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律「唯なんて大嫌い」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:43:37.46 ID:TT811Ri+0
唯なんて嫌い。
唯なんて大嫌い。
ほんとむかつく。
私は、唯なんて大嫌い。
田井中律は、平沢唯なんて大嫌いだ。
唯なんて嫌い。
唯なんて大嫌い。
ほんとむかつく。
私は、唯なんて大嫌い。
田井中律は、平沢唯なんて大嫌いだ。
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:46:23.48 ID:TT811Ri+0
唯「澪ちゃん、りっちゃん、おはよう!」
澪「おはよう唯」
律「……おー」
登校中、私と澪を見つけると、元気に声をかけてくる。
必ず澪を先に呼ぶ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:47:45.06 ID:TT811Ri+0
唯「りっちゃん、どうしたの?」
律「ん? なーんでもないよ」
澪「本当だ、律元気ないな」
普段鈍いくせにすぐに人の異変に気がつく。
今日は澪よりも早い。
唯のくせに。
むかつく。
唯なんて大嫌い
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:50:14.45 ID:TT811Ri+0
唯「だいじょうぶー?」
律「だからなんでもないって」
唯「ほーんと?」
律「ほんと」
唯「ふうん」
いいながら私の腕にまとわりつく。
いくら食べても太らないっていってたけど。
柔らかい感触が伝わってくる。
気持ちいい。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:53:10.39 ID:TT811Ri+0
律「はなれろよ」
唯「やーだ」
律「恥ずかしいから」
唯「だめだめ」
ぺたぺた触ってくる。
離れない。
人が見てるのに。
仲いいね、って声が聞こえてくる。
違うし。うざったいし。
唯なんて大嫌い。
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:57:06.03 ID:TT811Ri+0
どれぐらいの時間間隔で投下すればいいのかな
澪「唯、人目もあるし、そろそろ」
唯「そっか、そうだね」
律「そうだよ」
私から離れる。
あっさりと。もう飽きた、と言わんばかりに。
腕が寒い。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:01:36.67 ID:TT811Ri+0
唯「じゃあ、次は澪ちゃん」
澪「え? こらこら!」
澪の大きな胸に飛び込む。
唯「柔らかい、えへへ」
澪「だ、だめだぁ!!」
へらへらにやけている。
これ以上ないってくらいに嬉しそうな顔で。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:05:51.67 ID:TT811Ri+0
唯「いたいよぉ……」
澪「当たり前だろ。ゲンコツだ!」
律「そうだ。自業自得」
ようやく澪から離れた。
ぶたれた頭を押さえている。
名残惜しそうに澪の胸をちらちら見ている。
私のときはあっさりしてたのに。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:09:49.19 ID:TT811Ri+0
唯「いたいいたい」
澪「うう、ごめん」
律「だから自業自得だっつうの」
唯「むう、りっちゃあん」
涙目を私に向ける。
うるうるきらきらしている。
もえもえきゅん。って違う。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:12:59.65 ID:TT811Ri+0
唯「ようやく学校に着いた!」
律「遅くなったのは、唯のせいだけどな」
澪「確かに」
唯「でも、たくさん二人といられて、嬉しかったよ」
……。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:16:57.92 ID:TT811Ri+0
澪「うっ! わぁあ!」
律「お、すごい量のラブレター」
唯「よく下駄箱にそれだけ詰められるね。……おっと?」
律「どうした?」
唯「ううん」
うつむいて、何か隠している。
少し頬が赤い。
らしくない。
隠しごとするなんて。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:18:12.99 ID:TT811Ri+0
律「とりゃ!」
唯「うわっ」
律「どれどれ? ……え」
可愛い便箋。
澪の下駄箱に入っているのとおんなじような。
なんで隠すんだ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:19:46.53 ID:TT811Ri+0
澪「唯も、もらっているじゃないか」
唯「なんか、最近よくもらうんだあ」
律「ふん」
眉をハの字にしていても、
口元はしっかりにやついている。
へらへらしている。
むかつく。
唯なんて大嫌い
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:21:31.99 ID:TT811Ri+0
紬「あら、三人ともおはよう」
澪「おはよう」
律「おっす、ムギ」
唯「おはよう! ムギちゃん」
紬「わっ! 唯ちゃん」
唯「あったかあったか」
体温が高いムギに抱きつく。
