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五条「俺が女の子しかいないけいおん部に勧誘された?」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 06:45:50.62 ID:4lfm2W2rO [1/32]
さわ子「田井中さん、前に貸した着ぐるみ、そろそろ返してくれない?」

澪「律、まだ返してなかったのか?」

律「あぁ、あれなら…」

――部室

律「新入部員の勧誘に使ったあと、物置に入れておいたんだ」

ガチャ

物置はさわ子がしばらく見ないうちに、多くの物が乱雑に置かれていた。

さわ子「…何これ?」

澪「…すみません」


関連
五条「ククク・・・ここが軽音部ですか」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 06:47:01.95 ID:4lfm2W2rO [2/32]
律「えっと、着ぐるみでしたたら…ほらここに!」

グラッ

律「…え?」

五条「ヘブンズタイム!!」

律が着ぐるみを引っ張った影響で、重なっていた荷物が音を立てて崩れた。
しかし間一髪、五条によって物置から運び出された律は、その難を逃れることができた。

律「あ、あれ…?って、五条君、いつの間に!?」

五条「ククク…」


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 06:57:47.67 ID:4lfm2W2rO
――――

澪「ということで、大掃除をします。」

唯&律「え~・・・」

五条「・・・」

けいおん部に入部して間もない五条にとって、この掃除は降って沸いた災難であった。
物置は先輩方の私物であふれていたが、入手したばかりの五条の私物などあるわけがない。

梓「でも、すごい量ですね」

律「なんだ~?このぬいぐるみの山は・・・」

唯「あ!!その大きいの200円で取れたんだよ~」

五条(おや・・・あれは)


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 07:05:33.02 ID:4lfm2W2rO
>>7
イナイレ見てないので詳しくはないのですが、オレでいいみたいです。

このSSでは五条さんの一人称は原則オレでいきます。
他のけいおん部員を呼ぶときはさん付けにします。これは学年が唯たち>梓>五条という設定だからです。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 07:14:51.59 ID:4lfm2W2rO
ぬいぐるみの山の中に、サッカーボールのぬいぐるみが置かれていた。

五条「・・・」

五条はつい先日、サッカーバトルへの未練を断ち切り、けいおん部のメインボーカルの座についたばかりであった。もう、未練はない。だがサッカーバトルを忘れ去ったわけでもない。

澪「・・・?」

――――

律「だいぶ片付いたな」

澪「しかし・・・私たちのじゃない私物もたくさんあるな」

唯「見てみて~・・・ババーン!」

律たちがムギのいれた紅茶を飲み一息ついていると、
唯が物置から大きなケースを運び出してきた。

律「うは!高そうなケース!!」

ガチャ

律「・・・ん?」

唯「ギターだ」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 07:22:39.30 ID:4lfm2W2rO
梓「・・・古いけど、結構良い物かも」

ガチャ

さわ子「あら、懐かしいわね・・・ここにあったのか~」

五条「・・・山中教諭」

梓「これ、先生のですか?けいおん部だったんですね」

さわ子「そうよ」

唯「私物はみんな持って帰ることになったので、はいさわちゃんも」

さわ子「えぇ~・・・か、かび臭っ!!」

さわ子「う、う~んもう弾く時間もないし、お店で売って部費の足しにしてちょうだい」

五条「ほう・・・」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 07:32:43.48 ID:4lfm2W2rO
五条「ククク・・・」

五条(スーパースキャン!!)

五条(・・・なるほど、これは面白い展開になりそうですね)

――――

五条「・・・」

日が沈み始め、空に青と橙が入り混じる中、
五条は発掘されたギターケースを抱えて歩いていた。
さわ子のギターを楽器店へ売りに行くためである。

ムギ「がんばれ~」

律「五条君ってじゃんけん弱いんだな」

五条「ククク・・・」

ムギ「五条君ご苦労様、そろそろ時間よ」

五条「そうですか・・・今度は負けませんよ」

律「返り討ちにしてくれよう」

メンバーがじゃんけんの手を出す寸前、五条の眼鏡の奥の瞳が光った。

五条(ククク・・・なるほど)


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 07:50:49.09 ID:4lfm2W2rO
――――楽器店

