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姫神のマフラー
147 名前:Are you enjoying the time of eve?[sage] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:29:59.40 ID:bD.uYAUo [1/10]
需要無視の上条さん×姫神のクリスマスネタ 8レスほど借ります
地の文が中途半端なのは勘弁してください
クリスマスなんで時系列無視。あと姫神が少し引っ込み思案過ぎるかもしれない
あとクリスマスイブですが上条さんの学校は冬休みに入っているって設定です
需要無視の上条さん×姫神のクリスマスネタ 8レスほど借ります
地の文が中途半端なのは勘弁してください
クリスマスなんで時系列無視。あと姫神が少し引っ込み思案過ぎるかもしれない
あとクリスマスイブですが上条さんの学校は冬休みに入っているって設定です
148 名前:姫神のマフラー 1/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:31:47.67 ID:bD.uYAUo [2/10]
メリークリスマス!
今年オープンしたばかりのショッピングモールでクリスマスのイベントが行われていた。
クリスマスだからなのかは知らないがローストチキンの大食い大会などもあるそうだ
姫神秋沙はその人だかりから少し離れたところにある飲食用の椅子に座って一息ついていた
今日はクリスマスイブ
学生が人口の大半を占める学園都市ではこの時期であっても意外とカップルの数は少ない
もちろん意外と少ないというだけで、やはりこの時期に増えるのは確かだが
姫神の視線の先には大きなクリスマスツリーが飾ってある
ツリーの頂上には大きな星が飾ってあって、その他にも大小様々な飾りがつけてある
ただ姫神は特別それを見たくて見ているという訳でもない
姫神が少し黄昏ているのには訳がある
理由は今、姫神の手の中ある紙袋
正確にはその中のマフラーだ
あの少年に喜んで貰おうと思って編んだ手編みのマフラー
実は大覇星祭の前から編み始めていた大作だ
途中、姫神は重症を負ってしまったので中断してしまったが退院してからは再び編み始めた
姫神はマフラーを編むのは初めてではない
でも誰かの為にマフラーを編むのは初めてだった
あの少年は喜んでくれるだろうか?
そう思いながら毎日少しずつ編み進めていった
149 名前:姫神のマフラー 2/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:33:23.56 ID:bD.uYAUo [3/10]
今日はとても寒い
もしかしたら雪が降るかもしれないと天気予報では言っていた
はぁっと姫神は冷たくなった手に息を吹きかける
自分の手の中にある紙袋を見つめる
どんな袋にいれればいいだろうかと色々考えてやっと見つけた小さなリボンのついた赤い紙袋
プレゼント用のそれはとても丈夫に出来ていて姫神がすこし力を掛けたくらいではしわもつかない
そんな紙袋を抱くようにして姫神は空を見上げた
本当は今日渡すつもりだった。クリスマスイブだから
一応渡すときのセリフも考えていた
あの少年といつも一緒にいるシスター用のプレゼントも用意した
あくまで友達に上げるプレゼントだと思って欲しいから
あの子は私のお友達だから
あの人も私のお友達だから…
自分の気持ちをあの少年に知られるのは困るから
でも結局、渡せなかった
忘れものを取りに行くという口実まで作って補習中のあの少年に会いに行ったのに
教室に入った自分に彼から話しかけてくれたのに
すぐ出せるように鞄の一番手前にちゃんと入れておいたのに
勇気が出なくて、どうしても渡す事ができなかった
150 名前:姫神のマフラー 3/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:34:38.39 ID:bD.uYAUo [4/10]
さっき彼を見かけた時に声を掛けようと思った
でもあの少年は常盤台の女の子に追いかけられていてそのまま走り去ってしまった
あの子も彼の事が好きなのかなと思いながら姫神はしばらく歩いた
今日はクリスマスだからたくさんの人が道を歩いている
その中にちらほらとカップルもいる
一緒にお店の品物を眺めたり、何か買って食べたりしている
その行為自体よりも一緒に何かをするということがとても楽しいのだろうなと姫神は思う
もし、あの少年と一緒に過ごせれば確かに姫神は幸せだと思う
別に何もしなくてもいい、短い時間でもいい
ただ同じ時間を二人で過ごせるのならそれだけでとても嬉しいだろう
でもあの少年はどうだろうか?
