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梓「唯先輩? ……寝てる……」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 16:50:11.31 ID:ZPdcGlHj0 [3/17]
せんぱい、って。
遠くで、誰かに呼ばれた気がした。
だけど今、私はとても眠いのです。なので、睡眠続行。
「せんぱい」
遠くで響いていたと思っていた声は、だんだんとはっきり聞こえてくる。
起きてください、と体を揺すられる。
私はまだ夢心地のまま、瞼をうっすらと開けた。
「おはようございます、唯先輩」
あれ、あずにゃん……?
「やっと起きましたね」
窓から差す朝日よりも、ずっとまぶしくてあったかい笑顔。
その顔があんまりにも優しくて。
あったかい何かに包まれているようで、安心できて、再び瞼を閉じたくなる。でも、我慢我慢。せっかく起してくれたんだもん。
それにしも、可愛いなぁ。でもなんで、あずにゃんがココに?
せんぱい、って。
遠くで、誰かに呼ばれた気がした。
だけど今、私はとても眠いのです。なので、睡眠続行。
「せんぱい」
遠くで響いていたと思っていた声は、だんだんとはっきり聞こえてくる。
起きてください、と体を揺すられる。
私はまだ夢心地のまま、瞼をうっすらと開けた。
「おはようございます、唯先輩」
あれ、あずにゃん……?
「やっと起きましたね」
窓から差す朝日よりも、ずっとまぶしくてあったかい笑顔。
その顔があんまりにも優しくて。
あったかい何かに包まれているようで、安心できて、再び瞼を閉じたくなる。でも、我慢我慢。せっかく起してくれたんだもん。
それにしも、可愛いなぁ。でもなんで、あずにゃんがココに?
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 16:50:51.72 ID:ZPdcGlHj0 [4/17]
「まだ、寝ぼけてるんですか?」
優しく、私の頬を右手でなぞる。
やぁらかい、あずにゃんの手。
「……せんぱい」
声が、さらに甘くなって。
あずにゃんは、ゆっくりと唇を近づけてきてくれる。
綺麗だなぁ、なんて思いながら。
ゆっくりと、ふたりの唇が重なった。
「ん……」
……あぁ、昨日はあずにゃんの家にお泊りに来たんだったね。
とろん、と今にもとけそうな頭で、ぼんやりと思い出す。
「目、覚めましたか」
うーん、もうちょっと、かなぁ。
もう一回してくれれば、起きられる気がする。
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 16:51:33.09 ID:ZPdcGlHj0
「……もう」
しょうがないですね、なんて言いながら。
あずにゃんの嘘つき。自分だって、足りないくせに。
ホントは、もっともっとしたいでしょ?
でも、いいよ。そういう素直じゃないところも、すきだから。
「おはようの、キスです」
そして、再びあずにゃんが唇を落としてきて――――――。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:01:48.81 ID:ZPdcGlHj0
*****
「起きてくださいよ、唯先輩」
………………。
あずにゃんが、私を見下ろしていた。
「起きてください」? あ、れ? 私、寝てた……?
ってことは、さっきの……夢?
「……」
私、いつから寝てたんだろう。
視界に映るのが、こちらを見下ろしているあずにゃんの顔と真っ白い天井。つまり私は、横になって寝ていたらしい。体を起こすと、軽く、くらりとする。
でも、あずにゃんと目線の高さがおんなじになったから、嬉しい。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:03:00.02 ID:ZPdcGlHj0
「……おはよう、あずにゃん」
さっきの夢の余韻がまだ抜けきらなくて、ふわりと笑いかけるように声をかける。
あずにゃんも、笑顔を返してくれる。
そう、思ってたのに。
「先輩」
その声は、思っていたよりもずっとずっと冷たくて。
「せっかく遊びに来てるのに、なんで寝ちゃうんですか」
あずにゃんが立ち上がる。冷たい色の瞳が、私を見下ろしていた。
私たちの間に、距離ができる。もう、同じ高さで目線が交わることはない。
「……どうでも、いいんですか?」
さっきまでの甘い夢は、もう覚めたのだと思い知らされる。
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:03:48.98 ID:ZPdcGlHj0
「私の話、全然聞いてくれてなかったんですね」
ち、ちがうよ。
確かに、なんか頭の中がぼんやりしていて、話の内容を上手く思い出せない。
けれど、あずにゃんの話を聞いてなかったなんて、そんなこと絶対にしないから。
「信じられないです」
あずにゃん、怒ってる。
それは、今にも泣きそうな顔にも見えて。
でも、言葉が出なくて。動くこともできなくて。
小さく震えるその身体を、抱きしめることができなかった。
「……いいです、もう帰ります」
――――え、ちょ、ちょっと待ってよ、あずにゃん。
ごめん、と、一言すら言えずに。
去っていく背中を、追いかけられない。ただただ、それを眺めていることしかできない私。
「さよなら、先輩」
バタン、と。
ドアのしまる音が、やけに響いて聞こえた。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:05:19.48 ID:ZPdcGlHj0
*****
「まってあずにゃ…………!!」
「わっ、い、いきなり何ですかっ!?」
び、びっくりした……。
さっきまで幸せそうに寝ていた唯先輩が、何故かいきなり跳ね起きたのだ。
先輩はそのまま呆然とした様子で、くるりと部屋を見渡すと、私と目があった。
「……あずにゃん…………」
「はい?」
先輩が、じっ、とこちらを凝視する。
そして、そのままいくらか時間がたった。
どうしたんだろう、とさすがに私も心配になってきて、声をかけようとした瞬間、
「あずにゃああああんっ!!」
と、いきなり抱き着かれる。
勢いで押し倒されそうになるのを、なんとか踏ん張った。
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:06:19.55 ID:ZPdcGlHj0
「……あずにゃん、あずにゃん……!」
あの……ですね、唯先輩の部屋でふたりっきりとはいえ、下には憂もいるんだし、その、抱きしめられると、う、嬉しいんですがっ、そそそ、それ以上に恥ずかしいんですっ。
て、いうかですねっ、その、先輩が顔をうずめているそこは、ちょうど私の胸でありまして。
くすぐったいのと、嬉しいのと、恥ずかしいのと、訳がわからないのとがごちゃまぜで、すごく心臓がドキドキ言ってるんですよ。