五条「ククク・・・まさか全敗するとは思いませんでした」

じゃんけんの勝敗の結果とは裏腹に、満足げな表情で五条が呟いた。

店員「それでは査定をさせていただきますので、しばらくお待ちください」

澪「・・・あれ、梓は?」

五条「・・・店内には見当たりませんね、オレが探してきましょう」

そう言って五条は楽器店を出たが、梓の姿はすぐに目に入った。
すぐ近くのペット屋で、水槽を見つめる梓の姿があった。

梓「・・・」

五条「亀・・・すっぽんですかね?」

梓「五条君・・・」

五条「・・・」


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 07:57:18.52 ID:4lfm2W2rO
五条は大きな水槽の中を漂う亀の甲羅を見つめていた。
サッカーボールのような六角形の模様・・・。
自分がけいおん部に入部したことは正しい選択だったのだろうか。
一時的な感情の高まりが判断を鈍らせたのではないか。

だが、どうしたってこの桜高で以前のようなサッカーバトルを味わうことはできない。
五条はただ、今いるけいおん部で時の流れを感じるより他ない。

唯「二人とも、何見てるの?」

梓「唯先輩」

唯「・・・!かわいいすっぽんだねぇ」

梓「これはすっぽんもどき、亀ですよ」

五条「ククク・・・そろそろ査定が終わるころでしょう。戻りますか」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 08:11:14.02 ID:4lfm2W2rO
>>17
先日、腹筋スレ乗っ取って書いたSSのことでしたら、
同一人物です。

五条「ククク・・・ここが軽音部ですか」
ttp://morikinoko.com/archives/51532242.html
(※SS森きのこ!さん、勝手にリンクしてすみません)

今回は、先日のSSの番外編になります。
先日はいろいろ飛ばしてしまったので、その合間合間の
五条さんを書きたいと思っていましたので。

時間的には入部~修学旅行までの話です。
今回も書き溜めがまったくないので、かなりスローぺースに
なりますが、よろしければお付き合いください。

※もし違うSSのことでしたらごめんなさい。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 08:24:33.46 ID:4lfm2W2rO
店員「お待たせ致しました。こちらのギターですが、50万円で買い取らせて頂きます」

一同「ご、50万円!?」

五条「ククク・・・」

律「何でそんな値段がつくんですか?もしかして、ムギに気を使って・・・」

店員「いえ、それは関係ありません」

店員「このモデルは、1960年代初めに生まれたギターでして、当初は材料や形が定まっておらず、様々な仕様のマイナーチェンジを繰り返しつつ、現在の形になったと言われています。」

五条「・・・オレたちが持ち込んだこのギターは、フィンガーボードにハカランダという今となっては貴重な木が使われており、これが高い値段となった一つの要因でしょう」

店員「・・・!」

五条「・・・残念なことに、このギターはテイルピースが交換されていて、フルオリジナルではないため少し値段が・・・」

店員「・・・そ、その通りです。お詳しいんですね」

律「五条君、このギターの価値知ってたのか」

五条「ククク・・・さすがに値段まではスキャンできませんでしたがね」


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 08:32:15.60 ID:4lfm2W2rO
――――バーガーショップ
律「肉厚っ!!」

唯「スペシャルバーガーだよ」

律「バーガーの話じゃねぇ」

梓「でも、いいんですかね・・・みんなで貰っちゃって」

律「仕方ないだろ?さわちゃんが部費にしろって言ったんだから」

梓「でも・・・」

律「ほれ!!6人で分けたら一人8万3千円」

梓「・・・私、欲しいエフェクターがあったんですよねぇ」

律「ほら、五条君、一人8万3千円だぞ~」

五条「ククク・・・オレは部長の判断にお任せしますよ」


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 09:03:05.46 ID:4lfm2W2rO
――その後、結局50万円はさわ子先生に没収され、
代わりに、部員で話し合って何かを一つだけ買ってもらえることとなった。

唯「・・・あずにゃんと五条君が?」

律「やっぱりもっと部員が欲しいんじゃないかなぁ」

ムギ「私もそう思ってた・・・」

澪「実は私も・・・」

律「う~ん・・・」

唯「・・・あ!いいこと思いついた!」


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 09:04:34.40 ID:4lfm2W2rO
――

