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美琴「……早く、命令しなさいよ」上条「お、おう……」

8 名前:OKぶらざーれっつごーだぜ[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:13:38.31 ID:GpzQxd+E0 [2/47]

美琴「今日こそ勝負よ、勝負!」

上条「お、み、御坂か……」

美琴「今日こそアンタに勝ってやるんだから、いいわね!」

上条「はぁ、分かったよ。断った所で追っかけてくるだけだしな」

美琴「わ、悪かったわね! こう、負けっぱなしじゃやってらんないのよ!」

上条「はいはい、じゃあどこでやるんだ? いつもの河原か?」

美琴「OK、じゃあ早速行くわよ!」

上条「お、おう……」

9 名前:OKぶらざーれっつごーだぜ[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:14:10.90 ID:GpzQxd+E0 [3/47]
――――――――
――――
――

美琴「はあああああっ!!」ビリビリ

上条「よ、っと!」パキューン

美琴「くっ、それなら……ッ!」ズオオオオッ

上条「へへ、そう来ると思ったぜ!」ダッ

美琴「あ、ふ、懐に!?」

上条「はい、勝負あり」ポン

美琴「あ、あー……。また、負けちゃった……」プシュルル

上条「いやいや、今日はちょっとヒヤヒヤしたぜ?」ナデナデ

美琴「う、うー/// で、でも負けは負けよ……」シュン

上条「はいはい」



11 名前:ていうか一瞬でカキコ集まって正直ビビた[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:14:50.56 ID:GpzQxd+E0

美琴「……で、さ。きょ、今日は……何?」

上条「ん? 何って?」

美琴「うぅ、わ、分かってる癖に……」

上条「あ、ああ、うん。アレな、アレ」

美琴「う、うん……」

上条「と、とりあえず場所、変えないか? その……俺の家、とか」

美琴「し、仕方ないわね……。そ、そういうルール、だもんね」

上条「……お、おう」

美琴「……な、何よぅ。いいから、行くわよ?」



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:15:40.05 ID:GpzQxd+E0

美琴「……で、さ。きょ、今日は……何?」

上条「ん? 何って?」

美琴「うぅ、わ、分かってる癖に……」

上条「あ、ああ、うん。アレな、アレ」

美琴「う、うん……」

上条「と、とりあえず場所、変えないか? その……俺の家、とか」

美琴「し、仕方ないわね……。そ、そういうルール、だもんね」

上条「……お、おう」

美琴「……な、何よぅ。いいから、行くわよ?」



16 名前:ミスったごめす[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:16:13.98 ID:GpzQxd+E0

 きっかけは、何気ないアイツの一言だった。

「その勝負受けて、俺に何のメリットがあるんだよ?」

「上条さんにも何らかの得がなきゃ、絶対受けねーぞ!」

 気が付けば、私はカッとなって言い返していた。

「なら、勝った方が負けた方に一回だけ命令出来るって事にするわ! これで満足でしょ!?」

 売り言葉に買い言葉とはこの事か。

 その言葉にアイツは「後悔しても知らねーぞ!」とヤケクソ気味に叫び返してきた。

 その日から、私の終わらない連敗記録が積み上がる事になる。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:17:55.28 ID:GpzQxd+E0

上条「……で、今日は何をやって貰おうか、な」

美琴「は、早く決めなさいよ。この私に出来ない事なんて無いんだから……ッ!」

上条「はいはい。とかいってこの前裸エプロンは嫌がったくせに」ボソ

美琴「……ッ! そ、それだって結局、ご、強引にやらされた、じゃない……!」

上条「だってそりゃあ、その……そういうルール、だし」

美琴「そ、そうよ……。そういうルールだから、私だって、恥ずかしくても……」グス

上条「だぁーっ! 悪かった悪かったって! でも裸Yシャツはあんなにノリノリだったのに、なんでエプロンだと駄目なんだ?」


※ちなみに裸Yシャツも裸エプも短パンは装備してた上、裸エプについては5秒だけ見せて終了という譲歩付きでした。上条さんマジ紳士!



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:18:26.52 ID:GpzQxd+E0

美琴「だっ、だって……! Yシャツはあああアンタの、におい、が……」

上条「ん? 何?」

美琴「な、なんとなくよ! なんとなく!」

上条「は、はぁ……なんとなく、ね」

美琴「そ、それより、早く決めなさいよ……今日の命令」

上条「あ、ああ、そうだな……。うん」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:18:59.75 ID:GpzQxd+E0
言っとくけど、書き溜めは序盤のみだ

あと、直接的なエロは無いのであきらメロン

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:19:44.35 ID:GpzQxd+E0

 はじめはジュースを買って来いだの、肩を揉め、だのと言った子供じみた物ばかりだった。

 それはそれで悔しかったが、次でリベンジする、と思えば我慢できた。


 それが、どうして――いつから、こんな事になったのだろう。


 短パンを脱いで一日過ごせと命令された時?

 膝枕してくれって命令された時?

 好きなだけ髪の毛触らせろって命令された時?


 僅かずつ。でも確実に寸刻みでエスカレートしていく命令に、気が付けば緩んでいる箍(たが)があっただけ。

 ルールだから、仕方ない。ルールだから、逆らえない。

 そんな言葉で自分を誤魔化しながら、私は少しずつアイツを受け入れていった。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:20:37.81 ID:GpzQxd+E0
上条「じゃ、じゃあさ……」

美琴「…………」ゴクリ

上条「そ、その……笑ったり、しないよな?」

美琴「す、するわけないじゃない。それも、命令の内、なんでしょ?」

上条「あ、ああ、そう……だ、な」

美琴「ああもうっ、何よさっきからはっきりしないわね! さっさと言ったらどうなの!?」ビリッ

上条「わ、分かったよ、分かったから放電すんな! 電化製品が壊れる!」

美琴「あ、う、ご、ごめん……。でも、アンタがさっさと言わないから……」

上条「…………か?」

美琴「う、え? 何て、言ったの……?」

上条「だ、だから……!」



上条「御坂のヘソ、舐めさせて……くれないか?」



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:21:28.00 ID:GpzQxd+E0

 上条はぶっちゃけこの罰ゲームを楽しんでいた。

 なんだかんだでお年頃の男の子だし、興味は尽きない。

 始めはたまにはビリビリ中学生とも遊んでやるか、位のノリだった。

 いざ罰ゲームで缶ジュースを買いに行かせたら、涙目になるほど悔しがりながら命令に従う美琴が妙に可愛らしく感じた。

 肩を揉ませてみたら思ったよりも優しい手付きで丁寧にマッサージをしてくれた。

 その手の感触が思ったより柔らかく、正直ドキドキした。


 なるほど少女のプライドは大したもので、した約束をヒネくれて解釈する事無く素直に応じる事で、上条にとって罰ゲーム以外の得の無い勝負を受けてくれる事に報いているつもりなのかもしれない。

 それならと上条も勝負の際は一切手心加える事無く、真剣に立ち向かい、少女に勝利し続けた。


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:22:08.09 ID:GpzQxd+E0

 罰ゲームでは、少女がどこまでそのプライドを貫き通すのかという疑問と、ちょっとした悪戯心で、色々と試してみた。

 少女の我慢強さは大したもので、悪態をつきながらもそれら全てに従った。


 当初は、本当に少女が嫌がるような事は、少女を傷付けるような事は一切しないと思っていた筈だ。

 ある時、少女に「一日ご主人様と呼べ」と命令してみた。

 顔中を真っ赤にして、汗をだらだら流しながら、少女が俯いて

「ご……ご主人、様……」

 涙を目の端に浮かべて上目遣いで言ってきた時、上条の中で何かが決壊した。

 次の罰ゲームから、少女は毎回羞恥心ばかり徹底的に攻められるようになる。



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:22:43.11 ID:GpzQxd+E0
>>27
良く分かったな畜生wwww

あ、ちょいと参考画像うpりたいんだけどどっかいいうpろだ無いスか

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:32:20.08 ID:GpzQxd+E0
とりあえず自力で見っけてみた
↓参考画像
http://up3.viploader.net/news/src/vlnews024408.jpg

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:33:09.27 ID:GpzQxd+E0

美琴「ほら……これで、いいんでしょ?」

上条「あ、ああ……」ゴクリ

美琴「さ、さっさと……済ませなさいよね。寒いんだから……」

上条「お、おう。行くぞ……」ペロ

美琴「……ひゃっ、く、くすぐった……!」

上条(ちょっとしょっぱい……でも、すべすべして、ふにっと柔らかく、て……)ツツー

美琴「や、な、んか……やらし……」ピクッ



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:33:42.37 ID:GpzQxd+E0

上条「御坂のここ……可愛いな」ペロ、ピチャ

美琴「な、何言ってんのよ、馬鹿……ひゃんッ!」

上条(ヘソのゴマ、ちょっと苦い。けど、なんかすげー興奮する……)ペロ…ペロ…チュ

美琴「……、……ふぅ、ぅンっ!」ピクン

上条(なんで、抵抗しないんだよ……止まれねぇじゃねぇか、馬鹿……)チュ、ピチュ、ペロ…

美琴「や、ぁん……ふぁぁ……んふぅ……」プルプル

上条(汗の臭いと……石鹸の臭いと……。御坂の、味……)ペロ、ピチャ、チュル…

美琴「んふっ、やだぁっ、舐め方、やらしい、よぉ……」ピクッ、ピクッ


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:34:58.08 ID:GpzQxd+E0
――――――――
――――
――


