スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
唯「りっちゃん大好き」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 15:53:24.10 ID:6iIniPl10 [2/62]
唯「りっちゃん、私ね、りっちゃんの事が好きなの」
律「え?」
とある日の放課後。私は唯に告白された。
部活前の2人きりの部室。他のみんなは掃除当番やら何やらでまだ来ていない。
律「ごめん、今何て言ったの?」
嘘。ただ突然言われたのが、あまりにもあり得ない言葉だったから。
だから、きっと聞き間違いだろうと思ったんだ。そう思いたかったんだ
唯「りっちゃん、私ね、りっちゃんの事が好きなの」
律「え?」
とある日の放課後。私は唯に告白された。
部活前の2人きりの部室。他のみんなは掃除当番やら何やらでまだ来ていない。
律「ごめん、今何て言ったの?」
嘘。ただ突然言われたのが、あまりにもあり得ない言葉だったから。
だから、きっと聞き間違いだろうと思ったんだ。そう思いたかったんだ
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 15:58:10.82 ID:6iIniPl10 [3/62]
唯「りっちゃん、私ね、りっちゃんの事が好きなの」
律「…」
どうやら聞き間違いではなかったようだ。一字一句同じだ。
私は固まってしまった。きっと他の誰かが今の見たら、ザ・ワールドのスタンドでも発動しているのかと思うだろう。
唯が私の事を好き?それは…どういう意味で?
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:03:18.27 ID:6iIniPl10
普通に考えればもちろん友達同士の意味だろう。
いつも梓に「あずにゃん大好き~」とか言ってる唯の事だからな。
唯がすごいまじめな顔をしているような気がするがきっと気のせいだろう。
律「と、突然どうしたんだー。照れるだろー。も、もちろん私も大好きだぞこのやろー」
だから私もいつも通りのノリでかえした。
きっと唯の事だから「なんだと~。じゃあ私は大大好きだよ~」とかふざけたことを言ってくるはずだ。
唯「ううん、違うんだよりっちゃん」
唯「りっちゃんの言う好きと私の好きは違うんだ」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:10:54.91 ID:6iIniPl10
私の予想とは違う唯の答え。相変わらずの真剣な雰囲気。
私の顔をまっすぐ見つめてくる唯。
さすがの私も、唯が何を言おうとしているのかがわかった。
律「ど、どういう意味だよ?唯」
それでも私は気が付いていないふりをする。
信じたくなかったから。唯が引き返してくれることを祈ったから。
唯「りっちゃんと一緒にいるとね、とっても楽しいんだ。2人で子供みたいにふざけあったりして。
りっちゃんと一緒にいるときは、すごい心が安らぐんだ」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 16:17:32.14 ID:6iIniPl10
やめてくれ・・・唯
唯「それでね、いつからか、気がついたらいつもりっちゃんの事考えるようになってた。
りっちゃんに会うと、いつも胸がどきどきしてた」
それ以上は言わないでくれ・・・
唯「りっちゃんはすごいかっこよくて。でもそれ以上に女の子らしくて。かわいくて」
唯「りっちゃん。私の好きはね、そういう好きなんだよ」
唯・・・
唯「好きです、りっちゃん。私と付き合ってください」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:23:52.79 ID:6iIniPl10
再びザ・ワールド。
ついさっきまで梓のパンツがどんな柄か、なんて話をしていたとはとても信じられないような空気が流れている
律「ははは・・・冗談だよな?」
ようやく口をでた言葉。
冗談ではないことなど分かっていたが、こう言わずにはいられなかった。
唯「ううん、冗談じゃないよ」
律「いや、だっておかしーし・・・私たち女同士だし」
唯「恋愛に性別は関係ないよ」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:31:47.54 ID:6iIniPl10
恋愛に性別なんて関係ない・・・。漫画や小説などでよく聞くフレーズだ。
私も今の今までそう思っていた。
恋愛は自由。同性を好きになることがあっても仕方ないんじゃないかって。
でも、それはフィクションのお話の中の事で。
自分には関係のない世界のことだったから。
唯「本気なの。本気でりっちゃんの事が好きなの」
唯「こんなこと言ったらりっちゃんに嫌われるかもしれないと思った・・・でもどうしても我慢できなくなって」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:39:51.06 ID:6iIniPl10
どんどん小さくなっていく唯の声。
心なしか涙声になっている気がする。
唯「返事を・・・聞かせてほしい。駄目なら全然そう言ってくれていいから。
そしたらりっちゃんの事、ちゃんと諦めるから・・・」
律「いや・・・あの・・・その・・・」
私はさっき唯になんて答えたんだっけ・・・?
もう、思い出せなくなってしまった。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 16:46:43.51 ID:6iIniPl10
梓「こんにちはー」
私が返事をする前に、梓が部室に入ってきた。すごいタイミングで入ってくる奴だ。
梓「って、あれ?どうかしたんですか?」
この場の空気を感じたのか、梓が聞いてきた。
律「いや!なんでもない!なんでもないよ」
梓「そうですか。ってどうしたんですか唯先輩!なんで泣いてるんですか!?」
そう言って唯に走り寄る梓。心配そうな表情をしている。
梓「律先輩に何かされたんですか!?」
ひどい後輩である。
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:53:06.28 ID:6iIniPl10
唯「ううん。違うよあずにゃん。ちょっと目にゴミが入っちゃってさ~。心配させてごめんね」
涙目で笑いかける唯。
今度は梓は私のほうを見て言った。
梓「律先輩。本当ですか?」
それは私を非難したり疑っている感じではなく、純粋に唯を心配しているようだった。
律「・・・ホントだよホント。いくらなんでも泣くことはないよな~。唯も」
最低だ。私って。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:59:16.16 ID:6iIniPl10
唯「あはは~。ごめんごめん」
梓「もう先輩はー。はい、ハンカチです」
唯「ありがとうあずにゃん。お礼にギュー」
梓「にゃ!そんなお礼はいらないです!」
唯「照れちゃってかわいいな~あずにゃんは」
梓「照れてないです!離してください」
目の前で繰り広げられるいつもの光景。
でも、それを見ている私の心の中は、いつもと違っていた。
私は、親友のことを、「気持ち悪い」と思ってしまっていた。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:06:42.73 ID:6iIniPl10
その日の部活が終わった後、用事があると言って私は1人で先に帰った。
もちろん用事なんてない。私はただ唯から逃げたかった。
律「はぁ・・・」
1人きりの帰り道で、私は大きなため息をついた。
ホントに最低だ、私。
唯が勇気を出して告白してきたのに、返事もせずに唯から逃げ、あげく気持ち悪いと思うなんて。
律「どうしよう・・・」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 17:15:01.62 ID:6iIniPl10
明日からどう唯と接すればいいんだろうか。
もしまた唯が返事を求めてきたら、なんて答えればいいんだろう。
私は唯をそういう風に見たことはない。だから付き合うことはできない。
そう言えばいいのは分かっている。
けどそう言ったら唯を気づつけてしまいそうで。どうすればいいのか分からなくなる。
なにも言わないこの状態が、一番唯を傷つけているのは分かっているのに。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:17:19.63 ID:6iIniPl10
遅いのはごめん。携帯のメモ帳で書いたのをこっちに書いてる。
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 17:19:22.97 ID:6iIniPl10
律「ただいまー」
家に帰った私は、制服のままベットに倒れこんだ。なにもやる気が起きない。
下からご飯だと呼ぶ声が聞こえた気がしたが無視をした。
視界がぼんやりとしていく。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 17:24:10.93 ID:6iIniPl10
ポケットに入っている携帯の振動で私は目を覚ました。
どうやらいつの間にか眠ってしまったらしい。携帯で時間を確認すると10時半過ぎ。
メールが一通きていた。
唯からかと思い恐る恐る見てみると、差出人は唯ではなく澪だった。
澪『今日の部活中の律と唯、様子がおかしかったぞ。何かあったのか?』
・・・澪に相談してみるか?正直私1人じゃどうしていいかわからない。
律『今日唯に告白されたんだ。どうしたらいいと思う?』
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 17:28:31.12 ID:6iIniPl10
そんなメールを書いて、送信ボタンを押そうとしたとき、ふと唯の事が頭に浮かんだ。
こんな事を勝手に人に話していいんだろうか?
