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律「澪がサンタにキスをした!?」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:30:20.09 ID:L+74ikgJ0 [3/50]
唯「今は12月。HTTのみんなでクリスマスパーティをすることになりました」
梓「でももし男の人にデートに誘われたりしたらどうします?」
紬「恋人と私たち、どっちをとるのかしら?」
澪「もし私に彼氏ができたら……みんなはどんな反応するのかな?」
律「とゆう、おはなし」


4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:31:17.99 ID:L+74ikgJ0 [4/50]
唯「甚吾兵衛、甚吾兵衛、甚吾を座へ~♪」
梓「ゴキゲンですね先輩」
唯「あずにゃん! 来週は何があったっけ?」
梓「え、HTTのクリスマスパーティがありますけど」
唯「今日は何の日?」
梓「その準備ですけど」
唯「そうだよ。準備だよ。心の準備」
梓「はぁ」
唯「パーティの準備をしてるとね、クリスマスがこう、あふれ出して…」

唯「しゅわきませり~しゅわきませり~♪」

唯「と、体が勝手に歌いだすこと、あるよね」
梓「ないですよ」


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:32:17.22 ID:L+74ikgJ0
律「今日音楽の授業でクリスマスメドレーを聞いたんだ。もう影響されてんな」
澪「一回聞いただけでメロディ覚えるあたり流石だよ」
律「歌詞の意味はわかってないっぽいけどな」

唯「Wao! Mommy's kissing Santa Claus!」
澪「セリフまで耳コピするんだ…」
律「ジャクソン5だな」
唯「あー来週が楽しみだよーはやく来週にならないかなー」
梓「今日のうちにできることはやっておきましょう」


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:33:41.76 ID:L+74ikgJ0
澪「そういえば今日ムギ来てないな」
唯「学校も休んでたんだよ~」
律「聞いて驚け、なんとあいつ今ハワイにいるんだ」
澪「なんでまた?」
律「毎年、年末年始は家族で旅行って決まってるんだとさ」
澪「さすがブルジョワ」
律「でも今年はクリスマスパーティに参加するために、予定を大幅に繰り上げたらしいぞ」
唯「準備に参加できないかわり料理を奮発してくれるって! 楽しみだねぇ」
澪「なんか…逆に怖いな」
律「七面鳥の解体ショーとかあったりして」
澪「」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:34:33.90 ID:L+74ikgJ0
澪「あ、憂ちゃん呼ばない?」
律「無視かよ」
唯「呼べばくると思うよ。できれば純ちゃんにも来てもらおうね」
律「人数は多いほどいいからな」
唯「和ちゃんは来れるって?」
澪「無理。予備校の合宿に行くんだって」
律「まじか! うちらまだ2年だぞ!?」
唯「和ちゃんは志望校のレベルも高いから、仕方ないよね」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:35:30.00 ID:L+74ikgJ0
律「今日はこんなもんっかなー?」
唯「予定より早いけど、帰ろうか?」
澪「あ、私、寄るとこあるから先に帰るわ」
梓「私も見たい番組があるんで、急ぎます」
律「なんだあいつら。唯が帰るっていった途端にいそいそと…」

唯「りっちゃん…」
律「ん?」


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:36:30.97 ID:L+74ikgJ0
唯「うれしい、やっと2人きりになれたネ」
律「よせやい、トンちゃんがみてるじゃまいか」
律唯『HAHAHA』
唯「……2人で帰ろうか?」
律「そうだな」


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:37:47.80 ID:L+74ikgJ0
唯「買い物に付き合ってもらって悪いね」
律「いいよ。一人で帰るのもアレだし」
唯「すっかり夜だね。秋の夜はダルマ落としだね」
律「あーつっこまない。絶対つっこまないからな」
唯「えっでもダルマ落としで合ってるよね? いや真面目な話」
律「その前に今は冬だ」
唯「体落とし? 引き落とし? かかと落とし?」
律「格闘技から離れようか」
唯「ひよどりごえの」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:38:49.24 ID:L+74ikgJ0
律「…………?」
唯「とめようよ。女子高生になんてこと言わすの」
律「わりぃ」
唯「頼んますよもう」