「どどど、どうしたんですかっ、なんなんですかっ、いきな……り……」
絶対、私の心音、聞かれてる。
こんなにドキドキしていて、それが先輩に聞かれてると思うと、更に心臓が早く脈打つ。
先輩を押し返そうと、肩に触れて、気付いた。
「……あずにゃん……っ」
先輩が、震えていることに。
今にも消え入りそうな声で私を呼んで、私を抱く手に力を込める。
「何か……嫌な夢でも見たんですか……?」
そう、途中までは幸せそうな寝顔だった。それはもう、それだけで見ている私が幸せな気分になれるくらい。
でも、それがだんだんと曇り始めて、それから小さく名前を呼ばれた気がした。
夢の中でも名前を呼ばれる、それを嬉しく思いながらも、こんな表情で呼ばれるのも複雑だと思った。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:07:02.61 ID:ZPdcGlHj0
「…………」
先輩は、何も言わない。
尋ねた後で、はっと気付く。
私の、ばか。きっと、先輩にとって、もう思い出したくもないような内容だったのかもしれない。
無神経なこと言ってごめんなさい、そう謝ろうと、ちょっと顔を下げた瞬間、先輩が私の胸から顔を上げる。
「忘れちゃった」
「……ぇ?」
「夢の内容」
「………………」
まぁ……うん、夢なんて、そんなものですよね。
「なんだろー、あれぇ?」
……こっちが聞きたいですよ。
先輩は私の腕の中で、うんうんと唸っている。
「ねぇ、あずにゃーん、私どんな夢見てたんだっ…………け」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:08:02.74 ID:ZPdcGlHj0
視線がばっちり交わって、視界一面が唯先輩で埋まる。
きっと先輩の視界も、私でいっぱいなはず。
お互いの距離が近いことに、今更気付いてしまう。
かぁ、と顔が沸騰するのが自分でもよくわかった。
「あずにゃん」
「……はい」
視線は、少しも動かさないまま。
逸らしたいとも思わない、綺麗な瞳。
「近いね」
「…………そ、ですね」
瞳にも、頭の中も、心も。
好きな人でいっぱいに満たされている。
「かお、まっかだよ?」
あなたもです、と言えなかった。
そう言って、照れたように微笑みかけてくれる先輩の顔が、あまりにも可愛すぎて。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:08:47.91 ID:ZPdcGlHj0
「……えへへ」
先輩が瞼を閉じて。
やわらかな唇が、右の頬に触れた。
そこが更に熱を上げて、じわじわと全身に浸透していく。
「……あずにゃん?」
だいすきな声。
「夢じゃない?」
ちゃんとココにいる、それを確かめるように、先輩は私を抱きしめ直した。
だから私も、それにこたえる。
「夢じゃないですよ」
「うん」
「ちゃんと、唯先輩の隣にいますから」
「うん……絶対だよ」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:10:05.76 ID:ZPdcGlHj0
絶対です、という言葉の代わりに、唇を重ねた。
触れ合わせるだけ。でも、今はそれだけでじゅうぶんで。
「ん~、じゃあ、一緒に寝よっか!」
「って、また寝るんですか」
「だってあずにゃんあったかいんだもーん」
えい、と体重をかけられて押し倒される。
それから先輩は、もう一度キスをしてから笑った。
「おやすみっ」
今度は良い夢見れる気がする、と。私の胸に顔を埋めながら嬉しそうに言ってれたから。
私も、そう思います。
「……おやすみなさい、せんぱい」
お日様にも負けない、あったかくて、やさしい体温を感じながら、瞳をそっと閉じた。
おしまい!
まぁ正直自分でも二重夢オチはないな、と思っている
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 00:25:31.83 ID:Uw6fIClGO [2/10]
「みなさん、遅いですね」
「ねー」
声はふたつ、床に落ちている影はひとつ。
「あずにゃんはあったかいねぇ」
「先輩も、あったかいですよ……」
私と唯先輩は、部室のソファにふたりで座っていた。
……と言っても、ただ隣り合って座っている、という訳じゃなく。まず唯先輩が座って、その足の間に私が引っ張られてきて、今の状態の完成。
つまり、私が唯先輩に背中側から抱きしめられている状態。
もちろん、最初は抵抗していた。
……でも。
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 00:26:31.68 ID:Uw6fIClGO [3/10]
『あずにゃん』
でも、その甘い声で、耳元で名前を呼ばれて、ぎゅっと抱きしめられて。
背中に先輩の鼓動が伝わってきて、そのドキドキが私にも伝染して。
甘くて甘くて、頭の奥がぴりぴりとしびれた。
こんなの、抵抗できるわけないじゃないですか。
「ずるいですよ」
「んー?」
「……こっちの話です」
唯先輩の匂いがする。肺の中も、唯先輩でいっぱいになる。
外側も内側も先輩で満たされている自分を想像して、身体の芯が、じん、と熱くなる。
「あずにゃーん」
不意に、名前を呼ばれた。
「あずにゃんのうなじー」
唯先輩の言ったそこに、ふっ、と息を吹き掛けられて、びくりと震えてしまう。
「や、やめてくださぃっ……」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 00:27:25.76 ID:Uw6fIClGO [4/10]
うなじに柔らかい感触。そして湿った音。
突然のそれにびっくりして、一瞬何も考えられなくなった。
先輩が唇を落としたのだと気付いたときにはもう、そこには舌が這っていて。
「ひぁ、あっ!?」
つぅ、と。うなじから耳たぶの下まで、唾液でできた一筋の道が作られた。きっと蛍光灯の光が当たって、てらてらと光っているだろう。
「やだぁ……っ」
「嫌?」
ぞくぞくする。
首筋が、耳が、ぞくりと震える。
ちゅ、といつもより大きく響く音。耳に軽くキスされたと思ったら、かぷり、と軽く噛まれる。
耳が熱くて、くすぐったくて、気持ちいいのが全身に広がっていく。
おかしくなりそうで、でも、先輩にしっかりと抱きしめられているから、逃げられない。
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 00:29:32.87 ID:Uw6fIClGO [5/10]
「あっ、やだっ……、っは……や、ですぅ……っ!」
「んー……」
さっきまで噛んでいた場所に軽くキスを落としてから、やけにあっさりと引き下がってくれた。
正直、ほっとする。……でも、何かが残る。
もどかしさというか、切なさというか。……何か、足りない?
