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中学生な話

178 名前:Are you enjoying the time of eve?[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 19:09:41.55 ID:VjDxLQE0 [1/16]
10,11レスほどもらいます

上琴です

179 名前:中学生な話1/10[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 19:10:34.01 ID:VjDxLQE0 [2/16]
佐天「あれ? 御坂さん?」

美琴「ん、こんにちは。佐天さんに初春さん」

夏休みも近い、学校帰り
柵川中の校門前で人を待っていると
友人二人に話しかけられる
まあ当然か、ここの生徒なのだから

初春「どうしたんですか? こんなところで」

美琴「うーん。ちょっと人を待ってるんだけど……」

佐天「人? ウチの生徒ですか?」

美琴「うん、そんなとこ……あっ」

見慣れたツンツン頭が近づいてくる
鼻歌を歌いながら
美琴達に近づいてきて

脇を取り過ぎようとする


180 名前:中学生な話2/10[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 19:11:03.11 ID:VjDxLQE0 [3/16]
美琴「ちょっと! スルーすんなぁ!!」

美琴が怒鳴りつけるといつものばかは
足を止め、いつも通りの顔を向けてくる

上条「なんだ、御坂じゃねぇか。どうしたんだよ、こんなところで」

『御坂』
いつのまにかこいつは美琴の事を
そう呼ぶようになっていた
中学になった以上、当たり前のことかもしれないけど……

美琴「なんだ、御坂かじゃないわよ!」

上条「何怒ってんだよ」

美琴「あんた、おばさんに夏休みの連絡してないでしょ」

上条「あ」

美琴「やっぱり。私の方に電話が来たわよ」

上条の母、詩菜から連絡があったのは昨日の事だ
すぐに美琴も上条の携帯にかけてみたが
こいつは出なかった

上条「……悪い」

美琴「何で連絡しなかったの。ていうか昨日の私の電話を無視したでしょ」

上条「……また携帯が壊れた」

美琴「そんな事だと思ってたわよ」

付き合いの長い美琴は、上条の運の悪さを
これでもかというくらいに知っている
あるいは本人以上に


181 名前:中学生な話3/10[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 19:11:44.28 ID:VjDxLQE0 [4/16]
上条「だってよう」

美琴「じゃ、私がかわりに連絡しとくけど、どうするの?」

上条「補習で帰れねぇよ」

美琴「ま、予想通りの答えね」

補習なのも学力以上に
運の悪さが絡んでいると思う
美琴的には

上条「そういうお前はどうなんだよ」

美琴「私? 特別講習で帰らないけど」

上条「俺と同じじゃねぇか」

美琴「全然、違うわよ」

上条「どこが」

美琴「私は自分から受ける『特別講習』アンタは受けなきゃいけない『補習』……わかるわよね、違い」

上条「うっ」

美琴「ま、それは置いといて。連絡しとくからね」

上条「頼んだぞ」

そう言って上条は歩き出す
美琴も帰ろうとしたが

佐天「みーさーかーさーん」

初春「今の人はー」

にやにやと笑う友人二人につかまる
しまったこいつらの事、忘れていた


182 名前:中学生な話4/10[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 19:12:36.87 ID:VjDxLQE0 [5/16]
佐天「幼馴染?」

御坂「そう、それだけよ」

友人二人に喫茶店に引っ張っていかれ
上条との関係を聞かれる
誤魔化してもしょうがないので、正直に話す

初春「それだけですか? すごく仲よさそうでしたけど」

美琴「それだけよ。今日もアイツのお母さんに頼まれただけだし」

佐天「ほんとですかぁ。もっと深い関係じゃないんですかぁ」

深い関係って何だ
アイツとはそういうのではない
と、美琴自身は思っている

初春「いえいえ佐天さん、きっと少女漫画的な気になるアイツでも私素直になれないな感じですよ」

佐天「なるほど、流石は初春よのう」

初春「へへへ、おほめにあずかり光栄です」

美琴「いや、よくわからないから、それ」

にやにやと笑うふたりに突っ込む
やはり、校門前で待ち伏せは失敗だったか
いつものように公園で待つべきだったか
しかし、公園だと特売日には遭遇できないし
やはり、さっきのやり方しかなかったか


183 名前:中学生な話5/10[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 19:13:14.85 ID:VjDxLQE0 [6/16]
佐天「で、なんて名前なんですか? その幼馴染さん」

美琴「上条当麻よ。柵中2年の」

初春「あ、聞いたことあります。たしか学校でいちばんもてるって噂の」

美琴「もてるぅ!!」

ありえない発言に思わず声が出る
まさか、アイツがもてるなんて事は無い
そう、無いはずだ

佐天「あ、私も聞いたことある。たしかフラグ王って噂の」

美琴「ふらぐ? なにそれ」

佐天「さぁ、わかりませんけど、そういうあだ名らしいです」

ふらぐ
国旗でも集めだしたのかアイツは

美琴「ま、それは置いといて。あ、あり得ないわよ。アイツいじめられっ子だったし」

佐天「そうなんですか」

美琴「そう、運が悪い事でよくいじめられてたわ」

それを毎日のように助けるが
美琴の役割だった

この街に来たのも半分くらい
またアイツがいじめられないか心配だった事もある

能力の差で違う学校になってしまったけど


184 名前:中学生な話6/10[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 19:13:41.89 ID:VjDxLQE0 [7/16]
初春「でも、たしか2年の先輩が今日呼び出して告白云々言ってような……」

