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唯「穴があったから」澪「入ってしまった…」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 20:29:15.20 ID:LE1EDXWs0 [1/23]
唯「…」
澪「…」
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「私達、何で穴の中に入ってるの?」
澪「それはアレだ、穴があったら誰でも入りたくなるだろ」
唯「そういうものなのかな?」
澪「そういうものだ」
唯「そっかぁ。それじゃあ仕方ないね」
澪「あぁ、そうだな」
唯「…」
澪「…」
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「私達、何で穴の中に入ってるの?」
澪「それはアレだ、穴があったら誰でも入りたくなるだろ」
唯「そういうものなのかな?」
澪「そういうものだ」
唯「そっかぁ。それじゃあ仕方ないね」
澪「あぁ、そうだな」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 20:30:59.75 ID:LE1EDXWs0 [2/23]
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「どうした?」
唯「どうやってこの穴から出るの?」
澪「えっ?出るの?」
唯「えっ?出ないの?」
澪「いや、しばらく落ちたままでもいいかなぁって…」
唯「…マジで?」
澪「駄目?」
唯「駄目じゃないけど…」
澪「じゃあいいじゃないか」
唯「うん、そうだね」
澪「……」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 20:35:18.67 ID:LE1EDXWs0
澪「しかしアレだな」
唯「アレって?」
澪「こうやって穴の中に入ってると落ち着くというか…」
唯「あっ、それ何となく分かる気がする」
澪「ほらアレだ、何かすごい力で守られてる感じが…」
唯「どんな感じ?」
澪「うーん…」
澪「お風呂に入ってる感じ?」
唯「…?」
澪「いや、違うなぁ…」
唯「感覚を言葉にするのって、難しいね~」
澪「うん…」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 20:39:41.85 ID:LE1EDXWs0
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「そろそろ寒くなってきたね」
澪「そうだな」
唯「周りは壁なのに、上から風が入ってきてるような気がするんだ」
澪「あぁ、私もそう思っていた所だ」
唯「それに何だか身体が土臭くなってきちゃったよ」
澪「早くお風呂に入りたいな」
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「早くこの穴から出ようよ」
澪「そうだな」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 20:46:56.27 ID:LE1EDXWs0
澪「しかしどうやってこの穴から出ようか…」
唯「うーん…」
澪「この穴、私達の背丈の4倍くらいの深さだぞ…」
唯「何で私達、そんな穴に落ちちゃったんだろうね」
澪「あぁ、それが最大の謎だ」
澪「なぁ唯」
唯「なに澪ちゃん?」
澪「私、まずは何故穴に入ってしまったのかを議論すべきだと思うんだ」
唯「何で?」
澪「千里の道も一歩から。何の当たり障りのない議論で活路が見出せる事だってある」
澪「この穴は、私達にそれをさせるためにあるのかもしれない」
唯「そっかぁ。そのためにこの穴はあるんだね」
唯「分かったよ澪ちゃん。私、何でこの穴に落ちちゃったのか真剣に考えてみる!」
澪「唯…」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 20:57:34.73 ID:LE1EDXWs0
――――――――――
澪「そう、だから私はごはんはおかずじゃないと思うんだ」
澪「だって考えてみろよ」
澪「炭水化物と炭水化物の夢のコラボレーションだぞ?」
澪「どう考えたって炭水化物じゃないか」
唯「そうだね、炭水化物は炭水化物以上でもそれ以下でもなく、ただの炭水化物に過ぎないんだよね」
澪「唯、その発想は間違ってるぞ」
唯「え?何で?」
澪「確かに炭水化物は炭水化物以上のものにはなれない」
澪「しかしその炭水化物を疎かにしたら、私達の生活はどうなってしまう?」
唯「あ…」
澪「分かったか?私達は炭水化物を過剰崇拝せず、尚且つ貶す事もしてはいけない」
澪「物にはそれぞれ役割があるんだ。歯車がどれか一つ欠けるとそれは稼動する事が出来なくなってしまう」
唯「ごめんね澪ちゃん、私大切な事を見失っていたよ」
