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上条「インデックス、ぶん殴らせてくれないか?」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/30(火) 23:35:19.71 ID:T2vW0aV00 [1/4]
インデックス「へ?」
上条「ほら、俺って攻撃手段がほぼ『殴る』のみだろ?」
インデックス「まあ、そうだね」
上条「しかし敵が女の子の場合、やっぱり気後れするんだ」
インデックス「そうかなぁ。結構、殴りまくってるような……」
上条「正直、何度も殴ってるのに、立ち上がってこられると俺の心が痛い」
インデックス「なるほど! 要するに、とうまは女の子をぶん殴って、一撃でKOできるようになりたいんだね!」
上条「その方が俺にも、そして相手にも良いと思うしな。練習台になってくれるか?」
インデックス「分かったよ、とうま! でもご褒美は欲しいかも!」
上条「ああ! 後で水を腹一杯、飲ませてやるよ!」
インデックス「へ?」
上条「ほら、俺って攻撃手段がほぼ『殴る』のみだろ?」
インデックス「まあ、そうだね」
上条「しかし敵が女の子の場合、やっぱり気後れするんだ」
インデックス「そうかなぁ。結構、殴りまくってるような……」
上条「正直、何度も殴ってるのに、立ち上がってこられると俺の心が痛い」
インデックス「なるほど! 要するに、とうまは女の子をぶん殴って、一撃でKOできるようになりたいんだね!」
上条「その方が俺にも、そして相手にも良いと思うしな。練習台になってくれるか?」
インデックス「分かったよ、とうま! でもご褒美は欲しいかも!」
上条「ああ! 後で水を腹一杯、飲ませてやるよ!」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/30(火) 23:41:16.52 ID:T2vW0aV00 [2/4]
上条「じゃ、いっくぞ~!」
インデックス「どんと来いなんだよ!」
上条「そげぶっ!」
ガッ!
インデックス「は、鼻がっ! 鼻がっ!」
上条「そげぶっ!」
ゴッ!
インデックス「ぼえっ! 歯がっ! 歯がっ!」
上条「そげぶっ!」
ギシッ!
インデックス「目がっ! 目が~っ!」
上条「はぁはぁ……。俺、ちょっと思ったんだが」
インデックス「な、なな何かななな?」ガクガク
上条「これ、何か間違ってないか?」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/30(火) 23:47:09.28 ID:T2vW0aV00
インデックス「ま、間違い?」ガクガク
上条「何というか、大事な事を忘れてる気がする」
インデックス「も、もしかして、わたしを殴るのに抵抗があるのかも?」ガクガク
上条「いや、その辺は日頃の憂さ晴らしという事で大丈夫なんだが」
ドンドン
『おーい。うるさいぞー』
インデックス「ま、まいかだね」ガクガク
上条「……そうか。近所迷惑なんだよ! 気づかなかった!」
インデックス「じゃ、じゃあもう止める?」ガクガク
上条「いや、公園でやろう。それなら近所迷惑にもならない」
インデックス「そ、そうだね」ガクガク
上条「じゃあ善は急げ、だ。いつまでも転がってないで、ほら行くぞ?」
インデックス「わ、分かってるんだよ」ガクガク
上条「お前、産まれ立ての小鹿みたいだな」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/30(火) 23:58:14.96 ID:T2vW0aV00
上条「おい、そっちじゃないぞインデックス」
インデックス「ちょうちょ、ちょうちょ……」フラフラ
上条「ほら、手を引いてやるから。面倒臭え……不幸だな俺」
インデックス「鼻血が止まらないんだよ?」フラフラ
上条「鼻の骨、折れてるからな。ま、これからもっと酷い事になるから心配すんな」
インデックス「うん」フラフラ
上条「よし、公園だ。はぁ~、そげぶっ!」
ンゴッ! ゴロゴロ……
インデックス「お、おおぅ……」ガクブルガクブル
上条「立て! インデックス! 俺が戦ってきた奴らは、こんな事で倒れたりはしなかったぞ!」
インデックス「な、何冊か魔道書が消えたんだよ……」ガクブルガクブル
上条「……よーし、立ったな。じゃあ新技、踵落としそげぶっ!」
インデックス「ノーーーーッ! くっ……、イェス! ウィ!キャーン!」
上条「いいぞ! お前はまだ立ち上がれる! 俺の前で、立ち上がれインデックス!」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 00:07:39.57 ID:yiy9XW0U0 [1/12]
上条「サンド~ヴァッグに~」
ガッ!
