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律「唯のテンションが下がらない」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 16:51:01.95 ID:rgtXhubyO [2/34]

 ある日の音楽準備室

唯「とおーい!!」ドバーン

澪律紬「っ!?」ビクッ

唯「おはようみんな! 言ってももう3時半だけどね!」

澪「ゆ、ゆい?」

唯「イェイ、澪ちゃーん!」ダキッ

澪「うわあぁあ!?」

 ワシッ

唯「うーん、やわらか……」モミシモミシ

澪「ちょ……っ!!」

 ドゴスン

唯「はぷすっ」

唯「いててぇ……えへへ」サスサス


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 16:54:10.06 ID:rgtXhubyO [3/34]

澪「……まったくぅ」

律「唯ー……なにしとんじゃい」

唯「りっちゃあん、澪ちゃんにぶたれた!」ヒシッ

律「だぁーっ、くっつくな!」

紬「今日の唯ちゃんは元気ねぇ」

律「元気すぎる!」グイグイ

唯「うおー、離すものかー!」ギュウー

律「あーもう……いいや」

唯「へへぇ」ムギュ

唯「ん? ……」クンクン

律「どこ嗅いでんだ」ペチン

唯「いい匂いするよ?」

律「しないわ!」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 16:57:18.73 ID:rgtXhubyO

紬「りっちゃん良い匂いするの?」ガタンッ

律「ええい、くーるーなー!」

紬「えぇー?」

澪「唯もいいかげん離れてやれ」ガシッ

唯「ぐっ……力では澪ちゃんには勝てないっ!」ズルズル

唯「ならば」ポフン

澪「……頭をうずめるな」

律「ふぅー。いやぁ、もうね……」

律「唯、どうした……?」

唯「極楽ぅ」

律「聞けよ」

唯「りっちゃん。今は、今だけを見つめていようよ」

律「……いや、いきなり決め台詞みたいなこと言われても」


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:00:13.61 ID:rgtXhubyO

律「というか! その今が問題で……」

唯「ムギちゃーん!」スルリ

 たたっ

律「……まぁいいか」

唯「ムギちゃん抱っこー」

紬「どんと来いです!」

唯「わーい!」ピョン

 ギュッ

澪「子供みたいだな」

律「うーむ……」

唯「えへへぇ、ムギちゃんもいい匂いー」

紬「そうかしら? 唯ちゃんもあったかいわよー」

唯「おほほほぉ」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:03:19.43 ID:rgtXhubyO

澪「……」

紬「うふふふふふ」グルグル

唯「あははははは」グルグル

律「……まわりだしたな」

澪「あぁ。まわってるな」

律「……」

澪「……」

 ぐるぐるぐる……

律「……」

澪「……まわってる」

律「……うん」

澪「……」

律「……」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:06:06.74 ID:rgtXhubyO

――――

律(そんなこんなで部活の終わる時間になりました)

律「さて、そろそろ帰るぞ」

唯「えーっ?」グルングルン

 グルン… ストッ

唯「もっと……わ、ととっ」

紬「ゆ、唯ちゃ」ガシッ

紬「ふわぁららら」フラフラ

 ドターン!

澪「目も当てられないな」

唯「うおおおおぉぉ……」ピクピク

紬「う……くぅ」

律「まったく。今更つっこむのもなんだけど……なーにやってんだよ」


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:09:20.25 ID:rgtXhubyO

律「ほれ、唯。しょってってやるから」

唯「ああう……すまないねぇ」ギュッ

律「澪はムギをしょってやれ」

澪「あぁ。ムギ、肩につかまれ」

紬「澪っぺさん……ありがとう」ギュ

澪「誰? ……よっこらせっと」

律「ほーら。カバンぐらいは自分で持て」

律(ギターはしょうがないよな。さすがにそこまで面倒みきれん)

