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冬月「今なら俺も初号機に乗れそうな気がする」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:01:16.73 ID:MgrxdnnH0 [1/46]
ミサト「ごめーん!お待たせ!」

シンジ「……」

ミサト「乗って!早く!!」

シンジ「はあ」

ミサト「飛ばすわよ!しっかりシートベルト締めて!」

シンジ「……」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:01:58.18 ID:MgrxdnnH0 [2/46]
ミサト「碇シンジくんよね?」

シンジ「はあ」

ミサト「手紙にも書いたから知ってると思うけど、私は葛城ミサト。よろしくね」

シンジ「はあ、よろしく」

ミサト「……」

シンジ「……」

ミサト「随分落ち着いてるのね。
    戦闘機が飛び交う中、目の前には怪獣がいるっていうのに」

シンジ「はあ」

ミサト「…あの怪獣が何なのかとか気にならないワケ?」

シンジ「はあ」

ミサト「…っ!
   (ムキー!何なのよこの子は!無愛想にも程があるわ!
    まるでレイの男版ね、やりにくいったらありゃしない!)

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:04:36.85 ID:MgrxdnnH0
・・・・・・<ネルフ本部>・・・・・・


ミサト「おっかしいわねー、たしかこの道のはずよねぇ…」

シンジ「……」

ミサト「ごめんねー、まだ慣れてなくって」

シンジ「はあ」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:06:19.94 ID:MgrxdnnH0


ミサト「あ、あらリツ子」

リツ子「何やってたの葛城一尉、人手もなければ時間もないのよ」

ミサト「ごめ~ん」

リツ子「…例の男の子ね」

ミサト「そ、マルドゥックの報告書による、サードチルドレン」

リツ子「よろしくね」

シンジ「はあ、よろしく」

ミサト「(ゴニョゴニョ)これまた父親そっくりなのよ、可愛げのないところとかね!」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:10:02.17 ID:MgrxdnnH0
・・・・・・<発令所・司令席>・・・・・・

コウゾウ「碇。シンジくんが到着したようだぞ」

ゲンドウ「…ああ。冬月、後は頼む」

コウゾウ「今度はもう少しうまくやれよ」

ゲンドウ「…ああ。わかっている」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:11:18.97 ID:MgrxdnnH0
・・・・・・<初号機格納庫>・・・・・・

リツ子「今、灯りをつけるわ」

ガシャン!

初号機「……」

シンジ「……」

リツ子「(え?ノーリアクション!?)」

シンジ「……」

リツ子「(何か訊きなさいよ!)」

シンジ「……」

リツ子「…あー、コホン。これはね、人の作り出した究極の汎用人型決戦兵器
    人造人間エヴァンゲリオン。その初号機よ。」

シンジ「はあ」

リツ子「……」

シンジ「……」

ゲンドウ「シンジ!」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:15:30.12 ID:MgrxdnnH0
シンジ「…父さん」

ゲンドウ「久しぶりだな」

シンジ「はあ、久しぶり」

ゲンドウ「今まですまなかったな」

シンジ「!?」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:20:04.19 ID:MgrxdnnH0
シンジ「……は?」

ゲンドウ「見ての通りパパは今までとても大事な仕事をやっていたのだ。
     そう、人類を救う大切な仕事だ!」

ミサト「(パパ!?)」

リツ子「(キモッ!)」

ゲンドウ「その為にお前にかまってやれなかったことは本当にすまないと思っている」

ドゴーン!!

ゲンドウ「ぬおっ!奴め、ここに気付いたか!
     頼むシンジ!このロボットに乗って戦ってくれないか?」

ミサト「しかし!レイでさえシンクロするのに7ヶ月もかかったのに…
    いま来たばかりのこの子にはとても無理です!」

リツ子「座っていればいいわ。それ以上は望みません」

ゲンドウ「シンジ。お前にしか出来んのだ、その理由も後で話す。
     今は時間が無い、頼む、乗ってくれ」

シンジ「はあ」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:25:30.08 ID:MgrxdnnH0



マヤ「エントリープラグ、注水」

シンジ「……」

リツ子「!!」

ミサト「なに驚いてるのリツ子?」

リツ子「LCLの説明はしていなかったのに…
    彼、なんの躊躇いもなくLCLを吸い込んだわ」

ミサト「…それってつまり?」

リツ子「わからないわ。でも、何かあるわね。
    使徒にもエヴァにも驚かなかったのにも何か関係があるのかもしれない」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:28:16.70 ID:MgrxdnnH0
「主電源接続」

「全回路、動力伝達」

リツ子「了解」

マヤ「第二次コンタクトに入ります。A10神経接続、異常なし」

リツ子「思考形態は日本語を基礎原則としてフィックス。初期コンタクト、すべて問題なし」

マヤ「双方向回線開きます。シンクロ率……え!?」

リツ子「どうしたの、シンクロ率は?」

マヤ「あ、す、すみません。シンクロ率、は、81.7%」

リツ子「なんですって!?」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:31:40.66 ID:MgrxdnnH0
コウゾウ「碇、これはもしや…」

ゲンドウ「ああ。間違いない。シンジも戻って来ている…
     …………しまった」

コウゾウ「どうした」

ゲンドウ「さっきパパとか言ったのが恥ずかしくなってきた」



ミサト「発進!!」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:34:03.28 ID:MgrxdnnH0
ミサト「シンジくん、今は歩くこ……シンジくん!?」

シゲル「初号機!目標に向かって全力疾走!」

ガキィーン!