そんな不思議な感覚が私の中で渦巻いていた。
「じゃあ、こっちは?」
「――ぇ?」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 14:11:16.38 ID:S2mBWpG80 [2/11]
制服の上から、先輩のきれいな中指が、さらりと私の胸を撫でた。乳房の下から、突起の頂上までを、ゆっくりと。
「……あずにゃん」
私の左肩にあごを乗せて、先輩は熱い息を吐く。それが私の頬を撫でて、熱が上がる。
全身が熱くて、ぼーっとする。その感覚に酔っていると、先輩は慣れた手つきで制服のボタンを外し始めた。
「あ、あのっ……!?」
「ん?」
先輩の顔が近くて、ドキドキする。
大きな眼が私をじっと見つめて、ふにゃりと柔らかく微笑んだ。
「や……、なんで脱がしてるんですかっ」
「あずにゃん、可愛いから」
答えになってません、そう言う間にも先輩の指は、するすると制服を肌蹴させていく。
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 14:20:30.61 ID:S2mBWpG80 [3/11]
「きれい」
ちゅう、と首筋に吸いつかれて、ブラをたくし上げられる。
その時に先輩の手が突起をかすめた。瞬間、全身がびくりと反応する。
その感覚と吸付かれている感覚と、もうそれだけでとろけそうになる。
平面に近い私の胸が、外気に触れて小さくふるりと震えた。
「にゃ……ぁ……っ」
胸の上のブラが、変な感じ。どうせなら、取ってくれればよかったのに。
そんな考えも、すぐに消えた。
「あ、……っ、せんぱい……!」
その頂点で、先輩の指が、くるくると小さな円を描いていく。
耳をあまがみされて、それだけでおかしくなりそうだったのに。
「あずにゃん、もうこんなに固い……」
きゅっと乳首を摘まれて、くに、と左右に引っ張られる。
私は、何も考えることが出来なくなっていた。
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 14:26:41.75 ID:S2mBWpG80 [4/11]
「耳とか、うなじとか。それだけで感じちゃった?」
耳元で囁かれる。
下腹部に、つきんと鈍い痛みを感じた。
「ち、ちが……っ」
今度は肩を舌でなぞられて、力が抜ける。
先輩はそこにも吸いついて、小さな跡を残していった。
私が先輩のモノ、という証。
「違わないでしょ?」
……あ、やばい。
唯先輩の変なスイッチが入った気がする。
「……あずにゃんの、えっち」
ふわりと、先輩の掌で私の胸が包まれる。
唯先輩の手は、とても温かかった。
「きもちいいんでしょ?」
人差し指の腹で先端の突起を押しつぶされると、少しだけ膨らみのある乳房にそれが沈む。
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 14:31:20.90 ID:S2mBWpG80 [5/11]
「あずにゃん、声、我慢しないで」
私の胸を弄りながら、先輩が言う。
「ふあ、……にゃぁあっ」
与えられる快感を素直に受け止めると、口から勝手に甘い声が漏れてしまう。
やだ、こんな声。先輩は可愛いって言ってくれるけれど、本当にそうなのかな。
こんなやらしい声、すごく恥ずかしい。
「んー、あずにゃん。ちゅーしたい」
「ふえ……?」
「あずにゃん可愛い。ちゅーしたい。顔見たい。だからこっち向いて?」
顔が更に赤く染まったと思う。熱があるみたいに熱くて、恥ずかしくて。
かお、みられたくない。そう思って、ふるふると首を横に振った。
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 14:40:38.58 ID:S2mBWpG80 [6/11]
「えー」
ものすごく残念そうな声を上げられた。
でも、胸を弄る手は止まらない。
「っあ……! や、やめ……」
「やめない。ねぇあずにゃん、こっち向いてよぉ」
頬にキスを落とされる。
「……うぁ……っ」
頬だけじゃなくて、ちゃんと、唇にもほしい。
切なくて、もどかしい。
「わっ……、わかり、ました……っ」
「ほんとっ?」
「はぃ……、て、あ、あれ……?」
腰が上がらない。
足に力が入らなくて、立てない。
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 15:16:43.34 ID:S2mBWpG80 [7/11]
「んん? どしたの? 立てない?」
「は、はい……」
先輩が、う~ん、と唸る。
どうしよう、まさか立てなくなるほど気持ちいいなんて。
「じゃ、こうしよう」
「えっ」
視界が、くるりと回る。
そして、眼の前には先輩の顔。
「最初っからこうしてればよかったかな」
そう言って、唇を落とされる。
触れ合う唇と唇。やっと、ちゃんとキスできた。
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 15:44:42.85 ID:S2mBWpG80 [8/11]
「ん……、せんぱ、ふわぁ……ぁ」
「あずにゃん……」
ソファの上に押し倒されたんだ。啄ばむようなキスの雨の中、頭の片隅でそう思った。
触れるだけの口付けが、だんだんと深く長くなっていく。
それに従って、私たちの熱はじわじわと上がっていった。
「ちゅ……ん、」
先輩の舌が、私の唇をなぞる。迎え入れようと思って小さく隙間を開けた。
けれど、先輩は中に入ってこずに、あごへと降りていく。
「ん……。ちゅー、ほしかった……?」
妖しく笑って、軽く唇を重ねられた。
そして、首、鎖骨と、なぞりながら降りていく。
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 16:32:25.03 ID:S2mBWpG80 [9/11]
「ちゅっ……、ふ」
そして、辿り着いた先は胸。
いきなり乳首を咥えられて、身体がはねる。
「にゃあっ!?」
「……んぅ、こりこりしてるよぉ……?」
「やぁっ、……言わ、ない……でぇっ……」
舌で、歯で。突起をいじめられて、おかしくなりそう。
耳でやられたようにあまがみされて、わずかに残っていた理性なんて吹き飛んでいく。
いけないと思う自分がいて、でも、もっと、もっとと刺激を求めてしまう。
「んぁ、唯せんぱい……、せん、ぱい……っ」
「あずにゃん」
「ふにゃぁ……、あっ、もっと、……っ」
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 16:51:05.98 ID:S2mBWpG80 [10/11]
つん、と張り詰めた突起をぺろりとなぞって、唯先輩は唇をそこから離す。
唯先輩の眼が、かすかに細まる。見つめられて、ぞくりとした。
「あずにゃん、今みんな来ちゃったらどうする?」
――――え?
