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上条「インデックス家賃払えよ」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 02:44:54.88 ID:5ad33VLW0
インデックス「え・・・?急にどうしたの当麻?」

上条「お前の実家名家なんだろ?金払えよ、ただで衣食住提供してやれるほど上条さんは裕福じゃないだよ」

インデックス「お金は今はないんだよ・・・」

上条「じゃあ働くか、出て行くか、子供のお守りするこっちの身にもなってくれ」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 03:34:59.65 ID:wXAHazlIO
上条「2万だ」

イン「なんのことかな?」

上条「お前の食費だよ」

イン「とうま、いきなりどうしたの?」

上条「家でダラダラしてるだけの穀潰しだろお前」

イン「え……そんなことないんだよ!」

上条「働かざる者食うべからずだ!きっちり払えよ」

イン「そこまで言うなら払ってあげるんだよ!この体で」
上条「!!インデックスー今日の飯は何がいい?」

イン「なんでもいいんだよ!なんでもいいからお腹いっぱい食べたいな」

上条「じゃあ天ぷらとかはどうだ?たまにはいいだろそういうのも」

イン「なんでもいいって言ってるんだよ!!」

上条「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい今日も幸せになれませんでしたごめんなさいごめんなさい」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 05:00:31.70 ID:7U/YAWIJ0 [1/35]
上条「とりあえず状況を整理しよう」

禁書「整理?」

上条「まずお前の食費……さっきは二万って言ったけど、四万五千円に設定し直します」

禁書「えぇっ!? それはさすがにひどいんだよ、とうま!」

上条「あのな、インデックス。今現在お前の食費が二万で済んでるのはどうしてだと思う?」

禁書「私が我慢しているから?」

上条「んなわけねーだろ! 上条さんが毎回毎回スーパーのタイムセールをチェックして、
    自分の食べる分も減らして、他の全てを捨てる勢いで遣り繰りしてるおかげで
    ギリギリ二万で済んでるんだよ! しかもお前一人の分だけで二万だぞ!!」

禁書「な、なんか怖いんだよ、とうま……」

上条「で、その他に家賃に水道、光熱費。そういった諸経費を足すと……」

禁書「足すと?」

上条「来月からお前が払う金額は六万円だ」

禁書「それはちょっと無理なんだよ」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 05:09:37.97 ID:7U/YAWIJ0 [2/35]
上条「そこでさっきお前がした提案だ」

禁書「身体で払うって言ったこと?」

上条「そう、そしてそれを日本円にして幾らに換算するかという問題だ」

禁書「幾らになるのかな?」

上条「その前に大事なことを確認したいんだが……インデックス、お前処女だよな?」

禁書「──なっ!?」

上条「神に仕えるシスターなんだ、もちろん処女だよな?」

禁書「と、当然なんだよ!!」

上条「じゃあ最初の一回だけは値段が跳ね上がる。……んー、5万ってとこか」

禁書「私の処女はそんなに安くないんだよ!」

上条「不満なのか?」

禁書「汚れの無い乙女の身体、誰も足を踏み入れた事の無い秘密の花園を荒らす権利が
    たったの五万はおかしいと思うんだよ!」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 05:19:39.96 ID:7U/YAWIJ0 [3/35]
上条「ちなみにそれ以降は一回一万円。月に六回するとして、週に一、二回で済む」

禁書「……それも納得いかないかも」

上条「そう言われても上条さんはロリコンじゃありませんし。
    なんだったら土御門にでも頼んで、銀髪白人シスターの肉体を
    高く買ってくれる客を探すって手もあるにはあるが──どうする?
    自分で選んでいいぞ、インデックス」

禁書「どっちも嫌なんだよ……」

上条「インデックスさん、アレも嫌コレも嫌で暮らしていけるほど学園都市は甘くないんですよ?」

禁書「うぅ……」

上条「ま、どうするかは自分で決めろよ? いざとなったらイギリスに帰るって手もあるし」

禁書「とうまのばかーーっっっっっ!!!!」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 05:29:27.97 ID:7U/YAWIJ0 [4/35]
~自販機のある公園~