ミサト「あ、あれは!?」

リツ子「使徒のATフィールド…!あれがある限り使徒には接触できな…」

シゲル「初号機もATフィールドを展開!位相空間を中和していきます!」

リツ子「なっ…!」

初号機「がおー!」

サキエル「うわー!」

ちゅどーん!

シゲル「も、目標消滅…」

ミサト「…い、一体何者なの、彼……」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:39:13.51 ID:MgrxdnnH0
コウゾウ「圧倒的だな」

ゲンドウ「ああ」

コウゾウ「まあ、第四使徒の光の鞭や、第五使徒の加粒子砲が一撃で致命傷だったのに対し
      あいつの攻撃は何発も打ち込んでようやく初号機の装甲を壊せる程度だったからな。
      初号機がその上ATフィールドを展開すれば手も足も出まい」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:40:56.86 ID:MgrxdnnH0



リツ子「…おつかれさまシンジくん」

シンジ「はあ」

リツ子「付いてきて。色々と検査しないといけないの。
    訊きたいことも山ほどあるわ」

シンジ「はあ…その前にシャワー浴びたいんですが。
    LCLでベトベトなので、出来れば替えの服も…」

リツ子「…シンジくん」

シンジ「はあ」

リツ子「どうしてその液体がLCLという名前だと知ってるの?」

シンジ「あ」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:44:25.16 ID:MgrxdnnH0
リツ子「…悪いけどシャワーは後にして。検査が先よ」

ゲンドウ「かまわん」

リツ子「司令!?」

ゲンドウ「シンジ、シャワーを浴びてこい。替えの服も用意させる」

シンジ「はあ」

リツ子「しかし…!」

ゲンドウ「かまわん」

リツ子「はい…
   (司令は既に知っているのね…シンジくんのこの得体の知れない"何か"の正体を…)」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:45:53.99 ID:MgrxdnnH0
・・・・・・<総司令官執務室>・・・・・・


コウゾウ「シンジくんは?」

ゲンドウ「着替えが終わったらここへ来るように伝えた」

コウゾウ「そうか」

ゲンドウ「……」

コウゾウ「…碇、お前もユイ君に会えたんだな?」

ゲンドウ「ああ」

コウゾウ「もういいのか?」

ゲンドウ「…人は思い出を忘れることで生きていける」

コウゾウ「これからどうするつもりだ?」

コンコン

ゲンドウ「シンジか、入れ」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:47:30.44 ID:MgrxdnnH0
シンジ「……」

ゲンドウ「率直に訊こう。お前もサードインパンクトが起こった世界から戻ってきたんだな?」

シンジ「…そう、父さんもなんだね」

ゲンドウ「ああ。ついでに冬月もだ」

コウゾウ「ついでとは何だ」

シンジ「そう…」

ゲンドウ「……」

シンジ「で、僕を殺すの?」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:49:57.19 ID:MgrxdnnH0
ゲンドウ「!? 何を言っている」

シンジ「父さんの補完計画を遂行するにおいて、色々知っている僕は邪魔なんでしょ」

ゲンドウ「…そのことだが

シンジ「殺すんなら早く殺してよ」

ゲンドウ「話をきけ。もう私に補完計画を遂行する意志はない。
     今は……お前の幸せだけを願っている」

シンジ「…………僕にトウジを…友達を殺させようとして、牢に放り込んで。
    もうエヴァに乗らないって言ったら…必要じゃなくなったら
    『もう会うこともあるまい』って言ってまた僕を捨てた父さんが?」

ゲンドウ「……」

シンジ「それに…僕が第12使徒に飲み込まれた時
    パイロットの生死は問わず初号機の救出が最優先って言ったんだってね」

ゲンドウ「……」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:51:57.94 ID:MgrxdnnH0
シンジ「そんな父さんが『僕の幸せを願っている』?ははは」

ゲンドウ「……本当にすまなかった」

シンジ「別に。どうでもいいよもう。話はそれだけ?」

コウゾウ「他に誰が戻ってきているのかはわからんかね?」

シンジ「わかりません」

コウゾウ「どうやって戻ってきたかは覚えてるかい?」

シンジ「覚えてません」

コウゾウ「…前の世界で覚えている君の最後の記憶は?」

シンジ「誰もいなくなった砂浜で寝てました。起きたら戻ってました。
    ミサトさんが迎えに来てくれるところまで」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:55:29.94 ID:MgrxdnnH0
コウゾウ「むう…」

