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唯「真鍋和の懊悩」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 21:25:36.59 ID:AQ3X0ZGYP
 みなさんは、モテ期という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
 人生に何回かやってくるモテモテになる時期らしいけど、私、真鍋和は今までそんなもの信じていませんでした。
 そう、あの日が来るまでは・・・


2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 21:27:08.64 ID:AQ3X0ZGYP
 その日の朝、私は久しぶりに寝坊してしまいました。
 朝食を食べる時間を省けばギリギリ間に合う時間だったので、私は朝食を食べずに家を出ました。
 私は、毎朝朝食後にトイレに行くのが日課だったのですがその時間もなかったので、ちょっとだけ便意がこみ上げてきました。

唯「のーどかちゃんっ!」

 通学路を歩いてると唯に声をかけられました。彼女は私の幼馴染です。

和「唯。おはよう」

唯「おはよ~。ねーねー和ちゃん」

和「何?」

唯「和ちゃんって好きな人いる?」

 唯がこんなこと聞いてくるなんて意外でした。

和「えっと・・・いきなりどうしたの?」

 とりあえず会話を続けました。
 便意はありましたが、この時の私は、学校に着いたらトイレに行けばいいや程度にしか考えていませんでした。
 今思うと、これが忘れられない一日の始まりだったのです。


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 21:30:50.72 ID:AQ3X0ZGYP
唯「なんとなくだよ~。それで、どうなの?」

和「好きな人?今は別にいないけど・・・」

唯「そっかあ」

和「あんたはどうなの?」

唯「え!?」

和「え?私に聞いてきたってことは、そういう話をしたかったんじゃないの?」

唯「べ、別に違うよ。ごめんね、気にしないで!えへへ」

 何か様子がおかしいと思いましたが、唯はもともとちょっと変な子です。
 私は特に気にしませんでした。
 トイレに行きたかったからか、自然と早歩きで歩いていました。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 21:40:43.73 ID:AQ3X0ZGYP
 学校に到着したけど、トイレに行く時間はありませんでした。
 唯と別れて自分の教室へ。あ、これは私が2年生の頃の話です。
 席についた直後に1時限目の先生がやってきました。

先生「出席を取りまーす。秋山」

澪「はい」

 澪が返事をしながらこちらを見て私と目が合いました。
 彼女は唯と同じ軽音部です。澪はすこしニコッとすると、目線を前に戻しました。
 今の笑顔にどういう意味があるのかはよく分かりませんでしたが、
 おそらく「ギリギリセーフで良かったな」といった感じの意味だと思いました。


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 21:51:17.16 ID:AQ3X0ZGYP
 1時限目の間は、たまにこみ上げて来る便意のおかげでなかなか集中できませんでした。
 でも何とか乗り切り、授業終了のチャイムが鳴りました。

「きりーつ。れい。ありがとうございましたー」

 挨拶を終え、私はさっさとトイレに行こうと席を立とうとしましたが。

澪「和!」

 澪に話しかけられました。

和「おはよう」

澪「おはよう。今日の朝遅かったよね。どうしたの?」

和「ちょっと寝坊しちゃってね」

澪「和が寝坊なんて珍しいなー」

和「普通は寝坊なんてしないでしょ」

澪「やっぱり和はすごいよ」

和「そんなことないって」


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 22:04:32.66 ID:AQ3X0ZGYP
  キーンコーンカーンコーン。

和「!」

澪「あ、もうか。じゃあ席に戻るね」

和「え、ええ」

 澪と話しているうちにトイレに行きそびれてしまいました。
 だって、澪が話してる時すごく楽しそうだったから途中でトイレに行きづらかったんです。

先生「水と酸素を化合させると・・・」

 授業の内容はあまり頭に入りませんでした。
 便意がこみ上げる頻度が上がってきたので、ノートを取るのがやっとです。
 それでもなんとか授業終了時間になりました。


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 22:15:08.90 ID:AQ3X0ZGYP
和「澪には悪いけど・・・」