禁書「思わず飛び出してきちゃったけど……これからどうしよう」

御坂「あれ、あんた確か──」

禁書「たんぱつか」

御坂「一人? こんなとこで何やってんのよ」

禁書「お金を稼ぐ方法を探してるんだよ……」

御坂「何それ、仕事が欲しいってこと?」

禁書「これからは家賃を納めないと追い出すってとうまに言われたんだよ」

御坂「仕事、ねぇ……」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 05:42:25.75 ID:7U/YAWIJ0 [5/35]
御坂「要はお金が手に入ればいいんでしょ? だったら簡単よ」

禁書「どうすればいいのかな?」

御坂「これで稼げばいいのよ」

禁書「ジュースの自販機……?」

御坂「そ。これをこうして──ちぇいさーっ!」

 ガンッ ……ガコン

御坂「これを繰り返して出てきたジュースをその辺の人に売ればお金になるわよ」

禁書「それって私にもできる?」

御坂「ちょっとコツがいるけど──って、マズい!」

禁書「え? え?」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 05:50:38.70 ID:7U/YAWIJ0 [6/35]
御坂「早く逃げないと警備ロボットが来るから、それもセットで頑張って。じゃ、そういうことで!」

禁書「そーゆーのは先に言ってほしいんだよ!」

御坂「ついてこないで! アンタはあっちに逃げなさい!」

禁書「たんぱつの言うことなんて聞くんじゃなかったかも!!」



~公園の外れ~

禁書「はぁ~、なんとか逃げ切れたけど……あの方法は私にはちょっと無理かも」

禁書「これからどうしよう……」

 グゥ~

禁書「お腹空いたんだよ……」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 06:05:52.79 ID:7U/YAWIJ0 [7/35]
~第七学区~

禁書「そろそろ私も限界かも。……誰でもいいからご飯を食べさせてほしいんだよ」

禁書「──!!」

禁書「あの人、前にとうまやたんぱつと一緒にいた人なんだよ!」

 タッタッタッタッ

禁書「ちょっと待ってほしいんだよ!」

 ガシッ

佐天「はい?」

禁書「私に食事とお金と食事と仕事と食事と食事をご馳走してほしいんだよ!!」

佐天「えっと……ごめん、誰でしたっけ? 会ったことあります?」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 06:17:50.41 ID:7U/YAWIJ0 [8/35]
佐天「せいやっ!!」

 ドゴォ!

禁書「ごふっ!」

 バタリ

佐天「ふ~、危ない危ない。見知らぬ女の子がしがみついてくるなんて、普通ありえないよね」

佐天「怪しい人に注意しなさいって初春も白井さんも言ってたし、
    こういうのは何かの罠って相場が決まってるんだから」

佐天「さってと、急がないと初春との約束に遅れちゃうな」

 テクテクテク

禁書「う、くぅ……酷い目に遭ったんだよ……。とうまの知り合いかと思ったのは間違いだったかも」

禁書「お金も無いしどうすればいいのか分からなくなってきたかも……」

禁書「とうま……」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 06:36:48.12 ID:7U/YAWIJ0 [9/35]
禁書「なんだか暑くなってきた気がするんだよ」

禁書「どうせ『歩く教会』はとうまのせいでダメになっちゃってるし……」

禁書「これを着てると、とうまのこと思い出すんだよ……」

禁書「こんなの、もういらないんだよ!!」

 ポイッ

禁書「ちょっとスッキリしたかも」

 \ウワ、ナンダアレ/ \チジョダー/

禁書「??」

 \ウワサノヌギオンナッテアレノコト?/ \シャシントロウゼ、シャシン/

禁書「や、やっぱり恥ずかしいんだよ///」

黒子「ちょっと、そこのアナタ」

禁書「へ?」

黒子「こっちに来て下さいまし!」

 フッ

\ヌギオンナガキエタゾ/ \サガセー!/

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 06:45:46.70 ID:7U/YAWIJ0 [10/35]
~第七学区・路地裏~