美琴「はぁっ、はぁっ、はぁっ……あ、アンタ、長過ぎ、よ……」グッタリ

上条「その……悪い、なんかつい」

美琴「い、いいわよ……これは罰ゲームなんだし。アンタの好きにすれば……」

上条「なんで……だよ」

美琴「え?」

上条「嫌なら……抵抗すればいいじゃねぇか」

美琴「…………」

上条「そうすりゃ、俺だって、止めて――」



41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:35:41.94 ID:GpzQxd+E0

美琴「ねぇ、アンタ」

上条「……なんだよ」

美琴「次は絶対絶対ぜーったい、負けないからね!」ビシッ

上条「は、はぁ?」

美琴「アンタは強いし、私の為に手加減もしてない。私だって勝つ為に全力を尽くしてる。そうよね?」

上条「あ、ああ……それは、なんとなく分かる」

美琴「自慢するようでアレだけど、この美琴センセーってば、アンタ以外にはほとんど負けなしなのよ? 知ってた?」

上条「いや、まあお前がそう簡単に負けるわけねーだろ」

美琴「その私をいとも簡単に連敗地獄に追い込むアンタは、やっぱ大したもんよね。ホント」

上条「……なんつーか、相性みたいなもんだろ」



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 21:36:18.30 ID:GpzQxd+E0

美琴「だとしても、よ。そんなアンタに、私は一回でいいから勝ってみたいの。そしてアンタはそんな私のわがままに付き合ってくれてる」

上条「……、だけど、俺はそんなお前に、こんな……!」

美琴「だから、おアイコだって言ってんのよ」

上条「…………そうか?」

美琴「他でもないこの私が言ってんの。アンタは余計な事考えないで負けた時の事考えてブルブル震えてなさい」

上条「……は、負けねぇよ。次も、その次も、この先ずっと」

美琴「あーっ、言ったわね? 今に見てなさい、絶対アンタに今までやられた分、ぜーんぶお返ししてやるんだから!」

上条「い、今までの……全部……ッ///」カァァ

美琴「ちょ、何アンタ変な想像してるのよ! そ、そういう意味じゃないってばぁ!///」ポカポカ

上条「あいた、いたたた! ぼ、暴力反対ッ!」



72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 22:01:33.91 ID:GpzQxd+E0

美琴「え、ゲーム?」

上条「そ。俺このゲーム好きなんだけど一緒に遊んでくれる奴いなくてさぁ……」

美琴「どれどれ……『left 4 dead2』って、ゾンビ系のFPS? アンタこれどう考えても女の子誘ってやるゲームじゃないじゃない!」

上条「いやー、つちみk……隣の奴が要らなくなったってんで貸してくれたんだが、思ったよりハマっちまってなー。でも多人数プレイ推奨ゲームなんだけど、俺んちネット環境とか豪勢な物なんか無くて……」

美琴「はぁ……まあ、こんな程度ならむしろ罰ゲームとしては楽な方よね。いいわよ、遊んであげるわ」

上条「で、だな……ほら」ポンポン

美琴「……は? 何?」

上条「だから、ここ。座れ?」ポンポン

美琴「え……え、ええっ!? あ、あああアンタの、足の、あ、間、に……?///」カァァ

上条「うん。罰ゲームだし、折角だからさ」ニヤニヤ

美琴「うぐ、わ、わかった、わよ……もう///」テクテク、ポスン

上条「おー、ぬくいぬくい」

美琴「ば、ばかっ! 頭に顎乗せるなぁっ!///」



73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 22:02:05.17 ID:GpzQxd+E0

 キシャー ズドーン ズバババババ

美琴「きゃっ! は、ハンター居る! 撃って撃って!」

上条「おう、任せとけ!」クンカクンカ

美琴「ぎゃあああっ! か、嗅ぐなばかっ!!」ジタバタ

 ウボォァァァァ ビシャッ ドドドドドド

美琴「ああああっ! アンタが変な事するからブーマーの胆汁被っちゃったじゃない! もうっ!」

上条「大丈夫、俺が守ってやる!」キリッ

美琴「え、あ、う、うん……///」カァァ

上条「掛かって来いゾンビどもぉぉぉ!!」クンカクンカ

美琴「だ、だから嗅ぐな馬鹿ァッ!!」ジタバタ

上条「エネルギー補充完了、上条さん無双モード開始ですよ!」ズバババババ

美琴「あ、ホント凄い……アレだけゾンビが居たのに、無傷だ……」

上条「うわははは、上条さんに任せなさい!」

美琴「う、うん……///」


86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 22:39:20.68 ID:GpzQxd+E0

美琴「歯の磨きあい? 何それ?」

上条「読んで字の如く。歯を磨きあうんだ」

美琴「な、何よそれ。召し使いよろしく私がアンタの歯を磨くってんなら分かるけど、なんで磨きあいなのよ?」

上条「いや、なんか俺も美琴の歯を磨きたいって思って、なんとなく……」

美琴「へ、変態!」

上条「……なんとでも言え。まあ、お前が嫌ならいいよ」

美琴「……いいわよ、好きにしなさい」

上条「お、おう。好きにするぞ……」

美琴「う、うん……」



88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 22:43:04.23 ID:GpzQxd+E0

上条「ていうか、わざわざ新品の歯ブラシ買って来たんだな」

美琴「だ、だって、寮から持ってくる時間無かったし、なんか恥ずかしいし……」

上条「ん、じゃあ俺からやるな。ほら、口開けて」

美琴「ら、乱暴にしないでよ? 優しく、ね?」

上条「お、おう……。なんかその言い方、エロ――」

美琴「!」ギュー

上条「いて、いててて! 悪い悪い悪かったから!」

美琴「…………」アーン

上条「(ゴクリ)じゃ、じゃあ、行くぞ……」ソォー…

美琴「……ッ」ピクン

上条(な、なんかこれすっげぇドキドキする……)オソルオソル

美琴「……、……」ウズウズ

上条「こう、かな……」ゴシ、ゴシ…

美琴(な、なんかこれ……すっごく恥ずかしい……///)



89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 22:43:37.16 ID:GpzQxd+E0

上条「…………」ゴシ、ゴシ…

美琴「……、……ッ」

上条(あ、よだれ垂れてきた)フキフキ

美琴「~~、~~~ッ!///」

上条(御坂の髪、相変わらず柔らかくていい匂いだなぁ)サラサラ

美琴「ッ!! ~~ッ! ~~ッ!!」

上条「あ、わり……」ゴシゴシ、ゴシ…

美琴「…………///」

上条「ほ、ほら、終わったぞ……。御坂、水」

美琴「んぐ……」ガラガラ、ペッ

上条「…………///」

美琴(うぐ、なんか知らないけど目合わせられない……///)



90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 22:44:08.65 ID:GpzQxd+E0

美琴「こ、今度は私の番よ!」

上条「お、おう……なんかヤケにやる気だな……」

美琴「やられたらやり返すが私のモットーよ! そこの椅子座ってほら後ろ向きなさい!」

上条「お、こうか?」

美琴「よっし、動くんじゃないわよー」ガッシ

上条「お、おおお?」


※解説:上条さんは上半身というか頭を後ろに逸らした状態で美琴さんの胸に頭ごと抱え込まれた感じです。つまり慎ましやかな膨らみが頭頂部を包み込む感じのアレやソレ


上条「お、おま、御坂ちょっと……!」

美琴「はいはーい、喋らないで! 美琴さんがきっちり隅々まで磨いてあげるんだからねー」グイッ

上条「おふっ! ふぉふぁえ、いふふぁふぁんふぇお、いふぃふぁりふふぃ!」(訳:お前、幾らなんでも、いきなり過ぎ!)

美琴「うーん? 何言ってんだか良く分かりませーん!」ゴシゴシゴシゴシ

上条「ふふぉ、ふぉふぉふぁよう……」(訳:うお、このヤロウ……)



92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 22:45:12.10 ID:GpzQxd+E0

美琴「んー。アンタちょっと磨き方雑なんじゃない? そんなんじゃ虫歯になるわよー?」ゴシゴシゴシゴシ

上条「うるふぇー……(あれ、なんか気持ちいい……)」

美琴「んー、まあこの美琴センセーがお手本見せてあげるから、明日からアンタも見習いなさいよ?」ゴシゴシゴシゴシ

上条(……なんか、眠くなって来た……)ファァ…

美琴「ん? 何アンタ、眠いの?」

上条「んー……」ウトウト

美琴「ふふ、しょうがないわねぇ。そんな状態で寝たら歯磨き粉飲んじゃうわよ」ゴシゴシゴシゴシ

上条「う、ふぉ、ふぉうか……」ムニャ

美琴「ほら、もう終わったから、うがいして」ポンポン

上条「おう……」ガラガラ、ペッ

美琴「はい、お疲れ様」



93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 22:45:46.72 ID:GpzQxd+E0

上条「うーん、御坂ー」トロン

美琴「ん? 何よ」

上条「さっきの体制で、寝ていい?」ポスン

美琴「あ、こ、こら! もう……首痛めるわよ?」ナデナデ

上条「痛めないように支えてくれ……」ウトウト

美琴「あー、もう。ワガママなご主人様ね、ったく……」



108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 23:33:24.08 ID:GpzQxd+E0

美琴「うう、また負けた……」

上条「ぜぇ、ぜぇ……きょ、今日はヤバかった……!」グロッキー

美琴「今日はかなり追い詰めたのに、物凄い執念を感じたわ……」

上条「おう、今日はとっておきのを考えてきたからな……!」

美琴「え、な、なによ?」ビクビク

上条「それは……これだ!」ババーン

美琴「そ、それ……ね、ねこ、猫耳? ま、まさか……!」

上条「ふふふ、これを付けて、一日俺のメイドになれ!」

美琴「え、ええーっ!? む、むむ、無理! 無理無理無理!!」



109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 23:33:57.73 ID:GpzQxd+E0

上条「……あ、やっぱダメか。そ、そうだよな……」シュン

美琴「え、な、なんでそんなにがっかりするのよ……」

上条「いや、正直自分でも流石にこれはちょっとなーって思ったし、いいんだ。うん」

美琴「…………」

上条「調子に乗って、ごめんな? んじゃ、代わりに……」

美琴「…………わよ」

上条「……ん? なに?」

美琴「いい、わよ……。一日、アンタのねこ、猫耳メイドに、なってあげる……」

上条「え、ま、マジで?」

美琴「…………///」コクン

上条(マジかよ……どこまで義理堅いんだ、コイツ……)



110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 23:34:29.88 ID:GpzQxd+E0

美琴「あ、で、でも校則で外出時は制服着用が規則だから、その、メイド服は……無理」

上条「あ、ああ。じゃあ猫耳と、この尻尾だけ付けてくれればいいから」

美琴「し、尻尾まであるの!?」

上条「あ、無理ならしなくてm

美琴「や、やってやるわよ! 貸しなさい!」

上条「お、おう……。あ、あと出来れば語尾に「にゃ」を付け……るのは流石にやり過ぎだよ、な?」

美琴「う、ううーっ! わ、分かったわよ! や、やればいいんでしょ……にゃ!」

上条「そ、そうか……なら、それも頼む」

猫美琴「もう、どうとでもなれ……にゃ」



111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 23:35:31.28 ID:GpzQxd+E0
――――――――
――――
――


上条「いやー、御坂のおかげで特売品が二人分買えたぜ、サンキュな」

猫美琴「ふふん、これくらいお安い御用にゃ」

上条「……なんか、猫化にも慣れて来たみたいだな」

猫美琴「にゃっ!? そ、そんなことにゃいにゃ! っていうかあんな人が多い所にこの格好でつっこませるとかどんだけドSにゃのよアンタはッ!!」

上条「あ、ごめん……特売の時間って思ったらついその事が頭から離れてて……」

猫美琴「すっっっごく恥ずかしかったんだからね! もう……にゃあ///」カァァ

上条「いやホントすまん……」

猫美琴「……まあ、ルールだから。負けた私が悪いんだから、仕方ないわよ……にゃ」

上条「…………」

猫美琴「…………」



112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 23:36:02.92 ID:GpzQxd+E0

上条「…………ぷ、くくく……!」

猫美琴「!!? あ、アンタ! わ、笑うんじゃにゃいわよ!!///」

上条「だ、だって……そんな時にも律儀に語尾、守ってるから、なんかおかしくて……ぷくくく」

猫美琴「しっ、仕方にゃいじゃにゃい! そういう罰ゲームにゃんだから!」

上条「いや、でもなんていうか……そういう所、ホントお前って律儀っつーか頑固っつーか……」

猫美琴「も、もう知らにゃいっ!」プイッ

上条「くく、拗ねられても猫の格好だから可愛いだけだぞ?」

猫美琴「ええっ! か、かわ、可愛い……にゃ?///」

上条「ああ、可愛い可愛い」ナデナデ

猫美琴「あ、頭をにゃでるにゃっ!」ウガー!