ほっとしたような顔。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:36:14.47 ID:TT811Ri+0
唯「ムギちゃんあったかいね」
紬「唯ちゃんもね」
離れない。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:38:00.32 ID:TT811Ri+0
澪「そんなにムギはあったかいのか?」
唯「あったかいよ。りっちゃんは冷たいけど」
律「悪かったな」
唯「とくに、おでこのあたりが」
律「わっ」
丁寧に私のおでこをさする。
じんわりと熱が帯びる。
唯「だから、私があっためてあげるね」
あったかあったか。
……。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:39:48.49 ID:TT811Ri+0
唯「……」
授業中。
薄目になっている。
それから目をつぶり、次第にこくこくと首が揺れる。
幸せそうな寝顔。
私はじっとそれを見ている。
「田井中さん、集中して」
唯のせい。
唯なんて大嫌い。
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:41:12.97 ID:TT811Ri+0
紬「唯ちゃん、次教室移動よ」
唯「ううう、ごめん、まだ準備していなくて」
ばたばたとしている。
そうとう焦っているらしい。
澪「律、唯の準備手伝ってあげているのか」
紬「りっちゃん、やさしいわね」
自然に手が動いただけ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:42:53.06 ID:TT811Ri+0
唯「先に行ってていいよ」
紬「え、でも」
唯「悪いし」
澪「じゃあ、行くよ。早く来るんだぞ」
ばたばた。
ごそごそ。
ようやく準備が整った。
唯「りっちゃん、待っててくれたの?」
ちょっと壁に寄りかかってただけ。
律「……別に」
唯「……えへへ、ありがとう」
あったかい笑み。
……。
倍むかつく。
唯なんて大嫌い。
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:44:20.03 ID:TT811Ri+0
唯「ありがとね」
律「ほら、さっさといくぞ」
唯「りっちゃんって面倒見いいなあ」
律「そうかよ」
唯「りっちゃんのそういうとこ、好きだなあ」
……。
唯なんて大嫌い。
嫌い、だし。
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:47:08.97 ID:TT811Ri+0
唯「わ、わわわ」
姫子「唯、そこはこうやるんだよ」
唯「あー、そっかあ」
理科室の実験。
隣の姫子に、いろいろと助けてもらっている。
いつもそう。
唯「姫ちゃん、面倒見いいなあ」
姫子「そんなことないよ?」
唯「姫ちゃんのそういうとこ、好きだよお」
デジャブ。
やっぱり、
唯なんて大嫌い。
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:49:56.66 ID:TT811Ri+0
和「唯、昔からああいう子なの」
実験道具を片づけに、私の席の近くまで来た和に肩を叩かれた。
律「え? いや、和が何言いたいのか分かんないけど」
和「みんなのことが好きなのよね」
律「え、あの、だから」
和「唯ってば、小学校のときにもね」
小一時間、私の知らない唯の話が続いた。
思わず聞き入ってしまった。
別に。
唯なんて、大嫌いだし。
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:51:29.84 ID:TT811Ri+0
律「へえ、そうなんだ」
和「そうなのよ、それで唯……」
唯「和ちゃーん!」
和にしがみついてきた。
唯「ここが、分からないのです!」
和「もう、しょうがないわね」
唯「和ちゃん、頼りになるなあ」
またデジャブ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:52:47.25 ID:TT811Ri+0
紬「唯ちゃんのお弁当、相変わらずおいしそうね」
澪「憂ちゃんの手作りだもんな」
律「いいよなー、私も食べたい」
唯「じゃあ、食べる?」
律「おう。あーん……」
フォークじゃなく、弁当箱ごと渡される。
唯「あ、一口だけだよう」
……。
ばか。
唯なんて大嫌い。
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:54:11.23 ID:TT811Ri+0
唯「なんで、りっちゃん食べないの?」
私は答えない。
唯「私食べるの遅くなっちゃうよお」
答えないし。
唯「そうだ! はい、あーん」
フォークをおかずに突き刺し、私の口元へ。
律「……あーん」
むかつく。
やっぱり、
唯なんて大嫌い。
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:56:01.01 ID:TT811Ri+0
結構人が見ていた。
恥ずかしい。
紬「りっちゃんのもおいしそうね」
澪「今日は、自分で作ったんだっけ?」
律「そうだぞ、えっへん」
唯「そうなの? じゃあ、一口ちょうだい。あーん」
人が見てるっつうの。
唯「おねがいだよう」
……。
律「……ほら、口開けろ」
小鳥みたいだ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:57:16.32 ID:TT811Ri+0
紬「唯ちゃん、部活行こう?」
机に突っ伏したまま。
澪「唯、ほら起きろ」
