「そんなことない! むしろ…というか、俺も、聖ちゃんのこと、好きだし…」
199 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/25(木) 23:47:39.43 ID:QIpLcvE0 [8/8]
聖「なら、両思いなんだな」
パワプロ「…そ、そうだね」
聖「…本当に好きなのか?」
う、すっごい可愛らしいジト目…。
パワプロ「もちろん! 大好きだよ」
聖「なら、証拠を見せてもらえるか?」
パワプロ「へ…?」
聖「…」
目をつぶって、唇を前に差し出してくる聖ちゃん。
201 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 00:13:58.78 ID:oye7qYw0 [1/13]
パワプロ「…」
ここで決めるのが男だ。
周りは誰もいない。
もちろん、俺と聖ちゃんだけ。
恥ずかしさは無い。
彼女と俺だけの、空間。
花火はまだ、鳴り止まない。
202 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 00:18:47.75 ID:oye7qYw0 [2/13]
女の子をこんな風に、待たせちゃいけない。
俺は、すかさず行動に入った。
パワプロ「…」
聖「…」
聖ちゃんが俺の胸に飛び込んでくる。
パワプロ「ひ、聖ちゃん?」
聖「顔を、見られたくない」
パワプロ「え?」
聖「恥ずかしくて、死にそうだ…」
204 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 00:52:24.59 ID:oye7qYw0 [3/13]
パワプロ「う、うん…俺も今めちゃくちゃ恥ずかしい」
聖「…パワプロ先輩」
パワプロ「なに?」
聖「大好き…」
パワプロ「俺も…」
聖「…」グスッ
パワプロ「! 聖ちゃん!?」
聖「よかった…」
聖「嫌われてなくて、よかった…」
パワプロ「…聖ちゃん」
205 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 01:10:03.15 ID:oye7qYw0 [4/13]
パワプロ「俺さ、ずっと聖ちゃんは俺のこと、好きじゃないと思ってた」
聖「え…?」
パワプロ「なんか、なんて言うんだろ、きっと違う感情を持ってるんだろうなって、思ってたんだよ」
聖「そ、そんなこと…」
パワプロ「でも、これで安心した。今俺の胸には、聖ちゃんがいるんだもん」
ギュッ
パワプロ「こうやって、抱きしめれるし…さ」
聖「パワプロ先輩…」
207 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 12:55:20.29 ID:oye7qYw0 [5/13]
聖「…」
パワプロ「…」
この沈黙は…。
聖「…」
パワプロ「…」
…なんだ?
208 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 13:09:20.69 ID:oye7qYw0 [6/13]
パワプロ「聖ちゃん…」
聖「…なんだ?」
パワプロ「…花火、見ないの?」
聖「…いやだ」
パワプロ「…なんで?」
聖「離れたくない…から」
パワプロ「…そっか」
209 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 13:18:03.16 ID:oye7qYw0 [7/13]
俺達は、静かな時間を過ごした。
二人でいることの幸せを噛み締めて…。
そして…。
211 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 13:23:56.13 ID:oye7qYw0 [8/13]
パワプロ「ふぅ、今日からまた練習かぁ…」
昨日のことが嘘みたいに過ぎちゃったなぁ。
でも、これで、練習もしゃきっとできるぞ!
聖「先輩」
パワプロ「お、聖ちゃん、おはよう」
聖「うむ、おはよう」
パワプロ「これからまた、大会に向けて練習だね」
聖「そうだな」
聖「ふふ…」
パワプロ「? どうしたの?」
聖「パワプロ先輩と一緒に練習できることが、嬉しくてな」
パワプロ「…はは、俺だよ、聖ちゃん」
212 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 13:27:16.85 ID:oye7qYw0 [9/13]
>>211
ミスった
×パワプロ「…はは、俺だよ、聖ちゃん」
○パワプロ「…はは、俺もだよ、聖ちゃん」
214 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 21:55:18.05 ID:oye7qYw0 [10/13]
そして時は流れ…。
・ ・ ・
パワプロ「今日は七夕だ」
聖ちゃんと行く約束をしたんだよなー。
ワクワクが止まらないよぉ。
聖「パワプロ先輩っ」
パワプロ「あ、聖ちゃん」
聖「練習お疲れ様だ」
パワプロ「うん、お疲れー」
215 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:02:53.30 ID:oye7qYw0 [11/13]
聖「…先輩」
パワプロ「なに?」
聖「あとで、な」
パワプロ「うん」
パワプロ「じゃあいってきまーす」
帰って服をささっと着替えて出かける。本当に、彼女がいるんだなと実感できるなぁ。
パワプロ「ん…あれは?」
げっ、矢部君。ここで会ったら一緒に行くことになりそう。
俺と聖ちゃんが付き合ってることは誰にも言ってないから、矢部君にばれたら、全員にばらされるだろう。
パワプロ「…ふぅ、なんとかいなくなった」
こんな夜に一人でなんでブラブラしてるんだろう…。
216 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:05:58.71 ID:oye7qYw0 [12/13]
パワプロ「聖ちゃんっ」
聖「む、パワプロ先輩」
聖ちゃんがなぜか深くお辞儀した。
聖「こんばんわ」
ガクッ、挨拶したのか。
パワプロ「聖ちゃん、今日も着物似合ってるね」
聖「そういうパワプロ先輩こそ、ユニフォーム、似合ってるぞ」
いやあ、そう言ってくれるとうれしいなぁ。
217 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/26(金) 22:16:24.07 ID:oye7qYw0 [13/13]
パワプロ「じゃあ行こうか」
聖「うむ」
聖「あっ、ちょっと待て」
パワプロ「?」
ギュッ
聖「それじゃあ、行こう」
パワプロ「…うん」
218 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 00:26:14.80 ID:mLpeOAA0 [1/27]
パワプロ「さて、何を書こうかな」
聖「パワプロ先輩、そこはもちろん」
パワプロ「?」
聖「甲子園優勝。だぞ」
パワプロ「うん。そうだね」
『甲子園、絶対優勝!』なんて、まだ甲子園に行ってないけどね。
聖「どうだ、パワプロ先輩?」
パワプロ「うん、書けたよ。聖ちゃんは?」
聖「む、まぁ、書けた」
きっと綺麗な字なんだろうな。
パワプロ「見せてー」
聖「だ、だめだ。見せられない」
パワプロ「え? なんで?」
聖「…は、早くつけるぞ」
パワプロ「? うん」
219 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 00:29:06.41 ID:mLpeOAA0 [2/27]
微妙に見えたけど…。結構普通だったけどな?
聖「! み、見るな!」
パワプロ「見てないよ」
聖「…む、そうか」
パワプロ「それじゃあ、帰ろっか」
聖「ちょっと、待ってくれ…」
パワプロ「?」
220 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 02:06:22.92 ID:mLpeOAA0 [3/27]
聖「公園に、寄らないか?」
パワプロ「公園? 別にいいけど」
到着。そのままベンチに一緒に座る。
聖「…」
パワプロ「…」
やばいよ、カップルがめちゃくちゃいちゃいちゃしてるよ?