113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 23:37:16.24 ID:GpzQxd+E0

初春「あれ、あそこで騒いでるの……」

佐天「あ、ひょっとして、御坂さん?」

初春「みたいに、見えますけど……えっと、猫耳?」

佐天「うーん、面白そうだから声掛けてみようか」

初春「え? で、でも人違いかもですよ? あの御坂さんが、あんな……」

佐天「まあそん時はそん時だよ。おーい御坂さーん!」

初春「さ、佐天さん!」



猫美琴「ん……? こ、この声は……」マサカ

佐天「お! やっぱり御坂さんだ!」

猫美琴「ぎゃーっ! ひひひひ人違いですにゃっ!」



114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 23:38:01.99 ID:GpzQxd+E0

佐天「えー? 間違いなく御坂さんなんですけど? っていうか、にゃ、って?」

猫美琴「わわわ私は御坂美琴さんという方ではにゃくて、そ、そっくりさんというか、にゃんというか……」ゴニョゴニョ

初春「さ、佐天さん! な、なんか事情あるっぽいですし、見なかった事にした方が良さそうでは……!」

猫美琴「うにゃ、う、初春さんまでいるにゃ……」ドヨーン

上条「ん、どうした御坂、友達か?」

猫美琴「うにゃっ! ああああアンタは出てくるにゃー!」ビリビリ

上条「うおっ! お前人前でやめろ!」ポム デンゲキフウジ

佐天「おおおっ、誰ですかこの親しげな男の人! 彼氏? 彼氏ですか御坂さん!」

初春「かっ、かかか彼氏っ!? ぬっふぇぇぇぇ!!///」

猫美琴「彼氏ッ!? そそそそんにゃんじゃにゃいにゃいにゃいにゃ!」ブンブン

佐天「はいチーズ」ピロリーン

猫美琴「ぎゃあああああ!! 撮るにゃああああああ!!!」

初春「白井さんですか! 大事件です! 今目の前で御坂さんがねk」

猫美琴「黒子に報告するのも駄目にゃああああああああああ!!!!」


127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/15(月) 00:32:30.26 ID:nwcMGQ1V0 [2/42]

美琴「…………」モミモミ

上条「あー、極楽極楽……」

美琴「ねえ、なんで今日は肩揉みだけなのよ?」モミモミ

上条「あー、ちょいとこの週末、宿題が溜まっておりまして。ぶっ通しで消化してたら、肩がこって仕方ないのですよ」フイー…

美琴「ふーん……。宿題、見てあげよっか?」モミモミ

上条「いや、だいじょぶ。後少しで終わる位には片付けた」

美琴「あっそ……」モミモミ



129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/15(月) 00:35:50.74 ID:nwcMGQ1V0 [3/42]

上条「あー、御坂はホント肩揉むの上手いよなぁ」シミジミ

美琴「そんなの、褒められても嬉しくないわよ……」モミモミ

上条「やー、でもホント気持ちいいぜー……」ホッコリ

美琴「むー……。あ、アンタ耳垢溜まってるわね」

上条「おお? そういやしばらく掻いてなかったな」

美琴「! そうだ、私が取ってあげる!」

上条「え? い、いいのか?」

美琴「美琴センセーにまっかせなさい!」フフン



132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/15(月) 00:36:37.42 ID:nwcMGQ1V0 [4/42]

美琴「って、膝枕はいいんだけど……」

上条「ん? どうかしたか?」

美琴「な、なんで顔がこっち向き(※)なのよ……ッ!///」

※美琴のお腹方向

上条「やー、その、なんとなくこっちの方が罰ゲームっぽいかなー、なんて……」

美琴「う、そ、そう言われてみれば、そう、かも……///」

上条「嫌ならやめるぞ?」

美琴「う、うっさい! いいからじっとしてなさい!///」



133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/15(月) 00:37:19.13 ID:nwcMGQ1V0 [5/42]

美琴「…………」カリカリ

上条「あー、気持ちいい……」

美琴「うひゃっ、しゃ、喋らないでよ!///」クスグッタイ

上条「あ、わ、悪い……」

美琴「い、いや、ちょっとくすぐったかっただけで。別に、いいんだけど……///」

上条「……そ、そうか」

美琴「う、うん……」

上条「……、……」

美琴「……、……」カキカキ

上条「……、……」

美琴「な、何か喋りなさいよ……」

上条「どっちだよ……」

美琴「う、うっさい! なんか、無言だと気まずいのよ……」

上条「そんな事言われてもだな……」



134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/15(月) 00:38:13.71 ID:nwcMGQ1V0 [6/42]

美琴「……ん、今度は逆やるわよ」

上条「はいはいっと……」モゾモゾ

美琴「いちいち体の位置変えてまでまたこっちに顔向けなくてもいいじゃない……///」

上条「いやー、なんかこっち向くと御坂のいい匂いがして心地良いんだよ」クンクン

美琴「ッ!/// か、嗅ぐな変態!」

上条「いやー、役得役得」ヌクヌク

美琴「うう、もうさっさと終わらせるわよ……///」



135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/15(月) 00:39:02.12 ID:nwcMGQ1V0 [7/42]

美琴「……、……」カキカキ

上条「……、……」ソォー

美琴「……、……」カキカキ

上条「……、……」サワッ

美琴「ッ!!!?」ガリッ

上条「うぎゃっ! 痛ッ!?」

美琴「あ、ご、ごめん! って、アンタがヘンなとこ触るから!///」

上条「うぐ……す、スマン、つい出来心で……」ヒリヒリ

美琴「ああ、赤くなってる……痛そ……」サスリサスリ

上条「うっ、み、御坂、くすぐったいって!」ビクッ

美琴「で、でも、血は出てないけどちょっと腫れちゃってるよ?」



136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/15(月) 00:39:45.72 ID:nwcMGQ1V0 [8/42]

上条「自業自得だし、我慢するよ……」ヒリヒリ

美琴「……、……」

上条「だから、ちょっとしたら耳掻きの続きを……」

美琴「え、えいっ」ペロッ

上条「ひゃうんっ!?」ビクッ

美琴「あー、ちょっぴり苦い……」ペロペロ

上条「ひゃっ、ひゃあんっ! み、御坂っ! だからくすぐった、いっ!」ビクビク

美琴「ん、腫れ引いてきたわね。まだ痛む?」ナデナデ

上条「い、いや……かなり楽になった、けど」

美琴「良かった……。後は、綿棒で軽く掻くだけにするね?」

上条「あ、ああ……///」ドキドキ

美琴「……///」



137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/15(月) 00:42:10.46 ID:nwcMGQ1V0 [9/42]
――――――――
――――
――


美琴「ん、終わったわよ」ポン

上条「zzz……」スヤスヤ

美琴「あれ、寝てる……」

上条「zzz……」スヤスヤ

美琴「……ふふ、かーわい」ナデナデ

上条「ん、んー……zzz」グウグウ

美琴「仕方ないわね、もうちょっと美琴センセーの膝、貸したげるわ」クスクス

上条「zzz……」スヤスヤ



139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/15(月) 00:45:22.95 ID:nwcMGQ1V0 [10/42]
――――――――
――――
――


美琴「い、いいから! だ、大丈夫だから!」

上条「とかいって、生まれたての小鹿みたいにプルプル震えてるじゃねぇか。ほら、遠慮すんな」

美琴「ううー、だって……おんぶなんて、恥ずかしいわよ……///」

上条「元はといえば、膝枕してもらったまま寝ちまった俺のせいだし、これくらいさせてくれ」

美琴「あ、足が痺れたのはアンタのせいじゃないわよ……」

上条「んじゃ、これも罰ゲーム。逆らう権利はありません!」

美琴「うう、卑怯者ぉ……///」

上条「はいはい、いいからしっかり捕まっとけ」

美琴「う、うん……」

284 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 22:04:36.26 ID:nwcMGQ1V0 [19/42]
~とある高校~


 キーンコーンカーンコーン


土御門「やーっと昼休みだにゃー」

青ピ「上やん、机寄せるで。はよ片付けてえな」ガタガタ

上条「おう、ちょっと待ってな」ガザゴソ

上条(ふふふ、今日の弁当はいつもと違うぜ……)

上条(今月ちょーっとピンチだったので、上条さんは考えましたよっ!)

上条(そう、罰ゲームで御坂さんにお弁当を作って貰いました!)ババーン!

上条(あ、弁当箱の柄とか、中身のグレードとかはそれ相応の物にするよう、あらかじめ釘は刺してあるからな? 上条さんにぬかりはありません)フフフ

上条「あー、さって腹減ったなー」パカ フタアケ

上条「…………」カポ フタモドシ



285 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 22:05:24.44 ID:nwcMGQ1V0 [20/42]

土御門「ん? 上やんどうしたんだにゃー?」

上条「え、いや、なんでもないでありますよ?」カチコチ

青ピ「なーんか怪しい挙動やねぇ」ジロジロ

上条「あ、あはは……」

上条(上条さん、今とんでもない物を見た気がします……!)

上条(桜でんぶででかでかと ハートマーク と……『 と う ま L O V E 』って書いてあった……!)

上条(畜生……! 御坂のヤツ、謀りやがったな!?)ギリギリギリ

土御門「んー、上やん喰わないのかにゃー?」

上条「あ、ちょ、ちょっと用事を思い出した、すぐ戻るから待っててな!」ダッ!

