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上条「お前がLv5だって?」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:03:49.72 ID:rz+3gFoa0
たったら書く

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:09:30.11 ID:rz+3gFoa0
ある日の放課後、不幸少年上条当麻はとある友人に呼び出されて校舎の裏に来ていた。

「そうやでー、カミやん。 ボクが学園都市にいる七人のLv5のうちの第六位や」

上条の疑問に世界三大テノールもびっくりの野太い声がエセ関西弁で答える。
青髪ピアス、そう呼ばれるこの男はあだ名通りの青い髪にピアスと、180オーバーの姿だけから見ればかなり怪しい人間である。
もっとも、女性に対する守備範囲の広さも含めれば中身は変態となるが。



こんな感じで

書きためしてある

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:12:22.38 ID:rz+3gFoa0

「何言ってんだお前? 今日はエイプリールフールじゃねーぞ」

「あれ!? カミやん信じてくれへんの!?」

「普通は信じねーよ、じゃあな」

上条は冷めた態度のまま、踵を返し帰ろうとする。
元々、今日は放課後のタイムサービスで安くなる食材を買うために近所のスーパーにダッシュっで向かう予定だったのだ。
ところが、いつもはヘラヘラとしている青髪が妙に真剣な顔をして「放課後話があるから校舎裏に来てや」などというものだから泣く泣く来てやった結果がこれである。
(まったく・・・、おかげで吹寄に「アンタまさかついに男にまで・・・」とか妙な勘違いされるし、ああ今日も不幸だー)
とりあえず、タイムサービスだけは逃すまいと走り出そうとした矢先、

「っ!?」

突然、ビュウ!と音を立て突風が上条を襲った。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:17:36.88 ID:rz+3gFoa0
「ちょっと待ってや、カミやん。これは本当なんやからもっと真面目に聞ぃたってや」

突風を受けて転んだ上条に対して青髪は手を差し伸べると彼を立ち上がらせる。

「・・・今の風ってお前がやったのか?」

「そうやで」

青髪の迷いのない即答に上条は能力によって転ばされたことに対する怒りよりも先に驚きを覚えた。
青髪は上条や土御門とともにΔフォースとよばれる三馬鹿トリオの一角である。現に補習だってほぼすべて出席している。
(だけど、確かこいつって小萌先生を困らせるためだけにやり終えた夏休みの課題を忘れてるしなぁ)
そう考えると今の風の強さから考えてLv3以上である可能性は高い。
だがそれだけでLv5であるという発言を信じることはできない。
なぜなら、Lv5は学園都市230万人の頂点である。それが目の前でバニーさんやロリについて熱く語っていた男などとはどうにも結びつかない。

「やっぱり信じられん?」

「ああ、そりゃな。仮にお前が能力者だとしてもLv5はないだろう、だったら何でお前がこの学校に通っているのか分からないし」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:19:52.21 ID:rz+3gFoa0
上条たちが通っている高校はまったくもって普通の高校である。
御坂美琴が通う常盤台中学やそれと肩を並べる長点上機学園など行った能力養成のエリート校でもなければ、たった一人の能力のためだけの学校でもない。
まったくもって平凡な学校だ。
学園都市側としてもそんなところにたった七人しかいないLv5をそんなところに通わせたりしないだろう。

「ああ、それは簡単や。ボクが小萌センセを見てここに通わせてもらえるように学園都市と交渉したからな」

「ハア!?」

そんな馬鹿な、と言いかけた上条だがこいつならあり得るかもしれないと思い言葉を引っ込める。
とはいえ

「でもそれだけで学園都市側が許可するのか? だって学園に7人しかいないんだぞ?」

当り前の疑問が残る。
しかしその疑問に対して青髪は何時ものしまりのない笑顔でこう答えた。

「それは簡単。ボクが学園都市にとって用無しのLv5やからや」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:22:04.31 ID:rz+3gFoa0