シンジ「あの」

コウゾウ「ん?」

シンジ「もういいですか?」

コウゾウ「ああ、そうだな、すまなかった。
      使徒との戦闘で疲れているだろうに。また明日にしよう。
      聞きたいことは尽きない、今後のことについても話合いたい」

シンジ「……」

コウゾウ「そうだ、住居の方だが、葛城三…いや、今は一尉だったな。
      また同居するかね?」

シンジ「勘弁してください。一人でいいです」

コウゾウ「…そうか。とりあえず職員用の宿舎でいいかね?」

シンジ「どこでもいいです」

コウゾウ「わかった。今日はもう休んでくれ。
      また、明日の10:00(ヒトマル:マルマル)にここへ来てくれないか?」

シンジ「わかりました。失礼します」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 19:59:34.88 ID:MgrxdnnH0
コウゾウ「さっきの言葉は本当か碇」

ゲンドウ「なんのことだ」

コウゾウ「シンジくんの幸せだけを願っていると言ったことだ」

ゲンドウ「ああ。私の残りの人生は全てシンジのために捧げよう…
     …それで私の罪が清算されると考えているわけではないが」

コウゾウ「俺まで巻き込んでおいて今さら…勝手な奴だ」

ゲンドウ「…申し訳ありません」

コウゾウ「まあいい。お前がそう決めたのなら俺は何も言うまい。
     ここまで来たら最期まで付き合ってやる」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 20:00:15.99 ID:MgrxdnnH0
コウゾウ「しかし…今のシンジくんの状態は危険だぞ」

ゲンドウ「ああ。完全に自暴自棄になっている」

コウゾウ「わかっているなら何とかしろ。お前が。
     今もシンジくんと話していたのはほとんど俺じゃないか」

ゲンドウ「……」

コウゾウ「とにかくシンジくんのことはお前が何とかしろ。親なのだから。
     他にも考えなければたくさんあるのだぞ」

ゲンドウ「ああ、そうだな…」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 20:04:50.04 ID:MgrxdnnH0
コウゾウ「ゼーレに対してはまだ叛意を露にする必要はなかろう。
     以前のように従順に接するのが吉だな。とりあえずは」

ゲンドウ「ああ。さしあたっての問題は次の使徒か…
     ……次の使徒…どんな奴だったか」

コウゾウ「は?」

ゲンドウ「俺は留守だったからな。多分今回もそうなるだろうが」

コウゾウ「戦闘記録ぐらい見ただろう」

ゲンドウ「…覚えてない。冬月に任せる」

コウゾウ「また貴様は…戻って来てまで俺に仕事を押し付けるつもりか」

ゲンドウ「頼みますよ冬月先生」

コウゾウ「先生と言えば許されると思うな」

ゲンドウ「今回はシンジとのコミュニケーションに時間を割かねばならんのですよ」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 20:08:25.54 ID:MgrxdnnH0
ゲンドウ「使徒との戦いも、今回は相手の特性も来襲日時もわかっている。
     前回は何もわからずとも勝てたのだから問題なかろう」

コウゾウ「勝てたと言っても毎回綱渡り、紙一重の勝利だったではないか。
     それに"わかっている"のは我々だけだろう。
     作戦の立案も指揮も葛城君が行うのだぞ」

ゲンドウ「お前がやればいいではないか」

コウゾウ「出来るわけなかろう。作戦部は使徒が攻めてくる今まで仕事らしい仕事が無く
     ネルフの金食い虫だとか穀潰しとか言われて苦汁を飲んできたのだ。
     そのやっと来た仕事まで私が奪っては要らぬ反感を買うぞ」

ゲンドウ「お前が作戦部長を兼任して作戦部を使えばよい」

コウゾウ「葛城君を差し置いてか?彼女が納得すると思うか?
     使徒を倒すためにネルフに入ったのだぞ彼女は」

ゲンドウ「問題ない。彼女はクビにする」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 20:12:58.51 ID:MgrxdnnH0
コウゾウ「解雇にするならばそれなりの理由が必要だぞ」

ゲンドウ「理由などどうとでもなる。
     たとえば今日の使徒戦では何の役にも立っていなかった」

コウゾウ「それだけでは厳しいな」

ゲンドウ「今回は厳重注意に留めておく。『次はない』とな。
     そして次の使徒との戦いは葛城君の指揮に任せ、シンジにわざと苦戦してもらおう」

コウゾウ「そして解雇か…。だが彼女は野に下らせるには情報を持ちすぎているぞ。
     戦自あたりに売らんとも限らん」

ゲンドウ「解雇した後に事故に見せかけて始末すれば良い」

コウゾウ「そうだな」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 20:15:26.89 ID:MgrxdnnH0
コウゾウ「だがちょっと待て。シンジくんは悲しむぞ。
     シンジくんもお前なんかよりはよっぽど葛城君に心を許していたようだしな。
     シンジくんの幸せだけを考えるのではなかったか?」