澪「うん、分かってくれたならいいんだ」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 21:04:41.18 ID:LE1EDXWs0
唯「…ねぇ澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「色々議論したけど、結局この穴から出る方法が思いつかなかったね」
澪「…あぁ、これは由々しき事だ」
唯「落ち込まないで澪ちゃん。私達は少し無理をしすぎたんだよ…」
澪「そうだな、私達には少しハードルが高すぎたのかもしれない」
唯「うん、だから私達はもっと初歩的な段階から始めてみようよ」
澪「初歩的な段階?」
唯「うん」
唯「それはね、この穴から出る方法を考える事だよ」
澪「…盲点だった。そこに気が付く事ができるなんて…」
澪「唯、お前はもしかしたら天才なのかもしれないよ」
唯「そ、そうかなぁ。えへへ~」
澪「よし!この穴から出る方法を考えよう!」
唯「おー!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 21:17:42.18 ID:LE1EDXWs0
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「やっと地上と同じ高さまで立つことができたね」
澪「あぁ、穴の周りの土を土台にする事で、自分達を上昇させる事ができたんだよな」
唯「こんな事考えつくなんて、流石澪ちゃんだね」
澪「おだてても土しかないぞ」
唯「でも周りの土を使いすぎて穴自体が広がっちゃったね」
澪「その所為で私達は一歩も前に進む事が出来なくなってしまったな」
唯「いくら同じ高さまで登っても、周りが崖じゃ意味無いよね」
澪「あぁ、これじゃドーナツ島だ」
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「降りよっか」
澪「そうだな」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 21:30:40.52 ID:LE1EDXWs0
澪「さて、穴を元の状態に戻したわけだが…」
唯「疲れた~」
澪「また振り出しに戻らなきゃいけないのか…」
唯「澪ちゃん、少し休もう?あまり切り詰めても良いアイデアは浮かばないと思うよ」
澪「あぁ、唯の言う通りだ」
澪「時間はまだある。少しずつでいいから一歩ずつ進んでいこう」
唯「千里の道も一歩から、だね」
澪「あぁ、そうだ」
唯「私お弁当持ってきたんだ~。一緒に食べよう!」
澪「あぁ、貰おうかな…」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 21:40:38.22 ID:LE1EDXWs0
澪「ん…」
唯「どうしたの澪ちゃん?」
澪「もう昼か…」
唯「そうだね~」
澪「学校、完全に遅刻だな」
唯「たまにはこういう日もいいんじゃないかなぁ」
澪「うーん…いいのかなぁ?」
唯「うん、これでこそ高校生って感じだよ!」
澪「…うん、たまにはいいかもな」
澪「でも高校生が授業サボって穴に入るって中々奇妙な光景だよな」
唯「そうだね~」
澪「…何だか眠くなってきたなぁ」
唯「くー…」
澪「……」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 21:50:33.36 ID:LE1EDXWs0
唯「ねぇねぇ澪ちゃん!」
澪「ん…どうしたの、唯…」
唯「雨!」
澪「雨?」
唯「雨だよ!雨が降ってきたんだよ!」
澪「何だって!?」
唯「どどどどうしよう!このままじゃずぶ濡れだよ!」
澪「落ち着けよ、唯」
澪「ほら、私折りたたみ傘持ってきてるから…」
唯「う、うん…」
澪「はい、一緒に入れよ」
唯「澪ちゃん、ありがとう~」
唯「澪ちゃんのお陰で私命救われちゃたよ~」
澪「もう、大袈裟だな…」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 22:00:45.57 ID:LE1EDXWs0
唯「すごい降り様だね…」
澪「あぁ、多分夕立か何かだろう」
唯「夕立って、冬でもなるの?」
澪「ん…多分だけど、去年より温度が高いから降ってきたんじゃないかな?」
唯「地球温暖化?」
澪「あぁ、そういう事だ」
唯「そっかぁ…」
唯「私、エアコンとか苦手だから地球温暖化に手を貸してないよ」
澪「そうだな、唯はエコな人間だな」
唯「えへへ~」
澪「でもゴロゴロしてるだけでも地球温暖化の原因になるって知ってるか?」
唯「えっ?何で!?」
澪「ゴロゴロばかりしてると、デブになって酸素の供給量が多くなるからだ」
唯「私太らないもんっ!澪ちゃん酷い!」
澪「ふふふ…」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 22:15:19.31 ID:LE1EDXWs0
澪「…あ、雨止んだな」
唯「そうだね」
