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梓「大きな背中になれるよね」
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 01:52:39.40 ID:1asmzUJp0
純「あーずさ!部室行こ!」
梓「・・・・」
純「・・あずさ?」
梓「・・アッ!ごめん!・・考え事してた!」
純「大丈夫?梓?」
梓「大丈夫だよ!ごめん先行ってて!憂達ももういると思うし」
純「・・・大丈夫ならいいけど・・。じゃ先行ってるね!」
梓「うん。」
タタタタタタタッ
純「あーずさ!部室行こ!」
梓「・・・・」
純「・・あずさ?」
梓「・・アッ!ごめん!・・考え事してた!」
純「大丈夫?梓?」
梓「大丈夫だよ!ごめん先行ってて!憂達ももういると思うし」
純「・・・大丈夫ならいいけど・・。じゃ先行ってるね!」
梓「うん。」
タタタタタタタッ
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 01:53:58.68 ID:1asmzUJp0
どうも。こんにちわ中野梓です。先輩方が卒業してから2か月が経ちました。
軽音部に私一人なのを心配してか純と憂が入部してくれました!
純は初めは部活かけもちで来てくれていましたがジャズ研のOGの先輩に「軽音部に入りたいんだろ?じゃあ行ってあげて」
と言われたそうです。
憂は家の家事もあるのに毎日来てくれています!今では憂がお茶を入れてくれています。ティーセットは紬先輩が置いて行って
くれました!
どうやら憂や純の中では軽音部=お茶だそうです・・・
あ!それと私たちが通う桜が丘高等学校は今年から共学になりました。
共学になったので律先輩の弟くん。聡くんが入学して軽音部に入ってくれました!
どうやらいつも家で律先輩が楽しそうにエアドラムしてるのを見て入部したいと思ったそうです。
今はこの4人が新しい軽音部です!
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 01:55:33.74 ID:1asmzUJp0
純もジャズから軽音部にあったベースになって来てるし、憂もオルガンからキーボードに変わりたいと頑張って
どんどん上手になっていきます。
聡君もドラムの経験はなかったのに驚くほどの上達スピードで上手になっていきます。
少しはしりぎみなのも律先輩そっくりです!
3人はどんどんうまくなっていくのに私はどうなんだろう。一番軽音部に長くいるのに・・部長だからみんなを引っ張っていける
くらい上手なギタリストにならなくちゃいけないのに・・・
私は3年生になって何か変わったのかな?私が2年生の時の三年生。先輩方はもっと大きかったはず。
もっと大きな背中でもっと大きな何かを持ってたのに・・私は・・・
聡「あ!いた!梓先輩!」
梓「・・聡くん?」
聡「純先輩も憂先輩も心配してますよ!早く音楽室行きましょう!」
梓「・・あ!・・うんわかった。今いく」
聡「・・・どうかしたんですか?」
梓「何でもないよ。行こうよはやく!」
私は音楽室へ向かった。
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 01:57:15.06 ID:1asmzUJp0
憂「梓ちゃん!遅かったねお茶入ってるよ!あとクッキーもってきたんだ!」
梓「ありがとう。もらうよ」
憂「・・・・・」ジ――――
梓「・・・憂?」
憂「・・梓ちゃん。やっぱりおかしいよ」
梓「・・おかしいって?」
純「・・何か悩んでるよね?」
聡「・・それを隠してますよね?」
梓「・・・・(二人とも・・)」
憂「・・梓ちゃん。悩み事はみんなで共有しよう?みんなで乗り越えよう?一人で悩んじゃいやだよ?」
梓「・・・(いつか唯先輩もそんなこと言ってたような・・やっぱり姉妹だね)
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 01:58:07.46 ID:1asmzUJp0
純「私たち軽音部の仲間じゃん!そりゃ澪先輩たちと比べると日は浅いけど・・」
聡「もしかして姉ちゃん達と僕たちを比べて・・?」
梓「いや。そんなんじゃないよ!そんなんじゃないんだけど・・」
憂「梓ちゃん。」
梓「・・・・・」
憂「梓ちゃん。今すぐ話してとは言わないよ。でも一人で抱え込まないで?