 授業が終わると同時に立ち上がり、廊下に出ました。
 そしてトイレに到着・・・だけど満室でした。
 普段なら待つところですが、いつ開くともわからない扉を待っていられる心境ではなかったので、
 1階下のトイレに向かいました。1年の教室がある階です。

憂「あ!和さん!おはようございます!」

 トイレの手前で、唯の妹である憂と出会いました。

和「あら、おはよう」

憂「今日、お姉ちゃん学校間に合いました?」

和「私と同じだったから間に合ったと思うわよ」

憂「そうですか。良かったあ」

和「じゃあ私はトイ」

憂「でも、お姉ちゃんと同じって和さんも結構遅かったんですね!」

 またその話題ですか。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 22:25:17.56 ID:AQ3X0ZGYP
憂「・・・でも、私もお姉ちゃんも和さんのおかげで今までやってこれたんですよ」

和「そんなこと」

憂「和さんは私の憧れでしたから!あ、言っちゃった//」

和「そ、そう。ありがとう」

 キーンコーンカーンコーン。

憂「あ。じゃあ私は戻りますね~」

和「ええ・・・」

 憂と話して、というより一方的に話されてまたトイレに行けませんでした。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 22:38:54.55 ID:AQ3X0ZGYP
 3時限目。そろそろ便意のこみ上げる頻度が多くなり、便意がない時の方が少なくなりました。

先生「ここでxに代入して・・・」

 先生。代入よりも大便がしたいです。あ、上手いこと言っちゃいましたね。

「きりーつ。れい。ありがとうございましたー」

 下らないことを考えている間にやっと授業が終わりました。ノートは少ししか取れませんでした。

澪「あ、和」

和「ごめん、後で」

澪「うん・・・」
 
 澪は想像以上に落ち込んでしまいましたが、心を鬼にして教室を出ました。
 ああ、これでやっとトイレにいける。そう思っていると。

律「おー!和!」

和「あ・・・」

 軽音部の部長、律に話しかけられました。

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 22:54:19.40 ID:AQ3X0ZGYP
律「ねえねえ」

和「な、何?」

律「お昼、私も一緒に食べていい?」

 ちなみに普段の昼休みは、澪と私で食べていました。

和「うん。いいけど」

律「へへ、サンキュー」

 律と澪は幼馴染なので、きっと一緒に食べたくなったんだろうな。
 そんなことを考えながら、私の今の目的を思い出しました。

和「そうだ。私トイレに」

律「和と澪っていつもどんな会話してんのー?」

 このパターンはまずい。私もわかっていました。
 だけど私の性格上、質問を投げかれられてしまったら答えないわけにはいきませんでした。


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 23:12:53.28 ID:AQ3X0ZGYP
 なんだかんだで4時限目に突入してしまいました。
 便意はこみ上げて来る、というよりも常に便意に襲われていました。結構辛かったです。
 
先生「こうしてベルリンの壁が崩壊して冷戦は・・・」

 先生、私のベルリンの壁が崩壊してしまいそうです。おっとまた上手いこと言ってしまいました。
 そしてなんとか4時限目も終了。もはやノートを取る余裕などありませんでした。
 起立と礼をすませ、トイレに向かおうとします。
 ここまで来るとみなさんも予想できてしまうかもしれませんが、またしても妨害されました。

律「おっす!来たぞー」

唯「えへへ、私も来ちゃった」

紬「おじゃましまーす」

 律と唯と紬です。おそらくそういえば律と一緒に食べる約束をしていたなあと思いだしました。

和「先に入ってて、私は」

 ここまで言いかけて思いました。今から考えるとその時の私にはまだ余裕があったのでしょう。
 昼休みのトイレは、ご存じの通り一番混みあいます。運が悪ければ、昼を食べる時間が無くなってしまうのです。

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/14(日) 23:25:20.82 ID:AQ3X0ZGYP
 せっかく唯や軽音部のみんなとお昼を一緒に食べれるのに、そんなのは嫌でした。
 私は決心しました。昼休みの間は我慢しよう、と。
 そして、昼休みが終わる直前にトイレに行き、5時限目は遅刻しても構わないと。