こんなことを知ったら、澪は唯の事をどう思うだろうか?
私は書いたメールを削除して、
律『なんにもないよ。澪ちゅわんは心配症ですな(笑)』
というメールを新たに書いて送った。
それから下に言って、親が置いておいてくれたご飯を食べ、風呂に入ってからまたベッドに横になった。
携帯に返信が来ているみたいだが、確認する気はおきなかった。
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:34:15.53 ID:6iIniPl10
朝、私はいつもより早く目が覚めた。
朝食を食べて、制服を着て、髪をセットして。
いつも通り学校に行く準備を整える。
一通りの準備はし終わったが、肝心の心の準備はまだ全然できていない。
学校に行けば唯がいる。
こんなに学校に行きたくないと思うのは生まれて初めてかもしれない。
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 17:38:42.37 ID:6iIniPl10
律「いってきまーす」
それでも行かないわけにはいかず、私は重い足取りで学校に向かう。
澪「りーつー」
途中で後ろから走ってきた澪と合流した。
澪「律、なんで昨日メール返してくれないんだよ」
律「ごめんごめん、昨日は眠くてさ、すぐ眠っちゃったんだ」
嘘は言ってないよな
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:43:39.96 ID:6iIniPl10
澪「はあ。まあそれはいいよ。それより昨日の事を話してくれよ」
律「だから何もないってば。そんなに私と唯の様子変だった?」
澪「変だったよ。だってお前たち昨日ほとんど会話してないじゃないか?」
律「そうかな?まあもしそうだったとしてもたまたまだよ、たまたま」
澪「でも」
律「何でもないって。もうこの話はやめようぜ」
澪「・・・分かったよ。もう言わない」
それから私たちは他愛もない話をしながら歩いた。
ごめんな澪。いつも心配してくれてありがとう。
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:49:21.66 ID:6iIniPl10
紬「りっちゃん、澪ちゃん、おはよう」
律「おっす、ムギ」
澪「おはよう」
私たちは学校に先に来ていたムギとあいさつを交わした。
ちらりと唯の席のほうを見る。唯はまだ来ていないみたいだ。
紬「唯ちゃんはまだ来ていないみたいよ」
私の視線を感じたのか、ムギがそう言った。
・・・そう言えばムギって女の子が好きなんだっけ?
いや、本人に聞いたわけじゃないんだけど、なんとなくそんな雰囲気あるよな。
・・・ムギなら大丈夫かもしれない。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:54:44.24 ID:6iIniPl10
律「あ、そういえば澪、昨日さわ子先生が呼んでたぜ」
澪「は!?昨日!?じゃあなんで昨日言わないんだよ?」
律「忘れてた。てへっ」
ゴツッ
律「いった!」
澪「忘れてたじゃないろ!」
律「ごめんごめん、今からでも行った方がいいんじゃない?」
澪「本当に謝ってるのかそれ・・・。まあいいや。行ってくる」
紬「いってらっしゃい」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 17:59:42.85 ID:6iIniPl10
これでよし。あとは澪と唯が来るまでに相談終わらせないと。
律「ところでさムギ。ムギって女の子同士の恋愛ってどう思う?」
さすがに名前を出すのはまずいと思い、ちょっと遠まわしに聞いてみることにする。
紬「女の子同士の恋愛?どうしたの急に?」
律「いや別に。ただなんとなくね」
紬「もしかしてりっちゃん!?」
律「違うから」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 18:02:51.79 ID:6iIniPl10
紬「女の子同士の恋愛か~。私は別にいいと思うかな」
律「本当に?」
紬「ええ。本人たちの自由じゃないかしら」
律「じゃあもし、それがムギだったら?」
紬「どういうこと?」
律「もし誰か女の子がムギに告白してきたらどうする?」
紬「・・・」
少しの沈黙。
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 18:07:11.62 ID:6iIniPl10
紬「残念だけど、お断りするわ」
律「どうして?」
紬「女の子同士の恋愛も別にいいとは言ったけど、あくまで他の人の話。
残念ながら、私は異性愛者だもの」
そうなんだ。意外。
律「告白してきたのがすごい仲のいい女の子でも?」
紬「ええ。友達以上として見ることはできないと思うわ」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 18:12:51.38 ID:6iIniPl10
律「でも、断ったらその人を傷つけるかもしれない」
紬「そうかもしれないわね。でも、好きでもないのに付き合うわけにはいかないでしょ?
その方が、もっと相手を傷つけることになると思うし」
紬「それに断っても、きっとその後は、もっと仲良くなることができると思うの」
律「・・・そうなのかな?」
もっと仲良く・・・か
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:18:21.59 ID:6iIniPl10
律「ムギはさ、自分の友達が自分をそういう風に見てても、なにも思わないの?」
紬「思うわよ。嬉しいって」
律「嬉しい?」
紬「ええ。相手が男の人でも女の人でも、自分に好意をよせてくれたら、嬉しいって思うんじゃないかしら」
律「・・・」
ムギがすごいのか、私が小さいのか、分からなくなる。
ただひとつ言えることは
紬「りっちゃんは?」
律「え?」
紬「りっちゃんは女の子同士の恋愛、どう思うの?」
律「私は・・・」
ただひとつ言えることは、きっと私には、ムギみたいな考えはできないということ
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:23:03.57 ID:6iIniPl10
ガラガラ
さわ子「みんなー。席についてー。HR始めるわよ」
紬「あ、先生来ちゃった。また後でね、りっちゃん」
そう言ってムギは席に戻っていった。
さわ子先生と同時に戻ってきた澪ももう席についている。
澪がこっちをすごい迫力で睨んできた。
ハハハ、こりゃ殴られるのを覚悟しなきゃいけないな。
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:27:45.52 ID:6iIniPl10
先生が出席表の名前を読み上げていく。
唯はまだ来ていない。心配する気持ちのほかに、ホッとしている気持ちを持っている自分がいる。
でもホントどうしたんだろう。もしかして私のせいで不登校に、とかないよな?