つらくなったら私たちをたよって?いつでもどこでもいいからさ?」
梓「憂・・・・わかったよ。大丈夫!もう大丈夫だよ!さぁ練習しよ」
聡「大丈夫なんですか?」
純「(大丈夫なわけないよ・・梓は軽い悩み事はすぐに解消するけどもっと大きな悩み事は人一倍悩んじゃうんだ・・)」
憂「(でも、弱みを見せたりしない。みんなにいつもどおり振る舞う。。でもみんなで聞き詰めたらまたさらに悩んじゃう)」
純「(今日のところは・・)そうだね練習しよう!ライブも近いし!」
梓「うん。心配掛けてごめんね!」
ライブっていうのは軽音部のライブ活動が学校に評価されて6月に桜が丘音楽祭っていうライブが開かれるように
なりました。
それから練習が始まりいつもと特に変わらない練習をして家に帰りました。
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 01:59:01.71 ID:1asmzUJp0
梓の家の風呂場
ザバー―ーン!
梓「みんなに心配かけちゃったな・・・」
梓「2年も後輩の聡君にまで心配されちゃったし・・」
梓「唯先輩や律先輩だったら後輩に心配させたりはしないんだろうな・・」
梓「みんなに頼られる部長どころか、みんなに心配されちゃった・・」
梓「どうしたら先輩方みたいになれるんだろう・・。」
次の日
憂「梓ちゃん。来なかったね。」
聡「やっぱりなんかおかしいです」
純「って言っても梓は相談してこないだろうな・・・」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:00:17.19 ID:1asmzUJp0
とぼとぼ・・
私は音楽室へ行かず一人で家に向かって歩いてました。
梓「私・・なにやってんだろう・・」
梓「ライブも近いのに部室に顔出さないなんて・・」
梓「はぁ~・・」
とぼとぼ・・
ドン!!
男「・・いってぇな!!」
梓「・・・・(どうすれば)・・ブツブツ・・」う~ん
男「てめぇ!ぶつかっといて黙ったままかよ!!」
梓「はぁ~(溜息)(・・!誰か何かなにか言ってる?)」
男「まだ!!無視か!?頭きた!!ちょっと来いよ?!!!」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:02:14.91 ID:1asmzUJp0
梓「・・・・!!!!!!はわわわわわ!!すいません!!ボーとしてました!!!!」
男「いまさら誤ってすむとおもってんのか!?!?!!?」
梓「ひぃ!!!!!」
男「目つむってちじこまったって許すかよ!!!」
??「・・(あれは?)・・・・!!」
梓「・・・・(ひぃ!)」ブルブル!
梓「・・・・」
私は目を瞑って小さくなった
梓「・・・・」
梓「・・・・」
梓「・・・・」
梓「・・・?」
梓「(何もしてこない・・?)」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:04:05.14 ID:1asmzUJp0
男「すいませんしたーーー!!」
梓「・・・」ブルブル!
トントン
梓「!!(肩を叩かれた?)」
?「―――っさ」
?「―――ずっさ」
?「――・・ーずっさ」
?「――ぁーずっさ!」
?「あーずっさ!!」
梓「!はい!!」スクッ!
私は聞きなれた私を呼ぶ声に反応して立ち上がった。
?「大丈夫か?梓?」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:04:56.12 ID:1asmzUJp0
梓「・・・り・・つ先輩?」
そこにはカチューシャを取り髪が伸びて後ろで束ねている。風貌は大分違っていたが確かにそこには
やさしい声があった。
律先輩だ。
律「あの男はどっか行ったぞ?」
梓「りつせんぱい・・」
律「?」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:06:29.53 ID:1asmzUJp0
梓「・・・り・・つ・・せんぱ・・い」グスッ・・
梓「りつせんぱーーーい!!!!!」うあああああん!!!
律「・・梓(これは男にからまれた涙でも再会を喜ぶ涙でもないな・・)」
梓「うわああああああん!!うええええん!!りつせんぱいいい!!」
私の溜まっていた悩みは男に絡まれたという油と律先輩という火種で大きく
燃え上がった。その炎は涙と変わり目から流れ出て止まらなかった。
律「今4人で大学の近くの部屋借りて一緒に住んでんだ。」
律「行こうか・・」
私は涙が止まらないまま律先輩に引かれて家に向かった。
そうこの背中だ。ここにいれば悩みも晴れる。この大きくて温かい背中に私は憧れていたんだ。
次第に涙は収まり家の前についた。
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:07:53.77 ID:1asmzUJp0
誰も居ないしやめようかな
ガチャ!