インデックス「んっ!」
上条「浮ぅかんで~消ぃえる~」
ギッ!
インデックス「げぼっ!」
上条「憎いぃあんちくしょうのぉ~顔ぉめがけぇ~」
グッ!
インデックス「ひ、ひひ……」
上条「たたけ! たたけ! たたけぇ!」
ゲッ! ゴッ! ガッ!
インデックス「ぷぁ!? んのぉ!? らるん!?」
上条「俺らにゃ~けもののぉ~血が~さ~わ~ぐ~」
ゲシッ! ゲシッ! ゲシッ!
インデックス(とうま……輝いてるよ……!)
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 00:16:07.86 ID:yiy9XW0U0 [2/12]
上条「だけど……ルルル……」
インデックス(殴るのを……止めた……?)
上条「あしたは~き~っとぉなぁにぃかぁあるぅ~」
インデックス「……」ガクブルガクブル
上条「あしたは……どっちだ~」
インデックス「と、とうま……?」ガクブル……
上条「インデックス。……よく、耐えてくれた」
インデックス「そ、それって、もう」ガク……
上条「ああ……」
インデックス「とうま……」
上条「これなら、二番と三番もいけそうだな!」
インデックス「に、二番? 三番?」
上条「ああ。身体も暖まってきたし、フルコーラスで ぶ ん 殴 る !」
インデックス(も、もしかして、わたし死ぬかも!)ゾクゾク
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 00:31:14.60 ID:yiy9XW0U0 [3/12]
上条「さて、インデックス。覚悟はできたか? 俺はできてる」
インデックス「……いいんだよ、とうま。その愛、この顔面で受け止めてあげるよ!」
上条「うわっ、こっち見んなキモイよ! お前、砕けた柘榴みてえな顔してるぞ?」
インデックス「わたしをこんなにしたのは、とうまなんだよ?」
上条「……ま、そう言われても仕方がないかもな。だから……」
インデックス「だから?」
上条「だから。俺が責任持ってトドメを刺してやる!」
インデックス「それでこそとうまなんだよ! ……私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?」
上条「……地獄の底まで、ついて行きたくなけりゃあ……地獄の底へ、突き落としてやるしかねーよなぁ!」
インデックス「とうまーー!」
上条「インデーーックスーー!」
ボグシャアッ!
ダダンッ! ゴロゴロゴロゴロ……
上条「……やったか?」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 00:46:56.10 ID:yiy9XW0U0 [4/12]
上条「……起き上がってこないな」
上条「やった、やったぞ! 俺は!」
上条「インデックス! 安心して地獄で見ていてくれよ! これからの俺の戦いを!」
??「……あんた、何、してんの」
上条「敵か!? 魔術師か!?」
美琴「あんたの声がすると思って来てみれば……何やってんのよ!」
黒子「……あぁん、おねえさま、早すぎますわ、ってなんですのこの惨状は!」
上条「何だ、ビリビリと白井か。驚かせやがって」
美琴「とにかく救急車を呼ばないと……」ゲコゲコ
黒子「……その必要はありませんの。もうこの白い人はお亡くなりになってます」
美琴「なっ! あんた! この子と仲が良かったんでしょ!? 何でこんな事!」
上条「……うるせえよ」
黒子「な……! 女の子を一人殺しておいて、よくもまあ……!」
上条「うるせえって言ってんだろ! お前たちに何が分かるってんだ!」
美琴「なっ、何を……!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 01:15:23.63 ID:yiy9XW0U0 [5/12]
上条「俺が好きでインデックスを殺したとでも思うのか?
そんなわけないだろう!
いくらあいつが大喰らいで役立たずで足手まといにしかならないとしても!
俺にとっちゃ、もう、家族だったんだよ!
大切な家族を、この手で殴らなきゃならなかった俺の心は、インデックスの顔面よりも傷ついてるんだ!
