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天道総司「俺の妹がこんなに可愛い」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:11:51.06 ID:qvMKYdtN0 [1/52]
加賀美「天道! 天道!」
天道「なんだ加賀美。騒々しい。俺は今、ひよりが作ったサバ味噌を」
加賀美「あーっ、いいから! そんなことよりいい物貸してやるよ!」
天道「食事をそんなこと扱いだと?」
加賀美「す、すまん、すまん! 悪かったよ…」
加賀美「でだ」ガサゴソ、ガサゴソ
天道「切り替えが早いな、これだからお前は…」
加賀美「こいつを見てくれ…」
天道「…おい」
天道「すぐにしまえ。飯が不味くなる」
加賀美「なっ…!」
加賀美「天道! 天道!」
天道「なんだ加賀美。騒々しい。俺は今、ひよりが作ったサバ味噌を」
加賀美「あーっ、いいから! そんなことよりいい物貸してやるよ!」
天道「食事をそんなこと扱いだと?」
加賀美「す、すまん、すまん! 悪かったよ…」
加賀美「でだ」ガサゴソ、ガサゴソ
天道「切り替えが早いな、これだからお前は…」
加賀美「こいつを見てくれ…」
天道「…おい」
天道「すぐにしまえ。飯が不味くなる」
加賀美「なっ…!」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:15:21.93 ID:qvMKYdtN0 [2/52]
加賀美「それはこのエロゲに対してあんまりじゃないか!? 天道!」
天道「やかましい。それより、お前はそれを俺に貸すつもりじゃないだろうな」
加賀美「そうだけど」
天道「馬鹿にするのも大概にしておけよ…」
加賀美「そんなつもr」
天道「どういうつもりでそいつを俺に見せに来たのかはわからんが、加賀美」
天道「お前がここまで恥ずかしい奴だとは思っていなかった」
加賀美「エロゲ持ってきただけでそこまで言うか!? いいかげんにしろよ!」
天道「…こっちの台詞だ」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:20:18.05 ID:qvMKYdtN0
天道「はやくその媚びたキャラが描いてある箱をしまえ」
加賀美「媚びてねぇよ! この子はだな…」
加賀美「まぁ、とりあえず。ほら」ス
天道「…俺がここまで言ってもわからないのか?」
加賀美「グダグダ言ってないでまずやってみろよ、な?」
加賀美「きっと…ハマるぞー?」
天道「やかましいっ」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:25:08.04 ID:qvMKYdtN0
天道「だいたいエロゲ、エロゲと、公衆の面前でこうも大声で話すか…」
加賀美「お、その口ぶりはエロゲのことを知っている口ぶりだな!」
天道「ふん、俺を誰だと思っている。 天の道を行き、全てを(以下略」
加賀美「知ってるなら話が早いな。天道、俺はお前とエロゲについて熱く語り合いたい…」
天道「おい、本当に気色が悪いぞ…やめてくれ…」
加賀美「このエロゲは田所さんから借りた物なんだがな、あまりのデキに俺は泣いた!」
加賀美「その感動を普段暇を持て余しているお前にもお裾分けしてやろうと思ってだな!」
天道「大きなお世話だ、加賀美」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:30:21.34 ID:qvMKYdtN0
ガタッ
加賀美「お、おいおい! どこ行くんだよ!?」
天道「帰るに決まっているだろう。ひより、中々の出来だったぞ」スタスタ…
加賀美「て、天道! これ! 忘れ物だぞっ!」
天道「だからエロゲはいいと言っているだろ!」
「エロゲ…?」「やだぁ、天の道を行く人がエロゲって言ったわー」
「なんか親近感湧くな」「天の道を行く人も所詮人の子だったか…」
天道「ちっ…」
ガチャ
加賀美「あー…行っちゃったよ」
ひより「あいつ、また会計済まさないで帰った…」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:35:22.10 ID:qvMKYdtN0
天道「ただいま」ガチャリ
天道「まだ樹花は帰っていないか…それにしても加賀美め」
天道「まったくふざけた奴だ。おかげで無性にイラついて仕方がない…」
天道「おばあちゃんが言っていた…そんなときには家の掃除をしろ、と」
天道「掃除をすることでストレスが解消できるということだ。よし…」
天道「まずは樹花の部屋から」ガチャ
天道「特に散らかっている様子はないが…まぁ、いい」
カチッ、ウイーン……ガタッ
天道「ん…」
天道「!!」
天道「こっ、これは…」
天道(エロゲだと…!?)
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:41:42.37 ID:qvMKYdtN0
樹花「ただいまお兄ちゃん!」
天道「……」
樹花「お兄ちゃん?」
天道「樹花、こっちに来なさい」
樹花「うん?」
天道「座りなさい」
樹花「うん…」
樹花「どうかしたの? お兄ちゃん怖い顔してるよ」
樹花「もしかして…怒ってる?」
天道「…心当たりがあるのか」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:44:28.08 ID:qvMKYdtN0
樹花「う、ううん! 全然!」
天道「そうか…」
天道「それじゃあこれはなんだ…」サッ
樹花「っ!」
天道「今日家の中を掃除していてな…これがお前の部屋から見つかった」
天道「勝手に探る様なことをして申し訳ないとは思う…」
天道「だが、樹花」
樹花「か、かえしてっ」バッ
天道「じゅ、樹花…っ」ガーン…
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:47:05.11 ID:qvMKYdtN0
樹花「……」
天道「やはり…これは樹花の物で間違いないんだな?」
樹花「……」
天道「樹花っ、嘘だと言ってくれ…俺は嫌だっ、認めたくない」
樹花「……」
天道「樹花!」
樹花「…さ、さいていっ」
天道「なに!?」
樹花「女の子の部屋に勝手に入って…しかも…」
天道「じゅ、樹花…?」
樹花「お兄ちゃんのばかっ、へんたいっ、職なしっ」
天道「樹花!?」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:50:02.70 ID:qvMKYdtN0
天道「何を…言っているんだ…? 樹花…」ス
樹花「き、キモっ! 触らないでよ!」パシッ
天道「なっ!?」
天道「じゅ、樹花…どうしたというんだ…。俺はただこれがお前の物かどうか確かめようと…」
樹花「ウザい!」タタタ…
天道「 」
天道「樹花は…あんなことを言う子じゃなかった…」
ヴゥゥン、パシッ
天道「ハイパーゼクター…過去へ行き、樹花にエロゲを触れさせるなとでもいうのか?」
天道「…いや、俺はお前に頼らない。樹花は俺のかけがえのない妹だ」
天道「俺自身の手で改心させてみせる…!」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:54:10.99 ID:qvMKYdtN0
天道「まずは優しく接して機嫌を直す」
コンコン
天道「樹花、実はお前にプリンを作ったんだ。一緒にこっちに来て食べないか」
樹花『お兄ちゃんが作ったやつなんて食べたくないもん!』
天道「うぐっ…」
天道「…樹花、俺はな。お前に清く正しく生きて欲しいんだ」
天道「あんな如何わしい物で一生を台無しにしてはいけない。それにお前は対象年齢外なんだぞ?」
天道「それどころか樹花は女の子。あれは成人した男がやる物なんだ」
天道「…なぁ、樹花。お願いだ…エロゲなんてしないでくれ…」
シーン…
天道「…樹花?」ガチャ
樹花「えへへ…○○ちゃんテラカワユス…」カチッ、カチッ
天道「樹花ぁっ」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:58:11.06 ID:qvMKYdtN0
樹花「お兄ちゃん!? 勝手に部屋に入らないでって言ったでしょ!!」
天道「す、すまない…って、それどころじゃない!」
天道「すぐにそれをやめなさい…!」
樹花「いや!」
天道「ダメだ!」
樹花「もうっ! ウザい! 出ていってよぉっ!」ドンッ、ガチャンッ
天道「じゅ、樹花っ、待て…っ」
ガチャガチャ、ドンドンドンッ
天道「開けなさいっ、樹花! 樹花!」
樹花『黙れ万年ニート!!』
天道「……」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:01:37.99 ID:qvMKYdtN0
・・・
天道「樹花」コンコン
天道「出てきてくれ、樹花」
天道「……」
天道「まだ出てきてくれる気になってくれないのか」
天道「実はお前に話があってだな…」
天道「聞いてくれないか?」
天道「とても大切な話なんだ」
天道「……」
天道「…ああ、そうか…そういえば部活へ行っていたんだったな…うっかり忘れていた、ふっ…」ホロリ
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:04:33.86 ID:qvMKYdtN0
ガチャリ
天道「!」
樹花「……」
天道「じゅ、樹花、おかえr」
樹花「ねぇ」
天道「な、なんだ…?」
樹花「……」
天道「黙っていてはわからないぞ? 俺に話してみてくれ」
天道「精一杯、樹花の…悩みに付き合おう」
樹花「私の部屋…入って」
天道「じゅ、樹花…?」
天道(まさか…いや、そんな…樹花にかぎって……ばかな…)
樹花「相談があるの」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:08:02.26 ID:qvMKYdtN0
天道「ほら、ミルクティーだ。飲みなさい…落ち着くぞ」カタッ
樹花「うん…」
天道「それで? その相談というのは」
スタスタスタ…
天道「樹花? その押入れがどうかしたのか?」
樹花「驚かないでね」
ガチャリ
天道「ぶっ!!?」
樹花「き、汚いっ! お兄ちゃんミルクティー吹かないでよっ」
天道「す、すまない…」フキフキ
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:11:34.09 ID:qvMKYdtN0
天道「その…なんだ? その山積みになった色とりどりの箱にDVDは…」
樹花「あ、これ!? これはプリキュアだよ! 知ってるでしょ!?」
天道「プリキュア…」
樹花「こっちがMAXハートで…あ、これはスプラッシュスター! ちょーっと影が薄いけどいいデキなんだなぁこれが!」
樹花「まぁ、これは置いておいて…こっちはエロゲね」
天道「こんなに…樹花、お前いつからこんな…」
樹花「それは内緒!」
天道「樹花…」
樹花「本当のこと言うと、エロゲに興味が出てきた頃にね。ある日、いつのまにか枕元に置いてあったの!」
樹花「最初はお兄ちゃんが私のために置いてくれてたと思ってたけど…」
天道「そんなわけあってたまるか…」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:14:45.77 ID:qvMKYdtN0
樹花「話の続きね、枕元にエロゲと一緒にメモが置いてあったの」
樹花「欲しいエロゲとかアニメとかがあったらそのタイトルを書いたメモを机の上に置いておきなさいって!」
天道「……」
樹花「素敵なサンタさんよねー…ちょっと時期外れだけど!」
天道(そいつが…そいつが樹花を…!!)