律「ただいまー」
澪先輩と紬先輩と唯先輩・・・
また泣きそうになったが我慢した。
澪先輩と紬先輩は台所にいて唯先輩は炬燵にいた。この時期に炬燵?
澪「律おかえりー牛乳あったか?」
律「おー。あったぞー」
紬「これでシチュー作れるわね」
唯「やったーシチューだー」
唯「って、あずにゃん!?」
澪「えっ!?梓?」
紬「梓ちゃん!?」
律「さっき道でばったり会ってな!久しぶりに一緒にとおもってな!」
梓「おじゃましm「あーーずーーにゃーーん♪!」ダキッ
梓「にゃ!?」
私は「やめてください」と言えなかった。
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:10:28.90 ID:1asmzUJp0
不安でいっぱいだった私にはそこは暖かすぎた
唯「あずにゃん!ひさしぶりー!」
澪「梓久しぶりだな」
紬「梓ちゃん久し振り♪」
ああ。あったかい。なんてあったかいんだろう。別に憂や純が冷たいわけじゃない。
私は部長としての責任感を感じて自分で温かさを拒んでいたんだ。
梓「・・・お久しぶりです。私も晩御飯ご一緒してもいいですか?」
唯「もちろんだよー」
澪「沢山作ってるから梓の分もあるよ!」
紬「久しぶりに放課後ティータイムでお茶ね~」
律「さぁさ!座れ座れ!」
梓「はい!・・・てか唯先輩そろそろ放してください!」
唯「あずにゃん分が不足してたからねー」
梓「なんですか、それ・・」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:12:47.55 ID:1asmzUJp0
そしてしばらく炬燵に入って唯先輩と話した。べつに他愛もない世間話だったけど私は楽しかった。
そういえば何でこの時期に炬燵なんだと聞くと家から持ってきたけど布団を直す場所がないそうだ。
でも炬燵はいいなー、普通この時期炬燵は暑いはずなのに
何で暑くないんだろう、私が冷たいのかな?
律「おーい!シチューできたぞー!自分で取りに来いよー」
唯「えーりっちゃん持ってきてよー。」
律「それくらい取りに来い!」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:14:43.44 ID:1asmzUJp0
唯「はーい。 あずにゃん取りに行こっか!」
梓「そうですね」
そしてみんなシチューをとり季節外れの炬燵に入った。
一同「いただきまーす!」
澪「たくさんあるから梓も遠慮せずにな。」
梓「はい。いただきます。」
ズズッ
梓「・・・おいしい。」
紬「あら?ほんとー!?」
澪「よかった。いっぱい食べてくれ!」
唯「でもあずにゃん。なんで泣いてるの?」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:15:46.28 ID:1asmzUJp0
梓「えっ!?」バッ!
私は自分の目を触ると濡れていた。気付かなかった。
梓「あのっ!?これは!!」
律「泣くほど美味かったのかー!?」
唯「へへへへあずにゃんはかわいいねー」
梓「・・グスッ・・はいおいしいです・・グスッ。とってもとってもとっても・・!」グスン!