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「いやー、しかしカミやん。いくらわいのせいや言うても夕飯の食材おごらせるのは酷いんとちゃう?」

「黙れ。お前のせいでこっちは生命線のタイムサービス品が全く手に入らず、家の居候とともに餓死するとこなんだよ。それにLv5なら奨学金めっちゃもらってんだろ」

「アホやなカミやん。エロゲーとエロ本にひと月いくらかかると思うてんねん」

「お前、ホントにどんだけかけてんだよ!?」

Lv5の奨学金はそれこそ一般の学生、にとっては及びもつかぬほどの高額のはずだ。

「ったく・・・、まあいい。 ところでさっきの話に戻るけど結局お前が用無しのLv5ってどういうことだ?」

校舎裏での話は結局、上条の台所事情により一時中断。
そのあと全速力でスーパーにむかったものの惨敗を喫し、責任をとって青髪が夕食の食材をおごるという形で事態は決着。
そして今は銀髪碧眼の暴食シスターがまつ、上条のアパートに向かってる途中だ。

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:24:25.20 ID:rz+3gFoa0
「ああ、ところでカミやん。 わいって何の能力者やと思う?」

「いきなり質問を質問で返すなよ。まあ、さっきの風から察するに『風力使い(エアロシューター)』ってとこか?」

上条は前に一方通行と戦ったときを思い出す。
まるで巨人に殴れらたような衝撃、風速120メートルの自動車すら軽く吹き飛ばす烈風の槍は今まで上条が受けた攻撃の中でも相当な威力だった。
(もし、こいつがLv5ならばアレ以上の風が使えるのか・・・、何だろ、台風でも起こせんのか?)

「アハハッ、さすがカミやん。 単純やなー」

「なんだよ違うのか? だって学校での風ってお前がやったんだろう?」

「まあ、確かにあの風はボクがおこしたでー。 じゃあもう一つヒントや」

青髪はそう言って、右手前方に差し出す。
すると


ピキピキピキ・・・と音を立て空気中の水分が氷となる。


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:27:28.53 ID:rz+3gFoa0

「えっ!?」

上条は驚く。青髪の能力はどうせ風関係のものであろうとは考えていたのに対して今青髪が行っているのは風のと何の関係もない能力の実演だからだ。
(まさか多重能力者(デュアルスキル)!? いやそんなはずはない、アレは不可能なハズだ。でも風の能力はどう考えても気流とか気候変化の能力だし、
この氷を作るのは水質操作とか温度変化とか・・・・温度変化?)
そこであることを思いついた上条は自分の少し発想力に思わずニヤリとする。

「わかったぜ青髪。お前の能力は温度変化、もしくは気候変化だ。 今の単純に空気中の水分の温度を急激に下げた凍らせただけ、そしてさっきの風は
空気中の温度の差異を操って風を起こしたんだ。そうだろ?」

「へぇ・・・、さすがカミやん」

青髪は素直に感心したように微笑んだ後

「ハズレや」

そう言って、爆笑した。

「アハハハハハハッ!! なんやそのドヤ顔は! 絶対正解やって思ってたん? 残念やなぁ、何が「そうだろ?(キリッ」や! アハハハハハハッ! 
爆笑しすぎて涙出るわー。ってあれ? なんでカミやんプルプル震えてるん? そんでなんで静かに買い物袋を地面に置いてボキボキ鳴らしてるん?
あ、ちょ、ちょ待って! 悪かった、ボクが悪かったからそんな怖い目でこっちを見て拳を振り上げんでぇーーーーーーーーーーーー!!!」

青髪の絶叫があたりに響きわたり、帰路に着いていた学生たちの注目を一身に集めたことは言うまでもない。


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:33:01.26 ID:rz+3gFoa0



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「で、ボクは現在ズダボロの状態でカミやんのアパート近くの公園ベンチに腰掛けていますと」

