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梓「どうじんし!」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:11:45.14 ID:PvHNir790 [1/56]
梓「…ん?」
部活に向かう途中、普段は使われていない空き教室で話し声が聞こえ、立ち止まりました。
梓「なんだろ…誰か居るのかな?」ガラガラ
空き教室は基本的に用がないときは立ち入り禁止だったので、なんとなく中を確認しようとドアをあけました。
別に、校則違反だからどうこうとか、そういうのは全くなくて、本当にただなんとなく気になったので。
ドアを開けると、女子が3人。多分、隣のクラスの人だったような気がします。3人は慌てたようにこっちに振り向きました。
女子1「!な、中野さん…!」
女子2「あわわ…」
3人は慌てながら、机の上に広げた本のような物を、鞄の中に素早く仕舞いはじめました。
梓「…ん?」
部活に向かう途中、普段は使われていない空き教室で話し声が聞こえ、立ち止まりました。
梓「なんだろ…誰か居るのかな?」ガラガラ
空き教室は基本的に用がないときは立ち入り禁止だったので、なんとなく中を確認しようとドアをあけました。
別に、校則違反だからどうこうとか、そういうのは全くなくて、本当にただなんとなく気になったので。
ドアを開けると、女子が3人。多分、隣のクラスの人だったような気がします。3人は慌てたようにこっちに振り向きました。
女子1「!な、中野さん…!」
女子2「あわわ…」
3人は慌てながら、机の上に広げた本のような物を、鞄の中に素早く仕舞いはじめました。
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:16:26.42 ID:PvHNir790 [2/56]
梓「あ、あのごめんなさい。別に先生に言ったりしないので…わあ!」
3人はしきりに慌てながら、突き飛ばすようにして私の横を走ってすり抜け、そのまま廊下を駆け抜けて行きました。
梓「な、なんだったの?…ん?」
3人を呆然と見送り、改めて教室を見渡すと…机の中に、一冊の本があるのが見えました。
梓「あ…忘れて行ったのかな?」
相当慌てているようだったので、多分机の中に入れた一冊を取り忘れたのでしょう。
届けてあげた方がいいかな、と思い、その本を机から出しました。
梓「え…な、なにこれ…?」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:19:18.72 ID:PvHNir790
それは、B5サイズの、非常に薄い本でした。こんなのは、本屋さんで見た事がありませんでした。
しかも、その表紙が…なんだか、凄い事になっていたのです。
梓「え…これ、もしかして、唯先輩?!」
栗色のセミロングに、髪留め。桜ヶ丘高校の制服。ほにゃっとした柔らかな優しい表情。
絵ではありましたが、それは間違いなく、唯先輩をモチーフにしたものでした。
その唯先輩は、表紙の中で一人の女の子を抱きしめていました。
長い黒髪を頭の両側で結んだ、小柄な女の子。
その女の子は、顔を真っ赤にしながらも、しかしまんざらでもなさそうに唯先輩を見つめながら、ちょっと堅い笑顔を浮かべています。
自分の背中に回された腕に、ちょっと控えめに手を添えて、ぎりぎり抱き合っているようないないような、そんな感じの構図で。
そして、その少女は…
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:23:07.31 ID:PvHNir790
>>4 エスパー?
梓「わ、私?!これ私?!」
今まで感じた事の無いショックを受けました。どう表現したら良いのでしょうか?自分が勝手に、絵に描かれて、しかもそれが本になっているのです。
しかも、この構図は…!
梓「こ、こんなの勝手に!な、なんなのコレ?!」
心臓がどくどくと脈打って、手に変な汗をかいていました。そうだ、中身は。中身はどんな内容なんだろう。
梓「…ひっ!」
適当にバラバラとめくっていると、絵の中の唯先輩と私は、ベッドの中で抱き合いながら、…キスをしていました。
梓「なにこれ…なにこれ…!」
バラバラと、ページの最初から最後を行ったり来たりして、内容を把握しました。
私が、唯先輩に、こ、告白して、唯先輩が受け入れて…そのまま、ベッドでキスするという、それだけの内容。
だけど、絵とは言え、自分達をモチーフにした人物が、女同士でそんな事をすると言う内容は、非常に衝撃的で…!
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:25:16.73 ID:PvHNir790
>>9 ごめんなさい。投下初めてでよく分からなくて
梓「…はあ、はあ。なにこれ、なんなのこれ」
息が乱れ、心臓も乱れ、私は明らかに動転していました。だから、背後から声がかけられ、私は思わずその本を鞄の中に隠してしまったのです。
純「梓ー?」
梓「ひあっ!」
純「おーい梓ー、こんなところで何してんの?」
梓「な、なんでもないっ!なんでもないから!」
いそいそと、教室から出て、純と合流しました。立て続けにびっくりして、私の心臓はもうどうにかなってしまいそうなほどドキドキしていました。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:27:51.78 ID:PvHNir790
純「あっそー?じゃー、私ジャズ研いくから。じゃあねー」
梓「う、うん。じゃあね」
追求されたらどうしようかと思いましたが、純はあっさりと解放してくれました。気を遣ってくれたのか、特に勘ぐる事がなかったのか…とにかく、見つかったのが純で助かりました。
梓「…どうしよう、これ」
流れで持って来てしまった、さっきの本。
しばらく悩んだ末、…結局、そのまま持って行く事にしました。明日、持ち主にあたってみて、返せそうなら返そうと思いました。
机に戻しておけばよかったのかもしれませんが、改めて机に戻すのも気後れしたし、それに…
なんとなく、なんとなくだけど、…この本を、ちょっと手放したくなくなっていたのです…。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:29:35.58 ID:PvHNir790
…
じたく!
梓「はあ…」
今日の練習は散々でした。
唯先輩を意識するあまり、なんだか演奏が滅茶苦茶になってしまって、皆から心配されてしまった程です。
結局、ちょっと風邪気味だと嘘をついて、今日は早めに部活を切り上げさせてしまいました。
梓「はあ…なにやってるんだろう」
ベッドに倒れ込むように横になりながら…さっきから気になっているのが、あの本の事でした。
梓「…持ち主の、名前とか、書いてないかな」
書いてある訳ないと思いながらも、一応目を通す事にしました。…いや、これは口実でした。
私は、この本の内容が気になってしょうがなかったのです。
梓「…ありえないよ、こんなの。女の子同士で、こんなの…」
はあ、はあ。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:31:22.80 ID:PvHNir790
>>17 詳細たのみます。
梓「…だって、唯先輩が、こんな…私の事なんか、好きな訳ないもん…」
はあ、はあ。
梓「…唯先輩に…告白したって、きっと断られるもん…唯先輩が…こんな…ある訳ないもん…」
はあっ、はあっ。
梓「…唯先輩…唯先輩…!」
はあっ、はあっ…!
…
罪悪感で一杯でした。
私は、その本を使って…唯先輩にベッドに押し倒されて、抱きしめられながらキスされるシーンを使って、オナニーしてしまいました。
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:32:06.30 ID:PvHNir790
梓「…あー…」
枕に顔を埋め、自らの愚行をひとしきり悔いました。
梓「…でも、本当に唯先輩にああいう風にされたら…気持ちいいだろうな…」
枕をぎゅうっと抱きしめます。顔が火照って、多分耳まで真っ赤になっている事でしょう。足をバタバタさせて、気を紛らわせました。
ちらり、と、サイドボードに放ったあの本を見やります。あ…人に、見られるとまずいから、隠さないと…
本を手に取って、またパラパラとめくりました。
梓「ん…?」
奥付に、作者のものと思われるHPのURLがありました。
梓「HPあるんだ…!」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:33:40.82 ID:PvHNir790
がばっと、ベッドから起き上がり、机のノートPCに向かいました。
梓「えーと、http…。うわ…!すごい…」
BLOG形式のHPで、記事ごとにCGが掲載されていました。そして、そのCGは…。
梓「これ、全部私たちなの…?」
黒髪のロングヘアー。これは多分澪先輩。カチューシャをつけているのは律先輩。金髪のロングヘアーはムギ先輩。
けいおん部のみんなが、抱き合ったり、キスしたり、しているCGが、たくさんありました。
梓「あ…なんか、違うのもあるんだ」
けいおん部以外のものもたくさんありました。知っている漫画のキャラクターのCGなどもあって、なるほど、これはいわゆる同人というやつなのだと、今更の様に思い至りました。
梓「あ!この本が売ってる…!」
サイドバーのリンクに、この本の表紙の絵があり、クリックすると別のECサイトにリンクしました。
梓「700円…うう、結構高いなあ」
他の本も何冊か見てみましたが、だいたいそのくらいの値段でした。
梓「どうしよう…これ、欲しい。他にも欲しいのが一杯ある」
…結局、その日、ネットを遅くまで物色していて、気づけば午前4時になっていました。寝不足確定…。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:35:36.66 ID:PvHNir790
がっこう!
梓「…おはよー」
純「おはよー…って、梓。どうしたの?体調悪いの?」
憂「梓ちゃん、顔色悪いよ?大丈夫?」
梓「…うん、大丈夫…」
憂。純。
昨日のサイトから辿って、他のサイトにも行きました。他のサイトにはこの二人を扱った本もありました。
サンプルしか見てないけど、この二人が、…Hしたりとか…まあ、色々。
純「ははあ、さては深夜のエロサイト巡回で寝不足なんじゃないの?」
梓「なっ!ち、ちがっ!ばか純!」
あまりに図星で、無様に取り乱す私。
純「あはは、ごめん!でもなんか、一応元気そうだね?すごい顔色悪いからさあ」
3時間しか寝てないからね…
こんなに短い睡眠時間で学校に来るのは初めてでした。授業ちゃんと聞けるか心配です…
…
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:37:17.41 ID:PvHNir790
ほうかご!