澪「幸い傘が穴と同じ範囲まで広がったから私達の足元は濡れなかったな」
唯「不幸中の幸いってやつだね」
澪「しかし困ったな…」
唯「?」
澪「ほら、水分が土に溜まってしまっただろ?」
澪「また雨が降ってきたら、土砂崩れみたいなことが起こるかもしれない」
唯「そ、そっか…そうなったら大変だね」
澪「そうならない内に早くココから出る方法を考えて出ないといけないな」
唯「うん、私頑張って考えるよ」
澪「頼むぞ。二人揃えば文殊の知恵だ」
唯「それって三人だよね」
澪「言葉の綾だよ」
唯「そっか」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 22:23:30.22 ID:LE1EDXWs0
澪「…ふぅ」
唯「疲れちゃった?」
澪「ん…ちょっとな」
唯「ねぇねぇ澪ちゃん」
澪「どうした?」
唯「澪ちゃんの傘をね、さっきみたいに広げてみてよ」
澪「えっ?何で?」
唯「いいからいいから~」
澪「ほら、広げたぞ。真っ暗で何も見えない…」
唯「ふふふ…じゃあいくよ~」
澪「…?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/28(日) 22:31:46.89 ID:LE1EDXWs0
ピカッ、ピカッ…パチパチ…
澪「…あっ」
唯「ほら、綺麗でしょ?」
澪「…うん」
唯「このキーホルダーね、お母さんがお土産に買ってきてくれたの」
唯「私眠れない時は布団に包まってこのキーホルダーをチカチカさせてるんだ~」
澪「…凄い。見ててとても落ち着く…」
唯「ほら、人間って火を見ると落ち着く習性があるでしょ?」
唯「だからこうやって光が入らないようにして、このキーホルダーが綺麗に見えるようにしたの」
澪「なるほど…そういう事だったか」
唯「どう?少し落ち着いた?」
澪「あぁ…凄く気がラクになったよ」
唯「ふふん、よかった~♪」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 22:51:07.43 ID:LE1EDXWs0
――――――――――――――
唯「澪ちゃん!虹!空に虹が架かってるよ!」
澪「あっ、本当だ…」
澪「さっきの夕立でできたんだろうなぁ」
唯「でも穴の中からだと少ししか見えないね」
澪「そうだな、でも私はこんな風景も好きだな」
澪「きっと私達が井の中の蛙だったら、虹はこんな風にしか見ることができないのかもしれない」
唯「それって、蛙がそれ以上外の世界を知ることが出来ないって事だよね」
澪「あぁ、私が蛙だったら、きっとまた違う見え方ができるのだろうな」
澪「そしてその光景も、今私が感じてる事とは全く異なっている筈だ」
唯「うん、そうかもしれないね…」
唯「でも澪ちゃん、それって悲しい事なのかな?」
澪「分からないな…私は人間だから」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 23:07:21.71 ID:LE1EDXWs0
唯「……」
澪「……」
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「ん、どうした?」
唯「私ね、高校卒業したらどうしようかってずっと考えてたんだ」
澪「大学には行かないのか?」
唯「ううん、そういう事じゃないの」
唯「私、みんなと同じ大学に行って、同じ事して、高校みたいな生活がずっと続けばいいと思ってたんだ」
澪「うん」
唯「でも、さっきの澪ちゃんの蛙の話を聞いて、ちょっと考えが変わっちゃったよ」
澪「どうしてだ?」
唯「私はみんなと一緒って事しか考えてなかった」
唯「でも、それはとっても頭が悪い考え方だったって思い知らされたよ」
澪「…興味があるな。話してみろよ」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 23:22:16.67 ID:LE1EDXWs0
唯「さっきまでの私の考えは、井の中の蛙」
唯「外の世界なんて見えてなくて、自分がしたいことだけにしか興味がなかった」
唯「でも、それって絶対長くは続かないよね?」
唯「話に終わりがあるように、そんな夢物語にもいつか終止符が打たれちゃう」
唯「これで私達の物語は終わり。とっても感動的な最終回でした。ちゃんちゃん」
澪「……」
唯「でも、私の人生はそれで終わりじゃないよね?」
唯「そしたら私はその先、何を目標に生きていけばいいの?何もないと思う」
唯「そんなことになったらきっと私ね、憂や他のみんなに迷惑かけちゃうよ」
唯「そしてね、昔はよかったなぁ…なんておじいちゃんみたいな事言っちゃうと思うんだ」
唯「自分が自分で自分の人生をつまらなくしてる癖にね…」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 23:36:13.30 ID:LE1EDXWs0
唯「私、そんな人生嫌だ」
唯「周りが嫌いになって、自分をこんな風にした世界が嫌いになって、そこまで考えようとしなかった自分自身が嫌いになっちゃう」
