2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

女「ごめんね」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 12:03:04.53 ID:vnRlQpoaO [1/28]
女「私ね、男のこと好きになっちゃったの」

男「………えっ?」

女「男のこと好きになっちゃったの…………ごめんね…………」

男「いや、なんで謝るんだよ。普通に嬉しいんだけど」

女「………そうなの?」

男「まあ、昔から仲良しだし、幼なじみだし………それなりに女のこと好きだし………」

女「………………ごめんね……」

男「だからなんで謝るんだよ」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 12:15:50.17 ID:vnRlQpoaO [2/28]
男「まあ、いいや。とりあえず学校行こうぜ」

女「………うん」

男「なんかよくわかんないけどさ、元気出せって」

女「………あのさ、嫌かもしれないけどさ……」

男「?」

女「……今度遊園地行かない………?」

男「ああ、この前できたあの遊園地か。行くに決まってるだろ」

女「本当に?」

男「ああ」

女「……ありがとう」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 12:33:35.24 ID:vnRlQpoaO
女友「えっ、ついに告白しちゃったの?」

女「うん」

女友「あんなに告白嫌がってたのにね。なんかあったの?」

女「何にもないよ」

女友「女って本当に嘘へただよね~。バレバレだよ?」

女「………へ、へたじゃないよ。うまいよ」

女友「まあ、女が言いたくないなら言わなくていいよ」

女「………ごめんね」

女友「だから気にしなくていいってば。まあ、とりあえず男との関係頑張りなよ?」

女「……うん」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 12:57:24.57 ID:vnRlQpoaO
放課後

男「それでさ、あのドラマの面白い所ってさ」

女「うん」

男「やっぱり家出のシーンとかさ」

女「うん」

男「あと、味噌汁食べるシーンとか」

女「うん」

男「でもやっぱりキスシーンだな!純愛って最高だよな!」

女「……うん」

男「………あのさ、もしかして女、あのドラマ嫌い?」

女「!?そんなことないよ!………私もキスシーンが一番好きだよ」

男「そうだよな!やっぱりあのシーンは涙無しじゃ見れないわ。」

女「…………そうだよね」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 13:39:29.20 ID:vnRlQpoaO
俳優A「やっぱり俺はお前のことが好きだ!」

俳優B「私も、あなたが好き!地球一好き!」

俳優A「俺はもっと好きだ!銀河系一お前が好きだ!」

俳優B「私はもっと好き!宇宙一あなたが好き!」

俳優A「俺は、お前が………世界一好きだ!!!!」




女母「やっぱりこのシーン何度見ても泣けるわ。このドラマの監督嫌いだけどこのシーンは泣ける。女ちゃんもそう思わない?」

女母「………あれ、女ちゃん?」

女父「女ちゃんだったらさっき部屋に戻ったぞ」

女母「えー、なんでこんないいシーン見ないで戻っちゃうのよ」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 14:27:59.72 ID:vnRlQpoaO


男「腹へったー!」

女「………あのさ、一緒にパン買いに行こ?」

男「ああ、いいぞ」

女友「ちょっとちょっと女、耳かしなさいよ」

女「?」

女友「普通そこは『弁当作ったんだから食べてよバカ!』とかそんなんじゃないの?」

女「………私ツンデレさんなの?」

女友「嫌、別にそうじゃないけどさ、せめて『一緒にご飯食べよう?』とかにしなよ。なんで買いに行くだけなのよ」

女「…………私は……」

男「おーい、早く買いに行こうぜ。ていうか、一緒に食べようぜ」

女「!?………うん」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 14:55:15.60 ID:vnRlQpoaO
女友「俺は、お前が………世界一好きだ!!!!」

女「……?」

女友「あ、あれ?もしかして元ネタわかんない?今超人気のドラマのキスシーンなんだけど」

女「…私あのシーン見てないんだ……ごめんね…」

女友「別に謝らなくていいって。でも以外だな~、女ってああいうシーン好きだと思ってたんだけど」

女「……どうして?」

女友「だってさ、女のお母さんやお父さんって今でもすごく仲良しでラブラブでしょ?だからなんとなくああいう純愛的なシーン好きかなって」

女「……純愛か…………」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 15:12:32.94 ID:vnRlQpoaO
放課後

男(そういえば、遊園地に行ったら)

男(絶対キスするべきだよな)

男(いや、まだ早いか?)