青ピ「なんや怪しいなアレ……」



286 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 22:06:14.39 ID:nwcMGQ1V0 [21/42]

上条「くそ、とりあえず人目の付かない所で、表面上だけでも混ぜて分からなくすれば……!」パカ

上条「……、……」プルプル

上条「…………う、うう、駄目だ……ッ、俺にはこの幻想をぶち殺せない……ッ!」ガクッ

上条「っていうか、明らかに罠目的でやってるの分かってるけど、何故かニヤけてしまう自分が悔しいっ!」ニヤニヤニヤ

上条「……、……」パク

上条「うぐ、悔しい事に、美味い……上条さん幸せ……ッ!」パクパクパク


青ピ「ほっほーう……」ピキピキ

土御門「そういうことかにゃー……」ピキピキ

上条「」



287 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 22:07:49.09 ID:nwcMGQ1V0 [22/42]

青ピ「前々から上やんはやたらフラグ乱立して放置しとったが、遂にここまでの事をしでかしおったんやなぁ」ボキリ、ボキリ

土御門「上やん、またお前って奴は……今日という今日は許さんぜよ」

上条「わ、ま、待て! こ、これはそういうんじゃなくって、その!」

青土「「問答無用(やで)(だにゃー)!!」」

上条「ぎゃあああああああ!!!」


 マテーカミヤーン ドドドドド

 チョ! ナンカ、ヒトフエテル!

 カミヤーン コロスウウウウウウ!

 フコウダアアアアアア!!



288 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 22:08:51.95 ID:nwcMGQ1V0 [23/42]
――――――――
――――
――


美琴「お、おっすー。美琴センセーの愛情弁当、どだった?」

上条「御坂ぁ……」ボロッ

美琴「あ、あれ? どしたのそんなに男前になっちゃって?」

上条「ったく、お前のせいで酷い目にあったんだぞ……」ボロボロ

美琴「あ、あはは……ちょっち、効果覿面過ぎた、かな?」タラー

上条「くそ、もう二度とお前に飯作ってなんて頼まねぇ……」

美琴「え、ええ? やだなー、ちょっとした悪戯心じゃない?」ズキッ

美琴(ん? なんか今、胸の辺りがちょっと、苦しく……)

上条「……、……」



289 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 22:09:58.42 ID:nwcMGQ1V0 [24/42]

美琴「あ、あの。ごめん、ね……」オソルオソル

上条「…………って、言いたい所だけどよ」

美琴「え?」

上条「悔しい事に美味かった。襲い掛かってくる野郎どもから死守して米粒一つ残さず食べたいと思うくらいには、な」

美琴「え、ちょ……///」カァァ

上条「機会があれば、また食べさせてくれ。今度はもう、あんなトラップは勘弁願いたいけど、な」タハハ…

美琴「ば、馬鹿! 何恥ずかしい事言ってんのよ! いいから弁当箱返しなさい!」バッ

上条「うわっと、なんだよ唐突に!」

美琴「もう知らない! 今日は帰るから、じゃあね!」クルッ

上条「あ、おい? 今日は勝負はいいのかよ?」

美琴「気分じゃないからいい! 次は覚悟しておきなさいよ!」タタタタ

上条「って、おーい……」

上条「んー? 機嫌損ねた、かな? むむむ……」



291 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 22:11:47.18 ID:nwcMGQ1V0 [25/42]
――――――――
――――
――


美琴(ワケわかんないっ! なんで、なんでこんな事でニヤけちゃうの、私……!)

美琴(アイツなんて、デリカシーも無けりゃ空気も読めない、でも何やっても勝てないムカつくだけの奴なのに!)

美琴(なんで? どうして? 私、どうしちゃったの??)

美琴(……、……)


美琴「料理のレパートリー、増やしとこうかな……」ポソ


301 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/15(月) 23:07:59.76 ID:nwcMGQ1V0 [27/42]

~とある河川敷~


美琴「アンタ、今日がどんな日か分かってる?」

上条「は? なんかあるのか?」

美琴「ふふ、分からないのなら教えてあげるわ……今日の私は機嫌がいいのよ」

上条「あ、ひょっとしてお前の誕生日?」

美琴「ちっがああああああう!! 今日でアンタとの勝負50回目なの!!!」

上条「なんだ、そんな事か……ってか、もうそんなにやってるんだなコレ」ポリポリ



302 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 23:09:02.19 ID:nwcMGQ1V0 [28/42]

美琴「あーもう、ちょっとは感慨とかないのアンタは! 今日こそはこの連敗記録がストップする記念日にもなるのよ!!」

上条「ヘー、ソウナルトイイデスネー」

美琴「アッタマ来たこん畜生! 今日こそそのツンツン頭、ドリフのコントみたいにアフロヘアーにしてやるんだから!」ビリビリ

上条「へっ、威勢だけはいいけどな、俺だってそう簡単に負けてやらねーからな。今日はとっておきの罰ゲーム考えてきてるんだぜ!」

美琴「うっ! な、なに、よ……?」タジ

上条「あれあれー? ミコトさんはもう負けた時の事考えてるのかなー?」ニヤニヤ

美琴「ッ!! う、うっさい! もう行くわよ!!」バチバチバチバチ!

上条「うおっ! いきなりかよ、くそ!」パキーン



303 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 23:11:31.35 ID:nwcMGQ1V0 [29/42]

美琴(今まで、何度か追い詰めた時の事を思い返すと……)

美琴(肉弾戦メインの時がほとんどを占める、筈……!)

美琴(それと、能力が打ち消された時と、避けられた時の差は……)

美琴(アイツの右側に打つか左側に打つかで大きく違った)

美琴(そこから考え出される戦略は――牽制で能力をアイツの左側に撃ってからの、インファイト!)

美琴(でも、身体能力ではアイツが有利ね。差を出来るだけ埋める為、牽制をギリギリまで本気の攻撃に見せて――)



美琴「――ッ!! ここだッ!!」バッ

上条「ッ!?」



305 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 23:12:39.00 ID:nwcMGQ1V0 [30/42]

上条「後ろ!? いや左か!!」ブンッ!

美琴「!? 嘘、反応された!? なんつー反射神経よ、アンタ!」ガシッ!

上条「お前こそ、俺のパンチ受け止めるとは、とてもじゃないけど女子中学生の反応速度じゃねぇぞ!?」

美琴「馬鹿ね、アンタってば殴る気無くて寸止めする余裕残したパンチなんか放つからよ!」ブンッ

上条「くそっ、それが分かってて向かってくるなんて卑怯だぞ!」ガシッ

美琴「これで負けりゃ50連敗よ、50連敗! 流石の美琴センセーも汚い手の一つや二つ使うっつーの!」ググググ…

上条「でも、これで勝負合ったな……!」ニヤリ

美琴「は? 何がよ?」

上条「お前が俺とお前、お互いに左手で右手掴みあって、力比べの体勢だろ? 御坂と俺だと、パワーは俺の方が――」



306 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 23:13:23.10 ID:nwcMGQ1V0 [31/42]

美琴「……馬鹿ね、アンタは無能力者(レベル0)、私は超能力者(レベル5)。アンタと私じゃ……」スッ…

上条「へ? 何?」

美琴「頭(ここ)の出来が違うのよッ!!」ガツーン!

上条「げふぅッ!? って、パチキかよッ!? てか、御坂しゃんそれ言葉の用法ちがいま、ふ……」フラッ

美琴「い……ったあああああい!? アンタ、頭堅過、ぎ……?」


 バチバチバチバチ


上条「ぎゃあああああ!?」ビリビリビリビリ

美琴「へ? あれ、電気出た? なんで?」



307 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 23:14:49.38 ID:nwcMGQ1V0 [32/42]

上条「ぐ、ふ……頭突き喰らった衝撃で、手が……」シビビビビ

美琴「よく、わからないけど……チャン、ス――ッ!?」

美琴(何、これ……なんか、頭の中に――)



――とう、ま……当麻……

――この疫病神、ウチの子から離れろ……ッ!

――今日から、ここが貴方の住む場所……ようこそ、学園都市へ……

――上条ちゃん、どうかしたですかー……?

――なあ上条、上やんって呼んでええ……?

――ああっ、アンタ! また私の事無視したでしょ! こら待て私の話を聞けーっ……!!

――!! ……!?

――、……! ……、



309 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 23:15:30.76 ID:nwcMGQ1V0 [33/42]
――――――――
――――
――


美琴「う、うーん……」パチクリ

上条「あ、御坂……気が付いたのか?」

美琴「え、あれ? わ、私……?」

上条「大丈夫か? どこか痛い所とか、気分悪いとか、ない、か……?」

美琴「う、うん……大丈夫、だと思う……って」

美琴(なんか私膝枕されちゃってるー!? なんなのこの状況ーッ!?)

上条「はぁー……ともかく気が付いてよかった。お前、急にフラッとして倒れるんだもんな。すっげぇびっくりしたよ」

美琴「え、そ、そうだった、の……?」

上条「慌てて抱き止めたけどお前なんか目開けないしさ。どこか打ったのかって心配して様子見てたんだよ」

美琴「あ、うん……大丈夫、何ともない、と思う……」

上条「いやいや、もう2・3分目覚まさなかったら救急車呼ぼうかと思ってたけど……もうちょっとしたら、一応病院行こうぜ」

美琴「そう、ね……うん、そうする。ありがとね」



310 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 23:17:32.48 ID:nwcMGQ1V0 [34/42]

――――――――
――――
――


美琴「とりあえず、何とも無いって。能力使用の負荷と急激な運動に伴う、軽い貧血だとか」

上条「そ、っか……なら、良かった」

美琴「心配かけて、ごめんね……」

上条「いや、いいさ。この程度の事」

美琴「う、うん、ありがと。で、それと、勝負の事だけど……」

上条「あ、ああ……えっと、今回は俺の負けd

美琴「いやー、私の50連敗目、だね。タハハ、情けなくて涙が出るわー」アハハ

上条「……、……」

美琴「いいのよ、それで。実際失神までして、勝ちってのは無いでしょ」

上条「……そ、か。お前がそれでいいなら、いいけどよ」

美琴「……いいに、決まってるわよ。どう見ても、私の負けだもん……」



311 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 23:18:20.70 ID:nwcMGQ1V0 [35/42]

美琴「んじゃ、とっておきの罰ゲームとやら、折角だから聞かせてもらおうじゃない」

上条「あ、ああ……それだけど、さ」

美琴「んー? 何でも言って御覧なさい。ま、内容によっちゃ、今日は大事を取って休ませて貰って後日にしてもらうかもだけどねー」

上条「……ああ。それじゃ、罰ゲームの内容は」

美琴「……、……」



上条「なあ、勝負するの……しばらく、止めないか?」



美琴「………………え?」



321 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 23:30:42.63 ID:nwcMGQ1V0 [36/42]

 それから、アイツとの勝負は無期限延期状態となった。

 時期を同じくして、私は『虚空爆破』事件、『幻想御手』事件等に関わる事となり、アイツと街中で会う機会も減っていた。

 それでも顔を付き合わせれば挨拶代わりの電撃を浴びせたり、それを軽々あしらわれたり程度のやり取りはあった。

 けど、事件に深く関わるほど、アイツとも会う機会が減って行き。

 気が付けば、しばらくアイツに合わない日が続いていた。


 会えない事を気にする余裕もなくす程に忙しい日々。

 でも、ふと空いた時間に思い出すのはアイツの事で。

 この厄介ごとを片付けたら、今度こそまた勝負を挑んでやる、なんて。

 そう、思っていた。



 そう、思っていたのに。



322 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 23:44:38.44 ID:nwcMGQ1V0 [37/42]

~とある病院~


美琴「んー、黒子?」

美琴「ああ、うん。分かってる、ちょっと遅れるわ」

美琴「今病院。いやいや大した事じゃないって、クラスメイトが入院したって言うから、お見舞い」

美琴「ん、分かった。んじゃまた後でね」Pi!

