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唯「それって○○時間ってこと? ん?」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:11:27.04 ID:HYFdtZp10 [1/22]
律「はぁ~……」
澪「ふう~……」
紬「ふー……」
梓「? 部室に来たなりどうしたんですか?」
澪「あ、悪いな梓」
梓「いえそんな、別に責めてる訳じゃないんですが……何かあったんですか?」
紬「特別何かあった、って訳じゃないんだけど……唯ちゃんがね……」
梓「唯先輩? 唯先輩が何かしたんですか? まだ来てないみたいですけど」
澪「ああ、唯は今日掃除当番なんで遅れるんだ」
律「最近私ら受験勉強で部活してなかったから、梓はまだ知らないんだろうけどさ」
梓「はぁ……一体何なんです?」
律「その、な…………ウザいんだよ」
律「はぁ~……」
澪「ふう~……」
紬「ふー……」
梓「? 部室に来たなりどうしたんですか?」
澪「あ、悪いな梓」
梓「いえそんな、別に責めてる訳じゃないんですが……何かあったんですか?」
紬「特別何かあった、って訳じゃないんだけど……唯ちゃんがね……」
梓「唯先輩? 唯先輩が何かしたんですか? まだ来てないみたいですけど」
澪「ああ、唯は今日掃除当番なんで遅れるんだ」
律「最近私ら受験勉強で部活してなかったから、梓はまだ知らないんだろうけどさ」
梓「はぁ……一体何なんです?」
律「その、な…………ウザいんだよ」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:14:37.78 ID:HYFdtZp10 [2/22]
梓「え!? ちょ、ちょっとどうしたんですか、急に! 今まで仲良くやってきたじゃないですか!?」
澪「違うんだ梓、誰も唯が嫌いになった訳じゃない」
紬「最近の唯ちゃんの言動が……ちょっとね」
梓「は、はぁ、どうにも要点が掴めませんが……」
律「こればっかりは直接体験した方が分かりやすいと思う……そろそろ来る頃だろ」
澪「もう来ちゃうのかぁ」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:20:04.48 ID:HYFdtZp10
紬「わ、私、お茶の用意してくるわね」タッタッタッ……
律「ムギの奴、逃げたな」
澪「仕方ないさ、私だって気が重いよ」
梓「そ、そこまでのものなんですか」
律「例えるなら、徐々に足に来るって感じかな? ボディブローとローキックを交互に打ち付けられてるような」
梓「わかるようでわかりにくい例えですね……具体的にどうなんですか」
澪「えっとな――」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:26:38.72 ID:HYFdtZp10
唯「みんな、遅れてごめ~ん!」ガチャ
律澪「(きったぁ~~~~!)」
梓「? 掃除当番お疲れ様です、唯先輩」
唯「おお、あずにゃん久しぶり! もうクタクタだよ~」
梓「今ムギ先輩がお茶淹れてますよ(何だ、いつも通りの唯先輩じゃない)」
唯「ところで、あずにゃん」
梓「はい、何です?」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:31:57.64 ID:HYFdtZp10
唯「何だか嬉しそうに見えるけど、何かあったの?」
梓「え、そんな顔してました? 何というか最近部室に誰もいなかったんで、やっと練習できるかと思うと」
唯「へぇ~、だからニコニコしてたんだぁ」
梓「そういうことになりますかね」
唯「ねぇ、それってニコニコ時間ってこと?」
梓「ニコニ……え?」
律「(始まった……)」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:37:55.10 ID:HYFdtZp10
唯「ん? 揺れる思いはマシュマロみたいにニコニコ?」
梓「え……え?」
唯「夢の中なら二人の距離縮められるのかな?」
梓「(うっざーーーーーい!!)」
梓「ハッ!」クルッ
律澪「……」
梓「(律先輩と澪先輩が虚空に向かって薄ら笑いを……こういうことだったのか)」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:43:13.05 ID:HYFdtZp10
紬「お茶が入ったわ~……あ、ゆ、唯ちゃん掃除終わったんだ」
唯「今来たとこだよ! あれ? ムギちゃん、肩に何か付いてるよ」
紬「え?」
梓「あ、本当ですね、よっと」
律「なんだ、ただの毛糸か」
紬「ゴミだったの? よかったぁ、変な物付いてるのかと思っちゃった」
唯「うんうん、ゴミでよかったねぇ」
紬「あ……」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:49:24.80 ID:HYFdtZp10
唯「ゴミゴミ時間ってことだよね? いつもハートGOMI☆GOMI?」
紬「うぅ……」
唯「いつもがんばるゴミの横顔、ずっと見てても気付かないのかな?」
澪「お、おい唯……」
唯「あ、そういえば今日は和ちゃんと一緒に勉強する約束してたんだった! じゃあお先に~」ガチャバタン
律「行っちまった……」
梓「まるで嵐のようでしたよ。被害も甚大です」
紬「」
澪「ムギ! しっかりしろ!」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:55:32.29 ID:HYFdtZp10
紬「――はぁ、やっと落ち着いてきたみたい」
