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梓「私が猫に似ているんじゃありません、猫が私に似ているんです」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:05:19.47 ID:ATxiXYKW0 [1/18]
紬「梓ちゃんこれ」

梓「どうしたんですかムギ先輩? 私のケーキならありますけど」

紬「あちらのお客様からです」

唯「えへっ」

梓「なんの真似ですか唯先輩?」

唯「一度でいいからやってみたかったんだよねっ」

紬「ね~」

梓「意味が分かりませんけど」

律「いらないなら私にちょうだい♪」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:09:51.68 ID:ATxiXYKW0 [2/18]
唯「あっ、ダメだよりっちゃん!」

梓「別に構いませんけど」

唯「あ、あずにゃあぁ~ん!」

梓「そのかわり真面目に練習してください」

律「それだけはお断りだッ!」

澪「即決するな!」

律「あいてッ!」

梓「……」

唯「いいからあずにゃんお食べよぉ~」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:17:42.86 ID:ATxiXYKW0
梓「それより唯先輩、練習しましょう」

唯「ん~、まだ波がぐわぁ~っとこないっていうか~」

梓「知りません」

唯「だから波がぐわーっとね?」

梓「唯先輩は飲み込み早いんですから、練習すればすぐ上手くなるのに」

唯「そ、そう? えへー、あずにゃんに褒められちった」

律「良かったな唯。これで思い残す事なくお茶を満喫できるな」

唯「うん!」

梓「なんでそうなるんですか!?」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:25:10.76 ID:ATxiXYKW0
澪「まあまあ落ち着け梓。お茶が終わったらちゃんと練習するから」

梓「本当ですね!? 絶対ですよ澪先輩!」

澪「うん。なっ、律?」

律「私にふるな。ムギパス」

紬「唯ちゃんパス!」

唯「シュ~トッ!」

律「あーっとッ! ポストに嫌われたァ!」

唯「まだだよ! まだボールは生きているよ!」

梓「そこまで練習を嫌う理由はなんですか……」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:31:18.14 ID:ATxiXYKW0
唯「う~ん……波?」

梓「それはさっき聞きました! 先生も何とか言ってください!」

さわ子「お茶の時は静かにしててね?」

梓「はい、分かってました」

唯「あずにゃん、今日も熱血だね!」

梓「ふ、普通だと思いますけど。先輩達がやる気なさすぎなんです」

唯「いーや、かつおぶしをかけたら踊り出しそうだよ!」

梓「じゃあ唯先輩に私のを輸血してあげましょうか?」

唯「おおっ、あずにゃんが私の中に!?」

紬「おもしろそう!」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:41:51.71 ID:ATxiXYKW0
律「でも確か血液型って合わないとダメなんじゃなかった?」

澪「O型は誰にでもいいらしいぞ」

律「へぇ~、梓お前何型?」

梓「ABです」

律「おお珍しいな!」

唯「大丈夫だよあずにゃん! 私Oだから!」

紬「私もだよ梓ちゃん!」

梓「あ、あの、冗談なんですけど」

律「逆でも大丈夫なのかよ澪?」

澪「く、詳しくは知らないよ」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:47:21.39 ID:ATxiXYKW0
律「何だ適当だなぁ」

澪「うるさい! お前が言うな!」

唯「ムギちゃん! 私達一緒なんだね!」

紬「唯ちゃん!」

唯紬「「ひっしっ!」」

梓「もう知りません。勝手にしてください」

唯「あるぇ~? あずにゃん嫉妬かにゃ?」

梓「違います! 何でそうなるんですか!?」

唯「あずにゃんぎゅう~!」

梓「きゅ、急に抱きつくのはやめてくださいって何度も……」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:57:36.69 ID:ATxiXYKW0
律「さすが唯。あの顔は陥落してるな」

紬「梓ちゃんの健気な抵抗……かわいいわぁ」

律「ムギは別の意味でイッちゃってるな」

澪「言っておくけど、練習は本当にやるからな!」

律「えぇ~!」

さわ子「アリエナーイ!」

澪「せ、先生……」

律「さわちゃん……嬉しいけどさすがの私もひく」

さわ子「何でよ!? サベツ!? サベツは良くないわよ!」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:05:15.27 ID:ATxiXYKW0
 いつもの放課後、いつもの軽音部。やっぱりいつもの調子で、今日も練習に
なりませんでした。こんなんじゃダメです、と梓は一念発起。

 休日、梓はティータイムの主であるムギ先輩を呼び出す事にしたのです。

梓「あっ、ムギ先輩! もう来ていらっしゃったんですか?」

紬「梓ちゃん、時間通りね」

梓「すみません。普通待ち合わせって後輩の方が早く来ているべきですよね」

紬「うふふっ、梓ちゃん真面目ー。私が勝手に早く来ていただけなのに」

梓「そうですね――あっ、いえっ」

紬「そう固くならないで。私梓ちゃんと遊ぶの、楽しみにしてたんだから」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:10:38.28 ID:ATxiXYKW0
梓「ムギ先輩……じゃあどこ行きましょうか?」