だけど……だけど、こうしなくちゃこの先、生き残れるわけがない!
死んじまったのは悲しいけど、それでも俺は、前を向いて生きていかなくちゃいけないんだ!」
黒子「おねえさま……あの類人猿、頭がおかしいですの」
美琴「うん……分かってる。あたしが……止めなきゃ……!」
上条「インデックスだって覚悟の上だった……。こうなる結果を分かっていて、犠牲になってくれたんだ」
美琴「……言いたい事はそれだけ?」
上条「……何だよ? 悪いのか? インデックスの命と引き換えにしてでも、自分が強くなりたいと思うことが、そんなに悪い事なのか?」
美琴「悪いに……決まってるでしょ。
あんた、知ってるはずでしょ? 大切な誰かが死ぬ事の痛みを。
目の前で誰かが苦しんで、傷ついて、でも自分には何もできなくて、どうしようもないっていう苦しみを知ってたんでしょ!
焦ったはずよ。辛かったはずよ。苦しかったはずよ。痛かったはずよ。
恐かったはずよ。震えたはずよ。叫んだはずよ。涙が出たはずよ。
……だったら、それは駄目よ!
そんなに重たい衝撃は、自分だけで抱え込んでちゃいけないものなのよ!
あんただったら分かってたはずでしょう!?」
上条「……知らねえよ、そんな事。俺は強くなりたかった……。その為ならどんな重い荷物でも背負うさ。
そして……立ち塞がるなら、ビリビリ。お前は俺の――敵だ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 01:30:29.40 ID:yiy9XW0U0 [6/12]
美琴「……止めてみせるわよ。たとえ相手があんただろうと。
いえ! あんただから止めてみせるっ! 黒子っ、離れてっ!」
バチッ! ズバババババババババッ! バシュッ!
美琴「はぁっ、はぁっ」
上条「……効かねえんだよ、電撃は」
美琴「後ろっ?」
上条「そげぶ……改っ!」
黒子「なっ! 左手でおねえさまの髪の毛を掴んで、速攻の右手のラッシュ……!」
上条「ソゲソゲソゲソゲソゲソゲソゲソゲソゲソゲソゲソゲ!」
ドドドドドドドドドドドドッ!
美琴「ん……が、はぁ」
上条「ソゲーベデルチ!(さよならだ)」
グチャァ…… ドサッ
上条「どうする白井? 学園都市第三位も、このざまだ」
黒子「ゆ……許しませんわ……よ……よくも……よくも……」ガクガク
プ チ ン
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 01:53:14.63 ID:yiy9XW0U0 [7/12]
上条「なっ、何だ……白井に何が……!? あの白い翼は……!」
黒子「いい加減にしなさい……この類人猿が……。
罪も無い女性を殺して……お、おねえさままで……」
ブゥゥゥゥン
上条「上!? ……ビル、だと」
ズズゥゥゥゥゥン!
上条「あ、危なかった……しかし、ビルを丸ごとテレポートさせるなんて……レベル4程度じゃ、とても……」
黒子「まだ攻撃は終わっていませんわよ……」
上条「ま、また上から……大量の清掃ロボットだと!?」
ドドドドドドドドドドドドッ!
上条「馬鹿なっ! お前は触れた物しかテレポートできなかったはずっ!
一体、どうやって……お前は、白井じゃないのかよ!?」
黒子「とっくにご存知なんでしょう? わたくしは風紀委員から貴方を捕まえる為にやってきた能力者……。
同性愛を持ちながら激しい怒りによって目覚めた『神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの』……。
レベル6 白井黒子でございますの!」
上条「な、なるほど……。同性愛を持ちながら激しい怒りによって目覚めた……か。
いくら頑張ってもロリコンの一方通行やノーマルのビリビリにはなれなかったわけだ……」
黒子「終わりですの。上条当麻」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 02:12:20.35 ID:yiy9XW0U0 [8/12]
上条(どうする? 流石にこんな奴相手じゃ分が悪すぎる……! ……いや!)