天道「樹花、ダメだ。そいつはサンタさんでも何でもない」
樹花「そうかなぁー、でも赤かったよ」
天道「姿を見たのか?」
樹花「前にふと目が覚めたときにね! その時もエロゲ持ってきてくれたんだよ!」
天道「まさかワーム…」
樹花「え?」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:18:26.32 ID:qvMKYdtN0
天道「とにかく樹花。今後はそのサンタさんもどきに関わるんじゃない。いいな?」
樹花「えー!」
天道「えー、じゃない。もしかしたらそいつが危ない人物かもしれないんだぞ」
樹花「そんなことないもん!」
樹花「それより私の相談聞いてよ!」
天道「……わかった。聞こう」
樹花「あのね、エロゲにアニメにラノベって、色々と趣味を持てたことはいいんだけど」
樹花「まわりの子は全然興味がないみたいなの」
天道「探せばどこかしらにはいるんじゃ…」
樹花「うちの学校にはいないの! だから趣味の話をしたくても全然できない」
樹花「私…寂しくて…」
天道「樹花…」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:21:38.25 ID:qvMKYdtN0
樹花「私、みんなとエロゲのこととか、アニメとか、ラノベとか…色々お話ししたい!」
樹花「ねぇ、お兄ちゃん! 私どうしたらいいのかな」
天道(…どうもこうも)
天道「他でもない樹花の悩みだ。安心しなさい」
樹花「それって…」
天道「俺がなんとかしようじゃないか」
樹花「本当に!?」
天道「俺がウソをついたことがあるか?」
樹花「わかんない!」
天道「ふふっ…それじゃあ今すぐにでもなんとかしよう」ガチャリ
樹花「どこに行くの? お兄ちゃん」
天道「ああ、ちょっとな」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:25:08.74 ID:qvMKYdtN0
カブトゼクター『……』ブーン
天道「ああ…わかっている」
天道「このままではいけないということはな…」
天道「…それに樹花があんなことになってしまったのは何もすることができなかった俺の責任だ」
天道「だが、大切な妹が悩んでいるんだ。兄として、何とかするしかないだろう…」
天道「おばあちゃんが言っていた。まずは敵を知れ、と」
加賀美「おーい! 天道!」
天道「来たか」
加賀美「用ってなんだ?」
天道「エロゲとやらを貸せ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:29:26.05 ID:qvMKYdtN0
加賀美「な、なんだ藪から棒に…お前、興味なかったんじゃなかったのか!」
天道「気のせいだ」
加賀美「うそつけ!」
天道「とにかく貸せ。用はそれだけだ」
加賀美「…じゃあせめて、理由聞かせてくれよ」
天道「理由?」
加賀美「何か理由があるからいきなりそんなことを言ってるんだろ? 俺にはわかる」
天道「……」
天道「俺がエロゲをやりたいだけだ、問題あるか」
加賀美「だからなぜ急にやりたがる!」
天道「気が向いた…いや、加賀美。お前とエロゲを…熱く語りたいと思って…な…」プルプル
加賀美「て、天道…!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:34:03.82 ID:qvMKYdtN0
加賀美「お前…そうだったのか!」
天道(くそっ…最悪だ…)
加賀美「いやぁ、俺はわかっていたよ! あのときは素直になれなかっただけだったんだな!」
加賀美「そういうことなら、ほら! これ!」サ
天道「いいのか」
加賀美「貸せって言ったのはお前だろ? 今さらそんなに恐縮するなって」
天道「…そうだな」ス
加賀美「それはほんっとうにいい作品だ。きっと泣けるぞー!」
天道「まぁ、どうだろうな」
加賀美「終わったら熱く語り合おうな、天道!」
天道「…検討しよう」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:38:41.43 ID:qvMKYdtN0
天道「俺としたことが…」
天道「素直に樹花の物を拝借すればよかったか…」
天道「まぁ、過ぎたことを考えていても仕方がない」
天道「おばあちゃんが言っていた。迷わず行けよ、行けばわかるさ…と」
ドン
天道「おっと、すまない」
?「おい、ちゃんと前を見てあるけ。じいやが言っていた。下を向かずに上を向いて歩こうとな」
天道「…剣か」
神代「そういうお前は…ふん、あいかわらず暇を持て余しているな。天道」
天道「お前こそ暇を持て余しているように見えるがな」
神代「なにぃ…? ん、おい。その手に持っている物はなんだ」
天道「お前には一切関係がない物だ。じゃあな」
神代「待て!」ガシッ
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:43:13.76 ID:qvMKYdtN0
ポロッ
天道「…何をする」
神代「なんだ、この箱は」
天道「言っただろう。お前には関係がない物だと」
神代「この女どもはなんだ?」
天道「知らん」
神代「お前の物なんだろう? なぜ知らん?」
天道「俺の物ではない。加賀美から借りた」
神代「カ・ガーミンから?」
神代「おい、これが何なのか詳しく教えろ、天道」
天道「これではない、エロゲだ」
神代「エ・ローゲ…だと?」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:47:50.75 ID:qvMKYdtN0
天道「…せっかく借りてきたエロゲを剣に奪われてしまった」
天道「まぁ、いい。あんな物をしなくても俺は樹花の趣味を理解してやることができるはずだ」
カチッ、カチッ…
天道「ん…?」
オニーチャンダイスキー
カチッ、カチッ…
ピコン
?「兄貴、選択肢がでたよ。たぶんここでルート分岐だ…ここはやっぱり」
?「慌てるな。まずはセーブをしてからにしておけ…バッドエンドから目指すとしよう…」
?「さすが兄貴、俺たち闇の住人にはトゥルーエンドは似合わないってことだね…」カチッ
?「……」
天道「お前らこんなところで何をしている」
矢車・影山「!」ピクッ
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:53:09.97 ID:qvMKYdtN0
影山「天道ぉ…俺たちの邪魔をしに来たの…?」
矢車「おい、俺たちは今地獄の道を歩んでいる真っ最中だ…横やりを入れるんじゃねぇ」
天道「…お前たちも堕ちたものだな」
影山「あ゛あぁ?」
矢車「…笑えよ、天道ぉ」
矢車「俺たちがこうしてこんなところでこいつをプレイしているのも天道…お前のせいだ」
天道「…俺はお前らにそんなことを強要した覚えはないが」
影山「天道の奴…ああ言ってるよ、兄貴!」
矢車「天道、お前にも地獄を見せてやるよ…!」
天道「!」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:57:44.49 ID:qvMKYdtN0
カチ、カチッ…
天道「……」
オニーチャンノ…ウソツキ!
ザクッ…オレハシンダ…
影山「ははっ、見てよ兄貴。天道のやつ○子ちゃんに刺されやがった…!」ケラケラ
天道(…あそこの選択肢をミスしたのか)
矢車「天道ぉ」
矢車「これが俺たちの…地獄だ。よく味わっておけ…」
天道「くっ…」
矢車「エロゲってのはな…一度手をつけたら二度と日の光を拝めなくなっちまうもんさ…」
矢車「だが勘違いするな! …こいつは俺たちの、人生だ」
天道「人生…」
影山「そして…生き様でもあるんだよ。兄貴、一旦休憩してなのはを見ようよ…」
矢車「ああ…たしか、A,sだったな」
天道「……」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:03:39.50 ID:qvMKYdtN0
ガチャリ
天道「ただいま、樹花」
樹花「遅い! 今何時だと思ってるの!?」
天道「すまない…少し厄介な奴らに捕まってな」
樹花「ふぅん…ま、そんなことよりちょっとこっち来て!」ガシッ
天道「な、なんだ?」
ガチャリ
天道「お前の部屋だが…また俺に何か見せる物でもあるというのか?」
樹花「ちょっとねー…」カチッ、ウイーン…
ピコン!
天道「……これは」
樹花「エロゲだよ! お兄ちゃん!」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:07:20.90 ID:qvMKYdtN0
天道「それはわかっているが…」
天道(タイトルが…お兄ちゃんといっしょ! だと…)
樹花「はい! お兄ちゃんこれやって」
天道「これを、俺が?」
樹花「うん」
樹花「まずはお兄ちゃんにエロゲとは何か知ってもらわなきゃって思って!」
天道「あ、ああ…(さっき矢車たちにやらされてきたばかりなんだがな…)」
樹花「まずは名前決めだよっ」
天道「名前…俺の名前か…そ、う、じ…と」カタカタ…
樹花「お兄ちゃんわかってないね!」
天道「え…」
樹花「ふつうデフォでいくでしょ! 自分の名前とか邪道だと思うよ」
天道「そ、そうなのか…わかった」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:11:23.82 ID:qvMKYdtN0
チュンチュンチュン…
天道「樹花…もう朝なんだが…」
樹花「エロゲやってて日が上がってるなんて沙汰だよ!」
天道「だ、だがそろそろ朝食をだな」
樹花「私が何かコンビニで買ってくるよ。何がいい?」
天道「そ、そんなのダメだ…! 朝食はきっちりとらなければ…」
樹花「行ってきまーす!」ガチャリ
天道「ああ、樹花! …なに、こいつにはそんな過去が」
ピコン
天道「また分岐か…一応メモしておくとしよう」メモメモ…
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:15:06.75 ID:qvMKYdtN0
オニーチャン…ヤサシクシテネ…
天道「樹花…もしや、これからこいつらは如何わしいことをするのでは」
樹花「うん!」
天道「やはりこういう物はよくないと…」
樹花「あ、スキップしちゃっても別に大丈夫だよ。話の本筋に関係する会話ないし」
樹花「どうせ後でそのシーンだけ見ることもできるし、どうぞ!」
天道「…ああ」カチッ
天道(しかし、これは兄と妹が…その、愛しあうゲーム…なぜ樹花はこんなエロゲをチョイスした…)
天道「まさか…!」
樹花「それにしてもこの妹可愛いすぎだよねぇ…はぁぅ、こんな妹がいたらいいのにな!」
天道「…そうだな」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:19:22.66 ID:qvMKYdtN0
天道(色々とわかってきたが…樹花は妹萌えという属性のようだ)
天道「こ、この妹も可愛らしいが、樹花も負けていないぞ…むしろ」
樹花「2次元と3次元を比較しちゃう人って…」フッ
天道「すまん…」
樹花「それよりそろそろ終盤だね! もうちょっとだよ! 頑張って!」
天道「ああ…!」カチ、カチッ
樹花「これが終わったらまた違うエロゲもやってもらうから楽しみにしててね!」
天道「ああ…」カチ、カチッ
樹花「あ、私は寝るからね! おやすみー!」
天道「おやすみ、樹花」カチッ、カチッ…
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:23:24.73 ID:qvMKYdtN0
オニーチャンダイスキ!ケッコンシテー!
