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律「・・・なんだよ澪、こっち来るなよ。こっちは私達の陣地だぞー」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:30:13.66 ID:OW5cl/mnP [1/57]
放課後、軽音部部室
律「あー、暇だなー」 ぐたー
澪「暇なんて事あるか。練習するぞ」
律「練習は後で良いよ。もっと違う事しようぜ」
澪「私達は軽音部なんだぞ。練習をしなくてどうするんだ」
律「知るかー。ムギお茶だー、お茶もってこーい」
澪「お前は、どこの亭主関白だ」 ぐりぐり
放課後、軽音部部室
律「あー、暇だなー」 ぐたー
澪「暇なんて事あるか。練習するぞ」
律「練習は後で良いよ。もっと違う事しようぜ」
澪「私達は軽音部なんだぞ。練習をしなくてどうするんだ」
律「知るかー。ムギお茶だー、お茶もってこーい」
澪「お前は、どこの亭主関白だ」 ぐりぐり
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:32:27.61 ID:OW5cl/mnP [2/57]
紬「お待たせしましたー♪」
律「あー、お茶がうまい」 ずずー
澪「それ飲んだら、練習するからな」
律「今しようと思ってたんだよ。あーあ、やる気無くなった」
澪「お前は小学生か」
唯「でも、あずにゃんが来てないよ。それまでは、ゆっくりまったりしてようよ」
澪「唯、お前もか」
紬「コントーラーのコード無いなんて、すごいわよねー♪」
律「それはシーザーも驚くだろうな」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:34:33.91 ID:OW5cl/mnP
澪「で、唯は練習しないのか」
唯「いや。しない訳じゃないけどさ。その辺は程々というか、ペース配分というか」
澪「・・・ムギは」
紬「勿論練習は大切よ。でも澪ちゃん、全員が揃わないとバンドの演奏にはならないでしょ」
律「ムギは分かってんなー」
紬「りっちゃん、練習は大切なのよ」
律「わ、分かってるよ。そんな事くらい」
澪「唯は律派。ムギは中立で良いんだな」
律「2対1。勝負は決まったんじゃないか」
澪「それはどうかな」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:36:35.28 ID:OW5cl/mnP
カチャッ
梓「済みません、遅れました」
澪「来たな。梓、練習するぞ」
梓「はい、今準備します」
澪「という訳で、2対2だ」
梓「はい?」
唯「あずにゃん、こっちこっち。飴ちゃんあるよ」
梓「何もかも意味が分かりません」
唯「飴ちゃん、いらないの?」
梓「それは頂きます」 もごもご
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:38:36.00 ID:OW5cl/mnP
5分後
梓「・・・そういう事ですか」
澪「それで、どう思う」
梓「練習はするべきでしょうね。今は、部活動中ですし」
澪「だ、そうだ」
唯「あずにゃん。思い直して、一緒にお茶飲もうよ」
梓「練習したら、飲みましょうね」
唯「そかそか。りっちゃん、やっぱり練習する?」
律「するかー。練習なんて、一生ーやらねー」
紬「りっちゃん。それだと一生ドラムに触れないわよ」
律「むぐっ」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:40:40.07 ID:OW5cl/mnP
澪「語るに落ちたな。ほら、練習するぞ」
律「・・・私はお茶を飲みたいんだよ。お茶を」
澪「ったく。それなら一生、そこでお茶を飲んでろ」
律「言われなくても飲んでやるさ。ムギー、ジョッキで持ってこーい」
紬「はいー、ただ今ー♪」
梓(本当に持ってこないだろうな)
澪「それで唯は」
唯「いやー。私が練習しちゃうと、りっちゃん一人になっちゃうから」 ぽそっ
澪「・・・なんだ、それ」
唯「いや。意味はないんだけどね。たはは」
梓「唯先輩♪」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:42:42.40 ID:OW5cl/mnP
紬「お待たせしましたー」 どかっ
律「うおっ。マジでジョッキッ」
澪「全部飲めよ。梓、練習始めるぞ」
梓「は、はい。唯先輩も、早く来て下さいよ」
唯「あずにゃんも、早くお茶飲みに来てね」
律「・・・うー、全然減らねー」 ぐったり
紬「お代わり、ありますよー♪」
梓(鬼だ、この人は笑顔の鬼だ)
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:45:04.14 ID:OW5cl/mnP
30分後
澪「・・・落ちるよっ♪」 ぼぼーん
梓「取りあえずは出来ましたね」
澪「取りあえずはな。・・・ちょっと休むか」
梓「はい」
澪「本当は、取りあえずじゃ駄目なんだけどな」
梓「澪先輩」
澪「……取りあえず、お茶飲むか」
梓「はい♪」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:47:09.28 ID:OW5cl/mnP
律「・・・なんだよ澪、こっち来るなよ。こっちは私達の陣地だぞー」
澪「小学生か、お前は」 すっ
律「入るなよー」 じたばた
澪「5秒までならいいんですー」 さっ
梓(どっちが子供?)
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:49:09.63 ID:OW5cl/mnP
紬「それで、どこからどこまでが陣地なの?」
律「ベンチからこっちが私達。ベンチから向こうが澪達の陣地だ」
澪「望むところだ。律、お前も入ってくるなよ」
律「頼まれても入りませんよーだ」
澪「大体これ、お前のバッグだろ」 ひょいっ
律「うぉっ」 どすっ
澪「これは唯の」 ひょい
律「おぅっ」 どすっ
澪「全く」
梓(もしかして、わざと返してあげたのかな。でも律先輩達の方が、どう考えても狭いし。良く分かんないな)
律、澪「ふんっ」 ぷいっ
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:51:11.62 ID:OW5cl/mnP
澪「まあ、良い。梓、私達はベンチに座るぞ。ムギ、お茶頼む」
紬「はいどうぞー♪梓ちゃんも、はい♪」
澪「ありがとう」
梓「頂きます」
律「ムギーッ」
紬「ごめんなさい。私は中立だから」
唯「ムギちゃんはいつも優しいね」
紬「野菜室だったら困るけどね」
唯、紬「「あはは♪」
律「フリーザー室並にお寒いな、おい」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:53:17.62 ID:OW5cl/mnP
唯「あずにゃん、あずにゃーん」
梓「なんですか、急に」
唯「ずっと離れ離れだったから、寂しいんだよ」
梓「目と鼻の先にいるじゃないですか」
唯「でも私とあずにゃんの間には、越すに越せない壁があるんだよ」
梓「大げさですよ。大体、越えたところで別に」 すっ
澪「梓。5秒越えるなよっ」
梓「は、はい」 さっ
唯「それで、5秒越えたらどうなるの?」
律「それは、その。なあ、澪」
澪「ああ、律。そうだよな」
律、澪「うんうん」
梓(仲良いんじゃないの、二人とも。で、結局どうなるの?)