結局、殆どの授業を寝て過ごしてしまい、何度も先生に怒られてしまいました。
休み時間の度に、純に茶化されて、今日は本当に失敗しました。
…さて。
今私は、ある所に向かっていました。
そのある所とは…
ガラッ
無人の教室。普段は使われていない、未使用教室。
梓「…別の本が、入ってる…」
昨日、この本が入っていた机に、また別の本が入っていました。今度は3冊も。
手に取って、表紙を確認すると…
梓「…こ、これは…」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:38:40.69 ID:PvHNir790
一冊目。
私と憂が、唯先輩に首輪とリードを着けられ、犬の様に四つん這いでハイハイしているという、過激な表紙。
中身は更に過激で、唯先輩におしりを向けた私と憂が、うしろからオモチャで何度もイカされているような内容。
オモチャを入れられたままハイハイさせられたり、憂とちゅうしながら唯先輩の指で二人同時にイカされたり、唯先輩の足の指を憂と一緒にぺろぺろさせられたり…
私と憂は、唯先輩のペットになっていました。こんな、倒錯的な概念がある事を、今日初めて知りました。
今日のおかず、決定。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:40:28.11 ID:PvHNir790
二冊目。
今度は、趣向を変えて、澪先輩と律先輩の本。
内容は、律先輩と澪先輩の恋愛話。お互いに好き合っているのに、結局お互いに打ち明けられず、二人は別々の大学に…そして、徐々に疎遠になっていって、それでもお互い、ずっと思い合っていて…
最後、澪先輩の結婚式の招待状に、律先輩が不参加に丸を付け、そしてポストに投函し、そこで二人の関係が、本当に終わる…。そんな内容。
さっと内容を読んだだけでしたが、切なくて涙が出そうになりました。
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:41:49.70 ID:PvHNir790
三冊目。
これは、昨日見つけた本でした。憂と純がHする内容。
ストレートに、純が憂に告白し、そのままHするというストーリー。ひねりが無い分、Hの描写が濃厚。超濃厚。
女の子同士って、こうやってHするんだ…。ごくり…。
はっ、と、我に返って周囲を警戒します。幸い人の気配はなかったので、私は昨日の本を机に戻し、新しい3冊を鞄に入れて、部活に向かいました。
家で、さっきの本を熟読出来ると思うと、今からわくわくしました。
梓「これ…借りても良いんだよね…?」
梓「…ん?」
本の間に、ルーズリーフが一枚、挟まれていました。
梓「なにこれ…リクエストシート…?」
本の名前がリストアップされて、横にチェックと、感想を入れる欄がありました。ああ、なるほど。
こうして、私と彼女達の、不思議なコミュニケーションが始まりました。
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:45:01.09 ID:PvHNir790
…
両手首に、圧迫感。
体勢を変えようとして、身体を動かすと、両足首にも圧迫感。
口の中が不自然に乾燥していて、つばを嚥下しようとして、失敗してえずく。口が、閉じられない。
目を開くと、そこは、薄暗いコンクリートの部屋。
すえた匂い。蝿の羽音。それらに混じって、嗚咽。うなり声。
ここは一体、どこだろう?
切れかけた電球が、唯一の明かり。
その僅かばかりの明かりを、ふっと、大きな陰が遮り、私は反射的に視線を向ける。
梓「…っ!」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:46:31.13 ID:PvHNir790
全裸の、ぶよぶよに太った中年の男が、薄ら笑いを浮かべながら立ちはだかっている。
叫び声を上げようとして、でも口が閉じられなくて、おあー、と、変なくぐもったうなり声だけが絞り出される。
今更のように気づく。
口は、金属製の器具で開いたまま固定されていた。
両手足は後ろでまとめて固定されている。正座で、後ろ手に組んで、それらをひとまとめに括ったような感じ。これで、ほぼ身動きが取れない。
唯一、自由に動く首を巡らせると、そこには憂が居た。
憂も、私と同じように、全裸で両手足を拘束され、同じように金具で口を開いたまま固定されていた。
私と違うのは、更に鼻の穴にフックのような物を着けられ、つり上げられていた事。これで、首を動かすことすら出来ない。
憂も、私と同じように、あー、あー、と、くぐもったうなり声を上げ、ぼろぼろと涙をこぼしている。
その正面に、男は立っていた。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:48:18.35 ID:PvHNir790
その股間の、屹立した汚らしい男性器を、しゅっ、しゅっ、と、擦り上げながら、徐々に憂に近寄って行く。
男「ふひひひっふひ」
憂「あー、あー、…おあー!あー!」
しゅっ、しゅっ、しゅっ、と、男は醜い顔を更に歪めながら、男性器を擦り続ける。
憂は顔を背けようとして、でも鼻が固定されて、身動きがとれず、否応無しにその男性器を真正面からとらえ続ける。
憂は可愛い。整った顔立ち。愛らしい目。鼻。口。おおよそ、人に愛される為に生まれて来たような、愛くるしい顔。
その顔が、今はフックでつり上げられ、豚そっくりに変形し、開かれた口からは止めどなくよだれがこぼれ、最早それはただのメスの動物のそれに成り果てていた。
そして、その存在意義は、目の前の不細工な中年の、男性器から迸る、それを受け止めるためだけの存在に成り果てていた。
憂は、精液便所になっていた。
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:49:07.67 ID:PvHNir790
憂「あー、おあー!あー!」
男「ふひっ!ふひひひっ」
しゅっ!しゅっ!しゅっ!
ぷしゅ、と、音がして、男は射精した。
狙いを定めて。
ぴゅ、ぴゅ、と、白濁した液体が、憂の顔面に、髪に、そして口内に、ぼと、ぼと、と、まき散らされた。
憂「あ、、お…、あ、あ…」
ぼろぼろと、涙をこぼす。
男は、顔中に散った精液を指でかき集め、口の中に塗りたくる。男性器に残った精液を、性器ごと直接顔になすり付け、それも全てかき集めて口に運ぶ。
そして、横に備え付けてあったペットボトルの水を注ぎ、無理矢理嚥下させた。ご丁寧に鼻をつまんで、精液ごと飲み干さないと呼吸が出来ないようにして。
人間としての尊厳をぼろぼろに破壊され、憂は正気を保つのもやっとだっただろう。
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:50:12.78 ID:PvHNir790
…憂の奥にも、人の気配があった。あれは多分、純だろうか。反対側に首を向けると、澪先輩。その奥には唯先輩。その更に奥は、多分律先輩。
皆、憂とお揃いの鼻フックで、豚そっくりの顔の便所になっていた。
唯先輩は、ばしゃばしゃと小便をかけられ、それを飲まされていた。澪先輩は、胸を鷲掴みにされながら男性器を直接口の中に入れられ、喉を犯されていた。
憂の前から、その中年の男が去ると、その後ろに並んでいた男が、薄ら笑いを浮かべながら、憂の前に立ちはだかった。
憂「…あー!あー!」
もう、やめてくれ。やめてくれ。
不意に、人の気配。
おそるおそる、私は正面に首を向ける。
そこには、さっきに中年に負けず劣らずの、汚らしい風浪者の様な中年の男が…!
驚愕する私の意思は一切関係なく、私も憂と同じように、鼻にフックを掛けられ、頭を固定された。豚そっくりの顔で。
男「はあー、はあーっ」
しゅっ、しゅっ、しゅっ!
…そうして私も、精液便所になった。
…
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:51:28.46 ID:PvHNir790
倒錯していました。屈折していました。
徐々に分かったのは、私の異常な性癖でした。
梓「はあ…はあ…」
事を終え、私はその本を枕元に伏せました。
私はMだったようです。それも極めて本格的な。
梓「これは…名作だった…」
タイトルは何のひねりも無く、「べんじょ!」というもので、絵もなんとなく乱雑でしたが、どことなくリアルでダークな雰囲気が、このシチュエーションとマッチして、何とも言えない完成度になっていました。
梓「でも、やっぱり、犯されるなら唯先輩がいい。…唯先輩じゃないと、やだ。…でも、憂。憂が、こんな風に、便所にされるの、凄い良い」
唯先輩には、いじめられたい。憂は、いじめたり、もしくはいじめられているのを見たい。
…単純に、一方的なMという訳ではなく、人物によって嗜好性が変わる、という感じなのでしょうか。そうすると、単純にMというわけでもないのでしょうか。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:53:59.95 ID:PvHNir790
>> ごめんね。もう男出ないから許して。
思い返してみれば、この本についても、おかずになったのは主に憂でした。
他のメンバーも、同じくらいの描写があったのですが、専ら憂でした。
唯先輩がおしっこを飲み干すのも、確かにくるものがありましたが…やっぱり、なんか、違うのです。
梓「でも、これは…10点だよね。うん」
私はシートに、大きく「10」と書き込み、感想を書き入れました。「強いて言うなら、虐められるのは憂だけの方がより良かった」
このやりとりは、既に1ヶ月ほど継続され、シートは既にクリップで何枚も留められていました。
いろんなシチュエーションの本を、既に50冊近くは読んだでしょうか。
ぱらぱらと、シートをめくります。今まで、10点をつけたのが、これを含めて4冊。
一冊目は、二日目にもらった、憂と私が唯先輩のペットになる話。二冊目が、原点に戻って、初めて読んだ、唯先輩とキスする話。(多分に、思い出補正。)
三冊目は、なぜか私に男性器が生えてしまい、けいおん部の先輩のみなさんに犯される話。
唯先輩の膝の上に乗って、キスしながら、手でしこしこされながら…唯先輩のお尻や胸をモミモミするシーンは、それだけでも三杯くらいはイケます。
そして、今回の、憂が便所にされる話。
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:55:33.35 ID:PvHNir790
梓「さて…」
ノートPCに向かい、「べんじょ!」を検索しました。600円。うん、良心的。
8点以上は、無条件に購入。7点以下は、ものによっては購入。
そんな感じで、すでに10冊近く、購入していました。ちょっと金銭感覚が変わったような気もしますが、まあたいした問題じゃあないでしょう。
ブー、ブー
梓「ん…メール。あ…唯先輩」
晩ご飯の写メールでした。憂が作った料理と、唯先輩と憂。やっぱり仲いいなあ。くすり。
ブー、ブー
立て続けに、もう一通。また唯先輩。
「今、電話してもいーい?」
梓「…なんだろ」
「どうぞ。」
続いて、着信。
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:58:19.96 ID:PvHNir790
梓「…あ、もしもし、唯先輩?」
唯『やっほー、あずにゃん』
梓「どうしたんですか?」
唯『えーっとね、えへへ…』
梓「…?」
唯『あのね、ちょっとね。えーっと、今何してたの?』
今、ナニ、してたの?