天道「終わった、のか」
天道「樹花、終わった……」
樹花「すー…すー…」
天道「そうか、寝ていたんだったな…」
天道「…ふふ、可愛いらしい寝顔だ」
天道「それにしても、エロゲか…思っていたほど悪いものではない」
天道「兄弟同士の恋愛と多少歪んでいるとは思ってはいたが、話は純愛を貫き通していて心を震わされた…」
天道「愛、か…儚いものだ」チラ
樹花「ぐー…ふー…」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:27:07.85 ID:qvMKYdtN0
ガチャリ
天道「ひより、今日は麻婆豆腐を頼む」
ひより「天道…お前顔色が悪いけど、どうかしたのか?」
天道「気にするな。それよりも客を待たせるものじゃない。早くしてくれ」
ひより「ていうかまだ開店時間じゃないんだけど…」
天道「早くしろ」
ひより「まぁ、いいよ」スタスタ…
天道「頼んだぞ」
ガチャリ
加賀美「あれ? 天道、なんで…」
天道「何だ」
加賀美「何だって…バイトだけどさ。お前こそこんな時間にどうしたんだよ?」
天道「…気力を回復しようと思ってな」
加賀美「気力?」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:30:51.08 ID:qvMKYdtN0
加賀美「ところで例の物はどうなってる!?」
天道「例の物?」
加賀美「エロゲだ、エロゲ」
天道「…そういえば(剣にまた貸ししたことを忘れていたな)」
加賀美「は?」
天道「いや、なんでもない。気にするな」
加賀美「途中経過、教えろよ! どこまでいった!?」
天道「…ん、なんだこれは」
加賀美「おい! 誤魔化すな……それ、原稿用紙みたいだな?」
天道「そんなことは見ればわかる。なにやら文章も書かれているようだが…」
ひより「!!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:34:00.75 ID:qvMKYdtN0
ひより「…返せ」バッ
天道「ひより…まさかそれはお前の物なのか?」
加賀美「ひよりの?」
ひより「…だったらなんだよ」
天道「見せてみろ。俺がチェックしてやる」
加賀美「おいおい、チェックってお前」
ひより「余計なお世話だよ…」スタスタスタ…
天道「最初の方を少し読んだのだが…あれは小説のつもりか?」
ひより「……」
加賀美「ひより、小説書いてるのか? へぇー…すごいな! 俺に見せてくれよ」
ひより「小説というか…ベ」
加賀美「え?」
ひより「……ラノベ」
天道・加賀美「!」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:38:08.99 ID:qvMKYdtN0
加賀美「ラノベって…お前」
ひより「…僕がラノベ書いたら悪いのか」
加賀美「いや、そういうわけじゃ…」
天道(俺の妹たちはどうしてこう…)
天道「完成したら出版社にでも送るつもりなのか?」
ひより「まぁ、うん」
天道「それなら尚更俺に見せてみろ」
ひより「やだ」
加賀美「なら俺なら!」
ひより「もっとやだ」
加賀美「なんだよそれ!?」
ひより「…実はまだ完成してないんだ。だから見せるにも見せようがない」
天道「なら俺が一緒に話を考えてやる。こっちにそれを持って来い」
ひより「……」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:42:02.65 ID:qvMKYdtN0
ひより「ほら」ス
天道「読むぞ」
加賀美「俺も、俺も」
ひより「恥ずかしいから…読み終わるまで料理作ってる…」スタスタスタ…
加賀美「話はー…ファンタジーなのか」
天道「魔法やら科学やらといった単語が出てくるな」
加賀美「いやでも恋愛要素も高いぞ」
加賀美「ていうかキャラ多いな!」
天道「これをひよりが書いたのか…」
加賀美「い、色々とひよりらしくないというか」
天道「……」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:46:59.68 ID:qvMKYdtN0
ひより「ほら、麻婆豆腐」コト
ひより「それで、どうだった…?」
天道「文章も話も悪いとは思わん。だが色々と詰め込みすぎだ」
ひより「最近のラノベはそんなものだよ…」
加賀美「えっと、まぁ」
天道「俺はラノベとやらを読んだことはないがな」
天道「この作品は結局何を言いたいんだ?」
加賀美「つまり、テーマってやつか」
ひより「命の大切さと愛することの儚さ」
加賀美「け、結構深かったんだな…!」
天道「よし」
加賀美「よし?」
天道「俺がそのテーマを借りてお前の作品の手本になるような物を書いてきてやる」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:51:05.82 ID:qvMKYdtN0
加賀美「それってつまり、天道。お前がラノベを書いてくるってことか?」
天道「ラノベとやらになるかはわからんが、それなりの読み物にしてくるつもりだ」
ひより「…余計なお世話だ。いい」
天道「遠慮をすることはない。そうだな、それがこの麻婆豆腐の代金と考えてくれればいい」
ひより「いや、それは普通にお金出してくれよ」
天道「そういうわけだ。一週間…いや、3日で書いてこよう。楽しみにしていろ」ガチャリ
加賀美「行っちゃったよ…何なんだ、あいつ急に…」
ひより「まぁ、天道だから…」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:55:03.31 ID:qvMKYdtN0
天道「ひよりはラノベか…」
天道「まぁ、いまさらこんなことでは驚きはしないが」
神代「天道!」
天道「…お前か。何か用か?」
神代「お前は俺にとんでもない物をよこしてくれたな…」
天道「とんでもない物?」
神代「このあいだのエ・ローゲのことだ!」
天道「ああ…あれのことだが、お前から加賀美に返しておいてくれ」
神代「あのエ・ローゲとやらのおかげで俺は目覚めた…! そう、愛だ!」
天道(聞いちゃあいない…)
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:00:22.69 ID:qvMKYdtN0
神代「俺はこれからミサキーヌのもとへ行き、この抑えきれない愛を語りつくしてくる」
天道「そうか」
神代「俺はな、天道…お前に対して感謝の気持ちで溢れている…」
神代「あのような素晴らしい物と俺を巡り合わせてくれたことに関してだ…!」
天道「お前から感謝だと? 気色悪い」
神代「安心しろ。お礼を言う気は毛頭ない! なんだってお前だからな! 天道!」
天道「…もう行っていいか」
神代「まぁ、待て! しかし、この俺の気持ちをお前にどう向けたらいい…?」
天道「知らん。好きにしろ」
神代「わからない、わからないんだ…そうだ! 天道! 貴様に俺のために手料理を振る舞う権利をくれてやる。それがとりあえずの俺からお前への感謝の気持ちだ! どうだぁ、喜べ。天道!」
天道「……じゃあな」スタスタ…
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:05:08.15 ID:qvMKYdtN0
天道「まったく、妙なのに捕まってしまった…時間の無駄だ」
?「風間流奥義・アルティメット・メイクアップ…!」キラキラキラーン
ポチポチッ
天道「またか…」
ゴン「大介ー、もう行こうよー」
風間「まぁ、待てゴン。俺はこれからデートなんだ。この寧々さんとな」
ゴン「もういいよぉ…」
風間「見てみろよゴン。この寧々さんの美しい姿…ふっ」
ゴン「はいはい」
天道(幸いこっちには気づいていないみたいだな)スタスタスタ…
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:09:22.00 ID:qvMKYdtN0
天道「ただいま、樹花」
樹花「もうっ、どこ行ってたの!? 次の作品がお待ちかねだよ!」
天道「それのことなんだが、実はやることができてしまってな…」
樹花「エロゲより優先することってなに?」
天道「ラノベ…」
樹花「え?」
天道「そう、ラノベとやらを書くことになった」
樹花「お兄ちゃんがラノベを!? いったいどういう風の吹きまわし?」
天道「ちょっとな。そういうことだから俺はこれから部屋に籠ってしばらくペンを走らせることになりそうだ」
天道「ああ、もちろん食事は今まで通りつくるから安心してくれ。樹花」
樹花「そういうことなら全然おっけー! でも完成したら私にも読ませてね!」
天道「もちろんだ。楽しみにしていてくれ」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:14:05.30 ID:qvMKYdtN0
ガチャリ
天道「さて」
天道「おばあちゃんが言っていた…文は考えるものではない、感じて書くものだと」
天道「つまり自分の感覚に任せるというわけだ」
天道「俺ぐらいにもなれば話の構成は物の数秒で思いつく」
天道「テーマは決まっているしな、命の大切さと愛することの儚さ…」
天道「ラノベ寄りというのなら、主人公は完璧超人にしたいところだがここは冴えない中年男性という意外性にこってみよう」
天道「そしてヒロインは美少女。ここは鉄板だな」
天道「いい感じだ。文章には遊び心を加えてみよう。堅苦しすぎても何か違うしな」
天道「そうだな…布団が……吹っ飛んだ。ふふっ、なんちゃってといった感じも付けたそうか」
天道「ふっ、ペンが自然と走り出す…いいぞ」カキカキ
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:26:10.14 ID:qvMKYdtN0
チュンチュンチュン…
ガチャリ
天道「おはよう、樹花」
樹花「おはよう…って、その原稿用紙! まさかもうできたの!?」
天道「ああ、三日といいながら一晩で完成させてしまったな」フッ
カブトゼクター(早く仕上げたいからってクロックアップして書いたくせに…)
樹花「すごーい! さすが私のお兄ちゃん!」
天道「中々の長編ものになってしまったが、ラノベの形式にそこまで従う必要もないだろう。十分だ」
樹花「で、なんてタイトルなの?」
天道「まだ決めていなかったが…そうだな」
天道(ひよりの為に書いたものだ。いい名前をつけてやらなければな……テーマは儚い…タイトルは…)
天道「そう、カゲロウ…いや」
天道「KAGEROU」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:30:55.62 ID:qvMKYdtN0
樹花「なんかカッコよさげだねー!」
天道「自分で言うのもなんだが少し気にいったところだ」
樹花「でも今風のラノベのタイトルにするならもっとそれっぽい感じの方がいいかも」
天道「それっぽい? どんな感じのものだ?」
樹花「とあるなんちゃらとか?」
天道「樹花、俺はラノベ界に新風を起こす。それならば今の形式に囚われてはいけないと思うんだ」
樹花「なるほどね! で、読んでいい?」
天道「もちろんだ、約束したしな。樹花には一番に見てもらおう」
樹花「やったぁー!」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:36:32.18 ID:qvMKYdtN0
クロックオーバー!
天道「ひよりはいるか?」
ひより「いるけど…何?」
天道「約束の物だ」
ひより「…もうできたのか?」
天道「お前の為に一晩で仕上げてきた。安心しろ。樹花も絶賛するデキだ。間違いない」
ひより「へぇ…」
ひより「ちなみに樹花ちゃんは何て言ってたんだ?」
天道「難しくてよくわからなかったが、なんだか凄さを感じたと言っていた」
天道「某携帯小説に引けをとらないデキだとも言っていたが…まぁ、そんなことより読んでみろ。きっと参考になる。タイトルはKAGEROUだ」
ひより(一発屋か…)
ひより「携帯小説に引けをとらない…まぁ、読んでみる。ありがと」
天道「気にするな。俺はまた家に戻って樹花との用事を果たさなければならない。それじゃあな」ガチャリ
クロックアップ!
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:41:18.10 ID:qvMKYdtN0
ガタック(加賀美)「おりゃあー!」ズン
蛹ワーム「ギョギョギョギョギョ!?」ドカーン
岬「一体のワームが脱皮を!」
田所「加賀美! すぐに倒せ!」
ガタック「はい! クロックア…」
成虫ワーム「ギョギョー!?」ドカーン
ガタック「え?」
カブト(天道)「……」シュゥゥ…
ガタック「天道! お前いつのまに!」
カブト「俺の手を煩わせる相手でもなかったか…まぁ、いい。加賀美」
天道「それにお前ら」
田所「お、俺たちか?」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:45:09.62 ID:qvMKYdtN0
岬「また…何か用なの?」
天道「お前たちにも愛の儚さを教えてやろうと思ってな」
岬・田所「は?」
加賀美「ま、まさかお前のラノベ完成したのか!?」
天道「ああ、その通りだ」
天道「ひよりに原稿は渡しておいた。お前たちも後で見させてもらうといい」
岬・田所「……」
加賀美「デキはどうなんだ? ちゃんとラノベになってるんだろうな」
天道「ああ。いや、むしろラノベというジャンルを既に凌駕したかもしれないな…」
天道「とにかく、見てみることだ。感想は後で聞く…変身」ヘンシン! キャストオフ!チェンジビートル!