律(ていうかひよどりごえって何だろう? ヒヨ鳥の声? ひよどり姉妹?)
律(ああ気になる。でも唯が知ってるってことは聞いたら笑われるレベルだろうな…)
律(帰ってネットで調べとこうっと)

唯「あ、あれ澪ちゃんじゃない?」
律「えっ?」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:40:16.59 ID:L+74ikgJ0
律「あ~確かにそれっぽい……てかお前視力いいのな」
唯「澪ちゃんが誰かと話してるよ」
律「あの色、サンタクロースか?」
唯「コスプレだよ。澪ちゃんがサンタのコスプレと話してるよ」
律「ふぅん。なんか、仲良さげじゃね?」
唯「人見知りの澪ちゃんが、軽音部員の他にはめったに見せない表情だよ」
律「なんか、なんだよあれ。なんなのあのヘンな雰囲気!」
唯「あっ澪ちゃんがサンタに抱きついたよ!?」
律「なんだと!」


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:41:36.21 ID:L+74ikgJ0
律「逃げろ澪!」

唯「どうやら危ない感じでもないみたいだよ」

律「さっきからその説明口調はなんなんだ?」

唯「なんか怒ってるっぽいね。でもあの怒り方は……呆れてる? すねてるのかな?」

律「違う。澪が怒ったらもっとこう…乱暴に…」

唯「あれは女の顔だよ。けいおんメンバーにすら見せない恋する女の顔だよきっと」

律「あんな澪、見たことない…あんなの澪じゃないよ…」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:42:21.06 ID:L+74ikgJ0
唯「澪ちゃんがサンタの顔を持ち上げたよ。相手の顔をのぞき込んでるよ」

律「誰だよ! そいつ誰なんだ!?」

唯「顔は見えないよ。相手はヒゲだし帽子だし、ななめ後ろから見てるんだよ」

律「もういいよ。もういいからそいつ離せよお」

唯「さらに澪ちゃんが顔を近づけていくよ……澪ちゃんがそっと眼をつぶったよ!」

律「やめろ」

唯「澪ちゃんが…サンタに…」

律「やだ」



唯「澪ちゃんがサンタにキスしたよ!?」

律「あああああああああああああああああ!!??」


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:44:33.50 ID:L+74ikgJ0
唯「」プルルルルル

唯「もしもしあずにゃん? すぐ来て。駅前に、今すぐ」

梓『何ですか』

唯「命令だよ! 来たら電話して」

梓『ちっ、ぁんだよいきなり』

律「うそだああああぁぁぁ!!!!」

梓「律先輩? 大丈夫ですか? いったい何があったんですか」

唯「理由は来たら話す。着いたら電話して」

律「ぁぁぁといってよジョォォォ!!!!」


唯「」プルルルルル

唯「もしもし、紬ちゃん?」

紬『ゆいちゃんどうしたの? もう夜遅いのよ。ふわぁぁ』


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:46:16.12 ID:L+74ikgJ0
唯「ムギちゃん? もしかして寝てたの?」

紬『日本は夜じゃないのね。こっちはハワイなの。ハワイにいるからハワイ時間なの』

唯「あーそっか。迷惑だったかな?」

紬『久しぶりのハワイだからはしゃぎすぎたわ。もう眠くて。1年ぶりのハワイだから』

唯「寝てたならもういいよ。起こしてごめんね」

紬『ハワイ時間で早めに寝ることにしたの。ところで日本は今何時? ハワイはね…』

唯「……」プチッ

律「ちくしょおおおお……!!!!」


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:47:34.10 ID:L+74ikgJ0
唯「りっちゃん! 澪ちゃんたちが移動を始めたよ」

律「あばばばば」

唯「私達も付かず離れずあとを追うよ」

律「みおー、そんな奴の手を引くなよぉ」

唯「澪ちゃんがサンタと腕を組んで歩いてるよ。いつになく真剣な表情だよ」

律「どこ行くんだよーみーおー」

唯「この方角、まさか……!」


 [[HOTEL MELTY LOVE]]