男(ていうか、俺と女って付き合ってるのか?)

男(まあ、俺が女からの告白にOKした瞬間から付き合ってるよな?)

男(まあ、行ったときに考えるか)

男「おーい女、一緒に帰ろうぜ!」

女「………うん」

男(女、告白の日以来あんまり元気ないよな……)

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 16:18:23.90 ID:vnRlQpoaO
女母「今日の晩御飯はお母さん特性ラーメンよ!」

女父「いや~うまそうだな!」

女母「当たり前でしょ?」

女父「まあな!」

女妹「……見てるこっちが恥ずかしくなってくるわね。どうしてこの年でこんなにラブラブ出来るのかしら。お姉ちゃんは男さんとラブラブしなきゃダメだけどね」

女「……うん」

女妹「…そりゃあ落ち込む気持ちもわかるけどさ」

女「お、落ち込んでないよ!」

女妹「お姉ちゃんさ、嘘つくのへたって言われない?」

女「い、言われないよ!」

女妹「やっぱりへただね」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 16:53:25.67 ID:vnRlQpoaO
ていうか誤字多過ぎごめんなさい。




女「……ごめんね」

男「どうした?」

女「本当はお昼ご飯の時って、私がお弁当作ってくるのが普通なんだよね?」

男「いや、別にそんなことないと思うけどな。漫画とかだとそうかもしれないけどさ」

女「私、料理へただからさ……ごめんね………」

男「気にし過ぎだって。俺は女と一緒に昼ご飯食べられるだけで幸せだよ」

女「……そうなの?」

男「当たり前だろ?」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 17:15:23.68 ID:vnRlQpoaO
女友「女はさ、どうして最近そんなに落ち込んでるのよ」

女「………………」

女友「男と付き合えてうれしいんじゃないの?」

女「………あのさ」

女友「?」

女「……純愛ってどう思う?」

女友「純愛?」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 17:34:38.24 ID:vnRlQpoaO
女「………私ね、男とは昔からよく遊んでて、自分でも気づいてなかっただけで、多分ずっと前から男のこと好きだったと思うの」

女友「うん」

女「でもね、これから先、私は多分男のこと、嫌いになるんだよ」

女友「えっ?」

女「私は、男のことが大好き。だから…………私は男のこと、嫌いになっちゃうんだよ」

女友「ちょ、ちょっとよくわからないから詳しく説明して!」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 17:52:02.41 ID:vnRlQpoaO
女「…………純愛ってさ、きっと迷いのないものだと思うの」

女「『君を一生守るよ』とか」

女「『君のことずっと離さない』とか」

女「『永遠に愛してる』とか」

女「そんなセリフがきっと純愛の正体なの」

女「だけどさ、実際に死ぬまで人を愛し続けるなんて、そんなに簡単には出来ないんだよ」

女友「………………」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 18:29:00.17 ID:vnRlQpoaO
女友「で、でもさ、女のお母さんとお父さんって今でもすっごく仲良しじゃない。少なくともこれからの未来で嫌い合うような夫婦には見えないけどな~」

女「………うん、お母さんとお父さんは、ずっとあのままだと思う」

女友「じゃ、じゃあ……」

女「…………だからだよ」

女友「えっ?」

女「二人はとっても仲良しだけど、共通点があるの」

女友「?」

女「……お母さんにとってのお父さん、お父さんにとってのお母さんはね、少なくとも…………」

女友「?」

女「………『初恋』の相手じゃあなかったの」

女友「………………」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 19:04:33.38 ID:vnRlQpoaO
女「…………お母さんやお父さんが出会えたのって、いわゆる奇跡だと思うの」