さわ子「平沢さん?平沢唯さん?」
当たり前だが返事はない。
さわ子「平沢さん今日は休みかしら?」
?「休みじゃないです!」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:34:16.27 ID:6iIniPl10
ドアを勢いよく開けて唯が登場した。瞬間、私の心臓も勢いよく飛びあがる。
唯「これはセーフですよね!?さわちゃん!?」
さわ子「アウトです。それで、遅刻の理由は?」
唯「道路で大きな荷物を持った外国人の妊婦さんに道を聞かれて、その後
その荷物を持って道案内してあげたら陣痛が始まっちゃって・・・」
さわ子「遅刻の理由は?」
唯「・・・というような夢をずっと見ていました・・・」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:37:16.37 ID:6iIniPl10
さわ子「つまり寝坊ね」
唯「すいません・・・」
さわ子「はあ・・・。いいわ。早く席に着きなさい。」
唯「はーい」
そういって席に向かう唯。
途中、唯が私のほうを見たが、私はつい目をそらしてしまった。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:41:27.18 ID:6iIniPl10
唯「おはよーりっちゃん」
律「お、おう。おはよう」
HRの後、唯が私に話しかけてきた。
心の準備が出来ていなかったから、話しかけられてドキッとしてしまう。
唯「澪ちゃんもムギちゃんもおはよー」
紬「おはよう唯ちゃん」
澪「おはようじゃないだろ。また寝坊か唯?」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 18:46:40.05 ID:6iIniPl10
唯「はぅ・・・。でもだってひどいんだよ憂ったら。いつもはちゃんと起してくれるのに、
今日は日直だからって早く言っちゃってさ~」
澪「憂ちゃんのせいにするなよ。唯もそろそろ1人で起きれるようにならないと。なあ律?」
律「あ、ああ。そうだな」
唯「え~。無理だよー」
澪「諦めるなよ」
紬「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:50:33.90 ID:6iIniPl10
唯はいつも通りに見えた。とても昨日私に告白してきたようには思えない。
もしかしたら思っていたより気にしていないのかもしれない。
そう思ったが、ふと唯の目の周りが少し腫れていることに気がついた。クマも少しあるような気がする。
・・・きっと寝坊したなんて嘘だ。
私が唯を傷つけてしまったんだ。
それが分かっているのに、私は唯にどうしてあげればいいのか、分からなかった。
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 18:56:25.46 ID:6iIniPl10
唯『りっちゃん、今日の部活の後ちょっといいかな?』
授業中、唯からメールが来た。間違いなく昨日の事だろう。
私は唯に返事をしなければならない。
それで唯を傷つけることになっても。
また今まで通り、いやそれ以上の私たちに戻るために。
だから私は・・・
律『ごめん、今日はちょっと用事があってさ。部活出れそうにないんだ』
私はまた逃げた。
元通りになる機会を、自分から捨てたんだ。
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:01:54.54 ID:6iIniPl10
それから私は、唯を避けるようになった。
私から唯に話しかけることがほとんどなくなり、部活にも行かなくなった。
唯も私のそんな様子には気付いているだろう。
それなのに、唯は私に毎日笑顔で話しかけてくる。
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:05:35.33 ID:6iIniPl10
唯「りっちゃーん、昨日のバラエティー番組見た?」
律「いや・・・見てないな」
唯「そうなんだ。面白かったのにもったいないなー。あのね、芸人さんがいっぱいでてねゲームで
勝負するんだけど、みんなすごい楽しそうだったんだ。私も一回ああいうの出てみたいな~」
律「唯が出ても勝負にならないだろ?」
唯「うっ・・・。りっちゃんひどい・・・」
律「ははは・・・」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 19:10:31.75 ID:6iIniPl10
あの日から2週間。
結局あれから一度も部活に行っていない。
今日の授業が終わり、帰ろうとして下駄箱で靴を履き替えていた、澪が話しかけてきた
澪「律、今日も学校に行かないつもりか?」
律「ああ、今日も用事があってな」
澪「嘘つくな」
唯「・・・唯の事だろ?」
律「・・・」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 19:17:40.85 ID:6iIniPl10
澪「私はお前達に何があったのかは知らない。唯もお前も、なにもないって言って教えてくれないし」
澪「でもいいよ、。お前たちが教えたくないって言うなら私も無理に聞いたりはしない。」
澪「けど私は心配なんだよ。お前たちの事・・・。それに私たちの事も」
澪「最近さ、あんまり部の雰囲気良くないんだ。前ほど会話も無くなっちゃったし。
このままじゃ、もう元には戻れなくなっちゃうんじゃないかって・・・」
律「・・・」
私は分かっていなかった。
私の行動は私と唯だけじゃなく、軽音部全体の雰囲気を悪くしていたことに。
私が、軽音部の関係にヒビを入れてしまったんだ。
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 19:20:26.59 ID:6iIniPl10
ごめんなさい
>>62は
澪「・・・唯の事だろ?」ですね
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:24:05.35 ID:6iIniPl10
澪「なあ、律・・・。お前たち、仲直り出来ないのか?」
私たちは喧嘩をしたわけではない。
だから仲直りというのは少しおかしい気もするけど。
だけど
律「したいよ・・・。仲直り」
澪「だったら」
律「でも・・・無理だよ」
変わってしまったから。
唯の私を見る目が。
私の唯を見る目が。
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:26:03.83 ID:6iIniPl10
ごめんなさい。間違えまくりですね。
>>62
澪「律、今日も部活に行かないつもりか?」
です
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:31:01.07 ID:6iIniPl10
澪「無理じゃないよ!部活の時の唯、明るくふるまってるけど、たまにすごく寂しそうにしてる。
絶対唯も律と仲直りしたいと思ってるはずだよ」
澪「だからさ、律。部活行こ?私も一緒にいってフォローするからさ」
律「・・・」
私は・・・責任を取らなければいけないのかもしれない。
今まで逃げ続けた責任を。
たくさんのものを傷つけてしまった責任を。
だから、私は・・・
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:33:38.82 ID:6iIniPl10
律「・・・わかった」
澪「ホントか!?」
律「ああ。でも澪、今日は確か掃除当番だろ?」
澪「そんなのさぼるさ」
律「あのまじめな澪ちゅわんが掃除をさぼるなんて言い出すなんて、明日は雨かな?」
澪「うるさい」
殴られるかと思ったけど、澪は何もしてこなかった。
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 19:37:44.94 ID:6iIniPl10
律「ハハハ。でも澪、お前は掃除に行ってくれ」
澪「いや、でも」
律「手伝ってくれるて言ってくれたのはすごい嬉しい。でもやっぱり、まずは2人だけで話したいんだ」
澪「大丈夫なのか?」
律「たぶんな」
澪「・・・わかったよ。」
律「ありがとう。じゃあ、私は先に行ってるよ」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:42:06.57 ID:6iIniPl10