黒子「街中で破廉恥な騒ぎが起きていると聞いて来てみれば……一体何をしていたんですの?」

禁書「服を脱いでみたんだよ」

黒子「そんなことは見れば分かりますの! 一体どうしてそんなことをしたのかを訊いてますの」

禁書「えと……なんとなく、かも」

黒子「はぁ……。うら若い乙女があのような公衆の面前で衣服を脱ぎ捨てるなんて常識を疑いますわ」

黒子「しかもその理由が『なんとなく』とは。もう少し公衆道徳というものを考えてほしいですわね」

黒子「とりあえず連行──ん? 貴女は以前何処かでお見かけしたような……」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 06:53:57.54 ID:7U/YAWIJ0 [11/35]
黒子「思い出しましたわ! 貴女、あの類人猿のお知り合いでしたわね?」

禁書「るいじんえん?」

黒子「確か──カミジョーさん、と仰いましたかしら」

禁書「とうまのこと?」

黒子「そうそう、上条当麻とかいう名前でしたわね」

禁書「うん、でも今は……」

黒子(はて、どう致しましょうか……)

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 07:04:03.54 ID:7U/YAWIJ0 [12/35]
黒子「分かりましたわ。あの殿方の関係者ということであれば、今回は大目に見て差し上げます」

黒子(この方が類人猿の傍に居続ければ、お姉さまとの仲も進展せずに済む気が致しますし)

禁書「それって私をとうまの所に連れて行くってこと?」

黒子「ええ、何か問題でも?」

禁書「その、私、とうまの所から家出したんだよ!」

黒子「家出? 事情は存じ上げませんが、それならなおさら放ってはおけませんの」

黒子「さ、行きますわよ」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 07:10:24.39 ID:7U/YAWIJ0 [13/35]
~とある学生寮・上条当麻の部屋~

黒子「──と、まぁそういうわけなんですの」

上条「そっか、わざわざありがとな、白井」

黒子「いえいえ、これもジャッジメントとしての仕事ですの」

上条「おかえり、インデックス」

禁書「……」

上条「お か え り」

禁書「たっ……ただいまなんだよ」

黒子(……少し様子がおかしいですわね)

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 07:25:19.60 ID:7U/YAWIJ0 [14/35]
黒子「少し宜しいかしら?」

禁書「へ? 私?」

黒子「ええ、ちょっとベッドの脇に立っていただけます?」

禁書「意味が分からないんだよ」

黒子「立っていただければ分かりますの」

禁書「うん……わかったんだよ」

 テクテク

禁書「これでいいのかな?」

黒子「ちぇぇぇぇぃさぁぁぁぁーッッッッッ!!!!!」

 ガシッ  ドサッ

禁書「えっ!? やっぱり意味が分からないかも!!」

黒子「ハァ……ハァ……」

黒子「お姉さまには及ばずとも、この仄かに甘い香りに滑らかな肌……!
    黒子は……黒子はもう……!!!」

禁書「とうま! 助けてとうまーッ!!」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 07:29:50.38 ID:7U/YAWIJ0 [15/35]
上条(……しまった、出遅れた)

上条(しかし上条さんの知らない間に、ここは百合の園になったんでせうか)

上条(このまま見ていても仕方ないしなぁ)

上条(インデックスも助けを求めてはいるけれど……)

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/20(水) 07:43:54.74 ID:7U/YAWIJ0 [16/35]
上条「ちょっと待ったぁぁぁぁぁ!!!」

禁書「とうま!」

黒子「何ですの、騒々しい。もう少し空気を読んで下さいまし」

上条「白井、悪いがインデックスは俺の大事な家族だ!」

禁書「とうま!」キラキラ

黒子「まさか……止めるおつもりですの?」

上条「はっはっは、上条さんはそんな無粋なことは致しません」

禁書「と、とうま?」

上条「単刀直入に言う。三万で手を打とう。いや、インデックスは処女だから二十万だ」

黒子「……少々お高いですわね」

上条「出すところに出せば五十万はかたいんだけどなぁ」

黒子「ふむ……」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 08:00:46.01 ID:7U/YAWIJ0 [17/35]
黒子「ではキャッシュで」