梓「…別に。本読んでました」
唯『そうなんだあー。えへへ』
その日に限って、唯先輩は非常に歯切れが悪く、何のために電話して来たか全く分かりませんでした。別に、世間話をするとか、暇だから話し相手になって欲しいとか、そんなのでもなく、…本当の用事を、なかなか切り出せないでいる様な…
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:00:25.03 ID:PvHNir790
梓「…唯先輩。何の用ですか?」
唯『…えーっとね。あのね、ちょっと教えて欲しい事があって…』
何となく、嫌な予感がしました。
ここ最近、私は、本にハマってしまって、私生活のかなりの割合を「こちら側の趣味」に費やしてしまっていました。
ギターを触る時間はかなり減っていました。部活も、「練習しないなら帰りますんで」と言って、実際にさっさと帰ってしまう事が多くなっていました。
授業中は、基本的にはうとうとしていて、暇な授業は殆ど寝ていました。夜更かしして、「読書」したり、ネットを見る生活が常体化してしまっていたのです。
唯『あずにゃん、さあ。なんか、最近ちょっと、雰囲気が変わったかなーって。あ、別に変な意味じゃないよ!あの…』
梓「…」
唯『ちょっとね、その、りっちゃんとか、その、結構心配してて…』
梓「…」
唯『あと、その…ね?憂とかが、ちょっと。あのね、えーと…』
梓「…」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:01:57.63 ID:PvHNir790
唯『最近、ね?ちょっと、あずにゃんの視線が、ちょっとね、なんか…えーと、…怖いっていうか…変だって、言ってて…』
梓「…」
唯『それでね?あずにゃん、最近、変な人たちとつきあったりしてない?』
梓「…なんですか、それ?」
唯『あ、あのね?別にそう言うんじゃなくてね…?ただ、ちょっと、憂もその…心配してて。授業中も寝てるし、部活も帰っちゃうし。皆といても、そのなんか楽しそうじゃ無いし…』
梓「唯先輩…率直に聞きたいんですが」
唯『あ、な…なあに?』
梓「鞄見ました?」
唯『…あ…!あのね…そういうんじゃなくて…ね?』
ぽち。ぷー、ぷー。
…。
……。
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:07:09.01 ID:PvHNir790
頭が、真っ白でした。
直後、着信が来たので、即座に切りました。電源も落としました。
梓「…見られたんだ」
今日、だろうか?今日だとすると、鞄の中には、さっきの本と、あと、比較的ノーマルな三冊。
いや。全部、普通に見ればアブノーマルなんだ。私が、もう慣れてしまっただけで。最初は、唯先輩とキスする内容だけで、あんなに取り乱したじゃないか。
梓「…もうだめだ」
おそらく、もう、関係は修復不能でしょう。もう、無理。絶対無理。
両親にも、今までに出来たどんな親しい友達にも、誰にも相談した事がありませんでしたが、…私は多分、同性愛者です。
小中と、特に好きな男の子も出来ず…そして高校で、初めて好きになった人が、唯先輩でした。
梓「もうだめだ」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:08:40.62 ID:PvHNir790
でも、今の関係を壊したくなくて。私はずっと、我慢して来ました。
でも、唯先輩のスキンシップは、暴力的で。理性を保つのがやっとで…
そんな中、擬似的とは言え、私の想いが成就している内容の本に、私は我を忘れて夢中になってしまったのです。
振り返ってみれば、私のここ一ヶ月の変容ぶりは、露骨だったんだと思います。
直接的には口に出さなくても、多分皆不審がっていた事でしょう。
仲良くしている憂や純を視姦した事もありますし、じゃれあっている澪先輩や律先輩を視姦した事もあります。
いや、した事がある、なんてもんじゃなくて、最近は常にそう言う事しか考えていませんでした。
多分、それは、自分が思っている以上にバレバレだったに違いないのです。
でも…普通、友達がそんな事考えてるなんて、思うでしょうか?思ったとして、それを口に出せるでしょうか?
きっと、自分が邪推してしまっているだけだと、自分に問題があると、大抵の不信感はスルーするものです。
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:10:32.11 ID:PvHNir790
なんとなく、察してしまいながらも、それでも友達に対して、そんな疑惑をストレートにぶつけられる訳も無く…少しずつ、少しずつ、猜疑心が蓄積されていったに違いないのです。
そして、今日、先輩方の私に対する猜疑心が許容範囲を超えて、私の秘密が暴かれてしまったのです。
そして、その猜疑心が事実だった事を知り…
確認するまでもなく、私たちの関係は…終わりました。
全ては、私の異常な性癖のせいで。
…
…翌日、私は学校を休みました。
ベッドに倒れ込むように、トイレと食事以外、ずっと寝て過ごしました。
目が覚めては、枕に顔を埋め、ぼんやりと、睡魔がくるのを待って、気がつくと眠っていて…
そんな事を、何時間も続けて。
気がつけば、外は薄暗くなっていました。
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:12:01.61 ID:PvHNir790
ピンポーン
梓「…ん…」
インターホンの音。
今、家には誰もいません。正確には、私以外の誰もいません。
唯一、この家にいる住人は、来客を迎える気がありません。なので、来客はあきらめて帰るしかありません。帰るしか、なかったはずです。
ピンポーン
…ずっと、無視し続けて、もう30分以上、経ったでしょうか。
1分に一回くらい、ピンポーン、ピンポーンと、インターホンが鳴り続け…私はとうとう、根負けして玄関に向かいました。
来客の見当は、だいたいついていました。
ガチャ
唯「…やっほー」
梓「…唯先輩」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:13:39.99 ID:PvHNir790
…私は、無言で唯先輩を招き入れ、唯先輩も無言で入って来て…今、二人で、リビングで向かい合っていました。
唯先輩は、紅茶の入ったマグカップに口をつけ、一息ついて、ようやく切り出しました。
唯「…あの、あずにゃん。昨日はごめんね?」
梓「…なんで、唯先輩が謝るんですか」
悪いのは、私だ。
唯「…だって、勝手に、その…鞄…」
私が視線を向けると、唯先輩は、ふいっと、目を逸らしました。後ろめたいのか、それとも、気味悪がって目も合わせたくないのか…
多分、後者。本当は、今日ここに来るのだって、嫌だったんだと思います。
それでも…唯先輩は、優しいから。私が今日、学校を休んだのが、自分のせいだと思い込んで、来てくれたのです。
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:15:32.27 ID:PvHNir790
唯「あのね、あずにゃん?多分、その…あれ、見られて、あずにゃん凄く怒ってるよね?」
梓「…怒ってるといいますか…だって、あんな内容ですから…皆さんとはもう、一緒に居られないかなと…」
唯「あのね、あずにゃん?そんなに、状況、悪くないの。みんな、そんなに、気にしてないんだよ?」
梓「…」
唯「その、気にしてないっていうか…その、心配しているの。あずにゃんの事。皆、凄く」
梓「…」
唯「最近、授業中も寝てばっかりだよね?憂から聞いてるよ。ギターもなんだか、あんまり触ってないよね?話しかけても、上の空だし、あずにゃん最近、ちょっとおかしいよ」
梓「…」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:16:28.09 ID:PvHNir790
唯「だからね?その、あの…鞄に入ってた本。あれね?あれのせいなんだとしたら、その…」
梓「…唯先輩。別に、あの本のせいじゃないですよ。私、昔からこうなんですよ」
カミングアウト。
梓「私、レズなんです。女の子が好きなんですよ」
唯「…」
梓「あの本、ですね。私の妄想が、具体化しただけなんですよ。いっつも妄想してましたよ。唯先輩に犯されるの」
唯「あ、あずにゃん…」
梓「私、変態なんです。唯先輩にいじめられる妄想してオナニーする変態なんですよ」
唯「…あずにゃん」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:17:26.52 ID:PvHNir790
梓「私、気持ち悪いですよね?もう、一緒に居たくないですよね?だから、もう放っておいてもらえませんか?」
唯「あずにゃん。私はね?」
梓「…なんですか?まだ、何か?」
唯「私、ね。受け入れられるよ。あずにゃんのこと。その、私の事、妄想で使ってるのも、全部。受け入れられる」
梓「…だから、何だって言うんですか?」
唯「お願い、捨て鉢にならないで聞いて?私は、あずにゃんの事が、大事なの。大切なの。りっちゃんだって、そう思ってるよ?ムギちゃんだって、澪ちゃんだって。もちろん、憂だってそうだよ。」
梓「…」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:18:27.03 ID:PvHNir790
唯「りっちゃん、鞄の中見たの、すっごい後悔してた。あずにゃんにも、その…秘密とかあって当たり前なのに。無神経に鞄、開けて、秘密を暴いちゃったって。ほんとだよ?りっちゃん、泣いてた。あずにゃんの事、傷つけちゃったって。ムギちゃんも泣いてた」
梓「…」
唯「わかるよね?みんな、あずにゃんの事、絶対に嫌いになんてならない。絶対だよ?わかるよね?」
梓「…」
唯「あずにゃん…」
梓「…唯先輩、無理です。…ごめんなさい…信じられません」
唯「あずにゃん…どうして?…あずにゃん…私の事、私たちの事、嫌いになっちゃった?」
梓「…そんな訳、ないじゃないですか…」
唯「…じゃあ、なんで?どうして信じてくれないの?」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:19:11.87 ID:PvHNir790
梓「…私は、唯先輩の事、好きです。けいおん部の皆さんも、憂も好きです。でも、皆さんは、私の事、気持ち悪いって思ってて、私の事、嫌いなんです」
唯「…あずにゃん…意味が分からないよ…あずにゃん…あずにゃんは、一体どうしたいの?私、どうしたらいいの?どうしたら信じてくれるの?」
梓「…」
唯「あずにゃん…」
梓「…証拠…」
唯「え?」
梓「証拠…見せてください」
唯「…あずにゃん…?…証拠って…」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:20:26.80 ID:PvHNir790
唯先輩は、私の切り返しに、狼狽していました。でも、すぐに笑顔になって…
唯「…いいよ。それであずにゃんが信じてくれるなら、なんでもするよ?」
私は、私の事を受け入れてくれるという唯先輩の言葉を、信じたくて、受け入れたくて…つい、そんな事を言い出してしましました。
私は、本当に不安で、でも受け入れてもらえるんじゃないかという期待もあって…そして、その傍ら、心の奥底では、唯先輩の善意を利用して、自分の欲望を満たそうともしていたのです…
…本当に、どうしようもない、変態でした。
…
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:22:05.82 ID:PvHNir790
唯「…あずにゃん、これでいいの?」
梓「…はい…このまましばらく、抱きしめてください…私が良いって言うまで」
私は、ソファーに座った唯先輩の膝に、正面から向かい合うように、またがって座り、抱きつきました。
(制服がしわになるといけないので、お母さんのスウェットに着替えてもらいました。)
梓「…もっと、ぎゅーってしてください」
唯「…うん。ぎゅー…」
…ああ…
久しぶりの、唯先輩の感触。唯先輩の体温。唯先輩の匂い。
たまらなく心地よく、思わずぶるっと身体が震えました。