律「あばばばば」


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:48:30.52 ID:L+74ikgJ0
律「やだなぁそんなとこいくわけないじゃーん」

唯「でもまっすぐそっち向かってるよ?」

律「入るかよ……」

唯「入るかな……」

律唯「はいったぁーー!!!!」

2回裏 秋山 2-3からライトスタンドへ第16号2ラン 0-3
    [投手交代] 田井中 → 中野

唯「現実見ようよりっちゃん!」

律「もう殺せよ、いっそひとおもいに殺せばいい」

唯「しっかしすごい名前のホテルだねぇ~」

律「わかりやすさ重視にもほどがあるだろ」

唯「今度の曲はこういうタイトルにしようか?」

律「唯はたくましいな、転んでもただではおきないのな」


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:49:42.04 ID:L+74ikgJ0
唯「メルティラヴ~とけてきえた~♪」

律「」プルルルル

律「あ、梓から電話だ」

梓『今、駅前、先輩、どこに』ハァハァ

律「おつかれ。そっちからラブホの看板みえる? たぶん西口から」

梓『いま東口なのに…』

律「このへんにはホテル一軒しかないからわかるよな? 今その向かいにいるんだ」

梓『なんでそんなとこに!』

律「澪が入ってったんだ。男と」

梓『ゴクッ……。今行きます!』


唯「ねぇりっちゃん、メルティラブの韻、なんかある?」

律「Give me a Fuck」

唯「バラードなのに…曲調に合わないよ」

律「今の澪にはぴったりだよ」


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:51:04.54 ID:L+74ikgJ0
梓「はぁはぁ、せんぱーい」

律「よう中野」

唯「早かったねあずにゃん」

梓「で、澪先輩は?」

律「あのホテルでご休憩中」

梓「人ちがいとかじゃないんですか?」

律「顔はたしかに似てたぜ。中身は得体の知れないメス豚だけど」

梓「相手は誰なんですか?」

律「それがさ……サンタの格好してたからよく見えなかったんだ」

唯「だから私たちの知ってる人かもしれないし、知らない人かもしれない」

梓「でっ電話! 澪先輩の携帯に電話してみましょう!」

唯「おお、それは盲点だった」

律「いや、普通最初に思いつくだろ」

律(でも、もしお楽しみ中だったらどうしよう……)


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:52:32.12 ID:L+74ikgJ0
澪『もしもし梓? なに、どうしたの』

梓「澪先輩、今どこですか」

澪『えっなんで? なんでそんなこと聞くの』

梓「どこで何してますか」

澪『どこって…いっ、家だけど』

梓「本当ですか? 神に誓って?」

澪『……いっいま忙しいから、またな』ピッ



梓「家にいるっていってます」

律「いえでん!」

梓「もう呼び出してます!」


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:53:20.03 ID:L+74ikgJ0
ママ『はい、秋山です』

梓「わたし、澪先輩の後輩なんですけど、澪先輩いらっしゃいますか?」

ママ『澪なら、まだ帰ってないけど』

梓「家にはいらっしゃらないんですね?」

ママ『もう夕飯の時間なんですけどね。どこにいるかご存知ありません?』

梓「え、えっと、いちおう私達の近くにはいるんですけど」

ママ『……? じゃあ早く家に帰るように言っておいてくれる?』

梓「わかりました。では」



梓「……黒でした」

律「あばばばば」


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:54:17.96 ID:L+74ikgJ0
梓「ムギ先輩に相談してみようか」

唯「あ、それは止めといたほうがいいかも」

梓「なんでですか?」

唯「ハワイだから」

梓「そんなの理由になりますか! 緊急事態なんですからね」

唯「わかったよ、かければいいよ。かけてみればわかるよ」

梓「もう、仲間はずれにしたらムギ先輩がかわいそうですよ」

梓「……紬先輩ですか?」

紬『はぁ~、もう何回いったらわかってくれるの?』
紬『わたしは今ハワイにいるの! ハワイ時間なの!』
紬『いい加減にしてよ! こっちはもうド深夜なんだからね!』ブチッ