寝息をたてたまま。
しょうがない。
律「唯、部活にいっくぞー!」
……起きなかった。
紬「声じゃ起きないみたい……」
精一杯呼んだのに。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:22:30.51 ID:pF5Or6Xn0
梓「何してるんですか先輩方」
紬「あ、梓ちゃん」
澪「唯が起きないんだ」
梓「もう唯先輩ってば……ほら、起きてください」
動かない。
律「ほら、私達がいくら呼んでも起きなかったんだから…」
そのとき、かすかに身じろぎした。
澪「あ、聞こえたのかな」
むかつく。
唯なんて大嫌い。
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:25:46.80 ID:pF5Or6Xn0
梓「でも、あの一回きりでしたね」
律「もので釣るか?」
澪「まさか。それで起きるとは……」
紬「唯ちゃん、ケーキあるわよ」
唯「……んんぅ、ふわぁ、おはよう」
梓「起きましたね」
むかつく。
唯なんて大嫌い。
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:27:27.53 ID:pF5Or6Xn0
澪「練習するぞ」
律「まだいいじゃん」
梓「だめです。今日こそ」
もう少し休みたいのに。
二人の勢いに負けそう。
唯「もう少しだけ休もう?」
目があった。
笑みを向けられる。
お見通し、みたいな。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:29:49.21 ID:pF5Or6Xn0
今日のケーキは二種類。
ショートケーキが二個と、チョコケーキが三個。
私はショートケーキ。
でも、チョコケーキも食べたかったな。
ちぇ。
唯「りっちゃん、半分こしようね」
唯のはチョコケーキ。
……。
唯なんて大嫌い。
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:31:26.12 ID:pF5Or6Xn0
唯「りっちゃん、口にクリーム付いてるよ」
律「え、どこ」
唯が指で私の口元をぬぐう。
指はそのまま、唯の口の中へ。
唯「おいしいね」
む……かつく。
唯なんて大嫌い。
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:33:46.21 ID:pF5Or6Xn0
梓「先輩、ここはこうです」
唯「こう?」
梓「違います」
手とり足とり。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:35:18.56 ID:pF5Or6Xn0
梓「そう、そうですよ!」
唯「ありがとあずにゃん!」
梓「わっ! 抱きつかないでくださいぃ…」
むかつく。
倍むかつく。
唯なんて大嫌い。
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:37:07.72 ID:pF5Or6Xn0
澪「じゃあ、私達はここで」
律「じゃあな」
紬「また明日ね」
梓「さようなら」
唯「ばいばい、澪ちゃん、りっちゃん」
また澪が先。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:39:01.75 ID:pF5Or6Xn0
ふと振り向いた。
唯が、こっちを見ていた。
にっこりと手を振られる。
澪も、ムギも、梓も気づいていない。
私と唯だけ。
律「……」
私も、手を振る。
唯なんて大嫌い。
嫌い、だからな。
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:41:06.22 ID:pF5Or6Xn0
澪「最近律、おかしくないか?」
律「なにがだよ?」
澪「なんか、唯に対して」
ふと、澪が訊いてきた。
律「ああ。だって、私唯のこと嫌いだもん」
澪「えっ!?」
むかつくし。
見てると、いらいらするし。
柔らかいしにこにこするし。
私のこと分かってるって感じだし。
律「唯なんて大嫌い」
澪「……にやけながらいわれても、全く説得力無いな」
なにいってんだよ。
私は、唯なんて大嫌いだ。
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:43:18.98 ID:pF5Or6Xn0
合宿になると、いつも二人ではしゃいだ。
唯「りっちゃん!」
律「ゆーい!」
呼べば子犬のように寄ってきて。
呼ばれて振り向いたら笑ってる。
むかついた。
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:45:50.17 ID:pF5Or6Xn0
二年のときの文化祭。
唯は、遅れてやってきた。
目に涙をためて、皆に謝っていた。
らしくもない。
さっさと泣きやまないから。
いつものふわふわした笑顔を見せてくれないから。
むかついた。
律「みんな、唯のことが大好きだよ」
ほら、早く泣きやめ。
唯が普段どおりじゃないと、
胸がしくしくした。
むかついた。
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:47:13.00 ID:pF5Or6Xn0
私が、ドラムは嫌だと投げ出したとき。
唯「一人で悩んじゃやだ!」
私のために必死になっている姿に
む、むかついたし。
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:48:22.80 ID:pF5Or6Xn0
梅雨の日。
唯のワイシャツのボタン付けをしてやった。