 サッ

上条(持ってるのかよ! 流石、常盤台のお嬢様)「17、18、19……20、と。はい、確かに」

禁書「とうま……? ねぇ、とうま。本気なの?」

上条「良かったな、インデックス」ニコッ

上条「これで三ヶ月はここに住めるぞ」

禁書「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

黒子「さて、これで二人の間に障害は無くなりましたわね」

 ~♪

黒子「今度は何ですの……まったく」ブツブツ

黒子「って、お姉さまからメール?」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 08:14:55.28 ID:7U/YAWIJ0 [18/35]
黒子(ハッ! これはひょっとしてお姉さまからわたくしへの愛を綴ったメールなのでは!?)

黒子(このタイミングで届いたのも、やはりわたくしはお姉さまだけを愛し、一途に生きよという天啓なのでは……)

黒子「わたくし、用事を思い出しましたわ」

黒子「申し訳ありませんが、これは返していただきます」

 サッ

上条「あっ!」

黒子「それではごきげんよう」

上条「おい、ちょっと待て! キャンセル料は──」

 フッ

禁書「助かったんだよ……」

上条「チッ」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 08:30:33.70 ID:7U/YAWIJ0 [19/35]
禁書(助かったのはいいけれど……どうしよう)

禁書「……とうま?」オドオド

上条「せっかく客がついたと思ったのにな」

禁書「……」

上条「これでふりだしに戻ってしまったわけですが。どうするインデックス?」

禁書「私、頑張って仕事を探すんだよ! それでとうまにちゃんと家賃を払うんだよ!」

上条「ふー……」

上条「で? 何かアテはあるのかよ?」

禁書「そ、それは……。でもやっぱり身体を売るなんて嫌なんだよ!」

上条「……でもな、インデックス。お前に出来ることって何だ? 女ってこと以外、何も無いだろ?」

禁書「そんな……ひどいよ、とうま」

禁書(こうなったら……)

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 17:02:15.51 ID:7U/YAWIJ0 [22/35]
禁書「誰か相談出来そうな人を探すんだよ! それまで待ってほしいかも!」

上条「それはいいけど、なるべく早く頼むぞ」

禁書「それじゃあ行ってくるんだよ」

 ガチャッ バタン

上条「上手く売れたと思ったんだがなぁ……。はぁ、不幸だ……」


~再び、第七学区~

禁書(とは言ったものの……どうすればいいのかさっぱりなんだよ)

禁書(──あ! あの人はさっきの……)

佐天「次はどこ行く? いつもどおりセブンスミスト?」

初春「その前にご飯食べに行きませんか? 私もうお腹空いちゃって……」

禁書(さっきはいきなり蹴られたけど、もう一人の方は優しそうかも!)

 タッタッタッタッ

禁書「お願いなんだよ! 私を助けてほしいんだよ!」

 ガシッ

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 17:06:47.31 ID:7U/YAWIJ0 [23/35]
初春「ふぇ?」

佐天「あっ! この子さっきの!」

初春「佐天さん、知ってるんですか?」

佐天「知ってるっていうか、いきなりしがみ付かれたから思わず蹴り倒しちゃったんだよね~」

初春「蹴り──って、そんなことしたら可哀想ですよ!」

佐天「いや、だってさー。最近物騒だって、この前初春も言ってたじゃない?
   何があるか分からないし念の為っていうか」

初春「物騒なのは佐天さんじゃないですか」

禁書「私の話も聞いてほしいんだよ……」

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 17:16:47.97 ID:7U/YAWIJ0 [24/35]
~ファミレス・Joseph's~