律「と、まぁこういう事なんだよ、梓」
梓「皆さんが仰っていた意味がわかりました、確かに強烈です」
澪「まだ梓はあれだけで済んだからいい方だよ」
梓「えっ」
紬「私達はねぇ……」
律「同じクラスだからな」
澪「顔をあわせる度にアレなんだ、正直参ってきたよ」
律「勉強する為に澪の家とか図書館とか集まった時にもアレだからなぁ」
梓「それは……想像したくもないですね」
律「かなりキツかったな」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:59:37.17 ID:HYFdtZp10
梓「それで、どうしてふわふわをもじってるんですか?」
律「別に意味なんてないんじゃないか?」
紬「そうね、ふわふわ以外の曲からももじる時はあるの」
律「大概さっきみたいに何とか時間? って聞いてくるんだけどな」
梓「はぁ、マイブームってことなんですかね」
澪「まぁそういう訳だから、梓もこれから目いっぱい聞く事になると思う」
梓「うぅ……」
律「唯のいつもの一過性のブームならいいんだけどな」
紬「このままじゃ勉強も頭に入らないものね」
梓「だ、大丈夫ですよ、明日になったらまた今までの唯先輩になってますよ!」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:02:51.81 ID:HYFdtZp10
梓「――――ところがそうはならなかったのです」
梓「あれから一週間経過しましたが、唯先輩はあの調子で変化なしでした」
梓「どういった感じだったのか」
梓「回想をどうぞ……」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:09:14.93 ID:HYFdtZp10
律『お、唯おっはよー』
唯『おお、りっちゃんおはよ~』
律『今日は憂ちゃんと一緒じゃないんだな』
唯『りっちゃんこそ、澪ちゃんはどうしたの?』
律『いやー、ちょっと寝坊しちゃったらさ、待ってられないって先に行っちゃったんだよ』
唯『あはは、私も寝坊しちゃったけど憂が待ってるって言うんだよね』
唯『でも一緒に遅刻しちゃうのも悪いから、憂を先に行かせたんだ~』
律『同じようなシチュエーションでこの差か……あ、コンビニ寄っていい?』
唯『ほぇ?』
律『実は朝食とってなくてさ』
唯『じゃあ待ってるよ~』
律『悪いな』
唯『どうせ今からじゃ遅刻確定だから気にしないよ』
律『それもそうか、はっはっはっ』
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:14:54.59 ID:HYFdtZp10
律『お待たせー』
唯『お帰り~』
律『仕方ない、歩きながら食べるか』ガサガサ
唯『カレーパン買ってきたんだ』
律『おう、たまに食べると美味いよな』
唯『甘口じゃなく今日は中辛なのかな? ん?』
律『えっ、いや普通のカレーパンだけど』
唯『限界? 辛すぎてもうダメ?』
律『い、いやさ』
唯『ピリリ? ピリリなの? ピリリなのかな?』
律『』
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:19:16.82 ID:HYFdtZp10
梓「と、律先輩はこういうことがあったそうです」
梓「澪先輩とムギ先輩によると、二人で遅刻してきたけど、律先輩だけ生気の無い表情をしていたそうです……」
梓「さもありなん」
梓「では次のケースです……」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:26:02.21 ID:HYFdtZp10
澪『ふぅ……』
唯『あ、澪ちゃんだ』
澪『……』
唯『おーい! 澪ちゃん一人なのー?』
澪『お、おい唯!』
唯『ふぇ? どうしたの、血相変えて』
澪『図書館では静かにするのがマナーだろ! まったく……』
唯『ごめんごめん、それでりっちゃんたちは?』
澪『まだこっちには来てないな』
唯『そうなんだぁ、じゃあ私も先に勉強するかな~』
澪『(唯もやっと受験生として自覚してきたようだな)』
澪『じゃあ私も勝手にやってるから、解からない所あったら聞いてくれよな』
唯『うん、ありがとう澪ちゃん』
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:32:39.14 ID:HYFdtZp10
澪『……』
唯『……』
澪『…………』
唯『……じーっ』
澪『…………わっ!? な、何だよ、唯』
唯『いやぁ……澪ちゃんのノートいいなぁ、と思って』
澪『な、何がだよ?』
唯『綺麗にまとまってるし~、たまに動物書いてあるし~』
澪『そ、そんな細かい所まで見るなよ!』
唯『あと、澪ちゃん』
澪『今度は何だよ!』
唯『そんな大きな声出したらみんなに迷惑だよ』
澪『! ど、どうもすみません…・・・』
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:38:16.33 ID:HYFdtZp10
澪『ふーっ……』
唯『気を付けなよ、澪ちゃん』
澪『あのなぁ、元はと言えば唯が――』
唯『冗談だよ~、そんなにプリプリしないでよ~』
澪『勉強続けるから、もう話し掛けるなよ!』
唯『あれ、澪ちゃん怒っちゃった? プリプリ? プリプリ時間なの?』
澪『うっ』
唯『マシュマロみたいにプリプリしてるね!』
澪『(うざっ!)』
唯『もすこし勇気ふるって自然に話せば何かが変わるのかな? そんな気するのかな?』
澪『』
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:41:42.45 ID:HYFdtZp10