姫神と一緒に過ごしたいと思ってくれるだろうか?
彼にはいつも一緒に過ごしている女の子がいる
姫神にはあの子みたいに彼と一緒にいれたらなぁと思う時がある
でもすぐに慌てて振り払う
だって彼はあの子と一緒にいたいのだろうから
姫神では駄目なのだから
姫神と一緒に過ごす事は彼があの子と一緒にいる為の時間を奪ってしまう事になるのだから
151 名前:姫神のマフラー 4/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:35:51.59 ID:bD.uYAUo [5/10]
ふーっと息を吐き出した姫神は座っていた椅子から立ち上がり寮へ向かって歩き出した
今日は本当に寒い
もう一度はぁっと手に息を吹きかけた
やっぱり雪が降るのだろうか
そんな風に考えながら歩いていた姫神は凍っていた小さな水たまりを見過ごした
まるで漫画のようにキレイにひっくり返ってしまった
でも何かがクッションになって姫神は大した怪我をせずに済んだ
姫神が起き上がると赤い紙袋がぺっちゃんこになっていた
あの少年の為に一生懸命編んだマフラーも一緒に
姫神は軽くため息をつくと紙袋を拾って埃をはらった
(どうせ。渡せなかったプレゼントだし。もういいや)
姫神はしわくちゃになってしまった紙袋を両手で抱えて再び寮への道を歩き出す
152 名前:姫神のマフラー 5/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:37:01.37 ID:bD.uYAUo [6/10]
もうすぐ一年が終わる
あの少年と同じクラスで過ごせる時間も残り少なくなってきた
来年も同じクラスになれるだろうか
でも同じクラスになれたからどうだというのだろう
姫神が変わる訳でもないし、あの少年が変わるはずもない
姫神があの少年に思いを伝える事は出来ないだろうし
あの少年が姫神の思いに気付いてくれる事もないだろう
多分、なにも変わらない
でも少しでも近くにいたい
どうにもならないと分かっていても一緒の時間を過ごしたい
自分でも矛盾していると思う
彼の邪魔をしたくないと頭で考えながら
彼とずっと一緒にいたいと心で願っている
片方の心でこの思いに気付かれるのが怖いと怯えながら
もう片方の心でこの思いに気付いて欲しいと願っている
どっちが本当の私なんだろう?
いつかこの疑問の答えが分かる時がくるんだろうか
それとも一生答えなんて見つからないのだろうか
153 名前:姫神のマフラー 6/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:38:23.88 ID:bD.uYAUo [7/10]
「お、姫神じゃん。今帰りか?」
突然、背後から話しかけられた
ちょうど彼の事を考えていたからなのか少しドキドキしてしまった
「うん。上条くんも?」
「ああ。どうも今日はツイてなくてな」
彼がついている日なんてあるんだろうか?だっていつも不幸だーとか言っているし
「何か。あったの?」
「いや、なんか御坂の奴がいきなり何か投げつけてきたから避けたら今度はビリビリと…」
心の中で軽くため息をつく。多分、それは不幸じゃなくて自業自得だ
「あーしかし寒いな。前に使ってたマフラーどっかいっちまったんだよな~」
マフラーという単語にちょっと反応してしまった。
でもあのマフラーはさっき潰してしまった。ちょっとがっかり
「上条くんは。お正月は実家に帰るの?」
「うーん、どうすっかなぁ…。インデックスの奴を放置して帰る訳にはいかないしなぁ」
やっぱりあの子の事が大事なんだなぁ…。ちょっと羨ましいな。
「姫神はどうするんだ?」
「私は。寮で過ごす。もう実家はないから」
私に帰る場所はもうない。でも今はここが私が居るべき場所。彼が私に与えてくれた場所
「あ…わりぃ。マズい事聞いちまったな…。ゴメン姫神。そういうつもりじゃなかったんだ」
あ…また気を使わせてしまった。やっぱり私と一緒にいたら疲れちゃうのかな
「ううん。気にしてない」
「そうか?ほんとゴメンな」
やっぱりやさしい。でもこの人の負担になってはダメ