ウェイトレス「お待たせしました」

ウェイトレス「『タンドリーチキン乗せピラフ』の方」

禁書「はい」

ウェイトレス「『こんがりヒレステーキ&海老フライ』の方」

禁書「はい」

ウェイトレス「『パンプキンとキノコのドリア』の方」

禁書「はい」

ウェイトレス「『ラーメン』の方」

禁書「はい」

初春「それ、全部食べられるんですか?」

禁書「当然なんだよ!」モグモグ

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 17:25:23.43 ID:7U/YAWIJ0 [25/35]
佐天「見てるだけでお腹一杯になりそう……」

初春「それで話の続きなんですけど、お仕事を探してるんですよね?」

禁書「そうなんだよ。家賃を払わないといけないんだよ」ムシャムシャ

佐天「仕事っていってもねぇ、今まで働いたこと無いんでしょ?」

禁書「もちろんなんだよ!」ガツガツ

初春「これといった特技も無いとなると、ちょっと難しいですね」

禁書「見捨てないでほしいかも……」

初春「そうですね、白井さんか固法先輩に相談してみましょうか」

佐天(たらい回し、か)

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 17:33:43.49 ID:7U/YAWIJ0 [26/35]
~ジャッジメント・第一七七支部~

固法「あら、今日はお休みだったはずじゃ……」

初春「そうなんですけど、ちょっと固法先輩に相談がありまして」

佐天「こんにちわー」

禁書「お茶とお菓子を要求するんだよ!」

固法「……何度も言うようだけど、ここはあなたたちの溜まり場でも遊び場でもないのよ?」

初春「すみません……」

佐天「あはは、用が済んだらすぐ帰りますから」

固法「そういえばその子は誰? 見ない顔だけど」

初春「あ、はい。えっとですね」

禁書「私はインデックスっていうんだよ」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 17:45:34.66 ID:7U/YAWIJ0 [27/35]
固法「仕事?」

初春「はい、固法先輩なら何か知ってるんじゃないかと思って来たんですけど」

固法「ここは職業安定所でもないんだけど……」

佐天「だったらジャッジメントで使ってみる、っていうのはどうです?」

固法「そんなの無理に決まってるじゃない。それで? 一体幾ら必要なの?」

禁書「毎月六万円必要なんだよ」

固法「なら普通にバイトでもすればいいじゃない。そのくらい稼げる額でしょう?」

佐天「それがこの子、何も出来そうにないんですよ。
   精々頑張っても簡単なお遣いくらいだと思います」

固法「お遣い、ねぇ……」

固法「じゃあちょっと牛乳買ってきてくれる?」

禁書「牛乳?」

固法「ええ、ムサシノ牛乳。買ってきてくれたらお駄賃あげるから」

禁書「行ってくるんだよ!」

 ガチャッ バタン

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 17:52:30.03 ID:7U/YAWIJ0 [28/35]
禁書「買ってきたんだよ!」

固法「はい、お疲れ様」

佐天(10分22秒、か。流石に時間掛かりすぎでしょ、これは)

固法「……」

禁書「早くお駄賃欲しいかも!」

固法「……温いわね、この牛乳」

禁書「えっ?」

固法「初春さん」

初春「は、はいっ!」

固法「ちょっと見本みせてあげてくれる?」

初春「分かりました!」

 ガチャッ バタン

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 18:00:48.44 ID:7U/YAWIJ0 [29/35]
初春「買ってきました!」

固法「ありがと」

佐天(嘘! まさかの2分ジャスト!)

固法「ほら、あなたの買ってきた牛乳と比べて御覧なさい」

禁書「……!? 私のより冷たいかも!」

固法「やっぱり今後も初春さんに頼んだ方がいいみたいね」

佐天(っていうか、初春ってパシリだったんだ……)

禁書「そんな……」

固法「お金が必要だって言ってたけど、それって居候先に家賃として支払うんでしょう?
   働いて稼ぐのが無理なら身体で払うしかないんじゃないかしら」

佐天「うわ、直球ですね~」

初春「固法先輩……///」

禁書「それだけは嫌なんだよ!」

固法「ちょっ/// そうじゃなくて! 掃除とか洗濯とか料理とか、
   そっちのスキルを身に付けた方がいいんじゃないかってことよ」

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:18:17.65 ID:7U/YAWIJ0 [32/35]
禁書「……それが出来るようなら苦労は無いかも」