梓「澪先輩はこんな感じだったそうです」
梓「これじゃあ勉強に集中できませんよね……」
梓「さもありなん」
梓「次はムギ先輩に聞いた話ですけど……」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:47:46.88 ID:HYFdtZp10
紬『♪~』
唯『あれ、ムギちゃん一人?』ガチャ
紬『あ、唯ちゃん。そうね、まだ誰も来てないわ』
唯『ふ~ん、それでムギちゃんは何してたの』
紬『みんなが来たらすぐお茶が飲めるように準備してたの。ちょうどできたから唯ちゃん座って?』
唯『わ、ありがと~』
紬『今日のお菓子はマカロンにしました~』
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:52:35.37 ID:HYFdtZp10
唯『おお! マカロン大好き~』
紬『喜んでくれて嬉しいわぁ』
唯『これはまさにはちみつ色の午後だね』
紬『Honey sweet tea time?』
唯『そう! このマカロン、飛行船だよね!』
紬『え、えっと……』
唯『胸がキュンとなるほうへ出かけるのかな? 今日こそやりたかったこと始めるのかな?』
紬『』
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:58:40.52 ID:HYFdtZp10
梓「私達が居ない時にこんな事があったなんて」
梓「お茶とお菓子を前にしても、唯先輩のペースは崩せないようです」
梓「マカロンいいなぁ……」
梓「……はっ、し、失礼」
梓「最後は私です」
梓「まさに今日、登校途中だったんですけど……」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:59:47.57 ID:HYFdtZp10 [22/22]
梓『……』
唯『お、あっずにゃ~ん!』
梓『唯先輩、おはようございます。憂もおはよう』
憂『おはよう、梓ちゃん』
唯『あずにゃんは今日も可愛いね~』ダキッ
梓『ちょっ、やめて下さい! こんな道端で!』
唯『おおぅ、いけずだね~』
梓『当然の反応です!』
憂『二人とも本当に仲いいね』
唯『でしょ~』
梓『はぁ……もういいです……』
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:05:04.99 ID:bZEH5BJ90 [1/16]
唯『お、そんな事言ってたらもう学校着いちゃった』
憂『本当。お姉ちゃん、勉強頑張ってね』
唯『お任せあれだよ~。分からなかったら憂にメールするよ』
梓『本当にしそうで怖いんですけど……唯先輩は憂に頼り過ぎですよ』
唯『できる妹を持つ姉は大変だよ~』
梓『何言ってるんですか。それじゃあまた部活で』
唯『うん、まったね~』
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:11:05.22 ID:bZEH5BJ90 [2/16]
梓「……あれ?」
梓「特に何もなかった」
梓「おかしいなぁ、何か違うところがあったのかな」
憂「梓ちゃん、さっきから一人で何を言ってるの?」
梓「わわっ!? う、憂」
憂「?」
梓「い、いや、何でもないよ、ちょっと独り言。あはは……」
憂「そう? ならいいんだけど……じゃあ私帰るから。部活頑張ってね」
梓「(……はっ! そうだ、今朝は憂が一緒だったんだ)」
梓「(思えば、唯先輩のウザムーブが発動する時に憂が一緒だった時ってない!)」
梓「う、憂! ちょっと待って!」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:17:39.88 ID:bZEH5BJ90 [3/16]
律「――って訳なんだけどさ。和から何か言ってやってくれないか?」
和「大体話は分かったけど、唯がそんな口調してたかしら?」
律「四六時中してるぞ。今だって澪が犠牲になってる」
和「確かに嬉しそうに話しかける唯と、意識が宇宙と交信しだした澪がいるわね」
紬「澪ちゃん……とうとう現実逃避を身に着けたのね」
律「あれ程の破壊力を秘めているんだぞ! 幼馴染としてガツンと言ってやってくれよ!」
和「でも、こっちから見る分には普通の光景なんだけど」
律「実際自分が対象となると分かるんだって。和も絶対に聞いた事あるはずだぞ」
紬「何か覚えてないの?」
和「そう言われても……あ、確かにそう言われれば、この前唯が私の家に勉強しに来た時……」
律「そう、それそれ!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:23:21.24 ID:bZEH5BJ90 [4/16]
和『……』
唯『……ねぇ、和ちゃん』
和『何?』
唯『ここがちょっとわからないんだけど』
和『また? なかなか同じ場所で5回も躓かないわよ』
唯『そうは言っても、そんな簡単に覚えられたら苦労しないよー』
和『はぁ……仕方ないわね。ここはこうで、ここをこうして、そしてこうなるのよ』
唯『おお、そうだった! ありがと~』
和『どういたしまして。人に聞くのもいいけど、ちゃんと自分で考えて理解する事も大事よ』
唯『わかってるよ~、もう大丈夫!』
和『……だといいけど』
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:29:56.99 ID:bZEH5BJ90 [5/16]
唯『……』
和『……』
唯『……うーん』
和『……』
唯『えーっと……うーんとぉ』
和『……』
唯『……の、和ちゃん……』
和『何?』
唯『えっと、ここ……どうやるんだっけ?』
和『はぁ……さっき言った所でしょ?』