クロックアップ!
岬「何だったのかしら…」
田所「知らんな…」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:50:11.50 ID:qvMKYdtN0
カチッ、カチッ、カチッ…
天道「……」
樹花「お兄ちゃんおにぎり買ってきたよー!」
天道「ああ、そこに置いておいてくれ」
天道「……」カチッ、カチッ
ピコン
天道「キャラ毎の分岐か…まずはこいつからだな」カチッ
樹花「お兄ちゃんそろそろお風呂に入ったら? 2日も籠りっきりなのはさすがに…」
天道「ああ、そうだな。これが終わったらそうすることにするよ」カチッ
樹花「お兄ちゃんって台詞絶対飛ばさないよね。ちゃんと全部聞き終ってから進めてる」
天道「おばあちゃんが言っていた…人の話は最後までしっかり聞け…と」カチッ
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:55:20.41 ID:qvMKYdtN0 [52/52]
樹花「そ、そういえばKAGEROUはどうしたの?」
天道「あれか? さぁな。ひよりに渡してからの行方はもう俺は知らない」カチッ
樹花「そっか…」
天道「……」カチッ、カチッ
樹花「……」
天道「……」カチッ、カチッ
樹花「や、やっぱりこんなのいやだよ!」
天道「どうした、樹花…」
樹花「お兄ちゃんのことをこんなにしちゃったのは私の責任だけど!」
樹花「やっぱりこんなの私のお兄ちゃんじゃないよ!」
天道「そんなことはない…俺は樹花のことを思ってこうしているんだぞ」
樹花「もうやめてお兄ちゃん!!」
天道「そうだな…これが終わったら検討しよう」カチッ
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:00:33.75 ID:7aowBVOe0 [1/14]
チュンチュンチュン…
天道「終わったか…中々いい作品だった」
天道「今後はここのメーカーを贔屓してやる」
天道「さて、次のエロゲへ移るか…樹花」
シーン…
天道「そうか、学校へ行ったのだったな。すっかり忘れていた…」
ガチャリ!
加賀美「天道! 天道はいるか!?」
天道「なんだ加賀美。いきなり騒々しいやつだ」
加賀美「天道…お前いままでずっと家の中にいたのか!?」
天道「そうだな。どれくらいの時間が経った? 三日ぐらいか?」
加賀美「…最後にお前を外で見てから一週間は過ぎてる」
天道「…なに?」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:05:28.93 ID:7aowBVOe0 [2/14]
天道「これは…そうか。ワームかZECTの仕業か」
加賀美「いや、たぶん違うと思うが…」
加賀美「とにかくそろそろ表に出て日の光を浴びろよ。お前、このままじゃ闇の住人だ…」
天道「俺が…あいつらの仲間入りだと…?」
天道「加賀美。冗談も程々にしておけ。俺はあいつらのように性根が腐っていない」
加賀美「そういう問題じゃなくてだな…」
加賀美「それより天道! 大変なんだ!」
天道「話題がつきない奴だ…今度はなんだ」
加賀美「とりあえず来てくれ!」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:10:32.40 ID:7aowBVOe0 [3/14]
ガチャリ
加賀美「おい! 天道を連れてきたぞ!」
プークスクスッ
「きゃー! 天の道を行く人よー!」「サインしてくれー!」
「KAGEROU最高でしたー!」「あれを読んでから俺にも彼女ができましたー!」
天道「…なんだこの人だかりは」
ひより「みんなお前の書いたラノベのファンだよ」
天道「まさか…」
神代「そう、俺がお前の書いたものを書籍化した!」
天道「剣。貴様…俺に無断で勝手なことを…」
加賀美「ほら、家に籠りっきりだからこんなことになるんだぞ?」
天道「それとこれとは別だろうっ」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:17:53.73 ID:7aowBVOe0 [4/14]
>>94の最初の方に数日後が抜けていた。すまんのぅ
神代「どうだ天道。俺に感謝するがいい」
天道「ありがた迷惑にもほどがある…」
加賀美「お、俺たちも止めようとは思っていたんだ。けど、あいつが勝手に…」
ひより「…若干面白がっていたやつが何言ってるんだか」
天道「…加賀美」
加賀美「あ、いや! えっと…ははは」
天道「まぁ、いい。なってしまったことはどうしようもない」
天道「俺が作った作品だ。ミリオンヒットも間違いないだろうな」
ひより「そこそこ売れてるとは思う」
加賀美「映画化も夢じゃないな!」
天道「ふっ…違いないな」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:21:46.72 ID:7aowBVOe0 [5/14]
スタスタスタ…
天道「お前ら、あいかわらずだな」
影山「天道ぉ…邪魔しないでよ」フェイトチャンイクヨ!コレガワタシノゼンリョクゼンカイ!
天道「なのはか」
矢車「ほぅ…天道。お前もこっち側に近づいたようだなぁ…?」
天道「…なに?」
矢車「俺にはわかる」スッ
天道「おい、近寄るな」
矢車「今のお前は…地獄に魅入られている」
天道「…馬鹿な事を」
矢車「瞳を見せてみろ」グイッ
天道「いいかげんに…!」
矢車「ほぅら…お前の瞳の奥に闇が見えるぜ…?」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:27:16.81 ID:7aowBVOe0 [6/14]
バッ
天道「気色悪いマネをするな」
影山「こいつ…兄貴が優しく接してやっているのに…!」
矢車「落ち着け相棒」
矢車「天道。お前はもう…堕ちたも同然だ。歓迎しよう…はっ」
影山「しかもこんな本まで書いてるだなんてお笑い者だねぇ…くくくっ」
天道「それは…KAGEROU」
影山「最高(笑)のデキだったよ。まさに地獄級さ」
天道「…褒め言葉として受け取っておこう」
矢車「エロゲにラノベ…天道。お前はもう日向側の人間じゃあねぇ」
矢車「こいよ…こっちはこっちで居心地がいい…」
天道「断る…!」スタスタスタ…
影山「どこまでも気に食わないやつ…」
矢車「ふっ…さぁ、劇場版なのはの続きだ。相棒」ピッ
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:32:08.68 ID:7aowBVOe0 [7/14]
ガチャリ
天道「ただいま」
天道「ふっ、帰り際にエロゲを一本購入してきてしまった」
天道「ジャケ買いことパッケージ買いといったところだな…運試しだ」
カチッ、ウイーン
天道「インストールまで時間がかかるな…それまでに樹花から借りたラノベを読もう」
樹花「お兄ちゃん…」
天道「樹花! いたのか」
樹花「お兄ちゃん、私もうエロゲもしないし、アニメも見ないし、ラノベも読まないよ…だから」
樹花「私の大好きだったお兄ちゃんに戻って!」
天道「何を言っているんだ樹花。俺はお前の趣味のことに理解を持とうとしてこうして…」
樹花「そういうレベルじゃなくなってきてるよ…」
天道「む、終わったか」ピコン
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:37:15.54 ID:7aowBVOe0 [8/14]
カチッ
ラヴオニーチャン!
天道「こいつは期待できそうだ」
天道「見てくれ、樹花」フッ
樹花「お、お兄ちゃんキモい…」
天道「な、なに…?」
樹花「いくらカッコよくたって、さすがに限度があるよ…」
樹花「そんなお兄ちゃんなんて大っ嫌い」
天道「樹花!?」
樹花「…私、しばらくひよりさんのところにお世話になるからそれじゃあね」
天道「ま、待ってくれ! 樹花! 違うんだ! 俺は今までエロゲを誤解していt…」
樹花「…キモイ」ガチャリ
天道「 」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:42:18.05 ID:7aowBVOe0 [9/14]
天道「……」
天道「樹花があんなことになってしまったのも全ては俺の責任…」
天道「いや、エロゲか」
ブゥーン、パシッ
天道「変身…!」ヘンシン!
カブト(天道)「キャストオフ…」キャストオフ! ドカーンバリーン!ガシャーン!
チェンジ!ビートル!
オニーチャン!
カブト「…黙れ、お前は俺の妹ではない。ただの絵だ!」1…
ダイスキダイスキー
カブト「そんな物、俺が破壊してくれる!」2、3…
カブト「ライダーキッ…」ガチャ
ハイパークロックオーバー!
?「待て」パシッ
カブト「!」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:46:33.85 ID:7aowBVOe0 [10/14]
カブト「お前は…」
ハイパーカブト「……」
カブト「未来の俺だな? 何をしに来た…そこをどけ!」
ハイパーカブト「お前は間違っている」
カブト「なんだと!」
ハイパーカブト「よくスクリーンに映っている彼女を見てみろ」
カブト「今はそいつが憎くて堪らない…!」
ハイパーカブト「暴走するな、過去の俺。彼女はお前の妹の一人だ。それを忘れてはいけない」
カブト「俺の妹は生涯たった二人だ!」
ハイパーカブト「違う…お前の妹は二次元にも…エロゲの数ほど存在する」
カブト「な、に…?」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:51:53.78 ID:7aowBVOe0 [11/14]
ハイパーカブト「おばあちゃんが言っていた…人は超越すれば二次元すらも愛せる、と」
ハイパーカブト「まだお前はやり直せる」
カブト「しかし…樹花は…」
ハイパーカブト「こいつを樹花へ渡してくるんだ」シュッ
カブト「これは…エロゲ?」パシッ
ハイパーカブト「過去へ戻ってな。より素晴らしいエロゲをプレゼントすれば樹花はエロゲにどっぷりだ」
カブト「どっぷり…」
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 01:00:12.51 ID:7aowBVOe0 [12/14]
ハイパーカブト「兄妹揃って仲良くエロゲも悪くない…後はお前次第だ。じゃあな」
カブト「ま…!」
ハイパークロックアップ!
カブト「行ってしまったか」
カブト「……」
カブト「こい、ハイパーゼクター!」
ヴィィン、パシッ
カブト「ハイパーキャストオフ…!」ハイパーキャストオフ! チェンジ!ハイパービートル!
ハイパーカブト「俺は…俺は……全ての妹たちを愛することに決めた」
ハイパーカブト「樹花、ひより、そして二次元の妹たち…そのために」
ハイパーカブト「今行くぞ、樹花…!」
ハイパークロックアップ!
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 01:05:04.44 ID:7aowBVOe0 [13/14]
樹花「すー…すー…」
ハイパークロックオーバー!
ハイパーカブト「よく寝ているな」
ハイパーカブト「愛らしい寝顔だ…ふっ」
樹花「んん~…」
ハイパーカブト「…樹花、受け取ってくれ。俺からのプレゼントだ」ス
ハイパーカブト「今後も毎晩いい作品を置きに来るからな。楽しみにしていてくれ」
樹花「ん…んー…!」パチッ
樹花「あ、れぇ…まだ夜ぅ…?」
ハイパーカブト「む!」
樹花「だ、だぁれ…? あなた…」
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 01:10:01.37 ID:7aowBVOe0 [14/14]
ハイパーカブト「……」
樹花「お、おにいちゃ…」
ハイパーカブト「待つんだ」
ハイパーカブト「俺はいつもいい子にしている天道樹花ちゃんにプレゼントを届けにきたサンタクロースだよ」
樹花「さ、サンタさん!? でもまだ…」
ハイパーカブト「俺はせっかちでな…クリスマスを待つことができなかったんだ」
樹花「なぁんだ! そういうことならおっけー! あ、これがプレゼント!?」
樹花「ありがとうサンタさん! ねぇ、袋開けてもいい?」
ハイパーカブト「朝起きてから開けなさい。さて、俺はもう帰ろう。まだ夜は長い、寝なさい」
樹花「あ、うん! そうだね…ふぁ~……おやすみ、サンタさん……すー…すー…」
ハイパーカブト「……一緒に地獄の深みまで堕ちような。樹花」
ハイパークロックアップ!