梓「…………」

梓「なんか…ごめんなさいでした」

唯「おおよしよし」


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:55:06.05 ID:L+74ikgJ0
紬「ねぇ斉藤! みんなわたしの仕込んだ縦読みに気づいてくれたかしら?」

斉藤「お嬢様…」

紬「ちょっとかんたん過ぎたかな? でも理解されないネタほど虚しいものはないし」

斉藤「いえ、あの、その」

紬「みんな私のクオリティに戦慄して、2828が止まらないと思うわ!」

斉藤(あとでフォロー入れとこう)


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:56:42.51 ID:L+74ikgJ0
律「いっそ直接呼びだすか?」

唯「呼び出すってホテルの中から? どうやって?」

律「桜ヶ丘高校の秋山澪さん! 桜ヶ丘高校の秋山澪さん!」

律「至急ロビーまで来なさい。繰り返します。桜ヶ丘高校の…」

律「…てな感じ」

梓「いやバカですか。職員室の呼びだしじゃないんですから」

律「でも澪は来ると思うぞ」

梓「そりゃクると思いますよ。高度な精神攻撃ですよ」

唯「社会的にも問題あるよね」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:57:33.85 ID:L+74ikgJ0
梓「ラブホテル中に大音量で自分の個人情報が暴露されたらどう思いますか」

律「私なら『そういうプレイなのかも』としか思わないな」

梓「澪先輩のことをいってるんです」

律「そんなに言うなら、梓が探してこいよ」

梓「なんで私だけなんですか」

律「いや、だってあたしら制服だし?」

梓「どうやって探すんですか」

律「部屋の前で聞き耳を立てて、澪の声がきこえたら突撃だ!」

梓「声ってどんな声ですか/////」

律「おい何考えてんだバカ/////」



唯「静かに! サンタが出てきたよ!」


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:58:32.14 ID:L+74ikgJ0
梓「あれが…澪先輩を奪ったサンタクロース」

律「そうだよ。ああ憎い」

梓「てか顔見えないし」

律「あの白ひげをむしりとってやりたいよ」

唯「つやつやしてるね…ひと仕事やり終えた男の顔って感じだよ」

梓「わかるんですか?」

律「どーせ適当だろ。ところで澪は?」

唯「いないねぇ。寝ちゃったんじゃないのかな?」

梓「アレってけっこう疲れるみたいですからね。友達に聞いた話ですけど」

律「ぐぬぬぬぬ」


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 16:59:33.92 ID:L+74ikgJ0
唯「あのサンタはいずれさっきの路地に戻るはずだよ」

律「私達が澪を発見したところだな」

唯「先回りしようよ!」

律「別れてとり囲もう。あたしは背後につく。梓は道路を渡って反対側から回り込め!」


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:00:28.94 ID:L+74ikgJ0
律「しーきゅーしーきゅー。唯隊員聞こえるか? オーバー」

唯「これ携帯電話だし。オーバー」

律「きにすんな。梓隊員と意思疎通は図れるか? オーバー」

唯「大丈夫。合図が届くよ! オーバー」

律「よし…ターゲットはオメガ交差点へ向かっている。角を曲がったところで奇襲する」

律「タイミングは私がとる。合図してから五秒後に作戦開始だっ!」


律「いち…」

唯「にい…」

梓「さん…」

律「しい…」



律唯梓『GO!!!!』


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:01:16.37 ID:L+74ikgJ0
律「背後からいち早く接近してサンタをホールド!」

サンタ「!?」

唯「曲がり角の死角から襲撃!」

梓「横断歩道を渡って突撃!」


唯梓「ゆ い あ ず ボンバー!!!!」


サンタ「くはっ」

梓「のけぞるサンタ!」

唯「その勢いのままに!」

律「食らえあたしたちの怒り!」


紬「H(ハワイ)」

唯「T」

梓「T」

律「バスタァァァ!!!!!!!!」 ド  ン


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:02:18.66 ID:L+74ikgJ0
律「決まった……」