唯『そうなんだけど……』
和『……仕方ないわね』
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:35:37.16 ID:bZEH5BJ90 [6/16]
唯『ああ、そうやるんだった!』
和『もう間違えないようにね』
唯『うん、やっぱり和ちゃんは頼りになるよ!』
和『そう』
唯『そうだよ。話を聞きながらでも自分の分をスラスラやってるし』
唯『これってスラスラ時間ってことなのかな? どうかな?』
和『そうね』
唯『マシュマロみたいにスラスラしてて、二人の距離を縮められるのかな?』
和『そうかもしれないわね』
唯『だよね~』
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:40:54.81 ID:bZEH5BJ90 [7/16]
和「――という会話をした記憶はあるわね」
律「……なんというか」
紬「さすが唯ちゃんの幼馴染って感じね」
澪「」
律「おっ、澪。やっと開放されたか」
紬「澪ちゃん、ご苦労様」
澪「」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:47:02.44 ID:bZEH5BJ90 [8/16]
律「ほら和、見てくれよ、この抜け殻状態の澪を! こうなってしまう位に唯の破壊力はあるんだぞ」
和「そう言われても……」
紬「何かおかしいとか思わなかったの?」
和「うーん、でも唯っていつもあんな感じじゃない? 普段通りだと思うけど」
律「……和じゃ駄目だな……」
紬「でもこのままじゃ澪ちゃんが限界よ。もちろん私達もだけど」
律「しかしなぁ……ん、メール……梓からか」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:51:37.16 ID:bZEH5BJ90 [9/16]
紬「何かあったの?」
律「何々……憂が唯先輩を打倒する鍵になりそうです?」
紬「どういうことかしら?」
律「わかんね。とりあえず放課後に唯より先に部室に行けばいいそうだ」
紬「何か梓ちゃんの方で対策ができたってこと?」
律「かなぁ? それまでにこの抜け殻も回復してりゃいいけど」
澪「」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:56:38.73 ID:bZEH5BJ90 [10/16]
唯「――ふあぁ……あれ? もう放課後だ」
和「おはよう、唯。よく寝てたわ」
唯「あ、和ちゃんおはよ~。あれ、りっちゃんたちは?」
和「先に部室行ってるって。何か急いでたわ」
唯「ふーん? それじゃあ和ちゃん、またね~」
和「ええ、それじゃあ」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 01:01:51.76 ID:bZEH5BJ90 [11/16]
律「――そろそろ来る頃だぞ」
澪「ああ、手はず通りにな」
紬「ええ」
梓「はい」
唯「みんなおまたせ~」ガチャ
律「お、おお、唯! 遅かったなー!」
澪「みんな待ってたんだぞ」
唯「ええ~? それなら起こしてくれれば良かったのに~」
紬「まあまあ、まずはお茶にしましょう?」
梓「そうですよ、お疲れでしょうから」
唯「うん? 何かみんなニコニコしてて優しいね」
律「そ、そうかしらぁ?」
澪「(律! 上擦ってるぞ!)」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 01:08:35.49 ID:bZEH5BJ90 [12/16]
唯「うーん、これって……」
紬「(来る!)」
唯「ニコニコ時間ってこと? ん?」
唯「揺れる思いはマシュマロみたいにニコニコしてるの?」
唯「いつも頑張るキミの横顔、ずっと見てても気付かないのかな?」
唯「もしすんなり話せれば、その後はどうにかなっちゃうってことなのかなぁ?」
律「ううぅ……」
澪「」
紬「い、今よ梓ちゃん……!」
梓「は、はい……! 憂、お願い!」
憂「お姉ちゃん……」ガチャ
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 01:13:36.82 ID:bZEH5BJ90 [13/16]
唯「えっ!? なんで憂が準備室から!」
憂「梓ちゃんに話を聞いたの。それ以外にも律さん達に聞いたよ」
唯「あわわわ……」
憂「お姉ちゃん」
唯「はっ、はいっ!」
憂「皆さんに迷惑掛けちゃダメじゃない」
唯「はい……」
憂「めっ!」
唯「ご、ごめんなさいぃ~!」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 01:21:57.30 ID:bZEH5BJ90 [14/16]
律「やれやれ」
澪「これでいつもの唯に戻りそうだな」
紬「良かったわぁ~」
梓「やっぱり憂に頼んだのは正解でしたね」
憂「皆さん、ご迷惑をお掛けしました」
澪「いや、いいんだよ。憂ちゃんが謝る事はないさ」
梓「そうだよ、憂」
憂「でも……」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 01:26:41.59 ID:bZEH5BJ90 [15/16]
律「もう気にしてないって」
紬「私達も、いつもの唯ちゃんに戻ってくれたらそれでいいの」
憂「そうですか……とにかくすみませんでした」
律「あーまた。そんなに謝らなくてもいいって」
憂「あ、すみません! でも……これって」
澪「うん?」
憂「ペコペコ謝ってばかりで、これってペコペコ時間ってことですかね? うん?」
律澪紬梓『えっ』
おしまい!