おわり
加賀美「それはこのエロゲに対してあんまりじゃないか!? 天道!」
天道「やかましい。それより、お前はそれを俺に貸すつもりじゃないだろうな」
加賀美「そうだけど」
天道「馬鹿にするのも大概にしておけよ…」
加賀美「そんなつもr」
天道「どういうつもりでそいつを俺に見せに来たのかはわからんが、加賀美」
天道「お前がここまで恥ずかしい奴だとは思っていなかった」
加賀美「エロゲ持ってきただけでそこまで言うか!? いいかげんにしろよ!」
天道「…こっちの台詞だ」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:20:18.05 ID:qvMKYdtN0
天道「はやくその媚びたキャラが描いてある箱をしまえ」
加賀美「媚びてねぇよ! この子はだな…」
加賀美「まぁ、とりあえず。ほら」ス
天道「…俺がここまで言ってもわからないのか?」
加賀美「グダグダ言ってないでまずやってみろよ、な?」
加賀美「きっと…ハマるぞー?」
天道「やかましいっ」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:25:08.04 ID:qvMKYdtN0
天道「だいたいエロゲ、エロゲと、公衆の面前でこうも大声で話すか…」
加賀美「お、その口ぶりはエロゲのことを知っている口ぶりだな!」
天道「ふん、俺を誰だと思っている。 天の道を行き、全てを(以下略」
加賀美「知ってるなら話が早いな。天道、俺はお前とエロゲについて熱く語り合いたい…」
天道「おい、本当に気色が悪いぞ…やめてくれ…」
加賀美「このエロゲは田所さんから借りた物なんだがな、あまりのデキに俺は泣いた!」
加賀美「その感動を普段暇を持て余しているお前にもお裾分けしてやろうと思ってだな!」
天道「大きなお世話だ、加賀美」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:30:21.34 ID:qvMKYdtN0
ガタッ
加賀美「お、おいおい! どこ行くんだよ!?」
天道「帰るに決まっているだろう。ひより、中々の出来だったぞ」スタスタ…
加賀美「て、天道! これ! 忘れ物だぞっ!」
天道「だからエロゲはいいと言っているだろ!」
「エロゲ…?」「やだぁ、天の道を行く人がエロゲって言ったわー」
「なんか親近感湧くな」「天の道を行く人も所詮人の子だったか…」
天道「ちっ…」
ガチャ
加賀美「あー…行っちゃったよ」
ひより「あいつ、また会計済まさないで帰った…」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:35:22.10 ID:qvMKYdtN0
天道「ただいま」ガチャリ
天道「まだ樹花は帰っていないか…それにしても加賀美め」
天道「まったくふざけた奴だ。おかげで無性にイラついて仕方がない…」
天道「おばあちゃんが言っていた…そんなときには家の掃除をしろ、と」
天道「掃除をすることでストレスが解消できるということだ。よし…」
天道「まずは樹花の部屋から」ガチャ
天道「特に散らかっている様子はないが…まぁ、いい」
カチッ、ウイーン……ガタッ
天道「ん…」
天道「!!」
天道「こっ、これは…」
天道(エロゲだと…!?)
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:41:42.37 ID:qvMKYdtN0
樹花「ただいまお兄ちゃん!」
天道「……」
樹花「お兄ちゃん?」
天道「樹花、こっちに来なさい」
樹花「うん?」
天道「座りなさい」
樹花「うん…」
樹花「どうかしたの? お兄ちゃん怖い顔してるよ」
樹花「もしかして…怒ってる?」
天道「…心当たりがあるのか」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:44:28.08 ID:qvMKYdtN0
樹花「う、ううん! 全然!」
天道「そうか…」
天道「それじゃあこれはなんだ…」サッ
樹花「っ!」
天道「今日家の中を掃除していてな…これがお前の部屋から見つかった」
天道「勝手に探る様なことをして申し訳ないとは思う…」
天道「だが、樹花」
樹花「か、かえしてっ」バッ
天道「じゅ、樹花…っ」ガーン…
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:47:05.11 ID:qvMKYdtN0
樹花「……」
天道「やはり…これは樹花の物で間違いないんだな?」
樹花「……」
天道「樹花っ、嘘だと言ってくれ…俺は嫌だっ、認めたくない」
樹花「……」
天道「樹花!」
樹花「…さ、さいていっ」
天道「なに!?」
樹花「女の子の部屋に勝手に入って…しかも…」
天道「じゅ、樹花…?」
樹花「お兄ちゃんのばかっ、へんたいっ、職なしっ」
天道「樹花!?」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:50:02.70 ID:qvMKYdtN0
天道「何を…言っているんだ…? 樹花…」ス
樹花「き、キモっ! 触らないでよ!」パシッ
天道「なっ!?」
天道「じゅ、樹花…どうしたというんだ…。俺はただこれがお前の物かどうか確かめようと…」
樹花「ウザい!」タタタ…
天道「 」
天道「樹花は…あんなことを言う子じゃなかった…」
ヴゥゥン、パシッ
天道「ハイパーゼクター…過去へ行き、樹花にエロゲを触れさせるなとでもいうのか?」
天道「…いや、俺はお前に頼らない。樹花は俺のかけがえのない妹だ」
天道「俺自身の手で改心させてみせる…!」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:54:10.99 ID:qvMKYdtN0
天道「まずは優しく接して機嫌を直す」
コンコン
天道「樹花、実はお前にプリンを作ったんだ。一緒にこっちに来て食べないか」
樹花『お兄ちゃんが作ったやつなんて食べたくないもん!』
天道「うぐっ…」
天道「…樹花、俺はな。お前に清く正しく生きて欲しいんだ」
天道「あんな如何わしい物で一生を台無しにしてはいけない。それにお前は対象年齢外なんだぞ?」
天道「それどころか樹花は女の子。あれは成人した男がやる物なんだ」
天道「…なぁ、樹花。お願いだ…エロゲなんてしないでくれ…」
シーン…
天道「…樹花?」ガチャ
樹花「えへへ…○○ちゃんテラカワユス…」カチッ、カチッ
天道「樹花ぁっ」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 20:58:11.06 ID:qvMKYdtN0
樹花「お兄ちゃん!? 勝手に部屋に入らないでって言ったでしょ!!」
天道「す、すまない…って、それどころじゃない!」
天道「すぐにそれをやめなさい…!」
樹花「いや!」
天道「ダメだ!」
樹花「もうっ! ウザい! 出ていってよぉっ!」ドンッ、ガチャンッ
天道「じゅ、樹花っ、待て…っ」
ガチャガチャ、ドンドンドンッ
天道「開けなさいっ、樹花! 樹花!」
樹花『黙れ万年ニート!!』
天道「……」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:01:37.99 ID:qvMKYdtN0
・・・
天道「樹花」コンコン
天道「出てきてくれ、樹花」
天道「……」
天道「まだ出てきてくれる気になってくれないのか」
天道「実はお前に話があってだな…」
天道「聞いてくれないか?」
天道「とても大切な話なんだ」
天道「……」
天道「…ああ、そうか…そういえば部活へ行っていたんだったな…うっかり忘れていた、ふっ…」ホロリ
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:04:33.86 ID:qvMKYdtN0
ガチャリ
天道「!」
樹花「……」
天道「じゅ、樹花、おかえr」
樹花「ねぇ」
天道「な、なんだ…?」
樹花「……」
天道「黙っていてはわからないぞ? 俺に話してみてくれ」
天道「精一杯、樹花の…悩みに付き合おう」
樹花「私の部屋…入って」
天道「じゅ、樹花…?」
天道(まさか…いや、そんな…樹花にかぎって……ばかな…)
樹花「相談があるの」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:08:02.26 ID:qvMKYdtN0
天道「ほら、ミルクティーだ。飲みなさい…落ち着くぞ」カタッ
樹花「うん…」
天道「それで? その相談というのは」
スタスタスタ…
天道「樹花? その押入れがどうかしたのか?」
樹花「驚かないでね」
ガチャリ
天道「ぶっ!!?」
樹花「き、汚いっ! お兄ちゃんミルクティー吹かないでよっ」
天道「す、すまない…」フキフキ
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:11:34.09 ID:qvMKYdtN0
天道「その…なんだ? その山積みになった色とりどりの箱にDVDは…」
樹花「あ、これ!? これはプリキュアだよ! 知ってるでしょ!?」
天道「プリキュア…」
樹花「こっちがMAXハートで…あ、これはスプラッシュスター! ちょーっと影が薄いけどいいデキなんだなぁこれが!」
樹花「まぁ、これは置いておいて…こっちはエロゲね」
天道「こんなに…樹花、お前いつからこんな…」
樹花「それは内緒!」
天道「樹花…」
樹花「本当のこと言うと、エロゲに興味が出てきた頃にね。ある日、いつのまにか枕元に置いてあったの!」
樹花「最初はお兄ちゃんが私のために置いてくれてたと思ってたけど…」
天道「そんなわけあってたまるか…」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:14:45.77 ID:qvMKYdtN0
樹花「話の続きね、枕元にエロゲと一緒にメモが置いてあったの」
樹花「欲しいエロゲとかアニメとかがあったらそのタイトルを書いたメモを机の上に置いておきなさいって!」
天道「……」
樹花「素敵なサンタさんよねー…ちょっと時期外れだけど!」
天道(そいつが…そいつが樹花を…!!)