そして俺はちゃって言いすぎだろ…。
パワプロ「あのー聖ちゃん。ここに来て一体何を?」
聖「…」
答えぬまま、体を預けてくる聖ちゃん。
ええええ!? なにこの展開!?
221 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 02:11:12.91 ID:mLpeOAA0 [4/27]
聖「パワプロ先輩…」
パワプロ「ひ、ひ、ひ、聖ちゃん!?」
聖「どうしたんだ? そんなに慌てて…」
なんでそんな甘い声を出すの!?
パワプロ「おかしいよ聖ちゃん! どうしたの?」
聖「私は変じゃないぞ? むしろパワプロ先輩の方が変だぞ?」
パワプロ「え…」
落ち着けば、きっと普通なんだろう。
いきなりこんなことになったから混乱しているんだ。
すーはー。深呼吸。
222 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 02:13:17.25 ID:mLpeOAA0 [5/27]
とりあえず状況確認!
俺と聖ちゃんがベンチに座っている。
周りはいちゃつくカップルばかり。
聖ちゃんは俺に体を預け、甘い声でささやいてくる(これが俗に言うささやき戦術!?)。
プラス、上目遣いな聖ちゃん。
つまり、これは。
俺は大人の階段を上っていいってことなのだろうか?
228 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 21:14:18.69 ID:mLpeOAA0 [6/27]
パワプロ「聖ちゃん」
聖「…」
パワプロ「優勝まで、待ってて」
聖「…」
パワプロ「優勝しよう。まずは、それからさ」
聖「…」
パワプロ「聖ちゃん?」
聖「…」
寝ちゃってる…?
…うわあ、めっちゃ恥ずかしいこと言っちゃったよ!
229 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 21:47:31.06 ID:mLpeOAA0 [7/27]
聖「…」
聖(パワプロ先輩…)
聖(先輩の言葉は…ちゃんと、聞いたぞ)
聖(私も同じ気持ちだ…)
パワプロ「聖ちゃん、起きて!」
聖「う…ん……」
パワプロ「いきなり寝ちゃうんだもん、びっくりしたなぁ」
230 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 21:53:50.26 ID:mLpeOAA0 [8/27]
聖ちゃんはあの言葉を、聞いていたんだろうか?
できれば、忘れていただきたいけど。
これから、夏が始まる。
二年生としての、最初で最後の、大会。
・ ・ ・
232 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:09:03.04 ID:mLpeOAA0 [9/27]
監督「えーお前ら、集まれ」
ザザッ
監督「最初は、パワフル高校だ。春の大会では勝ったが、今回は一味違う」
監督「東條…一年のサードの、東條小次郎」
監督「やつの攻撃翌力は、化け物級だ」
監督「練習試合での打率は、10試合で10割…」
矢部「10試合でやんすか!?」
監督「その中には、帝王も入っている」
監督「あの友沢からも、ホームランを打っている」
パワプロ「友沢!?」
まさか…あいつが…。
233 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:15:00.25 ID:mLpeOAA0 [10/27]
監督「それほど強敵だということだ」
監督「…」
全員「…」
監督「キャプテン、一言」
あおい「は、はい!」
あおい先輩は静かに前に出た。
あおい「みんな、ここまで、よく頑張った!」
あおい「みんなのおかげで、ボクがこうやって、くじけずにキャプテンとしてまとめてこれたと思う」
あおい「そんなみんなと一緒に試合ができることを、心からうれしいと思います!」
パワプロ「…あおい先輩」
あおい「今日の試合、頑張りましょう!!」
全員「おおー!!」
234 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:21:07.94 ID:mLpeOAA0 [11/27]
よし、頑張るぞ!
監督「えー今からメンバーを確認する」
え? 背番号はもう決めたのに?
1番 矢部 8
・
・
・
・
6番 六道 2
・
・
9番 早川 10
…あれ?
先発俺じゃないの?
235 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:24:11.10 ID:mLpeOAA0 [12/27]
監督「悪いな、パワプロ」
パワプロ「はい?」
監督「この試合、あいつに任せてやってくれないか?」
パワプロ「と、いうか、俺が先発で、後あおい先輩だと思ってましたよ」
監督「あいつの、プライドもあるんだ」
パワプロ「…そうですか。わかりました」
236 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:27:21.96 ID:mLpeOAA0 [13/27]
試合開始
聖「パワプロ先輩、見ててくれ」
パワプロ「うん、応援してるよ」
聖「あおい先輩を、きっちりと支えてみせる」
パワプロ「うん、期待してるよ」
聖「む、三者凡退のようだ、行ってくる」
パワプロ「うん、頑張って!」
237 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:31:43.57 ID:mLpeOAA0 [14/27]
あおい「すぅ…ふぅ…」
聖「…」
ビシュ パシッ
聖(うむ、球は走っている)
あおい「…うん、良い調子」
「しゃあ! こいっ!」
あおい「…」
ビシュ
キィン!
パワプロ「!!」
先頭打者…ホームラン?
238 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:35:32.11 ID:mLpeOAA0 [15/27]
「うわあ! 当たっちゃった!!」
「東條の言うとおりに振ったら本当に当たったー!!」
聖(東條…?)
あおい「…」
聖「あおい先輩! 気にするな! まだまだ始まったばかりだぞ!」
あおい「…」コクコク
239 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:40:36.34 ID:mLpeOAA0 [16/27]
しかし、このあとも、あおい先輩の調子に反比例して、次々とめった打ちされる。
さらに、走者一、二塁で、四番――――
―――東條。
東條「…」
聖「…」
聖(なんだ、こいつ…)
聖(体の緊張が、まったくない…)
あおい「…」
聖「…」パパパッ
あおい「…」フルフル
聖(む、ストレートは無しか)パパッ
あおい「…」フルフル
聖(初球、マリンボール? しかし、それは…)
あおい「…」コクコク
聖(だが、あのボールなら打たれることはない)
聖(相手も様子見のはず)
ビシュ
東條「…甘いな」
ギィン!
聖「!」
241 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 22:57:44.99 ID:mLpeOAA0 [17/27]
調子はとても良いのはわかる。甘い球は一球もなかった。
なのに、初球、マリンボールを3ランホームラン…。
あおい「…そんな」
聖(なんだ、こいつは…?)
聖(迷いもなく、振ってきた…)
パワプロ「まだだ、まだ行ける…! あおい先輩なら…」
監督「パワプロ」
パワプロ「はい?」
監督「投げてこい」
パワプロ「! 監督…」
監督「橘、パワプロと一緒に投げてこい」
みずき「…はい」
242 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 23:01:20.53 ID:mLpeOAA0 [18/27]
パワプロ「なんだよ監督、あおい先輩はまだ投げれるのに…」
みずき「それでも、仕方ないじゃない」
パワプロ「みずきちゃんもそんなこと言うのかよ!?」
みずき「私だって、信じたくないわよ…」
みずき「それでも、私たちができることは、今、準備万端で待ってることだけじゃないの?」
パワプロ「…そうだね」
パワプロ「よし、みずきちゃん、いくよ!」
みずき「本気で投げないでよね!」
244 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 23:09:09.01 ID:mLpeOAA0 [19/27]
この後を凡退で抑えたあおい先輩だったが、五回を抑えて、7失点。
こちらの得点は3点と、4点差。
パワプロ「7対4…このままじゃ…」
今のバッターは聖ちゃん。どうかヒットを打ってもらいたいところ。
キィン! ワァァ!