唯「そうなったら、もう何もかも終わりだよ」
澪「人生の袋小路ってやつか」
唯「うん、自分に本当の意味で終わりが来ちゃったんだなぁって…そんな事思っちゃうだろうね」
澪「…それで?唯はそんな人生は嫌なんだろ?じゃあどうするべきだと思ったんだ?」
唯「うん」
唯「私、もっと自分と真剣に向き合ってみたい」
唯「自分が何のために生まれてきたのか、自分が誰の役に立つ事ができるのか、見つけてみたい」
唯「みんなのためだけじゃなくて、自分で自分を誇れる人間になりたい」
唯「私は、ずっと幸せでいたい…」
唯「…グスッ」
澪「…唯」
唯「…何?澪ちゃん?」
澪「……」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 23:37:34.51 ID:LE1EDXWs0
「…お前がこの穴から、外に出る時が来たみたいだな」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 23:45:28.66 ID:LE1EDXWs0
唯「もうすっかり日が暮れちゃったね~」
澪「そうだな。いつの間にか夕方になってたよ」
唯「時間ってせっかちだよね、もっとゆっくり流れてくれてもいいのに」
澪「まぁな、けど今の状況が、時間が有限である事を証明しているんだよ」
唯「そうだね~」
澪「……」
唯「……」
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「私って、これから何をすべきだと思う?」
澪「そうだな…」
澪「とりあえず、軽音部のみんなと一緒に新入生歓迎会の話し合いでもすればいいと思うぞ」
唯「そっかぁ、もう春の事考えなきゃいけないんだねぇ~」
澪「まぁ、そんなに焦らなくてもいいと思うけどな」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 23:55:16.27 ID:LE1EDXWs0 [23/23]
澪「なぁ唯」
唯「なぁに澪ちゃん?」
澪「人間ってさ、一人では生きていけないよな」
唯「うん」
澪「もし自分が本当に袋小路に止まってしまったと思ったら、私達に相談していいんだからな?」
唯「澪ちゃん?」
澪「お前の考えは正しい、だからってそんなに悲観的にならなくても大丈夫だ」
澪「悩むだけ悩んで、そればかりに時間を費やしてしまったらそれこそ本末転倒だ」
澪「自分じゃ解決できないと思ったら、迷わずに私や律、梓やムギに相談しろ」
澪「人生の穴ってのは、今日の穴みたいに浅くないからな」
唯「…うん。分かったよ澪ちゃん」
唯「じゃあ澪ちゃんも悩んでしまったら、私に相談してよね!」
唯「私頑張っちゃうよ!」フンスッ
澪「ふふっ、ありがとう」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/29(月) 00:03:55.26 ID:WrB+sVWv0 [1/4]
律「あっ!お~いゆーいー!みーおー!」
唯「あっ!りっちゃんだ!」
梓「唯先輩!こんな時間まで何処に行ってたんですか!澪先輩まで一体どうしたんですか!?」
澪「あ、あぁ…ちょっとな」
唯「うん!ちょっとねぇ~」
紬「あらあら、唯ちゃん達自分探しの旅に出てたの?」
澪「ん…まぁそんな所かな?」
律「おいおい、それって学校や部活サボってまでやる事かよ…」
唯「あ、あはは~」
梓「もうっ、新入部員歓迎会も近いんですから、なるべく部活はサボらないで下さいよね?」
澪「ははっ、悪かったよ梓。もうサボったりしないって」
唯「あずにゃ~ん私がいなくて寂しかった~?」
梓「ち、ちょっと抱きつかないで下さい!」
紬「あらあらまぁまぁまぁ」
梓「にゃーっ!」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/29(月) 00:11:35.89 ID:WrB+sVWv0 [2/4]
律「よーしっ全員揃った事だし帰ろうぜ~」
澪「おい律、そんなにはしゃぐなよ。恥ずかしいだろ」
紬「ねぇみんな、せっかくだからこの後どこか寄っていかないかしら?」
唯「いいね~私お腹ペコペコだよ~」
梓「あっ、でしたらついでに楽器も見に行きませんか?私ギターの玄が錆びてきちゃって…」
澪「あぁいいぞ。時間もまだ余裕があるしな」
律「おっしゃあー!どんどん行くぞ~」
唯「ああっ!りっちゃん待ってよ~!」
澪「だからっ!はしゃぐなって言ってるだろがーっ!」
紬「あはは~」
梓「ちょっと唯先輩!?そっちは違う道ですよ!待ってくださいってばーっ!」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/29(月) 00:14:59.69 ID:WrB+sVWv0 [3/4]
「ねぇ澪ちゃん」
「何だ?」
「こんな楽しい事って、いつまで続くと思う?」
「さぁな。分からないよ」
「そうだよね」
「でも…」
「ん?」