澪「律」
律「ん?」
律「その・・・。頑張れ」
律「おう。頑張る」
そう言って私は久しぶりに部室に向かった。
2週間しかたってないのに、この道程が懐かしいと思うのは大げさかな。
それにしても「頑張る」か。仲直りを頑張るってのもなんか変な感じだな。
これは後で知ったことなんだけど、「頑張る」には「忍耐して努力する」って意味もあるらしい。
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:47:24.85 ID:6iIniPl10
唯「あ!りっちゃん」
部活前の2人きりの部室。他のみんなは掃除当番やら何やらでまだ来ていない。
唯「良かった。今日は部活出れるんだね。」
律「ああ。なかなか来れなくて悪かったな」
唯「用事があったんだもん。しょうがないよ」
律「・・・」
唯「・・・」
会話が止まる。今度こそと思っていたのに、唯の顔を見ると決意が鈍る。
いや、ちゃんと言わなくちゃ。
澪にも頑張るって言ったしな。
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:52:17.67 ID:6iIniPl10
律「なあ、唯・・・。私さ、唯に話が」
唯「りっちゃん」
私の話を唯が遮る。
唯「その前にさ、私もりっちゃんに話があるんだ」
律「え?」
唯「2週間前に私が言ったことね、あれ冗談」
律「・・・は?」
唯「だからさ、あの告白は冗談なんだよ。まさかりっちゃんが本気にしちゃうとは思わなかったけど」
律「・・・」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:58:12.01 ID:6iIniPl10
そんなの嘘だ。それくらい私にも分かる。
でも、唯が何でこんな事を言い出したのか、それも痛いほど分かった。
私のせいだ。
唯「りっちゃんが部活に来なくなっちゃったのって、ホントは私のせいだよね?
私が変なこと言ったから、りっちゃんも来づらくなっちゃったんだよね?」
唯「だから、ごめんね。変なこと言って。でも冗談だからさ、全然気にしないで。
また今まで通り、楽しくやろうよ」
何で唯が謝るんだよ・・・。
謝らなきゃいけないのは私なのに・・・。
唯にこんなことまで言わせて・・・。
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 20:03:00.15 ID:6iIniPl10
唯「あっ、そうだりっちゃん聞いてよー。あずにゃんったらひどいんだよ。昨日ね、」
律「唯!」
唯「っ!」
今度は唯の言葉を私が遮る。
唯「な、なに?りっちゃん」
律「行っただろ。私も話があるって」
唯「え?でも、それはもう・・・」
律「唯、聞いてくれ。私は」
唯「嫌!聞きたくない!」
唯が叫んだ。
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 20:04:52.50 ID:6iIniPl10
なんだろ。澪のとこばっかミスるww
>>75
澪「その・・・頑張れ」です
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:09:59.12 ID:6iIniPl10
唯「りっちゃん・・・もういいじゃん・・・。私が冗談だって言ってるんだよ?
もうやめてよ・・・」
律「やめない」
言わなくちゃ。私の決意を。
律「唯、私は」
自分の気持ちを殺してでも。
律「唯が好きだ」
唯「・・・え?」
律「付き合って欲しい」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:16:05.32 ID:6iIniPl10
唯「嘘・・・」
律「嘘じゃない」
唯「嘘だよ!」
律「嘘じゃない」
唯「だってりっちゃん私の事避けてた!私の事が嫌いになったんでしょ!?」
律「確かに唯の事を避けてたのは認める。ごめん。でもそれは、唯が嫌いになったわけじゃなくて、
その・・・。ちょっと唯とどう接していいか分からなくなっちゃったんだ」
律「でも、唯と離れてから、やっと自分の気持ちに気がついたんだ」
律「私は、唯が好きだ」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:20:02.92 ID:6iIniPl10
唯「・・・ホントに?」
律「ああ」
唯「私達、女の子同士だよ?」
律「恋愛に性別は関係ないだろ?」
唯「うぅ、りっちゃん・・・。りっちゃーん!」
唯が私の胸に飛び込んできた。子供みたいに大声をあげて泣いている。」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:24:21.73 ID:6iIniPl10
唯「りっちゃん。私もりっちゃんの事が好き」
律「うん。ありがとう、唯。嬉しいよ」
これでいいんだ。私だけが耐えれば、みんな幸せになれるんだから。
澪「律・・・」
澪が恐る恐るという感じで入ってきた。
私の胸で泣いている唯を見て、「どうなったんだ?」みたいな視線を送ってくる。
だから私は澪に言った。
律「大丈夫。仲直り、できたよ」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:29:52.74 ID:6iIniPl10
梓「そうなんですか。まあ仲直りしてくれたなら良かったです。
あんな律先輩でも一応部長ですからね。いてくれないと困ります」
紬「そんなこと言って。梓ちゃんが一番心配してたんじゃない?」
澪「そうだな。部活中もいつも唯の事気にかけてたしな」
梓「なっ!そんなことないです。気のせいです。それより」
梓は少し前を歩いている2人を見ながら言った。
梓「今度は仲良くなりすぎじゃないですか?」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 20:35:35.99 ID:6iIniPl10
今は部活の終わった後。久しぶりの5人一緒の帰り道だ。
ムギと梓と澪が3人並んで、その少し前を私と唯が手をつなぎながら歩いている。
澪「まあいいんじゃないか?やっと仲直りできたんだから今日くらい」
梓「いえ、そういうことではなく。なんか怪しくないですかあの2人?」
澪「怪しいって何がだ?」
梓「何がって・・・。いえ、そうですね。たぶん私の考えすぎです」
紬「そうかしら?」
梓「え?」
紬「ううん。なんでもない」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 20:39:19.21 ID:6iIniPl10
唯「りっちゃん」
律「なんだ?唯」
唯「へへへー。なんでもない」
律「変な唯。じゃあ、唯」
唯「なに?りっちゃん」
律「なーんでもない」
唯「変なりっちゃん」
唯はそういって私に笑いかけてくる。
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 20:42:01.45 ID:6iIniPl10
今日の部活は楽しかった。
久しぶりに軽音部のみんなでお茶をして、おしゃべりして、ちょっとだけ練習して。
軽音部にできていたヒビを、私はふさぐことができたみたいだ。
これからも私は、この関係がずっと続くように「頑張る」よ。
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:45:33.78 ID:6iIniPl10
唯「ねえりっちゃん」
律「今度は何だ?」
唯「私ね、今とっても幸せなんだ」
律「私もだよ」
唯「うん。りっちゃん大好き。これからもよろしくね」
律「おう」
力強く答える私。安心しろ、唯。これからも私は頑張るよ。
たださ、最後に一つだけ。
唯ってさ、本当に
気持ち悪い。
おわり。
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:46:51.08 ID:6iIniPl10 [62/62]
これで終わりです。
初めてのSSでミスばっか&文章も下手だったと思いすが、読んでくれた方、ありがとうございます
唯「りっちゃん、私ね、りっちゃんの事が好きなの」
律「…」
どうやら聞き間違いではなかったようだ。一字一句同じだ。
私は固まってしまった。きっと他の誰かが今の見たら、ザ・ワールドのスタンドでも発動しているのかと思うだろう。
唯が私の事を好き?それは…どういう意味で?