ゲンドウ「先ほどのシンジの様子を見るにその心配はあるまい。
     何があったのかは知らんが、今はそれほど葛城君に執心していないようだ。
     仮にそうだったとしても、葛城君が死ぬのは事故なのだ。
     事故ばかりはどうしようもあるまい」

コウゾウ「事故なら仕方ないな」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 20:22:32.24 ID:MgrxdnnH0
ゲンドウ「そういえば赤木博士が何やら感づいていたな」

コウゾウ「我々が遡ってきたことを誰かに知られるのはまずいな。少なくとも今はまだ。
     ん、まずいのではないのかね?
     シンジくんはこの後、赤木博士に呼び出されていたようだが」

ゲンドウ「シンジとて遡ってここにいる。うまくやるさ」

コウゾウ「随分信頼しているんだな」

ゲンドウ「自慢の息子ですから」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 20:23:50.13 ID:MgrxdnnH0
コウゾウ「だが相手があの赤木博士では厳しいのではないか?」

ゲンドウ「問題ない。いざとなれば始末すればいい」

コウゾウ「馬鹿を言うな。赤木博士なくしてエヴァとMAGIの運用はならんぞ。
     それにダミープラグの…そうだ、ダミープラグはどうするんだ?」

ゲンドウ「開発は進めておくに越したことはない。
     例の計画がなくなった今、それほど重要性は無いがな」

コウゾウ「使う時は来るのか?前回はたしか第13使徒戦だったか」

ゲンドウ「あいつが戦いを拒んだから使うことになったがな
     例えば今回シンジが本気で戦ったとしても、勝てる保証はあるまい」

コウゾウ「確かにな。零号機も弐号機も一蹴した使徒だったからな」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 20:27:53.80 ID:MgrxdnnH0
・・・・・・<ネルフ内、とある廊下>・・・・・・


リツ子「待ってたわよシンジくん」

シンジ「……」

リツ子「お父さんとの3年ぶりの再会はどうだった?」

シンジ「はあ。別に」

リツ子「…そ。じゃあこれから色々検査があるから付き合って貰えるかしら」

シンジ「…今日はもう帰って休めと言われました」

リツ子「…検査が終わってから休んでちょうだい。
    エヴァに乗ったことであなたの体に何らかの異常が生じているかもしれないの」

シンジ「いえ、結構です」

リツ子「結構?勘違いしないでね、別にあなたの為だけに検査するわけじゃないの。
    これからもエヴァを運用していくのに必要な検査なの」

シンジ「お断りします」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 20:29:52.54 ID:MgrxdnnH0
リツ子「これは命令です」

シンジ「命令?僕はここの職員でもないから、あなたの部下でもありません」

リツ子「…何を言っているの?
    あなたは既にサードチルドレンとして任命されたの」

シンジ「はあ。任命するのは勝手ですが、受諾した覚えはありません」

リツ子「拒否権は認められないわ」

シンジ「はあ、そうですか。じゃあこちらも言い直します。
    僕は副司令に今日はもう帰って休めと"命令"されました」

リツ子「……」

シンジ「じゃあ失礼します」

リツ子「…ひとつだけ教えてくれるかしら
    どうしてLCLを知っていたの?」

シンジ「…司令か副司令に聞いてください。それじゃ」

リツ子「……」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 20:33:47.31 ID:MgrxdnnH0
・・・・・・<ネルフ内、とある病室>・・・・・・

レイ「……呼ばれなかった……何故……?
   前と違う……? …碇君。 ……碇君。
   …今度こそ碇君とひとつになるの…」


                               .第一話 ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                    d⌒) ./| _ノ  __ノ

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 22:22:14.07 ID:MgrxdnnH0
・・・・・・<ネルフ内、職員用休憩所>・・・・・・


ミサト「あらリツ子。シンジくんは?」

リツ子「帰ったわよ」

ミサト「はあ!?」

リツ子「副司令に帰れって言われたからですって」

ミサト「何よそれ!それでアンタほんとに帰しちゃったの!?」

リツ子「…ああ言われちゃ仕方ないわよ」

ミサト「ああって?」

リツ子「かくかくしかじか」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 22:30:12.33 ID:MgrxdnnH0
ミサト「はぁ!?なんなのよそれ!
    司令の子供だからって調子んのってんじゃないの!?
    ほんっとどこまでも可愛くないガキねー」