上条「白井……いや、レベル6だっけか。俺の勝ちだ」
黒子「この圧倒的な力の差で、戯言は通じませんの」
上条「……俺が何故、ビリビリを背負ってると思う? 死体なら放って置いてもいいはずなのにな……」
黒子「ま、まさか!」
上条「そう……『御坂美琴』は生きている。
大きな力が仇となったな。慣れない能力じゃ、こいつにも攻撃が当たってしまう……」
黒子(上条当麻の体内に直接テレポートを? しかし、今のわたくしの力では細かな演算ができない……!)
上条「全く……俺ってとことん不幸だが……悪運は強いみたいだな」
黒子「ぐっ……!」
上条「今からぶん殴りに行ってやるよ。待ってろ」
黒子「……どうせ貴方は、わたくしを殺した後、おねえさまにトドメを刺す気でしょう?」
上条「さぁて、どうかな? 俺にも分かんねえや。どうした? 地面に手をついて命乞いか?」
黒子「ならば、わたくしは最後の手段を取りますの。
全てを無に……この星(地球)を、太陽にテレポートさせますのっ!」
上条「し、しまったあ!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 02:31:34.78 ID:yiy9XW0U0 [9/12]
――
黒子「あ、熱い……しかし、わたくしは生きている……? 太陽にテレポートできなかった?」
上条「自分が死ぬ事を無意識に恐れたからだ……お陰で俺は命拾いをしたがな」
黒子「……分かってませんのね。これだけ太陽に近づけば、ほんの数分で地球は死の星になりますの。
寿命が僅かに延びただけの事ですわ」
上条「! ……俺は生き残ってみせる。死んだインデックスや、ビリビリの為にもな」
黒子「どの口がそんな言葉を吐くのやら……」
上条「白井。お前はもう、能力も使えないはずだ……目から血の涙が流れてるぜ? 脳を酷使しすぎだ」
黒子「ならば……」
上条「肉弾戦、か。それほどまでして決着をつけたいか。いいだろう、乗ってやるよ」
黒子「風紀委員の格闘術、甘く見ないでほしいですの」
上条「実戦で鍛え、インデックスの死で完成した俺の体術を舐めるなよ……!」
黒子「キエェェェェェェェェェエェェェェェェェェェェェェェェエッ!」
上条「そのふざけた幻想を、ぶち殺す!」
――
―
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 02:48:23.17 ID:yiy9XW0U0 [10/12]
―
――
黒子「はっ、はっ」
上条「凄え奴だよ、白井……俺をここまで追い詰めるなんてな。だが……それも終わりだ! そげ……」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴ……
上条「地震? 地球が死の星になる前の異変か?」
佐天「白井、さん……上条、さん……。もう無益な争いは止めて下さいっ!」
白井「佐天さん!? どうしてここに?」
佐天「初春が、学園都市の監視カメラでずっと監視してたんです……」
白井「しかし、地球はもうお終い……せめて、この殿方との決着だけは……!」
佐天「地球は大丈夫です! ……この人が何とかしてくれます!」
上条「お、お前は!」
一方通行「三下どもの尻拭いなンざ、したくもねェけどよォ……。糞ガキまで巻き込むンじゃねェよ、ったくよォ」
白井「まさか、まさか! 地球の公転のベクトル操作を……!? 無茶ですの!」
上条「無理だ! 今度こそお前の身体が持たないぞ!」
一方通行「無茶でも無理でも、やらなきゃお終いだろォが。それによ……糞ガキの前では、俺はヒーローでいたいンだよ」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 03:09:26.15 ID:yiy9XW0U0 [11/12]
――
地球を襲った未曾有の危険。それは一人の能力者の力で退けられた。
しかし、被害は甚大であり、この星が元の美しい青き輝きを取り戻すのには、
時間と大勢の名も無き人々の努力が必要である。
その地道な作業の指導者となった一人の平凡な少女は、後に『マザー・ルイコ』と呼ばれる事となる。
そして――
上条「そろそろ行くな、インデックス、一方通行」
初春「今回の敵は、魔術師です。通り名は、バビディ。精神に関わる魔術を得意とするようです」
美琴「気を抜かないように頑張らなくちゃ、ね」
黒子「ですのですの~! もうおねえさまには傷一つ、つけさせませんの!」
美琴「大丈夫だってば。顔だってリアルゲコ太に治してもらえたし」
打ち止め「お姉さまが怪我すると、ミサカはミサカは泣いちゃったり!」
上条「ま、死なない程度に頑張ろうぜ。でないとあっちに行った時に『早すぎる!』って二人に怒られちまうからな」
黒子「……貴方がそれを言いますの? 全く・・・・・・」
静かな丘に二つの墓。
一つは十万二千九百九十六冊を持った少女が眠り。
もう一つには地球を救ったヒーローが眠っている。
-完-
54 名前:南部十四朗 ◆pTqMLhEhmY [sage] 投稿日:2010/12/01(水) 03:10:07.80 ID:yiy9XW0U0 [12/12]
読んで下さった方、ありがとうございました。ねーちん出したかったです。
そろそろ自分も眠りにつこうかと思います。では。
上条「じゃ、いっくぞ~!」
インデックス「どんと来いなんだよ!」
上条「そげぶっ!」
ガッ!