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:03:18.27 ID:6iIniPl10
普通に考えればもちろん友達同士の意味だろう。
いつも梓に「あずにゃん大好き~」とか言ってる唯の事だからな。
唯がすごいまじめな顔をしているような気がするがきっと気のせいだろう。
律「と、突然どうしたんだー。照れるだろー。も、もちろん私も大好きだぞこのやろー」
だから私もいつも通りのノリでかえした。
きっと唯の事だから「なんだと~。じゃあ私は大大好きだよ~」とかふざけたことを言ってくるはずだ。
唯「ううん、違うんだよりっちゃん」
唯「りっちゃんの言う好きと私の好きは違うんだ」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:10:54.91 ID:6iIniPl10
私の予想とは違う唯の答え。相変わらずの真剣な雰囲気。
私の顔をまっすぐ見つめてくる唯。
さすがの私も、唯が何を言おうとしているのかがわかった。
律「ど、どういう意味だよ?唯」
それでも私は気が付いていないふりをする。
信じたくなかったから。唯が引き返してくれることを祈ったから。
唯「りっちゃんと一緒にいるとね、とっても楽しいんだ。2人で子供みたいにふざけあったりして。
りっちゃんと一緒にいるときは、すごい心が安らぐんだ」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 16:17:32.14 ID:6iIniPl10
やめてくれ・・・唯
唯「それでね、いつからか、気がついたらいつもりっちゃんの事考えるようになってた。
りっちゃんに会うと、いつも胸がどきどきしてた」
それ以上は言わないでくれ・・・
唯「りっちゃんはすごいかっこよくて。でもそれ以上に女の子らしくて。かわいくて」
唯「りっちゃん。私の好きはね、そういう好きなんだよ」
唯・・・
唯「好きです、りっちゃん。私と付き合ってください」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:23:52.79 ID:6iIniPl10
再びザ・ワールド。
ついさっきまで梓のパンツがどんな柄か、なんて話をしていたとはとても信じられないような空気が流れている
律「ははは・・・冗談だよな?」
ようやく口をでた言葉。
冗談ではないことなど分かっていたが、こう言わずにはいられなかった。
唯「ううん、冗談じゃないよ」
律「いや、だっておかしーし・・・私たち女同士だし」
唯「恋愛に性別は関係ないよ」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:31:47.54 ID:6iIniPl10
恋愛に性別なんて関係ない・・・。漫画や小説などでよく聞くフレーズだ。
私も今の今までそう思っていた。
恋愛は自由。同性を好きになることがあっても仕方ないんじゃないかって。
でも、それはフィクションのお話の中の事で。
自分には関係のない世界のことだったから。
唯「本気なの。本気でりっちゃんの事が好きなの」
唯「こんなこと言ったらりっちゃんに嫌われるかもしれないと思った・・・でもどうしても我慢できなくなって」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:39:51.06 ID:6iIniPl10
どんどん小さくなっていく唯の声。
心なしか涙声になっている気がする。
唯「返事を・・・聞かせてほしい。駄目なら全然そう言ってくれていいから。
そしたらりっちゃんの事、ちゃんと諦めるから・・・」
律「いや・・・あの・・・その・・・」
私はさっき唯になんて答えたんだっけ・・・?
もう、思い出せなくなってしまった。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 16:46:43.51 ID:6iIniPl10
梓「こんにちはー」
私が返事をする前に、梓が部室に入ってきた。すごいタイミングで入ってくる奴だ。
梓「って、あれ?どうかしたんですか?」
この場の空気を感じたのか、梓が聞いてきた。
律「いや!なんでもない!なんでもないよ」
梓「そうですか。ってどうしたんですか唯先輩!なんで泣いてるんですか!?」
そう言って唯に走り寄る梓。心配そうな表情をしている。
梓「律先輩に何かされたんですか!?」
ひどい後輩である。
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:53:06.28 ID:6iIniPl10
唯「ううん。違うよあずにゃん。ちょっと目にゴミが入っちゃってさ~。心配させてごめんね」
涙目で笑いかける唯。
今度は梓は私のほうを見て言った。
梓「律先輩。本当ですか?」
それは私を非難したり疑っている感じではなく、純粋に唯を心配しているようだった。
律「・・・ホントだよホント。いくらなんでも泣くことはないよな~。唯も」
最低だ。私って。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:59:16.16 ID:6iIniPl10
唯「あはは~。ごめんごめん」
梓「もう先輩はー。はい、ハンカチです」
唯「ありがとうあずにゃん。お礼にギュー」
梓「にゃ!そんなお礼はいらないです!」
唯「照れちゃってかわいいな~あずにゃんは」
梓「照れてないです!離してください」
目の前で繰り広げられるいつもの光景。
でも、それを見ている私の心の中は、いつもと違っていた。
私は、親友のことを、「気持ち悪い」と思ってしまっていた。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:06:42.73 ID:6iIniPl10
その日の部活が終わった後、用事があると言って私は1人で先に帰った。
もちろん用事なんてない。私はただ唯から逃げたかった。
律「はぁ・・・」
1人きりの帰り道で、私は大きなため息をついた。
ホントに最低だ、私。
唯が勇気を出して告白してきたのに、返事もせずに唯から逃げ、あげく気持ち悪いと思うなんて。
律「どうしよう・・・」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 17:15:01.62 ID:6iIniPl10
明日からどう唯と接すればいいんだろうか。
もしまた唯が返事を求めてきたら、なんて答えればいいんだろう。
私は唯をそういう風に見たことはない。だから付き合うことはできない。
そう言えばいいのは分かっている。
けどそう言ったら唯を気づつけてしまいそうで。どうすればいいのか分からなくなる。
なにも言わないこの状態が、一番唯を傷つけているのは分かっているのに。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:17:19.63 ID:6iIniPl10
遅いのはごめん。携帯のメモ帳で書いたのをこっちに書いてる。
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 17:19:22.97 ID:6iIniPl10
律「ただいまー」
家に帰った私は、制服のままベットに倒れこんだ。なにもやる気が起きない。
下からご飯だと呼ぶ声が聞こえた気がしたが無視をした。
視界がぼんやりとしていく。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 17:24:10.93 ID:6iIniPl10
ポケットに入っている携帯の振動で私は目を覚ました。
どうやらいつの間にか眠ってしまったらしい。携帯で時間を確認すると10時半過ぎ。
メールが一通きていた。
唯からかと思い恐る恐る見てみると、差出人は唯ではなく澪だった。
澪『今日の部活中の律と唯、様子がおかしかったぞ。何かあったのか?』
・・・澪に相談してみるか?正直私1人じゃどうしていいかわからない。
律『今日唯に告白されたんだ。どうしたらいいと思う?』
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 17:28:31.12 ID:6iIniPl10
そんなメールを書いて、送信ボタンを押そうとしたとき、ふと唯の事が頭に浮かんだ。
こんな事を勝手に人に話していいんだろうか?