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:55:19.73 ID:OW5cl/mnP
澪「さてと、もう少し練習するか」
梓「はい」
唯「あずにゃん。バナナパイ、まだあるよ」
梓「私はもう、十分食べましたから」
澪「あれ。まだ残ってた?」
梓「え?」
澪「な、なんでもない。練習、練習。バナナパイの練習だっ」
梓(食べたかったのかな、もしかして)
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:57:46.59 ID:OW5cl/mnP
ボローン、ボローン♪
唯「どうしようか、これ。残すのはもったいないし」
紬「3人で分けて食べる?」
律「・・・いや。私はもう良いよ。食べ過ぎても太るしな」
唯「りっちゃんが食べないなら、私もいいや」
紬「だったら、しまっておくわね。澪ちゃん達が、後で食べるかも知れないし♪」
律「ん?それはあいつらの勝手だろ」
唯「りっちゃん、もしかして澪ちゃんのために?」
律「はは。そんな訳あるかよ。私は、お茶をもっと飲みたいだけなんだよ」
紬「だったら、お代わり持ってくるわね♪」
律「えー」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:59:57.35 ID:OW5cl/mnP
律「あー、何か暇だな」
唯「やっぱり、楽器がないとね。澪ちゃん達に頼んで、持って来てもらう?」
律「いやー、駄目だ。お互い陣地を決めたのなら、そこに入るなんて事は許されない」
唯「もう。りっちゃん、変な意地張らないでおこうよ」
律「良いんだよ。別にギターやドラムに触らないからって、死ぬ訳でもあるまいし」 ドンタタ、ドンタタ
唯「今、机叩かなかった?」
律「え?今刻んでた?完全に無意識だったわ」
紬「その台詞、2年前に聞いたわー♪」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:01:59.29 ID:OW5cl/mnP
澪「ふっ、せっ、はっ」 ぐいぐいっ
梓「・・・澪先輩、ドラムを持ち上げてどうしたんですか?」
澪「ピックが、ドラムの下に入った」
梓「運ぼうとしてません?」
澪「・・・そんな訳無いだろ。ついでに掃除するから、ギー太を運んでくれ」
梓「あ、はい」 すたっ
澪「もっと向こうに。・・・もっと、もっと向こう」
梓「この辺、ですか」
澪「ああ」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:04:04.80 ID:OW5cl/mnP
唯「あずにゃん、どしたの」
梓「こんにちはです」
唯「それ、ギー太だよね。届けてくれたんだ」
梓「いや。澪先輩が掃除をするというので、ここまで持って来ました
唯「澪ちゃんが?」
律「あんにゃろう」
紬「やっぱり澪ちゃんは優しいわねー♪」
唯「ありがと、あずにゃん。澪ちゃんにもよろしく言っておいて」
梓「はいです♪」 とたとた
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:06:11.98 ID:OW5cl/mnP
梓「ギー太、片付けておきました。それと唯先輩が、ありがとうって言ってました」
澪「私は掃除をしてるだけだ」 はぁはぁ
梓「ドラム、私も運びましょうか」
澪「いや。これは重くて動かせない」 はぁはぁ
梓(本気で運ぶ気だったのか)
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:08:12.41 ID:OW5cl/mnP
澪「・・・・そのスティックも、片付けてくれ」
梓「スティックを、ですか」
澪「ああ」
梓「この辺ですか?」
澪「もっと向こうに。・・・もっと、もっと向こう」
梓「この辺、ですか」
澪「ああ」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:10:13.85 ID:OW5cl/mnP
律「ん?梓、どうした」
梓「こんにちはです。あの、これを」
律「スティック?」
梓「澪先輩が、片付けろと言ったので」
唯「私達が暇そうにしてるから、澪ちゃんが気を遣ってくれたんだよ」
律「んな訳無い無い」
紬「だったらスティックは、私が預かろうか?」
律「いやいや。それはそれ、これはこれだから」
紬「あらあら♪」
律「・・・梓、澪に伝えてくれ」
梓「はいです♪」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:12:14.62 ID:OW5cl/mnP
梓「スティック、片付けておきました」
澪「ん、そうか」
梓「それで、律先輩から伝言です」
澪「・・・なんだって」
梓「後ろ、お化け。お化けいるぞっ」
澪「いる訳無いだろ」 さっ
梓(だったら、何故振り向く)
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:14:15.45 ID:OW5cl/mnP
澪「・・・ポーケットから、出すよ♪」 ボボーン。
梓「ふー。ギターとベースだけでは、やっぱり薄いですね」
澪「だから、5人じゃないと駄目なんだ」 ぽそっ
梓「え、何か言いました?」
澪「何でもない。・・・ちょっと寒くないか」 ぶるっ
梓「陽が当たりませんからね、この時間は」 ぶるっ
澪「上着は・・・。椅子に掛けてきたか」
梓「取りに行って来ましょうか」
澪「いや。・・・梓、ほらこっち来て」
梓「あ、はい」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:16:19.77 ID:OW5cl/mnP
澪「済まないな、私がふがいないばっかりに」 きゅっ
梓「いえ。そんな事は」 きゅっ
澪「全く。駄目な先輩だ、私は」
梓「そんな事無いですよ。私は澪先輩を、いつも尊敬してますから」
澪「ありがとう、梓♪」
梓(どう致しまして♪) くんかくんか
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:18:35.78 ID:OW5cl/mnP
唯「・・・澪ちゃん達、寒そうだね」
紬「向こう、陽が当たらないから」 ちらっ
律「知るかー。たるんでるから寒いんだ。・・・うぅっ」 ぶるっ
唯「りっちゃん。そんなお約束なんて」
律「ち、違うよ。お茶飲み過ぎたから。・・・ちょっと、トイレ行ってくる」 すたすた、ぱたん
唯「い、今の内に」 とたとたっ
紬「あらあら♪」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:20:36.40 ID:OW5cl/mnP
唯「あずにゃん、あずにゃん。これ、二人の上着」
梓「あ、ありがとうございます」
澪「唯、5秒過ぎてるぞ」
唯「さっきも聞いたけど、5秒過ぎるとどうなるの?」
澪「いや、別に何もならないけど。私と律がそう決めたんだから、5秒ルールは絶対なんだ」
唯「結局澪ちゃんもりっちゃんも、お互いを信頼してるんだね♪」
梓「私もそう思います」
澪「そ、そういう事じゃない。とにかく唯は早く戻れ。律が帰ってきたら、またうるさいぞ」
唯「二人とも、早く仲直りすればいいのに。そうしないと私はあずにゃんと、ずっと離れ離れだよ」
梓「さっきから、しょっちゅう会ってますけどね」
唯「そかそか」
澪「全く♪」 くすっ
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:22:37.17 ID:OW5cl/mnP
律「うぃーす、今帰ったぞー」 どたっ
唯「お帰りなさーい」
紬「お菓子にする?私にする?それとも、お茶にする?」
律「色々突っ込みたいが、もう何もいらん」
紬「唯ちゃん。今のはお茶を持ってこいってボケと解釈して良いの?」
唯「おー、ムギちゃん分かってきたね」
律「分かってないのはお前だろ。・・・あ」 ちらっ
唯(見つかった?)