リツ子「(司令の息子だから…?
     違うわね…そんな理由じゃない…何を隠してるのかしら…
     あの子も…司令も……副司令もね…)」

ミサト「ってどうすんのよ、今日中に伝えないといけないことたくさんあるのに。
    機密の保持に関してや、今後の訓練のスケジュール云々や…」

リツ子「直接シンジくんの所に行ってみたら?」

ミサト「直接って…どこにいるのよ?まだ住居も決まってないんじゃないの?」

リツ子「そういえばそうね。私も知らないわ。
    その事もそうだし、色々聞かないといけないことがあるわね。
    これから司令の所へ行くけれど、あなたも付いてくる?」

ミサト「…そうね」

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 22:39:43.06 ID:MgrxdnnH0
・・・・・・<総司令官執務室>・・・・・・

コウゾウ「レイはどうする」

ゲンドウ「…レイ……」

コウゾウ「補完計画なき今、レイの必要性は零号機パイロットとしてのみだが…
       …そういえばシンジくんはレイのことをどこまで知っているのかな…」

ゲンドウ「…あれにも出来ることならば幸せになってもらいたい」

コウゾウ「本気か?レイに人並みの生活など望めんだろう。
       『幸せ』という概念があるかどうかもわからんものだ」

ゲンドウ「…いや、あれは最後に私よりもシンジを選んだ」

コウゾウ「…本当か」

ゲンドウ「ああ。レイにもきっと…

プルルルルル…
ガチャ

ゲンドウ「私だ……わかった、通せ」

コウゾウ「赤木博士か?」

ゲンドウ「ああ。葛城君も一緒だ」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 22:45:47.83 ID:MgrxdnnH0



リツ子「早速ですが、今後のシンジくんの処置についてお話したいのですが」

コウゾウ「ふむ」

リツ子「彼はサードチルドレンとして登録、まずこれはよろしいのですね?」

コウゾウ「……まだ本人に確認は取っておらんがな。
      あらかたは説明した。おそらく了承してくれるだろう」

リツ子「早めに了解を取っていただけると助かります。
    先ほど、彼に検査を要求したのですが『自分はここの職員ではない』と一蹴されましたから」

ミサト「この後の訓練スケジュールにも影響が出ます」

コウゾウ「まあ待て。彼は今日ここに来たばかりで
      いきなり見たことも聞いたこともないエヴァに乗せられ
      使徒と戦わせられたのだ。精神的に混乱しているのだ。
      いきなり迫っては了承してくれるものもしてくれなくなるぞ。
      焦らず、今は落ち着かせるのが先決だ」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 22:46:54.60 ID:MgrxdnnH0
ミサト「混乱しているようには見えませんでしたが」

ゲンドウ「…何が言いたい」

ミサト「彼はここへ来る前からエヴァのことを知っていたと存じます」

ゲンドウ「そのような事実はない」

ミサト「彼の今日の戦闘、あれが初めてエヴァに乗った者の動きでしょうか?」

ゲンドウ「その今日の戦闘で君は何をしていた」

ミサト「え?」

ゲンドウ「作戦部は何の為にある。ただ戦闘を傍観するのが作戦部長の仕事か」

ミサト「…も、申し訳ありません」

リツ子「(…話題をすりかえたわね…)」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 22:56:12.17 ID:MgrxdnnH0
リツ子「戦闘経験の有無はともかく、彼がLCLを知っていたのは事実です。
    説明も受けず肺に入れ、それがLCLという名であることも知っていました」

コウゾウ「む…」

リツ子「彼にそれを尋ねたところ、理由は副司令に聞いてくれと言われました」

コウゾウ「(っ…!なにぃ~、親子揃って俺に面倒を押し付けおって…!)」

リツ子「副司令」

コウゾウ「ん、あ~オホン、そう…初号機の最初の起動実験の日、シンジくんもその場にいたのだよ」

リツ子「!!」

コウゾウ「10年前とはいえ、目の前で母親の…

リツ子「副司令!」

コウゾウ「おっと、そうだな(ニヤリ)葛城一尉は下がりたまえ」

ミサト「…え?」

コウゾウ「ここからの話は技術部の管轄に属するA級機密事項だ。下がりたまえ」

ミサト「…わかりました。失礼します」

バタン

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 23:01:30.27 ID:MgrxdnnH0
コウゾウ「ま、そういうわけだからな。
     シンジくんがLCLを知っていても不思議ではないだろう」

リツ子「……。
    (そう言っても、10年前といえば彼は3歳…。覚えているというの?
     納得がいかないわね…やはり何か隠しているのね…)」

コウゾウ「君ももう下がりたまえ。
     サードチルドレンの今後に関してはこちらで進める」






ゲンドウ「危なかったな」

コウゾウ「ああ。やはり赤木博士は要注意だ」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 23:05:57.96 ID:MgrxdnnH0
<翌日>
コンコン