澪「・・・そうか。それはよかった。」
紬「・・・フフフ♪」
律「・・・へへっ」
私たちはたくさん喋りながらたくさん笑いながらシチューを食べた。
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:16:42.60 ID:1asmzUJp0
唯「ふー!おなかいっぱい!」
律「久しぶりにいっぱいくったなー」
澪「ホント!あれだけあったのにもうないや!」
梓「とってもおいしかったです!」
紬「お茶はいったわよー!」
唯「ムギちゃん。ありがとー!」
そして一息ついた頃。澪先輩が切り出した。
澪「・・・で。どうした?梓?」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:18:09.65 ID:1asmzUJp0
梓「・・どうしたってどういうことですか?」
紬「なにか悩んでるんでしょ?」
梓「・・・・・・どうしてそれを・・?」
唯「さすがの私もそれぐらいわかるよー」
梓「唯先輩まで・・」
律「たぶん。悩みがないか聡や憂ちゃん。純ちゃんに相談してくれって言われて。でも話せなくてどうしようか悩んでたら
さっきぶつかってあんなことになったんじゃないのか?」
梓「・・すごいですね。そのとおりです。」
澪「あんなことって?」
律「!ああ!なんでもないよ。」
唯「あずにゃんは皆に心配されたくないから言わなかったんだよね?」
紬「・・・話してみない?私たちにできることは何でもするわよ?」
梓「みなさん・・・」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:19:05.89 ID:1asmzUJp0
梓「・・・私。不安だったんです。」
梓「私が2年生の時。唯先輩。澪先輩。律先輩。紬先輩。みなさん先輩方はとっても大きくて頼れる存在でした。
どんなことがあったって皆さんのそばにいれば何でも大丈夫な気がしてきました。」
梓「・・で今私は3年生で部長。後輩の聡君や部員の憂や純。みんなが安心して頼れる。大きな背中を持っている部長
にならなければいけなかった・・なのに。楽器は純や憂や聡君はみるみる上達していくけど私はこれといった変化もなくて・・」ぐすんっ
澪「・・梓・・・」
梓「それで・・私は本当に部長なのかな?って。私は大きな背中なんかもってないなって・・」グスッ・・ズズ
紬「あずさちゃん・・」
梓「それで・・!それで・・!」ポロポロ・・グスッ!ズズズ・・エーン!!
律「・・あずさ・・」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:20:54.80 ID:1asmzUJp0
律「私は。・・・いや皆。誰一人立派な背中なんてもってないんだよ。」
律「私は講堂申請用紙の提出も忘れるし部長会議も忘れるしそのときだって和がいなきゃだめだった。」
律「せいぜい私ができるのはドラムくらいだ。」
律「でもな梓。そんな私の背中を大きく見えたんだろ?」
梓「」コクッ
律「それは私の背中じゃないよ。みんなの背中だ。」
梓「・・・・律先輩。」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:21:43.93 ID:1asmzUJp0
律「私はドラムだベースはできない。」
澪「私はベース。キーボードはできない。」
紬「私はキーボード。でもギターはできない。」
唯「私はギター。ほかはなんにもできないよ?」
律「だから梓。お前一人じゃ何もできなくて当然だ。」
律「3年b組の先生がいってたろ?「人」という字は人と人が支えあって出来てるって。」
律「人は一人じゃ立てないんだ。人は助けられなきゃだめなんだ。」
澪「だから梓。ひとりで立ってひとりで頑張らないで誰かに支えてもらえ。」
紬「そうじゃなきゃまた梓ちゃんは倒れちゃう。」
唯「私たちでも憂でも純ちゃんでも聡君でもね」
律「そしたら梓も大きな背中になるよ。」
梓「み・・な・さ・・ん・・」グスっ
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:23:53.17 ID:1asmzUJp0
梓「うえええええええん!!えええん!!」エーーン!エーーン!
唯「あずにゃんは泣き虫だね~」
紬「」ニコッ!
澪「」にこっ!
その日私は先輩方の家に泊まった。
そして次の日。
澪「じゃあ私たちも大学いくよ!梓も気をつけてな!」
梓「はい!」
唯「ばいば~い!」
紬「また音楽祭の時、見に行くわね~!」
律「いつでも遊びに来いよ~!」
梓「はーーーい!!」
梓「・・・・・」
梓「・・・よし!!!」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:25:05.61 ID:1asmzUJp0
5月下旬。
梓「新しい歌の歌詞できたよ!」
憂「見せてみせて!」
純「梓が作る最初の曲だー!」
聡「どんなのですか~!」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:53:25.71 ID:1asmzUJp0
『一人じゃないよ』
【君がいるから私で居れる。私だけじゃなんにもできない。
私がいるから立ってられる人もきっといるよね。
一人じゃないよ。一人じゃないよ。
君は絶対一人じゃない。今は一人かもしれないけれどいつかは会えるよ支えてくれる人に。
一人じゃないよ。一人じゃないよ。
一人で抱え込まないで。そのためにみんなが居るんだから。
一人だけで立派な人間なんていない。一人だけで立派になれる人間もいない。
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:55:28.50 ID:1asmzUJp0
よく考えてみて。あなたがそこに居られるのは誰かのおかげでしょ?