「誰に説明してんだ? つーか、そんなにもったいつけてないで教えるならさっさと教えろよな」

「もー、カミやんったらせっかちなんやから。でもそういう積極的なところがフラグ体質の原因なんやろなー」

「? なんのことだ?」

「いやー、気にせんといて」

青髪はそこで一旦言葉を切る。
そして周囲で思い思いの行動に勤しむ学生たちを眺めるとつぶやくように言った。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:37:26.56 ID:rz+3gFoa0
「ボクの能力はな、念動能力(テレキネシス)や」

「念動能力(テレキネシス)?」

「そ、風は空気を動かして、氷は分身運動を操作して起こしてただけや。どや、種明かしされると簡単やろ?」

「へえ・・・、確か、Lv4のテレキネシスは分子レベルで身体をガチガチに固められるってのは聞いたことがあるな。でもテレキネシスだろ? 
その程度でLv5ってのは少しなぁ」
 
今まで二人のLv5と戦った上条として見劣りするところだ。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:40:22.62 ID:rz+3gFoa0
「最大浮遊可能質量10976キロ、最大能力使用可能領域1034メートル、能力精密性AAA、また実験にて太陽光を捻じ曲げることに成功」

「何言ってんだ?」

「これがボクの能力データや」

しれっととんでもないことを口走る青髪。

「なん・・・だと・・・! お前、10976キロって10トン以上持ち上げれるのか!? つーか10トンってどんな量だよ!? 
上条さんの貧困な発想じゃ象が10頭浮いてる場面しか浮かんできませんけど!!」

「まあ、考え方はそんなもんでええよ。 ちなみに精密操作性AAAってのはたしか10段のトランプタワーを同時にに20個以上組み立てたりとか、
コロンブスの卵を同時に10個とかそんなんや」

「すげえ・・・、俺お前のこと見直したよ、ただの馬鹿で変態な馬鹿じゃなかったんだな」

上条は思わず流れ出てきた謎の涙をぬぐいながら称賛の拍手を送る。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:42:23.61 ID:rz+3gFoa0
「アハハ、カミやーん? 馬鹿って2回言っとるでー」

「気にすんな。でもスゲーな、お前絶対ビリビリ、ああ学園都市の第三位より上だよ。
あんなピカチュウ、フーディンのお前に比べりゃずっとボックスに預けっぱなしだな」

「へえー、誰がボックスに預けたままだって?」

「いやだからビリビリはいらな・・・、ってえ?」

突然、割り込んできた聞きなれた声に上条は動きを止める。
そして、後ろから聞こえてくるバチバチというもはや聞きなれた放電音など幻聴だと言い聞かせつつ恐る恐る振り返ると

「・・・御坂センセーいらっしゃんたんですか?」

件の学園都市第三位、御坂美琴が仁王立ちでそこに立っていた。
いつも以上に不機嫌そうな顔で。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:44:30.71 ID:rz+3gFoa0
「アンタいい度胸ね・・・」

「ひいぃぃぃぃぃ!! ちょっと待って御坂さんこれはなんというか言葉のあやというかそういった事情がありまして・・・」

「で?」

上条に必死の弁解も冷徹な返答に封じられる。
(ヤバイ、非常にヤバイですよこれは! これはもういつも通りビリビリ、いやもうそれ以上にバリバリってのが来そうな感じですよこれはぁぁぁあ!!)
しかし上条に予想は外れる。
いつもならば問答無用で雷撃を放ってくるはずの美琴がハアとため息をひとつ吐いた後視線を上条から青髪に移したのだ。

「アンタがLv5って本当?」

「そうやで。ところでカミやんこの女子中学生って夏休みの最後にカミやんのこと引っ張ってった娘やろ?」

「え、ああ、そうだ。そいつが常盤台中学のエース学園都市Lv5第三位の御坂美琴だよ」

「ほぉー、この娘が噂の『超電磁砲(レールガン)』か」

青髪は感心した様子で、御坂を観察する。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/15(月) 17:42:46.12 ID:fF/wW0WZ0
太陽光捻じ曲げるって、虫眼鏡いらずってことか?