唯「ギー太をおぉ」

律「……わ、わーったよ」

律(重てえええぇぇ)グギギ

澪「……」チラ

律「うおおおし、帰るぞおお……」


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:12:39.81 ID:rgtXhubyO

 下駄箱

紬「ありがとう澪ちゃん、もう大丈夫よ」

澪「あ、そうか?」

 スルッ スト

澪「そしたら私、ベースを取ってくるよ。少し待ってて」

律「はやくしろよー」

澪「ああ、急ぐよ」

紬「りっちゃん。ギター持つわよ」

律「おお、サンキュ。……唯」ユサ

唯「んお?」

律「唯はまだ歩けないか?」

唯「りっちゃんは……わたしをなめてるね」

律「じゃあもう降りろよ」


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:15:17.16 ID:rgtXhubyO

唯「あ」ストッ

唯「と、ちょ、はふんっ」バタリ

律「……」

紬「りっちゃん」

律「すまん……」グイ

唯「お世話をかけます、りっちゃん隊長……」ギュ

律「さて、と」

澪「ごめん、待たせたな」

律「いや。行こうか」

 テクテク…

澪「律、平気か?」

律「大丈夫大丈夫。いくらでも歩けそうだ」

澪「ならいいけど……」


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:18:10.75 ID:rgtXhubyO

 テクテク…

律「……」

 スンッ スンスン

律「……ん?」

唯「んー♪」スリスリ

律「……おい、唯」

唯「あのねぇ、りっちゃん」

律「……なんだよ?」

唯「ムギちゃんも澪ちゃんもいい匂いするけど……私はりっちゃんの匂いが一番好きだよ!」

澪「ぶふっ!」

紬「唯ちゃんてば……」

律(こんな道の真ん中でおぶさったまんま、よくこんな事言えるなぁ、こいつ)

唯「あれぇー、なにぃ? りっちゃん怒ってるの?」

律「別に」ムス


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:21:07.86 ID:rgtXhubyO

唯「んふふー」スリン

律「……」

 テクテク…

澪「律?」

律「へ?」

澪「そのまま唯を送ってくのか?」

律「ん? あ、もうここまで来たのか」

律「どうする、唯?」

紬「なんだったら、私がおぶっていってもいいけれど」

唯「りっちゃんの背中が良いの!」

紬「ふ……」

澪「すっかり懐かれたみたいだな」

律「言い方が拾った仔犬みたいだ」


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:24:16.03 ID:rgtXhubyO

律「ま、そういう訳で。しょうがないから送ることにするよ」

澪「わかった。また明日な」

律「じゃあな」

唯「ばいばい澪ちゃーん」

紬「またね、澪ちゃん」

 テクテク

律「……」ワシャ

律(ん? なんかうなじがやけに涼しい……)

唯「むふ……」ペロ

律「わっひゃあ!」

紬「りっちゃん!?」

唯「んんうっ……急に動かないでよ。もう」ベロベロ

律「こっ、ばかぁ! やめろって、ひひひゃ!」ゾゾッ


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:27:13.67 ID:rgtXhubyO

紬「な、なにしてるのりっちゃん?」

律「ゆ、ひゅいがっ!」

紬「……唯ちゃんを回してる時の私もこんな風に見えてたのかしら」

唯「……」チュチュッ

律「おい、むぎぃ……何この世の終わりみたいな顔してるんだよ」

紬「いいえ、何も。それでは私、ここから電車ですので」

律「懐かしいな。初めて会った日に戻ったようだよ」

唯「ムギちゃんばいばーい」

律「……ま、じゃあな」

紬「はい、さようなら」シュタタタ

律「……」

律「唯、そろそろ降りれば?」

唯「ふふ。やっと二人きりになれたね、りっちゃん」

律「あのなぁ」


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:30:17.06 ID:rgtXhubyO

律(会話が成立しないよーもういやだよー)テクテク

唯「りっちゃん、聞いてる~?」

律「……」

唯「……まむっ」

律「だぁっ! 耳! 噛むない!」

唯「おっ、りっちゃん耳弱い?」

律「ちがわい!」

唯「えりゃっ」カプ

 ザラッ ジュチッ

律「だー! だー! やめろぉ気持ち悪いっ!」

唯「気持ち悪くないもん、気持ちいいもんっ!」

律「ぞわぞわいってる、耳がぞわぞわいってるから!!」バタバタ


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:33:13.44 ID:rgtXhubyO

律「……ったあーもう! さっさと帰るぞ馬鹿!」スタスタ

唯「おー、いこー!」

律「おーおー」

律(くそ、耳がつめてえ)

律(思いっきりツバつけて舐めてるじゃんか……)

律(耳を拭いてくれ、と言っても今の唯が応じるわけがないしな)

律(なるたけ早く唯を家に届けるしかないか)

 スタスタ

唯「ねえねえ、りっちゃん」

律「……どした?」

唯「今日はうちに泊まってくんだよね?」

律「……」

律「うん?」


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:36:08.98 ID:rgtXhubyO

律「いつからそんな話に?」

唯「え?」

律「いや、だからえっと……私、普通に帰るけど」

唯「もー、りっちゃん付き合い悪いなぁ! こんな楽しいのに帰ろうだなんて」

律「お前が一人でぶっ飛んでるだけだ!」

唯「えー!? りっちゃんだってノッてくれたじゃん」

律「乗ったんじゃなくて反応したって言うの」

唯「反応した? 反応しちゃったんじゃないの?」

律「あのな」ゴチン

律(自重しないなーこいつ)