固法「今まではその気が無かったんでしょう? 一度本気でやってみたらどう?
   それでもダメなら、その時に他の方法を考えればいいじゃない」

禁書「う~ん……」

禁書「わかった。やってみるんだよ!」


~とある学生寮・上条当麻の部屋~

上条「で、戻ってきたわけだ」

禁書「う、うん……」

上条「それは何だ?」

禁書「これはかざりとるいこに買ってもらったんだよ」

上条「ふぅん、食材にレシピ本か」

禁書「私の完全記憶能力をもってすれば、料理なんて簡単なんだよ!」

上条「簡単、ねぇ」

禁書「本気になった私をとうまに見せてあげるんだよ!」

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:24:42.09 ID:7U/YAWIJ0 [33/35]
 ─30分後─

禁書「出来たんだよ!」

上条「……何だコレは?」

禁書「何ってホットケーキなんだよ」

上条「……」

禁書「早く食べてほしいかも。そして私の実力の前にひれ伏してほしいんだよ!」

上条「こんなモノが食えるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああッッッッッッ!!!!!!」

 ガッシャァァァァァン!!

禁書「ひぃっ!」

上条「これのどこがホットケーキなんだよ! 黒炭みたいに真っ黒じゃねぇか!」

上条「しかも上にかかってるのは何だ? コールタールか何かか?
   それともイカスミでもゲロってぶちまけたのかよ! あぁ!?」

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:30:34.36 ID:7U/YAWIJ0 [34/35]
禁書「それはただの黒蜜なんだよ」

上条「それにしたってやりすぎなんだよ! かけたっていうより漬けただろ、これは!」

禁書「その方が甘くて美味しいと思って……」

上条「はぁ……やっぱダメだな、お前」

禁書「そんな……とうま……」

上条「お前はレシピを記憶しても、それをその通りに実行する能力が無いんだ。
   サッカーのルールを読めばプロ選手になれるのか、ってのと同じだよ。知識と技術は別物なんだ」

禁書「……」グスン

上条「この分じゃどうせ掃除や洗濯も無理だろ。どうする? ドイツの変態肉屋行くか?」

禁書「い……」

上条「い?」

禁書「い、一週間後なんだよ! 今度こそ本物のホットケーキを食べさせてあげるんだよ!!」

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:35:09.21 ID:7U/YAWIJ0 [35/35]
~月詠小萌の部屋~

小萌「上条ちゃんも結構キツいですね~」

禁書「助けてほしいんだよ。それと出来れば他の料理も教えてほしいかも」

小萌「シスターちゃんのお願いですし、聞いてあげたいのはやまやまですけど……
   先生も仕事があるのですぅ。それに最低限のことしか教えてあげられないのですよ?」

禁書「じゃあじゃあ他に誰か、料理が出来る人を紹介してほしいかも!」

■■「……」

小萌「そう都合よくはいかないのですよぅ」

禁書「うぅ……」

■■「……」

禁書「……他を当たってみるんだよ」

170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 17:00:48.05 ID:8gg+NcZy0 [3/12]
姫神「私が教える」

禁書「あいさ!?」

小萌「姫神ちゃん、いつ帰って来たんですか?」

姫神「ここにいた。さっきからずっと」

禁書「あいさは料理できるの?」

姫神「当然」コクン

姫神「一週間。それだけあれば何とかできる」

禁書「よろしくなんだよ!」


 ─そして一週間後─


■■「手抜きはよくない」

■■「特訓シーン。ほしかった」

171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 17:08:38.64 ID:8gg+NcZy0 [4/12]
~とある学生寮・上条当麻の部屋~