インデックス「は、鼻がっ! 鼻がっ!」
上条「そげぶっ!」
ゴッ!
インデックス「ぼえっ! 歯がっ! 歯がっ!」
上条「そげぶっ!」
ギシッ!
インデックス「目がっ! 目が~っ!」
上条「はぁはぁ……。俺、ちょっと思ったんだが」
インデックス「な、なな何かななな?」ガクガク
上条「これ、何か間違ってないか?」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/30(火) 23:47:09.28 ID:T2vW0aV00
インデックス「ま、間違い?」ガクガク
上条「何というか、大事な事を忘れてる気がする」
インデックス「も、もしかして、わたしを殴るのに抵抗があるのかも?」ガクガク
上条「いや、その辺は日頃の憂さ晴らしという事で大丈夫なんだが」
ドンドン
『おーい。うるさいぞー』
インデックス「ま、まいかだね」ガクガク
上条「……そうか。近所迷惑なんだよ! 気づかなかった!」
インデックス「じゃ、じゃあもう止める?」ガクガク
上条「いや、公園でやろう。それなら近所迷惑にもならない」
インデックス「そ、そうだね」ガクガク
上条「じゃあ善は急げ、だ。いつまでも転がってないで、ほら行くぞ?」
インデックス「わ、分かってるんだよ」ガクガク
上条「お前、産まれ立ての小鹿みたいだな」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/30(火) 23:58:14.96 ID:T2vW0aV00
上条「おい、そっちじゃないぞインデックス」
インデックス「ちょうちょ、ちょうちょ……」フラフラ
上条「ほら、手を引いてやるから。面倒臭え……不幸だな俺」
インデックス「鼻血が止まらないんだよ?」フラフラ
上条「鼻の骨、折れてるからな。ま、これからもっと酷い事になるから心配すんな」
インデックス「うん」フラフラ
上条「よし、公園だ。はぁ~、そげぶっ!」
ンゴッ! ゴロゴロ……
インデックス「お、おおぅ……」ガクブルガクブル
上条「立て! インデックス! 俺が戦ってきた奴らは、こんな事で倒れたりはしなかったぞ!」
インデックス「な、何冊か魔道書が消えたんだよ……」ガクブルガクブル
上条「……よーし、立ったな。じゃあ新技、踵落としそげぶっ!」
インデックス「ノーーーーッ! くっ……、イェス! ウィ!キャーン!」
上条「いいぞ! お前はまだ立ち上がれる! 俺の前で、立ち上がれインデックス!」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 00:07:39.57 ID:yiy9XW0U0 [1/12]
上条「サンド~ヴァッグに~」
ガッ!
インデックス「んっ!」
上条「浮ぅかんで~消ぃえる~」
ギッ!
インデックス「げぼっ!」
上条「憎いぃあんちくしょうのぉ~顔ぉめがけぇ~」
グッ!
インデックス「ひ、ひひ……」
上条「たたけ! たたけ! たたけぇ!」
ゲッ! ゴッ! ガッ!
インデックス「ぷぁ!? んのぉ!? らるん!?」
上条「俺らにゃ~けもののぉ~血が~さ~わ~ぐ~」
ゲシッ! ゲシッ! ゲシッ!