「こんなにえっちぃ姿、みんなに見られちゃうよ?」
言われて、思い出す。
そうだ、今は放課後、部活の時間。
何故か唯先輩以外いないけれど、何か用があって、後から来るのかもしれない。
「ぁ、ぅにゃあ……っ」
「ねぇ、あずにゃん?」
ソファの上に押し倒されて、やらしい声を出していて。制服は乱れて、胸は露わになっている。
やだ、やだやだやだ。こんな姿、こんな、やらしい姿。
唯先輩以外に見られたくない、見せたくない。
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 23:56:37.26 ID:Uw6fIClGO [9/10]
「せんぱいっ……、もっ……ヤメっ……」
先輩は、私の耳元に顔を寄せて。
そして、甘い熱い吐息を吐きながら囁いた。
「だーめ」
先輩のいじわる。思っただけで、声にはならなかった。
先輩が、片方の胸の突起を摘まんで、捻る。
空いているもう片方には、先輩の舌が蛇のように這う。
「にゃ……ふっ……」
もし先輩たちが来たら。
そう思うと怖くて、見られたら終わりだということをわかっていながら、せめてもと声を塞ぐ。
「どうする? もしみんなが来たら、きっとびっくりするだろうね」
「にゃ、あぁっ!」
声が、我慢できない。
先輩が触れたところ、全部ぜんぶ気持ち良い。
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 23:58:56.06 ID:Uw6fIClGO [10/10]
「えっちく、にゃーにゃー鳴いてるあずにゃん見たら、みんなどう思うかなぁ」
とろける頭でぼんやりと想像する。
見られたら、そう思うと余計に身体が熱くなって、びくりと跳ねる。
「ね、あずにゃん」
先輩の声は、匂いは、指は、何かの麻薬みたいに私の思考を奪って、とろけさせていく。
「やぁあ……っ、なんで……ぁ、むね、ばっかり……っ! も、はなしてくださっ……」
先輩は、ぺったんこな私の胸を何度も何度も揉みほぐす。
こんな胸でも、弄ってると楽しいのかな? 気持ち良いのかな?
そうだったら嬉しいけれど。
でも、これ以上ここばかり攻められると、ホントにおかしくなりそうで。
「ん、そんなこと言うけど、離してくれないのはあずにゃんの方だよ?」
言われて気付く。
私は無意識に、唯先輩の頭に両手を回していた。
「そんなにおっぱい、気持ち良かった……?」
先輩の制服が素肌に擦れて、それだけなのに、快感に押し潰されそうになる。
唯先輩だから、こんなに気持ち良くなれる。
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/09(水) 00:02:32.64 ID:Fmlv3n3fO [1/7]
「……ね、もうこっちもいいかな?」
するり、と太ももを撫で上げられて先輩の指がたどり着いたそこは、もう恥ずかしいくらいに濡れそぼっていた。
「……ぅ、にゃあ……っ」
つ、と軽く下着の上からすじをなぞられた瞬間。
「あ、あずにゃんっ!?」
「ふぇっ、ここ……はぁ、これっ……以上はっ、もう本当に駄目です……、っく」
これ以上されたら、私ももう止まれなくなる。学校だろうと部室だろうと、そんなこと関係なくなってしまうくらい。
そんなところを見られたら、もう恥ずかしくて死んじゃう。
最悪の事態を思い浮かべると、涙が溢れて言葉にも嗚咽が混じる。
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/09(水) 00:04:22.73 ID:Fmlv3n3fO [2/7]
「……」
唯先輩は、目を見開いて驚いていた。
そりゃそうだよね、私が急に泣き出すんだもん。
先輩はちょっと迷った表情で、ばつが悪そうに言った。
「……あー」
唯先輩にしては、妙に歯切れが悪い。うんうんと悩んで、よしっ、と一人で気合いを入れた後に、こちらに真剣な眼差しを向けられる。
「あのね、あずにゃん。りっちゃん達、今日は来ないんだ」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/09(水) 00:05:33.22 ID:Fmlv3n3fO [3/7]
「え?」
思考と涙が止まる。
「実は3人とも放課後に用事があるらしくて。今日は部活はなしってことだったんだけどね?」
けど、なんですか。
「あずにゃんと部室でイチャイチャするのもいいかなー、なんて」
「………………」
「みんなが来るかもってハラハラする中でのえっちもいいかなー、って……」
「……ふぇ、」
止まりかけていた涙がまた溢れて出して、視界がぼやける。
だって、そんな、ひどい。
私、本気で焦ってたのに。
「ご、ごめんね? でもあずにゃん、すっごく可愛かっ……」
「もう先輩なんて知りませんっ!!」
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/09(水) 00:07:46.75 ID:Fmlv3n3fO [4/7]
*****
「おっはよー」
「あ、純ちゃんおはよう」
「……ぁー、おはよ…………」
「……憂、梓ってばどうしたの?」
「あはは……」
だるい……。
あれから、唯先輩は家にお泊まりすることになってしまいました。
それでまぁ……、お察しの通りというか、なんというか。
「昨日はお姉ちゃん、梓ちゃんちに泊まったんだー」
ちょ、憂っ!
純に余計なこと言わないでよっ!
「ははーん。そーいう訳ですかぁ……」
ニヤリ、という擬音語が漫画みたいに純の横に見える……気がする。
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/09(水) 00:10:05.41 ID:Fmlv3n3fO [5/7]
「ゆうべはおたのしみでしたね!」
「じゅ、純っ!」
「ホンっトに、梓は唯先輩だいすきだねぇ」
「あはは、ラブラブだからねー」
「もーっ、憂までぇ!」
でも、こんな風にからかわれるのも、唯先輩と上手くいってる証拠みたいで。
恥ずかしいけれど、ちょっぴり嬉しくも感じてしまう。
「なにー? ニヤニヤしちゃってー」
「お姉ちゃんのこと?」
「もぉっ、いい加減にしないと怒るよっ!」
こうやって言われるのも良いことなのかなって、ほんのちょっぴり思った。
おしまい!