美琴「さて、と……。帰るかな」

美琴「……、……」テクテク



323 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 23:45:16.23 ID:nwcMGQ1V0 [38/42]

美琴「…………ん?」

美琴「あ、あれ、この病室のプレート」

美琴「『上条当麻』って……アイツ、入院なんかしてたの?」


 ギャアアアアアアアアアアア!!


美琴「うぇっ!? な、何!?」

インデックス「とうまのばか! もう、知らない!」ガチャッ、タタタタタ…

美琴「え、だ、誰? あの子……」



327 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 23:50:00.92 ID:nwcMGQ1V0 [39/42]
――――――――
――――
――

冥土帰し「ナースコールがあったからやってきたけど……あー、これはひどいね?」

上条「し、死ぬ……これはホントに死ぬ……」ボロボロ

冥土帰し「……、あの子、もう行ったようだね……」

上条「……あの凶暴シスター、本気で噛み付いてきやがった……畜生……」ブツブツ

冥土帰し「けど、あれでよかったのかい?」

上条「……、何がですか」

冥土帰し「君、本当は何も覚えていないんだろう?」

上条「……、……」



328 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 23:51:21.09 ID:nwcMGQ1V0 [40/42]




上条「ええ、覚えてませんよ。……けど、あれで良かったんじゃないんですか」





332 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/15(月) 23:58:26.39 ID:nwcMGQ1V0 [41/42]

 少年は、気付かない。

 その会話を、廊下の片隅で盗み聞きしていた少女を。

 駆け出したその少女の頬を伝う、その涙を。


 少女が駆け出した時、一枚のコインが音もなくリノリウムの床に落ちた。

 そのしばらく後、廊下に出た少年はそのコインを見つけた。

 落し物かな、と思い病院の職員に預けようと、拾い上げ、そして。


 何故だかそれが手放し難く思え、少年はそのコインをポケットにしまいこんだ。

 それを手放す事が、決定的な何かを断ち切ってしまう。

 そんな幻想を抱いた自分に、首を捻りながら。


343 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 00:39:38.39 ID:mzQKKZ/G0 [3/74]

 時は進み。

 少女が少年の事を忘れ難く、それでも諦めるしかないと思い始めた頃。

 少女はまた大きな事件に巻き込まれ、飲み込まれていった。


  レベル6シフト
――『絶対能力進化実験』


 傷付き、倒れ、絶望し。

 それでも少女は立ち上がり、抗った。

 しかし、闇は深く、壁は厚く立ち塞がり、少女はあまりにちっぽけだった。

 それでも少女は、最後まで闇に抗い続け、壁に立ち向かい続けて。

 そして、もう戻れない所まで、飛び込む覚悟を決めた時。


 再び少年と出会う事となる。




344 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 00:46:09.51 ID:mzQKKZ/G0 [4/74]

美琴(……、……)

美琴(潰しても、潰しても、すぐ次の研究機関に実験が移行され、再開される……)

美琴(イタチごっこだわ……。この街の全部の研究機関を、物理的に潰しまわるにしても……)

美琴(その間に、あの子達が、何人死ぬ事になるの……?)

美琴(……、……)

美琴(……そろそろ、潮時かしらね……)


上条「あーっ! もう不幸だーっ!!」

美琴「ッ!!?」

上条「俺のなけなしの生活費返してっ! 頼んます!」ガチャガチャガチャ

美琴「……、……」

美琴「……アハ、ハハ……」

美琴「…………、よし!」



345 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 00:46:45.41 ID:mzQKKZ/G0 [5/74]

美琴「ちょろっとー、ボケッと突っ立ってんじゃないわよ!」

上条「え? ちょ、え?」

美琴「買わないならどくどくー」グイグイグイ

上条「え? え?」グラグラ

美琴「こちとら一刻でも早く水分補給してないとやってられないんだから、ったく」グイイイイ

上条「わ、わわっ!? こら待てそんなの押すなって! っていうか」




上条「いきなり出てきて誰だよお前!」


美琴「…………ッ!!」ズキッ



346 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 00:48:14.19 ID:mzQKKZ/G0 [6/74]

美琴「……、……」

上条「あ、あれ……?」

美琴「……わ、た、し、には」

上条「お、おーい。もしもーし」



美琴「御坂美琴って名前があんのよ! いい加減覚えろド馬鹿!!」バリバリバリバリ

上条「ぎゃああああああああああああああっ!?」パキーン



347 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 00:48:53.62 ID:mzQKKZ/G0 [7/74]

上条「え? あれ? なんか体が勝手に……?」ハテ?

美琴「……ったく、買わないなら自販機の前塞いでるんじゃないわよ」

上条「えー? いや、っていうかその自販機、金飲むっぽいぞ」

美琴「知ってる知ってる、だからこーすんのよ。せーのっ」

上条「え?」

美琴「……ちぇいさー!」

 ドゴン! …ガコン

美琴「ふふん、どうよ?」

上条「…………えー。ありかよそんなの……」



348 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 00:49:36.63 ID:mzQKKZ/G0 [8/74]

上条「つか、そんな事やってっからその自販機壊れてるんじゃねーの……」

美琴「んー、否定出来ないわね……。じゃあ仕方ない、お詫びにアンタが飲まれたお金取り返してやるわよ」

上条「え、どうやって?」

美琴「ん、こうやって」

 バリバリ ドガシャーン!

上条「……、……」

美琴「あれー? なんか力加減間違った? おお、なんかジュースがいっぱい出てきた」

上条「……、……」クルッ マワレミギ

美琴「んー、でもこれ結構な本数だし、これで元取れたんじゃない? って、アレ?」

上条「……、……」イチニツイテ、ヨーイ

美琴「ちょっと、アンタ?」

上条「どーんっ!」ダダダダダダダ

美琴「あっ!? こ、こら逃げんな、待てええええっ!!」


355 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 01:18:30.74 ID:mzQKKZ/G0 [10/74]
――――――――
――――
――


美琴「いきなり逃げ出すとか何考えてるのよ、アンタは」ポイポイ

上条「えーっと、このジュース受け取ると、俺も共犯って事になりそうなんですが」

美琴「元々アンタの金じゃない。全く、大体アンタってば逃げ腰過ぎんのよ」

上条「はい?」

美琴「強い癖に、弱いと思い込んで……これじゃ、アンタに負け続けた私が馬鹿みたいじゃない」

上条「え、今、何と?」



356 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 01:19:53.24 ID:mzQKKZ/G0 [11/74]

美琴「……、……。だからっ! アンタは、この私を50連続で勝ち続けてるのよ? そこんとこ分かってる?」

上条「ご、ごじゅっ!?」

美琴「河原で、街中で、幾度となく私を弄んでくれたでしょうが!」

上条「も、もてあそ……!?」ダラダラ

美琴「あんなに激しかったのに、忘れたとは言わせないわよ? だから――」

上条「だ、だから?」ビクビク



美琴「――責任……取ってくれる?」ウルッ


上条「え、ええええええええええっ!?」



358 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 01:23:31.60 ID:mzQKKZ/G0 [12/74]

上条「俺って……なんて最低な……いたいけな女子中学生に……」ブツブツブツ

美琴「……んー? もしもーし?」

上条「最低だ、俺……。最低だ……」ブツブツブツ

美琴「……、……」クス

上条「あ、あの、御坂、さん? えっと、私は、その……」ビクビク



美琴「なーんてね♪」


上条「……え?」



360 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 01:24:31.81 ID:mzQKKZ/G0 [13/74]

美琴「冗談よ、冗談。あんなのただのじゃれ合いじゃない。何本気にしてんのよ」クスクス

上条「え、えええ?」

美琴「いやー、アンタのあの顔ったら無いわね! 真っ青になって汗ダラダラ流しちゃって!」クスクスクス

上条「えええーっ? だ、だって、おま」

美琴「あはははは、あー面白かった。いやー、アンタ最高ね、ホント」ポンポン

上条「て、てめ、こっちは、本気で……」

美琴「あ、んじゃ、私行くわね? あでゅー!」ピュー

上条「お? お、おう……」


上条「……って、あれ? ひょっとして逃げられた?」



361 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 01:26:04.05 ID:mzQKKZ/G0 [14/74]

上条「な、なんだったんだ……今の」

上条「まあいっか。と、とりあえずこのジュース、どうしようかね……」

上条「あ、お、おっと……うわっ!」ガラガラガシャーン!

上条「うう、崩れた……不幸だ……」

???「落としましたよ、とミサカは落ちているいちごおでんを落とし主に渡します」

上条「お、おお、ありがとう……って」

???「いえ、これしきの事。と、ミサカは折角なので拾い集めるのを手伝います」ヒョイヒョイ

上条「……御坂、だよな?」

???「はい? と、ミサカは名を呼ばれ反応を返しました」



362 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 01:26:54.90 ID:mzQKKZ/G0 [15/74]
――――――――
――――
――


美琴「ふふ、ちょっとだけすっきりしたわ」クスクス

美琴「どーせ、アンタは私の事、覚えて無いんでしょー」

美琴「……ふん、だ」

美琴「……、……」

美琴「……はあ、最後にアイツと話せれば、未練も断てるかなって思えたんだけど」

美琴「まずい、なぁ……。逆に、往生際が悪く、なった、みたい……」グス

美琴「……、でも、行かなきゃ……」

美琴「私が、やらなきゃ……あの子達は……」

美琴「……、……」



365 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 01:44:42.11 ID:mzQKKZ/G0 [16/74]

 そして、少女はただ一つだけ残された最悪の選択肢を選び取る。

 少女の力では、殺戮者には歯が立たず、

 少女の力では、研究者達の執念を挫く事が出来ず、

 少女の力では、既に破壊された電子頭脳の予測演算を書き換えることも出来なかった。


 少女に残された道は、僅か。

 片方の道、”見捨てる事”は少女の誇りが選ぶ事を許さない。

 必然的に、もう片方の道が選択された。

 少女に、演算結果が弾き出した程の価値が無い事を示す道。

 少女が、一方通行に、無様に殺される道。


 少女が己の誇りと命を賭け、震える足に力を込めて踏みしめるその道に。


「なんで……、よりによって、アンタが立ち塞がるのよ……ッ!」


 少女の心が軋む音が漏れ出たかのように、夜の鉄橋に慟哭が木霊した。



366 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 01:51:42.30 ID:mzQKKZ/G0 [17/74]