天道「樹花、ダメだ。そいつはサンタさんでも何でもない」
樹花「そうかなぁー、でも赤かったよ」
天道「姿を見たのか?」
樹花「前にふと目が覚めたときにね! その時もエロゲ持ってきてくれたんだよ!」
天道「まさかワーム…」
樹花「え?」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:18:26.32 ID:qvMKYdtN0
天道「とにかく樹花。今後はそのサンタさんもどきに関わるんじゃない。いいな?」
樹花「えー!」
天道「えー、じゃない。もしかしたらそいつが危ない人物かもしれないんだぞ」
樹花「そんなことないもん!」
樹花「それより私の相談聞いてよ!」
天道「……わかった。聞こう」
樹花「あのね、エロゲにアニメにラノベって、色々と趣味を持てたことはいいんだけど」
樹花「まわりの子は全然興味がないみたいなの」
天道「探せばどこかしらにはいるんじゃ…」
樹花「うちの学校にはいないの! だから趣味の話をしたくても全然できない」
樹花「私…寂しくて…」
天道「樹花…」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:21:38.25 ID:qvMKYdtN0
樹花「私、みんなとエロゲのこととか、アニメとか、ラノベとか…色々お話ししたい!」
樹花「ねぇ、お兄ちゃん! 私どうしたらいいのかな」
天道(…どうもこうも)
天道「他でもない樹花の悩みだ。安心しなさい」
樹花「それって…」
天道「俺がなんとかしようじゃないか」
樹花「本当に!?」
天道「俺がウソをついたことがあるか?」
樹花「わかんない!」
天道「ふふっ…それじゃあ今すぐにでもなんとかしよう」ガチャリ
樹花「どこに行くの? お兄ちゃん」
天道「ああ、ちょっとな」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:25:08.74 ID:qvMKYdtN0
カブトゼクター『……』ブーン
天道「ああ…わかっている」
天道「このままではいけないということはな…」
天道「…それに樹花があんなことになってしまったのは何もすることができなかった俺の責任だ」
天道「だが、大切な妹が悩んでいるんだ。兄として、何とかするしかないだろう…」
天道「おばあちゃんが言っていた。まずは敵を知れ、と」
加賀美「おーい! 天道!」
天道「来たか」
加賀美「用ってなんだ?」
天道「エロゲとやらを貸せ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:29:26.05 ID:qvMKYdtN0
加賀美「な、なんだ藪から棒に…お前、興味なかったんじゃなかったのか!」
天道「気のせいだ」
加賀美「うそつけ!」
天道「とにかく貸せ。用はそれだけだ」
加賀美「…じゃあせめて、理由聞かせてくれよ」
天道「理由?」
加賀美「何か理由があるからいきなりそんなことを言ってるんだろ? 俺にはわかる」
天道「……」
天道「俺がエロゲをやりたいだけだ、問題あるか」
加賀美「だからなぜ急にやりたがる!」
天道「気が向いた…いや、加賀美。お前とエロゲを…熱く語りたいと思って…な…」プルプル
加賀美「て、天道…!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:34:03.82 ID:qvMKYdtN0
加賀美「お前…そうだったのか!」
天道(くそっ…最悪だ…)
加賀美「いやぁ、俺はわかっていたよ! あのときは素直になれなかっただけだったんだな!」
加賀美「そういうことなら、ほら! これ!」サ
天道「いいのか」
加賀美「貸せって言ったのはお前だろ? 今さらそんなに恐縮するなって」
天道「…そうだな」ス
加賀美「それはほんっとうにいい作品だ。きっと泣けるぞー!」
天道「まぁ、どうだろうな」
加賀美「終わったら熱く語り合おうな、天道!」
天道「…検討しよう」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:38:41.43 ID:qvMKYdtN0
天道「俺としたことが…」
天道「素直に樹花の物を拝借すればよかったか…」
天道「まぁ、過ぎたことを考えていても仕方がない」
天道「おばあちゃんが言っていた。迷わず行けよ、行けばわかるさ…と」
ドン
天道「おっと、すまない」
?「おい、ちゃんと前を見てあるけ。じいやが言っていた。下を向かずに上を向いて歩こうとな」
天道「…剣か」
神代「そういうお前は…ふん、あいかわらず暇を持て余しているな。天道」
天道「お前こそ暇を持て余しているように見えるがな」
神代「なにぃ…? ん、おい。その手に持っている物はなんだ」
天道「お前には一切関係がない物だ。じゃあな」
神代「待て!」ガシッ
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:43:13.76 ID:qvMKYdtN0
ポロッ
天道「…何をする」
神代「なんだ、この箱は」
天道「言っただろう。お前には関係がない物だと」
神代「この女どもはなんだ?」
天道「知らん」
神代「お前の物なんだろう? なぜ知らん?」
天道「俺の物ではない。加賀美から借りた」
神代「カ・ガーミンから?」
神代「おい、これが何なのか詳しく教えろ、天道」
天道「これではない、エロゲだ」
神代「エ・ローゲ…だと?」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:47:50.75 ID:qvMKYdtN0
天道「…せっかく借りてきたエロゲを剣に奪われてしまった」
天道「まぁ、いい。あんな物をしなくても俺は樹花の趣味を理解してやることができるはずだ」
カチッ、カチッ…
天道「ん…?」
オニーチャンダイスキー
カチッ、カチッ…
ピコン
?「兄貴、選択肢がでたよ。たぶんここでルート分岐だ…ここはやっぱり」
?「慌てるな。まずはセーブをしてからにしておけ…バッドエンドから目指すとしよう…」
?「さすが兄貴、俺たち闇の住人にはトゥルーエンドは似合わないってことだね…」カチッ
?「……」
天道「お前らこんなところで何をしている」
矢車・影山「!」ピクッ
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:53:09.97 ID:qvMKYdtN0
影山「天道ぉ…俺たちの邪魔をしに来たの…?」
矢車「おい、俺たちは今地獄の道を歩んでいる真っ最中だ…横やりを入れるんじゃねぇ」
天道「…お前たちも堕ちたものだな」
影山「あ゛あぁ?」
矢車「…笑えよ、天道ぉ」
矢車「俺たちがこうしてこんなところでこいつをプレイしているのも天道…お前のせいだ」
天道「…俺はお前らにそんなことを強要した覚えはないが」
影山「天道の奴…ああ言ってるよ、兄貴!」
矢車「天道、お前にも地獄を見せてやるよ…!」
天道「!」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 21:57:44.49 ID:qvMKYdtN0
カチ、カチッ…
天道「……」
オニーチャンノ…ウソツキ!
ザクッ…オレハシンダ…
影山「ははっ、見てよ兄貴。天道のやつ○子ちゃんに刺されやがった…!」ケラケラ
天道(…あそこの選択肢をミスしたのか)
矢車「天道ぉ」
矢車「これが俺たちの…地獄だ。よく味わっておけ…」
天道「くっ…」
矢車「エロゲってのはな…一度手をつけたら二度と日の光を拝めなくなっちまうもんさ…」
矢車「だが勘違いするな! …こいつは俺たちの、人生だ」
天道「人生…」
影山「そして…生き様でもあるんだよ。兄貴、一旦休憩してなのはを見ようよ…」
矢車「ああ…たしか、A,sだったな」
天道「……」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:03:39.50 ID:qvMKYdtN0
ガチャリ
天道「ただいま、樹花」
樹花「遅い! 今何時だと思ってるの!?」
天道「すまない…少し厄介な奴らに捕まってな」
樹花「ふぅん…ま、そんなことよりちょっとこっち来て!」ガシッ
天道「な、なんだ?」
ガチャリ
天道「お前の部屋だが…また俺に何か見せる物でもあるというのか?」
樹花「ちょっとねー…」カチッ、ウイーン…
ピコン!
天道「……これは」
樹花「エロゲだよ! お兄ちゃん!」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:07:20.90 ID:qvMKYdtN0
天道「それはわかっているが…」
天道(タイトルが…お兄ちゃんといっしょ! だと…)
樹花「はい! お兄ちゃんこれやって」
天道「これを、俺が?」
樹花「うん」
樹花「まずはお兄ちゃんにエロゲとは何か知ってもらわなきゃって思って!」
天道「あ、ああ…(さっき矢車たちにやらされてきたばかりなんだがな…)」
樹花「まずは名前決めだよっ」
天道「名前…俺の名前か…そ、う、じ…と」カタカタ…
樹花「お兄ちゃんわかってないね!」
天道「え…」
樹花「ふつうデフォでいくでしょ! 自分の名前とか邪道だと思うよ」
天道「そ、そうなのか…わかった」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:11:23.82 ID:qvMKYdtN0
チュンチュンチュン…
天道「樹花…もう朝なんだが…」
樹花「エロゲやってて日が上がってるなんて沙汰だよ!」
天道「だ、だがそろそろ朝食をだな」
樹花「私が何かコンビニで買ってくるよ。何がいい?」
天道「そ、そんなのダメだ…! 朝食はきっちりとらなければ…」
樹花「行ってきまーす!」ガチャリ
天道「ああ、樹花! …なに、こいつにはそんな過去が」
ピコン
天道「また分岐か…一応メモしておくとしよう」メモメモ…
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:15:06.75 ID:qvMKYdtN0
オニーチャン…ヤサシクシテネ…
天道「樹花…もしや、これからこいつらは如何わしいことをするのでは」
樹花「うん!」
天道「やはりこういう物はよくないと…」
樹花「あ、スキップしちゃっても別に大丈夫だよ。話の本筋に関係する会話ないし」
樹花「どうせ後でそのシーンだけ見ることもできるし、どうぞ!」
天道「…ああ」カチッ
天道(しかし、これは兄と妹が…その、愛しあうゲーム…なぜ樹花はこんなエロゲをチョイスした…)
天道「まさか…!」
樹花「それにしてもこの妹可愛いすぎだよねぇ…はぁぅ、こんな妹がいたらいいのにな!」
天道「…そうだな」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:19:22.66 ID:qvMKYdtN0
天道(色々とわかってきたが…樹花は妹萌えという属性のようだ)
天道「こ、この妹も可愛らしいが、樹花も負けていないぞ…むしろ」
樹花「2次元と3次元を比較しちゃう人って…」フッ
天道「すまん…」
樹花「それよりそろそろ終盤だね! もうちょっとだよ! 頑張って!」
天道「ああ…!」カチ、カチッ
樹花「これが終わったらまた違うエロゲもやってもらうから楽しみにしててね!」
天道「ああ…」カチ、カチッ
樹花「あ、私は寝るからね! おやすみー!」
天道「おやすみ、樹花」カチッ、カチッ…
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:23:24.73 ID:qvMKYdtN0
オニーチャンダイスキ!ケッコンシテー!