梓「え!? ちょ、ちょっとどうしたんですか、急に! 今まで仲良くやってきたじゃないですか!?」
澪「違うんだ梓、誰も唯が嫌いになった訳じゃない」
紬「最近の唯ちゃんの言動が……ちょっとね」
梓「は、はぁ、どうにも要点が掴めませんが……」
律「こればっかりは直接体験した方が分かりやすいと思う……そろそろ来る頃だろ」
澪「もう来ちゃうのかぁ」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:20:04.48 ID:HYFdtZp10
紬「わ、私、お茶の用意してくるわね」タッタッタッ……
律「ムギの奴、逃げたな」
澪「仕方ないさ、私だって気が重いよ」
梓「そ、そこまでのものなんですか」
律「例えるなら、徐々に足に来るって感じかな? ボディブローとローキックを交互に打ち付けられてるような」
梓「わかるようでわかりにくい例えですね……具体的にどうなんですか」
澪「えっとな――」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:26:38.72 ID:HYFdtZp10
唯「みんな、遅れてごめ~ん!」ガチャ
律澪「(きったぁ~~~~!)」
梓「? 掃除当番お疲れ様です、唯先輩」
唯「おお、あずにゃん久しぶり! もうクタクタだよ~」
梓「今ムギ先輩がお茶淹れてますよ(何だ、いつも通りの唯先輩じゃない)」
唯「ところで、あずにゃん」
梓「はい、何です?」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:31:57.64 ID:HYFdtZp10
唯「何だか嬉しそうに見えるけど、何かあったの?」
梓「え、そんな顔してました? 何というか最近部室に誰もいなかったんで、やっと練習できるかと思うと」
唯「へぇ~、だからニコニコしてたんだぁ」
梓「そういうことになりますかね」
唯「ねぇ、それってニコニコ時間ってこと?」
梓「ニコニ……え?」
律「(始まった……)」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:37:55.10 ID:HYFdtZp10
唯「ん? 揺れる思いはマシュマロみたいにニコニコ?」
梓「え……え?」
唯「夢の中なら二人の距離縮められるのかな?」
梓「(うっざーーーーーい!!)」
梓「ハッ!」クルッ
律澪「……」
梓「(律先輩と澪先輩が虚空に向かって薄ら笑いを……こういうことだったのか)」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:43:13.05 ID:HYFdtZp10
紬「お茶が入ったわ~……あ、ゆ、唯ちゃん掃除終わったんだ」
唯「今来たとこだよ! あれ? ムギちゃん、肩に何か付いてるよ」
紬「え?」
梓「あ、本当ですね、よっと」
律「なんだ、ただの毛糸か」
紬「ゴミだったの? よかったぁ、変な物付いてるのかと思っちゃった」
唯「うんうん、ゴミでよかったねぇ」
紬「あ……」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:49:24.80 ID:HYFdtZp10
唯「ゴミゴミ時間ってことだよね? いつもハートGOMI☆GOMI?」
紬「うぅ……」
唯「いつもがんばるゴミの横顔、ずっと見てても気付かないのかな?」
澪「お、おい唯……」
唯「あ、そういえば今日は和ちゃんと一緒に勉強する約束してたんだった! じゃあお先に~」ガチャバタン
律「行っちまった……」
梓「まるで嵐のようでしたよ。被害も甚大です」
紬「」
澪「ムギ! しっかりしろ!」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:55:32.29 ID:HYFdtZp10
紬「――はぁ、やっと落ち着いてきたみたい」
律「と、まぁこういう事なんだよ、梓」
梓「皆さんが仰っていた意味がわかりました、確かに強烈です」
澪「まだ梓はあれだけで済んだからいい方だよ」
梓「えっ」
紬「私達はねぇ……」
律「同じクラスだからな」
澪「顔をあわせる度にアレなんだ、正直参ってきたよ」
律「勉強する為に澪の家とか図書館とか集まった時にもアレだからなぁ」
梓「それは……想像したくもないですね」
律「かなりキツかったな」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 22:59:37.17 ID:HYFdtZp10
梓「それで、どうしてふわふわをもじってるんですか?」
律「別に意味なんてないんじゃないか?」
紬「そうね、ふわふわ以外の曲からももじる時はあるの」
律「大概さっきみたいに何とか時間? って聞いてくるんだけどな」
梓「はぁ、マイブームってことなんですかね」
澪「まぁそういう訳だから、梓もこれから目いっぱい聞く事になると思う」
梓「うぅ……」
律「唯のいつもの一過性のブームならいいんだけどな」
紬「このままじゃ勉強も頭に入らないものね」
梓「だ、大丈夫ですよ、明日になったらまた今までの唯先輩になってますよ!」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:02:51.81 ID:HYFdtZp10