女「……………だけどね、少なくとも初恋の相手じゃあなかったの」

女「その事実を知った時にね、なんとなくだけど思ったの…………」

女「『ああ、初恋じゃあ愛は一生続かないんだ』って」

女友「…………」

女「だから………私と男は今、別れる為に付き合ってるようなものなんだよ……」

女「きっと男のことだって、ずっと好きでなんていられないの………」

女「いつか、些細なことで嫌いになっちゃうんだよ……………」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 19:35:23.09 ID:vnRlQpoaO
ちょっと読みづらいかもしれないので
女友→友 女母→母

女父→父 女妹→妹
にします。


次の日

友「なんであんなにネガティブなのかな~」

友「それに、どうせ別れちゃうんなら尚更今ラブラブしたほうがいいのに!」

友「あーどうにかして女ラブラブさせられないかなー!!!」
妹「………すいません、今なんて言いましたか?」

友「えっ、あなた……誰?」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 19:46:48.08 ID:vnRlQpoaO
妹「あ、私は女の妹です」

友「あーそう言えば妹がいるって前言ってたな」

妹「突然ですけど、私もあなたと同意見です!」

友「えっ?」

妹「お姉ちゃんと男さんはもっとラブラブすべきです!」

友「だ、だよね!どうせ別れちゃうんなら尚更だよね!」

妹「だよね!」

友「だよね!」

妹&友「だよね!!!」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 20:00:01.00 ID:vnRlQpoaO
友「女!」

妹「お姉ちゃん!」

女「ど、どうしたの?」

友「今度の遊園地デートの時」

妹「男さんと絶対に」

友&妹「キスしなさい!」

女「!!!!!!!」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 20:10:28.41 ID:vnRlQpoaO
友「いちいちネガティブ過ぎだよ女は。もっとポジティブに生きなよ」

妹「お姉ちゃん昔から割と暗い性格だったけど最近ちょっと悲観的過ぎるよ!」

女「………そうかな?」

友&妹「そうだよ!!!」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 21:14:51.34 ID:vnRlQpoaO
次の日

友「キスしろとは言ったけども」

妹「しそうにないよね…………」

友「…………やっぱりさ」

妹「?」

友「監視するべきだよね!」

妹「だよね!」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 21:55:34.33 ID:vnRlQpoaO
遊園地

男「初デートなのに初めてじゃない気がするのは」

男「それでもなぜか新鮮なのは」

女「………………」

男「幼なじみとしてじゃなくて恋人どうしとして来てるからかな?」

女「………そうなのかな?」







友「なんか早速テンション低いみたいなんだけど」

妹「何よその嫌なカップル…………」

友「まあ、人のデートをコソコソ監視してる私たちもあれだけどさ………」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 22:14:33.56 ID:vnRlQpoaO
女「せっかくのデートだしさ、ジェットコースター乗りたいな」

男「ジェ、ジェットコースターか……」

女「あれ?そう言えば男ジェットコースター苦手だったっけ?」

男「べ、別にそういう訳じゃ…」

女「………ごめんね…やっぱり他のアトラクションに……」

男「い、いや、大丈夫だよ!ジェ、ジェットコースター大好き!」

女「……本当に?」

男「あ、ああ!」







妹「なんか、すごく無理してるわね」

友「本当にあの二人大丈夫かしら……」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 22:31:45.51 ID:vnRlQpoaO
男「い、いやー楽しかったなー!(ヤバい、マジで吐きそう…………)」