梓「・・・」

五条「ククク・・・何ですかこれは」

唯「新入部員のとんちゃんだよ!」

ムギ「先生に頼んで買ってもらったの!!」

梓「へぇー・・・」

律「あれ、リアクション薄くね・・・?」

唯「だってあずにゃんと五条君がずっとこの亀を見つめていたから・・・」

五条「ククク・・・ハハハ・・・アーハッハッハ!!」

番外編1―完―


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 09:08:01.88 ID:4lfm2W2rO
これから私用があるので、かなり無理やりで意味不明な形ですが終わらせました。

夕方頃に用事終わる予定なので、残っていたら続きを書くつもりです。

では(´`)/

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:35:54.97 ID:4lfm2W2rO
お待たせしました。保守して下さった方、ありがとうございます。

ちょっと書き溜めて投稿したいので、18:00頃から再開したいと思います。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:02:04.32 ID:4lfm2W2rO
五条(・・・この雨はいつまで続くのでしょう)

大雨が降り続く休日、五条は切らしたパスタを買いに
外出していた。
唯たち3年生が修学旅行へ行っているが、この休日が明ければ
またけいおん部が賑やかになるだろう。

梓「あ、五条君」

五条「・・・おや、中野さん」

まさかこの雨の中、知り合いに会うとは思っていなかった。
梓は友人らしき人物と3人で近寄ってきた。

???「知り合い?」

梓「うん、けいおん部の後輩の五条君」

五条「ククク・・・五条勝です。お見知りおきを」

純「梓と同級生の鈴木純だよ、よろしく」

憂「同じく、平沢憂です。お姉ちゃんがお世話になってます」


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:06:24.36 ID:4lfm2W2rO
――スポーツランド北百田

梓「なんで、バッティングセンターなの?」

純「だって野球漫画だったから、やってみたくなったんだ」

純「うわ!・・・こんなの当たる訳ないよ~」

梓「あ、五条君やってみてよ。中学で運動やってたんでしょ?」

五条「・・・いえ、オレは」

五条は偶然出会った梓たちに誘われ、バッティングセンターへ
来ていた。

純「へぇ!お手本見せてよ、お手本!」

五条「・・・私がやっていたのはサッカーなのですが」


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:12:25.24 ID:4lfm2W2rO
五条は純から渋々バットを受け取ると、定位置で構えて
ピッチングマシンを見据えた。

バシュッ

五条「ククク・・・抜かせませんよ!」

五条はピッチングマシンから射出されたボールに渾身の蹴りを入れ、
「ホームラン」とかかれたゴールへシュートした。

純「す・・・すご」

五条「ククク・・・つい足が出てしまいました」

――――

純「でかっそれがホームラン賞?」

憂「うん」

大きな亀のぬいぐるみを持った憂と五条が戻ってきた。
ホームラン賞を取ったのは五条であったが、景品には興味が無く
付き添ってくれた憂にあげてしまった。

梓「でも、そんな大きいのどうするの?とんちゃんの10倍は・・・」

梓「あ・・・!」


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:20:10.29 ID:4lfm2W2rO
――――

とんちゃんの給餌を忘れていたことを思い出し、梓たちは桜高へと向かった。

入り口で鍵を受け取り部室へ向かい、とんちゃんに餌をあげると
梓はほっとした。

憂「よかった~。ちゃんと元気だね」

梓「ごめんね、とんちゃん」

五条「・・・!」

五条「ククク・・・」

用事も済み、特にやることもない一堂は部室で呆けていた。

純「そうだ、4人でセッションでもしようか?」

梓「え?」

純「この雨だし、結構大きい音出しても大丈夫なんじゃないかな」

梓「いいかも!純、ジャズ研に楽器置いてある?」

純「あるよ、行こう」


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:26:42.14 ID:4lfm2W2rO
純の提案でセッションをやることとなった4人は、けいおん部の部室を後にして
ジャズ研の部室へ向かおうとしていた。

五条「・・・すみません、部室に忘れ物をしてしまいました。」

憂「え?」

五条「すぐに向かいますので、先に行っていてください・・・」

梓「そう?わかった」

そう言うと梓たち3人はジャズ研の部室へと向かい、五条はけいおん部の部室へと戻った。

ガチャ

五条「ククク・・・出てきなさい」


42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:32:46.97 ID:4lfm2W2rO
???「・・・気づかれていたのか」