唯「へへへ……というわけで、泊まってくよねりっちゃん?」

律「ううん、泊まってかないよ?」

唯「What?」


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:39:11.59 ID:rgtXhubyO

律「Whatじゃねえよ。明日も学校あるんだし、泊まってくわけにもいかないだろ」

唯「いやでも、うち今日両親いないよ?」

律「お前の中で泊まっていい条件はそれだけか!」

唯「うん。逆にこの状況で泊まっちゃいけない理由ってある? ないよね!」

律「いや、だから明日学校で」

唯「私も明日学校だよ?」

唯「なぁ、りつ……一緒に死のう?」

律「似てないぞ」

唯「そこはお世辞でも似てる似てるーとか言わないと盛り上がんないでしょ、もー!」ハムッ

律「耳ぃ!」

唯「りっちゃん、覚悟しなさい! 私の家に泊まるんだよ!」

律「……わかったよ。夜更かししないならな」

律(家の前で適当に急用ができたふりでもすれば大丈夫だよな)


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:42:18.05 ID:rgtXhubyO

唯「りっちゃーん、りんり~ん」ツンツン

律(正直、今日の唯にはついていけない)

律(まぁ、ひと晩一人で放置しておけば元に戻るだろ)

 スタスタ…

律「うし、着いたぞ。降りなさい」

唯「はーい」ストッ

唯「さぁりっちゃん、入って入って」ガチャ

律「あぁ。ん、ちょっと待って」

唯「どしたの?」

律(携帯携帯っと)

律「母さんだ。どうしたんだろ」ポチッ

律「うん。……うん、えっ何?」

律「は……なに? なに言って……」


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:45:07.10 ID:rgtXhubyO

律「……わかった、すぐ行く。うん……じゃ」パタン

律「唯、スマン。急な用事が出来た」

唯「どうしたの?」

律「弟が事故に遭ったらしい。今病院に運ばれたそうだ」

唯「……大丈夫なの?」

律「分からない。今からそれを確かめに行く」

唯「……」

唯「そっか。弟さんならしょうがないね」

律「悪い。じゃーな」ダッ

唯「うん、バイバイ」

律(……案外あっさり解放してくれたな)タッタッ

律(きょうだいのことだからなぁ。唯にも身につまされるものがあるってことか)

律「……」ピタ

律(なんだ……胸騒ぎがする)