身体をもぞもぞと動かし、唯先輩の胸に顔を埋め、すりすりと感触を求めました。唯先輩は、よしよし、と言いながら、私の身体を撫でたり、頭を撫でたりしてくれました。
呼吸をする度に、唯先輩の匂いが鼻腔をくすぐり、もっとその匂いが欲しくなり、酸欠になりそうな程、唯先輩の匂いを求めました。
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:25:11.47 ID:PvHNir790
唯「…あずにゃん…良い子だね。あずにゃん…よしよし。いいこいいこ…」
梓「…ゆいせんぱい…」
母親に甘える子猫のように、私は貪欲に、唯先輩の身体を堪能しました。
ただ、そうして甘えながらも、心のどこかで、最後の最後、どこか不安が残っていたのです。
今、唯先輩の顔を見たら…きっと、眉根を寄せて、侮蔑と軽蔑と、嫌悪と恐怖の入り交じった、拒絶の表情を浮かべているのではないか…
だから、こうして甘えながらも、私は怖くて、一度も唯先輩の顔をみられませんでした。
でも…唯先輩なら。きっと。
顔を上げて、ちらりと唯先輩の顔を見ました。
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:26:42.58 ID:PvHNir790
唯先輩は…まるで母親のように、母性愛たっぷりの表情を浮かべていました。
私と目が合うと、「ん?」と、首を傾げてきました。
唯「あずにゃん、なあに?」
微かに上気し、目を細めた唯先輩が、どことなく艶っぽい、色っぽい笑みを浮かべながら、私を促します。
唯「ん?」
…全くの、杞憂でした。もう、疑う余地もなく、証拠云々言うまでもなく…
梓「…ゆいせんぱい…ゆいせんぱあい…」
私はまた、唯先輩の胸に顔を埋めて、すりすり、すりすり、と、唯先輩の身体を求め続けました。
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:27:40.40 ID:PvHNir790
唯「あずにゃん、いいこいいこ。…よしよし。可愛いね、あずにゃん…」
…唯先輩は、とんでもなく、甘えられ上手でした。この安心感、多幸感を味わったのは、いつ振りでしょうか。もっと小さい頃、お母さんに甘えている時の様な、そんな感覚。…もう、二度と得られないと思っていた、幸福感。
このまま、いつまでもこうしていたい。そんな気持ちを、唯先輩は汲んでくれて、根気強く私をあやし続けてくれました。
今の私は、幼児の精神状態そのものでした。身も心も、すっかり唯先輩に委ねて、ただひたすらに唯先輩の愛情を求め続けていました。
唯「あずにゃん。おふとん、行こっか」
梓「…はい…///」
そして、私の成長した身体は、醜く歪んだ肉欲を満たす為に、更なる快楽を求めて、「それ」を唯先輩に差し出しました。
…
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:28:35.82 ID:PvHNir790
梓「…ゆ、ゆいせんぱい…これ、なんだか分かりますか?」
布団の中で、さっきのように甘えながら、私はそれを唯先輩に差し出しました。
唯「…うん、…これ、…いけないオモチャだよね?」
梓「そ、そうです。いけないオモチャです///」
それは、コードの付いた丸形のスイッチでした。そのコードは、私の下半身に伸び、ズボンからひょろっと顔を出していました。
梓「…少しずつ、強くしてください」
唯「うん…いいよ」
唯先輩は、私からスイッチを受け取ると、…スイッチを操作して、一番弱い刺激を与え始めました。
梓「…ああっ…///」フルフル
…気持ちいい…。
ヤバいです。
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:30:10.71 ID:PvHNir790
少しずつ、少しずつ、唯先輩は刺激を強めて行きます。まるで、私の身体の感じ方を熟知しているかのように、常に私が一番気持ちいい刺激を作り出し、同時に背中や頭の愛撫を続けてくれます。
梓「あっ…あっ…唯先輩…唯先輩…///」
唯「あずにゃん…いいこ、いいこ…」
唯先輩と密着し、背中や頭をなで回されながら、かつて無い快感を味わって…ゆるゆると、ねちっこく、じわじわと、私の性感が高められていきます。
身体の面積の殆どを唯先輩に密着させながら、それでも更に唯先輩の事を求めて、身体を擦り付けます。体中に唯先輩の匂いを擦り込みながら、今まで感じた事の無い、幸福感に包まれながら、頭が真っ白になりそうな程の快感が体中を駆け上ってきます。
梓「ゆいせんぱい…ゆいせんぱい…///…もう、いっちゃいます…///」
唯「いいよ。あずにゃん、いっちゃうところ、見ててあげるね」
梓「ああ…っ…///ゆいせんぱあい…///」
唯先輩にしがみつきながら、唯先輩に抱きしめられながら…私は、かつて味わった事の無い、絶頂を味わいました。
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:32:01.24 ID:PvHNir790
梓「…はあ、はあ…///」
唯先輩は、徐々に刺激を弱めながら愛撫を続けて、ゆるゆると、たっぷりと、私に絶頂の余韻を味わわせてくれました。
放心したように、私はしばらく、何も考えられず、無意識に唯先輩に身体を擦り付けていました。唯先輩は、そんな私を、ずっとあやし続けてくれました。
ようやく、意識がまとまりを帯び始め、私は唯先輩の顔を見上げました。
唯「あずにゃん。気持ちよかった?」
梓「…///」コクリ
さっきと同じ、母性愛たっぷりの微笑みで私を見つめながら、唯先輩はまた私をぎゅーっと抱きしめてくれました。
梓「…唯先輩。疑ってすいませんでした」
唯「ん?」
なにが?と、髪を優しく梳きながら、唯先輩が促してくれます。
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:33:42.78 ID:PvHNir790
梓「…証拠、見せろとか、失礼な事言って、すいませんでした」
唯「くす。信じてくれた?私が、あずにゃんの事、大好きだって」
梓「…はい。信じました」
唯「あずにゃん、ありがとう。あずにゃん、だいすき」
唯先輩はそういいながら、愛撫を続けてくれました。余りの心地の良さに、もう死んでも良いと、本気で思ってしまいました。
梓「…あ、あの。だ、だけど…私、こんな性格ですから。多分、また、不安になっちゃう事、あると思うんです。だから、その…」
唯「…ん?あずにゃん、言ってごらん?」
梓「その…また、不安になったら、またこうして、私の事、甘えさせてください。…いいですか?」
唯「…くす。もちろん。あずにゃんが不安になったり、さびしくなったら、いつでも呼んで。すぐ駆けつけるよ」
梓「…唯先輩…ぐずっ…嬉しいです。唯先輩、大好きです」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:35:15.58 ID:PvHNir790
唯「あずにゃん、私もあずにゃんの事、大好き」
梓「うええ、唯先輩。嬉しいです。唯先輩、唯先輩!」
唯「あずにゃん…よしよし」
私は、子供のように泣きながら、ずっと唯先輩にしがみついて、身体を摺り合わせて…
唯先輩は、そんな私をずっとあやし続けてくれました。私が泣きつかれて、眠ってしまった後も、ずっと私を抱きしめながら、身体を撫でてくれていました。
唯先輩。大好きです。
唯先輩と私は、きっと違う。だから、今日だけ。今日だけは、私だけの唯先輩でいてください。
唯先輩…大好きです…
唯先輩…
…
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:38:02.17 ID:PvHNir790
よくじつ!
梓「…あの、皆さん…すいませんでした」
翌日。部室に入るなり、私は、ぺこりと、勢い良く頭を下げました。
律「い、いやいや!別に気にしなくていいって。っていうか、ごめん!勝手に鞄の中見ちゃって!」
紬「こっちこそ、本当にごめんなさい。勝手に、あんなこと、ほんとに…」
今日、私は、唯先輩につれられて、2日ぶりに部活に出ました。学校は休んで、部活だけ…とんだ不良です。
先輩方は皆、私を取り囲んで、優しい言葉をかけてくれて…安堵感と嬉しさで、不覚にも泣いてしまいました。
唯「ね?全然、心配なんていらなかったでしょ?」
梓「はい…ぐす…嬉しいです」
先輩方全員に、ひとしきりなで回されました。
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:39:23.31 ID:PvHNir790
澪「いやー、私は見てなかったんだけど…そんなに凄いのか?その本」
律「いやー、凄いっていうか…なんていうか…『こんな概念があったのかー』みたいな…ハハ」
紬「そうね、すごかったわね//」ボタボタ
律「おーい、ムギー。鼻血出てるぞー」
無理なく、自然に、私を受け入れてくれようとしています。本当に、嬉しくて、涙が止まりませんでした。
唯「まあ、あれだよね!あずにゃんは、あずにゃんじゃなくて、エロにゃんだったという事で」
律「あが!唯、アホか!」ゴチン
その掛け合いに、思わず、ぶは、と、吹き出してしまいました。
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:40:56.29 ID:PvHNir790
梓「くっくっくっ、はい、すいません。エロにゃんでした…すいません。くっくっくっ。あははは」
澪「あははは、なんだよそれ!あはは!」
澪先輩は、つぼに入ったようで、珍しくケラケラと笑い始めました。
つられて、ムギ先輩も笑い出しました。
律先輩は苦笑しながら、それでも、優しい顔を浮かべて。
そして、唯先輩。唯先輩は、いつものほにゃっとした笑顔を浮かべて、律先輩に小突かれたところをさすっていました。
もう、多分、大丈夫。あの趣味は、現時点をもって封印します。本も捨てます。結局、一度も顔を合わせる事もありませんでしたが、例の交流も終わりにします。
私の抱える問題は、実はもう少し複雑というか、難しくて、今回の件で解決するものではありません。これは、一生向かい合って行かなければならない事です。
世間の風は、もしかすると想像よりずっときついのかもしれません。
それでも…私は。この想いは、本当だと。多少、いや、多分に不純ではありましたが、私の本当の気持ちは、そんなに変なものじゃあないと、胸を張って、自己主張して行きたいと、思いました。
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:43:04.49 ID:PvHNir790
…
唯「…ねえ、あずにゃん?」
梓「はい、唯先輩?」
久しぶりの演奏。
皆が楽器の準備で背を向ける中、唯先輩が私に耳打ちしてきました。
唯「私とあずにゃんね、凄く…相性、いいと思うよ?えへへっ」
梓「え…っと?//え?//それってどういう…//」
唯「『ゆいあず』って、意味、分かるよね?」
梓「…//ゆい、せんぱい…?//」
唯先輩は、誰も見ていない事を確認すると…素早く、私のほっぺたにキスをして、定位置に小走りに駆けて行きました。
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:44:39.70 ID:PvHNir790
唯「おーい、あずにゃん!はやく!ひっさしぶりの演奏~♪」
さっきの、どこか色気を含んだ、落ち着いた声色から、一転していつもの底抜けに明るい唯先輩に戻って。
唯先輩が、私を呼んでいます。
澪「おい、梓、大丈夫か?熱、あるのか?」
気がつくと、顔がものすごい熱くなっていました。多分、耳まで真っ赤だったんだと思います。
梓「い、いえ!すいません、すぐ行きます!」
ストラップを肩に掛け、定位置に…唯先輩の、隣に駆けつけます。
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:45:33.90 ID:PvHNir790
律「よし、それじゃあいくぞ!1、2、3!」
軽快なイントロ。しばらく、ギターをろくに触ってなかったので、指が若干もどかしいけど…やっぱりこれが、一番、楽しい!