梓「高く上げて真下に落とす…ブリッジも完璧…教科書どおりの美しい投げでした」

唯「スカートも完璧にめくれ上がってたけどね」

律「さぁ観念しな色情サンタ。澪をもてあそんだ報いは受けてもらうよ」

唯「りっちゃんはやくツラみせて」

律「言われなくたって!」ビリッ




澪「痛ったぁ~死ぬかと思ったぁ~」

梓「えっ!?」

唯「うそー!?」

律「なんで澪が!!!!????」

澪「あっ、みんな…どうしてここに……?」


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:03:05.90 ID:L+74ikgJ0
唯「ラブホテルなんて初めて入ったよ」

梓「内装はわりと普通なんですね」

律「なぁ澪、私ら制服なんだけど大丈夫か?」

澪「べっ別に入るだけならいいだろ…問題なのは中で何をするかであって」

律「まぁそうかもな」

澪「今回はほかに目的があったから、だから例外」

律「目的って何だよ」

澪「来ればわかるよ。あっこの部屋。ちょっと待ってて」

梓「誰に電話するんですか?」

澪「待って。…もしもし、私……うん。ちょっと開けてくれる?」


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:03:53.72 ID:L+74ikgJ0
和「どしたの澪。忘れ物でもしたの?」


唯「和ちゃん!!」

和「唯!? なんで唯が!?」

澪「そこで見つかっちゃったんだ。ごめん」

和「はぁ。まぁいいわ」

澪「起こして悪かったな。ほら早く横になりな」

唯「和ちゃんなんか顔色わるいよ? どうしたの?」

和「唯でもわかるってことは、相当ひどい顔してるのね私」

唯「そのセリフも相当ひどいけどね」

律「…見た目のわりには元気そうだな」

和「まぁね」


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:04:40.88 ID:L+74ikgJ0
唯「和ちゃん病気なの?」

澪「ちょっと熱があってさ」

唯「私タオル濡らしてくる!」

和「唯は静かにしてて。中野さんお願いするわ」

梓「はい!」

唯「なんで!? なんで私に何もさせてくれないの!? 和ちゃん!!」

和「耳元で騒がないで頂戴。唯の声は頭にガンガン響くのよ」

唯「」

梓「洗面器とタオル持ってきました」

和「ありがと。唯なら雑巾とバケツ用意しそうだったから」

唯「…和ちゃんの言動が私の心にビシバシ響くよ」

律「わりといつもの和じゃないか」

和「まぁね」


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:05:39.93 ID:L+74ikgJ0
律「で、なんで澪と和がラブホにいるんだよ」

澪「それは……ちょっと秘密」

和「もういいわ。白状しましょ」

澪「……和がいいなら」

和「私ね、みんなに内緒でバイトしてたの」

和「駅前のケーキ屋で、サンタの格好して客引きのバイトね」

澪「なんか学校でも元気なくて、どうしたのか聞いてみたらそういう話でさ」

和「唯たちに余計な心配かけたくなくて、澪には言わないでってお願いしたの」

澪「でもちょっと疲れてたみたいだから、心配で様子を見に来てみたんだ」

唯「用事ってそのことだったの」


澪「そしたら案の定、急にフラフラして倒れそうになって…びっくりしたよ」

唯「それで抱きついてたんだね」

律「じゃあなんでキスしたのさ」


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:07:03.64 ID:L+74ikgJ0
>>38
ごめんこれ書き溜めてあったやつなんだ……



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:08:09.21 ID:L+74ikgJ0
澪「はあ? キス? 私が? いつ?」

澪「あのときは熱を測っただけだぞ? こう……おでこをくっつけて」

梓「左手で体を支えて、右手で帽子を取って、」

梓「両手が塞がってますから自然とその体勢になりますね」

澪「あれがキスしてるように見えたのか……お前らムギに毒されすぎ」

紬『女の子同士の恋愛は当たり前、むしろあるべき。あってしかるべき』シャキリーン!