唯「もったいなくて着れないよお」
手放しで喜んでいた。
頬が熱くなった。
むかついた。
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:50:23.48 ID:pF5Or6Xn0
最後の文化祭。
気がつけば、唯と私の手がつながっていた。
ぎゅっとにぎり合った。
泣きそうなくらいに安心した。
あったかかった。
むかついた。
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:52:31.02 ID:pF5Or6Xn0
そうだよ。
こんなにむかついたんだから。
私は唯なんて大嫌いだ。
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:55:05.27 ID:pF5Or6Xn0
今日は、唯に会わなかった。
唯と登校できなかった。
いつもより寒い。
風邪ひくだろ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:56:42.91 ID:pF5Or6Xn0
律「私、唯のこと嫌いなんだ」
紬「えっ?」
開口一番、ムギに宣言した。
気が合うし。
じゃれているときの体温とかちょうどいいし。
律「唯なんて大嫌い」
紬「りっちゃん、そんなに教室のドアをちろちろ見なくても、唯ちゃんならすぐ来るわよ」
律「なんで知ってんの」
紬「さっき、メールが来たの」
……。
律「唯なんて大嫌いだ」
紬「説得力無いわよ、りっちゃん」
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:58:08.60 ID:pF5Or6Xn0
律「私、唯のこと嫌いなんだ」
和「はいはい。それでも唯は、皆のことが好きな子よ」
皆からいじられてるし。
それを見てると、むかむかするし。
律「唯なんて大嫌い」
和「じゃあ、唯の机を撫でるのをやめなさい」
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:01:14.87 ID:pF5Or6Xn0
唯「りっちゃん。あのね、聞こえちゃったんだけど」
休み時間。
結局、朝は遅刻すれすれでやってきた唯が、私の席まで来た。
唯「りっちゃん、私のこと嫌いなの?」
悲しそうに。
涙目で、うるうるきらきらしている。
……。
ばか。
唯なんて大……。
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:03:29.75 ID:pF5Or6Xn0
律「……とりあえず、今日部室に来い」
唯「えっ?」
律「いいから」
唯「……うん」
眉をハの字にして、
不安でいっぱいの表情をしている。
そんな顔するなんて。
……。
ばーか。
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:06:11.98 ID:pF5Or6Xn0
放課後。
唯「澪ちゃんたち、まだきていなくてよかったね」
約束通り、唯は部室に来ていた。
澪たちには、今日は部活は休みと伝えておいた。
律「そうだな。まだきていない」
唯「うん」
人の異変にはすぐ気付くのに。
こういう嘘には鈍い。
むかつく。
気づかないのか。
気づいてよ。
110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:08:19.24 ID:pF5Or6Xn0
唯「あの、りっちゃん、それで」
律「うん」
唯「えーっと……」
瞳を潤ませて、
もじもじしている。
可愛い。
むかつく。
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:10:37.29 ID:pF5Or6Xn0
律「……唯」
唯「う、ん」
律「今から、思っていることと反対のこというから」
唯「? ……うん」
律「私、唯のこと嫌いなんだ」
112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:13:07.95 ID:pF5Or6Xn0
唯「……え?」
律「唯なんて大嫌い」
唯「え? え?」
慌てふためいている。
必死で頭を整理しているんだろう。
うん。
やっぱりむかつく。
唯なんて大嫌い。
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:15:22.30 ID:pF5Or6Xn0
少しして、冷静になった唯。
花が咲いたように笑った。
む、むかつく。
唯「私は、ひねくれりっちゃんとは違って、そのまま言うね」
一呼吸置いて。
唯「りっちゃんが大好き」
今までで一番、あったかい笑顔。
とことんむかつく。
114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:16:59.05 ID:pF5Or6Xn0
律「唯なんて大嫌い」
唯「りっちゃんなんて、大好き」
言い合いながら、部室を出た。
いつの間にか、私と唯の手はしっかりとつながっていた。
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:19:29.06 ID:pF5Or6Xn0
むかつく。
唯なんて。
唯なんて……。
唯に聞こえないように、こっそり呟いた。
――唯、大好き。
おわり
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:21:59.73 ID:pF5Or6Xn0
これで終わりです。
読んでくださった方、ありがとうございました!