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:48:17.47 ID:rz+3gFoa0
>>26
重力レンズ的なイメージですかね






「なんや、美少女って聞いてたけどまだ胸が小さいなぁー」

「っ!! アンタ初対面の相手にずいぶんと失礼ね・・・」

「あ! 大丈夫やで、まだ中学生なんやし、将来に期待ってことで」

横で会話見守っていた上条はいつ美琴が雷撃を放つのかとヒヤヒヤとした気持ちでいたが意外なことに美琴は小刻みに震えるだけである。
そして、心を落ち着かせうように息をはくと

「アンタ、この後すぐそこの河原に来なさい。私と勝負よ」

そう言い残すと青髪からの返答も待たずにさっさと歩きだしてしまう。
そして公園から出ていく彼女を呆然と見送っていた青髪はとなりの上条に話しかける。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:50:35.46 ID:rz+3gFoa0
「なあ、カミやん何かデートに誘われたんやけど」

「いやチゲーよ勝負だって。あいつ何か強い相手と全力で戦いたいっていう何かどこぞの戦闘民族みたいな性格なんだ」

「はあー、これボク行くて言うてないんやけど」

「多分すっぽかすと町でエンカウントするたびに攻撃受けるぞ」

「なんやそれ、少しうらやましいなぁ」

「いやだったら試すといい」

「あれ、もしかしてカミやんそんな状態なん?」

「まあな」

「いいなあ、ラブコメしてるんやなぁ」

「どこが!? むしろ毎日がサバイバルなんだけど!」

「ま、カミやんのそれは今に始まったことや無いしええけど。とりあえず女子中学生からのせっかくのお誘いを無視するのもあれやしカミやんも一緒に来てくれへん?」

「まあ、一応夕食の食材おごってもらったしな・・・。 でも俺を攻撃に巻き込むなよ」

「大丈夫やて。ボクに任せなさい」

そう言って、青髪は胸を張るが上条の不安は消えなかった。




31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:54:23.64 ID:rz+3gFoa0
「遅い!」

「いやつーか、青髪ピアスの返事を聞く前にさっさと行ったお前が悪いんだろうが。そしてなんでそんなにやる気満々?」

上条は準備運動をしている美琴を眺めながらため息をつく。

「ふふ、なんてったってLv5との真剣勝負なんて初めてだからね。そりゃ、ウズウズするわよ」

「はあ、そうですか。つか青髪お前ホント大丈夫か?」

「任せてやカミやん。めったに見れないボクの本気見せたるで」

一方の青髪も余裕崩さず少し腕を伸ばしたりなどのストレッチ。

「ああ、そうだアンタ見てるならスタートに合図くらい言ってよ」

「へいへーい」

上条は反抗しても無駄なので素直に美琴の指示に従うと向かい合っている超能力者(Lv5)の間に立つ。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 17:56:16.29 ID:rz+3gFoa0
「じゃあ、それっぽく二人とも名乗りあげてくれ」

上条がだるそうにそう告げると

「学園都市第三位『超電磁砲(レールガン) 御坂美琴」

一人は自信に満ちあふれた楽しそうな声で

「学園都市第六位『空間制圧(ドミネーター)』青髪ピアス、本名は内緒やで」

一人は軽い調子のいつもと変わらぬ声で自らの二つ名を告げた。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/15(月) 17:55:40.57 ID:OVolXiEqP
太陽光を捻じ曲げるで某ジャンプ漫画のあの人を思い出した

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:00:37.92 ID:rz+3gFoa0
>>32
知ってる人がいてくれてよかった
イメージ的にその人の能力です