天道「終わった、のか」
天道「樹花、終わった……」
樹花「すー…すー…」
天道「そうか、寝ていたんだったな…」
天道「…ふふ、可愛いらしい寝顔だ」
天道「それにしても、エロゲか…思っていたほど悪いものではない」
天道「兄弟同士の恋愛と多少歪んでいるとは思ってはいたが、話は純愛を貫き通していて心を震わされた…」
天道「愛、か…儚いものだ」チラ
樹花「ぐー…ふー…」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:27:07.85 ID:qvMKYdtN0
ガチャリ
天道「ひより、今日は麻婆豆腐を頼む」
ひより「天道…お前顔色が悪いけど、どうかしたのか?」
天道「気にするな。それよりも客を待たせるものじゃない。早くしてくれ」
ひより「ていうかまだ開店時間じゃないんだけど…」
天道「早くしろ」
ひより「まぁ、いいよ」スタスタ…
天道「頼んだぞ」
ガチャリ
加賀美「あれ? 天道、なんで…」
天道「何だ」
加賀美「何だって…バイトだけどさ。お前こそこんな時間にどうしたんだよ?」
天道「…気力を回復しようと思ってな」
加賀美「気力?」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:30:51.08 ID:qvMKYdtN0
加賀美「ところで例の物はどうなってる!?」
天道「例の物?」
加賀美「エロゲだ、エロゲ」
天道「…そういえば(剣にまた貸ししたことを忘れていたな)」
加賀美「は?」
天道「いや、なんでもない。気にするな」
加賀美「途中経過、教えろよ! どこまでいった!?」
天道「…ん、なんだこれは」
加賀美「おい! 誤魔化すな……それ、原稿用紙みたいだな?」
天道「そんなことは見ればわかる。なにやら文章も書かれているようだが…」
ひより「!!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:34:00.75 ID:qvMKYdtN0
ひより「…返せ」バッ
天道「ひより…まさかそれはお前の物なのか?」
加賀美「ひよりの?」
ひより「…だったらなんだよ」
天道「見せてみろ。俺がチェックしてやる」
加賀美「おいおい、チェックってお前」
ひより「余計なお世話だよ…」スタスタスタ…
天道「最初の方を少し読んだのだが…あれは小説のつもりか?」
ひより「……」
加賀美「ひより、小説書いてるのか? へぇー…すごいな! 俺に見せてくれよ」
ひより「小説というか…ベ」
加賀美「え?」
ひより「……ラノベ」
天道・加賀美「!」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:38:08.99 ID:qvMKYdtN0
加賀美「ラノベって…お前」
ひより「…僕がラノベ書いたら悪いのか」
加賀美「いや、そういうわけじゃ…」
天道(俺の妹たちはどうしてこう…)
天道「完成したら出版社にでも送るつもりなのか?」
ひより「まぁ、うん」
天道「それなら尚更俺に見せてみろ」
ひより「やだ」
加賀美「なら俺なら!」
ひより「もっとやだ」
加賀美「なんだよそれ!?」
ひより「…実はまだ完成してないんだ。だから見せるにも見せようがない」
天道「なら俺が一緒に話を考えてやる。こっちにそれを持って来い」
ひより「……」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:42:02.65 ID:qvMKYdtN0
ひより「ほら」ス
天道「読むぞ」
加賀美「俺も、俺も」
ひより「恥ずかしいから…読み終わるまで料理作ってる…」スタスタスタ…
加賀美「話はー…ファンタジーなのか」
天道「魔法やら科学やらといった単語が出てくるな」
加賀美「いやでも恋愛要素も高いぞ」
加賀美「ていうかキャラ多いな!」
天道「これをひよりが書いたのか…」
加賀美「い、色々とひよりらしくないというか」
天道「……」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:46:59.68 ID:qvMKYdtN0
ひより「ほら、麻婆豆腐」コト
ひより「それで、どうだった…?」
天道「文章も話も悪いとは思わん。だが色々と詰め込みすぎだ」
ひより「最近のラノベはそんなものだよ…」
加賀美「えっと、まぁ」
天道「俺はラノベとやらを読んだことはないがな」
天道「この作品は結局何を言いたいんだ?」
加賀美「つまり、テーマってやつか」
ひより「命の大切さと愛することの儚さ」
加賀美「け、結構深かったんだな…!」
天道「よし」
加賀美「よし?」
天道「俺がそのテーマを借りてお前の作品の手本になるような物を書いてきてやる」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:51:05.82 ID:qvMKYdtN0
加賀美「それってつまり、天道。お前がラノベを書いてくるってことか?」
天道「ラノベとやらになるかはわからんが、それなりの読み物にしてくるつもりだ」
ひより「…余計なお世話だ。いい」
天道「遠慮をすることはない。そうだな、それがこの麻婆豆腐の代金と考えてくれればいい」
ひより「いや、それは普通にお金出してくれよ」
天道「そういうわけだ。一週間…いや、3日で書いてこよう。楽しみにしていろ」ガチャリ
加賀美「行っちゃったよ…何なんだ、あいつ急に…」
ひより「まぁ、天道だから…」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 22:55:03.31 ID:qvMKYdtN0
天道「ひよりはラノベか…」
天道「まぁ、いまさらこんなことでは驚きはしないが」
神代「天道!」
天道「…お前か。何か用か?」
神代「お前は俺にとんでもない物をよこしてくれたな…」
天道「とんでもない物?」
神代「このあいだのエ・ローゲのことだ!」
天道「ああ…あれのことだが、お前から加賀美に返しておいてくれ」
神代「あのエ・ローゲとやらのおかげで俺は目覚めた…! そう、愛だ!」
天道(聞いちゃあいない…)
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:00:22.69 ID:qvMKYdtN0
神代「俺はこれからミサキーヌのもとへ行き、この抑えきれない愛を語りつくしてくる」
天道「そうか」
神代「俺はな、天道…お前に対して感謝の気持ちで溢れている…」
神代「あのような素晴らしい物と俺を巡り合わせてくれたことに関してだ…!」
天道「お前から感謝だと? 気色悪い」
神代「安心しろ。お礼を言う気は毛頭ない! なんだってお前だからな! 天道!」
天道「…もう行っていいか」
神代「まぁ、待て! しかし、この俺の気持ちをお前にどう向けたらいい…?」
天道「知らん。好きにしろ」
神代「わからない、わからないんだ…そうだ! 天道! 貴様に俺のために手料理を振る舞う権利をくれてやる。それがとりあえずの俺からお前への感謝の気持ちだ! どうだぁ、喜べ。天道!」
天道「……じゃあな」スタスタ…
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:05:08.15 ID:qvMKYdtN0
天道「まったく、妙なのに捕まってしまった…時間の無駄だ」
?「風間流奥義・アルティメット・メイクアップ…!」キラキラキラーン
ポチポチッ
天道「またか…」
ゴン「大介ー、もう行こうよー」
風間「まぁ、待てゴン。俺はこれからデートなんだ。この寧々さんとな」
ゴン「もういいよぉ…」
風間「見てみろよゴン。この寧々さんの美しい姿…ふっ」
ゴン「はいはい」
天道(幸いこっちには気づいていないみたいだな)スタスタスタ…
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:09:22.00 ID:qvMKYdtN0
天道「ただいま、樹花」
樹花「もうっ、どこ行ってたの!? 次の作品がお待ちかねだよ!」
天道「それのことなんだが、実はやることができてしまってな…」
樹花「エロゲより優先することってなに?」
天道「ラノベ…」
樹花「え?」
天道「そう、ラノベとやらを書くことになった」
樹花「お兄ちゃんがラノベを!? いったいどういう風の吹きまわし?」
天道「ちょっとな。そういうことだから俺はこれから部屋に籠ってしばらくペンを走らせることになりそうだ」
天道「ああ、もちろん食事は今まで通りつくるから安心してくれ。樹花」
樹花「そういうことなら全然おっけー! でも完成したら私にも読ませてね!」
天道「もちろんだ。楽しみにしていてくれ」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:14:05.30 ID:qvMKYdtN0
ガチャリ
天道「さて」
天道「おばあちゃんが言っていた…文は考えるものではない、感じて書くものだと」
天道「つまり自分の感覚に任せるというわけだ」
天道「俺ぐらいにもなれば話の構成は物の数秒で思いつく」
天道「テーマは決まっているしな、命の大切さと愛することの儚さ…」
天道「ラノベ寄りというのなら、主人公は完璧超人にしたいところだがここは冴えない中年男性という意外性にこってみよう」
天道「そしてヒロインは美少女。ここは鉄板だな」
天道「いい感じだ。文章には遊び心を加えてみよう。堅苦しすぎても何か違うしな」
天道「そうだな…布団が……吹っ飛んだ。ふふっ、なんちゃってといった感じも付けたそうか」
天道「ふっ、ペンが自然と走り出す…いいぞ」カキカキ
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:26:10.14 ID:qvMKYdtN0
チュンチュンチュン…
ガチャリ
天道「おはよう、樹花」
樹花「おはよう…って、その原稿用紙! まさかもうできたの!?」
天道「ああ、三日といいながら一晩で完成させてしまったな」フッ
カブトゼクター(早く仕上げたいからってクロックアップして書いたくせに…)
樹花「すごーい! さすが私のお兄ちゃん!」
天道「中々の長編ものになってしまったが、ラノベの形式にそこまで従う必要もないだろう。十分だ」
樹花「で、なんてタイトルなの?」
天道「まだ決めていなかったが…そうだな」
天道(ひよりの為に書いたものだ。いい名前をつけてやらなければな……テーマは儚い…タイトルは…)
天道「そう、カゲロウ…いや」
天道「KAGEROU」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:30:55.62 ID:qvMKYdtN0
樹花「なんかカッコよさげだねー!」
天道「自分で言うのもなんだが少し気にいったところだ」
樹花「でも今風のラノベのタイトルにするならもっとそれっぽい感じの方がいいかも」
天道「それっぽい? どんな感じのものだ?」
樹花「とあるなんちゃらとか?」
天道「樹花、俺はラノベ界に新風を起こす。それならば今の形式に囚われてはいけないと思うんだ」
樹花「なるほどね! で、読んでいい?」
天道「もちろんだ、約束したしな。樹花には一番に見てもらおう」
樹花「やったぁー!」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:36:32.18 ID:qvMKYdtN0
クロックオーバー!
天道「ひよりはいるか?」
ひより「いるけど…何?」
天道「約束の物だ」
ひより「…もうできたのか?」
天道「お前の為に一晩で仕上げてきた。安心しろ。樹花も絶賛するデキだ。間違いない」
ひより「へぇ…」
ひより「ちなみに樹花ちゃんは何て言ってたんだ?」
天道「難しくてよくわからなかったが、なんだか凄さを感じたと言っていた」
天道「某携帯小説に引けをとらないデキだとも言っていたが…まぁ、そんなことより読んでみろ。きっと参考になる。タイトルはKAGEROUだ」
ひより(一発屋か…)
ひより「携帯小説に引けをとらない…まぁ、読んでみる。ありがと」
天道「気にするな。俺はまた家に戻って樹花との用事を果たさなければならない。それじゃあな」ガチャリ
クロックアップ!
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:41:18.10 ID:qvMKYdtN0
ガタック(加賀美)「おりゃあー!」ズン
蛹ワーム「ギョギョギョギョギョ!?」ドカーン
岬「一体のワームが脱皮を!」
田所「加賀美! すぐに倒せ!」
ガタック「はい! クロックア…」
成虫ワーム「ギョギョー!?」ドカーン
ガタック「え?」
カブト(天道)「……」シュゥゥ…
ガタック「天道! お前いつのまに!」
カブト「俺の手を煩わせる相手でもなかったか…まぁ、いい。加賀美」
天道「それにお前ら」
田所「お、俺たちか?」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:45:09.62 ID:qvMKYdtN0
岬「また…何か用なの?」
天道「お前たちにも愛の儚さを教えてやろうと思ってな」
岬・田所「は?」
加賀美「ま、まさかお前のラノベ完成したのか!?」
天道「ああ、その通りだ」
天道「ひよりに原稿は渡しておいた。お前たちも後で見させてもらうといい」
岬・田所「……」
加賀美「デキはどうなんだ? ちゃんとラノベになってるんだろうな」
天道「ああ。いや、むしろラノベというジャンルを既に凌駕したかもしれないな…」
天道「とにかく、見てみることだ。感想は後で聞く…変身」ヘンシン! キャストオフ!チェンジビートル!
クロックアップ!