「たとえ終わっても、私達が友達なのは変わりないよ。」
「…うんっ、そうだよね!」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/29(月) 00:18:14.79 ID:WrB+sVWv0 [4/4]
○←俺
く|)へ
〉 ヽ○ノ←澪
 ̄ ̄7 ヘ/
/ ノ
|
/ ヽ○ノ←唯
ヘ/
ノ
┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ
---------------
制作・著作 HTT
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「どうした?」
唯「どうやってこの穴から出るの?」
澪「えっ?出るの?」
唯「えっ?出ないの?」
澪「いや、しばらく落ちたままでもいいかなぁって…」
唯「…マジで?」
澪「駄目?」
唯「駄目じゃないけど…」
澪「じゃあいいじゃないか」
唯「うん、そうだね」
澪「……」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 20:35:18.67 ID:LE1EDXWs0
澪「しかしアレだな」
唯「アレって?」
澪「こうやって穴の中に入ってると落ち着くというか…」
唯「あっ、それ何となく分かる気がする」
澪「ほらアレだ、何かすごい力で守られてる感じが…」
唯「どんな感じ?」
澪「うーん…」
澪「お風呂に入ってる感じ?」
唯「…?」
澪「いや、違うなぁ…」
唯「感覚を言葉にするのって、難しいね~」
澪「うん…」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 20:39:41.85 ID:LE1EDXWs0
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「そろそろ寒くなってきたね」
澪「そうだな」
唯「周りは壁なのに、上から風が入ってきてるような気がするんだ」
澪「あぁ、私もそう思っていた所だ」
唯「それに何だか身体が土臭くなってきちゃったよ」
澪「早くお風呂に入りたいな」
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「早くこの穴から出ようよ」
澪「そうだな」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 20:46:56.27 ID:LE1EDXWs0
澪「しかしどうやってこの穴から出ようか…」
唯「うーん…」
澪「この穴、私達の背丈の4倍くらいの深さだぞ…」
唯「何で私達、そんな穴に落ちちゃったんだろうね」
澪「あぁ、それが最大の謎だ」
澪「なぁ唯」
唯「なに澪ちゃん?」
澪「私、まずは何故穴に入ってしまったのかを議論すべきだと思うんだ」
唯「何で?」
澪「千里の道も一歩から。何の当たり障りのない議論で活路が見出せる事だってある」
澪「この穴は、私達にそれをさせるためにあるのかもしれない」
唯「そっかぁ。そのためにこの穴はあるんだね」
唯「分かったよ澪ちゃん。私、何でこの穴に落ちちゃったのか真剣に考えてみる!」
澪「唯…」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 20:57:34.73 ID:LE1EDXWs0
――――――――――
澪「そう、だから私はごはんはおかずじゃないと思うんだ」
澪「だって考えてみろよ」
澪「炭水化物と炭水化物の夢のコラボレーションだぞ?」
澪「どう考えたって炭水化物じゃないか」
唯「そうだね、炭水化物は炭水化物以上でもそれ以下でもなく、ただの炭水化物に過ぎないんだよね」
澪「唯、その発想は間違ってるぞ」
唯「え?何で?」
澪「確かに炭水化物は炭水化物以上のものにはなれない」
澪「しかしその炭水化物を疎かにしたら、私達の生活はどうなってしまう?」
唯「あ…」
澪「分かったか?私達は炭水化物を過剰崇拝せず、尚且つ貶す事もしてはいけない」
澪「物にはそれぞれ役割があるんだ。歯車がどれか一つ欠けるとそれは稼動する事が出来なくなってしまう」
唯「ごめんね澪ちゃん、私大切な事を見失っていたよ」
澪「うん、分かってくれたならいいんだ」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 21:04:41.18 ID:LE1EDXWs0
唯「…ねぇ澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「色々議論したけど、結局この穴から出る方法が思いつかなかったね」
澪「…あぁ、これは由々しき事だ」
唯「落ち込まないで澪ちゃん。私達は少し無理をしすぎたんだよ…」
澪「そうだな、私達には少しハードルが高すぎたのかもしれない」
唯「うん、だから私達はもっと初歩的な段階から始めてみようよ」
澪「初歩的な段階?」
唯「うん」