こんなことを知ったら、澪は唯の事をどう思うだろうか?
私は書いたメールを削除して、
律『なんにもないよ。澪ちゅわんは心配症ですな(笑)』
というメールを新たに書いて送った。
それから下に言って、親が置いておいてくれたご飯を食べ、風呂に入ってからまたベッドに横になった。
携帯に返信が来ているみたいだが、確認する気はおきなかった。
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:34:15.53 ID:6iIniPl10
朝、私はいつもより早く目が覚めた。
朝食を食べて、制服を着て、髪をセットして。
いつも通り学校に行く準備を整える。
一通りの準備はし終わったが、肝心の心の準備はまだ全然できていない。
学校に行けば唯がいる。
こんなに学校に行きたくないと思うのは生まれて初めてかもしれない。
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 17:38:42.37 ID:6iIniPl10
律「いってきまーす」
それでも行かないわけにはいかず、私は重い足取りで学校に向かう。
澪「りーつー」
途中で後ろから走ってきた澪と合流した。
澪「律、なんで昨日メール返してくれないんだよ」
律「ごめんごめん、昨日は眠くてさ、すぐ眠っちゃったんだ」
嘘は言ってないよな
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:43:39.96 ID:6iIniPl10
澪「はあ。まあそれはいいよ。それより昨日の事を話してくれよ」
律「だから何もないってば。そんなに私と唯の様子変だった?」
澪「変だったよ。だってお前たち昨日ほとんど会話してないじゃないか?」
律「そうかな?まあもしそうだったとしてもたまたまだよ、たまたま」
澪「でも」
律「何でもないって。もうこの話はやめようぜ」
澪「・・・分かったよ。もう言わない」
それから私たちは他愛もない話をしながら歩いた。
ごめんな澪。いつも心配してくれてありがとう。
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:49:21.66 ID:6iIniPl10
紬「りっちゃん、澪ちゃん、おはよう」
律「おっす、ムギ」
澪「おはよう」
私たちは学校に先に来ていたムギとあいさつを交わした。
ちらりと唯の席のほうを見る。唯はまだ来ていないみたいだ。
紬「唯ちゃんはまだ来ていないみたいよ」
私の視線を感じたのか、ムギがそう言った。
・・・そう言えばムギって女の子が好きなんだっけ?
いや、本人に聞いたわけじゃないんだけど、なんとなくそんな雰囲気あるよな。
・・・ムギなら大丈夫かもしれない。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:54:44.24 ID:6iIniPl10
律「あ、そういえば澪、昨日さわ子先生が呼んでたぜ」
澪「は!?昨日!?じゃあなんで昨日言わないんだよ?」
律「忘れてた。てへっ」
ゴツッ
律「いった!」
澪「忘れてたじゃないろ!」
律「ごめんごめん、今からでも行った方がいいんじゃない?」
澪「本当に謝ってるのかそれ・・・。まあいいや。行ってくる」
紬「いってらっしゃい」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 17:59:42.85 ID:6iIniPl10
これでよし。あとは澪と唯が来るまでに相談終わらせないと。
律「ところでさムギ。ムギって女の子同士の恋愛ってどう思う?」
さすがに名前を出すのはまずいと思い、ちょっと遠まわしに聞いてみることにする。
紬「女の子同士の恋愛?どうしたの急に?」
律「いや別に。ただなんとなくね」
紬「もしかしてりっちゃん!?」
律「違うから」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 18:02:51.79 ID:6iIniPl10
紬「女の子同士の恋愛か~。私は別にいいと思うかな」
律「本当に?」
紬「ええ。本人たちの自由じゃないかしら」
律「じゃあもし、それがムギだったら?」
紬「どういうこと?」
律「もし誰か女の子がムギに告白してきたらどうする?」
紬「・・・」
少しの沈黙。
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 18:07:11.62 ID:6iIniPl10
紬「残念だけど、お断りするわ」
律「どうして?」
紬「女の子同士の恋愛も別にいいとは言ったけど、あくまで他の人の話。
残念ながら、私は異性愛者だもの」
そうなんだ。意外。
律「告白してきたのがすごい仲のいい女の子でも?」
紬「ええ。友達以上として見ることはできないと思うわ」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 18:12:51.38 ID:6iIniPl10
律「でも、断ったらその人を傷つけるかもしれない」
紬「そうかもしれないわね。でも、好きでもないのに付き合うわけにはいかないでしょ?
その方が、もっと相手を傷つけることになると思うし」
紬「それに断っても、きっとその後は、もっと仲良くなることができると思うの」
律「・・・そうなのかな?」
もっと仲良く・・・か
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:18:21.59 ID:6iIniPl10
律「ムギはさ、自分の友達が自分をそういう風に見てても、なにも思わないの?」
紬「思うわよ。嬉しいって」
律「嬉しい?」
紬「ええ。相手が男の人でも女の人でも、自分に好意をよせてくれたら、嬉しいって思うんじゃないかしら」
律「・・・」
ムギがすごいのか、私が小さいのか、分からなくなる。
ただひとつ言えることは
紬「りっちゃんは?」
律「え?」
紬「りっちゃんは女の子同士の恋愛、どう思うの?」
律「私は・・・」
ただひとつ言えることは、きっと私には、ムギみたいな考えはできないということ
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:23:03.57 ID:6iIniPl10
ガラガラ
さわ子「みんなー。席についてー。HR始めるわよ」
紬「あ、先生来ちゃった。また後でね、りっちゃん」
そう言ってムギは席に戻っていった。
さわ子先生と同時に戻ってきた澪ももう席についている。
澪がこっちをすごい迫力で睨んできた。
ハハハ、こりゃ殴られるのを覚悟しなきゃいけないな。
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:27:45.52 ID:6iIniPl10
先生が出席表の名前を読み上げていく。
唯はまだ来ていない。心配する気持ちのほかに、ホッとしている気持ちを持っている自分がいる。
でもホントどうしたんだろう。もしかして私のせいで不登校に、とかないよな?