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/09(水) 00:11:39.07 ID:Fmlv3n3fO [6/7]
これでおしまい、なんだ……
シメが下手でごめんね!
微えろを目指した結果がこれだよ!
なんか、最後も一年トリオはいらなかったかなぁ
焦ってつくった感パネェ
それでも保守、支援してくれた方々!
読んでくれた方々!
どうもありがとうございました!
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/09(水) 12:26:34.35 ID:Fmlv3n3fO [7/7]
やっぱりシメかー
これでSS書くのは2回目だが毎回シメが上手くできん
女体さんじゃないっすよー
「まだ、寝ぼけてるんですか?」
優しく、私の頬を右手でなぞる。
やぁらかい、あずにゃんの手。
「……せんぱい」
声が、さらに甘くなって。
あずにゃんは、ゆっくりと唇を近づけてきてくれる。
綺麗だなぁ、なんて思いながら。
ゆっくりと、ふたりの唇が重なった。
「ん……」
……あぁ、昨日はあずにゃんの家にお泊りに来たんだったね。
とろん、と今にもとけそうな頭で、ぼんやりと思い出す。
「目、覚めましたか」
うーん、もうちょっと、かなぁ。
もう一回してくれれば、起きられる気がする。
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 16:51:33.09 ID:ZPdcGlHj0
「……もう」
しょうがないですね、なんて言いながら。
あずにゃんの嘘つき。自分だって、足りないくせに。
ホントは、もっともっとしたいでしょ?
でも、いいよ。そういう素直じゃないところも、すきだから。
「おはようの、キスです」
そして、再びあずにゃんが唇を落としてきて――――――。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:01:48.81 ID:ZPdcGlHj0
*****
「起きてくださいよ、唯先輩」
………………。
あずにゃんが、私を見下ろしていた。
「起きてください」? あ、れ? 私、寝てた……?
ってことは、さっきの……夢?
「……」
私、いつから寝てたんだろう。
視界に映るのが、こちらを見下ろしているあずにゃんの顔と真っ白い天井。つまり私は、横になって寝ていたらしい。体を起こすと、軽く、くらりとする。
でも、あずにゃんと目線の高さがおんなじになったから、嬉しい。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:03:00.02 ID:ZPdcGlHj0
「……おはよう、あずにゃん」
さっきの夢の余韻がまだ抜けきらなくて、ふわりと笑いかけるように声をかける。
あずにゃんも、笑顔を返してくれる。
そう、思ってたのに。
「先輩」
その声は、思っていたよりもずっとずっと冷たくて。
「せっかく遊びに来てるのに、なんで寝ちゃうんですか」
あずにゃんが立ち上がる。冷たい色の瞳が、私を見下ろしていた。
私たちの間に、距離ができる。もう、同じ高さで目線が交わることはない。
「……どうでも、いいんですか?」
さっきまでの甘い夢は、もう覚めたのだと思い知らされる。
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:03:48.98 ID:ZPdcGlHj0
「私の話、全然聞いてくれてなかったんですね」
ち、ちがうよ。
確かに、なんか頭の中がぼんやりしていて、話の内容を上手く思い出せない。
けれど、あずにゃんの話を聞いてなかったなんて、そんなこと絶対にしないから。
「信じられないです」
あずにゃん、怒ってる。
それは、今にも泣きそうな顔にも見えて。
でも、言葉が出なくて。動くこともできなくて。
小さく震えるその身体を、抱きしめることができなかった。
「……いいです、もう帰ります」
――――え、ちょ、ちょっと待ってよ、あずにゃん。
ごめん、と、一言すら言えずに。
去っていく背中を、追いかけられない。ただただ、それを眺めていることしかできない私。
「さよなら、先輩」
バタン、と。
ドアのしまる音が、やけに響いて聞こえた。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:05:19.48 ID:ZPdcGlHj0
*****
「まってあずにゃ…………!!」
「わっ、い、いきなり何ですかっ!?」
び、びっくりした……。
さっきまで幸せそうに寝ていた唯先輩が、何故かいきなり跳ね起きたのだ。
先輩はそのまま呆然とした様子で、くるりと部屋を見渡すと、私と目があった。
「……あずにゃん…………」
「はい?」
先輩が、じっ、とこちらを凝視する。
そして、そのままいくらか時間がたった。
どうしたんだろう、とさすがに私も心配になってきて、声をかけようとした瞬間、
「あずにゃああああんっ!!」
と、いきなり抱き着かれる。
勢いで押し倒されそうになるのを、なんとか踏ん張った。
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:06:19.55 ID:ZPdcGlHj0
「……あずにゃん、あずにゃん……!」
あの……ですね、唯先輩の部屋でふたりっきりとはいえ、下には憂もいるんだし、その、抱きしめられると、う、嬉しいんですがっ、そそそ、それ以上に恥ずかしいんですっ。
て、いうかですねっ、その、先輩が顔をうずめているそこは、ちょうど私の胸でありまして。
くすぐったいのと、嬉しいのと、恥ずかしいのと、訳がわからないのとがごちゃまぜで、すごく心臓がドキドキ言ってるんですよ。
「どどど、どうしたんですかっ、なんなんですかっ、いきな……り……」
絶対、私の心音、聞かれてる。
こんなにドキドキしていて、それが先輩に聞かれてると思うと、更に心臓が早く脈打つ。
先輩を押し返そうと、肩に触れて、気付いた。
「……あずにゃん……っ」
先輩が、震えていることに。
今にも消え入りそうな声で私を呼んで、私を抱く手に力を込める。
「何か……嫌な夢でも見たんですか……?」
そう、途中までは幸せそうな寝顔だった。それはもう、それだけで見ている私が幸せな気分になれるくらい。
