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従姉「恋愛至上主義な世の中めんどい」
従姉「だからいいじゃん別に、恋愛したくないんだから」
従姉「もったいないとか、一度恋愛したら分かるからーとかさ」
従姉「知り合った目先に合コンとか誘う奴の気持ちが分からんなー」
男「あの」
従姉「?」
男「そろそろお尻上げて、上にのっかるの止めてくれない?」
従姉「・・・ああ、ごめん。男下敷きにしてたの忘れてた」
従姉「友達が最近しつこくてねぇ」
従姉「愛の告白がうんたらかんたら、今カレ、彼女無しだからどう?」
従姉「どう? ってなに? え? フリーだからどうしたの」
従姉「いいじゃん。一緒にいて楽しいだけじゃ駄目なの」
男「俺楽しくないんだけど」
従姉「はーい、これじゃ大学行けないよ。次は英語だ」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 00:38:46.68 ID:ugkvVaJY0
従姉「映画もドラマも音楽だってそうだけど。恋愛で市場が成り立ってるよね。そろそろ民衆がこのマーケットに飽きていることに気付いてないのかな」
男「姉さん好きな映画って何だっけ」
従姉「社会派ドキュメンタリー」
男「アメリカンヒストリーX?」
従姉「アメリカンヒストリーX」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 00:41:10.43 ID:ugkvVaJY0
従姉「美人なのに、彼氏いないなんてもったいないよー」
男「うん」
従姉「どう、似てる? 友達の真似」
男「友達分からないし」
従姉「そっか。だよね」
男「でも、それだと不細工に恋愛は敷居が高すぎるって言ってるもんだね」
従姉「そっちの方向にベクトルが向くとは。さすがだ弟よ」
男「ありがとう」
従姉「久しぶりに一緒に風呂でも入る?」
男「うん」
従姉「嘘だバカ」
男「入ったこと無いよね。そいえば」
従姉「だね」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 00:44:05.27 ID:ugkvVaJY0
従姉「この前地下鉄の駅で見かけたポスターなんだけど」
男「ああうん」
従姉「幼児に手を出す不審者に注意的なポスターがあったんだけど」
男「ほうほう」
従姉「恋愛が大好きこの世界なら年の差ぐらいあってもいいんじゃないの? 不審者は除いてね」
男「んー、でも性的な関係で見る人を取り締まろうって意味でしょ。詰まる所」
従姉「恋愛関係無く10歳で嫁いだ2、3時代前のアレとはどう違うの?」
男「わかんない」
従姉「あのポスターを一枚作るのに、何千人の人を使って、どれだけのお金使ってるのかな」
男「どうだろうね、今日のお味噌汁美味しい」
従姉「たまねぎとじゃがいものお味噌汁の甘みって一番美味しい甘みだよね」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 00:46:21.33 ID:ugkvVaJY0
従姉「さて、読んだし寝ますか」
男「ようやく重いお尻から解放されます」
男「何読んでたの?」
従姉「ああうん。歎異抄」
男「親鸞にでもなるの?」
従姉「うん」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 00:48:05.02 ID:ugkvVaJY0
従姉「実は大学でインターナル・カレッジ部って所に誘われてね」
男「うん」
従姉「いざ門を叩いてみたら宗教サークルでさ、学生を入信させようとすべく。部外者の人間で人が一杯だった」
男「入らないでよ、姉さん」
従姉「あそこに入ってる人は幸せな顔してたけどね。貰ったこの本の価値はゼロ」
男「どうして? それ有名な人が書いた本でしょ?」
従姉「うん。でも私の親鸞のイメージは、先に、あの気持ち悪い輪の中でお金をぐるぐる回す機関って、固まっちゃったから」
男「それは、ずいぶんと面白くないね」
従姉「だね、誰も慎ましく生きればいいのに」
男「うん、もう寝よっか。一緒に寝る?」
従姉「うん」
男「嘘だバカ」
従姉「そういえば一緒に寝たこと無いよね」
男「小さいときに一回くらいあるんじゃない?」
従姉「忘れちゃったね」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 00:50:27.40 ID:ugkvVaJY0
男「今日、商店街のベンチに座ってぼうっとしていたらおじいさんに話しかけられた」
従姉「にゃるほど」
男「姉さん口周りジャムだらけ」
従姉「だから今にゃめとっている」
男「でさ、おじいさん曰く、今の学生は大人しすぎるそうだね」
従姉「へー」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 00:51:56.05 ID:ugkvVaJY0
男「ずいぶん好き勝手言ってたけど。俺はあの人達をコレから養う為にあくせく働いて税金を納めなくちゃいけないのかと思うと、ツライ」
従姉「高度経済からバブルにかけての老人扶養は、若者3人ちょいに対して老人1人だったみたいだけどね」
男「人口的に考えたら若者1人で老人1人背負わなきゃいけなくなるよなァ」
従姉「だね。慎ましく生きてるなら、少しは面倒見てあげようとは思うけど」
男「姉さんも同じ考えなんだ」
従姉「ここまで私と気が合う人間じゃなかったら、男と2人暮らしなんてしてないよ」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 00:53:13.51 ID:ugkvVaJY0
男「周りがよく言う、姉さんの性格が気難しいなんて嘘っぱちだと思ってたけど」
従姉「お互い気が合うんだよ。少なくとも年金は納めないかな」
男「潰れる保険屋に誰がお金を掛ける、ってね」
従姉「私、安部総理嫌いだったなぁ」
男「国民保険と年金、一緒くたにしようとした人でしょ」
従姉「うん。国がネズミ講認可してんのはおかしいけど誰もつっこまないね」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 00:55:05.51 ID:ugkvVaJY0
男「将来はオランダ国籍かな」
従姉「男がそうするなら私はモナコにする」