私の抱える問題は、実はもう少し複雑で、難しくて…でも多分、この人がいれば。
ちらりと、隣を見やると。目が、合いました。
微笑む唯先輩。つられて、私も、思わずふにゃっと笑顔になり、気恥ずかしくてふいっと視線をそらしました。
…世間の風は、想像以上に、冷たいのでしょうか?私は蔑まれ、気味悪がられながら、これからの人生を歩んで行く事になるのでしょうか?
それでも。
この人がいれば。この人たちがいれば、私はもう。
終わり
梓「あ、あのごめんなさい。別に先生に言ったりしないので…わあ!」
3人はしきりに慌てながら、突き飛ばすようにして私の横を走ってすり抜け、そのまま廊下を駆け抜けて行きました。
梓「な、なんだったの?…ん?」
3人を呆然と見送り、改めて教室を見渡すと…机の中に、一冊の本があるのが見えました。
梓「あ…忘れて行ったのかな?」
相当慌てているようだったので、多分机の中に入れた一冊を取り忘れたのでしょう。
届けてあげた方がいいかな、と思い、その本を机から出しました。
梓「え…な、なにこれ…?」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:19:18.72 ID:PvHNir790
それは、B5サイズの、非常に薄い本でした。こんなのは、本屋さんで見た事がありませんでした。
しかも、その表紙が…なんだか、凄い事になっていたのです。
梓「え…これ、もしかして、唯先輩?!」
栗色のセミロングに、髪留め。桜ヶ丘高校の制服。ほにゃっとした柔らかな優しい表情。
絵ではありましたが、それは間違いなく、唯先輩をモチーフにしたものでした。
その唯先輩は、表紙の中で一人の女の子を抱きしめていました。
長い黒髪を頭の両側で結んだ、小柄な女の子。
その女の子は、顔を真っ赤にしながらも、しかしまんざらでもなさそうに唯先輩を見つめながら、ちょっと堅い笑顔を浮かべています。
自分の背中に回された腕に、ちょっと控えめに手を添えて、ぎりぎり抱き合っているようないないような、そんな感じの構図で。
そして、その少女は…
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:23:07.31 ID:PvHNir790
>>4 エスパー?
梓「わ、私?!これ私?!」
今まで感じた事の無いショックを受けました。どう表現したら良いのでしょうか?自分が勝手に、絵に描かれて、しかもそれが本になっているのです。
しかも、この構図は…!
梓「こ、こんなの勝手に!な、なんなのコレ?!」
心臓がどくどくと脈打って、手に変な汗をかいていました。そうだ、中身は。中身はどんな内容なんだろう。
梓「…ひっ!」
適当にバラバラとめくっていると、絵の中の唯先輩と私は、ベッドの中で抱き合いながら、…キスをしていました。
梓「なにこれ…なにこれ…!」
バラバラと、ページの最初から最後を行ったり来たりして、内容を把握しました。
私が、唯先輩に、こ、告白して、唯先輩が受け入れて…そのまま、ベッドでキスするという、それだけの内容。
だけど、絵とは言え、自分達をモチーフにした人物が、女同士でそんな事をすると言う内容は、非常に衝撃的で…!
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:25:16.73 ID:PvHNir790
>>9 ごめんなさい。投下初めてでよく分からなくて
梓「…はあ、はあ。なにこれ、なんなのこれ」
息が乱れ、心臓も乱れ、私は明らかに動転していました。だから、背後から声がかけられ、私は思わずその本を鞄の中に隠してしまったのです。
純「梓ー?」
梓「ひあっ!」
純「おーい梓ー、こんなところで何してんの?」
梓「な、なんでもないっ!なんでもないから!」
いそいそと、教室から出て、純と合流しました。立て続けにびっくりして、私の心臓はもうどうにかなってしまいそうなほどドキドキしていました。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:27:51.78 ID:PvHNir790
純「あっそー?じゃー、私ジャズ研いくから。じゃあねー」
梓「う、うん。じゃあね」
追求されたらどうしようかと思いましたが、純はあっさりと解放してくれました。気を遣ってくれたのか、特に勘ぐる事がなかったのか…とにかく、見つかったのが純で助かりました。
梓「…どうしよう、これ」
流れで持って来てしまった、さっきの本。
しばらく悩んだ末、…結局、そのまま持って行く事にしました。明日、持ち主にあたってみて、返せそうなら返そうと思いました。
机に戻しておけばよかったのかもしれませんが、改めて机に戻すのも気後れしたし、それに…
なんとなく、なんとなくだけど、…この本を、ちょっと手放したくなくなっていたのです…。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:29:35.58 ID:PvHNir790
…
じたく!
梓「はあ…」
今日の練習は散々でした。
唯先輩を意識するあまり、なんだか演奏が滅茶苦茶になってしまって、皆から心配されてしまった程です。
結局、ちょっと風邪気味だと嘘をついて、今日は早めに部活を切り上げさせてしまいました。
梓「はあ…なにやってるんだろう」
ベッドに倒れ込むように横になりながら…さっきから気になっているのが、あの本の事でした。
梓「…持ち主の、名前とか、書いてないかな」
書いてある訳ないと思いながらも、一応目を通す事にしました。…いや、これは口実でした。
私は、この本の内容が気になってしょうがなかったのです。
梓「…ありえないよ、こんなの。女の子同士で、こんなの…」
はあ、はあ。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:31:22.80 ID:PvHNir790
>>17 詳細たのみます。
梓「…だって、唯先輩が、こんな…私の事なんか、好きな訳ないもん…」
はあ、はあ。
梓「…唯先輩に…告白したって、きっと断られるもん…唯先輩が…こんな…ある訳ないもん…」
はあっ、はあっ。
梓「…唯先輩…唯先輩…!」
はあっ、はあっ…!
…
罪悪感で一杯でした。
私は、その本を使って…唯先輩にベッドに押し倒されて、抱きしめられながらキスされるシーンを使って、オナニーしてしまいました。
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:32:06.30 ID:PvHNir790
梓「…あー…」
枕に顔を埋め、自らの愚行をひとしきり悔いました。
梓「…でも、本当に唯先輩にああいう風にされたら…気持ちいいだろうな…」
枕をぎゅうっと抱きしめます。顔が火照って、多分耳まで真っ赤になっている事でしょう。足をバタバタさせて、気を紛らわせました。
ちらり、と、サイドボードに放ったあの本を見やります。あ…人に、見られるとまずいから、隠さないと…
本を手に取って、またパラパラとめくりました。
梓「ん…?」
奥付に、作者のものと思われるHPのURLがありました。
梓「HPあるんだ…!」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:33:40.82 ID:PvHNir790
がばっと、ベッドから起き上がり、机のノートPCに向かいました。
梓「えーと、http…。うわ…!すごい…」
BLOG形式のHPで、記事ごとにCGが掲載されていました。そして、そのCGは…。
梓「これ、全部私たちなの…?」
黒髪のロングヘアー。これは多分澪先輩。カチューシャをつけているのは律先輩。金髪のロングヘアーはムギ先輩。
けいおん部のみんなが、抱き合ったり、キスしたり、しているCGが、たくさんありました。
梓「あ…なんか、違うのもあるんだ」
けいおん部以外のものもたくさんありました。知っている漫画のキャラクターのCGなどもあって、なるほど、これはいわゆる同人というやつなのだと、今更の様に思い至りました。
梓「あ!この本が売ってる…!」
サイドバーのリンクに、この本の表紙の絵があり、クリックすると別のECサイトにリンクしました。
梓「700円…うう、結構高いなあ」
他の本も何冊か見てみましたが、だいたいそのくらいの値段でした。
梓「どうしよう…これ、欲しい。他にも欲しいのが一杯ある」
…結局、その日、ネットを遅くまで物色していて、気づけば午前4時になっていました。寝不足確定…。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:35:36.66 ID:PvHNir790
がっこう!
梓「…おはよー」
純「おはよー…って、梓。どうしたの?体調悪いの?」
憂「梓ちゃん、顔色悪いよ?大丈夫?」
梓「…うん、大丈夫…」
憂。純。
昨日のサイトから辿って、他のサイトにも行きました。他のサイトにはこの二人を扱った本もありました。
サンプルしか見てないけど、この二人が、…Hしたりとか…まあ、色々。
純「ははあ、さては深夜のエロサイト巡回で寝不足なんじゃないの?」
梓「なっ!ち、ちがっ!ばか純!」
あまりに図星で、無様に取り乱す私。
純「あはは、ごめん!でもなんか、一応元気そうだね?すごい顔色悪いからさあ」
3時間しか寝てないからね…
こんなに短い睡眠時間で学校に来るのは初めてでした。授業ちゃんと聞けるか心配です…
…
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:37:17.41 ID:PvHNir790
ほうかご!
結局、殆どの授業を寝て過ごしてしまい、何度も先生に怒られてしまいました。
休み時間の度に、純に茶化されて、今日は本当に失敗しました。
…さて。
今私は、ある所に向かっていました。
そのある所とは…
ガラッ
無人の教室。普段は使われていない、未使用教室。
梓「…別の本が、入ってる…」
昨日、この本が入っていた机に、また別の本が入っていました。今度は3冊も。
手に取って、表紙を確認すると…
梓「…こ、これは…」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:38:40.69 ID:PvHNir790
一冊目。
私と憂が、唯先輩に首輪とリードを着けられ、犬の様に四つん這いでハイハイしているという、過激な表紙。
中身は更に過激で、唯先輩におしりを向けた私と憂が、うしろからオモチャで何度もイカされているような内容。
オモチャを入れられたままハイハイさせられたり、憂とちゅうしながら唯先輩の指で二人同時にイカされたり、唯先輩の足の指を憂と一緒にぺろぺろさせられたり…
私と憂は、唯先輩のペットになっていました。こんな、倒錯的な概念がある事を、今日初めて知りました。
今日のおかず、決定。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:40:28.11 ID:PvHNir790
二冊目。
今度は、趣向を変えて、澪先輩と律先輩の本。
内容は、律先輩と澪先輩の恋愛話。お互いに好き合っているのに、結局お互いに打ち明けられず、二人は別々の大学に…そして、徐々に疎遠になっていって、それでもお互い、ずっと思い合っていて…
最後、澪先輩の結婚式の招待状に、律先輩が不参加に丸を付け、そしてポストに投函し、そこで二人の関係が、本当に終わる…。そんな内容。
さっと内容を読んだだけでしたが、切なくて涙が出そうになりました。
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:41:49.70 ID:PvHNir790
三冊目。
これは、昨日見つけた本でした。憂と純がHする内容。
ストレートに、純が憂に告白し、そのままHするというストーリー。ひねりが無い分、Hの描写が濃厚。超濃厚。
女の子同士って、こうやってHするんだ…。ごくり…。
はっ、と、我に返って周囲を警戒します。幸い人の気配はなかったので、私は昨日の本を机に戻し、新しい3冊を鞄に入れて、部活に向かいました。
家で、さっきの本を熟読出来ると思うと、今からわくわくしました。
梓「これ…借りても良いんだよね…?」
梓「…ん?」
本の間に、ルーズリーフが一枚、挟まれていました。
梓「なにこれ…リクエストシート…?」
本の名前がリストアップされて、横にチェックと、感想を入れる欄がありました。ああ、なるほど。
こうして、私と彼女達の、不思議なコミュニケーションが始まりました。
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:45:01.09 ID:PvHNir790
…
両手首に、圧迫感。
体勢を変えようとして、身体を動かすと、両足首にも圧迫感。
口の中が不自然に乾燥していて、つばを嚥下しようとして、失敗してえずく。口が、閉じられない。
目を開くと、そこは、薄暗いコンクリートの部屋。
すえた匂い。蝿の羽音。それらに混じって、嗚咽。うなり声。
ここは一体、どこだろう?