パワプロ「!! 聖ちゃんっ!」
二塁打っ! ナイスバッティング!
247 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 23:14:30.05 ID:mLpeOAA0 [21/27]
あっ! 聖ちゃんがこっちにガッツポーズを…!
ごめん! こんなときも可愛いとか思っちゃってごめん!
その後、あおい先輩のヒットで得点になるも、交代。
とりあえずこれで7対5! これからどんどん打って…
キィン
パワプロ「!!」
東條…また、ホームラン!?
248 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 23:16:42.91 ID:mLpeOAA0 [22/27]
あおい「…」ハァハァ
監督「…パワプロ」
パワプロ「…はい」
監督「行けるか?」
パワプロ「…はい!」
監督「よし、行ってこい」
パワプロ「はい!!!」
251 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 23:22:30.00 ID:mLpeOAA0 [24/27]
パワプロ「あおい先輩」
あおい「パワプロ君…はぁはぁ…」
パワプロ「お疲れ様です」
あおい「ごめんね…」
パワプロ「何言ってるんですか。ナイスピッチングです」
あおい「…はぁ、はぁ…」
パワプロ「こっから逆転するんで、見ててください」
あおい「うん…期待してる…」
パワプロ「ふぅ…またせたね、聖ちゃん」
聖「…すまない。あおい先輩を支えることができなかった」
パワプロ「大丈夫だよ。聖ちゃんのおかげで、これだけに抑えられたんだよ」
聖「む…ありがとう」
パワプロ「これから、一本も打たせない。いいかい?」
聖「うむ!」
255 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 23:49:56.65 ID:mLpeOAA0 [26/27]
ビシュ! バシンッ
ストライク! バッターアウト!
パワプロ「よっし!」
俺は東條の後ろを三者三振。
やったよ、あおい先輩!
パワプロ「あおい先輩!」
あおい「パワプロくん、ナイスピッチング!」
みずき「何よあんたっ、けっこう格好いいことするじゃない!」
パワプロ「へへ…!」
聖「パワプロ先輩…」
パワプロ「はい?」
聖「ちょっと来てほしい」
パワプロ「?」
256 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/27(土) 23:58:22.94 ID:mLpeOAA0 [27/27]
パワプロ「聖ちゃん?」
聖「さっき、私はヒットを打った」
パワプロ「うん、凄かったよ。ナイスバッティング」
聖「…だから…その…」
パワプロ「?」
聖「頭を、撫でてくれないか…?」
すっごい可愛い。撫でる以上のことがしたくなるよ、まったく。
257 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:00:06.81 ID:hXXmVvU0 [1/48]
パワプロ「うん、よくできました」ナデナデ
聖「…む、ありがとう」
ああ、可愛い…! こんなこと普通言わないよ!
聖「次はもっと、頑張る」
パワプロ「うん! 頑張ってね!」
258 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:06:13.31 ID:hXXmVvU0 [2/48]
その後、俺はヒットを許さず、最後の9回。
相手の選手も疲れが出始め、ついに同点に追いつく!
聖「…」
走者一塁の場面で、バッター聖ちゃん。
聖ちゃんは可愛らしい目を閉じて大きく深呼吸。
そして、ゆっくりと目を開いた。
聖「―――――」
「…っ」
ビシュ
カィン!
ワァァァ!
パワプロ「うおお! スリーベース!」
凄いよ聖ちゃん! ここで嬉しい勝ち越し点!
…まさか、さっきの撫で撫でのおかげじゃないよね?
はは、そんな…。
259 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:12:35.66 ID:hXXmVvU0 [3/48]
ストライクバッターアウト!
時間は過ぎてすでに相手チーム最後の攻撃。
点数は聖ちゃんのおかげで7対8。
すでにツーアウト。
残るはあと一人。そう、そいつは、
東條。
パワプロ「…」
東條「…」
鋭い眼光。
シャープなスイング。
そこから生み出されるパワー。
こいつは、本物だ。
260 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:15:17.10 ID:hXXmVvU0 [4/48]
パワプロ「…」
ビシュ
ギィン
ファール!
パワプロ「…」
初球から、積極的に喰らいついてくる。
ビシュ バシィ
ボール!
入っていないボールには目も暮れず…。
261 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:21:56.46 ID:hXXmVvU0 [5/48]
ビシュ ギィン!
ファール!
東條「…」
聖(先輩、行くしかない。あれだ)
聖ちゃん…。
うん、ここで出しても、いいよね…。
行くぞ、聖ちゃんとたくさん練習した…。
ソニックライジング!
ビシュ ギュルルル
東條「…!」
バシィン!
ストライク! バッターアウト!
265 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:28:49.55 ID:hXXmVvU0 [6/48]
ゲームセット!
パワプロ「…! やったぁああ!!」
矢部「やったでやんすぅ!!」
東條「…っ」
パワプロ「東條、俺の勝ちだ!」
東條「ふん…」
思ったとおり、クールなやつだ…。
266 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:33:14.45 ID:hXXmVvU0 [7/48]
暢気に勝利を嬉しがっていた俺たちだったが、そのまま順調に勝ち進んだ。
この逆転勝利は俺たちにとって、あまりにも大きかった。
そして、なんと甲子園出場を勝ち取ったのだ!
あの帝王との試合も、なんのドラマもなく終わってしまったのは、少し不思議だったけど。
・ ・ ・
267 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:44:23.17 ID:hXXmVvU0 [8/48]
聖「…明日から、甲子園だな」
パワプロ「うん」
聖「これも、パワプロ先輩のおかげだ」
パワプロ「何言ってるの、聖ちゃん」
パワプロ「矢部君がいて、あおい先輩がいて、みずきちゃんがいて」
パワプロ「そして、聖ちゃんがいるから、ここまでこれたんじゃないか」
聖「…パワプロ先輩」
パワプロ「それに、俺は聖ちゃんの支えがなかったら、ここまで成長することは、できなかったと思うけどな?」
聖「…私は、先輩の役に立っているか?」
パワプロ「いてくれてよかった。本当に、いてくれて」ギュッ
聖「パワプロ先輩…」
270 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 00:59:24.16 ID:hXXmVvU0 [9/48]
俺達は、絶対負けない。
どんなことがあっても。
・ ・ ・
パワプロ「そんなこんなでもう甲子園決勝戦!」
矢部「えええ!? 早くないでやんすか!?」
パワプロ「気にすることないよ矢部君! さあ! 甲子園へ、いざゆかん!」
パワプロ「相手は西強高校…!」
矢部「サードの清本くんは天下一品の打撃センスを持っているでやんす!」
パワプロ「大丈夫さ矢部君! 俺がいる限り!」
矢部「これは大きく出たでやんすね~!」
271 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 01:05:01.63 ID:hXXmVvU0 [10/48]
大丈夫さ! 多分!