梓「――――ところがそうはならなかったのです」
梓「あれから一週間経過しましたが、唯先輩はあの調子で変化なしでした」
梓「どういった感じだったのか」
梓「回想をどうぞ……」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:09:14.93 ID:HYFdtZp10
律『お、唯おっはよー』
唯『おお、りっちゃんおはよ~』
律『今日は憂ちゃんと一緒じゃないんだな』
唯『りっちゃんこそ、澪ちゃんはどうしたの?』
律『いやー、ちょっと寝坊しちゃったらさ、待ってられないって先に行っちゃったんだよ』
唯『あはは、私も寝坊しちゃったけど憂が待ってるって言うんだよね』
唯『でも一緒に遅刻しちゃうのも悪いから、憂を先に行かせたんだ~』
律『同じようなシチュエーションでこの差か……あ、コンビニ寄っていい?』
唯『ほぇ?』
律『実は朝食とってなくてさ』
唯『じゃあ待ってるよ~』
律『悪いな』
唯『どうせ今からじゃ遅刻確定だから気にしないよ』
律『それもそうか、はっはっはっ』
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:14:54.59 ID:HYFdtZp10
律『お待たせー』
唯『お帰り~』
律『仕方ない、歩きながら食べるか』ガサガサ
唯『カレーパン買ってきたんだ』
律『おう、たまに食べると美味いよな』
唯『甘口じゃなく今日は中辛なのかな? ん?』
律『えっ、いや普通のカレーパンだけど』
唯『限界? 辛すぎてもうダメ?』
律『い、いやさ』
唯『ピリリ? ピリリなの? ピリリなのかな?』
律『』
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:19:16.82 ID:HYFdtZp10
梓「と、律先輩はこういうことがあったそうです」
梓「澪先輩とムギ先輩によると、二人で遅刻してきたけど、律先輩だけ生気の無い表情をしていたそうです……」
梓「さもありなん」
梓「では次のケースです……」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:26:02.21 ID:HYFdtZp10
澪『ふぅ……』
唯『あ、澪ちゃんだ』
澪『……』
唯『おーい! 澪ちゃん一人なのー?』
澪『お、おい唯!』
唯『ふぇ? どうしたの、血相変えて』
澪『図書館では静かにするのがマナーだろ! まったく……』
唯『ごめんごめん、それでりっちゃんたちは?』
澪『まだこっちには来てないな』
唯『そうなんだぁ、じゃあ私も先に勉強するかな~』
澪『(唯もやっと受験生として自覚してきたようだな)』
澪『じゃあ私も勝手にやってるから、解からない所あったら聞いてくれよな』
唯『うん、ありがとう澪ちゃん』
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:32:39.14 ID:HYFdtZp10
澪『……』
唯『……』
澪『…………』
唯『……じーっ』
澪『…………わっ!? な、何だよ、唯』
唯『いやぁ……澪ちゃんのノートいいなぁ、と思って』
澪『な、何がだよ?』
唯『綺麗にまとまってるし~、たまに動物書いてあるし~』
澪『そ、そんな細かい所まで見るなよ!』
唯『あと、澪ちゃん』
澪『今度は何だよ!』
唯『そんな大きな声出したらみんなに迷惑だよ』
澪『! ど、どうもすみません…・・・』
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:38:16.33 ID:HYFdtZp10
澪『ふーっ……』
唯『気を付けなよ、澪ちゃん』
澪『あのなぁ、元はと言えば唯が――』
唯『冗談だよ~、そんなにプリプリしないでよ~』
澪『勉強続けるから、もう話し掛けるなよ!』
唯『あれ、澪ちゃん怒っちゃった? プリプリ? プリプリ時間なの?』
澪『うっ』
唯『マシュマロみたいにプリプリしてるね!』
澪『(うざっ!)』
唯『もすこし勇気ふるって自然に話せば何かが変わるのかな? そんな気するのかな?』
澪『』
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:41:42.45 ID:HYFdtZp10
梓「澪先輩はこんな感じだったそうです」
梓「これじゃあ勉強に集中できませんよね……」
梓「さもありなん」
梓「次はムギ先輩に聞いた話ですけど……」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:47:46.88 ID:HYFdtZp10
紬『♪~』
唯『あれ、ムギちゃん一人?』ガチャ
紬『あ、唯ちゃん。そうね、まだ誰も来てないわ』
唯『ふ~ん、それでムギちゃんは何してたの』
紬『みんなが来たらすぐお茶が飲めるように準備してたの。ちょうどできたから唯ちゃん座って?』
唯『わ、ありがと~』
紬『今日のお菓子はマカロンにしました~』
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:52:35.37 ID:HYFdtZp10
唯『おお! マカロン大好き~』
紬『喜んでくれて嬉しいわぁ』