紬「梓ちゃんと一緒ならどこにでも」

梓「じゃあ、私の家でもいいですか?」

紬「梓ちゃんの家!? 行きたい行きたい!」

梓「あの……そんな目をキラキラされても。普通の家ですから」

紬「楽しみ楽しみ!」

梓「なんかムギ先輩って、かわいい人ですね」

紬「やだ、梓ちゃんには唯ちゃんがいるでしょ! 二股!?」

梓「ごめんなさい。その質問はスルーしますね」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:18:43.82 ID:ATxiXYKW0
 そうは言ったものの、二人でいれば自然と軽音部の話題が多くなってしまう
為、梓が完全にスルーする事は不可能でした。

 ともあれ、からかわれながらも、梓はムギ先輩を家に連れてくる事に成功した
のです。

梓「今日は親もいないし、気兼ねなくくつろいでください」

紬「ありがとう、梓ちゃん」

梓「はい」

紬「わぁ、レコードがこんなにたくさん!」

梓「お父さんの骨董品がしまい切れなくて、私の部屋まで占領してるんですよ」

紬「へぇ~……あっ! これ私も持ってる!」

梓「ちょっと待っててくださいね、今コーヒー持ってきますから」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:25:29.93 ID:ATxiXYKW0
紬「フレー、フレー! 頑張って、梓ちゃん!」

梓「あの……ひょっとしてムギ先輩、私をバカにしてます?」

紬「……えっ」

梓「ア、アハハッ! 頑張ります!」

 目を丸くしてキョトンとするムギ先輩を見て、梓は悟りました。

 ムギ先輩も唯先輩に負けないくらい天然なのだと。

梓「失礼ですけど、ムギ先輩って意外と子どもっぽいですよね」

紬「あら? うふふっ、そうかしら?」

梓「なんで嬉しそうなんですか?」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:33:03.36 ID:ATxiXYKW0
紬「これでも昔は、大人っぽいって印象持たれる事が多かったから」

梓「確かに私も第一印象はそうでしたけど」

紬「梓ちゃんこそ、そんなにかわいいのに中身は結構クールよね」

梓「わ、私は好きでこうしてる訳じゃないです」

紬「そうなんだ?」

梓「本当は澪先輩みたいになりたかったんです」

紬「澪ちゃんカッコいいもんね」

梓「はい。背が高くて綺麗で優しくて……友達の純も憧れてるし、私の理想像と
いうか、女の子だったらああなりたいって思いますよ。でも私なんか童顔だし
ちんちくりんだし、年より子どもに見られるし、大人っぽい髪型したって、
日本人形ってバカにされるし。でも外見だけで判断するならすればいいんです。
私は私だし、中身まで外見に合わせるつもりはないといいますか……」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:39:23.93 ID:ATxiXYKW0
紬「梓ちゃん……分かるよ私も」

梓「ハッ!? す、すみませんグチグチと私っ!」

紬「いいの。梓ちゃんは私と逆の意味で理解されなかったのね」

梓「あっ、抱き締めながら頭を撫でるのは反則です……」

紬「うふふ……」

梓「ムッ、ムギ先輩! 相談があるんですが!」

紬「なあに?」

梓「わ、私、先輩方の演奏に憧れて軽音部入ったんです!」

紬「は、はい」

梓「だから……」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:48:27.08 ID:ATxiXYKW0
 そして翌日。今日もまた、いつもの放課後、いつもの軽音部。
まったりダラダラ、練習しません。

唯「最近ブラきつくてムネが苦しいんだよねー」

律「なにッ!? 裏切りか? 裏切りなのかッ?」

唯「ごめんりっちゃん。私貧乳シスターズから脱退するよ」

律「くそぅ梓ァ、私達だけで頑張っていこうな? な?」

梓「嫌です。一人でやっててください」

律「な~か~のぉ~!」

梓「く、苦しいです! 首、首は反則じゃないんですか!?」

唯「あっ、りっちゃんいいな~」

律「なんだこの裏切り者ォ! 寄るんじゃねぇー!」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:53:51.57 ID:ATxiXYKW0
唯「やっぱ私も貧乳シスターズでいさせて!」

梓「うぎゅ」

律「こいつノコノコとー!」

紬「待ってみんな!」

澪「ムギ?」律「どしたムギ~?」唯「ムギちゃん?」

梓「ムギ先輩!」

紬「そ、そろそろ練習しない?」

律「お、おぉ?」

唯「練習……」

澪「そうだな練習、練習しようよ」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:58:43.96 ID:ATxiXYKW0 [17/18]
梓「やった! やりましょう今すぐ!」

唯「ムギちゃんがあずにゃんみたいな事を」

律「さては輸血したな?」

紬「え?」

梓「は、はい?」

唯「私にもあずにゃんの熱血を分けて!」

梓「れ、練習はどうしたんですか!」

唯「それ所じゃない!」

梓「な、なんでこうなるんですかぁーっ!?」

 今日もいつもの放課後、いつもの軽音部。おしまい。

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