切れかけた電球が、唯一の明かり。
その僅かばかりの明かりを、ふっと、大きな陰が遮り、私は反射的に視線を向ける。
梓「…っ!」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:46:31.13 ID:PvHNir790
全裸の、ぶよぶよに太った中年の男が、薄ら笑いを浮かべながら立ちはだかっている。
叫び声を上げようとして、でも口が閉じられなくて、おあー、と、変なくぐもったうなり声だけが絞り出される。
今更のように気づく。
口は、金属製の器具で開いたまま固定されていた。
両手足は後ろでまとめて固定されている。正座で、後ろ手に組んで、それらをひとまとめに括ったような感じ。これで、ほぼ身動きが取れない。
唯一、自由に動く首を巡らせると、そこには憂が居た。
憂も、私と同じように、全裸で両手足を拘束され、同じように金具で口を開いたまま固定されていた。
私と違うのは、更に鼻の穴にフックのような物を着けられ、つり上げられていた事。これで、首を動かすことすら出来ない。
憂も、私と同じように、あー、あー、と、くぐもったうなり声を上げ、ぼろぼろと涙をこぼしている。
その正面に、男は立っていた。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:48:18.35 ID:PvHNir790
その股間の、屹立した汚らしい男性器を、しゅっ、しゅっ、と、擦り上げながら、徐々に憂に近寄って行く。
男「ふひひひっふひ」
憂「あー、あー、…おあー!あー!」
しゅっ、しゅっ、しゅっ、と、男は醜い顔を更に歪めながら、男性器を擦り続ける。
憂は顔を背けようとして、でも鼻が固定されて、身動きがとれず、否応無しにその男性器を真正面からとらえ続ける。
憂は可愛い。整った顔立ち。愛らしい目。鼻。口。おおよそ、人に愛される為に生まれて来たような、愛くるしい顔。
その顔が、今はフックでつり上げられ、豚そっくりに変形し、開かれた口からは止めどなくよだれがこぼれ、最早それはただのメスの動物のそれに成り果てていた。
そして、その存在意義は、目の前の不細工な中年の、男性器から迸る、それを受け止めるためだけの存在に成り果てていた。
憂は、精液便所になっていた。
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:49:07.67 ID:PvHNir790
憂「あー、おあー!あー!」
男「ふひっ!ふひひひっ」
しゅっ!しゅっ!しゅっ!
ぷしゅ、と、音がして、男は射精した。
狙いを定めて。
ぴゅ、ぴゅ、と、白濁した液体が、憂の顔面に、髪に、そして口内に、ぼと、ぼと、と、まき散らされた。
憂「あ、、お…、あ、あ…」
ぼろぼろと、涙をこぼす。
男は、顔中に散った精液を指でかき集め、口の中に塗りたくる。男性器に残った精液を、性器ごと直接顔になすり付け、それも全てかき集めて口に運ぶ。
そして、横に備え付けてあったペットボトルの水を注ぎ、無理矢理嚥下させた。ご丁寧に鼻をつまんで、精液ごと飲み干さないと呼吸が出来ないようにして。
人間としての尊厳をぼろぼろに破壊され、憂は正気を保つのもやっとだっただろう。
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:50:12.78 ID:PvHNir790
…憂の奥にも、人の気配があった。あれは多分、純だろうか。反対側に首を向けると、澪先輩。その奥には唯先輩。その更に奥は、多分律先輩。
皆、憂とお揃いの鼻フックで、豚そっくりの顔の便所になっていた。
唯先輩は、ばしゃばしゃと小便をかけられ、それを飲まされていた。澪先輩は、胸を鷲掴みにされながら男性器を直接口の中に入れられ、喉を犯されていた。
憂の前から、その中年の男が去ると、その後ろに並んでいた男が、薄ら笑いを浮かべながら、憂の前に立ちはだかった。
憂「…あー!あー!」
もう、やめてくれ。やめてくれ。
不意に、人の気配。
おそるおそる、私は正面に首を向ける。
そこには、さっきに中年に負けず劣らずの、汚らしい風浪者の様な中年の男が…!
驚愕する私の意思は一切関係なく、私も憂と同じように、鼻にフックを掛けられ、頭を固定された。豚そっくりの顔で。
男「はあー、はあーっ」
しゅっ、しゅっ、しゅっ!
…そうして私も、精液便所になった。
…
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:51:28.46 ID:PvHNir790
倒錯していました。屈折していました。
徐々に分かったのは、私の異常な性癖でした。
梓「はあ…はあ…」
事を終え、私はその本を枕元に伏せました。
私はMだったようです。それも極めて本格的な。
梓「これは…名作だった…」
タイトルは何のひねりも無く、「べんじょ!」というもので、絵もなんとなく乱雑でしたが、どことなくリアルでダークな雰囲気が、このシチュエーションとマッチして、何とも言えない完成度になっていました。
梓「でも、やっぱり、犯されるなら唯先輩がいい。…唯先輩じゃないと、やだ。…でも、憂。憂が、こんな風に、便所にされるの、凄い良い」
唯先輩には、いじめられたい。憂は、いじめたり、もしくはいじめられているのを見たい。
…単純に、一方的なMという訳ではなく、人物によって嗜好性が変わる、という感じなのでしょうか。そうすると、単純にMというわけでもないのでしょうか。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:53:59.95 ID:PvHNir790
>> ごめんね。もう男出ないから許して。
思い返してみれば、この本についても、おかずになったのは主に憂でした。
他のメンバーも、同じくらいの描写があったのですが、専ら憂でした。
唯先輩がおしっこを飲み干すのも、確かにくるものがありましたが…やっぱり、なんか、違うのです。
梓「でも、これは…10点だよね。うん」
私はシートに、大きく「10」と書き込み、感想を書き入れました。「強いて言うなら、虐められるのは憂だけの方がより良かった」
このやりとりは、既に1ヶ月ほど継続され、シートは既にクリップで何枚も留められていました。
いろんなシチュエーションの本を、既に50冊近くは読んだでしょうか。
ぱらぱらと、シートをめくります。今まで、10点をつけたのが、これを含めて4冊。
一冊目は、二日目にもらった、憂と私が唯先輩のペットになる話。二冊目が、原点に戻って、初めて読んだ、唯先輩とキスする話。(多分に、思い出補正。)
三冊目は、なぜか私に男性器が生えてしまい、けいおん部の先輩のみなさんに犯される話。
唯先輩の膝の上に乗って、キスしながら、手でしこしこされながら…唯先輩のお尻や胸をモミモミするシーンは、それだけでも三杯くらいはイケます。
そして、今回の、憂が便所にされる話。
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:55:33.35 ID:PvHNir790
梓「さて…」
ノートPCに向かい、「べんじょ!」を検索しました。600円。うん、良心的。
8点以上は、無条件に購入。7点以下は、ものによっては購入。
そんな感じで、すでに10冊近く、購入していました。ちょっと金銭感覚が変わったような気もしますが、まあたいした問題じゃあないでしょう。
ブー、ブー
梓「ん…メール。あ…唯先輩」
晩ご飯の写メールでした。憂が作った料理と、唯先輩と憂。やっぱり仲いいなあ。くすり。
ブー、ブー
立て続けに、もう一通。また唯先輩。
「今、電話してもいーい?」
梓「…なんだろ」
「どうぞ。」
続いて、着信。
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 21:58:19.96 ID:PvHNir790
梓「…あ、もしもし、唯先輩?」
唯『やっほー、あずにゃん』
梓「どうしたんですか?」
唯『えーっとね、えへへ…』
梓「…?」
唯『あのね、ちょっとね。えーっと、今何してたの?』
今、ナニ、してたの?