聖「…パワプロ先輩」
パワプロ「はい? なんでしょう?」
聖「肩、見せてみろ」
パワプロ「え、な、なんで?」
聖「いいから」
パワプロ「大丈夫だよ、聖ちゃん」
聖「…いいから」
パワプロ「うっ…わかったよ」
274 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 01:30:03.64 ID:hXXmVvU0 [11/48]
聖「…先輩、やっぱり…」
矢部「? どうしたんでやんす?」
パワプロ「! な、なんでもないよ! ね? 平気でしょ?」
聖「…」
矢部「なんだ、びっくりしたでやんすー」
パワプロ「…聖ちゃん、お願いだよ…最後まで投げさせてくれ」
聖「…いつからだ?」
パワプロ「…合宿」
聖「!! もう何ヶ月経ってると思ってるんだ!!」
「なんだなんだ、どうしたんだ?」
「六道がいきなり大声出したぞ?」
…! まずい、このままだと…。
パワプロ「ほ、ほらほら、聖ちゃん。そんな大声出さないでよ、みんなが慌ててるよ」
聖「肩が…壊れかけてる」
「!!」
パワプロ「ひ、聖ちゃん!!」
275 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 01:35:27.50 ID:hXXmVvU0 [12/48]
監督「…パワプロ、本当か?」
パワプロ「か、監督…」
監督「…悪いが、お前を出させるわけには行かなくなった」
パワプロ「そ、そんな…!」
監督「お前にはまだ、次回もある。きちんと治せば、まだチャンスがある」
パワプロ「でも…先輩たちとやれるのは…今回だけじゃないですか」
監督「…橘、いけるか?」
みずき「はい」
監督「よし、先発、橘!」
276 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 01:38:43.18 ID:hXXmVvU0 [13/48]
嘘だろ…。
最後の、最後で…。
やべ、涙が…。
聖「パワプロ先輩…」
パワプロ「…」フイッ
聖「…」
実況「さあ、まもなく、プレイボールです」
278 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 01:50:03.13 ID:hXXmVvU0 [14/48]
試合は俺抜きでどんどんと進む。
俺がどんなにアピールしようとも。
さらに、みずきちゃんの調子が抜群に良かった。
7回まで2失点。
西強は毎試合5回までに5点以上取った試合ばかりだったのに。
まあ、こんなに調子のいい選手を引きずり落としてまで、俺もマウンドに登るつもりはない。
いいピッチングに、いいリードだ。
279 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:12:09.70 ID:hXXmVvU0 [15/48]
と、言ってるこちらは3点リード。
今回は凄く有利に進めている。
みずきちゃんの2失点はすべて、清本が絡んでいるものだ。
清本以外には、大した当たりを打たれていないので、今回は出来過ぎと言っていいほど、調子がいいみたい。
みずきちゃんもノビノビできてるみたいだし。
フォアボール
ありゃ? 凄いコントロールのみずきちゃんが初の四球だ。
みずき「ふぅ…」
ここで清本か…。どうか、打たれませんように!
みずき「…」
ビシュ シュルルルルン
出た! クレッセントムーン!
清本「むぅ!」
ガギッ
ファール
大丈夫。この程度ならみずきちゃんに抑えられないことはない。
それにしても、聖ちゃんはすごいなぁ。ここまでクレッセントムーンに全然頼ってない。
ビシュ シュルルルン
清本「!!」
ガギィィィィン!
パワプロ「!」
280 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:13:36.53 ID:hXXmVvU0 [16/48]
>>279
ミスった。
×と、言ってるこちらは3点リード。
○と、言ってるこちらは3点で1点リード。
281 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:17:34.12 ID:hXXmVvU0 [17/48]
パワプロ「場外…2ラン!?」
実況「ここで試合を大きくひっくり返したー!」
パワプロ「…みずきちゃん」
そのあとも、みずきちゃんは調子が奮わず、さらに1点取られるのである。
9回、西強5点-こちら3点。
とにかく、塁に出ないといけない場面で、バッターは5番。
監督「バッター交代、早川」
あおい「え、こ、交代!? ボク!?」
監督「お前以外に早川はいない、行ってこい」
あおい「…はい!」
282 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:23:19.49 ID:hXXmVvU0 [18/48]
ビシュ
キィン!
おお、あおい先輩ヒット!
やっぱりこの人は、度胸あるなぁ!
そして6番、聖ちゃん。
「女が続くなぁ」
聖「関係ない。―――――来い」
ビシュ キィン!
うおお! これで二連打!
次は手堅くバント。
ワンアウト 二,三塁。
そして、8番、ザコ沢。
ザコ沢…打ってくれ!
監督「パワプロ」
パワプロ「はい?」
監督「代打だ。行け」
285 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:32:04.71 ID:hXXmVvU0 [19/48]
>>283
13ではまだマリーンズからキャットハンズに行く直前くらいだから20代前半。ここで東條世代初お目見え。
14で東條世代が同い年に、しかし、なぜか聖ちゃんだけ年上に。
みずきたちが30前半くらいで、猪狩さんは40近くでいまだに現役。よってあおいちゃんも40近く。
15は猪狩、友沢世代たちの存在が抹消。東條世代に完全移行やっぱり聖ちゃんの年が意味不明。
287 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:34:40.79 ID:hXXmVvU0 [20/48]
パワプロ「…はい!」
バッターザコ沢君に代わりまして、パワプロ君。背番号、1
清本「ふむ、やっとエースの登場か」
パワプロ「…」
清本(貴様の攻撃、見せてもらうぞ)
「行くぜっ!」
ビシュ ビシンッ
ストライク!
パワプロ「…」
288 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:37:49.70 ID:hXXmVvU0 [21/48]
速い…。
ビシュッ! バシンッ!
ストライクツー!
パワプロ「…」
聖「パワプロ先輩…」
パワプロ「…」パチッ
聖「///」(試合中に…ウィンクなんて…!)
「これで…終わりだー!」
ビシュ
キィィィィィィィィィン!!
ドワァァァァァァァァァァァァァァ!!!
実況「伸びたー! 伸びていったー!! 入った、入ったー! ホームラーン!!!」
290 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:41:30.96 ID:hXXmVvU0 [22/48]
>>289
10から11行くときにすでに狂っちゃったんだよな。
さらに12で狂った。
291 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:44:10.38 ID:hXXmVvU0 [23/48]
矢部「や、やったでやんすー!!」
みずき「これで6対5! 私たちが一点リード!」
監督「さすがだ…パワプロ!」
聖「パワプロ先輩!」ギュッ
パワプロ「うわっと、聖ちゃん。まだ最終回残ってるから、それまで…ね?」
聖「…うむ」
みずき「まだ私とか残ってるんですけど…」
バシン
ストライクバッターアウト!
矢部「オイラもいるでやんすよ~!」
バシン
ストライクバッターアウト!