紬(まあ、二人とも上着着てるから)
律「おい、唯」
唯「ひゃ、ひゃいっ」 びくっ
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:24:38.70 ID:OW5cl/mnP
律「このマフラー。梓のじゃないか」
唯「いや。それは・・・、あずにゃんのかもね」
律「ここは私達の陣地だからな。向こうへ持って行け」
唯「隊長、了解しました」 すたすたっ
紬「うふふ♪」
律「なに笑ってるんだよ」
紬「まあまあ。お茶のお代わりどうぞ♪」 こぽこぽ
律「ジョッキに注ぐのかよ、なみなみと」 ぐったり
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:26:53.19 ID:OW5cl/mnP
唯「あずにゃん、あずにゃん。また会ったね」
梓「唯先輩。もう普通に来てますね」
唯「たはは。これ、あずにゃんのマフラー」
梓「いや。これは、律・・・」
澪「梓のマフラーだろ、それは」
梓「・・・ああ、はい。そうでした。私のでした」
唯「で、これは私のマフラー。澪ちゃんはこれ付けててよ」
澪「ありがとう。それと、5秒過ぎてるぞ」
唯「たはは。あずにゃん、寒いだろうけど頑張ってね」 きゅっ
梓「はぁ」
澪「ゆ、い」
唯「たはは。ごめん、ごめん。じゃ、澪ちゃんも頑張ってね」 とたとたっ
澪「唯の奴は、もう♪」
梓(残り香かー♪) くんかくんか
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:28:53.96 ID:OW5cl/mnP
澪「素直じゃない奴」 ぐるぐる
梓「はぁ」 ぐるぐる
澪「暖かいな」
梓「はいです♪」
澪「優しいな」
梓「はいです♪」
澪「律の馬鹿」 ぽそっ
梓(全く、困ったもんだ♪) くんかくんか
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:30:54.16 ID:OW5cl/mnP
唯「やっぱりギターは良いねー♪」 じゃじゃーん
律「ドラム最高ー♪スティックだけどさ」 トンタタ、トンタタ
紬「あらあら♪」
唯「いゃっ、・・・ほぁっ?」 びーん
紬「あら?」
唯「うわっ、弦が切れちゃった」
律「興奮して、激しく弾きすぎだ。早く交換しろよ」
唯「いやー。それこの私、意外と弦の交換が苦手でして」
律「何一つ、意外性は無いけどな」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:32:55.47 ID:OW5cl/mnP
10分後
律「弦、全部外れたじゃん」
唯「正直、外すのは簡単なんだよね。ただ、元通りにするのが大変なんだよ」
紬「りっちゃんはどう?」
律「何一つ、全く分からん。ムギはどうだ」
紬「私もギターは専門外だから」
唯「だったら、どうしようか」 ずずー
律「完全に投げやがったな、おい」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:34:56.07 ID:OW5cl/mnP
澪「・・・ちょっと休憩。手、洗ってくる」
梓「あ、はい」
澪「すぐ戻るからな」 すたすた
梓「はぁ」
澪「すぐ戻るんだからな」 ぱたん
梓「・・・行っちゃった」
唯「あずにゃん、あずにゃんっ。は、早く来てっ」
梓「はいはい♪」 とたとた
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:36:55.99 ID:OW5cl/mnP
梓「弦の交換くらい、自分で出来るようになって下さいよ」
唯「時間を掛ければ、何とか出来るんだけどね。ギー太は手の掛かる子だよ、全く」
律「お前が言うな、お前が。・・・ムギ、あれは」
紬「はいはい♪梓ちゃん、さっきのバナナパイ。包んでおいたから、澪ちゃんと一緒に食べてね」
梓「ありがとうございます」
律「全、く澪の奴は素直じゃないんだからよ。早く謝って、こっちに戻ってくれば良いんだよ」
紬「澪ちゃんも、そう思ってるんじゃなくて?」
律「むぐっ。そ、その。それはそれ、これはこれ。私にも私の都合というか、なんというか」
唯「りっちゃんも素直じゃないね」
梓「澪先輩もそう言ってました」
律「あんにゃろー。もー、許さねー」 じたばた
紬「あらあら♪」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:38:57.50 ID:OW5cl/mnP
梓「・・・全部張り替えましたから、チューニングをお願いします」
唯「それは任せて」 キュコ、キュコ、キュコ
紬「唯ちゃんは、いつもどうやって音を合わせてるの?」
唯「あんまり考えた事無いな。気付いたら、音の方が合ってくれるんだよ」
律「結構イラッとする台詞だな、おい」
梓「律先輩、変なストレスがたまってるんじゃないんですか」
律「だったら梓は、今の台詞を聞いてどうだった?」
梓「私は、少しイラッとしただけですから」
唯「しどいよ、二人とも」
律、紬「あはは♪」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:40:58.06 ID:OW5cl/mnP
カチャッ
澪「・・・待たせたな」
梓「い、いえ」 はぁはぁ
澪「どうしてニッパー持ってるんだ」
梓「そ、その。メトロノームの代わりに」 カチッカチッ
澪「随分斬新なアイディアだな。でも、今は止めておこうか」
梓「は、はい。そうですね。私もそう思ってました」
澪「そっちは」
梓「バナナパイです。・・・先輩が、澪先輩に是非と」
澪「そうか。・・・良いな、仲間っていうのは」 もぐもぐ
梓「はいです♪」 もぐもぐ
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:43:02.81 ID:OW5cl/mnP
律「・・・このまままだと、埒が開かん。ここは一つ、勝負をするか」
唯「PK合戦みたいな事やるの?」
紬「シュート合戦は?」
唯「ああ。前田日明とアンドレみたいな」
紬「うわー。膝への前蹴りは危険よねーー♪」
律「HTTからUWFに改名するのかよ、おい」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:44:59.80 ID:OW5cl/mnP
律「とにかく勝負だ。・・・澪ーっ」
澪「聞こえてる。それで、何をする気だ」
律「ここはフェアに行こうぜ。・・・ムギ、なんか決めてくれ」
紬「そうねー。例えば、お互いの良い所を沢山挙げた方が勝ちとか」
律「いや。そういうほのぼのしたのじゃなくて」
澪「一つも挙がらなかったら、言われる方も辛いしな」 どよーん
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:47:01.20 ID:OW5cl/mnP
唯「そかな。私はみんなの事なら、幾つでも挙げられるよ」
梓「例えば?」
唯「・・・あずにゃんは笑顔が素敵で、笑うと可愛くて。いつもきらきらしてて」
梓「も、もう良いですよ」
律「やらなくて正解だったな」 ぶるっ
澪「ああ」 ぶるっ
紬「うふふ♪」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:49:02.57 ID:OW5cl/mnP
カチャ
和「ムギ、いる?」
紬「はーい。何かご用?」
和「合唱部の子が、ちょっと相談に乗って欲しいんだって。悪いけど付き合ってくれる?」
紬「分かったわ。・・・少し出かけるから、みんな仲良くね」
和「何かあったの?」
澪「ああ。女のプライドを賭けた戦いがな」
和「ふーん。私はリングスルールの方が、スポーツライクで良いと思うけど」
律「うん。団体名の話じゃないから」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:51:07.18 ID:OW5cl/mnP