ゲンドウ「シンジか、入れ」

ガチャ

シンジ「……」

ゲンドウ「……」

シンジ「……」

ゲンドウ「……」

コウゾウ「(ゴニョゴニョ)おい碇!シンジくんとコミュニケーションをとるのではなかったのか」

ゲンドウ「……シンジ」

シンジ「はあ」

ゲンドウ「おはよう」

シンジ「え?ああ…お、おはよう…」

ゲンドウ「……」

シンジ「……」

コウゾウ「……」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 23:12:46.19 ID:MgrxdnnH0
コウゾウ「…シンジくん、まず最初に聞いておきたいんだが
     また初号機には乗ってくれるのか?」

シンジ「はあ。どっちでも…乗っても乗らなくても…どうでもいいですよ」

コウゾウ「…本当にすまない。君にはまた辛い目にあわせてしまう」

ゲンドウ「いいのかシンジ」

シンジ「死にたいとは思わないけど、別に死んだら死んだで構わないし」

ゲンドウ「シンジ!」

シンジ「…なに」

ゲンドウ「お前は死なない。 …私が守るから」

シンジ「……」

コウゾウ「……」

ゲンドウ「…………///(カァー)」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 23:18:19.06 ID:MgrxdnnH0
シンジ「でも条件があるんだ」

ゲンドウ「言ってみろ」

シンジ「ネルフには所属しない」

コウゾウ「!? どういう意味かね?」

シンジ「命令に従う義務が出来るのが嫌なんです。
    今さら訓練も実験も大した意味を為さないでしょう」

コウゾウ「むう、しかしそれは…組織としてまずいのだよ。
      他の者に示しが付かん」

シンジ「訓練や実験はともかく、戦闘中の作戦に従わなければいけないのが致命的です。
    ミサ…葛城さんの作戦に。
    葛城さんは遡ってきていないのだから…」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 23:20:39.51 ID:MgrxdnnH0
コウゾウ「ああ、その点は心配ない。作戦の指揮は私がとる」

シンジ「…葛城さんが大人しく降りるとは思えませんが…
    あの人は父親の…」

コウゾウ「知っていたのかね」

シンジ「…ええ」

コウゾウ「そうなのだ。今のままでは彼女を降ろすのは難しい。
      そこで一つ提案があるんだ。
      次の使徒戦だけは彼女の指揮に従ってくれないか」

シンジ「…………ああ、なるほど、わかりました」

コウゾウ「ん?わかってくれたのか」

シンジ「ええ、それで苦戦しているように見せればいいんですね」

コウゾウ「その通り、すまんね。だから、どうだろう?
     やはりサードチルドレンとしてネルフに籍を置いてくれないかね?
     訓練や実験も必要最低限に抑える。週2回でいい」

シンジ「わかりました。それなら構いません」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 23:24:19.75 ID:MgrxdnnH0
コウゾウ「それで、次の使徒は大丈夫そうかね」

シンジ「ええ。前回もあれが無ければ勝っていたはずですから」

コウゾウ「ああ、君のクラスメートだったな…
      今回はあんなことが無いようにシェルターの監視と警備を強化しておくよ。
      そうだ、クラスメートと言えば、シンジ君の転入手続きをまだ済ませていなかったな」

シンジ「結構です」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 23:26:51.71 ID:MgrxdnnH0 [44/46]
シンジ「全て一度聞いた授業ですから」

コウゾウ「むう、しかし授業だけが学校の全てではないだろう。
     将来のことも考えるとやはり学校には行った方がいい」

シンジ「将来?あんなことが起きるのに将来も何もないでしょう」

コウゾウ「…今回はああならないように最大限の努力をするつもりだ」

シンジ「そうですか。
    "将来"は全部終わったとき僕が生きてたら、その時に考えますよ」

コウゾウ「……本当にすまなかった」

ゲンドウ「……」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 23:30:36.47 ID:MgrxdnnH0 [45/46]
・・・・・・<ネルフ内、とある病室>・・・・・・

レイ「……今日は碇君が葛城一尉とお見舞いに来たはず……
   …来なかった…碇君……何故……?
   …用済み…?…私は用済み……」


                               .第二話 ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                    d⌒) ./| _ノ  __ノ

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 10:01:11.21 ID:flXomhkd0 [1/14]
ミサト「週二日ァ!?」

リツ子「そ。それがシンジくんがサードチルドレンになる為に出した条件」

ミサト「ふっっっざけんじゃないわよ!
    ドイツのアスカなんてもう10年も訓練してるのよ!
    昨日今日やってきたばかりのシンジくんなんていくら時間があっても足りないってのに!」

リツ子「私に怒鳴られてもどうしようもできないわ。
    副司令の決定よ」

ミサト「…ちょっち文句言ってやんないと気が済まないわコレ」

リツ子「およしなさいな。
    あなた、先の戦闘での失態を責められたばかりでしょう。
    シンジくんのことより自分のことを考えなさい。
    (何にせよシンジくんのことはあなたの手に余る問題だもの)」