でも、それがだんだんと曇り始めて、それから小さく名前を呼ばれた気がした。
夢の中でも名前を呼ばれる、それを嬉しく思いながらも、こんな表情で呼ばれるのも複雑だと思った。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:07:02.61 ID:ZPdcGlHj0
「…………」
先輩は、何も言わない。
尋ねた後で、はっと気付く。
私の、ばか。きっと、先輩にとって、もう思い出したくもないような内容だったのかもしれない。
無神経なこと言ってごめんなさい、そう謝ろうと、ちょっと顔を下げた瞬間、先輩が私の胸から顔を上げる。
「忘れちゃった」
「……ぇ?」
「夢の内容」
「………………」
まぁ……うん、夢なんて、そんなものですよね。
「なんだろー、あれぇ?」
……こっちが聞きたいですよ。
先輩は私の腕の中で、うんうんと唸っている。
「ねぇ、あずにゃーん、私どんな夢見てたんだっ…………け」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:08:02.74 ID:ZPdcGlHj0
視線がばっちり交わって、視界一面が唯先輩で埋まる。
きっと先輩の視界も、私でいっぱいなはず。
お互いの距離が近いことに、今更気付いてしまう。
かぁ、と顔が沸騰するのが自分でもよくわかった。
「あずにゃん」
「……はい」
視線は、少しも動かさないまま。
逸らしたいとも思わない、綺麗な瞳。
「近いね」
「…………そ、ですね」
瞳にも、頭の中も、心も。
好きな人でいっぱいに満たされている。
「かお、まっかだよ?」
あなたもです、と言えなかった。
そう言って、照れたように微笑みかけてくれる先輩の顔が、あまりにも可愛すぎて。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:08:47.91 ID:ZPdcGlHj0
「……えへへ」
先輩が瞼を閉じて。
やわらかな唇が、右の頬に触れた。
そこが更に熱を上げて、じわじわと全身に浸透していく。
「……あずにゃん?」
だいすきな声。
「夢じゃない?」
ちゃんとココにいる、それを確かめるように、先輩は私を抱きしめ直した。
だから私も、それにこたえる。
「夢じゃないですよ」
「うん」
「ちゃんと、唯先輩の隣にいますから」
「うん……絶対だよ」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/07(月) 17:10:05.76 ID:ZPdcGlHj0
絶対です、という言葉の代わりに、唇を重ねた。
触れ合わせるだけ。でも、今はそれだけでじゅうぶんで。
「ん~、じゃあ、一緒に寝よっか!」
「って、また寝るんですか」
「だってあずにゃんあったかいんだもーん」
えい、と体重をかけられて押し倒される。
それから先輩は、もう一度キスをしてから笑った。
「おやすみっ」
今度は良い夢見れる気がする、と。私の胸に顔を埋めながら嬉しそうに言ってれたから。
私も、そう思います。
「……おやすみなさい、せんぱい」
お日様にも負けない、あったかくて、やさしい体温を感じながら、瞳をそっと閉じた。
おしまい!
まぁ正直自分でも二重夢オチはないな、と思っている
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 00:25:31.83 ID:Uw6fIClGO [2/10]
「みなさん、遅いですね」
「ねー」
声はふたつ、床に落ちている影はひとつ。
「あずにゃんはあったかいねぇ」
「先輩も、あったかいですよ……」
私と唯先輩は、部室のソファにふたりで座っていた。
……と言っても、ただ隣り合って座っている、という訳じゃなく。まず唯先輩が座って、その足の間に私が引っ張られてきて、今の状態の完成。
つまり、私が唯先輩に背中側から抱きしめられている状態。
もちろん、最初は抵抗していた。
……でも。
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 00:26:31.68 ID:Uw6fIClGO [3/10]
『あずにゃん』
でも、その甘い声で、耳元で名前を呼ばれて、ぎゅっと抱きしめられて。
背中に先輩の鼓動が伝わってきて、そのドキドキが私にも伝染して。
甘くて甘くて、頭の奥がぴりぴりとしびれた。
こんなの、抵抗できるわけないじゃないですか。
「ずるいですよ」
「んー?」
「……こっちの話です」
唯先輩の匂いがする。肺の中も、唯先輩でいっぱいになる。
外側も内側も先輩で満たされている自分を想像して、身体の芯が、じん、と熱くなる。
「あずにゃーん」
不意に、名前を呼ばれた。
「あずにゃんのうなじー」
唯先輩の言ったそこに、ふっ、と息を吹き掛けられて、びくりと震えてしまう。
「や、やめてくださぃっ……」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 00:27:25.76 ID:Uw6fIClGO [4/10]
うなじに柔らかい感触。そして湿った音。
突然のそれにびっくりして、一瞬何も考えられなくなった。
先輩が唇を落としたのだと気付いたときにはもう、そこには舌が這っていて。
「ひぁ、あっ!?」
つぅ、と。うなじから耳たぶの下まで、唾液でできた一筋の道が作られた。きっと蛍光灯の光が当たって、てらてらと光っているだろう。
「やだぁ……っ」
「嫌?」
ぞくぞくする。
首筋が、耳が、ぞくりと震える。
ちゅ、といつもより大きく響く音。耳に軽くキスされたと思ったら、かぷり、と軽く噛まれる。
耳が熱くて、くすぐったくて、気持ちいいのが全身に広がっていく。
おかしくなりそうで、でも、先輩にしっかりと抱きしめられているから、逃げられない。
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 00:29:32.87 ID:Uw6fIClGO [5/10]
「あっ、やだっ……、っは……や、ですぅ……っ!」
「んー……」
さっきまで噛んでいた場所に軽くキスを落としてから、やけにあっさりと引き下がってくれた。
正直、ほっとする。……でも、何かが残る。
もどかしさというか、切なさというか。……何か、足りない?