チェンジ!!
292 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:49:30.04 ID:hXXmVvU0 [24/48]
監督「パワプロ」
パワプロ「はい」
監督「お前はピッチャーに入れ。橘はファースト、早川はレフトだ」
あおい・みずき「はい!」
聖「監督! でも…」
監督「六道…男には譲れないものがあるんだ」
聖「…」
監督「お前も、六道に何か言うことがあるんじゃないのか?」
パワプロ「聖ちゃん…」
パワプロ「最初で最後のわがままだ…お願い!」
聖「…わかった。でも、肩がどうしても、ダメだと判断したら、即交代だ。いいな?」
パワプロ「うん…」
293 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 02:58:38.05 ID:hXXmVvU0 [25/48]
ビシュッ
ズキッ
くぅ…、やっぱり…。
バッター1番、矢倍くん
矢倍「打たせてもらうよ!」
パワプロ「…へっ…」
ビシュ
矢倍「早速甘い球ー!」
キィン!
パワプロ「ちくしょっ!」
走者一塁。
パワプロ「どぅおりやぁ!!」
295 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:05:59.15 ID:hXXmVvU0 [26/48]
>>294
14はプロ。
13→14行くと必然的に後輩がいきなり先輩or同級生になるww
14,15は全部パラレル。
多分、
9→8or10
13→11→12だと思われる。
12は確かまだ猪狩さん引退してないはず。
297 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:11:03.43 ID:hXXmVvU0 [27/48]
俺は決死の思いで、ツーアウトまで迫る。
清本「…やはり、戦うことになったか」
パワプロ「清本…」
清本「…」
ビシュッ
ギィィィン!
ファール!
な、なんつー球だ…。
ビシュッ
ギィィィィン!
ファール!
スイングが目で追えないくらいだ…。どうなってやがる。
清本「来い」
パワプロ「?」
清本「ソニックライジング、投げてみよ」
298 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:12:07.20 ID:hXXmVvU0 [28/48]
パワプロ「…!」
でも、ソニックライジングは…!
もう、肩も限界だ…。俺に投げる力は残ってるか?
聖「…?」
聖ちゃんごめん。でもこれで…終わりなんだ。この一球が入れば、優勝なんだ!
パワプロ「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ビシュッ ギュルルルルルン!
清本「待っていた! この球だ! 俺が求めている球はこれなんだー!!」
ドカーン!
パワプロ「うぐっ!」
清本「ぬおおおおお!」
ブゥン
バシィン!
聖「…!」
ストライク! バッターアウト!
ゲームセット!!
303 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:23:59.95 ID:hXXmVvU0 [29/48]
聖「パワプロ先輩!!」タタタッ
パワプロ「やったぁ! 聖ちゃん!」ギュッ
聖「うむ! 先輩は最高の先輩だ!」
なんとか、ばれてないみたいだ。
矢部「やったでやんすー!!!」
パワプロ「やったね! 矢部君!」
校歌斉唱
~♪ ~♪
そして、俺達は優勝した。
肩の爆弾は爆発して、俺は何も言わず、野球部を去った。
304 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:31:14.58 ID:hXXmVvU0 [30/48]
11月のある日のことである。
矢部「パワプロくん!」
パワプロ「矢部くん」
矢部「…あおい先輩、プロ入りでやんす!」
パワプロ「へえ、すごいね」
矢部「パワプロくん…なんで野球やらないんでやんすか?」
パワプロ「んー…」
パワプロ「なんかさ、やりたいこと全部、やっちゃったんだよね」
聖「嘘だ!」
パワプロ「…聖ちゃん」
聖「どうしてしまったんだ? パワプロ先輩…? なぜ、あのあとすぐに野球部を辞めた?」
パワプロ「ふっ…さっき言ったとおりだよ。俺のやりたいことは終わった。それだけ」
聖「嘘だ! パワプロ先輩は、そんな人じゃない!」
聖ちゃん…。
聖「私がいやなのか!? 私の何がいやだったのだ!?」
そんな顔、しないでよ。
305 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:37:03.66 ID:hXXmVvU0 [31/48]
俺は、何も言わずに立ち去ることしかできない。
俺だって、ちゃんと体は鍛えてる。
いつだって戻れるなら戻りたい。
でも、肩がこんな調子じゃあ…。
?「オヤ? ナニカオコマリノヨウデスネ~」
パワプロ「…! あなたは…!」
?「ワタシニデキルナラナンデモシテアゲマスヨー?」
~END~
307 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:39:01.29 ID:hXXmVvU0 [32/48]
これを見て、パワプロを知らない人にも、パワプロの素晴らしさを知ってもらうために書いていたSSだったはずなのに、知らぬ間に自分の自己満足になっていることに気づきませんでした。
ここまで、読んでいただけてありがとうございました。
規制が解けたら、あおいSSかみずきSSを書きたいと思います。
質問等がございましたら、どうぞ。
311 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:45:50.86 ID:hXXmVvU0 [33/48]
>>308
ここが俺の限界だww
>>309
それやるとあおいちゃんいなくなって悲しいからやらねっ
みずきとあおいは試合描写無しで行きたいと思ってる。
つかさ、本当に規制とかなんなんだよ…。
312 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 03:47:33.57 ID:hXXmVvU0 [34/48]
>>310
じゃあ、あとで書くよ。
でも、本当に短いから、期待してるうちに終わるぜ?ww
今は眠いからダメだ…。
質問あったら書いといてくれ。今日中には返す。
それじゃあ本当に、見てくれてありがとう。
そして、おやすみ!
322 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 11:13:07.67 ID:hXXmVvU0 [35/48]
>>313
>>316-319
ありがとうございます!
>>314
あまり期待しないでよねっ
>>320
規制が解けるのが4月上旬なんで、少々お待ちを。
>>321
ありがとうございます!
たくさん買ってプレイしてやってくださいww
323 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 11:25:51.86 ID:hXXmVvU0 [36/48]
今日夜あたりに書こうと思います。
それでは~
326 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 20:20:07.59 ID:hXXmVvU0 [37/48]
パワプロ「うう…緊張するなぁ」
まさか、また爆弾が治るとは思ってなかったからなぁ…。
甲子園優勝してからは、聖ちゃんとろくに会ってない。
昨日だって、すごい久しぶりに話をした。
パワプロ「…おお、やってるやってる」
キャプテンは、決まったのかな?
みずきちゃんかな? もしかして矢部君かな…?