しかし、良い二つ名が思いつかなかった・・・orz








先手を取ったのは美琴だった。
それぞれが名乗りを終えた後に待ちきれないのか上条が勝負開始を告げる前に攻撃を仕掛けた。
何時も通りの雷撃の槍、殺さぬ程度に加減してあるとはいえ喰らえば二時間は目が覚めないであろう一撃である。
(ヤバ、少しフライングしちゃった。もしかして終わり?)
しかし彼女の懸念は杞憂に終わる。

「なんや、不意打ちってのは少し卑怯とちゃう?」

無傷の青髪がそこにいた気絶どころか制服には焦げひとつ付いていない。

「そうこなくっちゃね」

美琴は嬉しそうに呟くと追撃の電撃を放つ。
しかしそれが青髪には及ぶことはない。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:03:51.17 ID:rz+3gFoa0
「!? なんで!?」

美琴が疑問に思ったのも無理もないなぜならまるで電撃が彼を避けるに流れていくからだ。

「それは企業秘密。じゃあ次はこっちの番いくで」

そう言って青髪が行った動作は実にシンプルだった。
右腕を振り上げるというただそれだけの行動。
だがそれで世界は一変した。

「嘘っ!?」

河原の地面が根こそぎ捲れ上がったのだ。
それは地面から高さ十メートルあろう巨大な土の壁となって持ち上げると同時に彼女に襲いかかる。
(ヤバイ! このままど生き埋めになる!)
美琴はとっさに巻き上げれらた土から磁力操作により砂鉄を取り出すと自身の周りに防御壁を作る。
2,3トンはあろうかという土砂の雨が彼女を襲うが鉄のシェルターはビクともしない。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:06:37.11 ID:rz+3gFoa0
「ええ、能力やね。じゃこれはどうや」

青髪は余裕を崩さぬまま次の行動に移る。
左腕を斜め下から相手に向かってふるう、すると先はほどまでいつもと変わらぬ様相を呈した川が突然、狂ったように美琴に襲いかかる。
鉄砲水なんて生易しいものではない、濁流そのものが美琴に対して明確な敵意を持ってるようだ。
美琴は悲鳴を上げる暇もなく、押し流される。

「アハハー、カミやん、濡れ濡れ透け透けの女子中学生のできあがりやでー」

「ってお前、流石にやりすぎだろ! クソッ!」

上条は今にもおぼれそうな美琴のほうに向かって駆け出そうとするが青髪は笑ったままだ。

「大丈夫やでカミやん。あの娘まだやる気見たいやし」

「何・・・?」

青髪の言葉に上条が足を止めると、突然ドゴォン! 爆発音が響いた。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:09:34.24 ID:rz+3gFoa0
上条があわてて音源のほうに目をやるとそこには全身から水蒸気を立ち上らせる美琴の姿が。

「アハハ、水の電気分解で水素と酸素に分けて、ついでに発火させたんやねえー。まったく末恐ろしい考えやで」

青髪は両手をパチパチと鳴らし敵に対して称賛の拍手を送りながらもいつもの調子をまるで崩さない。

「そっちだってやってくれるじゃない。 アンタ私のことを不意打ちだとか言ってたけど先に仕掛けてたのはアンタだし」

「はて? 何のことやら分からんなー」

「とぼけても無駄よ、あんた私が発電能力者であることを事前に知ってたから周りを真空状態にしてたでしょ。
空気中よりも真空中のほうが電気が流れやすいのは当たり前、だから私の攻撃は自然とアンタをよけるようになったってわけ。
ったく、手加減なんて考えるんじゃなかったわ」

「ええね、本当に聡い娘やなー。ええなーカミやん、こないに将来有望そうな娘とフラグ立ておって」

「いや、この場合の将来有望って戦闘に関してだよね? 全然よくないからね? むしろ不幸だーー!」

いつも通りの台詞を叫ぶ上条を一瞥した美琴はポケットからコインゲームのメダルを取りだす。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:11:38.01 ID:rz+3gFoa0
「ってあれは!?」