男「個人的にはトルコ国籍もいいかもしれない」
従姉「ああ、なんかうさんくさい感じが男にぴったし合ってるよ」
男「トルコに謝るんだ今すぐ」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 00:57:41.74 ID:ugkvVaJY0
従姉「マイノリティーは大変だけど。人の目が気にならない人間ならコレほど楽なものは無いね」
男「姉さんの保護団体とか出てきたらどうしよう。人類希少価値のある姉さん、とか言われて」
従姉「私たちが保護します、って金切り声あげて一番声の大きかった団体はいくらお金を国から支給されるのかな」
男「国から支給は厳しいんじゃない?」
従姉「減税なんだから事実上貰ってるのとかわんないよ」
男「あ、だね」
従姉「言葉なんて死ねばいいのに。慎ましく過ごせたらそれでいいじゃん」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 01:01:08.55 ID:ugkvVaJY0
男「世の中人が多くなりすぎたのかなって思う」
従姉「?」キョロキョロ
男「急にどうしたの?」
従姉「町を歩く誰かが男の気に触れて、ここに居る人間を間伐したくなったのかなって」
男「まさか」
従姉「いきなり突拍子も無いこと言うから、手伝うにはどうしたらいいかなって」
男「またの機会にね」
従姉「うん」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 01:04:53.20 ID:ugkvVaJY0
従姉「最低、最低」
男「どうかした?」
従姉「昨日、男と町中歩いてるの誰かが見ていたらしいの」
男「ふーん」
従姉「年下好きだから同年代とはどうのこうの、あの先輩とはどうのこうの」
男「他人に興味や関心がずいぶんありますこと。集団心理学でも学んでいるつもりなのかな」
従姉「ちくしょう、ちくしょう」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 01:09:31.08 ID:ugkvVaJY0
従姉「何十年も、国で使いまわされてきた言葉達が可哀相だ」
男「放って置くのがちょうどいい、そんな塩梅な人間ばかりの楽な民族だと思えばいいよ」
従姉「人ってやかましいなあ」
男「俺もだよ。21世紀にも新大陸が残ってればよかったね」
従姉「独立戦争起こしたら勝てる気がする」
男「戦争やる前は誰でも勝てると思うんだよ。パチンコとか、テキサスホールデムとか」
従姉「月や火星は、ちょっと遠いね」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 01:13:05.97 ID:ugkvVaJY0
男「でも言われただけじゃ悔しいから、今日一日の事象に銘を打とう」
従姉「烏合の衆」
男「それはさすがに酷いって。カラスが可哀相だ」
従姉「あの人達はきっと、明日、明後日に何かが起きたら他人を絞り上げようとする人間だよ」
男「じゃあこんなのはどう?」
従姉「?」
男『思想★感情などがその日暮らしをしているサークル』
従姉「気に入った」
男「落ち着いた? 姉さん」
従姉「落ち着いた、ありがとう。でもゴロ悪いね」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 01:22:13.32 ID:ugkvVaJY0
従姉「不細工な顔に整形したい。金髪、茶髪は私に近づくな、髪切れ。必要ない言葉は私にかけなくていい」
男「俺、姉さんの顔好きだよ」
従姉「男も顔で判断するんだ」
男「そうでも言わないと姉さんホントに整形しそうだ」
従姉「別に、困らないでしょ?」
男「いや、見知らない顔を新た覚えるのがメンドクサイ」
従姉「なるほど」
男「うん」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 01:24:33.76 ID:ugkvVaJY0
従姉「バーベキューがしたい、面倒だけど」
男「あれは美味い。炭火になら焼かれてもいい、面倒だが」
従姉「するか?」
男「2人で?」
従姉「それ以外の人数でしたことあったっけ?」
男「無い」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 01:26:35.24 ID:ugkvVaJY0
男「2人だけなら七輪で十分だと思って買ってみた」
従姉「実は私も今日買ってきたんだけど」
男「マイ・七輪だ」
従姉「マイ・七輪だね」
男・従姉「くふふ」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 01:28:42.27 ID:ugkvVaJY0
従姉「まあ、でも二つ七輪に火を起こす理由も無いので」パタパタ
男「あっついなー、今日も」
従姉「・・・あ。今、美人がうつ病になりやすい理由が分かった気がする」
男「七輪で真理を得た人間、従姉」
従姉「六道ならぬ、七つの輪が私の涅槃の境地です」
男・従姉「くふふ」
男「周りからしたらこの盛り上がり方気持ち悪いだろうね」
従姉「気にしたこと無いよ」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 01:29:57.96 ID:ugkvVaJY0
従姉「落語を聞きたい、柳家喬太郎」
男「浅草行こうか」
従姉「うん」
――
男「面白かったね」
従姉「千両みかん」
男「俺は新作の方が好き」
従姉「長屋の花見」
男「前座の紙切りも中々」
従姉「帰ったら真似しようか」
男「紙切り?」
従姉「家を長屋に改築」
男「そっちですか」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/23(水) 01:31:01.86 ID:ugkvVaJY0
従姉「また月の終わりには一緒にどこか行こうよ」
男「うん」
従姉「ねえ、一緒にお風呂入ろうか」
男「その後は一緒に寝る?」
従姉「うん」
男「・・・月の終わりは、全部そうしようか」
従姉「・・・そうだね。うん」
男「じゃあ。先にお風呂入ってる」
従姉「うん。じゃあまた後で」
お わ り
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