女「うん、とっても楽しかった」

男「次はどこ行く?」

女「お化け屋敷がいいな」

男「よ、よし、じゃあ行くか!(お化け屋敷ならジェットコースターより大丈夫な気がする……)」





友「よし、私たちも行くわよ!」

妹「えっ、お化け屋敷……私たちも……入るの…………?」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 22:43:12.53 ID:vnRlQpoaO
お化け屋敷

女「……ちょっと怖いね」

男「あ、ああ(ちょっとどころじゃないって)」

女「………でも、男と一緒だから平気だよ?」

男「そ、そうなのか(俺は全然平気じゃないけどな!)」





妹「わ、私は怖くないですけど、はぐれちゃいけないんで絶対に手を離さないで下さいね!絶対ですよ!」

友(監視どころじゃないわね………)

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 23:06:43.03 ID:vnRlQpoaO
女「…………最後のお墓のところが一番怖かったね」

男「そうか?俺は大丈夫だったけどな!(本当はお墓のところだけじゃなくて全部怖かったけどな!)」





妹「別に怖くなんてありませんでしたよ?た、ただ少し泣いちゃっただけですからね?」

友「うん、なんか……ごめんね…」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 23:42:22.20 ID:vnRlQpoaO
女「次は男の行きたいところ行こうよ」

男「そうだな、コーヒーカップかな(ちょっと落ち着いた奴に乗りたいとは言えない………)」





友「えー、コーヒーカップとかつまんないよ。フリーフォールとか乗りたい」

妹「コーヒーカップは別に私たちが乗らなくても監視出来るんじゃ………」

友「いや、やっぱり私たちも二人の気持ちを理解するために乗るべきよ!」

妹「あのー友さん、普通に遊園地楽しもうとしてませんか?」

友「べ、別にそういう訳じゃないわよ!まあ、楽しくないよりは楽しい方がいいわよね!」

妹「まあ、そうですね」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/19(土) 23:59:58.30 ID:vnRlQpoaO [28/28]
男「いやー回るなー!」

女「…うん」

男「もしかして、つまんないのか?」

女「!?そんなことないよ!ずっと回ってたいくらいだよ!」

男「そうなのか?ならいいんだけど」

女「…………本当に…………ずっと回ってたいな………」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 00:15:33.01 ID:MxS0IM6NO [1/25]
友「いやーデート自体は割と順調みたいだけどさ、ずっと女が暗い感じなんだよね」

妹「それって全然順調じゃないと思いますよ?まあ、お姉ちゃんはここ最近ずっと暗いままですからね。でも確かにデートなんだからもうちょっと楽しんでもいいような……」

友「冷静に考えたら、監視してるだけじゃなんの意味もないわね…………妹ちゃん」

妹「な、なんですか?」

友「作戦があるわ」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 01:07:56.01 ID:MxS0IM6NO [2/25]
占い師「あの~そこの女と男……じゃなくて、お二人さん」

女「私たちのことですか?」

占い師「そうです。あなたがたです」

男「ていうか、この遊園地には占い師がいるのか」

占い師「ムム!見えますぞ!あなたがたの未来が!」

女「どんな未来なんですか?」

占い師「いやー、本当薔薇色ですよー!だから女と男……じゃなくて、お二人さんは今日という日を楽しく過ごすべきですねー!」

女「…………ありがとうございます」





友「いやー完全に作戦成功だわ!」

妹「全然成功じゃないですよ。途中で何度か名前言っちゃってるじゃないですか。正体がばれなかったのが奇跡ですよ」

友「とにかく、これで二人はラブラブする気になったはず!」

妹「どうしてそんなに自信あるんですか…………」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 02:14:24.10 ID:MxS0IM6NO [3/25]
男「………あのさ」