「アンタは巻き込まれたくなかったならさっさと退きなさい。もっともアンタなら打ち消せるでしょうけどね」

美琴は手慣れた動作でコインを頭上に弾く。
上条は被害を受けまいと射線上から退避。
青髪は両手を前にむけて受け止める気満々だ。

「へえー、何が来るかはわかってて避けないのね」

「どんなに暴力的な愛でも受け止めなかったらハレームルートなんて夢のまた夢やからね」

「あっそう」

会話が終わった瞬間、彼女の手元に戻ってきたメダルが音もなく橙色の槍となって青髪を襲った。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:16:48.40 ID:rz+3gFoa0
今、青髪と美琴の間は十メートルほど離れているがそんなもの音速の三倍で飛ぶ『超電磁砲(レールガン)』にとってはないも同然である。
したがって、通常ならば知覚するまでもなく青髪を貫くはずだがそうはならなかった。
上条が美琴の射出動作から少し遅れて空気を裂く轟音を聞いた時、メダルは青髪の手前ニーメトルほどの地点で火花を散らせていた。

(アレはまさかビリビリの超電磁砲(レールガン)を真正面から受け止めてるのか!? 
しかも何かいつもよりもメダルが溶けるのが早いからおそらく空気の密度も増してるはず、しかも余波の電撃も青髪にかすりもしねーってことは
まさか周りの真空操作まで!?)

メダルが溶解するまでの時間は美琴の発射から数えて一秒もないことであったが、その間に青髪がどれほどの演算処理を脳内で行っていたかは
常に幻想殺しで攻撃を防いで入るか上条には全く想像もできなかった。しかしそれが尋常でないことだけははっきりと分かっていた。

「アハハ、流石に頭パンクしそうわー。ほんとえげつないもん撃ってくるなぁー」

美琴の切り札を完封した青髪は頭を押さえながらも笑う。
その笑いだけは、上条が知っている何時も通りの青髪だ。


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:18:22.89 ID:rz+3gFoa0
「嘘・・・、これでも無傷だっての!?」

美琴は青髪の様子に愕然とするが、すぐにまたキッと彼を睨みつけると

「だったらこれよ!!」

そう言って砂鉄の剣を作り出す。
そしてそのまま青髪に向かって振るおうとするが

「もうやめとけ」

バキィン! と音がしたかと思うと砂鉄の剣は崩れ地面に帰っていく。

「流石に往生際が悪いぞお前」

上条は右手で砂鉄の剣を受け止めたまま美琴を睨みつける。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:21:26.33 ID:rz+3gFoa0
「っ! アンタは退いてなさいよ! 部外者でしょ!」

「そうはいかねーよ。青髪ピアスは俺の友達だ」

「いいから勝負の邪魔よ!」

美琴は上条を追い払うと電撃を放つがまたしても右手で防がれてしまう。
だったら・・・ともう一度砂鉄の剣を作ろうとする美琴に対して上条は強引に彼女の肩をつかみ自分の目を見させる。

「お前だって分かってんだろ!! 自分の切り札をあしらった相手にほかの方法で勝てないってことぐらい!!」

「でも! まだ私はやれるわよ!」

なおも食い下がろうとする美琴に対して上条はさらに強く言い聞かせる。


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:24:07.25 ID:rz+3gFoa0
「お前は勝負をしたいんじゃないのかよ! それともただ誰にも負けたくないだけなのか! そうやって相手の勝ちを認めずにいる気なのかよ!」

「だって負けて・・」

「いいや、負けだ! お前の完敗だよ! 横から見てた俺が言うんだ実際に戦ってたお前は当然わかってるはずだろ!」

「でも・・・だって・・・」

今にも泣きだそしそうな顔を見られまいと顔を背けようとした、美琴の顔を無理やり自分のほうに向かせると上条は叫んだ。

「もしテメーがそうやって言い訳をグダグダつけて自分の負けを認めらんねーっていうなら今度は俺が相手だ! その幻想をぶち殺してやる!!」

「う~~~~~!!」

ついに本当に泣き崩れてしまった美琴に対して上条は今までの我が儘な子供に言い聞かせるような声から語りかけるような声に変えて言った。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:25:55.40 ID:rz+3gFoa0
「それにさ、このまま勝負が続けばどっちも無傷じゃ済まなくなるだろ。 俺はどっちも、青髪ピアスも、御坂美琴も、どっちにも傷つてい欲しくねーんだよ
どっちも大切だからな」