原作と違うところがあったらすみません……
とりあえず、唯律・律唯もっと増えろ
駄文失礼いたしました。
唯「澪ちゃん、りっちゃん、おはよう!」
澪「おはよう唯」
律「……おー」
登校中、私と澪を見つけると、元気に声をかけてくる。
必ず澪を先に呼ぶ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:47:45.06 ID:TT811Ri+0
唯「りっちゃん、どうしたの?」
律「ん? なーんでもないよ」
澪「本当だ、律元気ないな」
普段鈍いくせにすぐに人の異変に気がつく。
今日は澪よりも早い。
唯のくせに。
むかつく。
唯なんて大嫌い
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:50:14.45 ID:TT811Ri+0
唯「だいじょうぶー?」
律「だからなんでもないって」
唯「ほーんと?」
律「ほんと」
唯「ふうん」
いいながら私の腕にまとわりつく。
いくら食べても太らないっていってたけど。
柔らかい感触が伝わってくる。
気持ちいい。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:53:10.39 ID:TT811Ri+0
律「はなれろよ」
唯「やーだ」
律「恥ずかしいから」
唯「だめだめ」
ぺたぺた触ってくる。
離れない。
人が見てるのに。
仲いいね、って声が聞こえてくる。
違うし。うざったいし。
唯なんて大嫌い。
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:57:06.03 ID:TT811Ri+0
どれぐらいの時間間隔で投下すればいいのかな
澪「唯、人目もあるし、そろそろ」
唯「そっか、そうだね」
律「そうだよ」
私から離れる。
あっさりと。もう飽きた、と言わんばかりに。
腕が寒い。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:01:36.67 ID:TT811Ri+0
唯「じゃあ、次は澪ちゃん」
澪「え? こらこら!」
澪の大きな胸に飛び込む。
唯「柔らかい、えへへ」
澪「だ、だめだぁ!!」
へらへらにやけている。
これ以上ないってくらいに嬉しそうな顔で。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:05:51.67 ID:TT811Ri+0
唯「いたいよぉ……」
澪「当たり前だろ。ゲンコツだ!」
律「そうだ。自業自得」
ようやく澪から離れた。
ぶたれた頭を押さえている。
名残惜しそうに澪の胸をちらちら見ている。
私のときはあっさりしてたのに。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:09:49.19 ID:TT811Ri+0
唯「いたいいたい」
澪「うう、ごめん」
律「だから自業自得だっつうの」
唯「むう、りっちゃあん」
涙目を私に向ける。
うるうるきらきらしている。
もえもえきゅん。って違う。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:12:59.65 ID:TT811Ri+0
唯「ようやく学校に着いた!」
律「遅くなったのは、唯のせいだけどな」
澪「確かに」
唯「でも、たくさん二人といられて、嬉しかったよ」
……。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:16:57.92 ID:TT811Ri+0
澪「うっ! わぁあ!」
律「お、すごい量のラブレター」
唯「よく下駄箱にそれだけ詰められるね。……おっと?」
律「どうした?」
唯「ううん」
うつむいて、何か隠している。
少し頬が赤い。
らしくない。
隠しごとするなんて。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:18:12.99 ID:TT811Ri+0
律「とりゃ!」
唯「うわっ」
律「どれどれ? ……え」
可愛い便箋。
澪の下駄箱に入っているのとおんなじような。
なんで隠すんだ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:19:46.53 ID:TT811Ri+0
澪「唯も、もらっているじゃないか」
唯「なんか、最近よくもらうんだあ」
律「ふん」
眉をハの字にしていても、
口元はしっかりにやついている。
へらへらしている。
むかつく。
唯なんて大嫌い
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:21:31.99 ID:TT811Ri+0
紬「あら、三人ともおはよう」
澪「おはよう」
律「おっす、ムギ」
唯「おはよう! ムギちゃん」
紬「わっ! 唯ちゃん」
唯「あったかあったか」
体温が高いムギに抱きつく。
ほっとしたような顔。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:36:14.47 ID:TT811Ri+0
唯「ムギちゃんあったかいね」
紬「唯ちゃんもね」
離れない。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:38:00.32 ID:TT811Ri+0
澪「そんなにムギはあったかいのか?」
唯「あったかいよ。りっちゃんは冷たいけど」
律「悪かったな」
唯「とくに、おでこのあたりが」