梓「…別に。本読んでました」
唯『そうなんだあー。えへへ』
その日に限って、唯先輩は非常に歯切れが悪く、何のために電話して来たか全く分かりませんでした。別に、世間話をするとか、暇だから話し相手になって欲しいとか、そんなのでもなく、…本当の用事を、なかなか切り出せないでいる様な…
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:00:25.03 ID:PvHNir790
梓「…唯先輩。何の用ですか?」
唯『…えーっとね。あのね、ちょっと教えて欲しい事があって…』
何となく、嫌な予感がしました。
ここ最近、私は、本にハマってしまって、私生活のかなりの割合を「こちら側の趣味」に費やしてしまっていました。
ギターを触る時間はかなり減っていました。部活も、「練習しないなら帰りますんで」と言って、実際にさっさと帰ってしまう事が多くなっていました。
授業中は、基本的にはうとうとしていて、暇な授業は殆ど寝ていました。夜更かしして、「読書」したり、ネットを見る生活が常体化してしまっていたのです。
唯『あずにゃん、さあ。なんか、最近ちょっと、雰囲気が変わったかなーって。あ、別に変な意味じゃないよ!あの…』
梓「…」
唯『ちょっとね、その、りっちゃんとか、その、結構心配してて…』
梓「…」
唯『あと、その…ね?憂とかが、ちょっと。あのね、えーと…』
梓「…」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:01:57.63 ID:PvHNir790
唯『最近、ね?ちょっと、あずにゃんの視線が、ちょっとね、なんか…えーと、…怖いっていうか…変だって、言ってて…』
梓「…」
唯『それでね?あずにゃん、最近、変な人たちとつきあったりしてない?』
梓「…なんですか、それ?」
唯『あ、あのね?別にそう言うんじゃなくてね…?ただ、ちょっと、憂もその…心配してて。授業中も寝てるし、部活も帰っちゃうし。皆といても、そのなんか楽しそうじゃ無いし…』
梓「唯先輩…率直に聞きたいんですが」
唯『あ、な…なあに?』
梓「鞄見ました?」
唯『…あ…!あのね…そういうんじゃなくて…ね?』
ぽち。ぷー、ぷー。
…。
……。
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:07:09.01 ID:PvHNir790
頭が、真っ白でした。
直後、着信が来たので、即座に切りました。電源も落としました。
梓「…見られたんだ」
今日、だろうか?今日だとすると、鞄の中には、さっきの本と、あと、比較的ノーマルな三冊。
いや。全部、普通に見ればアブノーマルなんだ。私が、もう慣れてしまっただけで。最初は、唯先輩とキスする内容だけで、あんなに取り乱したじゃないか。
梓「…もうだめだ」
おそらく、もう、関係は修復不能でしょう。もう、無理。絶対無理。
両親にも、今までに出来たどんな親しい友達にも、誰にも相談した事がありませんでしたが、…私は多分、同性愛者です。
小中と、特に好きな男の子も出来ず…そして高校で、初めて好きになった人が、唯先輩でした。
梓「もうだめだ」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:08:40.62 ID:PvHNir790
でも、今の関係を壊したくなくて。私はずっと、我慢して来ました。
でも、唯先輩のスキンシップは、暴力的で。理性を保つのがやっとで…
そんな中、擬似的とは言え、私の想いが成就している内容の本に、私は我を忘れて夢中になってしまったのです。
振り返ってみれば、私のここ一ヶ月の変容ぶりは、露骨だったんだと思います。
直接的には口に出さなくても、多分皆不審がっていた事でしょう。
仲良くしている憂や純を視姦した事もありますし、じゃれあっている澪先輩や律先輩を視姦した事もあります。
いや、した事がある、なんてもんじゃなくて、最近は常にそう言う事しか考えていませんでした。
多分、それは、自分が思っている以上にバレバレだったに違いないのです。
でも…普通、友達がそんな事考えてるなんて、思うでしょうか?思ったとして、それを口に出せるでしょうか?
きっと、自分が邪推してしまっているだけだと、自分に問題があると、大抵の不信感はスルーするものです。
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:10:32.11 ID:PvHNir790
なんとなく、察してしまいながらも、それでも友達に対して、そんな疑惑をストレートにぶつけられる訳も無く…少しずつ、少しずつ、猜疑心が蓄積されていったに違いないのです。
そして、今日、先輩方の私に対する猜疑心が許容範囲を超えて、私の秘密が暴かれてしまったのです。
そして、その猜疑心が事実だった事を知り…
確認するまでもなく、私たちの関係は…終わりました。
全ては、私の異常な性癖のせいで。
…
…翌日、私は学校を休みました。
ベッドに倒れ込むように、トイレと食事以外、ずっと寝て過ごしました。
目が覚めては、枕に顔を埋め、ぼんやりと、睡魔がくるのを待って、気がつくと眠っていて…
そんな事を、何時間も続けて。
気がつけば、外は薄暗くなっていました。
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:12:01.61 ID:PvHNir790
ピンポーン
梓「…ん…」
インターホンの音。
今、家には誰もいません。正確には、私以外の誰もいません。
唯一、この家にいる住人は、来客を迎える気がありません。なので、来客はあきらめて帰るしかありません。帰るしか、なかったはずです。
ピンポーン
…ずっと、無視し続けて、もう30分以上、経ったでしょうか。
1分に一回くらい、ピンポーン、ピンポーンと、インターホンが鳴り続け…私はとうとう、根負けして玄関に向かいました。
来客の見当は、だいたいついていました。
ガチャ
唯「…やっほー」
梓「…唯先輩」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:13:39.99 ID:PvHNir790
…私は、無言で唯先輩を招き入れ、唯先輩も無言で入って来て…今、二人で、リビングで向かい合っていました。
唯先輩は、紅茶の入ったマグカップに口をつけ、一息ついて、ようやく切り出しました。
唯「…あの、あずにゃん。昨日はごめんね?」
梓「…なんで、唯先輩が謝るんですか」
悪いのは、私だ。
唯「…だって、勝手に、その…鞄…」
私が視線を向けると、唯先輩は、ふいっと、目を逸らしました。後ろめたいのか、それとも、気味悪がって目も合わせたくないのか…
多分、後者。本当は、今日ここに来るのだって、嫌だったんだと思います。
それでも…唯先輩は、優しいから。私が今日、学校を休んだのが、自分のせいだと思い込んで、来てくれたのです。
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:15:32.27 ID:PvHNir790
唯「あのね、あずにゃん?多分、その…あれ、見られて、あずにゃん凄く怒ってるよね?」
梓「…怒ってるといいますか…だって、あんな内容ですから…皆さんとはもう、一緒に居られないかなと…」
唯「あのね、あずにゃん?そんなに、状況、悪くないの。みんな、そんなに、気にしてないんだよ?」
梓「…」
唯「その、気にしてないっていうか…その、心配しているの。あずにゃんの事。皆、凄く」
梓「…」
唯「最近、授業中も寝てばっかりだよね?憂から聞いてるよ。ギターもなんだか、あんまり触ってないよね?話しかけても、上の空だし、あずにゃん最近、ちょっとおかしいよ」
梓「…」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:16:28.09 ID:PvHNir790
唯「だからね?その、あの…鞄に入ってた本。あれね?あれのせいなんだとしたら、その…」
梓「…唯先輩。別に、あの本のせいじゃないですよ。私、昔からこうなんですよ」
カミングアウト。
梓「私、レズなんです。女の子が好きなんですよ」
唯「…」
梓「あの本、ですね。私の妄想が、具体化しただけなんですよ。いっつも妄想してましたよ。唯先輩に犯されるの」
唯「あ、あずにゃん…」
梓「私、変態なんです。唯先輩にいじめられる妄想してオナニーする変態なんですよ」
唯「…あずにゃん」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:17:26.52 ID:PvHNir790
梓「私、気持ち悪いですよね?もう、一緒に居たくないですよね?だから、もう放っておいてもらえませんか?」
唯「あずにゃん。私はね?」
梓「…なんですか?まだ、何か?」
唯「私、ね。受け入れられるよ。あずにゃんのこと。その、私の事、妄想で使ってるのも、全部。受け入れられる」
梓「…だから、何だって言うんですか?」
唯「お願い、捨て鉢にならないで聞いて?私は、あずにゃんの事が、大事なの。大切なの。りっちゃんだって、そう思ってるよ?ムギちゃんだって、澪ちゃんだって。もちろん、憂だってそうだよ。」
梓「…」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:18:27.03 ID:PvHNir790
唯「りっちゃん、鞄の中見たの、すっごい後悔してた。あずにゃんにも、その…秘密とかあって当たり前なのに。無神経に鞄、開けて、秘密を暴いちゃったって。ほんとだよ?りっちゃん、泣いてた。あずにゃんの事、傷つけちゃったって。ムギちゃんも泣いてた」
梓「…」
唯「わかるよね?みんな、あずにゃんの事、絶対に嫌いになんてならない。絶対だよ?わかるよね?」
梓「…」
唯「あずにゃん…」
梓「…唯先輩、無理です。…ごめんなさい…信じられません」
唯「あずにゃん…どうして?…あずにゃん…私の事、私たちの事、嫌いになっちゃった?」
梓「…そんな訳、ないじゃないですか…」
唯「…じゃあ、なんで?どうして信じてくれないの?」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:19:11.87 ID:PvHNir790
梓「…私は、唯先輩の事、好きです。けいおん部の皆さんも、憂も好きです。でも、皆さんは、私の事、気持ち悪いって思ってて、私の事、嫌いなんです」
唯「…あずにゃん…意味が分からないよ…あずにゃん…あずにゃんは、一体どうしたいの?私、どうしたらいいの?どうしたら信じてくれるの?」
梓「…」
唯「あずにゃん…」
梓「…証拠…」
唯「え?」
梓「証拠…見せてください」
唯「…あずにゃん…?…証拠って…」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:20:26.80 ID:PvHNir790
唯先輩は、私の切り返しに、狼狽していました。でも、すぐに笑顔になって…
唯「…いいよ。それであずにゃんが信じてくれるなら、なんでもするよ?」
私は、私の事を受け入れてくれるという唯先輩の言葉を、信じたくて、受け入れたくて…つい、そんな事を言い出してしましました。
私は、本当に不安で、でも受け入れてもらえるんじゃないかという期待もあって…そして、その傍ら、心の奥底では、唯先輩の善意を利用して、自分の欲望を満たそうともしていたのです…
…本当に、どうしようもない、変態でした。
…
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:22:05.82 ID:PvHNir790
唯「…あずにゃん、これでいいの?」
梓「…はい…このまましばらく、抱きしめてください…私が良いって言うまで」
私は、ソファーに座った唯先輩の膝に、正面から向かい合うように、またがって座り、抱きつきました。
(制服がしわになるといけないので、お母さんのスウェットに着替えてもらいました。)
梓「…もっと、ぎゅーってしてください」
唯「…うん。ぎゅー…」
…ああ…
久しぶりの、唯先輩の感触。唯先輩の体温。唯先輩の匂い。
たまらなく心地よく、思わずぶるっと身体が震えました。
身体をもぞもぞと動かし、唯先輩の胸に顔を埋め、すりすりと感触を求めました。唯先輩は、よしよし、と言いながら、私の身体を撫でたり、頭を撫でたりしてくれました。
呼吸をする度に、唯先輩の匂いが鼻腔をくすぐり、もっとその匂いが欲しくなり、酸欠になりそうな程、唯先輩の匂いを求めました。
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:25:11.47 ID:PvHNir790