そんな不思議な感覚が私の中で渦巻いていた。
「じゃあ、こっちは?」
「――ぇ?」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 14:11:16.38 ID:S2mBWpG80 [2/11]
制服の上から、先輩のきれいな中指が、さらりと私の胸を撫でた。乳房の下から、突起の頂上までを、ゆっくりと。
「……あずにゃん」
私の左肩にあごを乗せて、先輩は熱い息を吐く。それが私の頬を撫でて、熱が上がる。
全身が熱くて、ぼーっとする。その感覚に酔っていると、先輩は慣れた手つきで制服のボタンを外し始めた。
「あ、あのっ……!?」
「ん?」
先輩の顔が近くて、ドキドキする。
大きな眼が私をじっと見つめて、ふにゃりと柔らかく微笑んだ。
「や……、なんで脱がしてるんですかっ」
「あずにゃん、可愛いから」
答えになってません、そう言う間にも先輩の指は、するすると制服を肌蹴させていく。
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 14:20:30.61 ID:S2mBWpG80 [3/11]
「きれい」
ちゅう、と首筋に吸いつかれて、ブラをたくし上げられる。
その時に先輩の手が突起をかすめた。瞬間、全身がびくりと反応する。
その感覚と吸付かれている感覚と、もうそれだけでとろけそうになる。
平面に近い私の胸が、外気に触れて小さくふるりと震えた。
「にゃ……ぁ……っ」
胸の上のブラが、変な感じ。どうせなら、取ってくれればよかったのに。
そんな考えも、すぐに消えた。
「あ、……っ、せんぱい……!」
その頂点で、先輩の指が、くるくると小さな円を描いていく。
耳をあまがみされて、それだけでおかしくなりそうだったのに。
「あずにゃん、もうこんなに固い……」
きゅっと乳首を摘まれて、くに、と左右に引っ張られる。
私は、何も考えることが出来なくなっていた。
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 14:26:41.75 ID:S2mBWpG80 [4/11]
「耳とか、うなじとか。それだけで感じちゃった?」
耳元で囁かれる。
下腹部に、つきんと鈍い痛みを感じた。
「ち、ちが……っ」
今度は肩を舌でなぞられて、力が抜ける。
先輩はそこにも吸いついて、小さな跡を残していった。
私が先輩のモノ、という証。
「違わないでしょ?」
……あ、やばい。
唯先輩の変なスイッチが入った気がする。
「……あずにゃんの、えっち」
ふわりと、先輩の掌で私の胸が包まれる。
唯先輩の手は、とても温かかった。
「きもちいいんでしょ?」
人差し指の腹で先端の突起を押しつぶされると、少しだけ膨らみのある乳房にそれが沈む。
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 14:31:20.90 ID:S2mBWpG80 [5/11]
「あずにゃん、声、我慢しないで」
私の胸を弄りながら、先輩が言う。
「ふあ、……にゃぁあっ」
与えられる快感を素直に受け止めると、口から勝手に甘い声が漏れてしまう。
やだ、こんな声。先輩は可愛いって言ってくれるけれど、本当にそうなのかな。
こんなやらしい声、すごく恥ずかしい。
「んー、あずにゃん。ちゅーしたい」
「ふえ……?」
「あずにゃん可愛い。ちゅーしたい。顔見たい。だからこっち向いて?」
顔が更に赤く染まったと思う。熱があるみたいに熱くて、恥ずかしくて。
かお、みられたくない。そう思って、ふるふると首を横に振った。
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 14:40:38.58 ID:S2mBWpG80 [6/11]
「えー」
ものすごく残念そうな声を上げられた。
でも、胸を弄る手は止まらない。
「っあ……! や、やめ……」
「やめない。ねぇあずにゃん、こっち向いてよぉ」
頬にキスを落とされる。
「……うぁ……っ」
頬だけじゃなくて、ちゃんと、唇にもほしい。
切なくて、もどかしい。
「わっ……、わかり、ました……っ」
「ほんとっ?」
「はぃ……、て、あ、あれ……?」
腰が上がらない。
足に力が入らなくて、立てない。
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 15:16:43.34 ID:S2mBWpG80 [7/11]
「んん? どしたの? 立てない?」
「は、はい……」
先輩が、う~ん、と唸る。
どうしよう、まさか立てなくなるほど気持ちいいなんて。
「じゃ、こうしよう」
「えっ」
視界が、くるりと回る。
そして、眼の前には先輩の顔。
「最初っからこうしてればよかったかな」
そう言って、唇を落とされる。
触れ合う唇と唇。やっと、ちゃんとキスできた。
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 15:44:42.85 ID:S2mBWpG80 [8/11]
「ん……、せんぱ、ふわぁ……ぁ」
「あずにゃん……」
ソファの上に押し倒されたんだ。啄ばむようなキスの雨の中、頭の片隅でそう思った。
触れるだけの口付けが、だんだんと深く長くなっていく。
それに従って、私たちの熱はじわじわと上がっていった。
「ちゅ……ん、」
先輩の舌が、私の唇をなぞる。迎え入れようと思って小さく隙間を開けた。
けれど、先輩は中に入ってこずに、あごへと降りていく。
「ん……。ちゅー、ほしかった……?」
妖しく笑って、軽く唇を重ねられた。
そして、首、鎖骨と、なぞりながら降りていく。
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 16:32:25.03 ID:S2mBWpG80 [9/11]
「ちゅっ……、ふ」
そして、辿り着いた先は胸。
いきなり乳首を咥えられて、身体がはねる。
「にゃあっ!?」
「……んぅ、こりこりしてるよぉ……?」
「やぁっ、……言わ、ない……でぇっ……」
舌で、歯で。突起をいじめられて、おかしくなりそう。
耳でやられたようにあまがみされて、わずかに残っていた理性なんて吹き飛んでいく。
いけないと思う自分がいて、でも、もっと、もっとと刺激を求めてしまう。
「んぁ、唯せんぱい……、せん、ぱい……っ」
「あずにゃん」
「ふにゃぁ……、あっ、もっと、……っ」
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 16:51:05.98 ID:S2mBWpG80 [10/11]
つん、と張り詰めた突起をぺろりとなぞって、唯先輩は唇をそこから離す。
唯先輩の眼が、かすかに細まる。見つめられて、ぞくりとした。
「あずにゃん、今みんな来ちゃったらどうする?」
――――え?