女「?」

男「俺とデートするのって、楽しいのか?」

女「!た、楽しいよ!すごく楽しい!」

男「嘘つくなよ」

女「う、嘘なんかじゃ………」

男「あのな、幼なじみなんだから、そのくらいの嘘はわかるんだよ。女は最近すごく無理してるよ…………なんかあったのか?」

女「…………男は、私のこと好き?」

男「えっ、そりゃあ好きだけど」

女「私も好きだよ」

男「……?」

女「私も、男のことが好き」

男「………つまり、何が言いたいんだ?」

女「…………別に、ただ、私はそれが言いたかっただけだよ………きっと、今しか言えないから」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 02:31:29.27 ID:MxS0IM6NO [4/25]
女「………そうだよね、今しか言えないんだよね………」

女「今しか………好きでいられないんだよね」

女「………………………」

男「…………女?」

女「………男」

男「?」

女「あのね、私ね、男のこと、好きになっちゃったの」

男「あ、ああ」

女「でもね」

男「?」

女「私、男のこと、嫌いになっちゃうんだよ」

男「な………それってどういう」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 02:47:49.16 ID:MxS0IM6NO [5/25]
女「………男が私の初恋の相手だからだよ。初恋は続かないんだよ」

男「な、なんだよそれ」

女「それとね、私、そのことで悩んでて、最近ラブストーリーとか見る気になれなかったの。だから本当はあのドラマのキスシーンは見てないの。嘘ついてごめんね」

男「は、はあ…………」

女「それとね、私、本当は今すぐ男に抱きついたいんだけどまだお昼だから、人目を気にしてるんだよ」

男「ちょ、ちょっと女、いきなり何言ってるんだよ」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 03:09:49.56 ID:MxS0IM6NO [6/25]
女「それとね、男の今日の服、ちょっと似合ってないよ」

男「えっ、あっ、そうなの?」

女「私ね、この後フリーフォールとか観覧車に乗りたいなって思ってるんだ」

男「まあ、じゃあ乗ろうぜ(フリーフォールは怖いけど………)」

女「それとね、夜になったらね、キスして欲しいな」

男「な、何いきなり言い出すんだよ、ちょっと女、落ち着けって」

女「いつか花火とか見に行きたいし、雪合戦とかしたいし、旅行にも行きたいし………」

男「ス、ストップ!!!!どうしたんだよいきなり…………つまり何が言いたいんだよ」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 03:25:03.76 ID:MxS0IM6NO [7/25]
女「……私ね、初恋の相手が男だから、きっと今しか男のこと好きでいられないの…………」

女「その『今』って言うのがいつまで続くのかわからないけどさ、いつか絶対終わっちゃうから………」

女「…………だから、今が終わっちゃう前に男に言いたいこと全部言いたくなっちゃったの」

女「だからね、男」

男「………………」

女「別れること前提で、私と恋人同士になって下さい」

男「…………」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 03:42:38.52 ID:MxS0IM6NO [8/25]
男「………いや、少なくとももう恋人同士ではあるだろ」

女「そうかな?」

男「まあ、付き合ってるんだし」

女「そうだよね、うん。私と男はもう恋人同士………えへへ」

男「………女、もしかして、笑ってるのか?」

女「………うん!笑ってるよ!男大好き!抱きついてもいい?」

男「い、今はちょっと人目が気になるから…………」

女「じゃあフリーフォール行こ!」

男「あ、ああ!」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 03:53:19.89 ID:MxS0IM6NO [9/25]
友「ち、ちょっと、女が笑ってる!」

妹「そ、そんな、お姉ちゃんが笑うなんてそんなはずが…………」

友「姉妹としてその発言はどうなのよ………」

友「と、とにかく、私たちもフリーフォール乗るわよ!」

妹「えっ、ちょっ、あの、私は今回は遠慮したいんですけど……」

友「この流れで乗らないなんて選択肢があると思う?」

妹「だよね!」

友「だよね!」

友&妹「だよね!!!」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 04:03:31.91 ID:MxS0IM6NO [10/25]
女「見て見て男!車とかがすっごくちっちゃいよ!」