律「改めて、何をするかだな。・・・ムギが行っちゃったし、唯が決めてくれ」
唯「そだね。・・・だったら、しりとりは?」
澪「・・・簡単でルールもみんな分かってるし、悪く無いかもな。梓は」
梓「私はそれで構いません」
律「よし、決定だ。唯、私、澪、梓の順で回るからな」
唯、澪、梓「おーっ」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:53:05.71 ID:OW5cl/mnP
律「じゃ、唯からだ」
唯「えーと。・・・いぶりがっこ」
律「・・・小物入れ」
澪「・・・レコード」
梓「・・・ドボルザーク」
唯「・・・クレージーソルト」
律「・・・屯田兵」
澪「・・・イントロ」
梓「・・・ロック」
律「結構性格が出るな、これは」
唯「そかな」
律「特に、お前に対して言ってるんだよ」 ぽふっ
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:55:10.41 ID:OW5cl/mnP
唯「たはは。えーと。く、だったよね。・・・くず餅」
律「・・・チャオー」
澪「・・・オペラ」
梓「ら?」
律「・・・悩む部分じゃないだろ」
唯「あずにゃん真面目だから。もしかして、音楽用語とか考えてるのかも」
律「さっと流せ。さっと。考えるな、梓。悩んだら負けだ」
唯「りっちゃん、応援してるの?」
律「ま、まさか。梓は敵だぞ。どうして、そんな。だはは」
唯「りっちゃん♪」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:57:07.70 ID:OW5cl/mnP
梓「ら、ら、ら」
律「もう、ラララで良いだろ。音階のラでも」
唯「あずにゃん、頑張って」
律「お前こそ、応援してるじゃんよ」
唯「てへへ♪」
律「全く」 くすっ
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:59:08.83 ID:OW5cl/mnP
梓「ら、ら」
澪「梓、無理するな。何でも良いんだぞ」
梓「ら、ら、ら。・・・あっ」
律「思い付いたみたいだな」
唯「ふぅ。一時はどうなるかと思ったよ」
律「で、何なんだろ」
梓「・・・ら、らくがんっ」
しーん
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:01:09.82 ID:OW5cl/mnP
梓「あ・・・」
澪「い、いや。今のはその。あれだ」
律「もう、どれなんだよ。大体、らくがんってなんだよ。さわちゃんでも言わないぞ、そんなの」
唯「・・・」
律「しゃーない。ここは切り替えて、もう一度初めから・・・。唯?」
唯「・・・ん、ん、ん。・・・んまいっ」
律「えーっ?」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:03:13.90 ID:OW5cl/mnP
唯「りっちゃん。い、だよ。いっ」
律「こ、この野郎っ。・・・い、い、い」
唯「りっちゃんっ。ここは絶対つなげないとっ」
律「わ、分かってる。い、い、い。・・・いぇーいっ」
唯「えーっ?」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:05:15.20 ID:OW5cl/mnP
澪「・・・い、、い、い。いぇーいっ」 ぴょーん
律「澪が。あの澪が、自分から飛び跳ねやがった」 うるうる
唯「あずにゃん、お願い。澪ちゃんの頑張りに応えてあげてっ」
澪「いぇーいっ、いぇーい、いぇーいっ」 ぴょーん、ぴょーん、ぴょーん
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:07:24.74 ID:OW5cl/mnP
梓「・・・い、い、い。いぇーいっ」 ぴょーん
唯「あはっ。いぇーいっ」
律「いぇーいっ」
澪「いぇーいっ」
唯、律、澪、梓「いぇーいっ♪」 ぴょーん
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:09:26.42 ID:OW5cl/mnP
カチャッ
紬「ごめんなさーい。結構時間が掛かっちゃって」 はぁはぁはぁ
唯、律、澪、梓「いぇーっいっ♪」
紬「い?いぇーい?」
律「お、おう。ムギか」
紬「一体、何があったの?」
律「いや。大した事は何も」
紬「良く分からないけれど。これ、お土産」
律「お菓子か?・・・げっ」
唯「どしたの・・・。わっ」
澪「何やってるんだ・・・。えっ」
梓「一体、何が・・・。ひゃっ」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:11:33.07 ID:OW5cl/mnP
紬「ちょっと珍しいわよね、らくがんなんて」
律「まあ、女子高生が食べる物じゃないよな」
唯「あずにゃんは好きみたいだけどね」
澪「そうだ。梓は、らくがん大好きだ」
梓「もう。勘弁して下さいよ」
唯「たはは」
律「大体、澪がオペラなんて言うから悪いんだよ」
澪「お前の屯田兵よりはましだ」
梓「あはっ」
紬「・・・私、お茶淹れるわね♪」 とたとた
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:13:45.80 ID:OW5cl/mnP
カチャッ
さわ子「あー、疲れた。ムギちゃん、私はホットレモネードお願い」
ムギ「はーい♪」 とたとた
さわ子「全く。突然らくがんが食べたいなんて言い出すから」
澪「え?」
さわ子「さっき職員室にムギちゃんが駆け込んできて、「らくがん下さいっ」て。たまたま、父兄からの差し入れがあったから良かったんだけど」
律「という事は」
唯「あれは偶然じゃなくて」
梓「ムギ先輩♪」
ムギ「お待たせしましたー。・・・みんな、どうかした?」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:15:46.54 ID:OW5cl/mnP
律「ムギ」
紬「はい?」
律「泣いても良いですか、その胸で」
澪「真顔で言うな。・・・ムギ、ありがとう」
唯「ムギちゃーん♪」 きゅっ
紬「あらあら。みんなどうしたの?」
梓「ムギ先輩、済みませんでしたっ」
紬「・・・私こそごめんなさいね。梓ちゃんを辛い目に遭わせてしまって」
梓「いえ。私、思いました。軽音部で、本当に良かったって♪」
紬「梓ちゃん♪」 きゅっ
梓(本当、良いよなー♪良い匂いだよなー♪) くんかくんか
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:17:47.48 ID:OW5cl/mnP
さわ子「全く。どこの青春ドラマなのよ」 くすっ
律「ノリが悪いな、もう。・・・よーし、だったら陣地分けしようぜ」
唯「私達は、こっからこっち」
律「さわちゃんは、その席から手が届く範囲な」
さわ子「な、何の話よー」
澪「済みません、さわ子先生。そこ、私達の陣地なので」
梓「5秒までは、入って来てもOKですから」
さわ子「えーっ?」
紬「お茶のお代わりは、いつでもどうぞー。今ならジョッキでのサービス期間中でーす♪」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:19:46.96 ID:OW5cl/mnP
さわ子「私は顧問なのよ。仲間外れにしないでよー」
律「冗談だって、冗談」
澪「済みません、さわ子先生」
さわ子「もう、大人をからかわないでよね。それと、何かお菓子ある?」
唯「はい、さわちゃん」
さわ子「ありがとう・・・。って、らくがんじゃない。ホットレモネードにらくがんって、何の嫌がらせよー」
梓「ち、違うんです。それはその」