インデックス(とうま……輝いてるよ……!)
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 00:16:07.86 ID:yiy9XW0U0 [2/12]
上条「だけど……ルルル……」
インデックス(殴るのを……止めた……?)
上条「あしたは~き~っとぉなぁにぃかぁあるぅ~」
インデックス「……」ガクブルガクブル
上条「あしたは……どっちだ~」
インデックス「と、とうま……?」ガクブル……
上条「インデックス。……よく、耐えてくれた」
インデックス「そ、それって、もう」ガク……
上条「ああ……」
インデックス「とうま……」
上条「これなら、二番と三番もいけそうだな!」
インデックス「に、二番? 三番?」
上条「ああ。身体も暖まってきたし、フルコーラスで ぶ ん 殴 る !」
インデックス(も、もしかして、わたし死ぬかも!)ゾクゾク
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 00:31:14.60 ID:yiy9XW0U0 [3/12]
上条「さて、インデックス。覚悟はできたか? 俺はできてる」
インデックス「……いいんだよ、とうま。その愛、この顔面で受け止めてあげるよ!」
上条「うわっ、こっち見んなキモイよ! お前、砕けた柘榴みてえな顔してるぞ?」
インデックス「わたしをこんなにしたのは、とうまなんだよ?」
上条「……ま、そう言われても仕方がないかもな。だから……」
インデックス「だから?」
上条「だから。俺が責任持ってトドメを刺してやる!」
インデックス「それでこそとうまなんだよ! ……私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?」
上条「……地獄の底まで、ついて行きたくなけりゃあ……地獄の底へ、突き落としてやるしかねーよなぁ!」
インデックス「とうまーー!」
上条「インデーーックスーー!」
ボグシャアッ!
ダダンッ! ゴロゴロゴロゴロ……
上条「……やったか?」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 00:46:56.10 ID:yiy9XW0U0 [4/12]
上条「……起き上がってこないな」
上条「やった、やったぞ! 俺は!」
上条「インデックス! 安心して地獄で見ていてくれよ! これからの俺の戦いを!」
??「……あんた、何、してんの」
上条「敵か!? 魔術師か!?」
美琴「あんたの声がすると思って来てみれば……何やってんのよ!」
黒子「……あぁん、おねえさま、早すぎますわ、ってなんですのこの惨状は!」
上条「何だ、ビリビリと白井か。驚かせやがって」
美琴「とにかく救急車を呼ばないと……」ゲコゲコ
黒子「……その必要はありませんの。もうこの白い人はお亡くなりになってます」
美琴「なっ! あんた! この子と仲が良かったんでしょ!? 何でこんな事!」
上条「……うるせえよ」
黒子「な……! 女の子を一人殺しておいて、よくもまあ……!」
上条「うるせえって言ってんだろ! お前たちに何が分かるってんだ!」
美琴「なっ、何を……!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 01:15:23.63 ID:yiy9XW0U0 [5/12]
上条「俺が好きでインデックスを殺したとでも思うのか?
そんなわけないだろう!
いくらあいつが大喰らいで役立たずで足手まといにしかならないとしても!
俺にとっちゃ、もう、家族だったんだよ!
大切な家族を、この手で殴らなきゃならなかった俺の心は、インデックスの顔面よりも傷ついてるんだ!
だけど……だけど、こうしなくちゃこの先、生き残れるわけがない!
死んじまったのは悲しいけど、それでも俺は、前を向いて生きていかなくちゃいけないんだ!」
黒子「おねえさま……あの類人猿、頭がおかしいですの」
美琴「うん……分かってる。あたしが……止めなきゃ……!」
上条「インデックスだって覚悟の上だった……。こうなる結果を分かっていて、犠牲になってくれたんだ」
美琴「……言いたい事はそれだけ?」
上条「……何だよ? 悪いのか? インデックスの命と引き換えにしてでも、自分が強くなりたいと思うことが、そんなに悪い事なのか?」
美琴「悪いに……決まってるでしょ。
あんた、知ってるはずでしょ? 大切な誰かが死ぬ事の痛みを。
目の前で誰かが苦しんで、傷ついて、でも自分には何もできなくて、どうしようもないっていう苦しみを知ってたんでしょ!