一人じゃだめだよ。みんなで笑おう。
一人じゃだめだよ。みんなではなそう。
一人じゃだめだよ。みんなで悩もう。
一人じゃだめだよ。そのために私達がいるんだから。
そしたらきっと・・きっと・・きっと・・】
梓「大きな背中になれるよね」
梓「大きな背中になれるよね」
fin
どうも。こんにちわ中野梓です。先輩方が卒業してから2か月が経ちました。
軽音部に私一人なのを心配してか純と憂が入部してくれました!
純は初めは部活かけもちで来てくれていましたがジャズ研のOGの先輩に「軽音部に入りたいんだろ?じゃあ行ってあげて」
と言われたそうです。
憂は家の家事もあるのに毎日来てくれています!今では憂がお茶を入れてくれています。ティーセットは紬先輩が置いて行って
くれました!
どうやら憂や純の中では軽音部=お茶だそうです・・・
あ!それと私たちが通う桜が丘高等学校は今年から共学になりました。
共学になったので律先輩の弟くん。聡くんが入学して軽音部に入ってくれました!
どうやらいつも家で律先輩が楽しそうにエアドラムしてるのを見て入部したいと思ったそうです。
今はこの4人が新しい軽音部です!
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 01:55:33.74 ID:1asmzUJp0
純もジャズから軽音部にあったベースになって来てるし、憂もオルガンからキーボードに変わりたいと頑張って
どんどん上手になっていきます。
聡君もドラムの経験はなかったのに驚くほどの上達スピードで上手になっていきます。
少しはしりぎみなのも律先輩そっくりです!
3人はどんどんうまくなっていくのに私はどうなんだろう。一番軽音部に長くいるのに・・部長だからみんなを引っ張っていける
くらい上手なギタリストにならなくちゃいけないのに・・・
私は3年生になって何か変わったのかな?私が2年生の時の三年生。先輩方はもっと大きかったはず。
もっと大きな背中でもっと大きな何かを持ってたのに・・私は・・・
聡「あ!いた!梓先輩!」
梓「・・聡くん?」
聡「純先輩も憂先輩も心配してますよ!早く音楽室行きましょう!」
梓「・・あ!・・うんわかった。今いく」
聡「・・・どうかしたんですか?」
梓「何でもないよ。行こうよはやく!」
私は音楽室へ向かった。
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 01:57:15.06 ID:1asmzUJp0
憂「梓ちゃん!遅かったねお茶入ってるよ!あとクッキーもってきたんだ!」
梓「ありがとう。もらうよ」
憂「・・・・・」ジ――――
梓「・・・憂?」
憂「・・梓ちゃん。やっぱりおかしいよ」
梓「・・おかしいって?」
純「・・何か悩んでるよね?」
聡「・・それを隠してますよね?」
梓「・・・・(二人とも・・)」
憂「・・梓ちゃん。悩み事はみんなで共有しよう?みんなで乗り越えよう?一人で悩んじゃいやだよ?」
梓「・・・(いつか唯先輩もそんなこと言ってたような・・やっぱり姉妹だね)
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 01:58:07.46 ID:1asmzUJp0
純「私たち軽音部の仲間じゃん!そりゃ澪先輩たちと比べると日は浅いけど・・」
聡「もしかして姉ちゃん達と僕たちを比べて・・?」
梓「いや。そんなんじゃないよ!そんなんじゃないんだけど・・」
憂「梓ちゃん。」
梓「・・・・・」
憂「梓ちゃん。今すぐ話してとは言わないよ。でも一人で抱え込まないで?
つらくなったら私たちをたよって?いつでもどこでもいいからさ?」
梓「憂・・・・わかったよ。大丈夫!もう大丈夫だよ!さぁ練習しよ」
聡「大丈夫なんですか?」
純「(大丈夫なわけないよ・・梓は軽い悩み事はすぐに解消するけどもっと大きな悩み事は人一倍悩んじゃうんだ・・)」
憂「(でも、弱みを見せたりしない。みんなにいつもどおり振る舞う。。でもみんなで聞き詰めたらまたさらに悩んじゃう)」
純「(今日のところは・・)そうだね練習しよう!ライブも近いし!」
梓「うん。心配掛けてごめんね!」
ライブっていうのは軽音部のライブ活動が学校に評価されて6月に桜が丘音楽祭っていうライブが開かれるように
なりました。
それから練習が始まりいつもと特に変わらない練習をして家に帰りました。
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 01:59:01.71 ID:1asmzUJp0
梓の家の風呂場
ザバー―ーン!