さわ子「だったら何なのよ、このらくがん」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:21:47.01 ID:OW5cl/mnP
唯「・・・んまいっ」 ぱくっ
梓「いぇーいっ」
律、澪、紬「いぇーいっ」
さわ子「えー?一体何なのー」
唯「いいから、さわちゃんも一緒に」
さわ子「・・・い、いぇーい?」
唯、律、澪、紬、梓「いぇーいっ♪」
さわ子「いぇーいっ♪・・・って、どういう事?」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:24:18.95 ID:OW5cl/mnP
律「それだけ私達が仲良しって事だよ。な、澪」
澪「ああ、律」
紬「うふふ♪」
さわ子「やっぱりあなた達は、青春してるわね」
唯「さわちゃんも、まだまだ青春真っ盛りだよ」
律「いやー。それは無い無い。私達の陣地以上に、高い年齢の壁があるからな」
さわ子「りっちゃん、あなたねー」 ぐりぐり
律「ひぃーっ」
唯、澪、紬、梓「あはは♪」
終わり
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:26:32.11 ID:OW5cl/mnP [57/57]
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
補足と致しまして。
ムギは律(と唯)寄りに見えますが、どちらの行動にも加わらない事においての中立。
また「くんかくんか」に関して、唯・澪・ムギは直接。律は、マフラーから間接的に堪能しています。
テーマとしては、やはり「律澪」。
彼女達はケンカしても、結局こうなるのではと、願望を込めて書いてみた次第です
紬「お待たせしましたー♪」
律「あー、お茶がうまい」 ずずー
澪「それ飲んだら、練習するからな」
律「今しようと思ってたんだよ。あーあ、やる気無くなった」
澪「お前は小学生か」
唯「でも、あずにゃんが来てないよ。それまでは、ゆっくりまったりしてようよ」
澪「唯、お前もか」
紬「コントーラーのコード無いなんて、すごいわよねー♪」
律「それはシーザーも驚くだろうな」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:34:33.91 ID:OW5cl/mnP
澪「で、唯は練習しないのか」
唯「いや。しない訳じゃないけどさ。その辺は程々というか、ペース配分というか」
澪「・・・ムギは」
紬「勿論練習は大切よ。でも澪ちゃん、全員が揃わないとバンドの演奏にはならないでしょ」
律「ムギは分かってんなー」
紬「りっちゃん、練習は大切なのよ」
律「わ、分かってるよ。そんな事くらい」
澪「唯は律派。ムギは中立で良いんだな」
律「2対1。勝負は決まったんじゃないか」
澪「それはどうかな」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:36:35.28 ID:OW5cl/mnP
カチャッ
梓「済みません、遅れました」
澪「来たな。梓、練習するぞ」
梓「はい、今準備します」
澪「という訳で、2対2だ」
梓「はい?」
唯「あずにゃん、こっちこっち。飴ちゃんあるよ」
梓「何もかも意味が分かりません」
唯「飴ちゃん、いらないの?」
梓「それは頂きます」 もごもご
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:38:36.00 ID:OW5cl/mnP
5分後
梓「・・・そういう事ですか」
澪「それで、どう思う」
梓「練習はするべきでしょうね。今は、部活動中ですし」
澪「だ、そうだ」
唯「あずにゃん。思い直して、一緒にお茶飲もうよ」
梓「練習したら、飲みましょうね」
唯「そかそか。りっちゃん、やっぱり練習する?」
律「するかー。練習なんて、一生ーやらねー」
紬「りっちゃん。それだと一生ドラムに触れないわよ」
律「むぐっ」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:40:40.07 ID:OW5cl/mnP
澪「語るに落ちたな。ほら、練習するぞ」
律「・・・私はお茶を飲みたいんだよ。お茶を」
澪「ったく。それなら一生、そこでお茶を飲んでろ」
律「言われなくても飲んでやるさ。ムギー、ジョッキで持ってこーい」
紬「はいー、ただ今ー♪」
梓(本当に持ってこないだろうな)
澪「それで唯は」
唯「いやー。私が練習しちゃうと、りっちゃん一人になっちゃうから」 ぽそっ
澪「・・・なんだ、それ」
唯「いや。意味はないんだけどね。たはは」
梓「唯先輩♪」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:42:42.40 ID:OW5cl/mnP
紬「お待たせしましたー」 どかっ
律「うおっ。マジでジョッキッ」
澪「全部飲めよ。梓、練習始めるぞ」
梓「は、はい。唯先輩も、早く来て下さいよ」
唯「あずにゃんも、早くお茶飲みに来てね」
律「・・・うー、全然減らねー」 ぐったり
紬「お代わり、ありますよー♪」
梓(鬼だ、この人は笑顔の鬼だ)
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:45:04.14 ID:OW5cl/mnP
30分後
澪「・・・落ちるよっ♪」 ぼぼーん
梓「取りあえずは出来ましたね」
澪「取りあえずはな。・・・ちょっと休むか」
梓「はい」
澪「本当は、取りあえずじゃ駄目なんだけどな」
梓「澪先輩」
澪「……取りあえず、お茶飲むか」
梓「はい♪」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:47:09.28 ID:OW5cl/mnP
律「・・・なんだよ澪、こっち来るなよ。こっちは私達の陣地だぞー」
澪「小学生か、お前は」 すっ
律「入るなよー」 じたばた
澪「5秒までならいいんですー」 さっ
梓(どっちが子供?)
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:49:09.63 ID:OW5cl/mnP
紬「それで、どこからどこまでが陣地なの?」
律「ベンチからこっちが私達。ベンチから向こうが澪達の陣地だ」
澪「望むところだ。律、お前も入ってくるなよ」
律「頼まれても入りませんよーだ」
澪「大体これ、お前のバッグだろ」 ひょいっ
律「うぉっ」 どすっ
澪「これは唯の」 ひょい
律「おぅっ」 どすっ
澪「全く」
梓(もしかして、わざと返してあげたのかな。でも律先輩達の方が、どう考えても狭いし。良く分かんないな)
律、澪「ふんっ」 ぷいっ
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:51:11.62 ID:OW5cl/mnP
澪「まあ、良い。梓、私達はベンチに座るぞ。ムギ、お茶頼む」
紬「はいどうぞー♪梓ちゃんも、はい♪」
澪「ありがとう」
梓「頂きます」
律「ムギーッ」
紬「ごめんなさい。私は中立だから」
唯「ムギちゃんはいつも優しいね」
紬「野菜室だったら困るけどね」
唯、紬「「あはは♪」
律「フリーザー室並にお寒いな、おい」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:53:17.62 ID:OW5cl/mnP
唯「あずにゃん、あずにゃーん」
梓「なんですか、急に」
唯「ずっと離れ離れだったから、寂しいんだよ」
梓「目と鼻の先にいるじゃないですか」
唯「でも私とあずにゃんの間には、越すに越せない壁があるんだよ」
梓「大げさですよ。大体、越えたところで別に」 すっ
澪「梓。5秒越えるなよっ」
梓「は、はい」 さっ
唯「それで、5秒越えたらどうなるの?」
律「それは、その。なあ、澪」
澪「ああ、律。そうだよな」
律、澪「うんうん」
梓(仲良いんじゃないの、二人とも。で、結局どうなるの?)