唯「…あずにゃん…良い子だね。あずにゃん…よしよし。いいこいいこ…」
梓「…ゆいせんぱい…」
母親に甘える子猫のように、私は貪欲に、唯先輩の身体を堪能しました。
ただ、そうして甘えながらも、心のどこかで、最後の最後、どこか不安が残っていたのです。
今、唯先輩の顔を見たら…きっと、眉根を寄せて、侮蔑と軽蔑と、嫌悪と恐怖の入り交じった、拒絶の表情を浮かべているのではないか…
だから、こうして甘えながらも、私は怖くて、一度も唯先輩の顔をみられませんでした。
でも…唯先輩なら。きっと。
顔を上げて、ちらりと唯先輩の顔を見ました。
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:26:42.58 ID:PvHNir790
唯先輩は…まるで母親のように、母性愛たっぷりの表情を浮かべていました。
私と目が合うと、「ん?」と、首を傾げてきました。
唯「あずにゃん、なあに?」
微かに上気し、目を細めた唯先輩が、どことなく艶っぽい、色っぽい笑みを浮かべながら、私を促します。
唯「ん?」
…全くの、杞憂でした。もう、疑う余地もなく、証拠云々言うまでもなく…
梓「…ゆいせんぱい…ゆいせんぱあい…」
私はまた、唯先輩の胸に顔を埋めて、すりすり、すりすり、と、唯先輩の身体を求め続けました。
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:27:40.40 ID:PvHNir790
唯「あずにゃん、いいこいいこ。…よしよし。可愛いね、あずにゃん…」
…唯先輩は、とんでもなく、甘えられ上手でした。この安心感、多幸感を味わったのは、いつ振りでしょうか。もっと小さい頃、お母さんに甘えている時の様な、そんな感覚。…もう、二度と得られないと思っていた、幸福感。
このまま、いつまでもこうしていたい。そんな気持ちを、唯先輩は汲んでくれて、根気強く私をあやし続けてくれました。
今の私は、幼児の精神状態そのものでした。身も心も、すっかり唯先輩に委ねて、ただひたすらに唯先輩の愛情を求め続けていました。
唯「あずにゃん。おふとん、行こっか」
梓「…はい…///」
そして、私の成長した身体は、醜く歪んだ肉欲を満たす為に、更なる快楽を求めて、「それ」を唯先輩に差し出しました。
…
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:28:35.82 ID:PvHNir790
梓「…ゆ、ゆいせんぱい…これ、なんだか分かりますか?」
布団の中で、さっきのように甘えながら、私はそれを唯先輩に差し出しました。
唯「…うん、…これ、…いけないオモチャだよね?」
梓「そ、そうです。いけないオモチャです///」
それは、コードの付いた丸形のスイッチでした。そのコードは、私の下半身に伸び、ズボンからひょろっと顔を出していました。
梓「…少しずつ、強くしてください」
唯「うん…いいよ」
唯先輩は、私からスイッチを受け取ると、…スイッチを操作して、一番弱い刺激を与え始めました。
梓「…ああっ…///」フルフル
…気持ちいい…。
ヤバいです。
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:30:10.71 ID:PvHNir790
少しずつ、少しずつ、唯先輩は刺激を強めて行きます。まるで、私の身体の感じ方を熟知しているかのように、常に私が一番気持ちいい刺激を作り出し、同時に背中や頭の愛撫を続けてくれます。
梓「あっ…あっ…唯先輩…唯先輩…///」
唯「あずにゃん…いいこ、いいこ…」
唯先輩と密着し、背中や頭をなで回されながら、かつて無い快感を味わって…ゆるゆると、ねちっこく、じわじわと、私の性感が高められていきます。
身体の面積の殆どを唯先輩に密着させながら、それでも更に唯先輩の事を求めて、身体を擦り付けます。体中に唯先輩の匂いを擦り込みながら、今まで感じた事の無い、幸福感に包まれながら、頭が真っ白になりそうな程の快感が体中を駆け上ってきます。
梓「ゆいせんぱい…ゆいせんぱい…///…もう、いっちゃいます…///」
唯「いいよ。あずにゃん、いっちゃうところ、見ててあげるね」
梓「ああ…っ…///ゆいせんぱあい…///」
唯先輩にしがみつきながら、唯先輩に抱きしめられながら…私は、かつて味わった事の無い、絶頂を味わいました。
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:32:01.24 ID:PvHNir790
梓「…はあ、はあ…///」
唯先輩は、徐々に刺激を弱めながら愛撫を続けて、ゆるゆると、たっぷりと、私に絶頂の余韻を味わわせてくれました。
放心したように、私はしばらく、何も考えられず、無意識に唯先輩に身体を擦り付けていました。唯先輩は、そんな私を、ずっとあやし続けてくれました。
ようやく、意識がまとまりを帯び始め、私は唯先輩の顔を見上げました。
唯「あずにゃん。気持ちよかった?」
梓「…///」コクリ
さっきと同じ、母性愛たっぷりの微笑みで私を見つめながら、唯先輩はまた私をぎゅーっと抱きしめてくれました。
梓「…唯先輩。疑ってすいませんでした」
唯「ん?」
なにが?と、髪を優しく梳きながら、唯先輩が促してくれます。
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:33:42.78 ID:PvHNir790
梓「…証拠、見せろとか、失礼な事言って、すいませんでした」
唯「くす。信じてくれた?私が、あずにゃんの事、大好きだって」
梓「…はい。信じました」
唯「あずにゃん、ありがとう。あずにゃん、だいすき」
唯先輩はそういいながら、愛撫を続けてくれました。余りの心地の良さに、もう死んでも良いと、本気で思ってしまいました。
梓「…あ、あの。だ、だけど…私、こんな性格ですから。多分、また、不安になっちゃう事、あると思うんです。だから、その…」
唯「…ん?あずにゃん、言ってごらん?」
梓「その…また、不安になったら、またこうして、私の事、甘えさせてください。…いいですか?」
唯「…くす。もちろん。あずにゃんが不安になったり、さびしくなったら、いつでも呼んで。すぐ駆けつけるよ」
梓「…唯先輩…ぐずっ…嬉しいです。唯先輩、大好きです」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:35:15.58 ID:PvHNir790
唯「あずにゃん、私もあずにゃんの事、大好き」
梓「うええ、唯先輩。嬉しいです。唯先輩、唯先輩!」
唯「あずにゃん…よしよし」
私は、子供のように泣きながら、ずっと唯先輩にしがみついて、身体を摺り合わせて…
唯先輩は、そんな私をずっとあやし続けてくれました。私が泣きつかれて、眠ってしまった後も、ずっと私を抱きしめながら、身体を撫でてくれていました。
唯先輩。大好きです。
唯先輩と私は、きっと違う。だから、今日だけ。今日だけは、私だけの唯先輩でいてください。
唯先輩…大好きです…
唯先輩…
…
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:38:02.17 ID:PvHNir790
よくじつ!
梓「…あの、皆さん…すいませんでした」
翌日。部室に入るなり、私は、ぺこりと、勢い良く頭を下げました。
律「い、いやいや!別に気にしなくていいって。っていうか、ごめん!勝手に鞄の中見ちゃって!」
紬「こっちこそ、本当にごめんなさい。勝手に、あんなこと、ほんとに…」
今日、私は、唯先輩につれられて、2日ぶりに部活に出ました。学校は休んで、部活だけ…とんだ不良です。
先輩方は皆、私を取り囲んで、優しい言葉をかけてくれて…安堵感と嬉しさで、不覚にも泣いてしまいました。
唯「ね?全然、心配なんていらなかったでしょ?」
梓「はい…ぐす…嬉しいです」
先輩方全員に、ひとしきりなで回されました。
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:39:23.31 ID:PvHNir790
澪「いやー、私は見てなかったんだけど…そんなに凄いのか?その本」
律「いやー、凄いっていうか…なんていうか…『こんな概念があったのかー』みたいな…ハハ」
紬「そうね、すごかったわね//」ボタボタ
律「おーい、ムギー。鼻血出てるぞー」
無理なく、自然に、私を受け入れてくれようとしています。本当に、嬉しくて、涙が止まりませんでした。
唯「まあ、あれだよね!あずにゃんは、あずにゃんじゃなくて、エロにゃんだったという事で」
律「あが!唯、アホか!」ゴチン
その掛け合いに、思わず、ぶは、と、吹き出してしまいました。
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:40:56.29 ID:PvHNir790
梓「くっくっくっ、はい、すいません。エロにゃんでした…すいません。くっくっくっ。あははは」
澪「あははは、なんだよそれ!あはは!」
澪先輩は、つぼに入ったようで、珍しくケラケラと笑い始めました。
つられて、ムギ先輩も笑い出しました。
律先輩は苦笑しながら、それでも、優しい顔を浮かべて。
そして、唯先輩。唯先輩は、いつものほにゃっとした笑顔を浮かべて、律先輩に小突かれたところをさすっていました。
もう、多分、大丈夫。あの趣味は、現時点をもって封印します。本も捨てます。結局、一度も顔を合わせる事もありませんでしたが、例の交流も終わりにします。
私の抱える問題は、実はもう少し複雑というか、難しくて、今回の件で解決するものではありません。これは、一生向かい合って行かなければならない事です。
世間の風は、もしかすると想像よりずっときついのかもしれません。
それでも…私は。この想いは、本当だと。多少、いや、多分に不純ではありましたが、私の本当の気持ちは、そんなに変なものじゃあないと、胸を張って、自己主張して行きたいと、思いました。
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:43:04.49 ID:PvHNir790
…
唯「…ねえ、あずにゃん?」
梓「はい、唯先輩?」
久しぶりの演奏。
皆が楽器の準備で背を向ける中、唯先輩が私に耳打ちしてきました。
唯「私とあずにゃんね、凄く…相性、いいと思うよ?えへへっ」
梓「え…っと?//え?//それってどういう…//」
唯「『ゆいあず』って、意味、分かるよね?」
梓「…//ゆい、せんぱい…?//」
唯先輩は、誰も見ていない事を確認すると…素早く、私のほっぺたにキスをして、定位置に小走りに駆けて行きました。
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:44:39.70 ID:PvHNir790
唯「おーい、あずにゃん!はやく!ひっさしぶりの演奏~♪」
さっきの、どこか色気を含んだ、落ち着いた声色から、一転していつもの底抜けに明るい唯先輩に戻って。
唯先輩が、私を呼んでいます。
澪「おい、梓、大丈夫か?熱、あるのか?」
気がつくと、顔がものすごい熱くなっていました。多分、耳まで真っ赤だったんだと思います。
梓「い、いえ!すいません、すぐ行きます!」
ストラップを肩に掛け、定位置に…唯先輩の、隣に駆けつけます。
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/30(日) 22:45:33.90 ID:PvHNir790
律「よし、それじゃあいくぞ!1、2、3!」
軽快なイントロ。しばらく、ギターをろくに触ってなかったので、指が若干もどかしいけど…やっぱりこれが、一番、楽しい!
私の抱える問題は、実はもう少し複雑で、難しくて…でも多分、この人がいれば。
ちらりと、隣を見やると。目が、合いました。
微笑む唯先輩。つられて、私も、思わずふにゃっと笑顔になり、気恥ずかしくてふいっと視線をそらしました。
…世間の風は、想像以上に、冷たいのでしょうか?私は蔑まれ、気味悪がられながら、これからの人生を歩んで行く事になるのでしょうか?
それでも。
この人がいれば。この人たちがいれば、私はもう。
終わり
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コメント
No title
勃起した
俺の中での名作決定だわ
唯の母性がヤバい
唯の母性がヤバい
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