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 10:02:22.99 ID:flXomhkd0 [2/14]
ミサト「だからこそよ!次の戦いで汚名返上しなきゃいけないのに!
    その為にはシンジくんの訓練は不可欠なのよ!」

リツ子「…とにかく、これは司令部の決定事項。上に言っても覆らないわ。
    そう、覆すならシンジくん自身の意思ね」

ミサト「! それよ!」

リツ子「でも、司令だってその辺は諭したでしょう、多分。
    お父さんの司令が言っても聞かなかったのに、あなたに説得できるかしら」

ミサト「まっかせんしゃい!」

リツ子「何かいい考えでもあるの?」

ミサト「ええ。ほら、司令ったらあの時自分のこと"パパ"とか言ってたじゃないプッ
    あの司令が自分の息子にあんな低姿勢で挑むとは思ってもみなかったわププ
    いや~、あの時は笑いをこらえるのが大変だったわよ、プププ」

リツ子「…で?」

ミサト「だーかーら!甘ったれてんのよあのガキは!
    あの子に足りないのは厳しさよ!ガツンと大人の威厳ってのを見せてやるわ!!」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 10:07:18.00 ID:flXomhkd0 [3/14]
・・・・・・<職員用居住区>・・・・・・

ミサト「え~っと…FブロックB107…………この部屋ね」

ピーンポーン

「……」

ミサト「シンジくーん、いるー?」

ピンポピンポーン

「……」

ミサト「葛城よー、開けてくれないかしらー?」

ピピピピンポピンポーン

「……」

ミサト「いるのは知ってるのよ、開けなさい!」

ピピピンポピンピピピンポーンピピンポーン

ミサト「シンジくん!開けなさい!」

…ガチャ

シンジ「…なんですか」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 10:11:49.18 ID:flXomhkd0 [4/14]
ミサト「どうして早く開けなかったの?」

シンジ「…寝てたんですけど。
    それよりピンポン連打はやめてください…近所迷惑です」

ミサト「だったら早く開けなさい!」

シンジ「だから寝てt…

ミサト「口ごたえするんじゃないの!」

シンジ「……は?」

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 10:15:32.12 ID:flXomhkd0 [5/14]
ミサト「私はあなたの上官なのよ。その辺をわかっているのかしら?
    中学生と言っても、ネルフに所属する以上そういったケジメは守ってもらうわ。
    司令の子供だからといって我儘は通らないわよ」

シンジ「…今は勤務時間外なんですけど」

ミサト「何言ってるの?今はまだお昼の2時よ」

シンジ「…ですから、今日は僕は出勤日ではないんです。
    僕の出勤は火・木の週二日って、聞いてませんか?」

ミサト「そんなの関係ないの!
    ネルフは超法規の特務機関!休日だろうが勤務時間外だろうが
    非常時には命令に従う義務があるの!わかる!?」

シンジ「今は非常時なんですか?」

ミサト「…っ!!」

シンジ「お帰りください」

バタン

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 10:24:10.18 ID:flXomhkd0 [6/14]
・・・・・・<リツ子研究室>・・・・・・

ミサト「あんのクソガキィ~~~~!!」

リツ子「…仕事の邪魔をするなら帰ってくれないかしら」

ミサト「何言っても聞く耳もたないのよ!

リツ子「わたし忙しいのだけれど」

ミサト「なんっでアンタはそんな冷静なのよ!」

リツ子「仕方ないでしょう。上が決めたことなんだから。
    とりあえず次の火曜はシンジくんのシンクロテストが入ってるし
    その時に色々と訊いてみるわよ」

ミサト「…シンクロ率80%だっけ?あれはどういうことなの?」

リツ子「だから今は何もわからないって言ってるでしょう。
    (聞く耳もたないのはミサトも同じね…)
    そうそう、シンジくんのスケジュールなんだけど
    火曜が実験、木曜が訓練になってるから」

ミサト「…ふふふ」

リツ子「なに?気味悪いわね」

ミサト「そう、訓練があるのよね…
    みっちりしごいてやるわあのクソガキ、血ヘド吐くまでやってやるわ!
    大人の怖さっていうのを教えてあげなきゃね…ふふふ」

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 10:31:09.64 ID:flXomhkd0 [7/14]
・・・・・・<火曜日>・・・・・・


マヤ「シンクロ率、82.1%で安定。ハーモニクス異常ありません」

リツ子「…大したものね。この前のはまぐれじゃなかったようね」

マヤ「すごいですね…」

リツ子「…わかってはいたけどね」

マヤ「え?」

リツ子「いえ、なんでもないわ…。
    シンジくん、聞こえる?あがっていいわよ」

シンジ「はあ」

リツ子「シャワー浴びて着替えたら私の研究室に来てちょうだい」

シンジ「はあ」

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 10:31:53.74 ID:flXomhkd0 [8/14]
・・・・・・<リツ子研究室>・・・・・・