327 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 20:41:08.80 ID:hXXmVvU0 [38/48]
矢部「む…あれは…」
パワプロ「や、やっほー矢部君」
矢部「パワプロくん!! 一体どうしたんでやんすか!?」
パワプロ「はは…本当に、迷惑かけてごめんね」
矢部「ふん! 誰も君なんか待ってなかったでやんす!」
はは、厳しいな…。
矢部「でも、素直に帰ってきてホッとしたでやんす。みんな君の帰りを待っていたでやんすよ」
パワプロ「矢部君…!」
聖「どうした矢部先輩、そんなところで突っ立って…。!!」
パワプロ「あ、聖ちゃん」
聖「…」ススッ
パワプロ「あっ…」
矢部「ありゃりゃ、行っちゃったでやんすね」
みずき「やっほー…って、パワプロくんじゃない!」
パワプロ「あ、どうも、みずきちゃん」
みずき「な、何よその気持ち悪いキャラは…」
328 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 20:47:30.46 ID:hXXmVvU0 [39/48]
パワプロ「いやあ、調子に乗ってると思われたくないからさ…」
みずき「別に、いいわよそんなこと」
パワプロ「え?」
みずき「あんたが理由もなく来ないなんておかしいもの」
パワプロ「そ、そうかな?」
みずき「それより私は、聖のこと、どうにかしたほうがいいと思うけど?」
パワプロ「…うん、ありがとう」ダッ
みずき「…」
矢部「なんだか悲しい顔してるでやんすねー」
みずき「! うっさいメガネ!」
329 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 21:43:46.47 ID:hXXmVvU0 [40/48]
パワプロ「聖ちゃん!」
聖「…」
パワプロ「聖ちゃん…その…」
聖「なんで戻ってきたんだ?」
パワプロ「…え?」
聖「先輩は、もうやり残したことは、ないのだろう?」
パワプロ「…聖ちゃん」
聖「なぜ、今頃戻ってきたんだ…」
パワプロ「…それは…」
330 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 21:47:33.94 ID:hXXmVvU0 [41/48]
パワプロ「…」
聖「先輩と、これからもっともっと、野球が出来る、私は嬉しくて仕方がなかった」
聖「なのにその気持ちを踏みにじられて…私がどれだけ苦しんだか、わかるのか?」
パワプロ「俺だって、聖ちゃんともっと野球がしたい! だから、戻ってきたんだ」
聖「…もう、理由なんて聞きたくない」
パワプロ「聖ちゃん…」
聖「今日はもう、先に帰らせてもらう。明日からはちゃんと練習に参加してくれ」
パワプロ「…実は、甲子園決勝での、最後の一球で…肩が爆発したんだ」
聖「…え!?」
331 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 21:56:07.56 ID:hXXmVvU0 [42/48]
パワプロ「ごめん、言おうと思ってたんだけど…」
聖「そ、そんな…」
パワプロ「で、でも、安心して! 今は、平気だから」
聖「…ごめんなさい…」
パワプロ「いや、聖ちゃんが謝るところは何もないよ」
聖「…それでも、私がすぐにでも、気づいていれば…」
パワプロ「俺が何も言わなかったのも原因だから、泣かないでよ…」
聖「パワプロせんぱーい!!」ギュッ
パワプロ「うわあ! 聖ちゃんっ!?」
332 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 22:01:46.20 ID:hXXmVvU0 [43/48]
聖「さみしかった! 先輩と一緒にいれなくてさみしかった!」
パワプロ「ひ、聖ちゃん…」
聖「もう、一生離れたくない! パワプロ先輩、大好きだ!」
パワプロ「俺もだよ、聖ちゃん…」
矢部「な、なんと…二人はお付き合いしてるんでやんすか!?」
みずき「どうやらそのようね…」
矢部「そ、そんな…でやんす…」
みずき「ほら、邪魔になったら悪いから、帰るわよ」
矢部「え? どこにでやんす?」
みずき「練習に!」
333 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 22:12:36.75 ID:hXXmVvU0 [44/48]
こうして、俺は野球部に戻ることが出来た。
だけど、きっと、これから俺を待ち受けるのはブランクだろう。
肩の筋肉は恐ろしく弱くなっている…と、思ったら博士のおかげで凄く強くなってる気が…。
聖「ぱ、パワプロ先輩! 一体その球威はなんだ!?」
聖ちゃんも驚いてるし…。
どうやら、ダイジョーブ博士は凄い博士みたいだ。
博士のこと、一生忘れません!
335 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 22:45:39.95 ID:hXXmVvU0 [45/48]
そして…。
今日はクリスマス…。
聖ちゃんと過ごす、うれしはずかし超大イベント!
パワプロ「いってきまーす」
七夕の時よりテンションがあがる。そりゃそうだ。大会のことは、少しの間忘れられるから。
クリスマスツリーの下で待ち合わせだけど…。
パワプロ「あれ? 今日は着物じゃないのかな?」
寒そうなミニスカートと可愛らしい手袋。首にはマフラーをつけている聖ちゃんがいた。
今日もてっきり着物だと思ってたけど…どうしたんだろ…?
それより、太ももがたまりません!!
336 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 22:50:24.79 ID:hXXmVvU0 [46/48]
あれが俗に言う、絶対領域か…。
ささやき戦術といい、聖ちゃんは地味にエロいなぁ…。
パワプロ「やっほ、聖ちゃん」
聖「む、パワプロ先輩…」
パワプロ「聖ちゃん、今日は着物じゃないんだね」
聖「さすがにクリスマスだからな…」
聖(今日のためにみずきと一緒に服を買いにいったんだ…)
聖「に、似合ってる…か?」
パワプロ「うん、すっごく。可愛いよ」
聖「む…そうか…」
337 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 23:01:04.93 ID:hXXmVvU0 [47/48]
パワプロ「さて、いこっか」
聖「うむ…」
パワプロ「腕、組んでくれる?」
聖「な、なー!」
パワプロ「はは! 顔真っ赤だよー!」
聖「こ、これはパワプロ先輩が…!」
パワプロ「はは!」タタタッ
聖「お、置いて行くな! 先輩っ」
338 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/28(日) 23:10:11.22 ID:hXXmVvU0 [48/48]
パワプロ「ははっ! 追いかけてごらーん!」
聖「むむぅ! 私が足の遅いことを知っているくせに!」
パワプロ「えー? そうだっけー!?」
聖「それに、今日はミニスカなんだ! 走るに走れない!」
そ、そういえばそうだった! 聖ちゃんの可愛らしいおパンツが他人に見せるなんてことはしたくな…。
パワプロ「うわっと…」
聖「ふふ…捕まえたぞ、パワプロ先輩」
後ろから力強く抱きしめてくる聖ちゃん。
聖「…あ」
そしてすこしの間、10秒くらい、そのままだった。
聖「す、すまん…」
やばいよ、死にそうだよ…悶えて死にそうだよ!!