「こんなにえっちぃ姿、みんなに見られちゃうよ?」
言われて、思い出す。
そうだ、今は放課後、部活の時間。
何故か唯先輩以外いないけれど、何か用があって、後から来るのかもしれない。
「ぁ、ぅにゃあ……っ」
「ねぇ、あずにゃん?」
ソファの上に押し倒されて、やらしい声を出していて。制服は乱れて、胸は露わになっている。
やだ、やだやだやだ。こんな姿、こんな、やらしい姿。
唯先輩以外に見られたくない、見せたくない。
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 23:56:37.26 ID:Uw6fIClGO [9/10]
「せんぱいっ……、もっ……ヤメっ……」
先輩は、私の耳元に顔を寄せて。
そして、甘い熱い吐息を吐きながら囁いた。
「だーめ」
先輩のいじわる。思っただけで、声にはならなかった。
先輩が、片方の胸の突起を摘まんで、捻る。
空いているもう片方には、先輩の舌が蛇のように這う。
「にゃ……ふっ……」
もし先輩たちが来たら。
そう思うと怖くて、見られたら終わりだということをわかっていながら、せめてもと声を塞ぐ。
「どうする? もしみんなが来たら、きっとびっくりするだろうね」
「にゃ、あぁっ!」
声が、我慢できない。
先輩が触れたところ、全部ぜんぶ気持ち良い。
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/08(火) 23:58:56.06 ID:Uw6fIClGO [10/10]
「えっちく、にゃーにゃー鳴いてるあずにゃん見たら、みんなどう思うかなぁ」
とろける頭でぼんやりと想像する。
見られたら、そう思うと余計に身体が熱くなって、びくりと跳ねる。
「ね、あずにゃん」
先輩の声は、匂いは、指は、何かの麻薬みたいに私の思考を奪って、とろけさせていく。
「やぁあ……っ、なんで……ぁ、むね、ばっかり……っ! も、はなしてくださっ……」
先輩は、ぺったんこな私の胸を何度も何度も揉みほぐす。
こんな胸でも、弄ってると楽しいのかな? 気持ち良いのかな?
そうだったら嬉しいけれど。
でも、これ以上ここばかり攻められると、ホントにおかしくなりそうで。
「ん、そんなこと言うけど、離してくれないのはあずにゃんの方だよ?」
言われて気付く。
私は無意識に、唯先輩の頭に両手を回していた。
「そんなにおっぱい、気持ち良かった……?」
先輩の制服が素肌に擦れて、それだけなのに、快感に押し潰されそうになる。
唯先輩だから、こんなに気持ち良くなれる。
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/09(水) 00:02:32.64 ID:Fmlv3n3fO [1/7]
「……ね、もうこっちもいいかな?」
するり、と太ももを撫で上げられて先輩の指がたどり着いたそこは、もう恥ずかしいくらいに濡れそぼっていた。
「……ぅ、にゃあ……っ」
つ、と軽く下着の上からすじをなぞられた瞬間。
「あ、あずにゃんっ!?」
「ふぇっ、ここ……はぁ、これっ……以上はっ、もう本当に駄目です……、っく」
これ以上されたら、私ももう止まれなくなる。学校だろうと部室だろうと、そんなこと関係なくなってしまうくらい。
そんなところを見られたら、もう恥ずかしくて死んじゃう。
最悪の事態を思い浮かべると、涙が溢れて言葉にも嗚咽が混じる。
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/09(水) 00:04:22.73 ID:Fmlv3n3fO [2/7]
「……」
唯先輩は、目を見開いて驚いていた。
そりゃそうだよね、私が急に泣き出すんだもん。
先輩はちょっと迷った表情で、ばつが悪そうに言った。
「……あー」
唯先輩にしては、妙に歯切れが悪い。うんうんと悩んで、よしっ、と一人で気合いを入れた後に、こちらに真剣な眼差しを向けられる。
「あのね、あずにゃん。りっちゃん達、今日は来ないんだ」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/09(水) 00:05:33.22 ID:Fmlv3n3fO [3/7]
「え?」
思考と涙が止まる。
「実は3人とも放課後に用事があるらしくて。今日は部活はなしってことだったんだけどね?」
けど、なんですか。
「あずにゃんと部室でイチャイチャするのもいいかなー、なんて」
「………………」
「みんなが来るかもってハラハラする中でのえっちもいいかなー、って……」
「……ふぇ、」
止まりかけていた涙がまた溢れて出して、視界がぼやける。
だって、そんな、ひどい。
私、本気で焦ってたのに。
「ご、ごめんね? でもあずにゃん、すっごく可愛かっ……」
「もう先輩なんて知りませんっ!!」
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/09(水) 00:07:46.75 ID:Fmlv3n3fO [4/7]
*****
「おっはよー」
「あ、純ちゃんおはよう」
「……ぁー、おはよ…………」
「……憂、梓ってばどうしたの?」
「あはは……」
だるい……。
あれから、唯先輩は家にお泊まりすることになってしまいました。
それでまぁ……、お察しの通りというか、なんというか。
「昨日はお姉ちゃん、梓ちゃんちに泊まったんだー」
ちょ、憂っ!
純に余計なこと言わないでよっ!
「ははーん。そーいう訳ですかぁ……」
ニヤリ、という擬音語が漫画みたいに純の横に見える……気がする。
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/09(水) 00:10:05.41 ID:Fmlv3n3fO [5/7]
「ゆうべはおたのしみでしたね!」
「じゅ、純っ!」
「ホンっトに、梓は唯先輩だいすきだねぇ」
「あはは、ラブラブだからねー」
「もーっ、憂までぇ!」
でも、こんな風にからかわれるのも、唯先輩と上手くいってる証拠みたいで。
恥ずかしいけれど、ちょっぴり嬉しくも感じてしまう。
「なにー? ニヤニヤしちゃってー」
「お姉ちゃんのこと?」
「もぉっ、いい加減にしないと怒るよっ!」
こうやって言われるのも良いことなのかなって、ほんのちょっぴり思った。
おしまい!
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/09(水) 00:11:39.07 ID:Fmlv3n3fO [6/7]
これでおしまい、なんだ……
シメが下手でごめんね!
微えろを目指した結果がこれだよ!
なんか、最後も一年トリオはいらなかったかなぁ
焦ってつくった感パネェ
それでも保守、支援してくれた方々!
読んでくれた方々!
どうもありがとうございました!
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/09(水) 12:26:34.35 ID:Fmlv3n3fO [7/7]
やっぱりシメかー
これでSS書くのは2回目だが毎回シメが上手くできん
女体さんじゃないっすよー
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