律「ん?どうした?」

和「なんでもないわ。入りましょうか」

 みんなとのお昼はとても楽しいものでした。
 もちろん便意はつらいものがありましたが、楽しく会話をしていると辛さも軽減したような気がしました。

唯「和ちゃん、食べさせてあげるよ!あーん」

和「いくらなんでも恥ずかしいから」

律「あ!私も和に食べさせたい!ほら、あーんして!」

澪「わ、わわ私も!あ、あーん」

和「ちょ待って同時は・・・もごもご」

紬「うふふ」

 なんでみんな私に食べさせたがっていたのかよくわかりませんでした。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/14(日) 23:45:39.76 ID:AQ3X0ZGYP
 こうして楽しいお昼休みも終わりに近づき、唯たちは自分のクラスに帰って行きました。
 やっとトイレにいける、そう思って私が教室を出ようとすると澪に話しかけられました。

澪「どこ行くの?もう昼休み終わるよ」

和「ちょっとトイレにね」

澪「何言ってるんだよ?次の時間体育だよ!もう着替えないと間に合わないよ」

和「あ」

 私はとんでもないミスを犯してしまいました。
 そう、この日の5、6時限は体育だったのです。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 00:04:39.18 ID:iMK+B4h8P
 この日の科目はバレーボールでした。この状態で跳んだり転んだりすればかなり危険です。
 極力動かないようにしなけらばなりませんでした。ですがバレーボールは少人数のチームです。
 ボールは無情にも飛んできます。

澪「和!頼む」

和「え、ええ・・・」

澪「あ、落ちちゃった」

和「ごめんなさい」

 私がまともに動けないせいで、私のチームは散々でした。本当に申し訳なく思います。

先生「真鍋さん。今日は動きに切れがありませんね」

 先生、動きに切れが・・・切れじゃなく・・・すいません、上手いこと言えません。


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 00:11:33.20 ID:iMK+B4h8P
 さて、体育は5、6時限と続いているので、休み時間はうやむやになってしまいました。
 6時限目は同じくバレーボール。これを乗り越えればもう放課後です。
 体調が悪いと言って抜けようとも考えましたが、それでは保険室送りになってしまうのでやめました。

澪「和、大丈夫?なんか顔色悪いけど」

和「だ、大丈夫よ」

 便意は、もはや痛みに近くなっていました。そんな時、大変なハプニングが起こってしまったのです。

「あ、危ない!」

 バシイイイイイン!

和「・・・っ!」

 なんと、飛んできたボールが私のお尻に直撃したのです!

和「・・・いっ・・・あ・・・・!」

 ちょっと出たような気がしたけど、考えないことにしました。


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 00:19:29.01 ID:iMK+B4h8P
澪「和!」

和「だ、だいじょう、ぶ、だから!」

 私は確信しました。あと一撃、あと一撃でもお尻に衝撃を受ければゲームオーバーだと。
 その後、チームに迷惑を掛けながらも、ついに6時限目を耐え抜くことができました。

和「やっと、終わった」

 クラスメートたちが一斉に教室に戻っていきます。
 みんな早足でしたが、私はスピードを出すことが出来ないので超スローペースで歩きました。
 澪だけは私の歩きに合わせて一緒にいてくれました。

和「澪・・・先に戻ってくれていいから」

澪「ううん。和と一緒に戻りたいんだ」

和「あ、ありがとう」

 体育館には、私と澪だけです。

澪「ね、ねえ和」

和「なに?」


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 00:26:23.35 ID:iMK+B4h8P
澪「驚かないで・・・聞いてくれる?」

和「うん。それで?」

澪「私・・・和のことが好きなんだ」

 場が静まりました。澪の突然の告白。
 この雰囲気的に、好きというのはどう考えても友達としての意味ではないことはわかりました。

和「・・・そう」

 澪の気持ちは嬉しいけど、なんでこのタイミングなのでしょうか?
 せめてトイレに行った後に告白してくれれば冷静に答えることが出来ただろうに。
 この時の私は思考力が低下していたので、その場で答えを出すのは良くないと判断しました。