律「わっ」
丁寧に私のおでこをさする。
じんわりと熱が帯びる。
唯「だから、私があっためてあげるね」
あったかあったか。
……。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:39:48.49 ID:TT811Ri+0
唯「……」
授業中。
薄目になっている。
それから目をつぶり、次第にこくこくと首が揺れる。
幸せそうな寝顔。
私はじっとそれを見ている。
「田井中さん、集中して」
唯のせい。
唯なんて大嫌い。
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:41:12.97 ID:TT811Ri+0
紬「唯ちゃん、次教室移動よ」
唯「ううう、ごめん、まだ準備していなくて」
ばたばたとしている。
そうとう焦っているらしい。
澪「律、唯の準備手伝ってあげているのか」
紬「りっちゃん、やさしいわね」
自然に手が動いただけ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:42:53.06 ID:TT811Ri+0
唯「先に行ってていいよ」
紬「え、でも」
唯「悪いし」
澪「じゃあ、行くよ。早く来るんだぞ」
ばたばた。
ごそごそ。
ようやく準備が整った。
唯「りっちゃん、待っててくれたの?」
ちょっと壁に寄りかかってただけ。
律「……別に」
唯「……えへへ、ありがとう」
あったかい笑み。
……。
倍むかつく。
唯なんて大嫌い。
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:44:20.03 ID:TT811Ri+0
唯「ありがとね」
律「ほら、さっさといくぞ」
唯「りっちゃんって面倒見いいなあ」
律「そうかよ」
唯「りっちゃんのそういうとこ、好きだなあ」
……。
唯なんて大嫌い。
嫌い、だし。
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:47:08.97 ID:TT811Ri+0
唯「わ、わわわ」
姫子「唯、そこはこうやるんだよ」
唯「あー、そっかあ」
理科室の実験。
隣の姫子に、いろいろと助けてもらっている。
いつもそう。
唯「姫ちゃん、面倒見いいなあ」
姫子「そんなことないよ?」
唯「姫ちゃんのそういうとこ、好きだよお」
デジャブ。
やっぱり、
唯なんて大嫌い。
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:49:56.66 ID:TT811Ri+0
和「唯、昔からああいう子なの」
実験道具を片づけに、私の席の近くまで来た和に肩を叩かれた。
律「え? いや、和が何言いたいのか分かんないけど」
和「みんなのことが好きなのよね」
律「え、あの、だから」
和「唯ってば、小学校のときにもね」
小一時間、私の知らない唯の話が続いた。
思わず聞き入ってしまった。
別に。
唯なんて、大嫌いだし。
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:51:29.84 ID:TT811Ri+0
律「へえ、そうなんだ」
和「そうなのよ、それで唯……」
唯「和ちゃーん!」
和にしがみついてきた。
唯「ここが、分からないのです!」
和「もう、しょうがないわね」
唯「和ちゃん、頼りになるなあ」
またデジャブ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:52:47.25 ID:TT811Ri+0
紬「唯ちゃんのお弁当、相変わらずおいしそうね」
澪「憂ちゃんの手作りだもんな」
律「いいよなー、私も食べたい」
唯「じゃあ、食べる?」
律「おう。あーん……」
フォークじゃなく、弁当箱ごと渡される。
唯「あ、一口だけだよう」
……。
ばか。
唯なんて大嫌い。
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:54:11.23 ID:TT811Ri+0
唯「なんで、りっちゃん食べないの?」
私は答えない。
唯「私食べるの遅くなっちゃうよお」
答えないし。
唯「そうだ! はい、あーん」
フォークをおかずに突き刺し、私の口元へ。
律「……あーん」
むかつく。
やっぱり、
唯なんて大嫌い。
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:56:01.01 ID:TT811Ri+0
結構人が見ていた。
恥ずかしい。
紬「りっちゃんのもおいしそうね」
澪「今日は、自分で作ったんだっけ?」
律「そうだぞ、えっへん」
唯「そうなの? じゃあ、一口ちょうだい。あーん」
人が見てるっつうの。
唯「おねがいだよう」
……。
律「……ほら、口開けろ」
小鳥みたいだ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:57:16.32 ID:TT811Ri+0
紬「唯ちゃん、部活行こう?」
机に突っ伏したまま。
澪「唯、ほら起きろ」
寝息をたてたまま。
しょうがない。
律「唯、部活にいっくぞー!」
……起きなかった。
紬「声じゃ起きないみたい……」
精一杯呼んだのに。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:22:30.51 ID:pF5Or6Xn0
梓「何してるんですか先輩方」
紬「あ、梓ちゃん」
澪「唯が起きないんだ」
梓「もう唯先輩ってば……ほら、起きてください」