五条の声に応じて、部室の物置から男が現れた。
その手には部室の備品と手提げ金庫が握られている。

男「怪我をしたくなかったらそこをどきな」

五条「ククク・・・オレはけいおん部ボーカルの五条勝、しかし今この一時は
けいおん部のディフェンスです。オマエが扉というゴールへたどり着くには
オレを実力で抜くより他ありません」

男「何わけわかんねーこと言ってんだ」

五条「ヘブンズタイム!!」

五条の叫びとともに、五条の周囲の時間が静止した。

五条「一般の方を相手に度が過ぎるかもしれませんが・・・」

五条「すぐに向かうと約束してしまいましたのでね・・・ククク、ご容赦ください!」

そういうと五条は男へ近寄り、強烈な蹴りの構えを見せた。
その瞬間、男の表情が邪悪な笑みへと変化した。

五条「・・・ヘェア!」


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:36:52.77 ID:4lfm2W2rO
>>43
男のモデルはけいおんのモデルになった豊郷小学校で
ギターや手提げ金庫等を窃盗した窃盗犯です。

マニアックでごめんよ(´`)

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:38:21.46 ID:4lfm2W2rO
ガスッ!

意表を突かれた五条は男から繰り出された右手をもろに食らい、吹き飛んだ。

男「ハハハ、頼まれても容赦はしないぜ」

五条「ククク・・・面白い、オレの『ヘブンズタイム』に入門してくる者がいるとは」

男「ヘブンズタイム・・・あぁ、これのことか」

男はそう言うと、分厚い書物を取り出して見せた。
タイトルには「Heaven's Time」と書かれている。

五条「・・・それは秘伝書。ククク・・・オマエ、それをどこで手に入れたのですか」

男「てめーには関係ねぇだろうがよおおぉ」

五条「プロキオンネット!」

男が五条を追撃しようと迫った刹那、五条の前方に三角形のネットが出現し、
男を弾き飛ばした。

男「ぐわっ」

五条「ククク・・・そう簡単にこのラインは抜かせませんよ」


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:44:35.18 ID:4lfm2W2rO
憂「五条君、遅いね」

梓「何かあったのかな・・・」

純「トイレでも行ってるんじゃない?すぐ始められるように楽器準備しておこう?」

梓「そうだね」

――――

五条「ククク・・・あなた面白いですよ、ディモールト面白い!!」

男「喋ってねぇで避けねぇと、心臓に穴が開いちまうぞおぉ!!」

男はナイフを持っていた。それだけではない。五条がぶんしんフェイントを
発動しても、スーパースキャンで見破ってくる。秘伝書を所持していたことを
考えると、どのような技が来てもおかしくはない。

男「もらった!」

ザシュッ


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:54:26.48 ID:4lfm2W2rO
男のナイフが五条に降りかかったが、いつの間にか手にしていたとんちゃんの
餌袋で受け止めた。五条の足元にとんちゃんの餌が散らばる。

男「なに!?」

五条「ククク・・・」

その隙を突き、五条の蹴りが男の腹へと入った。男はついに倒れこみ、
動かなくなってしまった。

五条「・・・」

五条「ククク・・・ひょっとするとオマエ、気絶した振りをしていますね」

男「・・・」


52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:06:12.22 ID:4lfm2W2rO
五条「そしてオマエは考えている・・・オレがそこまで行くより早く、
後数センチ体を動かすことができれば、オマエの手の先に落ちたナイフをオレに
投げることができる・・・と」

男「・・・」

五条「確かに・・・オレの眼鏡のフレームにはオマエから受けたダメージが
残っています・・・左靴紐が解け、右靴底に2センチのヒビが入っています・・・
そこまで素早く近づいて行けるか怪しいでしょう」

五条「だがオレの上履きはスパイク仕様・・・射程1メートルまで近づけば
確実にトドメを刺すことができます。」

男「・・・」

五条「そのままじっとしていれば・・・戦闘不能にはなって頂きますが、
何もしないと約束致しましょう」

五条「ひとつの選択肢です・・・さあいかがされますか?近づきますよ、今からそこへ」

男「・・・」


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:16:23.93 ID:4lfm2W2rO
スッ

男「近づくんじゃねーぜ!!避けてみろ!!このマヌケがあぁぁ!!」

男「ウヘヘヘへこのアホがぁ!!しゃべってたのはオメーのドジだッ!」

男「おめーがペラペラやってる時間に、後ろ手でもう一本のナイフに手をかけて
いたのに気づかなかったようだなああぁぁ!!」

男「俺の勝利だ!くらえッ!!」

ドゴォッ!!