さわ子「平沢さん?平沢唯さん?」
当たり前だが返事はない。
さわ子「平沢さん今日は休みかしら?」
?「休みじゃないです!」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:34:16.27 ID:6iIniPl10
ドアを勢いよく開けて唯が登場した。瞬間、私の心臓も勢いよく飛びあがる。
唯「これはセーフですよね!?さわちゃん!?」
さわ子「アウトです。それで、遅刻の理由は?」
唯「道路で大きな荷物を持った外国人の妊婦さんに道を聞かれて、その後
その荷物を持って道案内してあげたら陣痛が始まっちゃって・・・」
さわ子「遅刻の理由は?」
唯「・・・というような夢をずっと見ていました・・・」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:37:16.37 ID:6iIniPl10
さわ子「つまり寝坊ね」
唯「すいません・・・」
さわ子「はあ・・・。いいわ。早く席に着きなさい。」
唯「はーい」
そういって席に向かう唯。
途中、唯が私のほうを見たが、私はつい目をそらしてしまった。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:41:27.18 ID:6iIniPl10
唯「おはよーりっちゃん」
律「お、おう。おはよう」
HRの後、唯が私に話しかけてきた。
心の準備が出来ていなかったから、話しかけられてドキッとしてしまう。
唯「澪ちゃんもムギちゃんもおはよー」
紬「おはよう唯ちゃん」
澪「おはようじゃないだろ。また寝坊か唯?」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 18:46:40.05 ID:6iIniPl10
唯「はぅ・・・。でもだってひどいんだよ憂ったら。いつもはちゃんと起してくれるのに、
今日は日直だからって早く言っちゃってさ~」
澪「憂ちゃんのせいにするなよ。唯もそろそろ1人で起きれるようにならないと。なあ律?」
律「あ、ああ。そうだな」
唯「え~。無理だよー」
澪「諦めるなよ」
紬「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:50:33.90 ID:6iIniPl10
唯はいつも通りに見えた。とても昨日私に告白してきたようには思えない。
もしかしたら思っていたより気にしていないのかもしれない。
そう思ったが、ふと唯の目の周りが少し腫れていることに気がついた。クマも少しあるような気がする。
・・・きっと寝坊したなんて嘘だ。
私が唯を傷つけてしまったんだ。
それが分かっているのに、私は唯にどうしてあげればいいのか、分からなかった。
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 18:56:25.46 ID:6iIniPl10
唯『りっちゃん、今日の部活の後ちょっといいかな?』
授業中、唯からメールが来た。間違いなく昨日の事だろう。
私は唯に返事をしなければならない。
それで唯を傷つけることになっても。
また今まで通り、いやそれ以上の私たちに戻るために。
だから私は・・・
律『ごめん、今日はちょっと用事があってさ。部活出れそうにないんだ』
私はまた逃げた。
元通りになる機会を、自分から捨てたんだ。
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:01:54.54 ID:6iIniPl10
それから私は、唯を避けるようになった。
私から唯に話しかけることがほとんどなくなり、部活にも行かなくなった。
唯も私のそんな様子には気付いているだろう。
それなのに、唯は私に毎日笑顔で話しかけてくる。
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:05:35.33 ID:6iIniPl10
唯「りっちゃーん、昨日のバラエティー番組見た?」
律「いや・・・見てないな」
唯「そうなんだ。面白かったのにもったいないなー。あのね、芸人さんがいっぱいでてねゲームで
勝負するんだけど、みんなすごい楽しそうだったんだ。私も一回ああいうの出てみたいな~」
律「唯が出ても勝負にならないだろ?」
唯「うっ・・・。りっちゃんひどい・・・」
律「ははは・・・」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 19:10:31.75 ID:6iIniPl10
あの日から2週間。
結局あれから一度も部活に行っていない。
今日の授業が終わり、帰ろうとして下駄箱で靴を履き替えていた、澪が話しかけてきた
澪「律、今日も学校に行かないつもりか?」
律「ああ、今日も用事があってな」
澪「嘘つくな」
唯「・・・唯の事だろ?」
律「・・・」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 19:17:40.85 ID:6iIniPl10
澪「私はお前達に何があったのかは知らない。唯もお前も、なにもないって言って教えてくれないし」
澪「でもいいよ、。お前たちが教えたくないって言うなら私も無理に聞いたりはしない。」
澪「けど私は心配なんだよ。お前たちの事・・・。それに私たちの事も」
澪「最近さ、あんまり部の雰囲気良くないんだ。前ほど会話も無くなっちゃったし。
このままじゃ、もう元には戻れなくなっちゃうんじゃないかって・・・」
律「・・・」
私は分かっていなかった。
私の行動は私と唯だけじゃなく、軽音部全体の雰囲気を悪くしていたことに。
私が、軽音部の関係にヒビを入れてしまったんだ。
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 19:20:26.59 ID:6iIniPl10
ごめんなさい
>>62は
澪「・・・唯の事だろ?」ですね
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:24:05.35 ID:6iIniPl10
澪「なあ、律・・・。お前たち、仲直り出来ないのか?」
私たちは喧嘩をしたわけではない。
だから仲直りというのは少しおかしい気もするけど。
だけど
律「したいよ・・・。仲直り」
澪「だったら」
律「でも・・・無理だよ」
変わってしまったから。
唯の私を見る目が。
私の唯を見る目が。
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:26:03.83 ID:6iIniPl10
ごめんなさい。間違えまくりですね。
>>62
澪「律、今日も部活に行かないつもりか?」
です
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:31:01.07 ID:6iIniPl10
澪「無理じゃないよ!部活の時の唯、明るくふるまってるけど、たまにすごく寂しそうにしてる。
絶対唯も律と仲直りしたいと思ってるはずだよ」
澪「だからさ、律。部活行こ?私も一緒にいってフォローするからさ」
律「・・・」
私は・・・責任を取らなければいけないのかもしれない。
今まで逃げ続けた責任を。
たくさんのものを傷つけてしまった責任を。
だから、私は・・・
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:33:38.82 ID:6iIniPl10
律「・・・わかった」
澪「ホントか!?」
律「ああ。でも澪、今日は確か掃除当番だろ?」
澪「そんなのさぼるさ」
律「あのまじめな澪ちゅわんが掃除をさぼるなんて言い出すなんて、明日は雨かな?」
澪「うるさい」
殴られるかと思ったけど、澪は何もしてこなかった。
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 19:37:44.94 ID:6iIniPl10
律「ハハハ。でも澪、お前は掃除に行ってくれ」
澪「いや、でも」
律「手伝ってくれるて言ってくれたのはすごい嬉しい。でもやっぱり、まずは2人だけで話したいんだ」
澪「大丈夫なのか?」
律「たぶんな」
澪「・・・わかったよ。」
律「ありがとう。じゃあ、私は先に行ってるよ」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:42:06.57 ID:6iIniPl10
澪「律」
律「ん?」
律「その・・・。頑張れ」
律「おう。頑張る」
そう言って私は久しぶりに部室に向かった。
2週間しかたってないのに、この道程が懐かしいと思うのは大げさかな。
それにしても「頑張る」か。仲直りを頑張るってのもなんか変な感じだな。
これは後で知ったことなんだけど、「頑張る」には「忍耐して努力する」って意味もあるらしい。
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:47:24.85 ID:6iIniPl10
唯「あ!りっちゃん」
部活前の2人きりの部室。他のみんなは掃除当番やら何やらでまだ来ていない。
唯「良かった。今日は部活出れるんだね。」
律「ああ。なかなか来れなくて悪かったな」
唯「用事があったんだもん。しょうがないよ」
律「・・・」
唯「・・・」
会話が止まる。今度こそと思っていたのに、唯の顔を見ると決意が鈍る。
いや、ちゃんと言わなくちゃ。
澪にも頑張るって言ったしな。
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:52:17.67 ID:6iIniPl10
律「なあ、唯・・・。私さ、唯に話が」
唯「りっちゃん」
私の話を唯が遮る。
唯「その前にさ、私もりっちゃんに話があるんだ」
律「え?」
唯「2週間前に私が言ったことね、あれ冗談」
律「・・・は?」
唯「だからさ、あの告白は冗談なんだよ。まさかりっちゃんが本気にしちゃうとは思わなかったけど」
律「・・・」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 19:58:12.01 ID:6iIniPl10
そんなの嘘だ。それくらい私にも分かる。
でも、唯が何でこんな事を言い出したのか、それも痛いほど分かった。
私のせいだ。
唯「りっちゃんが部活に来なくなっちゃったのって、ホントは私のせいだよね?