リツ子「かけてちょうだい」

シンジ「はあ」

リツ子「そうね…訊きたいことはたくさんあるのだけれど
    何から訊こうかしら」

シンジ「……」

リツ子「この前の戦闘のことなんだけれど
    どうやってATフィールドを張ったの?」

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 10:34:32.23 ID:flXomhkd0 [9/14]
シンジ「…ATフィールド?」

リツ子「…使徒が使ってた光の防壁。あなたも使ってたでしょう」

シンジ「はあ、使ってましたか?わかりません」

リツ子「ATフィールドを破るには同じくATフィールドが必要なの。
    まさしく初号機が使徒のATフィールドを破ったとき
    初号機からもATフィールドの発生を確認したわ」

シンジ「はあ、そうなんですか。よくわかりません」

リツ子「…じゃあ使徒と戦っていた時に考えていたことを
    なるべく詳しく教えてくれる?」

シンジ「はあ、ただ助走をつけて力いっぱい殴ろうと。
    で、実際その通り殴りつけて。気付いたら勝ってました」

リツ子「そう。じゃあコアを狙ったのは何故?」

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 10:37:16.35 ID:flXomhkd0 [10/14]
シンジ「コア?」

リツ子「…使徒の胸にあった赤い玉よ。そこを殴ったでしょう」

シンジ「はあ、そうでしたっけ。別にどこに狙いをつけていたわけではありませんが。
    偶然そこにヒットしたんでしょう」

リツ子「コアは使徒の弱点なの。一撃で偶然そこを捉えたというのかしら?」

シンジ「…言いたいことがよくわかりませんが」

リツ子「率直に訊くわ。あなた何者?」

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 10:40:39.41 ID:flXomhkd0 [11/14]
シンジ「碇シンジです」

リツ子「そういうことじゃないわ。
    どうして使徒とエヴァを知っていたの?」

シンジ「いや、知りませんでしたけど」

リツ子「知りもしないエヴァをあんなに上手く乗りこなし
    知りもしない使徒の弱点を見抜き一撃で葬ったというわけ?」

シンジ「はあ、そうなんじゃないですか」

リツ子「…どうしても教える気はないみたいね」

シンジ「いやあ、知ってることは全て教えてるつもりですけど」

リツ子「…もう今日はこれでいいわ、下がってちょうだい」

シンジ「はあ、失礼します」

バタン

リツ子「……」

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 10:45:16.44 ID:flXomhkd0 [12/14]



ミサト「で?何かわかったわけ?」

リツ子「大した収穫はないわ。
    ただ、エヴァと使徒のことをここに来る前から知っていたのは確かのようね」

ミサト「どうやって」

リツ子「とことんしらばっくれてたわ。
    シンジくん自身の意思で言わないのか、司令に口止めされてるのか」

ミサト「文字通りの秘蔵っ子ってわけね。
    ま、いいわ。明後日は訓練の日、私の出番ね…ふふふ
    力ずくでも聞き出してやるわ、ふふ」

リツ子「何を考えているの、拷問でもするつもり?」

ミサト「なーに物騒なこと言ってんのよ、あくまで訓練よ、ク・ン・レ・ン♪
    ま、ちょーっちキツイかもしれないけど、人類の未来のためだから仕方ないわね!
    でも、知ってること話してくれたら訓練も少し優しくしてあげるか・も・ねってだけのことよん」

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/25(木) 10:49:37.47 ID:flXomhkd0 [13/14]
・・・・・・<ネルフ内、とある病室>・・・・・・

レイ「……明日で退院……碇君…一度も来なかった……
   ……何故……?碇君…何があったの……?
   …でも学校……学校に行けば会える…碇君……」


                               .第三話 ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                    d⌒) ./| _ノ  __ノ

139 名前: ◆kaWOrUavQE [] 投稿日:2010/11/25(木) 11:14:19.64 ID:flXomhkd0 [14/14]
・・・・・・<予告>・・・・・・

ミサト「お願いします!どうかもう一度機会を…

コウゾウ「ならん」

ミサト「…私は使徒を倒すためだけにこれまでの人生を捧げてきました。
    私から父と青春を奪った使徒に…」

コウゾウ「君のそういった事情は知っている。
      だからこそだ、君は感情的になりすぎる。指揮官には向いていない。
      第一なんだね『馬鹿、爆煙で敵が見えない』などと…
      その馬鹿な作戦を立てたのは誰かね」

ミサト「…お願いします、どうか…」

コウゾウ「ならん。君の私情のために職員や市民を無駄死にさせる気はない」

ミサト「…お願い…します…」

コウゾウ「本来ならば禁固…銃殺刑でもおかしくない。
      懲戒免職で済んだのはこれ以上ない温情処置だよ
      わかったら下がりたまえ」

ミサト「お願いします…何でもします…」

コウゾウ「…何でもと言ったな?…いいだろう、では…


                                                          ※第四話は未定です


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