339 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/29(月) 00:14:40.88 ID:TXOJQvE0 [1/9]
パワプロ「…な、なんか冷えてきたね!」
聖「そ、そうだな!」
パワプロ「…」
聖「…」
自分で顔が赤くなっているのがわかる。聖ちゃんも真っ赤だ…。
パワプロ「…どこ、いこっか?」
聖「…うーむ…」
聖ちゃんはすこし考えているようなポーズをとると、すぐに閃いたのか、ポンと手を叩いた。
聖「公園に行こう」
聖ちゃんはニッコリと微笑んで、そう言った。
340 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/29(月) 00:18:45.28 ID:TXOJQvE0 [2/9]
時計の針が、ちょうど10時を指したころ。
俺と聖ちゃんはベンチにいた。
少し前来た時と、同じベンチ。
パワプロ「寒くない?」
聖「平気だ…クシュンッ」
パワプロ「風邪引くと大変だよ。ほら」
俺は、聖ちゃんの近くに寄る。
聖「…パワプロ先輩…あったかいぞ…」
パワプロ「…よかった」
341 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/29(月) 00:24:09.72 ID:TXOJQvE0 [3/9]
聖「パワプロ先輩…」
パワプロ「なに?」
聖「前…この公園でした約束、覚えてるか?」
パワプロ「……」
…な、なにそれ? え、よ、よく覚えてないんだけど…。
聖「…む、その顔は…」
パワプロ「い、いやあ!? ひ、聖ちゃん寝てたから…そ、その話は無しだと思ってたんだけど…!?」
聖「む…私はちゃんと、聞いていたぞ。先輩が寝たと思っていただけだろう?」
そ、そうだったのか…。
聖「それとも…私じゃダメか?」
パワプロ「そ、そういうわけじゃないけど…って聖ちゃんおもむろ服を脱ぐのをやめて!!」
聖「…なぜだ?」
パワプロ「そ、外は冷えてるよ!? そ、それに…むむぅ!?」
いきなり聖ちゃんがキスを…!
聖「うるさい唇は、塞ぐだけだ」
だんだん聖ちゃんが止められなくなってきたんですけど…!?
342 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/03/29(月) 00:27:40.38 ID:TXOJQvE0 [4/9]
パワプロ「わかった…」
聖「む…」
パワプロ「そこまで言うんだったら、聖ちゃんとの、約束、果たすよ」
聖「…」
パワプロ「…聖ちゃん…」
聖「…パワプロ先輩…」
俺達は、このクリスマスのことを忘れないだろう。
俺と聖ちゃんの、クリスマス。
聖ちゃん、メリークリスマス。
E N D
364 名前: ◆9tlnVlyBBc[sageh] 投稿日:2010/04/01(木) 01:58:58.17 ID:ft3HIPc0 [1/7]
パワプロ「ねえ、聖ちゃん」
聖「む、なんだ、パワプロ先輩」
パワプロ「あのさ…」
聖「? 改まってどうしたんだ?」
パワプロ「…別れてくれないかな?」
聖「」
365 名前: ◆9tlnVlyBBc[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 02:00:23.68 ID:ft3HIPc0 [2/7]
聖「…え?」
パワプロ「ほら、そろそろ野球に専念したいというか…」
聖「…」
パワプロ「だから、さ」
聖「…」ダッ
パワプロ「ひ、聖ちゃん!?」
366 名前: ◆9tlnVlyBBc[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 02:02:51.22 ID:ft3HIPc0 [3/7]
聖「うぅ…」
聖「先輩はもう、私を愛していないのか?」
聖「…」ポロポロ
聖「な、何を泣いているんだ…」
聖「先輩が決めたことなんだ。私が抗うなんて、できない…」
聖「でも…このままでは私が…野球…できない…」
367 名前: ◆9tlnVlyBBc[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 02:06:01.24 ID:ft3HIPc0 [4/7]
パワプロ「ひ、聖ちゃん!」
聖「!」
パワプロ「うわわ! 逃げないでよ!」
聖「も、もう私に近づかないでくれ! …悲しく、なるから…」ポロポロ
パワプロ「聖ちゃん…」
聖「だから…もう…」
パワプロ「なーんて! 今日は何日か知ってる?」
聖「え? 今日…?」
パワプロ「うん」
聖「今日は…四月一日…。!!!」
パワプロ「全部、嘘だよ。聖ちゃんと別れたいなんて、これっぽっちも思ってないよ」
368 名前: ◆9tlnVlyBBc[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 02:09:54.23 ID:ft3HIPc0 [5/7]
聖「むむうぅ…」
パワプロ「ごめんごめん。でも、嬉しかったよ。聖ちゃんがそこまで俺のこと、好きだってわかったし」
聖「…パワプロ先輩なんてだいっきらいだ! バカバカ!」ポコポコ
パワプロ「あはは、痛い痛い!」
聖「嫌いだ! 絶交だ!」
パワプロ「えー…悪かったよー」
聖「ふん…」
パワプロ「ありゃりゃ…機嫌損ねちゃったかな…?」
聖「…パワプロ先輩」
パワプロ「ん?」
チュッ
パワプロ「!」
聖「嫌いも…絶交も嘘だ…。…大好き」
パワプロ「聖ちゃん…」
369 名前: ◆9tlnVlyBBc[sage] 投稿日:2010/04/01(木) 02:11:26.72 ID:ft3HIPc0 [6/7]
パワプロ「それじゃあ、聖ちゃん」
聖「む? なんだ?」
パワプロ「公園で、キャッチボールでもどう?」
聖「うむ、お相手させていただこう」
パワプロ「そうこなくっちゃ。じゃあ、いこっか」
聖「うむ」
-END-
370 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/01(木) 02:12:13.24 ID:ft3HIPc0 [7/7]
エイプリルフールだから勢いで書いた。
後悔はしていない。
そしてもう終わった話なので誰も見ていなくても気にしない。
392 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 14:57:34.41 ID:ofkTqc.0 [3/18]
11月
矢部「あおい先輩おめでとうでやんすー!」
みずき「ロッテかー。私も先輩の後を追って、ロッテに行きたいな~」
あおい「はは、ありがとう、みんな」
あおい「でも、これはボクの実力じゃないよ」
みずき「え?」
あおい「ボクを支えてくれたみんなが、ボクをプロにしたんだよ」
みずき「…」
あおい「…それに…一番支えになってくれた…」
聖「む?」
あおい「あ…な、なんでもないよ、気にしないで!」
393 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:00:22.93 ID:ofkTqc.0 [4/18]
あおい(パワプロくん…)
聖「どうしたんだ? あおい先輩」
あおい「あ、ひ、聖ちゃん…」
聖「プロになるんだ。みんなにそんな寂しい顔をしたら、ダメだぞ」
あおい「う、うん。そうだよね。ごめんごめん…」
聖「…」
394 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:10:35.97 ID:ofkTqc.0 [5/18]
聖「パワプロ…先輩か?」
あおい「ふぇ!? な、何が!?」
聖「あおい先輩を、一番支えてくれた人…というのは」
あおい「…」
聖「…」
あおい「パワプロくんはさ…この野球部で一番がんばってくれたんだ」
あおい「ボクのために練習法を考えてくれたり、いろんなアイデアを出してくれたり…」
あおい「元気付けてくれたり、一緒に練習してくれたり…」
聖「…パワプロ先輩は、いろんな人に、優しいんだな…」
あおい「え?」
聖「な、なんでもないぞ」
あおい「…でも、パワプロくんは、もう、いないから…」
聖「…」
395 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:14:35.79 ID:ofkTqc.0 [6/18]
あおい「ボクが…いけなかったのかな?」
聖「え?」
あおい「パワプロくんが辞めたのは…」
聖「あ、あおい先輩は何も悪くないぞ! 悪いのは…」
聖(私…なのかもしれない)
聖(でも、何が悪かったんだ? …先輩に、負担を与えてしまったのか…?)