私が変なこと言ったから、りっちゃんも来づらくなっちゃったんだよね?」
唯「だから、ごめんね。変なこと言って。でも冗談だからさ、全然気にしないで。
また今まで通り、楽しくやろうよ」
何で唯が謝るんだよ・・・。
謝らなきゃいけないのは私なのに・・・。
唯にこんなことまで言わせて・・・。
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 20:03:00.15 ID:6iIniPl10
唯「あっ、そうだりっちゃん聞いてよー。あずにゃんったらひどいんだよ。昨日ね、」
律「唯!」
唯「っ!」
今度は唯の言葉を私が遮る。
唯「な、なに?りっちゃん」
律「行っただろ。私も話があるって」
唯「え?でも、それはもう・・・」
律「唯、聞いてくれ。私は」
唯「嫌!聞きたくない!」
唯が叫んだ。
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 20:04:52.50 ID:6iIniPl10
なんだろ。澪のとこばっかミスるww
>>75
澪「その・・・頑張れ」です
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:09:59.12 ID:6iIniPl10
唯「りっちゃん・・・もういいじゃん・・・。私が冗談だって言ってるんだよ?
もうやめてよ・・・」
律「やめない」
言わなくちゃ。私の決意を。
律「唯、私は」
自分の気持ちを殺してでも。
律「唯が好きだ」
唯「・・・え?」
律「付き合って欲しい」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:16:05.32 ID:6iIniPl10
唯「嘘・・・」
律「嘘じゃない」
唯「嘘だよ!」
律「嘘じゃない」
唯「だってりっちゃん私の事避けてた!私の事が嫌いになったんでしょ!?」
律「確かに唯の事を避けてたのは認める。ごめん。でもそれは、唯が嫌いになったわけじゃなくて、
その・・・。ちょっと唯とどう接していいか分からなくなっちゃったんだ」
律「でも、唯と離れてから、やっと自分の気持ちに気がついたんだ」
律「私は、唯が好きだ」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:20:02.92 ID:6iIniPl10
唯「・・・ホントに?」
律「ああ」
唯「私達、女の子同士だよ?」
律「恋愛に性別は関係ないだろ?」
唯「うぅ、りっちゃん・・・。りっちゃーん!」
唯が私の胸に飛び込んできた。子供みたいに大声をあげて泣いている。」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:24:21.73 ID:6iIniPl10
唯「りっちゃん。私もりっちゃんの事が好き」
律「うん。ありがとう、唯。嬉しいよ」
これでいいんだ。私だけが耐えれば、みんな幸せになれるんだから。
澪「律・・・」
澪が恐る恐るという感じで入ってきた。
私の胸で泣いている唯を見て、「どうなったんだ?」みたいな視線を送ってくる。
だから私は澪に言った。
律「大丈夫。仲直り、できたよ」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:29:52.74 ID:6iIniPl10
梓「そうなんですか。まあ仲直りしてくれたなら良かったです。
あんな律先輩でも一応部長ですからね。いてくれないと困ります」
紬「そんなこと言って。梓ちゃんが一番心配してたんじゃない?」
澪「そうだな。部活中もいつも唯の事気にかけてたしな」
梓「なっ!そんなことないです。気のせいです。それより」
梓は少し前を歩いている2人を見ながら言った。
梓「今度は仲良くなりすぎじゃないですか?」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 20:35:35.99 ID:6iIniPl10
今は部活の終わった後。久しぶりの5人一緒の帰り道だ。
ムギと梓と澪が3人並んで、その少し前を私と唯が手をつなぎながら歩いている。
澪「まあいいんじゃないか?やっと仲直りできたんだから今日くらい」
梓「いえ、そういうことではなく。なんか怪しくないですかあの2人?」
澪「怪しいって何がだ?」
梓「何がって・・・。いえ、そうですね。たぶん私の考えすぎです」
紬「そうかしら?」
梓「え?」
紬「ううん。なんでもない」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 20:39:19.21 ID:6iIniPl10
唯「りっちゃん」
律「なんだ?唯」
唯「へへへー。なんでもない」
律「変な唯。じゃあ、唯」
唯「なに?りっちゃん」
律「なーんでもない」
唯「変なりっちゃん」
唯はそういって私に笑いかけてくる。
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 20:42:01.45 ID:6iIniPl10
今日の部活は楽しかった。
久しぶりに軽音部のみんなでお茶をして、おしゃべりして、ちょっとだけ練習して。
軽音部にできていたヒビを、私はふさぐことができたみたいだ。
これからも私は、この関係がずっと続くように「頑張る」よ。
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:45:33.78 ID:6iIniPl10
唯「ねえりっちゃん」
律「今度は何だ?」
唯「私ね、今とっても幸せなんだ」
律「私もだよ」
唯「うん。りっちゃん大好き。これからもよろしくね」
律「おう」
力強く答える私。安心しろ、唯。これからも私は頑張るよ。
たださ、最後に一つだけ。
唯ってさ、本当に
気持ち悪い。
おわり。
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:46:51.08 ID:6iIniPl10 [62/62]
これで終わりです。
初めてのSSでミスばっか&文章も下手だったと思いすが、読んでくれた方、ありがとうございます
<<長門「私と性行為をしてほしい」 | ホーム | 桂三枝「新婚さんいらっしゃいのお時間でーす!」>>
コメント
コメントの投稿
トラックバック
| ホーム |
2週間も避けといて気持ち悪いはひどいぜ・・・・・
何が唯を傷つけるかわかってるってのに
まぁイケメンじゃないりっちゃんは新鮮だったわ