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:55:19.73 ID:OW5cl/mnP
澪「さてと、もう少し練習するか」
梓「はい」
唯「あずにゃん。バナナパイ、まだあるよ」
梓「私はもう、十分食べましたから」
澪「あれ。まだ残ってた?」
梓「え?」
澪「な、なんでもない。練習、練習。バナナパイの練習だっ」
梓(食べたかったのかな、もしかして)
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:57:46.59 ID:OW5cl/mnP
ボローン、ボローン♪
唯「どうしようか、これ。残すのはもったいないし」
紬「3人で分けて食べる?」
律「・・・いや。私はもう良いよ。食べ過ぎても太るしな」
唯「りっちゃんが食べないなら、私もいいや」
紬「だったら、しまっておくわね。澪ちゃん達が、後で食べるかも知れないし♪」
律「ん?それはあいつらの勝手だろ」
唯「りっちゃん、もしかして澪ちゃんのために?」
律「はは。そんな訳あるかよ。私は、お茶をもっと飲みたいだけなんだよ」
紬「だったら、お代わり持ってくるわね♪」
律「えー」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 11:59:57.35 ID:OW5cl/mnP
律「あー、何か暇だな」
唯「やっぱり、楽器がないとね。澪ちゃん達に頼んで、持って来てもらう?」
律「いやー、駄目だ。お互い陣地を決めたのなら、そこに入るなんて事は許されない」
唯「もう。りっちゃん、変な意地張らないでおこうよ」
律「良いんだよ。別にギターやドラムに触らないからって、死ぬ訳でもあるまいし」 ドンタタ、ドンタタ
唯「今、机叩かなかった?」
律「え?今刻んでた?完全に無意識だったわ」
紬「その台詞、2年前に聞いたわー♪」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:01:59.29 ID:OW5cl/mnP
澪「ふっ、せっ、はっ」 ぐいぐいっ
梓「・・・澪先輩、ドラムを持ち上げてどうしたんですか?」
澪「ピックが、ドラムの下に入った」
梓「運ぼうとしてません?」
澪「・・・そんな訳無いだろ。ついでに掃除するから、ギー太を運んでくれ」
梓「あ、はい」 すたっ
澪「もっと向こうに。・・・もっと、もっと向こう」
梓「この辺、ですか」
澪「ああ」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:04:04.80 ID:OW5cl/mnP
唯「あずにゃん、どしたの」
梓「こんにちはです」
唯「それ、ギー太だよね。届けてくれたんだ」
梓「いや。澪先輩が掃除をするというので、ここまで持って来ました
唯「澪ちゃんが?」
律「あんにゃろう」
紬「やっぱり澪ちゃんは優しいわねー♪」
唯「ありがと、あずにゃん。澪ちゃんにもよろしく言っておいて」
梓「はいです♪」 とたとた
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:06:11.98 ID:OW5cl/mnP
梓「ギー太、片付けておきました。それと唯先輩が、ありがとうって言ってました」
澪「私は掃除をしてるだけだ」 はぁはぁ
梓「ドラム、私も運びましょうか」
澪「いや。これは重くて動かせない」 はぁはぁ
梓(本気で運ぶ気だったのか)
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:08:12.41 ID:OW5cl/mnP
澪「・・・・そのスティックも、片付けてくれ」
梓「スティックを、ですか」
澪「ああ」
梓「この辺ですか?」
澪「もっと向こうに。・・・もっと、もっと向こう」
梓「この辺、ですか」
澪「ああ」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:10:13.85 ID:OW5cl/mnP
律「ん?梓、どうした」
梓「こんにちはです。あの、これを」
律「スティック?」
梓「澪先輩が、片付けろと言ったので」
唯「私達が暇そうにしてるから、澪ちゃんが気を遣ってくれたんだよ」
律「んな訳無い無い」
紬「だったらスティックは、私が預かろうか?」
律「いやいや。それはそれ、これはこれだから」
紬「あらあら♪」
律「・・・梓、澪に伝えてくれ」
梓「はいです♪」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:12:14.62 ID:OW5cl/mnP
梓「スティック、片付けておきました」
澪「ん、そうか」
梓「それで、律先輩から伝言です」
澪「・・・なんだって」
梓「後ろ、お化け。お化けいるぞっ」
澪「いる訳無いだろ」 さっ
梓(だったら、何故振り向く)
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:14:15.45 ID:OW5cl/mnP
澪「・・・ポーケットから、出すよ♪」 ボボーン。
梓「ふー。ギターとベースだけでは、やっぱり薄いですね」
澪「だから、5人じゃないと駄目なんだ」 ぽそっ
梓「え、何か言いました?」
澪「何でもない。・・・ちょっと寒くないか」 ぶるっ
梓「陽が当たりませんからね、この時間は」 ぶるっ
澪「上着は・・・。椅子に掛けてきたか」
梓「取りに行って来ましょうか」
澪「いや。・・・梓、ほらこっち来て」
梓「あ、はい」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:16:19.77 ID:OW5cl/mnP
澪「済まないな、私がふがいないばっかりに」 きゅっ
梓「いえ。そんな事は」 きゅっ
澪「全く。駄目な先輩だ、私は」
梓「そんな事無いですよ。私は澪先輩を、いつも尊敬してますから」
澪「ありがとう、梓♪」
梓(どう致しまして♪) くんかくんか
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:18:35.78 ID:OW5cl/mnP
唯「・・・澪ちゃん達、寒そうだね」
紬「向こう、陽が当たらないから」 ちらっ
律「知るかー。たるんでるから寒いんだ。・・・うぅっ」 ぶるっ
唯「りっちゃん。そんなお約束なんて」
律「ち、違うよ。お茶飲み過ぎたから。・・・ちょっと、トイレ行ってくる」 すたすた、ぱたん
唯「い、今の内に」 とたとたっ
紬「あらあら♪」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:20:36.40 ID:OW5cl/mnP
唯「あずにゃん、あずにゃん。これ、二人の上着」
梓「あ、ありがとうございます」
澪「唯、5秒過ぎてるぞ」
唯「さっきも聞いたけど、5秒過ぎるとどうなるの?」
澪「いや、別に何もならないけど。私と律がそう決めたんだから、5秒ルールは絶対なんだ」
唯「結局澪ちゃんもりっちゃんも、お互いを信頼してるんだね♪」
梓「私もそう思います」
澪「そ、そういう事じゃない。とにかく唯は早く戻れ。律が帰ってきたら、またうるさいぞ」
唯「二人とも、早く仲直りすればいいのに。そうしないと私はあずにゃんと、ずっと離れ離れだよ」
梓「さっきから、しょっちゅう会ってますけどね」
唯「そかそか」
澪「全く♪」 くすっ
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:22:37.17 ID:OW5cl/mnP
律「うぃーす、今帰ったぞー」 どたっ
唯「お帰りなさーい」
紬「お菓子にする?私にする?それとも、お茶にする?」
律「色々突っ込みたいが、もう何もいらん」
紬「唯ちゃん。今のはお茶を持ってこいってボケと解釈して良いの?」
唯「おー、ムギちゃん分かってきたね」
律「分かってないのはお前だろ。・・・あ」 ちらっ
唯(見つかった?)