ただでさえ無理をしてしまう人なんだから
154 名前:姫神のマフラー 7/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:39:46.24 ID:bD.uYAUo [8/10]
「へっくし!!うううさびいぃ…」
確かに今日は寒い。でも何も掛けてあげられるものはないし…
あ…でも…でもこのままだと風邪ひいちゃうかもしれない
「あの。上条くん」
「ん?なんだ?姫神」
「これ」
ほんとはもっと綺麗な状態で渡すつもりだったんだけど
「え?貸してくれるのか?」
「ううん。あげる。その為に作ったから」
あ…言っちゃった。どうしよう
「え?マジで!?これお前が作ったの!?スゲー」
気づかれなかったみたい。良かった…ちょっとイラってするけど
「すっげーあったけー。サンキュー姫神。おかげで凍死は免れそうだ」
「そう。よか…っぷしゅ」
くしゃみしちゃった…恥ずかしい
「おい、大丈夫か姫神」
「大丈びゅ」
かんじゃった…恥ずかしい。今日はもう早く帰ろう
「んー…このマフラー結構長いしなんとかなるか」
「?」
155 名前:姫神のマフラー 8/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:41:04.68 ID:bD.uYAUo [9/10]
上条はそう言うなり自分のマフラーの半分ほどをほどき、それを姫神の首に回した
「ほら、こうすればお前も暖かいだろ?我ながらナイスアイディアだな!」
上条は得意げだが姫神は何が起こったのかまだ理解できない。
ただ顔は少し赤くなってしまっている。
やがて段々と姫神の思考も追いついてきた。
(こういうのは。恋人同士でするもの。私じゃダメ)
そうは思うもののかけられたマフラーを外す気にもなれない
「……」
そんなはずないのにマフラーを通して彼の体温が伝わってくるような気がする
それくらい首に巻かれた半分だけのマフラーはとても暖かかった。
「さて、どうすっかなぁ。インデックスの奴はどうせチキン食わせろーとか言うんだろうなぁ」
「…そういえば。さっきローストチキンの大食い大会をやっていた。参加させれば?」
「それはそれで怖い気がする…。そのお店潰したらその辺一帯が出入り禁止になりかねん」
・
・
・
たわいも無い会話をしながら上条と姫神は歩いていく。
短い間だけど二人だけの時間が流れる
今日はクリスマスイブ
本当は願いが叶うのは明日のはずだけど
姫神の今年の分の願いは今、叶った
156 名前:Are you enjoying the time of eve?[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:43:14.38 ID:bD.uYAUo [10/10]
以上です
姫神ネタは書く人少ないからとりあえず速攻で書いてみました
だれかがこれで刺激を受けてくれれば…
メリークリスマス!
今年オープンしたばかりのショッピングモールでクリスマスのイベントが行われていた。
クリスマスだからなのかは知らないがローストチキンの大食い大会などもあるそうだ
姫神秋沙はその人だかりから少し離れたところにある飲食用の椅子に座って一息ついていた
今日はクリスマスイブ
学生が人口の大半を占める学園都市ではこの時期であっても意外とカップルの数は少ない
もちろん意外と少ないというだけで、やはりこの時期に増えるのは確かだが
姫神の視線の先には大きなクリスマスツリーが飾ってある
ツリーの頂上には大きな星が飾ってあって、その他にも大小様々な飾りがつけてある
ただ姫神は特別それを見たくて見ているという訳でもない
姫神が少し黄昏ているのには訳がある
理由は今、姫神の手の中ある紙袋
正確にはその中のマフラーだ
あの少年に喜んで貰おうと思って編んだ手編みのマフラー
実は大覇星祭の前から編み始めていた大作だ
途中、姫神は重症を負ってしまったので中断してしまったが退院してからは再び編み始めた
姫神はマフラーを編むのは初めてではない
でも誰かの為にマフラーを編むのは初めてだった
あの少年は喜んでくれるだろうか?