動かない。
律「ほら、私達がいくら呼んでも起きなかったんだから…」
そのとき、かすかに身じろぎした。
澪「あ、聞こえたのかな」
むかつく。
唯なんて大嫌い。
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:25:46.80 ID:pF5Or6Xn0
梓「でも、あの一回きりでしたね」
律「もので釣るか?」
澪「まさか。それで起きるとは……」
紬「唯ちゃん、ケーキあるわよ」
唯「……んんぅ、ふわぁ、おはよう」
梓「起きましたね」
むかつく。
唯なんて大嫌い。
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:27:27.53 ID:pF5Or6Xn0
澪「練習するぞ」
律「まだいいじゃん」
梓「だめです。今日こそ」
もう少し休みたいのに。
二人の勢いに負けそう。
唯「もう少しだけ休もう?」
目があった。
笑みを向けられる。
お見通し、みたいな。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:29:49.21 ID:pF5Or6Xn0
今日のケーキは二種類。
ショートケーキが二個と、チョコケーキが三個。
私はショートケーキ。
でも、チョコケーキも食べたかったな。
ちぇ。
唯「りっちゃん、半分こしようね」
唯のはチョコケーキ。
……。
唯なんて大嫌い。
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:31:26.12 ID:pF5Or6Xn0
唯「りっちゃん、口にクリーム付いてるよ」
律「え、どこ」
唯が指で私の口元をぬぐう。
指はそのまま、唯の口の中へ。
唯「おいしいね」
む……かつく。
唯なんて大嫌い。
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:33:46.21 ID:pF5Or6Xn0
梓「先輩、ここはこうです」
唯「こう?」
梓「違います」
手とり足とり。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:35:18.56 ID:pF5Or6Xn0
梓「そう、そうですよ!」
唯「ありがとあずにゃん!」
梓「わっ! 抱きつかないでくださいぃ…」
むかつく。
倍むかつく。
唯なんて大嫌い。
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:37:07.72 ID:pF5Or6Xn0
澪「じゃあ、私達はここで」
律「じゃあな」
紬「また明日ね」
梓「さようなら」
唯「ばいばい、澪ちゃん、りっちゃん」
また澪が先。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:39:01.75 ID:pF5Or6Xn0
ふと振り向いた。
唯が、こっちを見ていた。
にっこりと手を振られる。
澪も、ムギも、梓も気づいていない。
私と唯だけ。
律「……」
私も、手を振る。
唯なんて大嫌い。
嫌い、だからな。
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:41:06.22 ID:pF5Or6Xn0
澪「最近律、おかしくないか?」
律「なにがだよ?」
澪「なんか、唯に対して」
ふと、澪が訊いてきた。
律「ああ。だって、私唯のこと嫌いだもん」
澪「えっ!?」
むかつくし。
見てると、いらいらするし。
柔らかいしにこにこするし。
私のこと分かってるって感じだし。
律「唯なんて大嫌い」
澪「……にやけながらいわれても、全く説得力無いな」
なにいってんだよ。
私は、唯なんて大嫌いだ。
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:43:18.98 ID:pF5Or6Xn0
合宿になると、いつも二人ではしゃいだ。
唯「りっちゃん!」
律「ゆーい!」
呼べば子犬のように寄ってきて。
呼ばれて振り向いたら笑ってる。
むかついた。
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:45:50.17 ID:pF5Or6Xn0
二年のときの文化祭。
唯は、遅れてやってきた。
目に涙をためて、皆に謝っていた。
らしくもない。
さっさと泣きやまないから。
いつものふわふわした笑顔を見せてくれないから。
むかついた。
律「みんな、唯のことが大好きだよ」
ほら、早く泣きやめ。
唯が普段どおりじゃないと、
胸がしくしくした。
むかついた。
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:47:13.00 ID:pF5Or6Xn0
私が、ドラムは嫌だと投げ出したとき。
唯「一人で悩んじゃやだ!」
私のために必死になっている姿に
む、むかついたし。
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:48:22.80 ID:pF5Or6Xn0
梅雨の日。
唯のワイシャツのボタン付けをしてやった。
唯「もったいなくて着れないよお」
手放しで喜んでいた。
頬が熱くなった。
むかついた。
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:50:23.48 ID:pF5Or6Xn0
最後の文化祭。
気がつけば、唯と私の手がつながっていた。
ぎゅっとにぎり合った。