岬「何だったのかしら…」
田所「知らんな…」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:50:11.50 ID:qvMKYdtN0
カチッ、カチッ、カチッ…
天道「……」
樹花「お兄ちゃんおにぎり買ってきたよー!」
天道「ああ、そこに置いておいてくれ」
天道「……」カチッ、カチッ
ピコン
天道「キャラ毎の分岐か…まずはこいつからだな」カチッ
樹花「お兄ちゃんそろそろお風呂に入ったら? 2日も籠りっきりなのはさすがに…」
天道「ああ、そうだな。これが終わったらそうすることにするよ」カチッ
樹花「お兄ちゃんって台詞絶対飛ばさないよね。ちゃんと全部聞き終ってから進めてる」
天道「おばあちゃんが言っていた…人の話は最後までしっかり聞け…と」カチッ
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/18(土) 23:55:20.41 ID:qvMKYdtN0 [52/52]
樹花「そ、そういえばKAGEROUはどうしたの?」
天道「あれか? さぁな。ひよりに渡してからの行方はもう俺は知らない」カチッ
樹花「そっか…」
天道「……」カチッ、カチッ
樹花「……」
天道「……」カチッ、カチッ
樹花「や、やっぱりこんなのいやだよ!」
天道「どうした、樹花…」
樹花「お兄ちゃんのことをこんなにしちゃったのは私の責任だけど!」
樹花「やっぱりこんなの私のお兄ちゃんじゃないよ!」
天道「そんなことはない…俺は樹花のことを思ってこうしているんだぞ」
樹花「もうやめてお兄ちゃん!!」
天道「そうだな…これが終わったら検討しよう」カチッ
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:00:33.75 ID:7aowBVOe0 [1/14]
チュンチュンチュン…
天道「終わったか…中々いい作品だった」
天道「今後はここのメーカーを贔屓してやる」
天道「さて、次のエロゲへ移るか…樹花」
シーン…
天道「そうか、学校へ行ったのだったな。すっかり忘れていた…」
ガチャリ!
加賀美「天道! 天道はいるか!?」
天道「なんだ加賀美。いきなり騒々しいやつだ」
加賀美「天道…お前いままでずっと家の中にいたのか!?」
天道「そうだな。どれくらいの時間が経った? 三日ぐらいか?」
加賀美「…最後にお前を外で見てから一週間は過ぎてる」
天道「…なに?」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:05:28.93 ID:7aowBVOe0 [2/14]
天道「これは…そうか。ワームかZECTの仕業か」
加賀美「いや、たぶん違うと思うが…」
加賀美「とにかくそろそろ表に出て日の光を浴びろよ。お前、このままじゃ闇の住人だ…」
天道「俺が…あいつらの仲間入りだと…?」
天道「加賀美。冗談も程々にしておけ。俺はあいつらのように性根が腐っていない」
加賀美「そういう問題じゃなくてだな…」
加賀美「それより天道! 大変なんだ!」
天道「話題がつきない奴だ…今度はなんだ」
加賀美「とりあえず来てくれ!」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:10:32.40 ID:7aowBVOe0 [3/14]
ガチャリ
加賀美「おい! 天道を連れてきたぞ!」
プークスクスッ
「きゃー! 天の道を行く人よー!」「サインしてくれー!」
「KAGEROU最高でしたー!」「あれを読んでから俺にも彼女ができましたー!」
天道「…なんだこの人だかりは」
ひより「みんなお前の書いたラノベのファンだよ」
天道「まさか…」
神代「そう、俺がお前の書いたものを書籍化した!」
天道「剣。貴様…俺に無断で勝手なことを…」
加賀美「ほら、家に籠りっきりだからこんなことになるんだぞ?」
天道「それとこれとは別だろうっ」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:17:53.73 ID:7aowBVOe0 [4/14]
>>94の最初の方に数日後が抜けていた。すまんのぅ
神代「どうだ天道。俺に感謝するがいい」
天道「ありがた迷惑にもほどがある…」
加賀美「お、俺たちも止めようとは思っていたんだ。けど、あいつが勝手に…」
ひより「…若干面白がっていたやつが何言ってるんだか」
天道「…加賀美」
加賀美「あ、いや! えっと…ははは」
天道「まぁ、いい。なってしまったことはどうしようもない」
天道「俺が作った作品だ。ミリオンヒットも間違いないだろうな」
ひより「そこそこ売れてるとは思う」
加賀美「映画化も夢じゃないな!」
天道「ふっ…違いないな」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:21:46.72 ID:7aowBVOe0 [5/14]
スタスタスタ…
天道「お前ら、あいかわらずだな」
影山「天道ぉ…邪魔しないでよ」フェイトチャンイクヨ!コレガワタシノゼンリョクゼンカイ!
天道「なのはか」
矢車「ほぅ…天道。お前もこっち側に近づいたようだなぁ…?」
天道「…なに?」
矢車「俺にはわかる」スッ
天道「おい、近寄るな」
矢車「今のお前は…地獄に魅入られている」
天道「…馬鹿な事を」
矢車「瞳を見せてみろ」グイッ
天道「いいかげんに…!」
矢車「ほぅら…お前の瞳の奥に闇が見えるぜ…?」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:27:16.81 ID:7aowBVOe0 [6/14]
バッ
天道「気色悪いマネをするな」
影山「こいつ…兄貴が優しく接してやっているのに…!」
矢車「落ち着け相棒」
矢車「天道。お前はもう…堕ちたも同然だ。歓迎しよう…はっ」
影山「しかもこんな本まで書いてるだなんてお笑い者だねぇ…くくくっ」
天道「それは…KAGEROU」
影山「最高(笑)のデキだったよ。まさに地獄級さ」
天道「…褒め言葉として受け取っておこう」
矢車「エロゲにラノベ…天道。お前はもう日向側の人間じゃあねぇ」
矢車「こいよ…こっちはこっちで居心地がいい…」
天道「断る…!」スタスタスタ…
影山「どこまでも気に食わないやつ…」
矢車「ふっ…さぁ、劇場版なのはの続きだ。相棒」ピッ
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:32:08.68 ID:7aowBVOe0 [7/14]
ガチャリ
天道「ただいま」
天道「ふっ、帰り際にエロゲを一本購入してきてしまった」
天道「ジャケ買いことパッケージ買いといったところだな…運試しだ」
カチッ、ウイーン
天道「インストールまで時間がかかるな…それまでに樹花から借りたラノベを読もう」
樹花「お兄ちゃん…」
天道「樹花! いたのか」
樹花「お兄ちゃん、私もうエロゲもしないし、アニメも見ないし、ラノベも読まないよ…だから」
樹花「私の大好きだったお兄ちゃんに戻って!」
天道「何を言っているんだ樹花。俺はお前の趣味のことに理解を持とうとしてこうして…」
樹花「そういうレベルじゃなくなってきてるよ…」
天道「む、終わったか」ピコン
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:37:15.54 ID:7aowBVOe0 [8/14]
カチッ
ラヴオニーチャン!
天道「こいつは期待できそうだ」
天道「見てくれ、樹花」フッ
樹花「お、お兄ちゃんキモい…」
天道「な、なに…?」
樹花「いくらカッコよくたって、さすがに限度があるよ…」
樹花「そんなお兄ちゃんなんて大っ嫌い」
天道「樹花!?」
樹花「…私、しばらくひよりさんのところにお世話になるからそれじゃあね」
天道「ま、待ってくれ! 樹花! 違うんだ! 俺は今までエロゲを誤解していt…」
樹花「…キモイ」ガチャリ
天道「 」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:42:18.05 ID:7aowBVOe0 [9/14]
天道「……」
天道「樹花があんなことになってしまったのも全ては俺の責任…」
天道「いや、エロゲか」
ブゥーン、パシッ
天道「変身…!」ヘンシン!
カブト(天道)「キャストオフ…」キャストオフ! ドカーンバリーン!ガシャーン!
チェンジ!ビートル!
オニーチャン!
カブト「…黙れ、お前は俺の妹ではない。ただの絵だ!」1…
ダイスキダイスキー
カブト「そんな物、俺が破壊してくれる!」2、3…
カブト「ライダーキッ…」ガチャ
ハイパークロックオーバー!
?「待て」パシッ
カブト「!」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:46:33.85 ID:7aowBVOe0 [10/14]
カブト「お前は…」
ハイパーカブト「……」
カブト「未来の俺だな? 何をしに来た…そこをどけ!」
ハイパーカブト「お前は間違っている」
カブト「なんだと!」
ハイパーカブト「よくスクリーンに映っている彼女を見てみろ」
カブト「今はそいつが憎くて堪らない…!」
ハイパーカブト「暴走するな、過去の俺。彼女はお前の妹の一人だ。それを忘れてはいけない」
カブト「俺の妹は生涯たった二人だ!」
ハイパーカブト「違う…お前の妹は二次元にも…エロゲの数ほど存在する」
カブト「な、に…?」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 00:51:53.78 ID:7aowBVOe0 [11/14]
ハイパーカブト「おばあちゃんが言っていた…人は超越すれば二次元すらも愛せる、と」
ハイパーカブト「まだお前はやり直せる」
カブト「しかし…樹花は…」
ハイパーカブト「こいつを樹花へ渡してくるんだ」シュッ
カブト「これは…エロゲ?」パシッ
ハイパーカブト「過去へ戻ってな。より素晴らしいエロゲをプレゼントすれば樹花はエロゲにどっぷりだ」
カブト「どっぷり…」
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 01:00:12.51 ID:7aowBVOe0 [12/14]
ハイパーカブト「兄妹揃って仲良くエロゲも悪くない…後はお前次第だ。じゃあな」
カブト「ま…!」
ハイパークロックアップ!
カブト「行ってしまったか」
カブト「……」
カブト「こい、ハイパーゼクター!」
ヴィィン、パシッ
カブト「ハイパーキャストオフ…!」ハイパーキャストオフ! チェンジ!ハイパービートル!
ハイパーカブト「俺は…俺は……全ての妹たちを愛することに決めた」
ハイパーカブト「樹花、ひより、そして二次元の妹たち…そのために」
ハイパーカブト「今行くぞ、樹花…!」
ハイパークロックアップ!
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 01:05:04.44 ID:7aowBVOe0 [13/14]
樹花「すー…すー…」
ハイパークロックオーバー!
ハイパーカブト「よく寝ているな」
ハイパーカブト「愛らしい寝顔だ…ふっ」
樹花「んん~…」
ハイパーカブト「…樹花、受け取ってくれ。俺からのプレゼントだ」ス
ハイパーカブト「今後も毎晩いい作品を置きに来るからな。楽しみにしていてくれ」
樹花「ん…んー…!」パチッ
樹花「あ、れぇ…まだ夜ぅ…?」
ハイパーカブト「む!」
樹花「だ、だぁれ…? あなた…」
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/19(日) 01:10:01.37 ID:7aowBVOe0 [14/14]
ハイパーカブト「……」
樹花「お、おにいちゃ…」
ハイパーカブト「待つんだ」
ハイパーカブト「俺はいつもいい子にしている天道樹花ちゃんにプレゼントを届けにきたサンタクロースだよ」
樹花「さ、サンタさん!? でもまだ…」
ハイパーカブト「俺はせっかちでな…クリスマスを待つことができなかったんだ」
樹花「なぁんだ! そういうことならおっけー! あ、これがプレゼント!?」
樹花「ありがとうサンタさん! ねぇ、袋開けてもいい?」
ハイパーカブト「朝起きてから開けなさい。さて、俺はもう帰ろう。まだ夜は長い、寝なさい」
樹花「あ、うん! そうだね…ふぁ~……おやすみ、サンタさん……すー…すー…」
ハイパーカブト「……一緒に地獄の深みまで堕ちような。樹花」
ハイパークロックアップ!
おわり
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