そう思いながら毎日少しずつ編み進めていった
149 名前:姫神のマフラー 2/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:33:23.56 ID:bD.uYAUo [3/10]
今日はとても寒い
もしかしたら雪が降るかもしれないと天気予報では言っていた
はぁっと姫神は冷たくなった手に息を吹きかける
自分の手の中にある紙袋を見つめる
どんな袋にいれればいいだろうかと色々考えてやっと見つけた小さなリボンのついた赤い紙袋
プレゼント用のそれはとても丈夫に出来ていて姫神がすこし力を掛けたくらいではしわもつかない
そんな紙袋を抱くようにして姫神は空を見上げた
本当は今日渡すつもりだった。クリスマスイブだから
一応渡すときのセリフも考えていた
あの少年といつも一緒にいるシスター用のプレゼントも用意した
あくまで友達に上げるプレゼントだと思って欲しいから
あの子は私のお友達だから
あの人も私のお友達だから…
自分の気持ちをあの少年に知られるのは困るから
でも結局、渡せなかった
忘れものを取りに行くという口実まで作って補習中のあの少年に会いに行ったのに
教室に入った自分に彼から話しかけてくれたのに
すぐ出せるように鞄の一番手前にちゃんと入れておいたのに
勇気が出なくて、どうしても渡す事ができなかった
150 名前:姫神のマフラー 3/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:34:38.39 ID:bD.uYAUo [4/10]
さっき彼を見かけた時に声を掛けようと思った
でもあの少年は常盤台の女の子に追いかけられていてそのまま走り去ってしまった
あの子も彼の事が好きなのかなと思いながら姫神はしばらく歩いた
今日はクリスマスだからたくさんの人が道を歩いている
その中にちらほらとカップルもいる
一緒にお店の品物を眺めたり、何か買って食べたりしている
その行為自体よりも一緒に何かをするということがとても楽しいのだろうなと姫神は思う
もし、あの少年と一緒に過ごせれば確かに姫神は幸せだと思う
別に何もしなくてもいい、短い時間でもいい
ただ同じ時間を二人で過ごせるのならそれだけでとても嬉しいだろう
でもあの少年はどうだろうか?
姫神と一緒に過ごしたいと思ってくれるだろうか?
彼にはいつも一緒に過ごしている女の子がいる
姫神にはあの子みたいに彼と一緒にいれたらなぁと思う時がある
でもすぐに慌てて振り払う
だって彼はあの子と一緒にいたいのだろうから
姫神では駄目なのだから
姫神と一緒に過ごす事は彼があの子と一緒にいる為の時間を奪ってしまう事になるのだから
151 名前:姫神のマフラー 4/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:35:51.59 ID:bD.uYAUo [5/10]
ふーっと息を吐き出した姫神は座っていた椅子から立ち上がり寮へ向かって歩き出した
今日は本当に寒い
もう一度はぁっと手に息を吹きかけた
やっぱり雪が降るのだろうか
そんな風に考えながら歩いていた姫神は凍っていた小さな水たまりを見過ごした
まるで漫画のようにキレイにひっくり返ってしまった
でも何かがクッションになって姫神は大した怪我をせずに済んだ
姫神が起き上がると赤い紙袋がぺっちゃんこになっていた
あの少年の為に一生懸命編んだマフラーも一緒に
姫神は軽くため息をつくと紙袋を拾って埃をはらった
(どうせ。渡せなかったプレゼントだし。もういいや)
姫神はしわくちゃになってしまった紙袋を両手で抱えて再び寮への道を歩き出す
152 名前:姫神のマフラー 5/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:37:01.37 ID:bD.uYAUo [6/10]
もうすぐ一年が終わる
あの少年と同じクラスで過ごせる時間も残り少なくなってきた
来年も同じクラスになれるだろうか
でも同じクラスになれたからどうだというのだろう
姫神が変わる訳でもないし、あの少年が変わるはずもない
姫神があの少年に思いを伝える事は出来ないだろうし
あの少年が姫神の思いに気付いてくれる事もないだろう
多分、なにも変わらない
でも少しでも近くにいたい
どうにもならないと分かっていても一緒の時間を過ごしたい
自分でも矛盾していると思う
彼の邪魔をしたくないと頭で考えながら
彼とずっと一緒にいたいと心で願っている
片方の心でこの思いに気付かれるのが怖いと怯えながら
もう片方の心でこの思いに気付いて欲しいと願っている
どっちが本当の私なんだろう?