唯「まあ和ちゃんの顔も見えてなかったわけで」

澪「んで高熱だし、顔色も悪いし、とにかく寝かそうと思ったんだけど」

澪「この辺で休めるとこってここしかなかったんだよ」


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:09:01.53 ID:L+74ikgJ0
唯「でもなんでバイトなの? 予備校に行くって言ってなかったっけ」

和「行くつもりよ。合宿は来週から始まるんだけど、その受講料がちょっと高くてね」

澪「親御さんに全部は払えないって言われたらしいんだ」

和「もっと安い講義もあったんだけど、妥協するのはいやだし」

律「それでバイトしてたのか」

和「私が悪いのよね。なにもかも……私が貧乏なのが悪いのよ…」

唯澪律梓「……」



和「冗談よ」

律「笑えねーよ」


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:09:49.76 ID:L+74ikgJ0
唯「和ちゃんの馬鹿! それで無理して体調崩してたら本末転倒じゃない!」

和「そうね、正論だわ」

梓「唯先輩が正しいことを言うなんて…」

澪「雨がふるな」

律「夜更けすぎには雪へとかわるな」

唯「ひどいよ和ちゃん!!」

和「えっ」



唯「私たち友達でしょ! なんで相談の一つもしてくれないの?」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:10:43.15 ID:L+74ikgJ0
唯「決めた! 和ちゃんの代わりに私達が働くよ!」

和「なにを言い出すの」

唯「思い出して……軽音部、特にりっちゃんが今まで生徒会にどれだけ迷惑をかけたか」

律「なんであたしが代表なんだよ」

和「あー頭痛い」

澪「実は私もさっきから」

唯「和ちゃんは思い出さなくていいよ。私はおもにりっちゃんに言ってるんだよ」

和「唯、あんたとは幼稚園からの付き合いだったわね」

唯「そうだよ。かけがえのない友達だと思ってるよ」

唯「友達が困ってたら無条件で助ける……そしてその見返りは求めない」

唯「それが“友情”ってもんでがしょ」ドン

和「……」


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:12:07.99 ID:L+74ikgJ0
和「唯が他人をどういう眼で見てるのか痛感したわ。や、私にも責任あるのかも」

律「和が半分、憂ちゃんが半分ってとこだろうな」

唯「なんで憂が出てくるの?」

律「和と憂がいなかったら、お前の人生どうなってたか想像してみ」

唯「……そんなの考えられないし考えるのもいまいましいよ」

梓「なんかトラウマでもあるんでしょうか?」

澪「昔、見捨てられそうになったとか?」


唯「とにかく! 私にとって必要不可欠の存在なんだよ。和ちゃんは」


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:12:56.99 ID:L+74ikgJ0
和「で、その見返りを求めないのが唯にとっての友情なのよね?」

唯「……」

和「私は、金輪際、求めるつもりなど無いけどね?」

唯「…とっ、とにかく、私一人でもやるよ! バイト!」

律「まー世話になってるのは事実だしな」

澪「私はもともとそうするつもりだったわけで」

梓「唯先輩一人じゃあどうせ無理ですから」


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:13:45.08 ID:L+74ikgJ0
澪「ただし、和にはいくつか条件を呑んでもらう必要がある!」

唯「澪ちゃん?」

和「…………」

澪「そのいち。来週のクリスマスパーティ、和も強制的に参加してもらう」

和「澪!」

律「そのに。だからその日までにぜったい風邪を治せよな」

和「律…みんな…!」

律「もうすぐ誕生日だろ? ついでに祝ってやんよ♪」

和「ありがとう…みんなありがとう…」

和「いままでの人生で初めて友情を知った気持ちだわ」

唯「冗談きついよ和ちゃあん…」


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:14:30.16 ID:L+74ikgJ0
唯「あずにゃん、何それ?」

梓「クラシックギターです。店長さんから借りてきました!」

唯「そのタンバリンは?」

梓「店の倉庫にありました」

唯「じゃあクララはあずにゃんに任せた」

梓「クララ?」

唯「私はタンバさんと組むよ」シャカシャカヘイ!