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:48:19.75 ID:rgtXhubyO

律「……そうだ、澪にも話を合わせてもらった方がいいか」

 カチカチ

 プルルルル…

澪『もしもし、律?』

律「おう澪。急に悪いな」

澪『どうしたんだ? 唯が犬でも追っかけて道路に飛び出してトラックに轢かれたか?』

律「うん、明日覚悟しとけよ。で、ちょっと澪に頼みたいことがあるんだけどさ」

澪『ごめん。なに、頼みたいこと?』

律「ああ。悪いんだけど、澪は今晩、私と一緒に病院にいたってことにしてくれないか?」

律「聡が事故に遭ったっていう設定で。実際は、ほんの軽傷な?」

澪『いいけど……なんでそんな事』

律「いやぁ……さ。唯が泊まってけってしつこくて」

律「明日も学校だし、何より唯はあの調子だろ。まともに寝れる気がしない」

澪『……』


38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:51:06.85 ID:rgtXhubyO

律「澪?」

澪『……律、おまえ……知ってるけどさ、知りながら訊くけど……馬鹿だろ?』

律「なっ! ほとんど一瞬で考えたんだぞ、これ!」

澪『筋書きのことじゃない。なんで唯の誘いを断るんだ』

律「なんで、って……だから言っただろ」

澪『はぁー……』

律「……」

澪『イケメンりっちゃんが聞いて呆れるな』

律「聞いたことねーぞ」

澪『律さ、律に放置されることで唯はどうするか、よく考えてみろよ』

律「どうって……一人でほっときゃ、勝手に落ち着くだろうけど」

澪『一人ならな。でも唯は違うだろ?』

律「はっ」

律「……憂ちゃん」


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:54:13.29 ID:rgtXhubyO

澪『今日の唯は、いつもと違った』

澪『どこがおかしかったかというと……誰彼構わずスキンシップを求めてきたあたりか』

律「……いつもより数段激しく、だよな」

澪『そう。だから……』

律「憂ちゃんが危ない!?」

澪『律、急ぐんだ! いま憂ちゃんを救えるのは律しかいない!』

澪『憂ちゃんはまだ中学生なんだ。唯の一時のノリで操を散らさすわけにはいかない!』

律「……!」

律「すまんっ、ありがとう澪!」

 パチンッ

律「すぐに戻らないと……」

律(もう少しだけ頑張れ、私の足腰……!)クルッ

 タッタッタッタッ…


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 17:57:12.71 ID:rgtXhubyO

――――

 平沢家 居間

唯「ぐ、ぐゅ、ぎーだがぁ……」エグエグ

憂「お、落ち着いてお姉ちゃん? 大丈夫だから、ね?」

唯「う、ふっ、う……ううぅぅ……」ギュー

憂「わっ、わっ」トサッ

唯「ギー太ぁあ!」

憂「憂だよお姉ちゃん!」

唯「あはぁ……へへ、やっと見つけたよギー太」

憂「憂だって言ってるんだけど」

 ガタンッ

憂「……あっ!? ちょっとまってお姉ちゃん、誰かが……」

唯「今日も頑張ろうね、ギー太……」

憂「誰か侵入してきてるんだってば!!」ジタバタ


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:00:19.47 ID:rgtXhubyO

 ガチャッ

律「ここか!」

憂「あっ」ピタ

唯「あれぇー、柔らかいねぇギー太……」フニフニ

律「……」

 ツカツカ

律「憂ちゃんから離れろ、唯!」

唯「あぁーあぁー……」ズルズル

憂「り、律さん。どうしたんですか?」

律「憂ちゃん、無事か?」

憂「無事って言うか……」

唯「ひ、ぐしゅ……」

律「……え、唯?」


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:03:27.29 ID:rgtXhubyO

律(なんで泣いてるんだ……?)

唯「……」

憂「律さ」

律「ごめん、憂ちゃん」

憂「……」

憂「では、おねがいします」クスッ

 スタスタ…

律「……唯。ごめんな」

唯「りっちゃん……どうして?」

律「どうしてって」

唯「弟くん、事故に遭ったんじゃないの……?」

律「あんなの……」

律「……そんなの、どうでもいいから」


48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:06:12.75 ID:rgtXhubyO

唯「どうでもいいって……」

律「ごめんな、唯。置いていって」

律(唯が泣いてたのは……私が帰っちまったからだよな)

律(そりゃそうだよ。唯だって、わざとでもなきゃあそこまで空気読めない行動しないって)

律(じゃあなんでわざとそんなことをしたか……それはきっと)

唯「ううん、いいんだよりっちゃん……」

律「……なぁ、唯」

唯「ぐす……なぁに?」

律「やっぱり今日、唯の家に泊まりたい」

唯「……えへへ」

律「良いか?」

唯「うんっ。泊まって泊まって!」ギュッ

律(……あったかい)ギュ


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:09:09.32 ID:rgtXhubyO

律「……」

唯「……」

唯「よ、よーし! 私の部屋いこっか!」

律「お、おう」

律(……しかし、まぁ)

律(唯は不安じゃないのか? 私たち、まだどっちも好きだなんて言ってないのに)