焦ったはずよ。辛かったはずよ。苦しかったはずよ。痛かったはずよ。
恐かったはずよ。震えたはずよ。叫んだはずよ。涙が出たはずよ。
……だったら、それは駄目よ!
そんなに重たい衝撃は、自分だけで抱え込んでちゃいけないものなのよ!
あんただったら分かってたはずでしょう!?」
上条「……知らねえよ、そんな事。俺は強くなりたかった……。その為ならどんな重い荷物でも背負うさ。
そして……立ち塞がるなら、ビリビリ。お前は俺の――敵だ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 01:30:29.40 ID:yiy9XW0U0 [6/12]
美琴「……止めてみせるわよ。たとえ相手があんただろうと。
いえ! あんただから止めてみせるっ! 黒子っ、離れてっ!」
バチッ! ズバババババババババッ! バシュッ!
美琴「はぁっ、はぁっ」
上条「……効かねえんだよ、電撃は」
美琴「後ろっ?」
上条「そげぶ……改っ!」
黒子「なっ! 左手でおねえさまの髪の毛を掴んで、速攻の右手のラッシュ……!」
上条「ソゲソゲソゲソゲソゲソゲソゲソゲソゲソゲソゲソゲ!」
ドドドドドドドドドドドドッ!
美琴「ん……が、はぁ」
上条「ソゲーベデルチ!(さよならだ)」
グチャァ…… ドサッ
上条「どうする白井? 学園都市第三位も、このざまだ」
黒子「ゆ……許しませんわ……よ……よくも……よくも……」ガクガク
プ チ ン
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 01:53:14.63 ID:yiy9XW0U0 [7/12]
上条「なっ、何だ……白井に何が……!? あの白い翼は……!」
黒子「いい加減にしなさい……この類人猿が……。
罪も無い女性を殺して……お、おねえさままで……」
ブゥゥゥゥン
上条「上!? ……ビル、だと」
ズズゥゥゥゥゥン!
上条「あ、危なかった……しかし、ビルを丸ごとテレポートさせるなんて……レベル4程度じゃ、とても……」
黒子「まだ攻撃は終わっていませんわよ……」
上条「ま、また上から……大量の清掃ロボットだと!?」
ドドドドドドドドドドドドッ!
上条「馬鹿なっ! お前は触れた物しかテレポートできなかったはずっ!
一体、どうやって……お前は、白井じゃないのかよ!?」
黒子「とっくにご存知なんでしょう? わたくしは風紀委員から貴方を捕まえる為にやってきた能力者……。
同性愛を持ちながら激しい怒りによって目覚めた『神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの』……。
レベル6 白井黒子でございますの!」
上条「な、なるほど……。同性愛を持ちながら激しい怒りによって目覚めた……か。
いくら頑張ってもロリコンの一方通行やノーマルのビリビリにはなれなかったわけだ……」
黒子「終わりですの。上条当麻」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 02:12:20.35 ID:yiy9XW0U0 [8/12]
上条(どうする? 流石にこんな奴相手じゃ分が悪すぎる……! ……いや!)
上条「白井……いや、レベル6だっけか。俺の勝ちだ」
黒子「この圧倒的な力の差で、戯言は通じませんの」
上条「……俺が何故、ビリビリを背負ってると思う? 死体なら放って置いてもいいはずなのにな……」
黒子「ま、まさか!」
上条「そう……『御坂美琴』は生きている。
大きな力が仇となったな。慣れない能力じゃ、こいつにも攻撃が当たってしまう……」
黒子(上条当麻の体内に直接テレポートを? しかし、今のわたくしの力では細かな演算ができない……!)