唯「それはね、この穴から出る方法を考える事だよ」
澪「…盲点だった。そこに気が付く事ができるなんて…」
澪「唯、お前はもしかしたら天才なのかもしれないよ」
唯「そ、そうかなぁ。えへへ~」
澪「よし!この穴から出る方法を考えよう!」
唯「おー!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 21:17:42.18 ID:LE1EDXWs0
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「やっと地上と同じ高さまで立つことができたね」
澪「あぁ、穴の周りの土を土台にする事で、自分達を上昇させる事ができたんだよな」
唯「こんな事考えつくなんて、流石澪ちゃんだね」
澪「おだてても土しかないぞ」
唯「でも周りの土を使いすぎて穴自体が広がっちゃったね」
澪「その所為で私達は一歩も前に進む事が出来なくなってしまったな」
唯「いくら同じ高さまで登っても、周りが崖じゃ意味無いよね」
澪「あぁ、これじゃドーナツ島だ」
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「降りよっか」
澪「そうだな」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 21:30:40.52 ID:LE1EDXWs0
澪「さて、穴を元の状態に戻したわけだが…」
唯「疲れた~」
澪「また振り出しに戻らなきゃいけないのか…」
唯「澪ちゃん、少し休もう?あまり切り詰めても良いアイデアは浮かばないと思うよ」
澪「あぁ、唯の言う通りだ」
澪「時間はまだある。少しずつでいいから一歩ずつ進んでいこう」
唯「千里の道も一歩から、だね」
澪「あぁ、そうだ」
唯「私お弁当持ってきたんだ~。一緒に食べよう!」
澪「あぁ、貰おうかな…」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 21:40:38.22 ID:LE1EDXWs0
澪「ん…」
唯「どうしたの澪ちゃん?」
澪「もう昼か…」
唯「そうだね~」
澪「学校、完全に遅刻だな」
唯「たまにはこういう日もいいんじゃないかなぁ」
澪「うーん…いいのかなぁ?」
唯「うん、これでこそ高校生って感じだよ!」
澪「…うん、たまにはいいかもな」
澪「でも高校生が授業サボって穴に入るって中々奇妙な光景だよな」
唯「そうだね~」
澪「…何だか眠くなってきたなぁ」
唯「くー…」
澪「……」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 21:50:33.36 ID:LE1EDXWs0
唯「ねぇねぇ澪ちゃん!」
澪「ん…どうしたの、唯…」
唯「雨!」
澪「雨?」
唯「雨だよ!雨が降ってきたんだよ!」
澪「何だって!?」
唯「どどどどうしよう!このままじゃずぶ濡れだよ!」
澪「落ち着けよ、唯」
澪「ほら、私折りたたみ傘持ってきてるから…」
唯「う、うん…」
澪「はい、一緒に入れよ」
唯「澪ちゃん、ありがとう~」
唯「澪ちゃんのお陰で私命救われちゃたよ~」
澪「もう、大袈裟だな…」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 22:00:45.57 ID:LE1EDXWs0
唯「すごい降り様だね…」
澪「あぁ、多分夕立か何かだろう」
唯「夕立って、冬でもなるの?」
澪「ん…多分だけど、去年より温度が高いから降ってきたんじゃないかな?」
唯「地球温暖化?」
澪「あぁ、そういう事だ」
唯「そっかぁ…」
唯「私、エアコンとか苦手だから地球温暖化に手を貸してないよ」
澪「そうだな、唯はエコな人間だな」
唯「えへへ~」
澪「でもゴロゴロしてるだけでも地球温暖化の原因になるって知ってるか?」
唯「えっ?何で!?」
澪「ゴロゴロばかりしてると、デブになって酸素の供給量が多くなるからだ」
唯「私太らないもんっ!澪ちゃん酷い!」
澪「ふふふ…」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 22:15:19.31 ID:LE1EDXWs0
澪「…あ、雨止んだな」
唯「そうだね」
澪「幸い傘が穴と同じ範囲まで広がったから私達の足元は濡れなかったな」
唯「不幸中の幸いってやつだね」
澪「しかし困ったな…」
唯「?」
澪「ほら、水分が土に溜まってしまっただろ?」
澪「また雨が降ってきたら、土砂崩れみたいなことが起こるかもしれない」
唯「そ、そっか…そうなったら大変だね」
澪「そうならない内に早くココから出る方法を考えて出ないといけないな」
唯「うん、私頑張って考えるよ」
澪「頼むぞ。二人揃えば文殊の知恵だ」
唯「それって三人だよね」
澪「言葉の綾だよ」
唯「そっか」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 22:23:30.22 ID:LE1EDXWs0