泣きそうなくらいに安心した。
あったかかった。
むかついた。
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:52:31.02 ID:pF5Or6Xn0
そうだよ。
こんなにむかついたんだから。
私は唯なんて大嫌いだ。
103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:55:05.27 ID:pF5Or6Xn0
今日は、唯に会わなかった。
唯と登校できなかった。
いつもより寒い。
風邪ひくだろ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:56:42.91 ID:pF5Or6Xn0
律「私、唯のこと嫌いなんだ」
紬「えっ?」
開口一番、ムギに宣言した。
気が合うし。
じゃれているときの体温とかちょうどいいし。
律「唯なんて大嫌い」
紬「りっちゃん、そんなに教室のドアをちろちろ見なくても、唯ちゃんならすぐ来るわよ」
律「なんで知ってんの」
紬「さっき、メールが来たの」
……。
律「唯なんて大嫌いだ」
紬「説得力無いわよ、りっちゃん」
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:58:08.60 ID:pF5Or6Xn0
律「私、唯のこと嫌いなんだ」
和「はいはい。それでも唯は、皆のことが好きな子よ」
皆からいじられてるし。
それを見てると、むかむかするし。
律「唯なんて大嫌い」
和「じゃあ、唯の机を撫でるのをやめなさい」
107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:01:14.87 ID:pF5Or6Xn0
唯「りっちゃん。あのね、聞こえちゃったんだけど」
休み時間。
結局、朝は遅刻すれすれでやってきた唯が、私の席まで来た。
唯「りっちゃん、私のこと嫌いなの?」
悲しそうに。
涙目で、うるうるきらきらしている。
……。
ばか。
唯なんて大……。
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:03:29.75 ID:pF5Or6Xn0
律「……とりあえず、今日部室に来い」
唯「えっ?」
律「いいから」
唯「……うん」
眉をハの字にして、
不安でいっぱいの表情をしている。
そんな顔するなんて。
……。
ばーか。
109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:06:11.98 ID:pF5Or6Xn0
放課後。
唯「澪ちゃんたち、まだきていなくてよかったね」
約束通り、唯は部室に来ていた。
澪たちには、今日は部活は休みと伝えておいた。
律「そうだな。まだきていない」
唯「うん」
人の異変にはすぐ気付くのに。
こういう嘘には鈍い。
むかつく。
気づかないのか。
気づいてよ。
110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:08:19.24 ID:pF5Or6Xn0
唯「あの、りっちゃん、それで」
律「うん」
唯「えーっと……」
瞳を潤ませて、
もじもじしている。
可愛い。
むかつく。
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:10:37.29 ID:pF5Or6Xn0
律「……唯」
唯「う、ん」
律「今から、思っていることと反対のこというから」
唯「? ……うん」
律「私、唯のこと嫌いなんだ」
112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:13:07.95 ID:pF5Or6Xn0
唯「……え?」
律「唯なんて大嫌い」
唯「え? え?」
慌てふためいている。
必死で頭を整理しているんだろう。
うん。
やっぱりむかつく。
唯なんて大嫌い。
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:15:22.30 ID:pF5Or6Xn0
少しして、冷静になった唯。
花が咲いたように笑った。
む、むかつく。
唯「私は、ひねくれりっちゃんとは違って、そのまま言うね」
一呼吸置いて。
唯「りっちゃんが大好き」
今までで一番、あったかい笑顔。
とことんむかつく。
114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:16:59.05 ID:pF5Or6Xn0
律「唯なんて大嫌い」
唯「りっちゃんなんて、大好き」
言い合いながら、部室を出た。
いつの間にか、私と唯の手はしっかりとつながっていた。
116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:19:29.06 ID:pF5Or6Xn0
むかつく。
唯なんて。
唯なんて……。
唯に聞こえないように、こっそり呟いた。
――唯、大好き。
おわり
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:21:59.73 ID:pF5Or6Xn0
これで終わりです。
読んでくださった方、ありがとうございました!
原作と違うところがあったらすみません……
とりあえず、唯律・律唯もっと増えろ
駄文失礼いたしました。
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