上条「全く……俺ってとことん不幸だが……悪運は強いみたいだな」
黒子「ぐっ……!」
上条「今からぶん殴りに行ってやるよ。待ってろ」
黒子「……どうせ貴方は、わたくしを殺した後、おねえさまにトドメを刺す気でしょう?」
上条「さぁて、どうかな? 俺にも分かんねえや。どうした? 地面に手をついて命乞いか?」
黒子「ならば、わたくしは最後の手段を取りますの。
全てを無に……この星(地球)を、太陽にテレポートさせますのっ!」
上条「し、しまったあ!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 02:31:34.78 ID:yiy9XW0U0 [9/12]
――
黒子「あ、熱い……しかし、わたくしは生きている……? 太陽にテレポートできなかった?」
上条「自分が死ぬ事を無意識に恐れたからだ……お陰で俺は命拾いをしたがな」
黒子「……分かってませんのね。これだけ太陽に近づけば、ほんの数分で地球は死の星になりますの。
寿命が僅かに延びただけの事ですわ」
上条「! ……俺は生き残ってみせる。死んだインデックスや、ビリビリの為にもな」
黒子「どの口がそんな言葉を吐くのやら……」
上条「白井。お前はもう、能力も使えないはずだ……目から血の涙が流れてるぜ? 脳を酷使しすぎだ」
黒子「ならば……」
上条「肉弾戦、か。それほどまでして決着をつけたいか。いいだろう、乗ってやるよ」
黒子「風紀委員の格闘術、甘く見ないでほしいですの」
上条「実戦で鍛え、インデックスの死で完成した俺の体術を舐めるなよ……!」
黒子「キエェェェェェェェェェエェェェェェェェェェェェェェェエッ!」
上条「そのふざけた幻想を、ぶち殺す!」
――
―
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 02:48:23.17 ID:yiy9XW0U0 [10/12]
―
――
黒子「はっ、はっ」
上条「凄え奴だよ、白井……俺をここまで追い詰めるなんてな。だが……それも終わりだ! そげ……」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴ……
上条「地震? 地球が死の星になる前の異変か?」
佐天「白井、さん……上条、さん……。もう無益な争いは止めて下さいっ!」
白井「佐天さん!? どうしてここに?」
佐天「初春が、学園都市の監視カメラでずっと監視してたんです……」
白井「しかし、地球はもうお終い……せめて、この殿方との決着だけは……!」
佐天「地球は大丈夫です! ……この人が何とかしてくれます!」
上条「お、お前は!」
一方通行「三下どもの尻拭いなンざ、したくもねェけどよォ……。糞ガキまで巻き込むンじゃねェよ、ったくよォ」
白井「まさか、まさか! 地球の公転のベクトル操作を……!? 無茶ですの!」
上条「無理だ! 今度こそお前の身体が持たないぞ!」
一方通行「無茶でも無理でも、やらなきゃお終いだろォが。それによ……糞ガキの前では、俺はヒーローでいたいンだよ」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/12/01(水) 03:09:26.15 ID:yiy9XW0U0 [11/12]
――
地球を襲った未曾有の危険。それは一人の能力者の力で退けられた。
しかし、被害は甚大であり、この星が元の美しい青き輝きを取り戻すのには、
時間と大勢の名も無き人々の努力が必要である。
その地道な作業の指導者となった一人の平凡な少女は、後に『マザー・ルイコ』と呼ばれる事となる。
そして――
上条「そろそろ行くな、インデックス、一方通行」
初春「今回の敵は、魔術師です。通り名は、バビディ。精神に関わる魔術を得意とするようです」
美琴「気を抜かないように頑張らなくちゃ、ね」
黒子「ですのですの~! もうおねえさまには傷一つ、つけさせませんの!」
美琴「大丈夫だってば。顔だってリアルゲコ太に治してもらえたし」
打ち止め「お姉さまが怪我すると、ミサカはミサカは泣いちゃったり!」
上条「ま、死なない程度に頑張ろうぜ。でないとあっちに行った時に『早すぎる!』って二人に怒られちまうからな」
黒子「……貴方がそれを言いますの? 全く・・・・・・」
静かな丘に二つの墓。
一つは十万二千九百九十六冊を持った少女が眠り。
もう一つには地球を救ったヒーローが眠っている。
-完-
54 名前:南部十四朗 ◆pTqMLhEhmY [sage] 投稿日:2010/12/01(水) 03:10:07.80 ID:yiy9XW0U0 [12/12]
読んで下さった方、ありがとうございました。ねーちん出したかったです。
そろそろ自分も眠りにつこうかと思います。では。
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