梓「う、うまい…! さすが唯先輩」

唯「じゃあ放課後ティータイム路上ミニライブはじめようか!」

唯「あ~れは昨日の夜~♪」
梓「あ~れは昨日の夜~♪」

子供「あのお姉ちゃんたち、すっごいうまいね!」

母親「そうね。さぁ行くわよ」

子供「聞いていかないの?」

母親「パパが待ってるから急がないと」


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:15:32.48 ID:L+74ikgJ0
澪「ふぅ~。ビラ100枚、ぜんぶ配り終わった!」

律「こっちも、ツリーの飾りつけ終わったぞ」

澪「…………」

澪「なぁサンタ?」

律「なんだよトナカイ」

澪「その頭にかぶってる緑のアフロ、なんなんだ?」

律「これ? 似合うだろ?」

澪「怖いくらい似合っているぞ」

律「これはな、宿り木っていうんだ。そのイミテーション」

澪「へぇ」


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:17:31.30 ID:L+74ikgJ0
律「…ほかにリアクションないのかよ」

澪「えっと…なんでつけてんの?」

律「ヤドリギの下に女の子がいたら、その娘にキスしないといけないんだ」

澪「へっ?」

律「外国のいい伝えなんだけど…これを破ると、地獄に落ちるんだって」

澪「えっ怖い系の話?」

律「ちっがぁう! みなまで言わせる気かよ」


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:18:42.16 ID:L+74ikgJ0
律「澪があたしの知らないとこで、あたしの知らない人と会ってるのを見たらさ」

律「すごく変な感じがしたんだ。なんか、不愉快? になった」

律「だから…ほら、友情の証と思って……なっ?」

澪「ばっ…ばかじゃないのか!? 何考えてんだよまったく」

律「澪のことじゃん! 当たり前じゃん!」

澪「やっべ薮つついたかも」


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:19:26.28 ID:L+74ikgJ0
律「澪が、その、…してくれるまでは、澪のことしか考えられないよ!」

澪「かっ勘弁してくれよぉ/////」

律「1回だけでいいから…おねがいだから…澪~」

澪「おお落ち着け、冷静になれ。お前なんかおかしいよ。いつもの律に戻ってくれ」

律「うるせぇ! そうだよ私今変なんだよ! 澪のせいだぞこのやろー!」

澪「やっべ油そそいだかも」

律「お前の、せいなんだからな……責任、とれよなっ」










さわ子「むかしとなりのおしゃれなおねえさんは~♪ フゥワ! フゥワ!」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:20:18.78 ID:L+74ikgJ0
さわ子「ケーキ買ったった~買ったった~給料日前に無理しちゃった~」

さわ子「1ホール丸ごと♪ 自分へのご褒美♪ ふふふふふふ」

さわ子「あら秋山さんだわ……あと、あの緑アフロファンキーサンタは誰?」



澪「もう! 1回だけだぞ!」CHU☆




さわ子「なん……だと!?」ボトッ

さわ子「秋山さんが彼氏と……ギギギ」


57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/24(金) 17:21:27.34 ID:L+74ikgJ0 [50/50]
さわ子「でもね、大人になれば私にもきっとサンタがやってくる」

さわ子「そう思っていた時期もありました。つい先ほどまでそうでした」

さわ子「同級生に先を越され、教え子にまで先を越され」

さわ子「なんで!? なんでみんな私を置いて大人になってゆくの!?」



澪のリア充っぷりに死ぬほど嫉妬したさわちゃんは、
うちに帰ってギターをひっぱり出し、
死ね死ね団のうたとかを演奏した。
その憎しみを具現化した絶叫シャウトとは裏腹に、
彼女の愛器・フライングVからは悲痛なむせび泣きが響いたという。

おわり☆

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