上条「えー、そんなわけで約束の一週間が経過したわけですが」

禁書「とうまの作ったホットケーキよりは美味しい自信があるんだよ!」

上条「何言ってるんだインデックス、そんなの当然だろ。その程度じゃ意味無いぞ」

禁書「!? どういうことなのかな?」

上条「俺が提示した家賃の額、覚えてるよな?」

禁書「……六万円」

上条「そう、六万だ。けどなぁインデックス、何処にでもいる『ザ・一般人』、
   しかもその代表にもなれるような、ただの一高校生でしかない上条さんより
   ちょっとばかし美味い料理が作れたからといって、
   それが六万という額を帳消しに出来るほどか? 常識で考えてみろよ」

禁書「もちろんお掃除もお洗濯も頑張るんだよ!」アセアセ

上条「それも含めて、だ。とりあえず料理について考えてみるが……食費そのものは全額俺が出すわけだろ?
   となると、あくまで調理の手間に関してのみで六万円に値することをやってもらわないと駄目ってことだ」

禁書「う、うん……」

172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 17:14:19.45 ID:8gg+NcZy0 [5/12]
上条「というわけで今回は特別ゲスト、土御門舞夏さんにお越し頂きましたー」

 ガチャッ

舞夏「よろしくだぞー」

上条「んじゃ、どちらのホットケーキがより美味しいのか。勝負してもらいましょう」

禁書「……え?」

上条「そして審査員はこの方たちです!」

 ガチャッ ゾロゾロ…

173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 17:27:22.94 ID:8gg+NcZy0 [6/12]
打ち止め「美味しいホットケーキって聞いて、ミサカはミサカは期待してみたり!」

一方通行「ったく、ガキくせェ……」

黄泉川「こいつらの引率で来たじゃん。あと小萌先生にも頼まれてるじゃん」

ステイル「インデックスの料理が食べられると聞いて」

神裂「突っ込み役が必要かと思いまして」

御坂妹「ここまで揃うと流石に狭いですね、とミサカは困惑します」

上条「豪華がどうかは分かりませんが、こんな感じで集まってもらいました」

上条「実は五和さんも料理が得意ということで呼んでみようかと思ったんですが、
   色々危険だという助言を神裂さんから頂いたので、やむなく中止に致しました」

神裂(上条当麻絡みで、女同士の勝負で、しかも題材が料理。万が一何かあれば責任が持てませんからね……)

上条「では早速、調理をお願いします」

禁書「頑張るんだよ!」

舞夏「台所借りるぞー」

175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 17:42:30.46 ID:8gg+NcZy0 [7/12]
御坂妹「しかしこれだけで料理の腕が分かるものでしょうか、とミサカは状況を疑問視します」

ステイル「僕はインデックスが作ったものなら、このまま毎日毎日まーいにちホットケーキが続いても一向に構わないけどね」

一方通行「はン、おめでてェこった。脳ミソも胃袋も同時に色ボケかァ?」

ステイル「……なんだと?」

一方通行「やる気かァ?」

打ち止め「ねぇねぇ」

 クイクイ

一方通行「あン?」

打ち止め「もしも私が毎日ホットケーキを作ったら、アナタは全部食べてくれる? ってミサカはミサカは質問してみる!」

一方通行「そンなの、当然だろォが。聞くまでもねェよ」

 ナデナデ

打ち止め「えへへ~って、ミサカはミサカは喜んでみたり♪」

ステイル(こいつ、やべぇ……)

神裂(どうやら真性のようですね……)

黄泉川(そろそろ寝室を別にしないといけないじゃん)

179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 17:51:55.26 ID:8gg+NcZy0 [8/12]
舞夏「できたぞー」

禁書「完成したんだよ!」

上条「っと、双方早くも調理が終了した模様です」

上条「それでは試食タイムに移ります」


打ち止め「どっちもすごく美味しいんだよって、ミひゃカはミひゃかわ──」モグモグ

ステイル(僕はどうすればいいんだ……。インデックスの料理を不味いなどと言いたくはない。
     だが勝負に負けた彼女がここを出て行くことになれば、僕と一緒に暮らすという目も……糞ッ!)