澪「…ふぅ」
唯「疲れちゃった?」
澪「ん…ちょっとな」
唯「ねぇねぇ澪ちゃん」
澪「どうした?」
唯「澪ちゃんの傘をね、さっきみたいに広げてみてよ」
澪「えっ?何で?」
唯「いいからいいから~」
澪「ほら、広げたぞ。真っ暗で何も見えない…」
唯「ふふふ…じゃあいくよ~」
澪「…?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/28(日) 22:31:46.89 ID:LE1EDXWs0
ピカッ、ピカッ…パチパチ…
澪「…あっ」
唯「ほら、綺麗でしょ?」
澪「…うん」
唯「このキーホルダーね、お母さんがお土産に買ってきてくれたの」
唯「私眠れない時は布団に包まってこのキーホルダーをチカチカさせてるんだ~」
澪「…凄い。見ててとても落ち着く…」
唯「ほら、人間って火を見ると落ち着く習性があるでしょ?」
唯「だからこうやって光が入らないようにして、このキーホルダーが綺麗に見えるようにしたの」
澪「なるほど…そういう事だったか」
唯「どう?少し落ち着いた?」
澪「あぁ…凄く気がラクになったよ」
唯「ふふん、よかった~♪」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 22:51:07.43 ID:LE1EDXWs0
――――――――――――――
唯「澪ちゃん!虹!空に虹が架かってるよ!」
澪「あっ、本当だ…」
澪「さっきの夕立でできたんだろうなぁ」
唯「でも穴の中からだと少ししか見えないね」
澪「そうだな、でも私はこんな風景も好きだな」
澪「きっと私達が井の中の蛙だったら、虹はこんな風にしか見ることができないのかもしれない」
唯「それって、蛙がそれ以上外の世界を知ることが出来ないって事だよね」
澪「あぁ、私が蛙だったら、きっとまた違う見え方ができるのだろうな」
澪「そしてその光景も、今私が感じてる事とは全く異なっている筈だ」
唯「うん、そうかもしれないね…」
唯「でも澪ちゃん、それって悲しい事なのかな?」
澪「分からないな…私は人間だから」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 23:07:21.71 ID:LE1EDXWs0
唯「……」
澪「……」
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「ん、どうした?」
唯「私ね、高校卒業したらどうしようかってずっと考えてたんだ」
澪「大学には行かないのか?」
唯「ううん、そういう事じゃないの」
唯「私、みんなと同じ大学に行って、同じ事して、高校みたいな生活がずっと続けばいいと思ってたんだ」
澪「うん」
唯「でも、さっきの澪ちゃんの蛙の話を聞いて、ちょっと考えが変わっちゃったよ」
澪「どうしてだ?」
唯「私はみんなと一緒って事しか考えてなかった」
唯「でも、それはとっても頭が悪い考え方だったって思い知らされたよ」
澪「…興味があるな。話してみろよ」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 23:22:16.67 ID:LE1EDXWs0
唯「さっきまでの私の考えは、井の中の蛙」
唯「外の世界なんて見えてなくて、自分がしたいことだけにしか興味がなかった」
唯「でも、それって絶対長くは続かないよね?」
唯「話に終わりがあるように、そんな夢物語にもいつか終止符が打たれちゃう」
唯「これで私達の物語は終わり。とっても感動的な最終回でした。ちゃんちゃん」
澪「……」
唯「でも、私の人生はそれで終わりじゃないよね?」
唯「そしたら私はその先、何を目標に生きていけばいいの?何もないと思う」
唯「そんなことになったらきっと私ね、憂や他のみんなに迷惑かけちゃうよ」
唯「そしてね、昔はよかったなぁ…なんておじいちゃんみたいな事言っちゃうと思うんだ」
唯「自分が自分で自分の人生をつまらなくしてる癖にね…」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 23:36:13.30 ID:LE1EDXWs0
唯「私、そんな人生嫌だ」
唯「周りが嫌いになって、自分をこんな風にした世界が嫌いになって、そこまで考えようとしなかった自分自身が嫌いになっちゃう」
唯「そうなったら、もう何もかも終わりだよ」
澪「人生の袋小路ってやつか」
唯「うん、自分に本当の意味で終わりが来ちゃったんだなぁって…そんな事思っちゃうだろうね」
澪「…それで?唯はそんな人生は嫌なんだろ?じゃあどうするべきだと思ったんだ?」
唯「うん」
唯「私、もっと自分と真剣に向き合ってみたい」
唯「自分が何のために生まれてきたのか、自分が誰の役に立つ事ができるのか、見つけてみたい」
唯「みんなのためだけじゃなくて、自分で自分を誇れる人間になりたい」
唯「私は、ずっと幸せでいたい…」
唯「…グスッ」
澪「…唯」
唯「…何?澪ちゃん?」