紬(まあ、二人とも上着着てるから)
律「おい、唯」
唯「ひゃ、ひゃいっ」 びくっ
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:24:38.70 ID:OW5cl/mnP
律「このマフラー。梓のじゃないか」
唯「いや。それは・・・、あずにゃんのかもね」
律「ここは私達の陣地だからな。向こうへ持って行け」
唯「隊長、了解しました」 すたすたっ
紬「うふふ♪」
律「なに笑ってるんだよ」
紬「まあまあ。お茶のお代わりどうぞ♪」 こぽこぽ
律「ジョッキに注ぐのかよ、なみなみと」 ぐったり
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:26:53.19 ID:OW5cl/mnP
唯「あずにゃん、あずにゃん。また会ったね」
梓「唯先輩。もう普通に来てますね」
唯「たはは。これ、あずにゃんのマフラー」
梓「いや。これは、律・・・」
澪「梓のマフラーだろ、それは」
梓「・・・ああ、はい。そうでした。私のでした」
唯「で、これは私のマフラー。澪ちゃんはこれ付けててよ」
澪「ありがとう。それと、5秒過ぎてるぞ」
唯「たはは。あずにゃん、寒いだろうけど頑張ってね」 きゅっ
梓「はぁ」
澪「ゆ、い」
唯「たはは。ごめん、ごめん。じゃ、澪ちゃんも頑張ってね」 とたとたっ
澪「唯の奴は、もう♪」
梓(残り香かー♪) くんかくんか
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:28:53.96 ID:OW5cl/mnP
澪「素直じゃない奴」 ぐるぐる
梓「はぁ」 ぐるぐる
澪「暖かいな」
梓「はいです♪」
澪「優しいな」
梓「はいです♪」
澪「律の馬鹿」 ぽそっ
梓(全く、困ったもんだ♪) くんかくんか
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:30:54.16 ID:OW5cl/mnP
唯「やっぱりギターは良いねー♪」 じゃじゃーん
律「ドラム最高ー♪スティックだけどさ」 トンタタ、トンタタ
紬「あらあら♪」
唯「いゃっ、・・・ほぁっ?」 びーん
紬「あら?」
唯「うわっ、弦が切れちゃった」
律「興奮して、激しく弾きすぎだ。早く交換しろよ」
唯「いやー。それこの私、意外と弦の交換が苦手でして」
律「何一つ、意外性は無いけどな」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:32:55.47 ID:OW5cl/mnP
10分後
律「弦、全部外れたじゃん」
唯「正直、外すのは簡単なんだよね。ただ、元通りにするのが大変なんだよ」
紬「りっちゃんはどう?」
律「何一つ、全く分からん。ムギはどうだ」
紬「私もギターは専門外だから」
唯「だったら、どうしようか」 ずずー
律「完全に投げやがったな、おい」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:34:56.07 ID:OW5cl/mnP
澪「・・・ちょっと休憩。手、洗ってくる」
梓「あ、はい」
澪「すぐ戻るからな」 すたすた
梓「はぁ」
澪「すぐ戻るんだからな」 ぱたん
梓「・・・行っちゃった」
唯「あずにゃん、あずにゃんっ。は、早く来てっ」
梓「はいはい♪」 とたとた
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:36:55.99 ID:OW5cl/mnP
梓「弦の交換くらい、自分で出来るようになって下さいよ」
唯「時間を掛ければ、何とか出来るんだけどね。ギー太は手の掛かる子だよ、全く」
律「お前が言うな、お前が。・・・ムギ、あれは」
紬「はいはい♪梓ちゃん、さっきのバナナパイ。包んでおいたから、澪ちゃんと一緒に食べてね」
梓「ありがとうございます」
律「全、く澪の奴は素直じゃないんだからよ。早く謝って、こっちに戻ってくれば良いんだよ」
紬「澪ちゃんも、そう思ってるんじゃなくて?」
律「むぐっ。そ、その。それはそれ、これはこれ。私にも私の都合というか、なんというか」
唯「りっちゃんも素直じゃないね」
梓「澪先輩もそう言ってました」
律「あんにゃろー。もー、許さねー」 じたばた
紬「あらあら♪」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:38:57.50 ID:OW5cl/mnP
梓「・・・全部張り替えましたから、チューニングをお願いします」
唯「それは任せて」 キュコ、キュコ、キュコ
紬「唯ちゃんは、いつもどうやって音を合わせてるの?」
唯「あんまり考えた事無いな。気付いたら、音の方が合ってくれるんだよ」
律「結構イラッとする台詞だな、おい」
梓「律先輩、変なストレスがたまってるんじゃないんですか」
律「だったら梓は、今の台詞を聞いてどうだった?」
梓「私は、少しイラッとしただけですから」
唯「しどいよ、二人とも」
律、紬「あはは♪」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:40:58.06 ID:OW5cl/mnP
カチャッ
澪「・・・待たせたな」
梓「い、いえ」 はぁはぁ
澪「どうしてニッパー持ってるんだ」
梓「そ、その。メトロノームの代わりに」 カチッカチッ
澪「随分斬新なアイディアだな。でも、今は止めておこうか」
梓「は、はい。そうですね。私もそう思ってました」
澪「そっちは」
梓「バナナパイです。・・・先輩が、澪先輩に是非と」
澪「そうか。・・・良いな、仲間っていうのは」 もぐもぐ
梓「はいです♪」 もぐもぐ
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:43:02.81 ID:OW5cl/mnP
律「・・・このまままだと、埒が開かん。ここは一つ、勝負をするか」
唯「PK合戦みたいな事やるの?」
紬「シュート合戦は?」
唯「ああ。前田日明とアンドレみたいな」
紬「うわー。膝への前蹴りは危険よねーー♪」
律「HTTからUWFに改名するのかよ、おい」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:44:59.80 ID:OW5cl/mnP
律「とにかく勝負だ。・・・澪ーっ」
澪「聞こえてる。それで、何をする気だ」
律「ここはフェアに行こうぜ。・・・ムギ、なんか決めてくれ」
紬「そうねー。例えば、お互いの良い所を沢山挙げた方が勝ちとか」
律「いや。そういうほのぼのしたのじゃなくて」
澪「一つも挙がらなかったら、言われる方も辛いしな」 どよーん
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:47:01.20 ID:OW5cl/mnP
唯「そかな。私はみんなの事なら、幾つでも挙げられるよ」
梓「例えば?」
唯「・・・あずにゃんは笑顔が素敵で、笑うと可愛くて。いつもきらきらしてて」
梓「も、もう良いですよ」
律「やらなくて正解だったな」 ぶるっ
澪「ああ」 ぶるっ
紬「うふふ♪」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:49:02.57 ID:OW5cl/mnP
カチャ
和「ムギ、いる?」
紬「はーい。何かご用?」
和「合唱部の子が、ちょっと相談に乗って欲しいんだって。悪いけど付き合ってくれる?」
紬「分かったわ。・・・少し出かけるから、みんな仲良くね」
和「何かあったの?」
澪「ああ。女のプライドを賭けた戦いがな」
和「ふーん。私はリングスルールの方が、スポーツライクで良いと思うけど」
律「うん。団体名の話じゃないから」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:51:07.18 ID:OW5cl/mnP
律「改めて、何をするかだな。・・・ムギが行っちゃったし、唯が決めてくれ」
唯「そだね。・・・だったら、しりとりは?」
澪「・・・簡単でルールもみんな分かってるし、悪く無いかもな。梓は」
梓「私はそれで構いません」
律「よし、決定だ。唯、私、澪、梓の順で回るからな」
唯、澪、梓「おーっ」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:53:05.71 ID:OW5cl/mnP
律「じゃ、唯からだ」
唯「えーと。・・・いぶりがっこ」
律「・・・小物入れ」
澪「・・・レコード」
梓「・・・ドボルザーク」
唯「・・・クレージーソルト」
律「・・・屯田兵」
澪「・・・イントロ」
梓「・・・ロック」
律「結構性格が出るな、これは」
唯「そかな」