梓「みんなに心配かけちゃったな・・・」
梓「2年も後輩の聡君にまで心配されちゃったし・・」
梓「唯先輩や律先輩だったら後輩に心配させたりはしないんだろうな・・」
梓「みんなに頼られる部長どころか、みんなに心配されちゃった・・」
梓「どうしたら先輩方みたいになれるんだろう・・。」
次の日
憂「梓ちゃん。来なかったね。」
聡「やっぱりなんかおかしいです」
純「って言っても梓は相談してこないだろうな・・・」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:00:17.19 ID:1asmzUJp0
とぼとぼ・・
私は音楽室へ行かず一人で家に向かって歩いてました。
梓「私・・なにやってんだろう・・」
梓「ライブも近いのに部室に顔出さないなんて・・」
梓「はぁ~・・」
とぼとぼ・・
ドン!!
男「・・いってぇな!!」
梓「・・・・(どうすれば)・・ブツブツ・・」う~ん
男「てめぇ!ぶつかっといて黙ったままかよ!!」
梓「はぁ~(溜息)(・・!誰か何かなにか言ってる?)」
男「まだ!!無視か!?頭きた!!ちょっと来いよ?!!!」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:02:14.91 ID:1asmzUJp0
梓「・・・・!!!!!!はわわわわわ!!すいません!!ボーとしてました!!!!」
男「いまさら誤ってすむとおもってんのか!?!?!!?」
梓「ひぃ!!!!!」
男「目つむってちじこまったって許すかよ!!!」
??「・・(あれは?)・・・・!!」
梓「・・・・(ひぃ!)」ブルブル!
梓「・・・・」
私は目を瞑って小さくなった
梓「・・・・」
梓「・・・・」
梓「・・・・」
梓「・・・?」
梓「(何もしてこない・・?)」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:04:05.14 ID:1asmzUJp0
男「すいませんしたーーー!!」
梓「・・・」ブルブル!
トントン
梓「!!(肩を叩かれた?)」
?「―――っさ」
?「―――ずっさ」
?「――・・ーずっさ」
?「――ぁーずっさ!」
?「あーずっさ!!」
梓「!はい!!」スクッ!
私は聞きなれた私を呼ぶ声に反応して立ち上がった。
?「大丈夫か?梓?」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:04:56.12 ID:1asmzUJp0
梓「・・・り・・つ先輩?」
そこにはカチューシャを取り髪が伸びて後ろで束ねている。風貌は大分違っていたが確かにそこには
やさしい声があった。
律先輩だ。
律「あの男はどっか行ったぞ?」
梓「りつせんぱい・・」
律「?」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:06:29.53 ID:1asmzUJp0
梓「・・・り・・つ・・せんぱ・・い」グスッ・・
梓「りつせんぱーーーい!!!!!」うあああああん!!!
律「・・梓(これは男にからまれた涙でも再会を喜ぶ涙でもないな・・)」
梓「うわああああああん!!うええええん!!りつせんぱいいい!!」
私の溜まっていた悩みは男に絡まれたという油と律先輩という火種で大きく
燃え上がった。その炎は涙と変わり目から流れ出て止まらなかった。
律「今4人で大学の近くの部屋借りて一緒に住んでんだ。」
律「行こうか・・」
私は涙が止まらないまま律先輩に引かれて家に向かった。
そうこの背中だ。ここにいれば悩みも晴れる。この大きくて温かい背中に私は憧れていたんだ。
次第に涙は収まり家の前についた。
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:07:53.77 ID:1asmzUJp0
誰も居ないしやめようかな
ガチャ!
律「ただいまー」
澪先輩と紬先輩と唯先輩・・・
また泣きそうになったが我慢した。
澪先輩と紬先輩は台所にいて唯先輩は炬燵にいた。この時期に炬燵?