澪「……」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 23:37:34.51 ID:LE1EDXWs0
「…お前がこの穴から、外に出る時が来たみたいだな」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 23:45:28.66 ID:LE1EDXWs0
唯「もうすっかり日が暮れちゃったね~」
澪「そうだな。いつの間にか夕方になってたよ」
唯「時間ってせっかちだよね、もっとゆっくり流れてくれてもいいのに」
澪「まぁな、けど今の状況が、時間が有限である事を証明しているんだよ」
唯「そうだね~」
澪「……」
唯「……」
唯「ねぇ澪ちゃん」
澪「何だ?」
唯「私って、これから何をすべきだと思う?」
澪「そうだな…」
澪「とりあえず、軽音部のみんなと一緒に新入生歓迎会の話し合いでもすればいいと思うぞ」
唯「そっかぁ、もう春の事考えなきゃいけないんだねぇ~」
澪「まぁ、そんなに焦らなくてもいいと思うけどな」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/28(日) 23:55:16.27 ID:LE1EDXWs0 [23/23]
澪「なぁ唯」
唯「なぁに澪ちゃん?」
澪「人間ってさ、一人では生きていけないよな」
唯「うん」
澪「もし自分が本当に袋小路に止まってしまったと思ったら、私達に相談していいんだからな?」
唯「澪ちゃん?」
澪「お前の考えは正しい、だからってそんなに悲観的にならなくても大丈夫だ」
澪「悩むだけ悩んで、そればかりに時間を費やしてしまったらそれこそ本末転倒だ」
澪「自分じゃ解決できないと思ったら、迷わずに私や律、梓やムギに相談しろ」
澪「人生の穴ってのは、今日の穴みたいに浅くないからな」
唯「…うん。分かったよ澪ちゃん」
唯「じゃあ澪ちゃんも悩んでしまったら、私に相談してよね!」
唯「私頑張っちゃうよ!」フンスッ
澪「ふふっ、ありがとう」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/29(月) 00:03:55.26 ID:WrB+sVWv0 [1/4]
律「あっ!お~いゆーいー!みーおー!」
唯「あっ!りっちゃんだ!」
梓「唯先輩!こんな時間まで何処に行ってたんですか!澪先輩まで一体どうしたんですか!?」
澪「あ、あぁ…ちょっとな」
唯「うん!ちょっとねぇ~」
紬「あらあら、唯ちゃん達自分探しの旅に出てたの?」
澪「ん…まぁそんな所かな?」
律「おいおい、それって学校や部活サボってまでやる事かよ…」
唯「あ、あはは~」
梓「もうっ、新入部員歓迎会も近いんですから、なるべく部活はサボらないで下さいよね?」
澪「ははっ、悪かったよ梓。もうサボったりしないって」
唯「あずにゃ~ん私がいなくて寂しかった~?」
梓「ち、ちょっと抱きつかないで下さい!」
紬「あらあらまぁまぁまぁ」
梓「にゃーっ!」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/29(月) 00:11:35.89 ID:WrB+sVWv0 [2/4]
律「よーしっ全員揃った事だし帰ろうぜ~」
澪「おい律、そんなにはしゃぐなよ。恥ずかしいだろ」
紬「ねぇみんな、せっかくだからこの後どこか寄っていかないかしら?」
唯「いいね~私お腹ペコペコだよ~」
梓「あっ、でしたらついでに楽器も見に行きませんか?私ギターの玄が錆びてきちゃって…」
澪「あぁいいぞ。時間もまだ余裕があるしな」
律「おっしゃあー!どんどん行くぞ~」
唯「ああっ!りっちゃん待ってよ~!」
澪「だからっ!はしゃぐなって言ってるだろがーっ!」
紬「あはは~」
梓「ちょっと唯先輩!?そっちは違う道ですよ!待ってくださいってばーっ!」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/29(月) 00:14:59.69 ID:WrB+sVWv0 [3/4]
「ねぇ澪ちゃん」
「何だ?」
「こんな楽しい事って、いつまで続くと思う?」
「さぁな。分からないよ」
「そうだよね」
「でも…」
「ん?」
「たとえ終わっても、私達が友達なのは変わりないよ。」
「…うんっ、そうだよね!」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/29(月) 00:18:14.79 ID:WrB+sVWv0 [4/4]
○←俺
く|)へ
〉 ヽ○ノ←澪
 ̄ ̄7 ヘ/
/ ノ
|
/ ヽ○ノ←唯
ヘ/
ノ
┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ
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制作・著作 HTT
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