唯『これはまさにはちみつ色の午後だね』
紬『Honey sweet tea time?』
唯『そう! このマカロン、飛行船だよね!』
紬『え、えっと……』
唯『胸がキュンとなるほうへ出かけるのかな? 今日こそやりたかったこと始めるのかな?』
紬『』
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:58:40.52 ID:HYFdtZp10
梓「私達が居ない時にこんな事があったなんて」
梓「お茶とお菓子を前にしても、唯先輩のペースは崩せないようです」
梓「マカロンいいなぁ……」
梓「……はっ、し、失礼」
梓「最後は私です」
梓「まさに今日、登校途中だったんですけど……」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:59:47.57 ID:HYFdtZp10 [22/22]
梓『……』
唯『お、あっずにゃ~ん!』
梓『唯先輩、おはようございます。憂もおはよう』
憂『おはよう、梓ちゃん』
唯『あずにゃんは今日も可愛いね~』ダキッ
梓『ちょっ、やめて下さい! こんな道端で!』
唯『おおぅ、いけずだね~』
梓『当然の反応です!』
憂『二人とも本当に仲いいね』
唯『でしょ~』
梓『はぁ……もういいです……』
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:05:04.99 ID:bZEH5BJ90 [1/16]
唯『お、そんな事言ってたらもう学校着いちゃった』
憂『本当。お姉ちゃん、勉強頑張ってね』
唯『お任せあれだよ~。分からなかったら憂にメールするよ』
梓『本当にしそうで怖いんですけど……唯先輩は憂に頼り過ぎですよ』
唯『できる妹を持つ姉は大変だよ~』
梓『何言ってるんですか。それじゃあまた部活で』
唯『うん、まったね~』
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:11:05.22 ID:bZEH5BJ90 [2/16]
梓「……あれ?」
梓「特に何もなかった」
梓「おかしいなぁ、何か違うところがあったのかな」
憂「梓ちゃん、さっきから一人で何を言ってるの?」
梓「わわっ!? う、憂」
憂「?」
梓「い、いや、何でもないよ、ちょっと独り言。あはは……」
憂「そう? ならいいんだけど……じゃあ私帰るから。部活頑張ってね」
梓「(……はっ! そうだ、今朝は憂が一緒だったんだ)」
梓「(思えば、唯先輩のウザムーブが発動する時に憂が一緒だった時ってない!)」
梓「う、憂! ちょっと待って!」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:17:39.88 ID:bZEH5BJ90 [3/16]
律「――って訳なんだけどさ。和から何か言ってやってくれないか?」
和「大体話は分かったけど、唯がそんな口調してたかしら?」
律「四六時中してるぞ。今だって澪が犠牲になってる」
和「確かに嬉しそうに話しかける唯と、意識が宇宙と交信しだした澪がいるわね」
紬「澪ちゃん……とうとう現実逃避を身に着けたのね」
律「あれ程の破壊力を秘めているんだぞ! 幼馴染としてガツンと言ってやってくれよ!」
和「でも、こっちから見る分には普通の光景なんだけど」
律「実際自分が対象となると分かるんだって。和も絶対に聞いた事あるはずだぞ」
紬「何か覚えてないの?」
和「そう言われても……あ、確かにそう言われれば、この前唯が私の家に勉強しに来た時……」
律「そう、それそれ!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:23:21.24 ID:bZEH5BJ90 [4/16]
和『……』
唯『……ねぇ、和ちゃん』
和『何?』
唯『ここがちょっとわからないんだけど』
和『また? なかなか同じ場所で5回も躓かないわよ』
唯『そうは言っても、そんな簡単に覚えられたら苦労しないよー』
和『はぁ……仕方ないわね。ここはこうで、ここをこうして、そしてこうなるのよ』
唯『おお、そうだった! ありがと~』
和『どういたしまして。人に聞くのもいいけど、ちゃんと自分で考えて理解する事も大事よ』
唯『わかってるよ~、もう大丈夫!』
和『……だといいけど』
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:29:56.99 ID:bZEH5BJ90 [5/16]
唯『……』
和『……』
唯『……うーん』
和『……』
唯『えーっと……うーんとぉ』
和『……』
唯『……の、和ちゃん……』
和『何?』
唯『えっと、ここ……どうやるんだっけ?』
和『はぁ……さっき言った所でしょ?』
唯『そうなんだけど……』
和『……仕方ないわね』
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:35:37.16 ID:bZEH5BJ90 [6/16]
唯『ああ、そうやるんだった!』
和『もう間違えないようにね』
唯『うん、やっぱり和ちゃんは頼りになるよ!』
和『そう』
唯『そうだよ。話を聞きながらでも自分の分をスラスラやってるし』
唯『これってスラスラ時間ってことなのかな? どうかな?』