澪「律おかえりー牛乳あったか?」
律「おー。あったぞー」
紬「これでシチュー作れるわね」
唯「やったーシチューだー」
唯「って、あずにゃん!?」
澪「えっ!?梓?」
紬「梓ちゃん!?」
律「さっき道でばったり会ってな!久しぶりに一緒にとおもってな!」
梓「おじゃましm「あーーずーーにゃーーん♪!」ダキッ
梓「にゃ!?」
私は「やめてください」と言えなかった。
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:10:28.90 ID:1asmzUJp0
不安でいっぱいだった私にはそこは暖かすぎた
唯「あずにゃん!ひさしぶりー!」
澪「梓久しぶりだな」
紬「梓ちゃん久し振り♪」
ああ。あったかい。なんてあったかいんだろう。別に憂や純が冷たいわけじゃない。
私は部長としての責任感を感じて自分で温かさを拒んでいたんだ。
梓「・・・お久しぶりです。私も晩御飯ご一緒してもいいですか?」
唯「もちろんだよー」
澪「沢山作ってるから梓の分もあるよ!」
紬「久しぶりに放課後ティータイムでお茶ね~」
律「さぁさ!座れ座れ!」
梓「はい!・・・てか唯先輩そろそろ放してください!」
唯「あずにゃん分が不足してたからねー」
梓「なんですか、それ・・」
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:12:47.55 ID:1asmzUJp0
そしてしばらく炬燵に入って唯先輩と話した。べつに他愛もない世間話だったけど私は楽しかった。
そういえば何でこの時期に炬燵なんだと聞くと家から持ってきたけど布団を直す場所がないそうだ。
でも炬燵はいいなー、普通この時期炬燵は暑いはずなのに
何で暑くないんだろう、私が冷たいのかな?
律「おーい!シチューできたぞー!自分で取りに来いよー」
唯「えーりっちゃん持ってきてよー。」
律「それくらい取りに来い!」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:14:43.44 ID:1asmzUJp0
唯「はーい。 あずにゃん取りに行こっか!」
梓「そうですね」
そしてみんなシチューをとり季節外れの炬燵に入った。
一同「いただきまーす!」
澪「たくさんあるから梓も遠慮せずにな。」
梓「はい。いただきます。」
ズズッ
梓「・・・おいしい。」
紬「あら?ほんとー!?」
澪「よかった。いっぱい食べてくれ!」
唯「でもあずにゃん。なんで泣いてるの?」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:15:46.28 ID:1asmzUJp0
梓「えっ!?」バッ!
私は自分の目を触ると濡れていた。気付かなかった。
梓「あのっ!?これは!!」
律「泣くほど美味かったのかー!?」
唯「へへへへあずにゃんはかわいいねー」
梓「・・グスッ・・はいおいしいです・・グスッ。とってもとってもとっても・・!」グスン!
澪「・・・そうか。それはよかった。」
紬「・・・フフフ♪」
律「・・・へへっ」
私たちはたくさん喋りながらたくさん笑いながらシチューを食べた。
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:16:42.60 ID:1asmzUJp0
唯「ふー!おなかいっぱい!」
律「久しぶりにいっぱいくったなー」
澪「ホント!あれだけあったのにもうないや!」
梓「とってもおいしかったです!」
紬「お茶はいったわよー!」
唯「ムギちゃん。ありがとー!」
そして一息ついた頃。澪先輩が切り出した。
澪「・・・で。どうした?梓?」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:18:09.65 ID:1asmzUJp0
梓「・・どうしたってどういうことですか?」
紬「なにか悩んでるんでしょ?」
梓「・・・・・・どうしてそれを・・?」
唯「さすがの私もそれぐらいわかるよー」
梓「唯先輩まで・・」
律「たぶん。悩みがないか聡や憂ちゃん。純ちゃんに相談してくれって言われて。でも話せなくてどうしようか悩んでたら
さっきぶつかってあんなことになったんじゃないのか?」
梓「・・すごいですね。そのとおりです。」
澪「あんなことって?」
律「!ああ!なんでもないよ。」
唯「あずにゃんは皆に心配されたくないから言わなかったんだよね?」
紬「・・・話してみない?私たちにできることは何でもするわよ?」
梓「みなさん・・・」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:19:05.89 ID:1asmzUJp0
梓「・・・私。不安だったんです。」
梓「私が2年生の時。唯先輩。澪先輩。律先輩。紬先輩。みなさん先輩方はとっても大きくて頼れる存在でした。
どんなことがあったって皆さんのそばにいれば何でも大丈夫な気がしてきました。」
梓「・・で今私は3年生で部長。後輩の聡君や部員の憂や純。みんなが安心して頼れる。大きな背中を持っている部長
にならなければいけなかった・・なのに。楽器は純や憂や聡君はみるみる上達していくけど私はこれといった変化もなくて・・」ぐすんっ
澪「・・梓・・・」
梓「それで・・私は本当に部長なのかな?って。私は大きな背中なんかもってないなって・・」グスッ・・ズズ
紬「あずさちゃん・・」
梓「それで・・!それで・・!」ポロポロ・・グスッ!ズズズ・・エーン!!