その言葉は聞いた美琴はさらに涙を流したがそれは悲しさ悔しさからではく、上条に大切だと言われた嬉しさからくる涙だった。

「ってーなんやボク空気やなー」

何やら良い雰囲気だった美琴と上条に水差す声が響く。

「ってうお、青髪いつまに後ろにいたんだよ」

「いやなんやカミやんが恥ずかしい台詞を叫んでるあたりから全部聞いてるで。
というかあんな大声は辺りに響くやろうからボクの能力で何とか消音しておいたんや。感謝してや」

「何か悪いな」

「ええよ。別に元々ボクが売られたケンカやし。しかし流石カミやんあんなん聞いたらボクでも惚れてしまうで」

「よせよ。当然のことしただけだ」

そう言っていまだにすすり泣いている美琴のほうを心配そうに見つめる上条。

(まあ、ボクはいつもカミやんフラグ体質恨むようなこといっとるけど実は認めてるんやで。
カミやんのそうやって誰に対しても堂々と自分の思ったことがいえるとことか、誰であろうと心配できるとことか)

青髪はそう思ってこの最高の友人を持てたことに対してまた笑った。


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:27:42.11 ID:rz+3gFoa0


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「・・・・ところでなんでそれだけの実力を持っていながらアンタが私より下なの?」

ようやく泣きやんだ美琴は上条の目の前で泣いてしまったことに対して赤面しながらも青髪に対する至極まっとうな意見をぶつけた。

「そういや、俺も気になるな。 あとお前が言ってた『用無しLv5』って意味も」

上条は美琴を落ち着かせるために買ってきた缶ジュースを彼女に渡しながら青髪のほうを向く。

「それは公園でカミやんが言ってたやろ」

「え? 俺なんか言ってたか?」

上条は公園でのやり取りを思い出すものの全く思い当たる節はない。

「いや、確かに言ってたで『でも念動能力(テレキネシス)だろ?』って」

「ああ、言った言った。でもそれが?」

「・・・・そういうことね」

いまだに頭の中の?が消えない上条に対して美琴はその一言で理解したようだった。

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:29:44.53 ID:rz+3gFoa0
「いやどういうことだよ。二人の優等生(Lv5)は分かっても万年補習の劣等生(Lv0)の上条さんには分かりませんことよ」

なんか自分言ってて悲しい上条は少し憂鬱になる。

「アンタLv5ってどんな区分されてるかわかる?」

「ええっと確か並の軍隊とため張れるくらいだっけ」

「まあそんな認識でいいわ。でもそれともう一つ研究の価値ってのも必要なのよ」

「研究価値?」

「つまりはなカミやん。その能力がどれだけ珍しいかってことや」

そこで上条は初めて青髪の言葉の意味を理解する。

「ボクの能力は『念動能力(テレキネシス)』、確かにボクの実力は並の軍隊よりも強いけども珍しくはないんや」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:35:59.97 ID:rz+3gFoa0
つまりはそれが青髪ピアスが『空間制圧(ドミネーター)』なんて大仰な二つ名を持っていながらも第六位である理由。
彼の能力の根幹はまるで珍しくない。オンリーワンの一方通行や未元物質などに比べれば当り前のように、
ましてやおそらく彼よりもLvが低い発電能力者や空間移動能力者のほうが研究価値を持つほどに。
『念動能力(テレキネシス)』は一般人が思い浮かべるもっともポピュラーな能力ゆえにもはや研究はされつくされた分野だ。
上条が最初に彼の能力であろうと推測した風力使いにしても見えない力で何かを操るという点はこの能力と全く変わらない。
それほど普通の能力のなのだ。
だからこそ「周りのものすべてを使って敵を制圧できるほどの念動能力(テレキネシス)」を持ちながらも研究価値は極めて低い。