上条「……、……」

美琴「……どき、なさいよ……」

上条「どか、ない……」

美琴「なんでよ……。アンタにも分かってるでしょ?」

上条「……、……」

美琴「これ以外、もう方法なんて残されて無いのよ……他の方法を探す時間なんて、もう無いのよ……」

上条「それでも、嫌なんだ……!」

美琴「ッ!! 馬鹿にしてんの!?」

上条「嫌なんだよ! これ以上お前が傷付くのを見るのも、誰かが死ぬのも! 方法なんて思いつかねえけど、でも嫌なんだよ!」

美琴「うるさい!! 馬鹿にしてんのっつってんの!!」

上条「馬鹿に、なんて……」

美琴「…………るのよ」

上条「……え?」



367 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 01:52:14.95 ID:mzQKKZ/G0 [18/74]



美琴「アンタが記憶持って無い事なんて、知ってるっつってんのよ!!」


上条「ッ!!!?」





370 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 02:11:21.15 ID:mzQKKZ/G0 [19/74]

美琴「アンタ、実質、昨日が私との初対面なんでしょ?」

美琴「正直、私も心のどっかで、アンタが記憶を失ったなんて嘘だって思ってた」

美琴「私の事、全部忘れてるなんて、信じたくなかった」

美琴「始めて会った時のこと」

美琴「会う度、追い掛け回してた事」

美琴「その内、気が付けば普通に会話してたりした事」

美琴「アンタが、私が一方的にふっかける勝負に、なんだかんだで付き合ってくれてた事」

美琴「……言いたくないような、思い出も沢山、あるけど……」

美琴「でも、全部私にとっては、いつの間にか掛け替えのない思い出になってたのよ」

美琴「ホント馬鹿よね。アンタが記憶を失ったと知って、始めてその事に気付けたのよ、私」

美琴「だから、アンタがそれを忘れてる事、本当は確かめたくなかった」

上条「御坂……」



371 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 02:12:15.57 ID:mzQKKZ/G0 [20/74]

美琴「だけど、もう私には死ぬしか道が無いんだって思った時」

美琴「たとえ、忘れられてるとしても、私は、アンタに……」

美琴「アンタと……また、他愛の無い話をしたかった」

美琴「そしたら完ッ璧に忘れられてるんだもんねー、正直ショックだったわ」

上条「その……すまない……」

美琴「謝らないでよ。惨めになるだけだわ」

上条「それでも……すまん……」

美琴「……、もう、いいのよそんなの。それに……」

美琴「ムカついたから、ちょっぴりやり返したしね」クスッ

上条「……、……」



372 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 02:14:10.67 ID:mzQKKZ/G0 [21/74]

上条「なあ、御坂。やっぱ俺、お前が死ぬなんて、嫌なんだよ」

上条「記憶がなくても、出会い頭に電撃を喰らって、そしたら体が勝手にそれを防いでた」

上条「お前の事、記憶はなくても、心のどこかで覚えてるんだ」

上条「俺にとって、失いたくないヤツなんだって……!」

美琴「……アンタね、そんな事、このタイミングで言うなんて……卑怯よ」

上条「卑怯でも、俺は……!」

美琴「いいわ」

上条「え?」

美琴「一つだけ、チャンスをあげる」

上条「チャンス……?」

美琴「うん。私と……



美琴「私と、最後の勝負をしなさい」



373 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 02:14:50.59 ID:mzQKKZ/G0 [22/74]

上条「勝負? いや、だから俺はお前を殴ったりとか……」

美琴「寸止めとかでいいのよ。んで、勝った方が負けた方に一つ命令できる、いつもの私達のルール」

上条「……、……」

美琴「拒否権は無いわよ? 受けてくれないなら私は磁力でジャンプしてアンタを飛び越してでもそこを通る」

上条「……他に、止める方法は無いんだな」

美琴「ええ、その通りよ」

上条「……、分かった。受ける」

美琴「ふふ、嬉しいわ。久しぶりの、アンタとの勝負」

上条「俺にとっては、初めてだけどな」

美琴「体が覚えてるんでしょ? なら一緒よ」



377 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 02:21:32.50 ID:mzQKKZ/G0 [23/74]

上条「けど、一つだけ訂正させて貰うぜ」

美琴「……何よ?」

上条「最後じゃ、ない」

美琴「……、……」

上条「俺が、お前を止めて。そしたら、またいつでも勝負が出来る」

美琴「……、アンタねぇ、もう勝った気でいるつもり?」

上条「だって50戦して、無敗なんだぜ? 負ける訳がねーな」

美琴「ふふ、言うじゃない。んじゃ、今度こそ初勝利、させてもらうわよ?」

上条「はは、やらせるかよ」

美琴「やらいでか」

上条「ははは……っ」

美琴「ふふふ……っ」



378 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 02:25:21.28 ID:mzQKKZ/G0 [24/74]

 どうしてだろう? コイツといると、いつの間にか自然に笑ってる。

 どうしてだろう? こんな時なのに、なんだか心が温かくなって来る。

 ああ、そうか、これが。


 好きって、事なんだ……。


 今更になって気付くなんて、間抜けにも程がある。

 でも、気付けたのは、目の前のコイツのおかげで。

 こんな気持ちになれたのも、目の前のコイツがいるからで。



 だから、もう、私は充分だ。



388 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 02:50:16.09 ID:mzQKKZ/G0 [25/74]

美琴「でも、最後の一つだけ欲張って。欲しいもの一つ貰ってくわね」

上条「は? 何の事だ?」

美琴「私の勝利は揺るぎ無い、って事よ」

上条「……そんな訳ねえよ。俺は全力でお前を、止める」

美琴「そう。それじゃ、やってみなさい?」クス

上条「言われなくてもッ!」ダッ

美琴「あ、そっちから来るのは初めてね。50回ともこっちが先に仕掛けたのに」

上条「その50回よりも今回の方が本気って事だよ!」

美琴「あは、そうみたいね。でも――」



美琴「――残念ね? 勝ってる時はやり方を変えちゃ駄目、ってセオリーがあるのよ?」



389 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 02:50:50.27 ID:mzQKKZ/G0 [26/74]

 少女が何を言おうと、上条は負けるつもりも、負ける気もしなかった。

 理屈じゃなく、体が、心が確信していた。

 少女じゃ上条には勝てない。

 そして、実際それはそうなのだろう。

 上条の体は意識せずとも少女の動きを、パターンを全て覚えていて、最速で反応を返した。

 少女の能力は全てかわされ、または打ち消され、逸らされ。

 少女の拳と蹴りは、上条には届かず、または防がれ、ダメージを与えない。

 少女の攻撃の全ては、完璧なまでに上条には通じない。



 だから、その少女の動きには反応出来なかった。



390 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 02:51:43.62 ID:mzQKKZ/G0 [27/74]

 目の前からまっすぐ、アイツが向かってくる。

 それを脳の計算速度を最大まで引き上げ、引き伸ばされた時間の中で凝視しつつ、


 私は無造作に一歩前へ踏み出した。


 それは、攻撃の為の予備動作でも、防御の為の体重移動でも無く、

 ただ純粋に、その身を差し出すような、一歩だった。

 アイツの顔に戸惑いが浮かび上がり、すぐに引き締まって警戒の色を示す。

 しかし、私はそのままもう一歩踏み出し、向かってくるアイツに無防備な体をさらけ出した。


 アイツは、今度は戸惑いを瞬間も見せず、拳を振るってきた。

 鋭い拳は私が認識するよりも早く、私のこめかみ付近に肉薄し、

 その寸前で、ピタリと止まる。



391 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 02:52:52.55 ID:mzQKKZ/G0 [28/74]

「……、勝負、あったな御坂」


 そんなアイツの勝利宣言を無視して、私はもう一歩踏み出した。

 私の体はアイツの体に密着するまで近付き、流石のアイツも僅かに顔を朱に染めて動揺する。

 そんなアイツの体を抱き寄せるように両腕をアイツの首に回す。


「ええ、貴方の勝ちよ。当麻」


 そして、私は初勝利の代わりに、欲しい物を手にする。



392 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 02:53:51.40 ID:mzQKKZ/G0 [29/74]

「え、み、みさ……むぐっ!?」


 アイツの唇に、私の唇を重ねる。


 手にしたのは、アイツとの、口付けの記憶。

 そして。




「ごめんね。そして……お休み、当麻」



393 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 02:55:12.40 ID:mzQKKZ/G0 [30/74]

 紫電が迸り、彼の体を駆け巡った。

 接触する事で、彼の生体電流を全て把握した私は、彼の意識と、運動中枢を、高精度の威力で刈り取る。



「ありがとう。そして……さよなら、当麻」


 彼の体が崩れ落ち、アスファルトへ横たわった。

 透明な雫が、その横に落ち、小さな染みを作った。



 そして、少女は一人、死地へと向かう。




397 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 03:14:13.92 ID:mzQKKZ/G0 [31/74]

 少女は、街中で二人組みを見ていた。

 一人は、ツンツン頭の少年。

 もう一人は、白い修道服の少女。

 修道服の少女は、騒がしく少年を振り回しつつも、少年に優しい微笑みを投げかけ、

 少年は呆れ顔で付き合いながら、少女の微笑を嬉しそうに受け取る。


 その二人の間に、割り込もうと思えば割り込めたのだ。



398 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 03:18:11.30 ID:mzQKKZ/G0 [32/74]

 けれど、少女は、踏み出せなかった。

 少年と少女の、まっすぐに相手を見詰めあうそこに、自分が無理矢理入り込む勇気が出なかった。

 とある少年に対し、自分は、その二人の関係とは違い、少年に対してまっすぐに向き合う事が出来ず、

 それに気付いていながら気付こうとせず、そっぽを向いたまま、終わりを迎えてしまったから。

 それはでも、その時の少年の方も同じで、どちらが悪い訳でもなく、少女が羨む二人の関係との優劣などないのだが、

 少女は、勝手に敗北感に打ちひしがれ、立ち尽くしていた。



400 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 03:19:08.52 ID:mzQKKZ/G0 [33/74]

美琴(だから、私は、充分だから)

美琴(一万人の殺人者の私が、ここまで貰う事が出来たんだから)

美琴(もう、思い残す事なんて、本当に無い)


 そう思い込み、少女はコンテナの積み上がる広場に足を踏み入れた。


一方通行「あァ? お前、ダミー人形じゃァねェな……」

美琴「……、……久しぶり、かしらね」

一方通行「ふン、そうか。お前、オリジナルか。何しにきやがったンだ?」

美琴「そんなの……決まってるわ」




美琴「このクソ下らない実験を、終わらせる為に、よ」


 少女の目に、迷いはなく。

 ただ、悲しいほど、まっすぐに前を見つめていた。



402 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 03:37:52.90 ID:mzQKKZ/G0 [34/74]