御坂妹「……」パクパク

一方通行「ま、こんなもンだろォなァ……」モグモグ

黄泉川「うん、悪くないじゃん」ムシャムシャ

上条「では審査員の皆さん、どちらのホットケーキが美味しかったのか。手元にあるフリップボードを一斉にお願いします」

禁書「……」ドキドキ

上条「せーの!」

 ドン!

181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 17:58:59.19 ID:8gg+NcZy0 [9/12]
上条「まず打ち止めは『引き分け』か」

打ち止め「やっぱり両方とも美味しかったんだよって、ミサカはミサカは批評してみる」

上条「そして一方通行も『引き分け』?」

一方通行「あァ……つーか、どっちも負けだ」

上条「その心は?」

一方通行「両方とも安物のホットケーキミックスを使いやがったな?
     卵もタイムセールで1パック58円の偽物だァ。こンなの食えたもンじゃねェよ。
     卵はもちろン、小麦粉、砂糖、牛乳。全部『本物』の材料を揃えてだなァ──」

上条「えー、長くなりそうなので次に行きたいと思います。あれ、黄泉川先生も『引き分け』ですか?」

黄泉川「両方とも美味かったじゃん。それに生徒の努力に対して優劣をつけるような真似はしたくないじゃん」

上条「二人ともうちの生徒じゃありませんけどね。まぁそれはそれとして、ステイルは……やっぱ『インデックス』か」

ステイル「公平に判断したつもりだ。強いて判断材料を挙げるなら、僕の舌に合っていた、といったところかな」

上条(嘘つけ)

神裂(やはり私情が入りましたか……)

182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 18:11:40.41 ID:8gg+NcZy0 [10/12]
上条「ふーん、じゃあ次は神裂。……は、『土御門舞夏』か」

神裂「こちらの方が全体的に味が調っていました。粉っぽさもありませんし、焼き加減も完璧です」

上条「なるほど。んじゃ最後に御坂妹……って、おいおい! お前も『引き分け』かよ。
   あと、その下に書いてある『ミサカに+1』ってなんだ?」

御坂妹「ミサカの方が上手く作れるという意味です、とミサカは自賛します。
    毎日ここへ作りに来てもいいですよ、とミサカは話を持ちかけます」

上条「あ、いや、それはまた後で話すとして」

禁書「あれ? これって……」

舞夏「1対1のイーブンだなー」

黄泉川「ということは、だ」

一方通行「あとは三下ァ、てめェの意見で決まるって事だなァ」

禁書(とうま……)ドキドキ

上条「俺か? 俺は──」

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 18:21:27.96 ID:8gg+NcZy0 [11/12]
 ドン! 『土御門舞夏』

上条「これで2対1だ。お前の負けだな、インデックス」

禁書「とうま……」グスッ

禁書「でも! 勝負には負けちゃったけど……私、やっぱりここに居たいんだよ!」

禁書「お願い、とうま! 私頑張るから! お料理ももっともっと練習して、まいかより上手くなってみせるから!」

禁書「お掃除も! 洗濯も! 全部ぜんぶ頑張って、とうまに迷惑かけないようにするから!」

上条「……」

上条「…………」

上条「────その言葉が聞きたかった」

185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 18:30:19.61 ID:8gg+NcZy0 [12/12]
禁書「……え?」

上条「インデックス、そもそも『勝負に負けた時は追い出す』なんて、俺は言ってなかったろ?
   俺は最初からお前のことを追い出すつもりなんて無かったんだ」

禁書「とうま……」パァァァ~

ステイル(……チッ)

上条「よく頑張ったな、インデックス。お前のホットケーキ、美味しかったぞ」

禁書「とうまぁぁぁっ!!」ギュッ

上条「これからもよろしくな」ギュッ

禁書「うん……うん! ずっと一緒なんだよ!」グスッ

上条「あぁ、ずっと一緒だ」

 ナデナデ

上条(……ククク……)

上条(この勢いで恋人関係になれば、家事も全て任せた上に毎晩タダマンゲットだぜ!
   『インデックス家賃払えよ』作戦成功wwwwwww上条さんマジ天才wwwwwwww)


 ~end~


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