396 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:18:09.18 ID:ofkTqc.0 [7/18]
矢部「あ、あれは…!」
みずき「ん? どうしたのよメガネ」
矢部「パワプロ君でやんす!」ダッ
あおい「え…!?」
聖「な、なに!」ダッ
あおい「…」
聖「あおい先輩、行かないのか!?」
あおい「…い、いいよ…」
聖「…そうか…」ダッ
>>304につづく
397 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:24:43.46 ID:ofkTqc.0 [8/18]
3月
結局俺は、あおい先輩にプロ入りおめでとうと、言っていなかった。
というか部活引退式の時に、俺をキャプテンにしてくれてたなんて思いもよらなかった…。
今日はあおい先輩プロ入り&卒業記念パーティをするので、そこで言おうと思っている。
「卒業生、退場」
あおい「…」
あ、あおい先輩だ。
泣いてはいないみたいだけど、元気無さそうだなぁ…。
というか、久しぶりに制服見たなぁ。可愛い。
聖「…パワプロ先輩、何を見ているんだ?」
パワプロ「ご、ごめん聖ちゃん」
398 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:26:16.43 ID:ofkTqc.0 [9/18]
みずき「パワプロくん」
パワプロ「ん? 何?」
みずき「あおい先輩のところ行くわよ」
パワプロ「え、ぱ、パーティあるからその時でいいんじゃ…」
みずき「それじゃあ遅いのよ、行くわよ」
パワプロ「りょ、了解…」
正直、会いたくない。
久しぶりで、恥ずかしいからだ。
399 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:31:39.09 ID:ofkTqc.0 [10/18]
あおい先輩は、3年生の唯一の野球部員である。
だからこそ、頼りになる人だし、おもしろい人だった。
たまに見せる女の子らしいところもあって、可愛い先輩だった。
みずき「あお~いせーんぱい!」
あおい「うわわっ、みずき」
みずき「卒業おめでとうございます!」
あおい「うん、ありがとう」
パワプロ「…」
あおい「あ…」
やれやれ、こうなると思ったんだよ。
この沈黙に俺は耐えられない。死にそうだ。
パワプロ「そ、卒業おめでとうございます」
あおい「あ、ありがとう…」
パワプロ「…」
あおい「…」
な、何を話せばいいんだ!?
パワプロ「プロに、言っても、がんばってください」
あおい「う、うん」
400 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:35:05.68 ID:ofkTqc.0 [11/18]
気まずさに俺は今でも逃げたくて仕方がない。
パワプロ「…」
あおい「ぱ、パワプロくん!」
パワプロ「は、はい?」
あおい「ちょっと、話があるから、来て…くれる?」
パワプロ「わ、わかりました」
怒られるのかな?
あおい「…」
パワプロ「な、なんか俺、悪いことしちゃいましたかね?」
あおい「パワプロくん」
パワプロ「はい」
あおい「…ずっと、前から好きでした…」
パワプロ「」
え? 今、なんか好きって言葉が…。
402 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:42:00.94 ID:ofkTqc.0 [12/18]
あおい「ぼ、ボクにいろいろと教えてくれたり、支えてくれたりしてくれて…とっても嬉しかった」
あおい「最初は優しい後輩って、思ってたけど…」
あおい「いつのまにか、胸がドキドキして、早く会いたくなる気持ちが大きくなってきて…」
あおい「パワプロくんが、引退式にいなかった時は…すっごく悲しかった…」
パワプロ「…あおい先輩」
あおい「ご、ごめんね、いきなりこんなこと言っちゃって…」
あおい「でも、これが今のボクの気持ち…」
パワプロ「あおい先輩…」
403 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:48:56.40 ID:ofkTqc.0 [13/18]
パワプロ「ごめん…なさい」
あおい「…」
パワプロ「…先輩が俺のこと好きなのは、とても嬉しいです」
パワプロ「俺も、あおい先輩のこと、すっごく優しくて、とっても可愛らしい先輩で、大好きです」
あおい「…」
パワプロ「でも、俺には、心に決めた人がいるんです」
パワプロ「この気持ちが変わることは、ありません」
あおい「…そっか、そうだよね」
パワプロ「…」
あおい「うん、わかった、答えが聞けて、嬉しかった」
パワプロ「あおい先輩…」
あおい「そ、それじゃあ、いいよ、帰って…」
あおい先輩は、クルリとこちらに背中を向けた。
小刻みに、体が震えている…。
404 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 15:52:33.57 ID:ofkTqc.0 [14/18]
矢部「な、なんでパワプロくん断ったんでやんすか!? オイラだったら即オーケーでやんす!」
みずき「あんたになんか告白なんて誰もしないわよ、ね、聖」
聖「む…な、なぜ私まで…」
みずき「いいじゃない、減るもんじゃないし」
聖(でも、見られるのは恥ずかしいだろう…)
パワプロ「あおい先輩?」
あおい「ど、どうしたの…? は、早く帰りなよ」
こんな先輩、初めてみた。
…。
ごめん、聖ちゃん。今回は見逃してくれ!
ギュッ
あおい「…! ぱ、パワプロくん…」
パワプロ「あおい先輩…泣かないでください…」
あおい「や、やめてよパワプロくん…そんなことしちゃ…」
矢部「わおっ!?」
みずき「あらら…」
聖「なー!!」
405 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 16:00:09.07 ID:ofkTqc.0 [15/18]
・ ・ ・
パワプロ「ただいまー」
矢部「な、何の話だったんでやんす?」
パワプロ「ああ、いやあ、いろいろと…」
あおい「…」
みずき「あれぇ? あおい先輩、顔真っ赤ですよ?」
あおい「え!? こ、これは日焼けだよっ!」
みずき「ふぅん…」ニヤニヤ
406 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 16:02:42.07 ID:ofkTqc.0 [16/18]
・ ・ ・
パワプロ「聖ちゃん、呼び出してどうしたの?」
聖「パワプロ先輩…あれはどういうことだ?」
パワプロ「え? あ、あれって…!?」
聖「彼女以外の人に抱きつくとは、許さないぞ!」
パワプロ「み、見てたの!?」
聖「うるさーい! 問答無用っ!」ポカポカ
パワプロ「ごめんごめん! いたたっ!」
あおい「…ふふっ…聖ちゃんかぁ」
あおい「お幸せに、パワプロ君、聖ちゃん」
パワプロ「痛いよ! 音と全然違う痛みだよ!」
聖「むむぅ、私の心はズタズタだぁ!」ポコポコ
~END~
407 名前: ◆9tlnVlyBBc[] 投稿日:2010/04/04(日) 16:03:50.46 ID:ofkTqc.0 [17/18]
おしまい。
今日の夜くらいに、あおいSSを立てようと思います。
とりあえずここに告知もしますので、お楽しみに~。
…見てくれる人いるんだろうか? ドキドキ
Tag : パワプロ
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