男「あ、うん、そうだね(いや、この高さとか本当無理だって………)」

女「怖いね!」

男「そ、そうだね(なんで笑ってられるんだよ………)」





妹「勘弁してください勘弁してください勘弁してください勘弁してください」

友「ちょっと、ちゃんと二人の監視してる?」

妹「無理ですよ!」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 04:24:14.86 ID:MxS0IM6NO [11/25]
観覧車

女「うわー、車とかがすっごくちっちゃいよ!」

男「さっきと同じこと言ってるぞ」

女「カンカン、ランラン、観覧車~!」

男「なんだよその歌。ていうか、あんまり揺らすなって」





妹「観覧車っていいですよね~、なんか揺らしたくなりますよね」

友「や、やめて妹ちゃん!べ、別に怖い訳じゃないけどさ!眺めを楽しみたいからさ!」

妹「へー友さんは観覧車が苦手なんですかー……………二ヒヒ」

友「な、なによ!」

妹「カンカン、ランラン、観覧車~!」

友「あーーーーーー!!!!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!!!!」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 04:43:09.59 ID:MxS0IM6NO [12/25]
女「すっかり暗くなっちゃったね!」

男「ああ」

男(そう言えば、俺たちって幼なじみだけど)

男(女がこんなに笑ってるの、初めて見た気がするな………)

女「………暗くなっちゃったからさ」

男「?」

女「………抱きついてもいい?」

男「…………もう、さっきから三分以上抱きついてるだろうが」

女「えへへー!男大好き!!!」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 05:11:17.52 ID:MxS0IM6NO [13/25]
妹「それにしても、まさかお姉ちゃんがこんなに明るくなっちゃうなんて、恋って怖いわね」

友「本当、ちょっとびっくりするくらいポジティブになったな」

妹「終わっちゃう恋だってわかってるのに…………だからこそ開き直れたのかしら?」

友「ちょっと妹ちゃん、せっかくいい展開なのに、ネガティブ発言しちゃダメじゃない。このまま一緒ラブラブかもよ?」

妹「何言ってるんですか?別れること前提でのお付き合いですよ?だからラブラブした方がいいって………」

友「いや、だからそれは、絶対別れるって決まってる訳じゃないじゃない」

妹「えっ、あの、別れることは決まってるじゃないですか?」

友「…………えっ、ちょっと待って、どういうこと?」

妹「えっ、あの、もしかして…………お姉ちゃんからきいてませんでしたか?」

友「何を?」

妹「………あの、私たち実は………」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 05:39:04.89 ID:MxS0IM6NO [14/25]
女「あのね、男のこと大好きだよ………男と別れたくないし、だから告白も本当はしたくなかったの……告白したら、後は別れに向かうだけだから」

男「えっ、じゃあなんで告白なんてしたんだよ」

女「私ね、転校するんだよ」

男「…………えっ?」

女「だから思い切って告白しちゃったの」

男「そ、そんな……………」

女「ちょっと前までは転校のこと考えただけで泣いちゃってたけど、今は何故か全然悲しくないんだよ。なんでかな?」

男「い、いきなりこんなこと言われても納得できないってば!」

女「…………ごめんね」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 05:56:18.78 ID:MxS0IM6NO [15/25]
男「…………俺は女のこと、大好きだ」

女「私も男大好き」

男「女のことが地球一好きだ」

女「地球より男のほうが魅力的だよ」

男「女が銀河系一好きだぞ」

女「銀河系より男のほうがかっこいいよ」

男「女が宇宙一好きだ」

女「私にとっては宇宙より男のほうが偉大だよ」

男「世界一大好きだからな」

女「世界よりも大好きだよ」

男「明日………学校でまた会おうな」

女「…………ごめんね」

男「…………………」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 06:07:14.91 ID:MxS0IM6NO [16/25]
学校


男「……………………」

男「………………」

男「………………来ない」

男「…………………」

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 06:22:23.28 ID:MxS0IM6NO [17/25]
友「まさか転校とはね…」