律「特に、お前に対して言ってるんだよ」 ぽふっ
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:55:10.41 ID:OW5cl/mnP
唯「たはは。えーと。く、だったよね。・・・くず餅」
律「・・・チャオー」
澪「・・・オペラ」
梓「ら?」
律「・・・悩む部分じゃないだろ」
唯「あずにゃん真面目だから。もしかして、音楽用語とか考えてるのかも」
律「さっと流せ。さっと。考えるな、梓。悩んだら負けだ」
唯「りっちゃん、応援してるの?」
律「ま、まさか。梓は敵だぞ。どうして、そんな。だはは」
唯「りっちゃん♪」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:57:07.70 ID:OW5cl/mnP
梓「ら、ら、ら」
律「もう、ラララで良いだろ。音階のラでも」
唯「あずにゃん、頑張って」
律「お前こそ、応援してるじゃんよ」
唯「てへへ♪」
律「全く」 くすっ
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 12:59:08.83 ID:OW5cl/mnP
梓「ら、ら」
澪「梓、無理するな。何でも良いんだぞ」
梓「ら、ら、ら。・・・あっ」
律「思い付いたみたいだな」
唯「ふぅ。一時はどうなるかと思ったよ」
律「で、何なんだろ」
梓「・・・ら、らくがんっ」
しーん
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:01:09.82 ID:OW5cl/mnP
梓「あ・・・」
澪「い、いや。今のはその。あれだ」
律「もう、どれなんだよ。大体、らくがんってなんだよ。さわちゃんでも言わないぞ、そんなの」
唯「・・・」
律「しゃーない。ここは切り替えて、もう一度初めから・・・。唯?」
唯「・・・ん、ん、ん。・・・んまいっ」
律「えーっ?」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:03:13.90 ID:OW5cl/mnP
唯「りっちゃん。い、だよ。いっ」
律「こ、この野郎っ。・・・い、い、い」
唯「りっちゃんっ。ここは絶対つなげないとっ」
律「わ、分かってる。い、い、い。・・・いぇーいっ」
唯「えーっ?」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:05:15.20 ID:OW5cl/mnP
澪「・・・い、、い、い。いぇーいっ」 ぴょーん
律「澪が。あの澪が、自分から飛び跳ねやがった」 うるうる
唯「あずにゃん、お願い。澪ちゃんの頑張りに応えてあげてっ」
澪「いぇーいっ、いぇーい、いぇーいっ」 ぴょーん、ぴょーん、ぴょーん
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:07:24.74 ID:OW5cl/mnP
梓「・・・い、い、い。いぇーいっ」 ぴょーん
唯「あはっ。いぇーいっ」
律「いぇーいっ」
澪「いぇーいっ」
唯、律、澪、梓「いぇーいっ♪」 ぴょーん
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:09:26.42 ID:OW5cl/mnP
カチャッ
紬「ごめんなさーい。結構時間が掛かっちゃって」 はぁはぁはぁ
唯、律、澪、梓「いぇーっいっ♪」
紬「い?いぇーい?」
律「お、おう。ムギか」
紬「一体、何があったの?」
律「いや。大した事は何も」
紬「良く分からないけれど。これ、お土産」
律「お菓子か?・・・げっ」
唯「どしたの・・・。わっ」
澪「何やってるんだ・・・。えっ」
梓「一体、何が・・・。ひゃっ」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:11:33.07 ID:OW5cl/mnP
紬「ちょっと珍しいわよね、らくがんなんて」
律「まあ、女子高生が食べる物じゃないよな」
唯「あずにゃんは好きみたいだけどね」
澪「そうだ。梓は、らくがん大好きだ」
梓「もう。勘弁して下さいよ」
唯「たはは」
律「大体、澪がオペラなんて言うから悪いんだよ」
澪「お前の屯田兵よりはましだ」
梓「あはっ」
紬「・・・私、お茶淹れるわね♪」 とたとた
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:13:45.80 ID:OW5cl/mnP
カチャッ
さわ子「あー、疲れた。ムギちゃん、私はホットレモネードお願い」
ムギ「はーい♪」 とたとた
さわ子「全く。突然らくがんが食べたいなんて言い出すから」
澪「え?」
さわ子「さっき職員室にムギちゃんが駆け込んできて、「らくがん下さいっ」て。たまたま、父兄からの差し入れがあったから良かったんだけど」
律「という事は」
唯「あれは偶然じゃなくて」
梓「ムギ先輩♪」
ムギ「お待たせしましたー。・・・みんな、どうかした?」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:15:46.54 ID:OW5cl/mnP
律「ムギ」
紬「はい?」
律「泣いても良いですか、その胸で」
澪「真顔で言うな。・・・ムギ、ありがとう」
唯「ムギちゃーん♪」 きゅっ
紬「あらあら。みんなどうしたの?」
梓「ムギ先輩、済みませんでしたっ」
紬「・・・私こそごめんなさいね。梓ちゃんを辛い目に遭わせてしまって」
梓「いえ。私、思いました。軽音部で、本当に良かったって♪」
紬「梓ちゃん♪」 きゅっ
梓(本当、良いよなー♪良い匂いだよなー♪) くんかくんか
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:17:47.48 ID:OW5cl/mnP
さわ子「全く。どこの青春ドラマなのよ」 くすっ
律「ノリが悪いな、もう。・・・よーし、だったら陣地分けしようぜ」
唯「私達は、こっからこっち」
律「さわちゃんは、その席から手が届く範囲な」
さわ子「な、何の話よー」
澪「済みません、さわ子先生。そこ、私達の陣地なので」
梓「5秒までは、入って来てもOKですから」
さわ子「えーっ?」
紬「お茶のお代わりは、いつでもどうぞー。今ならジョッキでのサービス期間中でーす♪」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:19:46.96 ID:OW5cl/mnP
さわ子「私は顧問なのよ。仲間外れにしないでよー」
律「冗談だって、冗談」
澪「済みません、さわ子先生」
さわ子「もう、大人をからかわないでよね。それと、何かお菓子ある?」
唯「はい、さわちゃん」
さわ子「ありがとう・・・。って、らくがんじゃない。ホットレモネードにらくがんって、何の嫌がらせよー」
梓「ち、違うんです。それはその」
さわ子「だったら何なのよ、このらくがん」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:21:47.01 ID:OW5cl/mnP
唯「・・・んまいっ」 ぱくっ
梓「いぇーいっ」
律、澪、紬「いぇーいっ」
さわ子「えー?一体何なのー」
唯「いいから、さわちゃんも一緒に」
さわ子「・・・い、いぇーい?」
唯、律、澪、紬、梓「いぇーいっ♪」
さわ子「いぇーいっ♪・・・って、どういう事?」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:24:18.95 ID:OW5cl/mnP
律「それだけ私達が仲良しって事だよ。な、澪」
澪「ああ、律」
紬「うふふ♪」
さわ子「やっぱりあなた達は、青春してるわね」
唯「さわちゃんも、まだまだ青春真っ盛りだよ」
律「いやー。それは無い無い。私達の陣地以上に、高い年齢の壁があるからな」
さわ子「りっちゃん、あなたねー」 ぐりぐり
律「ひぃーっ」
唯、澪、紬、梓「あはは♪」
終わり
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 13:26:32.11 ID:OW5cl/mnP [57/57]
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
補足と致しまして。
ムギは律(と唯)寄りに見えますが、どちらの行動にも加わらない事においての中立。
また「くんかくんか」に関して、唯・澪・ムギは直接。律は、マフラーから間接的に堪能しています。
テーマとしては、やはり「律澪」。
彼女達はケンカしても、結局こうなるのではと、願望を込めて書いてみた次第です
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