和『そうね』
唯『マシュマロみたいにスラスラしてて、二人の距離を縮められるのかな?』
和『そうかもしれないわね』
唯『だよね~』
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:40:54.81 ID:bZEH5BJ90 [7/16]
和「――という会話をした記憶はあるわね」
律「……なんというか」
紬「さすが唯ちゃんの幼馴染って感じね」
澪「」
律「おっ、澪。やっと開放されたか」
紬「澪ちゃん、ご苦労様」
澪「」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:47:02.44 ID:bZEH5BJ90 [8/16]
律「ほら和、見てくれよ、この抜け殻状態の澪を! こうなってしまう位に唯の破壊力はあるんだぞ」
和「そう言われても……」
紬「何かおかしいとか思わなかったの?」
和「うーん、でも唯っていつもあんな感じじゃない? 普段通りだと思うけど」
律「……和じゃ駄目だな……」
紬「でもこのままじゃ澪ちゃんが限界よ。もちろん私達もだけど」
律「しかしなぁ……ん、メール……梓からか」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:51:37.16 ID:bZEH5BJ90 [9/16]
紬「何かあったの?」
律「何々……憂が唯先輩を打倒する鍵になりそうです?」
紬「どういうことかしら?」
律「わかんね。とりあえず放課後に唯より先に部室に行けばいいそうだ」
紬「何か梓ちゃんの方で対策ができたってこと?」
律「かなぁ? それまでにこの抜け殻も回復してりゃいいけど」
澪「」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:56:38.73 ID:bZEH5BJ90 [10/16]
唯「――ふあぁ……あれ? もう放課後だ」
和「おはよう、唯。よく寝てたわ」
唯「あ、和ちゃんおはよ~。あれ、りっちゃんたちは?」
和「先に部室行ってるって。何か急いでたわ」
唯「ふーん? それじゃあ和ちゃん、またね~」
和「ええ、それじゃあ」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 01:01:51.76 ID:bZEH5BJ90 [11/16]
律「――そろそろ来る頃だぞ」
澪「ああ、手はず通りにな」
紬「ええ」
梓「はい」
唯「みんなおまたせ~」ガチャ
律「お、おお、唯! 遅かったなー!」
澪「みんな待ってたんだぞ」
唯「ええ~? それなら起こしてくれれば良かったのに~」
紬「まあまあ、まずはお茶にしましょう?」
梓「そうですよ、お疲れでしょうから」
唯「うん? 何かみんなニコニコしてて優しいね」
律「そ、そうかしらぁ?」
澪「(律! 上擦ってるぞ!)」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 01:08:35.49 ID:bZEH5BJ90 [12/16]
唯「うーん、これって……」
紬「(来る!)」
唯「ニコニコ時間ってこと? ん?」
唯「揺れる思いはマシュマロみたいにニコニコしてるの?」
唯「いつも頑張るキミの横顔、ずっと見てても気付かないのかな?」
唯「もしすんなり話せれば、その後はどうにかなっちゃうってことなのかなぁ?」
律「ううぅ……」
澪「」
紬「い、今よ梓ちゃん……!」
梓「は、はい……! 憂、お願い!」
憂「お姉ちゃん……」ガチャ
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 01:13:36.82 ID:bZEH5BJ90 [13/16]
唯「えっ!? なんで憂が準備室から!」
憂「梓ちゃんに話を聞いたの。それ以外にも律さん達に聞いたよ」
唯「あわわわ……」
憂「お姉ちゃん」
唯「はっ、はいっ!」
憂「皆さんに迷惑掛けちゃダメじゃない」
唯「はい……」
憂「めっ!」
唯「ご、ごめんなさいぃ~!」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 01:21:57.30 ID:bZEH5BJ90 [14/16]
律「やれやれ」
澪「これでいつもの唯に戻りそうだな」
紬「良かったわぁ~」
梓「やっぱり憂に頼んだのは正解でしたね」
憂「皆さん、ご迷惑をお掛けしました」
澪「いや、いいんだよ。憂ちゃんが謝る事はないさ」
梓「そうだよ、憂」
憂「でも……」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/12(水) 01:26:41.59 ID:bZEH5BJ90 [15/16]
律「もう気にしてないって」
紬「私達も、いつもの唯ちゃんに戻ってくれたらそれでいいの」
憂「そうですか……とにかくすみませんでした」
律「あーまた。そんなに謝らなくてもいいって」
憂「あ、すみません! でも……これって」
澪「うん?」
憂「ペコペコ謝ってばかりで、これってペコペコ時間ってことですかね? うん?」
律澪紬梓『えっ』
おしまい!
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