和「ちょっと、考えさせてもらっていいかな?」

澪「うん。わかった」

 澪はそう言うと走って行ってしまいました。


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 00:37:42.36 ID:iMK+B4h8P
 どのくらいの時間がたったでしょうか。もう帰りの生徒がちらほら見えます。
 私は徐行運転で歩き続けていました。トイレまではあと少しでした。

憂「和さん。体育だったんですか?」

 憂が現れました。ここまで来ると狙ってるのではないかと疑ってしまいます。
 
憂「あの、今いいですか?」

和「悪いんだけど、ちょっと待ってて」

憂「お時間は取らせません!話を聞いてもらいたいんです!」

 問答無用でした。この子には意外と強引なところがあります。

和「わ、わかったわ。何?」

憂「私、和さんのことが好きなんです!」

和「・・・・・・え?」


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 00:46:06.28 ID:iMK+B4h8P
憂「小さいことから私とお姉ちゃんの面倒を見てくれて、
  すごく頼りになってかっこいい和さんが、ずっとずっと好きでした」

和「ま、待って!」

憂「!?」

和「お願い・・・今は答えられない。考える時間をちょうだい」

憂「わかりました。私、待ってますから」

 憂もどこかに去って行きました。
 まさか私が女の子に2人連続で告白されるなんて、偶然にしても出来すぎています。
 ですが、そんなことを考えている余裕はありません。
 私はすぐにトイレに向かいましたが、どうやら混んでいるようです。
 良く考えたら授業が終わったばかりの放課後。トイレが混みあわないはずがありません。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 00:57:13.13 ID:iMK+B4h8P
 そこで私は考えました。通常の教室付近のトイレはすべて使用不能であると。
 だとすれば、音楽室の近くにあるトイレが現在の位置からもっとも近く、混雑していないトイレです。
 私は進路を変更し音楽室付近のトイレに向かいました。

律「和ー!」

 途中で律と出会いました。2度あることは3度あると言いますが、まさか律はね。
 その時の私はそう思っていました。

律「どこ行くのー?」

和「音楽室の・・・近くのトイレ」

律「お、じゃあ一緒に行こうぜー」

 私と律は2人で音楽室を目指しました。私の歩みが遅いことに関しては律は突っ込みませんでした。

律「ねえ和・・・また書類書き忘れちゃった」

 いきなり律がそんなことを言いましたが、怒る余裕などありませんでした。

和「そう・・・」

律「怒らないの?」

和「ええ・・・」

律「和。私がなんで書類をいつも書き忘れてるか・・・わかる?」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 01:01:43.40 ID:iMK+B4h8P
和「・・・」

律「それはね・・・書類を出さなかったら、和に叱ってもらえるから」

 律にそんな趣味があったとは驚きでした。

律「和・・・私は和が好きなんだ」

 これはもう驚きませんでした。

和「ごめんなさい・・・考えさせてもらえる?」

律「おう。いきなりごめんな」

 気が付くともう音楽室の前でした。律が中に入ろうとすると

唯「和ちゃん!」

 唯が飛び出してきました。


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 01:09:10.93 ID:iMK+B4h8P
和「あ、あのね唯。話があるならトイレに行ってから」

唯「大好き!」

 いきなりかよ。

唯「和ちゃ~ん」

 唯が抱きついてスリスリしてきます。

唯「和ちゃん!私和ちゃんが大好き!だから付き合ってほしいの!」

律「え・・・?」

澪「唯・・・!お前もか!?」

 音楽室の中には澪もいたようです。というか紬と梓もいました。軽音部員勢揃いです。

律「は?お前もってどういう・・・」

憂「もしかして、みなさんも!?」

唯「憂!」

 憂も来てしまいました。


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 01:18:24.00 ID:iMK+B4h8P
 しばらく後。