友「なんかめちゃくちゃいきなりだし………」

友「………あ~、ていうか妹ちゃんももういないのか~」

友「……………」

友「…………カンカン、ランラン、観覧車~」

友「………………」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 06:30:20.78 ID:MxS0IM6NO [18/25]
男「おい、その歌………」

友「…………えっ、ああ、観覧車の歌?」

男「てか、その声………占い師?」

友「えっ、え~しりませんよ~?」

男「嘘つくのへただな」

友「へ、へたじゃないよ!うまいよ!」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 06:47:43.27 ID:MxS0IM6NO [19/25]
友「あの、まあ、つまり、あなたがたのデートをコソコソ監視してました。す、すいませんでした」

男「いや、別にいいよ………」

友「………女のこと、どうするの?」

男「…………」

友「忘れるの?」

男「…………どうしようもないだろ」

友「でも………」

男「本当だったな」

友「?」

男「初恋は続かないって…………」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 07:02:15.20 ID:MxS0IM6NO [20/25]
友「そんなこと言ったらダメだよ!!」

男「!!」

友「そりゃあ………確かに女の言ってることはあながち間違いじゃないかもしれないよ?」

友「女はもう男のことあきらめてるかもしれないよ?」

友「でも、そんなの関係ないよ!」

友「女があきらめちゃったんなら、男がずっとあきらめなきゃいいんだよ!!」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 07:15:05.89 ID:MxS0IM6NO [21/25]
男「………人のデート監視してた変態がえらそうに説教かよ」

友「……………」

男「……女が今どこにいるのかもわかんないのに、どうしろって?」

友「それは………」

男「………教えてくれ」

友「……?」

男「俺が女を信じてここでずっと待ってたら」

友「…………」

男「…………何色の未来が待ってるんだ?」

友「…………薔薇色に決まってるでしょ?」

男「………ありがとう占い師さん」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 07:25:19.15 ID:MxS0IM6NO [22/25]
数年後

友「相変わらず仕事帰りには毎日学校に寄ってるみたいね」

男「ああ」

友「もう待ち続けて何年くらいかしら?」

男「…………七年くらいかな」

友「根性あるわね~」

男「どっかの遊園地の胡散臭いおばさんの言葉のおかげだよ」

友「だれがおばさんだコノヤロー!!」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 07:45:00.70 ID:MxS0IM6NO [23/25]
友「まあいいや。私、久々に会う友達と今から映画見に行く予定だから、さよなら~。あっ、それとね」

男「?」

友「今日はいつもより長く待ってたほうがいいことあるよ。これ、予言ね」

男「?」

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 07:58:04.16 ID:MxS0IM6NO [24/25]
男「………占い師さんはよくわからんな~」

男「………と、普通なら思うわけだが」

男「あんなことを言われたら流石に期待する訳で」

男「…………期待通りな訳で」

女「…………男……?」

男「………お帰り」

女「………ただいま」

男「…………いきなり会ってもすることないな」

女「…………キスしたい」

男「…………人目がめっちゃ気になるんだけど」

女「えへへ…………………ごめんね?」


END

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/20(日) 08:35:53.62 ID:MxS0IM6NO [25/25]
後日談

女「今日はお母さんの特製カレーだよー!」

男「母さんの料理はいつも最高にうまいよな」

女「えへへ、当たり前だよ!」

男「まあな」

娘「なんなんだよお前ら、イチャイチャしやがって。飯くらい普通に喰わせろよな!」

娘「………見てるこっちが恥ずかしいっつーの………」

娘「………まあ、ちょっとうらやましいけどさ…………」

男「なんでうらやましいんだ?恋でもしたのか?」

娘「なっ………ち、ちげーよ馬ー鹿!」

男「嘘つくのへた過ぎるぞ」

娘「へ、へたじゃねーよ!うめーよ!」

END


コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)