一方通行「お前……正気かァ?」

 最強が、嘲笑う。

美琴「ええ、正気よ」

 少女が、微笑む。

 乾いた空気に火花が飛び散り、蒼白い光の花を咲かせる。

 煤けた土に少年の爪先が触れ、砂煙が渦を巻いて巻き上がる。


 第一位と第三位。

 数字の上では僅かに見える、しかし決して埋まる事の無い膨大な差を持つ二人。

 その二人の超能力者の対峙する操車場に、本来いるべきである少女が、踏み込めずにいた。


御坂妹「何故……お姉様がここに、とミサカは目の前の現状に思わず立ちすくみます」


 10032番目の生け贄となるべき少女は、しかし自らの運命がこれから大きく動かす出来事が目の前で起こる事を知らず、ただ戸惑いながら二人の間で視線をさまよわせるのみ。



403 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 03:38:40.85 ID:mzQKKZ/G0 [35/74]

美琴(……、あの子、もう来ちゃったのね)

美琴(出来れば、来る前に済ませたかったんだけど)

美琴(なら……さっさと終わらせる、か)

美琴「アンタ……巻き込まれないように、そこにいなさいよ……」バチバチバチ

一方通行「ふン、超電磁砲か。前回全く通じなかった事、忘れてンのかァ?」

美琴「……、……ッ!」ギリッ



404 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 03:39:15.04 ID:mzQKKZ/G0 [36/74]

美琴(……、躊躇うな、私……)

一方通行「アレだけ差を見せ付けられて、また立ち向かってくるからなンか作戦でもあるのかと思いきや、無策とはなァ……」

美琴(今まで死んだ、あの子達の為にも)

一方通行「それとも、それもブラフとか? 期待しちゃってもいいンかなァ、なァ第三位さンよォ」

美琴(こんな私を止めに来てくれた、アイツの為にも……)

一方通行「おい、無視かよ。チッ、つれないねェ……」

美琴「私は、この道を貫き通すしかないのよぉぉぉぉおおおおおッ!!!!」

一方通行「クハッ! よォし来いィ! 真正面から受け止めてやっからよォ!!!」



 そして、一枚のコインが放たれた。



406 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 03:48:56.48 ID:mzQKKZ/G0 [37/74]

 死ぬ直前は、もうちょっと時間がゆっくり流れるのだと思っていた

 自らの指から放たれたコインは、磁力により一瞬で音速の三倍に加速され、目の前の白い少年に突き刺さる

 その瞬間、コインは正確に反射され、全く同じ威力・速度でまっすぐにこちらに飛来して来て


 視界いっぱいに膨大な光が広がり、全てを塗り潰す


 やがれ、それは少女の世界全てを覆い尽くし――



――これで、やっと終われる……


 少女は、目を閉じたまま、祈るように、そう、思った




407 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 03:53:19.50 ID:mzQKKZ/G0 [38/74]







しかし、いつまで経っても少女の世界は終わらなかった



少女が、その事に気付き、そっと閉じた目を開ける



すると、そこには、見慣れた、右手があって



美琴「え、な、なん……で……?」


 さっき自分が倒した筈の、鉄橋の上で倒れてる筈の、


美琴「なんで……アンタが……ここに、いるのよ! 当麻!!」


 少年の、笑顔があった。


409 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 03:59:06.37 ID:mzQKKZ/G0 [39/74]

上条「よう、ちょっと遅れた。けど、間に合ったようだ、な」

美琴「う、そよ……嘘、これは、夢よ……」

上条「夢じゃねぇよ。なんならほっぺた、つねってやろうか?」

美琴「なんで……確かに、アンタは2日くらい動けない程度に、電撃喰らわせたのに!」

上条「なんでだろうな……でも、あのまま寝たまんまじゃ、居られなかった」

美琴「なんなの、アンタ……信じられない……」

上条「はは、自分でも信じらんねーよ。でも、さ」ポン

美琴「……ッ!!」



上条「こうして、美琴を助けにこれた。その事実さえあればいい」


美琴「ば、かぁ……!」ポロポロポロ



412 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 04:06:03.44 ID:mzQKKZ/G0 [40/74]

上条「よう、第一位」

一方通行「あン? なンだ今日は千客万来ってかァ? なンなンだよお前」

上条「うーん、名乗るほどのもんじゃないんですけどね。コイツの関係者だ」ポンポン

美琴「あうっ、頭に手を置くなぁっ!」

上条「おっと悪い、置きやすい高さなもんで、つい」

美琴「うう~……」

一方通行「……よくもまあ目の前でいちゃついてくれンなァおい。よっぽど死にたいのかァ?」

上条「いやいやいや、死にたくはないですよ? まだ上条さん、キスも一回しかしてないし、他にもやりたい事いっぱいありますからね」

一方通行「よし、殺す」

上条「ありゃ、怒らせちった。まあいいか、さっさとやろうぜ」

一方通行「調子こいてンじゃ、ねェぞ三下がァ!!」




415 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 04:11:50.35 ID:mzQKKZ/G0 [41/74]

 激昂した一方通行は、一瞬で勝負をつけようと足を踏み出した。

 ベクトル操作により加速された全身を傾け、両手を伸ばして掴みかかる。

 その指先一本でも相手に触れれば、哀れ相手は血煙と共に汚い花火となる。

 彼の突き出された両手は、そういう何よりも危険な人間兵器だった。



 しかし、彼は決定的にミスを犯していた。

 彼の能力は確かに最強であり、限りなく無敵だったが、



 相手は幻想殺しという例外中の例外だったのだ。



417 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 04:17:12.38 ID:mzQKKZ/G0 [42/74]

 通常の人間であれば反応できる筈も無い速度。

 しかし、彼は何十回もの回数御坂美琴と対決し、その全ての勝負に勝利をしてきた。

 音速の三倍のコインなど何度受けたか数え切れない。

 光速の雷撃を呼び動作だけで避けた事さえ何度もある。


 そんな彼が、たかだか音速も超えない、人体ほどの大きな目標を捉えることなど、造作もなかった。



 そして、学園都市最強の超能力者は、その身に自ら加えたベクトル操作分を上乗せしたカウンターをモロに喰らい、吹き飛んだ。


 能力を除けばひ弱な彼が、一撃で昏倒するのも無理はない。




 そして、少女を苦しめる悪夢のような実験は、その幕を下ろしたのだった。



420 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 04:24:24.91 ID:mzQKKZ/G0 [43/74]
――――――――
――――
――


美琴「ほんとに……倒しちゃった」

上条「いや、余裕ぶっこいたフリしてましたが、正直すっげぇ怖かったですよ」ガクブル

美琴「ばか、ならなんでそんな馬鹿な事するのよ……」

上条「言ったろ、お前が死ぬのなんか、嫌なんだって」

美琴「……それで、下手したらアンタが死んでたのよ?」

上条「……、まあ、そうかもな」

美琴「ホント、ばか……」ポス

上条「……、それに、さ」

美琴「……?」

上条「さっきの、51回目の勝負に勝利したのにさ。罰ゲーム、やってないだろ?」

美琴「え……」



421 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 04:31:49.64 ID:mzQKKZ/G0 [44/74]

上条「上条さんとしては、折角勝ったんだから色々楽しみなんですよ」

美琴「な、な……」

上条「いやー、何してもらおうかなー? 上条さん疲れたし、また肩でも揉んでもらおうかなぁ」

美琴「あ、アンタ、まさかそんな事の為に、一方通行に戦いを挑んだんじゃないでしょうね!?」

上条「んー、それより耳掻きやってもらうのもいいなー。アレは気持ちよかったし。あ、そういやまた弁当作ってくれってのもまだやってなかったし」

美琴「だーかーらー、聞きなさいよ! っていうかアンタ良くそんな事、おぼ、え……て……?」

上条「今度こそ裸エプロンをやってもらったり、今度はヘソじゃなくて別の箇所舐めさせてもらったり……ん?」

美琴「あ、アンタ……なん、で、その事……?」

上条「え? あ、あれ? そういや……」

美琴「うそ、記憶、戻ってるの……?」

上条「え、ええ? そ、そんな……馬鹿な。だって、え、あれ?」



422 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 04:34:02.70 ID:mzQKKZ/G0 [45/74]
――――――――
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――


冥土帰し「……うーん、これは記憶が戻った、って言うのとはちょっと違うようだね?」

上条「え、どういう事、ですか?」

冥土帰し「そうだね……、どっちかっていうと、記憶の書き込みに近いね?」

上条「書き込み……?」

美琴「……、……」

冥土帰し「ぼくも、にわかには信じがたいんだがね……」



425 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 04:39:55.91 ID:mzQKKZ/G0 [46/74]

 カエル顔の医者の説明はこうだ。

 上条と美琴が対決の際、互いの頭を近付けた状態で、電撃を流した。

 その際、能力により美琴が上条の脳波他のデータを採取していた副作用で、

 一瞬、上条と美琴の脳波がリンクし、記憶の共有現象が発生。

 上条の破壊された脳の記憶野に、たまたまぴったり適合する記憶が何故か美琴の脳内にあり、それが見事定着。

 かくして、記憶の強制書き込みによる、擬似的な復元が達成された……そうな。


 何故、美琴の脳内にそんな都合の良い記憶があったのか。

 それはカエル顔の医者には良く分からなかったが。

 上条と美琴の二人には心当たりがあったりして、顔を見合わせて苦笑を浮かべ合うのだった。




427 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 04:45:14.35 ID:mzQKKZ/G0 [47/74]

 かくして、少女は悪夢より救われ、

 少年は永遠に失われると思っていた記憶を、一部を除き取り戻した。


 少女はそれでも一万人以上の犠牲を出した事を背負い続け、

 少年はもう一人の少女を救い出した記憶を失ったまま彼女を騙し続ける罪を背負い続けるが、

 それでもこれ以上の悲劇を止める事が出来た事、一部でも取り返せた事は、彼らの心の負担を多少は軽減せしめた事だろう。



 が、ここに一つの新たなる問題が浮き上がる事となる。

 つまり。



428 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 04:51:22.46 ID:mzQKKZ/G0 [48/74]

禁書「…………」ジー

美琴「…………」ジー

上条「…………」ダラダラ

禁書「……とうま、これはどういう事なのかな。説明を要求するかも」

美琴「同じく説明を要求するわ。この子と当麻が並々ならぬ関係なのは何となく知ってるけど、詳しくは知らないし」

上条「えーと、その。お二人とも、落ち着きましょう、ね?」ダラダラ

禁書「むー! とうまってば、誤魔化そうたって甘いんだよ!」

美琴「そうよ! アンタってばいつだって曖昧で、でも時々無駄に強引で……その///」ゴニョゴニョ

禁書「あーっ! なんなんだよその思わせぶりな赤面! とうま、この子に一体何をしたんだよ!」ウガー

上条「い、いやその……か、上条さんの記憶には無いなぁ……なんて」ダラダラ

美琴「うっ、酷い……あんな事やこんな事までさせておいて……」シクシク

上条「いや待って! だってあれはその、合意の上でのアレであって決してその変な意味ではないというか、その!」ダラダラ

禁書「ほっほーう、じゃあ、なんかやったのは認めるんだ?」

上条「」



430 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 04:54:55.58 ID:mzQKKZ/G0 [49/74]

禁書「前々から思ってたけど、やっぱり当麻って変態だったんだね! どおりで私と初めて会った時だっていきなり全裸にひん剥かれた訳なんだよ!」

美琴「ちょっ! あああああアンタ、こんないたいけな子になんて事しちゃってるわけ!? やっぱりアンタってばそういう奴なの!?」

上条「うああああああっ! やった事は全部事実だけに言い訳のしようがないよおおおおおッ!?」

禁書「とうまの、ばかあーっ!」ガブー!