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:24:37.07 ID:4lfm2W2rO
男「な・・・!」

轟音とともに、男の腹部にとんちゃんがシュートされていた。

五条「ククク・・・たしかに」

五条「しゃべったのは時間が欲しかったからです。とんがここまでやってくる時間が」

五条「餌袋を切らせたのはそのためです・・・。オマエが生きていようと死んでいようと
確実にトドメを刺すために・・・」

男「さっき・・・じっとしていれば、何もしないって・・・言ったくせに」

五条「自分を知りなさい・・・そんなオイシイ話があるとお思いですか・・・?
オマエの様な人間に」

男「なんてひどい野・・・」

五条「シグマゾーン!!」

ザシュッ


55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:26:26.62 ID:4lfm2W2rO [30/32]
五条「お待たせしました・・・」

純「お、来た来た。五条君はボーカルで良いんだよね」

五条「ククク・・・ええ」

梓「それじゃあ・・・1、2」

――To Be Continued

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 00:23:32.98 ID:9XTOWJy2O [2/8]
憂「大きい~!」

五条「ククク・・・オレの家の家庭菜園で取れたものです」

夏休み、五条と梓は、五条家の庭で取れたスイカを土産に
平沢家を訪れていた。

憂「ありがとう」

梓「唯先輩は?」

憂「図書館から帰ってきてお昼ご飯食べた後、また勉強中」

~♪

梓「・・・やってない」

憂「あれ?休憩中かな・・・じゃあ、スイカ持って行ってあげよう」


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 00:27:16.33 ID:9XTOWJy2O [3/8]
梓「え?このまま?」

半分に切られたスイカが盆に載せられ、それを見た梓が驚いた。

憂「お姉ちゃーん、五条君がスイカ持って来てくれたよ!ここ置いておくね」

~♪

五条「・・・おや、曲調が変わりましたね」

憂「お姉ちゃん、喜んでるみたい」

梓「あ、お昼天ぷらだったんだ」

五条(スイカ・・・天ぷら・・・?)

五条「危ない・・・!」

憂「五条君?」


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 00:30:22.49 ID:9XTOWJy2O [4/8]
・・・♪

五条(曲調が・・・やむを得ませんね)

五条「扉をぶち破ります・・・キラースライド!!」

ドカッ

五条「・・・ヘェア!」

五条のキラースライドは不発し、唯の部屋の扉へと叩きつけられてしまった。

憂「・・・きてー、起きてー五条君。出かけるよ」

五条「・・・!」

五条「・・・夢、ですか」


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 00:34:59.60 ID:9XTOWJy2O [5/8]
五条「おや・・・あれは秋山さん」

五条、梓、憂の3人は、ホラー映画鑑賞のため、映画館に来ていた。

五条(なるほど・・・秋山さんは弱点の克服のために一人で見に来たのですね)

五条(・・・なかなかにえげつないシーンに突入していますが、微動だにしないとは)

五条(・・・)

五条「・・・!」

五条「・・・息をしていない!?」

???「シャアアアァァァ!!」

梓「な、何あれ!?」

梓の視線の先には、映画のスクリーンから飛び出した怪物の存在があった。

五条「プロキオンネット!」


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 00:37:29.39 ID:9XTOWJy2O [6/8]
五条「・・・!」

五条の叫び声は虚しく響くだけで、何も起こらなかった。

五条「以前の泥棒といい・・・これも能力者の仕業だというのですか・・・?」

成す術のない五条に、怪物が襲い掛かる。

五条「ククク・・・無念」

梓「・・・たよ、着いたよ五条君」

五条「・・・!」

五条「・・・夢、ですか」


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 00:42:06.08 ID:9XTOWJy2O [7/8]
純「お腹空いた~」