和「・・・」

律「この場で結論を出してもらうぞ、和」

 私は音楽室、つまり軽音部の部室の中にいました。
 周りには律、唯、澪、憂の私に告白した面々と、紬と梓がいます。
 結局まだトイレには行けてません。もはや痛みは激痛になっています。
 周りに押し流されて告白の返事を今ここで決めることになってしまったのです。
 口もまともに動かなくなり反論できず連れてこられました。

唯「和ちゃん、なんだか青ざめてるけど大丈夫?」

和「あ、と・・・・」

 もうしゃべることすらままなりません。激痛に耐えるのに精いっぱいでした。

澪「和・・・どんな結果になっても、みんなそれを受け入れるから」

憂「はい。覚悟はできてます」

紬「すごいことになってきたわね、うふふふ」

梓「ムギ先輩、うれしそうですね」


66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 01:25:31.65 ID:iMK+B4h8P
 結論を出すにしても、口が動かないのだからどうしようもありません。
 しかも椅子に座ってしまったので、立つのもきつい状態でした。

唯「和ちゃん!」

律「和!」

澪「和・・・」

憂「和さん」

 とにかく立たないと。立ち上がるには誰かの助けが必要です。
 私は考えなしに、右手を一番近かった人物に差し出しました。

梓「え、私?」

 私が右手を差し伸べた先には梓がいました。


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 01:28:28.81 ID:iMK+B4h8P
律「和・・・梓を選ぶのか」

唯「あずにゃん。羨ましいよ」

憂「梓ちゃん、かわいいもんね」

澪「それが和の答えなら」

和「ち、ちが・・・」

 違う。私はただ立ちたいだけだったのに。面倒な勘違いをされてしまいました。

梓「・・・すいません。あなたの気持にはお答えできません」

 その上フラれました。

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 01:32:33.01 ID:iMK+B4h8P
唯「結局みんなふられちゃったね~」

澪「まあ、しょうがないか」

憂「告白できてすっきりしました」

 しかしおかげで話がまとまって私が解放されそうです。
 これは今しかない。そう思って私は全力で立ち上がりました。手伝いなしでも何とかなりました。
 しかし、足はプルプルで、お尻を突き出した変な体制で止まってしまいました。
 これ以上は動けそうにありません。

律「ははは、和~変なポーズするなよーお尻出しちゃって」

唯「和ちゃんおもしろ~い」
 
 好きこのんで変なポーズをしたわけではありません。波が来て動けなくなったんです。


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 01:37:24.57 ID:iMK+B4h8P
律「あー、私も告白してスッキリしたわ。
  和ったらモテモテでうらやましいぞー!この!」

 その時、歴史が動きました。律は、私の突き出したお尻を思いっきり叩いたのです。
 律なりの照れ隠しのコミュニケーションなのでしょうけど・・・。

 スパアアアアアアン!

和「あ・・・」

 あと一撃、あと一撃でゲームオーバー。私はさっきそう言いましたね。
 そう、



 ゲ ー ム オ ー バ ー で す

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 01:49:20.28 ID:iMK+B4h8P
その後の詳しいことは、今回は割愛させていただきます。
私は、私の友人達の前で脱糞しました。このお話は要するに、それだけです。

このお話を通して、私が皆さんに伝えたかったこと、
それは「強く生きる」ということです。

私は、友人たちの前で脱糞するという行為をしてしまいました。
ですが、こうして私は今でも強く生きています。
人は、どんな絶望的な状況に陥っても、強く生き抜くことができるんです。

もちろん、友人たちの支えもありました。みなさんも、お友達を大切にしてください。
そして、友人が最悪な状況になったら、助けてあげてください。

私たちには無限の未来が待っています。
みなさんのこの先の人生で、私の話が少しでも役に立ってくれれば幸いです。

最後に、先生方。今日までありがとうございました。桜高の思い出は一生忘れません。

これで、私のスピーチを終えたいと思います。長々と聞いてくださり、ありがとうございました。

卒業生代表、真鍋和。




おわり


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/15(月) 01:57:28.89 ID:iMK+B4h8P
こんな糞スレを読んでくれた人ありがとうございました

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