唯「りっちゃん?」

律「あぁ、行く、行くよ」

 トン トトン

唯「ありがとう、りっちゃんが来てくれて助かった」

律「ん……」

 トン トン

唯「とりあえず、晩ご飯まで遊ぼうよ!」ガチャ

律「……だな」


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:12:18.29 ID:rgtXhubyO

――――

 憂の部屋

憂「……」

 ドドッ ドタン ドスッ

律『やーめーろー!』

唯『シーツオバケだぞー!』

 バタバタ…

律『まーた抱きつく!』

律『……こらー!』

律『っひゃう!』

 ゴソ ゴソ…

憂「……よかった、元気になって」


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:15:10.21 ID:rgtXhubyO

――――

 22時 唯の部屋

唯「おぉ、おかえりりっちゃん」

律「ん、お風呂ありがとうよ」

唯「お気になさらず。……では」

律「……」サッ

唯「りっちゃん嗅がせてよ~」フラフラ

律「よせよ、追っかけっこはまた汗かくから」

唯「逃げなきゃいいじゃーん」

律「嗅ぐこともないだろ?」テクテク

唯「嗅がなきゃだめだよ。お風呂上がりのりっちゃんなんて」テクテク

律「いやな、シャンプーとかお前の家の使った訳だし、唯の匂いしかしないって」スタスタ

唯「そうかもしんないけど、嗅ぎたいじゃん」スタスタ


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:18:16.68 ID:rgtXhubyO

律「あのな……」スタスタ

唯「……」スタスタ

律「っ……」ドタドタ

唯「……」ドタドタ

律「無言で追っかけてくるな!」

唯「……ぬふふ」

律「おい、唯……もうやめようぜ、汗出てきた」

唯「……」ピタ

律「……サンキュ」

律「よっこらせ。……はーっ、暑い」パタパタ

唯「……」

律「……?」


57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:21:11.28 ID:rgtXhubyO

唯「りっちゃん、誘ってるの?」

律「……あの」

律(あんまり真剣な顔するなよ)フイッ

唯「……」

律(違うって答えなきゃ)

律「ちっ、違うわ! なんでそうなるんじゃい!」

唯「……だって今のりっちゃんエッチかったんだもん」

唯「そんなベッドに座っちゃってさぁ」

律「はっ……は、あのなぁ」

唯「ねぇりっちゃん、嗅いでいいよね?」

律「もう……いいけどさぁ」

唯「やったー!」ガバッ

律「ちょっ、ぷ!」


59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:24:14.45 ID:rgtXhubyO

 ギシィ

律(……やばいっ)

唯「んー」ギュー

 クン クンッ

律「まて、抱きつくなんて聞いてない……」

唯「え? いいじゃん別にぃ」

唯「何か駄目なことでもあるの?」

律「……」

唯「……」クンクン

律「無言はやめろって」

唯「……」スゥー

律「なぁ……」

唯「ふふっ。……」スゥー


61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/24(水) 18:27:25.47 ID:rgtXhubyO [34/34]

律(なにか言ってくれれば茶化せるのに)

律(雰囲気がどんどん静かになってるのを感じる……)

律(暑いな……汗かいてきちまった)

唯「お?」

律「……どうした」

唯「えへへ……」ギュ

 スン スン

律「……」

唯「ね、りっちゃん。いいよね」

律「……なにが?」

唯「りっちゃんを舐めたくなっちゃった。首のとこ」

唯「こんないい匂いしてるんだもん。ね? ね?」

律「……私は食い物か」

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 18:30:09.64 ID:rgtXhubyO

唯「大丈夫。噛んだりしないから」

唯「ちょっとペロっと舐めさせてください」

律「……あのさ、唯」

律「どうして今度は先にことわってくれるんだ?」

律「さっき、帰り道じゃ勝手に舐めてきたのにさ」

唯「……」

律「……」

 ペロ

律「……」

唯「……」ピチャ

律「……」

唯「ふぅ……」ペロペロ

律(……息が熱い)

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 18:33:12.52 ID:rgtXhubyO

律「……」

 レロレロ… プチュッ

唯「ん」ヂュッ

律「唯……なぁ」

唯「……」

 チュッ レロォ

律「……っ」

律(話を聞いてくれよ。私の話に応じてくれよ)

律(それだけじゃ……唯はよくても、私は満足できないんだ)

唯「……」ピチャ…

律「っはあ……」

律「……唯、」

唯「だめだよ、りっちゃん」

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 18:36:09.10 ID:rgtXhubyO

唯「言ったらだめになっちゃう」

律「……」

律「そうかも……しんないけどっ」

唯「……」ニコッ

律(だよな……)

律(私たちはただ、友達同士でふざけあってただけ)

律(そうしておくのが一番正しい……が)

唯「……りっちゃん。私が泣いてた理由、教えるね」

律「ん……?」

律「私が帰ったから……」

唯「しぃっ」

律「……」コク

唯「私が泣いてたのは、ギー太をムギちゃんに預けたままにしちゃってたから」

唯「ただそれだけ。それっきりなんだよ」

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/24(水) 18:39:22.44 ID:rgtXhubyO

律「……ふふっ」

唯「えへへ、勘違いだねりっちゃん。なのに超真剣な目で『ごめんな、唯』って」

律「はは……だな、おかしいや」

唯「面白いよね。……だから、この話を……明日みんなにもするね」

律「……もし、ウケなかったらどうする?」

唯「そしたら、ただ私たちはお泊りでテンションが上がってたんだって思おうよ」

律「うん……」

唯「でも、やっぱり楽しかったから……私たち二人だけのときに、面白かったねって話そう」

唯「楽しくない話をみんなにするのは、迷惑だから」

律「そうだな。……澪たちとも笑えたらいいけど、楽しかったら二人だけだっていい」

律「……だから唯。もっと、楽しい話にしような」

唯「……えへ」


  おわりちゃん

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