美琴「当麻の、変態ーっ!」ビリビリ

上条「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!」



431 名前: ◆MDOfmX8bYE [] 投稿日:2010/11/16(火) 04:57:18.92 ID:mzQKKZ/G0 [50/74]

 かくして変態のケがちょっぴりあった少年は、その報いをちょっぴり喰らう事となりました。

 その後の三人の関係がどうなったか?

 その後、罰ゲーム付きの勝負が再開されたのか?


 それらについては、読者のご想像にお任せします。



~おわり~






479 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 15:13:52.61 ID:mzQKKZ/G0 [56/74]
~あの後の一方さん~


一方通行「……クソ、結局目の前でイチャイチャされた挙句あっさり返り討ちに遭った……」

一方通行「……、……」

一方通行「なンか俺、無敵の能力とかそンなンより――」

一方通行「あンな風にイチャつける彼女、欲しィなァ……」

一方通行「でも俺、この容姿と能力で、女とかちっともより付かねェンだよなァ……」ショボーン

一方通行「誰でもいい、この俺の寂しい心を癒す女の子、プリィズ……」トボトボ


打ち止め「ねぇあなた! ってミサカはミサカは声をかけてみたり!」

一方通行「ン?」


こうして、学園都市第一位はロリコンに目覚めた

486 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 15:59:03.06 ID:mzQKKZ/G0 [58/74]
~罰ゲーム:お風呂でご奉仕(※水着着用)~


美琴「……ど、どこか、痒い所はありませんかー……」ゴシゴシ

上条「あー、ちょっと左。ああそこそこ、あー気持ちいー」ウットリ

美琴「そ、そう……良かったわ」ゴシゴシ

美琴(うう、見るな、見たら意識しちゃう……)ゴシゴシ

美琴(そ、そうよ、指先、今は指先の感触にのみ意識を集中……!)ゴシゴシ

美琴(って、そんな事したらなんか生々しくて逆に意識しちゃうじゃない!///)カァァ

上条「もしもーし、美琴サン?」

美琴「ひゃうっ!? ななななななによ! ここか、ここが痒いのんか!?」ガシガシガシ



487 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 15:59:35.99 ID:mzQKKZ/G0 [59/74]

上条「いてて、いて! こら、そんな事したら上条さんの毛根が死んじゃう!?」

美琴「あ、ご、ごめん……」

上条「いやいいけど。頭はそろそろいいから、流してくれよ」

美琴「う、うん……じゃあ、シャワー取って。ここからじゃ、届かないから」

上条「ん、どうぞ」

美琴「あ、サンキュ……」ピト

美琴(って、きゃっ! 手が触れ……///)カシャーン

上条「わっ、こらしっかり受け取れよ危ねぇ!」

美琴「あわっ、ご、ごめん、今拾うから……あわっ!」ツルッ ステーン

上条「わ、だから危ねぇって!」ガシッ

美琴(わわっ!? わ、私、アイツに、抱き止められて……?)



488 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 16:00:28.04 ID:mzQKKZ/G0 [60/74]

上条「ほら、大丈夫か?」

美琴「う、うん……ありがと///」カァァ

上条「お、おう……///」

美琴(…………。当麻の腕が、背中ごと、私の肩を抱いていて……あったかい、な)

美琴(っていうか、顔近ッ! あ、やだ……なんで私、アイツの唇なんか凝視しちゃってるのよ……)ドキドキドキ

上条「み、美琴……そ、その。そろそろ、起き上がってくr」

美琴「……イヤ」ギュ

上条「み、美琴さん!?」ドキーン



489 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 16:01:21.20 ID:mzQKKZ/G0 [61/74]

美琴「もう少し、このままが、いい……」ギュー

上条「え、え……」

美琴「か、勘違いしないでよ? ちょ、ちょっと疲れて、休みたいだけなんだ、から……///」カァァ

上条「お、おう……なら、このままで」

美琴「うん……ありがと」

上条「……、……」ゴクリ

美琴「……///」



492 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 16:04:32.94 ID:mzQKKZ/G0 [62/74]

上条(やべ、なんかさっきから俺、美琴の唇ばかり見つめてる)

上条(ぷっくりして、柔らかそうで、なんかちょっと濡れてて……っていうか気のせいか半開きで荒い息……)

上条(エロッ! なんていうか凄いエロい! ヤバイヤバイヤバイ、上条さんの理性が決壊寸前!)

上条(視線と意識を逸らすんだ上条当麻! 例えばほら、柔らかそうなほっぺとか、潤んだ瞳とか、ちょっと濡れて額に貼り付いてる艶かしい前髪とか!)

上条(細い首筋とか、水滴が溜まって色っぽい鎖骨の辺りとか、水着の薄い布越しに膨らんでいる慎ましいその胸、随分前に舐めてからついぞご無沙汰なおヘソ、
   綺麗なラインで理想的に締まったウエスト、今もそのあったかくて柔らかくてスベスベした感触を返してくる背中と細い肩、ああ胸の少し下にうっすら浮き出てる肋骨さんもなんか生々しい、
   そしてそしてっ! いつも短パンに隠されてそうお目にかかれないVゾーンさんとか小さめのお尻とか全ての男の子夢である神秘のえーとえーとあれなんか余計にドツボというかなんというか――)

上条「駄目だ、上条さん限界……!」グッ

美琴「え、ええっ! ちょ、ちょっととうm

 ガラッ

禁書「……なにしてるのかな、二人とも?」ピキピキ

上条「」

美琴「」




521 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 20:27:59.89 ID:mzQKKZ/G0 [68/74]
んじゃ、エピローグ的なのをいっちょ

522 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 20:28:41.20 ID:mzQKKZ/G0 [69/74]
~びょういん!~


上条(こんにちは。結局美琴さんに電撃喰らった後無理して動いたせいで入院となりました上条当麻です)

上条(で、さきほどまでぐうぐう寝こけてたワタクシなんですけど、目が覚めたらベッドの横に御坂妹嬢がおりまして)

上条(右手で彼女の薄い胸を鷲掴みにしていたんですけど……)

上条「俺って、無意識に女の子の胸触るくらいに欲求不満だったのかな……死のう……」

御坂妹「なんの事か良く分かりませんが、この手についてはミサカが自らこの位置に移動させました」

上条「え? なんで? 上条さんの右手に触ると貧乳の幻想が殺されるとかそういうの?」

御坂妹「……生体電流の動きから、脳波と脈拍数を測っていただけです、とミサカは内心の怒りを抑えつつ回答しました」

上条「失礼な事を言ってスイマセンでした」

御坂妹「よろしい」



523 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 20:29:38.60 ID:mzQKKZ/G0 [70/74]

上条(その後、御坂妹から実験と彼女達の今後の処遇について話し、再び寝たんですが)

上条(目が覚めたら今度は御坂美琴嬢がベッドの横におりまして)

上条(何故かまた右手で彼女の胸を鷲掴みにしてる構図なんですけど……)

上条「……何コレ? 寝てる間に人の右手をセクハラ容疑者にする遊びとかそういうの流行ってるの?」

美琴「うひゃっ! あああああアンタ起きてたなら早く言いなさいよね!///」カァァ

上条「す、すまん……ってか、それよりその、右手を離して欲しいん、ですけど……」

美琴「や、やだ!///」ギュッ

上条「……え?」



524 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 20:31:06.52 ID:mzQKKZ/G0 [71/74]

美琴「しばらくこのままが、いい!///」ギュー

上条「みっ、みみみ美琴さん? その、ワタクシ個人的には嬉しいんですけど、やーらかくてあったかくてドキドキしてて気のせいか真ん中辺り少し固いよーな幸せがあるんですけどその! 一体これは何が目的なんでせうか!?」

美琴「かっ、勘違いしないでよね! これは生体電流でとととと当麻の健康状態をチェックとかなんかそういうのなんだから!///」ドキドキ

上条「うわあ嘘っぽい! けど全力で騙されたままで居たい! ふしぎ!!」

上条「それはともかく上条さんは全然元気ですからご心配めされないで! 元気有り余ってマイサンまで元気いっぱいだったりするけどって何言っちゃってんの俺ー!?」

美琴「ととととにかくいいから! あああアンタは黙ってこのままじっとしていればいいのよ! っていうかうわっ、ホントだ布団の下の方がこんもりもりあがってるうううう!!」

上条「うあああああ見るな見ないで見るんじゃないお願いします美琴さんっ!!」

美琴「ふにゃー」

上条「って俺の右手巻き込んだまま気絶すんな腕ひしぎみたいになってんぞコラいてててててて!!!」



525 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 20:32:17.88 ID:mzQKKZ/G0 [72/74]
――――――――
――――
――

禁書「とうま……何また入院しちゃってるんだよ?」

上条「インデックス……」

禁書「心配、したんだから……」

上条「ごめん……」

禁書「まったく、これだからとうまはとうまなんだよ……」

上条「……、ほんと、ごめんな」

禁書「まあ、いいけど。それよりとうま、今回とうまは誰の為に戦ったの?」

上条「そりゃ、お前……」フッ


上条「自分の、為だろ……」

 そう呟く当麻の脳裏には、まだ生々しく残る美琴のおっぱいの感触がリフレインしていた。

禁書「とうま、最低かも……」


~おわり~


527 名前: ◆MDOfmX8bYE [sage] 投稿日:2010/11/16(火) 20:32:58.81 ID:mzQKKZ/G0 [73/74]
いじょ
いい加減だらだら引っ張るのもアレなので自分はこれで最後にします
後は好きな人が好き放題妄想を投下するといいよ?

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