律「・・あずさ・・」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:20:54.80 ID:1asmzUJp0
律「私は。・・・いや皆。誰一人立派な背中なんてもってないんだよ。」
律「私は講堂申請用紙の提出も忘れるし部長会議も忘れるしそのときだって和がいなきゃだめだった。」
律「せいぜい私ができるのはドラムくらいだ。」
律「でもな梓。そんな私の背中を大きく見えたんだろ?」
梓「」コクッ
律「それは私の背中じゃないよ。みんなの背中だ。」
梓「・・・・律先輩。」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:21:43.93 ID:1asmzUJp0
律「私はドラムだベースはできない。」
澪「私はベース。キーボードはできない。」
紬「私はキーボード。でもギターはできない。」
唯「私はギター。ほかはなんにもできないよ?」
律「だから梓。お前一人じゃ何もできなくて当然だ。」
律「3年b組の先生がいってたろ?「人」という字は人と人が支えあって出来てるって。」
律「人は一人じゃ立てないんだ。人は助けられなきゃだめなんだ。」
澪「だから梓。ひとりで立ってひとりで頑張らないで誰かに支えてもらえ。」
紬「そうじゃなきゃまた梓ちゃんは倒れちゃう。」
唯「私たちでも憂でも純ちゃんでも聡君でもね」
律「そしたら梓も大きな背中になるよ。」
梓「み・・な・さ・・ん・・」グスっ
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:23:53.17 ID:1asmzUJp0
梓「うえええええええん!!えええん!!」エーーン!エーーン!
唯「あずにゃんは泣き虫だね~」
紬「」ニコッ!
澪「」にこっ!
その日私は先輩方の家に泊まった。
そして次の日。
澪「じゃあ私たちも大学いくよ!梓も気をつけてな!」
梓「はい!」
唯「ばいば~い!」
紬「また音楽祭の時、見に行くわね~!」
律「いつでも遊びに来いよ~!」
梓「はーーーい!!」
梓「・・・・・」
梓「・・・よし!!!」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:25:05.61 ID:1asmzUJp0
5月下旬。
梓「新しい歌の歌詞できたよ!」
憂「見せてみせて!」
純「梓が作る最初の曲だー!」
聡「どんなのですか~!」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:53:25.71 ID:1asmzUJp0
『一人じゃないよ』
【君がいるから私で居れる。私だけじゃなんにもできない。
私がいるから立ってられる人もきっといるよね。
一人じゃないよ。一人じゃないよ。
君は絶対一人じゃない。今は一人かもしれないけれどいつかは会えるよ支えてくれる人に。
一人じゃないよ。一人じゃないよ。
一人で抱え込まないで。そのためにみんなが居るんだから。
一人だけで立派な人間なんていない。一人だけで立派になれる人間もいない。
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/12/25(土) 02:55:28.50 ID:1asmzUJp0
よく考えてみて。あなたがそこに居られるのは誰かのおかげでしょ?
一人じゃだめだよ。みんなで笑おう。
一人じゃだめだよ。みんなではなそう。
一人じゃだめだよ。みんなで悩もう。
一人じゃだめだよ。そのために私達がいるんだから。
そしたらきっと・・きっと・・きっと・・】
梓「大きな背中になれるよね」
梓「大きな背中になれるよね」
fin
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