「そんで、何か無駄に強いだけ。 だから学園都市側してもボクは厄介者なんで『用無しLv5』ってわけや」

上条は理解したなぜ彼の自分の学校に通えるのかも。
研究価値がないのでどこにいてもいいがなるべくならば自分たちに牙をむかないように本人の自由させる。
だからこそ彼の「小萌センセーに惚れた」という理由だけでこうもあっさりLv5が平凡な高校に通えるのだろう。

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:36:11.72 ID:scnFhVtx0
すごいパンチはただのパンチだから第7位なのか

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:38:46.29 ID:rz+3gFoa0
>>61
あれは単純に取り扱い不明だからだと自己解釈してます






「アメってわけか」

「まあ、ボクは女の子からもらえるなら鞭でもええけどね」

そういって青髪は笑う。
考えてみれば上条は本気で怒っている青髪の姿を見たことがない。
もしかしたら記憶喪失前の上条当麻なら、そんな青髪を見たことがあったかもしれないが今の上条は知らない。
上条が知っているのは馬鹿な話を真面目に議論しあえるそんな馬鹿で変態な青髪だけだ。
だからこそ、上条は尋ねた。

「なあ、ところでどうしてこんなこと俺に言おうと思ったんだ?」

もしかしたら自分の見る目が変わってしまうかもしれないのに。
上条はそう続けようと思ったがそれは青髪の言葉で遮れた。

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:43:11.81 ID:rz+3gFoa0
「理由はないけど。ただカミやんだったら言ってもええような気がしただけ、たーだそれだけや。どうせいつかはばれるしな」

青髪は何時もの軽い調子でいつもの笑顔でそう言った。

「・・・お前」

そこで上条は何かを言おうとするが青髪は突然美琴のほうを向くとテンションを急激に上げて話し出す。

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:46:19.60 ID:rz+3gFoa0
「ところで、君ビリビリちゃんやっけ!? 君常盤台中学ってことは学舎の園にあるんやろ、なあ頼むから一度入らせてくれへんか? 
アレって中から許可証もらえれば入れるらしいからなあ」

「なっ! 私の名前はビリビリじゃない! 御坂美琴よ! あとなんで?」

「いやーだって、あそこって街全体がお嬢様学校やろ? ということは入りさえすればお嬢様とたくさんお知り合いになれるチャンスとちゃいますかー!?
なあ、カミやんだってそう思うやろ」

「アンタねぇ・・・そんな下心全開の理由で許可するわけないでしょ!」

「ええやん。一度と戦った仲やないか、だったらその負けた罰ゲームってことで」

「無理に決まってんでしょ! ちょっとアンタも笑ってないで何とか言ってよ!」

「なぁ、なぁ、カミやんも行きたいって思うやろ?」

上条はそんな二人のやり取りを見てただただ、楽しそうに笑うだけだった。





76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:50:29.67 ID:rz+3gFoa0
以上です。

実はこの後に展開も妄想してたんですが、中二病全開のオリジナルが敵として登場してしまうのでやめました

読んでくださって感謝します

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/15(月) 18:52:54.64 ID:WyTS8Iji0
>>76
いいのか?おまえ本当にそれでいいのか?
感謝する暇があるならもっと他にやることがあるだろ?

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 18:57:34.65 ID:rz+3gFoa0
>>81
原作のキャラと対戦だとどうしても青ピが悪役になるので没にしたら
なんかほのぼの系になりかねない
それじゃLv5の意味がないのでやめました
よく考えたら原作の敵って能力者少ないんだもの

暗部組織はなんか書きにくい

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