美琴「こ、告白ぅ!! ほ、本当なの!!」

初春「は、はい。廊下で話してるのを立ち聞きしただけですけど」

まさか、そんな事はありえない
だってアイツが、そんな

佐天「御坂さーん。おーい、ダメだ聞いてない」

耳元で何か言われているような気がするが
全く頭に入ってこない

いやだってありえない

そんな言葉ばかりが頭の中を
ぐるぐると回転し続ける


185 名前:中学生な話7/10[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 19:14:25.90 ID:VjDxLQE0 [8/16]
上条「おっーす御坂」

美琴「アンタか」

学校帰りに幼馴染と遭遇する
嫌なタイミングだ

『告白』

つい、昨日の友人たちの言葉が頭をよぎってしまう
ありえないと否定しつつも

上条「何だ元気ねぇな。風邪か」

美琴「アンタと違って風邪くらいひくけど、今日は違うわよ」

上条「なるほど……ってどういう意味だよ! 上条さんも風邪くらいひきます!」

美琴「夏場限定でしょ」

上条「何故わかった!」

どうでもいい迷信も
コイツといると本当な気がしてくる

上条「で、どうしたんだよ」

美琴「別にどうもしてないわよ」

上条「そうか、ならいいけどよ。あっ

美琴「何よ、急に」

上条「昨日の連絡しといてくれたか」

美琴「あ」

忘れていた
むしろ昨日はあの二人の話がきになって
それどころではなかった


186 名前:中学生な話8/10[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 19:15:10.13 ID:VjDxLQE0 [9/16]
上条「何だよ、忘れてたのかよ」

美琴「うっさいわね。すぐするわよ」

上条「ま、頼んだ」

しばらく、会話も無く
二人で並んで歩く
子ども頃もよくこうして歩いた

隣の横顔を盗み見る

たくましくなったと思う
昔はいじめられてばかりだったのに

美琴「ねぇ、アンタさ」

上条「ん、何だ」

何でもない事のように会話を切りだしてみる
うまく出来るのだろうか

美琴「彼女とかできた?」


187 名前:中学生な話9/10[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 19:15:39.16 ID:VjDxLQE0 [10/16]
上条「ぶっ! 何を言い出すんだよ! お前!」

美琴「だってもてるんでしょ? 柵川の友達に聞いたもん」

上条「お前、上条さんのもてない伝説を知ってそういうこと言うのか」

美琴「知らないわよ、そんなの。で、どうなの」

上条「いねぇよ」

美琴「嘘」

上条「嘘じゃねぇよ!」

美琴「だって告白されたんでしょ、昨日」

どうしようもなく気になって
でも、なかなか聞けなかった事を
なんとか言葉にする

上条「な、なんでそれを!」

美琴「やっぱり、アンタに彼女かぁ」

やっぱり本当だったのか
でも、なぜか胸が痛い
ただ、幼馴染に彼女ができただけなのに


188 名前:中学生な話10/11[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 19:16:09.94 ID:VjDxLQE0 [11/16]
上条「……彼女なんていねぇよ」

美琴「告白されたんでしょ」

上条「断った」

美琴「……どうして」

美琴が聞いていいことなのか
でも、聞かずにはいられなかった

上条「俺ってさ、ガキの頃から運が悪いだろ? 付き合うと巻き込んじまう」

美琴「……そんなのアンタの責任じゃないでしょ!」

運が悪いから巻き込む
それは子どもの頃に上条をいじめていた連中の
よく使っていた言葉


189 名前:中学生な話11/11[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 19:16:55.18 ID:VjDxLQE0 [12/16]
美琴が子どもの頃、反発し続けた言葉でもある

上条「だからさ、俺の不幸に巻き込まれても大丈夫なタフな子じゃないと付き合えない」

どこか遠くを見ながら
上条が言葉を続ける

上条「一緒にいじめられるかもしれないのに、かまわず助けにはいる様な子とかさ」

美琴「……そんな子いるの?」

そんなバカな事をするような女の子なんて
美琴には思いつかない

上条「さぁな」

そう言って上条が笑う

ただ、幼馴染に彼女がいないとわかっただけで
どうしてこんなに心が楽になるのだろう

コイツが笑うだけで
少し嬉しくなるのはどうしてだろう




190 名前:Are you enjoying the time of eve?[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 19:18:29.88 ID:VjDxLQE0 [13/16]
以上です

何番煎じかわかりませんが、幼馴染スキーとして書かずにいられませんでした

お目汚し失礼しました

Tag : とあるSS総合スレ

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