いつかこの疑問の答えが分かる時がくるんだろうか
それとも一生答えなんて見つからないのだろうか
153 名前:姫神のマフラー 6/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:38:23.88 ID:bD.uYAUo [7/10]
「お、姫神じゃん。今帰りか?」
突然、背後から話しかけられた
ちょうど彼の事を考えていたからなのか少しドキドキしてしまった
「うん。上条くんも?」
「ああ。どうも今日はツイてなくてな」
彼がついている日なんてあるんだろうか?だっていつも不幸だーとか言っているし
「何か。あったの?」
「いや、なんか御坂の奴がいきなり何か投げつけてきたから避けたら今度はビリビリと…」
心の中で軽くため息をつく。多分、それは不幸じゃなくて自業自得だ
「あーしかし寒いな。前に使ってたマフラーどっかいっちまったんだよな~」
マフラーという単語にちょっと反応してしまった。
でもあのマフラーはさっき潰してしまった。ちょっとがっかり
「上条くんは。お正月は実家に帰るの?」
「うーん、どうすっかなぁ…。インデックスの奴を放置して帰る訳にはいかないしなぁ」
やっぱりあの子の事が大事なんだなぁ…。ちょっと羨ましいな。
「姫神はどうするんだ?」
「私は。寮で過ごす。もう実家はないから」
私に帰る場所はもうない。でも今はここが私が居るべき場所。彼が私に与えてくれた場所
「あ…わりぃ。マズい事聞いちまったな…。ゴメン姫神。そういうつもりじゃなかったんだ」
あ…また気を使わせてしまった。やっぱり私と一緒にいたら疲れちゃうのかな
「ううん。気にしてない」
「そうか?ほんとゴメンな」
やっぱりやさしい。でもこの人の負担になってはダメ
ただでさえ無理をしてしまう人なんだから
154 名前:姫神のマフラー 7/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:39:46.24 ID:bD.uYAUo [8/10]
「へっくし!!うううさびいぃ…」
確かに今日は寒い。でも何も掛けてあげられるものはないし…
あ…でも…でもこのままだと風邪ひいちゃうかもしれない
「あの。上条くん」
「ん?なんだ?姫神」
「これ」
ほんとはもっと綺麗な状態で渡すつもりだったんだけど
「え?貸してくれるのか?」
「ううん。あげる。その為に作ったから」
あ…言っちゃった。どうしよう
「え?マジで!?これお前が作ったの!?スゲー」
気づかれなかったみたい。良かった…ちょっとイラってするけど
「すっげーあったけー。サンキュー姫神。おかげで凍死は免れそうだ」
「そう。よか…っぷしゅ」
くしゃみしちゃった…恥ずかしい
「おい、大丈夫か姫神」
「大丈びゅ」
かんじゃった…恥ずかしい。今日はもう早く帰ろう
「んー…このマフラー結構長いしなんとかなるか」
「?」
155 名前:姫神のマフラー 8/8[saga] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:41:04.68 ID:bD.uYAUo [9/10]
上条はそう言うなり自分のマフラーの半分ほどをほどき、それを姫神の首に回した
「ほら、こうすればお前も暖かいだろ?我ながらナイスアイディアだな!」
上条は得意げだが姫神は何が起こったのかまだ理解できない。
ただ顔は少し赤くなってしまっている。
やがて段々と姫神の思考も追いついてきた。
(こういうのは。恋人同士でするもの。私じゃダメ)
そうは思うもののかけられたマフラーを外す気にもなれない
「……」
そんなはずないのにマフラーを通して彼の体温が伝わってくるような気がする
それくらい首に巻かれた半分だけのマフラーはとても暖かかった。
「さて、どうすっかなぁ。インデックスの奴はどうせチキン食わせろーとか言うんだろうなぁ」
「…そういえば。さっきローストチキンの大食い大会をやっていた。参加させれば?」
「それはそれで怖い気がする…。そのお店潰したらその辺一帯が出入り禁止になりかねん」
・
・
・
たわいも無い会話をしながら上条と姫神は歩いていく。
短い間だけど二人だけの時間が流れる
今日はクリスマスイブ
本当は願いが叶うのは明日のはずだけど
姫神の今年の分の願いは今、叶った
156 名前:Are you enjoying the time of eve?[] 投稿日:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:43:14.38 ID:bD.uYAUo [10/10]
以上です
姫神ネタは書く人少ないからとりあえず速攻で書いてみました
だれかがこれで刺激を受けてくれれば…
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