憂「そろそろ五条君と合流してお昼にしようか」

五条、梓、憂、純の4人は、避暑のため民営のプール場へ遊びに来ていた。
五条は日課の筋肉トレーニングをするため、
プール場内では梓たちと離れ別行動を取っていた。

五条「ククク・・・この高さでの懸垂も悪くないですね」

五条は一人、場内で一番高いウォータースライダーの出発点に立っていた。

律「滑るなら・・・ほい!」

五条「・・・部長?こんなところで何をされているのですか?」

いつの間にか後ろに立っていた律は、手をまっすぐに伸ばして焼きそばを
五条に差し出している。

律「この夏流行の焼きそばスライダーだ!」

律「ほら、ああやって滑るん・・・グホァ!!」

律がすべてを言い終える前に、五条が律をシュートしていた。


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 00:47:14.08 ID:9XTOWJy2O [8/8]
律「・・・ほう、よく気づいたな!だがもう遅い」

律の声と姿が変わり、緑色の鶏のような異形が現れた。

鶏「貴様は我が『ゴーストロック』の術中に落ちている!この夢の中で『能力』を使えるのは私だけだ!」

鶏「あの小娘共に何度か術を解かれてしまったが・・・今回は全員術にかけた!もう貴様を起こす者はいない!」

五条「ククク・・・オマエも秘伝書によって能力を得た者なのですか?」

鶏「それを聞く必要があるのか?死に行く者に!」

鶏「行け!!皇帝ペンギンX!!」

鶏の合図とともに、ウォータースライダーからペンギンの群れが飛び出し、五条を襲う。

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 00:54:39.50 ID:9XTOWJy2O
五条「エターナルブリザード!!」

鶏「無駄だって言ってんだろ!!」

ペンギンの跳躍により跳ねた水が、氷の刃となってペンギンたちを貫いた。

鶏「なに!?バカな!!」

五条「ククク・・・持ち込んだのですよ、夢の中に」

そう言うと五条は、「Eternal Blizzard」と書かれた分厚い書物を海水パンツから取り出した。

五条「さぁ教えて頂きましょうか。秘伝書をどこで手に入れたのかを」

鶏「・・・高校デビューで順風満帆に人生送れてると思ったら間違いだぜ。貴様に恨みを持つ人間がいるということだ」

五条「・・・身に覚えがありません」

鶏「安心しな!代わりにこの俺様が順風満帆な人生を謳歌してやるからよお!!」

パラッ

五条「おやこれは・・・?」

鶏「しまった・・・」

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 01:02:01.63 ID:9XTOWJy2O
鶏の懐から、一枚のプリクラが舞い落ちた。そこには、「ゆい るい」という文字と、
唯と知らない男が映っていた。

五条「ククク・・・これは、合成ですね」

鶏「う、うるせーぞ!!それ見ていい気になってんじゃねぇ!」

鶏「皇帝ペンギンX、食らい尽くせ!!」

五条がとっさに身構える。

鶏「おっと!もう貴様の周りに水は残ってねぇぜ!!大人しくハラワタをぶちまけな!!」

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 01:07:34.87 ID:9XTOWJy2O
五条「ワームホール!!」

五条に襲い掛かるペンギンが突如歪んだ空間に飲み込まれ、消えていく。

鶏「なんだと・・・秘伝書はひとつしか持ち込んでいなかったはず!!」

五条「ククク・・・この秘伝書は一冊、しかしこうして裏から読むことで、別の解読が可能なのです」

五条「・・・そして、ハラワタをぶちまけるのはオマエだったようですね」

鶏が周囲をキョロキョロと見回していると、突如鶏の周囲の空間が歪み、現れたペンギンによって鶏が肉塊へと変えられていった。

鶏「ぐわああぁぁ!!」

五条「・・・夢を見ることは楽しいですが、他人を傷つける夢を通すわけにはいきませんね、ククク」

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/25(木) 01:11:14.07 ID:9XTOWJy2O
――――

唯「あ、お昼の残りだ!!モグモグ」

夜、花火大会から帰宅した唯は、テーブルに置かれていた天ぷらを口にした。

憂「も~、花火大会でカキ氷食べたばかりでしょ」

唯「あれ、五条君から葉書が来てる」

唯「なになに、『残暑お見舞い申し上げます。天ぷらとカキ氷は食べ合わせが悪いので
ご注意を、ククク・・・。』」

唯「・・・」

唯「ど、どうしよ~・・・」

――To Be Continued

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